財務諸表

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提出書類、表紙有価証券報告書
提出日、表紙2024-06-25
英訳名、表紙Institution for a Global Society Corporation
代表者の役職氏名、表紙代表取締役会長CEO  福原 正大
本店の所在の場所、表紙東京都渋谷区恵比寿南一丁目11番2号
電話番号、本店の所在の場所、表紙03-6447-7151(代表)
様式、DEI第三号様式
会計基準、DEIJapan GAAP
連結決算の有無、DEItrue
当会計期間の種類、DEIFY

corp

沿革 2【沿革】
 当社は、教育事業を主たる事業目的として2010年に創業いたしました。企業パーパスは、「分断なき持続可能な社会を実現する手段を提供する」です。ビジョンとして、「人を幸せにする評価と教育で、幸せを作る人、をつくる。」を掲げ、テクノロジーを応用した教育とHRサービス、あわせて個人が情報を主体的かつ安全に利活用できるプラットフォームビジネスを学校法人、企業、自治体などのコミュニティに対して展開し、新しい個人の成長を支援するSociety5.0(*:以下、「*」を付している用語に関しましては後掲の「用語集」をご参照ください。)時代の産業基盤となるサービスを提供しています。設立以降の当社に係る経緯は以下のとおりであります。年月概要2010年5月東京都渋谷区神山町に、教育事業を主たる事業目的としてInstitution for a Global Society株式会社(資本金50,000千円)を設立2014年4月オンライン学習ツール「e-Spire」の提供を開始2014年11月スクール事業を行う100%子会社として東京都渋谷区渋谷に株式会社igsZを設立2015年1月株式会社Z会が株式会社igsZの株式の70%を取得2016年2月適正検査システム「GROW」の提供を開始2016年8月HR事業を行う100%子会社としてベトナム国ホーチミン市にInstitution for a Global Society Asia Company Limitedを設立2017年10月AI適正検査システム「GROW360」の提供を開始2018年3月株式会社igsZの保有株式を全て売却2018年8月本社を東京都渋谷区広尾に移転2019年4月学校・教育機関向けAI評価システム「Ai GROW」の提供を開始2020年1月Institution for a Global Society Asia Company Limitedを清算結了2020年8月学校・教育機関向け動画コンテンツ「GROW Academy」の提供を開始2020年12月本社を東京都渋谷区恵比寿南に移転2021年1月企業向けDX推進支援サービス「DxGROW」の提供を開始2021年12月東京証券取引所マザーズに株式を上場2022年4月東京証券取引所の市場区分の見直しにより、東京証券取引所マザーズからグロース市場に移行2022年9月「人的資本理論の実証化研究会」を発足2023年2月デジタル人材育成・採用一体型の新サービス実現のための「ONGAESHIプロジェクト」に参画2023年4月暗号資産関連事業を行う100%子会社として英国ヴァージン諸島にONGAESHI Corporationを設立2023年9月株式会社JTBと共同開発した教育効果システム「J’s GROW」の提供を開始2023年10月リスキリング・転職一体型サービス「ONGAESHIプロジェクト」に係るアプリをリリース2024年1月三井住友信託銀行株式会社との業務提携を締結、人的資本ソリューションの提供を開始
事業の内容 3【事業の内容】
 当社は、「分断なき持続可能な社会を実現するための手段を提供する」ことを企業パーパスとし、SDGsで掲げられる17の目標のうち特に、「4. 質の高い教育をみんなに」、「5. ジェンダー平等を実現しよう」、「8. 働きがいも経済成長も」、「10. 人や国の不平等をなくそう」を優先課題として、事業に取り組んでいます。 ビジョンとして、「人を幸せにする評価と教育で、幸せを作る人、をつくる。」を掲げ、個人が持つ多面的な能力を科学的に評価するシステム、評価データにもとづき成長を支援する教育コンテンツ、そして個人がデータを安全かつ主体的に活用するためのプラットフォームを学校法人、企業、自治体などのコミュニティに対して展開しています。当社サービスは、個人と組織のエンパワーメント(*)を支援し、Society5.0時代の産業基盤となるものと考えております。 変化の著しい昨今の社会情勢においては、学歴という単一の軸だけに頼った人材評価・育成は困難であるとの課題認識のもと、2010年にグローバルに活躍できる人材の育成を目的とした教育事業(塾の企画運営)で創業しました。その後、教育の変革には、人材評価を根本から変えることが必要との想いから、テクノロジーの活用によって多面的な能力を公平に評価する「GROW」を2016年に開発し、2017年以降AI搭載エンジンにより社員や採用候補者の気質(*)・コンピテンシー(*)・スキルを科学的に測定して能力を可視化する「GROW360」を企業の人事領域に拡大して参りました。幅広い業種の多階層(職種×職位)における人材の評価データが蓄積されたことから、採用など人事の一領域に限らず戦略的人事(*)分野での応用を進め、2019年には教育現場に向けて同様の人材評価システム「Ai GROW」の提供を開始しました。さらに2020年以降、今後ESGが進展し、持続的社会の実現に向けて、企業とステークホルダーの関係が変化し、個人が自ら情報を管理・利活用する方向に変化を遂げる中で、当社サービスがそのインフラとなることを目指して、慶應義塾大学経済学部附属経済研究所FinTEKセンターと共同で、個人が主体的かつ安全に自分自身のデータの利活用ができることを目的にブロックチェーン(*)技術を応用したプラットフォームの実証(2023年3月までの3年間)を実施しました。そして2023年10月より、その成果や知見を発展させた無償の学びと転職支援を一体化したサービス「ONGAESHIプロジェクト」を開始しました。 当社基幹システム「GROW」は、回答者自身の気質(性格)を潜在的な認知バイアス(*)を除去して正確に測る技術(特許取得)や、他者による評価を補正し忖度などの評価におけるバイアスを除去するためのAIアルゴリズム(特許取得)に強みがあり、公平で一貫した評価を行えることから、ハーバード・ビジネス・スクールのPeople Analytics(*)に関する代表ケースとしても取り上げられています(2017年8月25日「GROW: Using Artificial Intelligence to Screen Human Intelligence」)。また、ケンブリッジ大学や慶應義塾大学などとの共同研究をベースにして産官学連携でサービス開発に取り組んでおり、国内の大手企業や先進的な取り組みを行う学校法人のみならず、国際機関や海外の政府機関などでの導入実績があります。 当社グループの主なサービスと、各事業の内容は以下のとおりです。また、次の各事業は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 (セグメント情報等)」に掲げるセグメントの区分と同一であります。 (1)HR事業 HR事業では、企業の人材採用・育成・配置・組織開発を、人材評価システム、オンライン教材、コンサルティング、研修など、多岐にわたるサービスを組み合わせて支援しています。特に、AIによってバイアスを補正した人材評価データを取得、分析し、データに基づく人事を可能にする点に強みを持っています。 2023年6月発出の『経済財政運営と改革の基本方針2023(仮称)』の原案において、三位一体の労働市場改革の方針の中で、「リ・スキリングによる能力向上支援」、「個々の企業の実態に応じた職務給の導入」、「成長分野への労働移動の円滑化」の施策が定められており、当社がソリューションを提供している人事評価・育成市場の環境は引き続き良好で、拡大を見込んでおります。また、人的資本に関する文脈では、2022年6月公表の金融審議会ディスクロージャーワーキング・グループ報告において、有価証券報告書及び有価証券届出書の記載事項の改正内容に「人的資本、多様性に関する開示」が取り入れられ、企業は2023年3月期決算から対応が義務付けられることになりました。これにより、今後もますます人材評価データの蓄積と活用シーンは拡大が続くと見込んでおります。 2017年のGROW360開発後は、主に新卒採用で企業の人事部を中心に展開をしてまいりました。2019年以降は大企業の事業戦略に直結するサービス(組織開発・人的資本経営支援)も提供するようになり、人事部のみならず経営企画部、財務・IR部門との連携も進んでいます。2023年度当事業の実績では、総顧客数は79社(前年同期は62社)と大幅に増加し、顧客数は過去最多となりました。なお、主要なサービスは以下のとおりです。 ① GROW360 「GROW360」は、スマートフォンを用いて受検する人材評価システム(サービス)です。被評価者自身の自己評価に加えて、他者による360度コンピテンシー評価も行います。評価に費やした時間、評価の偏りなどをもとに、AIアルゴリズム(特許取得)が評価データのバイアスを是正するほか、IAT(Implicit Association Test*。特許取得)を用いて本人の潜在的な性格をBIG5(*)による気質診断に基づき判定する人材分析システムであり、採用、人材育成、配置など企業の組織開発全般で活用されています。バイアス補正による公平で一貫した人材評価を、システムを通じて実施することで、1回1人あたり受検費用4,000円以下で提供しています。これにより、従来は特定の階層に限定して行われてきた360度評価を、大企業の全社員対象でも実施し、データ化を進めることが可能です。また、ダイバーシティ&インクルージョン(多様な人材を積極的に受容し、組織づくりに生かす取り組み)推進において無意識のバイアスが障壁となっているとの認識が社会で広く共有される中で、評価バイアスを補正したうえで精緻に気質・行動特性を評価できる点で顧客企業のニーズを捉え、導入が増えています。「GROW360」のユーザー(登録アカウント)数は83.8万人、累計他者評価件数(25項目のコンピテンシーを84問で評価。1人の被評価者に対し最低3人が他者評価を実施)は7,400万件(2024年3月末時点)となっています。 さらに、三井住友信託銀行との業務提携により、同社の取引先企業に対して、GROW360による能力の可視化・分析サービスの提供を開始致し、新たな顧客基盤の開拓を推進しています。 ② 人的資本理論の実証化研究会 人的資本理論の実証化研究会(Human Capital and Corporate Value)は、2023年3月期決算から義務化される「人的資本の情報開示」に向けて、「そもそも人的資本が企業価値にどれだけ寄与するものか(人的資本の投資対効果)」を明らかにすることで、経営者へデータに基づいた人材施策の投資判断を促し、かつ投資家への戦略的な情報開示を実現するために発足しました。「人的資本」の概念を提唱したノーベル経済学者のゲーリー・ベッカー教授の理論の元、本研究会では人的資本を「能力」と捉えています。 これまで人材能力は測定・定量化が難しく、日本では人的資本の投資対効果の研究はあまり進んでいませんでしたが、本研究会では、当社の360度人材評価システム「GROW360」を活用し、社員の多様な能力を測定し、一橋大学 小野教授の人的資本理論に基づきながら、人材能力データ・財務データ等を含めた企業の実データを分析し、研究を進めています。なお、2024年3月期は33社が参画しています。 (2)教育事業 教育事業では、学校や教育機関向けに、生徒の能力と教育効果をAIで可視化する評価システム「Ai GROW」、Society5.0時代を切り拓く基礎となる非認知能力などを育むSTEAM教育(*)動画コンテンツ「GROW Academy」、新学習指導要領下で重視される探究型学習の効果を網羅的に評価する「探究力測定パッケージ」、AIを搭載したオンライン英語学習ツール「e-Spire」を利用したサービスの提供を行い、日本の次世代を担う人材育成支援を行っています。GROW Academyは、2023年度の経済産業省の「探究的な学び支援補助金(*)」対象サービスとして採択されました。 文部科学省が実現を目指すGIGAスクール構想(*)によって、公教育現場におけるICT(情報通信技術)環境が急速に整備され、タブレットで受検を行うAi GROWや、オンライン学習教材であるGROW Academyの活用シーンも大幅に拡大しました。また、教育現場での働き方改革という課題に対しても、日々相互評価でデータ蓄積するAi GROWにより、期末ごとの生徒の定性評価が自動生成され教員負担が大幅に低減されることから、採用が拡大しております(2024年3月末時点で、私立中高一貫、国公立中高、通信制高校、塾、小学校などを含めて240校超がAi GROWを有償導入)。 従来からの学校法人への直接のサービス提供に加えて、2020年以降は自治体や教育委員会などへのサービス提供も本格化しています。2024年3月期における当事業の実績では、顧客数(注)は370校(前年同期は335校)となり、顧客基盤が拡大しました。なお、主要なサービスは以下のとおりです。 ① Ai GROW GROW360と蓄積された人材評価をベースに、学校・教育機関向けに開発したシステムです。360度コンピテンシー評価と気質診断により、生徒・学生の能力と可能性に加え、さまざまな教育活動の教育効果を可視化することができます。カリキュラム・デザインやクラス・マネジメント、就職までを見据えた進路指導等、多面的な活用が可能です。GROW360と共通尺度で評価を行うことで、子どもから大人まで一貫した評価軸を実現しています。1年間いつでも利用可能なサブスクリプションモデルとして提供しており、Ai GROWのこれまでのユーザー(登録アカウント)数は24.1万人、累計他者評価件数は5,900万件(2024年3月末時点)となっています。2024年の文部科学省「学校教育総括」によると、当社が主なターゲットとしている全国の小学校4年生から高校生の生徒数は950万人となります。 さらに、AiGROWに株式会社JTBの知見を搭載した、学校行事や探究における教育活動の効果を測定するシステム「J’s GROW」の販売も開始し、新たな顧客基盤の開拓を推進しています。 ② GROW Academy 生徒のコンピテンシーを伸ばすための動画コンテンツと学習指導案、ワークシートを、生徒の人数に関わらず、学校単位で提供しています。生徒のコンピテンシーを伸ばすためのフレームワークを、学校生活を舞台に設定したアニメ形式の動画で分かりやすい事例を交えて習得することができます。カリキュラムや生徒の習熟度に応じて自由に組み合わせて利用でき、指導案も完備しています。Ai GROWとの併用により、新学習指導要領でも求められているコンピテンシー・ベースの教育を実現できるコンテンツ構成です。 ③ 探究力測定パッケージ 探究型学習の教育効果を可視化するための評価「探究力測定」、地域活性化×最先端テクノロジーをベースにした探究学習プログラム「社会実装シミュレーション型プログラム」、探究レポートの「探究Navigator」をパッケージあるいは単体のサービスとしてスポット型で提供しています。Ai GROWとの併用により、新学習指導要領でも求められている探究型学習の成果を総合的に評価・教育することができます。 ④ e-Spire TOEFL®テストの構造に沿って設計されたオンライン英語学習プラットフォームです。VOCABULARY、READING、LISTENING、WRITING(AIによる自動判定付き)の4つのユニットで構成されています。各ユニットには単語や表現を限定した入門・初級レベルから英語の母語話者に近い上級レベルまで幅広い難易度の問題を用意しています。生徒は各自の英語力や学習ペースに合わせて、豊富な演習問題とトレーニングに自由に取り組むことができます。 (注)上記の顧客数は、サービス別で有償利用校数をカウントし、合算した延べ数(自治体案件なども学校ごとに個別カウント)。 (3)プラットフォーム/Web3事業 ビットコインのETFが米国SECで承認されるなど事業環境が急速に改善する中、同事業を世界で大きく広げることに向けた中長期的な戦略に基づき、2023年4月に暗号資産関連事業を行うことを目的に100%子会社であるONGAESHI Corporationを設立し、10月には「STARプロジェクト」(*)の後継として人材育成・採用一体型の新サービス「ONGAESHIプロジェクト」をローンチしました。当社はDAO(*)構築に向けて主にサービス開発・運営を担う形で参画しています。さらに、第4四半期連結会計期間には、ONGAESHIプロジェクトの海外展開を見据えて設立されたシンガポール法人BOUNDLESSEDU PTE.LTDへの出資を行い、同社へのシステム売却を実施しました。今後当社はONGAESHIシステム利用料を支払う形で日本でのビジネスを展開していきます。特に注力しているのは、深刻な人手不足が生じている業界や職種の育成です。これにおいては、人材の受け入れを希望する企業と協力し、人材育成を推進するモデルを展開しています。また、地方自治体の専門人材不足を解消するための育成モデルにも取り組んでいます。さらに、当社のWeb3技術やノウハウを活かし、新規事業立ち上げを支援するサービスの提供も予定しています。 <事業系統図> 当社の事業系統図は、以下のとおりであります。既存のHR・教育の2事業においては、企業や学校が直接の顧客となり、その社員や生徒がユーザーとなるビジネスモデルです。 用語集用語用語の定義Society 5.0サイバー空間(仮想空間)とフィジカル空間(現実空間)を高度に融合させたシステムにより、経済発展と社会的課題の解決を両立する、人間中心の社会(Society)のこと。第5期科学技術基本計画(2016年度~2020年度)において、我が国が目指すべき未来社会の姿として初めて提唱された(出所:内閣府)。エンパワーメント個人や組織が本来持っている潜在能力を引き出し、発揮させること。「権限委譲」や「能力開花」と訳される。社員に自発的な行動や判断を促し、本来持っている能力を発揮させることで、意思決定の迅速化や組織力の向上などが期待できます。気質パーソナリティー。本人も認識できない生まれ持った潜在的な性格のこと。当社では、IAT(潜在連合テスト)技術を活用し、時間差・指の軌跡・間違いの回数などを基に、BIG5と呼ばれる最も代表的なパーソナリティ理論に基づいて気質診断を行います。コンピテンシー思考力や判断力、創造力や表現力など個人の行動特性のこと。一般的に経験によって上がっていき、開発が可能な能力のことを指します。当社では、東京大学中原淳研究室(当時)と共同開発したコンピテンシーフレームワーク&モデルをもとに、最低3人からの360度評価に基づいて、25項目(認知・自己・他者・コミュニティの4領域)を測定します。戦略的人事労務管理、給与計算などの管理やオペレーション業務だけでなく、自社の経営戦略の実現に向けて、人的マネジメントを行っていくこと(出所:HRプロ)。ブロックチェーン(BC)インターネット上に構築された価値交換のための基盤技術のこと。通貨や不動産、株式やライセンスなどの価値(資産)をインターネット上で特定の管理者を介することなく安全かつ安価に取引できるようにする仕組み。認知バイアス不合理な判断に繋がる、先入観や直感、願望などによる思考の偏りのこと。当社では、IAT技術の活用により、気質以外にも幅広い対立概念に対する認知バイアスの測定が可能で、実際にデジタル-リアルへの親和性などを測定するサービスを提供しています。People Analytics人事に関する情報や数字を収集、分析し、客観的なデータを用いて、採用や教育、評価など一連の人事業務の意思決定に活用すること(出所:HRプロ)。DXデジタルトランスフォーメーション(DX)は、企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること(出所:経済産業省「DX推進指標」)。IATImplicit Association Test(IAT、潜在連合テスト)は、社会心理学の分野において心的表象と対象物及び対象概念との潜在的な関連の強さを測る手法として、アンソニー・グリーンワルド、デビー・マギー、ジョーダン・シュワルツによって1998年に開発されました。偏見、固定観念、差別を見極めるための手法として、被検者の自己分析よりも信頼性の高い指標と考えられています。BIG5人間の性格を、5つの因子を用いて説明するパーソナリティ特性の分類法のこと。解放性(O)・誠実性(C)・外向性(E)・協調性(A)・神経症傾向(N)の5つの因子から、OCEANモデルとしても知られています。パーソナリティの対立軸に優劣はありませんが、傾向が強く出過ぎた時のリスクや、自身の気質から生じやすい行動特性を理解することが大切とされます。イノベーションスコアGROW360で定義している25項目のコンピテンシーのうち、特にゼロから1を生み出す(イノベーション)上で重要な6つのコンピテンシー(個人的実行力、外交性、課題設定、共感・傾聴力、創造性、地球市民)をもとに、イノベーションスコアを算出しています。LMSLearning Management System(LMS)は、eラーニングの実施に必要な学習管理システムのこと。STEAM教育S(Science科学)、T(Technology技術)、E(Engineering工学)、A(Art芸術)、M(Mathematics数学)の頭文字を組み合わせた造語で、各教科での学習を実社会での課題解決に生かしていくための教科横断的な教育を指します。探究的な学び支援補助金学校等教育機関における探究学習や情報活用能力育成の高度化を推進すべく、探究学習や情報活用能力育成に資するサービスを提供する事業者に対し、事業費等に要する経費の一部を補助することにより、学校等設置者等と探究学習提供事業者の協力によるよりよい学校環境づくりを後押しすることを目的として、経済産業省が実施する事業。GIGAスクール構想児童生徒1人1台端末の整備及び校内通信ネットワークの整備によって、多様な子供たちを誰一人取り残すことのない、公正に個別最適化された学びを全国の学校現場で持続的に実現させるために、文部科学省が2019年12月に発表した取り組み。DAODecentralized Autonomous Organization(DAO、分散型自律組織)は、特定の所有者や管理者なしに、意思決定・事業推進ができるよう設計された組織のこと。ブロックチェーン上のプログラムであるスマートコントラクトを活用し、参加者が行う意思決定のための投票(ガバナンストークンを利用)の結果や、運営ルールなどを記録する。記録された情報は、誰でも閲覧可能かつ改ざんが困難で、透明性が高いことが特徴。STARプロジェクトブロックチェーン技術を用いて個人が主体的かつ安全に自らの情報をコントロールするシステム(BCシステム)を構築し、慶應義塾大学経済学部附属経済研究所FinTEKセンターと共同で、学校、企業、自治体などでの個人情報の利活用を広げ、AIを活用することで教育・キャリア形成・人材育成支援を強化する実証事業。12団体の参画、8,671名の登録者、参画企業への採用選考参加400名を持って、2023年3月に無事に3か年の実証が完了いたしました。
関係会社の状況 4【関係会社の状況】
名称住所資本金(千円)主要な事業の内容議決権の所有割合又は被所有割合(%)関係内容(連結子会社) ONGAESHI CorporationBritish Virgin Islands50,000プラットフォーム/Web3事業100管理業務の業務受託経費の立替(注)1.「主要な事業の内容」欄には、セグメントの名称を記載しております。2.特定子会社に該当しております。3.上記のほか、持分法非適用関連会社1社があります。
従業員の状況 5【従業員の状況】
(1)連結会社の状況 2024年3月31日現在セグメントの名称従業員数(名)全社54(4)(注)1.従業員数は就業人員であり、臨時雇用者数(パートタイマー)は、年間の平均人員を(外書き)で記載しております。2.複数のセグメントにまたがって従事する従業員がいることから、セグメント別の記載を省略しております。 (2)提出会社の状況 2024年3月31日現在従業員数(名)平均年齢(歳)平均勤続年数(年)平均年間給与(千円)54(4)38.52.86,168 (注)1.従業員数は就業人員であり、臨時雇用者数(パートタイマー)は、年間の平均人員を(外書き)で記載しております。2.複数のセグメントにまたがって従事する従業員がいることから、セグメント別の記載を省略しております。3.平均年間給与は、基準外賃金を含んでおります。4.従業員数が当期中において3名増加しましたのは、主として業容拡大に伴う期中採用によるものであります。 (3)労働組合の状況 当社グループにおいて労働組合は結成されておりませんが、労使関係は円満に推移しております。 (4)管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異① 提出会社当事業年度管理職に占める女性労働者の割合(%)(注)1.男性労働者の育児休業取得率(%)(注)2.労働者の男女の賃金の差異(%)(注)3.正規雇用労働者42.9-90.1 (注)1.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。2.当社は、「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)及び「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定による公表義務の対象ではないため、記載を省略しております。3.当社は、「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定による公表義務の対象ではないため、正規雇用労働者のみ算出しております。 ② 連結子会社「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)及び「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定による公表義務の対象ではないため、記載を省略しております。
経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】
 当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。(1)会社の経営の基本方針と経営環境 Society5.0時代に入る中、2020年以降、新型コロナウイルスによる感染症の影響もあり、デジタル化のスピードが急加速しています。当社グループが主に企業向けに事業を展開するHR-tech関連市場においては、人的資本情報開示、企業のDX推進、テレワークの浸透、従業員データの倫理的活用、雇用主・組織の透明性、生成AIをはじめとする新しい技術の導入など様々な変化が短期間で進んでおり、バイアスを排除した個人の能力評価データの活用範囲や、データを軸とした組織開発・人的資本経営支援の裾野は一層拡大していると認識しています。また教育現場向けに事業を展開するEd-tech関連市場においては、文部科学省主管のGIGAスクール構想によって教育のオンライン化に向けた環境整備が前倒しで進み、生徒の資質・能力(コンピテンシー)に基づいて再整理された新学習指導要領が2022年度の高校での実施を以て全ての学校種別に展開され、学力以外の評価による大学入学選抜の増加などもあり、生徒の非認知能力の評価・育成のためのサービスの必要性が急速に高まったと考えております。 よりマクロな視点では、資本主義が構造的に抱える貧富の格差拡大、人的資本アップデートや労働市場改革の遅れなどの問題が深刻化し、急増する社会課題をDXで解決し、イノベーションを成し遂げる「人」への需要が急拡大しています。日本では、2023年3月期より、有価証券報告書での人的資本開示が義務付けられることになり、今後も企業による人的資本に関する投資や情報開示が、さらに加速することが予想されます。 時代の変化に対応するための人材供給が不足している背景には、学校教育と企業の人材育成が分断されていることに起因する能力のミスマッチがボトルネックとして存在していると考えます。戦後の日本は「モノ」を中心とした経済成長を目指し、欧米を模範とした画一的教育や企業内でのみ通用する人材育成をもとに急成長を遂げ、結果として教育と企業などでの人材育成が分断されました。しかし成長後、欧米という目指すべき答えがなくなり、自ら世界の価値基準を構築する必要性とデジタル化の急速な拡大により、持続可能な社会を構築する人材を育成するために、個人に焦点をあて、その生涯にわたる学習と成長を促進・支援する仕組みが必要になっています。 また、人材評価に関するデータ蓄積が不十分であり、かつAIの活用も緩やかであったことも、「人の生涯成長」支援が遅れていた理由です。日本はこれまで、知識やスキル、結果としての学歴に重きをおいてきました。そのため、人の一面的な能力データが断片的に存在するのみで、共感力や影響力行使などの対人関係性やコミュニティ形成力といった非認知能力も含めた多様な能力データが生涯にわたって蓄積されてきませんでした。結果として、AIによる解析も不十分となり、エビデンスベースの教育や人材政策がなされず、部分最適な教育と人材育成にとどまったのです。 日本は従来、自然を敬い、地域コミュニティや人的資本の成長に価値を置く素晴らしい文化を持ちます。この普遍的な価値を有する世界に誇る日本の文化に立ち返り、Society5.0時代の変化に対応することが改めて求められており、持続的な社会を目指す「人的資本の成長~人の生涯成長~」に焦点をあてた新産業が創出される環境が整いはじめたことが、企業、学校法人、自治体、政府とまさに産官学連携で当社グループが事業を拡大してきた背景にあります。当社グループは、SDGsで掲げられる17の目標のうち特に、「4. 質の高い教育をみんなに」、「5. ジェンダー平等を実現しよう」、「8. 働きがいも経済成長も」、「10. 人や国の不平等をなくそう」の達成に寄与することを目指しています。 「人を幸せにする評価と教育で、幸せを作る人、をつくる。」のビジョンの下、当社グループは個人の成長を支援し、新産業の根幹を構成するプラットフォームを提供しています。GROW360やAi GROWに代表される人の多面的能力データの常時取得により、小学生から企業役員に至るまでシームレスに能力成長を評価し、個別化された教育や人材研修、人的資本経営支援、また企業間での人材紹介まで、持続可能な社会に向けたコミュニティ構築のための幅広いサービス提供が可能です。 当社グループではすでに、Society5.0時代の社会課題の解決を支援する評価・教育モデルをもち、107万人を超えるユーザーの累計利用実績(2024年3月末時点)を持ちます。個々人の能力データ構築とAIの支援による人材育成・教育において、経済産業省の「未来の教室」など国・自治体の事業、多くの大手企業の導入実績があるデータ・コンサルティング事業、240を超える小中高校から利用者数に応じて報酬を得るサブスクリプション型のビジネスモデルを成立させています(2024年3月末時点)。また、GAFAに代表されるプラットフォーマーがデータを独占する形ではなく、個人が主体となってデータを制御する新しいプラットフォームサービスを構築し、慶應義塾大学に加え大手企業やスーパーシティに名乗りを上げる自治体など12団体の参画による3年間の実証事業(2020年度開始)を完了し、2024年3月期より、その成果や知見を発展させた無償の学びと転職支援を一体化したサービス「ONGAESHIプロジェクト」を開始しました。 最後に、パートナー企業とともに海外でのビジネス再開も目指しています。すでにアブダビ政府やアジア開発銀行、そして世界的なグローバル企業との取引実績や、ハーバード・ビジネス・スクールのケース教材に取り上げられた実績があり、海外での知名度もあります。当社グループの人材評価サービスから得られる非認知能力に関するデータを用いれば、日本の教育関連企業の海外進出をエビデンスでサポートすることも可能です。国際機関、企業、アカデミアなどとの実証領域の順次拡大を積み重ね、特にアジア・中東等への顧客網の拡大を目指してまいります。 (2)目標とする経営指標 当社グループは、持続的な成長と企業価値の向上を目指す中で、売上高成長率及び営業利益率を重視しており、具体的には、売上高成長率30%台、営業利益率25%以上を経営目標として掲げております。 (3)中長期的な会社の経営戦略 分断なき持続的社会の実現に向けて、最新テクノロジーと蓄積された107万人を超える登録者の評価・教育データを利用し、幼少期から成人期までシームレスに多面的な能力評価・育成支援、企業から教育現場への資金を流すための土壌が生まれています。テクノロジーと評価・教育データを駆使したシステムにより「成長した人」は、Society5.0時代の持続的社会の実現に向けてコミュニティを形成し、さらに同様のコミュニティ同士が結合することで、持続可能な社会を構築することが期待されます。 当社グループは「人を幸せにする評価・教育で、幸せを作る人、をつくる。」というビジョンの下、このシームレスな人の成長を支援し、新産業の根幹を構成しうるプラットフォームの提供を行ってまいります。 GROW360やAi GROWに代表される人の多面的能力データの常時取得に加え、ブロックチェーンのトレーサビリティ機能を利用し個人が自らの情報を主体的に安全にコントロールできるようにし、トークンを媒介とした個人の成長データ流通をもとに、持続可能な社会に向けて適切にインセンティブ設計が行える社会の実現を目指してまいります。 また、AIを活用した能力評価と教育エンジンを搭載し、かつ個人が主体的に安全に情報をコントロールするプラットフォームの提供を通じて、幼少期から社会人までシームレスに能力成長を評価し、AIで個別化された教育や人材研修・配置、また企業間での人材紹介まで、持続可能な社会に向けたコミュニティの構築に努めてまいります。 (4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題 当社では、社会基盤たるプラットフォーマーへの変容を実現するために取り組むべき課題を下記のとおり認識しております。これら経営課題を克服するためにも、社会的信用度・知名度の向上、内部管理体制の整備・充実による経営管理体制の充実・強化等が重要と考えております。① 優秀な人材の確保・育成 当社グループが、今後更なる業容拡大に対応するためには、継続して優秀な人材の確保・育成が重要な課題となります。この課題に対応するため、当社グループ全体の事業戦略の視点から必要な人材を確保し、最適な人材ポートフォリオを実現します。人材ギャップ解消のための採用・育成戦略を立案するとともに、処遇改善や成長領域に対応した人材の重点的な強化を行います。さらに、European Skills, Competences, Qualifications and Occupations(ESCO)を基にしたスキルマップを作成し、必要なスキルセットを明確にすることで、効率的な人材育成や採用を推進します。加えて、リモートワークの導入、福利厚生制度の充実等により、優秀な人材の定着を図ります。 ② 組織体制の強化 当社は小規模な組織であり、内部管理や業務執行についてもそれに応じた体制となっております。今後の業容拡大及び業務内容の多様化に対応するため、内部管理体制や業務執行体制の一層の充実を図り、コーポレート・ガバナンスの体制強化に取り組んでまいります。 ③ 積極的なサービス開発 当社は、評価・教育という軸で多面的に個々人の成長をサポートすることを生業としております。環境変化の激しいSociety5.0時代において人材育成を支援するには、常に新しいサービスを開発し、市場に提供する必要があります。そのために、既存サービスのアップデートに加え、時機を捉えた新サービス開発に努めてまいります。 ④ テクノロジーの強化 当社の事業領域であるインターネット及びAI関連市場につきましては、技術革新のスピードが極めて速いという特徴があり、競争力のあるサービスを提供するためには、その新技術に速やかに対応していく必要があります。高度な技術を持つエンジニア、データサイエンティスト等の人材の確保、先端技術への投資・モニタリング等を通じて、テクノロジーの強化に取り組んでまいります。 ⑤ 財務基盤の強化 当社は、継続的かつ安定的な事業の拡大を図る上では、手許資金の流動性確保や金融機関との良好な取引関係が重要であると考えております。このため、一定の内部留保の確保や費用対効果の検討による各種コストの見直しを継続的に行うことで、財務基盤の強化を図ってまいります。 ⑥ 海外展開 当社グループは、国際機関やグローバル企業と連携し、グローバルサウス諸国を中心に実証的な取り組みをスタートさせています。今後は、徹底的な市場調査を通じて現地市場の特性を理解し、競合他社の動向を把握するとともに現地の信頼できるパートナーとの関係構築を図り、適切な市場参入戦略を策定します。また、スキルマップを活用し、グローバルな視点を持つ優秀な人材の確保と育成を推進します。さらに、製品やサービスのローカライズと各国の法規制遵守を徹底し、現地市場に適したサービスの提供体制を整えます。
サステナビリティに関する考え方及び取組 2【サステナビリティに関する考え方及び取組】
 当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (1)サステナビリティ全般に関するガバナンス及びリスク管理 当社グループは、企業価値を最大化する重要な要件として、社内外のサステナビリティ推進に積極的に取り組んでいます。 「分断なき持続可能な社会を実現するための手段を提供する」ことを企業パーパスとし、SDGsで掲げられる17の目標のうち特に、「4. 質の高い教育をみんなに」、「5. ジェンダー平等を実現しよう」、「8. 働きがいも経済成長も」、「10. 人や国の不平等をなくそう」を優先課題としています。 サステナビリティに係る方針や戦略の検討、立案については、取締役、執行役員及び代表取締役会長が指名した者をもって構成する経営会議及び執行会議にて行っております。執行会議には各部門の責任者が出席しており、各部門が連携し、サステナビリティへの取り組みを推進しております。また、重要な案件については取締役会で審議を行い、適切な意思決定と監督を行うことで、実効性を確保しております。 当社は、「リスク管理規程」を設定し、その全社的な推進や情報の共有化等を検討する体制の強化を図っております。また、代表取締役会長を委員長とするリスク管理・コンプライアンス委員会を設置しています。原則として四半期に開催し、リスクの評価、対策等、サステナビリティを含めた広範なリスク管理に関する協議を行い、具体的な対応策を検討しております。 (2)重要なサステナビリティ項目 上記、ガバナンス及びリスク管理を通して認識された当社グループにおける重要なサステナビリティ項目は、事業にも密接にかかわる人的資本であると認識しています。人的資本に係る当社グループの戦略、指標及び目標は、次のとおりです。① 戦略 当社グループは、Beyond Education Company「評価×教育×金融で世界中に教育を届ける」をコンセプトに、国際機関等と連携し、グローバルサウスと日本を繋ぐ評価×教育×金融の持続可能な次世代人財育成基盤を作る事業を、当社グループの3事業の連携により推進していきます。 市場拡大(グローバルサウス展開の実現・プラットフォーム/Web3事業におけるビジネスモデル拡張)、顧客基盤の拡充(クロスセリングとアップセリング戦略・パートナーシップと連携)、技術革新(DIDによる教育や職歴履歴の活用)を軸とした成長戦略を通じて、経営目標である売上収益成長率30%台、平均営業利益率25%以上の持続的な成長を実現していくためには多様かつ優秀な人財が不可欠です。人的資本の最大化を最優先課題とし、従業員一人ひとりの成長を支援することで、持続可能な社会の実現に貢献していきます。 <人的資本戦略> 当社グループは、優秀な人財の採用と育成を戦略的な投資と位置づけています。当社グループの事業は、社会全体の人的資本の成長に貢献するシステム構築を目指しており、全社一丸となって取り組んでいます。 具体的には、企業価値への貢献を「人的資本(能力)」と「人的資本の発揮度(環境)」の掛け合わせと捉え、効果的な人財戦略を推進しています。これはベッカー教授の人的資本理論に基づき、一橋大学大学院の研究会が提唱するモデルです。企業戦略に基づき、スキルの習得と活用を含む人的資本(能力)を定義し、ROIを意識した投資を行うことで企業価値の最大化を図っています。また、人的資本を効果的に発揮するための環境整備とリスク管理にも力を入れています。 ■ 人的資本と企業価値のフレームワーク [人的資本(能力)への投資] 既存の従業員には、継続的なスキルアップとキャリア開発のため積極的な投資をしています。昨年度、学び支援制度として従業員に投資したトレーニング費用は前年比で4.7倍に増加し、従業員一人あたりの平均研修時間も53%増えました。これにより、従業員が最大限の能力を発揮できる環境を整え、長期的な企業価値の向上を目指しています。 戦略に沿った採用に関しては、昨年度は開発職とビジネス職で多くの新規採用を行い、必要採用数に対して100%達成、採用人数は前年度採用数に比較して15%増加しています。多様性と専門性を兼ね備えた人財の採用により、組織の競争力を高め、持続可能な成長を実現しています。[人的資本の発揮度(環境)への投資] また、ダイバーシティの推進も重視しています。現在、女性管理職の比率は42.9%と高水準を維持しており、さらに引き上げる計画です。持続的な成長のため、従業員の成長意識の向上や幸福度、目標に向けたコミットメントの向上にも積極的に取り組んでいます。 a.人的資本(能力)の最大化に向けた取り組み 当社グループでは、人的資本理論の実証化研究会のフレームワークに基づき、従業員のスキルを定量化して管理し、能力の最大化を目指しています。スキルマップを活用して、各従業員のスキルレベルを明確にし、必要なトレーニングやキャリア開発プランを提供しています。さらに、スキルと業績の関連性を分析し、人的資本(能力)のROIを最大化するための施策を講じています。このような体系的なアプローチにより、従業員の持つ潜在力を引き出し、企業の成長と持続可能な発展を支えています。 イ スキルマップに基づいた人的資本(能力)の測定 事業戦略をもとにグローバル基準(ESCO*)に従い、事業戦略達成に特に重要とされる10のコア職種(データアナリスト、プロダクトマネージャー、ソフトウエアエンジニアなど)について、8段階のスキルマップを作成し、社員のスキルレベルを評価しています。*ESCO(European Skills, Competences, Qualifications and Occupations)とは、ヨーロッパ連合(EU)が推進する分類システム。スキル、能力、資格、職業を標準化し、EU加盟国内での労働市場の透明性を高めることを目的としています。ESCOは、教育、訓練、職業案内の分野での相互理解を促進し、労働市場と教育・訓練システム間の連携を強化するための共通言語を提供しています。・社員のスキルレベルの測定:   定期的な評価を行い、社員の現在のスキルレベルを把握しています。これにより、各社員の強みと改善点を明確にし、個別のキャリアプランを策定します。・業績とスキルレベルの関係性分析:スキルレベルと業績データを分析し、各スキルレベルが企業の成果にどのように寄与しているかを把握しています。・必要なレベルの人財の確保:   分析結果を基に、企業戦略達成に必要なスキルレベルの人財を確保するためのトレーニングプログラムや採用戦略を策定しています。 ロ スキルレベルと業績の関係性分析 コア職種の現状の充足状況を可視化するために、コア職種に必要なハードスキルとソフトスキルをESCO基準に基づいて選定しています。次に、当社独自のアセスメント「GROW Flag」によって各従業員が持つハードスキルのレベルを定量化し、それぞれのコア職種におけるスキルレベルを明確にしています。スキルレベルは以下のように設定されています。 スキルレベル説 明1上席者の指示や指導に従って、作業ができる2上席者の指示に従い、計画的に業務遂行できる3業務の基礎知識があり、一般的な業務の一部を担当できる4業務の基礎知識があり、一般的な業務全体を担当できる。他者の一般的な業務をチェックできる5広範な業務知識があり、イレギュラーな業務にも対応できる。他者の一般的な業務を指導できる6イレギュラーな業務を監督・指導しながら、案件をハンドリングできる7複雑な案件であっても、今後を見据え、戦略的に対応しつつ、成果に結びつけられる8複数の複雑な案件について成果を生み出しつつ、長期視点でビジネスの発展や作業プロセス改善に貢献できる この方法により、スキルレベルと業績の関係性を定量的に評価し、社員一人ひとりのパフォーマンスを正確に把握しています。これにより、各職種において必要なスキルセットを特定し、それに基づいたトレーニングや人財育成プログラムを設計しています。スキルマップの具体例として、セールス/コンサルタント職におけるスキルマップに基づく分析結果を以下に示します。この分析により、スキルレベルの向上が具体的な業績向上にどのように寄与しているかを明確にし、人財投資のROIを把握することができます。 例:スキルマップに基づくセールス/コンサルタントの分析結果~ROIの把握 社員のスキルレベルと業績データ(売上)の関係性を分析した結果、以下のような相関関係が確認されました。・個人の売上額とスキルレベルには強い相関がある(相関係数0.68)。・特に、スキルレベル3から4、5から6への移行は大きな売上増加に繋がる。スキルレベル4以上になると、売上が顕著に増加するため、特にレベル4以上を目指したトレーニングや教育プログラムが重要。・現状、スキルレベル4以上の割合は53.85%(3年以内に80%を目指す)。 ■ 他の職種における計画 エンジニアやデータ分析担当など他の重要職種についても、同様の方法でスキルレベルと業績の関係性を分析する計画です。具体的には以下のステップを予定しています。・データ収集:各職種について業績評価データを収集する。・相関分析: 各職種について分析を実施し、スキルレベルと業績指標(例:エンジニアの場合はプロジェクト完了率やバグ発生率、データ分析担当の場合は分析レポートの質やビジネスインサイトの発見数)との相関関係を明確にします。・結果の評価:各分析結果をもとに、スキルレベルの向上が企業価値や収益にどのように寄与するかを評価し、トレーニングプログラムやキャリア開発プランに反映させます。ハ 具体的な取り組みと投資額 測定と分析により可視化した職種レベルの引き上げを目標に、多様な研修・教育プログラムを実施します。また、特定スキルを持つ人財の採用を強化します。さらに、個人が活用できる学び支援の活用をサポートするキャリア開発を推進し、従業員一人ひとりの成長を支援します。これらの取り組みに2025年3月期において40百万円を投資し、長期的な企業価値の向上を目指しています。 ■ 人的資本(能力)の最大化に向けた取り組みと投資額戦略実施内容詳細人財戦略投資額人的資本(能力)の向上研修・教育プログラム各職種のハードスキルとコンピテンシーのレベルアップのために、内部・外部研修を導入。例えばセールス/コンサルタントについては、コミュニケーション、タイムマネジメント、ビジネス分析、プロジェクト管理、リーダーシップ、問題解決、交渉、戦略思考の研修を予定。40百万円採用戦略特定のスキルやジョブレベルを持つ人財をターゲットにした採用活動強化。キャリアパスの構築全社員が半期ごとに成果目標・行動目標及び学び支援制度活用の方向性・及びそれに紐づくキャリアプランを設定、半期末に目標に対する達成度等を確認するサイクルを通じて継続的なキャリアパス構築を支援。 b.人的資本を発揮しやすい環境作りに向けた取り組み 当社グループでは、従業員が能力を最大限に発揮できる環境作りを重視しています。その一環として、多様性とインクルージョンを推進し、すべての従業員が安心して働ける職場環境を整えています。また、ハイブリッドワークモデルを導入し、柔軟な働き方を支援することで、ワークライフバランスの向上を図っています。マネージャーとの定期的な1on1やフィードバックセッションを通じて、従業員の意見を取り入れ、職場環境の改善に努めています。これにより、従業員のエンゲージメントと生産性を高め、企業の持続可能な成長を実現しています。 イ DEI(Diversity Equity & Inclusion)の推進 イノベーションにおいてDEIの推進は必須条件であり、特に男女のダイバーシティに関しては積極的に取り組んでいます。「第1 企業の状況 5 従業員の状況 (3) 管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異」において開示のとおり、ダイバーシティに関する指標において、当社は既に一定の基準に達しています。今後も高い水準(管理職に占める女性労働者の割合は40%超、労働者の男女の賃金の差は90%超)維持を目指します。・正規雇用労働者の男女の賃金の差異:2024年3月期実績は90.1%。今後も90%超の高水準の維持を目指します。・女性管理職比率:         2024年3月期実績は42.9%。今後も40%超の高水準の維持を目指します。 ロ 働き方の柔軟性、企業文化の醸成 オフィスとリモートのハイブリッドワークモデルを採用し、必要に応じて柔軟に働ける環境を提供することで、生産性とワークライフバランスの向上を図ります。 また、全従業員が会社のビジョンとバリューを理解し共感するため全社イベントを定期的に開催することで企業文化の醸成・エンゲージメントの向上、縦横ナナメの関係構築強化、帰属意識の醸成、セクションをまたいだ交流によるナレッジの共有を行います。 ハ エンゲージメントの向上 従業員のエンゲージメントは人的資本(能力)の発揮度を表す指標と位置付けており、上記の環境づくりに向けた取り組みを通じて従業員エンゲージメントスコアの向上を推進します。 ② 指標及び目標a.人的資本に関する指標と目標戦略取り組み指標実績(2024年3月期)目標(2025年3月期)人的資本(能力)の向上研修・教育プログラム各職種レベル測定初年度のためこちらを目標の基準値とする各職種レベルでミドルレベル以上充足率 10%アップ*1採用戦略採用充足率100%100%人的資本(能力)の発揮度の向上DEIの推進管理職に占める女性労働者の割合42.9%40%以上を維持労働者の男女の賃金の差90.1%90%以上を維持従業員エンゲージメントの向上エンゲージメントスコア*265.170*1 前記「
(2) 重要なサステナビリティ項目①戦略 a.人的資本(能力)の最大化に向けた取り組み ロ スキルレベルと業績の関係性分析」に基づき設定*2 当社独自のアセスメント「GROW 360」によって計測した各従業員のコンピテンシーの中でエンゲージメントに関連すると考えられる2つのコンピテンシー「成長」「組織へのコミットメント」の自己評価より計測(100点満点) b.効果検証方法 定期的な評価とフィードバック:社内アンケート、パフォーマンスレビュー、360度フィードバックなど。 データ分析:         離職率、従業員エンゲージメント調査結果、トレーニング効果の分析。 人財投資のROI:        人財投資によってスキルレベルのミドルクラス充足率が10%向上したかどうかを検証し、さらにスキルレベルの向上が収益の増加に繋がったかを分析します。この分析により、投資が実際にどの程度の収益を生んだかを明確にし、ROIを評価します。 ③ リスク管理・従業員の離職リスク管理:   従業員エンゲージメントを定期的に調査し、離職の兆候を早期に発見します。調査結果に基づいて、問題点を迅速に解決するためのアクションプランを実施します。・キャリアパスと成長機会の提供:従業員のキャリアパスを明確にし、成長機会を提供することで、離職リスクを低減します。・健康管理プログラム:     従業員の健康を維持するための健康管理プログラムを提供し、メンタルヘルスサポートを含む健康相談窓口を設置します。・コンプライアンス研修:    従業員全員を対象にコンプライアンス研修を定期的に実施し、法令遵守と倫理的行動の重要性を周知徹底します。・パフォーマンスリスク管理:  従業員のパフォーマンスを定期的にレビューし、改善点をフィードバックします。個別の目標設定とその達成度を評価します。  当社グループは、以上の取り組みにより持続可能な成長を実現し、従業員一人ひとりが最大限の能力を発揮できる環境を整えます。持続可能な社会の実現に向けて、当社グループは人的資本の最大化を最優先課題とし、従業員の成長を支援していきます。
戦略 ① 戦略 当社グループは、Beyond Education Company「評価×教育×金融で世界中に教育を届ける」をコンセプトに、国際機関等と連携し、グローバルサウスと日本を繋ぐ評価×教育×金融の持続可能な次世代人財育成基盤を作る事業を、当社グループの3事業の連携により推進していきます。 市場拡大(グローバルサウス展開の実現・プラットフォーム/Web3事業におけるビジネスモデル拡張)、顧客基盤の拡充(クロスセリングとアップセリング戦略・パートナーシップと連携)、技術革新(DIDによる教育や職歴履歴の活用)を軸とした成長戦略を通じて、経営目標である売上収益成長率30%台、平均営業利益率25%以上の持続的な成長を実現していくためには多様かつ優秀な人財が不可欠です。人的資本の最大化を最優先課題とし、従業員一人ひとりの成長を支援することで、持続可能な社会の実現に貢献していきます。 <人的資本戦略> 当社グループは、優秀な人財の採用と育成を戦略的な投資と位置づけています。当社グループの事業は、社会全体の人的資本の成長に貢献するシステム構築を目指しており、全社一丸となって取り組んでいます。 具体的には、企業価値への貢献を「人的資本(能力)」と「人的資本の発揮度(環境)」の掛け合わせと捉え、効果的な人財戦略を推進しています。これはベッカー教授の人的資本理論に基づき、一橋大学大学院の研究会が提唱するモデルです。企業戦略に基づき、スキルの習得と活用を含む人的資本(能力)を定義し、ROIを意識した投資を行うことで企業価値の最大化を図っています。また、人的資本を効果的に発揮するための環境整備とリスク管理にも力を入れています。 ■ 人的資本と企業価値のフレームワーク [人的資本(能力)への投資] 既存の従業員には、継続的なスキルアップとキャリア開発のため積極的な投資をしています。昨年度、学び支援制度として従業員に投資したトレーニング費用は前年比で4.7倍に増加し、従業員一人あたりの平均研修時間も53%増えました。これにより、従業員が最大限の能力を発揮できる環境を整え、長期的な企業価値の向上を目指しています。 戦略に沿った採用に関しては、昨年度は開発職とビジネス職で多くの新規採用を行い、必要採用数に対して100%達成、採用人数は前年度採用数に比較して15%増加しています。多様性と専門性を兼ね備えた人財の採用により、組織の競争力を高め、持続可能な成長を実現しています。[人的資本の発揮度(環境)への投資] また、ダイバーシティの推進も重視しています。現在、女性管理職の比率は42.9%と高水準を維持しており、さらに引き上げる計画です。持続的な成長のため、従業員の成長意識の向上や幸福度、目標に向けたコミットメントの向上にも積極的に取り組んでいます。 a.人的資本(能力)の最大化に向けた取り組み 当社グループでは、人的資本理論の実証化研究会のフレームワークに基づき、従業員のスキルを定量化して管理し、能力の最大化を目指しています。スキルマップを活用して、各従業員のスキルレベルを明確にし、必要なトレーニングやキャリア開発プランを提供しています。さらに、スキルと業績の関連性を分析し、人的資本(能力)のROIを最大化するための施策を講じています。このような体系的なアプローチにより、従業員の持つ潜在力を引き出し、企業の成長と持続可能な発展を支えています。 イ スキルマップに基づいた人的資本(能力)の測定 事業戦略をもとにグローバル基準(ESCO*)に従い、事業戦略達成に特に重要とされる10のコア職種(データアナリスト、プロダクトマネージャー、ソフトウエアエンジニアなど)について、8段階のスキルマップを作成し、社員のスキルレベルを評価しています。*ESCO(European Skills, Competences, Qualifications and Occupations)とは、ヨーロッパ連合(EU)が推進する分類システム。スキル、能力、資格、職業を標準化し、EU加盟国内での労働市場の透明性を高めることを目的としています。ESCOは、教育、訓練、職業案内の分野での相互理解を促進し、労働市場と教育・訓練システム間の連携を強化するための共通言語を提供しています。・社員のスキルレベルの測定:   定期的な評価を行い、社員の現在のスキルレベルを把握しています。これにより、各社員の強みと改善点を明確にし、個別のキャリアプランを策定します。・業績とスキルレベルの関係性分析:スキルレベルと業績データを分析し、各スキルレベルが企業の成果にどのように寄与しているかを把握しています。・必要なレベルの人財の確保:   分析結果を基に、企業戦略達成に必要なスキルレベルの人財を確保するためのトレーニングプログラムや採用戦略を策定しています。 ロ スキルレベルと業績の関係性分析 コア職種の現状の充足状況を可視化するために、コア職種に必要なハードスキルとソフトスキルをESCO基準に基づいて選定しています。次に、当社独自のアセスメント「GROW Flag」によって各従業員が持つハードスキルのレベルを定量化し、それぞれのコア職種におけるスキルレベルを明確にしています。スキルレベルは以下のように設定されています。 スキルレベル説 明1上席者の指示や指導に従って、作業ができる2上席者の指示に従い、計画的に業務遂行できる3業務の基礎知識があり、一般的な業務の一部を担当できる4業務の基礎知識があり、一般的な業務全体を担当できる。他者の一般的な業務をチェックできる5広範な業務知識があり、イレギュラーな業務にも対応できる。他者の一般的な業務を指導できる6イレギュラーな業務を監督・指導しながら、案件をハンドリングできる7複雑な案件であっても、今後を見据え、戦略的に対応しつつ、成果に結びつけられる8複数の複雑な案件について成果を生み出しつつ、長期視点でビジネスの発展や作業プロセス改善に貢献できる この方法により、スキルレベルと業績の関係性を定量的に評価し、社員一人ひとりのパフォーマンスを正確に把握しています。これにより、各職種において必要なスキルセットを特定し、それに基づいたトレーニングや人財育成プログラムを設計しています。スキルマップの具体例として、セールス/コンサルタント職におけるスキルマップに基づく分析結果を以下に示します。この分析により、スキルレベルの向上が具体的な業績向上にどのように寄与しているかを明確にし、人財投資のROIを把握することができます。 例:スキルマップに基づくセールス/コンサルタントの分析結果~ROIの把握 社員のスキルレベルと業績データ(売上)の関係性を分析した結果、以下のような相関関係が確認されました。・個人の売上額とスキルレベルには強い相関がある(相関係数0.68)。・特に、スキルレベル3から4、5から6への移行は大きな売上増加に繋がる。スキルレベル4以上になると、売上が顕著に増加するため、特にレベル4以上を目指したトレーニングや教育プログラムが重要。・現状、スキルレベル4以上の割合は53.85%(3年以内に80%を目指す)。 ■ 他の職種における計画 エンジニアやデータ分析担当など他の重要職種についても、同様の方法でスキルレベルと業績の関係性を分析する計画です。具体的には以下のステップを予定しています。・データ収集:各職種について業績評価データを収集する。・相関分析: 各職種について分析を実施し、スキルレベルと業績指標(例:エンジニアの場合はプロジェクト完了率やバグ発生率、データ分析担当の場合は分析レポートの質やビジネスインサイトの発見数)との相関関係を明確にします。・結果の評価:各分析結果をもとに、スキルレベルの向上が企業価値や収益にどのように寄与するかを評価し、トレーニングプログラムやキャリア開発プランに反映させます。ハ 具体的な取り組みと投資額 測定と分析により可視化した職種レベルの引き上げを目標に、多様な研修・教育プログラムを実施します。また、特定スキルを持つ人財の採用を強化します。さらに、個人が活用できる学び支援の活用をサポートするキャリア開発を推進し、従業員一人ひとりの成長を支援します。これらの取り組みに2025年3月期において40百万円を投資し、長期的な企業価値の向上を目指しています。 ■ 人的資本(能力)の最大化に向けた取り組みと投資額戦略実施内容詳細人財戦略投資額人的資本(能力)の向上研修・教育プログラム各職種のハードスキルとコンピテンシーのレベルアップのために、内部・外部研修を導入。例えばセールス/コンサルタントについては、コミュニケーション、タイムマネジメント、ビジネス分析、プロジェクト管理、リーダーシップ、問題解決、交渉、戦略思考の研修を予定。40百万円採用戦略特定のスキルやジョブレベルを持つ人財をターゲットにした採用活動強化。キャリアパスの構築全社員が半期ごとに成果目標・行動目標及び学び支援制度活用の方向性・及びそれに紐づくキャリアプランを設定、半期末に目標に対する達成度等を確認するサイクルを通じて継続的なキャリアパス構築を支援。 b.人的資本を発揮しやすい環境作りに向けた取り組み 当社グループでは、従業員が能力を最大限に発揮できる環境作りを重視しています。その一環として、多様性とインクルージョンを推進し、すべての従業員が安心して働ける職場環境を整えています。また、ハイブリッドワークモデルを導入し、柔軟な働き方を支援することで、ワークライフバランスの向上を図っています。マネージャーとの定期的な1on1やフィードバックセッションを通じて、従業員の意見を取り入れ、職場環境の改善に努めています。これにより、従業員のエンゲージメントと生産性を高め、企業の持続可能な成長を実現しています。 イ DEI(Diversity Equity & Inclusion)の推進 イノベーションにおいてDEIの推進は必須条件であり、特に男女のダイバーシティに関しては積極的に取り組んでいます。「第1 企業の状況 5 従業員の状況 (3) 管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異」において開示のとおり、ダイバーシティに関する指標において、当社は既に一定の基準に達しています。今後も高い水準(管理職に占める女性労働者の割合は40%超、労働者の男女の賃金の差は90%超)維持を目指します。・正規雇用労働者の男女の賃金の差異:2024年3月期実績は90.1%。今後も90%超の高水準の維持を目指します。・女性管理職比率:         2024年3月期実績は42.9%。今後も40%超の高水準の維持を目指します。 ロ 働き方の柔軟性、企業文化の醸成 オフィスとリモートのハイブリッドワークモデルを採用し、必要に応じて柔軟に働ける環境を提供することで、生産性とワークライフバランスの向上を図ります。 また、全従業員が会社のビジョンとバリューを理解し共感するため全社イベントを定期的に開催することで企業文化の醸成・エンゲージメントの向上、縦横ナナメの関係構築強化、帰属意識の醸成、セクションをまたいだ交流によるナレッジの共有を行います。 ハ エンゲージメントの向上 従業員のエンゲージメントは人的資本(能力)の発揮度を表す指標と位置付けており、上記の環境づくりに向けた取り組みを通じて従業員エンゲージメントスコアの向上を推進します。
指標及び目標 ② 指標及び目標a.人的資本に関する指標と目標戦略取り組み指標実績(2024年3月期)目標(2025年3月期)人的資本(能力)の向上研修・教育プログラム各職種レベル測定初年度のためこちらを目標の基準値とする各職種レベルでミドルレベル以上充足率 10%アップ*1採用戦略採用充足率100%100%人的資本(能力)の発揮度の向上DEIの推進管理職に占める女性労働者の割合42.9%40%以上を維持労働者の男女の賃金の差90.1%90%以上を維持従業員エンゲージメントの向上エンゲージメントスコア*265.170*1 前記「
(2) 重要なサステナビリティ項目①戦略 a.人的資本(能力)の最大化に向けた取り組み ロ スキルレベルと業績の関係性分析」に基づき設定*2 当社独自のアセスメント「GROW 360」によって計測した各従業員のコンピテンシーの中でエンゲージメントに関連すると考えられる2つのコンピテンシー「成長」「組織へのコミットメント」の自己評価より計測(100点満点) b.効果検証方法 定期的な評価とフィードバック:社内アンケート、パフォーマンスレビュー、360度フィードバックなど。 データ分析:         離職率、従業員エンゲージメント調査結果、トレーニング効果の分析。 人財投資のROI:        人財投資によってスキルレベルのミドルクラス充足率が10%向上したかどうかを検証し、さらにスキルレベルの向上が収益の増加に繋がったかを分析します。この分析により、投資が実際にどの程度の収益を生んだかを明確にし、ROIを評価します。
人材の育成及び社内環境整備に関する方針、戦略  当社グループは、Beyond Education Company「評価×教育×金融で世界中に教育を届ける」をコンセプトに、国際機関等と連携し、グローバルサウスと日本を繋ぐ評価×教育×金融の持続可能な次世代人財育成基盤を作る事業を、当社グループの3事業の連携により推進していきます。 市場拡大(グローバルサウス展開の実現・プラットフォーム/Web3事業におけるビジネスモデル拡張)、顧客基盤の拡充(クロスセリングとアップセリング戦略・パートナーシップと連携)、技術革新(DIDによる教育や職歴履歴の活用)を軸とした成長戦略を通じて、経営目標である売上収益成長率30%台、平均営業利益率25%以上の持続的な成長を実現していくためには多様かつ優秀な人財が不可欠です。人的資本の最大化を最優先課題とし、従業員一人ひとりの成長を支援することで、持続可能な社会の実現に貢献していきます。 <人的資本戦略> 当社グループは、優秀な人財の採用と育成を戦略的な投資と位置づけています。当社グループの事業は、社会全体の人的資本の成長に貢献するシステム構築を目指しており、全社一丸となって取り組んでいます。 具体的には、企業価値への貢献を「人的資本(能力)」と「人的資本の発揮度(環境)」の掛け合わせと捉え、効果的な人財戦略を推進しています。これはベッカー教授の人的資本理論に基づき、一橋大学大学院の研究会が提唱するモデルです。企業戦略に基づき、スキルの習得と活用を含む人的資本(能力)を定義し、ROIを意識した投資を行うことで企業価値の最大化を図っています。また、人的資本を効果的に発揮するための環境整備とリスク管理にも力を入れています。 ■ 人的資本と企業価値のフレームワーク [人的資本(能力)への投資] 既存の従業員には、継続的なスキルアップとキャリア開発のため積極的な投資をしています。昨年度、学び支援制度として従業員に投資したトレーニング費用は前年比で4.7倍に増加し、従業員一人あたりの平均研修時間も53%増えました。これにより、従業員が最大限の能力を発揮できる環境を整え、長期的な企業価値の向上を目指しています。 戦略に沿った採用に関しては、昨年度は開発職とビジネス職で多くの新規採用を行い、必要採用数に対して100%達成、採用人数は前年度採用数に比較して15%増加しています。多様性と専門性を兼ね備えた人財の採用により、組織の競争力を高め、持続可能な成長を実現しています。[人的資本の発揮度(環境)への投資] また、ダイバーシティの推進も重視しています。現在、女性管理職の比率は42.9%と高水準を維持しており、さらに引き上げる計画です。持続的な成長のため、従業員の成長意識の向上や幸福度、目標に向けたコミットメントの向上にも積極的に取り組んでいます。 a.人的資本(能力)の最大化に向けた取り組み 当社グループでは、人的資本理論の実証化研究会のフレームワークに基づき、従業員のスキルを定量化して管理し、能力の最大化を目指しています。スキルマップを活用して、各従業員のスキルレベルを明確にし、必要なトレーニングやキャリア開発プランを提供しています。さらに、スキルと業績の関連性を分析し、人的資本(能力)のROIを最大化するための施策を講じています。このような体系的なアプローチにより、従業員の持つ潜在力を引き出し、企業の成長と持続可能な発展を支えています。 イ スキルマップに基づいた人的資本(能力)の測定 事業戦略をもとにグローバル基準(ESCO*)に従い、事業戦略達成に特に重要とされる10のコア職種(データアナリスト、プロダクトマネージャー、ソフトウエアエンジニアなど)について、8段階のスキルマップを作成し、社員のスキルレベルを評価しています。*ESCO(European Skills, Competences, Qualifications and Occupations)とは、ヨーロッパ連合(EU)が推進する分類システム。スキル、能力、資格、職業を標準化し、EU加盟国内での労働市場の透明性を高めることを目的としています。ESCOは、教育、訓練、職業案内の分野での相互理解を促進し、労働市場と教育・訓練システム間の連携を強化するための共通言語を提供しています。・社員のスキルレベルの測定:   定期的な評価を行い、社員の現在のスキルレベルを把握しています。これにより、各社員の強みと改善点を明確にし、個別のキャリアプランを策定します。・業績とスキルレベルの関係性分析:スキルレベルと業績データを分析し、各スキルレベルが企業の成果にどのように寄与しているかを把握しています。・必要なレベルの人財の確保:   分析結果を基に、企業戦略達成に必要なスキルレベルの人財を確保するためのトレーニングプログラムや採用戦略を策定しています。 ロ スキルレベルと業績の関係性分析 コア職種の現状の充足状況を可視化するために、コア職種に必要なハードスキルとソフトスキルをESCO基準に基づいて選定しています。次に、当社独自のアセスメント「GROW Flag」によって各従業員が持つハードスキルのレベルを定量化し、それぞれのコア職種におけるスキルレベルを明確にしています。スキルレベルは以下のように設定されています。 スキルレベル説 明1上席者の指示や指導に従って、作業ができる2上席者の指示に従い、計画的に業務遂行できる3業務の基礎知識があり、一般的な業務の一部を担当できる4業務の基礎知識があり、一般的な業務全体を担当できる。他者の一般的な業務をチェックできる5広範な業務知識があり、イレギュラーな業務にも対応できる。他者の一般的な業務を指導できる6イレギュラーな業務を監督・指導しながら、案件をハンドリングできる7複雑な案件であっても、今後を見据え、戦略的に対応しつつ、成果に結びつけられる8複数の複雑な案件について成果を生み出しつつ、長期視点でビジネスの発展や作業プロセス改善に貢献できる この方法により、スキルレベルと業績の関係性を定量的に評価し、社員一人ひとりのパフォーマンスを正確に把握しています。これにより、各職種において必要なスキルセットを特定し、それに基づいたトレーニングや人財育成プログラムを設計しています。スキルマップの具体例として、セールス/コンサルタント職におけるスキルマップに基づく分析結果を以下に示します。この分析により、スキルレベルの向上が具体的な業績向上にどのように寄与しているかを明確にし、人財投資のROIを把握することができます。 例:スキルマップに基づくセールス/コンサルタントの分析結果~ROIの把握 社員のスキルレベルと業績データ(売上)の関係性を分析した結果、以下のような相関関係が確認されました。・個人の売上額とスキルレベルには強い相関がある(相関係数0.68)。・特に、スキルレベル3から4、5から6への移行は大きな売上増加に繋がる。スキルレベル4以上になると、売上が顕著に増加するため、特にレベル4以上を目指したトレーニングや教育プログラムが重要。・現状、スキルレベル4以上の割合は53.85%(3年以内に80%を目指す)。 ■ 他の職種における計画 エンジニアやデータ分析担当など他の重要職種についても、同様の方法でスキルレベルと業績の関係性を分析する計画です。具体的には以下のステップを予定しています。・データ収集:各職種について業績評価データを収集する。・相関分析: 各職種について分析を実施し、スキルレベルと業績指標(例:エンジニアの場合はプロジェクト完了率やバグ発生率、データ分析担当の場合は分析レポートの質やビジネスインサイトの発見数)との相関関係を明確にします。・結果の評価:各分析結果をもとに、スキルレベルの向上が企業価値や収益にどのように寄与するかを評価し、トレーニングプログラムやキャリア開発プランに反映させます。ハ 具体的な取り組みと投資額 測定と分析により可視化した職種レベルの引き上げを目標に、多様な研修・教育プログラムを実施します。また、特定スキルを持つ人財の採用を強化します。さらに、個人が活用できる学び支援の活用をサポートするキャリア開発を推進し、従業員一人ひとりの成長を支援します。これらの取り組みに2025年3月期において40百万円を投資し、長期的な企業価値の向上を目指しています。 ■ 人的資本(能力)の最大化に向けた取り組みと投資額戦略実施内容詳細人財戦略投資額人的資本(能力)の向上研修・教育プログラム各職種のハードスキルとコンピテンシーのレベルアップのために、内部・外部研修を導入。例えばセールス/コンサルタントについては、コミュニケーション、タイムマネジメント、ビジネス分析、プロジェクト管理、リーダーシップ、問題解決、交渉、戦略思考の研修を予定。40百万円採用戦略特定のスキルやジョブレベルを持つ人財をターゲットにした採用活動強化。キャリアパスの構築全社員が半期ごとに成果目標・行動目標及び学び支援制度活用の方向性・及びそれに紐づくキャリアプランを設定、半期末に目標に対する達成度等を確認するサイクルを通じて継続的なキャリアパス構築を支援。 b.人的資本を発揮しやすい環境作りに向けた取り組み 当社グループでは、従業員が能力を最大限に発揮できる環境作りを重視しています。その一環として、多様性とインクルージョンを推進し、すべての従業員が安心して働ける職場環境を整えています。また、ハイブリッドワークモデルを導入し、柔軟な働き方を支援することで、ワークライフバランスの向上を図っています。マネージャーとの定期的な1on1やフィードバックセッションを通じて、従業員の意見を取り入れ、職場環境の改善に努めています。これにより、従業員のエンゲージメントと生産性を高め、企業の持続可能な成長を実現しています。 イ DEI(Diversity Equity & Inclusion)の推進 イノベーションにおいてDEIの推進は必須条件であり、特に男女のダイバーシティに関しては積極的に取り組んでいます。「第1 企業の状況 5 従業員の状況 (3) 管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異」において開示のとおり、ダイバーシティに関する指標において、当社は既に一定の基準に達しています。今後も高い水準(管理職に占める女性労働者の割合は40%超、労働者の男女の賃金の差は90%超)維持を目指します。・正規雇用労働者の男女の賃金の差異:2024年3月期実績は90.1%。今後も90%超の高水準の維持を目指します。・女性管理職比率:         2024年3月期実績は42.9%。今後も40%超の高水準の維持を目指します。 ロ 働き方の柔軟性、企業文化の醸成 オフィスとリモートのハイブリッドワークモデルを採用し、必要に応じて柔軟に働ける環境を提供することで、生産性とワークライフバランスの向上を図ります。 また、全従業員が会社のビジョンとバリューを理解し共感するため全社イベントを定期的に開催することで企業文化の醸成・エンゲージメントの向上、縦横ナナメの関係構築強化、帰属意識の醸成、セクションをまたいだ交流によるナレッジの共有を行います。 ハ エンゲージメントの向上 従業員のエンゲージメントは人的資本(能力)の発揮度を表す指標と位置付けており、上記の環境づくりに向けた取り組みを通じて従業員エンゲージメントスコアの向上を推進します。
人材の育成及び社内環境整備に関する方針に関する指標の内容並びに当該指標を用いた目標及び実績、指標及び目標 a.人的資本に関する指標と目標戦略取り組み指標実績(2024年3月期)目標(2025年3月期)人的資本(能力)の向上研修・教育プログラム各職種レベル測定初年度のためこちらを目標の基準値とする各職種レベルでミドルレベル以上充足率 10%アップ*1採用戦略採用充足率100%100%人的資本(能力)の発揮度の向上DEIの推進管理職に占める女性労働者の割合42.9%40%以上を維持労働者の男女の賃金の差90.1%90%以上を維持従業員エンゲージメントの向上エンゲージメントスコア*265.170*1 前記「
(2) 重要なサステナビリティ項目①戦略 a.人的資本(能力)の最大化に向けた取り組み ロ スキルレベルと業績の関係性分析」に基づき設定*2 当社独自のアセスメント「GROW 360」によって計測した各従業員のコンピテンシーの中でエンゲージメントに関連すると考えられる2つのコンピテンシー「成長」「組織へのコミットメント」の自己評価より計測(100点満点) b.効果検証方法 定期的な評価とフィードバック:社内アンケート、パフォーマンスレビュー、360度フィードバックなど。 データ分析:         離職率、従業員エンゲージメント調査結果、トレーニング効果の分析。 人財投資のROI:        人財投資によってスキルレベルのミドルクラス充足率が10%向上したかどうかを検証し、さらにスキルレベルの向上が収益の増加に繋がったかを分析します。この分析により、投資が実際にどの程度の収益を生んだかを明確にし、ROIを評価します。
事業等のリスク 3【事業等のリスク】
 本書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。 なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであります。(1)事業環境に関するリスクについて① HR関連市場について 当社の事業領域である人材評価サービスは、これまで、多くの企業で主に新卒採用に利用されてきましたが、新卒採用市場は、景気や社会情勢に左右されやすいという特徴があります。そのため、当社といたしましても、採用のみならず、人材配置や人材育成、組織開発等、さまざまな場面での多階層・組織全体でのサービス提供を進め、収益の拡大及び安定化を図っております。しかしながら、今後、採用環境や雇用環境、働き方の変化による市場環境の変化に対応できない場合、当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。 ② 教育関連市場について 教育事業におきましては、文部科学省の提唱するGIGAスクール構想による教育のオンライン化が進んでおり、当社が提供しているサービスの市場規模は、今後拡大することが見込まれます。 しかしながら、国の方針、教育環境の急激な変化による市場環境の変化に対応できない場合、また、国の関連予算や補助金などの動向によっては、当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。 ③ 暗号資産(仮想通貨)・Web3関連市場について プラットフォーム/Web3事業におきましては、日進月歩で技術やサービスが拡大・進展しており、今後市場全体が拡大することが見込まれます。当社は、幅広い関係者とのネットワークを通じた情報収集に日々努めておりますが、今後、暗号資産及びWeb3に関連する各国の規制が大幅に変更となりその変化に対応できない場合、当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。 ④ 競合等について 基幹サービスである「GROW」は、AIを活用した特許技術を数多く利用した当社独自の人材評価システムで、子どもから大人まで同じ枠組みで非認知能力の測定が可能です。能力を可視化するための適正テスト等の競合サービス・企業は複数存在しておりますが、対象に関わらず一貫した基準で非認知能力を測定できるサービスは他になく、当社が市場自体を開拓している状況です。 今後、非認知能力の重要性が増すにつれ他社の新規参入によって競争が激化する可能性があります。当該リスクに対しては、特許で守られたバイアスなき評価技術を顧客に伝え、またデータを扱う事業者として、より個人情報保護に配慮しながらデータの利活用を促すなど、引き続き顧客のニーズに対応したサービス提供を進める方針でありますが、適切に対応できない場合、当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。 ⑤ 少子化による影響について 教育事業におきましては、主に、中学校、高等学校等の教育機関に対しサービスを提供しております。長期的には、少子化の影響により利用者が減少する可能性があるものの、上述のとおり、当社が提供しているサービスの市場規模は、今後拡大することが見込まれます。 しかしながら、今後、少子化が急速に進展した場合、当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。 ⑥ 業績の季節偏重について HR事業におきましては、顧客企業の事業年度末に1年の報告や完了が求められる案件が多いことや、予算執行のタイミング、採用スケジュールの都合により、売上計上時期が3月に偏重する傾向があります。同様に、教育事業におきましても、主に、自治体から受注したプロジェクトにつきましては、事業年度末に報告や完了が求められるため、売上計上時期もしくは検収時期が3月に偏重しております。 このため、検収時期の変動等により売上計上時期が翌期となった場合、もしくは3月度の売上が計画どおりに進捗しなかった場合、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。 ⑦ 技術革新について 当社はAIを活用した人材評価サービスを展開しておりますが、AIの分野は、全世界で研究開発が進んでおり、技術革新の速度が極めて速いという特徴があります。当社はそうした技術革新に対応できる体制づくりに努めており、引き続きAIを活用したビジネスにより収益の拡大を図っていく所存でありますが、今後において技術革新のスピードやこれに伴う新たなビジネスモデルの出現を含む市場環境の変化に、当社が適時適切に対応できない場合、当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。 ⑧ 事業拡大に伴う継続的な設備・システム投資について 当社は極めて速い技術革新のスピードに対応していくために、必要な研究開発資金を適時適切に投入するとともに、サーバ等の設備に順次投資を行っていく必要があります。 今後、当社の想定を超える設備・システム投資が必要となった場合には、減価償却費の増加が利益を圧迫する可能性があります。また、設備・システム投資にもかかわらず、当社の想定を上回る急激な事業環境の変化等により、想定した投資効果を得ることができない場合には、固定資産に関して減損損失等が発生し、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ⑨ システム障害について 当社の事業は、サービスの基盤をインターネット通信網に依存しております。そのため、自然災害や停電、事故等により通信ネットワークが遮断された場合には、サービスを提供することが不可能な場合があります。また、アクセスの一時的な増加による負荷増大によって、当社のサーバが停止し、サービス提供に支障が出る場合があるほか、外部からの不正な手段によるコンピュータ内への侵入等の犯罪や当社担当者の過誤等によって、当社のシステムに重大な影響が出る場合があります。 当社としましては、定期的なシステムのバックアップを実施するとともに、外部のデータセンターを利用することでセキュリティ強化や安定的なシステム運用ができるような体制の構築に努めておりますが、前述のような状況が発生した場合には、サービスの提供が困難になる可能性があり、その結果、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。 ⑩ 法的規制について プラットフォーム/Web3事業におきましては、有料職業紹介事業者として厚生労働大臣の許可を受け、就職・転職支援を行っております。現在、当社は関連法令を遵守して事業を運営しておりますが、今後、何らかの理由により、当該許可の取消や業務の停止命令を受けた場合には、当社による職業紹介事業の遂行が困難となり、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。 ⑪ 感染症の影響について 当社では、HR事業において、新型コロナウイルス感染症感染拡大に伴うインターンシップの中止、企業収益の悪化による採用市場の停滞により、採用でのサービス利用に影響があった一方、教育事業においては、コロナ禍でのデジタル化が追い風となり、採用校が北海道から沖縄県まで全国に拡大いたしました。 しかしながら、今後、同様のパンデミックの発生により社会経済活動が停滞し、営業活動が想定どおりに進まなかった場合には、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。 (2)事業運営・組織体制に関するリスク① 特定人物への依存について 当社創業者である代表取締役会長 福原正大は当社の最高経営責任者であり、事業推進に極めて重要な役割を果たしております。当社としましては、同氏に過度に依存しない事業体制の構築を目指し、人材の育成及び強化に注力しておりますが、何らかの理由により同氏が業務執行できない事態となった場合、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。 なお、同氏は慶應義塾大学を含め、3つの大学の教授を兼職しておりますが、現状の講義数、関与時間に照らして事業運営上の問題はないと考えております。 ② 個人情報保護について 当社は、人材評価システムを利用したサービスを提供しているため、顧客である企業の社員及び採用候補者及び顧客である学校・教育機関の生徒・学生に関する個人情報を扱っております。当社では、個人情報の保護に関する法令に従い個人情報の管理を行うとともに、情報セキュリティについて適切な保護体制を構築するため、ISMS(情報セキュリティマネジメントシステム)及びプライバシーマークの認証を取得しております。しかしながら、個人情報の漏洩や不正利用等の事態が生じた場合、取引先からの契約の解除や損害賠償の請求、当社や当社のサービスに対する信頼性の低下等により、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。 ③ 知的財産権について 当社は、運営するコンテンツ及びサービスに関する知的財産権の獲得に努めております。また、第三者の知的財産権を侵害しないよう、十分な注意を払っております。しかしながら、今後当社が属する事業分野において第三者の権利侵害が成立した場合は、第三者より損害賠償及び使用差止め等の訴えを起こされる可能性及び権利に関する使用料等の対価の支払が発生する可能性があり、また当社の知的財産が侵害された場合においても、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。 ④ ONGAESHIプロジェクトに係る出資について 当社は、2023年2月より、人材育成・採用一体型の新サービス「ONGAESHI」の実現に向けたONGAESHIプロジェクトに参画し、2023年10月より日本国内において事業を開始しております。 その後、本プロジェクトの海外展開を見据えてシンガポールに設立されたBOUNDLESSEDU PTE.LTD.への出資を行い、さらに、同社の資金調達を目的とした匿名組合出資を行う予定です。これらの出資は、本プロジェクトの海外展開推進を目的としており、当社グループの企業価値向上に資すると考えておりますが、同社の事業展開が想定どおりに進まなかった場合には、評価損等が発生し、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。 ⑤ 人材の確保・育成について 当社が、今後更なる業容拡大に対応するためには、継続して優秀な人材の確保・育成が重要な課題となります。現在も採用による人材の獲得に加え、入社後の社内における研修、各種勉強会の開催、福利厚生の充実等、社員の育成及び人材の流出に対応した各種施策を推進しております。しかしながら、高度な技術を持つエンジニア、データサイエンティスト等の人材の確保は非常に競争が激しくなっております。新規の採用や社内における人材の確保・育成が計画どおりに進まず、適正な人員配置が困難になった場合には、競争力の低下や事業規模拡大の制約要因になる可能性があり、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。 ⑥ 小規模組織であることについて 当社は小規模な組織であり、内部管理や業務執行についてもそれに応じた体制となっております。当社では、今後の業容拡大及び業務内容の多様化に対応するため、人員の増強及び内部管理体制や業務執行体制の一層の充実を図っていく方針でありますが、これらの施策が適時適切に進行しなかった場合やこれらの施策の遂行に要する費用等の負担が増大した場合には、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。 ⑦ 新株予約権の行使による株式価値の希薄化について 当社は取締役及び従業員に対し、長期的な企業価値向上に対するインセンティブ等を目的として、新株予約権を付与しているほか、今後も優秀な人材確保のため新株予約権を発行する可能性があります。現在付与されている、または今後付与する新株予約権の行使が行われた場合、発行済株式数が増加し、1株当たりの株式価値を希薄化させる可能性があります。また、新株予約権の行使により発行された株式が、一度に大量に市場に流入することになった場合等には、適切な株価形成に影響を及ぼす可能性があります。本書提出日現在における新株予約権による潜在株式数は238,000株であり、発行済株式総数4,509,300株の5.3%に相当します。 ⑧ 配当政策について 当社は、利益配分につきましては、将来の事業展開と経営体質の強化のために必要な内部留保を確保しつつ、経営成績に応じた配当を実施していくことを基本方針としております。しかしながら、当面の間は内部留保の充実を図り、内部留保資金につきましては、優秀な人材の確保や新技術の導入及び独自製品開発に向けた投資に充当し、企業価値の向上に努める方針であります。そのため、当社は、本書提出日現在では配当を行っておらず、また今後の配当実施の可能性及び実施時期については未定であります。 ⑨ 訴訟等について 当社グループは、現時点において提起されている訴訟はありません。しかしながら、将来において当社グループの取締役、従業員の法令違反等の有無にかかわらず、予期せぬトラブルや訴訟等が発生する可能性は否定できません。かかる訴訟が発生した場合には、その内容や賠償金額によって、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(1)経営成績等の状況の概要 当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という)の状況の概要は次のとおりであります。なお当社グループは、当連結会計年度より連結財務諸表を作成しているため、前連結会計年度との比較・分析の記載はしておりません。 ① 財政状態の状況(資産) 当連結会計年度末における資産は、1,092,256千円となりました。その主な内訳は、現金及び預金631,643千円、受取手形及び売掛金407,261千円であります。 (負債) 当連結会計年度末における負債は、77,699千円となりました。その主な内訳は、未払金51,955千円、未払費用8,164千円、預り金8,514千円であります。 (純資産) 当連結会計年度末における純資産は、1,014,557千円となりました。その主な内訳は、資本金97,135千円、資本剰余金1,063,687千円、利益剰余金△146,572千円であります。 ② 経営成績の状況 当連結会計年度における我が国経済は、世界的なインフレに対する警戒感、金利差などによる円安の進行、またガザやウクライナ問題による政治的な情勢不安が増してきたものの、雇用や所得環境、企業の収益環境は緩やかな回復が続きました。技術の進展においては、生成AIの急速な発展が個人情報や著作権侵害につながる可能性があるため、生成AIに対する規制の動きが徐々に広がりつつあり、健全な発展に向けての枠組み作りが開始されています。また、世界的なインパクト投資が広がる中、日本国内の上場企業の人的資本への理解と開示が進んでおり、また、ビットコインのETFがアメリカSECで承認された等、暗号資産の資本市場への広がりが始まっており、市場資本主義に置き換わる新しい資本主義が台頭し始めている動きがみてとれます。 当社グループは、「分断なき持続可能な社会を実現するための手段を提供する」ことを企業パーパスとし、個人が持つ多面的な能力を科学的に評価するシステムや、評価データにもとづき成長を支援する教育コンテンツ、そして個人・企業・投資家といった多くのステークホルダーが、社会の人的・社会資本形成に向けた動きを拡大させる中、データを安全かつ主体的に活用するための枠組みを構築しており、それらを学校法人、企業、地方自治体、政府、国際機関などのコミュニティに対して展開し、個人と組織のエンパワーメントを支援するSociety5.0時代の産業基盤となるべくサービスを提供しています。 当社グループは、既存のHR事業と教育事業を基盤として、持続的な成長を目指しています。戦略として両利きの経営を目指し、HR事業と教育事業においては深化を深め、このデータや顧客基盤をもとに、プラットフォーム/Web3事業で積極的に探索活動を強め、今後の大きな成長の布石を打っています。 HR事業におきましては、AI搭載エンジンにより社員や採用候補者の気質・コンピテンシー・スキルを科学的に測定して能力を可視化する「GROW360」を利用したサービスを主に大企業向けに提供しております。また、人的資本の情報開示に向けた政府の議論が加速する中、昨年度より開始した産学協働の「人的資本理論の実証化研究会」の運営支援につきましては、今年度は規模を3倍以上に拡大し実施いたしました。特筆すべきは、本研究会及び当社の取り組みは、多くの投資家及び国際機関の関心を得ており、人的資本のインパクト評価・投資への足掛かりを作っていることです。さらに、2024年1月の三井住友信託銀行株式会社との業務提携契約の締結により、同社の幅広いお取引先企業に対しても、人的資本ソリューションの提案を開始しております。 教育事業におきましては、生徒の多様な能力とその成長に加え、各種教育活動の教育効果を可視化する評価システム「AiGROW」、生徒のコンピテンシー育成のための動画コンテンツ「GROW Academy」、オンライン英語学習プラットフォーム「e-Spire」、高等学校含め全面実施となった新学習指導要領下で重視される探究型学習の効果を網羅的に評価する「探究力測定パッケージ」を提供しております。また、株式会社JTBと開発した教育効果システム「J’s GROW」を提供開始いたしました。さらに、国際機関との連携により、「探究力測定」と「AiGROW」を利用したアジア地域での非認知能力に関する共同研究を開始し、加えて、ヤマハ株式会社との連携により、コロンビア共和国をはじめとした国外市場にて「AiGROW」を採用いただき、海外展開を推進しております。 新規事業であるプラットフォーム/Web3事業におきましては、同事業を世界で大きく広げることに向けた中長期的な戦略に基づき、プロジェクトの重要な要素である暗号資産関連事業を行うことを目的に、2023年4月にはONGAESHI Corporation(当社の100%子会社)を設立、10月に人材育成・採用一体型の新サービス「ONGAESHI(オンガエシ)プロジェクト」をローンチいたしました。さらに、第4四半期連結会計期間において、「ONGAESHIプロジェクト」の海外展開を見据えて設立されたシンガポール法人「BOUNDLESSEDU PTE.LTD.」への出資を行った上で、同社への本プロジェクトのプラットフォームシステム売却を行いました。なお、同社の資金調達を目的とした匿名組合出資を予定しており、同匿名組合は当社の連結子会社となる見込みです。 コスト面におきましては、新規事業である「ONGAESHIプロジェクト」のプラットフォーム開発に研究開発費134,305千円を計上いたしました。また、「GROW360」「Ai GROW」のAI精度向上や機能拡充、多言語対応、UI/UX改善等のソフトウエア開発及び研究開発活動、業容拡大のための人材採用にも継続して取り組んでおります。一方で、テレワークを推奨し、コスト最適化に努めております。 この結果、当連結会計年度の売上高は916,955千円、営業損失21,667千円、経常損失21,012千円、親会社株主に帰属する当期純損失21,171千円となりました。 一方で、当社グループのコア事業を示す当社個別決算の売上高は920,915千円(前年同期比37.8%増)、営業損失3,525千円(前年同期は営業損失80,704千円)、経常損失2,870千円(前年同期は経常損失80,317千円)、当期純損失3,029千円(前年同期は当期純損失125,401千円)となり、収支が均衡する水準まで大幅に改善いたしました。  セグメント別の経営成績を示すと、次のとおりであります。 なお、報告されている事業セグメントの会計処理の方法は、連結財務諸表を作成するために採用される会計方針に準拠した方法であります。報告セグメントの利益(又は損失)は、営業利益(又は損失)ベースの数値であります。HR事業 HR事業では、AI搭載エンジンにより社員や採用候補者の気質・コンピテンシー・スキルを科学的に測定して能力を可視化する「GROW360」を利用したサービスを主に大手企業向けに提供しております。また、人的資本の情報開示に向けた政府の議論が加速する中、昨年度より産学協働の「人的資本理論の実証化研究会」を発足しており、今年度はその規模を3倍以上に拡大し、33社の企業にご参画いただきました。本研究会及び当社の取り組みは、企業のみならず、多くの投資家及び国際機関の関心を得ており、人的資本のインパクト評価・投資への足掛かりを作っています。さらに、三井住友信託銀行株式会社との業務提携契約の締結により、同社の幅広いお取引先企業に対しても、人的資本ソリューションの提案を開始しております。 この結果、当セグメントの売上高は342,399千円、セグメント利益は130,209千円となりました。 教育事業 教育事業では、生徒の多様な能力とその成長に加え、各種教育活動の教育効果を可視化する評価システム「AiGROW」、生徒のコンピテンシー育成のための動画コンテンツ「GROW Academy」、オンライン英語学習プラットフォーム「e-Spire」、高等学校含め全面実施となった新学習指導要領下で重視される探究型学習の効果を網羅的に評価する「探究力測定パッケージ」を提供しております。また、昨年度交付されていた「Edtech導入補助金2022」の後継版ともいえる「探究的な学び支援補助金2023」の交付が決定し、2023年9月から12月までサービスを提供いたしました。さらに、第4四半期連結会計期間より、国際機関との共同研究を開始いたしました。 この結果、当セグメントの売上高は294,430千円、セグメント利益は100,368千円となりました。 プラットフォーム/Web3事業 プラットフォーム/Web3事業では、ビットコインのETFが米国SECで承認されるなど事業環境が急速に改善する中、同事業を世界で大きく広げることに向けた中長期的な戦略に基づき、プロジェクトの重要な要素である暗号資産関連事業を行うことを目的に、2023年4月にはONGAESHI Corporation(当社の100%子会社)を設立、10月に人材育成・採用一体型の新サービス「ONGAESHIプロジェクト」をローンチしました。さらに、第4四半期連結会計期間において、「ONGAESHIプロジェクト」の海外展開を見据えて設立されたシンガポール法人「BOUNDLESSEDU PTE.LTD.」への出資を行った上で、同社へのシステム売却を行いました。また、デジタル庁の「Trusted Web(秘密計算)の実現に向けたユースケース実証事業」に採択されました。 この結果、当セグメントの売上高は280,125千円、セグメント損失は38,912千円となりました。 ③ キャッシュ・フローの状況 当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、631,643千円となりました。 当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの変動要因は次のとおりであります。 (営業活動によるキャッシュ・フロー) 営業活動により使用した資金は、258,562千円となりました。これは主に、法人税等の還付額13,377千円があったものの、税金等調整前当期純損失の計上21,012千円、売上債権の増加額266,697千円があったことによるものです。 (投資活動によるキャッシュ・フロー) 投資活動により使用した資金は、26,084千円となりました。これは、ソフトウエア開発に伴う固定資産取得による支出によるものです。 (財務活動によるキャッシュ・フロー) 財務活動により獲得した資金は、2,662千円となりました。これは新株予約権の行使による株式の発行による収入によるものです。④ 生産、受注及び販売の実績a.生産実績 当社グループが提供するサービスの性格上、生産実績の記載に馴染まないため、記載を省略しております。 b.受注実績 当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称当連結会計年度(自 2023年4月1日至 2024年3月31日)受注高(千円)前期比(%)受注残高(千円)前期比(%)HR事業299,567-15,251-教育事業327,631-135,922-プラットフォーム/Web3事業283,015-2,890-合計910,214-154,063- c.販売実績 当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称当連結会計年度(自 2023年4月1日至 2024年3月31日)金額(千円)前期比(%)HR事業342,399-教育事業294,430-プラットフォーム/Web3事業280,125-合計916,955- (注)当連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。相手先当連結会計年度(自 2023年4月1日至 2024年3月31日)金額(千円)割合(%)BOUNDLESSEDU PTE.LTD.250,00027.3経済産業省99,67310.9 (2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は、次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。 ① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容(売上高) 売上高は916,955千円となりました。セグメント別の売上高については次のとおりとなっております。HR事業 HR事業では、AI搭載エンジンにより社員や採用候補者の気質・コンピテンシー・スキルを科学的に測定して能力を可視化する「GROW360」を利用したサービスを主に大手企業向けに提供しております。また、人的資本の情報開示に向けた政府の議論が加速する中、昨年度より産学協働の「人的資本理論の実証化研究会」を発足しており、今年度はその規模を3倍以上に拡大し、33社の企業にご参画いただきました。 この結果、当セグメントの売上高は342,399千円となりました。 教育事業 教育事業では、生徒の多様な能力とその成長に加え、各種教育活動の教育効果を可視化する評価システム「AiGROW」、生徒のコンピテンシー育成のための動画コンテンツ「GROW Academy」、オンライン英語学習プラットフォーム「e-Spire」、高等学校含め全面実施となった新学習指導要領下で重視される探究型学習の効果を網羅的に評価する「探究力測定パッケージ」を提供しております。また、昨年度交付されていた「Edtech導入補助金2022」の後継版ともいえる「探究的な学び支援補助金2023」の交付が決定し、2023年9月から12月までサービスを提供いたしました。さらに、第4四半期連結会計期間より、国際機関との共同研究を開始いたしました。 この結果、当セグメントの売上高は294,430千円となりました。 プラットフォーム/Web3事業 プラットフォーム/Web3事業では、2023年10月に人材育成・採用一体型の新サービス「ONGAESHIプロジェクト」をローンチしました。さらに、第4四半期連結会計期間において、「ONGAESHIプロジェクト」の海外展開を見据えて設立されたシンガポール法人「BOUNDLESSEDU PTE.LTD.」への出資を行った上で、同社へのシステム売却を行いました。また、デジタル庁の「Trusted Web(秘密計算)の実現に向けたユースケース実証事業」に採択されました。 この結果、当セグメントの売上高は280,125千円となりました。 (売上原価及び売上総利益) 売上原価は、主に人件費215,463千円、外注費87,181千円の計上により、345,199千円となりました。この結果、売上総利益は571,756千円となりました。 (販売費及び一般管理費、営業損失) 販売費及び一般管理費は、主に人件費187,764千円、研究開発費158,390千円、支払報酬113,706千円の計上により、593,423千円となりました。 この結果、営業損失は21,667千円となりました。 (営業外収益、営業外費用、経常損失) 営業外収益は、主に為替差益664千円の計上により805千円となりました。 営業外費用は、主に株式交付費150千円の計上により151千円となりました。 この結果、経常損失は21,012千円となりました。 (特別損益、法人税等合計、当期純損失) 特別利益は、発生しておりません。 特別損失は、発生しておりません。 法人税等合計は、法人税、住民税及び事業税2,290千円、法人税等調整額△2,131千円の計上により158千円となりました。 この結果、親会社株主に帰属する当期純損失は21,171千円となりました。 ② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報a.キャッシュ・フローの状況の分析 キャッシュ・フローの状況につきましては、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ③ キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。 b.資本の財源及び資金の流動性に係る情報 当社グループの運転資金需要のうち主なものは、従業員の人件費、ソフトウエア開発に係る外注費、販売費及び一般管理費の営業費用であります。現在、運転資金は自己資金で賄っております。今後、更なるサービス開発や優秀な人材の採用等を通じ、事業規模の拡大を図る方針であり、資金調達手段の多様化を検討してまいります。 なお、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は631,643千円であり、当社グループの事業を推進していく上で十分な流動性を確保していると考えております。 ③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定 当社の連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。 この連結財務諸表の作成にあたっては、財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を与えるような見積り、予測を必要としております。当社グループは、過去の実績値や状況を踏まえ合理的と判断される前提に基づき、継続的に見積り、予測を行っております。そのため実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。 なお、連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。 ④ 経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等 当社グループは、持続的な成長と企業価値の向上のための客観的な指標として、売上高、営業利益の成長性を重視しております。 HR事業では、売上高を「顧客企業数」×「顧客あたりの売上」と捉え、高い売上高成長率の継続に向けて、「顧客数の最大化」と、「複数階層・全社利用や複数のサービスの提供による顧客あたり売上の増大」に積極的に取り組んでまいります。 教育事業では、売上高を「採用学校数」×「顧客あたりの売上」と捉え、売上高と営業利益の両方で高い成長率を継続するべく、特に「採用学校数の積み上げ」と、「複数のサービスの提供による学校あたり売上の増大」に積極的に取り組んでまいります。 プラットフォーム/Web3事業は、事業の立ち上げ期であり、短期的には計画どおりに事業を進めることを最優先に取り組んでまいります。 セグメント別の各指標の推移は以下のとおりであります。 セグメントの名称当連結会計年度(自 2023年4月1日至 2024年3月31日)売上高(千円)増減率(%)営業利益又は損失(△)(千円)増減率(%)HR事業342,399-130,209-教育事業294,430-100,368-プラットフォーム/Web3事業280,125-△38,912-(注)当社グループは、当連結会計年度より連結財務諸表を作成しているため、前連結会計年度からの増減率は記載しておりません。 ⑤ 経営成績に重要な影響を与える要因 当社グループの将来の経営成績に重要な影響を与えるリスク要因については、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。 ⑥ 経営者の問題意識と今後の方針 「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおり、今後更なる業容拡大と成長を遂げるには、様々な課題に対処していくことが必要であると認識しております。また、当社グループを取り巻く外部環境及び内部環境を適宜適切に把握し、市場におけるニーズを識別して経営資源の最適化に努めてまいります。
経営上の重要な契約等 5【経営上の重要な契約等】
 該当事項はありません。
研究開発活動 6【研究開発活動】
 当連結会計年度における当社グループが支出した研究開発費の総額は158,390千円であります。その内訳は、自社利用サービスのためのソフトウエアの機能拡充やUI/UX改善等であり、HR事業では、10,573千円、教育事業では、13,511千円、プラットフォーム/Web3事業では、134,305千円であります。 なお、当社グループはHR事業、教育事業及びプラットフォーム/Web3事業の各セグメントから構成されておりますが、自社のビジネス開発部門にて全セグメントで共通して研究開発活動を行っているため、セグメント別の研究開発活動の概要は記載しておりません。
設備投資等の概要 1【設備投資等の概要】
 当連結会計年度の設備投資等の総額は、31,241千円(全額が無形固定資産への投資)であります。無形固定資産への投資の内訳は、自社利用サービスのためのソフトウエアの新規開発及び機能追加等によるものであり、HR事業では、27,404千円、教育事業では、3,837千円であります。当連結会計年度において重要な設備の除却、売却等はありません。
主要な設備の状況 2【主要な設備の状況】
(1)提出会社2024年3月31日現在 事業所名(所在地)セグメントの名称設備の内容帳簿価額(千円)従業員数(名)建物工具、器具及び備品ソフトウエアその他合計本社(東京都渋谷区)HR事業教育事業プラットフォーム/Web3事業本社機能ソフトウエア等-47026,3156,78333,56954〔4〕 (注)1.現在休止中の主要な設備はありません。2.本社オフィスは賃借しており、その年間賃借料は9,807千円であります。3.従業員数は就業人員であり、臨時雇用者数(パートタイマー)は、年間の平均人員を〔外書き〕で記載しております。 (2)在外子会社主要な設備を保有していないため、記載を省略しております。
設備の新設、除却等の計画 3【設備の新設、除却等の計画】
(1)重要な設備の新設等 該当事項はありません。 (2)重要な設備の除却等 該当事項はありません。
研究開発費、研究開発活動134,305,000
設備投資額、設備投資等の概要3,837,000

Employees

平均年齢(年)、提出会社の状況、従業員の状況39
平均勤続年数(年)、提出会社の状況、従業員の状況3
平均年間給与、提出会社の状況、従業員の状況6,168,000
管理職に占める女性労働者の割合、提出会社の指標0
正規雇用労働者、労働者の男女の賃金の差異、提出会社の指標1

Investment

株式の保有状況 (5)【株式の保有状況】
① 投資株式の区分の基準及び考え方 当社は、保有目的が純投資目的である投資株式と純投資目的以外の目的である投資株式の区分について、専ら株式の価値の変動又は配当の受領によって利益を得ることを目的として保有する株式を純投資目的である投資株式、それ以外を目的として保有する株式を純投資目的以外の目的である投資株式としております。 ② 保有目的が純投資目的である投資株式該当事項はありません。 ③ 保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式a.保有方針及び保有の合理性を検証する方法並びに個別銘柄の保有の適否に関する取締役会等における検証の内容(保有方針)純投資目的以外の目的である株式の保有については、当社の事業拡大を目的とし、当社の中長期的な企業価値の向上に資すると判断した場合について、保有していく方針です。 (保有の合理性を検証する方法並びに個別銘柄の保有の適否に関する取締役会等における検証の内容)純投資目的以外の目的である株式の保有については、当社の取締役会にて、継続的に保有先企業の財政状態及び経営成績の状況についてモニタリングを実施し、事業の状況や投資の効果を確認することで保有の適切性や合理性、保有意義を検討し、保有継続の是非を判断しております。 b.銘柄数及び貸借対照表計上額区分当事業年度銘柄数(銘柄)貸借対照表計上額の合計額(千円)非上場株式1784 (当事業年度において株式数が増加した銘柄)区分当事業年度銘柄数(銘柄)株式数の増加に係る取得価額の合計額(千円)株式数の増加の理由非上場株式1784事業シナジーのため (当事業年度において株式数が減少した銘柄)該当事項はありません。 c.特定投資株式及びみなし保有株式の銘柄ごとの株式数、貸借対照表計上額等に関する情報該当事項はありません。

Shareholders

大株主の状況 (6)【大株主の状況】
2024年3月31日現在
氏名又は名称住所所有株式数(株)発行済株式(自己株式を除く。)の総数に対する所有株式数の割合(%)
福原 正大東京都渋谷区565,40012.54
岩永 泰典東京都世田谷区325,0007.20
株式会社ウィザス大阪府大阪市中央区備後町3-6-2KFセンタービル290,0006.43
尾田 信夫東京都世田谷区262,7005.82
慶應イノベーション・イニシアティブ1号投資事業有限責任組合東京都港区三田1-4-28131,5002.91
塚本 勲東京都文京区84,0001.86
株式会社日本カストディ銀行(信託口)東京都中央区晴海1-8-1280,8001.79
松井証券株式会社東京都千代田区麹町1-478,0001.73
谷家 衛New Zealand75,0001.66
上田八木短資株式会社大阪府大阪市中央区高麗橋2-4-270,5001.56計-1,962,90043.53(注)発行済株式(自己株式を除く。)の総数に対する所有株式数の割合は、小数点以下第3位を切り捨てております。
株主数-金融機関2
株主数-金融商品取引業者21
株主数-外国法人等-個人24
連結株主資本等変動計算書 ③【連結株主資本等変動計算書】
当連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日) (単位:千円) 株主資本新株予約権純資産合計 資本金資本剰余金利益剰余金株主資本合計当期首残高95,7111,062,264△125,4011,032,5743421,032,917当期変動額 新株の発行1,4231,423-2,847-2,847親会社株主に帰属する当期純損失(△)--△21,171△21,171-△21,171株主資本以外の項目の当期変動額(純額)----△35△35当期変動額合計1,4231,423△21,171△18,324△35△18,359当期末残高97,1351,063,687△146,5721,014,2503061,014,557
株主数-外国法人等-個人以外16
株主数-個人その他2,825
株主数-その他の法人37
株主数-計2,925
氏名又は名称、大株主の状況上田八木短資株式会社
株主総利回り0
株主総会決議による取得の状況 (1)【株主総会決議による取得の状況】
 該当事項はありません。
株主総会決議又は取締役会決議に基づかないものの内容 (3)【株主総会決議又は取締役会決議に基づかないものの内容】
 該当事項はありません。

Shareholders2

発行済株式及び自己株式に関する注記 1.発行済株式の種類及び総数並びに自己株式の種類及び株式数に関する事項 当連結会計年度期首株式数(株)当連結会計年度増加株式数(株)当連結会計年度減少株式数(株)当連結会計年度末株式数(株)発行済株式 普通株式4,489,30019,000-4,508,300合計4,489,30019,000-4,508,300自己株式 普通株式----合計----(注)普通株式の発行済株式総数の増加19,000株は、新株予約権の権利行使による新株の発行による増加によるものであります。

Audit

監査法人1、連結太陽有限責任監査法人
独立監査人の報告書、連結 独立監査人の監査報告書 2024年6月25日Institution for a Global Society株式会社 取締役会 御中 太陽有限責任監査法人  東京事務所 指定有限責任社員業務執行社員 公認会計士石原 鉄也 印 指定有限責任社員業務執行社員 公認会計士石田  宏 印 <連結財務諸表監査>監査意見 当監査法人は、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づく監査証明を行うため、「経理の状況」に掲げられているInstitution for a Global Society株式会社の2023年4月1日から2024年3月31日までの連結会計年度の連結財務諸表、すなわち、連結貸借対照表、連結損益計算書、連結包括利益計算書、連結株主資本等変動計算書、連結キャッシュ・フロー計算書、連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項、その他の注記及び連結附属明細表について監査を行った。 当監査法人は、上記の連結財務諸表が、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して、Institution for a Global Society株式会社及び連結子会社の2024年3月31日現在の財政状態並びに同日をもって終了する連結会計年度の経営成績及びキャッシュ・フローの状況を、全ての重要な点において適正に表示しているものと認める。 監査意見の根拠 当監査法人は、我が国において一般に公正妥当と認められる監査の基準に準拠して監査を行った。監査の基準における当監査法人の責任は、「連結財務諸表監査における監査人の責任」に記載されている。当監査法人は、我が国における職業倫理に関する規定に従って、会社及び連結子会社から独立しており、また、監査人としてのその他の倫理上の責任を果たしている。当監査法人は、意見表明の基礎となる十分かつ適切な監査証拠を入手したと判断している。 監査上の主要な検討事項 監査上の主要な検討事項とは、当連結会計年度の連結財務諸表の監査において、監査人が職業的専門家として特に重要であると判断した事項である。監査上の主要な検討事項は、連結財務諸表全体に対する監査の実施過程及び監査意見の形成において対応した事項であり、当監査法人は、当該事項に対して個別に意見を表明するものではない。 プラットフォーム/Web3事業における期末月の特定の販売取引に関する収益認識監査上の主要な検討事項の内容及び決定理由監査上の対応 会社は、プラットフォーム/Web3事業において、ブロックチェーンを用いて個人情報の管理・活用を実現するための「STARプロジェクト」を前事業年度まで行ってきており、その成果を受けて、新たに開始する人材育成・採用一体型のサービス「ONGAESHIプロジェクト」のローンチに向けた投資を続けてきた。 当該プロジェクトの海外展開及び将来的なDAOの設立 を検討する中で、会社は当期末月にシンガポールで設立された「BOUNDLESSEDU PTE.LTD.」(以下「BE社」という。)への出資を行ったうえで、BE社に当該プロジェクトのプラットフォームシステムを売却し、250,000千円の売上高を計上している。  本件取引によって計上される売上高は当連結会計年度において金額的にも質的にも重要性が極めて高く、単に取引当事者間の証憑に基づいた検討だけでなく、以下の事項について、監査上特に注意を払う必要があると判断した。 (1)BE社の実態把握及び会社との関係性について、慎重な判断が必要となる。(2)本件取引の成果物である当該システムは無形であり、期末月において物理的に当該システムがBE社へ引き渡されたことの確認が困難である。(3)本件取引が期末月に実施されたことの適時性、経済合理性、買戻し条件の有無、及び当該システムの引渡し後も引き続き会社が国内事業で当該システムを利用することの合理性について、慎重な評価が必要である。(4)当該システムの売却は関連当事者との重要な取引であるため、独立第三者間取引の場合よりも、取引価格や回収条件の決定に際し恣意的な判断や調整が介入するリスクがあり、適切な会計処理及び表示が行われない可能性がある。  上記の事項を適切に検討するためには、BE社の経営者を含む取引当事者の意思や判断、及び本件取引のスキームや関連する事業計画等の内容を理解したうえで、取引実態を的確に把握する必要がある。以上から、当監査法人は、本件取引に関する収益認識が当連結会計年度の監査において特に重要であり、監査上の主要な検討事項に該当すると判断した。 当監査法人は、プラットフォーム/Web3事業における期末月の特定の販売取引に関する収益認識を検討するに当たり、以下の監査手続を実施した。 (1)BE社の実態把握及び会社の持分法の適用範囲の妥当性を検討するに当たり、主として以下の監査手続を実施した。・ 本件取引のスキームを理解するため、関連する事業計画等を閲覧し、会社の経営者及び管理部責任者へ質問した。・ BE社の実在性、設立日付、役員構成、株主構成等を把握するため、当監査法人と同一のネットワークに属するメンバーファームの協力を得てシンガポール現地の登記情報等を入手し、閲覧した。・ BE社の役員の属性及び影響力並びに会社との関係を検討するため、BE社の役員にインタビューを実施するとともに、BE社の役員の属性に関連する資料及び入手可能な外部情報を確かめた。・ BE社の役員のうち一時的に会社にも在籍している者について、翌連結会計年度にBE社に転籍する計画があること、転籍の理由、及び転籍時期の合理性について、当該役員への質問及び転籍同意書等の閲覧により確かめた。・ 上記の結果を総合的に勘案し、BE社の役員が会社の緊密な者及び同意している者に該当しないかどうかを含め、会社がBE社を持分法の適用範囲から除外することの妥当性を検討した。(2)当該システムの引渡しが完了した事実を確かめるため、主として以下の監査手続を実施した。・ 契約書、検収書、関連する取締役会議事録、及びBE社の事業計画等を閲覧した。・ 当該システムの所有権がBE社に移転することに伴い、「ONGAESHIプロジェクト」のユーザーと会社との間で必要となる利用規約及びプライバシーポリシーの改定、通知等の対応状況を確かめることにより、所有権が実質的に移転していることに関する心証を得た。・ 当該システムがBE社に引き渡された後、BE社の使用許諾を得たうえで会社が国内事業で当該システムを利用することについて、契約書等の閲覧により確かめた。(3)本件取引が期末月に実施されたことの適時性、経済合理性、買戻し条件の有無、及び当該システムの引渡し後も引き続き会社が国内事業で当該システムを利用することの合理性を評価するに当たり、主として以下の監査手続を実施した。・ 会社の経営者及び管理部責任者に対し、DAOの設立に向けて当該システムを会社が保有することなくBE社に売却することの合理性について質問した。・ BE社の役員3名に対し、国内及びシンガポールでの事業展開、当期末月に当該システムを取得することの必要性等について質問した。・ 上記を踏まえ、買戻しの意思や計画がないこと、及び会社が当該システムの利用者として国内で事業展開することの合理性について、契約書等の閲覧、会社の経営者及びBE社の役員3名への質問により確かめた。(4)取引価格の適正性、及び回収条件の妥当性を検討するに当たり、主として以下の監査手続を実施した。・ 会社の経営者及びBE社の役員3名に対し、取引価格と回収条件の決定プロセスについて質問した。・ 合意された取引価格の決定に際し、経営者が利用した外部の専門家の適性、能力及び客観性を評価するとともに、評価手法の選択及び適用並びに選択した評価手法に基づく算定結果に関する適切性を評価した。・ 合意された回収条件の検討については、BE社の将来キャッシュ・フロー計画との整合性を確かめた。 その他の記載内容 その他の記載内容は、有価証券報告書に含まれる情報のうち、連結財務諸表及び財務諸表並びにこれらの監査報告書以外の情報である。経営者の責任は、その他の記載内容を作成し開示することにある。また、監査役及び監査役会の責任は、その他の記載内容の報告プロセスの整備及び運用における取締役の職務の執行を監視することにある。 当監査法人の連結財務諸表に対する監査意見の対象にはその他の記載内容は含まれておらず、当監査法人はその他の記載内容に対して意見を表明するものではない。 連結財務諸表監査における当監査法人の責任は、その他の記載内容を通読し、通読の過程において、その他の記載内容と連結財務諸表又は当監査法人が監査の過程で得た知識との間に重要な相違があるかどうか検討すること、また、そのような重要な相違以外にその他の記載内容に重要な誤りの兆候があるかどうか注意を払うことにある。 当監査法人は、実施した作業に基づき、その他の記載内容に重要な誤りがあると判断した場合には、その事実を報告することが求められている。 その他の記載内容に関して、当監査法人が報告すべき事項はない。 連結財務諸表に対する経営者並びに監査役及び監査役会の責任 経営者の責任は、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して連結財務諸表を作成し適正に表示することにある。これには、不正又は誤謬による重要な虚偽表示のない連結財務諸表を作成し適正に表示するために経営者が必要と判断した内部統制を整備及び運用することが含まれる。 連結財務諸表を作成するに当たり、経営者は、継続企業の前提に基づき連結財務諸表を作成することが適切であるかどうかを評価し、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づいて継続企業に関する事項を開示する必要がある場合には当該事項を開示する責任がある。 監査役及び監査役会の責任は、財務報告プロセスの整備及び運用における取締役の職務の執行を監視することにある。 連結財務諸表監査における監査人の責任 監査人の責任は、監査人が実施した監査に基づいて、全体としての連結財務諸表に不正又は誤謬による重要な虚偽表示がないかどうかについて合理的な保証を得て、監査報告書において独立の立場から連結財務諸表に対する意見を表明することにある。虚偽表示は、不正又は誤謬により発生する可能性があり、個別に又は集計すると、連結財務諸表の利用者の意思決定に影響を与えると合理的に見込まれる場合に、重要性があると判断される。 監査人は、我が国において一般に公正妥当と認められる監査の基準に従って、監査の過程を通じて、職業的専門家としての判断を行い、職業的懐疑心を保持して以下を実施する。・ 不正又は誤謬による重要な虚偽表示リスクを識別し、評価する。また、重要な虚偽表示リスクに対応した監査手続を立案し、実施する。監査手続の選択及び適用は監査人の判断による。さらに、意見表明の基礎となる十分かつ適切な監査証拠を入手する。・ 連結財務諸表監査の目的は、内部統制の有効性について意見表明するためのものではないが、監査人は、リスク評価の実施に際して、状況に応じた適切な監査手続を立案するために、監査に関連する内部統制を検討する。・ 経営者が採用した会計方針及びその適用方法の適切性、並びに経営者によって行われた会計上の見積りの合理性及び関連する注記事項の妥当性を評価する。・ 経営者が継続企業を前提として連結財務諸表を作成することが適切であるかどうか、また、入手した監査証拠に基づき、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況に関して重要な不確実性が認められるかどうか結論付ける。継続企業の前提に関する重要な不確実性が認められる場合は、監査報告書において連結財務諸表の注記事項に注意を喚起すること、又は重要な不確実性に関する連結財務諸表の注記事項が適切でない場合は、連結財務諸表に対して除外事項付意見を表明することが求められている。監査人の結論は、監査報告書日までに入手した監査証拠に基づいているが、将来の事象や状況により、企業は継続企業として存続できなくなる可能性がある。 ・ 連結財務諸表の表示及び注記事項が、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠しているかどうかとともに、関連する注記事項を含めた連結財務諸表の表示、構成及び内容、並びに連結財務諸表が基礎となる取引や会計事象を適正に表示しているかどうかを評価する。・ 連結財務諸表に対する意見を表明するために、会社及び連結子会社の財務情報に関する十分かつ適切な監査証拠を入手する。監査人は、連結財務諸表の監査に関する指示、監督及び実施に関して責任がある。監査人は、単独で監査意見に対して責任を負う。 監査人は、監査役及び監査役会に対して、計画した監査の範囲とその実施時期、監査の実施過程で識別した内部統制の重要な不備を含む監査上の重要な発見事項、及び監査の基準で求められているその他の事項について報告を行う。 監査人は、監査役及び監査役会に対して、独立性についての我が国における職業倫理に関する規定を遵守したこと、並びに監査人の独立性に影響を与えると合理的に考えられる事項、及び阻害要因を除去するための対応策を講じている場合又は阻害要因を許容可能な水準にまで軽減するためのセーフガードを適用している場合はその内容について報告を行う。 監査人は、監査役及び監査役会と協議した事項のうち、当連結会計年度の連結財務諸表の監査で特に重要であると判断した事項を監査上の主要な検討事項と決定し、監査報告書において記載する。ただし、法令等により当該事項の公表が禁止されている場合や、極めて限定的ではあるが、監査報告書において報告することにより生じる不利益が公共の利益を上回ると合理的に見込まれるため、監査人が報告すべきでないと判断した場合は、当該事項を記載しない。 <報酬関連情報> 当監査法人及び当監査法人と同一のネットワークに属する者に対する、会社及び子会社の監査証明業務に基づく報酬及び非監査業務に基づく報酬の額は、「提出会社の状況」に含まれるコーポレート・ガバナンスの状況等(3)【監査の状況】
に記載されている。 利害関係 会社及び連結子会社と当監査法人又は業務執行社員との間には、公認会計士法の規定により記載すべき利害関係はない。 以 上  (注)1.上記は監査報告書の原本に記載された事項を電子化したものであり、その原本は当社(有価証券報告書提出会社)が別途保管しております。2.XBRLデータは監査の対象には含まれていません。
監査上の主要な検討事項、連結 監査上の主要な検討事項 監査上の主要な検討事項とは、当連結会計年度の連結財務諸表の監査において、監査人が職業的専門家として特に重要であると判断した事項である。監査上の主要な検討事項は、連結財務諸表全体に対する監査の実施過程及び監査意見の形成において対応した事項であり、当監査法人は、当該事項に対して個別に意見を表明するものではない。 プラットフォーム/Web3事業における期末月の特定の販売取引に関する収益認識監査上の主要な検討事項の内容及び決定理由監査上の対応 会社は、プラットフォーム/Web3事業において、ブロックチェーンを用いて個人情報の管理・活用を実現するための「STARプロジェクト」を前事業年度まで行ってきており、その成果を受けて、新たに開始する人材育成・採用一体型のサービス「ONGAESHIプロジェクト」のローンチに向けた投資を続けてきた。 当該プロジェクトの海外展開及び将来的なDAOの設立 を検討する中で、会社は当期末月にシンガポールで設立された「BOUNDLESSEDU PTE.LTD.」(以下「BE社」という。)への出資を行ったうえで、BE社に当該プロジェクトのプラットフォームシステムを売却し、250,000千円の売上高を計上している。  本件取引によって計上される売上高は当連結会計年度において金額的にも質的にも重要性が極めて高く、単に取引当事者間の証憑に基づいた検討だけでなく、以下の事項について、監査上特に注意を払う必要があると判断した。 (1)BE社の実態把握及び会社との関係性について、慎重な判断が必要となる。(2)本件取引の成果物である当該システムは無形であり、期末月において物理的に当該システムがBE社へ引き渡されたことの確認が困難である。(3)本件取引が期末月に実施されたことの適時性、経済合理性、買戻し条件の有無、及び当該システムの引渡し後も引き続き会社が国内事業で当該システムを利用することの合理性について、慎重な評価が必要である。(4)当該システムの売却は関連当事者との重要な取引であるため、独立第三者間取引の場合よりも、取引価格や回収条件の決定に際し恣意的な判断や調整が介入するリスクがあり、適切な会計処理及び表示が行われない可能性がある。  上記の事項を適切に検討するためには、BE社の経営者を含む取引当事者の意思や判断、及び本件取引のスキームや関連する事業計画等の内容を理解したうえで、取引実態を的確に把握する必要がある。以上から、当監査法人は、本件取引に関する収益認識が当連結会計年度の監査において特に重要であり、監査上の主要な検討事項に該当すると判断した。 当監査法人は、プラットフォーム/Web3事業における期末月の特定の販売取引に関する収益認識を検討するに当たり、以下の監査手続を実施した。 (1)BE社の実態把握及び会社の持分法の適用範囲の妥当性を検討するに当たり、主として以下の監査手続を実施した。・ 本件取引のスキームを理解するため、関連する事業計画等を閲覧し、会社の経営者及び管理部責任者へ質問した。・ BE社の実在性、設立日付、役員構成、株主構成等を把握するため、当監査法人と同一のネットワークに属するメンバーファームの協力を得てシンガポール現地の登記情報等を入手し、閲覧した。・ BE社の役員の属性及び影響力並びに会社との関係を検討するため、BE社の役員にインタビューを実施するとともに、BE社の役員の属性に関連する資料及び入手可能な外部情報を確かめた。・ BE社の役員のうち一時的に会社にも在籍している者について、翌連結会計年度にBE社に転籍する計画があること、転籍の理由、及び転籍時期の合理性について、当該役員への質問及び転籍同意書等の閲覧により確かめた。・ 上記の結果を総合的に勘案し、BE社の役員が会社の緊密な者及び同意している者に該当しないかどうかを含め、会社がBE社を持分法の適用範囲から除外することの妥当性を検討した。(2)当該システムの引渡しが完了した事実を確かめるため、主として以下の監査手続を実施した。・ 契約書、検収書、関連する取締役会議事録、及びBE社の事業計画等を閲覧した。・ 当該システムの所有権がBE社に移転することに伴い、「ONGAESHIプロジェクト」のユーザーと会社との間で必要となる利用規約及びプライバシーポリシーの改定、通知等の対応状況を確かめることにより、所有権が実質的に移転していることに関する心証を得た。・ 当該システムがBE社に引き渡された後、BE社の使用許諾を得たうえで会社が国内事業で当該システムを利用することについて、契約書等の閲覧により確かめた。(3)本件取引が期末月に実施されたことの適時性、経済合理性、買戻し条件の有無、及び当該システムの引渡し後も引き続き会社が国内事業で当該システムを利用することの合理性を評価するに当たり、主として以下の監査手続を実施した。・ 会社の経営者及び管理部責任者に対し、DAOの設立に向けて当該システムを会社が保有することなくBE社に売却することの合理性について質問した。・ BE社の役員3名に対し、国内及びシンガポールでの事業展開、当期末月に当該システムを取得することの必要性等について質問した。・ 上記を踏まえ、買戻しの意思や計画がないこと、及び会社が当該システムの利用者として国内で事業展開することの合理性について、契約書等の閲覧、会社の経営者及びBE社の役員3名への質問により確かめた。(4)取引価格の適正性、及び回収条件の妥当性を検討するに当たり、主として以下の監査手続を実施した。・ 会社の経営者及びBE社の役員3名に対し、取引価格と回収条件の決定プロセスについて質問した。・ 合意された取引価格の決定に際し、経営者が利用した外部の専門家の適性、能力及び客観性を評価するとともに、評価手法の選択及び適用並びに選択した評価手法に基づく算定結果に関する適切性を評価した。・ 合意された回収条件の検討については、BE社の将来キャッシュ・フロー計画との整合性を確かめた。
全体概要、監査上の主要な検討事項、連結  監査上の主要な検討事項とは、当連結会計年度の連結財務諸表の監査において、監査人が職業的専門家として特に重要であると判断した事項である。監査上の主要な検討事項は、連結財務諸表全体に対する監査の実施過程及び監査意見の形成において対応した事項であり、当監査法人は、当該事項に対して個別に意見を表明するものではない。
見出し、監査上の主要な検討事項、連結プラットフォーム/Web3事業における期末月の特定の販売取引に関する収益認識
内容及び理由、監査上の主要な検討事項、連結  会社は、プラットフォーム/Web3事業において、ブロックチェーンを用いて個人情報の管理・活用を実現するための「STARプロジェクト」を前事業年度まで行ってきており、その成果を受けて、新たに開始する人材育成・採用一体型のサービス「ONGAESHIプロジェクト」のローンチに向けた投資を続けてきた。 当該プロジェクトの海外展開及び将来的なDAOの設立 を検討する中で、会社は当期末月にシンガポールで設立された「BOUNDLESSEDU PTE.LTD.」(以下「BE社」という。)への出資を行ったうえで、BE社に当該プロジェクトのプラットフォームシステムを売却し、250,000千円の売上高を計上している。  本件取引によって計上される売上高は当連結会計年度において金額的にも質的にも重要性が極めて高く、単に取引当事者間の証憑に基づいた検討だけでなく、以下の事項について、監査上特に注意を払う必要があると判断した。 (1)BE社の実態把握及び会社との関係性について、慎重な判断が必要となる。(2)本件取引の成果物である当該システムは無形であり、期末月において物理的に当該システムがBE社へ引き渡されたことの確認が困難である。(3)本件取引が期末月に実施されたことの適時性、経済合理性、買戻し条件の有無、及び当該システムの引渡し後も引き続き会社が国内事業で当該システムを利用することの合理性について、慎重な評価が必要である。(4)当該システムの売却は関連当事者との重要な取引であるため、独立第三者間取引の場合よりも、取引価格や回収条件の決定に際し恣意的な判断や調整が介入するリスクがあり、適切な会計処理及び表示が行われない可能性がある。  上記の事項を適切に検討するためには、BE社の経営者を含む取引当事者の意思や判断、及び本件取引のスキームや関連する事業計画等の内容を理解したうえで、取引実態を的確に把握する必要がある。以上から、当監査法人は、本件取引に関する収益認識が当連結会計年度の監査において特に重要であり、監査上の主要な検討事項に該当すると判断した。
監査上の対応、監査上の主要な検討事項、連結  当監査法人は、プラットフォーム/Web3事業における期末月の特定の販売取引に関する収益認識を検討するに当たり、以下の監査手続を実施した。 (1)BE社の実態把握及び会社の持分法の適用範囲の妥当性を検討するに当たり、主として以下の監査手続を実施した。・ 本件取引のスキームを理解するため、関連する事業計画等を閲覧し、会社の経営者及び管理部責任者へ質問した。・ BE社の実在性、設立日付、役員構成、株主構成等を把握するため、当監査法人と同一のネットワークに属するメンバーファームの協力を得てシンガポール現地の登記情報等を入手し、閲覧した。・ BE社の役員の属性及び影響力並びに会社との関係を検討するため、BE社の役員にインタビューを実施するとともに、BE社の役員の属性に関連する資料及び入手可能な外部情報を確かめた。・ BE社の役員のうち一時的に会社にも在籍している者について、翌連結会計年度にBE社に転籍する計画があること、転籍の理由、及び転籍時期の合理性について、当該役員への質問及び転籍同意書等の閲覧により確かめた。・ 上記の結果を総合的に勘案し、BE社の役員が会社の緊密な者及び同意している者に該当しないかどうかを含め、会社がBE社を持分法の適用範囲から除外することの妥当性を検討した。(2)当該システムの引渡しが完了した事実を確かめるため、主として以下の監査手続を実施した。・ 契約書、検収書、関連する取締役会議事録、及びBE社の事業計画等を閲覧した。・ 当該システムの所有権がBE社に移転することに伴い、「ONGAESHIプロジェクト」のユーザーと会社との間で必要となる利用規約及びプライバシーポリシーの改定、通知等の対応状況を確かめることにより、所有権が実質的に移転していることに関する心証を得た。・ 当該システムがBE社に引き渡された後、BE社の使用許諾を得たうえで会社が国内事業で当該システムを利用することについて、契約書等の閲覧により確かめた。(3)本件取引が期末月に実施されたことの適時性、経済合理性、買戻し条件の有無、及び当該システムの引渡し後も引き続き会社が国内事業で当該システムを利用することの合理性を評価するに当たり、主として以下の監査手続を実施した。・ 会社の経営者及び管理部責任者に対し、DAOの設立に向けて当該システムを会社が保有することなくBE社に売却することの合理性について質問した。・ BE社の役員3名に対し、国内及びシンガポールでの事業展開、当期末月に当該システムを取得することの必要性等について質問した。・ 上記を踏まえ、買戻しの意思や計画がないこと、及び会社が当該システムの利用者として国内で事業展開することの合理性について、契約書等の閲覧、会社の経営者及びBE社の役員3名への質問により確かめた。(4)取引価格の適正性、及び回収条件の妥当性を検討するに当たり、主として以下の監査手続を実施した。・ 会社の経営者及びBE社の役員3名に対し、取引価格と回収条件の決定プロセスについて質問した。・ 合意された取引価格の決定に際し、経営者が利用した外部の専門家の適性、能力及び客観性を評価するとともに、評価手法の選択及び適用並びに選択した評価手法に基づく算定結果に関する適切性を評価した。・ 合意された回収条件の検討については、BE社の将来キャッシュ・フロー計画との整合性を確かめた。
その他の記載内容、連結 その他の記載内容 その他の記載内容は、有価証券報告書に含まれる情報のうち、連結財務諸表及び財務諸表並びにこれらの監査報告書以外の情報である。経営者の責任は、その他の記載内容を作成し開示することにある。また、監査役及び監査役会の責任は、その他の記載内容の報告プロセスの整備及び運用における取締役の職務の執行を監視することにある。 当監査法人の連結財務諸表に対する監査意見の対象にはその他の記載内容は含まれておらず、当監査法人はその他の記載内容に対して意見を表明するものではない。 連結財務諸表監査における当監査法人の責任は、その他の記載内容を通読し、通読の過程において、その他の記載内容と連結財務諸表又は当監査法人が監査の過程で得た知識との間に重要な相違があるかどうか検討すること、また、そのような重要な相違以外にその他の記載内容に重要な誤りの兆候があるかどうか注意を払うことにある。 当監査法人は、実施した作業に基づき、その他の記載内容に重要な誤りがあると判断した場合には、その事実を報告することが求められている。 その他の記載内容に関して、当監査法人が報告すべき事項はない。
報酬関連情報、連結 <報酬関連情報> 当監査法人及び当監査法人と同一のネットワークに属する者に対する、会社及び子会社の監査証明業務に基づく報酬及び非監査業務に基づく報酬の額は、「提出会社の状況」に含まれるコーポレート・ガバナンスの状況等(3)【監査の状況】
に記載されている。

Audit1

監査法人1、個別太陽有限責任監査法人
独立監査人の報告書、個別 独立監査人の監査報告書 2024年6月25日Institution for a Global Society株式会社 取締役会 御中 太陽有限責任監査法人  東京事務所 指定有限責任社員業務執行社員 公認会計士石原 鉄也 印 指定有限責任社員業務執行社員 公認会計士石田  宏 印 <財務諸表監査>監査意見 当監査法人は、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づく監査証明を行うため、「経理の状況」に掲げられているInstitution for a Global Society株式会社の2023年4月1日から2024年3月31日までの第14期事業年度の財務諸表、すなわち、貸借対照表、損益計算書、株主資本等変動計算書、重要な会計方針、その他の注記及び附属明細表について監査を行った。 当監査法人は、上記の財務諸表が、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して、Institution for a Global Society株式会社の2024年3月31日現在の財政状態及び同日をもって終了する事業年度の経営成績を、全ての重要な点において適正に表示しているものと認める。 監査意見の根拠 当監査法人は、我が国において一般に公正妥当と認められる監査の基準に準拠して監査を行った。監査の基準における当監査法人の責任は、「財務諸表監査における監査人の責任」に記載されている。当監査法人は、我が国における職業倫理に関する規定に従って、会社から独立しており、また、監査人としてのその他の倫理上の責任を果たしている。当監査法人は、意見表明の基礎となる十分かつ適切な監査証拠を入手したと判断している。 監査上の主要な検討事項 監査上の主要な検討事項とは、当事業年度の財務諸表の監査において、監査人が職業的専門家として特に重要であると判断した事項である。監査上の主要な検討事項は、財務諸表全体に対する監査の実施過程及び監査意見の形成において対応した事項であり、当監査法人は、当該事項に対して個別に意見を表明するものではない。 プラットフォーム/Web3事業における期末月の特定の販売取引に関する収益認識 連結財務諸表の監査報告書に記載されている監査上の主要な検討事項(プラットフォーム/Web3事業における期末月の特定の販売取引に関する収益認識)と同一内容であるため、記載を省略している。 その他の記載内容 その他の記載内容は、有価証券報告書に含まれる情報のうち、連結財務諸表及び財務諸表並びにこれらの監査報告書以外の情報である。経営者の責任は、その他の記載内容を作成し開示することにある。また、監査役及び監査役会の責任は、その他の記載内容の報告プロセスの整備及び運用における取締役の職務の執行を監視することにある。 当監査法人の財務諸表に対する監査意見の対象にはその他の記載内容は含まれておらず、当監査法人はその他の記載内容に対して意見を表明するものではない。 財務諸表監査における当監査法人の責任は、その他の記載内容を通読し、通読の過程において、その他の記載内容と財務諸表又は当監査法人が監査の過程で得た知識との間に重要な相違があるかどうか検討すること、また、そのような重要な相違以外にその他の記載内容に重要な誤りの兆候があるかどうか注意を払うことにある。 当監査法人は、実施した作業に基づき、その他の記載内容に重要な誤りがあると判断した場合には、その事実を報告することが求められている。 その他の記載内容に関して、当監査法人が報告すべき事項はない。 財務諸表に対する経営者並びに監査役及び監査役会の責任 経営者の責任は、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して財務諸表を作成し適正に表示することにある。これには、不正又は誤謬による重要な虚偽表示のない財務諸表を作成し適正に表示するために経営者が必要と判断した内部統制を整備及び運用することが含まれる。 財務諸表を作成するに当たり、経営者は、継続企業の前提に基づき財務諸表を作成することが適切であるかどうかを評価し、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づいて継続企業に関する事項を開示する必要がある場合には当該事項を開示する責任がある。 監査役及び監査役会の責任は、財務報告プロセスの整備及び運用における取締役の職務の執行を監視することにある。 財務諸表監査における監査人の責任 監査人の責任は、監査人が実施した監査に基づいて、全体としての財務諸表に不正又は誤謬による重要な虚偽表示がないかどうかについて合理的な保証を得て、監査報告書において独立の立場から財務諸表に対する意見を表明することにある。虚偽表示は、不正又は誤謬により発生する可能性があり、個別に又は集計すると、財務諸表の利用者の意思決定に影響を与えると合理的に見込まれる場合に、重要性があると判断される。 監査人は、我が国において一般に公正妥当と認められる監査の基準に従って、監査の過程を通じて、職業的専門家としての判断を行い、職業的懐疑心を保持して以下を実施する。・ 不正又は誤謬による重要な虚偽表示リスクを識別し、評価する。また、重要な虚偽表示リスクに対応した監査手続を立案し、実施する。監査手続の選択及び適用は監査人の判断による。さらに、意見表明の基礎となる十分かつ適切な監査証拠を入手する。・ 財務諸表監査の目的は、内部統制の有効性について意見表明するためのものではないが、監査人は、リスク評価の実施に際して、状況に応じた適切な監査手続を立案するために、監査に関連する内部統制を検討する。・ 経営者が採用した会計方針及びその適用方法の適切性、並びに経営者によって行われた会計上の見積りの合理性及び関連する注記事項の妥当性を評価する。・ 経営者が継続企業を前提として財務諸表を作成することが適切であるかどうか、また、入手した監査証拠に基づき、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況に関して重要な不確実性が認められるかどうか結論付ける。継続企業の前提に関する重要な不確実性が認められる場合は、監査報告書において財務諸表の注記事項に注意を喚起すること、又は重要な不確実性に関する財務諸表の注記事項が適切でない場合は、財務諸表に対して除外事項付意見を表明することが求められている。監査人の結論は、監査報告書日までに入手した監査証拠に基づいているが、将来の事象や状況により、企業は継続企業として存続できなくなる可能性がある。・ 財務諸表の表示及び注記事項が、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠しているかどうかとともに、関連する注記事項を含めた財務諸表の表示、構成及び内容、並びに財務諸表が基礎となる取引や会計事象を適正に表示しているかどうかを評価する。 監査人は、監査役及び監査役会に対して、計画した監査の範囲とその実施時期、監査の実施過程で識別した内部統制の重要な不備を含む監査上の重要な発見事項、及び監査の基準で求められているその他の事項について報告を行う。 監査人は、監査役及び監査役会に対して、独立性についての我が国における職業倫理に関する規定を遵守したこと、並びに監査人の独立性に影響を与えると合理的に考えられる事項、及び阻害要因を除去するための対応策を講じている場合又は阻害要因を許容可能な水準にまで軽減するためのセーフガードを適用している場合はその内容について報告を行う。 監査人は、監査役及び監査役会と協議した事項のうち、当事業年度の財務諸表の監査で特に重要であると判断した事項を監査上の主要な検討事項と決定し、監査報告書において記載する。ただし、法令等により当該事項の公表が禁止されている場合や、極めて限定的ではあるが、監査報告書において報告することにより生じる不利益が公共の利益を上回ると合理的に見込まれるため、監査人が報告すべきでないと判断した場合は、当該事項を記載しない。<報酬関連情報> 報酬関連情報は、連結財務諸表の監査報告書に記載されている。 利害関係 会社と当監査法人又は業務執行社員との間には、公認会計士法の規定により記載すべき利害関係はない。 以 上  (注)1.上記は監査報告書の原本に記載された事項を電子化したものであり、その原本は当社(有価証券報告書提出会社)が別途保管しております。2.XBRLデータは監査の対象には含まれていません。
監査上の主要な検討事項、個別 監査上の主要な検討事項 監査上の主要な検討事項とは、当事業年度の財務諸表の監査において、監査人が職業的専門家として特に重要であると判断した事項である。監査上の主要な検討事項は、財務諸表全体に対する監査の実施過程及び監査意見の形成において対応した事項であり、当監査法人は、当該事項に対して個別に意見を表明するものではない。 プラットフォーム/Web3事業における期末月の特定の販売取引に関する収益認識 連結財務諸表の監査報告書に記載されている監査上の主要な検討事項(プラットフォーム/Web3事業における期末月の特定の販売取引に関する収益認識)と同一内容であるため、記載を省略している。
全体概要、監査上の主要な検討事項、個別  監査上の主要な検討事項とは、当事業年度の財務諸表の監査において、監査人が職業的専門家として特に重要であると判断した事項である。監査上の主要な検討事項は、財務諸表全体に対する監査の実施過程及び監査意見の形成において対応した事項であり、当監査法人は、当該事項に対して個別に意見を表明するものではない。
見出し、監査上の主要な検討事項、個別プラットフォーム/Web3事業における期末月の特定の販売取引に関する収益認識
連結と同一内容である旨、監査上の主要な検討事項、個別  連結財務諸表の監査報告書に記載されている監査上の主要な検討事項(プラットフォーム/Web3事業における期末月の特定の販売取引に関する収益認識)と同一内容であるため、記載を省略している。
その他の記載内容、個別 その他の記載内容 その他の記載内容は、有価証券報告書に含まれる情報のうち、連結財務諸表及び財務諸表並びにこれらの監査報告書以外の情報である。経営者の責任は、その他の記載内容を作成し開示することにある。また、監査役及び監査役会の責任は、その他の記載内容の報告プロセスの整備及び運用における取締役の職務の執行を監視することにある。 当監査法人の財務諸表に対する監査意見の対象にはその他の記載内容は含まれておらず、当監査法人はその他の記載内容に対して意見を表明するものではない。 財務諸表監査における当監査法人の責任は、その他の記載内容を通読し、通読の過程において、その他の記載内容と財務諸表又は当監査法人が監査の過程で得た知識との間に重要な相違があるかどうか検討すること、また、そのような重要な相違以外にその他の記載内容に重要な誤りの兆候があるかどうか注意を払うことにある。 当監査法人は、実施した作業に基づき、その他の記載内容に重要な誤りがあると判断した場合には、その事実を報告することが求められている。 その他の記載内容に関して、当監査法人が報告すべき事項はない。
報酬関連情報、個別 <報酬関連情報> 報酬関連情報は、連結財務諸表の監査報告書に記載されている。

BS資産

工具、器具及び備品(純額)470,000
有形固定資産470,000
ソフトウエア26,315,000
無形固定資産33,098,000
投資有価証券784,000
投資その他の資産59,154,000

BS負債、資本

未払金100,249,000
未払法人税等2,288,000
未払費用8,164,000
資本剰余金1,063,687,000