財務諸表

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提出書類、表紙有価証券報告書
提出日、表紙2024-06-25
英訳名、表紙Rakuten Bank, Ltd.
代表者の役職氏名、表紙代表取締役社長 永井 啓之
本店の所在の場所、表紙東京都港区港南二丁目16番5号
電話番号、本店の所在の場所、表紙(050)5817-6630
様式、DEI第三号様式
会計基準、DEIJapan GAAP
連結決算の有無、DEItrue
当会計期間の種類、DEIFY

corp

沿革 2 【沿革】
年月概要2000年1月東京都千代田区に銀行の設立を目的として、日本電子決済企画株式会社を資本金4億円で設立2000年6月通商産業省による改正新事業創出促進法に基づく認定2001年3月銀行業の免許取得に係る予備審査を申請2001年6月銀行免許予備審査終了、商号を「イーバンク銀行株式会社」へ変更2001年7月銀行業の免許(金監第3912号)を取得し開業2005年2月証券業務を行う金融機関として関東財務局に登録(関東財務局長(金)第609号)2006年1月全国銀行データ通信システムに直接接続2007年6月金融先物取引業者として関東財務局に登録(関東財務局長(金先)第176号)2008年9月楽天株式会社(現 楽天グループ株式会社)と資本・業務提携契約を締結し、同社に対する第三者割当増資を実施2009年2月楽天株式会社がイーバンク銀行株式会社の主要株主認可を取得し、親会社となる2009年3月個人向け与信業務について金融庁より承認を受ける2009年4月楽天クレジット株式会社が運営するカードローン事業の一部を承継し、個人向けカードローン業務を開始2009年5月楽天モーゲージ株式会社が当行の100%子会社となる2009年7月本店を東京都品川区に移転2010年5月楽天株式会社による当行株式公開買付けの実施商号を「楽天銀行株式会社」へ変更2010年7月楽天証券株式会社への金融商品仲介業務を開始2010年10月楽天株式会社との株式交換により、同社の完全子会社となる2010年12月楽天モーゲージ株式会社の事業を譲受け住宅ローン業務を開始2013年1月国内籍投資信託の販売事業を楽天証券株式会社へ承継2013年11月「楽天銀行住宅ローン(金利選択型)」の取扱を開始2014年9月トランスバリュー信託株式会社(現 楽天信託株式会社)を完全子会社化2015年8月本店を東京都世田谷区に移転2016年6月法人向け与信業務について金融庁より承認を受ける2016年7月楽天証券株式会社と銀行代理業務に関する提携開始2016年11月楽天生命保険株式会社と銀行代理業務に関する提携開始2019年4月楽天グループにおける会社分割による組織再編に伴い、楽天カード株式会社が当行の主要株主認可を取得し、楽天株式会社より当行の株式を承継し、当行の親会社となる2019年6月楽天損害保険株式会社と銀行代理業務に関する提携開始2019年7月台湾における銀行業認可取得2019年10月楽天カード株式会社と銀行代理業務に関する提携開始2019年11月株式会社大垣共立銀行と銀行代理業務に関する提携開始2020年7月本店を東京都港区に移転2021年1月台湾において樂天國際商業銀行股份有限公司が営業開始2021年12月株式会社西日本シティ銀行と銀行代理業務に関する提携開始2022年4月楽天カード株式会社が楽天グループ株式会社に対して、当行株式の現物配当を実施し、楽天グループ株式会社が当行の親会社となる楽天グループ株式会社と経営基本契約、非独占的ブランドライセンス契約を締結2022年6月株式会社And Doホールディングスと銀行代理業務に関する提携開始2023年1月第一生命保険株式会社と銀行代理業務に関する提携開始2023年4月東京証券取引所プライム市場に株式を上場2024年5月株式会社ビューカードと銀行代理業務に関する提携開始
事業の内容 3 【事業の内容】
当行は、楽天グループ株式会社が49.26%出資するインターネットを活用した銀行であり、日本においては、個人・法人(事業性個人を含む)に対して、台湾においては主に個人に対して、多様なお客さまニーズに応える銀行サービス及びこれに付随する金融サービスを提供しています。当行グループは、当行、連結子会社23社及び非連結子会社4社で構成されており、それぞれの役割は以下となっています。連結子会社である楽天信託株式会社は、信託業法に基づく信託業務を行っており、顧客から金銭、金銭債権、不動産等を受託しています。また、当行がグループ内外の企業の金銭債権、不動産等を流動化して当行の運用資産を組成する際には、倒産隔離を実現するために、多くの案件において楽天信託株式会社の信託機能を利用しています。連結子会社である一般社団法人スーパートラストホールディングス及び「資産の流動化に関する法律」に基づく特定目的会社であるスーパートラスト1乃至20は、楽天カード株式会社マンスリークリア債権の信託受益権をバックアセットにして資産担保コマーシャルペーパー(ABCP)を発行する目的で設立しています。特定子会社である楽天國際商業銀行股份有限公司は、台湾において、当行が日本においてこれまで培ってきたインターネットバンキング(パソコンやスマートフォンなどインターネットを介し、銀行の取引ができるサービスをいう。以下同じ。)のノウハウを活かし、インターネットを活用した銀行業を営んでいます。非連結子会社である楽天バンクドメインサービス株式会社は、当行の旧商号である「イーバンク銀行株式会社」が保有していたドメインの管理を行う目的で設立しています。同様に、トランスバリュードメインサービス株式会社は、当行の子会社である楽天信託株式会社の旧商号である「トランスバリュー信託株式会社」が保有していたドメインの管理を行う目的で設立しています。当行及び当行の関係会社の事業に係る位置づけは以下のとおりであり、事業の区分は「第5 経理の状況 1 (1) 連結財務諸表 注記事項」に掲げるセグメントと同一区分です。なお、当行グループは、銀行業以外に、信託業等の事業を営んでいますが、信託業等の全セグメントに占める割合は僅少であり、銀行業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しています。 親会社である楽天グループ株式会社並びに同社の子会社及び関連会社(以下、「楽天グループ」という。)のうち、一部の子会社及び関連会社との主な事業上の関係は以下のとおりです。当行は、楽天カード株式会社、楽天証券株式会社、楽天生命保険株式会社、楽天損害保険株式会社に銀行代理業務(口座開設の媒介)を委託しています。 (事業系統図) 当行は、登録金融機関業務として、楽天証券株式会社から金融商品仲介業務を受託しています。当行は、楽天生命保険株式会社及び楽天損害保険株式会社から保険代理業を受託しています。 当行は、インターネットを活用し、個人、法人のお客さまに利便性の高いサービス、お得なサービスを、スピード感をもって提供し、「安心・安全で最も便利な銀行」を実現することを目指して事業を展開しています。具体的には、個人ビジネスにおいては、① 「生活口座として利用される銀行」、② テクノロジーを活用した時間と場所を選ばない「安心・安全で便利な銀行」を目指します。なお、「生活口座」とは、「(a)給与・賞与の受け取り、(b)電気・ガス・水道等の公共料金、携帯電話料金、クレジットカード利用代金、借入の返済等の口座振替、(c)各種支払いを行うための振込、振替、海外送金、(d)資産の運用等、個人の生活の幅広いニーズを満たすために利用される銀行口座」と定義しています。法人ビジネスにおいては、テクノロジーを使って融資、預金、為替を含めた全ての銀行サービスをお客さまのニーズに合わせて提供し、① 「取引先企業の規模に関わらず全ての取引先に利便性を提供する銀行」、② 「企業経営者のパートナーになる銀行」を目指しています。また、楽天エコシステムを活用して新規顧客を効率的に獲得し、当行の事業の成長の実現を目指します。これらの楽天エコシステムを活用した事業展開を通じて、お客さまの楽天グループのサービスに対する信頼を高め、結果としてお客さまの当行サービスに対する粘着性の向上に繋げます。さらには、インターネットの有効利用や役職員の革新的なアイデアの活用により事業の低コスト運営を徹底し、低コスト運営により得られたコスト削減分の一部をお客さまにポイントやキャッシュバック等で還元することにより、お客さまにとってお得なサービスを実現します。 当行が上記の方針に基づき、継続的なサービスの利便性向上、価格競争力の向上を実現したことがお客さまに評価されたと考えられ、それに加え、社会のデジタルシフトを背景に「時間と場所を選ばずに銀行取引が可能なスマートフォンアプリ等を活用したインターネットバンキング需要」が高まったことにより、当行の口座数・預金量は着実に増加してきました。昨今では、新型コロナウイルス感染症蔓延に伴う外出自粛・リモートワークの促進等により、インターネットバンキングの利便性に関する認知度がさらに向上し、当行のサービスの利便性、価格競争力に対する評価が一層高まった結果、当行の顧客基盤は大きく拡大したと考えています。その結果、当行は、口座数1,523万口座、預金量10.5兆円と、日本のインターネット銀行業界において最大の顧客基盤(2024年3月末現在、住信SBIネット銀行株式会社、PayPay銀行株式会社、auじぶん銀行株式会社、ソニー銀行株式会社、株式会社大和ネクスト銀行、オリックス銀行株式会社、GMOあおぞらネット銀行株式会社、株式会社みんなの銀行、株式会社UI銀行の開示情報に基づく当行調べ)を有しています。こうした顧客基盤の拡充を背景として、以下のとおり、当行の業績は向上しています。 (単位:百万円、千口座)項目2020年3月期2021年3月期2022年3月期2023年3月期2024年3月期連結経常収益95,513103,386106,026120,445137,950連結経常利益27,27527,58127,90938,74648,367親会社株主に帰属する当期純利益18,96019,33720,03927,69234,436口座数8,68710,52112,31013,73915,236預金量3,575,6345,765,5387,765,3159,129,87610,540,202 日本における社会のデジタルシフトはまだ緒に就いたばかりであり、今後、日本社会のデジタルシフトは加速し、インターネットバンキングに対する個人、法人のお客さまのニーズは拡大すると期待されるため、当行は、サービスの利便性と価格競争力で、これらのインターネットバンキングに対するお客さまニーズの増加を確実に捕捉し、更なる口座数・預金量の伸長による顧客基盤の拡充を実現し、持続的な事業の成長を図ります。 (事業の特徴)当行は、物理的な支店を持たず、自前のATMも保有せずにインターネットで銀行サービスを提供するインターネット銀行であり、従来の銀行と比較して、比較的低コストでの事業運営が可能です。銀行業においては、費用に占める固定費の割合が高いため、インターネット銀行がビジネスモデル上コスト競争力があるとはいえ、一定の事業規模に到達するまでは、その競争力を発揮するには至りません。当行は、インターネット銀行のビジネスモデル上のコスト競争力を享受できる事業規模を既に超えていると考えており、今後の事業拡大により、当行のコスト競争力はさらに強化されるものと見込んでいます。また、当行は、従来、楽天エコシステムとのシナジーを追求し、楽天グループのお客さま(以下、「楽天会員」という。)に対して当行サービスの利便性と価格競争力を訴求することにより顧客基盤を拡充してきました。楽天会員を中心としたユーザーに対し、様々なサービスを提供するビジネスモデルである楽天エコシステムは、楽天グループが保有するメンバーシップ、データ及びブランドを結集したビジネス展開により拡大し、国内外の会員がEC、フィンテック、デジタルコンテンツ、携帯キャリア事業等の複数のサービスを回遊的・継続的に利用できる環境を整備することで、会員一人当たりの生涯価値(ライフタイムバリュー)の最大化、顧客獲得コストの最小化等の相乗効果を創出し、グループ収益の最大化を目指すものです。当行は、楽天エコシステムとのシナジーを追求し、楽天グループの1億超ID(2024年3月現在)の強固な顧客基盤を活用した新規顧客獲得及び当行へのロイヤリティを高める施策を推進しており、楽天グループ株式会社とのポイントプログラムの提携等、楽天証券株式会社との口座連携(マネーブリッジ)、銀行代理業の委託、金融商品仲介業務等、楽天カード株式会社、楽天生命保険株式会社、楽天損害保険株式会社への銀行代理業の委託等、楽天ペイメント株式会社のキャッシュレス決済サービス「楽天ペイ(アプリ決済)」(以下、「楽天ペイ」という。)における当行口座からの即時払いサービス等、楽天グループ株式会社及びその他の楽天グループ各社との間で様々な提携を行っています。また、楽天グループのサービスと組み合わせた銀行サービスを提供することによる付加価値をお客さまに提供できていると考えており、この付加価値がお客さまの当行及び楽天グループへのロイヤリティをさらに高める効果をもたらしていると考えています。 このように、お客さまの当行へのロイヤリティを高めるインセンティブ施策の一つとして当行の自律的判断に基づき楽天ポイントを活用していることや、ブランドや知名度、楽天グループ各社との顧客相互送客等を通じた楽天エコシステムの活用により他のインターネット銀行とは異なる利便性や価格競争力をお客さまに提供していることが当行の効率的な新規顧客獲得、及びお客さまのリテンションに寄与していると考えており、今後は、引き続き楽天エコシステムとのシナジーを強化していきますが、他方、当行の知名度アップに伴い、楽天グループ外のチャネルで当行のサービスの利便性を訴求することによる新規顧客獲得がさらに増えると考えています。 ① 充実したサービスラインナップ当行が提供しているサービスの特徴は、主要行や地域金融機関が提供してきた銀行サービスをインターネットを活用して利便性を高め、低コストで提供することに加え、当該金融機関等が提供してこなかった周辺サービスも幅広く提供し、従来の銀行サービスを超えるフィンテックサービス全般を提供していることです。当行は、従来の銀行サービスを超えたフィンテックサービスを提供することにより、お客さまの多様な金融サービスへのニーズを漏れなく取り込むことを目指しています。お客さまの多様な金融サービスへのニーズを漏れなく取り込むためには、まず、お客さまの生活に密着する支払いを取り込むべく、お客さまに複数の利便性の高い支払方法の選択肢を提示することが重要であると考えています。具体的には、個人の生活において必要な電気・ガス・水道・携帯電話・クレジットカード・税金等の支払ニーズに対して、口座振替、「楽天銀行コンビニ支払サービス(アプリで払込票支払)」(コンビニ払込票に記載してあるバーコードを楽天銀行アプリで読み込むことにより、コンビニに行かずにいつでもどこでも楽天銀行口座から支払いができるアプリ決済サービス)、「Pay-easy(ペイジー)」(日本マルチペイメントネットワーク運営機構が提供するインターネットを使った支払サービス)といった多様な利便性の高い決済サービスをお客さまに提供しています。また、これらの支払サービスの提携先を順次拡大し、お客さまの利便性の向上に努めています。加えて、お客さまの資金受取ニーズに対しても、給与をはじめとして、国民年金・厚生年金、国税還付金等を受け取るためのサービスをお客さまに提供するのみならず、これらの資金の受け取りを行ったお客さまに各種優遇を提供することとしています。さらには、外貨預金、振込、宝くじ、海外送金等、利便性に優れた幅広いサービス提供することにより、個人のお客さまの生活口座としてご利用いただくことを推進しています。こうした取組が功を奏し、2024年3月期における決済件数は、約798百万件(前年比10.1%増)となっています。また、今後、キャッシュレス社会がさらに進展し、いずれはゼロキャッシュ社会が到来する可能性もあると考えています。当行は、いち早く当行口座を活用したキャッシュレスペイメントに対応し、利用金額の1%のポイントをお客さまに還元し、Visa・Master・JCBの3ブランドに対応している「デビットカード」、当行口座からオートチャージができ、バリューチャージ金額に応じてプレミアムバリューが付与され、JCBの加盟店で利用可能な「プリペイドカード」、及び全国のコンビニ・ドラッグストア等で利用可能な楽天ペイにおける当行口座からの即時払いサービスをお客さまに提供しています。今後、楽天ペイを運営する楽天ペイメント株式会社との協業を更に進めることを企図して、2022年7月に楽天ペイメント株式会社の株式を5%取得しました(2024年3月末時点における保有割合は4.7%)。当行は、銀行業界において、最も幅広い銀行口座からのキャッシュレスペイメント手段を提供している銀行の1つであると考えており、今後のゼロキャッシュ社会に向けた動きの中で、決済情報等の独自データを活用し、お客さま毎にカスタマイズしたサービスを提供することで、この優位性をさらに強化していきます。また、楽天銀行アプリとFacebookを連携させることにより、Facebookの友達に銀行口座情報を入力することなく送金できる「Facebookで送金」、受取人のメールアドレスと名前だけで振込が可能な「かんたん振込(メルマネ)」といったユニークなフィンテックサービスも提供しています。 さらには、当行がオープンプラットフォーム戦略の一環として推進している地域金融機関及び事業会社(以下、「提携企業」という。)に対するBaaS(Banking as a Service)の提供においても、当行は、前述のとおり他行比システムコストの優位性があると認識しており、かつ自行において幅広いサービスを1つのアプリで提供することを実現していることから、BaaSにおいても優位性を発揮できると考えています。当行が推進しているBaaSは、当行において提携企業の専用支店を設置し、提携企業は、当行の銀行代理業者として当行の専用支店の口座開設の媒介を行い、提携企業の顧客が当行の専用支店に口座を開設して、当行のインターネットバンキングサービスを利用するスキームです。専用支店では、当行が一般顧客に提供するサービスから提携企業が選択したサービスのみを提供し、提携企業が地域金融機関の場合には、当行口座と当該地域金融機関のお客さま口座の連携を実現するためにオープンAPIの技術を活用しています。具体的には、2019年11月に株式会社大垣共立銀行、2021年12月に株式会社西日本シティ銀行、2023年1月に第一生命保険株式会社の顧客に対するインターネットバンキングサービスの提供を開始しました。加えて、2022年12月には東日本旅客鉄道株式会社と株式会社ビューカードが検討している新たなデジタル金融サービス「JRE BANK」の提供に向けて合意しました。当行はBaaSを通じて、自社のお客さまに銀行サービスを提供したい提携企業が有するアセットやノウハウと、当行が有する金融サービスに関するノウハウを、当行の柔軟なシステム開発能力を活用して融合し、お客さまに銀行単体では提供できないユーザー体験を創出することにより、ユニークかつ競争力のあるフィンテックサービスを実現することを目指しています。法人ビジネスにおいても、当行がシステムを自行で開発、運用、保守する体制を採っていることが、大きな効果を発揮していると考えています。当行は、法人のお客さまに対して、競争力のある価格で一般的な銀行サービスを提供するとともに、多様かつユニークな国内外への支払サービス、資金受取サービス、資金集中サービス等を提供しています。さらにはシステムの柔軟な開発能力を活用して、法人のお客さま毎のニーズに合わせてサービスをカスタマイズすることも行っています。また、当行は、インターネット銀行ではあるものの、法人のお客さまへの営業においては、インターネットマーケティングと対面アプローチのハイブリッドの営業手法を採っており、お客さまの経営方針や金融サービスニーズの詳細なヒアリングに基づき、多様なサービスの中からお客さまに最適なものを提案し、必要があればカスタマイズ提案も行い、お客さまのニーズに沿った法人向けインターネットバンキングサービスを提供しています。こうした取組が功を奏しており、2024年3月期において、手数料収益等で構成される非金利収益は、経常収益の約40%を占めています。なお、非金利収益は、損益計算書における役務取引等収益及びその他業務収益に計上しています。 ② 多様な運用資産イ.個人向けローン当行の現在の主たる収益源は個人ビジネスですが、その中でも、幅広い個人向けローン商品を提供していることが、当行の競争力の源泉となっていると考えています。物理的な支店を持たず、インターネットを活用して全国のお客さまにサービスを提供しており、地域を限定せずに、住宅ローン、カードローン、教育ローン、トラベルローン、英会話ローン、不動産担保ローン、投資用マンションローン、リバースモーゲージ等、お客さまのライフステージやライフスタイルの変化に応じた多様なニーズに応え得る幅広いローン商品を備えています。この充実した商品ラインナップをベースに、楽天グループで培ってきたインターネットマーケティングのノウハウ等をフルに活用することにより、顧客ニーズに合わせたローンの提案を行い、ローンビジネスを拡大してきたと自負しています。その結果、2024年3月末現在において、個人向けローン残高は1兆8,988億円となっており、当行の運用資産の約25%を占めています。 ロ.運用資産の多様化当行の資金運用面では、上記個人向けローンに加えて、各種資産の証券化ノウハウ、当行及び楽天グループが保有するデータ等を活用して、自ら運用資産を創出し、運用収益を拡大しています。具体的には、企業の保有する金銭債権や不動産等を当行独自で証券化のアレンジを行い、当行の子会社である楽天信託株式会社で信託受託して証券化による倒産隔離を実現し、証券化された資産を当行が投資家として購入することにより、お客さまにワンストップの証券化サービスを提供しています。当行グループ内で完結するワンストップの証券化サービスは、スピード、コスト面において競争力があると自負しており、楽天カード株式会社のクレジットカード債権や楽天モバイル株式会社の通信料債権及び端末割賦債権の金銭債権等を証券化するのみならず、楽天グループ外の企業が保有する各種資産の証券化も幅広く手掛けており、当行の運用資産の多様化に大きく寄与しているものと考えています。また、この証券化による運用資産の創出の一環として、太陽光発電プロジェクト等の事業リスクの証券化にも取り組んでおり、当行の運用の拡大に貢献しています。今後も、当行の有する証券化ノウハウと、当行及び楽天グループが保有するデータを活用して、魅力的なリスク・リターンプロファイルを有する当行固有又は楽天グループ独自の資産を中心に運用資産を積極的に積み増し、当行の収益力をさらに向上させることを目指しています。 ハ.法人融資への取組当行は、法人のお客さまの資金決済・運用・借入ニーズに対して適切なソリューションを提案することを通じたお客さまとの総合取引を推進しており、その中で法人のお客さまの運転資金及び設備資金の資金需要に対する融資も手掛けています。今後、法人のお客さまの銀行サービスのデジタル化が進展し、当行の知名度アップにより幅広い法人のお客さまに当行の法人サービスが認知されることにより、当行の法人融資が、中期的に当行の運用資産の柱の1つに成長することを期待し、その実現に向けて取り組んでいます。 ③ システムの自行開発、運用、保守体制当行は、行員がシステムの開発、運用、保守をコントロールする体制を構築しています。この自行によるシステムの開発、運用、保守体制により、当行は、システムコストにおいて、他行比高い競争力を有していると考えています。また、自行による開発、運用、保守体制により柔軟かつスピード感のあるシステム開発が可能となり、現在のインターネット銀行サービスの競争の主戦場であるスマートフォンアプリにおいて、1つのアプリでほぼ全てのサービスを、わかり易く、使い易いユーザーインターフェースで提供することを実現していると自負しています。また、技術革新の早いインターネット業界においては、常に最先端の技術に対する情報収集が必要であり、世界的にインターネット事業を展開する楽天グループに属する当行は、楽天グループのインターネットに関するテクノロジーを享受できる立場にあり、この点も当行の優位性に繋がっていると考えています。当行が楽天グループに属していることは、楽天グループで蓄積されたAIの活用ノウハウを享受できるという面でも当行の競争力を高めていると考えています。当行及び楽天グループが保有するデータとAIを有効活用することにより、当行の各種サービスの潜在顧客を特定し、顧客毎にサービスを利用する可能性が最も高いタイミングでサービスの提案を行い、当行の収益向上を実現していると考えています。また、ローンの審査モデルの構築や審査精度向上にもAIを活用し、貸倒コストをコントロールしつつローン収益を拡大しています。併せて、AIを業務の効率化目的にも積極活用しており、当行の低コスト運営を継続的に強化しています。さらに、当行の顧客に対する広告ビジネスにおいても、AIの有効活用により、精度の高いターゲティングが可能であり、広告のクライアントのニーズに的確に応えることができると考えていることから、今後、広告ビジネスを強化していく方針です。 ④ 強固な顧客基盤を有する楽天エコシステムとのシナジーの追求当行は、楽天エコシステムとのシナジーを追求し、楽天グループの1億超ID(2024年3月現在)の強固な顧客基盤を活用して、今後も継続的に新規顧客の獲得を目指していきます。楽天会員は、楽天のサービスに対するロイヤリティが高く、その信頼の上に当行の銀行サービスが位置付けられることにより、短期間で大量の新規顧客獲得を実現してきました。2023年度における新規口座開設の約70%が楽天グループ経由での申込となっており、顧客獲得コストの抑制に寄与していると認識しています。また、楽天グループのサービスと組み合わせた銀行サービスをお客さまに提供することにより、他の銀行にはない価値をお客さまに提供しており、この価値がお客さまの当行及び楽天グループへのロイヤリティをさらに高める効果をもたらしていると考えています。さらには、当行は、お客さまの当行サービスの利用や預金残高に基づきお客さまに楽天ポイントを付与する顧客優遇プログラム「ハッピープログラム」も提供しています。楽天ポイントは、当行の振込手数料に充当できるほか、楽天グループが提供する様々なサービスの利用代金の支払いや、コンビニ等のリアル店舗での支払いにも利用できるため、「ハッピープログラム」は、お客さまのリテンションに大きく寄与していると考えています。
関係会社の状況 4 【関係会社の状況】
2024年3月31日現在名称住所資本金(百万円)主要な事業の内容議決権の所有(又は被所有)割合(%)当行との関係内容役員の兼任等(人)資金援助営業上の取引設備の賃貸借業務提携(親会社) 楽天グループ㈱
(注)1東京都世田谷区447,838電子商取引事業、旅行代理店業被所有49.261(1)―ブランドライセンス料の支払預金取引業務委託建物の一部を賃貸借―(連結子会社) 楽天信託㈱東京都港区259信託業100.04(1)―預金取引業務委託建物の一部を賃貸借―樂天國際商業銀行股份有限公司
(注)2台湾台北市100億台湾ドル銀行業50.02(1)――――その他21社―――――――――
(注) 1.有価証券報告書の提出会社です。2.特定子会社です。3.資本金は、百万円未満(外貨建てのものは表示単位未満)を切り捨て表示しています。4.「当行との関係内容」の「役員の兼任等」欄は、当行の役職員が関係会社の役員を兼任している人数です。( )内は、当行の役員が関係会社の役員を兼任している人数です。
従業員の状況 5 【従業員の状況】
(1) 連結会社の状況2024年3月31日現在セグメントの名称従業員数(名)銀行業1,056(192)
(注) 1.従業員数は正社員、嘱託、契約社員及び出向者の人数を記載しており、当行から当行グループ外への出向者は除いています。2.臨時従業員数(パート社員及び派遣社員を含む。)は、年間の平均人数を( )外数で記載しています。
(2) 提出会社の状況2024年3月31日現在従業員数(名)平均年齢(歳)平均勤続年数(年)平均年間給与(千円)87736.75.26,275(176)
(注) 1.従業員数は正社員、嘱託、契約社員及び出向者の人数を記載しており、当行から他社への出向者は除いています。2.臨時従業員数(パート社員及び派遣社員を含む。)は、年間の平均人数を( )外数で記載しています。3.年間平均給与は、賞与及び基準外賃金を含んでいます。4.当行は、銀行業の単一セグメントであるため、セグメント情報との関連については記載していません。 (3) 労働組合の状況労働組合は結成されていませんが、労使関係は円満に推移しています。 (4) 管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異提出会社2024年3月31日現在当事業年度管理職に占める女性労働者の割合(%)(注1)男性労働者の育児休業等取得率(%)(注1)労働者の男女の賃金の差異(%)(注1)総合職(無期)総合職(有期)全労働者正規雇用労働者パート・有期労働者20.488.8100.061.262.361.2
(注) 1.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものです。2.連結子会社は「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)及び「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働者令第25号)第71条の4第1号の規定における開示義務がないため開示を省略しています。
経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】
以下の記載における将来に関する事項は、本書提出日現在において当行グループが判断したものです。 (1) 経営の基本方針当行グループは以下の経営方針のもと、「安心・安全で最も便利な銀行」を目指しています。■ 当行は銀行業務の公共性に鑑み、信用を維持し、預金者保護を徹底するために、健全経営と効率経営を確保します。加えて金融の円滑化を進めるとともに、社会的インフラとしての決済機能の充実に努めます。■ 当行は、楽天グループの一員として、グループの経営資源を最大限活用し企業価値の増大を図ると同時に当局の主要行等監督指針に則り、経営の独立性確保に充分留意します。■ 当行は、お客さま第一の考え方を徹底し、お客さまの多様なニーズに応え、満足いただけるようなサービスを提供します。■ 当行は、人材の育成強化を図るとともに、役職員がいきいきと仕事の出来る職場環境を整備し、働き甲斐のある職場作りを進めていきます。 また、楽天グループの一員として、イノベーションを通じて、人々と社会をエンパワーメントすることを目指します。個人及び法人のお客さまに対して、満足度の高いサービスを提供するとともに、多くの人々の成長を後押しすることで、社会を変革し豊かにしていくことに寄与していきます。
(2) 目標とする経営指標当行は、店舗を持たないインターネット銀行という主要行や地方銀行等とは一線を画した新しい銀行ビジネスを実践しており、営業基盤の拡大途上であることから、口座数及び預金量を営業基盤の規模を示す重要な経営指標として位置付けています。また、経常収益及び経常利益を成長性や収益性を評価する指標として位置付けています。2024年3月期末の口座数は15.2百万口座(前期比+1.4百万口座)、預金量は10.5兆円(前期比+1.4兆円)となり、また、2024年3月期の連結経常収益は137,950百万円(前期比+17,504百万円)、連結経常利益は48,367百万円(前期比+9,620百万円)となっています。今後も営業基盤の拡大及びこれに伴う事業の成長を推進してまいります。 (3) 経営環境・経営戦略1.経営環境世界経済は、「アフターコロナ」での経済活動の正常化により回復傾向にありましたが、長期化するロシア・ウクライナ情勢やイスラエル・パレスチナ情勢等の影響により不透明感も漂いました。また、原油、原材料価格、人件費の上昇等を契機とするインフレ進行への対応として、欧米を含む多くの国の中央銀行が連続的に政策金利を引き上げたことで、逆に高金利による景気悪化への懸念も生じました。日本においては、2023年5月に新型コロナウイルス感染症が5類感染症に移行されたことにより「アフターコロナ」への転換が進み、経済活動が活発化するとともに、インバウンドの回復による外国人旅行者の消費も景気回復を後押ししました。金融政策においては、日本銀行が2024年3月の金融政策決定会合において、賃金と物価の好循環を確認し、2%の「物価安定の目標」が持続的・安定的に実現していくことが見通せる状況に至ったと判断し、2016年から継続してきたマイナス金利政策の解除を決定しました。その結果、これまで−0.1%としていた政策金利を0~0.1%程度(無担保コール翌日物レート)に引き上げました。このほか、人口減少・地域過疎化等の経済構造問題への対応も引き続き重要であることに加えて、世界的な気候変動問題への取組についての対応も求められています。こうしたなか、昨今の銀行業界を取巻く環境は、新型コロナウイルス感染症への対応として加速した個人の生活や法人の企業活動のデジタルシフトが進展するなか、個人、企業ともにインターネットバンキングへ移行する動きが加速しました。メガバンクや有力地域金融機関は、自前のインターネットバンキングへの経営資源の投下や、フィンテック企業との提携も含めて、インターネットバンキングの強化を図る動きを加速しています。特に、為替業務等のインターネットとの親和性が高く、リアル店舗では採算性が低い業務は、インターネットバンキングへのシフトを推進しているほか、スマートフォンアプリの開発にも加速度的・積極的に経営資源を投下しています。また、インターネット銀行においては、グループ内にクレジットカード・証券・保険等の銀行以外の金融機能も取込む動きが見られ、金融機能を提供するグループ企業間のシナジーを追求する金融ホールディングス化の動きを加速させています。さらには、デジタル技術の進展に伴う金融と非金融の垣根を越えた決済手段の多様化・キャッシュレス化の進展や異業種からの金融事業への参入が見られる等、金融・非金融の垣根を越えた競争が激化しています。 2.経営戦略当行は、インターネットを活用し、個人、法人のお客さまに利便性の高いサービス、お得なサービスを、スピード感をもって提供し、「安心・安全で最も便利な銀行」を実現することを目指して事業を展開します。具体的には、個人ビジネスにおいては、①「生活口座として利用される銀行」、②テクノロジーを活用した時間と場所を選ばない「安心・安全で便利な銀行」を目指します。法人ビジネスにおいては、テクノロジーを使って融資、預金、為替を含めた全ての銀行サービスを顧客のニーズに合わせて提供し、①「取引先企業の規模に関わらず全ての取引先に利便性を提供する銀行」、②「企業経営者のパートナーになる銀行」を目指しています。また、楽天エコシステムを活用して新規顧客を効率的に獲得し、当行の事業の成長を実現することを目指します。これらの楽天エコシステムを活用した事業展開を通じてお客さまの楽天グループのサービスに対する信頼を高め、結果としてお客さまの当行サービスに対する粘着性の向上に繋げたいと考えています。さらには、インターネットの有効活用や役職員の革新的なアイデアの活用により事業の低コスト運営を徹底し、低コスト運営により得られたコスト削減分の一部をお客さまにポイントやキャッシュバック等で還元することにより、お客さまにとってお得なサービスを実現することを目指します。一方、「安心・安全な銀行」としてお客さまに認知されるために、コンプライアンス、リスク管理を徹底し、最高レベルのセキュリティを実現することを目指します。但し、セキュリティの強化にあたっては、お客さまの利便性を犠牲にしないよう、セキュリティとお客さまの利便性の両立に努めます。以上の取組を通じて、社会に対して銀行としての新たなスタンダードを提示できるような存在になることを目指し、銀行業界の更なる発展に貢献していきます。 (中長期ビジョン)当行は、ゼロキャッシュ時代の到来を見据えたFinTechのリーディングカンパニーを目指し、更なる顧客基盤の拡充と収益基盤の強化、FinTech領域の成長取込みに向け、2022年4月28日に以下の内容の中長期ビジョンを策定し、公表しました。 (i) 中長期ビジョンの概要① 経済・事業環境の認識新型コロナウイルス感染症の感染拡大により急速に進展したデジタルシフトは、消費・経済活動の正常化が進む中でも進展が続いています。当該環境下において、メガバンクや有力地域金融機関は、伝統的銀行業のDXを進めるデジタル・バンキング領域に経営資源の投下を図り、FinTech企業との提携も含めたサービス強化を図る動きが加速しています。また、インターネット銀行においては、グループ内にクレジットカード・証券・保険等の銀行以外の金融機能も取り込む動きが見られ、金融機能を提供する企業間のシナジーを追求する金融ホールディングス化の動きが加速しています。さらには、インターネット関連企業をはじめとする他業態からの金融業への参入の動きもあり、銀行取引においても今後到来することが想定されるゼロキャッシュ時代に向けて、リアルの店舗での取引からデジタル・バンキングでの取引に移行する動きが加速しています。当行は、2000年の創業以来20年以上にわたり、インターネット上における利便性の高い金融サービスをより多くのお客さまに提供することに努めており、2024年2月には1,500万口座を突破するなど、多くの個人及び法人のお客さまに利用されています。また、楽天グループの金融機能の中心となるグループ会社のひとつとして、様々な楽天グループ内金融サービスとの連携を深耕してまいりました。このように、“第一の成長ステージ”において、当行はデジタル・バンクの先駆者として金融サービスのデジタル化を推進してきたと自負しています。 ② 事業拡大の方向性当行の基本方針としては、FinTechのリーディングカンパニーを目標として、楽天エコシステムとのシナジーを最大限に発揮することで顧客数と顧客当たりの取引機会を増やし、適切なリスクコントロールの下で業容拡大の更なる加速化を進めます。個人ビジネスにおいては、①「生活口座として利用される銀行」、②テクノロジーを活用した時間と場所を選ばない「安心・安全で便利な銀行」として従前のリアル店舗における取引をデジタル化することを目指します。法人ビジネスにおいては、データ及びテクノロジーを使って融資、預金、為替を含めた全ての銀行サービスを顧客のニーズに合わせて提供し、①「取引先企業の規模にかかわらず全ての取引先に利便性を提供する銀行」、②「企業経営者のパートナーになる銀行」を目指し、本邦金融市場におけるシェア拡大を進めます。 (ⅱ) 中長期ビジョンの達成に向けた“第二の成長ステージ”としての成長戦略① 顧客基盤の拡充以下の事業環境と当行の強みを活かし、顧客獲得をさらに加速させることを目指しています。・国内銀行業界におけるデジタルシフトの進展・楽天エコシステムの活用(楽天ポイント、ブランドや知名度、楽天グループ各社との顧客相互送客等)によって既に実現している低い顧客獲得費用・高度な自社システム開発・保守・運用体制に裏付けられた優れたUI/UXを持つサービスとアプリ・効率的な低コストオペレーションを背景とした安価で顧客満足度の高いサービス ② 収益力の強化・個人・法人顧客数の拡大による貸出利息収益、手数料収益の増加・当行の信託機能を活用した証券化資産の運用上積み・住宅ローン、カードローン、リバースモーゲージ等に続く、プロダクトラインナップの拡充・適切な管理に基づくミドルリスク運用資産の拡充 ③ FinTech領域の成長取込み・楽天ペイメント株式会社との連携深化による個人口座のメイン化・生活口座化、法人口座獲得の推進による顧客基盤の更なるアクティブ化、高頻度なタッチポイントを活用したクロスセル、による成長機会の拡大・当行と楽天グループが持つデータとAIを活用した審査・マーケティングの精度向上や銀行アプリのページビューを活用した広告ビジネス及び新規ビジネスの拡大・BaaSプラットフォームのパートナーとの連携による新たな収益機会の創出 この目指す事業拡大の実現に向けて、「顧客基盤の拡充」、「収益力の強化(貸出利息収益と手数料収益の両輪の拡充)」、「FinTech領域の成長取込み」を三位一体とした取組を推進します。 (4) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題1.生活口座化の推進当行グループの収益力を向上し、成長を加速するためには、口座数を増やすことは重要ですが、それにとどまらず、個人顧客が生活の中で生じる様々な金融サービスへのニーズを満たすために当行口座を利用するように誘導し、決済資金を当行口座に滞留させ、顧客あたりの取引件数、収益額を向上させることが重要です。そのため、当行グループは、楽天グループの顧客基盤等を活用して新規口座を獲得した後、顧客の給与振込及び口座振替を獲得して預金・為替の拡大を図り、続いて顧客の嗜好に合わせた他のサービスをクロスセルすることにより、顧客口座の生活口座化を推進しています。生活口座化の推進にあたっては、店舗を持たないインターネット銀行のコスト競争力に加え、当行グループのシステムの柔軟性・コスト競争力を活かし、顧客に便利でお得なサービスを提供することが肝要です。当行グループは、便利でお得なサービスの開発により一層注力して、顧客口座の生活口座化を加速し、顧客基盤の拡充を図ってまいります。なお、「生活口座化」とは、「口座保有者に対して当行口座を『生活口座』としての利用を促す取組」と定義し、「生活口座化」の進展度合いを測るために「メイン口座率」というKPIを設定しています。「メイン口座率」というKPIにおける「メイン口座」とは、「給与・賞与振込口座、又は口座振替を利用されている口座」と定義しています。2024年3月末時点のメイン口座率(単体総口座数(法人口座含む)のうちメイン口座数の割合)は31.5%となっています。また、生活口座化の進展により、2020年3月末時点では3.5兆円であった単体預金残高は、2024年3月末時点では10.5兆円となっています。 (単位:千口座、%)項目2020年3月期2021年3月期2022年3月期2023年3月期2024年3月期メイン口座数1,7382,5923,6184,2804,803メイン口座率20.024.629.331.131.5 2.資産運用の多様化による収益基盤の強化日本銀行は、2024年3月の金融政策決定会合においてマイナス金利政策を解除し、金融市場調節方針として、無担保コールレート(オーバーナイト物)を、0~0.1%程度で推移するよう促すことを決定しました。当行は、現在、住宅ローン、カードローン、教育ローン、オートローン、不動産担保ローン、リバースモーゲージ等のローンを個人顧客向けに提供していますが、斯かる環境の変化のもと、ローン商品をさらに多様化し、顧客の生活シーンで必要になる様々な資金需要に漏れなく応えることにより、更なる利息収益の拡大を図ることができると考えています。また、法人顧客に対する営業体制の質的・量的強化による法人融資の増加、企業の保有する金銭債権、不動産等の証券化をアレンジすることによる証券化資産への投資の増加等も、利息収益の上積みに寄与するものと考えています。当行グループは、上記の施策をスピード感をもって実行し、運用資産を多様化・増加することにより、利息収益の拡大を実現していきたいと考えています。また、当行の運用資産の多くは短期の市場金利の上昇にスライドして利回りが上昇するため、預金金利の上昇を適切にコントロールすることにより、運用利鞘を拡大することが可能であると考えています。なお、日本銀行は、先述のマイナス金利政策の解除と同タイミングで、長期金利操作(イールドカーブ・コントロール)を撤廃しました。これにより、長期金利が漸進的に上昇しているため、今後、中長期金利に連動する運用資産を取得することによる収益獲得の機会が増加する一方、既に当行が保有している有価証券に含み損が生じる、又は含み損が拡大する可能性があります。 3.システムのキャパシティ及びセキュリティの確保当行グループは、2024年3月末現在、インターネット銀行で最大の口座数、最大の預金量を有しており、現時点において、全ての顧客にサービスを提供するために十分なシステムのキャパシティを確保しています。また、犯罪、不正取引の手口分析等により将来の犯罪、不正取引の傾向を予測し、先手を打った対策により業界最高レベルのセキュリティを顧客に提供していると自負しています。しかし、顧客数は今後も増加することが見込まれるため、システムのキャパシティは、顧客の取引動向も踏まえて計画的に拡充していくことが必要です。また、セキュリティについても、犯罪、不正取引の手口が時間の経過とともに変化するため、当行グループが適時に適切にセキュリティを改善し続けなければ、顧客をリスクに晒す結果になることも否定できません。当行としては、システムのキャパシティの拡充、セキュリティの確保に十分な経営資源を継続的に投下し、全行的な推進体制を構築することにより、常に十分なシステムのキャパシティを確保し、業界最高レベルのセキュリティを提供し続けることを目指します。 4.コーポレート・ガバナンスの一層の充実いかなる企業においても、コーポレート・ガバナンスの強化は、最重要経営課題の1つであり、当行グループにおいても、常にコーポレート・ガバナンスの充実に取り組む必要があります。特に、当行グループは、銀行業を営んでいるため、高いコーポレート・ガバナンスが求められます。当行グループは、経営環境の変化に迅速かつ的確に対応できる業務運営体制、経営執行の公正性及び透明性を確保する経営監視機能の強化に努め、コーポレート・ガバナンスの一層の充実を図ってまいります。また、当行グループは、今後も業容を拡大する見込みであるため、業容に応じたリスク管理態勢、コンプライアンス態勢の構築が不可欠です。リスク管理態勢、コンプライアンス態勢の継続的な向上を当行の最優先経営課題として位置づけ、全役職員が自らのこととして取り組むことにより、役職員ひとりひとりが銀行としての公共的使命を自覚し、行動する企業風土の更なるレベルアップを図ってまいります。 5.自己資本の一層の充実当行は、中長期ビジョンを達成するための“第二の成長ステージ”としての成長戦略の1つとして、個人・法人顧客数の拡大による貸出利息収益の増加や運用資産の拡充を掲げています。今後とも顧客基盤を拡充して事業拡大を図り、当行の優位性をより確固たるものにするためには、運用資産の更なる多様化、運用資産の積み上げの加速が不可欠であり、そのためには自己資本の継続的な充実が必要であると考えています。当行の2024年3月末時点における「銀行法第14条の2の規定に基づき、銀行がその保有する資産等に照らし自己資本の充実の状況が適当であるかどうかを判断するための基準(平成18年金融庁告示第19号)」に定められた算式に基づき算出された連結自己資本比率は10.93%となっており、短期的に自己資本の充実に取り組まなければならない状況にはなく、自己資本の充実は現時点で優先的に対処すべき課題ではありませんが、今後の中長期的な運用資産の積み上げを展望すると、毎期、確実に利益を蓄積して自己資本の一層の充実を図ることが必要であると考えています。
サステナビリティに関する考え方及び取組 2 【サステナビリティに関する考え方及び取組】
当行グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりです。なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当行グループが判断したものです。 (1) 重要なサステナビリティ課題への対応に関する基本的な方針 当行は、楽天グループの一員として、「イノベーションを通じて、人々と社会をエンパワーメントする」というミッションのもと、企業価値を高めながら、社会に貢献し、社会と共生していくことをサステナブル経営基本方針としています。 1.ガバナンス当行では、取締役会がサステナビリティ経営に関連する基本方針の決定、多角的な視点や長期的な時間軸での意見交換、態勢構築等を実施しています。経営会議では、サステナビリティ経営に関連する取締役会決議事項の審議機関として、また、基本方針に基づく業務執行機関としての役割を果たしています。上記ガバナンス態勢の下で、行内横断的な会議体としてサステナビリティ推進会議を設置するほか、サステナブル経営の推進に向けて、当行における人材の育成や従業員の啓発、職場環境の整備に当たるとともに、環境や社会の課題の解決に資するお客さまの取組を支援する施策を推進しています。サステナビリティ推進会議は、代表取締役社長を議長として、各業務執行本部長、リスク管理本部長等が参加する会議体として開催しており、当年度は3回開催しました。当該会議では当行のサステナブル経営基本方針及び各施策の策定の検討等、環境面、社会面における中長期的なサステナビリティ課題や機会への対応方針や取組計画等を協議し、関連する目的設定等の重要な事項があれば経営会議及び、取締役会に付議又は報告をすることとしています。 2.リスク管理当行ではリスク管理本部を中心とした統合的なリスク管理態勢を構築しており、月次でリスク管理委員会を開催し、市場・信用リスク管理、資金流動性リスク管理、オペレーショナル・リスク管理等といったリスク管理に関する事項について、統合的リスク管理の観点から管理態勢・運営方針の策定及びその管理状況等について協議及び報告を行い、経営会議、取締役会へリスク管理状況を報告しています。リスク管理委員会は、統合的なリスク管理の一環として、サステナビリティに関連する項目も含めて、年次でリスクプロファイルの評価及び見直しを行い、経営会議、取締役会に報告を行いました。上記リスク管理体制の下、2022年5月に制定した「環境・社会に配慮した投融資方針」を踏まえ、環境や社会に対する影響を勘案のうえ、審査基準に照らし融資判断を行っています。
(2) 重要なサステナビリティ課題への取組及び指標当行が気候変動、人的資本に関して行っている取組は以下のとおりです。ガバナンス及びリスク管理体制については、「(1) 重要なサステナビリティ課題への対応に関する基本的な方針 1.ガバナンス、2.リスク管理」をご参照ください。 1.気候変動当行は、2022年3月に賛同を表明した気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)の提言を踏まえ、構成されるバリューチェーン全体での脱炭素化を目指して、(i)環境関連投融資を通じた社会のカーボン・ニュートラルへの取組支援、(ii)温室効果ガス(以下、「GHG」という。)プロトコルに沿ったGHG排出量の計測及び(iii)再生可能エネルギー100%への転換(RE100)達成に向けた国内外での取組を着実に進めています。 当行における気候変動の機会、物理的リスク、移行リスクへの検討と対応状況は以下のとおりです。リスク及び機会概要及び対応策機会 気候変動関連ビジネスへの支援が不可欠な中、当行では、革新的な金融サービスの提供により、お客さまのカーボン・ニュートラルに向けた対応を支援していきます。物理的リスク 台風・豪雨等の異常気象による経済活動の低迷や担保価値の毀損による与信関連費用の増加が考えられます。近年の大規模自然災害の発生状況も睨みつつ、気候変動が財務に与える影響を分析していきます。移行リスク 当行では、脱炭素社会への移行に伴い炭素税等の各種法規制が課せられる可能性をはじめとした気候変動政策や規制、技術革新等により生じるリスクをモニターしています。また、「環境・社会に配慮した投融資方針」に基づき、ネガティブ・インパクトの大きい以下の事業に資金使途を特定した投融資には取り組まない方針としています。- 石炭火力発電事業、森林伐採事業、パーム油農園開発事業、非人道的兵器の開発・製造事業、人権侵害が行われている事業 上記に伴う指標として、環境関連投融資残高、GHG排出量(連結グループにおけるスコープ1、2、3)及び再生可能エネルギー100%への転換(RE100)の達成状況を採用しています。それぞれの指標と目標は以下のとおりです。 (i) 環境関連投融資残高
(注)2024年3月31日時点における環境関連投融資残高は1,326億円となり、当初2027年3月31日の達成目標としていた1,000億円を前倒しで達成しました。 新たな環境関連投融資残高の目標については、取締役会の決議を経て決定する予定です。
(注) 環境関連投融資の範囲には、以下①及び②に係る投融資案件が含まれます。 ① 国際原則又は政府の指針に適合する投融資、及びそのリファイナンス・ グリーンボンド原則(国際資本市場協会<International Capital Market Association>)・ グリーンボンドガイドライン(環境省)・ 気候ボンド基準(Climate Bonds Initiative)・ クライメート・トランジション・ファイナンス・ハンドブック(国際資本市場協会)・ クライメート・トランジション・ファイナンスに関する基本指針(金融庁、経済産業省、環境省)・ グリーンローン原則(ローンマーケット協会<Loan Market Association>ほか)・ グリーンローン及びサステナビリティ・リンク・ローンガイドライン(環境省)・ サステナビリティボンド・ガイドライン(国際資本市場協会)・ サステナビリティ・リンク・ボンド原則(国際資本市場協会) ② ①に準じる投融資として資金使途が以下に限定されている投融資やそのリファイナンス・ FIT法に基づく認定を受けた事業への投融資であって、森林法、自然環境保護法を含む各種法令を遵守した投融資(リファイナンスを含む)例:気候変動リスクを低減する省エネルギー・再生可能エネルギー事業(太陽光発電施設・設備、風力・水力・バイオマス発電施設)など・ ZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)への融資(住宅ローン、投資用マンションローン) (ii) GHG排出量 単位2022年12月31日実績(注1)2023年12月31日実績(注1) 合計(注2)t-CO24,675,5768,407,135スコープ2ロケーション基準1,3791,672マーケット基準178- スコープ3(注3)4,675,3998,407,135
(注) 1.GHG排出量は暦年(1月1日~12月31日)で集計しています。2.合計値に含めるスコープ2はマーケット基準を加算しています。3.スコープ3のうちカテゴリ15の算定対象セクターの範囲を拡大した影響により、2023年12月31日のGHG排出量実績が3,726,922t-CO2増加しています。4.算定及び推移の詳細については、当行ホームページにて2024年6月に公開される予定のESGデータブック2023を参照ください。 (iii) 再生可能エネルギー100%への転換(RE100)の達成 2023年12月31日(注1)を基準日として非化石証書等が付与された再生可能エネルギーを国内外において100%導入しており、目標を達成しています。 新たな再生可能エネルギーへの転換の目標については、取締役会の決議を経て決定する予定です。
(注) 1.非化石証書等及びRE100に係る第三者保証は暦年(1月1日~12月31日)で取得しています。 2.人的資本 当行グループでは、全社的なリスク管理の一環として、人的資源確保の困難化を主要なトップリスクの一つとして認識するとともに(詳細は下記「3 事業等のリスク」をご参照ください。)、当該リスクに対して予め必要な措置を講じて、可能な範囲でリスクをコントロールするための未然防止策を策定・実施しています。当行が人的資本に関して行っている主な取組と指標及び目標は以下のとおりです。人的資本の指標及び目標は、当行グループにおいて主要な事業を営む当行単体の数値を記載しています。 (i) 人材育成当行は、業務に必要な知識、有用なスキルについて研修を行うと共に、各人の自律的な能力開発をサポートしています。全従業員を対象に毎年実施している全社研修のほか、管理職向けのマネジメント研修や年次別の研修等、充実した研修制度で従業員一人ひとりの成長を支援しています。また、各種資格取得や英語学習のサポート体制も整えています。 人材育成に関する指標と目標は以下のとおりです。 2024年3月31日実績2025年3月31日目標全社研修参加率100%100%金融コンプライアンス・オフィサー2級認定率
(注)99%100%
(注) 日本コンプライアンス・オフィサー協会が実施しており、金融機関の初級・中級管理職及び一般行職員を対象として、日常業務において直面するコンプライアンスに関する諸問題に対処するために必要な実務知識の習得度合いを判定する試験です。 (ii) 働きやすい職場環境の整備及びダイバーシティの促進 当行は、従業員の心身の健康保持を第一に考え、従業員一人ひとりが生き生きと活動できる職場環境を整備し、働き甲斐のある職場作りを進めていきます。具体的には、長時間労働の防止、5連続休暇の取得促進、定期健康診断受診率の更なる向上に注力する等により、行員の健康保持に努めています。傷病療養が必要な場合には、長期間療養に専念頂けるよう私傷病休職制度、復帰時の支援プラン、継続的に通院が必要な場合の特別休暇制度を設ける等、万一の際のセーフティネットも設け、安心して活躍頂ける環境を整えています。次世代育成支援対策法に基づく一般事業主行動計画に関しては、2023年、「くるみん認定」を取得しています。また、当行は、性別、国籍、ライフステージを問わず多様性あふれる行員が生き生きと活躍できるよう、ダイバーシティを促進しています。Englishnizationに取り組む他、子育て世代に向けて短時間勤務を小学校卒業までの間認める制度、不妊治療に活用頂ける特別休暇制度等を整備しています。また、障がい者の雇用確保にも取り組み、法定雇用率は継続して達成しています。次世代育成支援対策法及び女性活躍推進法に基づく行動計画と指標及び目標は以下のとおりです。詳細は当行ホームページの次世代育成支援対策推進法に基づく一般事業主行動計画(https://www.rakuten-bank.co.jp/policy/action.html)及び女性活躍推進法に基づく一般事業主行動計画(https://www.rakuten-bank.co.jp/policy/action2.html)をご覧ください。 取組計画働きやすい職場環境の整備・ 引き続き残業時間抑制を徹底(平均残業時間30時間以内となるよう管理する)。有給休暇の取得促進・ 引き続き会議等において年次有給休暇取得状況を共有する。・ 従業員全員が有給休暇取得率70%以上となるよう、従業員への促進啓発を行う。勤務歴が浅い社員を対象とした研修の実施・ 若手の労働者に対する多様なロールモデル・多様なキャリアパス事例の紹介。 指標及び目標 2024年3月31日実績2026年3月31日目標管理職に占める女性労働者の割合「第1 企業の概況 5従業員の状況 (4) 管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異」をご参照ください。35%以上平均勤続年数の男女差異(女性平均年数/男性平均年数)72.0%75%以上
指標及び目標
(2) 重要なサステナビリティ課題への取組及び指標当行が気候変動、人的資本に関して行っている取組は以下のとおりです。ガバナンス及びリスク管理体制については、「(1) 重要なサステナビリティ課題への対応に関する基本的な方針 1.ガバナンス、2.リスク管理」をご参照ください。 1.気候変動当行は、2022年3月に賛同を表明した気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)の提言を踏まえ、構成されるバリューチェーン全体での脱炭素化を目指して、(i)環境関連投融資を通じた社会のカーボン・ニュートラルへの取組支援、(ii)温室効果ガス(以下、「GHG」という。)プロトコルに沿ったGHG排出量の計測及び(iii)再生可能エネルギー100%への転換(RE100)達成に向けた国内外での取組を着実に進めています。 当行における気候変動の機会、物理的リスク、移行リスクへの検討と対応状況は以下のとおりです。リスク及び機会概要及び対応策機会 気候変動関連ビジネスへの支援が不可欠な中、当行では、革新的な金融サービスの提供により、お客さまのカーボン・ニュートラルに向けた対応を支援していきます。物理的リスク 台風・豪雨等の異常気象による経済活動の低迷や担保価値の毀損による与信関連費用の増加が考えられます。近年の大規模自然災害の発生状況も睨みつつ、気候変動が財務に与える影響を分析していきます。移行リスク 当行では、脱炭素社会への移行に伴い炭素税等の各種法規制が課せられる可能性をはじめとした気候変動政策や規制、技術革新等により生じるリスクをモニターしています。また、「環境・社会に配慮した投融資方針」に基づき、ネガティブ・インパクトの大きい以下の事業に資金使途を特定した投融資には取り組まない方針としています。- 石炭火力発電事業、森林伐採事業、パーム油農園開発事業、非人道的兵器の開発・製造事業、人権侵害が行われている事業 上記に伴う指標として、環境関連投融資残高、GHG排出量(連結グループにおけるスコープ1、2、3)及び再生可能エネルギー100%への転換(RE100)の達成状況を採用しています。それぞれの指標と目標は以下のとおりです。 (i) 環境関連投融資残高
(注)2024年3月31日時点における環境関連投融資残高は1,326億円となり、当初2027年3月31日の達成目標としていた1,000億円を前倒しで達成しました。 新たな環境関連投融資残高の目標については、取締役会の決議を経て決定する予定です。
(注) 環境関連投融資の範囲には、以下①及び②に係る投融資案件が含まれます。 ① 国際原則又は政府の指針に適合する投融資、及びそのリファイナンス・ グリーンボンド原則(国際資本市場協会<International Capital Market Association>)・ グリーンボンドガイドライン(環境省)・ 気候ボンド基準(Climate Bonds Initiative)・ クライメート・トランジション・ファイナンス・ハンドブック(国際資本市場協会)・ クライメート・トランジション・ファイナンスに関する基本指針(金融庁、経済産業省、環境省)・ グリーンローン原則(ローンマーケット協会<Loan Market Association>ほか)・ グリーンローン及びサステナビリティ・リンク・ローンガイドライン(環境省)・ サステナビリティボンド・ガイドライン(国際資本市場協会)・ サステナビリティ・リンク・ボンド原則(国際資本市場協会) ② ①に準じる投融資として資金使途が以下に限定されている投融資やそのリファイナンス・ FIT法に基づく認定を受けた事業への投融資であって、森林法、自然環境保護法を含む各種法令を遵守した投融資(リファイナンスを含む)例:気候変動リスクを低減する省エネルギー・再生可能エネルギー事業(太陽光発電施設・設備、風力・水力・バイオマス発電施設)など・ ZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)への融資(住宅ローン、投資用マンションローン) (ii) GHG排出量 単位2022年12月31日実績(注1)2023年12月31日実績(注1) 合計(注2)t-CO24,675,5768,407,135スコープ2ロケーション基準1,3791,672マーケット基準178- スコープ3(注3)4,675,3998,407,135
(注) 1.GHG排出量は暦年(1月1日~12月31日)で集計しています。2.合計値に含めるスコープ2はマーケット基準を加算しています。3.スコープ3のうちカテゴリ15の算定対象セクターの範囲を拡大した影響により、2023年12月31日のGHG排出量実績が3,726,922t-CO2増加しています。4.算定及び推移の詳細については、当行ホームページにて2024年6月に公開される予定のESGデータブック2023を参照ください。 (iii) 再生可能エネルギー100%への転換(RE100)の達成 2023年12月31日(注1)を基準日として非化石証書等が付与された再生可能エネルギーを国内外において100%導入しており、目標を達成しています。 新たな再生可能エネルギーへの転換の目標については、取締役会の決議を経て決定する予定です。
(注) 1.非化石証書等及びRE100に係る第三者保証は暦年(1月1日~12月31日)で取得しています。 2.人的資本 当行グループでは、全社的なリスク管理の一環として、人的資源確保の困難化を主要なトップリスクの一つとして認識するとともに(詳細は下記「3 事業等のリスク」をご参照ください。)、当該リスクに対して予め必要な措置を講じて、可能な範囲でリスクをコントロールするための未然防止策を策定・実施しています。当行が人的資本に関して行っている主な取組と指標及び目標は以下のとおりです。人的資本の指標及び目標は、当行グループにおいて主要な事業を営む当行単体の数値を記載しています。 (i) 人材育成当行は、業務に必要な知識、有用なスキルについて研修を行うと共に、各人の自律的な能力開発をサポートしています。全従業員を対象に毎年実施している全社研修のほか、管理職向けのマネジメント研修や年次別の研修等、充実した研修制度で従業員一人ひとりの成長を支援しています。また、各種資格取得や英語学習のサポート体制も整えています。 人材育成に関する指標と目標は以下のとおりです。 2024年3月31日実績2025年3月31日目標全社研修参加率100%100%金融コンプライアンス・オフィサー2級認定率
(注)99%100%
(注) 日本コンプライアンス・オフィサー協会が実施しており、金融機関の初級・中級管理職及び一般行職員を対象として、日常業務において直面するコンプライアンスに関する諸問題に対処するために必要な実務知識の習得度合いを判定する試験です。 (ii) 働きやすい職場環境の整備及びダイバーシティの促進 当行は、従業員の心身の健康保持を第一に考え、従業員一人ひとりが生き生きと活動できる職場環境を整備し、働き甲斐のある職場作りを進めていきます。具体的には、長時間労働の防止、5連続休暇の取得促進、定期健康診断受診率の更なる向上に注力する等により、行員の健康保持に努めています。傷病療養が必要な場合には、長期間療養に専念頂けるよう私傷病休職制度、復帰時の支援プラン、継続的に通院が必要な場合の特別休暇制度を設ける等、万一の際のセーフティネットも設け、安心して活躍頂ける環境を整えています。次世代育成支援対策法に基づく一般事業主行動計画に関しては、2023年、「くるみん認定」を取得しています。また、当行は、性別、国籍、ライフステージを問わず多様性あふれる行員が生き生きと活躍できるよう、ダイバーシティを促進しています。Englishnizationに取り組む他、子育て世代に向けて短時間勤務を小学校卒業までの間認める制度、不妊治療に活用頂ける特別休暇制度等を整備しています。また、障がい者の雇用確保にも取り組み、法定雇用率は継続して達成しています。次世代育成支援対策法及び女性活躍推進法に基づく行動計画と指標及び目標は以下のとおりです。詳細は当行ホームページの次世代育成支援対策推進法に基づく一般事業主行動計画(https://www.rakuten-bank.co.jp/policy/action.html)及び女性活躍推進法に基づく一般事業主行動計画(https://www.rakuten-bank.co.jp/policy/action2.html)をご覧ください。 取組計画働きやすい職場環境の整備・ 引き続き残業時間抑制を徹底(平均残業時間30時間以内となるよう管理する)。有給休暇の取得促進・ 引き続き会議等において年次有給休暇取得状況を共有する。・ 従業員全員が有給休暇取得率70%以上となるよう、従業員への促進啓発を行う。勤務歴が浅い社員を対象とした研修の実施・ 若手の労働者に対する多様なロールモデル・多様なキャリアパス事例の紹介。 指標及び目標 2024年3月31日実績2026年3月31日目標管理職に占める女性労働者の割合「第1 企業の概況 5従業員の状況 (4) 管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異」をご参照ください。35%以上平均勤続年数の男女差異(女性平均年数/男性平均年数)72.0%75%以上
人材の育成及び社内環境整備に関する方針、戦略 2.人的資本 当行グループでは、全社的なリスク管理の一環として、人的資源確保の困難化を主要なトップリスクの一つとして認識するとともに(詳細は下記「3 事業等のリスク」をご参照ください。)、当該リスクに対して予め必要な措置を講じて、可能な範囲でリスクをコントロールするための未然防止策を策定・実施しています。当行が人的資本に関して行っている主な取組と指標及び目標は以下のとおりです。人的資本の指標及び目標は、当行グループにおいて主要な事業を営む当行単体の数値を記載しています。 (i) 人材育成当行は、業務に必要な知識、有用なスキルについて研修を行うと共に、各人の自律的な能力開発をサポートしています。全従業員を対象に毎年実施している全社研修のほか、管理職向けのマネジメント研修や年次別の研修等、充実した研修制度で従業員一人ひとりの成長を支援しています。また、各種資格取得や英語学習のサポート体制も整えています。 人材育成に関する指標と目標は以下のとおりです。 2024年3月31日実績2025年3月31日目標全社研修参加率100%100%金融コンプライアンス・オフィサー2級認定率
(注)99%100%
(注) 日本コンプライアンス・オフィサー協会が実施しており、金融機関の初級・中級管理職及び一般行職員を対象として、日常業務において直面するコンプライアンスに関する諸問題に対処するために必要な実務知識の習得度合いを判定する試験です。 (ii) 働きやすい職場環境の整備及びダイバーシティの促進 当行は、従業員の心身の健康保持を第一に考え、従業員一人ひとりが生き生きと活動できる職場環境を整備し、働き甲斐のある職場作りを進めていきます。具体的には、長時間労働の防止、5連続休暇の取得促進、定期健康診断受診率の更なる向上に注力する等により、行員の健康保持に努めています。傷病療養が必要な場合には、長期間療養に専念頂けるよう私傷病休職制度、復帰時の支援プラン、継続的に通院が必要な場合の特別休暇制度を設ける等、万一の際のセーフティネットも設け、安心して活躍頂ける環境を整えています。次世代育成支援対策法に基づく一般事業主行動計画に関しては、2023年、「くるみん認定」を取得しています。また、当行は、性別、国籍、ライフステージを問わず多様性あふれる行員が生き生きと活躍できるよう、ダイバーシティを促進しています。Englishnizationに取り組む他、子育て世代に向けて短時間勤務を小学校卒業までの間認める制度、不妊治療に活用頂ける特別休暇制度等を整備しています。また、障がい者の雇用確保にも取り組み、法定雇用率は継続して達成しています。次世代育成支援対策法及び女性活躍推進法に基づく行動計画と指標及び目標は以下のとおりです。詳細は当行ホームページの次世代育成支援対策推進法に基づく一般事業主行動計画(https://www.rakuten-bank.co.jp/policy/action.html)及び女性活躍推進法に基づく一般事業主行動計画(https://www.rakuten-bank.co.jp/policy/action2.html)をご覧ください。 取組計画働きやすい職場環境の整備・ 引き続き残業時間抑制を徹底(平均残業時間30時間以内となるよう管理する)。有給休暇の取得促進・ 引き続き会議等において年次有給休暇取得状況を共有する。・ 従業員全員が有給休暇取得率70%以上となるよう、従業員への促進啓発を行う。勤務歴が浅い社員を対象とした研修の実施・ 若手の労働者に対する多様なロールモデル・多様なキャリアパス事例の紹介。 指標及び目標 2024年3月31日実績2026年3月31日目標管理職に占める女性労働者の割合「第1 企業の概況 5従業員の状況 (4) 管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異」をご参照ください。35%以上平均勤続年数の男女差異(女性平均年数/男性平均年数)72.0%75%以上
人材の育成及び社内環境整備に関する方針に関する指標の内容並びに当該指標を用いた目標及び実績、指標及び目標 2.人的資本 当行グループでは、全社的なリスク管理の一環として、人的資源確保の困難化を主要なトップリスクの一つとして認識するとともに(詳細は下記「3 事業等のリスク」をご参照ください。)、当該リスクに対して予め必要な措置を講じて、可能な範囲でリスクをコントロールするための未然防止策を策定・実施しています。当行が人的資本に関して行っている主な取組と指標及び目標は以下のとおりです。人的資本の指標及び目標は、当行グループにおいて主要な事業を営む当行単体の数値を記載しています。 (i) 人材育成当行は、業務に必要な知識、有用なスキルについて研修を行うと共に、各人の自律的な能力開発をサポートしています。全従業員を対象に毎年実施している全社研修のほか、管理職向けのマネジメント研修や年次別の研修等、充実した研修制度で従業員一人ひとりの成長を支援しています。また、各種資格取得や英語学習のサポート体制も整えています。 人材育成に関する指標と目標は以下のとおりです。 2024年3月31日実績2025年3月31日目標全社研修参加率100%100%金融コンプライアンス・オフィサー2級認定率
(注)99%100%
(注) 日本コンプライアンス・オフィサー協会が実施しており、金融機関の初級・中級管理職及び一般行職員を対象として、日常業務において直面するコンプライアンスに関する諸問題に対処するために必要な実務知識の習得度合いを判定する試験です。 (ii) 働きやすい職場環境の整備及びダイバーシティの促進 当行は、従業員の心身の健康保持を第一に考え、従業員一人ひとりが生き生きと活動できる職場環境を整備し、働き甲斐のある職場作りを進めていきます。具体的には、長時間労働の防止、5連続休暇の取得促進、定期健康診断受診率の更なる向上に注力する等により、行員の健康保持に努めています。傷病療養が必要な場合には、長期間療養に専念頂けるよう私傷病休職制度、復帰時の支援プラン、継続的に通院が必要な場合の特別休暇制度を設ける等、万一の際のセーフティネットも設け、安心して活躍頂ける環境を整えています。次世代育成支援対策法に基づく一般事業主行動計画に関しては、2023年、「くるみん認定」を取得しています。また、当行は、性別、国籍、ライフステージを問わず多様性あふれる行員が生き生きと活躍できるよう、ダイバーシティを促進しています。Englishnizationに取り組む他、子育て世代に向けて短時間勤務を小学校卒業までの間認める制度、不妊治療に活用頂ける特別休暇制度等を整備しています。また、障がい者の雇用確保にも取り組み、法定雇用率は継続して達成しています。次世代育成支援対策法及び女性活躍推進法に基づく行動計画と指標及び目標は以下のとおりです。詳細は当行ホームページの次世代育成支援対策推進法に基づく一般事業主行動計画(https://www.rakuten-bank.co.jp/policy/action.html)及び女性活躍推進法に基づく一般事業主行動計画(https://www.rakuten-bank.co.jp/policy/action2.html)をご覧ください。 取組計画働きやすい職場環境の整備・ 引き続き残業時間抑制を徹底(平均残業時間30時間以内となるよう管理する)。有給休暇の取得促進・ 引き続き会議等において年次有給休暇取得状況を共有する。・ 従業員全員が有給休暇取得率70%以上となるよう、従業員への促進啓発を行う。勤務歴が浅い社員を対象とした研修の実施・ 若手の労働者に対する多様なロールモデル・多様なキャリアパス事例の紹介。 指標及び目標 2024年3月31日実績2026年3月31日目標管理職に占める女性労働者の割合「第1 企業の概況 5従業員の状況 (4) 管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異」をご参照ください。35%以上平均勤続年数の男女差異(女性平均年数/男性平均年数)72.0%75%以上
事業等のリスク 3 【事業等のリスク】
経営に係る各種リスクを適切に認識・管理するための枠組みとして、当行グループは取締役会にて決議された「統合的リスク管理基本規程」のもと、全社的なリスク管理方針、各種リスク管理方針及びリスク管理組織・体制を定めています。また、リスクに関する経営会議の事前協議機関として「リスク管理委員会」を設置し、全社的なリスク管理統制部署としてリスク管理本部を設置するとともに、各種リスクの管理統制部署を設置することで、適切なリスク管理を実践しています。以下の「(1) 経営環境に関するリスク」、「
(2) 楽天グループとの関係に係るリスク」及び「(3) 当行グループの事業に関するリスク」で記載されている各リスクのうち、当行グループにおいて、影響度や蓋然性の観点から、経営上特に重要なリスク事象について、リスク管理委員会及び経営会議等での議論を踏まえて、経営者が「トップリスク」を以下のとおり認識しています。この「トップリスク」に対して、予め必要な措置を講じて、可能な範囲でリスクをコントロールするための未然防止策を策定・実施し、当該リスクの適切なコントロール及びガバナンスの強化に活用しています。 主要なトップリスク リスク事象リスクシナリオ(例)競争環境の激化■ デジタル社会の進展に伴う他の金融機関との競争激化■ 他業種による銀行業への参入及び金融サービスの提供による競争激化技術革新への対応遅延■ サービスの陳腐化及び競争力の低下■ 既存システムの改良及び新システムの開発等による費用の増加深刻な感染症の流行■ 未曾有の感染症の蔓延による行動制限・営業自粛等を契機とする景気低迷による与信関連費用の増加■ 役職員の感染増加による事業の中断及びサービス品質の大幅な劣化楽天グループとの関係■ 楽天グループ株式会社の子会社・関連会社等でなくなった場合に、「楽天」のブランド利用及び楽天グループ各社との協業に制限が発生■ 楽天グループに属する会社に業績不振や行政処分等、商品やサービス等に対する不信感や不祥事等が生じた場合等に、楽天グループ全体のブランドに影響が生じ、利用者が離反することによる収益の低下システム障害■ ハードウェア・ソフトウェアの不具合・欠陥、役職員の過誤によるシステム障害発生に伴うサービスの停止による行政処分、損害賠償請求、当行グループに対する社会的信用の毀損等の発生サイバー攻撃■ 犯罪・テロ組織等からの攻撃によるサービス停止、データの消滅・盗取等の発生による当行グループに対する社会的信用の毀損、顧客離反、損害賠償請求等の発生監督官庁等の規制等■ 銀行法その他の関連法令・諸規則に基づく監督官庁からの行政処分又は指導の発生金融犯罪・マネロン・制裁違反リスク対策への対応不備■ 急速な犯罪手法の高度化・巧妙化への対応の遅れによる風評の悪化に伴う当行グループに対する社会的信用の毀損、追加施策の実行に伴う費用の発生■ マネー・ローンダリング対策、制裁違反リスク対策が有効に機能しないことに伴う行政処分、社会的信用の毀損等の発生人的資源確保の困難化■ 業容の拡大に伴う費用及び人材の確保が困難となった場合の競争力の低下、業容拡大施策の制約の発生金融政策の変更に伴う金利の上昇■ マイナス金利政策の解除による貸出金利の上昇に伴う与信関連費用の増加■ 長期金利操作(イールドカーブ・コントロール)の撤廃をはじめとする国内外の金融政策の変更等による保有有価証券の評価損の発生 本書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、上記の「トップリスク」に関する分析を踏まえ、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりです。また、必ずしもそのようなリスクに該当しない事項についても、投資判断上重要であると考えられる事項については、積極的な情報開示の観点から以下に開示しています。以下に記載する事項のうち将来に関する事項は、別段の記載がない限り、本書提出日現在において当行グループが予想したものであり、不確実性を内包しているため、実際の結果と異なる可能性があります。 (1) 経営環境に関するリスク① マクロ経済環境に係るリスク当行グループは、日本と台湾において銀行業を営んでおり、当行グループの業績は国内の景気動向とともに、海外の経済動向、社会情勢及び地政学的リスク等の影響を受けます。各国の中央銀行の金融政策の変更により国内外の金利が低下した場合、資金運用に係る収益が低下する可能性があります。また、当行は、お客さまの給与振込、口座振替を獲得する等、生活に密着する資金の受取りや支払いを取り込むことにより当行口座をお客さまの生活口座としてご利用いただくことを推進し、併せて外貨預金、振込、海外送金等の利便性に優れた幅広いサービスをお客さまに提供することにより手数料収入の拡大を図っていますが、経済活動の低迷による企業活動の停滞及び個人消費の低迷等により、当行サービスの利用が減少した場合には、想定よりもお客さまの生活口座化が進まず、また、手数料収入が低下する等の理由により当行グループの経営成績及び財政状態に影響が生じる可能性があります。 ② 深刻な感染症の流行に関するリスク新型コロナウイルス感染症は、2023年5月に5類感染症に移行され、行動規制の緩和等、一定の落ち着きを見せているものの、今後も未曾有の感染症の出現・流行の可能性があります。引き続き国内外における各種感染症の発生・感染状況やこれに伴う経済動向に注視し、適切なリスク管理を実施する方針ですが、想定以上の感染拡大等により経済状況がさらに悪化した場合や景気の低迷が長期化した場合等には、資金需要の減退に伴う減収、与信関連費用の増加、保有有価証券等の評価損等により、当行グループの経営成績及び財政状態に影響が生じる可能性があります。また、当行グループでは、銀行サービスが社会インフラであるとの認識の下、感染拡大防止に取り組みつつ、銀行に求められる決済・預金・貸出業務の提供をいかなる状況においても継続するという社会的責任を果たすため各種感染防止対策を実施しており、今後も流行状況に応じて、既存の業務継続体制をベースに、オフィスにおけるパーティションの設置、同一部署の社員の勤務場所の分離、交代勤務の実施、テレワークの拡大等の感染防止の取組を行ってまいりますが、各種感染症が流行し、多数の役職員が罹患するといった事態が生じた場合、事業継続に支障が生じる可能性があります。 ③ 競争環境当行グループは、インターネットを活用した銀行業を営んでいますが、国内には当行以外にもインターネットバンキングを中心として銀行業を営む金融機関が一定数存在するほか、資金・人員面でより優位な他の金融機関においても経営資源をインターネットバンキングに投下する動きが見られ、今後、インターネットバンキングにおける金融機関の競争がさらに激化する可能性があります。また、当行は、主にインターネットを通じてお客さまに銀行サービスを提供していますが、伝統的な対面での銀行サービスの提供を好むお客さまも存在することから、顧客獲得等の面において実店舗を有する金融機関との競争が激化する可能性があります。加えて、他業種による銀行業への参入や金融サービスの提供の動きが見られるほか、楽天グループ内でもキャッシュレスペイメント分野で潜在的な競合の可能性がある等、他業種との競争が激化する可能性があります。当行グループは、競合となり得る金融機関や他業種の動向を注視しつつ、引き続き顧客ニーズに合致したサービスの提供を行う方針ですが、これらの取組が期待通りの成果を上げられず、当行サービスが競争力を失った場合には、当行グループの経営成績及び財政状態に影響が生じる可能性があります。また、当行は楽天ブランド、楽天ポイントの活用及び楽天グループ各社との顧客相互送客等を通じた楽天エコシステムの活用により他のインターネット銀行に比して優れた利便性や価格競争力のあるサービスをお客さまに提供していると考えており、引き続き楽天エコシステムとのシナジーを強化して新規顧客獲得及びお客さまのリテンションを推進しますが、楽天エコシステムや楽天ポイントが他社グループとの競合の中で競争力を失い、その影響として当行サービスも競争力を失った場合には、当行グループの経営成績及び財政状態に影響が生じる可能性があります。 ④ 業界における技術革新等当行グループが営むインターネットを活用した銀行業は、技術の進歩や変化が著しく、頻繁に新しい技術を活用したサービスが導入されています。当行は常に最新の技術動向及び市場動向の調査、技術的優位性の高いサービスの導入、既存システムの改良等の検討を通して、競争力を維持するための施策を講じています。しかしながら、何らかの要因により、当該変化等への対応が遅延した場合には、サービスの陳腐化、競争力の低下等が生じる可能性があります。また、変化等への対応が可能な場合であっても、お客さまのキャッシュレスペイメントの普及が想定どおり進まない可能性や、既存システムの改良、新システムの開発等による費用の増加等が発生する可能性があり、これらの動向及びその対応の巧拙により、当行グループの経営成績及び財政状態に影響が生じる可能性があります。また、当行グループの事業運営の障害となり得る技術が開発される可能性もあり、このような技術が広く一般に普及した場合には、当行グループの経営成績及び財政状態に影響が生じる可能性があります。
(2) 楽天グループとの関係に係るリスク① 楽天グループ株式会社が株主総会の決議事項に関する支配権又は重大な影響力を有することについて当行は、楽天グループ株式会社(東証プライム上場企業)の連結子会社であります。当行は、意思決定の透明性・公正性を確保するため、取締役の過半数を独立社外取締役としているほか、独立役員(一般株主と利益相反が生じるおそれのない社外取締役及び社外監査役をいいます。)から構成される特別監視委員会を設置し、楽天グループ株式会社からのグループ事業戦略上の要請に基づく経営方針の決定や当行グループと楽天グループの相互に関連する人事案件及び楽天グループ株式会社との経営基本契約の締結や非独占的ブランドライセンス契約の締結をはじめとする楽天グループとの取引及び行為の実行に際して、少数株主保護の観点等から取引の必要性及び取引条件の妥当性等を検証し、同委員会に事前に諮問又は事後に報告をしなければならないこととしています。また、当行は、楽天グループ株式会社と経営基本契約を締結し、同契約において楽天グループ株式会社と当行の株主との間に利益相反リスクがあることを踏まえ、上場子会社として求められる独立性を尊重する旨を定めています。しかし、株主総会決議が必要となる取締役及び監査役の選任・解任、定款の変更、当行の重要な方針の決定等においては、同社が当行グループの経営に重要な影響を及ぼす可能性があります。なお、経営基本契約において、楽天グループ株式会社は、当行が楽天グループ以外からの取締役の登用を積極的に行う等、ガバナンスに対する適切なチェックが働く体制とすることを尊重するとともに、従業員に対する当行の人事権を尊重する旨を定めています。また、同契約において楽天グループ株式会社に対する事前承認、事前協議事項は規定しておらず、当行から楽天グループ株式会社に対する報告については、同契約に基づき必要かつ法令等に抵触しない範囲で行っています。また、同契約において、楽天グループ株式会社は、当行の業況が悪化した場合には当行の業務の健全かつ適切な運営を確保するために必要な措置を講じ、楽天グループ株式会社の業況が悪化した場合には、同社が当行に対して資本出資、融資等の支援を要請しない旨を規定しています。なお、当行と楽天グループ株式会社及びその他の関係会社との主な関係等の詳細については、以下「②役員の兼任について」から「⑦楽天グループとの取引関係について」のとおりです。 ② 役員の兼任について当行の取締役のうち、三木谷浩史氏は、楽天グループ株式会社及びその主要な子会社の役員を兼任しています。当行の上場後の更なる成長を企図すると、楽天グループとのシナジーを追求することに加えて、楽天グループ外の顧客とのビジネスの更なる拡大を実現することが重要であると考えています。三木谷氏は株式会社日本興業銀行出身であると共に当行取締役の経験があり銀行ビジネスに対する知見が深く、さらに楽天グループ株式会社代表取締役会長、楽天カード株式会社の取締役会長及び楽天モバイル株式会社代表取締役会長を兼任する等、楽天グループ全体のビジネスを横断的に把握していることに加え、楽天グループ外の顧客とのビジネスの強化にあたっては、同氏は一般社団法人新経済連盟の代表理事を務める等、日本に留まらず海外にも幅広い人脈があることから、これらの豊富な実績、経験及び幅広い人脈が、楽天グループと当行の更なるシナジーの追求及び楽天グループ外における当行の事業基盤拡充に資すると考え、招聘したものです。なお、三木谷氏の就任は当行グループと楽天グループの相互に関連する人事案件に該当するため、予め特別監視委員会に諮問し、出席委員全員より異議がない旨の意見表明を受けています。 ③ 従業員の出向及び兼任について楽天グループ株式会社では、業務の効率性、事業上の必要性、人材育成及び各職員の将来像を踏まえたキャリアパス形成の観点から、積極的なグループ内での人材交流が行われており、当行においても楽天グループ株式会社を含めた楽天グループ内他社から出向社員を受け入れています。2024年3月31日時点で楽天グループ内の他社から当行へ出向している社員は99名となっています。当行全体に占める受入出向者の割合は1割程度となっており、受入出向者に依存した状況ではないと考えています。なお、業務分掌を受けた組織体の責任者であるライン長(各組織体における組織長)以上の人事については、親会社からの独立性及び経営の安定性の観点から、出向関係を解消し転籍した者としており、継続的に出向関係のモニタリングを行い、出向期間は当行主導で決定できるようにしています。また、当行から楽天グループ内の他社への出向については、当行の事業上必要と判断するもののみ実施しています。 ④ 楽天のブランド利用等に係るリスク当行は、楽天グループ株式会社と経営基本契約を締結し、これに基づき、非独占的ブランドライセンス契約を締結して、「楽天」のブランド利用等を行っています。これに伴い、楽天グループ株式会社に対して、ブランドライセンス料を支払っています。当行が、楽天グループ株式会社の子会社・関連会社等でなくなる等の理由により非独占的ブランドライセンス契約の終了、解除又は変更がなされた場合には、「楽天」等のブランド利用等ができない、又は利用が制限される可能性等があり、この場合には、楽天エコシステムからの顧客獲得の減少や、当行が提供するサービスの知名度の低下、サービス利用の低迷による収益の低下等により、当行グループの業務、経営成績及び財政状態に影響が生じる可能性があります。また、楽天グループ株式会社、その他の楽天グループ各社、又は当行グループにおいて、行政処分等に伴うマイナスイメージが生じた場合、商品やサービス等に対する不信感や不祥事等が生じた場合、必ずしも正確な情報に基づかない、又は憶測に基づいた報道や情報の流布がなされた場合等には、楽天グループ全体のブランドに影響が生じ、利用者の離反による収益の低下等により、当行グループの業務、経営成績及び財政状態に影響が生じる可能性があります。 ⑤ 楽天グループ間の業務提携に係るリスク当行は、楽天エコシステムとのシナジーを追求し、楽天グループの1億超ID(2024年3月現在)の強固な顧客基盤を活用した新規顧客獲得及び当行へのロイヤルティを高める施策を推進しており、楽天グループ株式会社とのポイントプログラムの提携等、楽天証券株式会社との口座連携(マネーブリッジ)、銀行代理業の委託、金融商品仲介業務等、楽天カード株式会社、楽天生命保険株式会社、楽天損害保険株式会社への銀行代理業の委託等、楽天グループ株式会社及びその他の楽天グループ各社との間で様々な提携を行っています。主な提携内容は以下「イ.楽天グループ経由の口座開設申込み」から「ハ.楽天ポイント」のとおりです。 イ.楽天グループ経由の口座開設申込み2024年3月期における当行新規口座開設の約70%が、楽天グループ各社のホームページ・アプリ上に掲載している当行口座開設バナー広告経由での申込となっています。当行としては、楽天エコシステムを回遊する楽天会員は楽天グループが提供するサービスを利用していることから、口座開設後に稼働する可能性が高く、従って稼働顧客当たりの獲得費用を抑制可能であることから、楽天エコシステムを回遊する楽天会員からの口座開設申込獲得に戦略的に注力してまいりました。今後は、引き続き楽天グループ経由の口座開設申込の獲得に注力することに加え、当行の知名度向上による楽天グループ外チャネルからの口座開設申込の獲得、当行法人顧客の従業員の口座獲得等を拡大していくことを目指しており、結果として、楽天グループ外チャネルからの口座開設申込獲得の割合が漸進的に増加していくと考えています。しかし、当行が、楽天グループ株式会社の子会社・関連会社等でなくなった場合には、楽天グループ内での広告活動の条件が変更され、又はこれまでと同様の広告活動ができなくなる可能性があり、その結果稼働顧客当たりの獲得費用を抑制し続けることが困難になる等、当行グループの業務、経営成績及び財政状態に影響が生じる可能性があります。 ロ.楽天証券株式会社との口座連携(マネーブリッジ連携口座)2024年3月期末における当行個人預金残高の約80%が、楽天証券株式会社との口座連携プログラムであるマネーブリッジ連携口座の預金残高となっています。マネーブリッジ連携口座については、入出金の利便性の高さから多くのお客さまにご利用いただいており、マネーブリッジの普通預金の優遇金利についても、お客さまの支持をいただいていると認識しています。今後は、お客さまの多様なニーズに応えるために普通預金のマネーブリッジ以外の金利優遇施策を順次拡充していくことを検討しており、当行の業容拡大に伴い、マネーブリッジの優遇金利のみを目的とする預金の割合は、漸進的に低下していくものと考えています。なお、マネーブリッジ連携口座の預金残高のうち楽天証券株式会社の証券投資に利用されない資金は、お客さまの日常生活のニーズ等のために利用されており、マネーブリッジ連携口座の預金残高の多くはお客さまの日常生活のニーズ等に充当されています。当行が、楽天グループ株式会社の子会社・関連会社等でなくなった場合には、当該連携の条件が変更され、又は継続できなくなる等、これまでと同様のメリットを享受できなくなる可能性があります。このような場合には、当行グループの業務、経営成績及び財政状態に影響が生じる可能性があります。 ハ.楽天ポイント当行は、お客さまの当行サービスの利用や預金残高に応じてお客さまに楽天ポイントを付与する顧客優遇プログラム「ハッピープログラム」、デビットカードの利用額の一定割合をポイントでお客さまに還元するプログラム、当行の定める期間中に一定の条件を達成されたお客さまに対してポイントを進呈するキャンペーン・プログラム等、各種キャンペーンやプログラムを通じてお客さまに楽天ポイントを付与しています。また、楽天グループ株式会社のポイントプログラムであるスーパーポイントアッププログラム(以下、「SPU」という。)に参画しており、楽天市場で獲得できる楽天ポイントが増加する特典(①楽天市場での購買時に当行口座を口座振替口座として設定している楽天カードで決済すると+0.3倍、②当行口座を給与受取口座とするとさらに+0.2倍)をお客さまに提供しています。これらの顧客に付与する楽天ポイントに係る費用は、当行が全額負担しています。また、顧客に付与する楽天ポイントの経理処理について、顧客との取引金額や件数に直接連動して顧客に付与する楽天ポイントは、同取引の収益認識時点で楽天ポイント費用を収益より減額しています。それ以外のポイント費用については、費用発生時点において販売促進費として計上しています。なお、顧客が当行サービス利用時にサービス手数料等の全部又は一部に充当する楽天ポイントについては、当行は、利用ポイント相当額を楽天グループ株式会社に対して請求するため、当行に費用負担は生じません。また、当行は楽天ポイントに係るシステム等を利用するために楽天グループ株式会社との間で「グループコアアセットの利用等に関する契約」を締結しており、同契約に基づき、①当行の顧客に対する楽天ポイントの付与、②顧客の当行サービス利用時におけるサービス手数料等への楽天ポイントの充当に際して、ポイントシステム利用料(「⑦ 楽天グループとの取引関係について」内に記載のポイントシステム利用料)を楽天グループ株式会社に対して支払っています。当行が、楽天グループ株式会社の子会社・関連会社等でなくなった場合には、当該プログラムの条件が変更され、又は継続できなくなる可能性があります。かかる場合には、当該ポイント特典と同等の経済価値相当のキャッシュバック等で代替することも考えられますが、当該代替策の効果が楽天ポイント特典の効果を下回った場合、当行グループの業務、経営成績及び財政状態に影響が生じる可能性があります。また、楽天ポイント特典により得られる効果については、一定の条件のもと、楽天ポイントの活用から得られた利益と、当該活用に係る費用とを比較することにより定期的に検証し、その結果を特別監視委員会に報告することとしているため、その可能性は限定的ではあるものの、楽天ポイント特典により得られる効果が楽天ポイント特典の提供に要する費用を下回った場合、当行グループの業務、経営成績及び財政状態に影響が生じる可能性があります。 ⑥ 楽天グループ内の金銭債権を裏付とした証券化取引に係るリスク当行は、楽天カード株式会社のクレジットカード債権、楽天モバイル株式会社の通信料債権等の楽天グループ内の金銭債権を裏付資産とする信託受益権を購入しています。2024年3月期末における当該信託受益権残高合計は2兆2,924億82百万円となっています。当行は、個人向けのローンを拡充し、法人融資を拡大し、投資先の信用力とスプレッドを勘案して国債・政府保証債、事業債、外国債券等への投資を増加させる等、運用手段の多様化を進めていますが、当行が楽天グループ株式会社の子会社・関連会社等でなくなった場合、当行がグループ各社の金銭債権を証券化する機会が減少する等の可能性があり、当行グループの業務、経営成績及び財政状態に影響が生じる可能性があります。 ⑦ 楽天グループとの取引関係について当行グループでは、楽天グループ内の各社と取引を行っています。当行グループの独立性の観点を踏まえ、楽天グループ株式会社との経営基本契約の締結や非独占的ブランドライセンス契約の締結をはじめとする楽天グループとの取引及び行為の実行に際しては、当該取引の事業上の必要性と取引条件の妥当性等の取引内容について特別監視委員会に事前に諮問又は事後に報告し、社内規程に定められた決裁権限に則った手続を経ることとし、取引の健全性及び適正性を確保する体制を築いています。2024年3月期における当行と楽天グループとの主な取引内容は以下のとおりです。 (当行と楽天グループ株式会社との取引)取引の内容2024年3月期取引条件等の決定方法取引金額(百万円)期末残高(百万円)販売促進費の支払い10,549―楽天ポイント付与に伴い発生するポイント費用の実額を負担しています。なお、顧客との取引金額や件数に直接連動して顧客に付与する楽天ポイントは、同取引の収益認識時点で楽天ポイント費用を収益より減額しており、取引金額は当該減額相当額を含む金額を記載しています。ブランドライセンス料の支払い1,305―当行グループ売上総利益の一定割合によっており、その料率は楽天グループ㈱と協議の上、合理的に決定しています。ポイントシステム利用料の支払い2,338―楽天ポイント付与額の一定割合によっており、その料率は楽天グループ㈱と協議の上、合理的に決定しています。賃借料の支払い444―近隣相場と同等の価格によっています。 (当行と楽天カード株式会社との取引)取引の内容2024年3月期 取引条件等の決定方法取引金額(百万円)期末残高(百万円)信託受益権の受取利息17,4552,152,451一般の市場情勢を勘案し、楽天カード㈱と協議の上、合理的に決定しています。期末残高欄には信託受益権の引受残高を記載しています。代位弁済受入額7,991208,037独立第三者間取引と同様の一般的な取引条件で取引を行っています。期末残高欄には個人ローン債権に対する被保証残高を記載しています。保証料の支払い12,062―当行カードローン残高のうち楽天カード㈱を保証会社とするものに対する保証料の支払いであり、取引条件は一般に採用される保証料率を勘案し楽天カード㈱と協議の上、決定しています。 (当行と楽天証券株式会社との取引)取引の内容2024年3月期取引条件等の決定方法取引金額(百万円)期末残高(百万円)決済及び金融商品仲介手数料等4,881―独立第三者間取引と同様の一般的な取引条件で行っています。 (当行と楽天生命保険株式会社との取引)取引の内容2024年3月期取引条件等の決定方法取引金額(百万円)期末残高(百万円)保険料の支払い1,563―独立第三者間取引と同様の一般的な取引条件で行っています。 (当行と競馬モール株式会社との取引)取引の内容2024年3月期取引条件等の決定方法取引金額(百万円)期末残高(百万円)決済手数料等の受取1,924―独立第三者間取引と同様の一般的な取引条件で行っています。 (3) 当行グループの事業に関するリスク① 事業戦略におけるリスク当行は、顧客基盤の拡充により業容を拡大し、その顧客基盤を活用して手数料収益及び利息収益の増加を図っています。しかしながら、以下の要因により、当行グループの業務、経営成績及び財政状態に影響が生じる可能性があります。 イ.当行は、口座数及び預金量を重要な経営指標と位置づけており、今後も当行サービスの利便性と価格競争力を訴求することにより顧客基盤の拡充に努めてまいりますが、他のインターネット銀行との競争の結果として当行サービスが競争力を失ったことによりこの経営指標の伸びが減速・低迷した場合、当行グループの業務、経営成績及び財政状態に影響が生じる可能性があります。また、インターネットバンキングをスマートフォンアプリにて取引する顧客が増加しており、当行は今後も顧客ニーズに応えるためにスマートフォンアプリの利便性・機能向上に努めてまいりますが、この顧客ニーズに適切に対応できない場合には、当行グループの経営成績及び財政状態に影響が生じる可能性があります。ロ.当行は、独自の店舗・ATM網を有しておらず、そのためATMの利用に係る契約を他の金融機関等と締結することにより当行の顧客に対して現金の入出金サービスを提供していますが、この契約を締結している金融機関等との関係が悪化した場合、他の金融機関等と接続するシステムに不具合が発生した場合又は何らかの理由により他の金融機関等による当行のニーズに合致したサービスの提供が困難となった場合には、当行グループの経営成績及び財政状態に影響が生じる可能性があります。ハ.当行グループは、新たな収益機会を得るために、銀行法の範囲内において積極的に新規事業への進出を検討しています。しかしながら、当行グループが未進出の業務分野に進出した場合や競争の激しい分野に進出した場合等において、業容の拡大につながらない又は当初想定した成果を得ることができない可能性があり、その結果、当行グループの経営成績及び財政状態に影響が生じる可能性があります。 ② 海外事業に係るリスク当行は、台湾において銀行業を営む連結子会社を有しています。同社は現地における法令、自主規制等を遵守する必要があり、現地監督当局による検査、調査等の対象となっているほか、現地における政治、経済環境等の影響を受けます。当行は同社への役員派遣を含め、当行グループとしての同社に対するガバナンス態勢、コンプライアンス態勢、リスク管理態勢を構築していますが、今後、同社が法令・自主規制等に抵触し、現地監督当局による罰金、課徴金、業務改善命令、業務停止命令、許認可の取消等が行われた場合、同社を取り巻く政治・経済環境の変化、自然災害等の不測の事態が発生した場合には、当行グループの経営成績及び財政状態に影響が生じる可能性があります。また、為替レートの変動により、当行グループの利益が減少する可能性があります。また、上記事由により同社の自己資本が大幅に毀損する事態となった場合には、当行が親会社として増資を含む支援を要請される可能性があります。 ③ 中長期ビジョンに係るリスク当行は、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (3) 経営環境・経営戦略 2.経営戦略」に記載のとおり、2022年4月28日付で中長期ビジョンを策定し、公表しています。しかしながら、当該中長期ビジョンにおける成長戦略の実施や目標の達成は、本「事業等のリスク」に記載された事項を含む様々なリスク要因や不確実性による影響を受けます。また、当該中長期ビジョンは、策定時点における経済・事業環境の認識等様々な前提に基づくものであり、前提が想定どおりとならない場合等には、当該中長期ビジョンにおける成長戦略の実施や目標の達成が困難となり、当行グループの経営成績及び財政状態に重大な影響が生じる可能性があります。 ④ 自然災害及びパンデミック等に係るリスク地震、台風、津波、豪雨等の自然災害、火災、停電、電力不足や異常気象、戦争やテロリズムその他の犯罪行為及びパンデミック等が発生した場合、当行グループの経営成績及び財政状態に重大な影響が生じる可能性があります。これらの災害及びパンデミック等が発生した場合には、経済活動が停滞し、当行グループが提供するサービスに対する需要が減少する可能性があります。また当行グループの本店、出張所、データセンター等の拠点が、これらの災害及びパンデミック等により直接的又は間接的に被害を受けた場合には、物理的・人的な被害に加えて、通信ネットワークや情報システム等が正常に稼働せず、当行グループの事業継続が困難になる可能性があります。加えて、役職員の安全確保のため、状況に応じて役職員の出勤を制限又は停止する等、事業の運営体制を変更せざるを得ないことにより、サービスの低下が発生する可能性があります。当行グループにおいては、これらの災害及びパンデミック等が発生した場合に備えて、事業継続計画(BCP)を策定し、定期的な訓練を通じて事業継続の確実性を高め、かかるリスクを最小限とするように努めていますが、災害及びパンデミック等の規模が想定を上回る場合には、準備している事業継続計画では対応できず当該リスクが顕在化し、事業継続自体が困難又は不可能となり、当行グループの経営成績及び財政状態に重大な影響が生じる可能性があります。 ⑤ 気候変動に係るリスク2015年に採択された「パリ協定」を受けて、気候変動の原因とされる温室効果ガス削減の取組が世界的に加速しています。気候変動リスクは、主に気候変動に伴う物理的リスクと脱炭素社会への移行に伴う各種規制拡大等の移行リスクに大別されます。物理的リスクとしては、台風・豪雨等の異常気象による経済活動の低迷や担保価値の毀損による与信関連費用の増加が考えられます。また、CO2の排出を抑え、脱炭素社会へ移行することに伴い、当行グループが事業を営む日本及び台湾において、炭素税等の各種法規制が課せられる可能性があります。当行は、行内横断的な会議体としてサステナビリティ推進会議を設置し、脱炭素社会への移行をはじめとするサステナビリティへの取組に関する体制強化に努めていますが、これらの取組が奏功しない、もしくは不十分である場合又は各種規制への対応コストが増加した場合、当行グループの経営成績及び財政状態に重大な影響が生じる可能性があります。 ⑥ 情報システムに係るリスク当行グループは、コンピュータシステムを結ぶ通信ネットワークを通じて銀行業を営んでいますが、ネットワーク又はコンピュータシステム上のハードウェアもしくはソフトウェアの不具合・欠陥等により当行グループ、楽天グループ各社又は外部のサービスプロバイダもしくはビジネスパートナー企業等の第三者の情報システムに脆弱性又は不備が生じる可能性があります。加えて、役職員の過誤により正常なサービス提供に支障が生じる可能性があるほか、重要なデータの消失、機密情報の漏えい等が発生する可能性があります。これらのリスク発生の回避及び軽減のため、監視体制を強化するとともに、通信ネットワークの複線化・システムの冗長化・データセンターの複数拠点の設置等の技術的・物理的にも各種対応策を講じていますが、かかるリスクが発現した場合には、当行グループのシステムが一時的に停止する等の事態が発生し、システム停止により顧客に生じた損害の賠償等をせざるを得なくなる可能性があります。また、監督官庁から行政処分等を受ける可能性もあり、かかる場合には、当行グループに対する社会的信用が毀損し、当行グループの経営成績及び財政状態に影響が生じる可能性があります。 ⑦ サイバー攻撃に係るリスク当行グループは、コンピュータシステムを結ぶ通信ネットワークを通じてサービスを提供しています。そのため、ネットワークもしくはコンピュータシステム上のハードウェア又はソフトウェアの不具合、欠陥、コンピュータウイルス、フィッシングメール等による顧客に対する攻撃、外部からの不正な手段による当行グループのコンピュータシステム内への侵入等により情報システムの可用性、機密性、完全性を確保できない可能性があります。その場合、当行グループのサービスの不正な利用、重要なデータの消失、盗取等が発生する可能性もあります。これらのリスク発生の回避又は低減のため、監視体制を強化するとともに、技術的、物理的にも各種対策を講じていますが、かかるリスクが発現した場合、当行グループに対する社会的信用の毀損、顧客の離反、損害賠償請求等が発生する可能性があるほか、監督官庁から行政処分等を受ける可能性があり、当行グループの経営成績及び財政状態に影響が生じる可能性があります。 ⑧ 金融犯罪への対応当行グループは、インターネットを活用した非対面取引を基本とした銀行としての特徴を有しており、口座開設時の取引時確認を厳格に実施しています。また、口座開設後の口座利用状況についても、モニタリングを実施しており、当行口座に係る金融犯罪の未然防止に努めるとともに、預金者保護に注力しています。しかしながら、急速な犯罪手法の高度化・巧妙化に対して当行が講じる対策が功を奏さない場合等において、当行グループの風評の悪化等により社会的信用が毀損される可能性があります。また、高度化した犯罪手法等に対応する追加施策の実行に伴う費用の発生等により、当行グループの経営成績及び財政状態に影響が生じる可能性があります。 ⑨ 個人情報漏えいに係るリスク当行グループは、銀行業を営んでおり、個人情報を含む顧客情報を保有しています。当行は、「個人情報の保護に関する法律」に規定される個人情報取扱事業者として同法に基づき、個人情報の利用目的の公表又は通知、個人データの安全管理に十分に留意し、本人からの保有個人データの開示請求等に適切に対応する態勢を整備しています。また、その旨を「個人情報保護細則」に規定し、役職員に対する周知を徹底しています。さらに、外部委託先が当行の個人データを取扱う場合は、全国銀行個人情報保護協議会「個人データの安全管理措置等に関する指針」にて「委託契約において盛り込むべき安全管理に関する内容」として列挙された事項を含む内容の契約を締結することとし、個人情報を含む顧客情報を厳格に管理しています。しかし、情報漏えい等が発生し、顧客に甚大な被害を及ぼす結果となった場合には、当行グループに対する社会的信用の毀損、顧客の離反、損害賠償請求等が発生する可能性があるほか、監督官庁からの行政処分を受ける可能性があり、当行グループの経営成績に影響が生じる可能性があります。 ⑩ 訴訟に係るリスク当行グループは、日本及び台湾において銀行業を営んでおり、付加価値の高いサービスを幅広く提供しています。こうした業務を行うにあたり、システム障害等によって損害を与えた場合や、第三者の知的財産権を侵害した場合等においては損害賠償請求訴訟等が提起され、損害に対する補償が必要となる可能性があります。当行グループでは、適宜、弁護士等をはじめとする外部専門家からの助言及び監督当局への事前相談すること等により、適切かつ適法なサービスの提供に努めていますが、全ての訴訟等の可能性を排除することは困難であり、かかるリスクが顕在化した場合には、その訴訟等の内容、請求額によっては大きな損失が発生し、また、当行グループの社会的信用が毀損される結果となり、当行グループの経営成績及び財政状態に影響が生じる可能性があります。 ⑪ 風評に係るリスク当行グループの事業は、預金者を含む顧客等からの信用・信頼の上に成り立っているため、これを維持・向上することが重要であると考えていることから、当行では、当行の業務に関連して現実に生じた各種のリスク事象や、事実と異なる事象により生じた報道や風説により、当行の業務が阻害されて被るリスクをレピュテーショナル・リスクと定義し、当該リスクの管理体制を構築しています。しかしながら、当行グループの風評がマスコミに報道されたり、インターネット上の掲示板への書き込み等により拡散された場合には、仮にその風評が事実と異なるものであったとしても、顧客等が風評を信じて当行グループについて事実と異なる認識を持つ可能性があり、当行グループの経営成績及び財政状態に影響が生じる可能性があります。 ⑫ 監督官庁の規制等当行は、銀行法第4条第1項の規定に基づき、銀行業を営むことについての免許の交付を受け、預金、為替、貸付業務をはじめとする種々の業務を営んでいます。また、銀行業については、有効期間その他の期限は法令等で定められていませんが、銀行法第26条において業務の停止等及び同第27条において免許の取消し等の要件が定められており、当該要件に該当した場合、業務の停止、又は免許の取消しを命じられる可能性があります。現時点で、当行はこれらの事由に該当する事実はないと認識していますが、将来、何らかの事由により業務の停止、免許の取消し等の処分を命じられた場合には、当行グループの主要な事業活動に支障をきたすとともに、事業、経営成績及び財政状態に重大な影響が生じる可能性があります。上記に加えて、当行グループは、大口信用供与等規制、業務範囲規制及びアームズ・レングス・ルール等の銀行法上の様々な規制、金融商品取引法及び信託業法等その他の金融関連法令、これらに関連する監督官庁の監督指針及び業界団体の自主規制等の適用を受けています。これに関連して、当行は監督官庁や自主規制機関等による監督を受けており、かかる監督による措置には行政処分、指導、立入検査、ヒアリング、オンサイト・オフサイトでの資料の徴求等が含まれます。当行に、法令等の違反、法解釈等の相違及びその他の何らかの事由により監督官庁による行政処分、指導、立入検査等における指摘等又は自主規制機関による処分等がある場合、また、当行サービスに影響のある金融関連法令、監督指針、自主規制等の改定及び新たな規制の導入が行われる場合には、当行グループの事業、経営成績及び財政状態に影響が生じる可能性があります。 ⑬ 自己資本比率が悪化するリスク当行は、「銀行法第14条の2の規定に基づき、銀行がその他保有する資産等に照らし自己資本の充実の状況が適当であるかどうかを判断するための基準(平成18年金融庁告示第19号)」に基づき自己資本比率を算出しており、国内基準行である当行は、4%以上の自己資本比率を維持することが求められています。当行は、本「事業等のリスク」の状況を踏まえ、適切かつ十分な水準の自己資本比率を維持することに努めていますが、記載している各種リスクが顕在化した場合、又は将来的に当該規制等が変更となった場合には、自己資本比率が低下する可能性があります。また、自己資本比率が4%を下回った場合には、金融庁より、営業の全部又は一部の停止を含む行政上の措置が課される可能性があり、当行グループの経営成績及び財政状態に影響が生じる可能性があります。 ⑭ 格付に係るリスク当行は格付機関による格付を取得していますが、当行の業績や風評の動向、親会社である楽天グループ株式会社の動向等により、格付機関が当行の格付を引き下げた場合、資金調達における取引条件の悪化、市場関連取引における追加担保の差入、既存取引の解消等が発生する可能性があり、当行の資本・資金調達等に影響が生じ、当行グループの経営成績及び財政状態に影響が生じる可能性があります。また、楽天グループ株式会社又はその他の楽天グループ各社の格付が引き下げられた場合にも、当行グループの経営成績及び財政状態に影響が生じる可能性があります。 ⑮ 人材に係るリスク当行グループは、高度な専門性を有するインターネットバンキングを中心とした銀行業務を行っています。このため、有能な人材の確保及び育成に努めていますが、人材の採用にあたっては、他の金融機関のみならず、インターネットサービス関連企業やシステム関連企業との競合を余儀なくされることから、必要な人材の確保ができない場合には、当行の競争力が低下し、当行グループの経営成績及び財政状態に影響が生じる可能性があります。 ⑯ コンプライアンスリスク当行グループは、銀行法、金融商品取引法、信託業法、会社法等の各種法令、監督当局や自主規制機関の定める諸規則等に基づいて業務を行っており、法令等遵守を経営上重要な責務と位置づけ、コンプライアンス態勢を強化し、法令等遵守の徹底を図っています。しかしながら、役職員が法令、諸規則等を遵守しない、又は不正行為等を行った場合等には、監督当局による行政処分、罰則の適用、顧客からの信頼の低下等により、当行グループの経営成績及び財政状態に影響が生じる可能性があります。また、当行は、監督官庁により発出された「マネー・ローンダリング及びテロ資金供与対策に関するガイドライン」にて金融機関に求められるマネー・ローンダリング及びテロ資金供与対策(以下、「マネロン対策」という。)について態勢を整備するとともに、「外国為替取引等取扱業者遵守基準」及び「外国為替取引等取扱業者のための外為法令等の遵守に関するガイドライン」にて求められる経済制裁措置に違反するもしくは違反するおそれのある又は規制に該当することを免れるために偽装された取引等を行うリスクへの対策(以下、「制裁違反リスク対策」という。)についても態勢を整備したため、現時点で必要なマネロン対策・制裁違反リスク対策を講じていると認識しており、今後も適切な態勢の整備に努める所存でありますが、これらのマネロン対策・制裁違反リスク対策が有効に機能せずに、法令等の違反が発生した場合、又は当行のマネロン対策・制裁違反リスク対策について監督官庁が要請する水準に達していないと判断された場合には、監督当局による行政処分、罰則の適用、顧客からの信頼の低下等により、当行グループの経営成績及び財政状態に影響が生じる可能性があります。 ⑰ 信用リスク当行グループでは、個人顧客及び法人顧客に対する貸付債権、国債・社債等の有価証券並びに楽天グループ内外の金銭債権等を裏付資産とする信託受益権等を保有しています。このため経済状況が悪化した場合、債務者・債券の発行体の信用状況が著しく悪化した場合等には、当行グループが保有する貸付債権、債券及び信託受益権の原資産の信用力が低下し、元利金等の支払いが不履行となる可能性があります。この結果、当該貸付債権及び信託受益権への引当金の増額や保有する有価証券の市場価格の下落に伴う損失を計上する可能性があります。また、当行は、個人顧客に対する貸付債権に関しては外部信用情報機関を利用した途上与信を含む与信管理を行い、法人顧客に対する貸付債権に関しては継続的な顧客の業況確認等による与信管理を行い、保有する信託受益権に関しては継続的な原資産のパフォーマンスの確認等によるモニタリングを行い、保有する有価証券に関しては定期的に発行体の業況及び有価証券の市場価格の確認等によるモニタリングを実施し、信用リスクの低減に努めていますが、想定以上の経済状況の悪化、債務者の業況悪化等が発生した場合のほか、日本銀行が2024年3月にマイナス金利政策を解除したことに伴って当行の貸出金利が上昇する可能性があり、これにより元利金等の支払いが不履行となる貸付が増加した場合には、貸倒関連費用の増加等、当行グループの経営成績及び財政状態に影響が生じる可能性があります。加えて、市場リスク及び為替リスクをヘッジするために実施しているデリバティブ取引については、カウンターパーティーリスクがあり、カウンターパーティーの義務の不履行が生じた場合には、当行グループの経営成績及び財政状態に影響が生じる可能性があります。 ⑱ 金利リスク当行グループは、国債、政府保証債、事業債等の市場性のある有価証券及びデリバティブ等が組み込まれた金融商品を保有しています。これらは、金利変動により価格の変化が生じるため、当行では、運用調達業務全般にわたり、資産・負債構成の最適化及び適切な水準の自己資本充実度の確保を目的とし、金利感応度、資金流動性、市場流動性等に留意したALM(資産負債総合管理)運営を行っています。しかしながら、日本銀行が2024年3月に長期金利操作(イールドカーブ・コントロール)を撤廃したことをはじめ、今後の国内外の金融政策の変更、債券等の格付の低下、国内外の市場の混乱、金融経済環境の悪化等により金利が変動した場合、評価損、売却損等が発生することにより、当行グループの経営成績及び財政状態に影響が生じる可能性があります。 ⑲ 為替リスク当行グループは、外貨建資産及び負債を保有しており、必要に応じて、為替リスクを回避することを目的としたヘッジ取引を行っていますが、為替レートが急激に変動した場合には、多額の為替差損等の発生により、当行グループの経営成績及び財政状態に影響が生じる可能性があります。 ⑳ 決済リスク当行グループは、国内外の多くの金融機関と多様な取引を行っています。大規模なシステム障害や災害が発生した場合又は政治的な混乱等により金融システム不安が発生した場合には、取引相手である金融機関との間で決済が行われない又は決済が遅延する等、決済が困難になる可能性があります。また、非金融機関の取引先との一定の決済業務においても取引先の財政状態の悪化等により決済が困難になるリスクがあります。加えて、当行が購入する信託受益権の証券化スキームにおいて、信託受益権の組成及び購入に関する一連の決済が想定通り実行されず、支払った購入代金の回収が必要になる可能性があります。当行グループでは、勘定系システム等の重要なシステムについては、バックアップサーバーを分散して設置するとともに、定期的な訓練を実施する等、システム障害や災害発生時に迅速に対応できる体制の構築に努めているほか、日中の流動性について定期的なモニタリングやストレステストの実施等、当行グループの決済が滞らないよう管理する体制や、非金融機関の取引先と一定の決済業務を行うにあたり、必要に応じて取引先の財政状態を適宜把握する体制を構築しています。また、買入金銭債権の購入代金の回収に係る社内規程・マニュアルを整備し、当行の自己資本額に比して過大な回収リスクを負うことを避けるオペレーション上の対応も実行していますが、これらの対策が不十分な場合又は当行グループの想定を逸脱する事態が生じたことによりこれらの対策が有効ではなくなった場合等には、当行グループの経営成績及び財政状態に影響が生じる可能性があります。 ㉑ 流動性リスク当行は、インターネットを活用した銀行サービスを提供しており、ATMでの普通預金の引き出し、定期預金の解約及び他の金融機関への送金又は振込サービスを24時間365日(システムメンテナンス時間帯を除く)提供しています。当行は、このような当行の預金の特性を踏まえて手元流動性を含めた資金流動性リスク管理体制を構築し、流動性に十分配慮した運用を行っていますが、経済環境の悪化や当行の風評に悪影響を与える不測の事態が発生した場合には、予想を超えた著しい資金流出が予想を上回る速度で進行する可能性があり、当行グループの経営成績に影響が生じる可能性があります。 ㉒ 事務リスク当行グループは、事務に関する社内規程の整備、事務のシステム化、事務処理における再鑑の徹底、自主点検による部署内の事後チェック、業務改善への取組等により、堅確な事務処理体制の構築・運用に努めていますが、人的な対応が必要な業務においては、役職員等が事務に関する社内規程等に定められた事務手続を怠る等により、事務面での事故、不正等が発生する可能性があります。また当行グループは、当行グループの急速な顧客基盤の拡大による取引件数の増加、新サービスの導入等による事務量の増加により、業務遂行に必要な体制整備が追い付かずに、事務手続のミスの発生、事務の滞留等の可能性があります。この結果、当行グループの経営成績及び財政状態に影響が生じる可能性があります。 ㉓ リスク管理の有効性に係るリスク当行グループは、リスク管理方針を策定し、同方針に基づき管理態勢を整備し、運用していますが、金融市場においては急激かつ大規模な変動や混乱が発生する可能性があり、これを正確に予測することは困難であることから、リスク管理が有効に機能しない可能性があります。また、急速な事業展開や業容拡大に伴い、リスク管理が有効に機能しない可能性があります。この結果、当行グループの経営成績及び財政状態に影響が生じる可能性があります。これらのリスク発生の回避又は軽減のため、原則、半期に1度、当行の事業展開や業容拡大に伴う当行のリスクプロファイルの変化を把握し、管理すべきリスクの網羅性及びリスク管理手法の妥当性について検証を行っています。 (4) 当行株式に関するリスク当行は、2023年4月21日付で東京証券取引所プライム市場へ上場しており、上場に際しては、公募増資及び楽天グループ株式会社による当行株式の売出しによって当行株式の流動性の確保に努めました。また、2023年12月の楽天グループ株式会社による当行株式の売出しによって、同社の当行株式の保有割合は49.26%となりました。今後も、当行の事業計画に沿った成長資金の公募増資による調達や当行親会社である楽天グループ株式会社への一部売出しの要請による流通株式数の増加等により、引き続き流動性の向上を図っていく方針ではありますが、市場環境や何らかの事情により流動性が低下する場合には、当行株式の市場における売買が停滞する可能性があり、それにより当行株式の需給関係にも悪影響を及ぼす可能性があります。
経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
1.経営成績等の状況の概要当行グループ(当行、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は以下のとおりです。 ① 財政状態及び経営成績の状況(連結経営成績)当連結会計年度の連結経常収益は、前連結会計年度比17,504百万円増の137,950百万円となりました。経常収益の内訳を見ると、資金運用収益が、楽天カード株式会社のクレジットカード債権等を裏付資産とする信託受益権残高の増加、及び投資用マンションローン、提携ローン、カードローン等の貸出金残高の増加により、前連結会計年度比15,508百万円増の84,518百万円となりました。役務取引等収益は、口座数の増加、生活口座化の進展による為替関連手数料の増加等により、前連結会計年度比1,697百万円増の42,849百万円となりました。その他業務収益は、新型定期預金(仕組預金)に係る収益等が減少し、前連結会計年度比211百万円減の8,219百万円となりました。また、台湾で2021年1月に営業開始した樂天國際商業銀行股份有限公司において、前連結会計年度比883百万円増の2,188百万円の経常収益を計上しました。一方、連結経常費用は、前連結会計年度比7,884百万円増の89,583百万円となりました。経常費用の中では、資金調達費用が、預金残高の伸長による預金利息の増加等により、前連結会計年度比4,493百万円増の11,125百万円となりました。役務取引等費用は、保証付きカードローンの支払保証料が減少したものの、支払為替手数料等の増加により、前連結会計年度比128百万円増の33,407百万円となりました。また、営業経費は、販売促進費が減少したものの、業務委託費、広告宣伝費、及びソフトウエア償却費等の増加により、前連結会計年度比2,748百万円増の41,950百万円となりました。樂天國際商業銀行股份有限公司においては、前連結会計年度比930百万円増の5,297百万円の経常費用を計上しました。これらの結果、連結経常利益は、前連結会計年度比9,620百万円増の48,367百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度比6,744百万円増の34,436百万円となりました。なお、当行グループは、銀行業の単一セグメントであるため、セグメント毎の経営成績等については記載を省略しています。 (連結財政状態)当連結会計年度末における資産の部については、貸出金が、投資用マンションローン、提携ローンの堅調な増加に加えて、カードローン残高が純増に転じたことにより、前連結会計年度末比288,979百万円増の4,069,567百万円、買入金銭債権が、楽天カード株式会社のクレジットカード債権等を裏付資産とする信託受益権等の購入により、前連結会計年度末比447,752百万円増の2,550,812百万円となりました。有価証券は、国債、政府保証債、事業債、外国債券等の購入により、前連結会計年度末比310,133百万円増の1,090,506百万円、現金預け金は、前連結会計年度末比740,869百万円増の4,791,097百万円となりました。この結果、資産の部の合計額は、前連結会計年度末比1,890,965百万円増の13,480,473百万円となりました。負債の部については、普通預金が、口座数の伸長や生活口座化の進展に加え楽天証券株式会社との口座連携サービス(マネーブリッジ)を利用する顧客数の増加もあり、前連結会計年度末比1,348,900百万円増の9,475,548百万円、定期預金が前連結会計年度末比113,726百万円増の878,580百万円となりました。また、借用金は、日本銀行の貸出増加を支援するための資金供給を活用しているものですが、前連結会計年度末比288,400百万円増の2,565,800百万円となりました。負債の部の合計額は、前連結会計年度末比1,843,061百万円増の13,200,885百万円となりました。純資産の部については、資本金が、2023年4月に東京証券取引所プライム市場へ上場した際の増資等により前連結会計年度末比6,662百万円増の32,616百万円、資本剰余金が、前連結会計年度末比6,662百万円増の10,543百万円となり、利益剰余金が親会社株主に帰属する当期純利益の計上により前連結会計年度末比34,436百万円増の221,151百万円となりました。純資産の部の合計額は、前連結会計年度末比47,903百万円増の279,587百万円となりました。 ② キャッシュ・フローの状況当連結会計年度におけるキャッシュ・フローについては、営業活動によるキャッシュ・フローが、買入金銭債権の増加による430,987百万円の支出、貸出金の増加による287,328百万円の支出等があった一方、預金の増加による1,448,715百万円の収入、借用金の増加による288,400百万円の収入等があったことから、1,027,880百万円の収入(前連結会計年度比433,185百万円の収入増加)となりました。投資活動によるキャッシュ・フローは、有価証券の償還による292,955百万円の収入、有価証券の売却による7,823百万円の収入等があった一方、有価証券の取得による592,468百万円の支出等があったことから、301,058百万円の支出(前連結会計年度比107,480百万円の支出増加)となりました。財務活動によるキャッシュ・フローは、2023年4月に東京証券取引所プライム市場へ上場した際の増資等により、13,324百万円の収入(前連結会計年度比13,324百万円の収入増加)となりました。以上の結果、現金及び現金同等物の当連結会計年度末残高は、前連結会計年度末比740,866百万円増加し、4,791,091百万円となりました。 ③ 生産、受注及び販売の状況「生産、受注及び販売の状況」は、銀行業における業務の特殊性のため、該当する情報がないので記載していません。 2.経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容経営者の視点による当行グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は以下のとおりです。なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものです。 ① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容当連結会計年度における世界経済は、「アフターコロナ」での経済活動の正常化により回復傾向にありましたが、長期化するロシア・ウクライナ情勢やイスラエル・パレスチナ情勢等の影響により不透明感も漂いました。また、原油、原材料価格、人件費の上昇等を契機とするインフレ進行への対応として、欧米を含む多くの国の中央銀行が連続的に政策金利を引き上げたことで、逆に高金利による景気悪化への懸念も生じました。日本においては、2023年5月に新型コロナウイルス感染症が5類感染症に移行されたことにより「アフターコロナ」への転換が進み、経済活動が活発化するとともに、インバウンドの回復による外国人旅行者の消費も景気回復を後押ししました。金融政策においては、日本銀行が2024年3月の金融政策決定会合において、賃金と物価の好循環を確認し、2%の「物価安定の目標」が持続的・安定的に実現していくことが見通せる状況に至ったと判断し、2016年から継続してきたマイナス金利政策の解除を決定しました。その結果、これまで−0.1%としていた政策金利を0~0.1%程度(無担保コール翌日物レート)に引き上げました。当行グループは、銀行サービスが重要な社会インフラであるという確固たる認識を持ち、また新型コロナウイルス感染症への対応として加速した個人の生活や法人の企業活動のデジタルシフトにより当行グループへの社会的期待が一層高まっていることを十分に踏まえ、当連結会計年度においても、高性能かつ安定的な決済インフラの運営、システムの効率化、内部管理態勢の整備を推進しました。併せて、新サービスの導入や資産運用の強化等を通じて今まで以上に収益性と成長性を重視した経営に取り組んでまいりました。具体的には、お客さまに提供するサービスの利便性をさらに向上させるために継続的に決済サービス等の改善に取り組むとともに、高齢化社会の進展を見据え、社会の多様性に対応し、お客さまにより多くの選択肢を提供させていただくように商品開発を進めました。 まず、楽天銀行アプリでより多くの支払いを簡単に行うことができるようにするために、口座振替とPay-easy(ペイジー)にて支払いができる先を拡大しました。八王子市の公金の口座振替及びPay-easyの取扱い、並びに宇都宮市、福岡市、千葉県、川崎市の公金、宇都宮市上下水道局、横浜市水道局の水道料金、日本学生支援機構の奨学金、独立行政法人中小企業基盤整備機構が取扱う小規模企業共済、株式会社日本政策金融公庫(国民生活事業及び中小企業事業)の融資金返済の口座振替サービスの取扱いを開始しました。また、「楽天銀行コンビニ支払サービス(アプリで払込票支払)」において、地方税統一QRコードの取扱いを開始し、当サービスにて支払いができる先を大きく拡大しました。さらには、楽天証券との口座連携サービス「マネーブリッジ」の自動スイープの対象に国内株式積立注文取引を新たに加えました。この改善は、新NISA制度で積立を行うお客さまの利便性も向上するものです。また、人生100年時代の到来による価値観や住まいのあり方の多様化を踏まえ、住宅を購入されるお客さまの住宅ローンの返済負担を軽減するとともに、将来の住み替え等、様々なライフステージの変化に合わせた住み方をお客さまご自身でお選びいただける住宅ローンとして、「残価設定型住宅ローン」を一般社団法人移住・住みかえ支援機構と共同で開発しました。2023年4月に旭化成ホームズ株式会社と提携し、同6月には大和ハウス工業株式会社と提携して、同住宅ローンの提供を開始しました。これらの取組の結果、事業規模については、口座数が2024年2月に1,500万口座を突破し、2024年3月末には1,523万口座に達し、単体預金残高が2023年12月に10,000,000百万円を突破し、2024年3月末には10,540,202百万円に達しました。 ② 経営成績に重要な影響を与える要因当行グループの経営成績に重要な影響を与える要因としては、国内の金利動向が挙げられます。金利動向に伴う資産・負債の公正価値の変動及び発生する損益の変動については、ALM委員会にてモニタリングすることでそのリスクを評価するとともに、必要に応じてヘッジ取引等により対応を図るものとしています。 ③ キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報当行グループの資金調達は、金利動向等を踏まえて、主として預金により確保しており、今後も安定的に増加させていく方針です。当連結会計年度末における現金預け金は47,910億円であり、十分な水準にて確保しており、資金流動性確保に懸念はないものと考えています。なお、当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの状況については、上記「1.経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」をご参照ください。 ④ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定当行グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しています。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いていますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積りに用いた仮定のうち、重要なものは貸倒引当金及び金融商品の時価の計上です。貸倒引当金に関して、当行では、全ての債権について、資産の自己査定基準に基づき資産の自己査定を実施しています。資産の自己査定にあたっては、債務者を「正常先」「要注意先」「破綻懸念先」「実質破綻先」「破綻先」の5段階に区分し、当該区分に応じて、予め定めている償却・引当基準に則り、貸倒引当金を計上しています。「正常先」「要注意先」については、主として今後1年間の予想損失額又は今後3年間の予想損失額を見込んで計上しており、予想損失額は、1年間又は3年間の貸倒実績又は倒産実績を基礎とした貸倒実績率又は倒産確率の過去の一定期間における平均値に基づき損失率を求め、これに将来見込み等必要な修正を加えて算定しています。「破綻懸念先」については、債権額から、担保の処分可能見込額及び保証による回収可能見込額を控除し、その残額のうち、債務者の支払能力を総合的に判断し必要と認める額を計上しています。「実質破綻先」「破綻先」については、債権額から回収可能見込額を控除し、その残額を貸倒引当金に計上しています。連結される子会社及び子法人等の貸倒引当金は、一般債権については過去の貸倒実績率等を勘案して必要と認めた額を、貸倒懸念債権等特定の債権については、個別に回収可能性を勘案し、回収不能見込額をそれぞれ計上しています。当行グループにおける当該見積り及び当該仮定については、連結財務諸表作成時における入手可能な最善の情報に基づいていますが、予測不能な前提条件の変化等により債権の評価に関する見積りが変化する場合があり、この場合には、翌連結会計年度の連結財務諸表において認識する貸倒引当金及び貸倒引当金繰入額等の金額に重要な影響を与える可能性があります。金融商品の時価に関して、当行では、時価の算定に用いたインプットの観察可能性及び重要性に応じて、時価を3つのレベルに分類しています。特に、算定した時価等について市場で観察できないインプットが重要な構成要素であることからレベル3に分類されるものについては、時価評価に用いる見積り及び仮定の複雑性、不確実性が高いものとなります。インプットに関する情報の詳細は、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(金融商品関係) 3 金融商品の時価のレベルごとの内訳等に関する事項  (注2) 時価で連結貸借対照表に計上している金融商品のうちレベル3の時価に関する情報  (1) 重要な観察できないインプットに関する定量的情報」に記載しています。これらの時価の算定に使用された主要な仮定には不確実性があり、特にレベル3に分類されるものについては、時価評価に用いる見積り及び仮定の複雑性、不確実性が高いものであり、評価に用いるインプットが市場環境の変化等を受けて変化することにより時価が増減する可能性があります。インプットを変化させた場合の時価に対する影響の詳細は、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(金融商品関係) 3 金融商品の時価のレベルごとの内訳等に関する事項 (注2) 時価で連結貸借対照表に計上している金融商品のうちレベル3の時価に関する情報 (4) 重要な観察できないインプットを変化させた場合の時価に対する影響に関する説明」に記載しています。 (参考)(1) 国内・海外別収支当連結会計年度における資金運用収支は、前連結会計年度比11,014百万円増加し73,393百万円、信託報酬は前連結会計年度比224百万円増加し1,464百万円、役務取引等収支は前連結会計年度比1,569百万円増加し9,441百万円、その他業務収支は、前連結会計年度比208百万円減少し8,219百万円となりました。国内・海外別に見ますと、国内の資金運用収支は前連結会計年度比10,693百万円増加し72,846百万円、信託報酬は前連結会計年度比224百万円増加し1,464百万円、役務取引等収支は前連結会計年度比1,602百万円増加し9,535百万円、その他業務収支は前連結会計年度比200百万円減少し8,202百万円となりました。海外の資金運用収支は前連結会計年度比321百万円増加し546百万円、役務取引等収支は前連結会計年度比33百万円減少し△94百万円、その他業務収支は前連結会計年度比7百万円減少し17百万円となりました。 種類期別国内海外相殺消去額(△)合計金額(百万円)金額(百万円)金額(百万円)金額(百万円)資金運用収支前連結会計年度62,153225-62,378当連結会計年度72,846546-73,393うち資金運用収益前連結会計年度67,7791,231-69,010当連結会計年度82,3822,135-84,518うち資金調達費用前連結会計年度5,6261,006-6,632当連結会計年度9,5361,589-11,125信託報酬前連結会計年度1,239--1,239当連結会計年度1,464--1,464役務取引等収支前連結会計年度7,933△60-7,872当連結会計年度9,535△94-9,441うち役務取引等収益前連結会計年度41,11140-41,151当連結会計年度42,82721-42,849うち役務取引等費用前連結会計年度33,177101-33,278当連結会計年度33,292115-33,407その他業務収支前連結会計年度8,40224-8,427当連結会計年度8,20217-8,219うちその他業務収益前連結会計年度8,40524-8,430当連結会計年度8,20217-8,219うちその他業務費用前連結会計年度3--3当連結会計年度----
(注) 1.「国内」とは、当行及び国内に本店を有する連結子会社(以下、「国内連結子会社」という。)に関する数値です。2.「海外」とは、海外に本店を有する連結子会社(以下、「海外連結子会社」という。)に関する数値です。3.「相殺消去額」は、「国内」と「海外」間の取引に関する相殺額を記載しています。
(2) 国内・海外別資金運用/調達の状況当連結会計年度の資金運用勘定平均残高は、前連結会計年度比1,434,501百万円増加し8,570,704百万円となりました。資金運用利息は、前連結会計年度比15,508百万円増加し84,518百万円となりました。この結果、資金運用利回りは、前連結会計年度比0.01ポイント上昇して0.98%となりました。また、資金調達勘定平均残高は、前連結会計年度比1,740,600百万円増加し11,916,737百万円となりました。資金調達利息は、前連結会計年度比4,493百万円増加し11,125百万円となりました。この結果、資金調達利回りは、前連結会計年度比0.02ポイント上昇して0.09%となりました。国内・海外別に見ますと、国内の資金運用勘定平均残高は前連結会計年度比1,388,104百万円増加し8,435,627百万円となりました。資金運用利息は、前連結会計年度比14,603百万円増加し82,382百万円となりました。この結果、資金運用利回りは、前連結会計年度比0.01ポイント上昇して0.97%となりました。また、国内の資金調達勘定平均残高は、前連結会計年度比1,692,538百万円増加し11,792,620百万円となりました。資金調達利息は、前連結会計年度比3,910百万円増加し9,536百万円となりました。この結果、資金調達利回りは、前連結会計年度比0.02ポイント上昇して0.08%となりました。海外の資金運用勘定平均残高は前連結会計年度比46,396百万円増加し152,957百万円となりました。資金運用利息は、前連結会計年度比904百万円増加し2,135百万円となりました。この結果、資金運用利回りは、前連結会計年度比0.24ポイント上昇して1.39%となりました。また、海外の資金調達勘定平均残高は、前連結会計年度比48,061百万円増加し124,116百万円となりました。資金調達利息は、前連結会計年度比583百万円増加し1,589百万円となりました。この結果、資金調達利回りは、前連結会計年度比0.04ポイント低下して1.28%となりました。 ① 国内 種類期別平均残高利息利回り金額(百万円)金額(百万円)(%)資金運用勘定前連結会計年度7,047,52267,7790.96当連結会計年度8,435,62782,3820.97うち貸出金前連結会計年度3,348,82447,9331.43当連結会計年度3,902,52354,3241.39うち有価証券前連結会計年度689,9181,2000.17当連結会計年度870,9644,7290.54うちコールローン及び買入手形前連結会計年度5,01300.00当連結会計年度---うち債券貸借取引支払保証金前連結会計年度459,059450.01当連結会計年度525,929520.01うち買入金銭債権前連結会計年度2,264,60218,2990.80当連結会計年度2,737,99823,0080.84うち預け金前連結会計年度260,0913010.11当連結会計年度364,5142700.07資金調達勘定前連結会計年度10,100,0815,6260.05当連結会計年度11,792,6209,5360.08うち預金前連結会計年度8,164,4004,7780.05当連結会計年度9,451,2245,8940.06うちコールマネー及び売渡手形前連結会計年度---当連結会計年度34100.00うち債券貸借取引受入担保金前連結会計年度---当連結会計年度---うち借用金前連結会計年度1,933,242--当連結会計年度2,336,007--
(注) 1.平均残高は、原則として日々の残高の平均に基づいて算出していますが、国内連結子会社については、前連結会計年度末と当連結会計年度末の残高に基づく平均残高を利用しています。2.「国内」とは、当行及び国内連結子会社に関する数値です。3.「資金運用勘定」は無利息預け金の平均残高(前連結会計年度3,213,168百万円、当連結会計年度3,546,062百万円)を控除しています。 ② 海外 種類期別平均残高利息利回り金額(百万円)金額(百万円)(%)資金運用勘定前連結会計年度106,5611,2311.15当連結会計年度152,9572,1351.39うち貸出金前連結会計年度6,4341442.23当連結会計年度25,8745702.20うち有価証券前連結会計年度58,7946931.17当連結会計年度79,8418781.10うちコールローン及び買入手形前連結会計年度9,094810.89当連結会計年度6,8781151.68うち債券貸借取引支払保証金前連結会計年度25,8332250.87当連結会計年度31,6425051.59うち買入金銭債権前連結会計年度---当連結会計年度---うち預け金前連結会計年度6,405871.35当連結会計年度8,719660.75資金調達勘定前連結会計年度76,0551,0061.32当連結会計年度124,1161,5891.28うち預金前連結会計年度67,9629501.39当連結会計年度104,0611,3481.29うちコールマネー及び売渡手形前連結会計年度6,014450.76当連結会計年度13,2051831.39うち債券貸借取引受入担保金前連結会計年度1,947--当連結会計年度6,763560.82うち借用金前連結会計年度---当連結会計年度---
(注) 1.海外連結子会社の平均残高は、前連結会計年度末と当連結会計年度末の残高に基づく平均残高を利用しています。2.「海外」とは、当行の海外連結子会社に関する数値です。 ③ 合計 種類期別平均残高(百万円)利息(百万円)利回り小計相殺消去額(△)合計小計相殺消去額(△)合計(%)資金運用勘定前連結会計年度7,154,08317,8807,136,20369,010-69,0100.96当連結会計年度8,588,58517,8808,570,70484,518-84,5180.98うち貸出金前連結会計年度3,355,259-3,355,25948,077-48,0771.43当連結会計年度3,928,398-3,928,39854,894-54,8941.39うち有価証券前連結会計年度748,71217,880730,8311,894-1,8940.25当連結会計年度950,80617,880932,9255,608-5,6080.60うちコールローン及び買入手形前連結会計年度14,107-14,10781-810.57当連結会計年度6,878-6,878115-1151.68うち債券貸借取引支払保証金前連結会計年度484,892-484,892271-2710.05当連結会計年度557,571-557,571558-5580.10うち買入金銭債権前連結会計年度2,264,602-2,264,60218,299-18,2990.80当連結会計年度2,737,998-2,737,99823,008-23,0080.84うち預け金前連結会計年度266,496-266,496388-3880.14当連結会計年度373,234-373,234336-3360.09資金調達勘定前連結会計年度10,176,137-10,176,1376,632-6,6320.06当連結会計年度11,916,737-11,916,73711,125-11,1250.09うち預金前連結会計年度8,232,362-8,232,3625,729-5,7290.07当連結会計年度9,555,286-9,555,2867,242-7,2420.07うちコールマネー及び売渡手形前連結会計年度6,014-6,01445-450.76当連結会計年度13,547-13,547183-1831.35うち債券貸借取引受入担保金前連結会計年度1,947-1,947----当連結会計年度6,763-6,76356-560.82うち借用金前連結会計年度1,933,242-1,933,242----当連結会計年度2,336,007-2,336,007----
(注) 1.「相殺消去額」は、「国内」と「海外」間の取引に関する相殺額を記載しています。 (3) 国内・海外別役務取引の状況当連結会計年度の役務取引等収益は前連結会計年度比1,697百万円増加し42,849百万円となりました。また、役務取引等費用は前連結会計年度比128百万円増加し33,407百万円となりました。国内・海外別に見ますと、国内の役務取引等収益は前連結会計年度比1,716百万円増加し42,827百万円、役務取引等費用は前連結会計年度比114百万円増加し33,292百万円となりました。海外の役務取引等収益は前連結会計年度比18百万円減少し21百万円、役務取引等費用は前連結会計年度比14百万円増加し115百万円となりました。 種類期別国内海外相殺消去額(△)合計金額(百万円)金額(百万円)金額(百万円)金額(百万円)役務取引等収益前連結会計年度41,11140-41,151当連結会計年度42,82721-42,849うち預金・貸出業務前連結会計年度3,103--3,103当連結会計年度2,868--2,868うち為替業務前連結会計年度19,38826-19,414当連結会計年度21,0013-21,004うち口座開設管理業務前連結会計年度428--428当連結会計年度552--552うちATM関連業務前連結会計年度5,299--5,299当連結会計年度5,447--5,447うちカード関連業務前連結会計年度10,818--10,818当連結会計年度11,105--11,105役務取引等費用前連結会計年度33,177101-33,278当連結会計年度33,292115-33,407うち為替業務前連結会計年度3,83572-3,907当連結会計年度4,22373-4,296うちATM関連業務前連結会計年度9,652--9,652当連結会計年度10,264--10,264うち支払保証料前連結会計年度15,338--15,338当連結会計年度13,940--13,940
(注) 1.「国内」とは、当行及び国内連結子会社に関する数値です。2.「海外」とは、当行の海外連結子会社に関する数値です。3.「相殺消去額」は、「国内」と「海外」間の取引に関する相殺額を記載しています。 (4) 国内・海外別預金残高の状況○ 預金の種類別残高(末残) 種類期別国内海外相殺消去額(△)合計金額(百万円)金額(百万円)金額(百万円)金額(百万円)預金合計前連結会計年度8,892,38893,304-8,985,693当連結会計年度10,327,563114,818-10,442,382うち流動性預金前連結会計年度8,096,21376,792-8,173,006当連結会計年度9,459,87550,833-9,510,709うち定期性預金前連結会計年度773,78716,511-790,299当連結会計年度837,79663,984-901,781うちその他前連結会計年度22,387--22,387当連結会計年度29,891--29,891譲渡性預金前連結会計年度----当連結会計年度----総合計前連結会計年度8,892,38893,304-8,985,693当連結会計年度10,327,563114,818-10,442,382
(注) 1.「国内」とは、当行及び国内連結子会社に関する数値です。2.「海外」とは、当行の海外連結子会社に関する数値です。3.流動性預金=普通預金4.定期性預金=定期預金5.「相殺消去額」は、「国内」と「海外」間の取引に関する相殺額を記載しています。 (5) 国内・海外別貸出金残高の状況① 業種別貸出状況(残高・構成比) 業種別2023年3月31日2024年3月31日貸出金残高(百万円)構成比(%)貸出金残高(百万円)構成比(%)国内(除く特別国際金融取引勘定分)3,769,085100.04,029,319100.0金融業,保険業2,8000.02,6000.0不動産業,物品賃貸業8,8660.211,1580.2その他3,757,41999.64,015,56099.6海外及び特別国際金融取引勘定分11,501100.040,247100.0政府等----金融機関----その他11,501100.040,247100.0合計3,780,587―4,069,567―
(注) 1.「国内」とは、当行及び国内連結子会社に関する数値です。2.「海外」とは、当行の海外連結子会社に関する数値です。 ② 外国政府等向け債権残高(国別)該当事項はありません。 (6) 国内・海外別有価証券の状況○ 有価証券残高(末残) 種類期別国内海外相殺消去額(△)合計金額(百万円)金額(百万円)金額(百万円)金額(百万円)国債前連結会計年度640,310--640,310当連結会計年度644,596--644,596地方債前連結会計年度----当連結会計年度----短期社債前連結会計年度----当連結会計年度----社債前連結会計年度41,946--41,946当連結会計年度275,517--275,517株式前連結会計年度1,431--1,431当連結会計年度1,801--1,801その他の証券前連結会計年度36,98977,57517,88096,684当連結会計年度104,36382,10717,880168,590合計前連結会計年度720,67777,57517,880780,373当連結会計年度1,026,27982,10717,8801,090,506
(注) 1.「国内」とは、当行及び国内連結子会社に関する数値です。2.「海外」とは、当行の海外連結子会社に関する数値です。3.「その他の証券」には、外国債券を含んでいます。4.「相殺消去額」は、「国内」と「海外」間の取引に関する相殺額を記載しています。 (自己資本比率の状況)(参考)自己資本比率は、銀行法第14条の2の規定に基づき、銀行がその保有する資産等に照らし自己資本の充実の状況が適当であるかどうかを判断するための基準(平成18年金融庁告示第19号)に定められた算式に基づき、連結ベースと単体ベースの双方について算出しています。なお、当行は、国内基準を適用のうえ、信用リスク・アセットの算出においては標準的手法を、オペレーショナル・リスク相当額に係る額の算出については粗利益配分手法を採用しています。 連結自己資本比率(国内基準) (単位:百万円、%) 2024年3月31日1.連結自己資本比率(2/3)10.932.連結における自己資本の額263,6083.リスク・アセットの額2,409,9454.連結総所要自己資本額96,397 単体自己資本比率(国内基準) (単位:百万円、%) 2024年3月31日1.自己資本比率(2/3)10.682.単体における自己資本の額253,0713.リスク・アセットの額2,369,5684.単体総所要自己資本額94,782 (資産の査定)資産の査定は、「金融機能の再生のための緊急措置に関する法律」(平成10年法律第132号)第6条に基づき、当行の貸借対照表の社債(当該社債を有する金融機関がその元本の償還及び利息の支払の全部又は一部について保証しているものであって、当該社債の発行が金融商品取引法(昭和23年法律第25号)第2条第3項に規定する有価証券の私募によるものに限る。)、貸出金、外国為替、その他資産中の未収利息及び仮払金、支払承諾見返の各勘定に計上されるもの並びに貸借対照表に注記することとされている有価証券の貸付けを行っている場合のその有価証券(使用貸借又は賃貸借契約によるものに限る。)について債務者の財政状態及び経営成績等を基礎として以下のとおり区分するものです。 1 破産更生債権及びこれらに準ずる債権破産更生債権及びこれらに準ずる債権とは、破産手続開始、更生手続開始、再生手続開始の申立て等の事由により経営破綻に陥っている債務者に対する債権及びこれらに準ずる債権をいう。 2 危険債権危険債権とは、債務者が経営破綻の状態には至っていないが、財政状態及び経営成績が悪化し、契約に従った債権の元本の回収及び利息の受取りができない可能性の高い債権をいう。 3 要管理債権要管理債権とは、三月以上延滞債権及び貸出条件緩和債権をいう。 4 正常債権正常債権とは、債務者の財政状態及び経営成績に特に問題がないものとして、上記1から3までに掲げる債権以外のものに区分される債権をいう。 資産の査定の額 債権の区分2023年3月31日2024年3月31日金額(億円)金額(億円)破産更生債権及びこれらに準ずる債権--危険債権1113要管理債権1016正常債権37,88440,660
経営上の重要な契約等 5 【経営上の重要な契約等】
経営上の重要な契約等は、次のとおりであります。 (1) 経営基本契約(2022年4月1日締結)(期間の定めのない契約)当行は、親会社である楽天グループ株式会社との間で、両社の基本的な関係を定めることを目的とする経営基本契約を締結し、当該契約において、当行が銀行として公益の観点から求められる経営の独立性及び上場子会社として求められる独立性を楽天グループ株式会社が尊重する旨を規定しています。また、楽天グループ株式会社は、当行が楽天グループ以外からの取締役の登用を積極的に行う等、ガバナンスに対する適切なチェックが働く体制とすることを尊重するとともに、従業員に対する当行の人事権を尊重する旨を規定しています。なお、当該契約において楽天グループ株式会社に対する事前承認、事前協議事項は規定しておらず、当行から楽天グループ株式会社に対する報告については、当該契約に基づき必要かつ法令等に抵触しない範囲で行っています。また、当該契約において、楽天グループ株式会社は、当行の業況が悪化した場合には当行の業務の健全かつ適切な運営を確保するために必要な措置を講じ、楽天グループ株式会社の業況が悪化した場合には、同社が当行に対して資本出資、融資等の支援を要請しない旨を規定しています。なお、当該契約の締結に際しては、予め特別監視委員会に諮問し、出席委員全員より異議がない旨の意見表明を受けています。
(2) 非独占的ブランドライセンス契約(2022年4月1日締結)(1年間毎の自動更新)当行の顧客基盤の拡大等は楽天エコシステムを最大限に活用することにより図っているところ、楽天エコシステムの活用にあたっては、「楽天」のブランドを表章するロゴやドメイン等の使用が必要不可欠であることから、当該ロゴやドメイン等を使用するために、当行は、親会社である楽天グループ株式会社との間で非独占的ブランドライセンス契約を締結しています。当該契約に基づき当行が楽天グループ株式会社に支払うブランドライセンス料は、当行グループの売上総利益の一定割合によっており、その料率は楽天グループ株式会社と協議の上、合理的に決定しています。なお、当該契約の締結に際しては、予め特別監視委員会に諮問し、出席委員全員より異議がない旨の意見表明を受けています。
研究開発活動 6 【研究開発活動】
該当事項はありません。
設備投資等の概要 1 【設備投資等の概要】
当連結会計年度の設備投資の総額は9,369百万円となっています。本投資は、顧客基盤の拡充に伴う取引量等の増加に備えたシステム基盤の強化、顧客の利便性向上及び新サービス・新商品等のシステム開発を実施したことによるものです。なお、有形固定資産のほか、無形固定資産への投資を含めて記載しています。また、事業に影響を及ぼすような重要な設備の除却又は売却はありません。
主要な設備の状況 2 【主要な設備の状況】
当行は、インターネット銀行として、データセンターを設置しています。データセンターは通常データ処理を行うプライマリーセンターの他、災害・障害に備えバックアップセンターを設置し、高い安全性を確保しています。なお、事業所は本社及び出張所を設置しています。また、当行グループは、銀行業の単一セグメントであるため、セグメントの名称の記載を省略しています。 (1) 提出会社2024年3月31日現在事業所名(所在地)設備の内容帳簿価額(百万円)従業員数(名)建物及び構築物機械装置及び運搬具土地(面積㎡)リース資産ソフトウェアその他合計本社他(東京都港区他)事務所他6682,287―(―)―19,63922022,816877(176)
(注) 1.現在休止中の主要な設備はありません。2.上記の金額には消費税等は含まれていません。3.臨時従業員数は、( )内に年間の平均人員を外書きで記載しています。4.建物の一部を賃借しています。年間賃借料は、2,032百万円です。
(2) 国内子会社連結財務諸表における子会社の設備の割合が僅少であるため、記載を省略しています。 (3) 在外子会社2024年3月31日現在会社名事業所名(所在地)設備の内容帳簿価額(百万円)従業員数(名)建物及び構築物機械装置及び運搬具土地(面積㎡)リース資産ソフトウェアその他合計樂天國際商業銀行股份有限公司本社他(台湾)事務所他111,074―(―)―3,815684,970164(―)
(注) 1.現在休止中の主要な設備はありません。2.上記の金額には消費税等は含まれていません。3.帳簿価額のうち「その他」は、建設仮勘定8百万円、使用権資産60百万円です。4.臨時従業員数は、( )内に年間の平均人員を外書きで記載しています。5.建物の一部を賃借しています。年間賃借料は、52百万円です。
設備の新設、除却等の計画 3 【設備の新設、除却等の計画】
(1) 重要な設備の新設等当行グループは、顧客口座数の増加や新規サービスの提供に伴う当行口座での取引量の増加への対応及びセキュリティ対策において、必要に応じて設備投資を行っていく方針です。 会社名店舗名その他所在地区分設備の内容投資予定額資金調達方法着手年月完了予定年月完成後の増加能力総額(百万円)既支払額(百万円)当行――更改システム機器791314自己資金2023年8月2024年10月―
(注) 1.上記の金額には消費税等は含まれていません。2.完成後の増加能力については、係数的把握が困難であるため、記載を省略しています。3.当行グループは、銀行業の単一セグメントであるため、セグメントの名称の記載を省略しています。
(2) 重要な設備の除却等システムの技術革新については積極的に研究し、最新の設備への更新を適宜検討していきますが、重要な設備の除却について計画中のものはありません。
設備投資額、設備投資等の概要9,369,000,000

Employees

平均年齢(年)、提出会社の状況、従業員の状況37
平均勤続年数(年)、提出会社の状況、従業員の状況5
平均年間給与、提出会社の状況、従業員の状況6,275,000
管理職に占める女性労働者の割合、提出会社の指標0
全労働者、労働者の男女の賃金の差異、提出会社の指標1
正規雇用労働者、労働者の男女の賃金の差異、提出会社の指標1
非正規雇用労働者、労働者の男女の賃金の差異、提出会社の指標1

Investment

株式の保有状況 (5) 【株式の保有状況】
① 投資株式の区分の基準及び考え方該当事項はありません。 ② 保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式該当事項はありません。 ③ 保有目的が純投資目的である投資株式該当事項はありません。

Shareholders

大株主の状況 (6) 【大株主の状況】
2024年3月31日現在
氏名又は名称住所所有株式数(株)発行済株式(自己株式を除く。)の総数に対する所有株式数の割合(%)
楽天グループ株式会社東京都世田谷区玉川一丁目14番1号85,962,58049.26
日本マスタートラスト信託銀行株式会社(信託口)東京都港区赤坂一丁目8番1号 赤坂インターシティAIR11,424,7006.54
株式会社日本カストディ銀行(信託口)東京都中央区晴海一丁目8番12号9,225,0005.28
MSIP CLIENT SECURITIES (常任代理人 モルガン・スタンレーMUFG証券株式会社)25 CABOT SQUARE, CANARY WHARF, LONDON E14 4QA, U.K.(東京都千代田区大手町一丁目9番7号 大手町フィナンシャルシティサウスタワー)8,827,6005.05
J.P. MORGAN BANK LUXEMBOURG S.A. 384513 (常任代理人 株式会社みずほ銀行 決済営業部)EUROPEAN BANK AND BUSINESS CENTER 6, ROUTE DE TREVES, L-2633 SENNINGERBERG, LUXEMBOURG(東京都港区港南二丁目15番1号 品川インターシティA棟)3,918,0002.24
GOVERNMENT OF NORWAY (常任代理人 シティバンク、エヌ・エイ東京支店)BANKPLASSEN 2, 0107 OSLO 1 OSLO 0107 NO(東京都新宿区新宿六丁目27番30号)3,638,1002.08
JP JPMSE LUX RE CITIGROUP GLOBAL MARKETS L EQ CO (常任代理人 株式会社三菱UFJ銀行)CITIGROUP CENTRE CANADASQUARE LONDON – NORTH OF THE THAMES UNITED KINGDOM E14 5LB(東京都千代田区丸の内二丁目7番1号)3,054,0441.75
THE CHASE MANHATTAN BANK, N.A. LONDON SPECIAL ACCOUNT NO.1 (常任代理人 株式会社みずほ銀行 決済営業部)WOOLGATE HOUSE, COLEMAN STREET LONDON EC2P 2HD, ENGLAND(東京都港区港南二丁目15番1号 品川インターシティA棟)2,413,0001.38
GOLDMAN SACHS INTERNATIONAL (常任代理人 ゴールドマン・サックス証券株式会社)PLUMTREE COURT, 25 SHOE LANE, LONDON EC4A 4AU, U.K.(東京都港区六本木六丁目10番1号 六本木ヒルズ森タワー)2,222,3871.27
KIA FUND 147-TOKIO MARINE (常任代理人 シティバンク、エヌ・エイ東京支店)MINISTRIES COMPLEX, BLOCK NO 3, P.O.BOX 64, SAFAT 13001, KUWAIT(東京都新宿区新宿六丁目27番30号)1,421,6000.81計-132,107,01175.71
(注) 新規上場日である2023年4月21日以降、2024年3月31日までの間に提出された大量保有報告書(変更報告書を含む。)は、当行の親会社である
楽天グループ株式会社の提出分を除くと以下のとおりですが、当行として2024年3月31日現在の実質所有状況の確認ができないため、上記大株主の状況には含めていません。なお、各大量保有者による報告は、共同保有者の保有分を含みます。名称報告義務発生日保有株券等の数(株)株券等保有割合(%)レオス・キャピタルワークス株式会社2023年11月15日5,448,9003.12JPモルガン・アセット・マネジメント株式会社2024年3月15日11,957,6576.85
株主数-金融機関13
株主数-金融商品取引業者24
株主数-外国法人等-個人107
連結株主資本等変動計算書 ③ 【連結株主資本等変動計算書】
前連結会計年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) (単位:百万円) 株主資本その他の包括利益累計額新株予約権非支配株主持分純資産合計資本金資本剰余金利益剰余金自己株式株主資本合計その他有価証券評価差額金繰延ヘッジ損益為替換算調整勘定退職給付に係る調整累計額その他の包括利益累計額合計当期首残高25,9542,468159,022―187,445△3,59693,269△47△363―19,413206,494当期変動額 会社分割による増加 1,412 1,412 1,412新株の発行 ― ―親会社株主に帰属する当期純利益 27,692 27,692 27,692自己株式の取得 ― ―株主資本以外の項目の当期変動額(純額) △3,768△2255185△3,153―△761△3,915当期変動額合計―1,41227,692―29,104△3,768△2255185△3,153―△76125,189当期末残高25,9543,880186,714―216,549△7,364△123,82138△3,517―18,651231,684 当連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日) (単位:百万円) 株主資本その他の包括利益累計額新株予約権非支配株主持分純資産合計資本金資本剰余金利益剰余金自己株式株主資本合計その他有価証券評価差額金繰延ヘッジ損益為替換算調整勘定退職給付に係る調整累計額その他の包括利益累計額合計当期首残高25,9543,880186,714―216,549△7,364△123,82138△3,517―18,651231,684当期変動額 会社分割による増加 ― ―新株の発行6,6626,662 13,324 13,324親会社株主に帰属する当期純利益 34,436 34,436 34,436自己株式の取得 △0△0 △0株主資本以外の項目の当期変動額(純額) △1,444△1751,514△38△14444242142当期変動額合計6,6626,66234,436△047,761△1,444△1751,514△38△1444424247,903当期末残高32,61610,543221,151△0264,311△8,809△1885,3350△3,6624418,894279,587
株主数-外国法人等-個人以外246
株主数-個人その他15,957
株主数-その他の法人154
株主数-計16,501
氏名又は名称、大株主の状況KIA FUND 147-TOKIO MARINE (常任代理人 シティバンク、エヌ・エイ東京支店)
株主総会決議による取得の状況 (1) 【株主総会決議による取得の状況】
該当事項はありません。
株主総会決議又は取締役会決議に基づかないものの内容 (3) 【株主総会決議又は取締役会決議に基づかないものの内容】
区分株式数(株)価額の総額(円)当事業年度における取得自己株式42112,854当期間における取得自己株式37118,400
(注) 当期間における取得自己株式には、2024年6月1日から有価証券報告書提出日までに取得した自己株式は含まれていません。

Shareholders2

自己株式の取得0
自己株式の取得による支出、財務活動によるキャッシュ・フロー0
発行済株式及び自己株式に関する注記 1.発行済株式の種類及び総数並びに自己株式の種類及び株式数に関する事項(単位:千株) 当連結会計年度期首株式数当連結会計年度増加株式数当連結会計年度減少株式数当連結会計年度末株式数摘要発行済株式  普通株式164,46310,018-174,482(注1)合計164,46310,018-174,482 自己株式  普通株式-0-0(注2)合計-0-0 (注1)普通株式の増加10,018千株は、公募増資による増加5,555千株及び第三者割当増資による増加4,463千株です。(注2)普通株式の増加0千株は、単元未満株式の買取りによるものです。

Audit

監査法人1、連結 EY新日本有限責任監査法人
独立監査人の報告書、連結 独立監査人の監査報告書及び内部統制監査報告書 2024年6月21日楽 天 銀 行 株 式 会 社取締役会  御 中  EY新日本有限責任監査法人 東  京  事  務  所 指定有限責任社員業務執行社員 公認会計士岩 崎 裕 男 指定有限責任社員業務執行社員 公認会計士加 藤 信 彦 <連結財務諸表監査>監査意見当監査法人は、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づく監査証明を行うため、「経理の状況」に掲げられている楽天銀行株式会社の2023年4月1日から2024年3月31日までの連結会計年度の連結財務諸表、すなわち、連結貸借対照表、連結損益計算書、連結包括利益計算書、連結株主資本等変動計算書、連結キャッシュ・フロー計算書、連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項、その他の注記及び連結附属明細表について監査を行った。当監査法人は、上記の連結財務諸表が、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して、楽天銀行株式会社及び連結子会社の2024年3月31日現在の財政状態並びに同日をもって終了する連結会計年度の経営成績及びキャッシュ・フローの状況を、全ての重要な点において適正に表示しているものと認める。 監査意見の根拠当監査法人は、我が国において一般に公正妥当と認められる監査の基準に準拠して監査を行った。監査の基準における当監査法人の責任は、「連結財務諸表監査における監査人の責任」に記載されている。当監査法人は、我が国における職業倫理に関する規定に従って、会社及び連結子会社から独立しており、また、監査人としてのその他の倫理上の責任を果たしている。当監査法人は、意見表明の基礎となる十分かつ適切な監査証拠を入手したと判断している。 監査上の主要な検討事項監査上の主要な検討事項とは、当連結会計年度の連結財務諸表の監査において、監査人が職業的専門家として特に重要であると判断した事項である。監査上の主要な検討事項は、連結財務諸表全体に対する監査の実施過程及び監査意見の形成において対応した事項であり、当監査法人は、当該事項に対して個別に意見を表明するものではない。 関連当事者のクレジット債権等を流動化した受益権関連取引監査上の主要な検討事項の内容及び決定理由監査上の対応楽天銀行株式会社は、関連当事者である楽天カード株式会社のクレジット債権等を流動化した受益権への投資による運用を行っている(以下、「受益権関連取引」という。)。当該受益権関連取引は、注記「関連当事者情報」において、買入金銭債権2,152,451百万円(資産の部合計の15.9%に相当)及び受益権の受取利息17,455百万円(経常収益の12.6%に相当)として開示されている。また、取引条件については一般の市場情勢を勘案し協議の上、決定していることが開示されている。 当該受益権関連取引は、楽天銀行株式会社の資産及び経常収益の一定の割合を占めており、関連当事者との取引であることから対等な立場で取引が行われているとは限らず、独立第三者間の取引条件から逸脱し、経済的実態が連結財務諸表に適切に反映されないリスクがある。 上記より、当監査法人は、関連当事者のクレジット債権等を流動化した受益権関連取引を監査上の主要な検討事項に該当するものと判断した。当監査法人は、関連当事者のクレジット債権等を流動化した受益権関連取引を検討するに当たり、主として以下の監査手続を実施した。・関連当事者との取引の識別に関連する内部統制の整備及び運用状況の有効性を評価した。・受益権関連取引の網羅的な把握のため、経営者、経理担当者への質問及び取締役会の議事録とその添付資料の閲覧を実施した。・受益権関連取引が正確かつ網羅的に集計された上で開示されていることを検証するため、取引金額及び当期末残高について、監査人が仕訳を集計した結果との突合または買入金銭債権の残高確認を実施した。・経済合理性を検討するため、取引条件について以下の手続を実施した。―独立役員(一般株主と利益相反が生じるおそれのない社外取締役及び社外監査役)から構成される特別監視委員会の議事録及びその添付資料の閲覧を実施した。―受益権関連取引に係る取引条件と他の運用商品の取引条件を比較し、著しく乖離していないか検討した。 その他の記載内容その他の記載内容は、有価証券報告書に含まれる情報のうち、連結財務諸表及び財務諸表並びにこれらの監査報告書以外の情報である。経営者の責任は、その他の記載内容を作成し開示することにある。また、監査役及び監査役会の責任は、その他の記載内容の報告プロセスの整備及び運用における取締役の職務の執行を監視することにある。当監査法人の連結財務諸表に対する監査意見の対象にはその他の記載内容は含まれておらず、当監査法人はその他の記載内容に対して意見を表明するものではない。連結財務諸表監査における当監査法人の責任は、その他の記載内容を通読し、通読の過程において、その他の記載内容と連結財務諸表又は当監査法人が監査の過程で得た知識との間に重要な相違があるかどうか検討すること、また、そのような重要な相違以外にその他の記載内容に重要な誤りの兆候があるかどうか注意を払うことにある。当監査法人は、実施した作業に基づき、その他の記載内容に重要な誤りがあると判断した場合には、その事実を報告することが求められている。その他の記載内容に関して、当監査法人が報告すべき事項はない。 連結財務諸表に対する経営者並びに監査役及び監査役会の責任経営者の責任は、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して連結財務諸表を作成し適正に表示することにある。これには、不正又は誤謬による重要な虚偽表示のない連結財務諸表を作成し適正に表示するために経営者が必要と判断した内部統制を整備及び運用することが含まれる。連結財務諸表を作成するに当たり、経営者は、継続企業の前提に基づき連結財務諸表を作成することが適切であるかどうかを評価し、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づいて継続企業に関する事項を開示する必要がある場合には当該事項を開示する責任がある。監査役及び監査役会の責任は、財務報告プロセスの整備及び運用における取締役の職務の執行を監視することにある。 連結財務諸表監査における監査人の責任監査人の責任は、監査人が実施した監査に基づいて、全体としての連結財務諸表に不正又は誤謬による重要な虚偽表示がないかどうかについて合理的な保証を得て、監査報告書において独立の立場から連結財務諸表に対する意見を表明することにある。虚偽表示は、不正又は誤謬により発生する可能性があり、個別に又は集計すると、連結財務諸表の利用者の意思決定に影響を与えると合理的に見込まれる場合に、重要性があると判断される。監査人は、我が国において一般に公正妥当と認められる監査の基準に従って、監査の過程を通じて、職業的専門家としての判断を行い、職業的懐疑心を保持して以下を実施する。・ 不正又は誤謬による重要な虚偽表示リスクを識別し、評価する。また、重要な虚偽表示リスクに対応した監査手続を立案し、実施する。監査手続の選択及び適用は監査人の判断による。さらに、意見表明の基礎となる十分かつ適切な監査証拠を入手する。・ 連結財務諸表監査の目的は、内部統制の有効性について意見表明するためのものではないが、監査人は、リスク評価の実施に際して、状況に応じた適切な監査手続を立案するために、監査に関連する内部統制を検討する。・ 経営者が採用した会計方針及びその適用方法の適切性、並びに経営者によって行われた会計上の見積りの合理性及び関連する注記事項の妥当性を評価する。・ 経営者が継続企業を前提として連結財務諸表を作成することが適切であるかどうか、また、入手した監査証拠に基づき、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況に関して重要な不確実性が認められるかどうか結論付ける。継続企業の前提に関する重要な不確実性が認められる場合は、監査報告書において連結財務諸表の注記事項に注意を喚起すること、又は重要な不確実性に関する連結財務諸表の注記事項が適切でない場合は、連結財務諸表に対して除外事項付意見を表明することが求められている。監査人の結論は、監査報告書日までに入手した監査証拠に基づいているが、将来の事象や状況により、企業は継続企業として存続できなくなる可能性がある。・ 連結財務諸表の表示及び注記事項が、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠しているかどうかとともに、関連する注記事項を含めた連結財務諸表の表示、構成及び内容、並びに連結財務諸表が基礎となる取引や会計事象を適正に表示しているかどうかを評価する。・ 連結財務諸表に対する意見を表明するために、会社及び連結子会社の財務情報に関する十分かつ適切な監査証拠を入手する。監査人は、連結財務諸表の監査に関する指示、監督及び実施に関して責任がある。監査人は、単独で監査意見に対して責任を負う。監査人は、監査役及び監査役会に対して、計画した監査の範囲とその実施時期、監査の実施過程で識別した内部統制の重要な不備を含む監査上の重要な発見事項、及び監査の基準で求められているその他の事項について報告を行う。監査人は、監査役及び監査役会に対して、独立性についての我が国における職業倫理に関する規定を遵守したこと、並びに監査人の独立性に影響を与えると合理的に考えられる事項、及び阻害要因を除去するための対応策を講じている場合又は阻害要因を許容可能な水準にまで軽減するためのセーフガードを適用している場合はその内容について報告を行う。監査人は、監査役及び監査役会と協議した事項のうち、当連結会計年度の連結財務諸表の監査で特に重要であると判断した事項を監査上の主要な検討事項と決定し、監査報告書において記載する。ただし、法令等により当該事項の公表が禁止されている場合や、極めて限定的ではあるが、監査報告書において報告することにより生じる不利益が公共の利益を上回ると合理的に見込まれるため、監査人が報告すべきでないと判断した場合は、当該事項を記載しない。 <内部統制監査>監査意見 当監査法人は、金融商品取引法第193条の2第2項の規定に基づく監査証明を行うため、楽天銀行株式会社の2024年3月31日現在の内部統制報告書について監査を行った。 当監査法人は、楽天銀行株式会社が2024年3月31日現在の財務報告に係る内部統制は有効であると表示した上記の内部統制報告書が、我が国において一般に公正妥当と認められる財務報告に係る内部統制の評価の基準に準拠して、財務報告に係る内部統制の評価結果について、全ての重要な点において適正に表示しているものと認める。 監査意見の根拠 当監査法人は、我が国において一般に公正妥当と認められる財務報告に係る内部統制の監査の基準に準拠して内部統制監査を行った。財務報告に係る内部統制の監査の基準における当監査法人の責任は、「内部統制監査における監査人の責任」に記載されている。当監査法人は、我が国における職業倫理に関する規定に従って、会社及び連結子会社から独立しており、また、監査人としてのその他の倫理上の責任を果たしている。当監査法人は、意見表明の基礎となる十分かつ適切な監査証拠を入手したと判断している。 内部統制報告書に対する経営者並びに監査役及び監査役会の責任 経営者の責任は、財務報告に係る内部統制を整備及び運用し、我が国において一般に公正妥当と認められる財務報告に係る内部統制の評価の基準に準拠して内部統制報告書を作成し適正に表示することにある。 監査役及び監査役会の責任は、財務報告に係る内部統制の整備及び運用状況を監視、検証することにある。 なお、財務報告に係る内部統制により財務報告の虚偽の記載を完全には防止又は発見することができない可能性がある。 内部統制監査における監査人の責任 監査人の責任は、監査人が実施した内部統制監査に基づいて、内部統制報告書に重要な虚偽表示がないかどうかについて合理的な保証を得て、内部統制監査報告書において独立の立場から内部統制報告書に対する意見を表明することにある。 監査人は、我が国において一般に公正妥当と認められる財務報告に係る内部統制の監査の基準に従って、監査の過程を通じて、職業的専門家としての判断を行い、職業的懐疑心を保持して以下を実施する。・内部統制報告書における財務報告に係る内部統制の評価結果について監査証拠を入手するための監査手続を実施する。内部統制監査の監査手続は、監査人の判断により、財務報告の信頼性に及ぼす影響の重要性に基づいて選択及び適用される。・財務報告に係る内部統制の評価範囲、評価手続及び評価結果について経営者が行った記載を含め、全体としての内部統制報告書の表示を検討する。・内部統制報告書における財務報告に係る内部統制の評価結果に関する十分かつ適切な監査証拠を入手する。監査人は、内部統制報告書の監査に関する指示、監督及び実施に関して責任がある。監査人は、単独で監査意見に対して責任を負う。 監査人は、監査役及び監査役会に対して、計画した内部統制監査の範囲とその実施時期、内部統制監査の実施結果、識別した内部統制の開示すべき重要な不備、その是正結果、及び内部統制の監査の基準で求められているその他の事項について報告を行う。 監査人は、監査役及び監査役会に対して、独立性についての我が国における職業倫理に関する規定を遵守したこと、並びに監査人の独立性に影響を与えると合理的に考えられる事項、及び阻害要因を除去するための対応策を講じている場合又は阻害要因を許容可能な水準にまで軽減するためのセーフガードを適用している場合はその内容について報告を行う。 <報酬関連情報>当監査法人及び当監査法人と同一のネットワークに属する者に対する、会社及び子会社の監査証明業務に基づく報酬及び非監査業務に基づく報酬の額は、「提出会社の状況」に含まれるコーポレート・ガバナンスの状況等(3)【監査の状況】
に記載されている。 利害関係会社及び連結子会社と当監査法人又は業務執行社員との間には、公認会計士法の規定により記載すべき利害関係はない。以 上
(注) 1 上記の監査報告書の原本は当社(有価証券報告書提出会社)が別途保管しております。2 XBRLデータは監査の対象には含まれていません。
監査上の主要な検討事項、連結 監査上の主要な検討事項監査上の主要な検討事項とは、当連結会計年度の連結財務諸表の監査において、監査人が職業的専門家として特に重要であると判断した事項である。監査上の主要な検討事項は、連結財務諸表全体に対する監査の実施過程及び監査意見の形成において対応した事項であり、当監査法人は、当該事項に対して個別に意見を表明するものではない。 関連当事者のクレジット債権等を流動化した受益権関連取引監査上の主要な検討事項の内容及び決定理由監査上の対応楽天銀行株式会社は、関連当事者である楽天カード株式会社のクレジット債権等を流動化した受益権への投資による運用を行っている(以下、「受益権関連取引」という。)。当該受益権関連取引は、注記「関連当事者情報」において、買入金銭債権2,152,451百万円(資産の部合計の15.9%に相当)及び受益権の受取利息17,455百万円(経常収益の12.6%に相当)として開示されている。また、取引条件については一般の市場情勢を勘案し協議の上、決定していることが開示されている。 当該受益権関連取引は、楽天銀行株式会社の資産及び経常収益の一定の割合を占めており、関連当事者との取引であることから対等な立場で取引が行われているとは限らず、独立第三者間の取引条件から逸脱し、経済的実態が連結財務諸表に適切に反映されないリスクがある。 上記より、当監査法人は、関連当事者のクレジット債権等を流動化した受益権関連取引を監査上の主要な検討事項に該当するものと判断した。当監査法人は、関連当事者のクレジット債権等を流動化した受益権関連取引を検討するに当たり、主として以下の監査手続を実施した。・関連当事者との取引の識別に関連する内部統制の整備及び運用状況の有効性を評価した。・受益権関連取引の網羅的な把握のため、経営者、経理担当者への質問及び取締役会の議事録とその添付資料の閲覧を実施した。・受益権関連取引が正確かつ網羅的に集計された上で開示されていることを検証するため、取引金額及び当期末残高について、監査人が仕訳を集計した結果との突合または買入金銭債権の残高確認を実施した。・経済合理性を検討するため、取引条件について以下の手続を実施した。―独立役員(一般株主と利益相反が生じるおそれのない社外取締役及び社外監査役)から構成される特別監視委員会の議事録及びその添付資料の閲覧を実施した。―受益権関連取引に係る取引条件と他の運用商品の取引条件を比較し、著しく乖離していないか検討した。
全体概要、監査上の主要な検討事項、連結 監査上の主要な検討事項とは、当連結会計年度の連結財務諸表の監査において、監査人が職業的専門家として特に重要であると判断した事項である。監査上の主要な検討事項は、連結財務諸表全体に対する監査の実施過程及び監査意見の形成において対応した事項であり、当監査法人は、当該事項に対して個別に意見を表明するものではない。
見出し、監査上の主要な検討事項、連結関連当事者のクレジット債権等を流動化した受益権関連取引
内容及び理由、監査上の主要な検討事項、連結 楽天銀行株式会社は、関連当事者である楽天カード株式会社のクレジット債権等を流動化した受益権への投資による運用を行っている(以下、「受益権関連取引」という。)。当該受益権関連取引は、注記「関連当事者情報」において、買入金銭債権2,152,451百万円(資産の部合計の15.9%に相当)及び受益権の受取利息17,455百万円(経常収益の12.6%に相当)として開示されている。また、取引条件については一般の市場情勢を勘案し協議の上、決定していることが開示されている。 当該受益権関連取引は、楽天銀行株式会社の資産及び経常収益の一定の割合を占めており、関連当事者との取引であることから対等な立場で取引が行われているとは限らず、独立第三者間の取引条件から逸脱し、経済的実態が連結財務諸表に適切に反映されないリスクがある。 上記より、当監査法人は、関連当事者のクレジット債権等を流動化した受益権関連取引を監査上の主要な検討事項に該当するものと判断した。
開示への参照、監査上の主要な検討事項、連結注記「関連当事者情報」
監査上の対応、監査上の主要な検討事項、連結 当監査法人は、関連当事者のクレジット債権等を流動化した受益権関連取引を検討するに当たり、主として以下の監査手続を実施した。・関連当事者との取引の識別に関連する内部統制の整備及び運用状況の有効性を評価した。・受益権関連取引の網羅的な把握のため、経営者、経理担当者への質問及び取締役会の議事録とその添付資料の閲覧を実施した。・受益権関連取引が正確かつ網羅的に集計された上で開示されていることを検証するため、取引金額及び当期末残高について、監査人が仕訳を集計した結果との突合または買入金銭債権の残高確認を実施した。・経済合理性を検討するため、取引条件について以下の手続を実施した。―独立役員(一般株主と利益相反が生じるおそれのない社外取締役及び社外監査役)から構成される特別監視委員会の議事録及びその添付資料の閲覧を実施した。―受益権関連取引に係る取引条件と他の運用商品の取引条件を比較し、著しく乖離していないか検討した。
その他の記載内容、連結 その他の記載内容その他の記載内容は、有価証券報告書に含まれる情報のうち、連結財務諸表及び財務諸表並びにこれらの監査報告書以外の情報である。経営者の責任は、その他の記載内容を作成し開示することにある。また、監査役及び監査役会の責任は、その他の記載内容の報告プロセスの整備及び運用における取締役の職務の執行を監視することにある。当監査法人の連結財務諸表に対する監査意見の対象にはその他の記載内容は含まれておらず、当監査法人はその他の記載内容に対して意見を表明するものではない。連結財務諸表監査における当監査法人の責任は、その他の記載内容を通読し、通読の過程において、その他の記載内容と連結財務諸表又は当監査法人が監査の過程で得た知識との間に重要な相違があるかどうか検討すること、また、そのような重要な相違以外にその他の記載内容に重要な誤りの兆候があるかどうか注意を払うことにある。当監査法人は、実施した作業に基づき、その他の記載内容に重要な誤りがあると判断した場合には、その事実を報告することが求められている。その他の記載内容に関して、当監査法人が報告すべき事項はない。
報酬関連情報、連結 <報酬関連情報>当監査法人及び当監査法人と同一のネットワークに属する者に対する、会社及び子会社の監査証明業務に基づく報酬及び非監査業務に基づく報酬の額は、「提出会社の状況」に含まれるコーポレート・ガバナンスの状況等(3)【監査の状況】
に記載されている。

Audit1

監査法人1、個別 EY新日本有限責任監査法人
独立監査人の報告書、個別 独立監査人の監査報告書 2024年6月21日楽 天 銀 行 株 式 会 社取締役会  御 中  EY新日本有限責任監査法人 東  京  事  務  所 指定有限責任社員業務執行社員 公認会計士岩 崎 裕 男 指定有限責任社員業務執行社員 公認会計士加 藤 信 彦 <財務諸表監査>監査意見当監査法人は、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づく監査証明を行うため、「経理の状況」に掲げられている楽天銀行株式会社の2023年4月1日から2024年3月31日までの第25期事業年度の財務諸表、すなわち、貸借対照表、損益計算書、株主資本等変動計算書、重要な会計方針、その他の注記及び附属明細表について監査を行った。当監査法人は、上記の財務諸表が、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して、楽天銀行株式会社の2024年3月31日現在の財政状態及び同日をもって終了する事業年度の経営成績を、全ての重要な点において適正に表示しているものと認める。 監査意見の根拠当監査法人は、我が国において一般に公正妥当と認められる監査の基準に準拠して監査を行った。監査の基準における当監査法人の責任は、「財務諸表監査における監査人の責任」に記載されている。当監査法人は、我が国における職業倫理に関する規定に従って、会社から独立しており、また、監査人としてのその他の倫理上の責任を果たしている。当監査法人は、意見表明の基礎となる十分かつ適切な監査証拠を入手したと判断している。 監査上の主要な検討事項監査上の主要な検討事項とは、当事業年度の財務諸表の監査において、監査人が職業的専門家として特に重要であると判断した事項である。監査上の主要な検討事項は、財務諸表全体に対する監査の実施過程及び監査意見の形成において対応した事項であり、当監査法人は、当該事項に対して個別に意見を表明するものではない。 (関連当事者のクレジット債権等を流動化した受益権関連取引)連結財務諸表の監査報告書に記載されている監査上の主要な検討事項(関連当事者のクレジット債権等を流動化した受益権関連取引)と同一内容であるため、記載を省略している。 その他の記載内容その他の記載内容は、有価証券報告書に含まれる情報のうち、連結財務諸表及び財務諸表並びにこれらの監査報告書以外の情報である。経営者の責任は、その他の記載内容を作成し開示することにある。また、監査役及び監査役会の責任は、その他の記載内容の報告プロセスの整備及び運用における取締役の職務の執行を監視することにある。当監査法人の財務諸表に対する監査意見の対象にはその他の記載内容は含まれておらず、当監査法人はその他の記載内容に対して意見を表明するものではない。財務諸表監査における当監査法人の責任は、その他の記載内容を通読し、通読の過程において、その他の記載内容と財務諸表又は当監査法人が監査の過程で得た知識との間に重要な相違があるかどうか検討すること、また、そのような重要な相違以外にその他の記載内容に重要な誤りの兆候があるかどうか注意を払うことにある。当監査法人は、実施した作業に基づき、その他の記載内容に重要な誤りがあると判断した場合には、その事実を報告することが求められている。その他の記載内容に関して、当監査法人が報告すべき事項はない。 財務諸表に対する経営者並びに監査役及び監査役会の責任経営者の責任は、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して財務諸表を作成し適正に表示することにある。これには、不正又は誤謬による重要な虚偽表示のない財務諸表を作成し適正に表示するために経営者が必要と判断した内部統制を整備及び運用することが含まれる。財務諸表を作成するに当たり、経営者は、継続企業の前提に基づき財務諸表を作成することが適切であるかどうかを評価し、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づいて継続企業に関する事項を開示する必要がある場合には当該事項を開示する責任がある。監査役及び監査役会の責任は、財務報告プロセスの整備及び運用における取締役の職務の執行を監視することにある。 財務諸表監査における監査人の責任監査人の責任は、監査人が実施した監査に基づいて、全体としての財務諸表に不正又は誤謬による重要な虚偽表示がないかどうかについて合理的な保証を得て、監査報告書において独立の立場から財務諸表に対する意見を表明することにある。虚偽表示は、不正又は誤謬により発生する可能性があり、個別に又は集計すると、財務諸表の利用者の意思決定に影響を与えると合理的に見込まれる場合に、重要性があると判断される。監査人は、我が国において一般に公正妥当と認められる監査の基準に従って、監査の過程を通じて、職業的専門家としての判断を行い、職業的懐疑心を保持して以下を実施する。・ 不正又は誤謬による重要な虚偽表示リスクを識別し、評価する。また、重要な虚偽表示リスクに対応した監査手続を立案し、実施する。監査手続の選択及び適用は監査人の判断による。さらに、意見表明の基礎となる十分かつ適切な監査証拠を入手する。・ 財務諸表監査の目的は、内部統制の有効性について意見表明するためのものではないが、監査人は、リスク評価の実施に際して、状況に応じた適切な監査手続を立案するために、監査に関連する内部統制を検討する。・ 経営者が採用した会計方針及びその適用方法の適切性、並びに経営者によって行われた会計上の見積りの合理性及び関連する注記事項の妥当性を評価する。・ 経営者が継続企業を前提として財務諸表を作成することが適切であるかどうか、また、入手した監査証拠に基づき、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況に関して重要な不確実性が認められるかどうか結論付ける。継続企業の前提に関する重要な不確実性が認められる場合は、監査報告書において財務諸表の注記事項に注意を喚起すること、又は重要な不確実性に関する財務諸表の注記事項が適切でない場合は、財務諸表に対して除外事項付意見を表明することが求められている。監査人の結論は、監査報告書日までに入手した監査証拠に基づいているが、将来の事象や状況により、企業は継続企業として存続できなくなる可能性がある。 ・ 財務諸表の表示及び注記事項が、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠しているかどうかとともに、関連する注記事項を含めた財務諸表の表示、構成及び内容、並びに財務諸表が基礎となる取引や会計事象を適正に表示しているかどうかを評価する。監査人は、監査役及び監査役会に対して、計画した監査の範囲とその実施時期、監査の実施過程で識別した内部統制の重要な不備を含む監査上の重要な発見事項、及び監査の基準で求められているその他の事項について報告を行う。監査人は、監査役及び監査役会に対して、独立性についての我が国における職業倫理に関する規定を遵守したこと、並びに監査人の独立性に影響を与えると合理的に考えられる事項、及び阻害要因を除去するための対応策を講じている場合又は阻害要因を許容可能な水準にまで軽減するためのセーフガードを適用している場合はその内容について報告を行う。監査人は、監査役及び監査役会と協議した事項のうち、当事業年度の財務諸表の監査で特に重要であると判断した事項を監査上の主要な検討事項と決定し、監査報告書において記載する。ただし、法令等により当該事項の公表が禁止されている場合や、極めて限定的ではあるが、監査報告書において報告することにより生じる不利益が公共の利益を上回ると合理的に見込まれるため、監査人が報告すべきでないと判断した場合は、当該事項を記載しない。 <報酬関連情報>報酬関連情報は、連結財務諸表の監査報告書に記載されている。 利害関係会社と当監査法人又は業務執行社員との間には、公認会計士法の規定により記載すべき利害関係はない。以  上 
(注) 1 上記の監査報告書の原本は当社(有価証券報告書提出会社)が別途保管しております。2 XBRLデータは監査の対象には含まれていません。
監査上の主要な検討事項、個別 監査上の主要な検討事項監査上の主要な検討事項とは、当事業年度の財務諸表の監査において、監査人が職業的専門家として特に重要であると判断した事項である。監査上の主要な検討事項は、財務諸表全体に対する監査の実施過程及び監査意見の形成において対応した事項であり、当監査法人は、当該事項に対して個別に意見を表明するものではない。 (関連当事者のクレジット債権等を流動化した受益権関連取引)連結財務諸表の監査報告書に記載されている監査上の主要な検討事項(関連当事者のクレジット債権等を流動化した受益権関連取引)と同一内容であるため、記載を省略している。
全体概要、監査上の主要な検討事項、個別 監査上の主要な検討事項とは、当事業年度の財務諸表の監査において、監査人が職業的専門家として特に重要であると判断した事項である。監査上の主要な検討事項は、財務諸表全体に対する監査の実施過程及び監査意見の形成において対応した事項であり、当監査法人は、当該事項に対して個別に意見を表明するものではない。
見出し、監査上の主要な検討事項、個別(関連当事者のクレジット債権等を流動化した受益権関連取引)
連結と同一内容である旨、監査上の主要な検討事項、個別 連結財務諸表の監査報告書に記載されている監査上の主要な検討事項(関連当事者のクレジット債権等を流動化した受益権関連取引)と同一内容であるため、記載を省略している。
その他の記載内容、個別 その他の記載内容その他の記載内容は、有価証券報告書に含まれる情報のうち、連結財務諸表及び財務諸表並びにこれらの監査報告書以外の情報である。経営者の責任は、その他の記載内容を作成し開示することにある。また、監査役及び監査役会の責任は、その他の記載内容の報告プロセスの整備及び運用における取締役の職務の執行を監視することにある。当監査法人の財務諸表に対する監査意見の対象にはその他の記載内容は含まれておらず、当監査法人はその他の記載内容に対して意見を表明するものではない。財務諸表監査における当監査法人の責任は、その他の記載内容を通読し、通読の過程において、その他の記載内容と財務諸表又は当監査法人が監査の過程で得た知識との間に重要な相違があるかどうか検討すること、また、そのような重要な相違以外にその他の記載内容に重要な誤りの兆候があるかどうか注意を払うことにある。当監査法人は、実施した作業に基づき、その他の記載内容に重要な誤りがあると判断した場合には、その事実を報告することが求められている。その他の記載内容に関して、当監査法人が報告すべき事項はない。
報酬関連情報、個別 <報酬関連情報>報酬関連情報は、連結財務諸表の監査報告書に記載されている。

BS資産

有形固定資産3,176,000,000
ソフトウエア11,969,000,000
無形固定資産19,640,000,000
繰延税金資産8,365,000,000

BS負債、資本

未払法人税等9,886,000,000
未払費用8,123,000,000
賞与引当金560,000,000
退職給付に係る負債1,442,000,000
資本剰余金10,543,000,000
利益剰余金221,206,000,000
その他有価証券評価差額金-8,809,000,000