財務諸表
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提出書類、表紙 | 有価証券報告書 |
提出日、表紙 | 2024-06-25 |
英訳名、表紙 | MEIDENSHA CORPORATION |
代表者の役職氏名、表紙 | 代表取締役 執行役員社長 井上 晃夫 |
本店の所在の場所、表紙 | 東京都品川区大崎二丁目1番1号 ThinkPark Tower |
電話番号、本店の所在の場所、表紙 | 03-6420-8150(代表) |
様式、DEI | 第三号様式 |
会計基準、DEI | Japan GAAP |
連結決算の有無、DEI | true |
当会計期間の種類、DEI | FY |
corp
沿革 | 2 【沿革】 1897年12月個人経営の電気機械工場として発足1912年2月大崎工場を創設1917年6月個人経営を資本金2,000千円の株式会社に組織変更1935年10月名古屋工場を創設1949年5月東京・大阪・名古屋の各証券取引所に株式を上場1949年6月福岡証券取引所に株式を上場1950年3月㈱甲府明電舎を発足1951年11月㈱ユニオンワニス設立(1981年ユニオン化成㈱に、1992年明電ケミカル㈱に商号変更)1957年4月広島・札幌の両証券取引所に株式を上場1958年5月京都証券取引所に株式を上場1961年4月沼津工場を創設1965年4月明電エンジニアリング㈱を設立1966年6月THAI MEIDENSHA CO.,LTD.を設立1972年11月明電興産㈱を設立1975年5月MEIDEN SINGAPORE PTE.LTD.を設立1976年7月明静電機㈱を設立(1992年に明電シスコン㈱に商号変更)1977年4月太田工場を創設1978年10月明電ソフトウエア㈱を設立1978年12月明電プラント㈱を設立(2003年に明電プラント&エンジニアリングに商号変更)1983年6月明電環境サービス㈱を設立1987年6月英文社名をMEIDENSHA CORPORATIONに変更1987年7月明電商事㈱を設立1993年2月明電エンジニアリング㈱ 東証二部に上場1995年2月本社事務所を東京都中央区に移転1995年9月明電エンジニアリング㈱ 東証二部から一部へ指定替え1998年3月MEIDEN ELECTRIC(THAILAND)LTD.を設立1998年12月明電板金塗装㈱を設立2000年7月明電興産㈱が、沼津明電興産㈱及び明電不動産㈱の2社を吸収合併 当社、㈱日立製作所及び富士電機㈱の3社間で、開発合弁会社「ジャパンモータアンドジェネレータ㈱」を設立2001年4月メックテクノ㈱を設立2001年7月当社、㈱日立製作所及び富士電機㈱の3社間で、製造合弁会社「㈱日本エーイーパワーシステムズ」を設立(2002年に㈱日本AEパワーシステムズに商号変更)2002年5月甲府工場を創設2002年10月変圧器、遮断器、開閉装置など変電事業を㈱日本AEパワーシステムズに会社分割 装置部門を名古屋工場から沼津工場へ移転・移管2003年4月明電エンジニアリング㈱と合併し、エンジニアリング事業本部を設置2003年7月MEIDEN AMERICA,INC.を設立2003年8月札幌証券取引所・福岡証券取引所への株式上場を廃止 2004年4月 明電ソフトウエア㈱の監視制御システム分野を分割し、明電システムテクノロジー㈱を設立MEIDEN ASIA PTE.LTD.を設立2005年12月明電舎(杭州)電気系統有限公司を設立2006年4月当社と㈱甲府明電舎(㈱山梨明電産業に商号変更)が共同新設分割により㈱甲府明電舎を設立2007年9月東京都品川区の当社大崎工場跡地にThinkPark Towerを完成させ、本社を移転2008年10月沼津事業所隣地に工場用土地・建物(旧ジヤトコ沼津工場)を取得2009年4月明電シスコン㈱の配電盤製作部門を明電プラント&エンジニアリング㈱が吸収分割し、明電プラントシステムズ㈱に商号変更2012年4月㈱日本AEパワーシステムズにおける合弁事業を解消し、明電T&D㈱が事業の一部を承継2013年4月明電T&D㈱と合併明電板金塗装㈱と明電シスコン㈱が合併し、明電システム製造㈱を設立明電ソフトウエア㈱と明電システムテクノロジー㈱が合併し、明電システムソリューション㈱を設立2013年7月㈱明電エンジニアリング、㈱明電エンジニアリング東日本、㈱明電エンジニアリング中日本、㈱明電エンジニアリング西日本を設立2013年10月 当社の保守・サービス事業を吸収分割し、㈱明電エンジニアリング、㈱明電エンジニアリング東日本、㈱明電エンジニアリング中日本、㈱明電エンジニアリング西日本が承継2014年3月Prime Electric社に資本参加(2014年にPRIME MEIDEN LIMITEDに商号変更)2014年6月明電環境サービス㈱とメックテクノ㈱が合併し、明電ファシリティサービス㈱を設立2015年6月保守・サービス事業を、㈱明電O&M(㈱明電エンジニアリングが商号変更)及び㈱明電エンジニアリング(㈱明電エンジニアリング東日本、㈱明電エンジニアリング中日本及び㈱明電エンジニアリング西日本が合併し商号変更)の2社に再編TRIDELTA GmbHからTRIDELTA社を買収(2015年7月にTRIDELTA MEIDENSHA GmbHに商号変更)2016年6月2018年7月2019年5月2019年6月PRIME MEIDEN LIMITED株式を追加取得(2021年にMEIDEN T&D (INDIA))LIMITEDに商号変更)明電ケミカル㈱が明電セラミックス㈱を吸収合併明電舎(杭州)駆動技術有限公司を設立イームル工業㈱を連結子会社化2020年4月明電ナノプロセス・イノベーション㈱を設立2021年4月Vietstar Industry Corporationの過半株式取得(2021年4月にVIETSTAR MEIDEN CORPORATIONに商号変更)2022年4月東京証券取引所の市場区分の見直しにより市場第一部からプライム市場へ移行2022年4月㈱明電O&Mと合併2024年1月明電商事㈱と合併 |
事業の内容 | 3 【事業の内容】 当社グループは、当社及び国内子会社22社、国内関連会社2社、海外子会社21社、海外関連会社1社の合計47社で構成され、①電力インフラ事業セグメント、②社会システム事業セグメント、③産業電子モビリティ事業セグメント、④フィールドエンジニアリング事業セグメント、⑤不動産事業セグメント、⑥その他の6事業分野にわたって、製品の企画・開発から製造、販売、サービス等の事業活動を幅広く展開しております。 当社及び当社の関係会社の事業における当社及び関係会社の位置付け及びセグメントとの関連は、次のとおりであります。 ①電力インフラ事業セグメント 16社電気を作り、送るための重電機器やシステムを電力会社等に提供する事業を行っております。主な製品・サービスは、発電機、変電製品(変圧器、スイッチギヤ、避雷器等)、発電・変電・配電システム、監視制御設備、水力発電設備、エネルギーシステムであります。 ・主な関係会社㈱エムウインズ、イームル工業㈱、MEIDEN SINGAPORE PTE.LTD.、明電舎(鄭州)電気工程有限公司、TRIDELTA MEIDENSHA GmbH、MEIDEN T&D (INDIA))LIMITED ②社会システム事業セグメント 14社電気の需要家となる官公庁、鉄道事業者、民間企業等に、重電機器やシステムを提供する事業を行っております。主な製品・サービスは、発電・変電・配電システム、監視制御設備、無停電電源装置、電鉄システム、水インフラシステム、上下水道維持管理、セラミック平膜であります。 ・主な関係会社明電プラントシステムズ㈱、明電システム製造㈱、明電システムソリューション㈱、MEIDEN ASIA PTE. LTD.、THAI MEIDENSHA CO.,LTD. ③産業電子モビリティ事業セグメント 5社半導体分野、一般産業分野及びEV向けコンポーネント製品や自動車産業向け研究開発用システムを提供する事業を行っております。主な製品・サービスは、モータ、インバータ、EV駆動システム、真空コンデンサ、産業用PC、パルス電源、自動車産業向け試験装置、エレベータ用巻上機、無人搬送車であります。 ・主な関係会社㈱甲府明電舎、明電機電工業㈱、明電舎(杭州)電気系統有限公司、MEIDEN AMERICA,INC.、明電舎(杭州)駆動技術有限公司 ④フィールドエンジニアリング事業セグメント 4社電気設備の保守、点検、維持管理等の保守メンテナンス事業を行っております。主なサービスは、保守、点検、保全コンサルティング、予防保全、改良保全、維持管理及び運用管理、事後保全、総合診断、延命措置、更新計画であります。 ・主な関係会社㈱明電エンジニアリング、明電ファシリティサービス㈱ ⑤不動産事業セグメント業務・商業ビルThinkPark Tower(東京都品川区大崎)を中心とした保有不動産の賃貸事業を行っております。 ⑥その他 7社電気化学計測機器や電気絶縁材料の製造・販売、従業員の福利厚生サービス、その他事業セグメントを問わない販売等が含まれております。 ・主な関係会社明電興産㈱、明電北斗㈱ (事業系統図) 以上述べた事項を事業系統図によって示すと、次のとおりであります。 |
関係会社の状況 | 4 【関係会社の状況】 2024年3月末日時点の関係会社の状況は以下のとおりであります。 名称住所資本金又は出資金(百万円)主要な事業の内容議決権の所有割合又は被所有割合(%)関係内容(国内連結子会社) ㈱甲府明電舎 (注)3山梨県中央市400産業電子モビリティ事業100.00EV用モータ・エレベータ用モータ・PMモータ・産業車両用モータ・ブラシレスモータ・誘導電動機の製造・販売役員 兼任建物賃貸明電プラントシステムズ㈱東京都品川区400社会システム事業100.00電気及び建設工事の設計・請負、電気機器等の製造・修理・改造役員 兼任建物賃貸㈱明電エンジニアリング (注)4東京都品川区400フィールドエンジニアリング事業100.00電気設備・機械器具・装置の製造・販売・設置、電気配線工事、保守点検サービス、改造、修理役員 兼任明電ナノプロセス・イノベーション㈱東京都品川区400その他100.00ピュアオゾンジェネレータ及び薄膜形成装置の開発・設計・製造・販売役員 兼任㈱エムウインズ東京都品川区330電力インフラ事業100.00風力発電システムの開発・設計・製作・試験・コンサルティング役員 兼任明電興産㈱東京都品川区100その他100.00物品・物資の販売、保険代理業、不動産事業役員 兼任建物賃貸借明電ケミカル㈱静岡県沼津市95その他100.00電気機器モールド品、電気絶縁用ワニス・レジン等の製造 役員 兼任建物賃貸明電システム製造㈱静岡県沼津市90社会システム事業100.00配電盤・制御盤及びその部品の製造・販売 役員 兼任建物、機械装置賃貸 資金貸付有明電システムソリューション㈱静岡県沼津市50社会システム事業100.00ソフトウェアの開発・設計・製作・販売・賃貸、コンピュータシステム及びネットワーク維持・管理役員 兼任建物賃貸 資金貸付有イームル工業㈱広島県東広島市 50 電力インフラ事業45.76水力用発電機器及び周辺機器の設計・製作・販売・修理、水力発電事業 出資その他 10社(国内連結子会社計20社) 名称住所資本金又は出資金(百万円)主要な事業の内容議決権の所有割合又は被所有割合(%)関係内容(海外連結子会社) MEIDEN ASIA PTE. LTD. (注)3シンガポール百万S$42社会システム事業100.00ASEAN地域統括会社ASEAN地域事業戦略策定、法務、人事、IT、メンテナンス、技術エンジニアリングサービス、資材、R&Dなど役員 兼任MEIDEN SINGAPORE PTE.LTD. (注)3シンガポール百万S$25電力インフラ事業100.00(100.00)変圧器・配電盤・遮断器の製造・販売、セラミック平幕ユニット組立・販売、エンジニアリング業務役員 兼任THAI MEIDENSHA CO.,LTD.タイ百万TB30社会システム事業75.50(73.50)電気工事、機械工事、エンジニアリング、EPC事業、メンテナンス役員 兼任MEIDEN AMERICA,INC. (注)3米国百万US$20産業電子モビリティ事業100.00ダイナモ製品のシステムエンジニアリング及びアフターサービス、コンポーネント製品の販売役員 兼任明電舎(杭州)電気系統有限公司 (注)3中国百万US$19産業電子モビリティ事業100.00エレベータ用モータ・巻上機・合繊用インバータ・無人搬送車(AGV)の製造・販売役員 兼任TRIDELTA MEIDENSHA GmbHドイツ千€ 78電力インフラ事業100.00電力・電鉄用避雷器及び避雷器用付属品の製造・販売役員 兼任MEIDEN T&D(INDIA) LIMITED (注)3インド百万インドルピー1,161電力インフラ事業100.00(0.01)変圧器の製造・販売及び付帯する関連事業役員 兼任明電舎(杭州)駆動技術有限公司 (注)3中国百万円4,250産業電子モビリティ事業100.00EV用モータ・インバータの製造・販売役員 兼任Vietstar Meiden Corporationベトナム百万ベトナムドン220,000電力インフラ事業69.66(69.66)低電圧・中電圧配電盤の製造・販売役員 兼任その他 10社(海外連結子会社計19社) (注) 1.主要な事業の内容欄には、セグメント情報に記載された名称を記載しております。2.子会社の議決権に対する所有割合欄の下段( )内数値は、間接所有割合で内数であります。3.特定子会社であります。4.㈱明電エンジニアリングにつきましては、売上高(連結会社相互間の内部売上高を除く)の連結売上高に占める割合が10%を超えております。 主要な損益情報等 ①売上高36,362百万円②経常利益6,190〃③当期純利益4,257〃④純資産額9,772〃⑤総資産額29,576〃 |
従業員の状況 | 5 【従業員の状況】 (1) 連結会社の状況(2024年3月31日現在)セグメントの名称従業員数(名)電力インフラ事業2,290社会システム事業2,582産業電子モビリティ事業1,265フィールドエンジニアリング事業1,805不動産事業0その他656全社(共通)1,212合計9,810 (注) 従業員数は就業人員数であります。 (2) 提出会社の状況(2024年3月31日現在)従業員数(名)平均年齢(歳)平均勤続年数(年)平均年間給与(円)3,874(249)43.418.97,351,896 セグメントの名称従業員数(名)電力インフラ事業796(36)社会システム事業1,162 (126)産業電子モビリティ事業688(27)フィールドエンジニアリング事業16(0)不動産事業0(0)全社(共通)1,212(60)合計3,874(249) (注) 1.平均年間給与(税込)には、賞与、時間外勤務手当及び基準外賃金等を含んでおります。2.従業員数は就業人員数(当社から社外への出向者、パート・アルバイト及び休職者を除き、社外から当社への出向者を含む。)であり、嘱託、定年退職後再雇用者は( )内に外数で記載しております。3.全社(共通)として記載されている従業員数は、管理部門に所属しているものであります。 (3) 労働組合の状況2024年3月31日現在、当社グループで労働組合を組織している会社は、当社及び㈱甲府明電舎、明電ケミカル㈱、明電システムソリューション㈱のあわせて4社であり(組合員数4,138名)、これらの会社で明電関連労組協議会を組織しております。なお、労使関係につきましては特に記載すべき事項はありません。 (4)管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異セグメントの名称対象会社管理職に占める女性労働者の割合男性育児 休業等取得率男女の賃金の格差全労働者うち正規雇用労働者うちパート・有期労働者提出会社㈱明電舎5.1%88%69%69%54%電力インフラ事業明電テクノシステムズ㈱0.0%100%82%79%*1イームル工業㈱9.1%100%92%88%39%社会システム事業明電システム製造㈱16.7%*270%78%74%明電プラントシステムズ㈱0.0%100%66%68%52%明電システムソリューション㈱0.0%100%77%78%79%明電アクアビジネス㈱0.0%100%61%83%53%産業電子モビリティ事業㈱甲府明電舎0.0%100%64%80%103%フィールドエンジニアリング事業㈱明電エンジニアリング0.6%100%69%68%85%明電ファシリティサービス㈱0.0%100%92%103%70%その他明電興産㈱37.5%*269%78%43% ※ 対象期間は、2024年3月期(2023年4月1日から2024年3月31日まで)となります。※ 「*1」は、対象となる女性労働者が無いことを示しております。※ 「*2」は、対象となる男性労働者が無いことを示しております。 ※ 管理職に占める女性労働者の割合は、他社への出向者を含み、他社からの出向者を除いて算出しております。 ※ 男性の育児休業等取得率は、2023年4月1日施行の育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則第71条の4第2号に定める方法により算出しております。※ 過年度に配偶者が出産した従業員が、当事業年度に育児休業を取得することがあるため、取得率が100%を超えることがあります。※ 男性の育児休業等取得率は、他社への出向者を除き、他社からの出向者を含んで算出しております。 ※ 男女の賃金の格差=女性の平均年間賃金÷男性の平均年間賃金×100%として算出しております。※ 平均年間賃金は、賞与及び基準外賃金を含んでおります。※ 正規雇用労働者の人員数は、他社への出向者を含み、他社からの出向者を除いております。パート・有期労働者の人員数は、臨時従業員を含んでおります。※ 当社グループの国内従業員における女性従業員比率が低く、また、女性に比べ男性の管理職比率が高いことが男女間賃金格差の主な要因となっております。 なお、同一労働の賃金に差はなく、提出会社の管理職における男女間賃金格差は、96.3%であります。 ※ 女性従業員の継続的な採用と女性管理職の育成は、当社として重要な課題と認識しており、DEI推進に向けた全社横断組織を発足し、各種施策を展開しております。詳細は、第一部 第2 事業の状況 2「サステナビリティに関する考え方及び取組」の「(3)戦略 ②人的資本」に記載しております。 ※ 上記の表には提出会社に加えて、女性活躍推進法に基づき公表が求められている会社のみ記載しており、その他の主要な連結子会社については後記「第一部 第7 提出会社の参考情報 2その他参考情報」に記載しております。 |
経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 | 1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、2023年度(当連結会計年度)末現在において、当社グループが判断したものであります。 (1) 価値創造プロセスと重要課題(マテリアリティ) ●明電グループが目指す方向性当社は「より豊かな未来をひらく」「お客様の安心と喜びのために」を企業理念とし、1897年の創業以来、真摯にものづくりを追求しながら産業の進歩・高度化と社会の持続的な発展に貢献してまいりました。現在、2030年のありたい姿・ビジョンとして「地球・社会・人に対する誠実さと共創力で、新しい社会づくりに挑む~サステナビリティ・パートナー」を掲げております。「中期経営計画2024」において、「サステナビリティ」を戦略の中核に据え、企業理念及びビジョン(下図右上)の実現を目指しております。明電舎らしさを活かせる領域を4つに定め、それぞれの領域において「ニーズや課題の把握」、「機器・システムの提供」、「アフターフォロー」に注力しております。また特定した6つの重要課題(マテリアリティ)を、「価値創造にかかわるマテリアリティ」と「事業基盤にかかわるマテリアリティ」の2つのグループに分け、サステナビリティ経営を推進しております。 ●価値創造にかかわるマテリアリティ (カーボンニュートラルへの貢献、安心・安全・便利な社会の実現、共創によるイノベーション)気候変動、デジタル化の進展、再構築を要するインフラの増加といった社会変化は、当社にとってリスクになると同時に、新たな事業機会をもたらすことから、「価値創造にかかわるマテリアリティ」は、持続的な成長を実現していくうえで対処すべき重要な経営課題であります。当社は、事業活動における環境負荷のさらなる低減を目指し、現在の環境目標を1.5℃シナリオに上方修正するための準備を進めるなど、脱炭素社会の実現に向けて取り組む方針であります。また、社内の脱炭素だけでなく、環境配慮設計の推進、DX、製品のライフサイクル全般をカバーする事業活動などを通じて、社会のサステナビリティに貢献してまいります。2024年3月には、広島県や慶應義塾大学などと共に、水力発電を起点とした価値共創・社会イノベーションの創出等を行う「広島CSV(共有価値の創造)ラボ」を発足させました。産・官・学・民のパートナーとの共創という新たなプロセスを通じて、新しい社会づくりに挑んでまいります。 ●事業基盤にかかわるマテリアリティ (多様な人財がイキイキと成長・活躍できる風土醸成、クオリティの高いものづくり・価値提供、 誠実で責任ある事業運営)事業活動を通じて新たな価値を創造するうえで、事業基盤を強化していくことも重要な経営課題であります。当社では、従業員がやりがい・働きがいを感じられる職場環境の構築、社会インフラを構成する当社が納入した設備を「絶対に止めない」という価値提供、誠実で責任感のある事業運営の土台となるコーポレートガバナンスの強化が重要であると考え、人的資本・品質・コーポレートガバナンスに関する「事業基盤にかかわるマテリアリティ」を設定しております。人的資本に関する取組みでは、役員構成の多様化などを進めるとともに、時代に即した人事制度のあり方の検討などを行っております。品質については、QCDSE(品質・原価・工期・安全・環境)向上を図るべく、品質管理強化の取組みとして「明電ものづくりスタンダード」の展開を進めております。コーポレートガバナンスの強化では、内部統制システムの充実や社外取締役過半数で構成する取締役会の監督機能の更なる強化、実効性向上などに取り組んでおります。 (2) 「中期経営計画2024」 ●現状認識「中期経営計画2024」で想定した事業環境に対して、複数の要素で大きな変化が生じております。社会システム事業セグメントにおいては、部材価格が高騰する以前に受注した案件の売上進行が続いていることや、関連工事の進捗遅れに伴う工程の長期化などを背景に収益性が低下しているほか、産業電子モビリティ事業セグメントでも、中国におけるEV事業の伸び悩みや半導体市況の回復遅れが逆風となっております。一方、電力インフラ事業セグメントでは、各国における電力需要の伸びや再生可能エネルギー投資の拡大、「エコタンク形真空遮断器」をはじめとした環境対応製品のニーズの高まりなどを受け、海外関係会社の業績が改善したほか、国内電力事業でも好調な受注を背景に稼ぐ力が向上しており、当社の収益基盤としての地位を確立しつつあります。当社を取り巻くこれらの事業環境の下、当連結会計年度は受注高、売上高及び営業利益いずれも過去最高を達成しました。上表にあるとおり、「中期経営計画2024」で掲げていた目標値には届かないものの、2024年度は売上高と営業利益共に過去最高を更新する想定であります。 ●最終年度の課題2024年5月10日発表の業績予想のとおり、営業利益150億円を実現し、次期中期経営計画における業容の更なる拡大に繋げていくために、対処すべき課題は2つあります。第1に「円滑な生産活動の実現」です。受注残は過去最高水準にまで積み上がっており、これを収益に繋げるためには、品質を担保しつつ生産の効率化を追求し、お客様の元へ着実に納品していくことが重要であると認識しております。建設・物流業界などにおける2024年問題による影響も懸念されますが、生産設備への投資の加速やプロジェクト管理業務のデジタル化推進などを通じた生産性の向上により、対処していく考えであります。第2に「インフレや金利に打ち勝つ事業体制の構築」です。昨今の世界的な物価・賃金上昇等に対して、調達面での創意工夫や機動的な価格転嫁とあわせて、価格競争に巻き込まれない高付加価値製品・サービスの開発に注力してまいります。同時に、営業活動においては、ABM(アカウントベースドマーケティング)戦略などにも取り組んでまいります。 (3) 資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応 -PBR(株価純資産倍率=企業価値)向上に向けた取組み-企業価値向上は最大の経営課題の1つであり、当社ではPBR向上に向けた取組みとして、「ROE(自己資本利益率)向上」及び「PER(株価収益率)向上」の2つに分けて、次のとおり方針を掲げ、実行しております。 ●ROE向上の取組み当社は、「収益力強化・投資効率の向上」と「資本構成の最適化」を通じてROE向上に取り組んでおります。収益力強化では、お客様に対する提案力の強化やものづくりにおける効率の徹底的な追求を通じた営業利益率の向上や在庫の適正化などによるキャッシュコンバージョンサイクル(CCC)改善に取り組んでおります。また、投資効率の向上においては、投資に求める収益率を適切に設定するとともに、特に金額の大きい投資については、その採算性や各種リスクを常務会等の業務執行会議体において十分に審議し、取締役会の決議を経たうえで実行しております。また、過去に実施したM&A投資のトレースなども定期的に行う仕組みを導入しております。資本構成の最適化については営業キャッシュ・フローに加え、資産の圧縮・売却に伴い生まれるキャッシュを原資として、成長に向けた投資と株主還元をバランス良く実施することを基本的な考え方としております。成長投資を通じて当期純利益を増大させつつ、配当性向30%を方針とし、安定かつ継続的に配当を実施してまいります。 ●PER向上の取組みPER向上に向けて、「期待成長率の向上」と「非財務価値の向上」に取り組んでおります。「期待成長率の向上」では、投資を通じて事業を拡大し、キャッシュ創出力を高め、生み出されたキャッシュを再投資することで更なる成長を促すという企業価値向上のサイクルを進化させてまいります。次期中期経営計画では、資本コストを十分に意識しつつ、旺盛なインフラ需要に応えるための国内拠点への投資や、本格的な半導体市況の回復に備えた能力増強などの検討を進めてまいります。そして、それらの投資計画からの速やかな収益貢献の実現と、サステナビリティ経営と一体化した成長戦略の着実な実行を目指すとともに、当社グループの強みと社会のニーズが合致する新領域における事業開発にも注力してまいります。「非財務価値の向上」では、持続可能な経営基盤の構築とステークホルダーエンゲージメントの向上に取り組んでおります。非財務価値は、当社の競争力構築の源泉であると認識しており、特に人的資本はその中でも最大かつ最重要の資源であります。優れた人財を確保しつつ、従業員エンゲージメントを向上させ、かつ企業パフォーマンスを最大化するための人事制度の見直しや研修制度の高度化などを通じ、人的資本の拡充を進めております。また、内部統制システムの充実や取締役会の実効性向上などを通じたコーポレートガバナンス強化を図っているほか、ステークホルダーエンゲージメントの向上に向けて、IR活動における開示情報や社外の意見を経営に取り込む仕組みの拡充に取り組んでおります。 「中期経営計画2024」の最終年度となる2024年度は、開示している数値目標及び各種KPIの実現に注力するとともに、次期中期経営計画に向けた検討も進めてまいります。今後の戦略策定においても、PBR向上をベンチマークの一つとして意識しつつ取り組みを進め、持続的な企業価値向上に努めてまいります。 |
サステナビリティに関する考え方及び取組 | 2 【サステナビリティに関する考え方及び取組】 当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組みは、次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、2023年度(当連結会計年度)末現在において、当社グループが判断したものであります。 (1) ガバナンス当社グループでは、持続可能性の観点から企業価値を向上させるため、サステナビリティ推進体制を強化しており、代表取締役 執行役員社長がサステナビリティ課題に関する経営判断の最終責任を有しております。2022年度より、経営判断を行う場と進捗把握を行う場を切り離す目的で、サステナビリティ経営戦略会議とサステナビリティ経営推進会議の2階構造に体制を見直しております。同会議体での議論内容については、常務会・取締役会へ年2回、定期的に報告しております。 ~両会議体における議題(2023年度)~ 回数議題サステナビリティ経営戦略会議第1回中期環境目標見直し人的資本経営の進捗第2回中期環境目標見直しサステナビリティ経営推進会議第1回2022年度振り返り、2023年度活動方針第2回人的資本経営・企業文化改革・人権の進捗第3回環境・人的資本・企業文化改革の進捗 (2) リスク管理当社グループにおいて、全社的なリスク管理は、リスクマネジメント委員会にて行っております。サステナビリティ全体に関するリスク管理については、サステナビリティ経営を推進するサステナビリティ推進部が中心となり関連部門と共にリスクの抽出を行っており、その内容については全社リスクの中に織り込んで、様々なリスクと共にマネジメントしております。リスク管理の詳細については、「第一部 第2 3 事業等のリスク」をご参照ください。 (3) 戦略当社グループは、持続可能な社会の実現と持続的な成長を目指し、2030年のありたい姿・ビジョンとして「地球・社会・人に対する誠実さと共創力で、新しい社会づくりに挑む 〜サステナビリティ・パートナー〜」を掲げております。目指したい3つの社会の実現及び当社グループの持続的な成長を目指し、当社らしさを活かせる4つの事業領域を設定したうえで、価値創造プロセスを整理し、特に対処すべきマテリアリティ(重要課題)を6つ設定しております。マテリアリティの抽出については、経営企画本部が中心となり各事業グループや横断部門と意見交換を行ったうえ、サステナビリティ経営戦略会議・常務会・取締役会での議論を経て決定しております。 2030年のありたい姿・ビジョン、マテリアリティについては、「第一部 第2 1経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」の「 (1) 価値創造プロセスと重要課題(マテリアリティ)」をご参照ください。 当社グループにおけるマテリアリティのうち、①気候変動への対応、②人的資本は、特に企業経営に影響を与えると考えており、それぞれの項目にかかる当社グループの考え方及び取組みは、次のとおりであります。 ①気候変動への対応 <TCFD提言に基づく開示>当社グループは長年、気候変動問題を重要課題として認識し、事業を通じて問題解決に取り組んでまいりました。2019年6月にTCFD提言への賛同を表明し、2020年よりTCFDのフレームワークに沿ったリスク・機会の検討を開始して、戦略への織り込みを進めております。 <ガバナンス>前述のとおり、サステナビリティ全般について扱うサステナビリティ経営戦略会議及びサステナビリティ経営推進会議にて、脱炭素に向けた戦略策定などを検討しております。議論の内容については年2回サステナビリティ担当役員・サステナビリティ推進部より取締役会及び常務会へ報告を行っております。これと並行して、生産統括役員が委員長を務める「明電グループ環境委員会」にて、工場を中心とした生産現場の環境取組みについて、四半期ごとに社内課題の抽出や環境目標や実施計画、緊急事態発生時の対応等を審議し、環境経営の具体的な施策展開を推進・モニタリングしております。 <リスク管理>前述のとおり、サステナビリティ全体に関するリスク管理については、サステナビリティ経営を推進するサステナビリティ推進部が中心となり関連部門と共にリスクの抽出を行っており、その内容についてはガバナンス本部が管理する全社リスクの中に織り込んで、様々なリスクと共にマネジメントしております。気候変動に関するリスクについてもその中に含まれております。 <戦略>気候変動に対するシナリオ分析は、サステナビリティ推進部が関連部門と連携し、シナリオ分析の検討プロセスを4つに分けて、年次で分析・評価をしております。同時に事業に影響を及ぼす重要な要因を選定し、特定したリスクと機会、評価を事業戦略に反映しております。 ■STEP1 シナリオ群の選択・具体化TCFDが推奨するように、2℃シナリオ以下を含む複数の温度帯シナリオを選択し、分析を行っております。脱炭素シナリオ(RCP1.9)及び温暖化シナリオ(RCP4.5, RCP8.5)の2つのシナリオに基づき、IEAやIPCCなどの国際公表データや日本の政府機関が公表している数値データなどを用いつつ、5フォース分析などの経営フレームワークも活用し、各シナリオにおける2030年の世界観や具体的なシナリオを整理しております。 ■STEP2 気候変動関連リスクに対する重要度評価TCFD提言で例示されているリスク・機会を参考にしつつ、各シナリオの世界観をもとに、気候変動に伴うリスク・機会の因子を整理しております。そのうえで当社にとっての機会・リスクを明確化しております。 ■STEP3 事業インパクト評価STEP1で整理したシナリオ別の世界観及び、STEP2で整理した機会・リスク項目を踏まえ、経営企画本部、経理・財務本部、ガバナンス本部、事業部門などの社内関係者で議論し、事業インパクトの評価を実施しております。その過程で2030年における「営業利益へのインパクト」、「事業発生の蓋然性」の2軸から特に事業への影響が大きい項目をスクリーニングし、それらの項目について詳細分析を実施しております。影響が大きい各項目は、シナリオ別に市場成長率などをもとに「成行値(対策織り込み前の値)」を把握しました。一部仮定を置きながら定量的に試算し、計算が不可能な項目については定性的に整理しております。 ■STEP4 対応策の検討STEP3で算出した「成行値」をもとに、当社の置かれた状況を踏まえ、機会を掴む戦略、リスクを軽減するための施策を検討してまいりました。 <指標と目標>当社グループは、気候変動に伴う変化を事業機会として捉えた戦略を展開しております。事業面では、特にEV事業、再生可能エネルギー事業をより拡大し、脱炭素社会の構築に貢献してまいります。また社内のリスク低減のために、環境目標の中間段階である2030年度の温室効果ガス排出削減目標を上方修正した、第二次明電環境ビジョンを2021年度に発表しScope1,2及び3のGHG削減目標を開示しております。なお、本目標はSBT(Science Based Targets)イニシアチブの認証を取得しております。目標達成に向け、サプライヤと連携を図り、取り組んでまいります。加えて2021年11月に中長期目標として、2040年RE100、2050年カーボンニュートラル達成を宣言しております。現在、環境目標の上方修正(1.5℃シナリオ水準)の検討を行っており、近日中に公表を予定しております。 ~2030年までの削減計画内訳~ ②人的資本<人的資本に関する基本的な考え方>当社グループは、前述のマテリアリティの認識のもと、それらへの対応の遅れは企業運営や事業継続に関わる重要リスクとなるため、人財を価値創造の源泉である人的資本として捉え、強化に取り組んでおります。 <課題認識/従業員意識調査の結果>当社グループは、従業員エンゲージメントの向上に向け、従業員エンゲージメント指標(eNPS)をKPIとして設定し、毎年実施している従業員意識調査結果に起因する要因を分析することで、現状の課題を把握し施策の実行に繋げております。 2022年度に実施した従業員意識調査においては、組織の柔軟性や達成・挑戦志向を示す「風土」カテゴリ、評価制度や報酬制度を示す「各種制度」カテゴリ、人財育成や採用・配置を示す「人財活用」カテゴリの肯定率が前年度比1%以上マイナスとなる結果となりました。 特に「風土」カテゴリでは、オープンな風土・コミュニケーション・エンゲージメントの項目の数値が低下し、達成・挑戦志向も他社平均と比較して大きく下回る結果となりました。また、「各種制度」カテゴリでは昇格制度・人財育成制度等のすべての項目において低下、「人財活用」カテゴリでは人財育成において低下がみられました。 ◆従業員エンゲージメントの影響要因カテゴリ影響要因ビジョン理念・ビジョン、戦略の浸透など風土オープンな風土、コミュニケーション、達成・挑戦志向、エンゲージメント(会社の未来への 希望)など労働環境生産性、ワークライフバランスなど各種制度評価・報酬・昇格・人財育成制度など人財活用エンパワメント(仕事へのやりがい)、人財採用・配置など ◆従業員意識調査の結果※eNPSの単位を%とし、記載しております。 また、eNPSの対象は、提出会社と㈱明電エンジニアリングです。 <求める人財像の定義と各種取組みの展開>急速に変化する時代の中で、その変化に対応し、価値提供のあり方を見直しながら世の中が抱える課題を解決していくためには、主体的に新しい社会づくりに取り組み、新たな価値を創造し続けることのできる人財が必要不可欠であります。求める人財像を「自ら考え、自ら行動できる(考動)、多様な個を受け入れ、新しい価値を生み出すことができる(共動)、そして個とチームが共に育成・成長し合える(共育)人財」と定義し、これに基づく人財を獲得・育成していくための取組みを推進しております。 具体的には、各々の能力(A)とモチベーション(M)を高め、全ての従業員が活躍できる機会・環境を整備する(O)ことで企業パフォーマンスを最大化するAMOフレームワークを当社グループにおける人的資本強化の考え方のベースとして、「経営課題を解決する人財の獲得・育成」、「個を尊重した組織への転換」を軸に各種取組みを推進しております。 ◆経営課題を解決する人財の獲得・育成当社グループの目指す姿の実現には、多様な経営課題を解決できる人財の獲得・育成が必要不可欠であります。従業員の多様な能力(Ability)を高めるため、以下のような取組みを進めております。 ⅰ 採用多様化する社会課題や経営課題の解決に必要な人財の獲得を目指した採用活動を進めております。各事業における現状課題や労務構成の歪みなどを踏まえ、その解決に資する多様な技術・技能を持つ人財の獲得を重視し、新卒採用と併せて積極的なキャリア採用を進めております。また、並行してリスキリング・学び直しによる社内の人財活用も進めております。 ⅱ 人財育成● 職種別スキルの整理と公開自ら考え行動できる、自律性をもった人財の育成を目指し、自らが目指すキャリアの実現に向けた学びや組織間連携を促進するため、職種ごとに必要なスキルマップを整理・公開しました。スキルマップを活用して自身に足りていないスキルを発見し、自発的な学びに繋げられる取組みを進めております。 ● ICT教育DXの実現には、全従業員のICTリテラシー向上が必要との考えから、新入社員向けに、事務系・技術系問わず、ドローン等の実機を用いたICT技術に直接触れる機会を設け、2023年度より全社員向けに、ITパスポートの資格取得支援としてe-Learningを導入し、強化を図っております。 ● 社内インターンシップ制度新設2023年10月より、若手従業員を対象とした社内インターンシップ制度を新設し、自発的に他部門の業務を体験できる取組みを開始しました。新しい体験や人財交流を通じた視野の拡大、新たな知見の習得を図ると共に、個人のキャリアや適性を考える機会を提供しております。2024年度は対象者の範囲を広げ、更なる活性化を図ってまいります。 ● 外国人幹部育成多様な人財による価値創造を強化するため、海外現地法人におけるナショナルスタッフの幹部登用は必要不可欠であるとの考えから、各社の統括役員による定期的な幹部候補者面談を行い、経営マインドの醸成を実施しております。併せて、コーチングプログラムを展開し、幹部候補者のマネジメント能力の向上も図っております。また、一部の海外現地法人において、ナショナルスタッフの幹部候補へのキャリアパスを構築・明示しました。2024年度以降、他の海外現地法人へも同様に展開する計画であります。 <個を尊重した組織への転換>従業員のウェルビーイングを向上させ、当社グループの中長期的な価値創造に繋げていくためには、「個を尊重した組織への転換」が必要不可欠であります。従業員の能力を高めるだけでなく、働くモチベーションを高め、多様なバックグラウンドを持つ従業員が活躍できる機会や環境を整備することで、従業員それぞれが「個の力」を最大限に発揮でき、組織パフォーマンスの最大化に繋がると考えております。 ⅰ 従業員のモチベーション(Motivation)向上● 各種制度見直し2022年4月に労使制度検討委員会を立ち上げ、「人事処遇制度」と「福利厚生制度」の見直しについて検討を重ねております。2024年4月には役割に応じた適正な処遇を目的に「役職人事処遇制度」を一部見直すとともに、適所適材を実現するために優秀な人財を早期に登用・抜擢できるよう「昇格制度」を見直しました。2024年度は「一般職人事処遇制度」の改定に向け検討を進めております。 ● エンゲージメント・やりがいの向上、オープンかつ未来志向な社内文化づくり従業員のエンゲージメント・やりがいの向上を目的に、「Myビジョン」「Myチャレンジ」の取組みを進めております。また、オープンかつ未来志向な社内文化に変革していくために、2022年度から、経営層と従業員の双方向で「Myビジョン」「Myチャレンジ」について対話をする場「明電みらいミーティング」、2023年度から、「社長タウンホールミーティング」の取組みを開始しております。「社長タウンホールミーティング」では、新しい社会づくり・時代にあった価値を提供できる企業、一人ひとりの従業員を大切にする企業であり続けるために、社長自らが一連の取組みの打ち出しと「Myビジョン」を語り、より人を大切にする経営を推進していく覚悟を示しました。また「明電みらいミーティング」では、部門毎に各担当役員が自らの「Myビジョン」を語り、部門の従業員と対話をすることにより、自分の思いをもって挑戦することが当たり前という空気の醸成を進めております。 ● キャリアデザイン2023年1月に相談窓口を開設以降、約40名の従業員が利用しております。20代から60代までの幅広い年代、様々な職種や勤務地で働いている当社グループ従業員から、キャリアやライフプランの立案支援、転機、キャリアアップ、スキルアップ、社内制度に関する相談など、多岐にわたる相談が寄せられております。多様化する価値観の中、キャリア意識も受動型から自律型に変化してきており、従業員一人ひとりが自分の力をさらに発揮し活躍できる支援を強化しております。 ⅱ すべての従業員が活躍できる機会(Opportunity)の創出● 誰もが活躍できる組織と意識の変革(DEI推進)2023年4月、ダイバーシティ推進室をDEI(ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン)推進室と名称変更し、「D(誰もが)、E(遠慮しないさせない環境の下)、I(イキイキと)」個々の力を発揮し、活躍する組織作りと風土醸成に取り組んでおります。2023年度は、DEI全般に関する方針・施策の決定及び推進強化のため、社長を委員長とした伴走機関「DEIコミッティ」を設立しました。また、ボトムアップによるDEIの自分事化を図るため、DEI浸透のための啓発ツールの構築や、社内コミュニケーション活性化及び心理的安全性を体現する場として、ランチタイムを活用した「DEI MeetUP!」を実行し、600名を超える従業員が参加しました。 ● 多様な人財が活躍できる環境づくり女性従業員の更なる活躍に向け、女性管理職比率目標値(2030年度12%)を設定し、目標達成に向けた施策を実行しております。・若手・中堅クラス向け:2022年度より開始したサポーター役員制度により、役員のサポートやディスカッションを通して、対象者のマインド向上、行動変革を図っております。また、対象者の所属部門と連携し、能力を引き上げるためのサポートや配置転換等の育成計画を策定・実行できる仕組みづくりを推進しております。・管理職クラス向け:外部機関におけるトップマネジメント研修を実施し、実力とスキルアップに向けた教育を実施しております。また、障がい者雇用、男性育児休暇取得促進、性的マイノリティであるLGBTQへの理解促進活動を実施しております。 ● 新たな挑戦を応援する風土醸成従業員一人ひとりの思いを尊重し、組織として新しいことへの挑戦を応援する風土づくりの一環として、2022年度よりアイデアコンテスト「MEIANチャレンジ」を開催しております。2023年度は、「カーボンニュートラル」と「ウェルビーイング」に関連するアイデアを募集し、最終発表会では240名を超える従業員が参加しました。部門の垣根を越え、共通の興味を持った従業員同士がチームとなり、自らが「実現したい未来」をイメージしながらアイデアを具現化しております。本活動は、従業員同士のつながり力や、自らがやってみたいと思うチャレンジ精神の醸成にも繋がっております。 <従業員の安全意識向上と健康経営の促進>● 安全に関する取組み従業員一人ひとりの危険感受性を向上させ、自身の働く職場の危険を正確に把握・理解し、対策するために、安全体感車を活用し、国内の各製造拠点にて安全体感教育(VR含む)を展開しております。また、労災風化防止のために、過去の労災の事実を従業員に伝え、二度と同じ労災を繰り返してはならないと心に刻み、語り合う場として安全伝承館を設立しました。 ● 健康経営の促進「健康は、なにものにも代え難い財産」という思いのもと、「健康経営戦略マップ」を作成し、計画的に健康経営を推進しております。また、メンタルヘルス教育、ストレスチェック、相談窓口設置など、「心の健康づくり」も強化しております。2023年度はストレスチェック結果を有効活用するため、部門長や個人に対し、結果の見方・活用方法について改めて教育を実施しました。 <指標と目標>以上の取組みを踏まえ、当社グループでは以下の項目について目標値を設定しております。2024年度も目標達成に向け、各種施策を実行してまいります。なお、以下のNo.1からNo.3の値は提出会社の数値、No.6の値は提出会社と㈱明電エンジニアリングの数値を記載しております。海外を含めた連結子会社についても多様性を推進し、求める人財の獲得・育成及び環境整備に取り組んでまいります。 No指標目標値2023年度実績1管理職に占める女性労働者の割合2030年度 12%5.1%(提出会社)2男性労働者の育児休業取得率2025年度 100%88%(提出会社)3労働者の男女の賃金差異-69%(提出会社全従業員※)4女性役員クラス(プロパー)2024年度 1名以上2030年度 3名以上(うち執行役員1名以上)1名5外国人 現地法人社長2024年度 3名以上2030年度 5名以上(うち執行役員1名以上)1名6eNPS(従業員向けNPS®)(2021年度比)2024年度 10%改善(-63.6%→-53.6%)2.6%悪化 ※ 同一労働の賃金に差はなく、提出会社の正社員のうち管理職における男女賃金格差は96.3%です。 (4)指標・目標以上の内容を踏まえ、当社グループでは「中期経営計画2024」にて非財務指標の目標を設定しております。項目・目標値・実績については以上に記載したとおりです。 |
戦略 | (3) 戦略当社グループは、持続可能な社会の実現と持続的な成長を目指し、2030年のありたい姿・ビジョンとして「地球・社会・人に対する誠実さと共創力で、新しい社会づくりに挑む 〜サステナビリティ・パートナー〜」を掲げております。目指したい3つの社会の実現及び当社グループの持続的な成長を目指し、当社らしさを活かせる4つの事業領域を設定したうえで、価値創造プロセスを整理し、特に対処すべきマテリアリティ(重要課題)を6つ設定しております。マテリアリティの抽出については、経営企画本部が中心となり各事業グループや横断部門と意見交換を行ったうえ、サステナビリティ経営戦略会議・常務会・取締役会での議論を経て決定しております。 2030年のありたい姿・ビジョン、マテリアリティについては、「第一部 第2 1経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」の「 (1) 価値創造プロセスと重要課題(マテリアリティ)」をご参照ください。 当社グループにおけるマテリアリティのうち、①気候変動への対応、②人的資本は、特に企業経営に影響を与えると考えており、それぞれの項目にかかる当社グループの考え方及び取組みは、次のとおりであります。 ①気候変動への対応 <TCFD提言に基づく開示>当社グループは長年、気候変動問題を重要課題として認識し、事業を通じて問題解決に取り組んでまいりました。2019年6月にTCFD提言への賛同を表明し、2020年よりTCFDのフレームワークに沿ったリスク・機会の検討を開始して、戦略への織り込みを進めております。 <ガバナンス>前述のとおり、サステナビリティ全般について扱うサステナビリティ経営戦略会議及びサステナビリティ経営推進会議にて、脱炭素に向けた戦略策定などを検討しております。議論の内容については年2回サステナビリティ担当役員・サステナビリティ推進部より取締役会及び常務会へ報告を行っております。これと並行して、生産統括役員が委員長を務める「明電グループ環境委員会」にて、工場を中心とした生産現場の環境取組みについて、四半期ごとに社内課題の抽出や環境目標や実施計画、緊急事態発生時の対応等を審議し、環境経営の具体的な施策展開を推進・モニタリングしております。 <リスク管理>前述のとおり、サステナビリティ全体に関するリスク管理については、サステナビリティ経営を推進するサステナビリティ推進部が中心となり関連部門と共にリスクの抽出を行っており、その内容についてはガバナンス本部が管理する全社リスクの中に織り込んで、様々なリスクと共にマネジメントしております。気候変動に関するリスクについてもその中に含まれております。 <戦略>気候変動に対するシナリオ分析は、サステナビリティ推進部が関連部門と連携し、シナリオ分析の検討プロセスを4つに分けて、年次で分析・評価をしております。同時に事業に影響を及ぼす重要な要因を選定し、特定したリスクと機会、評価を事業戦略に反映しております。 ■STEP1 シナリオ群の選択・具体化TCFDが推奨するように、2℃シナリオ以下を含む複数の温度帯シナリオを選択し、分析を行っております。脱炭素シナリオ(RCP1.9)及び温暖化シナリオ(RCP4.5, RCP8.5)の2つのシナリオに基づき、IEAやIPCCなどの国際公表データや日本の政府機関が公表している数値データなどを用いつつ、5フォース分析などの経営フレームワークも活用し、各シナリオにおける2030年の世界観や具体的なシナリオを整理しております。 ■STEP2 気候変動関連リスクに対する重要度評価TCFD提言で例示されているリスク・機会を参考にしつつ、各シナリオの世界観をもとに、気候変動に伴うリスク・機会の因子を整理しております。そのうえで当社にとっての機会・リスクを明確化しております。 ■STEP3 事業インパクト評価STEP1で整理したシナリオ別の世界観及び、STEP2で整理した機会・リスク項目を踏まえ、経営企画本部、経理・財務本部、ガバナンス本部、事業部門などの社内関係者で議論し、事業インパクトの評価を実施しております。その過程で2030年における「営業利益へのインパクト」、「事業発生の蓋然性」の2軸から特に事業への影響が大きい項目をスクリーニングし、それらの項目について詳細分析を実施しております。影響が大きい各項目は、シナリオ別に市場成長率などをもとに「成行値(対策織り込み前の値)」を把握しました。一部仮定を置きながら定量的に試算し、計算が不可能な項目については定性的に整理しております。 ■STEP4 対応策の検討STEP3で算出した「成行値」をもとに、当社の置かれた状況を踏まえ、機会を掴む戦略、リスクを軽減するための施策を検討してまいりました。 <指標と目標>当社グループは、気候変動に伴う変化を事業機会として捉えた戦略を展開しております。事業面では、特にEV事業、再生可能エネルギー事業をより拡大し、脱炭素社会の構築に貢献してまいります。また社内のリスク低減のために、環境目標の中間段階である2030年度の温室効果ガス排出削減目標を上方修正した、第二次明電環境ビジョンを2021年度に発表しScope1,2及び3のGHG削減目標を開示しております。なお、本目標はSBT(Science Based Targets)イニシアチブの認証を取得しております。目標達成に向け、サプライヤと連携を図り、取り組んでまいります。加えて2021年11月に中長期目標として、2040年RE100、2050年カーボンニュートラル達成を宣言しております。現在、環境目標の上方修正(1.5℃シナリオ水準)の検討を行っており、近日中に公表を予定しております。 ~2030年までの削減計画内訳~ ②人的資本<人的資本に関する基本的な考え方>当社グループは、前述のマテリアリティの認識のもと、それらへの対応の遅れは企業運営や事業継続に関わる重要リスクとなるため、人財を価値創造の源泉である人的資本として捉え、強化に取り組んでおります。 <課題認識/従業員意識調査の結果>当社グループは、従業員エンゲージメントの向上に向け、従業員エンゲージメント指標(eNPS)をKPIとして設定し、毎年実施している従業員意識調査結果に起因する要因を分析することで、現状の課題を把握し施策の実行に繋げております。 2022年度に実施した従業員意識調査においては、組織の柔軟性や達成・挑戦志向を示す「風土」カテゴリ、評価制度や報酬制度を示す「各種制度」カテゴリ、人財育成や採用・配置を示す「人財活用」カテゴリの肯定率が前年度比1%以上マイナスとなる結果となりました。 特に「風土」カテゴリでは、オープンな風土・コミュニケーション・エンゲージメントの項目の数値が低下し、達成・挑戦志向も他社平均と比較して大きく下回る結果となりました。また、「各種制度」カテゴリでは昇格制度・人財育成制度等のすべての項目において低下、「人財活用」カテゴリでは人財育成において低下がみられました。 ◆従業員エンゲージメントの影響要因カテゴリ影響要因ビジョン理念・ビジョン、戦略の浸透など風土オープンな風土、コミュニケーション、達成・挑戦志向、エンゲージメント(会社の未来への 希望)など労働環境生産性、ワークライフバランスなど各種制度評価・報酬・昇格・人財育成制度など人財活用エンパワメント(仕事へのやりがい)、人財採用・配置など ◆従業員意識調査の結果※eNPSの単位を%とし、記載しております。 また、eNPSの対象は、提出会社と㈱明電エンジニアリングです。 <求める人財像の定義と各種取組みの展開>急速に変化する時代の中で、その変化に対応し、価値提供のあり方を見直しながら世の中が抱える課題を解決していくためには、主体的に新しい社会づくりに取り組み、新たな価値を創造し続けることのできる人財が必要不可欠であります。求める人財像を「自ら考え、自ら行動できる(考動)、多様な個を受け入れ、新しい価値を生み出すことができる(共動)、そして個とチームが共に育成・成長し合える(共育)人財」と定義し、これに基づく人財を獲得・育成していくための取組みを推進しております。 具体的には、各々の能力(A)とモチベーション(M)を高め、全ての従業員が活躍できる機会・環境を整備する(O)ことで企業パフォーマンスを最大化するAMOフレームワークを当社グループにおける人的資本強化の考え方のベースとして、「経営課題を解決する人財の獲得・育成」、「個を尊重した組織への転換」を軸に各種取組みを推進しております。 ◆経営課題を解決する人財の獲得・育成当社グループの目指す姿の実現には、多様な経営課題を解決できる人財の獲得・育成が必要不可欠であります。従業員の多様な能力(Ability)を高めるため、以下のような取組みを進めております。 ⅰ 採用多様化する社会課題や経営課題の解決に必要な人財の獲得を目指した採用活動を進めております。各事業における現状課題や労務構成の歪みなどを踏まえ、その解決に資する多様な技術・技能を持つ人財の獲得を重視し、新卒採用と併せて積極的なキャリア採用を進めております。また、並行してリスキリング・学び直しによる社内の人財活用も進めております。 ⅱ 人財育成● 職種別スキルの整理と公開自ら考え行動できる、自律性をもった人財の育成を目指し、自らが目指すキャリアの実現に向けた学びや組織間連携を促進するため、職種ごとに必要なスキルマップを整理・公開しました。スキルマップを活用して自身に足りていないスキルを発見し、自発的な学びに繋げられる取組みを進めております。 ● ICT教育DXの実現には、全従業員のICTリテラシー向上が必要との考えから、新入社員向けに、事務系・技術系問わず、ドローン等の実機を用いたICT技術に直接触れる機会を設け、2023年度より全社員向けに、ITパスポートの資格取得支援としてe-Learningを導入し、強化を図っております。 ● 社内インターンシップ制度新設2023年10月より、若手従業員を対象とした社内インターンシップ制度を新設し、自発的に他部門の業務を体験できる取組みを開始しました。新しい体験や人財交流を通じた視野の拡大、新たな知見の習得を図ると共に、個人のキャリアや適性を考える機会を提供しております。2024年度は対象者の範囲を広げ、更なる活性化を図ってまいります。 ● 外国人幹部育成多様な人財による価値創造を強化するため、海外現地法人におけるナショナルスタッフの幹部登用は必要不可欠であるとの考えから、各社の統括役員による定期的な幹部候補者面談を行い、経営マインドの醸成を実施しております。併せて、コーチングプログラムを展開し、幹部候補者のマネジメント能力の向上も図っております。また、一部の海外現地法人において、ナショナルスタッフの幹部候補へのキャリアパスを構築・明示しました。2024年度以降、他の海外現地法人へも同様に展開する計画であります。 <個を尊重した組織への転換>従業員のウェルビーイングを向上させ、当社グループの中長期的な価値創造に繋げていくためには、「個を尊重した組織への転換」が必要不可欠であります。従業員の能力を高めるだけでなく、働くモチベーションを高め、多様なバックグラウンドを持つ従業員が活躍できる機会や環境を整備することで、従業員それぞれが「個の力」を最大限に発揮でき、組織パフォーマンスの最大化に繋がると考えております。 ⅰ 従業員のモチベーション(Motivation)向上● 各種制度見直し2022年4月に労使制度検討委員会を立ち上げ、「人事処遇制度」と「福利厚生制度」の見直しについて検討を重ねております。2024年4月には役割に応じた適正な処遇を目的に「役職人事処遇制度」を一部見直すとともに、適所適材を実現するために優秀な人財を早期に登用・抜擢できるよう「昇格制度」を見直しました。2024年度は「一般職人事処遇制度」の改定に向け検討を進めております。 ● エンゲージメント・やりがいの向上、オープンかつ未来志向な社内文化づくり従業員のエンゲージメント・やりがいの向上を目的に、「Myビジョン」「Myチャレンジ」の取組みを進めております。また、オープンかつ未来志向な社内文化に変革していくために、2022年度から、経営層と従業員の双方向で「Myビジョン」「Myチャレンジ」について対話をする場「明電みらいミーティング」、2023年度から、「社長タウンホールミーティング」の取組みを開始しております。「社長タウンホールミーティング」では、新しい社会づくり・時代にあった価値を提供できる企業、一人ひとりの従業員を大切にする企業であり続けるために、社長自らが一連の取組みの打ち出しと「Myビジョン」を語り、より人を大切にする経営を推進していく覚悟を示しました。また「明電みらいミーティング」では、部門毎に各担当役員が自らの「Myビジョン」を語り、部門の従業員と対話をすることにより、自分の思いをもって挑戦することが当たり前という空気の醸成を進めております。 ● キャリアデザイン2023年1月に相談窓口を開設以降、約40名の従業員が利用しております。20代から60代までの幅広い年代、様々な職種や勤務地で働いている当社グループ従業員から、キャリアやライフプランの立案支援、転機、キャリアアップ、スキルアップ、社内制度に関する相談など、多岐にわたる相談が寄せられております。多様化する価値観の中、キャリア意識も受動型から自律型に変化してきており、従業員一人ひとりが自分の力をさらに発揮し活躍できる支援を強化しております。 ⅱ すべての従業員が活躍できる機会(Opportunity)の創出● 誰もが活躍できる組織と意識の変革(DEI推進)2023年4月、ダイバーシティ推進室をDEI(ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン)推進室と名称変更し、「D(誰もが)、E(遠慮しないさせない環境の下)、I(イキイキと)」個々の力を発揮し、活躍する組織作りと風土醸成に取り組んでおります。2023年度は、DEI全般に関する方針・施策の決定及び推進強化のため、社長を委員長とした伴走機関「DEIコミッティ」を設立しました。また、ボトムアップによるDEIの自分事化を図るため、DEI浸透のための啓発ツールの構築や、社内コミュニケーション活性化及び心理的安全性を体現する場として、ランチタイムを活用した「DEI MeetUP!」を実行し、600名を超える従業員が参加しました。 ● 多様な人財が活躍できる環境づくり女性従業員の更なる活躍に向け、女性管理職比率目標値(2030年度12%)を設定し、目標達成に向けた施策を実行しております。・若手・中堅クラス向け:2022年度より開始したサポーター役員制度により、役員のサポートやディスカッションを通して、対象者のマインド向上、行動変革を図っております。また、対象者の所属部門と連携し、能力を引き上げるためのサポートや配置転換等の育成計画を策定・実行できる仕組みづくりを推進しております。・管理職クラス向け:外部機関におけるトップマネジメント研修を実施し、実力とスキルアップに向けた教育を実施しております。また、障がい者雇用、男性育児休暇取得促進、性的マイノリティであるLGBTQへの理解促進活動を実施しております。 ● 新たな挑戦を応援する風土醸成従業員一人ひとりの思いを尊重し、組織として新しいことへの挑戦を応援する風土づくりの一環として、2022年度よりアイデアコンテスト「MEIANチャレンジ」を開催しております。2023年度は、「カーボンニュートラル」と「ウェルビーイング」に関連するアイデアを募集し、最終発表会では240名を超える従業員が参加しました。部門の垣根を越え、共通の興味を持った従業員同士がチームとなり、自らが「実現したい未来」をイメージしながらアイデアを具現化しております。本活動は、従業員同士のつながり力や、自らがやってみたいと思うチャレンジ精神の醸成にも繋がっております。 <従業員の安全意識向上と健康経営の促進>● 安全に関する取組み従業員一人ひとりの危険感受性を向上させ、自身の働く職場の危険を正確に把握・理解し、対策するために、安全体感車を活用し、国内の各製造拠点にて安全体感教育(VR含む)を展開しております。また、労災風化防止のために、過去の労災の事実を従業員に伝え、二度と同じ労災を繰り返してはならないと心に刻み、語り合う場として安全伝承館を設立しました。 ● 健康経営の促進「健康は、なにものにも代え難い財産」という思いのもと、「健康経営戦略マップ」を作成し、計画的に健康経営を推進しております。また、メンタルヘルス教育、ストレスチェック、相談窓口設置など、「心の健康づくり」も強化しております。2023年度はストレスチェック結果を有効活用するため、部門長や個人に対し、結果の見方・活用方法について改めて教育を実施しました。 <指標と目標>以上の取組みを踏まえ、当社グループでは以下の項目について目標値を設定しております。2024年度も目標達成に向け、各種施策を実行してまいります。なお、以下のNo.1からNo.3の値は提出会社の数値、No.6の値は提出会社と㈱明電エンジニアリングの数値を記載しております。海外を含めた連結子会社についても多様性を推進し、求める人財の獲得・育成及び環境整備に取り組んでまいります。 No指標目標値2023年度実績1管理職に占める女性労働者の割合2030年度 12%5.1%(提出会社)2男性労働者の育児休業取得率2025年度 100%88%(提出会社)3労働者の男女の賃金差異-69%(提出会社全従業員※)4女性役員クラス(プロパー)2024年度 1名以上2030年度 3名以上(うち執行役員1名以上)1名5外国人 現地法人社長2024年度 3名以上2030年度 5名以上(うち執行役員1名以上)1名6eNPS(従業員向けNPS®)(2021年度比)2024年度 10%改善(-63.6%→-53.6%)2.6%悪化 ※ 同一労働の賃金に差はなく、提出会社の正社員のうち管理職における男女賃金格差は96.3%です。 |
指標及び目標 | (4)指標・目標以上の内容を踏まえ、当社グループでは「中期経営計画2024」にて非財務指標の目標を設定しております。項目・目標値・実績については以上に記載したとおりです。 |
人材の育成及び社内環境整備に関する方針、戦略 | ②人的資本<人的資本に関する基本的な考え方>当社グループは、前述のマテリアリティの認識のもと、それらへの対応の遅れは企業運営や事業継続に関わる重要リスクとなるため、人財を価値創造の源泉である人的資本として捉え、強化に取り組んでおります。 <課題認識/従業員意識調査の結果>当社グループは、従業員エンゲージメントの向上に向け、従業員エンゲージメント指標(eNPS)をKPIとして設定し、毎年実施している従業員意識調査結果に起因する要因を分析することで、現状の課題を把握し施策の実行に繋げております。 2022年度に実施した従業員意識調査においては、組織の柔軟性や達成・挑戦志向を示す「風土」カテゴリ、評価制度や報酬制度を示す「各種制度」カテゴリ、人財育成や採用・配置を示す「人財活用」カテゴリの肯定率が前年度比1%以上マイナスとなる結果となりました。 特に「風土」カテゴリでは、オープンな風土・コミュニケーション・エンゲージメントの項目の数値が低下し、達成・挑戦志向も他社平均と比較して大きく下回る結果となりました。また、「各種制度」カテゴリでは昇格制度・人財育成制度等のすべての項目において低下、「人財活用」カテゴリでは人財育成において低下がみられました。 ◆従業員エンゲージメントの影響要因カテゴリ影響要因ビジョン理念・ビジョン、戦略の浸透など風土オープンな風土、コミュニケーション、達成・挑戦志向、エンゲージメント(会社の未来への 希望)など労働環境生産性、ワークライフバランスなど各種制度評価・報酬・昇格・人財育成制度など人財活用エンパワメント(仕事へのやりがい)、人財採用・配置など ◆従業員意識調査の結果※eNPSの単位を%とし、記載しております。 また、eNPSの対象は、提出会社と㈱明電エンジニアリングです。 <求める人財像の定義と各種取組みの展開>急速に変化する時代の中で、その変化に対応し、価値提供のあり方を見直しながら世の中が抱える課題を解決していくためには、主体的に新しい社会づくりに取り組み、新たな価値を創造し続けることのできる人財が必要不可欠であります。求める人財像を「自ら考え、自ら行動できる(考動)、多様な個を受け入れ、新しい価値を生み出すことができる(共動)、そして個とチームが共に育成・成長し合える(共育)人財」と定義し、これに基づく人財を獲得・育成していくための取組みを推進しております。 具体的には、各々の能力(A)とモチベーション(M)を高め、全ての従業員が活躍できる機会・環境を整備する(O)ことで企業パフォーマンスを最大化するAMOフレームワークを当社グループにおける人的資本強化の考え方のベースとして、「経営課題を解決する人財の獲得・育成」、「個を尊重した組織への転換」を軸に各種取組みを推進しております。 ◆経営課題を解決する人財の獲得・育成当社グループの目指す姿の実現には、多様な経営課題を解決できる人財の獲得・育成が必要不可欠であります。従業員の多様な能力(Ability)を高めるため、以下のような取組みを進めております。 ⅰ 採用多様化する社会課題や経営課題の解決に必要な人財の獲得を目指した採用活動を進めております。各事業における現状課題や労務構成の歪みなどを踏まえ、その解決に資する多様な技術・技能を持つ人財の獲得を重視し、新卒採用と併せて積極的なキャリア採用を進めております。また、並行してリスキリング・学び直しによる社内の人財活用も進めております。 ⅱ 人財育成● 職種別スキルの整理と公開自ら考え行動できる、自律性をもった人財の育成を目指し、自らが目指すキャリアの実現に向けた学びや組織間連携を促進するため、職種ごとに必要なスキルマップを整理・公開しました。スキルマップを活用して自身に足りていないスキルを発見し、自発的な学びに繋げられる取組みを進めております。 ● ICT教育DXの実現には、全従業員のICTリテラシー向上が必要との考えから、新入社員向けに、事務系・技術系問わず、ドローン等の実機を用いたICT技術に直接触れる機会を設け、2023年度より全社員向けに、ITパスポートの資格取得支援としてe-Learningを導入し、強化を図っております。 ● 社内インターンシップ制度新設2023年10月より、若手従業員を対象とした社内インターンシップ制度を新設し、自発的に他部門の業務を体験できる取組みを開始しました。新しい体験や人財交流を通じた視野の拡大、新たな知見の習得を図ると共に、個人のキャリアや適性を考える機会を提供しております。2024年度は対象者の範囲を広げ、更なる活性化を図ってまいります。 ● 外国人幹部育成多様な人財による価値創造を強化するため、海外現地法人におけるナショナルスタッフの幹部登用は必要不可欠であるとの考えから、各社の統括役員による定期的な幹部候補者面談を行い、経営マインドの醸成を実施しております。併せて、コーチングプログラムを展開し、幹部候補者のマネジメント能力の向上も図っております。また、一部の海外現地法人において、ナショナルスタッフの幹部候補へのキャリアパスを構築・明示しました。2024年度以降、他の海外現地法人へも同様に展開する計画であります。 <個を尊重した組織への転換>従業員のウェルビーイングを向上させ、当社グループの中長期的な価値創造に繋げていくためには、「個を尊重した組織への転換」が必要不可欠であります。従業員の能力を高めるだけでなく、働くモチベーションを高め、多様なバックグラウンドを持つ従業員が活躍できる機会や環境を整備することで、従業員それぞれが「個の力」を最大限に発揮でき、組織パフォーマンスの最大化に繋がると考えております。 ⅰ 従業員のモチベーション(Motivation)向上● 各種制度見直し2022年4月に労使制度検討委員会を立ち上げ、「人事処遇制度」と「福利厚生制度」の見直しについて検討を重ねております。2024年4月には役割に応じた適正な処遇を目的に「役職人事処遇制度」を一部見直すとともに、適所適材を実現するために優秀な人財を早期に登用・抜擢できるよう「昇格制度」を見直しました。2024年度は「一般職人事処遇制度」の改定に向け検討を進めております。 ● エンゲージメント・やりがいの向上、オープンかつ未来志向な社内文化づくり従業員のエンゲージメント・やりがいの向上を目的に、「Myビジョン」「Myチャレンジ」の取組みを進めております。また、オープンかつ未来志向な社内文化に変革していくために、2022年度から、経営層と従業員の双方向で「Myビジョン」「Myチャレンジ」について対話をする場「明電みらいミーティング」、2023年度から、「社長タウンホールミーティング」の取組みを開始しております。「社長タウンホールミーティング」では、新しい社会づくり・時代にあった価値を提供できる企業、一人ひとりの従業員を大切にする企業であり続けるために、社長自らが一連の取組みの打ち出しと「Myビジョン」を語り、より人を大切にする経営を推進していく覚悟を示しました。また「明電みらいミーティング」では、部門毎に各担当役員が自らの「Myビジョン」を語り、部門の従業員と対話をすることにより、自分の思いをもって挑戦することが当たり前という空気の醸成を進めております。 ● キャリアデザイン2023年1月に相談窓口を開設以降、約40名の従業員が利用しております。20代から60代までの幅広い年代、様々な職種や勤務地で働いている当社グループ従業員から、キャリアやライフプランの立案支援、転機、キャリアアップ、スキルアップ、社内制度に関する相談など、多岐にわたる相談が寄せられております。多様化する価値観の中、キャリア意識も受動型から自律型に変化してきており、従業員一人ひとりが自分の力をさらに発揮し活躍できる支援を強化しております。 ⅱ すべての従業員が活躍できる機会(Opportunity)の創出● 誰もが活躍できる組織と意識の変革(DEI推進)2023年4月、ダイバーシティ推進室をDEI(ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン)推進室と名称変更し、「D(誰もが)、E(遠慮しないさせない環境の下)、I(イキイキと)」個々の力を発揮し、活躍する組織作りと風土醸成に取り組んでおります。2023年度は、DEI全般に関する方針・施策の決定及び推進強化のため、社長を委員長とした伴走機関「DEIコミッティ」を設立しました。また、ボトムアップによるDEIの自分事化を図るため、DEI浸透のための啓発ツールの構築や、社内コミュニケーション活性化及び心理的安全性を体現する場として、ランチタイムを活用した「DEI MeetUP!」を実行し、600名を超える従業員が参加しました。 ● 多様な人財が活躍できる環境づくり女性従業員の更なる活躍に向け、女性管理職比率目標値(2030年度12%)を設定し、目標達成に向けた施策を実行しております。・若手・中堅クラス向け:2022年度より開始したサポーター役員制度により、役員のサポートやディスカッションを通して、対象者のマインド向上、行動変革を図っております。また、対象者の所属部門と連携し、能力を引き上げるためのサポートや配置転換等の育成計画を策定・実行できる仕組みづくりを推進しております。・管理職クラス向け:外部機関におけるトップマネジメント研修を実施し、実力とスキルアップに向けた教育を実施しております。また、障がい者雇用、男性育児休暇取得促進、性的マイノリティであるLGBTQへの理解促進活動を実施しております。 ● 新たな挑戦を応援する風土醸成従業員一人ひとりの思いを尊重し、組織として新しいことへの挑戦を応援する風土づくりの一環として、2022年度よりアイデアコンテスト「MEIANチャレンジ」を開催しております。2023年度は、「カーボンニュートラル」と「ウェルビーイング」に関連するアイデアを募集し、最終発表会では240名を超える従業員が参加しました。部門の垣根を越え、共通の興味を持った従業員同士がチームとなり、自らが「実現したい未来」をイメージしながらアイデアを具現化しております。本活動は、従業員同士のつながり力や、自らがやってみたいと思うチャレンジ精神の醸成にも繋がっております。 <従業員の安全意識向上と健康経営の促進>● 安全に関する取組み従業員一人ひとりの危険感受性を向上させ、自身の働く職場の危険を正確に把握・理解し、対策するために、安全体感車を活用し、国内の各製造拠点にて安全体感教育(VR含む)を展開しております。また、労災風化防止のために、過去の労災の事実を従業員に伝え、二度と同じ労災を繰り返してはならないと心に刻み、語り合う場として安全伝承館を設立しました。 ● 健康経営の促進「健康は、なにものにも代え難い財産」という思いのもと、「健康経営戦略マップ」を作成し、計画的に健康経営を推進しております。また、メンタルヘルス教育、ストレスチェック、相談窓口設置など、「心の健康づくり」も強化しております。2023年度はストレスチェック結果を有効活用するため、部門長や個人に対し、結果の見方・活用方法について改めて教育を実施しました。 |
人材の育成及び社内環境整備に関する方針に関する指標の内容並びに当該指標を用いた目標及び実績、指標及び目標 | <指標と目標>以上の取組みを踏まえ、当社グループでは以下の項目について目標値を設定しております。2024年度も目標達成に向け、各種施策を実行してまいります。なお、以下のNo.1からNo.3の値は提出会社の数値、No.6の値は提出会社と㈱明電エンジニアリングの数値を記載しております。海外を含めた連結子会社についても多様性を推進し、求める人財の獲得・育成及び環境整備に取り組んでまいります。 No指標目標値2023年度実績1管理職に占める女性労働者の割合2030年度 12%5.1%(提出会社)2男性労働者の育児休業取得率2025年度 100%88%(提出会社)3労働者の男女の賃金差異-69%(提出会社全従業員※)4女性役員クラス(プロパー)2024年度 1名以上2030年度 3名以上(うち執行役員1名以上)1名5外国人 現地法人社長2024年度 3名以上2030年度 5名以上(うち執行役員1名以上)1名6eNPS(従業員向けNPS®)(2021年度比)2024年度 10%改善(-63.6%→-53.6%)2.6%悪化 ※ 同一労働の賃金に差はなく、提出会社の正社員のうち管理職における男女賃金格差は96.3%です。 |
事業等のリスク | 3 【事業等のリスク】 (1) リスクマネジメントの体制当社グループでは、下図のとおりスリーラインモデルによるリスクマネジメント体制を構築しております。 【用語の説明】 第1ライン工場や国内外関係会社を含む事業部門(=第1ライン)では、統制自己評価(Control Self-Assessment = CSA)を導入し、各部門が自らのリスクの抽出、評価、コントロールを実施しております。リスクの抽出にあたっては、網羅性を確保する観点から120項目にわたるリスク事例表を参考にしており、各部門が自ら抽出した重要リスクについて「影響度」と「発生可能性」を主眼に評価しております。第2ライン第2ラインは総務、法務、人事、経理・財務等の専門知識を持ったスタッフ部門で構成され、第1ラインが行っているCSAのモニタリングと支援を行っております。第3ライン内部監査部門(第3ライン)は定期的な監査の実施により、第1ラインのCSAのサイクルや第2ラインのサポートが有効に機能しているかを検証しております。この内部監査の状況は随時、常務会・取締役会・監査等委員会及び主要な当社経営層に報告されております。リスクマネジメント委員会スタッフ部門長を委員とし、内部統制推進部が集約した全社重要リスクを審議する目的で年2回開催しております。委員会では全社重要リスクを選定するとともに、リスクを管轄する部門を決定して所掌を明確化しております。また、新たな重要リスクを中心にディスカッションを行い、リスクコントロールの強化を図っております。グループ会社内部統制委員会関係会社の取締役を委員とし、各社のCSAの状況報告を受けるとともに、当社グループ全体の重要リスク情報を共有する目的で年2回開催しております。委員会では関係会社間のリスクディスカッションも実施して議論を深めております。BCM委員会常務会メンバー等を委員とし、当社グループの事業継続における基本的な方針や事業継続目標、災害時の対応についての「BCP基本方針書」を策定し、経営レベルでBCP方針や施策を審議・決定しております。内部統制推進部を事務局として年2回開催しております。 (2) 全社重要リスク決定までのプロセス第1ラインのCSAはすべての部門において年度ごとにリスクやそのコントロールの見直しが行われ、その結果を踏まえた翌年度のリスクマネジメント確認表を作成しております。各部門で抽出された重要なリスクは「影響度」と「発生可能性」の二軸で評価されております。第1ラインのCSAによる各部門の重要リスク情報は、事業グループ単位のリスクディスカッションを経て内部統制推進部に集約され、内部統制推進部は第1ラインのリスク情報に対して「顕在化に至る速度」や「ブランド毀損」、「対応策の有効性」等を加味して評価を行っております。さらに、スタッフ部門のリスクヒアリングから抽出した第2ラインのリスク情報も加えて総合的な評価を行い、全社的に認識すべき重要リスクの一覧表を作成しております。この重要リスク一覧表はリスクマネジメント委員会で共有され、重要リスク一覧表をベースに事業リスクの評価とコントロール方法を審議しております。その結果は常務会、取締役会に報告され、経営層はそれらのリスクマネジメントについて議論する仕組みとなっております。 (3) 重要な事業リスク上記の経営層による議論の結果、当社グループは本有価証券報告書に記載している事業に関し、投資者の判断に影響を及ぼす可能性のあるリスク事象を以下のリスク事象一覧表に記載しております。また、これらのリスクの内容とシナリオ及び対応策については、適宜取りまとめて以下(4)「重要な事業リスクの内容と対応策」に記述しております。 (注)リスク評価は一般的評価ではなく、当社グループにおける多種のリスク事象を独自に評価したものであります。 (4) 重要な事業リスクの内容と対応策上記(3)のリスク事象に関するリスクシナリオと対応策は以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、2023年度(当連結会計年度)末現在における当社グループの状況に基づく判断であります。 ① 気候変動、環境規制に関するリスク(リスク事象一覧表 項番1、20)リスクの内容とシナリオ気候変動問題に対応した製品の開発や、環境負荷低減に向けた当社グループの各種取組みが遅れた場合、受注機会の喪失や企業価値の低下により、長期にわたり当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、環境法規制への不適合は地球環境や近隣の健康に影響を及ぼし得るため、行政処分や事業機会の喪失、企業評価の低下により、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。リスク対応策当社グループでは、長年、気候変動問題を重要課題として認識し、脱炭素化を目指した事業の拡大が必要不可欠と考え、SF6ガス不使用の製品や環境配慮型製品、車の電動化に対応した製品等の開発を推進しております。また、生産拠点のものづくりでのエネルギー削減、再生可能エネルギー調達、生産性向上などによりGHG排出量の削減に取り組んでおります。さらに、環境ISO14001の継続認証により各種法令遵守に取り組んでおります。これらの取組みについては、「第一部 第2 事業の状況 2 サステナビリティに関する考え方及び取組 (3)戦略 ①気候変動への対応」においてその概略を記載しております。 ②品質の低下(製品・サービスの品質に関するリスク 同 項番2)リスクの内容とシナリオ当社グループは、お客様が求める品質を維持しつつ、製品を安定的に供給することが責務と考えておりますが、調達品や生産設備といった有形要因、技術力低下や技術継承不足といった無形要因によって品質が低下した場合、製品の優位性を失い、競争力を喪失するリスクがあります。また、個別受注製品における設計・製造不良、工事案件における施工不良、EV用モータ等の量産製品においてはリコールや製造物責任につながる品質問題が発生した場合、製造原価の悪化や保険等ではカバーできない損害賠償の発生により、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。リスク対応策当社グループでは、「社長品質方針」に基づき各種品質維持活動を展開しており、不良を「入れない」「作らない」「出さない」の視点で品質管理を徹底しております。主に生産部門で活用されているQRマップ(品質管理工程図)を技術部門にも拡大適用し、品質の確保を図っております。また、全社QA推進会議を継続的に開催し、不具合情報、品質活動の共有・水平展開等により品質向上活動を推進しております。外注・購入品については、受入検査の強化や品質監査・指導を定期的に実施することで、サプライヤ管理の強化を図っております。 ③ 地政学リスク(同 項番3)リスクの内容とシナリオ近年、ロシア・ウクライナ情勢や中東情勢、米中の対立等、国際情勢が大きく変化しております。当社グループは主にASEAN、中国、インド、欧米等に生産拠点や営業拠点を有しておりますが、該当地域に影響が及ぶことで事業活動、生産活動に支障をきたすこと、国内からの輸出や技術者の派遣に支障をきたすことで当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。リスク対応策当社グループでは、外部専門機関等からの情報及びサポートを含め、海外各拠点における政治経済の状況、国際情勢や戦争等のリスク情報、法規制の変更等を収集しており、各拠点の事業継続計画(BCP)構築に取り組んでおります。また、事業継続に関わる危機や海外駐在員、現地従業員に関わる危機が想定される場合は、委員会にて対策と、それに応じた体制を迅速に決定・構築することとしております。 ④ 労働災害の発生(業務上の災害・事故に関するリスク 同 項番4)リスクの内容とシナリオ当社グループの生産現場において重大な労働災害や火災、設備事故等が発生した場合、当社グループの生産活動等に支障をきたす可能性があります。また、お客様施設において重大な事故を発生させた場合、その事業活動にも影響を及ぼし、信用の失墜や施工遅延、指名停止や損害賠償の発生により、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。リスク対応策当社グループでは、主要拠点に労働安全衛生マネジメントシステム(ISO45001)を導入し、安全衛生活動のPDCAサイクルにより継続的な改善を行っております。また、安全の施策として個人の危険感受性向上のため、VRによる安全体感教育を始めとする各種安全教育の実施、リスクの早期摘み取りとしてリスクアセスメント実施による働く環境の改善、過去の労働災害の風化防止として安全伝承館を用いた労働災害の再発防止教育等を行い、労働災害の未然防止に努めております。 ⑤人権の侵害(同 項番5)リスクの内容とシナリオ企業活動において、当社グループ人員をはじめステークホルダー全体の人権尊重が社会的要請となっており、欧米等では人権に関する法規制も強化されつつあります。サプライチェーンを含んだ事業活動の中で人権侵害が発生した場合、レピュテーションの悪化による社会的信用の低下や人財の流出により、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。リスク対応策当社グループでは、全てのステークホルダーを対象として、事業活動における人権リスクの特定、管理、予防、軽減を目的に人権デュー・ディリジェンスに取り組んでおります。また、ステークホルダーの一つである取引先に対しては、人権要素を含む「明電グループサステナブル調達ガイドライン」に基づき、サプライチェーン全体の人権リスクの軽減に取り組んでおります。あわせて、サステナビリティ活動及び環境保全活動への取組みに関する調査票を活用し、人権に関する実態調査を行っております。 ⑥コンプライアンスに関するリスク(同 項番6、13、14、16、18)リスクの内容とシナリオ当社グループは、国内外の法令、慣習その他全ての適用されうる社会規範を遵守して事業活動を行っておりますが、それらに反する事象が発生した場合、法的制裁や社会的信用の失墜を伴う受注機会の減少により、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。リスク対応策当社グループでは、過去に発生させた独占禁止法違反の再発防止をはじめ、遵法意識の向上を図っており、法務部を事務局とするコンプライアンス委員会のもと、グループ全ての従業員に対して「企業行動規準」の周知徹底を図っております。また、各職場へのコンプライアンスマネージャの配置、通報制度の設置など、違法行為や不適切行為の防止、早期発見及び解決を図る枠組みを整備しております。さらに、全グループを対象としたコンプライアンス研修を継続的に実施し、独占禁止法、下請法、建設業法、個人情報保護法などの法令や贈収賄、品質不正防止など、幅広くコンプライアンス・倫理に関する意識向上を図っております。なお、品質不正防止については、2023年4月に生産統括本部内に品質保証監理課を新設し、不正の未然防止活動を推進しております。 ⑦市場環境変化への認識・対応不足(市場環境に関するリスク 同 項番7)リスクの内容とシナリオ当社グループの製品・サービスに対する需要は、受注活動を行っている国または地域の社会情勢や経済動向の不確実性、法律・規制等の様々な政治的・経済的な影響を受けます。そのため、政情不安・景気後退による需要の減少や受注した案件の進捗遅延が、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。リスク対応策当社グループでは、外部専門機関などを活用し、国または地域の社会情勢や景気動向を注視しつつ案件の実現性や受注確度を見極めながら受注活動を行うとともに、規模の大きい案件については、法務・財務などのスタッフ部門で構成される事前審査会議にて情報整理やリスク評価を行い、その情報をもとに経営の意思決定を行っております。また、プロジェクト管理を通じて、案件の進捗や採算状況をモニタリングする等、リスクの低減に努めております。 ⑧自然災害の発生(同 項番8)リスクの内容とシナリオ自然災害の激甚化により、各種事業活動に支障をきたすリスクがあります。特に当社グループの主要な生産拠点は、関東から東海地方の南海トラフ地震の想定被災地域、または沿岸地域等に立地しているため、大規模な地震が発生し、津波・液状化等により生産拠点等が重大な損害を受け、生産設備の稼働が困難になった場合には、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。リスク対応策当社グループでは、災害に対する事業継続についての方針・施策を審議・決定する機関として、BCM委員会を設置しており、経営レベルでBCPの策定や維持・更新、対策の実施や、点検・改善、取組みを浸透させるための教育・訓練を推進しております。また、当社グループの国内外各拠点で防災対策・防災訓練を実施するとともに、生産拠点での災害発生も想定したBCPの構築を推進しており、今後もサプライチェーンを含めたBCP構築を目指してまいります。 ⑨人財の不足(人財に関するリスク 同 項番9)リスクの内容とシナリオ当社グループにて展開している事業の優位性を確保し継続的に成長していくためには、多種多様な人財の獲得や育成が必要不可欠です。人財の獲得や育成の停滞、人財の流出等により必要な人財の不足が発生した場合には、技術・技能の伝承が滞り優位性が低下することにより、営業機会の喪失を招き、当社グループの成長や業績に影響を及ぼす可能性があります。リスク対応策当社グループでは、人的資本は価値創造の源泉であり事業に必要なスキルや経験を持つ人財を獲得し育成すること、またやりがいを持ち継続して働くことができる環境を整備することは経営の重要課題であると考えております。これらの取組みについては、「第一部 第2 事業の状況 2 サステナビリティに関する考え方及び取組 (3)戦略 ②人的資本」においてその概略を記載しております。 ⑩情報セキュリティに関するリスク(同 項番10、11)リスクの内容とシナリオ近年、サイバー攻撃のリスクが高まっており、その手口も巧妙化しております。また、働き方の変化により、情報機器を社外に持ち出す機会が増え、紛失や盗難等のリスクも増加しております。当社のセキュリティ対策や従業員の危機意識が不十分な場合、基幹システムの停止による企業活動の中断、機密情報・個人情報漏洩による多額の損害賠償責任の発生、社会的信用の失墜により当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。リスク対応策当社グループでは、取り扱う情報に関するセキュリティの確保を重要な経営課題と認識し、情報セキュリティ委員会を設置し、全社横断的なセキュリティ体制を構築しております。サイバー攻撃に対しては監視、検知における境界対策、ウイルス対策、教育などの人的対策といった従来からの「多層防御」に加え、「ゼロトラスト」を念頭に置いた諸施策を実施しております。保有する個人情報や当社グループの技術・営業等の事業に関する機密情報等については、各種セキュリティ管理システムを導入し、不審メール訓練やe-learningなど、社内教育を通じて管理の徹底を図っております。また、社外持出しパソコンの暗号化、持出し台帳管理の徹底等により、リモートワークに対応したリスク対策を強化しております。 ⑪ 調達管理の不備(資材調達に関するリスク 同 項番12)リスクの内容とシナリオ当社グループの製品・システムは多種多様な部品・部材等を使用しており、代替が困難なものもあり、社会情勢や予期せぬ事情により部品不足や調達コストの増大等が発生し、安定的な供給が停滞した場合、生産、出荷の遅れや製品コストの増大により当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。リスク対応策当社グループでは、調達管理の徹底を推進し、適正在庫の確保によってこれらのリスクへの対応を行っております。また、部品の仕様標準化を推進し、複数の調達先を確保するなど安定的な調達活動の確保に努めております。さらに、取引先との持続的なパートナーシップ強化のため、2022年度には「明電グループサステナブル調達ガイドライン」を発行し、各種の支援活動等を通じて取引先との一層の協力強化を図っております。 ⑫ 為替、金利、株価、地価の変動による損失(為替、金利に関するリスク 同 項番15)リスクの内容とシナリオ当社グループは、ASEAN、中国、インド、欧米等、世界各地域で事業を展開しており、複数の通貨を使用しているため為替相場の大幅な変動により製品の価格、コストに影響を受ける場合があります。また、市場金利が大幅に上昇した場合は支払利息等が増加するため、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。リスク対応策当社グループでは、為替ポジション管理の強化を継続的に実施しており、機動的に為替予約、為替マリーを実行しております。また、将来見通しを含めた金利動向を定常的に予測し、適時に資金調達を確保できるよう財務体質の強化に努めております。 |
経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 | 4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】 当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、2023年度(当連結会計年度)末現在において判断したものであります。 (1) 経営成績当連結会計年度におけるわが国の経済は、サプライチェーンの正常化進展やコロナ禍後の人流回復、ものづくりの国内回帰の流れなどを受けて、民間の幅広い業種において投資マインドが改善に至りました。これに加えて、官公庁向けの需要も安定的に推移したことから、当社が手掛ける重電製品・システムに対する引き合いは、年間を通して旺盛な状況が継続しました。一方で、各種資材及びエネルギー価格の高止まりや全国的な課題となりつつある人手不足を背景とする工事進捗の遅れなどにより、一部の事業分野において収益性が圧迫される状況が発現しました。また、世界経済においては、地政学上の混乱に伴う各種事業リスクの顕在化や主要国における継続的な物価上昇、半導体市況の需給の緩みなどが、当社の業績に少なからず影響を与えました。その一方、脱炭素社会の実現に向けた各国でのエネルギー投資の拡大や環境配慮型製品に対するニーズの増加などは、当社海外事業の収益性の大幅な改善に繋がる追い風となりました。このような中、当社グループは、「中期経営計画2024」で掲げた方針に基づき、環境に資する事業・製品への注力、海外事業における収益基盤の強化及びサステナビリティ経営の進展に向けた各種施策の展開といった動きを推し進めてまいりました。 当連結会計年度(以下「当期」)の経営成績は、以下のとおりであります。 (単位:百万円) 2023年3月期実績2024年3月期実績増減額増減率(%)売 上 高272,578287,88015,3015.6営 業 利 益8,53912,7314,19149.1経 常 利 益8,82313,3854,56151.7親会社株主に帰属する当期純利益7,12811,2054,07757.2 当期の営業利益は12,731百万円となり前連結会計年度(以下「前期」)と比較し4,191百万円増加しております。当期の営業外損益につきましては、営業外収益が2,533百万円、営業外費用が1,879百万円となりました。営業外収益の主な内訳は、受取利息及び配当金848百万円、為替差益751百万円であります。営業外費用の主な内訳は、支払利息908百万円であります。この結果、経常利益は13,385百万円となり前期と比較して4,561百万円増加し、売上高経常利益率は4.6%となっております。当期の特別損益につきましては、特別利益が3,988百万円、特別損失が1,617百万円となりました。特別利益の主な内訳は、固定資産売却益3,236百万円であり、特別損失の主な内訳は、火災損失792百万円であります。この結果、税金等調整前当期純利益は15,756百万円となり、法人税、住民税及び事業税、法人税等調整額合計で4,411百万円計上、及び非支配株主に帰属する当期純利益138百万円を計上したことにより、親会社株主に帰属する当期純利益は11,205百万円となっております。また、1株当たり当期純利益は247円00銭、自己資本利益率は9.6%となっております。 ① 電力インフラ事業セグメント売上高は前期比28.5%増の77,719百万円、営業利益は前期比6,920百万円改善の6,404百万円となり、現セグメント区分下で初となる営業黒字となりました。海外を主体とする変電事業については、シンガポール、北米、インドなどにおける需要の伸びや収益性改善の取組みにより、増収増益となりました。また、国内主体の電力エネルギー事業についても、電力会社向けや水力発電所向け案件の豊富な受注残などを背景に、増収増益となりました。 ② 社会システム事業セグメント売上高は前期比4.6%減の86,269百万円、営業損失は前期比2,849百万円悪化の453百万円となり、現セグメント区分下で初となる営業赤字となりました。電鉄事業においては、海外案件の減少により減収となりましたが、シンガポールで手掛けてきた大型案件の原価が改善したことなどから、増益となりました。その一方、社会システム事業及び水インフラ事業においては、工程の遅れによる売上計上時期の後ろ倒しや資材高騰に伴う収益性悪化などの影響が強く発現し、減収減益となりました。 ③ 産業電子モビリティ事業セグメント売上高は前期比0.5%増の78,487百万円となった一方、営業利益は前期比1,527百万円悪化の155百万円となりました。EV事業は、中国拠点の稼働は低位に留まったものの、国内製造ラインの高稼働が継続し、増収増益となりました。また、電動力ソリューション事業、モビリティT&S事業については、価格交渉や生産性向上に向けた努力を継続したことにより、増益を確保しました。その一方で、電子機器事業では、半導体市況の落ち込みを背景に、大幅な減収減益となりました。 ④ フィールドエンジニアリング事業セグメント売上高は前期比6.5%増の42,303百万円、営業利益は前期比1,389百万円改善の6,650百万円となりました。保守サービスに関する堅調な需要が継続していることに加えて、部材の長納期化に対応するための各種の取組みを進めてきたことなどが奏功し、売上及び営業利益はいずれも過去最高となりました。 ⑤ 不動産事業セグメント売上高は前期比0.1%減の3,228百万円、営業利益は前期比111百万円改善の1,432百万円となりました。 ⑥ その他報告セグメントに含まれない事業において、一部の国内関係会社の再編や機能の見直しを進めたことから、売上高は前期比11.7%減の14,672百万円となった一方で、営業利益は前期比96百万円改善の328百万円となりました。 (生産、受注及び販売の状況)① 生産実績当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称生産高(百万円)前期比(%)電力インフラ事業76,076128.7社会システム事業83,82799.7産業電子モビリティ事業74,922100.0フィールドエンジニアリング事業40,633106.6不動産事業--その他3,467110.9合計278,927107.6 (注) セグメント間取引につきましては、相殺消去しております。 ② 受注実績当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称受注高(百万円)前期比(%)受注残高(百万円)前期比(%)電力インフラ事業96,961125.2120,518122.2社会システム事業99,574107.4131,727118.9産業電子モビリティ事業76,76299.920,121113.1フィールドエンジニアリング事業44,885108.616,299135.6不動産事業3,191100.1247100.2その他7,94069.91,88839.9合計329,315108.7290,804119.1 (注) セグメント間取引につきましては、相殺消去しております。 ③ 販売実績当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称販売高(百万円)前期比(%)電力インフラ事業77,111130.4社会システム事業83,05895.0産業電子モビリティ事業75,561100.6フィールドエンジニアリング事業40,659106.7不動産事業3,19099.9その他8,29886.9合計287,880105.6 (注) セグメント間取引につきましては、相殺消去しております。 (2) 財政状態当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末(以下「前期末」)比27,396百万円(8.9%)増加し、334,787百万円となりました。流動資産は、棚卸資産の増加及び受取手形、売掛金及び契約資産の増加により、前期末比20,752百万円(11.1%)増加の208,503百万円となりました。固定資産は、保有する上場株式の市場価値上昇に伴う投資有価証券の増加により、前期末比6,644百万円(5.6%)増加の126,284百万円となりました。負債合計は、契約負債の増加により、前期末比8,789百万円(4.5%)増加して205,298百万円となりました。純資産合計は、親会社株主に帰属する当期純利益の計上及びその他有価証券評価差額金の増加により、前期末比18,607百万円(16.8%)増加して129,488百万円となりました。この結果、自己資本比率は前期末の35.1%から37.8%となりました。 (3) キャッシュ・フロー当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」)は、前連結会計年度末に比べ3,107百万円増加し、17,224百万円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、次のとおりであります。 (営業活動によるキャッシュ・フロー)営業活動の結果得られた資金は8,968百万円(前年同期は13,742百万円の獲得)となりました。 主な収入は、税金等調整前当期純利益15,756百万円、減価償却費10,296百万円であり、主な支出は、棚卸資産の増加額6,621百万円、法人税等の支払額5,084百万円であります。 (投資活動によるキャッシュ・フロー)投資活動の結果使用した資金は7,553百万円(前年同期は10,506百万円の使用)となりました。 これは主に、有形及び無形固定資産の取得による支出9,343百万円によるものであります。 (財務活動によるキャッシュ・フロー)財務活動の結果得られた資金は749百万円(前年同期は2,685百万円の使用)となりました。 主な収入は、長期借入れによる収入8,759百万円、コマーシャル・ペーパーの発行による収入2,000百万円であり、主な支出は、長期借入金の返済による支出9,106百万円、配当金の支払額2,131百万円であります。 (資本の財源及び資金の流動性に係る情報)当連結会計年度における資金調達は、主として借入金及びコマーシャル・ペーパーをもって行いました。調達においては、長期・短期のバランスと安定性を考慮し、長期の借入も実施しております。その結果、借入金、コマーシャル・ペーパー及び社債の残高は、前期比4,170百万円増の54,679百万円となりました。また、コミットメントラインは前期末比5,000百万円減少の35,000百万円で設定されています。 (4) 経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等 当社グループでは、「中期経営計画2024」で掲げた、「質の高い成長」「サステナビリティ経営の推進」「両利きの経営の推進」という3つの基本方針に基づき、再生エネルギーやEV等の環境に資する事業拡大、海外事業の収益力強化及び気候変動への対応に向けた各種施策を推し進めております。2023年度(当連結会計年度)においては、電力インフラ事業を中心に海外事業の収益を前年比で大幅に改善させるとともに、保守サービスに関する堅調な需要が継続したことにより、受注高・売上高・営業利益いずれも過去最高を更新しました。2023年度(当連結会計年度)の投資につきましては、設備投資9,981百万円、研究開発10,098百万円となりました。設備投資においては、電力系統を支える変電設備の心臓部品であるVI(真空インタラプタ)製品の増産に向けた新ライン構築への投資を進めました。研究開発の状況は、後記「第2 事業の状況 6 研究開発活動」に記載のとおりであります。今後も環境貢献に資する事業・製品の業容拡大を念頭に置きつつ、増加する生産負荷に対応し、生産性向上・収益力改善をもたらす設備投資を優先的にすすめるとともに、製品・サービス競争力の強化に繋がる研究開発を行ってまいります。2024年度は「中期経営計画2024」の最終年度にあたります。受注高・売上高は掲げていた中計目標を上回りますが、営業利益は中計目標の180億円を下回る計画としております。主に、電力インフラ事業の好調が継続し、全社の受注高・売上高に寄与する見通しですが、利益面は、半導体市況の減速やEV関連の市場環境の変化により産業電子モビリティ事業が低迷していることと、社会インフラ関連事業の収益性が想定よりも悪化していることが影響しております。会社全体では更なる売上拡大・収益力向上を図りつつ、特に苦戦を強いられております社会インフラ事業に対しては収益改善に集中して取り組むことで、2024年度計画の達成を目指してまいります。 財務指標につきましては、2023年度(当連結会計年度)は、当期純利益の増加によりROEが9.6%となり、前年の6.8%に対し大幅に改善しました。引き続き、収益力を伸ばしていきながら、より一層資本効率を意識した経営を展開することで、2024年度計画の完遂と、次期中計に向けた基盤作りを推進してまいります。 (5) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって、連結貸借対照表上の資産、負債の計上額、及び連結損益計算書上の収益、費用の計上額に影響を与える見積りを行う必要があります。会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものは以下のとおりであります。なお、連結財務諸表の作成に当たり採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表」の(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)に記載しております。 ①固定資産の減損及び投融資の評価当社グループは、有形固定資産及び無形固定資産について、見積耐用年数にわたり、主として定率法又は定額法により償却しております。これらの有形固定資産及び無形固定資産について、帳簿価額が回収できない可能性を示す事象や状況の変化が生じた場合に、減損の判定を行っております。減損が生じていると判断した場合、当該資産の帳簿価額が回収可能価額を上回る金額を、減損損失として計上しております。 回収可能価額は、使用価値と正味売却価額のうち、いずれか高い金額としております。使用価値の算定においては、見積り将来キャッシュ・フローを、貨幣の時間価値及び資産固有のリスクを反映した割引率を用いて現在価値に割り引いて算出しております。なお、一部の子会社の買収時に発生したのれんの価値算定においては、過去実績、収益と費用の予測、将来の市場の成長度合、経営者により承認された事業計画の実現可能性度合、適切な市場における比較対象等の前提条件を使用しております。また、割引率の算定にあたっては、独立した外部の評価機関を利用しております。2024年3月31日時点における評価において、連結財務諸表において事業用資産の減損損失を470百万円計上しております。これらの前提条件の見積りに関する評価は合理的であると判断しておりますが、予測不能な前提条件の変化等により回収可能価額の評価に関する見積りが変化した場合には、更に減損損失の計上が必要となる可能性があります。また、会計上の見積り及び仮定については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」をご参照ください。 ②繰延税金資産当社グループは、将来の課税所得の見込みにより、回収可能と判断した部分につきましては評価性引当額を認識しておらず、繰延税金資産を計上しております。繰延税金資産の回収可能性を評価するに際しては、過去実績、将来の課税所得及びタックス・プランニング等を考慮し、慎重に検討しておりますが、予測不能な前提条件の変化等により回収可能性の評価に関する見積りが変化した場合には、繰延税金資産の修正が必要となる可能性があります。 ③受注損失引当金当社グループは、受注契約に係る将来の損失に備えるため、翌連結会計年度以降の損失発生見込額を計上しております。実際の発生原価が見積りと異なる場合、引当金の追加計上が必要となる可能性があります。 ④製品保証引当金当社グループは、納入した製品の無償補修費用の支出に備えるため、無償補修費用を個別に見積り算出した額を計上しております。実際の補修費用が見積りと異なる場合、引当金の追加計上が必要となる可能性があります。 ⑤退職給付に係る負債従業員の退職給付債務及び費用は、割引率、昇給率、退職率、死亡率、長期期待運用収益率等の前提条件を用いた年金数理計算により見積られます。特に割引率及び長期期待運用収益率は、退職給付債務及び費用を決定する上で重要な前提条件であります。割引率は、測定日時点における従業員への給付が実行されるまでの予想平均期間に応じた優良債券の利回りに基づき決定しております。長期期待運用収益率は、債券及び株式等の投資対象資産グループ別の長期期待運用収益の加重平均に基づき決定しております。当社グループは、年金数理計算上用いられる前提条件と方法は適切であると判断しておりますが、前提条件と実際の結果が異なる場合、又は前提条件の変更がある場合には、当社グループの退職給付債務及び費用に影響を与える可能性があります。なお、割引率及び長期期待運用収益率がそれぞれ0.5%変動した場合の連結財務諸表への影響は以下のとおりであります。 退職給付費用退職給付債務割引率0.5%上昇103百万円の減少2,465百万円の減少0.5%低下111百万円の増加2,686百万円の増加長期期待運用収益率0.5%上昇25百万円の減少―0.5%低下25百万円の増加― ⑥工事契約に係る収益認識工事契約に係る収益のうち、一定の期間にわたり充足される履行義務については、履行義務の充足に係る進捗度を見積り、当該進捗度に基づき収益を一定の期間にわたり認識しております。履行義務の充足に係る進捗率の見積りの方法は、主として発生原価に基づくインプット法によっております。工事契約に係る収益認識は、工事原価総額の見積りにより収益及び損益の額に影響を与えます。工事原価総額の見積りは当初は実行予算によって行っております。実行予算作成時には、作成時点で入手可能な情報に基づいた仕様や材料価格について仮定を設定し、作業効率等を勘案して各工事毎に詳細に積み上げることによって工事原価総額を見積ります。着工後は、プロジェクト毎に実際の発生原価と対比して適時・適切に工事原価総額の見直しを行っております。 工事原価総額の見積りに用いられる前提は適切であると判断しておりますが、想定していなかった原価の発生等により工事進捗度が変動した場合は、工事契約に係る収益及び費用の修正が必要となる可能性があります。また、会計上の見積り及び仮定については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」をご参照ください。 |
経営上の重要な契約等 | 5 【経営上の重要な契約等】 当社は、2023年7月28日開催の取締役会において、連結子会社である明電商事㈱(以下、「明電商事」)を次のとおり吸収合併することを決議し、同日付で吸収合併契約を締結しました。(1) 合併の目的 当社は「中期経営計画2024」で掲げる「質の高い成長」の実現を目指して、強固な経営基盤の構築を進めております。 この達成に向けて、更なる販売体制の強化ならびに経営資源の集中・効率化が不可欠と判断し、当社の販売子会社である明電商事を吸収合併し、機能を統合することとしました。 なお、本合併と同時に、明電商事のICT関連事業については会社分割を行い、当社100%子会社でICT関連事業を担当する明電システムソリューション㈱に集約しております。 (2) 合併の日程合併決議取締役会(※1) 2023年7月28日合併契約締結 2023年7月28日合併の期日(効力発生日) 2024年1月1日(※1)本合併は、当社においては会社法第796条第2項に定める簡易合併、明電商事においては会社法第784条第1項に定める略式合併に該当するため、それぞれの合併契約の承認に関する株主総会を経ずに行いました。(3) 合併方法 当社を存続会社とする吸収合併で、本合併により明電商事は解散しました。(4) 合併に関する割当の内容 当社100%子会社との合併であるため、本合併による新株式の発行及び合併交付金の支払いは行いませんでした。 (5) 引継資産・負債の状況 存続会社である当社は、明電商事が明電システムソリューション㈱に会社分割によって承継させるICT関連事業に関する資産・負債を除き、合併期日(効力発生日)時点における明電商事の一切の資産、負債及び権利義務を引き継ぎました。(6) 合併に伴う新株予約権及び新株予約権付社債に関する取扱い 該当事項はありません。(7) 吸収合併存続会社となる会社の概要商号株式会社明電舎所在地東京都品川区大崎二丁目1番1号代表者の役職・氏名代表取締役 執行役員社長 井上晃夫事業内容発・変電システム、送・配電システム、電鉄システム、水処理・水系運用システム、電動力応用システム、産業用プロセス制御管理、ネットワークシステム、ダイナモメータシステム、ロジスティックスシステムなどの開発、生産、販売、サービス資本金170億7,000万円 |
研究開発活動 | 6 【研究開発活動】 当連結会計年度の研究開発費の総額は、連結売上高の3.5%にあたる、10,098百万円でした。各事業セグメント別の研究開発費は、電力インフラ事業セグメントで1,632百万円、社会システム事業セグメントで1,762百万円、産業電子モビリティ事業セグメントで3,673百万円、フィールドエンジニアリング事業セグメントで195百万円、その他で184百万円でした。また、研究開発本部等で実施している全社共通の研究開発費は2,649百万円でありました。「中期経営計画2024」では、「両利きの経営を支える研究開発」を基本方針とし、既存事業の競争力強化及び新製品・新規事業育成に取り組んでおります。当連結会計年度の主な取組みは次のとおりであります。 既存事業の競争力強化に向けては、環境対応製品のラインアップ拡充を目指した開発と車の電動化に対応する開発に取り組みました。1点目の環境対応製品については温暖化係数の高いSF6ガスを使わない真空技術応用製品が代表的であり、特に、環境意識の高まりから規制が進んでいる北米市場で需要が旺盛な123/145kV以上の高電圧対応製品の基盤技術開発に注力しました。2点目の車の電動化については、今後普及が拡大する急速充電に対応するため、800V対応の高出力EV駆動ユニットの開発を行いました。さらに、次世代デバイスであるSiC(シリコンカーバイド)の適用によるEV駆動ユニットの小型化、高効率化を目指しております。新製品・新規事業育成に向けては、明電グループの新事業の柱となり得るテーマの創出を組織的に推進しております。さらに、将来目指したい社会の姿からバックキャストし、明電グループが保有すべき技術を議論し実施する「指向型研究」を展開しております。その中で、当社のコア技術の1つである電力変換技術に注力し、今後の再生可能エネルギー普及により拡大が見込まれる分散型エネルギーを高効率で繋ぐ直流送配電系統に対応した基礎技術の開発を行いました。 |
設備投資等の概要 | 1 【設備投資等の概要】 (1) 重要な設備の新設等当社グループは、各セグメントにおいて成長が期待できる分野への投資に重点を置き、合わせて省力化、合理化及び製品の信頼性向上のための投資を行っております。当連結会計年度の設備投資(金額には消費税等を含みません)の内訳(有形固定資産のほか、ソフトウエアへの投資を含みます)は、次のとおりであります。(単位:百万円)セグメントの名称設備投資額電力インフラ事業3,546社会システム事業1,093産業電子モビリティ事業1,991フィールドエンジニアリング事業292不動産事業96その他320全社2,640合計9,981 各セグメントの主要な投資内容は、次のとおりであります。 電力インフラ事業は、発電製品関連設備209百万円、変電製品関連設備2,980百万円等であります。 社会システム事業は、配電製品・監視制御装置・電力変換装置関連設備516百万円等であります。産業電子モビリティ事業は、モータ・インバータ関連設備1,278百万円、動力計測システム関連設備107百万円等であります。 フィールドエンジニアリング事業は、メンテナンス業務に関わる設備292百万円であります。 全社は、情報システム関連設備843百万円等であります。 (2) 重要な設備の除却等 当連結会計年度の生産能力に重要な影響を及ぼすような固定資産の除却、売却又は災害による滅失などはありません。 |
主要な設備の状況 | 2 【主要な設備の状況】 (1) 提出会社(2024年3月31日現在)事業所名(所在地)セグメントの名称設備の内容帳簿価額(百万円)従業員数(名)建物及び構築物機械装置及び運搬具土地(面積千㎡)その他合計太田事業所(群馬県太田市)電力インフラ事業産業電子モビリティ事業その他回転機システム製造設備動力計測システム製造設備2,133721795(175)1993,850451(15)沼津事業所(静岡県沼津市)電力インフラ事業社会システム事業産業電子モビリティ事業その他変電機器製造設備環境システム製造設備コンピュータシステム製造設備電子機器製造設備研究開発設備インバータ製造設備12,0233,6755,529(375)4,27725,5051,676(68)名古屋事業所(愛知県清須市)産業電子モビリティ事業その他産業車両用電装品・ロジスティクスシステム製造設備1,5421,494220(79)3473,604211(8)本社事務所(東京都品川区) 支社・支店・営業所等(大阪府大阪市中央区他)電力インフラ事業社会システム事業産業電子モビリティ事業不動産事業その他システムエンジニアリング業務関連設備研究開発設備全社的管理業務関連設備購買業務関連設備販売業務関連設備14,131373,879(109)3,09621,1451,520(158)メンテナンス拠点(兵庫県尼崎市他)フィールドエンジニアリング事業その他メンテナンス業務関連設備3690906(11)41,28116(-)合計30,2015,93011,331(749)7,92455,3873,874(249) (注) 1.帳簿価額のうち「その他」は、工具器具及び備品、建設仮勘定、リース資産及びソフトウエアの合計であります。 なお、上記の金額には消費税等を含んでおりません。2.土地面積は千㎡未満を切り捨てて表示しております。3.上表のほか、賃借中の土地、建物(年間賃借料236百万円)があります。4.上表の「本社事務所」の土地の面積には、㈱世界貿易センタービルディングと共有している土地18千㎡が含まれております。5.現在休止中の主要な設備はありません。6.従業員数の()は、嘱託、定年退職後再雇用者を外書きしております。 (2) 国内子会社(2024年3月31日現在)会社名事業所名(所在地)セグメントの名称設備の内容帳簿価額(百万円)従業員数(名)建物及び構築物機械装置及び運搬具土地(面積千㎡)その他合計明電興産㈱本社等(東京都品川区等)その他建物・土地等1,9150566 (2)492,531130㈱甲府明電舎本社等(山梨県中央市)産業電子モビリティ事業電気製造設備等46727-(-)166940243 (注) 1.帳簿価額のうち「その他」は、工具器具及び備品、建設仮勘定、ソフトウエアの合計であります。なお、上記の金額には消費税等を含んでおりません。2.土地面積は千㎡未満を切り捨てて表示しております。3.現在休止中の主要な設備はありません。 (3) 海外子会社(2024年3月31日現在)会社名事業所名(所在地)セグメントの名称設備の内容帳簿価額(百万円)従業員数(名)建物及び構築物機械装置及び運搬具土地(面積千㎡)その他合計MEIDEN SINGAPORE PTE.LTD.本社等(シンガポール)電力インフラ事業電気機器製造設備等485486-(-)5981,570361MEIDEN T&D (INDIA) LIMITED本社等(インド)電力インフラ事業変圧器製造設備等8351,358-(-)662,261334明電舎(杭州)駆動技術有限公司本社等(中国)産業電子モビリティ事業EV用モータ・インバータ製造設備等2,3544,785-(-)8197,959108 (注) 1.帳簿価額のうち「その他」は、工具器具及び備品、建設仮勘定、ソフトウエア、リース資産の合計であります。なお、上記の金額には消費税等を含んでおりません。2.土地面積は千㎡未満を切り捨てて表示しております。3.現在休止中の主要な設備はありません。 |
設備の新設、除却等の計画 | 3 【設備の新設、除却等の計画】 (1) 重要な設備の新設等当連結会計年度後1年間の設備投資計画(新設・拡充)は15,000百万円であり、セグメントごとの内訳(有形固定資産のほか、ソフトウエアへの投資を含みます)は次のとおりであります。(単位:百万円)セグメントの名称2025年3月末計画金額設備等の主な内容・目的資金調達方法電力インフラ事業5,500発電製品・変電製品の製造設備等の増強、合理化、老朽更新等自己資金、社債及び借入金社会システム事業1,600配電製品・監視制御装置・水処理装置・電力変換装置の製造設備等の増強、合理化、老朽更新等産業電子モビリティ事業2,200動力計測システム、モータ、インバータ、電動力応用製品、真空コンデンサ、電子機器製品及びロジスティクス関連製品の製造設備等の増強、合理化、老朽更新等フィールドエンジニアリング事業200メンテナンスに関わる設備の増強、老朽更新等不 動 産 事 業200ThinkPark Towerを中心とした保有不動産の維持等そ の 他400上記のセグメントに属さない業務に関する設備の増強、老朽更新等全 社4,900事業セグメントにまたがる共通設備の増強、合理化、老朽更新等合 計15,000 (注)1.上記の金額には消費税等を含んでおりません。2.各セグメントの主要な計画概要は、次のとおりであります。 電力インフラ事業は、発電製品関連設備834百万円、変電製品関連設備4,090百万円等であります。 社会システム事業は、配電製品・監視制御装置・電力変換装置関連設備773百万円等であります。産業電子モビリティ事業は、モータ・インバータ関連設備1,423百万円、動力計測システム関連設備158百万円等であります。 フィールドエンジニアリング事業は、メンテナンス業務に関わる設備200百万円であります。 全社は、情報システム関連設備1,772百万円等であります。 (2) 重要な設備の除却等経常的な設備の更新のための除却を除き、重要な設備の除却等の計画はありません。 |
研究開発費、研究開発活動 | 2,649,000,000 |
設備投資額、設備投資等の概要 | 9,981,000,000 |
Employees
平均年齢(年)、提出会社の状況、従業員の状況 | 43 |
平均勤続年数(年)、提出会社の状況、従業員の状況 | 19 |
平均年間給与、提出会社の状況、従業員の状況 | 7,351,896 |
管理職に占める女性労働者の割合、提出会社の指標 | 0 |
全労働者、労働者の男女の賃金の差異、提出会社の指標 | 1 |
正規雇用労働者、労働者の男女の賃金の差異、提出会社の指標 | 1 |
非正規雇用労働者、労働者の男女の賃金の差異、提出会社の指標 | 1 |
Investment
株式の保有状況 | (5) 【株式の保有状況】 ① 投資株式の区分の基準及び考え方純投資目的株式には、専ら株式価値の変動又は配当金を目的として保有する株式を、純投資目的以外の株式には、それら目的に加え中長期的な企業価値の向上に資すると判断し保有する株式を区分しております。 なお、現在、当社では純投資目的株式は保有しておりません。 ② 保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式 ⅰ保有方針及び保有の合理性を検証する方法並びに個別銘柄の保有の適否に関する取締役会等における検証の内容当社は、市場等の状況を踏まえたうえで、中長期観点からの取引の維持・拡大、及び提携・アライアンス先等のパートナーとの中長期的な協力関係の担保・強化を目的とし、企業価値の向上に資する政策保有株式につきましては保有し、保有意義や合理性が認められなくなった政策保有株式につきましては、売却の検討を行うことを基本方針としております。この方針のもと、現在保有している上場株式につきましては、銘柄毎にそのリターン(配当金・関連取引利益額等)と時価の比率が目標資本コストの水準に達しているかという点や、政策面の要素等を総合的に判断し、保有又は縮減を決定しております。 ⅱ銘柄数及び貸借対照表計上額 銘柄数(銘柄)貸借対照表計上額の合計額(百万円) 非上場株式39544 非上場株式以外の株式5025,736 (当事業年度において株式数が増加した銘柄) 銘柄数(銘柄)株式数の増加に係る取得価額の合計額(百万円)株式数の増加の理由非上場株式---非上場株式以外の株式1150中長期的観点からの取引の創出、維持・強化のため。 (当事業年度において株式数が減少した銘柄) 銘柄数(銘柄)株式数の減少に係る売却価額の合計額(百万円) 非上場株式50 非上場株式以外の株式267 (注)非上場株式の銘柄数の減少は、会社の清算・破産によるものであります。 ⅲ特定投資株式及びみなし保有株式の銘柄ごとの株式数、貸借対照表計上額等に関する情報 特定投資株式銘柄当事業年度前事業年度保有目的、業務提携等の概要定量的な保有効果及び株式数が増加した理由当社の株式の保有の有無株式数(株)貸借対照表計上額(百万円)株式数(株)貸借対照表計上額(百万円)豊田通商株式会社484,2504,970484,2502,721主として電力インフラ事業などで取引があり、取引関係維持・強化を目的として保有している。無住友不動産株式会社405,0002,347405,0001,207主として社会システム事業などで取引があり、取引関係維持・強化を目的として保有している。有株式会社ダイヘン237,2002,203237,2001,051主として産業電子モビリティ事業などで取引があり、取引関係維持・強化を目的として保有している。有株式会社三井住友フィナンシャルグループ244,7552,180244,7551,296主として財務面などで取引があり、取引関係維持・強化を目的として保有している。有*株式会社小松製作所302,0781,336302,078989主として産業電子モビリティ事業などで取引があり、取引関係維持・強化を目的として保有している。無横河電機株式会社274,000957274,000589主として社会システム事業などで取引があり、取引関係維持・強化を目的として保有している。有 銘柄当事業年度前事業年度保有目的、業務提携等の概要定量的な保有効果及び株式数が増加した理由当社の株式の保有の有無株式数(株)貸借対照表計上額(百万円)株式数(株)貸借対照表計上額(百万円)株式会社めぶきフィナンシャルグループ1,775,3159081,775,315575主として財務面などで取引があり、取引関係維持・強化を目的として保有している。有*京阪神ビルディング株式会社549,900899427,200510主として社会システム事業などで取引があり、取引関係維持・強化を目的として保有しており、当事業年度に一部買増した。有株式会社豊田自動織機50,00078250,000367主として産業電子モビリティ事業などで取引があり、取引関係維持・強化を目的として保有している。有丸一鋼管株式会社178,569718178,569519主として社会システム事業などで取引があり、取引関係維持・強化を目的として保有している。有東海旅客鉄道株式会社175,00065235,000553主として社会システム事業などで取引があり、取引関係維持・強化を目的として保有している。株式分割により株式数が増加している。無東京電力ホールディングス株式会社681,258643681,258322主として電力インフラ事業などで取引があり、取引関係維持・強化を目的として保有している。無住友大阪セメント株式会社157,200605157,200586主として社会システム事業などで取引があり、取引関係維持・強化を目的として保有している。有三井住友トラスト・ホールディングス株式会社163,94454281,972372主として財務面などで取引があり、取引関係維持・強化を目的として保有している。株式分割により株式数が増加している。有*東京ガス株式会社146,748515146,748366主として社会システム事業などで取引があり、取引関係維持・強化を目的として保有している。無株式会社電業社機械製作所127,500509127,500397主として社会システム事業などで取引があり、取引関係維持・強化を目的として保有している。有中部電力株式会社240,489478240,489336主として電力インフラ事業などで取引があり、取引関係維持・強化を目的として保有している。無株式会社三菱UFJフィナンシャル・グループ298,680465298,680253主として財務面などで取引があり、取引関係維持・強化を目的として保有している。有*スルガ銀行株式会社371,665331371,665172主として財務面などで取引があり、取引関係維持・強化を目的として保有している。有東日本旅客鉄道株式会社34,50030234,500253主として社会システム事業などで取引があり、取引関係維持・強化を目的として保有している。無株式会社日本製鋼所84,60028684,600209主として産業電子モビリティ事業などで取引があり、取引関係維持・強化を目的として保有している。有東北電力株式会社227,910272227,910150主として電力インフラ事業などで取引があり、取引関係維持・強化を目的として保有している。無北海道電力株式会社309,204259309,204150主として電力インフラ事業などで取引があり、取引関係維持・強化を目的として保有している。無日本碍子株式会社125,840256125,840220主として社会システム事業などで取引があり、取引関係維持・強化を目的として保有している。有新明和工業株式会社173,300216173,300204主として社会システム事業での取引関係創出を目的として保有している。有九州電力株式会社148,422204148,422112主として電力インフラ事業などで取引があり、取引関係維持・強化を目的として保有している。無日本電設工業株式会社94,00020094,000148主として社会システム事業などで取引があり、取引関係維持・強化を目的として保有している。有株式会社三十三フィナンシャルグループ92,67119392,671146主として財務面などで取引があり、取引関係維持・強化を目的として保有している。有*株式会社タクマ101,000192101,000134主として社会システム事業などで取引があり、取引関係維持・強化を目的として保有している。有鹿島建設株式会社57,88118057,88192主として社会システム事業などで取引があり、取引関係維持・強化を目的として保有している。有住友金属鉱山株式会社33,39015333,390168主としてフィールドエンジニアリング事業などで取引があり、取引関係維持・強化を目的として保有している。有関西電力株式会社66,18814566,18885主として電力インフラ事業などで取引があり、取引関係維持・強化を目的として保有している。無住友ゴム工業株式会社77,05014477,05092主としてフィールドエンジニアリング事業などで取引があり、取引関係維持・強化を目的として保有している。無 銘柄当事業年度前事業年度保有目的、業務提携等の概要定量的な保有効果及び株式数が増加した理由当社の株式の保有の有無株式数(株)貸借対照表計上額(百万円)株式数(株)貸借対照表計上額(百万円)MS&ADインシュアランスグループホールディングス株式会社16,66713516,66768主として社会システム事業などで取引があり、取引関係維持・強化を目的として保有している。有*西日本旅客鉄道株式会社15,0009415,00081主として社会システム事業などで取引があり、取引関係維持・強化を目的として保有している。無岡谷鋼機株式会社4,200714,20043主として産業電子モビリティ事業などで取引があり、取引関係維持・強化を目的として保有している。有株式会社みずほフィナンシャルグループ21,3016421,30140主として財務面などで取引があり、取引関係維持・強化を目的として保有している。有*株式会社南都銀行17,0395217,03939主として財務面などで取引があり、取引関係維持・強化を目的として保有している。有オリジナル設計株式会社39,0004739,00030主として社会システム事業などで取引があり、取引関係維持・強化を目的として保有している。有月島ホールディングス株式会社24,2003424,20026主として社会システム事業などで取引があり、取引関係維持・強化を目的として保有している。有株式会社ヒラノテクシード15,7503215,75032主として産業電子モビリティ事業などで取引があり、取引関係維持・強化を目的として保有している。有中部鋼鈑株式会社12,0003112,00028主として社会システム事業などで取引があり、取引関係維持・強化を目的として保有している。有北陸電力株式会社39,3183139,31823主として電力インフラ事業などで取引があり、取引関係維持・強化を目的として保有している。無三精テクノロジーズ株式会社24,5003124,50019主として産業電子モビリティ事業などで取引があり、取引関係維持・強化を目的として保有している。無株式会社ナ・デックス20,0002220,00020主としてフィールドエンジニアリング事業などで取引があり、取引関係維持・強化を目的として保有している。有住友重機械工業株式会社3,200153,20010主として産業電子モビリティ事業などで取引があり、取引関係維持・強化を目的として保有している。有株式会社ふくおかフィナンシャルグループ2,36592,3656主として財務面などで取引があり、取引関係維持・強化を目的として保有している。有*株式会社不二越1,00031,0003主として産業電子モビリティ事業などで取引があり、取引関係維持・強化を目的として保有している。有株式会社山形銀行1,60011,6001主として財務面などで取引があり、取引関係維持・強化を目的として保有している。有日本ギア工業株式会社1,00001,0000主として産業電子モビリティ事業などで取引があり、取引関係維持・強化を目的として保有している。有北越工業株式会社--24,60034主として産業電子モビリティ事業などで取引があり、取引関係維持・強化を目的として保有していたが、当事業年度に売却した。無キヤノンマーケティングジャパン株式会社--1,1553主として産業電子モビリティ事業などで取引があり、取引関係維持・強化を目的として保有していたが、当事業年度に売却した。無 (注)「当社の株式の保有の有無」の「有*」につきましては、グループ傘下会社が当社株式を保有していることを示し ております。 みなし保有株式 該当事項はありません。 |
株式数が増加した銘柄数、非上場株式以外の株式、保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式、提出会社 | 1 |
株式数が減少した銘柄数、非上場株式以外の株式、保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式、提出会社 | 2 |
銘柄数、非上場株式、保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式、提出会社 | 39 |
貸借対照表計上額、非上場株式、保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式、提出会社 | 544,000,000 |
銘柄数、非上場株式以外の株式、保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式、提出会社 | 50 |
貸借対照表計上額、非上場株式以外の株式、保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式、提出会社 | 25,736,000,000 |
株式数の増加に係る取得価額の合計額、非上場株式以外の株式、保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式、提出会社 | 150,000,000 |
株式数の減少に係る売却価額の合計額、非上場株式以外の株式、保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式、提出会社 | 67,000,000 |
株式数、保有目的が純投資目的以外の目的である特定投資株式の明細、提出会社 | 12,000 |