財務諸表

CoverPage

提出書類、表紙有価証券報告書
提出日、表紙2024-06-24
英訳名、表紙Monex Group, Inc.
代表者の役職氏名、表紙代表執行役社長 清明 祐子
本店の所在の場所、表紙東京都港区赤坂一丁目12番32号
電話番号、本店の所在の場所、表紙03(4323)8698(代表)
様式、DEI第三号様式
会計基準、DEIIFRS
連結決算の有無、DEItrue
当会計期間の種類、DEIFY

corp

沿革 2【沿革】
2004年3月マネックス証券株式会社及び日興ビーンズ証券株式会社(以下、「両社」)が共同で持株会社を設立し、両社経営を統合することにつき合意2004年8月両社の共同持株会社として、マネックス・ビーンズ・ホールディングス株式会社(当社)を設立 当社の普通株式を東京証券取引所(マザーズ市場)に上場2004年10月マネックス・オルタナティブ・インベストメンツ株式会社(子会社)を設立2005年5月マネックス証券株式会社(子会社)と日興ビーンズ証券株式会社(子会社)は合併し、商号をマネックス・ビーンズ証券株式会社(子会社)に変更2005年9月当社の普通株式を東京証券取引所市場第一部に上場 WR Hambrecht & Co Japan株式会社(関連会社)を設立2005年11月マネックス・ビジネス・インキュベーション株式会社(子会社)を設立 株式会社マネックス・ユニバーシティ(子会社)を設立2005年12月マネックス・ビーンズ証券株式会社(子会社)は商号をマネックス証券株式会社に変更2006年4月トレード・サイエンス株式会社(関連会社)を設立2007年8月米国に現地法人MBH America, Inc.(子会社)を設立2007年9月WR Hambrecht & Co Japan株式会社の株式を追加取得し子会社化2007年11月WR Hambrecht & Co Japan株式会社は商号をWRハンブレクトジャパン株式会社に変更2008年4月トウキョウフォレックス株式会社の株式を取得し子会社化2008年6月トウキョウフォレックス株式会社は商号を株式会社マネックスFXに変更2008年7月当社は商号をマネックスグループ株式会社に変更2008年7月トレード・サイエンス株式会社の株式を追加取得し完全子会社化2010年1月株式交換により、オリックス証券株式会社を完全子会社化2010年2月WRハンブレクトジャパン株式会社は商号をマネックス・ハンブレクト株式会社に変更2010年5月マネックス証券株式会社(子会社)とオリックス証券株式会社(子会社)はマネックス証券株式会社を存続会社として合併2010年12月BOOMグループ合併準備合同会社との合併により、Boom Special Limited及びBOOM証券グループを完全子会社化2011年2月Boom Special Limitedは商号をMonex International Limitedに変更 マネックス・オルタナティブ・インベストメンツ株式会社(子会社)とあすかコモディティインベストメンツ株式会社はマネックス・オルタナティブ・インベストメンツ株式会社を存続会社として合併2011年6月TradeStation Group, Inc.の全株式を取得し完全子会社化2011年11月IBFX Holdings, LLCの持分をTradeStation Group, Inc.(子会社)が取得し子会社化2012年3月TradeStation Group, Inc.(子会社)がMBH America, Inc. (子会社)を吸収合併2012年8月ソニーバンク証券株式会社の全株式を取得し完全子会社化2012年8月マネックス・オルタナティブ・インベストメンツ株式会社(子会社)の当社持分全てをアストマックス株式会社(現 アストマックス・トレーディング株式会社)に譲渡2013年1月マネックス証券株式会社(子会社)とソニーバンク証券株式会社(子会社)はマネックス証券株式会社を存続会社として合併2013年4月株式会社マネックスFX(子会社)の顧客口座及び関連する外国為替証拠金取引サービス事業等をマネックス証券株式会社(子会社)が吸収分割により承継2013年6月委員会設置会社(現 指名委員会等設置会社)に移行2014年5月マネックス・ビジネス・インキュベーション株式会社は商号をマネックスベンチャーズ株式会社に変更2015年2月マネックス証券株式会社(子会社)と株式会社マネックスFX(子会社)はマネックス証券株式会社を存続会社として合併2015年8月日本投資顧問株式会社(子会社)を設立2015年10月日本投資顧問株式会社は商号をマネックス・セゾン・バンガード投資顧問株式会社(現 マネックス・アセットマネジメント株式会社)に変更2017年3月マネックスファイナンス株式会社(子会社)を設立2018年4月コインチェック株式会社の全株式を取得し完全子会社化2019年1月MV1号投資事業有限責任組合(子会社)を設立2021年4月MV2号投資事業有限責任組合(子会社)を設立2023年12月マネックス証券株式会社(子会社)の単独株式移転により、マネックスホールディングス株式会社(子会社)を中間持株会社として設立2024年1月マネックスホールディングス株式会社(子会社)の株式を株式会社NTTドコモへ一部譲渡マネックスホールディングス株式会社は商号をドコモマネックスホールディングス株式会社へ変更ドコモマネックスホールディングス株式会社とマネックス証券株式会社を関連会社化
事業の内容 3【事業の内容】
 当社グループは、金融商品取引業、暗号資産交換業、有価証券の投資事業を主要な事業として、日本、米国及びアジア・パシフィックに主要な拠点を有し展開しています。 また、当社グループの報告セグメントは以下のとおりであり、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 6.セグメント情報」に掲げるセグメント区分と同一です。報告セグメント主要な事業主要な会社日本日本における金融商品取引業マネックスグループ株式会社マネックス・アセットマネジメント株式会社米国米国における金融商品取引業TradeStation Securities, Inc.クリプトアセット事業暗号資産交換業コインチェック株式会社アジア・パシフィック香港における金融商品取引業Monex Boom Securities(H.K.) Limited投資事業有価証券等の投資事業マネックスベンチャーズ株式会社MV1号投資事業有限責任組合MV2号投資事業有限責任組合東京ウェルネスインパクト投資事業有限責任組合 (注)各法人はそれぞれ独立した経営単位であり、各法人で包括的な戦略を立案し、事業を展開しています。  当連結会計年度のグループの構成は、持株会社であるマネックスグループ株式会社(当社)、子会社35社、持分法適用会社等7社です。その他の関係会社として、株式会社しずおかフィナンシャルグループが存在します。  なお、当社は、有価証券の取引等の規制に関する内閣府令第49条第2項に規定する特定上場会社等に該当しており、これにより、インサイダー取引規制の重要事実の軽微基準については連結ベースの数値に基づいて判断することになります。 [事業系統図] 以上述べた事項を事業系統図として示すと、次のとおりです。
関係会社の状況 4【関係会社の状況】
(1) 連結子会社名称住所資本金又は出資金(百万円)主要な事業の内容議決権の所有割合又は出資比率(%)関係内容マネックス・アセットマネジメント株式会社(注)1東京都港区1,400投資運用業、投資助言・代理業100.0役員の兼任等マネックスファイナンス株式会社(注)6東京都港区50資金調達及びグループ内への融資100.0役員の兼任、債務保証等コインチェック株式会社(注)7東京都渋谷区385暗号資産交換業89.0役員の兼任等マネックスベンチャーズ株式会社東京都港区100有価証券等の投資事業100.0役員の兼任等MV1号投資事業有限責任組合(注)1、3東京都港区2,089投資事業有限責任組合39.6-MV2号投資事業有限責任組合(注)1東京都港区1,498投資事業有限責任組合66.9-TradeStation Group, Inc.(注)1アメリカ合衆国フロリダ州10米ドル中間持株会社(米国)100.0役員の兼任、債務保証等TradeStation Securities, Inc.(注)2、7アメリカ合衆国フロリダ州100米ドル金融商品取引業100.0(100.0)役員の兼任等TradeStation Technologies, Inc.(注)2アメリカ合衆国フロリダ州100米ドルシステム開発・運営、ソフトウェア販売100.0(100.0)役員の兼任等Monex International Limited(注)1中華人民共和国香港特別行政区46百万香港ドル中間持株会社(香港)100.0役員の兼任等Monex Boom Securities (H.K.) Limited(注)1、2中華人民共和国香港特別行政区149百万香港ドル金融商品取引業100.0(100.0)役員の兼任、債務保証等その他24社
(2) 持分法適用会社等名称住所資本金又は出資金(百万円)主要な事業の内容議決権の所有割合(%)関係内容ドコモマネックスホールディングス株式会社(注)4東京都千代田区100中間持株会社51.0役員の兼任等マネックス証券株式会社(注)2、4東京都港区13,195金融商品取引業51.0(51.0)役員の兼任等有限会社トライアングルパートナーズ(注)5東京都千代田区3匿名組合の持分の募集及び管理-匿名組合契約に基づく出資杭州財悦科技有限公司(注)2中華人民共和国浙江省杭州市30百万元技術支援49.0(49.0)役員の兼任等その他3社 (3) その他の関係会社名称住所資本金又は出資金(百万円)主要な事業の内容議決権の被所有割合(%)関係内容株式会社しずおかフィナンシャルグループ(注)6静岡県静岡市葵区90,000銀行業20.8資本業務提携 (注)1.特定子会社です。   2.議決権の所有割合の( )内は、間接所有割合です。   3.出資比率は100分の50以下ですが、実質的な支配を有しているため子会社としたものです。   4.議決権の所有割合は100分の50以上ですが、実質的な支配を有していないため関連会社としたものです。   5.議決権の所有割合は100分の20未満ですが、実質的な影響力を有しているため関連会社としたものです。   6.有価証券報告書の提出会社です。   7.営業収益(連結会社相互間の内部収益を除く。)の連結営業収益に占める割合が10%を超えている各社の主要な損益情報等は次のとおりです。 コインチェック株式会社 TradeStationSecurities, Inc.  営業収益9,356百万円 47,420百万円  税引前利益2,758百万円 17,447百万円  当期利益1,909百万円 13,164百万円  資本合計12,443百万円 23,537百万円  資産合計119,194百万円 457,605百万円    8.持分法適用会社等には共同支配事業を含んでいます。
従業員の状況 5【従業員の状況】
(1) 連結会社の状況 2024年3月31日現在セグメントの名称従業員数(人)日本155米国649アジア・パシフィック43クリプトアセット事業202投資事業3合計1,052(注)1.派遣従業員数は、従業員数の100分の10未満であるため記載を省略しています。2.従業員数が前連結会計年度末に比べ439名減少したのは、主に、当社、マネックス証券株式会社及び株式会社NTTドコモの3社間の資本業務提携にもとづき、マネックス証券株式会社が株式会社NTTドコモの子会社となったことによるものです。
(2) 提出会社の状況 2024年3月31日現在従業員数(人)平均年齢(歳)平均勤続年数(年)平均年間給与(円)53(9)43.04.38,653,301(注)1.従業員は就業人員であり、( )内に派遣従業員の期末人員を外数で記載しています。なお、従業員数には執行役員を含めていません。2.提出会社の従業員数はセグメント区分「日本」におけるものです。3.平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでいます。 (3) 労働組合の状況当社グループにおいて労働組合は結成されていませんが、労使関係は良好です。 (4) 管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異①提出会社当事業年度管理職に占める女性労働者の割合(%)(注)1.男性労働者の育児休業取得率(%)(注)2.労働者の男女の賃金の差異(%)(注)1.--86.2(注)1.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものです。2.「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の4第1号における育児休業等の取得割合を算出したものです。 ②連結子会社当事業年度名称管理職に占める女性労働者の割合(%) (注)1.男性労働者の育児休業取得率(%) (注)2.労働者の男女の賃金の差異(%) (注)1.コインチェック株式会社-83.361.1(注)1.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものです。2.「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の4第1号における育児休業等の取得割合を算出したものです。
経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】
 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。 (1) 経営方針 当社はオンライン金融事業を営むマネックス証券株式会社(日本)及びTradeStation Group, Inc.(米国)並びに暗号資産交換業を営むコインチェック株式会社(日本)を始め、その他国内外に金融関連の子会社及び持分法適用会社を有する持株会社です。なお、マネックス証券株式会社は2024年1月より当社の持分法適用会社となりましたが、当社グループと企業理念やブランド等を共有しており、引き続き重要なグループ会社と考えております。当社グループは、次に掲げる企業理念および行動指針を基に、個人投資家の日々の生活及び資産形成に必要な総合金融サービスの提供を目指していきます。  ① 企業理念 MONEXとはMONEYのYを一歩進め、一足先の未来における人の活動を表しています。 常に変化し続ける未来に向けてマネックスグループは、最先端のIT技術と、グローバルで普遍的な価値観とプロフェッショナリズムを備え、新しい時代におけるお金との付き合い方をデザインするとともに、個人の自己実現を可能にし、その生涯バランスシートを最良化することを目指します。  ② 行動指針・自主性をもって事業を創造する 一人一人が、未来のあるべき姿と当社事業の成長のために自ら考え進んでいきます。プロフェッショナル意識を持ち、必要な知識や技術を追求し、自らの価値を高めるよう努めます。・公正であることを尊重する 多様な背景や考え方を尊重します。一人一人の能力が最大限発揮できる透明性のある公正なチームを構築することで、当社の企業価値の向上につなげるとともに、より良い社会の実現を目指します。・企業理念の実現に貢献する 私たちのステークホルダーの価値創造に貢献します。未来における人の活動において、生涯バランスシートを最良化するため、何が望まれているかを想像して、個人およびチームが短期的かつ長期的な目標に向かって邁進します。
(2) 目標とする経営指標及び現状の経営環境 当社グループは連結における年度の業績予算を策定していますが、当社グループはオンライン証券ビジネスやクリプトアセットビジネスなどをグローバルに展開しており、経済環境や相場環境等の影響を大きく受けるため、業績予想を行うことが困難な状況にあります。当社の業績予想および収益計画は、投資家に対して誤った情報を提供する可能性があることから適切でないと考えているため、開示しておりません。一方、資本効率に関する目標としてROEが妥当と考えており、10%を達成すべき水準と考えております。 2024年3月期の連結決算については、親会社の所有者に帰属する当期利益は313億円となり、前年比847%増となりました。暗号資産等の市場環境の回復と各グループ会社の事業戦略推進が奏功し、主要事業群は収益基盤の拡大に成功しました。またNTTドコモとの資本業務提携による株式売却益等も計上しました。ROEについては、NTTドコモとの資本業務提携にかかる利益を含めると27%となり、それを除く実力値ベースでは、8%となりました。今後、資本効率を意識し、利益につながる成長投資を促進することで、継続的にROE10%を出せるように努めてまいります。 (3) 対処すべき課題Ⅰ全社戦略1) 最適な事業ポートフォリオの追求当社グループはグループ各社の成長戦略を推進しつつ、アセットマネジメント事業など新たな成長投資領域へ投資することで、グループ全体のポートフォリオの最適化を図り、さらなる企業価値向上を目指します(主要グループ各社の成長戦略については下記Ⅱ参照)。 2) 資本コストを意識した成長投資の実現当社グループは資本コストとの対比でROE10%以上を経営目標としております。今後も、資本効率を意識し、利益につながる成長投資を促進することで、継続的にROE10%以上を達成するよう努めていきます。 3) 人的資本経営の高度化当社グループが常に革新的な、最良の商品・サービスをお客様に提供し、社会から信頼、尊敬される企業であり続けるためには、その推進力である社員一人ひとりの力が何よりも重要です。そのため当社グループでは「人材」を最も重要な経営資源と捉え、全社で掲げる「人材育成方針」のもと、持続的な成長と企業価値の向上にむけて社員がもつポテンシャルを最大限引き出すための人材育成環境づくりに取り組んでいきます。 Ⅱグループ各社の事業戦略1) マネックス証券本年1月から開始したNTTドコモとの資本業務提携により、マネックス証券は、従来の成長曲線をはるかに超える非連続的な成長機会を獲得しました。また、イオン銀行からの投資信託保有口座の移管も本年1月に完了し、イオン銀行との金融商品仲介を通じた包括提携も始まりました。パートナー企業との提携を通じて、顧客基盤と預かり資産を飛躍的に拡大させていきます。今後はNTTドコモとの提携をさらに推進し、dカードでの投資信託のクレカ積立サービスやdポイントを利用した投資信託の購入など、新しいサービスも提供予定です。これらの取り組みや新NISAスタートも追い風に、投資未経験者層やパートナー企業のお客様など、これまでリーチしていなかった新たな顧客層との接点を拡大し、日本における投資・資産形成の裾野を広げることで、さらなるマネックス証券の事業基盤強化を目指していきます。そのために、システム基盤やコールセンターなどの顧客対応キャパシティも充実させていく考えです。 2) TradeStation米国のTradeStationは、長年にわたり高評価を得ている自社開発の取引プラットフォームを強みとして高頻度に取引をするアクティブトレーダー層から高い支持を受けています。アクティブトレーダー顧客を主体とした収益貢献度の高い大口顧客にフォーカスし、彼らに「究極のトレーダー体験を提供する」ことを課題と認識しています。また、強固なAPI技術を活用し、革新的な取引・分析ソリューションを提供するフィンテック企業の顧客の取引も取り込んでいきます。具体的な施策として、世界最高水準を目指した取引体験の提供や強力な取引・分析ツールの活用により、顧客の取引活性化を進めていきます。また、Trading Viewをはじめとするパートナー企業とのAPIを活用した連携を通じ、ユーザーのLTV(Life Time Value)の向上に取り組んでいきます。さらに、アウトバウントセールス(対面営業)やコンシェルジュサービスなどを実施し、高付加価値顧客のロイヤリティ向上を目指します。 3) コインチェックコインチェックは、日本においてBTC(ビットコイン)をはじめとする暗号資産を取扱う販売所および取引所の運営を主要事業としています。暗号資産市場のボラティリティの高さと事業環境の変化の速さを背景に、日本国内における競合優位性の堅持がさらに重要な課題になっています。このような課題認識のもと、加速的な成長を目指し、暗号資産市場およびWeb3産業の裾野を拡げるべく「コインチェックとつながる人口の拡大」を目指してBtoCに加えてBtoBtoCへ事業ポートフォリオの拡充を進め、収益の多様化を図っています。具体的な施策として、トークンを使った企業の資金調達手法の1つであるIEO※1や初めて販売されるNFT※2コレクションをNFTマーケットプレイスで取扱うINO※3の成功事例を積上げるとともに、多様な法人顧客のニーズに合わせたサービス提案ができる体制の強化に取組んでいます。また、商品の多様化に向けて米ドルを裏付け資産とするステーブルコインUSDCを発行するCircle社との提携を発表し、取扱い開始に向けて準備を進めております。Web3事業領域で、安心して利用いただける暗号資産交換業者として法人にも個人にも最初に選ばれる会社となることを目指して、技術力の向上やセキュリティの強化にも取り組んでいます。グローバル戦略については、コインチェックの持株会社となる予定のCoincheck Group B.V.と米国のSPACとの統合によるナスダック市場への上場に向けた手続を進めております。 ※1 Initial Exchange Offering※2 Non Fungible Token※3 Initial NFT offering
サステナビリティに関する考え方及び取組 2【サステナビリティに関する考え方及び取組】
文中の将来に関する事項は、連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。なお、マネックス証券株式会社は2024年1月より当社の持分法適用会社となりましたが、当社グループと企業理念やブランド等を共有しており、引き続き重要なグループ会社と考えているため、以下マネックス証券株式会社の内容も含めて記載しております。 (1)サステナビリティ全般に関する開示1)企業理念に沿った当社グループの基本方針および取組み当社は、「MONEXとはMONEYのYを一歩進め、一足先の未来における人の活動を表わしています。常に変化し続ける未来に向けて、最先端のIT技術と、グローバルで普遍的な価値観とプロフェッショナリズムを備え、新しい時代におけるお金との付き合い方をデザインすると共に、個人の自己実現を可能にし、その生涯バランスシートを最良化すること」を目指すことを企業理念に掲げています。当社は、当社グループの役員および従業員(名称の如何に関わらず当社グループの業務に従事する者のすべてを含む。以下、総称して「役職員」)が上記企業理念を実現するための行動指針を制定し、役職員一人ひとりが遵守すべき規律を定めています。そして、当社グループ役職員を対象とする社内報への掲載や社内研修の実施を通じ、企業理念を役職員に浸透させるための取組みを行っています。 2)ガバナンス体制当社グループ独自の経営課題と社会課題の解決を目指すため、当社グループのステークホルダーにとっての重要度(縦軸)と当社グループの業績に与える影響についての重要度(横軸)を「マネックスグループのマテリアリティ・マトリックス」(以下、「マテリアリティ・マトリックス」)として特定しています。マテリアリティ・マトリックスは、ステークホルダーの考えや財務的影響度および当社グループの企業理念への影響度を数値化することによって、当社グループがリスクと機会の観点で取組むべき各課題を解決するための優先順位を可視化したものです。こうして、当社グループでは、執行役との協議を重ねたうえでマテリアリティ・マトリックスを策定し、最終的には取締役会での報告、協議を経て決定しました。当社グループのウェブサイトにて上記の過程を踏まえたマテリアリティ・マトリックスを公開(※)しています。マテリアリティ・マトリックスにて数値化、可視化された各課題は、縦横の3象限ずつ計9象限に分けてプロットしており、数値的に重要とされる課題は、本業のなかで取組むべき最重要項目として、各執行役が推進責任者となり、目標設定、進捗管理をして、半期ごとに進捗状況および今後の課題を取締役会に報告しています。また、様々なステークホルダーとともに社会的課題の解決に取組み、新しい価値を創造することで持続可能な社会の実現に貢献することを「MONEX サステナビリティ・ステートメント」として制定しており、取締役全員がコミットしています。(※)https://www.monexgroup.jp/jp/sustainability/mg_esg.html マテリアリティ・マトリックスにおける最重要項目執行役/担当コーポレート・ガバナンス代表執行役社長CEOリスクマネジメントリスク管理統括責任者イノベーション代表執行役会長金融リテラシーの向上代表執行役社長CEO金融サービスへのアクセス向上代表執行役社長CEOセキュリティ&プライバシー情報セキュリティ担当執行役人材採用・人材育成、労働慣行、ダイバーシティ、エクイティ&インクルージョン人事担当執行役コンプライアンス(AML&腐敗防止)内部統制担当執行役サステナブルファイナンス日本セグメント担当執行役 当社グループは、ESG活動に取組むに当たり、社内の横断組織である「ESG/サステナビリティ推進タスクフォース」が中心となり、上記のマテリアリティ・マトリックスにおける最重要項目での取組みや気候変動をはじめとする環境問題に関して、審議および検討を行っています。これらのESGに関する取組みについては、定期的に取締役会に報告され、承認を受けながら、グループ全体を巻き込んで、各種課題の取組みとESGに関する情報開示を推進しています。 3)リスク管理当社は、事業目的を安定的に達成するためには、経営に影響を与えるリスクを常に許容範囲にとどまるように管理することが重要と考えています。こうした経営方針に基づき、「統合リスク管理規程」等に定めた10のリスクを適切に識別、分析、評価したうえで、セグメントを担当する執行役が各リスクについての具体的な管理方法、体制を決定しています。セグメントを担当する執行役は、リスクが発生あるいはリスクが発生する蓋然性が高いと判断した場合、CEOが定めるリスク管理統括責任者と各リスクを担当する執行役に対して報告する体制を構築しており、リスク管理統括責任者は、リスク管理体制に関する整備状況、運用状況を把握し、毎月取締役会に報告しています。また、サステナビリティにおけるリスク管理は、マテリアリティ・マトリックスの特定プロセスの中で、当社グループの業績に与える影響としての重要度(横軸)を決定するうえで、各課題のリスクと機会に対する財務的影響度を数値化して評価しており、各執行役は、マテリアリティ・マトリックスにおける最重要項目として評価された課題の推進責任者として、リスクを管理しています。 4)戦略、指標および目標短期および中長期にわたる当社グループの戦略に影響を与える指針として、上記のとおり、当社は企業理念への影響度を数値化して、マテリアリティ・マトリックスを特定しています。特定されたマテリアリティ・マトリックスのうち、最重要項目においては、推進責任者である各執行役が進捗を管理しながら、半期ごとに進捗状況および今後の課題を目標設定して取締役会に報告しています。 5)取組み実績当社はGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)が採用する日本株式を運用対象とする6つのESG指数である「FTSE Blossom Japan Index」「FTSE Blossom Japan Sector Relative Index」「MSCIジャパンESGセレクト・リーダーズ指数」「MSCI日本株女性活躍指数(WIN)」「S&P/JPXカーボン・エフィシェント指数」「Morningstar Japan ex-REIT Gender Diversity Tilt Index」のすべての構成銘柄に選定されています。 (2)人的資本、多様性に関する開示1)基本方針および取組み当社グループは、人材を最も重要な経営資本と捉え、企業理念の実現を促す3つの行動指針を定めています。行動指針を体現するために求められる人材の能力や行動を明らかにし、人事評価基準にも適用することによって、役職員一人ひとりが自ら考え行動するインセンティブを創出し、個々人の生産性を高めることで組織として最大のパフォーマンスを発揮できる体制を整えています。 行動指針「自主性をもって事業を創造する」一人一人が、未来のあるべき姿と当社事業の成長のために自ら考え進んでいく。プロフェッショナル意識を持ち、必要な知識や技術を追求し、自らの価値を高めるよう努める。 「公正であることを尊重する」多様な背景や考え方を尊重する。一人一人の能力が最大限発揮できる透明性のある公正なチームを構築することで、当社の企業価値の向上につなげるとともに、より良い社会の実現を目指す。 「企業理念の実現に貢献する」私たちのステークホルダーの価値創造に貢献する。未来における人の活動において、生涯バランスシートを最良化するため、何が望まれているかを想像して、個人およびチームが短期的かつ長期的な目標に向かって邁進する。 少子高齢化に伴う労働人口の減少や金融・経済のボーダレス化に伴い、新しい商品やサービスの競争が複雑化している現状において、限られた労働力で最大限の成果を生み出す「効率性や生産性の改善・向上」のみならず、新しい未来やイノベーションを生む人材育成がこれまで以上に重要な課題となります。当社グループは、人的資本および多様性の充実に取組むうえで、当社グループが求める人材が、その能力を最大限発揮できる就業環境を整えるため、2つの方針を策定しています。 ・人材育成方針「当社グループは、高い志と情熱をもって変革を試みる役職員のチャレンジ精神を鼓舞する環境を整えることにより、組織やチームの出力の質を高め新たな未来の価値を創造できる自律型人材を育成します。」 ・社内環境整備方針「当社グループは、多様な人材の多様な働き方を受入れ、組織やチームの活性化を実現する役職員一人ひとりの主体性ある取組みが公正に評価される環境を整えます。」 2)重点課題(指標)および目標次の重点課題にフォーカスし、その改善に取り組んでいます。 (a)多様性の確保と公正な評価制度(報酬体系)当社グループの人事制度においては、性別、年齢、国籍などによらず、企業価値への貢献度を最も重要な評価基準として人事評価をおこなっており、その結果にのみ基づいて人事処遇するため、多様性を損ねない組織体制を構築しています。賃金格差(ペイギャップ)については、男女別の報酬体系を持たないため、個々人の貢献度や習熟度に対する評価結果や職種の違いに伴う格差は生じますが、性差による格差は生じません。なお、多様性がどの程度の品質で確保されているかを測る指標として、評価と報酬の観点から「女性管理職比率」と「男女賃金格差」を計測しています。(2024年3月期の実績は下表のとおり)項目区分男性女性評価人数比率全社員76%24%女性の数を人口比に近づく程度まで増やしたいと考えています。 管理職者78%22%貢献度に沿って適正に処遇すべきで、目標は定めません。ペイギャップ全社員100%86%男女別の給与体系を持たないため、原則男女間格差は生じませんが、左記は報酬に関する職種間格差から生じたものです。 非管理職100%81% 管理職者100%102%対象会社:マネックスグループ株式会社、コインチェック株式会社、TradeStationグループ各社 (b)人材の育成・開発日本セグメントにおいては、Off-JTや自己学習により身につけた基礎能力や専門分野に必要となる知識・スキルを、OJTにおいて繰返し実践させることを通じて、時にはストレッチアサインメントを課すことで自身の経験としての成功体験を積み重ねる機会を提供しています。また社内育成担当による1対1のコミュニケーションの機会を設けるなど質の高い人材育成環境を整備しています。 米国セグメントは、社員教育プログラムを通じて、顧客特性の理解、自社が提供するサービスやシステム、金融業界に関する豊富な知識を社員に提供しています。 また、リーダーシップと能力開発にも力を入れており、1対1のコーチングや、誰でも受講できるリーダーシップと能力開発の研修コースを提供しています。 クリプトアセット事業セグメントにおいては、組織内での課題解決型アプローチに加え、技術共有会やエンジニア任意参加の横断型技術交流など社員による自発的な勉強会が開催されており、ポジティブラーニング制度を活用し費用を補助しています。 (c)働き方の柔軟性当社グループは、役職員一人ひとりが最も高いアウトプットを出せる働き方環境を選択できるように様々な制度を設計しております。時間や場所の制約を受けない働き方が可能になる制度設計(フレックスタイム制度や在宅勤務制度)や出産、育児および介護など多くの役職員が経験しうる重大なライフイベントに対する支援など、役職員間の相互理解と協力が得られる企業風土や文化に根差した体制を整えており、出産や育児および介護による休職者が100%復職できる環境を維持します。項目育児休暇を取得した人数取得比率男性育児休業取得率5人83%対象会社:マネックスグループ株式会社、コインチェック株式会社 (d)組織エンゲージメントサーベイ2022年より日本拠点の当社およびマネックス証券株式会社の役職員を対象にした組織エンゲージメントサーベイを実施しています。人的資本に関する課題にフォーカスしたスコアについては、役職員全員に対して、所属する部門やグループの結果を周知しているため、部門やグループごとに改善策を討議し、日々試行錯誤に努めることができる体制を整えています。本サーベイの結果、多くの役職員が当社グループの企業理念に共感し、多様な価値観を尊重しながら、グループが直面する課題に対して当事者意識を持って取り組み、企業価値の向上に向けた活動に積極的に参加する企業文化や風土が醸成されていることが示されました。米国セグメントおよびクリプトアセット事業セグメントにおいても、組織エンゲージメントサーベイを毎年実施しており、測定結果を分析し、適切な施策を導入することにより、役職員の定着率の向上と健全な職場環境の醸成に役立てています。
戦略 4)戦略、指標および目標短期および中長期にわたる当社グループの戦略に影響を与える指針として、上記のとおり、当社は企業理念への影響度を数値化して、マテリアリティ・マトリックスを特定しています。特定されたマテリアリティ・マトリックスのうち、最重要項目においては、推進責任者である各執行役が進捗を管理しながら、半期ごとに進捗状況および今後の課題を目標設定して取締役会に報告しています。
指標及び目標 4)戦略、指標および目標短期および中長期にわたる当社グループの戦略に影響を与える指針として、上記のとおり、当社は企業理念への影響度を数値化して、マテリアリティ・マトリックスを特定しています。特定されたマテリアリティ・マトリックスのうち、最重要項目においては、推進責任者である各執行役が進捗を管理しながら、半期ごとに進捗状況および今後の課題を目標設定して取締役会に報告しています。
人材の育成及び社内環境整備に関する方針、戦略 (2)人的資本、多様性に関する開示1)基本方針および取組み当社グループは、人材を最も重要な経営資本と捉え、企業理念の実現を促す3つの行動指針を定めています。行動指針を体現するために求められる人材の能力や行動を明らかにし、人事評価基準にも適用することによって、役職員一人ひとりが自ら考え行動するインセンティブを創出し、個々人の生産性を高めることで組織として最大のパフォーマンスを発揮できる体制を整えています。 行動指針「自主性をもって事業を創造する」一人一人が、未来のあるべき姿と当社事業の成長のために自ら考え進んでいく。プロフェッショナル意識を持ち、必要な知識や技術を追求し、自らの価値を高めるよう努める。 「公正であることを尊重する」多様な背景や考え方を尊重する。一人一人の能力が最大限発揮できる透明性のある公正なチームを構築することで、当社の企業価値の向上につなげるとともに、より良い社会の実現を目指す。 「企業理念の実現に貢献する」私たちのステークホルダーの価値創造に貢献する。未来における人の活動において、生涯バランスシートを最良化するため、何が望まれているかを想像して、個人およびチームが短期的かつ長期的な目標に向かって邁進する。 少子高齢化に伴う労働人口の減少や金融・経済のボーダレス化に伴い、新しい商品やサービスの競争が複雑化している現状において、限られた労働力で最大限の成果を生み出す「効率性や生産性の改善・向上」のみならず、新しい未来やイノベーションを生む人材育成がこれまで以上に重要な課題となります。当社グループは、人的資本および多様性の充実に取組むうえで、当社グループが求める人材が、その能力を最大限発揮できる就業環境を整えるため、2つの方針を策定しています。 ・人材育成方針「当社グループは、高い志と情熱をもって変革を試みる役職員のチャレンジ精神を鼓舞する環境を整えることにより、組織やチームの出力の質を高め新たな未来の価値を創造できる自律型人材を育成します。」 ・社内環境整備方針「当社グループは、多様な人材の多様な働き方を受入れ、組織やチームの活性化を実現する役職員一人ひとりの主体性ある取組みが公正に評価される環境を整えます。」
人材の育成及び社内環境整備に関する方針に関する指標の内容並びに当該指標を用いた目標及び実績、指標及び目標 2)重点課題(指標)および目標次の重点課題にフォーカスし、その改善に取り組んでいます。 (a)多様性の確保と公正な評価制度(報酬体系)当社グループの人事制度においては、性別、年齢、国籍などによらず、企業価値への貢献度を最も重要な評価基準として人事評価をおこなっており、その結果にのみ基づいて人事処遇するため、多様性を損ねない組織体制を構築しています。賃金格差(ペイギャップ)については、男女別の報酬体系を持たないため、個々人の貢献度や習熟度に対する評価結果や職種の違いに伴う格差は生じますが、性差による格差は生じません。なお、多様性がどの程度の品質で確保されているかを測る指標として、評価と報酬の観点から「女性管理職比率」と「男女賃金格差」を計測しています。(2024年3月期の実績は下表のとおり)項目区分男性女性評価人数比率全社員76%24%女性の数を人口比に近づく程度まで増やしたいと考えています。 管理職者78%22%貢献度に沿って適正に処遇すべきで、目標は定めません。ペイギャップ全社員100%86%男女別の給与体系を持たないため、原則男女間格差は生じませんが、左記は報酬に関する職種間格差から生じたものです。 非管理職100%81% 管理職者100%102%対象会社:マネックスグループ株式会社、コインチェック株式会社、TradeStationグループ各社 (b)人材の育成・開発日本セグメントにおいては、Off-JTや自己学習により身につけた基礎能力や専門分野に必要となる知識・スキルを、OJTにおいて繰返し実践させることを通じて、時にはストレッチアサインメントを課すことで自身の経験としての成功体験を積み重ねる機会を提供しています。また社内育成担当による1対1のコミュニケーションの機会を設けるなど質の高い人材育成環境を整備しています。 米国セグメントは、社員教育プログラムを通じて、顧客特性の理解、自社が提供するサービスやシステム、金融業界に関する豊富な知識を社員に提供しています。 また、リーダーシップと能力開発にも力を入れており、1対1のコーチングや、誰でも受講できるリーダーシップと能力開発の研修コースを提供しています。 クリプトアセット事業セグメントにおいては、組織内での課題解決型アプローチに加え、技術共有会やエンジニア任意参加の横断型技術交流など社員による自発的な勉強会が開催されており、ポジティブラーニング制度を活用し費用を補助しています。 (c)働き方の柔軟性当社グループは、役職員一人ひとりが最も高いアウトプットを出せる働き方環境を選択できるように様々な制度を設計しております。時間や場所の制約を受けない働き方が可能になる制度設計(フレックスタイム制度や在宅勤務制度)や出産、育児および介護など多くの役職員が経験しうる重大なライフイベントに対する支援など、役職員間の相互理解と協力が得られる企業風土や文化に根差した体制を整えており、出産や育児および介護による休職者が100%復職できる環境を維持します。項目育児休暇を取得した人数取得比率男性育児休業取得率5人83%対象会社:マネックスグループ株式会社、コインチェック株式会社 (d)組織エンゲージメントサーベイ2022年より日本拠点の当社およびマネックス証券株式会社の役職員を対象にした組織エンゲージメントサーベイを実施しています。人的資本に関する課題にフォーカスしたスコアについては、役職員全員に対して、所属する部門やグループの結果を周知しているため、部門やグループごとに改善策を討議し、日々試行錯誤に努めることができる体制を整えています。本サーベイの結果、多くの役職員が当社グループの企業理念に共感し、多様な価値観を尊重しながら、グループが直面する課題に対して当事者意識を持って取り組み、企業価値の向上に向けた活動に積極的に参加する企業文化や風土が醸成されていることが示されました。米国セグメントおよびクリプトアセット事業セグメントにおいても、組織エンゲージメントサーベイを毎年実施しており、測定結果を分析し、適切な施策を導入することにより、役職員の定着率の向上と健全な職場環境の醸成に役立てています。
事業等のリスク 3【事業等のリスク】
1.当社に重要な影響を及ぼす可能性のある主要なリスク有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある主なリスクについては、以下のとおりです。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。また、マネックス証券株式会社は2024年1月より当社の持分法適用会社となりましたが、当社グループと企業理念やブランド等を共有しており、引き続き重要なグループ会社と考えているため、以下マネックス証券会社の内容も含めて記載しております。 (1) ビジネスリスクについて 「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおり、全社戦略として、成長投資領域へ投資できず、グループ全体のポートフォリオの最適化を図れない可能性があります。また、利益につながる成長投資を促進できず、ROE10%を計上出来ない可能性があります。さらに、人材育成環境づくりが他社比で劣後し、競争力を低下させる可能性があります。事業戦略としても、マネックス証券において、パートナー企業との連携が遅れ新規口座や預かり資産を獲得できず中長期での事業基盤を強化できない場合には、当社グループの業績に重大な影響を与える可能性があります。また、TradeStationでは大口顧客を想定より取り込めず、収益が拡大しない可能性があります。さらに、クリプトアセット事業セグメントでの米国上場が想定より遅延する場合には、投資に一定の制限がかかることで、将来の収益や利益を逸失する可能性があります。
(2) 信用リスクについてa. 顧客取引に関わる信用リスク  当社グループは、信用取引、先物・オプション取引、FX取引等により、顧客に対して信用供与するため、株式市況、為替市況等の変動によっては顧客に対する信用リスクが顕在化する可能性があります。ただし、当社グループは、前金、保証金又は担保の差し入れを受けており、また、取引状況の日常的なモニタリングを通じたポジションの偏り等のリスクを把握し管理していることなどから、顧客に対する信用リスクの顕在化は限定的と判断しています。  ただし、今後の市場環境等の急激な変動により、顧客立替金が生じる場合において、顧客からこれを十分回収できない可能性があり、その場合には当社グループの業績に影響を与える可能性があります。b. 取引金融機関等に関わる信用リスク  当社グループは、FX取引及び暗号資産取引におけるカバー取引、貸株取引等により、取引金融機関及び暗号資産交換業者等に対する信用リスクに晒されています。当社グループの取引金融機関及び暗号資産交換業者等は、基本的には国内又は海外で認知された金融機関及び暗号資産交換業者であるため信用リスクは限定的です。また、取引金融機関に対する格付引下げ等の信用不安につながり得る情報を入手した場合には、関係部門間で連携をとりながらリスク回避のために必要な措置を講じておりますが、今後の市況等の急激な変動により、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。  なお、信用リスクを含む金融リスクに関する定量的な分析は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 4.金融リスク管理」に記載しています。 (3) 情報セキュリティリスクについて  当社グループは、主要セグメントである日本、米国、クリプトアセット事業セグメントにおいて、取引の根幹をなす基幹システムを内製開発・自社保有しておりますが、システムの不具合、処理能力不足、通信回線の障害などによりシステムの機能不全に陥った場合には、事業運営に重大な支障が生じるおそれがあります。  グローバルにビジネス展開をしている当グループでは、深刻化するサイバーセキュリティに対する脅威からお客様の情報や資産を守り、安心してお取引を行っていただくため、金融庁が制定している金融商品取引業者向けの総合的な監督指針や、米国国立標準技術研究所(NIST)800シリーズを参照し、包括的なサイバーセキュリティ対策の強化に努めています。また、マネックスグループ全体でサイバー攻撃により発生した事象への対応、および被害を軽減させるためのグローバルな体制を構築しており、当社に設置したマネックスグループCSIRT(Computer Security Incident Response Team)を中心に、当社グループ各社にもCSIRTを設置しています。マネックスグループCSIRTはグループ各社のCSIRTとの協力体制の下、ガバナンスの強化を行い、各社のCSIRTは各社の業務、情報資産、そしてシステムを守る機能を果たしており、組織運営、システム対応、人的対応、外部連携の以上4つの軸でサイバーセキュリティ対策を推進しています。  しかしながら、上記の対応において、何らかの不備、あるいは現段階では予測できない原因により、当社グループの適切な対応が遅れる、又は適切な対応がなされなかった場合や、外部からのサイバー攻撃等により個人情報や機密情報などが漏えいした場合には、当社グループの信用低下や被害者からの損害賠償請求等により当社グループの業績に影響を与える可能性があります。また、暗号資産交換業を営むコインチェックは、不正アクセスに対する備えとして、預り暗号資産の大半を安全性の高いコールドウォレット(※1)で保管しており、不正アクセスに対するリスクの低減を図っています。しかしながら、外部からの攻撃等により、ホットウォレット(※2)で保管している暗号資産を窃取され、不正送金が行われた場合には、当社グループの信用低下や被害者からの損害賠償請求等により当社グループの業績に影響を与える可能性があります。※1 インターネット等の外部とのネットワークとつながっていない遮断された環境に保管されているウォレット※2 外部とのネットワークとつながっている環境に保管されているウォレット (4) その他のリスク  株式会社しずおかフィナンシャルグループは、当社の議決権の5%超を保有しています。現在の状況が継続する場合、当社は銀行法第52条の23第1項各号に掲げる会社以外の会社の議決権の50%超を保有することができない等の制約を受けます。その結果、当該制約により経営環境等の変化に適切に対応できず、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。 2. 当社のリスク管理状況  (1)リスク管理体制当社は、経営に影響を与えるリスクを許容できる一定の範囲内にとどめることが事業目的達成に資するという考え及びCOSO* ERMフレームワークに基づき、「統合リスク管理規程」等に定めたリスクを適切に識別、分析、評価したうえで、当社および当社グループ会社の各々のリスクについて、適切な管理体制を整備しています。以下の体制の通り、CEOが任命するリスク管理統括責任者がリスク管理体制に関する整備状況、運用状況を把握し、VaR管理も含めて定期的に取締役会に報告しています。また、取締役会はそのリスク管理体制に関する整備状況等を確認すること、さらに、内部統制システムが有効に機能するよう体制の整備および運用状況についての内部監査を実施し、取締役会はリスク管理の有効性評価をしています。なお、当社のリスク管理体制は、監査委員会から独立して運営しています。 *COSO(Committee of Sponsoring Organizations of the Treadway Commission:トレッドウェイ委員会支援組織委員会) (2)リスク管理方法1)グループVaRにおける定量的なリスク管理 当社グループは、グループ全体で保有するリスク量が許容額に収まっているかを把握するため、毎月グループVaRを計算し、定量的に管理しています。市場リスクについては、一定の期間内(保有期間二週間)に一定の確率(信頼区間片側99%)で被りうる最大損失額、信用およびオペレーショナルリスクについては、上記に準じて発生しうる最大損失額を算出しており、その合計値であるグループ全体のリスク量がリスク許容額(連結株主資本から固定的な資産を控除した額の1/2)と比べどういう状況にあるか取締役会に報告し、取締役が確認しています。 ① 市場VaR 市場リスクは、株式、金利、為替、暗号資産など、当社グループが保有する資産価格の変動により損失を被るリスクとして、月末時点の各資産残高にそれぞれの金融商品等における価格変動率を乗じてリスク額を計算しています。なお、当社グループにおける金融商品取引業においては、ブローカー業務における収益の計上がほとんどであり、トレーディング目的として自己で保有することで収益を計上する取引はごく一部であり、当社グループの金融商品取引業における市場リスクは限定的です。 ② 信用VaR 信用リスクは、各社の金融商品取引、暗号資産取引における取引先および顧客の貸倒れリスクとして、取引先リスクおよび顧客リスクを計算しています。取引先リスクについては、取引金融機関に対する預金残高や金融商品取引等で発生する保証金および証拠金の残高に対して、各金融機関に付与されている外部格付評価機関の格付け評価に紐づいたデフォルト率を乗じて、リスク額を計算しています。顧客リスクは、信用供与された各社の金融商品取引等における過去の貸倒れ実績に基づくデフォルト率に、該当する取引の残高を乗じて計算したリスク額や、過去リターン実績に基づく一日のリターンの範囲をリスク額として算出しています。 ③ オペレーションVaR オペレーションVaRは、暗号資産取引における顧客の預かり資産であるウォレット残高に、コールドウォレットおよびホットウォレットごとに設定した不正送金リスク率を乗じてサイバー攻撃によって生じうる損失をサイバーセキュリティリスクとしてリスク額として計算しています。サイバーセキュリティリスク以外のオペレーショナルリスクとして、各セグメントの金融費用控除後営業収益に一定の率を乗じた額により、リスク額を算出しています。2)グループRCMにおける定性的なリスク管理と主要な取組み グループVaRとしての定量的なリスク管理に加えて、網羅的に残存リスク(グループ全体の影響度×発生確率/統制)の算出、評価をしたリスクコントロールマトリックスを取締役会に報告して、当社グループのリスクの状況を定性的に管理しています。 当社グループがオンライン金融商品取引業のサービスを営む上で、最も重要なリスクであるサイバーセキュリティリスクにおいては、マネックスグループCSIRTを中心に、各社で設置されたCSIRTとの協力体制のもと、グローバルな体制を構築しています。一方、暗号資産取引を営むコインチェックおよびTradeStation Crypto Inc.のウォレット管理においては、各社が不正送金に対して適切な管理体制を構築し、リスクの低減を図っています。 グループRCMにおけるリスクの定義および主要な取組みリスクカテゴリー1リスクカテゴリー2リスクの定義主要な取組みビジネスリスク戦略リスク既存ビジネスの競争力低下および新規ビジネスへの参入遅延などのリスク 日本セグメントはアセマネモデルの推進により事業基盤強化を目指し、米国セグメントはアクティブトレーダー層のロイヤリティ向上と取引活性化によるLTVの向上、クリプトアセット事業セグメントは、デジタル経済圏の創出やグローバル戦略の展開を目指す(1.(1)で詳細を記載)経営管理リスク会社全体の業績やコストを管理できず、グループ全体の収益性が低下するリスク取締役会等に月次でセグメントごとの業績やKPIを報告市場関連リスク市場関連リスク市場リスク要因の変動による保有資産(オフバランスシート資産を含む)の変動による損失のリスクFX取引につきカバー取引に関する規定に基づき、外国為替ポジションを適切に制御(暗号資産交換取引につき、基本的に自己ポジションは保持していない)VaRの計算対象として、重点的にリスク量を計算信用リスク信用リスク取引先および顧客へのクレジットリスク(気候変動リスクに晒されている取引先のクレジットリスクを含む)取引状況の日常的なモニタリングを通じてポジションの偏り等のリスクを把握VaRの計算対象として、重点的にリスク量を計算(1.
(2)で詳細を記載)流動性リスク流動性リスク資金繰り管理における不備等で資金確保が困難になるリスク直接金融・間接金融の活用等資金調達手段を多様化情報セキュリティリスク情報セキュリティリスク情報資産の漏洩、毀損等により機密性、完全性等が損なわれることで損失を被るリスク情報セキュリティ委員会の実施や定期的モニタリング、従業員へのセキュリティ教育の継続的実施サイバーセキュリティリスクサイバー攻撃等により、重要情報漏洩、システムの不正使用、又はサービス停止をすることで損失を被るリスクグローバルな体制を構築し、組織運営、システム対応、人的対応、外部連携の軸で対策を推進暗号資産取引におけるウォレット残高をVaRの計算対象として、重点的にリスク量を計算(1.(3)で詳細を記載)システムリスクシステム構築リスクシステムダウンや誤作動およびシステムの不正使用等により顧客ならびに当社が損失を被るリスク第三者による定期的脆弱性診断の実施や脆弱性検知時における即時対応事務リスク事務リスク従業員等のヒューマンエラーおよび清算機構やシステムベンダーなどの第三者に頼る事務リスク新規プロジェクトや商品サービス導入時の主要事務リスクのレビューによる形式知化等 リスクカテゴリー1リスクカテゴリー2(*)リスクの定義主要な取組みリーガルリスクマネー・ロンダリング及びテロ資金供与リスクマネー・ロンダリング、及びテロ資金供与に利用されそうになるリスク各グループ会社における対策の徹底及びグローバルな報告体制構築を通じたマネー・ロンダリング対策に係る課題の把握と対応コンプライアンスリスク社内外の法令・規制等の厳守を怠ったために罰則・訴訟等を受けるリスクや、契約上の障害により損失を被るリスクコンプライアンス責任者からの定期的な法令遵守項目の周知徹底や、契約締結における確認フローのシステム化レピュテーションリスク風評リスクマスコミ報道、風評・風説等により会社の評判が悪化することで損失を被るリスク(気候変動を含む環境問題への対応が遅れることにより、当社の評判が悪化し、顧客取引の減少等により損失を被るリスクを含む)マスコミ関係者やPR支援会社との連携強化による、風評被害発生リスクの最小化努力気候変動対応に関する取組みを積極的に情報開示災害リスク自然災害リスク自然災害によるビジネス持続性リスク(自然災害による取引先の事業停滞に起因する資産の毀損リスクを含む)当社グループの主要な拠点において災害、テロ攻撃等の発生に備えた事業継続計画の策定や、有事の対応策の事前検討(1.(4)で詳細を記載)その他のリスク組織に関するリスク組織内で発生するモラル低下などにより事業目的の達成を制限されるリスク主要セグメントで実施しているタウンホールミーティングや、個人投資家向けオンライン説明会での当社CEOによる質疑応答の公開、および当社CEOから内部通報制度の対象者であるグループ全社員への定期的な周知情報開示リスク不正な会計、IR情報を開示するリスク適切な内部統制の構築・運用に加え、公認会計士資格を有する社外取締役と会計監査人の連携等による、不正な会計処理を未然に防止する体制構築情報開示委員会による適時開示等プレスリリースの事前チェックその他カントリーリスク、政治リスクグローバル拠点間の経営陣が出席する会議における、グローバルな経営環境等の情報共有(*)上記のリスクカテゴリー2に対応する残存リスク(グループ全体の影響度×発生確率/統制)を算出
経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(1) 経営成績等の状況の概要  当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりです。  ① 経営成績の状況  当社グループ(当社及び連結子会社)は、金融商品取引業、暗号資産交換業、有価証券の投資事業を主要な事業として、「日本」・「米国」・「クリプトアセット事業」・「アジア・パシフィック」・「投資事業」の5つの報告セグメントとしています。  当社は2023年10月4日付で、当社、当社の子会社であるマネックス証券株式会社及び株式会社NTTドコモの三社間で資本業務提携契約(以下「本資本業務提携契約」といいます。)を締結しました。本業務資本提携契約に基づき、2024年1月4日付で当社はマネックス証券株式会社の単独株式移転により設立された中間持株会社の株式を株式会社NTTドコモに一部譲渡し、中間持株会社は株式会社NTTドコモを割当先とする第三者割当増資を完了しました。これにより、中間持株会社(ドコモマネックスホールディングス株式会社)に対する議決権所有割合は、当社が約51%、株式会社NTTドコモが約49%となりますが、実質支配力基準に基づきマネックス証券株式会社と中間持株会社は株式会社NTTドコモの連結子会社となり、当社においては持分法適用会社となりました。  これに伴い、当連結会計年度において、マネックス証券株式会社の事業に関わる損益を非継続事業に分類するとともに、前連結会計年度についても同様の形で再表示しています。  なお、報告セグメントの詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 6セグメント情報」をご参照下さい。  (連結)                                     (単位:百万円) 前連結会計年度(2023年3月期)当連結会計年度(2024年3月期)増減増減率継続事業 受入手数料24,03327,1593,12613.0%増トレーディング損益5,5668,3802,81350.5%増金融収益20,32026,1825,86228.8%増売上収益960253△70873.7%減その他の営業収益4,9614,823△1382.8%減営業収益55,84166,79610,95619.6%増その他の収益1,39016,86015,470-持分法による投資利益-473473-収益合計57,56784,97327,40647.6%増金融費用7,1848,05687112.1%増売上原価210127△8339.6%減販売費及び一般管理費47,20150,3033,1026.6%増費用合計56,60159,7363,1355.5%増税引前利益96625,23724,271-法人所得税費用2158,0747,859-継続事業からの当期利益(A)75117,16216,412-非継続事業 非継続事業からの当期利益(B)2,57314,31211,739456.2%増当期利益(A)+(B)3,32431,47528,151846.8%増親会社の所有者に帰属する当期利益3,39231,29327,901822.5%増 ・継続事業  税引前利益は25,237百万円(前連結会計年度は966百万円)となり、継続事業からの当期利益は17,162百万円(前連結会計年度は751百万円)となりました。・営業収益  米国セグメントでの委託手数料の増加及び日本セグメントでのその他の受入手数料の増加などにより、受入手数料は27,159百万円(前連結会計年度比13.0%増)となりました。また、クリプトアセット事業セグメントで暗号資産の販売所取引の増加したことなどにより、トレーディング損益は8,380百万円(同50.5%増)となり、米国セグメントで受取利息が増加したことなどにより、金融収益は26,182百万円(同28.8%増)となりました。 ・収益合計  その他の収益が16,860百万円となっていますが、当連結会計年度にはドコモマネックスホールディングス株式会社の株式についての公正価値評価益が含まれております。持分法による投資利益は、主に日本セグメントにかかるものです。 ・費用合計  販売費及び一般管理費は、クリプトアセット事業セグメントで減少した一方、日本セグメント及び米国セグメントで増加した結果、50,303百万円(同6.6%増)となり、費用合計は59,736百万円(同5.5%増)となりました。 ・非継続事業  非継続事業からの当期利益は、当社における連結除外以前のマネックス証券株式会社にかかる利益となります。従って、前連結会計年度は年度通期12か月分の利益が含まれている一方、当連結会計年度は第3四半期までの9か月分の利益のみが含まれます。また、当連結会計年度にはドコモマネックスホールディングス株式会社の株式についての売却益が含まれております。 各セグメントの詳細は「セグメント別の状況」でご説明します。  セグメント別の状況は以下のとおりです。 (日本)                                     (単位:百万円) 前連結会計年度(2023年3月期)当連結会計年度(2024年3月期)増減増減率 受入手数料1,0272,7711,744169.9%増 金融収益3,3102,352△95728.9%減 その他の営業収益4,0324,50647411.8%増 営業収益8,3689,6291,26115.1%増 金融費用3,0922,392△70022.6%減 販売費及び一般管理費5,0657,5052,44048.2%増 その他の収益費用(純額)1,90916,52414,615765.5%増 持分法による投資利益又は損失(△)△42505547- セグメント利益又は損失(△)(税引前利益又は損失(△))2,07816,76014,683706.6%増   日本セグメントは、主にマネックスグループ株式会社とマネックス・アセットマネジメント株式会社で構成されています。なお、従来、マネックス証券株式会社は日本セグメントに含まれていましたが、当連結会計年度からの非継続事業への分類及びこれに伴う前連結会計年度の再表示の結果、日本セグメントにマネックス証券株式会社は含まれていません。  当連結会計年度の日本経済は、通期で製造業は小幅に非製造業は大きく景況感が改善しました。好調な企業業績から最終利益を上方修正する企業が多く、とりわけ非製造業がインバウンド需要の拡大など恩恵を受けました。しかし製造業では当年度末にかけて自動車産業で工場の稼働停止などをうけ景況感は伸び悩みました。物価は、前年度からのコストプッシュのインフレが当年度前半では継続していましたが、当年度後半にかけてピークアウトし日本ではターゲットである2%台に落ち着きました。また、春闘では前年を上回る5%台の賃上げ率が発表されました。それらを経て2024年3月の日銀会合にて17年ぶりにマイナス金利解除とイールドカーブコントロールの撤廃が決定されました。一方でドル円は、通期で円安に推移しました。第3四半期には日米金利差の縮小期待が伺われ、一時140円台に推移するも、当年度末では151円台まで戻しています。株式市場は2024年2月にバブル期の最高値を約34年ぶりに更新し、勢いそのままに翌3月に初の4万円台をつけ、当年度末時点では40,369円となりました。  こうした中、投資信託関連収益の増加及び仲介報酬手数料の増加などにより、受入手数料は2,771百万円(同169.9%増)となりました。また、金融収益は、為替変動の影響を受け2,352百万円(同28.9%減)となり、その他の営業収益は4,506百万円(同11.8%増)となりました。以上の結果、営業収益は9,629百万円(同15.1%増)となりました。  金融費用は2,392百万円(同22.6%減)となり、金融収支は△40百万円(前連結会計年度は217百万円)となりました。  販売費及び一般管理費は、M&Aに伴う専門家報酬の増加、ベースアップ等による人件費の増加、取引活況に伴う支払手数料の増加などの結果、7,505百万円(同48.2%増)となりました。  その他の収益費用(純額)が16,524百万円の利益(同765.5%増)となっていますが、前連結会計年度には円安による為替差益等が含まれており、当連結会計年度にはドコモマネックスホールディングス株式会社の株式についての公正価値評価益が含まれております。  持分法による投資利益は、主に2024年1月からのドコモマネックスホールディングス株式会社にかかるものです。  以上の結果、セグメント利益(税引前利益)は16,760百万円(同706.6%増)となりました。  (米国)                                     (単位:百万円) 前連結会計年度(2023年3月期)当連結会計年度(2024年3月期)増減増減率 受入手数料21,33523,1761,8428.6%増 金融収益16,69323,9787,28543.6%増 売上収益534368△16631.0%減 その他の営業収益715660△567.8%減 営業収益39,27648,1828,90522.7%増 金融費用4,3096,2411,93144.8%増 売上原価464321△14330.9%減 販売費及び一般管理費33,17635,3522,1766.6%増 その他の収益費用(純額)△1,554△595959- セグメント利益又は損失(△)(税引前利益又は損失(△))△2275,6745,901-   米国セグメントは、主にTradeStation Securities, Inc.で構成されています。米国セグメントにおいてはアクティブトレーダー層を主要な顧客層としており、市場のボラティリティ(値動きの度合い)の上昇および稼働口座数増加にともなう取引量増加が収益に貢献する傾向にあります。また、顧客の預り金を運用することで金融収益を獲得していることから、金利が上昇すると収益に貢献する傾向にあります。  当連結会計年度の米国経済は、好調な労働市場に支えられた旺盛な個人消費により堅調に推移しました。FRBは、インフレ抑制を目的として2022年3月より金融引き締めを実施してきましたが、インフレ鈍化の傾向を受け、7月の連邦公開市場委員会(FOMC)での利上げを最後に5会合連続で政策金利の据え置きを決定しました。政策金利見通しでは2024年の複数回の利下げが示唆されており、市場では金融引き締め局面が終了したとの見方が広がりました。一方、当連結会計年度後半には、米国消費者物価指数(CPI)や雇用統計など各種経済指標が市場予想を上回る結果が続き、好調な雇用情勢と根強いインフレを背景に早期利下げ観測が後退する展開となりました。こうした中、一時5.0%台まで到達した米長期金利は年末にかけて3.8%程度まで大幅に低下しましたが、早期利下げ観測の後退にしたがって再び上昇基調にあります。株式市場は、ソフトランディングと利下げ期待を背景に堅調に推移しました。特に生成AIの普及に脚光が集まるなど、大手ハイテク株が市場を牽引する相場となりました。前年度末時点で33,274ドルだったNYダウ平均は史上最高値を更新し、当年度末時点では39,807ドルとなりました。  なお、米ドルの対円レート(期中平均)は前連結会計年度比で7.3%円安となったことから、米国セグメントの業績はその影響を受けています。  このような環境の下、米国セグメントにおいては、当連結会計年度のDARTs(Daily Average Revenue Tradesの略称で、1営業日当たりの収益を伴う約定もしくは取引の件数)は208,610件(前連結会計年度比2.5%減)となりましたが、先物の取引量が増加した結果、委託手数料は米ドルベースで2.0%増加しました。また、株式及びオプションの取引量は減少したものの、不稼働口座手数料の改定もあり、その他の受入手数料は米ドルベースで0.1%増加しました。その結果、受入手数料は米ドルベースでは1.2%増加し、円換算後では23,176百万円(同8.6%増)となりました。また、金融収益は、金利上昇により米ドルベースでは33.9%増加し、円換算後では23,978百万円(同43.6%増)となりました。以上のことから、営業収益は米ドルベースで14.3%増加、円換算後で48,182百万円(同22.7%増)となり、過去最高を記録しました。  金融費用は6,241百万円(同44.8%増)となり、金融収支は米ドルベースで33.5%の増加、円換算後では17,737百万円(同43.2%増)となりました。  販売費及び一般管理費は、支払手数料が増加したものの、アクティブトレーダーにフォーカスする戦略への転換に伴い広告宣伝費が減少した結果、米ドルベースで0.7%減少し、円換算後では35,352百万円(同6.6%増)となりました。  その他の収益費用(純額)は595百万円の損失(前連結会計年度は1,554百万円の損失)となっていますが、前連結会計年度には戦略転換に伴う一時費用1,551百万円が含まれています。  以上の結果、セグメント利益(税引前利益)は、5,674百万円(前連結会計年度は227百万円のセグメント損失)となり、過去最高を記録しました。  (クリプトアセット事業)                              (単位:百万円) 前連結会計年度(2023年3月期)当連結会計年度(2024年3月期)増減増減率 受入手数料1,055729△32630.9%減 トレーディング損益5,5678,3802,81350.5%増 売上収益962248△71474.2%減 営業収益7,5839,3561,77323.4%増 金融費用34131.0%増 売上原価210121△8942.5%減 販売費及び一般管理費8,0906,758△1,33216.5%減 その他の収益費用(純額)△155365520- セグメント利益又は損失(△)(税引前利益又は損失(△))△8762,8383,714-   クリプトアセット事業セグメントは、主にコインチェック株式会社で構成されています。  当連結会計年度の暗号資産市場は米国におけるビットコイン現物ETFの承認を受けて大きく上昇しました。2023年6月にブラックロックなどがビットコイン現物ETFを申請してからは、SECによる審査延期によって下落する場面もありましたが、各社で申請内容の改善が繰り返される中で期待買いが継続しました。2024年1月、ついに米国でビットコイン現物ETFが成立し、直後は事実売りが強まりましたが、現物ETFへの資金流入によってビットコインを中心に価格が高騰しました。株式市場においても米国における利下げ開始やソフトランディングへの期待で史上最高値の更新が続き、このようなリスクオンムードの中、ビットコインは1,000万円を上抜けて史上最高値を更新しました。イーサリアムも現物ETFや大型アップグレードへの期待で史上最高値を更新し、一部ではミームコインと呼ばれるアルトコインの投機的な売買も活発になりました。  このような環境の下、コインチェック株式会社においては、当連結会計年度における取引所暗号資産売買代金は2兆9,786億円となり、前連結会計年度比で12.9%増加しました。販売所暗号資産売買代金は2,346億円となり、前連結会計年度比で49.3%増加しました。  こうした中、前連結会計年度にはIEOの収益が含まれているため、受入手数料が729百万円(前連結会計年度比30.9%減)と減少したものの、ビットコイン及びアルトコインの販売所取引が増加したことによりトレーディング損益は8,380百万円(同50.5%増)となりました。一方、NFTの販売収益の減少により売上収益は248百万円(同74.2%減)となりました。以上のことから、営業収益は9,356百万円(同23.4%増)となりました。  販売費及び一般管理費は、広告宣伝費及び専門家報酬が減少したことにより6,758百万円(同16.5%減)となりました。  以上の結果、セグメント利益(税引前利益)は2,838百万円(前連結会計年度は876百万円のセグメント損失)となりました。  (アジア・パシフィック)                             (単位:百万円) 前連結会計年度(2023年3月期)当連結会計年度(2024年3月期)増減増減率 受入手数料630493△13821.8%減 トレーディング損益△0△00- 金融収益21240018888.3%増 その他の営業収益261188△7328.1%減 営業収益1,1031,080△232.1%減 金融費用5014191182.7%増 販売費及び一般管理費1,2051,057△14812.3%減 その他の収益費用(純額)△453175- 持分法による投資利益又は損失(△)38△4△42- セグメント利益又は損失(△)(税引前利益又は損失(△))△158△9167-   アジア・パシフィックセグメントは、主に香港拠点のMonex Boom Securities(H.K.) Limited(以下「マネックスBoom証券」)で構成されています。  当連結会計年度の香港経済は、家計所得の上昇や政府支援策が下支えとなった個人消費主導で堅調な成長を示しております。中国本土及び世界各国からの観光客が回復したことによりサービス輸出も力強い回復を見せました。一方で株式市場は緊張が続く米中関係への懸念や中国経済への懸念から軟調に推移しましたが、年明け以降は中国経済指標の反転を受けて底打ちの兆しを示しております。ハンセン指数は前年度末時点の20,400ポイントから2024年1月に一時15,000ポイント割れとなったものの、当年度末時点では16,541ポイントとなりました。  また、香港ドルの対円レート(期中平均)は前連結会計年度比で7.5%円安となったことから、アジア・パシフィックセグメントの業績はその影響を受けています。  このような環境の下、委託手数料が減少したことにより、受入手数料が493百万円(前連結会計年度比21.8%減)となりました。また、銀行の実効金利が上昇したことから金融収益が400百万円(同88.3%増)となりました。その他の営業収益は188百万円(同28.1%減)となり、営業収益は1,080百万円(同2.1%減)となりました。  販売費及び一般管理費は、人件費及び広告宣伝費が減少したことにより1,057百万円(同12.3%減)となりました。  以上の結果、セグメント損失(税引前損失)は91百万円(前連結会計年度は158百万円のセグメント損失)となりました。  (投資事業)                                    (単位:百万円) 前連結会計年度(2023年3月期)当連結会計年度(2024年3月期)増減増減率 金融収益705287△41859.2%減 営業収益705287△41859.2%減 金融費用397183△21453.8%減 販売費及び一般管理費911081718.6%増 その他の収益費用(純額)44541- 持分法による投資利益又は損失(△)△5△28△23- セグメント利益又は損失(△)(税引前利益又は損失(△))21613△20393.8%減   投資事業セグメントは、主にマネックスベンチャーズ株式会社、MV1号投資事業有限責任組合、MV2号投資事業有限責任組合、東京ウェルネスインパクト投資事業有限責任組合で構成されています。  当連結会計年度は、複数の保有銘柄の評価損益や売却損益により、金融収益が287百万円(前連結会計年度比59.2%減)となり、営業収益は287百万円(同59.2%減)となりました。  金融費用は主にMV1号投資事業有限責任組合等の持分損益を計上したことから183百万円(同53.8%減)となりました。  販売費及び一般管理費は、108百万円(同18.6%増)となりました。  以上の結果、セグメント利益(税引前利益)は13百万円(同93.8%減)となりました。  ② 財政状態の状況 (連結)                                 (単位:百万円) 前連結会計年度(2023年3月末)当連結会計年度(2024年3月末)増減 資産合計1,504,110761,642△742,467 負債合計1,403,355628,519△774,836 資本合計100,754133,12332,369 親会社の所有者に帰属する持分99,641131,71232,071   当連結会計年度において、マネックス証券株式会社を連結子会社から除外したことに伴い、マネックス証券株式会社の事業に関わる資産及び負債が減少しました。  資産合計は金銭の信託や信用取引資産などが減少した結果、761,642百万円(前連結会計年度比742,467百万円減)となりました。また、負債合計は預り金や受入保証金などが減少した結果、628,519百万円(同774,836百万円減)となりました。  資本合計は配当金の支払などにより減少したものの、当期利益などにより増加した結果、133,123百万円(同32,369百万円増)となりました。  ③ キャッシュ・フローの状況 (連結)                                 (単位:百万円) 前連結会計年度(2023年3月期)当連結会計年度(2024年3月期)増減 営業活動によるキャッシュ・フロー△30,9778,05539,032 投資活動によるキャッシュ・フロー△21,873△86,353△64,480 財務活動によるキャッシュ・フロー△34,156△5,10629,050 現金及び現金同等物の期末残高175,15997,935△77,224   当連結会計年度のキャッシュ・フローは営業活動による収入8,055百万円(前連結会計年度は30,977百万円の支出)、投資活動による支出86,353百万円(同21,873百万円の支出)及び財務活動による支出5,106百万円(同34,156百万円の支出)でした。この結果、当連結会計年度の現金及び現金同等物は97,935百万円(前連結会計年度末比77,224百万円減)となりました。   当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりです。(営業活動によるキャッシュ・フロー)  当連結会計年度における営業活動により取得した資金は、8,055百万円となりました。  有価証券担保貸付金及び有価証券担保借入金の増減により33,260百万円、短期差入保証金の増減により15,224百万円の資金を支出する一方、受入保証金及び預り金の増減により71,578百万円の資金を取得しました。(投資活動によるキャッシュ・フロー)  当連結会計年度における投資活動により使用した資金は、86,353百万円となりました。  定期預金の払戻による収入により9,909百万円の資金を取得する一方、子会社売却による支出77,339百万円、定期預金の預入による支出により11,960百万円、無形資産の取得により5,836百万円の資金を使用しました。(財務活動によるキャッシュ・フロー)  当連結会計年度における財務活動により使用した資金は、5,106百万円となりました。  長期借入債務の調達による収入により28,160百万円、社債発行による収入により7,788百万円の資金を取得する一方、長期借入債務の返済による支出20,361百万円、社債の償還による支出により8,500百万円、短期借入債務の収支により6,988百万円の資金を使用しました。  ④ 生産、受注及び販売の実績  金融商品取引業を営む会社を中心とする企業集団であるため、「生産、受注及び販売の実績」は該当する情報がないので記載していません。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容  経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりです。  なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものです。  ①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容  当社は、2024年1月より株式会社NTTドコモ及びマネックス証券株式会社との資本業務提携を開始し、従来の枠組みでは得難い大きな成長機会を掴むことができました。この提携により株式売却益188億円および持分法の適用に伴う公正価値評価益158億円(共に税金及び税効果考慮前)も計上しています。また、株式会社イオン銀行からマネックス証券株式会社への投資信託保有口座の移管も2024年1月に完了し、株式会社イオン銀行との金融商品仲介を通じた包括提携も始まりました。このようなパートナー企業との提携を通じて、顧客基盤と預かり資産を積み上げ、収益構造の強化に成功しました。  米国セグメントでは、アクティブトレーダー層にフォーカスして顧客獲得を目指す戦略のもと、顧客の取引が堅調に推移する中、顧客預り金からの金利収益が大幅に増加し、営業収益及び当期利益がともに過去最高となりました。  クリプトアセット事業セグメントでは、2023年末から暗号資産市場が回復し、取引量が前年を上回ったことで増収となりました。こうした中、固定費を削減し、市場環境に合わせて広告宣伝費を柔軟にコントロールした結果、早期黒字化を達成しました。  このように、市場環境の回復と各グループ会社の事業戦略推進が奏功し、主要事業群が収益基盤を拡大した結果、親会社の所有者に帰属する当期利益は313億円となりました。  ②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報 (キャッシュ・フローの状況)  当社グループの事業活動における主な資金使途としては、有価証券担保貸付金に関するものの他、M&A及び事業投資等があります。これらの資金需要に対して、市場環境や長短のバランスを考慮し、社債による直接金融、シンジケートローン及び銀行借入等による間接金融により資金を調達しております。  なお、キャッシュ・フローの状況の分析については、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ③ キャッシュ・フローの状況」をご参照下さい。  (資本の財源) 2024年3月末の財政状態計算書 資産 7,616億円 負債 6,285億円 主な資産は金融商品取引業及び暗号資産交換業に関連するもの 5,516億円 主な負債は金融商品取引業及び暗号資産交換業に関連するもの 5,963億円 その他 164億円 現金及び現金同等物 979億円 その他 322億円 資本 1,331億円 固定的な資産
(注) 957億円 (注)固定的な資産は、有形固定資産、無形資産、持分法投資、有価証券投資(公正価値ヒエラルキーがレベル3のものに限る)です。   当連結会計年度末の資本合計は1,331億円であり、固定的な資産957億円を上回っています。差額については以下の原資とする予定です。  1.証券子会社における自己資本の維持に関する規制への対応  2.将来の事業投資に備える内部留保  3.株主還元(配当金及び自己株式取得)  (重要な資本的支出の予定)  重要な資本的支出の予定は、証券子会社における設備投資であり、「第3 設備の状況 3 設備の新設、除却等の計画」に記載のとおりです。  (資金の流動性)  当社グループでは、経営に必要な資金を大手金融機関をはじめとする複数の金融機関からの借入、インターバンク市場からの調達、また資本市場における社債の発行により調達し、一時的な余資は流動性の高い短期金融資産で運用しています。当社グループでは資金繰り状況及び見通しの把握を随時行っており、かつ、複数の金融機関との間で当座借越契約、コミットメントライン契約等を締結していることで、十分な流動性を確保しています。なお、債務の期日別の残高については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 4.金融リスク管理」に記載のとおりです。  ③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定  当社グループは、グローバルなオンライン金融機関グループとして事業展開を推進する中で、財務情報の国際的な比較可能性を向上させるため、IFRSに準拠して連結財務諸表を作成しています。  当社グループの連結財務諸表を作成するにあたって、のれんの減損テストにおける使用価値の算定等重要な判断や見積りを行っていますが、これらの見積りは実際の結果と異なる場合があります。当社が採用した重要な会計方針及び見積りについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 3.重要な会計方針」、同「22.無形資産」に記載のとおりです。  ④ その他  当社の連結財務諸表において、子会社であるコインチェック株式会社の暗号資産販売所の収益は、IFRS第15号「顧客との契約から生じる収益」だけでなく、IFRS第9号「金融資産の分類と測定」も適用されると判断し、暗号資産の販売価額と購入価額の純額を収益として計上(以下「純額表示」という。)しています。しかし、2024 年 5月8日「当社連結子会社 Coincheck Group B.V.の Thunder Bridge Capital Partners IV, Inc.との De-SPAC による ナスダック上場の登録申請書類公表等に関するお知らせ」等でお知らせした通り、米国におけるナスダック上場の申請プロセスにおいて、登録申請書類の一部であるコインチェック株式会社の財務諸表においては同取引には IFRS第15号のみが適用され、結果として両者を総額で表示(以下「総額表示」という。)する必要があるとの結論に達しました。一方、当社の連結財務諸表においては、報告主体が異なることに加え、以下の理由により引き続き純額表示を継続する方針です。  当社は、純額表示はIFRSに準拠していると考えており、また、これまで純額表示で連結財務諸表を提出してきたことを踏まえると、総額表示に変更することは、却って日本の資本市場参加者を混乱させる恐れがあると考えています。従って、日本の資本市場参加者の意思決定に資する情報の提供及び有価証券報告書の提出という目的においては、継続して純額表示を行うことにより、より有用な情報を提供することができると考えています。  現行の会計方針は日本の会計基準(実務対応報告第38号「資金決済法における暗号資産の会計処理等に関する当面の取扱い」)と整合的であり、日本において連結子会社で暗号資産交換業を営んでいる他のIFRS適用企業においても純額表示が採用されています。このため、当社は、日本の資本市場においては、純額表示を継続することが同業他社との財務情報の比較可能性を確保することにつながり、日本の資本市場における財務諸表利用者にとってより有用であると考えております。  なお、仮に当社が、2023年3月期における連結財務諸表においてコインチェック株式会社の暗号資産販売所の収益と費用を総額で表示した場合、関連する収益は176,924百万円、費用は177,643百万円となり、総額表示によった場合、純額表示と比べて連結ベースで収益が169,340百万円、費用が169,340百万円多く計上されることになります。2024年3月期における連結財務諸表においてコインチェック株式会社の暗号資産販売所の収益と費用を総額で表示した場合の関連する収益、費用の金額及び純額表示と比べたときの連結ベースでの収益と費用の増加額は算定中です。但し、収益と費用を純額表示と総額表示のどちらによって表示した場合であっても、2023年3月期および2024年3月期の連結ベースの当期純利益および期末時点の純資産の金額に影響はありません。
経営上の重要な契約等 5【経営上の重要な契約等】
(1)日本セグメントにおける契約 当社は2023年10月4日付で、当社、当社の子会社であるマネックス証券株式会社(以下「マネックス証券」といいます。)及び株式会社NTTドコモ(以下「NTTドコモ」といいます。)の三社間で資本業務提携契約(以下「本資本業務提携契約」といいます。)を締結しました。本業務資本提携契約に基づき、2024年1月4日付で当社はマネックス証券の単独株式移転により設立された中間持株会社の株式をNTTドコモに一部譲渡し、中間持株会社はNTTドコモを割当先とする第三者割当増資を完了しました。これにより、中間持株会社に対する議決権所有割合は、当社が約51%、NTTドコモが約49%となりますが、実質支配力基準に基づきマネックス証券と中間持株会社はNTTドコモの連結子会社となり、当社においては持分法適用会社となりました。
(2)クリプトアセットセグメントにおける契約 当社は、当社の連結子会社でコインチェック株式会社の持株会社となる予定のCoincheck Group B.V.と米国のNasdaq Global Marketに上場している特別買収目的会社(SPAC)であるThunder Bridge Capital Partners IV, Inc.(以下「THCP」)との合併(以下「本合併」)に関して2022年3月22日付で締結し、2023年5月31日付変更契約により変更されたBusiness Combination Agreementについて、THCP株主総会にて同社定款上の買収を実現するための期限である2024年7月2日を2025年1月2日迄半年延長すること等の議案(以下「延長議案」)が承認されることを条件に、本合併を実現する期限を2025年1月2日迄半年延長する等の変更契約を契約当事者間で締結しました
研究開発活動 6【研究開発活動】
 該当事項はありません。
設備投資等の概要 1【設備投資等の概要】
 当社グループの主要な事業所につきましては、日本において、当社の本社を設置しています。 また、米国において、TradeStation Securities, Inc.、TradeStation Technologies, Inc.の本社及び各拠点を設置しています。 当連結会計年度の設備投資額は8,614百万円です。主に、日本セグメント及び米国セグメントにおける証券システムの設備投資等によるものです。
主要な設備の状況 2【主要な設備の状況】
 当社グループにおける主要な設備は、次のとおりです。(1) 提出会社 2024年3月31日現在 事業所名(所在地)セグメントの名称設備の内容帳簿価額(百万円)従業員数(人)建物器具備品使用権資産ソフトウェア合計本社(東京都港区他)日本その他設備2491461,9271162,43953
(2) 在外子会社2024年3月31日現在 会社名事業所名(所在地)セグメントの名称設備の内容帳簿価額(百万円)従業員数(人)建物器具備品使用権資産ソフトウェア合計TradeStation Securities, Inc.本社他(アメリカ合衆国 フロリダ州他)米国オンライン証券システム等2930267-326230TradeStation Technologies, Inc.本社他(アメリカ合衆国 フロリダ州他)米国オンライン証券システム等29972444,7165,742149 (注)1.建物には建物附属設備の帳簿価額を記載しています。2.ソフトウェアにはソフトウェア仮勘定の帳簿価額が含まれています。
設備の新設、除却等の計画 3【設備の新設、除却等の計画】
(1) 重要な設備の新設等 TradeStation Technologies,Inc.における当連結会計年度後1年間の設備投資計画は次のとおりです。会社名セグメントの名称設備の内容投資予定金額資金調達方法着手予定年月総額(百万円)既支払額(百万円)着手TradeStation Technologies,Inc.米国オンライン証券システム等2,626-自己資金2024年4月
(2) 重要な設備の除却等 重要な設備の除却等の計画はありません。
設備投資額、設備投資等の概要8,614,000,000

Employees

平均年齢(年)、提出会社の状況、従業員の状況43
平均勤続年数(年)、提出会社の状況、従業員の状況4
平均年間給与、提出会社の状況、従業員の状況8,653,301
全労働者、労働者の男女の賃金の差異、提出会社の指標1

Investment

株式の保有状況 (5)【株式の保有状況】
① 投資株式の区分の基準及び考え方 当社は、政策保有目的として株式を保有しないことを原則としています。ただし、業務提携その他経営上の合理的な理由から保有する場合には、その目的に照らして必要な期間において必要最小限の株数を保有するにとどめるものとしています。 したがって、当社が純投資目的以外の目的(政策保有目的)に区分している投資株式は、業務提携その他経営上の合理的な理由から保有している株式であり、自社単独の判断で売却できない株式です。 なお、投資株式にはマネックスベンチャーズ株式会社などが保有する営業投資有価証券は含めていません。 ② 当社における株式の保有状況 当社及び連結子会社のうち、投資株式の貸借対照表計上額(投資株式計上額)が最も大きい会社(最大保有会社)である当社については以下のとおりです。 a. 保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式イ 保有方針及び保有の合理性を検証する方法並びに個別銘柄の保有の適否に関する取締役会等における検証の内容 該当事項はありません。 ロ 銘柄数及び貸借対照表計上額 該当事項はありません。 ハ 特定投資株式及びみなし保有株式の銘柄ごとの株式数、貸借対照表計上額等に関する情報 該当事項はありません。 b. 保有目的が純投資目的である投資株式区分当事業年度前事業年度銘柄数(銘柄)貸借対照表計上額の合計額(百万円)銘柄数(銘柄)貸借対照表計上額の合計額(百万円)非上場株式1357810317非上場株式以外の株式53175185 区分当事業年度受取配当金の合計額(百万円)売却損益の合計額(百万円)評価損益の合計額(百万円)非上場株式1-27非上場株式以外の株式8-26 ③ TradeStation Group, Inc.における株式の保有状況 当社及び連結子会社のうち、投資株式計上額が最大保有会社の次に大きい会社であるTradeStation Group, Inc.については以下のとおりです。 a. 保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式イ 保有方針及び保有の合理性を検証する方法並びに個別銘柄の保有の適否に関する取締役会等における検証の内容 該当事項はありません。 ロ 銘柄数及び貸借対照表計上額 該当事項はありません。 ハ 特定投資株式及びみなし保有株式の銘柄ごとの株式数、貸借対照表計上額等に関する情報 該当事項はありません。 b. 保有目的が純投資目的である投資株式区分当事業年度前事業年度銘柄数(銘柄)貸借対照表計上額の合計額(百万円)銘柄数(銘柄)貸借対照表計上額の合計額(百万円)非上場株式21,34931,183非上場株式以外の株式---- 区分当事業年度受取配当金の合計額(百万円)売却損益の合計額(百万円)評価損益の合計額(百万円)非上場株式---非上場株式以外の株式---
銘柄数、非上場株式以外の株式、保有目的が純投資目的である投資株式、提出会社5
貸借対照表計上額の合計額、非上場株式以外の株式、保有目的が純投資目的である投資株式、提出会社317,000,000
受取配当金の合計額、非上場株式以外の株式、保有目的が純投資目的である投資株式、提出会社8,000,000
評価損益の合計額、非上場株式以外の株式、保有目的が純投資目的である投資株式、提出会社26,000,000

Shareholders

大株主の状況 (6)【大株主の状況】
2024年3月31日現在
氏名又は名称住所所有株式数(株)発行済株式(自己株式を除く。)の総数に対する所有株式数の割合(%)
株式会社しずおかフィナンシャルグループ(常任代理人 日本マスタートラスト信託銀行株式会社)静岡県静岡市葵区呉服町1丁目10番地(東京都港区1丁目8番1号赤坂インターシティAIR)53,491,10020.76
日本マスタートラスト信託銀行株式会社(信託口)東京都港区1丁目8番1号赤坂インターシティAIR25,513,6009.90
株式会社松本東京都新宿区大京町22,080,2008.57
株式会社日本カストディ銀行(信託口)東京都中央区晴海1丁目8番地12号8,450,8533.28
株式会社リクルートホールディングス東京都千代田区丸の内1丁目9番2号5,720,0002.22
THE BANK OF NEW YORK, TR EATY JASDEC ACCOUNT(常任代理人 株式会社三菱UFJ銀行)AVENUE DES ARTS, 35 KUNSTLAAN, 1040 BRUSSELS, BELGIUM(東京都千代田区丸の内2丁目7番1号 決済事業部)4,808,1931.86
STATE STREET BAN AND TRUST COMPANY(常任代理人 株式会社みずほ銀行決済営業部)P.O. BOX 351 BOSTON MASSACHUSETTS 02 101 U.S.A(港区港南2丁目15番1号品川インターシティA棟)3,634,6331.41
JPモルガン証券株式会社東京都千代田区丸の内2丁目7番3号3,479,7001.35
工藤 恭子東京都3,455,8001.34
GOLDMAN,SACHS & CO.REG(常任代理人 ゴールドマン・サックス証券株式会社)200 WEST STREET NEW YORK,NY,USA(東京都港区六本木6丁目10番1号六本木ヒルズ森タワー)3,282,4821.27計-133,916,56151.99 1.発行済株式(自己株式を除く。)の総数に対する所有株式数の割合は、小数点以下第3位を切り捨てしております。2.
株式会社松本は、当社の代表執行役会長 松本大氏個人が発行済株式の100%を所有する資産管理会社です。2024年3月15日付の変更報告書(大量保有報告書)にて既に開示されている通り、松本大氏が保有している当社株式のうち約649万株が
株式会社松本に移管されています。
株主数-金融機関15
株主数-金融商品取引業者40
株主数-外国法人等-個人146
株主数-外国法人等-個人以外220
株主数-個人その他50,298
株主数-その他の法人223
株主数-計50,942
氏名又は名称、大株主の状況GOLDMAN,SACHS & CO.REG(常任代理人 ゴールドマン・サックス証券株式会社)
株主総利回り3
株主総会決議による取得の状況 (1)【株主総会決議による取得の状況】
 該当事項はありません。
株主総会決議又は取締役会決議に基づかないものの内容 (3)【株主総会決議又は取締役会決議に基づかないものの内容】
区分株式数(株)価額総額(円)当事業年度における取得自己株式3,94031,585当期間における取得自己株式--(注)当事業年度における取得自己株式のうち、3,900株は譲渡制限付株式報酬により無償取得したものです。

Shareholders2

自己株式の取得0

Audit

監査法人1、連結有限責任 あずさ監査法人
独立監査人の報告書、連結 独立監査人の監査報告書及び内部統制監査報告書 2024年6月22日 マネックスグループ株式会社 取締役会 御中 有限責任 あずさ監査法人 東京事務所 指定有限責任社員業務執行社員 公認会計士中 村  方 昭 指定有限責任社員業務執行社員 公認会計士御園生  豪 洋 <連結財務諸表監査> 監査意見 当監査法人は、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づく監査証明を行うため、「経理の状況」に掲げられているマネックスグループ株式会社の2023年4月1日から2024年3月31日までの連結会計年度の連結財務諸表、すなわち、連結損益計算書、連結包括利益計算書、連結財政状態計算書、連結持分変動計算書、連結キャッシュ・フロー計算書、及び連結財務諸表注記について監査を行った。 当監査法人は、上記の連結財務諸表が、「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」第93条により規定された国際会計基準に準拠して、マネックスグループ株式会社及び連結子会社の2024年3月31日現在の財政状態並びに同日をもって終了する連結会計年度の経営成績及びキャッシュ・フローの状況を、全ての重要な点において適正に表示しているものと認める。  監査意見の根拠 当監査法人は、我が国において一般に公正妥当と認められる監査の基準に準拠して監査を行った。監査の基準における当監査法人の責任は、「連結財務諸表監査における監査人の責任」に記載されている。当監査法人は、我が国における職業倫理に関する規定に従って、会社及び連結子会社から独立しており、また、監査人としてのその他の倫理上の責任を果たしている。当監査法人は、意見表明の基礎となる十分かつ適切な監査証拠を入手したと判断している。  監査上の主要な検討事項 監査上の主要な検討事項とは、当連結会計年度の連結財務諸表の監査において、監査人が職業的専門家として特に重要であると判断した事項である。監査上の主要な検討事項は、連結財務諸表全体に対する監査の実施過程及び監査意見の形成において対応した事項であり、当監査法人は、当該事項に対して個別に意見を表明するものではない。  ドコモマネックスホールディングス株式会社及びマネックス証券株式会社に対する支配の喪失の判定監査上の主要な検討事項の内容及び決定理由監査上の対応連結財務諸表注記「25.持分法適用会社」に記載のとおり、マネックスグループ株式会社は、マネックス証券株式会社及び株式会社NTTドコモとの三社間で締結した資本業務提携契約に基づき、マネックス証券株式会社の単独株式移転により設立されたドコモマネックスホールディングス株式会社(以下、中間持株会社という)の株式の一部を売却し、中間持株会社は株式会社NTTドコモを割当先とする第三者割当増資を実施している。この結果、マネックス証券株式会社の完全親会社となった中間持株会社の株式はマネックスグループ株式会社が約51%、株式会社NTTドコモが約49%保有しているが、資本業務提携契約により、株式会社NTTドコモが中間持株会社の取締役の過半数を指名する権利を有しており、中間持株会社がマネックス証券株式会社の取締役の過半数を指名する権利を有していることから、マネックスグループ株式会社は中間持株会社及びマネックス証券株式会社の支配を喪失したと判断している。連結財務諸表において、重要な割合を有していたマネックス証券株式会社が連結子会社から持分法適用の対象となるとともに、マネックス証券株式会社の業績及び中間持株会社株式の売却益は非継続事業からの当期利益として表示され、また、残存持分に対する公正価値評価が行われ評価益が計上されることから、支配の喪失に関する判断は連結財務諸表に重要な影響を及ぼす。加えて、議決権以外の投資先に対するパワーに基づいて中間持株会社及びマネックス証券株式会社の支配を喪失したと判断しており、その判定には経営者による重要な判断を伴う。以上から、当監査法人は、中間持株会社及びマネックス証券株式会社に対する支配の喪失の判断に係る検討が、当連結会計年度の連結財務諸表監査において特に重要であり、「監査上の主要な検討事項」の一つに該当すると判断した。 当監査法人は、中間持株会社及びマネックス証券株式会社に対する支配の喪失判定の適切性を検討するため、主に以下の監査手続を実施した。(1) 内部統制の評価当該支配の喪失判定に関連する内部統制の整備・運用状況の有効性を評価した。
(2) 支配の喪失の判定の適切性の評価支配の喪失の判定の適切性を評価するため、主に以下の手続を実施した。・経営者との協議及び取締役会資料や議事録等の閲覧による、支配の喪失に至った背景・理由の理解と必要な機関決定が行われていることの確認・支配の喪失の判定に関する会社の分析資料及び資本業務提携契約並びに関連する契約等を閲覧し、取締役の選解任を含む中間持株会社及びマネックス証券株式会社の意思決定方法やその他の契約条項が支配に与える影響をIFRS第10号「連結財務諸表」に照らして分析しその判定の適切性を検討  米国セグメントに関するのれん及び耐用年数が確定できない無形資産の減損損失の認識監査上の主要な検討事項の内容及び決定理由監査上の対応連結財務諸表注記「22.無形資産」に記載のとおり、マネックスグループ株式会社の当連結会計年度の連結財政状態計算書において計上されている無形資産30,240百万円には、TradeStation Group,Inc.の買収により生じた米国セグメントに関するのれん12,314百万円(資産合計の1.6%に相当)及び耐用年数が確定できない無形資産608百万円(資産合計の0.1%に相当)が計上されている連結財務諸表注記「3.重要な会計方針(6)無形資産」及び「(8)非金融資産の減損」に記載のとおり、のれん及び耐用年数が確定できない無形資産については償却を行わず、資金生成単位グループ毎に毎期減損テストを実施し、回収可能価額が帳簿価額を下回る場合には、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、帳簿価額の減少額は減損損失として認識する。また、減損テストにおける回収可能価額の測定に用いる将来キャッシュ・フローは、経営陣によって承認された各資金生成単位グループの事業計画を基礎として見積られる。米国セグメントにおいては、回収可能価額が帳簿価額を上回る余裕部分が56,959百万円であるものの、主要な仮定である割引率が上昇した場合や見積将来キャッシュ・フローが減少した場合に多額の減損損失が発生する可能性がある。米国セグメントにおける将来キャッシュ・フローの見積りは、アクティブトレーダー層に注力するという戦略に基づいている。当該将来キャッシュ・フローの見積りに含まれる主要な仮定であるアクティブトレーダー層の顧客口座成長率や一口座当たり収益の拡大見込等の計画は不確実性が高く、米国市場の今後の金利水準や成長率等の外部環境による重要な影響を受ける。また、これらの仮定及び測定モデルやインプットデータの選択、並びに使用価値の算定に使用される割引率の決定は、経営者による主観的な判断の程度が高く、減損損失の認識の要否に関する判断に重要な影響を及ぼす。以上から、当監査法人は、米国セグメントに関するのれん及び耐用年数が確定できない無形資産の減損損失の認識の要否に関する判断に係る検討が、当連結会計年度の連結財務諸表監査において特に重要であり、「監査上の主要な検討事項」の一つに該当すると判断した。当監査法人は、米国セグメントに関するのれん及び耐用年数が確定できない無形資産の減損損失の要否に関する判断の適切性を検討するため、主に以下の監査手続を実施した。(1) 内部統制の評価当該無形資産の減損テストにおける回収可能価額の測定に関連する内部統制の整備・運用状況の有効性を評価した。
(2) 将来キャッシュ・フローの見積りの合理性の評価将来キャッシュ・フローの見積りの合理性を評価するため、当該将来キャッシュ・フローの見積りに用いられた仮定の適切性を評価した。具体的には、主に以下の手続を実施した。・経営者に対する主要な仮定の根拠に関する質問及び関連資料の閲覧・予定されている施策や足許の実績を踏まえた、アクティブトレーダー層の顧客口座成長率や一口座当たり収益の拡大見込に関する仮定の評価・金利水準に係る予測に関する経営者の仮定の評価、及び、過去の金利水準の基礎データと外部機関によるマーケットデータとの照合・測定モデル及びインプットデータの選択に関する経営者が採用しなかった代替的な仮定の検討 また、米国市場の今後の成長率や使用価値の算定に使用される割引率について、当監査法人が属する国内ネットワークファームの評価の専門家を利用して、割引率や成長率の算定方法の適切性を評価するとともに、基礎データを外部機関が公表している米国市場のデータと照合した。加えて、基礎データを変動させた場合の減損損失の認識に与える余裕度を検討した。  コインチェック株式会社が保有する暗号資産の実在性の検証監査上の主要な検討事項の内容及び決定理由監査上の対応マネックスグループ株式会社の子会社であるコインチェック株式会社は、暗号資産交換業を営んでおり、同社が管理する電子ウォレットにおいて多額の暗号資産を保有しており、当該電子ウォレットに関する秘密鍵を保有している。コインチェック株式会社が保有する暗号資産のうち、44,207百万円(資産合計の1.27%に相当)が連結財政状態計算書の棚卸資産に含まれており、649,211百万円が連結財務諸表注記「18.棚卸資産」の利用者から預託された暗号資産の当連結会計年度末の残高の注記額に含まれている。仮にコインチェック株式会社が管理する電子ウォレットに関する秘密鍵が紛失、破壊もしくは流出された場合、同社は保有する暗号資産にアクセスができなくなるため、マネックスグループ株式会社は当該暗号資産の認識を中止する必要がある。コインチェック株式会社が保有する暗号資産の実在性を検証するために実施すべき監査手続や入手すべき監査証拠の種類や範囲の決定には監査人の高度な判断が必要とされることから、当監査法人は、コインチェック株式会社が保有する暗号資産の実在性の検証が、当連結会計年度の連結財務諸表監査において特に重要であり、「監査上の主要な検討事項」の一つに該当すると判断した。当監査法人は、コインチェック株式会社が保有する暗号資産の実在性を検証するため、IT専門家と連携して、主に以下の監査手続を実施した。(1) 内部統制の評価暗号資産の実在性に関連するコインチェック株式会社における内部統制の整備・運用状況の有効性を評価した。評価に当たっては、特に以下に焦点を当てた。・暗号資産関連システムに対する役職員のアクセス管理及び同システムへの特権IDによるデータやプログラムの改変や役職員の権限変更等の操作ログをモニタリングする統制・暗号資産を移転する際の統制・コインチェック株式会社が保有する暗号資産の帳簿残高とブロックチェーン記録とを照合する統制
(2) 暗号資産の実在性の検証手続コインチェック株式会社が保有する暗号資産の実在性を検証するため、主に以下の監査手続を実施した。・同社が管理する電子ウォレットの暗号資産の帳簿残高と当監査法人が独自に開発したソフトウェアツールにより集計したブロックチェーン記録との照合・同社が管理する電子ウォレットにおける取引パターンの分析を通じた、不正な暗号資産の移転の有無の検討・当監査法人の指定に基づき同社が実施した少量の取引が、意図したとおりにブロックチェーンと暗号資産関連システムに記録されるかを検証 その他の記載内容 その他の記載内容は、有価証券報告書に含まれる情報のうち、連結財務諸表及び財務諸表並びにこれらの監査報告書以外の情報である。経営者の責任は、その他の記載内容を作成し開示することにある。また、監査委員会の責任は、その他の記載内容の報告プロセスの整備及び運用における執行役及び取締役の職務の執行を監視することにある。 当監査法人の連結財務諸表に対する監査意見の対象にはその他の記載内容は含まれておらず、当監査法人はその他の記載内容に対して意見を表明するものではない。 連結財務諸表監査における当監査法人の責任は、その他の記載内容を通読し、通読の過程において、その他の記載内容と連結財務諸表又は当監査法人が監査の過程で得た知識との間に重要な相違があるかどうか検討すること、また、そのような重要な相違以外にその他の記載内容に重要な誤りの兆候があるかどうか注意を払うことにある。 当監査法人は、実施した作業に基づき、その他の記載内容に重要な誤りがあると判断した場合には、その事実を報告することが求められている。 その他の記載内容に関して、当監査法人が報告すべき事項はない。  連結財務諸表に対する経営者及び監査委員会の責任 経営者の責任は、国際会計基準に準拠して連結財務諸表を作成し適正に表示することにある。これには、不正又は誤謬による重要な虚偽表示のない連結財務諸表を作成し適正に表示するために経営者が必要と判断した内部統制を整備及び運用することが含まれる。 連結財務諸表を作成するに当たり、経営者は、継続企業の前提に基づき連結財務諸表を作成することが適切であるかどうかを評価し、国際会計基準に基づいて継続企業に関する事項を開示する必要がある場合には当該事項を開示する責任がある。 監査委員会の責任は、財務報告プロセスの整備及び運用における執行役及び取締役の職務の執行を監視することにある。  連結財務諸表監査における監査人の責任 監査人の責任は、監査人が実施した監査に基づいて、全体としての連結財務諸表に不正又は誤謬による重要な虚偽表示がないかどうかについて合理的な保証を得て、監査報告書において独立の立場から連結財務諸表に対する意見を表明することにある。虚偽表示は、不正又は誤謬により発生する可能性があり、個別に又は集計すると、連結財務諸表の利用者の意思決定に影響を与えると合理的に見込まれる場合に、重要性があると判断される。 監査人は、我が国において一般に公正妥当と認められる監査の基準に従って、監査の過程を通じて、職業的専門家としての判断を行い、職業的懐疑心を保持して以下を実施する。・不正又は誤謬による重要な虚偽表示リスクを識別し、評価する。また、重要な虚偽表示リスクに対応した監査手続を立案し、実施する。監査手続の選択及び適用は監査人の判断による。さらに、意見表明の基礎となる十分かつ適切な監査証拠を入手する。・連結財務諸表監査の目的は、内部統制の有効性について意見表明するためのものではないが、監査人は、リスク評価の実施に際して、状況に応じた適切な監査手続を立案するために、監査に関連する内部統制を検討する。・経営者が採用した会計方針及びその適用方法の適切性、並びに経営者によって行われた会計上の見積りの合理性及び関連する注記事項の妥当性を評価する。・経営者が継続企業を前提として連結財務諸表を作成することが適切であるかどうか、また、入手した監査証拠に基づき、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況に関して重要な不確実性が認められるかどうか結論付ける。継続企業の前提に関する重要な不確実性が認められる場合は、監査報告書において連結財務諸表の注記事項に注意を喚起すること、又は重要な不確実性に関する連結財務諸表の注記事項が適切でない場合は、連結財務諸表に対して除外事項付意見を表明することが求められている。監査人の結論は、監査報告書日までに入手した監査証拠に基づいているが、将来の事象や状況により、企業は継続企業として存続できなくなる可能性がある。・連結財務諸表の表示及び注記事項が、国際会計基準に準拠しているかどうかとともに、関連する注記事項を含めた連結財務諸表の表示、構成及び内容、並びに連結財務諸表が基礎となる取引や会計事象を適正に表示しているかどうかを評価する。・連結財務諸表に対する意見を表明するために、会社及び連結子会社の財務情報に関する十分かつ適切な監査証拠を入手する。監査人は、連結財務諸表の監査に関する指示、監督及び実施に関して責任がある。監査人は、単独で監査意見に対して責任を負う。 監査人は、監査委員会に対して、計画した監査の範囲とその実施時期、監査の実施過程で識別した内部統制の重要な不備を含む監査上の重要な発見事項、及び監査の基準で求められているその他の事項について報告を行う。 監査人は、監査委員会に対して、独立性についての我が国における職業倫理に関する規定を遵守したこと、並びに監査人の独立性に影響を与えると合理的に考えられる事項、及び阻害要因を除去するための対応策を講じている場合又は阻害要因を許容可能な水準にまで軽減するためのセーフガードを適用している場合はその内容について報告を行う。 監査人は、監査委員会と協議した事項のうち、当連結会計年度の連結財務諸表の監査で特に重要であると判断した事項を監査上の主要な検討事項と決定し、監査報告書において記載する。ただし、法令等により当該事項の公表が禁止されている場合や、極めて限定的ではあるが、監査報告書において報告することにより生じる不利益が公共の利益を上回ると合理的に見込まれるため、監査人が報告すべきでないと判断した場合は、当該事項を記載しない。 <内部統制監査> 監査意見 当監査法人は、金融商品取引法第193条の2第2項の規定に基づく監査証明を行うため、マネックスグループ株式会社の2024年3月31日現在の内部統制報告書について監査を行った。 当監査法人は、マネックスグループ株式会社が2024年3月31日現在の財務報告に係る内部統制は有効であると表示した上記の内部統制報告書が、我が国において一般に公正妥当と認められる財務報告に係る内部統制の評価の基準に準拠して、財務報告に係る内部統制の評価結果について、全ての重要な点において適正に表示しているものと認める。  監査意見の根拠 当監査法人は、我が国において一般に公正妥当と認められる財務報告に係る内部統制の監査の基準に準拠して内部統制監査を行った。財務報告に係る内部統制の監査の基準における当監査法人の責任は、「内部統制監査における監査人の責任」に記載されている。当監査法人は、我が国における職業倫理に関する規定に従って、会社及び連結子会社から独立しており、また、監査人としてのその他の倫理上の責任を果たしている。当監査法人は、意見表明の基礎となる十分かつ適切な監査証拠を入手したと判断している。  内部統制報告書に対する経営者及び監査委員会の責任 経営者の責任は、財務報告に係る内部統制を整備及び運用し、我が国において一般に公正妥当と認められる財務報告に係る内部統制の評価の基準に準拠して内部統制報告書を作成し適正に表示することにある。 監査委員会の責任は、財務報告に係る内部統制の整備及び運用状況を監視、検証することにある。 なお、財務報告に係る内部統制により財務報告の虚偽の記載を完全には防止又は発見することができない可能性がある。  内部統制監査における監査人の責任 監査人の責任は、監査人が実施した内部統制監査に基づいて、内部統制報告書に重要な虚偽表示がないかどうかについて合理的な保証を得て、内部統制監査報告書において独立の立場から内部統制報告書に対する意見を表明することにある。 監査人は、我が国において一般に公正妥当と認められる財務報告に係る内部統制の監査の基準に従って、監査の過程を通じて、職業的専門家としての判断を行い、職業的懐疑心を保持して以下を実施する。・内部統制報告書における財務報告に係る内部統制の評価結果について監査証拠を入手するための監査手続を実施する。内部統制監査の監査手続は、監査人の判断により、財務報告の信頼性に及ぼす影響の重要性に基づいて選択及び適用される。・財務報告に係る内部統制の評価範囲、評価手続及び評価結果について経営者が行った記載を含め、全体としての内部統制報告書の表示を検討する。・内部統制報告書における財務報告に係る内部統制の評価結果に関する十分かつ適切な監査証拠を入手する。監査人は、内部統制報告書の監査に関する指示、監督及び実施に関して責任がある。監査人は、単独で監査意見に対して責任を負う。 監査人は、監査委員会に対して、計画した内部統制監査の範囲とその実施時期、内部統制監査の実施結果、識別した内部統制の開示すべき重要な不備、その是正結果、及び内部統制の監査の基準で求められているその他の事項について報告を行う。 監査人は、監査委員会に対して、独立性についての我が国における職業倫理に関する規定を遵守したこと、並びに監査人の独立性に影響を与えると合理的に考えられる事項、及び阻害要因を除去するための対応策を講じている場合又は阻害要因を許容可能な水準にまで軽減するためのセーフガードを適用している場合はその内容について報告を行う。 <報酬関連情報> 当監査法人及び当監査法人と同一のネットワークに属する者に対する、会社及び子会社の監査証明業務に基づく報酬及び非監査業務に基づく報酬の額は、「提出会社の状況」に含まれるコーポレート・ガバナンスの状況等 (3)【監査の状況】
に記載されている。  利害関係 会社及び連結子会社と当監査法人又は業務執行社員との間には、公認会計士法の規定により記載すべき利害関係はない。                                                 以  上※1.上記の監査報告書の原本は当社(有価証券報告書提出会社)が別途保管しております。 2.XBRLデータは監査の対象に含まれていません。
監査上の主要な検討事項、連結  監査上の主要な検討事項 監査上の主要な検討事項とは、当連結会計年度の連結財務諸表の監査において、監査人が職業的専門家として特に重要であると判断した事項である。監査上の主要な検討事項は、連結財務諸表全体に対する監査の実施過程及び監査意見の形成において対応した事項であり、当監査法人は、当該事項に対して個別に意見を表明するものではない。  ドコモマネックスホールディングス株式会社及びマネックス証券株式会社に対する支配の喪失の判定監査上の主要な検討事項の内容及び決定理由監査上の対応連結財務諸表注記「25.持分法適用会社」に記載のとおり、マネックスグループ株式会社は、マネックス証券株式会社及び株式会社NTTドコモとの三社間で締結した資本業務提携契約に基づき、マネックス証券株式会社の単独株式移転により設立されたドコモマネックスホールディングス株式会社(以下、中間持株会社という)の株式の一部を売却し、中間持株会社は株式会社NTTドコモを割当先とする第三者割当増資を実施している。この結果、マネックス証券株式会社の完全親会社となった中間持株会社の株式はマネックスグループ株式会社が約51%、株式会社NTTドコモが約49%保有しているが、資本業務提携契約により、株式会社NTTドコモが中間持株会社の取締役の過半数を指名する権利を有しており、中間持株会社がマネックス証券株式会社の取締役の過半数を指名する権利を有していることから、マネックスグループ株式会社は中間持株会社及びマネックス証券株式会社の支配を喪失したと判断している。連結財務諸表において、重要な割合を有していたマネックス証券株式会社が連結子会社から持分法適用の対象となるとともに、マネックス証券株式会社の業績及び中間持株会社株式の売却益は非継続事業からの当期利益として表示され、また、残存持分に対する公正価値評価が行われ評価益が計上されることから、支配の喪失に関する判断は連結財務諸表に重要な影響を及ぼす。加えて、議決権以外の投資先に対するパワーに基づいて中間持株会社及びマネックス証券株式会社の支配を喪失したと判断しており、その判定には経営者による重要な判断を伴う。以上から、当監査法人は、中間持株会社及びマネックス証券株式会社に対する支配の喪失の判断に係る検討が、当連結会計年度の連結財務諸表監査において特に重要であり、「監査上の主要な検討事項」の一つに該当すると判断した。 当監査法人は、中間持株会社及びマネックス証券株式会社に対する支配の喪失判定の適切性を検討するため、主に以下の監査手続を実施した。(1) 内部統制の評価当該支配の喪失判定に関連する内部統制の整備・運用状況の有効性を評価した。
(2) 支配の喪失の判定の適切性の評価支配の喪失の判定の適切性を評価するため、主に以下の手続を実施した。・経営者との協議及び取締役会資料や議事録等の閲覧による、支配の喪失に至った背景・理由の理解と必要な機関決定が行われていることの確認・支配の喪失の判定に関する会社の分析資料及び資本業務提携契約並びに関連する契約等を閲覧し、取締役の選解任を含む中間持株会社及びマネックス証券株式会社の意思決定方法やその他の契約条項が支配に与える影響をIFRS第10号「連結財務諸表」に照らして分析しその判定の適切性を検討  米国セグメントに関するのれん及び耐用年数が確定できない無形資産の減損損失の認識監査上の主要な検討事項の内容及び決定理由監査上の対応連結財務諸表注記「22.無形資産」に記載のとおり、マネックスグループ株式会社の当連結会計年度の連結財政状態計算書において計上されている無形資産30,240百万円には、TradeStation Group,Inc.の買収により生じた米国セグメントに関するのれん12,314百万円(資産合計の1.6%に相当)及び耐用年数が確定できない無形資産608百万円(資産合計の0.1%に相当)が計上されている連結財務諸表注記「3.重要な会計方針(6)無形資産」及び「(8)非金融資産の減損」に記載のとおり、のれん及び耐用年数が確定できない無形資産については償却を行わず、資金生成単位グループ毎に毎期減損テストを実施し、回収可能価額が帳簿価額を下回る場合には、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、帳簿価額の減少額は減損損失として認識する。また、減損テストにおける回収可能価額の測定に用いる将来キャッシュ・フローは、経営陣によって承認された各資金生成単位グループの事業計画を基礎として見積られる。米国セグメントにおいては、回収可能価額が帳簿価額を上回る余裕部分が56,959百万円であるものの、主要な仮定である割引率が上昇した場合や見積将来キャッシュ・フローが減少した場合に多額の減損損失が発生する可能性がある。米国セグメントにおける将来キャッシュ・フローの見積りは、アクティブトレーダー層に注力するという戦略に基づいている。当該将来キャッシュ・フローの見積りに含まれる主要な仮定であるアクティブトレーダー層の顧客口座成長率や一口座当たり収益の拡大見込等の計画は不確実性が高く、米国市場の今後の金利水準や成長率等の外部環境による重要な影響を受ける。また、これらの仮定及び測定モデルやインプットデータの選択、並びに使用価値の算定に使用される割引率の決定は、経営者による主観的な判断の程度が高く、減損損失の認識の要否に関する判断に重要な影響を及ぼす。以上から、当監査法人は、米国セグメントに関するのれん及び耐用年数が確定できない無形資産の減損損失の認識の要否に関する判断に係る検討が、当連結会計年度の連結財務諸表監査において特に重要であり、「監査上の主要な検討事項」の一つに該当すると判断した。当監査法人は、米国セグメントに関するのれん及び耐用年数が確定できない無形資産の減損損失の要否に関する判断の適切性を検討するため、主に以下の監査手続を実施した。(1) 内部統制の評価当該無形資産の減損テストにおける回収可能価額の測定に関連する内部統制の整備・運用状況の有効性を評価した。
(2) 将来キャッシュ・フローの見積りの合理性の評価将来キャッシュ・フローの見積りの合理性を評価するため、当該将来キャッシュ・フローの見積りに用いられた仮定の適切性を評価した。具体的には、主に以下の手続を実施した。・経営者に対する主要な仮定の根拠に関する質問及び関連資料の閲覧・予定されている施策や足許の実績を踏まえた、アクティブトレーダー層の顧客口座成長率や一口座当たり収益の拡大見込に関する仮定の評価・金利水準に係る予測に関する経営者の仮定の評価、及び、過去の金利水準の基礎データと外部機関によるマーケットデータとの照合・測定モデル及びインプットデータの選択に関する経営者が採用しなかった代替的な仮定の検討 また、米国市場の今後の成長率や使用価値の算定に使用される割引率について、当監査法人が属する国内ネットワークファームの評価の専門家を利用して、割引率や成長率の算定方法の適切性を評価するとともに、基礎データを外部機関が公表している米国市場のデータと照合した。加えて、基礎データを変動させた場合の減損損失の認識に与える余裕度を検討した。  コインチェック株式会社が保有する暗号資産の実在性の検証監査上の主要な検討事項の内容及び決定理由監査上の対応マネックスグループ株式会社の子会社であるコインチェック株式会社は、暗号資産交換業を営んでおり、同社が管理する電子ウォレットにおいて多額の暗号資産を保有しており、当該電子ウォレットに関する秘密鍵を保有している。コインチェック株式会社が保有する暗号資産のうち、44,207百万円(資産合計の1.27%に相当)が連結財政状態計算書の棚卸資産に含まれており、649,211百万円が連結財務諸表注記「18.棚卸資産」の利用者から預託された暗号資産の当連結会計年度末の残高の注記額に含まれている。仮にコインチェック株式会社が管理する電子ウォレットに関する秘密鍵が紛失、破壊もしくは流出された場合、同社は保有する暗号資産にアクセスができなくなるため、マネックスグループ株式会社は当該暗号資産の認識を中止する必要がある。コインチェック株式会社が保有する暗号資産の実在性を検証するために実施すべき監査手続や入手すべき監査証拠の種類や範囲の決定には監査人の高度な判断が必要とされることから、当監査法人は、コインチェック株式会社が保有する暗号資産の実在性の検証が、当連結会計年度の連結財務諸表監査において特に重要であり、「監査上の主要な検討事項」の一つに該当すると判断した。当監査法人は、コインチェック株式会社が保有する暗号資産の実在性を検証するため、IT専門家と連携して、主に以下の監査手続を実施した。(1) 内部統制の評価暗号資産の実在性に関連するコインチェック株式会社における内部統制の整備・運用状況の有効性を評価した。評価に当たっては、特に以下に焦点を当てた。・暗号資産関連システムに対する役職員のアクセス管理及び同システムへの特権IDによるデータやプログラムの改変や役職員の権限変更等の操作ログをモニタリングする統制・暗号資産を移転する際の統制・コインチェック株式会社が保有する暗号資産の帳簿残高とブロックチェーン記録とを照合する統制
(2) 暗号資産の実在性の検証手続コインチェック株式会社が保有する暗号資産の実在性を検証するため、主に以下の監査手続を実施した。・同社が管理する電子ウォレットの暗号資産の帳簿残高と当監査法人が独自に開発したソフトウェアツールにより集計したブロックチェーン記録との照合・同社が管理する電子ウォレットにおける取引パターンの分析を通じた、不正な暗号資産の移転の有無の検討・当監査法人の指定に基づき同社が実施した少量の取引が、意図したとおりにブロックチェーンと暗号資産関連システムに記録されるかを検証
全体概要、監査上の主要な検討事項、連結 監査上の主要な検討事項とは、当連結会計年度の連結財務諸表の監査において、監査人が職業的専門家として特に重要であると判断した事項である。監査上の主要な検討事項は、連結財務諸表全体に対する監査の実施過程及び監査意見の形成において対応した事項であり、当監査法人は、当該事項に対して個別に意見を表明するものではない。
見出し、監査上の主要な検討事項、連結コインチェック株式会社が保有する暗号資産の実在性の検証
内容及び理由、監査上の主要な検討事項、連結 マネックスグループ株式会社の子会社であるコインチェック株式会社は、暗号資産交換業を営んでおり、同社が管理する電子ウォレットにおいて多額の暗号資産を保有しており、当該電子ウォレットに関する秘密鍵を保有している。コインチェック株式会社が保有する暗号資産のうち、44,207百万円(資産合計の1.27%に相当)が連結財政状態計算書の棚卸資産に含まれており、649,211百万円が連結財務諸表注記「18.棚卸資産」の利用者から預託された暗号資産の当連結会計年度末の残高の注記額に含まれている。仮にコインチェック株式会社が管理する電子ウォレットに関する秘密鍵が紛失、破壊もしくは流出された場合、同社は保有する暗号資産にアクセスができなくなるため、マネックスグループ株式会社は当該暗号資産の認識を中止する必要がある。コインチェック株式会社が保有する暗号資産の実在性を検証するために実施すべき監査手続や入手すべき監査証拠の種類や範囲の決定には監査人の高度な判断が必要とされることから、当監査法人は、コインチェック株式会社が保有する暗号資産の実在性の検証が、当連結会計年度の連結財務諸表監査において特に重要であり、「監査上の主要な検討事項」の一つに該当すると判断した。
開示への参照、監査上の主要な検討事項、連結連結財務諸表注記「18.棚卸資産」
開示への参照2、監査上の主要な検討事項、連結連結財務諸表注記「3.重要な会計方針(6)無形資産」及び「(8)非金融資産の減損」
監査上の対応、監査上の主要な検討事項、連結 当監査法人は、コインチェック株式会社が保有する暗号資産の実在性を検証するため、IT専門家と連携して、主に以下の監査手続を実施した。(1) 内部統制の評価暗号資産の実在性に関連するコインチェック株式会社における内部統制の整備・運用状況の有効性を評価した。評価に当たっては、特に以下に焦点を当てた。・暗号資産関連システムに対する役職員のアクセス管理及び同システムへの特権IDによるデータやプログラムの改変や役職員の権限変更等の操作ログをモニタリングする統制・暗号資産を移転する際の統制・コインチェック株式会社が保有する暗号資産の帳簿残高とブロックチェーン記録とを照合する統制
(2) 暗号資産の実在性の検証手続コインチェック株式会社が保有する暗号資産の実在性を検証するため、主に以下の監査手続を実施した。・同社が管理する電子ウォレットの暗号資産の帳簿残高と当監査法人が独自に開発したソフトウェアツールにより集計したブロックチェーン記録との照合・同社が管理する電子ウォレットにおける取引パターンの分析を通じた、不正な暗号資産の移転の有無の検討・当監査法人の指定に基づき同社が実施した少量の取引が、意図したとおりにブロックチェーンと暗号資産関連システムに記録されるかを検証
その他の記載内容、連結 その他の記載内容 その他の記載内容は、有価証券報告書に含まれる情報のうち、連結財務諸表及び財務諸表並びにこれらの監査報告書以外の情報である。経営者の責任は、その他の記載内容を作成し開示することにある。また、監査委員会の責任は、その他の記載内容の報告プロセスの整備及び運用における執行役及び取締役の職務の執行を監視することにある。 当監査法人の連結財務諸表に対する監査意見の対象にはその他の記載内容は含まれておらず、当監査法人はその他の記載内容に対して意見を表明するものではない。 連結財務諸表監査における当監査法人の責任は、その他の記載内容を通読し、通読の過程において、その他の記載内容と連結財務諸表又は当監査法人が監査の過程で得た知識との間に重要な相違があるかどうか検討すること、また、そのような重要な相違以外にその他の記載内容に重要な誤りの兆候があるかどうか注意を払うことにある。 当監査法人は、実施した作業に基づき、その他の記載内容に重要な誤りがあると判断した場合には、その事実を報告することが求められている。 その他の記載内容に関して、当監査法人が報告すべき事項はない。
報酬関連情報、連結 <報酬関連情報> 当監査法人及び当監査法人と同一のネットワークに属する者に対する、会社及び子会社の監査証明業務に基づく報酬及び非監査業務に基づく報酬の額は、「提出会社の状況」に含まれるコーポレート・ガバナンスの状況等 (3)【監査の状況】
に記載されている。

Audit1

監査法人1、個別有限責任 あずさ監査法人
独立監査人の報告書、個別 独立監査人の監査報告書 2024年6月22日 マネックスグループ株式会社 取締役会 御中 有限責任 あずさ監査法人 東京事務所 指定有限責任社員業務執行社員 公認会計士中 村  方 昭 指定有限責任社員業務執行社員 公認会計士御園生  豪 洋  <財務諸表監査> 監査意見 当監査法人は、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づく監査証明を行うため、「経理の状況」に掲げられているマネックスグループ株式会社の2023年4月1日から2024年3月31日までの第20期事業年度の財務諸表、すなわち、貸借対照表、損益計算書、株主資本等変動計算書、重要な会計方針、その他の注記及び附属明細表について監査を行った。 当監査法人は、上記の財務諸表が、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して、マネックスグループ株式会社の2024年3月31日現在の財政状態及び同日をもって終了する事業年度の経営成績を、全ての重要な点において適正に表示しているものと認める。  監査意見の根拠 当監査法人は、我が国において一般に公正妥当と認められる監査の基準に準拠して監査を行った。監査の基準における当監査法人の責任は、「財務諸表監査における監査人の責任」に記載されている。当監査法人は、我が国における職業倫理に関する規定に従って、会社から独立しており、また、監査人としてのその他の倫理上の責任を果たしている。当監査法人は、意見表明の基礎となる十分かつ適切な監査証拠を入手したと判断している。  監査上の主要な検討事項 監査上の主要な検討事項とは、当事業年度の財務諸表の監査において、監査人が職業的専門家として特に重要であると判断した事項である。監査上の主要な検討事項は、財務諸表全体に対する監査の実施過程及び監査意見の形成において対応した事項であり、当監査法人は、当該事項に対して個別に意見を表明するものではない。 TradeStation Group, Inc.(子会社)に対する投資の評価監査上の主要な検討事項の内容及び決定理由監査上の対応 マネックスグループ株式会社の当事業年度の貸借対照表において計上されている「関係会社株式」65,452百万円には、超過収益力を反映して取得したTradeStation Group,Inc. (以下、「TSG」)に対する投資(子会社株式)24,949百万円が含まれている。重要な会計方針「1.資産の評価基準及び評価方法(1)有価証券の評価基準及び評価方法①子会社株式及び関連会社株式」に記載のとおり、子会社株式は移動平均法による原価法をもって貸借対照表価額とされるが、子会社株式の発行会社の財政状態の悪化により実質価額が著しく低下し、回復可能性が十分な証拠によって裏付けられない場合には、相当の減額を行い当期の損失として処理する必要がある。マネックスグループ株式会社では、TSGの株式の評価にあたり、超過収益力等を反映した価額で実質価額を算定している。超過収益力等を反映した実質価額の算定に関連して、連結財務諸表上、TSGの買収に伴って発生したのれん及び耐用年数を確定できない無形資産について、年次の減損テストが行われている(連結財務諸表に関する監査上の主要な検討事項「米国セグメントに関するのれん及び耐用年数が確定できない無形資産の減損損失の認識」参照)。実質価額の算定に重要な影響を与える米国セグメントにおける資金生成単位グループに関する回収可能価額の見積りに当たっては、経営者による主観的な判断の程度が高く、評価に重要な影響を及ぼす。以上から、当監査法人は、TSGに対する投資の実質価額の算定に重要な影響を与える米国セグメントにおける資金生成単位グループに関する回収可能価額の見積りに係る検討が、当事業年度の財務諸表監査において特に重要であり、TSGに対する投資の評価が「監査上の主要な検討事項」に該当すると判断した。当監査法人は、TSGに対する投資の評価に当たっては、同社の超過収益力等を反映した価額で実質価額の算定の適切性及び実質価額の著しい低下の有無の検討の適切性を評価した。また、当該実質価額の算定に重要な影響を与える米国セグメントにおける資金生成単位グループに関する回収可能価額の見積りについて、連結財務諸表に関する監査上の主要な検討事項「米国セグメントに関するのれん及び耐用年数が確定できない無形資産の減損損失の認識」に記載した監査上の対応における
(2)将来キャッシュ・フローの見積りの合理性の評価を実施した。 その他の記載内容 その他の記載内容は、有価証券報告書に含まれる情報のうち、連結財務諸表及び財務諸表並びにこれらの監査報告書以外の情報である。経営者の責任は、その他の記載内容を作成し開示することにある。また、監査委員会の責任は、その他の記載内容の報告プロセスの整備及び運用における執行役及び取締役の職務の執行を監視することにある。 当監査法人の財務諸表に対する監査意見の対象にはその他の記載内容は含まれておらず、当監査法人はその他の記載内容に対して意見を表明するものではない。 財務諸表監査における当監査法人の責任は、その他の記載内容を通読し、通読の過程において、その他の記載内容と財務諸表又は当監査法人が監査の過程で得た知識との間に重要な相違があるかどうか検討すること、また、そのような重要な相違以外にその他の記載内容に重要な誤りの兆候があるかどうか注意を払うことにある。 当監査法人は、実施した作業に基づき、その他の記載内容に重要な誤りがあると判断した場合には、その事実を報告することが求められている。 その他の記載内容に関して、当監査法人が報告すべき事項はない。  財務諸表に対する経営者及び監査委員会の責任 経営者の責任は、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して財務諸表を作成し適正に表示することにある。これには、不正又は誤謬による重要な虚偽表示のない財務諸表を作成し適正に表示するために経営者が必要と判断した内部統制を整備及び運用することが含まれる。 財務諸表を作成するに当たり、経営者は、継続企業の前提に基づき財務諸表を作成することが適切であるかどうかを評価し、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づいて継続企業に関する事項を開示する必要がある場合には当該事項を開示する責任がある。 監査委員会の責任は、財務報告プロセスの整備及び運用における執行役及び取締役の職務の執行を監視することにある。  財務諸表監査における監査人の責任 監査人の責任は、監査人が実施した監査に基づいて、全体としての財務諸表に不正又は誤謬による重要な虚偽表示がないかどうかについて合理的な保証を得て、監査報告書において独立の立場から財務諸表に対する意見を表明することにある。虚偽表示は、不正又は誤謬により発生する可能性があり、個別に又は集計すると、財務諸表の利用者の意思決定に影響を与えると合理的に見込まれる場合に、重要性があると判断される。 監査人は、我が国において一般に公正妥当と認められる監査の基準に従って、監査の過程を通じて、職業的専門家としての判断を行い、職業的懐疑心を保持して以下を実施する。・不正又は誤謬による重要な虚偽表示リスクを識別し、評価する。また、重要な虚偽表示リスクに対応した監査手続を立案し、実施する。監査手続の選択及び適用は監査人の判断による。さらに、意見表明の基礎となる十分かつ適切な監査証拠を入手する。・財務諸表監査の目的は、内部統制の有効性について意見表明するためのものではないが、監査人は、リスク評価の実施に際して、状況に応じた適切な監査手続を立案するために、監査に関連する内部統制を検討する。・経営者が採用した会計方針及びその適用方法の適切性、並びに経営者によって行われた会計上の見積りの合理性及び関連する注記事項の妥当性を評価する。・経営者が継続企業を前提として財務諸表を作成することが適切であるかどうか、また、入手した監査証拠に基づき、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況に関して重要な不確実性が認められるかどうか結論付ける。継続企業の前提に関する重要な不確実性が認められる場合は、監査報告書において財務諸表の注記事項に注意を喚起すること、又は重要な不確実性に関する財務諸表の注記事項が適切でない場合は、財務諸表に対して除外事項付意見を表明することが求められている。監査人の結論は、監査報告書日までに入手した監査証拠に基づいているが、将来の事象や状況により、企業は継続企業として存続できなくなる可能性がある。・財務諸表の表示及び注記事項が、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠しているかどうかとともに、関連する注記事項を含めた財務諸表の表示、構成及び内容、並びに財務諸表が基礎となる取引や会計事象を適正に表示しているかどうかを評価する。 監査人は、監査委員会に対して、計画した監査の範囲とその実施時期、監査の実施過程で識別した内部統制の重要な不備を含む監査上の重要な発見事項、及び監査の基準で求められているその他の事項について報告を行う。 監査人は、監査委員会に対して、独立性についての我が国における職業倫理に関する規定を遵守したこと、並びに監査人の独立性に影響を与えると合理的に考えられる事項、及び阻害要因を除去するための対応策を講じている場合又は阻害要因を許容可能な水準にまで軽減するためのセーフガードを適用している場合はその内容について報告を行う。 監査人は、監査委員会と協議した事項のうち、当事業年度の財務諸表の監査で特に重要であると判断した事項を監査上の主要な検討事項と決定し、監査報告書において記載する。ただし、法令等により当該事項の公表が禁止されている場合や、極めて限定的ではあるが、監査報告書において報告することにより生じる不利益が公共の利益を上回ると合理的に見込まれるため、監査人が報告すべきでないと判断した場合は、当該事項を記載しない。 <報酬関連情報> 報酬関連情報は、連結財務諸表の監査報告書に記載されている。  利害関係 会社と当監査法人又は業務執行社員との間には、公認会計士法の規定により記載すべき利害関係はない。以  上※1.上記の監査報告書の原本は当社(有価証券報告書提出会社)が別途保管しております。 2.XBRLデータは監査の対象に含まれていません。
監査上の主要な検討事項、個別  監査上の主要な検討事項 監査上の主要な検討事項とは、当事業年度の財務諸表の監査において、監査人が職業的専門家として特に重要であると判断した事項である。監査上の主要な検討事項は、財務諸表全体に対する監査の実施過程及び監査意見の形成において対応した事項であり、当監査法人は、当該事項に対して個別に意見を表明するものではない。 TradeStation Group, Inc.(子会社)に対する投資の評価監査上の主要な検討事項の内容及び決定理由監査上の対応 マネックスグループ株式会社の当事業年度の貸借対照表において計上されている「関係会社株式」65,452百万円には、超過収益力を反映して取得したTradeStation Group,Inc. (以下、「TSG」)に対する投資(子会社株式)24,949百万円が含まれている。重要な会計方針「1.資産の評価基準及び評価方法(1)有価証券の評価基準及び評価方法①子会社株式及び関連会社株式」に記載のとおり、子会社株式は移動平均法による原価法をもって貸借対照表価額とされるが、子会社株式の発行会社の財政状態の悪化により実質価額が著しく低下し、回復可能性が十分な証拠によって裏付けられない場合には、相当の減額を行い当期の損失として処理する必要がある。マネックスグループ株式会社では、TSGの株式の評価にあたり、超過収益力等を反映した価額で実質価額を算定している。超過収益力等を反映した実質価額の算定に関連して、連結財務諸表上、TSGの買収に伴って発生したのれん及び耐用年数を確定できない無形資産について、年次の減損テストが行われている(連結財務諸表に関する監査上の主要な検討事項「米国セグメントに関するのれん及び耐用年数が確定できない無形資産の減損損失の認識」参照)。実質価額の算定に重要な影響を与える米国セグメントにおける資金生成単位グループに関する回収可能価額の見積りに当たっては、経営者による主観的な判断の程度が高く、評価に重要な影響を及ぼす。以上から、当監査法人は、TSGに対する投資の実質価額の算定に重要な影響を与える米国セグメントにおける資金生成単位グループに関する回収可能価額の見積りに係る検討が、当事業年度の財務諸表監査において特に重要であり、TSGに対する投資の評価が「監査上の主要な検討事項」に該当すると判断した。当監査法人は、TSGに対する投資の評価に当たっては、同社の超過収益力等を反映した価額で実質価額の算定の適切性及び実質価額の著しい低下の有無の検討の適切性を評価した。また、当該実質価額の算定に重要な影響を与える米国セグメントにおける資金生成単位グループに関する回収可能価額の見積りについて、連結財務諸表に関する監査上の主要な検討事項「米国セグメントに関するのれん及び耐用年数が確定できない無形資産の減損損失の認識」に記載した監査上の対応における
(2)将来キャッシュ・フローの見積りの合理性の評価を実施した。
全体概要、監査上の主要な検討事項、個別  監査上の主要な検討事項とは、当事業年度の財務諸表の監査において、監査人が職業的専門家として特に重要であると判断した事項である。監査上の主要な検討事項は、財務諸表全体に対する監査の実施過程及び監査意見の形成において対応した事項であり、当監査法人は、当該事項に対して個別に意見を表明するものではない。
見出し、監査上の主要な検討事項、個別TradeStation Group, Inc.(子会社)に対する投資の評価
その他の記載内容、個別 その他の記載内容 その他の記載内容は、有価証券報告書に含まれる情報のうち、連結財務諸表及び財務諸表並びにこれらの監査報告書以外の情報である。経営者の責任は、その他の記載内容を作成し開示することにある。また、監査委員会の責任は、その他の記載内容の報告プロセスの整備及び運用における執行役及び取締役の職務の執行を監視することにある。 当監査法人の財務諸表に対する監査意見の対象にはその他の記載内容は含まれておらず、当監査法人はその他の記載内容に対して意見を表明するものではない。 財務諸表監査における当監査法人の責任は、その他の記載内容を通読し、通読の過程において、その他の記載内容と財務諸表又は当監査法人が監査の過程で得た知識との間に重要な相違があるかどうか検討すること、また、そのような重要な相違以外にその他の記載内容に重要な誤りの兆候があるかどうか注意を払うことにある。 当監査法人は、実施した作業に基づき、その他の記載内容に重要な誤りがあると判断した場合には、その事実を報告することが求められている。 その他の記載内容に関して、当監査法人が報告すべき事項はない。
報酬関連情報、個別 <報酬関連情報> 報酬関連情報は、連結財務諸表の監査報告書に記載されている。

BS資産

有形固定資産395,000,000
ソフトウエア116,000,000
無形固定資産116,000,000
投資有価証券4,604,000,000
投資その他の資産79,030,000,000

BS負債、資本

未払法人税等6,557,000,000
賞与引当金46,000,000
繰延税金負債471,000,000
資本剰余金46,142,000,000
利益剰余金48,595,000,000
その他有価証券評価差額金2,060,000,000
評価・換算差額等2,060,000,000
負債純資産117,655,000,000