財務諸表
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提出書類、表紙 | 有価証券報告書 |
提出日、表紙 | 2024-06-25 |
英訳名、表紙 | Sumitomo Pharma Co., Ltd. |
代表者の役職氏名、表紙 | 代表取締役社長 木 村 徹 |
本店の所在の場所、表紙 | 大阪市中央区道修町二丁目6番8号 |
電話番号、本店の所在の場所、表紙 | 06-6203-5708 |
様式、DEI | 第三号様式 |
会計基準、DEI | IFRS |
連結決算の有無、DEI | true |
当会計期間の種類、DEI | FY |
corp
沿革 | 2 【沿革】 1897年5月大阪市道修町の有力薬業家21名により、当社の前身大阪製薬株式会社を設立1898年9月大阪工場設置1898年11月大日本製薬合資会社を買収し、社名を大日本製薬株式会社に改める1908年7月大阪薬品試験株式会社を吸収合併1947年10月五協産業株式会社(後のDSP五協フード&ケミカル株式会社)を設立1949年5月大阪、東京両証券取引所に株式上場(1961年10月両証券取引所市場第一部に指定)1968年10月鈴鹿工場設置1971年2月総合研究所設置1993年1月米国に現地法人 Dainippon Pharmaceutical U.S.A. Corporation(後のDainippon Sumitomo Pharma America, Inc.)を設立2003年4月大阪工場を閉鎖し、生産拠点を鈴鹿工場に統合2005年10月住友製薬株式会社と合併し、大日本住友製薬株式会社に商号変更2005年10月合併により茨木工場、愛媛工場、大分工場および大阪研究所他を承継また主な子会社として、住友制葯(蘇州)有限公司 他を承継2009年7月米国にDainippon Sumitomo Pharma America Holdings, Inc.(現 Sumitomo Pharma America, Inc.) を設立2009年10月Dainippon Sumitomo Pharma America Holdings, Inc.が米国Sepracore Inc.(後のSunovion Pharmaceuticals Inc.)を買収2010年4月Sepracore Inc.がDainippon Sumitomo Pharma America, Inc.を吸収合併2010年7月会社分割により、当社のアニマルサイエンス事業を新設したDSファーマアニマルヘルス株式会社(後の住友ファーマアニマルヘルス株式会社)に承継また当社のフード&スペシャリティ・プロダクツ事業をDSP五協フード&ケミカル株式会社(後の住友ファーマフード&ケミカル株式会社)に承継2012年4月米国Boston Biomedical, Inc.を買収2013年1月シンガポールにSunovion Pharmaceuticals Asia Pacific Pte. Ltd.(現 Sumitomo Pharma Asia Pacific Pte. Ltd.)を設立2013年7月東京支社を東京本社に改称し、東西両本社制に移行2017年1月米国Tolero Pharmaceuticals, Inc.を買収2019年4月茨木工場および愛媛工場を廃止し、鈴鹿工場と大分工場の2生産拠点体制に再編2019年12月Roivant Sciences Ltd.との戦略的提携により、Sumitovant Biopharma Ltd.(現 Sumitomo Pharma UK Holdings, Ltd.)およびその傘下の会社を子会社化2020年7月Boston Biomedical, Inc.がTolero Pharmaceuticals, Inc.を吸収合併し、Sumitomo Dainippon Pharma Oncology, Inc.(現 Sumitomo Pharma America, Inc.)に商号変更2022年4月商号を大日本住友製薬株式会社から住友ファーマ株式会社に変更東京証券取引所の市場区分の見直しにより市場第一部からプライム市場へ移行2022年6月住友制葯投資(中国)有限公司を設立2023年3月住友ファーマフード&ケミカル株式会社の全株式を株式会社メディパルホールディングスに譲渡2023年5月住友ファーマアニマルヘルス株式会社の全株式を三井物産株式会社に譲渡2023年7月米国グループ会社7社についてSunovion Pharmaceuticals Inc.を存続会社として再編し、Sumitomo Pharma America, Inc.に商号変更2023年9月Sumitomo Pharma UK Holdings, Ltd.傘下であったMyovant Sciences GmbHをSumitomo Pharma Switzerland GmbHに商号変更 |
事業の内容 | 3 【事業の内容】 当社グループは、2024年3月31日現在、当社、親会社、子会社26社および関連会社4社で構成されています。当社グループが営んでいる主な事業内容と当社グループを構成している各会社の当該事業に係る位置付けの概要およびセグメントとの関連は次のとおりです。なお、当連結会計年度において、報告セグメントの区分を変更しています。詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 連結財務諸表注記 4.事業セグメント (2) 報告セグメントの変更等に関する事項」をご参照ください。 (1) 日本当社が医療用医薬品の製造、仕入および販売、医療機器等の仕入および販売を行っています。住友ファーマプロモ株式会社が、医療用医薬品(オーソライズド・ジェネリック品(AG品))の製造および販売を行っています。S-RACMO株式会社は、当社と親会社である住友化学株式会社が設立した合弁会社であり、再生・細胞医薬分野の開発受託および製造受託を行っています。株式会社サイレジェンは、当社と株式会社ヘリオスが設立した合弁会社であり、両社による再生医療に関する共同開発により製品化された医薬品、医療機器および再生医療等製品の製造を実施します。上記の他に子会社4社および関連会社3社があり、医薬品等の保管・配送等の各種サービス業務を行っています。 (2) 北米当連結会計年度において、北米グループ会社(欧州を含む)について再編および商号変更を行いました。これにより、Sumitomo Pharma UK Holdings, Ltd.が持株会社として北米グループ会社の事業戦略、販売戦略の策定推進を行い、北米に所在するSumitomo Pharma America, Inc.他3社が、同地域において医療用医薬品の製造、仕入および販売等を行っています。また、欧州に所在するSumitomo Pharma Switzerland GmbH他8社が、医療用医薬品の製造および販売等を行っています。 (3) アジア持株会社である住友制葯投資(中国)有限公司が中国現地法人の管理統括等を行っています。また、住友制葯(蘇州)有限公司が、医療用医薬品の製造(小分包装)および販売を行っています。Sumitomo Pharma Asia Pacific Pte. Ltd.他3社が、東南アジア、台湾において、医療用医薬品の輸入、仕入、販売および当社製品の情報提供・収集活動を行っています。 以上に述べた事項を事業系統図によって示すと、次のとおりです。 ※1:Sumitomo Pharma America, Inc.およびSumitomo Pharma Switzerland GmbHは、Sumitomo Pharma UK Holdings, Ltd.の子会社です。※2:住友制葯(蘇州)有限公司は、住友制葯投資(中国)有限公司の子会社です。 |
関係会社の状況 | 4 【関係会社の状況】 名称住所資本金又は出資金主要な事業の内容議決権の所有(被所有)割合関係内容所有割合(%)被所有割合(%)(親会社) 住友化学株式会社東京都中央区89,938百万円化学製品の製造、販売―51.78当社による原料の販売仕入、土地等の賃借、工場用役の購入等、資金の貸付及び回収。また、金融機関からの借入金等に対して、債務保証を受けています。役員の兼任等…無(連結子会社) Sumitomo Pharma UK Holdings, Ltd. (注)4 英国ロンドン3千米ドル持株会社、グループ会社の管理および事業戦略等の策定推進[北米]100―役員の兼任等…有Sumitomo Pharma America, Inc. (注)4、5 米国マサチューセッツ州マールボロ1千米ドル医療用医薬品の製造、販売[北米]100(100)―当社中間製品の仕入、包装、販売および当社製品の開発業務を受託しています。役員の兼任等…無Sumitomo Pharma Switzerland GmbH (注)4スイスバーゼル59千米ドル医療用医薬品の製造、販売[北米]100(100)―役員の兼任等…無住友制葯投資(中国)有限公司 (注)4中国上海市50,000千米ドル持株会社、現地法人の管理統括等[アジア]100―役員の兼任等…無住友制葯(蘇州)有限公司 (注)4、6中国江蘇省蘇州市35,000千米ドル医療用医薬品の製造、販売[アジア]100(100)―当社中間製品の仕入、包装、販売および当社製品の開発業務を受託しています。役員の兼任等…無住友ファーマプロモ株式会社大阪府吹田市480百万円医療用医薬品等の製造、販売[日本]100―製品の仕入販売等をしています。役員の兼任等…有その他17社 (注)4――――――(持分法適用関連会社) その他2社――――――(その他の関係会社) 該当する会社はありません。 (注) 1 上記の親会社は有価証券報告書を提出しています。2 上記の連結子会社の主要な事業の内容の[ ]内は、セグメント情報の名称を記載しています。3 議決権の所有割合の( )内は、間接所有割合を内数で示しています。4 特定子会社に該当しています。なお、その他に含まれる会社のうち、特定子会社に該当する会社は次のとおりです。Urovant Sciences GmbH、Onspira Therapeutics, Inc.5 Sumitomo Pharma America, Inc.については、売上収益(連結会社相互間の内部売上収益を除く)の連結売上収益に占める割合が10%を超えています。主要な損益情報等(1) 売上収益139,117百万円 (2) 営業利益△111,171百万円 (3) 当期純利益△107,270百万円 (4) 資本合計△68,849百万円 (5) 資産合計278,835百万円 6 住友制葯(蘇州)有限公司については、売上収益(連結会社相互間の内部売上収益を除く)の連結売上収益に占める割合が10%を超えています。主要な損益情報等(1) 売上収益34,144百万円 (2) 営業利益1,549百万円 (3) 当期純利益1,577百万円 (4) 資本合計15,836百万円 (5) 資産合計23,424百万円 |
従業員の状況 | 5 【従業員の状況】 (1) 連結会社の状況2024年3月31日現在セグメントの名称従業員数(人)日本1,970北米1,032アジア615全社(共通)1,363合計4,980 (注) 1 従業員数は就業人員数です。2 全社(共通)として記載されている従業員数は、管理部門、研究開発部門等に所属している人員です。3 前連結会計年度末に比べ従業員数が1,270人減少しています。主な理由は、日本セグメントにおいて、2023年5月31日付で三井物産株式会社に住友ファーマアニマルヘルス株式会社の全株式を譲渡したことに伴い、同社が当社グループ傘下でなくなったこと、また、北米セグメントにおいて、2023年7月に米国グループ会社を再編したことに伴う人員削減、および2024年3月にSumitomo Pharma America, Inc.における人員削減等の合理化を実施したことによるものです。 (2) 提出会社の状況2024年3月31日現在従業員数(人)平均年齢(歳)平均勤続年数(年)平均年間給与(円)2,90844.318.78,678,310 2024年3月31日現在セグメントの名称従業員数(人)日本1,880北米4アジア7全社(共通)1,017合計2,908 (注) 1 従業員数は就業人員数です。2 平均年間給与は、賞与および基準外賃金を含んでいます。3 平均勤続年数および平均年間給与は出向受入者を除いて算出しています。4 全社(共通)として記載されている従業員数は、管理部門、研究開発部門等に所属している人員です。 (3) 労働組合の状況当社および子会社の労働組合は、ユニオンショップ制をとっており、組合員数は当連結会計年度末現在1,810人です。なお、会社と労働組合は、円満な関係を持続しています。 (4) 管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異 当事業年度管理職に占める女性労働者の割合(%)(注1)男性労働者の育児休業取得率(%)(注2)労働者の男女の賃金の差異(%)(注1)全労働者正規雇用労働者パートタイマー・有期労働者13.7104.481.984.091.3 (注) 1 「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものです。2 「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の4第1号における育児休業等の取得割合を算出したものです。 (補足説明)・管理職に占める女性労働者の割合については、2024年4月1日時点の数値です。・男性の育児休業取得率については、2023年度中に育児休業を取得した男性従業員数÷2023年度中に配偶者が出産した男性従業員数として算出しています。・男女の賃金差につき、当社の賃金制度は従事する役割(職務)グレードにもとづく制度としており、同一グレードの男女の基準賃金の差はありませんが、平均年間賃金の差異が生じている要因は、以下のとおりです。なお、欠勤、休業、休職により賃金支給がない者は算出対象から除いています。女性は男性と比較して一般職の割合が高いことが男女賃金差異の主な要因となっています。 パートタイマー・有期労働者の大半をパートタイマーが占めていますが、パートタイマーはジョブサイズや勤務時間の違い等により定年退職後再雇用者や契約社員よりも賃金水準が低くなっています。このパートタイマーが全員女性であることが、男女賃金差異の要因となっています。 |
経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 | 1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 当社は、「人々の健康で豊かな生活のために、研究開発を基盤とした新たな価値の創造により、広く社会に貢献する」を企業理念として掲げ、事業活動を進めています。少子高齢化社会の進展、パンデミックなどの社会課題を背景に、精神神経領域およびがん領域の医療ニーズは拡大していくことが予想されます。また、医療ニーズはますます高度化しており、多様なモダリティを駆使し、デジタルとリアルが融合した生活と人々の価値観に寄り添うヘルスケア課題の解決が社会から期待されています。かかる環境において、当社グループは、変わりゆくヘルスケア課題の解決に貢献するため、2019年4月に策定したビジョン「もっと、ずっと、健やかに。最先端の技術と英知で、未来を切り拓く企業」に基づき、精神神経領域およびがん領域を重点疾患領域とし、医薬品、再生・細胞医薬、非医薬等による多様なアプローチで人々の健康で豊かな生活に貢献してまいります。また、その他領域においても、保有アセットを生かし、確かな価値を患者さんに届けてまいります。これにより、2033年に「グローバル・スペシャライズド・プレーヤー」の地位を確立することを目指します。当社は、このビジョンのもと、2023年度を起点とする5か年の「中期経営計画2027」を2023年4月に策定しましたが、当社グループが目標として掲げる、2033年における「グローバル・スペシャライズド・プレーヤー」の地位確立の方針に変更はないものの、当社グループが直面する経営環境を受け、「中期経営計画2027」については、見直しの必要があると考えています。新たな中期経営計画については、可能な限り早期に公表できるよう取り組んでまいります。 なお、当社は、グループ一体経営を推進するため、米国グループ会社の再編を契機に、2023年7月1日付けで理念体系を再構成し、理念、バリューおよび行動宣言をグループ全体で共有するフィロソフィとして、グループ内への浸透を進めています。併せて、当社の理念の実践により、持続可能な社会実現に貢献し持続的な企業価値向上につなげることを「サステナビリティ経営」と定義しています。 理念(当社の存在意義、社会に対する約束・使命)人々の健康で豊かな生活のために、研究開発を基盤とした新たな価値の創造により、広く社会に貢献する バリュー(全役員・従業員が共有すべき価値観)Patient FirstAlways with IntegrityOne Diverse Team 行動宣言(日々の業務において守るべき行動規範)1.Innovation today, healthier tomorrows の実現に取り組みます2.誠実な企業活動を行います3.積極的な情報開示と適正な情報管理を行います4.自らの能力を高め、協働します5.人権を尊重します6.地球環境問題に積極的に取り組みます7.社会との調和を図ります 活動方針2023年4月における「中期経営計画2027」の発表以降、重要マイルストンの未達により厳しい事業環境が続いています。2023年7月には、「中期経営計画2027」に基づいて米国グループ会社の再編を行い、大幅な人員削減を実施しました。しかしながら、進行性前立腺がん治療剤「オルゴビクス」、子宮筋腫・子宮内膜症治療剤「マイフェンブリー」および過活動膀胱治療剤「ジェムテサ」(以下「基幹3製品」)の2023年度の売上収益は、前期比で大きく伸長したものの、「中期経営計画2027」の目標を大幅に下回る結果となり、2024年度以降の売上収益の計画達成も遅れる見込みです。そのため、今後予想される収益規模に即した事業運営を行うべく、2024年3月に米国グループ会社において、再度人員削減を行いました。研究開発活動においては、現在の財務状況を踏まえ、「中期経営計画2027」の期間での上市が期待できるがん領域の2つの開発プログラムおよび中長期の成長ドライバーとなることが期待できる精神神経領域の再生・細胞医薬開発プログラムに注力することとしました。また、フロンティア事業については、新設子会社であるFrontAct株式会社が承継し、新たな体制の下で、自己資本だけではなく、他社資本も取り込む可能性も追求し、当該事業分野における確固たる地位を築くことを目指してまいります。 2024年度を当社グループの再成長への転換点とすべく、コア営業利益の黒字化を必達目標とし、以下の方針に従い、事業を運営してまいります。 ① 売上収益の拡大北米において基幹3製品の早期価値最大化に最注力してまいります。「オルゴビクス」については、がん標準治療ガイドラインの改訂やインフレ抑制法による患者負担軽減策等が事業の追い風となることを期待しており、本剤の前立腺がん治療におけるアンドロゲン除去療法の標準治療薬としての位置付け獲得を目指し、さらなるシェアの拡大に努めてまいります。「マイフェンブリー」については、患者さんおよび医療関係者への認知浸透を通じて、経口GnRH市場の拡大および市場内での製品シェア拡大に注力してまいります。Pfizer Inc.との共同販促活動により、引き続き両剤の市場浸透および販売拡大を図ってまいります。「ジェムテサ」については、2024年度中に前立腺肥大症を伴う過活動膀胱に対する適応追加承認を見込むほか、営業体制の刷新等の施策を通して、さらなる販売拡大に取り組んでまいります。 ② コスト削減2023年度に実施した米国グループ会社の構造改革に加え、グループをあげて、効率的な組織運営および徹底的なコスト削減による合理化を加速してまいります。研究開発活動においても、北米での人員削減とともに、徹底したコスト管理のもと、各領域におけるパイプラインの選択と集中に取り組み、当社グループの将来を担うパイプラインに経営資源を投下してまいります。 ③ 将来の成長シーズの確保がん領域のDSP-5336およびTP-3654に資源を集中させ、承認の早期取得と価値最大化を目指し、引き続き開発を推進してまいります。DSP-5336については、急性白血病を対象としたフェーズ1/2試験において単剤療法の承認申請に向けたデータ収集を開始し、併用療法に関する試験についても実施を検討してまいります。TP-3654については、骨髄線維症を対象としたフェーズ1/2試験においてJAK阻害剤との併用療法に関するデータ収集を開始します。両剤のうち少なくとも1剤は「中期経営計画2027」の期間での承認取得・上市を目指します。精神神経領域では、世界初のiPS細胞の実用化とゲームチェンジャーとなる治療の実現に向け、他家iPS細胞由来ドパミン神経前駆細胞のパーキンソン病を適応症とした日本での承認申請対応および米国でのフェーズ1/2試験を着実に推進してまいります。また、他家iPS細胞由来網膜色素上皮細胞について、網膜色素上皮裂孔を対象とした日本でのフェーズ1/2試験を着実に推進してまいります。特長ある低分子の初期臨床開発品目群については、2030年代のグループ収益を支える優先品目を選抜し、次のフェーズへの移行に向けた取組を推進してまいります。その他領域では、「ジェムテサ」について、中国での過活動膀胱を対象としたフェーズ3試験の推進および承認申請に向けた対応を着実に推進してまいります。また、ユニバーサルインフルエンザワクチンのベルギーでのフェーズ1試験およびKSP-1007のアジア地域への展開を見据えた日本でのフェーズ1試験を着実に推進してまいります。なお、ユニバーサルインフルエンザワクチンおよびKSP-1007の研究開発は、日本医療研究開発機構(AMED)からの委託研究開発費を活用しています。今後とも患者さん、ご家族および介護者の皆さんへ貢献できる新しい価値を一日も早く提供するために、私たちはスピード感をもって全力を尽くします。 株主還元当社は、業績に裏付けられた成果を適切に配分することを重視しており、安定的な配当に加えて、業績向上に連動した増配を行うことを配当の基本方針としています。「中期経営計画2027」において、「コア営業損失を見込む2024年3月期は無配の方針、コア営業利益を見込む2025年3月期は復配の方針とし、その後は安定配当を目指す」としています。こうした中、2025年3月期の連結業績見通しでは、コア営業利益10億円を見込んでいますが、「中期経営計画2027」で想定したコア営業利益を大きく下回っていることから、2025年3月期の配当については、誠に遺憾ながら無配を予定しています。 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。 |
サステナビリティに関する考え方及び取組 | 2 【サステナビリティに関する考え方及び取組】 当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりです。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。 1.サステナビリティ全般に関するガバナンス及びリスク管理(1) ガバナンス当社グループは、「人々の健康で豊かな生活のために、研究開発を基盤とした新たな価値の創造により、広く社会に貢献する」という理念の実践により、持続可能な社会実現に貢献し持続的な企業価値向上につなげることを、サステナビリティ経営と定義しています。このサステナビリティ経営を推進するにあたっては、多様かつ変容する社会からの期待・要請に対して当社グループの持つ資本(強み)を活用し、当社グループならではの価値を創出することが不可欠であり、そのために取り組む重要課題を「マテリアルイシュー」として、2023年3月に取締役会で承認を受けました。 マテリアルイシュー特定のプロセスは、以下のとおりです。STEP1 社会課題/ニーズおよび住友ファーマグループの資本(強み)のリストアップSDGs、グローバルリスクレポート、各種フレームワーク(GRIスタンダード、SASBスタンダード、ISO26000、国連グローバル・コンパクト10原則)、ESG調査の評価項目(DJSI、FTSE、MSCI)などを参考に、社会課題/ニーズのリストアップを行いました。また、当社グループの資本(強み)については社内ヒアリングをベースに、機関投資家から提供された情報も加味した上でリストアップを行いました。 STEP2 イシューの評価リストアップした社会課題/ニーズの中から、当社グループの資本(強み)に関連するものをイシューとして抽出しました。これらのイシューに対して、「社会からの期待」と「企業価値向上への影響度」の2軸を設定し、それぞれ3段階で評価することで、優先的に取り組むべきイシューをマテリアルイシューとして特定しました。 STEP3 マテリアルイシュー最終化マテリアルイシューは、代表取締役社長の意思決定のための諮問機関である経営会議にて審議の上、取締役会による承認を受けました。それぞれのマテリアルイシューの目標およびKPIについては、次のリンク先をご覧ください。https://www.sumitomo-pharma.co.jp/sustainability/assets/pdf/material_issues_kpi_ja.pdf また、当社グループでは上記のマテリアルイシューへの取組状況を定期的に取締役会へ報告し、中長期的な企業価値の向上の観点から、積極的な議論を行なっています。 (2) リスク管理当社グループとしての基本的な考え方を定めた「SMP Group Risk Management Policy」を制定し、当社が当社グループのリスクマネジメントを適切に推進する体制を構築しています。(※1)この推進体制では、リスクごとの特性に応じて、グループ横断的に取り組むリスク(グループ横断リスク)とグループ各社が自らの責任において取り組むリスク(業務活動リスク(※2))に分類しています。それぞれのリスクについて、当社がグループ各社から報告を受けることによって、グループ全体のリスクマネジメントを当社が把握し、必要に応じて、指導・助言等の対応を行っています。当社では、事業活動に影響を及ぼすリスクに対応するため「リスクマネジメント規則」を制定し、代表取締役社長がリスクマネジメントを統括することを明確にするとともに、リスクごとにリスクマネジメントを推進する体制を整備しています。各推進体制の運用状況については、定期的に取締役会に報告しています。具体的な取組の一つとして、年度ごとに国内外のグループ会社を含めた全部門にリスクアセスメントを実施し、その結果を踏まえた対策の策定・実施・評価を行い、全社各部門が課題解決に向け計画的に取り組んでいます。※1 次のリンク先をご覧ください。https://www.sumitomo-pharma.co.jp/sustainability/corporate_governance/risk_management.html※2 地震、台風・豪雨、伝染病・感染症などの災害や、調達・生産・在庫管理、人材管理などグループ各社が自らの責任において取り組む業務活動上のリスク 2.重要なサステナビリティ項目上記のとおり、当社グループでは「社会からの期待」と「企業価値向上への影響度」の観点から「革新的な医薬品と医療ソリューションの創出」をはじめとするマテリアルイシューを特定していますが、当社グループがこれらのマテリアルイシューに取り組み、社会の持続可能性への貢献と当社グループの持続的成長の実現を目指すにあたって重要なサステナビリティ項目となる「人的資本と多様性」、「環境への取組」についての考え方および取組は、以下のとおりです。 (1) 人的資本と多様性ア.戦略当社は人材の多様性の確保を含む人材育成や社内環境整備の方針について、取締役(社外取締役を除く)と執行役員が参加する人材戦略会議にて議論を行っています。各方針は、以下のとおりです。 (人材育成方針)当社は、個人の成長と事業の成長は車の両輪であるとの考え方の下、経営戦略と連動した人材戦略により、個人と事業の成長を実現し、社会に対して継続的に価値を提供することを目指しています。そのため当社では、「住友ファーマが求める社員像」(※3)を設定し、各種研修やジョブローテーションなどを通じて、社員の成長をサポートしています。各種研修に関しては、2016年度に人材育成体系(※4)を再構築し、専門性に加え、経営の知識を兼ね備えた人材も積極的に育成しています。今後は、2023年7月に実施した北米事業体制の再編を契機に、グループが緊密に連携、一体となって目標を達成するための当社グループ(日本、北米、アジアなど)全体における人材ポートフォリオの構築およびより効果的・効率的な採用・育成・配置を行っていきます。 ※3 住友ファーマが求める社員像 ※4 詳細は、次のリンク先をご覧ください。 https://www.sumitomo-pharma.co.jp/sustainability/social/education.html 当社の主な取り組みについて(ア)選抜型研修SMP Academyの実施未来のリーダーや経営者を育成するため、選抜型教育研修プログラムSMP Academyを2016年7月に設立しました。若手から中堅、管理職の各層において、向上心があり潜在的能力の高い社員を毎年80人を目安に選抜し、2016~2022年度の7年間で570人が受講しました。約1年にわたる研修プログラムにおいては、外部講師に加えて経営陣自らも講師を務めることにより、高い視点から事業全体を俯瞰し、新たな価値を創造する構想力を養成しています。現在では、部門長以上の約半数がSMP Academyの修了者です。今後は当社グループ全体における人材ポートフォリオを意識し、従来の内容にグローバルマネジメント要素を加えたSMP Academyを活用して、2024年度以降順次実施していく予定です。 (イ)グローバル人材の育成当社では、海外子会社や海外アカデミア・研究機関に人材を派遣するなど、経験を通じたグローバル人材の育成に取り組んでいます。さらにグローバル人材を増やすために、グローバルマネジメント要素を加えたSMP Academyを活用して、グローバルで通用するリーダーシップや異文化コミュニケーション力、マネジメント力の強化を図っていきます。また、グローバルコミュニケーションの土台となる英語力については、選抜型の英語力強化研修に加え、2020年度以降、全社員を対象としたe-learningやマンツーマンプログラム等を導入し、スピーキング力やライティング力についても底上げを行っています。 (ウ)新たな価値創造とオペレーション改革をDXで実践する人材の育成当社は、2021年8月から新たな価値創造とオペレーション改革をDXで実践する人材を育成するため、DX研修をスタートしました。全社員向け、管理職向けのe-learningをはじめ、さらにハイレベルなデータサイエンスの実践知識習得を目指すコースを設定し、各種のデータやデジタルツールを積極的に活用し、さまざまな課題を解決できるデジタル人材の早期育成を目指しています。育成数の目標は、シチズン・データサイエンティスト(※5)を2024年度までに100人、シチズン・デベロッパー(※6)を2027年度までに150人としています。2023年度までの実績として、約90名のシチズン・データサイエンティストと約25名のシチズン・デベロッパーが誕生しました。※5 データ利活用による価値創出の起点となる人材※6 デジタルツールを用いて職場での業務効率化を自律推進できる人材 (エ)タレントマネジメントによる戦略的人員配置と採用当社は、タレントマネジメントシステムを導入・運用し、人材(タレント)が、どのようなスキルや能力を持っているのかを一元的に把握・管理しています。将来の事業を見据え、求められる能力を特定し、タレントマネジメントシステムのデータを利用することで、計画的な人材育成と最適な人材配置を行い、経営目標を達成します。また、蓄積した情報を基にピープルアナリティクスを実践し、人事領域における施策の意思決定を加速化し、社員の成長を促す因子やエンゲージメントに寄与する因子の探索を行っています。今後は、解析したデータを活用することで社員の持つ才能をスピーディに開花させ成長を加速し、組織成果を最大化する人事施策の実現を目指した取組を進めていきます。 (オ)研究プロジェクト制導入による人材育成当社は、革新的新薬の創出を加速するために研究プロジェクト制を導入しています。これは研究テーマを発案した熱意ある研究者を研究プロジェクトリーダーとして任命し、研究プロジェクトリーダーがチームメンバーとともに研究の前期から後期まで一貫して研究プロジェクトを中心的に推進するというものです。研究プロジェクトリーダーには年齢や経験を問わず、予算執行や人事評価の権限を与え、裁量権を持って研究プロジェクトをマネジメントすることで成果創出、人材育成に繋げています。これまでに研究プロジェクト制のもとで創出された10剤の臨床移行を達成し、現在も15以上の研究プロジェクトが進行中です。2017年10月以降、38人の研究プロジェクトリーダーを輩出しています。 (カ)セルフ・キャリアドックの推進当社では、社員のキャリア自律を支援するため、2021年1月からセルフ・キャリアドックの運用を開始しました。セルフ・キャリアドックでは、キャリアに関する情報提供のほか、自己の経験の棚卸やキャリアを考えるためのキャリアデザイン研修を実施しています。また、社員がいつでも自身のキャリアについて相談できるよう、人事部のキャリアコンサルタント(国家資格保有者)がキャリア面談に対応しており、2023年度は約200件のキャリア相談がありました。今後もセルフ・キャリアドックを通じて、キャリアを学び、考え、相談できる環境を社員に提供し続けるため、2024年度は、様々な部署に所属しているキャリアコンサルタント有資格者(約30名)とも連携し、社員のキャリア自律をさらに後押しするための環境を充実させる予定です。 (社内環境整備方針)当社では、社員一人ひとりが持てる能力を十分に発揮することが理念の実現に不可欠であると捉えています。そのため、性別や国籍などの属性にとらわれることなく、能力を発揮したいと望むすべての人に活躍の機会を提供していくことが重要と考え、多様な人材の活躍を推進し、多様な働き方を選択できる制度を整えています。 当社での主な取り組みについて(ア)挑戦する風土づくり当社では、社員の主体性に基づいた仕事への挑戦を促すため、自己申告制度と公募による異動を導入しています。自己申告制度では、自己申告書に基づき、上司は部下一人ひとりとキャリア面談を実施し、社員の個別の状況やキャリア志向を把握することにより、長期的な育成計画を立案し、能力の向上を図っています。また、公募による異動については、自らの希望が公募で叶うことにより仕事への高いモチベーションの維持や意欲ある社員の異動による組織の活性化などの成果があがっています。 (イ)多様な人材の活躍の推進(女性活躍推進)当社では、性別に関わらず活躍できる環境の整備を推進しています。女性のキャリアアップのための研修等を実施するとともに、女性の就労継続や育児休業からの早期復職を目的に育児短時間制度や認可外保育所利用補助、MR地域選択制度などを導入し、仕事と育児の両立支援をサポートしています。また、「女性は育児、男性は仕事」といった無意識の固定観念や無意識の偏見(アンコンシャスバイアス)を解消し、性別に関わらず仕事と育児を両立させ、互いに助け合う風土を醸成することを目的に男性の育児休業の取得や男性の育児への参画を推進しています。育児休業の10日間有給化や男性社員に向けた育児休業説明会を開催するなどの取組を実施し、2023年度の男性の育児休業取得率は104.4%と昨年に続き100%を達成しました。引き続き男女ともに育児休業取得率100%の継続を目指します。また、2027年度までに女性管理職比率を20%以上(2024年4月1日時点:女性管理職比率13.7%)にすることを目標とし、女性リーダーの育成にも注力してまいります。将来的には、社員構成に占める男女割合と管理職に占める男女割合が同程度になることを一つの目標として考えています。 (性の多様性に関連する理解促進)当社は、性的指向、性自認に関する差別的言動を行わないことをコンプライアンス行動基準に明記し、LGBTQなどの性の多様性に関連する理解促進に取り組んでいます。全社員を対象とした研修やセミナーを開催するとともに、多様なセクシュアリティに関する相談窓口の設置や2020年4月からは社宅や慶弔などの各種制度で同性パートナーを配偶者と同等に扱う同性パートナーシップ制度を導入しています。 (障がい者の活躍推進)当社では、障がいの特性に配慮しつつ、個人の能力を活かす人員配置を行うことを基本としており、様々な部門で障がいのある社員が活躍しています。また、精神障がい者の自立を支援するために設立した特例子会社「ココワーク」では、葉物野菜の太陽光型水耕栽培に取り組んでいます。2024年4月1日時点の障がい者雇用率は2.70%となっています。 (治療と仕事の両立支援制度を整備)当社では、社員が病気やけがなどで就業が困難な際には病気休職制度を利用し、安心して治療に専念できるよう支援してまいりました。一方で、医療の進歩や在宅勤務制度の充実等により、病気やけがとうまく付き合いながら治療と仕事を両立させていくことが可能なケースも増えてきました。そこで2024年4月から、病気やけがと向き合いながらも意欲・能力がある社員が適切な治療を受けながらイキイキと働き続けられたり、不妊治療などにおいて治療の機会を逃したり、治療の必要性を理由として働くことを諦めたりすることがないように、治療と仕事の両立を支援するための制度を整備いたしました。また、治療と仕事の両立に関する相談窓口を設置し、個別の悩みについてもサポートしています。 2023年度導入制度 事例;・通院休暇:病気やけが、不妊の治療計画にそって、あらかじめ計画された入院や検査、治療に伴う副作用に対応するために5日/月(50日/年を上限)まで10分単位で取得可能な休暇制度を導入しました。・短時間勤務・業務量軽減措置:病気やけがの治療状況や体調に合わせて、1日につき2時間を限度とした労働時間短縮、または業務量を10%または20%軽減できる制度を導入しました。・在宅勤務制度の柔軟な対応:病気や治療等により、出社は難しくても在宅勤務であれば働くことができる場合に、在宅勤務の上限日数(12日/月)を超える在宅勤務を一時的に認める制度を導入しました。 (ウ)健康経営当社が理念を達成するためには、社員一人ひとりが心身ともに健康で、いきいきと仕事に取り組める職場づくりが大切です。また、社員自らが、自身とその家族の健康維持・増進に努めることで、仕事と仕事以外の生活の充実を図ることが重要であると考えています。 当社は、2017年10月に健康宣言“Health Innovation”を策定し、2021年から健康経営施策の内容と取組状況およびその成果を掲載した「健康白書」を毎年作成し、2022年から公表しています。当社は、すべての社員とその家族の健康で豊かな生活の実現に組織一丸となって取り組んでおり、2024年3月には8年連続となる「健康経営優良法人2024(大規模法人部門(ホワイト500))」の認定を受けています。詳細は、次のリンク先をご覧ください。https://www.sumitomo-pharma.co.jp/sustainability/social/workplace_environment.html イ.指標と目標「ア.戦略」において記載した、人材の多様性の確保を含む人材の育成に関する方針および社内環境整備に関する方針について、次の指標を用いています。当該指標に関する目標と実績は、次のとおりです。 人的資本と多様性に関する目標及びKPI指標KPI目標値実績値関連取組選抜型研修受講者数毎年80名(※)86人(2022年度)人材育成方針(ア)デジタル人材・データサイエンティスト数2024年度までにシチズン・データサイエンティスト100名91人(2024年3月31日時点)人材育成方針(ウ)2027年度までにシチズン・デベロッパー150名23人(2024年3月31日時点)キャリア・コンサルティング相談件数毎年200件(※)200件以上(2023年度)人材育成方針(カ)女性管理職比率2027年度までに20%以上(※)13.7%(2024年4月1日時点)社内環境整備方針(イ) ※ 住友ファーマ単体としてのKPI目標 (2) 環境への取組当社は、2021年11月にTCFD提言への賛同を表明し(※1)、気候変動に関するリスクと機会について、TCFD提言に沿った取り組みを進め、2022年4月に情報開示を行いました。情報開示以降、継続的に取組の深化を図り、気候変動への備えを確かなものとすべく、開示情報に基づくステークホルダーとの対話を推進しています。今後もステークホルダーとの対話を大切にし、様々な視点から気候変動によるリスクと機会を見つめなおし、「緩和」と「適応」の両面から考えることで、より一層のリスク低減を図るとともに、的確に機会を捉えていきます。当社のマテリアルイシューの一つである「環境への取組の推進」には、気候変動対応の推進も含みます。当社は気候変動が当社事業に与える財務インパクトを意識し、リスク・機会への対応を経営戦略に反映します。※1 次のリンク先をご覧ください。https://www.sumitomo-pharma.co.jp/news/20211102.html ア.ガバナンス上記、「1.サステナビリティ全般に関するガバナンス及びリスク管理」に記載した内容に加え、GHG(温室効果ガス)排出量削減のような当社グループまたは部門横断的な取組が必要な気候変動に関連する課題については、環境管理体制(※2)のもと、環境安全委員会において議論を行い、中長期環境目標(※3)に落とし込んでいます。また、中期経営計画に基づいて、GHG排出量削減に資する設備投資(カーボンニュートラル投資)等を計画的に実施しています。環境管理体制における気候変動への取組は、サステナビリティに関する取組の一つとして取締役会に報告され(年1回以上)、必要な場合、社内外専門家による説明機会を設けます。※2 次のリンク先をご覧ください。https://www.sumitomo-pharma.co.jp/sustainability/environment/environment.html※3 次のリンク先をご覧ください。https://www.sumitomo-pharma.co.jp/sustainability/environment/goals_performance.html 図1 気候変動リスク/機会の「ガバナンス」体制図 イ.戦略当社は、気候変動によるリスクと機会について一次評価として影響度(※4)と可能性(※5)の2つの側面から評価し、その組み合わせによって、重要度のランクをⅠからⅤの5段階に分類しています(図2)。その際、「影響度」については対策の進捗度合いを考慮して評価しています。一次評価によってランクが「Ⅲ」以上となったリスクと機会については、1.5℃シナリオ(※6)および4℃シナリオ(※6)を参考に作成した当社の評価用シナリオ(1.5℃および4℃)(※7)を用いて、より詳細な二次評価を行い、二次評価によって特定された重要なリスクと機会については、できるだけ具体的な内容を想定して財務インパクトを推定し、対策を推進しています。※4 影響度は、経済的影響、人身への影響、風評信用等、事業への影響のいずれかの観点で評価。※5 可能性は、1年(短期)、3年(中期)、10年(長期)を時間軸として発生頻度で評価。※6 IPCC(Intergovernmental Panel on Climate Change)AR6<RCP2.6およびRCP8.5>、IEA(International Energy Agency) World Energy Outlook 2021<APSおよびSTEPS>、環境省等による各種予測値および周辺情報※7 1.5℃シナリオは、「サステナビリティが重視され、脱化石燃料化に向けた法規制や技術開発が進んだ世界」を、4℃シナリオは、「利便性や効率性が重視され、水害などの気候関連リスクがより高まった世界」を想定。 図2 リスクマップ 表 <気候変動によるリスクと機会>シナリオリスクの分類リスクの内容財務インパクト対策1.5℃/4℃共通物理的リスク急性台風や豪雨に起因する洪水、浸水、土砂災害等によって、原材料や購入品の供給および当社製品の販売や供給が途絶する。―(※8)適応・BCPを策定し、安定供給体制を強化する。・製品在庫の適正化により、供給途絶を回避する。・調達先の複数化により、安定調達に貢献する。1.5℃移行リスク政策・法規制炭素税の導入により、CO2排出量に応じた税負担が生じる。約11億円/年(※9)緩和2050年度目標(※3)の達成に向けた諸施策の実施・長期目標の達成に向けて2030年度目標(※3)を強化する。・計画的なカーボンニュートラル設備投資を継続する。・省エネ対策を継続するとともに燃料転換を検討する。市場炭素税の導入により、調達や配送等の費用およびエネルギー関連費用が上昇する。約61億円/年(※10)緩和・GHG削減に向けて、サプライヤーを含むビジネスパートナーに働きかける。・技術開発や業務効率化による省資源や省エネに継続的に取り組む。 シナリオ機会の分類機会の内容財務インパクト対策1.5℃/4℃共通機会資源効率水使用量の削減によってコスト削減できる。また、上水の供給過程や排水の処理過程で発生するGHGの削減や、取水源の保護による生態系維持等に間接的に寄与できる。小(※11)緩和2030年度目標(※3)の達成に向けた諸施策の実施・一部設備の蛇口への節水ノズル設置などを実施済み。今後も積極的に取組を進める。 ※8 災害規模および影響を受ける品目により異なる。※9 IEAによる2030年の先進国炭素価格仮定値約135USD/t-CO2(以下「炭素価格仮定値」)を採用し、2022年度のCO2排出量約54,000t(連結子会社を含むScope1+2の排出量)(*1)に乗じて算出。なお、為替レートを145円/USDと仮定。*1 集計対象は、次のリンク先をご覧ください。https://www.sumitomo-pharma.co.jp/sustainability/environment/goals_performance.html(「環境目標およびパフォーマンス」)※10 炭素価格仮定値を採用し、2022年度のScope3カテゴリ1「購入した製品・サービス」およびカテゴリ4「輸送、配送(上流)」のCO2排出量約312,000t(*2)に乗じて算出。 *2 集計対象は、次のリンク先をご覧ください。https://www.sumitomo-pharma.co.jp/sustainability/environment/global_warming.html(「低炭素社会構築への貢献」)※11 間接的な寄与についての試算が困難なため、定性的に記載。 ウ.リスクと機会の管理(ア)気候変動リスクと機会を識別、評価するプロセスおよび総合的リスク管理への統合当社は、気候変動によるリスクと機会を識別・評価するプロセスをリスクマネジメント推進体制による総合的リスク管理に統合しています。リスクマネジメント推進体制では、年度ごとに国内外のグループ会社を含めた全部門にリスクアセスメントを実施、その結果を集約して重要なリスクを特定しています。気候変動についても、このアセスメントでリスクと機会の抽出および評価を行い、中長期的に当社に影響を与え得るリスクの一つと捉えています。 (イ)気候変動リスクと機会を管理するプロセス気候変動リスクと機会については、リスクマネジメント推進体制と環境管理体制が連携して対策を立案、年度計画を立てて取り組み、進捗を毎年評価しています。例えば、物理的リスク「急性」に該当する自然災害(台風・豪雨・洪水)についてはリスクマネジメント推進体制が中心となってBCP(事業継続計画)の策定などを推進し、移行リスク「政策・法規制」に該当する炭素税の導入に備えたGHG排出量削減については環境管理体制が中心となって中長期環境目標を立案、目標管理を行っています。 エ.指標と目標当社は、個々のリスクと機会について、上記の表<気候変動によるリスクと機会>に示したとおり、「緩和」と「適応」の両面から考え、適切に対策を講じることを目指しています。移行リスク「政策・法規制」に該当する炭素税のリスクについては「緩和」の面から、定量目標を設定してGHG排出量の削減に取り組んでいます。Scope1+2については2022年度に目標を引き上げ、「2030年度までにGHG排出量(Scope1+2)を、2020年度比で42%削減する」としました(※12)。また、当社のGHG排出量の約90%を占めるScope3についても「2030年度までにGHG排出量(Scope3カテゴリ1(原材料調達))を、2020年度比で25%削減する」目標を設定しました(※13)。なお、2023年1月にSBTi(Science Based Targets initiative)にコミットし、これらのGHG排出削減目標がパリ協定の求める水準と整合する科学的に妥当な目標となるよう、鋭意取り組んでいます。一方、物理的リスク「急性」に該当する自然災害(台風・豪雨・洪水)については「適応」の側面から、BCPの策定(※14)、製品在庫の適正化、調達先の複数化を推進し、一部は完了しています。また、BCPについては年1回の訓練を通じて課題抽出・改善を行って、実効性を高める取組を実施しています。機会については、中長期目標に沿った水使用量の削減(※15)に継続して取り組むとともに、当社の研究領域の一つである感染症領域への気候変動による影響を引き続き注視していきます。※12,13 GHG削減目標の進捗およびScope3排出量については、次のリンク先をご覧ください。https://www.sumitomo-pharma.co.jp/sustainability/environment/global_warming.html(「低炭素社会構築への貢献」)※14 BCPの策定等については、次のリンク先をご覧ください。https://www.sumitomo-pharma.co.jp/sustainability/corporate_governance/risk_management.html(「リスクマネジメント」)※15 水使用量削減目標の進捗については、次のリンク先をご覧ください。https://www.sumitomo-pharma.co.jp/sustainability/environment/resource_saving.html(「省資源の取組」) 図3 GHG削減のロードマップ |
指標及び目標 | エ.指標と目標当社は、個々のリスクと機会について、上記の表<気候変動によるリスクと機会>に示したとおり、「緩和」と「適応」の両面から考え、適切に対策を講じることを目指しています。移行リスク「政策・法規制」に該当する炭素税のリスクについては「緩和」の面から、定量目標を設定してGHG排出量の削減に取り組んでいます。Scope1+2については2022年度に目標を引き上げ、「2030年度までにGHG排出量(Scope1+2)を、2020年度比で42%削減する」としました(※12)。また、当社のGHG排出量の約90%を占めるScope3についても「2030年度までにGHG排出量(Scope3カテゴリ1(原材料調達))を、2020年度比で25%削減する」目標を設定しました(※13)。なお、2023年1月にSBTi(Science Based Targets initiative)にコミットし、これらのGHG排出削減目標がパリ協定の求める水準と整合する科学的に妥当な目標となるよう、鋭意取り組んでいます。一方、物理的リスク「急性」に該当する自然災害(台風・豪雨・洪水)については「適応」の側面から、BCPの策定(※14)、製品在庫の適正化、調達先の複数化を推進し、一部は完了しています。また、BCPについては年1回の訓練を通じて課題抽出・改善を行って、実効性を高める取組を実施しています。機会については、中長期目標に沿った水使用量の削減(※15)に継続して取り組むとともに、当社の研究領域の一つである感染症領域への気候変動による影響を引き続き注視していきます。※12,13 GHG削減目標の進捗およびScope3排出量については、次のリンク先をご覧ください。https://www.sumitomo-pharma.co.jp/sustainability/environment/global_warming.html(「低炭素社会構築への貢献」)※14 BCPの策定等については、次のリンク先をご覧ください。https://www.sumitomo-pharma.co.jp/sustainability/corporate_governance/risk_management.html(「リスクマネジメント」)※15 水使用量削減目標の進捗については、次のリンク先をご覧ください。https://www.sumitomo-pharma.co.jp/sustainability/environment/resource_saving.html(「省資源の取組」) 図3 GHG削減のロードマップ |
人材の育成及び社内環境整備に関する方針、戦略 | 2.重要なサステナビリティ項目上記のとおり、当社グループでは「社会からの期待」と「企業価値向上への影響度」の観点から「革新的な医薬品と医療ソリューションの創出」をはじめとするマテリアルイシューを特定していますが、当社グループがこれらのマテリアルイシューに取り組み、社会の持続可能性への貢献と当社グループの持続的成長の実現を目指すにあたって重要なサステナビリティ項目となる「人的資本と多様性」、「環境への取組」についての考え方および取組は、以下のとおりです。 (1) 人的資本と多様性ア.戦略当社は人材の多様性の確保を含む人材育成や社内環境整備の方針について、取締役(社外取締役を除く)と執行役員が参加する人材戦略会議にて議論を行っています。各方針は、以下のとおりです。 (人材育成方針)当社は、個人の成長と事業の成長は車の両輪であるとの考え方の下、経営戦略と連動した人材戦略により、個人と事業の成長を実現し、社会に対して継続的に価値を提供することを目指しています。そのため当社では、「住友ファーマが求める社員像」(※3)を設定し、各種研修やジョブローテーションなどを通じて、社員の成長をサポートしています。各種研修に関しては、2016年度に人材育成体系(※4)を再構築し、専門性に加え、経営の知識を兼ね備えた人材も積極的に育成しています。今後は、2023年7月に実施した北米事業体制の再編を契機に、グループが緊密に連携、一体となって目標を達成するための当社グループ(日本、北米、アジアなど)全体における人材ポートフォリオの構築およびより効果的・効率的な採用・育成・配置を行っていきます。 ※3 住友ファーマが求める社員像 ※4 詳細は、次のリンク先をご覧ください。 https://www.sumitomo-pharma.co.jp/sustainability/social/education.html 当社の主な取り組みについて(ア)選抜型研修SMP Academyの実施未来のリーダーや経営者を育成するため、選抜型教育研修プログラムSMP Academyを2016年7月に設立しました。若手から中堅、管理職の各層において、向上心があり潜在的能力の高い社員を毎年80人を目安に選抜し、2016~2022年度の7年間で570人が受講しました。約1年にわたる研修プログラムにおいては、外部講師に加えて経営陣自らも講師を務めることにより、高い視点から事業全体を俯瞰し、新たな価値を創造する構想力を養成しています。現在では、部門長以上の約半数がSMP Academyの修了者です。今後は当社グループ全体における人材ポートフォリオを意識し、従来の内容にグローバルマネジメント要素を加えたSMP Academyを活用して、2024年度以降順次実施していく予定です。 (イ)グローバル人材の育成当社では、海外子会社や海外アカデミア・研究機関に人材を派遣するなど、経験を通じたグローバル人材の育成に取り組んでいます。さらにグローバル人材を増やすために、グローバルマネジメント要素を加えたSMP Academyを活用して、グローバルで通用するリーダーシップや異文化コミュニケーション力、マネジメント力の強化を図っていきます。また、グローバルコミュニケーションの土台となる英語力については、選抜型の英語力強化研修に加え、2020年度以降、全社員を対象としたe-learningやマンツーマンプログラム等を導入し、スピーキング力やライティング力についても底上げを行っています。 (ウ)新たな価値創造とオペレーション改革をDXで実践する人材の育成当社は、2021年8月から新たな価値創造とオペレーション改革をDXで実践する人材を育成するため、DX研修をスタートしました。全社員向け、管理職向けのe-learningをはじめ、さらにハイレベルなデータサイエンスの実践知識習得を目指すコースを設定し、各種のデータやデジタルツールを積極的に活用し、さまざまな課題を解決できるデジタル人材の早期育成を目指しています。育成数の目標は、シチズン・データサイエンティスト(※5)を2024年度までに100人、シチズン・デベロッパー(※6)を2027年度までに150人としています。2023年度までの実績として、約90名のシチズン・データサイエンティストと約25名のシチズン・デベロッパーが誕生しました。※5 データ利活用による価値創出の起点となる人材※6 デジタルツールを用いて職場での業務効率化を自律推進できる人材 (エ)タレントマネジメントによる戦略的人員配置と採用当社は、タレントマネジメントシステムを導入・運用し、人材(タレント)が、どのようなスキルや能力を持っているのかを一元的に把握・管理しています。将来の事業を見据え、求められる能力を特定し、タレントマネジメントシステムのデータを利用することで、計画的な人材育成と最適な人材配置を行い、経営目標を達成します。また、蓄積した情報を基にピープルアナリティクスを実践し、人事領域における施策の意思決定を加速化し、社員の成長を促す因子やエンゲージメントに寄与する因子の探索を行っています。今後は、解析したデータを活用することで社員の持つ才能をスピーディに開花させ成長を加速し、組織成果を最大化する人事施策の実現を目指した取組を進めていきます。 (オ)研究プロジェクト制導入による人材育成当社は、革新的新薬の創出を加速するために研究プロジェクト制を導入しています。これは研究テーマを発案した熱意ある研究者を研究プロジェクトリーダーとして任命し、研究プロジェクトリーダーがチームメンバーとともに研究の前期から後期まで一貫して研究プロジェクトを中心的に推進するというものです。研究プロジェクトリーダーには年齢や経験を問わず、予算執行や人事評価の権限を与え、裁量権を持って研究プロジェクトをマネジメントすることで成果創出、人材育成に繋げています。これまでに研究プロジェクト制のもとで創出された10剤の臨床移行を達成し、現在も15以上の研究プロジェクトが進行中です。2017年10月以降、38人の研究プロジェクトリーダーを輩出しています。 (カ)セルフ・キャリアドックの推進当社では、社員のキャリア自律を支援するため、2021年1月からセルフ・キャリアドックの運用を開始しました。セルフ・キャリアドックでは、キャリアに関する情報提供のほか、自己の経験の棚卸やキャリアを考えるためのキャリアデザイン研修を実施しています。また、社員がいつでも自身のキャリアについて相談できるよう、人事部のキャリアコンサルタント(国家資格保有者)がキャリア面談に対応しており、2023年度は約200件のキャリア相談がありました。今後もセルフ・キャリアドックを通じて、キャリアを学び、考え、相談できる環境を社員に提供し続けるため、2024年度は、様々な部署に所属しているキャリアコンサルタント有資格者(約30名)とも連携し、社員のキャリア自律をさらに後押しするための環境を充実させる予定です。 (社内環境整備方針)当社では、社員一人ひとりが持てる能力を十分に発揮することが理念の実現に不可欠であると捉えています。そのため、性別や国籍などの属性にとらわれることなく、能力を発揮したいと望むすべての人に活躍の機会を提供していくことが重要と考え、多様な人材の活躍を推進し、多様な働き方を選択できる制度を整えています。 当社での主な取り組みについて(ア)挑戦する風土づくり当社では、社員の主体性に基づいた仕事への挑戦を促すため、自己申告制度と公募による異動を導入しています。自己申告制度では、自己申告書に基づき、上司は部下一人ひとりとキャリア面談を実施し、社員の個別の状況やキャリア志向を把握することにより、長期的な育成計画を立案し、能力の向上を図っています。また、公募による異動については、自らの希望が公募で叶うことにより仕事への高いモチベーションの維持や意欲ある社員の異動による組織の活性化などの成果があがっています。 (イ)多様な人材の活躍の推進(女性活躍推進)当社では、性別に関わらず活躍できる環境の整備を推進しています。女性のキャリアアップのための研修等を実施するとともに、女性の就労継続や育児休業からの早期復職を目的に育児短時間制度や認可外保育所利用補助、MR地域選択制度などを導入し、仕事と育児の両立支援をサポートしています。また、「女性は育児、男性は仕事」といった無意識の固定観念や無意識の偏見(アンコンシャスバイアス)を解消し、性別に関わらず仕事と育児を両立させ、互いに助け合う風土を醸成することを目的に男性の育児休業の取得や男性の育児への参画を推進しています。育児休業の10日間有給化や男性社員に向けた育児休業説明会を開催するなどの取組を実施し、2023年度の男性の育児休業取得率は104.4%と昨年に続き100%を達成しました。引き続き男女ともに育児休業取得率100%の継続を目指します。また、2027年度までに女性管理職比率を20%以上(2024年4月1日時点:女性管理職比率13.7%)にすることを目標とし、女性リーダーの育成にも注力してまいります。将来的には、社員構成に占める男女割合と管理職に占める男女割合が同程度になることを一つの目標として考えています。 (性の多様性に関連する理解促進)当社は、性的指向、性自認に関する差別的言動を行わないことをコンプライアンス行動基準に明記し、LGBTQなどの性の多様性に関連する理解促進に取り組んでいます。全社員を対象とした研修やセミナーを開催するとともに、多様なセクシュアリティに関する相談窓口の設置や2020年4月からは社宅や慶弔などの各種制度で同性パートナーを配偶者と同等に扱う同性パートナーシップ制度を導入しています。 (障がい者の活躍推進)当社では、障がいの特性に配慮しつつ、個人の能力を活かす人員配置を行うことを基本としており、様々な部門で障がいのある社員が活躍しています。また、精神障がい者の自立を支援するために設立した特例子会社「ココワーク」では、葉物野菜の太陽光型水耕栽培に取り組んでいます。2024年4月1日時点の障がい者雇用率は2.70%となっています。 (治療と仕事の両立支援制度を整備)当社では、社員が病気やけがなどで就業が困難な際には病気休職制度を利用し、安心して治療に専念できるよう支援してまいりました。一方で、医療の進歩や在宅勤務制度の充実等により、病気やけがとうまく付き合いながら治療と仕事を両立させていくことが可能なケースも増えてきました。そこで2024年4月から、病気やけがと向き合いながらも意欲・能力がある社員が適切な治療を受けながらイキイキと働き続けられたり、不妊治療などにおいて治療の機会を逃したり、治療の必要性を理由として働くことを諦めたりすることがないように、治療と仕事の両立を支援するための制度を整備いたしました。また、治療と仕事の両立に関する相談窓口を設置し、個別の悩みについてもサポートしています。 2023年度導入制度 事例;・通院休暇:病気やけが、不妊の治療計画にそって、あらかじめ計画された入院や検査、治療に伴う副作用に対応するために5日/月(50日/年を上限)まで10分単位で取得可能な休暇制度を導入しました。・短時間勤務・業務量軽減措置:病気やけがの治療状況や体調に合わせて、1日につき2時間を限度とした労働時間短縮、または業務量を10%または20%軽減できる制度を導入しました。・在宅勤務制度の柔軟な対応:病気や治療等により、出社は難しくても在宅勤務であれば働くことができる場合に、在宅勤務の上限日数(12日/月)を超える在宅勤務を一時的に認める制度を導入しました。 (ウ)健康経営当社が理念を達成するためには、社員一人ひとりが心身ともに健康で、いきいきと仕事に取り組める職場づくりが大切です。また、社員自らが、自身とその家族の健康維持・増進に努めることで、仕事と仕事以外の生活の充実を図ることが重要であると考えています。 当社は、2017年10月に健康宣言“Health Innovation”を策定し、2021年から健康経営施策の内容と取組状況およびその成果を掲載した「健康白書」を毎年作成し、2022年から公表しています。当社は、すべての社員とその家族の健康で豊かな生活の実現に組織一丸となって取り組んでおり、2024年3月には8年連続となる「健康経営優良法人2024(大規模法人部門(ホワイト500))」の認定を受けています。詳細は、次のリンク先をご覧ください。https://www.sumitomo-pharma.co.jp/sustainability/social/workplace_environment.html |
人材の育成及び社内環境整備に関する方針に関する指標の内容並びに当該指標を用いた目標及び実績、指標及び目標 | イ.指標と目標「ア.戦略」において記載した、人材の多様性の確保を含む人材の育成に関する方針および社内環境整備に関する方針について、次の指標を用いています。当該指標に関する目標と実績は、次のとおりです。 人的資本と多様性に関する目標及びKPI指標KPI目標値実績値関連取組選抜型研修受講者数毎年80名(※)86人(2022年度)人材育成方針(ア)デジタル人材・データサイエンティスト数2024年度までにシチズン・データサイエンティスト100名91人(2024年3月31日時点)人材育成方針(ウ)2027年度までにシチズン・デベロッパー150名23人(2024年3月31日時点)キャリア・コンサルティング相談件数毎年200件(※)200件以上(2023年度)人材育成方針(カ)女性管理職比率2027年度までに20%以上(※)13.7%(2024年4月1日時点)社内環境整備方針(イ) ※ 住友ファーマ単体としてのKPI目標 |
事業等のリスク | 3 【事業等のリスク】 当社グループの財政状態、経営成績およびキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」)に重要な影響を及ぼす可能性のある主なリスクには以下のようなものがあります。当社は、これらのリスクが発生する可能性を認識した上で、発生の防止または最小化に努めるとともに、発生した場合の的確な対応に努めていく方針です。 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末において当社グループが判断したものです。また、すべてのリスクを網羅したものではなく、現時点では予見できない又は重要と見なされていないリスクの影響を将来的に受ける可能性があります。 (1) 新製品の研究開発に関わるリスク当社グループは、独創性の高い国際的に通用する有用な新製品の開発に取り組んでいます。しかしながら、新薬開発の難度が高まる中、開発が必ずしも計画どおりに進み承認・発売に至るとは限らず、有効性や安全性の観点から開発が遅延し、または開発を中止しなければならない事態も起こり得ます。大型化を期待している研究開発品目においてそのような事態が発生した場合には、当社グループの経営成績等に重要な影響を及ぼす可能性があります。 当社グループでは研究開発リスクも踏まえつつ、医薬品、再生医療等製品、医療ソリューション等の研究開発に注力し、精神神経領域、がん領域およびその他領域(感染症領域等)における選択と集中を進めています。また、戦略的な計画の策定、効率的な研究開発をグローバルで連携して推進しています。当社では、開発ステージの移行時期にあわせて計画修正の是非等を確認する会議体などを通じて適宜研究開発方針を見直し、適切にポートフォリオを管理しています。 (2) 知的財産権に関わるリスク当社グループは研究開発において種々の知的財産権を保有していますが、当社グループの技術を十分な範囲で権利化できない場合、競合他社が当社グループの知的財産権を回避した場合、または当社が厳格に管理しているノウハウなどの営業秘密が予期せぬ事態により外部に流出した場合には、競争上の優位性を確保できない可能性があります。また、当社グループの事業は多くの知的財産権によって保護されていますが、保有する知的財産権が第三者に侵害された場合のほか、知的財産権の有効性や帰属を巡る係争が発生した場合には、競争上の優位性を十分に保持できない可能性があります。これらのリスクが顕在化した場合には、当社グループの経営成績等に重要な影響を及ぼす可能性があります。他方、当社グループは、事業活動に必要な知的財産権について適法に使用する権限を有していると認識していますが、当該認識の範囲外で第三者の知的財産権を侵害する可能性があります。 当社グループでは、主となる物質特許のみならず、用途、製法、製剤などの関連特許を含めたパテントポートフォリオを構築し、製品および開発品の総合的な保護を図っています。また、再生・細胞医薬分野の事業化を推進するため、同分野における当社グループの技術を権利化するにあたっての課題を検討し、権利化のための方策を講じています。 (3) 医療制度改革について国内においては、少子高齢化の急速な進展等により国家財政が悪化する中、先発医薬品の価格抑制や毎年の薬価改定などの薬剤費抑制策が図られ、あわせて医療制度改革の論議も続けられています。また、米国においては、インフレーションが進む中でブランド薬の適正な価格の維持、負担について議論が進められています。さらに、中国においては国家医薬品償還リスト収載による価格引き下げや集中購買制度による安価な後発医薬品の使用が推進されています。これら各国の医療制度改革の方向性によっては当社グループの経営成績等に重要な影響を及ぼす可能性があります。 (4) 副作用に関わるリスク医薬品は開発段階において試験を実施し、世界各国の所轄官庁の厳しい審査を受けて承認されていますが、市販後に新たな副作用が見つかることも少なくありません。当社グループが販売する医薬品について市販後に予期せぬ副作用が発生した場合は、当社グループの経営成績等に重要な影響を及ぼす可能性があります。当社グループでは、国内外で収集された安全性情報をデータベースで一元管理して評価し、医薬品の安全性確保および適正使用のために必要な対策を立案し、タイムリーな安全対策の実施につなげています。このような活動は、「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」や「医薬品、医薬部外品、化粧品、医療機器及び再生医療等製品の製造販売後安全管理の基準に関する省令」を遵守した医薬品安全性監視活動として実践しています。 (5) 品質に関わるリスク当社グループは、自社もしくは委託先の製造所において、厳格な品質保証の下で製品の製造を行っていますが、重大な品質問題が発生した場合には、製品回収、行政処分、社会的信用の毀損等により、当社グループの経営成績等に重要な影響を及ぼす可能性があります。当社製品のグローバルな製造および流通については、関係各国の薬事法、医薬品等の製造管理及び品質管理の基準(GMP)等の薬事関連法規や、医薬品規制調和国際会議(ICH)ガイドライン等に準拠すると共に、厚生労働省所管の独立行政法人である独立行政法人医薬品医療機器総合機構(PMDA)、米国食品医薬品局(FDA)等の所管当局の厳しい査察を受け、許可を得ています。また、これら製造所に対しては当社グループにて定期的な品質監査を行い、重大な品質問題や法令違反がないことを確認しています。さらにグローバル品の製造所に対しては、海外提携企業からの品質監査も受けており、グローバルレベルの厳しい品質基準もクリアする、高い品質保証体制や構造設備基準を整えています。 (6) 主要な事業活動の前提となる事項について当社グループの主な事業は医療用医薬品事業であり、国内においては、「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」等の薬事に関する法令に基づき、その研究開発および製造販売等を行うにあたり、「第一種医薬品製造販売業」、「第二種医薬品製造販売業」(いずれも有効期間5年)等の許可等を取得しています。また、海外においても医療用医薬品事業を行うにあたっては、当該国の薬事関連法規等の規制を受け、必要に応じて許可等を取得しています。これらの許可等については、各法令で定める手続きを適切に実施しなければ効力を失います。また各法令に違反した場合、許可等の取消し、または期間を定めてその業務の全部もしくは一部の停止等を命ぜられることがある旨が定められています。当社グループは、現時点において、許可等の取消し等の事由となる事実はないものと認識していますが、将来、当該許可等の取消し等を命ぜられた場合には、当社グループの経営成績等に重要な影響を及ぼす可能性があります。 当社グループは、コンプライアンスの推進を全ての事業活動の土台と位置付け、「行動宣言」において誠実な企業活動を行うことを宣言し、法令および企業倫理の遵守に努めています。当社では、「コンプライアンス行動基準」を制定し、事業活動における具体的な行動の規範としています。また、当社および国内外におけるグループ会社のコンプライアンスに関する事項を統括するコンプライアンス担当執行役員を設置しています。コンプライアンス担当執行役員は、当社のコンプライアンス委員会に加えて、国内グループ会社コンプライアンス委員会および海外グループ会社コンプライアンス委員会の委員長を務めるとともに、各委員会の活動状況を取締役会に報告しています。 (7) 訴訟に関わるリスク当社グループの事業活動に関連して、医薬品の副作用、製造物責任、公正取引等に関連し、訴訟を提起される可能性があります。これらの訴訟およびその他の訴訟には性質上不確実性があり、その動向によっては、当社グループの経営成績等に重要な影響を及ぼす可能性があります。 (8) サプライチェーンマネジメントに関するリスク当社グループの工場や原材料調達先、外部製造委託先などのサプライヤーが、品質や技術上の問題、火災、地震、その他の災害、サイバー攻撃、感染症拡大等により閉鎖または操業停止となり、製品の供給が遅滞もしくは休止した場合、当社グループの経営成績等に重要な影響を及ぼす可能性があります。また、予測を超える急激な需要変動が生じた場合、製品の安定供給に支障をきたす可能性があります。当社では、事業継続計画(BCP)の定期的な見直しおよび教育訓練の実施、製品在庫の適正化、原材料調達先の複数化、サプライヤーとの連携強化、製品別リスクアセスメントの推進など、医薬品の安定供給体制を整備し、サプライチェーン全体でリスクの低減を図っています。また、サプライヤーにも「住友ファーマ ビジネスパートナーのためのサステナブル行動指針」の遵守をお願いすることで、当社グループと同様のサステナビリティへの取組を求めています。 (9) 非金融資産の減損損失リスク当社グループは、持続的成長のために、企業買収や開発品の導入等を行っていますが、これに伴い、のれんおよび特許権や仕掛研究開発等の無形資産を計上しています。当連結会計年度において、北米事業の事業予想を見直したことにより、「マイフェンブリー」に係る特許権(無形資産)の一部およびのれんの一部について、それぞれ1,335億円および359億円を減損したことに加え、一部の開発品目の開発を中止したことにより、当該開発品に係る仕掛研究開発(無形資産)について106億円を減損するなど、総額1,809億円の減損損失を計上しました。今後も、開発の中止や当初想定した利益の実現が見込めないこと等による期待する将来利益の低下、金利動向による割引率の上昇等により、買収および導入等から見込まれる回収可能価額が、のれんや無形資産の帳簿価額を下回ると想定される場合、減損損失が発生し、当社グループの経営成績等に重要な影響を及ぼす可能性があります。当社グループは、定期的にこれらののれんや無形資産の減損テストを通じて評価額を把握し、適切に処理しています。 (10) 金融資産に関わるリスク当社グループは、他社株式等の金融資産を保有しています。これら保有する金融資産の市場価額または公正価値が帳簿価額を下回った場合、当社グループの経営成績等に重要な影響を及ぼす可能性があります。当社は、企業提携、重要な取引先との取引関係の構築・維持その他事業上の必要性のある場合を除き、新たに他社の株式を保有しないこととしています。また、定期的にこれらの金融資産の評価額変動の把握および必要な処理を行っています。 (11) 金融市況および為替変動による影響について金利や株価などの金融市況の変動によっては、借入金等の支払利息が増加するほか、確定給付制度債務の増加や制度資産の減少など、当社グループの経営成績等に重要な影響を及ぼす可能性があります。また、為替相場の変動によっては、外貨建て金融資産および連結子会社業績等の円換算において、重要な影響を受ける可能性があります。 (12) 資金調達に関するリスク当社は、過去の企業買収などに関連して、金融機関からの借り入れや社債などにより資金を調達しています。これらの債務の中には、制限条項が付されているものもあり、当該制限条項に抵触した場合には、期限の利益の喪失等により当社の財務状況に影響を及ぼす可能性があります。なお、当社の現在の状況につきましては(17) 継続企業の前提に関する重要事象等に記載しています。 また、将来、当社の財務状況の悪化や親会社による債務保証の終了などによる信用格付けの引き下げや、世界的な経済状況の変化により、資金調達が計画どおりに実施できない場合、支払利息の増加や、返済期限を迎える有利子負債の借換えに必要な資金を当社が希望する条件で調達することが困難になり、当社グループの経営成績や財政状態に重大な影響を及ぼす可能性があります。 (13) 親会社との取引について当社と親会社である住友化学株式会社との間で、研究所および工場の土地賃借、これらの事業所等で使用する用役や主に原薬を製造する際に使用する原料の購入契約を締結しています。当該契約等は、一般的な市場価格を参考に双方協議のうえ合理的に価格が決定され、当事者からの申し出がない限り1年ごとに自動更新されるものです。また、当社グループの金融機関からの借入金等について、親会社による債務保証を受けています。このほか、親会社から出向者の受入を行っています。今後も当該取引等を継続していく方針ですが、同社との契約・取引内容等に変化が生じた場合には、当社グループの経営成績等に重要な影響を及ぼす可能性があります。当社が親会社と行う重要な取引等については、当社の企業価値の向上の観点からその公正性および合理性を確保するために、グループ会社間取引利益相反監督委員会の諮問を経て取締役会において承認を得ることとするなど、重要性に応じて適切に監督しています。 (14) 海外事業展開、大規模災害・感染症等に関するリスク当社グループは、北米、中国、東南アジアを中心にグローバルな事業活動を展開していますが、各国の規制・制度変更や外交関係の悪化、政情不安、紛争等のリスクが内在しており、このようなリスクに直面した場合、当社グループの事業計画が達成できず、経営成績等に重要な影響を及ぼす可能性があります。また、大規模災害や感染症の大流行に直面した場合、当社グループの事業計画が達成できず、経営成績等に重要な影響を及ぼす可能性があります。当社では、事業活動に影響を及ぼすリスクに対応するため「リスクマネジメント規則」を制定し、社長がリスクマネジメントを統括することを明確にするとともに、リスクごとにマネジメントを推進する体制を整備しています。大規模災害発生・感染症の大流行に際しては、直ちに対策本部を設置して全社的な対応体制を構築するとともに、医薬品企業の使命として製品供給を第一に考え、生産・供給体制を整備いたします。 (15) 情報管理に関するリスク当社グループは、各種情報システムを使用しているため、システムの障害やコンピューターウィルス等により、業務が阻害される可能性があります。また、個人情報を含め多くの機密情報を保有していますが、これらが社外に漏洩した場合には、損害賠償、行政処分、社会的信用の毀損等により、当社グループの経営成績等に重要な影響を及ぼす可能性があります。さらに、サイバー攻撃により、当社グループまたはビジネスパートナーのシステムやネットワークに障害が発生し、または当社グループの機密情報が漏洩した場合は、当社グループの経営成績等に重要な影響を及ぼす可能性があります。当社グループは、記録・情報の取扱いおよびITセキュリティに関するルールを定め、継続的に社員教育を実施し、適切な運用に努めています。また、サイバー攻撃への対策として、Computer Security Incident Response Team(CSIRT)を設置し、外部からの不正アクセスを常時監視するとともに、有事の際に迅速かつ適切に対処する体制を整備しています。 (16) 環境保全に関するリスク当社グループは、研究開発および製品製造のために種々の化学物質を使用しており、重大な環境問題が発生した場合には、操業停止、行政処分、社会的信用の毀損等により、当社グループの経営成績等に重要な影響を及ぼす可能性があります。また、将来の環境関連法規制等の強化、環境負荷低減の追加的な義務等による環境保全に関連する費用が増加した場合、当社グループの経営成績等に重要な影響を及ぼす可能性があります。更には、地球規模の課題である気候変動およびそれに関連する水リスクに関して、大型台風や集中豪雨等の自然災害の増加が国内外事業所および調達先での操業に影響した場合や炭素税導入などの規制強化によって原材料・用役コストが増加した場合にも、当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。気候変動に関するリスクと機会については、TCFD(Task Force on Climate Related Financial Disclosures:気候関連財務情報開示タスクフォース)提言に沿った取り組みを進め情報開示を行っています。今後もステークホルダーとの対話を大切にし、様々な視点から気候変動によるリスクと機会を見つめなおし、「緩和」と「適応」の両面から考えることで、より一層のリスク低減を図るとともに、的確に機会をとらえていきます。 (17) 継続企業の前提に関する重要事象等当社グループは、北米事業で非定型抗精神病薬「ラツーダ」の独占販売期間が終了した一方で、基幹3製品の売上が想定を下回ったことによる売上収益の減少、またこれに伴い事業予想等を見直した結果、特許権などの無形資産やのれんにおいて多額の減損損失を計上したこと等により、当連結会計年度において、営業損失3,549億円、親会社の所有者に帰属する当期損失3,150億円を計上しました。また、営業キャッシュ・フローについては2,419億円の支出となりました。これらにより、当連結会計年度末において、シンジケートローン契約に付されている財務制限条項に抵触し、期限の利益等の喪失事由に該当しています。このような状況に対し、当社グループは、基幹3製品の早期価値最大化およびグループをあげた構造改革により、2024年度を将来の再成長に向けた転換点とすべく、コア営業利益黒字化を目指してまいります。さらに、財務面では、当社が保有するRoivant Sciences Ltd.の全株式の売却に加え、政策保有株式等の資産の売却を進め、必要な資金の確保に向けた施策も進めています。また、当社グループの金融機関からの借入金等について、親会社である住友化学株式会社による債務保証を受けています。これらの施策を踏まえ、取引先金融機関と期限の利益喪失の請求権放棄に関し協議した結果、主要な取引先金融機関から同請求権を行使しないことについて承諾を得ていることから、引き続き取引先金融機関の支援を得られる見通しです。以上より、当社グループでは、継続企業の前提に関する重要な疑義を生じさせるような状況が存在していますが、継続企業の前提に関する重要な不確実性は認められないものと判断しています。 なお、上記以外にもさまざまなリスクがあり、ここに記載されたものが当社グループのすべてのリスクではありません。 |
経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 | 4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】 当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりです。また、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末において当社グループが判断したものです。 (1) 重要な会計方針および見積り当社グループの連結財務諸表は、国際会計基準(以下「IFRS」)に準拠して作成しています。連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 連結財務諸表注記3.重要性がある会計方針」に記載しています。連結財務諸表の作成にあたっては、過去の実績や状況に応じ合理的であると考えられる様々な要因に基づき、見積り及び判断を行っていますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるために、これらの見積りと異なる場合があります。当社グループの財政状態又は経営成績等に重要な影響を及ぼす会計上の見積りおよび判断は、以下のとおりです。 ・のれん及び無形資産のれん及び無形資産の減損テストにおける処分コスト控除後の公正価値は、将来キャッシュ・フローの見積額を資金生成単位ごとに設定した加重平均資本コスト等を割引率として用いて現在価値に割り引いて算定しています。上市後の無形資産の将来キャッシュ・フローの見積りには、対象となる製品の販売価格、関連する疾患領域における患者数及び当該製品のシェア等に基づく製品の収益予測及び固定費の予測等の多くの前提条件が含まれています。また、のれんを含む資金生成単位の将来キャッシュ・フローの見積りは、上述の前提条件に加え、開発品に係る研究開発活動の成功確率等を勘案した開発品の収益予測等の前提条件が含まれています。これらの前提条件や割引率は、将来発生する事象によっては影響を受ける可能性があり、翌連結会計年度の連結財務諸表において、のれん及び無形資産の金額に重要な影響を与える可能性があります。 ・引当金引当金は、期末日における将来の債務の決済時期及び決済に必要と予想されるキャッシュ・フロー等に関する最善の見積りに基づいて算定しています。特に、米国で販売している製品に適用される売上割戻引当金の見積りに用いられる将来の販売数量や割戻率等は、将来発生する事象によっては影響を受ける可能性があり、翌連結会計年度の連結財務諸表において、引当金の金額に重要な影響を与える可能性があります。 ・繰延税金資産の回収可能性繰延税金資産は、将来減算一時差異等を利用できる将来課税所得が生じる可能性が高い範囲内で認識しています。当該回収可能性の判断は、当社グループの事業計画に基づいて見積もった将来の各事業年度の課税所得を前提としています。当該将来の課税所得の見積りは、将来発生する事象によっては影響を受ける可能性があり、翌連結会計年度の連結財務諸表において、繰延税金資産の金額に重要な影響を生じさせる可能性があります。 (2) 経営成績当連結会計年度の世界経済は、新型コロナウイルス感染症が収束し、経済活動の正常化が進むなか、米国では堅調な個人消費を背景に景気の回復が継続するなど、総じて持ち直しの動きが見られました。一方、地政学的リスクの高まりや、世界的な物価上昇、不安定な為替変動など、先行きが不透明な状況が続きました。わが国経済についても、景気は緩やかな回復基調を取り戻しましたが、物価上昇の影響により内需は力強さを欠く状況が続きました。医薬品業界では、各国において薬剤費抑制策が一段と進むなか、新薬開発の難度の高まり、研究開発費の高騰、競争の激化などにより、事業の予見性が低下しています。このような状況のもと、当社グループは、2023年度を起点とした2027年度までの5か年の「中期経営計画2027」を2023年4月に発表し、これに基づき事業活動を進めてまいりました。しかしながら、北米事業における基幹3製品の売上収益の伸びが想定を下回ったことにより、事業予想を見直した結果、特許権などの無形資産やのれんにおいて多額の減損損失を計上することとなりました。日本においては、精神神経領域では、パーキンソン病治療剤「トレリーフ」ならびに非定型抗精神病薬「ラツーダ」および「ロナセンテープ」を中心に情報提供活動に注力しました。糖尿病領域では、2型糖尿病治療剤「エクア」および「エクメット」の販売拡大に努めました。2型糖尿病治療剤「ツイミーグ」については、想定以上の需要の増加に伴い在庫が逼迫したため、2023年4月から限定出荷としましたが、生産体制の強化等の対応を行ったことにより、2023年12月に通常出荷を再開しました。また、住友ファーマアニマルヘルス株式会社の全株式を三井物産株式会社に譲渡する手続が2023年5月に完了しました。北米においては、基幹3製品および他家培養胸腺組織「リサイミック」の販売に注力しました。また、分散していた機能と人材を集約し、より強固な事業基盤を構築する目的で2023年7月に米国グループ会社を再編し、人員削減を行いました。しかしながら、基幹3製品の売上収益の伸びが想定を下回る見込みとなったことから、組織運営の更なる効率化を図るため、2024年3月にSumitomo Pharma America, Inc.において追加の人員削減等の合理化を行いました。アジアにおいては、主力製品であるカルバペネム系抗生物質製剤「メロペン」の販売に引き続き注力しました。また、中国では2023年11月に市中肺炎治療剤「ゼンレタ」の承認を取得しました。 (業績管理指標として「コア営業利益」を採用)当社グループでは、IFRSの適用にあたり、会社の経常的な収益性を示す利益指標として、「コア営業利益」を設定し、これを当社独自の業績管理指標として採用しています。「コア営業利益」は、営業利益から当社グループが定める非経常的な要因による損益(以下「非経常項目」)を除外したものとなります。非経常項目として除かれる主なものは、減損損失、事業構造改善費用、企業買収に係る条件付対価公正価値の変動額などです。 当連結会計年度の当社グループの連結業績は、以下のとおりです。(単位:億円) 前連結会計年度(2023年3月期)当連結会計年度(2024年3月期)増減増減率(%)売上収益5,5553,146△2,410△43.4コア営業利益164△1,330△1,493-営業利益△770△3,549△2,779-税引前当期利益△479△3,231△2,752-当期利益△967△3,149△2,182-親会社の所有者に帰属する当期利益△745△3,150△2,405- ■ 売上収益は、3,146億円(前連結会計年度比43.4%減)となりました。基幹3製品の売上は増加しましたが、主力製品であった「ラツーダ」の米国での独占販売期間終了による売上減少の影響が大きく、また、連結子会社であった住友ファーマフード&ケミカル株式会社および住友ファーマアニマルヘルス株式会社の全株式を譲渡したことに伴い、当該2社が当社グループ傘下でなくなったことなどから、大幅な減収となりました。 ■ コア営業損益は、1,330億円の損失(前連結会計年度は164億円の利益)となりました。北米グループ会社の再編等により販売費及び一般管理費および研究開発費は減少しましたが、減収による売上総利益の減少の影響が大きく、コア営業損失となりました。 ■ 営業損益は、3,549億円の損失(前連結会計年度は770億円の損失)となりました。北米事業の事業予想を見直したことにより、「マイフェンブリー」に係る特許権(無形資産)の一部およびのれんの一部について、それぞれ1,335億円および359億円を減損したことに加え、一部の開発品目の開発を中止したことにより、当該開発品に係る仕掛研究開発(無形資産)について106億円を減損するなど、総額1,809億円の減損損失を計上しました。また、北米グループ会社の再編および追加の合理化に伴う事業構造改善費用を計上しました。これらの非経常項目に加え、コア営業損失となったことにより、営業損失が大幅に増加しました。 ■ 税引前当期損益は、3,231億円の損失(前連結会計年度は479億円の損失)となりました。円安の進行による為替差益の計上等により、金融収益は増加しましたが、営業損失の増加の影響が大きく、税引前当期損失が増加しました。 ■ 当期損益は、3,149億円の損失(前連結会計年度は967億円の損失)となりました。税引前当期損失が増加したことにより、当期損失が増加しました。 ■ 親会社の所有者に帰属する当期損益は、3,150億円の損失(前連結会計年度は745億円の損失)となりました。当期損失の増加の影響が大きく、非支配持分に帰属する利益を控除した親会社の所有者に帰属する当期損失が増加しました。 (セグメント業績指標として「コアセグメント利益」を採用)セグメント別の業績では、各セグメントの経常的な収益性を示す利益指標として、「コアセグメント利益」を設定し、当社独自のセグメント業績指標として採用しています。「コアセグメント利益」は、「コア営業利益」から、グローバルに管理しているため各セグメントに配分できない研究開発費、事業譲渡損益などを除外したセグメント別の利益となります。 セグメント別の経営成績は次のとおりです。なお、当連結会計年度より報告セグメントの区分方法を変更したことに伴い、前連結会計年度についても変更後の報告セグメント区分に組み替えて比較を行っています。当該報告セグメントの変更の詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 連結財務諸表注記4.事業セグメント (2) 報告セグメントの変更等に関する事項」をご参照ください。<日本>■ 売上収益は、1,147億円(前連結会計年度比37.6%減)となりました。「ラツーダ」や「ツイミーグ」などの売上が伸長しましたが、2022年12月に2型糖尿病治療剤「トルリシティ」の販売提携が終了したことや、前期にはライセンス契約の契約一時金の売上収益計上があったことに加え、国内連結子会社2社について、それぞれの全株式を譲渡したことに伴い、当該2社が当社グループ傘下でなくなったことなどから、減収となりました。■ コアセグメント利益は、134億円(前連結会計年度比31.6%減)となりました。販売費及び一般管理費は減少しましたが、減収による売上総利益の減少の影響が大きく、減益となりました。 <北米>■ 売上収益は、1,590億円(前連結会計年度比51.6%減)となりました。基幹3製品や「リサイミック」の売上は増加しましたが、主力製品であった「ラツーダ」の米国での独占販売期間が2023年2月に終了したことによる売上減少の影響が大きく、減収となりました。■ コアセグメント損益は、802億円の損失(前連結会計年度は322億円の利益)となりました。「ラツーダ」の独占販売期間終了および北米グループ会社の再編等に伴い販売費及び一般管理費は減少しましたが、減収による売上総利益の減少の影響が大きく、コアセグメント損失となりました。 <アジア>■ 売上収益は、409億円(前連結会計年度比6.0%減)となりました。東南アジアにおいて売上収益が増加しましたが、中国において薬剤費抑制策の対象となった「メロペン」の売上減少の影響が大きく、減収となりました。■ コアセグメント利益は、184億円(前連結会計年度比14.2%減)となりました。減収による売上総利益の減少により、減益となりました。 (3) 生産、受注及び販売の実績① 生産実績当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。セグメントの名称金額 (百万円)前期比 (%)日本83,0217.5北米159,637△36.1アジア40,5956.3合計283,253△22.4 (注) 1 金額は販売価格により換算したものです。2 セグメント間取引については相殺消去しています。3 当連結会計年度において、北米セグメントにおける生産実績が著しく減少しました。これは、「ラツーダ」の米国での独占販売期間終了によるものです。 ② 仕入実績当連結会計年度における仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。セグメントの名称金額 (百万円)前期比 (%)日本30,285△64.8北米13,15955.9アジア--合計43,444△54.0 (注) 1 金額は仕入価格によっています。2 当連結会計年度において、日本セグメントにおける仕入実績が著しく減少しました。これは、住友ファーマフード&ケミカル株式会社の全株式を譲渡したことに伴い、同社が当社グループ傘下でなくなったことに加え、当社において「トルリシティ」の販売提携が終了したことによるものです。 ③ 受注状況当社グループの生産は見込生産で、受注生産は行っていません。 ④ 販売実績当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。 セグメントの名称金額 (百万円)前期比 (%)日本114,657△37.6北米159,037△51.6アジア40,864△6.0合計314,558△43.4 (注) 1 セグメント間取引については相殺消去しています。2 当連結会計年度において、日本セグメントにおける販売実績が著しく減少しました。これは、住友ファーマフード&ケミカル株式会社の全株式を譲渡したことに伴い、同社が当社グループ傘下でなくなったことに加え、当社において「トルリシティ」の販売提携が終了したことによるものです。また、北米セグメントにおいても販売実績が著しく減少しました。これは、「ラツーダ」の米国での独占販売期間終了によるものです。3 主な相手先別の販売実績および総販売実績に対する割合は、次のとおりです。相手先前連結会計年度当連結会計年度金額 (百万円)割合 (%)金額 (百万円)割合 (%)Mckesson Corporation(米国)101,89118.344,79314.2Cencora, Inc.(米国) (注)86,37515.538,63712.3Cardinal Health, Inc.(米国)97,08517.533,87410.8 (注) 当連結会計年度においてAmerisourceBergen Corporationから社名変更しています。 (4) 財政状態資産については、前連結会計年度末に比べ2,272億円減少し、9,075億円となりました。非流動資産では、当社が保有する投資有価証券の公正価値評価の変動等により、その他の金融資産が増加しましたが、減損損失の計上により無形資産やのれんが減少した結果、前連結会計年度末に比べ1,149億円減少しました。流動資産では、現金及び現金同等物が減少したことに加え、営業債権及びその他の債権やその他の金融資産が減少した結果、前連結会計年度末に比べ1,123億円減少しました。負債については、北米での売上割戻金にかかる引当金や未払法人所得税に加えて、その他の非流動負債やその他の流動負債等が減少しましたが、金融機関からの借入金等が増加した結果、前連結会計年度末に比べ234億円増加し、7,514億円となりました。なお、社債及び借入金は合計で4,189億円となり、前連結会計年度末に比べ842億円増加しました。親会社の所有者に帰属する持分は、保有投資有価証券の公正価値変動および円安の影響によりその他の資本の構成要素が増加しましたが、利益剰余金が親会社の所有者に帰属する当期損失の計上により大きく減少した結果、前連結会計年度末に比べ2,507億円減少し、1,561億円となりました。この結果、資本合計は前連結会計年度末に比べ2,506億円減少し、1,561億円となり、当連結会計年度末の親会社所有者帰属持分比率は17.2%となりました。また、当社大分工場の一部を親会社である住友化学株式会社に2024年4月に譲渡することに伴い、関連する資産については売却目的で保有する資産に分類しています。 なお、前連結会計年度に株式譲渡契約が締結されていた連結子会社住友ファーマアニマルヘルスの株式譲渡については、2023年5月31日付けで手続きが完了しました。 (5) キャッシュ・フロー営業活動によるキャッシュ・フローは、減損損失などの非資金損益項目を除いた当期損失の増加に加え、引当金の減少や法人所得税の支払額の増加などにより、前連結会計年度に比べ2,538億円収入が減少し、2,419億円の支出となりました。投資活動によるキャッシュ・フローは、投資有価証券の売却や住友ファーマアニマルヘルス株式会社の株式譲渡に伴う子会社の支配喪失による増加、短期貸付金の減少等により、330億円の収入となりました。なお、前連結会計年度は当連結会計年度を上回る子会社の支配喪失による収入や無形資産の売却による収入などがあったため、前連結会計年度に比べ194億円収入が減少しました。財務活動によるキャッシュ・フローは、金融機関からの短期借入等により、779億円の収入となりました。なお、前連結会計年度はMyovant Sciences Ltd.の完全子会社化による非支配持分からの子会社持分取得による支出などがあったため、前連結会計年度に比べ2,247億円収入が増加しました。上記のキャッシュ・フローに、現金及び現金同等物に係る換算差額および売却目的で保有する資産への振替額を加えた結果、当連結会計年度末における現金及び現金同等物は290億円となり、前連結会計年度末に比べ1,144億円減少しました。 |
経営上の重要な契約等 | 5 【経営上の重要な契約等】 (1) 技術導入契約会社名相手先国名技術の内容対価の支払契約期間住友ファーマ㈱(当社)Servier社フランスグリクラジドに関する技術契約一時金一定料率のロイヤルティ1974.3~1999.5以後1年間ずつ自動更新住友ファーマ㈱(当社)Almirall社スペインエバスチンに関する技術一定料率のロイヤルティ1988.1~2024.3以後2年間ずつ自動更新住友ファーマ㈱(当社)Teva社イスラエルエチドロン酸 二ナトリウムに関する技術一定料率のロイヤルティ1989.1~2000.12以後自動更新住友ファーマ㈱(当社)Gilead社アメリカアムホテリシンBに関する技術契約一時金一定料率のロイヤルティ1996.9~発売から10年間又は特許満了日の長い方以後1年間ずつ自動延長住友ファーマ㈱(当社)Merck Sante社フランスグルコファージに関する技術契約一時金2003.3~当社が当該製品の販売を継続する限り有効住友ファーマ㈱(当社)Novo Nordisk社デンマークレパグリニドに関する技術契約一時金2004.3~発売から25年間又は当社が商標の使用を中止するまでの短い方。ただし契約満了後も当社は販売継続できる住友ファーマ㈱(当社)PTC Therapeutics社アメリカEPI-589に関する技術契約一時金一定料率のロイヤルティ2013.3~発売から10年間又は独占期間のどちらか長い方協議により延長可能住友ファーマ㈱(当社)Poxel社フランスイメグリミンに関する技術契約一時金一定料率のロイヤルティ2017.10~国毎に、発売から10年間又は特許満了日の長い方Sumitomo Pharma America, Inc.Bial-Portela & Ca社ポルトガルエスリカルバゼピンに関する技術契約一時金2007.12~国毎に、発売から10年間、特許満了日、データ独占期間のうちいずれか長い方Sumitomo PharmaAmerica, Inc.Sanofi社フランスアルボシジブに関する技術契約一時金一定料率のロイヤルティ2013.4~ロイヤルティ支払期間満了までSumitomo PharmaAmerica, Inc.Aquestive社アメリカAPL-130277に関する製剤技術契約一時金一定料率のロイヤルティ2016.4~2024.12以後契約会社が終結を通知するまでSumitomo Pharma Switzerland GmbH武田薬品工業㈱日本レルゴリクス及びMVT-602に関する技術Myovant社株式一定料率のロイヤルティ2016.4~ロイヤルティ支払期間満了までUrovant Sciences GmbHMerck社アメリカビベグロンに関する技術契約一時金一定料率のロイヤルティ2017.3~特許満了日まで (2) 技術導出 契約会社名相手先国名技術の内容対価の受取契約期間住友ファーマ㈱(当社)Mercury Pharma Group社英国ゾニサミドに関する技術契約一時金1997.10~2024.12 以後2年間ずつ自動更新住友ファーマ㈱(当社)Jazz Pharmaceuticals社アイルランドDSP-0187に関する技術契約一時金一定料率のロイヤルティ2022.4~製品毎、国毎に、発売から10年間、特許満了日、又はレギュラトリー独占期間のいずれか長い方Sumitomo PharmaSwitzerland GmbH Gedeon Richter社ハンガリーレルゴリクスに関する技術契約一時金一定料率のロイヤルティ2020.3~相手方と合意した期間の満了までSumitomo PharmaSwitzerland GmbH Accord Healthcare社英国レルゴリクスに関する技術契約一時金一定料率のロイヤルティ2022.5~相手方と合意した期間の満了までUrovant Sciences GmbHPierre Fabre社フランスビベグロンに関する技術契約一時金一定料率のロイヤルティ2022.7~国毎に、発売から15年間、特許満了日、又はデータ独占期間のいずれか長い方Sumitomo PharmaAmerica, Inc.大塚製薬㈱日本SEP-363856、SEP-380135の技術一定料率のロイヤルティ一定のマイルストーン2024.3~製品毎、国毎に、テリトリー内での販売終結まで住友ファーマ㈱(当社) (3) 販売契約等 契約会社名相手先国名契約内容契約期間住友ファーマ㈱(当社)ヤンセンファーマ㈱日本ハロマンスに関する販売提携2002.7~当社が終結を通知するまで住友ファーマ㈱(当社)ヴィアトリス・ヘルスケア合同会社(注)日本リズミックに関する販売提携2002.12~2012.11以後1年間ずつ自動更新住友ファーマ㈱(当社)鳥居薬品㈱日本レミッチに関するプロモーション提携2015.3~特許満了日まで住友ファーマ㈱(当社)ノバルティスファーマ㈱日本エクア、エクメットに関するプロモーション及び販売提携2019.5~相手方と合意した期間の満了までSumitomo PharmaSwitzerland GmbH Pfizer社アメリカがん領域および婦人科領域におけるアメリカおよびカナダでのレルゴリクスの共同開発および共同販売2020.12~開発および販売の双方が終了するまで (注) 当連結会計年度において、マイランEPD合同会社はヴィアトリス・ヘルスケア合同会社に社名変更しています。 (4) 借入契約当連結会計年度において、前連結会計年度に実施したMyovant Sciences Ltd.の完全子会社化に係る資金の一部の追加借入として、短期資金借入契約を締結しており、また、これらに関連する借入契約の契約期限を2024年9月末まで延長しています。また、これらの借入契約は、当社親会社である住友化学株式会社による債務保証を受けています。契約会社名相手先契約内容等契約期間住友ファーマ㈱(当社)㈱三井住友銀行Myovant Sciences Ltd.完全子会社化の対価資金の借入2023.3~2024.9住友ファーマ㈱(当社)㈱三井住友銀行Myovant Sciences Ltd.完全子会社化の対価資金の追加借入2023.6~2024.9住友ファーマ㈱(当社)三井住友信託銀行㈱Myovant Sciences Ltd.完全子会社化の対価資金の追加借入2023.6~2024.9 以下の契約については、契約終了の合意もしくは契約期間満了に伴い、当連結会計年度において終了しました。 技術導入契約会社名相手先国名技術の内容対価の受取契約期間住友ファーマ㈱(当社)ブリストルマイヤーズスクイブ㈱日本イルベサルタンに関する技術契約一時金一定料率のロイヤルティ2006.7~発売から15年間又は特許満了日の長い方 販売契約等契約会社名相手先国名契約内容契約期間住友ファーマ㈱(当社)ヴィアトリス製薬㈱日本イフェクサーに関するプロモーション提携2018.3~相手方と合意した期間の満了まで 以下の契約については、契約変更の合意に伴い、当連結会計年度において (2)技術導出に移行しました。 販売契約等契約会社名相手先国名契約内容契約期間Sumitomo PharmaAmerica, Inc.大塚製薬㈱日本精神神経領域における全世界を対象としたSEP-363856、SEP-4199、SEP-378614、SEP-380135の共同開発および販売に関するライセンス契約2021.9.30~製品毎、国毎に、テリトリー内での販売終結まで住友ファーマ㈱(当社) |
研究開発活動 | 6 【研究開発活動】 当社グループは、「中期経営計画2027」のもと、精神神経領域およびがん領域ならびにその他領域において、医薬品、再生・細胞医薬、非医薬等による多様なアプローチで人々の健康で豊かな生活に貢献するため、自社研究に加え、技術導入、ベンチャー企業やアカデミアとの共同研究など、あらゆる方法で先端の技術を取り入れて研究開発活動に取り組みました。一方で、複数の後期開発品目で期待したマイルストンを達成することができなかったことから、開発優先品目の見直しを行いました。 当連結会計年度における主な開発の進捗状況は、次のとおりです。(1) 精神神経領域 ① 他家iPS細胞由来ドパミン神経前駆細胞(開発コード:CT1-DAP001/DSP-1083)日本において、京都大学医学部附属病院が実施していたパーキンソン病治療に関するフェーズ1/2試験(医師主導治験)について、2023年12月に2年間の観察期間が終了しました。米国において、カリフォルニア大学サンディエゴ校が非凍結細胞(CT1-DAP001)を用いたパーキンソン病治療に関するフェーズ1/2試験(医師主導治験)を開始しました。米国において、凍結細胞(DSP-1083)を用いたパーキンソン病治療に関するフェーズ1/2試験(企業治験)を開始しました。② 他家iPS細胞由来網膜色素上皮細胞(開発コード:HLCR011)日本において、網膜色素上皮裂孔を対象としたフェーズ1/2試験を開始しました。③ ウロタロント(開発コード:SEP-363856)米国において、統合失調症を対象として実施していた2本のフェーズ3試験について、2023年7月に解析結果を得ましたが、いずれの試験においても主要評価項目を達成することができませんでした。その後、本剤の開発方針を検討した結果、当社における開発を中止し、大塚製薬株式会社に開発を委ねることとしました。④ SEP-4199米国および日本において、双極Ⅰ型障害うつを対象としたフェーズ3試験を実施していましたが、被験者登録の進捗の大幅な遅れにより、試験を中止しました。その後、本剤の開発方針を検討した結果、当社における開発を中止しました。⑤ EPI-589米国におけるパーキンソン病を対象としたフェーズ2試験ならびに米国および日本における筋萎縮性側索硬化症(ALS)を対象としたフェーズ2試験の結果を踏まえ、本剤の開発方針を検討した結果、当社における開発を中止しました。 (2) がん領域① TP-3654米国および日本において、骨髄線維症を対象としたフェーズ1/2試験を推進しました。② DSP-5336米国および日本において、急性白血病を対象としたフェーズ1/2試験を推進しました。 (3) その他の領域①「ジェムテサ」(一般名:ビベグロン)米国において、2024年2月に前立腺肥大症を伴う過活動膀胱に対する適応追加申請を行いました。②「オブジェムサ」(一般名:ビベグロン)欧州において、2023年5月に提携先が過活動膀胱に対する承認申請を行いました。③「ライエクオ」(一般名:レルゴリクス・エストラジオール・酢酸ノルエチンドロン配合剤)(レルゴリクス配合剤)欧州において、提携先が子宮内膜症に対する適応追加承認を2023年11月に取得しました。④ rodatristat ethyl米国において、肺動脈性肺高血圧症(PAH)を対象としたフェーズ2試験を実施していましたが、期待した有効性および安全性が認められなかったことから、すべての試験を中止しました。その後、本剤の開発方針を検討した結果、当社における開発を中止しました。⑤「ゼンレタ」(一般名:lefamulin acetate)中国において、市中肺炎を適応症とした承認を2023年11月に取得しました。⑥ ユニバーサルインフルエンザワクチンベルギーにおいて、TLR7アジュバント(開発コード:DSP-0546LP)を添加して作製した新規のユニバーサルインフルエンザワクチン製剤のフェーズ1試験の開始申請を2024年3月に提出しました。 このような研究開発活動の結果、当連結会計年度の研究開発費の総額は1,126億円(前連結会計年度比14.6%減)となりました。なお、当該金額は、当連結会計年度に計上した事業構造改善費用および減損損失等217億円を含んでいることから、これを除いたコアベースの研究開発費は、909億円(前連結会計年度比14.3%減)となりました。また、当社グループは、研究開発費をグローバルに管理しているため、セグメントに配分していません。 当社グループにおける開発状況は、以下のとおりです。1.精神神経領域 (2024年5月14日現在)製品/コード名(一般名)予定適応症地域開発段階低分子ラツーダ(ルラシドン塩酸塩)(新用法:小児)統合失調症日本フェーズ3DSP-0038アルツハイマー病に伴う精神病症状米国フェーズ1DSP-0187ナルコレプシー日本フェーズ1DSP-3456治療抵抗性うつ米国フェーズ1DSP-0378ドラベ症候群、レノックス・ガストー症候群日本フェーズ1DSP-2342未定米国フェーズ1再生・細胞医薬CT1-DAP001/DSP-1083(他家iPS細胞由来ドパミン神経前駆細胞)パーキンソン病日本フェーズ1/2(医師主導治験)米国フェーズ1/2(医師主導治験)フェーズ1/2(企業治験)HLCR011(他家iPS細胞由来網膜色素上皮細胞)網膜色素上皮裂孔(RPE tear)日本フェーズ1/2 2.がん領域 (2024年5月14日現在)製品/コード名(一般名)予定適応症地域開発段階TP-3654骨髄線維症米国・日本フェーズ1/2DSP-5336急性白血病米国・日本フェーズ1/2DSP-0390膠芽腫米国・日本フェーズ1SMP-3124固形がん米国フェーズ1/2 3.その他の領域 (2024年5月14日現在)製品/コード名(一般名)予定適応症地域開発段階ジェムテサ(ビベグロン)(新効能)前立腺肥大症を伴う過活動膀胱米国申請(2024/02)ビベグロン過活動膀胱中国フェーズ3KSP-1007複雑性尿路感染症、複雑性腹腔内感染症、人工呼吸器関連肺炎を含む院内肺炎米国・日本フェーズ1fH1/DSP-0546LPインフルエンザ欧州フェーズ1 4.フロンティア事業 (2024年5月14日現在)領域プログラム概要開発状況連携先精神神経認知症行動・心理症状用機器General Wellness品として「Aikomiケア、Aikomi DS」を試験販売中。非薬物療法をデジタルで実現し、個別最適化された五感刺激コンテンツを含むDTx品を研究開発中であり、承認機器としての保険償還を目指す。日本臨床研究準備中(医療機器)㈱Aikomi社交不安障害向けVRコンテンツ(BVR-100)暴露療法や認知再構築トレーニングなど認知行動療法(CBT)に即したモジュール等をVRコンテンツ化したDTx品を開発中。General Wellness品としてのメンタルヘルスVRコンテンツ「First Resort」を上市済み。米国臨床試験準備中(医療機器)BehaVR社ウェアラブル脳波計日常的にどこでも簡単に前頭2極から測定可能な簡易型脳波計。これにより、脳波トレンドを把握し精神疾患の早期検知を可能にするサービスを目指す。日本製品開発中(医療機器)㈱ニューロスカイうつ病検出・重症度評価支援プログラムリストバンド型のウェアラブルデバイスの情報から機械学習を用いて、うつ病の早期発見や重症度評価を客観的、定量的かつ簡便に行えるソフトウェアを開発し、薬事承認を得て臨床現場に導入することを目指す。日本製品開発中(医療機器)慶應義塾大学、i2medical合同会社バイオレットライト40Hzに点滅するバイオレットライトによる視覚を介したニューロモジュレーション技術を開発し、精神疾患の治療・予防を目指す。日本製品開発中(医療機器)㈱坪田ラボ運動機能障害手指麻痺用ニューロリハビリテーション機器認証機器「MELTz」として上市済み。手指麻痺等を対象に、筋電信号を利用したロボットニューロリハビリテーション装置について、承認機器としての保険償還を目指す。日本製品開発中(医療機器)㈱メルティンMMI手指麻痺用トレーニング機器「MELTz Potarble」として開発中。手指麻痺等を対象に、筋電信号を利用したロボットを用いてトレーニングを行う小型で簡易な装置を目指す。日本製品開発中(非医療機器)㈱メルティンMMI |
設備投資等の概要 | 1 【設備投資等の概要】 当社グループは、医薬品事業を中心に生産、研究開発および営業活動において積極的な投資を進めています。当連結会計年度のソフトウエアを含む設備投資の総額は141億円であり、その主なものは、米国における細胞製品製造施設建設への投資等です。なお、当連結会計年度において生産能力に重大な影響を与えるような固定資産の除却、売却などはありません。また、当社グループでは資産をセグメントに配分していないため、セグメント別の記載を省略しています。 |
主要な設備の状況 | 2 【主要な設備の状況】 当社グループにおける主要な設備は、以下のとおりです。(1) 提出会社2024年3月31日現在事業所名(所在地)設備の内容帳簿価額 (百万円)従業員数(人)建物及び構築物機械装置及び運搬具土地(面積千㎡)その他合計鈴鹿工場(三重県鈴鹿市)生産設備5,1243,399121(199)7369,380345大分工場(注)(大分県大分市)生産設備1,0161,478-(-)2072,701167総合研究所(大阪府吹田市)研究設備および生産設備7,6041,177415(49)87510,071231大阪研究所 (大阪市此花区)研究設備6,16830-(-)1,4187,616365大阪本社(大阪市中央区)管理販売設備1,343102,099(2)3013,753295東京本社 (東京都中央区)管理販売設備8480-(-)3411,189510全国12支店 (大阪市中央区他)販売設備1580-(-)1,2191,377995神戸物流センター他1物流施設(神戸市須磨区他)物流設備3284211,433(10)1,1723,354- (注)大分工場の一部を親会社である住友化学株式会社に2024年4月1日付けで譲渡しました。 (2) 国内子会社該当事項はありません。 (3) 在外子会社 2024年3月31日現在会社名所在地設備の内容帳簿価額 (百万円)従業員数(人)建物及び構築物機械装置及び運搬具土地(面積千㎡)その他合計Sumitomo Pharma America, Inc.米国マサチューセッツ州 他生産設備および管理販売設備3,964761570(234)1,3806,6741,174住友制葯(蘇州)有限公司中国江蘇省 他生産設備および管理販売設備502610-(-)4151,527557 (注) 帳簿価額のうち「その他」には、使用権資産を含んでいます。また建設仮勘定は含まれていません。 |
設備の新設、除却等の計画 | 3 【設備の新設、除却等の計画】 該当事項はありません。 |
研究開発費、研究開発活動 | 112,600,000,000 |
設備投資額、設備投資等の概要 | 14,100,000,000 |
Employees
平均年齢(年)、提出会社の状況、従業員の状況 | 44 |
平均勤続年数(年)、提出会社の状況、従業員の状況 | 19 |
平均年間給与、提出会社の状況、従業員の状況 | 8,678,310 |
管理職に占める女性労働者の割合、提出会社の指標 | 0 |
全労働者、労働者の男女の賃金の差異、提出会社の指標 | 1 |
正規雇用労働者、労働者の男女の賃金の差異、提出会社の指標 | 1 |
非正規雇用労働者、労働者の男女の賃金の差異、提出会社の指標 | 1 |
Investment
株式の保有状況 | (5) 【株式の保有状況】 ① 投資株式の区分の基準及び考え方当社は、保有目的が純投資目的である投資株式と純投資目的以外の目的である投資株式の区分について、主として株式の価値変動または配当による利益を受けることを目的とみなしているものを純投資目的である投資株式としており、投資先企業との円滑な取引関係の維持・強化などを通じ中長期的な視点で企業価値向上や持続的な成長に資すると判断されるものを純投資目的以外の目的である投資株式として区分しています。 ② 保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式(ア)保有方針及び保有の合理性を検証する方法並びに個別銘柄の保有の適否に関する取締役会等における検証の内容 当社が定めた「コーポレートガバナンスに関する基本方針」において、政策保有株式に関する方針について、次のとおり定めています。この方針に基づき、毎年取締役会において、当社が保有する個別の政策保有株式について、保有目的、取引状況、含み損益等を評価軸として、保有継続の合理性を確認しています。 ・当社は、持続的な成長に向けて、企業提携、重要な取引先との取引関係の構築・維持その他事業上の必要性のある場合を除き、他社の株式を保有しません。・当社は、個別の政策保有株式について、その保有目的の合理性および経済的な合理性を取締役会において毎年確認し、保有の合理性が認められない場合は縮減または売却を進めます。 (イ)銘柄数及び貸借対照表計上額 銘柄数(銘柄)貸借対照表計上額の合計額(百万円)非上場株式3519,834非上場株式以外の株式12129,451 (当事業年度において株式数が増加した銘柄)該当事項はありません。 (当事業年度において株式数が減少した銘柄) 銘柄数(銘柄)株式数の減少に係る売却価額の合計額(百万円)非上場株式13非上場株式以外の株式727,323 (ウ)特定投資株式及びみなし保有株式の銘柄ごとの株式数、貸借対照表計上額等に関する情報 特定投資株式 銘柄当事業年度前事業年度保有目的、業務提携等の概要、定量的な保有効果及び株式数が増加した理由当社の株式の保有の有無株式数(株)株式数(株)貸借対照表計上額(百万円)貸借対照表計上額(百万円)Roivant Sciences Ltd.71,251,08386,367,360事業上の関係を維持・強化していくことの必要性等に加え、資本コストを勘案した配当・取引額等の定量的な評価の実施を通じて、総合的に判断し保有しています。無113,64785,117株式会社メディパルホールディングス2,167,9003,250,383重要な特約店として同社と良好な関係を維持・強化していくことの事業上の必要性等に加え、資本コストを勘案した配当・取引額等の定量的な評価の実施を通じて、総合的に判断し保有しています。有5,0305,864小野薬品工業株式会社1,665,0001,665,000事業上の関係を維持・強化していくことの必要性等に加え、資本コストを勘案した配当・取引額等の定量的な評価の実施を通じて、総合的に判断し保有しています。有4,0874,602JCRファーマ株式会社3,400,0003,400,000一部の製品において販売提携等を行う重要な相手先として同社と良好な関係を維持・強化していくことの事業上の必要性等に加え、資本コストを勘案した配当・取引額等の定量的な評価の実施を通じて、総合的に判断し保有しています。無2,9214,804持田製薬株式会社541,600541,600当社子会社が中国市場での新薬開発を受託しており、同社と良好な関係を維持・強化していくことの事業上の必要性等に加え、資本コストを勘案した配当・取引額等の定量的な評価の実施を通じて、総合的に判断し保有しています。有1,7441,809株式会社バイタルケーエスケー・ホールディングス799,7001,199,525重要な特約店として同社と良好な関係を維持・強化していくことの重要性等に加え、資本コストを勘案した配当・取引額等の定量的な評価の実施を通じて、総合的に判断し保有しています。有1,0041,072株式会社ほくやく・竹山ホールディングス468,300468,300重要な特約店として同社と良好な関係を維持・強化していくことの事業上の必要性等に加え、資本コストを勘案した配当・取引額等の定量的な評価の実施を通じて、総合的に判断し保有しています。有407296株式会社ヘリオス1,500,0001,500,000再生・細胞医薬医薬分野における共同開発の重要な提携先として同社と良好な関係を維持・強化していくことの重要性等に加え、資本コストを勘案した配当・取引額等の定量的な評価の実施を通じて、総合的に判断し保有しています。無242489有機合成薬品工業株式会社641,000641,000重要な製造委託先として同社と良好な関係を維持・強化していくことの事業上の必要性等に加え、資本コストを勘案した配当・取引額等の定量的な評価の実施を通じて、総合的に判断し保有しています。有203190ダイト株式会社60,50055,000重要な製造委託先として同社と良好な関係を維持・強化していくことの事業上の必要性等に加え、資本コストを勘案した配当・取引額等の定量的な評価の実施を通じて、総合的に判断し保有しています。なお、当事業年度における所有株式数の増加は、株式分割によるものです。無142135 銘柄当事業年度前事業年度保有目的、業務提携等の概要、定量的な保有効果及び株式数が増加した理由当社の株式の保有の有無株式数(株)株式数(株)貸借対照表計上額(百万円)貸借対照表計上額(百万円)株式会社ファンペップ95,20095,200ペプチド製剤に関する研究開発契約の重要な相手先として同社と良好な関係を維持・強化していくことの事業上の必要性等に加え、資本コストを勘案した配当・取引額等の定量的な評価の実施を通じて、総合的に判断し保有しています。無1721広栄化学株式会社4,0004,000原料の重要な仕入先として同社と良好な関係を維持・強化していくことの事業上の重要性等に加え、資本コストを勘案した配当・取引額等の定量的な評価の実施を通じて、総合的に判断し保有しています。無99アルフレッサホールディングス株式会社―1,641,120重要な特約店として同社と良好な関係を維持・強化していくことの事業上の必要性等に加え、資本コストを勘案した配当・取引額等の定量的な評価の実施を通じて、総合的に判断し保有していました。無―2,783東邦ホールディングス株式会社―578,426重要な特約店として同社と良好な関係を維持・強化していくことの事業上の必要性等に加え、資本コストを勘案した配当・取引額等の定量的な評価の実施を通じて、総合的に判断し保有していました。有―1,359株式会社滋賀銀行―112,400競争力のある安定的な資金調達先として同社と良好な関係を維持・強化していくことの重要性等に加え、資本コストを勘案した配当・取引額等の定量的な評価の実施を通じて、総合的に判断し保有していました。有―301株式会社三十三フィナンシャルグループ―68,900競争力のある安定的な資金調達先として同社と良好な関係を維持・強化していくことの重要性等に加え、資本コストを勘案した配当・取引額等の定量的な評価の実施を通じて、総合的に判断し保有していました。有―109 (注) 定量的な保有効果については相手先との機密情報に当たるとの判断から記載しませんが、各銘柄について十分な定量的効果があると判断しています。なお、Roivant Sciences Ltd.株式については、2024年4月2日に全株式を売却しています。詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 連結財務諸表注記36.後発事象」をご覧ください。また、保有株式の売却は継続して行っており、2024年5月末時点において、小野薬品工業株式会社については、全保有株式の売却が完了、株式会社メディパルホールディングスについては保有株式数が1,124,800株、株式会社バイタルケーエスケー・ホールディングスについては保有株式数が399,900株となっています。 みなし保有株式 銘柄当事業年度前事業年度保有目的、業務提携等の概要、定量的な保有効果及び株式数が増加した理由当社の株式の保有の有無株式数(株)株式数(株)貸借対照表計上額(百万円)貸借対照表計上額(百万円)株式会社三井住友フィナンシャルグループ731,500731,500同社株式を退職給付信託に拠出しており、当社は議決権行使の指図権限を保持しています。有6,6013,947株式会社三菱UFJフィナンシャル・グループ2,729,0002,729,000同社株式を退職給付信託に拠出しており、当社は議決権行使の指図権限を保持しています。有4,2962,351 |
株式数が減少した銘柄数、非上場株式以外の株式、保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式、提出会社 | 7 |
銘柄数、非上場株式、保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式、提出会社 | 35 |
貸借対照表計上額、非上場株式、保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式、提出会社 | 19,834,000,000 |
銘柄数、非上場株式以外の株式、保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式、提出会社 | 12 |
貸借対照表計上額、非上場株式以外の株式、保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式、提出会社 | 129,451,000,000 |
株式数の減少に係る売却価額の合計額、非上場株式以外の株式、保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式、提出会社 | 27,323,000,000 |
株式数、保有目的が純投資目的以外の目的である特定投資株式の明細、提出会社 | 4,000 |
貸借対照表計上額、保有目的が純投資目的以外の目的である特定投資株式の明細、提出会社 | 9,000,000 |
株式数、保有目的が純投資目的以外の目的であるみなし保有株式の明細、提出会社 | 2,729,000 |
貸借対照表計上額、保有目的が純投資目的以外の目的であるみなし保有株式の明細、提出会社 | 4,296,000,000 |
銘柄、保有目的が純投資目的以外の目的である特定投資株式の明細、提出会社 | 株式会社三十三フィナンシャルグループ |
保有目的、業務提携等の概要、定量的な保有効果及び株式数が増加した理由、保有目的が純投資目的以外の目的である特定投資株式の明細、提出会社 | 重要な特約店として同社と良好な関係を維持・強化していくことの事業上の必要性等に加え、資本コストを勘案した配当・取引額等の定量的な評価の実施を通じて、総合的に判断し保有していました。 |