財務諸表
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提出書類、表紙 | 有価証券報告書 |
提出日、表紙 | 2024-06-25 |
英訳名、表紙 | Ichiyoshi Securities Co., Ltd. |
代表者の役職氏名、表紙 | 取締役(兼)代表執行役社長 玉 田 弘 文 |
本店の所在の場所、表紙 | 東京都中央区日本橋茅場町一丁目5番8号 |
電話番号、本店の所在の場所、表紙 | 東京(03)4346-4500(代表) |
様式、DEI | 第三号様式 |
会計基準、DEI | Japan GAAP |
連結決算の有無、DEI | true |
当会計期間の種類、DEI | FY |
corp
沿革 | 2 【沿革】 提出会社は、1944年5月29日、証券業大森商店(代表者 大森陳太)、証券業赤阪商店(代表者 赤阪福太郎)、証券業髙清商店(代表者 髙木清太郎)の3店が合併し、大阪市東区(現中央区)に三栄証券株式会社として、資本金50万円で設立されました。設立後の沿革の概要は次のとおりであります。年月概要 1948年10月証券取引法に基づく証券業者としての登録を受ける。 1949年4月大阪証券取引所(現・株式会社大阪取引所)の正会員となる。 1950年8月一吉証券株式会社に商号を変更する。 1962年12月 一吉不動産株式会社(1999年6月、いちよしビジネスサービス株式会社に商号変更(現・連結子会社))を設立する。 1968年4月改正証券取引法に基づく証券業の免許を受ける。 1971年10月東京証券取引所(現・株式会社東京証券取引所)の正会員となる。 1983年10月御坊阪本証券株式会社を吸収合併する。 1986年6月資本金を35億45百万円に増資し、総合証券となる。 1986年10月一吉投資顧問株式会社を設立し、調査部門を分離独立する。 1986年11月香港駐在員事務所を現地法人化して、一吉国際(香港)有限公司を設立する。 1987年5月 株式会社一吉調査センター(1990年4月、株式会社一吉証券経済研究所に商号変更)を設立し、一吉投資顧問株式会社の調査部門を同社に移管する。 1988年4月日本銀行との当座預金取引を開始する。 1988年5月国債元利金支払取扱店の承認を日本銀行から受ける。 1988年11月名古屋証券取引所(現・株式会社名古屋証券取引所)の正会員となる。 1989年3月日本銀行との手形貸付取引の承認を受ける。 1989年4月東京証券取引所、大阪証券取引所の市場第二部に上場する。 1990年3月株式会社一吉ファイナンス(1993年5月、株式会社一吉エンタープライズに商号変更)を設立する。 1992年4月 シンガポール駐在員事務所を現地法人化して、イチヨシ マーチャント バンク シンガポール リミテッドを設立する。 1992年5月 インドネシアの総合証券会社に資本参加し、社名をピー ティー イチヨシ アルファ セキュリティーズ(1999年4月、ピー ティー イチヨシ セキュリティーズ インドネシアに社名変更)とする。 1998年12月改正証券取引法に基づく証券会社として登録。 1999年1月抵当証券業の規則等に関する法律に基づく抵当証券業の登録を受ける。 2000年3月株式会社一吉エンタープライズを清算する。 2000年7月「一吉証券株式会社」から「いちよし証券株式会社」に商号変更する。 2000年7月本店を東京都中央区に移転する。 2000年7月「一吉投資顧問株式会社」から「いちよし投資顧問株式会社」に商号変更する。 2000年7月「株式会社一吉証券経済研究所」から「株式会社いちよし経済研究所」に商号変更する。 2000年12月いちよし投資顧問株式会社を連結子会社とする。 2000年12月 2001年12月株式会社いちよし経済研究所を連結子会社とする。ピー ティー イチヨシ セキュリティーズ インドネシアを連結子会社から除外とする。 2002年4月抵当証券の販売の媒介等の業務を廃止する。 2002年8月イチヨシ マーチャント バンク シンガポール リミテッドを清算する。 2003年6月提出会社が委員会等設置会社(現・指名委員会等設置会社)へ移行する。 2006年3月東京証券取引所、大阪証券取引所の市場第一部銘柄に指定される。 2006年7月株式会社いちよしIR研究所を設立し連結子会社とする。 2007年9月金融商品取引法に基づく金融商品取引業者としての登録を受ける。 2009年8月株式会社いちよしIR研究所を清算する。 2010年2月一吉国際(香港)有限公司を清算する。 2010年4月環証券株式会社を吸収合併する。 2011年1月飯田證券株式会社、佐世保證券株式会社を吸収合併する。 2011年9月株式交換により伊勢証券株式会社を連結子会社とする。 年月概要 2012年2月伊勢証券株式会社を吸収合併する。 2012年5月「いちよし投資顧問株式会社」から「いちよしアセットマネジメント株式会社」に商号変更する。 2013年3月大北証券株式会社を吸収合併する。 2014年9月株式交換により西脇証券株式会社を連結子会社とする。 2014年12月西脇証券株式会社を吸収合併する。 2019年9月本店を東京証券会館(東京都中央区)に移転する。 2020年1月いちよしファイナンシャルアドバイザー株式会社を設立し連結子会社とする。 2021年1月 いちよしファイナンシャルアドバイザー株式会社が金融商品取引法に基づく金融商品仲介業者としての登録を受ける。 2021年7月 「いちよしファイナンシャルアドバイザー株式会社」から「いちよしIFA株式会社」に商号変更する。2022年4月 東京証券取引所の市場区分の見直しにより、東京証券取引所の市場第一部からプライム市場に移行。 2023年8月いちよしアセットマネジメント株式会社を東京証券会館(東京都中央区)に移転する。2023年9月株式会社いちよし経済研究所を東京証券会館(東京都中央区)に移転する。2023年11月いちよしビジネスサービス株式会社を東京証券会館(東京都中央区)に移転する。2024年3月3月末現在、連結子会社は4社。提出会社の店舗数は52ヵ店となる。 |
事業の内容 | 3 【事業の内容】 当社グループは、当社及び当社の連結子会社4社で構成され、主たる事業として、金融商品取引業を中核とする投資・金融サービス業を展開しております。当社の具体的業務は、有価証券の売買等及び売買等の委託の媒介、有価証券の募集、売出し及び私募の取扱い並びにその他の有価証券関連業であり、これらに関するお客様の多様なニーズに対応したサービスを提供しております。当社の主な連結子会社は、当社の業務に関連した以下の事業を展開しております。 〔株式会社いちよし経済研究所〕 中小型成長企業のリサーチや情報収集、投資助言・代理業 〔いちよしアセットマネジメント株式会社〕 投資信託委託業及び機関投資家、投資信託に対する投資一任・助言業務を展開する資産運用業 〔いちよしビジネスサービス株式会社〕 当社グループにおける周辺業務の事務代行サービス及び不動産賃貸・仲介・管理業、複合代理店業務、 金融商品仲介業等 〔いちよしIFA株式会社〕 金融商品仲介業 |
関係会社の状況 | 4 【関係会社の状況】 連結子会社名称住所資本金又は出資金主要な事業の内容議決権の所有(被所有)割合関係内容所有割合(%)被所有割合(%)株式会社いちよし経済研究所東京都中央区20百万円情報サービス業投資助言・代理業100.0―役員の兼任 1名いちよしアセットマネジメント株式会社東京都中央区490百万円投資運用業(投資信託委託業含む)投資助言・代理業100.0―役員の兼任 1名いちよしビジネスサービス株式会社東京都中央区240百万円不動産賃貸・仲介・管理業、事務用品等販売業及び金融商品仲介業100.0―提出会社への不動産の賃貸役員の兼任 1名 いちよしIFA株式会社 東京都中央区150百万円金融商品仲介業100.0―役員の兼任 1名 (注)1 上記の各社は有価証券届出書または有価証券報告書を提出しておりません。 2 いちよしアセットマネジメント株式会社については、営業収益(連結会社相互間の内部営業収益を除く。) の連結営業収益に占める割合が10%を超えており、主要な損益情報等は以下のとおりであります。営業収益経常利益当期純利益純資産額総資産額3,766百万円1,568百万円1,118百万円2,026百万円2,823百万円 |
従業員の状況 | 5 【従業員の状況】 (1) 連結会社の状況2024年3月31日現在 従業員数(名)連結会社合計957〔16〕 (注) 1 当社グループは、投資・金融サービス業という単一セグメントであるため、全連結会社の従業員数の合計を記載しております。2 従業員数は就業人員であり、〔 〕内は年間の平均臨時雇用者数を外書きしております。3 従業員数は、執行役員(6名)、契約社員(179名)及び歩合外務員(1名)を含め、エグゼクティブ・アドバイザー(7名)、参与(1名)及び嘱託(2名)を除いております。また、臨時雇用者には、アルバイト及びパートタイマーを含み、派遣社員を除いております。 (2) 提出会社の状況2024年3月31日現在従業員数(名)平均年齢(歳)平均勤続年数(年)平均年間給与(円)864〔11〕44.715.76,519,035 (注) 1 当社は、投資・金融サービス業という単一セグメントであるため、当社の従業員数の合計を記載しておりま す。2 従業員数は、当社から他社への出向者を除いた就業人員であります。3 従業員数は就業人員であり、〔 〕内は年間の平均臨時雇用者数を外書きしております。4 従業員数は、執行役員(3名)、契約社員(150名)及び歩合外務員(1名)を含め、エグゼクティブ・アドバイザー(3名)、参与(1名)及び嘱託(2名)を除いております。また、臨時雇用者には、アルバイト及びパートタイマーを含み、派遣社員を除いております。5 平均年間給与は賞与及び基準外賃金を含んでおります。6 平均年齢及び平均勤続年数は、歩合外務員(1名)を含んでおりません。 (3) 労働組合の状況いちよし証券従業員組合は経済生活の向上と労働条件の改善のため、1969年7月30日に結成されました。当組合は当社グループの職員のみをもって組織する単一組合であり、外部上部団体には所属しておりません。現在、労使関係は終始円満に推移しており、労使関係については特に記載すべき事項はありません。 (4) 管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異 管理職に占める女性割合(%) (注)1男性の育児休業取得率(%) (注)2男女の賃金差異(%) (注)1全労働者正社員パート・有期社員当社19.0106.372.269.579.1 (注) 1 「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したもの であります。2 「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の4第2号における育児休業等と育児目的休暇の取得割合を算出したものであります。 |
経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 | 1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。 <企業理念>「今までの日本にない証券会社をつくろう」を合言葉に、企業理念の中心に「いちよしのクレド」(2006年制定)を置き、その実現に取り組んでいます。「クレド」とは「企業の信条や行動指針を記したもの」で、当社が社会に存在する意義についての全役職員共通の価値観となっています。 (1) 経営方針① 経営の基本方針当社はクレド(企業理念)の下、経営の公正性及び透明性を高め、機動的かつ適切な意思決定を行うことにより、業績の向上と企業価値の最大化を図りつつ、コーポレート・ガバナンスの強化充実に努めていくことを経営上の重要課題の一つとしております。また、指名委員会等設置会社の形態を採用し、加えて執行役員制度を導入することにより、業務執行の迅速性、実効性を高めるとともに業務執行に対する監督の強化を図っております。 ② 20年振りの「改革の断行」当社は、「いちよしのクレド」の経営理念を実現するために経営目標として「金融・証券界のブランド・ブティックハウス」の構築を目指しております。また、「お客様からの信頼」と「いちよしの基礎体力」のバロメーターである「預り資産」を経営の最重要指標として位置づけ、預り資産の拡大を図ることにより、持続的な成長の実現に努めております。こうしたなか、当社は創業以来、お客様との信頼関係を何より一番としたサービスのご提供を続けて参りましたが、急速な環境変化に迅速に対応すべく、現在、お客様本位の業務運営をさらに推進するため2019年より20年振りの「改革の断行」を進めております。この「改革の断行」は、最重要経営指標である「預り資産」の拡大をさらに進め、お客様本位の「ストック型ビジネスモデル」への転換をより一層推進することを目標にしており、当社が20年来掲げて参りました「仕組み債は取り扱わない」「個別外国株は勧誘しない」などの「お客様のためにならない商品は取り扱わない」という7つの原則「いちよし基準」にもとづく「売れる商品でも、売らない信念」に加えて、お客様のために為すべきこととして「お客様独自のオーダーを仕立てる信念」を新たに掲げ、お客様 1 人 1 人のニーズに即したオーダーメイドのポートフォリオ提案に取り組んでおります。 〔「改革の断行」の基本戦略〕 1.クレドの徹底 いちよしの永続的な成長のベースになる経営理念 2.預り資産の拡大 預り資産は経営の最重要指標 預り資産はお客様からの信頼といちよし基礎体力のバロメーター 「顧客戦略」「チャネル戦略」「商品戦略」 3.収支構造の改善の継続 株式市場の変動に影響されない収支構造の促進 「安定収益」「ドリコレ・投信によるコストカバー率の向上」 「コストカバー率は、ストック型ビジネスモデルの進捗状況のメルクマール」 「生産性向上、コスト削減、小さな本社作り」 4.いちよしグループの総合力 トライアングル・ピラミッド経営 「富裕層ビジネス特化」「中小型成長株特化」 5.コンプライアンスの実践 コンプライアンスは競争力の源泉 お客様本位のよりグレードアップしたコンプライアンス 「法令遵守は絶対」「クレドの精神に合ったお客様目線の適合性重視」 6.人材の増強と育成 人材こそが成長の源泉 「アドバイザーの質の向上」「若手アドバイザー、次期管理職の育成」 「女性・シニア層の積極的活用・登用」「本社・本部のバックアップ力強化」 7.「働きやすい・やりがいがある職場」作り、「誇りを持てる会社」 社員のやる気アップ 意欲を持って仕事をやる人にとってはずっといたい会社 「縦・横のコミュニケーションの充実」「人事制度・評価制度の見直し」 「職場環境の改善」「仕事のやり方見直し」 (2) 対処すべき課題この数年来、低金利の長期化や100年人生の進捗を背景として「貯蓄から投資へ」の流れが本格化していく中で、我が国の金融・証券界は、お客様本位のビジネスを展開することが強く求められて参りました。当社は20年来、仕組み債などリスク・リターンの仕組みなどが複雑でお客様による理解が難しい、お客様のためにならない商品は取り扱わないという7つの原則「いちよし基準」を「売れる商品でも、売らない信念」として掲げ、売買手数料中心の「フロー型ビジネスモデル」から、投資信託の信託報酬やラップフィーの安定収益を中心とした「ストック型ビジネスモデル」への転換を目指して参りました。2019年からは、急速な環境の変化に対応し、お客様本位の業務運営をより一層進めるための20年振りの「改革の断行」に取り組んでおります。この度の「改革の断行」は、最重要経営指標である「預り資産」の拡大をさらに進め、「ストック型ビジネスモデル」への転換をより一層推進することを目標にしており、新たに、「売れる商品でも、売らない信念」に加えて、お客様のために為すべきこととして「お客様独自のオーダーを仕立てる信念」をもう一つの柱として掲げております。そして、この20年振りの「改革の断行」におきましては、社長交代や経営陣の大幅な若返りとスリム化を実施するとともに、当社の経営において相対的に重要性が低下してきた引受け業務の取り止めを行いました。また、地区アドバイザー本部制を廃止し、営業推進体制を従来の本社本部主導から支店主導の体制に切り替え、地域特性に沿った1人1人のお客様のニーズに細やかにお応えできるような体制を整えるなど、真にお客様本位といえる業務運営のための様々な改革を現在進めております。さらに、現在、お客様本位の観点から、お客様の利便性向上のための店舗再編を行っており、既存店舗を分支店化した小型店舗(プラネットプラザ)を出店するなど、今後もお客様に対してより身近な存在となれるような店舗網の充実を目指して参ります。また、当社はかねてより人材こそが成長の源泉であると位置づけ、人材育成を経営の最重要課題としてきました。今回の「改革の断行」においても「人材の増強と育成」・「働きやすい・やりがいがある職場」作りを基本戦略として、引き続き具体的な取組みを実施して参ります。 当社の経営目標である「金融・証券界のブランド・ブティックハウス」への登頂を目指すための「改革の断行」は現在6合目位という状況です。引き続き、「ブランド・ブティックハウス」の山頂を目指して、昨年4月より「改革の断行」の第2ステージとしてスタートさせました中期経営計画「3・D」を達成すべく、当社の強みであるいちよしのグループ力(いちよし証券のアドバイス力、いちよし経済研究所のリサーチ力、いちよしアセットマネジメントの運用力)とコンプライアンス力(お客様満足度)を活かし、預り資産の拡大を核とした成長の実現に努めて参ります。 |
サステナビリティに関する考え方及び取組 | 2 【サステナビリティに関する考え方及び取組】 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 <サステナビリティ推進のための基本方針と運営体制>当社では、より一層の取組みを強化するとともに、サステナブルな社会の実現に貢献するための基本的な考え方として「サステナビリティ基本方針」を策定しております。 業務執行の監督機能を有する取締役会の傘下に、サステナビリティ推進への取組みを企画・実行・検証・改善を行う会議体として「サステナビリティ推進会議」を設置しています。議長は執行役社長が務め、取締役会への定期的な報告を行います。事務局である「サステナビリティ推進室」は、専門部署として当社のサステナビリティ推進の中核を担います。 <重要課題(マテリアリティ)> 社員のために・社員の働きがいを醸成する企業文化の浸透とエンゲージメントの強化・時代の変化に対応できる人材教育の充実と社員研修の強化・ジェンダーに配慮した働きやすさの実現・多様な働き方を考慮した人事、給与制度の構築 お客様のために・中長期分散投資による資産形成を重視した「ストック型ビジネスモデル」の進展・お客様独自のオーダーにお応えできるリサーチ力、運用力、アドバイス力の強化・お客様の利便性向上に資するサービス、デジタル化の強化 株主のために・実効性と透明性の高いガバナンス体制の維持・向上・資本の有効活用と株主還元の実行・職業倫理やコンプライアンスに反する行為に対する未然防止態勢の構築・気候変動を含むリスク管理の強化 社会のために・CO2排出量削減への取組み強化・地域貢献への取組み強化・金融リテラシー向上への貢献・SDGsに貢献する商品の開発、取扱い (1) 社員のために(人的資本について)① 人材育成に対する考え方a.人材育成方針当社は、「いちよしのクレド」を2006年に制定し、証券業を通じて様々なステークホルダーとのエンゲージメントを重視するとともに、持続的な企業価値の向上に取り組んで参りました。「いちよしのクレド」には当社の存在意義が掲げてありますが、人材こそが成長の源泉であり、最大の先行投資の対象であると認識しております。そして、重要課題(マテリアリティ)の具体的な取組みとして「時代の変化に対応できる人材教育の充実と社員研修の強化」を掲げ、取組みを継続しております。 b.研修制度当社が目指すお客様本位の「ストック型ビジネスモデル」では、お客様一人一人に信頼され、投資意向に沿ったアドバイスを行う必要があるため、アドバイザーの質の向上を目的とした社内研修等の充実に努めています。また、社員のスキルアップ支援として「自己成長プログラム」を設け、証券アナリストやCFPなどの資格取得の通信教育等を補助し、資格取得者には報奨金を授与し、自己研鑽を奨励しております。加えて、資格取得以外のスキルアップにつながる通信教育講座に対しても受講料の補助制度を設けております。 c.他社へのトレーニー派遣当社は、人材育成を目的として同業種・異業種を問わず、積極的に社員をトレーニーとして他社に派遣し、それによって得た知見・経験を社内の業務の効率化や改善に活かしております。 ② 社内環境整備に対する考え方a.社内環境整備方針社内環境整備につきましては、2017年より「働きやすい・やりがいがある職場作り」を目指し、50を超える項目について半年に一度、その進捗を精査して参りました。重要課題(マテリアリティ)の具体的な取組みとして「社員の働きがいを醸成する企業文化の浸透とエンゲージメントの強化」、「ジェンダーに配慮した働きやすさの実現」、「多様な働き方を考慮した人事、給与制度の構築」を掲げておりますが、「働きやすい・やりがいがある職場作り」の項目につきましても取組みを継続して参ります。 b.多様性への対応当社では、多様化する社会に対応して持続的な企業価値の発展を図るためには、女性の活躍が不可欠と考えております。女性がいきいきと活躍するための雇用環境の整備に取り組んでおり、継続勤続年数等の男女差縮小に向けた環境整備と管理職に占める女性割合を高めるための施策等を実施しています。家庭と仕事を両立させるための制度を充実させ利用を促していることに加え、実際に休業や退職をした社員に対して復職アシスト制度やリターン・トゥー・ワーク制度などにより復職しやすい環境を整えています。また、定年後もモチベーションを高く維持し、安心して長く働くことができるように、ジョブ型再雇用制度を設けています。 c.職場環境への対応「働きやすい・やりがいがある職場作り」の取組みには、実際に社員がどのように感じ業務に取り組んでいるのかを把握するエンゲージメントが重要となります。当社では部支店長と社員との1on1ミーティングを定期的に実施するとともに、エンゲージメントツールを利用し、定期的に社員へのアンケートを行っています。さらに、上記アンケートに加えて、自己申告による人事アンケートと人事部による面談をベースに、各人の能力に合わせた配置やキャリアアップについて協議されます。 ③ 指標と目標多様性に対する取組みの進捗状況 目標2024年3月末 女性管理職比率20%(2026年3月末)19.0% 男性の育児休業取得率70%106.3% 男女の平均継続勤続年数男女間差異3年(2026年3月末)男性17年0ヶ月女性13年1ヶ月 なお、上記のほかに当社が注視している指標は以下のとおりです。a.管理職に占める中途採用者の割合の推移2015年3月末2016年3月末2017年3月末2018年3月末2019年3月末2020年3月末2021年3月末2022年3月末2023年3月末2024年3月末49.0%49.2%51.2%51.2%53.7%52.0%47.5%45.8%47.0%46.0% b.その他 2024年3月末 男女間の賃金差異72.2% 新卒採用における女性採用比率44.2%(2024年4月入社 採用数43名、うち女性19名) 有給休暇の取得率58.4% (2) お客様のために(お客様本位の業務運営について)いちよしグループは、「今までの日本にない証券会社をつくろう」を合言葉とし、「金融・証券界のブランド・ブティックハウス」を目指しています。当社は創業以来「お客様第一」を理念として業務を行ってきました。1990年代後半の「日本版金融ビッグバン」を契機に、「貯蓄から投資へ」の推進に向け、お客様の資産を安全・着実にじっくりと増やすために、お役に立てる証券会社を目指し、お客様本位の「ストック型ビジネスモデル」(資産管理型ビジネスモデル)への転換を図っております。 [いちよしグループの「トライアングル・ピラミッド経営」]いちよしグループの業務運営体制は「トライアングル・ピラミッド経営」を推進しています。「お客様サービス」、「商品・運用」、「リサーチ」、「バックアップ」の正三角形4面体がそれぞれを支えあうことにより各部門及び関係会社の機能を最大限に発揮させることを目的とした経営スタイルです。さらに各部門のコ・ワーク(共同業務推進)によるシナジー効果により、お客様により良い商品、より良い情報、より良いサービスをご提供し、その結果として、お客様の大切な金融資産の運用及び企業経営のお役に立つことになると考えております。 いちよしグループはこれからも、「売れる商品でも、売らない信念」と「お客様独自のオーダーを仕立てる信念」のもと、お客様本位のアドバイス活動を実践し、お客様本位の対面アドバイスにこだわり抜いた「金融・証券界のブランド・ブティックハウス」の実現を目指して参ります。 私たちは、お断りする事があります。「いちよし基準」=「個人のお客様向け商品についての原理原則」 ○公募仕組み債は取り扱いません。 ○債券は高格付けのみとし、不適格債は取り扱いません。 ○私募ファンドを取り扱いません。 ○個別外国株は、勧誘しません。 ○投信運用会社は、信頼性と継続性で選びます。 ○先物・オプションは勧誘しません。 ○FX(外為証拠金取引)は取り扱いません。私たちは、この「いちよし基準」を20年来守り続けています。 私たちは、為すべき事があります。〇お客様ひとりひとりに最もふさわしい一着を仕立てあげる「テーラー」のように、いちよし証券は、お客様のオンリーワンのパートナーとして長くお取引いただける会社を目指しています。〇お客様のニーズを十分にお聞きし、お客様のご意向に沿ったポートフォリオをご提案いたします。〇市場変動やお客様のニーズの変化に応じて、ポートフォリオのアフターフォローに努めます。 (3) 株主のために(資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応について)当社は、かねてより、株主を始めとするあらゆるステークホルダーの期待に応えるため、中長期的な企業価値の向上を計り持続的な成長の実現を目指し、P/L(損益計算書)の売上や利益水準を意識するのみでなく、B/S(バランスシート)をベースとする資本コストや資本収益性を十分に意識した経営に取り組んで参りました。B/Sをベースとした企業価値の指標の一つであるPBR(株価純資産倍率)は、ROE(自己資本利益率)とPER(株価収益率)の積で求められますが、当社は、ROEの向上、特に自己資本比率を高い水準で維持した上での資本収益性の向上が、PBRの改善のためにも最も重要であると考えております。具体的には、当社の経営目標であるお客様本位の「ストック型ビジネスモデル」の確立を目指す中で、中長期的に継続して資本コストを上回る資本収益性を達成し持続的成長を実現するために、安定収益の源泉となる投資信託やラップを中心とした預り資産の拡大を計っております。また、預り資産の増加と営業収益の増加は相関関係にあることが検証されていることから、この預り資産の拡大こそが営業収益を増加させると考えております。そして、この営業収益のなかでも信託報酬やラップフィー等のいわゆる安定収益の増加がコストカバー率(安定収益の販売費・一般管理費に対する比率)を高め、ROEの上昇に繋がり、PBRの向上に資すると考えております。よって、「預り資産残高」とストック型ビジネスモデル確立の進捗状況を計る指標としての「コストカバー率」を経営の最重要指標としており、中期経営計画におきましても「預り資産」「コストカバー率」「ROE」を目標値として掲げております。 [中期経営計画「3・D(スリーディー)」]昨年4月よりお客様本位の「ストック型ビジネスモデル」への転換を一層加速させるべく、新たに2026年3月末をターゲットとする中期経営計画「3・D」をスタートしております。「3・D」では、預り資産を3兆円へと拡大することに挑戦するとともに、ファンドラップと投資信託によるストック型資産を倍増させることを目標としており、「預り資産3兆円」の「3」と、「ストック型資産の倍増(Double)」の「D」を合わせて略称といたしました。中期経営計画「3・D」におきましては、「預り資産3兆円」、「コストカバー率70%」、「ROE10%」を目標値とし、目標達成時のPBRは、およそ1.2倍(2024年3月末1.0倍)になると推計しております。 〔3・Dの計画目標〕項 目数値目標(2026年3月末)預り資産3兆円コストカバー率※70%ROE(自己資本当期純利益率)10% ※コストカバー率=(信託報酬+ラップフィー)/販売費・一般管理費 [剰余金の配当等の決定に関する方針と実績]① 剰余金の配当等の決定に関する方針当社の配当は、業績連動型の配当方針を基本とし、配当性向をベースとした配当を行っておりますが、株主の皆様への適切な利益還元を継続して充実させていくことを目的として、純資産配当率(DOE)についても勘案して配当額を決定しています。具体的には、連結ベースでの配当性向(50%程度)と純資産配当率(DOE2%程度)を配当基準とし、半期毎に算出された金額について、いずれか高いものを採用して配当金を決定しております。 ② 剰余金の配当の実績上記①の配当方針に基づき、当期の剰余金の配当は、中間配当、期末配当ともに連結純資産配当率を算出基準として採用し、当期の1株当たりの配当金は中間配当17円、期末配当17円の年間34円とさせていただきました。 過去3年間 配当金推移 2022年3月期2023年3月期2024年3月期中間配当金19円17円17円期末配当金19円17円17円年間配当金38円34円34円 (4) 社会のために(気候変動について)① 気候変動に係るリスク及び収益機会が当社の事業活動や収益等に与える影響当社顧客の中長期的な資産運用において適正な資産評価と資産配分を実現するためには、投資対象企業による気候変動関連のリスクや収益機会に関する一貫性のある適切な情報開示が必要であり、これがなければ、当社顧客の金融資産運用に支障をきたす要因になります。その結果、顧客の金融資産運用の安定性や中長期パフォーマンスが低くなれば、当社との取引機会が減り、当社の業績が悪化することにつながります。反対に、投資対象企業による一貫性のある適切な情報開示がなされれば、これによる当社顧客の金融資産運用の安定性や中長期パフォーマンスの向上が見込まれ、当社業績の拡大につながります。こうした観点から、中小型成長株のリサーチに長年、特化している当社グループのいちよし経済研究所(IRI)においては、気候変動を含むESG達成に向けた対象企業の取組みをリサーチ銘柄選別の際の重要な基準の一つとし、そのリサーチ結果を当社顧客の資産運用に活かしています。また、当社グループのいちよしアセットマネジメント(IAM)においても、IRIによるESG関連のリサーチ結果を投資信託運用に活かしています。さらに、IAMはESG達成に向け積極的に取り組む企業を投資対象に組み入れた「いちよしSDGs中小型株ファンド」を運用しています。従って、気候変動に係るリスク及び収益機会が当社の事業活動や収益等に与える影響を検証する有力な指標の一つは、当社の預り資産とIAMの公募投信運用資産残高の推移と考えています。 ② TCFD提言に基づく気候変動への対応について当社は、サステナブルな社会の実現に貢献するための基本的な考え方として「サステナビリティ基本方針」を策定し、社会全体に存在する課題の中から、当社として取り組むべき課題を重要課題(マテリアリティ)として特定しておりますが、そのうち「社会のために」として「CO2排出量削減への取組み強化」を掲げ、気候変動に取り組む社会の一員として貢献していきたいと考えております。そして、この取組みを社内外に伝える気候関連財務情報開示の重要性に鑑み、気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)に賛同し、これに基づく情報開示の拡充にも取り組んで参ります。 a.ガバナンス当社は、業務執行の監督機能を有する取締役会の傘下に、サステナビリティ推進への取組みを企画・実行・検証・改善を行う会議体として「サステナビリティ推進会議」を設置しています。議長は執行役社長が務め、取締役会への定期的な報告を行います。事務局である「サステナビリティ推進室」は、専門部署として当社のサステナビリティ推進の中核を担います。 b.戦略複数の気候変動の将来予測シナリオ(※1)を参照し、当社のサステナビリティに関する考え方やビジネスモデルにおいて気候変動がどのような影響を与えるかを検証いたしました。気候変動が当社の事業に与えるリスクと機会のうち、リスクについては、低炭素経済への「移行」に関するリスクと、気候変動による「物理的」変化に関するリスクを想定し、想定される事態や影響についての評価を検討いたしました。また、機会については、「商品/サービス」、「市場」の側面を捉え、想定される状況や影響について検討いたしました。検証の結果、リスクについては当社の事業に重大な影響を与えるものではないと認識しておりますが、状況変化を監視し定期的な検証を続けて参ります。 リスク(ⅰ)移行リスク・政策・法規制リスクGHG排出規制の強化により、新たな税金の発生や既存エネルギー使用料金等の増加、または代替手段への移行に伴いコストが増加すること等が想定されます。短期から中期の期間(※2)での影響が想定され、環境に配慮したエネルギーの利用等による対応を検討して参ります。・市場リスク投資家行動が低炭素経済に大きく急速に変化することにより、既存の商品・サービスが陳腐化し販売額が減少すること等が想定されます。短期から中期の期間での影響が想定され、リサーチやモニタリングを強化すること等による対応を検討して参ります。・評判リスク低炭素経済の移行に対応ができず、評判の低下により預り資産や口座数が減少すること等が想定されます。長期での影響が想定され、サステナビリティ推進を強化すること等による対応を検討して参ります。(ⅱ)物理リスク・急性リスク台風・洪水等の増加や激甚化により、当社施設やデータセンターなど関連施設の使用停止や復旧などの対応でコストが増加すること等が想定されます。中期から長期の期間での影響が想定され、事業継続計画(BCP)における各種対策を強化すること等による対応を検討して参ります。 機会(ⅰ)商品・サービス低炭素経済を指向するお客様ニーズに合致した商品・サービスの提供により、預り資産・口座数が増加し、販売額が増加すること等が想定されます。短期から中期の期間での影響が想定され、引き続きグループの強みを活かしたリサーチ力、運用力、アドバイス力の強化、商品・サービスの開発力の強化を図って参ります。(ⅱ)市場気候変動や低炭素に対して積極的に取り組んだ企業や当該企業を組み入れた投資信託への資金流入や株価・基準価額等の上昇による預り資産の増加等が想定されます。中期から長期の期間での影響が想定され、上記同様、引き続きグループ力の強化を図って参ります。 ※1 気候変動に関する政府間パネル(IPCC)、国際エネルギー機関(IEA)、気候変動リスク等に係る金融当局ネットワーク(NGFS)、気象庁が公表しているシナリオ・予想等を参照しています。※2 短期(0~3年)、中期(4年~10年)、長期(11年超)を想定しています。 c.リスク管理気候変動関連リスクは単独で当社に影響を与えるのではなく、金融商品取引業者としての業務上のリスクに広範かつ複雑に関連することが想定されることから、当社の主要なリスクの一つとして全社的なリスク管理の協議機関である「リスク管理会議」にて管理を行います。リスク管理会議での協議の内容は「内部統制委員会」に報告され、同委員会での審議・検討を経て取締役会に報告されます。具体的には財務的に影響があるリスクとして、低炭素経済への「移行」に関するリスクと気候変動による「物理的」変化に関するリスクを想定し、主にリーガルリスクやレピュテーショナルリスク、災害リスクの軽減を図ります。 d.指標と目標サプライチェーン排出量に関する国際的基準であるGHGプロトコル等との整合を図るため環境省と経済産業省が策定した「サプライチェーンを通じた温室効果ガス排出量算定に関する基本ガイドライン」に基づき、当社のGHG排出量(Scope1、2)を算出しました。この指標により気候変動のリスクと機会を評価し、当社の取組みの進捗状況などを測って参ります。なお、削減目標の策定につきましては、当指標の算出を継続し、排出量の推移や削減方法等を検討したうえで行う方針です。 GHG排出量(単位:t-CO2) Scope1Scope2合計2022年度4308241,2552023年度4038661,269 (注)算定の対象は当社及び連結子会社。社員寮は対象外としています。 |
人材の育成及び社内環境整備に関する方針、戦略 | (1) 社員のために(人的資本について)① 人材育成に対する考え方a.人材育成方針当社は、「いちよしのクレド」を2006年に制定し、証券業を通じて様々なステークホルダーとのエンゲージメントを重視するとともに、持続的な企業価値の向上に取り組んで参りました。「いちよしのクレド」には当社の存在意義が掲げてありますが、人材こそが成長の源泉であり、最大の先行投資の対象であると認識しております。そして、重要課題(マテリアリティ)の具体的な取組みとして「時代の変化に対応できる人材教育の充実と社員研修の強化」を掲げ、取組みを継続しております。 b.研修制度当社が目指すお客様本位の「ストック型ビジネスモデル」では、お客様一人一人に信頼され、投資意向に沿ったアドバイスを行う必要があるため、アドバイザーの質の向上を目的とした社内研修等の充実に努めています。また、社員のスキルアップ支援として「自己成長プログラム」を設け、証券アナリストやCFPなどの資格取得の通信教育等を補助し、資格取得者には報奨金を授与し、自己研鑽を奨励しております。加えて、資格取得以外のスキルアップにつながる通信教育講座に対しても受講料の補助制度を設けております。 c.他社へのトレーニー派遣当社は、人材育成を目的として同業種・異業種を問わず、積極的に社員をトレーニーとして他社に派遣し、それによって得た知見・経験を社内の業務の効率化や改善に活かしております。 ② 社内環境整備に対する考え方a.社内環境整備方針社内環境整備につきましては、2017年より「働きやすい・やりがいがある職場作り」を目指し、50を超える項目について半年に一度、その進捗を精査して参りました。重要課題(マテリアリティ)の具体的な取組みとして「社員の働きがいを醸成する企業文化の浸透とエンゲージメントの強化」、「ジェンダーに配慮した働きやすさの実現」、「多様な働き方を考慮した人事、給与制度の構築」を掲げておりますが、「働きやすい・やりがいがある職場作り」の項目につきましても取組みを継続して参ります。 b.多様性への対応当社では、多様化する社会に対応して持続的な企業価値の発展を図るためには、女性の活躍が不可欠と考えております。女性がいきいきと活躍するための雇用環境の整備に取り組んでおり、継続勤続年数等の男女差縮小に向けた環境整備と管理職に占める女性割合を高めるための施策等を実施しています。家庭と仕事を両立させるための制度を充実させ利用を促していることに加え、実際に休業や退職をした社員に対して復職アシスト制度やリターン・トゥー・ワーク制度などにより復職しやすい環境を整えています。また、定年後もモチベーションを高く維持し、安心して長く働くことができるように、ジョブ型再雇用制度を設けています。 c.職場環境への対応「働きやすい・やりがいがある職場作り」の取組みには、実際に社員がどのように感じ業務に取り組んでいるのかを把握するエンゲージメントが重要となります。当社では部支店長と社員との1on1ミーティングを定期的に実施するとともに、エンゲージメントツールを利用し、定期的に社員へのアンケートを行っています。さらに、上記アンケートに加えて、自己申告による人事アンケートと人事部による面談をベースに、各人の能力に合わせた配置やキャリアアップについて協議されます。 |
人材の育成及び社内環境整備に関する方針に関する指標の内容並びに当該指標を用いた目標及び実績、指標及び目標 | ③ 指標と目標多様性に対する取組みの進捗状況 目標2024年3月末 女性管理職比率20%(2026年3月末)19.0% 男性の育児休業取得率70%106.3% 男女の平均継続勤続年数男女間差異3年(2026年3月末)男性17年0ヶ月女性13年1ヶ月 なお、上記のほかに当社が注視している指標は以下のとおりです。a.管理職に占める中途採用者の割合の推移2015年3月末2016年3月末2017年3月末2018年3月末2019年3月末2020年3月末2021年3月末2022年3月末2023年3月末2024年3月末49.0%49.2%51.2%51.2%53.7%52.0%47.5%45.8%47.0%46.0% b.その他 2024年3月末 男女間の賃金差異72.2% 新卒採用における女性採用比率44.2%(2024年4月入社 採用数43名、うち女性19名) 有給休暇の取得率58.4% |
事業等のリスク | 3 【事業等のリスク】 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性のある主なリスクには以下のようなものがあり、投資家の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項として考えております。当該リスクが顕在化する可能性の程度や時期、当該リスクが顕在化した場合に当社グループの経営成績等に与える影響につきましては、合理的に予見することは困難であるため記載しておりませんが、当社グループは、これらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対処に努める方針であります。なお、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(2024年6月25日)現在において当社グループが判断したものであります。 (1) 金融商品取引業の収益変動リスク国内及び海外株式・債券相場が下落または低迷した場合、流通市場での売買高が減少し、結果として当社の売買委託手数料が減少する可能性があります。また、これに付随して、発行市場においても同様の影響を受ける可能性があります。 (2) 市場リスク当社では、投資有価証券の保有の他、自己勘定でトレーディング業務を行っており、株価、金利及び外国為替相場等の変動により、保有する有価証券等の価格が変動し、損失が発生する可能性があります。 (3) 信用(取引先)リスク取引先の債務不履行等(信用状態の変化を含む)により、損失を被る可能性があります。 (4) 流動性リスク金融情勢または当社グループの財務内容の悪化等により、資金調達面で制約を受け、資金の流動性に障害が生じる可能性、及び通常よりも著しく高い金利での資金調達を余儀なくされることにより損失が発生する可能性があります。 (5) 事務リスク当社グループでは、各種マニュアルの整備やコンプライアンス体制の整備強化に努めておりますが、事務処理プロセスで発生する事務ミス、事故、または不正等により損失が発生する可能性があります。 (6) システムに関するリスクコンピュータシステムのダウン、誤作動、または災害や停電による障害等により損失が発生する可能性、及びコンピュータが不正に使用されることにより損失が発生する可能性があります。 (7) リーガルリスク法令違反等があった場合、損失が発生する可能性、訴訟の提起を受ける可能性、及び監督当局から行政処分等を受ける可能性があります。 (8) 情報関連リスクインサイダー取引、内部情報の漏洩、及び不適切な情報開示により、損失が発生する可能性、及び社会的信用が低下する可能性があります。 (9) 競争によるリスク金融・証券業界は本格的な競争時代を迎えており、今後ますます競争は激化していくことが予想され、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (10) 法制度等の変更によるリスク昨今の金融・証券業界を取り巻く各種法制度等の改正により、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (11) 災害等によるリスク地震・火災などの災害等により、当社グループの業務体制に支障が生じる可能性、及び役職員が被害を受けた場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (12) 気候変動リスク低炭素経済への移行に伴う、気候変動に関する政策や法規制等の変化、投資家行動の変化による既存の商品・サービスの陳腐化、あるいは低炭素経済への移行に対応できないことによる評判の低下により損失が発生する可能性(移行リスク)及び気候変動を起因とした、保有する資産に対して生じる損害や事業活動の停滞等により損失が発生する可能性(物理リスク)があります。 |
経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 | 4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】 (経営成績等の状況の概要)当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。(1) 経営成績の状況当連結会計年度(以下、当期)の日本経済は、緩やかな回復を辿りました。物価高の影響から、個人消費には足踏みが見られました。一方、企業は良好な業績を背景にDX(デジタルトランスフォーメーション)などへの投資を進め、設備投資は堅調に推移しています。世界経済は一部地域に弱さが見られながらも米国では底堅さを維持しています。日本の株式市場は、歴史的な節目を迎えました。日本経済がデフレを脱しつつあるとの見方や日本企業の企業価値向上への取り組みが好感されたことなどから7月上旬にかけて上昇傾向を維持し、日経平均株価は7月3日に3万3,753円と、約33年ぶりの水準まで回復しました。その後は年末まで一進一退の推移でしたが、2024年の年明け以降は海外投資家の積極的な買いが再びけん引し、日本株は騰勢を強めました。日経平均株価は2月22日に3万9,098円まで上昇し、1989年12月以来、約34年ぶりに最高値を更新、3月4日には初めて4万円台に乗せました。日銀は3月19日の金融政策決定会合で、マイナス金利政策を解除し、同時に長短金利操作(イールドカーブ・コントロール)の撤廃も決めました。2013年4月から約11年続いた大規模な金融緩和を終了し、金融政策は新たな段階に入りましたが、日銀は当面、緩和的な金融政策を継続する意向です。日経平均株価は3月22日の取引時間中に一時4万1,000円台まで上昇する場面もありましたが、4万369円で当期末を迎え、当期の1年間の上昇率は44%と3年ぶりの大きさとなりました。外国為替市場で、対ドルの円相場は期初1ドル=130円台でしたが、米長期金利の上昇から11月13日には一時1ドル=151円94銭をつけました。しかし、米利下げへの思惑が強まったことから11月中旬以降、米長期金利が低下に転じ、1ドル=140円台まで円高が進みましたが、年明け以降は米利下げ観測の後退などから円安が進み、当期末は1ドル=151円台前半で終えました。高い成長可能性を有する企業向けの市場である東証グロース市場で、東証グロース市場指数は6月21日に1,092まで上昇し、2022年4月の指数算出以来の高値をつけましたが、その後は動きが冴えず938で当期末を迎えました。東証グロース市場250指数(旧東証マザーズ指数、2023年11月6日に名称変更)も6月21日に864と、およそ1年5カ月ぶりの高値をつけましたが、746で当期末を迎えました。当期における東証プライム市場の一日平均売買代金は4兆3,804億円、スタンダード市場の一日平均売買代金は1,384億円、グロース市場の一日平均売買代金は1,554億円となりました。当社は、このような環境下、お客様本位の「ストック型ビジネスモデル」の構築を目指し、中期経営計画「3・D」の目標である預り資産3兆円への拡大をするため、ファンドラップと投資信託によるストック型資産の倍増に取り組んでおります。株式につきましては、低金利環境、インフレの下で安定性と配当に注目した資産株のご提案に加え、当社グループの強みであるリサーチ力を生かした中小型成長企業への投資のご提案をするなど、引き続きお客様の中長期における資産形成としての株式投資をお勧めして参りました。いちよしファンドラップ「ドリーム・コレクション(愛称:ドリコレ)」につきましては、お客様の保守的な資産の中長期運用商品としてのニーズが引き続き拡がっており、当期末の残高は2,694億円(前期末比30.0%増)となりました。投資信託(ラップを除く)につきましては、「いちよし・グローバル株式ファンド(愛称:いちばん星)」や「ブラックロック世界好配当株式オープン(愛称:世界の息吹)」「いちよし日本好配当株&Jリートファンド(愛称:明日葉(あしたば))」等、お客様のニーズに即した提案に努めて参りました。当期末の残高は、7,962億円(前期末比11.9%増)となりました。グループのいちよしアセットマネジメントにおきましては、運用資産残高が引き続き増加し、当期末の運用資産残高は5,418億円(前期末比22.9%増)となりました。 以上の結果、当社グループの純営業収益は187億98百万円(前期比13.1%増)となりました。また、販売費・一般管理費は159億95百万円(同3.5%増)となり、差し引き営業利益は28億3百万円(同140.4%増)となりました。なお、当期末の預り資産は、2兆2,617億円(前期末比18.5%増)となりました。また、当社が目指している「ストック型ビジネスモデル」への転換進捗状況を示す重要な経営指標の一つと位置付けておりますコストカバー率(投資信託の信託報酬やラップフィー等のいわゆる安定収益の販管費に対する比率)は、61.2%(前期比7.7ポイント増)となりました。 ① 受入手数料受入手数料の合計は183億72百万円(前期比13.3%増)となりました。 2023年3月期(百万円)2024年3月期(百万円)受入手数料16,21918,372委託手数料4,6155,423引受け・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の手数料1310募集・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の取扱手数料2,6802,584その他の受入手数料8,79110,365 委託手数料:株券の委託手数料は53億36百万円(前期比19.4%増)となりました。このうち、中小型株式(東証スタンダード、東証グロース、名古屋メイン、名古屋ネクスト)の委託手数料は6億61百万円(同7.5%減)となり、株券委託手数料に占める中小型株式の割合は12.4%となりました。 募集・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の取扱手数料:投資信託に係る手数料が25億63百万円(前期比3.0%減)となり、募集・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の取扱手数料の合計は25億84百万円(同3.6%減)となりました。 その他の受入手数料:その他の受入手数料は、当社の受益証券残高に係る信託報酬が43億23百万円(前期比8.9%増)、いちよしアセットマネジメントの運用に係る信託報酬が22億31百万円(同13.3%増)となり、これに当社のファンドラップに係るフィー等32億30百万円(同38.4%増)等を加え、合計103億65百万円(同17.9%増)となりました。 ② トレーディング損益 2023年3月期(百万円)2024年3月期(百万円)トレーディング損益7191株券等トレーディング損益5275債券等・その他のトレーディング損益1915(債券等トレーディング損益)51(その他のトレーディング損益)1313 株券等のトレーディング損益は、75百万円(前期比45.8%増)の利益となりました。債券・為替等のトレーディング損益は、15百万円(同21.1%減)の利益となりました。その結果、トレーディング損益合計は91百万円(同27.8%増)の利益となりました。 ③ 金融収支金融収益は、信用取引貸付金の期中平均残高の減少により1億59百万円(前期比5.6%減)、金融費用は、39百万円(同5.6%減)となり、差し引き金融収支は1億20百万円(同5.6%減)となりました。 以上の結果、当期の純営業収益は187億98百万円(前期比13.1%増)となりました。 ④ 販売費・一般管理費販売費・一般管理費は、人件費の増加等により、159億95百万円(前期比3.5%増)となりました。 ⑤ 営業外損益営業外収益が、受取保険金及び配当金23百万円等で84百万円となり、差し引き72百万円(前期比44.3%増)の利益となりました。 以上の結果、当期の経常利益は28億75百万円(前期比136.4%増)となりました。 ⑥ 特別損益特別利益は、投資有価証券売却益40百万円、受取補償金31百万円等で94百万円、特別損失は金融商品取引責任準備金繰入れ19百万円、減損損失19百万円等で51百万円となり、差し引き42百万円(前期比41百万円の増加)の利益となりました。 これらにより、税金等調整前当期純利益は29億17百万円(前期比139.8%増)となりました。これに法人税、住民税及び事業税10億94百万円及び法人税等調整額1億6百万円を加減算した結果、親会社株主に帰属する当期純利益は19億29百万円(同154.5%増)となりました。 (2) 財政状態の状況① 資産前期末に比べて39億76百万円(9.3%)増加し、466億47百万円となりました。これは、現金・預金が31億31百万円及び募集等払込金が15億3百万円増加したこと等によるものです。② 負債 前期末に比べて27億95百万円(18.8%)増加し、176億39百万円となりました。これは、預り金が27億57百万円増加したこと等によるものです。 ③ 純資産 前期末に比べて11億81百万円(4.2%)増加し、290億8百万円となりました。これは、親会社株主に帰属する当期純利益19億29百万円を計上した一方で、配当金の支払い11億48百万円があったこと等によるものです。 この結果、自己資本比率は62.1%(前期末は65.2%)となりました。また、当社の自己資本規制比率は518.0%(前期は505.8%)となりました。 (3) キャッシュ・フローの状況 当期における営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益29億17百万円を計上、預り金及び受入保証金の増加による25億87百万円の増加、募集等払込金の増加による15億3百万円の減少等により、37億93百万円(前期比21億84百万円の増加)となりました。 投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の取得による支出、無形固定資産の取得による支出の一方で、投資有価証券の売却による収入、投資有価証券の償還による収入等により、△5億24百万円(同2億3百万円の減少)となりました。 財務活動によるキャッシュ・フローは、配当金の支払額11億45百万円等により、△11億37百万円(同16億81百万円の増加)となりました。 以上により、当期末における現金及び現金同等物残高は、前期末残高に比べ、21億31百万円増加し、174億95百万円となりました。 (4) トレーディング業務の概要トレーディング商品:最近2連結会計年度末におけるトレーディング商品残高は以下のとおりであります。 2023年3月31日(百万円)2024年3月31日(百万円)資産の部のトレーディング商品13―商品有価証券等13―株券等0―債券13―受益証券等――デリバティブ取引――オプション取引――為替予約取引――負債の部のトレーディング商品0―商品有価証券等――株券等――債券――受益証券等― ―デリバティブ取引0―オプション取引――為替予約取引0― トレーディングに係るリスク管理体制: 当社グループにおけるトレーディングに係るリスク管理体制は、株価、金利、外国為替相場等の変動を適切に認識し、「リスク管理規程」及び「市場リスク管理細則」に準じて市場リスクの管理を行っております。 具体的には、主として顧客との取引から発生するトレーディング業務に係わる有価証券について、取引を行う部門毎及び商品毎に許容可能なリスク量(ポジション枠)をロスカット基準等と合わせて定めております。また、市場リスク相当額は標準的方式により算出され、状況を把握して確認を行っております。なお、内部統制委員会の下部組織であるリスク管理会議においては、運用環境や当社の財務状況等を勘案してポジション枠等の見直しや今後の対応等の協議を行っております。 市場リスクの管理は、日々、リスク管理室がモニタリングを行い、経営陣その他の関係者に対して報告を行っております。 (経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容)経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(2024年6月25日)現在において当社グループが判断したものであります。 (1) 重要な会計方針及び見積り当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して作成しております。その作成には経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要とします。経営者は、これらの見積りについて過去の実績等を合理的に勘案し判断しておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項に記載しておりますが、特に次の重要な会計方針等が連結財務諸表における重要な見積りの判断に大きな影響を及ぼすと考えております。① 固定資産の減損損失翌連結会計年度の将来キャッシュ・フローの算定にあたり、市場動向や経済情勢の変化により翌連結会計年度の営業収益が悪化した場合、その影響により翌連結会計年度の営業損益が減少する可能性があります。② 繰延税金資産当社グループの主たる事業である金融商品取引業は、証券市場の変動の影響を大きく受ける市況産業であるため、業績変動の幅が大きく、長期にわたり安定的な課税所得の発生を予測することが困難であります。この具体的な計算方法は、当社グループの課税所得を見積り、短期に回収が可能なものを判断し繰延税金資産を算出しております。③ 賞与引当金当社グループの賞与引当金は、従業員に対する賞与の支払いに備えるため、所定の計算方法により算出した支払見込額を計上しております。この具体的な計算方法は、賞与の前支給対象期間の業績対比等の係数を基礎として算出しております。 (2) 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容① 経営成績等について当社グループの当連結会計年度の経営成績等は、純営業収益は前期比13.1%増の187億98百万円、経常利益は同136.4%増の28億75百万円となりました。当社グループは「金融・証券界のブランド・ブティックハウス」の構築を目指して従来築いてきた土台をさらに拡大するために、2026年3月末をターゲットとする中期経営計画「3・D」を策定し、数値目標は預り資産3兆円、コストカバー率70%、ROE10%と設定いたしました。また、数値目標のうち特に、預り資産を「お客様からの信頼」と「いちよしの基礎体力」のバロメーターと位置付け、預り資産の拡大を最も重要な経営目標であり成長の源泉として持続的な成長の実現に努めています。 営業収益のうち主な科目別の経営成績の分析は、以下のとおりであります。 (募集・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の取扱手数料)投資信託(ラップを除く)につきましては、「いちよし・グローバル株式ファンド(愛称:いちばん星)」や「ブラックロック世界好配当株式オープン(愛称:世界の息吹)」「いちよし日本好配当株&Jリートファンド(愛称:明日葉(あしたば))」等、お客様のニーズに即した提案に努めて参りました。その結果、募集・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の取扱手数料の合計は前期比3.6%減の25億84百万円となりました。 (その他の受入手数料)その他の受入手数料は、全体では前期比17.9%増の103億65百万円となりました。主な内訳は、「受益証券残高に係る信託報酬」が同8.9%増の43億23百万円、「運用に係る信託報酬」が同13.3%増の22億31百万円、「ファンドラップに係るフィー等」が同38.4%増の32億30百万円です。「ファンドラップに係るフィー等」のうち、「投信のベース資産」として位置付けているいちよしファンドラップ「ドリーム・コレクション(愛称:ドリコレ)」につきましては、お客様の保守的な資産の中長期運用商品としてのニーズが引き続き拡がっており、当期末の残高は2,694億円(前期末比30.0%増)となりました。 ② 経営成績に重要な影響を与える要因について当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因として、主たる事業である金融商品取引業は、国内外の証券市場の変動に大きな影響を受ける可能性があり、当社グループの経営成績に重要な影響を与えます。 ③ 資本の財源及び資金の流動性について資金需要 当社の資金需要の主な要因は、信用取引貸付金の自己融資の増減による資金、及び投信買付(追加設定)により、投資信託委託会社への払込日とお客様買付代金入金日との相違による一時的に立替金となる資金、並びに、お客様分別金により入金確認日とお客様分別金に信託する日の相違による一時的に立替金になる資金、人件費をはじめとする販売費・一般管理費、当社株式配当金及び法人税等の納付による資金があります。 資金の流動性 資金の流動性については、上記資金需要による流動性と、有価証券売買に伴うお客様買付代金を業者に払込する資金、お客様売却代金をお客様に払込する資金の流動性を確保する必要があります。 なお、当社グループの資本の財源については、(経営成績等の状況の概要)(3) キャッシュ・フローの状況に記載しております。 |
経営上の重要な契約等 | 5 【経営上の重要な契約等】 該当事項はありません。 |
研究開発活動 | 6 【研究開発活動】 該当事項はありません。 |
設備投資等の概要 | 1 【設備投資等の概要】 当社グループでは、当連結会計年度において総額681百万円の設備投資を実施いたしました。 重要な設備の新設 当連結会計年度において、主な設備投資は下記のとおりであります。 なお、所要金額はすべて自己資金によっております。 (1)提出会社 会社名事業所名(所在地)内容設備の内容所要金額(百万円)完了年月または取得年月提出会社西宮支店(兵庫県西宮市)店舗移転建物及び器具備品242023年10月提出会社本店(東京都中央区)レイアウト変更等建物及び器具備品822024年1月提出会社本店(東京都中央区)IT基盤(システムインフラ)ソフトウェア2832024年3月 (2)国内子会社 会社名事業所名(所在地)内容設備の内容所要金額(百万円)完了年月または取得年月いちよしアセットマネジメント株式会社本社(東京都中央区)本社移転建物及び器具備品572023年8月株式会社いちよし経済研究所本社(東京都中央区)本社移転建物及び器具備品482023年9月いちよしビジネスサービス株式会社本社(東京都中央区)本社移転建物及び器具備品572023年11月 |
主要な設備の状況 | 2 【主要な設備の状況】 当社グループにおける主要な設備は以下のとおりであります。(1) 提出会社 店舗名所在地建物及び構築物帳簿価額(百万円)土地リース資産(百万円)合計帳簿価額(百万円)従業員数(名)摘要帳簿価額(百万円)面積(㎡)本店東京都中央区111――18130249賃借本店資産アドバイザー部東京都中央区0―――015賃借盛岡支店岩手県盛岡市0―――011賃借水沢支店岩手県奥州市6―――67賃借プラネットプラザ成増東京都板橋区0―――04賃借プラネットプラザ市川千葉県市川市8―――84賃借中野支店東京都中野区0―――06賃借赤坂支店東京都港区8―――812賃借プラネットプラザ成城東京都世田谷区22―――223賃借中目黒支店東京都目黒区19―――1913賃借プラネットプラザ自由が丘東京都世田谷区23―――233賃借吉祥寺支店東京都武蔵野市13―――1313賃借横浜支店横浜市西区37―――3720賃借プラネットプラザ小田原神奈川県小田原市0―――01賃借プラネットプラザ藤沢神奈川県藤沢市34―――344賃借上大岡支店横浜市港南区2―――216賃借千葉支店千葉市中央区1―――113賃借浦安支店千葉県浦安市9―――916賃借越谷支店埼玉県越谷市3―――39賃借名古屋支店名古屋市中村区0―――023賃借岡崎支店愛知県岡崎市1―――16賃借飯田支店長野県飯田市17724485.1―20216所有伊那支店長野県伊那市48298.0―138所有伊勢支店三重県伊勢市632489.6―3811所有プラネットプラザ志摩三重県志摩市513481.8―183所有大阪支店大阪市中央区110―――11062賃借今里支店大阪市東成区17―――1713賃借針中野支店大阪市東住吉区0―――015賃借難波支店大阪市中央区3―――312賃借石橋支店大阪府池田市0―――014賃借岸和田支店大阪府岸和田市19―――1913賃借枚方支店大阪府枚方市1―――113賃借八尾支店大阪府八尾市3―――314賃借神戸支店神戸市中央区1―――115賃借西宮支店兵庫県西宮市20―――207賃借加古川支店兵庫県加古川市1―――113賃借 店舗名所在地建物及び構築物帳簿価額(百万円)土地リース資産(百万円)合計帳簿価額(百万円)従業員数(名)摘要帳簿価額(百万円)面積(㎡)西脇支店兵庫県西脇市516525.7―218所有プラネットプラザ加西兵庫県加西市59313.0―155所有伏見支店京都市伏見区7―――722賃借高田支店奈良県大和高田市7164410.5―13622所有学園前支店奈良県奈良市1―――19賃借御坊支店和歌山県御坊市3―――314賃借田辺支店和歌山県田辺市0―――010賃借環支店和歌山県新宮市0―――08賃借岡山支店岡山市北区2―――220賃借倉敷支店岡山県倉敷市3―――324賃借小豆島支店香川県小豆郡土庄町3―――39賃借大牟田支店福岡県大牟田市2―――213賃借福岡支店福岡市博多区0―――06賃借プラネットプラザ佐世保長崎県佐世保市2―――27賃借プラネットプラザ諫早長崎県諫早市0―――03賃借プラネットプラザ武雄佐賀県武雄市3―――32賃借プラネットプラザ唐津佐賀県唐津市0―――05賃借 (注) 西宮支店は2023年10月2日に移転しております。 (2) 国内子会社 会社名所在地建物及び構築物帳簿価額(百万円)土地リース資産(百万円)合計帳簿価額(百万円)従業員数(名)摘要帳簿価額(百万円)面積(㎡)株式会社いちよし経済研究所東京都中央区43―――4320賃借いちよしアセットマネジメント株式会社東京都中央区42―――4230賃借いちよしビジネスサービス株式会社東京都中央区大阪市中央区49550935.4460335所有、賃借いちよしIFA株式会社東京都中央区東京都板橋区3―――38賃借 (注)1. いちよしアセットマネジメント株式会社は、2023年8月7日に本社を同一区内で移転しております。 2. 株式会社いちよし経済研究所は、2023年9月4日に本社を同一区内で移転しております。 3. いちよしビジネスサービス株式会社は、2023年11月20日に本社を同一区内で移転しております。 |
設備の新設、除却等の計画 | 3 【設備の新設、除却等の計画】 (1) 重要な設備の新設等 重要な設備の新設等の計画はありません。 (2) 重要な設備の除却等 重要な設備の除却等の計画はありません。 |
設備投資額、設備投資等の概要 | 681,000,000 |
Employees
平均年齢(年)、提出会社の状況、従業員の状況 | 45 |
平均勤続年数(年)、提出会社の状況、従業員の状況 | 16 |
平均年間給与、提出会社の状況、従業員の状況 | 6,519,035 |
管理職に占める女性労働者の割合、提出会社の指標 | 0 |
全労働者、労働者の男女の賃金の差異、提出会社の指標 | 1 |
正規雇用労働者、労働者の男女の賃金の差異、提出会社の指標 | 1 |
非正規雇用労働者、労働者の男女の賃金の差異、提出会社の指標 | 1 |
Investment
株式の保有状況 | (5) 【株式の保有状況】 ① 投資株式の区分の基準及び考え方当社は、保有目的が純投資目的である投資株式と純投資目的以外の目的である投資株式の区分について、純投資目的以外の目的である投資株式は、2024年6月で68百万円となっており、純資産の0.24%とごく僅かな範囲にとどまっています。株式の政策保有は原則行いませんが、取引関係がある会社との関係を進展させ当社のビジネスを発展させることが明らかな場合に限り行っております。当社の保有可能な投資有価証券の総額は、取締役会の決定に基づき、純投資目的の保有と純投資目的以外の目的である投資株式とを含め、当社の純資産の10%以内にとどめることとしており、株式の持合はありません。 ② 保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式a.保有方針及び保有の合理性を検証する方法並びに個別銘柄の保有の適否に関する取締役会等における検証の内容取締役会及び経営委員会にて投資有価証券の評価報告を定期的に行っており、個別の純投資目的以外の目的である投資株式について随時、保有の合理性、保有目的や保有に伴う便益を具体的に精査、検証しています。 b.銘柄数及び貸借対照表計上額 銘柄数(銘柄)貸借対照表計上額の合計額(百万円)非上場株式42191非上場株式以外の株式264 (当事業年度において株式数が増加した銘柄)該当事項はありません。 (当事業年度において株式数が減少した銘柄) 銘柄数(銘柄)株式数の減少に係る売却価額の合計額(百万円)非上場株式13非上場株式以外の株式―― c.特定投資株式及びみなし保有株式の銘柄ごとの株式数、貸借対照表計上額等に関する情報特定投資株式 銘柄当事業年度前事業年度保有目的、業務提携等の概要、定量的な保有効果及び株式数が増加した理由当社の株式の保有の有無株式数(株)株式数(株)貸借対照表計上額(百万円)貸借対照表計上額(百万円)(株)北日本銀行14,20014,200合併により引き継ぎ、取引関係(法人顧客)の理由から、継続保有しております。有3428日本証券金融(株)17,67917,679取引関係(株券等の信用取引に係る融資等)の理由から保有しております。有2917 (注) 定量的な保有効果については保有金額が少額であり財務に与える影響は軽微であります。なお、保有の合理性、保有目的や保有に伴う便益を具体的に精査、検証しております。 みなし保有株式該当事項はありません。 ③ 保有目的が純投資目的である投資株式該当事項はありません。 ④ 当事業年度中に投資株式の保有目的を純投資目的から純投資目的以外の目的に変更したもの該当事項はありません。 ⑤ 当事業年度中に投資株式の保有目的を純投資目的以外の目的から純投資目的に変更したもの該当事項はありません。 |
銘柄数、非上場株式、保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式、提出会社 | 42 |
貸借対照表計上額、非上場株式、保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式、提出会社 | 191,000,000 |
銘柄数、非上場株式以外の株式、保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式、提出会社 | 2 |
貸借対照表計上額、非上場株式以外の株式、保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式、提出会社 | 64,000,000 |
株式数、保有目的が純投資目的以外の目的である特定投資株式の明細、提出会社 | 17,679 |
貸借対照表計上額、保有目的が純投資目的以外の目的である特定投資株式の明細、提出会社 | 29,000,000 |
銘柄、保有目的が純投資目的以外の目的である特定投資株式の明細、提出会社 | 日本証券金融(株) |
保有目的、業務提携等の概要、定量的な保有効果及び株式数が増加した理由、保有目的が純投資目的以外の目的である特定投資株式の明細、提出会社 | 取引関係(株券等の信用取引に係る融資等)の理由から保有しております。 |
当該株式の発行者による提出会社の株式の保有の有無、保有目的が純投資目的以外の目的である特定投資株式の明細、提出会社 | 有 |
Shareholders
大株主の状況 | (6) 【大株主の状況】 2024年3月31日現在 氏名又は名称住所所有株式数(千株)発行済株式(自己株式を除く。)の総数に対する所有株式数の割合(%) 日本マスタートラスト信託銀行株式会社(信託口)東京都港区赤坂1丁目8番1号 赤坂インターシティAIR4,38512.95 株式会社日本カストディ銀行(信託口) 東京都中央区晴海1丁目8-121,2803.78 株式会社野村総合研究所東京都千代田区大手町1丁目9番2号8792.60 いちよし証券従業員持株会東京都中央区日本橋茅場町1丁目5番8号7592.24 山中 克彦京都市中京区4001.18 JP MORGAN CHASE BANK 385781(常任代理人 株式会社みずほ銀行決済営業部)25 BANK STREET, CANARY WHARF, LONDON,E14 5JP, UNITED KINGDOM(東京都港区港南2丁目15-1 品川インターシティA棟) 3741.10 ジャフコ グループ株式会社東京都港区虎ノ門1丁目23-13000.88 JPモルガン証券株式会社東京都千代田区丸の内2丁目7-3 東京ビルディング2830.83 SSBTC CLIENT OMNIBUS ACCOUNT(常任代理人 香港上海銀行東京支店カストディ業務部)ONE CONGRESS STREET, SUITE 1,BOSTON,MASSACHUSETTS(東京都中央区日本橋3丁目11-1)2580.76 平和不動産株式会社東京都中央区日本橋兜町1-102450.72 計―9,16727.09 (注)1 上記のほか当社所有の自己株式4,090千株があります。 |
株主数-金融機関 | 12 |
株主数-金融商品取引業者 | 32 |
株主数-外国法人等-個人 | 18 |
連結株主資本等変動計算書 | ③【連結株主資本等変動計算書】 前連結会計年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) (単位:百万円) 株主資本資本金資本剰余金利益剰余金自己株式株主資本合計当期首残高14,5776,88513,670△4,09831,035当期変動額 剰余金の配当 △1,268 △1,268親会社株主に帰属する当期純利益 758 758自己株式の取得 △1,626△1,626自己株式の処分 △31 140108自己株式の消却 △1,290 1,290-株主資本以外の項目の当期変動額(純額) 当期変動額合計-△1,322△510△194△2,028当期末残高14,5775,56213,160△4,29329,006 その他の包括利益累計額新株予約権純資産合計その他有価証券評価差額金土地再評価差額金退職給付に係る調整累計額その他の包括利益累計額合計当期首残高43△1,12589△9922230,064当期変動額 剰余金の配当 △1,268親会社株主に帰属する当期純利益 758自己株式の取得 △1,626自己株式の処分 108自己株式の消却 -株主資本以外の項目の当期変動額(純額)1-△202△200△9△210当期変動額合計1-△202△200△9△2,238当期末残高45△1,125△113△1,1931227,826 当連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日) (単位:百万円) 株主資本資本金資本剰余金利益剰余金自己株式株主資本合計当期首残高14,5775,56213,160△4,29329,006当期変動額 剰余金の配当 △1,148 △1,148親会社株主に帰属する当期純利益 1,929 1,929自己株式の取得 △0△0自己株式の処分 △11 4938自己株式の消却 △1,609 1,609-株主資本以外の項目の当期変動額(純額) 当期変動額合計-△1,6217801,659819当期末残高14,5773,94113,941△2,63429,826 その他の包括利益累計額新株予約権純資産合計その他有価証券評価差額金土地再評価差額金退職給付に係る調整累計額その他の包括利益累計額合計当期首残高45△1,125△113△1,1931227,826当期変動額 剰余金の配当 △1,148親会社株主に帰属する当期純利益 1,929自己株式の取得 △0自己株式の処分 38自己株式の消却 -株主資本以外の項目の当期変動額(純額)14-3393547362当期変動額合計14-33935471,181当期末残高59△1,125226△8382029,008 |
株主数-外国法人等-個人以外 | 92 |
株主数-個人その他 | 15,211 |
株主数-その他の法人 | 149 |
株主数-計 | 15,514 |
氏名又は名称、大株主の状況 | 平和不動産株式会社 |
株主総利回り | 1 |
株主総会決議による取得の状況 | (1) 【株主総会決議による取得の状況】 該当事項はありません。 |
株主総会決議又は取締役会決議に基づかないものの内容 | (3) 【株主総会決議又は取締役会決議に基づかないものの内容】 区分株式数(株)価額の総額(円)当事業年度における取得自己株式6243,634当期間における取得自己株式―― (注) 当期間における取得自己株式には、2024年6月1日から有価証券報告書提出日までの単元未満株式の買取り による株式数は含めておりません。 |
Shareholders2
自己株式の取得 | 0 |
自己株式の取得による支出、財務活動によるキャッシュ・フロー | 0 |
発行済株式及び自己株式に関する注記 | 1 発行済株式に関する事項株式の種類当連結会計年度期首増加減少当連結会計年度末普通株式(株)40,431,386―2,500,00037,931,386 (変動事由の概要) 減少数の主な内訳は、次のとおりであります。 会社法第178条の規定に基づく自己株式の消却による減少 2,500,000株 2 自己株式に関する事項株式の種類当連結会計年度期首増加減少当連結会計年度末普通株式(株)6,668,047622,577,2004,090,909 (変動事由の概要) 増加数の主な内訳は、次のとおりであります。 単元未満株式の買取りによる増加 62株 減少数の主な内訳は、次のとおりであります。 会社法第178条の規定に基づく自己株式の消却による減少 2,500,000株 ストック・オプションの権利行使による減少 77,200株 |
Audit
監査法人1、連結 | EY新日本有限責任監査法人 |
独立監査人の報告書、連結 | 独立監査人の監査報告書及び内部統制監査報告書 2024年6月25日いちよし証券株式会社取締役会 御中EY新日本有限責任監査法人 東京事務所 指定有限責任社員 業務執行社員 公認会計士森 重 俊 寛 指定有限責任社員 業務執行社員 公認会計士福 村 寛 <連結財務諸表監査>監査意見 当監査法人は、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づく監査証明を行うため、「経理の状況」に掲げられているいちよし証券株式会社の2023年4月1日から2024年3月31日までの連結会計年度の連結財務諸表、すなわち、連結貸借対照表、連結損益計算書、連結包括利益計算書、連結株主資本等変動計算書、連結キャッシュ・フロー計算書、連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項、その他の注記及び連結附属明細表について監査を行った。 当監査法人は、上記の連結財務諸表が、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して、いちよし証券株式会社及び連結子会社の2024年3月31日現在の財政状態並びに同日をもって終了する連結会計年度の経営成績及びキャッシュ・フローの状況を、全ての重要な点において適正に表示しているものと認める。 監査意見の根拠当監査法人は、我が国において一般に公正妥当と認められる監査の基準に準拠して監査を行った。監査の基準における当監査法人の責任は、「連結財務諸表監査における監査人の責任」に記載されている。当監査法人は、我が国における職業倫理に関する規定に従って、会社及び連結子会社から独立しており、また、監査人としてのその他の倫理上の責任を果たしている。当監査法人は、意見表明の基礎となる十分かつ適切な監査証拠を入手したと判断している。 監査上の主要な検討事項監査上の主要な検討事項とは、当連結会計年度の連結財務諸表の監査において、監査人が職業的専門家として特に重要であると判断した事項である。監査上の主要な検討事項は、連結財務諸表全体に対する監査の実施過程及び監査意見の形成において対応した事項であり、当監査法人は、当該事項に対して個別に意見を表明するものではない。 繰延税金資産の回収可能性監査上の主要な検討事項の内容及び決定理由監査上の対応当連結会計年度の連結貸借対照表において、繰延税金資産70百万円が計上されている。注記事項(税効果会計関係)に記載のとおり、当該繰延税金資産の繰延税金負債との相殺前の金額は281百万円であり、将来減算一時差異及び税務上の繰越欠損金に係る繰延税金資産の総額704百万円から評価性引当額422百万円が控除されている。繰延税金資産の回収可能性は、将来加算一時差異の解消スケジュール、収益力に基づく将来の課税所得及びタックス・プランニング等を含む課税所得計画に基づいて判断される。このうち、収益力に基づく将来の課税所得は、注記事項(重要な会計上の見積り)に記載のとおり、主に翌期の総合予算を基礎として見積もられるが、当該予算計画に含まれる将来収益の予測には将来の市場動向や経済情勢が影響を与える。当連結会計年度は、日経平均株価のバブル期以来の上昇基調や新しい少額投資非課税制度(新NISA)の導入による新規の口座開設数の増加等により、証券業界の業況は個人向け仲介部門を中心に上向き、会社を取り巻く経営環境は概ね追い風と評価されている。そのような状況下にあって当連結会計年度の会社の業績は前年度比で増収増益となり、課税所得も相応に発生してはいるものの、証券業の業績に影響する要因である将来の株式市況や物価、為替、金利の変動、景気動向、顧客の投資に関する嗜好や行動等を正確に予測することは本質的に困難である。すなわち、会社の将来減算一時差異を上回る将来課税所得の発生可能性やその見積額の不確実性は引き続き高い水準で存在していると考えられる。以上より、繰延税金資産の回収可能性の判断において、収益力に基づく将来の課税所得の見積りは不確実性を伴い経営者による判断を必要とすることから、当監査法人は当該事項を監査上の主要な検討事項と判断した。当監査法人は、経営者による繰延税金資産の回収可能性の見積りを評価するため、主に以下の監査手続を実施した。・将来の課税所得の見積りを評価するにあたり、その基礎となっている総合予算の作成プロセスを理解するために質問を実施した。・繰延税金資産の回収可能性の判断に使用された将来の課税所得計画の策定にあたって設定した重要な仮定の内容、実現可能とする根拠について質問した。また、予算会議で承認され取締役会に報告された総合予算と将来の課税所得計画の整合性を検証するために突合・再計算を実施した。・経営者の見積りプロセスの有効性を評価するために、過年度の総合予算の達成度合いを把握し、重要な差異の発生原因と当年度予算への考慮について質問を実施した。また、過去数年間の達成度合いの推移を把握し、長期的な視点から経営者の偏向が存在するか評価した。・将来の収益予測について代替的仮定を採用した場合の監査人による独自の見積りを行い、回収可能性の判定に与える影響を検討した。 その他の記載内容その他の記載内容は、有価証券報告書に含まれる情報のうち、連結財務諸表及び財務諸表並びにこれらの監査報告書以外の情報である。経営者の責任は、その他の記載内容を作成し開示することにある。また、監査委員会の責任は、その他の記載内容の報告プロセスの整備及び運用における執行役及び取締役の職務の執行を監視することにある。当監査法人の連結財務諸表に対する監査意見の対象にはその他の記載内容は含まれておらず、当監査法人はその他の記載内容に対して意見を表明するものではない。連結財務諸表監査における当監査法人の責任は、その他の記載内容を通読し、通読の過程において、その他の記載内容と連結財務諸表又は当監査法人が監査の過程で得た知識との間に重要な相違があるかどうか検討すること、また、そのような重要な相違以外にその他の記載内容に重要な誤りの兆候があるかどうか注意を払うことにある。当監査法人は、実施した作業に基づき、その他の記載内容に重要な誤りがあると判断した場合には、その事実を報告することが求められている。その他の記載内容に関して、当監査法人が報告すべき事項はない。 連結財務諸表に対する経営者及び監査委員会の責任経営者の責任は、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して連結財務諸表を作成し適正に表示することにある。これには、不正又は誤謬による重要な虚偽表示のない連結財務諸表を作成し適正に表示するために経営者が必要と判断した内部統制を整備及び運用することが含まれる。連結財務諸表を作成するに当たり、経営者は、継続企業の前提に基づき連結財務諸表を作成することが適切であるかどうかを評価し、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づいて継続企業に関する事項を開示する必要がある場合には当該事項を開示する責任がある。監査委員会の責任は、財務報告プロセスの整備及び運用における執行役及び取締役の職務の執行を監視することにある。 連結財務諸表監査における監査人の責任監査人の責任は、監査人が実施した監査に基づいて、全体としての連結財務諸表に不正又は誤謬による重要な虚偽表示がないかどうかについて合理的な保証を得て、監査報告書において独立の立場から連結財務諸表に対する意見を表明することにある。虚偽表示は、不正又は誤謬により発生する可能性があり、個別に又は集計すると、連結財務諸表の利用者の意思決定に影響を与えると合理的に見込まれる場合に、重要性があると判断される。監査人は、我が国において一般に公正妥当と認められる監査の基準に従って、監査の過程を通じて、職業的専門家としての判断を行い、職業的懐疑心を保持して以下を実施する。・ 不正又は誤謬による重要な虚偽表示リスクを識別し、評価する。また、重要な虚偽表示リスクに対応した監査手続を立案し、実施する。監査手続の選択及び適用は監査人の判断による。さらに、意見表明の基礎となる十分かつ適切な監査証拠を入手する。・ 連結財務諸表監査の目的は、内部統制の有効性について意見表明するためのものではないが、監査人は、リスク評価の実施に際して、状況に応じた適切な監査手続を立案するために、監査に関連する内部統制を検討する。・ 経営者が採用した会計方針及びその適用方法の適切性、並びに経営者によって行われた会計上の見積りの合理性及び関連する注記事項の妥当性を評価する。・ 経営者が継続企業を前提として連結財務諸表を作成することが適切であるかどうか、また、入手した監査証拠に基づき、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況に関して重要な不確実性が認められるかどうか結論付ける。継続企業の前提に関する重要な不確実性が認められる場合は、監査報告書において連結財務諸表の注記事項に注意を喚起すること、又は重要な不確実性に関する連結財務諸表の注記事項が適切でない場合は、連結財務諸表に対して除外事項付意見を表明することが求められている。監査人の結論は、監査報告書日までに入手した監査証拠に基づいているが、将来の事象や状況により、企業は継続企業として存続できなくなる可能性がある。・ 連結財務諸表の表示及び注記事項が、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠しているかどうかとともに、関連する注記事項を含めた連結財務諸表の表示、構成及び内容、並びに連結財務諸表が基礎となる取引や会計事象を適正に表示しているかどうかを評価する。・ 連結財務諸表に対する意見を表明するために、会社及び連結子会社の財務情報に関する十分かつ適切な監査証拠を入手する。監査人は、連結財務諸表の監査に関する指示、監督及び実施に関して責任がある。監査人は、単独で監査意見に対して責任を負う。監査人は、監査委員会に対して、計画した監査の範囲とその実施時期、監査の実施過程で識別した内部統制の重要な不備を含む監査上の重要な発見事項、及び監査の基準で求められているその他の事項について報告を行う。監査人は、監査委員会に対して、独立性についての我が国における職業倫理に関する規定を遵守したこと、並びに監査人の独立性に影響を与えると合理的に考えられる事項、及び阻害要因を除去するための対応策を講じている場合又は阻害要因を許容可能な水準にまで軽減するためのセーフガードを適用している場合はその内容について報告を行う。監査人は、監査委員会と協議した事項のうち、当連結会計年度の連結財務諸表の監査で特に重要であると判断した事項を監査上の主要な検討事項と決定し、監査報告書において記載する。ただし、法令等により当該事項の公表が禁止されている場合や、極めて限定的ではあるが、監査報告書において報告することにより生じる不利益が公共の利益を上回ると合理的に見込まれるため、監査人が報告すべきでないと判断した場合は、当該事項を記載しない。 <内部統制監査>監査意見 当監査法人は、金融商品取引法第193条の2第2項の規定に基づく監査証明を行うため、いちよし証券株式会社の2024年3月31日現在の内部統制報告書について監査を行った。 当監査法人は、いちよし証券株式会社が2024年3月31日現在の財務報告に係る内部統制は有効であると表示した上記の内部統制報告書が、我が国において一般に公正妥当と認められる財務報告に係る内部統制の評価の基準に準拠して、財務報告に係る内部統制の評価結果について、全ての重要な点において適正に表示しているものと認める。 監査意見の根拠 当監査法人は、我が国において一般に公正妥当と認められる財務報告に係る内部統制の監査の基準に準拠して内部統制監査を行った。財務報告に係る内部統制の監査の基準における当監査法人の責任は、「内部統制監査における監査人の責任」に記載されている。当監査法人は、我が国における職業倫理に関する規定に従って、会社及び連結子会社から独立しており、また、監査人としてのその他の倫理上の責任を果たしている。当監査法人は、意見表明の基礎となる十分かつ適切な監査証拠を入手したと判断している。 内部統制報告書に対する経営者及び監査委員会の責任 経営者の責任は、財務報告に係る内部統制を整備及び運用し、我が国において一般に公正妥当と認められる財務報告に係る内部統制の評価の基準に準拠して内部統制報告書を作成し適正に表示することにある。 監査委員会の責任は、財務報告に係る内部統制の整備及び運用状況を監視、検証することにある。 なお、財務報告に係る内部統制により財務報告の虚偽の記載を完全には防止又は発見することができない可能性がある。 内部統制監査における監査人の責任 監査人の責任は、監査人が実施した内部統制監査に基づいて、内部統制報告書に重要な虚偽表示がないかどうかについて合理的な保証を得て、内部統制監査報告書において独立の立場から内部統制報告書に対する意見を表明することにある。 監査人は、我が国において一般に公正妥当と認められる財務報告に係る内部統制の監査の基準に従って、監査の過程を通じて、職業的専門家としての判断を行い、職業的懐疑心を保持して以下を実施する。・ 内部統制報告書における財務報告に係る内部統制の評価結果について監査証拠を入手するための監査手続を実施する。内部統制監査の監査手続は、監査人の判断により、財務報告の信頼性に及ぼす影響の重要性に基づいて選択及び適用される。・ 財務報告に係る内部統制の評価範囲、評価手続及び評価結果について経営者が行った記載を含め、全体としての内部統制報告書の表示を検討する。・ 内部統制報告書における財務報告に係る内部統制の評価結果に関する十分かつ適切な監査証拠を入手する。監査人は、内部統制報告書の監査に関する指示、監督及び実施に関して責任がある。監査人は、単独で監査意見に対して責任を負う。 監査人は、監査委員会に対して、計画した内部統制監査の範囲とその実施時期、内部統制監査の実施結果、識別した内部統制の開示すべき重要な不備、その是正結果、及び内部統制の監査の基準で求められているその他の事項について報告を行う。 監査人は、監査委員会に対して、独立性についての我が国における職業倫理に関する規定を遵守したこと、並びに監査人の独立性に影響を与えると合理的に考えられる事項、及び阻害要因を除去するための対応策を講じている場合又は阻害要因を許容可能な水準にまで軽減するためのセーフガードを適用している場合はその内容について報告を行う。 <報酬関連情報>当監査法人及び当監査法人と同一のネットワークに属する者に対する、会社及び子会社の監査証明業務に基づく報酬及び非監査業務に基づく報酬の額は、「提出会社の状況」に含まれるコーポレート・ガバナンスの状況等(3)【監査の状況】 に記載されている。 利害関係会社及び連結子会社と当監査法人又は業務執行社員との間には、公認会計士法の規定により記載すべき利害関係はない。以 上 ※1 上記の監査報告書の原本は当社(有価証券報告書提出会社)が別途保管しております。2 XBRLデータは監査の対象には含まれていません。 |
監査上の主要な検討事項、連結 | 監査上の主要な検討事項監査上の主要な検討事項とは、当連結会計年度の連結財務諸表の監査において、監査人が職業的専門家として特に重要であると判断した事項である。監査上の主要な検討事項は、連結財務諸表全体に対する監査の実施過程及び監査意見の形成において対応した事項であり、当監査法人は、当該事項に対して個別に意見を表明するものではない。 繰延税金資産の回収可能性監査上の主要な検討事項の内容及び決定理由監査上の対応当連結会計年度の連結貸借対照表において、繰延税金資産70百万円が計上されている。注記事項(税効果会計関係)に記載のとおり、当該繰延税金資産の繰延税金負債との相殺前の金額は281百万円であり、将来減算一時差異及び税務上の繰越欠損金に係る繰延税金資産の総額704百万円から評価性引当額422百万円が控除されている。繰延税金資産の回収可能性は、将来加算一時差異の解消スケジュール、収益力に基づく将来の課税所得及びタックス・プランニング等を含む課税所得計画に基づいて判断される。このうち、収益力に基づく将来の課税所得は、注記事項(重要な会計上の見積り)に記載のとおり、主に翌期の総合予算を基礎として見積もられるが、当該予算計画に含まれる将来収益の予測には将来の市場動向や経済情勢が影響を与える。当連結会計年度は、日経平均株価のバブル期以来の上昇基調や新しい少額投資非課税制度(新NISA)の導入による新規の口座開設数の増加等により、証券業界の業況は個人向け仲介部門を中心に上向き、会社を取り巻く経営環境は概ね追い風と評価されている。そのような状況下にあって当連結会計年度の会社の業績は前年度比で増収増益となり、課税所得も相応に発生してはいるものの、証券業の業績に影響する要因である将来の株式市況や物価、為替、金利の変動、景気動向、顧客の投資に関する嗜好や行動等を正確に予測することは本質的に困難である。すなわち、会社の将来減算一時差異を上回る将来課税所得の発生可能性やその見積額の不確実性は引き続き高い水準で存在していると考えられる。以上より、繰延税金資産の回収可能性の判断において、収益力に基づく将来の課税所得の見積りは不確実性を伴い経営者による判断を必要とすることから、当監査法人は当該事項を監査上の主要な検討事項と判断した。当監査法人は、経営者による繰延税金資産の回収可能性の見積りを評価するため、主に以下の監査手続を実施した。・将来の課税所得の見積りを評価するにあたり、その基礎となっている総合予算の作成プロセスを理解するために質問を実施した。・繰延税金資産の回収可能性の判断に使用された将来の課税所得計画の策定にあたって設定した重要な仮定の内容、実現可能とする根拠について質問した。また、予算会議で承認され取締役会に報告された総合予算と将来の課税所得計画の整合性を検証するために突合・再計算を実施した。・経営者の見積りプロセスの有効性を評価するために、過年度の総合予算の達成度合いを把握し、重要な差異の発生原因と当年度予算への考慮について質問を実施した。また、過去数年間の達成度合いの推移を把握し、長期的な視点から経営者の偏向が存在するか評価した。・将来の収益予測について代替的仮定を採用した場合の監査人による独自の見積りを行い、回収可能性の判定に与える影響を検討した。 |
全体概要、監査上の主要な検討事項、連結 | 監査上の主要な検討事項とは、当連結会計年度の連結財務諸表の監査において、監査人が職業的専門家として特に重要であると判断した事項である。監査上の主要な検討事項は、連結財務諸表全体に対する監査の実施過程及び監査意見の形成において対応した事項であり、当監査法人は、当該事項に対して個別に意見を表明するものではない。 |
見出し、監査上の主要な検討事項、連結 | 繰延税金資産の回収可能性 |
内容及び理由、監査上の主要な検討事項、連結 | 当連結会計年度の連結貸借対照表において、繰延税金資産70百万円が計上されている。注記事項(税効果会計関係)に記載のとおり、当該繰延税金資産の繰延税金負債との相殺前の金額は281百万円であり、将来減算一時差異及び税務上の繰越欠損金に係る繰延税金資産の総額704百万円から評価性引当額422百万円が控除されている。繰延税金資産の回収可能性は、将来加算一時差異の解消スケジュール、収益力に基づく将来の課税所得及びタックス・プランニング等を含む課税所得計画に基づいて判断される。このうち、収益力に基づく将来の課税所得は、注記事項(重要な会計上の見積り)に記載のとおり、主に翌期の総合予算を基礎として見積もられるが、当該予算計画に含まれる将来収益の予測には将来の市場動向や経済情勢が影響を与える。当連結会計年度は、日経平均株価のバブル期以来の上昇基調や新しい少額投資非課税制度(新NISA)の導入による新規の口座開設数の増加等により、証券業界の業況は個人向け仲介部門を中心に上向き、会社を取り巻く経営環境は概ね追い風と評価されている。そのような状況下にあって当連結会計年度の会社の業績は前年度比で増収増益となり、課税所得も相応に発生してはいるものの、証券業の業績に影響する要因である将来の株式市況や物価、為替、金利の変動、景気動向、顧客の投資に関する嗜好や行動等を正確に予測することは本質的に困難である。すなわち、会社の将来減算一時差異を上回る将来課税所得の発生可能性やその見積額の不確実性は引き続き高い水準で存在していると考えられる。以上より、繰延税金資産の回収可能性の判断において、収益力に基づく将来の課税所得の見積りは不確実性を伴い経営者による判断を必要とすることから、当監査法人は当該事項を監査上の主要な検討事項と判断した。 |
開示への参照、監査上の主要な検討事項、連結 | 税効果会計関係 |
開示への参照2、監査上の主要な検討事項、連結 | 重要な会計上の見積り |
監査上の対応、監査上の主要な検討事項、連結 | 当監査法人は、経営者による繰延税金資産の回収可能性の見積りを評価するため、主に以下の監査手続を実施した。・将来の課税所得の見積りを評価するにあたり、その基礎となっている総合予算の作成プロセスを理解するために質問を実施した。・繰延税金資産の回収可能性の判断に使用された将来の課税所得計画の策定にあたって設定した重要な仮定の内容、実現可能とする根拠について質問した。また、予算会議で承認され取締役会に報告された総合予算と将来の課税所得計画の整合性を検証するために突合・再計算を実施した。・経営者の見積りプロセスの有効性を評価するために、過年度の総合予算の達成度合いを把握し、重要な差異の発生原因と当年度予算への考慮について質問を実施した。また、過去数年間の達成度合いの推移を把握し、長期的な視点から経営者の偏向が存在するか評価した。・将来の収益予測について代替的仮定を採用した場合の監査人による独自の見積りを行い、回収可能性の判定に与える影響を検討した。 |
その他の記載内容、連結 | その他の記載内容その他の記載内容は、有価証券報告書に含まれる情報のうち、連結財務諸表及び財務諸表並びにこれらの監査報告書以外の情報である。経営者の責任は、その他の記載内容を作成し開示することにある。また、監査委員会の責任は、その他の記載内容の報告プロセスの整備及び運用における執行役及び取締役の職務の執行を監視することにある。当監査法人の連結財務諸表に対する監査意見の対象にはその他の記載内容は含まれておらず、当監査法人はその他の記載内容に対して意見を表明するものではない。連結財務諸表監査における当監査法人の責任は、その他の記載内容を通読し、通読の過程において、その他の記載内容と連結財務諸表又は当監査法人が監査の過程で得た知識との間に重要な相違があるかどうか検討すること、また、そのような重要な相違以外にその他の記載内容に重要な誤りの兆候があるかどうか注意を払うことにある。当監査法人は、実施した作業に基づき、その他の記載内容に重要な誤りがあると判断した場合には、その事実を報告することが求められている。その他の記載内容に関して、当監査法人が報告すべき事項はない。 |
報酬関連情報、連結 | <報酬関連情報>当監査法人及び当監査法人と同一のネットワークに属する者に対する、会社及び子会社の監査証明業務に基づく報酬及び非監査業務に基づく報酬の額は、「提出会社の状況」に含まれるコーポレート・ガバナンスの状況等(3)【監査の状況】 に記載されている。 |
Audit1
監査法人1、個別 | EY新日本有限責任監査法人 |
独立監査人の報告書、個別 | 独立監査人の監査報告書 2024年6月25日いちよし証券株式会社取締役会 御中EY新日本有限責任監査法人 東京事務所 指定有限責任社員 業務執行社員 公認会計士森 重 俊 寛 指定有限責任社員 業務執行社員 公認会計士福 村 寛 <財務諸表監査>監査意見当監査法人は、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づく監査証明を行うため、「経理の状況」に掲げられているいちよし証券株式会社の2023年4月1日から2024年3月31日までの第82期事業年度の財務諸表、すなわち、貸借対照表、損益計算書、株主資本等変動計算書、重要な会計方針、その他の注記及び附属明細表について監査を行った。当監査法人は、上記の財務諸表が、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して、いちよし証券株式会社の2024年3月31日現在の財政状態及び同日をもって終了する事業年度の経営成績を、全ての重要な点において適正に表示しているものと認める。 監査意見の根拠当監査法人は、我が国において一般に公正妥当と認められる監査の基準に準拠して監査を行った。監査の基準における当監査法人の責任は、「財務諸表監査における監査人の責任」に記載されている。当監査法人は、我が国における職業倫理に関する規定に従って、会社から独立しており、また、監査人としてのその他の倫理上の責任を果たしている。当監査法人は、意見表明の基礎となる十分かつ適切な監査証拠を入手したと判断している。 監査上の主要な検討事項監査上の主要な検討事項とは、当事業年度の財務諸表の監査において、監査人が職業的専門家として特に重要であると判断した事項である。監査上の主要な検討事項は、財務諸表全体に対する監査の実施過程及び監査意見の形成において対応した事項であり、当監査法人は、当該事項に対して個別に意見を表明するものではない。(繰延税金資産の回収可能性)連結財務諸表の監査報告書に記載されている監査上の主要な検討事項(繰延税金資産の回収可能性)と同一内容であるため、記載を省略している。 その他の記載内容その他の記載内容は、有価証券報告書に含まれる情報のうち、連結財務諸表及び財務諸表並びにこれらの監査報告書以外の情報である。経営者の責任は、その他の記載内容を作成し開示することにある。また、監査委員会の責任は、その他の記載内容の報告プロセスの整備及び運用における執行役及び取締役の職務の執行を監視することにある。当監査法人の財務諸表に対する監査意見の対象にはその他の記載内容は含まれておらず、当監査法人はその他の記載内容に対して意見を表明するものではない。財務諸表監査における当監査法人の責任は、その他の記載内容を通読し、通読の過程において、その他の記載内容と財務諸表又は当監査法人が監査の過程で得た知識との間に重要な相違があるかどうか検討すること、また、そのような重要な相違以外にその他の記載内容に重要な誤りの兆候があるかどうか注意を払うことにある。当監査法人は、実施した作業に基づき、その他の記載内容に重要な誤りがあると判断した場合には、その事実を報告することが求められている。その他の記載内容に関して、当監査法人が報告すべき事項はない。 財務諸表に対する経営者及び監査委員会の責任経営者の責任は、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して財務諸表を作成し適正に表示することにある。これには、不正又は誤謬による重要な虚偽表示のない財務諸表を作成し適正に表示するために経営者が必要と判断した内部統制を整備及び運用することが含まれる。財務諸表を作成するに当たり、経営者は、継続企業の前提に基づき財務諸表を作成することが適切であるかどうかを評価し、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づいて継続企業に関する事項を開示する必要がある場合には当該事項を開示する責任がある。監査委員会の責任は、財務報告プロセスの整備及び運用における執行役及び取締役の職務の執行を監視することにある。 財務諸表監査における監査人の責任監査人の責任は、監査人が実施した監査に基づいて、全体としての財務諸表に不正又は誤謬による重要な虚偽表示がないかどうかについて合理的な保証を得て、監査報告書において独立の立場から財務諸表に対する意見を表明することにある。虚偽表示は、不正又は誤謬により発生する可能性があり、個別に又は集計すると、財務諸表の利用者の意思決定に影響を与えると合理的に見込まれる場合に、重要性があると判断される。監査人は、我が国において一般に公正妥当と認められる監査の基準に従って、監査の過程を通じて、職業的専門家としての判断を行い、職業的懐疑心を保持して以下を実施する。・ 不正又は誤謬による重要な虚偽表示リスクを識別し、評価する。また、重要な虚偽表示リスクに対応した監査手続を立案し、実施する。監査手続の選択及び適用は監査人の判断による。さらに、意見表明の基礎となる十分かつ適切な監査証拠を入手する。・ 財務諸表監査の目的は、内部統制の有効性について意見表明するためのものではないが、監査人は、リスク評価の実施に際して、状況に応じた適切な監査手続を立案するために、監査に関連する内部統制を検討する。・ 経営者が採用した会計方針及びその適用方法の適切性、並びに経営者によって行われた会計上の見積りの合理性及び関連する注記事項の妥当性を評価する。・ 経営者が継続企業を前提として財務諸表を作成することが適切であるかどうか、また、入手した監査証拠に基づき、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況に関して重要な不確実性が認められるかどうか結論付ける。継続企業の前提に関する重要な不確実性が認められる場合は、監査報告書において財務諸表の注記事項に注意を喚起すること、又は重要な不確実性に関する財務諸表の注記事項が適切でない場合は、財務諸表に対して除外事項付意見を表明することが求められている。監査人の結論は、監査報告書日までに入手した監査証拠に基づいているが、将来の事象や状況により、企業は継続企業として存続できなくなる可能性がある。・ 財務諸表の表示及び注記事項が、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠しているかどうかとともに、関連する注記事項を含めた財務諸表の表示、構成及び内容、並びに財務諸表が基礎となる取引や会計事象を適正に表示しているかどうかを評価する。監査人は、監査委員会に対して、計画した監査の範囲とその実施時期、監査の実施過程で識別した内部統制の重要な不備を含む監査上の重要な発見事項、及び監査の基準で求められているその他の事項について報告を行う。監査人は、監査委員会に対して、独立性についての我が国における職業倫理に関する規定を遵守したこと、並びに監査人の独立性に影響を与えると合理的に考えられる事項、及び阻害要因を除去するための対応策を講じている場合又は阻害要因を許容可能な水準にまで軽減するためのセーフガードを適用している場合はその内容について報告を行う。監査人は、監査委員会と協議した事項のうち、当事業年度の財務諸表の監査で特に重要であると判断した事項を監査上の主要な検討事項と決定し、監査報告書において記載する。ただし、法令等により当該事項の公表が禁止されている場合や、極めて限定的ではあるが、監査報告書において報告することにより生じる不利益が公共の利益を上回ると合理的に見込まれるため、監査人が報告すべきでないと判断した場合は、当該事項を記載しない。 <報酬関連情報>報酬関連情報は、連結財務諸表の監査報告書に記載されている。 利害関係会社と当監査法人又は業務執行社員との間には、公認会計士法の規定により記載すべき利害関係はない。 以 上 ※1 上記の監査報告書の原本は当社(有価証券報告書提出会社)が別途保管しております。2 XBRLデータは監査の対象には含まれていません。 |
監査上の主要な検討事項、個別 | 監査上の主要な検討事項監査上の主要な検討事項とは、当事業年度の財務諸表の監査において、監査人が職業的専門家として特に重要であると判断した事項である。監査上の主要な検討事項は、財務諸表全体に対する監査の実施過程及び監査意見の形成において対応した事項であり、当監査法人は、当該事項に対して個別に意見を表明するものではない。(繰延税金資産の回収可能性)連結財務諸表の監査報告書に記載されている監査上の主要な検討事項(繰延税金資産の回収可能性)と同一内容であるため、記載を省略している。 |
全体概要、監査上の主要な検討事項、個別 | 監査上の主要な検討事項とは、当事業年度の財務諸表の監査において、監査人が職業的専門家として特に重要であると判断した事項である。監査上の主要な検討事項は、財務諸表全体に対する監査の実施過程及び監査意見の形成において対応した事項であり、当監査法人は、当該事項に対して個別に意見を表明するものではない。 |
見出し、監査上の主要な検討事項、個別 | 繰延税金資産の回収可能性 |
連結と同一内容である旨、監査上の主要な検討事項、個別 | 連結財務諸表の監査報告書に記載されている監査上の主要な検討事項(繰延税金資産の回収可能性)と同一内容であるため、記載を省略している。 |
その他の記載内容、個別 | その他の記載内容その他の記載内容は、有価証券報告書に含まれる情報のうち、連結財務諸表及び財務諸表並びにこれらの監査報告書以外の情報である。経営者の責任は、その他の記載内容を作成し開示することにある。また、監査委員会の責任は、その他の記載内容の報告プロセスの整備及び運用における執行役及び取締役の職務の執行を監視することにある。当監査法人の財務諸表に対する監査意見の対象にはその他の記載内容は含まれておらず、当監査法人はその他の記載内容に対して意見を表明するものではない。財務諸表監査における当監査法人の責任は、その他の記載内容を通読し、通読の過程において、その他の記載内容と財務諸表又は当監査法人が監査の過程で得た知識との間に重要な相違があるかどうか検討すること、また、そのような重要な相違以外にその他の記載内容に重要な誤りの兆候があるかどうか注意を払うことにある。当監査法人は、実施した作業に基づき、その他の記載内容に重要な誤りがあると判断した場合には、その事実を報告することが求められている。その他の記載内容に関して、当監査法人が報告すべき事項はない。 |
報酬関連情報、個別 | <報酬関連情報>報酬関連情報は、連結財務諸表の監査報告書に記載されている。 |
BS資産
未収入金 | 14,000,000 |
土地 | 822,000,000 |