財務諸表
CoverPage
提出書類、表紙 | 有価証券報告書 |
提出日、表紙 | 2024-06-21 |
英訳名、表紙 | O.B.System Inc. |
代表者の役職氏名、表紙 | 代表取締役社長 豊田 利雄 |
本店の所在の場所、表紙 | 大阪市中央区平野町二丁目3番7号 |
電話番号、本店の所在の場所、表紙 | (06)6228-3411(代表) |
様式、DEI | 第三号様式 |
会計基準、DEI | Japan GAAP |
連結決算の有無、DEI | false |
当会計期間の種類、DEI | FY |
corp
沿革 | 2【沿革】 当社は、株式会社大阪ビジネス(現 株式会社オービック)向けソフトウェア開発会社として設立いたしました。その後、株式会社日立製作所による関西進出時にビジネスパートナーとして取引を開始し、地銀の勘定系システム開発以後、同社グループとの取引関係を拡大してまいりました。現在は、産業流通系、金融系に加え、社会公共領域、ITイノベーション領域に事業を展開しております。 1972年8月大阪市東区(現 中央区)でシステム開発を担う情報企業として当社を設立 事務用コンピュータのソフトウェア開発を開始(現在の産業流通事業を開始)1974年4月小型電子計算機を得意先に導入し、運用保守を開始1975年10月大阪市浪速区に本社(現 大阪本社)を移転1976年4月株式会社日立製作所との取引を開始1979年11月大阪市南区(現 中央区)に本社を移転1980年4月金融グループを立ち上げ(現在の金融事業を開始)1984年8月神奈川県川崎市川崎区に川崎システムセンターを開設1985年3月川崎システムセンターを東京都港区に移転し、東京支店として発足1988年1月大阪市住之江区にテクノセンターを開設1989年4月社会グループを立ち上げ(現在の社会公共事業を開始)1990年9月東京都品川区に東京支店を移転1990年10月中華人民共和国北京市に北京欧比阿斯電脳公司を設立(2004年3月清算)1991年2月通商産業省(現 経済産業省)システムインテグレーター(注1)に登録1992年2月業務拡大に伴いテクノセンターを増築1992年9月本社をテクノセンターに移転統合1999年3月東京及び東京周辺の事業拡大のため東京支店を増床し、大阪本社・東京本社2本社体制2000年4月臨床検査システム/CLIP発表2001年4月公共グループを立ち上げ(現在の社会公共事業に統合)2003年11月業務拡大に伴い東京本社を東京都品川区内で移転2004年6月中華人民共和国上海市に上海欧比愛思晟峰軟件有限公司を設立(2019年7月売却)2005年2月新健診システム/MEX-Plus発表2006年3月業務拡大に伴い大阪本社を大阪市中央区に移転2007年1月プライバシーマーク取得(注2) 中華人民共和国大連市に拠点を置く大連晟峰中天軟件有限公司に出資(2010年3月清算)2017年3月名古屋市中区に中部支店を開設2019年3月ISO/IEC 27001:2013 / JIS Q 27001:2014認証取得(注3)2021年8月臨床検査システム/CLIP-Version5発表2021年11月ISO 9001:2015「品質マネジメントシステム」認証取得(注4)2022年4月ITイノベーション事業を立ち上げ2023年6月東京証券取引所スタンダード市場に株式を上場2024年4月株式会社ヒューマン&テクノロジー(現・連結子会社)の株式を取得 (注)1.システムインテグレーター(SIer)とは、企業情報システム構築において、顧客企業の業務内容を分析し、情報システムの企画・立案、基本設計、プログラムの製造、ハードウェア・ソフトウェアの選定・導入、完成したシステムの保守・運用までの一連の業務を請け負う事業者のことを意味しております。2.プライバシーマーク制度とは、日本産業規格「JIS Q 15001個人情報保護マネジメントシステム-要求事項」に適合して、個人情報について適切な保護措置を講ずる体制を整備している事業者等を評価して、その旨を示すプライバシーマークを付与し、事業活動に関してプライバシーマークの使用を認める制度であります。3.ISO27001とは、国際標準化機構(ISO)が企業・組織の活動に係る情報資産のセキュリティリスクを低減し、発生を予防するためのセキュリティ管理の要求事項を制定した国際規格で、信頼性が高い情報システム管理体制を確立・実施する企業等に対して認証が付与されるものであります。4.ISO9001とは、国際標準化機構(ISO)が制定した国際規格で、企業等が製品やサービスの品質保証を通じて、顧客満足度向上と品質マネジメントシステムの継続的な改善を実現するための規格であります。 |
事業の内容 | 3【事業の内容】 当社は、技術革新が急速に進む情報サービス産業において、システムインテグレーション(注1)サービスの提供を役務としており、既存技術の強化に加え、DX(デジタルトランスフォーメーション)(注2)やクラウドコンピューティングなど新たな技術分野にも事業展開しております。当社は、この50年の歴史の中で、株式会社日立製作所と40年以上、三菱電機ソフトウエア株式会社と30年以上にわたりシステム開発実績を積み重ねることで、ビジネスパートナーとしての関係を築いており、売上高の大きな割合を占める大口取引先となっております。 当社事業は、システムインテグレーションサービス事業の単一セグメントでありますが、事業戦略上、事業領域を「金融事業」、「産業流通事業」、「社会公共事業」、「ITイノベーション事業」の4つのサービスラインに区分しております。各サービスラインの概要及び特徴と、協力会社との連携は以下のとおりであります。 (1)サービスラインの概要① 金融事業地銀・都銀、保険、証券、クレジットの各分野のシステムインテグレーション、コンサルティング、ソフトウェアの設計・開発・保守等、ソフトウェア開発の全領域に対応した総合的なサービス事業を、顧客であるエンドユーザや国内ITメーカ、元請システムインテグレーターからの受託開発、運用保守を中心に展開しております。当サービスラインは、以下の分野で構成しております。<地銀・都銀分野> 基幹系三大業務(預金、貸出、為替)及び付随業務、周辺業務のシステム開発、保守並びにミドルウェア(注3)の開発、保守<保険分野> 損害保険業務(火災、自動車)及び生命保険業務(養老、終身、医療)のシステム開発、保守<証券分野> 保管振替システムの構築<クレジット分野> 請求管理業務及び審査業務、個人ローン業務のシステム開発、保守 ② 産業流通事業産業流通、マイコン、医療の各分野は東京・名古屋・大阪に組織を配置し、ソフトウェアの設計・開発・保守全般における総合サービス事業を、顧客であるエンドユーザや国内ITメーカ、元請システムインテグレーターからの受託開発、運用保守を中心に展開しております。当サービスラインは、以下の分野で構成しております。<産業流通分野> 流通/医薬大手ユーザや自動車関連システムの開発、保守<マイコン分野> 家電製品のマイコンソフト、モータ・ロボット系組み込みソフトの受託開発<医療分野> 自社製品「臨床検査システム/CLIP」(注4)、「健診システム/MEX-Plus」(注5)の販売及び顧客ニーズに即したカスタマイズ開発、保守 ③ 社会公共事業社会基盤(電力ICT、社会インフラ、衛星通信)分野、メディア情報分野、公共分野、文教・教育系分野のシステムインテグレーション、コンサルティング、ソフトウェアの設計・開発・保守等、ソフトウェア開発の全領域に対応した総合的なサービス事業を、顧客であるエンドユーザや国内ITメーカ、元請システムインテグレーターからの受託開発を中心に展開しております。当サービスラインは、以下の分野で構成しております。<電力ICT分野> 電力託送システム(注6)の開発、保守<社会インフラ分野> 道路、河川、ダム等の監視制御システムの開発<衛星通信分野> 衛星通信システムの開発<メディア情報分野> クラウド環境でのWEBシステム(注7)、ビッグデータ加工システム(注8)の開発<公共分野> 自治体業務のパッケージ導入や稼働維持並びに官公庁のシステム再構築<文教・教育系分野> 教学事務(入試・教務・学生生活)及び教育支援システムの開発、保守 ④ ITイノベーション事業自社の競争力強化に向け、先端技術をリードする人材育成及び、様々な事業領域のデジタルソリューションサービス事業拡大に向け、元請システムインテグレーターとの協業を推進しております。また、各分野のシステム全体を支えるフロントシステムエンジニア(注9)として、システム全体の見積り、業務支援アプリケーションパッケージの設定、オンプレミスシステム(注10)及びクラウドシステムのインフラ構築、プロジェクトマネージメントのサービス事業を、顧客であるエンドユーザや国内ITメーカ、元請システムインテグレーターからの受託開発、運用保守を中心に展開しております。当サービスラインは、以下の分野で構成しております。<システム基盤ソリューション分野> オンプレミス環境におけるシステム開発、保守<クラウドソリューション分野> パブリッククラウド環境への移行・同環境におけるシステム開発、保守、データ利活用ソリューションの開発、保守<金融ソリューション分野> クレジットカードシステム、投資信託システム等の開発、保守 (2)サービスラインの特徴① 金融事業地銀・都銀のほか、流通系銀行の勘定系システムに加え、ネットバンキングシステムなどのサブシステムの開発・保守を基盤事業としておりますが、今後は、オープンイノベーション(注11)に関わるDX化へと基軸を移行しつつあります。これらDX化への取組みとしまして、次世代オープン勘定系システム(注12)開発への参画、保険分野での現行システムをサーバ環境で動作させるためのマイグレーション(注13)事業及び、ビッグデータ活用に向けたシステムのオープン化事業への参画等のDX化事業にも注力しております。 ② 産業流通事業産業流通分野では、ビッグデータを活用した受注予測システムの構築やクラウドコンピューティング需要が増加しております。DX関連事業は伸長しており、これまで培った要素技術に加え、分野間での技術融合による新しいソリューション事業の構築を目指しております。小売り事業者の販売、物流管理システム開発等に参画しております。また、マイコン分野では培った開発技術によるIoT組み込みソリューション事業の拡大に注力しております。さらに、医療分野では臨床検査システム「CLIP-Version5」の拡販に努めております。この製品は、電子カルテ等の他システムとの連携性や操作性の向上を図っております。新健診システム「MEX-Plus」含め、ご利用いただいております全国の病院・施設システムの更改や新しい顧客への導入を目指しております。なお、「CLIPシリーズ」におきましては、AIを活用して、正確性とスピードの両立が求められる臨床検査分野でシステム操作をサポートする機能の実装を目指し、開発に取り組んでおります。 ③ 社会公共事業メディア情報分野では、クラウド環境でのWEBシステム開発、ビッグデータ加工システム開発を中心とした、DX化に力を入れ顧客ニーズに対応しております。この一環として、電力ICT分野のシステム開発にも積極的に取組んでおり、大きな成長分野となっております。また、公共分野では自治体のガバメントクラウド(注14)(Gov-Cloud)活用を見据えて、自治体情報システムの標準化対応へ参画する等、DX化事業にも注力しております。 ④ ITイノベーション事業当サービスラインの主な特徴は、顧客ファーストの観点で、一人ひとりがお客様目線で考え、お客様の事業継続、発展に貢献し、お客様に近いところでシステム全体を支えるフロントシステムエンジニアとして活動している集団であります。顧客のDX化事業を含めた業務改革の取組みを支援するシステム開発や、元請システムインテグレーターとの協業によるデジタルソリューション事業の拡大に注力しております。 (3)協力会社との連携顧客ニーズの高度化、オープン化(注15)の進展によるシステムの複雑化が進み、開発の難易度がますます増加しております。各サービスラインにおいては、システムインテグレーションサービスの提供に当たって、システムの構築にかかる顧客ニーズに柔軟に応えられるよう当社の社員のみならず、当社と協力会社(外注先)が技術を共有し連携して一体となってプロジェクトに参画しております。当社では協力会社のシステムエンジニアが当社と一体になれるよう安定的、継続的な発注、定期的な情報交換を実施し、長期的な協力関係を構築できるよう推進しており、大型プロジェクトへの参画可能な環境を整えております。 (注)1.システムインテグレーションとは、利用目的に合わせて、多種多様のハードウェア・ソフトウェア・メディア・通信ネットワークなどのなかから最適のものを選択し、組み合わせて、コンピュータシステムを構築することであります。 2.DX(デジタルトランスフォーメーション)とは、デジタル技術の活用によって企業のビジネスモデルを変革し、新たなデジタル時代にも十分に勝ち残れるように自社の競争力を高めていくことであります。 3.ミドルウェアとは、OS(基本機能を提供するオペレーティングシステム)と、アプリケーション(各種業務処理の遂行に特化したソフトウェア)との間に位置付けられ、OSが提供する基本機能を用いてアプリケーションの開発負担を軽減することに重点を置いたソフトウェアのことをいいます。4.自社製品「臨床検査システム/CLIP」とは、血液、血清、細菌、病理、生理といった各検査部門ごとにデータ管理する分散型処理機構と検査室の依頼、検査データを一元管理する臨床検査システムです。5.自社製品「健診システム/MEX-Plus」とは、病院及び健診センターにおける、人間ドックや企業健診などをサポートする健康診断支援システムです。 6.電力託送システムとは、電力会社が所有する送配電網を利用して需要家に電気を供給する電力小売事業者に対して、請求する託送料金を送電線の使用量に応じて計算するシステムです。 7.当社開発のWEBシステムには、違法動画コンテンツ検出システム及びテレビCM枠購入予約システム等があります。 8.当社開発のビッグデータ加工システムには、テレビメーカ視聴ログを活用する各種システムがあります。 9.フロントシステムエンジニアとは、ユーザの要望を的確に把握し、ITの技術をどう活かせば要望を満たせるかユーザと一緒に考え、システム導入に向けユーザと一緒にプロジェクトを推進していくエンジニアをいいます。 10.オンプレミスシステムとは、サーバやソフトウェアなどの情報システムを、使用者が管理している施設の構内に機器を設置して運用することです。 11.オープンイノベーションとは、メーカやベンダに拘らず、異業種、異分野が持つ技術やアイデア、サービス、ノウハウを組み合わせ、革新的なビジネスモデルにつなげる方法論です。12.次世代オープン勘定系システムとは、株式会社静岡銀行と株式会社日立製作所が共同開発したオープン基盤上で稼働する勘定系システムです。株式会社日立製作所は本システムを製品化し、他の金融機関への導入を進めています。 13.マイグレーションとは、サーバを移行することです。最近では、クラウド環境への移行が主流となってきております。 14.ガバメントクラウドとは、政府の情報システムについて、共通的な基盤・機能を提供する複数のクラウドサービス(IaaS、PaaS、SaaS)の利用環境のことです。 15.オープン化とは、従来、大規模な情報システムで採用されていた、メーカごとに非公開の固有の仕様を持つメインフレーム(大型汎用機)を中核とするシステム構成から、標準規格や公開仕様に基づく汎用製品を主体としたシステム構成に置き換えることです。 [事業系統図]当社の主要なサービスライン別に、当社と顧客等との関連を事業系統図で示すと以下のとおりであります。 |
関係会社の状況 | 4【関係会社の状況】 その他の関係会社名称住所資本金(百万円)主要な事業の内容議決権の所有割合又は被所有割合(%)関係内容株式会社オービック(注)東京都中央区19,178企業情報システムのシステムインテグレーション事業及びシステムサポート事業被所有28.67役員の兼任1名 (注)有価証券報告書を提出しております。 |
従業員の状況 | 5【従業員の状況】 (1)提出会社の状況 2024年3月31日現在従業員数(人)平均年齢(歳)平均勤続年数(年)平均年間給与(千円)448(128)39.814.55,708 当社はシステムインテグレーションサービス事業の単一セグメントであるため、サービスライン別に記載しております。サービスラインの名称従業員数(人)金融事業146(67)産業流通事業133(20)社会公共事業93(21)ITイノベーション事業37(19)サービスライン計409(127)全社(共通)39( 1)合計448(128) (注)1.従業員数は、就業人員(社外から当社への出向を含む)であります。なお、臨時雇用者数(派遣社員)は、年間の平均人員を( )外数で記載しております。2.平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでおります。3.全社(共通)として記載されている従業員数は、管理部門に所属しているものであります。 (2)労働組合の状況当社において労働組合は結成されておりませんが、労使関係は円満に推移しております。 (3)管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異 当事業年度補足説明管理職に占める女性労働者の割合(%) (注)2.男性労働者の育児休業取得率(%) (注)2.労働者の男女の賃金の差異(%)(注)1.全労働者正規雇用労働者パート・有期労働者--76.577.268.9「労働者の男女の賃金の差異」について、賃金規程・制度上、男女で差異を設けてはおらず、賃金基準に相違はありません。男女の賃金の差異は、男女間の勤続年数・平均年齢の差異によるものです。(注)1.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。2.当社は、当該事項について情報の公表をしていないため、算出しておりません。 |
経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 | 1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 当社の経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。 (1)経営方針当社は、当社が果たすべき使命と役割を十分に認識し、「永遠に伸びる会社」、「社員一人ひとりが幸せになれる会社」、「社会に貢献できる会社」を目指して、経営理念として以下の「四つの心」に基づき、確かな技術と先進のソリューションの提供を通して、お客様と社会の発展に貢献することを目指しております。あわせて、当社は、企業が社会の一員であることを深く認識し、公正かつ透明な企業行動に徹し、国の内外を問わず、人権を尊重し、関係法令及びその精神を遵守するとともに、良識ある市民として真に豊かな社会の実現に尽力することを目指しております。 経営理念 四つの心で「永遠に伸びる会社」「社員一人ひとりが幸せになれる会社」「社会に貢献できる会社」にしよう1. 感謝の心今ある自分に感謝し、働く喜び、生き甲斐を持とう2. 人格向上の心仕事を通じて自己啓発し、人格向上を図ろう3. 生活向上の心豊かな安定した生活を目指そう4. 企業の心デジタル・IT関連などの情報システム技術、サービスの提供を通じて持続可能な社会の実現に貢献しよう (2)中長期的な会社の経営戦略当社は、創業以来、「情報を通じて、お客様や社会に貢献する」ということを使命に、持続可能な社会の実現性を目指す、公共性・社会性の高いシステム開発を中心に、システムインテグレーターとしてお客様にサービスを提供してきました。サービスラインとして、「金融事業」、「産業流通事業」、「社会公共事業」、「ITイノベーション事業」を展開しており、当社の強みとしましては全てのサービスラインにおいて、売上の半数以上を長年のシステム開発実績を有する同一の大口顧客である元請システムインテグレーター企業からの継続案件や運用保守案件が占めていることです。これにより、安定的な経営基盤を確立していると認識しております。中長期的な成長戦略として、業務システム開発力・人材を計画的に強化していくことで、好調な市場環境に対応する形で既存事業の拡大を図ってまいります。さらに、取引先のニーズに対応する中で、新たな事業拡大の可能性を常に探索し、自社のみならず、広く協業できる企業との業務提携等により新たな成長の芽を創り、新事業の創出・拡大を図ってまいります。 当社は、中期経営計画において、以下の基本戦略を展開してまいります。 ① 業務システム開発力・人材の一層の強化経験豊富な社内人材が中心となって、取引先の開発を牽引できる点が当社の最大の強みであり、当該強みを引き続き強化してまいります。具体的には社内人材拡大のため、新卒採用、経験者採用を問わず積極的な採用活動を行ってまいります。また、協力会社との連携を深めるとともに、新規の協力会社の発掘にも注力しており、外注戦力を積極的に活用することにより、開発力の上方弾力性を常時確保できる体制を目指してまいります。さらに、教育投資の強化を推進することで、専門性を有する人材確保への取組み策を着実に実行してまいります。AIやIoT、ロボティクス関連、クラウド関連等の新技術は、新デジタル分野として当社に必須の技術であることから、これらの社員教育についても機動的に対応してまいります。技術革新へ対応の観点から、リスキリング支援を手厚くし、部門間異動を柔軟化することで事業変革への対応、社員のやる気をサポートしてまいります。 ② 業務提携拡大による事業拡大の加速既存取引先との事業規模拡大に対応しつつ、生産性向上を推進するために、特長ある技術やソリューションをもった企業との業務提携を加速し、自社の取引先への付加価値の提供や新たな取引先の発掘を図ることによって、事業の成長スピードを加速してまいります。直近における具体的な取組みとしては、自社製品へのAI適用におけるパートナー連携やマイグレーションニーズ対応のための海外ベンダーとの提携等を行っております。 ③ 資本業務提携(M&A)拡大による事業拡大の推進当社は2024年4月1日に株式会社ヒューマン&テクノロジーとの資本業務提携(子会社化)を実施いたしました。今後、両社の特長を活かし、増加する国内のソフトウェア開発への対応を強化し、事業体制の一層の強靭化を推進してまいります。引き続き、2027年3月期の連結売上高100億円を目指し、連結事業拡大を狙いとした資本業務提携(M&A)の拡大を推進してまいります。 (3)経営環境当社が属する情報サービス業界におきましては、DXの実現に向けた企業の旺盛なIT投資による需要拡大が続いております。また、供給面では、システムエンジニア等のIT関連の人材不足は続いており、需給ギャップの拡大に伴い、システムソフトウェアの開発単価の上昇も続いております。このような需要拡大と単価上昇を受け、足元の国内情報サービス市場は過去最高水準を更新するとともに、中長期的においても市場規模の拡大が期待されております。こうした環境のもと、当社はクラウド、ビッグデータなどのDX関連事業、AIの活用を成長の柱とする中期経営計画を推進しており、引き続き不足する人材を確保するため、リファラル採用、おかえりなさい採用等、経験者採用へのアプローチを積極的に実施するとともに、DX人材の教育育成にも力を入れ、早期に戦力化することに全力をあげております。 (4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題当社は、前述の経営方針、経営戦略、経営環境のもと、継続的な事業収益の拡大による成長と、より強固な経営基盤を構築するため以下の事項を対処すべき重要課題と捉え、その対応に引き続き取組んでまいります。 ① 優秀な人材の確保当社が属する情報サービス業界は、技術革新が急速に進んでいるため、常に最新技術への対応が求められております。これに応えられる優秀な人材を確保することが、今後の重要な課題であります。当社では、優秀な人材を確保するために採用選考基準を明確化するとともに、「リファラル採用制度」や「おかえりなさい採用制度」を導入するなど、新卒採用、経験者採用を問わず積極的な採用活動を行っております。 ② 人材育成人材教育投資を当社の成長戦略の最重要課題と位置付け、官民あげてのDX化・IT化の流れに遅れないよう技術スキルの向上を図るために、人材教育予算を拡充してまいります。また、ますます重要性を増しているクラウド化技術の習得、AIやロボティクス等DX関連技術の習得のための教育プログラム(OFF-JT教育)の充実を図ってまいります。なお、当社の教育は、現場教育(OJT教育)が基本でありますが、新技術についてはOJTとOFF-JTが連動できるような形で進めてまいります。 ③ 既存事業分野のさらなる強化当社が属する情報サービス業界におきましては、顧客ニーズの高度化・多様化、オフショア活用の拡大やサービスの低価格化等により、ますます競争が激しくなる中、継続的な事業の拡大は一段と厳しい状況となっております。このような状況の中で継続的に安定した収益を確保していくためには、高度な専門性で付加価値を創造し、競合他社との差別化を図っていく必要があるとの理解のもと、これまで培ってきた業務知識・技術を基に、既存事業分野のさらなる強化が必要と認識しております。特に、FinTech(金融サービスのITイノベーション)、IoT、AI、ビッグデータ、RPA(ロボットによる業務自動化)等のITを利用した生産性向上や省人化・自動化による労働力不足等への対応等の進展に伴い、DX関連サービスへの需要は顕著であることから、当社は、以下に注力しDX関連事業の拡大を図ってまいります。<ユーザのDXを含めた業務改革の取組みを支援するビジネス>・各ユーザより様々な事業領域のDX案件(オープン化、モダナイゼーション(注))への参画要請に対応・データ利活用等、DX領域での日立製作所グループとの協業<マネジメント力と開発力のある人材群の構築>・事業領域にとらわれないDX案件獲得、技術・ノウハウの共有を促進・クラウド環境における技術検証・研究開発の促進・技術者を育成(リスキリング(研修・講習・教育))<DX案件拡大営業アプローチ>・営業本部主体にサービスラインの枠を超えたDX案件獲得活動の推進・主要取引先のDX案件開発企画等上流フェーズへの提案活動を推進し案件を早期獲得 ④ 資本・業務提携拡大による事業拡大当社は、2023年6月に東証スタンダード市場に上場し、さらなる成長を加速させるため、既存事業分野の拡大だけでなく、新事業の創出・拡大にも取り組んでまいります。具体的には、特長を持った企業との資本・業務提携により、自社の取引先への付加価値提供や新たな取引先の発掘を図ってまいります。 ⑤ 品質向上と生産性向上お客様のシステム開発に対する要求事項の高度化が進む中、お客様に満足していただけるシステムの品質 確保が重要な課題と認識し、継続的な取組みを行っております。具体的には、品質管理部による「品質保証検査」をより一層徹底するとともに、当社標準品質目標値の継続的な整備を行い、組織的な品質向上・生産性向上に取組んでおります。 ⑥ 人と組織力の強化人材が当社の最大の財産であるという認識のもと、基礎技術スキルや先端技術スキルをはじめ、ヒューマ ンスキルの向上によるプロジェクトマネジメント力の向上等、常に研修等の充実を図り優秀な人材の育成を積極的に推進し、人材を活かす組織の基盤を作ってまいります。 (5)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等当社は、成長性と収益性を重視しておりますので、重要な経営目標は以下と捉えております。・成長性:売上高成長率(対前期増加率)対前期増加率 6.0~8.0% を目標として設けております。・収益性:売上高営業利益率売上高営業利益率 10% を重要な目標としております。 (注)モダナイゼーションとは、現行のIT資産を新技術に対応する形に更新することで、ソフトウェアやハードウェアのシステム基盤の最適化、近代化を行う手法をいいます。 |
サステナビリティに関する考え方及び取組 | 2【サステナビリティに関する考え方及び取組】 当社のサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。 なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。 (1)ガバナンス サステナビリティ関連のリスク及び機会に関しては、コンプライアンス・リスク管理委員会において検討項目としています。当該委員会の委員長は代表取締役社長で、担当役員は管理本部長とし、所管部署を総務部と定めております。当該委員会で報告・審議された内容は、取締役会に報告され、必要事項を取締役会において審議・検討することを規定しております。 (2)戦略 経営理念に基づき、当社の持続的成長を図り、社会課題の解決に向けて産業と技術革新の基礎を作り持続可能な社会の実現に貢献します。当該目標に向けて、企業行動規範にサステナビリティに関する重要課題を設定しています。人権 :当社の事業活動に関わる人々の人権を尊重人材 :従業員の力を引き出す、心身の健康と安全に配慮した働きやすい職場環境の実現環境 :組織的な危機管理の対象として適切な対策構築ガバナンス:法令及び社会規範の遵守、情報開示と情報管理、知的財産の保護、組織的な危機管理、実効性のある管理体制の整備 サステナビリティに関する諸課題については、事業上の重要なリスクとして、コンプライアンス・リスク管理委員会における審議項目とし、その検討内容は取締役会へ定期的に報告しております。 ①人材育成方針(人材の多様性の確保を含む人材の育成に関する方針) 当社は、経営理念の一つに「仕事を通じて自己啓発し、人格向上を図ろう」を掲げ、教育投資を強化し、人材の確保・育成を行っております。人材の確保においては、採用選考基準を明確化し、新卒採用、経験者採用を問わず積極的な採用活動を行っています。 教育投資においては、成長戦略の最重要課題と位置付けており、クラウド化技術、AIやロボティクス等のDX関連技術に関する教育プログラムの充実を通じて、戦略事業ドメインに係る技術スキルを維持向上させるための人材を育成しております。 ②社内環境整備方針(社内環境整備に関する方針) 従業員の力を引き出す、心身の健康と安全に配慮した働きやすい職場環境を実現するために、健康経営優良法人の認定を受けるとともに、次のような対応の一層の充実を考えております。(a)健康経営の推進(b)女性のキャリア形成支援(c)仕事と育児の両立支援(d)経験者採用の常時実施 (3)リスク管理 主要なリスク項目については、3[事業等のリスク]に記載のとおりです。 各リスクについて、要因ごとに所管部署を定め、各年度の管理方針・計画(重点管理対象の見直しを含む)を立案し、指標を明確にしてリスクの状況を測定しております。指標等の推移や機会など必要事項は、コンプライアンス・リスク管理委員会において報告・審議を行っています。 管理すべきリスク項目・重点管理対象・機会等の見直しは、年度計画編成時以外にも、取締役会での指摘などを踏まえ、必要に応じて随時見直しを行っております。 重要課題主な機会とリスク3[事業等のリスク]記載の関連リスク人権協力会社への業務委託による生産性向上及び専門性の高いノウハウ活用による売上げ増加(機会)(6)協力会社依存に関するリスク人材会社の成長と利益が人材に大きく依存(機会とリスク) (2)技術革新によるリスク(5)人材確保、育成及び労務管理に関するリスク環境気候変動による想定外の事態が発生した場合の業績等への影響(リスク)(12)自然災害等に関するリスクガバナンス実効性のある管理体制を整備することにより業績等への影響を限定(リスク)(3)プロジェクト管理に関するリスク(4)特定顧客依存に関するリスク(7)顧客情報等漏洩のリスク(9)許認可について(10)知的財産権について (4)指標及び目標 当社では、上記「(2)戦略」において記載した、人材の多様性の確保を含む人材の育成に関する方針及び社内環境整備に関する方針について、次の指標を用いております。当該指標に関する目標及び実績は、次のとおりであります。指標目標実績(当事業年度)女性の管理職への登用女性の管理職8名以上(管理職人員の10%以上)1名健康診断再検査受診率70%55.6%ストレスチェック受診率100%100%クラウド関連資格の取得者(Azure関連、AWS関連)55名以上21名 |
戦略 | (2)戦略 経営理念に基づき、当社の持続的成長を図り、社会課題の解決に向けて産業と技術革新の基礎を作り持続可能な社会の実現に貢献します。当該目標に向けて、企業行動規範にサステナビリティに関する重要課題を設定しています。人権 :当社の事業活動に関わる人々の人権を尊重人材 :従業員の力を引き出す、心身の健康と安全に配慮した働きやすい職場環境の実現環境 :組織的な危機管理の対象として適切な対策構築ガバナンス:法令及び社会規範の遵守、情報開示と情報管理、知的財産の保護、組織的な危機管理、実効性のある管理体制の整備 サステナビリティに関する諸課題については、事業上の重要なリスクとして、コンプライアンス・リスク管理委員会における審議項目とし、その検討内容は取締役会へ定期的に報告しております。 ①人材育成方針(人材の多様性の確保を含む人材の育成に関する方針) 当社は、経営理念の一つに「仕事を通じて自己啓発し、人格向上を図ろう」を掲げ、教育投資を強化し、人材の確保・育成を行っております。人材の確保においては、採用選考基準を明確化し、新卒採用、経験者採用を問わず積極的な採用活動を行っています。 教育投資においては、成長戦略の最重要課題と位置付けており、クラウド化技術、AIやロボティクス等のDX関連技術に関する教育プログラムの充実を通じて、戦略事業ドメインに係る技術スキルを維持向上させるための人材を育成しております。 ②社内環境整備方針(社内環境整備に関する方針) 従業員の力を引き出す、心身の健康と安全に配慮した働きやすい職場環境を実現するために、健康経営優良法人の認定を受けるとともに、次のような対応の一層の充実を考えております。(a)健康経営の推進(b)女性のキャリア形成支援(c)仕事と育児の両立支援(d)経験者採用の常時実施 |
指標及び目標 | (4)指標及び目標 当社では、上記「(2)戦略」において記載した、人材の多様性の確保を含む人材の育成に関する方針及び社内環境整備に関する方針について、次の指標を用いております。当該指標に関する目標及び実績は、次のとおりであります。指標目標実績(当事業年度)女性の管理職への登用女性の管理職8名以上(管理職人員の10%以上)1名健康診断再検査受診率70%55.6%ストレスチェック受診率100%100%クラウド関連資格の取得者(Azure関連、AWS関連)55名以上21名 |
人材の育成及び社内環境整備に関する方針、戦略 | ①人材育成方針(人材の多様性の確保を含む人材の育成に関する方針) 当社は、経営理念の一つに「仕事を通じて自己啓発し、人格向上を図ろう」を掲げ、教育投資を強化し、人材の確保・育成を行っております。人材の確保においては、採用選考基準を明確化し、新卒採用、経験者採用を問わず積極的な採用活動を行っています。 教育投資においては、成長戦略の最重要課題と位置付けており、クラウド化技術、AIやロボティクス等のDX関連技術に関する教育プログラムの充実を通じて、戦略事業ドメインに係る技術スキルを維持向上させるための人材を育成しております。 ②社内環境整備方針(社内環境整備に関する方針) 従業員の力を引き出す、心身の健康と安全に配慮した働きやすい職場環境を実現するために、健康経営優良法人の認定を受けるとともに、次のような対応の一層の充実を考えております。(a)健康経営の推進(b)女性のキャリア形成支援(c)仕事と育児の両立支援(d)経験者採用の常時実施 |
人材の育成及び社内環境整備に関する方針に関する指標の内容並びに当該指標を用いた目標及び実績、指標及び目標 | 当社では、上記「(2)戦略」において記載した、人材の多様性の確保を含む人材の育成に関する方針及び社内環境整備に関する方針について、次の指標を用いております。当該指標に関する目標及び実績は、次のとおりであります。指標目標実績(当事業年度)女性の管理職への登用女性の管理職8名以上(管理職人員の10%以上)1名健康診断再検査受診率70%55.6%ストレスチェック受診率100%100%クラウド関連資格の取得者(Azure関連、AWS関連)55名以上21名 |
事業等のリスク | 3【事業等のリスク】 当社の事業その他に関するリスクについて、投資者の判断に影響を及ぼす可能性があると考えられる主なものとしては、以下の内容が挙げられます。また、必ずしもそのようなリスク要因に該当しない事項についても、投資者に対する積極的な情報開示の観点から、以下に開示しております。当社では様々なリスクについて、「顕在化可能性/影響度/発生時期」による重要性を認識した上で、『当社事業をとりまく環境に関するリスク』・『当社事業に関するリスク』・『その他のリスク』にリスク分類しております。なお、本項においては、将来に関する事項が含まれておりますが、当該事項は当事業年度末現在において当社が判断したものであります。 『当社事業をとりまく環境に関するリスク』(1)景気変動によるリスク「顕在化可能性:低/影響度:中/発生時期:特定時期なし」当社が提供するシステムインテグレーションサービスは、景気の影響を受けやすい傾向にあります。経済情勢や景気動向等の理由による、顧客企業におけるシステム投資の縮小や製品開発の遅れ、事業縮小、システム開発の内製化等により、当社が提供するサービスに係る市場規模が縮小される可能性があります。したがって、国内システム投資動向が悪化した場合及び当社の顧客が属する事業分野の市況が悪化した場合等には、既存顧客からの受注の減少や新規顧客開拓の低迷により、当社の業績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。当社は、金融事業・産業流通事業・社会公共事業・ITイノベーション事業の4つのサービスラインを有しており、事業領域を分散しバランスを取ることにより業績の安定化を図っております。 (2)技術革新によるリスク「顕在化可能性:低/影響度:中/発生時期:特定時期なし」当社は、長期的な視点に立って技術革新に対応するため、DX関連事業への投資を行っております。高度な技術に対応できる人材確保や、クラウド関連技術教育への投資を行い確実な競争力を持つべく注力しております。しかし、当社が属する情報サービス産業においては、技術革新が急速に進んでおり、当社が急激な技術変化等の方向性を予測、認識できない場合や、適時適切に対応できない場合及び競合他社に対して技術革新に遅れを取った場合等には、既存顧客からの受注の減少や新規顧客開拓の低迷により、当社の業績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 『当社事業に関するリスク』(3)プロジェクト管理に関するリスク「顕在化可能性:低/影響度:大/発生時期:特定時期なし」システム開発においては、開発規模の「大型化」と顧客の要求の「高度化」、オープン化の進展によるシステムの「複雑化」が進み、開発の難易度がますます増大しております。さらに、顧客に提供するサービスや構築システムは、社会的にも重要性が高く、納期厳守と高い品質の確保が要求されることにより、テスト段階以降のシステムエンジニアの負担が増加するケースが多く、開発時間の超過につながる可能性があります。これに対し、当社では開発推進本部(注)が、商談発生時からプロジェクトの進行監視を通じてリスク管理を行っております。また、請負契約に関しては各工程の成果物について品質管理を行っておりますが、対応の遅れ等による不適合責任が発生した場合には、賠償金の支払いを含めプロジェクトの収支が不採算となるだけでなく、顧客の信頼を失うことでクレームやトラブルに発展し、商流の喪失につながる可能性があり、当社の業績や財政状態に大きな影響を及ぼす可能性があります。(注)開発推進本部は、プロジェクトのリスク管理と品質管理の標準化を推進しております。 (4)特定顧客依存に関するリスク「顕在化可能性:低/影響度:大/発生時期:特定時期なし」当社の売上高比率は、2024年3月期において、取引年数40年以上の大口顧客である株式会社日立製作所が44.4%(日立製作所グループ全体では67.6%)、取引年数30年以上の顧客である三菱電機ソフトウエア株式会社が9.9%となっており、安定的な収益基盤となっております。また、日立製作所グループからは取引安定性確保の観点から、パートナー認定を継続的に得ている状況です。当社は、日立製作所グループ及び三菱電機ソフトウエア株式会社との売上高比率を月次で定量的に管理するとともに、特定顧客以外への営業活動も行い直接取引等の拡大を図ることで、過度な依存とならないように努めてまいります。当社としましては、継続的に大口顧客との良好なパートナーシップ関係の構築に努めてまいりますが、業界環境の大きな変化や営業施策の変更等により、当社の受注が大幅に減少した場合や受注条件が大幅に悪化した場合には、大幅な売上の減少により、当社の業績や財政状態に大きな影響を及ぼす可能性があります。 (5)人材確保、育成及び労務管理に関するリスク「顕在化可能性:低/影響度:中/発生時期:特定時期なし」当社の成長と利益は、人材に大きく依存いたします。人件費高騰が予想される中で、優秀な技術者やシステムエンジニア、管理者等、必要とする人材を厚待遇(給与・休日等)で採用、育成することは当社にとって重要であり、これに対して積極的な新卒採用やキャリア採用の促進を、十分な予算を確保し実施しております。また、従業員の学習意欲に応えるために、当社の教育体系表を用いた階層別、技術ランク別の「技術・ヒューマンスキル研修」及びリスキリングによる「DX技術研修」に教育研修費予算を十分に確保し実施しておりますが、このような人材を採用又は育成することができない場合には、適切な人材配置が困難となり、延いては長時間労働の発生につながると従業員の心身の健康状態が悪くなり、労働災害に至る可能性があります。この対策として、当社では労働時間の把握・管理をシステムによる客観的方法により行っており、加えて健康管理・メンタルヘルス研修等を実施しております。しかし、人材採用及び労務管理に関して、適時適切に対応できなかった場合には、事業拡大に制約が発生するなどにより、当社の業績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (6)協力会社依存に関するリスク「顕在化可能性:低/影響度:中/発生時期:特定時期なし」当社は業務上必要に応じて、生産性向上及び専門性の高いノウハウ活用等のため、情報システムの構築に関する業務を協力会社(外注先)に委託しております。協力会社への委託は、顧客要請への迅速な対応を実現し、受注の機会損失を防ぐことを目的としており、当社の受注拡大には協力会社の確保及び良好な取引関係の維持が必要不可欠であります。協力会社との関係をより確実なものにするために、当社の外注管理規程による新規協力会社選定、継続評価等の各施策を実施しておりますが、2024年3月期における当社の製造費用に占める外注費の割合は44.5%となっており、外注費高騰等により協力会社から役務の提供を十分に受けることができない場合、当社の業績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (7)顧客情報等漏洩のリスク「顕在化可能性:低/影響度:中/発生時期:特定時期なし」当社は、顧客の情報システムの構築、保守並びに運用に当たり、個人や顧客情報を含んだ情報資産を取り扱っております。当社では、このような情報資産の漏洩、紛失、破壊のリスクを回避するために、様々な対策を講じております。情報セキュリティマネジメントシステム(ISMS)認証取得やプライバシーマーク認証取得はもとより、各部門担当者と管理者から選出された委員で構成する「情報セキュリティ委員会」を設置し、従業員教育、各種ソフトウェアの監視、情報資産へのアクセス証跡の記録等各種の情報セキュリティ対策を講じ、個人情報を含む重要な情報資産の管理を実施し、情報漏洩のリスクの回避を図っております。しかし、万が一にも、コンピュータウイルスをはじめとしたサイバー攻撃や、人為的過失等により情報の漏洩が発生した場合には、顧客からの損害賠償請求や当社の信用失墜・損害賠償請求の発生等により、当社の業績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (8)業績の季節変動「顕在化可能性:低/影響度:小/発生時期:第2四半期、第4四半期」当社が提供するシステムインテグレーションサービスは、顧客である国内ITメーカ及び元請システムインテグレーターやエンドユーザのシステム投資予算の対象となり、顧客企業の予算執行のタイミングや開発システム工期との兼ね合いから、第2四半期会計期間及び第4四半期会計期間に売上計上が集中する傾向があり、営業利益もこの期間に偏重する傾向があります。 前事業年度(自 2022年4月1日・至 2023年3月31日) 上半期 下半期通期第1四半期第2四半期第3四半期第4四半期売上高(千円)1,449,7141,568,9613,018,6751,522,3351,622,8253,145,1606,163,836構成比23.5%25.5%49.0%24.7%26.3%51.0%100.0%営業利益(千円)61,115152,673213,789148,562139,800288,363502,153構成比12.2%30.4%42.6%29.6%27.8%57.4%100.0% 当事業年度(自 2023年4月1日・至 2024年3月31日) 上半期 下半期通期第1四半期第2四半期第3四半期第4四半期売上高(千円)1,558,7581,711,0313,269,7891,751,0001,876,0403,627,0406,896,830構成比22.6%24.8%47.4%25.4%27.2%52.6%100.0%営業利益(千円)77,397164,271241,669188,757160,767349,525591,194構成比13.1%27.8%40.9%31.9%27.2%59.1%100.0% (9)許認可について「顕在化可能性:低/影響度:中/発生時期:特定時期なし」当社は、顧客先に社員を派遣してシステム開発等を行う場合があるため、労働者派遣事業者として厚生労働大臣の許可等を受け事業を行っております。当社の許可・届出状況については以下のとおりであります。取得・登録者名許可名称及び所管官庁許可番号取得年月有効期限当社労働者派遣事業許可厚生労働省派27-302462平成29年3月1日令和7年2月28日当社は、労働者派遣法の遵守に努めており、事業活動に支障をきたす要因は発生しておりません。しかし、労働者派遣法に定める派遣元事業主としての欠格事由に該当したり、法的規制の変更に当社が的確に対応できなかった等により関係法令に違反があった場合には、当該許可等の取消し又は事業の停止を命じられること等により、当社の事業活動に支障をきたすとともに当社の業績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (10)知的財産権について「顕在化可能性:低/影響度:大/発生時期:特定時期なし」当社が行うシステム開発等において、当社の認識の範囲外で他社の所有する著作権及び特許権を侵害する可能性があります。このように、第三者の知的財産権を侵害してしまった場合には、多額の費用負担が生じたり、損害賠償請求を受ける等、当社の業績や財政状態に大きな影響を及ぼす可能性があります。当社では、システム開発等において、他社の所有する著作権や特許権を侵害しないように、「知的財産に関する教育研修規程」に基づき、従業員全員に知的財産保護に関する指導や教育の実施を行うとともに、「コンプライアンス・リスク管理委員会」においても該当する事案がないか常に注意を払い、全社的な取組みを推進しております。 『その他のリスク』(11)大株主に関するリスク「顕在化可能性:低/影響度:中/発生時期:特定時期なし」株式会社オービック(以下「同社」という。)は、本書提出日現在、当社の発行済株式総数の27.88%を保有しており、当社は同社の持分法適用会社であり、同社は当社の「その他の関係会社」であります。現在は同社との取引は一切ありませんが、将来は当社の取引先を通じて競合する可能性があります。ただし、同社はシステム開発について内製化の方針(自前主義)を有していることから、重大な競合関係が生じる可能性は低いと考えております。当社の監査役である阿南友則は、同社の執行役員経営企画室長兼経理本部長でかつ、同社の複数ある子会社の監査役を兼務しております。当社と兼任が生じている理由は、当社はシステムインテグレーターであり、システムインテグレーション事業を長年営んできた同社における経営にかかる知見を、監査役として当社の経営体制強化に活かすことを目的としているためです。同社は、今後も引き続き大株主であり、その結果当社の取締役の選任・解任などの株主総会決議事項の決定に影響を与える可能性があります。しかし、同社との間に事前承認事項はなく、当社として独自に意思決定を行っております。役員指名につきましては、社外役員を過半数とする指名報酬委員会を設置し客観性と合理性を高めており、将来の役員兼任の必要性につきましてもその都度検討を行う方針です。このように、同社との相互の独立性は引き続き十分確保しておく方針です。今後、同社の経営方針に変更があり、当社議決権の保有比率に大きな変更があった場合には、当社の事業運営に影響を及ぼす可能性があります。また、当社創業者であり、大株主(本書提出日現在、当社の発行済株式総数の31.90%を保有)でもある当社相談役の山田孝は、今後も持株については安定保有の方針ですが、同氏の株式保有方針に変更があり、当社議決権の保有比率に大きな変更があった場合には、当社の事業運営に影響を及ぼす可能性があります。 (12)自然災害等に関するリスク「顕在化可能性:低/影響度:中/発生時期:特定時期なし」台風、地震、集中豪雨等の自然災害や異常気象によるリスクは年々高まってきております。当社において、直接的な被害の発生や通信障害等による情報システムの深刻なトラブルの発生等により、外的な脅威が顕在化した際には、事務所・オフィスの確保、要員の確保、安全の確保等の観点から事業の継続に支障をきたす可能性があります。当社は自然災害等に備え、事業継続のためのインフラ・人員計画や対応策の優先順位について整備する等、自然災害の発生等を想定した緊急事態発生時対応体制の整備を実施しておりますが、想定外の事態が発生した場合には、当社の業績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 |
経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 | 4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】 (1)経営成績等の状況の概要当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。 ① 財政状態及び経営成績の状況a.財政状態の状況(資産)当事業年度末における流動資産は4,121,025千円となり、前事業年度末に比べ281,904千円減少いたしました。これは主に売掛金が160,074千円増加した一方、現金及び預金が483,590千円減少したことによるものであります。固定資産は1,757,916千円となり、前事業年度末に比べ941,653千円増加いたしました。これは主に満期保有目的の債券の購入(600,000千円)や時価の変動により投資有価証券が1,067,705千円増加した一方、繰延税金資産が173,503千円減少したことによるものであります。 (負債)当事業年度末における流動負債は939,909千円となり、前事業年度末に比べ307,326千円減少いたしました。これは主に買掛金が55,633千円、人件費関連の引当金(賞与引当金及び役員賞与引当金)が56,435千円増加した一方、未払金が483,090千円減少したことによるものであります。固定負債は227,390千円となり、前事業年度末に比べ84,741千円増加いたしました。これは主に繰延税金負債が112,210千円増加したことによるものであります。 (純資産)当事業年度末における純資産合計は4,711,642千円となり、前事業年度末に比べ882,334千円増加いたしました。これは主に東京証券取引所スタンダード市場への上場に伴う増資及び自己株式の処分並びにオーバーアロットメントに係る新株発行によって資本金が115,630千円、資本剰余金が282,682千円増加したこと、また、その他有価証券評価差額金が324,681千円、利益剰余金が266,719千円増加したことによるものであります。 b.経営成績の状況当事業年度における国内経済は、コロナ禍から経済社会活動の正常化が進み、東欧・ロシアや中東地域をめぐる情勢の不安、国内における円安によるコスト負担増加や能登半島地震等の自然災害の影響はあったものの、インバウンド消費の拡大や大手企業を中心とした賃上げをはじめとした雇用、所得環境の改善により、引き続き回復傾向がみられました。当社が属する情報サービス業界におきましては、DX(デジタルトランスフォーメーション)の実現に向けた企業の旺盛なIT投資による需要拡大が続いております。また、供給面では、システムエンジニア等のIT関連の人材不足は続いており、需給ギャップの拡大に伴い、システムソフトウェアの開発単価の上昇も続いております。このような需要拡大と単価上昇を受け、足元の国内情報サービス市場は過去最高水準を更新するとともに、中長期的においても市場規模の拡大が期待されております。こうした環境のもと、当社はクラウド、ビッグデータなどのDX関連事業、AIの活用を成長の柱とする中期経営計画を推進しており、当事業年度においては、不足する人材を確保するためリファラル採用等、経験者採用へのアプローチを積極的に実施してきました。また、DX人材の教育育成にも力を入れ、早期に戦力化することに全力をあげております。また、既存顧客とのパートナーシップの強化による当社事業領域の拡大及び顧客満足度の向上に努め、DX関連分野をはじめとする新分野に係る案件獲得に努めてまいりました。 この結果、当事業年度の業績は、売上高6,896,830千円(前年同期比11.9%増)、営業利益591,194千円(前年同期比17.7%増)、経常利益632,479千円(前年同期比22.2%増)、当期純利益441,579千円(前年同期比11.2%減)となりました。 当社事業は、システムインテグレーションサービス事業の単一セグメントでありますが、事業戦略上、事業領域を「金融事業」、「産業流通事業」、「社会公共事業」、「ITイノベーション事業」の4つのサービスラインに区分しております。 当社のサービスライン別の業績を示すと、次のとおりであります。 前事業年度(自 2022年4月1日至 2023年3月31日)当事業年度(自 2023年4月1日至 2024年3月31日)前年同期比(%)売上高 (千円)6,163,8366,896,830111.9 金融事業(千円)2,469,7052,726,279110.4産業流通事業(千円)1,757,1231,898,927108.1社会公共事業(千円)1,449,1001,684,978116.3ITイノベーション事業(千円)487,906586,645120.2営業利益(千円)502,153591,194117.7経常利益(千円)517,413632,479122.2当期純利益(千円)497,479441,57988.8 (a) 金融事業金融事業は、地銀・都銀、保険、証券、クレジットの各分野のソフトウェア設計開発及び運用保守を中心に事業を展開しております。注力している生損保関連分野において、大型マイグレーション案件の受注が順調に拡大できたこと、及び、地銀・都銀、証券分野においても中型案件の受注拡大、新規案件の獲得ができたことにより堅調に推移いたしました。この結果、売上高は2,726,279千円(前年同期比10.4%増)となっております。(b) 産業流通事業産業流通事業は、産業流通、マイコン、医療の各分野のソフトウェア設計開発及び運用保守を中心に事業を展開しております。主力である産業流通分野につきましては、流通システム案件、医薬システム案件を中心に継続して堅調に推移いたしました。また、医療分野におきましては下半期に複数の大規模案件が受注できたことにより大きく伸長いたしました。一方、マイコン分野におきましては、開発の延期、縮小の影響が残っているものの、家電案件、車載案件を中心に引き合いは活発になってきており、回復の途上ではありますが、その手応えを感じております。この結果、売上高は1,898,927千円(前年同期比8.1%増)となっております。(c) 社会公共事業社会公共事業は、電力ICT分野、社会インフラ分野、メディア情報分野、公共分野、文教・教育系分野のソフトウェア設計開発及び運用保守を中心に事業を展開しております。主力である電力ICT分野、メディア情報分野につきましては堅調に推移しております。また、公共分野においても自治体及び独立行政法人向けの案件は堅調に推移しており、下半期は上半期に比し、受注も増加傾向になってきております。なお、自治体標準化、ガバメントクラウド案件は本格始動を前に準備段階であり、緩やかな立ち上がりとなっております。この結果、売上高は1,684,978千円(前年同期比16.3%増)となっております。(d) ITイノベーション事業ITイノベーション事業は、システム全体を支えるフロントシステムエンジニアとして、受託開発、運用保守を中心に事業を展開しております。金融機関における自社運用のサーバから仮想サーバ、クラウドサーバへの移行ニーズを計画通り受注拡大に結び付けることができました。また、クラウドを中心とした案件の獲得に注力した結果、継続して案件を受注できたことにより業績は堅調に推移いたしました。この結果、売上高は586,645千円(前年同期比20.2%増)となっております。 ② キャッシュ・フローの状況当事業年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前事業年度末に比べ116,409千円増加し、2,205,544千円となりました。当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。 (営業活動によるキャッシュ・フロー)営業活動の結果得られた資金は30,973千円(前事業年度は305,821千円の収入)となりました。これは主に、税引前当期純利益が632,479千円、未払金の減少額が493,236千円、売上債権の増加額が161,319千円、仕入債務の増加額が55,633千円によるものであります。 (投資活動によるキャッシュ・フロー)投資活動の結果支出した資金は7,245千円(前事業年度は18,112千円の支出)となりました。これは主に、定期預金の預入及び払戻による収入(純額)が600,000千円、投資有価証券の取得による支出が600,000千円、固定資産の取得による支出が6,340千円によるものであります。 (財務活動によるキャッシュ・フロー)財務活動の結果得られた資金は92,681千円(前事業年度は106,850千円の支出)となりました。これは主に、株式の発行による収入が231,260千円、自己株式の売却による収入が224,967千円、自己株式の取得による支出が165,295千円、配当金の支払額が174,764千円によるものであります。 ③ 生産、受注及び販売の実績a.生産実績当事業年度の生産実績をサービスラインごとに示すと、次のとおりであります。サービスライン名称当事業年度(自 2023年4月1日至 2024年3月31日)前年同期比(%)金融事業(千円)2,260,674107.8産業流通事業(千円)1,577,564106.4社会公共事業(千円)1,314,985116.3ITイノベーション事業(千円)494,285121.1合計(千円)5,647,510110.4(注)金額は製造費用によっております。なお、サービスラインに共通して発生する品質管理等費用(29,306千円)は上記には含めておりません。 b.受注実績当事業年度の受注実績をサービスラインごとに示すと、次のとおりであります。サービスライン名称当事業年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)受注高(千円)前年同期比(%)受注残高(千円)前年同期比(%)金融事業2,827,674111.5652,381118.4産業流通事業1,932,255106.7374,301109.8社会公共事業1,678,628107.5300,20197.9ITイノベーション事業595,430119.0127,928107.4合計7,033,988109.71,454,813110.4(注)金額は販売価格で表示しております。 c.販売実績当事業年度の販売実績をサービスラインごとに示すと、次のとおりであります。サービスライン名称当事業年度(自 2023年4月1日至 2024年3月31日)前年同期比(%)金融事業(千円)2,726,279110.4産業流通事業(千円)1,898,927108.1社会公共事業(千円)1,684,978116.3ITイノベーション事業(千円)586,645120.2合計(千円)6,896,830111.9(注)1.金額は販売価格で表示しております。2.主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合は次のとおりであります。相手先前事業年度(自 2022年4月1日至 2023年3月31日)当事業年度(自 2023年4月1日至 2024年3月31日)金額(千円)割合(%)金額(千円)割合(%)株式会社日立製作所2,755,93244.73,061,87244.4 (2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。 ① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容a.財政状態の状況当事業年度末における総資産は5,878,942千円となり、前事業年度末と比較して659,749千円の増加となりました。また、当事業年度末における自己資本は4,711,642千円となり、前事業年度末と比較して882,334千円の増加となりました。以上の結果から、当事業年度末における自己資本比率は80.1%(前事業年度末は73.4%)となり前年同期比で6.7ポイント上昇いたしました。 b.経営成績の状況(売上高、売上原価及び売上総利益)当事業年度の売上高は6,896,830千円であり、前事業年度より732,994千円増加(11.9%増)いたしました。主な要因としては、企業の旺盛なIT投資による需要拡大によるものであります。また、売上原価は5,683,586千円となり、前事業年度より552,032千円増加(10.8%増)となりました。これにより、売上総利益につきましては、前事業年度より180,961千円増加(17.5%増)の1,213,243千円となっております。当事業年度におけるサービスライン別の経営成績(売上高)の状況に関する認識及び分析は、4[経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析](1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況 b.経営成績の状況 の項目をご参照ください。 (販売費及び一般管理費並びに営業利益)当事業年度の販売費及び一般管理費は622,048千円であり、前事業年度より91,919千円増加(17.3%増)いたしました。主な要因は、外形標準課税の適用により租税公課が38,720千円、人員増加に伴い給料及び手当が31,823千円増加したことによるものであります。その結果、営業利益は591,194千円となり、前事業年度より89,041千円増加(17.7%増)いたしました。 (営業外損益及び経常利益)当事業年度の営業外収益は64,937千円となり、前事業年度より46,677千円増加(255.6%増)いたしました。これは主として保険解約返戻金44,431千円の計上によるものであります。また、当事業年度の営業外費用は23,652千円であり、前事業年度より20,652千円増加いたしました。これは主として上場関連費用が20,487千円増加したことによるものであります。その結果、経常利益は632,479千円となり、前事業年度より115,066千円増加(22.2%増)いたしました。 (当期純利益)当事業年度の法人税等合計は190,900千円となり、前事業年度より170,966千円増加(857.7%増)いたしました。主な要因としては、前事業年度においてスケジューリング可能となった長期未払金に係る繰延税金資産の計上(152,900千円)に伴う法人税等調整額の減少が生じたことによるものであります。以上の結果より、当期純利益は441,579千円となり、前事業年度より55,900千円減少(11.2%減)いたしました。 ② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報(キャッシュ・フローの状況の分析・検討)当事業年度におけるキャッシュ・フローの状況の分析につきましては、4[経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析](1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況の項目をご参照ください。当事業年度においては、未払金の減少により営業活動によるキャッシュ・フローは減少したものの、財務活動で獲得した資金と合わせ、投資活動により使用した資金を賄えており、財務健全性を維持できているものと判断しております。 (資本の財源及び資金の流動性)当社の主な資金需要は、労務費、外注費、事務所の賃借料並びに経費等の支払いを目的とした運転資金となります。これらの資金需要につきましては、営業活動によるキャッシュ・フローや自己資金で賄うことを基本としております。また、財務資本提携等に関連する必要な資金需要に対しては、財務健全性を勘案しながら金融機関からの借入等も含め、柔軟な資金調達を行ってまいります。なお、当事業年度末現在、当社は通常の営業上の運転資金に対して十分な規模の現金及び現金同等物を保有しており、資金の流動性は十分に確保されているものと判断しております。 ③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定当社の財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。重要な会計方針については、「第5 経理の状況 1 財務諸表等 注記事項(重要な会計方針)」に記載されているとおりであります。この財務諸表の作成に当たっては、会計上の見積りを行う必要があり、特に以下の事項は、経営者の会計上の見積りの判断が財政状態及び経営成績に重要な影響を及ぼすと考えております。 (繰延税金資産)当社は、一時差異等のスケジューリングの結果、回収可能性があると判断した将来減算一時差異について繰延税金資産を計上しております。しかしながら、繰延税金資産の回収可能性は将来の課税所得水準の見積りに依存するため、結果として将来の繰延税金資産の計上額が変動し、税金費用に影響を与える可能性があります。 (受託開発のソフトウェアに係る収益及び費用の計上基準)当社は、受託開発のソフトウェアに係る収益について、原則として、履行義務の充足に係る進捗度を合理的に見積ることができる場合に、その進捗を、発生したコストに基づくインプット法(原価比例法)により見積って収益を認識しております。収益総額、見積原価総額及び決算日における進捗度について、最新の情報を使用しておりますが、作業内容及び工数等に不確実性を伴う要素が含まれるため、認識された損益に影響を及ぼす可能性があります。 (受注損失引当金)当社は、受注契約に係る将来の損失に備えるため、当事業年度末において損失の発生可能性が高く、かつ、その金額を合理的に見積ることができる開発案件について、翌事業年度以降に発生が見込まれる損失を引当計上しております。損失見込額は最新の情報を使用して算定しておりますが、予見不能な事象の発生や作業内容及び工数等に不確実性を伴う要素が含まれるため、見積りと実績に差異が生じる可能性があります。なお、当事業年度末におきましては、計上はありません。 (プログラム保証引当金)当社は、販売済ソフトウェアの保証期間中における補修費に備えるため、過去の実績に基づく補修見込額及び個別案件に対する補修見込額を引当計上しております。補修見込額は最新の情報を使用して算定しておりますが、予見不能な事象の発生や作業内容及び工数等に不確実性を伴う要素が含まれるため、見積りと実績に差異が生じる可能性があります。 |
経営上の重要な契約等 | 5【経営上の重要な契約等】 当社は、2024年3月15日開催の取締役会において、株式会社ヒューマン&テクノロジーの株式を取得し完全子会社化することについて決議いたしました。また、同日付で株式譲渡契約を締結し、2024年4月1日付で株式を取得いたしました。詳細は、「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項(重要な後発事象)」に記載のとおりであります。 |
研究開発活動 | 6【研究開発活動】 当社の研究開発活動は、新技術の研究・開発を探求するとともに、新しいビジネスを展開するための新製品を開発することを主目的として取組んでおります。産業流通事業サービスラインの医療分野において、6~10年周期で「販売目的製品の研究開発」を行っておりますが、当事業年度は該当ありません。 |
設備投資等の概要 | 1【設備投資等の概要】 当事業年度における設備投資額は総額16,485千円となりました。内容としては主として、LAN設備の増設10,174千円、パソコンの購入4,886千円であります。また、当事業年度において重要な設備の除却、売却等はありません。 なお、当社はシステムインテグレーションサービス事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。 |
主要な設備の状況 | 2【主要な設備の状況】 当社の主要な設備は、以下のとおりであります。なお、当社はシステムインテグレーションサービス事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。2024年3月31日現在 事業所名(所在地)設備の内容帳簿価額従業員数(人)建物(千円)工具、器具及び備品(千円)ソフトウエア(千円)合計(千円)大阪本社(大阪市中央区)事務所設備1,64817,0508,75327,453242(61)東京本社(東京都品川区)事務所設備1,0543,430484,534184(67)中部支店(名古屋市中区)事務所設備869180-1,05022(-) (注)1.事務所は全て賃借しており、年間の賃借料は52,497千円であります。2.従業員数の( )は、臨時雇用者数を外書しております。 |
設備の新設、除却等の計画 | 3【設備の新設、除却等の計画】 (1)重要な設備の新設 該当事項はありません。 (2)重要な設備の除去等 該当事項はありません。 |
設備投資額、設備投資等の概要 | 16,485,000 |
Employees
平均年齢(年)、提出会社の状況、従業員の状況 | 40 |
平均勤続年数(年)、提出会社の状況、従業員の状況 | 15 |
平均年間給与、提出会社の状況、従業員の状況 | 5,708,000 |
全労働者、労働者の男女の賃金の差異、提出会社の指標 | 1 |
正規雇用労働者、労働者の男女の賃金の差異、提出会社の指標 | 1 |
非正規雇用労働者、労働者の男女の賃金の差異、提出会社の指標 | 1 |
Investment
株式の保有状況 | (5)【株式の保有状況】 ① 投資株式の区分の基準及び考え方投資株式のうち、保有することに事業戦略上の意義が認められるものについて、保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式として区分しております。 ② 保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式a.保有方針及び保有の合理性を検証する方法並びに個別銘柄の保有の適否に関する取締役会等における検証の内容当社は純投資目的で株式を保有しておらず、取引・協業関係の維持・強化等、純投資以外の経営戦略上重要な目的を併せ持つ政策保有株式のみ保有しております。当社は持続的な成長と中長期的な企業価値向上のため、業務上の提携など事業戦略の一環として、また、取引の維持・強化のために必要と判断する企業の株式のみ保有する方針です。政策投資を目的として保有する全ての投資株式について、中長期的な視点から成長性、収益性、取引関係強化等の観点から、保有の合理性を検証しております。個別の政策保有株式については、取締役会において上記の保有の合理性等を踏まえ、当社の持続的な成長と中長期的な企業価値向上に資するかどうかの検証を行い、政策保有の意義、中長期的な経済的合理性等を勘案して、保有継続の適否に関し判断を行っております。 b.銘柄数及び貸借対照表計上額 銘柄数(銘柄)貸借対照表計上額の合計額(千円)非上場株式--非上場株式以外の株式1977,521 (当事業年度において株式数が増加した銘柄) 銘柄数(銘柄)株式数の増加に係る取得価額の合計額(千円)株式数の増加の理由非上場株式---非上場株式以外の株式--- (当事業年度において株式数が減少した銘柄) 銘柄数(銘柄)株式数の減少に係る売却価額の合計額(千円)非上場株式--非上場株式以外の株式-- c.特定投資株式及びみなし保有株式の銘柄ごとの株式数、貸借対照表計上額等に関する情報特定投資株式銘柄当事業年度前事業年度保有目的、業務提携等の概要、定量的な保有効果及び株式数が増加した理由当社の株式の保有の有無株式数(株)株式数(株)貸借対照表計上額(千円)貸借対照表計上額(千円)株式会社日立製作所70,30070,300同社の主要なパートナー企業として取引関係維持・強化のためサンライズ・ファンド(同社の取引先持株会)の会員として保有しておりました(サンライズ・ファンドは2020年12月に解散したため、当社も同会を退会いたしました。)。定量的な保有効果の記載は困難であります。同社と中長期的に取引関係を維持・強化を図る上で、株式を保有する必要性が乏しくなってきていることに鑑み、当事業年度において保有株数の縮減を取締役会で決議しております。なお、当事業年度の受取配当金額は10,896千円であります。無977,521509,815 みなし保有株式該当事項はありません。 ③ 保有目的が純投資目的である投資株式該当事項はありません。 ④ 当事業年度中に投資株式の保有目的を純投資目的から純投資目的以外の目的に変更したもの該当事項はありません。 ⑤ 当事業年度中に投資株式の保有目的を純投資目的以外の目的から純投資目的に変更したもの該当事項はありません。 |
銘柄数、非上場株式以外の株式、保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式、提出会社 | 1 |
貸借対照表計上額、非上場株式以外の株式、保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式、提出会社 | 977,521,000 |
株式数、保有目的が純投資目的以外の目的である特定投資株式の明細、提出会社 | 70,300 |
貸借対照表計上額、保有目的が純投資目的以外の目的である特定投資株式の明細、提出会社 | 977,521,000 |
銘柄、保有目的が純投資目的以外の目的である特定投資株式の明細、提出会社 | 株式会社日立製作所 |
保有目的、業務提携等の概要、定量的な保有効果及び株式数が増加した理由、保有目的が純投資目的以外の目的である特定投資株式の明細、提出会社 | 同社の主要なパートナー企業として取引関係維持・強化のためサンライズ・ファンド(同社の取引先持株会)の会員として保有しておりました(サンライズ・ファンドは2020年12月に解散したため、当社も同会を退会いたしました。)。定量的な保有効果の記載は困難であります。同社と中長期的に取引関係を維持・強化を図る上で、株式を保有する必要性が乏しくなってきていることに鑑み、当事業年度において保有株数の縮減を取締役会で決議しております。なお、当事業年度の受取配当金額は10,896千円であります。 |
当該株式の発行者による提出会社の株式の保有の有無、保有目的が純投資目的以外の目的である特定投資株式の明細、提出会社 | 無 |
Shareholders
大株主の状況 | (6)【大株主の状況】 2024年3月31日現在 氏名又は名称住所所有株式数(株)発行済株式(自己株式を除く。)の総数に対する所有株式数の割合(%) 山田 孝大阪市北区755,00032.80 株式会社オービック東京都中央区京橋二丁目4番15号660,00028.67 オービーシステム従業員持株会大阪市中央区平野町二丁目3番7号130,0005.65 auカブコム証券株式会社東京都千代田区霞が関三丁目2番5号52,3002.27 西村 正巳滋賀県彦根市48,2062.09 豊田 利雄東京都世田谷区30,0001.30 小島 一翁横浜市泉区30,0001.30 光通信株式会社東京都豊島区西池袋一丁目4番10号29,5001.28 株式会社SBI証券東京都港区六本木一丁目6番1号24,6001.07 峰尾 欽士大阪府大阪狭山市20,0000.87計-1,779,60677.31 |
株主数-金融機関 | 1 |
株主数-金融商品取引業者 | 18 |
株主数-外国法人等-個人 | 2 |
株主数-外国法人等-個人以外 | 16 |
株主数-個人その他 | 1,199 |
株主数-その他の法人 | 18 |
株主数-計 | 1,254 |
氏名又は名称、大株主の状況 | 峰尾 欽士 |
株主総会決議による取得の状況 | (1)【株主総会決議による取得の状況】 該当事項はありません。 |
株主総会決議又は取締役会決議に基づかないものの内容 | (3)【株主総会決議又は取締役会決議に基づかないものの内容】 該当事項はありません。 |
Shareholders2
自己株式の取得 | -165,295,000 |
自己株式の取得による支出、財務活動によるキャッシュ・フロー | -165,295,000 |
発行済株式及び自己株式に関する注記 | 1.発行済株式の種類及び総数並びに自己株式の種類及び株式数に関する事項 当事業年度期首株式数(株)当事業年度増加株式数(株)当事業年度減少株式数(株)当事業年度末株式数(株)発行済株式 普通株式(注)1.2,220,000147,000-2,367,000合計2,220,000147,000-2,367,000自己株式 普通株式(注)2.3.143,00065,000143,00065,000合計143,00065,000143,00065,000(注)1.普通株式の発行済株式総数の増加147,000株は、公募増資による新株の発行による増加57,000株、第三者割当増資による新株の発行による増加90,000株であります。2.普通株式の自己株式の増加65,000株は、取締役会の決議に基づく自己株式の取得による増加であります。3.普通株式の自己株式の減少143,000株は、公募による自己株式の処分による減少であります。 |
Audit1
監査法人1、個別 | 東陽監査法人 |
独立監査人の報告書、個別 | 独立監査人の監査報告書 2024年6月21日株式会社オービーシステム 取締役会 御中 東陽監査法人 大阪事務所 指定社員業務執行社員 公認会計士川越 宗一 指定社員業務執行社員 公認会計士玉田 優樹 <財務諸表監査>監査意見 当監査法人は、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づく監査証明を行うため、「経理の状況」に掲げられている株式会社オービーシステムの2023年4月1日から2024年3月31日までの第52期事業年度の財務諸表、すなわち、貸借対照表、損益計算書、株主資本等変動計算書、キャッシュ・フロー計算書、重要な会計方針、その他の注記及び附属明細表について監査を行った。 当監査法人は、上記の財務諸表が、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して、株式会社オービーシステムの2024年3月31日現在の財政状態並びに同日をもって終了する事業年度の経営成績及びキャッシュ・フローの状況を、全ての重要な点において適正に表示しているものと認める。 監査意見の根拠 当監査法人は、我が国において一般に公正妥当と認められる監査の基準に準拠して監査を行った。監査の基準における当監査法人の責任は、「財務諸表監査における監査人の責任」に記載されている。当監査法人は、我が国における職業倫理に関する規定に従って、会社から独立しており、また、監査人としてのその他の倫理上の責任を果たしている。当監査法人は、意見表明の基礎となる十分かつ適切な監査証拠を入手したと判断している。 監査上の主要な検討事項監査上の主要な検討事項とは、当事業年度の財務諸表の監査において、監査人が職業的専門家として特に重要であると判断した事項である。監査上の主要な検討事項は、財務諸表全体に対する監査の実施過程及び監査意見の形成において対応した事項であり、当監査法人は、当該事項に対して個別に意見を表明するものではない。 ソフトウェア開発売上高に係る期間帰属の適切性監査上の主要な検討事項の内容及び決定理由監査上の対応 会社は、システムインテグレーション事業を行っている。そのうち、ソフトウェアの開発・保守に係る売上高は(収益認識関係)1.顧客との契約から生じる収益を分解した情報に記載されているとおり、6,745,729千円と売上高の大半を占めている。ソフトウェアの開発において会社は、取引開始日から完全に履行義務を充足すると見込まれる時点までの期間がごく短い契約等は、完全に履行義務を充足した(顧客からの検収を受けた)時点で収益を認識している。 検収時点で売上計上するソフトウェアの開発契約においては、個別受注契約であることから、作業の進捗や追加作業の発生などにより検収時期が当初の予定より前後する場合がある。 また、会社の売上は、顧客のシステム投資予算執行のタイミングから第2四半期と第4四半期にその完了時期が集中し、特に第4四半期のうち3月に集中する。 ソフトウェアは無形資産であるため、その性質上、製品・サービスの内容や顧客が便益を享受した時期・検収時期が不明瞭となる可能性がある。 売上が適切な時期に計上されなかった場合には、財務報告に重要な影響を及ぼす可能性があるため、売上高の期間帰属の適切性について、より慎重な監査上の検討を行う必要がある。 以上により、当監査法人は、ソフトウェア開発に係る売上計上の期間帰属について、監査上の主要な検討事項に該当するものと判断した。 当監査法人は、売上計上の期間帰属の適切性を検討するに当たり、主として以下の監査手続を実施した。 ・売上計上の期間帰属の適切性を確保する内部統制の整備及び運用状況の検証を実施した。特に、顧客から受領した検収書に基づく売上計上に関する社内確認・承認に関する内部統制を検討した。 ・期末日付近に計上された売上取引のうち、重要な取引について、契約書、検収書、作業時間集計表等の関連する証憑の閲覧により、顧客の検収時期に対応した売上計上の適切性を検討した。 ・重要な取引に係る原価率について、事業部の平均原価率と比較分析を行い、異常性の有無について評価を実施した。 ・売上債権に対する残高確認を行い、会社の売上に基づく債権額と顧客の検収に基づく債務額に不合理な差異がないか検討した。 その他の記載内容 その他の記載内容は、有価証券報告書に含まれる情報のうち、財務諸表及びその監査報告書以外の情報である。経営者の責任は、その他の記載内容を作成し開示することにある。また、監査役及び監査役会の責任は、その他の記載内容の報告プロセスの整備及び運用における取締役の職務の執行を監視することにある。 当監査法人の財務諸表に対する監査意見の対象にはその他の記載内容は含まれておらず、当監査法人はその他の記載内容に対して意見を表明するものではない。 財務諸表監査における当監査法人の責任は、その他の記載内容を通読し、通読の過程において、その他の記載内容と財務諸表又は当監査法人が監査の過程で得た知識との間に重要な相違があるかどうか検討すること、また、そのような重要な相違以外にその他の記載内容に重要な誤りの兆候があるかどうか注意を払うことにある。 当監査法人は、実施した作業に基づき、その他の記載内容に重要な誤りがあると判断した場合には、その事実を報告することが求められている。 その他の記載内容に関して、当監査法人が報告すべき事項はない。 財務諸表に対する経営者並びに監査役及び監査役会の責任 経営者の責任は、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して財務諸表を作成し適正に表示することにある。これには、不正又は誤謬による重要な虚偽表示のない財務諸表を作成し適正に表示するために経営者が必要と判断した内部統制を整備及び運用することが含まれる。 財務諸表を作成するに当たり、経営者は、継続企業の前提に基づき財務諸表を作成することが適切であるかどうかを評価し、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づいて継続企業に関する事項を開示する必要がある場合には当該事項を開示する責任がある。 監査役及び監査役会の責任は、財務報告プロセスの整備及び運用における取締役の職務の執行を監視することにある。 財務諸表監査における監査人の責任 監査人の責任は、監査人が実施した監査に基づいて、全体としての財務諸表に不正又は誤謬による重要な虚偽表示がないかどうかについて合理的な保証を得て、監査報告書において独立の立場から財務諸表に対する意見を表明することにある。虚偽表示は、不正又は誤謬により発生する可能性があり、個別に又は集計すると、財務諸表の利用者の意思決定に影響を与えると合理的に見込まれる場合に、重要性があると判断される。 監査人は、我が国において一般に公正妥当と認められる監査の基準に従って、監査の過程を通じて、職業的専門家としての判断を行い、職業的懐疑心を保持して以下を実施する。・ 不正又は誤謬による重要な虚偽表示リスクを識別し、評価する。また、重要な虚偽表示リスクに対応した監査手続を立案し、実施する。監査手続の選択及び適用は監査人の判断による。さらに、意見表明の基礎となる十分かつ適切な監査証拠を入手する。・ 財務諸表監査の目的は、内部統制の有効性について意見表明するためのものではないが、監査人は、リスク評価の実施に際して、状況に応じた適切な監査手続を立案するために、監査に関連する内部統制を検討する。・ 経営者が採用した会計方針及びその適用方法の適切性、並びに経営者によって行われた会計上の見積りの合理性及び関連する注記事項の妥当性を評価する。・ 経営者が継続企業を前提として財務諸表を作成することが適切であるかどうか、また、入手した監査証拠に基づき、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況に関して重要な不確実性が認められるかどうか結論付ける。継続企業の前提に関する重要な不確実性が認められる場合は、監査報告書において財務諸表の注記事項に注意を喚起すること、又は重要な不確実性に関する財務諸表の注記事項が適切でない場合は、財務諸表に対して除外事項付意見を表明することが求められている。監査人の結論は、監査報告書日までに入手した監査証拠に基づいているが、将来の事象や状況により、企業は継続企業として存続できなくなる可能性がある。・ 財務諸表の表示及び注記事項が、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠しているかどうかとともに、関連する注記事項を含めた財務諸表の表示、構成及び内容、並びに財務諸表が基礎となる取引や会計事象を適正に表示しているかどうかを評価する。 監査人は、監査役及び監査役会に対して、計画した監査の範囲とその実施時期、監査の実施過程で識別した内部統制の重要な不備を含む監査上の重要な発見事項、及び監査の基準で求められているその他の事項について報告を行う。 監査人は、監査役及び監査役会に対して、独立性についての我が国における職業倫理に関する規定を遵守したこと、並びに監査人の独立性に影響を与えると合理的に考えられる事項、及び阻害要因を除去するための対応策を講じている場合又は阻害要因を許容可能な水準にまで軽減するためのセーフガードを適用している場合はその内容について報告を行う。 監査人は、監査役及び監査役会と協議した事項のうち、当事業年度の財務諸表の監査で特に重要であると判断した事項を監査上の主要な検討事項と決定し、監査報告書において記載する。ただし、法令等により当該事項の公表が禁止されている場合や、極めて限定的ではあるが、監査報告書において報告することにより生じる不利益が公共の利益を上回ると合理的に見込まれるため、監査人が報告すべきでないと判断した場合は、当該事項を記載しない。 <報酬関連情報> 当監査法人及び当監査法人と同一のネットワークに属する者に対する、会社の監査証明業務に基づく報酬及び非監査業務に基づく報酬の額は、「提出会社の状況」に含まれるコーポレート・ガバナンスの状況等(3)【監査の状況】 に記載されている。 利害関係 会社と当監査法人又は業務執行社員との間には、公認会計士法の規定により記載すべき利害関係はない。以 上 (注)1.上記の監査報告書の原本は当社(有価証券報告書提出会社)が別途保管しております。2.XBRLデータは監査の対象には含まれていません。 |
監査上の主要な検討事項、個別 | 監査上の主要な検討事項監査上の主要な検討事項とは、当事業年度の財務諸表の監査において、監査人が職業的専門家として特に重要であると判断した事項である。監査上の主要な検討事項は、財務諸表全体に対する監査の実施過程及び監査意見の形成において対応した事項であり、当監査法人は、当該事項に対して個別に意見を表明するものではない。 ソフトウェア開発売上高に係る期間帰属の適切性監査上の主要な検討事項の内容及び決定理由監査上の対応 会社は、システムインテグレーション事業を行っている。そのうち、ソフトウェアの開発・保守に係る売上高は(収益認識関係)1.顧客との契約から生じる収益を分解した情報に記載されているとおり、6,745,729千円と売上高の大半を占めている。ソフトウェアの開発において会社は、取引開始日から完全に履行義務を充足すると見込まれる時点までの期間がごく短い契約等は、完全に履行義務を充足した(顧客からの検収を受けた)時点で収益を認識している。 検収時点で売上計上するソフトウェアの開発契約においては、個別受注契約であることから、作業の進捗や追加作業の発生などにより検収時期が当初の予定より前後する場合がある。 また、会社の売上は、顧客のシステム投資予算執行のタイミングから第2四半期と第4四半期にその完了時期が集中し、特に第4四半期のうち3月に集中する。 ソフトウェアは無形資産であるため、その性質上、製品・サービスの内容や顧客が便益を享受した時期・検収時期が不明瞭となる可能性がある。 売上が適切な時期に計上されなかった場合には、財務報告に重要な影響を及ぼす可能性があるため、売上高の期間帰属の適切性について、より慎重な監査上の検討を行う必要がある。 以上により、当監査法人は、ソフトウェア開発に係る売上計上の期間帰属について、監査上の主要な検討事項に該当するものと判断した。 当監査法人は、売上計上の期間帰属の適切性を検討するに当たり、主として以下の監査手続を実施した。 ・売上計上の期間帰属の適切性を確保する内部統制の整備及び運用状況の検証を実施した。特に、顧客から受領した検収書に基づく売上計上に関する社内確認・承認に関する内部統制を検討した。 ・期末日付近に計上された売上取引のうち、重要な取引について、契約書、検収書、作業時間集計表等の関連する証憑の閲覧により、顧客の検収時期に対応した売上計上の適切性を検討した。 ・重要な取引に係る原価率について、事業部の平均原価率と比較分析を行い、異常性の有無について評価を実施した。 ・売上債権に対する残高確認を行い、会社の売上に基づく債権額と顧客の検収に基づく債務額に不合理な差異がないか検討した。 |
全体概要、監査上の主要な検討事項、個別 | 監査上の主要な検討事項とは、当事業年度の財務諸表の監査において、監査人が職業的専門家として特に重要であると判断した事項である。監査上の主要な検討事項は、財務諸表全体に対する監査の実施過程及び監査意見の形成において対応した事項であり、当監査法人は、当該事項に対して個別に意見を表明するものではない。 |
見出し、監査上の主要な検討事項、個別 | ソフトウェア開発売上高に係る期間帰属の適切性 |
その他の記載内容、個別 | その他の記載内容 その他の記載内容は、有価証券報告書に含まれる情報のうち、財務諸表及びその監査報告書以外の情報である。経営者の責任は、その他の記載内容を作成し開示することにある。また、監査役及び監査役会の責任は、その他の記載内容の報告プロセスの整備及び運用における取締役の職務の執行を監視することにある。 当監査法人の財務諸表に対する監査意見の対象にはその他の記載内容は含まれておらず、当監査法人はその他の記載内容に対して意見を表明するものではない。 財務諸表監査における当監査法人の責任は、その他の記載内容を通読し、通読の過程において、その他の記載内容と財務諸表又は当監査法人が監査の過程で得た知識との間に重要な相違があるかどうか検討すること、また、そのような重要な相違以外にその他の記載内容に重要な誤りの兆候があるかどうか注意を払うことにある。 当監査法人は、実施した作業に基づき、その他の記載内容に重要な誤りがあると判断した場合には、その事実を報告することが求められている。 その他の記載内容に関して、当監査法人が報告すべき事項はない。 |
報酬関連情報、個別 | <報酬関連情報> 当監査法人及び当監査法人と同一のネットワークに属する者に対する、会社の監査証明業務に基づく報酬及び非監査業務に基づく報酬の額は、「提出会社の状況」に含まれるコーポレート・ガバナンスの状況等(3)【監査の状況】 に記載されている。 |
BS資産
仕掛品 | 21,201,000 |
工具、器具及び備品(純額) | 20,662,000 |
有形固定資産 | 24,235,000 |
ソフトウエア | 8,802,000 |
無形固定資産 | 8,802,000 |
投資有価証券 | 1,577,521,000 |
長期前払費用 | 6,453,000 |
投資その他の資産 | 1,724,879,000 |
BS負債、資本
未払金 | 45,486,000 |
未払法人税等 | 26,740,000 |
未払費用 | 126,587,000 |
賞与引当金 | 286,500,000 |
繰延税金負債 | 112,210,000 |
資本剰余金 | 342,197,000 |
利益剰余金 | 3,770,168,000 |
その他有価証券評価差額金 | 574,191,000 |
評価・換算差額等 | 574,191,000 |
負債純資産 | 5,878,942,000 |
PL
売上原価 | 5,683,586,000 |
販売費及び一般管理費 | 622,048,000 |
受取利息、営業外収益 | 44,000 |
受取配当金、営業外収益 | 10,896,000 |
営業外収益 | 64,937,000 |
その他、流動資産 | 44,539,000 |
営業外費用 | 23,652,000 |
法人税、住民税及び事業税 | 48,210,000 |