財務諸表

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提出書類、表紙有価証券報告書
提出日、表紙2024-06-21
英訳名、表紙Tokio Marine Holdings, Inc.
代表者の役職氏名、表紙取締役社長  小宮 暁
本店の所在の場所、表紙東京都千代田区大手町二丁目6番4号
電話番号、本店の所在の場所、表紙03-6704-7700
様式、DEI第三号様式
会計基準、DEIJapan GAAP
連結決算の有無、DEItrue
当会計期間の種類、DEIFY

corp

沿革 2【沿革】
2001年9月東京海上火災保険株式会社および日動火災海上保険株式会社が、株式移転により完全親会社を設立することに関し、共同株式移転契約を締結した。2001年12月東京海上火災保険株式会社および日動火災海上保険株式会社の臨時株主総会において当社設立が承認された。2002年4月当社を設立した。東京証券取引所および大阪証券取引所各市場第一部に上場した(2013年7月に大阪証券取引所市場第一部は東京証券取引所市場第一部に統合)。米国ナスダックにADRを上場した。2003年10月当社の子会社である東京海上あんしん生命保険株式会社(存続会社)および日動生命保険株式会社が合併し、東京海上日動あんしん生命保険株式会社に商号変更した。2004年2月当社の子会社である東京海上火災保険株式会社を通じてスカンディア生命保険株式会社の発行済全株式を取得した。同年4月に東京海上日動フィナンシャル生命保険株式会社に商号変更した。2004年10月当社の子会社である東京海上火災保険株式会社(存続会社)および日動火災海上保険株式会社が合併し、東京海上日動火災保険株式会社に商号変更した。2006年4月当社の子会社である東京海上日動火災保険株式会社から、会社分割により同社の日新火災海上保険株式会社管理営業を承継した。同年9月に、株式交換により日新火災海上保険株式会社を当社の完全子会社とした。2007年7月2008年7月2014年10月 2022年4月米国ナスダックにおけるADRの上場を自主的に廃止し、同国店頭市場に移行させた。株式会社ミレアホールディングスから東京海上ホールディングス株式会社に商号変更した。当社の子会社である東京海上日動あんしん生命保険株式会社(存続会社)および東京海上日動フィナンシャル生命保険株式会社が合併した。東京証券取引所の市場区分の見直しを受け、同取引所の市場第一部からプライム市場に移行した。
事業の内容 3【事業の内容】
 当社グループは、当社、子会社268社および関連会社23社により構成されており、国内損害保険事業、国内生命保険事業、海外保険事業および金融・その他事業を営んでいます。 また、当社は特定上場会社等です。特定上場会社等に該当することにより、インサイダー取引規制の重要事実の軽微基準については連結ベースの数値に基づいて判断することとなります。 2024年3月31日現在の事業の系統図は以下のとおりです。
関係会社の状況 4【関係会社の状況】
2024年3月31日現在 名称住所資本金(百万円)主要な事業の内容議決権の所有割合(%)関係内容(連結子会社) 東京海上日動火災保険株式会社東京都千代田区101,994国内損害保険事業100.0経営管理契約役員の兼任等日新火災海上保険株式会社東京都千代田区10,194国内損害保険事業100.0経営管理契約役員の兼任等イーデザイン損害保険株式会社東京都新宿区35,303国内損害保険事業97.9経営管理契約役員の兼任等東京海上日動あんしん生命保険株式会社東京都千代田区55,000国内生命保険事業100.0経営管理契約役員の兼任等東京海上ミレア少額短期保険株式会社横浜市西区895国内損害保険事業100.0経営管理契約役員の兼任等東京海上アセットマネジメント株式会社東京都千代田区2,000金融・その他事業100.0経営管理契約役員の兼任等Tokio Marine NorthAmerica, Inc.米国・デラウェア州・ウィルミントン0千米ドル海外保険事業100.0(100.0)役員の兼任等Philadelphia ConsolidatedHolding Corp.米国・ペンシルバニア州・バラキンウィッド1千米ドル海外保険事業100.0(100.0)役員の兼任等Delphi Financial Group,Inc.米国・デラウェア州・ウィルミントン1千米ドル海外保険事業100.0(100.0)役員の兼任等HCC Insurance Holdings,Inc.米国・デラウェア州・ウィルミントン1千米ドル海外保険事業100.0(100.0)役員の兼任等Privilege Underwriters,Inc.米国・デラウェア州・ウィルミントン0千米ドル海外保険事業100.0(100.0)役員の兼任等Tokio Marine Kiln GroupLimited英国・ロンドン1,010千英ポンド海外保険事業100.0(100.0)役員の兼任等Tokio Marine Asia Pte.Ltd.シンガポール・シンガポール1,250,971千シンガポールドル542,000千タイバーツ5,000,000千南アフリカランド海外保険事業100.0(100.0)役員の兼任等Tokio Marine LifeInsurance Singapore Ltd.シンガポール・シンガポール369,624千シンガポールドル海外保険事業90.4(90.4)役員の兼任等Tokio Marine SeguradoraS.A.ブラジル・サンパウロ2,373,779千ブラジルレアル海外保険事業98.6(98.6)経営管理契約役員の兼任等その他154社 (持分法適用関連会社) IFFCO-TOKIO GeneralInsurance CompanyLimitedインド・ニューデリー2,878,185千インドルピー海外保険事業49.0(49.0)役員の兼任等その他5社
(注) 1.主要な事業の内容には、セグメント情報に記載された名称を記載しています。2.上記関係会社のうち、東京海上日動火災保険株式会社、イーデザイン損害保険株式会社、東京海上日動あんしん生命保険株式会社、Tokio Marine Asia Pte. Ltd.、Tokio Marine Life Insurance Singapore Ltd.およびTokio Marine Seguradora S.A.は、特定子会社に該当します。また、連結子会社のその他154社に含まれる会社のうち特定子会社に該当する会社は、Tokio Marine HCC Insurance Holdings (International) Limited、HCC International Insurance Company PLCおよびTokio Marine Safety Insurance (Thailand) Public Company Limitedです。3.上記関係会社のうち、有価証券報告書を提出している会社は、東京海上日動火災保険株式会社です。4.議決権の所有割合の( )内は、間接所有割合で内数です。5.東京海上日動火災保険株式会社の経常収益(連結会社相互間の内部経常収益を除く)の連結経常収益に占める割合が10%を超えていますが、当該連結子会社は有価証券報告書を提出しているため、主要な損益情報等の記載を省略しています。
従業員の状況 5【従業員の状況】
(1)連結会社の状況 2024年3月31日現在セグメントの名称従業員数(人)国内損害保険事業19,919国内生命保険事業2,186海外保険事業19,222金融・その他事業2,543合計43,870
(注) 従業員数は、就業人員数です。
(2)提出会社の状況 2024年3月31日現在従業員数(人)平均年齢(歳)平均勤続年数(年)平均年間給与(円)1,11742.816.813,902,022
(注) 1.従業員数は、就業人員数です。2.当社従業員はその大部分が子会社からの出向者であり、平均勤続年数は、出向者の各子会社における勤続年数を通算しています。3.平均年間給与には、賞与および基準外賃金が含まれています。 2024年3月31日現在セグメントの名称従業員数(人)国内損害保険事業1,001海外保険事業105金融・その他事業11合計1,117
(注) 従業員数は、就業人員数です。 (3)労働組合の状況 東京海上ホールディングス労働組合    232名 (4)管理職に占める女性の割合、男性の育児休業取得率および男女の賃金の差異①管理職に占める女性の割合 2023年4月1日現在会社名管理職に占める女性の割合(%)東京海上ホールディングス株式会社8.5東京海上日動火災保険株式会社11.2日新火災海上保険株式会社15.8イーデザイン損害保険株式会社20.7東京海上ミレア少額短期保険株式会社25.0東京海上日動あんしん生命保険株式会社11.0東京海上アセットマネジメント株式会社9.3東京海上日動キャリアサービス株式会社54.3東京海上日動ファシリティーズ株式会社5.0東京海上日動ベターライフサービス株式会社46.0(注)女性活躍推進法に基づき、「女性の管理職数÷管理職数」により算出しています(管理職に役員は含みません)。なお、出向者は出向元の従業員として集計しています((4)において同様です)。 ②男性の育児休業取得率(2023年度)会社名男性の育児休業取得率(%)東京海上ホールディングス株式会社0.0東京海上日動火災保険株式会社92.0日新火災海上保険株式会社94.7イーデザイン損害保険株式会社100.0東京海上ミレア少額短期保険株式会社100.0東京海上日動あんしん生命保険株式会社97.8東京海上アセットマネジメント株式会社83.3東京海上日動キャリアサービス株式会社0.0東京海上日動ファシリティーズ株式会社45.5東京海上日動ベターライフサービス株式会社100.0(注)育児・介護休業法に基づき、「当事業年度に男性労働者のうち育児休業等をした数(育児を目的とした休暇がある場合はその数値を含む)÷当事業年度に男性労働者のうち配偶者が出産した数」により算出しています。 ③男女の賃金の差異(2023年度)a)東京海上ホールディングス株式会社男性の賃金に対する女性の賃金の割合(%)全労働者正規雇用労働者非正規雇用労働者73.081.062.2(注)上表の差異は専門性、キャリアおよび成果に応じた賃金設定によるものであり、性別によって賃金に差異は設けていません。なお、人事制度上、従事する業務の違いおよび勤務地限定の有無等による社員区分はありません。 b)東京海上日動火災保険株式会社男性の賃金に対する女性の賃金の割合(%)全労働者正規雇用労働者非正規雇用労働者52.750.365.0(注)1.正規雇用労働者の社員区分には、勤務地を限定しない「グローバル」および勤務地を限定する「エリア」があり、勤務地限定の有無により相対的に「グローバル」の賃金水準が高くなっています。「グローバル」に男性が多いことおよび相対的に男性の勤続年数が長いことから上表の差異が表れていますが、性別によって賃金に差異は設けていません。社員区分ごとおよび勤続年数ごとの男性の賃金に対する女性の賃金の割合は下表のとおりです。勤続年数社員区分グローバルエリア1~10年88.1%95.6%11~20年88.4%98.3%21~30年93.2%109.1%2.非正規雇用労働者については従事する業務ごとに職種を定めています。賃金の差異は、賃金水準が相対的に高く男性比率が高い特定の職種の構成比が大きいことを主因として生じているものであり、性別によって賃金に差異は設けていません。 c)日新火災海上保険株式会社男性の賃金に対する女性の賃金の割合(%)全労働者正規雇用労働者非正規雇用労働者63.462.462.6(注)1.正規雇用労働者の社員区分には、勤務地を限定しない「全国型」および「アジャスター社員」、勤務地を一定範囲に限定する「広域型」ならびに勤務地を限定する「地域型」があり、勤務地限定の有無により相対的に「全国型」の賃金水準が高くなっています。「全国型」に男性が多いことおよび相対的に男性の勤続年数が長いことから上表の差異が表れていますが、性別によって賃金に差異は設けていません。社員区分ごとおよび勤続年数ごとの男性の賃金に対する女性の賃金の割合は下表のとおりです。なお、「アジャスター社員」は女性の在籍がないため下表に記載していません。勤続年数社員区分全国型広域型地域型1~10年88.6%98.4%98.2%11~20年89.2%57.0%85.0%21~30年82.4%95.8%93.7%2.非正規雇用労働者については従事する業務ごとに職種を定めています。賃金の差異は、賃金水準が相対的に高く男性比率が高い特定の職種の構成比が大きいことを主因として生じているものであり、性別によって賃金に差異は設けていません。 d)イーデザイン損害保険株式会社男性の賃金に対する女性の賃金の割合(%)全労働者正規雇用労働者非正規雇用労働者73.472.882.0(注)賃金水準の高い管理職に男性が多いことから上表の差異が表れていますが、性別によって賃金に差異は設けていません。 e)東京海上日動あんしん生命保険株式会社男性の賃金に対する女性の賃金の割合(%)全労働者正規雇用労働者非正規雇用労働者52.451.844.0(注)1.正規雇用労働者の社員区分には、勤務地を限定しない「グローバル」および勤務地を限定する「エリア」があり、勤務地限定の有無により相対的に「グローバル」の賃金水準が高くなっています。「グローバル」に男性が多いことおよび相対的に男性の勤続年数が長いことから上表の差異が表れていますが、性別によって賃金に差異は設けていません。社員区分ごとおよび勤続年数ごとの男性の賃金に対する女性の賃金の割合は下表のとおりです。勤続年数社員区分グローバルエリア1~10年87.3%85.1%11~20年91.0%113.8%21~30年98.7%-2.非正規雇用労働者については従事する業務ごとに職種を定めています。賃金の差異は、賃金水準が相対的に高く男性比率が高い特定の職種の構成比が大きいことを主因として生じているものであり、性別によって賃金に差異は設けていません。3.「エリア」の勤続年数21~30年は、男性の在籍がないため「-」としています。 f)東京海上アセットマネジメント株式会社男性の賃金に対する女性の賃金の割合(%)全労働者正規雇用労働者非正規雇用労働者57.256.945.0(注)1.正規雇用労働者は、資産運用を担う社員および定型業務を中心に担う社員に大別されますが、資産運用を担う社員の賃金水準が相対的に高くなっています。資産運用を担う社員に男性が多いことから上表の差異が表れていますが、性別によって賃金に差異は設けていません。2.非正規雇用労働者については従事する業務ごとに職種を定めています。賃金の差異は、賃金水準が相対的に高く男性比率が高い特定の職種の構成比が大きいことを主因として生じているものであり、性別によって賃金に差異は設けていません。 g)東京海上日動キャリアサービス株式会社男性の賃金に対する女性の賃金の割合(%)全労働者正規雇用労働者非正規雇用労働者88.059.595.7(注)正規雇用労働者における賃金の差異は、労働時間数が少ないなどにより賃金水準が相対的に低く女性比率が高い派遣社員(無期雇用)の構成比が大きいことを主因として生じているものであり、性別によって賃金に差異は設けていません。 h)東京海上日動ファシリティーズ株式会社男性の賃金に対する女性の賃金の割合(%)全労働者正規雇用労働者非正規雇用労働者66.564.8100.6(注)正規雇用労働者の社員区分には、転居転勤のある「総合職」および転居転勤の無い「エリア総合職」があり、勤務地限定の有無により相対的に「総合職」の賃金水準が高くなっています。「総合職」に男性が多いことから上表の差異が表れていますが、性別によって賃金に差異は設けていません。 i)東京海上日動ベターライフサービス株式会社男性の賃金に対する女性の賃金の割合(%)全労働者正規雇用労働者非正規雇用労働者60.988.495.5(注)全労働者における賃金の差異は、労働時間数が少ないなどにより賃金水準が相対的に低く女性比率が高い特定の職種の構成比が大きいことを主因として生じているものであり、性別によって賃金に差異は設けていません。
経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】
(1)経営方針①経営理念 当社は、東京海上グループの全役職員が共有する経営理念を策定しており、その内容は次のとおりです。<東京海上グループ経営理念> 東京海上グループは、お客様の信頼をあらゆる活動の原点におき、企業価値を永続的に高めていきます。 ○お客様に最高品質の商品・サービスを提供し、安心と安全をひろげます。 ○株主の負託に応え、収益性・成長性・健全性を備えた事業をグローバルに展開します。 ○社員一人ひとりが創造性を発揮できる自由闊達な企業風土を築きます。 ○良き企業市民として公正な経営を貫き、広く社会の発展に貢献します。②東京海上グループ中期経営計画2026 ~次の一歩の力になる。~ 東京海上グループは、お客様や社会のいざをお守りすることをパーパスとし、2035年にめざす姿として、お客様や社会の課題およびリスクに対して「イノベーティブなソリューションを届け続けるパートナー」を掲げています。 この実現に向けて、中期経営計画(2024年度~2026年度)においては、グローバルなリスク分散およびグループ一体経営をグループの基本戦略とし、成長の3本柱(①価値提供領域の飛躍的な拡大、②ディストリビューションの多様化・複線化および③生産性の徹底的な向上)ならびに規律の2本柱(①内部統制およびガバナンスの強化および向上ならびに②事業ポートフォリオおよび資本管理の高度化)をグループの重点戦略として取り組んでいきます。 ③目標とする経営指標等 東京海上グループは、企業価値を的確に把握しその拡大に努める観点から、グループ全体の業績を示す経営指標として修正純利益および修正ROEを掲げており、中期経営計画(2024年度~2026年度)においては、修正純利益の持続的な成長および規律ある資本政策を通じて、修正EPSの年平均成長率(CAGR)+8%以上(含む政策株式売却益では+16%以上)、修正ROE14%以上(含む政策株式売却益では20%以上)をめざします。 2023年度の修正純利益および修正ROEは、当事業年度の第3四半期報告書提出日時点においては、それぞれ6,900億円、16.1%を見込んでいましたが、その実績はそれぞれ7,116億円、15.5%となりました。 2024年度の修正純利益および修正ROEは、国内外での自然災害に伴う発生保険金の増加等の減益要素はあるものの、政策株式の売却加速による売却益の増加や円安による海外事業の利益増加を主因として、本有価証券報告書提出日現在においては、それぞれ10,000億円、18.1%を見込んでいます。 なお、修正純利益および修正ROEは、次の方法で算出します。・修正純利益*1 修正純利益=連結当期純利益*2+異常危険準備金繰入額*3+危険準備金繰入額*3+価格変動準備金繰入額*3+自然災害責任準備金*4繰入額*3+初年度収支残*5の影響額*6-ALM*7債券・金利スワップ取引に関する売却・評価損益-事業投資に係る株式・固定資産に関する売却損益・評価損+のれん・その他無形固定資産償却額-その他特別損益・評価性引当等・修正EPS 修正EPS=修正純利益÷発行済株式総数・修正純資産*1,8 修正純資産=連結純資産+異常危険準備金+危険準備金+価格変動準備金+自然災害責任準備金*4+初年度収支残-のれん・その他無形固定資産・修正ROE 修正ROE=修正純利益÷修正純資産*1 各調整額は税引後です。*2 連結財務諸表上の「親会社株主に帰属する当期純利益」です。*3 戻入の場合はマイナスとなります。*4 大規模自然災害リスクに対応した火災保険の未経過保険料です。*5 保険料から発生保険金の一部と事業費を控除した残高を、翌期以降の保険事故に備えて繰り越すものです。*6 普通責任準備金積増額のうち、未経過保険料の積増額を控除したものです。*7 ALMとは、資産・負債の総合管理をいいます。*8 平均残高ベースで算出しています。
(2)経営環境及び対処すべき課題 2024年度の世界経済は、これまでの大幅な金融引締めによる効果がより一層顕在化すると見込まれること等から、米国景気の減速や欧州景気の低迷継続が懸念されます。わが国経済は、2023年度を超える賃上げが見込まれる一方でインフレ率も引き続き高いことから、当面は実質賃金の伸びがマイナスの状態が続く可能性が高く、回復のペースは鈍化する見込みです。 こうした状況のなか、東京海上グループは、長期ビジョン「世界のお客様にあんしんをお届けし、成長し続けるグローバル保険グループ」の実現に向け、2024年度からの3か年計画「東京海上グループ中期経営計画2026~次の一歩の力になる。~」を開始しました。めざす姿として「お客様や社会の課題・リスクに対して革新的な解決策を届け続けるパートナー」を掲げ、その実現に向け、保険に留まらない価値提供領域の飛躍的な拡大、ディストリビューションの多様化・複線化および生産性の徹底的な向上に取り組むと同時に、内部統制・ガバナンス強化にも徹底して取り組んでまいります。また、サステナブルな社会の実現に向け、サステナビリティ戦略と事業活動を一体化させ、事業活動を通じた社会課題の解決の取組みを強力に推進してまいります。 国内損害保険事業では、東京海上日動は、同社の新中期経営計画のキーコンセプトである「Re-New」のもと、新しい会社につくりかえる覚悟をもって、適正な競争を阻害してきた業界慣行をはじめ、あらゆる業務プロセスをお客様起点で見直し、「本当に信頼されるお客様起点の会社」となることをめざします。 政策株式については、同社はこれまでも事業ポートフォリオの変革および財務基盤の安定性向上を目的に、20年以上に亘りその削減に取り組んできました。結果として、2002年以降、累計2.7兆円を売却し、簿価ベースで72%の削減を行ってきています。今般、適正な競争実施のための環境整備という新たな目的を加え、その取組みをさらに加速し、2029年度末までに政策株式(非上場株式および資本業務提携による出資等を除く)の残高をゼロにすべく取り組んでまいります。 また、保険の提供に留まらず、事故の未然防止といった「事前」の領域、あるいは早期復旧・再発防止といった「事後」の領域を含め、「リスクソリューション(保険+α)で次代を支える会社」をめざし取り組んでまいります。 国内生命保険事業では、あんしん生命は、お客様をお守りする領域を拡大すべく、未病・早期発見・重症化予防等の領域で新たな保障やサービス開発等に引き続き取り組みます。加えて、お客様の健康状態に応じた保障と一体型のヘルスケアサービス提供等の新たな取組みも行ってまいります。また、デジタル技術の進化に対応することで、お客様への直接アプローチを拡大しながら、生産性を向上させ、持続的な成長の実現をめざします。 海外保険事業では、高度な保険引受能力や専門性を活かした保険料収入の拡大、保険料率の見直し等を通じて、保険引受利益を持続的かつ安定的に拡大してまいります。加えて、競争力ある商品のグローバル展開や資産運用の高度化等、海外保険事業全体におけるシナジーの拡大に取り組むとともに、デジタル活用および業務のアウトソーシング等による生産性の向上およびオペレーションの高度化を進めます。また、戦略的なM&Aの実行に向けた市場動向調査にも継続的に取り組み、優良な投資機会を着実に捉えてまいります。 資産運用では、国内外のグループ会社と連携しながら、資産と負債の総合管理(ALM)を軸としたグローバルな運用態勢の強化に引き続き努めてまいります。今後の世界経済や金融市場の変化を注視しつつ、資産ポートフォリオの多様化とリスク分散を進めることによって、長期安定的な運用収益の確保と健全な財務基盤の維持に取り組んでまいります。 ソリューション事業については、東京海上グループにおける保険引受および資産運用に続く3本目の収益の柱にすることをめざし、今後、防災・減災、モビリティに加え、ヘルスケア(予防・未病)や脱炭素といった複数の領域での事業化を加速してまいります。 これらの各事業を支えるのは人です。東京海上グループは、人材を資本と捉え、その価値を最大限に引き出すことで中長期的な企業価値向上につなげる「人的資本経営」に注力しています。「People's Business」(人とその信用・信頼からなる事業)である保険事業を営む東京海上グループの競争力の源泉は、昔も今もこれからも人です。社員一人ひとりが適材適所で情熱と意欲をもって活躍できるよう支援し、多様な人材が持てる力を遺憾なく発揮できる公正な環境を整えます。将来に向けた人材投資も行い、100年後もお客様や社会のいざをお守りする存在であり続けるための人的資本および人材基盤の強化にグループを挙げて取り組んでまいります。 株主還元については、配当を基本とする方針としています。事業を通じた利益成長と配当の拡大は整合的であるべきとの考えに基づき、新中期経営計画期間においては、力強い利益成長を通じ、継続的な増配を実現できるよう努めてまいります。 東京海上グループは、「お客様の信頼をあらゆる活動の原点におく」という経営理念を掲げ、健全性と透明性の高いガバナンス体制を基盤に、収益性と成長性を兼ね備えた企業グループとしてさらに発展していくため、グループを挙げて業務に邁進してまいります。
サステナビリティに関する考え方及び取組 2【サステナビリティに関する考え方及び取組】
(1)サステナビリティ共通 東京海上グループは、「お客様や社会のいざをお守りする」というパーパスを起点に、時代ごとの社会課題を自ら探し出し、保険本業を通じてその課題解決に貢献することで成長してきました。東京海上グループの事業活動は社会課題解決そのものであるため、使命感を持って事業活動に取り組むことで、安心・安全に生活し、かつ果敢に挑戦できるサステナブルな社会の実現に貢献できると考えています。①ガバナンス グループ全体でサステナビリティ戦略を推進するため、グループCEOおよびサステナビリティの取組みを総括するチーフオフィサー(以下「CSUO」といいます)を含むチーフオフィサー、海外の経営陣等で構成されるサステナビリティ委員会を設置し、取組内容や方針等をグローバルベースで審議しています。サステナビリティ委員会は原則として年4回開催し、サステナビリティ課題への対応方針等に関する審議および各施策の進捗状況のモニタリングを行っています。CSUOは、サステナビリティ戦略の推進および浸透を総括し、取締役会に方針を諮るとともに進捗状況を報告する役割を担っています。 また、取締役会は定期的にその報告を受けサステナビリティに関する取組みについて論議し、執行を適切に監督しています。2023年度は、以下のとおり取締役会で、サステナビリティ活動に関する審議および報告を行いました。実施月審議事項2023年5月グループサステナビリティに関する2022年度取組みの振返りおよび2023年度年次計画2023年10月2023年11月グループサステナビリティ 2023年度年次計画の進捗報告2024年3月グループサステナビリティ 2023年度年次計画の下期進捗報告  上記の体制により、グループ社員にサステナビリティ戦略を浸透させ、事業活動を通じた社会課題の解決に取り組んでいます。 また、取締役の業績連動報酬にサステナビリティ戦略に係る非財務指標を取り入れています。 ○サステナビリティ推進体制図 ②戦略 東京海上グループは、「次の世代に明るい未来を引き継ぐことは私たちの責務である」との強い想いから、「お客様」、「社会」、「社員」および「株主・投資家」に加え、「未来世代」をステークホルダーに位置付けています。 東京海上グループは、パーパスを起点に取り組むべき8つの重点領域を設定しています。事業活動により社会課題を解決しながらサステナブルな社会づくりに貢献し、その結果として社会的価値と経済的価値を同時に高めていきます。 東京海上グループの8つの重点領域重点領域取組みa.気候変動対策の推進・2050年カーボン・ニュートラルの実現(含む保険引受・投融資先)・保険引受・投融資先企業とのエンゲージメントやグリーントランスフォーメーション(以下「GX」といいます)関連の保険・ソリューションの提供を通じたトランジションへの貢献b.災害レジリエンスの向上・自然災害対応の高度化 (大規模災害時に速やかに保険金をお支払いする「商品・サービスの開発と提供」、「業務プロセスの効率化」)・事前・事後領域(現状把握、対策実行、避難・退避、復旧・再建)における災害リスクマネジメントサービスの提供c.健やかで心豊かな生活の支援・新たなヘルスケア商品・サービス(予防・未病)の開発・提供、寿命の延長により増加する資産形成・貯蓄ニーズへの対応・中小企業支援を通じた社会・地域課題解決d.人と多様性の尊重・人的資本のさらなる強化・経営戦略の実現に資する人事戦略の実行・多様性の確保と多様性が活きるカルチャーの醸成・浸透・保険引受・投融資先、バリューチェーン、自社オペレーションにおける人権デューデリジェンスの推進e.イノベーティブなソリューションの提供・デジタル、データを活用した、GX、災害レジリエンス、ウェルビーイング等の社会課題を解決するソリューションの提供f.自然の豊かさを守る・2030年ネイチャーポジティブ(自然資本や生物多様性の損失を止め、回復させること)への貢献・マングローブ植林やアマモ場の保全・再生活動、海を守る活動等による地球温暖化防止および生物多様性・湿地の保全g.未来世代の育成支援・各種教育プログラム等の提供を通じた未来を担う人材の育成支援・未来世代の意見を活かした経営の高度化h.誠実かつ透明性の高いガバナンス・全てのバリューチェーンにおける業務品質の向上、内部統制の強化・海外を含む全てのグループ会社におけるリスクベース経営(ERM)の強化・適時適切かつ透明性の高い情報開示 ③リスク管理 東京海上グループを取り巻くリスクは、グローバルな事業進展や経営環境の変化等を受けて一層多様化・複雑化してきています。また、不透明感が強く、変化の激しい昨今の政治・経済・社会情勢においては、新たなリスクの発現を常に注視し適切に対応していかなければなりません。そのため、東京海上グループは、リスクの軽減、回避等を目的とした従来型のリスク管理に留まらず、定性・定量の両面での網羅的なリスク把握に取り組んでいます。環境・社会に関しては、環境基本方針、人権基本方針および人事に関する基本方針に基づいて、当該リスクが発生する可能性の高いセクターを特定し、負の影響を与えるリスクを適切に把握、管理できるよう努めています。 ④指標と目標 東京海上グループは、サステナビリティに関する中長期目標(非財務指標)を課題ごとに掲げ、実効性のあるPDCAサイクルを回し続けることで各種取組みを着実に進めています。
(2)気候変動対策と自然資本・生物多様性の保全 気候変動は、グローバルな課題であるとともに、異常気象や自然災害の増加をもたらすものであり、損害保険業界に直接的な影響を及ぼします。そのため、東京海上グループは、気候変動対策を、本業である保険事業はもとより、機関投資家、そしてグローバルカンパニーとして真正面から取り組むべき最重要課題に位置付けています。 また、地球の環境を守るためには、気候変動対策だけでなく、自然資本や生物多様性の損失を止め、回復させるネイチャーポジティブの取組みが不可欠です。気候変動によって、植物の生育ができない環境となり、自然が失われるという影響が出ています。自然が失われることによって、吸収・固定される温室効果ガスが減少し、地球の温暖化が進行するという影響も出ています。このように気候変動と自然資本・生物多様性は相互に影響を与えるものであり、同時に取り組むべき課題と認識しています。 東京海上グループは、気候関連財務情報開示タスクフォース(Task Force on Climate-related Financial Disclosures、以下「TCFD」といいます)および自然関連財務情報開示タスクフォース(Taskforce on Nature-related Financial Disclosures、以下「TNFD」といいます)の提言を支持しており、そこで推奨されている「ガバナンス」、「戦略」、「リスク管理」(TNFDにおいては「リスクとインパクトの管理」)および「指標と目標」の4つの柱に沿った情報開示を行っています。なお、両提言に沿った気候関連情報開示および自然関連情報開示の詳細については、東京海上グループのTCFDレポートおよびTNFDレポートに記載のとおりです。①ガバナンス 「(1)サステナビリティ共通 ①ガバナンス」に記載のとおりです。 ②戦略 戦略にはその前提となるリスク認識が重要です。東京海上グループは、気候変動リスクおよび自然関連リスクが高まることを想定し、事業への影響を特定・評価しています。気候変動リスクおよび自然関連リスクには、気候変動および自然の損失に伴う自然災害の頻度の高まりや規模の拡大等によって生じる物理的リスクに加え、脱炭素社会や自然共生社会への移行が投融資先の企業価値や東京海上グループの保有資産価値に影響を及ぼすこと等によって生じる移行リスクがあります。 また、気候変動の緩和および気候変動への適応ならびに自然との共生に向けた対応から生まれるビジネス機会を認識し、保険商品・サービスの開発・提供を通じて、脱炭素社会および自然共生社会への移行に取り組んでいきます。 物理的リスク、移行リスクおよび機会について、TCFD提言およびTNFD提言の分類ごとの事象例および東京海上グループの事業活動における具体例は以下のとおりです。事象例東京海上グループの事業活動におけるリスク・機会の例時間軸物理的リスク急性・台風や洪水等の頻度の高まりや規模の拡大の可能性・土壌の保水力低下や沿岸浸食による損害の発生・拡大・保険収益の減少(保険金支払への影響等)・拠点ビル等が被災することによる事業継続への影響短期~慢性・気温の上昇・干ばつや熱波等、その他気象の変化・海面の上昇・節足動物媒介感染症への影響中期・長期移行リスク政策および法規制・炭素価格の上昇・環境関連の規制・基準の強化・気候・自然関連の訴訟の増加・炭素価格上昇による投融資先企業の企業価値や東京海上グループの保有資産価値の下落・賠償責任保険に係る支払保険金の増加中期・長期技術・脱炭素社会・自然共生社会への移行に向けた技術革新・脱炭素社会・自然共生社会への移行が十分ではない投融資先企業の企業価値や東京海上グループの保有資産価値の下落・技術革新やお客様ニーズの変化を捕捉できないことによる収益の低下中期・長期市場・商品・サービスの需要と供給の変化短期~評判・脱炭素社会・自然共生社会への移行の取組みに対するお客様や社会の認識の変化・東京海上グループの取組みが不適切とみなされることに伴うレピュテーションの毀損短期~機会資源の効率性、エネルギー源、製品・サービス、市場、レジリエンス・エネルギー源の変化やレジリエンス向上に向けた製品・サービス需要や社会の認識の変化・再生可能エネルギーや自然関連事業に関する保険ニーズの飛躍的増大・脱炭素社会・自然共生社会への移行に伴う企業の資金需要の増加による投融資機会の増大・災害レジリエンス向上に向けた防災・減災ニーズの増加短期~(注)表中の時間軸における「短期」は3年未満、「中期」は3年以上10年未満、「長期」は10年以上の期間を指します。 東京海上グループは、物理的リスクおよび移行リスクに関するシナリオ分析を行い、気候変動が及ぼす保険金支払、投融資先の企業価値および東京海上グループの保有資産価値への影響を評価しています。そして、サステナビリティ戦略を、シナリオ分析の結果も踏まえ、充実させながら実践しています。損害保険事業は比較的短期の保険契約が多いことや東京海上グループの運用資産は流動性の高い金融資産が中心であることから、これらの影響に柔軟に対応し、レジリエンスを確保することが可能であると考えています。東京海上グループは、保険商品・サービスによる再生可能エネルギーの普及支援、脱炭素化を目的とした取引先との建設的な対話(エンゲージメント)、保険引受・投融資方針の厳格化等を通じて、2050年カーボン・ニュートラルの実現に取り組んでいます。東京海上グループの移行に向けた計画は次のとおりです。 ③リスク管理 東京海上グループは、リスクベース経営(ERM)に基づいてグループ全体のリスク管理を行うとともに、その高度化に取り組んでいます。気候変動リスク・自然関連リスクについてもERMの枠組みのなかで適切に管理しています(「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおりです)。 ④指標と目標 東京海上グループは、パリ協定を踏まえ、以下の指標と目標を設定しています。・2050年度までに、東京海上グループが排出する温室効果ガスの実質ゼロをめざす(含む保険引受・投融資先)。・2030年度までに、東京海上グループが排出する温室効果ガスを2015年度対比60%削減するとともに、東京海上グループの主要拠点において使用する電力を100%再生可能エネルギーとする。・2030年までに、グループのなかで企業取引を多く扱う東京海上日動において、保険引受に伴う温室効果ガス排出量の約9割を占める大口顧客200社と対話し、160社以上との対話水準を「課題認識を踏まえた提案」のレベル以上とする。また、上記大口顧客200社のうち、温室効果ガス高排出セクターに属する60社に対しては、対話のなかで脱炭素計画の策定を求め、2030年までに脱炭素計画を有していない企業とは取引を行わない。 (3)災害レジリエンス①ガバナンス 「(1)サステナビリティ共通 ①ガバナンス」に記載のとおりです。 ②戦略東京海上グループにとって、災害に関する課題を解決することによる「災害レジリエンスの向上」は重要課題です。災害リスクをカバーする保険商品を提供し、人工衛星やAI等を活用した迅速な保険金支払体制を整備するなど、お客様のいざをお守りするサービスの開発・提供を強化しています。また、有事における保険金の支払いに留まらず、事故を未然に防ぎ、万が一発生してもその負担を軽減し早期復旧等に繋げるための「事前・事後」のサービスを継続的に提供することを通じて、災害に負けない社会づくりに貢献していきます。そのために、業界の垣根を超えた防災コンソーシアムをリードし、各社が持つ技術やインフラを活用した防災・減災ソリューションを開発しています。2023年11月には防災・減災領域の新規事業に特化した子会社として、東京海上レジリエンスを設立し、防災・減災のバリューチェーン(現状把握、対策実行、避難・退避、復旧・再建)を一気通貫で価値提供するソリューション事業を立ち上げ、防災・減災サービスの提供を開始しています。さらに、産学連携に基づく科学的知見を踏まえた気候変動および自然関連リスクの研究を行うとともに、セミナーの開催、子どもたちへの「ぼうさい授業」の継続的な実施等の防災教育・啓発活動を推進しています。 ③リスク管理東京海上グループは、ERMに基づいてグループ全体のリスク管理を行うとともに、その高度化に取り組んでいます。災害に関するリスクについても、ERMの枠組みのなかで自然災害が保険引受に及ぼす影響等を考慮しながら適切に取り組んでいます(「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおりです)。 ④指標と目標東京海上グループの指標と目標は以下のとおりです。・社会の災害レジリエンス向上に不可欠な火災保険制度を持続的に運営する。・防災・減災につながる保険商品を開発し、提供するソリューションを増加させる。・BCP(事業継続計画)策定支援の内容を充実させるとともに、支援の提供先を増加させる。 (4)人的資本①ガバナンス グループ全体へのガバナンスとして、内部統制基本方針に基づき人事に関する基本方針を定め、人事に関しての基本的な考え方、統括部署の設置、各種基準の策定等の態勢整備等を示すとともに、グループ会社における重要な人事制度改定等の事前承認事項および報告事項を定め、人事に関するガバナンス体制を構築しています。また、取締役会は関連議案の付議・報告を受けて人的資本に関する取組みについて論議し、業務執行を監督しています。 グループの人事を総括するチーフオフィサーは、東京海上グループの人的資本経営に関する課題および施策を取締役会および経営会議に付議・報告することで人事戦略と経営戦略の連動性を高め、人事戦略に基づく施策の実行によって人的資本を強化し、経営戦略がめざす姿の実現を図ります。また、サステナビリティ委員会において人的資本に関する取組みを定期的に報告し、議論することで、多様な意見を反映しています。 ②戦略a)人的資本経営の取組方針 東京海上グループのパーパス(存在意義)はお客様や社会のいざをお守りすることです。当社の祖業である保険事業は「People’s Business」と呼ばれており、「人」が創り上げる信頼が全ての源泉です。当社は、「人」の力を最大化することがパーパスの実現に繋がると確信し、1879年の創業以来、お客様や社会のいざをお守りするための事業に取り組んできました。その想いは今も変わることなく、「人」を成長の原動力ととらえ、人的資本経営に真正面から取り組んでいます。 東京海上グループでは、この方針を「Tokio Marine Group - Our People」として定めています。 “Tokio Marine Group - Our People”■東京海上グループにとって最も大切な資産は人材であり、‘Good Company’ビジョンを実現するための原動力です。■東京海上グループは、お客様や社会に安心と安全を提供するためにあらゆる事業領域において不可欠な人材を確保します。■東京海上グループは、情熱と意欲をもって挑戦する社員に対して、成長に資する役割や機会を与えます。■東京海上グループは、真のグローバルカンパニーを目指し、ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョンを尊重します。多様な人材が持てる力を遺憾なく発揮できる環境をつくることを通じて、‘Good Company’への果てしない道を歩み続けます。 b)人事戦略イ)経営戦略と人事戦略の連動 東京海上グループの人事戦略は、経営計画の達成確度を高めるための基盤として、「グループ一体経営を支える人材の計画的・継続的な輩出」および「グループ一体経営を支える企業文化のさらなる浸透」を基軸に取り組んでいます。  人事戦略において、「グループ一体経営を支える人材」および「グループ一体経営を支える企業文化」は、それぞれが独立して働くのではなく、パーパスをベースとして、相互に作用しながら相乗効果を生み出していくことをめざしています。 ロ)人事戦略の全体像と指標 東京海上グループの人事戦略の目的は、経営戦略のめざす姿の実現です。そのために、人材と企業文化における様々な人事施策の実践を通じて人的資本を最大化し、持続的な価値創造に繋げています。  人事戦略が経営戦略と連動しながら有効に機能し、持続的な価値創出に繫がっていることを測る指標として、一人当たり創出価値(注)を設定し、これを持続的に高めていくことをめざしています。 <一人当たり創出価値の推移> (注)一人当たり創出価値=Normalizedベースの修正純利益÷連結従業員数。実力を示す指標として、各年度の利益実績から一過性の要素(平年を上回る自然災害関連の保険金やコロナ関連の保険金、為替の影響等)を補正した「Normalizedベースの修正純利益」を用いています。  また、人事戦略の8つのテーマに紐づく人事施策について定量的な目標を示すことで各施策がめざす姿と現状のギャップを明確にし、PDCAサイクルを回しながら改善を図っていきます。 (注)1.当社で中途採用したグループ経営に必要な専門性を有する人材の在籍人数です。2.エンゲージメントの把握やパーパスの浸透度等を測るための独自サーベイ「カルチャー&バリューサーベイ(以下「CVS」といいます)のDE&I推進に関する項目のスコアを平均したものです(評価点は5点満点で算出)。3.管理職以上には取締役、監査役および執行役員を含みます。なお、2024年度以降の女性管理職以上比率は、2024年4月の人事制度改定で新設した役職「ユニットリーダー」を含む数値とし、2024年4月1日時点では27.8%です。4.CVSのパーパス浸透に関する項目のスコアを平均したものです。5.CVSの働きがいに関する項目のスコアを平均したものです。6.CVSの働きやすさに関する項目のスコアを平均したものです。 c)人材育成方針 経営のグローバル化の加速や、ソリューション事業等への事業領域拡大への取組み等、大きな事業環境変化のなかで持続的な成長を実現していくためには、強みであるグループ一体経営を支える人材をグローバルに育成していくことが不可欠です。こうした課題認識のもと、東京海上グループは「人」の力を強化するために主に次のような施策を推進しています。イ)グループ経営人材の計画的・継続的な輩出およびグループ経営へのビルトイン 計画的・継続的にグループ経営人材(グループの各分野を総括するチーフオフィサーおよび主要グループ会社の経営トップ)を輩出し、世界中に所在する専門性・知見をグループ経営にビルトインするためには、海外のグループ会社を含めたグループ経営人材候補の採用、育成・評価、登用・配置を相互に連関させながら一体的に実行する仕組みが必須と考えています。そのため、グローバルリーダーの輩出を目的に2023年4月に創設した育成プログラムTokio Marine Group Leadership Instituteを軸に、グループの各分野を総括するチーフオフィサー等で構成するTalent Management Meetingも活用しながら、グループ経営人材候補の特定、登用および評価ならびにグループ経営人材候補ごとに策定された計画(Career Development Program)に基づく、ストレッチ・アサインメントとグローバル研修等を組み合わせた育成サイクルを実行していきます。 ロ)高い専門性を持つ人材の育成 経営戦略のめざす姿の実現には、様々な分野における高い専門性が必要です。東京海上グループでは、グループ横断の取組みとして、アクチュアリー、ファイナンス等の高い専門性を有する人材の育成を目的にManagement Associate Programを実施しています。海外大学からの新卒社員および国内外のグループ会社の若手社員が、2年間で複数のグループ会社・部門・チームをローテーションし、専門性およびグローバルな視点の獲得をめざします。プログラム修了後、参加者は東京海上グループのグループ会社に配置されます。 ハ)自律的なキャリア構築支援 社員個人と会社双方が持続的に成長していくためには、日々の業務のなかで社員一人ひとりの想いと会社のパーパスがしっかりと繋がっていることが重要です。当社および当社子会社の東京海上日動では、「自分自身がこころから願う未来に向けた、譲れないこころざし」をMy Aspirationと呼び、社員個人と会社の双方の成長をめざして、My Aspirationと会社のパーパスの“つながり”を強めていく取組みである「LINK」を進めています。 また、東京海上日動では、チャレンジしたい職務に応募できる「JOBリクエスト」、所属組織の業務を担いながら、希望に基づきコーポレート部門等のプロジェクトに参画する「プロジェクトリクエスト」を通じて、多様な成長機会を提供するとともに、自律的なキャリア構築を支援しています。 ニ)リスキリングを通じた人材の環境対応力の向上 経営戦略に掲げるソリューション事業への進出やAIの活用等、さらなるDX推進を人的資本の面で支えていくためには、採用や配置だけでなく、社員一人ひとりのリスキリングを通じた環境対応力の向上(新たな専門性を有した人材の輩出)が必要です。東京海上日動では「Tokio Marine DX Academy」において、業務や役割に応じて4つの対象(DXリーダー、DXコア、DXドライバーおよび全社員)ごとに研修や育成プログラムを提供することで、全社のDX人材育成を推進しています。 ホ)成長に不可欠な「規律」を意識した人材育成 東京海上日動は、金融庁から保険料調整行為等による業務改善命令を受け、2024年2月に業務改善計画書を提出しました。これを受け、東京海上日動の中期経営計画「Re-New 2026~『本当に信頼されるお客様起点の会社』・『リスクソリューション(保険+α)で次代を支える会社』へ~」において、めざす会社として「本当に信頼されるお客様起点の会社」を掲げています。この実現のため、「LINK」の取組み等による会社のパーパスへの繋がりの強化や役員・社員間の対話の強化に加え、人材育成の目的である「個人と組織の成長」に不可欠なものとして「規律」を重点取組みとし、インテグリティや高い規範意識を持った人材の育成に取り組みます。これまで続けてきた日常業務における慣行を社員一人ひとりが見直していくための、社会情勢の情報および社内外の情報を収集および活用する姿勢の定着による多角的な視点とリスク感性の習得、コンプライアンス研修の拡充による法令遵守意識の向上を図っていきます。 d)環境整備方針イ)パーパスの浸透 パーパスは当社創業時から不変のものであり、今後も変わることはありません。パーパスはグループ共通の羅針盤、拠り所となるものであり、4万人を超える世界中の社員が持てる力を最大限に発揮するためにはこの浸透が不可欠と考え、グループCEO自らがグループカルチャー総括(以下「CCO」といいます)として先頭に立ち、CCOオフィスという部門横断のバーチャル組織が浸透活動を推進しています。パーパスの実践・体現に向けて、グローバルベースでの認知や理解の促進に加え、2024年度はパーパスへの「共感」に関する各施策に注力しています。 ロ)DE&Iの推進 グループの成長を支える質の高い意思決定の実現には、積極的な人材の多様性確保に加え、多様な人材が持つ能力を最大限発揮できる環境が必要不可欠です。当社はDE&I推進を成長戦略の最重要課題と位置づけ、グループベースでの取組みを進めています。主な施策は次のとおりです。 ●Equity(公正)の概念を含めた、DE&Iの取組みの加速 国際女性デーイベント、国際女性会議開催等の機会を活用し、人材の多様性向上および活躍推進に必要不可欠な意識を醸成しています。また、経営トップやマネージャークラスのアカウンタビリティ向上に向けた、DE&I関連の定量・定性目標の追加等の取組みも進めています。 ●男女間賃金格差解消に向けた取組み 東京海上日動では、真にインクルーシブで自由闊達な組織風土のもと、多様な社員がエンゲージメント高く働くことで、全ての社員と会社双方が持続的に成長することをめざします。なかでも、ジェンダーギャップ解消を優先すべき課題と捉え、賃金格差の解消に向けた取組みを進めています。 <男女間賃金格差の主な要因> 東京海上日動において、男性と女性の間で賃金格差が生じている要因の分析を行った結果、コース区分および勤続年数の差異による影響が大きいことを確認しています。・コース区分 転居を伴う転勤(以下「転居転勤」といいます)の有無で賃金差を設けており、転居転勤がある「グローバル」に男性が多く、転居転勤が原則無い「エリア」に女性が多いことから、男性の賃金水準が高い傾向がある。・勤続年数 男性と女性を比較すると、男性の平均勤続年数が長く、これに伴い男性の賃金水準が高い傾向がある。           <コース区分>                   <勤続年数> <男女間賃金格差解消に向けた主な取組み>・2024年度より新たな人事制度を導入し、コース区分を廃止して「総合職」へ一本化・勤続年数、年齢、性別および採用区分(新卒・キャリア採用)等によらない、能力・意欲に応じた役割付与による成長支援・同意を前提とした転居転勤の導入・仕事と家庭の両立支援のさらなる推進 ●インクルーシブなカルチャーの醸成 多様な人材が持てる力を遺憾なく発揮できるインクルーシブな文化を作ることを目的に、2020年に「プロジェクトMizu」をスタートしました。組織構造や役割の透明化、キャリア採用者向けオンボーディング施策の実施、多様なバックグラウンドを持つ社員間でコミュニケーションを取る際のコラボレーションスタンダードの策定等を通じて、多様性のあるメンバーが協業しやすい環境の整備を進めています。 ハ)エンゲージメントの向上(働きがいおよび働きやすさ) 社員一人ひとりが成長し持てる力を最大限発揮していくベースとなる高いエンゲージメントの実現には、働きがいを持って働ける職場風土と社員の健康の保持および増進が必要不可欠です。エンゲージメント向上の主な取組みは次のとおりです。 ●東京海上グループにおける文化や価値観の浸透状況と課題の把握社員の働きがいを向上させ、能力を最大限発揮できる環境を実現していくためには、各グループ会社への文化や価値観の浸透、エンゲージメントの状況および問題の端緒を継続して的確かつ網羅的に把握し改善に繋げていくことが必要です。そのために、グループを対象とした独自サーベイであるCVSの質問項目の見直しや対象会社の拡大等により、エンゲージメント向上のためのPDCAサイクルの高度化を図っていきます。 ●エンゲージメント向上のための取組み東京海上日動は、社員のエンゲージメント向上に取り組む専任チームである「エンゲージメントデザインチーム」を組成し、地域社会・お客様への貢献や自己成長・自己実現の実感等によりエンゲージメントを向上させる取組みを展開しています。これらの取組みに加え、リモートワークや勤務時間自由選択制度の活用および副業の解禁等の働きやすさを高める施策により、エンゲージメント向上を図っています。当社は、役員報酬の業績連動部分について、会社目標に「サステナビリティ戦略に係る指標」および「社員エンゲージメント指標」を追加し、経営陣がエンゲージメントの向上にコミットする姿勢を明確にしています。 ●社員が心身ともに健康で活き活きと働くためのグループ全体の環境整備 社員一人ひとりが持つ能力を最大限発揮できる環境の土台となるのは、社員の心身の健康の保持および増進です。そのために、当社は「東京海上グループ健康憲章」を定め、グループを挙げて健康経営を推進しています。2024年度からは、毎年6月を「Tokio Marine Wellness Month」と定め、グループが一体となって健康増進の取組みを実施していきます。  東京海上グループの人的資本経営、人事戦略の詳細およびグループにおける取組みの具体例については、人的資本レポート「Human Capital Report 2023」および「Human Capital Report 2024」(2024年6月末発行予定)に記載しています。 ③リスク管理 形のない保険や関連するサービスを中核事業とする東京海上グループにおいては、「人」が創り上げる信頼が全ての源泉であり、「人」の力の最大化がパーパスの実現を通じた成長の原動力です。人材の流動性が高まるなか、人材マーケットにおける競争力低下は、人材採用の計画未達および社員の離職に繋がり、当社の経営戦略の遂行を困難にさせる大きなリスクです。人事戦略の実践を通じて、社員一人ひとりへ成長機会を提供し、活躍できる環境を整えることで、このようなリスクの低減に努めています。 ④指標と目標 「②戦略 b)人事戦略 ロ)人事戦略の全体像と指標」に記載のとおりです。  なお、本項の記載には将来に関する事項が含まれていますが、当該事項は本有価証券報告書提出日現在において判断したものです。
戦略 ②戦略 東京海上グループは、「次の世代に明るい未来を引き継ぐことは私たちの責務である」との強い想いから、「お客様」、「社会」、「社員」および「株主・投資家」に加え、「未来世代」をステークホルダーに位置付けています。 東京海上グループは、パーパスを起点に取り組むべき8つの重点領域を設定しています。事業活動により社会課題を解決しながらサステナブルな社会づくりに貢献し、その結果として社会的価値と経済的価値を同時に高めていきます。 東京海上グループの8つの重点領域重点領域取組みa.気候変動対策の推進・2050年カーボン・ニュートラルの実現(含む保険引受・投融資先)・保険引受・投融資先企業とのエンゲージメントやグリーントランスフォーメーション(以下「GX」といいます)関連の保険・ソリューションの提供を通じたトランジションへの貢献b.災害レジリエンスの向上・自然災害対応の高度化 (大規模災害時に速やかに保険金をお支払いする「商品・サービスの開発と提供」、「業務プロセスの効率化」)・事前・事後領域(現状把握、対策実行、避難・退避、復旧・再建)における災害リスクマネジメントサービスの提供c.健やかで心豊かな生活の支援・新たなヘルスケア商品・サービス(予防・未病)の開発・提供、寿命の延長により増加する資産形成・貯蓄ニーズへの対応・中小企業支援を通じた社会・地域課題解決d.人と多様性の尊重・人的資本のさらなる強化・経営戦略の実現に資する人事戦略の実行・多様性の確保と多様性が活きるカルチャーの醸成・浸透・保険引受・投融資先、バリューチェーン、自社オペレーションにおける人権デューデリジェンスの推進e.イノベーティブなソリューションの提供・デジタル、データを活用した、GX、災害レジリエンス、ウェルビーイング等の社会課題を解決するソリューションの提供f.自然の豊かさを守る・2030年ネイチャーポジティブ(自然資本や生物多様性の損失を止め、回復させること)への貢献・マングローブ植林やアマモ場の保全・再生活動、海を守る活動等による地球温暖化防止および生物多様性・湿地の保全g.未来世代の育成支援・各種教育プログラム等の提供を通じた未来を担う人材の育成支援・未来世代の意見を活かした経営の高度化h.誠実かつ透明性の高いガバナンス・全てのバリューチェーンにおける業務品質の向上、内部統制の強化・海外を含む全てのグループ会社におけるリスクベース経営(ERM)の強化・適時適切かつ透明性の高い情報開示
指標及び目標 ④指標と目標 東京海上グループは、サステナビリティに関する中長期目標(非財務指標)を課題ごとに掲げ、実効性のあるPDCAサイクルを回し続けることで各種取組みを着実に進めています。
人材の育成及び社内環境整備に関する方針、戦略 ②戦略a)人的資本経営の取組方針 東京海上グループのパーパス(存在意義)はお客様や社会のいざをお守りすることです。当社の祖業である保険事業は「People’s Business」と呼ばれており、「人」が創り上げる信頼が全ての源泉です。当社は、「人」の力を最大化することがパーパスの実現に繋がると確信し、1879年の創業以来、お客様や社会のいざをお守りするための事業に取り組んできました。その想いは今も変わることなく、「人」を成長の原動力ととらえ、人的資本経営に真正面から取り組んでいます。 東京海上グループでは、この方針を「Tokio Marine Group - Our People」として定めています。 “Tokio Marine Group - Our People”■東京海上グループにとって最も大切な資産は人材であり、‘Good Company’ビジョンを実現するための原動力です。■東京海上グループは、お客様や社会に安心と安全を提供するためにあらゆる事業領域において不可欠な人材を確保します。■東京海上グループは、情熱と意欲をもって挑戦する社員に対して、成長に資する役割や機会を与えます。■東京海上グループは、真のグローバルカンパニーを目指し、ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョンを尊重します。多様な人材が持てる力を遺憾なく発揮できる環境をつくることを通じて、‘Good Company’への果てしない道を歩み続けます。 b)人事戦略イ)経営戦略と人事戦略の連動 東京海上グループの人事戦略は、経営計画の達成確度を高めるための基盤として、「グループ一体経営を支える人材の計画的・継続的な輩出」および「グループ一体経営を支える企業文化のさらなる浸透」を基軸に取り組んでいます。  人事戦略において、「グループ一体経営を支える人材」および「グループ一体経営を支える企業文化」は、それぞれが独立して働くのではなく、パーパスをベースとして、相互に作用しながら相乗効果を生み出していくことをめざしています。 ロ)人事戦略の全体像と指標 東京海上グループの人事戦略の目的は、経営戦略のめざす姿の実現です。そのために、人材と企業文化における様々な人事施策の実践を通じて人的資本を最大化し、持続的な価値創造に繋げています。  人事戦略が経営戦略と連動しながら有効に機能し、持続的な価値創出に繫がっていることを測る指標として、一人当たり創出価値(注)を設定し、これを持続的に高めていくことをめざしています。 <一人当たり創出価値の推移> (注)一人当たり創出価値=Normalizedベースの修正純利益÷連結従業員数。実力を示す指標として、各年度の利益実績から一過性の要素(平年を上回る自然災害関連の保険金やコロナ関連の保険金、為替の影響等)を補正した「Normalizedベースの修正純利益」を用いています。  また、人事戦略の8つのテーマに紐づく人事施策について定量的な目標を示すことで各施策がめざす姿と現状のギャップを明確にし、PDCAサイクルを回しながら改善を図っていきます。 (注)1.当社で中途採用したグループ経営に必要な専門性を有する人材の在籍人数です。2.エンゲージメントの把握やパーパスの浸透度等を測るための独自サーベイ「カルチャー&バリューサーベイ(以下「CVS」といいます)のDE&I推進に関する項目のスコアを平均したものです(評価点は5点満点で算出)。3.管理職以上には取締役、監査役および執行役員を含みます。なお、2024年度以降の女性管理職以上比率は、2024年4月の人事制度改定で新設した役職「ユニットリーダー」を含む数値とし、2024年4月1日時点では27.8%です。4.CVSのパーパス浸透に関する項目のスコアを平均したものです。5.CVSの働きがいに関する項目のスコアを平均したものです。6.CVSの働きやすさに関する項目のスコアを平均したものです。 c)人材育成方針 経営のグローバル化の加速や、ソリューション事業等への事業領域拡大への取組み等、大きな事業環境変化のなかで持続的な成長を実現していくためには、強みであるグループ一体経営を支える人材をグローバルに育成していくことが不可欠です。こうした課題認識のもと、東京海上グループは「人」の力を強化するために主に次のような施策を推進しています。イ)グループ経営人材の計画的・継続的な輩出およびグループ経営へのビルトイン 計画的・継続的にグループ経営人材(グループの各分野を総括するチーフオフィサーおよび主要グループ会社の経営トップ)を輩出し、世界中に所在する専門性・知見をグループ経営にビルトインするためには、海外のグループ会社を含めたグループ経営人材候補の採用、育成・評価、登用・配置を相互に連関させながら一体的に実行する仕組みが必須と考えています。そのため、グローバルリーダーの輩出を目的に2023年4月に創設した育成プログラムTokio Marine Group Leadership Instituteを軸に、グループの各分野を総括するチーフオフィサー等で構成するTalent Management Meetingも活用しながら、グループ経営人材候補の特定、登用および評価ならびにグループ経営人材候補ごとに策定された計画(Career Development Program)に基づく、ストレッチ・アサインメントとグローバル研修等を組み合わせた育成サイクルを実行していきます。 ロ)高い専門性を持つ人材の育成 経営戦略のめざす姿の実現には、様々な分野における高い専門性が必要です。東京海上グループでは、グループ横断の取組みとして、アクチュアリー、ファイナンス等の高い専門性を有する人材の育成を目的にManagement Associate Programを実施しています。海外大学からの新卒社員および国内外のグループ会社の若手社員が、2年間で複数のグループ会社・部門・チームをローテーションし、専門性およびグローバルな視点の獲得をめざします。プログラム修了後、参加者は東京海上グループのグループ会社に配置されます。 ハ)自律的なキャリア構築支援 社員個人と会社双方が持続的に成長していくためには、日々の業務のなかで社員一人ひとりの想いと会社のパーパスがしっかりと繋がっていることが重要です。当社および当社子会社の東京海上日動では、「自分自身がこころから願う未来に向けた、譲れないこころざし」をMy Aspirationと呼び、社員個人と会社の双方の成長をめざして、My Aspirationと会社のパーパスの“つながり”を強めていく取組みである「LINK」を進めています。 また、東京海上日動では、チャレンジしたい職務に応募できる「JOBリクエスト」、所属組織の業務を担いながら、希望に基づきコーポレート部門等のプロジェクトに参画する「プロジェクトリクエスト」を通じて、多様な成長機会を提供するとともに、自律的なキャリア構築を支援しています。 ニ)リスキリングを通じた人材の環境対応力の向上 経営戦略に掲げるソリューション事業への進出やAIの活用等、さらなるDX推進を人的資本の面で支えていくためには、採用や配置だけでなく、社員一人ひとりのリスキリングを通じた環境対応力の向上(新たな専門性を有した人材の輩出)が必要です。東京海上日動では「Tokio Marine DX Academy」において、業務や役割に応じて4つの対象(DXリーダー、DXコア、DXドライバーおよび全社員)ごとに研修や育成プログラムを提供することで、全社のDX人材育成を推進しています。 ホ)成長に不可欠な「規律」を意識した人材育成 東京海上日動は、金融庁から保険料調整行為等による業務改善命令を受け、2024年2月に業務改善計画書を提出しました。これを受け、東京海上日動の中期経営計画「Re-New 2026~『本当に信頼されるお客様起点の会社』・『リスクソリューション(保険+α)で次代を支える会社』へ~」において、めざす会社として「本当に信頼されるお客様起点の会社」を掲げています。この実現のため、「LINK」の取組み等による会社のパーパスへの繋がりの強化や役員・社員間の対話の強化に加え、人材育成の目的である「個人と組織の成長」に不可欠なものとして「規律」を重点取組みとし、インテグリティや高い規範意識を持った人材の育成に取り組みます。これまで続けてきた日常業務における慣行を社員一人ひとりが見直していくための、社会情勢の情報および社内外の情報を収集および活用する姿勢の定着による多角的な視点とリスク感性の習得、コンプライアンス研修の拡充による法令遵守意識の向上を図っていきます。 d)環境整備方針イ)パーパスの浸透 パーパスは当社創業時から不変のものであり、今後も変わることはありません。パーパスはグループ共通の羅針盤、拠り所となるものであり、4万人を超える世界中の社員が持てる力を最大限に発揮するためにはこの浸透が不可欠と考え、グループCEO自らがグループカルチャー総括(以下「CCO」といいます)として先頭に立ち、CCOオフィスという部門横断のバーチャル組織が浸透活動を推進しています。パーパスの実践・体現に向けて、グローバルベースでの認知や理解の促進に加え、2024年度はパーパスへの「共感」に関する各施策に注力しています。 ロ)DE&Iの推進 グループの成長を支える質の高い意思決定の実現には、積極的な人材の多様性確保に加え、多様な人材が持つ能力を最大限発揮できる環境が必要不可欠です。当社はDE&I推進を成長戦略の最重要課題と位置づけ、グループベースでの取組みを進めています。主な施策は次のとおりです。 ●Equity(公正)の概念を含めた、DE&Iの取組みの加速 国際女性デーイベント、国際女性会議開催等の機会を活用し、人材の多様性向上および活躍推進に必要不可欠な意識を醸成しています。また、経営トップやマネージャークラスのアカウンタビリティ向上に向けた、DE&I関連の定量・定性目標の追加等の取組みも進めています。 ●男女間賃金格差解消に向けた取組み 東京海上日動では、真にインクルーシブで自由闊達な組織風土のもと、多様な社員がエンゲージメント高く働くことで、全ての社員と会社双方が持続的に成長することをめざします。なかでも、ジェンダーギャップ解消を優先すべき課題と捉え、賃金格差の解消に向けた取組みを進めています。 <男女間賃金格差の主な要因> 東京海上日動において、男性と女性の間で賃金格差が生じている要因の分析を行った結果、コース区分および勤続年数の差異による影響が大きいことを確認しています。・コース区分 転居を伴う転勤(以下「転居転勤」といいます)の有無で賃金差を設けており、転居転勤がある「グローバル」に男性が多く、転居転勤が原則無い「エリア」に女性が多いことから、男性の賃金水準が高い傾向がある。・勤続年数 男性と女性を比較すると、男性の平均勤続年数が長く、これに伴い男性の賃金水準が高い傾向がある。           <コース区分>                   <勤続年数> <男女間賃金格差解消に向けた主な取組み>・2024年度より新たな人事制度を導入し、コース区分を廃止して「総合職」へ一本化・勤続年数、年齢、性別および採用区分(新卒・キャリア採用)等によらない、能力・意欲に応じた役割付与による成長支援・同意を前提とした転居転勤の導入・仕事と家庭の両立支援のさらなる推進 ●インクルーシブなカルチャーの醸成 多様な人材が持てる力を遺憾なく発揮できるインクルーシブな文化を作ることを目的に、2020年に「プロジェクトMizu」をスタートしました。組織構造や役割の透明化、キャリア採用者向けオンボーディング施策の実施、多様なバックグラウンドを持つ社員間でコミュニケーションを取る際のコラボレーションスタンダードの策定等を通じて、多様性のあるメンバーが協業しやすい環境の整備を進めています。 ハ)エンゲージメントの向上(働きがいおよび働きやすさ) 社員一人ひとりが成長し持てる力を最大限発揮していくベースとなる高いエンゲージメントの実現には、働きがいを持って働ける職場風土と社員の健康の保持および増進が必要不可欠です。エンゲージメント向上の主な取組みは次のとおりです。 ●東京海上グループにおける文化や価値観の浸透状況と課題の把握社員の働きがいを向上させ、能力を最大限発揮できる環境を実現していくためには、各グループ会社への文化や価値観の浸透、エンゲージメントの状況および問題の端緒を継続して的確かつ網羅的に把握し改善に繋げていくことが必要です。そのために、グループを対象とした独自サーベイであるCVSの質問項目の見直しや対象会社の拡大等により、エンゲージメント向上のためのPDCAサイクルの高度化を図っていきます。 ●エンゲージメント向上のための取組み東京海上日動は、社員のエンゲージメント向上に取り組む専任チームである「エンゲージメントデザインチーム」を組成し、地域社会・お客様への貢献や自己成長・自己実現の実感等によりエンゲージメントを向上させる取組みを展開しています。これらの取組みに加え、リモートワークや勤務時間自由選択制度の活用および副業の解禁等の働きやすさを高める施策により、エンゲージメント向上を図っています。当社は、役員報酬の業績連動部分について、会社目標に「サステナビリティ戦略に係る指標」および「社員エンゲージメント指標」を追加し、経営陣がエンゲージメントの向上にコミットする姿勢を明確にしています。 ●社員が心身ともに健康で活き活きと働くためのグループ全体の環境整備 社員一人ひとりが持つ能力を最大限発揮できる環境の土台となるのは、社員の心身の健康の保持および増進です。そのために、当社は「東京海上グループ健康憲章」を定め、グループを挙げて健康経営を推進しています。2024年度からは、毎年6月を「Tokio Marine Wellness Month」と定め、グループが一体となって健康増進の取組みを実施していきます。  東京海上グループの人的資本経営、人事戦略の詳細およびグループにおける取組みの具体例については、人的資本レポート「Human Capital Report 2023」および「Human Capital Report 2024」(2024年6月末発行予定)に記載しています。
人材の育成及び社内環境整備に関する方針に関する指標の内容並びに当該指標を用いた目標及び実績、指標及び目標 ④指標と目標 「②戦略 b)人事戦略 ロ)人事戦略の全体像と指標」に記載のとおりです。  なお、本項の記載には将来に関する事項が含まれていますが、当該事項は本有価証券報告書提出日現在において判断したものです。
事業等のリスク 3【事業等のリスク】
 東京海上グループは、「リスク」、「資本」および「リターン」の関係を常に意識し、リスク対比での健全性と収益性を両立しながら高いROEをめざす「リスクベース経営(ERM:Enterprise Risk Management)」を行っています。 ○リスクベース経営(ERM)のイメージ図  具体的には、リスクアペタイト・フレームワークを起点に、事業計画の策定および検証ならびに事業計画に基づいた資本配分計画を決定するERMサイクルにより「リスク」、「資本」および「リターン」を適切にコントロールし、企業価値の持続的な拡大をめざしています。 ○ERMサイクルのイメージ図(注)1.環境変化等により新たに現れるリスクであり、従来リスクとして認識されていないものおよびリスクの程度が著しく高まったものをいいます。 2.財務の健全性、業務継続性等に極めて大きな影響を及ぼすリスクをいいます。具体的には、エマージングリスクおよび前事業年度のグループの重要なリスクにつき、影響度(経済的影響、業務継続への影響およびレピュテーションへの影響で評価し、最も大きいものを採用)ならびに頻度・蓋然性を評価し、以下の5×5のマトリクスを用いて特定しています。3.重要なリスクについて、対応策の策定(Plan)、実行(Do)、振返り(Check)および改善(Act)を行います。 (1)定性的リスク管理 事業運営を行うなかで直面する様々なリスクを網羅的に把握して対応するため、エマージングリスクの洗出しならびに重要なリスクの特定、評価およびPDCAを行い、毎年取締役会に報告しています。 当社ではこのようなリスク管理を実施してきましたが、東京海上日動で発生した一連の不適正事案を踏まえ、「重要なリスク」の「法令・規制への抵触/コンダクトリスク」に競争法に関するシナリオを加え、対応策を策定しました。 ○重要なリスクの一覧重要なリスク/シナリオ対応例①経済・金融危機〇リーマンショック級の世界金融危機、地政学リスクや大規模災害等に起因する金融・資本市場の混乱等により、東京海上グループの保有資産の価値が下落する。〇政府への信認毀損による日本国債暴落、ハイパーインフレーション等により、東京海上グループの保有資産の価値が下落する。<経済的影響への対応>・地政学リスク等の市場への影響を調査する。・信用リスク集積管理等により、エクスポージャーをコントロールする。・ストレステストを行い、資本十分性や資金流動性を確認する。・金融危機のアクションプランを整備する。②巨大地震〇首都直下地震、南海トラフ巨大地震が発生し、人的・物的被害が甚大となり、東京海上グループの事業を含む社会や経済活動が停滞するとともに保険金支払が多額になる。<経済的影響への対応>・リスクの集積を含めて適切にリスクを評価し、お客様のニーズに沿った商品の開発を行いつつ、リスクに見合った引受け、リスク分散および再保険手配を行うことで利益の安定化を図る。・②、③および⑤については、ストレステストを行い、資本十分性や資金流動性を確認する。 <事業継続への影響やレピュテーションへの対応>・危機管理態勢(後記(3)参照)や事業継続計画等を整備し、有事訓練により実効性を確認する。・⑥については、サイバーセキュリティ態勢も整備し、有事訓練により実効性を確認する。③巨大風水災(含む気候関連物理的リスク)〇巨大台風や集中豪雨が発生し、物的被害が甚大となり、東京海上グループの事業を含む社会や経済活動が停滞するとともに保険金支払が多額になる。④火山噴火〇富士山噴火等が発生し、降灰等により物的被害が甚大となり、東京海上グループの事業を含む社会や経済活動が停滞するとともに保険金支払が多額になる。⑤新ウイルスのまん延〇致死率の高い感染症がまん延し、保険金支払が多額になる。⑥サイバーリスク〇多くの東京海上グループの顧客やそのサプライチェーンがサイバー攻撃を受け、保険金支払が多額になる。〇東京海上グループのシステムがサイバー攻撃を受け、重要情報の漏えいや事業活動の停滞が発生する。⑦地政学リスク○国家間の対立が軍事衝突に発展し、人的・物的被害が甚大となり、東京海上グループの事業を含む社会や経済活動が停滞する。<事業継続への影響やレピュテーションへの対応>・危機管理態勢(後記(3)参照)や事業継続計画等を整備し、有事訓練により実効性を確認する。(経済的影響への対応は上記①に記載)⑧インフレーション〇原材料費の高騰や世界的な物価の急激な上昇等により、保険金支払単価が上昇し、リスクに見合った商品改定や再保険調達ができず保険引受利益が減少する。<経済的影響への対応>・インフレーションの保険商品への影響を分析し、リスクに見合った商品改定や引受けを行う。⑨法令・規制への抵触/コンダクトリスク〇競争法、個人情報保護、マネー・ローンダリング防止、米中対立やウクライナ戦争に関連した経済制裁強化等に関する規制等に抵触し、罰金等を科されるとともにレピュテーションを毀損する。〇業界・企業慣行と世間の常識が乖離することや、適切な企業文化の醸成が不足すること等により、東京海上グループの取組みが社会から不適切とみなされ、レピュテーションを毀損する。<事業継続への影響やレピュテーションへの対応>・東京海上日動における独占禁止法に抵触すると考えられる行為等が認められたことを踏まえ、グローバル施策導入の検討を進める。・国内外の社会環境、行政機関の動向、法令規制改正等を把握し、必要な対策を講じる。・従業員の意識や行動に関する調査を行い、好取組事例の収集や展開を通じて東京海上グループの取組みを改善する。⑩破壊的イノベーション〇デジタルトランスフォーメーション、革新的な新規参入者等により、産業構造が大きく転換するようなイノベーションが発生して東京海上グループの競争優位性が失われ、収入保険料や利益が大きく減少する。<経済的影響への対応>・デジタルトランスフォーメーションの基本戦略推進とプロジェクトの実行を通じて、保険事業の競争優位性を確保する。・保険事業と親和性の高い領域を中心とした新規事業を展開する。⑪AI/データガバナンスの不足〇AIやデータの利活用を進めるなかで、脆弱性・誤情報の出力や倫理上の問題の課題等を適切に管理できないことにより、訴訟の発生やレピュテーション毀損が発生する。または、生産的な事業活動が阻害される。<事業継続への影響やレピュテーションへの対応>・AIやデータの利活用に関するグループ共通のルールの整備等を通じて、当社やグループ会社の態勢整備を行う。 ○エマージングリスクの例エマージングリスク/シナリオ対応例①脱炭素・自然共生社会への不適切な対応 (気候・自然関連移行リスク)〇脱炭素・自然共生社会への移行に乗り遅れた投資先企業の企業価値が下落し、東京海上グループの保有資産の価値も下落する。〇脱炭素・自然共生社会への東京海上グループの取組みが社会から不適切とみなされ、レピュテーションを毀損する。・「環境および社会リスクに対処する東京海上グループポリシー」を表明し、引受禁止/留意事業を特定している。・新たな脱炭素技術に関連する保険商品・リスクコンサルティングサービスの開発を加速している。・従来の情報に加え、非財務情報についても投資判断に考慮する「ESGインテグレーション」を実施している。②地球温暖化、自然資本・生物多様性の喪失 (気候・自然関連物理的リスク)〇地球温暖化や自然資本・生物多様性の喪失の進行により自然災害の激甚化等が進み、短期的にも長期的にも保険金支払が増大する。・自然災害リスク評価の高度化に向け、自然災害に関するリスク計測モデル精緻化や、気候変動の影響を評価する手法の開発等に取り組んでいる。・事業の自然への依存や影響について、研究・分析に取り組んでいる。③ビジネスパートナーリスク〇企業活動に対するバリューチェーン全体を見渡した責任・期待が高まっているなか、業務提携・委託・協業先において、不祥事や事故が発生し、当社の事業継続やレピュテーションに重大な影響が生じる。・「責任ある調達のためのガイドライン」を定め、基本的な考え方をグループ内へ周知したうえで、ビジネスパートナーにも取組みへの協力を促している。・外部委託先やビジネスパートナー選定における経済安全保障に関する観点を整理のうえ、各社での取組みを推進している。④グローバルな人権尊重対応の遅れ〇人権尊重に関する東京海上グループの取組みが社会から不適切とみなされ、レピュテーションを毀損する。・「人権基本方針」を定め、バリューチェーンを含むあらゆる事業活動における人権尊重を推進する姿勢を示すとともに、ビジネスパートナーに対しても本方針の実践を促している。・保険引受・投融資先における人権尊重を推進する取組みとして、特定セクターにおける人権リスクの予防・軽減を評価する「環境・社会リスクへの対応方針」を定め、対外公表している。・当社役職員向けのホットラインに加えて、外部ステークホルダー向けのホットラインを設置している。
(2)定量的リスク管理 格付けの維持および倒産の防止を目的として、保有しているリスク対比で実質純資産が十分な水準にあることを多角的に検証し、財務の健全性が確保されていることを、取締役会において確認しています。 具体的には、リスクをAA格相当の信頼水準である99.95%バリューアットリスク(VaR)(注)1で定量評価し、実質純資産(注)2をリスク量で除したエコノミック・ソルベンシー・レシオ(以下「ESR」といいます)の水準により、資本の十分性を確認するとともに、事業投資機会や今後の市場環境の見通し等を総合的に勘案して資本政策を決定しています。 東京海上グループのESRのターゲットレンジは100~140%ですが、2024年3月末時点におけるESRは140%となり、資本が適切な水準にあることを確認しています。また、重要なリスクのうち、国内外の経済危機、金融・資本市場の混乱、日本国債への信認毀損、巨大地震、巨大風水災および新ウイルスのまん延等の経済的損失が極めて大きいと想定されるシナリオならびに複数の重要なリスクが同時期に発現するシナリオに基づくストレステストも実施し、資本十分性および資金流動性に問題がないことを別途確認しています。(注)1.将来の一定期間のうちに、一定の確率の範囲内で被る可能性のある最大損失額のことをいいます。99.95%VaRとは、今後1年間の損失が99.95%の確率でその額以内に収まる金額水準です。2.財務会計上の連結純資産に、資産と負債を時価評価し、異常危険準備金の加算やのれんの控除等の調整を加えて算出します。 ○ESRの状況 (3)危機管理 定性的リスク管理および定量的リスク管理を行っていても、全てのリスクを完全にコントロールすることは困難であり、また、自然災害のように発生を抑えることが不可能なリスクも存在します。 そのため、有事に際して被る経済的損失等を極小化し、迅速に通常業務へ復旧するため、危機管理態勢や緊急事態時アクション等を整備しています。 また、当社はグループ会社に対し支援・指示・指導を行い、グループ会社は当社に対し報告・連絡・相談を行うことで、グループ会社においても平時から危機管理態勢や緊急事態時アクション等の整備を行うとともに、緊急事態時においては復旧や事業継続を迅速・的確に対応できるよう努めています。 さらに、自然災害やサイバー攻撃等、緊急事態(注)となり得る事象を想定した模擬訓練を実施し、緊急事態時の実践力・応用力も高めています。(注)東京海上グループの各社と顧客・代理店等の利害関係者との関係に重大な影響が生じる事態または東京海上グループの各社の業務に著しい支障が生じると判断される事態です。具体的には、自然災害、パンデミック、システム障害、サイバー攻撃、重要情報の漏えい、重大な法令違反および業務停止命令等、重要なリスクの発現やそれに準じた事態の発生を想定しています。 ○東京海上グループの危機管理態勢  なお、本項の記載には将来に関する事項が含まれていますが、当該事項は本有価証券報告書提出日現在において判断したものです。
経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(1)経営成績等の状況の概要 当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は、次のとおりです。① 財政状態及び経営成績の状況 当連結会計年度の世界経済は、個人消費が拡大した米国を中心に堅調であり、中国における経済減速はみられたものの、全体としては持ち直しました。わが国経済は、引き続き物価上昇による内需の弱さがみられ、回復のペースは緩やかなものに留まりました。 このような情勢のもと損害保険・生命保険を中心に国内外で事業展開を行った結果、当連結会計年度の財政状態および経営成績は、以下のとおりとなりました。 連結総資産は、前連結会計年度末に比べて3兆1,970億円増加し、30兆5,948億円となりました。 保険引受収益5兆9,699億円、資産運用収益1兆2,927億円等を合計した経常収益は、前連結会計年度に比べて8,146億円増加し、7兆4,246億円となりました。一方、保険引受費用5兆274億円、資産運用費用2,603億円、営業費及び一般管理費1兆2,556億円等を合計した経常費用は、前連結会計年度に比べて4,662億円増加し、6兆5,820億円となりました。 この結果、経常利益は、前連結会計年度に比べて3,484億円増加し、8,425億円となりました。 経常利益に特別利益、特別損失、法人税等合計などを加減した親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度に比べて3,212億円増加し、6,958億円となりました。 また、親会社株主に帰属する当期純利益から保険事業特有の各種準備金の影響や資産の売却・評価損益等の当該年度の特殊要因を控除した修正純利益(グループ全体の業績を示す管理会計上の経営指標)は、前連結会計年度に比べて2,675億円増加し、7,116億円となりました。 なお、「第5. 経理の状況 注記事項 追加情報」に記載のとおり、国際財務報告基準(IFRS)を適用している海外連結子会社において、IFRS第17号「保険契約」を当連結会計年度の期首から適用しています。当該会計基準は遡及適用され、本項に記載の前連結会計年度については遡及適用後の数値となっています。  報告セグメント別の状況は、以下のとおりです。 [国内損害保険事業] 国内損害保険事業においては、経常収益は、前連結会計年度に比べて2,261億円増加し、3兆2,667億円となりました。経常利益は、前連結会計年度に比べて389億円増加し、3,234億円となりました。国内損害保険事業における保険引受および資産運用の状況は、以下のとおりです。 a)保険引受業務イ)元受正味保険料(含む収入積立保険料)区分  前連結会計年度(自 2022年4月1日   至 2023年3月31日)  当連結会計年度(自 2023年4月1日   至 2024年3月31日)金額(百万円)構成比(%)対前年増減(△)率(%)金額(百万円)構成比(%)対前年増減(△)率(%)火災保険530,93218.657.25537,26418.721.19海上保険95,3803.3518.5993,8483.27△1.61傷害保険249,1778.753.60248,5228.66△0.26自動車保険1,233,67043.33△0.691,253,17243.671.58自動車損害賠償責任保険223,4007.851.21197,4916.88△11.60その他514,27018.062.97539,35218.804.88合計2,846,830100.002.462,869,651100.000.80(うち収入積立保険料)(50,480)(1.77)(△19.99)(42,515)(1.48)(△15.78)(注)1.諸数値は、セグメント間の内部取引相殺前の金額です。2.元受正味保険料(含む収入積立保険料)とは、元受保険料から元受解約返戻金および元受その他返戻金を控除したものです(積立型保険の積立保険料を含みます。)。ロ)正味収入保険料区分  前連結会計年度(自 2022年4月1日   至 2023年3月31日)  当連結会計年度(自 2023年4月1日   至 2024年3月31日)金額(百万円)構成比(%)対前年増減(△)率(%)金額(百万円)構成比(%)対前年増減(△)率(%)火災保険438,56617.1314.42444,53817.141.36海上保険85,0193.3215.5785,1273.280.13傷害保険192,5837.5210.72200,4237.734.07自動車保険1,228,97148.01△0.601,247,81648.121.53自動車損害賠償責任保険225,2698.80△3.18209,0408.06△7.20その他389,61415.226.05406,21415.664.26合計2,560,025100.003.762,593,160100.001.29(注)諸数値は、セグメント間の内部取引相殺前の金額です。 ハ)正味支払保険金区分  前連結会計年度(自 2022年4月1日   至 2023年3月31日)  当連結会計年度(自 2023年4月1日   至 2024年3月31日)金額(百万円)構成比(%)対前年増減(△)率(%)金額(百万円)構成比(%)対前年増減(△)率(%)火災保険273,74018.8522.65262,39817.29△4.14海上保険39,3862.71△1.1649,1173.2424.71傷害保険102,3147.0425.7898,6046.50△3.63自動車保険664,93045.7810.55726,07847.839.20自動車損害賠償責任保険157,83210.87△7.73162,91810.733.22その他214,30714.7526.19218,78514.412.09合計1,452,510100.0012.881,517,902100.004.50(注)諸数値は、セグメント間の内部取引相殺前の金額です。 b)資産運用業務イ)運用資産区分前連結会計年度(2023年3月31日)当連結会計年度(2024年3月31日)金額(百万円)構成比(%)金額(百万円)構成比(%)預貯金452,9536.04402,5514.60買現先勘定9990.019990.01買入金銭債権28,4750.382,7220.03金銭の信託8,0000.1170.00有価証券5,297,55070.686,459,52773.77貸付金481,5476.43549,7236.28土地・建物204,5372.73199,7632.28運用資産計6,474,06486.387,615,29586.97総資産7,494,722100.008,756,578100.00(注)諸数値は、セグメント間の内部取引相殺前の金額です。ロ)有価証券区分前連結会計年度(2023年3月31日)当連結会計年度(2024年3月31日)金額(百万円)構成比(%)金額(百万円)構成比(%)国債1,220,50423.041,094,09216.94地方債61,8761.1748,3440.75社債520,8679.83513,9307.96株式2,438,25146.033,567,46355.23外国証券1,030,82619.461,214,27518.80その他の証券25,2230.4821,4200.33合計5,297,550100.006,459,527100.00(注)諸数値は、セグメント間の内部取引相殺前の金額です。 ハ)利回りⅰ)運用資産利回り(インカム利回り)区分  前連結会計年度(自 2022年4月1日   至 2023年3月31日)  当連結会計年度(自 2023年4月1日   至 2024年3月31日)収入金額(百万円)平均運用額(百万円)年利回り(%)収入金額(百万円)平均運用額(百万円)年利回り(%)預貯金194433,8210.04327388,3770.08コールローン-20.00-80.00買現先勘定01,9870.0209990.01買入金銭債権2023,2600.091632,6110.05金銭の信託△07,333△0.00-6750.00有価証券139,6013,391,6744.12153,1423,232,2504.74貸付金18,003410,9264.3827,664481,4715.75土地・建物5,693207,7062.745,267201,8372.61小計163,5134,476,7133.65186,4194,338,2314.30その他2,531--4,542--合計166,045--190,961--(注)1.諸数値は、セグメント間の内部取引相殺前の金額です。2.収入金額は、連結損益計算書における「利息及び配当金収入」に、「金銭の信託運用益」のうち利息及び配当金収入相当額を含めた金額です。3.平均運用額は、原則として各月末残高(取得原価または償却原価)の平均に基づいて算出しています。ただし、コールローン、買現先勘定および買入金銭債権については、日々の残高(取得原価または償却原価)の平均に基づいて算出しています。 ⅱ)資産運用利回り(実現利回り)区分  前連結会計年度(自 2022年4月1日   至 2023年3月31日)  当連結会計年度(自 2023年4月1日   至 2024年3月31日)資産運用損益(実現ベース)(百万円)平均運用額(取得原価ベース)(百万円)年利回り(%)資産運用損益(実現ベース)(百万円)平均運用額(取得原価ベース)(百万円)年利回り(%)預貯金9,847433,8212.2713,243388,3773.41コールローン-20.00-80.00買現先勘定01,9870.0209990.01買入金銭債権2023,2600.091632,6110.05金銭の信託2937,3334.0006750.02有価証券244,2083,391,6747.20339,9283,232,25010.52貸付金31,242410,9267.6046,342481,4719.63土地・建物5,693207,7062.745,267201,8372.61金融派生商品△59,617--△128,363--その他2,905--7,686--合計234,5944,476,7135.24284,1234,338,2316.55(注)1.諸数値は、セグメント間の内部取引相殺前の金額です。2.資産運用損益(実現ベース)は、連結損益計算書における「資産運用収益」および「積立保険料等運用益」の合計額から「資産運用費用」を控除した金額です。3.平均運用額(取得原価ベース)は、原則として各月末残高(取得原価または償却原価)の平均に基づいて算出しています。ただし、コールローン、買現先勘定および買入金銭債権については、日々の残高(取得原価または償却原価)の平均に基づいて算出しています。[国内生命保険事業]国内生命保険事業においては、経常収益は、前連結会計年度に比べて586億円減少し、6,410億円となりました。経常利益は、前連結会計年度に比べて54億円増加し、571億円となりました。国内生命保険事業における保険引受および資産運用の状況は、以下のとおりです。 a)保険引受業務イ)保有契約高区分前連結会計年度(2023年3月31日)当連結会計年度(2024年3月31日)金額(百万円)対前年増減(△)率(%)金額(百万円)対前年増減(△)率(%)個人保険28,386,051△1.1327,858,055△1.86個人年金保険1,878,882△4.321,796,195△4.40団体保険1,912,540△3.351,664,237△12.98団体年金保険2,768△9.962,712△2.04(注)1.諸数値は、セグメント間の内部取引相殺前の金額です。2.個人年金保険については、年金支払開始前契約の年金支払開始時における年金原資と年金支払開始後契約の責任準備金を合計したものです。3.団体年金保険については、責任準備金の金額です。 ロ)新契約高区分  前連結会計年度(自 2022年4月1日   至 2023年3月31日)  当連結会計年度(自 2023年4月1日   至 2024年3月31日)新契約+転換による純増加(百万円)新契約(百万円)転換による純増加(百万円)新契約+転換による純増加(百万円)新契約(百万円)転換による純増加(百万円)個人保険2,123,2122,123,212-1,935,5171,935,517-個人年金保険------団体保険25,09225,092-8,9708,970-団体年金保険------(注)1.諸数値は、セグメント間の内部取引相殺前の金額です。2.新契約の個人年金保険の金額は、年金支払開始時における年金原資の額です。3.新契約の団体年金保険の金額は、第1回収入保険料です。 b)資産運用業務イ)運用資産区分前連結会計年度(2023年3月31日)当連結会計年度(2024年3月31日)金額(百万円)構成比(%)金額(百万円)構成比(%)預貯金74,5810.8570,5670.80有価証券8,238,75494.238,345,14094.21貸付金254,4722.91253,4182.86土地・建物8330.011,5140.02運用資産計8,568,64198.008,670,64097.88総資産8,743,102100.008,858,300100.00(注)諸数値は、セグメント間の内部取引相殺前の金額です。 ロ)有価証券区分前連結会計年度(2023年3月31日)当連結会計年度(2024年3月31日)金額(百万円)構成比(%)金額(百万円)構成比(%)国債7,130,63586.557,061,54084.62地方債5,6100.075,6100.07社債528,7766.42533,0326.39株式1510.001940.00外国証券385,4544.68448,0145.37その他の証券188,1252.28297,1783.56合計8,238,754100.008,345,140100.00(注)諸数値は、セグメント間の内部取引相殺前の金額です。 ハ)利回りⅰ)運用資産利回り(インカム利回り)区分  前連結会計年度(自 2022年4月1日   至 2023年3月31日)  当連結会計年度(自 2023年4月1日   至 2024年3月31日)収入金額(百万円)平均運用額(百万円)年利回り(%)収入金額(百万円)平均運用額(百万円)年利回り(%)預貯金085,0260.00064,2900.00有価証券105,6318,254,4711.28106,9457,948,5641.35貸付金13,885243,5585.7018,639254,8747.31土地・建物-1,0250.00-1,4110.00小計119,5178,584,0811.39125,5848,269,1411.52その他------合計119,517--125,584--(注)1.諸数値は、セグメント間の内部取引相殺前の金額です。なお、保険業法第118条に規定する特別勘定に係る収入金額および平均運用額については、除外しています。2.収入金額は、連結損益計算書における「利息及び配当金収入」です。3.平均運用額は、原則として各月末残高(取得原価または償却原価)の平均に基づいて算出しています。 ⅱ)資産運用利回り(実現利回り)区分  前連結会計年度(自 2022年4月1日   至 2023年3月31日)  当連結会計年度(自 2023年4月1日   至 2024年3月31日)資産運用損益(実現ベース)(百万円)平均運用額(取得原価ベース)(百万円)年利回り(%)資産運用損益(実現ベース)(百万円)平均運用額(取得原価ベース)(百万円)年利回り(%)預貯金6185,0260.0712464,2900.19有価証券140,1388,254,4711.70115,6177,948,5641.45貸付金13,822243,5585.6814,034254,8745.51土地・建物-1,0250.00-1,4110.00金融派生商品△19,356--△39,725--その他------合計134,6658,584,0811.5790,0508,269,1411.09(注)1.諸数値は、セグメント間の内部取引相殺前の金額です。なお、保険業法第118条に規定する特別勘定に係る資産運用損益および平均運用額については、除外しています。2.資産運用損益(実現ベース)は、連結損益計算書における「資産運用収益」から「資産運用費用」を控除した金額です。3.平均運用額(取得原価ベース)は、原則として各月末残高(取得原価または償却原価)の平均に基づいて算出しています。[海外保険事業]海外保険事業においては、経常収益は、前連結会計年度に比べて7,282億円増加し、3兆6,508億円となりました。経常利益は、前連結会計年度に比べて3,030億円増加し、4,528億円となりました。海外保険事業における保険引受および資産運用の状況は、以下のとおりです。 a)保険引受業務イ)正味収入保険料区分  前連結会計年度(自 2022年4月1日   至 2023年3月31日)  当連結会計年度(自 2023年4月1日   至 2024年3月31日)金額(百万円)構成比(%)対前年増減(△)率(%)金額(百万円)構成比(%)対前年増減(△)率(%)火災保険379,23919.8641.26488,14021.8728.72海上保険89,2714.6730.52106,9184.7919.77傷害保険35,3471.8511.7838,7201.739.54自動車保険437,38322.9057.16521,91023.3819.33その他968,77750.7225.191,076,19148.2211.09合計1,910,019100.0034.452,231,880100.0016.85(注)諸数値は、セグメント間の内部取引相殺前の金額です。 ロ)正味支払保険金区分  前連結会計年度(自 2022年4月1日   至 2023年3月31日)  当連結会計年度(自 2023年4月1日   至 2024年3月31日)金額(百万円)構成比(%)対前年増減(△)率(%)金額(百万円)構成比(%)対前年増減(△)率(%)火災保険153,48618.252.35232,70121.9351.61海上保険34,1844.0629.5643,6574.1127.71傷害保険14,7131.75△2.3321,5202.0346.26自動車保険223,40126.5650.01279,59926.3525.16その他415,27249.3826.43483,54845.5716.44合計841,058100.0025.761,061,026100.0026.15(注)諸数値は、セグメント間の内部取引相殺前の金額です。 b)資産運用業務イ)運用資産区分前連結会計年度(2023年3月31日)当連結会計年度(2024年3月31日)金額(百万円)構成比(%)金額(百万円)構成比(%)預貯金307,0352.70385,9332.90買入金銭債権1,835,34816.172,323,60117.44有価証券4,951,14743.625,873,40044.08貸付金1,993,79317.562,276,80517.09土地・建物121,8751.07131,1520.98運用資産計9,209,20181.1310,990,89482.49総資産11,351,487100.0013,324,604100.00(注)諸数値は、セグメント間の内部取引相殺前の金額です。 ロ)利回りⅰ)運用資産利回り(インカム利回り)区分  前連結会計年度(自 2022年4月1日   至 2023年3月31日)  当連結会計年度(自 2023年4月1日   至 2024年3月31日)収入金額(百万円)平均運用額(百万円)年利回り(%)収入金額(百万円)平均運用額(百万円)年利回り(%)預貯金3,071298,7271.038,770346,4872.53買入金銭債権90,0301,759,2585.12150,3292,196,6026.84有価証券174,6584,817,8153.63198,1225,586,8023.55貸付金140,0781,767,6107.92213,3852,137,6139.98土地・建物1,00097,9691.0214,378126,47411.37小計408,8398,741,3824.68584,98610,393,9805.63その他2,088--2,088--合計410,927--587,074--(注)1.諸数値は、セグメント間の内部取引相殺前の金額です。なお、連結貸借対照表における有価証券には持分法適用会社に対する株式が含まれていますが、平均運用額および年利回りの算定上は同株式を除外しています。2.収入金額は、連結損益計算書における「利息及び配当金収入」です。3.平均運用額は、期首・期末残高(取得原価または償却原価)の平均に基づいて算出しています。 ⅱ)資産運用利回り(実現利回り)区分  前連結会計年度(自 2022年4月1日   至 2023年3月31日)  当連結会計年度(自 2023年4月1日   至 2024年3月31日)資産運用損益(実現ベース)(百万円)平均運用額(取得原価ベース)(百万円)年利回り(%)資産運用損益(実現ベース)(百万円)平均運用額(取得原価ベース)(百万円)年利回り(%)預貯金31298,7270.0110,215346,4872.95買現先勘定2,531--211--買入金銭債権81,7771,759,2584.65148,8092,196,6026.77有価証券142,0844,817,8152.95274,2985,586,8024.91貸付金127,1331,767,6107.19162,1112,137,6137.58土地・建物1,00097,9691.0214,378126,47411.37金融派生商品△13,254--17,512--その他2,466--1,082--合計343,7708,741,3823.93628,62110,393,9806.05(注)1.諸数値は、セグメント間の内部取引相殺前の金額です。なお、連結貸借対照表における有価証券には持分法適用会社に対する株式が含まれていますが、平均運用額および年利回りの算定上は同株式を除外しています。2.資産運用損益(実現ベース)は、連結損益計算書における「資産運用収益」から「資産運用費用」を控除した金額です。3.平均運用額(取得原価ベース)は、期首・期末残高(取得原価または償却原価)の平均に基づいて算出しています。 (参考)全事業の状況 a)元受正味保険料(含む収入積立保険料)区分 前連結会計年度(自 2022年4月1日   至 2023年3月31日)  当連結会計年度(自 2023年4月1日   至 2024年3月31日)金額(百万円)構成比(%)対前年増減(△)率(%)金額(百万円)構成比(%)対前年増減(△)率(%)火災保険1,097,68821.3918.491,269,42722.8815.65海上保険218,3154.2523.87228,0334.114.45傷害保険288,7375.634.56292,6035.271.34自動車保険1,665,80032.468.451,778,54332.066.77自動車損害賠償責任保険223,4004.351.21197,4913.56△11.60その他1,637,83531.9216.401,781,26932.118.76合計5,131,778100.0012.975,547,369100.008.10(うち収入積立保険料)(50,480)(0.98)(△19.99)(42,515)(0.77)(△15.78)(注)1.諸数値は、セグメント間の内部取引相殺後の金額です。2.元受正味保険料(含む収入積立保険料)とは、元受保険料から元受解約返戻金および元受その他返戻金を控除したものです(積立型保険の積立保険料を含みます。)。 b)正味収入保険料区分  前連結会計年度(自 2022年4月1日   至 2023年3月31日)  当連結会計年度(自 2023年4月1日   至 2024年3月31日)金額(百万円)構成比(%)対前年増減(△)率(%)金額(百万円)構成比(%)対前年増減(△)率(%)火災保険817,80518.3025.48932,67819.3314.05海上保険174,2913.9022.77192,0463.9810.19傷害保険227,9235.1010.89239,1364.964.92自動車保険1,666,35337.2810.011,769,72536.686.20自動車損害賠償責任保険225,2695.04△3.18209,0404.33△7.20その他1,358,34530.3919.031,482,35830.729.13合計4,469,989100.0014.974,824,986100.007.94(注)諸数値は、セグメント間の内部取引相殺後の金額です。 c)正味支払保険金区分  前連結会計年度(自 2022年4月1日   至 2023年3月31日)  当連結会計年度(自 2023年4月1日   至 2024年3月31日)金額(百万円)構成比(%)対前年増減(△)率(%)金額(百万円)構成比(%)対前年増減(△)率(%)火災保険427,22618.6314.49495,09919.2015.89海上保険73,4823.2011.0792,6933.5926.14傷害保険116,8045.0921.35120,1234.662.84自動車保険888,33038.7418.381,005,28938.9913.17自動車損害賠償責任保険157,8326.88△7.73162,9186.323.22その他629,57327.4526.35702,33127.2411.56合計2,293,251100.0017.282,578,456100.0012.44(注)諸数値は、セグメント間の内部取引相殺後の金額です。② キャッシュ・フローの状況 当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況は、以下のとおりです。 営業活動によるキャッシュ・フローは、利息及び配当金の受取額の増加等により、前連結会計年度に比べて644億円収入が増加し、1兆721億円の収入となりました。投資活動によるキャッシュ・フローは、有価証券の売却・償還による収入の減少等により、前連結会計年度に比べて6,457億円支出が増加し、6,276億円の支出となりました。財務活動によるキャッシュ・フローは、資金調達目的の債券貸借取引受入担保金の純増減額の増加等により、前連結会計年度に比べて6,030億円支出が減少し、4,062億円の支出となりました。 これらの結果、当連結会計年度末の現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度末より1,015億円増加し、1兆869億円となりました。 ③ 生産、受注及び販売の実績 保険持株会社としての業務の特性から、該当する情報がないので記載していません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は、次のとおりです。 なお、本項に含まれる将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定 当社の連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して作成しています。その作成には、経営者による会計方針の選択適用、合理的な見積りを必要としますが、実際には見積りと異なる結果となることもあります。 当社の連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、第5 経理の状況の「連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載していますが、特に以下の重要な会計方針および見積りが連結財務諸表に大きな影響を及ぼすと考えています。a)金融商品の時価の算定方法 有価証券、デリバティブ取引等について、時価の算定は原則として市場価格に基づいていますが、一部の市場価格のない有価証券、デリバティブ取引等については、将来キャッシュ・フローの現在価値や契約期間等の構成要素に基づく合理的な見積りによって算出された価額等を時価としています。b)有価証券の減損処理 売買目的有価証券以外の有価証券について、時価または実質価額が取得原価に比べて著しく下落した場合、回復する見込みがあると認められるものを除き、減損処理を行っています。なお、その他有価証券(市場価格のない株式等を除く。)については、原則として、連結会計年度末の時価が取得原価に比べて30%以上下落した場合に減損処理を行っています。c)固定資産の減損処理 収益性の低下により投資額の回収が見込めなくなった固定資産については、一定の条件の下で回収可能性を反映させるように、帳簿価額を減額する会計処理を行っています。資産または資産グループの回収可能価額は、正味売却価額(資産または資産グループの時価から処分費用見込額を控除して算定される価額)と使用価値(資産または資産グループの継続的使用と使用後の処分によって生ずると見込まれる将来キャッシュ・フローの現在価値)のいずれか高い方の金額であることから、固定資産の減損損失の金額は合理的な仮定および予測に基づく将来キャッシュ・フローの見積りに依存しています。従って、固定資産の使用方法を変更した場合、不動産取引相場や賃料相場等が変動した場合およびのれんが認識された取引において取得した事業の状況に変動が生じた場合には、新たに減損損失が発生する可能性があります。d)繰延税金資産 繰延税金資産の回収可能性の判断に際して、将来の課税所得を合理的に見積っています。将来の課税所得は過去の業績等に基づいて見積っているため、将来において当社グループを取り巻く環境に大きな変化があった場合、税制改正によって法定実効税率が変更された場合等においては、繰延税金資産の回収可能額が変動する可能性があります。e)貸倒引当金 債権の貸倒れによる損失に備えて、回収不能見積額を貸倒引当金として計上していますが、貸付先の財務状況が変化した場合には、貸倒損失や貸倒引当金の計上額が、当初の見積額から変動する可能性があります。f)支払備金 保険契約に基づいて支払義務が発生したと認められる保険金等のうち、未だ支払っていない金額を見積り、支払備金として積み立てています。このうち既発生未報告の支払備金については、主に統計的見積法により算出しています。各事象の将来における状況変化、為替変動の影響等により、支払備金の計上額が、当初の見積額から変動する可能性があります。g)責任準備金等 保険契約に基づく将来における債務の履行に備えるため、責任準備金等を積み立てています。当初想定した環境や条件等が大きく変化し、責任準備金等を上回る支払が発生する可能性があります。h)退職給付債務等 退職給付費用および退職給付債務は、連結会計年度末時点の制度を前提とし、割引率や長期期待運用収益率、将来の退職率および死亡率等、一定の前提条件に基づいて計算しています。実際の結果がこれらの前提条件と異なる場合、また前提条件を変更する必要が生じた場合には、将来の退職給付費用および退職給付債務は変動する可能性があります。② 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容 当連結会計年度における当社グループの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容については、以下のとおりです。なお、当社グループの課題認識および経営成績に重要な影響を与えるリスクについては、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等
(2) 経営環境及び対処すべき課題」および「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおりです。 a)経営成績の分析 当連結会計年度の状況については、以下のとおりです。連結主要指標 (単位:百万円)    前連結会計年度 (自 2022年4月1日  至 2023年3月31日)   当連結会計年度 (自 2023年4月1日  至 2024年3月31日)増減増減率経常収益6,610,0467,424,667814,62112.3%正味収入保険料4,469,9894,824,986354,9967.9%生命保険料1,071,6451,049,852△21,792△2.0%経常利益494,165842,576348,41070.5%親会社株主に帰属する当期純利益374,605695,808321,20285.7%修正純利益444,098711,634267,53660.2%  経常収益は、前連結会計年度に比べて8,146億円増加し、7兆4,246億円となりました。 経常利益は、国内損害保険事業において、政策株式売却益が増加したことや、海外保険事業において、北米、欧州およびブラジルの子会社における保険引受が好調であったことならびに北米の子会社において資産運用が好調であったこと等により、前連結会計年度に比べて3,484億円増加し、8,425億円となりました。 経常利益に特別利益、特別損失、法人税等合計などを加減した親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度に比べて3,212億円増加し、6,958億円となりました。 また、親会社株主に帰属する当期純利益から保険事業特有の各種準備金の影響や資産の売却・評価損益等の当該年度の特殊要因を控除した修正純利益(グループ全体の業績を示す管理会計上の経営指標)は、前連結会計年度に比べて2,675億円増加し、7,116億円となりました。  報告セグメント別の状況は、以下のとおりです。[国内損害保険事業] 国内損害保険事業において、東京海上日動火災保険株式会社は、令和6年能登半島地震の発生を受け、直ちに社長直轄の対策本部を立ち上げました。社員を全国から被災地に派遣するとともに、テクノロジーを駆使し、全国の拠点で保険金支払業務を分担するなど、全社を挙げて迅速に災害対応にあたりました。また、自動車保険の特約として提供しているドライブレコーダーの走行データを活用し、道路の地割れや隆起等の情報を表示した地図を提供するなど、被災地向けの情報提供にも取り組みました。 多様化・複雑化する社会課題に対し、防災・減災、気候変動、ヘルスケア、サイバーリスク等を重点分野として定め、社会課題解決に貢献することを通じた新たなマーケット創造をめざし取組みを推進しました。社会課題の一つである認知症に対し、新たな治療薬が承認されたことを受け、早期発見や早期治療を経済的に支援する認知症治療支援保険をエーザイ社と共同で開発しました。また、交通における諸課題の解決策として期待される自動運転車について、安心・安全な社会実装に向け、走行前、走行中および事故時の各フェーズを、リスクアセスメント、遠隔監視・インシデント対応サービスおよび自動車保険によってお守りする自動運転導入・運行支援パッケージの提供を開始しました。 東京海上日動火災保険株式会社は、ビッグモーターグループによる不正請求が判明したことを受け、お客様の被害回復に最優先で取り組むとともに、不正請求対策の専門チーム設置やビッグデータにより修理費異常値を検知するテクノロジー活用の検討等、適正な保険金のお支払いに向け損害査定体制を強化しています。  上記のとおり事業に取り組んだ結果、正味収入保険料は、前連結会計年度に比べて331億円増加し、2兆5,931億円となりました。経常利益は、政策株式売却益が増加したことを主因として、前連結会計年度に比べて389億円増加し、3,234億円となりました。 (単位:百万円)    前連結会計年度 (自 2022年4月1日  至 2023年3月31日)   当連結会計年度 (自 2023年4月1日  至 2024年3月31日)増減増減率正味収入保険料2,560,0252,593,16033,1351.3%経常利益284,594323,49838,90313.7% [国内生命保険事業] 国内生命保険事業において、東京海上日動あんしん生命保険株式会社は、強みである生損一体のビジネスモデルを活かしつつ、就業不能や介護等の分野への保障を提供する「生存保障革命」を推進しています。 がんの最新治療等に関する費用に対し最大1億円の保障を付帯できる「あんしんがん治療保険」が高い評価を受けるなど、2024年「オリコン顧客満足度Ⓡ調査」の「がん保険ランキング」において、総合1位を獲得しました。また、2023年8月に、生活習慣病8疾病を対象に、入院の有無を問わず通院治療から保障する「あんしん治療サポート保険」を発売しました。同保険は、早期発見から長期治療までを手厚く保障することで、いつまでも健康で長生きしたいというニーズにお応えし、お客様の健康をトータルでサポートします。 各国における金融政策転換等によって、市場・経済環境の不確実性が増しているなか、資産と負債の総合管理(ALM)を基本とした資産運用に継続的に取り組むなど、適切な金利リスクコントロールに努めました。 上記のとおり事業に取り組んだ結果、生命保険料は、事業保険の解約が増加したこと等により、前連結会計年度に比べて846億円減少し、4,288億円となりました。経常利益は、前連結会計年度に比べて54億円増加し、571億円となりました。 (単位:百万円)    前連結会計年度 (自 2022年4月1日  至 2023年3月31日)   当連結会計年度 (自 2023年4月1日  至 2024年3月31日)増減増減率生命保険料513,442428,831△84,611△16.5%経常利益51,74957,1565,40610.4% [海外保険事業] 海外保険事業においては、グループ全体のグローバルな成長と分散の効いたポートフォリオの構築を実現すべく、持続的な内部成長と戦略的なM&Aを取組みの両輪としています。また、グループ各社の優れたノウハウを相互に活用し、保険料収入の拡大、資産運用の高度化、業務効率の向上等のシナジー実現にも幅広く取り組みました。 世界中の各拠点が着実な事業の成長実現をめざし、新たな保険商品の拡充や市場環境を踏まえた保険料率の見直し等による保険引受利益の拡大に取り組みました。また、資産運用面でも、金利上昇のタイミングを的確に捉えた運用を行うことで好成績をあげることができました。これらの結果として、先進国においては、大型M&Aで買収した5社のうち北米のPhiladelphia Consolidated Holding Corp.、Delphi Financial Group, Inc.、HCC Insurance Holdings, Inc.およびPrivilege Underwriters, Inc.の4社は3年連続でそれぞれ過去最高益を達成しました。また、もう1社の欧州のTokio Marine Kiln Group Limitedは事業売却を含めたポートフォリオの再構築等により大きく収益を改善しました。新興国においては、ブラジルのTokio Marine Seguradora S.A.が2年連続で過去最高益を達成しました。 大型M&Aについては、これまで市場環境を見据えながら実行してきており、現在も常に規律をもって優良な投資機会をうかがっています。同時に、成長戦略の一環として自社の既存事業を強化するために海外グループ会社が実施する「ボルトオンM&A」を積極的に実行してきました。規律をもった事業売却にも継続的に取り組み、事業ポートフォリオの最適化を追求しています。2023年度は、HCC Insurance Holdings, Inc.が今後拡大が見込まれる中小企業向けの医療保険分野に高い知見をもつ米国の保険総代理店のボルトオンM&Aを行う一方、当社はさらなる資本効率の向上を目的としてグアム現地法人およびサウジアラビアの生損保会社を売却しました。 上記のとおり事業に取り組んだ結果、正味収入保険料は、北米、欧州およびブラジルの子会社における市場環境を踏まえた保険料率の見直しや引受拡大等に伴う増収ならびに円安を主因に、前連結会計年度に比べて3,218億円増加し、2兆2,318億円となりました。生命保険料は、前連結会計年度に比べて628億円増加し、6,210億円となりました。経常利益は、北米、欧州およびブラジルの子会社における好調な保険引受ならびに北米の子会社における好調な資産運用を主因として、前連結会計年度に比べて3,030億円増加し、4,528億円となりました。 (単位:百万円)    前連結会計年度 (自 2022年4月1日  至 2023年3月31日)   当連結会計年度 (自 2023年4月1日  至 2024年3月31日)増減増減率正味収入保険料1,910,0192,231,880321,86016.9%生命保険料558,209621,02862,81811.3%経常利益149,803452,838303,035202.3% b)財政状態の分析イ)連結ソルベンシー・マージン比率  当社は、保険業法施行規則第210条の11の3および第210条の11の4ならびに平成23年金融庁告示第23号の規定に基づき、連結ソルベンシー・マージン比率を算出しています。  当社グループの子会社では、損害保険事業、生命保険事業や少額短期保険業を営んでいます。保険会社グループは、保険金の支払等に備えて準備金を積み立てていますが、巨大災害の発生や資産の大幅な価格下落等、通常の予測を超える危険が発生した場合でも、十分な支払能力を保持しておく必要があります。こうした「通常の予測を超える危険」を示す「連結リスクの合計額」(下表の(B))に対する「保険会社グループが保有している資本金・準備金等の支払余力」(すなわち連結ソルベンシー・マージン総額:下表の(A))の割合を示すために計算された指標が、「連結ソルベンシー・マージン比率」(下表の(C))です。  連結ソルベンシー・マージン比率の計算対象となる範囲は、連結財務諸表の取扱いと同一ですが、保険業法上の子会社(議決権が50%超の子会社)については、計算対象に含めています。  連結ソルベンシー・マージン比率は、行政当局が保険会社グループを監督する際に活用する客観的な判断指標のひとつですが、その数値が200%以上であれば「保険金等の支払能力の充実の状況が適当である」とされています。  当連結会計年度末の連結ソルベンシー・マージン比率は、前連結会計年度末と比べて25.3ポイント上昇して652.8%となりました。これは、その他有価証券評価差額金の増加による連結ソルベンシー・マージン総額の増加が主因です。 (単位:百万円) 前連結会計年度(2023年3月31日)当連結会計年度(2024年3月31日)(A)連結ソルベンシー・マージン総額4,947,0046,485,705(B)連結リスクの合計額1,576,5261,986,901(C)連結ソルベンシー・マージン比率  [(A)/{(B)×1/2}]×100627.5%652.8% ロ)国内保険会社の単体ソルベンシー・マージン比率  国内保険会社は、保険業法施行規則第86条および第87条ならびに平成8年大蔵省告示第50号の規定に基づき、単体ソルベンシー・マージン比率を算出しています。  保険会社は、保険金の支払等に備えて準備金を積み立てていますが、巨大災害の発生や資産の大幅な価格下落等、通常の予測を超える危険が発生した場合でも、十分な支払能力を保持しておく必要があります。こうした「通常の予測を超える危険」を示す「単体リスクの合計額」(下表の(B))に対する「保険会社が保有している資本金・準備金等の支払余力」(すなわち単体ソルベンシー・マージン総額:下表の(A))の割合を示すために計算された指標が、「単体ソルベンシー・マージン比率」(下表の(C))です。  単体ソルベンシー・マージン比率は、行政当局が保険会社を監督する際に活用する客観的な判断指標のひとつですが、その数値が200%以上であれば「保険金等の支払能力の充実の状況が適当である」とされています。  当事業年度末の国内保険会社の単体ソルベンシー・マージン比率は、以下のとおりとなっています。東京海上日動火災保険株式会社については、前事業年度末と比べて4.8ポイント上昇して863.7%となりました。これは、当期純利益の計上等によるソルベンシー・マージン総額の増加が主因です。 ⅰ)東京海上日動火災保険株式会社 (単位:百万円) 前事業年度(2023年3月31日)当事業年度(2024年3月31日)(A)単体ソルベンシー・マージン総額5,287,6266,454,659(B)単体リスクの合計額1,231,2341,494,546(C)単体ソルベンシー・マージン比率  [(A)/{(B)×1/2}]×100858.9%863.7% ⅱ)日新火災海上保険株式会社 (単位:百万円) 前事業年度(2023年3月31日)当事業年度(2024年3月31日)(A)単体ソルベンシー・マージン総額133,868121,134(B)単体リスクの合計額22,54222,865(C)単体ソルベンシー・マージン比率  [(A)/{(B)×1/2}]×1001,187.6%1,059.5% ⅲ)イーデザイン損害保険株式会社 (単位:百万円) 前事業年度(2023年3月31日)当事業年度(2024年3月31日)(A)単体ソルベンシー・マージン総額12,98814,548(B)単体リスクの合計額4,6664,259(C)単体ソルベンシー・マージン比率  [(A)/{(B)×1/2}]×100556.6%683.1% ⅳ)東京海上日動あんしん生命保険株式会社 (単位:百万円) 前事業年度(2023年3月31日)当事業年度(2024年3月31日)(A)単体ソルベンシー・マージン総額555,469531,822(B)単体リスクの合計額106,044111,583(C)単体ソルベンシー・マージン比率  [(A)/{(B)×1/2}]×1001,047.6%953.2% c)資金の流動性に係る情報 当社グループの短期的な資金需要として、主に日々の保険金の支払等がありますが、強固なリスク管理態勢の下で保険事業を運営し、安定的にプラスの営業キャッシュ・フローを確保することにより、十分な流動性を保持しています。また、大規模自然災害による大口の支払や市場の混乱等により資金繰りが悪化する局面に備え、流動性の高い債券を保有すること等により、適切な流動性管理を行っています。 事業投資等の中長期的な資金需要に対しては、グループ内の自己資金を活用するほか、外部からの資金調達を行う等、資金需要の性質に応じて適切な資金源を確保しています。 d)目標とする経営指標の分析 「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (1) 経営方針 ③ 目標とする経営指標等」に記載のとおりです。
経営上の重要な契約等 5【経営上の重要な契約等】
 2023年度において、経営上の重要な契約等の決定または締結等はありません。
研究開発活動 6【研究開発活動】
 該当事項はありません。
設備投資等の概要 1【設備投資等の概要】
 当社グループは、顧客サービスの充実、業務の効率化等を目的として設備投資を行っており、その主な内容はソフトウエアに関するものです。当連結会計年度の設備投資の内訳は、以下のとおりです。事業セグメント金額(百万円)国内損害保険事業83,649国内生命保険事業9,492海外保険事業39,346金融・その他事業1,038合計133,526
主要な設備の状況 2【主要な設備の状況】
 当社および連結子会社における主要な設備は、以下のとおりです。(1)提出会社2024年3月31日現在 会社名店名(所在地)セグメントの名称帳簿価額(百万円)従業員数(人)賃借料(百万円)土地(面積㎡)建物動産ソフトウエア東京海上ホールディングス株式会社本社(東京都千代田区)持株会社-(-)-622,5771,117- (2)国内子会社2024年3月31日現在 会社名店名(所在地)セグメントの名称帳簿価額(百万円)従業員数(人)賃借料(百万円)土地(面積㎡)建物動産ソフトウエア東京海上日動火災保険株式会社本社(東京都千代田区)国内損害保険事業60,524(118,337)58,15224,644164,83016,29611,769日新火災海上保険株式会社本社(東京都千代田区)国内損害保険事業9,734(17,278)7,3431,6536,5462,0161,498イーデザイン損害保険株式会社本社(東京都新宿区)国内損害保険事業-(-)105444,001378271東京海上日動あんしん生命保険株式会社本社(東京都千代田区)国内生命保険事業-(-)76045920,3962,1861,903東京海上ミレア少額短期保険株式会社本社(横浜市西区)国内損害保険事業-(-)286316210798東京海上アセットマネジメント株式会社本社(東京都千代田区)金融・その他事業-(-)434196393379468 (3)在外子会社2024年3月31日現在 会社名店名(所在地)セグメントの名称帳簿価額(百万円)従業員数(人)賃借料(百万円)土地(面積㎡)建物動産ソフトウエアTokio Marine NorthAmerica, Inc.本社(米国・デラウェア州・ウィルミントン)海外保険事業-(-)3,8245754,498492432PhiladelphiaConsolidated HoldingCorp.本社(米国・ペンシルバニア州・バラキンウィッド)海外保険事業-(-)12,47631117,7121,9321,569Delphi Financial Group,Inc.本社(米国・デラウェア州・ウィルミントン)海外保険事業608(71,876)17,8764,81927,2003,3172,663HCC Insurance Holdings,Inc.本社(米国・デラウェア州・ウィルミントン)海外保険事業633(63,318)12,8226,89714,8994,1283,846Privilege Underwriters,Inc.本社(米国・デラウェア州・ウィルミントン)海外保険事業-(-)1,7237894,5701,092896Tokio Marine Kiln GroupLimited本社(英国・ロンドン)海外保険事業-(-)5,0583913,340729-Tokio Marine Asia Pte.Ltd.本社(シンガポール・シンガポール)海外保険事業-(-)457831989-Tokio Marine LifeInsurance Singapore Ltd.本社(シンガポール・シンガポール)海外保険事業1,498(144)705140577246-Tokio Marine SeguradoraS.A.本社(ブラジル・サンパウロ)海外保険事業273(4,660)1,2768803122,363357(注)1.上記はすべて営業用設備です。2.建物および動産には、リース資産の金額を含めて記載しています。3.建物の一部を賃借しています。4.Tokio Marine North America, Inc.、Philadelphia Consolidated Holding Corp.、Delphi Financial Group, Inc.、HCC Insurance Holdings, Inc.、Privilege Underwriters, Inc.およびTokio Marine Kiln Group Limitedについては、各社の子会社の数値を含めて記載しています。5.上記の他、主要な賃貸用設備として以下のものがあります。会社名設備名帳簿価額(百万円)土地(面積㎡)建物東京海上日動火災保険株式会社大阪東京海上日動ビルディング(大阪市中央区)4,061(5,524)2,293シーノ大宮サウスウィング(さいたま市大宮区)3,748(2,614)2,739ラ・メール三番町(東京都千代田区)3,682(2,057)2,152みなとみらいビジネススクエア(横浜市西区)2,553(1,593)1,542大手町ファーストスクエア(東京都千代田区)12(845)1,408
設備の新設、除却等の計画 3【設備の新設、除却等の計画】
 2024年3月31日現在の重要な設備の新設、除却等の計画は、以下のとおりです。(1)新設会社名設備名所在地セグメントの名称内容投資予定金額資金調達方法着手および完了予定年月総額(百万円)既支払額(百万円)着手完了東京海上日動火災保険株式会社(仮称)東京海上ビルディング東京都千代田区国内損害保険事業建替未定4,508自己資金2025年3月2028年度
(2)改修 該当事項はありません。 (3)売却 該当事項はありません。
設備投資額、設備投資等の概要133,526,000,000

Employees

平均年齢(年)、提出会社の状況、従業員の状況43
平均勤続年数(年)、提出会社の状況、従業員の状況17
平均年間給与、提出会社の状況、従業員の状況13,902,022
管理職に占める女性労働者の割合、提出会社の指標0
全労働者、労働者の男女の賃金の差異、提出会社の指標1
正規雇用労働者、労働者の男女の賃金の差異、提出会社の指標1
非正規雇用労働者、労働者の男女の賃金の差異、提出会社の指標1

Investment

株式の保有状況 (5)【株式の保有状況】
①投資株式の区分の基準および考え方保有目的が純投資目的である投資株式と純投資目的以外の目的である投資株式の区分の基準および考え方は、以下のとおりです。a)保有目的が純投資目的である投資株式 専ら株式の価値の変動または株式に係る配当によって利益を受けることを目的とする投資株式 b)保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式 保有目的に応じて以下のように分類して管理しています。主な投資の名称保有目的政策投資主として取引関係の強化を図り、当社グループの企業価値を高めることを目的とする投資戦略的投資投資先の技術、知見またはビジネスモデル等の獲得に向けた取引関係の強化を目的とする投資海外パートナーシップ投資海外保険事業における投資先とのパートナーシップ構築・強化を目的とする投資 ②保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式a)保有方針イ)当社 政策投資として保有している株式(非上場株式および資本業務提携による出資等は除く)は、当社グループのリスクポートフォリオを見直し、社会課題解決や成長分野等に対して資本を振り向けるためにゼロにします。 ロ)当社の最大保有会社(注) 当社と同様です。 (注)当社および連結子会社のなかで、最近事業年度末における投資株式の貸借対照表計上額が最も大きい会社をいい、東京海上日動火災保険株式会社が該当します。 b)保有の合理性を検証する方法および個別銘柄の保有の適否に関する取締役会等における検証の内容イ)当社当社は、取締役会において、国内保険子会社が政策投資として保有している国内上場株式につき、中長期的な取引関係の強化等の保有目的の適切性を確認するとともに、保有に伴うリスク・リターンを、ポートフォリオ全体および個別に検証することで、保有の経済合理性を確認しています。なお、経済合理性の有無は、当該株式の保有に係るリスク・リターンから算出されるROR(Return On Risk)を、当社の資本コストと比較して判定しています。2023年10月に開催した取締役会で2023年3月末を基準に検証を行い、ポートフォリオ全体のRORが資本コストを上回っていることを確認しました。また、RORが資本コスト未満の個別企業については、収益の改善に向け、対話等を行っています。戦略的投資および海外パートナーシップ投資等として保有している株式については、取締役会等において、共同事業の進捗や知見等の獲得状況等を確認することにより、各投資目的に基づく保有効果を確認しています。 ロ)当社の最大保有会社 当社と同様です。 c)銘柄数および貸借対照表計上額イ)当社 保有していません。 ロ)当社の最大保有会社 銘柄数(銘柄)貸借対照表計上額の合計額(百万円)非上場株式77944,090非上場株式以外の株式9013,561,508 (当事業年度において株式数が増加した銘柄) 銘柄数(銘柄)株式数の増加に係る取得価額の合計額(百万円)株式数の増加の理由非上場株式104,729主に、新興企業等と新規ビジネスの事業化に向けた戦略的業務提携を行ったことによるものです。非上場株式以外の株式--- (当事業年度において株式数が減少した銘柄) 銘柄数(銘柄)株式数の減少に係る売却価額の合計額(百万円)非上場株式242,845非上場株式以外の株式255216,489 d)特定投資株式およびみなし保有株式の銘柄ごとの株式数、貸借対照表計上額等に関する情報イ)当社●特定投資株式 保有していません。●みなし保有株式 保有していません。 ロ)当社の最大保有会社●特定投資株式銘柄当事業年度前事業年度保有目的、業務提携等の概要、定量的な保有効果及び株式数が増加した理由当社の株式の保有の有無株式数(株)株式数(株)貸借対照表計上額(百万円)貸借対照表計上額(百万円)トヨタ自動車株式会社255,323,570255,323,570政策投資として保有しているものです。有968,186480,008三菱商事株式会社107,814,01543,258,805政策投資として保有しているものです。(注)3有375,947205,522本田技研工業株式会社85,108,20031,915,400政策投資として保有しているものです。(注)3有160,939112,023スズキ株式会社64,721,86417,063,766政策投資として保有しているものです。(注)3無112,51881,974 銘柄当事業年度前事業年度保有目的、業務提携等の概要、定量的な保有効果及び株式数が増加した理由当社の株式の保有の有無株式数(株)株式数(株)貸借対照表計上額(百万円)貸借対照表計上額(百万円)信越化学工業株式会社13,707,92013,707,920政策投資として保有しているものです。無90,25258,601伊藤忠商事株式会社11,898,98412,952,684政策投資として保有しているものです。無76,93855,709Samsung Fire & Marine Insurance Co., Ltd.1,488,1501,488,150海外パートナーシップ投資として保有しているものです。無51,22931,606第一三共株式会社7,850,8009,795,627政策投資として保有しているものです。有37,50347,234イオン株式会社10,061,69210,061,692政策投資として保有しているものです。無36,17125,818富士フイルムホールディングス株式会社10,715,0373,571,679政策投資として保有しているものです。(注)3無36,10923,923株式会社豊田自動織機2,264,0502,452,550政策投資として保有しているものです。無35,43218,026三菱地所株式会社12,180,00012,180,000政策投資として保有しているものです。有33,91519,201ヒューリック株式会社21,315,75922,321,759政策投資として保有しているものです。有33,49724,263三菱重工業株式会社22,680,0002,268,000政策投資として保有しているものです。(注)3無32,85111,058丸紅株式会社12,465,11012,465,110政策投資として保有しているものです。有32,77022,381テルモ株式会社11,028,2406,616,920政策投資として保有しているものです。(注)3有30,09623,648株式会社京都フィナンシャルグループ10,150,748-政策投資として保有しているものです。(注)4無28,026-株式会社島津製作所6,287,0006,287,000政策投資として保有しているものです。有26,59426,028豊田通商株式会社2,430,8742,430,874政策投資として保有しているものです。無24,95213,661中外製薬株式会社4,260,6875,680,887政策投資として保有しているものです。無24,60118,576東京エレクトロン株式会社613,896613,896政策投資として保有しているものです。無24,2919,846川崎汽船株式會社11,925,7534,395,351政策投資として保有しているものです。(注)3無24,12513,295三菱電機株式会社9,511,1459,511,145政策投資として保有しているものです。有23,89115,013味の素株式会社4,205,6884,675,688政策投資として保有しているものです。有23,80421,536花王株式会社4,222,0744,222,074政策投資として保有しているものです。有23,80421,815株式会社三菱UFJフィナンシャル・グループ14,555,71814,555,718政策投資として保有しているものです。無22,66312,341 銘柄当事業年度前事業年度保有目的、業務提携等の概要、定量的な保有効果及び株式数が増加した理由当社の株式の保有の有無株式数(株)株式数(株)貸借対照表計上額(百万円)貸借対照表計上額(百万円)株式会社SUBARU6,177,2816,692,081政策投資として保有しているものです。無21,29914,150株式会社デンソー6,811,7961,702,949政策投資として保有しているものです。(注)3無19,63812,675東海旅客鉄道株式会社5,250,0001,050,000政策投資として保有しているものです。(注)3有19,56116,600日本郵船株式会社4,689,2345,210,334政策投資として保有しているものです。有19,09916,094東日本旅客鉄道株式会社6,407,6462,135,882政策投資として保有しているものです。(注)3有18,70315,666日本製鉄株式会社5,034,3465,034,346政策投資として保有しているものです。無18,46515,707旭化成株式会社16,425,16316,425,163政策投資として保有しているものです。有18,26415,214JFEホールディングス株式会社6,650,1877,042,787政策投資として保有しているものです。無16,89111,824いすゞ自動車株式会社7,334,5007,334,500政策投資として保有しているものです。無15,07211,581ミネベアミツミ株式会社4,842,3904,842,390政策投資として保有しているものです。無14,28912,159TDK株式会社1,880,5351,880,535政策投資として保有しているものです。無14,0688,885積水化学工業株式会社5,805,9326,450,932政策投資として保有しているものです。無12,94712,101株式会社小松製作所2,855,6003,569,458政策投資として保有しているものです。無12,63011,697三菱HCキャピタル株式会社11,419,72511,419,725政策投資として保有しているものです。無12,2197,811東京応化工業株式会社2,572,014857,338政策投資として保有しているものです。(注)3無11,7776,592オリンパス株式会社5,182,7645,182,764政策投資として保有しているものです。無11,46612,016株式会社ダイフク3,001,0053,723,705政策投資として保有しているものです。無10,7559,097エーザイ株式会社1,728,7961,728,796政策投資として保有しているものです。無10,74612,972株式会社資生堂2,566,7972,566,797政策投資として保有しているものです。無10,50515,865ANAホールディングス株式会社3,231,8153,231,815政策投資として保有しているものです。有10,3749,294三菱倉庫株式会社2,041,0672,041,067政策投資として保有しているものです。有10,1546,347株式会社しずおかフィナンシャルグループ6,965,4006,965,400政策投資として保有しているものです。無10,0786,624 銘柄当事業年度前事業年度保有目的、業務提携等の概要、定量的な保有効果及び株式数が増加した理由当社の株式の保有の有無株式数(株)株式数(株)貸借対照表計上額(百万円)貸借対照表計上額(百万円)京成電鉄株式会社1,473,8731,473,873政策投資として保有しているものです。無9,0776,006アマノ株式会社2,248,8182,248,818政策投資として保有しているものです。有8,7075,610川崎重工業株式会社1,670,3582,227,158政策投資として保有しているものです。有8,5136,445積水ハウス株式会社2,400,0002,688,280政策投資として保有しているものです。無8,4367,252CITIC Limited57,863,00057,863,000海外パートナーシップ投資として保有しているものです。無8,4159,035東急株式会社4,388,3384,388,338政策投資として保有しているものです。無8,0927,732明治ホールディングス株式会社2,321,5562,653,156政策投資として保有しているものです。無7,8608,370セコム株式会社709,792709,792政策投資として保有しているものです。有7,7795,794栗田工業株式会社1,205,8261,205,826政策投資として保有しているものです。無7,5977,283日本空港ビルデング株式会社1,242,8001,242,800政策投資として保有しているものです。無7,3698,202横浜ゴム株式会社1,809,8321,809,832政策投資として保有しているものです。無7,2865,062三井物産株式会社1,008,9171,008,917政策投資として保有しているものです。無7,1694,152綜合警備保障株式会社8,551,5651,710,313政策投資として保有しているものです。(注)3無7,1146,097マツダ株式会社4,041,3004,041,300政策投資として保有しているものです。無7,0944,950株式会社日清製粉グループ本社3,333,3163,333,316政策投資として保有しているものです。有6,9985,169株式会社リコー5,074,1665,074,166政策投資として保有しているものです。有6,8575,028キヤノン株式会社1,516,8541,516,854政策投資として保有しているものです。有6,8274,483関西ペイント株式会社3,136,5963,136,596政策投資として保有しているものです。無6,8255,608関西電力株式会社2,950,0902,950,090政策投資として保有しているものです。無6,4733,808株式会社 商船三井1,399,1401,554,600政策投資として保有しているものです。有6,4505,145セイノーホールディングス株式会社3,035,6383,035,638政策投資として保有しているものです。無6,4204,432富士電機株式会社620,026620,026政策投資として保有しているものです。無6,3553,224株式会社アイシン1,004,1291,004,129政策投資として保有しているものです。無6,2463,660 銘柄当事業年度前事業年度保有目的、業務提携等の概要、定量的な保有効果及び株式数が増加した理由当社の株式の保有の有無株式数(株)株式数(株)貸借対照表計上額(百万円)貸借対照表計上額(百万円)コスモエネルギーホールディングス株式会社812,600812,600政策投資として保有しているものです。無6,2363,481株式会社サンリオ2,036,940775,980政策投資として保有しているものです。(注)3無6,2124,601株式会社ネクステージ2,132,7002,132,700政策投資として保有しているものです。無6,1935,886株式会社八十二銀行5,798,1745,798,174政策投資として保有しているものです。有6,0303,333横河電機株式会社1,690,2361,690,236政策投資として保有しているものです。有5,9053,634大阪瓦斯株式会社1,650,9331,650,933政策投資として保有しているものです。有5,5993,600株式会社ニコン3,625,2443,625,244政策投資として保有しているものです。有5,5504,912芙蓉総合リース株式会社400,040400,040政策投資として保有しているものです。無5,5043,600大和ハウス工業株式会社1,195,2631,195,263政策投資として保有しているものです。無5,4123,722西日本旅客鉄道株式会社1,722,000861,000政策投資として保有しているものです。(注)3無5,4014,698The People's Insurance Company (Group) of China Limited111,340,000111,340,000海外パートナーシップ投資として保有しているものです。無5,3834,962日産自動車株式会社8,759,5518,759,551政策投資として保有しているものです。無5,3284,389AGC株式会社948,7831,899,183政策投資として保有しているものです。有5,2449,353住友商事株式会社1,415,2401,415,240政策投資として保有しているものです。無5,1683,313飯野海運株式会社4,211,2754,211,275政策投資として保有しているものです。有5,1634,228東宝株式会社1,043,2101,043,210政策投資として保有しているものです。有5,1615,289兼松株式会社1,990,4232,322,423政策投資として保有しているものです。有5,1593,813大同特殊鋼株式会社2,816,730563,346政策投資として保有しているものです。(注)3無5,1162,929株式会社TKC1,332,8221,332,822政策投資として保有しているものです。無4,9644,891武田薬品工業株式会社1,182,6401,182,640政策投資として保有しているものです。無4,9485,144阪急阪神ホールディングス株式会社1,098,2011,098,201政策投資として保有しているものです。無4,8294,310 銘柄当事業年度前事業年度保有目的、業務提携等の概要、定量的な保有効果及び株式数が増加した理由当社の株式の保有の有無株式数(株)株式数(株)貸借対照表計上額(百万円)貸借対照表計上額(百万円)株式会社神戸製鋼所2,320,5492,320,549政策投資として保有しているものです。無4,7712,443株式会社コンコルディア・フィナンシャルグループ6,035,3186,035,318政策投資として保有しているものです。無4,6452,945株式会社ADEKA1,441,0001,441,000政策投資として保有しているものです。有4,6453,253ホーチキ株式会社2,029,3062,309,306政策投資として保有しているものです。無4,5373,574日本航空株式会社1,538,2001,538,200政策投資として保有しているものです。無4,4873,971株式会社クレハ1,650,060550,020政策投資として保有しているものです。(注)3有4,4834,647王子ホールディングス株式会社6,881,0176,881,017政策投資として保有しているものです。無4,3893,605日本新薬株式会社979,500979,500政策投資として保有しているものです。有4,3785,710ENEOSホールディングス株式会社5,973,5567,466,856政策投資として保有しているものです。無4,3683,473名古屋鉄道株式会社2,012,8402,012,840政策投資として保有しているものです。無4,3594,114JSR株式会社1,000,7201,000,720政策投資として保有しているものです。無4,3363,117北越コーポレーション株式会社2,234,0322,234,032政策投資として保有しているものです。有4,2981,981三菱瓦斯化学株式会社1,622,0291,622,029政策投資として保有しているものです。有4,2013,184出光興産株式会社3,996,515888,103政策投資として保有しているものです。(注)3無4,1642,575日本電信電話株式会社23,155,000926,200政策投資として保有しているものです。(注)3無4,1633,669宝ホールディングス株式会社3,878,0003,878,000政策投資として保有しているものです。有4,1513,963株式会社日本取引所グループ1,009,5001,009,500政策投資として保有しているものです。無4,1492,037株式会社 クボタ1,724,9021,724,902政策投資として保有しているものです。無4,1123,448三菱ケミカルグループ株式会社4,360,9338,721,833政策投資として保有しているものです。無3,9946,852株式会社TOKAIホールディングス3,986,8874,111,887政策投資として保有しているものです。無3,9393,589日本特殊陶業株式会社770,877770,877政策投資として保有しているものです。無3,9192,109塩野義製薬株式会社495,430660,530政策投資として保有しているものです。無3,8393,947 銘柄当事業年度前事業年度保有目的、業務提携等の概要、定量的な保有効果及び株式数が増加した理由当社の株式の保有の有無株式数(株)株式数(株)貸借対照表計上額(百万円)貸借対照表計上額(百万円)山九株式会社735,254735,254政策投資として保有しているものです。有3,8393,606ソニーグループ株式会社294,045294,045政策投資として保有しているものです。無3,8183,524ライオン株式会社2,800,6594,450,659政策投資として保有しているものです。有3,8036,368日本碍子株式会社1,844,8891,844,889政策投資として保有しているものです。有3,7633,232五洋建設株式会社4,763,3524,763,352政策投資として保有しているものです。無3,7003,010双日株式会社918,5421,050,542政策投資として保有しているものです。無3,6622,902株式会社日立製作所262,346262,346政策投資として保有しているものです。無3,6471,902株式会社アシックス484,121484,121政策投資として保有しているものです。無3,5341,815アイカ工業株式会社931,743931,743政策投資として保有しているものです。有3,4662,827株式会社ニチレイ822,175822,175政策投資として保有しているものです。無3,4062,206株式会社 ジーエス・ユアサ コーポレーション1,082,6001,082,600政策投資として保有しているものです。無3,4052,578TIS株式会社1,011,2401,011,240政策投資として保有しているものです。無3,3253,529パナソニック ホールディングス株式会社2,250,0422,250,042政策投資として保有しているものです。無3,2522,659東洋製罐グループホールディングス株式会社1,328,6021,553,602政策投資として保有しているものです。有3,2392,836株式会社安川電機504,152751,652政策投資として保有しているものです。有3,1974,337株式会社りそなホールディングス3,339,4003,339,400政策投資として保有しているものです。無3,1732,135センコーグループホールディングス株式会社2,752,1703,095,670政策投資として保有しているものです。有3,1562,925セーレン株式会社1,130,7661,130,766政策投資として保有しているものです。無3,1182,636株式会社マキタ716,150954,950政策投資として保有しているものです。有3,0573,132株式会社内田洋行436,185436,185政策投資として保有しているものです。有3,0532,143株式会社名村造船所1,529,3721,529,372政策投資として保有しているものです。無3,046532 銘柄当事業年度前事業年度保有目的、業務提携等の概要、定量的な保有効果及び株式数が増加した理由当社の株式の保有の有無株式数(株)株式数(株)貸借対照表計上額(百万円)貸借対照表計上額(百万円)株式会社九州フィナンシャルグループ2,641,1532,934,653政策投資として保有しているものです。無3,0161,399TOYO TIRE株式会社1,046,2511,569,376政策投資として保有しているものです。無2,9582,424株式会社シマノ128,909148,909政策投資として保有しているものです。無2,9453,401大日本印刷株式会社624,324624,324政策投資として保有しているものです。無2,9162,313ホシデン株式会社1,500,6901,500,690政策投資として保有しているものです。有2,9092,416株式会社三越伊勢丹ホールディングス1,138,5321,138,532政策投資として保有しているものです。無2,8401,687近鉄グループホールディングス株式会社637,670637,670政策投資として保有しているものです。無2,8382,719株式会社INPEX1,200,0001,200,000政策投資として保有しているものです。無2,8081,676株式会社千葉銀行2,208,2532,208,253政策投資として保有しているものです。有2,7851,888日産東京販売ホールディングス株式会社4,640,0004,640,000政策投資として保有しているものです。無2,7841,596中央自動車工業株式会社478,161655,161政策投資として保有しているものです。無2,7491,726文化シヤッター株式会社1,560,9011,560,901政策投資として保有しているものです。無2,7151,726澁澤倉庫株式会社868,000868,000政策投資として保有しているものです。有2,6861,928参天製薬株式会社1,744,6002,458,300政策投資として保有しているものです。無2,6802,777日本曹達株式会社436,775436,775政策投資として保有しているものです。有2,6462,015江崎グリコ株式会社616,100616,100政策投資として保有しているものです。無2,6072,054日本電子株式会社410,000410,000政策投資として保有しているものです。有2,5651,740株式会社七十七銀行616,909616,909政策投資として保有しているものです。有2,5571,333昭和産業株式会社723,865723,865政策投資として保有しているものです。無2,5331,836不二製油グループ本社株式会社1,058,2761,058,276政策投資として保有しているものです。無2,5292,035株式会社西日本フィナンシャルホールディングス1,297,3701,297,370政策投資として保有しているものです。無2,4851,411キッコーマン株式会社1,259,215251,843政策投資として保有しているものです。(注)3無2,4791,697 銘柄当事業年度前事業年度保有目的、業務提携等の概要、定量的な保有効果及び株式数が増加した理由当社の株式の保有の有無株式数(株)株式数(株)貸借対照表計上額(百万円)貸借対照表計上額(百万円)ニデック株式会社400,128400,128政策投資として保有しているものです。無2,4522,738京阪ホールディングス株式会社722,105722,105政策投資として保有しているものです。無2,4502,494日本発條株式会社1,635,1371,635,137政策投資として保有しているものです。有2,4471,548東海カーボン株式会社2,426,9362,426,936政策投資として保有しているものです。有2,4183,057株式会社ワコール ホールディングス650,530650,530政策投資として保有しているものです。無2,4161,617エア・ウォーター株式会社1,000,1951,000,195政策投資として保有しているものです。無2,3951,660株式会社TBSホールディングス546,292546,292政策投資として保有しているものです。無2,3811,040日本ゼオン株式会社1,756,2761,756,276政策投資として保有しているものです。有2,3202,457マルハニチロ株式会社753,225807,225政策投資として保有しているものです。無2,2391,917リンナイ株式会社635,163635,163政策投資として保有しているものです。無2,2122,054シチズン時計株式会社2,196,7132,196,713政策投資として保有しているものです。有2,1761,709株式会社カナモト802,586802,586政策投資として保有しているものです。有2,1611,748森永乳業株式会社685,464342,732政策投資として保有しているものです。(注)3有2,1421,634KDDI株式会社471,150471,150政策投資として保有しているものです。無2,1111,928東北電力株式会社1,750,7171,750,717政策投資として保有しているものです。無2,0941,153京セラ株式会社1,032,888258,222政策投資として保有しているものです。(注)3無2,0891,778九州旅客鉄道株式会社585,500650,500政策投資として保有しているものです。無2,0741,918中部電力株式会社1,042,5231,192,523政策投資として保有しているものです。無2,0731,668株式会社ローソン200,200200,200政策投資として保有しているものです。無2,0691,123福山通運株式会社565,387565,387政策投資として保有しているものです。無2,0492,029三谷商事株式会社1,083,6961,083,696政策投資として保有しているものです。有2,0421,458株式会社松屋1,789,9001,789,900政策投資として保有しているものです。有2,0311,974 銘柄当事業年度前事業年度保有目的、業務提携等の概要、定量的な保有効果及び株式数が増加した理由当社の株式の保有の有無株式数(株)株式数(株)貸借対照表計上額(百万円)貸借対照表計上額(百万円)株式会社ほくほくフィナンシャルグループ1,047,1851,047,185政策投資として保有しているものです。無2,029968株式会社岡三証券グループ2,460,7312,460,731政策投資として保有しているものです。有2,0101,159株式会社ヤクルト本社643,680536,400政策投資として保有しているものです。(注)3無2,0075,165東京建物株式会社754,043754,043政策投資として保有しているものです。有1,9841,217VTホールディングス株式会社3,702,0003,702,000政策投資として保有しているものです。無1,9801,876株式会社三菱総合研究所399,000399,000政策投資として保有しているものです。無1,9792,034明海グループ株式会社2,500,0002,500,000政策投資として保有しているものです。有1,9471,552三ツ星ベルト株式会社412,902412,902政策投資として保有しているものです。無1,9281,624日本トランスシティ株式会社2,852,1212,852,121政策投資として保有しているものです。有1,9191,739豊田合成株式会社587,219587,219政策投資として保有しているものです。無1,9051,338フクダ電子株式会社274,880274,880政策投資として保有しているものです。無1,9041,172株式会社ノリタケ カンパニー リミテド437,668218,834政策投資として保有しているものです。(注)3有1,8771,004相鉄ホールディングス株式会社681,906681,906政策投資として保有しているものです。有1,8741,546日野自動車株式会社3,664,9763,664,976政策投資として保有しているものです。無1,8692,026株式会社ケーユーホールディングス1,608,1002,032,800政策投資として保有しているものです。無1,8583,012株式会社群馬銀行2,113,2532,113,253政策投資として保有しているものです。有1,855936オリックス株式会社553,800553,800政策投資として保有しているものです。無1,8261,205ニチコン株式会社1,419,7501,419,750政策投資として保有しているものです。無1,8241,959戸田建設株式会社1,779,4751,779,475政策投資として保有しているものです。有1,8191,229株式会社トクヤマ662,449662,449政策投資として保有しているものです。無1,7981,394J.フロント リテイリング株式会社1,046,5661,046,566政策投資として保有しているものです。無1,7691,383バンドー化学株式会社919,749919,749政策投資として保有しているものです。無1,738973 銘柄当事業年度前事業年度保有目的、業務提携等の概要、定量的な保有効果及び株式数が増加した理由当社の株式の保有の有無株式数(株)株式数(株)貸借対照表計上額(百万円)貸借対照表計上額(百万円)テイ・エス テック株式会社864,000864,000政策投資として保有しているものです。無1,7371,450株式会社カネカ448,366448,366政策投資として保有しているものです。有1,7101,546株式会社十六フィナンシャルグループ355,286355,286政策投資として保有しているものです。無1,7011,003セイコーエプソン株式会社642,000642,000政策投資として保有しているものです。無1,6981,207ヤマハ株式会社512,950512,950政策投資として保有しているものです。無1,6722,610三菱マテリアル株式会社570,269570,269政策投資として保有しているものです。無1,6631,230株式会社テクノ菱和816,159906,759政策投資として保有しているものです。無1,655789株式会社荏原製作所119,120119,120政策投資として保有しているものです。無1,642730株式会社アマダ955,035955,035政策投資として保有しているものです。無1,6411,182株式会社LIXIL866,443866,443政策投資として保有しているものです。無1,6261,886高砂熱学工業株式会社330,696330,696政策投資として保有しているものです。有1,613697岡谷鋼機株式会社93,82093,820政策投資として保有しているものです。無1,586972ニシオホールディングス株式会社407,632407,632政策投資として保有しているものです。無1,5771,265NIPPON EXPRESSホールディングス株式会社200,000200,000政策投資として保有しているものです。無1,5461,594三菱鉛筆株式会社600,000600,000政策投資として保有しているものです。無1,531975長瀬産業株式会社598,811598,811政策投資として保有しているものです。有1,5291,218東亞合成株式会社954,236954,236政策投資として保有しているものです。有1,5221,175株式会社ふくおかフィナンシャルグループ375,793344,370政策投資として保有しているものです。(注)5無1,520877株式会社ケアネット2,266,2882,266,288戦略的投資として保有しているものです。データおよびテクノロジーを駆使したヘルスケア分野における新しい商品やサービスの開発に向けて、資本業務提携を行っています。無1,4912,443京王電鉄株式会社336,054336,054政策投資として保有しているものです。無1,4021,560 銘柄当事業年度前事業年度保有目的、業務提携等の概要、定量的な保有効果及び株式数が増加した理由当社の株式の保有の有無株式数(株)株式数(株)貸借対照表計上額(百万円)貸借対照表計上額(百万円)株式会社バリューHR980,000980,000戦略的投資として保有しているものです。データおよびテクノロジーを駆使したヘルスケア分野における新しい商品やサービスの開発に向けて、資本業務提携を行っています。無1,3281,548乾汽船株式会社1,154,8261,283,126政策投資として保有しているものです。有1,1972,300NTN株式会社3,496,0006,992,000政策投資として保有しているものです。有1,0962,356小林製薬株式会社210,000255,000政策投資として保有しているものです。無1,0692,062ネットワンシステムズ株式会社360,300540,400政策投資として保有しているものです。無9721,710アステラス製薬株式会社82,8006,331,105政策投資として保有しているものです。無13611,921株式会社京都銀行-2,537,687政策投資として保有しているものです。(注)4有-15,860キリンホールディングス株式会社-1,728,200政策投資として保有しているものです。無-3,622株式会社東芝-701,396政策投資として保有しているものです。無-3,117株式会社ベネフィット・ワン-1,600,000政策投資として保有しているものです。無-3,001森永製菓株式会社-696,500政策投資として保有しているものです。無-2,615株式会社ブリヂストン-335,014政策投資として保有しているものです。無-1,798(注)1.「-」は、当該銘柄を保有していないことを示しています。2.定量的な保有効果については、個別取引情報の秘密保持等の観点から記載できませんが、保有の合理性については、前記「b)保有の合理性を検証する方法および個別銘柄の保有の適否に関する取締役会等における検証の内容」に記載した方法で検証しています。3.株式数が増加しているのは、株式分割が実施されたためです。4.株式会社京都銀行の株式移転による株式会社京都フィナンシャルグループの設立に伴い、保有していた株式会社京都銀行の株式の代わりに株式会社京都フィナンシャルグループの株式の割当てを受けたものです。なお、株式数が増加しているのは、株式分割が実施されたためです。5.株式数が増加しているのは、株式会社ふくおかフィナンシャルグループおよび株式会社福岡中央銀行の株式交換による経営統合に伴い、保有していた株式会社福岡中央銀行の株式(株式数は38,794株、貸借対照表計上額は78百万円、いずれも前事業年度末時点)の代わりに株式会社ふくおかフィナンシャルグループの株式31,423株の割当てを受けたためです。 ●みなし保有株式 保有していません。 ③保有目的が純投資目的である投資株式a)当社 保有していません。 b)当社の最大保有会社区分当事業年度前事業年度銘柄数(銘柄)貸借対照表計上額の合計額(百万円)銘柄数(銘柄)貸借対照表計上額の合計額(百万円)非上場株式81,6468931非上場株式以外の株式3399-- 区分当事業年度受取配当金の合計額(百万円)売却損益の合計額(百万円)評価損益の合計額(百万円)非上場株式324-166非上場株式以外の株式-△3821
(注) 非上場株式については、市場価格がないことから、評価損益の合計額には為替変動による増減を記載しています。

Shareholders

大株主の状況 (6)【大株主の状況】
2024年3月31日現在
氏名又は名称住所所有株式数(千株)発行済株式(自己株式を除く。)の総数に対する所有株式数の割合(%)
日本マスタートラスト信託銀行株式会社信託口東京都港区赤坂一丁目8番1号 赤坂インターシティAIR332,38716.83
株式会社日本カストディ銀行信託口東京都中央区晴海一丁目8番12号145,6157.37
明治安田生命保険相互会社(常任代理人 株式会社日本カストディ銀行)東京都千代田区丸の内二丁目1番1号(東京都中央区晴海一丁目8番12号)42,6042.16
STATE STREET BANK WESTCLIENT - TREATY 505234(常任代理人 株式会社みずほ銀行決済営業部)1776 HERITAGE DRIVE, NORTH QUINCY, MA02171,U.S.A.(東京都港区港南二丁目15番1号 品川インターシティA棟)37,2531.89
JP MORGAN CHASE BANK 385632(常任代理人 株式会社みずほ銀行決済営業部)25 BANK STREET, CANARY WHARF, LONDON,E14 5JP, UNITED KINGDOM(東京都港区港南二丁目15番1号 品川インターシティA棟)30,3771.54
東海日動従業員持株会東京都千代田区大手町二丁目6番4号 常盤橋タワー 東京海上日動火災保険株式会社人事企画部(TCS給与厚生グループ)30,0171.52
バークレイズ証券株式会社東京都港区六本木六丁目10番1号 六本木ヒルズ森タワー31階29,6021.50
SSBTC CLIENT OMNIBUSACCOUNT(常任代理人 香港上海銀行東京支店)ONE CONGRESS STREET, SUITE 1, BOSTON,MASSACHUSETTS(東京都中央区日本橋三丁目11番1号)29,3331.49
JP MORGAN CHASE BANK 385781(常任代理人 株式会社みずほ銀行決済営業部)25 BANK STREET, CANARY WHARF, LONDON,E14 5JP, UNITED KINGDOM(東京都港区港南二丁目15番1号 品川インターシティA棟)26,7131.35
JPモルガン証券株式会社東京都千代田区丸の内二丁目7番3号 東京ビルディング23,7851.20計-727,69236.85 (注)1.2020年3月19日付で三井住友信託銀行株式会社から提出された株券等の大量保有者による大量保有報告書において、2020年3月13日現在で以下のとおり株式を保有している旨が記載されているものの、当社として2024年3月31日時点における実質所有株式数の確認ができませんので、[大株主の状況]表には含めていません。
氏名又は名称住所保有株式数(株)発行済株式総数に対する保有株式数の割合(%)三井住友トラスト・アセットマネジメント株式会社東京都港区芝公園一丁目1番1号23,105,7003.25日興アセットマネジメント株式会社東京都港区赤坂九丁目7番1号12,800,2001.80計-35,905,9005.06(注)発行済株式総数は、710,000,000株(2020年3月13日現在)が使用されています。 2.2020年7月21日付で野村證券株式会社から提出された株券等の大量保有者による大量保有報告書の変更報告書において、2020年7月15日現在で以下のとおり株式を保有している旨が記載されているものの、当社として2024年3月31日時点における実質所有株式数の確認ができませんので、[大株主の状況]表には含めていません。
氏名又は名称住所保有株式数(株)発行済株式総数に対する保有株式数の割合(%)野村證券株式会社東京都中央区日本橋一丁目9番1号1,931,7840.28ノムラ インターナショナルピーエルシー1 Angel Lane, London EC4R 3AB,United Kingdom768,3150.11野村アセットマネジメント株式会社東京都江東区豊洲二丁目2番1号32,916,1004.69計-35,616,1995.07(注)発行済株式総数は、702,000,000株(2020年7月15日現在)が使用されています。 3.2022年6月20日付で株式会社三菱UFJフィナンシャル・グループから提出された株券等の大量保有者による大量保有報告書の変更報告書において、2022年6月13日現在で以下のとおり株式を保有している旨が記載されているものの、当社として2024年3月31日時点における実質所有株式数の確認ができませんので、[大株主の状況]表には含めていません。
氏名又は名称住所保有株式数(株)発行済株式総数に対する保有株式数の割合(%)株式会社三菱UFJ銀行東京都千代田区丸の内二丁目7番1号7,848,9001.15三菱UFJ信託銀行株式会社東京都千代田区丸の内一丁目4番5号20,994,1003.09MUFGセキュリティーズEMEARopemaker Place, 25 Ropemaker Street,London EC2Y 9AJ, United Kingdom1,380,0000.20三菱UFJ国際投信株式会社東京都千代田区有楽町一丁目12番1号6,613,0000.97計-36,836,0005.42(注)発行済株式総数は、680,000,000株(2022年6月13日現在)が使用されています。
株主数-金融機関223
株主数-金融商品取引業者61
株主数-外国法人等-個人368
連結株主資本等変動計算書 ③【連結株主資本等変動計算書】
前連結会計年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) (単位:百万円) 株主資本 資本金利益剰余金自己株式株主資本合計当期首残高150,0001,954,445△13,1792,091,265在外子会社の会計基準の改正による累積的影響額 △38,025 △38,025在外子会社の会計基準の改正を反映した当期首残高150,0001,916,419△13,1792,053,240当期変動額 剰余金の配当 △192,151 △192,151親会社株主に帰属する当期純利益 374,605 374,605自己株式の取得 △111,691△111,691自己株式の処分 0688688自己株式の消却 △96,12696,126-連結子会社の増資による持分の増減 △1,961 △1,961その他 △509 △509株主資本以外の項目の当期変動額(純額) 当期変動額合計-83,856△14,87668,979当期末残高150,0002,000,276△28,0562,122,219 その他の包括利益累計額新株予約権非支配株主持分純資産合計 その他有価証券評価差額金繰延ヘッジ損益為替換算調整勘定退職給付に係る調整累計額在外子会社等に係る保険契約準備金評価差額金当期首残高1,835,605△1,551110,335△15,011-3351,9494,072,625在外子会社の会計基準の改正による累積的影響額 △1,227 △9,651△48,904在外子会社の会計基準の改正を反映した当期首残高1,835,605△1,551110,335△15,011△1,2273342,2974,023,721当期変動額 剰余金の配当 △192,151親会社株主に帰属する当期純利益 374,605自己株式の取得 △111,691自己株式の処分 688自己株式の消却 -連結子会社の増資による持分の増減 △1,961その他 △509株主資本以外の項目の当期変動額(純額)△880,954△7,203419,3145402,191-△25,670△491,781当期変動額合計△880,954△7,203419,3145402,191-△25,670△422,802当期末残高954,650△8,755529,650△14,4719643316,6273,600,919 当連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日) (単位:百万円) 株主資本 資本金利益剰余金自己株式株主資本合計当期首残高150,0002,000,276△28,0562,122,219在外子会社の会計基準の改正による累積的影響額 △25,280 △25,280在外子会社の会計基準の改正を反映した当期首残高150,0001,974,995△28,0562,096,939当期変動額 剰余金の配当 △219,289 △219,289親会社株主に帰属する当期純利益 695,808 695,808自己株式の取得 △62,917△62,917自己株式の処分 0817817自己株式の消却 △75,98875,988-持分法の適用範囲の変動 △146 △146連結子会社の増資による持分の増減 △176 △176その他 3,586 3,586株主資本以外の項目の当期変動額(純額) 当期変動額合計-403,79413,888417,683当期末残高150,0002,378,790△14,1672,514,622 その他の包括利益累計額新株予約権非支配株主持分純資産合計 その他有価証券評価差額金繰延ヘッジ損益為替換算調整勘定退職給付に係る調整累計額在外子会社等に係る保険契約準備金評価差額金当期首残高954,650△8,755529,650△14,4719643316,6273,600,919在外子会社の会計基準の改正による累積的影響額573 23△24,683在外子会社の会計基準の改正を反映した当期首残高955,224△8,755529,650△14,4719643316,6503,576,235当期変動額 剰余金の配当 △219,289親会社株主に帰属する当期純利益 695,808自己株式の取得 △62,917自己株式の処分 817自己株式の消却 -持分法の適用範囲の変動 △146連結子会社の増資による持分の増減 △176その他 3,586株主資本以外の項目の当期変動額(純額)972,380△515215,13613,993△1,627-△9,9451,189,422当期変動額合計972,380△515215,13613,993△1,627-△9,9451,607,105当期末残高1,927,604△9,270744,786△477△662336,7045,183,341
株主数-外国法人等-個人以外1,079
株主数-個人その他216,102
株主数-その他の法人2,026
株主数-計219,860
氏名又は名称、大株主の状況JPモルガン証券株式会社
株主総利回り3
株主総会決議による取得の状況 (1)【株主総会決議による取得の状況】
 該当事項はありません。
株主総会決議又は取締役会決議に基づかないものの内容 (3)【株主総会決議又は取締役会決議に基づかないものの内容】
会社法第155条第7号による取得区分株式数(株)価額の総額(円)当事業年度における取得自己株式7,93127,925,572当期間における取得自己株式1,3266,476,208(注)当期間における取得自己株式には、2024年6月1日から本有価証券報告書提出日までの単元未満株式の買取請求による株式等は含まれていません。

Shareholders2

自己株式の取得-62,917,000,000
自己株式の取得による支出、財務活動によるキャッシュ・フロー-62,917,000,000
発行済株式及び自己株式に関する注記 1.発行済株式の種類及び総数並びに自己株式の種類及び株式数に関する事項 当連結会計年度期首株式数(千株)当連結会計年度増加株式数(千株)当連結会計年度減少株式数(千株)当連結会計年度末株式数(千株)発行済株式 普通株式2,002,500-24,5001,978,000 合計2,002,500-24,5001,978,000自己株式 普通株式11,39618,67524,9055,166 合計11,39618,67524,9055,166(注)1.当連結会計年度期首および当連結会計年度末の普通株式の自己株式には、役員報酬BIP信託が保有する当社株式がそれぞれ、2,117千株、1,713千株含まれています。   2.普通株式の発行済株式の株式数の減少24,500千株は、すべて自己株式の消却によるものです。   3.普通株式の自己株式の株式数の増加18,675千株の主な内訳は、取締役会決議に基づく自己株式の取得による増加18,667千株です。   4.普通株式の自己株式の株式数の減少24,905千株の主な内訳は、自己株式の消却による減少24,500千株および役員報酬BIP信託での交付等による減少404千株です。

Audit

監査法人1、連結PwC Japan有限責任監査法人
独立監査人の報告書、連結 独立監査人の監査報告書及び内部統制監査報告書 2024年6月21日東京海上ホールディングス株式会社 取締役会御中 PwC Japan有限責任監査法人     東京事務所 指定有限責任社員業務執行社員 公認会計士井  野  貴  章 指定有限責任社員業務執行社員 公認会計士鈴  木  隆  樹 指定有限責任社員業務執行社員 公認会計士山  本  啓  正 <連結財務諸表監査>監査意見当監査法人は、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づく監査証明を行うため、「経理の状況」に掲げられている東京海上ホールディングス株式会社の2023年4月1日から2024年3月31日までの連結会計年度の連結財務諸表、すなわち、連結貸借対照表、連結損益計算書、連結包括利益計算書、連結株主資本等変動計算書、連結キャッシュ・フロー計算書、連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項、その他の注記及び連結附属明細表について監査を行った。当監査法人は、上記の連結財務諸表が、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して、東京海上ホールディングス株式会社及び連結子会社の2024年3月31日現在の財政状態並びに同日をもって終了する連結会計年度の経営成績及びキャッシュ・フローの状況を、全ての重要な点において適正に表示しているものと認める。監査意見の根拠当監査法人は、我が国において一般に公正妥当と認められる監査の基準に準拠して監査を行った。監査の基準における当監査法人の責任は、「連結財務諸表監査における監査人の責任」に記載されている。当監査法人は、我が国における職業倫理に関する規定に従って、会社及び連結子会社から独立しており、また、監査人としてのその他の倫理上の責任を果たしている。当監査法人は、意見表明の基礎となる十分かつ適切な監査証拠を入手したと判断している。監査上の主要な検討事項監査上の主要な検討事項とは、当連結会計年度の連結財務諸表の監査において、監査人が職業的専門家として特に重要であると判断した事項である。監査上の主要な検討事項は、連結財務諸表全体に対する監査の実施過程及び監査意見の形成において対応した事項であり、当監査法人は、当該事項に対して個別に意見を表明するものではない。当監査法人は、グローバル保険グループとしての会社の事業内容及び事業戦略、会社を取り巻く国内外の事業環境、保険会社特有の会計処理や業界の実務慣行等を踏まえ、監査上特に注意を払った事項の中から、以下の項目を監査上の主要な検討事項として決定した。 ・ 主要子会社の支払備金の見積り ・ Privilege Underwriters, Inc.(以下、「Pure社」)に係るのれん及びその他の無形固定資産の評価 ・ レベル3の時価に分類される証券化商品等の評価及び商業用不動産担保付貸付金等に係る予想信用損失の評価上記のうち「レベル3の時価に分類される証券化商品等の評価及び商業用不動産担保付貸付金等に係る予想信用損失の評価」は、前連結会計年度において「レベル3の時価に分類される証券化商品及び商業用不動産担保付貸付金等の評価」としていたものについて、当連結会計年度から米国子会社において新たな会計基準が適用されたことに伴い、貸付金について予想信用損失が見積られたことから、これに監査上の注意を払うように変更した。その他の項目については前連結会計年度から重要な変更は生じていない。 主要子会社の支払備金の見積り監査上の主要な検討事項の内容及び決定理由監査上の対応会社は、保険事業として、国内損害保険事業、国内生命保険事業、海外保険事業を営んでおり、これらの保険事業を行う子会社を国内外に多数有している。保険事業に特有の勘定科目として、2024年3月31日現在、支払備金4,739,831百万円が連結貸借対照表に計上されており、総負債の18.7%を占めている。【注記事項】
「(重要な会計上の見積り)1.支払備金」に記載されているとおり、支払備金とは、保険契約に基づいて支払義務が発生したと認められる保険金等のうち、未だ支払っていない金額を見積り、負債として計上するものである。支払備金の見積りは、過去の支払実績等を使用した統計的手法を含む様々な手法により実施される。これらの見積手法や、保険金増加率等の重要な仮定の選択には、経営者の重要な判断が必要となる。特に、事故の発生から解決までに長期間を要することが多い保険商品に関する支払備金の見積りには、高い不確実性を伴う。この長期間を要するという特徴を有する支払備金の多くが、東京海上日動火災保険株式会社(以下、「東京海上日動社」)、HCC Insurance Holdings, Inc.(以下、「HCC社」)、Delphi Financial Group, Inc.(以下、「Delphi社」)及びPhiladelphia Consolidated Holding Corp.が計上する支払備金に含まれており、連結財務諸表残高に占める金額的重要性が高いため、監査上も特に慎重な検討が必要となる。以上の理由より、当監査法人は、上記の主要子会社が計上する、事故の発生から解決までに長期間を要することが多い保険商品に関する支払備金の見積りが、監査上の主要な検討事項に該当すると判断した。当監査法人は、主要子会社の支払備金の見積りについて、当監査法人の指揮及び監督の下で実施された主要子会社の監査人の作業とその査閲を含め、主に以下の監査手続を実施した。・主要子会社における内部統制の整備及び運用状況の有効性を評価した。特に着目した内部統制には以下のものが含まれる。‐支払備金の見積りにおいて使用する見積手法や仮定を承認する統制‐支払備金の当初の見積額とその後の保険金支払額の実績値等とを事後的に比較する統制・過去の支払実績等、支払備金の見積りに使用された基礎データの正確性と網羅性を検証するため、当該基礎データが、保険金及び支払備金を管理するシステム等から出力された情報と一致することを確認した。・支払備金の見積りにおいて使用された見積手法や重要な仮定、及び見積額の妥当性を検証するため、保険数理の内部専門家(当監査法人又はPwCグローバルネットワークの他のメンバーファームに所属する専門家をいう。以下同様。)を利用して、主に以下の手続を実施した。‐経営者への質問や、経営者の利用する保険数理専門家による検討結果の閲覧等を通じた、見積手法の選択に関する経営者の判断の合理性の検討‐保険金増加率等、経営者が使用した重要な仮定の確認と、過年度の支払備金の見積額とその後の保険金支払額の実績値との比較検討‐監査人独自の支払備金の見積額及び許容範囲の設定と、経営者の見積額が当該許容範囲に収まっているかどうかの比較検討 Pure社に係るのれん及びその他の無形固定資産の評価監査上の主要な検討事項の内容及び決定理由監査上の対応会社は、グローバル保険グループとして、グループ全体の成長と分散の効いたポートフォリオの構築のため、海外保険市場において、持続的な内部成長に加えて戦略的なM&Aを推進している。当該戦略的なM&Aの結果として、2024年3月31日現在、のれん372,624百万円(総資産の1.2%)及びその他の無形固定資産497,402百万円(同1.6%)が連結貸借対照表に計上されている。これらには、会社が2020年2月に米国子会社であるHCC社を通じて買収した、Pure社に係る以下ののれん及びその他の無形固定資産(以下、「のれん等」)が含まれている。・のれん:買収時点の金額163,910百万円、償却期間15年・その他の無形固定資産(主として契約更改権価値及び販売網価値):買収時点の金額242,639百万円、主な償却期間15年のれん等は、その効果が及ぶと見積もった期間にわたり償却されるが、収益性の低下により投資額の回収が見込めなくなった場合は、減損損失を計上することが求められている。【注記事項】
「(重要な会計上の見積り)2.のれんの減損」に記載されているとおり、会社は主として、報告単位、すなわち対象事業の直近の業績及び将来の見通しの悪化、買収時点に想定した事業計画からの著しい下方乖離、市場環境を含む経営環境の著しい悪化といった減損の兆候の有無を判定している。減損の兆候が認められ、減損損失の認識が必要と判定された場合には、のれん等の帳簿価額を回収可能価額まで減額し、減損損失を計上する。Pure社は、米国の富裕層向け保険市場に特化して急成長を遂げており、同社の買収においては、同社が今後も高い成長を続けていくことを想定した上で事業価値の評価が行われ、買収価額及びのれん等の計上額が決定されている。Pure社は、その買収後において一定の成長を実現できているものの、今後ものれん等の償却期間にわたり買収時に想定した高い成長が継続するかどうかは、高い不確実性を伴うものであり、減損の有無の判定には経営者の重要な判断が必要となる。Pure社に係るのれん等は金額的重要性が高く、減損損失が発生した場合には会社の損益に重要な影響を与える可能性もあることから、監査上も特に慎重な検討が必要となる。なお、会社は、当連結会計年度において、Pure社に係るのれん等の減損は不要と判断している。以上の理由より、当監査法人は、Pure社に係るのれん及びその他の無形固定資産の評価が監査上の主要な検討事項に該当すると判断した。当監査法人は、Pure社に係るのれん及びその他の無形固定資産の評価について、当監査法人の指揮及び監督の下で実施されたHCC社の監査人の作業とその査閲を含め、主に以下の監査手続を実施した。・HCC社における内部統制の整備及び運用状況の有効性を評価した。特に着目した内部統制には以下のものが含まれる。‐対象事業毎の業績に関する予算と実績の比較分析や、経営環境の著しい悪化を示す状況の有無の確認等により、減損の兆候の有無を判定する統制‐減損判定に使用される、第三者から入手した公正価値評価の合理性を検証する統制・その他の無形固定資産について、経営者が実施した減損の兆候の有無の判定結果の妥当性を検証するため、主に以下の手続を実施した。‐保険引受収益や税引前利益等のPure社の主要な業績指標や、その他の無形固定資産の算定基礎である契約更改率や販売網維持率等の重要な仮定について、当連結会計年度の実績値が、高い成長性が継続することを想定した買収時点の事業計画から著しく下方乖離していないかどうかの比較検討‐経営者への質問や取締役会等の議事録の閲覧等を通じた、市場環境や競合環境を含むPure社の経営環境に著しい悪化が生じていないかどうかの検討、及び同社の今後の成長に重要な影響を与えるような事業戦略上の変更が予定されていないかどうかの検討‐減損の兆候の有無の判定において用いられているPure社の当連結会計年度の主要な業績指標が、監査済みの財務数値に基づき算定されていることの確認・のれんについて、当連結会計年度に行われたHCC社から東京海上日動社へのPure社株式の移管に係る取引価格の算定のために取得された、第三者によるPure社株式の公正価値評価書を査閲した。また、当該資料を用いて経営者が実施した、Pure社株式の公正価値とのれん等を含むPure社の帳簿価額との比較結果を検証するため、評価の内部専門家を利用して、主に以下の手続を実施した。‐公正価値評価に用いられた手法及び仮定の合理性及びそれらが買収時の評価手法及び仮定と整合しているかの検討‐公正価値評価の基礎となる将来キャッシュ・フローの見積りの合理性について、過年度実績との比較や、キャッシュ・フローを構成する収入項目及び支出項目間の整合性分析等を通じた検討‐公正価値評価に用いられた割引率やマルチプル等の重要な仮定の合理性について、利用可能な企業外部の情報との比較等を通じた検討‐公正価値評価の計算及び帳簿価額との比較計算の正確性の検証 レベル3の時価に分類される証券化商品等の評価及び商業用不動産担保付貸付金等に係る予想信用損失の評価監査上の主要な検討事項の内容及び決定理由監査上の対応【注記事項】
「(金融商品関係)1.金融商品の状況に関する事項」に記載されているとおり、会社は保険事業を中核としており、保険料として収受した資金等の運用を行っている。具体的には、資産・負債総合管理(ALM:Asset Liability Management)を軸として、保険負債が抱える金利リスクを適切にコントロールしつつ、高格付債券を中心とした一定の信用リスクをとる運用を行っている。また、外国証券やオルタナティブ投資等幅広い商品も活用し、国内外でのリスク分散と運用手法の多様化を図ることで、中長期的な収益確保を目指している。会社は、上記の運用手法の多様化の一環として、CLO(ローン担保証券)等の証券化商品や、主に米国の商業用不動産担保付貸付金(以下、「CREローン」)等への投資を行っている。これらの金融商品の多くは、会社が保有する他の金融商品と比べて流動性が低く、高度な運用力を必要とすることから、主に米国子会社であるDelphi社が、他のグループ会社からの運用受託分も含めて投資を行っている。 (1)レベル3の時価に分類される証券化商品等の評価【注記事項】
「(金融商品関係)2.金融商品の時価等に関する事項及び金融商品の時価のレベルごとの内訳等に関する事項」に記載されているとおり、金融商品の時価は、時価の算定に係るインプットの観察可能性及び重要性に応じて3つのレベルに分類されるが、上述のDelphi社が投資する証券化商品等の中には、市場で観察できない重要なインプットを用いているため、レベル3の時価に分類されるものがある。2024年3月31日現在、これらのレベル3の時価に分類される証券化商品等は買入金銭債権のレベル3残高256,151百万円及び有価証券のレベル3残高184,954百万円のそれぞれ多くを占めており、金額的重要性は高い。これらの証券化商品等は時価をもって連結貸借対照表に計上されるとともに、一時的でない時価の下落が生じた場合には減損処理が行われる。流動性の低い金融商品は、活発な市場がなく、様々なインプットを用いて時価を算定する必要がある。なかでも、レベル3の時価に分類される金融商品は、割引率等の重要なインプットが市場で観察できないため、その選択や減損判定には経営者の重要な判断が必要となり、高い不確実性を伴うことから、監査上も特に慎重な検討が必要となる。
(2)CREローン等に係る予想信用損失の評価【注記事項】
「(追加情報)1.「金融商品の信用損失の測定」(ASU 2016-13)」に記載されているとおり、米国会計基準を適用している海外連結子会社において、米国財務会計基準審議会が公表した「金融商品の信用損失の測定」(ASU 2016-13)を当連結会計期間の期首から適用している。この結果、当該海外連結子会社が計上する貸付金については、当初認識時に全期間の予想信用損失が見積られ、貸付金残高から直接控除されている。上述のDelphi社が投資するCREローン等は予想信用損失の計上対象であり、2024年3月31日現在、連結貸借対照表における貸付金残高2,817,606百万円の多くを占めており、金額的重要性は高い。会社は、上記の会計基準の適用に伴う予想信用損失として、当連結会計期間の期首時点において累積的影響額24,822百万円を利益剰余金から減じるとともに、当連結会計期間において40,714百万円の損失を計上している。当連結会計年度末において貸付金残高から直接控除された予想信用損失は60,699百万円であり、これらの多くはCREローン等に係るものである。CREローン等に係る予想信用損失の見積りは、類似したリスク特性を有する貸付ポートフォリオについては集合的に、それ以外は個々の貸付金毎に算定される。当該見積りにおいては、合理的かつ裏付け可能な予測に関する会社内外の情報が用いられるが、これには、将来の経済予測シナリオや担保不動産価値のように客観的な情報を入手することが困難な仮定や、貸付金及び担保不動産等の特性に応じた調整が含まれる。これらの見積り手法や重要な仮定の選択には経営者の重要な判断が必要となり、高い不確実性を伴うことから、監査上も特に慎重な検討が必要となる。 以上の理由より、当監査法人は、上述のレベル3の時価に分類される証券化商品等の評価及びCREローン等に係る予想信用損失の評価が、監査上の主要な検討事項に該当すると判断した。当監査法人は、レベル3の時価に分類される証券化商品等の評価及びCREローン等に係る予想信用損失の評価について、当監査法人の指揮及び監督の下で実施されたDelphi社の監査人の作業とその査閲を含め、主に以下の監査手続を実施した。 (1)レベル3の時価に分類される証券化商品等の評価・Delphi社における内部統制の整備及び運用状況の有効性を評価した。特に着目した内部統制には以下のものが含まれる。‐外部の情報ベンダーや資産運用管理会社から入手した時価の妥当性を検証する統制‐減損処理の要件を満たしているかどうかの判定結果を承認する統制・証券化商品等の時価評価及び減損処理の妥当性を検証するため、主に以下の手続を実施した。‐信頼性のある情報ベンダー等から監査人が独自に入手した時価や、金融商品評価の内部専門家を利用して監査人が独自に算定した時価と、経営者が採用した時価とを比較し、両者の差異が合理的な範囲内に収まっているかどうかの比較検討‐減損判定の妥当性を確認するための、経営者への質問及び経営者が実施した減損判定結果の閲覧、含み損を有する証券化商品の期末日後の売却実績の検討
(2)CREローン等に係る予想信用損失の評価・Delphi社における内部統制の整備及び運用状況の有効性を評価した。特に着目した内部統制には、予想信用損失の算定において使用する見積手法や仮定を承認する統制がある。・CREローン等に係る予想信用損失の見積りの妥当性を検証するため、金融商品評価の内部専門家を利用して、主に以下の手続を実施した。‐経営者への質問や、経営者が実施した予想信用損失の算定プロセス及び算定結果の閲覧等を通じた、見積手法の選択や貸付金及び担保不動産等の特性に応じた調整に関する経営者の判断の合理性の検討‐予想信用損失の算定に使用された、貸付金や担保不動産に係る基礎データの正確性について、貸付契約書やレントロール等の証票と一致することの確認‐将来の経済予測シナリオや担保不動産価値等、経営者が使用した重要な仮定の合理性について、利用可能な企業外部の情報との比較等を通じた検討‐経営者が使用した仮定に対して一定のストレスを加味する等により設定した監査人独自の予想信用損失の許容範囲に、経営者の見積額が収まっているかどうかの比較検討 その他の記載内容その他の記載内容は、有価証券報告書に含まれる情報のうち、連結財務諸表及び財務諸表並びにこれらの監査報告書以外の情報である。経営者の責任は、その他の記載内容を作成し開示することにある。また、監査役及び監査役会の責任は、その他の記載内容の報告プロセスの整備及び運用における取締役の職務の執行を監視することにある。当監査法人の連結財務諸表に対する監査意見の対象にはその他の記載内容は含まれておらず、当監査法人はその他の記載内容に対して意見を表明するものではない。連結財務諸表監査における当監査法人の責任は、その他の記載内容を通読し、通読の過程において、その他の記載内容と連結財務諸表又は当監査法人が監査の過程で得た知識との間に重要な相違があるかどうか検討すること、また、そのような重要な相違以外にその他の記載内容に重要な誤りの兆候があるかどうか注意を払うことにある。当監査法人は、実施した作業に基づき、その他の記載内容に重要な誤りがあると判断した場合には、その事実を報告することが求められている。その他の記載内容に関して、当監査法人が報告すべき事項はない。 連結財務諸表に対する経営者並びに監査役及び監査役会の責任経営者の責任は、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して連結財務諸表を作成し適正に表示することにある。これには、不正又は誤謬による重要な虚偽表示のない連結財務諸表を作成し適正に表示するために経営者が必要と判断した内部統制を整備及び運用することが含まれる。連結財務諸表を作成するに当たり、経営者は、継続企業の前提に基づき連結財務諸表を作成することが適切であるかどうかを評価し、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づいて継続企業に関する事項を開示する必要がある場合には当該事項を開示する責任がある。監査役及び監査役会の責任は、財務報告プロセスの整備及び運用における取締役の職務の執行を監視することにある。連結財務諸表監査における監査人の責任監査人の責任は、監査人が実施した監査に基づいて、全体としての連結財務諸表に不正又は誤謬による重要な虚偽表示がないかどうかについて合理的な保証を得て、監査報告書において独立の立場から連結財務諸表に対する意見を表明することにある。虚偽表示は、不正又は誤謬により発生する可能性があり、個別に又は集計すると、連結財務諸表の利用者の意思決定に影響を与えると合理的に見込まれる場合に、重要性があると判断される。監査人は、我が国において一般に公正妥当と認められる監査の基準に従って、監査の過程を通じて、職業的専門家としての判断を行い、職業的懐疑心を保持して以下を実施する。・ 不正又は誤謬による重要な虚偽表示リスクを識別し、評価する。また、重要な虚偽表示リスクに対応した監査手続を立案し、実施する。監査手続の選択及び適用は監査人の判断による。さらに、意見表明の基礎となる十分かつ適切な監査証拠を入手する。・ 連結財務諸表監査の目的は、内部統制の有効性について意見表明するためのものではないが、監査人は、リスク評価の実施に際して、状況に応じた適切な監査手続を立案するために、監査に関連する内部統制を検討する。・ 経営者が採用した会計方針及びその適用方法の適切性、並びに経営者によって行われた会計上の見積りの合理性及び関連する注記事項の妥当性を評価する。・ 経営者が継続企業を前提として連結財務諸表を作成することが適切であるかどうか、また、入手した監査証拠に基づき、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況に関して重要な不確実性が認められるかどうか結論付ける。継続企業の前提に関する重要な不確実性が認められる場合は、監査報告書において連結財務諸表の注記事項に注意を喚起すること、又は重要な不確実性に関する連結財務諸表の注記事項が適切でない場合は、連結財務諸表に対して除外事項付意見を表明することが求められている。監査人の結論は、監査報告書日までに入手した監査証拠に基づいているが、将来の事象や状況により、企業は継続企業として存続できなくなる可能性がある。・ 連結財務諸表の表示及び注記事項が、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠しているかどうかとともに、関連する注記事項を含めた連結財務諸表の表示、構成及び内容、並びに連結財務諸表が基礎となる取引や会計事象を適正に表示しているかどうかを評価する。・ 連結財務諸表に対する意見を表明するために、会社及び連結子会社の財務情報に関する十分かつ適切な監査証拠を入手する。監査人は、連結財務諸表の監査に関する指示、監督及び実施に関して責任がある。監査人は、単独で監査意見に対して責任を負う。監査人は、監査役及び監査役会に対して、計画した監査の範囲とその実施時期、監査の実施過程で識別した内部統制の重要な不備を含む監査上の重要な発見事項、及び監査の基準で求められているその他の事項について報告を行う。監査人は、監査役及び監査役会に対して、独立性についての我が国における職業倫理に関する規定を遵守したこと、並びに監査人の独立性に影響を与えると合理的に考えられる事項、及び阻害要因を除去するための対応策を講じている場合又は阻害要因を許容可能な水準にまで軽減するためのセーフガードを適用している場合はその内容について報告を行う。監査人は、監査役及び監査役会と協議した事項のうち、当連結会計年度の連結財務諸表の監査で特に重要であると判断した事項を監査上の主要な検討事項と決定し、監査報告書において記載する。ただし、法令等により当該事項の公表が禁止されている場合や、極めて限定的ではあるが、監査報告書において報告することにより生じる不利益が公共の利益を上回ると合理的に見込まれるため、監査人が報告すべきでないと判断した場合は、当該事項を記載しない。 <内部統制監査>監査意見当監査法人は、金融商品取引法第193条の2第2項の規定に基づく監査証明を行うため、東京海上ホールディングス株式会社の2024年3月31日現在の内部統制報告書について監査を行った。当監査法人は、東京海上ホールディングス株式会社が2024年3月31日現在の財務報告に係る内部統制は有効であると表示した上記の内部統制報告書が、我が国において一般に公正妥当と認められる財務報告に係る内部統制の評価の基準に準拠して、財務報告に係る内部統制の評価結果について、全ての重要な点において適正に表示しているものと認める。監査意見の根拠当監査法人は、我が国において一般に公正妥当と認められる財務報告に係る内部統制の監査の基準に準拠して内部統制監査を行った。財務報告に係る内部統制の監査の基準における当監査法人の責任は、「内部統制監査における監査人の責任」に記載されている。当監査法人は、我が国における職業倫理に関する規定に従って、会社及び連結子会社から独立しており、また、監査人としてのその他の倫理上の責任を果たしている。当監査法人は、意見表明の基礎となる十分かつ適切な監査証拠を入手したと判断している。内部統制報告書に対する経営者並びに監査役及び監査役会の責任経営者の責任は、財務報告に係る内部統制を整備及び運用し、我が国において一般に公正妥当と認められる財務報告に係る内部統制の評価の基準に準拠して内部統制報告書を作成し適正に表示することにある。監査役及び監査役会の責任は、財務報告に係る内部統制の整備及び運用状況を監視、検証することにある。なお、財務報告に係る内部統制により財務報告の虚偽の記載を完全には防止又は発見することができない可能性がある。内部統制監査における監査人の責任監査人の責任は、監査人が実施した内部統制監査に基づいて、内部統制報告書に重要な虚偽表示がないかどうかについて合理的な保証を得て、内部統制監査報告書において独立の立場から内部統制報告書に対する意見を表明することにある。監査人は、我が国において一般に公正妥当と認められる財務報告に係る内部統制の監査の基準に従って、監査の過程を通じて、職業的専門家としての判断を行い、職業的懐疑心を保持して以下を実施する。・ 内部統制報告書における財務報告に係る内部統制の評価結果について監査証拠を入手するための監査手続を実施する。内部統制監査の監査手続は、監査人の判断により、財務報告の信頼性に及ぼす影響の重要性に基づいて選択及び適用される。・ 財務報告に係る内部統制の評価範囲、評価手続及び評価結果について経営者が行った記載を含め、全体としての内部統制報告書の表示を検討する。・ 内部統制報告書における財務報告に係る内部統制の評価結果に関する十分かつ適切な監査証拠を入手する。監査人は、内部統制報告書の監査に関する指示、監督及び実施に関して責任がある。監査人は、単独で監査意見に対して責任を負う。監査人は、監査役及び監査役会に対して、計画した内部統制監査の範囲とその実施時期、内部統制監査の実施結果、識別した内部統制の開示すべき重要な不備、その是正結果、及び内部統制の監査の基準で求められているその他の事項について報告を行う。監査人は、監査役及び監査役会に対して、独立性についての我が国における職業倫理に関する規定を遵守したこと、並びに監査人の独立性に影響を与えると合理的に考えられる事項、及び阻害要因を除去するための対応策を講じている場合又は阻害要因を許容可能な水準にまで軽減するためのセーフガードを適用している場合はその内容について報告を行う。<報酬関連情報> 当監査法人及び当監査法人と同一のネットワークに属する者に対する、会社及び子会社の監査証明業務に基づく報酬及び非監査業務に基づく報酬の額は、「提出会社の状況」に含まれるコーポレート・ガバナンスの状況等 (3)【監査の状況】
に記載されている。利害関係会社及び連結子会社と当監査法人又は業務執行社員との間には、公認会計士法の規定により記載すべき利害関係はない。以  上 (注)1.上記の監査報告書の原本は当社(有価証券報告書提出会社)が別途保管しています。2.XBRLデータは監査の対象には含まれていません。
監査上の主要な検討事項、連結 監査上の主要な検討事項監査上の主要な検討事項とは、当連結会計年度の連結財務諸表の監査において、監査人が職業的専門家として特に重要であると判断した事項である。監査上の主要な検討事項は、連結財務諸表全体に対する監査の実施過程及び監査意見の形成において対応した事項であり、当監査法人は、当該事項に対して個別に意見を表明するものではない。当監査法人は、グローバル保険グループとしての会社の事業内容及び事業戦略、会社を取り巻く国内外の事業環境、保険会社特有の会計処理や業界の実務慣行等を踏まえ、監査上特に注意を払った事項の中から、以下の項目を監査上の主要な検討事項として決定した。 ・ 主要子会社の支払備金の見積り ・ Privilege Underwriters, Inc.(以下、「Pure社」)に係るのれん及びその他の無形固定資産の評価 ・ レベル3の時価に分類される証券化商品等の評価及び商業用不動産担保付貸付金等に係る予想信用損失の評価上記のうち「レベル3の時価に分類される証券化商品等の評価及び商業用不動産担保付貸付金等に係る予想信用損失の評価」は、前連結会計年度において「レベル3の時価に分類される証券化商品及び商業用不動産担保付貸付金等の評価」としていたものについて、当連結会計年度から米国子会社において新たな会計基準が適用されたことに伴い、貸付金について予想信用損失が見積られたことから、これに監査上の注意を払うように変更した。その他の項目については前連結会計年度から重要な変更は生じていない。 主要子会社の支払備金の見積り監査上の主要な検討事項の内容及び決定理由監査上の対応会社は、保険事業として、国内損害保険事業、国内生命保険事業、海外保険事業を営んでおり、これらの保険事業を行う子会社を国内外に多数有している。保険事業に特有の勘定科目として、2024年3月31日現在、支払備金4,739,831百万円が連結貸借対照表に計上されており、総負債の18.7%を占めている。【注記事項】
「(重要な会計上の見積り)1.支払備金」に記載されているとおり、支払備金とは、保険契約に基づいて支払義務が発生したと認められる保険金等のうち、未だ支払っていない金額を見積り、負債として計上するものである。支払備金の見積りは、過去の支払実績等を使用した統計的手法を含む様々な手法により実施される。これらの見積手法や、保険金増加率等の重要な仮定の選択には、経営者の重要な判断が必要となる。特に、事故の発生から解決までに長期間を要することが多い保険商品に関する支払備金の見積りには、高い不確実性を伴う。この長期間を要するという特徴を有する支払備金の多くが、東京海上日動火災保険株式会社(以下、「東京海上日動社」)、HCC Insurance Holdings, Inc.(以下、「HCC社」)、Delphi Financial Group, Inc.(以下、「Delphi社」)及びPhiladelphia Consolidated Holding Corp.が計上する支払備金に含まれており、連結財務諸表残高に占める金額的重要性が高いため、監査上も特に慎重な検討が必要となる。以上の理由より、当監査法人は、上記の主要子会社が計上する、事故の発生から解決までに長期間を要することが多い保険商品に関する支払備金の見積りが、監査上の主要な検討事項に該当すると判断した。当監査法人は、主要子会社の支払備金の見積りについて、当監査法人の指揮及び監督の下で実施された主要子会社の監査人の作業とその査閲を含め、主に以下の監査手続を実施した。・主要子会社における内部統制の整備及び運用状況の有効性を評価した。特に着目した内部統制には以下のものが含まれる。‐支払備金の見積りにおいて使用する見積手法や仮定を承認する統制‐支払備金の当初の見積額とその後の保険金支払額の実績値等とを事後的に比較する統制・過去の支払実績等、支払備金の見積りに使用された基礎データの正確性と網羅性を検証するため、当該基礎データが、保険金及び支払備金を管理するシステム等から出力された情報と一致することを確認した。・支払備金の見積りにおいて使用された見積手法や重要な仮定、及び見積額の妥当性を検証するため、保険数理の内部専門家(当監査法人又はPwCグローバルネットワークの他のメンバーファームに所属する専門家をいう。以下同様。)を利用して、主に以下の手続を実施した。‐経営者への質問や、経営者の利用する保険数理専門家による検討結果の閲覧等を通じた、見積手法の選択に関する経営者の判断の合理性の検討‐保険金増加率等、経営者が使用した重要な仮定の確認と、過年度の支払備金の見積額とその後の保険金支払額の実績値との比較検討‐監査人独自の支払備金の見積額及び許容範囲の設定と、経営者の見積額が当該許容範囲に収まっているかどうかの比較検討 Pure社に係るのれん及びその他の無形固定資産の評価監査上の主要な検討事項の内容及び決定理由監査上の対応会社は、グローバル保険グループとして、グループ全体の成長と分散の効いたポートフォリオの構築のため、海外保険市場において、持続的な内部成長に加えて戦略的なM&Aを推進している。当該戦略的なM&Aの結果として、2024年3月31日現在、のれん372,624百万円(総資産の1.2%)及びその他の無形固定資産497,402百万円(同1.6%)が連結貸借対照表に計上されている。これらには、会社が2020年2月に米国子会社であるHCC社を通じて買収した、Pure社に係る以下ののれん及びその他の無形固定資産(以下、「のれん等」)が含まれている。・のれん:買収時点の金額163,910百万円、償却期間15年・その他の無形固定資産(主として契約更改権価値及び販売網価値):買収時点の金額242,639百万円、主な償却期間15年のれん等は、その効果が及ぶと見積もった期間にわたり償却されるが、収益性の低下により投資額の回収が見込めなくなった場合は、減損損失を計上することが求められている。【注記事項】
「(重要な会計上の見積り)2.のれんの減損」に記載されているとおり、会社は主として、報告単位、すなわち対象事業の直近の業績及び将来の見通しの悪化、買収時点に想定した事業計画からの著しい下方乖離、市場環境を含む経営環境の著しい悪化といった減損の兆候の有無を判定している。減損の兆候が認められ、減損損失の認識が必要と判定された場合には、のれん等の帳簿価額を回収可能価額まで減額し、減損損失を計上する。Pure社は、米国の富裕層向け保険市場に特化して急成長を遂げており、同社の買収においては、同社が今後も高い成長を続けていくことを想定した上で事業価値の評価が行われ、買収価額及びのれん等の計上額が決定されている。Pure社は、その買収後において一定の成長を実現できているものの、今後ものれん等の償却期間にわたり買収時に想定した高い成長が継続するかどうかは、高い不確実性を伴うものであり、減損の有無の判定には経営者の重要な判断が必要となる。Pure社に係るのれん等は金額的重要性が高く、減損損失が発生した場合には会社の損益に重要な影響を与える可能性もあることから、監査上も特に慎重な検討が必要となる。なお、会社は、当連結会計年度において、Pure社に係るのれん等の減損は不要と判断している。以上の理由より、当監査法人は、Pure社に係るのれん及びその他の無形固定資産の評価が監査上の主要な検討事項に該当すると判断した。当監査法人は、Pure社に係るのれん及びその他の無形固定資産の評価について、当監査法人の指揮及び監督の下で実施されたHCC社の監査人の作業とその査閲を含め、主に以下の監査手続を実施した。・HCC社における内部統制の整備及び運用状況の有効性を評価した。特に着目した内部統制には以下のものが含まれる。‐対象事業毎の業績に関する予算と実績の比較分析や、経営環境の著しい悪化を示す状況の有無の確認等により、減損の兆候の有無を判定する統制‐減損判定に使用される、第三者から入手した公正価値評価の合理性を検証する統制・その他の無形固定資産について、経営者が実施した減損の兆候の有無の判定結果の妥当性を検証するため、主に以下の手続を実施した。‐保険引受収益や税引前利益等のPure社の主要な業績指標や、その他の無形固定資産の算定基礎である契約更改率や販売網維持率等の重要な仮定について、当連結会計年度の実績値が、高い成長性が継続することを想定した買収時点の事業計画から著しく下方乖離していないかどうかの比較検討‐経営者への質問や取締役会等の議事録の閲覧等を通じた、市場環境や競合環境を含むPure社の経営環境に著しい悪化が生じていないかどうかの検討、及び同社の今後の成長に重要な影響を与えるような事業戦略上の変更が予定されていないかどうかの検討‐減損の兆候の有無の判定において用いられているPure社の当連結会計年度の主要な業績指標が、監査済みの財務数値に基づき算定されていることの確認・のれんについて、当連結会計年度に行われたHCC社から東京海上日動社へのPure社株式の移管に係る取引価格の算定のために取得された、第三者によるPure社株式の公正価値評価書を査閲した。また、当該資料を用いて経営者が実施した、Pure社株式の公正価値とのれん等を含むPure社の帳簿価額との比較結果を検証するため、評価の内部専門家を利用して、主に以下の手続を実施した。‐公正価値評価に用いられた手法及び仮定の合理性及びそれらが買収時の評価手法及び仮定と整合しているかの検討‐公正価値評価の基礎となる将来キャッシュ・フローの見積りの合理性について、過年度実績との比較や、キャッシュ・フローを構成する収入項目及び支出項目間の整合性分析等を通じた検討‐公正価値評価に用いられた割引率やマルチプル等の重要な仮定の合理性について、利用可能な企業外部の情報との比較等を通じた検討‐公正価値評価の計算及び帳簿価額との比較計算の正確性の検証 レベル3の時価に分類される証券化商品等の評価及び商業用不動産担保付貸付金等に係る予想信用損失の評価監査上の主要な検討事項の内容及び決定理由監査上の対応【注記事項】
「(金融商品関係)1.金融商品の状況に関する事項」に記載されているとおり、会社は保険事業を中核としており、保険料として収受した資金等の運用を行っている。具体的には、資産・負債総合管理(ALM:Asset Liability Management)を軸として、保険負債が抱える金利リスクを適切にコントロールしつつ、高格付債券を中心とした一定の信用リスクをとる運用を行っている。また、外国証券やオルタナティブ投資等幅広い商品も活用し、国内外でのリスク分散と運用手法の多様化を図ることで、中長期的な収益確保を目指している。会社は、上記の運用手法の多様化の一環として、CLO(ローン担保証券)等の証券化商品や、主に米国の商業用不動産担保付貸付金(以下、「CREローン」)等への投資を行っている。これらの金融商品の多くは、会社が保有する他の金融商品と比べて流動性が低く、高度な運用力を必要とすることから、主に米国子会社であるDelphi社が、他のグループ会社からの運用受託分も含めて投資を行っている。 (1)レベル3の時価に分類される証券化商品等の評価【注記事項】
「(金融商品関係)2.金融商品の時価等に関する事項及び金融商品の時価のレベルごとの内訳等に関する事項」に記載されているとおり、金融商品の時価は、時価の算定に係るインプットの観察可能性及び重要性に応じて3つのレベルに分類されるが、上述のDelphi社が投資する証券化商品等の中には、市場で観察できない重要なインプットを用いているため、レベル3の時価に分類されるものがある。2024年3月31日現在、これらのレベル3の時価に分類される証券化商品等は買入金銭債権のレベル3残高256,151百万円及び有価証券のレベル3残高184,954百万円のそれぞれ多くを占めており、金額的重要性は高い。これらの証券化商品等は時価をもって連結貸借対照表に計上されるとともに、一時的でない時価の下落が生じた場合には減損処理が行われる。流動性の低い金融商品は、活発な市場がなく、様々なインプットを用いて時価を算定する必要がある。なかでも、レベル3の時価に分類される金融商品は、割引率等の重要なインプットが市場で観察できないため、その選択や減損判定には経営者の重要な判断が必要となり、高い不確実性を伴うことから、監査上も特に慎重な検討が必要となる。
(2)CREローン等に係る予想信用損失の評価【注記事項】
「(追加情報)1.「金融商品の信用損失の測定」(ASU 2016-13)」に記載されているとおり、米国会計基準を適用している海外連結子会社において、米国財務会計基準審議会が公表した「金融商品の信用損失の測定」(ASU 2016-13)を当連結会計期間の期首から適用している。この結果、当該海外連結子会社が計上する貸付金については、当初認識時に全期間の予想信用損失が見積られ、貸付金残高から直接控除されている。上述のDelphi社が投資するCREローン等は予想信用損失の計上対象であり、2024年3月31日現在、連結貸借対照表における貸付金残高2,817,606百万円の多くを占めており、金額的重要性は高い。会社は、上記の会計基準の適用に伴う予想信用損失として、当連結会計期間の期首時点において累積的影響額24,822百万円を利益剰余金から減じるとともに、当連結会計期間において40,714百万円の損失を計上している。当連結会計年度末において貸付金残高から直接控除された予想信用損失は60,699百万円であり、これらの多くはCREローン等に係るものである。CREローン等に係る予想信用損失の見積りは、類似したリスク特性を有する貸付ポートフォリオについては集合的に、それ以外は個々の貸付金毎に算定される。当該見積りにおいては、合理的かつ裏付け可能な予測に関する会社内外の情報が用いられるが、これには、将来の経済予測シナリオや担保不動産価値のように客観的な情報を入手することが困難な仮定や、貸付金及び担保不動産等の特性に応じた調整が含まれる。これらの見積り手法や重要な仮定の選択には経営者の重要な判断が必要となり、高い不確実性を伴うことから、監査上も特に慎重な検討が必要となる。 以上の理由より、当監査法人は、上述のレベル3の時価に分類される証券化商品等の評価及びCREローン等に係る予想信用損失の評価が、監査上の主要な検討事項に該当すると判断した。当監査法人は、レベル3の時価に分類される証券化商品等の評価及びCREローン等に係る予想信用損失の評価について、当監査法人の指揮及び監督の下で実施されたDelphi社の監査人の作業とその査閲を含め、主に以下の監査手続を実施した。 (1)レベル3の時価に分類される証券化商品等の評価・Delphi社における内部統制の整備及び運用状況の有効性を評価した。特に着目した内部統制には以下のものが含まれる。‐外部の情報ベンダーや資産運用管理会社から入手した時価の妥当性を検証する統制‐減損処理の要件を満たしているかどうかの判定結果を承認する統制・証券化商品等の時価評価及び減損処理の妥当性を検証するため、主に以下の手続を実施した。‐信頼性のある情報ベンダー等から監査人が独自に入手した時価や、金融商品評価の内部専門家を利用して監査人が独自に算定した時価と、経営者が採用した時価とを比較し、両者の差異が合理的な範囲内に収まっているかどうかの比較検討‐減損判定の妥当性を確認するための、経営者への質問及び経営者が実施した減損判定結果の閲覧、含み損を有する証券化商品の期末日後の売却実績の検討
(2)CREローン等に係る予想信用損失の評価・Delphi社における内部統制の整備及び運用状況の有効性を評価した。特に着目した内部統制には、予想信用損失の算定において使用する見積手法や仮定を承認する統制がある。・CREローン等に係る予想信用損失の見積りの妥当性を検証するため、金融商品評価の内部専門家を利用して、主に以下の手続を実施した。‐経営者への質問や、経営者が実施した予想信用損失の算定プロセス及び算定結果の閲覧等を通じた、見積手法の選択や貸付金及び担保不動産等の特性に応じた調整に関する経営者の判断の合理性の検討‐予想信用損失の算定に使用された、貸付金や担保不動産に係る基礎データの正確性について、貸付契約書やレントロール等の証票と一致することの確認‐将来の経済予測シナリオや担保不動産価値等、経営者が使用した重要な仮定の合理性について、利用可能な企業外部の情報との比較等を通じた検討‐経営者が使用した仮定に対して一定のストレスを加味する等により設定した監査人独自の予想信用損失の許容範囲に、経営者の見積額が収まっているかどうかの比較検討
全体概要、監査上の主要な検討事項、連結 監査上の主要な検討事項とは、当連結会計年度の連結財務諸表の監査において、監査人が職業的専門家として特に重要であると判断した事項である。監査上の主要な検討事項は、連結財務諸表全体に対する監査の実施過程及び監査意見の形成において対応した事項であり、当監査法人は、当該事項に対して個別に意見を表明するものではない。当監査法人は、グローバル保険グループとしての会社の事業内容及び事業戦略、会社を取り巻く国内外の事業環境、保険会社特有の会計処理や業界の実務慣行等を踏まえ、監査上特に注意を払った事項の中から、以下の項目を監査上の主要な検討事項として決定した。 ・ 主要子会社の支払備金の見積り ・ Privilege Underwriters, Inc.(以下、「Pure社」)に係るのれん及びその他の無形固定資産の評価 ・ レベル3の時価に分類される証券化商品等の評価及び商業用不動産担保付貸付金等に係る予想信用損失の評価上記のうち「レベル3の時価に分類される証券化商品等の評価及び商業用不動産担保付貸付金等に係る予想信用損失の評価」は、前連結会計年度において「レベル3の時価に分類される証券化商品及び商業用不動産担保付貸付金等の評価」としていたものについて、当連結会計年度から米国子会社において新たな会計基準が適用されたことに伴い、貸付金について予想信用損失が見積られたことから、これに監査上の注意を払うように変更した。その他の項目については前連結会計年度から重要な変更は生じていない。
見出し、監査上の主要な検討事項、連結レベル3の時価に分類される証券化商品等の評価及び商業用不動産担保付貸付金等に係る予想信用損失の評価
内容及び理由、監査上の主要な検討事項、連結 【注記事項】
「(金融商品関係)1.金融商品の状況に関する事項」に記載されているとおり、会社は保険事業を中核としており、保険料として収受した資金等の運用を行っている。具体的には、資産・負債総合管理(ALM:Asset Liability Management)を軸として、保険負債が抱える金利リスクを適切にコントロールしつつ、高格付債券を中心とした一定の信用リスクをとる運用を行っている。また、外国証券やオルタナティブ投資等幅広い商品も活用し、国内外でのリスク分散と運用手法の多様化を図ることで、中長期的な収益確保を目指している。会社は、上記の運用手法の多様化の一環として、CLO(ローン担保証券)等の証券化商品や、主に米国の商業用不動産担保付貸付金(以下、「CREローン」)等への投資を行っている。これらの金融商品の多くは、会社が保有する他の金融商品と比べて流動性が低く、高度な運用力を必要とすることから、主に米国子会社であるDelphi社が、他のグループ会社からの運用受託分も含めて投資を行っている。 (1)レベル3の時価に分類される証券化商品等の評価【注記事項】
「(金融商品関係)2.金融商品の時価等に関する事項及び金融商品の時価のレベルごとの内訳等に関する事項」に記載されているとおり、金融商品の時価は、時価の算定に係るインプットの観察可能性及び重要性に応じて3つのレベルに分類されるが、上述のDelphi社が投資する証券化商品等の中には、市場で観察できない重要なインプットを用いているため、レベル3の時価に分類されるものがある。2024年3月31日現在、これらのレベル3の時価に分類される証券化商品等は買入金銭債権のレベル3残高256,151百万円及び有価証券のレベル3残高184,954百万円のそれぞれ多くを占めており、金額的重要性は高い。これらの証券化商品等は時価をもって連結貸借対照表に計上されるとともに、一時的でない時価の下落が生じた場合には減損処理が行われる。流動性の低い金融商品は、活発な市場がなく、様々なインプットを用いて時価を算定する必要がある。なかでも、レベル3の時価に分類される金融商品は、割引率等の重要なインプットが市場で観察できないため、その選択や減損判定には経営者の重要な判断が必要となり、高い不確実性を伴うことから、監査上も特に慎重な検討が必要となる。
(2)CREローン等に係る予想信用損失の評価【注記事項】
「(追加情報)1.「金融商品の信用損失の測定」(ASU 2016-13)」に記載されているとおり、米国会計基準を適用している海外連結子会社において、米国財務会計基準審議会が公表した「金融商品の信用損失の測定」(ASU 2016-13)を当連結会計期間の期首から適用している。この結果、当該海外連結子会社が計上する貸付金については、当初認識時に全期間の予想信用損失が見積られ、貸付金残高から直接控除されている。上述のDelphi社が投資するCREローン等は予想信用損失の計上対象であり、2024年3月31日現在、連結貸借対照表における貸付金残高2,817,606百万円の多くを占めており、金額的重要性は高い。会社は、上記の会計基準の適用に伴う予想信用損失として、当連結会計期間の期首時点において累積的影響額24,822百万円を利益剰余金から減じるとともに、当連結会計期間において40,714百万円の損失を計上している。当連結会計年度末において貸付金残高から直接控除された予想信用損失は60,699百万円であり、これらの多くはCREローン等に係るものである。CREローン等に係る予想信用損失の見積りは、類似したリスク特性を有する貸付ポートフォリオについては集合的に、それ以外は個々の貸付金毎に算定される。当該見積りにおいては、合理的かつ裏付け可能な予測に関する会社内外の情報が用いられるが、これには、将来の経済予測シナリオや担保不動産価値のように客観的な情報を入手することが困難な仮定や、貸付金及び担保不動産等の特性に応じた調整が含まれる。これらの見積り手法や重要な仮定の選択には経営者の重要な判断が必要となり、高い不確実性を伴うことから、監査上も特に慎重な検討が必要となる。 以上の理由より、当監査法人は、上述のレベル3の時価に分類される証券化商品等の評価及びCREローン等に係る予想信用損失の評価が、監査上の主要な検討事項に該当すると判断した。
開示への参照、監査上の主要な検討事項、連結【注記事項】
「(金融商品関係)1.金融商品の状況に関する事項」
開示への参照2、監査上の主要な検討事項、連結【注記事項】
「(金融商品関係)2.金融商品の時価等に関する事項及び金融商品の時価のレベルごとの内訳等に関する事項」
監査上の対応、監査上の主要な検討事項、連結 当監査法人は、レベル3の時価に分類される証券化商品等の評価及びCREローン等に係る予想信用損失の評価について、当監査法人の指揮及び監督の下で実施されたDelphi社の監査人の作業とその査閲を含め、主に以下の監査手続を実施した。 (1)レベル3の時価に分類される証券化商品等の評価・Delphi社における内部統制の整備及び運用状況の有効性を評価した。特に着目した内部統制には以下のものが含まれる。‐外部の情報ベンダーや資産運用管理会社から入手した時価の妥当性を検証する統制‐減損処理の要件を満たしているかどうかの判定結果を承認する統制・証券化商品等の時価評価及び減損処理の妥当性を検証するため、主に以下の手続を実施した。‐信頼性のある情報ベンダー等から監査人が独自に入手した時価や、金融商品評価の内部専門家を利用して監査人が独自に算定した時価と、経営者が採用した時価とを比較し、両者の差異が合理的な範囲内に収まっているかどうかの比較検討‐減損判定の妥当性を確認するための、経営者への質問及び経営者が実施した減損判定結果の閲覧、含み損を有する証券化商品の期末日後の売却実績の検討
(2)CREローン等に係る予想信用損失の評価・Delphi社における内部統制の整備及び運用状況の有効性を評価した。特に着目した内部統制には、予想信用損失の算定において使用する見積手法や仮定を承認する統制がある。・CREローン等に係る予想信用損失の見積りの妥当性を検証するため、金融商品評価の内部専門家を利用して、主に以下の手続を実施した。‐経営者への質問や、経営者が実施した予想信用損失の算定プロセス及び算定結果の閲覧等を通じた、見積手法の選択や貸付金及び担保不動産等の特性に応じた調整に関する経営者の判断の合理性の検討‐予想信用損失の算定に使用された、貸付金や担保不動産に係る基礎データの正確性について、貸付契約書やレントロール等の証票と一致することの確認‐将来の経済予測シナリオや担保不動産価値等、経営者が使用した重要な仮定の合理性について、利用可能な企業外部の情報との比較等を通じた検討‐経営者が使用した仮定に対して一定のストレスを加味する等により設定した監査人独自の予想信用損失の許容範囲に、経営者の見積額が収まっているかどうかの比較検討
その他の記載内容、連結 その他の記載内容その他の記載内容は、有価証券報告書に含まれる情報のうち、連結財務諸表及び財務諸表並びにこれらの監査報告書以外の情報である。経営者の責任は、その他の記載内容を作成し開示することにある。また、監査役及び監査役会の責任は、その他の記載内容の報告プロセスの整備及び運用における取締役の職務の執行を監視することにある。当監査法人の連結財務諸表に対する監査意見の対象にはその他の記載内容は含まれておらず、当監査法人はその他の記載内容に対して意見を表明するものではない。連結財務諸表監査における当監査法人の責任は、その他の記載内容を通読し、通読の過程において、その他の記載内容と連結財務諸表又は当監査法人が監査の過程で得た知識との間に重要な相違があるかどうか検討すること、また、そのような重要な相違以外にその他の記載内容に重要な誤りの兆候があるかどうか注意を払うことにある。当監査法人は、実施した作業に基づき、その他の記載内容に重要な誤りがあると判断した場合には、その事実を報告することが求められている。その他の記載内容に関して、当監査法人が報告すべき事項はない。
報酬関連情報、連結 <報酬関連情報> 当監査法人及び当監査法人と同一のネットワークに属する者に対する、会社及び子会社の監査証明業務に基づく報酬及び非監査業務に基づく報酬の額は、「提出会社の状況」に含まれるコーポレート・ガバナンスの状況等 (3)【監査の状況】
に記載されている。

Audit1

監査法人1、個別PwC Japan有限責任監査法人
独立監査人の報告書、個別 独 立 監 査 人 の 監 査 報 告 書 2024年6月21日東京海上ホールディングス株式会社 取締役会御中 PwC Japan有限責任監査法人     東京事務所 指定有限責任社員業務執行社員 公認会計士井  野  貴  章 指定有限責任社員業務執行社員 公認会計士鈴  木  隆  樹 指定有限責任社員業務執行社員 公認会計士山  本  啓  正 <財務諸表監査>監査意見当監査法人は、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づく監査証明を行うため、「経理の状況」に掲げられている東京海上ホールディングス株式会社の2023年4月1日から2024年3月31日までの第22期事業年度の財務諸表、すなわち、貸借対照表、損益計算書、株主資本等変動計算書、重要な会計方針、その他の注記及び附属明細表について監査を行った。当監査法人は、上記の財務諸表が、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して、東京海上ホールディングス株式会社の2024年3月31日現在の財政状態及び同日をもって終了する事業年度の経営成績を、全ての重要な点において適正に表示しているものと認める。監査意見の根拠当監査法人は、我が国において一般に公正妥当と認められる監査の基準に準拠して監査を行った。監査の基準における当監査法人の責任は、「財務諸表監査における監査人の責任」に記載されている。当監査法人は、我が国における職業倫理に関する規定に従って、会社から独立しており、また、監査人としてのその他の倫理上の責任を果たしている。当監査法人は、意見表明の基礎となる十分かつ適切な監査証拠を入手したと判断している。監査上の主要な検討事項監査上の主要な検討事項とは、当事業年度の財務諸表の監査において、監査人が職業的専門家として特に重要であると判断した事項である。監査上の主要な検討事項は、財務諸表全体に対する監査の実施過程及び監査意見の形成において対応した事項であり、当監査法人は、当該事項に対して個別に意見を表明するものではない。当監査法人は、監査報告書において報告すべき監査上の主要な検討事項はないと判断している。 その他の記載内容その他の記載内容は、有価証券報告書に含まれる情報のうち、連結財務諸表及び財務諸表並びにこれらの監査報告書以外の情報である。経営者の責任は、その他の記載内容を作成し開示することにある。また、監査役及び監査役会の責任は、その他の記載内容の報告プロセスの整備及び運用における取締役の職務の執行を監視することにある。当監査法人の財務諸表に対する監査意見の対象にはその他の記載内容は含まれておらず、当監査法人はその他の記載内容に対して意見を表明するものではない。財務諸表監査における当監査法人の責任は、その他の記載内容を通読し、通読の過程において、その他の記載内容と財務諸表又は当監査法人が監査の過程で得た知識との間に重要な相違があるかどうか検討すること、また、そのような重要な相違以外にその他の記載内容に重要な誤りの兆候があるかどうか注意を払うことにある。当監査法人は、実施した作業に基づき、その他の記載内容に重要な誤りがあると判断した場合には、その事実を報告することが求められている。その他の記載内容に関して、当監査法人が報告すべき事項はない。 財務諸表に対する経営者並びに監査役及び監査役会の責任経営者の責任は、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して財務諸表を作成し適正に表示することにある。これには、不正又は誤謬による重要な虚偽表示のない財務諸表を作成し適正に表示するために経営者が必要と判断した内部統制を整備及び運用することが含まれる。財務諸表を作成するに当たり、経営者は、継続企業の前提に基づき財務諸表を作成することが適切であるかどうかを評価し、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づいて継続企業に関する事項を開示する必要がある場合には当該事項を開示する責任がある。監査役及び監査役会の責任は、財務報告プロセスの整備及び運用における取締役の職務の執行を監視することにある。財務諸表監査における監査人の責任監査人の責任は、監査人が実施した監査に基づいて、全体としての財務諸表に不正又は誤謬による重要な虚偽表示がないかどうかについて合理的な保証を得て、監査報告書において独立の立場から財務諸表に対する意見を表明することにある。虚偽表示は、不正又は誤謬により発生する可能性があり、個別に又は集計すると、財務諸表の利用者の意思決定に影響を与えると合理的に見込まれる場合に、重要性があると判断される。監査人は、我が国において一般に公正妥当と認められる監査の基準に従って、監査の過程を通じて、職業的専門家としての判断を行い、職業的懐疑心を保持して以下を実施する。・ 不正又は誤謬による重要な虚偽表示リスクを識別し、評価する。また、重要な虚偽表示リスクに対応した監査手続を立案し、実施する。監査手続の選択及び適用は監査人の判断による。さらに、意見表明の基礎となる十分かつ適切な監査証拠を入手する。・ 財務諸表監査の目的は、内部統制の有効性について意見表明するためのものではないが、監査人は、リスク評価の実施に際して、状況に応じた適切な監査手続を立案するために、監査に関連する内部統制を検討する。・ 経営者が採用した会計方針及びその適用方法の適切性、並びに経営者によって行われた会計上の見積りの合理性及び関連する注記事項の妥当性を評価する。・ 経営者が継続企業を前提として財務諸表を作成することが適切であるかどうか、また、入手した監査証拠に基づき、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況に関して重要な不確実性が認められるかどうか結論付ける。継続企業の前提に関する重要な不確実性が認められる場合は、監査報告書において財務諸表の注記事項に注意を喚起すること、又は重要な不確実性に関する財務諸表の注記事項が適切でない場合は、財務諸表に対して除外事項付意見を表明することが求められている。監査人の結論は、監査報告書日までに入手した監査証拠に基づいているが、将来の事象や状況により、企業は継続企業として存続できなくなる可能性がある。・ 財務諸表の表示及び注記事項が、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠しているかどうかとともに、関連する注記事項を含めた財務諸表の表示、構成及び内容、並びに財務諸表が基礎となる取引や会計事象を適正に表示しているかどうかを評価する。監査人は、監査役及び監査役会に対して、計画した監査の範囲とその実施時期、監査の実施過程で識別した内部統制の重要な不備を含む監査上の重要な発見事項、及び監査の基準で求められているその他の事項について報告を行う。監査人は、監査役及び監査役会に対して、独立性についての我が国における職業倫理に関する規定を遵守したこと、並びに監査人の独立性に影響を与えると合理的に考えられる事項、及び阻害要因を除去するための対応策を講じている場合又は阻害要因を許容可能な水準にまで軽減するためのセーフガードを適用している場合はその内容について報告を行う。監査人は、監査役及び監査役会と協議した事項のうち、当事業年度の財務諸表の監査で特に重要であると判断した事項を監査上の主要な検討事項と決定し、監査報告書において記載する。ただし、法令等により当該事項の公表が禁止されている場合や、極めて限定的ではあるが、監査報告書において報告することにより生じる不利益が公共の利益を上回ると合理的に見込まれるため、監査人が報告すべきでないと判断した場合は、当該事項を記載しない。<報酬関連情報> 報酬関連情報は、連結財務諸表の監査報告書に記載されている。利害関係会社と当監査法人又は業務執行社員との間には、公認会計士法の規定により記載すべき利害関係はない。 以  上 (注)1.上記の監査報告書の原本は当社(有価証券報告書提出会社)が別途保管しています。2.XBRLデータは監査の対象には含まれていません。
監査上の主要な検討事項、個別 監査上の主要な検討事項監査上の主要な検討事項とは、当事業年度の財務諸表の監査において、監査人が職業的専門家として特に重要であると判断した事項である。監査上の主要な検討事項は、財務諸表全体に対する監査の実施過程及び監査意見の形成において対応した事項であり、当監査法人は、当該事項に対して個別に意見を表明するものではない。当監査法人は、監査報告書において報告すべき監査上の主要な検討事項はないと判断している。
全体概要、監査上の主要な検討事項、個別 監査上の主要な検討事項とは、当事業年度の財務諸表の監査において、監査人が職業的専門家として特に重要であると判断した事項である。監査上の主要な検討事項は、財務諸表全体に対する監査の実施過程及び監査意見の形成において対応した事項であり、当監査法人は、当該事項に対して個別に意見を表明するものではない。当監査法人は、監査報告書において報告すべき監査上の主要な検討事項はないと判断している。
その他の記載内容、個別 その他の記載内容その他の記載内容は、有価証券報告書に含まれる情報のうち、連結財務諸表及び財務諸表並びにこれらの監査報告書以外の情報である。経営者の責任は、その他の記載内容を作成し開示することにある。また、監査役及び監査役会の責任は、その他の記載内容の報告プロセスの整備及び運用における取締役の職務の執行を監視することにある。当監査法人の財務諸表に対する監査意見の対象にはその他の記載内容は含まれておらず、当監査法人はその他の記載内容に対して意見を表明するものではない。財務諸表監査における当監査法人の責任は、その他の記載内容を通読し、通読の過程において、その他の記載内容と財務諸表又は当監査法人が監査の過程で得た知識との間に重要な相違があるかどうか検討すること、また、そのような重要な相違以外にその他の記載内容に重要な誤りの兆候があるかどうか注意を払うことにある。当監査法人は、実施した作業に基づき、その他の記載内容に重要な誤りがあると判断した場合には、その事実を報告することが求められている。その他の記載内容に関して、当監査法人が報告すべき事項はない。
報酬関連情報、個別 <報酬関連情報> 報酬関連情報は、連結財務諸表の監査報告書に記載されている。

BS資産

未収入金11,750,000,000
工具、器具及び備品(純額)8,000,000
土地132,337,000,000
建設仮勘定7,162,000,000
有形固定資産399,579,000,000