財務諸表

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提出書類、表紙有価証券報告書
提出日、表紙2024-06-21
英訳名、表紙Sumitomo Riko Company Limited
代表者の役職氏名、表紙執行役員社長 清水 和志
本店の所在の場所、表紙愛知県小牧市東三丁目1番地
電話番号、本店の所在の場所、表紙0568-77-2121(代表)
様式、DEI第三号様式
会計基準、DEIIFRS
連結決算の有無、DEItrue
当会計期間の種類、DEIFY

corp

沿革 2 【沿革】
 1929年12月資本金100万円を以て三重県四日市市に、昭和興業㈱として設立し、ゴムベルトの製造に従事。1930年1月社名を蒲田調帯㈱に改称し、平型ベルト・コンベヤベルトの製造を開始。1937年10月㈱住友電線製造所(現・住友電気工業㈱)の経営参加により、社名を東海護謨工業㈱に改称、ゴムベルト以外の工業用ゴム製品の製造にも着手。1943年8月三重県松阪市の笹川紡織㈱を合併、松阪工場(現・松阪事業所)とした。1949年7月名古屋証券取引所に株式を上場。1954年2月防振ゴムの試作に成功、製造を開始。1960年11月愛知県小牧市で小牧工場(現・小牧製作所)操業開始。1961年11月社名を東海ゴム工業㈱に改称。1964年12月本社を愛知県小牧市に移転。1968年5月愛知県小牧市に東海化成工業㈱を設立。1988年1月米国にDTR Industries, Inc.(現・SumiRiko Ohio, Inc.)を設立。1990年6月静岡県裾野市の富士裾野工場(現・富士裾野製作所)の操業を開始。1994年2月東京証券取引所市場第二部に株式を上場。1995年7月タイにTokai Eastern Rubber (Thailand) Ltd.(現・SumiRiko Eastern Rubber (Thailand) Ltd.)を設立。 12月中国に東海橡塑(天津)有限公司を設立。1996年9月東京・名古屋両証券取引所の市場第一部銘柄に指定。1998年2月大分県豊後高田市に㈱TRI大分AE(現・㈱住理工大分AE)を設立。1999年7月ポーランドにTRI (Poland) Sp. z o.o.(現・SumiRiko Poland Sp. z o.o.)を設立。2007年12月大分県豊後高田市に㈱TRI九州(現・㈱住理工九州)及び㈱東海化成九州を設立。2008年5月インドにTokai Rubber Auto-Parts India Private,Ltd.を設立。2011年8月インドネシアにPT.Tokai Rubber Indonesia及びPT.Tokai Rubber Auto Hose Indonesiaを設立。2013年2月イタリアのDytech-Dynamic Fluid Technologies S.p.A.(現・SumiRiko Italy S.p.A.)を買収。 4月タイのInoac Tokai (Thailand) Co., Ltd.を子会社化。 5月ドイツのAnvis Group GmbH(現・SumiRiko AVS Holding Germany GmbH)を買収。 7月ブラジルのProduflex Minas Industria de Borrachas Ltda.(現・SumiRiko do Brasil Indústria de Borrachas Ltda.)を買収。 12月京都府綾部市に㈱TRI京都(現・住友理工ホーステックス㈱)を設立。2014年10月社名を住友理工㈱に改称。 11月燃料電池自動車に搭載されるセル用ガスケットを開発し、製造を開始。2015年4月山形県米沢市に住理工山形㈱を設立。 10月名古屋市中区に一般産業用品の販売会社、住理工商事㈱を発足。2016年1月名古屋市中村区にグローバル本社を開設。2017年7月タイにSumitomo Riko (Asia Pacific) Ltd.を設立。2018年7月㈱住理工ホーステックスが住理工ホース販売㈱を吸収合併し、住友理工ホーステックス㈱に改称。2019年4月㈱住理工ファインエラストマーを合併、埼玉事業所とした。 6月中国に蘇州東海橡塑科技有限公司を設立。2020年8月フランスの連結子会社であるSumiRiko Industry France S.A.S.及び SumiRiko AVS France S.A.S.の全株式を譲渡。2021年1月ベトナムにSumiRiko Vietnam Co., Ltd.を設立。2022年10月米国のLanzaTech NZ, Inc.と、サーキュラーエコノミー(循環経済)の実現に向けたゴム・樹脂・ウレタン廃棄物の再利用に関する共同開発契約を締結。
事業の内容 3 【事業の内容】
当社グループ(当社及び当社の関係会社)は、当社、親会社、子会社75社及び関連会社8社により構成されており、自動車用品及び一般産業用品の製造販売を主な事業とし、その製品は多岐にわたっております。当社グループの事業に係わる位置付け等は以下のとおりであります。なお、「事業区分」は「第5 経理の状況 1.連結財務諸表 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 6.セグメント情報」に掲げるセグメントの区分と同一であります。 事業区分内容主要会社名自動車用品防振ゴム、ホース、内装品、制遮音品、燃料電池(FC)部材、ゴムシール材等当社東海化成工業㈱㈱住理工九州SumiRiko Ohio, Inc.(米国)SumiRiko Tennessee, Inc.(米国)東海橡塑(天津)有限公司(中国)東海橡塑(嘉興)有限公司(中国)東海橡塑(広州)有限公司(中国)SumiRiko Poland Sp. z o.o.(ポーランド)SumiRiko Eastern Rubber (Thailand) Ltd.(タイ)SumiRiko Italy S.p.A.(イタリア)SumiRiko AVS Holding Germany GmbH(ドイツ)その他55社(当事業に携わる会社総数 67社)一般産業用品精密樹脂ブレード・ロール、車両用・住宅用・橋梁用防振ゴム、高圧ホース・搬送用ホース等当社住友電気工業㈱㈱住理工大分AE住友理工ホーステックス㈱㈱住理工商事東海橡塑(合肥)有限公司(中国)その他22社(当事業に携わる会社総数 28社) 事業系統図主要な関係会社等を事業系統図に示すと次のとおりであります。
関係会社の状況 4 【関係会社の状況】
名称住所資本金又は出資金主要な事業の内容議決権の所有又は被所有割合関係内容摘要役員の兼任等資金援助等(注)3営業上の取引等(親会社)住友電気工業㈱ 大阪市 中央区百万円99,737一般産業用品%被所有50.8(1.1)転籍ありなし当社製品の販売
(注)5(連結子会社)東海化成工業㈱岐阜県可児郡百万円100自動車用品80.0兼任ありCMS当社製品の製造 住友理工ホーステックス㈱京都府綾部市百万円3,000一般産業用品100.0兼任ありCMS資金の貸付当社製品の製造
(注)4㈱住理工九州大分県 豊後高田市百万円100自動車用品100.0兼任ありCMS当社製品の製造土地を貸与 ㈱住理工大分AE大分県豊後高田市百万円450一般産業用品100.0兼任ありCMS当社製品の製造 住理工商事㈱愛知県名古屋市百万円100一般産業用品100.0兼任ありCMS当社製品の販売 ㈱住理工ロジテック愛知県小牧市百万円70一般産業用品90.0兼任ありCMS当社の物流業務を委託土地及び設備を貸与 Sumitomo Riko America, Inc.米国 ミシガン州米ドル879自動車用品100.0兼任あり債務保証資金の貸付当社製品の営業 SumiRiko Tennessee,Inc.米国テネシー州米ドル446自動車用品100.0(100.0)兼任ありなし当社製品の製造
(注)6SumiRiko Ohio, Inc. 米国オハイオ州百万米ドル5自動車用品100.0(100.0)兼任ありなし当社製品の製造 SumiRiko TechnicalCenter America, Inc.米国 ミシガン州米ドル35自動車用品100.0(100.0)なしなし当社製品の評価・開発 S-Riko de Querétaro, S.A.P.I. de C.V.メキシコケレタロ州百万メキシコペソ752自動車用品100.0(20.6)兼任ありなし当社製品の製造
(注)4S Riko Automotive Hose Tecalon Brasil S.A.ブラジルミナスジェライス州百万ブラジルレアル411自動車用品100.0(49.9)なしなし当社製品の製造
(注)4SumiRiko PolandSp. z o.o.ポーランドマウォポルスカ県百万ポーランドズロチ32自動車用品77.1兼任ありなし当社製品の製造 Sumitomo Riko EuropeGmbHドイツヘッセン州百万ユーロ12一般産業用品100.0兼任あり債務保証資金の貸付当社製品の営業
(注)4SumiRiko AVS Holding Germany GmbHドイツヘッセン州百万ユーロ5自動車用品100.0なしなしなし SumiRiko AVS Czech s.r.o.チェコズリーン州百万チェココルナ7自動車用品100.0(100.0)なしなし当社製品の製造 SumiRiko Italy S.p.A.イタリアピエモンテ州百万ユーロ30自動車用品100.0兼任ありなし当社製品の製造
(注)4SumiRiko Automotive Hose Tunisia Sarlチュニジアアリアナ県百万チュニジアディナール29自動車用品100.0(100.0)なしなし当社製品の製造
(注)4東海橡塑(天津) 有限公司中国天津市百万人民元116自動車用品86.4兼任ありなし当社製品の製造
(注)4 名称住所資本金又は出資金主要な事業の内容議決権の所有又は被所有割合関係内容摘要役員の兼任等資金援助等(注)3営業上の取引等東海橡塑(合肥)有限公司中国安徽省合肥市百万人民元257一般産業用品89.2(64.2)兼任ありなし当社製品の製造
(注)4住友理工企業管理(中国)有限公司中国浙江省 嘉興市百万人民元5一般産業用品100.0兼任あり余裕資金の受入当社製品の営業 東海橡塑(嘉興) 有限公司中国浙江省 嘉興市百万人民元243自動車用品100.0兼任ありなし当社製品の製造
(注)4東海橡塑技術中心(中国)有限公司中国浙江省 嘉興市百万人民元89自動車用品100.0兼任ありなし当社製品の評価・開発
(注)4東海橡塑(広州) 有限公司中国広東省 広州市百万人民元181自動車用品100.0兼任ありなし当社製品の製造
(注)4Tokai ImperialRubber IndiaPrivate Limitedインドハリヤナ州百万インドルピー303自動車用品60.0なし債務保証資金の貸付当社製品の製造 SumiRiko Eastern Rubber (Thailand) Ltd.タイ ラヨン県百万バーツ153自動車用品66.0(28.9)兼任ありなし当社製品の製造
(注)4Sumitomo Riko (Asia Pacific) Ltd.タイラヨン県百万バーツ20一般産業用品100.00兼任あり余裕資金の受入当社製品の営業 Inoac Tokai (Thailand) Co.,Ltd.タイ アユタヤ県百万バーツ45自動車用品50.6兼任ありなし当社製品の製造 PT. Tokai Rubber Indonesiaインドネシア西ジャワ州億インドネシアルピア3,506自動車用品91.5兼任あり資金の貸付当社製品の製造
(注)4その他 46社 (持分法適用関連会社)㈱大興R&T韓国慶尚南道百万ウォン784自動車用品30.0兼任ありなし当社製品の製造 その他 7社
(注) 1.連結子会社の「主要な事業の内容」欄には、セグメントの名称を記載しております。2.「議決権の所有又は被所有の割合」欄の(内書)は間接所有割合であります。3.当社と国内連結子会社は、CMS(キャッシュ・マネジメント・システム)を通じて当社グループ企業相互間で余剰・不足資金を融通し、資金の効率化を図っております。4.特定子会社であります。5.有価証券報告書提出会社であります。6.SumiRiko Tennessee, Inc.については、売上高(連結会社相互間の内部売上高を除く)の連結売上高に占める割合が10%を超えております。主要な損益情報等        (単位:百万円) 会社名SumiRiko Tennessee, Inc. 売上高115,570税引前当期利益3,954当期利益4,255資本合計26,468資産合計46,518
従業員の状況 5 【従業員の状況】
(1) 連結会社における状況(2024年3月31日現在)セグメントの名称従業員数(名)自動車用品22,052(1,800)一般産業用品2,746(216)全社(共通)894(196)合計25,692(2,212)
(注) 従業員数は就業人員(当社グループからグループ外への出向者を除き、グループ外から当社グループへの出向者を含む。)であり、臨時雇用者数(季節工、パートタイマー及び嘱託契約の従業員を含み、派遣社員を除く。)は、年間の平均人員を( )外数で記載しております。
(2) 提出会社の状況(2024年3月31日現在)従業員数(名)平均年齢(歳)平均勤続年数(年)平均年間給与(千円)3,231(709)40.915.76,644  セグメントの名称従業員数(名)自動車用品2,036(447)一般産業用品301(66)全社(共通)894(196)合計3,231(709)
(注) 1.従業員数は就業人員(当社から社外への出向者を除き、社外から当社への出向者を含む。)であり、臨時雇用者数(季節工、パートタイマー及び嘱託契約の従業員を含み、派遣社員を除く。)は、年間の平均人員を( )外数で記載しております。2.平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでおります。 (3) 労働組合の状況労働組合は、全日本ゴム産業労働組合総連合等に所属しており、労使関係は安定しております。 (4) 多様性に関する指標当連結会計年度の多様性に関する指標について、女性活躍推進及び育児・介護休業法の規定に基づき以下のとおり算出しています。 管理職に占める女性従業員の割合(%)
(注)1男性労働者の育児休業等及び育児目的休暇取得率(%)
(注)2男女の賃金格差(%)
(注)3正規労働者非正規労働者全ての労働者当社1.385.164.676.663.9住友理工ホーステックス㈱0.0100.082.559.479.7㈱住理工大分AE0.0----東海化成工業㈱-42.0
(注)471.982.470.1
(注)1.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものです。女性管理職比率の向上に向けて、採用の強化、研修の実施、制度整備等の施策を行っております。2023年度に女性総合職を対象に実施したアンケート調査(回答率:75% 回答者数:98名)では、56%が管理職を望まないキャリア志向を持っていました。その大きな要因は、社内でのロールモデル不足と認識しています。女性がキャリアアップを目指せる環境づくりを進めるべく、基幹職の働き方改革の実行、女性管理職と幹部候補女性との交流、女性管理職候補者向け研修等の取組を推進します。 2.「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の4第2号における育児休業及び育児目的休暇(「出生時休暇※1・育児奨励休暇※2」:当社独自の特別休暇)を算出したものです。出生時育児休業(産後パパ育休)を含んで集計しております。※1 配偶者出産時に稼働日連続2日間の特別休暇を付与※2 1歳未満の子を養育する社員に1回に限り稼働日連続5日間の特別休暇を付与 3.「労働者の男女の賃金の差異」について、男性の賃金に対する女性の賃金の割合を示しております。なお、賃金制度において性別による差はなく、次の3点が主な差異の要因であると分析しております。a.勤続年数(男性:平均17年、女性:平均10年)b.職掌(女性社員の約半数が事務職)c.勤務状況(短時間勤務、深夜勤務、時間外手当の平均的な受給状況で男女間の差異がある) 4.東海化成工業㈱については、
(注)2と異なり、集計に育児目的休暇は含まれておりません。 5.表中の「-」は、当該会社が、「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定により、当事業年度における当該指標の公表を選択していないこと、又は当該会社が「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定により、当事業年度における当該指標の公表を要しないことを示しております。 <改善に向けた取組事例> a.仕事(ワーク)と家庭(ライフ)の両立支援施策及び女性活躍推進2007年以降、女性の新卒採用や、契約社員・派遣社員からの社員登用を積極的に進めてきたことから、管理職候補であるグループリーダーや現場監督者として活躍する女性人数は徐々に増加しています。(図1参照)合わせて、「在宅勤務の導入」「フレックスタイムのコアタイム廃止」「育児時短勤務制度の対象を小学校3年生までから小学校卒業前までに延長」等、従業員が仕事(ワーク)と家庭(ライフ)を両立しながらキャリアを継続できるよう様々な施策を実施してきました。2023年度には、職場や会社全体で、これらの取組の意義を浸透し風土醸成すべく、階層別研修において、ダイバーシティ&インクルージョンについて研修を行い、中でも「女性活躍」の必要性について教育を実施しました。(167名が受講)加えて、女性管理職比率引き上げは経営課題として経営層が中長期的な視点で議論し、2024年度より以下について重点を置いて活動していくことを確認しました。 ① 各部門において女性管理職候補の個別育成計画を作成し、人事部門にて進捗をフォローする② 女性管理職候補者向けキャリアアップ研修を開始する③ 管理職の長時間労働削減に向けた働き方改革を推進する 上記の活動を確実に実行することで、女性管理職比率を2025年度には2.5%まで引き上げます。  (図1.管理職、グループリーダー、現場監督者に占める女性人数と割合の推移)  b. 男性育児休業取得率向上男性が当たり前に育児休業を取得できるよう、2022年の法改正時に社長自ら積極的な取得を呼びかける全社メッセージを発信しました。また取得手続きをシステム化することでスムーズに従業員の意向をキャッチし、人事と相談できる体制を構築するなど社内の職場環境整備を行ってきました。2023年度には、男性育休取得促進に向けた社内風土醸成のため、現場監督者以上の管理職を対象にした「男性育児休業取得促進」の講演会を開催し、250名が参加しました。現場の管理監督を担う参加者により自分事として受け止めてもらえるよう、外部講師による講演会の後には、社内の男性育休取得者とその上司及び社長が登壇し、パネルディスカッションを実施しました。登壇者の対話を通じて、男性育休のリアルな事例や必要性を発信することができたと考えます。講演会後のアンケートでは、84%の管理職が「積極的に取得させる」と回答し、一昨年の調査結果30%を大幅に上回る結果となりました。これらの活動により2023年度の男性育児休業取得率は50.0%(前期比28.7%増)となりました。2024年度は、育児休業取得者と取得希望者を交えたワークショップを開催し、誰もが取得できる環境整備をさらに進め、2025年度までに男性育休取得率70%の実現を目指します。区分2021年度2022年度2023年度男性の育児休業取得率(平均取得日数)
(注)18.0%(88日)21.3%(48日)50.0%(45日)男性の育児休業及び育児目的休暇取得率
(注)274.7%87.6%85.1%
(注)1.「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)第2条第1号に規定する育児休業(出生時育児休業(産後パパ育休を含む)) 2.「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の4第2号における育児休業及び育児目的休暇(「出生時休暇・育児奨励休暇」:当社独自の特別休暇)取得率を算出したものです。出生時育児休業(産後パパ育休)を含んで集計しております。「第2 事業の状況 2 サステナビリティに関する考え方及び取組
(2) 人的資本」も併せてご参照ください。
経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであり、その達成を保証するものではありません。(1) 経営方針・経営戦略等当社グループは2029年に創立100周年を迎えます。次の100年も社会から選ばれ続ける企業であるために、「2029年 住友理工グループVision」(2029V)及び、3ヶ年の事業計画として「2025年 住友理工グループ中期経営計画」(2025P)を策定し、2023年5月30日に公表しました。 2029Vで定めている通り、当社グループは住友事業精神を根幹として、「素材の力を引き出し、社会の快適をモノづくりで支える」というパーパスのもと、コアコンピタンスである「高分子材料技術」「総合評価技術」を磨き続け、グループ内だけではなく、外部との共創による既存事業領域の深化と融合分野の事業探索によって、2029年のありたい姿「理工のチカラを起点に、社会課題の解決に向けてソリューションを提供し続ける、リーディングカンパニー」への変革を目指します。 2029年 住友理工グループVision住友事業精神萬事入精・信用確実・不趨浮利目指すべき企業像Global Excellent Manufacturing Company存在意義(パーパス)素材の力を引き出し、社会の快適をモノづくりで支える2029年のありたい姿理工のチカラを起点に、社会課題の解決に向けてソリューションを提供し続ける、リーディングカンパニーありたい姿実現に向けた3つの方向性とマテリアリティ未来を開拓する人・仲間づくり個々の成長を促す、育成機会の提供と働きがい溢れる企業風土の醸成社内外のパートナーシップによる共創の推進柔軟かつ強固な組織づくり気候変動・自然資本に配慮した事業活動環境変化に柔軟に対応できる経営基盤への変革持続可能な社会に向けた価値づくり次世代モビリティ進化への対応と環境配慮型製品の提供安全・快適の提供拡大に向けた技術の進化・融合企業価値(財務目標)連結売上高7,000億円規模ROIC(投下資本事業利益率)
(注)110%以上ROE(親会社所有者帰属持分利益率)
(注)210%以上公益価値(非財務目標)※代表例エンゲージメント経営理念やビジョンへの共感を高め、従業員と会社がお互いに選び・選ばれる、自律的な関係構築ダイバーシティ&インクルージョン多様な人材が安心して働き、新たな価値を創造コンプライアンスサプライチェーンを含めた、グループ・グローバルでの法令・企業倫理の遵守徹底人材育成高い志を持ち、未来を切り拓く自律型人材の育成地球環境保全CO2排出量削減(2018年度比) Scope1+2  -30%               Scope3   -15%
(注)1. 投下資本事業利益率(ROIC)=事業利益/(純資産+有利子負債)  2. 親会社所有者帰属持分利益率(ROE)=親会社の所有者に帰属する当期利益/自己資本 2025Pについては、2029Vからのバックキャストによって、「未来を開拓する人・仲間づくり」「柔軟かつ強固な組織づくり」「持続可能な社会に向けた価値づくり」という、ありたい姿実現に向けた3つの方向性への取り組みを強化していきます。また、「さらなる収益力向上と持続的成長に向けた経営基盤強化」のテーマのもと、事業を推進している中、コロナ禍からの自動車生産台数の回復に伴う生産性改善に加え、構造改革や原価低減活動等が当初想定を上回るペースで進んだことを踏まえ、「事業利益」「ROIC」「ROE」の数値目標を上方修正することとしました。配当については、当初計画通り継続的かつ安定的な配当を行うことを基本方針とし、25年度末での配当性向30%以上を目指してまいります。なお、2025Pにおける、上記以外の企業価値(財務目標)・公益価値(非財務目標)、及び「2029年 住友理工グループVision」(2029V)の目標については、2023年5月の発表内容から変更はありません。 2025年 住友理工グループ中期経営計画(2025P) ※2024年5月公表テーマさらなる収益力向上と持続的成長に向けた経営基盤強化企業価値(財務目標)連結売上高6,200億円事業利益320億円ROIC(投下資本事業利益率)10%以上ROE(親会社所有者帰属持分利益率)9%以上配当性向30%以上投資額(3ヶ年累計)研究開発費 550億円設備投資額 900億円公益価値(非財務目標)※代表例エンゲージメントグローバル幹部への理念教育及び全従業員への理念・ビジョン周知活動推進人材育成研修プログラムの拡充(3ヶ年累計)・経営幹部研修 参加者 100人・DX コア人材
(注)3の育成 200人・DX データ分析人材
(注)4の育成 700人地球環境保全CO2排出量削減(2018年度比) Scope1+2  -20%廃棄物の削減(2022年度原単位比)     -3%
(注)3. DXコア人材:自部門でIoT・AI活用の企画から実用導入に主導的に取り組む人材  4. DXデータ分析人材:自部門でIoT・AI 等専門的ITツールを業務に使用する人材
(2) 経営環境及び対処すべき課題文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。当社グループを取り巻く環境は、サステナブルな社会実現に向けた世界的な潮流や「CASE」といった自動車業界の大変革に加え、足元では緊迫したウクライナ情勢の長期化や中東地域における地政学的リスク、原燃料価格の変動や人件費等の高騰といった影響によって先行きの不透明さはあるものの、経済活動の回復は緩やかに継続することが期待されます。このような中、当社グループでは3ヶ年の事業計画である2025Pに基づき事業活動を推進しています。当社グループの強みであるコアコンピタンス「高分子材料技術」「総合評価技術」を駆使した製品開発と、グローバルでの生産体制を生かした受注の拡大、原価低減活動及び間接費抑制を継続して推進することで、収益性を高め、経営基盤を強化していきます。また財務目標の達成と、ESG経営や資本コスト・株価を意識した経営の推進により、幅広いステークホルダーの皆様と共に持続的な成長と豊かな社会実現を目指していきます。新製品の開発については、親会社である住友電気工業㈱との連携を強化し、これまで以上にシナジーを創出できるように進めていきます。 〔自動車用品部門〕自動車業界においては、技術革新の波が進行し、企業はこれらへの迅速な対応にとどまらず、カーボンニュートラルに象徴されるような社会課題解決への積極的な関与が求められています。当社グループにおいては、創業以来培ってきたコアコンピタンスをもとに、これからの自動車(モビリティ)に新たな価値を提供する製品の創出と開発を進めています。現在、新商品開発センターが主体となって、CASEにおける「A:Autonomous(自動運転)」「E:Electric(電動化)」2領域の新製品開発に注力しています。当社のコア技術より生まれた薄膜高断熱材「ファインシュライト®」は、電気自動車(EV)のネックとされる電費・航続距離問題・電池の安全性向上などといった、様々な課題解決に寄与すると考えています。防振ゴム事業については、EV時代にあわせ、エンジンマウントから振動制御をより高度化させたモーターマウントやeAxleマウントといった製品へ進化させ、日系自動車メーカーのみならず、海外自動車メーカーへの拡販を進めています。自動車用ホース事業については、EV用の電池やモーターをはじめとする部品の熱マネジメントのニーズの高まりに合わせ、他の製品で培った流体搬送技術を生かした冷却系ホースやバッテリー冷却板等の開発にも注力しています。また、各国の環境規制に対応した燃料ホースやバイオ燃料用の燃料ホース等の拡販を継続しています。水素社会の実現に向けては、燃料電池自動車(FCV)向けの基幹部品を供給しており、トヨタ自動車株式会社のMIRAIにも当社製品が継続採用されています。さらに、一般産業用品部門の事業である「リフレシャイン」は、高透明遮熱・断熱窓用フィルムで、主に建物用としての展開を行ってきましたが、当社グループが2029Vで目指す、技術・事業領域の深化・融合を進めるなかで、車載用フィルムとしての用途を拡大させました。2023年度ではマレーシアを中心に採用が進みましたが、継続して東南アジア各国・インド等への拡販活動の強化や、用途の拡大に向けた共創やシナジーを拡大していく計画です。 当社グループにおける欧州の業績低迷については、先行で構造改革を実施した米州と同様に、早急に対処すべき経営課題として認識しています。EVをはじめとする市場の動向の見極めと、事業再建に向けた構造改革の着手に加え、売価改善活動や工程改善等によるロス低減にも継続して取り組むことで、収益性の改善を進めていきます。今後も課題拠点の構造改革の完遂と、売上拡大・原価低減の三本柱によって、さらなる収益力向上と筋肉質な企業体質への転換を進めていきます。また最適なグローバル生産体制のもと、生まれの良いモノづくり基盤を確立し、他社との協業も通じて全方位での持続的な成長を目指していきます。 〔一般産業用品部門・新規事業部門〕当社グループは、主力事業の「自動車(モビリティ)」分野に加えて、「インフラ・住環境」「エレクトロニクス」「ヘルスケア」といった、社会環境基盤の構築に不可欠な分野へも事業展開しています。一般産業用品部門のうち、住環境分野においては、ビル用制震システム・TRCダンパーが新規開業した中日ビル(愛知県名古屋市)に採用されました。制震システムのさらなる採用の広がりによって、地震が多い我が国を中心に防災・減災への貢献が期待されます。インフラ分野における高圧ホースについては、原価低減とともに補修品市場への積極的な参入や未進出エリアを中心にグローバル拡販を進め、収益性向上を目指します。エレクトロニクス分野では、事務機器市場の成熟や働き方の変化による需要変動に対して、柔軟に対応できる体制への転換を目的とした構造改革を進めています。ヘルスケア分野では、SRセンサを応用した「モニライフシリーズ」が令和5年度中部地方発明表彰において「文部科学大臣賞」と、令和5年度愛知発明表彰「発明奨励賞」を受賞しました。本製品を用いて、宿泊業界では宿泊者への睡眠解析サービスや質の高い睡眠環境の提供への活用が検討され、当社グループの技術・製品開発を通じて、人々の暮らしと健康への貢献を目指していきます。新規事業部門では、社会の要請に応えられるよう投資すべき重点事業分野を見極め、事業基盤の強化を図っていきます。特に、2029Vに沿って、当社グループの技術領域の融合を進め、他社との共創や新領域への挑戦をより一層強化し、新たな収益の柱となる事業を見いだしていきます。すでに、培養肉や再生医療といった分野への挑戦を、積極的に進めています。 「ファインシュライト」は、その高いレベルでの保温・保冷機能から、食品や医薬品等の定温輸送に活用されてきたほか、アウトドア用品にも採用されました。また、工場設備に取り付けることで、熱効率が向上し省エネにつながったという実証結果も得られており、カーボンニュートラルを目指す社会ニーズにマッチし、採用が進んでいます。引き続きファインシュライトの応用性を模索し、新事業展開や更なる用途拡大に向けた協業先探索を行っていきます。これら以外にも、サーキュラーエコノミーへの取り組みとして、ランザテック社及び住友ゴム工業㈱・住友電気工業㈱との協業が進んでいます。製品を供給するだけではなく、廃棄物の回収・再利用といった循環型社会の実現を目指して、長期的な目線をもった取り組みを進めています。 私たちはこれまで、モノづくり企業として90年以上にわたって培ってきたコアコンピタンスを軸に、住友事業精神が謳う「萬事入精(ばんじにっせい)」「信用確実」「不趨浮利(ふすうふり)」を忠実に守りながら、「安全・環境・コンプライアンス・品質(S.E.C.Q.)」の取り組みを積み重ねてきました。これからも世界中で必要とされる“Global Excellent Manufacturing Company”への成長を目指して、創立100周年に向け、着実な歩みを続けていきます。株主の皆様におかれましては、今後とも一層のご理解とご支援を賜りますよう、お願い申しあげます。
サステナビリティに関する考え方及び取組 2 【サステナビリティに関する考え方及び取組】
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであり、実際の結果とは様々な要因により異なる可能性があります。(1)気候変動への取り組みとTCFDへの対応当社グループは、住友理工グループ経営理念の一つとして「地球環境に配慮し、よりよい社会環境作りに貢献します。」を掲げ、気候変動を重要な経営課題として位置づけています。また、2023年5月に公表した、創業100周年となる2029年に向けた長期ビジョン(2029V)では、「気候変動・自然資本に配慮した事業活動」をマテリアリティの一つとして掲げ、気候変動への対応を事業戦略に織り込んでいます。加えて、脱炭素対応をはじめとする環境課題解決にフォーカスした行動指針として、環境長期ビジョン2050及びそのバックキャストである環境2029Vision(環境2029V)を策定し、その達成に向けて全社一丸で取り組んでいます。また、ステークホルダーの皆様とのコミュニケーションを促進する観点から、TCFD提言に沿った分析を行っており、下記の通り開示いたします。今後も、ISSB基準や企業サステナビリティ報告指令(CSRD)等の国際的なサステナビリティ開示基準の動向等も踏まえ、分析をより深化してまいります。 ①ガバナンス気候変動を含むサステナビリティ関連の事項については、社長が委員長、役付執行役員らが委員を務めるCSR・サステナビリティ委員会にて活動方針の承認や、活動推進状況のチェック及びフォローを行います。CSR・サステナビリティ委員会で検討した内容等は、年2回以上取締役会で報告し指示を受けるなど、適切な監督体制を整えています。 (CSR・サステナビリティ委員会の概要)委員委員長:代表取締役 執行役員社長委員: 社外取締役、役付執行役員、各部門の所管役員事務局経営企画部開催頻度会議開催:2回/年取締役会への報告:2回/年管掌テーマ「環境」「安全衛生」「社会貢献」「ダイバーシティと人権」「サプライチェーン」等をテーマとした審議気候変動関連の直近議題住友理工グループ環境長期ビジョン2050、環境2029Vの承認・目標のモニタリング等 また環境テーマに関する活動推進のため、環境分野所管の役付執行役員が協議会長を務める全社環境活動協議会をCSR・サステナビリティ委員会の下部組織として設置しています。加えて、当社の各製作所、グループ子会社の環境関連業務の代表者で地域環境部会を組織し、法令・条例改正情報・環境事故情報等を相互に共有することで、グループ一体での環境マネジメントの強化に取り組んでいます。 (全社環境活動協議会)協議委員協議会長:環境分野を所管する役付執行役員委員  :「環境」テーマにおけるCSR・サステナビリティ委員事務局環境推進部、カーボンニュートラル推進室開催頻度1回/年以上活動内容・ 環境方針やそれに基づく環境課題及び目標について、CSR・サステナビリティ委員会への報告・提案・環境課題の解決、目標達成のために必要な専門部会の設置と改廃・ 全社環境活動状況の実績の振り返り、情報展開と周知、各事業部門への活動展開 (地域環境部会)部会員住友理工㈱の製作所・事業所の環境代表、国内子会社の環境代表、事業部門環境責任者(子会社統括者)、グローバル推進室事務局環境推進部開催頻度4回/年活動内容・ 環境目標達成状況、法令条例改正情報・環境事故情報の共有・ 地域への顕在・潜在の環境影響リスクを評価し、対策の必要性や対策手段について審議・提言する・ 当社グループの環境事故情報を活用した再発防止・未然防止策を横展開する ②戦略a. シナリオ分析当社グループでは、気候変動が事業にもたらすさまざまなリスクと機会について具体的に把握するために、シナリオ分析を実施しました。シナリオ分析は、2030年の時間軸を中心に、移行面で影響が顕在化する「カーボンニュートラルな世界」に向かうシナリオ(1.5℃シナリオ)と、物理面で影響が顕在化する「悲劇の世界」に向かうシナリオ(4℃シナリオ)の2つにより、実施しています。(参考)参照した主なシナリオ 「カーボンニュートラルな世界」に向かうシナリオ(1.5℃シナリオ) ・IEA,「World Energy Outlook 2023」: Net zero emissions by 2050 Scenario(NZE),Announced Pledges Scenario(APS)・Inevitable Policy Response,「Supply Chain Analysis (SCA)」: ・IPCC,「第6次評価報告書」 : SSP1-1.9/SSP1-2.6「悲劇の世界」に向かうシナリオ(4℃シナリオ) ・WRI Aqueduct Water Risk Atlas 4.0 : SSP5-8.5・IPCC,「第6次評価報告書」 : SSP3-7.0,SSP5-8.5 b. リスク・機会の特定、分析上記シナリオを前提に、下表の通り当社グループが想定するリスク・機会の整理を行いました。特定したリスク・機会については、当社財務数値への影響度も評価の上、各項目について対応の方向性を設定いたしました。 (移行リスク・機会)カテゴリ重要テーマリスク顕在時期影響度機会顕在時期影響度対応の方向性規制GHG規制カーボンプライシングの導入によるコスト増加中期中生産効率向上による製造コスト低減短~中期大●環境長期ビジョンに基づく着実なGHG排出削減・太陽光発電の導入等、再エネの積極活用・生産プロセスの改善や新設備の導入 による省エネ活動の推進・低排出な製法や設計の開発・設備投資検討への内部炭素価格活用●DXを活用したスマート工場・AIによる製品検査の自動化等、工程の 自動化・省人化・デジタル化による設計開発期間短縮及び エネルギー集計システム構築 排出量報告義務の強化による労力コスト増加短期中市場/技術原材料天然ゴム価格上昇によるコスト増加や供給減少による調達懸念短~長期大顧客の選好変化に対し、低環境負荷材料の積極活用を通じた競争力の強化短~長期中●資源の有効活用による材料調達の削減・不良品削減による材料ロス(廃棄)の低 減・微生物を活用した廃棄物の再原料化によ る資源の循環利用推進●低環境負荷材料の活用拡大に向けたサプライヤーとの連携・バイオ由来材料や、リサイクル材料の適 用に向けた対話石油由来原材料の代替によるコスト増加中期中金属の需給逼迫や低炭素金属への代替による調達コスト増加中~長期中EVシフト内燃機関向け製品の需要減少や、機構の簡素化による部品使用量の減少短~長期大EV向け高性能製品の需要増加短~長期大●顧客要請や市場動向に合わせた適切な製品ポートフォリオの構築・転換期における内燃機関向け製品需要 の確実な取り込み・EV向け高性能製品の市場投入●海外自動車メーカーへの拡販に向けた体制整備・グローバルネットワークを活かし、現地 に合わせた開発・生産体制を構築・市場や技術動向への迅速な対応に向け た新規研究開発拠点の検討新興EVメーカーの台頭等に伴う、当社既存顧客の市場シェア低下による売上減少短~長期中当社技術力を背景とした、海外自動車メーカーへの拡販による当社市場シェアの拡大短~長期中 カテゴリ重要テーマリスク顕在時期影響度機会顕在時期影響度対応の方向性 市場/技術新技術 対応次世代技術対応に伴う開発投資コスト増加中期大次世代技術を活用した脱炭素関連の新製品開発による競争力向上 脱炭素社会への移行に伴い成長が見込まれる市場への進出短~長期大●低環境負荷材料を利用した製品の生産技術確立・植物由来原料(バイオヒドリンゴム)を活用した商品開発・EV向けの冷却ホース部品へのバイオマス 材料活用●EVニーズに対応した高性能な製品開発・モーターが発する高周波振動や騒音の抑 制に資する防振製品の開発・高度な熱管理や軽量化等、電費向上に資 する製品の開発・密閉性の高い水素ホース等、燃料電池車 向け製品の開発●自動車向け先端技術の他用途への拡大・クリーンエネルギー化に伴うインフラ刷 新需要に向けた開発・防振技術を活用した、インフラ補修や大 規模木造建築等への免制振製品拡販・熱マネジメント需要に対応した新商品の 用途展開評判ステークホルダー投資家や従業員等、ステークホルダーからの要請への対応コスト増加短~中期中気候変動対策が認められることによる資金調達コストの低下中期中●ステークホルダーとの信頼関係構築・多様なステークホルダーとの対話を踏ま えた気候変動対策の着実な進展・資金調達におけるサステナブルファイナ ンスの活用 (物理的リスク)カテゴリ重要テーマリスク顕在時期影響度対応の方向性慢性気温上昇気温上昇による労務環境の悪化中~長期中●生産設備・工程の改善・熱源を使用する加硫工程の自動化等による暑熱環境 下での重筋作業の廃止降水の変化降水パターン変化に伴う天然ゴム供給の不安定化によるコスト増加・調達懸念中期大●資源の有効活用による材料調達の削減・不良品削減による材料ロス(廃棄)の低減・微生物を活用した廃棄物の再原料化による資源の循 環利用推進水ストレスの高い地域を中心とした水資源の需給逼迫による利用コストの増加中期中●水資源の保全・生産工程改善や排水のリサイクルによる水使用量の 削減・地域ごとの水リスクの定期的なモニタリング急性洪水等洪水の発生による操業停止や復旧費用コストの増加中~長期小●BCPの高度化・複数拠点間でのブリッジ生産体制の整備・高リスク拠点を中心とする海外拠点BCP対応強化台風等の災害に伴う輸送リスクの増加長期中 ※顕在期間 …短期:2025年度(中期経営計画の最終年度)、中期:2029年度(2029Vの最終年度)、 長期:2050年※影響度 …小:売上50億円/費用5億円未満、中:売上50億円~300億円未満/費用5億円~50億円未満、       大:売上300億円/費用50億円以上 (2029年度時点の想定。移行リスクは1.5℃シナリオ、物理リスクは4℃シナリオを想定。) c. 戦略のレジリエンス2030年の世界では、世界平均気温の上昇1.5℃以下を目指して脱炭素に移行させる「カーボンニュートラルな世界」への動きがさらに進むと考えました。その際に顕現化するリスクは主として移行リスクであると考えており、GHG規制強化への対応コスト増加や天然ゴムをはじめとする原材料の調達コスト増加、EVシフトに伴う内燃機関向け製品の売上減少といった影響が生じる可能性があります。中でも、自動車市場を主戦場とする当社グループにとって、EVシフトは事業への影響が特に大きい項目であると認識しています。しかしながら、EVシフトにおいて当社の主力製品の防振ゴムは、現状の「エンジンマウント」用製品から、従来以上の静粛性を有する「モーターマウント」用製品等への置き換えが進むとともに、ウレタン製品はEV 駆動ユニットから発生する特有の音等を抑える「制遮音製品」等製品の更なる付加価値化が可能になります。また、EV においては不必要となる「燃料用ホース製品」に代わり、EVのサーマルマネジメントに必要不可欠である「ホース製品(冷却系ホース)」や、EVの心臓部であるリチウムイオン電池の安全性を確保する「電池セル間断熱材」等、電費の向上に資する製品の需要増加が見込まれます。このような市場ニーズの変化を捉え、素材の配合・合成・改質により高機能な製品を生み出す「高分子材料技術」や、製品の信頼性を精緻に評価・検証する「総合評価技術」をはじめとする当社技術を活かした新製品開発を行うことで、EVシフトへ柔軟に対応することが可能と考えています。また、非自動車の事業分野では、建設機械や鉄道車輛のクリーン動力源への移行や、防災・減災のための社会インフラの強靭化、熱対策が必要な電子機器、住宅・構造物等幅広い用途での断熱対策等、脱炭素社会への移行に伴って生じる市場ニーズの変化を捉え、自動車向け先端技術のノウハウと産業用の独自技術を活かし、対応商品の開発を進めてまいります。なお、「悲劇の世界」に向かう場合(4℃シナリオ)は、主として物理的リスクが顕現化し、異常気象の激甚化等により、操業停止等の影響が生じる可能性があります。当社グループは、このようなリスクも認識の上、リスク評価を継続するとともに、各拠点における災害発生後の「初動対応」と「復旧対応」の毎年の見直し等、BCPの運用管理のしくみを継続的に更新することで、着実に対応の高度化を進めています。 今後も、社会や市場環境の変化を注視しながら分析をアップデートしつつ、各種対応策の推進をより効果的なものとしていくことで、気候変動の影響に対する更なるレジリエンスの強化を図ってまいります。 ③リスク管理当社グループは、グループ全体のリスクを横断的に管理する体制として、社長を委員長とするリスク管理委員会を設置するとともに、同委員会の事務局機能を務めるリスク管理専任組織であるリスク管理センターを設置しています。同委員会は事務局のリスク管理センターを通じて「リスク管理規定」及び「グループ危機ガイドライン」に基づき、国内外のグループ会社において毎年リスク調査を実施しています。「重要なリスク」として認識・特定されたリスクを同委員会で共有し、グループ全体でのリスクの把握に努め、その分析・評価に基づき、対応すべき選別・対応方法を選択し、事業運営への影響の極小化に取り組んでいます。 ④指標と目標当社グループでは、燃料の燃焼等によるCO2の直接排出「Scope1」、購入した電力等の使用に伴う間接排出「Scope2」といった当社グループ自身の事業活動による排出量だけでなく、原材料の製造・調達や販売した製品の使用・廃棄による排出等サプライチェーン全体で発生する間接排出 「Scope3」をGHG プロトコルに従って把握し、CO2排出削減活動に取り組むことが重要と認識し、目標を明確にして活動しています。 a. 2022年度目標と実績当社グループでは、2022年度を最終年度とする中期経営Vision(2022V)にてCO2の排出量の削減目標を設定していました。太陽光発電設備の導入等、各種の削減活動により、2022年度原単位削減目標(Scope1+2 2017年度比)-8%に対して、実績は-32.4%、総量削減の社内目標(Scope1+2 2017年度比)-5%に対して-21.1%と大幅に目標を達成いたしました。 項目目標年CO2排出削減 目標2022年度実績2022年中期経営Vision2022年Scope1+2 原単位削減 -8%(2017年度比)-32.4%Scope1+2 総量削減※ -5%(2017年度比)-21.1% ※社内目標値 b. 2025年度目標、2029年度目標2050年カーボンニュートラルを見据えた中間目標として、2029年度を最終年度とする長期ビジョン(2029年住友理工グループVision)及び2025年度を最終年度とする中期経営計画(2025年住友理工グループ中期経営計画)においてもCO2排出削減目標を設定し、取り組みを実施しております。 項目目標年CO2排出削減 目標2022年度実績2025年住友理工グループ中期経営計画2025年度Scope1+2 -20% (2018年度比)Scope1+2-20.5% Scope3+1.8%2029年住友理工グループVision 2029年度Scope1+2 -30% (2018年度比)Scope3 -15% (2018年度比)2050年カーボンニュートラルの達成 目標のうち、自社排出の削減(Scope1+2)に対しては、(1)省・少エネ活動、生産性向上、(2)新技術開発(革新製法、新商品)、(3)事業構造改革、(4)再エネ・創エネ活用を四本柱とし、CO2排出削減推進人材の育成とともに取り組んでおります。上記取組の推進により、削減率実績は既に2025年度の目標並みの進捗である一方、今後の売上成長による生産量増加に伴い、成行では排出量の増加が見込まれますが、取組の更なる進展により、目標達成を目指します。また、当社グループではサプライチェーン全体でのCO2排出量のうちScope3が90.3%を占めることから、環境配慮型製品の提供や技術進化・新製品開発等を通じた排出量削減の取り組みを行っていきます。 (2)人的資本①考え方当社グループは創立100周年を迎える2029年に向けて「2029年 住友理工グループVision」(以下2029V)を策定しました。(詳細は「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題」を参照ください。)長年に亘り「人材育成に優る事業戦略なし」の考えのもと、人材を単なる経営資源ではなく価値創造の主体と位置付け、社会環境や経済状況といった幾多の時代変化に対応してまいりました。環境変化が常態化し、将来予測が困難な現代においても、素材と製品の両方を扱うことができる当社グループの特徴を発揮しながら、社会課題の解決に貢献し、そして持続的な成長を達成するという想いが2029Vには込められています。経営戦略である2029Vの実現に向けて、これからの100年も当社グループの総合力を支える重要な経営基盤の一つである人的資本を持続的・総合的に向上していくために、4つのテーマの掛け合わせからなる「人的資本向上の方程式」を人材戦略の中心に位置づけ活動を推進しております。(図1参照) (図1:人的資本の考え方) ②方針テーマ方針住友事業精神住友事業精神に基づく高い企業倫理のもと公正な事業活動を行うダイバーシティ&インクルージョン(D&I)多様な人材が安心して働き新たな価値を創造し続ける人材育成高い志を持ち 未来を切り拓く自律型人材の育成エンゲージメント経営理念やビジョンへの共感を高め 従業員と会社がお互いに選び・選ばれる自律的な関係の構築 ③取組a. 住友事業精神当社グループの従業員にとって住友事業精神は、全ての事業活動における拠り所であり判断基準です。事業環境が目まぐるしく変化する中においても、「萬事入精(ばんじにっせい)」「信用確実」「不趨浮利(ふすうふり)」という理念のもと、社会から信頼され、持続的な成長を実現する企業として発展を目指します。従業員は、何事にも心を込めて一生懸命向き合うことの大切さを胸に刻み、日々の活動に邁進してまいります。 (図2:住友事業精神に関する教育受講者累計人数) ○ 別子銅山探訪 2023年度は、住友の歴史と住友事業精神の理解を深める目的で、次世代経営幹部候補者16名が愛媛県新居浜市にある 別子銅山や住友家初代総理人広瀬宰平(ひろせ さいへい)の業績をたどる広瀬歴史記念館の見学会を実施しました。住友のルーツに触れ、住友事業精神を体感したリーダー達が、自らの職場で住友事業精神の伝道師として理念浸透を牽引していくことを期待しています。(右の写真は別子銅山 登山の様子) b. ダイバーシティ&インクルージョン(D&I)当社グループでは、経営理念に「従業員の多様性、人格、個性を尊重し、活力溢れる企業風土を醸成します」と掲げ、多様な人材がいきいきと働ける環境づくりに向けてD&Iを深化させる取組を推進しています。 ○ 女性活躍推進採用の強化、研修、制度整備等の施策を行い、女性が安心して継続就業し、キャリアアップを目指せるよう取組を推進しております。 分類施策例制度整備柔軟な働き方支援・事業所内託児所「コアラぽっけ」設立 [2009~]・在宅勤務制度導入 [育児介護対象2017~/制限撤廃※12020~]・短時間フレックス勤務制度導入[2017~]・フレックスコアタイム廃止 [2020~]・育児時短勤務の対象を小学校6年生まで延長 [2022~]キャリア継続支援・ジョブリターン制度導入[2017~]・配偶者帯同休職制度の導入 [2019~]意欲醸成相互研鑽・ネットワーキング支援・住友電工グループ女性社員ネットワーキング「SWING」フォーラム参画 [2017~]・社内メンター制度の導入 [2021~]自己研鑽・各種通信教育の補助・教育コンテンツの拡充 [IT基礎教育・Eラーニング導入等]環境改善・管理職長時間労働への対策推進(社長面談実施等)[2023~]風土醸成社内風土醸成職場理解推進・各種社内研修/外部講師セミナーの実施・仕事と介護の両立支援ガイドブック作成[2020~]・出産・育児支援制度の手引きを刷新[2022~]・女性活躍推進に特化した全社階層別教育を実施 [2023~]・職制向けアンコンシャスバイアス(無意識の偏見)研修動画配信 [2023~]・基幹職昇格試験にD&I推進を審査項目に追加 [2023~]個別育成強化・女性管理職候補の個別育成計画策定/フォロー [2024~] ・女性管理職候補者向け研修開始 [2024~] ※1 育児・介護理由に限定した許可要件を撤廃し、政府の提唱する「新しい生活様式」で示される「働き方の新しいスタイル」に対応しました。 「第1 企業の状況 5 従業員の状況 (4)多様性に関する指標」も併せてご参照ください。 (事業所内託児所「コアラぽっけ」外観) ○ 障がい者雇用の推進当社グループでは、各部門で障がい者の雇用及び就労を支援しており、受入れ職場との対話を通じて、それぞれの適性に合った職務を割り当てています。2013年11月に障がい者雇用促進と社会貢献を目的として、特例子会社「住理工ジョイフル」を設立し、障がい者の積極的な雇用確保と個性を活かした就労支援に努めています。今年度は2029Vの策定を受け、国内グループ全体での雇用率向上を目指して目標を立てました。2025年度には2.70%、2029年度には3.00%の雇用を目指し取組を進めてまいります。 (図3:障がい者雇用率の推移と今後の目標)厚生労働省「高年齢者雇用状況等報告及び障害者雇用状況報告」の算出条件に基づく数値 分類施策例基盤づくり・特例子会社「住理工ジョイフル」設立[2013~]・「障がい者雇用推進会議発足(部門連係強化)」[2018]・「障がい者雇用推進PJ開始(グループ会社を含めた活動の実施、支援)」[2023~] 採用強化・採用経路の開拓(大卒インターンシップ、コーポレート部門採用)[2020~]・グループ会社採用活動支援[2022~]定着推進・障がい者受入部門のサポート体制強化(ジョブコーチや労務担当がサポート)[2020~]職域拡大・特例子会社ジョイフルから当社への出向受け入れ[2019~] ○ グローバル人材の活躍促進当社グループの全従業員の約8割は海外地域で働いており、もとより外国人と日本人をとりわけ区別して取り扱うことはありません。多種多様なバックグラウンドを持つ従業員がそれぞれの強みを発揮することで、共創による新たな価値創造を目指しています。2023年7月にはGMM(Global Management Meeting)を開催し、14ヶ国から84名が来日し対話や交流を行いました。また「リーダーシップ開発」「住友事業精神の理解促進」「ネットワーク形成」を目的に、親会社である住友電気工業㈱が主催するグローバル・リーダーシップ開発プログラムに参加しております。世界各地から集まった海外事業会社の幹部がワークショップやディスカッションを行い、また、400年を超える歴史を体感するため住友ゆかりの地を視察します。このプログラムを通じてグループ全体で人材育成と人材交流を進めています。 <参考リンク:当社ホームページ特設サイト>  ・ダイバーシティ&インクルージョン https://www.sumitomoriko.co.jp/sustainability/society/inclusion/  ・働きやすい環境に向けた制度や仕組み https://www.sumitomoriko.co.jp/sustainability/society/improvement/work.html c. 人材育成 当社グループでは「人材育成に優る事業戦略なし」との考え方のもと、当社グループの従業員として相応しい人格と知識を持ち、グローバルに活躍できる人材の育成を目指しています。その実現に向け、従業員の各キャリアステージで求められる知識やスキルを習得できる教育コンテンツを拡充し、様々な学習機会を提供しています。 ○ 全社教育体系の整備「次世代幹部候補者の選抜型教育」「グローバル人材育成」「各部門の専門教育」「全社共通教育」の4領域からなる全社教育体系を整備し、幅広く社員に教育研修を実施しています。(図4参照)2023年度は、次世代経営幹部候補者の育成に注力しました。これまでに100人以上の卒業生を輩出している「経営塾」を全面刷新し、学習範囲はリベラルアーツを含む経営リテラシー全般に広げました。変化の激しい時代においても、当社の将来像を描き、牽引していく人材づくりを目指しています。また、近い未来の役員候補者を育成するプログラム「Executive Management Program(略称:EMP)」に加え、2023年度は経営の次代を担う社員を対象とした「若手人材育成プログラム」を新たにスタートしました。抜擢された15名のメンバーが、経営戦略やマーケティング等の研修を受講しました。今後もこれらの選抜型教育プログラムによる経営幹部候補者育成をはじめとする、全社教育体系をベースとした人材教育の継続的な実践を通じて「未来を開拓する人づくり」を推進してまいります。 (図4:全社教育体系図)<参考リンク:当社ホームページ特設サイト>  ・人材育成https://www.sumitomoriko.co.jp/sustainability/society/improvement/upbringing.html ○ DX人材の育成 デジタル化による変革を牽引するDX人材の確保及び育成は当社グループにとって重要な課題の一つと位置付けており、2023年度はDX人材の定義と教育体系の構築に注力しています。DX人材を「DXコア人材」と「DXデータ人材」に層別し、それぞれに求められるスキルを設定しました。次に座学と実践を組み合わせた当社独自の教育体系を構築し、2024年度から選抜メンバーを対象にDX人材の育成を本格始動し、2025年度までに当社グループ全体で「DXコア人材200名」「DXデータ分析人材700名」の育成を目標に活動を推進してまいります。また、全社のDX推進を目的に、選抜社員と有志社員で構成される「DX推進プロジェクト」が主催する勉強会を定期的に開催しています。2022年5月に始まった勉強会はこれまでに87回開催され、延べ約8,000人が参加しました。勉強会では、DX推進に求められる思考法や知識を学ぶほか、デジタル活用の成功事例の共有や、これからの会社の在り方についての討論を行っています。加えて、ITリテラシーの底上げをすべく、約80個の動画コンテンツを全社公開しております。(例:Office操作、DX基礎理解、機械学習概論、AI学習、データサイエンス講座等)さらに、モノづくりとITの融合についても、情報システム部門による支援サービスとして16個のコンテンツを用意しており、画像処理を利用した外観検査システムの導入支援等、生産現場においてもIT基礎教育とDX推進が実際の改善に繋がるように取組を推進しております。 d. エンゲージメントエンゲージメントが高い組織やチームでは、従業員やメンバーが意欲的に仕事に取り組むことができ、生産性や創造性が促進されると当社グループでは考えています。そのため、誰もが自分の能力を十分に発揮できるよう、各々の心身の安定を図り、互いにコミュニケーションをとりながら事業を進められる環境づくりを推進しています。 ○ ビジョン浸透の取組GMM(Global Management Meeting)の中で、2029V策定において中心的な役割を担った中堅メンバーが、国内外のグループ会社の幹部層に対してビジョン策定に込めた想い等を直接説明しました。その後も、社長やビジョン策定メンバーが、国内外の事業所やグループ会社を個別に訪問し、各地で2029Vに関する説明と対話を積み重ね、ビジョン浸透の取組を推進しております。 ○ 健康経営当社グループは、2017年に制定した住友理工グループ健康経営宣言に基づき、経営トップを健康経営責任者として全社一体で健康経営を推進しています。健康経営で解決したい経営課題は主に二つで、一つ目は「従業員の心身両面における健康状態の向上」です。当社グループ従業員のプレゼンティーズム※1やアブセンティーズム※2の数値を最小限に抑えるため、国内グループ各社の産業保健窓口と健康経営方針・健康KPIを共有し、メンタル不調対応に関するグループ共通のガイドラインづくり、動画ツールを活用した健康教育の展開等、グループ一体となった取り組みを強化しています。二つ目は「従業員の生産性、エンゲージメントの向上」です。毎年4月に実施するストレスチェックで測定する「活き生き度※3」の改善に向けて役員と共に改善策を検討し、定期的に経営レベルで活動をモニタリングする等会社全体でPDCAのサイクルをまわすべく、健康投資の戦略マップや健康KPIを策定しました。現在、健康経営優良法人に8年連続で認定を受けていますが、2025年度までにホワイト500に選出されることを目標に活動を推進しています。※1 プレゼンティーズム:何らかの疾患や症状を抱えながら出勤し業務遂行能力や労働生産性が低下している状態※2 アブセンティーズム:病欠、病気休業している状態※3 活き生き度:ストレスチェックで測定している職場の活性度を示す当社独自の指標 <参考リンク:当社ホームページ特設サイト>    ・健康経営     https://www.sumitomoriko.co.jp/sustainability/society/health/ ○ 働き方改革従業員が「活き生き※1」と働くことが組織の活性化につながり、ひいては業績の向上に繋がるという考え方のもと、当社では2017年度より「活き生き5(ファイブ)活動」を実施しています。 「活き生き5活動」では、従業員一人ひとりの状況に合わせ、柔軟な働き方が可能な環境の整備に努め、「働きやすさ」の制度を拡充してきました。2023年度からは次のステージに進むべく、従業員の「働きがい」に関する情報収集や高負荷者の負荷軽減にターゲットを絞り、「活き生き5 Ver1.5」を展開しています。(図5参照) ※1 「活き生き」とは、活力あふれる「活き活き」と健康的な「生き生き」を重ねた当社独自の造語 (図5:活き生き5活動のロードマップ) 「活き生き5活動」の結果について、総労働時間は一定の効果が出ています。2023年度は経済活動がコロナ禍から正常化し、一部生産現場において高稼働な状況が続いたことから、平均総労働時間は微増の見込みですが、活動を始めた2017年度と比較し、6%の総労働時間低減を達成することができました。また有給休暇の平均取得日数についても年々取得日数が増加しております。(図6参照) (図6:総労働時間の推移及び年次有給休暇の平均取得日数) <参考リンク:当社ホームページ特設サイト> 働きやすい環境に向けた制度や仕組み https://www.sumitomoriko.co.jp/sustainability/society/improvement/work.html ○ 柔軟で強い製造現場づくりモノづくりの会社である当社グループにとって製造現場の人材力・組織力は生命線です。様々な事業領域を抱える当社では、現場の課題も多種多様であるため、人事勤労部門を中心に、個々の現場課題に寄り添った活動を推進しています。 分類施策例(直近施策のみ開始年度を付記)採用力強化(技能職) 外国籍従業員採用の強化・語学/生活サポート担当員の配置(中国語・ポルトガル語)・警察/市役所/専門機関による定期研修実施 [2024~]女性採用の強化・施設改善(休憩室やトイレの増設)・強度作業のオートメーション化・教員向け工場見学及び現場作業体験の実施 [2023~]大卒採用の開始・初任給の新設等制度整備 [2023]組織開発人材育成(職場単位) 監督者の育成・監督者の業務内容や職責の定義・最適労務構成の中長期目標策定(社員比率等)[2022]・監督者95名と面談を実施し職場ごとの課題を抽出 [2022]・育成候補者の選出と個別育成計画の策定 [2023]・個人別の成長観測指標の設定 [2023]コミュニケーションの促進・コミュニケーションに特化した360度サーベイ実施 [2022]・監督者による「はじめる行動※1」の宣言/掲示 [2022]組織風土の改善・人事ローテーションの促進 これらの取組の結果、インライン率※2が57%改善、活き生き度が24%改善する等の効果が出始めております。※1 はじめる行動:コミュニケーション改善に向けた具体的な行動を監督者がメンバーに宣言し、実行に移すことで活気のあふれる組織を目指す活動 ※2 インライン率:監督者が製造ラインに入る割合を示す当社独自の指標 ③目標及び進捗状況 重点領域主な指標実績値(2023年度)目標値(2025年度)住友事業精神幹部理念教育実施率()内は単体数値2024年度調査開始(568名 88%)100%ダイバーシティ&インクルージョン 女性管理職比率()内は単体数値14.7%(7名 1.3%)15%(2.5%)障がい者雇用率住友理工(特例子会社含む)2.70%2.70%(国内グループ会社平均)国内グループ会社平均2.54%人材育成幹部研修受講数31名100名(2023-2025年度累計)DX人材育成実績 コア人材2024年度育成開始 200名(2024-2025年度累計)データ分析人材700名(2024-2025年度累計)エンゲージメント健康経営関連指標当社ホームページ特設サイト参照働きがい2024年度調査開始予定 (注)特に記載がない限り、当社グループの数値を示しております。
戦略 ②戦略a. シナリオ分析当社グループでは、気候変動が事業にもたらすさまざまなリスクと機会について具体的に把握するために、シナリオ分析を実施しました。シナリオ分析は、2030年の時間軸を中心に、移行面で影響が顕在化する「カーボンニュートラルな世界」に向かうシナリオ(1.5℃シナリオ)と、物理面で影響が顕在化する「悲劇の世界」に向かうシナリオ(4℃シナリオ)の2つにより、実施しています。(参考)参照した主なシナリオ 「カーボンニュートラルな世界」に向かうシナリオ(1.5℃シナリオ) ・IEA,「World Energy Outlook 2023」: Net zero emissions by 2050 Scenario(NZE),Announced Pledges Scenario(APS)・Inevitable Policy Response,「Supply Chain Analysis (SCA)」: ・IPCC,「第6次評価報告書」 : SSP1-1.9/SSP1-2.6「悲劇の世界」に向かうシナリオ(4℃シナリオ) ・WRI Aqueduct Water Risk Atlas 4.0 : SSP5-8.5・IPCC,「第6次評価報告書」 : SSP3-7.0,SSP5-8.5 b. リスク・機会の特定、分析上記シナリオを前提に、下表の通り当社グループが想定するリスク・機会の整理を行いました。特定したリスク・機会については、当社財務数値への影響度も評価の上、各項目について対応の方向性を設定いたしました。 (移行リスク・機会)カテゴリ重要テーマリスク顕在時期影響度機会顕在時期影響度対応の方向性規制GHG規制カーボンプライシングの導入によるコスト増加中期中生産効率向上による製造コスト低減短~中期大●環境長期ビジョンに基づく着実なGHG排出削減・太陽光発電の導入等、再エネの積極活用・生産プロセスの改善や新設備の導入 による省エネ活動の推進・低排出な製法や設計の開発・設備投資検討への内部炭素価格活用●DXを活用したスマート工場・AIによる製品検査の自動化等、工程の 自動化・省人化・デジタル化による設計開発期間短縮及び エネルギー集計システム構築 排出量報告義務の強化による労力コスト増加短期中市場/技術原材料天然ゴム価格上昇によるコスト増加や供給減少による調達懸念短~長期大顧客の選好変化に対し、低環境負荷材料の積極活用を通じた競争力の強化短~長期中●資源の有効活用による材料調達の削減・不良品削減による材料ロス(廃棄)の低 減・微生物を活用した廃棄物の再原料化によ る資源の循環利用推進●低環境負荷材料の活用拡大に向けたサプライヤーとの連携・バイオ由来材料や、リサイクル材料の適 用に向けた対話石油由来原材料の代替によるコスト増加中期中金属の需給逼迫や低炭素金属への代替による調達コスト増加中~長期中EVシフト内燃機関向け製品の需要減少や、機構の簡素化による部品使用量の減少短~長期大EV向け高性能製品の需要増加短~長期大●顧客要請や市場動向に合わせた適切な製品ポートフォリオの構築・転換期における内燃機関向け製品需要 の確実な取り込み・EV向け高性能製品の市場投入●海外自動車メーカーへの拡販に向けた体制整備・グローバルネットワークを活かし、現地 に合わせた開発・生産体制を構築・市場や技術動向への迅速な対応に向け た新規研究開発拠点の検討新興EVメーカーの台頭等に伴う、当社既存顧客の市場シェア低下による売上減少短~長期中当社技術力を背景とした、海外自動車メーカーへの拡販による当社市場シェアの拡大短~長期中 カテゴリ重要テーマリスク顕在時期影響度機会顕在時期影響度対応の方向性 市場/技術新技術 対応次世代技術対応に伴う開発投資コスト増加中期大次世代技術を活用した脱炭素関連の新製品開発による競争力向上 脱炭素社会への移行に伴い成長が見込まれる市場への進出短~長期大●低環境負荷材料を利用した製品の生産技術確立・植物由来原料(バイオヒドリンゴム)を活用した商品開発・EV向けの冷却ホース部品へのバイオマス 材料活用●EVニーズに対応した高性能な製品開発・モーターが発する高周波振動や騒音の抑 制に資する防振製品の開発・高度な熱管理や軽量化等、電費向上に資 する製品の開発・密閉性の高い水素ホース等、燃料電池車 向け製品の開発●自動車向け先端技術の他用途への拡大・クリーンエネルギー化に伴うインフラ刷 新需要に向けた開発・防振技術を活用した、インフラ補修や大 規模木造建築等への免制振製品拡販・熱マネジメント需要に対応した新商品の 用途展開評判ステークホルダー投資家や従業員等、ステークホルダーからの要請への対応コスト増加短~中期中気候変動対策が認められることによる資金調達コストの低下中期中●ステークホルダーとの信頼関係構築・多様なステークホルダーとの対話を踏ま えた気候変動対策の着実な進展・資金調達におけるサステナブルファイナ ンスの活用 (物理的リスク)カテゴリ重要テーマリスク顕在時期影響度対応の方向性慢性気温上昇気温上昇による労務環境の悪化中~長期中●生産設備・工程の改善・熱源を使用する加硫工程の自動化等による暑熱環境 下での重筋作業の廃止降水の変化降水パターン変化に伴う天然ゴム供給の不安定化によるコスト増加・調達懸念中期大●資源の有効活用による材料調達の削減・不良品削減による材料ロス(廃棄)の低減・微生物を活用した廃棄物の再原料化による資源の循 環利用推進水ストレスの高い地域を中心とした水資源の需給逼迫による利用コストの増加中期中●水資源の保全・生産工程改善や排水のリサイクルによる水使用量の 削減・地域ごとの水リスクの定期的なモニタリング急性洪水等洪水の発生による操業停止や復旧費用コストの増加中~長期小●BCPの高度化・複数拠点間でのブリッジ生産体制の整備・高リスク拠点を中心とする海外拠点BCP対応強化台風等の災害に伴う輸送リスクの増加長期中 ※顕在期間 …短期:2025年度(中期経営計画の最終年度)、中期:2029年度(2029Vの最終年度)、 長期:2050年※影響度 …小:売上50億円/費用5億円未満、中:売上50億円~300億円未満/費用5億円~50億円未満、       大:売上300億円/費用50億円以上 (2029年度時点の想定。移行リスクは1.5℃シナリオ、物理リスクは4℃シナリオを想定。) c. 戦略のレジリエンス2030年の世界では、世界平均気温の上昇1.5℃以下を目指して脱炭素に移行させる「カーボンニュートラルな世界」への動きがさらに進むと考えました。その際に顕現化するリスクは主として移行リスクであると考えており、GHG規制強化への対応コスト増加や天然ゴムをはじめとする原材料の調達コスト増加、EVシフトに伴う内燃機関向け製品の売上減少といった影響が生じる可能性があります。中でも、自動車市場を主戦場とする当社グループにとって、EVシフトは事業への影響が特に大きい項目であると認識しています。しかしながら、EVシフトにおいて当社の主力製品の防振ゴムは、現状の「エンジンマウント」用製品から、従来以上の静粛性を有する「モーターマウント」用製品等への置き換えが進むとともに、ウレタン製品はEV 駆動ユニットから発生する特有の音等を抑える「制遮音製品」等製品の更なる付加価値化が可能になります。また、EV においては不必要となる「燃料用ホース製品」に代わり、EVのサーマルマネジメントに必要不可欠である「ホース製品(冷却系ホース)」や、EVの心臓部であるリチウムイオン電池の安全性を確保する「電池セル間断熱材」等、電費の向上に資する製品の需要増加が見込まれます。このような市場ニーズの変化を捉え、素材の配合・合成・改質により高機能な製品を生み出す「高分子材料技術」や、製品の信頼性を精緻に評価・検証する「総合評価技術」をはじめとする当社技術を活かした新製品開発を行うことで、EVシフトへ柔軟に対応することが可能と考えています。また、非自動車の事業分野では、建設機械や鉄道車輛のクリーン動力源への移行や、防災・減災のための社会インフラの強靭化、熱対策が必要な電子機器、住宅・構造物等幅広い用途での断熱対策等、脱炭素社会への移行に伴って生じる市場ニーズの変化を捉え、自動車向け先端技術のノウハウと産業用の独自技術を活かし、対応商品の開発を進めてまいります。なお、「悲劇の世界」に向かう場合(4℃シナリオ)は、主として物理的リスクが顕現化し、異常気象の激甚化等により、操業停止等の影響が生じる可能性があります。当社グループは、このようなリスクも認識の上、リスク評価を継続するとともに、各拠点における災害発生後の「初動対応」と「復旧対応」の毎年の見直し等、BCPの運用管理のしくみを継続的に更新することで、着実に対応の高度化を進めています。 今後も、社会や市場環境の変化を注視しながら分析をアップデートしつつ、各種対応策の推進をより効果的なものとしていくことで、気候変動の影響に対する更なるレジリエンスの強化を図ってまいります。
指標及び目標 ④指標と目標当社グループでは、燃料の燃焼等によるCO2の直接排出「Scope1」、購入した電力等の使用に伴う間接排出「Scope2」といった当社グループ自身の事業活動による排出量だけでなく、原材料の製造・調達や販売した製品の使用・廃棄による排出等サプライチェーン全体で発生する間接排出 「Scope3」をGHG プロトコルに従って把握し、CO2排出削減活動に取り組むことが重要と認識し、目標を明確にして活動しています。 a. 2022年度目標と実績当社グループでは、2022年度を最終年度とする中期経営Vision(2022V)にてCO2の排出量の削減目標を設定していました。太陽光発電設備の導入等、各種の削減活動により、2022年度原単位削減目標(Scope1+2 2017年度比)-8%に対して、実績は-32.4%、総量削減の社内目標(Scope1+2 2017年度比)-5%に対して-21.1%と大幅に目標を達成いたしました。 項目目標年CO2排出削減 目標2022年度実績2022年中期経営Vision2022年Scope1+2 原単位削減 -8%(2017年度比)-32.4%Scope1+2 総量削減※ -5%(2017年度比)-21.1% ※社内目標値 b. 2025年度目標、2029年度目標2050年カーボンニュートラルを見据えた中間目標として、2029年度を最終年度とする長期ビジョン(2029年住友理工グループVision)及び2025年度を最終年度とする中期経営計画(2025年住友理工グループ中期経営計画)においてもCO2排出削減目標を設定し、取り組みを実施しております。 項目目標年CO2排出削減 目標2022年度実績2025年住友理工グループ中期経営計画2025年度Scope1+2 -20% (2018年度比)Scope1+2-20.5% Scope3+1.8%2029年住友理工グループVision 2029年度Scope1+2 -30% (2018年度比)Scope3 -15% (2018年度比)2050年カーボンニュートラルの達成 目標のうち、自社排出の削減(Scope1+2)に対しては、(1)省・少エネ活動、生産性向上、(2)新技術開発(革新製法、新商品)、(3)事業構造改革、(4)再エネ・創エネ活用を四本柱とし、CO2排出削減推進人材の育成とともに取り組んでおります。上記取組の推進により、削減率実績は既に2025年度の目標並みの進捗である一方、今後の売上成長による生産量増加に伴い、成行では排出量の増加が見込まれますが、取組の更なる進展により、目標達成を目指します。また、当社グループではサプライチェーン全体でのCO2排出量のうちScope3が90.3%を占めることから、環境配慮型製品の提供や技術進化・新製品開発等を通じた排出量削減の取り組みを行っていきます。
人材の育成及び社内環境整備に関する方針、戦略 (2)人的資本①考え方当社グループは創立100周年を迎える2029年に向けて「2029年 住友理工グループVision」(以下2029V)を策定しました。(詳細は「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題」を参照ください。)長年に亘り「人材育成に優る事業戦略なし」の考えのもと、人材を単なる経営資源ではなく価値創造の主体と位置付け、社会環境や経済状況といった幾多の時代変化に対応してまいりました。環境変化が常態化し、将来予測が困難な現代においても、素材と製品の両方を扱うことができる当社グループの特徴を発揮しながら、社会課題の解決に貢献し、そして持続的な成長を達成するという想いが2029Vには込められています。経営戦略である2029Vの実現に向けて、これからの100年も当社グループの総合力を支える重要な経営基盤の一つである人的資本を持続的・総合的に向上していくために、4つのテーマの掛け合わせからなる「人的資本向上の方程式」を人材戦略の中心に位置づけ活動を推進しております。(図1参照) (図1:人的資本の考え方) ②方針テーマ方針住友事業精神住友事業精神に基づく高い企業倫理のもと公正な事業活動を行うダイバーシティ&インクルージョン(D&I)多様な人材が安心して働き新たな価値を創造し続ける人材育成高い志を持ち 未来を切り拓く自律型人材の育成エンゲージメント経営理念やビジョンへの共感を高め 従業員と会社がお互いに選び・選ばれる自律的な関係の構築 ③取組a. 住友事業精神当社グループの従業員にとって住友事業精神は、全ての事業活動における拠り所であり判断基準です。事業環境が目まぐるしく変化する中においても、「萬事入精(ばんじにっせい)」「信用確実」「不趨浮利(ふすうふり)」という理念のもと、社会から信頼され、持続的な成長を実現する企業として発展を目指します。従業員は、何事にも心を込めて一生懸命向き合うことの大切さを胸に刻み、日々の活動に邁進してまいります。 (図2:住友事業精神に関する教育受講者累計人数) ○ 別子銅山探訪 2023年度は、住友の歴史と住友事業精神の理解を深める目的で、次世代経営幹部候補者16名が愛媛県新居浜市にある 別子銅山や住友家初代総理人広瀬宰平(ひろせ さいへい)の業績をたどる広瀬歴史記念館の見学会を実施しました。住友のルーツに触れ、住友事業精神を体感したリーダー達が、自らの職場で住友事業精神の伝道師として理念浸透を牽引していくことを期待しています。(右の写真は別子銅山 登山の様子) b. ダイバーシティ&インクルージョン(D&I)当社グループでは、経営理念に「従業員の多様性、人格、個性を尊重し、活力溢れる企業風土を醸成します」と掲げ、多様な人材がいきいきと働ける環境づくりに向けてD&Iを深化させる取組を推進しています。 ○ 女性活躍推進採用の強化、研修、制度整備等の施策を行い、女性が安心して継続就業し、キャリアアップを目指せるよう取組を推進しております。 分類施策例制度整備柔軟な働き方支援・事業所内託児所「コアラぽっけ」設立 [2009~]・在宅勤務制度導入 [育児介護対象2017~/制限撤廃※12020~]・短時間フレックス勤務制度導入[2017~]・フレックスコアタイム廃止 [2020~]・育児時短勤務の対象を小学校6年生まで延長 [2022~]キャリア継続支援・ジョブリターン制度導入[2017~]・配偶者帯同休職制度の導入 [2019~]意欲醸成相互研鑽・ネットワーキング支援・住友電工グループ女性社員ネットワーキング「SWING」フォーラム参画 [2017~]・社内メンター制度の導入 [2021~]自己研鑽・各種通信教育の補助・教育コンテンツの拡充 [IT基礎教育・Eラーニング導入等]環境改善・管理職長時間労働への対策推進(社長面談実施等)[2023~]風土醸成社内風土醸成職場理解推進・各種社内研修/外部講師セミナーの実施・仕事と介護の両立支援ガイドブック作成[2020~]・出産・育児支援制度の手引きを刷新[2022~]・女性活躍推進に特化した全社階層別教育を実施 [2023~]・職制向けアンコンシャスバイアス(無意識の偏見)研修動画配信 [2023~]・基幹職昇格試験にD&I推進を審査項目に追加 [2023~]個別育成強化・女性管理職候補の個別育成計画策定/フォロー [2024~] ・女性管理職候補者向け研修開始 [2024~] ※1 育児・介護理由に限定した許可要件を撤廃し、政府の提唱する「新しい生活様式」で示される「働き方の新しいスタイル」に対応しました。 「第1 企業の状況 5 従業員の状況 (4)多様性に関する指標」も併せてご参照ください。 (事業所内託児所「コアラぽっけ」外観) ○ 障がい者雇用の推進当社グループでは、各部門で障がい者の雇用及び就労を支援しており、受入れ職場との対話を通じて、それぞれの適性に合った職務を割り当てています。2013年11月に障がい者雇用促進と社会貢献を目的として、特例子会社「住理工ジョイフル」を設立し、障がい者の積極的な雇用確保と個性を活かした就労支援に努めています。今年度は2029Vの策定を受け、国内グループ全体での雇用率向上を目指して目標を立てました。2025年度には2.70%、2029年度には3.00%の雇用を目指し取組を進めてまいります。 (図3:障がい者雇用率の推移と今後の目標)厚生労働省「高年齢者雇用状況等報告及び障害者雇用状況報告」の算出条件に基づく数値 分類施策例基盤づくり・特例子会社「住理工ジョイフル」設立[2013~]・「障がい者雇用推進会議発足(部門連係強化)」[2018]・「障がい者雇用推進PJ開始(グループ会社を含めた活動の実施、支援)」[2023~] 採用強化・採用経路の開拓(大卒インターンシップ、コーポレート部門採用)[2020~]・グループ会社採用活動支援[2022~]定着推進・障がい者受入部門のサポート体制強化(ジョブコーチや労務担当がサポート)[2020~]職域拡大・特例子会社ジョイフルから当社への出向受け入れ[2019~] ○ グローバル人材の活躍促進当社グループの全従業員の約8割は海外地域で働いており、もとより外国人と日本人をとりわけ区別して取り扱うことはありません。多種多様なバックグラウンドを持つ従業員がそれぞれの強みを発揮することで、共創による新たな価値創造を目指しています。2023年7月にはGMM(Global Management Meeting)を開催し、14ヶ国から84名が来日し対話や交流を行いました。また「リーダーシップ開発」「住友事業精神の理解促進」「ネットワーク形成」を目的に、親会社である住友電気工業㈱が主催するグローバル・リーダーシップ開発プログラムに参加しております。世界各地から集まった海外事業会社の幹部がワークショップやディスカッションを行い、また、400年を超える歴史を体感するため住友ゆかりの地を視察します。このプログラムを通じてグループ全体で人材育成と人材交流を進めています。 <参考リンク:当社ホームページ特設サイト>  ・ダイバーシティ&インクルージョン https://www.sumitomoriko.co.jp/sustainability/society/inclusion/  ・働きやすい環境に向けた制度や仕組み https://www.sumitomoriko.co.jp/sustainability/society/improvement/work.html c. 人材育成 当社グループでは「人材育成に優る事業戦略なし」との考え方のもと、当社グループの従業員として相応しい人格と知識を持ち、グローバルに活躍できる人材の育成を目指しています。その実現に向け、従業員の各キャリアステージで求められる知識やスキルを習得できる教育コンテンツを拡充し、様々な学習機会を提供しています。 ○ 全社教育体系の整備「次世代幹部候補者の選抜型教育」「グローバル人材育成」「各部門の専門教育」「全社共通教育」の4領域からなる全社教育体系を整備し、幅広く社員に教育研修を実施しています。(図4参照)2023年度は、次世代経営幹部候補者の育成に注力しました。これまでに100人以上の卒業生を輩出している「経営塾」を全面刷新し、学習範囲はリベラルアーツを含む経営リテラシー全般に広げました。変化の激しい時代においても、当社の将来像を描き、牽引していく人材づくりを目指しています。また、近い未来の役員候補者を育成するプログラム「Executive Management Program(略称:EMP)」に加え、2023年度は経営の次代を担う社員を対象とした「若手人材育成プログラム」を新たにスタートしました。抜擢された15名のメンバーが、経営戦略やマーケティング等の研修を受講しました。今後もこれらの選抜型教育プログラムによる経営幹部候補者育成をはじめとする、全社教育体系をベースとした人材教育の継続的な実践を通じて「未来を開拓する人づくり」を推進してまいります。 (図4:全社教育体系図)<参考リンク:当社ホームページ特設サイト>  ・人材育成https://www.sumitomoriko.co.jp/sustainability/society/improvement/upbringing.html ○ DX人材の育成 デジタル化による変革を牽引するDX人材の確保及び育成は当社グループにとって重要な課題の一つと位置付けており、2023年度はDX人材の定義と教育体系の構築に注力しています。DX人材を「DXコア人材」と「DXデータ人材」に層別し、それぞれに求められるスキルを設定しました。次に座学と実践を組み合わせた当社独自の教育体系を構築し、2024年度から選抜メンバーを対象にDX人材の育成を本格始動し、2025年度までに当社グループ全体で「DXコア人材200名」「DXデータ分析人材700名」の育成を目標に活動を推進してまいります。また、全社のDX推進を目的に、選抜社員と有志社員で構成される「DX推進プロジェクト」が主催する勉強会を定期的に開催しています。2022年5月に始まった勉強会はこれまでに87回開催され、延べ約8,000人が参加しました。勉強会では、DX推進に求められる思考法や知識を学ぶほか、デジタル活用の成功事例の共有や、これからの会社の在り方についての討論を行っています。加えて、ITリテラシーの底上げをすべく、約80個の動画コンテンツを全社公開しております。(例:Office操作、DX基礎理解、機械学習概論、AI学習、データサイエンス講座等)さらに、モノづくりとITの融合についても、情報システム部門による支援サービスとして16個のコンテンツを用意しており、画像処理を利用した外観検査システムの導入支援等、生産現場においてもIT基礎教育とDX推進が実際の改善に繋がるように取組を推進しております。 d. エンゲージメントエンゲージメントが高い組織やチームでは、従業員やメンバーが意欲的に仕事に取り組むことができ、生産性や創造性が促進されると当社グループでは考えています。そのため、誰もが自分の能力を十分に発揮できるよう、各々の心身の安定を図り、互いにコミュニケーションをとりながら事業を進められる環境づくりを推進しています。 ○ ビジョン浸透の取組GMM(Global Management Meeting)の中で、2029V策定において中心的な役割を担った中堅メンバーが、国内外のグループ会社の幹部層に対してビジョン策定に込めた想い等を直接説明しました。その後も、社長やビジョン策定メンバーが、国内外の事業所やグループ会社を個別に訪問し、各地で2029Vに関する説明と対話を積み重ね、ビジョン浸透の取組を推進しております。 ○ 健康経営当社グループは、2017年に制定した住友理工グループ健康経営宣言に基づき、経営トップを健康経営責任者として全社一体で健康経営を推進しています。健康経営で解決したい経営課題は主に二つで、一つ目は「従業員の心身両面における健康状態の向上」です。当社グループ従業員のプレゼンティーズム※1やアブセンティーズム※2の数値を最小限に抑えるため、国内グループ各社の産業保健窓口と健康経営方針・健康KPIを共有し、メンタル不調対応に関するグループ共通のガイドラインづくり、動画ツールを活用した健康教育の展開等、グループ一体となった取り組みを強化しています。二つ目は「従業員の生産性、エンゲージメントの向上」です。毎年4月に実施するストレスチェックで測定する「活き生き度※3」の改善に向けて役員と共に改善策を検討し、定期的に経営レベルで活動をモニタリングする等会社全体でPDCAのサイクルをまわすべく、健康投資の戦略マップや健康KPIを策定しました。現在、健康経営優良法人に8年連続で認定を受けていますが、2025年度までにホワイト500に選出されることを目標に活動を推進しています。※1 プレゼンティーズム:何らかの疾患や症状を抱えながら出勤し業務遂行能力や労働生産性が低下している状態※2 アブセンティーズム:病欠、病気休業している状態※3 活き生き度:ストレスチェックで測定している職場の活性度を示す当社独自の指標 <参考リンク:当社ホームページ特設サイト>    ・健康経営     https://www.sumitomoriko.co.jp/sustainability/society/health/ ○ 働き方改革従業員が「活き生き※1」と働くことが組織の活性化につながり、ひいては業績の向上に繋がるという考え方のもと、当社では2017年度より「活き生き5(ファイブ)活動」を実施しています。 「活き生き5活動」では、従業員一人ひとりの状況に合わせ、柔軟な働き方が可能な環境の整備に努め、「働きやすさ」の制度を拡充してきました。2023年度からは次のステージに進むべく、従業員の「働きがい」に関する情報収集や高負荷者の負荷軽減にターゲットを絞り、「活き生き5 Ver1.5」を展開しています。(図5参照) ※1 「活き生き」とは、活力あふれる「活き活き」と健康的な「生き生き」を重ねた当社独自の造語 (図5:活き生き5活動のロードマップ) 「活き生き5活動」の結果について、総労働時間は一定の効果が出ています。2023年度は経済活動がコロナ禍から正常化し、一部生産現場において高稼働な状況が続いたことから、平均総労働時間は微増の見込みですが、活動を始めた2017年度と比較し、6%の総労働時間低減を達成することができました。また有給休暇の平均取得日数についても年々取得日数が増加しております。(図6参照) (図6:総労働時間の推移及び年次有給休暇の平均取得日数) <参考リンク:当社ホームページ特設サイト> 働きやすい環境に向けた制度や仕組み https://www.sumitomoriko.co.jp/sustainability/society/improvement/work.html ○ 柔軟で強い製造現場づくりモノづくりの会社である当社グループにとって製造現場の人材力・組織力は生命線です。様々な事業領域を抱える当社では、現場の課題も多種多様であるため、人事勤労部門を中心に、個々の現場課題に寄り添った活動を推進しています。 分類施策例(直近施策のみ開始年度を付記)採用力強化(技能職) 外国籍従業員採用の強化・語学/生活サポート担当員の配置(中国語・ポルトガル語)・警察/市役所/専門機関による定期研修実施 [2024~]女性採用の強化・施設改善(休憩室やトイレの増設)・強度作業のオートメーション化・教員向け工場見学及び現場作業体験の実施 [2023~]大卒採用の開始・初任給の新設等制度整備 [2023]組織開発人材育成(職場単位) 監督者の育成・監督者の業務内容や職責の定義・最適労務構成の中長期目標策定(社員比率等)[2022]・監督者95名と面談を実施し職場ごとの課題を抽出 [2022]・育成候補者の選出と個別育成計画の策定 [2023]・個人別の成長観測指標の設定 [2023]コミュニケーションの促進・コミュニケーションに特化した360度サーベイ実施 [2022]・監督者による「はじめる行動※1」の宣言/掲示 [2022]組織風土の改善・人事ローテーションの促進 これらの取組の結果、インライン率※2が57%改善、活き生き度が24%改善する等の効果が出始めております。※1 はじめる行動:コミュニケーション改善に向けた具体的な行動を監督者がメンバーに宣言し、実行に移すことで活気のあふれる組織を目指す活動 ※2 インライン率:監督者が製造ラインに入る割合を示す当社独自の指標 ③目標及び進捗状況 重点領域主な指標実績値(2023年度)目標値(2025年度)住友事業精神幹部理念教育実施率()内は単体数値2024年度調査開始(568名 88%)100%ダイバーシティ&インクルージョン 女性管理職比率()内は単体数値14.7%(7名 1.3%)15%(2.5%)障がい者雇用率住友理工(特例子会社含む)2.70%2.70%(国内グループ会社平均)国内グループ会社平均2.54%人材育成幹部研修受講数31名100名(2023-2025年度累計)DX人材育成実績 コア人材2024年度育成開始 200名(2024-2025年度累計)データ分析人材700名(2024-2025年度累計)エンゲージメント健康経営関連指標当社ホームページ特設サイト参照働きがい2024年度調査開始予定 (注)特に記載がない限り、当社グループの数値を示しております。
人材の育成及び社内環境整備に関する方針に関する指標の内容並びに当該指標を用いた目標及び実績、指標及び目標 (2)人的資本①考え方当社グループは創立100周年を迎える2029年に向けて「2029年 住友理工グループVision」(以下2029V)を策定しました。(詳細は「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題」を参照ください。)長年に亘り「人材育成に優る事業戦略なし」の考えのもと、人材を単なる経営資源ではなく価値創造の主体と位置付け、社会環境や経済状況といった幾多の時代変化に対応してまいりました。環境変化が常態化し、将来予測が困難な現代においても、素材と製品の両方を扱うことができる当社グループの特徴を発揮しながら、社会課題の解決に貢献し、そして持続的な成長を達成するという想いが2029Vには込められています。経営戦略である2029Vの実現に向けて、これからの100年も当社グループの総合力を支える重要な経営基盤の一つである人的資本を持続的・総合的に向上していくために、4つのテーマの掛け合わせからなる「人的資本向上の方程式」を人材戦略の中心に位置づけ活動を推進しております。(図1参照) (図1:人的資本の考え方) ②方針テーマ方針住友事業精神住友事業精神に基づく高い企業倫理のもと公正な事業活動を行うダイバーシティ&インクルージョン(D&I)多様な人材が安心して働き新たな価値を創造し続ける人材育成高い志を持ち 未来を切り拓く自律型人材の育成エンゲージメント経営理念やビジョンへの共感を高め 従業員と会社がお互いに選び・選ばれる自律的な関係の構築 ③取組a. 住友事業精神当社グループの従業員にとって住友事業精神は、全ての事業活動における拠り所であり判断基準です。事業環境が目まぐるしく変化する中においても、「萬事入精(ばんじにっせい)」「信用確実」「不趨浮利(ふすうふり)」という理念のもと、社会から信頼され、持続的な成長を実現する企業として発展を目指します。従業員は、何事にも心を込めて一生懸命向き合うことの大切さを胸に刻み、日々の活動に邁進してまいります。 (図2:住友事業精神に関する教育受講者累計人数) ○ 別子銅山探訪 2023年度は、住友の歴史と住友事業精神の理解を深める目的で、次世代経営幹部候補者16名が愛媛県新居浜市にある 別子銅山や住友家初代総理人広瀬宰平(ひろせ さいへい)の業績をたどる広瀬歴史記念館の見学会を実施しました。住友のルーツに触れ、住友事業精神を体感したリーダー達が、自らの職場で住友事業精神の伝道師として理念浸透を牽引していくことを期待しています。(右の写真は別子銅山 登山の様子) b. ダイバーシティ&インクルージョン(D&I)当社グループでは、経営理念に「従業員の多様性、人格、個性を尊重し、活力溢れる企業風土を醸成します」と掲げ、多様な人材がいきいきと働ける環境づくりに向けてD&Iを深化させる取組を推進しています。 ○ 女性活躍推進採用の強化、研修、制度整備等の施策を行い、女性が安心して継続就業し、キャリアアップを目指せるよう取組を推進しております。 分類施策例制度整備柔軟な働き方支援・事業所内託児所「コアラぽっけ」設立 [2009~]・在宅勤務制度導入 [育児介護対象2017~/制限撤廃※12020~]・短時間フレックス勤務制度導入[2017~]・フレックスコアタイム廃止 [2020~]・育児時短勤務の対象を小学校6年生まで延長 [2022~]キャリア継続支援・ジョブリターン制度導入[2017~]・配偶者帯同休職制度の導入 [2019~]意欲醸成相互研鑽・ネットワーキング支援・住友電工グループ女性社員ネットワーキング「SWING」フォーラム参画 [2017~]・社内メンター制度の導入 [2021~]自己研鑽・各種通信教育の補助・教育コンテンツの拡充 [IT基礎教育・Eラーニング導入等]環境改善・管理職長時間労働への対策推進(社長面談実施等)[2023~]風土醸成社内風土醸成職場理解推進・各種社内研修/外部講師セミナーの実施・仕事と介護の両立支援ガイドブック作成[2020~]・出産・育児支援制度の手引きを刷新[2022~]・女性活躍推進に特化した全社階層別教育を実施 [2023~]・職制向けアンコンシャスバイアス(無意識の偏見)研修動画配信 [2023~]・基幹職昇格試験にD&I推進を審査項目に追加 [2023~]個別育成強化・女性管理職候補の個別育成計画策定/フォロー [2024~] ・女性管理職候補者向け研修開始 [2024~] ※1 育児・介護理由に限定した許可要件を撤廃し、政府の提唱する「新しい生活様式」で示される「働き方の新しいスタイル」に対応しました。 「第1 企業の状況 5 従業員の状況 (4)多様性に関する指標」も併せてご参照ください。 (事業所内託児所「コアラぽっけ」外観) ○ 障がい者雇用の推進当社グループでは、各部門で障がい者の雇用及び就労を支援しており、受入れ職場との対話を通じて、それぞれの適性に合った職務を割り当てています。2013年11月に障がい者雇用促進と社会貢献を目的として、特例子会社「住理工ジョイフル」を設立し、障がい者の積極的な雇用確保と個性を活かした就労支援に努めています。今年度は2029Vの策定を受け、国内グループ全体での雇用率向上を目指して目標を立てました。2025年度には2.70%、2029年度には3.00%の雇用を目指し取組を進めてまいります。 (図3:障がい者雇用率の推移と今後の目標)厚生労働省「高年齢者雇用状況等報告及び障害者雇用状況報告」の算出条件に基づく数値 分類施策例基盤づくり・特例子会社「住理工ジョイフル」設立[2013~]・「障がい者雇用推進会議発足(部門連係強化)」[2018]・「障がい者雇用推進PJ開始(グループ会社を含めた活動の実施、支援)」[2023~] 採用強化・採用経路の開拓(大卒インターンシップ、コーポレート部門採用)[2020~]・グループ会社採用活動支援[2022~]定着推進・障がい者受入部門のサポート体制強化(ジョブコーチや労務担当がサポート)[2020~]職域拡大・特例子会社ジョイフルから当社への出向受け入れ[2019~] ○ グローバル人材の活躍促進当社グループの全従業員の約8割は海外地域で働いており、もとより外国人と日本人をとりわけ区別して取り扱うことはありません。多種多様なバックグラウンドを持つ従業員がそれぞれの強みを発揮することで、共創による新たな価値創造を目指しています。2023年7月にはGMM(Global Management Meeting)を開催し、14ヶ国から84名が来日し対話や交流を行いました。また「リーダーシップ開発」「住友事業精神の理解促進」「ネットワーク形成」を目的に、親会社である住友電気工業㈱が主催するグローバル・リーダーシップ開発プログラムに参加しております。世界各地から集まった海外事業会社の幹部がワークショップやディスカッションを行い、また、400年を超える歴史を体感するため住友ゆかりの地を視察します。このプログラムを通じてグループ全体で人材育成と人材交流を進めています。 <参考リンク:当社ホームページ特設サイト>  ・ダイバーシティ&インクルージョン https://www.sumitomoriko.co.jp/sustainability/society/inclusion/  ・働きやすい環境に向けた制度や仕組み https://www.sumitomoriko.co.jp/sustainability/society/improvement/work.html c. 人材育成 当社グループでは「人材育成に優る事業戦略なし」との考え方のもと、当社グループの従業員として相応しい人格と知識を持ち、グローバルに活躍できる人材の育成を目指しています。その実現に向け、従業員の各キャリアステージで求められる知識やスキルを習得できる教育コンテンツを拡充し、様々な学習機会を提供しています。 ○ 全社教育体系の整備「次世代幹部候補者の選抜型教育」「グローバル人材育成」「各部門の専門教育」「全社共通教育」の4領域からなる全社教育体系を整備し、幅広く社員に教育研修を実施しています。(図4参照)2023年度は、次世代経営幹部候補者の育成に注力しました。これまでに100人以上の卒業生を輩出している「経営塾」を全面刷新し、学習範囲はリベラルアーツを含む経営リテラシー全般に広げました。変化の激しい時代においても、当社の将来像を描き、牽引していく人材づくりを目指しています。また、近い未来の役員候補者を育成するプログラム「Executive Management Program(略称:EMP)」に加え、2023年度は経営の次代を担う社員を対象とした「若手人材育成プログラム」を新たにスタートしました。抜擢された15名のメンバーが、経営戦略やマーケティング等の研修を受講しました。今後もこれらの選抜型教育プログラムによる経営幹部候補者育成をはじめとする、全社教育体系をベースとした人材教育の継続的な実践を通じて「未来を開拓する人づくり」を推進してまいります。 (図4:全社教育体系図)<参考リンク:当社ホームページ特設サイト>  ・人材育成https://www.sumitomoriko.co.jp/sustainability/society/improvement/upbringing.html ○ DX人材の育成 デジタル化による変革を牽引するDX人材の確保及び育成は当社グループにとって重要な課題の一つと位置付けており、2023年度はDX人材の定義と教育体系の構築に注力しています。DX人材を「DXコア人材」と「DXデータ人材」に層別し、それぞれに求められるスキルを設定しました。次に座学と実践を組み合わせた当社独自の教育体系を構築し、2024年度から選抜メンバーを対象にDX人材の育成を本格始動し、2025年度までに当社グループ全体で「DXコア人材200名」「DXデータ分析人材700名」の育成を目標に活動を推進してまいります。また、全社のDX推進を目的に、選抜社員と有志社員で構成される「DX推進プロジェクト」が主催する勉強会を定期的に開催しています。2022年5月に始まった勉強会はこれまでに87回開催され、延べ約8,000人が参加しました。勉強会では、DX推進に求められる思考法や知識を学ぶほか、デジタル活用の成功事例の共有や、これからの会社の在り方についての討論を行っています。加えて、ITリテラシーの底上げをすべく、約80個の動画コンテンツを全社公開しております。(例:Office操作、DX基礎理解、機械学習概論、AI学習、データサイエンス講座等)さらに、モノづくりとITの融合についても、情報システム部門による支援サービスとして16個のコンテンツを用意しており、画像処理を利用した外観検査システムの導入支援等、生産現場においてもIT基礎教育とDX推進が実際の改善に繋がるように取組を推進しております。 d. エンゲージメントエンゲージメントが高い組織やチームでは、従業員やメンバーが意欲的に仕事に取り組むことができ、生産性や創造性が促進されると当社グループでは考えています。そのため、誰もが自分の能力を十分に発揮できるよう、各々の心身の安定を図り、互いにコミュニケーションをとりながら事業を進められる環境づくりを推進しています。 ○ ビジョン浸透の取組GMM(Global Management Meeting)の中で、2029V策定において中心的な役割を担った中堅メンバーが、国内外のグループ会社の幹部層に対してビジョン策定に込めた想い等を直接説明しました。その後も、社長やビジョン策定メンバーが、国内外の事業所やグループ会社を個別に訪問し、各地で2029Vに関する説明と対話を積み重ね、ビジョン浸透の取組を推進しております。 ○ 健康経営当社グループは、2017年に制定した住友理工グループ健康経営宣言に基づき、経営トップを健康経営責任者として全社一体で健康経営を推進しています。健康経営で解決したい経営課題は主に二つで、一つ目は「従業員の心身両面における健康状態の向上」です。当社グループ従業員のプレゼンティーズム※1やアブセンティーズム※2の数値を最小限に抑えるため、国内グループ各社の産業保健窓口と健康経営方針・健康KPIを共有し、メンタル不調対応に関するグループ共通のガイドラインづくり、動画ツールを活用した健康教育の展開等、グループ一体となった取り組みを強化しています。二つ目は「従業員の生産性、エンゲージメントの向上」です。毎年4月に実施するストレスチェックで測定する「活き生き度※3」の改善に向けて役員と共に改善策を検討し、定期的に経営レベルで活動をモニタリングする等会社全体でPDCAのサイクルをまわすべく、健康投資の戦略マップや健康KPIを策定しました。現在、健康経営優良法人に8年連続で認定を受けていますが、2025年度までにホワイト500に選出されることを目標に活動を推進しています。※1 プレゼンティーズム:何らかの疾患や症状を抱えながら出勤し業務遂行能力や労働生産性が低下している状態※2 アブセンティーズム:病欠、病気休業している状態※3 活き生き度:ストレスチェックで測定している職場の活性度を示す当社独自の指標 <参考リンク:当社ホームページ特設サイト>    ・健康経営     https://www.sumitomoriko.co.jp/sustainability/society/health/ ○ 働き方改革従業員が「活き生き※1」と働くことが組織の活性化につながり、ひいては業績の向上に繋がるという考え方のもと、当社では2017年度より「活き生き5(ファイブ)活動」を実施しています。 「活き生き5活動」では、従業員一人ひとりの状況に合わせ、柔軟な働き方が可能な環境の整備に努め、「働きやすさ」の制度を拡充してきました。2023年度からは次のステージに進むべく、従業員の「働きがい」に関する情報収集や高負荷者の負荷軽減にターゲットを絞り、「活き生き5 Ver1.5」を展開しています。(図5参照) ※1 「活き生き」とは、活力あふれる「活き活き」と健康的な「生き生き」を重ねた当社独自の造語 (図5:活き生き5活動のロードマップ) 「活き生き5活動」の結果について、総労働時間は一定の効果が出ています。2023年度は経済活動がコロナ禍から正常化し、一部生産現場において高稼働な状況が続いたことから、平均総労働時間は微増の見込みですが、活動を始めた2017年度と比較し、6%の総労働時間低減を達成することができました。また有給休暇の平均取得日数についても年々取得日数が増加しております。(図6参照) (図6:総労働時間の推移及び年次有給休暇の平均取得日数) <参考リンク:当社ホームページ特設サイト> 働きやすい環境に向けた制度や仕組み https://www.sumitomoriko.co.jp/sustainability/society/improvement/work.html ○ 柔軟で強い製造現場づくりモノづくりの会社である当社グループにとって製造現場の人材力・組織力は生命線です。様々な事業領域を抱える当社では、現場の課題も多種多様であるため、人事勤労部門を中心に、個々の現場課題に寄り添った活動を推進しています。 分類施策例(直近施策のみ開始年度を付記)採用力強化(技能職) 外国籍従業員採用の強化・語学/生活サポート担当員の配置(中国語・ポルトガル語)・警察/市役所/専門機関による定期研修実施 [2024~]女性採用の強化・施設改善(休憩室やトイレの増設)・強度作業のオートメーション化・教員向け工場見学及び現場作業体験の実施 [2023~]大卒採用の開始・初任給の新設等制度整備 [2023]組織開発人材育成(職場単位) 監督者の育成・監督者の業務内容や職責の定義・最適労務構成の中長期目標策定(社員比率等)[2022]・監督者95名と面談を実施し職場ごとの課題を抽出 [2022]・育成候補者の選出と個別育成計画の策定 [2023]・個人別の成長観測指標の設定 [2023]コミュニケーションの促進・コミュニケーションに特化した360度サーベイ実施 [2022]・監督者による「はじめる行動※1」の宣言/掲示 [2022]組織風土の改善・人事ローテーションの促進 これらの取組の結果、インライン率※2が57%改善、活き生き度が24%改善する等の効果が出始めております。※1 はじめる行動:コミュニケーション改善に向けた具体的な行動を監督者がメンバーに宣言し、実行に移すことで活気のあふれる組織を目指す活動 ※2 インライン率:監督者が製造ラインに入る割合を示す当社独自の指標 ③目標及び進捗状況 重点領域主な指標実績値(2023年度)目標値(2025年度)住友事業精神幹部理念教育実施率()内は単体数値2024年度調査開始(568名 88%)100%ダイバーシティ&インクルージョン 女性管理職比率()内は単体数値14.7%(7名 1.3%)15%(2.5%)障がい者雇用率住友理工(特例子会社含む)2.70%2.70%(国内グループ会社平均)国内グループ会社平均2.54%人材育成幹部研修受講数31名100名(2023-2025年度累計)DX人材育成実績 コア人材2024年度育成開始 200名(2024-2025年度累計)データ分析人材700名(2024-2025年度累計)エンゲージメント健康経営関連指標当社ホームページ特設サイト参照働きがい2024年度調査開始予定 (注)特に記載がない限り、当社グループの数値を示しております。
事業等のリスク 3 【事業等のリスク】
当社グループの経営成績及び財政状態等に影響を及ぼす可能性のある主要なリスクには、以下のものがあります。本項における将来に関する記載は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。 (政治経済情勢・需要変動等に係るリスク)部品メーカーである当社グループの経営成績は、顧客である完成品メーカーの生産動向の影響を受けますが、特に売上高の9割以上を占める顧客である自動車メーカーの国内外での生産動向の影響を大きく受けます。中長期的には自動車メーカーを取り巻く環境の変化が当社製品の需要に影響を及ぼす可能性があります。加えて、顧客ニーズの多様化、製品ライフサイクルの短期化、グローバル化の進展による競争構造の変化等により、当社グループの経営成績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、当社グループでは、海外売上高が連結売上高の約7割を占めており、海外の政治経済や社会情勢が経営成績等に影響を与える可能性があります。 (法律・規制の変更等によるリスク)当社グループの事業は、国内外の法律・規制の変更等があった場合、その影響を完全に回避することができないため、経営成績等に影響が及ぶ可能性があります。これらの要因としては、輸出入規制や関税率の引き上げ、各国の国内及び国際間取引に係る租税制度の変更、外貨規制等があります。  (訴訟、規制当局による措置その他の法的手続きに係るリスク)当社グループは、事業を遂行するうえで、訴訟、訴訟規制当局による措置その他の法的手続により、当社グループが損害賠償請求を受け、罰金その他の制裁金を賦課され、又は事業の遂行に制約が課される可能性があります。当社グループは、これらの法的リスクを未然に防止し、また顕在化したリスクに適切に対応する体制の整備を進めていますが、かかる対応にもかかわらず、法的リスクが顕在化した場合には経営成績等への影響が及ぶ可能性があります。また、当社は海外での事業展開や新事業への進出を積極的に進めており、一方、消費者等の権利意識の高まりや国内外における競争政策、贈賄防止、移転価格、消費者保護等の分野での規制当局の法執行が積極化していることから、国内外における集団訴訟や当局の調査に対し適切に対応するために要する費用により財務負担が増加する可能性があります。 (災害等のリスク)当社グループは、地震、火災、落雷、破裂・爆発、風・雪・水災、航空機の墜落、伝染病の流行、テロその他の犯罪、内戦等により被災することにより直接・間接の損失を被る可能性があります。特に、当社グループの主要な生産・営業拠点が、東海及び東南海・南海地震の防災対策強化地域や首都直下型地震の地域に所在しているため、地震発生も想定した事業継続計画を策定するなどの対策を進めていますが、顧客、原材料等の供給元の被災、電力・情報通信・物流網等の復旧の状況等により、影響が長期化する可能性があります。 (資金調達に係るリスク)当社グループは、資金需要、金融市場環境及び調達手段のバランスを考慮し資金調達を行っています。当社グループの資金調達は、設備投資資金として長期固定金利の社債発行や長期借入による調達を中心としています。そのため、金利の短期的な変動による影響は比較的受けにくいものの、金利が中長期的に上昇した場合は、社債等による資金調達コストを上昇させ、当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。また、当社グループの借入金に係る金融機関との契約には、財務制限条項が付されているものがあります。当該財務制限条項に抵触した場合、当社グループの経営成績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (為替レートの変動によるリスク)当社グループは、在外連結子会社及び在外持分法適用関連会社の個別財務諸表を主に現地通貨ベースで作成し、連結財務諸表の作成時に円換算しています。従って、現地通貨ベースでの業績に大きな変動がない場合でも、円換算時の米国ドル、ユーロ等の為替レート変動が経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。また、中長期にわたる大幅な為替変動は、経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。 (原材料等の調達に係るリスク)当社グループの製品は、天然ゴム、合成ゴムや鋼材等を原材料として使用しています。これら原材料や副資材、燃料等の市況価格の急激な上昇等があった場合は、製品価格に適切に反映させることができず、経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。また、原材料等の供給元の倒産や罹災により、必要量の調達が困難になる可能性があります。 (知的財産に係るリスク)当社グループは、特許権、意匠権、その他の知的財産権の取得により自社技術の保護を図るとともに、他社の知的財産権に対しても注意を払っています。しかしながら、新事業分野における製品開発の増加や海外での事業活動の拡大に伴う流通経路の複雑化等により、当社グループの製品が意図せず他社の知的財産権を侵害した場合に、販売中止、設計変更等の処置をとらざるを得ない可能性があり、その場合、当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。 (保有資産の価値変動に伴うリスク)当社グループは、様々な有形固定資産や無形資産を保有しております。こうした資産は、価値の下落や、期待通りのキャッシュフローを生み出さない状況になるなど、その収益性の低下により投資額の回収が見込めなくなることにより減損処理が必要となる場合があり、減損処理した場合、経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。 (繰延税金資産の回収可能性に伴うリスク)当社グループは、将来の課税所得を合理的に見積もった上で回収可能性を判断し、繰延税金資産を計上しておりますが、実際の課税所得が予測と異なり回収可能性に疑義が生じた場合、若しくは税率の変更等を含む各国の税制の変更があった場合には、繰延税金資産の計算の見直しが必要となります。その結果として、繰延税金資産の取崩が必要となった場合には、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 (情報の流出によるリスク)当社グループは、事業遂行に関連して多くの個人情報や機密情報を有しています。これらの情報の秘密保持については必要な対策を講じていますが、不測の事態により、情報が漏洩する可能性があります。このような事態が生じた場合、事業戦略の遂行に支障が生じたり、損害拡大防止費用や損害賠償責任の負担が生じたりすることにより、当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。 (情報システム・セキュリティに係るリスク)当社グループが事業活動を行う上で、情報システム及び情報ネットワークは欠くことのできない基盤であり、構築・運用に当たっては十分なセキュリティの確保に努めていますが、ハッカーやコンピュータウイルスによる攻撃、不正使用やインフラ障害等により、当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。 (製品の欠陥によるリスク)当社グループは、全社的な品質管理の体制を構築・運用することにより、製品の品質保持に万全の注意を払っていますが、予期せぬ事態により、大規模な市場回収や製造物責任による賠償費用等の負担が生じる可能性があります。また、顧客との間での品質問題に関する交渉等のために要する費用の負担により、経営成績等に影響を与える可能性があります。 (人事・労務に係るリスク)当社グループは、事業領域の拡大やグローバル化に対応するため、人材確保・人材育成に努めていますが、事業領域・規模の拡大や新規事業への投資等に伴いグループの人員が増加していることから、人材不足や人事・労務問題が生じた場合には、当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。 (新事業展開によるリスク)当社グループは、「2029年 住友理工グループVision」で定めたありたい姿「理工のチカラを起点に、社会課題の解決に向けてソリューションを提供し続ける、リーディングカンパニー」に向けて、コアコンピタンスである「高分子材料技術」「総合評価技術」を軸に既存事業の強化と新規事業の展開を進めております。特に新規事業には既存事業と異なる事業リスクが存在するため、事業化の検討の各段階において必要に応じて外部専門家の意見も取り入れ、十分な調査に基づく慎重な判断を行うものとしています。しかしながら、当社グループは新規事業分野での十分な事業経験を有していないことから、事業化の遅延やマーケティング手法の不備等の原因で投資回収の遅延や不能が生じ、経営成績等に影響を与える可能性があります。また、同様の理由から、既存事業と比べ、訴訟、規制当局による措置その他の法的手続きに係るリスクが高まる可能性があります。
経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の概況並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末において判断したものであります。 (1) 重要な会計方針及び見積り当社グループの連結財務諸表は、「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」第93条の規定によりIFRSに準拠して作成しております。この連結財務諸表の作成にあたって、必要と思われる見積りは、合理的な基準に基づいて実施しております。なお、当社グループの連結財務諸表で採用する重要性がある会計方針、重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 3.重要性がある会計方針 4.重要な会計上の見積り及び判断」に記載しております。
(2) 経営成績当連結会計年度における世界経済は、経済活動の正常化が進みました。一方で、長期化する世界的な物価の高止まりや金融引き締めに伴う為替変動に加え、中国をはじめとする景気の減速、ウクライナや中東地域における地政学的リスクにより、依然として先行き不透明な状況が続いています。 当社グループの事業に関する業界について、主に自動車市場においては原燃料価格や人件費等の高騰影響を受けながらも、供給制約の緩和と堅調な需要により、主要顧客の生産台数は高水準で推移しました。このような中、当社グループでは「2029年住友理工グループVision」(2029V)で定めた、ありたい姿「理工のチカラを起点に、社会課題の解決に向けてソリューションを提供し続ける、リーディングカンパニー」への変革に向けて、3ヶ年の事業計画である「2025年住友理工グループ中期経営計画」(2025P)に基づき、事業活動を推進しております。当連結会計年度における連結業績については、売上高は615,449百万円(前期比13.8%増)、事業利益は37,033百万円(前期比107.2%増)、営業利益は33,977百万円(前期比105.2%増)、税引前当期利益は30,805百万円(前期比106.6%増)、親会社の所有者に帰属する当期利益は18,641百万円(前期比178.9%増)となりました。 ※事業利益は、売上高から売上原価、販売費及び一般管理費を控除し、持分法による投資損益を含めて算出しております。 各セグメントの業績は、次のとおりです。<自動車用品>外部顧客への売上高は、前年同期における顧客の減産からの回復や、円安の進行による為替換算の影響もあり、559,516百万円(前期比16.5%増)となりました。事業利益は、販売数量増加や原燃料価格高騰分の一部価格転嫁などにより、34,383百万円(前期比132.7%増)となりました。 <一般産業用品>外部顧客への売上高は、55,933百万円(前期比7.9%減)となりました。高圧ホース及びプリンター向け機能部品は主要顧客の生産台数減少により、減収となりました。事業利益については、原燃料価格高騰分の価格転嫁が進んでいるものの、売上減少により、2,650百万円(前期比14.4%減)となりました。 事業セグメント別実績(百万円、増減率%) 外部顧客への売上高事業利益 日本米州アジア欧州その他合計2022年度 自動車用品124,712145,445153,36056,764480,28114,774一般産業用品42,53723617,41554160,7293,096合計167,249145,681170,77557,305541,01017,8702023年度 自動車用品150,386181,870161,19166,068559,51634,383一般産業用品41,28628513,82753555,9332,650合計191,672182,155175,01966,604615,44937,033増減率 自動車用品+20.6+25.0+5.1+16.4+16.5+132.7一般産業用品-2.9+20.7-20.6-1.1-7.9-14.4合計+14.6+25.0+2.5+16.2+13.8+107.2 生産、受注及び販売の実績は、次のとおりであります。当社グループの生産・販売品目は広範囲かつ多種多様であり、同種の製品であっても、その容量、構造、形式等は必ずしも一様ではなく、また受注生産形態をとらない製品も多く、セグメントごとに生産規模及び受注規模を金額あるいは数量で示すことはしておりません。このため生産、受注の状況については、セグメントの業績に関連付けて示しております。 販売実績当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。 セグメントの名称当連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)前年同期比(%)自動車用品(百万円)559,51616.5一般産業用品(百万円)55,933-7.9合計(百万円)615,44913.8
(注) 1.セグメント間の取引19,625百万円については相殺消去しております。   2.主な相手先の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。相手先前連結会計年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)当連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)金額割合金額割合トヨタ自動車㈱百万円%百万円%58,82410.977,86312.7 (3) 財政状態<資産>資産合計は、441,764百万円(前連結会計年度末比21,756百万円増)となりました。流動資産は239,169百万円(前連結会計年度末比14,053百万円増)となりました。これは、現金及び同等物が12,514百万円増加したこと、営業債権及びその他の債権が1,358百万円増加したことによるものです。非流動資産は202,595百万円(前連結会計年度末比7,703百万円増)となりました。これは、退職給付に係る資産が2,580百万円増加したことによるものです。 <負債>負債合計は、219,307百万円(前連結会計年度末比11,035百万円減)となりました。これは主に、社債及び借入金が21,863百万円減少したことによるものです。 <資本>資本合計は、222,457百万円(前連結会計年度末比32,791百万円増)となりました。これは主に、利益剰余金が18,893百万円増加したことによるものです。親会社所有者帰属持分比率は44.4%(前連結会計年度末は39.8%)となりました。 (4) キャッシュ・フロー① キャッシュ・フロー当連結会計年度における連結キャッシュ・フローの状況につきましては、営業活動により68,547百万円の増加、投資活動により24,145百万円の減少、財務活動により32,407百万円の減少、現金及び現金同等物に係る換算差額により519百万円の増加の結果、当連結会計年度末には42,008百万円となり、前連結会計年度末(29,494百万円)に比べ12,514百万円(42.4%)の増加となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。 (営業活動によるキャッシュ・フロー)営業活動により得られた資金は、前連結会計年度(33,339百万円)に比べ35,208百万円増加し、68,547百万円となりました。これは、税引前当期利益が15,897百万円増加したことや、営業債権及びその他の債権の増減が9,183百万円増加したことなどによるものです。 (投資活動によるキャッシュ・フロー)投資活動により使用した資金は、前連結会計年度(25,512百万円)に比べ1,367百万円減少し、24,145百万円となりました。これは、有形固定資産及び無形資産の売却による収入が3,303百万円増加したことなどによるものです。 (財務活動によるキャッシュ・フロー)財務活動により使用した資金は、前連結会計年度(8,906百万円)に比べ23,501百万円増加し、32,407百万円となりました。これは、短期借入金及びコマーシャル・ペーパー純増減額が23,340百万円減少したことなどによるものです。 ② 資本の財源及び資金の流動性(財務政策)当社グループは、「2029年 住友理工グループVision」で設定したROIC、ROE等の目標達成のため、成長投資管理の強化に加え、運転資金を継続的に効率運用することにより資産回転率の向上を目指します。また、親会社所有者帰属持分比率50%以上を中長期的に維持することを財務規律のガイドラインとしています。これにより、営業キャッシュ・フロー増加のため成長投資を推進する局面でも財務安定性を確保しています。なお、当連結会計年度末において、㈱日本格付研究所より「A(長期)、J-1(短期)」の信用格付を取得しております。 (資金需要)当社グループの資金需要のうち主なものは、事業運営に必要な設備資金や運転資金です。また、企業価値向上の源泉となる営業活動によるキャッシュ・フローの増加を支える成長投資管理は、住友理工グループ投資採算基準と、投資後の事業環境変化への迅速な対応の仕組み及び財務規律ガイドラインにより実施しています。 (資金調達)当社グループの必要資金については、自己資金の充当及び金融機関からの借入、コマーシャル・ペーパーや社債発行等により、調達しております。なお、突発的な資金需要の発生や市場の流動性が著しく低下したときなどの緊急的な事態に備えてコミットメントラインを設定しております。 (5) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因や当該事項への対応については、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりであります。 (6) 経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等当社グループは、「売上高」、「事業利益」、「ROIC」、「ROE」、「配当性向」を重要な指標として位置付けております。2024年5月31日に更新した中期経営計画「2025年 住友理工グループ中期経営計画」においては、2025年度の目標として、売上高620,000百万円、事業利益32,000百万円、ROIC10%以上、ROE9%以上、配当性向30%以上をそれぞれ掲げております。当連結会計年度は、販売数量増加や原燃料価格高騰分の一部価格転嫁等により、売上高615,449百万円、事業利益37,033百万円、営業利益33,977百万円となりました。中期経営計画における目標達成に向けて、「第2 事業の状況1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (1)経営方針・経営戦略等」に記載の施策に取り組んでいきます。
経営上の重要な契約等 5 【経営上の重要な契約等】
該当事項はありません。
研究開発活動 6 【研究開発活動】
当社グループは、事業を取り巻く環境がダイナミックに変化する中、将来に向けて持続的に成長・発展するために新事業の創出が不可欠であることから、当社グループのコア技術である高分子材料技術と総合評価技術をベースに技術領域の融合・協業を推進し、スピーディーな新技術の創出とタイムリーな商品開発を目指しています。2023年5月末に発表した、「2029年 住友理工グループVision」に基づき、パーパスである「素材の力を引き出し、社会の快適をモノづくりで支える」に沿って、社会に価値を提供し続けてまいります。研究開発にあたっては、主に、新機能・高品質の材料設計開発を担う材料技術統括部と、当社グループのコア技術の深化、シミュレーション等を活用したデータ駆動型開発の体制構築を担う基盤材料開発研究所で進めています。研究テーマとしては、環境対応、新事業創出、既存製品性能向上、コア技術等を掲げており、その中でも、CE(サーキュラーエコノミー)への取り組みとしては、2022年からランザテック社と廃棄物の回収・再利用といった循環型社会の実現を目指した協業を進めています。また2023年からは同活動に対して、住友ゴム工業㈱・住友電気工業㈱にも協業の輪が広がり、サステナブルな社会の実現に向けた取り組みを加速させています。各事業部門では、「自動車(モビリティ)」「エレクトロニクス」「インフラ・住環境」「ヘルスケア」に該当する新製品の研究開発を実施しているほか、2020年4月には品種別に分かれていた開発センター等を統合した「新商品開発センター」を設置しました。開発領域の選択と集中を実施しつつ、開発のスピードアップと早期事業化を図っています。さらに、親会社である住友電気工業㈱との連携をより一層強化し、グループ全体での製品開発を進めていきます。なお、当連結会計年度における当社グループ全体の研究開発費の総額は16,758百万円であります。 セグメント別の研究開発活動を示すと、次のとおりであります。① 自動車用品自動車(モビリティ)分野においては、CASEといった技術革新への迅速な対応にとどまらず、サステナブル社会の実現に向けて、環境問題をはじめとする社会課題解決への積極的な関与が求められています。「防振」「自動車用ホース」「ウレタン」の3事業本部とファインエラストマー事業部では、NVH(騒音、細かい振動、衝撃音)を中心としたOEMメーカーの要求スペックやエンドユーザーのニーズに適合する製品やCASEに関する技術等について、研究開発・技術確立を進めています。また、設計から量産工程まで一貫したDXを推進しており、そのひとつとして、長年にわたり蓄積したデータをもとにした独自の加硫シミュレーション技術確立に取り組んでいます。この技術を用いることで、設計段階において量産時のばらつきを考慮した高品質な製品を設計する事ができるため、製造工程ではより競争力の高い生産が可能となります。さらに、グローバルでの水平展開によって、グループ全体でのスマート工場の実現を目指します。新商品開発センターでは、圧力の検知により、生体情報(心拍成分や呼吸成分等によるバイタルデータ)を推定することが可能な当社独自開発の「スマートラバー(SR)センサ」を応用し、SRセンサを座席に設置する「モニライフ・モビリティ(ドライバーモニタリングシステム)」を開発中です。上市を見据え、国立研究開発法人 産業技術総合研究所(産総研)と「住友理工-産総研 先進高分子デバイス連携研究室」を2020年10月に設立し、テストコース(茨城県つくば市)を活用した実証実験を通し、両社の知見を生かしながら、新たな技術・製品の開発を加速させています。また、電気自動車(EV)や燃料電池自動車(FCV)向けの基幹部品についても、次世代車種を見据えた研究開発を継続実施しております。EVで注目される熱マネジメントへの対応製品においては、車室内の断熱効果を高める薄膜高断熱材「ファインシュライト®」を2020年9月に発売しました。省エネや環境負荷低減に貢献できる製品で、さらなる技術開発を進めています。他にも、EV用の電池をはじめとする部品の熱マネジメントへの対応として、冷却系ホースや電池用断熱材、バッテリー冷却板等を開発し、受注に向けた取り組みを進めています。親会社の住友電気工業㈱とは、同社の主力製品であるワイヤーハーネスと、当社の制遮音品や内装品、ホース等の製品とを組み合わせたシステムの提案等をはじめとして、さらなる協業体制の構築を目指していきます。当連結会計年度における自動車用品に係る研究開発費は、15,003百万円であります。 ② 一般産業用品エレクトロニクス分野においては、環境面で注目される水現像フレキソ版材や、高機能、高精度部品の材料開発を進めています。インフラ・住環境分野では、鉄道車両用防振ゴム・高圧ホース等のコア技術の強化・再構築を図るとともに、住宅市場でのさらなる事業展開を継続し、事業体質の強化・新規事業の創出を図っています。ヘルスケア分野では、SRセンサを応用した「モニライフシリーズ」が令和5年度中部地方発明表彰「文部科学大臣賞」と、令和5年度愛知発明表彰「発明奨励賞」を受賞しました。本製品を用いて、宿泊業界では宿泊者の睡眠状態を「見える化」するサービスの導入や、ルームマネジメントシステムと連携させて、照明や空調の自動制御を行うことで、質の高い睡眠環境の提供が検討されています。また、2015年12月に九州大学及び糸島市(福岡県)との間で3者協定を締結し、フレイル*予防に関する研究を進めてきました。この成果をもとに、小牧本社・製作所がある愛知県小牧市においても、2021年1月に小牧市と協定を締結のうえ、フレイル予防を推進しています。医療機関や研究開発機関、介護施設や企業等への当社製品・サービスの提供を通じて、ヘルスケア分野での新たな製品開発につなげ、人々の暮らしへのさらなる貢献を目指していきます。一方、「ファインシュライト®」は、その断熱性能が認められ、令和4年度愛知発明表彰「愛知発明賞」を受賞しました。自動車に先んじてフードデリバリー専用の温熱シートやコロナワクチンの定温輸送用ボックス、アウトドア用品にも当社製品が採用されました。今後も継続して新たな製品用途の拡大と協業パートナーの探索を目指し、展開・拡販を取り組んでいます。このほか、インテグリカルチャー㈱が主宰する細胞農業オープンイノベーションプラットホームへの参画や、㈱ギンレイラボと共同開発を行っている動物実験代替ツール「生体模倣システム」については、基本技術の確立が進んだことで順調に試作品受注を獲得するなど、新たな事業共創に向けて積極的に取り組みを進めています。当連結会計年度における一般産業用品に係る研究開発費は、1,755百万円であります。※「フレイル」とは、加齢とともに身体機能や認知機能が低下して虚弱となった状態のこと。
設備投資等の概要 1 【設備投資等の概要】
当連結会計年度における設備投資は、全体で29,093百万円(有形固定資産及び無形資産受入ベースの数値)でありました。自動車用品事業では、当社及び海外子会社の自動車用防振ゴム、ホースの生産設備を中心に25,291百万円の投資を行いました。一般産業用品事業では、当社及び国内子会社の精密樹脂製品生産設備を中心に3,802百万円の投資を行いました。なお、当連結会計年度において、重要な設備の除却、売却等はありません。
主要な設備の状況 2 【主要な設備の状況】
当社及び連結子会社における主要な設備は、以下のとおりであります。なお、IFRSに基づく帳簿価額にて記載しております。(1) 提出会社(2024年3月31日現在)事業所名(所在地)セグメントの名称設備の内容帳簿価額(百万円)従業員数(名)建物及び構築物機械装置及び運搬具土地(面積千㎡)使用権資産その他合計本社及び小牧製作所(愛知県小牧市 及び名古屋市)自動車用品、一般産業用品及び全社(共通)防振ゴム、ホース及びその他の生産設備9,18810,2763,254(351)9634,37228,0542,416(530)松阪事業所(三重県松阪市)自動車用品ホースの生産設備1,5261,2961,161(66)431914,216405(89)富士裾野製作所(静岡県裾野市)一般産業用品樹脂製品の生産設備85634828(0)761091,417129(28)埼玉事業所(埼玉県上尾市)自動車用品ゴムシール材の生産設備1,7021,643647(20)-1,0415,034281(62)
(注) 本社及び小牧製作所の土地には、㈱住理工九州に賃貸している土地710百万円(57千㎡)が含まれております。
(2) 国内子会社(2024年3月31日現在)会社名事業所名 (所在地)セグメントの名称 設備の内容帳簿価額(百万円)従業員数(名)建物及び構築物機械装置及び運搬具土地(面積千㎡)使用権資産その他合計東海化成工業㈱本社(岐阜県可児郡)自動車用品制遮音、内装品の生産設備1,2051,074961(51)1461,0024,387507(124)㈱住理工大分AE本社(大分県 豊後高田市)一般産業用品精密樹脂ブレード・ロールの生産設備1,6461,5901,138(115)48674,490236(5) (3) 在外子会社(2024年3月31日現在)会社名事業所名(所在地)セグメントの名称設備の内容帳簿価額(百万円)従業員数(名)建物及び構築物機械装置及び運搬具土地(面積千㎡)使用権資産その他合計SumiRiko Tennessee,Inc. 本社等(米国テネシー州)自動車用品防振ゴム、ホースの生産設備4,5293,85482(444)5101,54110,5151,292(465)S-Riko deQuerétaro,S.A.P.I. deC.V.本社(メキシコ ケレタロ州)自動車用品防振ゴムの生産設備2,6962,500786(102)-8936,8751,088(-)東海橡塑(天津)有限公司本社(中国天津市)自動車用品防振ゴム、ホースの 生産設備9302,550-(-)3151,0244,8191,288(-)東海橡塑(嘉興)有限公司本社(中国浙江省 嘉興市)自動車用品防振ゴムの生産設備1,4674,733-(-)1201,5777,8961,062(-)東海橡塑(合肥)有限公司本社(中国安徽省 合肥市)一般産業用品高圧ホース・搬送用ホースの生産設備1,2132,260-(-)1982233,894489(-)東海橡塑 (広州)有限公司本社(中国広東省 広州市)自動車用品防振ゴム、ホースの生産設備6653,491-(-)2931,6036,0511,249(-)SumiRikoEastern Rubber(Thailand)Ltd. 本社等(タイ ラヨン県)自動車用品防振ゴム、ホースの生産設備467807713(137)4121,1533,5521,191(-)SumiRiko Poland Sp. z o.o.本社等(ポーランド マウォポルスカ県)自動車用品防振ゴムの生産設備2,7442,21638(81)773775,4511,192(-)SumiRiko Italy S.p.A.本社等(イタリア ピエモンテ州)自動車用品ホースの生産設備1,3852,599309(27)185844,562503(7)
(注) 1.帳簿価額のうち「その他」は、工具、器具及び備品、建設仮勘定の合計であります。なお、金額には消費税等は含まれておりません。2.現在休止中の主要な設備はありません。3.従業員数は、就業人員であります。また、( )は、臨時雇用者数を外書しております。
設備の新設、除却等の計画 3 【設備の新設、除却等の計画】
(1) 重要な設備の新設等重要な設備の新設等の計画はありません。
(2) 重要な設備の除却等経常的な設備の更新のための除却等を除き、重要な設備の除却等の計画はありません。
研究開発費、研究開発活動1,755,000,000
設備投資額、設備投資等の概要3,802,000,000

Employees

平均年齢(年)、提出会社の状況、従業員の状況41
平均勤続年数(年)、提出会社の状況、従業員の状況16
平均年間給与、提出会社の状況、従業員の状況6,644,000
管理職に占める女性労働者の割合、提出会社の指標0
全労働者、労働者の男女の賃金の差異、提出会社の指標1
正規雇用労働者、労働者の男女の賃金の差異、提出会社の指標1
非正規雇用労働者、労働者の男女の賃金の差異、提出会社の指標1

Investment

株式の保有状況 (5) 【株式の保有状況】
① 投資株式の区分の基準及び考え方区分考え方政策保有株式銘柄先との長期的・安定的な関係の維持・強化、事業戦略上のメリットの享受等がはかられ、対象先及び当社の企業価値の向上に資すると判断し、保有する株式(主に持合い株) 純投資株式専ら株式の価値の変動又は配当の受領によって利益を得ることを目的とする株式 ② 保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式a.保有方針及び保有の合理性を検証する方法並びに個別銘柄の保有の適否に関する取締役会等における検証の内容当社は、政策保有目的で上場株式を保有する場合は、保有の目的が当社の中長期的な企業価値向上の観点から合理性があり、かつその株式数、リターン及び当該株式発行会社との関係が、当該保有目的に照らして妥当なものであることを要するものとしています。政策保有株式を取得又は処分する場合は、一定規模以上のものについて常務執行役員以上で構成される経営会議又は取締役会に付議又は報告するものとしています。その場合においては、保有のねらい・合理性について具体的な説明を行います。保有中の個別の政策保有株式については、保有目的に鑑み、毎年定期的にリターンとリスク、資本コスト等を踏まえた中長期的な経済合理性や将来の見通しの検証を行い、その結果を取締役会に報告するものとしています。2023年度においても、個別の政策保有株式につき、上記の目的・観点及び取引状況を踏まえて精査し、取締役会にて保有の適否を検証しました。保有中の政策保有株式に対する議決権行使は、その保有目的の達成に資するかという観点により判断します。 b.銘柄数及び貸借対照表計上額 銘柄数(銘柄)貸借対照表計上額の合計額(百万円)非上場株式24268非上場株式以外の株式2162 (当事業年度において株式数が増加した銘柄) 銘柄数(銘柄)株式数の増加に係る取得価額の合計額(百万円)株式数の増加の理由非上場株式―――非上場株式以外の株式――― (当事業年度において株式数が減少した銘柄) 銘柄数(銘柄)株式数の減少に係る売却価額の合計額(百万円)非上場株式――非上場株式以外の株式―― c.特定投資株式及びみなし保有株式の銘柄ごとの株式数、貸借対照表計上額等に関する情報特定投資株式銘柄当事業年度前事業年度保有目的、業務提携等の概要、定量的な保有効果及び株式数が増加した理由当社の株式の保有の有無株式数(株)株式数(株)貸借対照表計上額(百万円)貸借対照表計上額(百万円)住友不動産㈱21,50021,500(保有目的、業務提携等の概要)制振システム関連の取引を行っており、営業上の取引関係の維持・強化のために保有しております。(定量的な保有効果)(注1) 無12564東海旅客鉄道㈱(注2)10,0002,000(保有目的、業務提携等の概要)鉄道車両用部品関連の取引を行っており、営業上の取引関係の維持・強化のために保有しております。(定量的な保有効果)(注1)無3732 (注1)定量的な保有効果については記載が困難であります。保有の合理性は、2024年3月31日を基準として、リスクとリターン、資本コスト等を踏まえた中長期的な経済合理性や将来の見通しについて検証しております。(注2)東海旅客鉄道㈱は、2023年10月1日付で、普通株式1株につき5株の割合で株式分割しております。 ③ 保有目的が純投資目的である投資株式  該当事項はありません。
銘柄数、非上場株式、保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式、提出会社24
貸借対照表計上額、非上場株式、保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式、提出会社268,000,000
銘柄数、非上場株式以外の株式、保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式、提出会社2
貸借対照表計上額、非上場株式以外の株式、保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式、提出会社162,000,000
株式数、保有目的が純投資目的以外の目的である特定投資株式の明細、提出会社10,000
貸借対照表計上額、保有目的が純投資目的以外の目的である特定投資株式の明細、提出会社37,000,000
銘柄、保有目的が純投資目的以外の目的である特定投資株式の明細、提出会社東海旅客鉄道㈱
保有目的、業務提携等の概要、定量的な保有効果及び株式数が増加した理由、保有目的が純投資目的以外の目的である特定投資株式の明細、提出会社(保有目的、業務提携等の概要)鉄道車両用部品関連の取引を行っており、営業上の取引関係の維持・強化のために保有しております。(定量的な保有効果)(注1)
当該株式の発行者による提出会社の株式の保有の有無、保有目的が純投資目的以外の目的である特定投資株式の明細、提出会社

Shareholders

大株主の状況 (6) 【大株主の状況】
(2024年3月31日現在)
氏名又は名称住所所有株式数 (千株)発行済株式(自己株式を除く。)の総数に対する所有株式数の割合(%)
住友電気工業㈱大阪市中央区北浜四丁目5番33号51,53449.64
マルヤス工業㈱名古屋市昭和区白金二丁目7番11号10,90110.50
日本マスタートラスト信託銀行㈱(信託口)東京都港区赤坂一丁目8番1号4,2104.06
住友理工共栄持株会名古屋市中村区名駅一丁目1番1号3,1263.01
フコク物産㈱東京都大田区大森西二丁目32番7号2,7192.62
㈱日本カストディ銀行(信託口)東京都中央区晴海一丁目8番12号2,0852.01
住友理工社員持株会名古屋市中村区名駅一丁目1番1号2,0021.93
MSIP CLIENT SECURITIES(常任代理人 モルガン・スタンレーMUFG証券㈱)25 CABOT SQUARE, CANARY WHARF, LONDON E14 4QA, U.K.(東京都千代田区大手町一丁目9番7号)1,2521.21
BNP PARIBAS LUXEMBOURG/2S/JASDEC/FIM /LUXEMBOURGFUNDS/UCITS ASSETS(常任代理人 香港上海銀行東京支店)33 RUE DE GASPERICH, L-5826 HOWALD- HESPERANGE, LUXEMBOURG(東京都中央区日本橋三丁目11番1号)9050.87
STATE STREET BANK AND TRUST COMPANY 505223(常任代理人 ㈱みずほ銀行)P.O.BOX 351 BOSTON MASSACHUSETTS 02101 U.S.A.(東京都港区港南二丁目15番1号)8360.81計79,57076.66
株主数-金融機関14
株主数-金融商品取引業者33
株主数-外国法人等-個人27
株主数-外国法人等-個人以外165
株主数-個人その他5,897
株主数-その他の法人393
株主数-計6,529
氏名又は名称、大株主の状況STATE STREET BANK AND TRUST COMPANY 505223(常任代理人 ㈱みずほ銀行)
株主総利回り2
株主総会決議による取得の状況 (1) 【株主総会決議による取得の状況】
該当事項はありません。
株主総会決議又は取締役会決議に基づかないものの内容 (3) 【株主総会決議又は取締役会決議に基づかないものの内容】
区分株式数(株)価額の総額(円)当事業年度における取得自己株式545514,837 当期間における取得自己株式--
(注) 当期間における取得自己株式には、2024年6月1日からのこの有価証券報告書提出日までの単元未満株式の買取りによる株式は含まれておりません。

Shareholders2

自己株式の取得-1,000,000

Audit

監査法人1、連結有限責任 あずさ監査法人
独立監査人の報告書、連結 独立監査人の監査報告書及び内部統制監査報告書 2024年6月20日住友理工株式会社取締役会 御中 有限責任 あずさ監査法人 名古屋事務所 指定有限責任社員 業務執行社員 公認会計士森  本  泰  行 指定有限責任社員 業務執行社員 公認会計士金  原  正  英 <連結財務諸表監査>監査意見当監査法人は、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づく監査証明を行うため、「経理の状況」に掲げられている住友理工株式会社の2023年4月1日から2024年3月31日までの連結会計年度の連結財務諸表、すなわち、連結財政状態計算書、連結損益計算書、連結包括利益計算書、連結持分変動計算書、連結キャッシュ・フロー計算書及び連結財務諸表注記について監査を行った。当監査法人は、上記の連結財務諸表が、「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」第93条により規定された国際会計基準に準拠して、住友理工株式会社及び連結子会社の2024年3月31日現在の財政状態並びに同日をもって終了する連結会計年度の経営成績及びキャッシュ・フローの状況を、全ての重要な点において適正に表示しているものと認める。 監査意見の根拠当監査法人は、我が国において一般に公正妥当と認められる監査の基準に準拠して監査を行った。監査の基準における当監査法人の責任は、「連結財務諸表監査における監査人の責任」に記載されている。当監査法人は、我が国における職業倫理に関する規定に従って、会社及び連結子会社から独立しており、また、監査人としてのその他の倫理上の責任を果たしている。当監査法人は、意見表明の基礎となる十分かつ適切な監査証拠を入手したと判断している。 監査上の主要な検討事項監査上の主要な検討事項とは、当連結会計年度の連結財務諸表の監査において、監査人が職業的専門家として特に重要であると判断した事項である。監査上の主要な検討事項は、連結財務諸表全体に対する監査の実施過程及び監査意見の形成において対応した事項であり、当監査法人は、当該事項に対して個別に意見を表明するものではない。固定資産に関する減損テストの妥当性監査上の主要な検討事項の内容及び決定理由監査上の対応住友理工株式会社の当連結会計年度の連結財政状態計算書において、有形固定資産、無形資産、使用権資産及びのれんを計上しており、その合計額171,615百万円は、連結総資産の39%を占めている。また、連結財務諸表注記「13.非金融資産の減損」に記載のとおり、住友理工株主会社の当連結会計年度の連結損益計算書において、814百万円の減損損失を計上している。継続的に営業損益がマイナスとなっている資金生成単位は、減損の兆候があると判定され、連結財務諸表注記「3.重要性がある会計方針(10)非金融資産の減損」及び「4.重要な会計上の見積り及び判断」に記載のとおり、会社は使用価値及び処分コスト控除後の公正価値による回収可能価額に基づき、減損テストを実施している。回収可能価額は、資産又は資金生成単位の処分コスト控除後の公正価値とその使用価値のうち高い方の金額で算定している。当連結会計年度の回収可能価額の測定に当たっては、処分コスト控除後の公正価値を採用している。また、処分コスト控除後の公正価値の評価については、評価手法モデルの選択等に当たり、評価に関する高度な専門知識を必要とする。以上から、当監査法人は、固定資産に関する減損テストの妥当性が、当連結会計年度の連結財務諸表監査において特に重要であり、監査上の主要な検討事項に該当すると判断した。当監査法人は、固定資産に関する減損テストの妥当性を評価するため、国内の資金生成単位については、主に以下の手続を実施した。 (1)内部統制の評価・固定資産の減損テストに関連する内部統制の整備及び運用状況の有効性を評価した。 (2)資産又は資金生成単位の処分コスト控除後の公正価値の評価・不動産及び動産の公正価値の評価について、当監査法人が属する国内ネットワークファームの評価の専門家を利用し、算定方法の合理性を評価した。 また、海外の連結子会社については、各子会社の監査人に監査の実施を指示し、その結果の報告を受けた上で、十分かつ適切な監査証拠が入手されているか否かについて評価した。評価に当たっては、以下の検討が実施されているかに留意した。 (1)内部統制の評価・固定資産の減損テストに関連する内部統制の整備及び運用状況の有効性が評価されていること。 (2)資産又は資金生成単位の処分コスト控除後の公正価値の評価・不動産及び動産の公正価値の評価について、評価の専門家を利用し、算定方法の合理性が評価されていること。 製品保証引当金の見積りの合理性監査上の主要な検討事項の内容及び決定理由監査上の対応連結財務諸表注記「3.重要性がある会計方針(12)引当金及び偶発負債」及び「16.引当金」に記載のとおり、住友理工株式会社の当連結会計年度の連結財政状態計算書において、製品保証引当金2,698百万円を計上している。このうち、住友理工株式会社の貸借対照表において、製品保証引当金2,395百万円を計上している。会社は、販売した製品の品質保証費用の支出に備えるため、将来発生しうる見込額について、過去の発生実績に基づいて見積もるほか、個々の案件について対象製品の数量、対象製品あたりの対応諸費用、負担割合等に基づき算定している。負担割合は、顧客との交渉結果の見積りを行う必要があることから、見積りの不確実性は高く、経営者による判断が製品保証引当金の計上額に重要な影響を及ぼす。以上から、当監査法人は、製品保証引当金の見積りの合理性が、当連結会計年度の連結財務諸表監査において特に重要であり、監査上の主要な検討事項に該当すると判断した。当監査法人は、製品保証引当金の見積りの合理性を評価するため、主に以下の監査手続を実施した。 (1)内部統制の評価・製品保証引当金の見積りに関連する内部統制の整備及び運用状況の有効性を評価した。 (2)製品保証引当金の見積りの合理性の評価・製品不具合の概要、顧客との交渉状況について、関連部門の責任者へ質問するとともに、取締役会議事録及び関連資料の閲覧により把握し、製品保証引当金の見積方法、経営者の仮定の合理性を検討した。・対象製品の数量、対象製品あたりの対応諸費用、負担割合について、顧客との交渉資料、計算根拠資料との照合を行った。 その他の記載内容その他の記載内容は、有価証券報告書に含まれる情報のうち、連結財務諸表及び財務諸表並びにこれらの監査報告書以外の情報である。経営者の責任は、その他の記載内容を作成し開示することにある。また、監査役及び監査役会の責任は、その他の記載内容の報告プロセスの整備及び運用における取締役の職務の執行を監視することにある。当監査法人の連結財務諸表に対する監査意見の対象にはその他の記載内容は含まれておらず、当監査法人はその他の記載内容に対して意見を表明するものではない。連結財務諸表監査における当監査法人の責任は、その他の記載内容を通読し、通読の過程において、その他の記載内容と連結財務諸表又は当監査法人が監査の過程で得た知識との間に重要な相違があるかどうか検討すること、また、そのような重要な相違以外にその他の記載内容に重要な誤りの兆候があるかどうか注意を払うことにある。当監査法人は、実施した作業に基づき、その他の記載内容に重要な誤りがあると判断した場合には、その事実を報告することが求められている。その他の記載内容に関して、当監査法人が報告すべき事項はない。 連結財務諸表に対する経営者並びに監査役及び監査役会の責任経営者の責任は、国際会計基準に準拠して連結財務諸表を作成し適正に表示することにある。これには、不正又は誤謬による重要な虚偽表示のない連結財務諸表を作成し適正に表示するために経営者が必要と判断した内部統制を整備及び運用することが含まれる。連結財務諸表を作成するに当たり、経営者は、継続企業の前提に基づき連結財務諸表を作成することが適切であるかどうかを評価し、国際会計基準に基づいて継続企業に関する事項を開示する必要がある場合には当該事項を開示する責任がある。監査役及び監査役会の責任は、財務報告プロセスの整備及び運用における取締役の職務の執行を監視することにある。 連結財務諸表監査における監査人の責任監査人の責任は、監査人が実施した監査に基づいて、全体としての連結財務諸表に不正又は誤謬による重要な虚偽表示がないかどうかについて合理的な保証を得て、監査報告書において独立の立場から連結財務諸表に対する意見を表明することにある。虚偽表示は、不正又は誤謬により発生する可能性があり、個別に又は集計すると、連結財務諸表の利用者の意思決定に影響を与えると合理的に見込まれる場合に、重要性があると判断される。監査人は、我が国において一般に公正妥当と認められる監査の基準に従って、監査の過程を通じて、職業的専門家としての判断を行い、職業的懐疑心を保持して以下を実施する。・不正又は誤謬による重要な虚偽表示リスクを識別し、評価する。また、重要な虚偽表示リスクに対応した監査手続を立案し、実施する。監査手続の選択及び適用は監査人の判断による。さらに、意見表明の基礎となる十分かつ適切な監査証拠を入手する。・連結財務諸表監査の目的は、内部統制の有効性について意見表明するためのものではないが、監査人は、リスク評価の実施に際して、状況に応じた適切な監査手続を立案するために、監査に関連する内部統制を検討する。・経営者が採用した会計方針及びその適用方法の適切性、並びに経営者によって行われた会計上の見積りの合理性及び関連する注記事項の妥当性を評価する。・経営者が継続企業を前提として連結財務諸表を作成することが適切であるかどうか、また、入手した監査証拠に基づき、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況に関して重要な不確実性が認められるかどうか結論付ける。継続企業の前提に関する重要な不確実性が認められる場合は、監査報告書において連結財務諸表の注記事項に注意を喚起すること、又は重要な不確実性に関する連結財務諸表の注記事項が適切でない場合は、連結財務諸表に対して除外事項付意見を表明することが求められている。監査人の結論は、監査報告書日までに入手した監査証拠に基づいているが、将来の事象や状況により、企業は継続企業として存続できなくなる可能性がある。・連結財務諸表の表示及び注記事項が、国際会計基準に準拠しているかどうかとともに、関連する注記事項を含めた連結財務諸表の表示、構成及び内容、並びに連結財務諸表が基礎となる取引や会計事象を適正に表示しているかどうかを評価する。・連結財務諸表に対する意見を表明するために、会社及び連結子会社の財務情報に関する十分かつ適切な監査証拠を入手する。監査人は、連結財務諸表の監査に関する指示、監督及び実施に関して責任がある。監査人は、単独で監査意見に対して責任を負う。監査人は、監査役及び監査役会に対して、計画した監査の範囲とその実施時期、監査の実施過程で識別した内部統制の重要な不備を含む監査上の重要な発見事項、及び監査の基準で求められているその他の事項について報告を行う。監査人は、監査役及び監査役会に対して、独立性についての我が国における職業倫理に関する規定を遵守したこと、並びに監査人の独立性に影響を与えると合理的に考えられる事項、及び阻害要因を除去するための対応策を講じている場合又は阻害要因を許容可能な水準にまで軽減するためのセーフガードを適用している場合はその内容について報告を行う。監査人は、監査役及び監査役会と協議した事項のうち、当連結会計年度の連結財務諸表の監査で特に重要であると判断した事項を監査上の主要な検討事項と決定し、監査報告書において記載する。ただし、法令等により当該事項の公表が禁止されている場合や、極めて限定的ではあるが、監査報告書において報告することにより生じる不利益が公共の利益を上回ると合理的に見込まれるため、監査人が報告すべきでないと判断した場合は、当該事項を記載しない。 <内部統制監査>監査意見当監査法人は、金融商品取引法第193条の2第2項の規定に基づく監査証明を行うため、住友理工株式会社の2024年3月31日現在の内部統制報告書について監査を行った。当監査法人は、住友理工株式会社が2024年3月31日現在の財務報告に係る内部統制は有効であると表示した上記の内部統制報告書が、我が国において一般に公正妥当と認められる財務報告に係る内部統制の評価の基準に準拠して、財務報告に係る内部統制の評価結果について、全ての重要な点において適正に表示しているものと認める。 監査意見の根拠当監査法人は、我が国において一般に公正妥当と認められる財務報告に係る内部統制の監査の基準に準拠して内部統制監査を行った。財務報告に係る内部統制の監査の基準における当監査法人の責任は、「内部統制監査における監査人の責任」に記載されている。当監査法人は、我が国における職業倫理に関する規定に従って、会社及び連結子会社から独立しており、また、監査人としてのその他の倫理上の責任を果たしている。当監査法人は、意見表明の基礎となる十分かつ適切な監査証拠を入手したと判断している。 内部統制報告書に対する経営者並びに監査役及び監査役会の責任経営者の責任は、財務報告に係る内部統制を整備及び運用し、我が国において一般に公正妥当と認められる財務報告に係る内部統制の評価の基準に準拠して内部統制報告書を作成し適正に表示することにある。監査役及び監査役会の責任は、財務報告に係る内部統制の整備及び運用状況を監視、検証することにある。なお、財務報告に係る内部統制により財務報告の虚偽の記載を完全には防止又は発見することができない可能性がある。 内部統制監査における監査人の責任監査人の責任は、監査人が実施した内部統制監査に基づいて、内部統制報告書に重要な虚偽表示がないかどうかについて合理的な保証を得て、内部統制監査報告書において独立の立場から内部統制報告書に対する意見を表明することにある。監査人は、我が国において一般に公正妥当と認められる財務報告に係る内部統制の監査の基準に従って、監査の過程を通じて、職業的専門家としての判断を行い、職業的懐疑心を保持して以下を実施する。・内部統制報告書における財務報告に係る内部統制の評価結果について監査証拠を入手するための監査手続を実施する。内部統制監査の監査手続は、監査人の判断により、財務報告の信頼性に及ぼす影響の重要性に基づいて選択及び適用される。・財務報告に係る内部統制の評価範囲、評価手続及び評価結果について経営者が行った記載を含め、全体としての内部統制報告書の表示を検討する。・内部統制報告書における財務報告に係る内部統制の評価結果に関する十分かつ適切な監査証拠を入手する。監査人は、内部統制報告書の監査に関する指示、監督及び実施に関して責任がある。監査人は、単独で監査意見に対して責任を負う。監査人は、監査役及び監査役会に対して、計画した内部統制監査の範囲とその実施時期、内部統制監査の実施結果、識別した内部統制の開示すべき重要な不備、その是正結果、及び内部統制の監査の基準で求められているその他の事項について報告を行う。監査人は、監査役及び監査役会に対して、独立性についての我が国における職業倫理に関する規定を遵守したこと、並びに監査人の独立性に影響を与えると合理的に考えられる事項、及び阻害要因を除去又は軽減するためにセーフガードを講じている場合はその内容について報告を行う。 <報酬関連情報>当監査法人及び当監査法人と同一のネットワークに属する者に対する、会社及び子会社の監査証明業務に基づく報酬及び非監査業務に基づく報酬の額は、「提出会社の状況」に含まれるコーポレート・ガバナンスの状況等 (3)【監査の状況】
に記載されている。 利害関係会社及び連結子会社と当監査法人又は業務執行社員との間には、公認会計士法の規定により記載すべき利害関係はない。以 上  ※1.上記の監査報告書の原本は当社(有価証券報告書提出会社)が別途保管しております。2.XBRLデータは監査の対象には含まれていません。
監査上の主要な検討事項、連結 監査上の主要な検討事項監査上の主要な検討事項とは、当連結会計年度の連結財務諸表の監査において、監査人が職業的専門家として特に重要であると判断した事項である。監査上の主要な検討事項は、連結財務諸表全体に対する監査の実施過程及び監査意見の形成において対応した事項であり、当監査法人は、当該事項に対して個別に意見を表明するものではない。固定資産に関する減損テストの妥当性監査上の主要な検討事項の内容及び決定理由監査上の対応住友理工株式会社の当連結会計年度の連結財政状態計算書において、有形固定資産、無形資産、使用権資産及びのれんを計上しており、その合計額171,615百万円は、連結総資産の39%を占めている。また、連結財務諸表注記「13.非金融資産の減損」に記載のとおり、住友理工株主会社の当連結会計年度の連結損益計算書において、814百万円の減損損失を計上している。継続的に営業損益がマイナスとなっている資金生成単位は、減損の兆候があると判定され、連結財務諸表注記「3.重要性がある会計方針(10)非金融資産の減損」及び「4.重要な会計上の見積り及び判断」に記載のとおり、会社は使用価値及び処分コスト控除後の公正価値による回収可能価額に基づき、減損テストを実施している。回収可能価額は、資産又は資金生成単位の処分コスト控除後の公正価値とその使用価値のうち高い方の金額で算定している。当連結会計年度の回収可能価額の測定に当たっては、処分コスト控除後の公正価値を採用している。また、処分コスト控除後の公正価値の評価については、評価手法モデルの選択等に当たり、評価に関する高度な専門知識を必要とする。以上から、当監査法人は、固定資産に関する減損テストの妥当性が、当連結会計年度の連結財務諸表監査において特に重要であり、監査上の主要な検討事項に該当すると判断した。当監査法人は、固定資産に関する減損テストの妥当性を評価するため、国内の資金生成単位については、主に以下の手続を実施した。 (1)内部統制の評価・固定資産の減損テストに関連する内部統制の整備及び運用状況の有効性を評価した。 (2)資産又は資金生成単位の処分コスト控除後の公正価値の評価・不動産及び動産の公正価値の評価について、当監査法人が属する国内ネットワークファームの評価の専門家を利用し、算定方法の合理性を評価した。 また、海外の連結子会社については、各子会社の監査人に監査の実施を指示し、その結果の報告を受けた上で、十分かつ適切な監査証拠が入手されているか否かについて評価した。評価に当たっては、以下の検討が実施されているかに留意した。 (1)内部統制の評価・固定資産の減損テストに関連する内部統制の整備及び運用状況の有効性が評価されていること。 (2)資産又は資金生成単位の処分コスト控除後の公正価値の評価・不動産及び動産の公正価値の評価について、評価の専門家を利用し、算定方法の合理性が評価されていること。 製品保証引当金の見積りの合理性監査上の主要な検討事項の内容及び決定理由監査上の対応連結財務諸表注記「3.重要性がある会計方針(12)引当金及び偶発負債」及び「16.引当金」に記載のとおり、住友理工株式会社の当連結会計年度の連結財政状態計算書において、製品保証引当金2,698百万円を計上している。このうち、住友理工株式会社の貸借対照表において、製品保証引当金2,395百万円を計上している。会社は、販売した製品の品質保証費用の支出に備えるため、将来発生しうる見込額について、過去の発生実績に基づいて見積もるほか、個々の案件について対象製品の数量、対象製品あたりの対応諸費用、負担割合等に基づき算定している。負担割合は、顧客との交渉結果の見積りを行う必要があることから、見積りの不確実性は高く、経営者による判断が製品保証引当金の計上額に重要な影響を及ぼす。以上から、当監査法人は、製品保証引当金の見積りの合理性が、当連結会計年度の連結財務諸表監査において特に重要であり、監査上の主要な検討事項に該当すると判断した。当監査法人は、製品保証引当金の見積りの合理性を評価するため、主に以下の監査手続を実施した。 (1)内部統制の評価・製品保証引当金の見積りに関連する内部統制の整備及び運用状況の有効性を評価した。 (2)製品保証引当金の見積りの合理性の評価・製品不具合の概要、顧客との交渉状況について、関連部門の責任者へ質問するとともに、取締役会議事録及び関連資料の閲覧により把握し、製品保証引当金の見積方法、経営者の仮定の合理性を検討した。・対象製品の数量、対象製品あたりの対応諸費用、負担割合について、顧客との交渉資料、計算根拠資料との照合を行った。
全体概要、監査上の主要な検討事項、連結 監査上の主要な検討事項とは、当連結会計年度の連結財務諸表の監査において、監査人が職業的専門家として特に重要であると判断した事項である。監査上の主要な検討事項は、連結財務諸表全体に対する監査の実施過程及び監査意見の形成において対応した事項であり、当監査法人は、当該事項に対して個別に意見を表明するものではない。
見出し、監査上の主要な検討事項、連結製品保証引当金の見積りの合理性
内容及び理由、監査上の主要な検討事項、連結 連結財務諸表注記「3.重要性がある会計方針(12)引当金及び偶発負債」及び「16.引当金」に記載のとおり、住友理工株式会社の当連結会計年度の連結財政状態計算書において、製品保証引当金2,698百万円を計上している。このうち、住友理工株式会社の貸借対照表において、製品保証引当金2,395百万円を計上している。会社は、販売した製品の品質保証費用の支出に備えるため、将来発生しうる見込額について、過去の発生実績に基づいて見積もるほか、個々の案件について対象製品の数量、対象製品あたりの対応諸費用、負担割合等に基づき算定している。負担割合は、顧客との交渉結果の見積りを行う必要があることから、見積りの不確実性は高く、経営者による判断が製品保証引当金の計上額に重要な影響を及ぼす。以上から、当監査法人は、製品保証引当金の見積りの合理性が、当連結会計年度の連結財務諸表監査において特に重要であり、監査上の主要な検討事項に該当すると判断した。
開示への参照、監査上の主要な検討事項、連結連結財務諸表注記「3.重要性がある会計方針(12)引当金及び偶発負債」及び「16.引当金」
開示への参照2、監査上の主要な検討事項、連結連結財務諸表注記「3.重要性がある会計方針(10)非金融資産の減損」及び「4.重要な会計上の見積り及び判断」
監査上の対応、監査上の主要な検討事項、連結 当監査法人は、製品保証引当金の見積りの合理性を評価するため、主に以下の監査手続を実施した。 (1)内部統制の評価・製品保証引当金の見積りに関連する内部統制の整備及び運用状況の有効性を評価した。 (2)製品保証引当金の見積りの合理性の評価・製品不具合の概要、顧客との交渉状況について、関連部門の責任者へ質問するとともに、取締役会議事録及び関連資料の閲覧により把握し、製品保証引当金の見積方法、経営者の仮定の合理性を検討した。・対象製品の数量、対象製品あたりの対応諸費用、負担割合について、顧客との交渉資料、計算根拠資料との照合を行った。
その他の記載内容、連結 その他の記載内容その他の記載内容は、有価証券報告書に含まれる情報のうち、連結財務諸表及び財務諸表並びにこれらの監査報告書以外の情報である。経営者の責任は、その他の記載内容を作成し開示することにある。また、監査役及び監査役会の責任は、その他の記載内容の報告プロセスの整備及び運用における取締役の職務の執行を監視することにある。当監査法人の連結財務諸表に対する監査意見の対象にはその他の記載内容は含まれておらず、当監査法人はその他の記載内容に対して意見を表明するものではない。連結財務諸表監査における当監査法人の責任は、その他の記載内容を通読し、通読の過程において、その他の記載内容と連結財務諸表又は当監査法人が監査の過程で得た知識との間に重要な相違があるかどうか検討すること、また、そのような重要な相違以外にその他の記載内容に重要な誤りの兆候があるかどうか注意を払うことにある。当監査法人は、実施した作業に基づき、その他の記載内容に重要な誤りがあると判断した場合には、その事実を報告することが求められている。その他の記載内容に関して、当監査法人が報告すべき事項はない。
報酬関連情報、連結 <報酬関連情報>当監査法人及び当監査法人と同一のネットワークに属する者に対する、会社及び子会社の監査証明業務に基づく報酬及び非監査業務に基づく報酬の額は、「提出会社の状況」に含まれるコーポレート・ガバナンスの状況等 (3)【監査の状況】
に記載されている。

Audit1

監査法人1、個別有限責任 あずさ監査法人
独立監査人の報告書、個別 独立監査人の監査報告書  2024年6月20日住友理工株式会社取締役会 御中 有限責任 あずさ監査法人  名古屋事務所  指定有限責任社員 業務執行社員 公認会計士森  本  泰  行  指定有限責任社員 業務執行社員 公認会計士金  原  正  英 <財務諸表監査>監査意見当監査法人は、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づく監査証明を行うため、「経理の状況」に掲げられている住友理工株式会社の2023年4月1日から2024年3月31日までの第136期事業年度の財務諸表、すなわち、貸借対照表、損益計算書、株主資本等変動計算書、重要な会計方針、その他の注記及び附属明細表について監査を行った。当監査法人は、上記の財務諸表が、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して、住友理工株式会社の2024年3月31日現在の財政状態及び同日をもって終了する事業年度の経営成績を、全ての重要な点において適正に表示しているものと認める。 監査意見の根拠当監査法人は、我が国において一般に公正妥当と認められる監査の基準に準拠して監査を行った。監査の基準における当監査法人の責任は、「財務諸表監査における監査人の責任」に記載されている。当監査法人は、我が国における職業倫理に関する規定に従って、会社から独立しており、また、監査人としてのその他の倫理上の責任を果たしている。当監査法人は、意見表明の基礎となる十分かつ適切な監査証拠を入手したと判断している。 監査上の主要な検討事項監査上の主要な検討事項とは、当事業年度の財務諸表の監査において、監査人が職業的専門家として特に重要であると判断した事項である。監査上の主要な検討事項は、財務諸表全体に対する監査の実施過程及び監査意見の形成において対応した事項であり、当監査法人は、当該事項に対して個別に意見を表明するものではない。固定資産の減損の検討の妥当性監査上の主要な検討事項の内容及び決定理由監査上の対応注記事項(重要な会計上の見積り)に記載のとおり、住友理工株式会社の貸借対照表において、有形固定資産及び無形固定資産を計上しており、その合計額42,825百万円は、総資産の15%を占めている。また、損益計算書関係注記「※4減損損失」に記載のとおり、損益計算書において、864百万円の減損損失を計上している。会社は、各事業を独立したキャッシュ・フローを生み出す最小の単位として、減損の兆候判定を行っている。判定においては、営業活動から生じる損益や、使用範囲または方法について回収可能価額を著しく低下させる変化の有無などを検討している。そのうえで、減損の兆候がある資産又は資産グループについて、当該資産又は資産グループから得られる割引前将来キャッシュ・フローの総額がそれらの帳簿価額を下回る場合、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上している。当事業年度の回収可能価額の測定に当たっては、正味売却価額を採用している。また、正味売却価額の評価については、評価手法モデルの選択等に当たり、評価に関する高度な専門知識を必要とする。以上から、当監査法人は、固定資産の減損の検討の妥当性が、当事業年度の財務諸表監査において特に重要であり、監査上の主要な検討事項に該当すると判断した。当監査法人は、固定資産の減損の検討の妥当性を評価するため、主に以下の手続を実施した。 (1)内部統制の評価・固定資産の減損の検討に関連する内部統制の整備及び運用状況の有効性を評価した。 (2)資産又は資産グループの正味売却価額の評価・不動産及び動産の正味売却価額の評価について、当監査法人が属する国内ネットワークファームの評価の専門家を利用し、算定方法の合理性を評価した。 製品保証引当金の見積りの合理性監査上の主要な検討事項の内容及び決定理由監査上の対応注記事項(重要な会計上の見積り)に記載のとおり、住友理工株式会社の貸借対照表において、製品保証引当金2,395百万円を計上している。会社は、販売した製品の品質保証費用の支出に備えるため、将来発生しうる見込額について、過去の発生実績に基づいて見積もるほか、個々の案件について対象製品の数量、対象製品あたりの対応諸費用、負担割合等に基づき算定している。負担割合は、顧客との交渉結果の見積りを行う必要があることから、見積りの不確実性は高く、経営者による判断が製品保証引当金の計上額に重要な影響を及ぼす。以上から、当監査法人は、製品保証引当金の見積りの合理性が、当事業年度の財務諸表監査において特に重要であり、監査上の主要な検討事項に該当すると判断した。当監査法人は、製品保証引当金の見積りの合理性を評価するため、主に以下の監査手続を実施した。 (1)内部統制の評価・製品保証引当金の見積りに関連する内部統制の整備及び運用状況の有効性を評価した。 (2)製品保証引当金の見積りの合理性の評価・製品不具合の概要、顧客との交渉状況について、関連部門の責任者へ質問するとともに、取締役会議事録及び関連資料の閲覧により把握し、製品保証引当金の見積方法、経営者の仮定の合理性を検討した。・対象製品の数量、対象製品あたりの対応諸費用、負担割合について、顧客との交渉資料、計算根拠資料との照合を行った。 その他の記載内容その他の記載内容は、有価証券報告書に含まれる情報のうち、連結財務諸表及び財務諸表並びにこれらの監査報告書以外の情報である。経営者の責任は、その他の記載内容を作成し開示することにある。また、監査役及び監査役会の責任は、その他の記載内容の報告プロセスの整備及び運用における取締役の職務の執行を監視することにある。当監査法人の財務諸表に対する監査意見の対象にはその他の記載内容は含まれておらず、当監査法人はその他の記載内容に対して意見を表明するものではない。財務諸表監査における当監査法人の責任は、その他の記載内容を通読し、通読の過程において、その他の記載内容と財務諸表又は当監査法人が監査の過程で得た知識との間に重要な相違があるかどうか検討すること、また、そのような重要な相違以外にその他の記載内容に重要な誤りの兆候があるかどうか注意を払うことにある。当監査法人は、実施した作業に基づき、その他の記載内容に重要な誤りがあると判断した場合には、その事実を報告することが求められている。その他の記載内容に関して、当監査法人が報告すべき事項はない。 財務諸表に対する経営者並びに監査役及び監査役会の責任経営者の責任は、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して財務諸表を作成し適正に表示することにある。これには、不正又は誤謬による重要な虚偽表示のない財務諸表を作成し適正に表示するために経営者が必要と判断した内部統制を整備及び運用することが含まれる。 財務諸表を作成するに当たり、経営者は、継続企業の前提に基づき財務諸表を作成することが適切であるかどうかを評価し、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づいて継続企業に関する事項を開示する必要がある場合には当該事項を開示する責任がある。監査役及び監査役会の責任は、財務報告プロセスの整備及び運用における取締役の職務の執行を監視することにある。 財務諸表監査における監査人の責任監査人の責任は、監査人が実施した監査に基づいて、全体としての財務諸表に不正又は誤謬による重要な虚偽表示がないかどうかについて合理的な保証を得て、監査報告書において独立の立場から財務諸表に対する意見を表明することにある。虚偽表示は、不正又は誤謬により発生する可能性があり、個別に又は集計すると、財務諸表の利用者の意思決定に影響を与えると合理的に見込まれる場合に、重要性があると判断される。監査人は、我が国において一般に公正妥当と認められる監査の基準に従って、監査の過程を通じて、職業的専門家としての判断を行い、職業的懐疑心を保持して以下を実施する。・不正又は誤謬による重要な虚偽表示リスクを識別し、評価する。また、重要な虚偽表示リスクに対応した監査手続を立案し、実施する。監査手続の選択及び適用は監査人の判断による。さらに、意見表明の基礎となる十分かつ適切な監査証拠を入手する。・財務諸表監査の目的は、内部統制の有効性について意見表明するためのものではないが、監査人は、リスク評価の実施に際して、状況に応じた適切な監査手続を立案するために、監査に関連する内部統制を検討する。・経営者が採用した会計方針及びその適用方法の適切性、並びに経営者によって行われた会計上の見積りの合理性及び関連する注記事項の妥当性を評価する。・経営者が継続企業を前提として財務諸表を作成することが適切であるかどうか、また、入手した監査証拠に基づき、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況に関して重要な不確実性が認められるかどうか結論付ける。継続企業の前提に関する重要な不確実性が認められる場合は、監査報告書において財務諸表の注記事項に注意を喚起すること、又は重要な不確実性に関する財務諸表の注記事項が適切でない場合は、財務諸表に対して除外事項付意見を表明することが求められている。監査人の結論は、監査報告書日までに入手した監査証拠に基づいているが、将来の事象や状況により、企業は継続企業として存続できなくなる可能性がある。・財務諸表の表示及び注記事項が、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠しているかどうかとともに、関連する注記事項を含めた財務諸表の表示、構成及び内容、並びに財務諸表が基礎となる取引や会計事象を適正に表示しているかどうかを評価する。監査人は、監査役及び監査役会に対して、計画した監査の範囲とその実施時期、監査の実施過程で識別した内部統制の重要な不備を含む監査上の重要な発見事項、及び監査の基準で求められているその他の事項について報告を行う。監査人は、監査役及び監査役会に対して、独立性についての我が国における職業倫理に関する規定を遵守したこと、並びに監査人の独立性に影響を与えると合理的に考えられる事項、及び阻害要因を除去するための対応策を講じている場合又は阻害要因を許容可能な水準にまで軽減するためのセーフガードを適用している場合はその内容について報告を行う。監査人は、監査役及び監査役会と協議した事項のうち、当事業年度の財務諸表の監査で特に重要であると判断した事項を監査上の主要な検討事項と決定し、監査報告書において記載する。ただし、法令等により当該事項の公表が禁止されている場合や、極めて限定的ではあるが、監査報告書において報告することにより生じる不利益が公共の利益を上回ると合理的に見込まれるため、監査人が報告すべきでないと判断した場合は、当該事項を記載しない。 <報酬関連情報>報酬関連情報は、連結財務諸表の監査報告書に記載されている。 利害関係会社と当監査法人又は業務執行社員との間には、公認会計士法の規定により記載すべき利害関係はない。以 上  ※1.上記の監査報告書の原本は当社(有価証券報告書提出会社)が別途保管しております。2.XBRLデータは監査の対象には含まれていません。
監査上の主要な検討事項、個別 監査上の主要な検討事項監査上の主要な検討事項とは、当事業年度の財務諸表の監査において、監査人が職業的専門家として特に重要であると判断した事項である。監査上の主要な検討事項は、財務諸表全体に対する監査の実施過程及び監査意見の形成において対応した事項であり、当監査法人は、当該事項に対して個別に意見を表明するものではない。固定資産の減損の検討の妥当性監査上の主要な検討事項の内容及び決定理由監査上の対応注記事項(重要な会計上の見積り)に記載のとおり、住友理工株式会社の貸借対照表において、有形固定資産及び無形固定資産を計上しており、その合計額42,825百万円は、総資産の15%を占めている。また、損益計算書関係注記「※4減損損失」に記載のとおり、損益計算書において、864百万円の減損損失を計上している。会社は、各事業を独立したキャッシュ・フローを生み出す最小の単位として、減損の兆候判定を行っている。判定においては、営業活動から生じる損益や、使用範囲または方法について回収可能価額を著しく低下させる変化の有無などを検討している。そのうえで、減損の兆候がある資産又は資産グループについて、当該資産又は資産グループから得られる割引前将来キャッシュ・フローの総額がそれらの帳簿価額を下回る場合、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上している。当事業年度の回収可能価額の測定に当たっては、正味売却価額を採用している。また、正味売却価額の評価については、評価手法モデルの選択等に当たり、評価に関する高度な専門知識を必要とする。以上から、当監査法人は、固定資産の減損の検討の妥当性が、当事業年度の財務諸表監査において特に重要であり、監査上の主要な検討事項に該当すると判断した。当監査法人は、固定資産の減損の検討の妥当性を評価するため、主に以下の手続を実施した。 (1)内部統制の評価・固定資産の減損の検討に関連する内部統制の整備及び運用状況の有効性を評価した。 (2)資産又は資産グループの正味売却価額の評価・不動産及び動産の正味売却価額の評価について、当監査法人が属する国内ネットワークファームの評価の専門家を利用し、算定方法の合理性を評価した。 製品保証引当金の見積りの合理性監査上の主要な検討事項の内容及び決定理由監査上の対応注記事項(重要な会計上の見積り)に記載のとおり、住友理工株式会社の貸借対照表において、製品保証引当金2,395百万円を計上している。会社は、販売した製品の品質保証費用の支出に備えるため、将来発生しうる見込額について、過去の発生実績に基づいて見積もるほか、個々の案件について対象製品の数量、対象製品あたりの対応諸費用、負担割合等に基づき算定している。負担割合は、顧客との交渉結果の見積りを行う必要があることから、見積りの不確実性は高く、経営者による判断が製品保証引当金の計上額に重要な影響を及ぼす。以上から、当監査法人は、製品保証引当金の見積りの合理性が、当事業年度の財務諸表監査において特に重要であり、監査上の主要な検討事項に該当すると判断した。当監査法人は、製品保証引当金の見積りの合理性を評価するため、主に以下の監査手続を実施した。 (1)内部統制の評価・製品保証引当金の見積りに関連する内部統制の整備及び運用状況の有効性を評価した。 (2)製品保証引当金の見積りの合理性の評価・製品不具合の概要、顧客との交渉状況について、関連部門の責任者へ質問するとともに、取締役会議事録及び関連資料の閲覧により把握し、製品保証引当金の見積方法、経営者の仮定の合理性を検討した。・対象製品の数量、対象製品あたりの対応諸費用、負担割合について、顧客との交渉資料、計算根拠資料との照合を行った。
全体概要、監査上の主要な検討事項、個別 監査上の主要な検討事項とは、当事業年度の財務諸表の監査において、監査人が職業的専門家として特に重要であると判断した事項である。監査上の主要な検討事項は、財務諸表全体に対する監査の実施過程及び監査意見の形成において対応した事項であり、当監査法人は、当該事項に対して個別に意見を表明するものではない。
見出し、監査上の主要な検討事項、個別製品保証引当金の見積りの合理性