財務諸表

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提出書類、表紙有価証券報告書
提出日、表紙2024-06-20
英訳名、表紙JAPAN POST INSURANCE Co.,Ltd.
代表者の役職氏名、表紙取締役兼代表執行役社長 谷垣 邦夫
本店の所在の場所、表紙東京都千代田区大手町二丁目3番1号
電話番号、本店の所在の場所、表紙03-3477-0111(代表)
様式、DEI第三号様式
会計基準、DEIJapan GAAP
連結決算の有無、DEItrue
当会計期間の種類、DEIFY

corp

沿革 2 【沿革】
当社は、2005年10月に成立した郵政民営化法に基づき、2006年9月1日に「株式会社かんぽ」として設立され、2007年9月30日までの間、生命保険会社として営業を開始するための準備を行ってまいりました。同年10月1日に、生命保険業の開始に伴い、商号を「株式会社かんぽ生命保険」に変更し、同日以降は、生命保険業及び独立行政法人郵便貯金・簡易生命保険管理機構(2019年4月1日より「独立行政法人郵便貯金簡易生命保険管理・郵便局ネットワーク支援機構」に名称変更しております。以下、別段の記載がない限り「郵政管理・支援機構」といいます。)の委託を受けて行う簡易生命保険管理業務を行っております。 年月沿革2006年9月郵政民営化法に基づき、株式会社かんぽ設立2007年10月生命保険業の開始に伴い、株式会社かんぽ生命保険に商号変更 郵政管理・支援機構の委託を受け、簡易生命保険管理業務を開始2007年12月新規業務(運用対象の自由化)の認可取得2008年6月法人向け商品の受託販売開始2008年7月「かんぽ生命 入院特約 その日から」販売開始2009年7月奈良支店及び和歌山支店の開設により、全都道府県に支店を設置2011年10月かんぽシステムソリューションズ株式会社(現 連結子会社)を子会社化2014年4月学資保険「はじめのかんぽ」販売開始2014年7月 アメリカン ファミリー ライフ アシュアランス カンパニー オブ コロンバス(注1)のがん保険の受託販売等の取扱開始2015年10月養老保険「新フリープラン(短期払込型)」販売開始2015年11月当社普通株式を東京証券取引所市場第一部へ上場 法人向け商品(総合福祉団体定期保険等)の受託販売開始2016年3月新規業務(再保険の引受け、付帯サービス)の認可取得 第一生命保険株式会社(注2)と業務提携2017年10月特約「医療特約 その日からプラス」販売開始 終身保険(低解約返戻金型)「新ながいきくん 低解約返戻金プラン」販売開始 長寿支援保険(低解約返戻金型)「長寿のしあわせ」販売開始2019年4月引受基準緩和型商品「かんぽにおまかせ」、先進医療特約の販売開始 当社株式の第2次売出し2022年4月特約「医療特約 もっとその日からプラス」販売開始 東京証券取引所市場第一部からプライム市場へ移行2023年4月学資保険「はじめのかんぽ」の改定
(注) 1.米国法人の日本支店が日本法人化され、日本支店の事業については日本法人へ承継されたことにより、本書提出日現在における契約先はアフラック生命保険株式会社となっております。2.業務提携先グループ内部における業務移管により、本書提出日現在における業務提携先は第一生命ホールディングス株式会社となっております。 (参考)簡易生命保険の沿革年月沿革1916年10月逓信省において、簡易生命保険事業創業1926年10月逓信省において、郵便年金事業創業1949年6月郵政省発足2001年1月省庁再編に伴い、郵政事業庁発足2003年4月日本郵政公社発足  (参考) 当社の設立経緯等(1) 設立経緯1885年に設立され、郵便事業、郵便為替事業及び郵便貯金事業を行っていた逓信省において、1916年に簡易生命保険事業、1926年に郵便年金事業が創業されました。その後、1949年に郵政省が設立され、郵政事業は逓信省から郵政省に引き継がれました。2001年1月、郵政省は自治省及び総務庁との統合により発足した総務省及び郵政事業の実施に関する機能を担う同省の外局として置かれた郵政事業庁に再編された後に、2002年7月に郵政公社化関連4法が公布され、2003年4月に日本郵政公社(以下「公社」といいます。)が発足することとなりました。2004年9月、公社の4機能(窓口サービス、郵便、郵便貯金及び簡易生命保険)をそれぞれ株式会社として独立させること、これらの株式会社を子会社とする純粋持株会社を設立すること等を主な内容とする「郵政民営化の基本方針」が閣議決定され、2005年10月に郵政民営化関連6法が成立いたしました。これに伴い、2006年9月に、民営化後の業務を準備する会社「株式会社かんぽ」として、当社が設立されました。2007年10月、郵政民営化(郵政民営化関連6法の施行)に伴い公社が解散すると、その業務その他の機能並びに権利及び義務は、5つの承継会社(日本郵政株式会社、郵便事業株式会社、郵便局株式会社、株式会社ゆうちょ銀行及び当社)及び郵政管理・支援機構に引き継がれました。これにより、5つの承継会社を中心とした日本郵政グループが発足いたしました。同時に、当社は「株式会社かんぽ」から「株式会社かんぽ生命保険」に商号を変更し、生命保険業を開始いたしました。
(2) 郵政民営化法及び日本郵便株式会社法の改正2012年10月1日に施行された郵政民営化法の改正により、郵便事業株式会社と郵便局株式会社は、郵便局株式会社を存続会社として合併し、日本郵便株式会社となり、日本郵政グループは5社体制から4社体制へと再編されました。また、日本郵政株式会社及び日本郵便株式会社においては、それまで郵便のサービスについて定められていたユニバーサルサービス義務の範囲が拡大され、郵便の役務、簡易な貯蓄、送金及び債権債務の決済の役務並びに簡易に利用できる生命保険の役務が、利用者本位の簡易な方法により郵便局で一体的にかつあまねく全国において公平に利用できることが確保されるよう、郵便局ネットワークを維持することが義務づけられました(かかる義務に基づき日本郵便株式会社の郵便局ネットワーク(以下「郵便局ネットワーク」といいます。)を通じて行われる役務提供を、以下「ユニバーサルサービス」といいます。)。同時に、日本郵便株式会社法において、保険窓口業務が健全、適切かつ安定的に運営されるための契約の締結が、日本郵便株式会社の業務の範囲として定められ、改正後の郵政民営化法により、その契約の当初の相手方は当社であることが定められました。これを受けて、当社と日本郵便株式会社との間で、日本郵便株式会社が当社の保険契約に係る保険窓口業務を行うことを内容とした保険窓口業務契約を締結するとともに、郵政民営化法の改正に係る国会審議を踏まえ、日本郵便株式会社による保険のユニバーサルサービスの安定的な提供に資するため、当該契約を締結する旨を当社の定款に規定いたしました。当該契約は、ユニバーサルサービス義務が課せられた保険窓口業務の具体的な内容として、当社の普通終身保険、特別終身保険、普通養老保険及び特別養老保険に係る保険募集並びに保険金支払請求の受理を郵便局において実施することを定めております。 (3) 日本郵政株式会社、株式会社ゆうちょ銀行及び当社の上場並びに金融2社の株式の処分2011年に施行された復興財源確保法(東日本大震災からの復興のための施策を実施するために必要な財源の確保に関する特別措置法)において、政府が保有する日本郵政株式会社の株式については、その売却収入を東日本大震災に係る復興債の償還費用の財源に充てるため、政府が保有しなければならない3分の1超にあたる部分を除き、早期に処分されることが定められており、かつ、改正後の郵政民営化法においても、同様に、日本郵政株式会社の株式については、政府が保有しなければならない3分の1超にあたる部分を除き、早期に売却することが定められております。また、改正後の郵政民営化法において、日本郵政株式会社が所有する株式会社ゆうちょ銀行及び当社(以下「金融2社」といいます。)の株式については、金融2社の経営状況、ユニバーサルサービス確保の責務の履行への影響等を勘案しつつ、その全部をできる限り早期に処分することが定められております。このような法令上の要請に加え、日本郵政株式会社が政府と検討を進めた結果、金融2社の株式についても経営の自由度確保のため早期の処分が必要であること、また、金融2社の株式価値を日本郵政株式会社の価格への透明性を持って反映させることといった観点を総合的に勘案し、3社(日本郵政株式会社、株式会社ゆうちょ銀行及び当社)の上場はいずれも遅らせることなく、同時に行うことが最も望ましいという判断から、政府による日本郵政株式会社の株式の売出し・上場にあわせ、金融2社の株式についても、同時に売出し・上場を目指す方針が決定され、2015年11月、当社は日本郵政株式会社及びゆうちょ銀行とともに、東京証券取引所市場第一部へ上場いたしました。日本郵政株式会社は、2021年5月に公表した新たな中期経営計画「JPビジョン2025」(2024年5月に一部見直し)において、期間中のできる限り早期に日本郵政株式会社が保有する金融2社株式の保有割合を50%以下とすることで、経営の自由度向上を目指すとしております。なお、金融2社株式の保有割合が50%以下となった以降も、郵政民営化法の規定の趣旨、グループ経営の観点等に基づき、株式処分について検討を進めることとしております。かかる方針の下、2019年4月の日本郵政株式会社による当社株式の2次売出し及び当社による自己株式取得、並びに2021年5月の当社による自己株式取得等により、日本郵政株式会社が有する当社議決権の所有割合は2021年6月に49.9%程度まで低下しました。この結果、同社による保有割合が50%を下回ったことから、「3 事業の内容 (参考) 郵政民営化法による特例措置」に記載のとおり、新商品の開発・販売等の新たな業務を行う際の郵政民営化法上の認可手続きが不要となり、届出制に移行しました。
事業の内容 3 【事業の内容】
当社グループは、保険業法に基づく免許・認可を得て生命保険業を営む当社を中心とした企業グループであり、当社及び連結子会社1社を中心に構成されております。また、当社グループは、当社の親会社である日本郵政株式会社を中心とした日本郵政グループにおける、生命保険事業セグメントを担っております。なお、日本郵政グループは、生命保険業のほか、郵便・物流事業、郵便局窓口事業、国際物流事業、不動産事業、銀行業等を行っております。 当社の営む事業の主な内容は次のとおりであります。(1) 生命保険業当社は、生命保険業免許に基づき、次の①~③の保険引受業務及び④~⑫の資産運用業務を行っております。ただし、当社には、他の生命保険会社にはない、業務を行うにあたっての郵政民営化法による制約があります。詳細は下記「(参考) 郵政民営化法による特例措置(4)~(6)」に記載のとおりであります。 業務の種類内訳保険引受業務① 個人保険及び財形保険② 個人年金保険及び財形年金保険③ 再保険
(注)資産運用業務④ 有価証券の取得⑤ 不動産の取得⑥ 金銭債権の取得⑦ 金銭の貸付(コールローンを含む。)⑧ 有価証券の貸付⑨ 預金又は貯金⑩ 金銭、金銭債権、有価証券又は不動産等の信託⑪ 有価証券関連デリバティブ取引、金融等デリバティブ取引又は先物外国為替取引⑫ その他郵政民営化法第138条に定められた方法等
(注) 当社と郵政管理・支援機構との間で再保険契約を締結し、郵政民営化法により公社から郵政管理・支援機構に承継された、簡易生命保険契約に基づく郵政管理・支援機構の保険責任のすべてを当社が受再しております。
(2) 他の保険会社(外国保険業者を含む。)その他金融業を行う者の業務の代理又は事務の代行当社の支店では、当社の保険商品の販売に加え、次の保険会社の商品の受託販売等を行っております。・アフラック生命保険株式会社・エヌエヌ生命保険株式会社・住友生命保険相互会社・第一生命保険株式会社・東京海上日動あんしん生命保険株式会社・日本生命保険相互会社・ネオファースト生命保険株式会社・三井住友海上あいおい生命保険株式会社・明治安田生命保険相互会社・メットライフ生命保険株式会社 (3) 郵政管理・支援機構から委託された簡易生命保険管理業務当社は、郵政民営化法により公社から郵政管理・支援機構に承継された、簡易生命保険契約の管理業務を、郵政管理・支援機構から受託しております。 当社の連結子会社であるかんぽシステムソリューションズ株式会社は、情報システムの設計、開発、保守及び運用業務の受託を行っております。なお、当社グループのセグメントについては、単一セグメントであるため記載を省略しております。 事業の系統図は、次のとおりであります。2024年3月31日現在
(注) 1.簡易生命保険契約の保険責任のすべてを再保険。2.簡易生命保険契約の管理業務(保険料の収納、保険金の支払、契約の維持・管理、資産運用業務等)を委託。3.当社の生命保険契約の募集及び維持・管理業務を委託。4.郵政管理・支援機構から委託を受けた簡易生命保険契約の管理業務の一部を再委託。5.簡易郵便局に対する当社の生命保険契約に係る教育・指導・管理を委託。6.当社の生命保険契約の募集業務を委託。7.当社から委託を受けた当社の生命保険契約の維持・管理業務を再委託。8.当社から再委託を受けた簡易生命保険契約の管理業務の一部を再々委託。9.持分法を適用していない非連結子会社8社及び関連会社8社については、記載を省略しております。 (参考) 郵政民営化法による特例措置当社の事業運営は、生命保険会社として保険業法を遵守することに加え、郵政民営化法及び関係政省令を遵守して遂行する必要があります。郵政民営化法及び関係政省令の主な目的は、郵政事業の改革を通じて、国内における公正かつ自由な競争を促進し、皆さまの利便向上及び経済の活性化を目指すことに加えて、日本郵政グループ各社の業務と同種の業務を営む事業者との対等な競争条件を確保するための措置を講じることにあります。このため、(1)に定める期間においては、新規業務を開始する場合に他の生命保険会社には課されていない追加的な手続きが求められ、また、当社が提供する商品の設計についても、他の生命保険会社には課されていない法令上の制約(以下、これらの制約等を「本特例措置」といいます。)が適用されることとなります。詳細は次のとおりであります。 (1) 本特例措置が継続する期間本特例措置が継続する期間は、次に掲げる日のいずれか早い日までであります(郵政民営化法第134条)。・日本郵政株式会社が保有している当社株式を全部処分した日・郵政民営化法第135条第1項の決定(※)があった日※ 内閣総理大臣及び総務大臣は、日本郵政株式会社から総務大臣に当社株式の2分の1以上を処分した旨の届出があり、その旨を総務大臣が内閣総理大臣に通知した日以後に、当社と他の生命保険会社との適正な競争関係等を阻害するおそれがないと認められるときには、本特例措置を適用しないことを決定しなければなりません。内閣総理大臣及び総務大臣は、かかる決定を行うにあたっては、郵政民営化委員会の意見を聴取することとされております。 「2 沿革 (参考) 当社の設立経緯等」に記載のとおり、日本郵政株式会社が有する当社議決権の所有割合は49.9%程度まで低下し、日本郵政株式会社から総務大臣に対し、2021年6月9日付けで、当社株式の2分の1以上を処分した旨の届出が行われております。 <郵政民営化委員会とは>郵政民営化委員会は、内閣に設置されております。主な所掌事務は次のとおりであります(郵政民営化法第18条、第19条)。・3年ごとに、日本郵政株式会社、日本郵便株式会社、株式会社ゆうちょ銀行及び当社の経営状況並びに国際金融市場の動向その他内外の社会経済情勢の変化を勘案しつつ、郵政民営化の進捗状況について総合的な検証を行い、その結果に基づき、内閣総理大臣に意見を述べること・郵政民営化法の各条において、内閣総理大臣及び総務大臣が郵政民営化委員会への通知を行うとされている事項について、必要があると認めるときは、内閣総理大臣を通じて関係各大臣に意見を述べること・上記のほか、郵政民営化に関する事項について調査審議し、その結果に基づき、内閣総理大臣に意見を述べること等
(2) 新規業務等に係る郵政民営化法の手続き当社は、これまで新規業務、新商品の開発・販売、新たな方法による資産運用を行う場合には、郵政民営化法上、内閣総理大臣及び総務大臣の認可が必要とされておりましたが(郵政民営化法第138条)、上記(1)に記載のとおり、2021年6月9日付けで、日本郵政株式会社が当社株式の2分の1以上を処分した旨を総務大臣に届け出たことから、この日以後は、新規業務等に係る認可手続きは不要となり、届出制(※)へと移行しております。※ 日本郵政株式会社が当社株式の2分の1以上を処分した旨を総務大臣に届け出た日以後は、本特例措置が終了する日まで、従前の認可手続きに代わり、新たな業務を行おうとするときは、その内容を定めて内閣総理大臣及び総務大臣に届け出るとともに、業務を行うにあたっては、他の生命保険会社との適正な競争関係及び利用者への役務の適切な提供を阻害することのないよう特に配慮しなければならないとされております(郵政民営化法第138条の2)。なお、郵政民営化委員会から2021年10月14日に公表された「株式会社かんぽ生命保険の新規業務に関する届出制の運用に係る郵政民営化委員会の方針(令和3年10月)」において、届出後に必要に応じて郵政民営化委員会による調査審議が実施される場合があり、その場合の調査審議に要する期間はこれまでの認可制に比べて短縮される旨の方針が示されております。 新規業務、新商品、資産運用方法に係る規制の詳細は、それぞれ下記(3)~(5)に記載のとおりであります。 (3) 業務範囲① 保険業法による定め生命保険会社が営むことのできる業務の範囲については、保険業法第97条の規定により行う業務(以下「固有業務」といいます。)として定められており、「保険の引受け」と「資産の運用」がその範囲に含まれます。また、生命保険会社は、固有業務のほか、当該業務に付随する業務(以下「付随業務」といいます。)を行うことができるとされていますが、付随業務のうち、他の保険会社等の業務の代理又は事務の代行を行う場合は、内閣総理大臣の認可が必要となります(保険業法第98条)。 ② 郵政民営化法による定め当社が付随業務を行う場合には、郵政民営化法上の届出が必要となります(郵政民営化法第138条の2)。手続きの詳細については、上記
(2)に記載のとおりであります。 (4) 新商品の開発・販売① 保険業法による定め新たな商品の開発・販売にあたり、生命保険業免許の申請時に添付書類として提出した事業方法書、普通保険約款、保険料及び責任準備金の算出方法書の内容に変更が必要となる場合には、内閣総理大臣の認可が必要となります(保険業法第4条、第123条)。 ② 郵政民営化法による定め当社が事業を承継した公社が旧簡易生命保険法の定めにより2006年6月30日現在において引受けを行っていた以下の保険種類以外の保険について、当社が引受けを行う場合には、郵政民営化法上の届出が必要となります。また、以下の保険種類であっても、公社が引受けを行っていた商品と、契約者配当の有無等、一定の差異のある保険について、当社が引受けを行う場合には、郵政民営化法上の届出が必要となります(郵政民営化法第138条の2)。手続きの詳細については、上記
(2)に記載のとおりであります。 <公社が引受けを行っていた保険種類>・終身保険、定期保険、養老保険、家族保険、財形貯蓄保険・終身年金保険、定期年金保険、夫婦年金保険・次の二つの保険を一体として提供する保険終身保険及び終身年金保険で被保険者を同じくするもの終身保険及び定期年金保険で被保険者を同じくするもの養老保険及び定期年金保険で被保険者を同じくするもの家族保険及び夫婦年金保険で主たる被保険者及び配偶者たる被保険者を同じくするもの・特約 (5) 新たな資産運用の方法① 保険業法による定め生命保険会社の資産運用は、以下の方法によらなければならないとされております(保険業法第97条、保険業法施行規則第47条)。・有価証券、不動産、金銭債権、短期社債等、金地金の取得・金銭、有価証券の貸付け・民法第667条第1項に規定する組合契約又は商法第535条に規定する匿名組合契約に係る出資・預金又は貯金・金銭、金銭債権、有価証券又は不動産等の信託・金融商品取引法第2条第20項、第28条第8項第6号、保険業法第98条第1項第8号に規定するデリバティブ取引・先物外国為替取引・上記に掲げる方法に準ずる方法 ② 郵政民営化法による定め当社が以下に掲げる方法以外の方法により資産を運用しようとするときには、郵政民営化法上の届出が必要となります(郵政民営化法第138条の2)。手続きの詳細については、上記
(2)に記載のとおりであります。 <手続きが不要な資産運用>・保険契約者に対する資金の貸付け・地方公共団体に対する資金の貸付け・コール資金の貸付け・日本郵政株式会社又は日本郵便株式会社に対する資金の貸付け・郵政管理・支援機構に対する資金の貸付け・郵便貯金銀行及び郵便保険会社に係る移行期間中の業務の制限等に関する命令第16条に定める次の方法国債証券、地方債証券、政府保証債、社債券、外国債、不動産の取得(投資の目的をもって取得するものを除く)、金融機関への預金、先物外国為替取引等 (6) 引受け可能な保険金額等の制約郵政民営化法及び同施行令上、被保険者一人につき当社が引受け可能な保険金額等の限度(加入限度額)が定められております。また、この加入限度額については、簡易生命保険契約の被保険者一人あたりの保険金額等との合算であります(郵政民営化法第137条及び郵政民営化法施行令第6条から第8条)。 ① 保険(基本契約)の加入限度額財形貯蓄保険及び年金保険を除く保険契約(終身保険、定期保険、養老保険、家族保険)については、保険金額に関して、以下の限度額が定められております。・被保険者が満15歳以下の場合・・・被保険者一人あたり:700万円・被保険者が満16歳以上の場合・・・被保険者一人あたり:1,000万円
(注) 1.被保険者が満20歳以上満55歳以下の場合で、加入後4年以上経過した契約がある場合には、当該契約の保険金額のうち、1,000万円までは上記限度額には含みません。2.特定養老保険(保険契約加入後早期に病気で死亡した場合等の保険金額を低く設定した養老保険)については、年齢にかかわらず、被保険者一人あたり500万円が上限となっております。3.被保険者が満55歳以上の場合は、普通定期保険、普通定期保険(R04)及び特別養老保険(死亡保険金額を満期保険金額の2倍、5倍又は10倍とする養老保険)については、被保険者一人あたり800万円が上限となっております。 <当社が引受け可能な保険金額の限度額の概要>   ② 財形貯蓄保険財形貯蓄保険(勤労者財産形成促進法第6条第1項第2号及び第4項第2号に規定する契約に係る保険業法第3条第4項第1号に掲げる保険)については、払込保険料の総額に関して、以下の限度額が定められております。被保険者一人あたり:550万円 ③ 年金(基本契約)の加入限度額年金保険については、年金の年額に関して、以下の限度額が定められております。被保険者一人あたり:初年度の基本年金額 90万円 
(注) 1.過去に販売していた年金保険の中には、年金の支払い開始の2年目以降から年金額が逓増する種類がありますが、この逓増額は上記限度額に含まれません。2.過去に販売していた年金保険の中には、契約者配当金を年金の支払い時に積み増ししてお支払いする種類がありますが、この積み増す額は上記限度額に含まれません。3.過去に販売していた年金保険の中には、夫婦が被保険者となる種類の年金保険がありますが、この場合、配偶者である被保険者に係る額は、上記限度額に含まれません。 ④ 特約の加入限度額特約については、それぞれの事由において、保険金額に関して、以下の限度額が定められております。a.疾病にかかったこと、傷害を受けたこと又は疾病にかかったことを原因とする人の状態、傷害を受けたことを直接の原因とする死亡及びこれらに類するものに対する保障・・・被保険者一人あたり:合計1,000万円b.上記に掲げるものに関し、治療を受けたことに対する保障・・・被保険者一人あたり:1,000万円
(注) 上記の法令で定める加入限度額以外にも、基本契約の保険種類等により付加できる特約の保険金額に一定の制限があります。 (7) 子会社の保有に関する特例① 保険業法による定め生命保険会社が子会社として保有できる会社は、保険業法により、生命保険会社、損害保険会社、少額短期保険業者、銀行等、特定の業を営む会社に限定されております。また、保有が認められている会社を子会社とする場合は、内閣総理大臣の認可又は内閣総理大臣への届出が必要となります(保険業法第106条、第127条)。 ② 郵政民営化法による定め郵政民営化法において、当社は、生命保険会社、損害保険会社、少額短期保険業者、保険業を行う外国の会社を子会社としてはならないと定められております(郵政民営化法第139条)。また、保有が認められている会社を子会社とする場合、郵政民営化法上の認可又は届出が必要となります(郵政民営化法第139条、第149条)。なお、当社が、子会社化することが禁じられている業種の会社に対して、子会社化に至らない議決権割合で出資する場合であっても、監督官庁からの監督上の措置(郵政民営化法第147条)により、当該出資が制限される可能性があります。 (8) 事業再編等に関する特例① 保険業法による定め生命保険会社が以下の行為を行う場合、内閣総理大臣の認可を受けなければ、その効力を生じないとされております(保険業法第139条、第142条、第167条、第173条の6)。・保険契約の移転・事業の譲渡又は譲受け・合併・会社分割 ② 郵政民営化法による定め郵政民営化法上、当社が以下の行為を行う場合、郵政民営化法上の認可を受けなければ、その効力を生じないとされております(郵政民営化法第141条)。・保険業法第135条に規定する保険契約の移転・当社を当事者とする事業の全部又は一部の譲渡又は譲受け・当社を当事者とする合併・当社を当事者とする会社分割 ただし、以下の場合には、認可を受けられないこととされております。・保険契約の移転について、移転先会社が日本郵政株式会社又は当社の子会社であるとき・事業の譲渡又は譲受けについて、保険の引受けに係る事業の全部の譲渡であるとき及び保険の引受けに係る事業の譲受けであるとき・合併について、合併により当社が消滅するとき及び合併の相手方が保険会社であるとき・会社分割について、吸収分割承継会社又は新設分割設立会社に保険契約を承継させるものであり、かつ、吸収分割承継会社等が日本郵政株式会社又は当社の子会社となるとき
関係会社の状況 4 【関係会社の状況】
名称住所資本金又は出資金(百万円)主要な事業の内容議決権の所有(又は被所有)割合(%)関係内容役員の兼任営業上の取引設備の賃貸借業務提携(親会社) 日本郵政株式会社
(注)東京都千代田区3,500,000グループの経営戦略策定被所有49.843名グループ協定の締結、システムサービス提供契約の締結、業務委託契約の締結等――(連結子会社) かんぽシステムソリューションズ株式会社東京都品川区500情報システムの設計、開発、保守及び運用業務の受託100.03名業務委託契約の締結、経営管理契約の締結不動産賃貸借関係―
(注) 有価証券報告書の提出会社であります。
従業員の状況 5 【従業員の状況】
(1) 連結会社の状況2024年3月31日現在会社名従業員数(名)提出会社18,427[2,626]かんぽシステムソリューションズ株式会社665[50]合計19,092[2,676]
(注) 1.当社グループは、単一セグメントであるため、セグメント別に代えて会社別の記載をしております。2.従業員数は、就業人員数(当社グループ外から当社グループへの出向者を含み、当社グループから当社グループ外への出向者を除く。)であり、臨時従業員数(無期転換制度に基づく無期雇用転換者(アソシエイト社員)を含み、派遣社員を除く。)は、年間の平均雇用実績(1日8時間換算)を[ ]内に外書きで記載しております。
(2) 提出会社の状況2024年3月31日現在従業員数(名)平均年齢(歳)平均勤続年数(年)平均年間給与(千円)内務職員:8,754内務職員:44.4内務職員:20.1内務職員:7,027営業職員:9,673営業職員:43.4営業職員:17.0営業職員:5,747[2,626]
(注) 1.当社は、単一セグメント、単一事業部門であるため、内務職員・営業職員別の記載をしております。2.従業員数は、就業人員数(他社から当社への出向者を含み、当社から他社への出向者を除く。)であり、臨時従業員数(無期転換制度に基づく無期雇用転換者(アソシエイト社員)を含み、派遣社員を除く。)は、年間の平均雇用実績(1日8時間換算)を[ ]内に外書きで記載しております。また、臨時従業員数について内務職員・営業職員の区分は行っておりません。3.当期より、実態の反映を目的に、営業関係の管理者を内務職員として集計しております。4.平均勤続年数は、郵政省、総務省郵政事業庁及び公社から通算した勤続年数であります。5.平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでおります。 (3) 労働組合の状況当社には労働組合として、日本郵政グループ労働組合、郵政産業労働者ユニオンが組織されております。また、当社の連結子会社であるかんぽシステムソリューションズ株式会社においては、JICDユニオンが組織されております。なお、労使関係については、概ね良好であり、特記すべき事項はありません。 (4) 管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異 ① 提出会社当事業年度補足説明管理職に占める女性労働者の割合(%)男性労働者の育児休業取得率(%)労働者の男女の賃金の差異(%)全労働者正規雇用労働者パート・有期労働者9.810073.471.880.6(注1,2,3,4,5,6,7) (注)1.女性の職業生活における活躍の推進に関する法律の規定により公表している指標等に基づき記載しております。2.管理職に占める女性労働者の割合は2024年4月1日時点の実績を、その他の指標は当連結会計年度における実績を記載しております。3.管理職に占める女性労働者の割合は、日本郵政グループ各社との整合性を図るため、提出会社を本籍とする社員を対象としており、他社からの出向者を含めておらず、他社への出向者を含めております。なお、2022年4月からの新しいかんぽ営業体制への移行に伴う他社からの出向者を含める場合の割合は9.1%です。4.男性労働者の育児休業取得率は、日本郵政グループ各社との整合性を図るため、提出会社を本籍とする社員を対象としており、当期より、他社からの出向者を含めておらず、他社への出向者を含めております。加えて、臨時雇用(無期転換制度に基づく無期雇用転換者(アソシエイト社員)を含む。)を含めておりません。男性労働者の育児休業取得率は、当連結会計年度に配偶者が出産した社員のうち、育児休業等を開始した社員(開始予定の申出者を含む。)の割合を記載しております。なお、2022年4月からの新しいかんぽ営業体制への移行に伴う他社からの出向者を含める場合の男性労働者の育児休業取得率は100%であります。5.労働者の男女の賃金の差異は、提出会社における賃金台帳に記載のある社員を対象としており、出向契約の締結内容に基づき、当社より給与を支払っている他社からの出向者及び他社への出向者を含んでおります。6.労働者の男女の賃金の差異は、賃金台帳を基に、その雇用する男性労働者の賃金の平均(平均年間賃金=賃金総額÷人員数)に対するその雇用する女性労働者の賃金の平均の割合を記載しております。総賃金から退職手当は除き、人員数から休職中の社員は除いております。また、無期転換制度に基づく無期雇用転換者(アソシエイト社員)は正規(無期)雇用労働者に含めて記載しております。7.当社では、男女間で賃金体系、昇進・昇給等の運用、採用基準に差を設けておりません。男女の賃金の差異のうち正規労働者の主な要因は、年齢構成を踏まえた男女比率に偏りがあり、相対的に賃金水準の高い高齢層・管理職層の女性比率が低いことにあります。非正規労働者の主な要因は、男性のうち約4割を占める専門職採用者の給与が高いことにあります。将来管理職として活躍することが期待される女性社員に向けたキャリア形成支援の実施など、女性管理職比率向上に引き続き取り組んでまいります。  ② 連結子会社当事業年度補足説明名称管理職に占める女性労働者の割合(%)男性労働者の育児休業取得率(%)労働者の男女の賃金の差異(%)全労働者正規雇用労働者パート・有期労働者かんぽシステムソリューションズ株式会社10.775.075.276.158.6(注1,2,3,4,5,6,7) (注)1.女性の職業生活における活躍の推進に関する法律の規定により公表している指標等に基づき記載しております。2.管理職に占める女性労働者の割合は2024年4月1日時点の実績を、その他の指標は当連結会計年度における実績を記載しております。3.管理職に占める女性労働者の割合は、当該連結子会社を本籍とする社員を対象としており、他社からの出向者を含めておらず、他社への出向者を含めております。4.男性労働者の育児休業取得率は、当該連結子会社を本籍とする社員を対象としており、当期より、他社からの出向者を含めておらず、他社への出向者を含めております。加えて、臨時雇用(無期転換制度に基づく無期雇用転換者(アソシエイト社員)を含む。)を含めておりません。男性労働者の育児休業取得率は、当連結会計年度に配偶者が出産した社員のうち、育児休業等を開始した社員(開始予定の申出者を含む。)の割合を記載しております。5.労働者の男女の賃金の差異は、当該連結子会社における賃金台帳に記載のある社員を対象としており、出向契約の締結内容に基づき、当該連結子会社より給与を支払っている他社からの出向者及び他社への出向者を含んでおります。6.労働者の男女の賃金の差異は、賃金台帳を基に、その雇用する男性労働者の賃金の平均(平均年間賃金=賃金総額÷人員数)に対するその雇用する女性労働者の賃金の平均の割合を記載しております。総賃金から退職手当は除き、人員数から休職中の社員は除いております。また、無期転換制度に基づく無期雇用転換者(アソシエイト社員)は正規(無期)雇用労働者に含めて記載しております。7.当該連結子会社では、男女間で賃金体系、昇進・昇給等の運用、採用基準に差を設けておりません。男女の賃金の差異のうち正規労働者の主な要因は、年齢構成を踏まえた男女比率に偏りがあり、相対的に賃金水準の高い高齢層・管理職層の女性比率が低いことにあります。非正規労働者の主な要因は、非正規労働者の男性のうち約6割が、定年退職後も、高い賃金水準で継続的に雇用されている社員であることにあります。将来管理職として活躍することが期待される女性社員に向けたキャリア形成支援の実施など、女性管理職比率向上に引き続き取り組んでまいります。
経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】
文中の将来に関する事項は、別段の記載がない限り、本書提出日現在において当社グループが判断したものであります。 (1) 経営方針当社が掲げる経営理念には、お客さまによりそい、一人ひとりの人生を守り続けていくために、全社員一丸となって歩んでいくという、当社の決意が込められております。この経営理念を実現するため、当社が目指していく具体的な姿を経営方針として制定しております。(経営理念)いつでもそばにいる。どこにいても支える。すべての人生を、守り続けたい。(経営方針)かんぽ生命保険は、お客さまから選ばれる真に日本一の保険会社を目指します。① お客さま一人ひとりの人生によりそい、分かりやすい商品と質の高いサービスを提供します。② お客さまにより良いサービスを提供するため、お客さまと接する社員が力を発揮する態勢を整備します。③ 社員一人ひとりが成長でき、明るく生き生きと活躍できる環境をつくります。④ コーポレート・ガバナンスの確立による健全な経営を行い、常に新しい価値を創造することで、持続的な成長を生み出します。⑤ 健康促進、環境保護、地域と社会の発展に積極的に貢献します。⑥ すべてのステークホルダーと密接なコミュニケーションを図ります。
(2) 経営環境2023年度の日本経済は、インバウンド需要の拡大や好調な企業業績を背景に回復基調となりましたが、消費者物価上昇による個人消費の下押しや人手不足による設備投資の遅延により景気の回復に足踏みが見られました。米国経済は、金融引締め政策が継続し、住宅投資等に減速が見られたものの、引き続き良好な雇用環境を背景とした個人消費がけん引役となり、堅調に推移しました。欧州経済は、引締めが続いてきた金融環境を背景に個人消費が低迷し、設備投資等も停滞したことから、減速基調が続きました。こうした経済状況の中、運用環境は以下のようになりました。国内長期金利は、日本銀行による長短金利操作の再修正により、長期金利の許容変動幅が拡大されたことや、米国長期金利が上昇したことを受けて、11月には0.9%台と10年ぶりの高水準まで上昇して推移しました。その後は、米国中央銀行による利上げ局面が終了したとの観測が強まったことや、米国のインフレ鈍化を示す経済指標等を背景に海外金利が低下したことから、12月まで国内長期金利も低下しましたが、日本銀行の金融政策変更期待を受けて再び上昇しました。3月には日本銀行によるマイナス金利政策の解除等の金融政策変更が発表され、3月末は0.75%程度となりました。日経平均株価は、米国景気の底堅さや、日本銀行の金融緩和政策継続、日本企業のガバナンス改革への期待等から6月には33,000円台まで上昇しました。その後は概ねレンジでの推移となりましたが、1月に開始された新NISA(少額投資非課税制度)への期待感や2月の米国ハイテク株の上昇を受け、約34年ぶりに史上最高値を更新するなど大幅高となり、3月末は40,000円台となりました。ドル円は、米国中央銀行による継続的な利上げを背景に大幅なドル高円安が進行し、11月には151円台まで上昇しました。その後は米国における利上げ終了が意識されたことで1月には141円台までドル安円高基調となりましたが、米国中央銀行が継続的な金利据え置きの姿勢を示す中で再びドル高円安となり、3月末は151円台となりました。 また、近年、生命保険業界を取り巻く経営環境は大きく変化しております。少子高齢化の進展や単身世帯の増加に伴い伝統的な死亡保障へのニーズが縮小する一方、社会保障制度に対する不安感や自助努力意識の高まりから、医療・介護等の第三分野商品に対するニーズの拡大が見られ、今後もこの傾向は継続するものと考えられます。さらに、コロナ禍を契機として、お客さまに迅速かつ適切に保険金等をお支払いするという生命保険事業の社会的役割はより一層重要性を増しております。また、各種サービスのデジタル化に向けた取り組み等が進展しており、当社としても、時代とともに加速するお客さまの価値観やライフスタイルの変化・多様化に合わせて最適なサービスを提供できるよう、引き続きお客さま本位の業務運営の推進・定着に取り組んでおります。販売チャネルにつきましては、従来からの営業職員チャネルや銀行を中心とした金融機関の窓口販売チャネル等の対面チャネルに加え、デジタル技術の活用により非対面・非接触での保険サービスを提供する取り組みが進んでおります。当社におきましては、創業以来、養老保険・終身保険を中心とした簡易で小口な商品を、全国津々浦々の郵便局を通じて、家庭市場を中心に多くのお客さまにご提供するという独自のビジネスモデルを展開してまいりました。商品・チャネル・顧客基盤といったこれらの特徴は、他社にはない当社の大きな強みである一方、時代や環境の変化に適応したビジネスモデルの転換を図る必要性を認識しております。かかる課題認識を踏まえた当社の成長戦略の詳細は、下記「(4) 経営戦略及び対処すべき課題」に記載のとおりであります。 (3) 目標とする経営指標当社は、下記「(4) 経営戦略及び対処すべき課題」に記載のとおり、2024年5月に中期経営計画の見直しを公表しており、同時に、目標とする経営指標についても一部見直しを行っております。見直し後の主要な経営指標は次のとおりであります。見直し後の中期経営計画においても、当社グループは、お客さまのご評価を主要目標として設定し、「お客さま満足度※1」や「ネットプロモータースコア(NPS®※2)」の向上を目指してまいります。一方、経営基盤を維持していくためのストックベースの目標として設定していた「保有契約件数(個人保険)」については、下記「4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (3) 目標とする経営指標の達成状況等」に記載のとおり、保有契約件数が減少傾向にあることを踏まえ、目標件数の見直しを行っております。また、財務目標として設定していた「連結当期純利益」に替えて、新契約の増加が短期的に当期純利益を押し下げる生命保険会社特有の影響を一部調整した「修正利益※3」及びこれを踏まえた「修正ROE※4」を新たに設定しております。このほか、財務目標として「1株当たり配当額」及び「EV成長率」を引き続き設定しております。なお、2024年5月に見直しを行う前の主要目標の達成状況については、下記「4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (3) 目標とする経営指標の達成状況等」に記載のとおりであります。 ※1 お客さま満足度を5段階評価として、上位2段階に相当する「満足」「やや満足」として回答いただいた合計割合です。※2 NPS®とは、Net Promoter Scoreの略語であり、ベイン・アンド・カンパニー、フレッド・ライクヘルド、サトメトリックス・システムズ(現NICE Systems,Inc)の登録商標です。※3 修正利益とは、新契約の増加が短期的に利益を押し下げる生命保険会社特有の影響を一部調整するための当社独自の指標であり、連結当期純利益に「責任準備金の調整額(税引後)」を加算したものです。責任準備金の調整額とは、当該事業年度の新契約に係る標準責任準備金の繰入額から保険料計算に用いる基礎率により計算した責任準備金の繰入額を控除した金額です。※4 修正ROEとは、修正利益を連結株主資本(期中平均)で除したものです。 (4) 経営戦略及び対処すべき課題(中期経営計画)当社は、2021年5月に公表した2025年度までの中期経営計画に基づき、お客さまから真に信頼される企業への再生とお客さま体験価値(CX)※を最優先とするビジネスモデルへの転換に向けて取り組んでまいりました。その基本方針は維持しつつ、事業環境等の変化を踏まえ、2024年5月に中期経営計画の見直しを公表しました。見直し後の中期経営計画の下、お客さまから信頼され、選ばれ続けることで、お客さまの人生を保険の力でお守りするという当社の社会的使命を果たすため、お客さま本位に基づく営業力の強化、安定的な利益確保を通じて、「強い会社」となり、持続的に成長していくとともに、サステナビリティと資本効率を意識した経営を推進してまいります。 ※ お客さま体験価値(CX)とは、Customer Experienceの略語で、商品やサービスの価格や性能といった機能的な価値だけではなく、保険加入前から加入後のアフターフォロー、保険金支払までのプロセスすべてを通じてもたらされる満足感などの感情的・心理的な価値も含めた、お客さまが体験されるすべての価値のことです。 ① 成長戦略ア.ライフステージ/世代を超えたつながりによるお客さまの維持・拡大 当社は、「郵便局の保険」としての親近感とともに、ライフステージや世代を超えてお客さまとつながり続けることで、お客さま数の維持・拡大を目指しております。そのため、営業社員を積極的に採用・育成するとともに、多様なお客さまニーズに応えられる商品ラインアップの拡充とCX向上につながる質と量を伴ったアフターフォローの充実を進めてまいります。 a.営業社員の積極的な採用・育成による営業体制の強化当社は、営業社員の育成による質の強化と、人材確保による量の強化に取り組むとともに、2022年度に導入した「お客さま担当制※1」を個人単位から数人のチーム単位に見直し、チーム一体でお客さまと向き合うことで、お客さまサービスの向上に取り組んでまいります。まず、営業社員の質の強化については、管理職社員等の営業マネジメント力の強化やコンサルタント(主にお客さまのお宅を訪問して活動する社員)の人材育成の強化を進めてまいります。具体的には、管理職社員等に対して、チームに合った営業戦略の策定等の実践的な研修を繰り返し行うことで、営業マネジメントスキルの強化を図るとともに、コンサルタントの営業スキル向上に特化した営業指導者が、各コンサルタントのスキルや成長度合いに応じて、営業活動時の同行支援やスキル向上のための研修等を継続的に実施し、お客さま本位の営業活動を徹底してまいります。また、2023年7月に導入したコンサルタントに対するかんぽGD制度※2についても、現在の10段階の評価の細分化等による改善を進め、適正な評価と成長意欲の向上を図ることで、お客さまへより高い付加価値を提供できる社員を育成してまいります。次に、営業社員の量の強化については、新卒採用におけるインターンシップ等の広報活動の改善や、経験者採用における人材紹介会社を活用した通年採用により、営業社員の人材確保を図ってまいります。このほか、社員からの紹介を通じた中途採用の強化、シニア社員が働くことができる環境の整備を通じて、多様な営業社員の確保を進めてまいります。上記の取り組みに加えて、お客さま担当制について、個人単位から数人のチーム単位に見直すことにより、かんぽGD制度の評価に基づき各コンサルタントの担当顧客数を適正化し、チーム全体の生産性を向上させるとともに、メンバー間の連携を強化することで、チーム一体でお客さまサービスの向上に取り組んでまいります。 ※1 お客さま担当制とは、コンサルタントや郵便局がお客さま一人ひとりの担当者又は担当局として責任をもち、お客さまに寄り添った質の高い細やかなアフターフォローに取り組む営業体制のことです。 ※2 かんぽGD制度とは、中長期的な視点でコンサルタント一人ひとりの能力を伸ばすため、営業の実績だけではなく、募集プロセスやアフターフォロー等を通じ、お客さまとの信頼関係を築く能力やその成長度合いを総合的かつ定量的に評価する制度のことです。 b.多様なお客さまニーズに応えられる商品ラインアップの拡充金利上昇等の外部環境を捉え、貯蓄性商品の魅力向上を目指すとともに、要介護状態や就業不能に備える保険等の保障性商品も充実させていくことで、貯蓄性と保障性を織り交ぜた商品ラインアップの拡充を進めてまいります。これにより、あらゆる世代のお客さまの多様なニーズにお応えしてまいります。 c.CX向上につながるアフターフォローの充実業界最大級のお客さま基盤を強みに、お客さまの利便性向上のための「請求手続きのデジタル化」と、「リアルとデジタルを織り交ぜたチーム一体のアフターフォロー」を充実させることで、お客さま体験価値を向上させ、お客さまに「かんぽ生命に入っていてよかった」と感動いただけるよう取り組んでまいります。具体的には、かんぽデジタル手続きシステム※について、対象請求の拡大や郵便局窓口業務への導入に取り組むとともに、マイページにおいて、ご契約者等の氏名変更等の手続きを可能とする機能を拡充することで、より多くのお客さまにその場で完結する簡便な手続きを提供してまいります。また、各種手続き時に、チャットやWeb等の非対面のチャネルを通じて、専門スタッフ(カスタマーセンタースタッフ)がリアルタイムでお客さまの不明点を解消する体制をさらに強化することで、デジタルを活用したチーム一体でのアフターフォローを拡充してまいります。加えて、これらのCX向上につながるアフターフォローの取り組みを支えるため、お客さまとのコンタクト情報等を全社的に共有・分析可能なシステム等を整備してまいります。このほか、当社は、生命保険サービスに加えて、介護や相続といった人生のあらゆる場面において、お客さまの生活に寄り添うサービスを提供することで、お客さまが直面しているお困りごとの解消に取り組んでまいります。これにより、当社をより身近に感じていただくことで、お客さまとの信頼関係を構築し、本業である生命保険ビジネスに好影響を与えるサイクルの実現を目指してまいります。 ※ かんぽデジタル手続きシステムとは、保険金受取人の指定・変更等の対面でのご請求について、コンサルタント等が紙を使わずに端末で受け付けることを可能とするシステムです。これにより、お客さまの手続きにかかる時間や必要事項の記載漏れ等の不備解消にかかる負担を減らすとともに、コンサルタント等の請求受付業務の効率化と、請求受付後の書類審査や発送等のバックオフィス業務の削減を実現しております。  これらの取り組みを通じてお客さまの「信頼できる気軽な相談相手」となり、お客さまのライフステージが変わっても安心を提供し続けることで、お客さまと長期的な関係性を構築するとともに、そのご家族や知人、さらには地域・社会全体へ当社をお勧めいただき、お客さま数を増やしてまいります。 イ.持続的な「強い会社」へa.資産運用の深化・進化資産運用においては、ERM※1の枠組みの下、ALM※2運用を基本として、運用収益の向上を目指してまいります。これに向けて、市場環境変化を捉えた投資、他社との協働等による新規の資産運用事業の拡大・発展、インパクト投資※3を中核としたサステナブル投資※4のさらなる推進、運用専門人材の育成に取り組んでまいります。具体的には、市場環境に応じた戦術的かつ機動的な追加収益の獲得のため、日本経済のインフレへの転換を踏まえて、インフレ耐性が期待できる株式やインフラ、不動産等への新規資金の重点配分を行う等、資産ポートフォリオの組み換えを行ってまいります。これにより、総資産に占める収益追求資産の残高の割合は18~20%程度となることを見込んでおります。また、2024年5月に行った大和証券グループ(株式会社大和証券グループ本社及び大和アセットマネジメント株式会社)との資本・業務提携により、アセットマネジメント事業拡大による収益源の多様化と、運用態勢・人材ポートフォリオの高度化を進めてまいります。サステナブル投資については、社会課題解決に向けたインパクト投資を中核とした、かんぽ生命らしい“あたたかさ”の感じられる投資を推進してまいります。具体的には、産学連携を主軸とした革新的な技術開発につながる投資や、投資先企業の企業価値向上を促すスチュワードシップ活動、当社が発行する「責任投資レポート」等を通じた当社の先進的なサステナブル投資の取り組みに関する対外発信の拡充等に取り組んでまいります。これらの運用収益の向上に向けた取り組みを推進するため、外部交流や海外留学の活性化に加えて、中途採用を積極的に行うことで、運用専門職の社員を育成、増員し、広い視野や多様な経験・人脈を持った次世代リーダーの育成を進めてまいります。 ※1 ERMとは、Enterprise Risk Managementの略語で、会社が直面するリスクに関して、潜在的に重要なリスクを含めて総体的に捉え、会社全体の自己資本などと比較・対照することによって、事業全体として行うリスク管理のことです。※2 ALMとは、Asset Liability Managementの略語で、資産負債の総合管理のことです。※3 インパクト投資とは、財務的リターンと並行して、ポジティブで測定可能な社会的及び環境的インパクトを同時に生み出すことを意図する投資行動を指します。※4 サステナブル投資とは、サステナビリティ(持続可能性)の諸要素を考慮した投資行動を指します。 b.収益源の多様化/新たな成長機会の創出当社は、これまで収益源の多様化や新たな成長機会の創出を目的として、三井物産株式会社との資本・業務提携に加えて、大和証券グループとの資産運用分野における資本・業務提携やKKR & Co. Inc.(以下「KKR」といいます。)及びGlobal Atlantic Financial Group(以下「Global Atlantic」といいます。)との戦略的提携を行ってまいりました。引き続き、様々な成長領域の取り込みを図っていくため、他社との協業関係の構築・拡大を目指してまいります。具体的には、三井物産株式会社と協働し、当社の関連会社である三井物産かんぽアセットマネジメント株式会社を通じた新たなアセットマネジメント会社への出資等を検討するほか、大和証券グループとの資本・業務提携に基づき、当社運用資金の一部委託や人材交流等を通じて提携関係の強化を図ってまいります。また、KKR及びGlobal Atlanticとの提携を通じて、海外からの収益取り込みや事業ポートフォリオの多様化を進めてまいります。 c.事業運営の効率化当社は、デジタル化を推進することにより、さらなるお客さまサービス向上と業務の効率化及び経費の削減に取り組んでまいります。具体的には、かんぽデジタル手続きシステムを、郵便局窓口業務においても導入するとともに、非対面で完結するマイページによる手続きを拡充することで、より多くのお客さまがストレスなく、スムーズに請求手続きを行うことができるようにしながら、同時に書類審査や請求内容等のデジタル化によりバックオフィス業務の効率化を推進してまいります。また、こうしたバックオフィス業務に従事していた人材をリスキルし、お客さまサービス向上のため、Webサイトを閲覧したお客さまの保険に関するご質問やご相談にリアルタイムで対応する業務等、当社の強化領域へシフトすることで、ビジネスモデルの変革等のDX(デジタルトランスフォーメーション)を推進してまいります。 ② サステナビリティ経営 当社は、「お客さまから信頼され、選ばれ続けることで、お客さまの人生を保険の力でお守りする」という社会的使命を果たすことで、サステナビリティを巡る社会課題の解決に貢献し、SDGsを達成することを目指しており、2024年3月には社会課題の解決に取り組む上でのマテリアリティ(重要課題)の見直しを行い、5つの重要課題を特定しております。具体的には、「郵便局ネットワーク等を通じた保険サービスの提供」、「人々の笑顔と健康を守るWell-being向上のためのソリューションの展開」、「多様性と人権が尊重される安心・安全で暮らしやすい地域と社会の発展への貢献」、「豊かな自然を育む地球環境の保全への貢献」、そして「サステナビリティ経営を支える経営基盤の構築」であります。この5つの重要課題の解決に向けて、当社は、生命保険事業を通じ、お客さまの生涯の安心を支えるとともに、お客さまの健康づくりにも貢献してまいります。また、多様性と人権を尊重しながら、地域と社会、そして地球環境にも十分配慮した、持続的な事業運営を行ってまいります。 加えて、これらのサステナビリティ経営を支える経営基盤を構築するため、今後も人的資本経営の推進とコーポレートガバナンスの強化に取り組んでまいります。人的資本経営については、当社が定める人的資本経営の基本理念に基づき、人的資本への積極的な投資を通じて、「人の力」の成長を促し、全役員・社員が会社とともに成長し、自信と誇りをもって堂々と仕事ができる会社を目指してまいります。コーポレートガバナンスの強化については、全役員及び社員を対象としたコンプライアンスに関する研修や、マネー・ローンダリング等対策や情報セキュリティ対策等の強化等、健全な事業運営を確保するための取り組みを継続して実施してまいります。 なお、サステナビリティ経営を推進する当社の具体的な取り組みは、「2 サステナビリティに関する考え方及び取組」に記載のとおりであります。 ③ 資本効率を意識した経営 当社は、ERMに基づき、財務の健全性を確保しつつ、資本収益性を向上させ、安定した株主還元を図ることで、持続的な成長や中長期的な企業価値の向上を実現してまいります。 具体的には、「(3) 目標とする経営指標」に記載のとおり、財務目標として「修正利益」と「修正ROE」を新たに設定しております。ESR※の安定的な確保を図りつつ、「修正利益」と「修正ROE」を高め、修正利益を原資とする安定的な株主還元を実施することで、市場評価の改善を図ってまいります。 ※ ESRとは、Economic Solvency Ratioの略語で、財務健全性指標のひとつである「経済価値ベースのソルベンシー比率」のことです。 上記の中期経営計画の取り組み等を実施することで、株主・投資家をはじめとする様々なステークホルダーの皆さまのご期待に沿えるよう、持続的な企業価値の向上を目指してまいります。
サステナビリティに関する考え方及び取組 2 【サステナビリティに関する考え方及び取組】
当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取り組みは、次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、別段の記載がない限り、本書提出日現在において当社グループが判断したものであります。 当社は、全国の郵便局ネットワーク等を通じて保険サービスを提供することで、お客さまのいざというときの支えとなり、お客さまの人生をお守りしてまいりました。そうした事業活動そのものがサステナビリティを実現するための取り組みであると位置づけ、当社は、以下の「サステナビリティ方針」を定めております。 (サステナビリティ方針)かんぽ生命保険は、経営理念を実現し、お客さまの人生を保険の力でお守りするという社会的使命を果たすことで、サステナビリティ(持続可能性)をめぐる社会課題の解決に貢献し、当社の持続的な成長とSDGsの実現を目指します。 (1) ガバナンス当社は、サステナビリティ推進規程において、サステナビリティ推進に関する基本的な事項を定めております。これに基づき、サステナビリティ推進部担当執行役を委員長とするサステナビリティ委員会において、サステナビリティ戦略やサステナビリティ実施計画の策定・進捗等に関する協議・報告を行っております。サステナビリティ委員会での検討・協議の状況は、適時経営会議に報告するとともに、重要なものについては、経営会議で協議・決定の上、取締役会へ報告しております。 (サステナビリティ推進体制) 上記に加え、他の専門委員会で協議・検討する取り組みのうち、サステナビリティに関する取り組みについては、サステナビリティ委員会に取り組み内容の報告等を行っております。具体的には、気候変動リスク・自然関連リスクについてはリスク管理統括部担当執行役を委員長とするリスク管理委員会で、人的資本については人事戦略部担当執行役を委員長とする働き方改革委員会でそれぞれ取り組みを協議・検討するとともに、これらの内容について、サステナビリティ委員会へ適宜報告等を行っております。
(2) リスク管理 当社では、SDGsの17の目標を達成するための具体的な169のターゲットから、当社事業に関連するリスクや機会を考慮の上、取り組むべき社会課題を抽出し、抽出した課題に「ステークホルダーからの期待」と「当社にとっての重要度(戦略的重要性)」の2軸に基づく優先順位をつけて、マテリアリティ(重要課題)として特定しております。特に、「ステークホルダーからの期待」については、業界団体によるガイドラインや外部評価機関等からの要請事項、機関投資家との対話を通じた当社への要請事項、お客さまから当社に寄せられた声及び社員アンケートの内容等を踏まえ、特定作業を行っております。そして、マテリアリティに紐づくサステナビリティ実施計画を策定し、その進捗状況を管理・評価しております。なお、これらの取り組みは適宜サステナビリティ委員会、経営会議及び取締役会へ報告しております。また、当社はリスク選好ステートメント※を設定し、ERMに基づき事業運営における健全性を確保しつつ、持続的な成長や中長期的な企業価値の向上を目指しております。リスク選好ステートメントでは全体方針に加え、保険引受リスク・資産運用リスク・オペレーショナルリスクをリスク区分として定めております。下記「(3) 戦略」に記載のマテリアリティを推進するための取り組みと関連するリスク(サステナビリティに関連するリスク)は上記リスク区分を基に管理しております。具体的には、「人的リスク」や「コンプライアンスリスク」はオペレーショナルリスクのリスク区分で管理しております。また、気候変動リスク及び自然関連リスクに関しては、全てのリスク区分でリスクの洗い出し・リスク評価を行う態勢を整備しており、サステナビリティ推進部がリスクを特定及び評価して対応策を検討した上で、リスク管理統括部がリスク評価の妥当性を検証し、検証結果をリスク管理委員会に報告しております。 ※ リスク選好ステートメントとは、当社のリスクテイクの方針(目標収益達成を果たす上で、どのようなリスクを取るか)を定めたものです。当社では「定性的なリスク選好」と「定量的なリスク選好」に分けて設定しております。 (3) 戦略当社では、社会的使命を果たし、サステナビリティをめぐる諸課題に取り組むため、以下の5つのマテリアリティ(重要課題)を特定しており、マテリアリティに沿った各取り組みを推進しております。なお、本マテリアリティは、外部環境の変化等を踏まえ、2024年3月に見直しを行ったものであり、見直しに当たっては、サステナビリティ委員会及び経営会議で協議・決定し、取締役会へ報告しております。 (各マテリアリティの取り組み)マテリアリティ1 郵便局ネットワーク等を通じた保険サービスの提供当社は、前身である簡易生命保険事業の創業以来、郵便局ネットワーク等を通じて全国のお客さまに基礎的な保険商品・サービスをご提供してまいりました。現在も、人生100年時代における、あらゆる世代のお客さまの保障ニーズにお応えし、お客さまの人生を保険の力でお守りすることが当社の社会的使命であると認識しており、この使命を果たすことで、サステナビリティ(持続可能性)をめぐる社会課題の解決に貢献するとともに、当社の持続的な成長を目指しております。そのため、常にお客さまのニーズにお応えする保険サービスをご提案するとともに、お客さまの万が一の際に迅速かつ確実に保険金をお支払いする態勢を整備してまいります。なお、将来にわたってお客さまに保険サービスを提供する基盤を維持するため、保有契約件数(個人保険)を指標及び目標として設定しております。また、保険サービスに関するお客さまからの評価を把握し、より良いサービスの提供に活かしていくことを目的に、お客さま満足度及びネットプロモータースコア(NPS®)を指標及び目標に設定しております(詳細は、「(4) 指標及び目標」を参照)。 主な取り組み・地域密着の郵便局ネットワークを通じた基礎的な保障の提供・郵便局ネットワークとDX推進によるデジタル接点との融合・あらゆる世代の保障ニーズに応える商品開発 等 マテリアリティ2 人々の笑顔と健康を守るWell-being向上のためのソリューションの展開当社は、生命保険会社としてお客さまの万が一を支えるだけでなく、日々の健康づくりのサポートやサステナブル投資の推進に取り組むことにより、人々の毎日の暮らしを元気で笑顔に満ちたものにすることに貢献してまいります。当社がこうした取り組みを推進し、人々の健康で豊かな人生を支えることは、生命保険会社である当社の持続的な成長にも資するものと考えております。具体的には、当社は、当社発祥のラジオ体操の普及推進等を通じて日々の健康づくりをサポートしたいと考えており、ラジオ体操の普及推進の進捗を把握する指標及び目標として、ラジオ体操実施率を設定しております。また、サステナブル投資の推進については、「Well-being向上」「地域と社会の発展」「環境保護への貢献」を重点取り組みテーマとしており、これらの取り組みの進捗を把握する指標及び目標として、インパクト“K”プロジェクト※認証ファンドの累計件数及び金額を設定しております。本指標及び目標は、マテリアリティ3及び4にも関連するものです(詳細は、「(4) 指標及び目標」を参照)。 ※ 「インパクト“K”プロジェクト」とは、インパクト投資に関わる国内外の基準や考え方に加え、当社として重視する事項を包摂した社内認証制度です。 主な取り組み・ラジオ体操の普及推進・健康応援アプリ「すこやかんぽ」を活用したサービスの提供・サステナブル投資の推進 等 マテリアリティ3 多様性と人権が尊重される安心・安全で暮らしやすい地域と社会の発展への貢献当社は、多様性や人権尊重に関する社会的要請が高まる中、これらを侵害することのない企業活動を行っていく必要があると認識しております。そのため、人々が将来にわたって安心・安全に生活できるよう、多様性や人権を尊重した地域と社会の持続的な発展に資する取り組みを行うことで、誰もが生きがいをもって豊かに暮らせる共生社会の実現に貢献いたします。なお、地域と社会の持続的な発展に資する取り組みの進捗を把握する指標及び目標として、社会貢献活動の実施を設定しております。また、マテリアリティ2に記載のインパクト“K”プロジェクト認証ファンドの累計件数及び金額も、指標及び目標として設定しております(詳細は、「(4) 指標及び目標」を参照)。 主な取り組み・人権を尊重した社会の実現に向けた取り組み (人権デュー・ディリジェンスの取り組み等)・車いすテニスの支援や各拠点での社会貢献活動・サステナブル投資の推進 等 マテリアリティ4 豊かな自然を育む地球環境の保全への貢献当社は、持続的な地球環境があってこそ、当社の持続的な成長が実現できるという考えの下、社会的要請が高まっている気候変動や生物多様性・自然資本といった環境課題への対応を行っております(詳細は、「① 気候変動に関する取り組み」を参照)。なお、気候変動への対応として、温室効果ガス排出量の削減に向けて、当該排出量に関する指標及び目標を設定しており、2050年カーボンニュートラルの実現に向けて取り組んでおります。また、マテリアリティ2に記載のインパクト“K”プロジェクト認証ファンドの累計件数及び金額も、指標及び目標として設定しております(詳細は、「(4) 指標及び目標」を参照)。 主な取り組み・気候変動に関する取り組み・生物多様性・自然資本に関する取り組み・サステナブル投資の推進 等 マテリアリティ5 サステナビリティ経営を支える経営基盤の構築当社では、1~4のマテリアリティの達成のためには、社員一人ひとりが力を発揮できる職場環境や、会社の健全な経営基盤が欠かせないものと認識しています。そのため、社員のエンゲージメントの向上や多様な人材の活躍を進める人的資本経営の推進や、コンプライアンスの徹底、コーポレートガバナンスの強化を図ってまいります(人的資本経営の詳細は、「② 人的資本経営の推進」を参照)。なお、人的資本経営の進捗を把握する指標及び目標として、ES調査(エンゲージメントスコア調査)結果や、本社における女性管理職比率、育児休業取得率、障がい者雇用率(日本郵政グループ全体)を設定しております。加えて、コンプライアンスの徹底のため、具体的な実践計画であるコンプライアンス・プログラムに基づき、重点的に取り組むべき事項を選定し、推進しております(詳細は、「(4) 指標及び目標」を参照)。 主な取り組み・人的資本経営の推進・コンプライアンスの徹底・コーポレートガバナンスの強化 等 以降は、5つのマテリアリティのうち、「4 豊かな自然を育む地球環境の保全への貢献」の取り組みの一つである「気候変動に関する取り組み」及び「5 サステナビリティ経営を支える経営基盤の構築」の取り組みの一つである「人的資本経営の推進」について、詳細を記載いたします。 ① 気候変動に関する取り組み当社は、「気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)」の提言に、2019年4月に賛同を表明しており、気候変動への対応を経営上の重要課題として認識し、取り組みを進めております。具体的には、TCFD提言の内容を踏まえ、気候変動関連のリスクと機会を特定するとともに、それらが当社の生命保険事業や資産運用に及ぼす影響を把握するためのシナリオ分析を実施しております。引き続き、当社ではカーボンニュートラルの実現に向けて、低炭素社会への移行に関する取り組みを実践し、事業の持続可能性を高めてまいります。 (気候変動が当社事業に及ぼすリスクと機会)生命保険事業タイプ当社の認識影響の時間軸 物理的リスク自然災害などの被害が増加することによる保険金等支払額の増加短期~長期平均気温上昇や異常気象の健康への影響により中長期的な死亡率や罹患率が変化することによる保険金等支払額の増加長期機会健康維持等の商品・サービスに対するニーズの高まりなどの消費者の保険に対するニーズの変化中期~長期 資産運用タイプ当社の認識影響の時間軸物理的リスク自然災害などの増加に伴う投資先企業の損失拡大による投融資資産の価値毀損短期~長期移行リスク低炭素社会への移行に伴う制度変更、規制強化、消費者選好の変化の影響による投融資先企業の価値毀損短期~長期機会再生可能エネルギー事業(インフラ)への投資を含む、グリーンファイナンス市場の拡大と投資機会の増加短期~中期 ※1 上記リスクと機会の特定に当たっては、想定される大小のリスクを洗い出した上で、当社事業における重要性を勘案し、影響度の高いリスクと機会を開示しております。※2 影響の時間軸は、短期:5年、中期:15年、長期:30年程度と想定しております。 (主なシナリオ分析の実施内容※1)項目分析内容分析結果気候変動が当社の生命保険事業に及ぼす影響分析熱中症死亡の増加及び熱帯性の感染症被害拡大による保険金支払額の増加を定量的に分析いずれも保険金支払額の増加が見込まれるが、当社の財務健全性に与える影響は限定的であることを確認気候変動が当社の資産運用に及ぼす影響分析①脱炭素社会への移行に伴う経済環境の変化による当社順ざや及び保有資産への影響について、NGFS※2が公開するシナリオを用いて分析(国内外の長期金利が緩やかに上昇するシナリオを使用)・順ざやについて、国債等の円金利資産を保有する当社では、増加の見込み・保有資産について、特に10年超の債券において一定の下落額が見込まれたが、投資先企業の収益悪化や時価評価額下落は徐々に顕在化すると想定されること及び保有資産は途中売却が可能であること等を踏まえると、当社の財務健全性に与える影響は限定的であることを確認気候変動が当社の資産運用に及ぼす影響分析②各国政府による炭素税の導入など炭素コストの増加が投資先企業の財務に及ぼす影響について、定量的に分析(国内外の株式及び社債ポートフォリオが対象) エネルギー、素材、公益事業の3業種において、炭素コストが企業財務に及ぼす影響が大きいことを確認 <当社の対応>これらの業種を中心に引き続き下表のとおりスチュワードシップ活動の実施や社会の脱炭素化に資する投資を推進することで、ポートフォリオの気候変動リスク緩和を図る ※1 気候変動が生命保険事業及び資産運用に及ぼす影響については、一般的に確立された計測モデルはない上、長期間にわたり発現するなど気候変動自体の不確実性が高いことから、分析の精度や信頼性についての課題は多いと考えております。引き続き、調査・分析等を通じた影響把握に取り組んでまいります。※2 NGFSとは、Network for Greening the Financial Systemの略語で、気候変動リスクへの金融監督上の対応を検討するための中央銀行及び金融監督当局の国際的なネットワークのことです。 (低炭素社会への移行に関する取り組み)事業会社として の取り組み・施設や車両の省エネ化・再生可能エネルギーの使用機関投資家として の取り組み・投資判断における気候変動要素の組み込み・気候変動への対応を重視したスチュワードシップ活動の実施・投資ポートフォリオの温室効果ガス排出量計測及び管理・社会の脱炭素化に資する投資の推進 ② 人的資本経営の推進ア.人的資本経営の考え方当社は、お客さまから信頼され選ばれる企業になること及びお客さまに感動いただける保険サービスの提供を通じた持続的な成長を目指しており、そのためには、主体的に行動して付加価値の高い成果を発揮できる多様な人材の確保が必要不可欠であると考えております。一方で、当社では、優秀な専門人材の採用ができない可能性や、魅力的な労働条件や職場環境を提供できない場合に人材の流出、不足等を招く可能性があることを重要なリスクとして認識しております。こうした中で、2024年5月に見直しを行った中期経営計画(2021年度~2025年度)においても、サステナビリティ経営の重要な課題として「人的資本経営・企業風土改革」を位置づけています。そして、以下に記載する「『人的資本経営』3つの基本理念」の下、人材育成及び社内環境整備の取り組みを進めることで、全役員・社員が会社とともに成長し、自信と誇りをもって堂々と仕事ができる会社を目指しております。 (「人的資本経営」3つの基本理念)1.社員が主体的に行動する企業風土の定着2.戦略的な人材確保3.多様な人材の活躍と柔軟な働き方の推進 イ.「人的資本経営」3つの基本理念とその取り組みa.(基本理念1)社員が主体的に行動する企業風土の定着経営陣と社員が将来のビジョンを共有して共感することや、社員の主体性を引き出すマネジメント、多様なキャリアにチャレンジできる機会の提供を通じて、社員のエンゲージメント※1の向上と主体的に行動する企業風土の定着を目指しております。具体的には、会社が直面している課題やその取り組み等に対して、社長から全社員への定期的なメッセージ発信を行う「社長通信」や経営陣等と社員が定期的に意見交換する「フロントラインミーティング」、社員が社長に直接提案を行う制度の「かんぽ目安箱」を実施しております。これらにより、会社の将来のビジョンや方針等の理解を促進するとともに、経営陣と社員が同じ方針に基づいて全社一体となって課題等に取り組んでおります。また、社員の主体性を引き出す取り組みとして、キャリアに関する社員本人の希望を踏まえて各社員の育成方針などの議論を行う人材育成会議を実施しております。これにより、社員一人ひとりが自身の強みや弱みに気づき、その改善等に社員自らが取り組むことで、能力やモチベーションの向上を図っております。加えて、管理職の人事評価の中で、部下社員が能力を最大限発揮できる環境の構築が役割であることを明確化するとともに、各拠点の管理職等を対象にコーチング※2研修を実施し、マネジメント手法の改善に取り組んでおります。これらにより、部下社員との定期的な対話等によるコミュニケーションを活性化するとともに、主体的に行動する社員の育成や組織力の強化を図っております。このほか、社員の自律的な成長等を目的に、現在と異なる職務や環境で新たな業務へ自ら挑戦することができるキャリアチャレンジ制度を導入しております。これにより、社員自らが新たな業務に挑戦し、その領域でのスキル向上や視野を広げることで新たな発想等による課題解決力の向上を図るとともに、人事交流の活性化による組織間の相互理解も促進しております。これらの取り組み等を通じた社員のエンゲージメントを客観的に把握するため、年2回ES調査を実施しており、その調査結果を指標及び目標に設定しております(詳細は、「(4) 指標及び目標」を参照)。2023年度は、各種コミュニケーション施策の継続的な取り組みや、かんぽGD制度の導入及び営業部門における組織改編といった人事・組織面の改革、加えて、新商品の販売やご高齢のお客さまへのご提案の再開による活動量や新規契約の増加等により、社員のエンゲージメントにも大きな向上が見られました。今後も、会社の理念・方向性の社員への浸透と相互尊重を中心としたコミュニケーション改革に加え、管理職へのコーチング研修等によるマネジメント力強化や、社員の主体性をさらに引き出す人材育成、社員がやりがいをもって仕事に活き活きと取り組める環境作り等、企業風土改革の取り組みを強化することで、さらなるエンゲージメント向上を目指してまいります。 ※1 エンゲージメントとは、会社との深い関わり合いや関係性を意味する言葉です。※2 コーチングとは、管理職等が部下社員とともに達成したいことを明確にすることで、考え方や行動の選択肢を増やし、社員が主体的に行動するように促すコミュニケーション・スキルです。 b.(基本理念2)戦略的な人材確保現状及び将来必要な人材の「量」と「質」を把握し、経営戦略に合った人材の採用や強化領域への配置とリスキルの促進、各階層及び領域に応じた育成の実施により、会社の持続的な成長を支える人材を確保してまいります。具体的には、組織及び人事面から各部門の事業拡大や変革をサポートするツールとして、現状及び将来必要な人材の「量」と「質」を可視化する人材ポートフォリオの策定を進めております。これにより、当社において、重点的に強化すべき組織や今後各領域で必要となる人材を特定し、現状とのギャップ分析を実施することで、ギャップを踏まえて戦略的に採用や配置、育成を行ってまいります。その一環として、新卒採用では会社説明会やインターンシップの強化、積極的なリクルーター活動等に取り組んでまいります。経験者採用では、営業、アクチュアリー※、資産運用・リスク管理、IT・デジタル分野における専門人材等を確保するために、人材紹介会社を経由した採用や、社員からの紹介を通じた採用等を進めてまいります。これらの取り組みを測る指標として、新規採用者数に関する目標を設定しております(詳細は、「(4) 指標及び目標」を参照)。また、書類審査等のバックオフィス業務の削減を進め、こうした業務に従事していた人材をリスキルし、お客さま対応を行う部門等の当社の強化領域へシフトしてまいります。加えて、営業社員一人ひとりの能力や成長度合いを総合的かつ定量的に評価するかんぽGD制度を導入しており、中長期的な視点で営業社員の育成を進めてまいります。このほか、会社の成長を支えていく経営リーダーを、長期的な計画の中で戦略的に育成していくことを目的に、次世代リーダー育成プログラムを策定しており、将来を見据えて、各領域・階層に応じた社員育成を実施してまいります。 ※ アクチュアリーとは、確率や統計等の手法を用いて、将来の不確実な事象の評価を行い、保険数理業務、リスクマネジメント等を行う専門職です。 c.(基本理念3)多様な人材の活躍と柔軟な働き方の推進多様な人材が互いの「個」を尊重し、それぞれの役割を果たして成果を上げることや時間や場所にとらわれない柔軟な働き方ができる環境の整備により、多様化する社会のニーズに応え、社員・お客さまの満足度の向上を目指しております。具体的には、多様な人材の活躍の一環として、将来管理職として活躍することが期待される女性社員に向けたキャリア形成支援研修などの実施により女性活躍を推進しており、進捗を把握する指標及び目標として、本社における女性管理職比率を設定しております(詳細は、「(4) 指標及び目標」を参照)。加えて、育児や介護をしながらでも安心して社員が働き続けられるよう、育児休業取得社員に対する職場復帰プログラムの実施の徹底や、仕事と育児の両立支援セミナーの開催等に取り組んでおり、進捗を把握する指標及び目標として、育児休業取得率を設定しております(詳細は、「(4) 指標及び目標」を参照)。2023年度は男女ともに育児休業取得率100%となっており、これを継続するために、引き続き各種取り組みを実施いたします。また、障がいのある方の就労能力を正しく評価し、就業機会を提供することは企業の社会的責任の一環であると考えており、当社を含む日本郵政グループ各社において、障がい者雇用の推進に積極的に取り組んでおります。日本郵政グループ全体では、約6,500人の障がいのある社員が様々な職場で活躍しており(2023年6月1日時点)、さらなる推進に向けて、日本郵政グループ全体の障がい者雇用率を指標及び目標に設定しております(詳細は、「(4) 指標及び目標」を参照)。加えて、当社では、障がいのある社員との定期的な対話や座談会の実施、専用相談窓口の設置を行うとともに、採用業務を行う拠点にこれらの取り組みを牽引する「障がい者雇用促進リーダー」を配置し、障がいのある社員の職場定着を支援しております。 (4) 指標及び目標 当社は、5つのマテリアリティについて、以下のとおり指標及び目標を設定し、各取り組みの進捗を管理しております。 マテリアリティ2025年度目標2023年度実績1 郵便局ネットワーク等を通じた保険サービスの提供保有契約件数(個人保険):経営基盤を維持できる水準を設定1,970万件「お客さま満足度」及び「ネットプロモータースコア(NPS®)」の向上2 人々の笑顔と健康を守るWell-being向上のためのソリューションの展開ラジオ体操実施率※1:25%24.0%インパクト“K”プロジェクト認証ファンド:累計15件、500億円※2(この目標は、マテリアリティ3及び4にも関連)累計6件、225.5億円3 多様性と人権が尊重される安心・安全で暮らしやすい地域と社会の発展への貢献社会貢献活動の実施各拠点での地域貢献活動や、車いすテニス等の協賛を実施インパクト“K”プロジェクト認証ファンド累計件数・金額(マテリアリティ2に記載)4 豊かな自然を育む地球環境の保全への貢献温室効果ガス排出量(Scope1・2)※3・4・5・6: -2030年度目標:46%削減(2019年度比) -2050年目標:カーボンニュートラル約34%削減(2019年度比)※7(2022年度実績で、排出量は21,286tCO2e)インパクト“K”プロジェクト認証ファンド累計件数・金額(マテリアリティ2に記載)5 サステナビリティ経営を支える経営基盤の構築ES調査結果: 他社平均であるB※3・8・9・10CC※8・9・10本社における女性管理職比率:30%(2030年度目標)※3・11・1215.0%育児休業取得率:男女ともに100%※3・12・13男性:100% 女性:100%障がい者雇用率(日本郵政グループ全体):3.0%※14・152.56%コンプライアンス・プログラムに基づく取り組みの実施※3「犯罪防止態勢」、「募集品質・募集管理態勢」等を重点取組内容として選定し、取り組みを実施 ※1 ラジオ体操実施率は、当社が定期的に実施しているオンライン調査(対象は20歳~69歳の男女2,400名)において、ラジオ体操を知っていると回答した方のうち、1年に1回以上ラジオ体操を実施すると回答した方の割合です。※2 インパクト“K”プロジェクト認証ファンドの目標及び実績は、2022年度の認証開始からの累計案件数及び当社による投資額(ファンドの形態により投資額もしくはコミットメント額を計上)です。※3 目標・実績は、当社グループにおいて主要な事業である生命保険事業を営む当社について記載しております。※4 Scope1とは、自社が直接排出する排出量です。新規事業による増加分を除きます。※5 Scope2とは、他社から供給された電気などの使用に伴う排出量です。新規事業による増加分を除きます。※6 上記目標は、現時点の将来見通しに基づいたものであり、社会動向や技術革新の状況の変化によって見直す可能性があります。 ※7 温室効果ガス排出量(Scope1・2)の2022年度実績については、当社の組織体制の変更等により変更の可能性があります。また、2023年度実績は集計中のため、2022年度実績を記載しております。※8 当社の社員が、仕事内容・職場環境・人間関係・福利厚生などについてどの程度満足しているかを、株式会社リンクアンドモチベーションが提供する「モチベーションクラウド」により評価するものです。全11段階中Bは上位から6段階目、CCは上位から8段階目の評価です。※9 調査は、社員が外部サイトを通じて回答する方法で行っております。※10 対象社員は、他社からの出向者を含む在籍社員(他社への出向者、派遣社員及び育児休業や病気休暇等の休職中の社員は除きます。)です。※11  各年度の翌4月1日現在の本社(サービスセンターを含みます。)管理者のうち、女性の管理者の割合です。※12 日本郵政グループ各社との整合性を図るため、当社を本籍とする社員を対象としており、他社からの出向者を含めておらず、他社への出向者を含めております。※13  対象期間中に出産(男性の場合は配偶者が出産)した社員のうち、育児休業(育児・介護休業法第2条第1号。以下同じです。)を開始した社員(開始予定の申出者を含みます。)の割合です。また、臨時雇用(無期転換制度に基づく無期雇用転換者(アソシエイト社員)を含みます。)を含めておりません。※14 各年度の6月1日現在の日本郵政グループ(日本郵政株式会社・ゆうせいチャレンジド株式会社・日本郵便株式会社・株式会社ゆうちょ銀行・株式会社かんぽ生命保険・日本郵政コーポレートサービス株式会社)の全社員(算定基礎労働者数、期間雇用社員等を含み、派遣社員を除きます。)のうち、障がいのある社員(雇用障がい者数)の割合です。※15 当社では、障がい者雇用率の算定において障害者雇用促進法に基づくグループ適用を採用しているため、日本郵政グループ全体の障がい者雇用率を目標としております。 また、上記の目標の他にも、5つのマテリアリティに関連して、気候変動に関する取り組み及び人的資本経営の推進のうちの戦略的な人材確保への取り組みについて、それぞれ指標及び目標を設定しております。 ① 気候変動に関する取り組みScope3※1におけるカテゴリー15(投資先ポートフォリオから発生する温室効果ガス排出量)について、2050年カーボンニュートラルの実現を目指すとともに、2029年度末までに2020年度末対比で50%削減する中間目標を設定しております※2・3。なお、2023年3月末時点の国内外上場株式及び国内外クレジット(企業融資を含みます。)ポートフォリオの温室効果ガス排出量は、2020年度末対比で13.8%減の約895万tCO2eとなっております※4。 ※1 Scope3とは、サプライチェーンにおけるScope1、Scope2以外の間接排出です。15のカテゴリーに分類され、投資ポートフォリオにおける排出はカテゴリー15に該当します。※2 Scope3におけるカテゴリー15の目標は、投融資先企業のScope1及びScope2の排出量について、当社の持ち分比率をかけて算出した値の合計です。対象資産は、国内外上場株式及び国内外クレジット(企業融資を含みます。)です。※3 上記目標は、現時点の将来見通しに基づいたものであり、社会動向や技術革新の状況の変化によって見直す可能性があります。※4 投資先ポートフォリオから発生する温室効果ガス排出量は、直接の計測が困難であることから、各種社外データ等を参照の上、一定の仮定や前提に基づき算出しています。削減率及び排出量実績等の数値は、計測対象資産の変更や計測方法の見直し等により、遡及的に修正する可能性があります。 ② 戦略的な人材確保への取り組み新規採用者数に関する目標※1を設定しております。新卒採用においては、2024年4月1日に特定専門人材※2を8人、営業人材※3を229人採用しております。今後も、同水準以上の採用者数を目指して取り組んでまいります。 ※1 目標・実績は、当社グループにおいて主要な事業である生命保険事業を営む当社について記載しております。※2 アクチュアリー、資産運用・リスク管理、IT・デジタル分野のいずれかに特化して従事する社員です。※3 当社の支店かんぽサービス部又は法人営業部に所属している社員です。 上記のサステナビリティに関する考え方及び取り組みを通じて、当社グループの持続的な成長とSDGsの実現を目指してまいります。
戦略 (3) 戦略当社では、社会的使命を果たし、サステナビリティをめぐる諸課題に取り組むため、以下の5つのマテリアリティ(重要課題)を特定しており、マテリアリティに沿った各取り組みを推進しております。なお、本マテリアリティは、外部環境の変化等を踏まえ、2024年3月に見直しを行ったものであり、見直しに当たっては、サステナビリティ委員会及び経営会議で協議・決定し、取締役会へ報告しております。 (各マテリアリティの取り組み)マテリアリティ1 郵便局ネットワーク等を通じた保険サービスの提供当社は、前身である簡易生命保険事業の創業以来、郵便局ネットワーク等を通じて全国のお客さまに基礎的な保険商品・サービスをご提供してまいりました。現在も、人生100年時代における、あらゆる世代のお客さまの保障ニーズにお応えし、お客さまの人生を保険の力でお守りすることが当社の社会的使命であると認識しており、この使命を果たすことで、サステナビリティ(持続可能性)をめぐる社会課題の解決に貢献するとともに、当社の持続的な成長を目指しております。そのため、常にお客さまのニーズにお応えする保険サービスをご提案するとともに、お客さまの万が一の際に迅速かつ確実に保険金をお支払いする態勢を整備してまいります。なお、将来にわたってお客さまに保険サービスを提供する基盤を維持するため、保有契約件数(個人保険)を指標及び目標として設定しております。また、保険サービスに関するお客さまからの評価を把握し、より良いサービスの提供に活かしていくことを目的に、お客さま満足度及びネットプロモータースコア(NPS®)を指標及び目標に設定しております(詳細は、「(4) 指標及び目標」を参照)。 主な取り組み・地域密着の郵便局ネットワークを通じた基礎的な保障の提供・郵便局ネットワークとDX推進によるデジタル接点との融合・あらゆる世代の保障ニーズに応える商品開発 等 マテリアリティ2 人々の笑顔と健康を守るWell-being向上のためのソリューションの展開当社は、生命保険会社としてお客さまの万が一を支えるだけでなく、日々の健康づくりのサポートやサステナブル投資の推進に取り組むことにより、人々の毎日の暮らしを元気で笑顔に満ちたものにすることに貢献してまいります。当社がこうした取り組みを推進し、人々の健康で豊かな人生を支えることは、生命保険会社である当社の持続的な成長にも資するものと考えております。具体的には、当社は、当社発祥のラジオ体操の普及推進等を通じて日々の健康づくりをサポートしたいと考えており、ラジオ体操の普及推進の進捗を把握する指標及び目標として、ラジオ体操実施率を設定しております。また、サステナブル投資の推進については、「Well-being向上」「地域と社会の発展」「環境保護への貢献」を重点取り組みテーマとしており、これらの取り組みの進捗を把握する指標及び目標として、インパクト“K”プロジェクト※認証ファンドの累計件数及び金額を設定しております。本指標及び目標は、マテリアリティ3及び4にも関連するものです(詳細は、「(4) 指標及び目標」を参照)。 ※ 「インパクト“K”プロジェクト」とは、インパクト投資に関わる国内外の基準や考え方に加え、当社として重視する事項を包摂した社内認証制度です。 主な取り組み・ラジオ体操の普及推進・健康応援アプリ「すこやかんぽ」を活用したサービスの提供・サステナブル投資の推進 等 マテリアリティ3 多様性と人権が尊重される安心・安全で暮らしやすい地域と社会の発展への貢献当社は、多様性や人権尊重に関する社会的要請が高まる中、これらを侵害することのない企業活動を行っていく必要があると認識しております。そのため、人々が将来にわたって安心・安全に生活できるよう、多様性や人権を尊重した地域と社会の持続的な発展に資する取り組みを行うことで、誰もが生きがいをもって豊かに暮らせる共生社会の実現に貢献いたします。なお、地域と社会の持続的な発展に資する取り組みの進捗を把握する指標及び目標として、社会貢献活動の実施を設定しております。また、マテリアリティ2に記載のインパクト“K”プロジェクト認証ファンドの累計件数及び金額も、指標及び目標として設定しております(詳細は、「(4) 指標及び目標」を参照)。 主な取り組み・人権を尊重した社会の実現に向けた取り組み (人権デュー・ディリジェンスの取り組み等)・車いすテニスの支援や各拠点での社会貢献活動・サステナブル投資の推進 等 マテリアリティ4 豊かな自然を育む地球環境の保全への貢献当社は、持続的な地球環境があってこそ、当社の持続的な成長が実現できるという考えの下、社会的要請が高まっている気候変動や生物多様性・自然資本といった環境課題への対応を行っております(詳細は、「① 気候変動に関する取り組み」を参照)。なお、気候変動への対応として、温室効果ガス排出量の削減に向けて、当該排出量に関する指標及び目標を設定しており、2050年カーボンニュートラルの実現に向けて取り組んでおります。また、マテリアリティ2に記載のインパクト“K”プロジェクト認証ファンドの累計件数及び金額も、指標及び目標として設定しております(詳細は、「(4) 指標及び目標」を参照)。 主な取り組み・気候変動に関する取り組み・生物多様性・自然資本に関する取り組み・サステナブル投資の推進 等 マテリアリティ5 サステナビリティ経営を支える経営基盤の構築当社では、1~4のマテリアリティの達成のためには、社員一人ひとりが力を発揮できる職場環境や、会社の健全な経営基盤が欠かせないものと認識しています。そのため、社員のエンゲージメントの向上や多様な人材の活躍を進める人的資本経営の推進や、コンプライアンスの徹底、コーポレートガバナンスの強化を図ってまいります(人的資本経営の詳細は、「② 人的資本経営の推進」を参照)。なお、人的資本経営の進捗を把握する指標及び目標として、ES調査(エンゲージメントスコア調査)結果や、本社における女性管理職比率、育児休業取得率、障がい者雇用率(日本郵政グループ全体)を設定しております。加えて、コンプライアンスの徹底のため、具体的な実践計画であるコンプライアンス・プログラムに基づき、重点的に取り組むべき事項を選定し、推進しております(詳細は、「(4) 指標及び目標」を参照)。 主な取り組み・人的資本経営の推進・コンプライアンスの徹底・コーポレートガバナンスの強化 等 以降は、5つのマテリアリティのうち、「4 豊かな自然を育む地球環境の保全への貢献」の取り組みの一つである「気候変動に関する取り組み」及び「5 サステナビリティ経営を支える経営基盤の構築」の取り組みの一つである「人的資本経営の推進」について、詳細を記載いたします。 ① 気候変動に関する取り組み当社は、「気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)」の提言に、2019年4月に賛同を表明しており、気候変動への対応を経営上の重要課題として認識し、取り組みを進めております。具体的には、TCFD提言の内容を踏まえ、気候変動関連のリスクと機会を特定するとともに、それらが当社の生命保険事業や資産運用に及ぼす影響を把握するためのシナリオ分析を実施しております。引き続き、当社ではカーボンニュートラルの実現に向けて、低炭素社会への移行に関する取り組みを実践し、事業の持続可能性を高めてまいります。 (気候変動が当社事業に及ぼすリスクと機会)生命保険事業タイプ当社の認識影響の時間軸 物理的リスク自然災害などの被害が増加することによる保険金等支払額の増加短期~長期平均気温上昇や異常気象の健康への影響により中長期的な死亡率や罹患率が変化することによる保険金等支払額の増加長期機会健康維持等の商品・サービスに対するニーズの高まりなどの消費者の保険に対するニーズの変化中期~長期 資産運用タイプ当社の認識影響の時間軸物理的リスク自然災害などの増加に伴う投資先企業の損失拡大による投融資資産の価値毀損短期~長期移行リスク低炭素社会への移行に伴う制度変更、規制強化、消費者選好の変化の影響による投融資先企業の価値毀損短期~長期機会再生可能エネルギー事業(インフラ)への投資を含む、グリーンファイナンス市場の拡大と投資機会の増加短期~中期 ※1 上記リスクと機会の特定に当たっては、想定される大小のリスクを洗い出した上で、当社事業における重要性を勘案し、影響度の高いリスクと機会を開示しております。※2 影響の時間軸は、短期:5年、中期:15年、長期:30年程度と想定しております。 (主なシナリオ分析の実施内容※1)項目分析内容分析結果気候変動が当社の生命保険事業に及ぼす影響分析熱中症死亡の増加及び熱帯性の感染症被害拡大による保険金支払額の増加を定量的に分析いずれも保険金支払額の増加が見込まれるが、当社の財務健全性に与える影響は限定的であることを確認気候変動が当社の資産運用に及ぼす影響分析①脱炭素社会への移行に伴う経済環境の変化による当社順ざや及び保有資産への影響について、NGFS※2が公開するシナリオを用いて分析(国内外の長期金利が緩やかに上昇するシナリオを使用)・順ざやについて、国債等の円金利資産を保有する当社では、増加の見込み・保有資産について、特に10年超の債券において一定の下落額が見込まれたが、投資先企業の収益悪化や時価評価額下落は徐々に顕在化すると想定されること及び保有資産は途中売却が可能であること等を踏まえると、当社の財務健全性に与える影響は限定的であることを確認気候変動が当社の資産運用に及ぼす影響分析②各国政府による炭素税の導入など炭素コストの増加が投資先企業の財務に及ぼす影響について、定量的に分析(国内外の株式及び社債ポートフォリオが対象) エネルギー、素材、公益事業の3業種において、炭素コストが企業財務に及ぼす影響が大きいことを確認 <当社の対応>これらの業種を中心に引き続き下表のとおりスチュワードシップ活動の実施や社会の脱炭素化に資する投資を推進することで、ポートフォリオの気候変動リスク緩和を図る ※1 気候変動が生命保険事業及び資産運用に及ぼす影響については、一般的に確立された計測モデルはない上、長期間にわたり発現するなど気候変動自体の不確実性が高いことから、分析の精度や信頼性についての課題は多いと考えております。引き続き、調査・分析等を通じた影響把握に取り組んでまいります。※2 NGFSとは、Network for Greening the Financial Systemの略語で、気候変動リスクへの金融監督上の対応を検討するための中央銀行及び金融監督当局の国際的なネットワークのことです。 (低炭素社会への移行に関する取り組み)事業会社として の取り組み・施設や車両の省エネ化・再生可能エネルギーの使用機関投資家として の取り組み・投資判断における気候変動要素の組み込み・気候変動への対応を重視したスチュワードシップ活動の実施・投資ポートフォリオの温室効果ガス排出量計測及び管理・社会の脱炭素化に資する投資の推進 ② 人的資本経営の推進ア.人的資本経営の考え方当社は、お客さまから信頼され選ばれる企業になること及びお客さまに感動いただける保険サービスの提供を通じた持続的な成長を目指しており、そのためには、主体的に行動して付加価値の高い成果を発揮できる多様な人材の確保が必要不可欠であると考えております。一方で、当社では、優秀な専門人材の採用ができない可能性や、魅力的な労働条件や職場環境を提供できない場合に人材の流出、不足等を招く可能性があることを重要なリスクとして認識しております。こうした中で、2024年5月に見直しを行った中期経営計画(2021年度~2025年度)においても、サステナビリティ経営の重要な課題として「人的資本経営・企業風土改革」を位置づけています。そして、以下に記載する「『人的資本経営』3つの基本理念」の下、人材育成及び社内環境整備の取り組みを進めることで、全役員・社員が会社とともに成長し、自信と誇りをもって堂々と仕事ができる会社を目指しております。 (「人的資本経営」3つの基本理念)1.社員が主体的に行動する企業風土の定着2.戦略的な人材確保3.多様な人材の活躍と柔軟な働き方の推進 イ.「人的資本経営」3つの基本理念とその取り組みa.(基本理念1)社員が主体的に行動する企業風土の定着経営陣と社員が将来のビジョンを共有して共感することや、社員の主体性を引き出すマネジメント、多様なキャリアにチャレンジできる機会の提供を通じて、社員のエンゲージメント※1の向上と主体的に行動する企業風土の定着を目指しております。具体的には、会社が直面している課題やその取り組み等に対して、社長から全社員への定期的なメッセージ発信を行う「社長通信」や経営陣等と社員が定期的に意見交換する「フロントラインミーティング」、社員が社長に直接提案を行う制度の「かんぽ目安箱」を実施しております。これらにより、会社の将来のビジョンや方針等の理解を促進するとともに、経営陣と社員が同じ方針に基づいて全社一体となって課題等に取り組んでおります。また、社員の主体性を引き出す取り組みとして、キャリアに関する社員本人の希望を踏まえて各社員の育成方針などの議論を行う人材育成会議を実施しております。これにより、社員一人ひとりが自身の強みや弱みに気づき、その改善等に社員自らが取り組むことで、能力やモチベーションの向上を図っております。加えて、管理職の人事評価の中で、部下社員が能力を最大限発揮できる環境の構築が役割であることを明確化するとともに、各拠点の管理職等を対象にコーチング※2研修を実施し、マネジメント手法の改善に取り組んでおります。これらにより、部下社員との定期的な対話等によるコミュニケーションを活性化するとともに、主体的に行動する社員の育成や組織力の強化を図っております。このほか、社員の自律的な成長等を目的に、現在と異なる職務や環境で新たな業務へ自ら挑戦することができるキャリアチャレンジ制度を導入しております。これにより、社員自らが新たな業務に挑戦し、その領域でのスキル向上や視野を広げることで新たな発想等による課題解決力の向上を図るとともに、人事交流の活性化による組織間の相互理解も促進しております。これらの取り組み等を通じた社員のエンゲージメントを客観的に把握するため、年2回ES調査を実施しており、その調査結果を指標及び目標に設定しております(詳細は、「(4) 指標及び目標」を参照)。2023年度は、各種コミュニケーション施策の継続的な取り組みや、かんぽGD制度の導入及び営業部門における組織改編といった人事・組織面の改革、加えて、新商品の販売やご高齢のお客さまへのご提案の再開による活動量や新規契約の増加等により、社員のエンゲージメントにも大きな向上が見られました。今後も、会社の理念・方向性の社員への浸透と相互尊重を中心としたコミュニケーション改革に加え、管理職へのコーチング研修等によるマネジメント力強化や、社員の主体性をさらに引き出す人材育成、社員がやりがいをもって仕事に活き活きと取り組める環境作り等、企業風土改革の取り組みを強化することで、さらなるエンゲージメント向上を目指してまいります。 ※1 エンゲージメントとは、会社との深い関わり合いや関係性を意味する言葉です。※2 コーチングとは、管理職等が部下社員とともに達成したいことを明確にすることで、考え方や行動の選択肢を増やし、社員が主体的に行動するように促すコミュニケーション・スキルです。 b.(基本理念2)戦略的な人材確保現状及び将来必要な人材の「量」と「質」を把握し、経営戦略に合った人材の採用や強化領域への配置とリスキルの促進、各階層及び領域に応じた育成の実施により、会社の持続的な成長を支える人材を確保してまいります。具体的には、組織及び人事面から各部門の事業拡大や変革をサポートするツールとして、現状及び将来必要な人材の「量」と「質」を可視化する人材ポートフォリオの策定を進めております。これにより、当社において、重点的に強化すべき組織や今後各領域で必要となる人材を特定し、現状とのギャップ分析を実施することで、ギャップを踏まえて戦略的に採用や配置、育成を行ってまいります。その一環として、新卒採用では会社説明会やインターンシップの強化、積極的なリクルーター活動等に取り組んでまいります。経験者採用では、営業、アクチュアリー※、資産運用・リスク管理、IT・デジタル分野における専門人材等を確保するために、人材紹介会社を経由した採用や、社員からの紹介を通じた採用等を進めてまいります。これらの取り組みを測る指標として、新規採用者数に関する目標を設定しております(詳細は、「(4) 指標及び目標」を参照)。また、書類審査等のバックオフィス業務の削減を進め、こうした業務に従事していた人材をリスキルし、お客さま対応を行う部門等の当社の強化領域へシフトしてまいります。加えて、営業社員一人ひとりの能力や成長度合いを総合的かつ定量的に評価するかんぽGD制度を導入しており、中長期的な視点で営業社員の育成を進めてまいります。このほか、会社の成長を支えていく経営リーダーを、長期的な計画の中で戦略的に育成していくことを目的に、次世代リーダー育成プログラムを策定しており、将来を見据えて、各領域・階層に応じた社員育成を実施してまいります。 ※ アクチュアリーとは、確率や統計等の手法を用いて、将来の不確実な事象の評価を行い、保険数理業務、リスクマネジメント等を行う専門職です。 c.(基本理念3)多様な人材の活躍と柔軟な働き方の推進多様な人材が互いの「個」を尊重し、それぞれの役割を果たして成果を上げることや時間や場所にとらわれない柔軟な働き方ができる環境の整備により、多様化する社会のニーズに応え、社員・お客さまの満足度の向上を目指しております。具体的には、多様な人材の活躍の一環として、将来管理職として活躍することが期待される女性社員に向けたキャリア形成支援研修などの実施により女性活躍を推進しており、進捗を把握する指標及び目標として、本社における女性管理職比率を設定しております(詳細は、「(4) 指標及び目標」を参照)。加えて、育児や介護をしながらでも安心して社員が働き続けられるよう、育児休業取得社員に対する職場復帰プログラムの実施の徹底や、仕事と育児の両立支援セミナーの開催等に取り組んでおり、進捗を把握する指標及び目標として、育児休業取得率を設定しております(詳細は、「(4) 指標及び目標」を参照)。2023年度は男女ともに育児休業取得率100%となっており、これを継続するために、引き続き各種取り組みを実施いたします。また、障がいのある方の就労能力を正しく評価し、就業機会を提供することは企業の社会的責任の一環であると考えており、当社を含む日本郵政グループ各社において、障がい者雇用の推進に積極的に取り組んでおります。日本郵政グループ全体では、約6,500人の障がいのある社員が様々な職場で活躍しており(2023年6月1日時点)、さらなる推進に向けて、日本郵政グループ全体の障がい者雇用率を指標及び目標に設定しております(詳細は、「(4) 指標及び目標」を参照)。加えて、当社では、障がいのある社員との定期的な対話や座談会の実施、専用相談窓口の設置を行うとともに、採用業務を行う拠点にこれらの取り組みを牽引する「障がい者雇用促進リーダー」を配置し、障がいのある社員の職場定着を支援しております。
指標及び目標 (4) 指標及び目標 当社は、5つのマテリアリティについて、以下のとおり指標及び目標を設定し、各取り組みの進捗を管理しております。 マテリアリティ2025年度目標2023年度実績1 郵便局ネットワーク等を通じた保険サービスの提供保有契約件数(個人保険):経営基盤を維持できる水準を設定1,970万件「お客さま満足度」及び「ネットプロモータースコア(NPS®)」の向上2 人々の笑顔と健康を守るWell-being向上のためのソリューションの展開ラジオ体操実施率※1:25%24.0%インパクト“K”プロジェクト認証ファンド:累計15件、500億円※2(この目標は、マテリアリティ3及び4にも関連)累計6件、225.5億円3 多様性と人権が尊重される安心・安全で暮らしやすい地域と社会の発展への貢献社会貢献活動の実施各拠点での地域貢献活動や、車いすテニス等の協賛を実施インパクト“K”プロジェクト認証ファンド累計件数・金額(マテリアリティ2に記載)4 豊かな自然を育む地球環境の保全への貢献温室効果ガス排出量(Scope1・2)※3・4・5・6: -2030年度目標:46%削減(2019年度比) -2050年目標:カーボンニュートラル約34%削減(2019年度比)※7(2022年度実績で、排出量は21,286tCO2e)インパクト“K”プロジェクト認証ファンド累計件数・金額(マテリアリティ2に記載)5 サステナビリティ経営を支える経営基盤の構築ES調査結果: 他社平均であるB※3・8・9・10CC※8・9・10本社における女性管理職比率:30%(2030年度目標)※3・11・1215.0%育児休業取得率:男女ともに100%※3・12・13男性:100% 女性:100%障がい者雇用率(日本郵政グループ全体):3.0%※14・152.56%コンプライアンス・プログラムに基づく取り組みの実施※3「犯罪防止態勢」、「募集品質・募集管理態勢」等を重点取組内容として選定し、取り組みを実施 ※1 ラジオ体操実施率は、当社が定期的に実施しているオンライン調査(対象は20歳~69歳の男女2,400名)において、ラジオ体操を知っていると回答した方のうち、1年に1回以上ラジオ体操を実施すると回答した方の割合です。※2 インパクト“K”プロジェクト認証ファンドの目標及び実績は、2022年度の認証開始からの累計案件数及び当社による投資額(ファンドの形態により投資額もしくはコミットメント額を計上)です。※3 目標・実績は、当社グループにおいて主要な事業である生命保険事業を営む当社について記載しております。※4 Scope1とは、自社が直接排出する排出量です。新規事業による増加分を除きます。※5 Scope2とは、他社から供給された電気などの使用に伴う排出量です。新規事業による増加分を除きます。※6 上記目標は、現時点の将来見通しに基づいたものであり、社会動向や技術革新の状況の変化によって見直す可能性があります。 ※7 温室効果ガス排出量(Scope1・2)の2022年度実績については、当社の組織体制の変更等により変更の可能性があります。また、2023年度実績は集計中のため、2022年度実績を記載しております。※8 当社の社員が、仕事内容・職場環境・人間関係・福利厚生などについてどの程度満足しているかを、株式会社リンクアンドモチベーションが提供する「モチベーションクラウド」により評価するものです。全11段階中Bは上位から6段階目、CCは上位から8段階目の評価です。※9 調査は、社員が外部サイトを通じて回答する方法で行っております。※10 対象社員は、他社からの出向者を含む在籍社員(他社への出向者、派遣社員及び育児休業や病気休暇等の休職中の社員は除きます。)です。※11  各年度の翌4月1日現在の本社(サービスセンターを含みます。)管理者のうち、女性の管理者の割合です。※12 日本郵政グループ各社との整合性を図るため、当社を本籍とする社員を対象としており、他社からの出向者を含めておらず、他社への出向者を含めております。※13  対象期間中に出産(男性の場合は配偶者が出産)した社員のうち、育児休業(育児・介護休業法第2条第1号。以下同じです。)を開始した社員(開始予定の申出者を含みます。)の割合です。また、臨時雇用(無期転換制度に基づく無期雇用転換者(アソシエイト社員)を含みます。)を含めておりません。※14 各年度の6月1日現在の日本郵政グループ(日本郵政株式会社・ゆうせいチャレンジド株式会社・日本郵便株式会社・株式会社ゆうちょ銀行・株式会社かんぽ生命保険・日本郵政コーポレートサービス株式会社)の全社員(算定基礎労働者数、期間雇用社員等を含み、派遣社員を除きます。)のうち、障がいのある社員(雇用障がい者数)の割合です。※15 当社では、障がい者雇用率の算定において障害者雇用促進法に基づくグループ適用を採用しているため、日本郵政グループ全体の障がい者雇用率を目標としております。 また、上記の目標の他にも、5つのマテリアリティに関連して、気候変動に関する取り組み及び人的資本経営の推進のうちの戦略的な人材確保への取り組みについて、それぞれ指標及び目標を設定しております。 ① 気候変動に関する取り組みScope3※1におけるカテゴリー15(投資先ポートフォリオから発生する温室効果ガス排出量)について、2050年カーボンニュートラルの実現を目指すとともに、2029年度末までに2020年度末対比で50%削減する中間目標を設定しております※2・3。なお、2023年3月末時点の国内外上場株式及び国内外クレジット(企業融資を含みます。)ポートフォリオの温室効果ガス排出量は、2020年度末対比で13.8%減の約895万tCO2eとなっております※4。 ※1 Scope3とは、サプライチェーンにおけるScope1、Scope2以外の間接排出です。15のカテゴリーに分類され、投資ポートフォリオにおける排出はカテゴリー15に該当します。※2 Scope3におけるカテゴリー15の目標は、投融資先企業のScope1及びScope2の排出量について、当社の持ち分比率をかけて算出した値の合計です。対象資産は、国内外上場株式及び国内外クレジット(企業融資を含みます。)です。※3 上記目標は、現時点の将来見通しに基づいたものであり、社会動向や技術革新の状況の変化によって見直す可能性があります。※4 投資先ポートフォリオから発生する温室効果ガス排出量は、直接の計測が困難であることから、各種社外データ等を参照の上、一定の仮定や前提に基づき算出しています。削減率及び排出量実績等の数値は、計測対象資産の変更や計測方法の見直し等により、遡及的に修正する可能性があります。 ② 戦略的な人材確保への取り組み新規採用者数に関する目標※1を設定しております。新卒採用においては、2024年4月1日に特定専門人材※2を8人、営業人材※3を229人採用しております。今後も、同水準以上の採用者数を目指して取り組んでまいります。 ※1 目標・実績は、当社グループにおいて主要な事業である生命保険事業を営む当社について記載しております。※2 アクチュアリー、資産運用・リスク管理、IT・デジタル分野のいずれかに特化して従事する社員です。※3 当社の支店かんぽサービス部又は法人営業部に所属している社員です。
人材の育成及び社内環境整備に関する方針、戦略 ア.人的資本経営の考え方当社は、お客さまから信頼され選ばれる企業になること及びお客さまに感動いただける保険サービスの提供を通じた持続的な成長を目指しており、そのためには、主体的に行動して付加価値の高い成果を発揮できる多様な人材の確保が必要不可欠であると考えております。一方で、当社では、優秀な専門人材の採用ができない可能性や、魅力的な労働条件や職場環境を提供できない場合に人材の流出、不足等を招く可能性があることを重要なリスクとして認識しております。こうした中で、2024年5月に見直しを行った中期経営計画(2021年度~2025年度)においても、サステナビリティ経営の重要な課題として「人的資本経営・企業風土改革」を位置づけています。そして、以下に記載する「『人的資本経営』3つの基本理念」の下、人材育成及び社内環境整備の取り組みを進めることで、全役員・社員が会社とともに成長し、自信と誇りをもって堂々と仕事ができる会社を目指しております。 (「人的資本経営」3つの基本理念)1.社員が主体的に行動する企業風土の定着2.戦略的な人材確保3.多様な人材の活躍と柔軟な働き方の推進 イ.「人的資本経営」3つの基本理念とその取り組みa.(基本理念1)社員が主体的に行動する企業風土の定着経営陣と社員が将来のビジョンを共有して共感することや、社員の主体性を引き出すマネジメント、多様なキャリアにチャレンジできる機会の提供を通じて、社員のエンゲージメント※1の向上と主体的に行動する企業風土の定着を目指しております。具体的には、会社が直面している課題やその取り組み等に対して、社長から全社員への定期的なメッセージ発信を行う「社長通信」や経営陣等と社員が定期的に意見交換する「フロントラインミーティング」、社員が社長に直接提案を行う制度の「かんぽ目安箱」を実施しております。これらにより、会社の将来のビジョンや方針等の理解を促進するとともに、経営陣と社員が同じ方針に基づいて全社一体となって課題等に取り組んでおります。また、社員の主体性を引き出す取り組みとして、キャリアに関する社員本人の希望を踏まえて各社員の育成方針などの議論を行う人材育成会議を実施しております。これにより、社員一人ひとりが自身の強みや弱みに気づき、その改善等に社員自らが取り組むことで、能力やモチベーションの向上を図っております。加えて、管理職の人事評価の中で、部下社員が能力を最大限発揮できる環境の構築が役割であることを明確化するとともに、各拠点の管理職等を対象にコーチング※2研修を実施し、マネジメント手法の改善に取り組んでおります。これらにより、部下社員との定期的な対話等によるコミュニケーションを活性化するとともに、主体的に行動する社員の育成や組織力の強化を図っております。このほか、社員の自律的な成長等を目的に、現在と異なる職務や環境で新たな業務へ自ら挑戦することができるキャリアチャレンジ制度を導入しております。これにより、社員自らが新たな業務に挑戦し、その領域でのスキル向上や視野を広げることで新たな発想等による課題解決力の向上を図るとともに、人事交流の活性化による組織間の相互理解も促進しております。これらの取り組み等を通じた社員のエンゲージメントを客観的に把握するため、年2回ES調査を実施しており、その調査結果を指標及び目標に設定しております(詳細は、「(4) 指標及び目標」を参照)。2023年度は、各種コミュニケーション施策の継続的な取り組みや、かんぽGD制度の導入及び営業部門における組織改編といった人事・組織面の改革、加えて、新商品の販売やご高齢のお客さまへのご提案の再開による活動量や新規契約の増加等により、社員のエンゲージメントにも大きな向上が見られました。今後も、会社の理念・方向性の社員への浸透と相互尊重を中心としたコミュニケーション改革に加え、管理職へのコーチング研修等によるマネジメント力強化や、社員の主体性をさらに引き出す人材育成、社員がやりがいをもって仕事に活き活きと取り組める環境作り等、企業風土改革の取り組みを強化することで、さらなるエンゲージメント向上を目指してまいります。 ※1 エンゲージメントとは、会社との深い関わり合いや関係性を意味する言葉です。※2 コーチングとは、管理職等が部下社員とともに達成したいことを明確にすることで、考え方や行動の選択肢を増やし、社員が主体的に行動するように促すコミュニケーション・スキルです。 b.(基本理念2)戦略的な人材確保現状及び将来必要な人材の「量」と「質」を把握し、経営戦略に合った人材の採用や強化領域への配置とリスキルの促進、各階層及び領域に応じた育成の実施により、会社の持続的な成長を支える人材を確保してまいります。具体的には、組織及び人事面から各部門の事業拡大や変革をサポートするツールとして、現状及び将来必要な人材の「量」と「質」を可視化する人材ポートフォリオの策定を進めております。これにより、当社において、重点的に強化すべき組織や今後各領域で必要となる人材を特定し、現状とのギャップ分析を実施することで、ギャップを踏まえて戦略的に採用や配置、育成を行ってまいります。その一環として、新卒採用では会社説明会やインターンシップの強化、積極的なリクルーター活動等に取り組んでまいります。経験者採用では、営業、アクチュアリー※、資産運用・リスク管理、IT・デジタル分野における専門人材等を確保するために、人材紹介会社を経由した採用や、社員からの紹介を通じた採用等を進めてまいります。これらの取り組みを測る指標として、新規採用者数に関する目標を設定しております(詳細は、「(4) 指標及び目標」を参照)。また、書類審査等のバックオフィス業務の削減を進め、こうした業務に従事していた人材をリスキルし、お客さま対応を行う部門等の当社の強化領域へシフトしてまいります。加えて、営業社員一人ひとりの能力や成長度合いを総合的かつ定量的に評価するかんぽGD制度を導入しており、中長期的な視点で営業社員の育成を進めてまいります。このほか、会社の成長を支えていく経営リーダーを、長期的な計画の中で戦略的に育成していくことを目的に、次世代リーダー育成プログラムを策定しており、将来を見据えて、各領域・階層に応じた社員育成を実施してまいります。 ※ アクチュアリーとは、確率や統計等の手法を用いて、将来の不確実な事象の評価を行い、保険数理業務、リスクマネジメント等を行う専門職です。 c.(基本理念3)多様な人材の活躍と柔軟な働き方の推進多様な人材が互いの「個」を尊重し、それぞれの役割を果たして成果を上げることや時間や場所にとらわれない柔軟な働き方ができる環境の整備により、多様化する社会のニーズに応え、社員・お客さまの満足度の向上を目指しております。具体的には、多様な人材の活躍の一環として、将来管理職として活躍することが期待される女性社員に向けたキャリア形成支援研修などの実施により女性活躍を推進しており、進捗を把握する指標及び目標として、本社における女性管理職比率を設定しております(詳細は、「(4) 指標及び目標」を参照)。加えて、育児や介護をしながらでも安心して社員が働き続けられるよう、育児休業取得社員に対する職場復帰プログラムの実施の徹底や、仕事と育児の両立支援セミナーの開催等に取り組んでおり、進捗を把握する指標及び目標として、育児休業取得率を設定しております(詳細は、「(4) 指標及び目標」を参照)。2023年度は男女ともに育児休業取得率100%となっており、これを継続するために、引き続き各種取り組みを実施いたします。また、障がいのある方の就労能力を正しく評価し、就業機会を提供することは企業の社会的責任の一環であると考えており、当社を含む日本郵政グループ各社において、障がい者雇用の推進に積極的に取り組んでおります。日本郵政グループ全体では、約6,500人の障がいのある社員が様々な職場で活躍しており(2023年6月1日時点)、さらなる推進に向けて、日本郵政グループ全体の障がい者雇用率を指標及び目標に設定しております(詳細は、「(4) 指標及び目標」を参照)。加えて、当社では、障がいのある社員との定期的な対話や座談会の実施、専用相談窓口の設置を行うとともに、採用業務を行う拠点にこれらの取り組みを牽引する「障がい者雇用促進リーダー」を配置し、障がいのある社員の職場定着を支援しております。
人材の育成及び社内環境整備に関する方針に関する指標の内容並びに当該指標を用いた目標及び実績、指標及び目標  当社は、5つのマテリアリティについて、以下のとおり指標及び目標を設定し、各取り組みの進捗を管理しております。 マテリアリティ2025年度目標2023年度実績1 郵便局ネットワーク等を通じた保険サービスの提供保有契約件数(個人保険):経営基盤を維持できる水準を設定1,970万件「お客さま満足度」及び「ネットプロモータースコア(NPS®)」の向上2 人々の笑顔と健康を守るWell-being向上のためのソリューションの展開ラジオ体操実施率※1:25%24.0%インパクト“K”プロジェクト認証ファンド:累計15件、500億円※2(この目標は、マテリアリティ3及び4にも関連)累計6件、225.5億円3 多様性と人権が尊重される安心・安全で暮らしやすい地域と社会の発展への貢献社会貢献活動の実施各拠点での地域貢献活動や、車いすテニス等の協賛を実施インパクト“K”プロジェクト認証ファンド累計件数・金額(マテリアリティ2に記載)4 豊かな自然を育む地球環境の保全への貢献温室効果ガス排出量(Scope1・2)※3・4・5・6: -2030年度目標:46%削減(2019年度比) -2050年目標:カーボンニュートラル約34%削減(2019年度比)※7(2022年度実績で、排出量は21,286tCO2e)インパクト“K”プロジェクト認証ファンド累計件数・金額(マテリアリティ2に記載)5 サステナビリティ経営を支える経営基盤の構築ES調査結果: 他社平均であるB※3・8・9・10CC※8・9・10本社における女性管理職比率:30%(2030年度目標)※3・11・1215.0%育児休業取得率:男女ともに100%※3・12・13男性:100% 女性:100%障がい者雇用率(日本郵政グループ全体):3.0%※14・152.56%コンプライアンス・プログラムに基づく取り組みの実施※3「犯罪防止態勢」、「募集品質・募集管理態勢」等を重点取組内容として選定し、取り組みを実施 ※1 ラジオ体操実施率は、当社が定期的に実施しているオンライン調査(対象は20歳~69歳の男女2,400名)において、ラジオ体操を知っていると回答した方のうち、1年に1回以上ラジオ体操を実施すると回答した方の割合です。※2 インパクト“K”プロジェクト認証ファンドの目標及び実績は、2022年度の認証開始からの累計案件数及び当社による投資額(ファンドの形態により投資額もしくはコミットメント額を計上)です。※3 目標・実績は、当社グループにおいて主要な事業である生命保険事業を営む当社について記載しております。※4 Scope1とは、自社が直接排出する排出量です。新規事業による増加分を除きます。※5 Scope2とは、他社から供給された電気などの使用に伴う排出量です。新規事業による増加分を除きます。※6 上記目標は、現時点の将来見通しに基づいたものであり、社会動向や技術革新の状況の変化によって見直す可能性があります。 ※7 温室効果ガス排出量(Scope1・2)の2022年度実績については、当社の組織体制の変更等により変更の可能性があります。また、2023年度実績は集計中のため、2022年度実績を記載しております。※8 当社の社員が、仕事内容・職場環境・人間関係・福利厚生などについてどの程度満足しているかを、株式会社リンクアンドモチベーションが提供する「モチベーションクラウド」により評価するものです。全11段階中Bは上位から6段階目、CCは上位から8段階目の評価です。※9 調査は、社員が外部サイトを通じて回答する方法で行っております。※10 対象社員は、他社からの出向者を含む在籍社員(他社への出向者、派遣社員及び育児休業や病気休暇等の休職中の社員は除きます。)です。※11  各年度の翌4月1日現在の本社(サービスセンターを含みます。)管理者のうち、女性の管理者の割合です。※12 日本郵政グループ各社との整合性を図るため、当社を本籍とする社員を対象としており、他社からの出向者を含めておらず、他社への出向者を含めております。※13  対象期間中に出産(男性の場合は配偶者が出産)した社員のうち、育児休業(育児・介護休業法第2条第1号。以下同じです。)を開始した社員(開始予定の申出者を含みます。)の割合です。また、臨時雇用(無期転換制度に基づく無期雇用転換者(アソシエイト社員)を含みます。)を含めておりません。※14 各年度の6月1日現在の日本郵政グループ(日本郵政株式会社・ゆうせいチャレンジド株式会社・日本郵便株式会社・株式会社ゆうちょ銀行・株式会社かんぽ生命保険・日本郵政コーポレートサービス株式会社)の全社員(算定基礎労働者数、期間雇用社員等を含み、派遣社員を除きます。)のうち、障がいのある社員(雇用障がい者数)の割合です。※15 当社では、障がい者雇用率の算定において障害者雇用促進法に基づくグループ適用を採用しているため、日本郵政グループ全体の障がい者雇用率を目標としております。
経営上の重要な契約等 5 【経営上の重要な契約等】
経営上の重要な契約等は、次のとおりであります。 (1) 日本郵政グループ内の契約当社は、親会社である日本郵政株式会社を含む、日本郵政グループ内各社と契約を締結しており、また、これらの契約に基づく取引が発生しております。なお、当社には保険業法が適用されることから、日本郵政グループ内各社との取引にあたっては、アームズ・レングス・ルール(保険会社は、親会社及びその子会社等の一定の関係者との間で、通常と著しく異なる条件での取引等を行ってはならないこととされており、この定めを「アームズ・レングス・ルール」といいます。)に基づき、日本郵政グループ内取引の必要性、取引条件の適正性等の観点からのチェックを実施しております。 ① 日本郵政株式会社、日本郵便株式会社及び株式会社ゆうちょ銀行との契約a.日本郵政グループ協定(2015年3月締結)日本郵政グループ共通の理念及び方針その他のグループ運営に係る基本的事項について定め、円滑な日本郵政グループの運営の実施に資することを目的とした協定であり、グループ商標等に係る商標権の取得・管理等を含む、日本郵政株式会社、日本郵便株式会社、株式会社ゆうちょ銀行及び当社の責務が定められております。本協定の存続期間は、2015年4月1日から、株式会社ゆうちょ銀行又は当社のいずれかが、それぞれ日本郵便株式会社法第2条第2項に定める銀行窓口業務契約又は同条第3項に定める保険窓口業務契約を解除する日までとされております。また、株式会社ゆうちょ銀行又は当社が日本郵政株式会社の連結子会社でなくなった場合には、本協定について必要な見直しを行うものとされております。 ② 日本郵政株式会社との契約a.日本郵政グループ運営に関する契約(2015年3月締結)日本郵政グループを統轄する日本郵政株式会社が行うグループ運営に関する基本的事項(当社から日本郵政株式会社に対して事前協議又は報告を行うこと等)について定めた契約であり、上記①a.日本郵政グループ協定に基づき締結されたものであります。本契約に基づいて締結したグループ運営のルールに関する覚書における主な事前協議事項は下記のとおりでありますが、当該事前協議は当社の意思決定を妨げる又は拘束するものではない旨が本契約で定められております。(主な事前協議事項)・ 株主総会の決議事項・ 代表執行役及び役付執行役の選定又は解職・ 執行役の選任又は解任・ 経営理念及び経営方針等の策定又は変更・ 中期経営計画の策定又は変更・ 年度事業計画(資金調達及び運用計画を含む。)の策定又は変更・ 子会社の新設・ 重要な株式の取得及び処分(運用目的の場合を除く。)の決定・ 重要な業務提携等の決定・ 重要な資産(不動産、株式、運用目的の債権等の資産を除く。)の取得、処分の決定・ 重要な投資又は融資の決定・ 資本戦略の決定 なお、「3 事業等のリスク Ⅰ 最も重要なリスク (1) 事業戦略・経営計画に関するリスク」に記載の募集品質問題の発生を受け、グループ会社間の連携及びガバナンス態勢の強化等を図る観点から、上記覚書において、営業(業務)に関する目標・指標の制定又は改廃、年度営業(業務)方針・計画の策定又は改廃に関する報告事項(事前報告)を規定するとともに、内部監査、コンプライアンス、オペレーショナルリスクの各領域において、当社と日本郵政株式会社との間で協議・調整を行う会議体を設置すること等を明文化しております。 本契約の存続期間は、2015年4月1日から、株式会社ゆうちょ銀行又は当社のいずれかが、それぞれ日本郵便株式会社法第2条第2項に定める銀行窓口業務契約又は同条第3項に定める保険窓口業務契約を解除する日までとされております。また、株式会社ゆうちょ銀行又は当社が日本郵政株式会社の連結子会社でなくなった場合には、本契約について必要な見直しを行うものとされております。 また、本契約に基づき、当社は日本郵政株式会社に対して、「かんぽ」等を含むグループ商標の使用許諾の対価等として、ブランド価値使用料を支払うものとされております。ブランド価値使用料の算定方法は、重大な経済情勢の変化等、特段の事情が生じない限り、変更しないものとしており、日本郵政株式会社の当社株式の保有割合に直接影響されるものではありません。なお、2024年3月期の当社から日本郵政株式会社に支払ったブランド価値使用料は、20億円であります。 ③ 日本郵便株式会社との契約a.保険窓口業務契約(2012年10月締結)2012年の郵政民営化法の改正に伴い、日本郵便株式会社に保険のユニバーサルサービス義務が課されました。本契約は、日本郵便株式会社が果たすべきユニバーサルサービス義務のうち、「簡易に利用できる生命保険の役務を利用者本位の簡便な方法により、あまねく全国において公平に利用できるようにする」との責務を果たすため締結した契約であります。本契約においては、日本郵便株式会社にユニバーサルサービス義務が課される終身保険及び養老保険について、保険募集、満期保険金及び生存保険金の支払請求の受理について、日本郵便株式会社が保険窓口業務を提供することが定められております。本契約は、期間の定めのない契約であり、本契約に定める特段の事情がない限り、日本郵便株式会社又は当社から一方的に解除することはできないものとされております。また、当社の定款上、本契約を日本郵便株式会社との間で締結することが定められております(本契約に関し、当社グループに生じうるリスクについては、「3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。)。なお、当社は日本郵便株式会社に対して各種の委託手数料を支払っていますが、ユニバーサルサービス義務が課された業務に対し、同義務が課されていることによる追加的な手数料は支払っておりません。当該手数料の詳細については、下記の「(参考) 日本郵便株式会社に支払う委託手数料」に記載のとおりであります。 b.生命保険募集・契約維持管理業務委託契約(2007年9月締結)上記a.の保険窓口業務契約で定めたユニバーサルサービス義務が課された業務を含め、当社を保険者とする生命保険契約の募集及び維持・管理等に関する業務、具体的には保険契約の締結の媒介、保険料等の受領、保険金等の支払等に関する業務を、日本郵便株式会社に委託する契約であります。なお、本契約に基づき募集を委託する保険商品は当社の全商品としておりますが、当社は通知により、委託する商品を追加、変更又は削除することが可能であります。本書提出日現在においては、当社はかかる通知を行っておりません。本契約において当社は、日本郵便株式会社が行う業務の対価として、当社が別途定める代理店手数料規程に基づき手数料を支払う旨が定められております。本契約は期限の定めのない契約であり、6カ月前の書面による通知により解除について協議を申し入れた上で、解除することが可能であります。また、本契約に定める特段の事由が存在する場合、当社は事前協議及び書面による通知なしに本契約を解除することが可能であります。なお、保険窓口業務に該当する業務については、保険窓口業務契約に定めがある場合を除くほか、生命保険募集・契約維持管理業務委託契約の定めるところによるものとしております。 c.簡易生命保険管理業務再委託契約(2007年9月締結)当社が郵政管理・支援機構から受託した簡易生命保険管理業務の一部(簡易生命保険契約に係る保険料等の受領、保険金等の支払等)について、日本郵便株式会社に再委託する契約であります。本契約において当社は、日本郵便株式会社が行う業務の対価として、当社が別途定める代理店手数料規程に基づき手数料を支払う旨が定められております。本契約は期限の定めのない契約であり、日本郵便株式会社又は当社のいずれか一方から、6カ月前までに、事業運営上の合理的な理由により本契約を解約する旨の意思表示が書面によりなされた場合には、解約することが可能であります。また、郵政管理・支援機構と当社との間の簡易生命保険管理業務委託契約が解除された場合等、本契約に定める特段の事由が存在する場合、当社は予告なしに本契約を解除することが可能であります。 d.総括代理店委託契約(2007年9月締結)当社を保険者とする生命保険契約の募集を行う簡易郵便局に対する指導・教育等について、日本郵便株式会社に委託する契約であります。本契約において当社は、日本郵便株式会社が行う業務の対価として、当社が別に定める総括代理店手数料規程に基づき総括代理店手数料を支払う旨が定められております。本契約の有効期間は契約締結日から1年間(1年ごとの自動更新条項付)とされており、日本郵便株式会社又は当社のいずれか一方から、6カ月前までに、事業運営上の合理的な理由により本契約を解約する旨の書面での意思表示がなされた場合には、解約することが可能であります。また、生命保険募集・契約維持管理業務委託契約が解除された場合には、当社は文書による予告なしに本契約を解除することが可能であります。 (参考) 日本郵便株式会社に支払う委託手数料当社は、上記「③ 日本郵便株式会社との契約」に基づき、代理店手数料規程等を定め、委託手数料を支払っております。代理店手数料規程等は、原則として当社が決定し、日本郵便株式会社に通知いたします。実際の決定過程においては、事前に当社と日本郵便株式会社との間で事務的な調整を実施し、各社における経営会議協議・代表執行役決裁等を通じて、合意形成の機会を担保しております。以下に記載したインセンティブの仕組みなどは、各年度における当社の事業戦略と整合させながら、内容や手数料率を設定しており、日本郵便株式会社との調整を踏まえて、毎年度改定を行っているものであります。おって、日本郵便株式会社との本取引は、保険業法のアームズ・レングス・ルールを遵守するほか、金融庁の「保険会社向けの総合的な監督指針」に定められている特定の保険代理店等に対する過度の便宜供与の防止の観点を踏まえて実施しております。 (募集手数料)・募集手数料日本郵便株式会社が募集した新契約に対して、各契約の保険金額及び保険料額に、保険種類ごとに設定した手数料率を乗じて計算した募集手数料を支払っております。生命保険会社がお客さまから受領する保険料には、会社の事業運営を行うための予定事業費が含まれ、これには新契約を獲得するための予定新契約費が含まれております。本手数料は、予定新契約費を財源として、原則複数年で分割して支払うように設定しており、最初の1年間の支払金額を高く、残りの期間を均等に低く支払うこととしております。なお、2021年3月期から、契約の継続をより重視するため、最初の1年間の支払金額と残りの期間に支払う金額の比率を変更し、最初の1年間の支払金額を減額し、残りの期間の支払金額を増額しております。当社では、新たに契約を獲得した際の、本手数料を含む実際の費用を管理しており、これらの費用が予定新契約費内に収まっていることをもって、本手数料の支払額が適切な水準にあると考えております。 ・インセンティブ手数料当社の事業戦略と整合させながら、日本郵便株式会社において募集品質の確保を前提に一定基準以上の販売実績を確保した場合、ボーナス手数料を追加するなど適切なインセンティブの仕組みを併せて実施する場合があります。2025年3月期においては、2024年3月期に引き続き、募集品質の向上に対するインセンティブの仕組みを実施しております。 (維持・集金手数料)保険料の収納や保険金の支払事務などの委託業務ごとに、単価を設定し、これに保有契約件数や新契約件数を乗じて支払額を算定する維持・集金手数料を支払っております。上記の予定事業費には、契約を維持管理するための予定維持費、保険料を収納するための予定集金費が含まれております。本手数料は、予定維持費及び予定集金費を財源として支払っております。 ・新契約件数比例手数料当社は、日本郵便株式会社に新契約のお申込みに関する事務を委託しております。本手数料の単価は、実地調査に基づく所要時間や、これに係る人件費等を基に算出しており、単価に新契約件数を乗じて手数料額を算定しております。 ・保有契約件数比例手数料当社は、日本郵便株式会社に契約後の保全手続きや各種支払手続きなどのアフターサービスを委託しており、保険金や貸付金の請求やお支払、契約内容の変更、契約者等の異動(変更や改姓)、保険料の収納及び住所の変更などを郵便局にお申し出いただくことで手続きができます。本手数料の単価は、保有契約件数に対する各業務の発生率や実地調査に基づく所要時間、これに係る人件費等を基に算出しており、単価に保有契約件数を乗じて手数料額を算定しております。 ・郵便局数比例手数料本手数料は、業務量にかかわらず、当社と日本郵便株式会社が受委託関係にあることから発生する業務に対する手数料であり、郵便局における教育や指導、必要書類の管理及び日々の会計業務などを対象としております。本手数料の単価は、業務ごとの回数や実地調査に基づく所要時間、人件費等を基に算出しており、単価に郵便局数を乗じて手数料額を算定しております。 ・インセンティブ手数料当社の戦略において保険契約の維持管理のための活動等を促進する目的で、その活動を代理店である日本郵便株式会社が実施する場合に、その活動内容に応じた手数料を支払っており、2025年3月期においては、2024年3月期に引き続き、保有契約の維持に対するインセンティブを実施するとともに、保険契約の満期を迎えられるお客さまに適切なアフターフォローを実施し、必要な保障を継続してご提供することに対するインセンティブ及びお客さまの利便性向上につながる当社マイページの利用推進に対するインセンティブを実施しております。 なお、「3 事業等のリスク (4) 日本郵便株式会社との関係に関するリスク ① ユニバーサルサービスの提供に関するリスク」に記載のとおり、2020年3月期から、郵便局ネットワーク維持に要する費用のうち、ユニバーサルサービス確保のために不可欠な費用は、日本郵便株式会社が負担すべき額を除き、当社及び株式会社ゆうちょ銀行からの拠出金を原資として郵政管理・支援機構から日本郵便株式会社に交付される交付金で賄われることとなったため、委託手数料についても見直しを行いました。具体的には、維持・集金手数料のうち、郵便局数等に応じて支払われる手数料を対象に減額するなどの見直しを行っております。 (総括代理店手数料)本手数料は簡易郵便局数に単価を乗じた手数料と、簡易郵便局の新契約の実績に応じた手数料から構成されております。 (過年度の支払実績)上記手数料の支払実績は、以下のとおりであります。(単位:億円) 2020年3月期2021年3月期2022年3月期2023年3月期2024年3月期募集手数料1,009422307344271 募集手数料1,006516420345282 インセンティブ手数料2△93△113△0△11維持・集金手数料1,4781,5581,4781,003966 基本手数料1,1611,3621,316912909 新契約件数比例1134615 保有契約件数比例716874806498520 郵便局数比例433484484399370 その他――2182 インセンティブ手数料3171951619056総括代理店手数料00000委託手数料合計2,4871,9811,7861,3481,237 (参考)交付金・拠出金575560540501564 ④ 株式会社ゆうちょ銀行及び日本郵便株式会社との契約a.窓口端末機等及び紙幣硬貨入出金機4型使用等許諾契約(2017年6月締結)株式会社ゆうちょ銀行が所有し、郵便局の窓口に設置している窓口端末機等を、当社並びに当社の業務を委託している日本郵便株式会社、当社の連結子会社であるかんぽシステムソリューションズ株式会社が当社業務の実施を目的として使用することについて、株式会社ゆうちょ銀行が当社に許諾すること等を定めた契約であります。本契約において当社は、株式会社ゆうちょ銀行に対して、株式会社ゆうちょ銀行が毎年度通知する機器使用料を支払うものとされております。本契約の有効期間は契約締結日から1年間(1年ごとの自動更新条項付)とされております。なお、本契約は、株式会社ゆうちょ銀行が所有し、郵便局の窓口に設置している紙幣硬貨入出金機を、日本郵便株式会社が郵便及び物販窓口業務の実施を目的として使用することについて、株式会社ゆうちょ銀行が日本郵便株式会社に許諾することについても定めた契約となっているため、3社での契約となっております。
(2) 郵政管理・支援機構との契約① 簡易生命保険管理業務委託契約(2007年9月締結)郵政管理・支援機構が公社から承継した簡易生命保険管理業務のうち、簡易生命保険契約の維持・管理、保険料の収納、保険金の支払い、資産運用等の業務を当社が郵政管理・支援機構から受託する契約であります。本契約において郵政管理・支援機構は、下記②の再保険契約が有効である間については、委託業務に関する手数料は支払わないものとされております。本契約は期限の定めのない契約であり、再保険契約の終了に伴い終了する旨が定められております。また、当社が破産の申立てを行った場合等、本契約に定める特段の事由が発生した場合には、郵政管理・支援機構は、予告なく本契約を解除することが可能であります。なお、本契約の変更・解除は、郵政管理・支援機構が総務大臣の認可を受けなければ効力を生じないとされております。 ② 旧簡易生命保険契約に基づく保険責任に係る再保険契約(2007年9月締結)郵政管理・支援機構が公社から承継した簡易生命保険契約について、郵政管理・支援機構が負う保険責任のすべてを当社が受再する契約であります。郵政管理・支援機構は、簡易生命保険契約の保険料のすべてを再保険料として当社に払い込むこととされております。また、本契約において当社は、毎事業年度末において、再保険損益の8割と公社解散時において確定している簡易生命保険契約の契約者配当の分配のために必要な額の合計額を、再保険配当として契約者配当準備金に繰り入れることとしております。再保険配当の計算方法の変更の必要性については、毎事業年度、郵政管理・支援機構と当社間で協議することとされておりますが、本契約締結以降、当該計算方法が変更されたことはなく、本書提出日時点において変更の予定もありません。本契約は期限の定めのない契約であり、郵政管理・支援機構は、6カ月前の書面による通知により解除について協議を申し入れた上で、解除することが可能であります。また、本契約に定める特段の事由が存在する場合、郵政管理・支援機構は直ちに本契約を解除することが可能であります。なお、本契約の変更・解除は、郵政管理・支援機構が総務大臣の認可を受けなければ効力を生じないとされております。 ③ 借入金に関する契約(2007年9月締結)郵政管理・支援機構が公社から承継した簡易生命保険契約の契約者に対する貸付金及び地方公共団体等に対する貸付金の総額に相当する額について、公社が相手方と約定した貸付条件と同一の条件で、当社が郵政管理・支援機構に対し貸付けをする契約であります。
研究開発活動 6 【研究開発活動】
該当事項はありません。
設備投資等の概要 1 【設備投資等の概要】
当連結会計年度においては、本社オフィスが入居する建物の区分所有権の取得及び当社が保有するシステムのソフトウェア開発・基盤整備等のために総額90,722百万円の設備投資を行っております。なお、当連結会計年度中における重要な設備の除却、売却等はありません。 ※ 本社オフィスが入居する建物の区分所有権の取得は、大崎ブライトタワーの一部を自社所有とするものであります。なお、当社の本社機能の一部は、以前から賃借により当該ビルに入居済みです。
主要な設備の状況 2 【主要な設備の状況】
(1) 提出会社2024年3月31日現在事業所名(所在地)セグメントの名称設備の内容帳簿価額(百万円)従業員数(名)建物及び構築物土地(面積㎡)その他合計本社(東京都ほか)―本社機能40,73676,546(70,980.61)[1,292.89]117,428234,7114,671[1,305]北海道エリア本部(北海道札幌市)他北海道エリア4支店―営業用304-50354719[82]東北エリア本部(宮城県仙台市)他東北エリア6支店―営業用291-893811,348[148]関東エリア本部(埼玉県さいたま市)他関東エリア10支店―営業用330-844151,779[123]東京エリア本部(東京都港区)他東京エリア9支店―営業用323-573801,310[133]南関東エリア本部(神奈川県川崎市)他南関東エリア5支店―営業用333-603941,003[77]信越エリア本部(長野県長野市)他信越エリア4支店―営業用157-32189646[72]北陸エリア本部(石川県金沢市)他北陸エリア4支店―営業用209-22231450[52]東海エリア本部(愛知県名古屋市)他東海エリア9支店―営業用432-705021,332[139]近畿エリア本部(大阪府大阪市)他近畿エリア10支店―営業用698-967952,027[212]中国エリア本部(広島県広島市)他中国エリア6支店―営業用36663(1,343.16)47477809[83]四国エリア本部(愛媛県松山市)他四国エリア4支店―営業用201-38240570[53] 事業所名(所在地)セグメントの名称設備の内容帳簿価額(百万円)従業員数(名)建物及び構築物土地(面積㎡)その他合計九州エリア本部(熊本県熊本市)他九州エリア10支店―営業用501-865871,641[131]沖縄エリア本部(沖縄県那覇市)他沖縄エリア1支店―営業用98-12111122[14]
(注) 1.現在、休止中の主要な設備はありません。2.当社は単一セグメントであるため、セグメントの名称については記載を省略しております。3.従業員数は就業人員数(他社から当社への出向者を含み、当社から他社への出向者を除く。)であり、臨時従業員数(無期転換制度に基づく無期雇用転換者(アソシエイト社員)を含み、派遣社員を除く。)は、年間の平均雇用実績(1日8時間換算)を[ ]内に外書きで記載しております。4.建物及び土地の一部を賃借しており、年間賃借料の合計は、14,341百万円であります。なお、賃借している土地の面積を[ ]内に外書きで記載しております。5.帳簿価額のうち、「その他」の主なものとしては、ソフトウエア103,191百万円、器具備品9,515百万円、リース資産5,326百万円、建設仮勘定47百万円であります。なお、各事業所で使用するリース資産は少額であるため、一括して本社に計上しております。6.2022年4月からの新しいかんぽ営業体制への移行に伴い、支店の分室(かんぽサービス部)を全国623箇所に設置しております。
(2) 国内子会社連結財務諸表における子会社の設備の割合が僅少であるため、記載を省略しております。 (3) 在外子会社該当事項はありません。
設備の新設、除却等の計画 3 【設備の新設、除却等の計画】
(1) 重要な設備の新設等2024年3月31日現在会社名事業所名(所在地)セグメントの名称設備の内容投資予定額資金調達方法着手年月完了予定年月投資総額(百万円)既支払額(百万円)提出会社――次世代システムの構築50,970(注2)18,129自己資金2021年4月2026年3月
(注) 1.当社グループは単一セグメントであるため、セグメント名称については記載を省略しております。2.当該金額は概算で算出しており、今後の施策の具体化により大幅に変更される可能性があります。
(2) 重要な設備の除却等経常的な設備の更新のための除却等を除き、重要な設備の除却等の計画はありません。
設備投資額、設備投資等の概要90,722,000,000

Employees

管理職に占める女性労働者の割合、提出会社の指標0
全労働者、労働者の男女の賃金の差異、提出会社の指標1
正規雇用労働者、労働者の男女の賃金の差異、提出会社の指標1
非正規雇用労働者、労働者の男女の賃金の差異、提出会社の指標1

Investment

株式の保有状況 (5) 【株式の保有状況】
① 投資株式の区分の基準及び考え方当社では、投資株式について、保有目的が純投資目的である投資株式と、保有目的が業務提携の強化等純投資以外の観点である投資株式の区分を設けております。 ② 保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式a.保有方針及び保有の合理性を検証する方法並びに個別銘柄の保有の適否に関する取締役会等における検証の内容当社は、業務提携の強化等純投資以外の観点から、当社の中長期的な企業価値向上に資すると判断される上場企業の株式等(以下「政策保有株式」といいます。)を取得し保有することができるものとしております。当社が保有することができる政策保有株式については、取締役会においてその保有目的の適切性及び保有することの合理性等について精査し、保有の適否を毎年度検証するとともに、検証の内容を開示することとしております。なお、当社は、現在政策保有株式を保有しておりません。 b.銘柄数及び貸借対照表計上額区分 銘柄数(銘柄)貸借対照表計上額の合計額(百万円)非上場株式24,259非上場株式以外の株式-- c.特定投資株式及びみなし保有株式の銘柄ごとの株式数、貸借対照表計上額等に関する情報前事業年度及び当事業年度において、該当事項はありません。 ③ 保有目的が純投資目的である投資株式区分当事業年度前事業年度 銘柄数(銘柄)貸借対照表計上額の合計額(百万円)銘柄数(銘柄)貸借対照表計上額の合計額(百万円)非上場株式----非上場株式以外の株式123546,030121397,582 区分当事業年度受取配当金の合計額(百万円)売却損益の合計額(百万円)評価損益の合計額(百万円)含み損益の合計額減損処理の合計額非上場株式----非上場株式以外の株式11,8989,904201,056-
銘柄数、非上場株式以外の株式、保有目的が純投資目的である投資株式、提出会社123
銘柄数、非上場株式、保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式、提出会社2
貸借対照表計上額、非上場株式、保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式、提出会社4,259,000,000
貸借対照表計上額の合計額、非上場株式以外の株式、保有目的が純投資目的である投資株式、提出会社546,030,000,000
受取配当金の合計額、非上場株式以外の株式、保有目的が純投資目的である投資株式、提出会社11,898,000,000
売却損益の合計額、非上場株式以外の株式、保有目的が純投資目的である投資株式、提出会社9,904,000,000

Shareholders

大株主の状況 (6) 【大株主の状況】
2024年3月31日現在
氏名又は名称住所所有株式数(千株)発行済株式(自己株式を除く。)の総数に対する所有株式数の割合(%)
日本郵政株式会社東京都千代田区大手町二丁目3番1号190,96349.84
日本マスタートラスト信託銀行株式会社(信託口)東京都港区赤坂一丁目8番1号赤坂インターシティAIR30,0207.83
株式会社日本カストディ銀行(信託口)東京都中央区晴海一丁目8番12号11,3832.97
JPモルガン証券株式会社東京都千代田区丸の内二丁目7番3号東京ビルディング4,1391.08
STATE STREET BANK WEST CLIENT - TREATY 505234(常任代理人 株式会社みずほ銀行決済営業部)1776 HERITAGE DRIVE, NORTH QUINCY, MA 02171, U.S.A.(東京都港区港南二丁目15番1号品川インターシティA棟)4,0311.05
STATE STREET BANK AND TRUST COMPANY 505103(常任代理人 株式会社みずほ銀行決済営業部)P.O. BOX 351 BOSTON MASSACHUSETTS 02101 U.S.A.(東京都港区港南二丁目15番1号品川インターシティA棟)3,8811.01
かんぽ生命保険社員持株会東京都千代田区大手町二丁目3番1号3,4280.89
SSBTC CLIENT OMNIBUS ACCOUNT(常任代理人 香港上海銀行東京支店 カストディ業務部)ONE CONGRESS STREET, SUITE 1, BOSTON, MASSACHUSETTS(東京都中央区日本橋三丁目11番1号)2,9010.76
JP MORGAN CHASE BANK 385781(常任代理人 株式会社みずほ銀行決済営業部)25 BANK STREET, CANARY WHARF, LONDON, E14 5JP, UNITED KINGDOM(東京都港区港南二丁目15番1号品川インターシティA棟)2,6180.68
MORGAN STANLEY & CO. LLC(常任代理人 モルガン・スタンレーMUFG証券株式会社)1585 BROADWAY NEWYORK, NEW YORK 10036, U.S.A.(東京都千代田区大手町一丁目9番7号大手町フィナンシャルシティサウスタワー)2,5900.68
計―255,95866.80
株主数-金融機関57
株主数-金融商品取引業者36
株主数-外国法人等-個人195
連結株主資本等変動計算書 ③ 【連結株主資本等変動計算書】
前連結会計年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) (単位:百万円) 株主資本資本金資本剰余金利益剰余金自己株式株主資本合計当期首残高500,000405,044639,822△3551,544,511当期変動額 剰余金の配当 △35,896 △35,896親会社株主に帰属する当期純利益 97,614 97,614自己株式の取得 △35,739△35,739自己株式の処分 1212株主資本以外の項目の当期変動額(純額) 当期変動額合計--61,717△35,72725,990当期末残高500,000405,044701,540△36,0821,570,502 その他の包括利益累計額純資産合計その他有価証券評価差額金繰延ヘッジ損益退職給付に係る調整累計額その他の包括利益累計額合計当期首残高873,764-2,786876,5512,421,063当期変動額 剰余金の配当 △35,896親会社株主に帰属する当期純利益 97,614自己株式の取得 △35,739自己株式の処分 12株主資本以外の項目の当期変動額(純額)△75,8514,607△431△71,675△71,675当期変動額合計△75,8514,607△431△71,675△45,685当期末残高797,9124,6072,354804,8752,375,377 当連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日) (単位:百万円) 株主資本資本金資本剰余金利益剰余金自己株式株主資本合計当期首残高500,000405,044701,540△36,0821,570,502当期変動額 剰余金の配当 △35,635 △35,635親会社株主に帰属する当期純利益 87,056 87,056自己株式の処分 132132自己株式の消却 △35,000 35,000-利益剰余金から資本剰余金への振替 35,000△35,000 -株主資本以外の項目の当期変動額(純額) 当期変動額合計--16,41935,13351,553当期末残高500,000405,044717,960△9481,622,055 その他の包括利益累計額純資産合計その他有価証券評価差額金繰延ヘッジ損益退職給付に係る調整累計額その他の包括利益累計額合計当期首残高797,9124,6072,354804,8752,375,377当期変動額 剰余金の配当 △35,635親会社株主に帰属する当期純利益 87,056自己株式の処分 132自己株式の消却 -利益剰余金から資本剰余金への振替 -株主資本以外の項目の当期変動額(純額)977,780△8,794△172968,813968,813当期変動額合計977,780△8,794△172968,8131,020,366当期末残高1,775,693△4,1862,1821,773,6893,395,744
株主数-外国法人等-個人以外598
株主数-個人その他147,187
株主数-その他の法人1,487
株主数-計149,560
氏名又は名称、大株主の状況MORGAN STANLEY & CO. LLC(常任代理人 モルガン・スタンレーMUFG証券株式会社)
株主総利回り1
株主総会決議による取得の状況 (1) 【株主総会決議による取得の状況】
該当事項はありません。
株主総会決議又は取締役会決議に基づかないものの内容 (3) 【株主総会決議又は取締役会決議に基づかないものの内容】
該当事項はありません。

Shareholders2

発行済株式及び自己株式に関する注記 1.発行済株式の種類及び総数並びに自己株式の種類及び株式数に関する事項(単位:千株) 当連結会計年度期首株式数当連結会計年度増加株式数当連結会計年度減少株式数当連結会計年度末株式数発行済株式  普通株式399,693-16,501383,192自己株式  普通株式16,988-16,561427 (※1) 普通株式の発行済株式の株式数の減少16,501千株は、2023年4月17日開催の取締役会決議に基づく自己株式の消却による減少であります。(※2) 普通株式の自己株式の当連結会計年度期首及び当連結会計年度末株式数には、株式給付信託(BBT)が保有する当社株式数が含まれており、それぞれ475千株、415千株であります。(※3) 普通株式の自己株式の株式数の減少16,561千株は、2023年4月17日開催の取締役会決議に基づく自己株式の消却による減少16,501千株並びに株式給付信託(BBT)の給付及び売却による減少59千株であります。

Audit

監査法人1、連結有限責任 あずさ監査法人
独立監査人の報告書、連結 独立監査人の監査報告書及び内部統制監査報告書 2024年6月19日株式会社かんぽ生命保険 取締役会 御中 有限責任 あずさ監査法人東京事務所 指定有限責任社員業務執行社員 公認会計士菅 野 雅 子  指定有限責任社員業務執行社員 公認会計士佐 藤 栄 裕  指定有限責任社員業務執行社員 公認会計士須 田 峻 輔 <連結財務諸表監査>監査意見当監査法人は、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づく監査証明を行うため、「経理の状況」に掲げられている株式会社かんぽ生命保険の2023年4月1日から2024年3月31日までの連結会計年度の連結財務諸表、すなわち、連結貸借対照表、連結損益計算書、連結包括利益計算書、連結株主資本等変動計算書、連結キャッシュ・フロー計算書、連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項、その他の注記及び連結附属明細表について監査を行った。当監査法人は、上記の連結財務諸表が、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して、株式会社かんぽ生命保険及び連結子会社の2024年3月31日現在の財政状態並びに同日をもって終了する連結会計年度の経営成績及びキャッシュ・フローの状況を、全ての重要な点において適正に表示しているものと認める。 監査意見の根拠 当監査法人は、我が国において一般に公正妥当と認められる監査の基準に準拠して監査を行った。監査の基準における当監査法人の責任は、「連結財務諸表監査における監査人の責任」に記載されている。当監査法人は、我が国における職業倫理に関する規定に従って、会社及び連結子会社から独立しており、また、監査人としてのその他の倫理上の責任を果たしている。当監査法人は、意見表明の基礎となる十分かつ適切な監査証拠を入手したと判断している。 監査上の主要な検討事項監査上の主要な検討事項とは、当連結会計年度の連結財務諸表の監査において、監査人が職業的専門家として特に重要であると判断した事項である。監査上の主要な検討事項は、連結財務諸表全体に対する監査の実施過程及び監査意見の形成において対応した事項であり、当監査法人は、当該事項に対して個別に意見を表明するものではない。 責任準備金の計算の正確性及び積立額の十分性監査上の主要な検討事項の内容及び決定理由監査上の対応当連結会計年度の連結貸借対照表において、責任準備金50,512,792百万円が計上されており、負債の部合計の87.9%に相当する重要な割合を占めている。注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)の「4.会計方針に関する事項(9)①責任準備金の積立方法」に記載のとおり、保険業法等に基づき、保険契約に基づく将来における債務の履行に備えるため、責任準備金を積み立てている。保険会社の負債の大部分を占める責任準備金は、保険業法等に基づき、金融庁に認可を受けた算出方法書により毎決算期に積み立てが要求されている。また、保険業法等により、保険会社は責任準備金に積立不足が生じていないかの検証が求められ、責任準備金の積み増しを行うことが必要となる場合がある。責任準備金は、将来の長期間にわたり発生するキャッシュ・フローについて計算前提(予定死亡率・予定利率・予定事業費率等)をおいて計算される。金融庁に認可を受けた算出方法書に基づく責任準備金の計算式は複雑であり、保険数理に関する高度な専門性が必要となる。また、株式会社かんぽ生命保険は責任準備金に積立不足が生じていないかを検証するために、保険業法等により、保険計理人による将来収支分析が求められているが、当該分析においては今後の保険商品の販売水準、保険金等支払額、資産運用収益、事業費などの将来キャッシュ・フロー等の見積りに重要な判断が必要となるとともに、保険数理に関する高度な専門性が必要となる。以上から、当監査法人は、責任準備金の計算の正確性及び積立額の十分性が、当連結会計年度の連結財務諸表監査において特に重要であり、「監査上の主要な検討事項」の一つに該当すると判断した。 当監査法人は、責任準備金の計算の正確性及び積立額の十分性を検討するため、当監査法人内の保険数理の専門家及びITシステムの専門家を関与させ、主に以下の監査手続を実施した。(1) 内部統制の評価責任準備金の計算の正確性及び積立額の十分性に関連するプロセスについて、内部統制の整備及び運用状況の有効性を評価した。評価にあたっては、特に以下に焦点を当てて評価を実施した。・責任準備金計算システムにより、責任準備金を正確に計算するシステム統制が有効に機能していること・保険数理関連部門において、全ての保険契約に対して責任準備金が網羅的に計上されていることを確認していること・保険数理関連部門において、責任準備金の計算の正確性について、サンプル抽出による再計算による検証及び決算用の責任準備金計算システム以外のシステムにより計算された責任準備金計上額との整合性の検証を実施していること・経営者が、責任準備金の積立額の十分性を確認するために、保険計理人の意見書についての報告を受けていること
(2) 責任準備金の計算の正確性に関する検討・当連結会計年度に新たに販売された保険商品及び改定された保険商品の責任準備金について、金融庁に認可を受けた算出方法書に従い正確に計算されていることを再計算により確認した。・過年度からの責任準備金の増減と当連結会計年度の保険料、保険金、事業費等との整合性を確認した。(3) 責任準備金の積立額の十分性に関する検討・責任準備金の積立額の十分性を検討するために、将来収支分析が、関連する法令及び「生命保険会社の保険計理人の実務基準」(公益社団法人 日本アクチュアリー会)に基づいて適切に行われていることを確認し、過年度の計算結果と比較した。・保険計理人の意見書及び附属報告書等について保険計理人の意見を踏まえて内容を検討し、保険計理人に対し質問した。 繰延税金資産の回収可能性に関する判断の合理性監査上の主要な検討事項の内容及び決定理由監査上の対応当連結会計年度の連結貸借対照表において、計上されている繰延税金資産は636,644百万円であり、注記事項(税効果会計関係)に記載のとおり、繰延税金負債との相殺前の金額は1,466,429百万円である。その大部分が責任準備金(998,451百万円)及び価格変動準備金(228,547百万円)に係るものである。繰延税金資産は、将来減算一時差異のうち将来にわたり税金負担額を軽減することが認められる範囲内で認識する。繰延税金資産の計上額は、「繰延税金資産の回収可能性に関する適用指針」(企業会計基準委員会 企業会計基準適用指針第26号)に基づく企業の分類の妥当性や将来の課税所得の見積りに依存する。注記事項(税効果会計関係)に記載のとおり、株式会社かんぽ生命保険は、責任準備金及び価格変動準備金に係る繰延税金資産について、将来の長期にわたり発生する課税所得により税金負担額を軽減する効果を有するものとして回収可能性があると判断している。経営者による将来の長期にわたり発生する課税所得の見積りは、今後の保険商品の新契約水準、保険金等支払額、資産運用収益や事業費見込みといった主要な仮定に対する重要な判断を伴う。当連結会計年度における新契約実績は増加しているものの想定していた水準まで達しておらず、当連結会計年度に作成した経営計画を基礎とした新契約水準は見積りの不確実性が高い。以上から、当監査法人は、繰延税金資産の回収可能性に関する判断の合理性が、当連結会計年度の連結財務諸表監査において特に重要であり、「監査上の主要な検討事項」の一つに該当すると判断した。 当監査法人は、繰延税金資産の回収可能性に関する判断の合理性を検討するため、主に以下の監査手続を実施した。(1) 内部統制の評価経営計画の策定を含む、将来の課税所得の見積りに係る内部統制の整備及び運用状況の有効性を評価した。
(2) 企業の分類についての検討「繰延税金資産の回収可能性に関する適用指針」に基づく企業の分類の妥当性、特に、近い将来に経営環境に著しい変化が見込まれるかどうかを検討した。(3) 将来の課税所得の見積りの適切性及び実現可能性についての検討・経営者及び関連部署に対し質問し、将来の課税所得の見積りの基礎となる経営計画の前提を理解した。・過年度における将来の課税所得の見積りと実績の主な差異原因について、関連部署への質問により理解し、将来の課税所得の見積りに与える影響を確認した。・将来の課税所得の見積りと経営計画の整合性を確認した。・経営者による将来の課税所得見積りのストレスシナリオに使用した代替的な仮定について関連部署に質問し、その結果を理解するとともに、経営者による見積りの不確実性に対する評価の適切性を検討した。 その他の記載内容その他の記載内容は、有価証券報告書に含まれる情報のうち、連結財務諸表及び財務諸表並びにこれらの監査報告書以外の情報である。経営者の責任は、その他の記載内容を作成し開示することにある。また、監査委員会の責任は、その他の記載内容の報告プロセスの整備及び運用における執行役及び取締役の職務の執行を監視することにある。当監査法人の連結財務諸表に対する監査意見の対象にはその他の記載内容は含まれておらず、当監査法人はその他の記載内容に対して意見を表明するものではない。連結財務諸表監査における当監査法人の責任は、その他の記載内容を通読し、通読の過程において、その他の記載内容と連結財務諸表又は当監査法人が監査の過程で得た知識との間に重要な相違があるかどうか検討すること、また、そのような重要な相違以外にその他の記載内容に重要な誤りの兆候があるかどうか注意を払うことにある。当監査法人は、実施した作業に基づき、その他の記載内容に重要な誤りがあると判断した場合には、その事実を報告することが求められている。その他の記載内容に関して、当監査法人が報告すべき事項はない。 連結財務諸表に対する経営者及び監査委員会の責任経営者の責任は、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して連結財務諸表を作成し適正に表示することにある。これには、不正又は誤謬による重要な虚偽表示のない連結財務諸表を作成し適正に表示するために経営者が必要と判断した内部統制を整備及び運用することが含まれる。連結財務諸表を作成するに当たり、経営者は、継続企業の前提に基づき連結財務諸表を作成することが適切であるかどうかを評価し、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づいて継続企業に関する事項を開示する必要がある場合には当該事項を開示する責任がある。監査委員会の責任は、財務報告プロセスの整備及び運用における執行役及び取締役の職務の執行を監視することにある。 連結財務諸表監査における監査人の責任監査人の責任は、監査人が実施した監査に基づいて、全体としての連結財務諸表に不正又は誤謬による重要な虚偽表示がないかどうかについて合理的な保証を得て、監査報告書において独立の立場から連結財務諸表に対する意見を表明することにある。虚偽表示は、不正又は誤謬により発生する可能性があり、個別に又は集計すると、連結財務諸表の利用者の意思決定に影響を与えると合理的に見込まれる場合に、重要性があると判断される。監査人は、我が国において一般に公正妥当と認められる監査の基準に従って、監査の過程を通じて、職業的専門家としての判断を行い、職業的懐疑心を保持して以下を実施する。・不正又は誤謬による重要な虚偽表示リスクを識別し、評価する。また、重要な虚偽表示リスクに対応した監査手続を立案し、実施する。監査手続の選択及び適用は監査人の判断による。さらに、意見表明の基礎となる十分かつ適切な監査証拠を入手する。・連結財務諸表監査の目的は、内部統制の有効性について意見表明するためのものではないが、監査人は、リスク評価の実施に際して、状況に応じた適切な監査手続を立案するために、監査に関連する内部統制を検討する。・経営者が採用した会計方針及びその適用方法の適切性、並びに経営者によって行われた会計上の見積りの合理性及び関連する注記事項の妥当性を評価する。・経営者が継続企業を前提として連結財務諸表を作成することが適切であるかどうか、また、入手した監査証拠に基づき、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況に関して重要な不確実性が認められるかどうか結論付ける。継続企業の前提に関する重要な不確実性が認められる場合は、監査報告書において連結財務諸表の注記事項に注意を喚起すること、又は重要な不確実性に関する連結財務諸表の注記事項が適切でない場合は、連結財務諸表に対して除外事項付意見を表明することが求められている。監査人の結論は、監査報告書日までに入手した監査証拠に基づいているが、将来の事象や状況により、企業は継続企業として存続できなくなる可能性がある。・連結財務諸表の表示及び注記事項が、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠しているかどうかとともに、関連する注記事項を含めた連結財務諸表の表示、構成及び内容、並びに連結財務諸表が基礎となる取引や会計事象を適正に表示しているかどうかを評価する。・連結財務諸表に対する意見を表明するために、会社及び連結子会社の財務情報に関する十分かつ適切な監査証拠を入手する。監査人は、連結財務諸表の監査に関する指示、監督及び実施に関して責任がある。監査人は、単独で監査意見に対して責任を負う。監査人は、監査委員会に対して、計画した監査の範囲とその実施時期、監査の実施過程で識別した内部統制の重要な不備を含む監査上の重要な発見事項、及び監査の基準で求められているその他の事項について報告を行う。監査人は、監査委員会に対して、独立性についての我が国における職業倫理に関する規定を遵守したこと、並びに監査人の独立性に影響を与えると合理的に考えられる事項、及び阻害要因を除去するための対応策を講じている場合又は阻害要因を許容可能な水準にまで軽減するためのセーフガードを適用している場合はその内容について報告を行う。監査人は、監査委員会と協議した事項のうち、当連結会計年度の連結財務諸表の監査で特に重要であると判断した事項を監査上の主要な検討事項と決定し、監査報告書において記載する。ただし、法令等により当該事項の公表が禁止されている場合や、極めて限定的ではあるが、監査報告書において報告することにより生じる不利益が公共の利益を上回ると合理的に見込まれるため、監査人が報告すべきでないと判断した場合は、当該事項を記載しない。 <内部統制監査>監査意見当監査法人は、金融商品取引法第193条の2第2項の規定に基づく監査証明を行うため、株式会社かんぽ生命保険の2024年3月31日現在の内部統制報告書について監査を行った。当監査法人は、株式会社かんぽ生命保険が2024年3月31日現在の財務報告に係る内部統制は有効であると表示した上記の内部統制報告書が、我が国において一般に公正妥当と認められる財務報告に係る内部統制の評価の基準に準拠して、財務報告に係る内部統制の評価結果について、全ての重要な点において適正に表示しているものと認める。 監査意見の根拠当監査法人は、我が国において一般に公正妥当と認められる財務報告に係る内部統制の監査の基準に準拠して内部統制監査を行った。財務報告に係る内部統制の監査の基準における当監査法人の責任は、「内部統制監査における監査人の責任」に記載されている。当監査法人は、我が国における職業倫理に関する規定に従って、会社及び連結子会社から独立しており、また、監査人としてのその他の倫理上の責任を果たしている。当監査法人は、意見表明の基礎となる十分かつ適切な監査証拠を入手したと判断している。 内部統制報告書に対する経営者及び監査委員会の責任経営者の責任は、財務報告に係る内部統制を整備及び運用し、我が国において一般に公正妥当と認められる財務報告に係る内部統制の評価の基準に準拠して内部統制報告書を作成し適正に表示することにある。監査委員会の責任は、財務報告に係る内部統制の整備及び運用状況を監視、検証することにある。なお、財務報告に係る内部統制により財務報告の虚偽の記載を完全には防止又は発見することができない可能性がある。 内部統制監査における監査人の責任監査人の責任は、監査人が実施した内部統制監査に基づいて、内部統制報告書に重要な虚偽表示がないかどうかについて合理的な保証を得て、内部統制監査報告書において独立の立場から内部統制報告書に対する意見を表明することにある。監査人は、我が国において一般に公正妥当と認められる財務報告に係る内部統制の監査の基準に従って、監査の過程を通じて、職業的専門家としての判断を行い、職業的懐疑心を保持して以下を実施する。・内部統制報告書における財務報告に係る内部統制の評価結果について監査証拠を入手するための監査手続を実施する。内部統制監査の監査手続は、監査人の判断により、財務報告の信頼性に及ぼす影響の重要性に基づいて選択及び適用される。・財務報告に係る内部統制の評価範囲、評価手続及び評価結果について経営者が行った記載を含め、全体としての内部統制報告書の表示を検討する。・内部統制報告書における財務報告に係る内部統制の評価結果に関する十分かつ適切な監査証拠を入手する。監査人は、内部統制報告書の監査に関する指示、監督及び実施に関して責任がある。監査人は、単独で監査意見に対して責任を負う。監査人は、監査委員会に対して、計画した内部統制監査の範囲とその実施時期、内部統制監査の実施結果、識別した内部統制の開示すべき重要な不備、その是正結果、及び内部統制の監査の基準で求められているその他の事項について報告を行う。監査人は、監査委員会に対して、独立性についての我が国における職業倫理に関する規定を遵守したこと、並びに監査人の独立性に影響を与えると合理的に考えられる事項、及び阻害要因を除去するための対応策を講じている場合又は阻害要因を許容可能な水準にまで軽減するためのセーフガードを適用している場合はその内容について報告を行う。 <報酬関連情報>当監査法人及び当監査法人と同一のネットワークに属する者に対する、会社及び子会社の監査証明業務に基づく報酬及び非監査業務に基づく報酬の額は、「提出会社の状況」に含まれるコーポレート・ガバナンスの状況等 (3)【監査の状況】
に記載されている。 利害関係会社及び連結子会社と当監査法人又は業務執行社員との間には、公認会計士法の規定により記載すべき利害関係はない。以 上 
監査上の主要な検討事項、連結 監査上の主要な検討事項監査上の主要な検討事項とは、当連結会計年度の連結財務諸表の監査において、監査人が職業的専門家として特に重要であると判断した事項である。監査上の主要な検討事項は、連結財務諸表全体に対する監査の実施過程及び監査意見の形成において対応した事項であり、当監査法人は、当該事項に対して個別に意見を表明するものではない。 責任準備金の計算の正確性及び積立額の十分性監査上の主要な検討事項の内容及び決定理由監査上の対応当連結会計年度の連結貸借対照表において、責任準備金50,512,792百万円が計上されており、負債の部合計の87.9%に相当する重要な割合を占めている。注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)の「4.会計方針に関する事項(9)①責任準備金の積立方法」に記載のとおり、保険業法等に基づき、保険契約に基づく将来における債務の履行に備えるため、責任準備金を積み立てている。保険会社の負債の大部分を占める責任準備金は、保険業法等に基づき、金融庁に認可を受けた算出方法書により毎決算期に積み立てが要求されている。また、保険業法等により、保険会社は責任準備金に積立不足が生じていないかの検証が求められ、責任準備金の積み増しを行うことが必要となる場合がある。責任準備金は、将来の長期間にわたり発生するキャッシュ・フローについて計算前提(予定死亡率・予定利率・予定事業費率等)をおいて計算される。金融庁に認可を受けた算出方法書に基づく責任準備金の計算式は複雑であり、保険数理に関する高度な専門性が必要となる。また、株式会社かんぽ生命保険は責任準備金に積立不足が生じていないかを検証するために、保険業法等により、保険計理人による将来収支分析が求められているが、当該分析においては今後の保険商品の販売水準、保険金等支払額、資産運用収益、事業費などの将来キャッシュ・フロー等の見積りに重要な判断が必要となるとともに、保険数理に関する高度な専門性が必要となる。以上から、当監査法人は、責任準備金の計算の正確性及び積立額の十分性が、当連結会計年度の連結財務諸表監査において特に重要であり、「監査上の主要な検討事項」の一つに該当すると判断した。 当監査法人は、責任準備金の計算の正確性及び積立額の十分性を検討するため、当監査法人内の保険数理の専門家及びITシステムの専門家を関与させ、主に以下の監査手続を実施した。(1) 内部統制の評価責任準備金の計算の正確性及び積立額の十分性に関連するプロセスについて、内部統制の整備及び運用状況の有効性を評価した。評価にあたっては、特に以下に焦点を当てて評価を実施した。・責任準備金計算システムにより、責任準備金を正確に計算するシステム統制が有効に機能していること・保険数理関連部門において、全ての保険契約に対して責任準備金が網羅的に計上されていることを確認していること・保険数理関連部門において、責任準備金の計算の正確性について、サンプル抽出による再計算による検証及び決算用の責任準備金計算システム以外のシステムにより計算された責任準備金計上額との整合性の検証を実施していること・経営者が、責任準備金の積立額の十分性を確認するために、保険計理人の意見書についての報告を受けていること
(2) 責任準備金の計算の正確性に関する検討・当連結会計年度に新たに販売された保険商品及び改定された保険商品の責任準備金について、金融庁に認可を受けた算出方法書に従い正確に計算されていることを再計算により確認した。・過年度からの責任準備金の増減と当連結会計年度の保険料、保険金、事業費等との整合性を確認した。(3) 責任準備金の積立額の十分性に関する検討・責任準備金の積立額の十分性を検討するために、将来収支分析が、関連する法令及び「生命保険会社の保険計理人の実務基準」(公益社団法人 日本アクチュアリー会)に基づいて適切に行われていることを確認し、過年度の計算結果と比較した。・保険計理人の意見書及び附属報告書等について保険計理人の意見を踏まえて内容を検討し、保険計理人に対し質問した。 繰延税金資産の回収可能性に関する判断の合理性監査上の主要な検討事項の内容及び決定理由監査上の対応当連結会計年度の連結貸借対照表において、計上されている繰延税金資産は636,644百万円であり、注記事項(税効果会計関係)に記載のとおり、繰延税金負債との相殺前の金額は1,466,429百万円である。その大部分が責任準備金(998,451百万円)及び価格変動準備金(228,547百万円)に係るものである。繰延税金資産は、将来減算一時差異のうち将来にわたり税金負担額を軽減することが認められる範囲内で認識する。繰延税金資産の計上額は、「繰延税金資産の回収可能性に関する適用指針」(企業会計基準委員会 企業会計基準適用指針第26号)に基づく企業の分類の妥当性や将来の課税所得の見積りに依存する。注記事項(税効果会計関係)に記載のとおり、株式会社かんぽ生命保険は、責任準備金及び価格変動準備金に係る繰延税金資産について、将来の長期にわたり発生する課税所得により税金負担額を軽減する効果を有するものとして回収可能性があると判断している。経営者による将来の長期にわたり発生する課税所得の見積りは、今後の保険商品の新契約水準、保険金等支払額、資産運用収益や事業費見込みといった主要な仮定に対する重要な判断を伴う。当連結会計年度における新契約実績は増加しているものの想定していた水準まで達しておらず、当連結会計年度に作成した経営計画を基礎とした新契約水準は見積りの不確実性が高い。以上から、当監査法人は、繰延税金資産の回収可能性に関する判断の合理性が、当連結会計年度の連結財務諸表監査において特に重要であり、「監査上の主要な検討事項」の一つに該当すると判断した。 当監査法人は、繰延税金資産の回収可能性に関する判断の合理性を検討するため、主に以下の監査手続を実施した。(1) 内部統制の評価経営計画の策定を含む、将来の課税所得の見積りに係る内部統制の整備及び運用状況の有効性を評価した。
(2) 企業の分類についての検討「繰延税金資産の回収可能性に関する適用指針」に基づく企業の分類の妥当性、特に、近い将来に経営環境に著しい変化が見込まれるかどうかを検討した。(3) 将来の課税所得の見積りの適切性及び実現可能性についての検討・経営者及び関連部署に対し質問し、将来の課税所得の見積りの基礎となる経営計画の前提を理解した。・過年度における将来の課税所得の見積りと実績の主な差異原因について、関連部署への質問により理解し、将来の課税所得の見積りに与える影響を確認した。・将来の課税所得の見積りと経営計画の整合性を確認した。・経営者による将来の課税所得見積りのストレスシナリオに使用した代替的な仮定について関連部署に質問し、その結果を理解するとともに、経営者による見積りの不確実性に対する評価の適切性を検討した。
全体概要、監査上の主要な検討事項、連結 監査上の主要な検討事項とは、当連結会計年度の連結財務諸表の監査において、監査人が職業的専門家として特に重要であると判断した事項である。監査上の主要な検討事項は、連結財務諸表全体に対する監査の実施過程及び監査意見の形成において対応した事項であり、当監査法人は、当該事項に対して個別に意見を表明するものではない。
見出し、監査上の主要な検討事項、連結繰延税金資産の回収可能性に関する判断の合理性
内容及び理由、監査上の主要な検討事項、連結 当連結会計年度の連結貸借対照表において、計上されている繰延税金資産は636,644百万円であり、注記事項(税効果会計関係)に記載のとおり、繰延税金負債との相殺前の金額は1,466,429百万円である。その大部分が責任準備金(998,451百万円)及び価格変動準備金(228,547百万円)に係るものである。繰延税金資産は、将来減算一時差異のうち将来にわたり税金負担額を軽減することが認められる範囲内で認識する。繰延税金資産の計上額は、「繰延税金資産の回収可能性に関する適用指針」(企業会計基準委員会 企業会計基準適用指針第26号)に基づく企業の分類の妥当性や将来の課税所得の見積りに依存する。注記事項(税効果会計関係)に記載のとおり、株式会社かんぽ生命保険は、責任準備金及び価格変動準備金に係る繰延税金資産について、将来の長期にわたり発生する課税所得により税金負担額を軽減する効果を有するものとして回収可能性があると判断している。経営者による将来の長期にわたり発生する課税所得の見積りは、今後の保険商品の新契約水準、保険金等支払額、資産運用収益や事業費見込みといった主要な仮定に対する重要な判断を伴う。当連結会計年度における新契約実績は増加しているものの想定していた水準まで達しておらず、当連結会計年度に作成した経営計画を基礎とした新契約水準は見積りの不確実性が高い。以上から、当監査法人は、繰延税金資産の回収可能性に関する判断の合理性が、当連結会計年度の連結財務諸表監査において特に重要であり、「監査上の主要な検討事項」の一つに該当すると判断した。
開示への参照、監査上の主要な検討事項、連結注記事項(税効果会計関係)
監査上の対応、監査上の主要な検討事項、連結 当監査法人は、繰延税金資産の回収可能性に関する判断の合理性を検討するため、主に以下の監査手続を実施した。(1) 内部統制の評価経営計画の策定を含む、将来の課税所得の見積りに係る内部統制の整備及び運用状況の有効性を評価した。
(2) 企業の分類についての検討「繰延税金資産の回収可能性に関する適用指針」に基づく企業の分類の妥当性、特に、近い将来に経営環境に著しい変化が見込まれるかどうかを検討した。(3) 将来の課税所得の見積りの適切性及び実現可能性についての検討・経営者及び関連部署に対し質問し、将来の課税所得の見積りの基礎となる経営計画の前提を理解した。・過年度における将来の課税所得の見積りと実績の主な差異原因について、関連部署への質問により理解し、将来の課税所得の見積りに与える影響を確認した。・将来の課税所得の見積りと経営計画の整合性を確認した。・経営者による将来の課税所得見積りのストレスシナリオに使用した代替的な仮定について関連部署に質問し、その結果を理解するとともに、経営者による見積りの不確実性に対する評価の適切性を検討した。
その他の記載内容、連結 その他の記載内容その他の記載内容は、有価証券報告書に含まれる情報のうち、連結財務諸表及び財務諸表並びにこれらの監査報告書以外の情報である。経営者の責任は、その他の記載内容を作成し開示することにある。また、監査委員会の責任は、その他の記載内容の報告プロセスの整備及び運用における執行役及び取締役の職務の執行を監視することにある。当監査法人の連結財務諸表に対する監査意見の対象にはその他の記載内容は含まれておらず、当監査法人はその他の記載内容に対して意見を表明するものではない。連結財務諸表監査における当監査法人の責任は、その他の記載内容を通読し、通読の過程において、その他の記載内容と連結財務諸表又は当監査法人が監査の過程で得た知識との間に重要な相違があるかどうか検討すること、また、そのような重要な相違以外にその他の記載内容に重要な誤りの兆候があるかどうか注意を払うことにある。当監査法人は、実施した作業に基づき、その他の記載内容に重要な誤りがあると判断した場合には、その事実を報告することが求められている。その他の記載内容に関して、当監査法人が報告すべき事項はない。
報酬関連情報、連結 <報酬関連情報>当監査法人及び当監査法人と同一のネットワークに属する者に対する、会社及び子会社の監査証明業務に基づく報酬及び非監査業務に基づく報酬の額は、「提出会社の状況」に含まれるコーポレート・ガバナンスの状況等 (3)【監査の状況】
に記載されている。

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監査法人1、個別有限責任 あずさ監査法人
独立監査人の報告書、個別 独立監査人の監査報告書 2024年6月19日株式会社かんぽ生命保険 取締役会 御中 有限責任 あずさ監査法人東京事務所 指定有限責任社員業務執行社員 公認会計士菅 野 雅 子  指定有限責任社員業務執行社員 公認会計士佐 藤 栄 裕  指定有限責任社員業務執行社員 公認会計士須 田 峻 輔 <財務諸表監査>監査意見当監査法人は、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づく監査証明を行うため、「経理の状況」に掲げられている株式会社かんぽ生命保険の2023年4月1日から2024年3月31日までの第18期事業年度の財務諸表、すなわち、貸借対照表、損益計算書、株主資本等変動計算書、重要な会計方針、その他の注記及び附属明細表について監査を行った。当監査法人は、上記の財務諸表が、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して、株式会社かんぽ生命保険の2024年3月31日現在の財政状態及び同日をもって終了する事業年度の経営成績を、全ての重要な点において適正に表示しているものと認める。 監査意見の根拠当監査法人は、我が国において一般に公正妥当と認められる監査の基準に準拠して監査を行った。監査の基準における当監査法人の責任は、「財務諸表監査における監査人の責任」に記載されている。当監査法人は、我が国における職業倫理に関する規定に従って、会社から独立しており、また、監査人としてのその他の倫理上の責任を果たしている。当監査法人は、意見表明の基礎となる十分かつ適切な監査証拠を入手したと判断している。 監査上の主要な検討事項監査上の主要な検討事項とは、当事業年度の財務諸表の監査において、監査人が職業的専門家として特に重要であると判断した事項である。監査上の主要な検討事項は、財務諸表全体に対する監査の実施過程及び監査意見の形成において対応した事項であり、当監査法人は、当該事項に対して個別に意見を表明するものではない。 責任準備金の計算の正確性及び積立額の十分性財務諸表の監査報告書で記載すべき監査上の主要な検討事項「責任準備金の計算の正確性及び積立額の十分性」は、連結財務諸表の監査報告書に記載されている監査上の主要な検討事項「責任準備金の計算の正確性及び積立額の十分性」と実質的に同一の内容である。このため、財務諸表の監査報告書ではこれに関する記載を省略する。 繰延税金資産の回収可能性に関する判断の合理性財務諸表の監査報告書で記載すべき監査上の主要な検討事項「繰延税金資産の回収可能性に関する判断の合理性」は、連結財務諸表の監査報告書に記載されている監査上の主要な検討事項「繰延税金資産の回収可能性に関する判断の合理性」と実質的に同一の内容である。このため、財務諸表の監査報告書ではこれに関する記載を省略する。 その他の記載内容その他の記載内容は、有価証券報告書に含まれる情報のうち、連結財務諸表及び財務諸表並びにこれらの監査報告書以外の情報である。経営者の責任は、その他の記載内容を作成し開示することにある。また、監査委員会の責任は、その他の記載内容の報告プロセスの整備及び運用における執行役及び取締役の職務の執行を監視することにある。当監査法人の財務諸表に対する監査意見の対象にはその他の記載内容は含まれておらず、当監査法人はその他の記載内容に対して意見を表明するものではない。財務諸表監査における当監査法人の責任は、その他の記載内容を通読し、通読の過程において、その他の記載内容と財務諸表又は当監査法人が監査の過程で得た知識との間に重要な相違があるかどうか検討すること、また、そのような重要な相違以外にその他の記載内容に重要な誤りの兆候があるかどうか注意を払うことにある。当監査法人は、実施した作業に基づき、その他の記載内容に重要な誤りがあると判断した場合には、その事実を報告することが求められている。その他の記載内容に関して、当監査法人が報告すべき事項はない。 財務諸表に対する経営者及び監査委員会の責任経営者の責任は、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して財務諸表を作成し適正に表示することにある。これには、不正又は誤謬による重要な虚偽表示のない財務諸表を作成し適正に表示するために経営者が必要と判断した内部統制を整備及び運用することが含まれる。財務諸表を作成するに当たり、経営者は、継続企業の前提に基づき財務諸表を作成することが適切であるかどうかを評価し、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づいて継続企業に関する事項を開示する必要がある場合には当該事項を開示する責任がある。監査委員会の責任は、財務報告プロセスの整備及び運用における執行役及び取締役の職務の執行を監視することにある。 財務諸表監査における監査人の責任監査人の責任は、監査人が実施した監査に基づいて、全体としての財務諸表に不正又は誤謬による重要な虚偽表示がないかどうかについて合理的な保証を得て、監査報告書において独立の立場から財務諸表に対する意見を表明することにある。虚偽表示は、不正又は誤謬により発生する可能性があり、個別に又は集計すると、財務諸表の利用者の意思決定に影響を与えると合理的に見込まれる場合に、重要性があると判断される。監査人は、我が国において一般に公正妥当と認められる監査の基準に従って、監査の過程を通じて、職業的専門家としての判断を行い、職業的懐疑心を保持して以下を実施する。・不正又は誤謬による重要な虚偽表示リスクを識別し、評価する。また、重要な虚偽表示リスクに対応した監査手続を立案し、実施する。監査手続の選択及び適用は監査人の判断による。さらに、意見表明の基礎となる十分かつ適切な監査証拠を入手する。・財務諸表監査の目的は、内部統制の有効性について意見表明するためのものではないが、監査人は、リスク評価の実施に際して、状況に応じた適切な監査手続を立案するために、監査に関連する内部統制を検討する。・経営者が採用した会計方針及びその適用方法の適切性、並びに経営者によって行われた会計上の見積りの合理性及び関連する注記事項の妥当性を評価する。・経営者が継続企業を前提として財務諸表を作成することが適切であるかどうか、また、入手した監査証拠に基づき、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況に関して重要な不確実性が認められるかどうか結論付ける。継続企業の前提に関する重要な不確実性が認められる場合は、監査報告書において財務諸表の注記事項に注意を喚起すること、又は重要な不確実性に関する財務諸表の注記事項が適切でない場合は、財務諸表に対して除外事項付意見を表明することが求められている。監査人の結論は、監査報告書日までに入手した監査証拠に基づいているが、将来の事象や状況により、企業は継続企業として存続できなくなる可能性がある。・財務諸表の表示及び注記事項が、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠しているかどうかとともに、関連する注記事項を含めた財務諸表の表示、構成及び内容、並びに財務諸表が基礎となる取引や会計事象を適正に表示しているかどうかを評価する。監査人は、監査委員会に対して、計画した監査の範囲とその実施時期、監査の実施過程で識別した内部統制の重要な不備を含む監査上の重要な発見事項、及び監査の基準で求められているその他の事項について報告を行う。監査人は、監査委員会に対して、独立性についての我が国における職業倫理に関する規定を遵守したこと、並びに監査人の独立性に影響を与えると合理的に考えられる事項、及び阻害要因を除去するための対応策を講じている場合又は阻害要因を許容可能な水準にまで軽減するためのセーフガードを適用している場合はその内容について報告を行う。監査人は、監査委員会と協議した事項のうち、当事業年度の財務諸表の監査で特に重要であると判断した事項を監査上の主要な検討事項と決定し、監査報告書において記載する。ただし、法令等により当該事項の公表が禁止されている場合や、極めて限定的ではあるが、監査報告書において報告することにより生じる不利益が公共の利益を上回ると合理的に見込まれるため、監査人が報告すべきでないと判断した場合は、当該事項を記載しない。 <報酬関連情報>報酬関連情報は、連結財務諸表の監査報告書に記載されている。 利害関係会社と当監査法人又は業務執行社員との間には、公認会計士法の規定により記載すべき利害関係はない。以 上 
監査上の主要な検討事項、個別 監査上の主要な検討事項監査上の主要な検討事項とは、当事業年度の財務諸表の監査において、監査人が職業的専門家として特に重要であると判断した事項である。監査上の主要な検討事項は、財務諸表全体に対する監査の実施過程及び監査意見の形成において対応した事項であり、当監査法人は、当該事項に対して個別に意見を表明するものではない。 責任準備金の計算の正確性及び積立額の十分性財務諸表の監査報告書で記載すべき監査上の主要な検討事項「責任準備金の計算の正確性及び積立額の十分性」は、連結財務諸表の監査報告書に記載されている監査上の主要な検討事項「責任準備金の計算の正確性及び積立額の十分性」と実質的に同一の内容である。このため、財務諸表の監査報告書ではこれに関する記載を省略する。 繰延税金資産の回収可能性に関する判断の合理性財務諸表の監査報告書で記載すべき監査上の主要な検討事項「繰延税金資産の回収可能性に関する判断の合理性」は、連結財務諸表の監査報告書に記載されている監査上の主要な検討事項「繰延税金資産の回収可能性に関する判断の合理性」と実質的に同一の内容である。このため、財務諸表の監査報告書ではこれに関する記載を省略する。
全体概要、監査上の主要な検討事項、個別 監査上の主要な検討事項とは、当事業年度の財務諸表の監査において、監査人が職業的専門家として特に重要であると判断した事項である。監査上の主要な検討事項は、財務諸表全体に対する監査の実施過程及び監査意見の形成において対応した事項であり、当監査法人は、当該事項に対して個別に意見を表明するものではない。
見出し、監査上の主要な検討事項、個別繰延税金資産の回収可能性に関する判断の合理性
連結と同一内容である旨、監査上の主要な検討事項、個別 財務諸表の監査報告書で記載すべき監査上の主要な検討事項「繰延税金資産の回収可能性に関する判断の合理性」は、連結財務諸表の監査報告書に記載されている監査上の主要な検討事項「繰延税金資産の回収可能性に関する判断の合理性」と実質的に同一の内容である。このため、財務諸表の監査報告書ではこれに関する記載を省略する。
その他の記載内容、個別 その他の記載内容その他の記載内容は、有価証券報告書に含まれる情報のうち、連結財務諸表及び財務諸表並びにこれらの監査報告書以外の情報である。経営者の責任は、その他の記載内容を作成し開示することにある。また、監査委員会の責任は、その他の記載内容の報告プロセスの整備及び運用における執行役及び取締役の職務の執行を監視することにある。当監査法人の財務諸表に対する監査意見の対象にはその他の記載内容は含まれておらず、当監査法人はその他の記載内容に対して意見を表明するものではない。財務諸表監査における当監査法人の責任は、その他の記載内容を通読し、通読の過程において、その他の記載内容と財務諸表又は当監査法人が監査の過程で得た知識との間に重要な相違があるかどうか検討すること、また、そのような重要な相違以外にその他の記載内容に重要な誤りの兆候があるかどうか注意を払うことにある。当監査法人は、実施した作業に基づき、その他の記載内容に重要な誤りがあると判断した場合には、その事実を報告することが求められている。その他の記載内容に関して、当監査法人が報告すべき事項はない。
報酬関連情報、個別 <報酬関連情報>報酬関連情報は、連結財務諸表の監査報告書に記載されている。

BS資産

土地76,610,000,000
リース資産(純額)、有形固定資産5,326,000,000
建設仮勘定47,000,000
有形固定資産136,571,000,000
ソフトウエア103,191,000,000
無形固定資産103,202,000,000
繰延税金資産636,524,000,000

BS負債、資本

未払金20,572,000,000
未払法人税等1,617,000,000