財務諸表
CoverPage
提出書類、表紙 | 有価証券報告書 |
提出日、表紙 | 2024-06-20 |
英訳名、表紙 | AI,Inc. |
代表者の役職氏名、表紙 | 代表取締役社長 廣飯 伸一 |
本店の所在の場所、表紙 | 東京都文京区西片一丁目15番15号 |
電話番号、本店の所在の場所、表紙 | 03-6801-8461 |
様式、DEI | 第三号様式 |
会計基準、DEI | Japan GAAP |
連結決算の有無、DEI | false |
当会計期間の種類、DEI | FY |
corp
沿革 | 2【沿革】 当社の創業者である吉田大介が、株式会社国際電気通信基礎技術研究所に在籍していた際に、音声合成技術に出会い、世の中に役立つ面白い技術であると直感しました。当時の技術は、まだ不完全ではありましたが、世の中に音声合成を普及させようと考え、当社を設立しました。当社は、音声合成エンジンの研究開発を進め、社内で開発した音声合成エンジンをベースに、様々な製品、サービスとして提供しております。 2003年4月東京都文京区小石川に株式会社エーアイを設立2007年4月自由文音声合成エンジン「AITalk®」シリーズのライセンス提供を開始2007年7月京都府けいはんな地区に研究開発センターを開設 音声ファイル作成パッケージ「AITalk® 声の職人®」の販売開始2008年2月東京都港区芝へ本社移転2009年9月事業拡大に伴い、東京都文京区西片へ本社移転2011年4月事業拡大に伴い、東京都文京区本郷へ本社移転 コンシューマー向けパッケージ「かんたん!AITalk®」の販売開始2011年11月音声合成クラウドサービス「AITalk® WebAPI」の提供開始2012年4月オリジナル音声合成辞書作成サービス「AITalk® Custom Voice®」の提供開始2014年2月Japan Venture Awards 2014にて、「中小企業庁長官賞」を受賞2014年4月個人向け入力文字読上げソフト「VOICEROID®+ 琴葉 茜®・葵®」の販売開始2014年5月音響学会にて、「技術開発賞」を受賞2014年9月事業拡大に伴い、東京都文京区西片へ本社移転2014年11月東京都ベンチャー技術大賞にて、「大賞」を受賞2015年10月音声合成クラウドサービスを「AICloud®」としてリニューアル2018年6月東京証券取引所マザーズ市場に株式を上場2018年10月Nuance Communications,Inc.(現 Cerence B.V.)との技術提携に関する契約を締結2019年1月PowerPoint®専用ナレーションソフト「AITalk® 声プラス®」の販売開始2019年9月個人向け動画のナレーション・字幕追加ソフト「かんたん!アフレコ®」の販売開始2019年10月外国語ナレーションソフト「AITalk International®3」のリニューアル販売開始2020年2月個人向け入力文字読上げソフト「VOICEROID®2 伊織 弓鶴®」の販売開始2020年5月波形接続型音声合成方式とDNNパラメトリック音声合成方式を活用した「AITalk®5」シリーズ製品の販売開始2021年2月「AITalk®5」を活用した個人向けオリジナルブランド「A.I.VOICE®」の販売開始2022年4月東京証券取引所の市場再編に伴いグロース市場へ移行2022年6月創業者の吉田大介が取締役会長へ異動し、後任として廣飯伸一が代表取締役社長に就任2023年3月研究開発センターを閉鎖し、開発拠点機能を本社に集約2023年5月株式会社フュートレックとの資本業務提携契約を締結2023年6月株式会社フュートレックの株式を取得し関連会社化2023年7月コエステ株式会社の株式を取得し子会社化2023年9月コエステ株式会社を吸収合併2023年10月進化したDNN音声合成方式を活用した「AITalk®6」を発表2023年12月「AITalk®6」を搭載した個人向けオリジナルブランドの後継製品「A.I.VOICE®2」の販売開始2024年1月株式会社フュートレックと経営統合に関する基本合意書を締結2024年5月株式会社フュートレックと2024年10月1日を効力発生日とする合併契約を締結 |
事業の内容 | 3【事業の内容】 当社は、「エーアイは音声技術で社会に新しい価値をつくり続けます」を企業理念に掲げ、事業活動を行っています。「音声技術」には、主に音声をテキスト情報に変換する技術(音声認識)、テキスト情報を音声に変換する技術(音声合成)、音声の声色を別の声色に変える技術(声質変換)、音声から話者を特定する技術(話者照合・話者同定)などがあります。これらの「音声技術」のうち、当社は設立以来、「音声合成」に特化して事業展開を続けています。当社では、日本語音声合成エンジンに関する研究開発から製品開発、販売、サポートを全て社内で行っており、「法人向け製品」「法人向けサービス」「コンシューマー向け製品」の提供を行っています。(詳細は、後述「(4)ビジネスモデル」をご参照ください。)「音声合成」の研究開発の歴史は古く、18世紀末頃まで遡ります。以前から音声合成を知っている方にとっては、機械音、いわゆる「ロボットボイス」の印象を強く持っている方が多いかと思います。当社が提供している音声合成エンジンは、機械音ではなく、人の声で合成する「波形接続型(コーパスベース)音声合成方式」をベースに、独自に研究開発を行った音声合成エンジン「AITalk®」となります。また、2020年5月より提供を開始しました「AITalk®5」では、従来の「波形接続型音声合成方式」に加えて、現在の人工知能研究の中核をなす「深層学習」をベースにした「DNN * パラメトリック音声合成方式」の音声合成エンジンの提供を開始しました。( * DNN:Deep Neural Networkの略。人の神経回路網を数理モデル化したもの(ニューラルネットワーク)を多層化し、多様で複雑な辞書を表現することができる。近年の計算機資源の向上やビッグデータの登場により、その性能は飛躍的に向上した。)2023年10月には、さらに検証や新たな学習を積み重ね、品質改善を行った結果、より自然性の向上した音声合成「AITalk®6」を発表し、製品展開を進めております。このような音声合成技術の向上に伴い、この十数年で音声合成エンジンの利用が拡がってきており、当社の音声合成エンジンを利用する顧客企業は、通信、防災、金融、鉄道・交通、車載、ゲーム、観光、自治体、図書館、放送局等、多岐に渡っております。(詳細は、後述「(3)主な活用シーン」をご参照ください。)近年では、IoT、ロボットの普及、また訪日外国人観光客の増加に伴い、音声認識と意図解釈を組み合わせた音声対話ソリューションや機械翻訳と多言語音声合成を組み合わせた音声翻訳ソリューションのような人工知能を用いた情報提供システムでの利用が拡がりを見せています。また、教育現場においては遠隔授業のための動画作成や、コンシューマーにおいてはユーザー生成コンテンツに音声合成が利用される機会が非常に増えており、音声合成技術がより身近なものとして浸透してきています。このように、音声合成技術の需要は今後もますます増加していくと考えております。 (1)当社の音声合成エンジン「AITalk®6」について音声合成とはテキスト情報からその内容に即した音声波形を作り出す技術のことを言います。この技術は、テキスト情報を言語辞書に基づいて解析し、読み方やアクセント情報などを抽出・付与する「言語処理部」と、言語処理部で得られた解析結果から、音声辞書に基づいて音声波形を生成する「音声処理部」に分かれます。当社の音声合成エンジン「AITalk®6」では、最新の言語辞書の利用に加えて言語処理部の解析アルゴリズムを改善することで、従来製品よりも高い解析精度を実現しています。また、音声処理部においては従来の「波形接続型音声合成方式」とともに「新DNN音声合成方式」を提供しています。それぞれ次のような特徴があります。①波形接続型音声合成方式波形接続型音声合成方式は、収録した音声波形をある音声単位に分解し、入力されたテキスト情報に合うように波形を繋げて任意の音声を合成する方式のことを言います。当社では、母音、子音の音素片に分解した素片辞書と、収録音声から抽出した韻律情報を機械学習によりモデル化した韻律辞書を使って実現しています。合成時には、言語処理部の解析結果から韻律辞書に基づいて韻律情報を予測し、予測した韻律情報と言語処理部の解析結果から最適な素片を選択・変形・接続し合成音声を生成しています。この方式では、収録音声波形をそのまま利用するため、肉声感の高く、収録した人の特徴が表れた合成音声を作ることができます。 ②新DNN音声合成方式新DNN音声合成方式は、収録音声から抽出した音声の特徴を表した音響モデルを音声辞書化し、入力されたテキスト情報から音声辞書を用いて予測した音響特徴量を「ニューラルボコーダ」に与えることで音声を生成する方式のことを言います。従来の音声生成法である「ボコーダ」から「ニューラルボコーダ」に変更するをことで、より自然で肉声感のある音声を合成できるようになりました。また、新DNN音声合成方式では、ニューラルネットワークに韻律モデルと音響モデルを統合し、音素や時間フレームの情報を短期や長期で考慮する構造を採用することで、従来よりも自然な音声に近い音声特徴量を生成できるようになりました。図 「AITalk®6」の概要 (2)「AITalk®」の特徴と当社の強み当社の強みは、以下の4点になります。①少ない収録音声合成品質を向上するための一般的なアプローチは、音声収録数を増やすことです。一方で、音声収録数が増加することにより、収録時間が長時間に及び、また、音声辞書のサイズが大きくなりますので、音声辞書作成コストも増加します。当社では、少ない収録音声で高品質な音声合成を目指し、研究開発を進めており、一般的には、数10時間(数千~1万文章程度の収録)の収録時間を要するところ2時間~6時間程度(200~600文章程度の収録)の収録時間で音声辞書を作成することを実現しています。 ②豊富な話者の提供少ない収録音声で音声辞書を作成することを実現した結果、様々な音声辞書を提供する事が可能となり、本書提出日現在、日本語標準語の女性8話者、男性4話者、男の子2名、女の子2名、関西弁風の女性1話者、男性1話者の合計18話者を提供しております。 ③Custom Voice(カスタムヴォイス)従来は音声辞書の作成に数千万円の費用がかかっていたところ、少ない収録での作成を実現した結果、55万~500万円程度で作成することが可能となりました。その結果、特定の声優、ナレーター、キャラクター等、ご希望の音声辞書を安価に作成することにより、音声合成エンジンの利用範囲が大幅に拡がり、当社はこれまで400以上のCustom Voiceの作成を行っております。 ④一気通貫での提供音声合成エンジンを提供している競合他社は大手メーカーとなり、研究開発と製品開発あるいは販売が分離されています。当社においては、研究開発から製品開発、販売、サポートまでを全て自社内で対応しており、柔軟かつ迅速な対応を行える体制となっております。なお、外国語の音声合成エンジンについては、海外メーカーと提携し、展開しています。 (3)主な活用シーン音声合成の品質向上に伴い、以前は、声優、ナレーターでの録音音声が利用されていた身近な様々なシーンにおいて、音声合成エンジンの活用が拡がってきました。その様な状況の中、当社の音声合成エンジン「AITalk®」は、以下の様な様々なシーンにて活用頂いています。①防災行政無線防災行政無線、あるいは、全国瞬時警報システム(J-ALERT)にて、住民への放送用音声として、多くの自治体に活用頂いております。 ②スマートフォン音声対話スマートフォンにおける音声対話アプリの利用が拡大しておりますが、(株)NTTドコモが提供する「my daiz(マイデイズ)」、ヤフー(株)が提供する「Yahoo!音声アシスト」にて活用頂いております。*「my daiz」は、(株)NTTドコモの登録商標です。 ③ロボット各社より様々なコミュニケーションロボットや業務用ロボットが提供されている状況の中、ソフトバンクロボティクス社が提供する「Pepper」や「Servi」、マツコロイド製作委員会が提供する「マツコロイド」等、多くのロボットにおいて活用頂いております。 ④道路交通情報、カーナビゲーションリアルタイムでの情報提供が必要となる道路交通情報、あるいは、全国の膨大な地点名を案内するカーナビゲーションにおいて活用頂いております。 ⑤館内放送、駅構内放送インバウンド向けの多言語を含め、駅、空港、商業施設におけるアナウンスとしてご利用頂いております。 ⑥電話自動応答システム図書館における電話による休館案内、銀行における電話自動応答システム、あるいはコールセンターにおける電話による自動案内等、電話自動応答システムとして幅広く活用頂いております。 ⑦ホームページ読上げ全国自治体、各企業のホームページの情報を音声で提供するツールとして活用頂いております。 ⑧音声ファイル作成eラーニング教材のナレーション、発券機等の機器におけるガイダンス、オーディオブック等で利用する音声ファイルを作成するツールとして活用頂いております。 ⑨ゲーム(株)セガ・インタラクティブが提供する競馬のアーケードゲーム「StarHorse」シリーズ、(株)タイトーが提供するアーケード用リズムアクションゲーム「テトテコネクト」を始め、ゲームのナレーション音声等で活用頂いております。 ⑩コンシューマー向けパッケージ製品当社オリジナルブランド「A.I.VOICE®」、(株)AHSから販売しております、「VOICEROID®」シリーズ等、コンシューマー向けパッケージ製品にて音声ファイル作成用途で活用頂いております。 ⑪ニュース読み上げ(一社)共同通信社が開発する「放送原稿読み上げシステム」のほか、各放送局においてニュースの読み上げ用途で活用頂いております。 ⑫生成系AIとの連携当社が提供するAIPal Chatをはじめとした生成系AIを用いた製品・サービスの発話機能として活用頂いております。 ⑬オーディオブック新エンジンによるより滑らかな音声の実現により、人の収録音声に代わる品質でオーディオブックに活用が進んでいて、作成のコスト低減とスピードアップが図れることから、オーディオブックの音声として活用頂いております。(4)ビジネスモデル当社は、音声合成事業の単一セグメントではありますが、「法人向け製品」「法人向けサービス」「コンシューマー向け製品」の3つの区分に分類しており、法人向けについては、顧客の特性に応じて、最適な製品またはクラウドサービスを提供しております。①法人向け製品<パッケージ販売:AITalk® 声の職人®・AITalk® 声プラス®・AITalk International®>パソコンにテキストを入力するだけで、手軽に音声ファイルが作成できるパッケージソフトを販売しており、このソフトを使えば、誰でも簡単に直感的な操作で、高品質なナレーション音声を作成することができます。 図 「AITalk®5 声の職人S」の画面 <ライセンスの提供:AITalk® SDK・AITalk® Server・AITalk® micro>当社の主たるビジネスモデルは、ライセンスビジネスとなります。具体的にはお客様と使用許諾契約書を締結し、音声合成エンジンをご利用頂く対価として許諾料を頂くことになります。なお、許諾料については、初期に基本ライセンス料として一時金を頂いた上で、ご利用用途に応じて、月額使用料、販売実績に応じたロイヤリティ等を個別に設定しております。顧客の用途に応じて、最適な音声合成エンジンをご提供しております。 <受託開発:AITalk® Custom Voice®>顧客独自のオリジナル音声辞書を作成する場合には、受託開発として請け負っております。 <受託開発:音声ファイル作成サービス>お客様がご用意する収録文章をもとに、当社の高品質音声合成でナレーション・ガイダンスを作成し、音声データを納品します。お客様の業務効率の向上の実現と、社会における音声活用機会の更なる拡大を目指します。 ②法人向けサービス<クラウドサービス:AICloud®シリーズ>クラウド環境を活用した音声合成サービスの展開を進めており、インターネットを経由して以下のサービスをご提供しております。・AITalk® WebAPIWEBサービス等から音声合成エンジンを利用できるサービスで、手軽に音声合成を利用したサービスを開始する事ができます。・AITalk® 声の職人® クラウド版Webブラウザ上で、簡単に音声ファイルを作成できるサービスです。・AITalk® Web読み職人®ホームページにタグを埋め込むことにより、ホームページを読み上げるサービスです。 <A.I.VOICE® Biz>簡単な操作で入力したテキストをキャラクターの自然な音声合成で読み上げ、音声ファイルとして作成することが可能です。また、WEB APIを利用する事でリアルタイムな音声合成が可能となり、アプリやWEBサービス、機器への組み込みにも利用できます。豊富なキャラクターラインナップのマテリアル(動画などに活用できる公式イラスト)を活用することができます。 <AIPal Chat powered by ChatGPT API>簡音声対応AIチャットアシスタントです。会話データは学習に使用されないため企業の安全性が確保され、業務に合わせたテンプレートから対話を開始できます。 <コエステーションサービス>コエステ株式会社の合併により加わった、多言語音声合成対応のクラウドサービスです。ビジネス形態に応じてWeb APIとエディターが選択でき、一般人から有名人まで多種多様な「コエ」を利用することができます。 <サポートサービス>法人向け製品をライセンス提供しているお客様に対して、継続的に技術的なサポートサービスを提供しております。 ③コンシューマー向け製品<A.I.VOICE®シリーズ>音声ファイルを簡単に作成することができるパッケージを販売しております。Shopify Japan 株式会社が提供するサービスを活用した当社の「A.I.VOICE®」公式サイト及び、BASE株式会社が提供するサービスを活用し当社が運営するネットショップ「A.I.VOICE」Official shopでの直販と、量販店、Amazon等の販売店を介した流通販売があります。直販においては、Shopify Japan 株式会社及びBASE株式会社に決済等の販売手数料をお支払し、流通販売においては、卸価格で提供しております。「AITalk®5」を活用した個人向けオリジナルブランド「A.I.VOICE®」及びその後継製品である「AITalk®6」を活用した「A.I.VOICE®2」として、主に以下を販売しております。・A.I.VOICE®シリーズ 琴葉 茜®・葵®(日本語、英語、中国語)声優「榊原ゆい」さんの声をベースにした、関西弁“風”の「琴葉 茜®」と、標準語のイントネーションで読み上げる「琴葉 葵®」の声で喋らせる事ができます。・A.I.VOICE®シリーズ各キャラクター製品当社が運営するキャラクターや既に各方面で活躍しているサードパーティ運営のキャラクター、コラボ企画により実現した製品等の各種キャラクターによるラインナップです。・A.I.VOICE® for Games(Unity向けエディタ拡張)ゲーム開発環境上で簡単に音声が作れるエディター拡張です。音声の一括作成/変更/修正などを手軽に行う事ができ、ゲーム開発時の音声管理が改善されます。 図 「A.I.VOICE®2 琴葉 茜・葵」の画面 <その他のコンシューマー向け製品>音声ファイルを簡単に作成することができる以下のパッケージを販売しております。・かんたん!AITalk®誰でも文字を入力するだけで、簡単に高品質なナレーションが作成できる個人ユーザー向けパッケージソフトです。・かんたん!アフレコ®文字入力だけで、動画にナレーションと字幕を追加できる個人ユーザー向けパッケージソフトです。・AITalk® あなたの声®ご自身や大切な方の声を、音声合成技術で再現します。パソコンさえあれば、いつでも、どこでも、様々な言葉を喋らせる事ができるパッケージソフトで、Custom Voice®をセットにした製品となります。・VOICEROID®シリーズ好みの文章や言葉をテキストで入力するだけで、読み上げ・保存することができる入力文字読み上げソフトです。なお、「かんたん!AITalk®」「かんたん!アフレコ®」は、販売店に販売を委託しており、「VOICEROID®」シリーズは、株式会社AHSから販売しております。・からもるくじスマートフォンやPCから、いつでもどこでも手軽で簡単に、ハズレなしのオンラインくじが購入できるサービスです。人気キャラクターやアーティスト等のオリジナル商品があたるコラボくじが登場予定です。 [事業系統図]事業系統図は以下のとおりであります。 |
関係会社の状況 | 4【関係会社の状況】 関連会社は次のとおりであります。名称住所資本金(千円)主要な事業の内容議決権の所有割合又は被所有割合(%)関係内容株式会社フュートレック(注)2大阪市淀川区100,000音声認識・デジタルマーケティング・映像制作・その他所有40.6資本業務提携役員の兼任等(注)1.「主要な事業の内容」欄には、セグメントの名称を記載しております。2.有価証券報告書を提出しております。 |
従業員の状況 | 5【従業員の状況】 (1)提出会社の状況 2024年3月31日現在従業員数(人)平均年齢(歳)平均勤続年数(年)平均年間給与(千円)56(9)35.86.64,936(注)1.従業員数は就業人員であり、パート及び嘱託社員は、年間の平均人員を( )外数で記載しております。2.平均年間給与は、基準外賃金を含んでおります。3.当社の事業は、音声合成事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。 (2)労働組合の状況労働組合は結成されておりませんが、労使関係は円満に推移しております。 |
経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 | 1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 当社の経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。(1)経営方針当社の経営の基本方針は、先進的で高品質な音声技術を安定的に提供することにあります。企業理念として掲げる「エーアイは音声技術で社会に新しい価値をつくり続けます」を実現するために、独自の音声技術を駆使して様々な分野に新たな価値を提案し、挑戦することが重要であると考えております。 (2)経営戦略等中長期的な企業価値の向上や競争力の強化に向け積極的に投資を行い、セレンス社との協業、音声合成エンジンを中心に音声認識、翻訳との連携、対話ソリューション(多言語含む)の提供をする予定であります。具体的には、セレンス社との協業における車載向け提供や、最新の音声合成エンジン「AITalk6」にインバウンド需要に対応したセレンス社製品「CSDK」を連携した多言語対応製品の拡販、各ソリューション提供社と連携した、音声技術に関するトータルサービスの提供、コンシューマー向けビジネスにおけるA.I.VOICEの積極展開が重要課題であると考えております。その一環としまして、フュートレック社との経営統合においては、音声関連技術の事業展開の拡大と研究開発の強化、事業の多角化、経営基盤の確立・管理機能のスリム化を目的としております。 (3)経営環境当社が属する音声合成市場におきましては、ウィズコロナの下で定着した会社や学校におけるテレワークや在宅学習の取り組みがアフターコロナにおいても一定程度継続しており、eラーニング資料・動画におけるナレーション作成といった法人向け製品の需要が引き続き見込まれております。また、コンシューマー向け製品では国内外でユーザーの裾野が広がってきており、SNSやメディア等での露出の機会も増えてきております。さらには、AI分野では「ChatGPT」等の生成系AIを活用する動きが活発化しており、アフターコロナにおける経済活動の中でも今後ますます音声技術の業界が重要な役割を担っていくものと想定しております。当社が今後さらなる成長と発展を遂げるためには、様々な課題があると認識しております。上記を踏まえ、当社が対処すべき課題は下記のとおりであります。 (4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題①新技術の研究開発音声合成の利用が拡大してきたことに伴い、研究開発のスピードも加速しております。この数年、各分野で深層学習の研究が盛んに行われておりますが、音声合成分野においても、深層学習(DNN:Deep Neural Network)を活用した新しい音声合成技術の研究が進められており、競合他社との競争がますます激化してきております。当社においても、最新の技術をキャッチアップし、また、顧客ニーズの変化を捉え、新しい製品・サービスを市場に投入していくとともに、音声認識や対話等の周辺技術を含めた音声のトータルソリューションを提案していくことが重要であると考えております。 ②人材の確保及び育成新しい技術、新しい製品・サービスを継続的に研究開発し、販売していくためには、優秀な人材の継続的確保が重要であると考えております。また、音声技術という特殊分野であるため、採用した研究者、開発者及び営業担当者の育成が重要であると考えております。 ③安定収入の確保当社の事業基盤はライセンスビジネスであり、音声合成エンジンの使用許諾を与えることにより、継続的に許諾料を頂くモデルであります。現在は、月額使用料、ロイヤリティ、継続的なクラウドサービスの利用、サポートサービス等で継続的な安定収入を確保しております。今後、事業を拡大していくにあたり、新規事業の開発及び安定的な収入を確保することが重要であると考えております。 ④新しいマーケットの創出音声合成が広く利用される様になり、今後、様々な分野において利用が進むものと考えておりますが、現在、確立されたマーケットは、電話の自動応答システム、防災行政無線、音声対話、eラーニング等、まだまだ限られたものであります。AI分野での活用を進めるとともに、個人分野でもユーザーの利用を広げ、更に、新しいマーケットを創出していくことが重要であると考えております。⑤内部管理体制の充実当社は、今後継続的に事業を拡大していくためには、コーポレート・ガバナンス機能の強化は必須であり、内部統制システムの適切な整備及び運用が重要であると考えております。また、成長のステージに応じて人的強化を行い、内部管理体制の構築を図ってまいります。 ⑥ブランディング当社の今後の成長のためには、音声合成技術を世の中に広めるとともに、「音声技術のエーアイ」「音声合成=AITalk®・A.I.VOICE®」と認知されるように、ブランディングしていくことが重要であると考えております。 (5)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等先進的で高品質な音声技術サービスを安定的に提供していくためには、健全な財務基盤の維持が重要であると考えており、営業利益率20%以上の維持を収益性の指標の一つとしております。当社の経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標は、売上高、営業利益、当期純利益、営業利益率であります。当社は、2024年10月1日を効力発生日として当社を吸収合併存続会社、株式会社フュートレックを吸収合併消滅会社とする吸収合併を予定しております。このような状況を踏まえ、2025年3月期の目標値は未定としております。 |
サステナビリティに関する考え方及び取組 | 2【サステナビリティに関する考え方及び取組】 当社のサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。(1)ガバナンス 当社は、音声技術で社会に新しい価値を提供することをビジョンとしており、気候変動問題を含めた持続可能な社会を実現するための諸課題への取り組みとしてサステナビリティを重要な経営課題と認識し、取締役会においてマテリアリティ(重要課題)の特定を行い、サステナビリティ基本方針を策定、2021年12月27日付け「事業計画及び成長可能性に関する事項」において公表いたしました。当社は、企業理念、行動規範に基づき、お客さま、取引先、株主・投資家、従業員、地域社会など全てのステークホルダーとの対話を尊重し、SDGsを含めた持続可能な社会の実現に積極的に取り組み、全てのステークホルダーから信頼され必要とされる企業を目指すため、「1. 音声技術で新しい社会価値の創造」「2. 人権の尊重・働きやすい職場環境・女性活躍の推進」「3. 社会からの信頼の獲得」に取り組んでまいります。 また、代表取締役社長を委員長とする内部統制委員会においてもサステナビリティ基本方針を各部会活動の重要な指針のひとつと位置付けることでコーポレート・ガバナンスにおけるサステナビリティの浸透を図り、適宜経営会議に部会からの報告を行うことにより各活動のモニタリングを行っております。内部統制部会のうち、コンプライアンス部会においても、コンプライアンス行動指針20か条において地球環境の保全を人類共通の最重要課題の一つとして企業活動における地域や地球環境の保全に配慮して行動することを定め、部会活動の指針の一つとしております。 サステナビリティ基本方針に関する詳細は、当社ウェブサイトをご参照ください。サステナビリティ基本方針https://www.ai-j.jp/company/profile/csr/ (2)戦略 当社の認識する事業等のリスクのうち、サステナビリティ関連のリスクとしましては、音声合成業界の動向がございます。上記のサステナビリティ基本方針にあります「1. 音声技術で新しい社会価値の創造」では、さまざまなステークホルダーの要請に応じ、音声技術による、利便性の向上と社会課題の解決へ取り組むものでございますが、音声合成のeラーニング等の教材への利用や、多言語展開、音声認識技術との連携等を通じて、質の高い教育や高齢者福祉といった社会課題の解決を目指してまいります。そのほか、学校における修学旅行等の企業訪問の積極的な受け入れや、当事業年度におきましてはSDGs推進私募債発行を行い、地域社会に貢献する取り組みを行っております。 また、人材の確保及び育成につきましても、サステナビリティ関連のリスクとして認識しており、上記サステナビリティ基本方針においては「2. 人権の尊重・働きやすい職場環境・女性活躍の推進」として、社員一人ひとりがライフステージに応じて多様で柔軟な働き方を選択しながら安心して働き続け、能力を最大限発揮できる職場環境を目指しております。具体的な対応策としては、フレックスタイム制度、在宅勤務制度等の働きやすい環境の整備を行っております。 上記リスクに関する詳細は、「3 事業等のリスク」をご参照ください。 (3)リスク管理 当社では、内部統制委員会にリスクマネジメント部会を設置するとともに、リスクマネジメント規程を制定し、リスクマネジメント推進体制を構築しております。気候変動リスクをはじめとするサステナビリティ関連のリスク及び機会に関してもこの枠組みの中で把握され、リスクマネジメント部会でのリスク内容の調査、経営会議で共有及びリスクのコントロールに関する協議を行い、取締役会への報告を行っております。 当社のリスクマネジメントに関する詳細につきましては、「コーポレート・ガバナンス報告書」をご参照ください。コーポレート・ガバナンス報告書https://www.ai-j.jp/ir/pdf/corporate-governance.pdf (4)指標及び目標 当社は現在、サステナビリティ関連のリスク・機会を管理するための指標について、下記の人材の確保及び育成に関する指標以外については用いておりません。気候変動につきましても、当社の事業の特性上、温室効果ガス排出との関連が少ないことから、現時点において重要な影響がないと認識しております。今後、当社において指標を定める目的や必要性を協議し、同業や同規模の企業の開示動向を注視しながら、必要な場合は指標の策定を検討してまいります。 当社では、上記において記載した、人材の多様性の確保を含む人材の育成に関する方針及び社内環境整備に関する方針について、次の指標を用いております。当該指標に関する2024年3月末時点での実績は、次のとおりであります。①女性活躍の推進・従業員の女性比率 48.2%・管理職の女性比率 35.7% ②子育て支援の推進・過去1年間の育児休業制度の利用者数 4名 ③働き方改革の推進・過去1年間の月平均残業時間 7.47時間・過去1年間の平均有給消化率 92.5%・在宅勤務対象者割合 87.7% 上記指標に関しましては、十分な水準にあると認識しておりますため現在目標の設定はしておりませんが、引き続き実績の推移を注視し、適宜必要な指標や目標の設定を行ってまいります。 上記指標の詳細につきましては、毎年5月及び11月に公表しております「決算説明会補助資料」をご参照ください。決算説明会補助資料https://www.ai-j.jp/ir/irnews/ |
戦略 | (2)戦略 当社の認識する事業等のリスクのうち、サステナビリティ関連のリスクとしましては、音声合成業界の動向がございます。上記のサステナビリティ基本方針にあります「1. 音声技術で新しい社会価値の創造」では、さまざまなステークホルダーの要請に応じ、音声技術による、利便性の向上と社会課題の解決へ取り組むものでございますが、音声合成のeラーニング等の教材への利用や、多言語展開、音声認識技術との連携等を通じて、質の高い教育や高齢者福祉といった社会課題の解決を目指してまいります。そのほか、学校における修学旅行等の企業訪問の積極的な受け入れや、当事業年度におきましてはSDGs推進私募債発行を行い、地域社会に貢献する取り組みを行っております。 また、人材の確保及び育成につきましても、サステナビリティ関連のリスクとして認識しており、上記サステナビリティ基本方針においては「2. 人権の尊重・働きやすい職場環境・女性活躍の推進」として、社員一人ひとりがライフステージに応じて多様で柔軟な働き方を選択しながら安心して働き続け、能力を最大限発揮できる職場環境を目指しております。具体的な対応策としては、フレックスタイム制度、在宅勤務制度等の働きやすい環境の整備を行っております。 上記リスクに関する詳細は、「3 事業等のリスク」をご参照ください。 |
指標及び目標 | (4)指標及び目標 当社は現在、サステナビリティ関連のリスク・機会を管理するための指標について、下記の人材の確保及び育成に関する指標以外については用いておりません。気候変動につきましても、当社の事業の特性上、温室効果ガス排出との関連が少ないことから、現時点において重要な影響がないと認識しております。今後、当社において指標を定める目的や必要性を協議し、同業や同規模の企業の開示動向を注視しながら、必要な場合は指標の策定を検討してまいります。 当社では、上記において記載した、人材の多様性の確保を含む人材の育成に関する方針及び社内環境整備に関する方針について、次の指標を用いております。当該指標に関する2024年3月末時点での実績は、次のとおりであります。①女性活躍の推進・従業員の女性比率 48.2%・管理職の女性比率 35.7% ②子育て支援の推進・過去1年間の育児休業制度の利用者数 4名 ③働き方改革の推進・過去1年間の月平均残業時間 7.47時間・過去1年間の平均有給消化率 92.5%・在宅勤務対象者割合 87.7% 上記指標に関しましては、十分な水準にあると認識しておりますため現在目標の設定はしておりませんが、引き続き実績の推移を注視し、適宜必要な指標や目標の設定を行ってまいります。 上記指標の詳細につきましては、毎年5月及び11月に公表しております「決算説明会補助資料」をご参照ください。決算説明会補助資料https://www.ai-j.jp/ir/irnews/ |
人材の育成及び社内環境整備に関する方針、戦略 | また、人材の確保及び育成につきましても、サステナビリティ関連のリスクとして認識しており、上記サステナビリティ基本方針においては「2. 人権の尊重・働きやすい職場環境・女性活躍の推進」として、社員一人ひとりがライフステージに応じて多様で柔軟な働き方を選択しながら安心して働き続け、能力を最大限発揮できる職場環境を目指しております。具体的な対応策としては、フレックスタイム制度、在宅勤務制度等の働きやすい環境の整備を行っております。 上記リスクに関する詳細は、「3 事業等のリスク」をご参照ください。 |
人材の育成及び社内環境整備に関する方針に関する指標の内容並びに当該指標を用いた目標及び実績、指標及び目標 | 当社では、上記において記載した、人材の多様性の確保を含む人材の育成に関する方針及び社内環境整備に関する方針について、次の指標を用いております。当該指標に関する2024年3月末時点での実績は、次のとおりであります。①女性活躍の推進・従業員の女性比率 48.2%・管理職の女性比率 35.7% ②子育て支援の推進・過去1年間の育児休業制度の利用者数 4名 ③働き方改革の推進・過去1年間の月平均残業時間 7.47時間・過去1年間の平均有給消化率 92.5%・在宅勤務対象者割合 87.7% 上記指標に関しましては、十分な水準にあると認識しておりますため現在目標の設定はしておりませんが、引き続き実績の推移を注視し、適宜必要な指標や目標の設定を行ってまいります。 上記指標の詳細につきましては、毎年5月及び11月に公表しております「決算説明会補助資料」をご参照ください。決算説明会補助資料https://www.ai-j.jp/ir/irnews/ |
事業等のリスク | 3【事業等のリスク】 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が提出会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。①音声合成業界の動向について音声合成業界は、古くは、電話の自動応答システムからスタートし、防災行政無線、カーナビゲーション、スマートフォンでの音声対話へと発展してまいりました。本格的に実用化されてからの歴史は浅く、まだ15年程であります。この間、急速に市場が発展しており、また今後新しい市場としては、観光分野、高齢化社会における福祉用途、大阪万博へ向けた外国人向け音声ガイダンス等々、様々な分野での拡がりが期待できます。また、新型コロナウイルス感染症などの影響によりテレワーク等の働き方改革が進み、eラーニング等の教材における音声合成の利用が進んできております。今後はアフターコロナの動きの中で、観光業でのインバウンド需要がより高まっていくことが期待できます。一方で、各市場が期待通りに拡大しない場合、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。具体的には、積極的な営業が困難になることにより、ロイヤリティ、Custom Voice、基本ライセンスといった法人向け製品の売上が伸び悩むと予想しております。当該リスクの対応策として、eラーニング資料のナレーション作成や、ガイダンス音声の作成といった法人向け製品、コンシューマー向け製品の売上拡大を目的としたWEB広告出稿や独自ブランド「A.I.VOICE®」の販売、定期的にユーチューブ生放送を行い、コンシューマー向け製品の認知度向上を目指してまいります。また、生成系AIを活用したサービス構築や音声認識事業を主とするフュートレックとの経営統合を進めることで、音声周辺技術と連携した新たなマーケットの拡大を目指してまいります。 ②技術革新による影響について音声合成業界において、技術革新が進んでおります。当社が2023年10月に発表いたしました音声合成エンジン「AITalk®6」は、音声処理部において従来の「波形接続型音声合成方式」とともに従来の「DNN音声合成方式」からより自然性の向上した「新DNN音声合成方式」を提供しております。現在、当該技術を用いた音声合成製品が各社から出されておりますが、読み上げ品質という点では言語解析が重要となり、読み間違いが少なく自然なアクセントで読めるという点で、現時点では優位性を確保しております。しかしながら、当社の継続的な研究開発が停滞した場合、投資に対する十分な成果を得られず、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。当該リスクの対応策として、名古屋工業大学徳田・南角・橋本研究室との非タスク指向型対話音声合成に関する共同研究及び開発を行ってまいりましたが、一定の成果が得られたことから2023年3月末で終了いたしました。今後は「AITalk®6」の改良及び当社製品・サービスへの展開を進めてまいります。 ③競合他社による影響について当社が提供する音声合成エンジン「AITalk®」の主な競合先は、HOYA株式会社(ReadSpeaker)、東芝デジタルソリューションズ株式会社(ToSpeak)となります。また、新興企業による事業参入も増えており、競争環境は激化しております。当社は音声合成に特化して事業を展開しており、研究開発、製品開発、販売、サポートを一気通貫で提供することにより、ユーザーの要望にも迅速かつ柔軟に対応し、シェアを確保しております。しかしながら、競合他社企業のうち、大手企業は要員を拡充し、事業展開を加速した場合、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。また、「Google Cloud Platform(GCP)」の「Cloud Text-to-Speech」あるいは「Amazon Web Services(AWS)」の「Amazon Polly」等の大手企業がクラウドサービスプラットフォームの一部として提供している低価格なサービスにおいて、音声合成エンジンの日本語の品質・技術向上が図られた場合、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。当該リスクの対応策として、定期的に競合他社の動向を調査し、優位性を維持する体制整備を行ってまいります。 ④業務提携による影響について今後、日本語音声合成に加えて、音声認識、意図解釈、翻訳、多言語等と連携した利用が拡大するものと考えております。当社においては、日本語音声合成をコア技術と位置づけ、音声認識、意図解釈、翻訳、多言語等の連携技術については、海外メーカーとの連携や資本提携を含めた他社との業務提携を推進していきます。したがって、他社の状況や各国の知的財産制度、輸出規制等の政策による影響を受ける可能性があり、その結果、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。当該リスクの対応策として、業務提携先との友好な関係とコミュニケーションの維持を行うとともに、海外業務提携先に関する各国政策等の情報収集を適宜行ってまいります。 ⑤企業買収等のリスクについて当社は、今後の成長に向けた競争力強化のため企業買収等を行っており、また、将来行うことがあります。当社としては、個々の案件の規模等に応じて、取締役会及び各種の会議体での審議並びに投資先に対するデューデリジェンスを充分に実施することにより、企業買収等の検討を進めるとともに、買収先の資産効率の向上及び利益の最大化に努めてまいります。なお、買収先企業の業績が買収時の想定を下回る場合、又は事業環境の変化や競合状況等により期待する成果が得られないと判断された場合には、関係会社株式評価損が発生し、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。 ⑥人材の確保及び育成による影響について当社は、音声合成という特殊な分野で研究開発、製品開発、販売、サポートを全て自社内で行っておりますが、2024年3月末現在、従業員数56名と少数精鋭で事業を展開しております。特に、研究者、開発者は、育成に時間を要することから、優秀な人材を確保するとともに、人材の流出を防止するための環境構築が重要であると考えております。しかしながら、IT業界における人材獲得競争が激しく、計画通り人材の採用ができない場合、もしくは優秀な人材が流出してしまった場合、業務運営に支障をきたし、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。当該リスクの対応策として、フレックスタイム制度、在宅勤務制度等の働きやすい環境の整備、優秀な人材を確保すべく採用活動を計画的に行ってまいります。 ⑦内部管理体制について当社は、企業価値の継続的な向上のためには、コーポレート・ガバナンスが有効に機能することが重要であると認識し、適正な業務分担、財務報告の信頼性、法令遵守を徹底するため、内部管理体制の充実を図ってまいります。しかしながら、業務の拡大に内部管理体制が追いつかない状況が発生した場合、適切な業務運営が困難となり、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。当該リスクの対応策として、管理部門スタッフ、内部監査担当の採用活動を計画的に行ってまいります。 ⑧取引依存度の高い業界による影響について本書提出日現在の当社の売上について、防災分野への依存度が大きくなっております。2024年3月度において、売上高に占める割合は10%以上となっており、今後、様々な理由により、同分野での売上高が減少した場合、当社の事業及び業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。当該リスクの対応策として、防災メーカーとの継続的、安定的な関係構築に努めてまいります。 ⑨取引依存度の高い取引先による影響について本書提出日現在の当社の売上について、株式会社NTTドコモへの依存度が大きくなっております。2024年3月期において、売上高に占める割合は13.0%となっており、今後、様々な理由により、株式会社NTTドコモとの取引が縮小した場合、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。当該リスクの対応策として、上記以外の売上を伸ばしていく営業体制の整備を行ってまいります。 ⑩大規模災害による影響について当社では、自然災害、事故等に備え、プログラム等の重要なリソースにつき、定期的にバックアップをとっております。しかしながら、当社所在地近辺において、大地震等の自然災害が発生し、当社設備の損壊が発生した場合、研究開発及び製品開発が滞り、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。当該リスクの対応策として、テレワーク体制の整備を行ってまいります。 ⑪システム障害による影響について当社は、クラウドサービス「AICloud®」を提供しており、大手クラウドサービス事業者を利用し、冗長化構成をとり、また、外部へ委託し、24時間365日の有人監視を行うなど、システムの安定的な運用に努めております。しかしながら、アクセスの集中による負荷の増加、あるいは、地震などの自然災害等、システムに予期せぬ障害が発生した場合、当社の事業及び業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。当該リスクの対応策として、バックアップデータを元に早期復旧する体制の整備を行ってまいります。 ⑫情報セキュリティによる影響について当社は、音声合成エンジンをライセンスするにあたり、顧客の機密情報を知りえる立場にあります。「情報セキュリティ基本方針」に基づき、情報の適切な管理に努めておりますが、コンピューターウイルス、不正アクセス等の理由により、これらの機密情報の漏洩や改竄などが発生した場合、顧客企業等から損害賠償請求や当社の信用失墜の事態を招き、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。当該リスクの対応策として、「情報セキュリティ基本方針」に基づいた監視体制の整備を行ってまいります。 ⑬法的規制等について当社は、メールアドレスを始めとする顧客情報を保有しており、「個人情報の保護に関する法律」の適用を受けております。これらの個人情報につきましては、「個人情報保護方針」に基づき適切に管理するとともに、「個人情報保護規程」を定めており、社内教育の徹底と管理体制の構築を行っております。当社は事業を遂行していくうえで、各種法令及び規制等の適用を受けておりますが、現状においては、当社の事業継続に著しく重要な影響を及ぼす法的規制等はないものと認識しております。しかしながら、今後予期せぬ法令等の制定、既存の法令等の解釈の変更がなされた場合、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。当該リスクの対応策として、法令等の制定、改定を確認し、適宜社内の管理体制を見直してまいります。 ⑭知的財産権等に関する侵害による影響について当社は、第三者の知的財産権を侵害していないことの確認を、研究開発部門、製品開発部門が必要に応じて専門家に相談しながら進めておりますが、チェックが十分でない場合、認識不足等、何らかの不備により、第三者の知的財産権等を侵害する可能性があります。第三者からの損害賠償請求、使用差し止め等の訴えを起こされた場合、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。当該リスクの対応策として、専門家と連携し、知的財産権等に関する事前調査の徹底を行ってまいります。 |
経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 | 4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】 (1)経営成績等の状況の概要当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。①財政状態及び経営成績の状況当事業年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の感染法上の位置付けが5類に移行したことを受けて各種制限撤廃が進み、アフターコロナと言われる新たな局面を迎えました。観光分野を中心とした社会経済活動の回復がみられる一方で、ウクライナ情勢、中東情勢をはじめとした世界情勢の不安定化、急激な為替変動を背景に、諸物価全般の上昇や円安が進展し、さらには出生率の急激な進行や人手不足、政治の混乱等、先行きの不透明な状況が続いております。当社を取り巻く環境においては、新しい市場として、オーディオブック分野が拡大している状況にあります。また、当社は、引き続き、音声合成エンジンの品質向上に努めており、自然で豊かな表現が可能となった新エンジンAITalk6をリリースしました。法人向け製品においては、防災分野及びロイヤリティ収入が堅調に推移したことに加え、オーディオブック向け音声コンテンツの受託案件が寄与し、対前年同期比で売上が増加、法人向けサービスにおいては、コエステ株式会社の吸収合併によるシナジー効果が寄与し、対前年同期比で売上が増加しました。また、コンシューマー向け製品においては、AITalk6を用いたA.I.VOICE2をリリースしたことが寄与し、対前年同期比で売上が増加、その結果、売上高全体としては前事業年度を上回る結果となりました。利益面においては、利益率の高い法人向け製品と法人向けサービスの売上が大きく増加したことに加え、一般管理費を抑制したこと等により、営業利益、経常利益、当期純利益のすべてにおいて、前事業年度を大幅に上回る結果となりました。そのほか、当事業年度においては、Cerence社との協業において日本車メーカーでの採用に向けた取り組みや、生成AIを用いた法人向けチャットアシスタントサービスのリリースと拡販に向けた取り組みを行っております。また、当事業年度において行った株式会社フュートレック(以下、フュートレック)の株式取得により、当社の音声合成事業とフュートレックの音声認識事業とのシナジーを生むべく新サービスの開発に取り組んでおります。フュートレックとは、2024年1月16日付で経営統合に向けた基本合意を行い、2024年5月14日付で、2024年10月1日(予定)を効力発生日として当社を存続会社とする吸収合併契約を締結しております。今後は、外国語製品の販売を強化するとともに、経営統合により音声合成周辺技術を含めたトータルな音声ソリューションの提供を目指してまいります。この結果、当事業年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。ⅰ.財政状態(資産)当事業年度末の資産合計は、前事業年度末と比較して316,533千円増加し、1,710,046千円となりました。(負債)当事業年度末の負債合計は、前事業年度末と比較して206,807千円増加し、409,261千円となりました。(純資産)当事業年度末の純資産合計は、前事業年度末と比較して109,725千円増加し、1,300,784千円となりました。 ⅱ.経営成績当事業年度の売上高は734,975千円(前年同期比15.9%増)、営業利益は81,596千円(同310.3%増)、経常利益は81,960千円(同265.7%増)、当期純利益は109,725千円(同570.4%増)となりました。当社は音声合成事業の単一セグメントであるため、セグメントごとの記載はしておりませんが、特性に応じた3つの区分別の売上高につきましては、法人向け製品337,107千円(同20.2%増)、法人向けサービス226,195千円(同19.0%増)、コンシューマー向け製品171,672千円(同5.1%増)となりました。 ②キャッシュ・フローの状況当事業年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前事業年度末と比較して661,597千円減少し、575,198千円となりました。当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。(営業活動によるキャッシュ・フロー)当事業年度において営業活動の結果得られた資金は、169,608千円(前事業年度は18,158千円の収入)となりました。(投資活動によるキャッシュ・フロー)当事業年度において投資活動により支出した資金は、1,036,598千円(前事業年度は5,214千円の支出)となりました。(財務活動によるキャッシュ・フロー)当事業年度において財務活動の結果得られた資金は、90,835千円(前事業年度は44,375千円の収入)となりました。 ③生産、受注及び販売の実績ⅰ.生産実績当社は生産活動を行っておりませんので、該当事項はありません。ⅱ.受注実績当社は、提供する主要なサービスの性格上、受注実績の記載になじまないため、記載を省略しております。ⅲ.販売実績当社は音声合成事業の単一セグメントのため、当事業年度の販売実績をサービス区分別に示すと、次のとおりであります。サービスの名称当事業年度(自 2023年4月1日至 2024年3月31日) 前事業年度比(%) 法人向け製品 (千円)337,107120.2法人向けサービス (千円)226,195119.0コンシューマー向け製品 (千円)171,672105.1合 計 (千円)734,975115.9(注)最近2事業年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。相手先前事業年度(自 2022年4月1日至 2023年3月31日)当事業年度(自 2023年4月1日至 2024年3月31日)金額(千円)割合(%)金額(千円)割合(%)株式会社NTTドコモ108,04617.095,26713.0 (2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容当社の当事業年度の財政状態及び経営成績は、次のとおりであります。ⅰ.財政状態(資産)当事業年度末における流動資産は701,842千円となり、前事業年度末に比べ657,389千円減少いたしました。これは主に現金及び預金が661,597千円減少したことによるものであります。固定資産は1,005,162千円となり、前事業年度末に比べ970,882千円増加いたしました。これは主に関係会社株式が926,328千円増加したことによるものであります。繰延資産は3,041千円となり、前事業年度末に比べ3,041千円増加いたしました。これは社債発行費が3,041千円増加したことによるものであります。この結果、総資産は、1,710,046千円となり、前事業年度末に比べ316,533千円増加いたしました。(負債)当事業年度末における流動負債は303,616千円となり、前事業年度末に比べ102,554千円増加いたしました。これは主に契約負債が54,375千円増加、未払金が31,898千円増加、1年内償還予定の社債が30,000千円増加、未払費用が19,159千円増加したことによるものであります。一方で短期借入金は40,000千円減少いたしました。固定負債は105,645千円となり、前事業年度末に比べ104,253千円増加いたしました。これは主に社債が105,000千円増加したことによるものであります。この結果、負債合計は、409,261千円となり、前事業年度末に比べ206,807千円増加いたしました。(純資産)当事業年度末における純資産合計は1,300,784千円となり、前事業年度末に比べ109,725千円増加いたしました。これは、利益剰余金が109,725千円増加したことによるものです。なお、減資により資本金が51,481千円減少し、資本剰余金が51,481千円増加しております。この結果、自己資本比率は76.1%(前事業年度末は85.5%)となりました。ⅱ.経営成績(売上高)当事業年度の売上高は734,975千円(前年同期比15.9%増)となりました。法人向け製品においては、防災分野及びロイヤリティ収入が堅調に推移したことに加え、オーディオブック向け音声コンテンツの受託案件が寄与しました。法人向けサービスにおいては、コエステ株式会社の吸収合併によるシナジー効果が寄与しました。コンシューマー向け製品においては、AITalk6を用いたA.I.VOICE2をリリースしたことが寄与しました。以上のことから、売上高は対前年同期比で増加する結果となりました。(営業利益)当事業年度の営業利益は81,596千円(同310.3%増)となりました。売上高が対前年同期比で増加したことによる影響が大きく、さらに販売費及び一般管理費の抑制を行ったことから、営業利益は対前年同期比で増加する結果となりました。(経常利益)当事業年度の経常利益は81,960千円(同265.7%増)となりました。営業利益が対前年同期比で増加したことによる影響が大きく、支払利息が1,379千円あったものの、補助金収入1,267千円や業務受託料695千円等があったことから、経常利益は対前年同期比で増加する結果となりました。(当期純利益)当事業年度の当期純利益は109,725千円(同570.4%増)となりました。経常利益が対前年同期比で増加したことによる影響が大きく、さらにコエステ株式会社の吸収合併による繰越欠損金の増加により法人税等の計上額が減少したことから、当期純利益は対前年同期比で増加する結果となりました。 ②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報当社の当事業年度のキャッシュ・フローは、次のとおりであります。(営業活動によるキャッシュ・フロー)営業活動の結果得られた資金は、169,608千円(前事業年度は18,158千円の収入)となりました。これは主に、税引前当期純利益が106,385千円、減価償却費が11,587千円、契約負債の増加額49,512千円、未払金の増加額23,740千円、投資有価証券売却益39,845千円等によるものであります。(投資活動によるキャッシュ・フロー)投資活動の結果使用した資金は1,036,598千円(前事業年度は5,214千円の支出)となりました。これは主に、関係会社株式の取得による支出1,069,428千円、投資有価証券の売却による収入39,952千円等によるものであります。(財務活動によるキャッシュ・フロー)財務活動の結果得られた資金は90,835千円(前事業年度は44,375千円の収入)となりました。これは主に、社債の発行による収入146,607千円、短期借入金の純減少額40,000千円、社債の償還による支出15,000千円等によるものであります。(資金需要)当社の運転資金需要の主なものは、多言語のライセンス使用によるロイヤリティ支払や翻訳等のカスタマイズ開発の仕入、スタジオ収録費用の支払のほか、販売費及び一般管理費等に含まれる営業費用、研究活動における機能拡充・強化等に係る費用であります。(財務政策)当社の運転資金につきましては、手持資金(利益等の内部留保資金)で賄っております。自己資金で手当できない場合、借入による調達となりますが、借入先・借入金額・条件等は、所定の手続きにより承認後、資金調達を行うことになります。 |
経営上の重要な契約等 | 5【経営上の重要な契約等】 (1)株式会社フュートレックとの資本業務提携契約等 当社は、2023年5月11日開催の取締役会決議に基づき、同日付で、株式会社フュートレック(以下「フュートレック」)と資本業務提携契約及び同社の既存株主であるグローリー株式会社と公開買付応募契約をそれぞれ締結いたしました。なお、同取締役会決議により2023年5月12日より実施したフュートレック普通株式の金融商品取引法に基づく公開買付は2023年6月8日をもって終了し、当事業年度において、フュートレックは当社の関連会社となっております。 また、当社及びフュートレックは、2024年5月14日開催の取締役会において、2024年10月1日(予定)を効力発生日として両社の合併を決議し、当社を吸収合併存続会社、フュートレックを吸収合併消滅会社とする吸収合併(以下「本合併」)に係る合併契約を締結いたしました。詳細につきましては、「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項 (重要な後発事象)」をご参照ください。 (2)コエステ株式会社との吸収合併契約等 当社は、音声合成事業での安定的なサービス提供の継続と競争力の強化等のシナジーを目的として、2023年6月29日開催の取締役会において、エイベックス株式会社及び東芝デジタルソリューションズ株式会社からコエステ株式会社の株式を取得することを決議し、2023年7月1日付で子会社化いたしました。また、同年7月13日開催の取締役会において、コエステ株式会社と合併することを決議し、同日付で合併契約を締結し、2023年9月1日付で同社を吸収合併いたしました。詳細については、「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項(企業結合等関係)」をご参照ください。 |
研究開発活動 | 6【研究開発活動】 研究開発活動においては、「エーアイは音声技術で社会に新しい価値をつくり続けます」を企業理念に掲げ、「高品質、高付加価値を有する日本語音声合成エンジン」を実現すべく、日々研究・開発を積み重ねております。当事業年度では、基礎研究として、「日本語音声合成エンジンAITalk®の品質向上」を実施しました。また、製品開発では、「新世代DNN音声合成エンジンAITalk®6製品・サービスの開発」並びに「コンシューマー向け音声合成ソフトウエアA.I.VOICE®2の開発」に注力しました。当事業年度における当社の支出した研究開発費の総額は65,593千円であります。なお、当社は音声合成事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載は省略しております。当事業年度の研究開発活動の状況は、以下のとおりとなります。①AITalk®の品質向上本研究においては、「日本語言語解析の精度向上」及び「DNN音声合成の品質向上」について、以下の研究を行いました。ⅰ.日本語言語解析の精度向上日本語言語解析の品質の基本となる言語辞書の継続的な品質向上のほか、より自然な言語的な表現の実現を目指し、DNN(ディープニューラルネットワーク)を利用した文中のアクセント境界・ポーズ位置および文末表現の推定技術の研究開発を継続実施しました。また、医療分野等の特定分野における用語の言語解析精度向上を目指した取り組みも実施しました。本技術を「ⅱ.DNNパラメトリック音声合成の品質向上」の研究成果と組み合わせることにより、合成音声の自然性の向上を実現します。ⅱ.DNN音声合成の品質向上当社の強みである日本語言語解析精度を維持しつつ、最新のニューラルボコーダ技術を取り入れることにより、高品質な音声合成の研究開発に取り組みました。当事業年度においては、音響特徴量を生成するニューラルネットワークを改善し、更に自然な音声を生成できるようになりました。本成果は、幅広い分野での活用を目指し、AITalk®6製品・サービスとして展開を開始しています。 ②AITalk®6製品・サービスの開発研究成果を用いた新世代DNN音声合成エンジン「AITalk®6」及び技術提携先であるセレンス社(Cerence Inc.)が提供する64種類の外国語に対応した「Cerence TTS」を搭載した「AITalk®6 SDK」の提供を開始しました。また、その他製品・サービスについても順次開発中となります。 ③コンシューマー向け音声合成ソフトウエアA.I.VOICE®2の開発2021年2月より発売開始した「コンシューマー向け音声合成ソフトウエアA.I.VOICE®」において、新世代DNN音声合成エンジン「AITalk®6」が搭載された「A.I.VOICE®2」を開始し、第一弾として、「琴葉茜・葵」、「伊織弓鶴」、「結月ゆかり」、「紲星あかり」の販売を開始しました。「A.I.VOICE®2」においては、さらに自然に人間らしくなった声「Neuralボイスライブラリ」への対応に加え、編集機能の向上、マルチプラットフォーム対応を実施しました。 |
設備投資等の概要 | 1【設備投資等の概要】 当事業年度における設備投資の総額は47,219千円(無形固定資産を含む)であり、その主なものは、コエステ株式会社吸収合併に伴うコエステーション新エンジン追加開発 41,037千円、AI Pal chat追加開発 2,012千円、日常業務用コンピュータの購入 2,009千円であります。なお、当事業年度において重要な設備の除却、売却等はありません。また、当社は音声合成事業 の単一セグメントであるため、セグメント別の設備投資等の記載は省略しております。 |
主要な設備の状況 | 2【主要な設備の状況】 当社における主要な設備は、以下のとおりであります。2024年3月31日現在 事業所名(所在地)設備の内容帳簿価額従業員数(人)建物附属設備(千円)工具、器具及び備品(千円)ソフトウエア(千円)その他(千円)合計(千円)本社(東京都文京区)事務所用設備ソフトウエア等6,0423,63043,5711,11954,36356(9)(注)1.帳簿価額のうち「その他」は、リース資産であります。2.従業員数の( )は、臨時雇用者数(パート及び嘱託社員)の年間平均人員を外書しております。3.本社は建物を賃借しており、その年間賃借料は11,107千円であります。 |
設備の新設、除却等の計画 | 3【設備の新設、除却等の計画】 (1)重要な設備の新設等該当事項はありません。 (2)重要な設備の除却等該当事項はありません。 |
研究開発費、研究開発活動 | 65,593,000 |
設備投資額、設備投資等の概要 | 47,219,000 |
Employees
平均年齢(年)、提出会社の状況、従業員の状況 | 36 |
平均勤続年数(年)、提出会社の状況、従業員の状況 | 7 |
平均年間給与、提出会社の状況、従業員の状況 | 4,936,000 |
Investment
株式の保有状況 | (5)【株式の保有状況】 ①投資株式の区分の基準及び考え方当社は、保有目的が純投資目的である投資株式と純投資目的以外の目的である投資株式の区分については、専ら株式価値の変動又は株式の配当によって利益享受を目的に保有する株式を純投資目的の株式として、それら以外の目的により保有する株式を純投資目的以外の目的である投資株式として区分しております。 ②保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式a.保有方針及び保有の合理性を検証する方法並びに個別銘柄の保有の適否に関する取締役会等における検証の内容純投資目的以外の目的である投資株式の保有方針については、業務提携、取引の維持・強化、株式の流動性といった保有目的における合理性、かつ当社の今後の事業戦略やシナジー効果を鑑みて保有を行うこととしております。また、純投資目的以外の目的である投資株式の保有合理性の検証については、年に1回、取締役会において、当社の保有方針との整合性の確認及びリスクを継続的に検証することとしております。 b.銘柄数及び貸借対照表計上額 銘柄数(銘柄)貸借対照表計上額の合計額(千円)非上場株式--非上場株式以外の株式1926,328 (当事業年度において株式数が増加した銘柄) 銘柄数(銘柄)株式数の増加に係る取得価額の合計額(千円)株式数の増加の理由非上場株式---非上場株式以外の株式1926,328資本業務提携契約の締結による (当事業年度において株式数が減少した銘柄) 銘柄数(銘柄)株式数の減少に係る売却価額の合計額(千円)非上場株式139,952非上場株式以外の株式-- c.特定投資株式及びみなし保有株式の銘柄ごとの株式数、貸借対照表計上額等に関する情報銘柄当事業年度前事業年度保有目的、業務提携等の概要、定量的な保有効果及び株式数が増加した理由当社の株式の保有の有無株式数(株)株式数(株)貸借対照表計上額(千円)貸借対照表計上額(千円)㈱フュートレック3,793,200-資本業務提携契約を契機に双方の事業活動の成果の共有、強化等(増加理由)2023年5月に資本業務提携契約を締結したことによる。無926,328- (注) 定量的な保有効果については記載が困難であります。保有の合理性は年に1回、取締役会において、当社の保有方針との整合性の確認及びリスクを検証しております。 ③保有目的が純投資目的である投資株式該当事項はありません。 |
株式数が増加した銘柄数、非上場株式以外の株式、保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式、提出会社 | 1 |
銘柄数、非上場株式以外の株式、保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式、提出会社 | 1 |
貸借対照表計上額、非上場株式以外の株式、保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式、提出会社 | 926,328,000 |
株式数の増加に係る取得価額の合計額、非上場株式以外の株式、保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式、提出会社 | 926,328,000 |
株式数、保有目的が純投資目的以外の目的である特定投資株式の明細、提出会社 | 3,793,200 |
貸借対照表計上額、保有目的が純投資目的以外の目的である特定投資株式の明細、提出会社 | 926,328,000 |
株式数が増加した理由、非上場株式以外の株式、保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式、提出会社 | 資本業務提携契約の締結による |
銘柄、保有目的が純投資目的以外の目的である特定投資株式の明細、提出会社 | ㈱フュートレック |
保有目的、業務提携等の概要、定量的な保有効果及び株式数が増加した理由、保有目的が純投資目的以外の目的である特定投資株式の明細、提出会社 | 資本業務提携契約を契機に双方の事業活動の成果の共有、強化等(増加理由)2023年5月に資本業務提携契約を締結したことによる。 |
当該株式の発行者による提出会社の株式の保有の有無、保有目的が純投資目的以外の目的である特定投資株式の明細、提出会社 | 無 |
Shareholders
大株主の状況 | (6)【大株主の状況】 2024年3月31日現在 氏名又は名称住所所有株式数(株)発行済株式(自己株式を除く。)の総数に対する所有株式数の割合(%) 廣飯 伸一千葉県浦安市880,00017.79 吉田 大介京都府京都市右京区642,00012.98 合同会社吉田事務所千葉県市川市宝1-9-6575,00011.62 株式会社ソルクシーズ東京都港区芝浦3-1-21250,0005.05 吉田 大志千葉県市川市150,0003.03 亀井 佳代神戸市垂水区145,0002.93 株式会社SBI証券東京都港区六本木1-6-173,4001.48 楽天証券株式会社東京都港区南青山2-6-2162,7001.27 吉田 昭静岡県富士宮市48,0000.97 日野 賢一神奈川県横浜市中区31,3000.63計-2,857,40057.75 |
株主数-金融機関 | 1 |
株主数-金融商品取引業者 | 18 |
株主数-外国法人等-個人 | 26 |
株主数-外国法人等-個人以外 | 23 |
株主数-個人その他 | 4,279 |
株主数-その他の法人 | 47 |
株主数-計 | 4,394 |
氏名又は名称、大株主の状況 | 日野 賢一 |
株主総利回り | 0 |
株主総会決議による取得の状況 | (1)【株主総会決議による取得の状況】 該当事項はありません。 |
株主総会決議又は取締役会決議に基づかないものの内容 | (3)【株主総会決議又は取締役会決議に基づかないものの内容】 該当事項はありません。なお、2024年6月1日から有価証券報告書提出日までの取引は含まれておりません。 |
Shareholders2
発行済株式及び自己株式に関する注記 | 1.発行済株式の種類及び総数並びに自己株式の種類及び株式数に関する事項 当事業年度期首株式数(株)当事業年度増加株式数(株)当事業年度減少株式数(株)当事業年度末株式数(株)発行済株式 普通株式5,168,000--5,168,000合計5,168,000--5,168,000自己株式 普通株式(注)220,069--220,069合計220,069--220,069 |
Audit1
監査法人1、個別 | アスカ監査法人 |
独立監査人の報告書、個別 | 独立監査人の監査報告書及び内部統制監査報告書 2024年6月20日株式会社エーアイ 取締役会 御中 アスカ監査法人 東京事務所 指 定 社 員業務執行社員 公認会計士石渡 裕一朗 指 定 社 員業務執行社員 公認会計士今 井 修 二 <財務諸表監査>監査意見当監査法人は、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づく監査証明を行うため、「経理の状況」に掲げられている株式会社エーアイの2023年4月1日から2024年3月31日までの第21期事業年度の財務諸表、すなわち、貸借対照表、損益計算書、株主資本等変動計算書、キャッシュ・フロー計算書、重要な会計方針、その他の注記及び附属明細表について監査を行った。当監査法人は、上記の財務諸表が、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して、株式会社エーアイの2024年3月31日現在の財政状態並びに同日をもって終了する事業年度の経営成績及びキャッシュ・フローの状況を、全ての重要な点において適正に表示しているものと認める。 監査意見の根拠当監査法人は、我が国において一般に公正妥当と認められる監査の基準に準拠して監査を行った。監査の基準における当監査法人の責任は、「財務諸表監査における監査人の責任」に記載されている。当監査法人は、我が国における職業倫理に関する規定に従って、会社から独立しており、また、監査人としてのその他の倫理上の責任を果たしている。当監査法人は、意見表明の基礎となる十分かつ適切な監査証拠を入手したと判断している。 強調事項注記事項(重要な後発事象)(会社の合併)に記載されているとおり、会社は、2024年5月14日開催の取締役会において、2024年10月1日を効力発生日として、会社を存続会社、株式会社フュートレックを消滅会社とする吸収合併を決議し、同日付で同社との間で吸収合併に係る契約を締結した。当該事項は、当監査法人の意見に影響を及ぼすものではない。 監査上の主要な検討事項監査上の主要な検討事項とは、当事業年度の財務諸表の監査において、監査人が職業的専門家として特に重要であると判断した事項である。監査上の主要な検討事項は、財務諸表全体に対する監査の実施過程及び監査意見の形成において対応した事項であり、当監査法人は、当該事項に対して個別に意見を表明するものではない。 個別開発を伴う法人及びコンシュマー向け製品に係る売上高の計上日の適切性監査上の主要な検討事項の内容及び決定理由監査上の対応株式会社エーアイは、AITalkを始めとするソフトウェアの販売、ライセンスの提供、及び一定の制作期間が必要な顧客独自の個別開発を伴う製品販売を主要な事業として行っている。注記事項(セグメント情報等)に記載のとおり、法人向け製品の売上高は337,107千円、コンシュマー向け製品の売上高は171,672千円であり、合計で売上高の69.2%を占める。注記事項(重要な会計方針)6.収益及び費用の計上基準に記載のとおり、顧客との販売契約に基づいて商品又は製品を引き渡す履行義務は、商品又は製品を引き渡した一時点又は顧客が検収した時点において、顧客が商品又は製品に対する支配を獲得して充足されると判断し、収益を認識している。顧客独自の個別開発を伴う法人及びコンシュマー向け製品は、開発作業が完了し、顧客へ引き渡されて検収が完了した時点で収益を認識しているが、当該製品は、電子データの形で制作及び引渡しが行われることが多く、外部から開発作業の完了時期を観察することが難しいという特徴がある。この特徴から、実際には制作が完了していないにもかかわらず売上が計上された場合、外部から検出することができない可能性がある。また、一件当たりの取引金額が比較的多額であるため、売上高の期間帰属が適切ではない場合には、主要な業績指標である売上高の適切性に重要な影響を及ぼす可能性がある。以上から、当監査法人は、個別開発を伴う法人及びコンシュマー向け製品に係る売上高の期間帰属の適切性が、当事業年度の財務諸表監査において特に重要であり、「監査上の主要な検討事項」に該当すると判断した。当監査法人は、個別開発を伴う法人及びコンシュマー向け製品に係る売上高の計上日の適切性を検討するため、主に以下の手続を実施した。(1)内部統制の評価売上高の計上日を確保するための内部統制の整備状況及び運用状況の有効性を評価した。評価に当たっては、特に以下の内部統制に焦点を当てた。●個別開発を伴う法人向け製品の制作を開始する前に、経理グループにおいて開発完了予定時期を確認し受託案件コードを付与する。●売上計上時に、経理グループにおいて顧客から検収書を受領していることを確認する。●売上計上時に、経理グループにおいて当初の開発完了予定と比較し、売上計上時期に不整合がないかどうかを確認する。(2)売上高の計上日の検討期末月近辺に売上計上された個別開発を伴う法人向け製品に係る取引について、主に以下の手続を実施した。●売上高の期間帰属の適切性を検討する前提として、当該売上高が存在しているかについて、契約書・注文書等で確認をした。●顧客からの検収書に記載された日付と売上計上日付とを照合した。●上記に加えて、検収書の信頼性を確認するため、決算日時点において検収対象の成果物が存在することを確認するとともに当該成果物が決算日以前にメールなどで売上先に送信がなされているかを確認した。 その他の事項 会社の2023年3月31日をもって終了した前事業年度の財務諸表は、前任監査人によって監査されている。前任監査人は、当該財務諸表に対して2023年6月22日付けで無限定適正意見を表明している。 その他の記載内容 その他の記載内容は、有価証券報告書に含まれる情報のうち、財務諸表及びその監査報告書以外の情報である。経営者の責任は、その他の記載内容を作成し開示することにある。また、監査等委員会の責任は、その他の記載内容の報告プロセスの整備及び運用における取締役の職務の執行を監視することにある。 当監査法人の財務諸表に対する監査意見の対象にはその他の記載内容は含まれておらず、当監査法人はその他の記載内容に対して意見を表明するものではない。 財務諸表監査における当監査法人の責任は、その他の記載内容を通読し、通読の過程において、その他の記載内容と財務諸表又は当監査法人が監査の過程で得た知識との間に重要な相違があるかどうか検討すること、また、そのような重要な相違以外にその他の記載内容に重要な誤りの兆候があるかどうか注意を払うことにある。 当監査法人は、実施した作業に基づき、その他の記載内容に重要な誤りがあると判断した場合には、その事実を報告することが求められている。 その他の記載内容に関して、当監査法人が報告すべき事項はない。 財務諸表に対する経営者及び監査等委員会の責任経営者の責任は、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して財務諸表を作成し適正に表示することにある。これには、不正又は誤謬による重要な虚偽表示のない財務諸表を作成し適正に表示するために経営者が必要と判断した内部統制を整備及び運用することが含まれる。財務諸表を作成するに当たり、経営者は、継続企業の前提に基づき財務諸表を作成することが適切であるかどうかを評価し、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づいて継続企業に関する事項を開示する必要がある場合には当該事項を開示する責任がある。監査等委員会の責任は、財務報告プロセスの整備及び運用における取締役の職務の執行を監視することにある。 財務諸表監査における監査人の責任監査人の責任は、監査人が実施した監査に基づいて、全体としての財務諸表に不正又は誤謬による重要な虚偽表示がないかどうかについて合理的な保証を得て、監査報告書において独立の立場から財務諸表に対する意見を表明することにある。虚偽表示は、不正又は誤謬により発生する可能性があり、個別に又は集計すると、財務諸表の利用者の意思決定に影響を与えると合理的に見込まれる場合に、重要性があると判断される。監査人は、我が国において一般に公正妥当と認められる監査の基準に従って、監査の過程を通じて、職業的専門家としての判断を行い、職業的懐疑心を保持して以下を実施する。・不正又は誤謬による重要な虚偽表示リスクを識別し、評価する。また、重要な虚偽表示リスクに対応した監査手続を立案し、実施する。監査手続の選択及び適用は監査人の判断による。さらに、意見表明の基礎となる十分かつ適切な監査証拠を入手する。・財務諸表監査の目的は、内部統制の有効性について意見表明するためのものではないが、監査人は、リスク評価の実施に際して、状況に応じた適切な監査手続を立案するために、監査に関連する内部統制を検討する。・経営者が採用した会計方針及びその適用方法の適切性、並びに経営者によって行われた会計上の見積りの合理性及び関連する注記事項の妥当性を評価する。・経営者が継続企業を前提として財務諸表を作成することが適切であるかどうか、また、入手した監査証拠に基づき、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況に関して重要な不確実性が認められるかどうか結論付ける。継続企業の前提に関する重要な不確実性が認められる場合は、監査報告書において財務諸表の注記事項に注意を喚起すること、又は重要な不確実性に関する財務諸表の注記事項が適切でない場合は、財務諸表に対して除外事項付意見を表明することが求められている。監査人の結論は、監査報告書日までに入手した監査証拠に基づいているが、将来の事象や状況により、企業は継続企業として存続できなくなる可能性がある。・財務諸表の表示及び注記事項が、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠しているかどうかとともに、関連する注記事項を含めた財務諸表の表示、構成及び内容、並びに財務諸表が基礎となる取引や会計事象を適正に表示しているかどうかを評価する。監査人は、監査等委員会に対して、計画した監査の範囲とその実施時期、監査の実施過程で識別した内部統制の重要な不備を含む監査上の重要な発見事項、及び監査の基準で求められているその他の事項について報告を行う。監査人は、監査等委員会に対して、独立性についての我が国における職業倫理に関する規定を遵守したこと、並びに監査人の独立性に影響を与えると合理的に考えられる事項、及び阻害要因を除去するための対応策を講じている場合又は阻害要因を許容可能な水準にまで軽減するためのセーフガードを適用している場合はその内容について報告を行う。監査人は、監査等委員会と協議した事項のうち、当事業年度の財務諸表の監査で特に重要であると判断した事項を監査上の主要な検討事項と決定し、監査報告書において記載する。ただし、法令等により当該事項の公表が禁止されている場合や、極めて限定的ではあるが、監査報告書において報告することにより生じる不利益が公共の利益を上回ると合理的に見込まれるため、監査人が報告すべきでないと判断した場合は、当該事項を記載しない。 <内部統制監査>監査意見当監査法人は、金融商品取引法第193条の2第2項の規定に基づく監査証明を行うため、株式会社エーアイの2024年3月31日現在の内部統制報告書について監査を行った。当監査法人は、株式会社エーアイが2024年3月31日現在の財務報告に係る内部統制は有効であると表示した上記の内部統制報告書が、我が国において一般に公正妥当と認められる財務報告に係る内部統制の評価の基準に準拠して、財務報告に係る内部統制の評価結果について、全ての重要な点において適正に表示しているものと認める。 監査意見の根拠当監査法人は、我が国において一般に公正妥当と認められる財務報告に係る内部統制の監査の基準に準拠して内部統制監査を行った。財務報告に係る内部統制の監査の基準における当監査法人の責任は、「内部統制監査における監査人の責任」に記載されている。当監査法人は、我が国における職業倫理に関する規定に従って、会社から独立しており、また、監査人としてのその他の倫理上の責任を果たしている。当監査法人は、意見表明の基礎となる十分かつ適切な監査証拠を入手したと判断している。 内部統制報告書に対する経営者及び監査等委員会の責任経営者の責任は、財務報告に係る内部統制を整備及び運用し、我が国において一般に公正妥当と認められる財務報告に係る内部統制の評価の基準に準拠して内部統制報告書を作成し適正に表示することにある。監査等委員会の責任は、財務報告に係る内部統制の整備及び運用状況を監視、検証することにある。なお、財務報告に係る内部統制により財務報告の虚偽の記載を完全には防止又は発見することができない可能性がある。 内部統制監査における監査人の責任監査人の責任は、監査人が実施した内部統制監査に基づいて、内部統制報告書に重要な虚偽表示がないかどうかについて合理的な保証を得て、内部統制監査報告書において独立の立場から内部統制報告書に対する意見を表明することにある。監査人は、我が国において一般に公正妥当と認められる財務報告に係る内部統制の監査の基準に従って、監査の過程を通じて、職業的専門家としての判断を行い、職業的懐疑心を保持して以下を実施する。・内部統制報告書における財務報告に係る内部統制の評価結果について監査証拠を入手するための監査手続を実施する。内部統制監査の監査手続は、監査人の判断により、財務報告の信頼性に及ぼす影響の重要性に基づいて選択及び適用される。・財務報告に係る内部統制の評価範囲、評価手続及び評価結果について経営者が行った記載を含め、全体としての内部統制報告書の表示を検討する。・内部統制報告書における財務報告に係る内部統制の評価結果に関する十分かつ適切な監査証拠を入手する。監査人は、内部統制報告書の監査に関する指示、監督及び実施に関して責任がある。監査人は、監査等委員会に対して、計画した内部統制監査の範囲とその実施時期、内部統制監査の実施結果、識別した内部統制の開示すべき重要な不備、その是正結果、及び内部統制の監査の基準で求められているその他の事項について報告を行う。監査人は、監査等委員会に対して、独立性についての我が国における職業倫理に関する規定を遵守したこと、並びに監査人の独立性に影響を与えると合理的に考えられる事項、及び阻害要因を除去するための対応策を講じている場合又は阻害要因を許容可能な水準にまで軽減するためのセーフガードを適用している場合はその内容について報告を行う。 <報酬関連情報> 当監査法人及び当監査法人と同一のネットワークに属する者に対する、会社の監査証明業務に基づく報酬及び非監査業務に基づく報酬の額は、「提出会社の状況」に含まれるコーポレート・ガバナンスの状況等 (3)【監査の状況】 に記載されている。 利害関係会社と当監査法人又は業務執行社員との間には、公認会計士法の規定により記載すべき利害関係はない。 以 上 (注)1.上記の監査報告書の原本は当社(有価証券報告書提出会社)が別途保管しております。2.XBRLデータは監査の対象には含まれていません。 |
監査上の主要な検討事項、個別 | 監査上の主要な検討事項監査上の主要な検討事項とは、当事業年度の財務諸表の監査において、監査人が職業的専門家として特に重要であると判断した事項である。監査上の主要な検討事項は、財務諸表全体に対する監査の実施過程及び監査意見の形成において対応した事項であり、当監査法人は、当該事項に対して個別に意見を表明するものではない。 個別開発を伴う法人及びコンシュマー向け製品に係る売上高の計上日の適切性監査上の主要な検討事項の内容及び決定理由監査上の対応株式会社エーアイは、AITalkを始めとするソフトウェアの販売、ライセンスの提供、及び一定の制作期間が必要な顧客独自の個別開発を伴う製品販売を主要な事業として行っている。注記事項(セグメント情報等)に記載のとおり、法人向け製品の売上高は337,107千円、コンシュマー向け製品の売上高は171,672千円であり、合計で売上高の69.2%を占める。注記事項(重要な会計方針)6.収益及び費用の計上基準に記載のとおり、顧客との販売契約に基づいて商品又は製品を引き渡す履行義務は、商品又は製品を引き渡した一時点又は顧客が検収した時点において、顧客が商品又は製品に対する支配を獲得して充足されると判断し、収益を認識している。顧客独自の個別開発を伴う法人及びコンシュマー向け製品は、開発作業が完了し、顧客へ引き渡されて検収が完了した時点で収益を認識しているが、当該製品は、電子データの形で制作及び引渡しが行われることが多く、外部から開発作業の完了時期を観察することが難しいという特徴がある。この特徴から、実際には制作が完了していないにもかかわらず売上が計上された場合、外部から検出することができない可能性がある。また、一件当たりの取引金額が比較的多額であるため、売上高の期間帰属が適切ではない場合には、主要な業績指標である売上高の適切性に重要な影響を及ぼす可能性がある。以上から、当監査法人は、個別開発を伴う法人及びコンシュマー向け製品に係る売上高の期間帰属の適切性が、当事業年度の財務諸表監査において特に重要であり、「監査上の主要な検討事項」に該当すると判断した。当監査法人は、個別開発を伴う法人及びコンシュマー向け製品に係る売上高の計上日の適切性を検討するため、主に以下の手続を実施した。(1)内部統制の評価売上高の計上日を確保するための内部統制の整備状況及び運用状況の有効性を評価した。評価に当たっては、特に以下の内部統制に焦点を当てた。●個別開発を伴う法人向け製品の制作を開始する前に、経理グループにおいて開発完了予定時期を確認し受託案件コードを付与する。●売上計上時に、経理グループにおいて顧客から検収書を受領していることを確認する。●売上計上時に、経理グループにおいて当初の開発完了予定と比較し、売上計上時期に不整合がないかどうかを確認する。(2)売上高の計上日の検討期末月近辺に売上計上された個別開発を伴う法人向け製品に係る取引について、主に以下の手続を実施した。●売上高の期間帰属の適切性を検討する前提として、当該売上高が存在しているかについて、契約書・注文書等で確認をした。●顧客からの検収書に記載された日付と売上計上日付とを照合した。●上記に加えて、検収書の信頼性を確認するため、決算日時点において検収対象の成果物が存在することを確認するとともに当該成果物が決算日以前にメールなどで売上先に送信がなされているかを確認した。 |
全体概要、監査上の主要な検討事項、個別 | 監査上の主要な検討事項とは、当事業年度の財務諸表の監査において、監査人が職業的専門家として特に重要であると判断した事項である。監査上の主要な検討事項は、財務諸表全体に対する監査の実施過程及び監査意見の形成において対応した事項であり、当監査法人は、当該事項に対して個別に意見を表明するものではない。 |
見出し、監査上の主要な検討事項、個別 | 個別開発を伴う法人及びコンシュマー向け製品に係る売上高の計上日の適切性 |
その他の記載内容、個別 | その他の記載内容 その他の記載内容は、有価証券報告書に含まれる情報のうち、財務諸表及びその監査報告書以外の情報である。経営者の責任は、その他の記載内容を作成し開示することにある。また、監査等委員会の責任は、その他の記載内容の報告プロセスの整備及び運用における取締役の職務の執行を監視することにある。 当監査法人の財務諸表に対する監査意見の対象にはその他の記載内容は含まれておらず、当監査法人はその他の記載内容に対して意見を表明するものではない。 財務諸表監査における当監査法人の責任は、その他の記載内容を通読し、通読の過程において、その他の記載内容と財務諸表又は当監査法人が監査の過程で得た知識との間に重要な相違があるかどうか検討すること、また、そのような重要な相違以外にその他の記載内容に重要な誤りの兆候があるかどうか注意を払うことにある。 当監査法人は、実施した作業に基づき、その他の記載内容に重要な誤りがあると判断した場合には、その事実を報告することが求められている。 その他の記載内容に関して、当監査法人が報告すべき事項はない。 |
報酬関連情報、個別 | <報酬関連情報> 当監査法人及び当監査法人と同一のネットワークに属する者に対する、会社の監査証明業務に基づく報酬及び非監査業務に基づく報酬の額は、「提出会社の状況」に含まれるコーポレート・ガバナンスの状況等 (3)【監査の状況】 に記載されている。 |
BS資産
商品及び製品 | 6,223,000 |
仕掛品 | 10,030,000 |
原材料及び貯蔵品 | 837,000 |
工具、器具及び備品(純額) | 3,630,000 |
リース資産(純額)、有形固定資産 | 1,119,000 |
有形固定資産 | 10,792,000 |
ソフトウエア | 43,571,000 |
無形固定資産 | 43,571,000 |
長期前払費用 | 5,618,000 |
繰延税金資産 | 3,909,000 |
投資その他の資産 | 950,798,000 |
BS負債、資本
短期借入金 | 110,000,000 |
未払金 | 44,774,000 |
未払法人税等 | 265,000 |
未払費用 | 24,835,000 |
リース債務、流動負債 | 746,000 |
資本剰余金 | 257,617,000 |
利益剰余金 | 1,230,234,000 |
負債純資産 | 1,710,046,000 |
PL
売上原価 | 221,071,000 |
販売費及び一般管理費 | 432,307,000 |
営業外収益 | 2,162,000 |
支払利息、営業外費用 | 1,379,000 |
その他、流動資産 | 50,000 |
営業外費用 | 1,798,000 |
投資有価証券売却益、特別利益 | 39,845,000 |
特別利益 | 39,845,000 |
固定資産除却損、特別損失 | 0 |