財務諸表

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提出書類、表紙有価証券報告書
提出日、表紙2024-06-20
英訳名、表紙JAPAN POST HOLDINGS Co.,Ltd.
代表者の役職氏名、表紙取締役兼代表執行役社長  増 田 寬 也
本店の所在の場所、表紙東京都千代田区大手町二丁目3番1号
電話番号、本店の所在の場所、表紙03-3477-0111(日本郵政グループ代表番号)
様式、DEI第三号様式
会計基準、DEIJapan GAAP
連結決算の有無、DEItrue
当会計期間の種類、DEIFY

corp

沿革 2 【沿革】
(1) 設立経緯1871年、前島密により、郵便制度が創設されました。1875年に郵便為替事業、郵便貯金事業が創業され、1906年には郵便振替事業が創業されました。1885年に逓信省が設立され、郵便事業、郵便為替事業及び郵便貯金事業が同省に移管され、1916年に簡易生命保険事業、1926年に郵便年金事業が創業されました。1949年には、郵政事業は逓信省から郵政省に引き継がれました。郵政事業はこのように国の直営事業として実施されてきましたが、1996年11月に発足した行政改革会議において、国の行政の役割を「官から民へ」、「国から地方へ」という基本的な視点から見直すこととされ、このような行政機能の減量、効率化の一環として、国の直営を改め「三事業一体として新たな公社」により実施することとされました。これを受け、2001年1月、郵政省は自治省及び総務庁との統合により発足した総務省及び郵政事業の実施に関する機能を担う同省の外局として置かれた郵政事業庁に再編された後に、2002年7月31日に郵政公社化関連4法が公布され、2003年4月1日に日本郵政公社(以下「公社」といいます。)が発足することとなりました。2001年4月に小泉内閣が発足すると、財政改革、税制改革、規制改革、特殊法人改革、司法制度改革、地方分権推進等とともに、郵政事業の民営化が、「改革なくして成長なし」との基本理念のもとで進められた「聖域なき構造改革」における重要課題の一つとして位置づけられました。2004年9月、公社の4機能(窓口サービス、郵便、郵便貯金及び簡易生命保険)をそれぞれ株式会社として独立させること、これらの株式会社を子会社とする純粋持株会社を設立すること等を主な内容とする「郵政民営化の基本方針」が閣議決定され、立案された郵政民営化関連6法案(郵政民営化法案、日本郵政株式会社法案、郵便事業株式会社法案、郵便局株式会社法案、独立行政法人郵便貯金・簡易生命保険管理機構法案及び郵政民営化法等の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案)が、閣議決定、第162回通常国会への提出、両院郵政民営化に関する特別委員会における審議、衆議院における一部修正、参議院本会議における否決、衆議院解散・総選挙、再提出等を経て、2005年10月、第163回特別国会において可決・成立しました。日本郵政株式会社(以下「当社」といいます。)は、2006年1月、郵政民営化法及び日本郵政株式会社法に基づき、郵便事業株式会社及び郵便局株式会社の発行済株式の総数を保有し、これらの経営管理及び業務の支援を行うことを目的とする株式会社として設立されました。2006年9月には、当社の全額出資により、株式会社ゆうちょ(現 株式会社ゆうちょ銀行)及び株式会社かんぽ(現 株式会社かんぽ生命保険)が設立されました。2007年10月、郵政民営化(郵政民営化関連6法の施行)に伴い公社が解散すると、その業務その他の機能並びに権利及び義務は、5つの承継会社(当社、郵便事業株式会社、郵便局株式会社、株式会社ゆうちょ銀行及び株式会社かんぽ生命保険)並びに郵便貯金及び簡易生命保険の適正かつ確実な管理等を行う独立行政法人郵便貯金・簡易生命保険管理機構(現 独立行政法人郵便貯金簡易生命保険管理・郵便局ネットワーク支援機構。以下「郵政管理・支援機構」といいます。)に引き継がれました。これにより、当社を持株会社とし、郵便事業株式会社、郵便局株式会社、株式会社ゆうちょ銀行及び株式会社かんぽ生命保険を中心とした日本郵政グループが発足いたしました。
(2) 郵政民営化法等の一部を改正する等の法律の公布郵政民営化(2007年10月1日)後、約4年半が経過した2012年4月27日、第180回通常国会で郵政民営化法等の一部を改正する等の法律案が可決・成立し、2012年5月8日に公布されました。これにより、郵便事業株式会社と郵便局株式会社は、郵便局株式会社を存続会社として合併し、社名を日本郵便株式会社に変更したことにより、日本郵政グループは5社体制から4社体制へと再編されました。また、ユニバーサルサービス(郵便の役務、簡易な貯蓄、送金及び債権債務の決済の役務並びに簡易に利用できる生命保険の役務を利用者本位の簡便な方法により郵便局で一体的かつ将来にわたりあまねく全国において公平に利用できるようにすること。)の範囲が拡充され、これまでの郵便サービスのみならず、貯金、保険の基本的なサービスを郵便局で一体的に利用できる仕組みが確保されるようになりました。当社が保有する株式会社ゆうちょ銀行及び株式会社かんぽ生命保険(以下「金融2社」といいます。)の株式は、その全部を処分することを目指し、金融2社の経営状況、ユニバーサルサービス確保の責務の履行への影響を勘案しつつ、できる限り早期に処分することとされております。なお、政府が保有する当社の株式については、政府は、2011年11月30日、第179回臨時国会において可決・成立した東日本大震災からの復興のための施策を実施するために必要な財源の確保に関する特別措置法により、復興債の償還費用の財源を確保するため、当社の経営状況、収益の見通しその他の事情を勘案しつつ処分の在り方を検討し、その結果に基づいて、できる限り早期に処分することとされております。 (3) 当社及び金融2社の株式上場上記の法律上の要請に加え、金融2社株式についても、金融2社の経営の自由度確保のため早期の処分が必要であること、また、金融2社の株式価値を当社の株式価格に透明性を持って反映させることといった観点を総合的に勘案し、当社及び金融2社の上場はいずれも遅らせることなく、同時に行うことが最も望ましいと判断し、政府による当社の株式の売出し・上場に合わせ、金融2社株式につきましても、同時に売出し・上場を行うこととし、2015年11月4日、当社及び金融2社は東京証券取引所市場第一部に同時上場いたしました(東京証券取引所の市場区分の見直しにより、2022年4月4日以降はプライム市場へ移行)。 (4) 沿革年 月沿革2006年1月公社の全額出資により、郵政民営化に向けた準備を行う特殊会社として当社を設立2006年9月当社の全額出資により、郵政民営化に向けた準備を行う会社として、株式会社ゆうちょ(現 株式会社ゆうちょ銀行)及び株式会社かんぽ(現 株式会社かんぽ生命保険)を設立2007年10月郵政民営化に伴い、当社は、郵便事業株式会社、郵便局株式会社(現 日本郵便株式会社)、株式会社ゆうちょ銀行及び株式会社かんぽ生命保険の株式の総数を保有する持株会社に移行公社の全額出資により郵便事業株式会社、郵便局株式会社を設立し、両社株式を承継株式会社ゆうちょは商号を株式会社ゆうちょ銀行に、株式会社かんぽは商号を株式会社かんぽ生命保険に変更2007年12月株式会社ゆうちょ銀行が新規業務(シンジケートローン(参加型)、貸出債権の取得又は譲渡等、金利スワップ取引等)の認可取得株式会社かんぽ生命保険が新規業務(運用対象の自由化)の認可取得2008年4月株式会社ゆうちょ銀行が新規業務(クレジットカード業務、変額個人年金保険の募集業務、住宅ローン等の媒介業務)の認可取得2009年1月株式会社ゆうちょ銀行が全国銀行データ通信システムによる他の金融機関との内国為替取扱開始2012年10月郵便局株式会社が商号を日本郵便株式会社に変更し、郵便事業株式会社と合併2014年4月株式会社かんぽ生命保険が学資保険「はじめのかんぽ」の販売開始2014年7月株式会社かんぽ生命保険がAmerican Family Life Assurance Company of Columbus(注1)のがん保険の受託販売等の取扱開始2015年5月日本郵便株式会社が豪州物流企業Toll Holdings Limitedを子会社化2015年10月株式会社かんぽ生命保険が養老保険「新フリープラン(短期払込型)」の販売開始2015年11月当社、株式会社ゆうちょ銀行及び株式会社かんぽ生命保険が、それぞれ東京証券取引所市場第一部に株式を上場株式会社かんぽ生命保険が法人向け商品(総合福祉団体定期保険等)の受託販売開始2016年3月株式会社かんぽ生命保険が新規業務(再保険の引受け、付帯サービス)の認可取得株式会社かんぽ生命保険が第一生命保険株式会社(注2)と業務提携2017年6月株式会社ゆうちょ銀行が新規業務(口座貸越サービス、地域金融機関との連携に係る業務等、市場運用関係業務)の認可取得2017年10月株式会社かんぽ生命保険が特約「医療特約 その日からプラス」、終身保険(低解約返戻金型)「新ながいきくん 低解約返戻金プラン」、長寿支援保険(低解約返戻金型)「長寿のしあわせ」の販売開始2018年12月当社がAflac Incorporated及びアフラック生命保険株式会社と資本関係に基づく戦略提携に合意2019年4月株式会社かんぽ生命保険が引受基準緩和型商品「かんぽにおまかせ」、先進医療特約の販売開始株式会社かんぽ生命保険株式の第2次売出し2021年3月当社及び日本郵便株式会社が楽天株式会社(注3)と業務提携に合意、当社が楽天株式会社に出資 年 月沿革2021年4月株式会社ゆうちょ銀行が新規業務(口座貸越サービスに係る信用保証業務を行う子会社の保有、フラット35の直接取扱等、損害保険募集業務)の認可取得2021年6月当社の株式会社かんぽ生命保険に対する議決権保有割合は49.9%となり、当社は保険業法上の保険持株会社に該当しないこととなる2022年3月株式会社ゆうちょ銀行が新規業務(投資一任契約の締結の媒介業務)の認可取得2022年4月株式会社かんぽ生命保険が特約「医療特約 もっとその日からプラス」販売開始当社、株式会社ゆうちょ銀行及び株式会社かんぽ生命保険が、それぞれ東京証券取引所プライム市場へ移行2023年3月株式会社ゆうちょ銀行株式の第2次売出し2023年4月株式会社かんぽ生命保険が学資保険「はじめのかんぽ」を改定2024年5月株式会社ゆうちょ銀行がゆうちょキャピタルパートナーズ株式会社を設立
(注) 1.米国法人の日本支店が日本法人化され、日本支店の事業については日本法人へ承継されたことにより、有価証券報告書提出日現在における契約先はアフラック生命保険株式会社となっております。2.業務提携先グループ内部における業務移管により、有価証券報告書提出日現在における業務提携先は第一生命ホールディングス株式会社となっております。3. 業務提携先の商号変更により、有価証券報告書提出日現在における業務提携先は楽天グループ株式会社となっております。 (参考)郵政事業創業から2005年12月までの主な沿革年 月主な沿革1871年4月郵便事業創業1872年7月郵便制度を全国的に実施1873年4月郵便料金の全国均一制を実施1875年1月郵便為替事業創業、外国郵便の取扱いを開始1875年5月郵便貯金事業創業1885年12月逓信省発足1892年10月小包郵便の取扱いを開始1906年3月郵便振替事業創業1911年2月速達郵便の取扱いを開始1916年10月簡易生命保険事業創業1926年10月郵便年金事業創業1938年2月東京逓信病院が診療を開始1941年10月定額郵便貯金制度を創設1949年6月二省分離に伴い郵政省発足1949年12月お年玉付郵便葉書の発行を開始1962年4月簡易生命保険加入者福祉施設(現 かんぽの宿等)の設置及び運営等を行う特殊法人として簡易保険福祉事業団が設立1968年7月郵便番号制の実施1981年3月郵便貯金自動預払機(ATM)による取扱いを開始1986年3月逓信病院の一般開放を実施1991年4月新簡易保険制度の発足(郵便年金事業を簡易保険事業に統合)1999年1月ATM・CD提携サービス、デビットカードサービスを開始2001年1月省庁再編に伴い、郵政省と自治省、総務庁が統合した総務省と郵政事業庁に再編2001年4月郵便貯金資金の全額自主運用を開始(資金運用部への全額預託義務が廃止)2001年10月バイク自賠責保険の取扱いを開始2001年12月地方公共団体からの受託事務の取扱いを開始2003年4月公社発足(簡易保険福祉事業団を統合)2005年10月投資信託の販売の取扱いを開始
事業の内容 3 【事業の内容】
(1) 当社グループの事業の内容日本郵政グループ(以下「当社グループ」といいます。)は、当社、日本郵便株式会社(以下「日本郵便」といいます。)、株式会社ゆうちょ銀行(以下「ゆうちょ銀行」といいます。)及び株式会社かんぽ生命保険(以下「かんぽ生命保険」といい、日本郵便及びゆうちょ銀行と併せて「事業子会社」と総称します。)を中心に構成され、「郵便・物流事業」、「郵便局窓口事業」、「国際物流事業」、「銀行業」、「生命保険業」等の事業を営んでおります。当該5事業の区分は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(セグメント情報等)」に掲げるセグメントの区分と同一であり、報告セグメントに含まれていない事業を「その他」に区分しております。なお、「郵便局窓口事業」及び「その他」に含まれていた「不動産事業」については、2024年度から、報告セグメントの区分を見直し、「不動産事業」セグメントとして独立させております。各事業における事業の内容並びに当社及び関係会社の位置づけは次に記載のとおりであります。なお、当社は、有価証券の取引等の規制に関する内閣府令第49条第2項に規定する特定上場会社等に該当し、これにより、インサイダー取引規制の重要事実の軽微基準については連結ベースの数値に基づいて判断することとなります。セグメントの名称主な事業内容関係会社等郵便・物流事業郵便の業務並びに郵便物の作成及び差出しに関する業務その他の附帯する業務等の郵便事業並びに物流事業等○ 日本郵便○ 日本郵便輸送株式会社○ 日本郵便メンテナンス株式会社○ JPビズメール株式会社○ 株式会社JPメディアダイレクト○ 東京米油株式会社○ JP楽天ロジスティクス株式会社○ JPロジスティクスグループ株式会社○ JPロジスティクス株式会社郵便局窓口事業郵便・物流事業に係る窓口業務、銀行窓口業務、保険窓口業務、物販事業、不動産事業、提携金融サービス等○ 日本郵便(注4)○ 株式会社郵便局物販サービス○ JPコミュニケーションズ株式会社○ 日本郵便オフィスサポート株式会社○ JP損保サービス株式会社○ 株式会社ゆうゆうギフト○ JP東京特選会株式会社○ 日本郵政インフォメーションテクノロジー株式会社○ JPシステム開発株式会社△ セゾン投信株式会社△ 株式会社ジェイエイフーズおおいた△ リンベル株式会社国際物流事業豪州を中心としたグローバル市場におけるフォワーディング及びロジスティクス事業等○ Toll Holdings Pty Limited  及び同社傘下の連結子会社174社△ Toll Holdings Pty Limited傘下の関連会社6社銀行業銀行業等○ ゆうちょ銀行○ ゆうちょローンセンター株式会社○ JPインベストメント株式会社  及びその他連結子会社11社△ JP投信株式会社△ 日本ATMビジネスサービス株式会社生命保険業生命保険業等○ かんぽ生命保険○ かんぽシステムソリューションズ株式会社その他グループシェアード事業、病院事業、宿泊事業、投資事業、不動産事業等当社○ 日本郵政コーポレートサービス株式会社○ ゆうせいチャレンジド株式会社○ 日本郵政キャピタル株式会社  及び同社傘下の連結子会社1社○ 日本郵政不動産株式会社(注5)○ JPプロパティーズ株式会社(注5)○ 株式会社JPデジタル○ JPツーウェイコンタクト株式会社○ JPビルマネジメント株式会社(注5)△ 株式会社Good Technology Company△ Aflac Incorporated
(注) 1.○は連結子会社、△は持分法適用関連会社であります。2.2024年4月1日付で、建築物等の調査・企画、設計・工事監理、コンストラクションマネジメント、建築物等の管理及び運営維持に関する支援を事業内容とする日本郵政建築株式会社(議決権の所有割合は当社100%)を設立しております。3.2024年5月21日付で、投資運用業を事業内容とするゆうちょキャピタルパートナーズ株式会社(議決権の所有割合はゆうちょ銀行100%)を設立しております。 4.2024年度より、日本郵便の報告セグメントを、上記の既存セグメント及び「不動産事業」セグメントに変更しております。5.2024年度より、日本郵政不動産株式会社、JPプロパティーズ株式会社及びJPビルマネジメント株式会社の報告セグメントを、「その他」から「不動産事業」セグメントに変更しております。 ① 郵便・物流事業当事業では、郵便法(昭和22年法律第165号)の規定により行う郵便の業務並びに郵便物の作成及び差出しに関する業務その他の附帯する業務等の郵便事業並びに物流事業等を行っております。 (a) 郵便事業郵便サービスを全国一律の料金であまねく公平に提供し、国内郵便に加え、万国郵便条約などの条約・国際取り決めに基づく国際郵便(通常・小包・EMS※)を提供しております。また、お客さまの郵便発送業務一括アウトソーシングのニーズにお応えするため、郵便物などの企画・作成(印刷)から封入・封かん、発送までをワンストップで請け負うトータルサービスを提供しております。その他、国からの委託による印紙の売りさばき、お年玉付郵便葉書の発行等の業務を行っております。※ EMS=国際スピード郵便(Express Mail Service) (b) 物流事業物流サービスとして、宅配便(ゆうパック等)及びメール便(ゆうメール等)の運送業務を行っており、eコマース市場の成長に伴う多様な顧客ニーズに的確に応えたサービスを提供いたします。一方、多様化・高度化する物流ニーズに対しては、物流ソリューションセンターを中心として、お客さまに最適な物流戦略、物流システムの設計、提案、構築から運用までを行う3PL※サービスの提供を展開しております。さらに、eコマースを中心とした小口荷物の国際宅配需要を獲得するため、2014年に資本・業務提携した海外物流パートナーである、仏GeoPost S.A.及び香港Lenton Group Limitedとの間で開発した国際宅配便サービスである「ゆうグローバルエクスプレス」により国際郵便で提供できない付加価値サービスに対応いたします。※ 3PL(サードパーティーロジスティクス)=サード・パーティー(=3PL事業者)が、荷主の物流業務全体又は一部を荷主から包括的に受託するサービスの形態。 (c) その他(a)及び(b)の業務の他、カタログ等に掲載されている商品若しくは権利の販売又は役務の提供に係る申込みの受付け、商品代金の回収等の業務や、地方公共団体からの委託を受けて空き家調査業務等を行っております。 ② 郵便局窓口事業当事業では、お客さまにサービスを提供するための営業拠点として全国に設置した直営の郵便局(2024年3月31日現在20,143局(うち、営業中は20,021局))及び業務を委託した個人又は法人が運営する簡易郵便局※(2024年3月31日現在4,080局(うち、営業中は3,491局)。ただし、銀行代理業務等に係る委託契約を締結しているのは3,500局(うち、営業中は3,474局)、生命保険募集委託契約を締結しているのは363局(うち、営業中は361局))において郵便・物流事業に係る窓口業務、銀行窓口業務等、保険窓口業務等、物販事業を行っている他、不動産事業、提携金融サービスを行っております。※ 簡易郵便局法(昭和24年法律第213号)第3条に規定する日本郵便が郵便窓口業務及び印紙の売りさばきに関する業務を委託する者が設ける施設であり、日本郵便と受託者との受委託契約により行う業務が異なります。 (a) 郵便・物流事業に係る窓口業務郵便物の引受・交付、郵便切手類の販売、ゆうパック等物流サービスの引受、印紙の売りさばき等を行っております。 (b) 銀行窓口業務等ゆうちょ銀行から委託を受け、通常貯金、定額貯金、定期貯金、送金・決済サービスの取扱い、公的年金などの支払い、国債や投資信託の窓口販売などを行っております。 (c) 保険窓口業務等かんぽ生命保険から委託を受け、生命保険の募集や保険金の支払いなどを行っております。 (d) 物販事業カタログ等を利用して行う商品又は権利の販売並びに商品の販売又は役務の提供に係る契約の取次ぎ及び当該契約に係る代金回収を行う業務等として、生産地特選品販売、年賀状印刷サービス、フレーム切手販売、文房具等の郵便等関連商品の陳列販売等を行っております。また、社員による販売に加え、インターネット及びDMによる販売を行っております。 (e) 不動産事業2007年10月の郵政民営化に伴い公社から承継した不動産を基に高度商業地域に位置する旧東京中央郵便局敷地(現:JPタワー)などを開発し、事務所・商業施設・住宅等の賃貸・管理事業のほか、賃貸用建物の運営管理業務及び分譲事業等の不動産事業を行っております。 (f) 提携金融サービスかんぽ生命保険以外の生命保険会社や損害保険会社などから委託を受け、変額年金保険、がん保険、引受条件緩和型医療保険、自動車保険、傷害保険等の販売を行っております。 (g) その他の事業(a)~(f)の業務の他、以下の業務を行っております。・地方公共団体の委託を受けて行う戸籍謄本や住民票の写し等の公的証明書の交付事務、ごみ処理券等の販売、バス利用券等の交付事務・当せん金付証票(宝くじ)の発売等の事務に係る業務・日本放送協会からの委託を受けて行う放送受信契約の締結・変更に関する業務・郵便局等の店頭スペース等の活用、窓口ロビーへのパンフレット掲出等の広告業務・会員向け生活支援サービス業務(郵便局のみまもりサービス) 等 ③ 国際物流事業当事業では、Toll Holdings Pty Limited(以下「トール社」といいます。)、同社傘下の子会社及び関連会社において、アジア太平洋地域に関わる輸出入を中心としたフルラインでの国際的貨物輸送、及び、アジア太平洋地域に関わる輸送・倉庫管理や資源・政府分野物流等のサービスを行っております。トール社及び同社傘下の子会社は、下表の2部門で構成されており、不特定の顧客や小さな契約ベースの顧客を対象としたフォワーディング事業、特定顧客のニーズを満たすために構築したロジスティクス事業を提供しております。  区分部門名サービス概要フォワーディング事業グローバルフォワーディング(Global Forwarding)アジア太平洋地域に関わる輸出入を中心としたフルラインでの国際的貨物輸送ロジスティクス事業グローバルロジスティクス(Global Logistics)アジア太平洋地域における輸送・倉庫管理や資源・政府分野物流等のサービスを提供 ④ 銀行業当事業では、ゆうちょ銀行が、銀行法に基づき、預入限度額内での預金(貯金)業務、シンジケートローン等の貸出業務、有価証券投資業務、為替業務、国債、投資信託及び保険商品の販売、住宅ローン媒介業務、クレジットカード業務などを営んでおります。また、日本郵便の郵便局ネットワークをメインチャネルに、1.2億人規模のお客さまに生活・資産形成に貢献する金融サービスを提供し、お預かりした貯金を有価証券で運用することを主な事業としております。また、ゆうちょ銀行及びその関係会社は、銀行業務のほか、金融商品取引業務などを行っております。 (a) 資金運用ゆうちょ銀行は、2024年3月末日現在、個人貯金が90%超を占める192.8兆円の貯金を、主として有価証券146.4兆円(うち、国債43.8兆円、その他の証券(外国債券や主な投資対象が外国債券である投資信託等で構成)86.6兆円)で運用し、資金運用収益を中心に収益を確保しております。具体的には、想定した市場環境の下、負債の状況等を踏まえて国債等の運用資産・運用期間を適切に管理するとともに、収益源泉の多様化・リスク分散の観点から、国際分散投資の推進、オルタナティブ資産への投資など運用の高度化・多様化を図っているほか、地域経済活性化にも貢献すべく、従来からの地方公共団体向け資金供給の強化に加え、地域金融機関と連携し、地域活性化ファンドへの出資等に取り組んでおります。こうした金融資産及び金融負債は、市場リスク(金利、為替、株式など様々な市場のリスク・ファクターの変動により、資産・負債(オフ・バランスを含む。)の価値が変動し損失を被るリスク、資産・負債から生み出される収益が変動し損失を被るリスク)や信用リスク(信用供与先の財務状況の悪化等により、資産(オフ・バランス資産を含む。)の価値が減少ないし消失し、損失を被るリスク)を伴うものであるため、デリバティブ取引等で一定のリスクをヘッジしつつ、収益確保に努めております。 (b) 資金調達、資産・負債総合管理ゆうちょ銀行は、本支店その他の営業所、日本郵便が展開している郵便局ネットワークを通じて、お客さまから通常貯金、定額・定期貯金などの各種の貯金を預入限度額内でお預かりしております。また、郵政管理・支援機構が、公社から承継した郵便貯金に相当する預り金を、特別貯金として受け入れております。さらに、上記(a)の資金運用(資産)と市場取引も含めた資金調達(負債)について、信用・市場リスクや流動性リスク(運用・調達期間の差異や資金流出により、必要な資金調達や通常の金利での資金調達が困難となるリスク)をマネージするため、各商品のリスク特性に合わせた7つのポートフォリオに細分化して管理する枠組みのもとで、資産・負債を総合的に内部管理するALM(Asset Liability Management)を適切に展開し、中期的な収益の確保に努めております。 (c) 手数料ビジネスゆうちょ銀行は、本支店その他の営業所(直営店)・日本郵便の郵便局ネットワーク・各種デジタルチャネルを通じて、為替業務、国債・投資信託等の資産運用商品の販売、クレジットカード業務、住宅ローン媒介業務及び各金融機関と連携したATM提携サービスなどを提供し、手数料(役務取引等)収益を確保しております。 ⑤ 生命保険業当事業では、かんぽ生命保険が、保険業法に基づく免許・認可を得て、生命保険の引受け及び有価証券投資、貸付等の資産運用業務を行っております。また、日本郵便との間で生命保険募集・契約維持管理業務委託契約等を締結し、2024年3月31日現在、20,107局(うち、営業中は19,985局)の郵便局で生命保険募集等を行っております。 (a) 生命保険業かんぽ生命保険は、生命保険業免許に基づき、次の①~③の保険引受業務及び④~⑫の資産運用業務を行っております。ただし、かんぽ生命保険には、他の生命保険会社にはない、業務を行うに当たっての郵政民営化法による制約があります。詳細は下記「(3) 事業に係る主な法律関連事項 ③(i)~(l)」をご参照ください。業務の種類内訳保険引受業務① 個人保険及び財形保険② 個人年金保険及び財形年金保険③ 再保険
(注)資産運用業務④ 有価証券の取得⑤ 不動産の取得⑥ 金銭債権の取得⑦ 金銭の貸付(コールローンを含む。)⑧ 有価証券の貸付⑨ 預金又は貯金⑩ 金銭、金銭債権、有価証券又は不動産等の信託⑪ 有価証券関連デリバティブ取引、金融等デリバティブ取引又は先物外国為替取引⑫ その他郵政民営化法第138条に定められた方法等
(注) かんぽ生命保険と郵政管理・支援機構との間で再保険契約を締結し、郵政民営化法により公社から郵政管理・支援機構に承継された、簡易生命保険契約に基づく郵政管理・支援機構の保険責任のすべてをかんぽ生命保険が受再しております。 (b) 他の保険会社(外国保険業者を含む。)その他金融業を行う者の業務の代理又は事務の代行かんぽ生命保険は、次の保険会社の商品の受託販売等を行っております。・アフラック生命保険株式会社・エヌエヌ生命保険株式会社・住友生命保険相互会社・第一生命保険株式会社・東京海上日動あんしん生命保険株式会社・日本生命保険相互会社・ネオファースト生命保険株式会社・三井住友海上あいおい生命保険株式会社・明治安田生命保険相互会社・メットライフ生命保険株式会社 (c) 郵政管理・支援機構から委託された簡易生命保険管理業務かんぽ生命保険は、郵政民営化法により公社から郵政管理・支援機構に承継された、簡易生命保険契約の管理業務を、郵政管理・支援機構から受託しております。 ⑥ その他上記の各事業のほか、集約により効率性が高まる間接業務をグループ各社から受託するグループシェアード事業、公社から承継した病院及び宿泊施設の運営、成長性の高い企業に出資を行う投資事業、不動産事業等を行っております。 (a) グループシェアード事業当社グループ各社が個別に実施するよりもグループ内で1か所に集約した方が効率的な実施が見込まれる間接業務(電気通信役務及び情報処理サービスの提供、人事及び経理に関する業務、福利厚生に関する業務、不動産の管理等に関する業務、人材派遣・紹介等の業務、コールセンターに関する業務、人材育成に関する業務及び健康管理業務など)を、事業子会社等から受託して実施することにより、業務を支援するとともに、経営効率の向上を図っております。 (b) 病院事業当社グループの企業立病院として、東京逓信病院を運営しております。
(注) 逓信病院設置数は2024年3月31日現在、東京逓信病院の1か所であります。 (c) 宿泊事業「ゆうぽうと世田谷レクセンター」の運営、管理を行っております。
(注) 宿泊事業における施設設置数は2024年3月31日現在、「ゆうぽうと世田谷レクセンター」の1か所であります。 (d) 投資事業成長性の高い企業に出資を行うことにより、出資先企業と当社グループとの連携及び中長期的なグループ収益の拡大を図っております。 (e) 不動産事業事務所・商業施設・住宅・「ホテル メルパルク」等の賃貸・管理事業等を行い、グループ不動産の開発やグループ外不動産への投資、また、他社との連携・協業を通じ不動産事業の強化を図っております。
(注) 「ホテル メルパルク」は、2023年12月末に横浜、大阪の2か所について営業を終了したため、2024年3月31日現在、営業している施設は、名古屋、広島、熊本の3か所であります。 上記のほか、当社は、事業子会社等の経営の基本方針の策定及び実施の確保並びに株主としての権利の行使を行うこととしております。
(2) 当社グループの事業系統図当社グループの事業系統図は、次のとおりであります。
(注) 1.持分法非適用の非連結子会社及び関連会社は、記載を省略しております。2.2024年4月1日付で、建築物等の調査・企画、設計・工事監理、コンストラクションマネジメント、建築物等の管理及び運営維持に関する支援を事業内容とする日本郵政建築株式会社(議決権の所有割合は当社100%)を設立しております。3.2024年5月21日付で、投資運用業を事業内容とするゆうちょキャピタルパートナーズ株式会社(議決権の所有割合はゆうちょ銀行100%)を設立しております。 (3) 事業に係る主な法律関連事項当社グループが行う事業に係る主な法律関連事項は、次のとおりであります。 ① 日本郵政株式会社法(a) 趣旨当社の目的、業務の範囲等が定められております。当社は、本法により政府の規制を受けるとともに、商号の使用制限等の特例措置が講じられております。 (b) 会社の目的当社は、日本郵便の発行済株式の総数を保有し、日本郵便の経営管理を行うこと及び日本郵便の業務の支援を行うことを目的とする株式会社とされております。(法第1条) (c) 業務の範囲当社は、その目的を達成するため、次に掲げる業務を行うものとされております。(法第4条第1項)イ. 日本郵便が発行する株式の引受け及び保有ロ. 日本郵便の経営の基本方針の策定及びその実施の確保ハ. 日本郵便の株主としての権利の行使等ニ. イ.からハ.に掲げる業務に附帯する業務 (d) 業務の制限次に掲げる事項について、総務大臣の認可が必要とされております。イ. その目的を達成するために法第4条第1項に規定する業務のほかに行う必要な業務(法第4条第2項)ロ. 募集株式若しくは募集新株予約権を引き受ける者の募集、又は株式交換若しくは株式交付に際して行う株式若しくは新株予約権の交付(法第8条)ハ. 取締役の選任及び解任並びに監査役の選任及び解任の決議(法第9条)ニ. 毎事業年度の事業計画(法第10条)ホ. 定款の変更、剰余金の配当その他の剰余金の処分(損失の処理を除く。)、合併、会社分割及び解散の決議(法第11条) (e) ユニバーサルサービスの提供当社は、その業務の運営に当たっては、郵便の役務、簡易な貯蓄、送金及び債権債務の決済の役務並びに簡易に利用できる生命保険の役務を利用者本位の簡便な方法により郵便局で一体的にかつあまねく全国において公平に利用できるようにする責務を有することとされております。(法第5条) (f) 株式の保有当社は、常時、日本郵便の発行済株式の総数を保有していなければならないこととされております。(法第6条) (g) 株式の処分政府は、保有義務のある3分の1超の株式を除き、その保有する当社の株式について、できる限り早期に処分するものとされております。(法附則第3条)なお、政府は、当社の株式の売却収入を東日本大震災に係る復興債の償還費用の財源を確保するため、当社の経営の状況、収益の見通しその他の事情を勘案しつつ処分の在り方を検討し、その結果に基づいて、当社の株式をできる限り早期に処分するものとされております。(東日本大震災からの復興のための施策を実施するために必要な財源の確保に関する特別措置法附則第14条) ② 日本郵便株式会社法(a) 趣旨日本郵便の目的、業務の範囲等が定められております。同社は、本法により政府の規制を受けるとともに、商号の使用制限等の特例措置が講じられております。 (b) 会社の目的日本郵便は、郵便の業務、銀行窓口業務及び保険窓口業務並びに郵便局を活用して行う地域住民の利便の増進に資する業務を営むことを目的とする株式会社とされております。(法第1条) (c) 業務の範囲イ. 日本郵便は、その目的を達成するため、次に掲げる業務を営むものとされております。(法第4条)ⅰ 郵便法(昭和22年法律第165号)の規定により行う郵便の業務ⅱ 銀行窓口業務ⅲ ⅱに掲げる業務の健全、適切かつ安定的な運営を維持するために行う、銀行窓口業務契約の締結及び当該銀行窓口業務契約に基づいて行う関連銀行に対する権利の行使ⅳ 保険窓口業務ⅴ ⅳに掲げる業務の健全、適切かつ安定的な運営を維持するために行う、保険窓口業務契約の締結及び当該保険窓口業務契約に基づいて行う関連保険会社に対する権利の行使ⅵ 国の委託を受けて行う印紙の売りさばきⅶ ⅰからⅵに掲げる業務に附帯する業務ロ. 日本郵便は、イ.に規定する業務を営むほか、その目的を達成するため、次に掲げる業務を営むことができるものとされております。ⅰ お年玉付郵便葉書等に関する法律(昭和24年法律第224号)第1条第1項に規定するお年玉付郵便葉書等及び同法第5条第1項に規定する寄附金付郵便葉書等の発行ⅱ 地方公共団体の特定の事務の郵便局における取扱いに関する法律(平成13年法律第120号)第3条第5項に規定する事務取扱郵便局において行う同条第1項第1号に規定する郵便局取扱事務に係る業務ⅲ ⅱに掲げるもののほか、郵便局を活用して行う地域住民の利便の増進に資する業務ⅳ ⅰからⅲに掲げる業務に附帯する業務ハ. 日本郵便は、イ.及びロ.に規定する業務のほか、イ.及びロ.に規定する業務の遂行に支障のない範囲内で、イ.及びロ.に規定する業務以外の業務を営むことができるものとされております。ニ. 日本郵便は、ロ.ⅲに掲げる業務及びこれに附帯する業務並びにハ.に規定する業務を営もうとするときは、あらかじめ、総務省令で定める事項を総務大臣に届け出なければならないものとされております。※ 金融2社は、現在、日本郵便が金融のユニバーサルサービス提供に係る責務を果たすために営む銀行代理業又は保険募集等に係る業務委託契約を日本郵便との間でそれぞれ締結しております。これらの契約を締結している銀行又は生命保険会社を、それぞれ関連銀行、関連保険会社といいます。 (d) 業務の制限次に掲げる事項について、総務大臣の認可が必要とされております。イ.新株若しくは募集新株予約権を引き受ける者の募集、又は株式交換若しくは株式交付に際して行う株式若しくは新株予約権の交付(法第9条)ロ. 毎事業年度の事業計画(法第10条)ハ. 総務省令で定める重要な財産を譲渡し、又は担保に供しようとするとき(法第11条)ニ. 定款の変更、合併、会社分割及び解散の決議(法第12条) (e) ユニバーサルサービスの提供日本郵便は、その業務の運営に当たっては、郵便の役務、簡易な貯蓄、送金及び債権債務の決済の役務並びに簡易に利用できる生命保険の役務を利用者本位の簡便な方法により郵便局で一体的にかつあまねく全国において公平に利用できるようにする責務を有することとされております。(法第5条) ③ 郵政民営化法(a) 趣旨郵政民営化の基本理念、基本方針等を定めるとともに、公社の解散に伴い、公社の機能を引き継がせる新たな株式会社(以下、本③において「新会社」といいます。)の設立、新会社の株式、新会社に関して講ずる措置、公社の業務等の承継等に関する事項その他郵政民営化の実施に必要となる事項が定められております。2012年5月8日公布の郵政民営化法等の一部を改正する等の法律の施行に伴い、郵政民営化法が改正され、郵便サービスのみならず、貯金、保険の基本的なサービスを郵便局で一体的に利用できるようにするユニバーサルサービスの確保が義務づけられ、また、当社が保有するゆうちょ銀行及びかんぽ生命保険の株式については、その株式の全部を処分することを目指し、ゆうちょ銀行及びかんぽ生命保険の経営状況、郵政事業に係る基本的な役務の確保の責務の履行への影響等を勘案しつつ、できる限り早期に処分するものとされております。(b) 株式の処分当社の発行済株式の総数は政府が保有し、日本郵便、ゆうちょ銀行及びかんぽ生命保険の発行済株式の総数は当社が保有するものとされており、政府が保有する当社の株式がその発行済株式の総数に占める割合は、できる限り早期に減ずるものとされておりますが、その割合は、常時、3分の1を超えているものとされております。 また、当社が保有するゆうちょ銀行及びかんぽ生命保険の株式について、その株式の全部を処分することを目指し、ゆうちょ銀行及びかんぽ生命保険の経営状況、郵政事業に係る基本的な役務の確保の責務の履行への影響等を勘案しつつ、できる限り早期に処分するものとされております。(法第5条、第7条及び第62条) (c) ユニバーサルサービスの提供当社及び日本郵便は、郵便の役務、簡易な貯蓄、送金及び債権債務の決済の役務並びに簡易に利用できる生命保険の役務が利用者本位の簡便な方法により郵便局で一体的に利用できるようにするとともに将来にわたりあまねく全国において公平に利用できることが確保されるよう、郵便局ネットワークを維持するものとし、郵便局ネットワークの活用その他の郵政事業の実施に当たっては、その公益性及び地域性が十分に発揮されるようにするものとされております。(法第7条の2) (d) 同種の業務を営む事業者との対等な競争条件の確保当社、日本郵便、ゆうちょ銀行及びかんぽ生命保険の業務については、同種の業務を営む事業者との対等な競争条件を確保するために必要な制限を加えるとともに、ゆうちょ銀行について銀行法等の特例を適用しないこととする日又はかんぽ生命保険について保険業法等の特例を適用しないこととする日のいずれか遅い日以後の最初の3月31日までの期間中に、郵政民営化に関する状況に応じ、これを緩和するものとされております。また、日本郵便は、日本郵便株式会社法第4条第2項第3号に掲げる業務及びこれに附帯する業務並びに同条第3項に規定する業務(以下「届出業務」といいます。)を営むに当たっては、届出業務と同種の業務を営む事業者の利益を不当に害することのないよう特に配慮しなければならないとされております。(法第8条及び第92条) (e) ゆうちょ銀行における業務の制限ゆうちょ銀行は、郵政民営化法により、郵政民営化時に認められていなかった業務(いわゆる新規業務)を行うときは、内閣総理大臣及び総務大臣の認可を要するものとされております。(法第110条)認可を要する業務の概要は、以下イ.からヘ.のとおりであります。また、内閣総理大臣及び総務大臣は、新規業務の認可や下記(g)(h)の規制に係る認可の申請があった場合、下記(f)の規制に係る政令の制定又は改廃の立案をしようとする場合は、郵政民営化委員会の意見を聴かなければならないこととされております。なお、当社がゆうちょ銀行の株式の2分の1以上を処分した旨を総務大臣に届け出た日以後は、郵政民営化法第110条に係る認可は要しないものの、ゆうちょ銀行が各業務を行おうとするときは、その内容を定めて、内閣総理大臣及び総務大臣への届出を要するとともに、業務を行うに当たっては、他の金融機関等との間の適正な競争関係及び利用者への役務の適切な提供を阻害することのないよう特に配慮しなければならないものとされております。(法第110条の2)イ.外貨預金の受入れ、譲渡性預金の受入れロ.資金の貸付け又は手形の割引(次のⅰからⅵに掲げる業務を除く)ⅰ 預金者等に対する当該預金者等の預金等を担保とする資金の貸付けⅱ 国債証券等を担保とする資金の貸付けⅲ 地方公共団体に対する資金の貸付けⅳ コール資金の貸付けⅴ 当社、日本郵便又はかんぽ生命保険に対する資金の貸付けⅵ 郵政管理・支援機構に対する資金の貸付けハ.銀行業に付随する業務等のうち、次のⅰからⅻに掲げる業務ⅰ 債務の保証又は手形の引受けⅱ 特定目的会社発行社債の引受け等ⅲ 有価証券の私募の取扱いⅳ 地方債又は社債その他の債券の募集又は管理の受託ⅴ 外国銀行の業務の代理又は媒介ⅵ デリバティブ取引の媒介、取次ぎ又は代理ⅶ 金融等デリバティブ取引の媒介、取次ぎ又は代理ⅷ 有価証券関連店頭デリバティブ取引ⅸ 有価証券関連店頭デリバティブ取引の媒介、取次ぎ又は代理ⅹ 投資助言業務ⅺ 信託に係る事務に関する業務ⅻ 地球温暖化防止の観点での算定割当量関連業務 ニ.登録金融機関の業務(金融商品取引法第33条第2項の業務)(次のⅰからⅲに掲げる業務を除く)ⅰ 投資の目的又は信託契約に基づく有価証券の売買・有価証券関連デリバティブ取引及び書面取次ぎ行為ⅱ 国債等の募集の取扱い等ⅲ 証券投資信託の募集の取扱い等ホ.その他の法律の規定により銀行が営むことができる業務(次のⅰからⅷに掲げる業務を除く)ⅰ 休眠預金等代替金の支払等ⅱ 当せん金付証票の売りさばき等ⅲ 国民年金基金の加入申出受理業務ⅳ かんぽ生命保険の一部の生命保険の募集ⅴ 確定拠出年金(個人型)の加入申込受理業務ⅵ 拠出年金運営管理業(個人型)ⅶ 公的給付支給等口座の登録申請受付業務等ⅷ 個人番号の利用による口座管理業務ヘ.その他内閣府令・総務省令で定める業務 (f) ゆうちょ銀行における預入限度額ゆうちょ銀行は、郵政民営化法により、当座預金に相当する振替貯金を除き、原則として一の預金者から、受入れをすることができる預金等の額が制限されております。(法第107条、郵政民営化法施行令第2条)2019年3月13日に公布された郵政民営化法施行令の一部を改正する政令に基づき、同政令の施行日である2019年4月1日からの預入限度額は下記のとおりであります。また、預金保険制度による貯金の保護の範囲については変更ありません。イ.通常貯金・・・1,300万円ロ.定期性貯金(定額貯金及び定期貯金等。郵政民営化前に預入した郵便貯金(郵政管理・支援機構に引き継がれたもの)を含み、ハ.を除く。)・・・1,300万円ハ.財形定額貯金、財形年金定額貯金、財形住宅定額貯金・・・あわせて550万円 (g) ゆうちょ銀行における子会社保有の制限ゆうちょ銀行は、子会社対象金融機関等を子会社(銀行法第2条第8項に規定する子会社)としようとするときは、内閣総理大臣及び総務大臣の認可を受けなければならないものとされております。(法第111条第1項)また、銀行(銀行法第16条の2第1項第1号、第2号又は第7号に掲げる会社)を子会社としてはならないものとされております。(法第111条第7項) (h) ゆうちょ銀行における合併、会社分割、事業の譲渡、譲受けの認可ゆうちょ銀行を当事者とする合併、会社分割、事業の譲渡、譲受けは、内閣総理大臣及び総務大臣の認可を受けなければ、その効力を生じないとされております。(法第113条第1項、第3項及び第5項)ただし、内閣総理大臣及び総務大臣は、金融機関(預金保険法第2条第1項各号に掲げる者)との合併その他一定の合併、会社分割、事業の譲渡、譲受けについては、上記認可をしてはならないものとされております。(法第113条第2項、第4項及び第6項) (i) かんぽ生命保険における業務の制限かんぽ生命保険は、郵政民営化法により、政令で定めるもの以外の保険の種類の保険の引受けを行おうとするときは、その内容を定めて、内閣総理大臣及び総務大臣の認可を受けなければならないものとされております。(法第138条第1項)また、保険業法第97条の規定により行う業務以外の業務を行おうとするときは、その内容を定めて、内閣総理大臣及び総務大臣の認可を受けなければならないとされております。(法第138条第3項)なお、保険料として収受した金銭その他の資産を次に掲げる方法以外の方法により運用しようとするときは、内閣総理大臣及び総務大臣の認可を受けなければならないものとされております。(法第138条第2項)イ.保険契約者に対する資金の貸付けロ.地方公共団体に対する資金の貸付けハ.コール資金の貸付けニ.当社又は日本郵便に対する資金の貸付けホ.郵政管理・支援機構に対する資金の貸付け ヘ.その他内閣府令・総務省令で定める方法また、内閣総理大臣及び総務大臣は、新規業務の認可や下記(k)(l)の規制に係る認可の申請があった場合、下記(j)の規制に係る政令の制定又は改廃の立案をしようとする場合は、郵政民営化委員会の意見を聴かなければならないこととされております。一方、当社がかんぽ生命保険の株式の2分の1以上を処分した旨を総務大臣に届け出た日以後は、郵政民営化法第138条に係る認可は要しないものの、かんぽ生命保険が各業務を行おうとするときは、その内容を定めて、内閣総理大臣及び総務大臣への届出を要するとともに、業務を行うに当たっては、他の生命保険会社との適正な競争関係及び利用者への役務の適切な提供を阻害することのないよう特に配慮しなければならないものとされております。(法第138条の2)当社は2021年6月9日付でかんぽ生命保険の株式の2分の1以上を処分した旨の届出を行ったことから、郵政民営化法第138条の2の定めに基づき、新規業務、新商品の開発・販売、新たな方法による資産運用にかかる認可手続きは不要となり、届出制へと移行しております。なお、郵政民営化委員会から2021年10月14日に公表された「株式会社かんぽ生命保険の新規業務に関する届出制の運用に係る郵政民営化委員会の方針(令和3年10月)」において、届出後に必要に応じて郵政民営化委員会による調査審議が実施される場合があり、その場合の調査審議に要する期間はこれまでの認可制に比べて短縮される旨の方針が示されております。 (j) かんぽ生命保険における加入限度額かんぽ生命保険の保険契約については、郵政民営化法及び関連法令により、被保険者1人について加入できる保険金額などの限度(加入限度額)が定められております。(法第137条、郵政民営化法施行令第6条、第7条及び第8条)なお、被保険者が郵政民営化前の簡易生命保険契約に加入している場合には、加入限度額は、以下の金額から簡易生命保険契約の保険金額等を差し引いた額となります。イ. 基本契約の保険金額の加入限度額ⅰ 被保険者が満15歳以下のとき 700万円ⅱ 被保険者が満16歳以上のとき 1,000万円(被保険者が満55歳以上の場合の特別養老保険の保険金額は、加入している普通定期保険及び普通定期保険(R04)とあわせて800万円)ただし、被保険者が満20歳以上55歳以下の場合は、一定の条件(加入後4年以上経過した保険契約がある場合など)のもとに、累計で2,000万円までとなっております。なお、特定養老保険については、年齢にかかわらず、500万円までとなっております。ロ. 年金額(介護割増年金額を除きます。)の加入限度額年額90万円(初年度の基本年金額)(夫婦年金保険及び夫婦年金保険付夫婦保険の配偶者である被保険者に係る額を除きます。)ハ. 特約保険金額の加入限度額ⅰ 疾病にかかったこと、傷害を受けたこと又は疾病にかかったことを原因とする人の状態、傷害を受けたことを直接の原因とする死亡及びこれらに類するものに対する保障・・・あわせて1,000万円ⅱ 上記に掲げるものに関し、治療を受けたことに対する保障・・・1,000万円
(注) 上記の法令で定める加入限度額以外にも、基本契約の保険種類等により付加できる特約の保険金額に一定の制限があります。ニ. 払込保険料総額の加入限度額財形積立貯蓄保険及び財形住宅貯蓄保険・・・あわせて550万円(財形商品については、他に、関連法令による払込保険料総額等の制限があります。) (k) かんぽ生命保険における子会社保有の制限かんぽ生命保険は、子会社対象会社を子会社(保険業法第2条第12項に規定する子会社)としようとするとき(同法第106条第1項第16号に掲げる会社にあっては、かんぽ生命保険又はその子会社が合算してその基準議決権数を超える議決権を取得し、又は保有しようとするとき)は、内閣総理大臣及び総務大臣の認可を受けなければならないものとされております。(法第139条第1項)また、保険会社等(保険業法第106条第1項第1号から第2号の2まで又は第8号に掲げる会社)を子会社としてはならないものとされております。(法第139条第7項) (l) かんぽ生命保険における保険契約の移転、合併、会社分割又は事業の譲渡若しくは譲受けの認可かんぽ生命保険がする保険契約の移転、かんぽ生命保険を当事者とする合併、会社分割、事業の譲渡、譲受けは、内閣総理大臣及び総務大臣の認可を受けなければ、その効力を生じないものとされております。(法第141条第1項、第3項、第5項及び第7項)また、内閣総理大臣及び総務大臣は、当社又はかんぽ生命保険の子会社を移転先会社とする保険契約の移転、保険会社(保険業法第2条第2項に規定する保険会社)との合併その他一定の合併、会社分割、事業の譲渡、譲受けについては、上記認可をしてはならないものとされております。(法第141条第2項、第4項、第6項及び第8項)
(注) 当社がかんぽ生命保険の株式の全部を処分した日又は当社がかんぽ生命保険の株式の2分の1以上を処分した旨を総務大臣が内閣総理大臣に通知した日以後に、かんぽ生命保険と他の生命保険会社との間の適正な競争関係及び利用者への役務の適切な提供を阻害するおそれがないと認める決定があった日のいずれか早い日以後は、上記(i)に記載の同法第138条の2に基づく届出は不要となります。加えて、この場合には、上記(i)から(l)までに記載の郵政民営化法上の制限等は適用されないこととされております。(法第134条) ④ 独立行政法人郵便貯金簡易生命保険管理・郵便局ネットワーク支援機構法 (a) 趣旨郵政管理・支援機構の名称、目的、業務の範囲等に関する事項を定めております。 (b) 概要郵政管理・支援機構の目的は、公社から承継し政府による支払保証が継続された郵便貯金(積立郵便貯金、定額郵便貯金、定期郵便貯金等)及び簡易生命保険を適正かつ確実に管理し、これらに係る債務を確実に履行することにより、郵政民営化に資するとともに、郵便局ネットワークの維持の支援のための交付金を交付することにより、郵政事業に係る基本的な役務の提供の確保を図り、もって利用者の利便の確保及び国民生活の安定に寄与することとされております。(法第3条)郵政管理・支援機構は、郵便貯金管理業務(公社から承継した郵便貯金の管理に関する業務等)及び簡易生命保険管理業務(同簡易生命保険契約の管理に関する業務等)をその業務の範囲とし、郵便貯金管理業務の一部をゆうちょ銀行に、簡易生命保険管理業務の一部をかんぽ生命保険に、それぞれ委託しております。(法第13条、第15条及び第18条)郵政管理・支援機構は、ゆうちょ銀行との間で郵便貯金資産(郵便貯金管理業務の経理を区分する郵便貯金勘定に属する資産)の運用のための預金に係る契約を、かんぽ生命保険との間で簡易生命保険契約の再保険の契約を、それぞれ締結しております。(法第15条及び第16条)また、郵便局ネットワークの維持の支援に要する費用に充てるため、郵政管理・支援機構が関連銀行(ゆうちょ銀行)及び関連保険会社(かんぽ生命保険)から拠出金を徴収し、日本郵便に対し郵便局ネットワークの維持に要する費用の一部に充てるための交付金を交付することとされております。(法第18条の2及び第18条の3) ⑤ 郵便法(a) 郵便の実施郵便の業務については、日本郵便が行うことが郵便法に定められております。(法第2条)また、日本郵便以外の何人も、郵便の業務を業とし、また、日本郵便が行う郵便の業務に従事する場合を除いて、郵便の業務に従事してはならないとされております。(法第4条) (b) ユニバーサルサービスの提供郵便法の目的が、郵便の役務をなるべく安い料金で、あまねく、公平に提供することによって、公共の福祉を増進することと規定されているとおり(法第1条)、日本郵便は郵便のユニバーサルサービスを提供することが義務付けられております。 (c) 業務の制限イ.郵便約款日本郵便は、郵便の役務に関する提供条件について郵便約款を定め、総務大臣の認可を受けなければならず、これを変更しようとするときも同様とされております。(法第68条)ロ.郵便業務管理規程日本郵便は、業務開始の際、郵便の業務の管理に関する規程を定め、総務大臣の認可を受けなければならず、これを変更しようとするときも同様とされております。(法第70条)ハ.業務の委託日本郵便は、郵便の業務の一部を委託しようとするときは、他の法律に別段の定めがある場合を除き、総務大臣の認可を受けなければならないとされております。(法第72条)ニ.料金日本郵便は、郵便に関する料金を定め、あらかじめ総務大臣に届け出なければならず、これを変更するときも同様とされております。また、第三種郵便物及び第四種郵便物については、日本郵便が料金を定め、総務大臣の認可を受けなければならず、これを変更しようとするときも同様とされております。(法第67条)
関係会社の状況 4 【関係会社の状況】
名称住所資本金又は出資金(百万円)主要な事業の内容議決権の所有割合(%)関係内容役員の兼任等資金援助営業上の取引設備の賃貸借業務提携(連結子会社) 日本郵便株式会社東京都千代田区400,000郵便・物流事業、郵便局窓口事業、国際物流事業100.0有(20人)―有有―日本郵便輸送株式会社東京都港区18,250郵便・物流事業(貨物自動車運送事業)100.0(100.0)――有――日本郵便メンテナンス株式会社東京都江東区50郵便・物流事業(自動車整備事業、機械保守事業、商品販売事業、車両保守管理業務)100.0(100.0)――有――JPビズメール株式会社東京都足立区100郵便・物流事業(郵便物の作成及び差出)58.5(58.5)―――――株式会社JPメディアダイレクト東京都港区300郵便・物流事業(ダイレクトメールの企画、開発、販売事業、商品発送代行事業)51.0(51.0)―――――東京米油株式会社東京都目黒区22郵便・物流事業(石油販売事業)82.3(82.3)―――――JP楽天ロジスティクス株式会社東京都千代田区100郵便・物流事業(ロジスティクス事業)50.1(50.1)―――――JPロジスティクスグループ株式会社東京都千代田区100郵便・物流事業(物流戦略の企画・立案等)100.0(100.0)―――――JPロジスティクス株式会社東京都千代田区10郵便・物流事業(コントラクト事業、フォワーディング事業、エクスプレス事業)100.0(100.0)―――――株式会社郵便局物販サービス東京都江東区100郵便局窓口事業(物販事業、物販業務受託事業)100.0(100.0)――有有―JPコミュニケーションズ株式会社東京都千代田区350郵便局窓口事業(郵便局等における広告の掲出等に関する業務)100.0(100.0)――有――日本郵便オフィスサポート株式会社東京都港区100郵便局窓口事業(物品販売事業、施設管理事業及び受託業務)100.0(100.0)――有―― 名称住所資本金又は出資金(百万円)主要な事業の内容議決権の所有割合(%)関係内容役員の兼任等資金援助営業上の取引設備の賃貸借業務提携JP損保サービス株式会社東京都千代田区20郵便局窓口事業(各種損害保険及び自動車損害賠償責任保険の代理店事業)70.0(70.0)―――――株式会社ゆうゆうギフト神奈川県横浜市西区20郵便局窓口事業(カタログ販売業務、通信販売業務及び酒類の販売媒介)51.0(51.0)―――――JP東京特選会株式会社東京都台東区30郵便局窓口事業(カタログ販売業務、通信販売業務)51.0(51.0)―――――日本郵政インフォメーションテクノロジー株式会社東京都新宿区3,150郵便局窓口事業(通信ネットワークの維持・管理)100.0(67.0)有(1人)―有有―JPシステム開発株式会社東京都品川区99郵便局窓口事業(各種事業システム及び基盤技術のコンサルティング・企画・開発)100.0(100.0)―――――Toll Holdings Pty Limited豪州メルボルン4,978百万豪ドル国際物流事業(フォワーディング事業、ロジスティクス事業)100.0(100.0)有(1人)――――株式会社ゆうちょ銀行東京都千代田区3,500,000銀行業61.5有(3人)―有有―ゆうちょローンセンター株式会社東京都墨田区2,000銀行業(口座貸越サービスの信用保証業務及び事務代行業務)100.0(100.0)―――――JPインベストメント株式会社東京都千代田区750銀行業(有価証券等に関する投資運用業務及び投資助言業務)75.0(75.0)[25.0]―――有―株式会社かんぽ生命保険東京都千代田区500,000生命保険業49.8有(3人)―有――かんぽシステムソリューションズ株式会社東京都品川区500生命保険業(情報システムの設計、開発、保守及び運用業務の受託)100.0(100.0)――――― 名称住所資本金又は出資金(百万円)主要な事業の内容議決権の所有割合(%)関係内容役員の兼任等資金援助営業上の取引設備の賃貸借業務提携日本郵政コーポレートサービス株式会社東京都港区640その他(人材派遣業・請負業)100.0有(1人)有有有―JPビルマネジメント株式会社東京都千代田区150その他(賃貸用建物の運営管理)100.0(100.0)――有――ゆうせいチャレンジド株式会社東京都世田谷区5その他(ビル清掃業)100.0有(1人)―有――日本郵政キャピタル株式会社東京都千代田区1,500その他(投資業務、経営及び財務に関するコンサルティング業務)100.0有(2人)有有有―日本郵政不動産株式会社東京都千代田区1,500その他(不動産の所有、貸借及び管理、宅地・商業用地等の開発)100.0有(3人)有有有―株式会社JPデジタル東京都千代田区100その他(デジタル関連サービス業)100.0(10.0)有(2人)有有――JPツーウェイコンタクト株式会社大阪府大阪市西区182その他(テレマーケティングサービス)82.9(82.9)有(1人)―有――JPプロパティーズ株式会社東京都中央区450その他(ビル・マンション・店舗の所有、賃貸及び不動産のマスターリース等)51.0(51.0)―――――他 186社 (持分法適用関連会社) セゾン投信株式会社東京都豊島区1,000郵便局窓口事業(第二種金融商品取引業務及び投信運用業務等)40.0(40.0)―――――株式会社ジェイエイフーズおおいた大分県杵築市493郵便局窓口事業(果実・野菜農産物の加工及び販売等)20.0(20.0)―――――リンベル株式会社東京都中央区100郵便局窓口事業(カタログギフトの企画・制作・販売等)20.0(20.0)―――――JP投信株式会社東京都中央区500銀行業(投資運用業、第二種金融商品取引業)50.0(50.0)――――― 名称住所資本金又は出資金(百万円)主要な事業の内容議決権の所有割合(%)関係内容役員の兼任等資金援助営業上の取引設備の賃貸借業務提携日本ATMビジネスサービス株式会社東京都港区100銀行業(現金自動入出金機等の現金装填及び回収並びに管理業務)35.0(35.0)―――――株式会社Good Technology Company東京都千代田区10その他(デジタル関連サービス等)40.0(40.0)有(2人)――――Aflac IncorporatedColumbus,GA , USA136百万米ドルグループ持株会社としてのグループ経営管理20.0(注6)――――有他 6社
(注) 1.「主要な事業の内容」欄には、セグメントの名称のほか、( )内に該当する会社が営む事業の概要を記載しております。2.上記関係会社のうち、特定子会社に該当するのは、日本郵便、ゆうちょ銀行、かんぽ生命保険、日本郵政インフォメーションテクノロジー株式会社及びトール社であります。3.上記関係会社のうち、ゆうちょ銀行及びかんぽ生命保険は有価証券報告書を提出しております。4.「議決権の所有割合(%)」欄の( )内は子会社による間接所有の割合(内書き)、[ ]内は「自己と出資、人事、資金、技術、取引等において緊密な関係があることにより自己の意思と同一の内容の議決権を行使すると認められる者」又は「自己の意思と同一の内容の議決権を行使することに同意している者」による所有割合(外書き)であります。5.上記関係会社のうち、経常収益(連結会社相互間の内部経常収益を除く)の連結経常収益に占める割合が100分の10を超えている会社は、日本郵便、ゆうちょ銀行及びかんぽ生命保険であり、日本郵便の主要な損益情報等については、以下のとおりであります。なお、ゆうちょ銀行及びかんぽ生命保険については、有価証券報告書提出会社であるため記載を省略しております。名称主要な損益情報等(百万円)営業収益経常利益当期純利益純資産額総資産額日本郵便2,721,2562,9137,110652,4024,270,826 6.Aflac Incorporated(以下、「アフラック・インコーポレーテッド」といいます)の定款上、アフラック・インコーポレーテッド株式を4年間を超えて継続保有した場合、1株あたり10議決権が付与される旨の定めがあることから、当社は、信託を通じて2024年3月31日時点においてアフラック・インコーポレーテッドの20%超の議決権を保有しております(なお、同様の定めが適用される他株主の有無及び保有株式数により具体的な議決権保有割合は都度変動することとなります)。もっとも、当社、アフラック・インコーポレーテッド、J&A Alliance Holdings Corporation(当社がアフラック・インコーポレーテッド株式の取得に必要な金銭を信託して設定した信託の受託者。以下、本注6において「信託受託者」といいます。)及び信託受託者の株主である一般社団法人J&Aアライアンスとの間で2019年2月28日付けで締結されたShareholders Agreementにおいて、信託が受益権を有するアフラック・インコーポレーテッドの普通株式に係る議決権のうち、総議決権の20%を超える議決権(但し、アフラック・インコーポレーテッドの支配権異動に関する事項(アフラック・インコーポレーテッドの取締役会の構成員の過半数が既存取締役の同意なく変更される場合を除く。)については、議決権の全て)については、信託が保有していないアフラック・インコーポレーテッドの普通株式の議決数に按分比例して議決権行使を行うとの制限がされているため、当該Shareholders Agreementに基づき信託受託者が自らの裁量により行使できる最大の議決権所有割合を記載しております。7.2024年4月1日付で、建築物等の調査・企画、設計・工事監理、コンストラクションマネジメント、建築物等の管理及び運営維持に関する支援を事業内容とする日本郵政建築株式会社(議決権の所有割合は当社100%)を設立しております。8.2024年5月21日付で、投資運用業を事業内容とするゆうちょキャピタルパートナーズ株式会社(議決権の所有割合はゆうちょ銀行100%)を設立しております。
従業員の状況 5 【従業員の状況】
(1) 連結会社の状況2024年3月31日現在セグメントの名称従業員数(人)郵便・物流事業101,964[93,832]郵便局窓口事業76,681[30,999]国際物流事業9,540[3,536]銀行業11,419[2,614]生命保険業19,092[2,676]その他2,691[2,562]合計221,387[136,219]
(注) 1.従業員数は就業人員であり、臨時従業員数(無期転換制度に基づく無期雇用転換者(アソシエイト社員等)を含み、派遣社員を除く。)は年間の平均人員を[ ]内に外書きで記載しております。2.郵便・物流事業の従業員数が前連結会計年度末から3,748名増加し、国際物流事業の従業員数が、前連結会計年度末から4,133名減少しておりますが、主として、2023年4月から、トールエクスプレスジャパン株式会社(現、JPロジスティクス株式会社)及びJPトールロジスティクス株式会社(現、JPロジスティクスグループ株式会社)のセグメントが、国際物流事業から郵便・物流事業へ変更となったことによるものです。
(2) 提出会社の状況2024年3月31日現在従業員数(人)平均年齢(歳)平均勤続年数(年)平均年間給与(千円)1,53345.318.38,674[319]
(注) 1.従業員数は就業人員であり、臨時従業員数(無期転換制度に基づく無期雇用転換者(アソシエイト社員)を含み、派遣社員を除く。)は年間の平均人員を[ ]内に外書きで記載しております。2.当社の従業員はすべてその他に属しております。3.平均年齢、平均勤続年数及び平均年間給与は、臨時従業員を除いております。4.平均勤続年数は、郵政省、郵政事業庁、公社等における勤続年数を含んでおります。5.平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでおります。 (3) 労働組合の状況当社グループにおいては、日本郵政グループ労働組合等の労働組合が組織されております。また、労使関係については概ね良好であり、特記すべき事項はありません。 (4) 管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異女性の職業生活における活躍の推進に関する法律(平成27年法律第64号)等に基づき、当社及び連結子会社が公表している指標は次のとおりであります。なお、管理職に占める女性労働者の割合は2024年4月1日時点、その他の指標は当連結会計年度における実績を記載しております。  ① 提出会社及び主たる子会社提出会社及び主たる子会社管理職に占める女性労働者の割合(%)男性労働者の育児休業取得率(%)労働者の男女の賃金の差異(%)(男性の賃金に対する女性の賃金の割合)全労働者うち正規(無期)労働者うち非正規(有期)労働者日本郵政(当社)13.010067.967.862.0日本郵便8.998.159.259.359.5ゆうちょ銀行18.410066.164.777.5かんぽ生命保険9.810073.471.880.6
(注) 1.管理職に占める女性労働者の割合は、各会社で本籍とする社員を対象としており、他社からの出向者を含めておらず、他社への出向者を含めております。なお、かんぽ生命保険においては2022年4月からの新しいかんぽ営業体制への移行に伴う他社からの出向者を含める場合の割合は9.1%です。2.男性労働者の育児休業取得率は、各会社を本籍とする社員を対象としており、他社からの出向者を含めておらず、他社への出向者を含めております(出向契約の締結内容に基づく個別取扱いを除く。)。加えて、臨時雇用(無期転換制度に基づく無期雇用転換者(アソシエイト社員)を含みます。)を含めておりません。また、当連結会計年度に配偶者が出産した社員のうち、育児休業等を開始した社員(開始予定の申出者を含む。)の割合を記載しております。なお、かんぽ生命保険においては2022年4月からの新しいかんぽ営業体制への移行に伴う他社からの出向者を含める場合の男性労働者の育児休業取得率は100%であります。3.労働者の男女の賃金の差異は、各社の賃金台帳に記載がある社員を対象としており、出向契約の締結内容に基づき、各社において給与を支払っている他社からの出向者及び他社への出向者を含んでおります。4. 労働者の男女の賃金の差異は、各社の賃金台帳を基に、その各社において雇用する男性労働者の賃金の平均(平均年間賃金=賃金総額÷人員数)に対するその雇用する女性労働者の賃金の平均の割合を記載しております。総賃金から退職手当は除き、人員数から休職中の社員は除いております。また、無期転換制度に基づく無期雇用転換者(アソシエイト社員)は正規(無期)雇用労働者に含めて記載しております。5.労働者の男女の賃金の差異の補足(差異の要因等)は下記のとおりであります。なお、給与体系は性別に関係なく同一であります。 (日本郵政)< 正規労働者 >・ 給与が高い管理職における女性割合が低い。・ 給与が高くなる主要要素の1つである勤続年数について、男性の方が、2024年4月1日時点で平均勤続年数が約5年以上長い(無期転換制度に基づく無期雇用転換者(アソシエイト社員)は除く)。< 非正規労働者 >・ 男性のうち約4割を占める専門職採用者の給与が高い。(日本郵便)< 正規労働者 >・ 給与が高い管理職における女性割合が低い。・ 給与が高くなる主要要素の1つである勤続年数について、男性の方が、2024年4月1日時点で平均勤続年数が約5年長い(無期転換制度に基づく無期雇用転換者(アソシエイト社員)は除く)。・ 時給制の無期転換制度に基づく無期雇用転換者(アソシエイト社員)において、賃金単価の高い郵便物流部門に男性社員が多い。・ 時給制の無期転換制度に基づく無期雇用転換者(アソシエイト社員)の女性は、パートタイム(例:1日4時間)で働く社員が多く総労働時間が短い。< 非正規労働者 >・ 賃金単価の高い郵便物流部門に男性社員が多い。・ 時給制契約社員において、パートタイム(例:1日4時間)で働く女性が多く総労働時間が短い。 (ゆうちょ銀行)< 正規労働者 >・ 年齢構成の男女比率に偏りがあり、相対的に賃金水準の高い高齢層・管理職層の女性比率が低い。< 非正規労働者 >・ 非正規労働者のうち、賃金水準の高い高齢再雇用社員では男性社員が約8割と高く、期間雇用社員(有期)では女性社員が約8割と高い。(かんぽ生命保険)< 正規労働者 >・ 年齢構成を踏まえた男女比率に偏りがあり、相対的に賃金水準の高い高齢層・管理職層の女性比率が低い。< 非正規労働者 >・ 男性のうち約4割を占める専門職採用者の給与が高い。  ② その他の連結子会社連結子会社管理職に占める女性労働者の割合(%)男性労働者の育児休業取得率(%)労働者の男女の賃金の差異(%)(男性の賃金に対する女性の賃金の割合)全労働者うち正規(無期)労働者うち非正規(有期)労働者日本郵便輸送株式会社―85.767.173.661.4日本郵便メンテナンス株式会社――66.970.172.2JPビズメール株式会社――44.350.164.0株式会社郵便局物販サービス――71.978.059.9日本郵便オフィスサポート株式会社8.510049.644.163.0日本郵政インフォメーションテクノロジー株式会社7.9――――JPロジスティクス株式会社7.125.067.473.880.2JPインベストメント株式会社20.610054.654.6―かんぽシステムソリューションズ株式会社10.775.075.276.158.6日本郵政コーポレートサービス株式会社21.00.064.362.875.5JPツーウェイコンタクト株式会社19.566.766.456.787.2
(注) 1.管理職に占める女性労働者の割合は、各会社を本籍とする社員を対象としており、他社からの出向者を含めておらず、他社への出向者を含めております。2.男性労働者の育児休業取得率は、各会社を本籍とする社員を対象としており、他社からの出向者を含めておらず、他社への出向者を含めております。加えて、臨時雇用(無期転換制度に基づく無期雇用転換者(アソシエイト社員)を含みます。)を含めておりません。また、当連結会計年度に配偶者が出産した社員のうち、育児休業等を開始した社員(開始予定の申出者を含む。)の割合を記載しております。3.労働者の男女の賃金の差異は、各社の賃金台帳に記載がある社員を対象としており、出向契約の締結内容に基づき、各社において給与を支払っている他社からの出向者及び他社への出向者を含んでおります。4. 労働者の男女の賃金の差異は、各社の賃金台帳を基に、その各社において雇用する男性労働者の賃金の平均(平均年間賃金=賃金総額÷人員数)に対するその雇用する女性労働者の賃金の平均の割合を記載しております。総賃金から退職手当は除き、人員数から休職中の社員は除いております。また、無期転換制度に基づく無期雇用転換者(アソシエイト社員)は正規(無期)雇用労働者に含めて記載しております。 (参考1) 提出会社及び主たる子会社に関するその他の指標提出会社及び主たる子会社本社における管理職に占める女性労働者の割合(%)男性の育児休業の平均取得日数(日)年次有給休暇の平均取得日数(日)日本郵政(当社)10.889.017.6日本郵便14.031.119.6ゆうちょ銀行19.162.319.3かんぽ生命保険15.052.218.9
(注) 1.本社における管理職に占める女性労働者の割合は、2024年4月1日時点における、本社を勤務先とする労働者を母数として算出した、女性の職業生活における活躍の推進に関する法律に基づく一般事業主行動計画等に関する省令(平成27年厚生労働省令第162号)第2条第1項第4号に定める管理的地位にある労働者のうち女性の占める割合であります。 2.日本郵政グループ中期経営計画「JPビジョン2025」のESG目標の1つとして、上記4社の本社における女性管理者比率を2030年度(2031年4月1日時点)までに30%とする目標を掲げております。当連結会計年度(2024年4月1日時点)の実績は、16.2%であります。なお、本社女性管理者比率は、各社を本籍とする社員を対象としており、他社からの出向者は含めておらず、他社への出向者を含めております。   3.男性の育児休業の平均取得日数は、当連結会計年度に配偶者が出産した社員のうち、育児休業等を取得した社員の平均取得日数(当連結会計年度に取得を開始した場合の、2024年度以降の見込日数も含む。)を記載しております。なお、各会社で本籍とする社員を対象としており、他社からの出向者を含めておらず、他社への出向者を含めております。加えて、臨時雇用(無期転換制度に基づく無期雇用転換者(アソシエイト社員)を含みます。)を含めておりません。4.年次有給休暇の平均取得日数は、当連結会計年度に労働者1人当たりが取得した年次有給休暇の平均日数を記載しております。なお、臨時雇用(無期転換制度に基づく無期雇用転換者(アソシエイト社員)を含みます。)を含めておりません。加えて、年次有給休暇の平均取得日数は、前々年度及び前年度からの繰越分日数を含んでおります。 (参考2) 多様性に関する主な社内制度及び施策育児に関する支援制度・育児休業3歳迄(法定1歳)・育児部分休業9歳迄(法定3歳)※子が障がい等の場合12歳迄男女とも育児休業取得率100%達成に取り組むとともに、2023年度から男性に関しては、3日間の育児休業(有給)の完全取得かつ、4週間以上の取得勧奨実施を義務化・子の看護休暇小学校3年終了まで5日(有給)(法定:小学校就学に達する前まで5日(無給))介護に関する支援制度・介護休業186日(法定93日)・介護部分休業5年(法定3年)病気に関する支援制度・正社員に対する不妊治療のための休暇(チャイルドプラン休暇、無給、1年度30日迄)・両立支援コーディネーターの養成、両立支援啓発研修、職場復帰支援プログラム策定性の多様性に関する支援制度・同性パートナーへの制度適用(社宅、扶養手当、住居手当、介護休業 等)その他人事措置・再採用制度(育児・介護、妊娠、出産、配偶者同行、がん治療、不妊治療及び私傷病休職期間満了を理由として退職した正社員を、育児・介護等の必要が解消した後、再び社員として再採用する制度。)※ 2024年10月よりカムバック制度に改正予定(原則、自己都合含むすべての退職者を再び社員として再採用する制度。)・短時間勤務制度(「介護等特別な事情があると会社が認めた場合」に短時間勤務職への転換を可能とする制度。勤務形態は、「1日8時間・4週10日勤務」又は「1日4時間・4週20日勤務」。)・早期役職復帰制度(再採用社員、短時間勤務職からフルタイム勤務へ復帰した社員及び育児・介護、がん治療、不妊治療を理由として自ら降職した社員について、一定の要件を満たした場合に、元の役割等級を限度として昇格させることができる制度。)・配偶者同行休職制度(配偶者の転勤等に同行する社員について、国内外問わず、3年間の範囲内で休職を認める制度。)各種支援セミナー・育児・介護との両立やキャリア形成に関する支援セミナー実施ダイバーシティ強化月間・2022年からダイバーシティ強化月間を設置。男性育休の促進や不妊治療、介護、性の多様性などからテーマを複数設定し、勉強会や理解度テストを通して、職場の理解浸透を促進
経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】
文中の将来に関する事項は、別段の記載がない限り、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (1) 当社グループの経営理念及び経営方針① グループ経営理念 郵政ネットワークの安心、信頼を礎として、民間企業としての創造性、効率性を最大限発揮しつつ、お客さま本位のサービスを提供し、地域のお客さまの生活を支援し、お客さまと社員の幸せを目指します。また、経営の透明性を自ら求め、規律を守り、社会と地域の発展に貢献します。 ② グループ経営方針・ お客さまの生活を最優先し、創造性を発揮しお客さまの人生のあらゆるステージで必要とされる商品・サービスを全国ネットワークで提供します。 ・ 企業としてのガバナンス、監査・内部統制を確立しコンプライアンスを徹底します。 ・ 適切な情報開示、グループ内取引の適正な推進などグループとしての経営の透明性を実現します。 ・ グループの持続的な成長と中長期的な企業価値の向上を目指します。・ 働く人、事業を支えるパートナー、社会と地域の人々、みんながお互い協力し、社員一人ひとりが成長できる機会を創出します。
(2) 経営環境当連結会計年度の国内経済は、欧州や中国における景気の減速などの影響を受けつつも、雇用・所得環境の改善などを背景として緩やかな回復の動きが続きました。世界経済においては、金融引締め等により欧州など一部の地域で景気の減速がみられたものの、全体としては持ち直しの動きが続きました。金融資本市場では、国内の10年国債利回りは、日本銀行による長短金利操作(イールドカーブ・コントロール)の柔軟化を受けて2023年10月から2023年11月にかけて一時0.9%台まで上昇しましたが、早期の金融政策修正観測の後退などから低下し、2023年12月以降は概ね0.5%台から0.7%台で推移しました。日経平均株価は、米国株式市場の影響などを受けつつ、円安を背景に概ね堅調に推移し、2024年2月に最高値を更新した後、2024年3月には一時40,000円台まで上昇しました。物流業界においては、物価や人件費等の上昇により費用負担が増しているほか、消費行動におけるEC市場等からリアル販売チャネルへの回帰やインフレ等による家計消費の弱まり等の影響で宅配便に関する需要が伸び悩みました。また、働き方改革関連法等によるドライバーの拘束時間の減少などから生じる、いわゆる「2024年問題」への対策として、政府により公表された「物流革新に向けた政策パッケージ」に基づき業界・分野別に作成された自主行動計画や「物流の適正化・生産性向上に向けた荷主事業者・物流事業者の取組に関するガイドライン」に掲げられた取組の実行が求められております。郵便事業においては、デジタル化の進展等に伴う郵便物数の減少傾向の継続に加え、物流業界同様に、物価や人件費等の上昇等の影響により、引き続き厳しい状況です。銀行業界においては、当年度の全国銀行における預金は25年連続で増加し、貸出金も13年連続で増加しました。金融システムは、世界的な金融引締めの継続やそれに伴う景気減速懸念などのストレスにさらされているものの、全体として安定性を維持しています。生命保険業界においては、超高齢社会の進展や人口減少等の大きな構造変化とともに、先端技術の進歩・普及や、新型コロナウイルス感染症の感染拡大を契機としたライフスタイル多様化の急速な進展等がみられ、多様なお客さまニーズへの対応が求められております。当社グループは、「郵便・物流」「貯金」「保険」の生活に必要な基礎的サービスや物販、提携金融サービス等を全国約2万4,000か所の郵便局ネットワークを通じて提供するほか、不動産事業など多数のサービスを展開しております。郵便・物流事業においては1日に約3,100万か所への郵便配達箇所数、銀行業においては約1億2,000万口座の通常貯金口座数、生命保険業においては約1,807万人のお客さま数(契約者さま及び被保険者さまを合わせた人数(個人保険及び個人年金保険を含み、かんぽ生命保険が郵政管理・支援機構から受再している簡易生命保険契約を含みます。)など、毎日の生活の中で多くのお客さまにご利用頂いており、お客さまとの接点の多さは当社グループの強みとなっております。 (3) 当社グループの経営戦略等① 中期経営計画等について当社グループは、2021年5月に策定した中期経営計画「JP ビジョン2025」について、当社グループを取り巻く環境の変化を踏まえて見直しを行い、「JP ビジョン2025+(プラス)」(2024年度~2025年度)を2024年5月に発表しました。 (a) JP ビジョン2025+の基本方針お客さまと地域を支える「共創プラットフォーム」を目指す姿とすることは変えず、グループ全体で直面する課題を克服し、成長ステージへの「転換」を実現するためのドライバーとして、「資源配分」、「郵便局」及び「人材・システム」という3点を変えていきます。「資源配分」については、当社グループが成長分野と考える物流分野や不動産事業へ、資金や人材をより積極的に配分できるよう、仕組みを変えていきます。「郵便局」については、より地域の実情に応じた個性ある郵便局へと進化することを目指し、郵便局ネットワークの価値・魅力を向上させるサービスの充実や、柔軟な営業体制の構築を行うとともに、お客さまの利便性を踏まえた店舗の最適配置、窓口営業時間の弾力化などにより、生産性の向上を図ります。「人材・システム」については、当社グループの事業活動を行う上で最も重要な人的資本への投資を成長に向けた投資の1つと位置づけ、社員体験価値向上に取り組むとともに、DXの推進などにより、人口減少、ライフスタイルや働き方の変化、デジタル化の急速な進展といった環境変化に適応可能な、柔軟で強靭な組織へと変革します。 (b) 成長ステージへの転換に向けた取組の3本柱「JP ビジョン2025+」のもと、「収益力の強化」、「人材への投資によるEX※1の向上」、「DXの推進等によるUX※2の向上」という3本柱を掲げて取り組みます。「収益力の強化」については、グループの収益を強化するため、物流分野と不動産事業を成長分野として捉え、経営資源を積極的に投入していくことで、成長の加速を図ります。「人材への投資によるEXの向上」については、労働人口の減少に伴う人手不足や価値観・ライフスタイルの多様化など、外部環境の変化に対応して、優秀な人材を確保し育成していかなければならないことから、社員エンゲージメント、「誇りとやりがい」の向上や、柔軟で多様性のある組織への転換に取り組みます。「DXの推進等によるUXの向上」については、デジタルへの移行が急速に進む中、お客さまサービスや社員の働き方を、DXにより利便性を高め、効率化していくことが必須となっています。グループDXの推進により、お客さま、社員双方の視点から、UXの向上に取り組んでいきます。※1 EXとは、社員が会社で働くことを通じて得られる体験価値のことです。※2 UXとは、システムやサービスを利用するユーザー(お客さまや社員)が、その利用を通じて得られる体験価値のことです。 (c) 当社グループにおけるサステナビリティ経営の推進当社グループは、グループのサステナビリティの観点から重要と考えている「地域生活・地域経済」「高齢社会への対応」等のサステナビリティ重要課題に対して、「地域のハブとしての役割発揮」「サプライチェーン全体での対応」等のグループの強みを活かして取り組むことにより、各事業戦略の展開を通じたグループの成長と、Well-being※の向上及び低環境負荷社会への貢献といった価値創造を通じた、社会とグループの持続性ある成長を目指していきます。※ 「肉体的にも、精神的にも、社会的にも、すべてが満たされた状態にあること」(WHO憲章前文) であり、当社グループでは、多様な個人やコミュニティのあり方を包括する概念として使用しております。 ② 経営者の問題意識と今後の方針当社グループは、2021年5月に発表した中期経営計画「JP ビジョン2025」について、事業環境の急激な変化等を踏まえ、グループ全体で直面する課題を克服し、「成長ステージへの転換」を実現するための道標(みちしるべ)とすべく、今後の戦略の見直しを行うとともに、2025年度の主要目標等も見直し、その結果を「JP ビジョン2025+(プラス)」として、2024年5月に策定しました。「JP ビジョン2025+」では、引き続き、お客さまと地域を支える「共創プラットフォーム」を目指し、コアビジネスの充実・強化に向けて、成長分野へのリソースシフトを強力に推進してまいります。また、人口減少、ライフスタイルや働き方の変化、デジタル化の急速な進展等経済社会の大きな変化に対応するため、お客さま体験価値や社員の利便性向上につながるDXの取組を強力に推進するとともに、当社グループの人材・組織を多様性あるものに変革する取組に着手してまいります。財務面では、ROE(株主資本ベース)について、ゆうちょ銀行株式の持分割合の減少により低下したROEを2025年度を目標に回復し、その後、早期に株主資本コストを上回るROEを達成し、中長期的にさらなる向上を目指します。また、業務の適正を確保するため、コーポレートガバナンスのさらなる強化に向け、引き続き、グループ全体の内部統制の強化を推進し、コンプライアンス水準の向上を重点課題として、グループ各社に必要となる支援・指導を行います。特に、かんぽ生命保険商品の募集品質に係る問題を受け、同様の問題を二度と繰り返さないために講じてきた業務改善計画の施策の浸透・定着に引き続き取り組みつつ、取組の実施状況や課題等を把握し、グループ全体としてさらなる改善を推進してまいります。あわせて、部内犯罪及び社員の不正の防止、個人情報保護並びにマネー・ローンダリング、テロ資金供与及び拡散金融対策等の取組を継続・強化してまいります。そして、郵便、貯金及び保険のユニバーサルサービスの確保については、交付金・拠出金制度も活用しつつ、その責務を果たし、地域社会に貢献するとともに、郵便局ネットワークの一層の活用・維持による安定的なサービスの提供等を図るため、グループ各社の経営の基本方針を策定し、その実施に努めてまいります。ゆうちょ銀行及びかんぽ生命保険の株式については、2社の経営状況、ユニバーサルサービスの責務の履行への影響等を勘案しつつ、できる限り早期に処分するものとするという郵政民営化法の趣旨に沿って、所要の準備を行ってまいります。サステナビリティ経営の推進に関する取組として、環境問題への取組については、政府が掲げる「2050年カーボンニュートラルの実現」に向けた動きを踏まえ、CO2の排出量削減に向けたグループ全体のEV車両の導入拡大、カーボン排出係数の低い電力への段階的な切替え等により、事業サービスを通じた環境負荷軽減等に積極的に取り組みます。社員の多様な能力・個性を活かすダイバーシティ・マネジメントの推進については、2024年度において引き上げとなった法定雇用率の達成に向けた障害者雇用推進の取組や、管理者への女性登用に向けた取組等を実施してまいります。加えて、サイバーテロリスクに備えたサイバーセキュリティの強化、自然災害の発生及び感染症の大流行等の危機へ備えた危機管理態勢の整備に取り組みます。当社は、資本効率の向上、株主還元の強化を目的として、自己株式の取得を実施しており、2022年5月13日付の取締役会決議に基づき、2022年5月16日から2023年3月9日までの間、取引一任契約に基づく市場買付により当社普通株式196,748,200株を取得し、2023年3月29日付の取締役会決議に基づき、2023年4月20日付で保有自己株式のうち196,748,200株を消却いたしました。また、2023年5月15日及び2023年8月14日付の取締役会決議に基づき、2023年8月15日から2024年3月22日の間、自己株式立会外買付取引(ToSTNeT‑3)及び立会市場における取引により当社普通株式254,809,200株を取得し、2024年3月27日付の取締役会決議に基づき、2024年4月12日付で保有自己株式のうち254,809,200株を消却いたしました。その結果、2024年4月12日時点における発行済株式総数は3,206,240,300株となりました。さらに、2024年5月15日付の取締役会において、2024年5月16日から2025年3月31日までを取得期間とし、当社普通株式320,000,000株、取得価額の総額3,500億円をそれぞれ上限として、立会市場における取引による当社自己株式の取得について決議いたしました。 (4) 対処すべき課題  各事業セグメント別の対処すべき課題は、以下のとおりであります。 ① 郵便・物流事業日本郵便の郵便・物流事業において、郵便物の減少や荷物需要の増加に対応するため、以下の取組を行います。 (a) 郵便料金の見直しに向けた準備人口の減少やデジタル化の進展等により今後も郵便物数の減少が予想される中、ユニバーサルサービスである郵便サービスの安定的な提供及びお客さまへのサービス向上を実現するためには、郵便料金の見直しは避けられないと考えており、2024年6月に施行された郵便法施行規則の一部を改正する省令(令和6年総務省令第63号)を踏まえ、郵便料金の見直しに向けた準備を進めてまいります。なお、過去5事業年度の郵便、ゆうメール、ゆうパック及びゆうパケットの取扱物数の推移は以下のとおりとなります。 (単位:百万通・百万個) 2020年3月期2021年3月期2022年3月期2023年3月期2024年3月期郵便16,35015,24414,85814,44513,578ゆうメール3,5693,2993,3463,1132,873ゆうパック(含 ゆうパケット)9741,0919899801,010(再掲) ゆうパケット428497420426463  (b) 荷物等の取扱個数の拡大、オペレーションの効率化に向けた取組物流分野については、成長するEC市場やフリマ市場を確実に取り込むため、差出・受取利便性の向上や他企業との連携強化により、荷物等の取扱個数の拡大を図ってまいります。同時に、持続的な成長に向けて、設備投資や人的資本投資を進め、機械処理の強化、次世代輸配送ネットワークの再編等、オペレーションの効率化に向けた取組を強化してまいります。 (c) 「2024年問題」への対応働き方改革関連法等によるドライバーの拘束時間の減少などから生じる、いわゆる「2024年問題」を踏まえ、2024年度において、中継輸送※の導入等、輸送オペレーションを見直します。なお、日本郵便は、政府により公表された「物流革新に向けた政策パッケージ」や「物流の適正化・生産性向上に向けた荷主事業者・物流事業者の取組に関するガイドライン」を踏まえて、自主行動計画を策定、公表しております。同計画で掲げた諸事項について、荷主・運送事業者双方の立場から確実に対応してまいります。※ 中継輸送とは、トラックの長距離運行を複数のトラックドライバーで分担する輸送形態のことです。 (d) 協力会社の皆さまとのパートナーシップ構築に向けた取組政府が公表した「労務費の適切な転嫁のための価格交渉に関する指針」を踏まえ、引き続き、協力会社の皆さまとのパートナーシップ構築に向けて取り組んでまいります。 ② 郵便局窓口事業日本郵便の郵便局窓口事業において、以下の取組を行います。 (a) 適正な営業推進態勢の確立経営陣がリーダーシップを取り、適正な営業推進態勢の確立並びにコンプライアンス・顧客保護を重視する健全な組織風土の醸成、適正な営業推進のための改善策を着実に実行し定着を図るためのガバナンスの抜本的な強化及びPDCAサイクルの徹底に向けた取組を継続するとともに、フロントラインに向けた伝達に齟齬がないよう配意しつつ、必要な見直しを随時、適切に行ってまいります。 (b) 郵便局の価値・魅力向上や店舗の最適配置等による生産性向上に向けた取組 郵便局窓口への来局者数は減少傾向にあり、2024年度においても厳しい経営状況が継続すると見込んでおります。直面する事業環境を克服し、お客さまに選んでいただける事業へ成長するため、「営業専門人材の育成」等によるお客さまに寄り添った営業活動を展開するとともに、地方公共団体事務の受託や他企業との連携等により、地域やお客さまニーズに応じた郵便局らしい商品・サービスの充実を行い、郵便局の価値・魅力向上の取組等を推進してまいります。加えて、お客さまの利便性を踏まえた店舗の最適配置や、窓口営業時間の弾力化等による生産性の向上にも取り組んでまいります。これらの取組により、郵便局窓口事業セグメントの損益の改善を図ってまいります。 ③ 国際物流事業トール社が強みを持つ消費財や小売業等について、アジア域内においてそのポジションを維持するとともに、よりバランスの取れたポートフォリオ構築のため、ヘルスケア分野の対応能力拡充を図ってまいります。また、オペレーションの合理化等によるコスト削減にも、引き続き取り組んでまいります。 ④ 銀行業ゆうちょ銀行は、国内外での金利の上昇、生成AIの浸透を始めとする社会のデジタル化の想定以上の進展、「資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応」に対する関心の高まり等の経営環境の大きな変化を踏まえて、「リテールビジネス」、「マーケットビジネス」及び「Σ(シグマ)ビジネス(投資を通じて社会と地域の未来を創る法人ビジネス)」の3つの成長エンジンをビジネス戦略の中心に据え、それを支える経営基盤の強化とあわせて取り組んでまいります。 (a) リテールビジネスの変革リアルとデジタルの相互補完戦略を加速し、伝統的な銀行業務を超えた新しいリテールビジネスへの変革を進め、一人ひとりのお客さまとの取引を一層深めてまいります。デジタルサービス戦略では、「ゆうちょ通帳アプリ」(以下「通帳アプリ」といいます。)の使いやすさ・機能の改善や、郵便局ネットワークも活用した積極的なアプローチにより、通帳アプリユーザーの一層の拡大を追求します。そして、パートナー企業との連携により、銀行の枠を超えた多様なサービスを、通帳アプリを通じてお客さまに適切にご案内することで、お客さまの多様なニーズをサポートするとともに、新たな収益機会を開拓してまいります。資産形成サポートビジネスでは、コンサルタントによる専門的できめ細やかなコンサルティングを実施しつつ、デジタルチャネルを拡充するとともに、全国の郵便局と金融コンタクトセンター等をリモートで接続し、約20,000拠点で投資信託(NISA)の受付を可能とする、リアルとデジタルを融合した当社グループの強みを活かした販売態勢を強化してまいります。加えて、デジタル技術を活用した業務改革を進め、お客さまの利便性を向上しつつ、業務量の削減による生産性向上に努めてまいります。 (b) マーケットビジネスの深化リスク管理を深化しつつ、ゆうちょ銀行の安定的な資金調達基盤の強みを維持し、円金利資産とリスク性資産を組み合わせた最適な運用ポートフォリオを追求してまいります。特に、2022年度までの7年間で約2分の1に縮小した日本国債の保有残高は、日本銀行の政策変更を受けた国内金利の上昇トレンドも踏まえ、日本銀行への預け金等から日本国債への投資シフトを推進し、拡大を目指してまいります。また、戦略投資領域※を含むリスク性資産についても、引き続き資本を活用し、リスク対比リターンを意識しつつ、残高を拡大してまいります。※ 戦略投資領域とは、プライベートエクイティファンド(成長が見込まれる未上場企業等へ投資するファンド)、不動産ファンド等からなる戦略的な投資領域のことであります。 (c) Σビジネスの本格始動投資を通じて社会と地域の未来を創る法人ビジネスと位置付けるΣビジネスを推進し、将来的にサステナブルな収益基盤の構築を目指します。ゆうちょ銀行の新設子会社の「ゆうちょキャピタルパートナーズ株式会社」を中心に、パートナー企業とも連携しながら、プライベートエクイティファンド投資で培った知見も活かし、全国の中堅・中小企業への資本性資金の供給を本格化させてまいります。また、全国津々浦々のネットワークを活かし、地域金融機関等と連携した新たな投資先企業の発掘を行うとともに、投資先企業の商材・サービスが持つ潜在的なニーズを掘り起こすマーケティング支援業務を推進するなど、投資先の成長・課題解決に向けた伴走型の支援を行ってまいります。これらの取組を踏まえ、投資実績やマーケット環境の定期的な評価を行いつつ、GP※業務関連残高の拡大を目指してまいります。※ GPとは、General Partner(ジェネラルパートナー)の略語。投資ファンドにおいて投資先企業の選定、投資判断等を担うファンドの運営主体のことであります。 (d) 経営基盤の強化3つのビジネス戦略を強力に推進するため、それらを支える人財、内部管理態勢、システム基盤等を一層強化してまいります。特に、競争力・価値創造の「源泉」かつ「財産」である人財については、最重要資本の1つと捉え、「成長を促す」×「能力を引き出す」×「多様性を活かす」という3つの柱を軸とした、経営戦略と連動する人事戦略を推進してまいります。なお、人的資本経営の推進にあたっては、強化分野の人員数、女性管理者数比率や育児休業取得率などの各種KPIを設定したうえで取り組み、多様な人財が活躍する「いきいき・わくわく」に満ちた会社を社員とともに築き、企業価値の向上を実現してまいります。また、ゆうちょ銀行の直営店及び郵便局の部内犯罪の再発防止に向け、防犯ルールの見直しや、郵便局におけるKRI※のモニタリングを当社グループ全体で推進するなど、コンプライアンス態勢を一層強化するとともに、お客さま・社員の声をサービスや業務の改善に活かすスキームを通じ、お客さま本位の業務運営を推進してまいります。加えて、生成AI等の新技術を積極的に活用したDXの一層の推進等、新たな成長に向けた戦略的なIT投資を強化してまいります。※ KRIとは、Key Risk Indicator(キーリスクインディケーター)の略語。部内犯罪発生リスクを定量的に捉える指標のことであります。 ⑤ 生命保険業かんぽ生命保険は、生命保険会社としての社会的使命に応えるために、以下の取組を実施してまいります。 (a) 成長戦略かんぽ生命保険は、全国規模のお客さま基盤を強みに、ライフステージや世代を超えてお客さまとつながり続けることで、お客さまの維持・拡大を目指すとともに、安定的に利益を確保できる「強い会社」へ成長してまいります。お客さまの維持・拡大のために、営業社員の質と量を強化するとともに、多様なお客さまニーズに応えられる商品ラインアップの拡充とCX※1向上につながる質と量を伴ったアフターフォローの充実を進めてまいります。これらの取組を通じてお客さま体験価値を高め、お客さまの「信頼できる気軽な相談相手」として長期的な関係性を構築するとともに、そのご家族や知人、さらには地域・社会全体へかんぽ生命保険をお勧めいただき、お客さま数を増やしてまいります。まず、営業社員の質と量を強化するために、管理職社員等の営業マネジメント力の強化やコンサルタントの人材育成の強化を進めるとともに、新卒採用におけるインターンシップ等の広報活動の改善や、経験者採用における人材紹介会社を活用した通年採用により、営業社員の人材確保を図ってまいります。多様なお客さまニーズに応えられる商品ラインアップの拡充については、金利上昇等の外部環境を捉え、貯蓄性商品の魅力向上を目指すとともに、要介護状態や就業不能に備える保険等の保障性商品も充実させていくことで、貯蓄性と保障性を織り交ぜた商品ラインアップの拡充を進めてまいります。CX向上につながる質と量を伴ったアフターフォローの充実としては、お客さまの利便性向上のための請求手続きのデジタル化と、リアルとデジタルを織り交ぜたチーム一体のアフターフォローを充実させることに加えて、介護や相続といった人生のあらゆる場面でお客さまの生活に寄り添うサービスを提供することで、お客さまが直面しているお困りごとの解消に取り組んでまいります。また、安定的な利益確保のため、「資産運用の深化・進化」、「収益源の多様化/新たな成長機会の創出」、「事業運営の効率化」にも取り組んでまいります。「資産運用の深化・進化」においては、統合的リスク管理(ERM※2)の枠組みのもと、市場環境変化を捉えた投資、他社との協働等による新規の資産運用事業の拡大・発展、インパクト投資※3を中核としたサステナブル投資※4のさらなる推進、運用専門人材の育成に取り組んでまいります。「収益源の多様化/新たな成長機会の創出」においては、これまで収益源の多様化と新たな成長機会の創出を目的として実施してきた、三井物産株式会社との業務・資本提携、KKR & Co. Inc.及びGlobal Atlantic Financial Groupとの戦略的提携等を基に、引き続き、様々な成長領域の取り込みを図っていくため、他社との協業関係の構築・拡大を目指してまいります。「事業運営の効率化」においては、デジタル化を推進することにより、さらなるお客さまサービス向上と業務の効率化及び経費の削減に引き続き取り組んでまいります。※1 CXとは、Customer Experienceの略語で、商品やサービスの価格や性能といった機能的な価値だけではなく、保険加入前から加入後のアフターフォロー、保険金支払までのプロセスすべてを通じてもたらされる満足感などの感情的・心理的な価値も含めた、お客さまが体験されるすべての価値のことです。※2 ERMとは、Enterprise Risk Managementの略語で、会社が直面するリスクに関して、潜在的に重要なリスクを含めて総体的に捉え、会社全体の自己資本などと比較・対照することによって、事業全体として行うリスク管理のことです。※3 インパクト投資とは、財務的リターンと並行して、ポジティブで測定可能な社会的及び環境的インパクトを同時に生み出すことを意図する投資行動を指します。※4 サステナブル投資とは、サステナビリティ(持続可能性)の諸要素を考慮した投資行動のことです。 (b) サステナビリティ経営かんぽ生命保険は、社会課題の解決への貢献のため、2024年3月に、マテリアリティ(重要課題)の見直しを行い、5つのマテリアリティ(重要課題)として「郵便局ネットワーク等を通じた保険サービスの提供」、「人々の笑顔と健康を守るWell-being向上のためのソリューションの展開」、「多様性と人権が尊重される安心・安全で暮らしやすい地域と社会の発展への貢献」、「豊かな自然を育む地球環境の保全への貢献」、「サステナビリティ経営を支える経営基盤の構築」を設定しました。これらに取り組むことで、自らの社会的使命を果たし、サステナビリティを巡る社会課題の解決に貢献してまいります。 また、かんぽ生命保険は、「人的資本経営」の3つの基本理念である、「社員が主体的に行動する企業風土の定着」、「戦略的な人材確保」、「多様な人材の活躍と柔軟な働き方の推進」に基づき、人的資本への積極的な投資を通じて、「人の力」の成長を促し、全役員・社員が会社とともに成長し、自信と誇りをもって堂々と仕事ができる会社を目指してまいります。加えて、かんぽ生命保険は、コーポレートガバナンスの強化のため、組織としての透明性・公平性を確実に高め、さらには、社員一人ひとりのリスク感度を高めることにより、健全な事業運営を行ってまいります。 (参考)過去の新契約、保有契約の件数の推移は下記のようになります。 (単位:万件)契約の種類2020年3月期2021年3月期2022年3月期2023年3月期2024年3月期新契約(個人保険)6412173162簡易生命保険990894806726660かんぽ生命保険1,7161,5891,4741,3721,309
(注) 2007年10月1日の民営化時の簡易生命保険契約は5,517万件でした。 ⑥ 不動産事業2024年度から、報告セグメントの区分を見直し、「不動産事業」セグメントを独立させました。グループ各社にまたがる不動産事業について一体的に推進し業績管理を行うため、当社が統括する一体的なマネジメント体制を構築して取り組んでまいります。引き続き、JPタワー等のオフィス、商業施設をはじめ、住宅、保育所及び高齢者施設の賃貸事業等を行います。また、稼働中の物件については、収益及び資産価値の維持向上に向けて、共同事業者等との連携や外部委託を適切に活用しながら、良質かつ効率的な運営に取り組みます。また、グループ保有不動産の有効活用や新たな収益機会の拡大の観点から、建築費や収益物件価格が高騰している状況下、適切なタイミングで開発や取得の計画を策定・実行することにより、不動産事業が収益の柱の一つとなるよう取り組んでまいります。
サステナビリティに関する考え方及び取組 2 【サステナビリティに関する考え方及び取組】
当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、別段の記載がない限り、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 A 全般(1) ガバナンス 当社グループは、「日本郵政グループサステナビリティ基本方針」において、当社グループの事業活動を通じてサステナビリティを巡る社会課題の解決に貢献することにより、グループの持続可能な成長と中長期的な企業価値の向上に努めることを掲げております。 また、当社グループの「JP ビジョン2025+」において、「日本郵政グループの強みを活かして、各事業戦略を通じたグループとしての成長と、Well-beingの向上及び、GXを含む低環境負荷社会への貢献を通じた、社会とグループの持続可能性の向上を目指す」ことをサステナビリティ経営の目標として設定し、サステナビリティ経営を推進していくこととしております。 なお、「JP ビジョン2025+」は、経営会議及び取締役会において決議しております。 サステナビリティ経営の推進に関する方針の策定及び企画調整等は、サステナビリティ推進部において行っております。 経営会議の諮問機関として設置しているサステナビリティ委員会(委員長はサステナビリティ推進部を担当する執行役、年4回程度開催。代表執行役社長及び副社長も必要に応じて特別委員として参加)においては、サステナビリティに関するリスク及び機会、対応方針、指標及び目標、取組に関する進捗状況を審議し、その審議状況については、経営会議及び取締役会に報告しております。 以上に加えて、グループ一体となったサステナビリティ経営の推進のため、グループ各社のサステナビリティを担当する役員が参加する日本郵政グループサステナビリティ連絡会を当社サステナビリティ委員会に併せて開催しております。 (サステナビリティ推進体制)
(2) リスク管理 サステナビリティに関する各種リスクについては、サステナビリティ委員会が、同委員会及び日本郵政グループサステナビリティ連絡会における「サステナビリティに関する重要課題」の検討の中で、各課題が及ぼすリスクと機会の識別・評価及び管理方法を審議し、その結果を当社の経営会議及び取締役会に報告しております。 2023年度は、特に重視する課題及び関連課題が及ぼすリスクと機会の識別・評価について、当社サステナビリティ推進部が主体となり状況を踏まえた更新を行い、対応の進捗を報告し、関係部署やグループ各社が連携して適切な対応を行っております。 また、グループの重要リスクの観点でも、「サステナビリティ経営に係るリスク」は、取締役等へのアンケートにより、経営陣が特に重視する当社の事業等のリスク(2024年度トップリスク)の一つに選定しており、その評価及び管理に関しては、当社クライシスマネジメント統括部リスク管理室がこのリスクに対応する各担当部署と十分に連携することとしております。 気候変動に関する温室効果ガス排出量の削減状況など、リスクに対応する取組状況のモニタリング結果については、グループオペレーショナルリスク管理連絡会(グループリスク管理責任者(グループCRO)及び各社リスク管理担当役員で構成)で共有し、経営会議及び取締役会に報告しております。 (3) 戦略① 日本郵政グループの強みを活かした環境・社会課題への対応 「JP ビジョン2025+」で打ち出した「サステナビリティ経営の推進」を具体化するため、当社グループは、環境・社会課題への対応に向けて、地域のハブとしての郵便局の役割発揮とサプライチェーン全体での対応を、これらを推進するためのイノベーションの社会実装とも連携させて進めます。これらの取組により、モノ・ひと・エネルギー等の地産地消、温室効果ガス排出量削減、サーキュラーエコノミー※を推進し、Well-beingの向上と低環境負荷社会の実現を目指します。 特に、これらの取組の推進においては、全国の郵便局が重要な役割を果たすものと認識しているところであり、関連主体との関係についてのイメージを示すと、以下のとおりです。 ※ 資源(製品や部品等を含む)を循環利用し続けながら、新たな付加価値を生み出し続けようとする経済社会システム。 ② サステナビリティに関する重要課題 当社グループの企業価値への影響並びにステークホルダーにとっての重要性及び期待への考察を踏まえ、サステナビリティに関する重要課題として、特に重要な課題及びそれに関連する課題を六つの領域にまとめ、取組の方向性を定めております。<サステナビリティに関する重要課題の特定のプロセス> 以下のプロセスにより、サステナビリティ委員会、経営会議及び取締役会での議論を経て決定しました。ステップ1: 課題の抽出  SDGs、ISO26000、GRIスタンダード等を参考に課題を洗い出し、適宜グルーピングしたものを「サステナビリティ課題リスト」として抽出。ステップ2: 社内外の視点による評価  ステップ1で抽出した課題について、当社の執行役、従業員、お客さま、取引先に対してアンケートを行うとともに、機関投資家等の意見、SASB基準において業種別重要トピックとされている事項との関連性、全国の市町村が郵便局に期待している事項、地域における有識者の声、サステナビリティに関する有識者との対話の結果等を参考として、「企業価値への影響」と「ステークホルダーにとっての重要性・期待」の2軸で評価し、特に重要な課題を特定。ステップ3: 妥当性検証・統合整理  特に重要な課題と密接に関連する課題をグルーピングした上で、経営理念や中期経営計画との整合性の検証等を踏まえ、六つの領域に整理して、それぞれの取組の方向性を整理。  当社グループのサステナビリティに関する重要課題(六つの領域と取組の方向性)(a) [地域生活・地域経済]郵政ネットワークの活用により地域課題に応じたソリューションを提供(b) [高齢社会への対応] 高齢社会を支えるサービスの提供により人生100年時代の一生をサポート(c) [サービスアクセス] 様々な人々のニーズに対応した使いやすいサービスの提供により豊かな暮らしに貢献(d) [環境]       事業運営の環境負荷軽減と低環境負荷社会への貢献(e) [人材・人的資本]  「誇りとやりがい」をもって働ける職場(f) [経営基盤]     お客さまから信頼され、社会課題解決への貢献を支える経営基盤の確立 ③ 重要課題に対応した取組 サステナビリティに関する重要課題について、リスク及び機会に対処するための具体的な取組の確認と推進管理は、サステナビリティ委員会及び日本郵政グループサステナビリティ連絡会において行うこととしております。 上記②で示した六つの領域の重要課題について、以下のような取組を進めております。 なお、取組の推進に当たっては、上記①で示した考え方も踏まえ、複数の重要課題に横断的に対応し、総合的な解決を図っていくことが重要であると考えております。  (a) 地域生活・地域経済地域の多様な住民が、健康や経済面の不安なく、自分らしく生き、地域・社会に積極的に関わるとともに、地域における様々な活動が共鳴し、コミュニティとしての重層的な「地域のWell-being」の向上が図られ、「住みやすい地域」が形成されることを支援してまいります。その中で、郵便局等の当社グループの拠点や社員が多様な問題解決に貢献し、住み良い・活力ある地域に欠かせない存在になることを目指してまいります。各事業においては、以下のような取組を進めております。・過疎地等を含む物流インフラの維持、地域住民の生活を支えるインフラ機能の維持(共助型買物サービス等)・地域に根ざした生活・経済を支える地産地消物流の推進・地域の各種活動の持続化の推進と地域住民等の交流の活性化・地方公共団体との連携による、地域課題の解決・投資を通じて社会と地域の未来を創る法人ビジネス(Σビジネス)の推進・「Well-being向上」「地域と社会の発展」「環境保護への貢献」を重点取組テーマとした、サステナブル投資の推進(インパクト”K”プロジェクト※等)・かんぽ生命保険発祥のラジオ体操の普及推進を通じた地域への貢献・地域社会の発展・活性化に資する不動産事業の推進 なお、共助型買物サービス(郵便物等を配達している車両の余積や既存の配達網を活用し、日常的な買物が困難な方の買物を補完するサービス)は、「(d) 環境」にも貢献する取組です。サステナブル投資の推進に向けた取組は、本項目に限らず様々な社会課題への貢献を企図しております。※ 「インパクト”K”プロジェクト」とは、かんぽ生命保険において実施している、インパクト投資に関わる国内外の基準や考え方に加え、同社として重視する事項を包摂した社内認証制度です。なお、インパクト投資とは、財務的リターンと並行して、ポジティブで測定可能な社会的及び環境的インパクトを同時に生み出すことを意図する投資行動を指します。  (b) 高齢社会への対応人生100年時代において、高齢化の進展によっても本人や周囲が大きな「不安・不便」を感じることなく、生き生きと暮らせる、Quality of Life の高い社会を実現し、高齢期に向けたそれぞれのライフステージにおける健康、経済、キャリアなどの各側面におけるWell-beingの向上を目指してまいります。各事業においては、以下のような取組を進めております。・独居高齢者等に必要なモノの配送とモビリティ確保(ヒトの移動)の支援・豊かな老後を迎えるためのサービスの提供、健康・いきがい・社会参画等につながるサービスの提供・幅広い年齢層のお客さまを対象とした資産形成サポート・コンサルティング・リアルチャネルを活用したリモートサービスのご案内・ご高齢のお客さまにやさしいサービスの提供、高齢者専用コールセンターによる対応・バリアフリーな施設の整備、提供   (c) サービスアクセス全国の郵便局において、当社グループの各種サービスを障がい者等を含めた多様な人々が利用しやすいように提供することはもちろんのこと、あらゆる世代へ基礎的な保障・サービスの提供を進め、すべての人々のWell-beingの実現を目指してまいります。さらに、技術の進歩や社会の変化が進む中においても、誰もが取り残されず、豊かな暮らしを実感できる、包摂性の高い社会の実現を目指してまいります。各事業においては、以下のような取組を進めております。・全国の郵便局における当社グループの各種サービスの提供、並びにあらゆる世代への基礎的な保障・サービスの提供・企業・個人の多様なニーズに対応するサービスの提供・障がい者等多様な人々のサービスアクセスや窓口等コミュニケーションの支援・デジタルとリアル(郵便局の店舗ネットワーク)の接点を活用した使いやすいサービスの提供・多様な事業者との連携によるサービスの提供・多様なユーザーに配慮し、周辺公共施設等とも連携した施設の整備・提供   (d) 環境持続可能な未来の基礎となる地球環境の保全のため、温室効果ガス排出量の削減をはじめ、気候変動の緩和、資源循環型社会の実現、生物多様性の維持・改善などに自ら取り組むほか、これを共通の目的として社会のあらゆる主体が協働する社会の実現を目指して、当社グループの持つリソースを有効活用してまいります。各事業においては、以下のような取組を進めております。・自らの事業における温室効果ガス排出量の削減(EV車両等の導入拡大、水素燃料車両の導入、郵便局等における照明器具等のLED化及び再生可能エネルギー由来の電力への積極的な切替、ペーパーレス化の推進、FSC®※認証紙の使用拡大、環境配慮型郵便局の設置等)・サプライチェーンでの温室効果ガス排出量の削減(当社の配送サービス提供に当たっての温室効果ガス排出量の見える化とその削減の推進、顧客のサプライチェーンにおける排出量の削減に資するソリューションの提案、消費者等の環境に関する意識と行動の変容を促すサービスの提供を含む)・社会・地域における温室効果ガス排出量の削減やサーキュラーエコノミーの推進・社会全体の温室効果ガス排出量削減の取組を後押しすること等を目的としたテーマ型投融資の拡大・サステナブル投資(ESG投資)、投融資ポートフォリオの脱炭素化の推進・先進的な環境性能を有する良質な建物仕様の実現※ FSC®認証は、適切に管理された森林と、そこから生産された林産物、再生資源、そのほかの管理された供給源からの原材料で作られた製品を識別する、国際的な森林認証制度であります。当社のライセンス番号は「FSC®N003846」であります。  (e) 人材・人的資本後述の「B 人的資本」をご参照ください。  (f) 経営基盤コンプライアンス態勢について引き続き整備を図るとともに、内部通報制度の拡充、ミスコンダクト事象の把握、サイバーセキュリティ態勢の確保、情報漏えいリスクへの対応、データガバナンス態勢の整備、お客さまの声の分析と活用などにより、お客さまから信頼され、社会課題解決への貢献を支える経営基盤の確立を図ります。 ④ 気候変動に関する取組 当社グループは、「JP ビジョン2025+」において、カーボンニュートラルの実現に向けた温室効果ガス排出量の削減を主要目標の一つに掲げ、経営戦略の一環として気候変動への対応を推進しております。当社グループにおける気候変動対応は、当社代表執行役社長を最高責任者とし、取締役会が適切に監督しております。 また、当社グループは、気候変動関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)の提言に賛同表明をしており、これに基づいて、グループの主要事業(グループ連結収益に占める割合が比較的大きい事業)について、気候変動リスク及び機会を特定し、それらが事業ポートフォリオに及ぼす影響を把握するためのシナリオ分析を実施しております。 当社グループの主要事業である郵便・物流事業及び郵便局窓口事業に関してシナリオ分析に基づき明らかになったリスクと機会及びそれらの財務への影響評価と今後の対応方針の概要については、以下のとおりです。 <郵便・物流事業及び郵便局窓口事業におけるリスクと機会> シナリオ分析区分発生時期見込み(注1)財務への影響(注2)内容物理的リスク急性短期小~大・河川の氾濫、高潮等の発生により郵便局舎が被災した場合における復旧・操業コスト等の増加・郵便局舎の被災や道路等の寸断により事業を継続できない場合におけるユニバーサルサービス提供への支障及び売上の低下慢性短期小~中・夏場の真夏日や猛暑日の増加に伴い、屋外業務に従事する社員の生産性低下移行リスク政策規制中長期小~中・化石燃料の使用量に応じた炭素税の賦課やエネルギーミックスの変化に伴う操業コストの増加評判短期~中期小~大・気候変動対応に消極的とみなされた場合における株主・投資家からのダイベストメントなど・環境への配慮が不十分と判断された場合における顧客離れ・売上の低下機会 ・環境に配慮した配送サービス・商品の開発・提供など顧客ニーズに応えることによる売上の増加・施設設備の改修やEVの導入・拡大等により、炭素税が導入された場合におけるコスト増加の抑制
(注) 1.発生時期見込み:短期(~1年程度)・中期(~3年程度)・長期(3年~)で区分しております。2.財務への影響:現時点では、大(100億円以上)・中(10億円以上100億円未満)・小(10億円未満)を目安としております。  今後の対応方針区分区分対応方針物理的リスク大雨・洪水リスクの可視化とレジリエンス強化・短期的取組・施設単位のリスクの可視化・被災リスクの高い施設のBCP対策、災害発生時の復旧時間短縮や代替機能の構築、社員の安全確保策等・中長期的取組・物流ネットワークの再構築、物流施設の集約、移転等・被災リスクを回避・低減するための拠点の移転・新設時におけるハザードマップの活用 等屋外作業の生産性維持・短期的取組・既存の事業形態を前提とした緩和策導入計画の策定・中長期的取組・サービス内容や業務の提供方法の見直しによる緩和策の検討移行リスク施設・車両の脱炭素化強化・省エネルギー技術や再生可能エネルギーの導入による温室効果ガス排出量の削減・郵便局舎等のZEB化計画の具体化(実現可能性の検討)・郵便・荷物の配達に使用する車両のEV化・郵便・荷物の配達に使用する車両のEV化・EV四輪車両の導入台数…2028年度末までの導入目標:15,000台(累計)・EV二輪車両の導入台数…2025年度末までの導入目標:30,300台(累計)・更なるEV拡大計画の策定(Scope3を含む)・基幹輸送のカーボンニュートラル化・より低炭素な輸送モードの組み合わせによるカーボンニュートラル化の推進・技術・コスト等を踏まえながら、より低炭素な車両・燃料への切り替え・FCVの社会実装に向けた検証への参画機会脱炭素化社会を見据えた収益機会創出・環境品質に関する顧客ニーズについて、営業活動を通じて収集し、社内で共有する仕組みの構築・顧客ニーズを捉えた環境品質の高い商品サービスの開発・拡充・気候変動リスク等の問題点と当社の取組について、営業社員が理解し、荷主に説明できる仕組みの構築マネジメント脱炭素化経営マネジメント・商品サービス別の温室効果ガス排出量のモニタリング・ICP(インターナルカーボンプライシング)の導入検討  銀行業及び生命保険業における気候変動に関する取組については、ゆうちょ銀行及びかんぽ生命保険の第18期通期有価証券報告書をご参照ください。 (4) 指標及び目標① 「JP ビジョン2025+」で掲げる目標及びその進捗状況 「JP ビジョン2025+」においては、リスク及び機会に関する評価、管理及び監視のために特に重要であり、グループ全体として取り組む必要性が高いと考える以下の4項目について、グループ目標値を設定しております。この4項目の進捗状況については、サステナビリティ委員会及び日本郵政グループサステナビリティ連絡会において推進管理を行い、経営会議及び取締役会に報告しております。 (a) 温室効果ガス排出量:2030年度までに、2019年度比46%削減※12050年 カーボンニュートラルの実現を目指す※2 (b) 女性管理者比率  :2030年度 本社における女性管理者比率 30%※3、4 (c) 社員エンゲージメント(誇りとやりがい)スコア※5:対前年評価点数以上 (d) 育児との両立支援 :男女ともに育休取得 100% 、男性育休平均日数 1か月以上 ※1 Scope1(自社が直接排出する排出量)及びScope2(他社から供給された電気等の使用に伴う排出量)が対象であります。また、当社グループ温室効果ガス排出量削減目標の対象は、グループ総排出量の大宗を占める当社、日本郵便、ゆうちょ銀行、 かんぽ生命保険、日本郵便輸送株式会社、トール社、JPロジスティクスグループ株式会社(JPロジスティクス株式会社を含む)及び日本郵政不動産株式会社であります。Scope3については、中期経営計画での目標設定は行わないが、削減に向けて主要事業に関する以下の取組を推進いたします。・郵便・物流事業サプライチェーンでの温室効果ガス排出量削減に向け、日本郵便連結によるSBT認定取得に向けた検討を進めます。・銀行業グリーンボンド/グリーンローン等への投融資や、投融資先とのエンゲージメントを通じて、投融資先の脱炭素化に寄与いたします。・生命保険業投資先企業等から排出される温室効果ガスの計測・分析を行い、分析結果を考慮した上で、投資先企業等に対するエンゲージメントを実施し対応を促すことで、投資ポートフォリオにおける温室効果ガス排出量の削減を目指します。※2 目標達成のためには国内における再生可能エネルギーの普及などカーボンニュートラル化が相当程度進むことが必要になります。当社グループも、国内外のカーボンニュートラル化を後押しします。※3 グループ主要4社の本社における女性管理者比率。2030年度までの取組の結果である2031年4月1日における比率であります。 ※4 本社以外においても、女性管理者増加に向けて、管理者・役職者を目指す社員を増やすための環境整備・人材育成に取り組みます。※5 社員エンゲージメントスコアとは、社員の「誇りとやりがい」に関するスコアであり、当社グループにおいては、グループES調査結果を活用しております。  上記の目標に対してのこれまでの進捗は、以下のとおりであります。(a) 温室効果ガス排出量実績  (単位:万t-CO2、%) 2019年度(基準年)2020年度(実績)2021年度(実績)2022年度(実績)総排出量125117115109累計削減量(対2019年度)―△8△10△15累計削減率(対2019年度)―△6.5△8.2△12.7
(注) 1.当社グループ温室効果ガス排出量削減目標の対象は、グループ総排出量の大宗を占める当社、日本郵便、ゆうちょ銀行、かんぽ生命保険、日本郵便輸送株式会社、トール社、JPロジスティクスグループ株式会社(JPロジスティクス株式会社を含む)及び日本郵政不動産株式会社であります。2.事業を売却した宿泊事業及びトール社エクスプレス事業の温室効果ガス排出量は除外しております。3.2023年度実績は、当社ウェブサイトにて公表する予定であります。  https://www.japanpost.jp/sustainability/library/data/#emissions (b) 女性管理者比率(グループ主要4社の本社)の実績後述の「B 人的資本 (3) 指標及び目標 ② 「異なる互いを認め合う」」を参照ください。 (c) 社員エンゲージメント(誇りとやりがい)スコア後述の「B 人的資本 (3) 指標及び目標 ① 「誇りとやりがい」」を参照ください。 (d) 育児との両立支援後述の「B 人的資本 (3) 指標及び目標 ② 「異なる互いを認め合う」」を参照ください。 ② 重要課題に関する具体的な指標と目標(①に掲げるものを除く) 上記「(3) 戦略 ② サステナビリティに関する重要課題」及び「(3) 戦略 ③ 重要課題に対応した取組」で掲げた重要課題領域における主な取組に関しては、以下のように適切な指標を設定するとともに、必要に応じて具体的な目標を設定しており、サステナビリティ委員会及びグループサステナビリティ連絡会において進捗の把握を行うこととしております。なお、各種施策のうち、試行段階の施策で今後の展開方針が未定のもの、委託元や協業相手の要請・意向・状況に応じた対応が必要である等の理由で目標設定が困難なもの、望ましくない事象の抑制を目指す取組であって目標を設定することによって問題の顕在化を妨げるおそれのあるもの等については、定量的な目標設定は行わず、各施策を実施する会社及び部署において適宜の評価を行っております。また、投融資先の温室効果ガス排出量の削減目標など当社の努力のみでは達成を確約することができない目標も含まれている点にご留意ください。 重要課題指標及び目標2023年度末実績(特に年度の記載のない場合数字は累計値)(a)地域生活・地域経済 各施策の取組数や投融資残高等を指標として進捗管理を行います。特に具体的な目標を設定して取組を推進している例として、以下があります。 ・共助型買物サービス…2024年度末までの実施目標:6地域(この目標は「(b) 高齢社会への対応」にも関連) ・GP業務関連残高(投資確約額ベース)…2025年度末時点で4,000億円程度・ラジオ体操実施率…25%(注1)・サステナブル投資の推進…インパクト“K”プロジェクト認証ファンド(注2)…2025年度末までに累計15件、500億円(この目標は本項目に限らず様々な社会課題に関連) ・共助型買物サービス…1地域 (奈良市東部地域)・GP業務関連残高…489億円・ラジオ体操実施率…24%・インパクト”K”プロジェクト認証ファンド…累計6件、225.5億円(b)高齢社会への対応 「(a)地域生活・地域経済」に記載する関連指標のほか、各サービスの利用者数等を指標として進捗管理を行います。 特に具体的な目標を設定して取組を推進している例としては、以下があります。・NISA口座数…2025年度末時点で94万口座 ・NISA口座数…73万口座(c)サービスアクセス  各サービスの利用可能状況等を指標として進捗管理を行います。 特に具体的な目標を設定して取組を推進している例として、以下があります。・郵便局アプリ登録数…2025年度末までに、500万ダウンロード・ゆうちょ銀行通帳アプリ登録口座数…2025年度末時点で1,600万口座 ・郵便局アプリ登録数…約170万ダウンロード・ゆうちょ銀行通帳アプリ 登録口座数 …1,040万口座
(注) 1.ラジオ体操実施率は、かんぽ生命保険が定期的に実施している オンライン調査(対象は20歳~69歳の男女2,400名)において、ラジオ体操を知っていると回答した方のうち、1年に1回以上ラジオ体操を実施すると回答した方の割合です。2.インパクト“K”プロジェクト認証ファンドの目標及び実績は、2022年度の認証開始からの累計案件数及びかんぽ生命保険による投資額(ファンドの形態により投資額もしくはコミットメント額を計上)です(この実績は本項目に限らず様々な社会課題に関連した実績です)。 重要課題指標及び目標2023年度末実績(特に年度の記載のない場合数字は累計値)(d)環境 温室効果ガス排出量については、(4)①(a)のとおり削減目標を設定してその達成状況を把握するほか、(3)④で掲げた対応方針の進捗に関する指標を設定して進捗管理を行います。また、各種環境負荷に係る資源の使用量等の中で重要なものについて指標を設定しております。 さらに、低環境負荷社会の実現に向けた貢献については、「(a)地域生活・地域経済」に記載する関連目標のほか、取組状況や投資額等を指標として進捗管理を行います。 特に具体的な目標を設定して取組を推進している例として、以下があります。・EV四輪車両の導入台数…2028年度末までの導入目標:15,000台・EV二輪車両の導入台数…2025年度末までの導入目標:30,300台・高効率空調への更改…2025年3月末までの実施目標:新たに70局・郵便局でのLED電球使用…2025年3月末までの実施目標:新たに364局・環境配慮型郵便局の設置に係る目標…2024年度「+エコ郵便局」新たに3局開局予定 ・「+エコ郵便局」の建設及び太陽光発電設備の設置等により、24年度の温室効果ガス排出量の削減を、23年度環境配慮型郵便局の設置による削減量に加え、更に0.01万t-CO2/年削減。 ・郵便はがきのFSC®認証紙の使用 ・ESGテーマ型投融資残高(ゆうちょ銀行)…2025年度末時点で7兆円 ・EV四輪車両の導入台数…約5,000台・EV二輪車両の導入台数…約16,300台・高効率空調への更改…196局・郵便局でのLED電球使用…16,452局・環境配慮型郵便局の設置数…「+エコ郵便局」14局開局・「+エコ郵便局」の建設及び太陽光発電設備の設置等による、温室効果ガス削減量…0.013万t-CO2/年 (2023年度実績)・郵便はがきのFSC®認証紙の使用…現在調達しているすべての郵便はがきでFSC®認証紙を使用・ESGテーマ型投融資残高 …4.6兆円(e)人材・人的資本後述の「B 人的資本」をご参照ください。(f)経営基盤「(3) 戦略 ③ 重要課題に対応した取組 (f) 経営基盤」で掲げた各取組のうち、新たに導入した制度に係るものについては、その利用状況等を指標として進捗管理を行います。― B 人的資本(1) グループ人事方針の位置づけと策定プロセス当社グループは経営戦略と人事戦略を実現するための基本的な方向性を位置づけるものとして「グループ人事方針」を策定しています。本方針を通じて、お客さま、地域及び社会への貢献の拡大と、企業価値の向上につなげてまいります。策定に当たっては、フロントライン社員の存在を特に意識し、当社グループの注力すべき項目として、目指す姿としての「誇りとやりがい」、その達成のための3つの軸、「異なる互いを認め合う」、「能力を高める」、「強みを発揮する」という4要素を抽出し、それぞれの要素に関する具体的な指標及び目標の整理を行いました。 <策定に当たって、特に意識した事項>・フロントライン社員の「誇りとやりがい」の向上を最重要課題とし、その実現に必要な施策を体系化すること・挑戦をより高く評価する人事評価制度見直しなど、社員の意識・変化をもたらす人事制度見直しを意識すること・フロントライン社員に伝わりやすい内容であること なお、ガバナンスとリスク管理は上記「A 全般」をご参照ください。
(2) 戦略 グループ人事方針日本郵政グループは、社員全員が「誇りとやりがい」をもって働ける会社を目指します。そのために、「異なる互いを認め合う」、「能力を高める」、「強みを発揮する」を軸に、社員の成長と挑戦を支援する人材育成と環境整備に取り組みます。こうした人的資本経営の実践を通して、持続的な企業価値の向上を図り、お客さまの幸せと地域の発展に貢献します。 社員の仕事への前向きな姿勢・行動が、お客さま、地域・社会への貢献を拡大し、広い意味での企業価値を向上させます。そこで、当社グループは、日々、お客さまのために「縁の下の力持ち」※ として尽力している社員全員が、誇りとやりがいを感じ、仕事に前向きに取り組める職場を提供します。※ 郵便事業の創業者、前島密の信条:縁の下の力持ちになることを厭うな。人のためによかれと願う心を常に持てよ。 社員が誇りとやりがいを感じつつ仕事に取り組めるよう、社員が互いの違いを認め合う職場という基盤(=「異なる互いを認め合う」)及び能力や意欲を高める自発的取組を支援する環境(=「能力を高める」・「強みを発揮する」)を会社は提供します。・「異なる互いを認め合う」については、心身の健康増進と、ハラスメントがなく、性別・年齢などに関係なく多様な生き方や個々の社員の事情を尊重しあう、相互承認、安心感の得られる職場を提供します。・「能力を高める」については、事業環境変化に伴うサービスの内容・提供方法の変化に対応できるよう、また、働き方を自律的に選択できるよう、能力・知識・技術獲得の機会を提供します。・「強みを発揮する」については、挑戦の機会を提供し、また挑戦を評価する仕組みを強化し、自身の強みや創造性を発揮してお客さまのため新たな取組に挑戦する組織や風土を構築します。・こうした取組で「異なる互いを認め合うこと、能力を高めること、強みを発揮すること」ができる人材の育成を進めます。社員の能力発揮・意欲向上が事業の発展をもたらすとの認識の上で、人事施策を企画・実施し、社員と共に事業の発展を推進してまいります。 (3) 指標及び目標グループ人事方針は、社員の「誇りとやりがい」の向上を追求することとし、そのための3つの軸、「異なる互いを認め合う」、「能力を高め合う」、「強みを発揮する」を設定しております。以下で、各要素の目指す姿、関連人事施策並びに指標及び目標を示します。人事施策並びに指標及び目標については、毎年評価・反省を実施し、必要な見直しを行います。 ① 「誇りとやりがい」<目指す姿と人事施策>社員の誇りとやりがい(エンゲージメント)を高めることで、社員の幸せと生産性向上を実現します。誇りとやりがいを高めるには、「異なる互いを認め合う」環境を基盤として整備すること、個々の社員の「能力を高める」こと、そして、個々の社員が「強みを発揮する」ことが必要と考え、下記のとおり、各要素についての具体的な施策、指標及び目標を設定し、その実現に努めます。並行して、社員が誇りとやりがいをどの程度感じているかを定期的に把握し、結果の分析や社員との共有を図り、課題の抽出・対策につなげます。 <指標・目標>対象組織施策、指標及び目標実績当社及び事業子会社・社員エンゲージメント(誇りとやりがい)スコア※ 対前年度評価点以上・社員と調査結果の共有及び継続的な改善策の実行3.31pt (2023年度) ※ 2023年度からグループES調査結果を活用 ② 「異なる互いを認め合う」<目指す姿と人事施策>社員が健康のうえ、個々の違いや能力、多様な働き方を認め合い、尊重することで、安心感やイノベーションの創出を促し、社員の誇りとやりがいを高めます。そのために、次のような施策を実施します。 ・「真の多様性」の実現への意識啓発・行動改革・女性活躍・高齢者の就業・障がい者雇用・性の多様性への対応の推進・健康経営の推進、柔軟で多様な勤務・休暇制度の整備・定着及びライフイベントと仕事との両立支援の推進・パワーハラスメント・セクシャルハラスメント等の根絶など、適切な労務管理 <指標・目標>対象組織指標及び目標実績当社及び事業子会社・健康経営KPI 達成 (2024年度)要医療1・2の社員割合 1%以内特定保健指導脱出率 23%以上・男女ともに育休取得 100%・男性育休平均日数 1か月 以上・ハラスメント認定件数  対前年度以下・障がい者雇用率  3.0% (2025年度)・要医療1・2の社員割合 1.17% 特定保健指導脱出率 24.3% (2023年度)・女性100% 男性98.3%(2023年度)・平均35.0日(2023年度)・124件(2023年度)・2.56%(2023年6月)当社及び事業子会社の本社・本社女性管理者比率 30% (2030年度)・16.2%(2023年度) 要医療1・2…医療上の措置を緊急又は早急に必要とする者 ③ 「能力を高める」<目指す姿と人事施策>挑戦や成長意欲を重視し、自律的なキャリア形成やDX推進等に必要なスキル習得などで、努力が報われる実感を伴いながら、社員の誇りとやりがいを高めます。そのために、次のような施策を実施します。 ・挑戦と能力向上を促す自律的なキャリア形成支援・「職務が評価された」、「努力が報われた」と実感できる人事諸制度の実現・DX推進等による業務効率化や新たな業務へのスキル習得支援・コンサルティングやマネジメント、経営課題解決に必要な能力等、専門性強化 <指標・目標>対象組織指標及び目標実績当社及び事業子会社・キャリア形成の支援策実施 (シニア層向け等のリスキリング施策実施)・グループ内社内公募人数 対前年度以上 ・キャリア研修の実施 ・-当社及び事業子会社の本社・本社、支社等対象者数 DX研修受講率100%(2025年度)・受講率94%(受講者数10,200名(2023年度末時点)) グループ内社内公募…2022年度から本社組織間では実施中。2024年度からフロント組織も含めて全社的に実施するもの。 ④ 「強みを発揮する」<目指す姿と人事施策>適所適材の実感を持って働くことや風通しのよい組織への変革により、自身の強みや創造性の発揮を促し、社員の誇りとやりがいを高めます。そのため、次のような施策を実施します。 ・お客さま本位の姿勢で、強みや創造性を発揮できる人材の採用・育成・配置及び職場環境の整備・新たなチャレンジや組織風土の変革に取り組む社員を高く評価する仕組みの導入・柔軟な要員配置・働き方によるグループ内の人材流動化・グループ内外の人事交流の促進及び外部専門人材等※の積極的な採用や副業の受入れ※ 専門人材のほか、多様な人材確保の視点から、特定技能(今後、国において創設予定の「育成就労制度」を通して外国人の人材確保・育成を図り、「特定技能1号」に転換していくことで、長期間事業を支える人材の確保を行うもの。)の導入検討を含む採用手法・採用対象の多様化により必要な人材を確保していきます。 <指標・目標>対象組織指標及び目標実績当社及び事業子会社・適所適材スコア※ 対前年度評価点数以上・年休取得平均日数 18日以上・グループ内外の人事交流人数 2021年度水準の維持(グループ4社間の交流人数 約1,500人)・2.70pt (2023年度)・平均19.5日 (2023年度)・2023年度達成当社及び事業子会社の本社・戦略的副業の取組人数 対前年度以上・経験者採用の推進・45人 (2023年度)・52人 (2023年度) ※ 2023年度からグループES調査結果を活用
戦略 (3) 戦略① 日本郵政グループの強みを活かした環境・社会課題への対応 「JP ビジョン2025+」で打ち出した「サステナビリティ経営の推進」を具体化するため、当社グループは、環境・社会課題への対応に向けて、地域のハブとしての郵便局の役割発揮とサプライチェーン全体での対応を、これらを推進するためのイノベーションの社会実装とも連携させて進めます。これらの取組により、モノ・ひと・エネルギー等の地産地消、温室効果ガス排出量削減、サーキュラーエコノミー※を推進し、Well-beingの向上と低環境負荷社会の実現を目指します。 特に、これらの取組の推進においては、全国の郵便局が重要な役割を果たすものと認識しているところであり、関連主体との関係についてのイメージを示すと、以下のとおりです。 ※ 資源(製品や部品等を含む)を循環利用し続けながら、新たな付加価値を生み出し続けようとする経済社会システム。 ② サステナビリティに関する重要課題 当社グループの企業価値への影響並びにステークホルダーにとっての重要性及び期待への考察を踏まえ、サステナビリティに関する重要課題として、特に重要な課題及びそれに関連する課題を六つの領域にまとめ、取組の方向性を定めております。<サステナビリティに関する重要課題の特定のプロセス> 以下のプロセスにより、サステナビリティ委員会、経営会議及び取締役会での議論を経て決定しました。ステップ1: 課題の抽出  SDGs、ISO26000、GRIスタンダード等を参考に課題を洗い出し、適宜グルーピングしたものを「サステナビリティ課題リスト」として抽出。ステップ2: 社内外の視点による評価  ステップ1で抽出した課題について、当社の執行役、従業員、お客さま、取引先に対してアンケートを行うとともに、機関投資家等の意見、SASB基準において業種別重要トピックとされている事項との関連性、全国の市町村が郵便局に期待している事項、地域における有識者の声、サステナビリティに関する有識者との対話の結果等を参考として、「企業価値への影響」と「ステークホルダーにとっての重要性・期待」の2軸で評価し、特に重要な課題を特定。ステップ3: 妥当性検証・統合整理  特に重要な課題と密接に関連する課題をグルーピングした上で、経営理念や中期経営計画との整合性の検証等を踏まえ、六つの領域に整理して、それぞれの取組の方向性を整理。  当社グループのサステナビリティに関する重要課題(六つの領域と取組の方向性)(a) [地域生活・地域経済]郵政ネットワークの活用により地域課題に応じたソリューションを提供(b) [高齢社会への対応] 高齢社会を支えるサービスの提供により人生100年時代の一生をサポート(c) [サービスアクセス] 様々な人々のニーズに対応した使いやすいサービスの提供により豊かな暮らしに貢献(d) [環境]       事業運営の環境負荷軽減と低環境負荷社会への貢献(e) [人材・人的資本]  「誇りとやりがい」をもって働ける職場(f) [経営基盤]     お客さまから信頼され、社会課題解決への貢献を支える経営基盤の確立 ③ 重要課題に対応した取組 サステナビリティに関する重要課題について、リスク及び機会に対処するための具体的な取組の確認と推進管理は、サステナビリティ委員会及び日本郵政グループサステナビリティ連絡会において行うこととしております。 上記②で示した六つの領域の重要課題について、以下のような取組を進めております。 なお、取組の推進に当たっては、上記①で示した考え方も踏まえ、複数の重要課題に横断的に対応し、総合的な解決を図っていくことが重要であると考えております。  (a) 地域生活・地域経済地域の多様な住民が、健康や経済面の不安なく、自分らしく生き、地域・社会に積極的に関わるとともに、地域における様々な活動が共鳴し、コミュニティとしての重層的な「地域のWell-being」の向上が図られ、「住みやすい地域」が形成されることを支援してまいります。その中で、郵便局等の当社グループの拠点や社員が多様な問題解決に貢献し、住み良い・活力ある地域に欠かせない存在になることを目指してまいります。各事業においては、以下のような取組を進めております。・過疎地等を含む物流インフラの維持、地域住民の生活を支えるインフラ機能の維持(共助型買物サービス等)・地域に根ざした生活・経済を支える地産地消物流の推進・地域の各種活動の持続化の推進と地域住民等の交流の活性化・地方公共団体との連携による、地域課題の解決・投資を通じて社会と地域の未来を創る法人ビジネス(Σビジネス)の推進・「Well-being向上」「地域と社会の発展」「環境保護への貢献」を重点取組テーマとした、サステナブル投資の推進(インパクト”K”プロジェクト※等)・かんぽ生命保険発祥のラジオ体操の普及推進を通じた地域への貢献・地域社会の発展・活性化に資する不動産事業の推進 なお、共助型買物サービス(郵便物等を配達している車両の余積や既存の配達網を活用し、日常的な買物が困難な方の買物を補完するサービス)は、「(d) 環境」にも貢献する取組です。サステナブル投資の推進に向けた取組は、本項目に限らず様々な社会課題への貢献を企図しております。※ 「インパクト”K”プロジェクト」とは、かんぽ生命保険において実施している、インパクト投資に関わる国内外の基準や考え方に加え、同社として重視する事項を包摂した社内認証制度です。なお、インパクト投資とは、財務的リターンと並行して、ポジティブで測定可能な社会的及び環境的インパクトを同時に生み出すことを意図する投資行動を指します。  (b) 高齢社会への対応人生100年時代において、高齢化の進展によっても本人や周囲が大きな「不安・不便」を感じることなく、生き生きと暮らせる、Quality of Life の高い社会を実現し、高齢期に向けたそれぞれのライフステージにおける健康、経済、キャリアなどの各側面におけるWell-beingの向上を目指してまいります。各事業においては、以下のような取組を進めております。・独居高齢者等に必要なモノの配送とモビリティ確保(ヒトの移動)の支援・豊かな老後を迎えるためのサービスの提供、健康・いきがい・社会参画等につながるサービスの提供・幅広い年齢層のお客さまを対象とした資産形成サポート・コンサルティング・リアルチャネルを活用したリモートサービスのご案内・ご高齢のお客さまにやさしいサービスの提供、高齢者専用コールセンターによる対応・バリアフリーな施設の整備、提供   (c) サービスアクセス全国の郵便局において、当社グループの各種サービスを障がい者等を含めた多様な人々が利用しやすいように提供することはもちろんのこと、あらゆる世代へ基礎的な保障・サービスの提供を進め、すべての人々のWell-beingの実現を目指してまいります。さらに、技術の進歩や社会の変化が進む中においても、誰もが取り残されず、豊かな暮らしを実感できる、包摂性の高い社会の実現を目指してまいります。各事業においては、以下のような取組を進めております。・全国の郵便局における当社グループの各種サービスの提供、並びにあらゆる世代への基礎的な保障・サービスの提供・企業・個人の多様なニーズに対応するサービスの提供・障がい者等多様な人々のサービスアクセスや窓口等コミュニケーションの支援・デジタルとリアル(郵便局の店舗ネットワーク)の接点を活用した使いやすいサービスの提供・多様な事業者との連携によるサービスの提供・多様なユーザーに配慮し、周辺公共施設等とも連携した施設の整備・提供   (d) 環境持続可能な未来の基礎となる地球環境の保全のため、温室効果ガス排出量の削減をはじめ、気候変動の緩和、資源循環型社会の実現、生物多様性の維持・改善などに自ら取り組むほか、これを共通の目的として社会のあらゆる主体が協働する社会の実現を目指して、当社グループの持つリソースを有効活用してまいります。各事業においては、以下のような取組を進めております。・自らの事業における温室効果ガス排出量の削減(EV車両等の導入拡大、水素燃料車両の導入、郵便局等における照明器具等のLED化及び再生可能エネルギー由来の電力への積極的な切替、ペーパーレス化の推進、FSC®※認証紙の使用拡大、環境配慮型郵便局の設置等)・サプライチェーンでの温室効果ガス排出量の削減(当社の配送サービス提供に当たっての温室効果ガス排出量の見える化とその削減の推進、顧客のサプライチェーンにおける排出量の削減に資するソリューションの提案、消費者等の環境に関する意識と行動の変容を促すサービスの提供を含む)・社会・地域における温室効果ガス排出量の削減やサーキュラーエコノミーの推進・社会全体の温室効果ガス排出量削減の取組を後押しすること等を目的としたテーマ型投融資の拡大・サステナブル投資(ESG投資)、投融資ポートフォリオの脱炭素化の推進・先進的な環境性能を有する良質な建物仕様の実現※ FSC®認証は、適切に管理された森林と、そこから生産された林産物、再生資源、そのほかの管理された供給源からの原材料で作られた製品を識別する、国際的な森林認証制度であります。当社のライセンス番号は「FSC®N003846」であります。  (e) 人材・人的資本後述の「B 人的資本」をご参照ください。  (f) 経営基盤コンプライアンス態勢について引き続き整備を図るとともに、内部通報制度の拡充、ミスコンダクト事象の把握、サイバーセキュリティ態勢の確保、情報漏えいリスクへの対応、データガバナンス態勢の整備、お客さまの声の分析と活用などにより、お客さまから信頼され、社会課題解決への貢献を支える経営基盤の確立を図ります。 ④ 気候変動に関する取組 当社グループは、「JP ビジョン2025+」において、カーボンニュートラルの実現に向けた温室効果ガス排出量の削減を主要目標の一つに掲げ、経営戦略の一環として気候変動への対応を推進しております。当社グループにおける気候変動対応は、当社代表執行役社長を最高責任者とし、取締役会が適切に監督しております。 また、当社グループは、気候変動関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)の提言に賛同表明をしており、これに基づいて、グループの主要事業(グループ連結収益に占める割合が比較的大きい事業)について、気候変動リスク及び機会を特定し、それらが事業ポートフォリオに及ぼす影響を把握するためのシナリオ分析を実施しております。 当社グループの主要事業である郵便・物流事業及び郵便局窓口事業に関してシナリオ分析に基づき明らかになったリスクと機会及びそれらの財務への影響評価と今後の対応方針の概要については、以下のとおりです。 <郵便・物流事業及び郵便局窓口事業におけるリスクと機会> シナリオ分析区分発生時期見込み(注1)財務への影響(注2)内容物理的リスク急性短期小~大・河川の氾濫、高潮等の発生により郵便局舎が被災した場合における復旧・操業コスト等の増加・郵便局舎の被災や道路等の寸断により事業を継続できない場合におけるユニバーサルサービス提供への支障及び売上の低下慢性短期小~中・夏場の真夏日や猛暑日の増加に伴い、屋外業務に従事する社員の生産性低下移行リスク政策規制中長期小~中・化石燃料の使用量に応じた炭素税の賦課やエネルギーミックスの変化に伴う操業コストの増加評判短期~中期小~大・気候変動対応に消極的とみなされた場合における株主・投資家からのダイベストメントなど・環境への配慮が不十分と判断された場合における顧客離れ・売上の低下機会 ・環境に配慮した配送サービス・商品の開発・提供など顧客ニーズに応えることによる売上の増加・施設設備の改修やEVの導入・拡大等により、炭素税が導入された場合におけるコスト増加の抑制
(注) 1.発生時期見込み:短期(~1年程度)・中期(~3年程度)・長期(3年~)で区分しております。2.財務への影響:現時点では、大(100億円以上)・中(10億円以上100億円未満)・小(10億円未満)を目安としております。  今後の対応方針区分区分対応方針物理的リスク大雨・洪水リスクの可視化とレジリエンス強化・短期的取組・施設単位のリスクの可視化・被災リスクの高い施設のBCP対策、災害発生時の復旧時間短縮や代替機能の構築、社員の安全確保策等・中長期的取組・物流ネットワークの再構築、物流施設の集約、移転等・被災リスクを回避・低減するための拠点の移転・新設時におけるハザードマップの活用 等屋外作業の生産性維持・短期的取組・既存の事業形態を前提とした緩和策導入計画の策定・中長期的取組・サービス内容や業務の提供方法の見直しによる緩和策の検討移行リスク施設・車両の脱炭素化強化・省エネルギー技術や再生可能エネルギーの導入による温室効果ガス排出量の削減・郵便局舎等のZEB化計画の具体化(実現可能性の検討)・郵便・荷物の配達に使用する車両のEV化・郵便・荷物の配達に使用する車両のEV化・EV四輪車両の導入台数…2028年度末までの導入目標:15,000台(累計)・EV二輪車両の導入台数…2025年度末までの導入目標:30,300台(累計)・更なるEV拡大計画の策定(Scope3を含む)・基幹輸送のカーボンニュートラル化・より低炭素な輸送モードの組み合わせによるカーボンニュートラル化の推進・技術・コスト等を踏まえながら、より低炭素な車両・燃料への切り替え・FCVの社会実装に向けた検証への参画機会脱炭素化社会を見据えた収益機会創出・環境品質に関する顧客ニーズについて、営業活動を通じて収集し、社内で共有する仕組みの構築・顧客ニーズを捉えた環境品質の高い商品サービスの開発・拡充・気候変動リスク等の問題点と当社の取組について、営業社員が理解し、荷主に説明できる仕組みの構築マネジメント脱炭素化経営マネジメント・商品サービス別の温室効果ガス排出量のモニタリング・ICP(インターナルカーボンプライシング)の導入検討  銀行業及び生命保険業における気候変動に関する取組については、ゆうちょ銀行及びかんぽ生命保険の第18期通期有価証券報告書をご参照ください。
指標及び目標 (4) 指標及び目標① 「JP ビジョン2025+」で掲げる目標及びその進捗状況 「JP ビジョン2025+」においては、リスク及び機会に関する評価、管理及び監視のために特に重要であり、グループ全体として取り組む必要性が高いと考える以下の4項目について、グループ目標値を設定しております。この4項目の進捗状況については、サステナビリティ委員会及び日本郵政グループサステナビリティ連絡会において推進管理を行い、経営会議及び取締役会に報告しております。 (a) 温室効果ガス排出量:2030年度までに、2019年度比46%削減※12050年 カーボンニュートラルの実現を目指す※2 (b) 女性管理者比率  :2030年度 本社における女性管理者比率 30%※3、4 (c) 社員エンゲージメント(誇りとやりがい)スコア※5:対前年評価点数以上 (d) 育児との両立支援 :男女ともに育休取得 100% 、男性育休平均日数 1か月以上 ※1 Scope1(自社が直接排出する排出量)及びScope2(他社から供給された電気等の使用に伴う排出量)が対象であります。また、当社グループ温室効果ガス排出量削減目標の対象は、グループ総排出量の大宗を占める当社、日本郵便、ゆうちょ銀行、 かんぽ生命保険、日本郵便輸送株式会社、トール社、JPロジスティクスグループ株式会社(JPロジスティクス株式会社を含む)及び日本郵政不動産株式会社であります。Scope3については、中期経営計画での目標設定は行わないが、削減に向けて主要事業に関する以下の取組を推進いたします。・郵便・物流事業サプライチェーンでの温室効果ガス排出量削減に向け、日本郵便連結によるSBT認定取得に向けた検討を進めます。・銀行業グリーンボンド/グリーンローン等への投融資や、投融資先とのエンゲージメントを通じて、投融資先の脱炭素化に寄与いたします。・生命保険業投資先企業等から排出される温室効果ガスの計測・分析を行い、分析結果を考慮した上で、投資先企業等に対するエンゲージメントを実施し対応を促すことで、投資ポートフォリオにおける温室効果ガス排出量の削減を目指します。※2 目標達成のためには国内における再生可能エネルギーの普及などカーボンニュートラル化が相当程度進むことが必要になります。当社グループも、国内外のカーボンニュートラル化を後押しします。※3 グループ主要4社の本社における女性管理者比率。2030年度までの取組の結果である2031年4月1日における比率であります。 ※4 本社以外においても、女性管理者増加に向けて、管理者・役職者を目指す社員を増やすための環境整備・人材育成に取り組みます。※5 社員エンゲージメントスコアとは、社員の「誇りとやりがい」に関するスコアであり、当社グループにおいては、グループES調査結果を活用しております。  上記の目標に対してのこれまでの進捗は、以下のとおりであります。(a) 温室効果ガス排出量実績  (単位:万t-CO2、%) 2019年度(基準年)2020年度(実績)2021年度(実績)2022年度(実績)総排出量125117115109累計削減量(対2019年度)―△8△10△15累計削減率(対2019年度)―△6.5△8.2△12.7
(注) 1.当社グループ温室効果ガス排出量削減目標の対象は、グループ総排出量の大宗を占める当社、日本郵便、ゆうちょ銀行、かんぽ生命保険、日本郵便輸送株式会社、トール社、JPロジスティクスグループ株式会社(JPロジスティクス株式会社を含む)及び日本郵政不動産株式会社であります。2.事業を売却した宿泊事業及びトール社エクスプレス事業の温室効果ガス排出量は除外しております。3.2023年度実績は、当社ウェブサイトにて公表する予定であります。  https://www.japanpost.jp/sustainability/library/data/#emissions (b) 女性管理者比率(グループ主要4社の本社)の実績後述の「B 人的資本 (3) 指標及び目標 ② 「異なる互いを認め合う」」を参照ください。 (c) 社員エンゲージメント(誇りとやりがい)スコア後述の「B 人的資本 (3) 指標及び目標 ① 「誇りとやりがい」」を参照ください。 (d) 育児との両立支援後述の「B 人的資本 (3) 指標及び目標 ② 「異なる互いを認め合う」」を参照ください。 ② 重要課題に関する具体的な指標と目標(①に掲げるものを除く) 上記「(3) 戦略 ② サステナビリティに関する重要課題」及び「(3) 戦略 ③ 重要課題に対応した取組」で掲げた重要課題領域における主な取組に関しては、以下のように適切な指標を設定するとともに、必要に応じて具体的な目標を設定しており、サステナビリティ委員会及びグループサステナビリティ連絡会において進捗の把握を行うこととしております。なお、各種施策のうち、試行段階の施策で今後の展開方針が未定のもの、委託元や協業相手の要請・意向・状況に応じた対応が必要である等の理由で目標設定が困難なもの、望ましくない事象の抑制を目指す取組であって目標を設定することによって問題の顕在化を妨げるおそれのあるもの等については、定量的な目標設定は行わず、各施策を実施する会社及び部署において適宜の評価を行っております。また、投融資先の温室効果ガス排出量の削減目標など当社の努力のみでは達成を確約することができない目標も含まれている点にご留意ください。 重要課題指標及び目標2023年度末実績(特に年度の記載のない場合数字は累計値)(a)地域生活・地域経済 各施策の取組数や投融資残高等を指標として進捗管理を行います。特に具体的な目標を設定して取組を推進している例として、以下があります。 ・共助型買物サービス…2024年度末までの実施目標:6地域(この目標は「(b) 高齢社会への対応」にも関連) ・GP業務関連残高(投資確約額ベース)…2025年度末時点で4,000億円程度・ラジオ体操実施率…25%(注1)・サステナブル投資の推進…インパクト“K”プロジェクト認証ファンド(注2)…2025年度末までに累計15件、500億円(この目標は本項目に限らず様々な社会課題に関連) ・共助型買物サービス…1地域 (奈良市東部地域)・GP業務関連残高…489億円・ラジオ体操実施率…24%・インパクト”K”プロジェクト認証ファンド…累計6件、225.5億円(b)高齢社会への対応 「(a)地域生活・地域経済」に記載する関連指標のほか、各サービスの利用者数等を指標として進捗管理を行います。 特に具体的な目標を設定して取組を推進している例としては、以下があります。・NISA口座数…2025年度末時点で94万口座 ・NISA口座数…73万口座(c)サービスアクセス  各サービスの利用可能状況等を指標として進捗管理を行います。 特に具体的な目標を設定して取組を推進している例として、以下があります。・郵便局アプリ登録数…2025年度末までに、500万ダウンロード・ゆうちょ銀行通帳アプリ登録口座数…2025年度末時点で1,600万口座 ・郵便局アプリ登録数…約170万ダウンロード・ゆうちょ銀行通帳アプリ 登録口座数 …1,040万口座
(注) 1.ラジオ体操実施率は、かんぽ生命保険が定期的に実施している オンライン調査(対象は20歳~69歳の男女2,400名)において、ラジオ体操を知っていると回答した方のうち、1年に1回以上ラジオ体操を実施すると回答した方の割合です。2.インパクト“K”プロジェクト認証ファンドの目標及び実績は、2022年度の認証開始からの累計案件数及びかんぽ生命保険による投資額(ファンドの形態により投資額もしくはコミットメント額を計上)です(この実績は本項目に限らず様々な社会課題に関連した実績です)。 重要課題指標及び目標2023年度末実績(特に年度の記載のない場合数字は累計値)(d)環境 温室効果ガス排出量については、(4)①(a)のとおり削減目標を設定してその達成状況を把握するほか、(3)④で掲げた対応方針の進捗に関する指標を設定して進捗管理を行います。また、各種環境負荷に係る資源の使用量等の中で重要なものについて指標を設定しております。 さらに、低環境負荷社会の実現に向けた貢献については、「(a)地域生活・地域経済」に記載する関連目標のほか、取組状況や投資額等を指標として進捗管理を行います。 特に具体的な目標を設定して取組を推進している例として、以下があります。・EV四輪車両の導入台数…2028年度末までの導入目標:15,000台・EV二輪車両の導入台数…2025年度末までの導入目標:30,300台・高効率空調への更改…2025年3月末までの実施目標:新たに70局・郵便局でのLED電球使用…2025年3月末までの実施目標:新たに364局・環境配慮型郵便局の設置に係る目標…2024年度「+エコ郵便局」新たに3局開局予定 ・「+エコ郵便局」の建設及び太陽光発電設備の設置等により、24年度の温室効果ガス排出量の削減を、23年度環境配慮型郵便局の設置による削減量に加え、更に0.01万t-CO2/年削減。 ・郵便はがきのFSC®認証紙の使用 ・ESGテーマ型投融資残高(ゆうちょ銀行)…2025年度末時点で7兆円 ・EV四輪車両の導入台数…約5,000台・EV二輪車両の導入台数…約16,300台・高効率空調への更改…196局・郵便局でのLED電球使用…16,452局・環境配慮型郵便局の設置数…「+エコ郵便局」14局開局・「+エコ郵便局」の建設及び太陽光発電設備の設置等による、温室効果ガス削減量…0.013万t-CO2/年 (2023年度実績)・郵便はがきのFSC®認証紙の使用…現在調達しているすべての郵便はがきでFSC®認証紙を使用・ESGテーマ型投融資残高 …4.6兆円(e)人材・人的資本後述の「B 人的資本」をご参照ください。(f)経営基盤「(3) 戦略 ③ 重要課題に対応した取組 (f) 経営基盤」で掲げた各取組のうち、新たに導入した制度に係るものについては、その利用状況等を指標として進捗管理を行います。―
人材の育成及び社内環境整備に関する方針、戦略
(2) 戦略 グループ人事方針日本郵政グループは、社員全員が「誇りとやりがい」をもって働ける会社を目指します。そのために、「異なる互いを認め合う」、「能力を高める」、「強みを発揮する」を軸に、社員の成長と挑戦を支援する人材育成と環境整備に取り組みます。こうした人的資本経営の実践を通して、持続的な企業価値の向上を図り、お客さまの幸せと地域の発展に貢献します。 社員の仕事への前向きな姿勢・行動が、お客さま、地域・社会への貢献を拡大し、広い意味での企業価値を向上させます。そこで、当社グループは、日々、お客さまのために「縁の下の力持ち」※ として尽力している社員全員が、誇りとやりがいを感じ、仕事に前向きに取り組める職場を提供します。※ 郵便事業の創業者、前島密の信条:縁の下の力持ちになることを厭うな。人のためによかれと願う心を常に持てよ。 社員が誇りとやりがいを感じつつ仕事に取り組めるよう、社員が互いの違いを認め合う職場という基盤(=「異なる互いを認め合う」)及び能力や意欲を高める自発的取組を支援する環境(=「能力を高める」・「強みを発揮する」)を会社は提供します。・「異なる互いを認め合う」については、心身の健康増進と、ハラスメントがなく、性別・年齢などに関係なく多様な生き方や個々の社員の事情を尊重しあう、相互承認、安心感の得られる職場を提供します。・「能力を高める」については、事業環境変化に伴うサービスの内容・提供方法の変化に対応できるよう、また、働き方を自律的に選択できるよう、能力・知識・技術獲得の機会を提供します。・「強みを発揮する」については、挑戦の機会を提供し、また挑戦を評価する仕組みを強化し、自身の強みや創造性を発揮してお客さまのため新たな取組に挑戦する組織や風土を構築します。・こうした取組で「異なる互いを認め合うこと、能力を高めること、強みを発揮すること」ができる人材の育成を進めます。社員の能力発揮・意欲向上が事業の発展をもたらすとの認識の上で、人事施策を企画・実施し、社員と共に事業の発展を推進してまいります。
人材の育成及び社内環境整備に関する方針に関する指標の内容並びに当該指標を用いた目標及び実績、指標及び目標 (3) 指標及び目標グループ人事方針は、社員の「誇りとやりがい」の向上を追求することとし、そのための3つの軸、「異なる互いを認め合う」、「能力を高め合う」、「強みを発揮する」を設定しております。以下で、各要素の目指す姿、関連人事施策並びに指標及び目標を示します。人事施策並びに指標及び目標については、毎年評価・反省を実施し、必要な見直しを行います。 ① 「誇りとやりがい」<目指す姿と人事施策>社員の誇りとやりがい(エンゲージメント)を高めることで、社員の幸せと生産性向上を実現します。誇りとやりがいを高めるには、「異なる互いを認め合う」環境を基盤として整備すること、個々の社員の「能力を高める」こと、そして、個々の社員が「強みを発揮する」ことが必要と考え、下記のとおり、各要素についての具体的な施策、指標及び目標を設定し、その実現に努めます。並行して、社員が誇りとやりがいをどの程度感じているかを定期的に把握し、結果の分析や社員との共有を図り、課題の抽出・対策につなげます。 <指標・目標>対象組織施策、指標及び目標実績当社及び事業子会社・社員エンゲージメント(誇りとやりがい)スコア※ 対前年度評価点以上・社員と調査結果の共有及び継続的な改善策の実行3.31pt (2023年度) ※ 2023年度からグループES調査結果を活用 ② 「異なる互いを認め合う」<目指す姿と人事施策>社員が健康のうえ、個々の違いや能力、多様な働き方を認め合い、尊重することで、安心感やイノベーションの創出を促し、社員の誇りとやりがいを高めます。そのために、次のような施策を実施します。 ・「真の多様性」の実現への意識啓発・行動改革・女性活躍・高齢者の就業・障がい者雇用・性の多様性への対応の推進・健康経営の推進、柔軟で多様な勤務・休暇制度の整備・定着及びライフイベントと仕事との両立支援の推進・パワーハラスメント・セクシャルハラスメント等の根絶など、適切な労務管理 <指標・目標>対象組織指標及び目標実績当社及び事業子会社・健康経営KPI 達成 (2024年度)要医療1・2の社員割合 1%以内特定保健指導脱出率 23%以上・男女ともに育休取得 100%・男性育休平均日数 1か月 以上・ハラスメント認定件数  対前年度以下・障がい者雇用率  3.0% (2025年度)・要医療1・2の社員割合 1.17% 特定保健指導脱出率 24.3% (2023年度)・女性100% 男性98.3%(2023年度)・平均35.0日(2023年度)・124件(2023年度)・2.56%(2023年6月)当社及び事業子会社の本社・本社女性管理者比率 30% (2030年度)・16.2%(2023年度) 要医療1・2…医療上の措置を緊急又は早急に必要とする者 ③ 「能力を高める」<目指す姿と人事施策>挑戦や成長意欲を重視し、自律的なキャリア形成やDX推進等に必要なスキル習得などで、努力が報われる実感を伴いながら、社員の誇りとやりがいを高めます。そのために、次のような施策を実施します。 ・挑戦と能力向上を促す自律的なキャリア形成支援・「職務が評価された」、「努力が報われた」と実感できる人事諸制度の実現・DX推進等による業務効率化や新たな業務へのスキル習得支援・コンサルティングやマネジメント、経営課題解決に必要な能力等、専門性強化 <指標・目標>対象組織指標及び目標実績当社及び事業子会社・キャリア形成の支援策実施 (シニア層向け等のリスキリング施策実施)・グループ内社内公募人数 対前年度以上 ・キャリア研修の実施 ・-当社及び事業子会社の本社・本社、支社等対象者数 DX研修受講率100%(2025年度)・受講率94%(受講者数10,200名(2023年度末時点)) グループ内社内公募…2022年度から本社組織間では実施中。2024年度からフロント組織も含めて全社的に実施するもの。 ④ 「強みを発揮する」<目指す姿と人事施策>適所適材の実感を持って働くことや風通しのよい組織への変革により、自身の強みや創造性の発揮を促し、社員の誇りとやりがいを高めます。そのため、次のような施策を実施します。 ・お客さま本位の姿勢で、強みや創造性を発揮できる人材の採用・育成・配置及び職場環境の整備・新たなチャレンジや組織風土の変革に取り組む社員を高く評価する仕組みの導入・柔軟な要員配置・働き方によるグループ内の人材流動化・グループ内外の人事交流の促進及び外部専門人材等※の積極的な採用や副業の受入れ※ 専門人材のほか、多様な人材確保の視点から、特定技能(今後、国において創設予定の「育成就労制度」を通して外国人の人材確保・育成を図り、「特定技能1号」に転換していくことで、長期間事業を支える人材の確保を行うもの。)の導入検討を含む採用手法・採用対象の多様化により必要な人材を確保していきます。 <指標・目標>対象組織指標及び目標実績当社及び事業子会社・適所適材スコア※ 対前年度評価点数以上・年休取得平均日数 18日以上・グループ内外の人事交流人数 2021年度水準の維持(グループ4社間の交流人数 約1,500人)・2.70pt (2023年度)・平均19.5日 (2023年度)・2023年度達成当社及び事業子会社の本社・戦略的副業の取組人数 対前年度以上・経験者採用の推進・45人 (2023年度)・52人 (2023年度) ※ 2023年度からグループES調査結果を活用
経営上の重要な契約等 5 【経営上の重要な契約等】
当社グループの経営上の重要な契約等は、次のとおりであります。 (1) 日本郵政グループ協定等① 日本郵政グループ協定等の締結について当社は、事業子会社等との間で、グループ協定等を締結しております。グループ協定等において、当社及び事業子会社等が、グループ共通の理念、方針その他のグループ運営(グループ全体の企業価値の維持・向上のための諸施策の策定及びその遂行をいいます。)に係る基本的事項について合意することにより、金融2社の上場後においても、引き続きグループ会社が相互に連携・協力し、シナジー効果を発揮する体制を維持しております。グループ協定等の締結は、グループ会社、ひいてはグループ全体の企業価値の維持・向上に寄与していると考えております。 ② ブランド価値使用料についてグループ協定等に基づき、当社は、事業子会社等からブランド価値使用料を受け取っております。ブランド価値使用料は、当社グループに属することにより、当社グループが持つブランド力を自社の事業活動に活用できる利益の対価、すなわち、郵政ブランドに対するロイヤリティの性格を有するものであります。ブランド価値使用料は、当社グループに属することによる利益が事業子会社等の業績に反映されていることを前提とし、事業子会社等が享受する利益が直接的に反映される指標を業績指標として採用し、業績指標に一定の料率を掛けて額を算定することとしており、2024年3月期のブランド価値使用料の総額は124億円であります。なお、主要な子会社のブランド価値使用料の具体的な算定方法及び2024年3月期の金額は次のとおりであります。 日本郵便算定方法:連結営業収益(トール社連結分を除く。)(前年度)×0.20% 金  額:58億円ゆうちょ銀行 算定方法:貯金残高(前年度平均残高)×0.0023% 金  額:44億円かんぽ生命保険 算定方法:保有保険契約高(前年度末)×0.0036% 金  額:20億円この算定方法は、重大な経済情勢の変化等、特段の事情が生じない限り変更しないこととしております。 ③ 金融2社株式の処分後のグループ協定等について郵政民営化法第7条第2項の規定により、当社が保有する金融2社の株式は、その全部を処分することを目指し、金融2社の経営状況、ユニバーサルサービス提供に係る責務の履行への影響等を勘案しつつ、できる限り早期に、処分することとされておりますが、当社による金融2社の議決権所有割合にかかわらず、金融2社は、それぞれ日本郵便株式会社法第2条第2項に定める関連銀行又は同条第3項に定める関連保険会社である限り、グループ協定等を維持するものと考えております。
(2) 銀行窓口業務契約及び保険窓口業務契約(期間の定めのない契約)日本郵便は、日本郵便株式会社法第5条の責務として、簡易な貯蓄、送金及び債権債務の決済の役務並びに簡易に利用できる生命保険の役務を利用者本位の簡便な方法により郵便局で一体的にかつあまねく全国において公平に利用できるようにするユニバーサルサービス義務を果たすために、ゆうちょ銀行との間で、銀行窓口業務契約を締結(2012年10月1日)するとともに、かんぽ生命保険との間で、保険窓口業務契約を締結(2012年10月1日)しております。銀行窓口業務契約では、日本郵便が、ゆうちょ銀行を関連銀行として、通常貯金、定額貯金、定期貯金の受入れ及び普通為替、定額小為替、通常払込み、電信振替の取引を内容とする銀行窓口業務を営むこととしております。保険窓口業務契約では、日本郵便が、かんぽ生命保険を関連保険会社として、日本郵便にユニバーサルサービス義務が課される終身保険及び養老保険について、保険募集並びにこれらの保険契約に係る満期保険金及び生存保険金の支払の請求の受理の業務を営むこととしております。なお、本契約は、期限の定めのない契約であり、特段の事由が生じた場合等を除き、当事者の合意がない限り解除することはできないものと定めております。 (3) 銀行代理業に係る業務の委託契約及び金融商品仲介業に係る業務の委託契約並びに生命保険募集・契約維持管理業務委託契約① 銀行代理業に係る業務の委託契約及び金融商品仲介業に係る業務の委託契約(期間の定めのない契約)日本郵便は、ゆうちょ銀行との間で、銀行代理業に係る業務の委託契約(2007年9月12日(締結)、2008年4月22日(変更)、2012年10月1日(変更)、2021年4月26日(変更))、金融商品仲介業に係る業務の委託契約(2007年9月12日(締結)、2012年10月1日(変更))を締結しております。日本郵便が、銀行代理業に係る業務の委託契約に基づいて行う業務は、上記
(2)の銀行窓口業務契約で定めた業務を含め、銀行代理業務、手形交換業務、告知事項確認業務等であります。日本郵便が、金融商品仲介業に係る業務の委託契約に基づいて行う業務は、金融商品仲介業務、本人確認事務等であります。なお、本契約は、期限の定めのない契約であり、契約当事者のいずれか一方から、6か月前までに、本契約を解除する旨の協議を申し入れることができ、解除について合意にいたらない場合、書面による通知により解除することができるものと定めております。銀行窓口業務に該当する業務については、上記
(2)の契約に定めがある場合を除くほかは、本契約の定めるところによります。 ② 生命保険募集・契約維持管理業務委託契約(期間の定めのない契約)日本郵便は、かんぽ生命保険との間で、生命保険募集・契約維持管理業務の委託契約を締結(2007年9月12日(締結)、2012年10月1日(変更)、2014年9月30日(変更)、2016年3月31日(変更))しております。日本郵便が、生命保険募集・契約維持管理業務の委託契約に基づいて行う業務は、上記
(2)の保険窓口業務契約で定めた業務を含め、保険契約の締結の媒介、保険金、年金、返戻金、貸付金及び契約者配当金等の支払等であります。なお、本契約は、期限の定めのない契約であり、契約当事者のいずれか一方から、6か月前までに、本契約を解除する旨の協議を申し入れることができ、解除について合意にいたらない場合、書面による通知により解除することができるものと定めております。保険窓口業務に該当する業務については、上記
(2)の契約に定めがある場合を除くほかは、本契約の定めるところによります。 (4) 郵便貯金管理業務委託契約及び簡易生命保険管理業務委託契約等(期間の定めのない契約)ゆうちょ銀行及びかんぽ生命保険は、郵政管理・支援機構の業務である郵便貯金管理業務(公社から承継した郵便貯金の管理に関する業務等)及び簡易生命保険管理業務(同簡易生命保険契約の管理に関する業務等)の一部(払戻し、利息支払等)について、郵政管理・支援機構とそれぞれ郵便貯金管理業務委託契約、簡易生命保険管理業務委託契約を締結し委託を受けております。また、ゆうちょ銀行は郵政管理・支援機構との間で郵便貯金資産(郵便貯金管理業務の経理を区分する郵便貯金勘定に属する資産)の運用のための貯金に係る契約を、かんぽ生命保険は郵政管理・支援機構との間で簡易生命保険契約の再保険に係る契約をそれぞれ締結しております。さらに、ゆうちょ銀行及びかんぽ生命保険は、郵政管理・支援機構との間で郵政管理・支援機構が保有する郵便貯金の預金者、簡易生命保険の契約者及び地方公共団体に対する貸付金の総額に相当する額について、ゆうちょ銀行及びかんぽ生命保険からの借入金として郵政管理・支援機構がそれぞれ債務を負うものとする契約を締結しております。なお、郵便貯金管理業務委託契約、簡易生命保険管理業務委託契約及び簡易生命保険契約の再保険に係る契約の変更又は解除は、総務大臣の認可が必要とされております。 (5) 郵便貯金管理業務の再委託契約及び簡易生命保険管理業務再委託契約① 郵便貯金管理業務の再委託契約(期間の定めのない契約)ゆうちょ銀行は、日本郵便との間で、ゆうちょ銀行が郵政管理・支援機構から受託している郵便貯金管理業務について、日本郵便が郵便貯金管理業務の一部を営むこととする郵便貯金管理業務の再委託契約(2007年9月12日(締結)、2008年9月30日(変更)、2012年10月1日(変更))を締結しております。なお、本契約は、期間の定めのない契約であり、契約当事者のいずれか一方から、6か月前までに、本契約を解除する旨の協議を申し入れることができ、書面により本契約の解除を通知することができるものと定めております。 ② 簡易生命保険管理業務再委託契約(期間の定めのない契約)かんぽ生命保険は、日本郵便との間で、かんぽ生命保険が郵政管理・支援機構から受託している簡易生命保険管理業務について、日本郵便が簡易生命保険管理業務の一部を営むこととする簡易生命保険管理業務再委託契約(2007年9月12日(締結)、2012年10月1日(変更))を締結しております。なお、本契約は、期間の定めのない契約であり、契約当事者のいずれか一方から、6か月前までに、事業運営上の合理的な理由により本契約を解約する旨、書面による通知を行い、解約することができるものと定めております。 (6) 総括代理店委託契約(1年ごとの自動更新)かんぽ生命保険は、かんぽ生命保険を保険者とする生命保険契約の募集を行う簡易郵便局に対する指導・教育等について、日本郵便と総括代理店契約(2007年9月12日(締結)、2012年10月1日(変更))を締結しております。なお、本契約は、契約当事者のいずれか一方から、6か月前までに、事業運営上の合理的な理由により本契約を解約する旨、書面による通知を行い、解約することができるものと定められております。また、生命保険募集・契約維持管理業務委託契約(上記(3)②)が解除された場合は、予告なしに解除することができるものと定められております。 (参考1) ゆうちょ銀行及びかんぽ生命保険からの委託手数料日本郵便は、ゆうちょ銀行及びかんぽ生命保険との間で、上記
(2)、(3)、(5)、(6)に係る業務の対価としての委託手数料の算定方法等を定めております。ゆうちょ銀行とは、委託手数料支払要領を締結しており、2020年3月期からは基本委託手数料として、平均総預かり資産残高に応じて支払われる「貯金や投資信託等の預かり資産に係る事務等」、送金決済取扱件数に応じて支払われる「送金決済その他役務の提供事務等」の手数料を設定しております。これに営業目標達成や事務品質の向上を確保するため、成果に見合った「営業・事務報奨」を合わせた手数料となっております。基本委託手数料は、ゆうちょ銀行での単位業務コストをベースに、日本郵便での取扱実績等に基づき委託業務コストに見合う額を算出し、その前年度からの増減率を、前年度の基本委託手数料に乗じて算出することとしております。かんぽ生命保険とは、代理店手数料規程等を定めており、募集した新契約に応じて支払われる「新契約手数料」、保有契約件数等に応じて支払われる「維持・集金手数料」、総括代理店契約業務に対して支払われる「総括代理店手数料」が設定されております。「新契約手数料」には、募集品質の確保を前提に一定基準以上の実績を確保した場合にボーナス手数料等のインセンティブの仕組みを設定する場合があります。2025年3月期においては、2024年3月期に引き続き、募集品質の向上に対するインセンティブの仕組みを実施しております。また、「維持・集金手数料」には、契約維持管理のための活動促進等を目的にその活動内容に応じたインセンティブ手数料を設定しております。2025年3月期においては、2024年3月期に引き続き、保有契約の維持に対するインセンティブを実施するとともに、保険契約の満期を迎えられるお客さまに適切なアフターフォローを実施し、必要な保障を継続してご提供することに対するインセンティブ及びお客さまの利便性向上につながるかんぽ生命保険のマイページの利用推進に対するインセンティブを実施しております。募集手数料は予定新契約費を財源として、原則複数年の分割払いとなっており、最初の1年間の支払金額を高く、残りの期間を均等に低く支払うこととしておりましたが、2021年3月期から、契約の継続をより重視するため、最初の1年間の支払金額と残りの期間に支払う金額の比率を変更し、最初の1年間の支払金額を減額し、残りの期間の支払金額を増額しております。維持・集金手数料に設定されている単価は、実地調査に基づく所要時間や、これに係る人件費等を基に算出しております。 (参考2) 独立行政法人郵便貯金・簡易生命保険管理機構法の一部を改正する法律の概要及び金融2社との業務委託契約への影響2018年12月1日、独立行政法人郵便貯金・簡易生命保険管理機構法の一部を改正する法律が施行されました。これにより、2019年4月1日に独立行政法人郵便貯金・簡易生命保険管理機構の名称が「独立行政法人郵便貯金簡易生命保険管理・郵便局ネットワーク支援機構」に変更され、また、郵政管理・支援機構の目的として、「郵便局ネットワークの維持の支援のための交付金を交付することにより、郵政事業に係る基本的な役務の提供の確保を図り、もって利用者の利便の確保及び国民生活の安定に寄与すること」が追加されました。郵便局ネットワーク維持に要する費用は、従来、日本郵便と関連銀行・関連保険会社との間の契約に基づく委託手数料により賄われていましたが、当該費用のうち、日本郵便が負担すべき額を除くユニバーサルサービス確保のために不可欠な費用は、本法に基づき、2020年3月期から、ゆうちょ銀行及びかんぽ生命保険からの拠出金を原資として郵政管理・支援機構から日本郵便に交付される交付金で賄われております。当該ユニバーサルサービス確保のために不可欠な費用の算定方法は、直近の郵便局ネットワークの維持の状況を基礎とした次の費用の合計額となります。 ア あまねく全国において郵便局でユニバーサルサービスが利用できるようにすることを確保するものとなるように郵便局ネットワークを最小限度の規模の郵便局により構成するものとした場合における人件費、賃借料、工事費その他の郵便局の維持に要する費用、現金の輸送及び管理に要する費用、並びに固定資産税及び事業所税 イ 簡易郵便局で郵政事業に係る基本的な役務が利用できるようにすることを確保するための最小限度の委託に要する費用 当該ユニバーサルサービス確保のために不可欠な費用及び交付金・拠出金の算定等に係る郵政管理・支援機構の事務経費は、郵便窓口業務、銀行窓口業務又は保険窓口業務において見込まれる利用者による郵便局ネットワークの利用の度合等に応じて按分され、銀行窓口業務に係る按分額をゆうちょ銀行が、保険窓口業務に係る按分額をかんぽ生命保険が拠出金として拠出することとなり、拠出金の額は郵政管理・支援機構が年度ごとに算定し、総務大臣の認可を受けることとされております。また、2020年3月期から、当該ユニバーサルサービス確保のために不可欠な費用は、日本郵便が負担すべき額を除き、ゆうちょ銀行及びかんぽ生命保険からの拠出金を原資として郵政管理・支援機構から日本郵便に交付される交付金で賄われることとなり、これを契機にゆうちょ銀行及びかんぽ生命保険が業務委託契約等に基づいて日本郵便に支払っている委託手数料についても2020年3月期から見直しを行っております。銀行代理業務手数料は、郵便局ネットワーク維持に係る「窓口基本手数料」を廃止するなど、保険代理業務手数料は、保有契約件数等に応じて支払われる「維持・集金手数料」のうち、郵便局数等に応じて支払われる手数料を対象に減額するなどの見直しを行いました。 過去5年間の金融2社からの手数料及び郵政管理・支援機構からの交付金の推移は以下のとおりであります。 (単位:億円) 2020年3月期2021年3月期2022年3月期2023年3月期2024年3月期ゆうちょ銀行3,6973,6633,5433,4003,161かんぽ生命保険2,4872,0701,9021,3481,256交付金2,9522,9342,9092,8083,000
(注) 1.2022年3月期及び2024年3月期のゆうちょ銀行の手数料合計額は委託業務に係る事故等に伴う貯金手数料の影響により、ゆうちょ銀行の有価証券報告書に記載されている手数料額と一致しません。2.2021年3月期、2022年3月期及び2024年3月期のかんぽ生命保険の手数料合計額は不適正契約に伴う保険手数料の影響により、かんぽ生命保険の有価証券報告書に記載されている手数料額と一致しません。 金融2社から郵政管理・支援機構への拠出金の推移は以下のとおりであります。 (単位:億円) 2021年3月期2022年3月期2023年3月期2024年3月期2025年3月期ゆうちょ銀行2,3742,3702,3072,4362,467かんぽ生命保険560540501564563 (参考3) 郵政管理・支援機構と契約している業務委託契約の関係は以下のとおりになります。① 郵便貯金管理業務委託契約 ② 簡易生命保険管理業務委託契約 (参考4) 郵便局ネットワーク支援の関係は以下のとおりになります。 (7) 郵便局局舎の賃貸借契約日本郵便は、日本郵便の営業所である郵便局を関係法令に適合するように設置するため、15,214局の郵便局局舎(2024年3月31日現在)について賃貸借契約を締結しております。このうち従業員等との間で賃貸借契約を締結している局舎の数が4,132局となっておりますが、これは明治初期の国家財政基盤が不安定な時代にあって、予算的な制約を乗り越え、郵便を早期に全国に普及させるため、地域の有力者が業務を請け負い、郵便局の局舎として自宅を無償提供したことが起源となっているものであります。また、1948年4月に従業員の局舎提供義務が廃止されたことに伴い、すべての郵便局局舎について賃貸借契約を締結することといたしました。その後、郵便局の新規出店、店舗配置の見直し等を通じた郵便局ネットワークの最適化を推進しており、賃貸借契約についても必要に応じて見直しを行い、現在に至っております。郵便局局舎の賃借料については、従業員等との賃貸借契約を含め、積算法又は賃貸事例比較法に基づき算定しており、定期的に不動産鑑定士による検証等の見直しを実施しております。最近5年間の賃借料総額の実績は、2019年度分594億円、2020年度分593億円、2021年度分595億円、2022年度分597億円、2023年度分609億円になっております。一部の郵便局局舎の賃貸借契約については、日本郵便の都合で、その全部又は一部を解約した場合で、貸主が当該建物を他の用途に転用することができず損失を被ることが不可避な場合には、貸主から補償を求めることができる旨を契約書に記載しております。解約補償額は、貸主が郵便局局舎に対して投資した総額のうち、解約時における未回収投資額を基礎に算出することとしておりますが、2024年3月31日現在、発生する可能性のある解約補償額は568億円であります。なお、日本郵便の都合により解約した場合であっても、局舎を他用途へ転用する等のときは補償額を減額することから、全額が補償対象とはなりません。賃貸借契約の契約期間は、2010年6月までに締結した契約については1年間の自動更新となっておりますが、これまで郵便局局舎は長期間、使用しているという実態を踏まえ経済合理性の観点から、長期賃貸を前提とした契約内容に見直しを行ったため、2010年7月以降に締結する契約については、税法上の耐用年数に10年を加えた年数としております。 (8) 簡易郵便局の郵便窓口業務等委託契約日本郵便は、簡易郵便局受託者(2024年3月31日現在、3,472者)との間で、郵便窓口業務及び印紙の売りさばきに関する業務の委託契約、荷物の運送の取扱いに関する業務の委託契約、銀行代理業に係る業務の再委託契約、郵便貯金管理業務の再再委託契約、生命保険契約維持管理業務の再委託契約、簡易生命保険管理業務の再再委託契約及びカタログ販売等業務に係る委託契約(受託者によっては各契約の一部)を締結しております。なお、簡易郵便局の郵便窓口業務等委託契約の期間は3年間であります。また、かんぽ生命保険は、簡易郵便局受託者(2024年3月31日現在、363者)との間で、生命保険募集委託契約を締結しております。 (参考) 簡易郵便局受託者の資格については、簡易郵便局法の規定により、禁錮以上の刑に処せられた者で、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなった日から2年を経過しないもの等を除く、以下の者でなければならないと定められております。① 地方公共団体② 農業協同組合③ 漁業協同組合④ 消費生活協同組合(職域による消費生活協同組合を除く。)⑤ ①から④までの者のほか、十分な社会的信用を有し、かつ、郵便窓口業務及び印紙の売りさばきに関する業務を適正に行うために必要な能力を有する者 (9) 米国アフラック・インコーポレーテッド及びアフラック生命保険株式会社との資本関係に基づく戦略提携に関する基本合意書当社は、2018年12月19日開催の取締役会において、アフラック・インコーポレーテッド(本社:米国ジョージア州、会長兼最高経営責任者:ダニエル・P・エイモス)及びその完全子会社であるアフラック生命保険株式会社(本社:東京都新宿区、代表取締役社長:古出眞敏、以下「アフラック生命」といいます。)と資本関係に基づく戦略提携(以下「戦略提携」といいます。)を行うことを決議し、同日付で戦略提携に関する基本合意書を締結いたしました。なお、これに基づいて、2019年4月29日に、信託を通じて、アフラック・インコーポレーテッド普通株式の取得を開始し、2020年2月13日をもって、予定していた株式数の取得を完了しました。また、取得から4年経過し、信託を通じて保有する議決権が20%に達した※ことから、2024年3月、アフラック・インコーポレーテッドに対して、持分法を適用いたしました。これを受けて、2024年度から同社の利益の一部を当社グループの連結業績に反映してまいります。 ① 基本合意書の目的当社とアフラック生命は、長年に亘り、当社の連結子会社である日本郵便及びかんぽ生命保険とともに行ってきたがん保険に関する様々な取組を通じて、ビジネスパートナーとして強固な信頼関係を確立してきました。戦略提携は、これまでのがん保険に関する取組について再確認するとともに、当社によるアフラック生命の親会社アフラック・インコーポレーテッドへの投資を通じて、アフラック生命のビジネスの成長が当社への利益貢献につながるという双方の持続的な成長サイクルの実現を目指すものであります。 ② 基本合意書の内容 (a) 資本関係当社は、必要な許認可等の取得を前提として、アフラック・インコーポレーテッド普通株式の発行済株式総数(自己株式を除く。)の7%程度を、信託を通じて取得します。取得から4年経過し議決権が20%以上となった後※、アフラック・インコーポレーテッドを当社の持分法適用関連会社とすることを主たる内容とする資本関係を構築します。これは、当社によるアフラック・インコーポレーテッドの支配権もしくは経営権の獲得又は経営への介入を目的とするものではありません。 (b) がん保険に関する取組の再確認当社及びアフラック生命は、日本郵便及びかんぽ生命保険との間で実施してきたがん保険に関する取組を再確認し、今後も進展させるべく合理的な努力を行います。 (c) 新たな協業の取組の検討がん保険に関する取組に加えて、当社、日本郵便、かんぽ生命保険及びアフラック生命の各社の企業価値向上に資することを目的とした新商品開発における協力や、デジタルテクノロジーの活用、国内外での事業展開や第三者への共同投資における協力、資産運用における協力など新たな協業の取組の検討を行います。 (d) 最高経営者会議及び戦略提携委員会当社、アフラック・インコーポレーテッド及びアフラック生命は、当社及びアフラック・インコーポレーテッドの各最高経営執行者による定例会議を「最高経営者会議」として引き続き活用し、戦略提携に関する事項も協議します。また、これまで当社、日本郵便、かんぽ生命保険及びアフラック生命の間で開催してきた、各社の代表執行役、代表取締役等による定例会議を「戦略提携委員会」として引き続き活用し、戦略提携に関する事項も協議します。※ アフラック・インコーポレーテッドでは、定款の規定により、原則として、普通株式を48か月保有し続けると、1株につき10議決権を行使することができます。 (10) 楽天グループとの資本・業務提携当社、日本郵便及び楽天グループ株式会社(東京都世田谷区、代表取締役会長兼社長三木谷浩史、以下「楽天」)は、物流、モバイル、DXなど様々な領域での連携を強化することを目的に、2021年3月12日、業務提携合意書を締結しました。2021年3月29日、当社は、楽天グループの第三者割当増資による募集新株式の引受けを行い、同社の普通株式131,004千株を取得いたしました。2021年4月28日、当社、日本郵便、ゆうちょ銀行及びかんぽ生命保険が楽天と業務提携合意書を改めて締結しました。加えて、日本郵便は楽天との間で、2021年4月28日、楽天が設立する新会社(JP楽天ロジスティクス合同会社。2021年7月2日に合同会社から株式会社への組織変更を行い、JP楽天ロジスティクス株式会社に商号変更。)に対して日本郵便が出資をすることに関する統合契約書及びJP楽天ロジスティクスの運営等に関する株主間契約書を締結しました。当社グループは、全国を網羅する郵便局や物流のネットワークを基盤に、人々の生活に必要不可欠な社会インフラとしての役割を担っております。一方、楽天グループは70以上のサービスと1億以上の楽天会員を有し、独自の経済圏を形成しております。両社グループは、本資本・業務提携に基づき、お客さまの利便性の向上、地域社会への貢献、そして事業の拡大を目的に、両社グループの経営資源や強みを効果的に活かしたシナジーの最大化を図ります。また、両社グループは、引き続き、関係の更なる深化の可能性について幅広く検討してまいります。 ① 業務提携の概要2021年4月28日までに両社グループが合意しました業務提携の内容(その後の協議を踏まえて更新したもの)は、以下のとおりであります。(a) 物流・共同の物流拠点の構築・共同の配送システム及び受取サービスの構築・RFC(楽天フルフィルメントセンター)の利用拡大及び日本郵便のゆうパック等の利用拡大に向けた、日本郵便・楽天グループ両社の協力・取組・上記取組のための日本郵便・楽天グループの両社が出資する新会社の設立、物流DXプラットフォームの共同事業化(b) モバイル・郵便局内のイベントスペースを活用した楽天モバイルの申込み等カウンターの設置(2021年6月~2023年11月)・日本郵便の配達網や郵便局ネットワークを活用したマーケティング施策の実施(c) DX・当社グループのDX推進のための当社グループと楽天グループの間の人材交流に関する協議・検討・楽天グループによる当社グループのDX推進への協力(d) 金融・楽天カード(ゆうちょ銀行デザイン)の取扱いの開始(2021年12月1日から)・楽天カード(ゆうちょ銀行デザイン)の状況を踏まえた、楽天カードの基盤を活用したゆうちょ銀行を発行主体とするクレジットカードに関する協議・検討・その他のキャッシュレスペイメント分野等での協業に関する協議・検討・保険分野での協業に関する協議・検討(e) EC・楽天グループが運営するサイト内での日本郵便が取り扱う商品の販売の開始(2022年3月1日から)・郵便局内での楽天市場の販売商品の注文申込みの受付け(2022年4月1日~同年6月30日の期間で、滋賀県、京都府、大阪府、兵庫県、奈良県及び和歌山県内、2022年6月1日~同年8月31日の期間で北海道内の1道2府4県の郵便局にて実施)両社グループは、以上のほかにも企業価値の向上に資する戦略的な提携について協議、検討します。
研究開発活動 6 【研究開発活動】
該当事項はありません。
設備投資等の概要 1 【設備投資等の概要】
当社グループでは、当連結会計年度において、郵便局窓口事業及びその他事業にかかる不動産開発等、業務基盤系システムの更改等、お客さまサービスと業務効率化に資する経営基盤強化のための投資を行いました。当連結会計年度における設備投資の内訳は、次のとおりであります。 セグメントの名称金額(百万円)摘要郵便・物流事業74,386次期基幹システムの更改(26,900百万円)等郵便局窓口事業42,711JPタワー大阪(30,895百万円)等国際物流事業33,278 銀行業65,195ゆうちょ総合情報システム(39,012百万円)等生命保険業90,722本社オフィスが入居する建物の区分所有権の取得 (注3)(44,729百万円)等その他50,843五反田JPビルディング(21,511百万円)等計357,138 消去又は全社△4,737 合計352,400
(注) 1.所要資金については、自己資金及び外部調達資金で充当しております。2.設備投資には、無形固定資産の取得に係る投資を含んでおります。3.大崎ブライトタワーの一部をかんぽ生命保険が自社所有とするものであります。なお、同社の本社機能の一部は、以前から賃借により当該ビルに入居済みです。
主要な設備の状況 2 【主要な設備の状況】
(1) 提出会社の状況2024年3月31日現在事業所名(所在地)セグメントの名称設備の内容帳簿価額(百万円)従業員数(人)建物及び構築物機械装置及び運搬具土地(面積千㎡)リース資産その他合計東京逓信病院(東京都)その他診療施設3,7721610,779(21)―1,36515,934620[190]本社等その他の施設(東京都ほか)その他その他30,99010974,286(271)―6,638112,025913[129]
(注) 1.帳簿価額のうち「その他」は、工具、器具及び備品と建設仮勘定であります。2.従業員数は就業人員であり、臨時従業員数(無期転換制度に基づく無期雇用転換者(アソシエイト社員)を含み、派遣社員を除く。)は年間の平均人員を[ ]内に外書きで記載しております。3.上記のほか、当社の連結会社以外の者との間で賃貸借している主要な設備はありません。
(2) 主要な連結子会社の状況2024年3月31日現在会社名事業所名セグメントの名称設備の内容帳簿価額(百万円)従業員数(人)建物及び構築物機械装置及び運搬具土地(面積千㎡)リース資産その他合計日本郵便本社・支社(14か所)郵便局(20,021局)その他(21か所)郵便・物流事業荷扱所等386,47329,775660,895(4,869)11,62914,6851,103,45995,928[91,261]郵便局窓口事業店舗、郵便局施設等493,0411,400612,568(3,726)221,2571,128,26975,876[28,836]合計879,51531,1761,273,464(8,596)11,63135,9422,231,729171,804[120,097]ゆうちょ銀行本社及びエリア本部(14か所)支店及び出張所(235か所)その他(67か所)銀行業店舗、事務センター等71,40847063,720(202)―62,435198,03411,345[2,613]かんぽ生命保険本社及びエリア本部(14か所)支店(82か所)生命保険業店舗、本社等44,9848776,610(72)5,3269,562136,57118,427[2,626]
(注) 1.帳簿価額のうち「その他」は、工具、器具及び備品と建設仮勘定であります。2.日本郵便における本社・支社、郵便局及びその他の設備の数は重複しておりません。また、帳簿価額はそれぞれのセグメントの区分に応じて分けて記載しております。3.日本郵便における郵便局数には閉鎖中の郵便局は含まれませんが、帳簿価額には含まれております。4.上記のほか、当社の連結会社以外の者から賃借している設備があります。日本郵便(年間賃借料71,382百万円)、ゆうちょ銀行(年間賃借料2,334百万円)、かんぽ生命保険(年間賃借料7,421百万円)であり、主要なものは日本郵便における郵便局施設となります。5.上記には、日本郵便が賃貸しているJPタワー等の設備(632,208百万円)が含まれております。6.従業員数は就業人員であり、臨時従業員数(無期転換制度に基づく無期雇用転換者(アソシエイト社員)を含み、派遣社員を除く。)は年間の平均人員を[ ]内に外書きで記載しております。 (3) 主要な在外子会社の状況2024年3月31日現在会社名所在地セグメントの名称設備の内容帳簿価額(百万円)従業員数(人)建物及び構築物機械装置及び運搬具土地(面積千㎡)その他合計トール社及び同社傘下の子会社LOYANG,SINGAPORE国際物流事業ロジスティクス施設33,611212―9,86943,69369[―]TUAS,SINGAPORE国際物流事業ロジスティクス施設 13,324936―1,16815,429223[―]DAMPIER,AUSTRALIA国際物流事業ロジスティクス施設3,163121―1,7745,06078[33]
(注) 1.トール社及び同社傘下の子会社の所有する設備のうち、主要なものを記載しております。2.帳簿価額のうち「その他」には、IFRS第16号適用による使用権資産を含んでおります。3.上記には、当社の連結子会社以外の者から賃借している土地・建物等が含まれております。4.従業員数は就業人員であり、臨時従業員数は3月末の人員数を[ ]内に外書きで記載しております。
設備の新設、除却等の計画 3 【設備の新設、除却等の計画】
(1) 重要な設備等の新設等2024年3月31日現在セグメントの名称設備の内容投資予定額(百万円)資金調達方法着手及び完了予定年月着手完了郵便・物流事業郵便局施設・設備の改修(注2)42,435自己資金2014年4月2026年度次期基幹システムの更改12,199自己資金2020年4月2025年度電動車の購入20,835自己資金2020年4月2025年度郵便局窓口事業郵便局施設・設備の改修(注2)10,209自己資金2014年4月2026年度オープン出納機の更改18,973自己資金2023年4月2024年度国際物流事業自動倉庫への投資(注3)177百万豪ドル自己資金リース2022年10月2024年度銀行業ATM(2024~2028年度)26,180自己資金―2028年度ゆうちょ総合情報システム(2023年度)14,147自己資金2020年3月2024年度ゆうちょ総合情報システム(2025年度)15,073自己資金2022年6月2025年度ATM及び紙幣硬貨入出金機(新紙幣対応)8,173自己資金2023年5月2024年度生命保険業次世代システムの構築 32,840自己資金2021年4月2025年度その他名古屋栄計画(オフィス、商業施設、ホテル、シネコン他)5,346自己資金2022年7月2025年度
(注) 1.投資予定額については、当連結会計年度末に計画されている投資予定額の総額から既支払額を差し引いた金額を記載しております。 2.郵便局施設・設備の改修については、計画の見直し等により、投資予定額の総額を変更しております。   3.自動倉庫への投資については、使用権資産115百万豪ドルを含みます。 4.上記のほか、中期経営計画に記載している投資計画については、各案件の投資額等を更に検討した上で、順次具体化してまいります。
(2) 重要な設備の除売却等 経常的な設備の更新のための除売却を除き、重要な設備の除売却等の計画はありません。
設備投資額、設備投資等の概要352,400,000,000

Employees

平均年齢(年)、提出会社の状況、従業員の状況45
平均勤続年数(年)、提出会社の状況、従業員の状況18
平均年間給与、提出会社の状況、従業員の状況8,674,000
管理職に占める女性労働者の割合、提出会社の指標0
全労働者、労働者の男女の賃金の差異、提出会社の指標1
正規雇用労働者、労働者の男女の賃金の差異、提出会社の指標1
非正規雇用労働者、労働者の男女の賃金の差異、提出会社の指標1

Investment

株式の保有状況 (5) 【株式の保有状況】
① 提出会社における投資株式の区分の基準及び考え方純投資目的である投資株式は、主に株式の価値の変動又は株式に係る配当によって利益を受けることを目的とするものであり、純投資目的以外の目的である投資株式は、業務提携の強化等を目的とするものであります。 ② 提出会社における株式の保有状況当社の株式の保有状況については以下のとおりであります。(a) 保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式イ. 保有方針及び保有の合理性を検証する方法並びに個別銘柄の保有の適否に関する取締役会等における検証の内容当社は、業務提携の強化等純投資以外の観点から、当社グループの中長期的な企業価値の向上に資すると判断される上場企業の株式等(以下、本「(5) 株式の保有状況 ② 提出会社における株式の保有状況 (a) 保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式 イ. 保有方針及び保有の合理性を検証する方法並びに個別銘柄の保有の適否に関する取締役会等における検証の内容」において「政策保有株式」といいます。)を取得し保有することができることとしております。当社が保有する政策保有株式について、中長期的な経済合理性や将来の見通し等を勘案の上、その保有の狙い・合理性について取締役会において毎年度検証するとともに、検証の内容を開示します。2024年4月の取締役会において、上記主旨に則り検証を行った結果、当社の保有する政策保有株式2銘柄について、継続保有が適当であることを確認いたしました。 ロ. 銘柄数及び貸借対照表計上額 銘柄数(銘柄)貸借対照表計上額の合計額(百万円)非上場株式13非上場株式以外の株式2145,857 ハ. 特定投資株式及びみなし保有株式の銘柄ごとの株式数、貸借対照表計上額等に関する情報特定投資株式銘柄当事業年度前事業年度保有目的、業務提携等の概要、定量的な保有効果及び株式数が増加した理由当社の株式の保有の有無株式数(株)株式数(株)貸借対照表計上額(百万円)貸借対照表計上額(百万円)株式会社大和証券グループ本社30,000,00030,000,000当社は株式会社大和証券グループ本社との資本関係を構築するとともに、当社グループと大和証券グループとの間で資産形成分野における新たな協業の検討を進めることについて合意しており、お客さま一人ひとりのライフスタイル・ニーズに応じた新たなコンサルティングサービスの開発における協力体制の構築を進めております。具体的には、2022年5月から株式会社ゆうちょ銀行において、大和証券株式会社が提供するゆうちょファンドラップを取り扱っており、従来当社グループの顧客でなかった新たな顧客層の獲得による顧客ベースの拡大による収益拡大効果が見込まれ、当社グループの企業価値の向上、利益への貢献が期待されます。定量的な保有効果について現時点で示すことは困難でありますが、中長期的な経済合理性や将来の見通し等を勘案し、保有の合理性があると判断したものであります。無34,53018,630楽天グループ株式会社131,004,000131,004,000当社は楽天株式会社(2021年4月1日に楽天グループ株式会社に社名変更)の株式の取得により資本関係を構築し、両社グループは物流、モバイル、DXなど様々な領域での連携を強化しております。定量的な保有効果について現時点で示すことは困難でありますが、中長期的な経済合理性や将来の見通し等を勘案し、保有の合理性があると判断したものであります。無111,32780,436 みなし保有株式 前事業年度及び当事業年度において、該当事項はありません。 (b) 保有目的が純投資目的である投資株式前事業年度及び当事業年度において、該当事項はありません。 (c) 当事業年度中に投資株式の保有目的を純投資目的から純投資目的以外の目的に変更したもの該当事項はありません。 (d) 当事業年度中に投資株式の保有目的を純投資目的以外の目的から純投資目的に変更したもの該当事項はありません。 ③ かんぽ生命保険における株式の保有状況当社及び連結子会社のうち、投資株式の貸借対照表計上額(投資株式計上額)が最も大きい会社(最大保有会社)であるかんぽ生命保険については以下のとおりであります。(a) 保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式イ. 保有方針及び保有の合理性を検証する方法並びに個別銘柄の保有の適否に関する取締役会等における検証の内容かんぽ生命保険は、業務提携の強化等純投資以外の観点から、かんぽ生命保険の中長期的な企業価値向上に資すると判断される上場企業の株式等(以下、本「(5) 株式の保有状況 ③ かんぽ生命保険における株式の保有状況 (a) 保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式 イ. 保有方針及び保有の合理性を検証する方法並びに個別銘柄の保有の適否に関する取締役会等における検証の内容」において「政策保有株式」といいます。)を取得し保有することができるものとしております。かんぽ生命保険が保有することができる政策保有株式については、取締役会においてその保有目的の適切性及び保有することの合理性等について精査し、保有の適否を毎年度検証するとともに、検証の内容を開示することとしております。なお、かんぽ生命保険は、現在政策保有株式を保有しておりません。 ロ. 銘柄数及び貸借対照表計上額 銘柄数(銘柄)貸借対照表計上額の合計額(百万円)非上場株式24,259非上場株式以外の株式-― ハ. 特定投資株式及びみなし保有株式の銘柄ごとの株式数、貸借対照表計上額等に関する情報前事業年度及び当事業年度において、該当事項はありません。 (b) 保有目的が純投資目的である投資株式区分当事業年度前事業年度銘柄数(銘柄)貸借対照表計上額の合計額(百万円)銘柄数(銘柄)貸借対照表計上額の合計額(百万円)非上場株式----非上場株式以外の株式123546,030121397,582 区分当事業年度受取配当金の合計額(百万円)売却損益の合計額(百万円)評価損益の合計額(百万円) 含み損益の合計額減損処理の合計額非上場株式----非上場株式以外の株式11,8989,904201,056- (c) 当事業年度中に投資株式の保有目的を純投資目的から純投資目的以外の目的に変更したもの 該当事項はありません。 (d) 当事業年度中に投資株式の保有目的を純投資目的以外の目的から純投資目的に変更したもの 該当事項はありません。
銘柄数、非上場株式、保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式、提出会社1
貸借対照表計上額、非上場株式、保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式、提出会社3,000,000
銘柄数、非上場株式以外の株式、保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式、提出会社2
貸借対照表計上額、非上場株式以外の株式、保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式、提出会社145,857,000,000
株式数、保有目的が純投資目的以外の目的である特定投資株式の明細、提出会社131,004,000
貸借対照表計上額、保有目的が純投資目的以外の目的である特定投資株式の明細、提出会社111,327,000,000
銘柄、保有目的が純投資目的以外の目的である特定投資株式の明細、提出会社楽天グループ株式会社
保有目的、業務提携等の概要、定量的な保有効果及び株式数が増加した理由、保有目的が純投資目的以外の目的である特定投資株式の明細、提出会社当社は楽天株式会社(2021年4月1日に楽天グループ株式会社に社名変更)の株式の取得により資本関係を構築し、両社グループは物流、モバイル、DXなど様々な領域での連携を強化しております。定量的な保有効果について現時点で示すことは困難でありますが、中長期的な経済合理性や将来の見通し等を勘案し、保有の合理性があると判断したものであります。
当該株式の発行者による提出会社の株式の保有の有無、保有目的が純投資目的以外の目的である特定投資株式の明細、提出会社

Shareholders

大株主の状況 (6) 【大株主の状況】
2024年3月31日現在
氏名又は名称住所所有株式数(千株)発行済株式(自己株式を除く。)の総数に対する所有株式数の割合(%)
財務大臣東京都千代田区霞が関3丁目1-11,153,68335.98
日本マスタートラスト信託銀行株式会社(信託口)東京都港区赤坂1丁目8-1赤坂インターシティAIR339,82110.59
株式会社日本カストディ銀行(信託口)東京都中央区晴海1丁目8-12103,5153.22
日本郵政社員持株会東京都千代田区大手町2丁目3-195,7372.98
STATE STREET BANK WEST CLIENT - TREATY 505234(常任代理人 株式会社みずほ銀行決済営業部)1776 HERITAGE DRIVE, NORTH QUINCY, MA 02171, U.S.A.(東京都港区港南2丁目15-1品川インターシティA棟)45,7361.42
JPモルガン証券株式会社東京都千代田区丸の内2丁目7-3東京ビルディング30,7230.95
STATE STREET BANK AND TRUST COMPANY 505103(常任代理人 株式会社みずほ銀行決済営業部)P.O. BOX 351 BOSTON MASSACHUSETTS 02 101 U.S.A.(東京都港区港南2丁目15-1品川インターシティA棟)25,6910.80
SMBC日興証券株式会社東京都千代田区丸の内3丁目3-125,3510.79
JP MORGAN CHASE BANK 385781(常任代理人 株式会社みずほ銀行決済営業部)25 BANK STREET, CANARY WHARF, LONDON, E14 5JP,UNITED KINGDOM (東京都港区港南2丁目15-1品川インターシティA棟)24,5920.76
SSBTC CLIENT OMNIBUS ACCOUNT(常任代理人 香港上海銀行東京支店 カストディ業務部)ONE CONGRESS STREET, SUITE 1, BOSTON, MASSACHUSETTS(東京都中央区日本橋3丁目11-1)22,8530.71計-1,867,70758.25
(注) 1.発行済株式(自己株式を除く。)の総数に対する所有株式数の割合につきましては、自己株式(254,909千株)を控除して計算しております。なお、自己株式には株式給付信託が保有する当社株式(1,058千株)を含めておりません。 2.当社は、2024年3月27日付の取締役会決議に基づき、2024年4月12日付で254,809千株の自己株式の消却を実施し、発行済株式総数は3,206,240千株となっておりますが、発行済株式(自己株式を除く。)の総数に対する所有株式数の割合は、消却前である2024年3月31日時点の発行済株式総数を分母として計算しております。
株主数-金融機関125
株主数-金融商品取引業者51
株主数-外国法人等-個人1,588
連結株主資本等変動計算書 ③ 【連結株主資本等変動計算書】
前連結会計年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) (単位:百万円) 株主資本資本金資本剰余金利益剰余金自己株式株主資本合計当期首残高3,500,0001,458,7186,138,069△96,10611,000,681会計方針の変更による累積的影響額 △2,066 △2,066会計方針の変更を反映した当期首残高3,500,0001,458,7186,136,002△96,10610,998,614当期変動額 剰余金の配当 △183,136 △183,136親会社株主に帰属する当期純利益 431,045 431,045非支配株主との取引に係る親会社の持分変動 △1,505,816 △1,505,816自己株式の取得 △205,355△205,355自己株式の処分 9898自己株式の消却 △100,056 100,056-持分法の適用範囲の変動 -利益剰余金から資本剰余金への振替 147,154△147,154 -株主資本以外の項目の当期変動額(純額) 当期変動額合計-△1,458,718100,754△105,200△1,463,164当期末残高3,500,000-6,236,757△201,3079,535,450 その他の包括利益累計額非支配株主持分純資産合計その他有価証券評価差額金繰延ヘッジ損益為替換算調整勘定保険契約債務の割引率変動影響額退職給付に係る調整累計額その他の包括利益累計額合計当期首残高1,731,180△479,930△112,443-169,9021,308,7092,379,59014,688,981会計方針の変更による累積的影響額 △2,066会計方針の変更を反映した当期首残高1,731,180△479,930△112,443-169,9021,308,7092,379,59014,686,914当期変動額 剰余金の配当 △183,136親会社株主に帰属する当期純利益 431,045非支配株主との取引に係る親会社の持分変動 △1,505,816自己株式の取得 △205,355自己株式の処分 98自己株式の消却 -持分法の適用範囲の変動 -利益剰余金から資本剰余金への振替 -株主資本以外の項目の当期変動額(純額)△837,535104,786△3,705-△32,198△768,6522,641,0711,872,418当期変動額合計△837,535104,786△3,705-△32,198△768,6522,641,071409,253当期末残高893,645△375,143△116,148-137,703540,0565,020,66115,096,168 当連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日) (単位:百万円) 株主資本資本金資本剰余金利益剰余金自己株式株主資本合計当期首残高3,500,000-6,236,757△201,3079,535,450会計方針の変更による累積的影響額 -会計方針の変更を反映した当期首残高3,500,000-6,236,757△201,3079,535,450当期変動額 剰余金の配当 △255,911 △255,911親会社株主に帰属する当期純利益 268,685 268,685非支配株主との取引に係る親会社の持分変動 47,211 47,211自己株式の取得 △299,999△299,999自己株式の処分 8787自己株式の消却 △199,989 199,989-持分法の適用範囲の変動 105,747 105,747利益剰余金から資本剰余金への振替 152,777△152,777 -株主資本以外の項目の当期変動額(純額) 当期変動額合計--△34,256△99,923△134,180当期末残高3,500,000-6,202,500△301,2309,401,270 その他の包括利益累計額非支配株主持分純資産合計その他有価証券評価差額金繰延ヘッジ損益為替換算調整勘定保険契約債務の割引率変動影響額退職給付に係る調整累計額その他の包括利益累計額合計当期首残高893,645△375,143△116,148-137,703540,0565,020,66115,096,168会計方針の変更による累積的影響額 -会計方針の変更を反映した当期首残高893,645△375,143△116,148-137,703540,0565,020,66115,096,168当期変動額 剰余金の配当 △255,911親会社株主に帰属する当期純利益 268,685非支配株主との取引に係る親会社の持分変動 47,211自己株式の取得 △299,999自己株式の処分 87自己株式の消却 -持分法の適用範囲の変動 105,747利益剰余金から資本剰余金への振替 -株主資本以外の項目の当期変動額(純額)698,496△398,08340,30519,215△35,576324,356452,185776,542当期変動額合計698,496△398,08340,30519,215△35,576324,356452,185642,362当期末残高1,592,142△773,227△75,84319,215102,126864,4135,472,84715,738,530
株主数-外国法人等-個人以外800
株主数-個人その他656,169
株主数-その他の法人5,275
株主数-計664,010
氏名又は名称、大株主の状況SSBTC CLIENT OMNIBUS ACCOUNT(常任代理人 香港上海銀行東京支店 カストディ業務部)
株主総利回り1
株主総会決議による取得の状況 (1) 【株主総会決議による取得の状況】
該当事項はありません。
株主総会決議又は取締役会決議に基づかないものの内容 (3) 【株主総会決議又は取締役会決議に基づかないものの内容】
区分株式数(株)価額の総額(百万円)当事業年度における取得自己株式200当期間における取得自己株式――
(注) 当期間における取得自己株式には、2024年6月1日から有価証券報告書提出日までの単元未満株式の買取りによる株式数は含めておりません。

Shareholders2

自己株式の取得-299,999,000,000
自己株式の取得による支出、財務活動によるキャッシュ・フロー-299,999,000,000
発行済株式及び自己株式に関する注記 1.発行済株式の種類及び総数に関する事項 (単位:千株) 当連結会計年度期首株式数当連結会計年度増加株式数当連結会計年度減少株式数当連結会計年度末株式数摘要発行済株式 普通株式3,657,797―196,7483,461,049(注)
(注) 発行済株式(普通株式)の減少196,748千株は、自己株式の消却によるものであります。 2.自己株式の種類及び株式数に関する事項 (単位:千株) 当連結会計年度期首株式数当連結会計年度増加株式数当連結会計年度減少株式数当連結会計年度末株式数摘要自己株式 普通株式197,988254,809196,830255,967(注)1、2、3
(注) 1.当連結会計年度期首の自己株式(普通株式)には、株式給付信託が保有する当社株式1,140千株が含まれております。当連結会計年度末の自己株式(普通株式)には、株式給付信託が保有する当社株式1,058千株が含まれております。2.自己株式(普通株式)の株式数の増加254,809千株は、2023年5月15日及び2023年8月14日開催の当社取締役会決議に基づき2023年8月15日~2024年3月22日までの期間において取得した254,809千株並びに単元未満株式の買取0千株によるものであり、減少196,830千株は、2023年3月29日開催の当社取締役会決議に基づく自己株式の消却196,748千株及び株式給付信託による給付81千株によるものであります。3.当社は、2024年3月27日開催の取締役会において、会社法第178条の規定に基づき、自己株式を消却することを決議いたしましたが、当連結会計年度末において以下の自己株式について消却手続を完了しておりません。帳簿価額 299,983百万円株式の種類 普通株式株式数  254,809千株なお、上記自己株式について、2024年4月12日付で消却手続を完了いたしました。

Audit

監査法人1、連結有限責任 あずさ監査法人
独立監査人の報告書、連結 独立監査人の監査報告書及び内部統制監査報告書  2024年6月19日日本郵政株式会社取締役会 御中 有限責任 あずさ監査法人  東京事務所   指定有限責任社員業務執行社員 公認会計士前  野  充  次  指定有限責任社員業務執行社員 公認会計士村  松  啓  輔  指定有限責任社員業務執行社員 公認会計士河  野     祐 <連結財務諸表監査>監査意見当監査法人は、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づく監査証明を行うため、「経理の状況」に掲げられている日本郵政株式会社の2023年4月1日から2024年3月31日までの連結会計年度の連結財務諸表、すなわち、連結貸借対照表、連結損益計算書、連結包括利益計算書、連結株主資本等変動計算書、連結キャッシュ・フロー計算書、連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項、その他の注記及び連結附属明細表について監査を行った。当監査法人は、上記の連結財務諸表が、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して、日本郵政株式会社及び連結子会社の2024年3月31日現在の財政状態並びに同日をもって終了する連結会計年度の経営成績及びキャッシュ・フローの状況を、全ての重要な点において適正に表示しているものと認める。 監査意見の根拠当監査法人は、我が国において一般に公正妥当と認められる監査の基準に準拠して監査を行った。監査の基準における当監査法人の責任は、「連結財務諸表監査における監査人の責任」に記載されている。当監査法人は、我が国における職業倫理に関する規定に従って、会社及び連結子会社から独立しており、また、監査人としてのその他の倫理上の責任を果たしている。当監査法人は、意見表明の基礎となる十分かつ適切な監査証拠を入手したと判断している。 監査上の主要な検討事項監査上の主要な検討事項とは、当連結会計年度の連結財務諸表の監査において、監査人が職業的専門家として特に重要であると判断した事項である。監査上の主要な検討事項は、連結財務諸表全体に対する監査の実施過程及び監査意見の形成において対応した事項であり、当監査法人は、当該事項に対して個別に意見を表明するものではない。 株式会社ゆうちょ銀行におけるレベル2及びレベル3に区分されているその他有価証券の評価の合理性監査上の主要な検討事項の内容及び決定理由監査上の対応日本郵政株式会社の当連結会計年度の連結貸借対照表において、有価証券194,744,045百万円が計上されており、資産の部合計の約65%を占めている。 連結子会社である株式会社ゆうちょ銀行(以下、銀行子会社という)は、貯金で集めた資金を主として国債、社債、外国債券、投資信託といった有価証券で運用している。時価で同社連結貸借対照表に計上しているその他有価証券には、レベル2に区分されている社債及びその他に含まれる外国債券(以下、社債及びその他に含まれる外国債券を合わせて「社債等」という。)15,416,001百万円及びレベル3に区分されている社債等106,945百万円が含まれている。銀行子会社は、これらの有価証券について、主として情報ベンダーやブローカー等の第三者から入手した価格を時価として利用している。注記事項(重要な会計上の見積り)に記載のとおり、第三者から入手した価格における主要な仮定として類似銘柄の価格から推計されるスプレッド等の市場で直接又は間接的に観察可能なインプットや、重要な見積りを含む市場で観察できないインプットが使用されている。 これらの主要な仮定は、市場環境の急激な変化や金融市場の混乱が生じ、買気配と売気配の幅が著しく拡大することや流動性リスク・プレミアムが著しく拡大すること等により影響を受け、特にレベル2及びレベル3に区分されている一部の流動性が低い社債等(私募債や証券化商品等)の時価の算定において、見積りの不確実性が高まる可能性がある。このため、これらについて、第三者から入手した価格を時価として利用するにあたっては、経営者の判断を伴い、適切でない仮定に基づいた価格を利用した場合には、それによる連結財務諸表に対する影響は重要となる可能性がある。 以上から、当監査法人は、銀行子会社におけるレベル2及びレベル3に区分されている一部の流動性が低い社債等の評価の合理性が、当連結会計年度の連結財務諸表監査において特に重要であり、監査上の主要な検討事項の一つに該当すると判断した。 当監査法人は、銀行子会社におけるレベル2及びレベル3に区分されている一部の流動性が低い社債等の評価の合理性を検討するため、銀行子会社の監査人に監査の実施を指示するとともに監査手続の実施結果の報告を受け、十分かつ適切な監査証拠が入手されているか否かを評価した。銀行子会社の監査人は、主に以下の監査手続を実施した。 (1)内部統制の評価銀行子会社におけるレベル2及びレベル3に区分されている社債等の評価に関連する内部統制の整備状況及び運用状況の有効性を評価した。評価にあたっては、特に以下に焦点を当てた。・複数の第三者から入手した価格を比較し、時価として利用する価格の合理性を検討していること・価格から推計したスプレッドの検証等による、時価として利用する価格の合理性を検討していること
(2)時価の合理性の検討レベル2及びレベル3に区分されている社債等のうち、銀行子会社が複数の第三者から入手した価格間の乖離が大きい銘柄や証券化商品等、銀行子会社の監査人が個別に検討を要すると判断した銘柄に対して、主に以下の手続を実施した。これらの手続の実施にあたっては、当監査法人が属するネットワークファームの金融商品の評価の専門家を関与させた。・銀行子会社が時価として利用する価格と監査人が他の第三者より直接入手した価格を比較し、時価として利用する価格が合理的な範囲であるか否かを検討した。・銀行子会社が時価として利用する価格と監査人が独自の見積りで算定した価格を比較し、時価として利用する価格が合理的な範囲であるか否かを検討した。 責任準備金の計算の正確性及び積立額の十分性監査上の主要な検討事項の内容及び決定理由監査上の対応日本郵政株式会社の当連結会計年度の連結貸借対照表において、責任準備金50,512,792百万円が計上されており、負債の部合計の約18%を占めている。 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)の「4.会計方針に関する事項(18)①責任準備金の積立方法」に記載のとおり、保険業法等に基づき、保険契約に基づく将来における債務の履行に備えるため、責任準備金を積み立てている。 責任準備金は、保険業法等に基づき、金融庁に認可を受けた算出方法書により毎決算期に積み立てが要求されている。また、保険業法等により、責任準備金に積立不足が生じていないかの検証が求められ、責任準備金の積み増しを行うことが必要となる場合がある。 責任準備金は、将来の長期間にわたり発生するキャッシュ・フローについて計算前提(予定死亡率・予定利率・予定事業費率等)をおいて計算される。金融庁に認可を受けた算出方法書に基づく責任準備金の計算式は複雑であり、保険数理に関する高度な専門性が必要となる。また、責任準備金に積立不足が生じていないかを検証するために、保険業法等により、保険計理人による将来収支分析が求められているが、当該分析においては今後の保険商品の販売水準、保険金等支払額、資産運用収益、事業費などの将来キャッシュ・フロー等の見積りに重要な判断が必要となるとともに、保険数理に関する高度な専門性が必要となる。 以上から、当監査法人は、責任準備金の計算の正確性及び積立額の十分性が、当連結会計年度の連結財務諸表監査において特に重要であり、監査上の主要な検討事項の一つに該当すると判断した。 当監査法人は、責任準備金の計算の正確性及び積立額の十分性を検討するため、連結子会社である株式会社かんぽ生命保険(以下、保険子会社という)の監査人に監査の実施を指示するとともに、監査手続の実施結果の報告を受け、十分かつ適切な監査証拠が入手されているか否かを評価した。保険子会社の監査人は、当監査法人内の保険数理の専門家及びITシステムの専門家を関与させ、主に以下の監査手続を実施した。 (1)内部統制の評価保険子会社における責任準備金の計算の正確性及び積立額の十分性に関連するプロセスについて、内部統制の整備状況及び運用状況の有効性を評価した。評価にあたっては、特に以下に焦点を当てた。・責任準備金計算システムにより、責任準備金を正確に計算するシステム統制が有効に機能していること・保険数理関連部門において、全ての保険契約に対して責任準備金が網羅的に計上されていることを確認していること・保険数理関連部門において、責任準備金の計算の正確性について、サンプル抽出による再計算による検証及び決算用の責任準備金計算システム以外のシステムにより計算された責任準備金計上額との整合性の検証を実施していること・保険子会社の経営者が、責任準備金の積立額の十分性を確認するために、保険計理人の意見書についての報告を受けていること
(2)責任準備金の計算の正確性に関する検討・当連結会計年度に新たに販売された保険商品及び改定された保険商品の責任準備金について、金融庁に認可を受けた算出方法書に従い正確に計算されていることを再計算により確認した。・過年度からの責任準備金の増減と当連結会計年度の保険料、保険金、事業費等との整合性を確認した。 (3)責任準備金の積立額の十分性に関する検討・責任準備金の積立額の十分性を検討するために、将来収支分析が、関連する法令及び「生命保険会社の保険計理人の実務基準」(公益社団法人 日本アクチュアリー会)に基づいて適切に行われていることを確認し、過年度の計算結果と比較した。・保険計理人の意見書及び附属報告書等について保険計理人の意見を踏まえて内容を検討し、保険計理人に対し質問した。 責任準備金及び価格変動準備金に係る繰延税金資産の回収可能性に関する判断の合理性監査上の主要な検討事項の内容及び決定理由監査上の対応日本郵政株式会社の当連結会計年度の連結貸借対照表において、繰延税金資産704,972百万円が計上されており、注記事項(税効果会計関係)に記載のとおり、繰延税金負債との相殺前の金額は2,141,256百万円である。このうち、責任準備金に係る繰延税金資産及び価格変動準備金に係る繰延税金資産の金額がそれぞれ998,451百万円、228,547百万円であり、多額である。 繰延税金資産は、将来減算一時差異のうち将来にわたり税金負担額を軽減することが認められる範囲内で認識する。繰延税金資産の計上額は、「繰延税金資産の回収可能性に関する適用指針」(企業会計基準委員会 企業会計基準適用指針第26号)に基づく企業の分類の妥当性や将来の課税所得の見積りに依存する。 注記事項(税効果会計関係)に記載のとおり、日本郵政株式会社は、責任準備金及び価格変動準備金に係る繰延税金資産について、将来の長期にわたり発生する課税所得により税金負担額を軽減する効果を有するものとして回収可能性があると判断している。保険子会社の経営者による将来の長期にわたり発生する課税所得の見積りは、今後の保険商品の新契約水準、保険金等支払額、資産運用収益や事業費見込みといった主要な仮定に対する重要な判断を伴う。当連結会計年度における保険子会社の新契約実績は増加しているものの想定していた水準まで達しておらず、当連結会計年度に作成した経営計画を基礎とした新契約水準は見積りの不確実性が高い。 以上から、当監査法人は、責任準備金及び価格変動準備金に係る繰延税金資産の回収可能性に関する判断の合理性が、当連結会計年度の連結財務諸表監査において特に重要であり、監査上の主要な検討事項の一つに該当すると判断した。 当監査法人は、責任準備金及び価格変動準備金に係る繰延税金資産の回収可能性に関する判断の合理性を検討するため、保険子会社の監査人に監査の実施を指示するとともに、監査手続の実施結果についての報告を受け、十分かつ適切な監査証拠が入手されているか否かを評価した。保険子会社の監査人は、主に以下の監査手続を実施した。 (1)内部統制の評価保険子会社における、経営計画の策定を含む、将来の課税所得の見積りに係る内部統制の整備状況及び運用状況の有効性を評価した。
(2)企業の分類についての検討「繰延税金資産の回収可能性に関する適用指針」に基づく企業の分類の妥当性、特に、近い将来に保険子会社の経営環境に著しい変化が見込まれるかどうかを検討した。 (3)将来の課税所得の見積りの適切性及び実現可能性についての検討・保険子会社の経営者及び関連部署に対し質問し、将来の課税所得の見積りの基礎となる保険子会社の経営計画の前提を理解した。・過年度における将来の課税所得の見積りと実績の主な差異原因について、保険子会社の関連部署への質問により理解し、将来の課税所得の見積りに与える影響を確認した。・将来の課税所得の見積りと保険子会社の経営計画の整合性を確認した。 ・保険子会社の経営者による将来の課税所得見積りのストレスシナリオに使用した代替的な仮定について関連部署に質問し、その結果を理解するとともに、経営者による見積りの不確実性に対する評価の適切性を検討した。 その他の記載内容その他の記載内容は、有価証券報告書に含まれる情報のうち、連結財務諸表及び財務諸表並びにこれらの監査報告書以外の情報である。経営者の責任は、その他の記載内容を作成し開示することにある。また、監査委員会の責任は、その他の記載内容の報告プロセスの整備及び運用における執行役及び取締役の職務の執行を監視することにある。当監査法人の連結財務諸表に対する監査意見の対象にはその他の記載内容は含まれておらず、当監査法人はその他の記載内容に対して意見を表明するものではない。連結財務諸表監査における当監査法人の責任は、その他の記載内容を通読し、通読の過程において、その他の記載内容と連結財務諸表又は当監査法人が監査の過程で得た知識との間に重要な相違があるかどうか検討すること、また、そのような重要な相違以外にその他の記載内容に重要な誤りの兆候があるかどうか注意を払うことにある。当監査法人は、実施した作業に基づき、その他の記載内容に重要な誤りがあると判断した場合には、その事実を報告することが求められている。その他の記載内容に関して、当監査法人が報告すべき事項はない。 連結財務諸表に対する経営者及び監査委員会の責任経営者の責任は、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して連結財務諸表を作成し適正に表示することにある。これには、不正又は誤謬による重要な虚偽表示のない連結財務諸表を作成し適正に表示するために経営者が必要と判断した内部統制を整備及び運用することが含まれる。連結財務諸表を作成するに当たり、経営者は、継続企業の前提に基づき連結財務諸表を作成することが適切であるかどうかを評価し、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づいて継続企業に関する事項を開示する必要がある場合には当該事項を開示する責任がある。監査委員会の責任は、財務報告プロセスの整備及び運用における執行役及び取締役の職務の執行を監視することにある。 連結財務諸表監査における監査人の責任監査人の責任は、監査人が実施した監査に基づいて、全体としての連結財務諸表に不正又は誤謬による重要な虚偽表示がないかどうかについて合理的な保証を得て、監査報告書において独立の立場から連結財務諸表に対する意見を表明することにある。虚偽表示は、不正又は誤謬により発生する可能性があり、個別に又は集計すると、連結財務諸表の利用者の意思決定に影響を与えると合理的に見込まれる場合に、重要性があると判断される。監査人は、我が国において一般に公正妥当と認められる監査の基準に従って、監査の過程を通じて、職業的専門家としての判断を行い、職業的懐疑心を保持して以下を実施する。・不正又は誤謬による重要な虚偽表示リスクを識別し、評価する。また、重要な虚偽表示リスクに対応した監査手続を立案し、実施する。監査手続の選択及び適用は監査人の判断による。さらに、意見表明の基礎となる十分かつ適切な監査証拠を入手する。・連結財務諸表監査の目的は、内部統制の有効性について意見表明するためのものではないが、監査人は、リスク評価の実施に際して、状況に応じた適切な監査手続を立案するために、監査に関連する内部統制を検討する。・経営者が採用した会計方針及びその適用方法の適切性、並びに経営者によって行われた会計上の見積りの合理性及び関連する注記事項の妥当性を評価する。・経営者が継続企業を前提として連結財務諸表を作成することが適切であるかどうか、また、入手した監査証拠に基づき、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況に関して重要な不確実性が認められるかどうか結論付ける。継続企業の前提に関する重要な不確実性が認められる場合は、監査報告書において連結財務諸表の注記事項に注意を喚起すること、又は重要な不確実性に関する連結財務諸表の注記事項が適切でない場合は、連結財務諸表に対して除外事項付意見を表明することが求められている。監査人の結論は、監査報告書日までに入手した監査証拠に基づいているが、将来の事象や状況により、企業は継続企業として存続できなくなる可能性がある。・連結財務諸表の表示及び注記事項が、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠しているかどうかとともに、関連する注記事項を含めた連結財務諸表の表示、構成及び内容、並びに連結財務諸表が基礎となる取引や会計事象を適正に表示しているかどうかを評価する。・連結財務諸表に対する意見を表明するために、会社及び連結子会社の財務情報に関する十分かつ適切な監査証拠を入手する。監査人は、連結財務諸表の監査に関する指示、監督及び実施に関して責任がある。監査人は、単独で監査意見に対して責任を負う。監査人は、監査委員会に対して、計画した監査の範囲とその実施時期、監査の実施過程で識別した内部統制の重要な不備を含む監査上の重要な発見事項、及び監査の基準で求められているその他の事項について報告を行う。監査人は、監査委員会に対して、独立性についての我が国における職業倫理に関する規定を遵守したこと、並びに監査人の独立性に影響を与えると合理的に考えられる事項、及び阻害要因を除去するための対応策を講じている場合又は阻害要因を許容可能な水準にまで軽減するためのセーフガードを適用している場合はその内容について報告を行う。監査人は、監査委員会と協議した事項のうち、当連結会計年度の連結財務諸表の監査で特に重要であると判断した事項を監査上の主要な検討事項と決定し、監査報告書において記載する。ただし、法令等により当該事項の公表が禁止されている場合や、極めて限定的ではあるが、監査報告書において報告することにより生じる不利益が公共の利益を上回ると合理的に見込まれるため、監査人が報告すべきでないと判断した場合は、当該事項を記載しない。 <内部統制監査>監査意見 当監査法人は、金融商品取引法第193条の2第2項の規定に基づく監査証明を行うため、日本郵政株式会社の2024年3月31日現在の内部統制報告書について監査を行った。 当監査法人は、日本郵政株式会社が2024年3月31日現在の財務報告に係る内部統制は有効であると表示した上記の内部統制報告書が、我が国において一般に公正妥当と認められる財務報告に係る内部統制の評価の基準に準拠して、財務報告に係る内部統制の評価結果について、全ての重要な点において適正に表示しているものと認める。 監査意見の根拠 当監査法人は、我が国において一般に公正妥当と認められる財務報告に係る内部統制の監査の基準に準拠して内部統制監査を行った。財務報告に係る内部統制の監査の基準における当監査法人の責任は、「内部統制監査における監査人の責任」に記載されている。当監査法人は、我が国における職業倫理に関する規定に従って、会社及び連結子会社から独立しており、また、監査人としてのその他の倫理上の責任を果たしている。当監査法人は、意見表明の基礎となる十分かつ適切な監査証拠を入手したと判断している。 内部統制報告書に対する経営者及び監査委員会の責任 経営者の責任は、財務報告に係る内部統制を整備及び運用し、我が国において一般に公正妥当と認められる財務報告に係る内部統制の評価の基準に準拠して内部統制報告書を作成し適正に表示することにある。監査委員会の責任は、財務報告に係る内部統制の整備及び運用状況を監視、検証することにある。なお、財務報告に係る内部統制により財務報告の虚偽の記載を完全には防止又は発見することができない可能性がある。 内部統制監査における監査人の責任 監査人の責任は、監査人が実施した内部統制監査に基づいて、内部統制報告書に重要な虚偽表示がないかどうかについて合理的な保証を得て、内部統制監査報告書において独立の立場から内部統制報告書に対する意見を表明することにある。 監査人は、我が国において一般に公正妥当と認められる財務報告に係る内部統制の監査の基準に従って、監査の過程を通じて、職業的専門家としての判断を行い、職業的懐疑心を保持して以下を実施する。・内部統制報告書における財務報告に係る内部統制の評価結果について監査証拠を入手するための監査手続を実施する。内部統制監査の監査手続は、監査人の判断により、財務報告の信頼性に及ぼす影響の重要性に基づいて選択及び適用される。・財務報告に係る内部統制の評価範囲、評価手続及び評価結果について経営者が行った記載を含め、全体としての内部統制報告書の表示を検討する。・内部統制報告書における財務報告に係る内部統制の評価結果に関する十分かつ適切な監査証拠を入手する。監査人は、内部統制報告書の監査に関する指示、監督及び実施に関して責任がある。監査人は、単独で監査意見に対して責任を負う。監査人は、監査委員会に対して、計画した内部統制監査の範囲とその実施時期、内部統制監査の実施結果、識別した内部統制の開示すべき重要な不備、その是正結果、及び内部統制の監査の基準で求められているその他の事項について報告を行う。監査人は、監査委員会に対して、独立性についての我が国における職業倫理に関する規定を遵守したこと、並びに監査人の独立性に影響を与えると合理的に考えられる事項、及び阻害要因を除去するための対応策を講じている場合又は阻害要因を許容可能な水準にまで軽減するためのセーフガードを適用している場合はその内容について報告を行う。 <報酬関連情報>当監査法人及び当監査法人と同一のネットワークに属する者に対する、会社及び子会社の監査証明業務に基づく報酬及び非監査業務に基づく報酬の額は、「提出会社の状況」に含まれるコーポレート・ガバナンスの状況等 (3)【監査の状況】
に記載されている。 利害関係会社及び連結子会社と当監査法人又は業務執行社員との間には、公認会計士法の規定により記載すべき利害関係はない。 以 上
(注) 1 上記の監査報告書の原本は当社(有価証券報告書提出会社)が別途保管しております。2 XBRLデータは監査の対象には含まれていません。
監査上の主要な検討事項、連結 監査上の主要な検討事項監査上の主要な検討事項とは、当連結会計年度の連結財務諸表の監査において、監査人が職業的専門家として特に重要であると判断した事項である。監査上の主要な検討事項は、連結財務諸表全体に対する監査の実施過程及び監査意見の形成において対応した事項であり、当監査法人は、当該事項に対して個別に意見を表明するものではない。 株式会社ゆうちょ銀行におけるレベル2及びレベル3に区分されているその他有価証券の評価の合理性監査上の主要な検討事項の内容及び決定理由監査上の対応日本郵政株式会社の当連結会計年度の連結貸借対照表において、有価証券194,744,045百万円が計上されており、資産の部合計の約65%を占めている。 連結子会社である株式会社ゆうちょ銀行(以下、銀行子会社という)は、貯金で集めた資金を主として国債、社債、外国債券、投資信託といった有価証券で運用している。時価で同社連結貸借対照表に計上しているその他有価証券には、レベル2に区分されている社債及びその他に含まれる外国債券(以下、社債及びその他に含まれる外国債券を合わせて「社債等」という。)15,416,001百万円及びレベル3に区分されている社債等106,945百万円が含まれている。銀行子会社は、これらの有価証券について、主として情報ベンダーやブローカー等の第三者から入手した価格を時価として利用している。注記事項(重要な会計上の見積り)に記載のとおり、第三者から入手した価格における主要な仮定として類似銘柄の価格から推計されるスプレッド等の市場で直接又は間接的に観察可能なインプットや、重要な見積りを含む市場で観察できないインプットが使用されている。 これらの主要な仮定は、市場環境の急激な変化や金融市場の混乱が生じ、買気配と売気配の幅が著しく拡大することや流動性リスク・プレミアムが著しく拡大すること等により影響を受け、特にレベル2及びレベル3に区分されている一部の流動性が低い社債等(私募債や証券化商品等)の時価の算定において、見積りの不確実性が高まる可能性がある。このため、これらについて、第三者から入手した価格を時価として利用するにあたっては、経営者の判断を伴い、適切でない仮定に基づいた価格を利用した場合には、それによる連結財務諸表に対する影響は重要となる可能性がある。 以上から、当監査法人は、銀行子会社におけるレベル2及びレベル3に区分されている一部の流動性が低い社債等の評価の合理性が、当連結会計年度の連結財務諸表監査において特に重要であり、監査上の主要な検討事項の一つに該当すると判断した。 当監査法人は、銀行子会社におけるレベル2及びレベル3に区分されている一部の流動性が低い社債等の評価の合理性を検討するため、銀行子会社の監査人に監査の実施を指示するとともに監査手続の実施結果の報告を受け、十分かつ適切な監査証拠が入手されているか否かを評価した。銀行子会社の監査人は、主に以下の監査手続を実施した。 (1)内部統制の評価銀行子会社におけるレベル2及びレベル3に区分されている社債等の評価に関連する内部統制の整備状況及び運用状況の有効性を評価した。評価にあたっては、特に以下に焦点を当てた。・複数の第三者から入手した価格を比較し、時価として利用する価格の合理性を検討していること・価格から推計したスプレッドの検証等による、時価として利用する価格の合理性を検討していること
(2)時価の合理性の検討レベル2及びレベル3に区分されている社債等のうち、銀行子会社が複数の第三者から入手した価格間の乖離が大きい銘柄や証券化商品等、銀行子会社の監査人が個別に検討を要すると判断した銘柄に対して、主に以下の手続を実施した。これらの手続の実施にあたっては、当監査法人が属するネットワークファームの金融商品の評価の専門家を関与させた。・銀行子会社が時価として利用する価格と監査人が他の第三者より直接入手した価格を比較し、時価として利用する価格が合理的な範囲であるか否かを検討した。・銀行子会社が時価として利用する価格と監査人が独自の見積りで算定した価格を比較し、時価として利用する価格が合理的な範囲であるか否かを検討した。 責任準備金の計算の正確性及び積立額の十分性監査上の主要な検討事項の内容及び決定理由監査上の対応日本郵政株式会社の当連結会計年度の連結貸借対照表において、責任準備金50,512,792百万円が計上されており、負債の部合計の約18%を占めている。 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)の「4.会計方針に関する事項(18)①責任準備金の積立方法」に記載のとおり、保険業法等に基づき、保険契約に基づく将来における債務の履行に備えるため、責任準備金を積み立てている。 責任準備金は、保険業法等に基づき、金融庁に認可を受けた算出方法書により毎決算期に積み立てが要求されている。また、保険業法等により、責任準備金に積立不足が生じていないかの検証が求められ、責任準備金の積み増しを行うことが必要となる場合がある。 責任準備金は、将来の長期間にわたり発生するキャッシュ・フローについて計算前提(予定死亡率・予定利率・予定事業費率等)をおいて計算される。金融庁に認可を受けた算出方法書に基づく責任準備金の計算式は複雑であり、保険数理に関する高度な専門性が必要となる。また、責任準備金に積立不足が生じていないかを検証するために、保険業法等により、保険計理人による将来収支分析が求められているが、当該分析においては今後の保険商品の販売水準、保険金等支払額、資産運用収益、事業費などの将来キャッシュ・フロー等の見積りに重要な判断が必要となるとともに、保険数理に関する高度な専門性が必要となる。 以上から、当監査法人は、責任準備金の計算の正確性及び積立額の十分性が、当連結会計年度の連結財務諸表監査において特に重要であり、監査上の主要な検討事項の一つに該当すると判断した。 当監査法人は、責任準備金の計算の正確性及び積立額の十分性を検討するため、連結子会社である株式会社かんぽ生命保険(以下、保険子会社という)の監査人に監査の実施を指示するとともに、監査手続の実施結果の報告を受け、十分かつ適切な監査証拠が入手されているか否かを評価した。保険子会社の監査人は、当監査法人内の保険数理の専門家及びITシステムの専門家を関与させ、主に以下の監査手続を実施した。 (1)内部統制の評価保険子会社における責任準備金の計算の正確性及び積立額の十分性に関連するプロセスについて、内部統制の整備状況及び運用状況の有効性を評価した。評価にあたっては、特に以下に焦点を当てた。・責任準備金計算システムにより、責任準備金を正確に計算するシステム統制が有効に機能していること・保険数理関連部門において、全ての保険契約に対して責任準備金が網羅的に計上されていることを確認していること・保険数理関連部門において、責任準備金の計算の正確性について、サンプル抽出による再計算による検証及び決算用の責任準備金計算システム以外のシステムにより計算された責任準備金計上額との整合性の検証を実施していること・保険子会社の経営者が、責任準備金の積立額の十分性を確認するために、保険計理人の意見書についての報告を受けていること
(2)責任準備金の計算の正確性に関する検討・当連結会計年度に新たに販売された保険商品及び改定された保険商品の責任準備金について、金融庁に認可を受けた算出方法書に従い正確に計算されていることを再計算により確認した。・過年度からの責任準備金の増減と当連結会計年度の保険料、保険金、事業費等との整合性を確認した。 (3)責任準備金の積立額の十分性に関する検討・責任準備金の積立額の十分性を検討するために、将来収支分析が、関連する法令及び「生命保険会社の保険計理人の実務基準」(公益社団法人 日本アクチュアリー会)に基づいて適切に行われていることを確認し、過年度の計算結果と比較した。・保険計理人の意見書及び附属報告書等について保険計理人の意見を踏まえて内容を検討し、保険計理人に対し質問した。 責任準備金及び価格変動準備金に係る繰延税金資産の回収可能性に関する判断の合理性監査上の主要な検討事項の内容及び決定理由監査上の対応日本郵政株式会社の当連結会計年度の連結貸借対照表において、繰延税金資産704,972百万円が計上されており、注記事項(税効果会計関係)に記載のとおり、繰延税金負債との相殺前の金額は2,141,256百万円である。このうち、責任準備金に係る繰延税金資産及び価格変動準備金に係る繰延税金資産の金額がそれぞれ998,451百万円、228,547百万円であり、多額である。 繰延税金資産は、将来減算一時差異のうち将来にわたり税金負担額を軽減することが認められる範囲内で認識する。繰延税金資産の計上額は、「繰延税金資産の回収可能性に関する適用指針」(企業会計基準委員会 企業会計基準適用指針第26号)に基づく企業の分類の妥当性や将来の課税所得の見積りに依存する。 注記事項(税効果会計関係)に記載のとおり、日本郵政株式会社は、責任準備金及び価格変動準備金に係る繰延税金資産について、将来の長期にわたり発生する課税所得により税金負担額を軽減する効果を有するものとして回収可能性があると判断している。保険子会社の経営者による将来の長期にわたり発生する課税所得の見積りは、今後の保険商品の新契約水準、保険金等支払額、資産運用収益や事業費見込みといった主要な仮定に対する重要な判断を伴う。当連結会計年度における保険子会社の新契約実績は増加しているものの想定していた水準まで達しておらず、当連結会計年度に作成した経営計画を基礎とした新契約水準は見積りの不確実性が高い。 以上から、当監査法人は、責任準備金及び価格変動準備金に係る繰延税金資産の回収可能性に関する判断の合理性が、当連結会計年度の連結財務諸表監査において特に重要であり、監査上の主要な検討事項の一つに該当すると判断した。 当監査法人は、責任準備金及び価格変動準備金に係る繰延税金資産の回収可能性に関する判断の合理性を検討するため、保険子会社の監査人に監査の実施を指示するとともに、監査手続の実施結果についての報告を受け、十分かつ適切な監査証拠が入手されているか否かを評価した。保険子会社の監査人は、主に以下の監査手続を実施した。 (1)内部統制の評価保険子会社における、経営計画の策定を含む、将来の課税所得の見積りに係る内部統制の整備状況及び運用状況の有効性を評価した。
(2)企業の分類についての検討「繰延税金資産の回収可能性に関する適用指針」に基づく企業の分類の妥当性、特に、近い将来に保険子会社の経営環境に著しい変化が見込まれるかどうかを検討した。 (3)将来の課税所得の見積りの適切性及び実現可能性についての検討・保険子会社の経営者及び関連部署に対し質問し、将来の課税所得の見積りの基礎となる保険子会社の経営計画の前提を理解した。・過年度における将来の課税所得の見積りと実績の主な差異原因について、保険子会社の関連部署への質問により理解し、将来の課税所得の見積りに与える影響を確認した。・将来の課税所得の見積りと保険子会社の経営計画の整合性を確認した。 ・保険子会社の経営者による将来の課税所得見積りのストレスシナリオに使用した代替的な仮定について関連部署に質問し、その結果を理解するとともに、経営者による見積りの不確実性に対する評価の適切性を検討した。
全体概要、監査上の主要な検討事項、連結 監査上の主要な検討事項とは、当連結会計年度の連結財務諸表の監査において、監査人が職業的専門家として特に重要であると判断した事項である。監査上の主要な検討事項は、連結財務諸表全体に対する監査の実施過程及び監査意見の形成において対応した事項であり、当監査法人は、当該事項に対して個別に意見を表明するものではない。
見出し、監査上の主要な検討事項、連結責任準備金及び価格変動準備金に係る繰延税金資産の回収可能性に関する判断の合理性
内容及び理由、監査上の主要な検討事項、連結 日本郵政株式会社の当連結会計年度の連結貸借対照表において、繰延税金資産704,972百万円が計上されており、注記事項(税効果会計関係)に記載のとおり、繰延税金負債との相殺前の金額は2,141,256百万円である。このうち、責任準備金に係る繰延税金資産及び価格変動準備金に係る繰延税金資産の金額がそれぞれ998,451百万円、228,547百万円であり、多額である。 繰延税金資産は、将来減算一時差異のうち将来にわたり税金負担額を軽減することが認められる範囲内で認識する。繰延税金資産の計上額は、「繰延税金資産の回収可能性に関する適用指針」(企業会計基準委員会 企業会計基準適用指針第26号)に基づく企業の分類の妥当性や将来の課税所得の見積りに依存する。 注記事項(税効果会計関係)に記載のとおり、日本郵政株式会社は、責任準備金及び価格変動準備金に係る繰延税金資産について、将来の長期にわたり発生する課税所得により税金負担額を軽減する効果を有するものとして回収可能性があると判断している。保険子会社の経営者による将来の長期にわたり発生する課税所得の見積りは、今後の保険商品の新契約水準、保険金等支払額、資産運用収益や事業費見込みといった主要な仮定に対する重要な判断を伴う。当連結会計年度における保険子会社の新契約実績は増加しているものの想定していた水準まで達しておらず、当連結会計年度に作成した経営計画を基礎とした新契約水準は見積りの不確実性が高い。 以上から、当監査法人は、責任準備金及び価格変動準備金に係る繰延税金資産の回収可能性に関する判断の合理性が、当連結会計年度の連結財務諸表監査において特に重要であり、監査上の主要な検討事項の一つに該当すると判断した。
開示への参照、監査上の主要な検討事項、連結注記事項(税効果会計関係)
監査上の対応、監査上の主要な検討事項、連結 当監査法人は、銀行子会社におけるレベル2及びレベル3に区分されている一部の流動性が低い社債等の評価の合理性を検討するため、銀行子会社の監査人に監査の実施を指示するとともに監査手続の実施結果の報告を受け、十分かつ適切な監査証拠が入手されているか否かを評価した。銀行子会社の監査人は、主に以下の監査手続を実施した。 (1)内部統制の評価銀行子会社におけるレベル2及びレベル3に区分されている社債等の評価に関連する内部統制の整備状況及び運用状況の有効性を評価した。評価にあたっては、特に以下に焦点を当てた。・複数の第三者から入手した価格を比較し、時価として利用する価格の合理性を検討していること・価格から推計したスプレッドの検証等による、時価として利用する価格の合理性を検討していること
(2)時価の合理性の検討レベル2及びレベル3に区分されている社債等のうち、銀行子会社が複数の第三者から入手した価格間の乖離が大きい銘柄や証券化商品等、銀行子会社の監査人が個別に検討を要すると判断した銘柄に対して、主に以下の手続を実施した。これらの手続の実施にあたっては、当監査法人が属するネットワークファームの金融商品の評価の専門家を関与させた。・銀行子会社が時価として利用する価格と監査人が他の第三者より直接入手した価格を比較し、時価として利用する価格が合理的な範囲であるか否かを検討した。・銀行子会社が時価として利用する価格と監査人が独自の見積りで算定した価格を比較し、時価として利用する価格が合理的な範囲であるか否かを検討した。