財務諸表
CoverPage
提出書類、表紙 | 有価証券報告書 |
提出日、表紙 | 2024-06-26 |
英訳名、表紙 | Takeda Pharmaceutical Company Limited |
代表者の役職氏名、表紙 | 代表取締役社長CEO クリストフ ウェバー |
本店の所在の場所、表紙 | 大阪府大阪市中央区道修町四丁目1番1号(上記は登記上の本店所在地で実際の業務は「最寄りの連絡場所」で行っております。) |
電話番号、本店の所在の場所、表紙 | 該当なし |
様式、DEI | 第三号様式 |
会計基準、DEI | IFRS |
連結決算の有無、DEI | true |
当会計期間の種類、DEI | FY |
corp
沿革 | 2 【沿革】 天明元年(1781年)6月当社創業、薬種商を開業明治4年(1871年)5月洋薬の輸入買付を開始大正3年(1914年)8月武田研究部を設置大正4年(1915年)10月武田製薬所(現・大阪工場)を開設大正10年(1921年)8月大五製薬合資会社(現・連結子会社、日本製薬株式会社)を設立大正11年(1922年)6月武田化学薬品株式会社(1947年10月に和光純薬工業株式会社に社名を変更、2017年4月に売却)を設立大正14年(1925年)1月株式会社武田長兵衛商店を設立昭和18年(1943年)8月武田薬品工業株式会社に社名変更昭和21年(1946年)5月光工場(山口県)を開設昭和24年(1949年)5月東京証券取引所および大阪証券取引所に株式を上場昭和37年(1962年)8月台湾に台湾武田 Ltd.(現・連結子会社)を設立昭和59年(1984年)4月大阪・東京両本社制を敷く昭和60年(1985年)5月米国にアボット・ラボラトリーズ社との合弁会社であるTAPファーマシューティカルズ株式会社(2008年4月に事業再編により100%子会社化し、同年6月に現・連結子会社の武田ファーマシューティカルズU.S.A., Inc.と合併)を設立昭和63年(1988年)1月筑波研究所(茨城県)を開設(2011年2月に湘南研究所(神奈川県)に統合)平成4年(1992年)1月本店を大阪市中央区道修町四丁目1番1号(現在地)に移転平成5年(1993年)3月米国にタケダ・アメリカ株式会社(2001年7月に武田アメリカ・ホールディングス株式会社他と合併し武田アメリカ・ホールディングス株式会社に社名変更、2016年3月に武田ファーマシューティカルズU.S.A., Inc.と合併)を設立平成9年(1997年)10月米国に武田アメリカ研究開発センター株式会社(現・連結子会社、米州武田開発センター Inc.)を設立 平成9年(1997年)10月アイルランドに武田アイルランド Limited(現・連結子会社)を設立平成9年(1997年)12月米国に武田アメリカ・ホールディングス株式会社(2001年7月にタケダ・アメリカ株式会社と合併)を設立平成10年(1998年)5月米国に武田ファーマシューティカルズ・アメリカ株式会社(現・連結子会社、武田ファーマシューティカルズU.S.A., Inc.)を設立平成10年(1998年)9月英国に武田欧州研究開発センター株式会社(現・連結子会社、欧州武田開発センター Ltd.)を設立平成17年(2005年)3月米国のシリックス株式会社(武田カリフォルニア Inc.に社名変更後、2021年7月に米州武田開発センター Inc.(現・連結子会社)と合併)を買収平成17年(2005年)4月生活環境事業を営む日本エンバイロケミカルズ株式会社の株式を大阪ガス株式会社の子会社である大阪ガスケミカル株式会社に譲渡平成17年(2005年)6月動物用医薬品事業を営む武田シェリング・プラウ アニマルヘルス株式会社の株式をシェリング・プラウ株式会社に譲渡平成18年(2006年)1月ビタミン事業を営むBASF武田ビタミン株式会社の株式をBASFジャパン株式会社に譲渡平成18年(2006年)4月化学品事業を営む三井武田ケミカル株式会社の株式を三井化学株式会社に譲渡平成18年(2006年)8月英国に武田ファーマシューティカルズ・ヨーロッパ Limited(2018年7月に清算)を設立平成19年(2007年)4月食品事業を営む武田キリン食品株式会社の株式を麒麟麦酒株式会社に譲渡平成19年(2007年)10月飲料・食品事業を営むハウスウェルネスフーズ株式会社の株式をハウス食品株式会社に譲渡平成19年(2007年)10月農薬事業を営む住化武田農薬株式会社の株式を住友化学株式会社に譲渡平成20年(2008年)3月米国アムジェン社の日本における子会社のアムジェン株式会社(2014年4月に当社に全事業を譲渡し、同年9月に清算)を買収 平成20年(2008年)5月株式の公開買付けにより、米国のミレニアム・ファーマシューティカルズ Inc. (現・連結子会社)を買収平成20年(2008年)9月シンガポールに武田クリニカル・リサーチ・シンガポール株式会社(現・連結子会社、アジア武田開発センター Pte. Ltd.)を設立平成23年(2011年)2月湘南研究所(神奈川県)を開設平成23年(2011年)9月スイスのナイコメッド A/S(現・連結子会社、武田 A/S(清算予定))を買収平成24年(2012年)6月米国のURLファーマ Inc.を買収し、主要事業については、2012年10月に武田ファーマシューティカルズU.S.A., Inc.に統合し、その他の事業については、2013年2月に売却平成24年(2012年)10月米国のリゴサイト・ファーマシューティカルズ Inc. (現・連結子会社、武田ワクチン Inc.)を買収平成24年(2012年)11月米国のエンボイ・セラピューティクス Inc.を買収し、2013年12月に武田カリフォルニア Inc. (2021年7月に米州武田開発センター Inc.(現・連結子会社)と合併)と合併平成25年(2013年)5月米国のインビラージェン Inc.(2013年12月に武田ワクチン Inc.(現・連結子会社)と合併)を買収平成27年(2015年)4月化成品事業を営む水澤化学工業株式会社の株式を大阪ガスケミカル株式会社に譲渡平成28年(2016年)4月日本の長期収載品事業を、イスラエルのテバ社の日本における連結子会社に会社分割により承継し、テバ製薬株式会社(現・持分法適用関連会社、武田テバファーマ株式会社)の株式を取得平成29年(2017年)2月株式の公開買付けにより、米国のアリアド・ファーマシューティカルズ Inc.(現・連結子会社)を買収平成29年(2017年)4月当社のジャパンコンシューマーヘルスケアビジネスユニット事業を、武田コンシューマーヘルスケア株式会社(現・アリナミン製薬株式会社、2021年3月に売却)に会社分割により承継平成29年(2017年)4月試薬事業、化成品事業および臨床検査薬事業を営む和光純薬工業株式会社の株式を富士フイルム株式会社に譲渡平成30年(2018年)4月湘南ヘルスイノベーションパーク(略称:湘南アイパーク)(神奈川県)を開設(湘南研究所から呼称変更、2023年4月に産業ファンド投資法人および三菱商事株式会社に運営事業を譲渡し、持分法適用関連会社化)平成30年(2018年)6月株式等の公開買付けにより、ベルギーのTiGenix NV(2020年3月に清算)を買収平成30年(2018年)7月武田グローバル本社(東京都中央区)を開設平成30年(2018年)12月ニューヨーク証券取引所に当社米国預託証券を上場平成31年(2019年)1月スキーム・オブ・アレンジメントにより、Shire plc.(Shire Limitedに社名変更後、2024年3月に清算)を買収令和3年(2021年)3月武田コンシューマーヘルスケア株式会社(現・アリナミン製薬株式会社)の株式をBlackstoneに譲渡令和3年(2021年)4月日本製薬株式会社を株式交換により100%子会社化(2024年7月にアリナミン製薬株式会社に売却予定)令和4年(2022年)10月日本製薬株式会社の大阪工場を除く血漿分画製剤事業を当社が会社分割により承継令和5年(2023年)2月免疫介在性疾患領域における後期開発パイプラインを有するNimbus Lakshmi, Inc.の全株式を取得 |
事業の内容 | 3 【事業の内容】 当社グループは連結財務諸表提出会社(以下、「当社」)と連結子会社(パートナーシップを含む)169社、持分法適用関連会社16社を合わせた186社により構成されております。当社グループの主要な事業は、医薬品の研究、開発、製造および販売であり、消化器系疾患、希少疾患、血漿分画製剤(免疫疾患)、オンコロジー(がん)、およびニューロサイエンス(神経精神疾患)の主要ビジネスエリア(注)にフォーカスしております。研究開発については、「消化器系・炎症性疾患」、「ニューロサイエンス」、「オンコロジー」を重点疾患領域とした「革新的なバイオ医薬品」に、「血漿分画製剤」および「ワクチン」を加えた3つの分野に当社グループの研究開発分野を絞り込んでいます。また、当社グループは希少疾患に対してコミットしており、当社グループが探求している患者さんの人生を根本的に変えうるような医薬品の多くは、当社グループの重点疾患領域および血漿分画製剤領域における希少疾患を治療するものとなります。当社グループでは新たな研究開発能力、さらには次世代プラットフォームに対して社内および外部との提携によるネットワークを通じて投資し、データとデジタル技術を活用し、イノベーションの質を向上させ、実行を加速させています。当年度末における、当社グループを構成している主要な会社の当該事業に係る位置付けの概要は次のとおりであります。なお、当社グループは、「医薬品事業」の単一セグメントのため、セグメント情報の記載を省略しております。 日本においては、当社が研究開発、製造および販売を行っております。日本を除くその他の地域においては、各国に展開している子会社・関連会社が研究開発、製造および販売機能を担っております。これらのうち米国における主要な子会社は武田ファーマシューティカルズ U.S.A., Inc.、バクスアルタUS Inc.、米州武田開発センター Inc.等であり、欧州およびカナダにおいては、武田ファーマシューティカルズ・インターナショナル AG、武田 GmbH等です。またその他の地域における主要な製造および販売会社は武田(中国)国際貿易有限公司、武田 Distribuidora Ltda.等であります。 (注) 2025年3月期より、従来の「血漿分画製剤(免疫疾患)」は、それまで「希少疾患」に含まれていたファイバやCINRYZEなどのすべての血漿由来の製品を含め「血漿分画製剤」という名称とします。また、2025年3月期より、それまで「その他」に含まれていたワクチンは、デング熱ワクチンQDENGAの戦略的重要性を踏まえ、主要ビジネスエリアの一つとして「ワクチン」と表示します。 以上で述べた事項の概要図は次のとおりであります。 |
関係会社の状況 | 4 【関係会社の状況】 (連結子会社(パートナーシップを含む))2024年3月31日現在地域名称住所資本金又は出資金主要な事業の内容議決権の所有割合関係内容直接所有(%)間接所有(%)合計(%)役員の兼任資金援助営業上の取引その他米 国武田ファーマシューティカルズU.S.A., Inc.(※)米国マサチューセッツ州ケンブリッジ21米国ドル医薬品事業72.727.3100.0--当社が医薬品を販売当社が資金を借入当社が家賃等の支払を保証アリアド・ファーマシューティカルズ Inc.米国 マサチューセッツ州ケンブリッジ6米国ドル医薬品事業-100.0100.0----武田ワクチン Inc.米国マサチューセッツ州ケンブリッジ1米国ドル医薬品事業-100.0100.0----米州武田開発センター Inc.米国マサチューセッツ州ケンブリッジ1米国ドル医薬品事業-100.0100.0--当社が医薬品の開発・許可取得を委託-バクスアルタ Incorporated米国イリノイ州バンノックバーン10米国ドル医薬品事業-100.0100.0---当社が社債の償還を保証ダイアックス Corp.(※)米国マサチューセッツ州レキシントン215米国ドル医薬品事業-100.0100.0----武田ベンチャー投資 Inc.米国マサチューセッツ州ケンブリッジ2米国ドル医薬品事業-100.0100.0有---バクスアルタUS Inc.米国イリノイ州バンノックバーン1米国ドル医薬品事業-100.0100.0--当社が医薬品を購入-シャイアー・ヒューマン・ジェネティック・セラピーズ Inc.(※)米国マサチューセッツ州レキシントン10米国ドル医薬品事業-100.0100.0----バイオライフ・プラズマ・サービシズ LP米国イリノイ州バンノックバーン0米国ドル医薬品事業-100.0100.0----武田マニュファクチャリングU.S.A., Inc.米国マサチューセッツ州ケンブリッジ9千米国ドル医薬品事業-100.0100.0----欧州およびカナダ武田ファーマシューティカルズ・インターナショナル AG (※)スイスオプフィコン5百万ユーロ医薬品事業100.0-100.0--当社が医薬品を販売当社が資金を借入武田 GmbHドイツコンスタンツ11百万ユーロ医薬品事業-100.0100.0----武田イタリア S.p.A.イタリアローマ11百万ユーロ医薬品事業-100.0100.0----武田オーストリア GmbHオーストリアリンツ15百万ユーロ医薬品事業-100.0100.0----武田フランス S.A.S.フランスパリ3百万ユーロ医薬品事業-100.0100.0----英国武田 Limited英国ロンドン50百万英国ポンド医薬品事業-100.0100.0--- -武田アイルランドLimitedアイルランドキルダリー396百万ユーロ医薬品事業100.0-100.0--当社が医薬品の製造を委託-シャイアー・ファーマシューティカルズ・インターナショナル Unlimited Company(※)アイルランドダブリン6,892百万米国ドル医薬品事業-100.0100.0----シャイアー・アクイジションズ・インベストメンツ・アイルランドDesignated Activity Companyアイルランドダブリン20米国ドル医薬品事業100.0-100.0---当社が社債の償還を保証シャイアー・アイルランド・ファイナンス・トレーディング Limited(※)アイルランドダブリン3,163百万米国ドル医薬品事業100.0-100.0-有-当社が資金を貸付武田カナダ Inc.カナダトロント41百万カナダドル医薬品事業-100.0100.0----武田 Farmaceutica Espana S.A.スペインマドリード2百万ユーロ医薬品事業-100.0100.0---- 地域名称住所資本金又は出資金主要な事業の内容議決権の所有割合関係内容直接所有(%)間接所有(%)合計(%)役員の兼任資金援助営業上の取引その他欧州およびカナダ武田マニュファクチャリング・オーストリア AGオーストリアウィーン100千ユーロ医薬品事業-100.0100.0----バクスアルタ・マニュファクチャリング S.à r.l.スイスヌーシャテル3百万スイスフラン医薬品事業30.569.5100.0----バクスアルタ・イノベーションズ GmbHオーストリアウィーン36百万ユーロ医薬品事業-100.0100.0---当社がリース料の支払を保証武田 Pharma ABスウェーデンストックホルム2百万スウェーデンクローナ医薬品事業-100.0100.0----武田 Pharma AGスイスオプフィコン550千スイス フラン医薬品事業-100.0100.0----武田オランダ B.V.オランダホーフトドルプ5百万ユーロ医薬品事業-100.0100.0----ロシア武田ファーマシューティカルズ LimitedLiability Companyロシアモスクワ126千ロシアルーブル医薬品事業-100.0100.0----中南米武田 DistribuidoraLtda. ブラジルサンパウロ140百万ブラジルレアル医薬品事業-100.0100.0----武田メキシコ S.A.de C.V.メキシコナウカルパン820百万メキシコペソ医薬品事業-100.0100.0----武田 Pharma Ltda.ブラジルジャグァリウーナ7百万ブラジルレアル医薬品事業-100.0100.0----武田アルゼンチン S.A.アルゼンチンブエノスアイレス853百万アルゼンチンペソ医薬品事業-100.0100.0----アジア武田(中国)投資有限公司中国上海192百万米国ドル医薬品事業-100.0100.0---当社が資金を借入武田(中国)国際貿易有限公司中国上海22百万米国ドル医薬品事業-100.0100.0----武田ファーマシューティカルズ韓国 Co., Ltd.韓国ソウル2,100百万韓国ウォン医薬品事業-100.0100.0----アジア武田開発センター Pte. Ltd.シンガポール5百万シンガポールドル医薬品事業100.0-100.0 - - --天津武田薬品有限公司中国天津155百万米国ドル医薬品事業-100.0100.0----武田マニュファクチャリング・シンガポール Pte. Ltd.シンガポール305百万米国ドル医薬品事業-100.0100.0----武田APACバイオファーマシューティカル リサーチアンドディベロップメント Co., Ltd.中国上海50百万中国元医薬品事業-100.0100.0---- その他128社 (持分法適用関連会社) 16社 (注) 1 資本金又は出資金欄には、百万単位以上の会社については百万単位未満を四捨五入した金額を、百万単位未満千単位以上の会社については千単位未満を四捨五入した金額を記載しております。2 主要な事業の内容欄には、セグメントの名称を記載しております。3 武田ファーマシューティカルズU.S.A., Inc.については、売上収益(連結会社相互間の内部売上収益を除く)の連結売上収益に占める割合が10%を超えております。主要な損益情報等 武田ファーマシューティカルズU.S.A., Inc.(百万円) (1) 売上収益2,284,622 (2) 営業利益99,908 (3) 当期利益92,005 (4) 資本合計5,568,391 (5) 資産合計9,226,927 4 役員の兼任に関する用語は次のとおりです。兼任・・・当社グループの役員が該当会社の役員である場合5 (※)は特定子会社に該当します。 |
従業員の状況 | 5 【従業員の状況】 (1) 連結会社の状況2024年3月31日現在セグメントの名称従業員数(人)医薬品事業49,281合計49,281 (注) 1 従業員数は臨時従業員を除く正社員の就業人員数であります。なお、当社は工数換算ベース(※)で従業員数を把握しております。 (※)正社員のうちパートタイム労働者がいる場合、フルタイム労働者に換算して人数を算出しております。 (2) 提出会社の状況2024年3月31日現在従業員数(人)平均年齢(歳)平均勤続年数(年)平均年間給与(千円)5,47443.314.610,813 セグメントの名称従業員数(人)医薬品事業5,474合計5,474 (注) 1 従業員数は臨時従業員を除く正社員の就業人員数であります。なお、当社は工数換算ベース(※)で従業員数を把握しております。 (※)正社員のうちパートタイム労働者がいる場合、フルタイム労働者に換算して人数を算出しております。2 平均年間給与は、賞与および基準外賃金を含んでおります。 (3) 労働組合の状況1948年に武田薬工労働組合連合会(1946年各事業場別に組織された単位組合の連合体)が組織されました。1968年7月に連合会組織を単一化し、武田薬品労働組合と改組いたしました。2024年3月31日現在総数4,028人の組合員で組織されております。当社グループの労働組合組織としては、友誼団体として1948年に当社と資本関係・取引関係のある6組合で武田労働組合全国協議会が結成されました。その後、1969年に武田関連労働組合全国協議会(武全協)に改称、2006年に連合団体として武田友好関係労働組合全国連合会(武全連)を結成、2009年の武全協と武全連の統合(存続組織は武全連)を経て、2024年3月31日現在は当社および連結子会社である日本製薬株式会社を含む14の企業内組合(連合会含む)が加盟しております。上部団体としては、武全連を通じて、連合傘下のUAゼンセンに加盟しております。 なお、労使関係について特記事項はありません。 (4) 管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異 ① 提出会社当年度管理職に占める女性労働者の割合(%)(注1)男性労働者の育児休業取得率(%)(注2)労働者の男女の賃金の差異男性の賃金に対する女性の賃金の割合(%)(注1)(注3)全労働者正規雇用労働者パート・有期労働者207876.979.466.1 (注) 1.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。2.「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の4第1号における育児休業等の取得割合を算出したものであります。3.2023年4月1日から2024年3月31日を期間とした平均年間給与(基本給、各種手当、超過労働に対する報酬、賞与等を含み、退職手当と通勤手当を除く)および平均従業員数に基づき算出しております。当社は同等の役割に対して公平に給与を支払うことを目指しており、一貫した等級構造、信頼できる調査会社による外部調査データ、および年次給与レビュープロセスを通じてこれを実行しております。女性労働者の平均賃金が男性労働者より低い理由は、主として上級職における女性労働者数が少ないことによるものです。当社では管理職やその他の上級職の女性の割合を増やすための取り組みと行動計画を策定しており、これにより長期的には賃金の差異が縮小することを見込んでおります。 ② 連結会社当年度管理職に占める女性労働者の割合(%)(注1)43 (注) 1.当社グループ従業員の直属の上司である従業員を管理職に含めております。契約社員のみを管理する従業員は管理職に含めておりません。上記指標の定義や計算方法は「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)とは異なっております。 |
経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 | 1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 タケダの企業理念と「私たちの約束」当社の企業理念は、当社が誰であるか、何を行うか、どのように行うか、なぜそれが重要なのかというタケダの豊かなストーリーを伝えています。当社は、240年以上前の創業から現在に至るまで、社会にも役立つ誠実さで患者さんに貢献しています。データ、デジタルおよびテクノロジー(DD&T)の力を活用し、「Patient」(すべての患者さんのために)、「People」(ともに働く仲間のために)、「Planet」(いのちを育む地球のために)に取り組む「私たちの約束」は、「私たちの価値観」(バリュー)に基づき、「私たちが目指す未来」(ビジョン)と「私たちの存在意義」(パーパス)を実現するために果たすべきことを示しています。私たちの存在意義(パーパス)「世界中の人々の健康と、輝かしい未来に貢献する」私たちが目指す未来(ビジョン)当社のビジョンは、「すべての患者さんのために、ともに働く仲間のために、いのちを育む地球のために。私たちはこの約束を胸に、革新的な医薬品を創出し続けること」です。私たちの価値観(バリュー):タケダイズムタケダイズムとは、まず誠実であること。それは公正・正直・不屈の精神で支えられた、当社が大切にしている価値観です。当社は、これを道しるべとしながら「1.患者さんに寄り添い(Patient)、2.人々と信頼関係を築き(Trust)、3.社会的評価を向上させ(Reputation)、4.事業を発展させる(Business)」を日々の行動指針とします。私たちの約束(インペラティブ)当社には、患者さん、ともに働く仲間、そして地域社会に対して果たすべき責任があります。この「私たちの約束」は「私たちの存在意義」と「私たちが目指す未来」を実現するために欠かせない要素です。すべての患者さんのために・私たちは、倫理観をもってサイエンスの革新性を追求します。そして、人々の暮らしを豊かにする医薬品の創出に取り組みます。また、私たちの医薬品を、より多くの人々に迅速にお届けします。ともに働く仲間のために・私たちは、理想的な働き方を実現します。いのちを育む地球のために・私たちは、自然環境の保全に寄与します。データとデジタルの力で、イノベーションを起こします・データを活用して導き出された成果をもとに、もっとも信頼されるバイオ医薬品企業として、これからも変革し続けます。当社は、サイエンスに基づき、最も信頼されるデジタルバイオ医薬品企業として、変革し続けることを目指しています。当社は、中核とする事業を通じて、患者さん、株主、社会に対して長期的な価値を提供するとともに、ともに働く仲間や地域コミュニティ、さらには地球に対して良い影響を与えることができるように努めています。 事業環境当社は、当社のビジョンを実現するため、地政学的な不確実性、高騰するヘルスケアに対する支出、急速な技術革新といった課題を克服しなければならないと考えています。 世界経済の先行きは、ウクライナや中東における紛争や、中国と米国やヨーロッパ、その他諸外国との間の地政学的な緊張が続いており不透明さが残る中、リスクは一段と高まっていると考えています。当社は、グローバル企業として、常に変化する経済環境とそれに伴うリスクに注意を払い、事業戦略を適応させる必要があります。 当社を取り巻く事業環境は、各国政府のヘルスケア政策にも影響を受けます。近年においては医療イノベーションによる成果が現れてきているものの、高齢化や生活スタイルの変化、複合疾患に対するより高度で先進的な治療法の利用等によってヘルスケアに対する支出額は数十年間、先進国の国内総生産や国内総所得を上回る速度で増加してきました。このため、保険者は保険償還対象となる医薬品をより厳格に選定するようになりました。各国政府は後発品やバイオシミラーの使用を促進し、薬価引き下げの圧力を強めています。米国のインフレ抑制法の導入は、医療費の予測可能性の向上等、メディケア受給者に利点をもたらした一方、政府によるかつてない薬価設定制度の設立は、製薬企業による米国内における研究開発投資を減速させる可能性があります。さらに、医療アクセスの格差が拡大していることから、医療の公平性に対処するための医療アクセスの改善や政策の必要性が高まっています。当社は、現在主流の「出来高払いの診療報酬モデル」から、成果に基づく支払と品質の確保を目指す「価値に基づく保険医療モデル」への移行により、保険給付対象の拡大と公平性を改善しながらも、医療費の増加ペースを抑えることができると考えています。 当社はまた、急速な技術革新も事業計画に戦略的に取り入れる必要があると考えています。世界の製薬産業におけるイノベーションのスピードは、がん免疫療法、細胞療法、遺伝子治療等の医療技術によって加速し続けており、最近の人工知能(AI)の急速な普及によってさらに促進されています。疾患や治療の管理を行うためのAIを活用したイノベーションの開発は非常に大きな可能性を有しており、製薬産業に革新をもたらすと考えています。 このような課題やその他さまざまな要因が事業環境に影響を与える状況において、当社の患者さんへのコミットメントと、患者さんをサポートするための取り組みは、これまで以上に重要になっています。 Patient(すべての患者さんのために)当社は、人生を変え得る科学の力を追求し、希少疾患とより有病率が高い疾患の両方における最も高いアンメット・メディカル・ニーズに対して集中的に取り組んでいます。当社の研究開発プログラムは、ヒトにおけるバリデーションがなされたターゲットに基づき、多様なモダリティ(創薬手法)を網羅するものです。当社は、パイプラインの開発加速から、製造工程における品質と効率性の向上、医療従事者や患者さんの対応に至るまで、DD&Tを幅広く活用しています。 当社は、患者さんをサポートするため、事業活動にAIを活用する取り組みを増やしています。例としては、マサチューセッツ工科大学との共同プロジェクトにおいて、ファブリー病などの希少疾患の診断を加速するためにAIを活用する取り組みがあります。また、AIプラットフォームを使用した医師との関わり方の個別化、臨床試験を多様化しデータ収集を改善することなどもあります。当社は、AIに係る将来の規制環境を予測しながら、倫理的な方法で使用することにも意識を向けています。当社は、患者さんが疾患や治療を管理するためのAIを活用したイノベーションには非常に大きな可能性があると考えています。 2023年度には、転移性大腸がん治療剤のFRUZAQLA、先天性血栓性血小板減少性紫斑病(cTTP)治療剤のアジンマ、および好酸球性食道炎治療剤のEOHILIAの3つの新規化合物を含め、9つの承認を米国食品医薬品局(FDA)から取得しました。主要な研究開発活動の内容および進捗の詳細については、「6 研究開発活動」をご参照ください。 タケダの成長製品・新製品は引き続き好調に推移しています。当社の売上トップ製品であるENTYVIO(国内製品名:エンタイビオ)は、中等症から重症の活動期潰瘍性大腸炎およびクローン病の維持療法に使用する皮下注射製剤を米国において上市し、患者さんに治療の柔軟性や選択肢を提供することができるようになりました。 また、デング熱ワクチンQDENGAのグローバル展開にも注力しています。QDENGAは1年以上前に最初に上市されてから、本ワクチンの需要が最も高い多くの流行国を含め、世界20カ国以上で接種できるようになりました。2023年には、デング熱の症例が世界的に急増し、これまで影響を受けていなかった地域にも広がりました。当社は現在、生産拡大とともに、デング熱感染率の上昇に対抗するためQDENGAを必要とする世界中のコミュニティと連携することに取り組んでいます。 当社は、2030年までに年間1億回接種分のQDENGAの供給目標を達成するため、インドのBiological E社と提携契約を締結しました。同社は、年間最大5,000万回接種分を製造する予定です。本契約は、ドイツのジンゲンにある当社の工場とIDT Biologika GmbH社との長期提携による既存のワクチン製造能力に加えての提携になります。 People(ともに働く仲間のために)当社は、科学技術がどれほど進歩しても、意義のある変革をもたらすことができるのは「人」の力であることを認識しています。当社は、多様性、公平性、包括性(DE&I)に係る取り組みを通じてインクルーシブな職場環境を整備し、生涯学習と人材育成やキャリアアップを推進し価値に基づく企業文化を醸成し、従業員の心身の健康維持(ウェルビーイング)を優先することで、患者さんやコミュニティに人生を変え得る医薬品やワクチンをお届けすることを目指しています。 当社には、80を超える国と地域でさまざまな経歴や経験を持つ人々が集まっています。当社では、多様性を受け入れるとともに、患者さんや従業員に公平な機会を提供できるよう努めています。当社は、DE&Iへの投資を拡大しており、グローバルDE&Iカウンシルにおいては、戦略的な方向性の策定、関係構築、グローバル規模での健康格差や不平等に対処するための取り組み支援に重点を置いています。 生涯学習やキャリアアップは従業員のやる気や専門性を高め、新しい発想につながり、結果的に患者さんへの価値創造につながります。当社は、従業員のスキルアップやケイパビリティを開発し、持続的な成長に向けて、機動的で柔軟な組織を構築しています。当社のAIを活用した新たなプラットフォームであるCareer Navigatorは、従業員が個人の能力の最高に到達できるよう、個人の経験や能力にあった社内ポジションを提案し、メンター制度や学習の機会を提供しています。さらに当社では、現在の製薬業界に影響をもたらしている急速な技術発展を活用するとともに、ヘルスケアの未来に貢献できる従業員のデジタルスキルの強化に努めています。 当社は、職場環境を改善する取り組みの一環として、当社オフィスを従業員のウェルビーイングと学びを中心とした「タケダ・コミュニティスペース」に変革しました。これらの空間は対面での交流を最大化するために設計されており、持続可能な環境において人々が集中し、協力し、より密接につながることができるものとなっています。また、当社は行動保健プラットフォームであるThriveと提携し、従業員の全体的なウェルビーイングの改善、精神的回復力の構築、生産性の向上を支援しています。これらは、ウェルビーイングを促進し業績を向上させ、柔軟性を受け入れて定期的な対面での交流の価値を重視することにつながるなど、従業員の理想的な働き方の実現を支援する取り組みです。 Planet(いのちを育む地球のために)気候変動が及ぼす現実的な課題は、今やすべてのビジネスの意思決定プロセスにおいて考慮しなければならない事項になっています。公衆衛生は気候変動が及ぼす影響と密接に関連しており、気温の上昇に伴い広がる感染症や影響を受ける地域の患者さんの医療アクセスに関連する課題が生じます。 当社は、気候変動や環境汚染が人々の健康に影響を及ぼすことを認識しており、環境課題に対する高い意識を持って積極的に取り組んでいます。「私たちの存在意義」(パーパス)を実現するためには、人々の健康には健全な地球環境が必要であり、人々の健康に貢献するだけでは充分ではないと考えています。当社では、環境負荷を低減するためにクリーンエネルギーを優先的に使用するだけでなく、ネットゼロの達成およびバリューチェーン全体で温室効果ガス排出を無くすべく取り組んでいます。当社は、2022年度まで、カーボンニュートラルを維持してきましたが、2024年度からは気候変動対策の指標としてのカーボンニュートラルからの転換を行い、ネットゼロのロードマップを進めるための取り組みにリソースを集中させるとともに、バリューチェーンを超えた自然の力を活かしたカーボン除去プロジェクトへの投資を継続していきます。具体的には、Science Based Targets initiative(SBTi)企業ネットゼロ基準に従ったネットゼロの達成(2035年までに当社の事業活動における温室効果ガス排出量を、2040年までにバリューチェーン全体における温室効果ガス排出量をネットゼロ)、天然資源の保全、サステナビリティ原則を念頭に置いた製品の設計に注力していきます。 当社における温室効果ガス排出量の削減目標に向けた進捗は顕著であり、幾つかの製品に関しては環境サステナビリティ改善計画を策定しました。例えば、日本においてCMYKインク(シアン(青)、マゼンタ(赤)、イエロー(黄)、キー・プレート(黒))印刷を先駆けて採用し、本取り組みをグローバルに展開していく予定です。特色インク印刷からの切り替えにより、サプライヤーにおける未使用インクの廃棄量を削減し、印刷機の洗浄に必要な溶剤の使用量や異なる包装間の切り替え時に発生する廃棄物の量も削減されることが期待されています。さらに、製品の二次包装の53%は、森林管理協議会(FSC)認証またはリサイクルコンテンツ認証された紙または板紙で作られています。 2023年10月、当社は、オーストリアのリンツに温室効果ガス排出量ゼロの施設として運営される初めての血漿収集センターを開設したことを公表しました。また、オーストリアの最大の製造拠点であるウィーンにおいては、画期的なヒートポンプシステムを導入し、本システムが設置された製造エリアにおける温室効果ガス排出量は最大90%削減されることになります。 DD&Tは、当社の環境への取り組みを支える重要な要素でもあります。大阪工場では、水使用の各箇所にセンサーやモニターを設置、データを解析して水の使用量を最適化する方法を検討、成功事例を標準化することで、年間約46万リットルの蒸留水の使用量を削減し、年間200万リットル以上の水道水の使用量を削減しました。同様のプロジェクトとして、電力消費量の削減や太陽光やその他のグリーンエネルギーの利用拡大にも取り組んでいます。 財務実績当社は、将来予測に基づき、財務プロファイルを計画・管理しており、インフレ耐性を高め、金利上昇に対するエクスポージャーを最小限に抑えた強固な財務基盤を有しています。 このような財務基盤のもと、当社は、現在、臨床段階にある約30の開発プログラムについて、社内の研究開発エンジンおよび200社以上との提携を通じて多様なパイプラインの強化に向けた取り組みを進めています。さらに、長期的な成長力を獲得するため、財務規律により創出されるフリー・キャッシュ・フローを通じて、社内外の投資機会に戦略的に投資を行っています。 研究開発においては、FRUZAQLA、アジンマ、EOHILIAの承認、および潜在的に大きな事業機会が見込め優先度の最も高いプログラムであるzasocitinib(TAK-279)とTAK-861における進展にみられるように、中期から後期のパイプラインが順調に進捗しています。 zasocitinibは、乾癬や炎症性腸疾患、乾癬性関節炎を含む複数の免疫介在性疾患において、ベスト・イン・クラスになり得る高度に選択的な経口アロステリックチロシンキナーゼ2(TYK2)阻害薬であり、継続して開発を推進するため、乾癬を対象として2つの臨床第3相試験を開始しました。当社は、2026年度から2027年度にかけて、乾癬を適応症として当局に承認申請を行っていくことを目指しています。 TAK-861はオレキシン2受容体作動薬のリード化合物であり、ナルコレプシーの病態生理の根本に作用する可能性を有しています。当社は2024年2月にナルコレプシータイプ1を対象とするTAK-861の臨床第3相試験の開始を決定しており、さらに、今後10年の成長に向けた取り組みを強化していきます。 短期的には、主に米国の注意欠陥/多動性障害治療剤VYVANSEの米国における独占販売期間が満了したことにより大きな減収圧力に見舞われていますが、中長期的には、タケダの成長製品・新製品*が売上収益の成長を牽引していくことを見込んでいます。2022年には、潰瘍性大腸炎・クローン病治療剤ENTYVIO(国内製品名:エンタイビオ)について、グローバル売上の持続的な成長見通しとバイオシミラー参入時期の想定の見直しに基づき、将来売上予測のレンジを75億米ドルから90億米ドルに引き上げました。今後の新製品の上市も売上収益の伸長をさらに加速させるものと見込んでいます。 中長期的には、当社はCore営業利益率を30%前半から半ばまでに回復させることを目指し、潤沢なキャッシュ・フローを維持してまいります。当社は、パイプライン拡充のための社内外における投資機会、新製品の上市、血漿分画製剤事業に対して、また、株主還元のコミットメントに向けて引き続き資金を配分してまいります。 * タケダの成長製品・新製品(2024年度)消化器系疾患:ENTYVIO、EOHILIA希少疾患:タクザイロ、LIVTENCITY、アジンマ血漿分画製剤:GAMMAGARD LIQUID/KIOVIG、HYQVIA、キュービトルを含む免疫グロブリン製剤、 HUMAN ALBUMIN、FLEXBUMINを含むアルブミン製剤オンコロジー:アルンブリグ、FRUZAQLAワクチン:QDENGA [主要製品一覧]消化器系疾患領域における主要製品は以下の通りです。・ENTYVIO(ベドリズマブ):ENTYVIO(国内製品名:エンタイビオ)は、中等症から重症の潰瘍性大腸炎・クローン病に対する治療剤です。ENTYVIOは、2014年に米国および欧州において発売以来、売上が伸長しており、2024年3月期の当社グループの売上トップ製品でした。現在、ENTIVIOは世界70カ国以上で承認され、皮下注射製剤は米国、欧州および日本において承認されました。当社は本剤の可能性を最大化するため、その他の国においても本剤の承認取得を進め、さらなる適応症の開発を行ってまいります。2024年3月期におけるENTIVIOの売上収益は8,009億円となりました。・アロフィセル(ダルバドストロセル):アロフィセルは、非活動期/軽度活動期の成人の管腔型クローン病患者さんにおける、少なくとも一回以上の既存治療または生物学的製剤による治療が効果不十分であった複雑痔瘻に対する治療薬です。アロフィセルは、2018年に欧州の中央審査により販売承認(MA)された、欧州初の同種異系幹細胞療法であり、日本でも2021年に承認されました。2024年3月期におけるアロフィセルの売上収益は35億円となりました。・EOHILIA(ブデソニド経口懸濁液):EOHILIAは好酸球性食道炎(EoE)の治療薬で、コルチコステロイド薬です。米国食品医薬品局(FDA)による承認を受けた初めてかつ唯一の11歳以上のEoE患者さんへの12週間の投与を適応とする 経口治療薬です。2024年2月に米国FDAによる承認取得後上市しました。2024年3月期におけるEOHILIAの売上収益は2億円となりました。・タケキャブ/VOCINTI(ボノプラザンフマル酸塩):酸関連疾患の治療剤タケキャブは、2015年に日本で発売され、逆流性食道炎や低用量アスピリン投与時における胃潰瘍・十二指腸潰瘍の再発抑制などの効能により飛躍的な成長を遂げました。タケキャブ(中国の製品名:VOCINTI)は、2019年に胃食道逆流症の治療剤として中国で承認されました。2024年3月期におけるタケキャブ/VOCINTIの売上収益は1,185億円となりました。・GATTEX/レベスティブ(テデュグルチド[DNA組換え型]):非経口(静脈栄養)サポートを必要とする短腸症候群(SBS)の治療薬です。成人用および小児用の効能を有するGATTEX/レベスティブが米国、欧州、日本において承認されました。2024年3月期におけるGATTEX/レベスティブの売上収益は1,193億円となりました。希少疾患領域における主要製品は以下の通りです。・タクザイロ(ラナデルマブ):タクザイロは、遺伝性血管性浮腫(HAE)の発作予防に用いられます。タクザイロは、HAEの患者さんにおいて慢性的に制御不能な酵素である血漿カリクレインに選択的に結合し、減少させる完全ヒト型モノクローナル抗体です。タクザイロは(12歳以上の患者さんへの適応として)2018年に米国と欧州にて、2020年に中国にて、2022年に日本にて承認され、さらなる地理的拡大を目指しています。2023年に、2歳以上の小児患者さんに対する治療薬として、FDAおよび欧州委員会の承認を取得しました。2024年3月期におけるタクザイロの売上収益は1,787億円となりました。・LIVTENCITY (maribavir):LIVTENCITYは、成人患者さんと小児患者さん(12歳以上で体重35 kg以上)に対する、ガンシクロビル、バルガンシクロビル、ホスカルネット、またはシドフォビルに対して遺伝子型抵抗性(無しも含みます)を示す難治性の移植後サイトメガロウイルス(CMV)感染/感染症治療薬であり、2021年12月に米国において発売され、2022年11月に欧州、2023年12月に中国において承認されました。LIVTENCITYは、高いアンメット・メディカル・ニーズによる順調な市場浸透、急速なエリア拡大、迅速なマーケットアクセスにより、上市後も好調な業績となりました。2024年3月期におけるLIVTENCITYの売上収益は191億円となりました。・アジンマ(遺伝子組換え ADAMTS13-krhn):アジンマは先天性血栓性血小板減少性紫斑病(cTTP)の成人および小児患者さんの予防的治療薬ならびに酵素補充療法であり、欠乏したADAMTS13酵素を補充することによりcTTP患者のアンメット・メディカル・ニーズに対応するFDAに承認された初めてかつ唯一の遺伝子組換えADAMTS13(rADAMTS13)です。 また、日本において、アジンマ(一般名: アパダムターゼ アルファ(遺伝子組換え)/シナキサダムターゼ アルファ(遺伝子組換え)が、12歳以上の患者さんを対象としたcTTP治療薬として承認されました。 2024年3月期におけるアジンマの売上収益は4億円となりました。・エラプレース(イデュルスルファーゼ):エラプレースは、ハンター症候群(ムコ多糖症II型またはMPS II)に対する酵素補充治療薬です。2024年3月期におけるエラプレースの売上収益は916億円となりました。・リプレガル(アガルシダーゼ アルファ):リプレガルは、ファブリー病に対して米国以外の市場で販売され、2020年に中国でも承認された酵素補充療法治療薬です。当社は、2022年2月に大日本住友製薬株式会社から「リプレガル」の日本における製造販売承認を承継し、同剤の販売の移管を受けました。ファブリー病は、脂肪の分解に関与するリソソーム酵素α-ガラクトシダーゼAの活性の欠如に起因する遺伝子性の希少疾患です。2024年3月期におけるリプレガルの売上収益は736億円となりました。・アドベイト(抗血友病因子(遺伝子組換え型)):アドベイトは、血友病A(血液凝固第Ⅷ因子欠乏)の治療薬であり、出血の制御と予防、周術期管理および出血の頻度を予防または軽減するために行う定期補充療法に使用されます。2024年3月期におけるアドベイトの売上収益は1,229億円となりました。・アディノベイト/ADYNOVI(抗血友病因子(遺伝子組換え型) [PEG化]):アディノベイト/ADYNOVIは、血友病A治療薬であり、遺伝子組換え型半減期延長第Ⅷ因子製剤です。アディノベイト/ADYNOVIは遺伝子組換え型半減期延長第Ⅷ因子製剤アドベイトと同じ製造工程で作られ、当社がネクター社より独占的にライセンス取得しているPEG化(体内での循環時間を延長し、投与頻度を減らすための化学修飾処理)技術を追加したものです。2024年3月期におけるアディノベイト/ADYNOVIの売上収益は663億円となりました。・ビプリブ(ベラグルセラーゼアルファ点滴静注用):ビプリブはI型ゴーシェ病に対する長期酵素補充療法治療剤です。2024年3月期におけるビプリブの売上収益は513億円となりました。血漿分画製剤(免疫疾患)領域における主要製品は以下の通りです。・GAMMAGARD LIQUID/KIOVIG(静注用人免疫グロブリン10%製剤):GAMMAGARD LIQUIDは、抗体補充療法用免疫グロブリン(以下、「IG」)の液体製剤です。GAMMAGARD LIQUIDは、原発性免疫不全症(PID)の成人および2歳以上の小児患者さんに対して使用され、静注または皮下注のいずれかの方法で投与します。また、GAMMAGARD LIQUIDは、成人の多巣性運動ニューロパチー(MMN)患者さんに対しても静注投与にて使用されます。2024年1月に、米国において、GAMMAGARD LIQUIDが、慢性炎症性脱髄性多発根神経炎(CIDP)の成人患者さんの治療薬として承認されました。GAMMAGARD LIQUIDは、米国以外の多くの国で製品名KIOVIGとして販売されています。KIOVIGは、欧州において、CIDPを含む、複数の適応症への使用が承認されています。・HYQVIA(ヒト免疫グロブリン注射製剤10%):HYQVIAは、ヒト免疫グロブリン(IG)および遺伝子組換え型ヒトヒアルロニダーゼ(Halozyme社よりライセンス取得)からなる製剤です。HYQVIAは、PID患者さんに対して最長で1ヶ月に1回の投与で、1回あたりの注射部位一ヶ所でIGの全治療用量の投与が可能な唯一のIG皮下注用治療薬です。HYQVIAは、米国では成人PID患者さんへの使用、また欧州においてPID症候群および骨髄腫患者さんまたは重度の続発性低ガンマグロブリン血症および回帰感染を伴う慢性リンパ性白血病患者さんへの使用が承認されております。2024年1月に、HYQVIAは、米国において、慢性炎症性脱髄性多発根神経炎(CIDP)の成人患者さんの再発予防の維持療法として、また、欧州においては、すべての年齢のCIDPの患者さんの維持療法として承認されました。• キュービトル(ヒト免疫グロブリン皮下注用20%製剤):キュービトルは、原発性体液性免疫不全症の成人および2歳以上の小児患者さんに対する補充療法に用いられます。キュービトルは、欧州では特定の続発性免疫不全の治療薬としても承認されています。キュービトルは、プロリン不含で、投与部位1ヶ所あたりの耐用量内で最大60 mL(12g)および1時間あたり60 mLまで投与可能な唯一の20%皮下IG治療薬であり、従来の皮下IG治療薬と比較してより少ない投与部位および短い投与時間での使用が可能です。2024年3月期におけるGAMMAGARD LIQUID/KIOVIG、HYQVIA、キュービトルを含む免疫グロブリン製剤の売上収益は6,446億円となりました。・FLEXBUMIN(ヒトアルブミンバッグ製剤)およびヒトアルブミン(ガラス瓶製剤):FLEXBUMINおよびヒトアルブミンは、濃度5%および25%の液体製剤として販売されています。両製品とも、血液量減少症、一般的な原因および火傷による低アルブミン血症、ならびに心肺バイパス手術時のポンプのプライミングに使用されます。また、FLEXBUMIN 25%製剤は、成人呼吸窮迫症候群(ARDS)およびネフローゼに関連する低アルブミン血症、ならびに新生児溶血性疾患(HDN)にも適応されます。2024年3月期におけるFLEXBUMINおよびヒトアルブミン(ガラス瓶製剤入り)を含むアルブミン製剤の売上収益は1,340億円となりました。オンコロジー領域における主要製品は以下の通りです。・アルンブリグ(ブリグチニブ):アルンブリグは、非小細胞肺がん(NSCLC)治療に使用される経口投与の低分子未分化リンパ腫キナーゼ(ALK)阻害剤であり、クリゾチニブ投与中に進行した、またはクリゾチニブに不耐性を示す患者さんに対する治療薬として、2017年に米国で迅速承認され、2018年にEUにおいて、クリゾチニブの治療歴を有する患者さん向けの販売承認を取得しました。2020年に米国とEUの両方において、新たにALK陽性転移性NSCLCと診断された患者さんに対する効能が追加されました。2021年1月に、日本において、ファーストラインおよびセカンドラインの治療薬として承認されました。また2022年3月に、アルンブリグは中国において承認されました。2024年3月期におけるアルンブリグの売上収益は285億円となりました。・EXKIVITY(mobocertinib):EXKIVITYは、プラチナ製剤ベースの化学療法を実施中あるいは実施後に病勢が進行した上皮成長因子受容体(EGFR)エクソン20挿入変異を伴う局所進行または転移性非小細胞肺がん(NSCLC)の治療薬であり、2021年9月に米国において迅速承認制度のもとで承認され、2023年1月に中国の国家食品薬品監督管理局(NMPA)により承認されました。2023年10月に、当社は、EXKIVITYの販売や開発活動を全世界で自主的に中止する決定を公表しました。この決定は、臨床第3相EXCLAIM‑2検証試験の結果に基づいており、この試験で主要評価項目が達成されなかったため、FDAから付与された迅速承認および他の国々における条件付き承認の検証データの要件を満たさなかったことによるものです。2024年3月期におけるEXKIVITYの売上収益は35億円となりました。・FRUZAQLA(フルキンチニブ):フルオロピリミジン、オキサリプラチン、およびイリノテカンを含む化学療法、抗VEGF療法、および抗EGFR療法(RAS野生型で医学的に適切な場合)の治療歴があるmCRC成人患者に対する治療薬です。FRUZAQLAは、バイオマーカーのステータスにかかわらず、治療歴を有するmCRC患者さんの治療薬として、米国で承認された、最初で唯一の3種類のVEGF受容体キナーゼすべてに対して選択性を有する阻害薬です。当社は中国本土、香港、マカオ外でのフルキンチニブのグローバル開発、商業化および製造をさらに進めるための独占的ライセンスを有しています。フルキンチニブは中国ではHUTCHMED社により開発および販売されています。2024年3月期におけるFRUZAQLAの売上収益は101億円となりました。・リュープリン/ENANTONE(リュープロレリン):リュープリン/ENANTONEは、前立腺がんや乳がん、小児の中枢性思春期早発症、子宮内膜症、不妊の治療や、子宮筋腫による貧血の症状改善に用いられる治療薬です。リュープロレリンの特許期間は満了していますが、製造の観点から後発品の市場参入は限定的です。2024年3月期におけるリュープリン/ENANTONEの売上収益は1,074億円となりました。・ニンラーロ(イキサゾミブ):ニンラーロは、多発性骨髄腫(MM)治療に対する初めての経口プロテアソーム阻害剤です。ニンラーロは、再発又は難治性の多発性骨髄腫の効能で、2015年に米国で承認されて以来、2016年に欧州、2017年に日本、2018年に中国で承認されております。日本においては、多発性骨髄腫の維持療法の治療薬としても承認を受けております。2024年3月期におけるニンラーロの売上収益は874億円となりました。・アドセトリス(ブレンツキシマブ ベドチン):アドセトリスは、ホジキンリンパ腫(HL)および全身性未分化大細胞リンパ腫(sALCL)の治療に使用される抗癌剤で、2020年5月には中国で承認され世界70カ国以上で販売承認を受けております。当社は、現在ファイザー社の完全子会社であるSeagen社とアドセトリスを共同開発し、米国およびカナダ以外の国での販売権を保有しています。2024年3月期におけるアドセトリスの売上収益は1,094億円となりました。・アイクルシグ(ポナチニブ塩酸塩):BCR-ABLに作用するチロシンキナーゼ阻害薬であり、慢性骨髄性白血病(CML)とフィラデルフィア染色体陽性急性リンパ性白血病(Ph+ ALL)の治療に適応となります。2016年に米国において全面的な承認を取得した後、2020年と2024年に米国において適用拡大の承認を取得しました。当社は米国とオーストラリアにおいて販売権を取得しております。米国とオーストラリア以外の地域では、認可を受けたパートナー5社により60を超える市場において販売されており、当社はこれらのパートナーから、供給、ロイヤリティおよびマイルストンの支払を受領しており、その水準はパートナーによって異なります。2024年3月期におけるアイクルシグの売上収益は547億円となりました。ニューロサイエンス領域における主要製品は以下の通りです。・VYVANSE/ELVANSE(リスデキサンフェタミンメシル酸塩):VYVANSE/ELVANSE(国内製品名:ビバンセ)は、6歳以上の注意欠陥・多動性障害(ADHD)患者さんおよび成人の中程度から重度の過食性障害患者さんの治療に用いられる中枢神経刺激剤です。2023年に米国において後発品が市場に参入したことにより、売上は減少しました。2024年3月期におけるVYVANSE/ELVANSEの売上収益は4,232億円となりました。・トリンテリックス(ボルチオキセチン臭化水素酸塩):トリンテリックスは、成人大うつ病性障害の治療に適応される抗うつ薬です。トリンテリックスはH. Lundbeck A/S社と共同開発し、当社は米国および日本での販売権を保有しており、米国では2014年、また日本では2019年より販売しています。2024年3月期におけるトリンテリックスの売上収益は1,048億円となりました。その他領域における主要製品は以下の通りです。・QDENGA(4価デング熱ワクチン):QDENGAは4種のワクチンウイルス型すべての遺伝子型の“バックボーン”として弱毒化された生の2型デングウイルスをベースに構築されています。QDENGAはテング熱流行国4カ国および欧州17カ国において販売されています。2024年3月期における QDENGAの売上収益は96億円となりました。売上収益の地域別内訳は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 4 事業セグメントおよび売上収益」をご参照下さい。 |
サステナビリティに関する考え方及び取組 | 2 【サステナビリティに関する考え方及び取組】 ガバナンス当社の取締役会は、ビジネスリスクおよび財務開示に関連するものを含め、当社の業務運営を監督する責任を有しています。取締役会は、一定の意思決定権を当社の経営幹部に委譲しています。社長兼チーフ エグゼクティブ オフィサー(社長CEO)および当社グループ各機能を統括する責任者から構成されるタケダ・エグゼクティブ・チーム(TET)のメンバーは、ビジネス&サステナビリティ・コミッティー(BSC)およびリスク・エシックス&コンプライアンス・コミッティー(RECC)を含む特定の経営幹部レベルの委員会において、当社における重要事項について意思決定を行います。BSCは、サステナビリティを含む当社の事業戦略および関連する目標、コミットメントを監督する責任を有しています。RECCは、重要なリスクに対する緩和策を含む当社のエンタープライズ・リスク・マネジメント(ERM)プログラムおよびグローバル・モニタリング・プログラムに関連する監視および決定事項にかかる責任を有しています。取締役会は、社長CEO、その他のTETメンバーおよび各経営会議体から定期的に最新情報を入手しています。BSCは、当社の3つのサステナビリティに係る約束である「Patient」(すべての患者さんのために)、「People」(ともに働く仲間のために)、「Planet」(いのちを育む地球のために)に基づき、特定のTETメンバーにサステナビリティ課題に対する一部の監督責任を委譲しています。「Patient」についてはグローバル ポートフォリオ ディビジョン プレジデントが、「People」についてはチーフ HR オフィサーが、「Planet」についてはグローバル マニュファクチャリング&サプライ オフィサーが、それぞれ責任を有しています。当社のガバナンス体制のさらなる詳細については、「第4 提出会社の状況 4 コーポレート・ガバナンスの状況等 (1) コーポレート・ガバナンスの概要 3. 業務執行に係る事項」をご参照ください。 事業戦略当社は、私たちの企業理念に基づいて、持続的な経営および成長を実現します。バイオ医薬品企業としての強みと能力を活かして、患者さん、株主の皆様、および社会のための長期的な価値を創造すると同時に、従業員、地域社会、および環境に良い影響をもたらし続けることで、当社の存在意義を果たしていきます。当社は、「存在意義(パーパス)」を「目指す未来(ビジョン)」および「価値観(バリュー)」と融合させることで、不変の価値観に基づく持続的成長を目指しています。当社は、パーパスとビジョンを達成するためにどこに注力をするべきか(事業戦略)を「私たちの約束」および「優先事項」で定めています。私たちの約束は、「Patient すべての患者さんのために」、「People ともに働く仲間のために」、および「Planet いのちを育む地球のために」の大きく3つの柱に分けられており、データやデジタル、テクノロジーを活用しながら実行されています。これには、当社およびステークホルダーにとって戦略的重要性が高い非財務関連課題の評価(マテリアリティ・アセスメント)の結果が反映されています。Patient すべての患者さんのために当社は、科学的根拠に基づき、治療の選択肢が限られている患者さんをはじめ、すべての人々の暮らしを豊かにする医薬品の創出に取り組んでいます。これは、当社の存在意義(パーパス)の根幹となるものです。当社の研究開発(R&D)は、主要な疾患領域に焦点を当て、高度に差別化されています。私たちは、研究所の専門的な研究開発能力、社外とのパートナーシップ、患者団体との連携、健康の公平性への取り組み、およびデータ、デジタル、テクノロジーの活用などを通じて、当社製品を患者さんに提供しています。私たちは、患者さんに高品質な医薬品を途絶えることなく供給する責任があることを理解しています。この責任を果たすために、堅ろうなグローバルサプライチェーンシステムを構築しています。戦略上、重要な製品および原薬については複数の調達先から購入し、調達方針についても地政学的リスクを考慮した戦略を有しています。治療を最も必要とする患者さんに我々の医薬品を十分にお届けできなければ、科学的なイノベーションは大きな意味を成しません。高度な技術と意欲を持つ医療従事者やインフラの整備に加え、健全な医療財政、保険医療制度、そして科学的根拠に基づく政策によって支えられた最新の医薬品と医療技術の提供がなされなければ、患者さんに医薬品をお届けすることはできません。そのため、当社では次のことを実施しております。・患者さんの医薬品アクセスを促進するために包括的な戦略を実施し、医療の価値(バリューベース・ヘルスケア)を促進するグローバルな政策やプログラムを支援しています。私たちは、最先端の治療がもたらす医学的・経済的な価値が十分に反映されながらも、患者さんがそれらの革新的な治療を公平かつ持続的にうけることができるエコシステムの構築に賛同しています。・革新的な新製品を患者さんにお届けできるように、グローバルな製品(成長製品・新製品)を上市するにあたっては、国の経済レベルや医療制度の成熟度に応じて、国ごとに異なる価格帯を設定しています(ティアード・プライシング)。また、治療費を支払うことができない患者さんにも必要な医療を提供するために、医薬品アクセスプログラムを含む患者支援プログラムを提供しています。・グローバルCSRプログラムを通じて、グローバル団体やNGO、NPOと連携して、低・中所得国の保健システム強化を支援しています。私たちの医薬品はグローバルに上市されていますが、各エリアや国ごとに、状況に応じた最適な戦略を検討しています。私たちの価値観(バリュー)はグローバルで行う事業活動全体で浸透しているため、一刻を争う場合であっても、各地域の従業員は、患者さんに最も近いところで価値観(バリュー)に沿った意思決定を行い、私たちの医薬品をタイムリーに提供することができています。当社の患者さんに対する取り組みの詳細は、2024年7月に当社ウェブサイトに掲載を予定している2024年統合報告書「PATINET すべての患者さんのために」をご参照ください。 People ともに働く仲間のために当社は、科学技術がどれほど進歩しても、重要な変化は常に「人」によってもたらされることを認識しています。私たちの従業員はイノベーションの源泉であり、患者さん、株主、社会のために長期的な価値を創造することを可能にしています。当社は、すべての人々の暮らしを豊かにする医薬品を患者さんにお届けするため、多様性、公平性、包括性(DE&I)を受容する組織作り、従業員の学びや能力およびキャリアの成長を促す企業文化の醸成、また従業員の心身の健康と安心の向上に取り組むとともに、従業員のエンゲージメントを高める活動に注力しています。人材の多様性、公平性、包括性(DE&I)当社には、80を超える国と地域でさまざまな経歴や経験を持つ人々が集まっています。当社では、多様性を受け入れるとともに、患者さんや従業員がそれぞれの可能性を最大限に発揮できる機会に公平にアクセスできるように努めています。私たちのDE&Iに関する取り組みは、「患者さんを支える」、「インクルーシブな職場環境をつくる」、「人材の多様性を尊重する」、「社外へのインパクトを生み出す」を4つの柱として、価値観に基づくアプローチを取っています。当社は、DE&Iへの投資を拡大しており、その一例として、グローバルDE&Iカウンシルを、戦略的な方向性の策定、関係構築、またグローバル規模での健康格差や不平等さを認識し、それに対処するための取り組み支援に重点をおいたものへと発展させています。グローバルレベルではジェンダーダイバーシティに取り組んでおり、2024年3月31日時点で、グローバル全体における管理職に占める女性の割合は43%となっています。また、2024年4月1日時点で、当社のTETメンバー17名のうち、女性が9名(53%)を占めています。当社の各事業部門や拠点では、グローバルDE&Iの目標やロードマップに沿ってそれぞれ独自のDE&I目標や戦略、プログラムを設定して事業運営に反映させています。当社は、今後も、性別、国籍、年齢および経歴の観点から人材の多様性の促進に努めてまいります。人材の育成と企業文化の醸成生涯学習およびキャリア成長への取り組みは、従業員の職務経験、モチベーションおよび専門性を高め、新しい発想につながり、結果的に患者さんへの価値創造につながります。当社では、従業員に対して、学習ツールや最新のテクノロジー、コンテンツ、サポートを提供することで、必要な知識や学びたい知識を、必要な時に最適な形で習得できるよう、学びをカスタマイズできるようにしています。従業員の学びをサポートする形態の一つは、実際の体験を通じて学びを得るよう支援することであり、例えば、職場での研修プログラムにおいて、シニアメンバーが主導するプロジェクトに参加、貢献していく過程で貴重なスキルを身につけられるよう支援しています。当社では、従業員自らがキャリア成長を定義し、主体的に行動することを促しており、その過程でリーダー、同僚、メンターの支援を受けられるようにしています。2024年1月には、全従業員がタケダの中で自身の成長機会を見出し、キャリアを伸ばすことができるよう、AIを活用したプラットフォーム 「Career Navigator」 を導入しました。「Career Navigator」は、従業員が入力した自身のキャリア目標や関心のある分野に基づいて、社内でのキャリア機会を提案したり、足りないスキルを得るための学習機会を特定したり、また成長を促すためにメンターを紹介します。当社では、現在の製薬業界に影響をもたらしている急速な技術発展を活用するため、そして未来のヘルスケアに対応できる組織にするため、従業員のデジタルスキルの強化に努めており、自動化プログラムや、コンテンツの作成および収集、生成AIなど従業員がデジタル技術のスキルを向上することができるよう、事業部門や機能全体でスキル向上の機会を提供しています。さらに、当社では、デジタルに精通した人材を育成するため、複数のイノベーション能力センターを立ち上げています。これらは、データとデジタルに関する能力を有した人材を社内で調達できるようにするためであり、タケダの事業全体を対象に、デジタルソリューションの構築および管理を行っています。これにより、社外への依存度を減らしつつ、医療従事者や患者さんとのコミュニケーション方法を改善するとともに、医療従事者や患者さんがタケダの製品やサービスをより簡単に利用できるようにしています。当社は、革新的な医薬品を創出し患者さんにお届けするという価値観に基づき、デジタルスキルを含め、生涯学習およびキャリア成長を促進する企業文化を醸成することに取り組んでいます。社内環境整備方針「世界中の人々の健康と、輝かしい未来に貢献する」という当社の存在意義(パーパス)は従業員が心身ともに健康であることを前提に実現されるものです。当社は、精神面、身体面、経済面、社会面の4つの分野から従業員の心身の健康に焦点を当てています。これらの分野をサポートする中で、従業員からのフィードバックを取り入れ、当社では長期的かつグローバルなウェルビーイングの戦略的取り組みとして、「ライフ・ワーク・アライメントの更なる推進」、「グローバルに展開しているプログラムおよび福利厚生への公平なアクセス」を設定しました。ライフ・ワーク・アライメントは従業員が新しいよりフレキシブルな勤務形態に適応する上で最も考慮すべき点であり、顔を合わせて行う協働と在宅勤務を両方取り入れるなど、従業員の能力を最大限に引き出すために多様な働き方を尊重しています。具体的な勤務形態はチームによって異なりますが、オフィスの空間デザインにも工夫を凝らし、従業員のウェルビーイング(心身の健康)とパフォーマンスを向上させ、柔軟性があり、対面でのコミュニケーションの価値を実感できるような環境づくりを行うなど、働き方改革を加速させています。また、レジリエンス(回復力)のスキルを強化するための学習プログラムを活用し、メンタルヘルスについて話すためのツールをマネージャーに提供しています。当社の人材、DE&I、人材育成と企業文化の醸成、および社内環境整備にかかる方針のさらなる詳細は、2024年7月に当社ウェブサイトに掲載を予定している2024年統合報告書「PEOPLE ともに働く仲間のために」をご参照ください。 Planet いのちを育む地球のために当社は、気候変動や生物多様性の喪失が患者さんや人々の健康に影響を及ぼすことを理解し、環境の分野において積極的に取り組んでいます。当社は、事業活動およびバリューチェーン全体における温室効果ガス排出量の最小化、自然および生物多様性の保全、ならびに持続可能性に配慮した製品設計および生産に重点を置いて、環境サステナビリティ活動に取り組んでいます。「Planet」に係る取り組みは、現在、EHS(環境、健康・衛生、安全)のチームが管理する、環境サステナビリティの様々な側面に専念した3つのプログラムで構成されています。•気候変動対策プログラム2035年までに自社の事業活動に起因する温室効果ガス排出量(スコープ1および2)を、2040年までにバリューチェーン全体における温室効果ガス排出量(スコープ3)をネットゼロにします。 •環境配慮設計プログラム製品の設計やパッケージのデザイン、開発において、ライフサイクルのあらゆる側面で持続可能性に配慮した意思決定を取り入れることによって、バリューチェーン全体で環境負荷を最小限に抑えることを目指します。・天然資源保全プログラム水の保全、責任ある廃棄物処理、生物多様性保全活動などを通じて、事業の環境負荷の低減を目指します。 当社は、気候変動に関連したリスクに対するレジリエンスの強化および機会の特定に積極的に取り組んでいます。気候変動による物理的リスクおよび移行リスクの評価と管理は、EHSチームが主導し、組織全体のリスク管理フレームワークに組み込んでいます。事業場に固有の気候変動による業務運営リスクは、事業所や施設レベルのリスク評価からボトムアップのアプローチにより特定しています。また、サプライチェーンにおけるリスクは、第三者リスク管理プログラム(TPRM)を利用したサプライヤーのスクリーニングを通じて特定しています。深刻な物理的リスクの上昇を軽減する取り組みとして、エネルギーの保全、また、可能な場合には再生可能エネルギーに移行することを通じて、温室効果ガスによる環境負荷を抑える活動を推進しています。また、サプライチェーンにおける物理的リスクに対しては、サプライチェーンにおける許容できないリスクの発生を防ぐために、主要サプライヤーの気候変動関連リスクを評価しています。当社は、2021年に、気候変動のリスクと機会についてシナリオ分析を実施しました。当シナリオ分析は、一定の直接的な事業活動のみを対象とし、2030年までの時間軸と2050年までの時間軸について、気候変動に対する世界の対応レベルの違いによって異なる3つの気候変動シナリオ(すなわち、「気候変動追加対策なし(No Action)」「対応中(Middle of the Road)」「積極的緩和策(Aggressive Mitigation)」)を設定しています。結果として、当社が事業を展開している様々な地域における気候変動の傾向予測や気候変動に起因する特定の災害の発生予測について知見を得ることができましたが、個別の事業場に特有の具体的な条件は一部考慮しませんでした。このプロセスを通じて、当社に適用され得る幾つかの気候変動のリスクと機会を特定することができました。モデル化されたシナリオに基づく当社の直接的な事業活動に係る潜在的なリスクと影響は下表のとおりです。リスクの種類リスクの内容積極的緩和策ありのシナリオ下での潜在的な影響気候変動追加対策なしのシナリオ下での潜在的な影響物理的リスク(急性)極端な雨天主に極端な雨天による事業運営費や生産性に対する影響は限定的。特定のヨーロッパ諸国は高リスクにとどまる見込み(年間10.2%以上、極端な雨天の日数が増加)。事業活動中断のエクスポージャーの高まり(事業運営費や生産性の損失)。ヨーロッパとアメリカは、極端な雨天の日数が年間10.2%以上増加し高リスクにあり、エクスポージャーの最も大きな割合を占める。また、ヨーロッパとブラジルは、山火事による損失も予測され、厳しい山火事発生の日数により高リスク(年間10日以上増加)。事業活動中断や施設の損害、保険費用の増加を予想。沿岸地域にある事業場は台風やその他の極端な天候事象の影響を受ける特有のリスクの可能性。山火事 リスクの種類リスクの内容積極的緩和策ありのシナリオ下での潜在的な影響気候変動追加対策なしのシナリオ下での潜在的な影響物理的リスク(慢性)猛暑事業運営費や生産性に対する影響は限定的(海面上昇と水ストレスはモデル化されていない)。特定のヨーロッパ諸国、日本、アメリカ、ブラジルは中程度のリスクにあると予測(年間11日から27日の厳しい熱波日数の増加)。主に猛暑による事業活動中断のエクスポージャーの高まり(事業運営費や生産性の損失)。特定のヨーロッパ諸国、日本、アメリカ、ブラジルは、猛暑の高リスク(年間27日以上の厳しい熱波日数の増加)。さらに、特定のヨーロッパ諸国、日本、ブラジルは、海面が上昇(0.29メートル以上)すると予測。既存の高い水ストレス地域(アメリカ、ドイツ、ブラジル)は継続し、中国、ベルギー、アイルランドも水ストレスレベルの上昇を予測。水ストレスは、水処理/節水のアップグレードに適応し実施するため、投資や事業運営費の増加をもたらす可能性。海面上昇水ストレス移行リスク炭素税/規制/政策炭素価格制度によるコスト上昇の影響を受ける可能性。炭素価格は経時的に大幅に上昇することが予測されるも脱炭素化の取り組みにより影響を軽減できる見込み。炭素価格制度によるコスト上昇の影響は最小限に抑えられると予測し、炭素価格は全体的にほぼ横ばいの見込み。エネルギー市場エネルギー価格は全体的にほぼ横ばいを予測。全体的にエネルギーコストの増加に直面し得るも、エネルギー需要削減の取り組みにより影響を軽減できる可能性。 上述のモデル化されたリスクと影響に加えて、2021年の評価の一環として、当社と第三者の情報を組み合わせた気候変動によるリスクと影響の定性的分析も実施しました。この分析により、地球温暖化による疾病の増加が、従業員や血漿のドナーへの影響を含め、当社の事業活動のリスクになり得ることが特定されました。また、特に「気候変動追加対策なし」のシナリオにおいて、当社のデング熱ワクチンであるQDENGAの市場を拡大する可能性も特定されました。さらに、当社の気候変動対策の目標達成の成否によって、従業員、健康保険事業の運営主体(保険者)およびその他のパートナーを含むステークホルダーとの関係に影響を与える可能性のある社会的信頼に係るリスクと機会も特定されました。当社は、これらのリスクを軽減するために取り得る追加の手段を特定するとともに、潜在的な気候変動のリスクに対する理解を深めるため、継続的に前提条件を見直し、分析を更新し、リスク評価の範囲を拡大していく方針です。リスク管理リスク管理は、当社で働く人材、資産、社会的評価・評判(レピュテーション)を守り、当社の成長と成功に向けた長期的な戦略を支える柱となります。これまでに特定されたサステナビリティに関連するリスクは、既存のグローバルおよび事業場レベルのリスク管理プロセスを通じて対処されています。全社的なリスク管理プロセスは、取締役会の監督のもとチーフ・エシックス&コンプライアンス・オフィサーが統括しています。また、主要な全社的リスクおよびそれらのリスクの発生防止・低減措置の実効性は、RECCおよび取締役会によって毎年承認されています。リスク管理は全社的な事業体制に組み込まれており、全社的リスク評価プロセスによって、サステナビリティに関連するリスクを含めたリスクを識別、評価し、またそのリスク低減施策を実施しています。このプロセスは、リスクの全体像を把握し、リスクに基づいた意思決定を行う企業風土を醸成するようデザインされています。関連する各部門は、担当領域ごとに主要なリスクとその対応への責任を担っています。当社のリスク管理プロセスのさらなる詳細については、「第4 提出会社の状況 4 コーポレート・ガバナンスの状況等 (1) コーポレート・ガバナンスの概要 3. 業務執行に係る事項 <内部統制システムに関する基本的な考え方とその整備状況> ③損失の危険の管理に関する規程その他の体制」をご参照ください。 指標および目標当社は、企業理念に基づく行動を通して、長期的な価値の創造を目指しています。関連する部門で働く従業員が意見を出し合って「企業理念に基づく私たちの指標(corporate philosophy metrics)」を策定しました。従業員は、各評価指標の進捗状況を「企業理念ダッシュボード」でいつでも確認できるようになっています。透明性の高い情報共有は、従業員一人ひとりがタケダの持続的な成長に責任を持ち、社外ステークホルダーとの信頼関係の構築を促します。Patient すべての患者さんのために当社は、科学的根拠に基づき、治療選択肢の限られた患者さんや地域社会にとって、暮らしが豊かになる医薬品の創出に取り組んでいます。これは、当社の存在意義(パーパス)の根幹となるものです。当社の研究開発(R&D)パイプラインは、主要な治療領域に焦点を当て、高度に多様化されています。私たちは、研究所の専門的な研究開発能力、社外とのR&Dパートナーシップ、患者団体との連携、健康の公平性への取組み、およびデータ、デジタル、テクノロジーの活用などを通じて、当社製品を患者さんに提供しています。当社は、革新的な医薬品へのアクセスをより多くの人々に拡大しています。重要性指標2022年度2023年度Patient すべての患者さんのためにタケダでは、患者さんをすべての行動の中心に置いています。革新的かつ安全な治療薬やワクチンを創出して手の届きやすい価格でお届けし、あらゆる患者さん、地域社会、国に貢献することが、長期的な成功につながると信じています。私たちは、製品を迅速に市場に投入することで、競争優位性を生み出しています。医療従事者、顧客、規制当局、患者さんを含むステークホルダーからの信頼を築いて維持することも、持続可能な事業を運営していく上では不可欠です。そのために、償還プログラムや患者支援プログラムを通じて、タケダの製品を誰もが手の届きやすい価格で利用できるようにすることに注力しています。さらに、臨床試験結果や査察結果の開示によって透明性を確保すること、そして医薬品を持続的に安定供給することも極めて重要です。医薬品候補マイルストーンの達成薬事承認件数およびピボタル臨床試験開始件数1829臨床試験結果の公開公開されている登録サイトに結果概要が適切なタイミングで公開された臨床試験の割合 100%100%医薬品の持続的な安定供給指定納期に基づき発注数量通りに出荷した注文書の割合 99.3%99.1%健全な製造工程の維持重要な指摘事項のなかった規制当局による査察の割合 100%100%成長製品・新製品のアクセス向上(注2)償還を通じて患者さんが製品にアクセスできる主要市場の数 ALUNBRIG9 TAKHZYRO9TAKHZYRO9ALOFISEL4ALOFISEL4EXKIVITY2LIVTENCITY6LIVTENCITY2 低・中所得国および医療システムが発展途上にある国における医薬品アクセスプログラムの強化資力ベースの患者支援プログラムに新規に登録した患者さんの数1,3661,682 (注1)2023年度の上表の各種指標については、KPMGあずさサステナビリティ株式会社より、国際監査・保証基準審議会(IAASB)によって発行されたISAE(国際保証業務基準)3000及びISAE3410に準拠した限定的保証業務を受けています。その結果、同社より、2024年6月25日付ですべての重要な点において、会社の定める規準(2024年7月に当社のウェブサイトに掲載予定)に従って算定され、表示されていないと認められる事項は発見されなかったとの結論を受領しております。(注2)2023年度の初日時点で上市から5年を経過していない成長製品・新製品を対象としています。 People ともに働く仲間のために私たちの成功の源は「人」にあります。どんなに先端技術が進化しようとも、基本は人が変革を推し進め、新たな未来を担います。人材を育成し、多様性をはぐくむ公平でインクルーシブな環境づくりと、従業員の身心の健康維持(ウェルビーイング)、そして生涯学習に投資することによって、従業員が一個人としても仕事においても充実感を得られるよう支援します。ともに働く仲間はイノベーションの源泉であり、患者さん、株主、そして社会のための長期的な価値創出を推し進める原動力です。当社は、タケダで働く人々の 逆境に負けないしなやかな強さを高めることを最優先に考えています。重要性指標2022年度2023年度Peopleともに働く仲間のために「世界中の人々の健康と、輝かしい未来に貢献する」という私たちの存在意義(パーパス)を果たすためには、優れたスキルを持ち、意欲にあふれた従業員が欠かせません。従業員一人一人のありのままの姿を尊重し、その心身の健康(ウェルビーイング)に投資する職場環境をつくることは、優秀な人材の確保と定着に役立ちます。タケダでは、従業員のデータ・デジタル&テクノロジーに関するスキルを高めることで、イノベーションを加速させ、患者さんと社会にさらに貢献しようとしています。また、多様な背景、文化、アイデンティティ、経験を持つ人々を集めることで、意思決定に幅広いステークホルダーの声を取り入れようとしています。これは、よりいっそう患者さんのニーズを満たす医薬品を開発することにもつながるのです。従業員エンゲージメントの向上従業員体験アンケートにおける、エンゲージメントに関する質問への回答の平均スコア(尺度:1~100) (注2)7977従業員の心身の健康(ウェルビーイング)の向上従業員体験アンケートにおける、ウェルビーイングに関する質問への回答の平均スコア(尺度:1~100) (注2)6867DE&Iの推進(ジェンダー構成)タケダ全体のジェンダーの内訳48.0%(男性)51.8%(女性)0.2%(その他/ノンバイナリー)(注3)48%(男性)52%(女性)0.1%(その他/ノンバイナリー)(注3)先進的なテクノロジーに精通した人材のスキルアップ2020年度Q1以降に先進的なデータとデジタルに関するトレーニングに1回以上参加した従業員の割合37%49% (注1)2023年度の上表の各種指標については、KPMGあずさサステナビリティ株式会社より、国際監査・保証基準審議会(IAASB)によって発行されたISAE(国際保証業務基準)3000及びISAE3410に準拠した限定的保証業務を受けています。その結果、同社より、2024年6月25日付ですべての重要な点において、会社の定める規準(2024年7月に当社のウェブサイトに掲載予定)に従って算定され、表示されていないと認められる事項は発見されなかったとの結論を受領しております。(注2) この指標の測定方法は、従業員体験アンケートの結果をより幅広く反映させるために、「従業員体験アンケートの質問に対する好意的な回答の割合」から現在のものに変更されました。2022年度の数値は新しい測定方法に基づいて再計算しています。(注3)ノンバイナリーとは、自身の性自認と性表現を「男性・女性」という2つの枠組みに当てはめようとしない人のことです。 Planet いのちを育む地球のために当社は、気候変動に関する戦略を実施し、主要業績評価指標(KPI)や測定基準を決定、それらの進捗を管理するため「気候変動対策プログラム」を導入しています。この気候変動対策プログラムでは、直接的、間接的およびバリューチェーンにおける温室効果ガス排出量の最小化など、様々な目標に重点を置いています。当社は、スコープ1および2の温室効果ガス排出量を、2025年度までに2016年度基準から40%削減する目標を2020年に設定しました。また、排出量の67%を占めるサプライヤーが2024年度までに科学的根拠に基づく目標を設定する目標も設定しました。これらの目標はSBTi(科学的根拠に基づく目標イニシアチブ)の認証を取得しました。2022年には、2035年までに当社の事業活動に起因する温室効果ガス排出量(スコープ1および2)を、2040年までに当社のバリューチェーン全体における温室効果ガス排出量(スコープ3の温室効果ガス排出量の見積もり(注1)を含む)をネットゼロ(注2)にする新しい目標を公表しました。これらのコミットメントは、必要とされる短期的な排出削減目標とともに、SBTi認証の申請を行っています。当社は、2022年度まで、カーボンニュートラルを維持してきましたが、2024年度からは、気候変動対策の目標としてのカーボンニュートラルからの転換を行いました。当社は、ネットゼロに焦点を当てる一環として、自主的炭素市場(Voluntary Carbon Market:VCM)を引き続き支援し、人々の健康に役立ち、SBTiの企業ネットゼロ基準に適合する自然を活用したカーボン除去のソリューションやプロジェクトに優先的に投資していきます。(注1)実際のスコープ3の排出量は測定が困難であり不透明性が残ることからも、これらは取り組みを進めていく上で今後克服すべき重要な課題です。(注2)当社は、SBTiの企業ネットゼロ基準に従ってネットゼロ排出量を定義しています。 スコープ目標2023年度実績(1,000MTCO2e)*スコープ12035年までに当社の事業活動における温室効果ガス排出量(スコープ1および2)のネットゼロを達成279スコープ2(マーケットベース)33スコープ32040年までに温室効果ガス排出量のネットゼロを達成3,953 * 当社の温室効果ガス排出量を計算するための方法の詳細については、当社ウェブサイトのサステナビリティ情報開示のページに掲載している「環境・労働安全(EHS)指標の詳細情報(英語)」をご参照ください 重要性指標2022年度2023年度Planetいのちを育む地球のためにグローバルなバイオ医薬品企業として、タケダは人々の健康と地球の健康が密接に結びついていることを理解しています。気候変動や生物多様性の減少といった世界規模の問題が、公衆衛生のみならず、事業活動への脅威ともなっています。私たちは気候変動と自然環境の保全に関する大きな目標のもと、私たちの価値観に沿って、常に患者さんを第一としつつ、当社の事業とバリューチェーンのあらゆる側面において環境の持続可能性を考慮しています。 スコープ1および2の温室効果ガス排出量の削減スコープ1および2の温室効果ガス排出量の削減率(2016年比) 34%53%スコープ3の温室効果ガス排出量削減に向けた取引先との協働科学的根拠に基づく目標イニシアチブに整合した目標を設定している取引先によるスコープ3の温室効果ガス排出量の割合 45%56%埋め立て廃棄物の削減埋め立て以外で処理された廃棄物 78%78%淡水資源の保全淡水取水量の削減率(2019年比) 7.9%4.9%森林認証素材またはリサイクル素材による環境に配慮した包装の実現(注2)タケダの二次および三次包装用の紙・板紙における、リサイクル素材または持続可能な森林認証を持つ素材の割合 42%53% (注1)2023年度の上表の各種指標については、KPMGあずさサステナビリティ株式会社より、国際監査・保証基準審議会(IAASB)によって発行されたISAE(国際保証業務基準)3000及びISAE3410に準拠した限定的保証業務を受けています。その結果、同社より、2024年6月25日付ですべての重要な点において、会社の定める規準(2024年7月に当社のウェブサイトに掲載予定)に従って算定され、表示されていないと認められる事項は発見されなかったとの結論を受領しております。(注2) この指標の報告対象期間は2022年度です。2023年度のデータ収集プロセスは、2024年の秋に最終決定され、指標はその翌年の報告書に掲載される予定です。 ビジネス重要性指標2022年度2023年度ビジネス事業を成長させることは、患者さんや地域社会に長期的な価値を提供することにつながります。成長製品・新製品は将来の売上収益成長を牽引する存在であり、この指標はパイプラインからの製品の上市を成功させる私たちの能力を示しています。成長製品・新製品のCore売上収益増加額成長製品・新製品のCore売上収益増加額目標の達成率96.1%79.5% (注1)2023年度の上表の各種指標については、KPMGあずさサステナビリティ株式会社より、国際監査・保証基準審議会(IAASB)によって発行されたISAE(国際保証業務基準)3000及びISAE3410に準拠した限定的保証業務を受けています。その結果、同社より、2024年6月25日付ですべての重要な点において、会社の定める規準(2024年7月に当社のウェブサイトに掲載予定)に従って算定され、表示されていないと認められる事項は発見されなかったとの結論を受領しております。 当社のサステナビリティへの取り組みのさらなる詳細は、2024年7月に当社ウェブサイトに掲載を予定している2024年統合報告書「サステナビリティにおける注力分野と指標」をご参照ください。 |
戦略 | 事業戦略当社は、私たちの企業理念に基づいて、持続的な経営および成長を実現します。バイオ医薬品企業としての強みと能力を活かして、患者さん、株主の皆様、および社会のための長期的な価値を創造すると同時に、従業員、地域社会、および環境に良い影響をもたらし続けることで、当社の存在意義を果たしていきます。当社は、「存在意義(パーパス)」を「目指す未来(ビジョン)」および「価値観(バリュー)」と融合させることで、不変の価値観に基づく持続的成長を目指しています。当社は、パーパスとビジョンを達成するためにどこに注力をするべきか(事業戦略)を「私たちの約束」および「優先事項」で定めています。私たちの約束は、「Patient すべての患者さんのために」、「People ともに働く仲間のために」、および「Planet いのちを育む地球のために」の大きく3つの柱に分けられており、データやデジタル、テクノロジーを活用しながら実行されています。これには、当社およびステークホルダーにとって戦略的重要性が高い非財務関連課題の評価(マテリアリティ・アセスメント)の結果が反映されています。Patient すべての患者さんのために当社は、科学的根拠に基づき、治療の選択肢が限られている患者さんをはじめ、すべての人々の暮らしを豊かにする医薬品の創出に取り組んでいます。これは、当社の存在意義(パーパス)の根幹となるものです。当社の研究開発(R&D)は、主要な疾患領域に焦点を当て、高度に差別化されています。私たちは、研究所の専門的な研究開発能力、社外とのパートナーシップ、患者団体との連携、健康の公平性への取り組み、およびデータ、デジタル、テクノロジーの活用などを通じて、当社製品を患者さんに提供しています。私たちは、患者さんに高品質な医薬品を途絶えることなく供給する責任があることを理解しています。この責任を果たすために、堅ろうなグローバルサプライチェーンシステムを構築しています。戦略上、重要な製品および原薬については複数の調達先から購入し、調達方針についても地政学的リスクを考慮した戦略を有しています。治療を最も必要とする患者さんに我々の医薬品を十分にお届けできなければ、科学的なイノベーションは大きな意味を成しません。高度な技術と意欲を持つ医療従事者やインフラの整備に加え、健全な医療財政、保険医療制度、そして科学的根拠に基づく政策によって支えられた最新の医薬品と医療技術の提供がなされなければ、患者さんに医薬品をお届けすることはできません。そのため、当社では次のことを実施しております。・患者さんの医薬品アクセスを促進するために包括的な戦略を実施し、医療の価値(バリューベース・ヘルスケア)を促進するグローバルな政策やプログラムを支援しています。私たちは、最先端の治療がもたらす医学的・経済的な価値が十分に反映されながらも、患者さんがそれらの革新的な治療を公平かつ持続的にうけることができるエコシステムの構築に賛同しています。・革新的な新製品を患者さんにお届けできるように、グローバルな製品(成長製品・新製品)を上市するにあたっては、国の経済レベルや医療制度の成熟度に応じて、国ごとに異なる価格帯を設定しています(ティアード・プライシング)。また、治療費を支払うことができない患者さんにも必要な医療を提供するために、医薬品アクセスプログラムを含む患者支援プログラムを提供しています。・グローバルCSRプログラムを通じて、グローバル団体やNGO、NPOと連携して、低・中所得国の保健システム強化を支援しています。私たちの医薬品はグローバルに上市されていますが、各エリアや国ごとに、状況に応じた最適な戦略を検討しています。私たちの価値観(バリュー)はグローバルで行う事業活動全体で浸透しているため、一刻を争う場合であっても、各地域の従業員は、患者さんに最も近いところで価値観(バリュー)に沿った意思決定を行い、私たちの医薬品をタイムリーに提供することができています。当社の患者さんに対する取り組みの詳細は、2024年7月に当社ウェブサイトに掲載を予定している2024年統合報告書「PATINET すべての患者さんのために」をご参照ください。 People ともに働く仲間のために当社は、科学技術がどれほど進歩しても、重要な変化は常に「人」によってもたらされることを認識しています。私たちの従業員はイノベーションの源泉であり、患者さん、株主、社会のために長期的な価値を創造することを可能にしています。当社は、すべての人々の暮らしを豊かにする医薬品を患者さんにお届けするため、多様性、公平性、包括性(DE&I)を受容する組織作り、従業員の学びや能力およびキャリアの成長を促す企業文化の醸成、また従業員の心身の健康と安心の向上に取り組むとともに、従業員のエンゲージメントを高める活動に注力しています。人材の多様性、公平性、包括性(DE&I)当社には、80を超える国と地域でさまざまな経歴や経験を持つ人々が集まっています。当社では、多様性を受け入れるとともに、患者さんや従業員がそれぞれの可能性を最大限に発揮できる機会に公平にアクセスできるように努めています。私たちのDE&Iに関する取り組みは、「患者さんを支える」、「インクルーシブな職場環境をつくる」、「人材の多様性を尊重する」、「社外へのインパクトを生み出す」を4つの柱として、価値観に基づくアプローチを取っています。当社は、DE&Iへの投資を拡大しており、その一例として、グローバルDE&Iカウンシルを、戦略的な方向性の策定、関係構築、またグローバル規模での健康格差や不平等さを認識し、それに対処するための取り組み支援に重点をおいたものへと発展させています。グローバルレベルではジェンダーダイバーシティに取り組んでおり、2024年3月31日時点で、グローバル全体における管理職に占める女性の割合は43%となっています。また、2024年4月1日時点で、当社のTETメンバー17名のうち、女性が9名(53%)を占めています。当社の各事業部門や拠点では、グローバルDE&Iの目標やロードマップに沿ってそれぞれ独自のDE&I目標や戦略、プログラムを設定して事業運営に反映させています。当社は、今後も、性別、国籍、年齢および経歴の観点から人材の多様性の促進に努めてまいります。人材の育成と企業文化の醸成生涯学習およびキャリア成長への取り組みは、従業員の職務経験、モチベーションおよび専門性を高め、新しい発想につながり、結果的に患者さんへの価値創造につながります。当社では、従業員に対して、学習ツールや最新のテクノロジー、コンテンツ、サポートを提供することで、必要な知識や学びたい知識を、必要な時に最適な形で習得できるよう、学びをカスタマイズできるようにしています。従業員の学びをサポートする形態の一つは、実際の体験を通じて学びを得るよう支援することであり、例えば、職場での研修プログラムにおいて、シニアメンバーが主導するプロジェクトに参加、貢献していく過程で貴重なスキルを身につけられるよう支援しています。当社では、従業員自らがキャリア成長を定義し、主体的に行動することを促しており、その過程でリーダー、同僚、メンターの支援を受けられるようにしています。2024年1月には、全従業員がタケダの中で自身の成長機会を見出し、キャリアを伸ばすことができるよう、AIを活用したプラットフォーム 「Career Navigator」 を導入しました。「Career Navigator」は、従業員が入力した自身のキャリア目標や関心のある分野に基づいて、社内でのキャリア機会を提案したり、足りないスキルを得るための学習機会を特定したり、また成長を促すためにメンターを紹介します。当社では、現在の製薬業界に影響をもたらしている急速な技術発展を活用するため、そして未来のヘルスケアに対応できる組織にするため、従業員のデジタルスキルの強化に努めており、自動化プログラムや、コンテンツの作成および収集、生成AIなど従業員がデジタル技術のスキルを向上することができるよう、事業部門や機能全体でスキル向上の機会を提供しています。さらに、当社では、デジタルに精通した人材を育成するため、複数のイノベーション能力センターを立ち上げています。これらは、データとデジタルに関する能力を有した人材を社内で調達できるようにするためであり、タケダの事業全体を対象に、デジタルソリューションの構築および管理を行っています。これにより、社外への依存度を減らしつつ、医療従事者や患者さんとのコミュニケーション方法を改善するとともに、医療従事者や患者さんがタケダの製品やサービスをより簡単に利用できるようにしています。当社は、革新的な医薬品を創出し患者さんにお届けするという価値観に基づき、デジタルスキルを含め、生涯学習およびキャリア成長を促進する企業文化を醸成することに取り組んでいます。社内環境整備方針「世界中の人々の健康と、輝かしい未来に貢献する」という当社の存在意義(パーパス)は従業員が心身ともに健康であることを前提に実現されるものです。当社は、精神面、身体面、経済面、社会面の4つの分野から従業員の心身の健康に焦点を当てています。これらの分野をサポートする中で、従業員からのフィードバックを取り入れ、当社では長期的かつグローバルなウェルビーイングの戦略的取り組みとして、「ライフ・ワーク・アライメントの更なる推進」、「グローバルに展開しているプログラムおよび福利厚生への公平なアクセス」を設定しました。ライフ・ワーク・アライメントは従業員が新しいよりフレキシブルな勤務形態に適応する上で最も考慮すべき点であり、顔を合わせて行う協働と在宅勤務を両方取り入れるなど、従業員の能力を最大限に引き出すために多様な働き方を尊重しています。具体的な勤務形態はチームによって異なりますが、オフィスの空間デザインにも工夫を凝らし、従業員のウェルビーイング(心身の健康)とパフォーマンスを向上させ、柔軟性があり、対面でのコミュニケーションの価値を実感できるような環境づくりを行うなど、働き方改革を加速させています。また、レジリエンス(回復力)のスキルを強化するための学習プログラムを活用し、メンタルヘルスについて話すためのツールをマネージャーに提供しています。当社の人材、DE&I、人材育成と企業文化の醸成、および社内環境整備にかかる方針のさらなる詳細は、2024年7月に当社ウェブサイトに掲載を予定している2024年統合報告書「PEOPLE ともに働く仲間のために」をご参照ください。 Planet いのちを育む地球のために当社は、気候変動や生物多様性の喪失が患者さんや人々の健康に影響を及ぼすことを理解し、環境の分野において積極的に取り組んでいます。当社は、事業活動およびバリューチェーン全体における温室効果ガス排出量の最小化、自然および生物多様性の保全、ならびに持続可能性に配慮した製品設計および生産に重点を置いて、環境サステナビリティ活動に取り組んでいます。「Planet」に係る取り組みは、現在、EHS(環境、健康・衛生、安全)のチームが管理する、環境サステナビリティの様々な側面に専念した3つのプログラムで構成されています。•気候変動対策プログラム2035年までに自社の事業活動に起因する温室効果ガス排出量(スコープ1および2)を、2040年までにバリューチェーン全体における温室効果ガス排出量(スコープ3)をネットゼロにします。 •環境配慮設計プログラム製品の設計やパッケージのデザイン、開発において、ライフサイクルのあらゆる側面で持続可能性に配慮した意思決定を取り入れることによって、バリューチェーン全体で環境負荷を最小限に抑えることを目指します。・天然資源保全プログラム水の保全、責任ある廃棄物処理、生物多様性保全活動などを通じて、事業の環境負荷の低減を目指します。 当社は、気候変動に関連したリスクに対するレジリエンスの強化および機会の特定に積極的に取り組んでいます。気候変動による物理的リスクおよび移行リスクの評価と管理は、EHSチームが主導し、組織全体のリスク管理フレームワークに組み込んでいます。事業場に固有の気候変動による業務運営リスクは、事業所や施設レベルのリスク評価からボトムアップのアプローチにより特定しています。また、サプライチェーンにおけるリスクは、第三者リスク管理プログラム(TPRM)を利用したサプライヤーのスクリーニングを通じて特定しています。深刻な物理的リスクの上昇を軽減する取り組みとして、エネルギーの保全、また、可能な場合には再生可能エネルギーに移行することを通じて、温室効果ガスによる環境負荷を抑える活動を推進しています。また、サプライチェーンにおける物理的リスクに対しては、サプライチェーンにおける許容できないリスクの発生を防ぐために、主要サプライヤーの気候変動関連リスクを評価しています。当社は、2021年に、気候変動のリスクと機会についてシナリオ分析を実施しました。当シナリオ分析は、一定の直接的な事業活動のみを対象とし、2030年までの時間軸と2050年までの時間軸について、気候変動に対する世界の対応レベルの違いによって異なる3つの気候変動シナリオ(すなわち、「気候変動追加対策なし(No Action)」「対応中(Middle of the Road)」「積極的緩和策(Aggressive Mitigation)」)を設定しています。結果として、当社が事業を展開している様々な地域における気候変動の傾向予測や気候変動に起因する特定の災害の発生予測について知見を得ることができましたが、個別の事業場に特有の具体的な条件は一部考慮しませんでした。このプロセスを通じて、当社に適用され得る幾つかの気候変動のリスクと機会を特定することができました。モデル化されたシナリオに基づく当社の直接的な事業活動に係る潜在的なリスクと影響は下表のとおりです。リスクの種類リスクの内容積極的緩和策ありのシナリオ下での潜在的な影響気候変動追加対策なしのシナリオ下での潜在的な影響物理的リスク(急性)極端な雨天主に極端な雨天による事業運営費や生産性に対する影響は限定的。特定のヨーロッパ諸国は高リスクにとどまる見込み(年間10.2%以上、極端な雨天の日数が増加)。事業活動中断のエクスポージャーの高まり(事業運営費や生産性の損失)。ヨーロッパとアメリカは、極端な雨天の日数が年間10.2%以上増加し高リスクにあり、エクスポージャーの最も大きな割合を占める。また、ヨーロッパとブラジルは、山火事による損失も予測され、厳しい山火事発生の日数により高リスク(年間10日以上増加)。事業活動中断や施設の損害、保険費用の増加を予想。沿岸地域にある事業場は台風やその他の極端な天候事象の影響を受ける特有のリスクの可能性。山火事 リスクの種類リスクの内容積極的緩和策ありのシナリオ下での潜在的な影響気候変動追加対策なしのシナリオ下での潜在的な影響物理的リスク(慢性)猛暑事業運営費や生産性に対する影響は限定的(海面上昇と水ストレスはモデル化されていない)。特定のヨーロッパ諸国、日本、アメリカ、ブラジルは中程度のリスクにあると予測(年間11日から27日の厳しい熱波日数の増加)。主に猛暑による事業活動中断のエクスポージャーの高まり(事業運営費や生産性の損失)。特定のヨーロッパ諸国、日本、アメリカ、ブラジルは、猛暑の高リスク(年間27日以上の厳しい熱波日数の増加)。さらに、特定のヨーロッパ諸国、日本、ブラジルは、海面が上昇(0.29メートル以上)すると予測。既存の高い水ストレス地域(アメリカ、ドイツ、ブラジル)は継続し、中国、ベルギー、アイルランドも水ストレスレベルの上昇を予測。水ストレスは、水処理/節水のアップグレードに適応し実施するため、投資や事業運営費の増加をもたらす可能性。海面上昇水ストレス移行リスク炭素税/規制/政策炭素価格制度によるコスト上昇の影響を受ける可能性。炭素価格は経時的に大幅に上昇することが予測されるも脱炭素化の取り組みにより影響を軽減できる見込み。炭素価格制度によるコスト上昇の影響は最小限に抑えられると予測し、炭素価格は全体的にほぼ横ばいの見込み。エネルギー市場エネルギー価格は全体的にほぼ横ばいを予測。全体的にエネルギーコストの増加に直面し得るも、エネルギー需要削減の取り組みにより影響を軽減できる可能性。 上述のモデル化されたリスクと影響に加えて、2021年の評価の一環として、当社と第三者の情報を組み合わせた気候変動によるリスクと影響の定性的分析も実施しました。この分析により、地球温暖化による疾病の増加が、従業員や血漿のドナーへの影響を含め、当社の事業活動のリスクになり得ることが特定されました。また、特に「気候変動追加対策なし」のシナリオにおいて、当社のデング熱ワクチンであるQDENGAの市場を拡大する可能性も特定されました。さらに、当社の気候変動対策の目標達成の成否によって、従業員、健康保険事業の運営主体(保険者)およびその他のパートナーを含むステークホルダーとの関係に影響を与える可能性のある社会的信頼に係るリスクと機会も特定されました。当社は、これらのリスクを軽減するために取り得る追加の手段を特定するとともに、潜在的な気候変動のリスクに対する理解を深めるため、継続的に前提条件を見直し、分析を更新し、リスク評価の範囲を拡大していく方針です。 |
指標及び目標 | 指標および目標当社は、企業理念に基づく行動を通して、長期的な価値の創造を目指しています。関連する部門で働く従業員が意見を出し合って「企業理念に基づく私たちの指標(corporate philosophy metrics)」を策定しました。従業員は、各評価指標の進捗状況を「企業理念ダッシュボード」でいつでも確認できるようになっています。透明性の高い情報共有は、従業員一人ひとりがタケダの持続的な成長に責任を持ち、社外ステークホルダーとの信頼関係の構築を促します。Patient すべての患者さんのために当社は、科学的根拠に基づき、治療選択肢の限られた患者さんや地域社会にとって、暮らしが豊かになる医薬品の創出に取り組んでいます。これは、当社の存在意義(パーパス)の根幹となるものです。当社の研究開発(R&D)パイプラインは、主要な治療領域に焦点を当て、高度に多様化されています。私たちは、研究所の専門的な研究開発能力、社外とのR&Dパートナーシップ、患者団体との連携、健康の公平性への取組み、およびデータ、デジタル、テクノロジーの活用などを通じて、当社製品を患者さんに提供しています。当社は、革新的な医薬品へのアクセスをより多くの人々に拡大しています。重要性指標2022年度2023年度Patient すべての患者さんのためにタケダでは、患者さんをすべての行動の中心に置いています。革新的かつ安全な治療薬やワクチンを創出して手の届きやすい価格でお届けし、あらゆる患者さん、地域社会、国に貢献することが、長期的な成功につながると信じています。私たちは、製品を迅速に市場に投入することで、競争優位性を生み出しています。医療従事者、顧客、規制当局、患者さんを含むステークホルダーからの信頼を築いて維持することも、持続可能な事業を運営していく上では不可欠です。そのために、償還プログラムや患者支援プログラムを通じて、タケダの製品を誰もが手の届きやすい価格で利用できるようにすることに注力しています。さらに、臨床試験結果や査察結果の開示によって透明性を確保すること、そして医薬品を持続的に安定供給することも極めて重要です。医薬品候補マイルストーンの達成薬事承認件数およびピボタル臨床試験開始件数1829臨床試験結果の公開公開されている登録サイトに結果概要が適切なタイミングで公開された臨床試験の割合 100%100%医薬品の持続的な安定供給指定納期に基づき発注数量通りに出荷した注文書の割合 99.3%99.1%健全な製造工程の維持重要な指摘事項のなかった規制当局による査察の割合 100%100%成長製品・新製品のアクセス向上(注2)償還を通じて患者さんが製品にアクセスできる主要市場の数 ALUNBRIG9 TAKHZYRO9TAKHZYRO9ALOFISEL4ALOFISEL4EXKIVITY2LIVTENCITY6LIVTENCITY2 低・中所得国および医療システムが発展途上にある国における医薬品アクセスプログラムの強化資力ベースの患者支援プログラムに新規に登録した患者さんの数1,3661,682 (注1)2023年度の上表の各種指標については、KPMGあずさサステナビリティ株式会社より、国際監査・保証基準審議会(IAASB)によって発行されたISAE(国際保証業務基準)3000及びISAE3410に準拠した限定的保証業務を受けています。その結果、同社より、2024年6月25日付ですべての重要な点において、会社の定める規準(2024年7月に当社のウェブサイトに掲載予定)に従って算定され、表示されていないと認められる事項は発見されなかったとの結論を受領しております。(注2)2023年度の初日時点で上市から5年を経過していない成長製品・新製品を対象としています。 People ともに働く仲間のために私たちの成功の源は「人」にあります。どんなに先端技術が進化しようとも、基本は人が変革を推し進め、新たな未来を担います。人材を育成し、多様性をはぐくむ公平でインクルーシブな環境づくりと、従業員の身心の健康維持(ウェルビーイング)、そして生涯学習に投資することによって、従業員が一個人としても仕事においても充実感を得られるよう支援します。ともに働く仲間はイノベーションの源泉であり、患者さん、株主、そして社会のための長期的な価値創出を推し進める原動力です。当社は、タケダで働く人々の 逆境に負けないしなやかな強さを高めることを最優先に考えています。重要性指標2022年度2023年度Peopleともに働く仲間のために「世界中の人々の健康と、輝かしい未来に貢献する」という私たちの存在意義(パーパス)を果たすためには、優れたスキルを持ち、意欲にあふれた従業員が欠かせません。従業員一人一人のありのままの姿を尊重し、その心身の健康(ウェルビーイング)に投資する職場環境をつくることは、優秀な人材の確保と定着に役立ちます。タケダでは、従業員のデータ・デジタル&テクノロジーに関するスキルを高めることで、イノベーションを加速させ、患者さんと社会にさらに貢献しようとしています。また、多様な背景、文化、アイデンティティ、経験を持つ人々を集めることで、意思決定に幅広いステークホルダーの声を取り入れようとしています。これは、よりいっそう患者さんのニーズを満たす医薬品を開発することにもつながるのです。従業員エンゲージメントの向上従業員体験アンケートにおける、エンゲージメントに関する質問への回答の平均スコア(尺度:1~100) (注2)7977従業員の心身の健康(ウェルビーイング)の向上従業員体験アンケートにおける、ウェルビーイングに関する質問への回答の平均スコア(尺度:1~100) (注2)6867DE&Iの推進(ジェンダー構成)タケダ全体のジェンダーの内訳48.0%(男性)51.8%(女性)0.2%(その他/ノンバイナリー)(注3)48%(男性)52%(女性)0.1%(その他/ノンバイナリー)(注3)先進的なテクノロジーに精通した人材のスキルアップ2020年度Q1以降に先進的なデータとデジタルに関するトレーニングに1回以上参加した従業員の割合37%49% (注1)2023年度の上表の各種指標については、KPMGあずさサステナビリティ株式会社より、国際監査・保証基準審議会(IAASB)によって発行されたISAE(国際保証業務基準)3000及びISAE3410に準拠した限定的保証業務を受けています。その結果、同社より、2024年6月25日付ですべての重要な点において、会社の定める規準(2024年7月に当社のウェブサイトに掲載予定)に従って算定され、表示されていないと認められる事項は発見されなかったとの結論を受領しております。(注2) この指標の測定方法は、従業員体験アンケートの結果をより幅広く反映させるために、「従業員体験アンケートの質問に対する好意的な回答の割合」から現在のものに変更されました。2022年度の数値は新しい測定方法に基づいて再計算しています。(注3)ノンバイナリーとは、自身の性自認と性表現を「男性・女性」という2つの枠組みに当てはめようとしない人のことです。 Planet いのちを育む地球のために当社は、気候変動に関する戦略を実施し、主要業績評価指標(KPI)や測定基準を決定、それらの進捗を管理するため「気候変動対策プログラム」を導入しています。この気候変動対策プログラムでは、直接的、間接的およびバリューチェーンにおける温室効果ガス排出量の最小化など、様々な目標に重点を置いています。当社は、スコープ1および2の温室効果ガス排出量を、2025年度までに2016年度基準から40%削減する目標を2020年に設定しました。また、排出量の67%を占めるサプライヤーが2024年度までに科学的根拠に基づく目標を設定する目標も設定しました。これらの目標はSBTi(科学的根拠に基づく目標イニシアチブ)の認証を取得しました。2022年には、2035年までに当社の事業活動に起因する温室効果ガス排出量(スコープ1および2)を、2040年までに当社のバリューチェーン全体における温室効果ガス排出量(スコープ3の温室効果ガス排出量の見積もり(注1)を含む)をネットゼロ(注2)にする新しい目標を公表しました。これらのコミットメントは、必要とされる短期的な排出削減目標とともに、SBTi認証の申請を行っています。当社は、2022年度まで、カーボンニュートラルを維持してきましたが、2024年度からは、気候変動対策の目標としてのカーボンニュートラルからの転換を行いました。当社は、ネットゼロに焦点を当てる一環として、自主的炭素市場(Voluntary Carbon Market:VCM)を引き続き支援し、人々の健康に役立ち、SBTiの企業ネットゼロ基準に適合する自然を活用したカーボン除去のソリューションやプロジェクトに優先的に投資していきます。(注1)実際のスコープ3の排出量は測定が困難であり不透明性が残ることからも、これらは取り組みを進めていく上で今後克服すべき重要な課題です。(注2)当社は、SBTiの企業ネットゼロ基準に従ってネットゼロ排出量を定義しています。 スコープ目標2023年度実績(1,000MTCO2e)*スコープ12035年までに当社の事業活動における温室効果ガス排出量(スコープ1および2)のネットゼロを達成279スコープ2(マーケットベース)33スコープ32040年までに温室効果ガス排出量のネットゼロを達成3,953 * 当社の温室効果ガス排出量を計算するための方法の詳細については、当社ウェブサイトのサステナビリティ情報開示のページに掲載している「環境・労働安全(EHS)指標の詳細情報(英語)」をご参照ください 重要性指標2022年度2023年度Planetいのちを育む地球のためにグローバルなバイオ医薬品企業として、タケダは人々の健康と地球の健康が密接に結びついていることを理解しています。気候変動や生物多様性の減少といった世界規模の問題が、公衆衛生のみならず、事業活動への脅威ともなっています。私たちは気候変動と自然環境の保全に関する大きな目標のもと、私たちの価値観に沿って、常に患者さんを第一としつつ、当社の事業とバリューチェーンのあらゆる側面において環境の持続可能性を考慮しています。 スコープ1および2の温室効果ガス排出量の削減スコープ1および2の温室効果ガス排出量の削減率(2016年比) 34%53%スコープ3の温室効果ガス排出量削減に向けた取引先との協働科学的根拠に基づく目標イニシアチブに整合した目標を設定している取引先によるスコープ3の温室効果ガス排出量の割合 45%56%埋め立て廃棄物の削減埋め立て以外で処理された廃棄物 78%78%淡水資源の保全淡水取水量の削減率(2019年比) 7.9%4.9%森林認証素材またはリサイクル素材による環境に配慮した包装の実現(注2)タケダの二次および三次包装用の紙・板紙における、リサイクル素材または持続可能な森林認証を持つ素材の割合 42%53% (注1)2023年度の上表の各種指標については、KPMGあずさサステナビリティ株式会社より、国際監査・保証基準審議会(IAASB)によって発行されたISAE(国際保証業務基準)3000及びISAE3410に準拠した限定的保証業務を受けています。その結果、同社より、2024年6月25日付ですべての重要な点において、会社の定める規準(2024年7月に当社のウェブサイトに掲載予定)に従って算定され、表示されていないと認められる事項は発見されなかったとの結論を受領しております。(注2) この指標の報告対象期間は2022年度です。2023年度のデータ収集プロセスは、2024年の秋に最終決定され、指標はその翌年の報告書に掲載される予定です。 ビジネス重要性指標2022年度2023年度ビジネス事業を成長させることは、患者さんや地域社会に長期的な価値を提供することにつながります。成長製品・新製品は将来の売上収益成長を牽引する存在であり、この指標はパイプラインからの製品の上市を成功させる私たちの能力を示しています。成長製品・新製品のCore売上収益増加額成長製品・新製品のCore売上収益増加額目標の達成率96.1%79.5% (注1)2023年度の上表の各種指標については、KPMGあずさサステナビリティ株式会社より、国際監査・保証基準審議会(IAASB)によって発行されたISAE(国際保証業務基準)3000及びISAE3410に準拠した限定的保証業務を受けています。その結果、同社より、2024年6月25日付ですべての重要な点において、会社の定める規準(2024年7月に当社のウェブサイトに掲載予定)に従って算定され、表示されていないと認められる事項は発見されなかったとの結論を受領しております。 当社のサステナビリティへの取り組みのさらなる詳細は、2024年7月に当社ウェブサイトに掲載を予定している2024年統合報告書「サステナビリティにおける注力分野と指標」をご参照ください。 |
人材の育成及び社内環境整備に関する方針、戦略 | People ともに働く仲間のために当社は、科学技術がどれほど進歩しても、重要な変化は常に「人」によってもたらされることを認識しています。私たちの従業員はイノベーションの源泉であり、患者さん、株主、社会のために長期的な価値を創造することを可能にしています。当社は、すべての人々の暮らしを豊かにする医薬品を患者さんにお届けするため、多様性、公平性、包括性(DE&I)を受容する組織作り、従業員の学びや能力およびキャリアの成長を促す企業文化の醸成、また従業員の心身の健康と安心の向上に取り組むとともに、従業員のエンゲージメントを高める活動に注力しています。人材の多様性、公平性、包括性(DE&I)当社には、80を超える国と地域でさまざまな経歴や経験を持つ人々が集まっています。当社では、多様性を受け入れるとともに、患者さんや従業員がそれぞれの可能性を最大限に発揮できる機会に公平にアクセスできるように努めています。私たちのDE&Iに関する取り組みは、「患者さんを支える」、「インクルーシブな職場環境をつくる」、「人材の多様性を尊重する」、「社外へのインパクトを生み出す」を4つの柱として、価値観に基づくアプローチを取っています。当社は、DE&Iへの投資を拡大しており、その一例として、グローバルDE&Iカウンシルを、戦略的な方向性の策定、関係構築、またグローバル規模での健康格差や不平等さを認識し、それに対処するための取り組み支援に重点をおいたものへと発展させています。グローバルレベルではジェンダーダイバーシティに取り組んでおり、2024年3月31日時点で、グローバル全体における管理職に占める女性の割合は43%となっています。また、2024年4月1日時点で、当社のTETメンバー17名のうち、女性が9名(53%)を占めています。当社の各事業部門や拠点では、グローバルDE&Iの目標やロードマップに沿ってそれぞれ独自のDE&I目標や戦略、プログラムを設定して事業運営に反映させています。当社は、今後も、性別、国籍、年齢および経歴の観点から人材の多様性の促進に努めてまいります。人材の育成と企業文化の醸成生涯学習およびキャリア成長への取り組みは、従業員の職務経験、モチベーションおよび専門性を高め、新しい発想につながり、結果的に患者さんへの価値創造につながります。当社では、従業員に対して、学習ツールや最新のテクノロジー、コンテンツ、サポートを提供することで、必要な知識や学びたい知識を、必要な時に最適な形で習得できるよう、学びをカスタマイズできるようにしています。従業員の学びをサポートする形態の一つは、実際の体験を通じて学びを得るよう支援することであり、例えば、職場での研修プログラムにおいて、シニアメンバーが主導するプロジェクトに参加、貢献していく過程で貴重なスキルを身につけられるよう支援しています。当社では、従業員自らがキャリア成長を定義し、主体的に行動することを促しており、その過程でリーダー、同僚、メンターの支援を受けられるようにしています。2024年1月には、全従業員がタケダの中で自身の成長機会を見出し、キャリアを伸ばすことができるよう、AIを活用したプラットフォーム 「Career Navigator」 を導入しました。「Career Navigator」は、従業員が入力した自身のキャリア目標や関心のある分野に基づいて、社内でのキャリア機会を提案したり、足りないスキルを得るための学習機会を特定したり、また成長を促すためにメンターを紹介します。当社では、現在の製薬業界に影響をもたらしている急速な技術発展を活用するため、そして未来のヘルスケアに対応できる組織にするため、従業員のデジタルスキルの強化に努めており、自動化プログラムや、コンテンツの作成および収集、生成AIなど従業員がデジタル技術のスキルを向上することができるよう、事業部門や機能全体でスキル向上の機会を提供しています。さらに、当社では、デジタルに精通した人材を育成するため、複数のイノベーション能力センターを立ち上げています。これらは、データとデジタルに関する能力を有した人材を社内で調達できるようにするためであり、タケダの事業全体を対象に、デジタルソリューションの構築および管理を行っています。これにより、社外への依存度を減らしつつ、医療従事者や患者さんとのコミュニケーション方法を改善するとともに、医療従事者や患者さんがタケダの製品やサービスをより簡単に利用できるようにしています。当社は、革新的な医薬品を創出し患者さんにお届けするという価値観に基づき、デジタルスキルを含め、生涯学習およびキャリア成長を促進する企業文化を醸成することに取り組んでいます。社内環境整備方針「世界中の人々の健康と、輝かしい未来に貢献する」という当社の存在意義(パーパス)は従業員が心身ともに健康であることを前提に実現されるものです。当社は、精神面、身体面、経済面、社会面の4つの分野から従業員の心身の健康に焦点を当てています。これらの分野をサポートする中で、従業員からのフィードバックを取り入れ、当社では長期的かつグローバルなウェルビーイングの戦略的取り組みとして、「ライフ・ワーク・アライメントの更なる推進」、「グローバルに展開しているプログラムおよび福利厚生への公平なアクセス」を設定しました。ライフ・ワーク・アライメントは従業員が新しいよりフレキシブルな勤務形態に適応する上で最も考慮すべき点であり、顔を合わせて行う協働と在宅勤務を両方取り入れるなど、従業員の能力を最大限に引き出すために多様な働き方を尊重しています。具体的な勤務形態はチームによって異なりますが、オフィスの空間デザインにも工夫を凝らし、従業員のウェルビーイング(心身の健康)とパフォーマンスを向上させ、柔軟性があり、対面でのコミュニケーションの価値を実感できるような環境づくりを行うなど、働き方改革を加速させています。また、レジリエンス(回復力)のスキルを強化するための学習プログラムを活用し、メンタルヘルスについて話すためのツールをマネージャーに提供しています。当社の人材、DE&I、人材育成と企業文化の醸成、および社内環境整備にかかる方針のさらなる詳細は、2024年7月に当社ウェブサイトに掲載を予定している2024年統合報告書「PEOPLE ともに働く仲間のために」をご参照ください。 |
事業等のリスク | 3 【事業等のリスク】 当社の業績は、現在および将来において様々なリスクにさらされており、リスクの顕在化により予期せぬ業績の変動を被る可能性があります。以下では、当社が事業を展開していくうえで直面しうる主なリスクを記載いたします。なお、以下に記載したリスクは当社の全てのリスクを網羅したものではなく、記載以外の潜在的かつ不確実なリスクも存在し、投資家の判断に影響を及ぼす可能性があります。当社のグローバルリスク管理ポリシーについては、「第4 提出会社の状況 4 コーポレート・ガバナンスの状況等 (1)コーポレート・ガバナンスの概要 3.業務執行に係る事項 <内部統制システムに関する基本的な考え方およびその整備状況> ③ 損失の危険の管理に関する規程その他の体制」をご参照ください。なお、本項目に含まれる将来に関する事項およびリスクは、当年度末現在において判断したものです。 (1)研究開発に関するリスク当社は、持続的成長を実現するために、最先端の科学で革新的な医薬品を創出することを目指しています。当社は、研究開発機能の向上および社外パートナーとの提携等により研究開発パイプラインを強化すると共に、世界各国の市場への一日も早い新製品の上市を目指し、質の高い革新的な研究開発パイプラインを構築することで研究開発の成功確率を高める等により効率的な研究開発活動に努めております。しかしながら、医薬品は、自社創製候補物質、導入候補物質にかかわらず、所轄官庁の定めた有効性と安全性に関する厳格な審査により承認されてはじめて上市可能となります。研究開発の途上において、当該候補物質の有効性・安全性が、承認に必要とされる水準を充たさないことが判明した場合またはその懸念があると審査当局が判断した場合、その時点で当該候補物質の研究開発を途中で断念、または追加の臨床試験・非臨床試験を実施せざるを得ず、それまでにかかったコストを回収できないリスクや製品の上市が遅延するリスク、および研究開発戦略の軌道修正を余儀なくされる可能性があります。 (2)知的財産権に関するリスク当社の製品は、物質・製法・製剤・用途特許等の複数の特許によって、一定期間保護されております。当社では特許権を含む知的財産権を厳しく管理し、当社が事業を行う市場における知的財産権や第三者からの侵害状況を継続的にモニタリング、評価および分析し、知的財産権に関するリスクの回避と、受けうる影響の低減を図っていますが、当社の保有する知的財産権が第三者から侵害を受けた場合には、期待される収益が大幅に失われる可能性があります。また、当社の自社製品等が第三者の知的財産権を侵害した場合には製造販売の差止めおよび損害賠償等を請求される可能性があります。 (3)特許権満了等による売上低下リスク当社は、効能追加や剤型変更等により製品のライフサイクルを延長する努力をしておりますが、多くの製品について、特許または規制上の独占権の喪失・満了による後発品の市場参入は避けられず、米国や欧州では後発品が参入すれば通常、短期間で先発品から後発品へ切り替わり、先発品の収益が大きく減少します。国内では、当局が後発品の使用促進を積極的に進め、また、長期収載品のさらなる価格引下げが行われています。これに加え、競合品の特許権満了によるその後発品、および競合品のスイッチOTC薬の出現などによって、国内外の競争環境は格段に厳しいものになってきており、その影響如何で当社製品の大幅な売上低下を招く可能性があります。なお、特許権満了時期等の詳細については「第2 事業の状況 6 研究開発活動 知的財産」をご参照ください。 (4)副作用に関するリスク医薬品は、世界各国の所轄官庁の厳しい審査を経て発売されます。当社は発売後の医薬品について安全性情報を収集し有効性とリスクのバランスを評価することを含め、安全性監視活動とリスク最小化活動を実施し、ファーマコビジランス活動を推進し、副作用に関するリスクの回避と受けうる影響の低減に努力しておりますが、市販後の使用成績が蓄積された結果、発売時には予期していなかった副作用が確認されることがあります。新たな副作用が確認された場合には、添付文書の「使用上の注意」への記載を行う、使用する対象患者を制限する、使用方法を制限するなどの処置が必要となるほか、重篤なケースが認められた場合には、販売中止・回収等を余儀なくされることもあり得ます。また、このような場合において、当社は製造物責任を負うとともに、金銭的、法的および社会的信頼に関する損害を負う可能性があります。 (5)薬剤費抑制策による価格引き下げのリスク医薬品市場では、多くの国々において医療予算の削減が推進され、医療技術評価および国際価格を参照する政策により医薬品価格が低下しています。最大市場である米国では、医薬品価格を下げるための医療計画や仲介機関による取り組みに加え、継続的な法令および規制の制定により先発品への価格引き下げ圧力が一層高まっています。2022年には、米国議会において、インフレ抑制法(Inflation Reduction Act:IRA)が可決され、薬価上昇率がインフレ率を上回った製薬会社に対するペナルティの賦課、メディケア受給者の自己負担額の上限設定、2026年よりメディケアの対象となる特定の医薬品に関する連邦政府への価格設定権限の付与等、メディケア・プログラムに基づく医薬品の補償条件が大幅に変更されました。日本においては、政府による一層の後発品の使用促進に加え、医療保険制度における多くの製品の公定薬価が、毎年引き下げられております。欧州においても、薬剤費を抑制し、価格透明性を高め、国際価格を参照する政策により、医薬品価格が低下しておりますが、さらに欧州委員会が、知的財産権に関するインセンティブ、規制当局によるデータ保護、希少疾患用医薬品の市場独占期間の短縮または修正を含むEUの薬事法制の改正案を提案していることから、今後価格引き下げ圧力が高まることが予想されます。また、当社は、中国を含む新興国等のその他の国・地域においても同様の価格圧力を受けています。当社がこれらの国・地域に事業を拡大するに伴い、今後も引き続き価格圧力を受けると予想されます。当社は、各国の薬剤費抑制策の詳細な分析やモニタリングを行い、医薬品の価格状況を管理する組織体制を構築することでリスクの回避と影響低減の努力を行うと共に、各国政府や医療サービス供給者・保険者等と協力して、革新的な医薬品に対する適切な報酬制度を確立するために、価値に基づく新しい価格設定モデル(バリューベースド・プライシング)等の解決策を追求しておりますが、これら各国の薬剤費抑制策による価格引き下げにより、当社製品の価格が影響を受け、当社の業績および財務状況に悪影響が生じる可能性があります。 (6)企業買収に関するリスク当社は、持続的な成長を加速させるため、必要に応じて企業買収を実施しております。世界各国における事業活動は、法令や規則の変更、政情不安、経済動向の不確実性、商慣習の相違その他のリスクに直面する可能性があり、その結果当初想定した買収効果や利益が実現されない可能性があります。取得した資産の価値が下落し、評価損等が発生した場合や、買収した事業の統合から得ることが期待されている利益が実現されない場合には、のれんおよび無形資産等の減損損失の計上等により、当社の業績および財務状況に影響を及ぼす可能性があります。また、過去の企業買収に関連する金融機関からの多額の借入れを含め、当社は多額の債務を負っております。当社は、利益の創出および選択的な非中核資産の売却等を通じてレバレッジの速やかな低下を進めておりますが、将来の当社の財務状況が悪化した場合には、信用格付けが引き下げられ、その結果、既存の債務の借り換えや新規借入れ、その他資金調達の条件にも影響を及ぼす可能性があります。さらに、当社の債務には制限条項が付されているものがあり、かかる制限条項に抵触した場合には、債務の早期返済等により当社の財務状況に影響を及ぼす可能性があります。 (7)安定供給に関するリスク当社は、販売網のグローバル化に確実に対応するとともに、当社製品への需要に対し適切な供給量を確保していくため、供給ネットワークと品質保証体制を強化しており、具体的には、製造設備への適切な投資、必要に応じて複数のサプライヤーと適切な在庫水準を確保するための製造供給戦略の策定、代替サプライヤーの選定、当社内の製造ネットワークに係る危機管理規則の制定、事業継続管理システムの導入および定期的な内部監査等を行っています。しかしながら、当社または委託先の製造施設・物流施設等において、技術上もしくは法規制上の問題、原材料の不足、想定を超える需要、または自然災害の発生や新興感染症の流行、進出国における紛争あるいは各国・地域間における地政学的緊張の高まり等により、製商品の安定的供給に支障が発生する可能性があります。その動向によっては、当社の業績、財務状況および社会的信頼に影響を及ぼす可能性があります。 (8)IT セキュリティ、情報管理およびデジタル技術に関するリスク当社は、顧客ニーズに合致したデジタルビジネスモデルへ移行するためデジタル変革を加速しております。また、事業の特性上、センシティブな個人情報を含む大量の機密情報を取り扱っており、データ保護の重要性がいっそう高まっております。大規模かつ複雑なIS/IT システム(アウトソーシング企業のシステムを含む)の利用は、従業員またはアウトソーシング企業の不注意または故意の行為、あるいは悪意をもった第三者による攻撃(サイバーアタック)により、システムの停止やセキュリティ上の問題が発生する可能性があります。当社は、これらのリスクを低減するため、包括的なポリシーや手続きを整備するとともに、リスク評価を通じた事業リスク分析および監査や第三者によるリスク低減テストを通じて、セキュリティ戦略の形成とクラウド活用を前提とした事業変革の推進を含む効果的なテクノロジーへの投資を行うことによりセキュリティの継続的な強化に努めております。また、人工知能(AI:Artificial Intelligence)など新たなデジタル技術の普及により技術およびデータに対する倫理規範の形成の重要性が高まっていることから、包括的なリスク評価を実施するとともに、組織体制の強化、組織的な意識向上を図るなど戦略的な取組みを進めております。しかしながら、システムの停止やセキュリティ上の問題が発生した場合、あるいはデジタル技術が適切に利用されない場合、当社の事業活動への悪影響、個人情報や知的財産等の重大な機密情報の流出や喪失、業績および財務状況の悪化、ならびに信用の失墜を招く可能性があります。また、ソーシャルメディアおよび他のデジタルメディアにおいては、当社、当社従業員あるいは当社製品にかかる誤情報が増幅・拡散されるリスクにも晒されているため、継続的なモニタリングを実施していますが、こうした誤情報が拡散した場合、当社の社会的評価が低下し、信用の失墜を招く可能性があります。 (9)コンプライアンスに関するリスク当社は事業の遂行にあたって、薬事規制や製造物責任、独占禁止法、個人情報保護法等の様々な法的規制やGMP (Good Manufacturing Practice)、GQP(Good Quality Practice)、GCP (Good Clinical Practice)、GLP (Good Laboratory Practice)等のガイドラインの適用を受けています。また、当社は多数のエージェント、サプライヤーや卸売業者等の第三者と協力関係にありますが、顧客に対するエンゲージメント戦略の進化に伴うデジタル・オムニチャンネルの利用拡大、希少疾患およびワクチン領域への製品ポートフォリオの拡大およびデータ・デジタル技術の進化に伴う外部ステークホルダーとのパートナーシップの増加など、当社の事業活動の進化に伴い、これらの第三者による業務遂行の影響は増加しています。さらに、当社はソーシャルメディア・プラットフォームを含むデジタルプラットフォームの使用が増加しておりますが、これらが法令および社内規定に遵守しない方法により使用される可能性があります。当社は、グローバルエシックス&コンプライアンス部門を設置し、グローバルでコンプライアンスを推進する体制を整備し、当社および当社が関係する第三者の事業活動が法令および社内規定を遵守して実施されていることをモニタリングしています。また、第三者との取引あるいは対話にかかる社内ポリシーを新たに制定あるいは更新し、リスクの低減にも努めております。第三者リスク管理(サードパーティリスク管理)の一環として、デューデリジェンスを強化するとともに、潜在的なリスクを特定できるよう取引業者および取引内容の継続的なスクリーニングについても更なる強化を図っております。しかしながら、当社の従業員や、当社が関係する第三者がこれらの法令等に違反した場合や社会的要請に反した行動をとった場合、法令による処罰や制裁、規制当局による処分、訴訟の提起を受ける可能性があり、社会的な信頼を失うとともに金銭的損害を負う可能性があります。 (10)進出国および地域におけるカントリーリスク当社は、グローバルな事業展開に伴い、進出国や地域における政治不安、経済情勢の悪化、新興感染症の拡大、社会混乱、進出国における紛争、各国・地域間における地政学的緊張の高まり等に伴う投資や輸出入の規制、データの越境規制など様々なリスクにさらされています。当社は、各部門の連携のもと、これらのリスクが当社の事業に与える影響の分析や各地域における社会情勢のモニタリング等を通じてリスクに対応する体制を構築しており、患者さんの医薬品へのアクセスを保護することを優先事項として、リスクの抑止策や発生時の対処法を検討する等のリスク管理に努めております。しかしながら、当社または当社と協力関係にある第三者が事業を行っている地域において、不測の事態が生じた場合には、当社の業績および財務状況に影響を及ぼす可能性があります。 (11)為替変動、金利変動およびインフレーションに関するリスク当社の当年度における海外売上収益は3兆8,124億円であり、連結売上収益全体の89.4%を占めており、そのうち米国での売上収益は2兆1,957億円にのぼり、連結売上収益全体の51.5%を占めております。従って、売上収益については円安は増加要因である一方、研究開発費をはじめとする海外費用が円安により増加するため、利益に対する影響は双方向にあります。また、機能通貨以外で実行される事業上の取引、金融取引および投資に関して為替変動リスクにさらされています。さらに、金利変動による資金調達コストの上昇や、世界的なインフレーションの進行が当社の利益を圧迫する可能性があります。当社は為替および金利リスクを集約的に管理し、これらの財務リスクをヘッジするためにデリバティブ取引を行うとともに、取引先との契約条件の見直し等により潜在的な影響の緩和を図っておりますが、経済環境や金融市況が当社の想定を超えて変動した場合には、当社の業績および財務状況に影響が生じる可能性があります。 (12)訴訟等に関するリスク当社の事業活動に関連して、現在関与している訴訟のほか、将来、医薬品の副作用、製造物責任、労務問題、公正取引等に関連し、訴訟を提起される可能性があり、その動向によっては、当社の業績および財務状況に影響を及ぼす可能性があります。なお、係属中の重要な訴訟の詳細については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 32 コミットメントおよび偶発負債」をご参照ください。 (13)環境に関するリスク環境はウェルビーイング(心身の健康)の基礎であり、私たちは事業活動に欠かせない自然資源を環境から得ています。環境保全に対する責務の遂行は、当社の事業の発展に不可欠であり、当社の価値観(バリュー)に沿うものです。これは、単に正しい行いをするというだけではなく、人生を変えうるような医薬品やワクチンを責任をもってお届けできるようにするものです。そのために、当社は、ステークホルダーからの期待に沿いつつ法規制への準拠を実現する厳格な環境マネジメントシステムおよび社内プログラムを整備するとともに、これらが有効に運用され、期待する結果を達成していることを確認するための内部監査手続を定めております。しかしながら、万が一、有害物質による予期せぬ汚染や法規制への不適合、不十分な環境保全活動が顕在化した場合には、社会的信頼を損なうとともに、行政措置の対象となり、保険の適用範囲外または補償金額を超える支払義務を伴う改善措置の実施や法的責任を負うことにより、当社の事業活動に悪影響が生じる可能性があります。また、環境法規制の改正や社会の期待の変化により、より厳しい要請への対応が課せられ、当社の研究、開発、製造その他の事業活動に影響がおよぶ可能性もあります。かかる要件の遵守や課題への対応が行われない場合には、法規制上の責任を負い、当社の社会的信頼に影響を及ぼすとともに、当社の業務遂行能力に悪影響が生じ、ステークホルダーに対する魅力が低下する可能性があります。当社は、気候変動を、人々の健康に大きな影響を及ぼす深刻なグローバル課題であるとともに、当社の事業に財務的なリスクをもたらす可能性のある課題であると認識しています。2021年に、当社は気候変動に係るリスクと機会の評価を完了しました。当該評価は当社の一定の直接的な事業活動のみを対象としており、当社は、2030年度までの時間軸と2050年度までの時間軸について、気候変動に対する全世界における対応状況によって異なる3つの気候変動シナリオ(すなわち、「気候変動追加対策なし (No Action)」「対応中(Middle of the Road)」「積極的緩和策(Aggressive Mitigation)」)を設定しました。この評価プロセスにより、当社に潜在的に該当する気候変動リスク・カテゴリーを特定することができました。これには、従業員への影響や、当社の血漿分画製剤事業におけるドナー提供の潜在的な減少に繋がる疾病の増加や感染症蔓延等の地理的な拡大、コスト増加に繋がるエネルギー/カーボンの価格付けと政策、気候変動に関する目標を達成できないことによる社会的信頼への悪影響、異常気象や類似の事象に当社の施設等がさらされていることによる直接的な物理的リスク、当社の重要なサプライヤーを通じた間接的な気候変動リスクが含まれます。当社では、潜在的な気候変動関連リスクへの理解を深め、当該リスク軽減のための更なる施策を特定していくため、継続的に前提条件を見直して評価を更新していくとともに、気候変動関連リスクの評価範囲を拡大する予定です。 また、当社では、気候変動関連リスクを全社的リスク管理体制に組み込んでおり、今後新たに顕在化しうるリスクの傾向を適切にモニタリングできる体制を取っております。当社では、潜在的な影響を緩和するため、低炭素型事業への移行を進めています。当社は、2022年度まで、カーボンニュートラルを維持してきましたが、2024年度からは気候変動対策の目標としてのカーボンニュートラルからの転換を行い、ネットゼロのロードマップを進めるための取り組みにリソースを集中させる一方で、バリューチェーンを超えた自然を活用したカーボン除去プロジェクトへの投資を継続していきます。当社の重要なステークホルダーは当社に対して優れた環境保全活動を遂行することを期待していると認識しており、当社は自社の製品および事業活動から生じる環境への影響を緩和するための方策を継続的に模索しています。環境に関するサステナビリティでは、当社の事業活動およびバリューチェーン全体での温室効果ガスの削減、自然環境および生物多様性の保全、持続可能性に配慮した製品開発および製造に注力していますが、これら取り組みを補完するものとして、水自然の保全、責任ある廃棄物処理を含む天然資源保全の領域にも引き続き注力します。これらの取り組みにより成果が得られた場合には、地球の生態系と人々の健康を守りながら、当社に対する社会的評価の向上と当社事業の強化に繋がることとなり、患者さんに貢献するという当社の揺るぎない使命を果たし続けられることになります。一方で、当社が掲げている持続可能性の高い目標に基づいた行動を実施できない場合や、ステークホルダーの期待に沿う結果が得られない場合には、当社に対する社会的信頼が損なわれ、その結果、従業員の採用・維持や顧客や投資家との関係の構築において問題が生じ、当社の業績および財務状況に影響が及ぶ可能性があります。 (14)人材の採用および定着に関するリスク当社の長期的に持続可能な成長には、人材の獲得競争の激しい市場や地域において、事業を支える適切な人材の採用と定着が重要であると認識しております。当社は、組織の有効性、文化、価値観を維持しながら、働き方の柔軟性をより高め、職場環境をより良くし、多様性、公平性、包括性(DE&I)を促進する施策を実施するとともに、継続的なキャリア開発機会の提供やエンゲージメントの推進を図り、従業員に対して魅力的な価値を提案することで、人材採用における競争力の強化と人材の定着を促進しております。しかしながら、計画通りに採用や定着が進まない場合は、人材の喪失や不足を通じて、当社の競争力が低下し、その結果、当社の業績および財務状況に影響が及ぶ可能性があります。 |
経営上の重要な契約等 | 5 【経営上の重要な契約等】 Nimbus Lakshmi, Inc.の取得当社グループは、2022年12月13日付で、Nimbus Therapeutics, LLC(以下、「Nimbus 社」)の完全子会社であるNimbus Lakshmi, Inc.(以下、「Lakshmi社」)の全株式を取得するため、Nimbus社との間で株式譲渡契約を締結しました。Lakshmi社は、経口アロステリックTYK2阻害薬(Nimbus社社内コード「NDI-034858」)に関する知的財産権および他の関連する資産を保有またはコントロールしています。本契約にもとづき、当社グループはNimbus社に一時金として40億米ドルを本取引完了後に支払いました。また、「TAK-279」(旧Nimbus社社内コード「NDI-034858」)のプログラムから開発された製品の年間の売上高が40億米ドルと50億米ドルとなった場合には、それぞれにつき10億米ドルのマイルストンを同社に支払います。本取引は、2023年2月8日に完了しました。さらに、本取引に関連して、当社グループは、Nimbus社とBristol-Myers Squibbおよびその子会社であるCelgene Corporationとの間の2022年1月の和解契約におけるNimbus社の義務である「TAK-279」のプログラムから開発された製品の開発、薬事規制上の承認、および売上に関するマイルストン支払い義務を引き受けることに合意しました。「4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 ①当年度の経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容 (a)当年度の経営成績の分析 (i)当社グループの経営成績に影響を与える事項 当社グル―プの経営成績に影響を与える事項 買収」をご参照ください。 |
設備投資等の概要 | 1 【設備投資等の概要】 当社グループ(当社および連結子会社)は、競争力の維持向上のため、生産設備の増強・合理化および研究開発体制の充実・強化また販売力の強化や管理業務の効率化などの設備投資を継続して行っております。当年度におけるグループ全体の設備投資(有形固定資産取得ベース)総額は3,244億円となりました。 |
主要な設備の状況 | 2 【主要な設備の状況】 当社グループ(当社および連結子会社)における、バイオ医薬品、血漿分画製剤およびワクチンの生産設備を含む主要な設備は、次のとおりであります。 (1) 提出会社2024年3月31日現在事業所名等《所在地》設備の内容帳簿価額(百万円)従業員数(人)建物及び構築物機械装置及び運搬具土地リース資産その他合計面積(㎡)金額グローバル本社《東京都中央区ほか》管理販売設備25,894133(513)16,05228,5314993,50158,5581,260本社《大阪府大阪市中央区ほか》管理販売設備3,09441(1,006)362,30599024304,557438大阪工場《大阪府大阪市淀川区》生産・研究設備18,0061,642(6,250)163,6941,046214,00734,702456光工場《山口県光市》生産・研究設備30,44318,427(3,763)1,011,0613,6187045,29458,4871,083成田工場 《千葉県成田市》生産・研究設備1,0081,11327,64458441,5224,231168湘南研究所《神奈川県藤沢市》研究設備2,70135621,009274―5,2038,534672営業拠点《東京都中央区ほか》管理販売設備114――――1292431,397 (注) 1 帳簿価額は、日本基準に基づく個別財務諸表の帳簿価額を記載しております。 2 当社の設備が帰属するセグメントは、医薬品事業であります。 3 帳簿価額のうち、「その他」は、工具、器具及び備品、および建設仮勘定の合計であります。4 連結会社以外の者への賃貸中の土地1百万円(237㎡)および建物295百万円を含んでおります。5 土地および建物の一部を連結会社以外の者から賃借しております。賃借料は4,478百万円であります。賃借している土地の面積については、( )で外書きしております。6 グローバル本社および本社については、主としてグローバル本社および本社が管理を行う建物・附属設備およびそれらの土地(寮・社宅等を含む)により構成されております。 (2) 連結子会社2024年3月31日現在子会社事業所名《主な所在地》セグメントの名称設備の内容帳簿価額(百万円)従業員数(人)建物及び構築物機械装置及び運搬具土地使用権資産その他合計面積(㎡)金額バクスアルタUS Inc.《米国 ジョージア州コビントン》医薬品事業生産設備等207,886109,847(6,217)503,6955,74471,90362,030457,4102,865バイオライフ・プラズマ・サービシズ LP《米国 イリノイ州バンノックバーン》医薬品事業生産設備等58,30720,598(77,137)448,9594,40198,5429,288191,1368562シャイアー・ヒューマン・ジェネティック・セラピーズ Inc.《米国 マサチューセッツ州レキシントン》医薬品事業生産設備等48,29419,240(6,637)395,02427,25359,15420,553174,494860武田ファーマシューティカルズU.S.A., Inc《米国 マサチューセッツ州ケンブリッジ》医薬品事業管理販売設備等22,194454――134,36915,385172,4024,325武田マニュファクチャリング・オーストリア AG《オーストリア ウィーン》医薬品事業生産設備等60,05628,753368,5517,6353,71413,746113,9043,077バクスアルタ・マニュファクチャリング S.à r.l.《スイス ヌーシャテル》医薬品事業生産設備等14,35519,55587,0402,706―37,44474,061628バクスアルタ・ベルギー・マニュファクチャリング S.A.《ベルギー レシーヌ》医薬品事業生産設備等14,70129,117150,58148585627,25572,4141,122米州武田開発センター Inc.《米国 マサチューセッツ州ケンブリッジ》医薬品事業研究設備等19,19316,62073,3829,32710,5715,67461,3854,245アリアド・ファーマシューティカルズ Inc.《米国 マサチューセッツ州ケンブリッジ》医薬品事業研究設備等1,481―――55,19260057,273―武田マニュファクチャリング・イタリア S.p.A.《イタリア ローマ》医薬品事業生産設備等12,14217,251109,0001,382―16,97147,746751武田アイルランド Limited《アイルランド キルダリー》医薬品事業生産設備等19,34110,592202,6793,46647,67341,076536武田マニュファクチャリング・シンガポール Pte. Ltd.《シンガポール》医薬品事業生産設備等8,99522,792(3,619)――2027,05639,045384武田 GmbH《ドイツ コンスタンツ》医薬品事業生産設備等322,412――77612,74635,9371,738武田Singen Real Estate GmbH & Co. KG《ドイツ ジンゲン》医薬品事業生産設備等17,344―141918―11,01029,272― (注) 1 帳簿価額は、IFRSに基づく金額を記載しております。 2 帳簿価額のうち、「その他」は、工具、器具及び備品、および建設仮勘定の合計であります。 3 上表において、連結会社以外の者への賃貸中の土地1,512百万円(1,488㎡)および建物及び構築物1,236百万円を含んでおります。 4 上表において、建物、機械装置及び運搬具および土地の一部を連結会社以外の者から賃借しております。賃借料は11,196百万円であります。賃借している土地の面積については、( )で外書きしております。 5 子会社の所在地は、主な所在地を記載しており、別の所在地に生産設備を有していることがあります。 |
設備の新設、除却等の計画 | 3 【設備の新設、除却等の計画】 ① 重要な設備の新設、除却等重要な設備の新設、除却等の計画は以下のとおりであります。区分会社名《主な所在地》セグメントの名称設備の内容投資予定金額資金調達方法着手及び完了予定総額(百万円)既支払額(百万円)着手完了新設武田薬品工業株式会社《日本 大阪府大阪市淀川区》医薬品事業製造設備95,0001,869自己資金2024年度2028年度新設バクスアルタUS Inc.《米国 カリフォルニア州ロサンゼルス》医薬品事業製造設備34,5702,044自己資金2024年1月2027年6月新設武田ファーマシューティカルズU.S.A., Inc.《米国 マサチューセッツ州ケンブリッジ》医薬品事業研究開発施設およびオフィス281,686 (注)6,117自己資金及びリース2023年1月2027年3月新設バクスアルタ・ベルギー・マニュファクチャリング S.A.《ベルギー レシーヌ》医薬品事業製造設備および倉庫47,25825,102自己資金2022年2月2024年12月 (注)武田ファーマシューティカルズU.S.A., Inc.の投資予定額には、2025年開始予定のリース契約に基づくリース料支払義務を含んでおります。 |
研究開発費、研究開発活動 | 729,900,000,000 |
設備投資額、設備投資等の概要 | 324,400,000,000 |
Employees
平均年齢(年)、提出会社の状況、従業員の状況 | 43 |
平均勤続年数(年)、提出会社の状況、従業員の状況 | 15 |
平均年間給与、提出会社の状況、従業員の状況 | 10,813,000 |
管理職に占める女性労働者の割合、提出会社の指標 | 0 |
全労働者、労働者の男女の賃金の差異、提出会社の指標 | 1 |
正規雇用労働者、労働者の男女の賃金の差異、提出会社の指標 | 1 |
非正規雇用労働者、労働者の男女の賃金の差異、提出会社の指標 | 1 |
Investment
株式の保有状況 | (5) 【株式の保有状況】 ① 投資株式の区分の基準および考え方当社は、保有目的が純投資目的である投資株式と純投資目的以外の目的である投資株式の区分について、純投資目的株式には、専ら株式価値の変動または配当金を目的として保有する株式を、純投資目的以外の株式には、中長期的な企業価値の向上に資すると判断し保有する株式を区分しています。 ② 保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式a.保有方針および保有の合理性を検証する方法ならびに個別銘柄の保有の適否に関する取締役会等における検証の内容当社は、事業の基盤となる取引先・提携先企業の株式のみ保有することとしており、その保有については縮減に取り組んでいます。保有に当たっては、個別銘柄ごとに中長期的な事業戦略上の保有意義を勘案し、保有に伴う便益(配当金のほか、商取引や戦略的提携により期待されるリターン)につき資本コストとの関係を検証の上、当社グループの企業価値向上に資するかを総合的に判断しています。その結果、保有意義が乏しいと判断される銘柄については縮減対象とし、資金需要や市場環境等を考慮しつつ売却します。当事業年度は、検証の結果、6銘柄の保有を継続するという方針を決定しています。 b.銘柄数および貸借対照表計上額 銘柄数(銘柄)貸借対照表計上額の合計額(百万円)非上場株式469,504非上場株式以外の株式626,439 (当事業年度において株式数が増加した銘柄) 銘柄数(銘柄)株式数の増加に係る取得価額の合計額(百万円)株式数の増加の理由非上場株式1500業務提携先への追加出資非上場株式以外の株式1-上場に伴う区分変更 (当事業年度において株式数が減少した銘柄) 銘柄数(銘柄)株式数の減少に係る売却価額の合計額(百万円)非上場株式6653非上場株式以外の株式15,407 (注)非上場株式の銘柄数の減少のうち2銘柄は清算によるものであり、「株式数の減少に係る売却価額の合計額」には清算分配金の額が含まれております。 c.特定投資株式およびみなし保有株式の銘柄ごとの株式数、貸借対照表計上額等に関する情報 特定投資株式 銘柄当事業年度前事業年度保有目的、業務提携等の概要、定量的な保有効果および株式数が増加した理由当社の株式の保有の有無株式数(株)株式数(株)貸借対照表計上額(百万円)貸借対照表計上額(百万円)ノイルイミューン・バイオテック株式会社8,119,800-(保有目的)当社事業における提携関係の維持のための投資(業務提携等の概要)CAR-T細胞療法に関する技術導入(定量的な保有効果)(注2)(株式数が増加した理由)当事業年度中に同社が新規上場したことによるもの無1,527-Denali Therapeutics, Inc.4,214,5594,214,559(保有目的)当社事業における提携関係の維持のための投資(業務提携等の概要)神経変性疾患治療薬の開発および販売に関する業務提携 (定量的な保有効果)(注2)無13,10012,961Phathom Pharmaceuticals, Inc.3,153,2177,459,286(保有目的)当社事業における提携関係の維持のための投資(業務提携等の概要)消化器疾患領域における治療薬の開発および販売に関する業務提携 (定量的な保有効果)(注2)無5,0727,109あすか製薬ホールディングス株式会社(注3)2,204,8402,204,840(保有目的)当社事業における取引関係および提携関係の維持のための投資(業務提携等の概要)医薬品の流通および製品導出に関する業務提携(定量的な保有効果)(注2)有4,8932,622Ovid Therapeutics, Inc.1,781,9961,781,996(保有目的)当社事業における提携関係の維持のための投資(業務提携等の概要)発達性およびてんかん性脳症治療薬に関する提携 (定量的な保有効果)(注2)無823614Wave LifeSciences, Ltd.1,096,8921,096,892(保有目的)当社事業における提携関係の維持のための投資(業務提携等の概要)神経疾患治療薬の開発および販売に関する業務提携(定量的な保有効果)(注2)無1,025634 (注1)「-」は、当該銘柄を保有していないことを示しております。(注2)当社は、特定投資株式における定量的な保有効果の記載が困難であるため、保有の合理性を検証した方法について記載いたします。当社は保有株式について資本コストを踏まえ、配当・取引額に加え、 戦略上の重要性や事業上の関係等を総合的に判断しており、検証の結果、十分な定量的な効果があるまたは中長期的な企業価値向上に資すると判断し保有しています。(注3)当社株式の保有会社は同銘柄の子会社であるあすか製薬㈱です。 みなし保有株式該当事項はありません。 ③ 保有目的が純投資目的である投資株式 区分当事業年度前事業年度銘柄数(銘柄)貸借対照表計上額の合計額(百万円)銘柄数(銘柄)貸借対照表計上額の合計額(百万円)非上場株式----非上場株式以外の株式224110 区分当事業年度受取配当金の合計額(百万円)売却損益の合計額(百万円)評価損益の合計額(百万円)非上場株式---非上場株式以外の株式5-- |
銘柄数、非上場株式以外の株式、保有目的が純投資目的である投資株式、提出会社 | 2 |
株式数が増加した銘柄数、非上場株式、保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式、提出会社 | 1 |
株式数が増加した銘柄数、非上場株式以外の株式、保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式、提出会社 | 1 |
株式数が減少した銘柄数、非上場株式以外の株式、保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式、提出会社 | 1 |
銘柄数、非上場株式、保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式、提出会社 | 46 |
貸借対照表計上額、非上場株式、保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式、提出会社 | 9,504,000,000 |
銘柄数、非上場株式以外の株式、保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式、提出会社 | 6 |
貸借対照表計上額、非上場株式以外の株式、保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式、提出会社 | 26,439,000,000 |
株式数の増加に係る取得価額の合計額、非上場株式、保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式、提出会社 | 500,000,000 |
株式数の減少に係る売却価額の合計額、非上場株式以外の株式、保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式、提出会社 | 5,407,000,000 |
株式数、保有目的が純投資目的以外の目的である特定投資株式の明細、提出会社 | 1,096,892 |
貸借対照表計上額、保有目的が純投資目的以外の目的である特定投資株式の明細、提出会社 | 1,025,000,000 |
貸借対照表計上額の合計額、非上場株式以外の株式、保有目的が純投資目的である投資株式、提出会社 | 241,000,000 |
受取配当金の合計額、非上場株式以外の株式、保有目的が純投資目的である投資株式、提出会社 | 5,000,000 |
株式数が増加した理由、非上場株式、保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式、提出会社 | 業務提携先への追加出資 |
株式数が増加した理由、非上場株式以外の株式、保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式、提出会社 | 上場に伴う区分変更 |
銘柄、保有目的が純投資目的以外の目的である特定投資株式の明細、提出会社 | Wave LifeSciences, Ltd. |
保有目的、業務提携等の概要、定量的な保有効果及び株式数が増加した理由、保有目的が純投資目的以外の目的である特定投資株式の明細、提出会社 | (保有目的)当社事業における提携関係の維持のための投資(業務提携等の概要)神経疾患治療薬の開発および販売に関する業務提携(定量的な保有効果)(注2) |
当該株式の発行者による提出会社の株式の保有の有無、保有目的が純投資目的以外の目的である特定投資株式の明細、提出会社 | 無 |
Shareholders
大株主の状況 | (6) 【大株主の状況】 2024年3月31日現在 氏名又は名称住所所有株式数(千株)発行済株式(自己株式を除く。)の総数に対する所有株式数の割合(%) 日本マスタートラスト信託銀行株式会社(信託口)東京都港区赤坂1丁目8番1号261,69616.62 株式会社日本カストディ銀行(信託口)東京都中央区晴海1丁目8-1286,7635.51 THE BANK OF NEW YORK MELLON AS DEPOSITARY BANK FOR DEPOSITARY RECEIPT HOLDERS(常任代理人 株式会社三井住友銀行)240 GREENWICH STREET, 8TH FLOOR WEST, NEW YORK, NY 10286 U.S.A.(東京都千代田区丸の内1丁目1番2号)60,0853.82 JP MORGAN CHASE BANK 385632(常任代理人 株式会社みずほ銀行決済営業部)25 BANK STREET, CANARY WHARF, LONDON, E14 5JP, UNITED KINGDOM(東京都港区港南2丁目15-1 )37,2322.36 STATE STREET BANK WEST CLIENT-TREATY 505234(常任代理人 株式会社みずほ銀行決済営業部)1776 HERITAGE DRIVE, NORTH QUINCY, MA 02171, U.S.A.(東京都港区港南2丁目15―1)33,7562.14 日本生命保険相互会社(常任代理人 日本マスタートラスト信託銀行株式会社)東京都千代田区丸の内1丁目6番6号(東京都港区赤坂1丁目8番1号)24,7521.57 JPモルガン証券株式会社東京都千代田区丸の内2丁目7-323,3961.49 SMBC日興証券株式会社 東京都千代田区丸の内3丁目3番1号 22,0321.40 SSBTC CLIENT OMNIBUS ACCOUNT(常任代理人 香港上海銀行東京支店カストディ業務部)ONE CONGRESS STREET, SUITE 1, BOSTON MA USA 02111(東京都中央区日本橋3丁目11―1 )21,3441.36 JP MORGAN CHASE BANK 385781(常任代理人 株式会社みずほ銀行決済営業部)25 BANK STREET, CANARY WHARF, LONDON, E14 5JP, UNITED KINGDOM(東京都港区港南2丁目15-1 )21,1181.34計-592,17437.60 |
株主数-金融機関 | 263 |
株主数-金融商品取引業者 | 65 |
株主数-外国法人等-個人 | 926 |
株主数-外国法人等-個人以外 | 1,080 |
株主数-個人その他 | 569,319 |
株主数-その他の法人 | 3,618 |
株主数-計 | 575,272 |
氏名又は名称、大株主の状況 | JP MORGAN CHASE BANK 385781(常任代理人 株式会社みずほ銀行決済営業部) |
株主総利回り | 1 |
株主総会決議による取得の状況 | (1) 【株主総会決議による取得の状況】 該当事項はありません。 |
株主総会決議又は取締役会決議に基づかないものの内容 | (3) 【株主総会決議又は取締役会決議に基づかないものの内容】 区分株式数(株)価額の総額(円)当事業年度における取得自己株式5,51424,221,483当期間における取得自己株式4131,704,008 (注)1 当期間における取得自己株式には、2024年6月1日から有価証券報告書提出日までの単元未満株式の買取による株式数は含めておりません。 2 上記の取得自己株式には、株式付与ESOP信託にかかる信託口が取得した当社株式および役員報酬BIP信託にかかる信託口が取得した当社株式を含めておりません。 |
Shareholders2
自己株式の取得 | -2,367,000,000 |