財務諸表
CoverPage
提出書類、表紙 | 有価証券報告書 |
提出日、表紙 | 2024-06-21 |
英訳名、表紙 | Recruit Holdings Co., Ltd. |
代表者の役職氏名、表紙 | 代表取締役社長 兼 CEO 出木場 久征 |
本店の所在の場所、表紙 | 東京都千代田区丸の内一丁目9番2号 |
電話番号、本店の所在の場所、表紙 | 03(3511)6383 |
様式、DEI | 第三号様式 |
会計基準、DEI | IFRS |
連結決算の有無、DEI | true |
当会計期間の種類、DEI | FY |
corp
沿革 | 2 【沿革】 組織の沿革 当社は1960年3月、東京都港区において大学新聞に各企業の求人広告を掲載することを目的として、現在の㈱リクルートホールディングスの前身である「大学新聞広告社」を創業しました。その後、大学新聞複数紙の広告を一手に取り扱う契約を締結し、1960年10月に法人組織、㈱大学広告を設立しました。1962年、「企業への招待」を創刊しました。1963年4月、㈱日本リクルートメントセンターに社名を変更しました。同年8月、㈱日本リクルートセンターとして当社を設立しました。(以降の組織の沿革については、年表をご参照ください) 事業領域の拡大 1960年に大学新聞専門の広告代理店として創業。その2年後、大学生への求人情報だけを集めた「企業への招待」を発行し、個人ユーザーと企業クライアントをつなぐビジネスモデル「リボンモデル」を確立しました。中途採用、人材紹介、人材派遣等人材関連事業を拡げるほか、進学、住宅、中古車、結婚等のライフイベント領域へ、そして旅行、飲食、美容等の日常消費領域へと事業を拡大し、近年では、SaaS(Software as a Service)を活用し、小売店や飲食店を含む中小企業クライアントに対する業務・経営支援サービスに事業領域を拡大しています。 情報のデジタル化 当社は、一般的にはまだ導入が珍しかった時代からコンピュータを導入し、情報のデジタル化を通じた業務の迅速化と効率化を実践し続けてきました。1980年代のスーパーコンピュータの研究等を経て、1990年代には紙メディア(情報誌)をインターネットへ、そしてモバイルへと転換しました。情報をより手軽且つスピーディに届けられるようにしただけでなく、革新的なオンライン予約管理システムを開発する等、個人ユーザーと企業クライアントに情報のデジタル化を通じた圧倒的な利便性を提供することを目指し、現在、クラウドを活用したSaaSソリューションの拡大を加速しています。 グローバリゼーション 2000年代からグローバル市場への事業展開を推進し始め、当初は結婚関連の事業を中国で展開したものの、数年で撤退。しかしこの経験が、以降のM&Aを通じた海外事業戦略に活かされ、米国The CSI Companies, Inc.*の買収以降、人材派遣事業における買収を加速しました。買収した組織の生産性向上に取組みながら、欧州・豪州を含む世界各国に事業を拡大するとともに、2012年のIndeed, Inc.*、2018年のGlassdoor LLC*の買収により、HRテクノロジー事業が新たに加わり、グループ全体の成長を牽引しています。また、サービス展開が60か国以上に拡大しました。 1960年3月 大学新聞広告社として創業1962年 「企業への招待」を創刊大学生への求人情報だけを集めた就職情報誌を創刊。個人ユーザーと企業クライアントを結ぶマッチングプラットフォームを提供するビジネスモデルを確立1963年8月 ㈱日本リクルートセンターとして当社を設立1968年 IBM 1130を導入コンピュータ「IBM 1130」を日本企業として初めて導入し、テスト事業等で活用。情報を取り扱う企業として、最新のIT環境を追求・整備1971年 ㈱リクルートコンピュータプリントを設立情報誌等の印刷前工程のデジタル化にいち早く取組むための子会社を設立1976年 住宅情報事業を開始オイルショック時の不況対応として開始した住宅情報の事業で急成長1980年 とらばーゆを創刊日本で初めての、女性のための転職情報誌を創刊。日本で男女雇用機会均等法が施行されたのは5年後の1985年。女性の社会進出を後押し。後に「とらばーゆする」が流行語に1984年4月 社名を ㈱リクルートに変更1984年 カーセンサーを創刊中古車売買の専門情報誌を創刊。当時の新入社員研修プログラムで提案されたアイデアから生まれた事業1985年 インフォメーションネットワークサービスを開始リモートコンピューティングサービスを開始し、同年の日本における通信事業の民営化を背景とした情報サービス関連事業に取組むための基盤を強化。多くのエンジニアの採用を開始1985年 Recruit U.S.A Inc.を設立米国に事業展開する日本企業の採用支援等の事業を開始1987年 スーパーコンピュータ研究所を設立スーパーコンピュータの研究と利用促進を目的とした研究所を設立。情報サービス事業のあり方を模索しながら、来るべき情報化社会に向けた知見を深化1990年 じゃらんを創刊旅行や遊びに関する多彩な情報を集約し、予約できる情報誌を創刊1993年 ゼクシィを創刊新規事業提案制度「Ring」から生まれた結婚関連情報誌を創刊1995年 Mix Juice(現 ISIZE)をリリースインターネットの実証実験として、インターネットメディアを発行1996年 就職情報をオンラインで提供開始RB on the NET(現 リクナビ)、Digital B-ing(現 リクナビNEXT)等のオンライン就職情報サイトを開始 2000年 ホットペッパー(現 HotPepperグルメ)を創刊グルメ等日常生活に密着した生活情報誌を創刊。結婚・住宅・中古車等ライフイベントからライフスタイル(日常消費)関連情報を取り扱うメディアへと事業展開を拡大2000年 ISIZEトラベル(現 じゃらんnet)をリリース宿泊施設のオンライン予約サービスを開始2004年 中国での事業展開と撤退結婚関連情報誌ゼクシィ等を中国で展開。数年で撤退を余儀なくされるが、この経験を踏まえ、以降のM&Aを通じた海外事業戦略を進化させる2007年 HotPepper Beautyをリリースオンライン予約サービスを開発。サロン予約の常識を変えた革新的サービスとして成長2008年1月 グラントウキョウサウスタワー(東京都千代田区丸の内1丁目9番2号)へ本社機能を移転2010年7月 The CSI Companies, Inc.*買収米国の人材派遣会社を買収。ユニット経営を導入・実践。M&Aによる人材派遣事業のグローバル展開を開始2011年 受験サプリ(現 スタディサプリ)をリリース大学受験勉強を支援するオンライン学習サービスを開始。良質な学習コンテンツをウェブベース且つ低価格で提供するモデルを展開。後に語学・資格取得等多様な学びの機会創出へと拡大2011年 Staffmark Group, LLC*買収(10月) 、Advantage Resourcing Europe B.V.(現 RGF Staffing UK Limited)*買収(12月)海外派遣会社の買収を通じて米国・欧州に多数の事業拠点を獲得2012年 SALON BOARDをリリースビューティーサロン向けのクラウド型オンライン予約管理システムを開発。店舗での紙ベースだった予約台帳をデジタル化し、サロン業界のさらなる生産性とサービスの向上に寄与することを目指して展開2012年10月 当社を持株会社として以下のとおり会社分割を実施これに伴い、当社の社名を㈱リクルートホールディングスに変更新設分割により以下の会社を設立 ㈱リクルート住まいカンパニー ㈱リクルートマーケティングパートナーズ ㈱リクルートライフスタイル ㈱リクルートテクノロジーズ㈱リクルートオフィスサポート*と共同新設分割により以下の会社を設立 ㈱リクルートアドミニストレーション(現㈱リクルート*)吸収分割により、当社の100%子会社である以下の会社に一部事業等を承継 ㈱リクルートキャリア(旧 ㈱リクルートエージェント) ㈱リクルートジョブズ(旧 ㈱リクルートHRマーケティング)㈱リクルートコミュニケーションズ(旧 ㈱リクルートメディアコミュニケーションズ) 2012年10月 Indeed, Inc.*買収オンライン求人情報専門検索サイトを運営するIndeedは2004年米国で創業。この買収を通じて人材関連事業をデジタル技術で変革するHRテクノロジー事業に本格参入2013年 Airレジをリリース飲食・小売・サービス等の幅広い業種で必須のレジ業務がスマートフォンやタブレットで行えるSaaSソリューションのPOSレジアプリをリリース。中小企業を取り巻く業務負荷を軽減し、クライアントが思い描く理想の店舗づくりを支援2014年10月 東京証券取引所市場第一部に株式を上場2015年 Airペイをリリース中・小規模クライアント向けの決済サービスを開始し、業務支援サービスを拡張。現在、クレジットカード・電子マネー・QRコード(※)・ポイント等多様化する決済手段に対応するお店の決済サービスとして進化※QRコードは㈱デンソーウェーブの登録商標です。2015年 Recruit Institute of Technology(現 Megagon Labs)を設立社外の研究機関とともに、AI(人工知能)や機械学習等の革新的な技術の研究開発に取組む研究所を設立2015年 Peoplebank Australia Ltd*(1月)、Chandler Macleod Group Limited*(4月)買収豪州の人材派遣会社2社を買収。豪州において、トップクラスの市場シェアと強固な事業基盤を獲得2016年 Indeed Hireをリリース既存のオンライン広告ビジネスを超えた新規事業を開始2016年6月 USG People Holdings B.V.(現 RGF Staffing B.V.)*買収欧州の大手人材派遣会社USG Peopleを買収。人材派遣事業の市場浸透率が高いオランダ、フランス、ドイツ、ベルギー等欧州諸国の市場において事業基盤を強化2018年4月 会社分割及び組織再編を実施。SBU配下の子会社及び事業を統括する会社として、SBU統括会社を設置SBU統括会社として以下の会社を設置 HRテクノロジーSBU : RGF OHR USA, Inc. *マッチング&ソリューションSBU : ㈱リクルート(旧 ㈱リクルートアドミニストレーション) * 人材派遣SBU :Recruit Global Staffing B.V.(現 RGF Staffing B.V.) *2018年 Airシフトをリリースシフトの作成・管理等ができるサービスをリリース。飲食・小売・サービス等深刻な人手不足を抱える幅広い業種での活用が拡大2018年6月 Glassdoor, Inc.(現 Glassdoor LLC)*買収オンライン求人広告及び企業情報サイトを運営するGlassdoorは、2007年に米国で創業。求人情報とユーザー投稿による企業レビュー等独自のデータベースを展開し、求職活動における情報の透明性を高めた。この買収を通じてHRテクノロジー事業の展開を強化 2018年 Indeed Assessmentsをリリース採用プロセスのさらなる効率化に資する新規事業展開を加速2020年 Indeed Interviewをリリース面接と採用に特化したオンライン面接プラットフォーム。コロナ禍でも安全に求職・採用活動を進めたい個人ユーザーと企業クライアントのニーズに迅速に対応2021年 Indeed Hiring PlatformをリリースIndeed上で採用プロセスを完結できる新たなソリューション。客観的な条件に合致した求職者が自動的に面接に進む等さらなる効率化を実現2021年4月 マッチング&ソリューション事業において以下のとおり吸収合併を実施SBU統括会社である㈱リクルートに中核事業会社・機能会社7社を統合 ㈱リクルート住まいカンパニー ㈱リクルートライフスタイル ㈱リクルートマーケティングパートナーズ ㈱リクルートキャリア ㈱リクルートジョブズ ㈱リクルートコミュニケーションズ ㈱リクルートテクノロジーズ2021年 COIN+搭載のエアウォレットをリリース決済ブランド「COIN+」を搭載して、日常生活で使用するお金をシームレスに管理・送金できるデジタル口座管理・決済アプリ。チャージ・支払い・送金・出金を無料で、簡単に利用できるサービスを提供2021年 Airワーク 採用管理(ATS)をリリース全機能無料、採用HPの無料作成、Indeedへの転載、応募者管理ができる採用管理システムを提供2021年 2031年3月期に向けたサステナビリティへのコミットメントを発表企業活動全体を通じて社会や地球環境にポジティブなインパクトを与え、すべてのステークホルダーと共存共栄することを目指し、環境・社会・ガバナンスの目標を設定2022年 Airキャッシュをリリース企業クライアント向けの売上収益早期現金化サービスの提供2022年 Airインボイスをリリーススマホひとつで支払いもできる請求書管理サービスの提供2022年4月 東京証券取引所の市場区分の見直しにより東京証券取引所市場第一部からプライム市場へ移行2022年7月 グラントウキョウサウスタワー(東京都千代田区丸の内1丁目9番2号)へ本店所在地を変更2023年 Airワーク 給与支払をリリース毎月の給与振り込みを代行するサービスの提供2023年 Indeed Skill Connectをリリース求職者が自身のスキルや修了した職業訓練を採用企業にアピールできるようにし、スキルに基づく採用を推進するサービスの提供 2023年 RGF Connectを開始教育や職業訓練、雇用機会の提供によって、これまで公平な機会を得られなかった人々を支援するRGF Staffingの世界的なプログラム2023年 Glassdoor Communityをリリース仕事や職場などに関するリアルタイムな情報交換の場を提供2024年 Indeed PLUSを日本市場でリリース企業クライアントの求人を、その内容に基づいて、連携ジョブボードの中から最も相応しいと判断されたものに自動で配信する求人配信プラットフォームを提供 (注1) *は連結子会社(2024年3月31日現在)です。(注2) 表内の「現」は、2024年3月31日現在の名称です。 |
事業の内容 | 3 【事業の内容】 当社グループは、1960年に日本において大学新聞に企業の求人広告を掲載し、学生に求人情報を提供することから始まりました。設立以来、主に個人ユーザーと企業クライアントを結びつけるプラットフォームを創造し運営しています。 現在は、テクノロジーとデータを活用し、マッチングの更なる効率性向上と高速化に注力し、グローバル市場における個人ユーザーに最適な選択肢を提供し、企業クライアントの更なる業務効率化を支援しています。 また当社グループは、個人ユーザーのプライバシー保護を含めたデータセキュリティ・プライバシー対応の強化を企業活動の重要な基盤として位置づけ、体制や施策を整備しています。 当社グループは、HRテクノロジー、マッチング&ソリューション及び人材派遣の3つの戦略ビジネスユニット(Strategic Business Unit、以下「SBU」)ごとに統括会社を設置した経営体制により、各SBUが迅速に事業戦略を遂行すると同時に、当社グループ経営戦略であるSimplify Hiring、Help Businesses Work Smarter、そしてProsper TogetherをSBU間で連携しながら遂行しています。当社が持株会社としての機能の集中と強化を図り、戦略の策定と推進、適切なグループガバナンスやモニタリングの実行により、更なる企業価値の向上を実現することを目指しています。当連結会計年度末において、当社の連結子会社は227社、関連会社は8社です。 (1) セグメント別事業内容 ① HRテクノロジー事業HRテクノロジー事業は、Indeed、Glassdoor及びその他の関連する事業で構成されています。 Indeed及びGlassdoorは求職者が求人情報を検索したり、企業に関する情報を収集したりすることができるオンライン求人マッチングプラットフォームです。Indeedは「We help people get jobs」を、Glassdoorは「We make worklife better, together」をミッションとして掲げ、求職者が理想の仕事を見つけ、求職活動に成功することがIndeed及びGlassdoorのミッションの実現に繋がっています。 Indeedは、アグリゲート技術を活用した求人検索モデルから求職者と企業クライアントを繋ぐ人材マーケットプレイスへの進化に向けた取組みを通じて、毎月3億5,000万人(注1)のユニークビジター及び年間350万社(注2)の企業クライアントが利用する、世界最大の求人情報サイト(注3)になっています。 Glassdoorでは求人情報に、ユーザー同士の情報交換が可能なコミュニティや、ユーザー投稿による企業や雇用条件等のレビューを組み合わせることによって、求職者に対して職場の透明性を高め、仕事や企業の検索や評価方法に変革をもたらしています。この結果、Glassdoorは個人ユーザーの投稿による仕事や企業に関する知見を提供するオンライン求人マッチングプラットフォームのリーダーとして認識されるようになり、毎月5,500万人(注4)の求職者に利用されています。 Indeed及びGlassdoorでは、求職者が求人情報を見つけ、経歴書及びプロフィールを開示し、企業情報やそのレビューを調べ、スケジュールを設定し、ビデオ面接や電話面接を受けることができるようにする等、求職活動を支援する一連の機能を提供しています。企業クライアントは、求人広告の掲載や採用のための企業ブランディング等を双方のプラットフォームを通して行うことで、より効率的に多様な求職者へのアプローチが可能になります。 日本では今後、求人配信プラットフォームであるIndeed PLUSと当社グループ内及び当社グループ以外のジョブボードやATSとの連携を増やしていくことで、求職者へのリーチを拡大していきます。 IndeedとGlassdoorは、AIを利用したマッチングや、ペイフォーパフォーマンスモデル又はサブスクリプションモデルを採用するサービス、また、ソーシング、スクリーニング、採用候補者とのやり取りや面接といった採用プロセスに係るサービスを提供することによって、企業クライアントが効率的に採用候補者を見つけることを支援しています。その結果、求職者が仕事を見つけ、企業クライアントが優秀な人材を見つけることができる、グローバル人材マーケットプレイスを構築しています。 (注1) 社内データに基づく2023年10月から2024年3月までの期間にIndeedのウェブサイトを訪問したクッキーIDの月間平均数(注2) 2024年3月時点における直近12ヶ月のアクション数に基づく社内データ(注3) comScoreに基づく2024年3月の訪問数(注4) Google Analyticsを用いた社内データに基づく2023年10月から2024年3月までの期間におけるGlassdoorのウェブサイトを訪問したクッキーIDの月間平均数 ② マッチング&ソリューション事業マッチング&ソリューション事業は、主に日本国内で事業を展開する、人材領域と販促領域で構成されています。人材領域は、個人ユーザーの求職活動及び企業クライアントの採用活動支援サービスを提供しています。販促領域は、個人ユーザーと企業クライアントを繋げる事業分野別のバーティカルマッチングプラットフォームと、企業クライアントに向けた業務支援SaaSを運営しています。 これらによって日本国内の、企業クライアントの事業運営を支える「エコシステム」を構築し、企業クライアントの生産性と収益性の向上を同時に実現することを目指しています。 人材領域では、マッチングプラットフォームとして、就職活動を行う学生向けのリクナビ、転職活動を行う社会人向けのリクナビNEXT、アルバイトやパート等の求職者向けのタウンワーク等のジョブボードを運営しています。現在、リクナビNEXTやタウンワーク等、6つのジョブボードがHRテクノロジー事業のIndeed PLUS利用ジョブボードとなっており、これにより、最大で国内主要求人サイト利用者の約7割にリーチすることが可能になりました。また、リクルートエージェントやリクルートダイレクトスカウト等を通じて人材紹介サービスも提供しています。 販促領域は、美容、旅行、飲食分野とAir ビジネスツールズを含む業務支援SaaSを合計した分野、住宅分野、その他のサービスを合計した分野、で構成されています。代表的なマッチングプラットフォームとして、美容分野はHotPepper Beauty、旅行分野はじゃらん、飲食分野はHotPepperグルメ、住宅分野はSUUMO等があります。課金体系は、主にマッチングプラットフォームへの広告掲載課金を採用していますが、旅行等一部の分野ではトランザクション課金を採用しています。企業クライアントとの取引を長期間維持し、1社当たりのライフタイムバリューを最大化するために、課金体系はそれぞれの分野の商習慣や特性等に合わせて設定し、また企業クライアントの事業運営にとって最適な形になるよう随時アップデートしています。 マッチング&ソリューション事業は、決済アプリであるAirペイ、POSレジアプリであるAirレジ、クラウドベースの応募情報一元管理システムであるAirワーク 採用管理等、約20のAir ビジネスツールズに加えて、各事業分野のマッチングプラットフォームに付随したSaaSを提供し、アカウント数の拡大に注力しています。 ③ 人材派遣事業人材派遣事業は、日本並びに欧州、米国及び豪州で構成され、事務職派遣、製造業務・軽作業派遣及び各種専門職派遣等の人材派遣サービスを提供しています。労働者の派遣に際しては、予め派遣スタッフを募集・登録し、当該登録者の中から派遣先企業の希望する条件に合致する派遣スタッフを人選し、当社グループとの間で雇用契約を締結した上で、派遣先企業へ派遣しています。国内、海外共にマーケット特性に応じて組織をユニット単位に区分し、権限移譲により、各ユニットがマーケットに最適な戦略を実行することによって、利益の最大化を目指すユニット経営を推進しています。 日本では、「労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律」の規定に従い、厚生労働大臣の許可を受けて派遣スタッフを募集・登録し、企業へ派遣する労働者派遣事業等を行っており、㈱リクルートスタッフィング及び㈱スタッフサービス・ホールディングス等を通じて、サービスを提供しています。 欧州、米国及び豪州では、欧州のRGF Staffing France SAS、RGF Staffing Germany GmbH、RGF Staffing the Netherlands B.V.、RGF Staffing UK Limited及びUnique NV、北米のStaffmark Group, LLC及びThe CSI Companies, Inc.、並びに豪州のChandler Macleod Group Limited等を通じて、サービスを提供しています。 (2) 事業の内容と当社グループ各社の位置づけ2024年3月31日時点において、当社グループの主な事業の内容と当社又は主な関係会社の当該事業における位置づけ及びセグメントとの関連は以下のとおりです。 セグメントの名称(SBU統括会社)主な事業内容HRテクノロジー事業 (RGF OHR USA, INC.)オンライン求人マッチングプラットフォームを通じて求人広告や採用ソリューションサービスをグローバルに提供 主な会社主なサービス Indeed, Inc.Glassdoor LLCIndeedオンライン求人マッチングプラットフォーム Glassdoorオンライン求人マッチングプラットフォーム セグメントの名称(SBU統括会社)領域 マッチング&ソリューション事業 (㈱リクルート)人材領域 主な事業内容主なサービス 主に日本国内にて、当社グループが有するオンラインプラットフォーム及び紙メディア、人材紹介サービスを通じて、個人ユーザーの求職活動及び企業クライアントの採用活動を支援するサービスを提供リクナビ就職活動を行う学生向けオンラインプラットフォーム リクナビNEXT転職活動を行う社会人向けオンラインプラットフォーム リクルートエージェント転職活動をサポートする人材紹介サービス リクルートダイレクトスカウト転職活動をサポートするスカウト型転職サービス タウンワークアルバイトやパート等の求職者向けオンラインプラットフォーム及び情報誌 領域 販促領域 主な事業内容主なサービス 主に日本国内にて、住宅、美容、旅行、飲食及びその他の各事業分野に合わせた、マッチングプラットフォームを通じた企業クライアントの集客支援サービス及び経営・業務効率の改善を支援するSaaSを提供SUUMO住宅の売買/賃貸/リフォームに関するオンラインプラットフォーム・情報誌及び新築マンション/注文住宅購入に関する相談カウンター HotPepper Beautyヘアサロン/リラクゼーション&ビューティーサロンのオンラインプラットフォーム及び情報誌 じゃらん主に国内旅行の宿/ツアー/周辺観光に関するオンラインプラットフォーム及び情報誌 HotPepperグルメ飲食店の情報と割引クーポンを掲載したオンラインプラットフォーム及び情報誌 Air ビジネスツールズ事業分野を問わず幅広い企業クライアントに提供するクラウドベースの業務・経営支援ソリューション セグメントの名称(SBU統括会社)領域人材派遣事業(RGF Staffing B.V.)日本 主な事業内容 日本における人材派遣サービスを提供 主な会社 ㈱リクルートスタッフィング㈱スタッフサービス・ホールディングス 領域 欧州、米国及び豪州 主な事業内容 欧州、米国及び豪州等における人材派遣サービスを提供 主な会社 RGF Staffing France SASRGF Staffing Germany GmbHRGF Staffing the Netherlands B.V.RGF Staffing UK LimitedUnique NVStaffmark Group, LLCThe CSI Companies, Inc.Chandler Macleod Group Limited なお、当社は特定上場会社等に該当し、インサイダー取引規制の重要事実の軽微基準のうち、上場会社の規模との対比で定められる数値基準については連結ベースの計数に基づいて判断しています。 (3) 事業系統図 |
関係会社の状況 | 4 【関係会社の状況】 (1) 連結子会社 名称住所資本金又は出資金主要な事業の内容(注1)議決権の所有割合(%)関係内容RGF OHR USA, INC.米国デラウェア州10米ドルHRテクノロジー100.0役員の兼任Indeed, Inc.(注6)米国デラウェア州10米ドルHRテクノロジー100.0(100.0)役員の兼任債務保証Glassdoor LLC米国デラウェア州1,292,440千米ドルHRテクノロジー100.0(100.0)役員の兼任㈱リクルート(注3、6)東京都千代田区350百万円マッチング&ソリューション100.0役員の兼任資金の貸付ロイヤリティーの受取配当金の受取RGF Staffing B.V.オランダフレヴォラント州1.50ユーロ人材派遣100.0役員の兼任㈱リクルートスタッフィング東京都千代田区300百万円人材派遣100.0(100.0)役員の兼任資金の借入ロイヤリティーの受取㈱スタッフサービス・ホールディングス東京都千代田区500百万円人材派遣100.0(100.0)役員の兼任資金の借入RGF Staffing France SAS(注3)フランスモゼル県26,395千ユーロ人材派遣100.0(100.0)役員の兼任RGF Staffing Germany GmbHドイツバイエルン州500千ユーロ人材派遣100.0(100.0)役員の兼任RGF Staffing the Netherlands B.V.オランダフレヴォラント州1千ユーロ人材派遣100.0(100.0)役員の兼任RGF Staffing UK Limited英国ロンドン市11,172千英ポンド人材派遣100.0(100.0)役員の兼任Unique NV(注3)ベルギーアントワープ州50,082千ユーロ人材派遣100.0(100.0)役員の兼任 Staffmark Group, LLC(注3)米国オハイオ州 117,514千米ドル人材派遣100.0(100.0)役員の兼任 The CSI Companies, Inc.米国フロリダ州 2.00米ドル人材派遣100.0(100.0)役員の兼任Chandler Macleod Group Limited(注3)豪州ニューサウスウェールズ州191,490千豪ドル人材派遣100.0(100.0)役員の兼任 RGF ASSET MANAGEMENT LIMITEDアイルランドダブリン県1ユーロHRテクノロジー100.0 役員の兼任RGF TREASURY SERVICES LIMITED(注3)アイルランドダブリン県3.30米ドルHRテクノロジー100.0 役員の兼任RGF International Recruitment Holdings Limited(注3)中国香港836,224千香港ドルマッチング&ソリューション100.0(100.0)-RYK Capital Partners Limited(注3)中国香港299,756千香港ドルマッチング&ソリューション90.0(90.0)-㈱スタッフサービス(注6)東京都千代田区300百万円人材派遣100.0(100.0)-Start Holding B.V.(注3)オランダフレヴォラント州92,653千ユーロ人材派遣100.0(100.0)役員の兼任 Staffmark Investment, LLC(注3)米国オハイオ州117,514千米ドル人材派遣100.0(100.0)-Peoplebank Australia Ltd(注3)豪州ニューサウスウェールズ州68,160千豪ドル人材派遣100.0(100.0)-RGF STAFFING APEJ PTY LTD(注3)豪州ニューサウスウェールズ州440,756千豪ドル人材派遣100.0(100.0)役員の兼任RGF STAFFING MELBOURNE TWO PTY LTD(注3)豪州ニューサウスウェールズ州294,892千豪ドル人材派遣100.0(100.0)役員の兼任その他202社(注5) (2) 持分法適用関連会社 名称住所資本金又は出資金主要な事業の内容(注1)議決権の所有割合(%)関係内容51job, Inc.英国領ケイマン諸島31千中国元全社39.9-㈱カオナビ(注4)東京都渋谷区1,153百万円マッチング&ソリューション21.2(21.2)-その他6社 (注1) 主要な事業の内容欄にはセグメントの名称を記載しています。(注2) 議決権の所有割合欄の(内書)は間接所有です。(注3) 特定子会社です。(注4) 有価証券届出書及び有価証券報告書を提出しています。(注5) 重要な債務超過の状況にある関係会社はありません。当社グループ内での借入金等がある関係会社は、当該借入金を控除した負債から算定した純資産額を用いて、重要な影響を与える債務超過の有無を判定しています。(注6) Indeed, Inc.、㈱リクルート及び㈱スタッフサービスについては、売上収益(連結会社相互間の内部売上収益を除く)の連結売上収益に占める割合が10%を超えています。なお、下記はいずれも単体決算数値であるため、当社が各子会社を買収した際に生じたのれん、無形資産及び当該無形資産に係る償却費を含んでいません。 主要な損益情報等 Indeed, Inc.㈱リクルート(日本基準)㈱スタッフサービス(日本基準) (単位 : 百万米ドル)(単位 : 百万円)(単位 : 百万円)売上収益4,964753,472351,158経常利益-77,57423,071当期利益1,28128,84515,960資本合計1,89758,86139,525資産合計3,230543,63291,742 Indeed, Inc.の数値は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等」に反映されているIFRSによるものであるため、経常利益は記載していません。 |
従業員の状況 | 5 【従業員の状況】 (1) 連結会社の状況 2024年3月31日現在セグメントの名称従業員数(名)臨時従業員数(名)HRテクノロジー13,15569マッチング&ソリューション24,439521人材派遣13,6571,357全社(共通)1225合計51,3731,952 (注1) 従業員は当社グループから当社グループ外への出向者を除き、当社グループ外から当社グループへの出向者を含む就業人員です。臨時従業員は含みません。(注2) 臨時従業員は、当連結会計年度の臨時従業員の年間平均雇用人員です。(注3) 臨時従業員はアルバイト等を含み、派遣社員を除いています。(注4) 全社(共通)として記載されている従業員は、主に持株会社である当社のファイナンス及びリスクマネジメント等の管理部門の従業員です。(注5) 前連結会計年度末に比べ従業員数が7,120名減少しています。これは主に、HRテクノロジー事業傘下の子会社が2023年3月に発表した人員削減と、人材派遣事業の一部配下子会社において常用型派遣の集計方法を変更したことによる減少です。 (2) 提出会社の状況 2024年3月31日現在従業員数(名)臨時従業員数(名)平均年齢(歳)平均勤続年数(年)平均年間給与(円)119539.87.9011,192,716 セグメントの名称従業員数(名)臨時従業員数(名)HRテクノロジー--マッチング&ソリューション--人材派遣1-全社(共通)1185合計1195 (注1) 従業員は当社から他社への出向者を除き、他社から当社への出向者を含む就業人員です。臨時従業員は含みません。(注2) 臨時従業員は、当事業年度の臨時従業員の年間平均雇用人員です。(注3) 臨時従業員はアルバイト等を含み、派遣社員を除いています。(注4) 平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでいます。前事業年度は報酬制度改定の移行期として調整が発生し、一時的に年間平均給与が増加しましたが、当事業年度は標準支給になっています。(注5) 全社(共通)として記載されている従業員は、主に持株会社である当社のファイナンス及びリスクマネジメント等の管理部門の従業員です。 (3) 労働組合の状況労働組合は結成されていませんが、労使関係は円満に推移しています。 (4) 多様性に関する状況当社グループでは、創業以来、従業員一人ひとりの違いを大切にし、多様な個人の好奇心から生まれるアイデアや情熱に投資することで新たな事業やサービスを生み出してきました。あわせて、当社グループでは人権方針を定め、企業活動において差別や人権侵害を行わないよう努めるとともに、すべての人々に公正な機会を提供し、その人らしい生き方や働き方を尊重することを目指しています。当社グループの人的資本や人権に対する考え方や取組みについては「第2 事業の状況」「2 サステナビリティに関する考え方及び取組」をご参照ください。 これらの方針のもとで、当社グループでは、属性や就労における制約等に関わらず、誰にとっても働きやすく働きがいのある職場の実現に向けて取り組んでいます。そして、2021年5月にDEI(Diversity:多様性、Equity:公平性、Inclusion:包括性)を経営戦略の一環として掲げ、「2031年3月期までにすべての階層における女性比率を約50%にする」目標を決め、その実現に向けて3カ年計画を定めて取組みを進めています。また、3カ年計画の達成如何を、業務執行取締役と主にサステナビリティテーマの推進を担う執行役員の長期インセンティブ報酬(注1)の一部に連動させることで、更に取組みを加速しています。DEIに関する取組みの進捗については「第2 事業の状況」「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」「(3)経営戦略」「ProsperTogether - ステークホルダーとの共存共栄を通じた持続的な成長」をご参照ください。 2031年3月期までに目指す女性比率50%の目標に向けた当社グループのマイルストン 2024年4月1日時点の当社グループ(注2)の無期雇用従業員、管理職、上級管理職に占める女性の割合は以下のとおりです。 名称無期雇用従業員に占める女性の割合(注3) (%)管理職に占める女性の割合(注4) (%)上級管理職に占める女性の割合(注5) (%)当社グループ(注2)49.039.426.8 (注1) 長期インセンティブ BIP信託(株式)報酬の一部として設定し、3カ年目標の達成如何により支給有無を決定します。(注2) 当社グループとして提出会社、SBU統括会社及び各SBU配下の主要連結子会社を集計しており海外子会社を含みます。なお、「無期雇用従業員」の定義は当社グループの雇用管理区分に基づきます。一方、「管理職」及び「上級管理職」の定義は、それぞれ注4、注5のとおりであり「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律(以下「女性活躍推進法」)に基づく「一般事業主行動計画等に関する省令」の「管理職」の定義(課長級及び課長級より上位の役職(役員を除く)にある労働者の合計)とは異なります。(注3) 無期雇用従業員として、期間の定めの無い従業員を集計しています。また、当社グループから他社への出向者を除き、他社から当社グループへの出向者を含む就業人員です。(注4) 管理職は部下を持つすべての従業員を示し、委任契約役員を含みます。(注5) 上級管理職は、提出会社及びマッチング&ソリューション事業においては執行役員及び専門役員、HRテクノロジー事業と人材派遣事業においては主要子会社社長及び重要機能トップを示しています。 当社の管理職に占める女性の割合、男性の育児休業等の取得率、男女間の賃金の差異は以下のとおりです(注1)。 名称管理職に占める女性の割合(注2)(%)男性の育児休業等の取得率(注3)(注4) (%)男女間の賃金の差異(注3)(注5) (%)全労働者うち無期雇用従業員(注6)うちパートタイム・有期雇用従業員等(注7)提出会社52.9166.783.985.5116.8 (注1) 当社は女性活躍推進法及び「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律(以下「育児・介護休業法」)」に基づく公表義務はありませんが参考情報として任意開示しています。(注2) 管理職とは部下を持つ従業員であり、委任契約役員を除きます。当社から他社への出向者を除き、他社から当社への出向者を含む就業人員を対象に女性活躍推進法の規定に準じて算出しています。2024年4月1日時点。(注3) 当社の労働者の大部分は㈱リクルートからの出向者で構成され、出向者の報酬は当社が定めるミッショングレードと基準に従って決定しています。このような就労と報酬決定の実情を踏まえ、当社から他社への出向者を除き、他社から当社への出向者を含めて集計しています。従って、後述する㈱リクルートが算定対象としている当該会社の労働者名簿に記載されている従業員(以下「原籍者」)のうち、当社に出向している従業員を含めて集計しており、当社の原籍者のみを対象に集計した場合は数値が異なります。(注4) 育児・介護休業法に準じて「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則(以下「育児・介護休業法施行規則」)」第71条の4第2号の育児休業等の取得割合を、当連結会計年度を対象に算出しています。また、育児休業等には法令で定められた育児休業及び出産育児を目的とした休暇制度等を含みます。(注5) 女性活躍推進法の規定に準じて、当連結会計年度を対象に算出しています。(注6) 無期雇用従業員とは期間の定めの無い従業員です。(注7) パートタイム・有期雇用従業員等は、無期雇用従業員の所定労働時間(1日8時間)で換算した人員数を基に試算しています。 また、女性活躍推進法及び育児・介護休業法に基づいて開示する国内の主要連結子会社における管理職に占める女性の割合、男性の育児休業等の取得率、男女間の賃金の差異は以下のとおりです。 名称主要な事業の内容(注1)管理職に占める女性の割合(注2) (%)男性の育児休業等の取得率(注3) (%)男女間の賃金の差異(注4) (%)全労働者うち無期雇用労働者(注5)うちパートタイム・有期雇用労働者等(注6)㈱リクルートマッチング&ソリューション32.499.277.681.699.3㈱リクルートスタッフィング人材派遣38.935.474.161.079.0㈱スタッフサービス・ホールディングス人材派遣35.166.774.178.039.8 その他23社(注7) (注1) 主要な事業の内容欄にはセグメントの名称を記載しています。(注2) 管理職は部下を持つ従業員であり、委任契約役員を除きます。当該会社から他社への出向者を除き、他社から当該会社への出向者を含む就業人員を対象に女性活躍推進法の規定に基づき算出しています。2024年4月1日時点。(注3) 当該会社の原籍者を対象に集計しています。育児・介護休業法の規定に準じて、育児・介護休業法施行規則第71条の4第2号における育児休業等の取得割合を、当連結会計年度を対象に算出しています。育児休業等には法令で定められた育児休業及び、出産育児を目的とした休暇制度等を含んでいます。(注4) 当該会社の原籍者と当該会社を通じて他社に派遣されている労働者を含み、当該会社に派遣されている労働者を含まずに、当連結会計年度を対象に女性活躍推進法の規定に基づき算出しています。そのため、人材派遣セグメントの連結子会社は、当該会社を通じて他社に派遣されている労働者を含んでいます。(注5) 無期雇用労働者とは期間の定めの無い従業員です。(注6) パートタイム・有期雇用労働者等は、無期雇用労働者の所定労働時間(1日8時間)で換算した人員数を基に試算しています。(注7) 連結子会社のうち主要な連結子会社以外のものについては「第7 提出会社の参考情報」「2 その他の参考情報」に記載しています。 今回示した男女間の賃金の差異について、当社及び主要な国内連結子会社では「Pay for Performance」を基本方針とし、無期雇用労働者については、年齢や入社年次等に関わらず、期待される役割とそれに対する成果の大きさで従業員の報酬を決定する「ミッショングレード制」を導入しているため、同一のミッショングレードや評価において男女間での賃金格差はありません。 そのため、男女間の賃金差異の低減に向けた第一の課題は、より高いミッショングレードや管理職の女性割合が低いことであると考えています。そこで、当社グループが掲げた女性管理職比率を約50%にする目標に向けた取組みを加速することで、高度プロフェッショナル人材を含めたより高いミッショングレードを担う女性比率の向上を目指しています。 またこの取組みを通じて、組織にある無意識の偏見(バイアス)に気づき、働く場所や時間等に対する先入観を低減し、多様な個人にとって更に働きやすく働きがいのある職場とするために創意工夫を凝らすことは、更に幅広い人材が活躍できる組織への進化に繋がると考えています。「仕事」に関わる事業を展開する当社グループとして、社会の更なる多様性と公平性、包括性の向上に向けて、事業やサービスを含めた企業活動全体を通じて貢献していきます。 |
経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 | 1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。 (1) 経営の基本方針① ビジョン・ミッション・バリューズ当社グループの経営理念として、基本理念、ビジョン(目指す世界観)、ミッション(果たす役割)、バリューズ(大切にする価値観)を掲げています。 基本理念 私たちは、新しい価値の創造を通じ、社会からの期待に応え、一人ひとりが輝く豊かな世界の実現を目指す。ビジョン(目指す世界観) Follow Your Heart一人ひとりが、自分に素直に、自分で決める、自分らしい人生。本当に大切なことに夢中になれるとき、人や組織は、より良い未来を生み出せると信じています。ミッション(果たす役割) まだ、ここにない、出会い。より速く、シンプルに、もっと近くに。 私たちは、個人と企業をつなぎ、より多くの選択肢を提供することで、「まだ、ここにない、出会い。」を実現してきました。 いつでもどこでも情報を得られるようになった今だからこそ、より最適な選択肢を提案することで、「まだ、ここにない、出会い。」を、桁違いに速く、驚くほどシンプルに、もっと身近にしていきたいと考えています。バリューズ(大切にする価値観)新しい価値の創造 世界中があっと驚く未来のあたりまえを創りたい。遊び心を忘れずに、常識を疑うことから始めればいい。良質な失敗から学び、徹底的にこだわり、変わり続けることを楽しもう。 個の尊重 すべては好奇心から始まる。一人ひとりの好奇心が、抑えられない情熱を生み、その違いが価値を創る。すべての偉業は、個人の突拍子もないアイデアと、データや事実が結び付いたときに始まるのだ。私たちは、情熱に投資する。社会への貢献 私たちは、すべての企業活動を通じて、持続可能で豊かな社会に貢献する。一人ひとりが当事者として、社会の不に向き合い、より良い未来に向けて行動しよう。 これらを実現するため、当社グループが創業より大切にし活用してきたリボンモデルをビジネスモデルの基礎としています。リボンモデルとは、個人ユーザーと、企業クライアントのマッチング・プラットフォームを作り出し、より多くの最適なマッチングソリューションを提供することにより双方の満足を追求するビジネスモデルです。 現在は、テクノロジーとデータを活用することで、マッチングの更なる効率性向上と高速化に注力し、個人ユーザーに対して最適な選択肢を提供し、企業クライアントに対して更なる業務効率化を支援しています。 (2) 目標とする経営指標当社グループは、長期的な利益成長と企業価値及び株主価値の最大化に向け、新規事業投資や研究開発、M&A等の成長投資を機動的且つ積極的に実行していきます。そのための主な経営指標を調整後EBITDAと設定し、調整後EBITDAの達成度を役員の報酬に連動させることにより、株主の皆様との価値共有を促進しています。また、サステナビリティ目標の達成度を一部の役員の報酬に連動させ、取組みを強化しています。詳しくは、「(3)経営戦略」「Prosper Together」をご参照ください。 (3) 経営戦略当社グループは、テクノロジーの進化等により急速に変化する事業環境に対応し、グローバル市場におけるニーズやビジネス機会をいち早く捉え、迅速な意思決定の下で、企業価値及び株主価値の最大化に取組んでいます。 HRテクノロジー事業、マッチング&ソリューション事業の人材領域及び派遣事業が、グローバル人材マッチング市場において、マッチング&ソリューション事業の販促領域が日本において、インターネット広告事業にとどまらず、テクノロジーを駆使して企業クライアントの業績向上及び生産性改善をサポートするソリューションプロバイダーに進化することを目指しています。 加えて、不確実性が高まる中で持続的な企業価値向上を目指すためには、健全なガバナンスの基で、企業活動全体を通じて社会や地球環境にポジティブなインパクトを与え、すべてのステークホルダーとの共存共栄を目指す必要があると考えています。そのため、ESG(環境・社会・ガバナンス)について具体的な目標を掲げ、社内外ステークホルダーとの対話を重視しながら、その実現に向けて取組んでいます。 ① 当社グループ全体の経営戦略当社グループ全体の経営戦略と対処すべき課題は、以下のとおりです。 Simplify Hiring - 人材マッチング市場における採用プロセスの効率化 当社グループは、求人広告及び採用ツール市場、人材紹介市場、エグゼクティブサーチ市場、採用オートメーション市場及び人材派遣市場の総称を人材マッチング市場と定義し、求職者がより速く容易に仕事を得られることや、企業クライアントの採用に係るコストと時間を削減することを通じた人材マッチング市場における採用プロセスの効率化に取組んでいます。当社グループの人材関連事業全体で連携し、人材マッチング市場全体をターゲットとして、Simplify Hiringの実現に向けて取組んでいます。 当社グループは、事業を展開しているすべての人材マッチング市場において、数多くある採用プロセスを自動化し、マッチングの質とスピードの向上に取組んでいます。各サービスが持つ膨大なデータをAIや機械学習技術と組み合わせて活用することで、採用プロセスを簡素化し、求職者と企業クライアントにさらなる価値を提供することを目指しています。長期的には、ボタンをクリックするだけで完了するような、より速く効率的で、公正な求職者と企業クライアントのマッチングを目指します(注1)。 HRテクノロジー事業は、世界有数のオンライン求人マッチングプラットフォーム及び企業求人サイトであるIndeedとGlassdoor(注2)を含む、求職者と採用企業からなるグローバル人材マーケットプレイスを運営しており、Simplify Hiring戦略推進の中心的な役割を担っており、求職者と中小企業や大企業、派遣会社といった事業規模を問わず数多くの企業クライアントのマッチングを可能にしています。 HRテクノロジー事業のプラットフォームに掲載されている求人は、公開情報からアグリゲートされたもの、採用管理システム(以下、ATS)を通じて投稿されたもの、企業クライアントにより直接プラットフォームに投稿されたものがあり、求人件数は3,000万件以上(注3)にのぼります。更に、求職者は数十億もの企業評価、企業レビュー、給与情報(注4)にアクセスできるため、それらの情報に基づいた仕事やキャリアに関する意思決定をすることができます。より簡単で速く、また、一人ひとりに合った求職活動を支援するため、求人情報の検索やレコメンデーション、経歴書の掲載やプロフィールの作成、キャリアアドバイス、動画や電話による面接の設定や実施等、求職活動に関わる一連のツールを提供しています。 企業クライアントに対しても同様に、AIを活用して、より簡単で、速く、また一社一社に合わせた採用活動を支援するソリューションを提供しています。IndeedとGlassdoorは、求人広告の掲載や採用のための企業ブランディング等を通して、多様な求職者へのアプローチを可能にしています。また、ペイフォーパフォーマンスモデルあるいはサブスクリプションモデルのソーシング、スクリーニング、採用候補者とのやり取りや面接といった採用プロセスに係るサービスを提供することで、効率的な採用活動を支援しています。 Indeedを採用のために毎年利用する企業クライアントは350万社(注5)、求人検索、経歴書作成、企業研究等の採用プロセスに参加するIndeedのユニークビジターは毎月3億5,000万人(注6)、Glassdoorのユニークビジターは毎月5,500万人(注7)であり、これらの数値が、IndeedとGlassdoorが構築する人材マーケットプレイスの規模を示しています。2023年12月末までにHRテクノロジー事業が運営するウェブサイト上に登録されている求職者のプロフィールは5億2,500万件にのぼります(注8)。 人材マーケットプレイスの効率性と有効性を高めるためには、求職者と企業クライアントをマッチングするプロセスの改善が不可欠です。そのためには、当社サービスが使用する情報の正確性と適時性を改善し続けながら、AIや機械学習技術を活用し、求職者には最適な求人のレコメンデーションを、又企業クライアントには最適な候補者リストを提供することが必要です。加えて、この改善を可能にするためには、当社サービスの人材マーケットプレイスにおける求職者とのエンゲージメントを高めることも不可欠です。求職者がログインをしてプロフィールを作成することで、当社サービスは求職者のスキルや好みをより深く理解することができ、よりパーソナライズされた求人情報を提供することができるようになります。これにより、求職者はより良いユーザー体験を得られるだけでなく、より効率的に適切な就職の機会を見つけることができるようになります。 更に、当社サービスがマッチング成立あるいは不成立の要因を理解することも、求職者と企業クライアントそれぞれにとって極めて重要だと考えています。当社の人材マーケットプレイスでは、求職者と企業クライアントの間で、メッセージのやり取り、電話、応募書類の提出、面接の申し込みや返信のリマインド、採用オファー等のやり取りが行われています。また、外部ATSとの連携を増やすことで、更に多くのデータをIndeedプラットフォームに集約し、マッチング精度の向上に取組んでいます。マーケットプレイス上でのやり取りを、採用プロセスにおけるそれぞれのステップごとに追跡することで、求職者と企業クライアント双方の視点から、何故次のステップに進むことができたのかという貴重な情報を得ることができます。 採用プロセスの効率化の進捗度合いを表す指標は、Indeed及びGlassdoor上における1分当たりの平均採用者数(注9)であると考えています。この指標はマッチング精度の向上、採用プロセスの自動化、企業クライアントとの関係性の深化の進捗を計るものであり、これら要素の改善はさらなる採用者数の増加に繋がります。2023年の1分当たりの平均採用者数は、社内測定に基づくと23名となりました。 また、Simplify Hiringを実現することを目指し、当社グループ全体が保有する企業クライアントとの関係性、オフライン、オンラインを合わせたすべてのユニークなデータを活用した機械学習やAIのテクノロジーを活用し、グループの人材関連事業全体でマッチングエンジンの進化に取り組んでいます。 この一例が、Indeed PLUSです。Indeed PLUSは、HRテクノロジー事業のプラットフォームに関するテクノロジーの強みと、タウンワークやリクナビNEXTをはじめとする、マッチング&ソリューション事業人材領域のジョブボードに蓄積されたデータや知見を組み合わせた求人配信プラットフォームで、日本国内の求職者と企業クライアントのマッチングをより効率化するサービスです。人材領域のジョブボードのうち、6つのジョブボードは既にIndeed PLUS 利用ジョブボードとなっています。Indeed PLUSにより、求職者はより多くの求人の中から仕事を選択することが可能になり、また、企業クライアントは最大で国内主要求人サイト利用者の約7割にリーチすることが可能となる等、より多くの候補者の中から求める人材を、より速く、効率的に採用することが可能になります。 また、人材紹介サービスであるリクルートエージェントやリクルートダイレクトスカウトでは、当社グループのマッチングエンジンを活用し、経歴書のスクリーニング等これまで人が手作業で行っていた工程の効率化を進めています。日本市場で60年以上、人材マッチングビジネスを運営する当社のノウハウやデータと、このマッチングエンジンを連携させることで、日本国内でのSimplify Hiring戦略を今後加速度的に進めていきます。 更に、人材派遣事業では、当社グループが持つ独自のマッチングエンジン等のテクノロジーを活用することに注力しています。従来の人材派遣の事業プロセスにデータの活用や自動化を導入することで、企業クライアントにより良い採用体験を、派遣社員にはより良い求職体験を提供していきます。マッチングの精度とスピードを改善し、派遣社員の定着率を向上させ、手作業のプロセスを自動化することで、人材派遣市場をリードする最も革新的なプラットフォームとなることを最終目標としています。一例として、HRテクノロジー事業のアプリベースのe-staffingマーケットプレイスであるIndeed Flexと連携することにより、求人情報や、給与の選択肢及び柔軟な労働スケジュールを提供しています。 当社は、企業クライアントの採用活動の低下や求職者の求職活動の増加をはじめ、労働市場の平準化が進んだことにより、2023年のグローバル人材マッチング市場の規模が3,020億米ドル程度(注10)に縮小したと推定しています。 人材マッチング市場規模 (推定) 2022年2023年単位:十億米ドル2023年5月15日時点求人広告及び採用ツール市場(注11,12)3231人材紹介市場(注13,14)6158エグゼクティブサーチ市場(注13,14)4237人材派遣(注15,16)128116採用オートメーション市場(注17,18)6460合計(注19)327302 求人広告及び採用ツール市場2023年におけるオンライン求人広告及び採用ツール市場は、グローバルでの年間売上金額ベースで290億米ドル程度(注11)と推定しています。一方で、当社グループがグローバルで2023年における年間売上金額ベースが20億米ドル(注12)を超える規模と見積もるオフライン求人広告市場は、今後もオンライン求人広告市場に流入を続けながら縮小していくと考えています。 人材紹介市場人材紹介市場は、2023年におけるグローバルでの市場規模を年間売上金額ベースで580億米ドル程度(注14)と推定しており、同市場における多くのサービスは属人的な関係に基づく伝統的なビジネスモデルを採用しています。エグゼクティブサーチ市場2023年におけるエグゼクティブサーチ市場はグローバルでの年間売上金額ベースで370億米ドル程度(注14)の市場規模であると推定しており、同市場における多くのサービスは、人材紹介市場と同様に属人的な関係に基づく伝統的なビジネスモデルによるものです。 人材派遣市場2023年における人材派遣市場は、グローバルでの年間売上金額ベースで5,460億米ドル程度(注16)の市場規模であると推定しており、売上金額から派遣スタッフの給料や関連する費用を控除した売上総利益金額は1,040億米ドル程度(注16)と推定しています。人材プラットフォーム(注20)、人材派遣プラットフォーム(注21)及びVMS/FMS(注22)における2023年のグローバルでの年間推定売上、並びにMSP(注23)及びRPO(注24)により代替可能な企業クライアントのリソースの年間推定金額(自動化によって得られる企業クライアントのコスト削減効果を考慮)もこの市場に含まれています。伝統的な人材派遣市場とこれらの新規市場の関連性及び人材派遣のサービスプロバイダーが新規市場のサービスの一部又は全部を提供する頻度を考慮し、当社は新規市場を人材派遣市場として統合することが適切であると考えています。なお、2023年のこれらの市場規模の合計は約1,160億米ドルであると推定しています。当社グループは、同市場において短期的には、テクノロジーを活用して人材派遣事業の効率化に繋がるオンラインプラットフォームサービスを提供し、長期的にはこれらのソリューションを通して市場の変革を図ります。当社は、人材派遣市場における革新的なソリューションの開発を模索し、それを新規及び既存事業に応用することで、データやテクノロジーを活用した将来の事業機会に繋げることを目指します。 採用オートメーション市場当社が既に一部で事業展開を行っている採用オートメーション市場は、2023年において、600億米ドル程度(注18)の市場規模であると推定しています。市場規模は、企業クライアントが人材採用のために社内リソースに費やしている金額を基に、その金額のうちどの程度が第三者による採用オートメーションサービスによって代替可能であるかを推定することに加え、自動化によって得られる企業クライアントのコスト削減効果を考慮した上で算出しています。更に、採用プロセスにおいて現在使用されている自動化ツールをより包括的に含めるため、この市場には、ATS市場における2023年のグローバルでの年間推定売上(注25)と身辺調査のうち、第三者によるサービスによって代替可能な社内リソースの年間推定金額(注26)も含まれます。人材紹介市場、エグゼクティブサーチ市場、採用オートメーション市場は、候補者のソーシングやスクリーニング、面接の設定、候補者の選定や配属といった、多くのサービスにおいて属人的な関係に基づく伝統的なビジネスモデルを採用しているとされてきました。当社グループはデータや自動化を活用し、これらの作業を効率化するソリューションを、業界平均よりも低価格で採用担当者や企業経営者に提供することを目指します。それによって、当社がサービスを提供する企業クライアント数を更に増やし、採用予算のうち、より多くのシェアを獲得することを目指します。 (注1)当社グループは当該領域において法的規制が存在する可能性を認識しており、それらの規制を遵守するよう努めています。(注2)comScoreに基づく2024年3月の訪問数(注3)2023年1月から12月においてIndeedに掲載されていた求人数の1日当たり平均(注4)2024年3月末時点のIndeed上のグローバルでの企業評価、企業クチコミ、給与情報の累計数(約40億件)(注5)2024年3月時点における直近12ヶ月のアクション数に基づく社内データ(注6)社内データに基づく2023年10月から2024年3月までの期間にIndeedのウェブサイトを訪問したクッキーIDの月間平均数 (注7)Google Analyticsを用いた社内データに基づく2023年10月から2024年3月までの期間におけるGlassdoorのウェブサイトを訪問したクッキーIDの月間平均数クチコミ(注8)社内データに基づくHRテクノロジー事業が運営するウェブサイト上で2023年12月31日までに登録された、メールアドレス認証済みの求職者の累計アカウント数(注9)1分当たりの採用者数は、年間採用者数を一年当たりの分数で割ることで算出される数値です。特定の求職者が特定の日付に特定の仕事に採用された場合に採用者数としてカウントしています。企業クライアント又は求職者がアンケートを通じて採用の意思表示をした場合や、Indeedのレジュメやメッセージ機能において、採用が行われたという明確な証拠が確認された場合に採用者数としてカウントされます。(注10)求人広告及び採用ツール市場、人材紹介市場、及びエグゼクティブサーチ市場における売上金額ベースのそれぞれの市場規模、採用オートメーション市場において企業クライアントが人材採用のために社内リソースに費やしている金額のうち、第三者による採用オートメーションサービスへ代替可能な金額の推定値及びATSと身辺調査の市場規模、並びに人材派遣市場における売上総利益ベースの市場規模及び人材プラットフォーム、人材派遣プラットフォーム、VMS/FMS、MSP、RPOの市場規模に関する当社グループ及び第三者機関の市場データによる推計値の単純合計額。推計値の算出方法は以下の注記をご参照ください。(注11)各年におけるHRテクノロジー事業の売上に、当社グループがHRテクノロジー事業のサービスを提供している国のオンライン求人広告における主要な競合他社の売上総額についての第三者機関のレポートの数値を当社グループの推計に基づき修正した金額及びLinkedInのタレントソリューション事業の年間売上金額について同社の公表資料からセルサイドアナリストのモデル及び当社グループの推計に基づき修正した金額を合算した、オンライン求人広告及び採用ツール市場の規模 (注12)各年のオンライン求人広告及び採用ツール市場の市場規模に、各年における広告市場全体におけるオンライン広告及びオフライン広告(但し、テレビ、映画及びラジオ広告等を除く。)の比率(第三者機関のレポートに基づく。)を乗じて算出した、オフライン求人広告市場の規模。なお、表中の数値は、オンライン求人広告及び採用ツール市場規模の数値と、オフライン求人広告市場規模の数値を合計したもの(注13)人材紹介及びエグゼクティブサーチ市場における2022年の数値は、SIA, Global Staffing Market Estimates and Forecast: November 2022 Updateに基づく2021年に推定されるグローバル人材市場の成長率11%を2021年のグローバル人材市場の売上金額と推定される6,200億米ドルに適用して得られた2022年の売上推定金額とされる6,880億円に、そのうち「人材紹介及びエグゼクティブサーチ市場」が占める割合である15%を適用して市場規模を算定。同資料においては、人材紹介市場を「人材紹介及びエグゼクティブサーチ市場」の一部と分類し、「人材紹介及びエグゼクティブサーチ市場」をグローバル人材市場の一部と分類しています。人材紹介市場の市場規模は、上記SIAの資料におけるグローバル人材市場規模の数値に対し、当社が第三者機関から入手した非公開の市場データである当該セグメントのグローバル人材市場に対する国別の人材紹介市場比率を適用して算定。エグゼクティブサーチ市場は、人材紹介市場を除いた「人材紹介及びエグゼクティブサーチ市場」の一部として定義され、これら2つのセグメント間の差分として算定(注14)人材紹介及びエグゼクティブサーチ市場における2023年の数値は、SIA, Global Staffing Market Estimates and Forecast: November 2023 Updateに基づく、2023年に推定されるグローバル人材市場の成長率△2%を2022年のグローバル人材市場の売上金額と推定される6,540億米ドルに適用して得られた6,400億米ドルに、そのうち「人材紹介及びエグゼクティブサーチ市場」が占める割合として、15%を適用して市場規模を算定。同資料においては、人材紹介市場を「人材紹介及びエグゼクティブサーチ市場」の一部と分類し、「人材紹介及びエグゼクティブサーチ市場」をグローバル人材市場の一部と分類しています。人材紹介市場の市場規模は、上記SIAの資料におけるグローバル人材市場規模の数値に対し、当社が第三者機関から入手した非公開の市場データである当該セグメントのグローバル人材市場に対する国別の人材紹介市場比率を適用して算定。エグゼクティブサーチ市場は、人材紹介市場を除いた「人材紹介及びエグゼクティブサーチ市場」の一部として定義され、これら2つのセグメント間の差分として算定(注15)人材派遣市場における2022年の数値は、SIA, Global Staffing Market Estimates and Forecast: November 2022 Updateに基づく、2022年に推定される人材派遣市場の成長率11%を2021年の人材派遣市場の売上金額5,270億米ドルに適用して算出した2022年の売上金額5,850億米ドルに、2022年におけるグローバル人材派遣上場企業の売上金額上位3社の売上総利益率の加重平均19.85%を適用して算出した額(注16)人材派遣派遣市場における2023年の数値は、SIA, Global Staffing Market Estimates and Forecast: November 2023 Updateに基づく、2023年に推定される人材派遣市場の成長率△2%を2022年の人材派遣市場の売上金額5,550億米ドルに適用して算出した2023年の売上金額5,440億米ドルに、2023年におけるグローバル人材派遣上場企業の売上金額上位3社の売上総利益率の加重平均19.30%を適用して算出した額(注17)採用オートメーション市場における2022年の数値は、SIA, The Evolution of Recruiting: 2023 Update to Estimating the Addressable Market for Recruitment Automation: January 2023(Indeedは当該レポートの作成に関し、作成者に報酬を支払っています。)の、企業クライアントが人材採用に際し社内リソースに費やしている予算のうち40%がテクノロジーに代替可能であることに加え、係るテクノロジーにより企業クライアントがコストを28%削減することが可能になるという仮定に基づいています。グローバル市場規模を算定する上での情報の不完全性を考慮し、SIAは読者に対し、推定される市場規模が上下20%の幅を持つ可能性がある旨を念頭におくよう忠告しています。この市場の定義には、ATS市場及び身辺調査市場が含まれています。(注18)採用オートメーション市場における2023年の数値は、SIA, The Evolution of Recruiting: Estimating the Addressable Market for Recruitment Automation: January 2024(Indeedは当該レポートの作成に関し、作成者に報酬を支払っています。)の、企業クライアントが人材採用に際し社内リソースに費やしている予算のうち41%がテクノロジーに代替可能であることに加え、係るテクノロジーにより企業クライアントがコストを37%削減することが可能になるという仮定に基づいています。グローバル市場規模を算定する上での情報の不完全性を考慮し、SIAは読者に対し、推定される市場規模が上下20%の幅を持つ可能性がある旨を念頭におくよう忠告しています。この市場の定義には、ATS市場及び身辺調査市場が含まれています。(注19)本項に記載する求人広告及び採用ツール市場、人材紹介市場、エグゼクティブサーチ市場、採用オートメーション市場、及び人材派遣市場の市場規模については、上記の注記に記載のとおり外部の統計資料や公表資料を基礎として当社グループが推計したものであり、その正確性には係る統計資料や推計に固有の限界があるため、実際の市場規模は係る推計値と大きく異なる可能性があります。(注20)人材プラットフォーム市場は、企業クライアントと労働者の法的関係を可能にする直接的な臨時労働の取り決めを促進するマーケットプレイスで、SIA, The Evolution of Recruiting: 2023 Update to Estimating the Addressable Market for Recruitment Automation: January 2023及びSIA, The Evolution of Recruiting: 2024 Update to Estimating the Addressable Market for Recruitment Automation: January 2024(Indeedは当該レポートの作成に関し、作成者に報酬を支払っています。)に基づき、2022年と2023年のグローバルでの年間売上を、それぞれ約20億米ドルと推定 (注21)人材派遣プラットフォーム市場は、企業クライアントと派遣業務の候補者との自動マッチングを促進するマーケットプレイスで、SIA, The Evolution of Recruiting: 2023 Update to Estimating the Addressable Market for Recruitment Automation: January 2023及びSIA, The Evolution of Recruiting: 2024 Update to Estimating the Addressable Market for Recruitment Automation: January 2024(Indeedは当該レポートの作成に関し、作成者に報酬を支払っています。)に基づき、2022年と2023年のグローバルでの年間売上を、それぞれ約40億米ドルと推定(注22)VMS/FMS市場は、ベンダー及びベンダーから派遣された臨時スタッフやフリーランス等企業の臨時雇用者プログラムを管理するための技術を提供するもので、SIA, The Evolution of Recruiting: 2023 Update to Estimating the Addressable Market for Recruitment Automation: January 2023及びSIA, The Evolution of Recruiting: 2024 Update to Estimating the Addressable Market for Recruitment Automation: January 2024(Indeedは当該レポートの作成に関し、作成者に報酬を支払っています。)に基づき、2022年と2023年のグローバルでの年間売上を、それぞれ約30億米ドルと推定(注23)MSP市場は、企業クライアントの臨時雇用プログラムの全部又は一部を自動的に管理するサービスを提供するもので、SIA, The Evolution of Recruiting: 2023 Update to Estimating the Addressable Market for Recruitment Automation: January 2023及びSIA, The Evolution of Recruiting: 2024 Update to Estimating the Addressable Market for Recruitment Automation: January 2024(Indeedは当該レポートの作成に関し、作成者に報酬を支払っています。)に基づき、2022年と2023年の第三者サービスにより代替可能な企業クライアントのリソースの年間推定金額を、それぞれ約10億米ドルと推定(注24)RPO市場は、企業が第3者に代わって、ソーシングからオンボーディングまでの社内採用機能の一部又は全部を自動的に行うもので、SIA, The Evolution of Recruiting: 2023 Update to Estimating the Addressable Market for Recruitment Automation: January 2023及びSIA, The Evolution of Recruiting: 2024 Update to Estimating the Addressable Market for Recruitment Automation: January 2024(Indeedは当該レポートの作成に関し、作成者に報酬を支払っています。)に基づき、2022年と2023年の第三者サービスにより代替可能な企業クライアントのリソースの年間推定金額を、それぞれ約30億米ドルと推定(注25)ATS市場は、応募者を採用プロセスの様々な段階で追跡するためのソフトウエアやその他のツールを企業が提供するもので、SIA, The Evolution of Recruiting: 2023 Update to Estimating the Addressable Market for Recruitment Automation: January 2023及びSIA, The Evolution of Recruiting: 2024 Update to Estimating the Addressable Market for Recruitment Automation: January 2024(Indeedは当該レポートの作成に関し、作成者に報酬を支払っています。)に基づき、2022年及び2023年のグローバルでの年間売上を約20億米ドルと推定(注26)身辺調査市場は、企業がデジタル化された方法で応募者の経歴や資格を確認・審査するもので、SIA, The Evolution of Recruiting: 2023 Update to Estimating the Addressable Market for Recruitment Automation: January 2023及びSIA, The Evolution of Recruiting: 2024 Update to Estimating the Addressable Market for Recruitment Automation: January 2024(Indeedは当該レポートの作成に関し、作成者に報酬を支払っています。)に基づき、2022年と2023年の第三者サービスにより代替可能な社内リソースの年間推定金額を約10億米ドルと推定 Help Businesses Work Smarter - 日本国内企業クライアントの生産性及び業績向上 Help Businesses Work Smarterは、日本における企業クライアントの生産性及び業績向上に貢献するという戦略です。マッチング&ソリューション事業の販促領域を中心に、各事業分野、つまりバーティカルに特化した販促マッチングプラットフォーム及びそれに付随するバーティカル業務支援SaaSや、バーティカルを問わない業務支援SaaSのAir ビジネスツールズの提供を推進しています。 これは、販促マッチングプラットフォームとSaaS、人材マッチングサービスで構成するエコシステム内で、企業クライアントの事業運営に係るすべての経済活動を支える業務を循環、完結させることで実現します。 当社はエコシステムの構築にあたって、「個人ユーザーのアクション数(注1)」、「SaaSサービス別アカウント数(注2)」、「決済流通額(注3)」をKPIとしています。 個人ユーザーのアクション数(注4)は、マッチングプラットフォーム上で発生した美容院や飲食店、宿泊施設への予約数、求人広告等への応募数を指し、2024年3月期は約4.8億件となり、前年同期比23.2%増となりました。アクション数の増加は、販促領域のマッチングプラットフォームでは企業クライアントの売上増加に繋がり、人材領域では求職者と企業クライアントのマッチング機会の増加に繋がります。マッチング&ソリューション事業全体でアクションデータやマッチングテクノロジーを駆使することで、マッチングプラットフォームの利便性を向上させ、アクション数の増加を目指します。 SaaSサービス別累計アカウント数は、2024年3月期末時点で前年同期比18.0%増の約377万アカウントとなりました。事業分野を問わない業務支援SaaSであるAir ビジネスツールズの提供、特にキャッシュレス決済サービスのAirペイがアカウント数の増加を牽引しました。Airペイを通して、当社がマッチングプラットフォームを提供している事業分野以外にも、小売業やサービス業、調剤薬局等、これまで取引がなかった新規企業クライアントの獲得が可能となりました。また、採用管理システム(ATS)のAirワーク 採用管理の新規企業クライアントによる利用も増加しました。 当社は、当事業が提供するSaaSの日本における潜在顧客事業所数を438万程度(注4)と推定しており、各事業所による複数のSaaS利用を想定するため、累計アカウント数の拡大余地は依然として大きいと認識しています。この指標の伸長は、当事業の顧客基盤の拡大を意味します。当社は、今後もAir ビジネスツールズが企業クライアントの業務を代替することで顧客基盤が広がっていくと見込んでいます。 決済流通額の2024年3月期の実績は約1.8兆円となり、前年同期比43.6%増となりました。これは、Airペイのアカウント数増加に加えて、じゃらんネット、HotPepper BeautyやHotPepperグルメでAirペイによるオンライン決済サービスの利用増加によるものです。予約だけではなく、予約時にマッチングプラットフォーム上で決済まで、当社のエコシステム内で完結させることで、個人ユーザーには支払いにおける利便性の向上、企業クライアントには機会損失の軽減、そして当社にとっては、エコシステム内で生じる決済流通額の拡大に寄与します。この指標の拡大は、新たな収益貢献の可能性があるフィンテックサービスの拡充にとって、その基盤となることから重要になります。フィンテックサービスの例として、企業クライアント向け早期現金化サービスのAirキャッシュや、スマホ1つで支払いもできる請求書管理サービスのAirインボイスがあります。 当社は、販促マッチングプラットフォームにSaaSのAir ビジネスツールズを組み合わせることで、企業クライアントと広く事業接点を持つことが可能になります。更に、人材マッチングサービスを加えることで、エコシステム内で企業クライアントの事業運営に係る多くの業務を完結することにより、多様なサービスを継続的に利用いただき、個人ユーザーと企業クライアント双方のライフタイムバリューの効率的な拡大に繋げます。 (注1)2023年4月1日から2024年3月31日までの、リクナビNEXT応募数、タウンワーク応募数、リクルートエージェント応募数、SUUMOカウンター来店個人ユーザーの当社企業クライアントへの送客数、HotPepper Beautyオンライン予約数、じゃらん宿泊予約数、HotPepperグルメオンライン送客数(予約人数)、Airペイ決済回数の合計(注2)2024年3月末時点でマッチング&ソリューション事業が日本国内で提供する有料及び無料のSaaSサービス別累計アカウント数であり、各サービス登録加盟店舗数及び事業所数を指し、アクティブ及びノンアクティブを含みます。(注3)Airペイ端末を通じた店舗決済金額(Airペイ QRによるQR決済を含む)及びAirペイ オンラインを通じたオンライン決済における決済金額の合計金額(決済流通額のうちの、ごく一部に当たる決済手数料が当社の売上収益となるため、流通決済額の増減は当社の売上収益の増減と必ずしも比例しません)(注4)アクション数については、商品リニューアルによるカウント手法の変更等を遡及的に反映しています。(注5)2024年3月末時点でマッチング&ソリューションSBUが日本国内で提供しているSaaSの潜在顧客事業所数の当社推定。総務省・経済産業省「平成33年経済センサス-活動調査結果」及び中小企業基本法における中小企業者の定義等に基づく中小企業者の事業所数を潜在顧客事業所数としています。2024年3月末時点でマッチング&ソリューションSBUが日本国内で提供しているSaaS(Airワーク 採用管理含む)の内容に鑑み、業種にかかわらず全業種においてもSaaS導入可能性があると判断し、すべての業種を潜在顧客事業所数の対象としています。また、潜在顧客事業所数に算入する事業所の規模は、SaaSの現時点における主たる顧客ターゲットに鑑みこれまでと同様、中小企業基本法における中小企業としています。 Prosper Together -ステークホルダーとの共存共栄を通じた持続的な成長 当社は、企業活動全体を通じて社会や地球環境にポジティブなインパクトを与え、すべてのステークホルダーと共存共栄を目指していくことが、当社の持続的な成長に繋がると考えています。2021年5月に経営戦略として掲げた環境・社会・ガバナンスの目標に対する2024年3月期(注1)の進捗は以下のとおりです。 環境(Environment)短期目標として定めた、当社グループの事業活動におけるカーボンニュートラルは、2022年3月期より継続して、2024年3月期も達成する見込みです(注2,3)。そして、2031年3月期までに目指すバリューチェーン全体を含めたカーボンニュートラル(注2)に向けては、3カ年の実質削減目標(注4)を定めて取組みを進めています。特に、当社の温室効果ガス(GHG: Greenhouse Gas)排出量の95%以上(注5)を占めるスコープ3(注2,3)の実質削減に向けては、パートナー企業と協働し、バリューチェーンにおけるGHG排出量測定の精緻化及び削減に向けた打ち手の検討を進めています。 また、企業の環境リスクに対する取組みを評価する国際的な非営利団体であるCDPにより、気候変動分野における課題解決と開示の透明性におけるリーダーシップが認められ、2023年調査で最高評価であるAリスト企業に選定されました(注6)。 社会(Social)世界で人材マッチング事業を展開する当社グループとして、人々にとって欠かせない生活基盤である「仕事」の領域で、すべての求職者の雇用機会を拡大し、就業までにかかる期間を短縮することで、社会に大きなインパクトを創出するために2つのコミットメントを掲げています。 2031年3月期までに就業までに掛かる時間を半分にするという長期目標に向けては、Indeed上のデータを用いてプロセスの分析が可能な、雇用主の「採用までに掛かる時間(注7)」に着目しています。 現在、Indeedのプラットフォーム上の求人募集において、1人目の採用が決まるまでに平均55日間(注8)掛かっていることが分かっています。採用までには、求人情報の掲載、求職者からの応募、そして書類選考や面接といったステップがありますが、Indeedのデータを用いてこのプロセスを分析し、採用までに掛かる時間を短縮するためのプロダクト進化を進めています。 例えば、採用に至る求職者からの応募を早めるには、仕事に適した候補者とのマッチングを向上し、自動化によってプロセスを短縮することが重要です。Indeedの「Matched Candidates(マッチト・キャンディデッツ)」(注9)は、Indeed上に登録された履歴書と求人募集のデータを基にAIを活用して、雇用主に対して、仕事に適した候補者を表示する機能です。雇用主は、表示された候補者を求人応募に招待することができます。そして、この機能を利用して招待された求職者からの応募の半数以上が、たった5時間以内に行なわれました(注10)。この成功を受けて、2024年4月より、スピーディなマッチングとスムーズな採用を実現するプロダクト「Smart Sourcing(スマートソーシング)」を通じて、より多くの雇用主がMatched Candidatesを利用することが可能になりました。 このように、責任あるテクノロジーの活用を考慮した上で、求職者と雇用主のマッチング向上、求職活動のステップにおける手間の削減とプロセスの自動化によって、就業に掛かる時間の短縮に取組んでいきます。 労働市場には、ジョブマッチングのスピードと精度を向上するだけでは解決することが難しい、構造的な偏見(バイアス)や障壁が数多く存在しています。そこで2031年3月期までに累計3,000万人の障壁に直面する求職者の就業を実現する目標を定め、世界で共通した障壁となっている学歴や障がい、犯罪歴(注11)等の5つの障壁を定めて取組みを進めています。 2024年3月期は、世界で地政学的な緊張感が高まる中で祖国を離れることを余儀なくされる人が急増し、大きな社会課題となっている難民問題に着目し、これを6つ目の障壁として加え、その低減に取組みました。Indeedでは、難民のバックグラウンドを持つ求職者(注12)に対して、UNHCR(注13)やTENT(注14)といった国際人道支援組織と共同で就職フェアを開催する等の就業支援を行いました。また、当社グループの人材派遣事業では、難民雇用に向けた雇用主への働きかけや、難民の求職者や就労者に対して面接での通訳や翻訳ツールの提供等を行いました。 結果として、2024年3月期までに、累計で約690万人の障壁を持つ求職者の就業を実現することができました(注15)。引き続き、インクルーシブでスキルファーストな採用(注16)を促進することで、労働市場のバイアスや障壁の低減に取組んでいきます。 当社グループでは、創業以来、従業員一人ひとりの違いを大切にし、その好奇心から生まれるアイデアや情熱に投資することで、新たな事業やサービスを生み出してきました。そして、2031年3月期までに当社グループ全体における上級管理職・管理職・従業員それぞれの女性比率を約50%とする目標(注17)に向けては、3カ年目標(注18)を定め、従業員の能力開発に向けた機会の拡大を通じて管理職候補者プールの拡大に取組んでいます。 特に、ジェンダーギャップが大きい日本を中心に事業を展開するリクルートでは、女性従業員及び管理職を対象とした研修(注19)に加えて、コーチングメソッドを取り入れた人材育成プログラムを導入し、上司と社内コーチが連携して、女性を含めた従業員一人ひとりの内発的動機を引き出しながらキャリア構築を支援する取組みを強化しています。 ガバナンス(Governance)当社は、経営の透明性と健全性を向上し、経営の意思決定の質を上げるためには、監査役を含む取締役会構成員の多様性を高めることが重要であると考えています。スキルや経験、バックグラウンドの多様性を高めることに加えて、特にジェンダーについては目標を定めて取組んでいます。 2031年3月期までに当社の取締役及び監査役全体の女性比率を約50%にする目標(注20)に向けては、当社の中長期戦略の実現に向けて必要となるスキルやバックグラウンドを検討した上で、継続して、取締役候補の検討を行っています。 また、当社の業務執行取締役と主にテーマを推進する執行役員に対して、3カ年目標を定めたGHG排出量削減と女性比率向上の達成如何を長期インセンティブ報酬(注21)の一部に連動させ、取組みを強化しています。 (注1)本文書に記載の「20XX年3月期」は、その年の3月31日に終了する会計年度。(注2)事業活動における温室効果ガス(GHG: Greenhouse Gas)排出量は、スコープ1(自社が管理・所有するオフィスにて直接排出されるGHG)とスコープ2(自社が管理・所有するオフィスにて購入した電力・熱・蒸気エネルギー等の使用を通して間接的に排出されるGHG)の合計。バリューチェーン全体におけるGHG排出量は、スコープ1、2に加えて、スコープ3(スコープ1、2を除く間接的に排出されるGHG)を含むすべて。GHG排出量の測定、排出量に対する第三者認証の取得、残存する排出量に対してオフセットを行った上でカーボンニュートラルの達成を目指す。(注3)GHG排出量の数値はGHGプロトコルに基づき算定した概数であり、SOCOTEC Certification Japanによる独立した第三者保証を取得している。(注4)GHG排出削減目標は2022年度から2024年度の実績を対象とする。(注5)2023年3月期の排出量に基づく数字。(注6)CDPは2000年に設立された英国の慈善団体が管理する非政府組織。世界最大級の環境データベースを保有し世界の主要金融機関と協力し、気候変動、フォレスト、水セキュリティの分野に分けて企業が環境に与える影響を明らかにしている。2023年は、気候変動セクターの環境情報開示に応じた約23,000社の中から、400社強がAリストに選定され、うち日本企業はリクルートホールディングスを含む111社。(注7)「採用までに掛かる時間」は、Indeed上で求人情報が作成されてから、その求人情報に対して最初の採用が報告されるまでの日数。当社が2031年3月期に向けて掲げる「就業までに掛かる時間を半分にする」目標に変更はないが、Indeed上で計測可能な雇用主側のアクションデータである「採用までに掛かる時間」を基に求職者が採用に至るまでのプロセスの課題を発見し、プロダクトの進化を加速することとした。 (注8)55日間は、2023年12月にIndeedで実測された、求人が作成されてから最初の採用までの平均日数。最初の採用までに720日を超える期間を要した求人(求人全体の約1%)はデータ収集の異常値として除外している。(注9)Matched Candidates(マッチト・キャンディデッツ)は、求人に適した候補者の探索を自動化する機能。本機能は、2024年3月期には求人広告を出稿した企業クライアントのみ利用可能だったが、2025年3月期にはスマートソーシングプロダクトの一部として利用可能となった。2024年3月期は、米国、イギリス、カナダ(英語のみ)で利用可能だった。(注10)Matched Candidates機能が利用できた米国、イギリス、カナダ(英語のみ)における、2023年4月から2024年3月の数値。(注11)米国では3億3000万人の人口に対して、約7,900万人に犯罪歴があり(出典:Prison Policy Initiative, 2024)、犯罪歴がある求職者の失業率は米国平均の約5倍(出典:Prison Policy Initiative, 2022)。(注12)紛争、暴力、迫害から逃れるために自国を逃れ、他国に安全を求めた個人 (国連難民高等弁務官事務所が定める定義)。(注13)United Nations High Commissioner for Refugees(国連難民高等弁務官事務所)の略。(注14)Tent Partnership for Refugeesの略。難民の健康と生活の支援を企業に働きかけることを目的に、2016年に設立された非営利組織。(注15)2021年5月1日から2024年3月31日までの間に、世界中の求職者及び雇用主からIndeed上で報告された採用シグナルを通じた就業データの集計。学歴、犯罪歴、軍隊経験、障がいの有無、求職活動のために必要なパソコンやインターネット等を持っていないという労働市場の障壁のうち、少なくとも1つに直面した求職者の就業数の累計。難民のバックグラウンドを持つ求職者は2025年3月期より計測予定。(注16)求人に対する候補者を、採用プロセスの初期段階でスキルに基づいて選考する方法。まず学歴で選別する従来の選考方法とは異なり、スキルに基づいた評価を行うことで活躍の可能性がある候補者をリストに含め、業務遂行能力の高い人材を見逃さずに、短期間での採用実現を目指す。(注17)上級管理職は、当社及びマッチング&ソリューション戦略ビジネスユニット(Strategic Business Unit、 以下SBU)においては執行役員/専門役員、HRテクノロジーSBUと人材派遣SBUにおいては主要子会社社長/重要機能トップを示す。管理職・従業員の女性比率は、当社、全SBU統括会社及び各SBU配下の主要子会社について集計。管理職は、部下を持つすべての管理職。(注18)従業員における女性比率目標は2022年4月1日時点から2025年4月1日時点までの実績を対象とする。(注19)28歳前後の女性従業員を対象に、自分の強みを把握しキャリアを前倒しで構築することを学ぶ「Career Cafe 28」、30歳代の女性従業員向けに、キャリアオーナーシップの発揮を支援する「Career Cafe Next Step」、管理職を対象に多様な人材マネジメントについて学ぶ「Career Cafe for BOSS」等の研修を含む。(注20)取締役会構成員は、取締役及び監査役の合計を示す。(注21)長期インセンティブBIP信託(株式)報酬の一部として設定し、3カ年目標の達成如何によって支給有無を決定する。 (4) キャピタルアロケーション方針当社のキャピタルアロケーションは、以下を優先順位として設定しています。 - 既存事業の継続的な成長に資する開発費用及びマーケティング費用- 安定的な1株当たりの配当の継続的な実施- 人材マッチング市場におけるHRテクノロジー事業を中心とした戦略的M&A- 市場環境及び財務状況の見通しを考慮した上での自己株式取得 また、個別の投資案件の実行の是非を判断する際には、資本コストを上回るハードルレートを適用する等、資本効率を重視し、ROEを意識した経営に取組んでいます。なお、2024年3月期のROE (親会社所有者帰属持分当期利益率) は19.5%でした。 |
サステナビリティに関する考え方及び取組 | 2 【サステナビリティに関する考え方及び取組】 当社は、企業活動全体を通じて社会や地球環境にポジティブなインパクトを与え、すべてのステークホルダーと共存共栄を目指していくことが、当社の持続的な成長に繋がると考えています。そこで当社では、サステナビリティに関する取組みを経営戦略の1つとして位置付け、2021年5月に「サステナビリティへのコミットメント」として、2031年3月期に向けた具体的な時間軸と目標を定め、取組みを進めています。 なお、文中の将来に関する事項は、当社グループが本報告書提出日現在に合理的であると判断する一定の前提に基づいており、実際の結果とは様々な要因により大きく異なる可能性があります。 (1) サステナビリティ全般に対する対応① ガバナンス当社では、取締役会の諮問機関であるサステナビリティ委員会での審議を踏まえて、サステナビリティに関する取組みに必要な体制整備を行い、その取組みを取締役会において監督しています。サステナビリティ委員会では、サステナビリティに関するインパクトやリスクと機会の評価、ネガティブインパクトの緩和とポジティブインパクトの拡大、リスク低減と機会獲得に向けた方針、戦略及び計画について議論します。取締役会では、その進捗とともに、対応策を含めた事業計画や投融資を確認し、その進捗を監督しています。 そして、サステナビリティ委員会の社内委員である各SBU統括会社のCEOを兼務する当社執行役員は、各SBUにおけるサステナビリティ戦略及び計画を策定し、事業運営の中でネガティブなインパクトやリスクを低減し、ポジティブなインパクトや機会を獲得するための取組みを進めています。 また、当社のサステナビリティに関する取組みは、サステナビリティ担当執行役員を責任者として進めています。当該責任者は、取締役会に対して、サステナビリティに関する取組みについて報告します。そして、当該責任者の配下にサステナビリティ所管部署を設置し、当社グループのサステナビリティ関連情報の収集、インパクトやリスクと機会の識別及び評価、その対応方針と戦略の検討、施策の推進及び進捗管理、ステークホルダーとの対話等を行います。 ② リスク管理当社では、毎年、サステナビリティに関するステークホルダーの関心テーマを収集し、社会潮流の変化を分析します。そして、サステナビリティ委員会において、サステナビリティに関するインパクトやリスクと機会を評価し、対応すべき課題について審議しています。また、サステナビリティに関するリスクは、当社グループ全体のリスクマネジメントプロセスに統合して評価し、リスクマネジメント委員会において、包括的且つ一元的に管理しています。サステナビリティに関する中長期的なリスクと機会についてはサステナビリティ委員会に委任され、具体的な議論を行います。その結果はリスクマネジメント委員会に連携され、取締役会に報告されます。 サステナビリティに関するインパクトやリスクと機会の管理体制(役割と会議体) サステナビリティ委員会及びリスクマネジメント委員会については、「4 コーポレート・ガバナンスの状況等」「(1) コーポレート・ガバナンスの概要」「① 企業統治の体制の概要等について」を、気候関連のリスク管理については本項目「 (2)気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)提言に沿った情報開示」「② リスク管理」を、人的資本に関するリスク管理については本項目「(3)人的資本の強化に向けた社内環境整備・人材育成」「② リスク管理」をあわせてご参照ください。 ③ 戦略(a) サステナビリティ重要項目(マテリアリティ項目)当社では、サステナビリティに関する戦略の立案に向けて、インパクトやリスクと機会に繋がる可能性が高いと考えられる項目として、サステナビリティ重要項目(マテリアリティ項目)を特定しています。2024年3月期は、当社が社会や地球環境に対して与える影響(インパクト)と当社財務に対する影響(財務影響)の2軸で評価するダブルマテリアリティの考え方に基づき、以下のプロセスでマテリアリティ項目を特定しました。 ステップ1:サステナビリティ項目の抽出分析対象となるサステナビリティ項目の包括的なリストを作成しました。リストの作成にあたっては、外部機関が定める基準(注2)を参考にしました。 ステップ2:サステナビリティ項目の評価ステップ1で抽出した各サステナビリティ項目について、ダブルマテリアリティの考え方に基づき、インパクトと財務影響の2軸で評価を行いました。インパクトの評価においては発生可能性と深刻度(範囲・規模・是正困難度)について、財務影響の評価においては発生可能性と影響金額について、それぞれ採点を行い、採点結果を総合して優先順位付けを行いました。採点にあたっては、従業員・個人ユーザー・NGO/NPO・投資家等の多様なステークホルダーとのエンゲージメントを通じて得たフィードバックを活用しました。また、社会潮流の変化を反映すべく、国際機関やNGO/NPO等が公表している情報を参照しました。 ステップ3:マテリアリティ項目の特定ステップ2の評価結果が事業実態に即していることを、各SBU統括会社のCEO及びサステナビリティ担当役員が確認しました。その上で、社外の有識者が参加するサステナビリティ委員会での審議を経て、取締役会においてマテリアリティ項目を決議しました。 上記の分析を通じて特定したマテリアリティ項目は以下のとおりです。なお、マテリアリティ項目については、より正確に把握するために、外部機関が定める基準(注2)における詳細項目ごとに分析と特定を行いました。 リクルートグループのマテリアリティ項目 (b) 企業活動の重要基盤当社では、特定したマテリアリティ項目に関わるインパクトやリスクと機会に対応するための戦略上の重点テーマとして「企業活動の重要な基盤」を定め、取締役会の諮問機関である各委員会での審議を踏まえて取組みを進め、取締役会にて進捗確認をしています。当社が定めた「企業活動の重要な基盤」と、基盤の強化に向けた対策は以下のとおりです。 - 地球環境の保全 (マテリアリティ項目1、2に対応)当社は、すべての企業活動はあらゆる生命の生存基盤である地球環境が健全であってはじめて成り立つと考え、様々な活動を行っています。特に気候変動対策については重要テーマと位置づけ、当社グループ全体で温室効果ガス排出量のカーボンニュートラル達成に向けた目標を定め、サステナビリティ委員会での審議を踏まえて、取締役会にて進捗管理と議論をしていきます。当社の気候変動に対する取組みについては、本項目「 (2) 気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)提言に沿った情報開示」をご参照ください。 - 人的資本の強化 (マテリアリティ項目3、4、5に対応)当社グループでは、従業員の意欲を最大化することを改めて経営の重要テーマとし、特にダイバーシティ、エクイティ、インクルージョン(DEI)と従業員の職場におけるウェルビーイング、内発的動機を引き出す社内環境整備と人材育成に重点的に取組んでいます。当社の人的資本に対する取組みについては、本項目「(3) 人的資本強化に向けた社内環境整備・人材育成」もあわせてご参照ください。 - 人権の尊重 (マテリアリティ項目7、8、10、11、12、13、14、15に対応)当社は、当社グループの役員と従業員、当社グループ会社の派遣サービスに登録している方々を直接の保護の対象と位置付けて「リクルートグループ人権方針」を掲げています。また、その中に個人ユーザーの人権をより尊重する方法を追求し、サービスを進化させていく方針を含めています。人権方針は、サステナビリティ委員会での審議を踏まえて、取締役会にて決議しています。 - データセキュリティ・データプライバシーへの対応 (マテリアリティ項目6、9に対応)当社は、データセキュリティ・データプライバシー対応を当社グループの重要課題と定め、保有するデータを重要性に応じて分類し、事業内容や国・地域ごとの法規制や保護すべき情報資産の特性に応じて必要な体制や施策を整備しています。また、リスクマネジメント委員会での審議を踏まえて、取締役会にて進捗確認と議論をしています。詳細は「3 事業等のリスク」をご参照ください。 - 企業倫理の徹底 (マテリアリティ項目16、17に対応)当社グループでは、コンプライアンスを法令遵守の枠を越えて企業と個人が適正な行動を行うことで社会的な期待や要請に応えていくことであると位置づけ、事業活動の大前提としています。企業倫理の徹底のため、従業員教育等の施策、内部通報窓口の設置を行うとともに、コンプライアンス委員会での審議を踏まえて、取締役会にて進捗確認と議論をしています。詳細は、「4 コーポレート・ガバナンスの状況等」「(1)コーポレート・ガバナンスの概要」「②内部統制システム整備の状況」をご参照ください。 - コーポレート・ガバナンス (マテリアリティ項目18に対応)当社は、取締役 兼 常務執行役員 兼 COOを、サステナビリティ推進を含めたコーポレート・ガバナンスの責任者と位置づけ、指名・ガバナンス委員会及び報酬委員会での審議を踏まえて、取締役会にて適切なコーポレート・ガバナンス体制や役員報酬のあり方を確認しています。当社のコーポレート・ガバナンス方針及び役員報酬については「4 コーポレート・ガバナンスの状況等」をご参照ください。 ④ 指標及び目標当社では、2021年5月に、経営戦略の1つとして「Prosper Together - ステークホルダーとの共栄を通じた持続的な成長」を加え、地球環境や社会へのポジティブなインパクトを拡大するための具体的な指標と目標を定めた「サステナビリティへのコミットメント」を発表しました。特に、当社グループが事業として携わっている「仕事」は、人々にとって欠かせない生活基盤です。そこで、サステナビリティのコミットメントの中では、特にS(社会)の領域で事業を通じたインパクトを創出していくことで、主要な機会の獲得を目指しています。 E:Environmental 環境すべての企業活動は、あらゆる生命の生存基盤である地球環境が健全であってはじめて成り立ちます。当社グループでは、気候変動対策として、温室効果ガス(GHG: Greenhouse Gas)排出量の削減に取組みます。 環境に関するコミットメント(マテリアリティ項目1に対応)・2022年3月期中に、当社グループの事業活動(注3)において、カーボンニュートラルを目指す・2031年3月期までに、当社グループの事業活動を含むバリューチェーン全体(注3)において、カーボンニュートラルを目指す また、2031年3月期までに目指すバリューチェーン全体を含めたカーボンニュートラル(注3)に向けては、2015年12月に採択されたパリ協定が求める、地球の平均気温上昇を産業革命前と比べて1.5度未満に抑えることを目指す削減水準に沿った3カ年目標(注4)を定め、排出量削減に向けた取組みを加速しています。また、気候変動への対策に向けて、プロダクトやサービスを通じた貢献も進めていきます。当社の気候変動に対する取組みについては、本項目「 (2) 気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)提言に沿った情報開示」をご参照ください。 S:Social 社会OECDの調査によると、3カ月間収入が無い状態が続くと約40%の人々が貧困に陥ってしまう(注5)ことが分かっています。そこで、働きたいのに就業できない人を無くすことを目指して、求職者と仕事のマッチングを圧倒的に速くすることで失業期間の短縮に貢献します。また、雇用市場にはマッチングの効率化だけではすぐに解決することが難しい、様々な就業への障壁が存在します。そこで、当社グループでは、テクノロジーとパートナーシップを活用してこの障壁を低減することで、あらゆる人々の就業機会を拡大し、その失業期間の短縮に貢献します。 ソーシャルインパクトに向けたコミットメント(マテリアリティ項目8、14、15に対応)・2031年3月期までに、就業までに掛かる時間(注6)を2022年3月期比で半分に短縮することを目指す・2022年3月期から2031年3月期までに、雇用市場にある障壁を低減することで累計3,000万人(注7)の採用を支援する また、当社では、創業以来、多様な従業員一人ひとりの違いを大切にし、その好奇心から生まれるアイデアや情熱に投資することで新たな事業やサービスを生み出してきました。そこで、従業員の価値創造への意欲を最大化することを改めて経営の重要テーマとし、ダイバーシティ、エクイティ、インクルージョン(DEI)に取組みます。特に、ジェンダーについては当社グループ全体で目標を定め、取組みを加速します。 従業員の多様性に向けたコミットメント(マテリアリティ項目4、5に対応)・2031年3月期までに、当社グループ全体における上級管理職・管理職・従業員(注8)それぞれにおける女性比率を約50%にすることを目指す 2031年3月期までにそれぞれの女性比率を約50%にする目標に向けては、3カ年目標(注4)を定めて取組みを加速しています。従業員の多様性に関する詳細は「第1 企業の概況」「5 従業員の状況」「(4) 多様性に関する状況」を、当社の人的資本に対する取組みについては、本項目「(3) 人的資本強化に向けた社内環境整備・人材育成」もあわせてご参照ください。 G:Governance ガバナンス経営の透明性と健全性を向上し、経営の意思決定の質を上げるために、取締役会構成員(注9)の多様性を高めます。スキルや経験、バックグラウンドの多様性を高めることに加えて、特にジェンダーについては目標を定めて取組みます。 経営の多様性に向けたコミットメント(マテリアリティ項目4、5、18に対応)・2031年3月期までに、当社の取締役会構成員(注9)の女性比率を約50%にすべく、定時株主総会の選任議案を上程することを目指す 2031年3月期までに女性比率を約50%にする目標に向けては、3カ年目標(注4)を定めて取組みを加速しています。また、当社の業務執行取締役と主にテーマを推進する執行役員に対して、3カ年目標を定めたGHG排出量削減と女性比率向上の達成如何を、2023年3月期からの長期インセンティブ報酬(注10)の一部に連動させることを取締役会において決定し、取組みを加速しています。 2024年3月期の実績については、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」「(3)経営戦略」「Prosper Together - ステークホルダーとの共栄を通じた持続的な成長」をご参照ください。 (注1)本文書に記載の「20XX年3月期」は、その年の3月31日に終了する会計年度。(注2)外部機関が定める基準として、欧州連合(EU)の企業サステナビリティ報告指令(CSRD)やサステナビリティ会計基準審議会 (SASB) の「サステナビリティ会計基準」 等を参考にしました。(注3)事業活動における温室効果ガス(GHG: Greenhouse Gas)排出量は、スコープ1(自社が管理・所有するオフィスにて直接排出されるGHG)、スコープ2(自社が管理・所有するオフィスにて購入した電力・熱・蒸気エネルギー等の使用を通して間接的に排出されるGHG)の合計。バリューチェーン全体におけるGHG排出量は、スコープ1、2に加えて、スコープ3(スコープ1、2を除く間接的に排出されるGHG)を含むすべて。GHG排出量の測定、GHG排出量に対する第三者認証の取得、更に残存する排出量に対してオフセットを行った上で、カーボンニュートラルの達成を目指す。(注4)GHG排出削減目標については2023年3月期から2025年3月期、従業員における女性比率目標については2022年4月1日時点から2025年4月1日時点まで、取締役会構成員における女性比率については2022年7月1日時点から2025年7月1日時点までを対象とする。(注5)出典:OECD「How's Life? 2020」に基づく、OECD加盟28カ国の数値。(注6)Indeedの求人広告プラットフォームにおいて、求職者が仕事に応募してから就業するまでの推定期間。入手できた対象データの平均値。(注7)当社のオンライン求人プラットフォームを通じた支援や、当社が協働するNPO等とのパートナーシップを通じた支援等を実施。当社は、2031年3月期に向けて今後新たに発生し得る雇用市場の障壁についても、その低減を目指した取組みを更に追加する可能性がある。(注8)上級管理職は、提出会社及びマッチング&ソリューション事業においては執行役員及び専門役員、HRテクノロジー事業と人材派遣事業においては主要子会社社長及び重要機能トップを示す。管理職・従業員の女性比率は、当社グループとして提出会社、SBU統括会社及び各SBU配下の主要連結子会社を集計。管理職は部下を持つすべての管理職を示し、委任契約役員を含む。(注9)取締役会構成員は、取締役及び監査役の合計を示す。(注10)長期インセンティブ BIP信託(株式)報酬の一部として設定し、3カ年目標の達成如何によって支給有無を決定する。 (2) 気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)提言に沿った情報開示当社では、地球環境の保全は、持続的な企業価値の向上に向けてステークホルダーと共存共栄をする上で重要な企業活動の基盤であると定めています。その上で、特に気候変動については、2031年3月期までにバリューチェーン全体でカーボンニュートラル(注1)を目指す目標を定めて、温室効果ガス(GHG:Greenhouse Gas)の排出削減を進めています。その一環として、気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)提言への賛同を表明し、本項目にて、そのフレームワーク(注2)に沿って気候変動への移行計画に関する開示を行っています。 (注1)事業活動におけるGHG排出量は、スコープ1(自社が管理・所有するオフィスにて直接排出されるGHG)、スコープ2(自社が管理・所有するオフィスにて購入した電力・熱・蒸気エネルギー等の使用を通して間接的に排出されるGHG)の合計。バリューチェーン全体におけるGHG排出量は、スコープ1、2に加えて、スコープ3(スコープ1、2を除く間接的に排出されるGHG)を含むすべて。GHG排出量の測定、排出量に対する第三者認証の取得、更に残存する排出量に対してオフセットを行った上で、カーボンニュートラルの達成を目指す。(注2)気候関連財務情報開示タスクフォース(Task Force on Climate-related Financial Disclosures)が定める、気候変動関連リスク及び機会を示す項目。 ① ガバナンス(1)で記載のサステナビリティに関するガバナンスの一環として、気候変動に対するガバナンスを行っています。責任者であるサステナビリティ担当執行役員は、取締役会に対して、気候変動によるリスクや機会の評価、リスク低減と機会の獲得方法について報告します。また、当該責任者配下のサステナビリティ所管部署において、当社グループの環境関連情報の収集、GHG排出量削減の進捗管理、気候変動によるリスクや機会の識別及び評価、その対応方針の検討及び推進、ステークホルダーとの対話や関連調査を行います。 ② リスク管理前述のサステナビリティに関するテーマの一環として、気候変動によるリスク及び機会を特定し管理しています。リスク管理に対する取組みについては、本項目「(1)サステナビリティ全般に対する対応」「②リスク管理」をご参照ください。 ③ 戦略a. 戦略の前提当社は、気候変動によって平均気温が4℃上昇することが世界に大きな影響を及ぼすことを認識し、気温上昇を1.5℃未満に抑制することが重要であると考えています。そこで、複数の気候変動シナリオ(4℃と1.5℃)に基づき、2031年3月期までの短期・中期・長期のリスクと機会の発生可能性と財務影響を評価し、主要なリスクの低減及び機会の獲得に向けた対策を取締役会において確認しています。また、シナリオ分析においては、IPCC(Intergovernmental Panel on Climate Change)(注1)や国際エネルギー機関(IEA:International Energy Agency)等の国際機関及びそれに準ずる調査機関が発行するレポートを参照しています。 (注1) 代表濃度経路シナリオ(RCP: Representative Concentration Pathways)8.5, RCP1.9、共通社会経済経路(SSP: Shared Socioeconomic Pathways)5-8.5、SSP1-1.9に該当。 b. 気候変動による主要なリスク当社がシナリオ分析を経て特定した主要なリスクとその発生可能性、財務影響は以下のとおりです。財務影響は項目ごとに試算しており、金額根拠の確度が比較的高いと考えられる炭素税のみ数値で示しています。 なお、2031年3月期に向けて、発生可能性が上昇する見込みである場合は「」、発生可能性が大きく変化し ない見込みの場合は「」と記載しています。 気候変動による主要なリスク発生可能性財務影響リスク低減施策1カーボンニュートラルに向けたカーボンクレジット価格の高騰高 高2031年3月期に目指す自社の事業活動及びバリューチェーン全体を通したカーボンニュートラルに向けて、オフィスの省エネルギー化と再生可能エネルギーへの転換、リモートワーク推進や公共政策への関与(注2)、主要バリューチェーンへのエンゲージメント等を通してGHG排出量の実質削減を進める。2炭素税課税の導入及びその価格高騰高 低(約4億円(注1))3サーバーの水没や損壊低 高サーバー設置地域の水没や損壊リスクモニタリングを開始し、一定リスクに達した際に移転や代替サーバー等の検討を行う。 (注1)2031年3月期時点の炭素税算定における前提は以下のとおり。・炭素税価格はInternational Institute for Applied Systems Analysis提供のNGFS Climate Scenarios for central banks and supervisors (2023 version, Net Zero 2050シナリオ)を参照し、約$300/t-CO2とする。・当社グループの事業活動におけるGHG排出量(Scope1,2)は2023年3月期の実績である約9,600t-CO2を用いる。(注2)当社グループでは、パリ協定及び気候変動戦略の目標に照らして、気候変動におけるすべてのエンゲージメント活動(バリューチェーンとの協働、業界団体への加盟、公共政策への関与、及び関連する活動の検討等)の実施可否を評価し、担当執行役員の承認を得て実施しています。 今回の分析を通じて、事業戦略に影響を及ぼす重大なリスクは特定されませんでした。今後も、前述のガバナンス体制の下で気候変動が当社グループに及ぼす影響を注視し、継続的に評価の見直しと情報開示を充実させていきます。 c. 気候変動による主要な機会当社グループが特定した主要な機会とその発生可能性、財務影響は以下のとおりです。 なお、2031年3月期に向けて、発生可能性が上昇する見込みである場合は「」と記載しています。 気候変動による主要な機会発生可能性財務影響1気候変動への適応に向けた労働移動の取込み中高2低炭素社会実現に向けた求人ニーズの取込み高中 今回のシナリオ分析を通じて、当社が定める3つの経営戦略であるSimplify Hiring、Help Businesses Work Smarter そしてProsper Togetherを推進することが、気候変動に対するレジリエンスを高め、主要リスクを低減し、機会を獲得することに繋がることを確認しました。今後も気候変動に関する社会やステークホルダーの動向を注視し、その変化を捉えて当社グループの機会としていくことで、労働市場のレジリエンスと持続可能性の向上に貢献したいと考えています。具体的な取組みについては、本項目「(1)サステナビリティ全般に対する対応」「サステナビリティへのコミットメント」をご参照ください。 ④ 指標・目標と実績a. 指標当社では、GHGプロトコルに則った温室効果ガス排出量(Scope1,2,3の絶対量(注1,2))を、気候関連のリスクと機会を管理する指標に定めています。 b. 目標当社は、2021年5月に発表した「サステナビリティのコミットメント」において、2022年3月期までに自らの事業活動におけるカーボンニュートラル(注1,3)、2031年3月期までにバリューチェーン全体におけるカーボンニュートラルを目指す目標を経営戦略として定めています(注2,3)。そして、カーボンニュートラルの達成に向けては、SBTi(Science Based Targets initiative)より認定を取得した以下の「1.5℃目標」(注4)に基づき排出削減を進めると共に、残存排出量のオフセットを行います。 ・スコープ1+2(注1):GHG排出量を2030年度までに46.2%削減 (基準年2019年度)・スコープ3(注2):GHG排出量を2030年度までに30%削減 (基準年2019年度) また、当社の業務執行取締役と主にテーマを推進する執行役員に対して、3カ年目標を定めたGHG排出量削減の達成如何を、2023年3月期からの長期インセンティブ報酬(注5)の一部に連動させることを取締役会において決定しています。詳細は本項目「(1)サステナビリティ全般に対する対応」「④指標及び目標」をご覧ください。 c. 実績当社では、2020年3月期より、GHGプロトコルに則ったGHG排出量の算定を開始し、2023年3月期の事業活動を通じた排出量(Scope1+2)は9,551t-CO2(前年比+1.6%)(注6)。このスコープ1及び2のGHG排出量については第三者保証(注7)を取得しています。また、短期目標である2023年3月期事業活動におけるスコープ1及び2のカーボンニュートラルは、計画どおり達成しています(注1,3)。 2020年3月期(注5)(t-CO2)2021年3月期(注5)(t-CO2)2022年3月期(注5)(t-CO2)2023年3月期(注5)(t-CO2)Scope 112,2687,5269,0537,289Scope 2(マーケットベース)29,85412,8313512,262Scope 1+2(マーケットベース)42,12220,3579,4049,551 (注1)事業活動における温室効果ガス(GHG: Greenhouse Gas)排出量は、スコープ1(自社が管理・所有するオフィスにて直接排出されるGHG)、スコープ2(自社が管理・所有するオフィスにて購入した電力・熱・蒸気エネルギー等の使用を通して間接的に排出されるGHG)の合計。(注2)バリューチェーン全体におけるGHG排出量は、スコープ1、2に加えて、スコープ3(スコープ1、2を除く間接的に排出されるGHG)を含むすべて。(注3)GHG排出量に対して第三者認証を取得。更に残存排出量に対してオフセットを行い、カーボンニュートラル第三者認証も取得している。2022年3月期及び2023年3月期に引き続き、2024年3月期のカーボンニュートラルも達成予定。(注4)The Science Based Targets initiative (SBTi)が定めるGHG排出量削減に関わる短期目標であり、企業が設定する目標値を地球温暖化を産業革命前の温度レベルと比較して1.5℃以内に維持するために必要な削減のレベルと一致させることを前提に定められている。(注5)GHG排出削減目標については2023年3月期から2025年3月期の実績を対象とする。長期インセンティブ BIP信託(株式)報酬の一部として設定し、3カ年目標の達成如何によって支給有無を決定する。(注6)GHG排出量の数値は、すべて概数。(注7)GHG排出量はSOCOTEC Certification Japan及びSCS Global Servicesによる「独立した第三者保証」を受領。 (3) 人的資本の強化に向けた社内環境整備・人材育成当社では、人的資本の強化を重要な企業活動の基盤として定め、持続的な企業価値の向上に向けた社会環境の整備と人材育成を進めています。 ① ガバナンス当社は、グループの基幹組織設計と主要ポストのサクセション、多様性向上に向けた風土醸成を主軸に人的資本強化に向けたガバナンスを行っています。経営戦略の実現に向けた基幹組織と人事については、指名・ガバナンス委員会での諮問を経て、取締役会において決議しています。また、当社グループの主要事業や機能トップといった主要ポストのサクセションに向けては、経営戦略会議の諮問機関として「人材開発委員会」を設置し、当社CEOが議長となり、戦略ビジネスユニット(SBU: Strategic Business Unit) ごとにサクセション議論とその進捗確認を行なっています。ポストごとに求める職務要件や人材要件を定め、短期・中長期の候補者を選定し、候補者の強みと課題を明らかにした上で育成計画を議論します。そして、年に1回、育成状況の進捗確認を行うことで取組みを加速しています。多様性の向上に向けた施策については「(1)サステナビリティ全般に対する対応」「③戦略」「(b) 企業活動の重要基盤」を、また従業員の多様性の状況については「第1 企業の概況」「5 従業員の状況」「(4) 多様性に関する状況」をご参照ください。 また、人的資本の責任者である取締役兼COOは、取締役会に対して、人的資本に関するリスクや機会の評価、その対応策を含んだ組織人事案について報告します。また、当該責任者の配下に人事所管部署を設置し、経営戦略の実現に向けて最適なグループストラクチャーや基幹人事の検討、主要ポストのサクセション、多様性の向上に向けた風土醸成の推進等を行います。 人的資本強化に向けたグループ推進体制 ② リスク管理人的資本に関する中長期的なリスク及び機会の議論は人材開発委員会に委任され、リスク低減と機会獲得に向けた組織人事案に関する具体的な議論を行い、その結果は取締役会に報告されます。また、人的資本に関するリスクについてはリスクマネジメント委員会に連携され、取締役会に報告された上で、当社グループ全体のリスクマネジメントプロセスに統合して評価し、リスクマネジメント委員会において包括的且つ一元的に管理しています。 ③ 戦略と指標及び目標当社は、グループの基幹組織設計、主要ポストのサクセションと多様性向上の方針をガバナンスした上で、事業の成功に向けては、ビジネスモデルや事業戦略と人材・組織戦略との合致(アラインメント)が何よりも重要であると考えています。そこで当社では、組織人事に関する主要な権限をSBUに移譲し、事業戦略との接続を強化しています。各SBUでは、事業成功に向けて重要な人的資本に関する指標や目標を定めて取組みを進めていますが、当社が最も重視する多様性向上については、グループで指標と目標を定めて取組みを加速しています。 a.多様な個人の好奇心や情熱を最大化する当社は、創業以来、大切にする価値観(バリューズ)として「個の尊重 - Bet on Passion」を掲げ、多様な従業員一人ひとりの違いを尊重し、その好奇心から生まれるアイデアや情熱に投資することで、新たなサービスや事業を生み出してきました。そこで、多様な個人の好奇心や情熱こそが競争優位の源泉であると考え、個人の内発的動機を高めるための社内環境整備を行っています。 まず、多様な個人の違いを尊重する起点として、「リクルートグループ人権方針」において、企業活動において階級や人種、肌の色、性別、言語、宗教、ジェンダー、年齢、政治的・その他の意見、国民的若しくは社会的出身、国籍、財産、性的指向、性自認、障がい、出生等を理由とした差別や人権侵害を行わないように努め、すべての人々に平等な機会を提供し、その人らしい生き方や働き方を尊重することを定めています。そして、国や地域、事業に応じて多様性を高めるためのテーマを定めて取組んでいますが、グループ共通の課題であるジェンダーについては、経営戦略の一環として指標と目標を定め、サステナビリティ委員会での審議を踏まえて、取締役会にて進捗確認をしています。具体的な指標・目標については「(1)サステナビリティ全般に対する対応」「③主要なリスクと機会」「c. 戦略と指標・目標」「(b) サステナビリティのコミットメント-S(Social)」を、また従業員の多様性の状況については「第1 企業の概況」「5 従業員の状況」「(4) 多様性に関する状況」をご参照ください。 また、当社グループでは、人的資本及び知的財産への投資の一環として、多様な個人の内発性動機を最大限に引き出す組織文化の醸成に継続的に取組んでいます。その実現に向けて、例えば、当社及び国内外の主要子会社では従業員エンゲージメント・サーベイを行い、従業員のエンゲージメント向上に向けて対処すべき課題を把握し、組織風土を継続的に改善するサイクルを実施しています。 各SBUにおける組織文化の醸成に向けた取組みは以下をご確認ください。 HRテクノロジーSBU HRテクノロジーSBUは、当社グループが保有する膨大なデータとテクノロジーを活用して、より効率的な求職活動及び採用活動を実現するためのグローバル人材マッチングプラットフォームを運営しています。この事業成功に向けては、世界中から、エンジニアをはじめとした優秀な人材を獲得し、中長期的な事業価値向上に向けて従業員の意欲を高めていくことが重要です。 そこで、2021年より、役員や従業員を対象とした株式交付制度(Employee Stock Ownership Plan信託)を導入し、グローバルに展開する上場テクノロジー企業と比肩する採用競争力を確保するとともに、当社の中長期的な企業価値向上に向けた貢献意欲を高めています。また、主要子会社であるIndeedでは、従業員のパフォーマンス向上やイノベーションの促進、そしてキャリアアップの支援を目的に、様々な研修プログラムを提供してい ま す。たとえば「 Indeedスキルアカデミー」と呼ばれる学習プラットフォームを通じて、従業員は複数のメンバーから成るコミュニティにおいて同僚や専門家から学ぶ、あるいは自分のペースで学ぶ等、自分で学ぶ環境を選択し、継続して学習できるようになりました。 また、多様な従業員の働く意欲を高めるために、従業員データを活用して、採用から退職までの従業員ライフサイクル全体における従業員エクスペリエンスの向上に取組んでいます。また、更なる多様性の向上に向けては、候補者の多様性を担保した上で採用面接や任用検討を始めるインクルーシブ・インタビュー・ルールを展開するとともに、従業員主導で会社横断の課題を解決するために組成されているインクルージョン・ビジネス・リソース・グループ(IBRGs)と連携して、様々なマイノリティ従業員のエクスペリエンス改善を目指しています。 そして、多様な働き方のニーズに応えるために、従業員の健康やワークライフバランス、ウェルビーイングを高めるための制度や仕組みを整備しています。例えば、必要に応じて有給を追加取得できるオープン有給休暇制度を設定しています。また、快適な在宅勤務に向けた周辺機器の提供や、オフィスにフィットネススペースを用意する等によって快適なワークプレイスの実現を支援しています。 マッチング&ソリューションSBU マッチング&ソリューションSBUでは、日本を主な市場として、販促オンラインプラットフォームや人材マッチングサービス、SaaSソリューション等を運営しています。これらの事業成功に向けては、多様な従業員のアイデアや情熱から生まれる市場ニーズを捉えたプロダクトやサービス開発を促進することに加えて、進化を続ける個人が集まりチームとしての力を最大化することが重要です。 そこで、「価値の源泉は人」を基本方針として、年齢や入社年次、経験に関係なく従業員の可能性に期待して求める役割と報酬を決める「ミッショングレード制度」、従業員の意志を起点として仕事を通じた能力開発を行う「Will-Can-Mustシート」、組織全体で従業員の進化に向けた機会提供を議論する「人材開発委員会」、自ら手を挙げて仕事機会を獲得する社内異動の仕組みである「キャリアウェブ」、自ら発見した社会の不や違和感から新規ビジネスを創造する「Ring」、イノベーティブな仕事とナレッジを共有する「FORUM」を軸として人材マネジメントを行うことで、従業員と組織の自律的な進化を促進しています。 また、事業戦略の実現に向けては、ポストごとに人材要件を定めて人材獲得と育成を進めています。中途採用はもちろん新卒採用においても、ビジネスグロース、プロダクトグロース、エンジニア、データスペシャリスト、デザイン、ファイナンスといった職種別採用を行うことで、個人の志向やスキル、経験を活かした活躍を促進しています。 そして、能力開発を促進する配置やミッションアサインといったOJTと、それをサポートするOFFJTを組み合わせて育成を進めています。OFF-JTとしては、プロダクト開発者向けのITブートキャンプ研修や、役割変更後の早期立ち上がりを支援するトランジション研修等様々なプログラムを用意しています。 あわせて、「公園(CO-EN/Co-Encounter)」を新たなコンセプトとして、一人ひとりの好奇心や情熱を起点に組織や会社の垣根を超えた協働や協創を生み出し、価値創造につなげる場を目指しています。その実現に向け、個人とチームが自律的に生産性高く働き、創造性を最大限発揮できるように、副業兼業や再入社等を通じて社外で自己実現することも応援する環境を整備し、多様な働き方のニーズに応えています。 また、2006年にはDEI推進の専門組織を立ち上げ、多様な従業員の「働きやすさ」向上に向けた制度やサポート体制の整備を進めてきました。そして、2021年からは、多様な個人の活躍を推進する「働きがい」の向上に向けて、まずはジェンダーについて管理職比率の目標を定めて取組みを加速しています。その一つである「管理職要件の明文化」では、女性と男性の両方の管理職候補者が増え、多様なリーダーが生まれる兆しが出てきています。また、エンゲージメントサーベイを含めた様々な従業員データを用いて人的資本を可視化することで、その強化に向けた取組みを加速しています。 人材派遣SBU 人材派遣SBUは、多くの国や地域や業界で、求職者に就業機会を、企業クライアントに柔軟な労働サービスを提供し、調整後EBITDAマージンの維持改善を通じて安定的な事業運営を目指しています。この実現に向けては、対峙する地域や市場ごとに、EBITDAマージンを最大化するために最適な意思決定を、柔軟且つ迅速に行うことが重要です。 この実現に向けて、SBU配下の子会社に「ユニット経営」と呼ばれる経営手法を導入しています。「ユニット経営」では、権限移譲されたユニットの長が、自分のユニットを独立した会社のように運営します。ユニットごとの自由裁量を促すことで責任者の当事者意識を高め、迅速で質の高い意思決定を促進する仕組みです。この経営手法によって、従業員は、成果に向けて意思決定をする権限を持つことで高い貢献意欲を持つとともに、リーダーとして意思決定力を高める機会を得ています。 また、意思決定ボードの多様性を重視し、主要ポストのサクセションプランニングでは候補者の多様性を担保してから採用や任用を議論する仕組みを導入しています。あわせて、会社や国を超えてSBU全体で多様なリーダーを育成するためのグローバルメンター制度を導入しています。 あわせて、国や地域を超えて主要子会社においてエンゲージメントサーベイを導入し、従業員のエンゲージメントを定点把握することで、組織風土を継続的に改善するサイクルを実施しています。 b. 社会の「不」の解消に向けて、組織を変え続けるまた、当社では「新たな価値の創造 - Wow the World」を掲げ、社会の「不」を解消するために従業員が生み出すプロダクトやサービスを起点に、市場環境の変化にあわせて組織を変容(トランスフォーメーション)し続けてきました。当社では、多様な従業員を起点にした価値創造サイクルを強化し、会社を変容し続ける力を経営における重要なスキルであると定め、社内・社外問わずすべての取締役会メンバーに求めるスキルとして「トランスフォーメーション」を特定しています。取締役会のスキル要件については「4 コーポレート・ガバナンスの状況等 」「(1) コーポレート・ガバナンスの概要 」「① 企業統治の体制の概要等について」を、具体的な指標・目標については本項目「(1)サステナビリティ全般に対する対応」「④指標及び目標」「G:Governance ガバナンス」をご参照ください。 リクルートグループの価値創造サイクル 当社グループの人的資本については「Recruit Group Profile」「リクルートの人的資本経営」(https://recruit-holdings.com/files/sustainability/data/Recruit_insideout2023_ja.pdf#page=32)を、人的資本に関するデータや詳細施策については「ESG Data Book」「社会」「人的資本」(https://recruit-holdings.com/en/sustainability/data/、2024年6月・2025年1月の年2回更新予定)をご参照ください。 |
戦略 | ③ 戦略(a) サステナビリティ重要項目(マテリアリティ項目)当社では、サステナビリティに関する戦略の立案に向けて、インパクトやリスクと機会に繋がる可能性が高いと考えられる項目として、サステナビリティ重要項目(マテリアリティ項目)を特定しています。2024年3月期は、当社が社会や地球環境に対して与える影響(インパクト)と当社財務に対する影響(財務影響)の2軸で評価するダブルマテリアリティの考え方に基づき、以下のプロセスでマテリアリティ項目を特定しました。 ステップ1:サステナビリティ項目の抽出分析対象となるサステナビリティ項目の包括的なリストを作成しました。リストの作成にあたっては、外部機関が定める基準(注2)を参考にしました。 ステップ2:サステナビリティ項目の評価ステップ1で抽出した各サステナビリティ項目について、ダブルマテリアリティの考え方に基づき、インパクトと財務影響の2軸で評価を行いました。インパクトの評価においては発生可能性と深刻度(範囲・規模・是正困難度)について、財務影響の評価においては発生可能性と影響金額について、それぞれ採点を行い、採点結果を総合して優先順位付けを行いました。採点にあたっては、従業員・個人ユーザー・NGO/NPO・投資家等の多様なステークホルダーとのエンゲージメントを通じて得たフィードバックを活用しました。また、社会潮流の変化を反映すべく、国際機関やNGO/NPO等が公表している情報を参照しました。 ステップ3:マテリアリティ項目の特定ステップ2の評価結果が事業実態に即していることを、各SBU統括会社のCEO及びサステナビリティ担当役員が確認しました。その上で、社外の有識者が参加するサステナビリティ委員会での審議を経て、取締役会においてマテリアリティ項目を決議しました。 上記の分析を通じて特定したマテリアリティ項目は以下のとおりです。なお、マテリアリティ項目については、より正確に把握するために、外部機関が定める基準(注2)における詳細項目ごとに分析と特定を行いました。 リクルートグループのマテリアリティ項目 (b) 企業活動の重要基盤当社では、特定したマテリアリティ項目に関わるインパクトやリスクと機会に対応するための戦略上の重点テーマとして「企業活動の重要な基盤」を定め、取締役会の諮問機関である各委員会での審議を踏まえて取組みを進め、取締役会にて進捗確認をしています。当社が定めた「企業活動の重要な基盤」と、基盤の強化に向けた対策は以下のとおりです。 - 地球環境の保全 (マテリアリティ項目1、2に対応)当社は、すべての企業活動はあらゆる生命の生存基盤である地球環境が健全であってはじめて成り立つと考え、様々な活動を行っています。特に気候変動対策については重要テーマと位置づけ、当社グループ全体で温室効果ガス排出量のカーボンニュートラル達成に向けた目標を定め、サステナビリティ委員会での審議を踏まえて、取締役会にて進捗管理と議論をしていきます。当社の気候変動に対する取組みについては、本項目「 (2) 気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)提言に沿った情報開示」をご参照ください。 - 人的資本の強化 (マテリアリティ項目3、4、5に対応)当社グループでは、従業員の意欲を最大化することを改めて経営の重要テーマとし、特にダイバーシティ、エクイティ、インクルージョン(DEI)と従業員の職場におけるウェルビーイング、内発的動機を引き出す社内環境整備と人材育成に重点的に取組んでいます。当社の人的資本に対する取組みについては、本項目「(3) 人的資本強化に向けた社内環境整備・人材育成」もあわせてご参照ください。 - 人権の尊重 (マテリアリティ項目7、8、10、11、12、13、14、15に対応)当社は、当社グループの役員と従業員、当社グループ会社の派遣サービスに登録している方々を直接の保護の対象と位置付けて「リクルートグループ人権方針」を掲げています。また、その中に個人ユーザーの人権をより尊重する方法を追求し、サービスを進化させていく方針を含めています。人権方針は、サステナビリティ委員会での審議を踏まえて、取締役会にて決議しています。 - データセキュリティ・データプライバシーへの対応 (マテリアリティ項目6、9に対応)当社は、データセキュリティ・データプライバシー対応を当社グループの重要課題と定め、保有するデータを重要性に応じて分類し、事業内容や国・地域ごとの法規制や保護すべき情報資産の特性に応じて必要な体制や施策を整備しています。また、リスクマネジメント委員会での審議を踏まえて、取締役会にて進捗確認と議論をしています。詳細は「3 事業等のリスク」をご参照ください。 - 企業倫理の徹底 (マテリアリティ項目16、17に対応)当社グループでは、コンプライアンスを法令遵守の枠を越えて企業と個人が適正な行動を行うことで社会的な期待や要請に応えていくことであると位置づけ、事業活動の大前提としています。企業倫理の徹底のため、従業員教育等の施策、内部通報窓口の設置を行うとともに、コンプライアンス委員会での審議を踏まえて、取締役会にて進捗確認と議論をしています。詳細は、「4 コーポレート・ガバナンスの状況等」「(1)コーポレート・ガバナンスの概要」「②内部統制システム整備の状況」をご参照ください。 - コーポレート・ガバナンス (マテリアリティ項目18に対応)当社は、取締役 兼 常務執行役員 兼 COOを、サステナビリティ推進を含めたコーポレート・ガバナンスの責任者と位置づけ、指名・ガバナンス委員会及び報酬委員会での審議を踏まえて、取締役会にて適切なコーポレート・ガバナンス体制や役員報酬のあり方を確認しています。当社のコーポレート・ガバナンス方針及び役員報酬については「4 コーポレート・ガバナンスの状況等」をご参照ください。 |
指標及び目標 | ④ 指標及び目標当社では、2021年5月に、経営戦略の1つとして「Prosper Together - ステークホルダーとの共栄を通じた持続的な成長」を加え、地球環境や社会へのポジティブなインパクトを拡大するための具体的な指標と目標を定めた「サステナビリティへのコミットメント」を発表しました。特に、当社グループが事業として携わっている「仕事」は、人々にとって欠かせない生活基盤です。そこで、サステナビリティのコミットメントの中では、特にS(社会)の領域で事業を通じたインパクトを創出していくことで、主要な機会の獲得を目指しています。 E:Environmental 環境すべての企業活動は、あらゆる生命の生存基盤である地球環境が健全であってはじめて成り立ちます。当社グループでは、気候変動対策として、温室効果ガス(GHG: Greenhouse Gas)排出量の削減に取組みます。 環境に関するコミットメント(マテリアリティ項目1に対応)・2022年3月期中に、当社グループの事業活動(注3)において、カーボンニュートラルを目指す・2031年3月期までに、当社グループの事業活動を含むバリューチェーン全体(注3)において、カーボンニュートラルを目指す また、2031年3月期までに目指すバリューチェーン全体を含めたカーボンニュートラル(注3)に向けては、2015年12月に採択されたパリ協定が求める、地球の平均気温上昇を産業革命前と比べて1.5度未満に抑えることを目指す削減水準に沿った3カ年目標(注4)を定め、排出量削減に向けた取組みを加速しています。また、気候変動への対策に向けて、プロダクトやサービスを通じた貢献も進めていきます。当社の気候変動に対する取組みについては、本項目「 (2) 気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)提言に沿った情報開示」をご参照ください。 S:Social 社会OECDの調査によると、3カ月間収入が無い状態が続くと約40%の人々が貧困に陥ってしまう(注5)ことが分かっています。そこで、働きたいのに就業できない人を無くすことを目指して、求職者と仕事のマッチングを圧倒的に速くすることで失業期間の短縮に貢献します。また、雇用市場にはマッチングの効率化だけではすぐに解決することが難しい、様々な就業への障壁が存在します。そこで、当社グループでは、テクノロジーとパートナーシップを活用してこの障壁を低減することで、あらゆる人々の就業機会を拡大し、その失業期間の短縮に貢献します。 ソーシャルインパクトに向けたコミットメント(マテリアリティ項目8、14、15に対応)・2031年3月期までに、就業までに掛かる時間(注6)を2022年3月期比で半分に短縮することを目指す・2022年3月期から2031年3月期までに、雇用市場にある障壁を低減することで累計3,000万人(注7)の採用を支援する また、当社では、創業以来、多様な従業員一人ひとりの違いを大切にし、その好奇心から生まれるアイデアや情熱に投資することで新たな事業やサービスを生み出してきました。そこで、従業員の価値創造への意欲を最大化することを改めて経営の重要テーマとし、ダイバーシティ、エクイティ、インクルージョン(DEI)に取組みます。特に、ジェンダーについては当社グループ全体で目標を定め、取組みを加速します。 従業員の多様性に向けたコミットメント(マテリアリティ項目4、5に対応)・2031年3月期までに、当社グループ全体における上級管理職・管理職・従業員(注8)それぞれにおける女性比率を約50%にすることを目指す 2031年3月期までにそれぞれの女性比率を約50%にする目標に向けては、3カ年目標(注4)を定めて取組みを加速しています。従業員の多様性に関する詳細は「第1 企業の概況」「5 従業員の状況」「(4) 多様性に関する状況」を、当社の人的資本に対する取組みについては、本項目「(3) 人的資本強化に向けた社内環境整備・人材育成」もあわせてご参照ください。 G:Governance ガバナンス経営の透明性と健全性を向上し、経営の意思決定の質を上げるために、取締役会構成員(注9)の多様性を高めます。スキルや経験、バックグラウンドの多様性を高めることに加えて、特にジェンダーについては目標を定めて取組みます。 経営の多様性に向けたコミットメント(マテリアリティ項目4、5、18に対応)・2031年3月期までに、当社の取締役会構成員(注9)の女性比率を約50%にすべく、定時株主総会の選任議案を上程することを目指す 2031年3月期までに女性比率を約50%にする目標に向けては、3カ年目標(注4)を定めて取組みを加速しています。また、当社の業務執行取締役と主にテーマを推進する執行役員に対して、3カ年目標を定めたGHG排出量削減と女性比率向上の達成如何を、2023年3月期からの長期インセンティブ報酬(注10)の一部に連動させることを取締役会において決定し、取組みを加速しています。 2024年3月期の実績については、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」「(3)経営戦略」「Prosper Together - ステークホルダーとの共栄を通じた持続的な成長」をご参照ください。 (注1)本文書に記載の「20XX年3月期」は、その年の3月31日に終了する会計年度。(注2)外部機関が定める基準として、欧州連合(EU)の企業サステナビリティ報告指令(CSRD)やサステナビリティ会計基準審議会 (SASB) の「サステナビリティ会計基準」 等を参考にしました。(注3)事業活動における温室効果ガス(GHG: Greenhouse Gas)排出量は、スコープ1(自社が管理・所有するオフィスにて直接排出されるGHG)、スコープ2(自社が管理・所有するオフィスにて購入した電力・熱・蒸気エネルギー等の使用を通して間接的に排出されるGHG)の合計。バリューチェーン全体におけるGHG排出量は、スコープ1、2に加えて、スコープ3(スコープ1、2を除く間接的に排出されるGHG)を含むすべて。GHG排出量の測定、GHG排出量に対する第三者認証の取得、更に残存する排出量に対してオフセットを行った上で、カーボンニュートラルの達成を目指す。(注4)GHG排出削減目標については2023年3月期から2025年3月期、従業員における女性比率目標については2022年4月1日時点から2025年4月1日時点まで、取締役会構成員における女性比率については2022年7月1日時点から2025年7月1日時点までを対象とする。(注5)出典:OECD「How's Life? 2020」に基づく、OECD加盟28カ国の数値。(注6)Indeedの求人広告プラットフォームにおいて、求職者が仕事に応募してから就業するまでの推定期間。入手できた対象データの平均値。(注7)当社のオンライン求人プラットフォームを通じた支援や、当社が協働するNPO等とのパートナーシップを通じた支援等を実施。当社は、2031年3月期に向けて今後新たに発生し得る雇用市場の障壁についても、その低減を目指した取組みを更に追加する可能性がある。(注8)上級管理職は、提出会社及びマッチング&ソリューション事業においては執行役員及び専門役員、HRテクノロジー事業と人材派遣事業においては主要子会社社長及び重要機能トップを示す。管理職・従業員の女性比率は、当社グループとして提出会社、SBU統括会社及び各SBU配下の主要連結子会社を集計。管理職は部下を持つすべての管理職を示し、委任契約役員を含む。(注9)取締役会構成員は、取締役及び監査役の合計を示す。(注10)長期インセンティブ BIP信託(株式)報酬の一部として設定し、3カ年目標の達成如何によって支給有無を決定する。 |
人材の育成及び社内環境整備に関する方針に関する指標の内容並びに当該指標を用いた目標及び実績、指標及び目標 | ソーシャルインパクトに向けたコミットメント(マテリアリティ項目8、14、15に対応)・2031年3月期までに、就業までに掛かる時間(注6)を2022年3月期比で半分に短縮することを目指す・2022年3月期から2031年3月期までに、雇用市場にある障壁を低減することで累計3,000万人(注7)の採用を支援する また、当社では、創業以来、多様な従業員一人ひとりの違いを大切にし、その好奇心から生まれるアイデアや情熱に投資することで新たな事業やサービスを生み出してきました。そこで、従業員の価値創造への意欲を最大化することを改めて経営の重要テーマとし、ダイバーシティ、エクイティ、インクルージョン(DEI)に取組みます。特に、ジェンダーについては当社グループ全体で目標を定め、取組みを加速します。 従業員の多様性に向けたコミットメント(マテリアリティ項目4、5に対応)・2031年3月期までに、当社グループ全体における上級管理職・管理職・従業員(注8)それぞれにおける女性比率を約50%にすることを目指す 2031年3月期までにそれぞれの女性比率を約50%にする目標に向けては、3カ年目標(注4)を定めて取組みを加速しています。従業員の多様性に関する詳細は「第1 企業の概況」「5 従業員の状況」「(4) 多様性に関する状況」を、当社の人的資本に対する取組みについては、本項目「(3) 人的資本強化に向けた社内環境整備・人材育成」もあわせてご参照ください。 G:Governance ガバナンス経営の透明性と健全性を向上し、経営の意思決定の質を上げるために、取締役会構成員(注9)の多様性を高めます。スキルや経験、バックグラウンドの多様性を高めることに加えて、特にジェンダーについては目標を定めて取組みます。 経営の多様性に向けたコミットメント(マテリアリティ項目4、5、18に対応)・2031年3月期までに、当社の取締役会構成員(注9)の女性比率を約50%にすべく、定時株主総会の選任議案を上程することを目指す 2031年3月期までに女性比率を約50%にする目標に向けては、3カ年目標(注4)を定めて取組みを加速しています。また、当社の業務執行取締役と主にテーマを推進する執行役員に対して、3カ年目標を定めたGHG排出量削減と女性比率向上の達成如何を、2023年3月期からの長期インセンティブ報酬(注10)の一部に連動させることを取締役会において決定し、取組みを加速しています。 2024年3月期の実績については、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」「(3)経営戦略」「Prosper Together - ステークホルダーとの共栄を通じた持続的な成長」をご参照ください。 |
経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 | 4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】 文中の将来に関する事項は、別段の記載がない限り当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。 (1) 経営成績等の分析① 連結経営成績の概況 (注) 「調整額」調整後の数値を記載しているため、各セグメントの金額合計と一致していません。 当連結会計年度の売上収益は3兆4,164億円(前連結会計年度比0.4%減)となりました。マッチング&ソリューション事業と人材派遣事業は増収となったものの、HRテクノロジー事業は減収となり、連結売上収益は減少しました。為替によるプラス影響1,282億円を控除した売上収益は前連結会計年度比4.1%減となりました。 当連結会計年度の営業利益は4,025億円(前連結会計年度比16.9%増)となりました。これは主に、広告宣伝費及び人件費の削減を含むコストコントロールを実施したことに加え、前期にHRテクノロジー事業の人員削減に伴う費用を計上したことによるものです。 当連結会計年度の税引前利益は4,262億円(前連結会計年度比15.9%増)となりました。 当連結会計年度の当期利益、親会社の所有者に帰属する当期利益はそれぞれ3,545億円(前連結会計年度比30.5%増)、3,536億円(前連結会計年度比31.1%増)となりました。営業利益が増加し、また、HRテクノロジー事業の組織再編に伴う一過性の影響により、連結税負担率が減少しました。 当連結会計年度の調整後EBITDAマージンは、各事業において将来の成長のための投資は継続しながらも、主に人件費と広告宣伝費を中心にコストコントロールを実施したことから、17.5%(前連結会計年度は15.9%)、調整後EBITDAは5,983億円(前連結会計年度比9.8%増)、調整後EPSは241.11円(前連結会計年度比20.9%増)となりました。 当連結会計年度の研究開発費は1,548億円となりました(前連結会計年度比8.4%減)。主な内訳は、新プロダクトの開発や新しいテクノロジーを活用した既存プロダクトの改善に係るエンジニア及びテクノロジー開発担当者の人件費であり、その大半はHRテクノロジー事業に関連するものです。 重要な会計方針、見積り及び仮定 当社グループの連結財務諸表は、IFRSに準拠して作成されています。 連結財務諸表を作成するに当たり、重要となる会計方針については主に「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 3.重要性がある会計方針」に記載しています。重要な見積り及び仮定については主に「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 4 重要な会計上の判断、会計上の見積り及び仮定」に記載しています。なお、のれんの減損テストで用いた主要な仮定については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 連結財務諸表注記 11 のれん及び無形資産」に記載しています。 また、見積り及び仮定は、過去の実績や、合理的だと考えられる様々な要因に基づく経営者の最善の判断に基づいています。しかし、これらの見積り及び仮定には不確実性が存在するため、翌期以降の連結財務諸表において認識する金額と異なる場合があります。 ② セグメント業績の概況HRテクノロジー事業 当連結会計年度の売上収益は9.3%減の1兆118億円、米ドルベース売上収益は15.0%減となりました。引き続き採用需要の平準化が進み、求職者と企業クライアント間の需給の乖離が緩和しました。 当連結会計年度の調整後EBITDAマージンは34.0%となり、前連結会計年度の30.7%から増加しました。調整後EBITDAは0.6%増の3,443億円となりました。将来の成長に向けて、新しい商品やテクノロジー開発に係る投資は継続しながらも、主に人件費と広告宣伝費を中心にコストコントロールを実施しました。 マッチング&ソリューション事業 (注) 「その他/消去」調整後の数値を記載しているため、各セグメントの金額合計と一致していません。 当連結会計年度の売上収益は前連結会計年度比6.2%増の8,078億円となりました。 人材領域では、売上収益は前連結会計年度比2.5%増となりました。人材紹介サービスは増収となったものの、求人広告サービスが減収となりました。 販促領域の売上収益は前連結会計年度比9.0%増となりました。販促領域は美容、旅行、飲食分野とAir ビジネスツールズを含む業務支援SaaSを合計した分野、住宅分野、その他のサービスを合計した分野のすべてで増収となりました。 当連結会計年度の調整後EBITDAマージンは、生産性向上に向けたコストコントロールを実施したことから、20.3%と前連結会計年度比で増加し、調整後EBITDAは49.0%増の1,636億円となりました。 人材派遣事業 (注) 欧州、米国、豪州の各売上収益は、欧州、米国及び豪州における子会社の所在地で分解しています。 当連結会計年度の売上収益は前連結会計年度比3.1%増の1兆6,342億円となり、為替によるプラス影響648億円を控除した場合の売上収益は前連結会計年度比1.0%減となりました。 日本の売上収益は、人材派遣需要が引き続き増加したことで稼働人数が前年同期の水準を上回ったことにより、前連結会計年度比で9.9%増となりました。 欧州、米国及び豪州においては、前連結会計年度比で売上収益は2.1%減、また為替によるプラス影響648億円を控除した場合の売上収益は前連結会計年度比9.2%減となりました。不透明な経済環境の見通しにより、人材派遣需要の鈍化が見られました。 当連結会計年度の調整後EBITDAマージンは6.0%となり、前連結会計年度の6.5%から減少し、調整後EBITDAは4.2%減の979億円となりました。これは主に、将来の成長に向け、戦略的マーケティング活動を実施したことによるものです。 各セグメントに帰属する地域別のれん金額 当連結会計年度末の各セグメントに帰属するのれんの帳簿価額は以下のとおりです。人材派遣事業で、当第3四半期に米国において75億円の、のれんの減損損失を計上しました。 のれんHRテクノロジー280.3マッチング&ソリューション- 日本- 海外-人材派遣230.2 日本27.8 欧州187.6 米国11.3 豪州3.3合計510.6 ③ 資本の財源及び資金の流動性 基本方針 当社は、企業価値向上に繋がる戦略的投資への機動的な対応と円滑な事業活動に必要な流動性の確保のため、資金調達が必要な際には適切な格付及び財務の健全性を維持しつつ、グローバルな金融市場からの負債による資金調達を活用することを基本方針としています。 自己資本は、適切な資本効率を維持しつつ、成長投資の機会等に対して機動的に対応できる財務基盤を整えること及び事業活動や資産のリスクと比較して十分な水準を維持します。 資金使途 運転資金、法人税の支払い、各セグメントにおけるM&A及び資産取得等による外部資源の獲得や設備投資、借入の返済及び利息の支払い、配当金の支払い、自己株式の取得等に資金を充当しています。 資金調達 運転資金及び投資資金については、営業活動によるキャッシュ・フローで獲得した資金を充当することを基本としていますが、資金需要及び金利動向等の調達環境並びに既存の有利子負債の返済及び償還時期等を考慮の上、調達規模及び調達手段を適宜判断して外部資金調達を実施する場合があります。 外部資金調達を行う運転資金のうち、原則として、短期の運転資金については、金融機関からの借入、コマーシャル・ペーパー又はその組み合わせにより調達することとしています。中長期の運転資金については、金融機関からの借入、社債又はその組み合わせにより調達することとしています。なお、当社は、機動的な資金調達を可能とするため、2,000億円(当連結会計年度末における未使用枠2,000億円)を上限とする社債の発行登録を行っています。 また、当社は、流動性を確保し、運転資金の効率的な調達を行うため金融機関4社と当座貸越契約を締結しています。なお、当連結会計年度末における当座貸越極度額の合計は1,130億円であり、当該契約に基づく借入実行残高はありません。加えて、当社は総額2,000億円のコミットメントライン契約を締結しています。当連結会計年度末において、当該コミットメントライン契約に基づく借入実行残高はありません。これらにより、当社は事業環境の大きな変化の際にも十分な流動性が確保できると考えています。 格付 当社は、格付機関から長期格付を取得しています。当連結会計年度末における格付は、S&Pグローバル・レーティング・ジャパン㈱:A、ムーディーズ・ジャパン㈱:A3、㈱格付投資情報センター(R&I):AA、及び㈱日本格付研究所:AA+でした。また、当社は、R&Iから短期格付:a-1+を取得しています。 キャッシュマネジメント 当社は、当社グループ全体の資金効率を最大化するため、法制度上許容され、且つ経済合理性が認められることを前提として、主にキャッシュマネジメントシステムを通じた当社グループ内での資金貸借の実施を外部借入よりも優先しています。 当社は、当社及び財務統括子会社にすべての通貨のキャッシュマネジメントを集約することで、当社グループが保有する現金及び現金同等物の機動性を確保しています。 資金運用 資金運用は、投機目的で行わず、元本が保証され、安全且つ確実で効率の高い金融商品のみで行うこととしています。 政策保有株式に関する方針等 当社は、原則として政策保有株式を縮減していくことを方針としています。当社が保有する政策保有株式について、個別銘柄ごとに経済的価値と資本コストの見合いを定量的に検証するとともに、戦略的な関係性・重要性や、環境、社会及びガバナンス(ESG)等の定性的な観点を総合的に勘案し、保有の適否を検証しています。取締役会にて年1回精査し、これらの観点に合致しないと判断された株式は縮減する方針としています。 当社及び㈱リクルートが保有する政策保有株式の状況は以下のとおりです。その合計額は、2024年3月末において939億円で、連結資本合計の4.7%です。 当社㈱リクルート非上場株式非上場株式以外の株式非上場株式非上場株式以外の株式銘柄数 (銘柄)31234貸借対照表計上額の合計額(百万円)54976,0861,39715,947 ④ 連結財政状態の概況 前連結会計年度当連結会計年度増減増減率 流動資産合計1,465.31,762.7297.420.3% 非流動資産合計1,327.91,381.953.94.1% 資産合計2,793.23,144.6351.312.6% 流動負債合計782.7758.8△23.8△3.1% 非流動負債合計369.5376.87.32.0% 負債合計1,152.31,135.7△16.5△1.4% 親会社の所有者に帰属する持分合計1,627.02,000.9373.923.0% 非支配持分13.97.9△5.9△42.8% 資本合計1,640.92,008.9367.922.4% 流動資産は、当連結会計年度に実施した自己株式の取得による支出があったものの、主に営業キャッシュ・フローの増加により、現金同等物が増加し、前連結会計年度末と比べ2,974億円増となりました。 当連結会計年度末における当座貸越極度額の合計は1,130億円であり、当該契約に基づく借入実行残高はありません。加えて、当連結会計年度末時点における2023年9月29日に締結した総額2,000億円のコミットメントライン契約に基づく借入実行残高はありません。 なお、当社は2,000億円(当連結会計年度末における未使用枠2,000億円)を上限とする社債の発行登録を行っています。 現金及び現金同等物、有利子負債及びその差額のネットキャッシュは以下のとおりです。 前連結会計年度 当連結会計年度 増減増減率現金及び現金同等物877.31,136.8259.429.6%有利子負債(リース負債を除く)35.21.3△33.8△96.0% ネットキャッシュ842.01,135.4293.334.8% ⑤ 連結キャッシュ・フローの概況 前連結会計年度当連結会計年度増減営業活動によるキャッシュ・フロー438.1535.397.1投資活動によるキャッシュ・フロー△32.6△68.7△36.1財務活動によるキャッシュ・フロー△252.0△334.6△82.5現金及び現金同等物に係る換算差額54.3127.573.2 現金及び現金同等物の増減額(△は減少)207.8259.451.6現金及び現金同等物の期首残高669.5877.3207.8 現金及び現金同等物の期末残高877.31,136.8259.4 当第4四半期及び当連結会計年度の自己株式の取得による支出は、それぞれ881億円、2,189億円となりました。 (2) 生産、受注及び販売の実績① 生産実績及び受注実績当社グループが提供するサービスの性質上、生産実績及び受注実績の記載に馴染まないため、省略しています。 ② 販売実績本項目「(1) 経営成績等の分析」に記載のとおりです。 |
経営上の重要な契約等 | 5 【経営上の重要な契約等】 適用される法令等を踏まえて作成した当社基準に照らして検討した結果、該当事項はありません。 |
研究開発活動 | 6 【研究開発活動】 当連結会計年度の研究開発費は1,548億円となりました。主な内訳は、新プロダクトの開発や新しいテクノロジーを活用した既存プロダクトの改善に係るエンジニア及びテクノロジー開発担当者の人件費であり、その大半はHRテクノロジー事業に関連するものです。 |
設備投資等の概要 | 1 【設備投資等の概要】 当連結会計年度の設備投資については、総額で972億円であり、主としてリース契約の更新等に伴う使用権資産の増加及びソフトウエアの開発・取得によるものです。 (1) HRテクノロジー事業当連結会計年度の設備投資は、諸設備の拡充等に伴い、142億円の資産の受入を実施しました。なお、重要な設備の除却又は売却はありません。 (2) マッチング&ソリューション事業当連結会計年度の設備投資は、ソフトウエアの開発・取得等に伴い、568億円の資産の受入を実施しました。なお、重要な設備の除却又は売却はありません。 (3) 人材派遣事業当連結会計年度の設備投資は、リース契約の更新等に伴う使用権資産の増加や、諸設備の拡充等に伴い、260億円の資産の受入を実施しました。なお、重要な設備の除却又は売却はありません。 (4) 全社共通重要な設備の取得及び除却又は売却はありません。 |
主要な設備の状況 | 2 【主要な設備の状況】 (1) 提出会社純粋持株会社であり、主要な設備はありません。 (2) 国内子会社2024年3月31日現在会社名事業所名(所在地)セグメントの名称設備の内容帳簿価額(百万円)従業員数(名)(注2)建物及び構築物ソフトウエア使用権資産その他(注1)合計㈱リクルート本社他(東京都千代田区)マッチング&ソリューション事務所設備等9,470100,52064,55211,693186,23619,833[301] (注1) 帳簿価額のうち「その他」は、工具、器具及び備品等の合計です。(注2) 従業員数欄の[外書]は、臨時従業員の年間平均雇用人員です。 (3) 在外子会社2024年3月31日現在会社名事業所名(所在地)セグメントの名称設備の内容帳簿価額(百万円)従業員数(名)(注4)建物及び構築物ソフトウエア使用権資産その他(注1)合計RGF OHR USA, INC.(注2)本社他(米国デラウェア州)HRテクノロジー事務所設備等28,514178,1688,926115,61013,155[69]RGF Staffing B.V.(注3)本社他(オランダフレヴォラント州)人材派遣事務所設備等2,7694,7489,9611,51118,9903,710[702] (注1) 帳簿価額のうち「その他」は、工具、器具及び備品等の合計です。(注2) 表に記載されている数値は、RGF OHR USA, INC.及びその子会社等並びにIndeed Ireland Operations Limited及びその子会社等の金額を含めた合計額です。(注3) 表に記載されている数値は、RGF Staffing B.V.、RGF Staffing France SAS、RGF Staffing Germany GmbH、RGF Staffing the Netherlands B.V.及びUnique NV他49社の金額を含めた合計額です。(注4) 従業員数欄の[外書]は、臨時従業員の年間平均雇用人員です。 |
設備の新設、除却等の計画 | 3 【設備の新設、除却等の計画】 (1) 重要な設備の新設等該当事項はありません。 (2) 重要な設備の除却等該当事項はありません。 |
研究開発費、研究開発活動 | 154,800,000,000 |
設備投資額、設備投資等の概要 | 26,000,000,000 |
Employees
平均年齢(年)、提出会社の状況、従業員の状況 | 40 |
平均勤続年数(年)、提出会社の状況、従業員の状況 | 8 |
平均年間給与、提出会社の状況、従業員の状況 | 11,192,716 |
管理職に占める女性労働者の割合、提出会社の指標 | 1 |
全労働者、労働者の男女の賃金の差異、提出会社の指標 | 1 |
正規雇用労働者、労働者の男女の賃金の差異、提出会社の指標 | 1 |
非正規雇用労働者、労働者の男女の賃金の差異、提出会社の指標 | 1 |
Investment
株式の保有状況 | (5) 【株式の保有状況】 ① 投資株式の区分の基準・考え方等当社は、株式を取得し保有する目的に応じて、投資株式を以下2種類に区分しています。 純投資株式当社は、専ら株式の価値の変動又は配当によって利益を受けることを目的とする投資株式を「純投資株式」として区分しています。当社グループには該当事項はありません。 純投資目的以外の投資株式純投資目的以外の投資株式は、政策保有株式とみなし保有株式に分類されます。当社グループは、業務提携等、戦略上重要な取引関係等の維持・強化のために保有する投資株式を政策保有株式として区分しており、当社及び㈱リクルートが保有する株式が該当します。みなし保有株式について、当社グループには該当事項がありません。 保有方針及び保有の合理性を検証する方法並びに個別銘柄の保有の適否に関する取締役会等における検証の内容当社は、原則として政策保有株式を縮減していくことを方針としています。当社が保有する政策保有株式について、個別銘柄ごとに経済的価値と資本コストの見合いを定量的に検証するとともに、戦略的な関係性・重要性や、環境、社会及びガバナンス(ESG)等の定性的な観点を総合的に勘案し、保有の適否を検証しています。取締役会にて年1回精査し、これらの観点に合致しないと判断された株式は縮減する方針としています。 当社グループにおける政策保有株式の保有状況当社及び㈱リクルートが保有する政策保有株式の状況は以下のとおりです。その合計額は、2024年3月末において939億円で、連結資本合計の4.7%です。 政策保有株式の議決権の行使については、議案内容を精査し株主価値の向上に資するものか否かを判断した上で、適切に議決権を行使します。当該議案が株主利益を著しく損ねる内容である場合は、肯定的な判断を行いません。議案について反対票を投じた場合は、取締役会にその旨を報告するほか、行使先との建設的なコミュニケーションを通じて改善を促します。 当社は、当社の株式を政策保有株式として保有している会社からその株式の売却等の意向が示された場合には、取引の縮減を示唆する等により売却を妨げる行為は行いません。 また、当社は、政策保有株主との間で、取引の経済合理性を十分に検証しないまま取引を継続する等、会社や株主共同の利益を害するような取引を行っていません。 ② ㈱リクルートホールディングスにおける純投資目的以外の投資株式提出会社及び連結子会社のうち、最大保有会社である当社については以下のとおりです。(百万円) 当社 非上場株式非上場株式以外の株式銘柄数(銘柄)312貸借対照表計上額の合計額54976,086株式数が増加した銘柄数--株式数の増加に係る取得価額の合計額 --株式数の増加の理由--株式数が減少した銘柄数(銘柄)-1株式数の減少に係る売却価額の合計額 -1,777 (注) 株式数が増加又は減少した銘柄には、株式の新規公開、株式の併合、株式の分割、株式移転、株式交換、合併等による変動を含みません。 特定投資株式の銘柄ごとの株式数、貸借対照表計上額等に関する情報銘柄当事業年度末前事業年度末保有目的、定量的な保有効果(注1)及び株式数が増加した理由当社の株式の保有の有無株式数(株)株式数(株)貸借対照表計上額(百万円)貸借対照表計上額(百万円)㈱電通グループ4,929,9004,929,900日本国内で展開する様々なサービスにおいてテレビCMをはじめとしたプロモーション活動を委託している他、マッチング&ソリューション事業等におけるブランド戦略策定・イベント等の運営及びメディア商品販売に関わる重要パートナーであり、主として取引関係の維持・強化のため、保有しています。有20,68022,924日本テレビホールディングス㈱6,454,6006,454,600日本国内で展開する様々なサービスにおいてテレビCMをはじめとしたテレビ及びテレビ由来メディアを活用したプロモーション活動における重要パートナーであり、主として取引関係の維持・強化のため、保有しています。無(注2)14,9717,364㈱TBSホールディングス2,666,9002,666,900日本国内で展開する様々なサービスにおいてテレビCMをはじめとしたテレビ及びテレビ由来メディアを活用したプロモーション活動における重要パートナーであり、主として取引関係の維持・強化のため、保有しています。無(注2)11,6255,080Yeahka Limited30,051,19639,051,196中国有数の決済及びマーチャント支援サービスを提供するテクノロジープラットフォーム企業であり、当社グループのマッチング&ソリューション事業のSaaS領域における取引関係の構築・維持・強化のため、保有しています。無7,07815,510TOPPANホールディングス㈱1,552,3001,552,300日本国内で展開するマッチング&ソリューション事業において、紙媒体の商品制作等を委託している重要パートナーであり、主としてサプライチェーンの維持・強化のため、保有しています。有6,0214,136大日本印刷㈱1,232,5001,232,500日本国内で展開するマッチング&ソリューション事業において、紙媒体の商品制作等を委託している重要パートナーであり、主としてサプライチェーンの維持・強化のため、保有しています。有5,7574,566マネックスグループ㈱5,720,0005,720,000現時点では取引関係は少ないものの、日本国内で展開するマッチング&ソリューション事業のうち、今後の金融事業等における事業機会の創出や取引・協業関係の構築・強化のため、保有しています。無5,0732,728 ㈱テレビ朝日ホールディングス1,050,0001,050,000日本国内で展開する様々なサービスにおいてテレビCMをはじめとしたテレビ及びテレビ由来メディアを活用したプロモーション活動における重要パートナーであり、主として取引関係の維持・強化のため、保有しています。有2,2531,582㈱フジ・メディア・ホールディングス1,081,0001,081,000日本国内で展開する様々なサービスにおいてテレビCMをはじめとしたテレビ及びテレビ由来メディアを活用したプロモーション活動における重要パートナーであり、主として取引関係の維持・強化のため、保有しています。有2,1441,291㈱オールアバウト984,900984,900現時点では取引関係は少ないものの、日本国内で展開するマッチング&ソリューション事業等における今後の事業機会の創出や取引・協業関係の構築・強化のため、保有しています。無389530王子ホールディングス㈱83,00083,000日本国内で展開するマッチング&ソリューション事業において、紙媒体の商品制作等を委託している重要パートナーであり、主としてサプライチェーンの維持・強化のため、保有しています。無(注3)5243共同印刷㈱11,00011,000現時点では取引関係は少ないものの、日本国内で展開するマッチング&ソリューション事業等における今後の事業機会の創出や取引・協業関係の構築・強化のため、保有しています。有3830 (注1) 事業戦略上、取引関係等の維持・強化を主たる保有目的としており、個々の保有については多角的に検討しており、具体的な定量数値の開示は困難であることから省略しますが、保有継続の合理性については、個別銘柄ごとに経済的価値と資本コストの見合いを定量的に検証するとともに、戦略的な関係性・重要性や、環境、社会及びガバナンス(ESG)等の定性的な観点を総合的に勘案し、保有の適否を検証しています。(注2) 保有先企業は当社の株式を保有していませんが、同社子会社が当社の株式を保有しています。(注3) 保有先企業は当社の株式を保有していませんが、同社子会社の退職給付信託が当社の株式を保有しています。 ③ ㈱リクルートにおける純投資目的以外の投資株式提出会社及び連結子会社のうち、投資株式の貸借対照表金額(投資株式計上額)が最も大きい会社の次に大きい会社である㈱リクルートについては以下のとおりです。(百万円) ㈱リクルート 非上場株式非上場株式以外の株式銘柄数34貸借対照表計上額の合計額1,39715,947株式数が増加した銘柄数-1株式数の増加に係る取得価額の合計額 -1株式数の増加の理由-取引先持株会による取得株式数が減少した銘柄数1-株式数の減少に係る売却価額の合計額 1- (注) 株式数が増加及び減少した銘柄には、株式の新規公開、株式の併合、株式の分割、株式移転、株式交換、合併等による変動を含みません。 特定投資株式の銘柄ごとの株式数、貸借対照表計上額等に関する情報銘柄当事業年度末前事業年度末保有目的、定量的な保有効果(注1)及び株式数が増加した理由 当社の株式の保有の有無 株式数(株)株式数(株)貸借対照表計上額(百万円)貸借対照表計上額(百万円)フリー㈱2,277,2672,277,267中小企業向けに統合型クラウドERP(Enterprise Resource Planning)を提供している、国内有数のSaaSビジネス企業であり、マッチング&ソリューション事業のSaaS領域においてAir ビジネスツールズ等を同社サービスと機能連携しており、当該領域における重要パートナーであることから、取引関係の維持・強化のため、当該株式を保有しています。無8,0617,674プレミアグループ㈱1,800,0001,800,000日本国内で展開するマッチング&ソリューション事業の販促領域における「カーセンサーアフター保証」のサプライヤーであり、当該領域における重要パートナーであることから、取引関係の維持・強化のため、当該株式を保有しています。無3,7093,051オイシックス・ラ・大地㈱2,648,0002,648,000日本国内で展開するマッチング&ソリューション事業の販促領域においてリクルートID等を同社サービスと機能連携しており、当該領域における重要パートナーであることから、取引関係の維持・強化のため、当該株式を保有しています。無3,4506,085㈱クイック304,126303,452日本国内で展開するマッチング&ソリューション事業の人材領域において求人広告掲載枠の販売代理契約及び業務委託契約を締結しており、取引関係の維持・強化のため、当該株式を保有しています。 取引先持株会を通じた保有であり、保有株式に対する配当金が再投資されるため、株式数が増加します。 有725539 (注1) 事業戦略上、取引関係等の維持・強化を主たる保有目的としており、個々の保有については多角的に検討しており、具体的な定量数値の開示は困難であることから省略しますが、保有継続の合理性については、個別銘柄ごとに経済的価値と資本コストの見合いを定量的に検証するとともに、戦略的な関係性・重要性や、環境、社会及びガバナンス(ESG)等の定性的な観点を総合的に勘案し、保有の適否を検証しています。 |
株式数が減少した銘柄数、非上場株式以外の株式、保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式、提出会社 | 1 |
銘柄数、非上場株式、保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式、提出会社 | 3 |
貸借対照表計上額、非上場株式、保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式、提出会社 | 549,000,000 |
銘柄数、非上場株式以外の株式、保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式、提出会社 | 12 |
貸借対照表計上額、非上場株式以外の株式、保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式、提出会社 | 76,086,000,000 |
株式数の減少に係る売却価額の合計額、非上場株式以外の株式、保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式、提出会社 | 1,777,000,000 |
株式数、保有目的が純投資目的以外の目的である特定投資株式の明細、提出会社 | 11,000 |
貸借対照表計上額、保有目的が純投資目的以外の目的である特定投資株式の明細、提出会社 | 38,000,000 |
銘柄、保有目的が純投資目的以外の目的である特定投資株式の明細、提出会社 | 共同印刷㈱ |
保有目的、業務提携等の概要、定量的な保有効果及び株式数が増加した理由、保有目的が純投資目的以外の目的である特定投資株式の明細、提出会社 | 現時点では取引関係は少ないものの、日本国内で展開するマッチング&ソリューション事業等における今後の事業機会の創出や取引・協業関係の構築・強化のため、保有しています。 |
当該株式の発行者による提出会社の株式の保有の有無、保有目的が純投資目的以外の目的である特定投資株式の明細、提出会社 | 有 |