財務諸表
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提出書類、表紙 | 有価証券報告書 |
提出日、表紙 | 2024-06-19 |
英訳名、表紙 | NIDEC CORPORATION |
代表者の役職氏名、表紙 | 代表取締役社長執行役員(最高経営責任者) 岸田 光哉 |
本店の所在の場所、表紙 | 京都市南区久世殿城町338番地 |
電話番号、本店の所在の場所、表紙 | (075)935-6200(代表) |
様式、DEI | 第三号様式 |
会計基準、DEI | IFRS |
連結決算の有無、DEI | true |
当会計期間の種類、DEI | FY |
corp
沿革 | 2【沿革】 年月沿革1973年7月京都市西京区に日本電産㈱(現 ニデック㈱)を設立1975年2月京都府亀岡市に亀岡工場(1993年12月に閉鎖)を開設1976年4月米国セントポール市に米国日本電産㈱(現 ニデックアメリカ㈱)を設立1984年2月米国トリントン市にニデック・トリンコーポレーション(現 ニデックアメリカ㈱)を設立10月滋賀県愛知郡愛知川町(現 愛荘町)に滋賀工場(現 滋賀技術開発センター)を開設1988年11月京都証券取引所並びに大阪証券取引所市場第二部に株式を上場1989年3月シンガポール日本電産㈱(現 ニデックシンガポール㈱)を設立 信濃特機㈱を買収1990年8月タイ日本電産㈱(現 ニデックエレクトロニクスタイランド㈱)を設立1992年2月中国に日本電産(大連)有限公司(現 ニデックモータ(大連)有限公司)を設立10月台湾日電産股份有限公司(現 ニデック台湾股份有限公司)を設立1993年4月ドイツに欧州日本電産(現 ニデックモーターズアンドアクチュエーターズドイツ㈲)を設立10月日本電産(香港)有限公司(現 ニデックモータ(香港)有限公司)を設立1995年2月共立マシナリ㈱(現 ニデックマシナリー㈱)に資本参加 シンポ工業㈱(現 ニデックドライブテクノロジー㈱)に資本参加12月フィリピン日本電産㈱(現 ニデックフィリピン㈱)を設立1997年3月トーソク㈱(現 ニデックパワートレインシステムズ㈱)に資本参加4月㈱リードエレクトロニクス(現 ニデックアドバンステクノロジー㈱)に資本参加5月京利工業㈱に資本参加1998年2月㈱コパル(現 ニデックプレシジョン㈱)並びにコパル電子㈱(現 ニデックコンポーネンツ㈱)に資本参加9月東京証券取引所市場第一部上場、大阪証券取引所市場第一部に指定10月㈱芝浦製作所(現 芝浦メカトロニクス㈱)、㈱東芝との3社共同出資で芝浦電産㈱(現 ニデックテクノモータ㈱)を設立1999年4月中国に日本電産芝浦(浙江)有限公司(現 ニデックテクノモータ(浙江)有限公司)を設立12月韓国日本電産㈱(現 ニデック韓国㈱)を設立2000年3月㈱安川電機の子会社、㈱ワイ・イー・ドライブ(現 ニデックテクノモータ㈱)に資本参加2001年9月ニューヨーク証券取引所へ上場(2016年5月まで)2002年4月中国に日本電産(浙江)有限公司(現 ニデックモータ(浙江)有限公司)を設立6月中国に日本電産(東莞)有限公司(現 ニデックモータ(東莞)有限公司)を設立2003年4月中国に日電産(上海)国際貿易有限公司(現 ニデック(上海)国際貿易有限公司)を設立5月京都市南区に本社事務所を移転し、中央開発技術研究所を開設10月㈱三協精機製作所(現 ニデックインスツルメンツ㈱)に資本参加2005年10月ベトナム日本電産会社(現 ニデックベトナム会社)を設立2006年2月中国に日本電産自動車モータ(浙江)有限公司(現 ニデック自動車モータ(浙江)有限公司)を設立12月フランス・Valeo S.A.のモータ&アクチュエータ事業を買収し、Nidec Motors & Actuators(現 ニデックモーターズアンドアクチュエーターズ㈱)を設立2007年2月シンガポール・Brilliant Manufacturing Ltd.(現 ニデックコンポーネントテクノロジー㈱)を買収2007年4月日本サーボ㈱(現 ニデックアドバンスドモータ㈱)に資本参加2010年1月イタリア・Appliances Components Companies S.p.A.の家電モータ事業を買収し、日本電産ソーレモータ㈲を設立2月タイ・SC WADO Co., Ltd.(現 ニデックダイキャスティング(タイランド)㈱)を買収9月米国・Emerson Electric Co.のモータ・コントロール事業を買収し、日本電産モータ㈱(現 ニデックモータ㈱)を設立10月中国に日本電産(韶関)有限公司(現 ニデックモータ(韶関)有限公司)を設立12月インド日本電産㈱(現 ニデックインド㈱)を設立2011年7月三洋電機㈱の子会社、三洋精密㈱に資本参加2011年12月マレーシアにNidec Precision Malaysia Sdn. Bhd.を設立2012年3月 カンボジアにSC Wado Component(Cambodia)Co., Ltd.(現 ニデックダイキャスティング(カンボジア)㈱)を設立4月日本電産シンポ㈱(現 ニデックドライブテクノロジー㈱)が、米国・The Minster Machine Company(現 ニデックミンスター㈱)を買収 年月沿革5月イタリア・Ansaldo Sistemi Industriali S.p.A.(現 ニデックASI㈱)を買収6月日本電産中央モーター基礎技術研究所(現 ニデック新川崎テクノロジーセンター)を開設9月米国・Avtron Industrial Automation, Inc.を買収10月日本電産サンキョー㈱(現 ニデックインスツルメンツ㈱)が、韓国・SCD㈱を買収11月米国・Kinetek Group Inc.を買収12月中国・江蘇凱宇汽車電器有限公司(現 ニデック凱宇汽車電器(江蘇)有限公司)に資本参加2014年1月日本電産サンキョー㈱(現 ニデックインスツルメンツ㈱)が、三菱マテリアルシーエムアイ㈱(現 ニデックマテリアル㈱)を買収3月㈱ホンダエレシス(現 ニデックエレシス㈱)を買収2015年2月ドイツ・Geräte- und Pumpenbau GmbH Dr. Eugen Schmidt(現 ニデックGPM㈲)を買収 5月イタリア・Motortecnica s.r.l.を買収7月中国・China Tex Mechanical & Electrical Engineering Ltd. のSRモータ・ドライブ事業を取得(現 ニデック(北京)伝動技術有限公司)8月スペイン・Arisa, S.A.(現 ニデックアリサ㈲)を買収 米国・KB Electronics, Inc.を買収9月イタリア・E.M.G. Elettromeccanica S.r.l.の事業資産を取得 日本電産サンキョー㈱(現 ニデックインスツルメンツ㈱)が、インドネシア・PT. NAGATA OPTO INDONESIAを買収2016年5月イタリア・E.C.E S.r.l.を買収 ルーマニア・ANA IMEP S.A.(現 ニデックグローバル・アプライアンス・ルーマニア社)を買収12月米国・Canton Elevator, Inc.を買収2017年1月米国・Emerson Electric Co.のモータ・ドライブ事業及び発電機事業を買収3月米国・Vamco International, Inc.を買収 グループ会社のコーポレートブランドロゴをNidecに統一7月イタリア・LGB Elettropompe S.r.l.を買収10月日本電産サンキョー㈱(現 ニデックインスツルメンツ㈱)が、東京丸善工業㈱の事業を承継 日本電産リード㈱(現 ニデックアドバンステクノロジー㈱)が、シンガポール・SV Probe Pte. Ltd.を買収11月ドイツ・driveXpert GmbH(現 ニデックドライブエクスパート㈲)を買収2018年2月京都府相楽郡精華町に生産技術研究所(現 ニデックけいはんなテクノロジーセンター)を設立4月米国・Genmark Automation, Inc.(現 ニデックジェンマークオートメーション㈱)を買収5月フランス・グループPSA社とトラクションモータに関する合弁会社Nidec PSA emotors S.A.を設立7月イタリア・CIMA S.p.A.を買収8月ドイツ・MS-Graessner GmbH & Co. KG(現 ニデックグレスナー㈲)を買収11月台湾・Chaun-Choung Technology Corp.(現 ニデックCCI股份有限公司)に資本参加 2019年2月ドイツ・Systeme + Steuerungen GmbH を買収3月ドイツ・DESCH Antriebstechnik GmbH & Co. KG(現 ニデックデッシュ㈲)を買収7月米国・Whirlpool Corporationのコンプレッサー事業Embracoを買収10月中国・広州汽車グループと合弁で広州尼得科汽車駆動系統有限公司を設立 オムロンオートモーティブエレクトロニクス㈱を譲受け、日本電産モビリティ㈱(現 ニデックモビリティ㈱)を設立11月米国・Roboteq, Inc.を買収2020年6月オーストリア・Secop Austria GmbH のデルタ型コンプレッサー事業を取得2021年1月セルビアにNidec Electric Motor Serbia LLC(現 ニデックエレクトロニックモータ・セルビア㈲)、Nidec Elesys Europe LLCを設立2021年8月三菱重工工作機械㈱を譲受け、日本電産マシンツール㈱(現 ニデックマシンツール㈱)を設立2022年2月OKK㈱(現 ニデックオーケーケー㈱)に資本参加12月ノルウェー・FREYR BATTERY SAと合弁でNidec Energy AS(現 ニデックエナジー AS)を設立2023年2月イタリア・PAMA S.p.Aを買収3月日本電産コパル電子㈱(現 ニデックコンポーネンツ㈱)が、緑測器㈱を買収4月日本電産㈱からニデック㈱に商号変更、国内連結子会社もニデックを冠した商号に変更6月ブラジルの航空機メーカー・Embraer S.A.と合弁でNidec Aerospace LLCを設立7月米国・Houma Armature Worksを買収8月米国・Automatic Feed社(現 Nidec Automatic Feed Company)及び関連会社2社を買収11月株式会社TAKISAWAをTOBにより買収 |
事業の内容 | 3【事業の内容】 当社グループ(当社、連結子会社345社、持分法適用関連会社4社を中心に構成)は、精密小型モータ、車載用製品、家電・商業・産業用製品、機器装置、電子・光学部品等の製造・販売を主な事業内容としております。当社は、IFRSに準拠して連結財務諸表を作成しており、関係会社の範囲についてもIFRSの定義に基づいております。セグメント区分に関しては、9つの報告対象セグメントとその他により構成されております。各セグメントの内容は次のとおりであります。なお、このセグメント区分は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表」の連結財務諸表注記に掲げるセグメントをはじめ、本有価証券報告書の当連結会計年度に関するセグメントの区分と全て同一であります。名称主要製品主要な会社SPMSHDD用モータ及びその他小型モータ当社、ニデックモータ(香港)有限公司、ニデック(上海)国際貿易有限公司、ニデックエレクトロニクスタイランド㈱、ニデックモータ(東莞)有限公司、ニデックCCI股份有限公司、ニデックベトナム㈱AMEC車載用製品ニデック自動車モータ(浙江)有限公司、ニデックモーターズアンドアクチュエーターズドイツ㈲、ニデック(上海)国際貿易有限公司、ニデックGPM GmbH、ニデックモータ(大連)有限公司、ニデック自動車モータ・アメリカ合同会社、ニデックモーターズアンドアクチュエーターズポーランド㈲MOEN家電・商業・産業用製品ニデックホールディングアメリカ㈱、Nidec ASI㈱、Nidec Control Techniques LimitedACIM家電・商業・産業用製品ニデックグローバル・アプライアンス・ブラジル社ニデックインスツルメンツ機器装置、車載用製品、電子部品及びその他小型モータニデックインスツルメンツ㈱ニデックテクノモータ家電・商業・産業用製品ニデックテクノモータ㈱、ニデックテクノモータ(浙江)有限公司ニデックモビリティ車載用製品ニデックモビリティ㈱機械事業本部機器装置ニデックドライブテクノロジー㈱、ニデックミンスター㈱、ニデックマシンツール㈱ニデックアドバンステクノロジー機器装置ニデックアドバンステクノロジー㈱その他車載用製品、機器装置、電子部品及びその他小型モータ、その他ニデックパワートレインシステムズ㈱、ニデックコンポーネンツ㈱、ニデックパワートレインシステムズ(ベトナム)会社、ニデックグローバルサービス㈱、ニデックプレシジョン㈱、ニデックアドバンスドモータ㈱ (注) 1.2023年4月1日付で、「日本電産サンキョー」セグメントは「ニデックインスツルメンツ」セグメントに名称を変更しております。2.2023年4月1日付で、「日本電産テクノモータ」セグメントは「ニデックテクノモータ」セグメントに名称を変更しております。3.2023年4月1日付で、「日本電産モビリティ」セグメントは「ニデックモビリティ」セグメントに名称を変更しております。4.2023年4月1日付で、「日本電産シンポ」セグメントは「機械事業本部」セグメントに名称を変更しております。5.2023年4月1日付で、「日本電産リード」セグメントは「ニデックアドバンステクノロジー」セグメントに名称を変更しております。 当社グループの主要な製品の内容に係る当社及び主要な連結子会社の位置づけは次のとおりであります。主要な製品の内容主要な会社精密小型モータ HDD用モータ当社、ニデックモータ(香港)有限公司、ニデックエレクトロニクスタイランド㈱その他小型モータ当社、ニデックモータ(香港)有限公司、ニデックインスツルメンツ㈱、ニデックモータ(東莞)有限公司、ニデックCCI股份有限公司、ニデックベトナム㈱、ニデック(上海)国際貿易有限公司、ニデックコンポーネンツ㈱、ニデックアドバンスドモータ㈱、ニデックプレシジョン㈱車載当社、ニデック(上海)国際貿易有限公司、ニデック自動車モータ(浙江)有限公司、ニデックGPM GmbH、ニデックモータ(大連)有限公司、ニデック自動車モータ・アメリカ合同会社、ニデックモビリティ㈱、ニデックパワートレインシステムズ(ベトナム)会社、ニデックパワートレインシステムズ㈱、ニデックモーターズアンドアクチュエーターズドイツ㈲、ニデックモーターズアンドアクチュエーターズポーランド㈲家電・商業・産業用ニデックホールディングアメリカ㈱、Nidec ASI㈱、Nidec Control Techniques Limited、Nidec Leroy-Somer Holding、ニデックグローバル・アプライアンス・ブラジル社、ニデックテクノモータ㈱、ニデックテクノモータ(浙江)有限公司機器装置ニデックインスツルメンツ㈱、ニデックアドバンステクノロジー㈱、ニデックミンスター㈱、ニデックマシンツール㈱、ニデックプレシジョン㈱電子・光学部品ニデックインスツルメンツ㈱、ニデックコンポーネンツ㈱、ニデックプレシジョン㈱その他 ニデックインスツルメンツ㈱、ニデックグローバルサービス㈱ |
関係会社の状況 | (1)連結子会社名称住所資本金または出資金主要な事業の内容子会社の議決権に対する所有割合(%)関係内容役員の兼任資金援助営業上の主な取引その他ニデックモータ(香港)有限公司中国香港HKD2,352千精密小型モータ100.0有 当社製品の販売※1ニデックモータ(上海)有限公司中国上海市CNY1,655千精密小型モータ車載用製品100.0(100.0)有 コミッションの支払 ニデックモータ㈱米国ミズーリ州USD1,402,316千家電・商業・産業用製品100.0(100.0)有 ロイヤリティの受取 ニデックグローバル・アプライアンス・ブラジル社 ブラジルサンタカタリーナ州BRL1,275,243千家電・商業・産業用製品100.0有貸付金ロイヤリティの受取※1ニデックインスツルメンツ㈱長野県諏訪郡下諏訪町JPY35,270百万精密小型モータ、車載用製品、機器装置、電子部品100.0有 ロイヤリティの受取※1ニデックテクノモータ㈱福井県小浜市JPY2,500百万商業・産業用製品100.0有貸付金ロイヤリティの受取 ニデックモビリティ㈱愛知県小牧市JPY5,000百万車載用製品100.0有貸付金ロイヤリティの受取 ニデックドライブテクノロジー㈱京都府向日市JPY3,796百万機器装置100.0有貸付金ロイヤリティの受取 ニデックアドバンステクノロジー㈱京都府向日市JPY938百万機器装置100.0有貸付金ロイヤリティの受取 ニデックエレクトロニクスタイランド㈱タイパトンタニ県USD231,657千精密小型モータ99.9有 当社へ製品を供給ロイヤリティの受取※1Nidec Chaun-Choung Technology Corp台湾新北市TWD863百万精密小型モータ86.3有貸付金 ニデックモータ(東莞)有限公司中国広東省東莞市USD23,000千精密小型モータ100.0(37.5)有 当社へ製品を供給ロイヤリティの受取 ニデックベトナム会社ベトナムホーチミン市USD11,000千精密小型モータ100.0有 当社へ製品を供給ロイヤリティの受取※1ニデック自動車モータ(浙江)有限公司中国浙江省平湖市USD135,966千車載用製品100.0(9.9)有 当社へ製品を供給ロイヤリティの受取※1ニデックモーターズアンドアクチュエーターズドイツ㈲ドイツバーデンヴィュルッテンベルグ州EUR25千車載用製品100.0有 当社製品の販売ロイヤリティの受取※1ニデックGPM㈲ドイツテューリンゲン州EUR294,273千車載用製品100.0(100.0)有貸付金ロイヤリティの受取※1ニデックモータ(大連)有限公司中国遼寧省大連市USD76,500千車載用製品100.0有 当社へ製品を供給ロイヤリティの受取※1ニデック自動車モータ・アメリカ合同会社米国ミシガン州USD0.01千車載用製品100.0(100.0)有 ロイヤリティの受取 ニデックモーターズアンドアクチュエーターズポーランド㈲ポーランドニエポロミーチェ市PLN45,769千車載用製品100.0(100.0)有 ロイヤリティの受取 ニデックASI㈱イタリアロンバルディア州EUR17,429千産業用製品100.0(100.0) ロイヤリティの受取 Nidec ControlTechniques Limitedイギリスポーイス州USD6,185千家電・商業・産業用製品100.0(100.0) ロイヤリティの受取 名称住所資本金または出資金主要な事業の内容子会社の議決権に対する所有割合(%)関係内容役員の兼任資金援助営業上の主な取引その他Nidec Leroy-SomerHoldingフランスアングレーム郡USD39,060千家電・商業・産業用製品99.9(99.9)有 ロイヤリティの受取 ニデックテクノモータ(浙江)有限公司中国浙江省平湖市CNY553,944千家電・商業・産業用製品100.0(91.7) ニデックミンスター㈱米国オハイオ州USD687千機器装置100.0(100.0) ニデックマシンツール㈱滋賀県栗東市JPY3,000百万機器装置100.0有貸付金ロイヤリティの受取 ニデックパワートレインシステムズ(浙江)有限公司中国浙江省平湖市CNY432,657千車載用製品100.0(100.0) ニデックコンポーネンツ㈱東京都新宿区JPY2,362百万精密小型モータ電子・光学部品100.0有 ロイヤリティの受取 ニデックパワートレインシステムズ㈱神奈川県座間市JPY5,087百万車載用製品100.0有 ロイヤリティの受取 ニデックアドバンスドモータ㈱群馬県桐生市JPY2,548百万精密小型モータ100.0有 ロイヤリティの受取 ニデックプレシジョン㈱東京都板橋区JPY11,080百万精密小型モータ、機器装置、電子・光学部品100.0有 ロイヤリティの受取※1ニデックグローバルサービス㈱京都市南区JPY109百万サービス100.0(70.2)有貸付金 ニデックフィリピン㈱フィリピンラグナ州USD39,207千精密小型モータ99.9有 当社へ製品を供給ロイヤリティの受取 ニデックパワートレインシステムズ(ベトナム)会社ベトナムホーチミン市JPY4,105百万車載用製品100.0(61.5) 広州ニデック汽車駆動系統有限公司中国広東省広州市CNY600,000千車載用製品51.0有 ロイヤリティの受取※1ニデックオーケーケー㈱兵庫県伊丹市JPY9,023百万機器装置100.0(100.0)有 ロイヤリティの受取※1ニデックセイミツモータ(東莞)有限公司中国広東省東莞市USD7,000千精密小型モータ100.0(100.0)有 当社へ製品を供給※1ニデックホールディングアメリカ㈱アメリカミズーリ州USD1,629,996千家電・商業・産業用製品100.0有 ※1その他308社 (注)※1.特定子会社に該当しております。尚、その他に含まれる会社のうち特定子会社に該当する会社は次のとおりであります。ニデックヨーロッパ㈱2.子会社の議決権に対する所有割合の( )内は、間接所有の割合で内数であります。 (2)持分法適用関連会社持分法適用関連会社が4社ありますが、重要性が乏しいため記載を省略しております。 |
従業員の状況 | 5【従業員の状況】 (1)連結会社の状況 2024年3月31日現在セグメントの名称従業員数(人)SPMS22,891(6,511)AMEC10,395(1,130)MOEN12,367(439)ACIM17,168(911)ニデックインスツルメンツ10,270(3,385)ニデックテクノモータ2,821(1,872)ニデックモビリティ3,509(351)機械事業本部7,124(719)ニデックアドバンステクノロジー1,942(40)その他11,622(2,446)全社1,003(11)合計101,112(17,815) (注)1.従業員数は就業人員であり、臨時雇用者数は、年間の平均人員を( )外数で記載しております。2.2023年4月1日付で、「日本電産サンキョー」セグメントは「ニデックインスツルメンツ」セグメントに名称を変更しております。3.2023年4月1日付で、「日本電産テクノモータ」セグメントは「ニデックテクノモータ」セグメントに名称を変更しております。4.2023年4月1日付で、「日本電産モビリティ」セグメントは「ニデックモビリティ」セグメントに名称を変更しております。5.2023年4月1日付で、「日本電産シンポ」セグメントは「機械事業本部」セグメントに名称を変更しております。6.2023年4月1日付で、「日本電産リード」セグメントは「ニデックアドバンステクノロジー」セグメントに名称を変更しております。 (2)提出会社の状況 2024年3月31日現在従業員数(人)平均年令(歳)平均勤続年数(年)平均年間給与(円)1,964(37)41.712.67,207,712 セグメントの名称従業員数(人)SPMS630(-)AMEC438(17)MOEN-(-)ACIM-(-)全社896(20)合計1,964(37) (注)1.従業員数は就業人員であり、臨時雇用者数は、年間の平均人員を( )外数で記載しております。2.平均年間給与は、基準外賃金及び賞与を含んでおります。 (3)労働組合の状況当社及び当社の連結子会社(以下、「NIDEC」)のうち、一部の連結子会社において労働組合が結成されております。労使関係については良好であり、特記すべき事項はありません。 (4)管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異①提出会社当事業年度管理職に占める女性労働者の割合(%)(注1)男性労働者の育児休業取得率(%)(注2)労働者の男女の賃金の差異(%)(注1)全労働者正規雇用労働者パート・有期労働者全労働者正規雇用労働者パート・有期労働者(注3)8.147.447.4-69.678.231.8 (注)1.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。2.「育児休業、介護休業等育児または家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児または家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の4第1号における育児休業等の取得割合を算出したものであります。3.パート・有期労働者には定年後再雇用の社員を含んでおります。 当社はジョブ型人事制度(職務等級制度)を導入しており、年齢に関わらず「職責・職務(責任)の大きさ」、「成果」に応じて処遇を行っております。 ②国内連結子会社当事業年度名称管理職に占める女性労働者の割合(%)(注1)男性労働者の育児休業取得率(%)(注2)労働者の男女の賃金の差異(%)(注1)全労働者正規雇用労働者パート・有期労働者全労働者正規雇用労働者パート・有期労働者ニデックインスツルメンツ㈱1.827.027.0-70.570.570.4ニデックインスツルメンツ秋田㈱0.00.00.0-63.468.851.1ニデックマテリアル㈱3.60.00.0-56.179.145.1ニデックアドバンステクノロジー㈱8.520.020.0-80.082.949.9ニデックドライブテクノロジー㈱ 4.536.436.4-82.080.387.5ニデックテクノモータ㈱2.315.015.0-69.882.154.5ニデックモビリティ㈱4.012.512.5-66.368.159.5ニデックコンポーネンツ㈱2.433.333.3-62.164.950.8 ニデックパワートレインシステムズ㈱9.337.537.5-74.781.038.8ニデックプレシジョン㈱3.540.040.0-68.675.385.4ニデックマシンツール㈱2.07.17.1-73.579.574.2ニデックエレシス㈱3.260.060.0-59.358.2141.7ニデックアドバンスドモータ㈱ 0.00.00.0-76.177.754.2ニデックオーケーケー㈱2.020.020.0-77.275.653.0㈱TAKISAWA4.892.992.9-63.990.555.0 (注)1.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。2.「育児休業、介護休業等育児または家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児または家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の4第1号における育児休業等の取得割合を算出したものであります。 |
経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 | 1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであり、その達成を保証するものではありません。 (1)会社の経営の基本方針当社は2023年7月の創業満50周年に際して、100年を超えて成長し続けることを展望して「新企業理念」を制定しました。「新企業理念」は「社是」を根幹とし、ニデックグループの50年の成長の源であった、価値観・行動規範・行動指針を継承しつつ、ニデックグループの成長の目的や存在意義を「使命(Mission)」として明確にし、また人類が抱える多くの課題を解決する世界No.1のソリューション企業集団を「目指す姿(Vision)」として新たに制定の上、全てを一体としました。「使命(Mission)」、「目指す姿(Vision)」は以下のとおりです; 「使命(Mission)」:■世界一高性能なモータで地球に貢献する(全社員の弛まざる努力により、当社が世に送り出すモータを中心とした製品を通じて、地球環境の保全を始めとする様々な課題を解決すると共に、世界の人々のより良い生活の実現に貢献する。) 「目指す姿(Vision)」: ■100年を超えて成長し続けるグローバル企業■人類が抱える多くの課題を解決する世界No.1のソリューション企業集団 このような状況下、当社は2025年度をターゲットとする中期戦略目標(Vision2025)を設定しており、事業環境変化に力強く適応する成長企業を目指しています。 その骨子は次のとおりです。2023年度~2025年度 ①連結売上高目標 4兆円 ②生産性向上:従業員一人当たりの売上高と営業利益を倍増 ③ROIC(投下資本利益率) 15%以上 ④ESGで評価される企業に・世界初、世界№1技術の積み上げによる社会ニーズの解決・カーボンニュートラルを中心としたESG経営の推進・One Nidecとしての組織、ガバナンス強化 更にESG関連項目を目標として組み込み、当社事業ごとの持続性を担保していくため、社内外のステークホルダーによる中長期の展望を軸に5つの重要課題(マテリアリティ)を特定しました。「脱炭素社会の実現」「人権の尊重・適正な労働慣行の浸透」「国際競争力が高い人材の確保・育成」など、積極的かつ持続性のある改善活動を進めてきました。特に「脱炭素社会の実現」において、2040年度までにスコープ1・2をカーボンニュートラルとする目標を設定し、CO2削減活動を推進しています。これらの活動が認められ2024年2月に気候変動に関する国際的な非政府組織CDPからBスコアを獲得しました。当社はこの目標に加え、2024年3月にCO2排出量削減に関する新たな中長期目標を設定しました。2050年度にサプライチェーン全体のCO2排出量のネットゼロを目指し、2030年度までにスコープ1・2での排出量を2022年度に比べて42%削減、スコープ3での排出量も2022年度に比べて25%削減することを目指します。これらの目標は2015年にCOP21で採択されたパリ協定の水準に沿ったものです。当社は再生可能エネルギーの導入や省エネ活動を通じて、事業活動におけるCO2の排出量を削減するとともに、軽薄短小の技術を活かし省資源・省エネルギーの製品を開発することで、サプライチェーンのCO2排出量も削減していきます。 (2)経営環境及び中長期的な会社の経営戦略現在、当社が人類共通の課題に対してソリューションを提供出来ると考えている分野として「脱炭素化」「省人化」「省電力化」「5G&サーマルソリューション」「デジタルデータ爆発的増大」の5つがあります。「クルマの電動化」「ロボット活用の広がり」「高効率モータへの需要増加」といったCO2排出抑制、労働力不足、省電力化といった人類共通の課題へのソリューションが求められている分野に経営資源を集中的に投下します。 ①精密小型モータ 精密小型モータ事業にはHDD用モータ事業とその他小型モータ事業があります。HDDは主にPCやサーバを始めたとした多くの情報機器に用いられていますが、その心臓部を担うのがHDD用モータです。タブレットやスマートフォンなどの新しいIT端末の普及によりPC用途のHDDは今後大きな市場拡大を望めませんが、一方で5G通信の拡がりにより画像や動画などの高画質・高容量化、ソーシャルメディアやゲームの普及といったビッグデータ化は益々加速すると考えられます。それに伴うストレージ需要の拡大により、今後もサーバ用途等ではHDD用モータ需要は安定して継続すると見込まれます。 その他小型モータに関しては「5G通信に起因する次世代技術」や「家電製品のブラシレスDC化」、「小型モビリティ」といった分野で今後の伸びが期待できます。5G通信が主流になると通信速度は従来の100倍、通信容量は1,000倍になると言われています。しかし膨大なデータを高速で処理するがゆえにCPU(中央演算処理装置)や電子回路に高熱が生じるため、放熱・冷却といったサーマルマネジメントに対する需要が益々高まることが予想されます。この需要に対応するため、当社ではヒートシンクやヒートパイプ、ベイパーチャンバー等を組み合わせたサーマルモジュール製品を市場に提供しています。加えて、急成長する生成AIを活用したデータセンター向け需要増を取込み、水冷モジュールなどの新たな事業機会も生まれ始めています。また、家電が省電力化、コードレス化するに従い省エネ・長寿命・低騒音という特徴を持つ当社ブラシレスDCモータの需要が益々増えていきます。更に電動自転車、電動バイク、電動スクーターやミニEVといった電動化が進んでいる小型モビリティ分野も当社の成長を中長期で牽引していくと考えられます。その他のAV・IT・OA・通信機器や家電・産業機器など多岐にわたる分野においても新たな活用の場を開拓し、持続的な成長につなげていきます。 ②車載 車載オーガニック(既存事業)においては、半導体等の供給制約緩和に伴いグローバル自動車生産台数が徐々に回復する中、電動化進展による旺盛なモータ等の関連需要を当社は捉え、世界No.1シェアを誇る電動パワステ用モータやブレーキ用モータを始めとした車載用モータに加え、電動オイルポンプや電動ウォーターポンプ等の車載製品を提供し、更なる市場シェアの獲得と、売上・利益の成長を強力に推進していきます。 EVトラクションモータ事業においては、激しい価格競争の進展によって健全な競争環境が失われつつある中国EV市場では他社に先駆けていち早く収益性最優先へ戦略転換を行いました。中国EV市場の競争に対応するための開発や部品調達の更なる現地化により着実な収益改善を実現していきます。また欧州ではStellantis社との合弁会社であるニデックPSAイーモーターズにおいて、当社車載事業部との協業を強化し2024年度の連結化に際して垂直立上げを目指します。これらにより中長期的な電動化シフトの波を確実に捉えていきます。 ③家電・商業・産業用 現在、世界の電力使用量の約半分をモータが占めていると言われており、特に産業用モータによる消費量が大きいことから、より高効率なモータへの置き換えが急務となっております。当社は家電関連では、洗濯機、乾燥機、食洗機用モータや冷蔵庫用のコンプレッサー及びコンプレッサー用のモータ等を手掛けており、効率に優れるブラシレスDCモータへの需要の更なる高まりが今後期待されます。又、家電需要の新興国への拡大も中期的に期待されます。商業部門ではエアコン向けモータやECの配送センターで使用されるロボット向けのモジュール等を提供しており、産業部門では農業、ガス、鉱業、上下水道、海洋といったマーケットを中心に事業を展開しております。特に、建設機械向けやデータセンター向けの発電機の需要が増大しておりビジネスの拡大が見込まれます。また各国の発電・送電事業者に向けたバッテリーエネルギー貯蔵システム(BESS)の需要も高まっています。再生可能エネルギーの増加とともに、当社BESS関連ビジネスは大きな成長が期待されます。ブラジルの航空機メーカーEMBRAER社との合弁会社を設立したeVTOL(電動垂直離着陸機)向けモータも今後移動インフラの変化と共に成長が期待される分野です。 ④機械装置他 世界的な課題となっている労働人口不足への対応として、中国を中心にFA(ファクトリーオートメーション)需要が高まっています。「ロボット活用の広がり」を背景に拡大傾向にある小型ロボット基幹部品(減速機)の需要を確実に獲得するため、減速機関連製品のモジュール化を加速し高付加価値製品の供給により、グローバルシェア拡大を徹底推進し売上拡大を図ります。更に当社は、工作機械事業分野でも買収を積極的に進めており、買収した会社の収益性も、短期間で大幅に改善しております。プレス機械事業同様、買収により製品ラインアップを揃え、収益改善活動を進めてゆくことにより、工作機械事業は今後も更なる成長が見込まれます。 ⑤M&A 上記の目標を達成するために、精密小型モータでは、2018年11月にベイパーチャンバーを中心としたサーマルソリューション製品を持つCCI社(現 ニデックCCI)を買収しました。当社の既存技術であるファンモータを中心とした冷却技術と組み合わせて、より付加価値の高いサーマルソリューションを提供していきます。 車載では2019年10月に電子制御ユニット(ECU)の技術をもつオムロンオートモーティブエレクトロニクス株式会社(現 ニデックモビリティ)を買収しました。ニデックエレシスが持つECUのキャパシティを増強するとともに、当社既存の車載モータとのシナジー効果を追求します。 家電・商業・産業用では、2019年7月に冷蔵庫用コンプレッサーの技術をもつエンブラコ社を買収しました。当社の既存技術であるコンプレッサー用モータと組み合わせて、より省エネ性能に長ける冷蔵庫の実現に貢献します。 機器装置他では、2021年8月に高精度・高効率の歯車加工技術を持つ三菱重工工作機械株式会社(現 ニデックマシンツール)を買収し工作機械事業に参入して以降、2022年2月にマシニングセンタの老舗であるOKK株式会社(現 ニデックオーケーケー)、2023年2月に横中ぐり盤の世界トップメーカーであるPAMA社、2023年12月に旋盤の専門メーカーである株式会社TAKISAWAを買収しました。これら一連の買収により製品ラインアップの拡充と海外市場の強化を実現しました。 |
サステナビリティに関する考え方及び取組 | 当社が考える持続可能な経営の在り方とは、「会社が追求する事業戦略の方向性と世界が求める社会的課題解決への道筋を一致させ力強く芯のある成長を続けること」です。気候危機、パンデミック、地政学的緊張等に代表される今日のグロ―バルリスクは、世界経済の基本構造に根本的な変化をもたらし、それに応じてビジネスにおけるヒト、モノ、カネ、情報も従来とは異なる指向性を示し始めております。社会が企業に求める役割が新たな転換点を迎えた今日、当社はこうした構造変化への適応力を高めながら経営資源を効果的に活用していくうえで必須と判断する持続的経営の要素(“マテリアリティ”と呼称)を5分野・15項目に分類し、リスクの低減と機会の発見・拡大に努めています。マテリアリティを含む持続的経営に関わる諸課題に取り組むうえで必要なガバナンス組織として、当社は執行機関であるサステナビリティ推進会議(旧ESGマテリアリティ・ステアリングコミッティ)、並びにその監督機関であるサステナビリティ委員会を設置しています。サステナビリティ推進会議は原則として2か月ごとに開催され、社長以下執行役員が実施計画の進捗状況と課題を協議するとともに新たな社会的要請に関する情報を共有します。同会議の内容は社外取締役が過半数を占めるサステナビリティ委員会に報告され、四半期ごとの審議対象になります。また、当社取締役および執行役員等を対象とする業績連動型株式報酬制度における目標達成度指標として、従来の財務目標に加えESG評価機関(MSCI、FTSE、CDP)による当社レーティングを採用する旨、2024年6月18日に開催された第51期定時株主総会を経て決定しています。 (マテリアリティの詳細につきましては当社ウェブサイトhttps://www.nidec.com/jp/sustainability/principle/materiality/actionをご参照ください。) 2023年度サステナビリティ委員会の開催履歴 開催年月議題第4回2023年6月・委員候補の推薦・TCFDシナリオ分析結果報告・2023年度ESG説明会開催・統合報告書2023制作方針・社会貢献活動方針・重点分野の設定第5回2023年9月・情報セキュリティ対策の推進報告・CSRD(企業サステナビリティ報告指令)への対応・統合報告書2023発行報告第6回2023年12月・経営幹部育成計画・2023年度ESG説明会開催計画・SBTに沿ったカーボンニュートラル目標設定と認定取得第7回2024年3月・製品の安全性と品質の追求・ESG説明会開催報告・サステナビリティ推進体制の改編報告 (1)TCFDガイドラインに基づく気候変動対策 ①ガバナンス当社は2022年4月にTCFD提言への賛同を表明して以来、同イニシアティブに沿って気候関連リスク・機会の分析並びに財務インパクトの把握に努めてきました。それら取り組みを通じて得られた結果は、サステナビリティ推進会議及びサステナビリティ委員会における議論を経て経営戦略に反映されます。 ②戦略2023年度には、当社連結売上高の95%以上を占める事業領域から選抜した経営幹部ならびに実務担当者が多様な視点から気候変動インパクトを議論し、以下手順に沿ってシナリオ分析を実施しました。 シナリオ分析ステップ ステップ1 シナリオ分析の前提条件の決定シナリオ分析を進めるにあたり以下のような前提条件を決定 シナリオ・移行リスクシナリオ(2℃/1.5℃シナリオ)IPCCのSSP1-2.6シナリオ・RCP2.6シナリオやIEAのNZEシナリオをもとに、脱炭素社会を実現するために様々な施策・規制が導入される世界を想定 ・物理的リスクシナリオ(4℃シナリオ)IPCCのSSP5-8.5シナリオ・RCP8.5シナリオなどをもとに、脱炭素社会を実現するための施策・規制導入は進まず、気象災害が激甚化している世界を想定 時間軸短期:2025年 中期:2030年 長期:2050年 対象範囲当社連結売上高の95%以上を占める事業領域 ステップ2 気候変動リスク・機会の把握TCFD提言を参考に、事業への潜在的気候変動リスク・機会を列挙 ステップ3 事業インパクト評価事業への影響度、リスク・機会が顕在化する時期、早期対応の必要性の観点から事業インパクト評価を実施し、主要な気候変動リスク(炭素税の導入、洪水被害)については定量評価を実施 ステップ4 対応策の検討事業インパクトが大きいと判断した気候変動・リスク・機会について対応策を検討 (参考)事業インパクトの大きい気候変動リスク・機会及び対応策(注:事業インパクトが大きいと判断した気候変動リスク・機会に〇印を記載) (参考)事業インパクトの定量評価リスク財務影響算出方法炭素税の導入124億円炭素価格はIEA「World Energy Outlook 2022」における2030年の先進国予想炭素価格140USD/t-CO2を採用。CO2排出量(Scope1・2)は当社の2030年度排出量目標610千t-CO2を基に算出。洪水被害422億円Aqueductを用い、洪水リスクが高いと評価された38拠点が全て被災した場合の影響を評価。国土交通省の「TCFD提言における物理リスク評価の手引き」を参考に、固定資産・在庫の毀損及び操業停止による機会損失の影響額を算出。 引き続き事業インパクト評価の質的改善に努めるとともに、気候変動リスクを効果的に低減する取り組みを推進します。 ③リスク管理下図に示した階層ごとにリスク調査を行い、調査結果を相互利用していく仕組みを構築しております。事業中断を招きかねない重大偶発リスクは、事業本部レベル(L2)が傘下の主要事業所レベル(L1)のBCP(Business Continuity Plan、事業継続計画)の整備状況を定期的に確認し、リスク低減に向けた継続的な改善活動の定着を図っております。※主要事業所:所属する事業本部・グループ会社の売上の80%をカバーするように選定された事業所 世界の各拠点に設置したリスク管理者を中心に、事業継続を妨げる気候変動事象の早期の察知と的確な対応に努めています。洪水、干ばつの発生を想定したBCPシミュレーション訓練を国内外の拠点で実施すると同時に、厳格化する気候変動関連法令の遵守、変化する市場動向への適応、並びに顧客、投資家その他ステークホルダーとのコミュニケーションの強化に焦点を置いた対策を通じ、気候変動リスクの総体的把握とその軽減に注力しています。 ④指標と目標「持続可能な地球環境への貢献」をマテリアリティの一つとして特定し、以下のようなKPIを定めております。(ⅰ)電気自動車用駆動モーターシステム「E-Axle」の普及を通じて自動車によるCO2排出量の削減を推進する(2020年度~2025年度削減目標:累計11,700千t-CO2)。(ⅱ)電動パワーステアリング用モータの販売を通じて自動車によるCO2排出量の削減を推進する(2020年度~2025年度削減目標:累計26,261千t-CO2)。(ⅲ)2025年度までに連結ベースの再エネ導入比率を40%にする。(ⅳ)全生産拠点における水リスクアセスメントを100%完了する。 また、中期戦略目標Vision2025及びESGマテリアリティ対策の大きな軸の一つとして、2040年度カーボンニュートラルの実現を目標に掲げております。2023年度には排出量算定結果の第三者検証を受審し、国際的なイニシアティブであるSBT(Science Based Targets)のガイドラインに沿って設定した2030年度までのCO₂削減目標の達成計画についてSBT認定を申請しました。 2030年度目標① 当社が事業を通じて直接排出するCO2(Scope1)と電力や燃料の購入を通じて間接的に排出するCO2(Scope2)の総量を2022年度比で42%削減する。② サプライチェーンから排出されるCO2(Scope2)の総量を2022年度比で25%削減する。 (2)人的資本拡充に向けた取り組み当社は、2023年7月23日に創業満50周年を迎え、2023年4月1日より、日本電産株式会社からニデック株式会社へと社名を変更し、今後第2創業期として更なる進化を図ってまいります。創業当時4名でスタートした当社は、この50年間の企業としての着実な歩みの中で、自律成長とM&A戦略の両輪でグローバルに事業展開を果たし、大いなる成長とともに2022年度以降の売上高において、2兆円超を達成しております。会社・事業の成長サイクル(導入期・成長期・成熟期・衰退期)において、将来の事業ポートフォリオを見据えながら、第2創業期として、次の50年に向けて新たなステージに入る当社では、更なる飛躍(経営目標:2025年度4兆円、 2030年度10兆円)を達成するために、旧来の連邦経営(個々の会社の自主性を重んじ、グループ内といえども競い合いながら成長を促す経営)からグループ一体化経営(One Nidec:全体最適にてグループシナジーを創出しながら成長する経営)によるグループシナジー創出のための人事施策・基盤整備を進めております。これまでの50年は、創業者である永守重信の強いリーダーシップによって会社・事業の成長を牽引してまいりました。次の50年に向けての成長においては、新社長:岸田光哉のもと、“永守イズム”、“Nidec Way(全社員の行動指針・規範)”を次世代へ継承しつつ、企業理念・目指す姿(「100年を超えて成長し続けるグローバル企業」「人類が抱える多くの課題を解決する世界No.1のソリューション企業集団」)を実現するためグローバルで戦うことができる企業集団づくりに邁進しております。ニデックの企業集団づくりは、多様性の中にもしっかりとした軸をもち「One Nidec」として、同じ一つの夢に挑戦していくために人的資本の観点(人事上のソフト面・ハード面における多面的な観点)に着目しつつ、ニデックグループの強みの根幹である企業理念やコーポレート・スローガン、“Nidec Way”などをベースに会社組織及び人材に係る基本的な考え方を「NIDECグローバル人事ポリシー」としてまとめ、人事戦略・施策として具体的な活動へと落し込みを行っております。 人的資本における人事戦略上の大きな柱となる「NIDECグローバル人事ポリシー」は次のとおりです。 「NIDECグローバル人事ポリシー」“For Our Future, For Our Dream” ― 世界の人々の明日と私たちの夢のために“挑戦する”組織・人材であり続けます。①組織・人材開発ポリシー“Encourage Uniqueness, Respect Team Spirit”自らの存在価値をプロアクティブに発揮する個人を尊重します。多様な意見を受容し、本音のコミュニケーションを通じて新たな価値を創出します。 組織・人材開発(ソフト領域)についてのポリシーです。このポリシーに基づき、ビジョンを共有しながらも、本音で対話をしながら多様な視点を取り入れることができる風土の醸成を図ります。また、個性を磨き、その発揮を促す組織開発・人材開発施策を進めています。 ②人事制度ポリシー“Reward Based on Contributions without Bias”シンプルな基準で常に公正・公明・公平に正しく評価され、適切なキャリア機会が提供されます。 人事制度(ハード領域)におけるポリシーです。このポリシーに基づき、会社における人事基盤として必要な基幹制度(等級・報酬・評価)、これらに付随する組織管理・異動ルール・福利厚生などの制度・仕組みを公正・公明・公平な観点から整備します。実力に応じた多様なキャリア機会を提供、実績・成果に正しく応えることを通じて組織・人材の挑戦を支援します。 ※人的資本に関する以下の指標については、特に記載がない限りニデック(株)の数値(2024年3月末時点)を掲載しております。また、掲載数値は小数点第2位を四捨五入しております。 <人材開発における戦略>「NIDECグローバル人事ポリシー」をもとに人材開発の領域では、多様な個性を尊重し、発揮を促しながら、実力・実績に応じたキャリア機会の提供を通じて、「経営層及び重要ポストの育成」「次世代リーダー(管理職層・担当者層)の育成」、これを根本から支える「理念の浸透」からリーダーシップパイプラインを構築すると共に、「多様性の中での組織活性化」を図ることで、グローバル規模での人材の早期可視化・育成・強化を推進しております。 「経営層及び重要ポスト後継者候補の開発」ニデックグループが着実な成長を遂げる上で、グループの重要ポストについてはニデック特有の経営手法を理解し、確固たる実績を持ち合わせている人材を登用することを重視しています。そのため、グループ全体の重要ポストを可視化し、経営幹部がサクセッションプラン(後継者計画)の妥当性を議論すると共に、次世代の経営人材候補となりうる人材を発掘し、戦略的な早期育成の取り組みを推進しております。また、経営人材候補については、企業再建や抜擢登用等のタフアサインメントに加え、当社理念や経営マインドの浸透を目的とした創業者による育成塾や、グローバル企業のトップとして高いレベルの経営知識習得のための「グローバル経営大学校」「次世代グローバル経営大学校」を通じて、知識習得と実践の場を組み合わせながら育成強化を図っております。両経営大学校には、これまで世界14カ国(日本、米国、カナダ、メキシコ、中国、タイ、フィリピン、シンガポール、インド、イタリア、ドイツ、フランス、イギリス、ポーランド)の国々から受講者を選抜し、受講後は各地でグローバルリーダーとして活躍しております。上記の通り、多くの重要ポジションにおいては内部の後継者候補の計画的な開発・登用を基本とし、内部人材によるサクセッションプランの充足を目指しており、取り組みの結果として内部継承率が上昇しています。一方で、事業の拡大や変革に応じて、その時々に必要なスキル・経験を持った即戦力人材の採用・幹部登用も必要となります。即戦力人材がその実力を十分に発揮し、ニデックグループで成果を創出するために、上記創業者による育成塾等を通じて当社の経営手法や理念の浸透を図り、多様な視点を持った経営体制の構築に努めています。なお、2020年度より「人材開発委員会」を設置し、ニデックグループの重要ポストのサクセッションプラン(後継者計画)等について経営幹部が半期ごとに議論を行う仕組みとし、事業セグメントごとに策定することを基本としながら、グループ全体最適の観点から検討をしております。更に、ニデック株式会社の社長ポストをはじめとした特に重要な一部のポストについては、2022年11月に上位委員会として「指名委員会」を設置し、経営層(取締役・執行役員)の選任に繋がる仕組みを構築しております。 経営層および重要ポスト後継者候補の開発に関する指標2022年度2023年度2025年度目標幹部候補の準備度―59.8%70%内部継承率65%84.6%85%後継者候補準備率62%55.6%70%後継者の継承準備度(即時継承可能)―59.8%70%後継者の継承準備度(1~2年後に継承可能)62%55.6%70%後継者の継承準備度(3~5年後に継承可能)―40.2%60% ※経営層及び重要ポスト後継者候補の開発に関する指標の対象範囲はニデックグループ全体となります。※幹部候補の準備度:重要ポスト数に対する、即時継承可能な後継候補数の割合内部承継率:重要ポスト数に対する、重要ポストに占める内部登用者数後継者候補準備率:重要ポスト数に対する、1~2年後に継承可能な後継者候補数の割合後継者の継承準備度(即時継承可能):重要ポスト数に対する、即時継承可能な後継候補数の割合後継者の継承準備度(1~2年後に継承可能):重要ポスト数に対する、1~2年後に継承可能な後継者候補数の割合後継者の継承準備度(3~5年後に継承可能):重要ポスト数に対する、3~5年後に継承可能な後継者候補数の割合 2023年度よりグローバルに重要ポストの見直しを行い、新たな重要ポストにおけるサクセッションプラン策定の取り組みの定着を図っております。そのため、後継者候補準備率及び後継者の継承準備度(1~2年後に継承可能)については実績値が低下しております。 「次世代リーダー(管理職層・担当者層)の育成」ニデックグループでは、個々の社員の特性を理解し、尊重することで、社員各々の専門性が発揮され、グループ全体の業績向上及び将来のリーダーを担う人材の候補者開発に繋がると考えています。そのため、様々な人材開発施策を通じて、社員が自律的に成長するために学習意欲を高めることや、個々人のニーズに合うよう幅広く学習機会を提供することを目指しています。今後も、キャリアの状態に応じた次の役割別の研修機会、及び個別の学習ニーズに合わせた開発施策・機会の提供に注力致します。 a)管理職層に対しては、自己のリーダーとしての強み、弱みを洗い出すための研修を実施しております。研修の結果として作成される個人別のフィードバックレポートを本人及び上司にも共有し、OJTに活用できるようにしております。b)担当者層においては、新卒入社者に対して約2年間の若手育成プログラムを実施し、実務遂行力やビジネスパーソンとしての基礎的な力を養成するための各種研修を実施しています。このプログラム期間は、研修だけでなく、職場にて具体的な育成計画を立て、OJTにより現場での経験を通じた人材育成にも取り組んでおります。c)階層別に各種研修の機会を提供するほか、キャリア開発支援(上司・若手向けキャリア研修やキャリアプランシート、定期的な1on1ミーティングなど)を通じて、各個人が学習意欲を高めるための内省を促進する機会を設けています。d)社員全般に対しては、社員個人が自らの学習ニーズに沿った通信教育(修了者への補助あり)等を受講できる自己啓発プログラムを用意しており、個々人の能力向上、リスキリングの促進にも取り組んでおります。e)プロフェッショナル人材の育成・強化を行うために、会社機能別での切り口から多様な経験を支援する「機能軸人材マネジメント制度」の導入を管理部門からスタートさせており、プロ人材となる過程において経験すべき職場・業務を通じた育成を加速させております。創業以来大切にしてきたニデックの三大精神(「情熱・熱意・執念」「知的ハードワーキング」「すぐやる・必ずやる・できるまでやる」)をはじめとした、“ニデックらしさ(理念)”を時代に合わせて磨き上げ、全社員に浸透させながら、多様性の中にも組織として目指すべきもの、その中での社員の一体感(ベクトルの一致)を醸成する取り組みを進めております。 教育・研修に関する指標2022年度2023年度2025年度目標一人当たり研修時間12.9時間11.6時間15時間一人当たりの研修費用13,526円17,409円20,000円キャリア意識50.2%50.4%55.0% ※キャリア意識:毎年実施している従業員意識調査「組織パフォーマンスサーベイ」の「あなたは、キャリアの方向性を描いていますか? 」の設問に対し、5段階評価の内「そう思う」、「ややそう思う」と回答した社員の割合 「理念の浸透」社員の特性を尊重することとグループ全体の業績向上を両立する上で、社員各々がニデックグループの理念や経営方針に共鳴することが必要不可欠です。ニデックグループの着実な成長に向け、社員のベクトルを合わせ、社員各々が最大限活躍できる組織を作るため、次の取り組みを実施しています。a)理念浸透では、創業者の想い(ニデックの理念や考え方など)をまとめた「挑戦への道」を社員に配布し、ニデック内で共有すべき理念として日々浸透させ、また理念研修で定期的にこれらの理解度や実践度を振り返る機会を設けることで、企業風土・組織文化の醸成からベクトルの合った組織づくりを行っております。b)One Nidecとして社員の力が最大限に発揮されるように、社員間の関係性を活性化させ、各職場から組織全体へと繋がるパフォーマンスの向上を目指し、「組織パフォーマンスサーベイ」を実施しております。c)「組織パフォーマンスサーベイ」の結果を活用した組織開発の取り組みとして、各職場にて本音で話し合う「職場ワークショップ」を導入し、多様な意見を尊重しながらビジョンに基づく意思決定を進めることができる組織風土の醸成・組織の構築を進めております。これらの取り組みにより、ニデックグループを支える「組織」「ヒト」を中心とした持続的な企業成長を目指してまいります。 理念浸透に関する指標2022年度2023年度2025年度目標ビジョンの浸透度80.9%76.4%85.0% ※ビジョンの浸透度:毎年実施している従業員意識調査「組織パフォーマンスサーベイ」の「あなたの職場では、会社の経営理念やビジョンが共感されていますか? 」の設問に対し、5段階評価の内「そう思う」、「ややそう思う」と回答した社員の割合 2025年度目標の達成に向けては、「理念浸透」、「組織パフォーマンスサーベイ」、「職場ワークショップ」の取り組みに加え、2024年度より社内でコミッティを立ち上げ、ビジョンの浸透促進を図ります。 <人事基盤整備における戦略>グローバル競争が加速する中、10兆円企業という目標達成のためには、国際競争力の強化や働き方改革の推進による生産性向上、実力・実績主義の徹底を通じた競争力の強化が必要不可欠であると考えております。世界情勢・社会動向・諸外国との関係においても、特に生産性向上の強化が望まれる日本国内において、当社では人事制度改革に着手し、One Nidecでの強固な基盤(組織・人材)づくりを目指しております。なお、基盤整備においては、属性に関わらず誰もが実力を発揮できるよう、多様性のある組織(職場)風土や労働環境づくりにも注力し、日頃の円滑な企業活動の土台を築き上げながら進めることとしております。2019年より人事制度改革に向けた検討を開始のうえ、その後の各種人事施策の展開等により経営層から一般社員までの体系的な組織・仕組みを構築することで、人材の流動化・ガバナンス強化を促進し、「組織」「ヒト」の活性化を実現することを目指しております。 「人事基盤整備_制度」a)当社では、取締役会の諮問機関として「報酬委員会(2021年2月~)」「指名委員会(2022年11月~)」を設置(委員の過半数を独立社外取締役にて構成)しております。取締役及び執行役員等の選任方針・選任基準・候補者案の決定等や役員報酬に関して、独立社外取締役の適切な関与・助言を得ることで、公正性・透明性・客観性を担保し、当社のコーポレート・ガバナンス体制のより一層の充実を図ることを目指しております。(ⅰ)「指名委員会」では、取締役及び執行役員等の選任方針・選任基準や継承プラン及びサクセッションプランの考え方を踏まえ、社長・副社長の候補者案等を審議しております。(ⅱ)「報酬委員会」では、役員の報酬に係る報酬決定方針の策定、報酬制度の設計(業績目標の設定、業績連動報酬の合理性、報酬構成の妥当性、報酬制度に基づく個別報酬額)等を審議しております。当社グループのグローバルでの競争力強化と事業の持続的な成長・発展につなげるべく、グループ経営・グループガバナンスをより一層強化し、安定した経営継承を行うべく進めてまいります。 b)グループ一体化経営を進める上で、等級・報酬・評価の人事基幹制度については、国内主要グループ会社を含めた約1万人を対象に制度の統一化を図っており、2020年度にはグループ統一での評価制度を先行して導入しました。更に、2021年~2022年度にかけて段階的に等級・報酬制度を導入しております。(ⅰ)評価制度は、実力・実績主義を徹底するため、組織への貢献(該当業務(職務)に対してのパフォーマンス(行動・アウトプット・成果))を総合評価し、その評価結果を月例給・賞与へ反映させております。(ⅱ)等級・報酬制度は、管理職・非管理職のリーダークラス以上に、ジョブ型人事制度(職務等級制度)を導入のうえ、職責・職務を明確化し、ポジションベースでの適所適材の人材配置を実現できるようにしております。報酬(賃金)は、月例給を職務給に一本化し、外部機関の報酬調査・ベンチマーク(75%ile・50%ile・25%ile)を参考に市場水準に基づいた金額を設定のうえ、職務等級制度により明確化した「職責・職務の大きさ」と「成果(評価結果)」に応じて月例給を決定しております。非管理職の担当者クラスは、日本のジョブ型市場の動向(市場としては未成熟)を踏まえ、担当としての職務(役割)段階の違いを定義づけすることに留め、ある程度の職能要素を残した形で、過去の評価の積み上げから昇降給や昇格候補者としての推薦、昇格を行う仕組みとすることで、着実な人材育成・強化を進めるものとしております。月例給だけでなく、会社・個人業績の結果などによる賞与も含め、メリハリのある処遇を実現させるにあたっては、その基本的な考え方として、「儲けてくれる人を一番評価する」「会社によい変化をもたらしてくれる人を次に評価する」という当社の価値観に基づき、年齢、学歴、社歴、性別、国籍等は関係なく、常に公正・公明・公平に正しく評価することを目指しております。c)退職金制度においても実力・実績主義を徹底し、貢献度の高い社員により報いるべく、次の3点をコンセプトとしております。(ⅰ)総報酬の一部として毎年の貢献をその年の対価として報いること(=報酬感)(ⅱ)優秀な人材の採用・定着、パフォーマンスの向上に資する制度とすること(=リテンション)(ⅲ)ニデックグループのガバナンスを確保し、円滑な異動を担保する仕組みとすること(=グループ内の流動性確保)これらのコンセプトの下、具体的には、勤続年数による退職金の逓増を廃止し、役割や責任の大きさによって決定する基本給に応じて、退職掛金が変動・決定する仕組みとしております。また、グループ各社においても、様々な退職金制度の仕組みがありましたが、確定給付企業年金(以下、DBという)及び確定拠出企業年金(以下、DCという)の2本立ての退職金制度から、DCのみの退職金制度へ変更しております。退職金制度をDCに一本化したことで、DCのポータビリティ制を活かし、ニデックグループ内の人材の流動化が円滑に進むことにもつながっています。その他にも、DBの凍結及び終身部分の確定年金化等も行い、将来的な債務上昇のリスクを回避しております。 d)ポジションベースの人事制度をより機能させる(社内での人材の流動化を促進する)ために、「社内公募制度」を年2回・定期的に実施することとしております。旧来から実施してきた会社主導の人事異動だけでなく、4月と10月の異動時期に合わせて部門単位でポジションの求人を公開し、その求人に社員から応募があった場合は各部門で選考し、社員と部門のマッチングが成立すれば、配属としております。社員の自発的な行動を促し、積極的にチャレンジしてもらうことでキャリア形成を支援するとともに、組織としての活性化を期待しております。なお、「社内公募制度」は、人事制度の導入とともにニデック株式会社からスタートし、順次、グループ会社にも展開・運用を広げる予定であります。e)環境の変化、グローバルビジネスの拡大・深化に伴い、会社が必要とする人材の質は多様になっております。その状況下において、地球規模における「適所適材」(組織能力獲得・人材確保/活用)を実現するために、グローバルモビリティポリシーの策定をはじめとする制度・仕組みの整備に着手しております。国内だけでなく、グローバルに活躍する人材がより多く生まれる環境を整えることによりOne Nidecを更に推進します。 「人事基盤整備_採用」当社は絶えず成長を希求し、「世界No.1の総合モーターメーカー」として、世の中になくてはならないソリューションを提供してまいりました。今後も、時代の変化や社会のニーズに即応できる企業であるために、“永守イズム”“Nidec Way”に共感し、高い目標に向かって絶えず挑戦し続ける3つのP(Proactive, Productive, Professional)を持つ人材の獲得・定着を進めてまいります。ニデックグループの成長に伴い、新たな社員が着々と参画しながらも、ベクトルのあった少数精鋭の社員集団であり続けるため、次の取り組みを実施しています。 (ⅰ)2023年度は、当社を含む国内グループ会社において149名のキャリア採用を致しました。厳しい競争を勝ち抜くために、生え抜き社員だけでなく様々なバックグラウンドを持った社員が協働することで、社員の多様性を重視しながら、常に進化し続ける組織として人材の硬直化を防止すると共に、事業の拡大に応じて、その時々に必要なスキル・経験を持った即戦力人材の採用を行っております。入社後には理念浸透プログラムや入社後面談、月次アンケートなどの定着施策を実施し、ニデックグループで早期活躍するためのオンボーディング施策を積極的に展開しています。(ⅱ)2024年4月入社に、当社を含む国内グループ会社では190名の新卒採用を致しました。若手のうちから裁量を持って積極的に仕事に取組み、様々な教育や業務経験を通して将来のニデックグループの経営幹部候補へと成長するよう開発しております。キャリア採用社員同様に新卒採用社員においても、ニデックへの定着を図り、活躍を促進することが重要だと認識しており、理念浸透活動を通じた経営理念・方針への理解促進や、月次アンケートによる状況把握と個別面談実施、初任給・担当者層の給与水準の向上などを通じて定着率の向上を図っています。(ⅲ)日本国内は、特に先端技術開発などを担うプロフェッショナル集団として、正規雇用が大半を占めております。非正規社員で要件を満たした社員は、積極的に正社員として登用します。当社の「仕事に年齢は関係ない」というポリシーに基づき、役職定年という考え方はなく、ポジションや役割によって、社員一人ひとりが活躍できる会社・組織を目指しています。 採用に関する指標2023年度2025年度目標一人当たり採用コスト(新卒採用)302千円※24年卒-一人当たり採用コスト(キャリア採用)2,129千円-採用にかかる平均日数(キャリア採用)32.9日30日未満定着率79.6%- ※採用に関する指標の内、採用数(新卒採用)、採用数(キャリア採用)の対象範囲は当社及び国内グループ会社、その他の指標は当社のみとなります。※一人当たり採用コスト:採用にかかる外部に支払う費用÷採用数採用に係る平均日数:応募から内定までのリードタイム定着率:100%-離職率(23年度の離職者数÷23年度の平均従業員数) 「人事基盤整備_D&I」ニデックグループは、世界40か国以上に拠点を持つグローバル企業として成長をし続けております。国を跨いだ社員の往来、交流を行っておりますが、多様性のあることが当たり前な組織(職場)・労働環境の整備を進めることで、世界情勢・市場の変化に対しても迅速に対応できる組織・人材となることを目指しております。 a)多様な社員の活躍を促進し、組織全体で新たな価値を創造していく上で、属性を問わず実績を評価する組織風土をはじめ、柔軟な働き方や多様性を受け入れる組織整備を進めています。(ⅰ)2005年頃からダイバーシティ推進に取り組み、その後、仕事と家庭の両立支援から活躍支援へと段階的にフェーズを移しつつ、男女問わない働き方として、時差勤務制度や在宅勤務制度、時間単位年次有給休暇制度を設けると共に、時短勤務等各種制度拡充やキャリア支援などを行っております。その結果、育児休暇からの復帰率向上や女性の管理職、管理職候補層の増加、男性の育児参画度の向上等が成果として出ております。ニデックでは今後も女性活躍推進を重要課題と位置づけ、女性管理職比率について、当社では2023年度で8.1%(女性従業員比率21.1%)となっており、2025年度には9%を目指しています。(ⅱ)LGBTQ社員に対する取り組みとして、当社の就業規則では、性差・性的指向・性自認等に関係なく人格を尊重し、互いに一致協力することを明文化しており、その一環として配偶者に適用される人事規程を同性パートナーにも適用しております。(ⅲ)外国籍役員2名を登用しており、性別だけでなく、国籍をはじめとした個人の属性や価値観にかかわらず人材が活躍できる会社を目指して働き方の柔軟性の確保に努めております。 ダイバーシティに関する指標2023年度障害者雇用率2.67% 育児休業に関する指標2022年度2023年度育児休業取得者数(男性)24名27名育児休業取得者数(女性)19名12名育児休業取得率(男性)31%47.4%育児休業取得率(女性)100%100% 育児休業復職率93%100% 育児休業定着率 ※復職後1年間勤務を続けた社員の割合81%76.9% 制度を活用できる社員の割合2022年度2023年度テレワーク適用率100%100%時差勤務制度適用率83%97.2%時差勤務制度実施率―3.7% ※国内で勤務する社員に限っております。海外赴任者は赴任先の現地法人の就業規則に準拠しております。 b) 会社と社員の様々な対話の場から、適切な共有・建設的な議論を意識しつつ、コミュニケーションの活性化にも取り組んでおります。(ⅰ)当社の社員代表組織である親睦会との間では、月に1回、双方向での情報共有・意見交換の場を設けており、社員が働き甲斐のある職場環境をつくるため、親睦会から集約した社員の声なども踏まえながら、年に2回社員満足度向上委員会を開催し、親睦会と会社が議論を交わしております。(ⅱ)2021年度からは、人事部門の社員が各事業所を訪問し、社員との質疑応答等を通じて現場での課題認識に努めながら、人事施策や取り組みについての周知徹底・理解浸透を図るようにしております。 c) 当社の持続的な成長を実現するにあたり、社員の健康と働き甲斐を重要な源泉と位置づけ、多様な人材が活躍できる職場づくりと、社員が長く活躍できる持続可能な働き方が不可欠であるという考え方に基づき、健康経営に取り組んでおります。また、健康経営においては、「生産性」と「エンゲージメント」の向上を戦略の柱として掲げております。(ⅰ)生産性向上の観点では、心身の健康を維持・増進することで、欠勤や休職等による損失の最小化や健康問題によるパフォーマンス低下の防止を図っております。健康上の高リスク者への対策として、健康診断結果に応じた個別保健指導の実施や精密検査受診勧奨等を効果的に実施するほか、傷病の発生予防として、当社産業医・保健師によるオンラインセミナーの実施により社員の健康リテラシーを高めると共に、敷地内完全禁煙の実施や運動習慣の推奨を通じて社員の行動変容を図っております。メンタルヘルス対策として、ストレスチェック実施後集団分析等、フォロー強化を進めております。加えて、労働安全の観点から、管理職を含む従業員の労働時間を管理し、長時間労働に伴う健康障害発生リスクの抑制に努めております。(ⅱ)エンゲージメント向上の観点では、当社内の健康意識調査である「NIDECヘルスサーベイ」の分析結果から、「エンゲージメント」と「働きやすさ」のスコアの相関関係に着目し、特に「働きやすさ」スコアの改善につながる施策を推進していきます。「働きやすさ」スコアの改善には、1on1ミーティングやキャリア面談の導入による上司・部下間のコミュニケーションの活性化や、職場課題の解決について話し合うワークショップ導入による組織活性化を図っております。また、時差勤務制度や在宅勤務制度の拡充等、制度面での環境整備にも取り組んでおります。 健康経営に関する指標2022年度2023年度メンタルヘルスによる年間長期欠勤・休職者数70名33名メンタルヘルス以外の疾病による年間長期欠勤・休職者数13名4名健康増進プログラムへの参加率83.4%67.8% d) 当社は、グローバルな事業環境における人権への配慮の重要性を認識しており、「国連ビジネスと人権に関する指導原則」「国連グローバル・コンパクト」「国連世界人権宣言」「労働における基本的原則及び権利に関するILO宣言」をはじめとする国際的ガイドラインを支持し、人権を取り巻く課題の多様化に対応しております。(ⅰ)ニデックグループCSR憲章では「人権の尊重」を掲げ、またCSR憲章を補完する「NIDECグループCSR行動宣言」では、強制労働の禁止、児童労働の禁止、差別と非人道的な扱いの禁止、適切な賃金の保証、労働時間と休日・休暇の保証、結社の自由と団体交渉権の保証を規定しております。現在、当社グループはグローバルに300を超える事業所を有し、その何倍もの取引先が各国・地域で当社の事業活動を支えておりますが、労働者の保護等に関する法整備が不十分と言われる国々でも操業をしております。(ⅱ)こうした環境下において、当社グループに留まらずサプライチェーンで発生する労働・倫理問題に関しても自社の責任と認識し、2021年11月には、当社の人権尊重に関する姿勢と取り組みを整理し、「日本電産(現 ニデック)グループ人権基本方針」を策定しております。人権に関する基本的な考え方を明示するほか、「強制労働の禁止」「児童労働の禁止」「ハラスメントの禁止」「職場の安全・衛生の確保」など8つの遵守すべき行動指針を制定しております。本方針は当社グループ及びサプライヤーを含め、当社グループのビジネスパートナー全体をスコープに展開しており、人権侵害のリスク特定と改善に継続的に取り組むと共に、全社eラーニング等の啓発活動を行っております。(ⅲ)人権リスク・アセスメントについては、当社従業員の70%以上が集中するアジア地域を最重視し、重点的に取り組んでおります。アジアの主要な生産工場を対象にRBA(※)行動規範を参照した自社基準に基づく監査を定期的に実施しており、従業員の人権に関しては「雇用の自由選択」「若年労働」「労働時間」など7側面に設けられた監査項目を厳しくチェックしております。本方針を元に人権を尊重する責任を果たし、多様な人材が活躍することができる安全・安心な職場づくりを進めていきます。(※)RBA(責任ある企業同盟)行動規範:電子業界が定めたサプライチェーン全体の事業活動に対する行動規範 e) 多様な人材が活躍する上で、安全・安心な職場づくりが必要不可欠と考え、労働災害の防止の取り組みやコンプライアンス体制の整備にも努めています。(ⅰ)ニデックグループ全拠点において社員の安全確保を最優先の課題と位置づけ、国内事業所では安全確保に向けた施策を審議する安全衛生委員会を組織しています。(ⅱ)諸法令・規則、社内規則・基準、社会倫理規範等の遵守やそのための従業員教育を徹底することにより、役員及び従業員の倫理意識を高め、安全で良好な職場環境づくりを進めるべくコンプライアンス活動を継続的に実施しています。また、ニデックグループ全ての取締役・役員・従業員が利用できる内部通報窓口及び外部に第三者窓口を設置し、誰もが安心できる職場環境づくりに努めています。 労働災害に関する指標2022年度2023年度労働災害の発生件数2件6件労働災害度数率0.461.68労働災害により失われた時間32時間948時間労働災害による死亡者数0名0名 労働災害により失われた時間については、2023年度に発生した6件のうち1件が800時間を占めているため、2022年度に比べ大幅に増加しております。なお、安全衛生委員会に加え、当社リスク管理機能の主管で労災撲滅プロジェクトを立ち上げ、再発防止に取り組んでいます。 コンプライアンスに関する指標2022年度2023年度懲戒処分の発生件数(解雇)2件0件懲戒処分の発生件数(解雇以外)4件3件コンプライアンス研修の受講率97%94.4% ※解雇には諭旨解雇を含んでおります。 |
戦略 | ②戦略2023年度には、当社連結売上高の95%以上を占める事業領域から選抜した経営幹部ならびに実務担当者が多様な視点から気候変動インパクトを議論し、以下手順に沿ってシナリオ分析を実施しました。 シナリオ分析ステップ ステップ1 シナリオ分析の前提条件の決定シナリオ分析を進めるにあたり以下のような前提条件を決定 シナリオ・移行リスクシナリオ(2℃/1.5℃シナリオ)IPCCのSSP1-2.6シナリオ・RCP2.6シナリオやIEAのNZEシナリオをもとに、脱炭素社会を実現するために様々な施策・規制が導入される世界を想定 ・物理的リスクシナリオ(4℃シナリオ)IPCCのSSP5-8.5シナリオ・RCP8.5シナリオなどをもとに、脱炭素社会を実現するための施策・規制導入は進まず、気象災害が激甚化している世界を想定 時間軸短期:2025年 中期:2030年 長期:2050年 対象範囲当社連結売上高の95%以上を占める事業領域 ステップ2 気候変動リスク・機会の把握TCFD提言を参考に、事業への潜在的気候変動リスク・機会を列挙 ステップ3 事業インパクト評価事業への影響度、リスク・機会が顕在化する時期、早期対応の必要性の観点から事業インパクト評価を実施し、主要な気候変動リスク(炭素税の導入、洪水被害)については定量評価を実施 ステップ4 対応策の検討事業インパクトが大きいと判断した気候変動・リスク・機会について対応策を検討 (参考)事業インパクトの大きい気候変動リスク・機会及び対応策(注:事業インパクトが大きいと判断した気候変動リスク・機会に〇印を記載) (参考)事業インパクトの定量評価リスク財務影響算出方法炭素税の導入124億円炭素価格はIEA「World Energy Outlook 2022」における2030年の先進国予想炭素価格140USD/t-CO2を採用。CO2排出量(Scope1・2)は当社の2030年度排出量目標610千t-CO2を基に算出。洪水被害422億円Aqueductを用い、洪水リスクが高いと評価された38拠点が全て被災した場合の影響を評価。国土交通省の「TCFD提言における物理リスク評価の手引き」を参考に、固定資産・在庫の毀損及び操業停止による機会損失の影響額を算出。 引き続き事業インパクト評価の質的改善に努めるとともに、気候変動リスクを効果的に低減する取り組みを推進します。 |
指標及び目標 | ④指標と目標「持続可能な地球環境への貢献」をマテリアリティの一つとして特定し、以下のようなKPIを定めております。(ⅰ)電気自動車用駆動モーターシステム「E-Axle」の普及を通じて自動車によるCO2排出量の削減を推進する(2020年度~2025年度削減目標:累計11,700千t-CO2)。(ⅱ)電動パワーステアリング用モータの販売を通じて自動車によるCO2排出量の削減を推進する(2020年度~2025年度削減目標:累計26,261千t-CO2)。(ⅲ)2025年度までに連結ベースの再エネ導入比率を40%にする。(ⅳ)全生産拠点における水リスクアセスメントを100%完了する。 また、中期戦略目標Vision2025及びESGマテリアリティ対策の大きな軸の一つとして、2040年度カーボンニュートラルの実現を目標に掲げております。2023年度には排出量算定結果の第三者検証を受審し、国際的なイニシアティブであるSBT(Science Based Targets)のガイドラインに沿って設定した2030年度までのCO₂削減目標の達成計画についてSBT認定を申請しました。 2030年度目標① 当社が事業を通じて直接排出するCO2(Scope1)と電力や燃料の購入を通じて間接的に排出するCO2(Scope2)の総量を2022年度比で42%削減する。② サプライチェーンから排出されるCO2(Scope2)の総量を2022年度比で25%削減する。 |
人材の育成及び社内環境整備に関する方針、戦略 | (2)人的資本拡充に向けた取り組み当社は、2023年7月23日に創業満50周年を迎え、2023年4月1日より、日本電産株式会社からニデック株式会社へと社名を変更し、今後第2創業期として更なる進化を図ってまいります。創業当時4名でスタートした当社は、この50年間の企業としての着実な歩みの中で、自律成長とM&A戦略の両輪でグローバルに事業展開を果たし、大いなる成長とともに2022年度以降の売上高において、2兆円超を達成しております。会社・事業の成長サイクル(導入期・成長期・成熟期・衰退期)において、将来の事業ポートフォリオを見据えながら、第2創業期として、次の50年に向けて新たなステージに入る当社では、更なる飛躍(経営目標:2025年度4兆円、 2030年度10兆円)を達成するために、旧来の連邦経営(個々の会社の自主性を重んじ、グループ内といえども競い合いながら成長を促す経営)からグループ一体化経営(One Nidec:全体最適にてグループシナジーを創出しながら成長する経営)によるグループシナジー創出のための人事施策・基盤整備を進めております。これまでの50年は、創業者である永守重信の強いリーダーシップによって会社・事業の成長を牽引してまいりました。次の50年に向けての成長においては、新社長:岸田光哉のもと、“永守イズム”、“Nidec Way(全社員の行動指針・規範)”を次世代へ継承しつつ、企業理念・目指す姿(「100年を超えて成長し続けるグローバル企業」「人類が抱える多くの課題を解決する世界No.1のソリューション企業集団」)を実現するためグローバルで戦うことができる企業集団づくりに邁進しております。ニデックの企業集団づくりは、多様性の中にもしっかりとした軸をもち「One Nidec」として、同じ一つの夢に挑戦していくために人的資本の観点(人事上のソフト面・ハード面における多面的な観点)に着目しつつ、ニデックグループの強みの根幹である企業理念やコーポレート・スローガン、“Nidec Way”などをベースに会社組織及び人材に係る基本的な考え方を「NIDECグローバル人事ポリシー」としてまとめ、人事戦略・施策として具体的な活動へと落し込みを行っております。 人的資本における人事戦略上の大きな柱となる「NIDECグローバル人事ポリシー」は次のとおりです。 「NIDECグローバル人事ポリシー」“For Our Future, For Our Dream” ― 世界の人々の明日と私たちの夢のために“挑戦する”組織・人材であり続けます。①組織・人材開発ポリシー“Encourage Uniqueness, Respect Team Spirit”自らの存在価値をプロアクティブに発揮する個人を尊重します。多様な意見を受容し、本音のコミュニケーションを通じて新たな価値を創出します。 組織・人材開発(ソフト領域)についてのポリシーです。このポリシーに基づき、ビジョンを共有しながらも、本音で対話をしながら多様な視点を取り入れることができる風土の醸成を図ります。また、個性を磨き、その発揮を促す組織開発・人材開発施策を進めています。 ②人事制度ポリシー“Reward Based on Contributions without Bias”シンプルな基準で常に公正・公明・公平に正しく評価され、適切なキャリア機会が提供されます。 人事制度(ハード領域)におけるポリシーです。このポリシーに基づき、会社における人事基盤として必要な基幹制度(等級・報酬・評価)、これらに付随する組織管理・異動ルール・福利厚生などの制度・仕組みを公正・公明・公平な観点から整備します。実力に応じた多様なキャリア機会を提供、実績・成果に正しく応えることを通じて組織・人材の挑戦を支援します。 ※人的資本に関する以下の指標については、特に記載がない限りニデック(株)の数値(2024年3月末時点)を掲載しております。また、掲載数値は小数点第2位を四捨五入しております。 <人材開発における戦略>「NIDECグローバル人事ポリシー」をもとに人材開発の領域では、多様な個性を尊重し、発揮を促しながら、実力・実績に応じたキャリア機会の提供を通じて、「経営層及び重要ポストの育成」「次世代リーダー(管理職層・担当者層)の育成」、これを根本から支える「理念の浸透」からリーダーシップパイプラインを構築すると共に、「多様性の中での組織活性化」を図ることで、グローバル規模での人材の早期可視化・育成・強化を推進しております。 「経営層及び重要ポスト後継者候補の開発」ニデックグループが着実な成長を遂げる上で、グループの重要ポストについてはニデック特有の経営手法を理解し、確固たる実績を持ち合わせている人材を登用することを重視しています。そのため、グループ全体の重要ポストを可視化し、経営幹部がサクセッションプラン(後継者計画)の妥当性を議論すると共に、次世代の経営人材候補となりうる人材を発掘し、戦略的な早期育成の取り組みを推進しております。また、経営人材候補については、企業再建や抜擢登用等のタフアサインメントに加え、当社理念や経営マインドの浸透を目的とした創業者による育成塾や、グローバル企業のトップとして高いレベルの経営知識習得のための「グローバル経営大学校」「次世代グローバル経営大学校」を通じて、知識習得と実践の場を組み合わせながら育成強化を図っております。両経営大学校には、これまで世界14カ国(日本、米国、カナダ、メキシコ、中国、タイ、フィリピン、シンガポール、インド、イタリア、ドイツ、フランス、イギリス、ポーランド)の国々から受講者を選抜し、受講後は各地でグローバルリーダーとして活躍しております。上記の通り、多くの重要ポジションにおいては内部の後継者候補の計画的な開発・登用を基本とし、内部人材によるサクセッションプランの充足を目指しており、取り組みの結果として内部継承率が上昇しています。一方で、事業の拡大や変革に応じて、その時々に必要なスキル・経験を持った即戦力人材の採用・幹部登用も必要となります。即戦力人材がその実力を十分に発揮し、ニデックグループで成果を創出するために、上記創業者による育成塾等を通じて当社の経営手法や理念の浸透を図り、多様な視点を持った経営体制の構築に努めています。なお、2020年度より「人材開発委員会」を設置し、ニデックグループの重要ポストのサクセッションプラン(後継者計画)等について経営幹部が半期ごとに議論を行う仕組みとし、事業セグメントごとに策定することを基本としながら、グループ全体最適の観点から検討をしております。更に、ニデック株式会社の社長ポストをはじめとした特に重要な一部のポストについては、2022年11月に上位委員会として「指名委員会」を設置し、経営層(取締役・執行役員)の選任に繋がる仕組みを構築しております。 経営層および重要ポスト後継者候補の開発に関する指標2022年度2023年度2025年度目標幹部候補の準備度―59.8%70%内部継承率65%84.6%85%後継者候補準備率62%55.6%70%後継者の継承準備度(即時継承可能)―59.8%70%後継者の継承準備度(1~2年後に継承可能)62%55.6%70%後継者の継承準備度(3~5年後に継承可能)―40.2%60% ※経営層及び重要ポスト後継者候補の開発に関する指標の対象範囲はニデックグループ全体となります。※幹部候補の準備度:重要ポスト数に対する、即時継承可能な後継候補数の割合内部承継率:重要ポスト数に対する、重要ポストに占める内部登用者数後継者候補準備率:重要ポスト数に対する、1~2年後に継承可能な後継者候補数の割合後継者の継承準備度(即時継承可能):重要ポスト数に対する、即時継承可能な後継候補数の割合後継者の継承準備度(1~2年後に継承可能):重要ポスト数に対する、1~2年後に継承可能な後継者候補数の割合後継者の継承準備度(3~5年後に継承可能):重要ポスト数に対する、3~5年後に継承可能な後継者候補数の割合 2023年度よりグローバルに重要ポストの見直しを行い、新たな重要ポストにおけるサクセッションプラン策定の取り組みの定着を図っております。そのため、後継者候補準備率及び後継者の継承準備度(1~2年後に継承可能)については実績値が低下しております。 「次世代リーダー(管理職層・担当者層)の育成」ニデックグループでは、個々の社員の特性を理解し、尊重することで、社員各々の専門性が発揮され、グループ全体の業績向上及び将来のリーダーを担う人材の候補者開発に繋がると考えています。そのため、様々な人材開発施策を通じて、社員が自律的に成長するために学習意欲を高めることや、個々人のニーズに合うよう幅広く学習機会を提供することを目指しています。今後も、キャリアの状態に応じた次の役割別の研修機会、及び個別の学習ニーズに合わせた開発施策・機会の提供に注力致します。 a)管理職層に対しては、自己のリーダーとしての強み、弱みを洗い出すための研修を実施しております。研修の結果として作成される個人別のフィードバックレポートを本人及び上司にも共有し、OJTに活用できるようにしております。b)担当者層においては、新卒入社者に対して約2年間の若手育成プログラムを実施し、実務遂行力やビジネスパーソンとしての基礎的な力を養成するための各種研修を実施しています。このプログラム期間は、研修だけでなく、職場にて具体的な育成計画を立て、OJTにより現場での経験を通じた人材育成にも取り組んでおります。c)階層別に各種研修の機会を提供するほか、キャリア開発支援(上司・若手向けキャリア研修やキャリアプランシート、定期的な1on1ミーティングなど)を通じて、各個人が学習意欲を高めるための内省を促進する機会を設けています。d)社員全般に対しては、社員個人が自らの学習ニーズに沿った通信教育(修了者への補助あり)等を受講できる自己啓発プログラムを用意しており、個々人の能力向上、リスキリングの促進にも取り組んでおります。e)プロフェッショナル人材の育成・強化を行うために、会社機能別での切り口から多様な経験を支援する「機能軸人材マネジメント制度」の導入を管理部門からスタートさせており、プロ人材となる過程において経験すべき職場・業務を通じた育成を加速させております。創業以来大切にしてきたニデックの三大精神(「情熱・熱意・執念」「知的ハードワーキング」「すぐやる・必ずやる・できるまでやる」)をはじめとした、“ニデックらしさ(理念)”を時代に合わせて磨き上げ、全社員に浸透させながら、多様性の中にも組織として目指すべきもの、その中での社員の一体感(ベクトルの一致)を醸成する取り組みを進めております。 教育・研修に関する指標2022年度2023年度2025年度目標一人当たり研修時間12.9時間11.6時間15時間一人当たりの研修費用13,526円17,409円20,000円キャリア意識50.2%50.4%55.0% ※キャリア意識:毎年実施している従業員意識調査「組織パフォーマンスサーベイ」の「あなたは、キャリアの方向性を描いていますか? 」の設問に対し、5段階評価の内「そう思う」、「ややそう思う」と回答した社員の割合 「理念の浸透」社員の特性を尊重することとグループ全体の業績向上を両立する上で、社員各々がニデックグループの理念や経営方針に共鳴することが必要不可欠です。ニデックグループの着実な成長に向け、社員のベクトルを合わせ、社員各々が最大限活躍できる組織を作るため、次の取り組みを実施しています。a)理念浸透では、創業者の想い(ニデックの理念や考え方など)をまとめた「挑戦への道」を社員に配布し、ニデック内で共有すべき理念として日々浸透させ、また理念研修で定期的にこれらの理解度や実践度を振り返る機会を設けることで、企業風土・組織文化の醸成からベクトルの合った組織づくりを行っております。b)One Nidecとして社員の力が最大限に発揮されるように、社員間の関係性を活性化させ、各職場から組織全体へと繋がるパフォーマンスの向上を目指し、「組織パフォーマンスサーベイ」を実施しております。c)「組織パフォーマンスサーベイ」の結果を活用した組織開発の取り組みとして、各職場にて本音で話し合う「職場ワークショップ」を導入し、多様な意見を尊重しながらビジョンに基づく意思決定を進めることができる組織風土の醸成・組織の構築を進めております。これらの取り組みにより、ニデックグループを支える「組織」「ヒト」を中心とした持続的な企業成長を目指してまいります。 理念浸透に関する指標2022年度2023年度2025年度目標ビジョンの浸透度80.9%76.4%85.0% ※ビジョンの浸透度:毎年実施している従業員意識調査「組織パフォーマンスサーベイ」の「あなたの職場では、会社の経営理念やビジョンが共感されていますか? 」の設問に対し、5段階評価の内「そう思う」、「ややそう思う」と回答した社員の割合 2025年度目標の達成に向けては、「理念浸透」、「組織パフォーマンスサーベイ」、「職場ワークショップ」の取り組みに加え、2024年度より社内でコミッティを立ち上げ、ビジョンの浸透促進を図ります。 <人事基盤整備における戦略>グローバル競争が加速する中、10兆円企業という目標達成のためには、国際競争力の強化や働き方改革の推進による生産性向上、実力・実績主義の徹底を通じた競争力の強化が必要不可欠であると考えております。世界情勢・社会動向・諸外国との関係においても、特に生産性向上の強化が望まれる日本国内において、当社では人事制度改革に着手し、One Nidecでの強固な基盤(組織・人材)づくりを目指しております。なお、基盤整備においては、属性に関わらず誰もが実力を発揮できるよう、多様性のある組織(職場)風土や労働環境づくりにも注力し、日頃の円滑な企業活動の土台を築き上げながら進めることとしております。2019年より人事制度改革に向けた検討を開始のうえ、その後の各種人事施策の展開等により経営層から一般社員までの体系的な組織・仕組みを構築することで、人材の流動化・ガバナンス強化を促進し、「組織」「ヒト」の活性化を実現することを目指しております。 「人事基盤整備_制度」a)当社では、取締役会の諮問機関として「報酬委員会(2021年2月~)」「指名委員会(2022年11月~)」を設置(委員の過半数を独立社外取締役にて構成)しております。取締役及び執行役員等の選任方針・選任基準・候補者案の決定等や役員報酬に関して、独立社外取締役の適切な関与・助言を得ることで、公正性・透明性・客観性を担保し、当社のコーポレート・ガバナンス体制のより一層の充実を図ることを目指しております。(ⅰ)「指名委員会」では、取締役及び執行役員等の選任方針・選任基準や継承プラン及びサクセッションプランの考え方を踏まえ、社長・副社長の候補者案等を審議しております。(ⅱ)「報酬委員会」では、役員の報酬に係る報酬決定方針の策定、報酬制度の設計(業績目標の設定、業績連動報酬の合理性、報酬構成の妥当性、報酬制度に基づく個別報酬額)等を審議しております。当社グループのグローバルでの競争力強化と事業の持続的な成長・発展につなげるべく、グループ経営・グループガバナンスをより一層強化し、安定した経営継承を行うべく進めてまいります。 b)グループ一体化経営を進める上で、等級・報酬・評価の人事基幹制度については、国内主要グループ会社を含めた約1万人を対象に制度の統一化を図っており、2020年度にはグループ統一での評価制度を先行して導入しました。更に、2021年~2022年度にかけて段階的に等級・報酬制度を導入しております。(ⅰ)評価制度は、実力・実績主義を徹底するため、組織への貢献(該当業務(職務)に対してのパフォーマンス(行動・アウトプット・成果))を総合評価し、その評価結果を月例給・賞与へ反映させております。(ⅱ)等級・報酬制度は、管理職・非管理職のリーダークラス以上に、ジョブ型人事制度(職務等級制度)を導入のうえ、職責・職務を明確化し、ポジションベースでの適所適材の人材配置を実現できるようにしております。報酬(賃金)は、月例給を職務給に一本化し、外部機関の報酬調査・ベンチマーク(75%ile・50%ile・25%ile)を参考に市場水準に基づいた金額を設定のうえ、職務等級制度により明確化した「職責・職務の大きさ」と「成果(評価結果)」に応じて月例給を決定しております。非管理職の担当者クラスは、日本のジョブ型市場の動向(市場としては未成熟)を踏まえ、担当としての職務(役割)段階の違いを定義づけすることに留め、ある程度の職能要素を残した形で、過去の評価の積み上げから昇降給や昇格候補者としての推薦、昇格を行う仕組みとすることで、着実な人材育成・強化を進めるものとしております。月例給だけでなく、会社・個人業績の結果などによる賞与も含め、メリハリのある処遇を実現させるにあたっては、その基本的な考え方として、「儲けてくれる人を一番評価する」「会社によい変化をもたらしてくれる人を次に評価する」という当社の価値観に基づき、年齢、学歴、社歴、性別、国籍等は関係なく、常に公正・公明・公平に正しく評価することを目指しております。c)退職金制度においても実力・実績主義を徹底し、貢献度の高い社員により報いるべく、次の3点をコンセプトとしております。(ⅰ)総報酬の一部として毎年の貢献をその年の対価として報いること(=報酬感)(ⅱ)優秀な人材の採用・定着、パフォーマンスの向上に資する制度とすること(=リテンション)(ⅲ)ニデックグループのガバナンスを確保し、円滑な異動を担保する仕組みとすること(=グループ内の流動性確保)これらのコンセプトの下、具体的には、勤続年数による退職金の逓増を廃止し、役割や責任の大きさによって決定する基本給に応じて、退職掛金が変動・決定する仕組みとしております。また、グループ各社においても、様々な退職金制度の仕組みがありましたが、確定給付企業年金(以下、DBという)及び確定拠出企業年金(以下、DCという)の2本立ての退職金制度から、DCのみの退職金制度へ変更しております。退職金制度をDCに一本化したことで、DCのポータビリティ制を活かし、ニデックグループ内の人材の流動化が円滑に進むことにもつながっています。その他にも、DBの凍結及び終身部分の確定年金化等も行い、将来的な債務上昇のリスクを回避しております。 d)ポジションベースの人事制度をより機能させる(社内での人材の流動化を促進する)ために、「社内公募制度」を年2回・定期的に実施することとしております。旧来から実施してきた会社主導の人事異動だけでなく、4月と10月の異動時期に合わせて部門単位でポジションの求人を公開し、その求人に社員から応募があった場合は各部門で選考し、社員と部門のマッチングが成立すれば、配属としております。社員の自発的な行動を促し、積極的にチャレンジしてもらうことでキャリア形成を支援するとともに、組織としての活性化を期待しております。なお、「社内公募制度」は、人事制度の導入とともにニデック株式会社からスタートし、順次、グループ会社にも展開・運用を広げる予定であります。e)環境の変化、グローバルビジネスの拡大・深化に伴い、会社が必要とする人材の質は多様になっております。その状況下において、地球規模における「適所適材」(組織能力獲得・人材確保/活用)を実現するために、グローバルモビリティポリシーの策定をはじめとする制度・仕組みの整備に着手しております。国内だけでなく、グローバルに活躍する人材がより多く生まれる環境を整えることによりOne Nidecを更に推進します。 「人事基盤整備_採用」当社は絶えず成長を希求し、「世界No.1の総合モーターメーカー」として、世の中になくてはならないソリューションを提供してまいりました。今後も、時代の変化や社会のニーズに即応できる企業であるために、“永守イズム”“Nidec Way”に共感し、高い目標に向かって絶えず挑戦し続ける3つのP(Proactive, Productive, Professional)を持つ人材の獲得・定着を進めてまいります。ニデックグループの成長に伴い、新たな社員が着々と参画しながらも、ベクトルのあった少数精鋭の社員集団であり続けるため、次の取り組みを実施しています。 (ⅰ)2023年度は、当社を含む国内グループ会社において149名のキャリア採用を致しました。厳しい競争を勝ち抜くために、生え抜き社員だけでなく様々なバックグラウンドを持った社員が協働することで、社員の多様性を重視しながら、常に進化し続ける組織として人材の硬直化を防止すると共に、事業の拡大に応じて、その時々に必要なスキル・経験を持った即戦力人材の採用を行っております。入社後には理念浸透プログラムや入社後面談、月次アンケートなどの定着施策を実施し、ニデックグループで早期活躍するためのオンボーディング施策を積極的に展開しています。(ⅱ)2024年4月入社に、当社を含む国内グループ会社では190名の新卒採用を致しました。若手のうちから裁量を持って積極的に仕事に取組み、様々な教育や業務経験を通して将来のニデックグループの経営幹部候補へと成長するよう開発しております。キャリア採用社員同様に新卒採用社員においても、ニデックへの定着を図り、活躍を促進することが重要だと認識しており、理念浸透活動を通じた経営理念・方針への理解促進や、月次アンケートによる状況把握と個別面談実施、初任給・担当者層の給与水準の向上などを通じて定着率の向上を図っています。(ⅲ)日本国内は、特に先端技術開発などを担うプロフェッショナル集団として、正規雇用が大半を占めております。非正規社員で要件を満たした社員は、積極的に正社員として登用します。当社の「仕事に年齢は関係ない」というポリシーに基づき、役職定年という考え方はなく、ポジションや役割によって、社員一人ひとりが活躍できる会社・組織を目指しています。 採用に関する指標2023年度2025年度目標一人当たり採用コスト(新卒採用)302千円※24年卒-一人当たり採用コスト(キャリア採用)2,129千円-採用にかかる平均日数(キャリア採用)32.9日30日未満定着率79.6%- ※採用に関する指標の内、採用数(新卒採用)、採用数(キャリア採用)の対象範囲は当社及び国内グループ会社、その他の指標は当社のみとなります。※一人当たり採用コスト:採用にかかる外部に支払う費用÷採用数採用に係る平均日数:応募から内定までのリードタイム定着率:100%-離職率(23年度の離職者数÷23年度の平均従業員数) 「人事基盤整備_D&I」ニデックグループは、世界40か国以上に拠点を持つグローバル企業として成長をし続けております。国を跨いだ社員の往来、交流を行っておりますが、多様性のあることが当たり前な組織(職場)・労働環境の整備を進めることで、世界情勢・市場の変化に対しても迅速に対応できる組織・人材となることを目指しております。 a)多様な社員の活躍を促進し、組織全体で新たな価値を創造していく上で、属性を問わず実績を評価する組織風土をはじめ、柔軟な働き方や多様性を受け入れる組織整備を進めています。(ⅰ)2005年頃からダイバーシティ推進に取り組み、その後、仕事と家庭の両立支援から活躍支援へと段階的にフェーズを移しつつ、男女問わない働き方として、時差勤務制度や在宅勤務制度、時間単位年次有給休暇制度を設けると共に、時短勤務等各種制度拡充やキャリア支援などを行っております。その結果、育児休暇からの復帰率向上や女性の管理職、管理職候補層の増加、男性の育児参画度の向上等が成果として出ております。ニデックでは今後も女性活躍推進を重要課題と位置づけ、女性管理職比率について、当社では2023年度で8.1%(女性従業員比率21.1%)となっており、2025年度には9%を目指しています。(ⅱ)LGBTQ社員に対する取り組みとして、当社の就業規則では、性差・性的指向・性自認等に関係なく人格を尊重し、互いに一致協力することを明文化しており、その一環として配偶者に適用される人事規程を同性パートナーにも適用しております。(ⅲ)外国籍役員2名を登用しており、性別だけでなく、国籍をはじめとした個人の属性や価値観にかかわらず人材が活躍できる会社を目指して働き方の柔軟性の確保に努めております。 ダイバーシティに関する指標2023年度障害者雇用率2.67% 育児休業に関する指標2022年度2023年度育児休業取得者数(男性)24名27名育児休業取得者数(女性)19名12名育児休業取得率(男性)31%47.4%育児休業取得率(女性)100%100% 育児休業復職率93%100% 育児休業定着率 ※復職後1年間勤務を続けた社員の割合81%76.9% 制度を活用できる社員の割合2022年度2023年度テレワーク適用率100%100%時差勤務制度適用率83%97.2%時差勤務制度実施率―3.7% ※国内で勤務する社員に限っております。海外赴任者は赴任先の現地法人の就業規則に準拠しております。 b) 会社と社員の様々な対話の場から、適切な共有・建設的な議論を意識しつつ、コミュニケーションの活性化にも取り組んでおります。(ⅰ)当社の社員代表組織である親睦会との間では、月に1回、双方向での情報共有・意見交換の場を設けており、社員が働き甲斐のある職場環境をつくるため、親睦会から集約した社員の声なども踏まえながら、年に2回社員満足度向上委員会を開催し、親睦会と会社が議論を交わしております。(ⅱ)2021年度からは、人事部門の社員が各事業所を訪問し、社員との質疑応答等を通じて現場での課題認識に努めながら、人事施策や取り組みについての周知徹底・理解浸透を図るようにしております。 c) 当社の持続的な成長を実現するにあたり、社員の健康と働き甲斐を重要な源泉と位置づけ、多様な人材が活躍できる職場づくりと、社員が長く活躍できる持続可能な働き方が不可欠であるという考え方に基づき、健康経営に取り組んでおります。また、健康経営においては、「生産性」と「エンゲージメント」の向上を戦略の柱として掲げております。(ⅰ)生産性向上の観点では、心身の健康を維持・増進することで、欠勤や休職等による損失の最小化や健康問題によるパフォーマンス低下の防止を図っております。健康上の高リスク者への対策として、健康診断結果に応じた個別保健指導の実施や精密検査受診勧奨等を効果的に実施するほか、傷病の発生予防として、当社産業医・保健師によるオンラインセミナーの実施により社員の健康リテラシーを高めると共に、敷地内完全禁煙の実施や運動習慣の推奨を通じて社員の行動変容を図っております。メンタルヘルス対策として、ストレスチェック実施後集団分析等、フォロー強化を進めております。加えて、労働安全の観点から、管理職を含む従業員の労働時間を管理し、長時間労働に伴う健康障害発生リスクの抑制に努めております。(ⅱ)エンゲージメント向上の観点では、当社内の健康意識調査である「NIDECヘルスサーベイ」の分析結果から、「エンゲージメント」と「働きやすさ」のスコアの相関関係に着目し、特に「働きやすさ」スコアの改善につながる施策を推進していきます。「働きやすさ」スコアの改善には、1on1ミーティングやキャリア面談の導入による上司・部下間のコミュニケーションの活性化や、職場課題の解決について話し合うワークショップ導入による組織活性化を図っております。また、時差勤務制度や在宅勤務制度の拡充等、制度面での環境整備にも取り組んでおります。 健康経営に関する指標2022年度2023年度メンタルヘルスによる年間長期欠勤・休職者数70名33名メンタルヘルス以外の疾病による年間長期欠勤・休職者数13名4名健康増進プログラムへの参加率83.4%67.8% d) 当社は、グローバルな事業環境における人権への配慮の重要性を認識しており、「国連ビジネスと人権に関する指導原則」「国連グローバル・コンパクト」「国連世界人権宣言」「労働における基本的原則及び権利に関するILO宣言」をはじめとする国際的ガイドラインを支持し、人権を取り巻く課題の多様化に対応しております。(ⅰ)ニデックグループCSR憲章では「人権の尊重」を掲げ、またCSR憲章を補完する「NIDECグループCSR行動宣言」では、強制労働の禁止、児童労働の禁止、差別と非人道的な扱いの禁止、適切な賃金の保証、労働時間と休日・休暇の保証、結社の自由と団体交渉権の保証を規定しております。現在、当社グループはグローバルに300を超える事業所を有し、その何倍もの取引先が各国・地域で当社の事業活動を支えておりますが、労働者の保護等に関する法整備が不十分と言われる国々でも操業をしております。(ⅱ)こうした環境下において、当社グループに留まらずサプライチェーンで発生する労働・倫理問題に関しても自社の責任と認識し、2021年11月には、当社の人権尊重に関する姿勢と取り組みを整理し、「日本電産(現 ニデック)グループ人権基本方針」を策定しております。人権に関する基本的な考え方を明示するほか、「強制労働の禁止」「児童労働の禁止」「ハラスメントの禁止」「職場の安全・衛生の確保」など8つの遵守すべき行動指針を制定しております。本方針は当社グループ及びサプライヤーを含め、当社グループのビジネスパートナー全体をスコープに展開しており、人権侵害のリスク特定と改善に継続的に取り組むと共に、全社eラーニング等の啓発活動を行っております。(ⅲ)人権リスク・アセスメントについては、当社従業員の70%以上が集中するアジア地域を最重視し、重点的に取り組んでおります。アジアの主要な生産工場を対象にRBA(※)行動規範を参照した自社基準に基づく監査を定期的に実施しており、従業員の人権に関しては「雇用の自由選択」「若年労働」「労働時間」など7側面に設けられた監査項目を厳しくチェックしております。本方針を元に人権を尊重する責任を果たし、多様な人材が活躍することができる安全・安心な職場づくりを進めていきます。(※)RBA(責任ある企業同盟)行動規範:電子業界が定めたサプライチェーン全体の事業活動に対する行動規範 e) 多様な人材が活躍する上で、安全・安心な職場づくりが必要不可欠と考え、労働災害の防止の取り組みやコンプライアンス体制の整備にも努めています。(ⅰ)ニデックグループ全拠点において社員の安全確保を最優先の課題と位置づけ、国内事業所では安全確保に向けた施策を審議する安全衛生委員会を組織しています。(ⅱ)諸法令・規則、社内規則・基準、社会倫理規範等の遵守やそのための従業員教育を徹底することにより、役員及び従業員の倫理意識を高め、安全で良好な職場環境づくりを進めるべくコンプライアンス活動を継続的に実施しています。また、ニデックグループ全ての取締役・役員・従業員が利用できる内部通報窓口及び外部に第三者窓口を設置し、誰もが安心できる職場環境づくりに努めています。 労働災害に関する指標2022年度2023年度労働災害の発生件数2件6件労働災害度数率0.461.68労働災害により失われた時間32時間948時間労働災害による死亡者数0名0名 労働災害により失われた時間については、2023年度に発生した6件のうち1件が800時間を占めているため、2022年度に比べ大幅に増加しております。なお、安全衛生委員会に加え、当社リスク管理機能の主管で労災撲滅プロジェクトを立ち上げ、再発防止に取り組んでいます。 コンプライアンスに関する指標2022年度2023年度懲戒処分の発生件数(解雇)2件0件懲戒処分の発生件数(解雇以外)4件3件コンプライアンス研修の受講率97%94.4% ※解雇には諭旨解雇を含んでおります。 |
人材の育成及び社内環境整備に関する方針に関する指標の内容並びに当該指標を用いた目標及び実績、指標及び目標 | (2)人的資本拡充に向けた取り組み当社は、2023年7月23日に創業満50周年を迎え、2023年4月1日より、日本電産株式会社からニデック株式会社へと社名を変更し、今後第2創業期として更なる進化を図ってまいります。創業当時4名でスタートした当社は、この50年間の企業としての着実な歩みの中で、自律成長とM&A戦略の両輪でグローバルに事業展開を果たし、大いなる成長とともに2022年度以降の売上高において、2兆円超を達成しております。会社・事業の成長サイクル(導入期・成長期・成熟期・衰退期)において、将来の事業ポートフォリオを見据えながら、第2創業期として、次の50年に向けて新たなステージに入る当社では、更なる飛躍(経営目標:2025年度4兆円、 2030年度10兆円)を達成するために、旧来の連邦経営(個々の会社の自主性を重んじ、グループ内といえども競い合いながら成長を促す経営)からグループ一体化経営(One Nidec:全体最適にてグループシナジーを創出しながら成長する経営)によるグループシナジー創出のための人事施策・基盤整備を進めております。これまでの50年は、創業者である永守重信の強いリーダーシップによって会社・事業の成長を牽引してまいりました。次の50年に向けての成長においては、新社長:岸田光哉のもと、“永守イズム”、“Nidec Way(全社員の行動指針・規範)”を次世代へ継承しつつ、企業理念・目指す姿(「100年を超えて成長し続けるグローバル企業」「人類が抱える多くの課題を解決する世界No.1のソリューション企業集団」)を実現するためグローバルで戦うことができる企業集団づくりに邁進しております。ニデックの企業集団づくりは、多様性の中にもしっかりとした軸をもち「One Nidec」として、同じ一つの夢に挑戦していくために人的資本の観点(人事上のソフト面・ハード面における多面的な観点)に着目しつつ、ニデックグループの強みの根幹である企業理念やコーポレート・スローガン、“Nidec Way”などをベースに会社組織及び人材に係る基本的な考え方を「NIDECグローバル人事ポリシー」としてまとめ、人事戦略・施策として具体的な活動へと落し込みを行っております。 人的資本における人事戦略上の大きな柱となる「NIDECグローバル人事ポリシー」は次のとおりです。 「NIDECグローバル人事ポリシー」“For Our Future, For Our Dream” ― 世界の人々の明日と私たちの夢のために“挑戦する”組織・人材であり続けます。①組織・人材開発ポリシー“Encourage Uniqueness, Respect Team Spirit”自らの存在価値をプロアクティブに発揮する個人を尊重します。多様な意見を受容し、本音のコミュニケーションを通じて新たな価値を創出します。 組織・人材開発(ソフト領域)についてのポリシーです。このポリシーに基づき、ビジョンを共有しながらも、本音で対話をしながら多様な視点を取り入れることができる風土の醸成を図ります。また、個性を磨き、その発揮を促す組織開発・人材開発施策を進めています。 ②人事制度ポリシー“Reward Based on Contributions without Bias”シンプルな基準で常に公正・公明・公平に正しく評価され、適切なキャリア機会が提供されます。 人事制度(ハード領域)におけるポリシーです。このポリシーに基づき、会社における人事基盤として必要な基幹制度(等級・報酬・評価)、これらに付随する組織管理・異動ルール・福利厚生などの制度・仕組みを公正・公明・公平な観点から整備します。実力に応じた多様なキャリア機会を提供、実績・成果に正しく応えることを通じて組織・人材の挑戦を支援します。 ※人的資本に関する以下の指標については、特に記載がない限りニデック(株)の数値(2024年3月末時点)を掲載しております。また、掲載数値は小数点第2位を四捨五入しております。 <人材開発における戦略>「NIDECグローバル人事ポリシー」をもとに人材開発の領域では、多様な個性を尊重し、発揮を促しながら、実力・実績に応じたキャリア機会の提供を通じて、「経営層及び重要ポストの育成」「次世代リーダー(管理職層・担当者層)の育成」、これを根本から支える「理念の浸透」からリーダーシップパイプラインを構築すると共に、「多様性の中での組織活性化」を図ることで、グローバル規模での人材の早期可視化・育成・強化を推進しております。 「経営層及び重要ポスト後継者候補の開発」ニデックグループが着実な成長を遂げる上で、グループの重要ポストについてはニデック特有の経営手法を理解し、確固たる実績を持ち合わせている人材を登用することを重視しています。そのため、グループ全体の重要ポストを可視化し、経営幹部がサクセッションプラン(後継者計画)の妥当性を議論すると共に、次世代の経営人材候補となりうる人材を発掘し、戦略的な早期育成の取り組みを推進しております。また、経営人材候補については、企業再建や抜擢登用等のタフアサインメントに加え、当社理念や経営マインドの浸透を目的とした創業者による育成塾や、グローバル企業のトップとして高いレベルの経営知識習得のための「グローバル経営大学校」「次世代グローバル経営大学校」を通じて、知識習得と実践の場を組み合わせながら育成強化を図っております。両経営大学校には、これまで世界14カ国(日本、米国、カナダ、メキシコ、中国、タイ、フィリピン、シンガポール、インド、イタリア、ドイツ、フランス、イギリス、ポーランド)の国々から受講者を選抜し、受講後は各地でグローバルリーダーとして活躍しております。上記の通り、多くの重要ポジションにおいては内部の後継者候補の計画的な開発・登用を基本とし、内部人材によるサクセッションプランの充足を目指しており、取り組みの結果として内部継承率が上昇しています。一方で、事業の拡大や変革に応じて、その時々に必要なスキル・経験を持った即戦力人材の採用・幹部登用も必要となります。即戦力人材がその実力を十分に発揮し、ニデックグループで成果を創出するために、上記創業者による育成塾等を通じて当社の経営手法や理念の浸透を図り、多様な視点を持った経営体制の構築に努めています。なお、2020年度より「人材開発委員会」を設置し、ニデックグループの重要ポストのサクセッションプラン(後継者計画)等について経営幹部が半期ごとに議論を行う仕組みとし、事業セグメントごとに策定することを基本としながら、グループ全体最適の観点から検討をしております。更に、ニデック株式会社の社長ポストをはじめとした特に重要な一部のポストについては、2022年11月に上位委員会として「指名委員会」を設置し、経営層(取締役・執行役員)の選任に繋がる仕組みを構築しております。 経営層および重要ポスト後継者候補の開発に関する指標2022年度2023年度2025年度目標幹部候補の準備度―59.8%70%内部継承率65%84.6%85%後継者候補準備率62%55.6%70%後継者の継承準備度(即時継承可能)―59.8%70%後継者の継承準備度(1~2年後に継承可能)62%55.6%70%後継者の継承準備度(3~5年後に継承可能)―40.2%60% ※経営層及び重要ポスト後継者候補の開発に関する指標の対象範囲はニデックグループ全体となります。※幹部候補の準備度:重要ポスト数に対する、即時継承可能な後継候補数の割合内部承継率:重要ポスト数に対する、重要ポストに占める内部登用者数後継者候補準備率:重要ポスト数に対する、1~2年後に継承可能な後継者候補数の割合後継者の継承準備度(即時継承可能):重要ポスト数に対する、即時継承可能な後継候補数の割合後継者の継承準備度(1~2年後に継承可能):重要ポスト数に対する、1~2年後に継承可能な後継者候補数の割合後継者の継承準備度(3~5年後に継承可能):重要ポスト数に対する、3~5年後に継承可能な後継者候補数の割合 2023年度よりグローバルに重要ポストの見直しを行い、新たな重要ポストにおけるサクセッションプラン策定の取り組みの定着を図っております。そのため、後継者候補準備率及び後継者の継承準備度(1~2年後に継承可能)については実績値が低下しております。 「次世代リーダー(管理職層・担当者層)の育成」ニデックグループでは、個々の社員の特性を理解し、尊重することで、社員各々の専門性が発揮され、グループ全体の業績向上及び将来のリーダーを担う人材の候補者開発に繋がると考えています。そのため、様々な人材開発施策を通じて、社員が自律的に成長するために学習意欲を高めることや、個々人のニーズに合うよう幅広く学習機会を提供することを目指しています。今後も、キャリアの状態に応じた次の役割別の研修機会、及び個別の学習ニーズに合わせた開発施策・機会の提供に注力致します。 a)管理職層に対しては、自己のリーダーとしての強み、弱みを洗い出すための研修を実施しております。研修の結果として作成される個人別のフィードバックレポートを本人及び上司にも共有し、OJTに活用できるようにしております。b)担当者層においては、新卒入社者に対して約2年間の若手育成プログラムを実施し、実務遂行力やビジネスパーソンとしての基礎的な力を養成するための各種研修を実施しています。このプログラム期間は、研修だけでなく、職場にて具体的な育成計画を立て、OJTにより現場での経験を通じた人材育成にも取り組んでおります。c)階層別に各種研修の機会を提供するほか、キャリア開発支援(上司・若手向けキャリア研修やキャリアプランシート、定期的な1on1ミーティングなど)を通じて、各個人が学習意欲を高めるための内省を促進する機会を設けています。d)社員全般に対しては、社員個人が自らの学習ニーズに沿った通信教育(修了者への補助あり)等を受講できる自己啓発プログラムを用意しており、個々人の能力向上、リスキリングの促進にも取り組んでおります。e)プロフェッショナル人材の育成・強化を行うために、会社機能別での切り口から多様な経験を支援する「機能軸人材マネジメント制度」の導入を管理部門からスタートさせており、プロ人材となる過程において経験すべき職場・業務を通じた育成を加速させております。創業以来大切にしてきたニデックの三大精神(「情熱・熱意・執念」「知的ハードワーキング」「すぐやる・必ずやる・できるまでやる」)をはじめとした、“ニデックらしさ(理念)”を時代に合わせて磨き上げ、全社員に浸透させながら、多様性の中にも組織として目指すべきもの、その中での社員の一体感(ベクトルの一致)を醸成する取り組みを進めております。 教育・研修に関する指標2022年度2023年度2025年度目標一人当たり研修時間12.9時間11.6時間15時間一人当たりの研修費用13,526円17,409円20,000円キャリア意識50.2%50.4%55.0% ※キャリア意識:毎年実施している従業員意識調査「組織パフォーマンスサーベイ」の「あなたは、キャリアの方向性を描いていますか? 」の設問に対し、5段階評価の内「そう思う」、「ややそう思う」と回答した社員の割合 「理念の浸透」社員の特性を尊重することとグループ全体の業績向上を両立する上で、社員各々がニデックグループの理念や経営方針に共鳴することが必要不可欠です。ニデックグループの着実な成長に向け、社員のベクトルを合わせ、社員各々が最大限活躍できる組織を作るため、次の取り組みを実施しています。a)理念浸透では、創業者の想い(ニデックの理念や考え方など)をまとめた「挑戦への道」を社員に配布し、ニデック内で共有すべき理念として日々浸透させ、また理念研修で定期的にこれらの理解度や実践度を振り返る機会を設けることで、企業風土・組織文化の醸成からベクトルの合った組織づくりを行っております。b)One Nidecとして社員の力が最大限に発揮されるように、社員間の関係性を活性化させ、各職場から組織全体へと繋がるパフォーマンスの向上を目指し、「組織パフォーマンスサーベイ」を実施しております。c)「組織パフォーマンスサーベイ」の結果を活用した組織開発の取り組みとして、各職場にて本音で話し合う「職場ワークショップ」を導入し、多様な意見を尊重しながらビジョンに基づく意思決定を進めることができる組織風土の醸成・組織の構築を進めております。これらの取り組みにより、ニデックグループを支える「組織」「ヒト」を中心とした持続的な企業成長を目指してまいります。 理念浸透に関する指標2022年度2023年度2025年度目標ビジョンの浸透度80.9%76.4%85.0% ※ビジョンの浸透度:毎年実施している従業員意識調査「組織パフォーマンスサーベイ」の「あなたの職場では、会社の経営理念やビジョンが共感されていますか? 」の設問に対し、5段階評価の内「そう思う」、「ややそう思う」と回答した社員の割合 2025年度目標の達成に向けては、「理念浸透」、「組織パフォーマンスサーベイ」、「職場ワークショップ」の取り組みに加え、2024年度より社内でコミッティを立ち上げ、ビジョンの浸透促進を図ります。 <人事基盤整備における戦略>グローバル競争が加速する中、10兆円企業という目標達成のためには、国際競争力の強化や働き方改革の推進による生産性向上、実力・実績主義の徹底を通じた競争力の強化が必要不可欠であると考えております。世界情勢・社会動向・諸外国との関係においても、特に生産性向上の強化が望まれる日本国内において、当社では人事制度改革に着手し、One Nidecでの強固な基盤(組織・人材)づくりを目指しております。なお、基盤整備においては、属性に関わらず誰もが実力を発揮できるよう、多様性のある組織(職場)風土や労働環境づくりにも注力し、日頃の円滑な企業活動の土台を築き上げながら進めることとしております。2019年より人事制度改革に向けた検討を開始のうえ、その後の各種人事施策の展開等により経営層から一般社員までの体系的な組織・仕組みを構築することで、人材の流動化・ガバナンス強化を促進し、「組織」「ヒト」の活性化を実現することを目指しております。 「人事基盤整備_制度」a)当社では、取締役会の諮問機関として「報酬委員会(2021年2月~)」「指名委員会(2022年11月~)」を設置(委員の過半数を独立社外取締役にて構成)しております。取締役及び執行役員等の選任方針・選任基準・候補者案の決定等や役員報酬に関して、独立社外取締役の適切な関与・助言を得ることで、公正性・透明性・客観性を担保し、当社のコーポレート・ガバナンス体制のより一層の充実を図ることを目指しております。(ⅰ)「指名委員会」では、取締役及び執行役員等の選任方針・選任基準や継承プラン及びサクセッションプランの考え方を踏まえ、社長・副社長の候補者案等を審議しております。(ⅱ)「報酬委員会」では、役員の報酬に係る報酬決定方針の策定、報酬制度の設計(業績目標の設定、業績連動報酬の合理性、報酬構成の妥当性、報酬制度に基づく個別報酬額)等を審議しております。当社グループのグローバルでの競争力強化と事業の持続的な成長・発展につなげるべく、グループ経営・グループガバナンスをより一層強化し、安定した経営継承を行うべく進めてまいります。 b)グループ一体化経営を進める上で、等級・報酬・評価の人事基幹制度については、国内主要グループ会社を含めた約1万人を対象に制度の統一化を図っており、2020年度にはグループ統一での評価制度を先行して導入しました。更に、2021年~2022年度にかけて段階的に等級・報酬制度を導入しております。(ⅰ)評価制度は、実力・実績主義を徹底するため、組織への貢献(該当業務(職務)に対してのパフォーマンス(行動・アウトプット・成果))を総合評価し、その評価結果を月例給・賞与へ反映させております。(ⅱ)等級・報酬制度は、管理職・非管理職のリーダークラス以上に、ジョブ型人事制度(職務等級制度)を導入のうえ、職責・職務を明確化し、ポジションベースでの適所適材の人材配置を実現できるようにしております。報酬(賃金)は、月例給を職務給に一本化し、外部機関の報酬調査・ベンチマーク(75%ile・50%ile・25%ile)を参考に市場水準に基づいた金額を設定のうえ、職務等級制度により明確化した「職責・職務の大きさ」と「成果(評価結果)」に応じて月例給を決定しております。非管理職の担当者クラスは、日本のジョブ型市場の動向(市場としては未成熟)を踏まえ、担当としての職務(役割)段階の違いを定義づけすることに留め、ある程度の職能要素を残した形で、過去の評価の積み上げから昇降給や昇格候補者としての推薦、昇格を行う仕組みとすることで、着実な人材育成・強化を進めるものとしております。月例給だけでなく、会社・個人業績の結果などによる賞与も含め、メリハリのある処遇を実現させるにあたっては、その基本的な考え方として、「儲けてくれる人を一番評価する」「会社によい変化をもたらしてくれる人を次に評価する」という当社の価値観に基づき、年齢、学歴、社歴、性別、国籍等は関係なく、常に公正・公明・公平に正しく評価することを目指しております。c)退職金制度においても実力・実績主義を徹底し、貢献度の高い社員により報いるべく、次の3点をコンセプトとしております。(ⅰ)総報酬の一部として毎年の貢献をその年の対価として報いること(=報酬感)(ⅱ)優秀な人材の採用・定着、パフォーマンスの向上に資する制度とすること(=リテンション)(ⅲ)ニデックグループのガバナンスを確保し、円滑な異動を担保する仕組みとすること(=グループ内の流動性確保)これらのコンセプトの下、具体的には、勤続年数による退職金の逓増を廃止し、役割や責任の大きさによって決定する基本給に応じて、退職掛金が変動・決定する仕組みとしております。また、グループ各社においても、様々な退職金制度の仕組みがありましたが、確定給付企業年金(以下、DBという)及び確定拠出企業年金(以下、DCという)の2本立ての退職金制度から、DCのみの退職金制度へ変更しております。退職金制度をDCに一本化したことで、DCのポータビリティ制を活かし、ニデックグループ内の人材の流動化が円滑に進むことにもつながっています。その他にも、DBの凍結及び終身部分の確定年金化等も行い、将来的な債務上昇のリスクを回避しております。 d)ポジションベースの人事制度をより機能させる(社内での人材の流動化を促進する)ために、「社内公募制度」を年2回・定期的に実施することとしております。旧来から実施してきた会社主導の人事異動だけでなく、4月と10月の異動時期に合わせて部門単位でポジションの求人を公開し、その求人に社員から応募があった場合は各部門で選考し、社員と部門のマッチングが成立すれば、配属としております。社員の自発的な行動を促し、積極的にチャレンジしてもらうことでキャリア形成を支援するとともに、組織としての活性化を期待しております。なお、「社内公募制度」は、人事制度の導入とともにニデック株式会社からスタートし、順次、グループ会社にも展開・運用を広げる予定であります。e)環境の変化、グローバルビジネスの拡大・深化に伴い、会社が必要とする人材の質は多様になっております。その状況下において、地球規模における「適所適材」(組織能力獲得・人材確保/活用)を実現するために、グローバルモビリティポリシーの策定をはじめとする制度・仕組みの整備に着手しております。国内だけでなく、グローバルに活躍する人材がより多く生まれる環境を整えることによりOne Nidecを更に推進します。 「人事基盤整備_採用」当社は絶えず成長を希求し、「世界No.1の総合モーターメーカー」として、世の中になくてはならないソリューションを提供してまいりました。今後も、時代の変化や社会のニーズに即応できる企業であるために、“永守イズム”“Nidec Way”に共感し、高い目標に向かって絶えず挑戦し続ける3つのP(Proactive, Productive, Professional)を持つ人材の獲得・定着を進めてまいります。ニデックグループの成長に伴い、新たな社員が着々と参画しながらも、ベクトルのあった少数精鋭の社員集団であり続けるため、次の取り組みを実施しています。 (ⅰ)2023年度は、当社を含む国内グループ会社において149名のキャリア採用を致しました。厳しい競争を勝ち抜くために、生え抜き社員だけでなく様々なバックグラウンドを持った社員が協働することで、社員の多様性を重視しながら、常に進化し続ける組織として人材の硬直化を防止すると共に、事業の拡大に応じて、その時々に必要なスキル・経験を持った即戦力人材の採用を行っております。入社後には理念浸透プログラムや入社後面談、月次アンケートなどの定着施策を実施し、ニデックグループで早期活躍するためのオンボーディング施策を積極的に展開しています。(ⅱ)2024年4月入社に、当社を含む国内グループ会社では190名の新卒採用を致しました。若手のうちから裁量を持って積極的に仕事に取組み、様々な教育や業務経験を通して将来のニデックグループの経営幹部候補へと成長するよう開発しております。キャリア採用社員同様に新卒採用社員においても、ニデックへの定着を図り、活躍を促進することが重要だと認識しており、理念浸透活動を通じた経営理念・方針への理解促進や、月次アンケートによる状況把握と個別面談実施、初任給・担当者層の給与水準の向上などを通じて定着率の向上を図っています。(ⅲ)日本国内は、特に先端技術開発などを担うプロフェッショナル集団として、正規雇用が大半を占めております。非正規社員で要件を満たした社員は、積極的に正社員として登用します。当社の「仕事に年齢は関係ない」というポリシーに基づき、役職定年という考え方はなく、ポジションや役割によって、社員一人ひとりが活躍できる会社・組織を目指しています。 採用に関する指標2023年度2025年度目標一人当たり採用コスト(新卒採用)302千円※24年卒-一人当たり採用コスト(キャリア採用)2,129千円-採用にかかる平均日数(キャリア採用)32.9日30日未満定着率79.6%- ※採用に関する指標の内、採用数(新卒採用)、採用数(キャリア採用)の対象範囲は当社及び国内グループ会社、その他の指標は当社のみとなります。※一人当たり採用コスト:採用にかかる外部に支払う費用÷採用数採用に係る平均日数:応募から内定までのリードタイム定着率:100%-離職率(23年度の離職者数÷23年度の平均従業員数) 「人事基盤整備_D&I」ニデックグループは、世界40か国以上に拠点を持つグローバル企業として成長をし続けております。国を跨いだ社員の往来、交流を行っておりますが、多様性のあることが当たり前な組織(職場)・労働環境の整備を進めることで、世界情勢・市場の変化に対しても迅速に対応できる組織・人材となることを目指しております。 a)多様な社員の活躍を促進し、組織全体で新たな価値を創造していく上で、属性を問わず実績を評価する組織風土をはじめ、柔軟な働き方や多様性を受け入れる組織整備を進めています。(ⅰ)2005年頃からダイバーシティ推進に取り組み、その後、仕事と家庭の両立支援から活躍支援へと段階的にフェーズを移しつつ、男女問わない働き方として、時差勤務制度や在宅勤務制度、時間単位年次有給休暇制度を設けると共に、時短勤務等各種制度拡充やキャリア支援などを行っております。その結果、育児休暇からの復帰率向上や女性の管理職、管理職候補層の増加、男性の育児参画度の向上等が成果として出ております。ニデックでは今後も女性活躍推進を重要課題と位置づけ、女性管理職比率について、当社では2023年度で8.1%(女性従業員比率21.1%)となっており、2025年度には9%を目指しています。(ⅱ)LGBTQ社員に対する取り組みとして、当社の就業規則では、性差・性的指向・性自認等に関係なく人格を尊重し、互いに一致協力することを明文化しており、その一環として配偶者に適用される人事規程を同性パートナーにも適用しております。(ⅲ)外国籍役員2名を登用しており、性別だけでなく、国籍をはじめとした個人の属性や価値観にかかわらず人材が活躍できる会社を目指して働き方の柔軟性の確保に努めております。 ダイバーシティに関する指標2023年度障害者雇用率2.67% 育児休業に関する指標2022年度2023年度育児休業取得者数(男性)24名27名育児休業取得者数(女性)19名12名育児休業取得率(男性)31%47.4%育児休業取得率(女性)100%100% 育児休業復職率93%100% 育児休業定着率 ※復職後1年間勤務を続けた社員の割合81%76.9% 制度を活用できる社員の割合2022年度2023年度テレワーク適用率100%100%時差勤務制度適用率83%97.2%時差勤務制度実施率―3.7% ※国内で勤務する社員に限っております。海外赴任者は赴任先の現地法人の就業規則に準拠しております。 b) 会社と社員の様々な対話の場から、適切な共有・建設的な議論を意識しつつ、コミュニケーションの活性化にも取り組んでおります。(ⅰ)当社の社員代表組織である親睦会との間では、月に1回、双方向での情報共有・意見交換の場を設けており、社員が働き甲斐のある職場環境をつくるため、親睦会から集約した社員の声なども踏まえながら、年に2回社員満足度向上委員会を開催し、親睦会と会社が議論を交わしております。(ⅱ)2021年度からは、人事部門の社員が各事業所を訪問し、社員との質疑応答等を通じて現場での課題認識に努めながら、人事施策や取り組みについての周知徹底・理解浸透を図るようにしております。 c) 当社の持続的な成長を実現するにあたり、社員の健康と働き甲斐を重要な源泉と位置づけ、多様な人材が活躍できる職場づくりと、社員が長く活躍できる持続可能な働き方が不可欠であるという考え方に基づき、健康経営に取り組んでおります。また、健康経営においては、「生産性」と「エンゲージメント」の向上を戦略の柱として掲げております。(ⅰ)生産性向上の観点では、心身の健康を維持・増進することで、欠勤や休職等による損失の最小化や健康問題によるパフォーマンス低下の防止を図っております。健康上の高リスク者への対策として、健康診断結果に応じた個別保健指導の実施や精密検査受診勧奨等を効果的に実施するほか、傷病の発生予防として、当社産業医・保健師によるオンラインセミナーの実施により社員の健康リテラシーを高めると共に、敷地内完全禁煙の実施や運動習慣の推奨を通じて社員の行動変容を図っております。メンタルヘルス対策として、ストレスチェック実施後集団分析等、フォロー強化を進めております。加えて、労働安全の観点から、管理職を含む従業員の労働時間を管理し、長時間労働に伴う健康障害発生リスクの抑制に努めております。(ⅱ)エンゲージメント向上の観点では、当社内の健康意識調査である「NIDECヘルスサーベイ」の分析結果から、「エンゲージメント」と「働きやすさ」のスコアの相関関係に着目し、特に「働きやすさ」スコアの改善につながる施策を推進していきます。「働きやすさ」スコアの改善には、1on1ミーティングやキャリア面談の導入による上司・部下間のコミュニケーションの活性化や、職場課題の解決について話し合うワークショップ導入による組織活性化を図っております。また、時差勤務制度や在宅勤務制度の拡充等、制度面での環境整備にも取り組んでおります。 健康経営に関する指標2022年度2023年度メンタルヘルスによる年間長期欠勤・休職者数70名33名メンタルヘルス以外の疾病による年間長期欠勤・休職者数13名4名健康増進プログラムへの参加率83.4%67.8% d) 当社は、グローバルな事業環境における人権への配慮の重要性を認識しており、「国連ビジネスと人権に関する指導原則」「国連グローバル・コンパクト」「国連世界人権宣言」「労働における基本的原則及び権利に関するILO宣言」をはじめとする国際的ガイドラインを支持し、人権を取り巻く課題の多様化に対応しております。(ⅰ)ニデックグループCSR憲章では「人権の尊重」を掲げ、またCSR憲章を補完する「NIDECグループCSR行動宣言」では、強制労働の禁止、児童労働の禁止、差別と非人道的な扱いの禁止、適切な賃金の保証、労働時間と休日・休暇の保証、結社の自由と団体交渉権の保証を規定しております。現在、当社グループはグローバルに300を超える事業所を有し、その何倍もの取引先が各国・地域で当社の事業活動を支えておりますが、労働者の保護等に関する法整備が不十分と言われる国々でも操業をしております。(ⅱ)こうした環境下において、当社グループに留まらずサプライチェーンで発生する労働・倫理問題に関しても自社の責任と認識し、2021年11月には、当社の人権尊重に関する姿勢と取り組みを整理し、「日本電産(現 ニデック)グループ人権基本方針」を策定しております。人権に関する基本的な考え方を明示するほか、「強制労働の禁止」「児童労働の禁止」「ハラスメントの禁止」「職場の安全・衛生の確保」など8つの遵守すべき行動指針を制定しております。本方針は当社グループ及びサプライヤーを含め、当社グループのビジネスパートナー全体をスコープに展開しており、人権侵害のリスク特定と改善に継続的に取り組むと共に、全社eラーニング等の啓発活動を行っております。(ⅲ)人権リスク・アセスメントについては、当社従業員の70%以上が集中するアジア地域を最重視し、重点的に取り組んでおります。アジアの主要な生産工場を対象にRBA(※)行動規範を参照した自社基準に基づく監査を定期的に実施しており、従業員の人権に関しては「雇用の自由選択」「若年労働」「労働時間」など7側面に設けられた監査項目を厳しくチェックしております。本方針を元に人権を尊重する責任を果たし、多様な人材が活躍することができる安全・安心な職場づくりを進めていきます。(※)RBA(責任ある企業同盟)行動規範:電子業界が定めたサプライチェーン全体の事業活動に対する行動規範 e) 多様な人材が活躍する上で、安全・安心な職場づくりが必要不可欠と考え、労働災害の防止の取り組みやコンプライアンス体制の整備にも努めています。(ⅰ)ニデックグループ全拠点において社員の安全確保を最優先の課題と位置づけ、国内事業所では安全確保に向けた施策を審議する安全衛生委員会を組織しています。(ⅱ)諸法令・規則、社内規則・基準、社会倫理規範等の遵守やそのための従業員教育を徹底することにより、役員及び従業員の倫理意識を高め、安全で良好な職場環境づくりを進めるべくコンプライアンス活動を継続的に実施しています。また、ニデックグループ全ての取締役・役員・従業員が利用できる内部通報窓口及び外部に第三者窓口を設置し、誰もが安心できる職場環境づくりに努めています。 労働災害に関する指標2022年度2023年度労働災害の発生件数2件6件労働災害度数率0.461.68労働災害により失われた時間32時間948時間労働災害による死亡者数0名0名 労働災害により失われた時間については、2023年度に発生した6件のうち1件が800時間を占めているため、2022年度に比べ大幅に増加しております。なお、安全衛生委員会に加え、当社リスク管理機能の主管で労災撲滅プロジェクトを立ち上げ、再発防止に取り組んでいます。 コンプライアンスに関する指標2022年度2023年度懲戒処分の発生件数(解雇)2件0件懲戒処分の発生件数(解雇以外)4件3件コンプライアンス研修の受講率97%94.4% ※解雇には諭旨解雇を含んでおります。 |
事業等のリスク | 3【事業等のリスク】 NIDECの経営成績、株価、財政状態等に影響を及ぼす可能性のあるリスクには、次のようなものがあります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在においてNIDECが判断したものであります。 (1)経営戦略リスク①政治・経済状況の変動に係るリスク(特に重要なリスク)リスク内容NIDECの製品及びNIDECの製品を搭載した製品はアジア、米州、欧州及び日本で生産、消費されており、これらの国または地域の予期せぬ景気変動、政治・政策動向や消費動向は、NIDECの製品需要や生産状況に悪影響を及ぼす可能性があります。製造部門における設備投資の水準は景気動向によって左右され、その減退がNIDECの産業用製品に係る売上に悪影響を及ぼす恐れがあります。主要な対応策・地営地開(現地における営業及び開発活動)、地産地消(現地における生産及び販売活動)の推進によるリスクの低減、事業機会の最大化・事業ポートフォリオの適時確認・見直しによる既存事業のビジネスモデルに対する依存度の低下と事業及び組織の新陳代謝の促進による持続可能な企業成長 ②技術環境・産業構造の変化に係るリスク(特に重要なリスク)リスク内容技術変遷を背景とした需要の変容、それに呼応する顧客動向の変化がNIDECの想定を上回るスピードで生じた場合に、同市場におけるNIDECの経営環境に影響を及ばす場合があります。例えばHDD用モータ事業はNIDECの主要事業の一つであり長期に亘り当社の収益基盤をなしてきましたが、半導体メモリーSSDやクラウドコンピューティングの定着によるストレージ市場の構造変化が顧客のビジネスモデル変化を招き、当社HDD用モータの需要低下に繋がっています。 主要な対応策・クラウドサーバー向けHHDD用モータ等、需要の高い製品へ注力することによるビジネスの最適化・新規商材へのリソース集中投下等、ビジネスポートフォリオ転換の早期化 ③競合に係るリスク(特に重要なリスク)リスク内容NIDECは事業を行う様々な市場で激しい競争にさらされております。特に車載、家電市場においては、新興国の地場メーカーの台頭で競争が激化する傾向があります。NIDECは次のような場合に、市場における競争力が低下したり収益力を損なう可能性があります。・市場がNIDECの予測を超える速度で発展した結果、需要拡大等の市場変化への対応において競合他社がNIDECの能力を上回った場合・NIDECのコスト削減活動が、市場販売価格の減少や原材料費の上昇による悪影響を吸収するには不十分となった場合・競合他社が技術革新、製造効率の改善または研究開発能力の強化を行った結果、NIDECの製品や技術が陳腐化した場合・NIDECの競合企業同士の合併によりNIDECの競争力が相対的に弱まった場合・必要な投資を継続・強化するための財産的、技術的、人的な資源を調達できない場合主要な対応策・研究開発分野への投資の維持・増強、製造能力・販売力・マーケティング力の拡大・新製品のタイムリーな投入・既存製品における収益性の更なる改善・利益性確保のためのコスト削減活動 ④先行投資に係るリスク(特に重要なリスク)リスク内容NIDECは需要の拡大を予想した場合、受注に先駆けて生産設備を拡張したり、リードタイムを考慮して部品や材料を先行発注することがあります。従って、競合他社の開発・市場参入動向、製品の需要動向の変化を正しく見積もることができない場合、NIDECの経営成績及び財政状態に大きな影響を及ぼす次のようなリスクがあります。・需要が生産能力を下回る場合、稼動損による償却負担の増加または過剰在庫による棚卸資産の評価減が収益を圧迫するリスク・需要を過小に見積もり必要な設備投資を行わなかった場合、顧客の要求を満たせずシェアを失うリスク主要な対応策・設備投資の決定過程における必要性・投資回収可能性・投資金額の徹底的な検討・毎月の計画に対する達成度の確認と適切な施策の打ち出しの検討・損失リスクの最小化・陳腐化による経済的価値の棄損の最小化・投資金額の最小化による金額リスクの低減 ⑤M&Aに係るリスク(特に重要なリスク)リスク内容NIDECは事業の成長に必要な技術、製品、販売網、顧客基盤を所有する他社の買収や他社への資本提携を通じて大幅な成長を達成してまいりました。買収や出資活動を継続的に成功させることは、NIDECの事業戦略を達成する上で極めて重要な要素です。市場が急速に変化する中で、ビジネスモデルの転換に必要な技術を適確に選択・買収することが出来なかった場合に、市場の成長スピードに追随できなくなる可能性があります。また、適切な買収や出資の対象会社を見つけることができない場合、そのことがNIDECの事業、経営成績、財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。買収した事業の効率的な統合により得られる将来の収益力を適切に反映したものと考えておりますが、事業環境の悪化等により予想どおりの収益が得られないと判断された場合、NIDECはこれらの資産について減損を認識しなければならず、NIDECの経営成績、財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。主要な対応策・買収対象企業は、当社事業戦略に沿った企業を選定・事前調査を徹底し適正価格で買収・買収後の迅速かつ徹底したPMI・当社の経営理念や経営手法を全従業員に深く浸透させ、当社グループ入りによるシナジー効果を創出しながら、買収対象企業の企業価値を向上してのれん減損リスクを極小化 (2)事業運営リスク①高度な専門性を有した人材の採用・保持に係るリスク(特に重要なリスク)リスク内容技術革新の大波が押し寄せ、その波に乗れるかどうかの瀬戸際である昨今、NIDECは新市場に対する高い知見・スキルを持つ人材を追加雇用し、NIDEC人材としての意識醸成を図りながら育成・活用する体制づくりを進めていく必要があります。NIDECがこのような追加の人材を引き付けることが出来ない場合は、技術革新の大波に乗れる機会を失う可能性があります。主要な対応策・3つの人事制度改革(評価制度・等級制度・報酬制度)の段階的導入・専門性の高い人材の採用、幹部人材の確保、育成プロセスの強化 ②研究開発に係るリスクリスク内容NIDECが製品を提供する市場では継続的に急速な技術革新が起きており、脱炭素化、省電力化、省人化、5Gやサーマルソリューション、デジタルデータ爆発といった5つの分野を中心にリソースを投入しています。そのような市場環境下で、NIDECの成功の成否は、顧客の要求を満たせる、より優れた技術、製品、生産工程を開発し続けることができるかどうかにかかっています。もしNIDECが、市場動向を正確に予測できなかったり、適時に効果的な研究開発活動を実施できず、他社がNIDECより優れた技術、製品、生産工程を開発すれば、NIDECの製品は陳腐化し、販売シェアが縮小すると同時に、新製品の事業及び市場の拡大が妨げられることになります。研究開発活動がうまく成果を出すことができなければ、NIDECの事業、経営成績、財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。主要な対応策・市場・技術・顧客動向の予測と要求に沿った新製品・ソリューションの開発・実効性と効率性の向上と革新的なイノベーション創出・更なる製品開発力の強化と生産技術の先進化・高度化 ③製品の品質に係るリスクリスク内容顧客の品質要求条件が都度変化しており、製品に使用する材料の環境規制や製品に対する品質要求レベルが高度化してきています。安全で高品質な製品を提供できない場合、物損や人命に係る事故へ繋がる可能性があり、法令上のリコールが適用される他、社会的要請としても特に高い安全性が要求されます。このような問題がNIDECの製品を原因として発生すれば、顧客からの求償要求や顧客との係争、行政処分につながる恐れがあり、その結果不良品回収等の損失費用発生、ブランドイメージの悪化及び販売の落込みによりNIDECの経営成績が悪影響を受ける可能性があります。更に、訴訟に伴う人的・財務的負担が正確な経営判断の阻害要因となる可能性があります。主要な対応策・製品の品質・安全性を確保のための潜在的な課題の深堀と対応及び品質マネジメントシステムの整備による製品不具合の未然防止・規定・ガイドラインの適宜見直し ④原材料・部品調達に係るリスクリスク内容ニデックは製品の製造に必要な原材料及び部品の多くを外部から調達していることから、それらの需給環境が極端に悪化するとニデックの生産能力は低下します。また、原材料の種類や部品の使用条件等に関わる各国政府政策の変更や、顧客による調達方針の変更もニデックの原材料・部品調達能力を制約する要因になります。主要な対応策・部品の調達過程における環境、人権、労働環境、資源入手可能性への配慮に基づく代替材料の確保・原材料・部品の使用量低減を目指す継続的な設計思想の見直し ⑤知的財産権に係る訴訟リスクリスク内容NIDECは自社技術及びその他の知的財産を、特許権、商標権、著作権及びその他の知的財産権、更には機密管理や個別契約により保護しておりますが、一部の地域では、法制度が不十分な場合もあり、NIDECはこれらの知的財産権に関して次のようなリスクを負っております。・NIDECは第三者からの知的財産権侵害の主張に対して反論をしていくためコストが必要になる場合があります。また、当該主張の結果、予め認識していない第三者の知的財産権を利用してしまったことによりNIDECに賠償責任が発生する場合や、差止命令によりNIDECの事業の継続が妨げられる場合があります。その結果、そのことがNIDECの事業、経営成績、財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。・NIDECの知的財産権の保護対策は十分でない可能性があります。・NIDECより大規模な資源を有する競合他社を含むその他の企業が、独自に技術を開発するか、または優越する技術を獲得した場合、NIDECはこれら企業の知的財産を使用するためのロイヤリティを支払わなければならなくなる可能性があります。・現行または将来の特許出願に関して、特許権を取得できなかったり、NIDEC自身が保有するまたは使用を許諾されている特許が無効になったり回避されたりすることで技術戦略上困難な状況に陥る可能性があります。・特定の特許権の下で認められている権利では、NIDECに競争上の優位をもたらさない可能性や、適切に保護されない可能性、技術力の維持に繋がらない可能性があります。・第三者による特許、重要な営業秘密、その他の知的財産権に関する侵害や無断使用に対して提起する訴訟に伴い多大なコストが必要になる可能性があります。・NIDECの製品を製造及び販売している諸外国の法律が、NIDECの製品や知的財産権を、日本の法律と同じ範囲で保護していない場合や、法律が存在したとしても効果的に施行されていない可能性があります。主要な対応策・製品開発初期からの、第三者所有の知的財産権に対する包括的かつ継続的な調査の徹底・当社独自技術の保護による優位性強化及び競争力維持のための、積極的な知的財産権の取得と維持管理 ⑥情報の流出に係るリスクリスク内容NIDECは事業活動において顧客、他企業の機密情報及び取引先関係者、従業員の個人情報を保有しております。NIDECはこれらの機密情報に関してセキュリティ対策、研究開発拠点における入退室管理、CADデータ厳格管理等を行っておりますが、同情報が人的及び技術的な過失や違法または不正なアクセス等により漏洩した場合、機密情報を保護できなかったために発生する責任や規制措置の対象となる可能性があります。そのような場合、NIDECは競争上の優位性を喪失し、顧客や市場の信頼が失われ、NIDECの事業、経営成績、財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。加えてNIDECの営業活動やシステム、ブランドイメージに対する社会的信頼を落とすことになります。主要な対応策・グループ横断のセキュリティ管理体制の構築(情報セキュリティ管理室の設置、情報セキュリティ委員会による活動の監視、情報セキュリティ管理責任者 及び情報セキュリティ推進責任者の設置)・社員に対する情報セキュリティ教育の実施・M&A関連の個別案件ごとに守秘義務契約を締結し情報管理を徹底 ⑦年金制度に係るリスクリスク内容NIDECの一部では、一定の要件を満たす従業員のための確定給付年金制度と確定拠出年金制度を併用している会社があります。特に、確定給付年金制度に関しては、年金資産の公正価値や年金資産の収益率が下落した場合、または、退職給付債務の計算の基礎となる想定値が変動した場合、損失が発生する可能性があります。また将来、既存の年金制度を変更し、従来は認識していない勤務費用が発生する可能性があります。そして、利率の変動、NIDECをとりまく環境の変化やその他の要因により、年金資産の積立状況等に悪影響を与える可能性があります。更に、将来の年金費用の計算に使用される想定値も変動する可能性があります。主要な対応策・退職金制度を確定拠出年金に一本化・年金制度のガバナンス体制の構築と第三者機関との連携 ⑧為替に係るリスクリスク内容NIDECの海外への売上の大部分は日本円以外の米国ドル、ユーロ、中国元、タイバーツ等の通貨で構成されており、各通貨に対する円の上昇は一般的に、NIDECの売上、営業利益、当期利益に悪影響を及ぼします。加えて、日本円以外の通貨で運営している子会社の業績を連結財務諸表として統合した際、為替変動が大きく影響する可能性があります。主要な対応策・売上と仕入の為替を相殺することで為替リスクの軽減を図る ⑨金利の変動に係るリスクリスク内容NIDECは固定利率と変動利率の長期債権や有利子負債を保有しております。これらの債権及び負債にかかる金利の変動により、支払利息や受取利息、金融資産・負債の価値に影響を及ぼす可能性があります。主要な対応策・長期債権や有利子負債については金利スワップ等の契約を締結することにより金利変動リスクの低減を図る ⑩資金の流動性に係るリスクリスク内容NIDECは自社の資本支出やM&Aに関する資金を金融機関からの借入や金融市場からの直接調達に依存しております。金融市場の急速な変化やその他の要因により金融機関が貸付枠、信用供与枠額や条件を圧縮した場合、またはNIDECがそれまでと同等またはより良い条件で取引可能な代替的資金調達源を見つけることができない場合、そのことがNIDECの事業に悪影響を及ぼす可能性があります。更に、NIDECの財政状態が悪化した結果、信用格付機関がNIDECの信用格付けを大幅に引下げた場合や経済状況の後退により投資家の意欲が減少した場合、NIDECが必要な資金を必要な時期に、希望する条件で調達できない可能性があり、資金調達がより制限されるとともに、資金繰り費用が大幅に増加する可能性があります。この場合、そのことがNIDECの事業、経営成績、財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。主要な対応策・信用格付けの維持・向上に努めると共に資金調達の多様化を図る。また、設備投資の抑制や運転資金の圧縮によるキャッシュ・フローの改善を進め、グローバルでCMS(キャッシュ・マネジメント・システム)を使うことでグループの余剰資金を集約し、資金需要に対応することで資金効率化を図る。 ⑪繰延税金資産の不確実性に係るリスクリスク内容NIDECは繰延税金資産が将来の課税所得から回収される可能性を評価しなければならず、回収可能性が見込めない場合は繰延税金資産を減少させることとなります。経済状況や経営成績が悪化した場合、繰延税金資産の全てまたはその一部に関して回収可能性が見込めないと判断し、繰延税金資産を減少させることによりNIDECの利益が減少する可能性があります。主要な対応策・繰延税金資産の回収可能性と評価性引当金の計上の要否に関する定期的なレビューの実施とタックス・プランニングの策定 (3)ガバナンスリスク①NIDEC代表取締役グローバルグループ代表である永守重信氏への依存に係るリスクリスク内容NIDECの継続的な成功は主にNIDECの創業者である永守重信氏の能力と手腕に依存してきました。様々な経済的・政治的なリスクが顕在化している昨今の状況下において、NIDECの創業精神でもある「すぐやる、必ずやる、できるまでやる」という成長を牽引する原動力となる新たなリーダーを輩出することができない可能性があり、そのことがNIDECの事業、経営成績、財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。主要な対応策・次の50年を見据えた新たな後継者計画の継続的な実行・運用(1)集団経営(集団指導)体制による持続可能な経営の推進(2)岸田新社長(最高経営責任者)のもと、強固な経営基盤の構築と、創業者依存体制の変革の推進 ※新社長は、指名委員会にて審議のうえ、取締役会にて決議を行っている。(3)当社グループ経営陣の組織的連携の強化(チーフオフィサー制の強化) ②内部統制に係るリスクリスク内容当社の連結子会社において、連結決算手続における当社グループの連結子会社間取引を伴う売上高等の連結調整の一部について調整対象を誤認し、売上高が過大に計上されていることが判明し、決算・財務報告プロセスの内部統制上、開示すべき重要な不備に該当すると判断致しました。当社としましては、財務報告に係る内部統制の重要性を十分に認識しており、開示すべき重要な不備を是正するために、当社グループにおいて、決算処理に対する多角的視点での検証及び承認権限者による承認手続の強化等の以下の再発防止策を速やかに策定、実行することで財務報告の信頼性を確保しましたが、今後開示すべき重要な不備が再度発生した場合には、当社グループの財務報告の信頼性に影響が及ぶ可能性があります。主要な対応策・他の関連した問題の識別や会計処理及び表示の改善を行うための、過年度に開示した書類及び訂正された連結財務諸表に含まれる連結決算仕訳に対しての詳細なレビューの実施・連結決算手続に係る方針の更新、連結子会社間取引に関連する調整対象案件を特定する際に必要な正確かつ網羅的な情報を把握するための体制の強化、並びに連結決算処理に対する検証及び承認権限者による承認手続に重点を置いた研修の実施 ・当社及び子会社の経理財務責任者による連結決算手続に対する包括的なモニタリング機能の強化及び決算・財務報告プロセスにおける連結子会社間取引の調整に関する査閲・承認手続の強化 (4)偶発的リスク①自然災害・人的災害に係るリスクリスク内容NIDECやサプライヤーが事業を展開する国内外において、自然災害、火災、公衆衛生、戦争、テロ行為やその他の人的災害が発生した場合、NIDECやサプライヤー、顧客に損害が及ぶ可能性があります。交通・エネルギーインフラへ甚大な損害を及ぼす大規模な自然災害や広域感染症が発生すると、被災地におけるNIDEC及びサプライチェーンによる生産・営業活動は安全が確保されるまでの間停止することになります。NIDECの生産・開発拠点及びその顧客、サプライチェーンの多くが活動している中国等の海外地域や、NIDECの本社機能、その他重要研究開発施設が集中する日本で大規模な災害が発生した場合は特に大きな被害が想定されます。また、NIDECの事業に必要不可欠なネットワーク及び情報システムは、停電、自然災害、テロ行為、ハードウエアやソフトウエアの不具合、コンピュータウィルスによる攻撃、不正侵入により被害を受ける可能性があります。これらの事態の全てを回避することは困難です。これらの事態が発生した場合には、NIDECの生産活動及び販売活動に大きな支障をきたし、製品の納入が遅れ、サプライヤーから材料や部品を入手することが困難となり、製造工場の修復に多大な費用が必要となる可能性があります。主要な対応策・損害保険の付保によるリスクの転嫁・生産拠点の分散、サプライチェーンの二重化、サイバーセキュリティ対策の強化等の事業継続対策実施・事業継続計画(BCP)の策定とシミュレーション訓練の実施によるBCPの実効性向上 ②気候変動に係るリスクリスク内容2015年12月にCOP21がパリ協定を採択して以降、気候変動問題はあらゆる国・地域、企業が取り組むべき地球規模の優先事項と位置付けられるようになりました。製品の開発・生産活動を主軸に世界各地で事業を展開するNIDECにとって、気候変動はビジネス創出の機会であると同時に、広範にわたる中長期的事業リスクの源泉でもあります。以下に挙げるリスク事象の現実化はNIDECの財務状況に重大な悪影響を及ぼす可能性があります。 「移行リスク」(気候変動に関わる政策及び規制、技術開発、市場動向、市場評価等の変化に起因する間接的損失リスク)a)炭素税その他脱炭素社会実現へ向けた各国のエネルギー転換施策への対応が遅れることによる税負担の上昇b)既存製品・サービスに適用される規制の厳格化や新基準への不適合に伴う市場機会の損失及びコンプライアンスコストの増加c)世界的「電化」傾向に起因する電子部品原材料(希少鉱物、鋼材、その他ハイエンドアルミや銅等の非鉄金属)の入手困難あるいは調達コストの上昇d)新たな低炭素製品が要求する代替原材料の研究・開発の遅れ及び付帯コストの増加e)非効果的な気候変動対策に起因する企業価値の低下とそれに伴う投資誘引力の減退及び信用格付けの低下 「物理的リスク」(気候変動がもたらす災害等による直接的損失リスク)a)台風・多雨等がもたらす広域水害の頻発による事業活動の停止b)渇水による事業活動への制約c)気温上昇による健康被害d)上記事由によるサプライチェーンの混乱主要な対応策「移行リスク」への対応・2024年3月にCO2排出量削減に関する新たな中長期目標を設定。2050年度にサプライチェーン全体のCO2排出量のネットゼロを目指し、2030年度までにスコープ1・2での排出量を2022年度に比べて42%削減(2040年度にカーボンニュートラル化)、スコープ3での排出量も2022年度に比べて25%削減。・SDGsコンセプトに基づく研究・開発活動の推進・複数購買ルートの確保・2022年4月に「環境統括部」を設立(2024年1月に「サステナビリティ推進部」を設立し、「環境統括部」を移管)・2022年8月にサステナビリティ委員会を設置・TCFDに沿ったシナリオ分析の実施と対応策の検討 「物理的リスク」への対応・グローバル・ロケーション戦略を通じた生産リスクの分散・気候変動リスクが高い国・地域で操業する事業所を対象とする認識度調査の実施・生産ラインのイノベーション・サプライチェーンの可視化ならびに柔軟性の強化・国内外事業所におけるBCPトレーニングの継続・TCFDに沿ったシナリオ分析の実施と対応策の検討 |
経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 | 4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。当連結会計年度において、企業結合に係る暫定的な会計処理の確定を行っており、前連結会計年度の連結財務諸表については、暫定的な会計処理の確定による取得原価の当初配分額の見直しが反映された後の金額によっております。 (1)重要性のある会計方針及び重要な見積り当社の連結財務諸表は、「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」第93条の規定により、IFRSに準拠して作成しております。この連結財務諸表の作成において、連結決算日における資産・負債の金額と連結会計年度の収益・費用に影響を及ぼす見積り・判断・仮定が必要となります。これらの実際の結果は見積り・判断・仮定と異なる場合があります。もし会計上の見積りが行われる時点で高い不確実性に対する見積りを作成しなければならない場合、その会計上の見積りは、直近の会計期間にて合理的に見積った見積りや、該当する発生期間において合理的に見積ることができる場合とは異なり、財政状態やその変化、経営成績に重要な影響を与えると予想されます。重要性のある会計方針及び重要な見積りの詳細については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 3.重要性のある会計方針 4.重要な会計上の見積り、判断及び仮定」に記載しております。 (2)経営成績の状況2024年3月期の当社を取り巻く事業環境は、最終市場によって需要の強弱がある一年でした。精密小型モータは、IT関連向けでは巣ごもり特需の反動減が長らく続きましたが、今年度の中盤以降は買替え需要の盛り上がりにより徐々に需要回復の兆しが表れました。加えて、急成長する生成AIを活用したデータセンター向け需要増を取込み水冷モジュールなどの新たな事業機会も生まれ始めています。車載は、半導体等の供給制約緩和に伴いグローバル自動車生産台数が徐々に回復する一方、激しい価格競争の進展によって健全な競争環境が失われつつある中国EV市場では他社に先駆けていち早く収益性最優先へと戦略転換を行いました。家電・商業・産業用は、家電需要の調整は未だ継続していますが、産業やインフラ系の更新需要は堅調に推移しています。機器装置の関連は、景気変動サイクルにおける低迷期が続き製造業関連指数も低調な中、来たる需要回復に向けて体制の整備を進めました。市場・顧客の求めに応じて良い製品を適正な価格で提供すべくスリー新(新市場、新製品、新顧客)活動の強化や徹底したコスト削減活動をグループ一丸で継続し、当期の売上高、税引前当期利益において過去最高を更新しました。 当連結会計年度における主な経営成績は次のとおりであります。 (単位:百万円) 前連結会計年度当連結会計年度増減額増減率売上高2,230,0272,347,159117,1325.3%営業利益89,923162,79972,87681.0%(利益率)(4.0%)(6.9%)--税引前当期利益110,435202,61292,17783.5%継続事業からの当期利益37,683126,34488,661235.3%非継続事業からの当期損失△1,983△441,939-親会社の所有者に帰属する当期利益36,982125,14488,162238.4% 当期の継続事業からの連結売上高は、前期比5.3%増収の2兆3,471億59百万円となり、過去最高を更新致しました。これは中国EV市場の想定を超える競争激化や家電需要の調整が続く厳しい環境下においても、顧客ごとの丁寧な需要対応や世界中の販売網を挙げての拡販活動を通じて各事業・市場ごとにきめ細かく成長の波をとらえる等、当社グループ全体として売上拡大を遂げることができました。 営業利益はたゆまない固定費削減の成果をグローバルで確実に刈り取ったことをはじめ、原価及び売価改善を着実に部品一つ一つに対して進捗させたことにより、前期比81.0%増益の1,627億99百万円となりました。なお、EVトラクションモータ関連事業において収益性最優先へ戦略転換したことに伴い、構造改革費用を計上し、財務健全化と今後の収益力強化に備えました。税引前当期利益は、為替差益約327億円を計上した影響も含め前期比83.5%増益の2,026億12百万円となり、過去最高を更新しました。親会社の所有者に帰属する当期利益は前期比238.4%増益の1,251億44百万円となりました。なお、当期の売上高、営業利益への為替影響は下記のとおりです。 - 売上高:前年同期比約1,214億円の増収- 営業利益:前年同期比約87億円の増益 セグメント別の経営成績は次のとおりであります。(単位:百万円) 総売上高営業損益 前連結会計年度当連結会計年度増減額前連結会計年度当連結会計年度増減額SPMS342,655333,328△9,32717,08325,9588,875AMEC305,143339,74834,605△64,663△55,6948,969MOEN396,221463,50967,28838,58161,28522,704ACIM437,402437,99058821,34942,64621,297ニデックインスツルメンツ165,891158,458△7,43318,00016,000△2,000ニデックテクノモータ97,55186,394△11,15710,68011,004324ニデックモビリティ120,168136,74716,57911,41012,5701,160機械事業本部164,352207,08442,7328,96929,29620,327ニデックアドバンステクノロジー60,83639,707△21,12916,1019,179△6,922その他218,447217,985△46227,35826,641△717調整及び消去/全社△78,639△73,7914,848△14,945△16,086△1,141連結2,230,0272,347,159117,13289,923162,79972,876 (注)1.総売上高は外部顧客に対する売上高とセグメント間の売上高の合計です。2.2023年4月1日付で、「日本電産サンキョー」セグメントは「ニデックインスツルメンツ」セグメントに名称を変更しております。3.2023年4月1日付で、「日本電産テクノモータ」セグメントは「ニデックテクノモータ」セグメントに名称を変更しております。4.2023年4月1日付で、「日本電産モビリティ」セグメントは「ニデックモビリティ」セグメントに名称を変更しております。5.2023年4月1日付で、「日本電産シンポ」セグメントは「機械事業本部」セグメントに名称を変更しております。6.2023年4月1日付で、「日本電産リード」セグメントは「ニデックアドバンステクノロジー」セグメントに名称を変更しております。 「SPMS」の総売上高は3,333億28百万円(前年度比93億27百万円減)となりました。これは、為替影響による増収があったものの、販売数量の減少によるHDD用モータの売上減少によるものであります。営業利益は259億58百万円(前年度比88億75百万円増)となりました。これは、減収による影響と製品構成の変動に対して固定費の大幅低減や原価及び売価改善を実現した結果であります。 「AMEC」の総売上高は3,397億48百万円(前年度比346億5百万円増)となりました。これは中国EV市場の想定を超える競争激化の一方、グローバルでの自動車生産台数の回復及び為替影響による増収であります。営業損益は当期に構造改革費用を計上した結果、556億94百万円の営業損失となりました。 「MOEN」の総売上高は4,635億9百万円(前年同期比672億88百万円増)となりました。これは、発電機やグリーンイノベーション関連需要による増収であります。営業利益は612億85百万円(前年同期比227億4百万円増)となりました。これは、増収による影響、固定費の大幅低減、原価改善によるものであります。 「ACIM」の総売上高は4,379億90百万円(前年度比5億88百万円増)となりました。これは、家電需要の調整継続による減収があったものの為替影響によるものであります。また、営業利益は426億46百万円(前年度比212億97百万円増)となりました。これは、固定費の大幅低減、原価改善によるものであります。 「ニデックインスツルメンツ」の総売上高は1,584億58百万円(前年度比74億33百万円減)となりました。これは液晶ガラス基板搬送用ロボットの減収によるものであります。営業利益は160億円(前年度比20億円減)となりました。これは減収によるものであります。 「ニデックテクノモータ」の総売上高は863億94百万円(前年度比111億57百万円減)となりました。これは、空調機器向けモータの減収であります。営業利益は110億4百万円(前年度比3億24百万円増)となりました。これは固定費適正化によるものであります。 「ニデックモビリティ」の総売上高は1,367億47百万円(前年度比165億79百万円増)となりました。これはグローバルでの自動車生産台数の回復及び為替影響による増収であります。営業利益は125億70百万円(前年度比11億60百万円増)となりました。これは増収によるものであります。 「機械事業本部」の総売上高は2,070億84百万円(前年度比427億32百万円増)となりました。これは工作機械及びプレス関連事業の増収、新規連結の影響及び為替影響による増収であります。営業利益は292億96百万円(前年度比203億27百万円増)となりました。これは増収によるものであります。 「ニデックアドバンステクノロジー」の総売上高は397億7百万円(前年同期比211億29百万円減)となりました。これは半導体検査装置の減収によるものであります。営業利益は91億79百万円(前年同期比69億22百万円減)となりました。これは減収によるものであります。 「その他」の総売上高は2,179億85百万円(前年度比4億62百万円減)となりました。営業利益は266億41百万円(前年度比7億17百万円減)となりました。 製品グループ別の経営成績は次のとおりであります。 (単位:百万円) 売上高営業損益 前連結会計年度当連結会計年度増減額前連結会計年度当連結会計年度増減額精密小型モータ425,298415,709△9,58926,67437,47410,800車載519,654580,90961,255△42,291△31,19211,099家電・商業・産業用913,986966,08252,09670,817114,87444,057機器装置283,720298,37514,65535,38644,1128,726電子・光学部品83,01181,839△1,17213,58213,214△368その他4,3584,245△113474349△125消去/全社---△14,719△16,032△1,313連結2,230,0272,347,159117,13289,923162,79972,876 「精密小型モータ」製品グループの売上高は、前期比2.3%減収の4,157億9百万円となりました。HDD用モータの売上高は、販売数量の減少を主因として、前期比10.0%減収の706億8百万円となりました。その他小型モータの売上高は前期比0.5%減収の3,451億1百万円となりました。営業利益は、減収による影響と製品構成の変動に対して固定費の大幅削減や原価及び売価改善を確実に実現した結果、前期比40.5%増益の374億74百万円となりました。この事業分野には水冷モジュール関連をはじめ新製品を市場投入し、元の収益性の高い事業ポートフォリオへの転換を加速していきます。なお、当期の売上高、営業利益への為替影響は下記のとおりです。 - 売上高:前年同期比約208億円の増収 - 営業利益:前年同期比約14億円の増益 「車載」製品グループの売上高は、中国EV市場の競争が激化する一方でグローバルでの自動車生産台数の回復を着実に取り込んだことにより、前期比11.8%増収の5,809億9百万円となりました。車載オーガニック(既存事業)においては増収による増益に加えて固定費の大幅な低減を推進しました。EVトラクションモータ関連事業においては更に踏み込んだ固定費の大幅な低減を断行するとともに、不採算機種の受注制限を徹底する等の収益性最優先へ戦略転換しました。これに伴う構造改革費用を含め、営業損益は前期比110億99百万円増益の311億92百万円の損失となりました。EVトラクションモータ関連事業は戦略転換に沿って「リスタート」し、新しい体制が軌道に乗り始め、当社グループ本来の強さを最大限に活かした将来の成長に向かってスピード感ある挑戦に邁進しています。なお、当期の売上高、営業損失への為替影響は下記のとおりです。- 売上高:前年同期比約315億円の増収 - 営業損失:前年同期比約3億円の増益 「家電・商業・産業用」製品グループの売上高は、家電需要の調整が続く一方、産業関連を中心としたモーション&エナジー事業本部(MOEN)では発電機やクリーンエネルギー市場拡大の追い風を着実に捉えたことに加えて、旺盛なインフラ関連需要を背景に新規事業を拡大しました。その結果、前期比5.7%増収の9,660億82百万円となりました。家電関連においては増収に加えて抜本的なコスト構造改革により大幅な増益を実現しました。産業関連においても増収効果に加えて原価及び売価のたゆまぬ改善により大幅増益となりました。その結果、営業利益は前期比62.2%増益の1,148億74百万円となりました。なお、当期の売上高、営業利益への為替影響は下記のとおりです。- 売上高:前年同期比約586億円の増収- 営業利益:前年同期比約59億円の増益 「機器装置」製品グループの売上高は、半導体検査装置や液晶ガラス基板搬送用ロボットの市場サイクル影響による減収があったものの、工作機械やプレス機関連事業の増収及び新規連結会社の影響により、前期比5.2%増収の2,983億75百万円となりました。営業利益は増収を主因として、前期比24.7%増益の441億12百万円となりました。なお、当期の売上高、営業利益への為替影響は下記のとおりです。- 売上高:前年同期比約84億円の増収- 営業利益:前年同期比約6億円の増益 「電子・光学部品」製品グループの売上高は、前期比1.4%減収の818億39百万円、営業利益は前期比2.7%減益の132億14百万円となりました。なお、当期の売上高、営業利益への為替影響は下記のとおりです。- 売上高:前年同期比約21億円の増収 - 営業利益:前年同期比約5億円の増益 「その他」製品グループの売上高は、前期比2.6%減収の42億45百万円、営業利益は、前期比26.4%減益の3億49百万円となりました。 (3)財政状態の状況NIDECの現金及び現金同等物は、当連結会計年度末は2,170億5百万円であり、前連結会計年度末は1,860億98百万円で309億7百万円増加致しました。この主な要因は、営業キャッシュ・フローが3,207億66百万円の収入となった一方で、有形固定資産の取得等による投資キャッシュ・フローが1,535億53百万円の支出と、財務キャッシュ・フローが1,815億57百万円の支出となったことによります。また、手元現金の有効活用のため、日本、中国及び米国等各地域内においてキャッシュマネジメントシステム(CMS)を活用したグループ間での余剰資金活用を継続しており、更に各国を結ぶCMSを既に導入し、全世界ベースでCMS網を拡大させております。なお、当連結会計年度末時点において、現金及び現金同等物の約67%を日本以外の子会社で保有しております。NIDECの資金の効率化を高めるため、海外子会社を含めたグループ間のノーショナルプーリングシステムを特定の金融機関と構築しており、特定の金融機関に対する預入総額を上限に参加会社は借入を行っております。そのため、現金及び現金同等物に含まれる銀行預金には、単一の会計単位として認識したノーショナルプーリングシステムにおける預入金及び借入金の純額が含まれております。グループ会社間での送金には、一部の特定された状況下において制限事項があります。特定地域における送金制限は、資金の効率的なグループ内移動、特に海外子会社から当社への送金を妨害する場合がありますが、後述の継続的なキャッシュ・フロー、外部借入を通じて流動性の需要を満たすように努めております。なお、この制限によるNIDECの流動性や財政状態、経営成績への重大な影響はございません。短期借入金は前年度比1,163億25百万円減少の429億54百万円となりました。この主な減少理由は、円建借入の返済によるものであります。当連結会計年度末時点での短期借入金は主に、銀行からの円建の借入で構成されております。当連結会計年度末時点ではコマーシャル・ペーパーの残高はありません。1年以内返済予定長期債務は前年度比833億63百万円増加の1,431億28百万円となりました。この主な要因は、1年内返済予定社債への振り替えによる1,299億28百万円の増加によるものであります。当連結会計年度末時点での1年以内返済予定長期債務は主に、無担保社債で構成されております。長期債務は前年度比714億88百万円減少の4,148億17百万円となりました。この主な要因は、1年以内返済予定長期社債への振り替えによる1,299億28百万円の減少及び500億円の円建の借入による増加によるものであります。当連結会計年度末時点での長期債務は主に、無担保社債及び銀行からの円建の借入で構成されております。 社債について、期末時点で連結財政状態計算書に含まれる額面総額は次のとおりです。銘柄発行月額面総額償還期限資金使途第8回無担保社債(社債間限定同順位特約付)2019年7月1,000億円2024年7月社債の償還及び短期借入金の返済第10回無担保社債(社債間限定同順位特約付) (グリーンボンド)2019年11月300億円2024年11月電気自動車向けトラクションモータの製造第11回無担保社債(社債間限定同順位特約付) (グリーンボンド)2019年11月200億円2026年11月電気自動車向けトラクションモータの製造ユーロ建無担保普通社債 (グリーンボンド)2021年3月5億ユーロ2026年3月電気自動車向けトラクションモータの製造第13回無担保社債(社債間限定同順位特約付)2022年7月300億円2025年7月社債の償還及び短期借入金の返済第14回無担保社債(社債間限定同順位特約付)2022年7月200億円2032年7月社債の償還及び短期借入金の返済第15回無担保社債(社債間限定同順位特約付)2022年11月200億円2025年11月社債の償還及び短期借入金の返済第16回無担保社債(社債間限定同順位特約付)2022年11月500億円2027年11月社債の償還及び短期借入金の返済 なお、ユーロ建無担保普通社債を除く上記社債は2019年3月に関東財務局長へ提出した2019年4月5日から2020年4月4日の期間に有効となる3,000億円の社債発行登録書及び2020年4月に関東財務局長へ提出した2020年4月9日から2021年4月8日期間に有効となる3,000億円の社債発行登録書及び2022年4月に関東財務局長へ提出した2022年4月9日から2024年4月8日の期間に有効となる6,000億円の社債発行登録書を基に発行しております。本発行登録は、資金調達手段の多様化による財務安定性の向上を企図し、金融機関からの間接金融による資金調達等と合わせて、NIDECの必要資金を機動的に調達できる体制を構築することを目的としております。NIDECの無担保資金調達の大部分は、当社が調達した後、それぞれのグループ会社の資本要件を満たすために貸与しております。NIDECは、資金調達コストの低減及び十分な信用枠を維持し、グループ会社全体の機動的な資金を確保致します。NIDECは、将来のM&A、研究開発活動、設備投資のために追加融資を検討しています。また、今後もM&A、研究開発活動、及び設備投資を機動的に行う基盤構築のため、追加的な資金を得ることを検討しております。有価証券報告書の提出日現在において、2024年5月27日から2025年5月26日の期間に5百万株及び350億円を上限とする自己株式取得が決議されております。なお、2024年1月25日から2024年5月24日の期間に2百万株及び110億円を上限とする自己株式取得が決議されております。当プログラムにおいて2024年1月25日から2024年3月31日の期間には自己株式の取得はありませんでした。なお、2023年1月25日から2024年1月24日の期間に5百万株及び350億円を上限とする自己株式取得が決議されております。当プログラムにおいて2023年1月25日から2024年3月31日の期間に約79億円で1,171,400株を取得しております。NIDECは、これらの資金源と営業活動から得るキャッシュ・フロー及び未実行の与信枠は、将来の資金需要に十分対応するものであると考えております。 NIDECの資産合計は3兆1,606億35百万円で前年度比2,978億86百万円の増加となりました。これは為替の影響を主因として、営業債権及びその他の債権が797億41百万円、有形固定資産が415億31百万円、棚卸資産が384億6百万円増加したことによります。負債合計は1兆5,014億49百万円で前年度比44億54百万円の増加となりました。これは為替の影響を主因として、営業債務及びその他の債務が339億72百万円増加し、未払法人所得税とその他の流動負債も増加した一方で、有利子負債を1,044億50百万円減少(前期末比14.8%減)させたことによります。有利子負債の内訳は、為替の影響により残高が増加する傾向がある中、短期借入金残高が1,163億25百万円減少の429億54百万円、1年以内返済予定長期債務が833億63百万円増加の1,431億28百万円、長期債務が714億88百万円減少の4,148億17百万円となりました。ワーキングキャピタル(流動資産-流動負債)は5,821億81百万円で前年度比1,081億68百万円の増加となりました。 売上債権(営業債権及びその他の債権)回転率(売上÷売上債権)は3.5で、前年度比0.3ポイントの減少となりました。また、棚卸資産回転率(売上原価÷棚卸資産)は3.3で、前年度比0.2ポイントの減少となりました。親会社の所有者に帰属する持分は、2,856億19百万円増加の1兆6,321億84百万円となりました。これは在外営業活動体の換算差額を主因にその他の資本の構成要素が1,940億48百万円増加したことによります。親会社所有者帰属持分比率は51.6%(前期末47.0%)となりました。 (4)キャッシュ・フローの状況①資金需要の状況NIDECの資金需要は、主に設備投資・研究開発費・材料購入のための支払・従業員への給料、賃金やその他人件費の支払・M&A・関係会社に対する投資・長期及び短期債務の返済・自己株式の取得があります。当連結会計年度末時点において、NIDECは営業債務及びその他の債務を5,279億52百万円、短期借入金を429億54百万円、1年以内返済予定長期債務を含む長期債務を5,579億45百万円保有しております。当連結会計年度の設備投資による支払は1,120億49百万円であり、翌連結会計年度は1,300億円を計画しております。また、当連結会計年度末の固定資産購入契約残高は250億17百万円であります。当連結会計年度の研究開発費は810億55百万円であり、翌連結会計年度は約950億円を計画しております。当連結会計年度に、NIDECは下記の会社を買収完了しております。 会社名地域主要な事業内容Houma Armature Works北米産業機器向けモーター、発電機、制御システムの修理、リビルド品販売、設置、製造、メンテナンス等Automatic Feed Company北米プレス周辺機器製造・販売・サービス等Lasercoil Technologies LLC北米プレス周辺機器製造・販売・サービス等Automatic Leasing Company北米プレス周辺機器製造・販売・サービス等㈱TAKISAWA日本、アジア、北米金属工作機械の製造販売(CNC旋盤・普通旋盤・マシニングセンタ・FAセル・システム他) NIDECは今後も子会社への追加投資と新たな買収の機会を模索し続けます。 ②資金調達の状況NIDECの必要資金については、営業活動によるキャッシュ・フローに加えて、良好な取引関係にある複数の金融機関からの借入や、6,000億円の国内社債発行登録枠及び1,000億円のコマーシャル・ペーパー発行枠に基づく社債の発行等により調達を行っており、資金調達手段の多様化を図っております。なお、グループ会社については原則として金融機関からの資金調達を行わず、統括会社のキャッシュマネジメントシステム等を利用したグループ内ファイナンスにより、資金調達の一元化と資金効率化を継続して推進しております。 (5)生産、受注及び販売の実績①生産実績当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称金額(百万円)前年度比(%)SPMS285,59196.6AMEC269,255126.2MOEN461,032116.6ACIM412,28596.2ニデックインスツルメンツ151,68592.8ニデックテクノモータ70,49574.1ニデックモビリティ137,688118.3機械事業本部177,142118.6ニデックアドバンステクノロジー38,51265.0その他207,72991.1合計2,211,414103.1 (注)1.金額は販売価格によっており、セグメント間の内部振替前の数値によっております。2.2023年4月1日付で、日本電産サンキョーグループの中核をなす「日本電産サンキョー㈱」は「ニデックインスツルメンツ㈱」に社名変更しております。3.2023年4月1日付で、日本電産テクノモータグループの中核をなす「日本電産テクノモータ㈱」は「ニデックテクノモータ㈱」に社名変更しております。4.2023年4月1日付で、日本電産モビリティグループの中核をなす「日本電産モビリティ㈱」は「ニデックモビリティ㈱」に社名変更しております。5.2023年4月1日付で、「日本電産シンポ」セグメントは「機械事業本部」セグメントに名称を変更しております。6.2023年4月1日付で、日本電産リードグループの中核をなす「日本電産リード㈱」は「ニデックアドバンステクノロジー㈱」に社名変更しております。 ②受注実績当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称受注高(百万円)前年度比(%)受注残高(百万円)前年度比(%)SPMS332,206100.425,579117.5AMEC341,125112.016,395133.4MOEN473,716103.4343,146118.4ACIM403,64196.266,44981.9ニデックインスツルメンツ157,363104.232,974123.1ニデックテクノモータ78,33787.92,477103.8ニデックモビリティ----機械事業本部211,804116.8111,087114.9ニデックアドバンステクノロジー22,34648.712,47842.1その他180,871100.633,59993.8合計2,201,409101.9644,184108.0 (注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。2. 「ニデックモビリティ」セグメントは見込生産を行っております。3. 「ニデックアドバンステクノロジー」セグメントの受注高及び受注残高の実績は、顧客需要の減少により前期比で減少しております。4. 2023年4月1日付で、日本電産サンキョーグループの中核をなす「日本電産サンキョー㈱」は「ニデックインスツルメンツ㈱」に社名変更しております。 5. 2023年4月1日付で、日本電産テクノモータグループの中核をなす「日本電産テクノモータ㈱」は「ニデックテクノモータ㈱」に社名変更しております。6. 2023年4月1日付で、日本電産モビリティグループの中核をなす「日本電産モビリティ㈱」は「ニデックモビリティ㈱」に社名変更しております。7. 2023年4月1日付で、「日本電産シンポ」セグメントは「機械事業本部」セグメントに名称を変更しております。8. 2023年4月1日付で、日本電産リードグループの中核をなす「日本電産リード㈱」は「ニデックアドバンステクノロジー㈱」に社名変更しております。 ③販売実績当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称金額(百万円)前年度比(%)SPMS330,59697.4AMEC338,540111.1MOEN459,828117.1ACIM428,009100.0ニデックインスツルメンツ151,17795.3ニデックテクノモータ78,24587.7ニデックモビリティ133,768113.0機械事業本部204,388126.8ニデックアドバンステクノロジー39,51465.5その他183,094103.3合計2,347,159105.3 (注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。2.2023年4月1日付で、日本電産サンキョーグループの中核をなす「日本電産サンキョー㈱」は「ニデックインスツルメンツ㈱」に社名変更しております。3.2023年4月1日付で、日本電産テクノモータグループの中核をなす「日本電産テクノモータ㈱」は「ニデックテクノモータ㈱」に社名変更しております。4.2023年4月1日付で、日本電産モビリティグループの中核をなす「日本電産モビリティ㈱」は「ニデックモビリティ㈱」に社名変更しております。5.2023年4月1日付で、「日本電産シンポ」セグメントは「機械事業本部」セグメントに名称を変更しております。6.2023年4月1日付で、日本電産リードグループの中核をなす「日本電産リード㈱」は「ニデックアドバンステクノロジー㈱」に社名変更しております。 |
経営上の重要な契約等 | 5【経営上の重要な契約等】 (1)相互技術供与契約契約会社名相手方の名称国名契約品目契約内容契約期間ニデック㈱(当社)NTN㈱日本流体動圧軸受(B,Gタイプ)を使ったモータ(主に3.5インチHDD用)特許権等のクロスライセンス契約※12009年7月24日から2030年5月7日まで(両当事者合意の場合、更新または延長)ニデック㈱(当社)パナソニック㈱日本流体動圧軸受及びHDD用スピンドルモータ特許権等のクロスライセンス契約※22013年4月1日から契約特許権の存続期間満了まで (注)※1.当社が対価を年2回、継続して支払う契約です。※2.当社が対価を一括して支払う契約です。 3.ミネベアミツミ㈱との流体動圧軸受及びHDD用スピンドルモータの特許権等のクロスライセンス契約は、契約期間の満了に伴い、当連結会計年度において終了しました。 (2)合弁契約(Nidec Aerospace LLC)当社は2023年6月18日(日本時間)、当社米国子会社であるニデックモータ株式会社とブラジル航空機メーカーのEmbraer S.A.(以下、「Embraer」)の航空産業向けの電機駆動システムに関する合弁会社設立に向けた契約を締結しました。 1.目的本合弁会社の設立は、両社の有する世界最高峰の技術を結集し、次世代の航空移動手段の可能性を拡げることを目的とするものです。世界No.1の総合モーターメーカーである当社は、合弁会社に電動垂直離着陸航空機(以下、「eVTOL」)の機体を宙に浮かせ、推進するための駆動モータに関する技術やノウハウを提供し、航空ソリューションプロバイダーとして50年以上の歴史を誇るEmbraerはモータの状態を管理し、周辺機器との連携を担う制御技術を提供します。両社の最先端技術を活用することで、合弁会社はeVTOL向けに電機駆動システムの開発、製造、販売を行い、将来は、eVTOLだけではなく、様々な電動航空機に電機駆動システムを提供する予定です。 2.合弁会社の概要名称Nidec Aerospace LLC本社所在地米国 ミズーリ州 セントルイス設立2023年6月15日事業内容eVTOL向けに電機駆動システムを開発、製造、販売 3.Embraer S.A.の概要名称Embraer S.A.本社所在地ブラジル サンパウロ州 サン・ジョゼ・ドス・カンポス設立1969年事業内容航空機とシステムの設計、開発、製造、販売及びサービス (3)持分譲渡契約(Houma Armature Works)当社米国子会社であるニデックモータ株式会社は2023年7月3日(米国時間)、米国のモータ・発電機関連のサービス企業であるHouma Armature Works (法人名 TAR, LLC 以下、「ホーマ社」)の持分100%について、同社の創業家からの取得を完了しました。 1.目的ホーマ社は、産業機器向けモータや発電機、制御システムの設置や修理、リビルド品販売、メンテナンスサービス等を行っております。本件取引により、米国の湾岸地域におけるサービス拠点が拡充され、自社製のモータ・発電機等の設備に関するアフターマーケット市場でサービス事業を強化できると考えております。 2.Houma Armature Worksの概要名称Houma Armature Works(法人名 TAR, LLC)本社所在地米国 ルイジアナ州 ホーマ設立1972年事業内容産業機器向けモータ、発電機、制御システムの修理、リビルド品販売、設置、製造、メンテナンス等 (Automatic Feed Company、Lasercoil Technologies LLC、Automatic Leasing Company)当社は2023年8月1日(日本時間)、米国のプレス機周辺装置メーカーであるAutomatic Feed Company(現 NIDEC AUTOMATIC FEED COMPANY)、Lasercoil Technologies LLC、Automatic Leasing Company(以下、総称して「対象会社」)の持分100%について、同社の創業家からの取得を完了しました。 1.目的対象会社は、米国のオハイオ州を拠点として、中型及び大型プレス機用周辺機器及びプレス用板金切断装置等の製造、販売、サービス等を行っております。本件取引により、(1)過去買収したニデックアリサ㈲及びニデックミンスター㈱の中型・大型プレス機とのユニット販売によりライン一式で提供(2)北米を拠点とする自動車顧客へのニデックアリサ㈲及びニデックミンスター㈱のプレス機の拡販(3)複雑形状のブランク成形のためのレーザーブランキング技術の取込等、製品・販売・技術面においてシナジーを追及することができます。 2.Automatic Feed Company、Lasercoil Technologies LLC、Automatic Leasing Companyの概要 名称 (ⅰ)Automatic Feed Company(ⅱ)Lasercoil Technologies LLC(ⅲ)Automatic Leasing Company本社所在地米国 オハイオ州 ナポレオン設立1949年事業内容プレス周辺機器製造、販売、サービス等 (注)2024年1月5日付で、Lasercoil Technologies LLCとAutomatic Leasing Companyを消滅会社、Automatic Feed Companyを存続会社とする吸収合併を完了しました。また、同日付で、「Automatic Feed Company」は「NIDEC AUTOMATIC FEED COMPANY」に社名変更しております。 |
研究開発活動 | 6【研究開発活動】 当社は研究開発活動の長期的主眼を「社会の脱炭素化に寄与するモータの高効率化」と「省資源を促進するモータの小型・軽量化」に置くと共に、基幹部品同士の最適な擦り合わせを通じた機能(モジュール)単位の付加価値創出を追求しております。急変する社会ニーズと当社の持続的成長を確実にリンクさせる研究・開発組織間の技術融合が体制面の重要テーマであります。注目している市場トレンドは脱炭素化、省電力化、省人化、5Gやサーマルソリューション、デジタルデータ爆発といった5つの分野であります。いずれも二酸化炭素排出量の削減やデータ量の増大、高齢化と労働不足への対処といった世界的社会課題を背景に生まれた新たなニーズであり、当社の技術的蓄積が活かせる有望市場として経営資源を集中的に投下していく計画であります。2020年に入り世界的脅威へと発展した新型コロナウイルスの感染拡大はこうした市場の志向性を決定づける分水嶺となり、市場構造の変化をもたらしております。省人化・自動化の急速な進展は自動車やドローン等に使用される駆動技術の要求水準を厳格化させ、テレワークの普及拡大と定着を背景とするデータ通信量の増大は、サーバ用途のHDD用モータや冷却モジュールの需要を押し上げると同時にデジタル家電等の多様化を促す要因になります。加えて、5G通信の普及がインフラ面から新技術の実効性を担保します。また、昨今の地政学リスクやサプライチェーンの混乱を背景に原材料価格が高騰していることから、主要原材料の入手可能性に関わる中長期的リスクの軽減を念頭に置いた製品設計の抜本的見直しを図っております。当連結会計年度におけるグループ全体の研究開発費の総額は81,055百万円であります。また、無形資産に計上された内部開発費は、10,763百万円であります。 なお、各事業本部内に設置している開発部門のほか、各セグメントに帰属しない「全社(共通)」として、ニデック新川崎テクノロジーセンター、ニデック製品技術研究所台湾センターにおいて将来の会社事業に必要なモータ全般の要素技術研究を行っており、グローバル技術開発戦略の中核となる電子回路技術、熱、騒音/振動技術、制御等の要素技術研究の一層の高度化を推進しております。また、ニデックけいはんなテクノロジーセンターにおいては、ロボットやIoTを利用したスマートファクトリーの実現、新素材や新システムの開発、検査技術革新、データ解析、シミュレーション等、既存の製造方法の枠にとらわれない生産技術の進化に主軸を置く研究開発を行っております。これらの研究所ではそれぞれの開発部門と多様化する国内外グループ会社間の技術シナジーを推進し、成長を促進させてまいります。当連結会計年度に係る研究開発費は6,027百万円であります。 セグメント別の研究開発活動の状況及び研究開発費の金額は次のとおりであります。(1)SPMS当セグメントにおいては、精密小型DCモータ及びファンモータ等、精密小型モータ全般にわたる基礎及び応用研究、新製品の研究開発及び各拠点の技術的支援研究を行っております。主な研究開発の内容は次のとおりであります。ファンモータについては、従来HDD用モータに採用してきたFDB技術をファンモータへ応用した新モデルの開発を行っております。更に、サーバー水冷モジュール、空調ヒートポンプ等の熱ソリューション技術や、小型EV用、電動バイク用、電動自転車用モータ等といったモビリティソリューション分野の開発も行っており、水冷モジュール及びドローン用モータについてはタイの工場で量産立ち上げに移行しております。当連結会計年度に係る研究開発費は15,884百万円であります。 (2)AMEC当セグメントにおいては、脱炭素社会の実現に貢献する電気自動車(EV)向けの駆動用をはじめとする各種車載用モータ等に関する新製品及び新機種量産化、製品の品質向上を目的とした研究開発を行っております。主な研究開発の内容は次のとおりであります。車載用モータについては、電気自動車(EV)向けの駆動用モータの開発を強化しております。原材料の使用量を大幅に低減すると共に開発・部品調達・生産の現地化を図り、小型・軽量化を実現した第3世代EV向け駆動用モータを開発しております。また同時に、NEDO(国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構)が脱炭素社会の実現に向けて創立したグリーンイノベーション基金事業として、磁石フリーの次世代EV向け駆動用モータの開発も進めております。その他にも、小型・高性能の次世代パワーステアリング用モータ、パワーステアリング以外のアプリケーション(ブレーキ・クラッチ・シート・サンルーフ等)用のモータ及び付帯する電子制御ユニットの開発と車両熱マネージメントに使用されるポンプアクチュエータ等の開発を行っております。また最近では、電気自動車(EV)向けの駆動用モータや車載用モータを、センサー・制御装置と組み合わせたパッケージ開発を行っております。当連結会計年度に係る研究開発費は24,097百万円であります。 (3)MOEN当セグメントにおける主な研究開発対象は以下のとおりであります。 ・電力品質安定化ソリューション‐バッテリーエネルギー貯蔵システム(BESS)‐電気自動車充電スタンド‐再生可能エネルギー用電力品質安定化ソリューション ・産業用オートメーション‐自動倉庫システム用搬送ロボット向け駆動機構モジュール‐ロボットアーム向け関節モジュール ・産業用・データセンター用発電機‐産業/商業/住宅/建設用発電機‐通信基地局用発電機 ・建機・商用車電動化装置 ‐多目的車両(Utility Task Vehicle)、ゴルフカート用モータ・ギア・制御装置‐大型トラクションモータ‐マテリアルハンドリング、高所作業車用モータ・ギア・制御装置 ・駆動装置‐小型汎用ドライブ‐ポンプ用及び空調等各種産業向けドライブ‐インフラ用高出力ドライブ ・エレベーター‐MRL(マシーンルームレス・エレベーター)用スリム巻上機、貨物エレベーター用ギアレス巻上機‐制御機器及び周辺機器‐巻上機及び制御機器のパッケージソリューション ・電気自動車関連部品 ‐EVトラクションモータ ・その他、新市場向け開発製品‐高高度(亜成層圏)対応機体プラットフォーム用モータ・制御装置‐電動垂直離陸・着陸機体用モータ・制御装置 脱炭素社会の実現を目指す世界的潮流は産業界の電動化・省エネ化を急速に促し、とりわけエネルギー効率の高い産業用機器の必要性が高まっております。同時に、労働人口の不足を反映した生産自動化システムの需要も拡大しております。こうした市場環境を背景に、現在、電力の安定化・効率的利用を可能にするバッテリーエネルギー貯蔵システム(BESS)や、データセンター用発電機、自動倉庫用搬送ロボット、商用車両駆動用モータ等の研究開発に重点を置いております。特に脱炭素化に資する製品の開発は急速に重要度を増しており、その筆頭と言えるBESS開発の主眼は安価な電力の安定供給並びに産業設備が排出する温室効果ガスの低減にあり、再生可能エネルギーの発電、蓄電、送配電までを統合するソリューションを開発しております。また、商用車両駆動用モータの開発においては、建機・農機等大型車両から多目的車両(Utility Task Vehicle)のハイブリッド化・電動化への寄与を主軸に据えております。当連結会計年度に係る研究開発費は4,739百万円であります。 (4)ACIM当セグメントにおいては、主に住宅/商業・家電・産業用のモータ、コンプレッサー及び関連する電子制御装置の研究開発を行っております。主な研究開発対象は以下のとおりであります。 ・住宅/商業用:空調設備や商業冷蔵機器に使用されるモータ、その他 ・家電用:洗濯機、乾燥機、食洗機、コンプレッサーに使用されるモータ、及び冷蔵庫コンプレッサー・産業用:IE3(プレミアム効率)・IE4・IE5対応モータ、及び上下水道・灌漑施設・ガス採掘に使用される各種ポンプ用モータ同事業では特にスーパープレミアムクラス(IE4・IE5)の高効率モータの研究開発に焦点を置いており、モータによる電力消費量の低減を通じて産業設備の省エネルギー化に寄与しております。・中型旅客機用の電気推進装置に向けた新規研究開発 当連結会計年度に係る研究開発費は8,881百万円であります。 (5)ニデックインスツルメンツ当セグメントにおいては、メカのカラクリ技術と事業多角化の中で構築されたモータ技術、サーボ技術を融合させた「カラクリ・トロニクス」製品として、ステッピングモータ、スマートフォン・ゲーム関連、モータ駆動ユニット商品群、システム機器関連の開発を行っております。ステッピングモータについては、車載用への展開において、小型化・高性能化・コストパフォーマンスの改善に向けた開発を行っております。また、当社独自のスマートフォン用光学手ブレ補正機能(TiltAC)、並びにゲーム機器やAR/VR用途で使われる触覚デバイスの開発を進めております。モータ駆動ユニット商品群については、車の電動化に伴う熱冷却需要を充たす車載サーマルマネージメント商材や、産業機器市場への参入を目指し、小型高出力モータ、センサー、サーボ制御、制御ソフトウエアをメカニカルユニットに融合させる商品群への展開を進めております。システム機器関連事業においては、各種カードメディアに対する周辺機器のセキュリティ強化、液晶・有機ELディスプレイ関連、半導体ロボット分野、真空装置内搬送への積極的な展開を行っております。当連結会計年度に係る研究開発費は3,585百万円であります。 (6)ニデックテクノモータ当セグメントにおいては、空調・家電用モータの開発を福井、京都、中国、タイで行い、産業用モータについては福岡と中国で開発を行っております。空調・家電用モータについては、地球温暖化の影響により空調のマーケットがグローバルで拡大しつつあります。また、製品に要求される省エネ規制も年々厳しくなっており、当社が進めているDCモータの需要(市場)も拡大を続けております。一方で、主要素材となる銅線・鋼材・樹脂材の高騰、為替の変動など様々な環境の変化に対応するため、要素技術及び生産技術の開発も進め、新たな軽薄短小モータを断続的に市場へ投入しながら事業拡大を加速しております。当連結会計年度に係る研究開発費は1,151百万円であります。 (7)ニデックモビリティ当セグメントにおいては、電子制御並びにモータ制御技術を軸に自動車のボディ制御事業とパワーエレクトロニクス事業を展開しており、日本・米国・カナダ・ブラジル・中国・韓国の6か国で、開発または設計機能を有しております。ボディ制御事業では、ボディコントロールモジュール、パワーウィンドウスイッチを含むドア周辺制御ユニット、二輪車用スマートシステムなどを主に、パワーエレクトロニクス事業では、電動パワーステアリング、電動車向けDC/DCコンバータ、車載充電器などを主に開発しております。また、最近ではNIDECグループシナジーを発揮し、車載用モータを組みあわせた電動ウォーターポンプ、電動オイルポンプ、小型EV車両向けトラクションユニットの構成要素の1つであるインバータなどの技術開発とパワーパック化による商品開発も進めております。当連結会計年度に係る研究開発費は7,772百万円であります。 (8)機械事業本部当セグメントにおいては、機械、電気一体の技術を用いた減速機関連製品の開発を日本、中国及びドイツで行っており、プレス機関連製品については、小型高速精密プレス機から超大型サーボプレス機、更には周辺機器である高速送り装置まで幅広い製品ラインナップの開発を日本、米国、スペイン及びドイツにて行っております。工作機械関連製品については、自動車・自動車部品、金型、建設機械、電気・精密機械向けの工作機械の開発を日本で行っております。減速機関連製品としては、精密制御用減速機であるFLEXWAVE(特に協働ロボット関節駆動用マルチセンサー内蔵の「Smart FLEXWAVE」)、ロボット用大型減速機KINEXシリーズ及び高精度な回転が必要な自動化装置向けの遊星減速機VRS高精度仕様(歯研1分仕様)を中心に研究開発活動を行っており、日本のみならずアジア・欧米の市場をターゲットとして、産業用ロボット・工作機械、自動化設備への搭載を目的とした製品開発に注力しております。プレス機関連製品としては、EVプレスラインの中国・韓国・欧米の電気自動車駆動用モータコア等の市場に向け、コイル材供給装置の研究等を行っております。工作機械事業については、歯車機械ではEVシフトに代表される歯車精度の高精度化・高能率化ニーズに応える為の開発を推進しています。高精度化のニーズは日本国内だけでなく中国やインド等の高成長市場においても高まっており、機械本体に加え、ソフトウエアや加工技術をセットで提供する開発を推進しております。大型機では、門型5面加工機、レーザ加工機、金属3Dプリンタ等の研究開発を行っており、内外のお客様ニーズに対応する開発を推進しております。門型5面加工機はEVや風力発電のワーク大型化への対応を、レーザ加工機は微細穴に加え、複雑形状への対応を行っており、金属3Dプリンタは自動車や防衛市場への適用等、微細で精密ニーズに対応する研究開発を行っております。マシニングセンタでは、高度化する加工の工程集約化や、労働人口減少による生産効率向上の要求が高まる中、5軸加工機の導入や自動化ニーズに対応する研究開発を推進し、新機種「立形5軸マシニングセンタVB-X350」を開発・上市致しました。また、機械本体にとどまらず、加工中のマシニングセンタから得られる様々なデータをパソコンに記録することができる「負荷出力機能(ロードロガー)」や、機械の消費電力をNC装置の画面に表示する機能など、ソフトウエアの開発にも注力致しました。当連結会計年度に係る研究開発費は2,444百万円であります。 (9)ニデックアドバンステクノロジー当セグメントにおいては、半導体パッケージ基板やプリント回路基板上に配線された電子回路の良否を判定するための検査装置の開発を行っております。電子機器、自動車等に使用される電子デバイスの機能や性能、搭載数量は増加、多様化しており、様々な基板を正確に高速に検査できる新型検査装置の開発を行っているほか、それら検査装置に搭載する検査治具の生産効率改善、納期短縮を目的として工程自動化のための研究開発を進めております。また、拡大するEV市場をターゲットとして、トラクション(駆動用)モータの性能試験、耐久試験を行う装置の開発、IGBTモジュールの各特性検査を常温・高温環境下において自動で行うための装置の開発も行っております。当連結会計年度に係る研究開発費は2,121百万円であります。 (10)その他当セグメントにおいては、車載用製品、機器装置、電子部品及びその他小型モータ等の研究開発活動を行っております。当連結会計年度に係る研究開発費は4,354百万円であります。 |
設備投資等の概要 | 1【設備投資等の概要】 当連結会計年度中の設備投資の総額は112,049百万円となりました。主なものは、海外子会社の生産能力増強のための投資であります。セグメント別の設備投資額は、以下のとおりであります。 (単位:百万円) 当連結会計年度(自 2023年4月1日至 2024年3月31日)SPMS9,288AMEC27,994MOEN7,190ACIM19,840ニデックインスツルメンツ5,559ニデックテクノモータ3,891ニデックモビリティ5,403機械事業本部14,161ニデックアドバンステクノロジー2,019その他、全社16,703合計112,049 (注)1.2023年4月1日付で、「日本電産サンキョー」セグメントは「ニデックインスツルメンツ」セグメントに名称を変更しております。2.2023年4月1日付で、「日本電産テクノモータ」セグメントは「ニデックテクノモータ」セグメントに名称を変更しております。3.2023年4月1日付で、「日本電産モビリティ」セグメントは「ニデックモビリティ」セグメントに名称を変更しております。4.2023年4月1日付で、「日本電産シンポ」セグメントは「機械事業本部」セグメントに名称を変更しております。5.2023年4月1日付で、「日本電産リード」セグメントは「ニデックアドバンステクノロジー」セグメントに名称を変更しております。 |
主要な設備の状況 | 2【主要な設備の状況】 NIDECにおける主要な設備は次のとおりであります。(1)提出会社2024年3月31日現在事業所名(所在地)セグメントの名称設備の内容帳簿価額従業員数(人)建物及び構築物(百万円)機械装置及び運搬具(百万円)土地(百万円)(面積千㎡)その他(百万円)合計(百万円)本社(京都市南区)-統括業務施設2,745313,591(20)5696,936378(8)ニデックパークC棟・中央開発技術研究所(京都府向日市)SPMS統括業務施設・精密小型モータ開発施設17,8521354,350(79)1,01623,353610(8)東京オフィス(東京都品川区)-販売施設1,11622,026 (2)503,19437(1)滋賀技術開発センター(滋賀県愛知郡愛荘町)AMEC車載用製品開発施設2,9432331,780(61)2305,186423(11)中央モーター基礎技術研究所(神奈川県川崎市幸区)-基礎・応用研究施設2,77691,281(6)2434,309241(6)本社ANNEXグローバル研修センター(京都市南区)-社員研修施設2,6910410(4)1183,21920(-)生産技術研究所(京都府相楽郡精華町)-基礎・応用研究施設5,5244231,068(27)3157,330201(3) (注)1.帳簿価額は、日本の会計基準に基づく個別財務諸表の帳簿価額を記載しております。2.帳簿価額のうち「その他」は、工具、器具及び備品及び建設仮勘定の合計であります。3.従業員数の( )は、年間平均臨時従業員数を外書きしております。 (2)国内子会社2024年3月31日現在会社名(所在地)セグメントの名称設備の内容帳簿価額従業員数(人)建物及び構築物(百万円)機械装置及び運搬具(百万円)土地(百万円)(面積千㎡)その他(百万円)合計(百万円)ニデックドライブテクノロジー㈱(京都府向日市)機械事業本部機器装置製造設備3,7983,1761,370(99)[21]4,87913,223577(98)ニデックプレシジョン㈱(東京都板橋区)その他精密小型モータ、機器装置及び電子・光学部品製造設備2,1683,4582,905(61)[127]3,94312,475468(137)ニデックインスツルメンツ㈱(長野県諏訪郡下諏訪町)ニデックインスツルメンツ精密小型モータ、車載用製品、機器装置及び電子部品製造設備5,2136325,451(493)[-]84712,143899(144)ニデックモビリティ㈱(愛知県小牧市)ニデックモビリティ車載用製品製造設備2,6891,7961,968(11)[-]3216,774421(326)ニデックコンポーネンツ㈱(東京都新宿区)その他電子・光学部品製造設備3,0171,4361,317(178)[3]7516,522526(59) (注)1.帳簿価額は、日本の会計基準に基づく個別財務諸表の帳簿価額を記載しております。2.帳簿価額のうち「その他」は、工具、器具及び備品及び建設仮勘定の合計であります。3.従業員数の( )は、年間平均臨時従業員数を外書きしております。4.土地の[ ]は、借地面積(単位千㎡)を外書きしております。 (3)在外子会社2024年3月31日現在会社名(所在地)セグメントの名称設備の内容帳簿価額従業員数(人)建物及び構築物(百万円)機械装置及び運搬具(百万円)土地(百万円)(面積千㎡)その他(百万円)合計(百万円)ニデック自動車モータ(浙江)有限公司(中国 浙江省平湖市)AMEC車載用製品製造設備3,85341,313-(-)[57]3,20248,368 1,980(612)ニデックモータ(大連)有限公司(中国 遼寧省大連市)AMEC精密小型モータ、車載用製品製造設備3,94621,896304(-)[138]3,61329,759 2,582(-)ニデックモーターズアンドアクチュエーターズポーランド㈲(ポーランド ニエポウォミツェ)AMEC車載用製品製造設備5,55413,586282(74)[-]5,94825,3701,051(377)ニデックグローバル・アプライアンス・ブラジル社(ブラジル サンタカタリーナ州)ACIM家電・商業・産業用製品製造設備6,10713,04973(717)[-]6,10825,3373,873(479)ニデック自動車モータ・メキシコ合同会社(メキシコ チワワ州)AMEC車載用製品製造設備1,96515,642-(-)[103]5,44323,0501,663(-) (注)1.帳簿価額は、IFRSに基づく金額を記載しております。2.帳簿価額のうち「その他」は、工具、器具及び備品及び建設仮勘定の合計であります。3.従業員数の( )は、年間平均臨時従業員数を外書きしております。4.土地の[ ]は、借地面積(単位千㎡)を外書きしております。 |
設備の新設、除却等の計画 | 3【設備の新設、除却等の計画】 NIDECの設備投資については、景気予測、業界動向、投資効率等を総合的に勘案して策定しております。設備計画は原則的に連結会社各社が個別に策定しております。なお、当連結会計年度末現在における重要な設備の新設、除却計画は次のとおりであります。(1)重要な設備の新設等 会社名事業所名所在地セグメントの名称設備の内容投資予定総額(百万円)既支払額(百万円)資金調達方法着手完了予定ニデック㈱京都府向日市-第2本社及びグループ会社集約拠点200,00025,490自己資金借入2020年2030年ニデック自動車モータ(浙江)有限公司中国浙江省平湖市AMEC車載用製品製造工場45,00041自己資金2022年 8月2025年 3月ニデックモーターズアンドアクチュエーターズポーランド㈲ポーランドニエポウォミツェAMEC車載用製品製造工場10,9346,616自己資金2019年 10月2024年 6月 (2)重要な設備の除却等 該当事項はありません。 |
研究開発費、研究開発活動 | 4,354,000,000 |
Employees
平均年齢(年)、提出会社の状況、従業員の状況 | 42 |
平均勤続年数(年)、提出会社の状況、従業員の状況 | 13 |
平均年間給与、提出会社の状況、従業員の状況 | 7,207,712 |
管理職に占める女性労働者の割合、提出会社の指標 | 0 |
全労働者、労働者の男女の賃金の差異、提出会社の指標 | 1 |
正規雇用労働者、労働者の男女の賃金の差異、提出会社の指標 | 1 |
非正規雇用労働者、労働者の男女の賃金の差異、提出会社の指標 | 0 |
Investment
株式の保有状況 | (5)【株式の保有状況】 ①投資株式の区分の基準及び考え方当社は、保有目的が純投資目的である投資株式と純投資目的以外の目的である投資株式の区分について、次のとおりとしております。純投資目的:専ら株式の価値の変動または配当の受領によって利益を得ることを目的とするもの。純投資目的以外:貸借対照表に計上されている投資有価証券に該当する株式のうち、保有目的が「純投資目的以外の目的」であるもの。 ②保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式1)保有方針及び保有の合理性を検証する方法並びに個別銘柄の保有の適否に関する取締役会等における検証の内容政策保有株式に関する方針当社は事業上やその他分野で取引・協力関係にある企業と将来にわたり取引・協力関係の維持・強化を図ることで中長期的な観点から事業の安定化などを通じ当社の企業価値向上に資すると期待される株式を保有しております。なお、個々の政策保有株式については、毎年取締役会において、保有目的等の定性面に加え、保有に伴う便益などを経済合理性の観点から定量的に検証し、保有の意義が希薄と考えられる株式については縮減を図っております。 2)銘柄数及び貸借対照表計上額 銘柄数(銘柄)貸借対照表計上額の合計額(百万円)非上場株式71,443非上場株式以外の株式1418,890 (当事業年度において株式数が増加した銘柄) 銘柄数(銘柄)株式数の増加に係る取得価額の合計額(百万円)株式数の増加の理由非上場株式---非上場株式以外の株式--- (当事業年度において株式数が減少した銘柄) 銘柄数(銘柄)株式数の減少に係る売却価額の合計額(百万円)非上場株式--非上場株式以外の株式-- 3)特定投資株式の銘柄ごとの株式数、貸借対照表計上額等に関する情報銘柄当事業年度前事業年度保有目的、業務提携等の概要、定量的な保有効果及び株式数が増加した理由当社の株式の保有の有無株式数(株)株式数(株)貸借対照表計上額(百万円)貸借対照表計上額(百万円)ブラザー工業㈱1,120,3001,120,300取引関係や協力関係の維持・発展により、中長期的な企業価値の向上を図るため、株式を保有しております。毎年取締役会において、保有目的が適切かどうかの確認及び保有に伴う便益などの経済合理性を確認しております。有3,1612,232㈱SCREENホールディングス115,20057,600取引関係や協力関係の維持・発展により、中長期的な企業価値の向上を図るため、株式を保有しております。毎年取締役会において、保有目的が適切かどうかの確認及び保有に伴う便益などの経済合理性を確認しております。なお、株式数の増加は株式分割によるものです。有2,300671㈱京都フィナンシャルグループ822,624205,656取引金融機関との円滑かつ緊密な信頼関係を維持し、資金調達など財務面での安全性を高めるため、株式を保有しております。毎年取締役会において、保有目的が適切かどうかの確認及び保有に伴う便益などの経済合理性を確認しております。なお、株式数の増加は株式分割によるものです。有2,2711,285ローム㈱914,400228,600取引関係や協力関係の維持・発展により、中長期的な企業価値の向上を図るため、株式を保有しております。毎年取締役会において、保有目的が適切かどうかの確認及び保有に伴う便益などの経済合理性を確認しております。なお、株式数の増加は株式分割によるものです。有2,2212,508㈱堀場製作所124,500124,500取引関係や協力関係の維持・発展により、中長期的な企業価値の向上を図るため、株式を保有しております。毎年取締役会において、保有目的が適切かどうかの確認及び保有に伴う便益などの経済合理性を確認しております。有1,996985㈱三菱UFJフィナンシャル・グループ1,251,1291,251,129取引金融機関との円滑かつ緊密な信頼関係を維持し、資金調達など財務面での安全性を高めるため、株式を保有しております。毎年取締役会において、保有目的が適切かどうかの確認及び保有に伴う便益などの経済合理性を確認しております。有1,9481,061ニチコン㈱1,184,6001,184,600取引関係や協力関係の維持・発展により、中長期的な企業価値の向上を図るため、株式を保有しております。毎年取締役会において、保有目的が適切かどうかの確認及び保有に伴う便益などの経済合理性を確認しております。有1,5221,635京セラ㈱702,400175,600取引関係や協力関係の維持・発展により、中長期的な企業価値の向上を図るため、株式を保有しております。毎年取締役会において、保有目的が適切かどうかの確認及び保有に伴う便益などの経済合理性を確認しております。なお、株式数の増加は株式分割によるものです。有1,4211,210㈱滋賀銀行318,488318,488取引金融機関との円滑かつ緊密な信頼関係を維持し、資金調達など財務面での安全性を高めるため、株式を保有しております。毎年取締役会において、保有目的が適切かどうかの確認及び保有に伴う便益などの経済合理性を確認しております。有1,336853 銘柄当事業年度前事業年度保有目的、業務提携等の概要、定量的な保有効果及び株式数が増加した理由当社の株式の保有の有無株式数(株)株式数(株)貸借対照表計上額(百万円)貸借対照表計上額(百万円)㈱三井住友フィナンシャルグループ31,48331,483取引金融機関との円滑かつ緊密な信頼関係を維持し、資金調達など財務面での安全性を高めるため、株式を保有しております。毎年取締役会において、保有目的が適切かどうかの確認及び保有に伴う便益などの経済合理性を確認しております。有280167㈱八十二銀行256,439256,439取引金融機関との円滑かつ緊密な信頼関係を維持し、資金調達など財務面での安全性を高めるため、株式を保有しております。毎年取締役会において、保有目的が適切かどうかの確認及び保有に伴う便益などの経済合理性を確認しております。有267147NISSHA㈱56,30056,300取引関係や協力関係の維持・発展により、中長期的な企業価値の向上を図るため、株式を保有しております。毎年取締役会において、保有目的が適切かどうかの確認及び保有に伴う便益などの経済合理性を確認しております。有83105㈱福井銀行42,10042,100取引金融機関との円滑かつ緊密な信頼関係を維持し、資金調達など財務面での安全性を高めるため、株式を保有しております。毎年取締役会において、保有目的が適切かどうかの確認及び保有に伴う便益などの経済合理性を確認しております。有8263長野計器㈱665665取引関係や協力関係の維持・発展により、中長期的な企業価値の向上を図るため、株式を保有しております。毎年取締役会において、保有目的が適切かどうかの確認及び保有に伴う便益などの経済合理性を確認しております。有21 ③保有目的が純投資目的である投資株式区分当事業年度前事業年度銘柄数(銘柄)貸借対照表計上額の合計額(百万円)銘柄数(銘柄)貸借対照表計上額の合計額(百万円)非上場株式----非上場株式以外の株式---- 区分当事業年度受取配当金の合計額(百万円)売却損益の合計額(百万円)評価損益の合計額(百万円)非上場株式---非上場株式以外の株式--- |
銘柄数、非上場株式、保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式、提出会社 | 7 |
貸借対照表計上額、非上場株式、保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式、提出会社 | 1,443,000,000 |
銘柄数、非上場株式以外の株式、保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式、提出会社 | 14 |
貸借対照表計上額、非上場株式以外の株式、保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式、提出会社 | 18,890,000,000 |
株式数、保有目的が純投資目的以外の目的である特定投資株式の明細、提出会社 | 665 |
貸借対照表計上額、保有目的が純投資目的以外の目的である特定投資株式の明細、提出会社 | 2,000,000 |
銘柄、保有目的が純投資目的以外の目的である特定投資株式の明細、提出会社 | 長野計器㈱ |
保有目的、業務提携等の概要、定量的な保有効果及び株式数が増加した理由、保有目的が純投資目的以外の目的である特定投資株式の明細、提出会社 | 取引関係や協力関係の維持・発展により、中長期的な企業価値の向上を図るため、株式を保有しております。毎年取締役会において、保有目的が適切かどうかの確認及び保有に伴う便益などの経済合理性を確認しております。なお、株式数の増加は株式分割によるものです。 |