財務諸表

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提出書類、表紙有価証券報告書
提出日、表紙2024-06-21
英訳名、表紙NEC Corporation
代表者の役職氏名、表紙取締役代表執行役社長兼CEO 森 田  隆 之
本店の所在の場所、表紙東京都港区芝五丁目7番1号
電話番号、本店の所在の場所、表紙(03)3454-1111(大代表)
様式、DEI第三号様式
会計基準、DEIIFRS
連結決算の有無、DEItrue
当会計期間の種類、DEIFY

corp

沿革 2【沿革】
年月事項1899年 7月米国ウェスタン・エレクトリック・カンパニー(略称W.E.社)が発起人の一員となり、日本電気株式会社設立1918年 4月W.E.社が海外投資部門を分離してインターナショナル・ウェスタン・エレクトリック社(略称I.W.E.社)とし、I.W.E.社が当社株式を承継1925年 9月I.W.E.社がインターナショナル・テレホン・アンド・テレグラフ社に買収され、インターナショナル・スタンダード・エレクトリック・コーポレーション(略称I.S.E.社)と改称1932年 6月I.S.E.社が当社の経営を住友本社に委託1936年 6月玉川工場新設1941年12月I.S.E.社所有の当社株式が敵国資産として処分されたため、同社との資本提携解消1943年 2月社名を「住友通信工業株式会社」に変更1945年11月再び社名を「日本電気株式会社」に変更1949年 5月東京証券取引所に上場(その後、1961年10月に市場第二部の開設に伴い、市場第一部へ)1951年11月I.S.E.社と資本提携復活1961年 4月事業部制の採用(通信機、電波機器、電子機器、電子部品、商品および海外の6事業部)1962年11月相模原工場新設1963年 1月通信機器等の販売を行う米国ニッポン・エレクトリック・ニューヨーク社(現NECコーポレーション・オブ・アメリカ社)設立1964年 9月府中事業所新設1965年 5月新事業部制の採用(中央研究所、15事業部、3開発本部、2営業部)1975年 9月中央研究所完成1982年10月我孫子事業場新設1993年 7月事業本部制の採用(22事業本部)2000年 4月社内カンパニー(NECソリューションズ、NECネットワークス、NECエレクトロンデバイス)制および執行役員制の導入2003年 4月社内カンパニー制から事業ライン制に移行2004年 4月事業ライン制からビジネスユニット制に移行2005年 6月株式交換により、NECソフト㈱およびNECシステムテクノロジー㈱を完全子会社化(その後両社は合併し、現NECソリューションイノベータ㈱)2006年 5月株式交換により、NECインフロンティア㈱(現NECプラットフォームズ㈱)を完全子会社化2014年 7月2017年 1月2022年 4月普通株式に対する公開買付けにより、NECフィールディング㈱を完全子会社化普通株式に対する公開買付けにより、日本航空電子工業㈱を連結子会社化(*)東京証券取引所の市場区分の見直しにより、東京証券取引所の市場第一部からプライム市場に移行2023年 6月監査役会設置会社から指名委員会等設置会社に移行* 2024年3月に日本航空電子工業㈱の株式を一部売却し、同社は、当社の連結子会社から持分法適用関連会社となりました。
事業の内容 3【事業の内容】
 当社および連結子会社を中心とする関係会社で構成されるNECグループの主たる事業は、ITサービス事業および社会インフラ事業の2つの事業です。各関係会社は、設計、開発、製造および販売、サービスの提供などそれぞれの役割に応じ、各事業の一部を分担しています。 なお、当社は当連結会計年度よりセグメントを変更しています。 それぞれの事業の主な内容は次のとおりです。(ITサービス事業) システム・インテグレーション(システム構築、コンサルティング)、サポート(保守)、アウトソーシング・クラウドサービス、システム機器およびソフトウェア・サービスなどの提供を行っています。(社会インフラ事業) ネットワークインフラ(コアネットワーク、携帯電話基地局、光伝送システム、海洋システム)、通信事業者向けソフトウェア・サービス(OSS・BSS)(*)ならびに航空宇宙・防衛領域におけるシステム機器、システム・インテグレーション(システム構築、コンサルティング)およびサポート(保守)などの提供を行っています。 * OSS:Operation Support System、BSS:Business Support System  なお、上記のほかに、システム機器の開発・製造・販売などの事業を「その他」として表示しています。NECグループの連結子会社(254社)をセグメントごとに記載すると概ね次のとおりです。 2024年3月31日現在 セグメント子会社ITサービス事業NECフィールディング㈱NECソリューションイノベータ㈱アビームコンサルティング㈱日本電気通信システム㈱NECネクサソリューションズ㈱NECファシリティーズ㈱コメット・ホールディング社[オランダ]ガーデン・プライベート・ホールディングス社[英国]ソレイユ社[デンマーク] 等社会インフラ事業NECネッツエスアイ㈱ネットクラッカー・テクノロジー社[米国] 等その他NECプラットフォームズ㈱NECコーポレーション・オブ・アメリカ社[米国]NECヨーロッパ社[英国]NECアジア・パシフィック社[シンガポール]日電(中国)有限公司[中国]NECラテン・アメリカ社[ブラジル] 等 (注)1 金融商品取引所に株式を公開している子会社東京証券取引所プライム市場…NECネッツエスアイ㈱2 純粋持株会社コメット・ホールディング社主要な子会社はソフトウェアの開発およびITサービスの提供を主要な事業内容とする子会社を傘下に保有するアバロク・グループ社ガーデン・プライベート・ホールディングス社主要な子会社はソフトウェアの開発およびITサービスの提供を主要な事業内容とするNECソフトウェア・ソリューションズ・ユーケー社ソレイユ社主要な子会社はソフトウェアの開発およびITサービスの提供を主要な事業内容とするケーエムディ社  なお、NECグループの事業運営における当社および関係会社の事業系統図を示すと概ね次のとおりです。2024年3月31日現在 (注)矢印は、製品の設計、開発、製造および販売ならびにサービスの提供関係を示しています。
関係会社の状況 4【関係会社の状況】
(1) 連結子会社名称住所資本金(百万円)主要な事業の内容議決権の所有割合(%)関係内容摘要NECプラットフォームズ㈱神奈川県川崎市高津区10,332情報通信システム機器等の開発、製造、販売および保守ならびにシステム・インテグレーション等の提供100当社が販売する一部製品の供給貸付金…有、役員の兼任等…有*1 NECフィールディング㈱東京都港区9,670コンピュータおよびネットワークシステムの据付および保守100当社が販売する一部製品の保守および販売貸付金…無、役員の兼任等…有 NECソリューションイノベータ㈱東京都江東区8,669システム・インテグレーション等の提供およびソフトウェアの開発100当社が販売する一部製品に関するソフトウェアの開発貸付金…無、役員の兼任等…有*1 アビームコンサルティング㈱東京都千代田区6,200ビジネスコンサルティング100当社が販売する一部製品に関するビジネスコンサルティング貸付金…無、役員の兼任等…有 日本電気通信システム㈱東京都港区1,000ネットワークに関するソフトウェアの開発および設計100当社が販売する一部製品に関するソフトウェアの開発および設計貸付金…無、役員の兼任等…有 NECネクサソリューションズ㈱東京都港区815システム・インテグレーションおよびアウトソーシングの提供、ソフトウェアの開発およびコンピュータ等の販売100当社製品の販売貸付金…無、役員の兼任等…有 NECファシリティーズ㈱東京都港区240建物等の設計、施工管理および施設管理、不動産の管理・賃貸借ならびに保険の代理業100当社施設の設計、施工管理および施設管理ならびに当社および当社従業員に対する保険の代理店業務貸付金…無、役員の兼任等…有 NECネッツエスアイ㈱東京都港区13,122情報通信システムの設計、構築および保守ならびに関連機器の販売(12.9)当社が販売する一部製品に関する工事および当社が製造する一部製品の販売貸付金…無、役員の兼任等…有*2*351.4 名称住所資本金(百万円)主要な事業の内容議決権の所有割合(%)関係内容摘要NECコーポレーション・オブ・アメリカ社Irving,Texas,U.S.A.米ドル北米における地域代表・統括業務、コンピュータ関連機器および通信機器の販売ならびにシステム・インテグレーション等の提供100当社製品の販売および当社から一部部品を購入貸付金…無、役員の兼任等…有 27NECヨーロッパ社Middlesex,United Kingdom千スターリングポンドヨーロッパにおける地域代表・統括業務100当社関係会社の地域統括貸付金…無、役員の兼任等…有 146,507NECアジア・パシフィック社Singapore千シンガポールドルアジアにおける地域代表・統括業務、コンピュータ関連機器および通信機器の販売ならびにシステム・インテグレーション等の提供100当社製品の販売貸付金…無、役員の兼任等…有 80,280日電(中国)有限公司北京、中国千米ドル中華圏における地域代表・統括業務100当社関係会社の地域統括貸付金…無、役員の兼任等…有 178,000NECラテン・アメリカ社Sao Paulo,Brazil千ブラジルレアル中南米における地域代表・統括業務、通信機器の販売およびシステム・インテグレーション等の提供100当社製品の販売貸付金…無、役員の兼任等…有 328,282ネットクラッカー・テクノロジー社Waltham,Massachusetts,U.S.A.米ドルソフトウェアの開発および販売100当社および当社関係会社が販売する一部製品の供給貸付金…無、役員の兼任等…有 1コメット・ホールディング社Amsterdam,Netherlands千スイスフラン純粋持株会社主要な子会社はソフトウェアの開発およびITサービスの提供を主要な事業内容とする子会社を傘下に保有するアバロク・グループ社100貸付金…無、役員の兼任等…有 2,009,032ガーデン・プライベート・ホールディングス社Hemel Hempstead,United Kingdom千スターリングポンド純粋持株会社主要な子会社はソフトウェアの開発およびITサービスの提供を主要な事業内容とするNECソフトウェア・ソリューションズ・ユーケー社100貸付金…無、役員の兼任等…有 474,520ソレイユ社Ballerup,Denmark千デンマーククローネ純粋持株会社主要な子会社はソフトウェアの開発およびITサービスの提供を主要な事業内容とするケーエムディ社100貸付金…無、役員の兼任等…有 51上記のほか、237社の連結子会社があります。
(2) 持分法適用関連会社名称住所資本金(百万円)主要な事業の内容議決権の所有割合(%)関係内容摘要日本航空電子工業㈱東京都渋谷区10,690コネクタおよび航空・宇宙用電子機器の製造および販売(20.5)当社が使用する一部部品の供給貸付金…無、役員の兼任等…無*2*3*433.3NECキャピタルソリューション㈱東京都港区3,777各種機械器具、設備、製品等のリース37.7当社製品のリース貸付金…無、役員の兼任等…有*2レノボNECホールディングス社Amsterdam,Netherlands千ユーロ純粋持株会社33.4貸付金…無、役員の兼任等…有 100上記のほか、51社の持分法適用関連会社があります。*1 特定子会社に該当します。*2 有価証券届出書または有価証券報告書を提出しています。*3 議決権の所有割合には、議決権行使の指図権を留保して退職給付信託に拠出した株式に関する議決権の所有割合が含まれており、当該所有割合は、( )内に間接所有割合として内数で示しています。なお、各社に対する議決権の所有割合のうち、退職給付信託に拠出している株式の割合は次のとおりです。 退職給付信託NECネッツエスアイ㈱51.4%のうち12.9%日本航空電子工業㈱33.3%のうち20.5%*4 当社が保有する日本航空電子工業㈱の株式の一部を売却したことにより、同社は、2024年3月22日付で当社の連結子会社から持分法適用関連会社となりました。
(注)「第一部 企業情報 第1 企業の概況 4 関係会社の状況」はIFRS第12号「他の企業への関与の開示」(以下「IFRS第12号」という。)に基づくものです。また、その他IFRS第12号により要求されている開示項目は「第一部 企業情報 第5 経理の状況 連結財務諸表注記 11.連結子会社」および「第一部 企業情報 第5 経理の状況 連結財務諸表注記 12.持分法で会計処理されている投資」に記載のとおりです。
従業員の状況 5【従業員の状況】
(1) 連結会社の状況 2024年3月31日現在セグメントの名称従業員数(人)ITサービス事業60,124社会インフラ事業25,264その他19,888合計105,276(注)1 従業員数には、臨時従業員の数を含んでいません。2 従業員数が前期に比べ13,251名減少しておりますが、当社が保有する日本航空電子工業㈱の株式の一部を売却したことにより、同社および同社の子会社が当社の連結子会社でなくなったことが主な理由です。
(2) 提出会社の状況 2024年3月31日現在従業員数(人)平均年令(歳)平均勤続年数(年)平均年間給与(円)22,21043.317.58,804,235 セグメントの名称従業員数(人)ITサービス事業12,591社会インフラ事業4,464その他5,155合計22,210 (注)1 従業員数には、臨時従業員の数を含んでいません。 2 平均年間給与は、税込額であり、時間外給与および賞与を含んでいます。(3) 労働組合の状況 当社の労働組合は、日本電気労働組合と称し、NECグループの一部の会社の労働組合により結成されているNECグループ労働組合連合会(組合員数約44,000人 2024年3月31日現在)に加盟しています。また、NECグループ労働組合連合会は、上部団体の全日本電機・電子・情報関連産業労働組合連合会に加盟しています。 なお、労使関係は安定しており、特に記載すべき事項はありません。 (4) 管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異① 提出会社 管理職に占める女性労働者の割合(%)(*1)男性労働者の育児休業取得率(%)(*2)労働者の男女の賃金の差異(%)(*1)全労働者うち正規雇用労働者うちパート・有期労働者9.240.675.374.680.7*1 「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出しています。*2 「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の4第1号における育児休業等の取得割合を算出しています。したがって、配偶者出産休暇は含めておりません。 ② 連結子会社 名称管理職に占める女性労働者の割合(%)(*1)男性労働者の育児休業取得率(%)(*2)労働者の男女の賃金の差異(%)(*1)全労働者うち正規雇用労働者うちパート・有期労働者NECプラットフォームズ㈱3.950.075.273.681.0NECフィールディング㈱3.528.967.566.963.7 NECフィールディングサポートクルー㈱50.0(*4)76.589.066.9 NECフィールディングシステムテクノロジー㈱12.5100.071.973.4162.3NECソリューションイノベータ㈱9.445.980.979.888.5アビームコンサルティング㈱15.852.681.081.772.3 アビームシステムズ㈱11.455.084.486.271.5NECネッツエスアイ㈱7.058.875.774.561.2 キューアンドエー㈱20.466.765.578.879.3  ディー・キュービック㈱31.30.057.098.172.3 NECマグナスコミュニケーションズ㈱2.740.076.171.9(*6) NECネッツエスアイ・サービス㈱1.933.377.777.2101.2NECネットワーク・センサ㈱0.540.077.175.160.6㈱オーシーシー1.550.080.982.177.6日本電気通信システム㈱5.360.969.569.5(*5)NECネクサソリューションズ㈱6.537.578.374.994.0NECファシリティーズ㈱1.841.477.178.372.1 NECプラントエンジニアリング㈱0.016.774.773.4(*6)NECビジネスインテリジェンス㈱(*3)11.720.068.966.374.6 NEC VALWAY㈱28.944.477.177.588.7㈱NECライベックス11.666.759.766.370.2日本電気航空宇宙システム㈱6.992.979.279.2(*5)㈱サンネット5.311.179.078.376.9㈱KIS7.050.074.774.7(*5)㈱ワイイーシーソリューションズ1.625.068.072.572.7 *1 「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出しています。*2 「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の4第1号における育児休業等の取得割合を算出しています。したがって、配偶者出産休暇は含めておりません。*3 NECビジネスインテリジェンス㈱は、2024年4月1日付で、商号をNECマネジメントパートナー㈱から変更しました。*4 配偶者が出産した男性労働者は0名です。*5 パート・有期労働者は在籍していないため、公表できる数値はありません。*6 女性のパート・有期労働者は在籍していないため、公表できる数値はありません。  「管理職に占める女性労働者の割合」については、当社は2025年度末(2025年度内に2026年4月1日付で異動が決定された場合を含みます。)までに20%を達成することを目標に掲げ、女性従業員に向けてキャリア形成を考える機会の創出に取り組むなど様々な施策を推進しています。既存の育成プログラムに加え、2021年度から女性の次世代経営リーダーを育成するためのプログラムとして、対象の主任女性従業員に「Women's Leadership Program」(延べ6ヵ月間にわたり、自身が役員に就任したと想定して事業プランを描くプログラム)を提供しています。また、2022年10月から部長職以上のハイポテンシャルな女性従業員に対して、役員によるスポンサーシッププログラムを開始し、メンタリングやジョブシャドウイングなどの個別の育成を実施しました。その結果、スポンサーシッププログラム参加者の76%が1つ上のポジションへ昇格しました。加えて、プログラム終了後もスポンシー同士での勉強会などの自主活動を継続しています。 なお、2024年度は課長職以下の女性従業員を対象とした統括部長によるスポンサーシッププログラムの実施を予定しています。  当社の「男性労働者の育児休業取得率」は、2022年度の24.8%から2023年度は40.6%と向上しています。各社とも男性従業員の育児関与の促進・強化に取り組んでおり、特に日本電気通信システム㈱および日本電気航空宇宙システム㈱では60%以上の高取得率となっています。  「労働者の男女の賃金の差異」は、当社をはじめ多くの連結子会社が70%台となっています。賃金の額が比較的高くなる管理職における男女の人数差が、男女の賃金の差異に影響していると考えています。なお、当社の役職別における男女の賃金の差異はおおよそ90%台半ばとなっており、格差は小さいものとなっています。
経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】
 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、NECグループが判断したものです。 (1) 会社の経営の基本方針NECグループは、NECグループが共通でもつ価値観であり、行動の原点として「NEC Way」を規定しています。 「NEC Way」は、企業としてふるまう姿を示した「Purpose(存在意義)」「Principles(行動原則)」と、NECグループの一人ひとりの価値観・ふるまいを示した「Code of Values(行動基準)」「Code of Conduct(行動規範)」で構成されています。 「Purpose(存在意義)」は、Orchestrating a brighter worldをもとに、豊かな人間社会に貢献する姿を示した宣言です。 NECは、安全・安心・公平・効率という社会価値を創造し、誰もが人間性を十分に発揮できる持続可能な社会の実現を目指します。 「Principles(行動原則)」は、NECグループとしての行動のもととなる原則であり、次の3つの心構えを示しています。 創業の精神「ベタープロダクツ・ベターサービス」常にゆるぎないインテグリティと人権の尊重あくなきイノベーションの追求 「Code of Values(行動基準)」は、NECグループの一人ひとりが体現すべき日常的な考え方や行動の在り方を示した行動基準です。 視線は外向き、未来を見通すように思考はシンプル、戦略を示せるように心は情熱的、自らやり遂げるように行動はスピード、チャンスを逃さぬように組織はオープン、全員が成長できるように 「Code of Conduct(行動規範)」は、NECグループの一人ひとりに求められるインテグリティ(高い倫理観と誠実さ)についての具体的な指針であり、次の章から構成されています。 1.基本姿勢2.人権尊重3.環境保全4.誠実な事業活動5.会社財産・情報の管理コンプライアンスに関する疑問・懸念相談、報告 NECグループは、「Purpose」を全うするため、「Principles」に基づき、中期経営計画をはじめとする中長期的な経営戦略を実践し、社会価値の継続的な創出と企業価値の最大化をはかっていきます。また、NECグループの一人ひとりが、「Code of Values」に基づき、自らの働き方や組織のあり方を常に見直し、改善するとともに、高い倫理観と誠実さをもったよき企業人として「Code of Conduct」を遵守していきます。社会や顧客が期待する価値は常に変化し続けていることから、NECグループがこれからも社会から必要とされる存在であり続けるためには、何が価値となるのかを常に考え、新たな価値を創造していく必要があります。NECグループは、情報通信技術とさまざまな知見・アイデアを融合することで、世界の国々や地域の人々と協奏しながら、明るく希望に満ちた暮らしと社会を実現して未来に繋げてまいります。
(2) 目標とする経営指標NECグループは、企業価値の最大化に向けて、Purpose・戦略・文化の一体的な取り組みを経営方針として掲げています。Purposeの具現化に向けて、戦略ではEBITDA成長率(*1)を、文化ではエンゲージメントスコアを、特に中核指標と位置づけています。加えて、売上収益、調整後営業利益(*2)、Non-GAAP営業利益(*3)、親会社の所有者に帰属するNon-GAAP当期利益(*4)、EBITDA(*5)およびROIC(*6)を経営上の目標として掲げています。*1 EBITDA成長率:2020年度から2025年度までの期間におけるEBITDAの年平均の成長率を意味します。*2 調整後営業利益:営業利益から、買収により認識した無形資産の償却費およびM&A関連費用(ファイナンシャルアドバイザリー費用など)を控除した利益指標です。*3 Non-GAAP営業利益:営業利益から、買収により認識した無形資産の償却費およびM&A関連費用(ファイナンシャルアドバイザリー費用など)ならびに構造改革関連費用、減損損失、株式報酬その他の一過性損益を控除した本源的な事業の業績を測る利益指標です。*4 親会社の所有者に帰属するNon-GAAP当期利益:親会社の所有者に帰属する当期利益から税引前当期利益に係る調整項目およびこれらに係る税金相当・非支配持分相当を控除した、親会社の所有者に帰属する本源的な事業の業績を測る利益指標です。*5 EBITDA:売上総利益-販売管理費+減価償却費・償却費*6 ROIC:(調整前営業利益-みなし法人税<30.5%>)÷(期末有利子負債+期末純資産<非支配持分含む>)(3) 経営環境当連結会計年度の経済環境は、欧米を中心に物価水準の高止まりとこれまでの金融引き締め政策などの影響により、世界経済の改善ペースは緩やかなものとなりました。日本経済は、物価高などの影響により、民間需要を中心に改善ペースが緩やかなものとなりました。一方で、IT投資が世界的に活性化しており、国内においても過去最高水準の投資意欲がみられます。従来型ITインフラのクラウドシフト、通信インフラの増強などが需要を強く下支えし、社会全体のデジタル化が進展しています。また、質問や指示に応じて文章や画像を生成する「生成AI(人工知能)」が大きな注目を集め、AIによる働き方や社会の変革にも大きな関心が寄せられています。環境問題をはじめとした社会課題がますます深刻化・複雑化する中で、持続可能な社会の実現に向けた企業の貢献が求められており、テクノロジーの役割が増大しています。このような経営環境のもと、NECグループは、Purpose・戦略・文化の一体的な取り組みを経営方針として掲げる「2025中期経営計画」を策定し、高いモチベーションをもって、ITサービス事業および社会インフラ事業を中心とした成長の実現や、サステナビリティ経営の基盤強化などを目指します。 (4) 中長期的な会社の経営戦略および対処すべき課題NECグループは、2021年5月に発表した「2025中期経営計画」に基づき、Purpose・戦略・文化の一体的な取り組みを経営方針として掲げ、その実現に向けて、役員・社員一丸となって取り組んでいます。 ① PurposeNECグループは、「NEC Way」において、安全・安心・公平・効率という社会価値を創造し、誰もが人間性を十分に発揮できる持続可能な社会の実現をPurposeとして掲げています。社会価値を創造する企業として、社会や顧客との「未来の共感」を創ることで、その実現を目指します。 ② 戦略NECグループの強みである技術力を顧客価値に転換し、「ITサービス」および「社会インフラ」の事業を中心に成長を実現します。「ITサービス」のうち、国内ITサービス事業では、DX(デジタルトランスフォーメーション)事業の共通基盤である「NECデジタルプラットフォーム」(*)において、クラウド、モダナイゼーション、AI (特に生成AI) 、セキュリティを中心に強化することで、高い売上成長と収益性の実現を目指します。コンサル起点で戦略構想策定から実装・運用までをEnd to Endで支援するビジネス(コンサル起点ビジネス)においては、アビームコンサルティング㈱との連携を通じて、上流コンサルを起点に顧客との価値共創ビジネスを拡大します。加えて、社会の変革を後押しするプロジェクトについても、当社の強みを活かし、政策と連動することで、新たな事業機会を創出します。海外ITサービス事業(デジタル・ガバメントおよびデジタル・ファイナンス)では、売上拡大による利益底上げに加え、収益性の高いソフトウェア・SaaS事業に注力し、オフショア拡大やコスト削減などによる競争力強化をはかります。「社会インフラ」のうち、テレコムサービス事業では、通信領域の仮想化・オープン化を推進し、ソフトウェア・サービスや通信事業者のDX(デジタルトランスフォーメーション)といった高付加価値領域の拡大による収益性の向上を目指します。また、パートナー企業との連携強化により、国内外へ販路を広げていきます。エアロスペース・ナショナルセキュリティ事業では、獲得済の案件を着実に実行するとともに新規案件の獲得により事業拡大をはかります。新規事業開発では、AI関連事業、ヘルスケア・ライフサイエンス事業およびカーボンニュートラル関連事業において、NECグループがグローバルで強みを持つ技術をベースに、海外を含む先端顧客、研究機関との協業やNECグループが近年培ってきた新事業開発ノウハウ・手法を用いて事業化を進めていきます。上記に加え、利益率が低い事業については、CFO主導による徹底的なモニタリングを強化しており、着実な収益性の改善をはかっていきます。また、改善計画が未達成となった場合には、事業撤退を含めた経営判断を行うなどして、各事業における堅調な成長と競合他社を上回る利益率の実現を目指します。これらの成長戦略の実行の裏付けとなる財務力については、持続的なEBITDAの成長に加え、保有資産の最適化を進めることでキャッシュ・フローを創出します。それらを原資に事業成長を重視したキャピタル・アロケーションを実行するとともに、強固な財務基盤の維持・強化をはかり、今後の成長投資を支えます。また、NECグループでは、Purpose経営を推進するために、ESG視点の経営優先テーマとして「マテリアリティ」を特定しています。マテリアリティの実践を通じて大きな社会・環境価値および経済価値を創出し、主要なESGインデックス銘柄への継続的な組み入れを目指します。 ③ 文化Purposeの実現には、高いモチベーションをもつ社員の存在が不可欠であることから、社員に選ばれる会社(Employer of Choice)への変革を目指し、人とカルチャーの変革に取り組んでいます。2024年度は、社員が「NEC Way」に基づく会社の方向性を理解、共感し、自身の仕事に誇りを持って働けるよう全社方針・戦略の浸透を強化します。具体的には、NECグループ各社で実施しているタウンホールミーティングをグローバルでも実施し、経営層とのコミュニケーションを強化します。加えて、各組織のリーダーが自組織の「NEC Way」実践を伝える連鎖ミーティングを実施することで、組織が向かう方向性に対する社員の理解を促進します。また、市場の変化にしなやかかつスピーディに対応し、かつパフォーマンスに応じたフェアな評価をするために全社員を対象としたジョブ型人材マネジメント制度を導入し、「適時適所適材」の実現や、イノベーションの源泉であるダイバーシティのさらなる加速を推進します。さらに、経営インフラについては、社員の仕事の仕方そのものを変えるべく、組織の変革を成功に導くための管理手法であるチェンジマネジメントを強化するとともに、様々なデータを蓄積し、デジタル技術を駆使してビジネスのあらゆる局面においてデータ主導での意思決定をする経営(データドリブン経営)を推進することにより、会社の成長と収益性の向上を目指します。 上記の各施策を通じて、2025年度に、EBITDA成長率8%およびエンゲージメントスコア50%、ならびに、売上収益3兆5,000億円、調整後営業利益3,000億円(利益率8.6%)、Non-GAAP営業利益3,000億円(利益率8.6%)、親会社の所有者に帰属するNon-GAAP当期利益1,850億円(利益率5.3%)、EBITDA4,250億円(利益率12.1%)、ROIC6.5%の達成を目指します。NECグループは、Purposeの実現に向け、「2025中期経営計画」の達成をとおして、国際連合の定める「SDGs」の達成に貢献します。 * 2024年5月にNECデジタルプラットフォームは、価値創造モデル「BluStellar(ブルーステラ)」へ進化しました。
サステナビリティに関する考え方及び取組 2【サステナビリティに関する考え方及び取組】
NECグループは、サステナビリティを巡る課題が、NECグループの持続可能な発展や企業価値向上に対するリスクとなるだけでなく、事業機会の創出にもつながる重要な要素だと考えていることから、「NEC Way」に基づき、①事業をとおした社会課題解決への貢献、②リスク管理・コンプライアンスの徹底、③ステークホルダー・コミュニケーションの推進を基本方針として掲げサステナビリティ経営を推進しています。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在においてNECグループが判断したものです。 (1)ガバナンスおよびリスク管理 ① ガバナンス 当社は、サステナビリティ推進担当役員であるCFO(チーフフィナンシャルオフィサー)の主導のもと、サステナビリティ経営推進のための重要事項について、具体的な議題の内容に応じ、その推進に携わる役員(以下「サステナビリティ推進関係役員」という。)と協働して、経営会議、事業戦略会議またはリスク・コンプライアンス委員会で随時議論のうえ、決定することとしています。加えて、CFOおよびサステナビリティ推進関係役員が社外有識者に諮問するサステナビリティ・アドバイザリ・コミッティ(以下「SAコミッティ」という。)を設置し、当社のサステナビリティに関する取り組みについて、最新動向に照らして客観的・専門的に議論を行うことで、不確実性が高く変化が急速に進む時代における自社の方向性を確認し、取り組みの改善につなげています。 取締役会は、CFOおよびサステナビリティ推進関係役員から、これらの会議体やSAコミッティで討議または承認された事項の報告を受け、リスクへの対応状況を監督するとともに、サステナビリティを巡る課題への対応について、事業機会創出の観点を含め、討議しています。  上記のサステナビリティ経営推進体制と併せて、NECグループでは環境経営のための体制を整備しており、地球温暖化がもたらす気候変動問題に対して、温室効果ガスの排出を削減する緩和策だけでなく、気候変動リスクに備えてその被害を未然に防止し、または最小限に抑えるための適応策の両面から、一貫した環境経営を推進しています。 環境経営の実践における各組織の役割、責任および権限を特定するための環境管理規程のもと、各ビジネスユニットに設置された環境経営委員会やテーマ別専門部会で討議された事項を、重要性に応じて、各ビジネスユニットの環境推進責任者が一堂に会する環境経営推進会議でも討議しています。また、各ビジネスユニットは、各部門や国内外の関係会社における具体的な取り組みにつながる体制を整えており、事業戦略会議や経営会議、取締役会で策定された環境戦略をもとに具体的な活動計画を立案および実践しています。 さらに、気候変動を含めた環境に関わる重要事項が事業執行に与える影響や戦略に関しては、事業戦略会議で討議し、NECグループの事業に対して特に著しい影響を及ぼす議題については、経営会議や取締役会へ付議しています。 ② リスク管理 NECグループでは、「第一部 企業情報 第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおり、CRO(チーフリスクオフィサー)主導のもと、NECグループの事業に関連する社内外のリスクを的確に把握し対応するための全社横断的なリスク管理体制を整備しています。CROは、NECグループとして認識しておくべきリスクを網羅的にとりまとめたリスク一覧をもとに、各リスクを所管するチーフオフィサーとの対話やリスクアセスメントを実施し、外部・内部環境変化や各リスク対策の状況を踏まえて影響度・切迫性などの共通基準でリスクの優先順位を可視化したリスクマップを作成しています。 サステナビリティ経営におけるESG視点の経営優先テーマである「マテリアリティ」(「(2)戦略並びに指標及び目標のうち重要なもの ①当社のマテリアリティ並びに指標及び実績」参照)のうち、「基盤マテリアリティ」に関連する「部品などの調達」、「人材の確保」、「内部統制」、「環境規制」、「情報管理」、「人権の尊重」、「自然災害、人災などの外的要因」などのリスクについては、サステナビリティ経営推進体制による管理を通じて影響評価を行い、潜在的および顕在的リスクに対する対応の進捗、成果や課題の把握および今後の計画などを検討することにより、リスクの低減や未然防止活動を行っています。 一方、「2025中期経営計画」の成長事業が創出を目指す5つの社会・環境テーマを、成長・機会の創出と成長率向上のための「成長マテリアリティ」として整理し、これらの実践を通じて社会・環境価値および経済価値の大きな事業を推進するとともに、その進捗を図っています。 また、環境領域においては、「
(2) 戦略並びに指標及び目標のうち重要なもの ②NECグループの気候変動に関する戦略並びに指標及び目標」に記載のとおり、当社ではマテリアリティとして「お客さま・社会のカーボンニュートラルを実現」および「気候変動(脱炭素)を核とした環境課題への対応」を特定しており、事業におけるリスクの低減と事業を通じた社会貢献という両面から様々な活動に取り組んでいます。このうち、気候変動への対応に関するリスクは、環境経営推進体制による管理を通じてリスク評価を行い、潜在的および顕在的リスクに対する対応の進捗、成果や課題の把握および今後の計画などを検討することにより、リスクの低減や未然防止活動を行っています。 (2)戦略並びに指標及び目標のうち重要なもの① 当社のマテリアリティ並びに指標及び実績 当社では、サステナビリティ経営におけるESG視点の経営優先テーマである「マテリアリティ」特定にあたり、グローバルなガイドラインを参考に、リスク低減と成長・機会創出の両面で、自社と社会の双方への影響を評価しています。その特定の過程においては、SAコミッティなどで社外有識者の意見を取り入れるほか、内容に応じて経営会議、事業戦略会議、リスク・コンプライアンス委員会で審議し、取締役会に報告しています。また、マテリアリティは、外部環境変化や財務・非財務指標間の相関・因果分析などを踏まえ、事業戦略の修正に応じて適宜見直しを行うことで、実効性のある取り組み目標としています。 「2025中期経営計画」においては、「人権尊重を最優先にしたAI提供と利活用(AIと人権)」、「多様な人材の育成とカルチャーの変革」、「ICTの可能性を最大限に広げるセキュリティ」など、リスク低減および成長率向上を目的とする7つのテーマを「基盤マテリアリティ」と位置付け、「2025中期経営計画」の成長事業が創出を目指す5つの社会・環境テーマを、成長・機会の創出と成長率向上を目的とした「成長マテリアリティ」として整理したうえで、マテリアリティの進捗を図るための指標である2025年度KPIを設定しました。2023年度の取組み実績は次のとおりです。   *1 2023年度に目標を変更したもの   *2 2024年度に目標を引き上げたもの   *3 2025年度内に決定された2026年4月1日付異動を含む。   *4 2026年3月末日時点の当社の取締役、執行役、Corporate SEVP、Corporate EVPおよびCorporate SVP(執行役、Corporate SEVP、Corporate EVPおよびCorporate SVP については2025年度内に決定された2026年4月1日付異動を含む。)   *5 2024年3月末日時点。2024年4月1日の女性管理職比率は10.2%   *6 2024年3月末日時点の当社の取締役、執行役、Corporate SEVP、Corporate EVPおよびCorporate SVP。2024年4月1日の役員に占める女性または外国人の割合は15.8%   *7 他の2025年度KPIと同様に「2025中期経営計画」公表時点で設定していたが、内容の性質上、機関設計変更についての情報が公開されるまで公表を差し控えていたもの   *8 調達金額ベースでの比率 ・「気候変動(脱炭素)を核とした環境課題への対応」の実績値は、本有価証券報告書提出日現在集計中のため、サステナビリティ情報を掲載した当社のウェブサイトや今後発行予定の「ESGデータブック2024」において報告予定です(「ESGデータブック2024」は、2024年度上期中に当社ウェブサイトで公表予定。)。・「サプライチェーンサステナビリティ」については、2023年度末時点で86%となり、昨年度に引き続き2025年度KPIである75%を達成しました。本比率は調達金額ベースであるため変動しますが、2025年度末時点においても達成できるよう取り組みを継続します。 ② NECグループの気候変動に関する戦略並びに指標及び目標 当社ではマテリアリティの一つとして「気候変動(脱炭素)を核とした環境課題への対応」を特定しており、事業におけるリスクの低減と事業を通じた社会貢献という両面から様々な活動に取り組んでいます。また、NECグループは、2017年に「気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)」への賛同を表明し、気候変動に関する戦略として、不確実な未来への対応力を高めるため、複数のシナリオで将来起こりうる社会を予想し、対応策を検討しています。気候変動に関する政府間パネルなどの公開情報やICTの動向および社会情勢をもとに、サプライチェーン全体における中長期的なシナリオ分析を行い、次のとおり事業のリスクと機会を認識しています。 <認識したリスク>リスクシナリオ(+1.5℃or 4.0℃)(*1)内容時間軸(*2)財務影響/年対策移行(*3) +1.5℃カーボンプライシングによるコスト増中期44億円 CO2排出量実質ゼロ(2040年)達成に向けた効率化の徹底と再生可能エネルギーの活用拡大レピュテーションリスクによる売上減短期35億円SBTイニシアティブ(*5)認定および再生可能エネルギーの活用拡大とグリーン電力の購入物理(*4)+4.0℃データセンターの気象災害(洪水、土砂崩れ、水不足など)の影響による事業停止に伴う売上減短期33億円非常用電源設備などの発電設備の強化(5日間稼働分の燃料の備蓄など)   *1 +1.5℃:脱炭素社会が実現し、2100年に気温が1.5℃上昇するシナリオ     +4.0℃:脱炭素社会が実現せず、2100年に気温が4℃上昇するシナリオ   *2 時間軸:短期=0~3年、中期=4~10年、長期=11~20年   *3 移行リスク:脱炭素社会への移行に伴って、政策・法務・技術革新・市場嗜好の変化などにより発生するリスク   *4 物理リスク:異常気象から引き起こされる事象による急性リスク(洪水や土砂災害など)と長期間での気候パターンの変化による慢性リスク(海面上昇や熱波、耕作適地の変化など)   *5 SBTイニシアティブ:企業に対し、科学的根拠に基づく二酸化炭素排出量削減目標を立てることを求めるため、カーボン・ディスクロージャー・プロジェクト(CDP)、国際連合グローバル・コンパクト(UNGC)、世界資源研究所(WRI)および世界自然保護基金(WWF)の4団体により設立されたイニシアティブ   <認識した機会>機会シナリオ(+1.5℃or 4.0℃)内容時間軸財務影響/年機会創出と拡大適応(*6)+4.0℃農業生産適地の変化への備えが進むことによる売上増中期-(*8)AIを用いて農作物栽培を支援するサービス「CropScope(クロップスコープ)」の提供適応/緩和(*7)+4.0℃災害に強い、GHG効率の高いデータセンターへのニーズ拡大による売上増中期57億円データセンターのエネルギー効率の改善(データセンターのグリーン化)緩和+1.5℃再生可能エネルギーの活用拡大に伴うエネルギーソリューションの売上増短期120億円仮想発電所(VPP)、電力需給管理、RA事業化(需給調整市場への参画)、xEMS(エネルギーマネジメントシステム)、再生可能エネルギーを活用したデータセンターサービス提供など   *6 適応:すでに生じている、あるいは将来予測される気候変動の影響による被害を回避・軽減させるために備えること *7 緩和:気候変動の原因となる温室効果ガスの排出量を減らすこと   *8 「農業生産適地の変化への備えが進むことによる売上増」の財務影響については、本有価証券報告書提出日現在算定中です。  当社は、2017年に策定した「2050年を見据えた気候変動対策指針」に基づき、2050年までに自社の事業活動に伴うCO2排出量(Scope1およびScope2(*9))を「実質ゼロ」とすることを目指していましたが、2021年9月に、「Business Ambition for 1.5℃(BA1.5℃)」に署名し、2050年までにScope3(*9)を含むサプライチェーン全体からのCO2排出量実質ゼロを宣言しました。また、2022年9月には、サプライチェーン全体からのCO2排出量を2040年までにゼロとすることをめざすイニシアティブ「The Climate Pledge」(TCP)に参加し、従来計画比で10年前倒しとなる2040年カーボンニュートラルを宣言しました。これらの目標を強化するため、マテリアリティの2025年度KPIを「Scope1およびScope2におけるCO2排出量を25.0%削減(2020年度比)」に見直しました(「
(2) 戦略並びに指標及び目標のうち重要なもの ①当社のマテリアリティ並びに指標及び実績」参照)。 また、当社は、2030年までに「Scope1およびScope2において55%削減(2017年度比)」、「Scope3のカテゴリ1(購入した製品・サービス)、カテゴリ3(Scope1およびScope2に含まれない燃料、エネルギー活動)およびカテゴリ11(販売した製品の使用)において33%削減(2017年度比)」という目標を掲げ、2021年5月にはSBTイニシアティブからSBT1.5℃の認定を受けていましたが、2040年カーボンニュートラルを宣言したことに伴い、2024年4月には、2030年度までに「Scope1、Scope2およびScope3のそれぞれ50%以上を削減((2020年度比)」という目標に強化したことなどに対して、SBTイニシアティブからNet-Zero目標の認定(*10)を受けました。 加えて、NECグループは、2021年に事業で使用する電力を100%再生可能エネルギーとすることを目指す国際イニシアティブである「RE100」(*11)に加盟し、再生可能エネルギーの利用拡大を進めており、既に当社本社ビルやNEC Cloud IaaSのデータセンターで使用する電力を100%再生可能エネルギー由来に置き換えています。2023年度には、RE100の目標達成年度を2050年から2040年に前倒ししています。  NECグループの気候変動の取り組みの詳細は、以下の当社ウェブサイトに掲載しています。 なお、当該ウェブサイトの更新予定日は未定ですが、内容に更新があれば遅滞なく更新します。 https://jpn.nec.com/sustainability/ja/eco/risk.html *9 Scope1:事業者が所有または管理する排出源から発生する温室効果ガスの直接排出 Scope2:電気、蒸気、熱の使用に伴う温室効果ガスの間接排出 Scope3:Scope1およびScope2以外の事業者の関連する他社の温室効果ガス排出   *10 Net-Zero目標の認定 :2030年度までに2020年度比で、Scope1、Scope2およびScope3のそれぞれ50%以上を削減し、2040年度までに90%以上削減を目指す。まずはこの削減を最優先し、削減が非常に困難な残余排出量は、吸収クレジットで中和することでNet-Zeroの達成を目指す。*11 RE100 :企業が自ら事業の使用電力を100%再生可能エネルギーで賄うことを目指す国際的なイニシアティブ (3) 人的資本(人材の多様性を含む)に関する戦略 当社の人的資本に関する戦略(人材の多様性の確保を含む人材の育成に関する方針および社内環境整備に関する方針を含みます。)は、以下のとおりです。 ① HR方針 NECグループは、最大の経営資源を「人」と位置づけ、組織と人材の力を最大限に活かすための制度改革や環境整備を「人への投資」として進めてきました。2019年には、HR(Human Resources)方針「挑戦する人の、NEC。」を策定し、社員一人ひとりへの多様な挑戦・限りない成長機会の提供、フェアな評価、挑戦する社員がベストを尽くせるような環境やカルチャーの変革を進めています。 (イ)多様な挑戦機会 社内人材公募制度(NEC Growth Careers)の拡充に取り組んでいます。機械学習を用いたAIレコメンド機能を導入しており、ポジションマッチングを加速させることでNECグループ内の人材の流動性を促進し、個人と組織が互いに選び選ばれる対等な関係を目指しています。また、2020年度にNECライフキャリア㈱を設立して以来、社員のキャリア自律・スキル開発支援を強化しています。具体的には、年間約6,000名以上が参加するキャリアデザインワークショップや年間約3,500名が利用するキャリア面談など、社員が自律的にキャリアを形成するための支援のほか、社員のスキルアップデートおよび行動変容を加速させるリスキリングプログラムを提供しています。 (ロ)限りない成長機会 Code of Valuesを高次元で体現するとともに、新しい発想、柔軟な視点、豊富な経験・実績を活かした変革型リーダーシップを兼ね備えたNECグループを牽引するリーダーを育成することを目的に、将来の経営リーダーを育成するプログラム「NEC Talent Acceleration Program(NTAP)」を展開しています。また、タフアサインメントやトレーニングなどの豊富な成長機会を計画的・意図的に付与し、グローバルマーケットで勝ち続ける強い経営リーダー、強い経営チームを創出する取り組みを行っています。 (ハ)フェアな評価および次へ繋がるリワード ジョブ型人材マネジメントの実現に向けて人事の仕組み全体を整備する中で、2024年4月からジョブグレード体系と報酬制度を改めています。市場価値を反映した競争力のある報酬体系へ移行し、年齢、性別などにかかわらずパフォーマンスに応じたフェアな評価とフィードバックの徹底をはかっています。これらの制度については、各種法令、労働協約および社内規程に基づいており、役割と成果に応じた適正な賃金、賞与を支給しています。 (ニ)社員がベストを尽くせる環境、文化の実現 社員一人ひとりが働きやすさだけでなく働きがいを持って高いパフォーマンスを発揮し、自律的に自己実現を描けるような環境づくりに取り組んでいます。 福利厚生においては、社員一人ひとりに向けた取り組みの一つとして、Growth & Well-beingをコンセプトに、社員の自律的な成長・自己実現を支援する制度の拡充を行っています。また、健康経営にも注力しており、健康診断結果データを活用し、AIが従業員の生活習慣改善を提案する「健診結果予測シミュレーション」の実施やヘルスケアサポートを展開しています。仕事と育児の両立支援にも力を入れて各種制度の拡充・活用促進に取り組んでおり、NECグループの複数の会社において、次世代育成支援対策推進法に基づく一般事業主行動計画に定めた目標を達成し、一定の基準を満たした企業として、厚生労働大臣の認定(通称「くるみん認定」)を受け、当社を含む複数の会社は、その中でも高い水準の取組みを行っていると評価され、「プラチナくるみん認定」を受けています。 さらに、社員のWell-beingと成長の実現のためには組織の観点での取組みも重要であると位置づけており、チームの力を最大限に引き出すことで組織パフォーマンスを高めることにも注力しています。例えば、ワークプレイスについては、社内外のコラボレーション空間を拡充しているほか、チームの生産性を高めるために、Digital Technologyの活用や働き方ルールのアップデートをはかっています。 ② 「2025中期経営計画」の実現 NECグループでは、「2025中期経営計画」において企業価値の最大化に向けたPurpose・戦略・文化の一体的な取り組みを経営方針としており、文化の観点でエンゲージメントスコアを中核指標と位置付けています。その取り組みを加速するために「2025人事中計経営戦略」として重点テーマを掲げており、多様なタレント人材の活躍、働き方マインドセット改革、「適時適所適材」の実現およびタレントマネジメントという4つの柱を定めています。これらの取り組みを通じて、市場やお客さまのみならず働く人からも選ばれ続ける企業(Employer of Choice)を目指しています。 (イ)多様なタレント人材の活躍 様々な視点、知見、専門性を持つ人材が活躍し、その違いを活かして変化にしなやかに対応できる・勝ち続けることができる「組織としての総合力」を高めることを目指しています。 多様な人材が活躍し、多角的な視点やアイデアが尊重されるカルチャーを醸成することは、イノベーションの創出のために必須かつ重要な経営戦略の一環であると考えています。そのための施策として、グローバルな人材活用、キャリア採用の拡充、女性の活躍推進、障がい者の雇用促進および性的マイノリティに対する理解と支援の促進などに取り組んでいます。このようなインクルージョン&ダイバーシティへの取り組みは、「NEC Way」におけるPrinciplesで掲げる「人権の尊重」の実践に位置付けられています。 (ロ)働き方マインドセット改革 従来推進してきた社員一人ひとりが自律的に働く場所、時間をデザインする働き方に加え、2024年度からは互いに直接のコミュニケーションを行う場を活用した働き方を推進していきます。具体的には、当社においてはFace to Faceの機会を原則として40%(週2日)以上設けることを基本的な考え方とし、NECグループ各社においても各社の業態に応じてチームとしてのパフォーマンスの最大化に取り組みます。これにより、より健康で、かつ生産性および創造性の高い働き方を実現していきます。 (ハ)「適時適所適材」の実現 社会価値を創造しグローバル競争に勝つために重要となるのが、「適時適所適材」の実現です。市場の変化にしなやかかつスピーディに対応するために、戦略起点で適時にその実行に必要な組織・ポジションを設計し、社内外から最適な人材を登用していきます。 当社は、ジョブ型人材マネジメントを目指して、2018年度の評価制度改革から開始し、段階的に制度・仕組みを導入してきました。2024年4月からは、全従業員向けにジョブ型人材マネジメントを適用しています。また、社内人材公募制度(NEC Growth Careers)の拡充やNECライフキャリア㈱によるキャリア形成支援も合わせることで、会社主導のキャリア形成から脱却し、社員自らがキャリアを選択し、行動するキャリアオーナーシップの強化をはかっています。NECグループは、社会価値を創造しグローバルで「勝ち続ける企業」となるために、会社としての「適時適所適材」および社員一人ひとりの「キャリア自律」を実現し、社員および会社が「選び・選ばれる」関係において双方が成長することで、強い個人・組織を作ることを目指しています。 (ニ)タレントマネジメント 「2025中期経営計画」に掲げる「国内IT事業のトランスフォーメーション」実現のため、社会価値を創造・実装し続けるDX人材(*1)を12,000名(*2)確保する計画を掲げ、DX人材育成の強化を進めています。また、次世代リーダー人材の育成として、有望人材にタフアサインメントやトレーニングなどの豊富な成長機会を提供し、成長のスピードを加速する取り組みを行っています。 *1 当社が各定義および要件を定めるコンサルタント、データサイエンティスト、サイバーセキュリティ人材などを指しており、当社および次の連結子会社等を対象としています。NECプラットフォームズ㈱、NECソリューションイノベータ㈱、日本電気通信システム㈱、NECネクサソリューションズ㈱、NECビジネスインテリジェンス㈱、NECネットワーク・センサ㈱、NECスペーステクノロジー㈱、日本電気航空宇宙システム㈱、NECライフキャリア㈱、㈱日本電気特許技術情報センター、NEC企業年金基金*2 2024年度に目標を10,000名から引き上げました。 (4) 人的資本(人材の多様性を含む)に関する指標及び目標 上記「(3)人的資本(人材の多様性を含む)に関する戦略」における「2025中期経営計画」およびそれに沿った「2025人事中期経営戦略」において、達成指標を設けています。 ① 2025中期経営計画・文化における指標:エンゲージメントスコア50%(2025年度) 「NEC Way」のもとに多様な人材が集い、イノベーションを追求する会社、社員に選ばれる会社を目指し、2025年度にエンゲージメントスコア(*1)50%を達成することを目標として掲げています。2023年度のエンゲージメントスコアは39%であり、毎年度継続して上昇しています。 ② 2025人事中期経営戦略:多様なタレント人材の活躍 女性や外国人従業員に代表される多様な人材の積極的な登用と計画的な育成により、イノベーションの源泉であるダイバーシティを加速させます。2025年度末までに達成を目指す目標および2023年度末の実績(*2)は、次のとおりです。区分2025年度末目標2023年度末実績役員(*3)に占める女性または外国人の割合(%)2015.3全管理職に占める女性の割合(%)(*4)209.2 ③ 2025人事中期経営戦略:タレントマネジメント 育成と獲得により、2025年度にDX人材を12,000名(*5)とすることを目標として掲げています。2024年3月末日現在、DX人材は10,376名在籍しています。 *1 One NECサーベイ(キンセントリック社によるグローバルサーベイを利用)に参画している当社および連結子会社(2023年度は45社)における調査結果に基づきます。目標値であるエンゲージメントスコア50%は、「2025中期経営計画」を策定した2021年5月時点で、グローバル企業の上位25%タイルに相当します。*2 本指標における取組みは、連結グループに属する全ての会社を対象として実施していないため、目標および実績は、当社の数値を記載しております。*3 2025年度末目標における役員とは、2026年3月末日時点の取締役、執行役、Corporate SEVP、Corporate EVPおよびCorporate SVP(執行役、Corporate SEVP、Corporate EVPおよびCorporate SVP については2025年度内に決定された2026年4月1日付異動を含みます。)を指します。*4 全管理職に占める女性の割合は、「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出しています。また、2025年度末目標は、2025年度内に決定された2026年4月1日付異動を含みます。*5 2024年度に目標を10,000名から引き上げました。
戦略 (2)戦略並びに指標及び目標のうち重要なもの① 当社のマテリアリティ並びに指標及び実績 当社では、サステナビリティ経営におけるESG視点の経営優先テーマである「マテリアリティ」特定にあたり、グローバルなガイドラインを参考に、リスク低減と成長・機会創出の両面で、自社と社会の双方への影響を評価しています。その特定の過程においては、SAコミッティなどで社外有識者の意見を取り入れるほか、内容に応じて経営会議、事業戦略会議、リスク・コンプライアンス委員会で審議し、取締役会に報告しています。また、マテリアリティは、外部環境変化や財務・非財務指標間の相関・因果分析などを踏まえ、事業戦略の修正に応じて適宜見直しを行うことで、実効性のある取り組み目標としています。 「2025中期経営計画」においては、「人権尊重を最優先にしたAI提供と利活用(AIと人権)」、「多様な人材の育成とカルチャーの変革」、「ICTの可能性を最大限に広げるセキュリティ」など、リスク低減および成長率向上を目的とする7つのテーマを「基盤マテリアリティ」と位置付け、「2025中期経営計画」の成長事業が創出を目指す5つの社会・環境テーマを、成長・機会の創出と成長率向上を目的とした「成長マテリアリティ」として整理したうえで、マテリアリティの進捗を図るための指標である2025年度KPIを設定しました。2023年度の取組み実績は次のとおりです。   *1 2023年度に目標を変更したもの   *2 2024年度に目標を引き上げたもの   *3 2025年度内に決定された2026年4月1日付異動を含む。   *4 2026年3月末日時点の当社の取締役、執行役、Corporate SEVP、Corporate EVPおよびCorporate SVP(執行役、Corporate SEVP、Corporate EVPおよびCorporate SVP については2025年度内に決定された2026年4月1日付異動を含む。)   *5 2024年3月末日時点。2024年4月1日の女性管理職比率は10.2%   *6 2024年3月末日時点の当社の取締役、執行役、Corporate SEVP、Corporate EVPおよびCorporate SVP。2024年4月1日の役員に占める女性または外国人の割合は15.8%   *7 他の2025年度KPIと同様に「2025中期経営計画」公表時点で設定していたが、内容の性質上、機関設計変更についての情報が公開されるまで公表を差し控えていたもの   *8 調達金額ベースでの比率 ・「気候変動(脱炭素)を核とした環境課題への対応」の実績値は、本有価証券報告書提出日現在集計中のため、サステナビリティ情報を掲載した当社のウェブサイトや今後発行予定の「ESGデータブック2024」において報告予定です(「ESGデータブック2024」は、2024年度上期中に当社ウェブサイトで公表予定。)。・「サプライチェーンサステナビリティ」については、2023年度末時点で86%となり、昨年度に引き続き2025年度KPIである75%を達成しました。本比率は調達金額ベースであるため変動しますが、2025年度末時点においても達成できるよう取り組みを継続します。 ② NECグループの気候変動に関する戦略並びに指標及び目標 当社ではマテリアリティの一つとして「気候変動(脱炭素)を核とした環境課題への対応」を特定しており、事業におけるリスクの低減と事業を通じた社会貢献という両面から様々な活動に取り組んでいます。また、NECグループは、2017年に「気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)」への賛同を表明し、気候変動に関する戦略として、不確実な未来への対応力を高めるため、複数のシナリオで将来起こりうる社会を予想し、対応策を検討しています。気候変動に関する政府間パネルなどの公開情報やICTの動向および社会情勢をもとに、サプライチェーン全体における中長期的なシナリオ分析を行い、次のとおり事業のリスクと機会を認識しています。 <認識したリスク>リスクシナリオ(+1.5℃or 4.0℃)(*1)内容時間軸(*2)財務影響/年対策移行(*3) +1.5℃カーボンプライシングによるコスト増中期44億円 CO2排出量実質ゼロ(2040年)達成に向けた効率化の徹底と再生可能エネルギーの活用拡大レピュテーションリスクによる売上減短期35億円SBTイニシアティブ(*5)認定および再生可能エネルギーの活用拡大とグリーン電力の購入物理(*4)+4.0℃データセンターの気象災害(洪水、土砂崩れ、水不足など)の影響による事業停止に伴う売上減短期33億円非常用電源設備などの発電設備の強化(5日間稼働分の燃料の備蓄など)   *1 +1.5℃:脱炭素社会が実現し、2100年に気温が1.5℃上昇するシナリオ     +4.0℃:脱炭素社会が実現せず、2100年に気温が4℃上昇するシナリオ   *2 時間軸:短期=0~3年、中期=4~10年、長期=11~20年   *3 移行リスク:脱炭素社会への移行に伴って、政策・法務・技術革新・市場嗜好の変化などにより発生するリスク   *4 物理リスク:異常気象から引き起こされる事象による急性リスク(洪水や土砂災害など)と長期間での気候パターンの変化による慢性リスク(海面上昇や熱波、耕作適地の変化など)   *5 SBTイニシアティブ:企業に対し、科学的根拠に基づく二酸化炭素排出量削減目標を立てることを求めるため、カーボン・ディスクロージャー・プロジェクト(CDP)、国際連合グローバル・コンパクト(UNGC)、世界資源研究所(WRI)および世界自然保護基金(WWF)の4団体により設立されたイニシアティブ   <認識した機会>機会シナリオ(+1.5℃or 4.0℃)内容時間軸財務影響/年機会創出と拡大適応(*6)+4.0℃農業生産適地の変化への備えが進むことによる売上増中期-(*8)AIを用いて農作物栽培を支援するサービス「CropScope(クロップスコープ)」の提供適応/緩和(*7)+4.0℃災害に強い、GHG効率の高いデータセンターへのニーズ拡大による売上増中期57億円データセンターのエネルギー効率の改善(データセンターのグリーン化)緩和+1.5℃再生可能エネルギーの活用拡大に伴うエネルギーソリューションの売上増短期120億円仮想発電所(VPP)、電力需給管理、RA事業化(需給調整市場への参画)、xEMS(エネルギーマネジメントシステム)、再生可能エネルギーを活用したデータセンターサービス提供など   *6 適応:すでに生じている、あるいは将来予測される気候変動の影響による被害を回避・軽減させるために備えること *7 緩和:気候変動の原因となる温室効果ガスの排出量を減らすこと   *8 「農業生産適地の変化への備えが進むことによる売上増」の財務影響については、本有価証券報告書提出日現在算定中です。  当社は、2017年に策定した「2050年を見据えた気候変動対策指針」に基づき、2050年までに自社の事業活動に伴うCO2排出量(Scope1およびScope2(*9))を「実質ゼロ」とすることを目指していましたが、2021年9月に、「Business Ambition for 1.5℃(BA1.5℃)」に署名し、2050年までにScope3(*9)を含むサプライチェーン全体からのCO2排出量実質ゼロを宣言しました。また、2022年9月には、サプライチェーン全体からのCO2排出量を2040年までにゼロとすることをめざすイニシアティブ「The Climate Pledge」(TCP)に参加し、従来計画比で10年前倒しとなる2040年カーボンニュートラルを宣言しました。これらの目標を強化するため、マテリアリティの2025年度KPIを「Scope1およびScope2におけるCO2排出量を25.0%削減(2020年度比)」に見直しました(「
(2) 戦略並びに指標及び目標のうち重要なもの ①当社のマテリアリティ並びに指標及び実績」参照)。 また、当社は、2030年までに「Scope1およびScope2において55%削減(2017年度比)」、「Scope3のカテゴリ1(購入した製品・サービス)、カテゴリ3(Scope1およびScope2に含まれない燃料、エネルギー活動)およびカテゴリ11(販売した製品の使用)において33%削減(2017年度比)」という目標を掲げ、2021年5月にはSBTイニシアティブからSBT1.5℃の認定を受けていましたが、2040年カーボンニュートラルを宣言したことに伴い、2024年4月には、2030年度までに「Scope1、Scope2およびScope3のそれぞれ50%以上を削減((2020年度比)」という目標に強化したことなどに対して、SBTイニシアティブからNet-Zero目標の認定(*10)を受けました。 加えて、NECグループは、2021年に事業で使用する電力を100%再生可能エネルギーとすることを目指す国際イニシアティブである「RE100」(*11)に加盟し、再生可能エネルギーの利用拡大を進めており、既に当社本社ビルやNEC Cloud IaaSのデータセンターで使用する電力を100%再生可能エネルギー由来に置き換えています。2023年度には、RE100の目標達成年度を2050年から2040年に前倒ししています。  NECグループの気候変動の取り組みの詳細は、以下の当社ウェブサイトに掲載しています。 なお、当該ウェブサイトの更新予定日は未定ですが、内容に更新があれば遅滞なく更新します。 https://jpn.nec.com/sustainability/ja/eco/risk.html *9 Scope1:事業者が所有または管理する排出源から発生する温室効果ガスの直接排出 Scope2:電気、蒸気、熱の使用に伴う温室効果ガスの間接排出 Scope3:Scope1およびScope2以外の事業者の関連する他社の温室効果ガス排出   *10 Net-Zero目標の認定 :2030年度までに2020年度比で、Scope1、Scope2およびScope3のそれぞれ50%以上を削減し、2040年度までに90%以上削減を目指す。まずはこの削減を最優先し、削減が非常に困難な残余排出量は、吸収クレジットで中和することでNet-Zeroの達成を目指す。*11 RE100 :企業が自ら事業の使用電力を100%再生可能エネルギーで賄うことを目指す国際的なイニシアティブ (3) 人的資本(人材の多様性を含む)に関する戦略 当社の人的資本に関する戦略(人材の多様性の確保を含む人材の育成に関する方針および社内環境整備に関する方針を含みます。)は、以下のとおりです。 ① HR方針 NECグループは、最大の経営資源を「人」と位置づけ、組織と人材の力を最大限に活かすための制度改革や環境整備を「人への投資」として進めてきました。2019年には、HR(Human Resources)方針「挑戦する人の、NEC。」を策定し、社員一人ひとりへの多様な挑戦・限りない成長機会の提供、フェアな評価、挑戦する社員がベストを尽くせるような環境やカルチャーの変革を進めています。 (イ)多様な挑戦機会 社内人材公募制度(NEC Growth Careers)の拡充に取り組んでいます。機械学習を用いたAIレコメンド機能を導入しており、ポジションマッチングを加速させることでNECグループ内の人材の流動性を促進し、個人と組織が互いに選び選ばれる対等な関係を目指しています。また、2020年度にNECライフキャリア㈱を設立して以来、社員のキャリア自律・スキル開発支援を強化しています。具体的には、年間約6,000名以上が参加するキャリアデザインワークショップや年間約3,500名が利用するキャリア面談など、社員が自律的にキャリアを形成するための支援のほか、社員のスキルアップデートおよび行動変容を加速させるリスキリングプログラムを提供しています。 (ロ)限りない成長機会 Code of Valuesを高次元で体現するとともに、新しい発想、柔軟な視点、豊富な経験・実績を活かした変革型リーダーシップを兼ね備えたNECグループを牽引するリーダーを育成することを目的に、将来の経営リーダーを育成するプログラム「NEC Talent Acceleration Program(NTAP)」を展開しています。また、タフアサインメントやトレーニングなどの豊富な成長機会を計画的・意図的に付与し、グローバルマーケットで勝ち続ける強い経営リーダー、強い経営チームを創出する取り組みを行っています。 (ハ)フェアな評価および次へ繋がるリワード ジョブ型人材マネジメントの実現に向けて人事の仕組み全体を整備する中で、2024年4月からジョブグレード体系と報酬制度を改めています。市場価値を反映した競争力のある報酬体系へ移行し、年齢、性別などにかかわらずパフォーマンスに応じたフェアな評価とフィードバックの徹底をはかっています。これらの制度については、各種法令、労働協約および社内規程に基づいており、役割と成果に応じた適正な賃金、賞与を支給しています。 (ニ)社員がベストを尽くせる環境、文化の実現 社員一人ひとりが働きやすさだけでなく働きがいを持って高いパフォーマンスを発揮し、自律的に自己実現を描けるような環境づくりに取り組んでいます。 福利厚生においては、社員一人ひとりに向けた取り組みの一つとして、Growth & Well-beingをコンセプトに、社員の自律的な成長・自己実現を支援する制度の拡充を行っています。また、健康経営にも注力しており、健康診断結果データを活用し、AIが従業員の生活習慣改善を提案する「健診結果予測シミュレーション」の実施やヘルスケアサポートを展開しています。仕事と育児の両立支援にも力を入れて各種制度の拡充・活用促進に取り組んでおり、NECグループの複数の会社において、次世代育成支援対策推進法に基づく一般事業主行動計画に定めた目標を達成し、一定の基準を満たした企業として、厚生労働大臣の認定(通称「くるみん認定」)を受け、当社を含む複数の会社は、その中でも高い水準の取組みを行っていると評価され、「プラチナくるみん認定」を受けています。 さらに、社員のWell-beingと成長の実現のためには組織の観点での取組みも重要であると位置づけており、チームの力を最大限に引き出すことで組織パフォーマンスを高めることにも注力しています。例えば、ワークプレイスについては、社内外のコラボレーション空間を拡充しているほか、チームの生産性を高めるために、Digital Technologyの活用や働き方ルールのアップデートをはかっています。 ② 「2025中期経営計画」の実現 NECグループでは、「2025中期経営計画」において企業価値の最大化に向けたPurpose・戦略・文化の一体的な取り組みを経営方針としており、文化の観点でエンゲージメントスコアを中核指標と位置付けています。その取り組みを加速するために「2025人事中計経営戦略」として重点テーマを掲げており、多様なタレント人材の活躍、働き方マインドセット改革、「適時適所適材」の実現およびタレントマネジメントという4つの柱を定めています。これらの取り組みを通じて、市場やお客さまのみならず働く人からも選ばれ続ける企業(Employer of Choice)を目指しています。 (イ)多様なタレント人材の活躍 様々な視点、知見、専門性を持つ人材が活躍し、その違いを活かして変化にしなやかに対応できる・勝ち続けることができる「組織としての総合力」を高めることを目指しています。 多様な人材が活躍し、多角的な視点やアイデアが尊重されるカルチャーを醸成することは、イノベーションの創出のために必須かつ重要な経営戦略の一環であると考えています。そのための施策として、グローバルな人材活用、キャリア採用の拡充、女性の活躍推進、障がい者の雇用促進および性的マイノリティに対する理解と支援の促進などに取り組んでいます。このようなインクルージョン&ダイバーシティへの取り組みは、「NEC Way」におけるPrinciplesで掲げる「人権の尊重」の実践に位置付けられています。 (ロ)働き方マインドセット改革 従来推進してきた社員一人ひとりが自律的に働く場所、時間をデザインする働き方に加え、2024年度からは互いに直接のコミュニケーションを行う場を活用した働き方を推進していきます。具体的には、当社においてはFace to Faceの機会を原則として40%(週2日)以上設けることを基本的な考え方とし、NECグループ各社においても各社の業態に応じてチームとしてのパフォーマンスの最大化に取り組みます。これにより、より健康で、かつ生産性および創造性の高い働き方を実現していきます。 (ハ)「適時適所適材」の実現 社会価値を創造しグローバル競争に勝つために重要となるのが、「適時適所適材」の実現です。市場の変化にしなやかかつスピーディに対応するために、戦略起点で適時にその実行に必要な組織・ポジションを設計し、社内外から最適な人材を登用していきます。 当社は、ジョブ型人材マネジメントを目指して、2018年度の評価制度改革から開始し、段階的に制度・仕組みを導入してきました。2024年4月からは、全従業員向けにジョブ型人材マネジメントを適用しています。また、社内人材公募制度(NEC Growth Careers)の拡充やNECライフキャリア㈱によるキャリア形成支援も合わせることで、会社主導のキャリア形成から脱却し、社員自らがキャリアを選択し、行動するキャリアオーナーシップの強化をはかっています。NECグループは、社会価値を創造しグローバルで「勝ち続ける企業」となるために、会社としての「適時適所適材」および社員一人ひとりの「キャリア自律」を実現し、社員および会社が「選び・選ばれる」関係において双方が成長することで、強い個人・組織を作ることを目指しています。 (ニ)タレントマネジメント 「2025中期経営計画」に掲げる「国内IT事業のトランスフォーメーション」実現のため、社会価値を創造・実装し続けるDX人材(*1)を12,000名(*2)確保する計画を掲げ、DX人材育成の強化を進めています。また、次世代リーダー人材の育成として、有望人材にタフアサインメントやトレーニングなどの豊富な成長機会を提供し、成長のスピードを加速する取り組みを行っています。 *1 当社が各定義および要件を定めるコンサルタント、データサイエンティスト、サイバーセキュリティ人材などを指しており、当社および次の連結子会社等を対象としています。NECプラットフォームズ㈱、NECソリューションイノベータ㈱、日本電気通信システム㈱、NECネクサソリューションズ㈱、NECビジネスインテリジェンス㈱、NECネットワーク・センサ㈱、NECスペーステクノロジー㈱、日本電気航空宇宙システム㈱、NECライフキャリア㈱、㈱日本電気特許技術情報センター、NEC企業年金基金*2 2024年度に目標を10,000名から引き上げました。
指標及び目標 (4) 人的資本(人材の多様性を含む)に関する指標及び目標 上記「(3)人的資本(人材の多様性を含む)に関する戦略」における「2025中期経営計画」およびそれに沿った「2025人事中期経営戦略」において、達成指標を設けています。 ① 2025中期経営計画・文化における指標:エンゲージメントスコア50%(2025年度) 「NEC Way」のもとに多様な人材が集い、イノベーションを追求する会社、社員に選ばれる会社を目指し、2025年度にエンゲージメントスコア(*1)50%を達成することを目標として掲げています。2023年度のエンゲージメントスコアは39%であり、毎年度継続して上昇しています。 ② 2025人事中期経営戦略:多様なタレント人材の活躍 女性や外国人従業員に代表される多様な人材の積極的な登用と計画的な育成により、イノベーションの源泉であるダイバーシティを加速させます。2025年度末までに達成を目指す目標および2023年度末の実績(*2)は、次のとおりです。区分2025年度末目標2023年度末実績役員(*3)に占める女性または外国人の割合(%)2015.3全管理職に占める女性の割合(%)(*4)209.2 ③ 2025人事中期経営戦略:タレントマネジメント 育成と獲得により、2025年度にDX人材を12,000名(*5)とすることを目標として掲げています。2024年3月末日現在、DX人材は10,376名在籍しています。 *1 One NECサーベイ(キンセントリック社によるグローバルサーベイを利用)に参画している当社および連結子会社(2023年度は45社)における調査結果に基づきます。目標値であるエンゲージメントスコア50%は、「2025中期経営計画」を策定した2021年5月時点で、グローバル企業の上位25%タイルに相当します。*2 本指標における取組みは、連結グループに属する全ての会社を対象として実施していないため、目標および実績は、当社の数値を記載しております。*3 2025年度末目標における役員とは、2026年3月末日時点の取締役、執行役、Corporate SEVP、Corporate EVPおよびCorporate SVP(執行役、Corporate SEVP、Corporate EVPおよびCorporate SVP については2025年度内に決定された2026年4月1日付異動を含みます。)を指します。*4 全管理職に占める女性の割合は、「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出しています。また、2025年度末目標は、2025年度内に決定された2026年4月1日付異動を含みます。*5 2024年度に目標を10,000名から引き上げました。
人材の育成及び社内環境整備に関する方針、戦略 (3) 人的資本(人材の多様性を含む)に関する戦略 当社の人的資本に関する戦略(人材の多様性の確保を含む人材の育成に関する方針および社内環境整備に関する方針を含みます。)は、以下のとおりです。 ① HR方針 NECグループは、最大の経営資源を「人」と位置づけ、組織と人材の力を最大限に活かすための制度改革や環境整備を「人への投資」として進めてきました。2019年には、HR(Human Resources)方針「挑戦する人の、NEC。」を策定し、社員一人ひとりへの多様な挑戦・限りない成長機会の提供、フェアな評価、挑戦する社員がベストを尽くせるような環境やカルチャーの変革を進めています。 (イ)多様な挑戦機会 社内人材公募制度(NEC Growth Careers)の拡充に取り組んでいます。機械学習を用いたAIレコメンド機能を導入しており、ポジションマッチングを加速させることでNECグループ内の人材の流動性を促進し、個人と組織が互いに選び選ばれる対等な関係を目指しています。また、2020年度にNECライフキャリア㈱を設立して以来、社員のキャリア自律・スキル開発支援を強化しています。具体的には、年間約6,000名以上が参加するキャリアデザインワークショップや年間約3,500名が利用するキャリア面談など、社員が自律的にキャリアを形成するための支援のほか、社員のスキルアップデートおよび行動変容を加速させるリスキリングプログラムを提供しています。 (ロ)限りない成長機会 Code of Valuesを高次元で体現するとともに、新しい発想、柔軟な視点、豊富な経験・実績を活かした変革型リーダーシップを兼ね備えたNECグループを牽引するリーダーを育成することを目的に、将来の経営リーダーを育成するプログラム「NEC Talent Acceleration Program(NTAP)」を展開しています。また、タフアサインメントやトレーニングなどの豊富な成長機会を計画的・意図的に付与し、グローバルマーケットで勝ち続ける強い経営リーダー、強い経営チームを創出する取り組みを行っています。 (ハ)フェアな評価および次へ繋がるリワード ジョブ型人材マネジメントの実現に向けて人事の仕組み全体を整備する中で、2024年4月からジョブグレード体系と報酬制度を改めています。市場価値を反映した競争力のある報酬体系へ移行し、年齢、性別などにかかわらずパフォーマンスに応じたフェアな評価とフィードバックの徹底をはかっています。これらの制度については、各種法令、労働協約および社内規程に基づいており、役割と成果に応じた適正な賃金、賞与を支給しています。 (ニ)社員がベストを尽くせる環境、文化の実現 社員一人ひとりが働きやすさだけでなく働きがいを持って高いパフォーマンスを発揮し、自律的に自己実現を描けるような環境づくりに取り組んでいます。 福利厚生においては、社員一人ひとりに向けた取り組みの一つとして、Growth & Well-beingをコンセプトに、社員の自律的な成長・自己実現を支援する制度の拡充を行っています。また、健康経営にも注力しており、健康診断結果データを活用し、AIが従業員の生活習慣改善を提案する「健診結果予測シミュレーション」の実施やヘルスケアサポートを展開しています。仕事と育児の両立支援にも力を入れて各種制度の拡充・活用促進に取り組んでおり、NECグループの複数の会社において、次世代育成支援対策推進法に基づく一般事業主行動計画に定めた目標を達成し、一定の基準を満たした企業として、厚生労働大臣の認定(通称「くるみん認定」)を受け、当社を含む複数の会社は、その中でも高い水準の取組みを行っていると評価され、「プラチナくるみん認定」を受けています。 さらに、社員のWell-beingと成長の実現のためには組織の観点での取組みも重要であると位置づけており、チームの力を最大限に引き出すことで組織パフォーマンスを高めることにも注力しています。例えば、ワークプレイスについては、社内外のコラボレーション空間を拡充しているほか、チームの生産性を高めるために、Digital Technologyの活用や働き方ルールのアップデートをはかっています。 ② 「2025中期経営計画」の実現 NECグループでは、「2025中期経営計画」において企業価値の最大化に向けたPurpose・戦略・文化の一体的な取り組みを経営方針としており、文化の観点でエンゲージメントスコアを中核指標と位置付けています。その取り組みを加速するために「2025人事中計経営戦略」として重点テーマを掲げており、多様なタレント人材の活躍、働き方マインドセット改革、「適時適所適材」の実現およびタレントマネジメントという4つの柱を定めています。これらの取り組みを通じて、市場やお客さまのみならず働く人からも選ばれ続ける企業(Employer of Choice)を目指しています。 (イ)多様なタレント人材の活躍 様々な視点、知見、専門性を持つ人材が活躍し、その違いを活かして変化にしなやかに対応できる・勝ち続けることができる「組織としての総合力」を高めることを目指しています。 多様な人材が活躍し、多角的な視点やアイデアが尊重されるカルチャーを醸成することは、イノベーションの創出のために必須かつ重要な経営戦略の一環であると考えています。そのための施策として、グローバルな人材活用、キャリア採用の拡充、女性の活躍推進、障がい者の雇用促進および性的マイノリティに対する理解と支援の促進などに取り組んでいます。このようなインクルージョン&ダイバーシティへの取り組みは、「NEC Way」におけるPrinciplesで掲げる「人権の尊重」の実践に位置付けられています。 (ロ)働き方マインドセット改革 従来推進してきた社員一人ひとりが自律的に働く場所、時間をデザインする働き方に加え、2024年度からは互いに直接のコミュニケーションを行う場を活用した働き方を推進していきます。具体的には、当社においてはFace to Faceの機会を原則として40%(週2日)以上設けることを基本的な考え方とし、NECグループ各社においても各社の業態に応じてチームとしてのパフォーマンスの最大化に取り組みます。これにより、より健康で、かつ生産性および創造性の高い働き方を実現していきます。 (ハ)「適時適所適材」の実現 社会価値を創造しグローバル競争に勝つために重要となるのが、「適時適所適材」の実現です。市場の変化にしなやかかつスピーディに対応するために、戦略起点で適時にその実行に必要な組織・ポジションを設計し、社内外から最適な人材を登用していきます。 当社は、ジョブ型人材マネジメントを目指して、2018年度の評価制度改革から開始し、段階的に制度・仕組みを導入してきました。2024年4月からは、全従業員向けにジョブ型人材マネジメントを適用しています。また、社内人材公募制度(NEC Growth Careers)の拡充やNECライフキャリア㈱によるキャリア形成支援も合わせることで、会社主導のキャリア形成から脱却し、社員自らがキャリアを選択し、行動するキャリアオーナーシップの強化をはかっています。NECグループは、社会価値を創造しグローバルで「勝ち続ける企業」となるために、会社としての「適時適所適材」および社員一人ひとりの「キャリア自律」を実現し、社員および会社が「選び・選ばれる」関係において双方が成長することで、強い個人・組織を作ることを目指しています。 (ニ)タレントマネジメント 「2025中期経営計画」に掲げる「国内IT事業のトランスフォーメーション」実現のため、社会価値を創造・実装し続けるDX人材(*1)を12,000名(*2)確保する計画を掲げ、DX人材育成の強化を進めています。また、次世代リーダー人材の育成として、有望人材にタフアサインメントやトレーニングなどの豊富な成長機会を提供し、成長のスピードを加速する取り組みを行っています。 *1 当社が各定義および要件を定めるコンサルタント、データサイエンティスト、サイバーセキュリティ人材などを指しており、当社および次の連結子会社等を対象としています。NECプラットフォームズ㈱、NECソリューションイノベータ㈱、日本電気通信システム㈱、NECネクサソリューションズ㈱、NECビジネスインテリジェンス㈱、NECネットワーク・センサ㈱、NECスペーステクノロジー㈱、日本電気航空宇宙システム㈱、NECライフキャリア㈱、㈱日本電気特許技術情報センター、NEC企業年金基金*2 2024年度に目標を10,000名から引き上げました。
人材の育成及び社内環境整備に関する方針に関する指標の内容並びに当該指標を用いた目標及び実績、指標及び目標 (4) 人的資本(人材の多様性を含む)に関する指標及び目標 上記「(3)人的資本(人材の多様性を含む)に関する戦略」における「2025中期経営計画」およびそれに沿った「2025人事中期経営戦略」において、達成指標を設けています。 ① 2025中期経営計画・文化における指標:エンゲージメントスコア50%(2025年度) 「NEC Way」のもとに多様な人材が集い、イノベーションを追求する会社、社員に選ばれる会社を目指し、2025年度にエンゲージメントスコア(*1)50%を達成することを目標として掲げています。2023年度のエンゲージメントスコアは39%であり、毎年度継続して上昇しています。 ② 2025人事中期経営戦略:多様なタレント人材の活躍 女性や外国人従業員に代表される多様な人材の積極的な登用と計画的な育成により、イノベーションの源泉であるダイバーシティを加速させます。2025年度末までに達成を目指す目標および2023年度末の実績(*2)は、次のとおりです。区分2025年度末目標2023年度末実績役員(*3)に占める女性または外国人の割合(%)2015.3全管理職に占める女性の割合(%)(*4)209.2 ③ 2025人事中期経営戦略:タレントマネジメント 育成と獲得により、2025年度にDX人材を12,000名(*5)とすることを目標として掲げています。2024年3月末日現在、DX人材は10,376名在籍しています。 *1 One NECサーベイ(キンセントリック社によるグローバルサーベイを利用)に参画している当社および連結子会社(2023年度は45社)における調査結果に基づきます。目標値であるエンゲージメントスコア50%は、「2025中期経営計画」を策定した2021年5月時点で、グローバル企業の上位25%タイルに相当します。*2 本指標における取組みは、連結グループに属する全ての会社を対象として実施していないため、目標および実績は、当社の数値を記載しております。*3 2025年度末目標における役員とは、2026年3月末日時点の取締役、執行役、Corporate SEVP、Corporate EVPおよびCorporate SVP(執行役、Corporate SEVP、Corporate EVPおよびCorporate SVP については2025年度内に決定された2026年4月1日付異動を含みます。)を指します。*4 全管理職に占める女性の割合は、「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出しています。また、2025年度末目標は、2025年度内に決定された2026年4月1日付異動を含みます。*5 2024年度に目標を10,000名から引き上げました。
経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
※当連結会計年度から、セグメントを変更しています。また、前連結会計年度との比較数値については、前連結会計年度の数値を新たなセグメントに組み替えて表示しています。 (1) 経営成績等の状況の概要当連結会計年度におけるNECグループの財政状態、経営成績およびキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりです。 ① 財政状態および経営成績の状況当連結会計年度の経済環境は、欧米を中心に物価水準の高止まりとこれまでの金融引き締め政策などの影響により、世界経済における改善ペースが緩やかなものとなりました。また、日本経済においても、物価高などの影響により、民間需要を中心に改善ペースが緩やかなものとなりました。このような事業環境のもと、NECグループは、2021年5月に発表した「2025中期経営計画」に基づき、Purpose・戦略・文化の一体的な取り組みを経営方針に掲げて、事業活動を行いました。「戦略」においては、2023年4月から事業セグメントを「ITサービス」および「社会インフラ」に変更し、各事業を推進しています。「ITサービス」のうち、国内ITサービス事業では、継続的にIT投資が旺盛だったことに加えて、DX(デジタルトランスフォーメーション)の領域における需要の高まりを背景に、NECデジタルプラットフォームに関するビジネスとコンサル起点ビジネスが拡大しました。NECデジタルプラットフォームについては、特に成長が見込まれる生成AIの事業戦略において、2023年7月に当社独自の生成AIの開発・提供開始を発表した後、2023年11月に相模原市と共同検証を開始しました。そして、2023年12月には、これに生成AI「cotomi(コトミ)」という名称を付けたうえで、更なる性能の強化・拡充を発表しました。コンサル起点ビジネスについては、当社子会社であるアビームコンサルティング㈱を中心に、お客様の産業・経営アジェンダに対応した変革テーマの創出と変革ロードマップを策定するなど価値共創ビジネスを拡大しました。また、DX領域の技術者も2020年度末時点の2倍に相当する1万人超を確保するなど人材も強化しました。海外ITサービス事業(デジタル・ガバメントおよびデジタル・ファイナンス)は、2023年6月に当社子会社であるアバロク社がアメリカの資産運用会社であるブラックロック社と戦略的パートナーシップを締結しました。このパートナーシップによりクライアントへの更なる付加価値の提供が可能になりました。「社会インフラ」のうち、テレコムサービス事業では、グローバル5Gに関して、国内5G基地局を中心に商用商談の開拓と、ソフトウェア・サービスを中心とした高付加価値事業へのシフトを進め、㈱NTTドコモの5G商用サービス向け仮想化基地局(vRAN)ベンダーに選定されました。また、海外5G領域においては、コストコントロールを徹底することで財務の健全化をはかったことなどにより、収益性が改善しました。エアロスペース・ナショナルセキュリティ領域では、ナショナルセキュリティへの意識の高まりを背景とした日本政府の防衛予算の増加に伴い、案件の獲得が増加しており今後の成長が期待されます。次の柱となる新規事業開発にも取り組んでおり、ヘルスケア・ライフサイエンス事業では、バイオテクノロジー企業であるフランスのトランスジーン社およびAIによる分子・免疫プロファイリングのリーディング企業であるアメリカのボストンジーン社の2社と、頭頸部がんに対する個別化ネオアンチゲンがんワクチンの第I/II相臨床試験に向けた協業を拡大しました。また、デジタルヘルスケアサービスである「フォーネスビジュアス(FonesVisuas)」においても、「検査日から5年以内の認知症の発症リスク予測」、「4年以内の慢性腎不全の発症リスク予測」および「『たばこの影響』による現在の体の状態」の3つを新たな検査項目として追加したうえで、提供を開始しました。農業領域では、住友商事㈱と協力してAIを用いて農作物栽培を支援するサービス「CropScope(クロップスコープ)」を2024年中にグローバルに展開し、テクノロジーで食料の安定生産を支援していきます。コーポレート・ガバナンスについては、取締役会の監督機能の強化と、取締役会から執行役への大幅な権限委譲による意思決定と事業遂行の迅速化を目的とし、指名委員会等設置会社へと移行しました。また、2024年3月には上場子会社であった日本航空電子工業㈱の株式を一部売却し、非連結化しました。「文化」においては、「2025中期経営計画」に基づいた施策として、主に「『ジョブ型人材マネジメント』への移行に向けた人事制度改定」、「『Inclusion & Diversity』の加速」および「『経営インフラ』の高度化」を実行しました。「ジョブ型人材マネジメント」については、2024年4月から全社員に導入しましたが、これに先駆けて2023年度から統括部長以上に導入し、会社としての「適時適所適材」を進めるとともに、社員のキャリア自律をサポートする仕組みと環境の下地を構築しました。「Inclusion & Diversity」については、多様な人材が活躍する会社を目指して、キャリア採用者や女性・外国人社員の登用を進めており、特に役員における女性・外国人の割合が2年間で約10ポイント向上しました(*)。「経営インフラ」については、フラッグシップとして社内基幹システムを刷新し、2023年度から順次機能を稼働させました。これにより、会社全体の商談プロセスを標準化・システム化し、商談段階でのオペレーションを改善しました。また、NECグループが世界に誇る生体認証技術やデジタルIDを活用したオフィス入退場、業務用パソコンへのログイン、社内売店での決済などに加え、各種業務での生成AIの活用などにより、当社自身をゼロ番目のクライアントとして最先端のテクノロジーを実践する「クライアントゼロ」の考え方のもと、当社が先んじて課題に取り組み変革を推進しています。また、そこで得た経験をリファレンスとしてお客様や社会に提供したいと考えています。「NEC 2030VISION」で示した未来の社会像の実現に向けて自らその構想を発信し、ステークホルダーとともに新たな価値の創造と社会への実装を目指すソートリーダーシップ活動として、スイスで行われたダボス会議への参加や、NECグループのシンクタンクである㈱国際社会経済研究所の体制強化、NECグループの注力領域に関するホワイトペーパーの発行などを行い、未来の共感創りの加速と成長事業の社会実装への貢献を推進しました。これらの取り組みに加え、経営幹部と社員との継続的なコミュニケーションを実施したことなどにより、「2025中期経営計画」で指標に掲げたエンゲージメントスコアが、2020年度の25%から39%へと改善しました。なお、「2025中期経営計画」では、エンゲージメントスコアを50%まで上げることを目標としており、これは概ねグローバル上位25パーセンタイルに該当します。このような経営環境のもと、当連結会計年度の売上収益は3兆4,773億円(前連結会計年度比5.0%増)、営業利益は1,880億円の利益(同176億円増加)、調整後営業利益は2,236億円の利益(同180億円増加)、Non-GAAP営業利益は2,276億円の利益(同305億円増加)、税引前利益は1,850億円の利益(同173億円増加)、親会社の所有者に帰属する当期利益は1,495億円の利益(同350億円増加)、親会社の所有者に帰属するNon-GAAP当期利益は1,778億円の利益(同450億円増加)となりました。また、当連結会計年度のフリー・キャッシュ・フロー(「営業活動によるキャッシュ・フロー」と「投資活動によるキャッシュ・フロー」の合計額)は、1,952億円の収入となりました。当連結会計年度末の有利子負債(短期借入金、コマーシャル・ペーパー、1年内返済予定の長期借入金、1年内償還予定の社債、社債、長期借入金およびリース負債を合計したもの)残高は、前連結会計年度末に比べ598億円減少し、5,486億円となり、デット・エクイティ・レシオ(D/Eレシオ、自己資本(「資本合計」から「非支配持分」を控除したもの)に対する有利子負債の割合)は、0.29倍(前連結会計年度末比0.08ポイント改善)となりました。なお、有利子負債残高から現金及び現金同等物の残高を控除した有利子負債残高(NETベース)は、前連結会計年度末に比べ1,169億円減少の722億円となり、デット・エクイティ・レシオ(NETベース)は0.04倍(前連結会計年度末比0.08ポイント改善)となりました。 * 2021年4月1日時点の取締役、監査役および執行役員に占める女性・外国人の割合と2023年7月1日時点の取締役、執行役、Corporate SEVP、Corporate EVPおよびCorporate SVPに占める女性・外国人の割合を比較しています。 ② キャッシュ・フローの状況当連結会計年度の営業活動によるキャッシュ・フローは、2,712億円の収入で、前連結会計年度に比べ1,191億円増加しました。これは運転資金の改善や税引前利益が増加したことなどによるものです。投資活動によるキャッシュ・フローは、760億円の支出で、前連結会計年度に比べ264億円支出額が増加しました。これは有形固定資産の取得の増加などによるものです。この結果、営業活動によるキャッシュ・フローと投資活動によるキャッシュ・フローを合算したフリー・キャッシュ・フローは1,952億円の収入となり、前連結会計年度に比べ927億円増加しました。財務活動によるキャッシュ・フローは、子会社において償還オプション付優先株式の発行による収入などがあったものの、リース負債の返済や長期借入金の返済による支出などにより、1,555億円の支出となりました。現金及び現金同等物に係る為替変動による影響は、173億円の増加となりました。上記の結果、現金及び現金同等物は、4,765億円となり、前連結会計年度末に比べ570億円増加しました。 ③ 生産、受注および販売の実績NECグループの生産・販売品目は広範囲かつ多種多様であり、同種の製品であっても、その容量、構造、形式等は必ずしも一様ではなく、また受注生産形態をとらない製品も多いため、セグメントごとに生産規模、受注規模を金額あるいは数量で示すことはしていません。このため、生産、受注および販売の状況については、「
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容」におけるセグメントの業績に関連づけて示しています。なお、外部顧客への売上収益のうち、連結損益計算書の売上収益の10%以上を占める相手先がないため、主要な販売先に関する記載を省略しています。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容経営者の視点によるNECグループの経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容は次のとおりです。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、NECグループが判断したものです。連結財務諸表の作成には、期末日における資産、負債、偶発資産および偶発債務ならびに会計期間における収益および費用に影響を与えるような見積りや仮定を必要とします。結果として、このような見積りと実績が異なる場合があります。 ① 当社の概要(主な事業内容)および経営成績に重要な影響を与える要因NECグループの売上は、2つの主要なセグメントであるITサービス事業、社会インフラ事業から生じます。各セグメントの製品およびサービス等の概要は、「第一部 企業情報 第1 企業の概況 3 事業の内容」に記載のとおりです。NECグループの各セグメントの業績は、景気動向およびIT投資の動向や通信事業者の投資動向等に左右されます。 経営成績に重要な影響を与えるその他の要因につきましては、「第一部 企業情報 第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおりです。 ② 重要性がある会計方針および見積り経営陣は、次の重要性がある会計方針の適用における見積りや仮定が連結財務諸表に重要な影響を与えると考えています。 重要性がある会計方針および見積りにつきましては、「第一部 企業情報 第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 連結財務諸表注記 3.重要性がある会計方針」と「第一部 企業情報 第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 連結財務諸表注記 4.重要な会計上の見積り及び見積りを伴う判断」に記載のとおりです。 ③ 当連結会計年度の経営成績の分析当連結会計年度の売上収益は、3兆4,773億円と前連結会計年度に比べ1,642億円(5.0%)増加しました。これは、ITサービス事業および社会インフラ事業が増収となったことによるものです。収益面につきましては、営業利益は、前連結会計年度に比べ176億円増加し、1,880億円の利益となりました。これは、売上収益の増加などによるものです。また、調整後営業利益は、前連結会計年度に比べ180億円増加し、2,236億円の利益となり、Non-GAAP営業利益は、前連結会計年度に比べ305億円増加し、2,276億円の利益となりました。税引前利益は、営業利益が増加したことなどにより、前連結会計年度に比べ173億円増加し、1,850億円の利益となりました。親会社の所有者に帰属する当期利益は、税引前利益が増加したことなどにより、前連結会計年度に比べ350億円増加し、1,495億円の利益となりました。また、親会社の所有者に帰属するNon-GAAP当期利益は、前連結会計年度に比べ450億円増加し、1,778億円の利益となりました。セグメント別実績については次のとおりです。なお、各セグメント別の売上収益については、外部顧客に対する売上収益を記載しています。 a.ITサービス事業売上収益1兆9,151億円(前連結会計年度比    9.1%増)調整後営業利益2,081億円(    同     401億円増加) ITサービス事業の売上収益は、国内の企業向けおよび官公庁向けが好調に推移したことなどにより、前連結会計年度に比べ1,602億円(9.1%)増加し、1兆9,151億円となりました。調整後営業利益は、売上の増加に加え、システム構築領域の収益性向上などにより、前連結会計年度に比べ401億円増加し、2,081億円の利益となりました。 b.社会インフラ事業売上収益1兆840億円(前連結会計年度比    2.1%増)調整後営業利益754億円(    同     16億円増加) 社会インフラ事業の売上収益は、防衛向けが増加したことなどにより、前連結会計年度に比べ218億円(2.1%)増加し、1兆840億円となりました。調整後営業利益は、通信事業者向けで不採算案件や棚卸資産の評価引当など一過性の費用を計上したものの、売上の増加に加え、5G事業の収益性改善などにより、前連結会計年度に比べ16億円増加し、754億円の利益となりました。 c.その他売上収益4,781億円(前連結会計年度比    3.6%減)調整後営業利益184億円(    同     54億円減少) その他の売上収益は、前連結会計年度に比べ177億円(3.6%)減少し、4,781億円となりました。調整後営業利益は、前連結会計年度に比べ54億円減少し、184億円の利益となりました。 財政状態につきましては、当連結会計年度末の総資産は4兆2,275億円と、前連結会計年度末に比べ2,435億円増加しました。流動資産は、営業債権及びその他の債権や契約資産が増加したことなどにより、前連結会計年度末に比べ1,459億円増加し、2兆1,418億円となりました。非流動資産は、その他の非流動資産の増加や為替変動などによるのれんの増加などにより、前連結会計年度末に比べ976億円増加し、2兆857億円となりました。 負債は、2兆1,380億円と前連結会計年度末に比べ667億円増加しました。これは、営業債務及びその他の債務や契約負債などが増加したことなどによるものです。有利子負債残高は、前連結会計年度末に比べ598億円減少の5,486億円となり、デット・エクイティ・レシオは0.29倍(前連結会計年度末比0.08ポイント改善)となりました。また、有利子負債残高から現金及び現金同等物の残高を控除した有利子負債残高(NETベース)は、前連結会計年度末に比べ1,169億円減少の722億円となり、デット・エクイティ・レシオ(NETベース)は、0.04倍(前連結会計年度末比0.08ポイント改善)となりました。 資本は、配当金の支払があったものの、親会社の所有者に帰属する当期利益の計上に加え、為替変動に伴う在外営業活動体の換算差額の増加や、確定給付制度の再測定の増加など、その他の資本の構成要素が増加したことなどにより、前連結会計年度末に比べ1,768億円増加し、2兆895億円となりました。 この結果、親会社の所有者に帰属する持分は1兆9,156億円となり、親会社所有者帰属持分比率は45.3%(前連結会計年度末比4.6ポイント改善)となりました。 ④ 流動性と資金の源泉NECグループは、手許流動性、すなわち、現金及び現金同等物と複数の金融機関との間で締結したコミットメントライン契約の未使用額との合計額を今後の事業活動のための適切な水準に維持することを財務活動の重要な方針としています。当連結会計年度末は、現金及び現金同等物4,765億円、コミットメントライン未使用枠2,380億円、合計7,145億円の手許流動性を確保し、必要な流動性水準を維持しました。なお、現金及び現金同等物は主に円貨であり、その他は米ドルやユーロなどの外国通貨です。また、NECグループは、短期・長期の資金需要を満たすのに十分な調達の枠を維持しています。まず短期資金調達では、その多くを国内コマーシャル・ペーパーの機動的な発行で賄っており、5,000億円の発行枠を維持しています。さらに、不測の短期資金需要の発生やコマーシャル・ペーパーによる調達が不安定になった場合の備えとして、コミットメントライン枠計2,380億円を維持し、常時金融機関からの借入れが可能な体制を敷いています。一方、長期資金調達では、国内普通社債の発行枠2,600億円を維持しています。負債構成の考え方に関しては、必要資金の安定的な確保の観点から、十分な長期資金の確保、およびバランスのとれた直接・間接調達比率の維持を当面の基本方針としており、その状況を示すと次のとおりです。 前連結会計年度末当連結会計年度末長期資金調達比率 *170.8%75.0%直接調達比率 *238.5%42.7%*1 長期資金調達比率は、社債、長期借入金およびその他(1年超のリース債務)の合計を有利子負債で除して計算したものです。*2 直接調達比率は、社債(1年以内償還予定を含む)およびコマーシャル・ペーパーの合計を有利子負債で除して計算したものです。 (3)キャッシュ・フローの状況についてキャッシュ・フローの状況につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要」に記載のとおりです。 (4)経営戦略と今後の方針について経営戦略と今後の方針につきましては、「第一部 企業情報 第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりです。
経営上の重要な契約等 5【経営上の重要な契約等】
(1) 重要な技術導入、提供契約 2024年3月31日現在における重要な技術導入、技術提供等の契約は、次のとおりです。当 事 者契約の内容契約期間当社およびインターナショナル・ビジネス・マシーンズ社(米国)情報取扱装置に関する特許の相互実施許諾自:2006年9月28日至:対象特許の終了日当社およびインターナショナル・ビジネス・マシーンズ社(米国)情報取扱装置に関する特許の相互実施許諾自:2020年3月18日至:対象特許の終了日当社およびインテル社(米国)情報取扱装置に関する特許の相互実施許諾自:2005年2月5日至:対象特許の終了日当社およびマイクロソフト社(米国)情報取扱装置に関する特許の相互実施許諾自:2006年1月1日至:対象特許の終了日
研究開発活動 6【研究開発活動】
 NECグループは、安全・安心・公平・効率という社会価値を創造し、誰もが人間性を十分に発揮できる持続可能な社会を目指しています。その実現に向けて、社会価値創造の軸となる既存事業を発展させる技術や、社会に新たな価値を提供しうる将来事業向けの先進的な技術を創出し、かかる技術の事業化を加速することで、NECグループの持続的な発展を支えていきます。 具体的には、多種多様なデータの解析により新たな価値を創造する「データサイエンス」の技術領域と、これを効率的かつセキュアに支える「ICTプラットフォーム」の技術領域を中心に据え、研究開発を推進しています。 「データサイエンス」の技術領域では、長年にわたる技術の蓄積と事業実績、世界トップレベルの性能を持つAIの技術群等を活用し、実世界の見える化をはかることで従来よりも広く深い情報の収集・分析を行い、複雑化・不確実化する社会システムの将来を予測することによって、社会システム全体のデジタルトランスフォーメーションに貢献していきます。 「ICTプラットフォーム」の技術領域では、コンピューティングやネットワーキング、セキュリティの分野において、デジタルトランスフォーメーションの深化に対応するユニークな技術を発展させることにより、即時性・遠隔性・堅牢性とダイナミズムを実現するための研究開発に取り組んでいます。 また、NECグループは、社会や顧客が求める新たな価値を実現するための研究開発機能、これらの価値を提供するための事業開発機能、および価値ある知財を創出し活用するための知的財産戦略機能をグローバルイノベーションビジネスユニットに結集させ、「未来の共感」と「テクノロジー」でイノベーションを起こし、新たな社会価値創造を実現していきます。 さらに、グローバルに研究成果を創出するため、北米、欧州、シンガポール、中国、インド、イスラエルにも研究開発拠点を設置し、それぞれの地の利を生かした研究開発を推進しています。また、学術・研究機関、顧客、世界最先端の技術を有する研究パートナー等とのオープンイノベーションを通じて、より大きな社会価値を創出することに挑戦しています。 NECグループは、「2025中期経営計画」のもと、強い技術を生み出し続ける研究開発力と事業開発力とを統合することで技術と事業の繋がりを一層深め、技術力を顧客価値に転換し、「日本を含むグローバルでの事業フォーカス」、「国内IT事業のトランスフォーメーション」および「次の柱となる成長事業の創造」によって、成長の実現を目指します。  NECグループの当連結会計年度における主な研究開発活動の成果は、次のとおりです。 (ITサービス事業)高い日本語性能を有する軽量な生成AI「cotomi(コトミ)」を開発し提供を開始 当社は、独自の工夫と技術により、海外トップクラスのLLM(Large Language Model:大規模言語モデル)に比してパラメータ数を約13分の1に抑えた、クラウドとオンプレミスのいずれの環境でも運用可能な軽量・高速で高い日本語性能を有するカスタマイズ可能なLLMを開発し、本LLMの性能を強化および拡張した生成AI「cotomi」の提供を開始しました。当社は、cotomiの強化に継続して取り組んでおり、日本語対話能力の比較評価(Rakuda(注))において世界トップクラスのLLM群を上回ることを確認しています。さらに長文処理能力は他社比最大150倍の30万字まで対応可能となり、これにより、社内外の業務文書や社内マニュアルなど膨大な量の文書を扱う幅広い業務への活用を実現しています。 また、当社は、生成AI技術を統括する「生成AIセンター」を設立して、グローバル研究拠点の生成AI領域の先端研究者約100名をバーチャルに集約し、研究とビジネスのシームレスな連携により、生成AIの研究成果の製品化を加速します。注:日本語性能の評価方法。 (ITサービス事業)映像認識AI×LLMにより動画から説明文章を自動生成する技術を、世界で初めて開発 当社は、動画を活用した業務効率化や業務プロセスの革新を支援する技術として、LLMと映像認識AIを組み合わせ、長時間の動画から利用者の目的に応じた短縮動画と説明文章を自動生成する技術を開発しました。本技術をドライブレコーダーの動画分析に活用した場合、事故の発生状況や経緯などを説明する文章と短縮動画を自動で生成可能となり、従来は手作業で行っていた損害保険金請求時に使用する事故調査報告書などの作成にかかる時間を半減できます。 今後は、本技術を、看護・介護記録、製造・建設現場の作業記録、自動運転用AIの学習用データ作成などの支援、放送映像向けの特定コンテンツの収集とナレーション原稿の作成といったさまざまなユースケースに展開する予定です。 (その他)肺がん抗原と抗原特異的T細胞の効率的な同定法を開発 当社と愛知県がんセンターは、肺がん腫瘍浸潤リンパ球(TIL)のシングルセル解析(組織の塊としてではなく1細胞ごとにRNA(リボ核酸)を検出し、細胞の個性や多様性を解析する手法)とAIを活用した抗原予測システムを組み合わせることにより、がんの目印となる肺がん抗原とそれを特異的に認識し腫瘍細胞を排除することができる免疫細胞を効率よく同定する方法を開発しました。 本研究内容は、抗原特異的ながんワクチン療法やT細胞輸注療法の開発に向けた基礎データとなる可能性があります。  当連結会計年度におけるNECグループ全体の研究開発費は、115,787百万円であり、セグメントごとの内訳は、次のとおりです。 ITサービス事業45,442百万円社会インフラ事業50,077百万円その他20,268百万円
設備投資等の概要 1【設備投資等の概要】
 当社および連結子会社の当連結会計年度の設備投資(金額には消費税等を含まない。)の内訳は、次のとおりです。 セグメントの名称 当連結会計年度 前連結会計年度比ITサービス事業 11,726百万円 56.2%増社会インフラ事業 12,112百万円 5.9%増その他 62,867百万円 29.2%増合計 86,705百万円 28.2%増  ITサービス事業では、クラウドサービス関連設備への投資等を行いました。 社会インフラ事業では、防衛システムおよび衛星システムの開発設備および生産設備ならびに海底ケーブルの生産設備への投資等を行いました。 その他では、データセンターの建設に係る投資等を行いました。  また、所要資金については、主に自己資金および借入金を充当しています。
主要な設備の状況 2【主要な設備の状況】
 NECグループにおける主要な設備は、次のとおりです。(1)提出会社 2024年3月31日現在事業場名(所在地)セグメントの名称設備の内容区分土地建物機械及び装置その他合計従業員数(人)玉川事業場 (神奈川県 川崎市 中原区)ITサービス事業社会インフラ事業その他通信機器生産および研究開発設備簿価(百万円)78567,18555918,42186,9506,022面積(㎡)165,578 (166)府中事業場 (東京都 府中市)社会インフラ事業その他コンピュータおよび通信機器生産設備簿価(百万円)60819,7156,0837,67134,0772,060面積(㎡)219,726 (-)相模原事業場 (神奈川県 相模原市 中央区)その他コンピュータおよび通信機器関連設備簿価(百万円)-8,8121857699,76638面積(㎡)- (138,877)我孫子事業場 (千葉県 我孫子市)社会インフラ事業その他通信機器生産設備簿価(百万円)6,5342,4518101,41711,212234面積(㎡)295,382 (4,920)本社、支社支店、営業所 (東京都 港区等)ITサービス事業社会インフラ事業その他その他設備簿価(百万円)21,06655,59844019,45896,56213,856面積(㎡)545,873 (36,137) 
(注) 1 括弧内数字は借用中のもので外数を示しています。2 「その他」欄は構築物、車両運搬具、工具、器具及び備品です。3 上表には貸与中の土地134,644㎡、建物290,878㎡を含んでおり、主要な貸与先はルネサスセミコンダクタマニュファクチュアリング㈱および当社の関係会社等です。(2)国内子会社 2024年3月31日現在会社名事業所名(所在地)セグメントの名称設備の内容帳簿価額(百万円)従業員数(人)建物及び構築物機械及び装置、工具、器具及び備品土地(面積㎡)その他合計NECファシリティーズ㈱東京都港区等ITサービス事業土地、建物および環境設備1,6671834,337-6,1871,770(46,633)㈱オーシーシー福岡県北九州市若松区等社会インフラ事業通信機器および部品の生産設備1,2783,8784,6711,13210,959287(296,319)NECネッツエスアイ㈱東京都港区等〃アウトソーシング事業等実施のための設備5,0103,6981,34527110,3245,225(28,698)NECプラットフォームズ㈱静岡県掛川市等その他情報通信システム機器の生産設備14,8195,4499,7883,94834,0046,849(622,848)NECフィールディング㈱東京都港区等〃保守サービス事業等実施のための設備2,1771,0554813624,0754,653(45,147) (3)在外子会社 2024年3月31日現在会社名事業所名(所在地)セグメントの名称設備の内容帳簿価額(百万円)従業員数(人)建物及び構築物機械及び装置、工具、器具及び備品土地(面積㎡)その他合計コメット・ホールディング社 *1(同社に連結している子会社15社を含む)Amsterdam, Netherlands等ITサービス事業SIサービス提供用設備12,8675,528--18,3952,472(-)ソレイユ社 *2(同社に連結している子会社10社を含む)Ballerup, Denmark等〃SIサービス提供用設備12,4866364912313,2932,439(6,192)ネットクラッカー・テクノロジー社(同社に連結している子会社32社を含む)Waltham, Massachusetts, U.S.A.等社会インフラ事業SIサービス提供用設備6,9024,348--11,2509,801(-)NECコーポレーション・オブ・アメリカ社(同社に連結している子会社4社を含む)Irving,Texas,U.S.A.等ITサービス事業社会インフラ事業その他通信機器、指紋システム等の営業用設備1,9093,3409266886,863693(87,674)  *1 コメット・ホールディング社は、当社がアバロク・グループ社の事業を獲得するため、同社の親会社であるダブリューピー・エーブィ・シーエイチ・ホールディングス・ワン社を買収することを目的としてオランダに設立した特別目的会社です。 *2 ソレイユ社は、当社がケーエムディ社の事業を獲得するため、同社の親会社であるケーエムディ・ホールディング社を買収することを目的としてデンマークに設立した特別目的会社です。
設備の新設、除却等の計画 3【設備の新設、除却等の計画】
 当連結会計年度後1年間の設備投資計画金額は、75,000百万円であり、セグメントごとの内訳は、次のとおりです。セグメントの名称2024年3月末計画金額(百万円)設備等の主な内容・目的資金調達方法ITサービス事業8,600クラウドサービス関連設備の拡充自己資金および借入金社会インフラ事業12,300防衛システムおよび衛星システムの開発設備および生産設備ならびに海底ケーブルの生産設備の拡充自己資金および借入金その他54,100府中事業場における新棟建設等自己資金および借入金合計75,000―― (注)1 金額には消費税等を含みません。 2 経常的な設備更新のための除却・売却を除き、重要な除却・売却の計画はありません。
研究開発費、研究開発活動20,268,000,000
設備投資額、設備投資等の概要86,705,000,000

Employees

平均年齢(年)、提出会社の状況、従業員の状況43
平均勤続年数(年)、提出会社の状況、従業員の状況18
平均年間給与、提出会社の状況、従業員の状況8,804,235
管理職に占める女性労働者の割合、提出会社の指標0
全労働者、労働者の男女の賃金の差異、提出会社の指標1
正規雇用労働者、労働者の男女の賃金の差異、提出会社の指標1
非正規雇用労働者、労働者の男女の賃金の差異、提出会社の指標1

Investment

株式の保有状況 (5)【株式の保有状況】
① 投資株式の区分の基準および考え方 当社は、専ら株式の価値の変動または株式に係る配当によって利益を受けることを目的として保有する株式を純投資目的株式とし、経営戦略、取引先や事業提携先等との関係構築・維持・強化等を総合的に勘案し、NECグループの中長期的な企業価値向上に資すると判断する場合に保有する株式を純投資目的以外の株式として区分しています。② 保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式(i)保有方針および保有の合理性を検証する方法ならびに個別銘柄の保有の適否に関する取締役会等における検証の内容 当社は、原則として純投資目的以外の目的で上場会社の株式を保有しないこととしています。ただし、当社との協業や投資先との事業上の関係等において必要と判断した会社の株式については、例外的に純投資目的以外の株式として保有します。その場合には、個別銘柄ごとに保有の必要性や、純投資目的以外の株式から得られるリターンを検証するなど資本コストの観点等を総合的に評価したうえで、毎年取締役会において保有の合理性を検証し、保有の合理性が認められないと判断される場合には売却します。保有の合理性は以下の基準に基づいて検証を行っています。・定性的検証戦略的な位置づけを明確にし、保有の必要性が認められること。・定量的検証以下の算定式に該当すること。(売上総利益(注1)+受取配当金(注2))÷保有時価≧加重平均資本コスト(WACC)(注1)個別銘柄の発行会社と当社の間の取引にかかる、当事業年度における売上総利益です。(注2)個別銘柄に基づき当社が受け取る配当金です。 当事業年度は、2023年12月26日開催の取締役会において、かかる保有の合理性を確認しました。 議決権行使にあたっては、NECグループの利益に資することを前提に、投資先の中長期的な企業価値向上への貢献等、様々な観点から検討を行ったうえで、賛否を総合的に判断します。 また、当社は、当社株式を政策保有株式として保有している会社から当社株式の売却の申出があった場合、当該会社との取引を縮減することその他の取引に関する制限を示唆することなどにより売却を妨げる行為は行いません。 (ⅱ)銘柄数および貸借対照表計上額の合計額 銘柄数(銘柄)貸借対照表計上額の合計額(百万円)非上場株式12543,742非上場株式以外の株式2744,014 (当事業年度において株式数が増加した銘柄) 銘柄数(銘柄)株式数の増加に係る取得価額の合計額(百万円)株式数の増加の理由非上場株式2104・経営戦略、取引先や事業提携先等との関係構築・維持・強化等を総合的に勘案し、NECグループの中長期的な企業価値向上に資すると判断したため(当社子会社が保有していた株式を当社が取得した銘柄が含まれています。)非上場株式以外の株式 *133,345・取引先との関係維持のため・持株会を通じた取得のため (当事業年度において株式数が減少した銘柄) 銘柄数(銘柄)株式数の減少に係る売却価額の合計額(百万円)非上場株式232,685非上場株式以外の株式 *11213,634 (注)1 株式の併合、株式の分割、株式移転、株式交換、合併等の組織再編成等で株式数が変動した銘柄を含めておりません。2 *1 センコーグループホールディングス㈱の株式について、保有していた株式を売却するとともに持株会を通じた取得が生じたため、減少した銘柄および増加した銘柄ともに計上しています。 (ⅲ)特定投資株式およびみなし保有株式の銘柄ごとの株式数、貸借対照表計上額等に関する情報  特定投資株式 銘柄当事業年度前事業年度保有目的、業務提携等の概要、定量的な保有効果及び株式数が増加した理由当社の株式の保有の有無株式数(千株)株式数(千株)貸借対照表計上額(百万円)貸借対照表計上額(百万円)㈱TBSホールディングス2,4092,409主にITサービスセグメントにおける、当該グループとの取引関係を維持するため、同社株式を保有しています。無10,5014,589Aviat Networks, Inc.736-主に社会インフラセグメントにおける、当該会社との関係維持等のため、同社株式を保有しています。当該会社とのワイヤレスバックホール事業の統合に伴う対価として、当事業年度に株式を取得しています。無4,277-㈱住友倉庫1,6551,655主にITサービスセグメントにおける、当該会社との取引関係を維持するため、同社株式を保有しています。有4,2473,600㈱明電舎1,3091,746主にITサービスセグメントにおける、当該会社との取引関係を維持するため、同社株式を保有しています。無3,8463,354㈱セブン銀行10,00010,000主にITサービスセグメントにおいて、当社のITシステムのサービスおよび製品の顧客であり、当該会社との取引関係を維持するため、同社株式を保有しています。無2,9572,650㈱リョーサン526604主にITサービスセグメントにおける、当社の製品・サービスであるICT製品・サービスの販売を担う取引先であり、当該会社との取引関係を維持するため、同社株式を保有しています。有2,5911,983㈱大塚商会390390主にITサービスセグメントにおいて、当社の製品・サービスであるICT製品・サービスの販売を担う取引先であり、当該会社との取引関係を維持するため、同社株式を保有しています。無2,4941,827三信電気㈱1,0491,049主にITサービスセグメントにおける、当社の製品・サービスであるICT製品・サービスの販売を担う取引先であり、当該会社との取引関係を維持するため、同社株式を保有しています。有2,2562,526 銘柄当事業年度前事業年度保有目的、業務提携等の概要、定量的な保有効果及び株式数が増加した理由当社の株式の保有の有無株式数(千株)株式数(千株)貸借対照表計上額(百万円)貸借対照表計上額(百万円)住友ベークライト㈱204247主にITサービスセグメントにおける、当該会社との取引関係を維持するため、同社株式を保有しています。有1,8891,278東海旅客鉄道㈱44088主にITサービスセグメントにおいて、当社のITシステムのサービスおよび製品の顧客であり、当該会社との取引関係を維持するため、同社株式を保有しています。株式分割により株式数が増加しています。(*2)無1,6391,391㈱セブン&アイ・ホールディングス542180主にITサービスセグメントにおいて、当社のITシステムのサービスおよび製品の顧客であり、当該グループとの取引関係を維持するため、同社株式を保有しています。株式分割により株式数が増加しています。(*3)無1,1971,081近鉄グループホールディングス㈱204204主にITサービスセグメントにおける、当該グループとの取引関係を維持するため、同社株式を保有しています。無911873住友ゴム工業㈱455552主にITサービスセグメントにおける、当該会社との取引関係を維持するため、同社株式を保有しています。無855661日本テレビホールディングス㈱360360主にITサービスセグメントにおける、当該グループとの取引関係を維持するため、同社株式を保有しています。無836411㈱CEホールディングス1,2001,200主にヘルスケア事業における、電子カルテビジネス等の拡大を目的に当該グループと連携しており、当該グループとの戦略的関係を維持するため、同社株式を保有しています。無665672㈱テレビ東京ホールディングス194194主にITサービスセグメントにおける、当該グループとの取引関係を維持するため、同社株式を保有しています。無582482中部日本放送㈱696696主にITサービスセグメントにおける、当該グループとの取引関係を維持するため、同社株式を保有しています。無508372 銘柄当事業年度前事業年度保有目的、業務提携等の概要、定量的な保有効果及び株式数が増加した理由当社の株式の保有の有無株式数(千株)株式数(千株)貸借対照表計上額(百万円)貸借対照表計上額(百万円)㈱愛媛銀行370370主にITサービスセグメントにおける、当該会社との取引関係を維持するため、同社株式を保有しています。有420312㈱大垣共立銀行189189主にITサービスセグメントにおける、当該会社との取引関係を維持するため、同社株式を保有しています。有414339Standard BioTools Inc.792-主にヘルスケア事業において、血中蛋白質測定技術の活用を目的に当該会社と協業しており、当該会社との戦略的関係を維持するため、同社株式を保有しています。本目的で株式を保有していたSomalogic, Inc.と当該会社が合併したことにより、当事業年度に株式を取得しています。(*4)無325-信華信技術股份有限公司18,37518,375主にITサービスセグメントにおいて、ITシステム開発の調達先であり、高品質な開発能力を安定的に確保するため、同社株式を保有しています。無212187㈱サイバーリンクス142142主にITサービスセグメントにおいて、ICT製品・サービスの販売を担う取引先であり、当該会社との取引関係を維持するため、同社株式を保有しています。無125129朝日放送グループホールディングス㈱180180主にITサービスセグメントにおける、当該グループとの取引関係を維持するため、同社株式を保有しています。無118119ANAホールディングス㈱3030主にITサービスセグメントにおいて、当社のITシステムのサービスおよび製品の顧客であり、当該グループとの取引関係を維持するため、同社株式を保有しています。無9686京浜急行電鉄㈱3333主にITサービスセグメントにおける、当該会社との取引関係を維持するため、同社株式を保有しています。無4642 銘柄当事業年度前事業年度保有目的、業務提携等の概要、定量的な保有効果及び株式数が増加した理由当社の株式の保有の有無株式数(千株)株式数(千株)貸借対照表計上額(百万円)貸借対照表計上額(百万円)センコーグループホールディングス㈱3267主にITサービスセグメントにおける、当該グループとの取引関係を維持するため、同社株式を保有しています。持株会を通じた取得が生じた一方で、保有していた株式の売却を実施しました。無4253はごろもフーズ㈱00主にITサービスセグメントにおける、当該会社との取引関係を維持するため、同社株式を保有しています。関係構築・維持・強化等を目的とした、持株会を通じた取得により保有株式数が増加しました。(*5)無00住友電気工業㈱-2,300-無*1-3,903住友林業㈱-1,435-無*1-3,761大正製薬ホールディングス㈱-330-無-1,822東日本旅客鉄道㈱-85-無-623住友大阪セメント㈱-143-無-537Somalogic, Inc.-713-(*4)無-243㈱BSNメディアホールディングス-75-無-112日精樹脂工業㈱-21-無-21 (注)1  千株未満を切り捨てしています。2  当社は、個別銘柄ごとに「(i)保有方針および保有の合理性を検証する方法ならびに個別銘柄の保有の適否に関する取締役会等における検証の内容」に記載のとおり保有の合理性を検証し、十分な定量的効果があると判断しておりますが、取引先との関係性等を考慮して記載を省略しております。3 *1 前事業年度においては当社の株式を保有していたことを示しています。*2 東海旅客鉄道㈱は、2023年10月1日付で普通株式1株につき5株の割合で株式分割を行っています。*3 ㈱セブン&アイ・ホールディングスは、2024年3月1日付で普通株式1株につき3株の割合で株式分割を行っています。*4 Standard BioTools Inc.とSomalogic, Inc.の合併に伴い、Somalogic, Inc.の株式1株につき1.11株の割合でStandard BioTools Inc.の株式の交付を受けています。*5 当社が当事業年度に保有している、はごろもフーズ㈱の株式数は2.597株、貸借対照表計上額は、8,557円です。なお、当社が前事業年度に保有していた、はごろもフーズ㈱の株式数は2.563株、貸借対照表計上額は、7,740円です。  みなし保有株式 銘柄当事業年度前事業年度保有目的、業務提携等の概要、定量的な保有効果及び株式数が増加した理由当社の株式の保有の有無株式数(千株)株式数(千株)貸借対照表計上額(百万円)貸借対照表計上額(百万円)ダイキン工業㈱1,4851,485主にITサービスセグメントにおける、当該会社との取引関係を維持するため、議決権の行使に関する指図権を有しています。無*130,60335,142住友不動産㈱3,9134,146主にITサービスセグメントにおける、当該会社との取引関係を維持するため、議決権の行使に関する指図権を有しています。有22,68412,363住友電気工業㈱6,9006,900主にITサービスセグメントにおける、当該会社との取引関係を維持するため、議決権の行使に関する指図権を有しています。無*116,19811,709ルネサスエレクトロニクス㈱-71,779-無-137,351(注)1 千株未満を切り捨てしています。2 当社は、個別銘柄ごとに「(i)保有方針および保有の合理性を検証する方法ならびに個別銘柄の保有の適否に関する取締役会等における検証の内容」に記載のとおり保有の合理性を検証し、十分な定量的効果があると判断しておりますが、取引先との関係性等を考慮して記載を省略しております。3 「貸借対照表計上額」は、事業年度末日における時価に株式数を乗じて得た額を記載しています。4 *1 前事業年度においては当社の株式を保有していたことを示しています。 ③ 保有目的が純投資目的である投資株式 該当事項はありません。④ 投資株式の保有目的の変更 当事業年度において、保有目的を純投資目的から純投資目的以外の目的へ変更、または純投資目的以外の目的から純投資目的へ変更した投資株式はありません。
株式数が増加した銘柄数、非上場株式、保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式、提出会社2
株式数が増加した銘柄数、非上場株式以外の株式、保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式、提出会社3
株式数が減少した銘柄数、非上場株式以外の株式、保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式、提出会社12
銘柄数、非上場株式、保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式、提出会社125
貸借対照表計上額、非上場株式、保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式、提出会社43,742,000,000
銘柄数、非上場株式以外の株式、保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式、提出会社27
貸借対照表計上額、非上場株式以外の株式、保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式、提出会社44,014,000,000
株式数の増加に係る取得価額の合計額、非上場株式、保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式、提出会社104,000,000
株式数の増加に係る取得価額の合計額、非上場株式以外の株式、保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式、提出会社3,345,000,000
株式数の減少に係る売却価額の合計額、非上場株式以外の株式、保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式、提出会社13,634,000,000
株式数、保有目的が純投資目的以外の目的である特定投資株式の明細、提出会社0
貸借対照表計上額、保有目的が純投資目的以外の目的である特定投資株式の明細、提出会社212,000,000