財務諸表

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提出書類、表紙有価証券報告書
提出日、表紙2024-05-31
英訳名、表紙WingArc1st Inc.
代表者の役職氏名、表紙代表取締役社長執行役員CEO  田中 潤
本店の所在の場所、表紙東京都港区六本木三丁目2番1号
電話番号、本店の所在の場所、表紙03(5962)7400(代表)
様式、DEI第三号様式
会計基準、DEIIFRS
連結決算の有無、DEItrue
当会計期間の種類、DEIFY

corp

沿革 2【沿革】
 当社は、1972年4月に現在とは異なる事業を目的として株式会社ヤマギワ工作所の商号で設立され、1990年6月に株式会社ヤマギワ工作所から株式会社テックヤマギワに商号変更しました。その後、2004年2月に株式会社テックヤマギワから株式会社エイ・ピー・ツーに商号を変更し、2004年3月に翼システム株式会社情報企画事業部のソフトウェア事業(現データエンパワーメント事業)を譲受け、ウイングアークテクノロジーズ株式会社に商号を変更しました。 当社グループにて、現在のデータエンパワーメント事業を始めたのは2004年3月からでありますが、事業譲受の対象になった翼システム株式会社情報企画事業部は、同社の当時の主力事業であった自動車整備業向けパッケージソフト以外のソフトウェア分野での新規事業化を目的に、社内ベンチャーの位置づけで1993年10月に発足しました。その後、同事業部にて当社グループの現在の主力製品である帳票開発ソフトウェア「Super Visual Formade(以下「SVF」という。)」を1996年12月に、多次元高速集計検索エンジン「Dr.Sum」を2001年5月にそれぞれリリースし、事業として立ち上げました。その後、翼システム株式会社は同事業部を売却し資金化することとなり、2004年3月に株式会社アドバンテッジパートナーズをスポンサーとして、株式会社エイ・ピー・ツーへ事業譲渡を行い、株式会社エイ・ピー・ツーは商号をウイングアークテクノロジーズ株式会社に変更しました。2004年3月の事業譲受以降につきましては、2009年11月に会社分割によりウイングアークテクノロジーズ株式会社を新たに設立し、同社に当社のデータエンパワーメント事業を承継させると共に、当社の商号を1stホールディングス株式会社(旧1stホールディングス株式会社)に変更しました。 2010年12月に、大阪証券取引所JASDAQ(スタンダード)(現東京証券取引所JASDAQ市場)に株式を上場し、2012年2月には、東京証券取引所市場第二部へ市場変更を行いましたが、2013年4月にオリックス株式会社をスポンサーとして、旧1stホールディングス株式会社の株式取得を目的として設立されたモノリスホールディングス株式会社が旧1stホールディングス株式会社の株式を対象に株式公開買付けを実施し、同年5月に成立したことをうけ、同年9月に同市場への上場を廃止いたしました。また、同年12月には、モノリスホールディングス株式会社が旧1stホールディングス株式会社を吸収合併し、同日に商号を1stホールディングス株式会社へ変更いたしました。さらに、2014年3月には、商号をウイングアーク1st株式会社(以下「旧ウイングアーク1st株式会社」という。)に変更いたしました。 その後、カーライル・グループが運営する投資ファンドであるCJP WA Holdings, L.P.の出資により、2016年3月に設立されたWACホールディングス株式会社が、同年4月に、旧ウイングアーク1st株式会社の全株式を取得して完全子会社化した上で、同年6月に吸収合併し、同日付でWACホールディングス株式会社からウイングアーク1st株式会社に商号変更を行い、実質的に事業を承継し現在に至ります。 当社の事業運営主体の変遷は以下のとおりです。 年月概要1972年4月東京都北区において照明器具及び同部品の製造・販売を目的とし、株式会社ヤマギワ工作所を設立1990年6月商号を株式会社ヤマギワ工作所から株式会社テックヤマギワに変更2004年2月商号を株式会社テックヤマギワから株式会社エイ・ピー・ツーに変更2004年3月翼システム株式会社情報企画事業部(注)のソフトウェア事業(現データエンパワーメント事業)を譲受け、ソフトウェアの製造・販売を開始 翼システム株式会社からの事業譲受に伴い、ディジタル・ワークス株式会社及び株式会社エフ・アイ・ティの株式を取得 商号を株式会社エイ・ピー・ツーからウイングアークテクノロジーズ株式会社に変更2006年1月開発、機能評価及び検証作業強化のため、当社100%出資でHITコミュニケーションズ株式会社を設立2008年2月当社販売製品の開発のため、当社100%出資で株式会社フォー・クルーを東京都渋谷区に設立2009年5月中華人民共和国における当社製品の販売を目的とし、当社100%出資で文雅科信息技術(上海)有限公司を設立2009年11月会社分割により設立したウイングアークテクノロジーズ株式会社に当社のデータエンパワーメント事業を承継し持株会社体制に移行するとともに、1stホールディングス株式会社(旧1stホールディングス株式会社)に商号変更2010年12月大阪証券取引所JASDAQ市場(スタンダード)(現東京証券取引所JASDAQ市場)に株式を上場2011年3月セキュリティサービス事業を行うバリオセキュア・ネットワークス株式会社(現バリオセキュア株式会社)の全株式を取得し、子会社化2011年10月オフショア開発拠点として、大連唯知計算機系統有限公司(現文雅科信息技術(大連)有限公司)を完全子会社化2012年2月東京証券取引所市場第二部に株式を上場2012年11月大阪証券取引所JASDAQ(スタンダード)(現東京証券取引所JASDAQ市場)の上場を廃止2013年5月モノリスホールディングス株式会社が株式公開買付により旧1stホールディングス株式会社を完全子会社化2013年9月東京証券取引所市場第二部の上場を廃止2013年12月モノリスホールディングス株式会社を存続会社として、旧1stホールディングス株式会社を吸収合併し、1stホールディングス株式会社に商号変更2014年3月経営基盤強化のため、1stホールディングス株式会社を存続会社として、子会社3社(ウイングアーク株式会社、1stネクスパイア株式会社、ディジタル・ワークス株式会社)を吸収合併し、ウイングアーク1st株式会社(旧ウイングアーク1st株式会社)に商号変更 東南アジアでの当社製品の販売を目的とし、当社100%出資でWINGARC SINGAPORE PTE. LTD.をシンガポールに設立2016年6月WACホールディングス株式会社を存続会社として、旧ウイングアーク1st株式会社を吸収合併し、ウイングアーク1st株式会社に商号変更 構造改革の一環として、バリオセキュア株式会社の全株式を譲渡2017年5月海外でのクラウドサービス展開のため、SPACE-TIME RESEARCH PTY. LTD.(現WINGARC AUSTRALIA PTY LTD)の全株式を取得し、完全子会社化2017年11月リテール向けサービス強化のため、株式会社リテールマーケティングメソドロジー(現株式会社リテールマーケティングワン)の株式を取得し、子会社化2018年1月クラウドプラットフォーム強化のため、株式会社Everforthの全株式を取得し、完全子会社化2018年3月共同でのソリューション開発を目的に、東洋ビジネスエンジニアリング株式会社(現ビジネスエンジニアリング株式会社)と資本業務提携2018年9月共同でのソリューション開発を目的に、伊藤忠商事株式会社及び鈴与株式会社と資本業務提携2019年11月共同でのソリューション開発を目的に、株式会社データ・アプリケーションと資本業務提携 新サービスの展開を目的に、Sansan株式会社との資本業務提携 新サービスの展開を目的に、株式会社帝国データバンクと資本業務提携 新たな事業領域の拡大を目的に、伊藤忠商事株式会社と資本業務提携2020年11月新サービスの展開を目的に、株式会社PKSHA Technologyと資本業務提携 データソリューションサービスの開発を目的に、東芝デジタルソリューションズ株式会社と資本業務提携2021年3月東京証券取引所市場第一部に株式を上場2022年2月運輸業界のDX推進を目的に、株式会社traevoの株式を取得し、子会社化2022年4月東京証券取引所市場第一部から新市場区分(プライム市場)へ移行2023年2月公共領域における共同でのソリューション開発を目的に、株式会社スマートバリューと資本業務提携2023年12月完全子会社である株式会社リテールマーケティングワンを吸収合併 (注)翼システム株式会社情報企画事業部の沿革1993年10月翼システム株式会社情報企画事業部として発足1995年10月帳票開発設計ツール「Visual Formade」をリリース1996年12月帳票開発設計ツールに機能追加した「Super Visual Formade(SVF)」をリリース2004年3月当社に事業譲渡
事業の内容 3【事業の内容】
 現在、スマートフォンやIoTの普及により、日々生み出されるデータは加速度的に増加しております。当社グループは、この様々なデータ(ビッグデータ)を「新しい資源」として捉えており、この資源を活用して企業や社会に様々な価値をもたらすソフトウェア及びサービスの提供を行っております。  当社グループは、当社、連結子会社6社の計7社で構成されており、「データエンパワーメント事業」を単一の報告セグメントとしておりますが、提供しているソフトウェア及びサービスの性質により、企業の基幹業務を支える「帳票・文書管理ソリューション」と、様々なデータを活用し、今までにない新たな価値を生み出す「データエンパワーメントソリューション」の2つに売上収益を区分しております。 [帳票・文書管理ソリューション(BDS)] 帳票・文書管理ソリューションでは、帳票に関する業務基盤として国内で最も多く利用されているソフトウェア及びそれらをベースとしたソリューションを提供しています。請求書、納品書、発送伝票、eチケットなどの業務帳票から公的機関が発行する各種証明書まで社会の様々な場所で帳票の作成や出力、管理に利用されています。主力の「SVF」は、帳票の作成や出力を担っています。現在では「SVF」での帳票出力の85%はデジタル化されています。文書管理基盤の「invoiceAgent」と合わせて企業、公的機関の多くでデジタルトランスフォーメーション(DX)の推進に貢献しています。 当社グループは帳票ソフトウェアの先駆者として、多くの顧客にご利用頂いており、機能の豊富さやシステムの安定性等が評価されております。その結果、「SVF」の帳票市場(帳票運用製品)における市場シェアは、65.1%(注)となっております。主なソフトウェア及びサービスは以下のとおりです。(注)デロイト トーマツ ミック経済研究所株式会社発刊 ミックITリポート2021年11月号「帳票設計・運用製品の市場動向 2021年度版」図表2-3.[運用]製品のベンダー別売上・シェア動向 2020年度実績(主な連結会社) 当社、文雅科信息技術(大連)有限公司、文雅科信息技術(上海)有限公司、WINGARC SINGAPORE PTE. LTD. (a)SVF 当社グループの主力製品である「SVF」は、帳票開発の効率化と多様な出力要件に応えるための帳票基盤ソリューションです。「SVF」は、日本固有の複雑な帳票フォームをノンプログラミングで直感的に設計し、PDF、Excel、紙などへ多様な形式で出力できるソフトウェア/ソリューションです。独自開発のソフトウェアにより高い汎用性を有しており、メーカーやOSの種類に依存しない帳票運用を実現しています。企業や公的機関の多くで複数のシステムを共通化した帳票基盤として活用されており、システム運用の効率化や内部統制の強化に貢献しています。 「SVF Cloud」は、従来の「SVF」の強みに加え、柔軟性とリアルタイム性を兼ね備えた帳票クラウドサービスです。クラウド上でのSFAサービスを提供している株式会社セールスフォース・ドットコムと連携した「SVF Cloud for Salesforce」やビジネスプラットフォームを提供しているサイボウズ株式会社と連携した「SVF Cloud for kintone」を提供しております。更に、Web API機能により様々なクラウドサービスと連携し、企業間のシステムの違いやシステム変更にも柔軟に対応することができます。また、外出先で、スマートフォンやタブレットからその場でPDFの見積書を出力する、といったリアルタイム性が求められる場面での利用も可能となっております。 (b)invoiceAgent 「invoiceAgent」は、企業や公的機関で流通している帳票を電子化し、保管から流通までを一元管理することで、生産性の大幅な向上を実現するソフトウェア及びクラウドサービスです。「invoiceAgent」は、電子文書の保管・管理業務を効率化するとともに、電子化された文書からデータを自動的に抽出し、他の業務システムにシームレスに連携させることができます。さらに、企業間で紙をベースにやり取りされている見積書や請求書等の書類をプラットフォーム上で電子的に送付・受領を行うことが可能で、関連する業務の大幅な効率化が可能です。また、2022年1月に施行された改正電子帳簿保存法及び2023年10月に導入されたインボイス制度に対応しており、企業は「invoiceAgent」を導入することによりこれらの法的要件を満たすことが可能となります。 [データエンパワーメントソリューション(DE)] データエンパワーメントソリューションでは、エンドユーザーに対して、ソフトウェアの販売、クラウドサービス、保守サポートの提供を主に行っております。これらは様々な種類のデータを組み合わせ、分析することにより、気づきや今までにない価値を生み出すビジネスの基盤となる(一般的にビジネスインテリジェンス(Business Intelligence)と呼ばれる)ソフトウェア及びそれらをベースとしたソリューションを提供しています。生産性の向上やビジネスプロセスの効率化による経営スピードの向上を実現することをコンセプトとし、データの集計、分析、可視化、意思決定支援というデータ活用の一連の流れをカバーしております。企業の業務プロセス等に組み込まれるなどして、経営者から現場の業務担当者まで多くの方々にご利用頂いております。主なソフトウェア及びサービスは以下の通りです。(主な連結会社) 当社、株式会社Everforth、株式会社traevo、WINGARC AUSTRALIA PTY LTD (c)Dr.Sum 「Dr.Sum」は、企業内外のデータを収集、蓄積し、そのデータを加工・分析することによって企業の意思決定に活用することを目的としたソフトウェアです。数百億件ものビッグデータを数秒で処理できる性能と、ユーザーが使い慣れたwebベースとExcelベースのユーザーインターフェースを備えており、システム担当者でなくともビッグデータの集計や分析を容易に行うことが可能となっております。また、「Dr.Sum」上で販売や会計といった社内の様々なデータを統合管理することで、企業を支える情報分析基盤として利用されております。また、様々なクラウドサービスの普及によりクラウド上に存在ずるデータが加速度的に増加しているため、クラウドサービスとの連携が容易な「Dr.Sum Cloud」のニーズも拡大しております。 (d)MotionBoard 「MotionBoard」は、企業をとりまく様々なデータを価値ある情報に変え、企業にイノベーションをもたらすことをコンセプトとした情報活用ダッシュボードです。 第一の特徴は多彩な表現力です。PC画面上にグラフィカルな数多くのチャートを自由に配置可能で、業務内容の確認から事業戦略の遂行状況の確認まで、目的に合わせた使い方が可能です。また、GIS機能を備えており、位置情報を持つデータを地図上にプロットすることが可能です。これにより、競合店舗情報と人口動態情報を組み合わせた店舗戦略や走行情報を利用したトラックの運行管理等、新しい情報活用の形が生まれております。第二の特徴は、リアルタイム処理です。「MotionBoard」は、基幹システム、情報系システム、SFAや CRM、外部のクラウドサービス等様々なデータソースとリアルタイムに接続し、これらの情報を一つのチャート上で統合し、分析して可視化することができます。またノンプログラミングで利用できることが特長で、多くは企業内のシステムに組み込まれる形で利用されています。近年では、Salesforceと連携した営業の生産性向上や小売業でのビッグデータ活用に加え、IoTで発生するデータの分析、可視化や閾値の設定によるリスク検知等にも利用されています。第三の特徴は、高いメンテナンス性です。通常、情報システムの構築は、高度な知識を持ったシステム担当者が行うことが一般的ですが、「MotionBoard」は、ユーザーが自由な発想で可視化や分析を行うことを想定しているため、データの設定から表示項目やチャートの選定、配置までユーザー自身で行うことが可能です。これにより、業務フローの変更等にも迅速に対応できます。 (e)プロフェッショナルサービス 当社グループのソフトウェア及びサービスは、導入が容易であることが特徴の一つですが、大規模案件では、複雑なシステム要件が発生することがあります。そのような場合には、システムに熟知した当社の技術スタッフが、導入支援サービスの提供を行っております。また、近年では、製造業でのIoTを用いた工場の可視化や小売業でのビッグデータ分析といった業界特有の課題解決のニーズが増加しており、このような要望に対しては、社内の専門チームが要件定義から導入まで、総合的なコンサルティングサービスを提供しております。 [用語の説明] 本書において使用しているIT業界特有の主な用語についてご説明いたします。用語説明SIerシステムインテグレーター(System Integrator)の略。主に企業のシステム構築、運用業務を一括して請け負う事業者。IoTInternet of Thingsの略。通信技術やインフラの発達により、インターネットを介して、あらゆるものがネットワークにつながること。AIArtificial Intelligenceの略。人間の脳が行っているような認識や判断といった作業を自律的に行うソフトウェアやシステム。SFASales Force Automationの略。案件管理や見込管理等、企業の営業活動の効率化を目的とするソフトウェアやシステム。CRMCustomer Relationship Managementの略。顧客属性や対応履歴を管理し、顧客ごとに最適な対応を行うことで、長期的に良好な関係を築き、結果として収益の最大化を目的とするソフトウェアやシステム。APIApplication Programming Interfaceの略。外部の他のプログラムから機能やデータなどを呼び出して利用するための手順やデータ形式などを定めたもの。開発効率やシステム間連携が大幅に向上する。BIビジネスインテリジェンス(Business Intelligence)の略。企業活動によって生じた様々なデータを集計・分析し、企業の意思決定を支援するソフトウェアやシステム。GISGeographical Information Systemの略。デジタル化された地図情報と位置情報を持ったデータを統合し、情報全体の視覚的な把握を可能とするソフトウェアやシステム。KPIKey Performance Indicatorの略。企業における業績管理評価のための重要な指標。DXデジタルトランスフォーメーションの略。企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること。  事業系統図は次のとおりであります。[事業系統図]  (注) 上記系統図の子会社は当社グループの事業上重要なものについて記載しております。
関係会社の状況 4【関係会社の状況】
名称住所資本金主要な事業の内容議決権の所有割合又は被所有割合(%)関係内容(国内連結子会社) 株式会社Everforth東京都渋谷区34,875千円クラウドサービスの提供(所有)100.00ソフトウェア開発・設計の委託役員の兼任 3名株式会社traevo(注)1東京都港区200,000千円クラウドサービスの提供(所有)51.50ソフトウェア開発・設計の委託役員の兼任 2名(海外連結子会社) 文雅科信息技術(大連)有限公司中華人民共和国遼寧省大連市827千人民元ソフトウェアの開発(所有)100.00ソフトウェア開発・設計の委託役員の兼任 3名文雅科信息技術(上海)有限公司(注)1中華人民共和国上海市21,437千人民元ソフトウェア・クラウドサービスの販売、保守サポートの提供(所有)100.00ソフトウェア・クラウドサービス販売及び保守サポートの委託役員の兼任 3名WINGARC SINGAPOREPTE. LTD.シンガポール共和国200千シンガポールドルソフトウェア・クラウドサービスの販売、保守サポートの提供(所有)100.00ソフトウェア・クラウドサービス販売及び保守サポートの委託役員の兼任 1名WINGARC AUSTRALIA PTY LTD(注)1オーストラリアメルボルン市21,064千豪ドルソフトウェア・クラウドサービスの販売、保守サポートの提供(所有)100.00ソフトウェア・クラウドサービス販売及び保守サポートの委託役員の兼任 3名(その他の関係会社) 伊藤忠商事株式会社(注)3大阪市北区253,448百万円総合商社(被所有)22.09(注)3経営管理等東芝デジタルソリューションズ株式会社(注)4川崎市幸区23,500百万円システムインテグレーション及びIoT/AIを活用したICTソリューションの開発・製造・販売(被所有)13.31経営管理等 (注)1.特定子会社に該当しております。2.当社グループの報告セグメントは「データエンパワーメント事業」のみであるため、「主要な事業の内容」欄には、各会社の主要な事業を記載しております。3.IW.DXパートナーズ株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長:関川 潔)が当社の議決権の22.09%を保有する株主でありますが、同社は伊藤忠商事株式会社及び伊藤忠テクノソリューションズ株式会社により設立され、同社の親会社である伊藤忠商事株式会社が当社のその他の関係会社に該当しております。なお、伊藤忠商事株式会社は有価証券報告書を提出しております。4.東芝デジタルソリューションズ株式会社の親会社は株式会社東芝であります。
従業員の状況 5【従業員の状況】
(1)連結会社の状況 2024年2月29日現在セグメントの名称従業員数(人)データエンパワーメント事業881(75) (注)1.当社グループは、「データエンパワーメント事業」を単一の報告セグメントとしているため、セグメント別の記載はしておりません。2.従業員数の(外書)は、派遣社員の年間の平均雇用人員であります。3.従業員数が当連結会計年度中で82名増加しておりますが、主としてデータエンパワーメントソリューション強化に伴う中途採用の増加によるものであります。 (2)提出会社の状況 2024年2月29日現在従業員数(人)平均年齢(歳)平均勤続年数(年)平均年間給与(円)776(75)40.45.07,480,598 (注)1.当社は、「データエンパワーメント事業」を単一の報告セグメントとしているため、セグメント別の記載はしておりません。2.従業員数の(外書)は、派遣社員の年間の平均雇用人員であります。3.平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでおります。4.平均勤続年数は、旧ウイングアーク1st株式会社を吸収合併した2016年6月以降の勤続年数を記載しております。5.従業員数が当事業年度中で71名増加しておりますが、主としてデータエンパワーメントソリューション強化に伴う中途採用の増加によるものであります。 (3)労働組合の状況 当社グループにおいては、労働組合は結成されておりませんが、労使関係は円満に推移しております。 (4)管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異① 提出会社当事業年度管理職に占める女性労働者の割合(%)(注)1男性労働者の育児休業取得率(%)(注)2労働者の男女の賃金の差異(%)(注1、3)全労働者正規雇用労働者パート・有期労働者11.985.777.179.162.3 (注)1.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出しております。2.「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の4第1号における育児休業等の取得割合を算出しております。3.男女賃金格差については、男性の賃金に対する女性の賃金の割合を示しています。正規雇用労働者については、男女同一の賃金制度を適用しており、同等級内においては共通の処遇を行っているため大きな差異はありません。全体的に女性に対し男性の方が上位級に属する割合が高いこと等が男女の賃金差の要因となっております。当社では上位級に属する女性の割合を高めるための様々な施策を行っており、男女賃金格差の改善に努めております。パート・有期労働者については、男性は上位級に属していた社員の定年後再雇用者がほとんどであり、女性は派遣社員からの登用などによる若年層女性の構成比率が高いこと等が男女の賃金差の要因となっています。 ② 連結子会社 「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)及び「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定による公表義務の対象ではないため、記載を省略しております。
経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】
 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (経営方針) 当社グループは、「Empower Data, Innovate the Business, Shape the Future.情報に価値を、企業に変革を、社会に未来を。」というビジョンを掲げており、社会に存在する様々なデータを活用することで、多くの企業にイノベーションをもたらし、その結果として、より良い社会を実現することを目指しております。現在、スマートフォンやIoTの普及により、日々生み出されるデータは加速度的に増加して、働き方改革等による業務の効率化のニーズも高まっております。当社グループは、この様々なデータ(ビッグデータ)を「新しい資源」として捉えており、この資源を活用して企業や社会に様々な価値をもたらすソフトウェア及びサービスの提供を行っております。 (当社グループの強みと経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等)・独自のテクノロジー 当社グループは、創業以来、企業の情報活用に特化した独自の技術開発に取り組んできました。超高速集計、データの仮想統合、IoTデータのリアルタイム処理は代表的な特長的技術であり、当社グループの競争力の源泉となっています。それぞれ技術は高度で難解なものですが、「誰でも簡単」に利用することができ、素早く効果をあげられるようにシンプルで直観的に使用できるユーザーインターフェイス(UI)を備えたソフトウェア及びサービスとして提供しております。なお、研究開発活動及びソフトウェア開発のコア部分は、すべて自社グループ内で行っております。 ・強力なビジネスチャネル 当社グループの販売モデルは、パートナーを介した間接販売が主となっております。大都市圏で大企業や官公庁の大型案件を得意とするSIerや地方を拠点とするSIer、特定領域に特化したコンサルティングファームやクラウドシステムの構築を専業とするクラウドSIer等多くのパートナー企業と契約しており、日本全国のシステム開発案件をカバーするソリューション/サービス提供体制を構築しております。これにより、継続的な案件創出と営業コストの抑制が可能となり、効率的な販売活動が可能となっております。なお、2021年2月期に、当社グループのソフトウェア及びサービスの販売だけではなく、パートナーとともに新たな市場を開拓していくという考えのもとパートナー制度を改定しました。今後もパートナーとより良い関係を築き、双方のビジネスの発展に努めてまいります。-契約パートナー数推移(注)                                 (社)決算年月2020年2月2021年2月2022年2月2023年2月2024年2月契約パートナー数(累計)507486535547587(注)当社パートナー向けプログラム「WingArc1st Relationship Platform(WARP)」において、各契約カテゴリーでの期末時点における解約パートナーを除いた契約パートナー数の合計。 ・厚いリカーリングレベニュー 当社グループが提供するソフトウェア及びサービスについては、ソフトウェアライセンスや導入時のサービス提供等継続的な契約を前提としない取引と、ソフトウェアの保守サポート契約、サブスクリプション契約やクラウドサービスの利用契約のような継続的な契約を前提とした取引により構成されています。継続的な契約を前提とした取引は、導入企業が増加するにつれて年々売上収益が積みあがるリカーリングビジネスと呼ばれる収益モデルであり、これらのビジネスから得られる収益(リカーリングレベニュー)は、当社グループの収益の安定化と継続的な拡大に大きく貢献しております。-リカーリングレベニュー                               (単位:百万円)決算年月2020年2月2021年2月2022年2月2023年2月2024年2月ライセンス/サービス(注)18,2246,9667,6578,8849,844リカーリング(注)210,45311,31812,17513,46415,908売上収益合計18,67718,28519,83322,34925,752リカーリング比率56.0%61.9%61.4%60.2%61.8%(注)1.ソフトウェアライセンスや導入時のサービス提供等継続的な契約を前提としない取引に係る売上の合計。2.保守、サブスクリプション(ソフトウェアの購入ではなく、利用期間に応じて料金を収受する契約形態)、クラウド等、継続契約を前提とした取引に係る売上の合計。 また、当社グループは契約継続率をリカーリングビジネスの最も重要なKPIの一つとしております。高い契約継続率を維持することによって、既存の契約は最大限維持しつつ、新規契約を積み上げ、持続的な成長を実現してまいります。-契約継続率(注)1決算年月2020年2月2021年2月2022年2月2023年2月2024年2月契約継続率93.0%93.8%93.2%95.6%94.0%(注)1.「SVF」「invoiceAgent」「Dr.Sum」「MotionBoard」の保守契約において、当該期間の更新対象契約の総数に対して実際に契約が更新された金額ベースでの割合。  上記の他、EBITDAを重要な指標としており、2024年2月期の目標数値及び実績は以下となります。(単位:百万円) 目標数値実績増減増減率EBITDA8,4708,5971271.5%(参考)売上収益25,40025,7523521.4%  当社グループは、日本国外に拠点を置く多くの外資系ソフトウェアベンダーと異なり、自社内に営業、開発、サポートすべての機能を有しております。これにより、営業部門やサポート部門が収集した様々な顧客ニーズを開発部門が素早く製品化するといったことが可能となり、当社グループの強みの一つとなっております。 (経営環境) 当社グループの主要な市場である国内ソフトウェア市場は、企業業務のデジタル化を推進し、DXを実現するための投資が拡大しており、加えてデジタル庁の発足や改正電子帳簿保存法、インボイス制度導入等法制度面での後押しもあり、2022年度から年平均7.7%成長し、2027年度(予測)には2兆8,699億円となることが見込まれております(注1)。また、DXの進展に伴い、企業規模の大小を問わずにクラウドサービスの利用が当然のものとなっており、最新技術を容易に利用できることや導入期間の短縮、運用コストの低減等様々なメリットがあることから、クラウド市場は大きく拡大すると予想されており、2022年度から年平均11.7%成長し、2027年度(予測)には2兆989億円に達することが見込まれております(注1)。(注)1.株式会社富士キメラ総研「ソフトウェアビジネス新市場2023年版(提供形態別動向)」 (成長戦略) 新型コロナウイルス感染症の拡大を受け、企業は働き方改革や新しい環境での競争力強化のため、DXに積極的に取り組んでおります。また、2022年1月にリモートワークやペーパーレスを後押しする改正電子帳簿保存法が施行(2024年1月本格施行)、2023年10月にはインボイス制度が導入され、企業間取引に関する文書の電子化が急激に進展しております。当社は、このような市場の大きな変化をチャンスと捉え、2022年1月に5か年の「中期経営方針」を発表しました。「企業のDXを推し進めるデータプラットフォームの実現」を柱に据え、主にクラウドビジネスでの大きな成長を計画しております。このプラットフォームをベースに、BDSは企業間取引の変革を実現する「企業間DX」、DEはデータの価値を最大限に高め、生産性の向上や新しいビジネスの創出に資する「企業内DX」に取り組んでまいります。当該期間中に当社が達成を目指す目標は以下となります。 ・クラウド成長率 40%(2022年2月期~2027年2月期平均)・リカーリング比率 75%(2027年2月期) クラウド比率 40%(2027年2月期)・EBITDA 120億円(2027年2月期)(優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題)(1)クラウドビジネスの拡大 現在の当社グループの売上収益の大半は、ソフトウェアから生み出されておりますが、企業のDXへの取組みが広がる中、迅速な導入が可能で初期コストが低く、他のシステムとの連携が容易なクラウドサービスの市場は拡大しております。このような環境の中、当社は2022年1月に発表した「中期経営方針」でクラウドをベースとした「企業のDXを推し進めるデータプラットフォームの実現」を掲げ、2022年2月期から2027年2月期のクラウド売上の年平均成長率40%及び2027年2月期の全社売上に占めるクラウド売上比率40%を目標としております。 ・開発体制の強化 当社グループでは、クラウドサービスに関する継続的な新機能の開発や性能向上のため、開発体制の強化を進めておりますが、優秀なエンジニアの獲得はますます難しい状況になっております。最先端技術への積極的な取組みや働き方改革を進め、エンジニアにとって魅力的な環境を提供するとともに、外部リソースも活用し、柔軟な開発体制を構築してまいります。 ・アライアンスの推進 当社グループが提供するクラウドサービスは、当社グループのみがサービスを提供するのではなく、様々な特徴を持つ企業と密に連携することで、スピーディに包括的なサービスを提供することを目指しております。今後もサービスレベル向上のため、様々な企業との連携を行ってまいります。 (2)リカーリングビジネスの拡大 当社グループは、製品、サービスの一度限りの提供ではなく、継続的に顧客にサービス提供を行い、その対価をサービスの提供期間に応じて受け取る「リカーリングビジネス」を推進しております。「リカーリングビジネス」の利点は、業績の安定化、業績の予見性の向上、顧客とのリレーションシップの維持等ですが、一方で、顧客の維持管理コストの増加等のデメリットもあります。そのため、当社は「リカーリングビジネス」に特化した部署を組織し、上述したシステムによる効率的な顧客管理と専任チームによる離脱防止対策を行うとともに、顧客への追加商材の提案による売上の向上を目指しております。また、2024年2月期における「リカーリングビジネス」に係る売上である「リカーリングレベニュー」の売上全体に占める比率(リカーリング比率)は61.8%であり、売上の拡大と共に当該比率の向上に努めてまいります。なお、2022年1月に発表した「中期経営方針」では、2027年2月期にリカーリング比率75%を目標としております。 ・契約継続率の維持向上 「リカーリングビジネス」は一度契約して頂いた顧客に如何に継続的にご利用いただくかが最も重要となるため、当社グループでは、「契約継続率」をKPIとしております。専門部署にて顧客の利用状況や課題をヒアリングし、きめ細かな対応を行うことにより、当該数値の維持向上に努めております。2024年2月期における「契約継続率」は94.0%となり、引き続き高い水準を維持しております。 (3)グループ経営基盤の強化 当社グループは2013年9月の非上場化以来、経営基盤の強化に取り組み、グループの再編(子会社の統合、非コア事業の売却)、社内基幹システムの再構築、経営管理システムの高度化、各種顧客管理業務のシステム化等を推し進めてまいりました。今後、中期経営方針の目標達成のため、様々なクラウドサービスの立ち上げや強化を行っていく計画となっており、精緻な業績管理が求められます。また、業容拡大を目的としてM&Aで獲得した海外を含む子会社についても、当社グループの経営方針のもと、一体となった管理体制が求められます。これに対応すべく、社内のDXを推し進め、グループ各社と密に連携し、タイムリーに経営状況を把握でき、適切な対策を早期に打てる体制の強化に取り組んでまいります。
事業等のリスク 3【事業等のリスク】
 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。また、必ずしもそのようなリスク要因に該当しない事項についても、投資家の投資判断上重要であると考えられる事項については、投資家の皆様に対する積極的な情報開示の観点から記載しております。また、以下の記載は当社株式の投資に関連するリスクのすべてを網羅するものではありません。 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (1)情報通信業における技術革新等への対応について 当社グループの属する情報通信業は、技術革新が絶え間なく起こり、これにより新しいソフトウェアやサービスが次々に生み出される、変化の激しい業界となっております。近年においても、AI、IoTなどの新しい技術が注目されておりますが、それらの新技術に対応したソフトウェアやサービスの提供ができるよう、当社グループとしても研究開発を続けております。しかしながら、これら新技術が普及せず、また、今後新しい技術への対応が遅れた場合には、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 また、当社グループの帳票・文書管理ソリューションの主力製品である「SVF」は、企業の基幹業務に必須である請求書や納品書等の帳票類の設計・運用を行うソフトウェア及びサービスであり、企業における帳票類の使用頻度が減少した場合には、これらの製品の需要が減少する可能性があります。 (2)競合について 各種調査レポートによると、帳票市場及び電子帳票市場に位置づけられる「SVF」「invoiceAgent」及びビジネスインテリジェンス市場に位置づけられる「Dr.Sum」「MotionBoard」は、類似製品と競合する状態にあります。当社グループは、機能の強化や品質の向上を目的としてバージョンアップ製品の市場投入を継続的に行っていくことを予定しておりますが、当社グループの開発方針の策定に当たり市場動向を的確に捉えることができなかった場合には、競合製品に対し当社グループ製品の優位性が相対的に低下する、あるいは競合各社の価格戦略によりシェアが縮小する等、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (3)製品の不具合(バグ等)の発生可能性について 当社グループは、新製品開発及び既存製品の性能向上、機能追加等の研究開発に当たり、品質管理の向上を念頭に置いて活動しており、品質管理部門の設置等により品質管理の徹底を図り、不具合等の発生防止に努めております。一般的にソフトウェアは高度化、複雑化すると不具合を完全に解消することは不可能と言われており、当社グループのソフトウェアにおいても、各種不具合が発生する可能性は否定できません。また、当社グループにて提供するクラウドサービスにおいても、同様に各種不具合が発生する可能性は否定できません。現時点まで当社グループの責任による不具合の発生により、業績に多大な影響を与えたことはありませんが、当社グループの製品やサービスに致命的な不具合が発生することにより、コストが発生するとともに、その不具合を適切に解決できない場合、当社グループの信用力が低下し、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (4)製品開発について 当社グループにおいては、技術部門を中心に開発計画を立案し、当該計画に基づき製品開発を進めております。しかしながら、「(3)製品の不具合(バグ等)の発生可能性について」に記載のとおり、ソフトウェア及びクラウドサービスには何らかの不具合が発生する可能性があり、顧客に販売するのに十分な品質が確保されていないと判断した場合、追加の開発・検証作業等を要することとなり、ソフトウェア及びクラウドサービスの販売開始時期が遅延し、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。上記以外にも、市場のニーズに合致していない等の理由により当社グループの新製品が市場で受け入れられない場合には、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 また、開発期間は長期間に及ぶこともあるため、その間の顧客の需要動向又は当社グループの販売戦略の変化、若しくは当初想定していた機能の実装が技術的に困難であることが明らかとなった場合等、当該製品の販売開始前に開発を中止することもあります。その場合には、開発に要したコストを回収することができなくなるため、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (5)販売方法等について 「SVF」、「invoiceAgent」、「Dr.Sum」、及び「MotionBoard」といったソフトウェアの販売先はSIerが中心となっており、システム開発の過程において当社グループのソフトウェアを組み込む、若しくは当社グループのソフトウェアを利用してシステムを構築する形で使用されております。売上の大半を占めるSIerの法令違反や情報漏洩等により正常に事業活動を行うことが難しい場合や緊急事態宣言等経済活動の停止を伴う措置が講じられる場合等、SIerが十分に活動することが難しい場合、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 当社グループは、機能強化や品質向上を目的として当該製品のバージョンアップを継続的に行っていくことを予定しておりますが、このためにはSIerだけではなくエンドユーザーのニーズも適時・適切に把握することが必要になります。しかしながら、当社グループの販売先はSIerが中心となっていることから、直接エンドユーザーに販売する場合と比較してエンドユーザーのニーズを適時・適切に把握できない可能性があり、その場合には、市場動向を適切に把握できず、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。このような状況に対処すべく当社グループでは、営業、開発及びサポートのすべての部署でエンドユーザーと直接対話する機会を増やし、エンドユーザーとのニーズギャップ解消に努めております。 また、当社グループの製品を販売するSIerと当社グループとの間では、原則として販売に係るパートナー契約を締結することとしております。パートナーにとっても販売メリットの高い製品、サービスを提供できるよう努めるとともに、パートナーとの相互協力により販売推進することを前提としてパートナーとの関係強化に努めておりますが、当社グループにとって重要なパートナーとの契約が解除された場合や、販売条件の大幅な変更を余儀なくされた場合には、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (6)クラウドサービスの提供について 当社グループは、インターネット環境への接続が可能なユーザーを対象としたクラウドサービスの開発、運営を行っております。このため、クラウドサービスの前提となる利用契約が継続されない等により想定したリカーリングレベニューが得られない場合やサポートコスト等クラウドビジネスの運営に関する費用が事前の想定を上回って増加した場合、自然災害、戦争、テロ、事故等による通信インフラの破壊や故障、Amazon Web Services Inc.や株式会社セールスフォース・ドットコムといったクラウドサービスの運営に欠くことのできないアライアンスパートナー及び当社グループにおけるシステムダウンや障害、コンピュータウイルスやハッカーからの攻撃等により、当社グループが運営するクラウドサービスが正常に稼働しない状態となった場合、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (7)経済情勢に関するリスクについて 当社グループの収益の大部分は、現時点では、日本国内のエンドユーザーへの販売に依存していることから、当社グループのビジネスは、日本の経済状況により影響を受ける可能性があります。地政学的要因による国際的なサプライチェーンの混乱や資源価格の上昇、また米国及び中国を始めとした海外経済のリセッションの影響による日本経済の停滞、日本企業によるIT投資の大幅な減少、又はその他の市場環境の悪化は、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (8)人材の確保及び育成について 当社グループの事業運営は、経験豊富な経営陣や営業、開発等の専門人材に依存しており、人材の確保と育成が重要な課題であると考えております。また、業種や業務に特化したクラウドサービスの提供を進めるため、各業界に精通した人材の確保や顧客により直接的にアプローチするチームの組成、サービスごとのサポート体制の構築等有能な人材へのニーズは、さらに増加しております。 当社グループは、今後も継続的に人材の確保・育成に努めていく方針でありますが、人材市場の需給逼迫等の事情により当社グループの必要とする人材をタイムリーに確保できない場合は、当社グループの事業及び将来戦略に制約を受けることとなり、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (9)知的財産権及びその他第三者の権利侵害について 当社グループのビジネス上、当社グループの開発した独自の方法や技術及び当社グループが開発し又はライセンスを受けている特許その他知的財産権は重要であり、当社グループの知的財産権が十分に保護されない場合には、当社グループの事業に影響を及ぼす可能性があります。 また、当社グループでは、自社製品の企画、開発、販売及び他社製品の利用など、事業活動によって第三者の知的財産権、その他の権利を侵害しないようにあらかじめ調査を行い、必要に応じて実施許諾を受ける等の措置を講じております。しかしながら、第三者から知的財産権、その他権利を侵害したとして訴訟を提起される等、第三者との間に紛争が生ずることがないという保証はなく、第三者の権利を侵害したとして、多額の損害賠償金や和解金の支払又は代替的な技術の開発を余儀なくされた場合、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (10)個人情報等の取扱いについて 当社グループでは、事業において知り得た個人情報につき、個人情報保護規程を制定し、適切な管理・保護の徹底を図っております。この他、当社では、2007年5月に情報セキュリティマネジメントシステムの公的認証であるISO27001を取得し、ICカードによる執務室の入退室管理、社外に持ち出す可能性のあるノートパソコンのハードディスク暗号化等の対応策を実施する等、情報資産全般について、適切な管理・保護を行うように努めております。また、現在当社では全社員在宅勤務を原則としており、新たなセキュリティリスクとなっていることから、社内システムを強化するとともに、リモートワークに関するガイドラインを定め、社員に周知徹底し、情報の流出を防ぐ体制を整えております。 しかしながら、万一個人情報が漏洩した場合、顧客から損害賠償を請求される、又は個人情報保護法に基づく罰金等が科される可能性があるほか、顧客からの信用や社会的信用が低下することにより、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (11)M&A、資本業務提携について 「(1)情報通信業における技術革新等への対応について」に記載のとおり情報通信分野の変化は激しく、同業他社に対するM&Aや資本業務提携を実施することにより当社グループの事業領域を補完・強化していくことも、事業規模拡大のための有効な手段の一つであると位置づけております。M&A等の実行に際しては、対象企業に対して財務・税務・法務・ビジネス等に関する詳細なデューデリジェンスを行い、各種リスク低減に努める方針であります。但し、これらの調査で確認・想定されなかった事象が実行後に判明あるいは発生した場合や、買収後の事業環境の急変や想定外の事態の発生等により、当初期待していた投資効果が得られない場合は、当社グループの業績及び財政状態に悪影響が及ぶ可能性があります。また、M&A等の結果、事業領域が変化することによって、当社グループの収益構造が変化する可能性があります。 (12)海外展開について 当社グループはグローバルな事業展開を進めておりますが、海外市場への事業進出には、各国政府の法律又は規制への対応、保護貿易諸規則の発動、為替制限や為替変動、輸送・電力・通信等のインフラ障害、各種法律又は税制の不利な変更、移転価格税制による課税、社会・政治及び経済情勢の変化や我が国との関係の悪化、異なる商慣習による取引先の信用リスク、労働環境の変化や現地での人材を確保できないリスク等、海外事業展開に共通で不可避のリスクがあります。この他、投資の回収が当初の事業計画案どおりに進まないリスクや、撤退等のリスクがあります。これらリスクが発現し、当社グループの対応が遅れた場合には、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (13)財務報告に係る内部統制に関するリスクについて 当社グループは、財務報告の信頼性に係る内部統制の整備及び運用を重要な経営課題の一つとして位置づけ、グループを挙げて管理体制等の点検・改善等に継続的に取り組んでおりますが、内部統制報告制度のもとで当社グループの財務報告に係る内部統制に重要な不備が発見される可能性は否定できず、また、将来にわたって常に有効な内部統制を整備及び運用できる保証はありません。さらに、内部統制には本質的に内在する固有の限界があるため、今後、当社グループの財務報告に係る内部統制が有効に機能しなかった場合や財務報告に係る内部統制に重要な不備が発生した場合には、当社グループの財務報告の信頼性に影響が及ぶ可能性があります。 (14)のれん及びその他の無形資産の減損について 2016年4月14日に旧ウイングアーク1st株式会社の全株式を取得した際に発生したのれん及びその他の無形資産は、その後の企業買収により発生したものを含め、当連結会計年度末現在それぞれ27,348百万円及び15,674百万円であり、合わせて当社グループの資産の65.2%を占めております。当該のれん及び一部の耐用年数を確定できない無形資産(商標権)については、償却を行わず、毎期又は減損の兆候が存在する場合には、その都度減損テストを実施し、当社グループの事業の収益性が低下したと認められる場合には減損損失を計上する必要が生じ、当社グループの業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。また、IFRSでは、日本において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準と異なり、のれん及び耐用年数の確定できない無形資産の償却を行いません。そのため、当該のれん及びその他の無形資産について減損損失を計上した場合は、日本基準に比べて当社グループの業績及び財政状態に重要な影響を及ぼす可能性があります。 なお、当社グループにて実施しているのれん及び耐用年数を確定できない無形資産の減損テストについては「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 連結財務諸表注記13.のれん及びその他の無形資産(4)のれん及び耐用年数を確定できない無形資産の減損テスト」をご参照下さい。のれん及び耐用年数を確定できない無形資産の回収可能価額は、使用価値により算定しており、過去の経験と外部からの情報を基に、製品・売上形態ごとの新規案件売上及び将来の売上高成長率に関する経営者の主要な仮定を反映させて作成され、経営陣により承認された翌連結会計年度の予算及びその後2年の業績予測を基礎とする割引キャッシュフロー法(以下「DCF法」とする)に基づき算定しております。業績予測期間終了以降の継続価値は、予測期間終了後も永続的に発生することが期待される利益を割引計算する手法(永続法)を用いており、日本の長期的なインフレ率予想を勘案し成長率を1%に設定しております。 当連結会計年度末における回収可能価額は、のれん及び耐用年数を確定できない無形資産が含まれる資金生成単位の資産の帳簿価額を75,672百万円上回っておりますが、割引率が11.8%上昇した場合、又は将来キャッシュ・フローの見積りが62.6%減少した場合、回収可能価額と帳簿価額が等しくなる可能性があります。 また、当社グループでは、のれんの減損に係るリスクを低減するため、事業の収益力強化に努めており、主に以下の取組みを実施しております。・リカーリングビジネスの拡大ソフトウェアライセンスの保守、サブスクリプションやクラウドサービスの利用料等のリカーリングレベニューは、契約が継続される限りは毎年継続的に売上が計上され、契約数が増加すればその分売上も増加します。当社グループは、事業の安定と収益力の強化のため、このリカーリングビジネスの拡大を図っております。・業種・業務に特化したソリューションの推進当社グループは、単なるソフトウェアやクラウドサービスの提供ではなく、業種ごとのノウハウを組み合わせた顧客の業務に即したソリューションを提供しております。特にデータエンパワーメントソリューションは、製造業向けのIoT可視化ソリューションや金融業向けの営業生産性向上ソリューション等の提供により成長してまいりました。新ソリューションによるさらなる売上拡大のため、継続的な技術開発と業種ノウハウの蓄積に努めております。 (15)有利子負債への依存と資金調達について 当社グループは、金融機関を貸付人とする借入契約を締結しており、有利子負債への依存度が比較的高い水準にあります。そのため、金融市場の急激な変化等により、当社グループの資金調達能力、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 なお、当該借入金につきましては、2016年4月に実施した当初借入額31,500百万円から返済が進んでおり、当連結会計年度末における連結有利子負債(一年内返済長期借入金及び長期借入金の合計)の残高は9,942百万円、資産合計に対する有利子負債残高の比率は15.1%となっております。 また、当該借入金については複数の金融機関とシンジケートローン契約を締結しております。当該契約には財務制限条項が付されており、これに抵触した場合、貸付人の請求があれば同契約上の期限の利益を失うため、ただちに債務の返済をするための資金の確保が必要となり、当社グループの財政状態及び資金繰りに影響を及ぼす可能性があります。 当社グループでは、上記の金融機関からの借入に関係した、金利上昇に係るリスクと財務制限条項への抵触による一括返済リスクに対応するため、主に以下の取組みを実施しております。・収益性を重視した経営管理当社グループは、事業の持続的成長のためリカーリングビジネスを推進するとともに、EBITDA及び親会社の所有者に帰属する当期利益を重要な経営指標としており、利益率の維持向上を図っております。・財務バランスを意識した資金計画当社グループの資金計画は、リカーリングビジネスにより安定している営業キャッシュ・フローをベースにしており、借入金の返済及び配当金の支払いを見込んだ上で、投資の計画を策定しております。投資及び財務キャッシュ・フローは、営業キャッシュ・フローの範囲内となるよう管理し、手元資金の増加に努めます。・金利条件及び財務制限条項に係る金融機関との交渉 金融機関と随時交渉を行っており、経済環境や当社グループの事業の進捗状況を共有した上で、金利条件及び財務制限条項の削除及び縮小につき、協議しております。なお、2024年2月にはリファイナンスを実行し、金利条件を改善しております。 (16)新株予約権の行使による株式価値の希薄化について 当社は、当社グループ役員及び従業員に対するインセンティブを目的とし新株予約権を付与しております。2024年2月期末現在、新株予約権による潜在株式総数は394,800株であり、発行済株式総数34,823,070株の1.1%に相当します。これらの新株予約権が権利行使された場合、当社株式が新たに発行され、既存の株主が有する株式の価値及び議決権割合が希薄化する可能性があります。 (17)伊藤忠商事株式会社及び東芝デジタルソリューションズ株式会社との関係について 伊藤忠商事株式会社が親会社であるIW.DXパートナーズ株式会社は、2024年2月期末現在、当社の議決権の22.09%を保有しているため、伊藤忠商事株式会社は当社のその他の関係会社に該当いたします。同社とは2019年11月5日付で資本・業務提携契約を締結しております。当社は同社に対して当社ソフトウェア等の販売を行っておりますが、他の企業の取引条件との比較等により取引条件の適正性等は確保しております。 また、東芝デジタルソリューションズ株式会社は、2024年2月期末現在、当社の議決権の13.31%を保有しているため、当社のその他の関係会社に該当いたします。同社とは2020年11月17日付で資本・業務提携契約を締結しており、同社から社外取締役1名を受け入れております。同社は当社の販売パートナーとして、当社ソフトウェア等の販売を行っておりますが、他のパートナー企業の取引条件との比較等により取引条件の適正性等は確保しております。 なお、当社グループと伊藤忠商事株式会社及び東芝デジタルソリューションズ株式会社との事業領域は相違しており、当社の意思決定において両社による事前承認を必要とする事項等もないことから、当社の独立性及び自律性は保たれていると認識しております。 しかしながら、将来において、何らかの要因により両社が経営方針や事業戦略(当社株式の保有方針も含む。)を変更した場合、当社株式の流動性及び株価形成等に影響を及ぼす可能性があります。
経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
1.経営成績等の状況の概要 当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。 当社グループは、「Empower Data, Innovate the Business, Shape the Future.情報に価値を、企業に変革を、社会に未来を。」というビジョンを掲げており、社会に存在する様々なデータを活用することで、多くの企業にイノベーションをもたらし、その結果として、より良い社会を実現することを目指しております。  当社グループは、「データエンパワーメント事業」を単一の報告セグメントとしておりますが、提供しているソフトウェア及びサービスの性質により、企業の基幹業務を支える「帳票・文書管理ソリューション」と、様々なデータを活用し、今までにない新たな価値を生み出す「データエンパワーメントソリューション」の2つに売上収益を区分しております。 (1)経営成績の状況 当連結会計年度(2023年3月1日~2024年2月29日)における我が国の経済環境は、好調な業績に支えられた企業の積極的な設備投資と賃上げによる所得環境の改善、また賃金上昇分のサービス価格への転嫁が進み、緩やかな回復が続いています。一方、不動産不況から波及した中国経済の低迷やロシアによるウクライナ侵攻の長期化、中東での武力衝突等地政学リスクは依然大きく、我が国経済に影響を与える可能性があります。  当社グループが属する企業向けIT市場は、クラウド化やサブスクリプションモデルの浸透といった外部環境の影響を受けにくい産業構造へ変化しており、これらに加え、リモートワーク、サプライチェーンの強化、業務のペーパーレス化、デジタルガバメントの推進等により、官民ともに積極的な投資は継続する見込みとなっております。また、海外の大手ベンダーを中心に生成系AIを用いたサービスが次々にリリースされ、実際に業績への貢献が進んでおり、我が国においても企業のAIへの取り組みは避けては通れないものとなっております。  2023年の企業向けIT市場は、上述のような様々な要因によって、前期比7.0%増と堅調に成長することが見込まれております(注1)。一方、クラウド市場は、コロナ禍以降の急成長は一服するものの、オンプレミス型からクラウド型へのマイグレーションの流れやクラウドネイティブ化、デジタルビジネスに対する投資の拡大等により、2023年は前期比25.8%増と高い成長を達成、2024年についても前期比19.8%増と引き続き高い成長が見込まれております(注2)。(注)1 IDC Japan, 2023年10月「国内IT市場 産業分野別/従業員規模別/年商規模別予測アップデート、2023年~2027年」(JPJ50705123)TABLE2 国内IT市場 産業分野別 支出額予測、2021年~2027年、企業分野小計2 IDC Japan, 2024年2月「国内パブリッククラウドサービス市場予測、2024年~2028年」(JPJ50706624)TABLE 1 国内パブリッククラウドサービス市場 サービスセグメント(大分類)別 売上額予測、2023年~2028年  このような事業環境のもと、当社グループは、帳票・文書管理ソリューション(BDS)、データエンパワーメントソリューション(DE)それぞれにおいて、積極的に投資を進めてまいりました。 ◇帳票・文書管理ソリューション(BDS) 2023年10月にインボイス制度の導入、2024年1月に改正電子帳簿保存法の本格施行が開始し、企業は帳票の電子化をはじめ、電子的に受領した帳票の確認や保管等関連システムの整備が求められております。また、これらの帳票及び帳票に含まれるデータの活用はDXを進める上で欠かせないものであり、これらを活用するシステムも引き続き強い需要が見込まれております。 当社グループの電子帳票プラットフォームである「invoiceAgent」は、帳票の電子的な保管や運用が行えることに加え、紙帳票を介さない企業間の電子的な取引を実現するクラウドサービスで、企業の帳票活用に関する幅広いニーズに対応しています。本ソリューションでは、今後も強い需要が見込まれる「invoiceAgent」を中心に投資を進めてまいります。 2023年4月「invoiceAgent」と株式会社NTTデータ・ビズインテグラルが提供する大企業向けERPパッケージ「Biz∫(ビズインテグラル)」が「Peppol(ペポル、注1)」をベースとした日本におけるデジタルインボイス標準仕様(JP PINT)へ対応した連携を開始。2023年4月「invoiceAgent」が、株式会社エイトレッドが開発提供するクラウド型ワークフロー「X-point Cloud」との連携アダプター「invoiceAgent Adapter for X-point 」の提供を開始。文書のワークフローにおける属性情報と合わせた文書の電子化から保管までを一元管理し、効率化を実現。2023年6月「SVF Cloud for Salesforce」と弁護士ドットコムが提供する契約マネジメントプラットフォーム「クラウドサイン」が連携。契約帳票の出力、契約起票、契約同意から契約ステータスの管理までを一気通貫でデジタル化し、Salesforce上の商談プロセスにおける業務効率化を実現。2023年7月「invoiceAgent」の機能強化リリースを実施。「invoiceAgent電子取引」においては、Peppol(注1)対応を実施し、Peppol IDの登録やPeppol形式での送受信に対応。「invoiceAgent文書管理」においては、2023年10月のインボイス制度の施行に伴う適格請求書関連の機能を拡充。2023年10月東京証券取引所が2023年10月に開設したカーボン・クレジット市場のインボイス制度対応にあたり「invoiceAgent」及び「SVFCloud」を採用。帳票市場での豊富な実績や他システムとの柔軟な連携機能を評価。同市場の決済において、市場参加者に対し、適格請求書及び精算書の交付を行う。2023年11月「invoiceAgent」がUiPath株式会社の自動化プラットフォーム「UiPath Business Automation Platform」と連携し、インボイス制度に関する業務自動化ソリューションの提供を開始。適格請求書の内容確認作業や事業者番号の照合、データ連携等を自動化することにより、業務の大幅な効率化を実現。2023年11月福岡県北九州市およびデジタル庁と連携し、北九州市におけるデジタルインボイス標準規格「Peppol(ペポル、注)」の請求書受領の実証実験を開始。北九州市における調達・請求に関する事務の効率化を実証し、効率化により北九州市が掲げる稼げるまちへの実現に寄与し地域利益に還元することを目指す。(注) Peppol(Pan European Public Procurement Online)は、請求書(インボイス)などの電子文書をネットワーク上でやり取りするための「文書仕様」「運用ルール」「ネットワーク」のグローバルな標準仕様であり、OpenPeppol(ベルギーの国際的非営利組織)がその管理等を行っている。 ◇データエンパワーメントソリューション(DE) クラウドサービスの浸透により企業規模に関わらず、多くの企業が様々なデータを保有するようになっています。一方、専任者の不在やシステム運用に関する問題から、蓄積されたデータを競争力向上のために活用できている企業は多くはありません。 当社グループは、企業のデータ活用を促進させるため、当社グループのソフトウェア・クラウドサービスに、各業種の業務に精通しているスペシャリストのノウハウを組み合わせ、業種特有の業務を効率化する「業種・業務ソリューション」の提供を行っております。また、大企業向けのデータ分析基盤ソリューション「Dataring」は、単なるソリューションの提供ではなく、データ活用のスペシャリストとして、データの準備から分析、活用とデータ関連業務全体を担うサービスとなっております。今後も顧客の課題をより直接的に解決できるソリューションの提供を行ってまいります。2023年4月入力機能を強化したBIダッシュボード「MotionBoard Ver.6.4」の提供を開始。業務で発生したデータのフォームによるスムーズな入力やノーコードでの設計・運用可能なボタンアクションの強化等現場業務を強力にサポート。2023年4月住友電設株式会社、株式会社テクノ経営ウェブソリューションズ及び当社は共同で、工場経営のオンライン家庭教師、中小製造業向け企業成長支援ソリューション「グロサポ」の提供を開始。IoTで生産活動をデジタル化し、工場の状況を可視化することで改善につながるデータ活用を支援。2023年5月「Dr.Sum」が世界 100ヶ国以上、38,000 社以上の顧客を持つクリックテック・ジャパン株式会社BIツール「Qlik Sense」およびデータレプリケーションツール「Qlik Replicate」と連携。ユーザーに相互の強みを生かした体験を提供。2023年5月スモールデータを簡単に収集する「Dataring SmallData Manager」の提供を開始。既に利用しているシステムや業務の運用を変更せずに、スモールデータを収集のプロセスを簡易化し、バリデーション処理やクレンジング処理の自動実行を実現。2023年6月「MotionBoard」向けデータ入力アプリケーション「Data-Jig(データジグ)」の提供を開始。シンプルな入力フォームをノンプログラミングで実装することが可能で、入力されたデータは、リアルタイムに「MotionBoard」で可視化され、現場と本社・管理部門間のスムーズなデータ連携を実現。2023年9月画像・映像解析のAI技術を持つ株式会社RUTILEAとの資本・業務提携契約を締結。「MotionBoard」及び「Dr.Sum」をRUTILEAのAIサービスと組み合わせ、映像内事象の数値データ化や、データの意味を解析し文書や画像で説明するなどの自動化と業務の高度化を目指す。2023年10月「MotionBoard Cloud」の操作方法等をエフォートレスに解決するAIチャットボット「AIアシスタント for MotionBoard Cloud」の試用版の提供を開始。操作方法や製品情報などを自然言語でスピーディーかつ容易に検索可能。本格提供は、来春を予定。2023年12月つなぐデータベースへと強化したデータ分析基盤「Dr.Sum Ver.5.7」の提供を開始。CData Software社のアダプター採用により、Salesforceやkintone等のクラウドサービスとのシームレスなデータ連携が可能となる。  この結果、当連結会計年度の売上収益は25,752百万円(前期比15.2%増)、営業費用(その他の営業収益を控除後)は、人員の採用による人件費や採用費、販売促進費の増加などで18,443百万円(前期比12.4%増)、営業利益は7,309百万円(前期比22.9%増)、税引前利益は7,304百万円(前期比24.6%増)、親会社の所有者に帰属する当期利益は5,411百万円(前期比23.0%増)となりました。  また、当社グループは、上記のIFRSにより規定された財務指標以外に、以下のEBITDAを重要な経営指標と位置付けております。なお、これまで重要な経営指標として「調整後EBITDA」及び「調整後当期利益」(以下、「調整後指標」)を開示してまいりましたが、2022年2月期以降、投資判断にあたり調整を要すると思われる費用がほぼ発生していないことから、2024年2月期以降は「調整後指標」の開示は行いません。なお、今後「調整後指標」を比較に用いる場合はその旨明記いたします。 (単位:百万円)決算期2023年2月期2024年2月期増減増減率営業利益5,9457,3091,36322.9%減価償却費及び償却費(注1)1,2171,288705.8%EBITDA(注2)7,1638,5971,43420.0%(注)1.2020年2月期より、IFRS第16号の適用により、オフィスの賃借契約に係る使用権を使用権資産として認識しており、当該資産に係る減価償却費も併せて計上しておりますが、EBITDA算出におきましては、「減価償却費及び償却費」からは当該使用権資産に係る減価償却費を除いております。2.EBITDA=営業利益+減価償却費及び償却費  EBITDAは、営業利益、減価償却費及び償却費の増加により8,597百万円(前期比20.0%増)と増加しました。 当社グループは、「データエンパワーメント事業」を単一の報告セグメントとしておりますが、提供しているソフトウェア及びサービスの性質により、企業の基幹業務を支える「帳票・文書管理ソリューション」と、様々なデータを活用し、今までにない新たな価値を生み出す「データエンパワーメントソリューション」の2つに売上収益を区分しております。 ≪ソリューション別売上収益≫                             (単位:百万円)ソリューション区分2023年2月期2024年2月期増減増減率帳票・文書管理ソリューションSVF13,08614,1461,0608.1%invoiceAgent1,1222,09597286.7%その他14525110673.3%小計14,35416,4942,13914.9%データエンパワーメントソリューションDr.Sum2,9293,0631344.6%MotionBoard2,9823,65267022.5%その他2,0822,54145922.1%小計7,9949,2581,26415.8%合計22,34925,7523,40315.2% (帳票・文書管理ソリューション) 当ソリューションは、企業の基幹業務に必須である請求書や納品書等の帳票類を設計・運用を行うソフトウェア及びサービスである「SVF」及び企業間取引の電子化を実現する「invoiceAgent」が主な構成要素となっております。 「SVF」は、大企業や公共を中心としたDX推進のためのシステム投資が継続したことにより、ライセンス/サービスが前期比0.5%増と過去最高であった前年と同程度となりました。保守については、ライセンス/サービスの好調に伴い契約獲得も好調に推移したことから、前期比10.9%増と前年を上回りました。クラウドサービスについては、様々なアライアンスによりサービス提供範囲が拡大したことから、契約社数が順調に増加し、前期比32.1%増と好調な結果となりました。この結果、売上収益は14,146百万円(前期比8.1%増)となりました。 「invoiceAgent」は、大企業の全社的な文書管理ニーズの拡大により、ライセンス/サービスが前期比83.3%増と前年を大きく上回りました。保守については、好調なライセンス/サービスを背景に契約を順調に伸ばし、前期比37.8%増と前年を上回りました。クラウドサービスについては、2023年10月のインボイス制度導入や2024年1月の改正電子帳簿保存法の本格施行が介したため契約社数が大きく増加し、前期比112.0%増と大幅に増加しました。今後はさらなるDXの進展に伴い、企業内でのペーパーレス化のさらなる促進や電子文書活用が進むとみられることから底堅い需要が続くものと想定しております。この結果、売上収益は2,095百万円(前期比86.7%増)と前年から大きく成長しました。 この結果、当ソリューションの売上収益は16,494百万円(前期比14.9%増)となりました。 (データエンパワーメントソリューション) 当ソリューションは、企業が保有するデータを統合・処理・分析・可視化することにより、業務の効率化や生産性の向上を実現するソフトウェア及びサービスである「Dr.Sum」「MotionBoard」が主な構成要素となっております。 「Dr.Sum」は、コロナ禍からの回復が一服したことからライセンス/サービスが前期比12.8%減と減少しました。保守については、高い保守継続率を保っていることから前期比3.8%増と堅調に推移しております。クラウドサービスについては、大企業を中心に案件獲得を進めており、契約社数も順調に増加、前期比68.7%増と大きく成長しました。この結果、売上収益は3,063百万円(前期比4.6%増)となりました。 「MotionBoard」は、大型案件の獲得により、ライセンス/サービスが前期比35.6%増と大きく成長しました。保守については、ライセンス/サービスが好調であったことから、前期比11.2%増と好調に推移しております。クラウドサービスについては、業種別ソリューションを中心に着実に契約社数を積み上げた結果、前期比23.3%増と大きく成長しました。この結果、売上収益は3,652百万円(前期比22.5%増)となりました。 この結果、当ソリューションの売上収益は9,258百万円(前期比15.8%増)となりました。  また、当社グループが提供するソフトウェア及びサービスについては、ソフトウェアライセンスや導入時のサービス提供等継続的な契約を前提としない取引と、ソフトウェアの保守サポート契約、サブスクリプション契約やクラウドサービスの利用契約のような継続的な契約を前提とした取引により構成されています。継続的な契約を前提とした取引は、導入企業が増加するにつれて年々売上収益が積みあがるリカーリングビジネスと呼ばれる収益モデルであり、これらのビジネスから得られる収益(リカーリングレベニュー)は、当社グループの収益の安定化と継続的な拡大に大きく貢献しております。 ≪契約区分別売上収益≫                                (単位:百万円)契約区分2023年2月期2024年2月期増減増減率ライセンス/サービス8,8849,84496010.8%リカーリング保守9,58310,57999610.4%クラウド3,1404,2831,14236.4%サブスクリプション7411,04530441.1%小計13,46415,9082,44318.1%合計22,34925,7523,40315.2%(注)より詳細な情報につきましては、当社IRサイト(https://ir.wingarc.com/)財務情報ページ内の最新の「FACT BOOK」をご参照下さい。 (2)財政状態の状況(資産) 当連結会計年度末における資産は、65,950百万円(前期末比3,399百万円増)となりました。流動資産は15,273百万円(前期末比2,035百万円増)、非流動資産は50,676百万円(前期末比1,364百万円増)となりました。流動資産の増加の主な要因は、現金及び現金同等物1,810百万円の増加によるものです。非流動資産の増加の主な要因は、顧客関係・技術関連資産の償却に伴うその他の無形資産557百万円の減少があったものの、投資有価証券などその他の金融資産の増加1,677百万円があったことによるものであります。 (負債) 当連結会計年度末における負債は、26,853百万円(前期末比1,122百万円減)となりました。流動負債は13,348百万円(前期末比596百万円増)、非流動負債は13,504百万円(前期末比1,718百万円減)となりました。流動負債の増加の主な要因は、契約負債632百万円の増加があったことによるものです。非流動負債の減少の主な要因は、借入金返済に伴う長期借入金1,699百万円の減少があったことによるものであります。 (資本) 当連結会計年度末における資本は、39,096百万円(前期末比4,522百万円増)となりました。資本の増加の主な要因は、配当金の支払に伴う利益剰余金の減少1,901百万円があったものの、親会社の所有者に帰属する当期利益の計上に伴う利益剰余金5,411百万円の増加、その他の資本の構成要素834百万円の増加によるものであります。 (3)キャッシュ・フロー 当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、12,986百万円(前期末比1,810百万円増)となりました。 当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況と要因は次のとおりであります。 (営業活動によるキャッシュ・フロー) 営業活動の結果獲得した資金は、7,840百万円(前期は6,870百万円の獲得)となりました。これは主に、法人所得税の支払額1,791百万円の計上があったものの、税引前利益7,304百万円の計上、減価償却費及び償却費1,612百万円の計上、契約負債の増減額632百万円の計上があったことによるものであります。 (投資活動によるキャッシュ・フロー) 投資活動の結果使用した資金は、1,600百万円(前期は1,020百万円の使用)となりました。これは主に、基幹システム刷新や顧客管理システム改修に伴う無形資産の取得による支出585百万円、投資有価証券の取得による支出527百万円、新規技術設備工事などに伴う有形固定資産の取得による支出488百万円を計上したことによるものであります。 (財務活動によるキャッシュ・フロー) 財務活動の結果使用した資金は、4,462百万円(前期は3,730百万円の使用)となりました。これは主に、長期借入れによる収入10,000百万円があったものの、長期借入金の返済による支出12,250百万円、配当金の支払額1,900百万円を計上したことによるものであります。 2.生産、受注及び販売の実績(1)生産実績 当社グループは、ソフトウェアの販売及びサービスの提供が主体であり、生産活動を行っていないため、該当事項はありません。 (2)受注実績 当社グループは、ソフトウェアの販売及びサービスの提供が主体であり、受注生産を行っていないため、該当事項はありません。 (3)販売実績 当連結会計年度の販売実績は、次のとおりであります。ソリューションの名称当連結会計年度(自 2023年3月1日至 2024年2月29日)金額(百万円)前期比(%)帳票・文書管理ソリューション16,49414.9データエンパワーメントソリューション9,25815.8合計25,75215.2(注)1.当社グループの事業セグメントは、「データエンパワーメント事業」を単一の報告セグメントとしているため、ソリューション別の販売実績を記載しております。2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、以下のとおりであります。相手先前連結会計年度(自 2022年3月1日至 2023年2月28日)当連結会計年度(自 2023年3月1日至 2024年2月29日)金額(百万円)割合(%)金額(百万円)割合(%)日本電気株式会社2,1329.541,9107.42 3.経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。 (1)重要な会計方針及び見積り 当社グループの連結財務諸表はIFRSに基づき作成しております。この連結財務諸表の作成に当たっては、過去の実績や状況に応じ合理的と考えられる様々な要因に基づき、見積り及び判断を行っておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるために、これらの見積りと異なる場合があります。 なお、当社グループの連結財務諸表で採用する重要性のある会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 3.重要性のある会計方針」及び「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 4.重要な会計上の判断、見積り及び仮定」に記載しております。 (2)財政状態の分析 当連結会計年度における財政状態の分析につきましては、「1.経営成績等の状況の概要 (2)財政状態の状況」を参照ください。 (3)経営成績の分析 当連結会計年度における経営成績の分析につきましては、「1.経営成績等の状況の概要 (1)経営成績の状況」を参照下さい。 (4)キャッシュ・フローの分析 当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因については、「1.経営成績等の状況の概要 (3)キャッシュ・フロー」に記載しております。 (5)資本の財源及び資金の流動性 当社グループにおける主な資金使途は人件費、研究開発費、外注・業務委託料等の営業費用、主に社内インフラ用のソフトウェア・サーバ等の設備投資、M&Aや出資に係る投資、借入金の返済、配当の支払となっております。これらの資金需要につきましては、営業キャッシュ・フローを源泉とする自己資金で賄っており、必要に応じて借入金等による資金調達を実施する方針としております。 (6)目標とする指標の分析・EBITDA(単位:百万円) 2023年2月期2024年2月期増減増減率EBITDA7,1638,5971,43420.0%(参考)売上収益22,34925,7523,40315.2% EBITDAは、売上収益の増加及びコストコントロールが奏功したことにより、8,597百万円(前期比20.0%増)と前年を大きく上回りました。 ・契約継続率 2023年2月期2024年2月期増減契約継続率95.6%94.0%△1.6ポイント 契約継続率は、顧客企業でのシステム終了等の影響により、1.6ポイントの減少となりましたが引き続き高い水準を維持しております。
経営上の重要な契約等 5【経営上の重要な契約等】
(株式会社三菱UFJ銀行等と締結しているタームローン契約)当社は2024年2月26日付で株式会社三菱UFJ銀行をエージェントとするタームローン契約(以下「本契約)という。)を締結しております。当該本契約の主な契約内容は、以下のとおりであります。 ① 契約の相手先株式会社三菱UFJ銀行、その他2社② 借入金額タームローン 当初借入金額 10,000百万円③ 返済期限2031年2月末日を最終返済日とする分割返済④ 利率TIBOR(東京銀行間取引金利)+スプレッドスプレッドは、タームローン契約において予め定められた料率⑤ 主な借入人の義務イ.借入人の決算書類を提出する義務ロ.当該契約上の権利及び義務並びに地位は、他の当事者の書面による事前の同意なく、第三者に対して譲渡その他の移転、担保権設定その他の処分を行わないことハ.財務制限条項を遵守すること  当社の借入金について財務制限条項が付されており、当該条項に抵触した場合、当社は期限の利益を喪失し、借入先の要求に基づいて借入金を一括返済する可能性があります。 当社の借入金に付されている財務制限条項は、以下のとおりであります。・2024年2月期以降(2024年2月期含む。)借入人の各年度の決算期の末日における借入人の連結の貸借対照表における純資産の部の金額を、当該決算期の直前の決算期の末日又は2023年2月に終了する決算期の末日における借入人の連結の貸借対照表における純資産の部の金額のいずれか大きい方の75%の金額以上にそれぞれ維持することを確約する。・2024年2月期及びその直前の2023年2月に終了する決算期以降(2023年2月期含む。)借入人の各年度の決算期に係る借入人の連結の損益計算書上の営業損益に関して、それぞれ2期連続して営業損失を計上しないことを確約する。
研究開発活動 6【研究開発活動】
 当社グループは、「データエンパワーメント事業」を単一の報告セグメントとしておりますので、セグメント別の記載はしておりません。  当社グループは、主に企業向けソフトウェア及びサービスの開発に係る研究開発を行っており、市場の拡大や技術の進歩により多様化、高度化し、広汎な範囲にわたる顧客ニーズに応える製品を研究、開発し、提供することを基本方針としております。当連結会計年度における研究開発費は3,055百万円であります。 (1)研究の目的 クラウド、ビッグデータ、IoT、AI、働き方改革といった市場の変化に対応した、当社グループ独自のソフトウェア及びサービスの開発を目的としております。 (2)主要な研究課題 集計速度の向上やストリーミングデータのリアルタイム処理、紙文書の電子化、他のソフトウェア及びサービスとの連携等当社グループの事業方針を実現する上で必要となる技術開発に取り組んでおります。 (3)研究体制 本社、札幌、新潟の各拠点の開発部門において、研究開発活動を行っております。 (4)研究成果 研究開発活動の成果として、新機能や性能を向上させたソフトウェア及びサービスのリリースを随時行っております。
設備投資等の概要 1【設備投資等の概要】
 当社グループでは、社内インフラの整備、当社組織の拡張、研究開発機能の充実及び持続的な事業成長を支える経営基盤の強化を目的として計画的、継続的に設備投資を実施しております。 当連結会計年度における設備投資は、主に新規技術設備開設に伴う工事、業務効率化を目的とした基幹システム刷新や顧客管理システム改修に伴う社内インフラ用のソフトウェア、サーバー機器及びネットワーク機器の取得などにより、総額989百万円となりました。 なお、当連結会計年度において重要な設備の除却及び売却等はありません。
主要な設備の状況 2【主要な設備の状況】
 当社グループにおける主要な設備は、次のとおりであります。なお、当社グループは、「データエンパワーメント事業」を単一の報告セグメントとしておりますので、セグメント別の記載はしておりません。(1)提出会社2024年2月29日現在 事業所名(所在地)設備の内容帳簿価額従業員数(人)建物及び構築物(千円)使用権資産(千円)その他(千円)合計(千円)本社(東京都港区)本社機能438,150205,0141,345,9331,989,098621(66)秋葉原DataEmpowermentBase(東京都千代田区)事務所設備265,61198,886136,651501,149-札幌オフィス(北海道札幌市北区)事務所設備15,92928,18013,19457,30446(-)新潟オフィス(新潟県新潟市中央区)事務所設備4,88513,1385,08223,10630(-)大阪オフィス(大阪府大阪市北区)事務所設備2,01526,2244,80033,04034
(2)名古屋オフィス(愛知県名古屋市中村区)事務所設備5,76239,9614,29150,01511(4)(注)1.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。2.従業員数の(外書)は、派遣社員数であります。3.帳簿価額のうち「使用権資産」は、建物及び構築物、土地であります。4.帳簿価額のうち「その他」は、工具、器具及び備品、業務用ソフトウェアであります。5.BMX練習用施設は、「本社」に含めております。6.上記の本社(BMX練習用施設を除く)及び各オフィスは賃借物件であります。 (2)国内子会社 主要な設備がないため、記載を省略しております。 (3)在外子会社 主要な設備がないため、記載を省略しております。
設備の新設、除却等の計画 3【設備の新設、除却等の計画】
 当社グループの設備投資については、景気予測、業界動向、投資効率等を総合的に勘案して策定しております。設備計画は原則的に連結会社各社が個別に策定していますが、計画策定に当たっては提出会社を中心に調整を図っております。 なお、当連結会計年度末現在における重要な設備の新設、改修及び除却等の計画は次のとおりであります。 (1)重要な設備の新設該当事項はありません。
(2)重要な設備の改修該当事項はありません。 (3)重要な設備の除却等該当事項はありません。
研究開発費、研究開発活動3,055,000,000
設備投資額、設備投資等の概要989,000,000

Employees

平均年齢(年)、提出会社の状況、従業員の状況40
平均勤続年数(年)、提出会社の状況、従業員の状況5
平均年間給与、提出会社の状況、従業員の状況7,480,598

Investment

株式の保有状況 (5)【株式の保有状況】
① 投資株式の区分の基準及び考え方 当社は、保有目的が純投資目的である投資株式と、純投資目的以外の目的である投資株式の区分について、株価の変動によるキャピタルゲインや配当等による利益の確保を目的とするものを純投資目的である投資株式とし、純投資目的以外の目的である投資株式につきましては、原則として、いわゆる政策保有株式を保有しませんが、中長期的に当社の企業価値向上に資すると判断された場合、保有することがあります。 現在、資本業務提携契約に基づき、製造業分野における技術面及び営業面での協業を目的として、下記に記載の2社の上場会社株式を保有しております。 ② 保有目的が純投資以外の目的である投資株式a.保有方針及び保有の合理性を検証する方法並びに個別銘柄の保有の適否に関する取締役会等における検証の内容 継続保有の適否については協業の進捗状況を勘案し、保有の継続について検討事項が生じた場合は必要に応じて取締役会で検証を行っております。 b.銘柄数及び貸借対照表計上額の合計額 銘柄数(銘柄)貸借対照表計上額の合計額(千円)非上場株式7516,314非上場株式以外の株式24,241,870 (当事業年度において株式数が増加した銘柄) 銘柄数(銘柄)株式数の増加に係る取得価額の合計額(千円)株式数の増加の理由非上場株式190,000事業拡大及び取引先との関係強化非上場株式以外の株式1341,960事業拡大及び取引先との関係強化 (当事業年度において株式数が減少した銘柄) 銘柄数(銘柄)株式数の減少に係る売却価額の合計額(千円)非上場株式--非上場株式以外の株式-- c.特定投資株式及びみなし保有株式の銘柄ごとの株式数、貸借対照表計上額等に関する情報 特定投資株式銘柄当事業年度前事業年度保有目的、業務提携等の概要、定量的な保有効果及び株式数が増加した理由当社の株式の保有の有無株式数(株)株式数(株)貸借対照表計上額(千円)貸借対照表計上額(千円)ビジネスエンジニアリング(株)960,000960,000技術面及び営業面での協力体制構築のため保有しております。定量的な保有効果の記載は困難ですが、保有の合理性については、② a.にて記載により検証しております。無3,902,4002,852,160(株)スマートバリュー830,000-技術面及び営業面での協力体制構築のため新規に取得・保有しております。定量的な保有効果の記載は困難ですが、保有の合理性については、② a.にて記載により検証しております。無339,470-  みなし保有株式 該当事項はありません。 ③ 保有目的が純投資目的である投資株式 該当事項はありません。
株式数が増加した銘柄数、非上場株式、保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式、提出会社1
株式数が増加した銘柄数、非上場株式以外の株式、保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式、提出会社1
銘柄数、非上場株式、保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式、提出会社7
貸借対照表計上額、非上場株式、保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式、提出会社516,314,000
銘柄数、非上場株式以外の株式、保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式、提出会社2
貸借対照表計上額、非上場株式以外の株式、保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式、提出会社4,241,870,000
株式数の増加に係る取得価額の合計額、非上場株式、保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式、提出会社90,000,000
株式数の増加に係る取得価額の合計額、非上場株式以外の株式、保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式、提出会社341,960,000
株式数、保有目的が純投資目的以外の目的である特定投資株式の明細、提出会社830,000
貸借対照表計上額、保有目的が純投資目的以外の目的である特定投資株式の明細、提出会社339,470,000
株式数が増加した理由、非上場株式、保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式、提出会社事業拡大及び取引先との関係強化
株式数が増加した理由、非上場株式以外の株式、保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式、提出会社事業拡大及び取引先との関係強化
銘柄、保有目的が純投資目的以外の目的である特定投資株式の明細、提出会社(株)スマートバリュー
当該株式の発行者による提出会社の株式の保有の有無、保有目的が純投資目的以外の目的である特定投資株式の明細、提出会社

Shareholders

大株主の状況 (6)【大株主の状況】
2024年2月29日現在
氏名又は名称住所所有株式数(株)発行済株式(自己株式を除く。)の総数に対する所有株式数の割合(%)
IW.DXパートナーズ株式会社東京都港区北青山2丁目5番1号7,643,47022.09
東芝デジタルソリューションズ株式会社神奈川県川崎市幸区堀川町72番地344,604,70013.31
日本マスタートラスト信託銀行株式会社(信託口)東京都港区赤坂1丁目8番1号3,186,4009.21
株式会社日本カストディ銀行(信託口)東京都中央区晴海1丁目8番12号1,795,3005.19
モノリス有限責任事業組合東京都港区六本木3丁目2番1号1,400,0004.05
NORTHERN TRUST CO.(AVFC) RE UKDU UCITS CLIENTS NON LENDING 10 PCT TREATY ACCOUNT(常任代理人 香港上海銀行 東京支店)50 BANK STREET CANARY WHARF LONDONE14 5NT, UK(東京都中央区日本橋3丁目11番1号)1,233,4003.57
GOVERNMENT OF NORWAY(常任代理人 シティバンク、エヌ・エイ 東京支店)BANKPLASSEN 2, 0107 OSLO 1 OSLO 0107 NO(東京都新宿区新宿6丁目27番30号)641,0001.85
鈴与株式会社静岡市清水区入船町11番1号537,3001.55
JPモルガン証券株式会社東京都千代田区丸の内2丁目7番3号512,5051.48
株式会社日本カストディ銀行(年金特金口)東京都中央区晴海1丁目8番12号440,0001.27計-21,994,07563.58(注)1.所有株式数の割合を算出するための発行済株式の総数からは自己株式228,664株を控除しております。なお、「役員報酬BIP信託」導入において設定した日本マスタートラスト信託銀行株式会社(役員報酬BIP信託口)が保有する当社株式205,268株は当該自己株式に含めておりません。2.
日本マスタートラスト信託銀行株式会社(信託口)および
株式会社日本カストディ銀行(信託口)の信託業務に係る株式数については、当社として把握することができないため記載しておりません。3.2022年5月11日付で公衆の縦覧に供されている大量保有報告書の変更報告書において、フィデリティ投信株式会社が2022年4月29日現在で以下の株式を保有している旨が記載されているものの、当社として2024年2月29日現在における実質所有株式数の確認ができませんので、上記大株主の状況には含めておりません。なお、その大量保有報告書の変更報告書の内容は次のとおりであります。
氏名又は名称住所保有株券等の数(株)株券等保有割合(%)フィデリティ投信株式会社東京都港区六本木七丁目7番7号1,683,5004.83計-1,683,5004.83 4.2023年9月1日付で公衆の縦覧に供されている大量保有報告書において、ジュピター・アセット・マネジメント・リミテッドが2023年7月13日現在で以下の株式を保有している旨が記載されているものの、当社として2024年2月29日現在における実質所有株式数の確認ができませんので、上記大株主の状況には含めておりません。なお、その大量保有報告書の内容は次のとおりであります。
氏名又は名称住所所有株式数(株)発行済株式総数に対する所有株式数の割合(%)ジュピター・アセット・マネジメント・リミテッド英国 SW1E 6SQ、ロンドン、ヴィクトリアストリート70、ザ・ジグザグビルディング1,739,7005.00計-1,739,7005.00
株主数-金融機関13
株主数-金融商品取引業者30
株主数-外国法人等-個人6
株主数-外国法人等-個人以外177
株主数-個人その他3,749
株主数-その他の法人39
株主数-計4,014
氏名又は名称、大株主の状況株式会社日本カストディ銀行(年金特金口)
株主総利回り3
株主総会決議による取得の状況 (1)【株主総会決議による取得の状況】
該当事項はありません。
株主総会決議又は取締役会決議に基づかないものの内容 (3)【株主総会決議又は取締役会決議に基づかないものの内容】
区分株式数(株)価額の総額(円)当事業年度における取得自己株式110317,774当期間における取得自己株式--

Shareholders2

自己株式の取得-317,000

Audit

監査法人1、連結EY新日本有限責任監査法人
独立監査人の報告書、連結 独立監査人の監査報告書 2024年5月30日ウイングアーク1st株式会社 取締役会 御中 EY新日本有限責任監査法人 東京事務所 指定有限責任社員業務執行社員 公認会計士定留 尚之 指定有限責任社員業務執行社員 公認会計士武澤 玲子<連結財務諸表監査> 監査意見 当監査法人は、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づく監査証明を行うため、「経理の状況」に掲げられているウイングアーク1st株式会社の2023年3月1日から2024年2月29日までの連結会計年度の連結財務諸表、すなわち、連結財政状態計算書、連結損益計算書、連結包括利益計算書、連結持分変動計算書、連結キャッシュ・フロー計算書及び連結財務諸表注記について監査を行った。 当監査法人は、上記の連結財務諸表が、「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」第93条により規定された国際会計基準に準拠して、ウイングアーク1st株式会社及び連結子会社の2024年2月29日現在の財政状態並びに同日をもって終了する連結会計年度の経営成績及びキャッシュ・フローの状況を、全ての重要な点において適正に表示しているものと認める。 監査意見の根拠 当監査法人は、我が国において一般に公正妥当と認められる監査の基準に準拠して監査を行った。監査の基準における当監査法人の責任は、「連結財務諸表監査における監査人の責任」に記載されている。当監査法人は、我が国における職業倫理に関する規定に従って、会社及び連結子会社から独立しており、また、監査人としてのその他の倫理上の責任を果たしている。当監査法人は、意見表明の基礎となる十分かつ適切な監査証拠を入手したと判断している。 監査上の主要な検討事項 監査上の主要な検討事項とは、当連結会計年度の連結財務諸表の監査において、監査人が職業的専門家として特に重要であると判断した事項である。監査上の主要な検討事項は、連結財務諸表全体に対する監査の実施過程及び監査意見の形成において対応した事項であり、当監査法人は、当該事項に対して個別に意見を表明するものではない。 のれん及び商標権の回収可能価額の見積り監査上の主要な検討事項の内容及び決定理由監査上の対応 会社は、当連結会計年度の連結財政状態計算書において、のれん27,348,960千円及び商標権9,170,051千円を計上しており、これらの合計額の総資産に占める割合は55%である。 のれんのうち重要なものは、連結財務諸表注記「13.のれん及びその他の無形資産(2)重要なのれん及びその他の無形資産」に記載されているとおり、2016年4月14日において旧ウイングアーク1st株式会社の全株式を取得して完全子会社化したことにより発生したものである。なお、商標権は、会社の帳票基盤ソリューション「SVF」及びBI(BusinessIntelligence)ツール「Dr.Sum」にかかるものであり、連結財務諸表注記「13.のれん及びその他の無形資産(3)耐用年数を確定できない無形資産」に記載のとおり事業が継続する限りにおいて永続的に使用されるものであり、将来の経済的便益が流入する期間が予見可能でないと判断し、耐用年数を確定できないものに分類している。 会社は、連結財務諸表に対して国際会計基準を適用しており、連結財務諸表注記「3.重要性のある会計方針(9)非金融資産の減損」に記載されているとおり、のれん及び耐用年数を確定できない無形資産を含む資金生成単位又は資金生成単位グループは、減損の兆候がある場合及び減損の兆候の有無に関わらず各連結会計年度の一定時期において減損テストを実施することが求められる。減損テストにあたっては、回収可能価額が帳簿価額を下回る場合、帳簿価額が回収可能価額まで減額され、帳簿価額の減少額は減損損失として認識する。 連結財務諸表注記「3.重要性のある会計方針(9)非金融資産の減損」及び「13.のれん及びその他の無形資産(4)のれん及び耐用年数を確定できない無形資産の減損テスト」に記載されているとおり、会社は、データエンパワーメント事業を資金生成単位とするのれん及び商標権の減損テストにおける回収可能価額として使用価値を用いており、割引キャッシュ・フロー法(以下「DCF法」)により算定している。DCF法による算定に 用いる将来キャッシュ・フローは、翌連結会計 年度の事業計画及びその後2年の業績予測(以下「事業計画等」)を基礎とし、予測期間終了以降は長期成長率を使用した永続法により算定されており、経営者が承認した事業計画等を基礎として見積もられるが、当該事業計画等に含まれる主要な仮定である製品・売上形態ごとの新規案件売上及び将来の売上高成長率、割引率並びに長期成長率の予測には高い不確実性を伴うため、これらの経営者による判断が将来キャッシュ・フローの見積りに重要な影響を及ぼす。また、DCF法による算定に用いる割引率の見積りにおいて、計算手法及びインプットデータの選択に当たり、評価に関する専門知識を必要とする。 以上から、当監査法人は、データエンパワーメント事業を資金生成単位とするのれん及び商標権の回収可能価額の見積りが、当連結会計年度の連結財務諸表監査において特に重要であり、監査上の主要な検討事項に該当すると判断した。 当監査法人は、データエンパワーメント事業を資金生成単位とするのれん及び商標権の回収可能価額の見積りについて評価するため、主に以下の監査手続を実施した。(1) 内部統制の評価 のれん及び商標権の回収可能価額の見積りに関する内部統制の整備及び運用状況の有効性を評価した。
(2) 使用価値の見積りの評価 使用価値の算定に用いられる将来キャッシュ・フローの見積り及び割引率について、主に以下の手続を実施した。・経営者により承認された事業計画等との一致を確認する ために、3年間の見積将来キャッシュ・フローと、事業計画等を比較した。・事業計画等の見積りプロセスの有効性を評価するために、過年度の事業計画等と実績を比較した。・製品・売上形態ごとの新規案件売上及び将来の売上高成長率について将来キャッシュ・フローに与える影響の程度を評価し、経営管理者への質問、過去の売上実績及び売上高成長率と比較するとともに、業界成長率予測に関する外部情報との整合性を確かめた。また、監査人の見積り額を設定し、会社の見積り額と比較した。・使用価値の評価方法、割引率及び長期成長率について、当監査法人のネット ワーク・ファームの評価の専門家を関与させ、評価方法と会計基準との整合性を確かめた。・将来キャッシュ・フローの割引率について、 経営者が実施した感応度分析を評価した。 その他の記載内容 その他の記載内容は、有価証券報告書に含まれる情報のうち、連結財務諸表及び財務諸表並びにこれらの監査報告書以外の情報である。経営者の責任は、その他の記載内容を作成し開示することにある。また、監査役及び監査役会の責任は、その他の記載内容の報告プロセスの整備及び運用における取締役の職務の執行を監視することにある。 当監査法人の連結財務諸表に対する監査意見の対象にはその他の記載内容は含まれておらず、当監査法人はその他の記載内容に対して意見を表明するものではない。 連結財務諸表監査における当監査法人の責任は、その他の記載内容を通読し、通読の過程において、その他の記載内容と連結財務諸表又は当監査法人が監査の過程で得た知識との間に重要な相違があるかどうか検討すること、また、そのような重要な相違以外にその他の記載内容に重要な誤りの兆候があるかどうか注意を払うことにある。 当監査法人は、実施した作業に基づき、その他の記載内容に重要な誤りがあると判断した場合には、その事実を報告することが求められている。 その他の記載内容に関して、当監査法人が報告すべき事項はない。 連結財務諸表に対する経営者並びに監査役及び監査役会の責任 経営者の責任は、国際会計基準に準拠して連結財務諸表を作成し適正に表示することにある。これには、不正又は誤謬による重要な虚偽表示のない連結財務諸表を作成し適正に表示するために経営者が必要と判断した内部統制を整備及び運用することが含まれる。 連結財務諸表を作成するに当たり、経営者は、継続企業の前提に基づき連結財務諸表を作成することが適切であるかどうかを評価し、国際会計基準に基づいて継続企業に関する事項を開示する必要がある場合には当該事項を開示する責任がある。 監査役及び監査役会の責任は、財務報告プロセスの整備及び運用における取締役の職務の執行を監視することにある。連結財務諸表監査における監査人の責任 監査人の責任は、監査人が実施した監査に基づいて、全体としての連結財務諸表に不正又は誤謬による重要な虚偽表示がないかどうかについて合理的な保証を得て、監査報告書において独立の立場から連結財務諸表に対する意見を表明することにある。虚偽表示は、不正又は誤謬により発生する可能性があり、個別に又は集計すると、連結財務諸表の利用者の意思決定に影響を与えると合理的に見込まれる場合に、重要性があると判断される。 監査人は、我が国において一般に公正妥当と認められる監査の基準に従って、監査の過程を通じて、職業的専門家としての判断を行い、職業的懐疑心を保持して以下を実施する。・ 不正又は誤謬による重要な虚偽表示リスクを識別し、評価する。また、重要な虚偽表示リスクに対応した監査手続を立案し、実施する。監査手続の選択及び適用は監査人の判断による。さらに、意見表明の基礎となる十分かつ適切な監査証拠を入手する。・ 連結財務諸表監査の目的は、内部統制の有効性について意見表明するためのものではないが、監査人は、リスク評価の実施に際して、状況に応じた適切な監査手続を立案するために、監査に関連する内部統制を検討する。・ 経営者が採用した会計方針及びその適用方法の適切性、並びに経営者によって行われた会計上の見積りの合理性及び関連する注記事項の妥当性を評価する。・ 経営者が継続企業を前提として連結財務諸表を作成することが適切であるかどうか、また、入手した監査証拠に基づき、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況に関して重要な不確実性が認められるかどうか結論付ける。継続企業の前提に関する重要な不確実性が認められる場合は、監査報告書において連結財務諸表の注記事項に注意を喚起すること、又は重要な不確実性に関する連結財務諸表の注記事項が適切でない場合は、連結財務諸表に対して除外事項付意見を表明することが求められている。監査人の結論は、監査報告書日までに入手した監査証拠に基づいているが、将来の事象や状況により、企業は継続企業として存続できなくなる可能性がある。・ 連結財務諸表の表示及び注記事項が、国際会計基準に準拠しているかどうかとともに、関連する注記事項を含めた連結財務諸表の表示、構成及び内容、並びに連結財務諸表が基礎となる取引や会計事象を適正に表示しているかどうかを評価する。・ 連結財務諸表に対する意見を表明するために、会社及び連結子会社の財務情報に関する十分かつ適切な監査証拠を入手する。監査人は、連結財務諸表の監査に関する指示、監督及び実施に関して責任がある。監査人は、単独で監査意見に対して責任を負う。 監査人は、監査役及び監査役会に対して、計画した監査の範囲とその実施時期、監査の実施過程で識別した内部統制の重要な不備を含む監査上の重要な発見事項、及び監査の基準で求められているその他の事項について報告を行う。 監査人は、監査役及び監査役会に対して、独立性についての我が国における職業倫理に関する規定を遵守したこと、並びに監査人の独立性に影響を与えると合理的に考えられる事項、及び阻害要因を除去するための対応策を講じている場合又は阻害要因を許容可能な水準にまで軽減するためのセーフガードを適用している場合はその内容について報告を行う。 監査人は、監査役及び監査役会と協議した事項のうち、当連結会計年度の連結財務諸表の監査で特に重要であると判断した事項を監査上の主要な検討事項と決定し、監査報告書において記載する。ただし、法令等により当該事項の公表が禁止されている場合や、極めて限定的ではあるが、監査報告書において報告することにより生じる不利益が公共の利益を上回ると合理的に見込まれるため、監査人が報告すべきでないと判断した場合は、当該事項を記載しない。 <報酬関連情報> 当監査法人及び当監査法人と同一のネットワークに属する者に対する、会社及び子会社の監査証明業務に基づく報酬及び非監査業務に基づく報酬の額は、「提出会社の状況」に含まれるコーポレート・ガバナンスの状況等(3)【監査の状況】
に記載されている。 利害関係会社及び連結子会社と当監査法人又は業務執行社員との間には、公認会計士法の規定により記載すべき利害関係はない。 以  上  (注)1.上記の監査報告書の原本は当社(有価証券報告書提出会社)が別途保管しております。2.XBRLデータは監査の対象には含まれていません。
監査上の主要な検討事項、連結 監査上の主要な検討事項 監査上の主要な検討事項とは、当連結会計年度の連結財務諸表の監査において、監査人が職業的専門家として特に重要であると判断した事項である。監査上の主要な検討事項は、連結財務諸表全体に対する監査の実施過程及び監査意見の形成において対応した事項であり、当監査法人は、当該事項に対して個別に意見を表明するものではない。 のれん及び商標権の回収可能価額の見積り監査上の主要な検討事項の内容及び決定理由監査上の対応 会社は、当連結会計年度の連結財政状態計算書において、のれん27,348,960千円及び商標権9,170,051千円を計上しており、これらの合計額の総資産に占める割合は55%である。 のれんのうち重要なものは、連結財務諸表注記「13.のれん及びその他の無形資産(2)重要なのれん及びその他の無形資産」に記載されているとおり、2016年4月14日において旧ウイングアーク1st株式会社の全株式を取得して完全子会社化したことにより発生したものである。なお、商標権は、会社の帳票基盤ソリューション「SVF」及びBI(BusinessIntelligence)ツール「Dr.Sum」にかかるものであり、連結財務諸表注記「13.のれん及びその他の無形資産(3)耐用年数を確定できない無形資産」に記載のとおり事業が継続する限りにおいて永続的に使用されるものであり、将来の経済的便益が流入する期間が予見可能でないと判断し、耐用年数を確定できないものに分類している。 会社は、連結財務諸表に対して国際会計基準を適用しており、連結財務諸表注記「3.重要性のある会計方針(9)非金融資産の減損」に記載されているとおり、のれん及び耐用年数を確定できない無形資産を含む資金生成単位又は資金生成単位グループは、減損の兆候がある場合及び減損の兆候の有無に関わらず各連結会計年度の一定時期において減損テストを実施することが求められる。減損テストにあたっては、回収可能価額が帳簿価額を下回る場合、帳簿価額が回収可能価額まで減額され、帳簿価額の減少額は減損損失として認識する。 連結財務諸表注記「3.重要性のある会計方針(9)非金融資産の減損」及び「13.のれん及びその他の無形資産(4)のれん及び耐用年数を確定できない無形資産の減損テスト」に記載されているとおり、会社は、データエンパワーメント事業を資金生成単位とするのれん及び商標権の減損テストにおける回収可能価額として使用価値を用いており、割引キャッシュ・フロー法(以下「DCF法」)により算定している。DCF法による算定に 用いる将来キャッシュ・フローは、翌連結会計 年度の事業計画及びその後2年の業績予測(以下「事業計画等」)を基礎とし、予測期間終了以降は長期成長率を使用した永続法により算定されており、経営者が承認した事業計画等を基礎として見積もられるが、当該事業計画等に含まれる主要な仮定である製品・売上形態ごとの新規案件売上及び将来の売上高成長率、割引率並びに長期成長率の予測には高い不確実性を伴うため、これらの経営者による判断が将来キャッシュ・フローの見積りに重要な影響を及ぼす。また、DCF法による算定に用いる割引率の見積りにおいて、計算手法及びインプットデータの選択に当たり、評価に関する専門知識を必要とする。 以上から、当監査法人は、データエンパワーメント事業を資金生成単位とするのれん及び商標権の回収可能価額の見積りが、当連結会計年度の連結財務諸表監査において特に重要であり、監査上の主要な検討事項に該当すると判断した。 当監査法人は、データエンパワーメント事業を資金生成単位とするのれん及び商標権の回収可能価額の見積りについて評価するため、主に以下の監査手続を実施した。(1) 内部統制の評価 のれん及び商標権の回収可能価額の見積りに関する内部統制の整備及び運用状況の有効性を評価した。
(2) 使用価値の見積りの評価 使用価値の算定に用いられる将来キャッシュ・フローの見積り及び割引率について、主に以下の手続を実施した。・経営者により承認された事業計画等との一致を確認する ために、3年間の見積将来キャッシュ・フローと、事業計画等を比較した。・事業計画等の見積りプロセスの有効性を評価するために、過年度の事業計画等と実績を比較した。・製品・売上形態ごとの新規案件売上及び将来の売上高成長率について将来キャッシュ・フローに与える影響の程度を評価し、経営管理者への質問、過去の売上実績及び売上高成長率と比較するとともに、業界成長率予測に関する外部情報との整合性を確かめた。また、監査人の見積り額を設定し、会社の見積り額と比較した。・使用価値の評価方法、割引率及び長期成長率について、当監査法人のネット ワーク・ファームの評価の専門家を関与させ、評価方法と会計基準との整合性を確かめた。・将来キャッシュ・フローの割引率について、 経営者が実施した感応度分析を評価した。
全体概要、監査上の主要な検討事項、連結  監査上の主要な検討事項とは、当連結会計年度の連結財務諸表の監査において、監査人が職業的専門家として特に重要であると判断した事項である。監査上の主要な検討事項は、連結財務諸表全体に対する監査の実施過程及び監査意見の形成において対応した事項であり、当監査法人は、当該事項に対して個別に意見を表明するものではない。
見出し、監査上の主要な検討事項、連結のれん及び商標権の回収可能価額の見積り
内容及び理由、監査上の主要な検討事項、連結  会社は、当連結会計年度の連結財政状態計算書において、のれん27,348,960千円及び商標権9,170,051千円を計上しており、これらの合計額の総資産に占める割合は55%である。 のれんのうち重要なものは、連結財務諸表注記「13.のれん及びその他の無形資産(2)重要なのれん及びその他の無形資産」に記載されているとおり、2016年4月14日において旧ウイングアーク1st株式会社の全株式を取得して完全子会社化したことにより発生したものである。なお、商標権は、会社の帳票基盤ソリューション「SVF」及びBI(BusinessIntelligence)ツール「Dr.Sum」にかかるものであり、連結財務諸表注記「13.のれん及びその他の無形資産(3)耐用年数を確定できない無形資産」に記載のとおり事業が継続する限りにおいて永続的に使用されるものであり、将来の経済的便益が流入する期間が予見可能でないと判断し、耐用年数を確定できないものに分類している。 会社は、連結財務諸表に対して国際会計基準を適用しており、連結財務諸表注記「3.重要性のある会計方針(9)非金融資産の減損」に記載されているとおり、のれん及び耐用年数を確定できない無形資産を含む資金生成単位又は資金生成単位グループは、減損の兆候がある場合及び減損の兆候の有無に関わらず各連結会計年度の一定時期において減損テストを実施することが求められる。減損テストにあたっては、回収可能価額が帳簿価額を下回る場合、帳簿価額が回収可能価額まで減額され、帳簿価額の減少額は減損損失として認識する。 連結財務諸表注記「3.重要性のある会計方針(9)非金融資産の減損」及び「13.のれん及びその他の無形資産(4)のれん及び耐用年数を確定できない無形資産の減損テスト」に記載されているとおり、会社は、データエンパワーメント事業を資金生成単位とするのれん及び商標権の減損テストにおける回収可能価額として使用価値を用いており、割引キャッシュ・フロー法(以下「DCF法」)により算定している。DCF法による算定に 用いる将来キャッシュ・フローは、翌連結会計 年度の事業計画及びその後2年の業績予測(以下「事業計画等」)を基礎とし、予測期間終了以降は長期成長率を使用した永続法により算定されており、経営者が承認した事業計画等を基礎として見積もられるが、当該事業計画等に含まれる主要な仮定である製品・売上形態ごとの新規案件売上及び将来の売上高成長率、割引率並びに長期成長率の予測には高い不確実性を伴うため、これらの経営者による判断が将来キャッシュ・フローの見積りに重要な影響を及ぼす。また、DCF法による算定に用いる割引率の見積りにおいて、計算手法及びインプットデータの選択に当たり、評価に関する専門知識を必要とする。 以上から、当監査法人は、データエンパワーメント事業を資金生成単位とするのれん及び商標権の回収可能価額の見積りが、当連結会計年度の連結財務諸表監査において特に重要であり、監査上の主要な検討事項に該当すると判断した。
開示への参照、監査上の主要な検討事項、連結連結財務諸表注記「13.のれん及びその他の無形資産(2)重要なのれん及びその他の無形資産」
開示への参照2、監査上の主要な検討事項、連結連結財務諸表注記「13.のれん及びその他の無形資産(3)耐用年数を確定できない無形資産」
監査上の対応、監査上の主要な検討事項、連結  当監査法人は、データエンパワーメント事業を資金生成単位とするのれん及び商標権の回収可能価額の見積りについて評価するため、主に以下の監査手続を実施した。(1) 内部統制の評価 のれん及び商標権の回収可能価額の見積りに関する内部統制の整備及び運用状況の有効性を評価した。
(2) 使用価値の見積りの評価 使用価値の算定に用いられる将来キャッシュ・フローの見積り及び割引率について、主に以下の手続を実施した。・経営者により承認された事業計画等との一致を確認する ために、3年間の見積将来キャッシュ・フローと、事業計画等を比較した。・事業計画等の見積りプロセスの有効性を評価するために、過年度の事業計画等と実績を比較した。・製品・売上形態ごとの新規案件売上及び将来の売上高成長率について将来キャッシュ・フローに与える影響の程度を評価し、経営管理者への質問、過去の売上実績及び売上高成長率と比較するとともに、業界成長率予測に関する外部情報との整合性を確かめた。また、監査人の見積り額を設定し、会社の見積り額と比較した。・使用価値の評価方法、割引率及び長期成長率について、当監査法人のネット ワーク・ファームの評価の専門家を関与させ、評価方法と会計基準との整合性を確かめた。・将来キャッシュ・フローの割引率について、 経営者が実施した感応度分析を評価した。
その他の記載内容、連結 その他の記載内容 その他の記載内容は、有価証券報告書に含まれる情報のうち、連結財務諸表及び財務諸表並びにこれらの監査報告書以外の情報である。経営者の責任は、その他の記載内容を作成し開示することにある。また、監査役及び監査役会の責任は、その他の記載内容の報告プロセスの整備及び運用における取締役の職務の執行を監視することにある。 当監査法人の連結財務諸表に対する監査意見の対象にはその他の記載内容は含まれておらず、当監査法人はその他の記載内容に対して意見を表明するものではない。 連結財務諸表監査における当監査法人の責任は、その他の記載内容を通読し、通読の過程において、その他の記載内容と連結財務諸表又は当監査法人が監査の過程で得た知識との間に重要な相違があるかどうか検討すること、また、そのような重要な相違以外にその他の記載内容に重要な誤りの兆候があるかどうか注意を払うことにある。 当監査法人は、実施した作業に基づき、その他の記載内容に重要な誤りがあると判断した場合には、その事実を報告することが求められている。 その他の記載内容に関して、当監査法人が報告すべき事項はない。

Audit1

監査法人1、個別EY新日本有限責任監査法人
独立監査人の報告書、個別 独立監査人の監査報告書 2024年5月30日ウイングアーク1st株式会社 取締役会 御中 EY新日本有限責任監査法人 東京事務所 指定有限責任社員業務執行社員 公認会計士定留 尚之 指定有限責任社員業務執行社員 公認会計士武澤 玲子<財務諸表監査>監査意見 当監査法人は、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づく監査証明を行うため、「経理の状況」に掲げられているウイングアーク1st株式会社の2023年3月1日から2024年2月29日までの第8期事業年度の財務諸表、すなわち、貸借対照表、損益計算書、株主資本等変動計算書、重要な会計方針、その他の注記及び附属明細表について監査を行った。 当監査法人は、上記の財務諸表が、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して、ウイングアーク1st株式会社の2024年2月29日現在の財政状態及び同日をもって終了する事業年度の経営成績を、全ての重要な点において適正に表示しているものと認める。監査意見の根拠 当監査法人は、我が国において一般に公正妥当と認められる監査の基準に準拠して監査を行った。監査の基準における当監査法人の責任は、「財務諸表監査における監査人の責任」に記載されている。当監査法人は、我が国における職業倫理に関する規定に従って、会社から独立しており、また、監査人としてのその他の倫理上の責任を果たしている。当監査法人は、意見表明の基礎となる十分かつ適切な監査証拠を入手したと判断している。 監査上の主要な検討事項 監査上の主要な検討事項とは、当事業年度の財務諸表の監査において、監査人が職業的専門家として特に重要であると判断した事項である。監査上の主要な検討事項は、財務諸表全体に対する監査の実施過程及び監査意見の形成において対応した事項であり、当監査法人は、当該事項に対して個別に意見を表明するものではない。 のれん、顧客関係資産、商標権及び技術関連資産に係る減損の兆候判定監査上の主要な検討事項の内容及び決定理由監査上の対応 会社は、注記事項(重要な会計上の見積り)に記載のとおり、貸借対照表に、2014年に行われた組織再編に伴い認識されたのれん12,456,842千円、顧客関係資産4,893,313千円、商標権4,432,166千円及び技術関連資産357,750千円の合計22,140,072千円(以下「のれん等」)を計上しており、総資産の48%を占めている。 会社は、注記事項「(重要な会計方針) 2.固定資産の減価償却の方法(2)無形固定資産(リース資産を除く)」、及び「(重要な会計方針) 5.その他財務諸表作成のための基本となる重要な事項 のれんの償却方法及び償却期間」に記載のとおり、のれんは15年、顧客関係資産は15年から17年、商標権は15年、技術関連資産は10年を耐用年数として償却しているが、減損の兆候があると認められた場合、減損損失を認識するかどうかの判定を行う必要がある。 減損の兆候には、継続的な営業損失、使用範囲又は方法についての変更及び経営環境の著しい悪化が含まれる。 会社は、当事業年度において、継続的な営業損失、使用範囲又は方法についての変更及び経営環境の著しい悪化等がなく、減損の兆候がないと判断している。経営環境の著しい悪化の見込みの有無については、将来予測を含んでいる。 のれん等の残高は財務諸表における金額的重要性が高く、減損損失が計上されると財務諸表全体に与える金額的影響が大きくなる可能性があることから、当監査法人は、のれん等に係る減損の兆候判定が、当事業年度の財務諸表監査において特に重要であり監査上の主要な検討事項に該当すると判断した。 当監査法人は、会社が実施したのれん等に係る減損の兆候判定を検証するため、主に以下の監査手続を実施した。(1) 内部統制の評価のれん等に係る減損の兆候判定に関連する内部統制の整備及び運用状況の有効性を評価した。
(2) 減損の兆候判定に関する評価・のれん等を含む資産グループにおいて、継続的な営業損失となっていないことを確かめた。・使用範囲又は方法についての変更の有無について、経営者に質問するとともに取締役会議事録等を閲覧し、経営者の回答との整合性を検討した。・過年度の事業計画等と実績との比較を実施し、事業計画等における将来予測の精度を検討した。・経営環境の著しい悪化見込みの有無について、事業計画等の達成可能性に影響するリスク要因や会社の事業の将来の見通しに関する前提を経営管理者へ質問するとともに、利用可能な外部情報と比較し会社判定について検討した。 その他の記載内容 その他の記載内容は、有価証券報告書に含まれる情報のうち、連結財務諸表及び財務諸表並びにこれらの監査報告書以外の情報である。経営者の責任は、その他の記載内容を作成し開示することにある。また、監査役及び監査役会の責任は、その他の記載内容の報告プロセスの整備及び運用における取締役の職務の執行を監視することにある。 当監査法人の財務諸表に対する監査意見の対象にはその他の記載内容は含まれておらず、当監査法人はその他の記載内容に対して意見を表明するものではない。 財務諸表監査における当監査法人の責任は、その他の記載内容を通読し、通読の過程において、その他の記載内容と財務諸表又は当監査法人が監査の過程で得た知識との間に重要な相違があるかどうか検討すること、また、そのような重要な相違以外にその他の記載内容に重要な誤りの兆候があるかどうか注意を払うことにある。 当監査法人は、実施した作業に基づき、その他の記載内容に重要な誤りがあると判断した場合には、その事実を報告することが求められている。 その他の記載内容に関して、当監査法人が報告すべき事項はない。 財務諸表に対する経営者並びに監査役及び監査役会の責任 経営者の責任は、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して財務諸表を作成し適正に表示することにある。これには、不正又は誤謬による重要な虚偽表示のない財務諸表を作成し適正に表示するために経営者が必要と判断した内部統制を整備及び運用することが含まれる。 財務諸表を作成するに当たり、経営者は、継続企業の前提に基づき財務諸表を作成することが適切であるかどうかを評価し、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づいて継続企業に関する事項を開示する必要がある場合には当該事項を開示する責任がある。 監査役及び監査役会の責任は、財務報告プロセスの整備及び運用における取締役の職務の執行を監視することにある。 財務諸表監査における監査人の責任 監査人の責任は、監査人が実施した監査に基づいて、全体としての財務諸表に不正又は誤謬による重要な虚偽表示がないかどうかについて合理的な保証を得て、監査報告書において独立の立場から財務諸表に対する意見を表明することにある。虚偽表示は、不正又は誤謬により発生する可能性があり、個別に又は集計すると、財務諸表の利用者の意思決定に影響を与えると合理的に見込まれる場合に、重要性があると判断される。 監査人は、我が国において一般に公正妥当と認められる監査の基準に従って、監査の過程を通じて、職業的専門家としての判断を行い、職業的懐疑心を保持して以下を実施する。・ 不正又は誤謬による重要な虚偽表示リスクを識別し、評価する。また、重要な虚偽表示リスクに対応した監査手続を立案し、実施する。監査手続の選択及び適用は監査人の判断による。さらに、意見表明の基礎となる十分かつ適切な監査証拠を入手する。・ 財務諸表監査の目的は、内部統制の有効性について意見表明するためのものではないが、監査人は、リスク評価の実施に際して、状況に応じた適切な監査手続を立案するために、監査に関連する内部統制を検討する。・ 経営者が採用した会計方針及びその適用方法の適切性、並びに経営者によって行われた会計上の見積りの合理性及び関連する注記事項の妥当性を評価する。・ 経営者が継続企業を前提として財務諸表を作成することが適切であるかどうか、また、入手した監査証拠に基づき、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況に関して重要な不確実性が認められるかどうか結論付ける。継続企業の前提に関する重要な不確実性が認められる場合は、監査報告書において財務諸表の注記事項に注意を喚起すること、又は重要な不確実性に関する財務諸表の注記事項が適切でない場合は、財務諸表に対して除外事項付意見を表明することが求められている。監査人の結論は、監査報告書日までに入手した監査証拠に基づいているが、将来の事象や状況により、企業は継続企業として存続できなくなる可能性がある。・ 財務諸表の表示及び注記事項が、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠しているかどうかとともに、関連する注記事項を含めた財務諸表の表示、構成及び内容、並びに財務諸表が基礎となる取引や会計事象を適正に表示しているかどうかを評価する。 監査人は、監査役及び監査役会に対して、計画した監査の範囲とその実施時期、監査の実施過程で識別した内部統制の重要な不備を含む監査上の重要な発見事項、及び監査の基準で求められているその他の事項について報告を行う。 監査人は、監査役及び監査役会に対して、独立性についての我が国における職業倫理に関する規定を遵守したこと、並びに監査人の独立性に影響を与えると合理的に考えられる事項、及び阻害要因を除去するための対応策を講じている場合又は阻害要因を許容可能な水準にまで軽減するためのセーフガードを適用している場合はその内容について報告を行う。 監査人は、監査役及び監査役会と協議した事項のうち、当事業年度の財務諸表の監査で特に重要であると判断した事項を監査上の主要な検討事項と決定し、監査報告書において記載する。ただし、法令等により当該事項の公表が禁止されている場合や、極めて限定的ではあるが、監査報告書において報告することにより生じる不利益が公共の利益を上回ると合理的に見込まれるため、監査人が報告すべきでないと判断した場合は、当該事項を記載しない。 <報酬関連情報> 当監査法人及び当監査法人と同一のネットワークに属する者に対する、会社及び子会社の監査証明業務に基づく報酬及び非監査業務に基づく報酬の額は、「提出会社の状況」に含まれるコーポレート・ガバナンスの状況等(3)【監査の状況】
に記載されている。 利害関係 会社と当監査法人又は業務執行社員との間には、公認会計士法の規定により記載すべき利害関係はない。以  上  (注)1.上記の監査報告書の原本は当社(有価証券報告書提出会社)が別途保管しております。2.XBRLデータは監査の対象には含まれていません。
監査上の主要な検討事項、個別 監査上の主要な検討事項 監査上の主要な検討事項とは、当事業年度の財務諸表の監査において、監査人が職業的専門家として特に重要であると判断した事項である。監査上の主要な検討事項は、財務諸表全体に対する監査の実施過程及び監査意見の形成において対応した事項であり、当監査法人は、当該事項に対して個別に意見を表明するものではない。 のれん、顧客関係資産、商標権及び技術関連資産に係る減損の兆候判定監査上の主要な検討事項の内容及び決定理由監査上の対応 会社は、注記事項(重要な会計上の見積り)に記載のとおり、貸借対照表に、2014年に行われた組織再編に伴い認識されたのれん12,456,842千円、顧客関係資産4,893,313千円、商標権4,432,166千円及び技術関連資産357,750千円の合計22,140,072千円(以下「のれん等」)を計上しており、総資産の48%を占めている。 会社は、注記事項「(重要な会計方針) 2.固定資産の減価償却の方法(2)無形固定資産(リース資産を除く)」、及び「(重要な会計方針) 5.その他財務諸表作成のための基本となる重要な事項 のれんの償却方法及び償却期間」に記載のとおり、のれんは15年、顧客関係資産は15年から17年、商標権は15年、技術関連資産は10年を耐用年数として償却しているが、減損の兆候があると認められた場合、減損損失を認識するかどうかの判定を行う必要がある。 減損の兆候には、継続的な営業損失、使用範囲又は方法についての変更及び経営環境の著しい悪化が含まれる。 会社は、当事業年度において、継続的な営業損失、使用範囲又は方法についての変更及び経営環境の著しい悪化等がなく、減損の兆候がないと判断している。経営環境の著しい悪化の見込みの有無については、将来予測を含んでいる。 のれん等の残高は財務諸表における金額的重要性が高く、減損損失が計上されると財務諸表全体に与える金額的影響が大きくなる可能性があることから、当監査法人は、のれん等に係る減損の兆候判定が、当事業年度の財務諸表監査において特に重要であり監査上の主要な検討事項に該当すると判断した。 当監査法人は、会社が実施したのれん等に係る減損の兆候判定を検証するため、主に以下の監査手続を実施した。(1) 内部統制の評価のれん等に係る減損の兆候判定に関連する内部統制の整備及び運用状況の有効性を評価した。
(2) 減損の兆候判定に関する評価・のれん等を含む資産グループにおいて、継続的な営業損失となっていないことを確かめた。・使用範囲又は方法についての変更の有無について、経営者に質問するとともに取締役会議事録等を閲覧し、経営者の回答との整合性を検討した。・過年度の事業計画等と実績との比較を実施し、事業計画等における将来予測の精度を検討した。・経営環境の著しい悪化見込みの有無について、事業計画等の達成可能性に影響するリスク要因や会社の事業の将来の見通しに関する前提を経営管理者へ質問するとともに、利用可能な外部情報と比較し会社判定について検討した。
全体概要、監査上の主要な検討事項、個別  監査上の主要な検討事項とは、当事業年度の財務諸表の監査において、監査人が職業的専門家として特に重要であると判断した事項である。監査上の主要な検討事項は、財務諸表全体に対する監査の実施過程及び監査意見の形成において対応した事項であり、当監査法人は、当該事項に対して個別に意見を表明するものではない。
見出し、監査上の主要な検討事項、個別のれん、顧客関係資産、商標権及び技術関連資産に係る減損の兆候判定
その他の記載内容、個別 その他の記載内容 その他の記載内容は、有価証券報告書に含まれる情報のうち、連結財務諸表及び財務諸表並びにこれらの監査報告書以外の情報である。経営者の責任は、その他の記載内容を作成し開示することにある。また、監査役及び監査役会の責任は、その他の記載内容の報告プロセスの整備及び運用における取締役の職務の執行を監視することにある。 当監査法人の財務諸表に対する監査意見の対象にはその他の記載内容は含まれておらず、当監査法人はその他の記載内容に対して意見を表明するものではない。 財務諸表監査における当監査法人の責任は、その他の記載内容を通読し、通読の過程において、その他の記載内容と財務諸表又は当監査法人が監査の過程で得た知識との間に重要な相違があるかどうか検討すること、また、そのような重要な相違以外にその他の記載内容に重要な誤りの兆候があるかどうか注意を払うことにある。 当監査法人は、実施した作業に基づき、その他の記載内容に重要な誤りがあると判断した場合には、その事実を報告することが求められている。 その他の記載内容に関して、当監査法人が報告すべき事項はない。

BS資産

建物及び構築物(純額)875,064,000
工具、器具及び備品(純額)486,262,000
有形固定資産1,361,327,000
ソフトウエア1,203,170,000
無形固定資産23,344,623,000
投資有価証券4,892,952,000
投資その他の資産6,705,873,000

BS負債、資本

1年内返済予定の長期借入金1,428,571,000
未払金618,292,000
未払法人税等1,466,563,000
賞与引当金688,294,000
繰延税金負債3,354,380,000
資本剰余金12,359,471,000
利益剰余金6,358,115,000