財務諸表
CoverPage
提出書類、表紙 | 有価証券報告書 |
提出日、表紙 | 2024-05-30 |
英訳名、表紙 | BeeX Inc. |
代表者の役職氏名、表紙 | 代表取締役社長 広木 太 |
本店の所在の場所、表紙 | 東京都中央区銀座七丁目14番13号 |
電話番号、本店の所在の場所、表紙 | 03-6260-6240 |
様式、DEI | 第三号様式 |
会計基準、DEI | Japan GAAP |
当会計期間の種類、DEI | FY |
corp
沿革 | 2【沿革】 2016年3月東京都中央区日本橋一丁目において、SAPシステムのクラウド化を事業目的とした、株式会社BeeX(資本金74,750千円)設立SAP(※1)システムの基盤環境をオンプレミスからクラウドへ移行するサービス並びにクラウド環境移行後の保守・運用サービスの提供開始2016年9月Amazon Partner Network(※3) スタンダードコンサルティングパートナー認定取得2017年1月SAP PartnerEdge : Service パートナー(※5)認定取得2017年9月SAP Co-Innovation Lab Tokyo(COIL Tokyo)(※7)メンバー参画2017年10月Microsoft Partner Network(※8) Silver クラウドプラットフォームコンピテンシー認定取得2017年10月Amazon Partner Network アドバンスドコンサルティングパートナー認定取得2017年11月Amazon Partner Network SAP コンピテンシー認定取得2018年2月TIS株式会社と資本業務提携2018年2月Amazon Partner Network アワード Rising Star of the Year 2017受賞2018年4月Microsoft Partner Network Gold クラウドプラットフォームコンピテンシー認定取得2018年5月本社を東京都中央区日本橋2丁目に移転2018年8月株式会社NTTデータと資本業務提携2019年3月株式会社テラスカイ(※11)より、AWS事業を吸収分割により事業承継し統合2019年3月Google Cloud(※9) サービスパートナー認定取得2019年6月AWS Well-Architected パートナーに認定2020年2月Amazon Partner Network AWSマネージドサービスプロバイダ(MSP)プログラム認定取得2020年5月本社を東京都中央区東銀座に移転2020年6月Amazon EC2 for Microsoft Windows Service Delivery プログラム認定取得2020年10月Google Cloud Partner Advantage(※10) プログラム SAP on Google Cloud エキスパティーズ認定取得2020年10月AWS パートナーネットワーク100 APN Certification Distinction 認定取得2022年2月AWS コンピテンシープログラム「移行コンピテンシー」認定取得2022年2月東京証券取引所マザーズ(現:グロース市場)に株式を上場2022年10月Microsoft ソリューションパートナー Azureインフラストラクチャー認定取得2023年8月AWS 公共部門パートナープログラム(公共PSP)を取得2023年10月AWS 内製化支援推進パートナーに参加2023年12月Microsoft ソリューションパートナー Azureデジタル&アプリイノベーション認定取得2024年2月AWSパートナーの最上位、AWSプレミアティア サービス認定取得(注)1.SAPドイツに本社をおき、全世界に130カ国以上の支社を持つ、ヨーロッパ最大級のソフトウエア開発販売会社であるSAP SE社のこと。同社の代表的製品には「SAP ERP(※2)」があり、ERPのためのパッケージソフトウエアです。2.ERP(Enterprise Resource Planning)企業内の会計、販売、物流、人事等のあらゆる経営資源を統合的に管理、有効活用し、経営の効率化を図るための手法・概念のこと。また、その基幹系統合システムを指す。3.Amazon Partner Network(APN)AWS(※4)社のパートナープログラムのこと。AWS社は、APNに参加しているパートナー企業に、ビジネス、技術、マーケティング、市場開拓等における活動を支援・促進するためのさまざまなサポートを提供する。4.AWSAmazon.com,Inc.の関連会社 Amazon Web Services,Inc.のこと。Amazon Web Services,Inc.が提供する、Webサービスを通じてアクセスできるよう整備されたクラウドコンピューティングサービス群の総称も「AWS」という。5.SAP PartnerEdge: Service パートナーSAPソリューション(※6)の戦略的ビジネスコンサルティング、システム設計、ソリューション統合、プロジェクト導入を手がける、コンサルタントやシステムインテグレーターのこと。6.ソリューション企業がビジネスやサービスについて抱えている問題や不便を解消すること、そのために提供される情報システムなどを指し、「ITソリューション」とも呼ばれる。7.SAP Co-Innovation Lab Tokyo2007年6月に米カリフォルニア州パロアルトに開設したSAP社初のイノベーションラボに続く、グローバルで2番目となる施設で、ハードウエア、ソフトウエア、サービスベンダーなど、さまざまなパートナー企業や顧客企業と協業し、日本独自の要求や業界特有の要件に適したソリューション開発などのイノベーションを実現するための共同開発センターのこと。8.Microsoft Partner Network(MPN)Microsoft社のパートナープログラムのこと。Microsoft社は、MPNに参加しているパートナー企業に、様々なサービスを提供し、ビジネスの拡大を推進するために必要となる人材、インサイト、ツール、リソース、プログラムなどにアクセスできるグローバルなコミュニティの場を提供する。9.Google CloudGoogle社が提供する、Webサービスを通じてアクセスできるよう整備されたクラウドコンピューティングサービス群の総称。Google Cloudには、Google Cloud Platform、G Suite、エンタープライズ向けAndroid及びChrome OS、機械学習のためのApplication Programming Interfaces(API)、エンタープライズ向けマップサービスなどが存在する。10.Google Cloud Partner AdvantageGoogle社のパートナープログラムのこと。Google社は、本プログラムに参加しているパートナー企業に、さまざまなツール、技術、サポートを提供する。11.株式会社テラスカイ当事業年度末日現在において当社発行済株式総数の68.2%(1,514,700株)を保有する当社の主要株主であります。当社と株式会社テラスカイとの関係につきましては、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」をご参照ください。 |
事業の内容 | 3【事業の内容】 当社は、企業の基幹システムの基盤環境をオンプレミス(※1)からクラウドへ移行するサービス並びにクラウド環境移行後の保守・運用サービスを提供することを主軸としたクラウドソリューション事業を展開しております。中でもSAPシステムのクラウド移行・環境構築及び移行後の運用については、創業当初から当社が特化してきたサービスであります。当社を取り巻くクラウド市場においては、Gartnerの調査(世界のIaaS(※2)パブリッククラウドサービスの市場シェア2021年-2022年)によると、パブリッククラウド(※3)の市場シェアは2022年に29.7%成長し、当社が取扱いをしている「Amazon Web Services」(AWS)(※4)、「Microsoft Azure」(Azure)(※5)及び「Google Cloud」(※6)も成長しております。また、ERP市場においては、ITRの調査(ITR Market View:ERP市場2023)によると、オンプレミスは、2020年度から2021年度にかけてマイナス成長が続いている一方で、IaaSは成長を維持しており、今後もこの傾向が続くと予測され、ERPのクラウド化が進んでいくものと見ております。SAPシステムにおいては、2027年にSAP ERP6.0の保守終了が予定されており、自社のSAPシステムの環境をどのように遷移させていくかというアップグレード・クラウド移行戦略は、大変重要なポイントとなっております。SAPシステムの基盤環境としてパブリッククラウドを選定する場合には、基盤製品の保守期限だけでなく、各種ライセンス持ち込み要件や技術制約についても配慮が必要であることから、当社では、顧客企業毎に最適化されたアップグレード・クラウド移行戦略の重要性を理解しており、単純なパッケージ更新作業ではなく、システムを支える製品全体のライフサイクルを考慮したシナリオ策定を含めてシステムを更改するというサービスの提供をしております。クラウドに移行することのメリットとしては、「コスト削減効果が得られる」、「ハードウエア保守、ハードウエアのライフサイクルからの解放」、「ITガバナンス向上、セキュリティ強化に寄与」、「災害対策に有効」があると考えており、加えて、SAPシステムにおいては、ERP保守終了リスクも考慮した「次世代ERPプラットフォームへの対応がし易くなる」というメリットもあると考えております。そのような環境の中、当社では「デジタルトランスフォーメーション(※7)」及び「マルチクラウド」という2つの領域を軸にサービスを展開しており、顧客企業毎に使用している基幹システムに最適なパブリッククラウドの選定、基幹システムをパブリッククラウド上で最適な状態で利用するためのコンサルティング、クラウド環境の設計・構築、クラウド環境への移行、及びクラウド環境での運用業務の提供を行っております。クラウドソリューション事業としては、「クラウドインテグレーション」、「MSP(マネージドサービスプロバイダ)」及び「クラウドライセンスリセール」の3つのサービスを提供しております。 (1)当社サービスの特徴 当社の事業は「クラウドソリューション事業」の単一セグメントでありますが、「クラウドインテグレーション」、「MSP(マネージドサービスプロバイダ)」及び「クラウドライセンスリセール」の3つのサービスを事業展開しております。サービス区分主なサービス内容クラウドインテグレーション・SAP環境クラウド移行コンサルティング・SAP環境クラウド移行サービス・クラウド利用コンサルティング・クラウド基盤設計・運用コンサルティング・クラウド導入・環境構築サービス・アプリケーション開発MSP(マネージドサービスプロバイダ)・クラウド環境運用・監視サービス・SAP基盤(BASIS)監視・ヘルプデスクサービス・顧客企業別状況コンソール提供クラウドライセンスリセール・クラウドライセンス販売・請求代行サービス・他社ライセンス販売・クラウド技術問い合わせ ① クラウドインテグレーション SAPシステムを中心とした基幹システムの基盤環境をオンプレミス環境からクラウド環境(パブリッククラウド等の最新のIaaSやPaaS(※2)基盤)へ移行するための一連の業務を提供するサービスが主力であります。 本主力サービスは、準備(調査・分析)、計画(設計)及び実行(構築・移行)のフェーズ毎に区分でき、各フェーズにおける主な内容は次のとおりであります。 準備(調査・分析)には、顧客企業の既存システムをクラウド移行するにあたって、必要項目やリスクの洗い出し、検討項目の調査、クラウド基盤を最適化するための分析、コスト等も含めて網羅的に最適化された移行戦略の策定等のコンサルティングやサービスがあります。 計画(設計)には、クラウド毎に特有なサービス・運用仕様に基づき、顧客企業向けに最適化された基幹クラウド基盤を設計するサービス及びクラウド移行を事前に実環境で検証するサービス等があります。 実行(構築・移行)には、クラウドごとに特有なサービス・運用仕様に基づき、顧客企業向けに最適化された基幹クラウド基盤を構築するサービス、SAPシステム及び周辺システムを短期間で安全にオンプレミス環境からクラウド環境へ移行するサービス等があります。 上記、クラウド移行の他、既存のSAP ERPシステムからSAP S/4HANAにコンバージョン(※8)するサービス、並びにクラウドの利点(俊敏性・拡張性)を生かしたアプリケーションを開発するサービスがあります。 当社は、SAPシステムのクラウド化に携わってきたコンサルタントが集結しており、かつAWS、Microsoft、Google、SAPが提供する各種認定技術者資格を保有する数多くのエンジニアを育成しております。SAPシステム基盤とクラウド両方を理解し、かつ運用にも精通したエンジニアが細やかな技術対応を実施することから、勘所を押さえた提案ができることが当サービスの特徴でもあります。 また、SAPシステム等の大規模基幹システム以外においても、顧客の事業用Webサービス等のクラウド移行並びにクラウド利用を前提とした「データ分析基盤構築」及び「クラウドアプリケーション開発」も手掛けております。加えて、当社は、取り扱えるパブリッククラウドがAWS、Azure及びGoogle Cloudの3種類あることから、企業のIT基盤のクラウド上での活用方法を最適な形でコンサルティングするサービスも得意としております。 クラウドインテグレーションのプロジェクト数の実績は以下のとおりであります。(単位:件)2022年2月期2023年2月期2024年2月期第1四半期第2四半期第3四半期第4四半期第1四半期第2四半期第3四半期第4四半期第1四半期第2四半期第3四半期第4四半期119133132145191160164176189155157135 ② MSP(マネージドサービスプロバイダ) 顧客企業がクラウド環境に構築したシステムの仮想サーバーやネットワークの監視及び運用保守等を顧客企業の代わりに行うサービスを提供しております。 本サービスの監視は、単純なサーバーの監視だけでなく、CPU・メモリ・ディスク等の使用率やネットワークトラフィック量など各種リソース監視を行い、不足又は不足の予兆が見られた場合は、改善策のご提案を行うサービスを提供しており、上位のミドルウエア、アプリケーションの監視にも対応しております。 本サービスの運用保守は、24時間365日、リモート遠隔運用体制により、クラウド、オンプレミスを問わず、顧客企業の環境に合わせたフレキシブルな対応が可能となっております。また、各種クラウド基盤に精通したエンジニアが万全の体制で顧客企業のシステムをサポートするとともに、SAPシステムへの対応においては、SAP認定コンサルタントが対応に参加することで、インフラからSAPシステム基盤である「SAP BASIS(※9)」まで網羅的なサポートを提供しております。 当社は、兄弟会社である「株式会社スカイ365」に、24時間365日対応の問い合わせ窓口の機能を業務委託している他、インフラからアプリケーション層をカバーする性能監視、障害監視・復旧、バックアップ等の運用サービスの業務も一部委託しており、当社とともに運用保守のサービスが提供できる体制を整えております。 MSPの顧客数の実績は以下のとおりであります。(単位:社) 2020年2月期2021年2月期2022年2月期2023年2月期2024年2月期期末月顧客数3349586686※1 期末月顧客数:期末である2月に取引のあったエンドユーザーの数(社数) ③ クラウドライセンスリセールa.クラウドライセンス販売 顧客企業が利用するクラウド環境の提供元であるAWS社、Microsoft社及びGoogle社からライセンスを仕入れて、顧客企業に販売することで月額課金を代行する業務が主なサービスであります。当サービスには、単に再販するだけではなく、当社が提供する付加価値としての請求代行を行うサービスや問い合わせ対応サービスも含まれており、顧客企業は当サービス経由で各クラウドを利用することにより、従来ハードウエアの調達やその管理に費やしていた時間やコストを削減することができます。 また、パブリッククラウドベンダーから課金されるクラウド利用料は外国通貨で請求されることが一般的でありますが、当サービスにおいては、当社が日本円建ての請求書を発行することにより、顧客企業は一般的な日本円での銀行振込による支払いが可能となります。 AWS利用料、Azure利用料及びGoogle Cloud利用料は、基本的に初期費用が不要であり、顧客企業のクラウド利用時間に応じて顧客企業に課金されますが、顧客企業が利用するサーバースペックと利用期間を予約することにより大幅な割引を得ることのできるReserved Instance(リザーブドインスタンス)(※10)又はSavings Plans(※10)と呼ばれる取引形態が存在します。 AWS、Azure及びGoogle Cloudのアカウント数合計の実績は以下のとおりであります。(単位:個)2022年2月期2023年2月期2024年2月期第1四半期第2四半期第3四半期第4四半期第1四半期第2四半期第3四半期第4四半期第1四半期第2四半期第3四半期第4四半期170214234249260277352380396382408426 b.ソフトウエアライセンス販売 情報漏洩対策など顧客企業の関心が高いセキュリティ対策ソフトウエア・サービスは、クラウド環境を安全に運用し顧客企業の不安を払拭するうえで不可欠なものとなっております。当社は、顧客企業のクラウド環境を運用するうえで有効な各種ソフトウエア・サービスの仕入れ販売を行っております。 (2)当社のビジネスモデルについて 当社のサービスは、クラウドコンピューティング(※2)の中でもIaaS及びPaaSの領域に属しております。クラウドインテグレーションによる売上を「フロー売上」(主に、顧客企業へのコンサルティング、基盤設計、基盤構築、移行を行うサービスであり、主として顧客企業の検収時まで一定の期間にわたり売上が計上される一過性の売上)として位置付け、導入企業を開拓することによりフロー売上を拡大させるとともに継続利用企業を蓄積することで、「ストック売上」(クラウド上のサーバーの監視・バックアップ等の運用代行及び保守等に関するサービス(前述(1)② MSP)並びに顧客企業にパブリッククラウドやセキュリティソフトウエア等のライセンスを販売し月額課金を代行するサービス(前述(1)③ クラウドライセンスリセール)による継続的な売上)の拡大による安定収益化を図っております。ただし、「フロー売上」で獲得した顧客が「ストック売上」に移行しない場合もあります。 [事業系統図] 〔用語解説〕※1 オンプレミス顧客企業が情報システムを自社で保有し、自社の設備において自社運用する形態を意味します。 ※2 クラウドコンピューティングソフトウエア、データベース、サーバー及びストレージ等をインターネットなどのネットワークを通じてサービスの形式で必要に応じて利用する方式のことを意味し、「IaaS」「PaaS」「SaaS」の大きく3つの種別に分類されます。 クラウドの種別代表例説明IaaS(Infrastructure-as-a-Service)AWSインターネットを経由して、CPUやメモリなどのハードウエア、サーバーやネットワークなどのITインフラを提供するサービスPaaS (Platform-as-a-Service)AWS、Microsoft Azure、Google Cloudインターネットを経由して、アプリケーションを実行するためのプラットフォームを提供するサービスSaaS (Software-as-a-Service)Salesforce.com、Office365インターネットを経由して、従来パッケージ製品として提供されていたソフトウエアを提供・利用する形態 ※3 パブリッククラウド広く一般のユーザーや企業向けに、サーバーやストレージ、データベース、ソフトウエアなどのクラウドコンピューティング環境をインターネット経由で提供するサービスを意味します。代表的なサービス名として、「Amazon Web Services(AWS)」、「Microsoft Azure」、「Google Cloud」などがあります。 ※4 AWSAmazon.com,Inc.の関連会社 Amazon Web Services,Inc.を意味します。Amazon Web Services,Inc.が提供するWebサービスを通じてアクセスできるよう整備されたクラウドコンピューティングサービス群の総称も「AWS」といいます。 ※5 AzureMicrosoft Corporationが提供する、Webサービスを通じてアクセスできるよう整備されたクラウドコンピューティングサービス群の総称のことを意味します。 ※6 Google CloudGoogle Inc.が提供する、Webサービスを通じてアクセスできるよう整備されたクラウドコンピューティングサービス群の総称のことを意味します。Google Cloudには、Google Cloud Platform、G Suite、エンタープライズ向けAndroid及びChrome OS、機械学習のためのApplication Programming Interfaces(API)、エンタープライズ向けマップサービスなどが存在しております。 ※7 デジタルトランスフォーメーション企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立することを意味します。 ※8 コンバージョンある形式で記録されたデータやファイルを、別の形式に変換することを意味します。変換、転換、交換などを意味し、ITの分野ではデータ形式などの変換や、消費者から顧客への転換などの意味で用いられることが一般的であります。 ※9 SAP BASISSAP ERP システムの場合、一般的なアプリケーションとは異なり、OS上に「SAP BASIS」というミドルウエアコンポーネントをインストールします。SAP ERPはBASISの上で稼働する構造になっており、BASISは、SAP独自のプログラミング言語であるABAP(アバップ)やJava、Webサービスを実行・利用するためのランタイム機能を担います。 ※10 Reserved Instance(リザーブドインスタンス)、Savings Plansクラウド利用料の購入形態の一つであり、利用期間(1年又は3年の期間)で特定の使用量を予約するかわりに、都度精算する形態である従量課金の料金と比較して低料金となるため、コストを削減できるサービスであります。Reserved Instance(リザーブドインスタンス)はサーバースペックのタイプを指定する形態であり、Savings Plansは1時間当たりの利用費を約束する形態であります。 ※11 2024年2月末日現在、各ベンダーの認定資格取得数及び人数は以下のとおりであります。ベンダー資格取得数取得者人数(延べ人数)AWS22957Microsoft4213Google2510SAP5519 ※12 APNAWS Partner Network の略称であります。AWSパートナー企業のビジネス、技術、マーケティング、市場開拓等における活動を支援・促進するためのさまざまなサポートを提供する制度であります。コンサルティングサービス、マネージドサービス、プロフェッショナルサービス、付加価値提供再販サービスなど各種サービスを提供している AWS パートナーには、「セレクト」、「アドバンスト」、「プレミア」という3つのティア (階層)があります。最上位のプレミアティアサービスパートナーは、APNパートナーの中でも最も優れた実績を残したパートナーとして位置づけられ、2024年2月末日現在、プレミアティアサービスパートナー数は日本で15社となります。なお、当社は「プレミアティアサービスパートナー」であります。 |
関係会社の状況 | 4【関係会社の状況】 名称住所資本金(千円)主要な事業の内容議決権の所有割合又は被所有割合(%)関係内容(親会社)株式会社テラスカイ東京都中央区1,252,993クラウドに特化したソリューション事業及び製品事業被所有68.2当社サービスの提供役員の兼務 (注)株式会社テラスカイは有価証券報告書の提出会社であります。 |
従業員の状況 | 5【従業員の状況】 (1)提出会社の状況 2024年2月29日現在従業員数(人)平均年齢(歳)平均勤続年数(年)平均年間給与(千円)16640.43.07,729 (注)1.従業員数は就業人員(当社から社外への出向者を除き、社外から当社への出向者を含む。)であります。2.平均臨時雇用者数は従業員数の100分の10未満であるため、記載を省略しております。3.平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでおります。4.当社の事業は、クラウドソリューション事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載は省略しております。5.従業員数が前事業年度末と比較して26人増加しております。これは、事業拡大に伴う積極的な新規採用によるものであります。 (2)労働組合の状況当社において、労働組合は結成されておりません。なお、労使関係は円滑な関係にあり、特記すべき事項はありません。 (3)管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異当事業年度補足説明管理職に占める女性労働者の割合(%)(注)1.男性労働者の育児休業取得率(%)(注)2.労働者の男女の賃金の差異(%)(注)3.全労働者うち正規雇用労働者うちパート・有期労働者8.840.0----(注)1.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。2.「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の4第1号における育児休業等の取得割合を算出したものであります。3.労働者の男女の賃金の差異は、「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定による公表義務の対象ではないため、記載を省略しております。 |
経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 | 1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 当社の経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において、当社が判断したものであります。(1)会社の経営の基本方針 当社は、日本の未来を創るために、今までの価値観や常識、風習から脱却し、新たな価値を創造し続け、日本経済を成長させる必要があると考えております。私たちは経営理念(ミッション、ビジョン、バリュー)を定め、新しい技術で世の中にポジティブなエネルギーを与え、実りをもたらす存在であり続けるプロフェッショナル集団として、日本経済の成長、社会の発展に貢献したいと考えております。 ①ミッション「先進テクノロジーを利用し、お客様の成長と変革に貢献するビジネスパートナーになる」②ビジョン「企業の経済活動を活性化し、世の中にポジティブなエネルギーを与え、実りをもたらす存在であり続けることで社会に貢献する」③バリュー「わくわく」何事にもポジティブに好奇心をもつ「With Customer」顧客にとっての課題解決へ「プロフェッショナル」価値観や常識を疑い、誠実に行動する「チャレンジ」経験をリセットし、学習し続け、与え、共有する (2)経営環境及び中長期的な経営戦略当社のクラウドソリューション事業は、クラウド市場に属しております。当市場においては、Gartnerの調査(世界のIaaSパブリッククラウドサービスの市場シェア2021年-2022年)によると、パブリッククラウドの市場シェアは2022年に29.7%成長し、当社が取扱いをしている「Amazon Web Services」(AWS)、「Microsoft Azure」(Azure)及び「Google Cloud」も成長しております。また、ERP市場においては、ITRの調査(ITR Market View:ERP市場2023)によると、オンプレミスは、2020年度から2021年度にかけてマイナス成長が続いている一方で、IaaSは成長を維持しており、今後もこの傾向が続くと予測され、ERPのクラウド化が進んでいくものと見ております。クラウド市場は、複数のクラウドサービスを適材適所に使い分けるハイブリッド/マルチクラウドを利用してビジネスの強化を図るエンタープライズ分野の大規模ユーザーを中心に拡大し、本格的な普及期に入ったと認識しております。新技術の開発・提供、製品・サービスの機能・性能に対する価値を提供することで成長を実現した初期市場とは異なり、成長市場で持続的な成長を続けるためには環境の変化を見越した事業戦略の立案・実行力と持続的成長を支える経営基盤の強化が必要であると認識しております。また、新しい業種や導入先企業の規模などに応じて多くのクラウドサービスが存在するため、規模の大小を問わず競合企業が複数存在しており、クラウドの普及に伴い、今後も競合企業の新規参入が予測されます。経済産業省が発表したレポート(ITシステム「2025年の崖」の克服とDXの本格的な展開2018年9月7日)によると、複雑化したシステムの運用コスト高騰など「技術的負債」(レガシーシステムのブラックボックス化)、IT人材不足(2025年に43万人不足)、分断されたシステムによるデータ活用やデジタルトランスフォーメーションの遅れといった諸問題が提起されています。当社は、顧客企業のデジタルトランスフォーメーションを実現する為のプラットフォームを構築するとともに、顧客企業のデジタルトランスフォーメーションに向けた取組みを支援してまいります。また、新型コロナウイルスの感染拡大を機に、場所にこだわらない働き方(リモートワーク)が世間に浸透し、結果として各企業におけるクラウド化への考えが高まる契機となりました。 このような経営環境を踏まえ、当社が属しているクラウド業界は今後も引き続き伸長していくものと考えており、特にデジタルトランスフォーメーションに関する取組みは、企業においてより活発になるものと考えております。当社の「データ分析基盤構築」及び「クラウドアプリケーション開発」をベースとしたクラウド技術及びその提供実績は、データを積極的に活用することにより事業拡大を推進していく企業にとって必要とされるものと認識しております。当社は、それら環境も踏まえ、MSP(クラウド上のサーバーの監視・バックアップ等の運用代行及び保守等に関するサービス)並びにクラウドライセンスリセール(顧客企業にパブリッククラウドやセキュリティソフトウエア等のライセンスを販売し月額課金を代行するサービス)を中心としたストック型収益モデルを構築することで継続的な成長及び安定的な収益モデルの構築を推進してまいります。また、当社の売上高の構成は、ストック型収益のみならず、フロー型収益も伴います。フロー型収益には、クラウドインテグレーション(主に、顧客企業へのコンサルティング、クラウド基盤設計、クラウド基盤構築、クラウド環境への移行を行うサービス)があります。当社が推進する成長戦略の概要は以下の様になります。①基幹システムクラウド移行企業の基幹システムのクラウド化(従来型オンプレミスからクラウド/標準化への移行)は、未だ進んでいない顧客が多く存在していると見ており、当社としては、大規模な基幹システム(SAPシステム含む)のクラウド移行の案件獲得を主なターゲットとしております。 ②顧客企業のデジタルトランスフォーメーションを実現するプラットフォーム構築デジタルトランスフォーメーション推進を実現するにあたり、当社で提供実績のある「データ分析基盤構築」及び「クラウドアプリケーション開発」をベースに、顧客企業の新たなビジネスモデルの実現に向けて、クラウドの持つ技術の活用、開発により、レガシーシステムの複雑化・ブラックボックス化した状態を解消し、既存システムを廃棄・刷新することで、既存データを活用したデジタルトランスフォーメーションが可能になり、新たなデジタル技術を導入し、迅速なビジネスモデル変革を実現することを支援してまいります。 ③セキュリティソリューションの提供パブリッククラウドを安心して利用し、セキュアなデジタルトランスフォーメーションを推進するために、セキュリティソリューションの取組みを開始しております。具体的には、コンプライアンス&ガバナンス対策をはじめ、WAF(Webアプリケーションファイアウォール)、脆弱性診断等、サードパーティソリューションを、当社のMSPとクラウドライセンスリセールを組み合わせたサービスパッケージ「BeeX Plus」へ組み込み、運用サービスとして提供しております。デジタルトランスフォーメーションに求められるデバイスからクラウドまでのトータルセキュリティを順次拡大してまいります。 ④中小企業のクラウド化支援パートナー施策各地域で事業活動しているパートナー(ローカルパートナー)と連携して、中小企業のクラウド化を支援していく取組みを開始しております。当社からパブリッククラドに関するサービス(クラウドソリューション事業のサービス)をローカルパートナーに提供することで、ローカルパートナーはクラウド移行・クラウド運用の不安や技術力不足を解消するとともにパブリッククラウドを自社ソリューションと連携して提案・提供が可能になります。今後のこの取組みを推進し、中小企業の分野に参入することで顧客層の裾野を広げ、MSPとクラウドライセンスリセールの売上拡大に繋げてまいります。 常に変化する経営環境、市場動向に的確に対処しながら、企業価値のさらなる向上に向けて事業展開を進めてまいります。加えて、社内開発のほか他社との協業・業務提携等により、次なる収益の柱となる新規事業を積極的に開発・育成してまいります。 (3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等当社は、まだ成長途上の段階にあり、事業規模の速やかな拡大と利益創出基盤の拡大が急務であると考えており、当面の指標としては売上高及び経常利益を重視しております。また、持続的な成長のためには財務基盤の強化を図る必要があると考えており、財務的安定性の指標として、自己資本比率についても着目しております。非財務指標としては、クラウドインテグレーションのプロジェクト数、MSPの顧客数、クラウドライセンスリセールのアカウント数を活用しております。当社の収益源は、クラウドソリューション事業におけるこれらの3サービスに係る売上であり、プロジェクト数、顧客数及びアカウント数を増加させることで将来の収益拡大が見込まれます。 (4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題今後当社が成長を遂げていくために優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題は以下の通りであります。①クラウドビジネスの強化・拡大 当社は親会社である株式会社テラスカイの一事業であった「AWS事業部」を吸収分割にて事業を統合する等して、AWSを中心としたクラウドビジネスの強化・拡大を図ってまいりました。また、AWSに限らずAzureの取扱いも行っており、加えて、Google Cloudについても2019年3月より取扱いを開始しており、マルチクラウドへの対応も強化してまいりました。 今後より一層クラウドの普及が進むことで、オンプレミスベースの既存顧客企業を保有する大手システムインテグレーター企業等が相次いで市場に参入し、技術力競争及び価格競争等が激化することが予測されます。 競争が激化していく中で、当社が成長を持続するためには、当社の主力サービスであるSAPシステムの「移行」を中心としたフロー売上であるクラウドインテグレーション売上とストック売上であるクラウドライセンスリセール売上及びMSP売上を両輪で拡大していくことが課題であると認識しております。 クラウドインテグレーション売上については、大規模移行プロジェクトの獲得やクラウドアプリケーション開発に注力するとともにAWS、Azure及びGoogle Cloudのプロジェクト実績を積み上げることでマルチクラウド化を推進し、その結果としてクラウドライセンスリセール売上の拡大に繋げてまいります。また、データ分析基盤構築及びクラウドアプリケーション開発等の実績をベースに、デジタルトランスフォーメーションを推進する取組みを拡大していくとともに顧客企業のデジタルトランスフォーメーションを実現する為のプラットフォーム構築に注力してまいります。 ②優秀な人材の確保・育成 当社が属するクラウド業界は、特に技術者(エンジニア)の人材不足が深刻化しております。当社の提供するサービスは、特に技術者の技術力に依るところが大きく、今後も市場拡大が見込まれる中で当社が成長を持続して行くためには、優秀な技術者を安定的に確保し続けることが重要な課題であると認識しております。 そのため、当社では、リモートワーク・フレックスタイム制度の導入など、ダイバーシティ(働き方の多様性)に対応した施策を積極的に推進し、ワークライフバランスの実現を率先的に図ることにより、次世代を担う優秀な人材の獲得に努めてまいります。また同時に、社員の能力開発・向上のための研修、パブリッククラウド及びSAPに関係する認定資格の取得補助の実施や人事評価制度の継続的改善運用など、従業員の能力を最大限に発揮させる仕組みを確立してまいります。 ③自社クラウドサービスの機能向上による次世代MSPの強化当社のクラウド運用サービスツール「BeeX Service Console」は、SaaS型の運用管理者向けポータルサービスとなっており、顧客企業の運用管理者側でクラウドの利用状況や費用の分析が可能な機能等が搭載されております。当ツールは、顧客企業がクラウド導入パートナーを選定するにあたり当社を選択する、他社ベンダーとの差別化要因となっており、クラウドインテグレーション案件受注率向上に貢献していると認識しています。また、MSPとクラウドライセンスリセールを組み合わせたサービスパッケージ「BeeX Plus」も販売を開始しており、今後、他社ベンダーとの差別化要因として期待できるセキュリティソリューション等のサービスや機能の開発にも注力しております。当社が今後も成長を持続していくためには他社との差別化が急務であり、サービスの優位性を高めるための機能強化・追加が必要不可欠であると認識しております。また、クラウド化の進展によって、企業は複雑化していくシステム開発への迅速な対応と、多岐にわたるシステム運用業務の運用品質・効率改善とコスト削減を同時並行的に高めていく必要に迫られています。これを解決する手段のひとつとして次世代MSPに注目が集まっています。当社ではクラウド運用サービスツール「BeeX Service Console」並びにサービスパッケージ「BeeX Plus」の提供によって徹底した運用の効率化並びにサービスの質的向上を実現しておりますが、継続的なサービス品質の強化が必要不可欠であると認識しております。そのため、市場環境や技術動向の変化に俊敏に対応し、顧客ニーズに迅速に対応するための機能強化、またそれを実現可能な開発体制の強化を図ってまいります。 ④事業展開のグローバル化当社では日本国内においてのみ継続的な事業拡大を図っており、海外進出には至っておりませんが、中長期的な視点から展開を見据えた更なる業容の拡大を図るにあたり、日本国内のみならず主にアジア市場をにらんだグローバル市場への進出が重要になると考えております。本書提出日現在、具体的な進展はありませんが、エンジニア不足を補う海外のパートナー企業との協業、当社が提供しているMSP(クラウド上のサーバーの監視・バックアップ等の運用代行及び保守等に関するサービス)のグローバル対応、並びに当社クラウドソリューション事業のアジア諸国へのビジネス展開等を検討しております。 ⑤パートナー企業との協業推進 当社は、2018年2月にTIS株式会社、2018年8月に株式会社NTTデータと資本業務提携を開始しております。TIS株式会社及び株式会社エヌ・ティ・ティ・データとは、当社単独では獲得が困難な大型案件の獲得を目的としております。 今後も、必要に応じて経営資源とノウハウを補完し合えるパートナーとの協業を図り、常に変化する市場環境と多様化する顧客ニーズにスピード感をもって的確に対処しながら企業価値のさらなる向上に向けて事業展開を進めてまいります。 ⑥経営管理体制の強化 当社は、今後持続的な成長を図っていくためには、事業の成長や業容の拡大に伴い、経営管理体制の更なる充実・強化が課題であると認識しており、ステークホルダーに信頼される企業となるために、コーポレート・ガバナンスへの積極的な取組みが不可欠であると考えております。そのため、優秀な人材の採用・育成により業務執行体制の充実を図り、コーポレート・ガバナンスが有効に機能するような仕組みを強化・維持していくとともに、業務の適正性及び財務報告の信頼性を確保するための内部統制システムの適切な運用、法令遵守を徹底してまいります。 ⑦財務基盤の強化 当社は、収益基盤の維持・拡大を図るためには、手許資金の流動性確保や金融機関との良好な取引関係が重要であると考えております。一定の内部留保の確保や費用対効果の検討による各種コストの見直しを継続的に行うことで、さらなる財務基盤の強化を図ってまいります。 |
事業等のリスク | 3【事業等のリスク】 1.事業展開について 本書に記載しております事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクには、次のようなものがあります。 ただし、将来の業績や財政状態に与えうるリスクや不確実性は、これらに限定されるものではありません。なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社が判断したものであります。 (1)経済状況の変化について(顕在化可能性:低 / 影響度:中)当社は、クラウドに特化したサービスの提供を行っております。各顧客企業の基幹システムに係るIT投資の積極的な取組みを背景として事業を拡大していく方針でありますが、今後、国内外の経済情勢や景気動向等の理由により顧客企業の取組みが減退するような場合には、当初計画していたような売上成長が見込めず、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。当該リスクは完全に排除できる性格のものではないことから、市況の急変等の場合においては、顕在化する可能性があると認識しております。 (2)クラウド市場の動向について(顕在化可能性:低 / 影響度:中)当社が事業を展開するクラウド市場は、ICT(情報通信技術)を活用した業務プロセスの効率化やコスト削減への取組み等、「守り」のビジネス・テーマが主体でありましたが、今後は、「事業や経営判断の高速化」「営業力強化」「ソーシャルメディア等を使った顧客との新たな関係構築」「ビジネス領域の拡大/業際市場への進出」等、ビジネスにおける「攻め」のテーマにシフトしつつあるとみられており、クラウドを前提とした取組みは、ビジネスへの期待感を高め、注目は高まってきております。当社は今後もクラウド市場の拡大傾向は持続すると予測しており、クラウド事業の多角化を積極的に展開していく計画であります。しかしながら、クラウド市場は依然として拡大を継続する見通しですが、クラウド市場の環境整備や新たな法的規制の導入後、何らかの要因によってクラウド市場の発展が阻害される場合には、当初計画していたような売上成長が見込めず、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。当社が実施する業界のモニタリング及び影響の分散施策等によって、当該リスクを完全に排除できる性格のものではないことから、市況の急変等の場合においては、顕在化する可能性があると認識しております。当社は、継続してマルチクラウドに取組み、MSP及びクラウドライセンスリセールのストックビジネスを推進・拡大していくことで、収益基盤の強化を図ってまいります。 (3)製品・サービスの関連性について(顕在化可能性:中 / 影響度:中)当社は、クラウドインテグレーションにおいてクラウド環境の設計・構築を行うだけでなく、環境構築後のクラウドライセンスリセールやMSPのサービスを継続して顧客企業に提供することも主力サービスとしております。そのため、クラウドインテグレーションの案件獲得が困難になった場合には、クラウドインテグレーションの売上高が減少するだけではなく、クラウドライセンスリセールやMSPの売上高の成長が鈍化し、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、SAPシステムを中心とした基幹システムのオンプレミスからのクラウド移行においても、クラウド移行のコンサルティング、設計・構築と併せて、移行先のクラウドライセンスリセールやMSPのサービスを継続して顧客企業に提供しております。そのため、SAPシステムのクラウド移行の案件獲得が困難になった場合には、SAPシステムのクラウド移行の売上高が減少するだけではなく、クラウドライセンスリセールやMSPの売上高の成長が鈍化し、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。このようなリスクが顕在化する可能性は高くないと判断しておりますが、当社リスクが顕在化した場合は、一定程度の影響を被るものと認識しております。当社は、クラウドソリューション事業の各サービスの導入実績、ノウハウによる技術優位性を確保できていると認識しており、このまま実績を積み上げ他社との差別化を図り、市場での地位を早期に確立していくことで安定的な案件獲得を図ってまいります。 (4)クラウド基盤事業者への依存について(顕在化可能性:低 / 影響度:高)当社はパブリッククラウドベンダーの中でもAWS及びAzureのクラウド環境に顧客企業のSAPシステムを中心とした基幹システムのオンプレミスからのクラウド移行に関するビジネス並びにAWS及びAzureのクラウドライセンスリセールの拡大により売上高の持続的成長を実現してまいりました。従いまして、当社の成長はAWS及びAzureの市場拡大に大きく依存しております。当社は、AWS及びAzureを含めたパブリッククラウドの市場規模は継続的に拡大していくものと認識しており、今後もAWS及びAzureを主軸とし、加えてGoogle cloudのクラウド環境への取組み(マルチクラウドへの対応)も強化して事業展開を進めて行く方針であります。また、近年においては、パブリッククラウドベンダーは事業ポートフォリオをIaaSからPaaSまで拡げ、今後も更なる成長と市場の拡大が見込まれると考えております。しかしながら、パブリッククラウドの市場規模が縮小する場合や各パブリッククラウドベンダーの経営戦略に変更がある場合等には、当初計画していたような売上成長が見込めず、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。今のところ、当該リスクが短期的に顕在化する可能性は低いと予想しております。当社は、各パブリッククラウドベンダーの市場動向、経営戦略等について情報収集を行い、適切な経営判断ができるように努めております。 (5)各パブリッククラウドベンダーとの契約について(顕在化可能性:低 / 影響度:高)当社は、顧客企業の基幹システムのクラウド化を行っており、顧客企業のニーズへの対応をより柔軟に行うためにマルチクラウド化への取組みを強化しております。当社は、Amazon Web Services,Inc.及びMicrosoft Corporation並びにGoogle LLCの3社のパブリッククラウドベンダーと契約をしております。各社の製品のクラウドライセンスリセールについては、各社との契約に基づいて行われております。いずれの契約も、当社又は同社のいずれかが解除事由への抵触を理由に解除を申し出た場合のほか、理由の如何に関わらず事前に解除を申し出た場合を除いて、継続するものとされております。現時点では当該契約の解除事由に該当する事実は生じておらず、良好な関係を築いておりますが、今後当社が解除事由に抵触したこと等を理由に契約を解除された場合には、当社の事業運営、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。このようなリスクが顕在化する可能性は低いと予想しております。当社は、各パブリッククラウドベンダーとの関係が良好なものとなるよう努めております。また、第4、第5のパブリッククラウドベンダーの動向を注視して、国内市場、顧客要望を適宜把握して取組の判断を行ってまいります。 (6)パートナー企業との関係について(顕在化可能性:低 / 影響度:中)当社の営業活動の一部は、パートナー企業に依存しております。2024年2月期においては、パートナー企業経由での売上高は当社売上高全体に占める割合の概ね2割程度の水準となっており、これらのパートナー企業の営業戦略や販売動向により当社業績は影響を受けております。現時点では認識しておりませんが、パートナー企業との取引関係継続が困難となった場合や各社の事業戦略に変化が生じた場合、又はパートナー企業の新規開拓が進捗しない場合等においては、当初計画していたような売上成長が見込めず、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性がありますが、その程度につきましては、想定しておりません。このようなリスクが顕在化する可能性は低いと予想しております。当社は、パートナー企業に対して、営業・技術支援の強化を推進しており、各パートナー企業との契約に基づき、安定的かつ長期的な取引関係の構築に努めております。加えて、当社事業の拡大及び販売網強化を推進するため、アライアンスパートナーの新規開拓を行い、パートナー企業の拡大を図っております。 (7)クラウドインテグレーションにおける業績変動等の遅延による業績見通への影響について(顕在化可能性:低 / 影響度:中)当社は、クラウドに関するコンサルティング、導入、環境構築、移行並びにアプリケーション開発等を行っており、成果物を引き渡す義務を負っております。当該契約については、開発中のシステム等を他の顧客又は別の用途に振り向けることができず、遂行した作業について対価を受領する権利が発生することから、一定の期間にわたり履行義務が充足されると判断しており、履行義務の充足に係る進捗度に基づき収益を認識しております。履行義務の充足に係る進捗度の見積り方法は、プロジェクトの見積総原価又は見積総工数に対する発生原価又は発生工数実績の割合(インプット法)で合理的に見積り、その進捗度に基づいて一定の期間にわたり収益を認識しております。当社では、プロジェクトごとの進捗を管理し、計画通りに売上高及び利益の計上ができるように努めておりますが、プロジェクトの進捗や検収の遅延等により、第4四半期に見込んでいた売上高及び利益が翌期の計上にずれ込む場合には、当社の通期業績及び各四半期の業績に変動が生じる可能性があります。クラウドインテグレーションにおけるプロジェクトは、想定される工数や難易度を基に見積りを作成し受注をしておりますが、見積り作成時に想定されなかった不測の事態等により、工数が大幅に増加し、プロジェクトの採算が悪化する場合には、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、プロジェクトごとに継続的に進捗状況に応じて見積総原価及び見積総工数並びに予定プロジェクト期間の見直しを実施するなど適切な原価管理に取り組んでおりますが、その見積総原価や見積総工数に基づくプロジェクトの進捗率は見通しに基づき算定しているため、修正される可能性があり、それらの見直しが必要になった場合は、売上計上時期の変更等により、当社の期間損益に影響を及ぼす可能性があります。このようなリスクが顕在化する可能性は低いものの、翌期においてもリスクは常に存在すると認識しております。当社は、プロジェクトごとの進捗管理を徹底しており、計画通りに売上高及び利益の計上ができるように努めております。また、当社は顧客企業との認識のずれや想定工数が大幅に乖離することがないように工数の算定をしており、採算及び工数の予実管理を徹底することで、プロジェクトの採算が悪化しないように努めております。 (8)クラウドインテグレーション及びMSPサービスにおける不具合・瑕疵について(顕在化可能性:低 / 影響度:中)当社は、クラウドインテグレーション及びMSPサービスの提供・開発過程において、納品・検収完了後において重大な不具合・瑕疵等が発見された場合には、当社に対する信頼性を著しく毀損する可能性があり、取引先からの信用を失うとともに、不具合・瑕疵等に対する対応費用の発生、損害賠償責任の発生等により、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。このようなリスクが顕在化する可能性は低いと予想しております。当社は、クラウドインテグレーション及びMSPサービスの提供・開発過程において、提供・開発手順の標準化と標準化プロセスを遵守すること等により不具合・瑕疵の発生防止に努めております。 (9)通信回線等の外部依存について(顕在化可能性:低 / 影響度:中)当社が提供するクラウドライセンスリセール及びMSPにおけるクラウドサービスは、顧客企業からクラウド基盤までの接続サービス等の提供にあたり、他社の通信キャリアから通信回線を調達しております。通信キャリアの提供する電気通信サービスに障害が生じ代替手段の調達ができずに、サービスが長時間にわたり中断する等の事象が発生した場合には、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。このようなリスクが顕在化する可能性は低いものの、翌期においてもリスクは常に存在すると認識しております。当社は、障害に対して迅速に対応するべく、システムの稼働状況の監視及び障害検出に関して、管理体制を強化し、障害発生の未然防止及び障害発生時の影響最小化に努めております。 (10)サービス中断の可能性について(顕在化可能性:低 / 影響度:中)当社が提供するクラウドサービスは、地震等の自然災害、電力不足、停電、通信障害、テロ等の予見し難い事由により、停止或いは遅延等の影響を受ける可能性があります。また、コンピュータクラッキング、コンピュータウイルス、人的過失及び顧客企業等の偶発的或いは故意による行為等に起因するサービスの中断も、当社のサービスの提供を妨げる可能性があります。サービスの提供が中断し当社の信用失墜又は事業機会の逸失が生じた場合には、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。このようなリスクが顕在化する可能性は低いものの、翌期においてもリスクは常に存在すると認識しております。当社は、サービスを安定的に提供するためのシステム運用管理体制を整備し、システムの稼働状況の監視、バックアップ、外部からの不正アクセスやコンピュータウイルスの侵入防止のシステム的な対策等を実施して、障害発生の未然防止と障害発生時の影響最小化に努めております。 (11)クラウド基盤のシステム障害について(顕在化可能性:低 / 影響度:中)当社の事業は、クラウド基盤事業者が提供する各種サービスをインターネットを介して顧客企業に提供することを前提としております。従いまして、自然災害や事故などによる不測の事態が発生し、万が一、クラウド基盤自体にシステム障害が起こるような場合には、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。このようなリスクが顕在化する可能性は低いものの、翌期においてもリスクは常に存在すると認識しております。当社は、障害に対して迅速に対応するためのシステム運用管理体制を整備し、システムの稼働状況の監視及び障害検出に関して、管理体制を強化し、障害発生の未然防止及び障害発生時の影響最小化に努めております。 (12)クラウドインテグレーションにおける外部協力先の確保について(顕在化可能性:高 / 影響度:高)当社は必要に応じて、クラウドインテグレーションにおいて複数の外部協力先に委託を行っております。当社は、今後も外部協力先との安定的な取引関係を保つとともに、十分な技術力を有する新規協力先の開拓を行ってまいりますが、万が一、適切な協力先、技術者数が確保できない場合又は委託単価が高騰した場合には、費用の増加又は納期遅延等が生じ、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。このようなリスクが顕在化する可能性は、翌期においても相応に存在すると認識しております。当社は、今後も外部協力先との安定的な取引関係を保つとともに、十分な技術力を有する新規協力先の開拓を行ってまいります。 (13)MSPにおける特定の外注先への依存について(顕在化可能性:低 / 影響度:高)当社のMSPサービスにおいては、株式会社テラスカイの子会社である株式会社スカイ365に対し、障害監視等の基本的な定型業務を委託しております。当社は、自社においても当該業務を一部行っており、今後も自社における運用代行機能を拡大することにより、適正な外注比率を維持し、突発的な事象に対する影響度の低減を図る方針であります。しかしながら、株式会社スカイ365は株式会社テラスカイの子会社であるため、今後株式会社スカイ365及び株式会社テラスカイの経営方針の変更等により、突発的に株式会社スカイ365との取引関係継続が困難になった場合には、当社が株式会社スカイ365に委託している業務を行うこととなりますが、追加的な人員や他の協力先確保に伴う想定外の費用増加によって、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。このようなリスクが顕在化する可能性は低いと予想しております。当社は、自社においても当該業務を一部行っており、今後も自社における運用代行機能を拡大することにより、適正な外注比率を維持し、突発的な事象に対する影響度の低減を図る方針であります。 (14)新規事業展開について(顕在化可能性:高 / 影響度:低)当社は今後、更なる収益拡大を図るため、既存事業の周辺領域での新たな事業展開や海外市場における事業展開についても取り組んで参りたいと考えております。しかしながら、新規事業展開や海外展開は構想段階であり、先行投資として人件費等の追加的な支出が発生する場合や、これまで想定していない新たなリスクが発生する等、当社の想定通りに進捗せず、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。このようなリスクが顕在化する可能性は、翌期においても相応に存在すると認識しております。当社は、新規事業の概況及び市場動向を注視しながら、適切なタイミングで事業の再編や構造改革を実施するよう努めております。 2.外部環境について(1)価格競争について(顕在化可能性:高 / 影響度:低)当社が属するクラウド市場における価格競争は、競合企業の新規参入により今後更に激しくなることが予測されます。低価格競争が更に進展し、競合他社との差別化が有効に図れず、当社が提供するサービスの売上高が想定どおりに増加しない、又は経常利益が悪化する場合等には、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。このようなリスクが顕在化する可能性は、翌期においても相応に存在すると認識しております。当社は、技術力の強化、サービス品質の向上等により、競争力の維持に努めております。 (2)競合について(顕在化可能性:低 / 影響度:中)クラウドインテグレーションに関する当社の競合優位性としては、大手パブリッククラウドベンダー3社(Amazon Web Services, Inc.及びMicrosoft Corporation並びにGoogle LLC)との契約及び認定資格を保有していることからマルチクラウドの取扱いを可能としている点、かつ、SAPシステムのクラウド移行等の大規模な基幹システムのクラウド移行を専門に行っている点があり、それらにより案件獲得に繋がっております。また、MSPやクラウドライセンスリセールにおける優位性としては、大小問わずクラウドサービスを提供している企業との価格競争が激化していく環境の中でも、クラウド利用を前提としたクラドインテグレーションのサービスでもあるデータ基盤構築やクラウドアプリケーション開発を提供できることがあり、既存顧客のリテンションに繋がっております。当社が事業を展開するクラウド市場は、規模の大小を問わず競合企業が複数存在しており、クラウドの普及に伴い、今後も競合企業の新規参入が予測されます。これら競合他社の中には、当社に比べ大きな資本力、技術力、販売力等の経営資源及び顧客基盤等を保有している企業が含まれ、競合企業の動向は市場に大きな影響を与える可能性があり、新規参入の拡大等により競争が激化し、類似サービスの出現により当社が競合企業との差別化を有効に図ることが出来ない場合等には、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。このようなリスクが顕在化する可能性は低いものの、中長期的に顕在化する可能性があると認識しております。当社は、技術力の強化、サービス品質の向上等により、競争力の維持に努めております。また、自社開発のクラウド運用サービスツール「BSC:BeeX Service Console」並びにサービスパッケージ「BeeX Plus」を提供し、他社との差別化を強化しており、加えて、大手ERPベンダーのSAPシステムの取扱いをしていることから、その利用している大中規模の企業ユーザーへアプローチが可能である利点を生かし、他社との差別化に努めております。 (3)技術革新への対応について(顕在化可能性:高 / 影響度:低)当社が属するクラウド業界においては、市場及び顧客ニーズ、技術の変化が非常に速く、それに基づく新サービス等の開発・導入が相次いで生じております。また、クラウド基盤の特性としてサービスの仕様変更、新サービスの追加等頻繁にアップデートを実施しており、クラウドエンジニアの育成プロセスは長期化かつ高難度化しております。当社は、このような変化に迅速にキャッチアップすべく、最新の技術動向等を注視し、最新の技術情報の収集とノウハウの習得に積極的に取り組んでおりますが、技術革新、又はそれに伴い変化する顧客ニーズを捉えた新サービスの開発、導入及び品質確保等にかかる対応が遅れた場合には、当社サービスの競争力が低下する可能性があります。また、技術革新に対応するために必要となる追加投資等の支出が拡大した場合には採算悪化による経常利益の低下に繋がり、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。このようなリスクが顕在化する可能性は、翌期においても相応に存在すると認識しております。当社は、常に最新の技術動向や市場動向を分析し、新技術やサービスの研究開発に努め、サービスの競争力向上に取り組むことで、技術や顧客ニーズの変化に対応しております。 (4)為替相場の変動について(顕在化可能性:高 / 影響度:低)当社のAWSリセールにおいて、当社とAmazon Web Services,Inc.との取引にかかるAWS月額利用料は米ドル建てで計算されます。日本円と米ドル間の為替相場が円高となった場合には売上高・仕入高がともに減少し、円安となった場合には売上高・仕入高がともに増加する為、利益率への影響は緩和されておりますが、急激な為替変動があった場合には、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。このようなリスクが顕在化する可能性は、翌期においても相応に存在すると認識しております。当社は、為替予約を行うことにより為替リスクの極小化に努めております。 (5)法的規制について(顕在化可能性:低 / 影響度:高)当社は電気通信事業法上の電気通信事業者等の業法による規制等を受ける状況にはありませんが、社会情勢の変化等により当社の事業運営を制約する規制強化等が行われる可能性は否定できません。万が一、かかる規制の強化がなされた場合には、当社の事業運営に影響を及ぼす可能性があります。また、近年、インターネット関連事業を規制する法令は度々変更・追加がなされており、今後新たな法令等の規制がなされた場合には、当社の事業運営に影響を及ぼす可能性があります。このようなリスクが顕在化する可能性は低いと予想しております。当社は、法令改正の動向などの情報収集を適宜行い、適時に対応できるようにすることによりリスクの軽減を図っております。 3.事業運営について(1)特定人物への依存について(顕在化可能性:低 / 影響度:中)当社の代表取締役社長広木太は、当社の創業メンバーであり、経営方針・経営戦略の策定やその実行において重要な役割を果たしております。当社は、同氏に過度な依存をしない経営体制を構築すべく、幹部社員の情報共有や権限移譲等によって同氏への過度な依存の脱却に努めておりますが、今後何らかの理由で同氏が当社の業務を遂行することが困難になった場合には、当社の事業運営、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。このようなリスクが顕在化する可能性は低いと予想しております。当社は、同氏に過度な依存をしない経営体制を構築すべく、幹部社員の情報共有や権限移譲等によって同氏への過度な依存の脱却に努めております。 (2)小規模組織であることについて(顕在化可能性:低 / 影響度:中)当社の従業員数は、2024年2月末日現在において166名にとどまっており、小規模な組織であると認識しております。現状はこれに応じた内部管理体制となっておりますが、今後の成長に伴う事業規模の拡大によっては、内部管理体制とのアンバランスが生じ、適切な業務運営が困難となり当社の事業運営及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。このようなリスクが顕在化する可能性は低いと予想しております。当社は、事業拡大に応じて人員の増強や内部管理体制の一層の充実を図ってまいります。 (3)優秀な人的資源の確保について(顕在化可能性:高 / 影響度:中)当社の提供するサービスは、当社の技術部門を中心とした従業員による継続した役務に依存しております。当社の事業拡大に伴い、優秀な経営陣及び従業員を内部育成し、技術・営業・企画及び管理面において適切な人材を適切な時期に確保又は維持できなかった場合、必要以上の人員数採用により労務費用を適切にコントロールすることができなかった場合、労働市場において想定よりも人件費が高騰した場合には、当社の事業運営、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。このようなリスクが顕在化する可能性は、翌期においても相応に存在すると認識しております。当社は、今後も事業規模の拡大に応じて、専門技術や知識を有する優秀な人材の中途採用に努めるとともに、教育制度の充実、人事評価制度の見直し、労働環境の整備など、従業員の働きがいを向上させる取組みを強化していく方針です。 (4)知的財産権について(顕在化可能性:低 / 影響度:中)当社はこれまで、第三者の知的財産権を侵害したとして損害賠償や使用差し止めの請求を受けたことはなく、知的財産権の侵害を行っていないものと認識しております。当社は、第三者の特許権その他の知的財産権を侵害しないよう細心の注意を払っておりますが、万が一、第三者の知的財産権を侵害した場合には、損害賠償の負担が生じる可能性があります。当社が属するクラウド市場において知的財産権の状況を完全に把握することは困難であり、当社の事業に関連する知的財産権について第三者の特許取得が認められた場合、あるいは将来特許取得が認められた場合、当社の事業遂行の必要上これらの特許権者に対してライセンス料を負担する等の対応を余儀無くされる可能性があります。このような損害賠償及びライセンス料の多額の負担が生じた場合、当社の事業運営、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。このようなリスクが顕在化する可能性は低いと予想しております。当社は、第三者の知的財産権を侵害しないよう、社内担当部門で慎重に調査を行っております。また、必要に応じて専門家と連携を取りリスクの軽減を図っております。 (5)情報管理体制について(顕在化可能性:高 / 影響度:中)当社は、クラウド基盤の導入や運用、又はクラウドサービス提供の過程において、顧客企業の機密情報やユーザーの個人情報を取り扱う可能性がありますが、万が一、外部からの不正アクセス、システム運用における人的過失、従業員の故意等による機密情報や個人情報の漏洩、消失、改竄又は不正利用等が発生し、当社がそのような事態に適切に対応できず信用失墜又は損害賠償による損失が生じた場合には、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。このようなリスクが顕在化する可能性は、翌期においても相応に存在すると認識しております。当社では、システム上のセキュリティ対策やアクセス権限管理の徹底に加え、親会社である株式会社テラスカイが2010年8月に認証取得した情報セキュリティマネジメントシステム「ISO/IEC27001(JIS Q 27001)」に事業部門として参加、認証取得、当該公的認証に準拠した規程・マニュアルの整備・運用等を行うことで、情報管理体制の強化に努めており、今後、当社単独で認証取得するよう準備を進めております。 (6)配当政策について(顕在化可能性:高 / 影響度:低)当社は、剰余金の配当につきましては、創業以来実施しておりませんが、株主に対する利益還元も経営の重要課題であると認識しております。配当政策の基本方針としましては、業績、配当性向及び当社を取り巻く事業環境を総合的に勘案し、株主に対して安定的かつ継続的な利益還元を実施する方針でありますが、当面の間につきましては、今後の配当実施の可能性及びその時期等については未定であります。当社は未だ成長過程にあり、将来の事業展開と財務体質強化のために必要な内部留保の確保を優先することが、株主への最大の利益還元に繋がるものと判断しております。 (7)当社株式の流動性について(顕在化可能性:中 / 影響度:中)当社の大株主には親会社である株式会社テラスカイ、事業法人、当社役職員が含まれており、当社株式の流動性の確保に努めることとしておりますが、㈱東京証券取引所の定める流通株式比率は2024年2月末現在において19.8%にとどまっております。今後は、親会社からの売出し協力、役員・事業会社様への一部売出しの要請、ストックオプションの行使による流通株式数の増加分を勘案し、これらの組み合わせにより、流動性の向上を図っていく方針ではありますが、何らかの事情により上場時よりも流動性が低下する場合には、当社株式の市場における売買が停滞する可能性があり、それにより当社株式の需給関係にも悪影響を及ぼす可能性があります。 4.親会社との関係に関する事項(顕在化可能性:低 / 影響度:高)当社の親会社である株式会社テラスカイ(東京証券取引所プライム市場)は、当社の発行済株式総数の68.2%(2024年2月末現在)を保有する筆頭株主であり、クラウドにおける「ソリューション事業」及び「製品事業」を行っております。当社は、独自に経営方針・政策決定及び事業展開についての意思決定を行っております。しかしながら、上場後も同社の株式保有比率は過半数を超えており、同社は筆頭株主として基本事項に関する決定権又は拒否権を保有しているため、当社の意思決定に対して同社が影響を与える可能性があります。 (1)テラスカイグループにおける当社グループの位置付けについて当社は、テラスカイグループにおいて、SAPソフトウエア基盤のクラウドに特化したサービス及びAWSを中心として、Azure、Google Cloudに対応したマルチクラウドインテグレーションの提供によるクラウドシステムの導入サービスを行う唯一の会社として位置づけられており、テラスカイグループ各社の業務内容、事業領域は明確に区分されており、当社と類似事業を営む会社はありません。 (2)テラスカイグループとの取引について 当事業年度(自 2023年3月1日 至 2024年2月29日)種類会社等の名称又は氏名所在地資本金又は出資金(千円)事業の内容又は職業取引の内容取引金額(千円)親会社株式会社テラスカイ東京都中央区1,252,993クラウドに特化したソリューション事業及び製品事業システム運用に係る役務提供/AWS利用料の課金代行サービスの提供(注1、2)598,508親会社の子会社株式会社スカイ365北海道札幌市北区105,237クラウドに特化したMSP事業クラウドの運用・監視・保守業務の委託(注2)142,486親会社の関係会社株式会社キットアライブ北海道札幌市北区125,820北海道を中心としたクラウドに特化した事業AWS利用料の課金代行サービスの提供(注2)731親会社の子会社株式会社リベルスカイ東京都中央区50,000クラウドに特化したコンサルティング事業クラウドインテグレーションの業務委託(注2)11,954親会社の子会社株式会社Cuon東京都中央区10,000webシステム開発AWS利用料の課金代行サービスの提供(注2)51,013親会社の子会社株式会社Quemix東京都中央区206,000量子コンピューターの応用研究AWS利用料の課金代行サービスの提供(注2)3,967親会社の子会社株式会社DiceWorks東京都中央区50,000クラウドに特化したソリューション事業クラウドインテグレーションの業務委託(注2)400親会社の子会社株式会社テラスカイテクノロジーズ東京都中央区214,351クラウドエンジニアの派遣事業AWSに関するトレーニングサービスの提供/AWS利用料の課金代行サービスの提供(注2)11,853(注)1.株式会社テラスカイとの取引は、外部顧客へのサービス提供について、同社を通じて受注・サービス提供したものであります。2.取引を継続する場合、新たに取引を行う場合には、親会社等から独立した立場の社外取締役も参加する取締役会において、事業上の必要性及び他社との取引条件等を比較し、その取引の合理性及び条件の妥当性の検証を行なった上で決議することとしています。 (3)親会社等との役員の兼務関係について本書提出日現在における当社の役員9名(取締役6名、監査役3名)のうち、親会社である株式会社テラスカイの役員を兼ねる者は1名であり、豊富な経営及び監督経験から、その知見の活用及び当社事業に関する助言を得ることを目的として就任しており、当社独自の経営判断を妨げるものではなく、当社の経営執行に与える影響は限定的であると認識しております。今後、親会社との役員兼務者は1名のみを継続する方針であります。また、当社職員のうち、テラスカイグループである株式会社スカイ365の取締役を兼ねる者は1名であり、当社MSPにおける同社への委託業務の遂行状況の監視等を目的としております。今後も同社への取締役の派遣は1名のみを継続する方針であります。なお、兼務者の当社における役職、氏名及びテラスカイグループ会社における役職は以下のとおりであります。氏名当社における役職テラスカイグループ会社における役職塚田 耕一郎取締役株式会社テラスカイ 取締役CFO常務執行役員株式会社キットアライブ 取締役株式会社テラスカイベンチャーズ 代表取締役株式会社Cuon 取締役株式会社Quemix 取締役Terrasky Thailand co.itd 取締役株式会社リベルスカイ 取締役株式会社テラスカイ・テクノロジーズ 取締役株式会社エノキ 取締役株式会社DiceWorks 取締役緒方 裕康執行役員インテリジェントエンタープライズ本部長株式会社スカイ365 取締役 (4)親会社等からの独立性の確保について当社が事業活動を行う上で、「重要な決議事項」のうち「テラスカイグループ内の資本政策に関わる事項」に限り親会社である株式会社テラスカイに事前相談することとなっております。一方で、当社は、新たにテラスカイグループ外の会社と資本提携又はM&A等をする場合を含め、親会社の指示、承認及び事前相談に基づいて意思決定を行うのではなく、一般株主と利益相反が生じるおそれのない独立役員、及び過半数を占める専任役員を中心とする経営陣の判断のもと、当社独自に意思決定を行っております。 |
経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 | 4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】 (1)経営成績等の状況の概要 当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。 ①財政状態の状況(資産)当事業年度末における資産合計は、4,281,754千円となり、前事業年度末から952,329千円の増加となりました。当事業年度末における流動資産は、3,986,727千円となり、前事業年度末から947,326千円の増加となりました。これは主に、売掛金の回収により現金及び預金が706,891千円、売上の増加により売掛金が22,724千円、契約資産が26,212千円、AWSのリザーブドインスタンス(契約期間1年間、3年間)及びSavings Plans(契約期間1年間)の購入等に伴い前払費用が158,993千円増加したこと等によるものであります。当事業年度末における固定資産は、295,026千円となり、前事業年度末から5,002千円の増加となりました。これは主に、繰延税金資産が14,146千円増加した一方、自社開発のクラウド運用サービスツール「BSC:BeeX Service Console」の減価償却等により無形固定資産が7,278千円減少したこと等によるものであります。 (負債)当事業年度末における負債合計は、2,191,881千円となり、前事業年度末から511,556千円の増加となりました。当事業年度末における流動負債は、2,191,881千円となり、前事業年度末から511,556千円の増加となりました。これは主にクラウドライセンスリセール売上が増加したことに伴うライセンスの仕入高が増加したこと及びクラウドインテグレーションに係る外注利用による業務委託費が増加したこと等により買掛金が166,642千円及びクラウドライセンスリセール売上に対する契約負債が244,869千円増加したこと並びに未払消費税等が50,982千円増加したこと等によるものであります。 (純資産)当事業年度末における純資産は、2,089,872千円となり、前事業年度末から440,772千円の増加となりました。これは、当期純利益の計上による繰越利益剰余金が440,772千円増加したことによるものであります。 ②経営成績の状況当事業年度(2023年3月1日から2024年2月29日まで)におけるわが国経済は、コロナ禍からの社会経済活動の正常化が進み、インバウンド需要等が回復したことにより景気は上昇傾向にありますが、景気の先行きについては、エネルギー価格をはじめとする物価上昇及び世界的な金融の引き締めを背景とした景気後退懸念などにより、依然として不透明な状況が継続しております。情報サービス産業においては、特に事業の強化やビジネスモデルの変革を推進するDX(デジタルトランスフォーメーション)関連の需要が増加しており、今後も中長期的に市場規模の拡大が継続するものとみられております。当社を取り巻くクラウド市場においては、Gartnerの調査(世界のIaaSパブリッククラウドサービスの市場シェア2021年-2022年)によると、パブリッククラウドの市場シェアは2022年に29.7%成長し、当社が取扱いをしている「Amazon Web Services」(AWS)、「Microsoft Azure」(Azure)及び「Google Cloud」も成長しております。また、ERP市場においては、ITRの調査(ITR Market View:ERP市場2023)によると、オンプレミスは、2020年度から2021年度にかけてマイナス成長が続いている一方で、IaaSは成長を維持しており、今後もこの傾向が続くと予測され、ERPのクラウド化が進んでいくものと見ております。SAPシステムにおいては、2027年にオンプレ環境を含むSAP ERP6.0の保守終了が予定されており、自社のSAPシステムの環境をどのように遷移させていくかというアップグレード・クラウド移行戦略は、継続して重要なポイントとなっております。このような状況下、当社では「デジタルトランスフォーメーション」及び「マルチクラウド」という2つの領域を軸にクラウドソリューション事業を展開しており、SAP社が提供する基幹システムを中心に、顧客企業毎に使用している基幹システムに最適なパブリッククラウドの選定、基幹システムをパブリッククラウド上で最適な状態で利用するためのコンサルティング、クラウド環境の設計・構築、クラウド環境への移行、及びクラウド環境での運用業務の提供を行ってまいりました。以上の結果、当事業年度における売上高は7,700,068千円(前期比33.7%増)、営業利益は599,148千円(前期比48.6%増)、経常利益は615,519千円(前期比50.4%増)、当期純利益は440,772千円(前期比47.2%増)となりました。なお、当社の事業はクラウドソリューション事業の単一セグメントのため、セグメントごとの記載はしておりません。 ③キャッシュ・フローの状況当事業年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は前事業年度末に比べ706,891千円増加し、1,870,032千円となりました。当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。 (営業活動によるキャッシュ・フロー)営業活動の結果獲得した資金は785,403千円となりました(前事業年度は335,766千円の獲得)。これは主に、増加要因として、税引前当期純利益の計上593,367千円(前年同期は409,025千円)、AWSのリザーブドインスタンス(契約期間1年間、3年間)及びSavings Plans(契約期間1年間)の契約数が増加したことによる契約負債の増加額244,869千円(前年同期は契約負債の増加額93,736千円)、クラウドライセンスリセールに係る仕入高が増加したことによる仕入債務の増加額165,965千円(前年同期は仕入債務の増加額319,473千円)等があった一方で、減少要因として、クラウドソリューション事業の売上高が増加したことによる売上債権及び契約資産の増加額48,936千円(前年同期は売上債権及び契約資産の増加額481,165千円)、AWSのリザーブドインスタンス(契約期間1年間、3年間)及びSavings Plans(契約期間1年間)の購入等に伴う前払費用の増加額158,209千円(前年同期は前払費用の増加額74,342千円)、法人税等の支払額156,656千円(前年同期は法人税等の支払額37,676千円)等があったことによるものであります。 (投資活動によるキャッシュ・フロー)投資活動の結果支出した資金は78,512千円となりました(前事業年度は56,724千円の支出)。これは主に従業員の増加に伴うPC等の購入により有形固定資産の取得による支出25,284千円(前年同期は有形固定資産の取得による支出7,872千円)、自社開発のクラウド運用サービスツール「BSC:BeeX Service Console」の追加機能開発等により無形固定資産の取得による支出53,231千円(前年同期は無形固定資産の取得による支出48,851千円)があったこと等によるものであります。 (財務活動によるキャッシュ・フロー)財務活動によるキャッシュフ・フローは、ありませんでした(前事業年度は136,605千円の支出)。 ④生産、受注及び販売の実績a.生産実績当社の事業は、提供するサービスの性格上、生産実績の記載になじまないため、当該記載を省略しておりま す。 b.受注実績 当事業年度のクラウドソリューション事業における受注実績をサービス別に示すと、次のとおりであります。サービス区分の名称受注高(千円)前年同期比(%)受注残高(千円)前年同期比(%)クラウドインテグレーション2,665,08952.0460,696108.1 (注)クラウドインテグレーションに係る受注の状況を記載しております。 c.販売実績 当社は「クラウドソリューション事業」の単一セグメントとしておりますが、当事業年度の販売実績をサービス区分ごとに示すと次のとおりであります。サービス区分の名称当事業年度(自2023年3月1日至2024年2月29日)前年同期比(%)クラウドインテグレーション(千円)2,424,00647.1MSP(千円)765,75516.8クラウドライセンスリセール(千円)4,510,30630.5合計(千円)7,700,06833.7(注)最近2事業年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。相手先前事業年度(自2022年3月1日至2023年2月28日)当事業年度(自2023年3月1日至2024年2月29日)金額(千円)割合(%)金額(千円)割合(%)AGC株式会社1,123,90719.51,228,19816.0株式会社テラスカイ707,95412.3598,5087.8 (2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。 ①財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に関する認識及び分析・検討内容a.財政状態の分析 財政状態の分析につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ① 財政状態の状況」に記載のとおりであります。 b.経営成績の分析(売上高)当社は、クラウドソリューション事業の単一セグメントのため、セグメントごとの記載はしておりませんが、サービス区分別の売上高は次のとおりであります。当事業年度における売上高は、クラウドインテグレーション売上高は2,424,006千円(前期比47.1%増)、MSP売上高は765,755千円(前期比16.8%増)、クラウドライセンスリセール売上高は4,510,306千円(前期比30.5%増)となりました。これは、クラウドインテグレーションにおいては、既存顧客からの追加案件の受注及び大型案件を含む新規顧客の獲得もあってプロジェクト数が順調に積み上がったことによるものであり、MSP及びクラウドライセンスリセールにおいては、新規顧客の獲得もあって取引社数が堅調に推移したことによるものであります。 サービス区分別売上高サービス名称前事業年度(自 2022年3月1日至 2023年2月28日)当事業年度(自 2023年3月1日至 2024年2月29日)前事業年度比売上高(千円)構成比(%)売上高(千円)構成比(%)差額(千円)増減率(%)クラウドインテグレーション1,647,70428.62,424,00631.5776,30247.1MSP655,62911.4765,7559.9110,12616.8クラウドライセンスリセール3,455,93560.04,510,30658.61,054,37130.5合計5,759,268100.07,700,068100.01,940,79933.7 (売上原価)当事業年度における売上原価は、前事業年度に比べ1,474,649千円増加し、6,182,054千円(前期比31.3%増)となりました。これは主に、クラウドインテグレーション売上及びMSP売上の増加に伴い業務委託費が534,203千円増加、クラウドライセンスリセール売上が増加したことによりライセンスの仕入高が967,680千円増加したこと等によるものであります。 (販売費及び一般管理費)当事業年度における販売費及び一般管理費は、前事業年度に比べ270,091千円増加し、918,865千円(前期比41.6%増)となりました。これは主に、営業・管理部門の採用が順調に進捗したこと等により給料及び手当が118,768千円増加し、社外の専門家の利用等により業務委託費が31,131千円増加し、採用活動において紹介会社による紹介手数料が増加したこと等もあり採用費が29,955千円増加したこと等によるものであります。 (営業外損益)当事業年度における営業外収益は、前事業年度に比べ5,332千円増加し、17,064千円(前期比45.5%増)となりました。これは主に、受取手数料収入が6,248千円増加したこと等によるものであります。また、営業外費用は、前事業年度に比べ4,841千円減少し、693千円(前期比87.5%減)となりました。これは主に、為替差損が4,583千円減少したこと等によるものであります。 (特別損益)当事業年度における特別損失は、22,154千円(前期は262千円)となりました。これは開発中であった次期基幹システム(ソフトウエア仮勘定)を減損処理したこと等によるものであります。c.キャッシュ・フローの状況の分析 キャッシュ・フローの状況の分析につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ③ キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。 ②重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定 当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この財務諸表の作成にあたっては、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要としております。これらの見積りに関しては、過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りとは異なる場合があります。 当社の財務諸表の作成にあたって採用している重要な会計方針は「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1) 財務諸表 注記事項 重要な会計方針」に記載しておりますが、特に下記の会計方針が財務諸表作成における重要な見積りの判断等に影響を及ぼすと考えております。 (履行義務の充足に係る進捗度に基づき一定の期間にわたり認識する収益)当社は、財又はサービスを顧客に移転する履行義務を充足するにつれて、一定の期間にわたり収益を認識しており、履行義務の充足に係る進捗度を合理的に見積ることができる場合には、進捗度に基づき収益を認識しております。この履行義務の充足に係る進捗度の見積りは、各報告期間の期末日までに発生した原価又は工数実績の見積総原価又は見積総工数に対する割合として算定しております。進捗度に基づく収益計上の基礎となる見積総原価又は見積総工数はプロジェクトごとに行っております。各プロジェクトで要員管理・進捗管理・予算管理を行っておりますが、予期し得ない不具合の発生等により、開発工数が大幅に増加し、不採算プロジェクトが発生するような場合には、売上原価が増加することによって当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 ③資本の財源及び資金の流動性 当社の運転資金需要のうち主なものは、AWS及びAzureのクラウドライセンスリセールにおける仕入のほか、クラウドインテグレーションに係る外注費及び社内人件費(製造原価)及び販売費及び一般管理費等の営業費用によるものであります。また、投資を目的とした資金需要は、設備投資等によるものであります。 なお、当社の資金の源泉は主に営業活動によるキャッシュ・フロー及び金融機関からの借入による資金調達でありますが、今後、急激に資金繰りが悪化した場合においても、追加で資金調達が迅速に行える当座貸越契約を金融機関と締結しております。 ④経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等 当社は、まだ成長途上の段階にあり、事業規模の速やかな拡大と利益創出基盤の拡大が急務であると考えており、当面の指標としては売上高及び経常利益を重視しております。また、持続的な成長のためには財務基盤の強化を図る必要があると考えており、財務的安定性の指標として、自己資本比率についても着目しております。 いずれの指標も継続的に増加させていくことを目指しております。 2024年2月期については、自己資本比率は前事業年度を下回りましたが、売上高及び経常利益は前事業年度を上回りました。 各指標についての推移は以下のとおりであります。 2023年2月期2024年2月期売上高5,759,268千円7,700,068千円経常利益409,288千円615,519千円自己資本比率49.5%48.8% ⑤経営成績に重要な影響を与える要因について 当社は「3 事業等のリスク」に記載のとおり、事業内容や外部環境、事業体制等、様々なリスク要因が当社の経営成績に重要な影響を与える可能性があると認識しております。 そのため、当社は常に業界動向に留意しつつ、優秀な人材を確保し市場のニーズに合ったサービスを展開していくことにより、経営成績に重要な影響を与えるリスク要因を分散・低減し、適切に対応を行ってまいります。 ⑥経営者の問題認識と今後の方針について 当社が属する業界においては、今後一層、デジタルトランスフォーメーションの考えが浸透し、クラウド化が進んでいくことに伴い、顧客企業のITに対する理解も急速に高度化されていく事が予想され、クラウド化の波は、ますます加速化するものと見ております。クラウドの加速化は、当社にとっては追い風である一方で、オンプレミスベースの既存顧客企業を保有する大手システムインテグレーター企業等が相次いで市場に参入し、技術力競争及び価格競争等が激化することが予測されます。また、当社が提供するサービスも、単なる工数提供の対価を得るということではなく、顧客企業にとっての価値を実現するという価値実現の対価を得る、という付加価値を提供するというサービスにシフトしていく必要があると考えております。 このような状況下において、当社が更なる成長を実現し、持続的に成長していくために、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載の内容について重点的に取り組んでいく方針であります。 |
経営上の重要な契約等 | 5【経営上の重要な契約等】 相手先の名称契約の名称契約締結日契約内容契約期限株式会社スカイ365コンピュータ・システムの監視・運用に関する基本契約書2016年3月1日MSP業務の委託内容を定めた契約2016年3月1日より1年間(自動更新)AmazonWeb Services, Inc.AWS SolutionProvider Addendum2019年3月18日AWSの販売契約契約期間は定められておりません。MicrosoftCorporationMicrosoft Partner Agreemt2019年12月16日Azureの販売契約終了されるまで有効に存続する。Google Cloud Japan G.K.Google Cloud & Google for Education Commercial Partner Program Agreement2020年3月19日Google Cloudの販売契約終了されるまで有効に存続する。 |
研究開発活動 | 6【研究開発活動】 該当事項はありません。 |
設備投資等の概要 | 1【設備投資等の概要】 当事業年度における設備投資の総額は71,309千円であり、その主な内容は、クラウドソリューション事業のクラウド運用サービスツール(ソフトウエア)の追加開発(21,082千円)、社内業務用システム(ソフトウエア)の開発(10,169千円)並びに人員増加に伴う業務用PCの購入(17,462千円)等であります。また、当事業年度において、次期基幹システム開発中止に伴う減損処理(21,988千円)をしております。当社の事業はクラウドソリューション事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載は省略しております。 |
主要な設備の状況 | 2【主要な設備の状況】 当社における主要な設備は以下のとおりであります。2024年2月29日現在 事業所名(所在地)設備の内容帳簿価額(千円)従業員数(人)建物附属設備工具、器具及び備品ソフトウエア合計本社(東京都中央区)本社オフィス業務設備、倉庫24,33927,941115,119167,400166(-) (注)1.本社オフィス及び倉庫は賃借しており、その年間賃借料は本社オフィス77,014千円、倉庫26千円であります。2.従業員数は就業人員であります。また、平均臨時雇用者数は従業員数の100分の10未満であるため、記載を省略しております。3.当社はクラウドリューション事業の単一セグメントであるため、セグメントごとの記載は省略しております。 |
設備の新設、除却等の計画 | 3【設備の新設、除却等の計画】 当社の設備投資については、景気予測、業界動向、投資効率等を総合的に勘案して策定しております。なお、当事業年度末現在における重要な設備の新設、改修計画は次のとおりであります。 (1)重要な設備の新設 該当事項はありません。 (2)重要な改修該当事項はありません。 |
設備投資額、設備投資等の概要 | 71,309,000 |
Employees
平均年齢(年)、提出会社の状況、従業員の状況 | 40 |
平均勤続年数(年)、提出会社の状況、従業員の状況 | 3 |
平均年間給与、提出会社の状況、従業員の状況 | 7,729,000 |
Investment
株式の保有状況 | (5)【株式の保有状況】 ① 投資株式の区分の基準及び考え方当社は、投資株式について、専ら株式の価値の変動又は配当の受領によって利益を得ることを目的として保有する株式を純投資目的である投資株式、それ以外の株式を純投資目的以外の目的である投資株式に区分しています。 ② 保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式a.保有方針及び保有の合理性を検証する方法並びに個別銘柄の保有の適否に関する取締役会等における検証の内容当社は、中長期的な視点に立ち、業務提携等に基づく協業を行うことを目的とし、株式を保有する場合があります。保有メリットのある株式については、事業拡大のため保有を継続する方針ですが、保有目的及び保有に伴う便益やリスク、並びに当該株式の取得原価及び株価の状況等をふまえて、取締役会において、その保有目的並びに経済合理性を精査し、保有の適否を検証します。保有が妥当ではないと判断した場合は、当該株式を処分する方針です。 b.投資株式のうち保有目的が純投資目的以外の目的であるものの銘柄数及び貸借対照表計上額の合計額 銘柄数(銘柄)貸借対照表計上額の合計額(千円)非上場株式111,625 (当事業年度において株式数が増加した銘柄)該当事項はありません。 (当事業年度において株式数が減少した銘柄)該当事項はありません。 c.特定投資株式及びみなし保有株式の銘柄ごとの株式数、貸借対照表計上額等に関する情報該当事項はありません。 ③ 保有目的が純投資目的である投資株式該当事項はありません。 ④ 当事業年度中に投資株式の保有目的を純投資目的から純投資目的以外の目的に変更したもの該当事項はありません。 ⑤ 当事業年度中に投資株式の保有目的を純投資目的以外の目的から純投資目的に変更したもの該当事項はありません。 |
銘柄数、非上場株式、保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式、提出会社 | 1 |
貸借対照表計上額、非上場株式、保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式、提出会社 | 11,625,000 |
Shareholders
大株主の状況 | (6)【大株主の状況】 2024年2月29日現在 氏名又は名称住所所有株式数(株)発行済株式(自己株式を除く。)の総数に対する所有株式数の割合(%) 株式会社テラスカイ東京都中央区日本橋2丁目11番2号1,514,70068.18 広木 太東京都目黒区108,0004.86 渡邊 毅東京都大田区103,2004.64 株式会社サーバーワークス東京都新宿区揚場町1番21号72,0003.24 株式会社NTTデータ東京都江東区豊洲3丁目3番3号36,0001.62 TIS株式会社東京都新宿区西新宿8丁目17番1号35,7001.60 株式会社SBI証券東京都港区六本木1丁目6番1号33,8001.52 星野孝平東京都立川市30,0001.35 楽天証券株式会社東京都港区南青山2丁目6番21号26,7001.20 JPモルガン証券株式会社東京都千代田区丸の内2丁目7番3号14,0000.63計-1,974,10088.85(注)持株比率は、小数点第3位以下を切り捨てて小数点第2位まで表示しております。 |
株主数-金融機関 | 2 |
株主数-金融商品取引業者 | 19 |
株主数-外国法人等-個人 | 3 |
株主数-外国法人等-個人以外 | 14 |
株主数-個人その他 | 473 |
株主数-その他の法人 | 6 |
株主数-計 | 517 |
氏名又は名称、大株主の状況 | JPモルガン証券株式会社 |
株主総利回り | 1 |
株主総会決議による取得の状況 | (1)【株主総会決議による取得の状況】 該当事項はありません。 |
株主総会決議又は取締役会決議に基づかないものの内容 | (3)【株主総会決議又は取締役会決議に基づかないものの内容】 該当事項はありません。 |
Shareholders2
発行済株式及び自己株式に関する注記 | 1.発行済株式の種類及び総数並びに自己株式の種類及び株式数に関する事項 当事業年度期首株式数(株)当事業年度増加株式数(株)当事業年度減少株式数(株)当事業年度末株式数(株)発行済株式 普通株式2,224,600--2,224,600合計2,224,600--2,224,600自己株式 普通株式3,000--3,000合計3,000--3,000 |
Audit1
監査法人1、個別 | 有限責任 あずさ監査法人 |
独立監査人の報告書、個別 | 独立監査人の監査報告書 2024年5月29日株式会社BeeX 取締役会 御中 有限責任 あずさ監査法人 東京事務所 指定有限責任社員業務執行社員 公認会計士矢嶋 泰久 指定有限責任社員業務執行社員 公認会計士前田 啓 監査意見監査法人は、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づく監査証明を行うため、「経理の状況」に掲げられている株式会社BeeXの2023年3月1日から2024年2月29日までの第8期事業年度の財務諸表、すなわち、貸借対照表、損益計算書、株主資本等変動計算書、キャッシュ・フロー計算書、重要な会計方針、その他の注記及び附属明細表について監査を行った。当監査法人は、上記の財務諸表が、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して、株式会社BeeXの2024年2月29日現在の財政状態並びに同日をもって終了する事業年度の経営成績及びキャッシュ・フローの状況を、全ての重要な点において適正に表示しているものと認める。監査意見の根拠当監査法人は、我が国において一般に公正妥当と認められる監査の基準に準拠して監査を行った。監査の基準における当監査法人の責任は、「財務諸表監査における監査人の責任」に記載されている。当監査法人は、我が国における職業倫理に関する規定に従って、会社から独立しており、また、監査人としてのその他の倫理上の責任を果たしている。当監査法人は、意見表明の基礎となる十分かつ適切な監査証拠を入手したと判断している。 監査上の主要な検討事項監査上の主要な検討事項とは、当事業年度の財務諸表の監査において、監査人が職業的専門家として特に重要であると判断した事項である。監査上の主要な検討事項は、財務諸表全体に対する監査の実施過程及び監査意見の形成において対応した事項であり、当監査法人は、当該事項に対して個別に意見を表明するものではない。受注制作ソフトウェアに係る収益認識におけるプロジェクト原価総額の見積りの合理性監査上の主要な検討事項の内容及び決定理由監査上の対応【注記事項】 「(重要な会計上の見積り)受注制作ソフトウェアに係る収益認識」に記載のとおり、クラウドインテグレーションにおける当事業年度末時点で進行中のプロジェクトに対して、一定の期間にわたり充足される履行義務について収益を認識した売上高は255,888千円である。株式会社BeeXは、一定の期間にわたり充足される履行義務について、履行義務の充足に係る進捗度を合理的に見積ることができる場合に、履行義務の充足に係る進捗度に基づき収益を認識している。この進捗度の見積りは、各報告期間の期末日までに発生した原価又は工数の、見積総原価又は見積総工数に対する割合として算定される。受注制作ソフトウェアのプロジェクトは、予期し得ない不具合の発生等により、開発工数が大幅に増加し、不採算プロジェクトが発生する可能性があることからプロジェクト見積総原価又は見積総工数の算定の基礎となる実行予算の作成に当たって、高い不確実性を伴う。具体的には、以下の点に関する経営者による判断が当事業年度末におけるプロジェクト見積総原価又は見積総工数に重要な影響を及ぼす。● プロジェクトの完了に必要な作業工数が特定され、その見積原価又は見積工数が実行予算に含まれているか否かの判断● プロジェクト着手後の状況の変化による作業内容の変更が、適時かつ適切に実行予算に反映されているか否かの判断 以上より、当監査法人は、受注制作ソフトウェアに係る収益認識におけるプロジェクト原価総額の見積りの合理性が、当事業年度の財務諸表監査において特に重要であり、監査上の主要な検討事項に該当すると判断した。当監査法人は、受注制作ソフトウェアに係る収益認識におけるプロジェクト原価総額の見積りの合理性を評価するため、主に以下の手続を実施した。⑴内部統制の評価 プロジェクト実行予算の策定プロセスに関連する内部統制の整備状況及び運用状況の有効性を評価した。評価に当たっては、特に以下に焦点を当てた。● プロジェクトの完了に必要な原価と工数を適切に実行予算に反映するための統制● プロジェクト着手後の状況の変化を適時かつ適切に実行予算に反映するための統制⑵プロジェクト総原価又は総工数の見積りの合理性の評価一定の条件で抽出したプロジェクトについて、プロジェクト総原価又は総工数の見積りの基礎となるプロジェクトごとの実行予算の作成に当たって採用された主要な仮定が適切かどうかを評価するため、その根拠について、プロジェクトリーダーに対して質問したほか、主に以下の手続を実施した。● プロジェクトごとのプロジェクト見積総原価又は見積総工数の算定資料を入手し、以下の手続を実施した。・ 見積りに用いられている時間当たりの労務費単価について、直近の実績単価との整合性を確認した。・ 作業予定工数について、直近の要員計画との整合性を確認した。● 完了したプロジェクトについて、当初の実行予算と実績を比較し、差異の要因を分析することによって実行予算の作成精度を評価するとともに、差異の要因が進行中のプロジェクトの予算に反映されていることを確かめた。● プロジェクトリーダーから開発の進捗状況を確認し、管理表や進捗状況に照らして実行予算を見直すべきか否かの判断について質問したほか、回答の基礎となる要員計画を閲覧した。 その他の記載内容 その他の記載内容は、有価証券報告書に含まれる情報のうち、財務諸表及びその監査報告書以外の情報である。経営者の責任は、その他の記載内容を作成し開示することにある。また、監査役及び監査役会の責任は、その他の記載内容の報告プロセスの整備及び運用における取締役の職務の執行を監視することにある。 当監査法人の財務諸表に対する監査意見の対象にはその他の記載内容は含まれておらず、当監査法人はその他の記載内容に対して意見を表明するものではない。 財務諸表監査における当監査法人の責任は、その他の記載内容を通読し、通読の過程において、その他の記載内容と財務諸表又は当監査法人が監査の過程で得た知識との間に重要な相違があるかどうか検討すること、また、そのような重要な相違以外にその他の記載内容に重要な誤りの兆候があるかどうか注意を払うことにある。 当監査法人は、実施した作業に基づき、その他の記載内容に重要な誤りがあると判断した場合には、その事実を報告することが求められている。 その他の記載内容に関して、当監査法人が報告すべき事項はない。 財務諸表に対する経営者並びに監査役及び監査役会の責任経営者の責任は、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して財務諸表を作成し適正に表示することにある。これには、不正又は誤謬による重要な虚偽表示のない財務諸表を作成し適正に表示するために経営者が必要と判断した内部統制を整備及び運用することが含まれる。財務諸表を作成するに当たり、経営者は、継続企業の前提に基づき財務諸表を作成することが適切であるかどうかを評価し、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づいて継続企業に関する事項を開示する必要がある場合には当該事項を開示する責任がある。監査役及び監査役会の責任は、財務報告プロセスの整備及び運用における取締役の職務の執行を監視することにある。財務諸表監査における監査人の責任監査人の責任は、監査人が実施した監査に基づいて、全体としての財務諸表に不正又は誤謬による重要な虚偽表示がないかどうかについて合理的な保証を得て、監査報告書において独立の立場から財務諸表に対する意見を表明することにある。虚偽表示は、不正又は誤謬により発生する可能性があり、個別に又は集計すると、財務諸表の利用者の意思決定に影響を与えると合理的に見込まれる場合に、重要性があると判断される。監査人は、我が国において一般に公正妥当と認められる監査の基準に従って、監査の過程を通じて、職業的専門家としての判断を行い、職業的懐疑心を保持して以下を実施する。・不正又は誤謬による重要な虚偽表示リスクを識別し、評価する。また、重要な虚偽表示リスクに対応した監査手続を立案し、実施する。監査手続の選択及び適用は監査人の判断による。さらに、意見表明の基礎となる十分かつ適切な監査証拠を入手する。・財務諸表監査の目的は、内部統制の有効性について意見表明するためのものではないが、監査人は、リスク評価の実施に際して、状況に応じた適切な監査手続を立案するために、監査に関連する内部統制を検討する。・経営者が採用した会計方針及びその適用方法の適切性、並びに経営者によって行われた会計上の見積りの合理性及び関連する注記事項の妥当性を評価する。・経営者が継続企業を前提として財務諸表を作成することが適切であるかどうか、また、入手した監査証拠に基づき、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況に関して重要な不確実性が認められるかどうか結論付ける。継続企業の前提に関する重要な不確実性が認められる場合は、監査報告書において財務諸表の注記事項に注意を喚起すること、又は重要な不確実性に関する財務諸表の注記事項が適切でない場合は、財務諸表に対して除外事項付意見を表明することが求められている。監査人の結論は、監査報告書日までに入手した監査証拠に基づいているが、将来の事象や状況により、企業は継続企業として存続できなくなる可能性がある。・財務諸表の表示及び注記事項が、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠しているかどうかとともに、関連する注記事項を含めた財務諸表の表示、構成及び内容、並びに財務諸表が基礎となる取引や会計事象を適正に表示しているかどうかを評価する。監査人は、監査役及び監査役会に対して、計画した監査の範囲とその実施時期、監査の実施過程で識別した内部統制の重要な不備を含む監査上の重要な発見事項、及び監査の基準で求められているその他の事項について報告を行う。監査人は、監査役及び監査役会に対して、独立性についての我が国における職業倫理に関する規定を遵守したこと、並びに監査人の独立性に影響を与えると合理的に考えられる事項、及び阻害要因を除去するための対応策を講じている場合又は阻害要因を許容可能な水準にまで軽減するためのセーフガードを適用している場合はその内容について報告を行う。監査人は、監査役及び監査役会と協議した事項のうち、当事業年度の財務諸表の監査で特に重要であると判断した事項を監査上の主要な検討事項と決定し、監査報告書において記載する。ただし、法令等により当該事項の公表が禁止されている場合や、極めて限定的ではあるが、監査報告書において報告することにより生じる不利益が公共の利益を上回ると合理的に見込まれるため、監査人が報告すべきでないと判断した場合は、当該事項を記載しない。 <報酬関連情報>当監査法人及び当監査法人と同一のネットワークに属する者に対する、会社の監査証明業務に基づく報酬及び非監査業務に基づく報酬の額は、「提出会社の状況」に含まれるコーポレート・ガバナンスの状況等 (3)【監査の状況】 に記載されている。利害関係会社と当監査法人又は業務執行社員との間には、公認会計士法の規定により記載すべき利害関係はない。 以 上 (注)1.上記の監査報告書の原本は当社(有価証券報告書提出会社)が別途保管しております。2.XBRLデータは監査の対象には含まれていません。 |
監査上の主要な検討事項、個別 | 監査上の主要な検討事項監査上の主要な検討事項とは、当事業年度の財務諸表の監査において、監査人が職業的専門家として特に重要であると判断した事項である。監査上の主要な検討事項は、財務諸表全体に対する監査の実施過程及び監査意見の形成において対応した事項であり、当監査法人は、当該事項に対して個別に意見を表明するものではない。受注制作ソフトウェアに係る収益認識におけるプロジェクト原価総額の見積りの合理性監査上の主要な検討事項の内容及び決定理由監査上の対応【注記事項】 「(重要な会計上の見積り)受注制作ソフトウェアに係る収益認識」に記載のとおり、クラウドインテグレーションにおける当事業年度末時点で進行中のプロジェクトに対して、一定の期間にわたり充足される履行義務について収益を認識した売上高は255,888千円である。株式会社BeeXは、一定の期間にわたり充足される履行義務について、履行義務の充足に係る進捗度を合理的に見積ることができる場合に、履行義務の充足に係る進捗度に基づき収益を認識している。この進捗度の見積りは、各報告期間の期末日までに発生した原価又は工数の、見積総原価又は見積総工数に対する割合として算定される。受注制作ソフトウェアのプロジェクトは、予期し得ない不具合の発生等により、開発工数が大幅に増加し、不採算プロジェクトが発生する可能性があることからプロジェクト見積総原価又は見積総工数の算定の基礎となる実行予算の作成に当たって、高い不確実性を伴う。具体的には、以下の点に関する経営者による判断が当事業年度末におけるプロジェクト見積総原価又は見積総工数に重要な影響を及ぼす。● プロジェクトの完了に必要な作業工数が特定され、その見積原価又は見積工数が実行予算に含まれているか否かの判断● プロジェクト着手後の状況の変化による作業内容の変更が、適時かつ適切に実行予算に反映されているか否かの判断 以上より、当監査法人は、受注制作ソフトウェアに係る収益認識におけるプロジェクト原価総額の見積りの合理性が、当事業年度の財務諸表監査において特に重要であり、監査上の主要な検討事項に該当すると判断した。当監査法人は、受注制作ソフトウェアに係る収益認識におけるプロジェクト原価総額の見積りの合理性を評価するため、主に以下の手続を実施した。⑴内部統制の評価 プロジェクト実行予算の策定プロセスに関連する内部統制の整備状況及び運用状況の有効性を評価した。評価に当たっては、特に以下に焦点を当てた。● プロジェクトの完了に必要な原価と工数を適切に実行予算に反映するための統制● プロジェクト着手後の状況の変化を適時かつ適切に実行予算に反映するための統制⑵プロジェクト総原価又は総工数の見積りの合理性の評価一定の条件で抽出したプロジェクトについて、プロジェクト総原価又は総工数の見積りの基礎となるプロジェクトごとの実行予算の作成に当たって採用された主要な仮定が適切かどうかを評価するため、その根拠について、プロジェクトリーダーに対して質問したほか、主に以下の手続を実施した。● プロジェクトごとのプロジェクト見積総原価又は見積総工数の算定資料を入手し、以下の手続を実施した。・ 見積りに用いられている時間当たりの労務費単価について、直近の実績単価との整合性を確認した。・ 作業予定工数について、直近の要員計画との整合性を確認した。● 完了したプロジェクトについて、当初の実行予算と実績を比較し、差異の要因を分析することによって実行予算の作成精度を評価するとともに、差異の要因が進行中のプロジェクトの予算に反映されていることを確かめた。● プロジェクトリーダーから開発の進捗状況を確認し、管理表や進捗状況に照らして実行予算を見直すべきか否かの判断について質問したほか、回答の基礎となる要員計画を閲覧した。 |
全体概要、監査上の主要な検討事項、個別 | 監査上の主要な検討事項とは、当事業年度の財務諸表の監査において、監査人が職業的専門家として特に重要であると判断した事項である。監査上の主要な検討事項は、財務諸表全体に対する監査の実施過程及び監査意見の形成において対応した事項であり、当監査法人は、当該事項に対して個別に意見を表明するものではない。 |
見出し、監査上の主要な検討事項、個別 | 受注制作ソフトウェアに係る収益認識におけるプロジェクト原価総額の見積りの合理性 |
その他の記載内容、個別 | その他の記載内容 その他の記載内容は、有価証券報告書に含まれる情報のうち、財務諸表及びその監査報告書以外の情報である。経営者の責任は、その他の記載内容を作成し開示することにある。また、監査役及び監査役会の責任は、その他の記載内容の報告プロセスの整備及び運用における取締役の職務の執行を監視することにある。 当監査法人の財務諸表に対する監査意見の対象にはその他の記載内容は含まれておらず、当監査法人はその他の記載内容に対して意見を表明するものではない。 財務諸表監査における当監査法人の責任は、その他の記載内容を通読し、通読の過程において、その他の記載内容と財務諸表又は当監査法人が監査の過程で得た知識との間に重要な相違があるかどうか検討すること、また、そのような重要な相違以外にその他の記載内容に重要な誤りの兆候があるかどうか注意を払うことにある。 当監査法人は、実施した作業に基づき、その他の記載内容に重要な誤りがあると判断した場合には、その事実を報告することが求められている。 その他の記載内容に関して、当監査法人が報告すべき事項はない。 |
BS資産
工具、器具及び備品(純額) | 27,941,000 |
有形固定資産 | 52,281,000 |
ソフトウエア | 115,119,000 |
無形固定資産 | 115,119,000 |
投資有価証券 | 11,625,000 |
繰延税金資産 | 42,646,000 |
投資その他の資産 | 127,625,000 |
BS負債、資本
短期借入金 | 200,000,000 |
未払金 | 148,101,000 |
未払法人税等 | 118,057,000 |
未払費用 | 22,943,000 |
資本剰余金 | 386,213,000 |
利益剰余金 | 1,385,208,000 |
負債純資産 | 4,281,754,000 |
PL
売上原価 | 6,182,054,000 |
販売費及び一般管理費 | 918,865,000 |
受取利息、営業外収益 | 13,000 |
営業外収益 | 17,064,000 |
支払利息、営業外費用 | 636,000 |
その他、流動資産 | 32,505,000 |
営業外費用 | 693,000 |
固定資産売却益、特別利益 | 2,000 |
特別利益 | 2,000 |
特別損失 | 22,154,000 |
法人税、住民税及び事業税 | 166,741,000 |
法人税等調整額 | -14,146,000 |
法人税等 | 152,594,000 |
PL2
当期変動額合計 | 440,772,000 |
FS_ALL
現金及び現金同等物の残高 | 1,870,032,000 |
売掛金 | 1,098,508,000 |
契約資産 | 281,641,000 |
営業活動によるキャッシュ・フロー
減価償却費、営業活動によるキャッシュ・フロー | 56,557,000 |
支払利息、営業活動によるキャッシュ・フロー | 636,000 |
仕入債務の増減額、営業活動によるキャッシュ・フロー | 165,965,000 |
未払消費税等の増減額、営業活動によるキャッシュ・フロー | 50,982,000 |
その他、営業活動によるキャッシュ・フロー | -20,275,000 |
小計、営業活動によるキャッシュ・フロー | 942,685,000 |
利息及び配当金の受取額、営業活動によるキャッシュ・フロー又は投資活動によるキャッシュ・フロー | 11,000 |
利息の支払額、営業活動によるキャッシュ・フロー又は財務活動によるキャッシュ・フロー | -636,000 |
法人税等の支払額、営業活動によるキャッシュ・フロー | -156,656,000 |
投資活動によるキャッシュ・フロー
有形固定資産の取得による支出、投資活動によるキャッシュ・フロー | -25,284,000 |