財務諸表
CoverPage
提出書類、表紙 | 有価証券報告書 |
提出日、表紙 | 2024-05-29 |
英訳名、表紙 | Vario Secure Inc. |
代表者の役職氏名、表紙 | 代表取締役社長 梶浦 靖史 |
本店の所在の場所、表紙 | 東京都千代田区神田錦町一丁目6番地 |
電話番号、本店の所在の場所、表紙 | 03-5577-2090(代表) |
様式、DEI | 第三号様式 |
会計基準、DEI | IFRS |
当会計期間の種類、DEI | FY |
corp
沿革 | 2【沿革】 当社は、2015年9月17日にアイ・シグマ事業支援ファンド2号投資事業有限責任組合による投資のための特定目的会社として株式会社BAF5の商号で設立され、2016年6月30日にウイングアーク1st株式会社から旧バリオセキュア株式会社の全株式を取得して完全子会社化したうえで、同年9月1日に吸収合併し、同日に株式会社BAF5からバリオセキュア株式会社(新バリオセキュア株式会社)に商号変更し、現在に至っております。 以下におきましては、新バリオセキュア株式会社及び、新バリオセキュア株式会社設立以前の沿革を記載しております。 <当社の沿革>年月概要2015年9月アイ・シグマ事業支援ファンド2号投資事業有限責任組合による投資のための特定目的会社として株式会社BAF5を東京都千代田区に設立2016年6月アイ・シグマ事業支援ファンド2号投資事業有限責任組合はウイングアーク1st株式会社から旧バリオセキュア株式会社の株式を株式会社BAF5経由で取得し完全子会社化2016年9月株式会社BAF5が旧バリオセキュア株式会社を吸収合併し、同日、商号をバリオセキュア株式会社(新バリオセキュア株式会社)に変更同本社を東京都渋谷区に移転2016年10月本社を東京都千代田区に移転2019年3月2020年4月ブルーシフト株式会社からデータバックアップサービスを提供するデータプロテクト事業を譲受企業の情報システム管理機能を統合した「Vario Network Security Suite」の提供を開始2020年11月2021年9月 2022年3月 2022年9月 2022年11月東京証券取引所市場第二部に株式を上場HEROZ株式会社との間で資本業務提携契約を締結、HEROZ株式会社が当社株を取得し、当社を関連会社化マネージドセキュリティサービスの統合型インターネットセキュリティアプライアンス(VSR)の通信機器・プラットフォームを刷新した「VSR nシリーズ」の販売開始HEROZ株式会社との間であらためて資本業務提携契約を締結、HEROZ株式会社を割当先とする第三者割当増資を実施、HEROZ株式会社が当社を子会社化「監査役会設置会社」から「監査等委員会設置会社」へ移行 <当社設立以前の沿革>年月概要2001年6月情報・通信システム及びセキュリティシステムの開発・運用・コンサルティング業務を事業目的とした、アンビシス株式会社を東京都港区に設立2001年9月インターネットサービスプロバイダ及び通信事業者向けセキュリティソリューションとしてファイアウォール等を運用するマネージドセキュリティサービスの提供を開始2002年5月VariOSを搭載した統合型インターネットセキュリティアプライアンス機器を利用したマネージドセキュリティサービスを提供開始2002年7月本社を東京都港区に移転2003年6月アンビシス株式会社から商号を、バリオセキュア・ネットワークス株式会社に変更2003年9月ICSA(International Computer Security Association)によるファイアウォール認定を日本企業で初めて取得2006年6月バリオセキュア・ネットワークス株式会社が大阪証券取引所ヘラクレス市場に上場2009年12月バリオセキュア・ネットワークス株式会社が大阪証券取引所ヘラクレス市場の上場廃止2010年6月ファンド出資の受け皿として設立されたエー・シー・ピー・ワン・ホールディングス株式会社がバリオセキュア・ネットワークス株式会社を吸収合併し、同日、バリオセキュア・ネットワークス株式会社に商号変更2011年3月1stホールディングス株式会社(現ウイングアーク1st株式会社)はアント・カタライザー3号投資事業有限責任組合からバリオセキュア・ネットワークス株式会社の全株式を取得し完全子会社化2012年7月本社を東京都渋谷区に移転2012年11月Cyberoam Inc.(現SOPHOS Ltd.)からUTM(Unified Threat Management)機器のOEM供給を受け、VCR(Vario Communicate Router)の販売を開始2013年3月商号をバリオセキュア・ネットワークス株式会社からバリオセキュア株式会社(旧バリオセキュア株式会社)に変更2013年12月VSRを利用したネットワークインフラの構築及び運用に加え、ネットワークにおける機器の調達や、LAN構築・サーバー構築等をサポートするVario Plus(現IS)サービスの提供開始2014年1月データバックアップサービスVDaP(Vario Data Protect)の提供開始 |
事業の内容 | 3【事業の内容】 当社は、「インターネットを利用する全ての企業が安心で快適にビジネスを遂行できるよう、日本そして世界へ全力でサービスを提供する。」という経営理念のもと、インターネットに関するセキュリティサービスを提供する企業として、インターネットからの攻撃や内部ネットワークへの侵入行為、またウィルスの感染やデータの盗用といった各種の脅威から企業のネットワークを守り、安全にインターネットを利用することができるようにする総合的なネットワークセキュリティサービスを提供しております。 (1)事業の特徴 a.独自のビジネスモデル 当社は、セキュリティサービスで利用する機器の調達、機器にインストールする基幹ソフトウエアの開発、機器の設置/設定、機器設置後の監視/運用までをワンストップで行っております。 エンドユーザーは、機器の選定や運用サービスを個別に検討する必要がなく、手間がかからずにサービスを利用することが可能となります。また、当社がワンストップでサービスを提供しているため、問題が発生した際に原因の究明と対応が行い易く、エンドユーザーは、問い合わせやトラブルに対するサポートを迅速に受けることができます。 b.リカーリングレベニューの構造 当社は、監視/運用サービスを基本に各種セキュリティサービスを月額費用により提供しております。導入企業が増加すれば、年々収益が積み上がる「リカーリングビジネス」と呼ばれるモデルであり、収益の安定化と継続的な拡大に大きく貢献しております。2024年2月末で、全国47都道府県に7,796拠点(VSR設置場所数)のマネージドセキュリティサービスを提供しており、継続的な収益の安定化を実現しております。第9期事業年度の「リカーリングビジネス」であるマネージドセキュリティサービスによる売上収益の売上収益全体に占める比率は87.4%です。 [リカーリングレベニューモデル] c.ビジネスパートナー(販売代理店)モデル 当社の販売モデルは、販売代理店を介した間接販売及び当社による直接販売に分類できますが、間接販売が中心となっております。通信事業者やインターネットサービス事業者、データセンター事業者など、当社のサービスを付帯することでお客様へ付加価値を提供することを期待する販売代理店と契約しております。これら販売代理店と日本全国をカバーする販売網を構築し、継続的な営業案件の創出が可能となっております。 販売代理店は、「相手先ブランド提供パートナー(以下、「OEMパートナー」という。)」及び「再販売パートナー」に大別されます。「OEMパートナー」とは、販売代理店自らのブランドでセキュリティサービスを提供し、顧客(エンドユーザー)と直接、契約を締結するパートナーを指します。「再販売パートナー」とは、当社の代理店として顧客(エンドユーザー)の開拓、営業活動を行い、顧客(エンドユーザー)との契約主体は当社となるパートナーを指します。 当社では、さらに営業活動を推進するためにセキュリティの専門家である当社が、販売代理店の代わりにお客様に対して直接技術面の説明をする営業同行や、サービスの導入から設置までワンストップで支援することも実施しております。 (2)サービスの概要 当社は、インターネットセキュリティサービス事業の単一セグメントであることから、セグメント別の記載は省略しており、サービス毎に記載しております。当社が提供しているサービスは次のとおりであります。 a.マネージドセキュリティサービス マネージドセキュリティサービスで提供している商品は、VSRを利用した統合型インターネットセキュリティサービス、データのバックアップサービス(VDaP)、エンドポイントセキュリティサービス(Vario EDR)及びVarioマネージドLAN/Wi-Fiサービスの4種類があります。 (a)VSRを利用した統合型インターネットセキュリティサービス インターネットからの攻撃や内部ネットワークへの侵入行為、またウィルスの感染やデータの盗用といった各種の脅威から企業のネットワークを守り、安全にインターネットの利用を行えるようにする総合的なネットワークセキュリティを提供するものです。 当社の統合型インターネットセキュリティサービスでは、ファイアウォール、IDS(不正侵入検知システム)、ADS(自動防御システム)などの多様なセキュリティ機能を1台に統合した自社開発のネットワークセキュリティ機器VSRをインターネットとユーザーの社内ネットワークとの間に設置し、攻撃や侵入行為、ウィルスといった脅威を取り除くいわばフィルタとして作動します。VSRは、当社データセンターで稼働する独自の運用監視システムにより自動的に管理・監視され、運用情報の統計情報や各種アラートが人手を介することなくリアルタイムに処理されます。統計情報やアラートはコントロールパネルと呼ぶレポーティング機能により、インターネットを介してユーザー企業の管理者にリアルタイムに提供されます。また、当社では24時間365日のサポートセンターを構築しており、国内全都道府県に対応した保守網並びに機器の設定変更等の運用支援体制を構築しております。 従来は、前述のようなセキュリティシステムを導入するには、各種のセキュリティ機器を購入し、これらを自社で導入、メンテナンスする必要がありました。そのためには高度な技術を有する技術者や、高額な投資を要求されることから多くの企業では十分なネットワークセキュリティ対策を導入することが困難な状況でした。また、セキュリティシステム導入後も監視やアラートへの迅速な対応、ソフトウエアのアップデートなどの運用面での負担は非常に大きい状況でした。 当社のサービスではVSRが1台で多様なセキュリティ機能を提供します。機器の購入は不要でレンタル機器にてセキュリティシステムを導入することができます。また、セキュリティ機能ごとに月額費用が設定されており、ユーザー企業は多様なセキュリティ機能の中から必要なオプションを選択することができ、VSRは様々なニーズに対応可能です。ユーザーは、契約の開始時点のみ発生する初期費用及び月額費用を払うだけで、コントロールパネルの利用や設定変更、ソフトウエアのアップデート、監視や出張対応による現地での保守など、ネットワークセキュリティの運用に際して必要となる殆どの工数を当社に委託することができ、業務負担を低減することができます。 このように、当社の統合型インターネットセキュリティサービスは、ネットワークセキュリティの導入から管理、運用・保守までをサービスとしてワンストップで提供し、ユーザーから初期費用及び定額の月額費用を徴収する積み上げ型のビジネスモデルとなっております。 ユーザーは、自社で専門技術を持つIT責任者を設置することが困難な中堅、中小企業がメインです。2024年2月末で2,865社に導入され、7,796拠点(VSR設置場所数)の日本全国で稼働しております。 当社のVSRは自社開発品です。自社の技術者やシステムインテグレーター(SIer)(*1)を通じてセキュリティ機器を導入・運用する企業は、海外の仕様書を見ながら初期設定やカスタマイズを施し、自社で定期的なソフトウエアのアップデートを行い、トラブル発生の際には海外メーカーに数日間かけて問い合わせるなど、一般的には多大な労力と時間を必要とします。当社は自社開発品を初期導入から運用・保守までワンストップで提供しているため、迅速な対応が可能となっております。不具合やトラブルは、顧客(エンドユーザー)から当社又は販売代理店への問い合わせのほか、当社がリモート監視により能動的に検知してサポートを行っております。運用・保守は、当社のエンジニアが可能な限り、遠隔操作により対処します。ハードウエア等の故障については、業務委託先の倉庫等全国68か所(2024年2月末)に在庫を配備し、4時間以内の駆け付け目標により機器交換に迅速に対応しております。(*1)システムインテグレーター(SIer)とは、情報システムの設計、構築、運用等の業務を顧客より請け負う情報通信企業を言います。 (b)データのバックアップサービス(VDaP) 一般的に企業の大切なデジタルデータが、インターネットの脅威から隔離され、障害が発生した場合でもそれまでの事業の継続性を担保することが、企業の大きな課題となっております。 当社のバックアップサービスは、ハードウエアの機器にバックアップデータが保存されるVDaPとデータセンターへの保存を組み合わせたバックアップサービスとなっております。一時的に企業のデジタルデータをVDaPにバックアップした後に、自動的にデータセンターへもデータを転送することで、より一層の耐障害性を高めております。バックアップデータの保持は、最新及び過去のデータがバージョン管理されたデータとして保持されております。データの復旧を行う際にも、お客様が利用しやすいインターフェースを提供することで、必要なデジタルデータを簡単に選択して、復旧することができます。 VSRを利用した統合型インターネットセキュリティサービスの監視/運用サービスにおける経験を活かし、機器の設置、障害時の対応に関しても、その仕組みを活かすことで効率的に全国をカバーしたサービス提供を実施しております。 (c)エンドポイントセキュリティサービス(Vario EDR) サイバー攻撃が巧妙になり、従来のウィルス対策ソフトでは検知できないウィルスやマルウェアによる企業のセキュリティ被害の拡大が懸念されます。 当社のマネージド型EDRサービス「Vario EDR」では、社内やテレワーク利用PCのセキュリティリスクを検知し安全な業務環境を実現します。EDR(Endpoint Detection & Response)は、ウィルス対策ソフトが検知できずに侵入したウィルスやマルウェアの行動を監視し、サイバー攻撃の実行を阻止する仕組みです。サイバー攻撃対策に有効なEDRですが、リスク判定や判断後の対応が難しいことから運用負担が大きくなる傾向にありますがVario EDRサービスでは、リスクレベルのスコア化と、サイバー攻撃の発見と対応を支援する仕組みにより、セキュリティ対策を少ない運用負担で実現します。 (d)VarioマネージドLAN/Wi-Fiサービス 企業のDX化に伴い情報システム担当者への業務負担は増加傾向にあります。 当社のVarioマネージドLAN/Wi-Fiサービスでは、オフィスLAN/Wi-Fi環境の管理負担やセキュリティ強化をマネージドサービスとして機器の管理や脆弱性対応を行うことで、オフィス内のネットワーク環境の安全性を維持します。オフィスのネットワークは、構成するネットワークスイッチやWi-Fiアクセスポイントの安定稼働が前提に成り立っています。現在のネットワーク環境をより安定的に運用するために必要不可欠な脆弱性対応をはじめとするセキュリティリスクの軽減や、不測の事態に備えた迅速な障害特定に対応する仕組みをマネージドサービスとして提供することで、安心のビジネスインフラを最小限の管理負担で実現します。 b.インテグレーションサービス 当社のインテグレーションサービスには、中小企業向け統合セキュリティ機器(UTM)であるVCR(Vario Communicate Router)の販売とネットワーク機器の調達や構築を行うネットワークインテグレーションサービス(以下、IS)があります。 (a)VCR サイバーセキュリティ基本法の改定といった法規制の影響もあり、より小規模(従業員数50名未満)の事業者やクリニックなどでセキュリティ意識が高まっていることを受け、セキュリティアプライアンス機器であるVCRの販売も行っております。VCRは、マネージドセキュリティサービスと異なり、UTM製造の世界有数の企業であるSOPHOS Ltd.の製品を自社ブランドとして輸入し、中小企業を専門とする販売代理店を通じてエンドユーザーに販売する事業として実施しております。なお、販売した機器、ハードウエア障害などについては、当社又は販売代理店のサポート窓口経由で、メーカーが保証期間に亘りサポートしております。 (b)ネットワークインテグレーションサービス(IS) 統合型インターネットセキュリティサービスでは、外部へのアクセスを可能にするインターネットと社内のネットワークの境界を監視するゲートウェイとして当社機器を設置することから、企業よりゲートウェイ周辺で利用するネットワーク機器の調達や設定、インターネットへの接続全般の設計や構築のニーズがあります。そのため、通信ネットワーク及び機器等の導入のための設計、調達、構築を専門に行う人員を配置し、ネットワークの設計/調達/構築全般を実施し、企業ネットワーク領域全般への業容拡大を図っております。なお、販売した機器、ハードウエア障害などについては、当社又は販売代理店のサポート窓口経由で、メーカーが保証期間に亘りサポートしております。 [事業系統図] 当社の事業系統図は以下のとおりです。 注:販売代理店との間の契約では、一部、顧客(エンドユーザー)と当社が直接代金の授受及びサポートを行う契約があります。また、Vario EDRについては定額の月額利用料のみ発生いたします。 |
関係会社の状況 | 4【関係会社の状況】 名称住所資本金(百万円)主要な事業の内容議決権の所有割合又は被所有割合(%)関係内容(親会社) HEROZ株式会社(注)1,2東京都港区21AI技術を活用したサービスの企画・開発・運用被所有42.8役員の兼任3名、資本業務提携等(注)1.有価証券報告書を提出しております。2.HEROZ株式会社の議決権の所有割合は50%以下でありますが、実質支配力基準に基づく親会社に該当しております。 |
従業員の状況 | 5【従業員の状況】 (1)提出会社の状況 2024年2月29日現在従業員数(人)平均年齢(歳)平均勤続年数(年)平均年間給与(円)88(4)40.86.06,148,820 (注)1.従業員数は、就業人員数であります。2.臨時雇用者数(パートタイマー、嘱託社員、人材会社からの派遣社員を含む。)は年間の平均人員を( )外数で記載しております。3.平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでおります。 (2)労働組合の状況 当社において労働組合は結成されておりませんが、労使関係は円満に推移しております。 (3)管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異 当社は、「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)及び「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定による公表義務の対象ではないため、記載を省略しております。 |
経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 | 1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。 (1)経営方針 当社は「インターネットを利用する全ての企業が安心で快適にビジネスを遂行できるよう、日本そして世界へ全力でサービスを提供する。」を経営理念として掲げ、以下の経営方針のもとに事業を推進しております。a.マネージドセキュリティサービスの範囲拡大 統合型インターネットセキュリティサービスの提供基盤を見直し、業務プロセスや設定作業の自動化を推進し、より効率的なマネージドサービス基盤への刷新を実行することで、サービス提供範囲を拡大します。 b.未来を見据え、お客様の戦略に関与する 従来は当社サービスの販売に主眼を置く営業スタイルでしたが、お客様のニーズを把握し、課題を解決する提案型の営業組織へ転換し、お客様それぞれに必要なサービスを最適なタイミングで提供することを目指します。また、そのための人材育成/強化にも努めてまいります。 c.人材育成強化 未来に向けて、テクノロジーを理解し事業を推進できる人材を育て、多様な人材が各々の力を最大限発揮できることを目指します。 (2)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標 当社はIFRSに基づく売上収益及び営業利益を経営目標の達成状況を判断するための客観的な指標としております。 (3)経営環境と経営戦略等 当社がビジネスを展開するセキュリティサービス市場は、昨今のランサムウェア被害に代表されるような、多様化するサイバー攻撃被害を受けて需要が拡大しております。 セキュリティサービス市場は、高度なセキュリティ対策を必要とするものの、自社での運用・管理が困難である企業がセキュリティベンダーへ運用や監視をアウトソーシングする傾向にありサービス利用の拡大に繋がっています。 市場規模としては、2022年度の2,601億円から2028年度には3,834億円に拡大し、年平均成長率6.7%で推移すると予測されております。(出所:株式会社富士キメラ総研「2023ネットワークセキュリティビジネス調査総覧(市場編)」2023年12月14日発行) このような市場環境の中、当社のインターネットセキュリティサービス事業は、ネットワークセキュリティの導入から管理、運用・保守までをサービスとしてワンストップで提供し、ユーザーから定額の月額費用(初期費用含む)を徴収するリカーリングレベニューモデルとなっており、安定した収益が稼得できる事業基盤を有しております。今後もセキュリティ環境の変化に呼応したサービス及び製品の充実を図ってまいります。 具体的には、主要サービスである、マネージドセキュリティサービスにつきましては、販売代理店との関係強化と各販売代理店内での当社サービスのシェア拡大、また、中部圏の販売代理店との強化を図るため専任の担当者を置き売上の拡大を目指します。 インターネットセキュリティ機器販売では、特定の販売代理店へ依存することなく、新規販売代理店の開拓を実施し売上拡大を目指します。 さらに、継続的に新規サービス開発を実施することで、一層の収益向上を目指します。 (4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題 当社が対処すべき課題は以下のとおりです。a.人材の育成・確保 当社は中期計画の達成に向けて、人材を適切なタイミングで獲得し、必要な領域に配置することが重要であると考えております。一方で労働人口は減少傾向にあり、人材獲得における競争は今後も激化するものと予想されます。当社は、このような状況に対処するために、従業員のエンゲージメントサーベイを実施することで課題認識を行い、従業員の定着率向上のための施策を行っております。今後とも、若手人材や意欲のある人材の要職への登用をはじめ、中間管理職の研修や能力開発等を通じて、人的資本への投資を行い、人材力の強化を行なっていく予定です。 b.経営体制の強化 当社は企業を持続的に成長させるにあたり、経営体制の強化が重要と考えております。経営の効率化と透明性の高い経営を通して、中長期における企業価値の一層の向上のために、経営対体制の強化を図ってまいります。 c.新技術、社会変化に対応したサービス開発 クラウドサービスの利用拡大やワークスタイルの変化、そして、巧妙化するサイバー攻撃により、セキュリティの脅威は社外、社内という境界を越えて存在するようになりました。このような環境下、当社では外部からのリスクを防御するマネージドセキュリティサービスに加え、セキュリティリスクを検知し、脅威を除去する端末側のセキュリティサービスやデータの保護・復旧を行うバックアップサービスなど、事業領域を拡大してまいりました。中期経営計画では、セキュリティサービスを包括的に提供する統合セキュリティベンダーとして、各種サービスの提供を行っていく予定です。今後も新たなセキュリティ課題に対する需要が拡大する中、市場の変化に対応したサービスを提供してまいります。 |
事業等のリスク | 3【事業等のリスク】 本書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。また、必ずしもそのようなリスク要因に該当しない事項につきましても、投資者の投資判断上、重要であると考えられる事項につきましては、投資者に対する積極的な情報開示の観点から以下に開示しております。当社は、これらのリスクの発生可能性を十分に認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針でありますが、当社株式に関する投資判断は、本項及び本項以外の記載事項を慎重に検討したうえで行われる必要があると考えております。 なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであり、将来において発生の可能性があるすべてのリスクを網羅するものではありません。 1.事業環境①市場の動向について 当社の主たる事業領域であるネットワークセキュリティ市場は、急速な技術的革新、ユーザー企業のニーズの多様化、頻繁な新商品やサービスの登場を特徴としております。当社は将来のニーズを予測し、サービスや商品の開発を行っておりますが、それらが的確に行われない場合、または、新規の顧客の要求と合致しない場合、新規需要喚起ができない等の問題が生じ、このような変化に当社が対応することができない場合、当社の業績に影響を与える可能性があります。 ②企業の設備投資の動向について 企業におけるネットワークセキュリティの維持向上に対する重要性は日々高まっており、関連する設備投資は今後さらに増加するものと考えております。しかしながら、景気の動向等により設備投資が抑制された場合は、当社の業績に影響を与える可能性があります。 ③ユーザー企業のニーズ変化について 当社はセキュリティ機器の開発・製造及び販売に付随して、運用監視等の保守サービスの提供を行っております。セキュリティサービスは、技術的に高い専門性を要求される事業領域であり、当社のような総合的なネットワークセキュリティサービスのアウトソーシングサービスの需要が拡大するものと考えております。しかしながら、今後ユーザーのニーズが機器の購入を伴わないクラウドサービス等に変化した場合、当社の業績に影響を与える可能性があります。 ④競合他社の進出について 当社では、自社開発のセキュリティ機器を活用し、主力事業としてセキュリティサービスを提供しております。当社が提供するセキュリティサービスは、技術的、価格的に参入障壁が高い状況であると判断しておりますが、今後登場する新たな製品やサービスに対して、技術的、価格的な優位性を保持し続ける保証はありません。当社が、これらの優位性を喪失した場合、当社の業績に影響を与える可能性があります。 ⑤技術革新等への対応について 当社の主たる事業領域であるネットワークセキュリティ市場は、技術革新の著しい市場であり、競争力維持のために継続した研究開発が要求されます。当社が市場の技術革新に対応できない場合、また、研究開発体制を維持できない場合は、既存製品の陳腐化あるいは技術革新に対応するための開発コストの増大を招く可能性があります。この場合、当社の業績に影響を与える可能性があります。2.事業遂行上のリスクについて①情報管理体制について 当社は、2016年6月20日に、情報セキュリティマネジメントの国際規格である「ISO20000」の認証を取得し、2017年12月1日には「ISO/IEC 27001:2013」「JIS Q 27001:2014」を更に取得し、当社のユーザー、役員及び従業員の個人情報をも含めた社内の情報管理には十分な注意を払っております。具体的には、社内システムは複数のファイアウォール、アンチウィルスシステム、メールチェックシステム等により保護され、セキュリティの信頼性を高めております。また、主要サーバーは複数台で稼働させる方式をとっており、厳重に管理された複数のデータセンターに設置され、事故、障害時に迅速に回復できるよう運用しております。 また、ユーザー保守データは、社内ネットワークへのパスワードのみならず、それぞれのサーバーデータへのアクセスも制限されており、社外からのサーバーへのアクセスも暗号化されたシステム構成となっております。 さらに、当社は、プライバシーマークを取得し個人情報の管理体制を強化するとともに、すべての役員、従業員との間において入社時及び退職時に機密保持にかかる「秘密保持契約書」を個別に締結するなど、情報の漏洩の未然防止に努めております。 しかしながら、意図せざるシステム障害、誤操作、外部からの侵入や攻撃等によるデータの漏洩などが生じ、当該情報漏洩に起因して第三者に何らかの損害が発生した場合には、当社が損害賠償請求を受ける可能性があります。また、当社の信用が失墜し、当社の業績に影響を与える可能性があります。 ②機器の調達リスクについて 当社は、セキュリティサービスの基幹となる自社開発のセキュリティ機器VSRの製造を台湾のメーカー2社へ委託しております。また、中小規模企業向けに販売しているセキュリティ機器VCRについては、イギリスのメーカー1社から調達しています。これらの製造委託先又は調達先の地政学的リスク、原材料価格の高騰、経営方針の変更や、M&Aによる組織変更等により、当該企業での製造又は調達が困難となった場合、当社の業績に影響を与える可能性があります。また、一部のメーカーとは最低購入保証に関する契約を締結しており、販売数量が計画通り進捗しない場合には、過剰な在庫となり当社の業績に影響を与える可能性があります。 ③当社提供サービスの不具合について 当社がユーザー企業に貸与・設置しているセキュリティ機器は、ユーザー企業が所有するネットワークとインターネットとのゲートウェイに位置します。従いまして、当該機器に何らかの不具合が発生した場合、ユーザー企業においてインターネットの利用が不可能となる可能性があります。また、複数台のセキュリティ機器を集中的に管理する目的で当該機器と連動して動作するサーバー機器が当社データセンターに設置されております。これらのサーバーにおいて何らかの不具合が発生した場合、サービスの一部若しくは全部の提供が不可能となる可能性があります。 以上を要因として、結果的にユーザーに対し機会損失を与える若しくは利益を逸失させる可能性があります。一般的にはシステム(ソフトウエア及びハードウエア)の不具合(いわゆるバグ)を完全に解消することは不可能とされておりますが、当社の重大な過失による不具合が発生した場合、不具合を修正するための費用が発生することが予想され、また、契約において免責事項を定めてはいるものの、ユーザーに機会損失等を与えた場合、当社の業績に影響を与える可能性があります。 また、当社が提供するシステム若しくはサービスに重大な過失による不具合が発生した場合、セキュリティサービスを提供する企業としてのレピュテーションが低下する可能性が高く、今後の事業計画の遂行が予想どおりに進まない可能性があります。 ④当社従業員又は業務委託先の過失によるサービスの不具合について 当社がユーザー企業に設置しているセキュリティ機器は、当社又は業務委託先の技術員により設定や運用が行われております。当社又は業務委託先の技術員スキルや習熟度の向上のために定期的な指導を実施しておりますが、これら技術員の過失により設定や運用を誤って行う可能性は否定できません。万が一、設定等の誤りにより、インターネット利用の際に不具合が生じる、又は利用不可能となる、若しくは外部の第三者によってユーザー企業のネットワークへ侵入される等の事故が発生した場合、ユーザー企業に機会損失を与える、利益を逸失させる、若しくは信頼を失墜させる可能性があります。 当社では、販売代理店との間で委託業務内容及び手数料等の取引条件を定めた契約書、並びにユーザー企業向けの約款において免責事項並びに損害賠償額を定めてはいるものの、このような状況が発生した場合、当社の業績に影響を与える可能性があります。また、セキュリティサービスを提供する企業としてのレピュテーションが低下し、当社の業績に影響を与える可能性があります。 ⑤インターネット接続及びデータセンターについて 当社は、ユーザー企業に当社が設置したセキュリティ機器と、データセンターに設置している当社機器との間でインターネットを経由した常時通信を行うことにより、動作の監視や設定変更、統計情報の収集等の運用管理を行っております。また、ユーザーに対してはインターネットを通じて各種統計情報等を提供しており、ユーザーからの機器の設定変更等の各種依頼やサポートに関するお問い合わせ等もインターネットを通じて行っております。このため、当社が利用するデータセンターやインターネット回線に何らかの問題が発生し、セキュリティ機器の継続的な運用が不可能となる若しくはインターネットへの接続が失われた場合、サービスの一部又は全部の提供が継続できない可能性があります。ユーザー企業向けの約款において免責事項並びに損害賠償額を定めてはいるものの、このような状況が発生した場合は、当社の業績に影響を与える可能性があります。 ⑥特定の販売代理店への依存について 当社の提供するセキュリティサービス事業は、販売代理店を経由した取引が主であり、2024年2月期において、売上高の67.1%を上位5社の販売代理店に依存しております。当社は、販売代理店各社と委託業務内容及び手数料等の取引条件を定めた契約書において、継続的に当社サービスを提供する旨の契約を締結しております。今後とも各販売代理店とは良好な関係を構築し、安定した売上の計上が行えるように努めてまいりますが、各社の販売方針の変更や当社との関係が悪化した場合には当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。また、M&A等により販売代理店が統合され、取扱商品が変更された場合、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。 ⑦人材の確保・定着について 当社は、中期経営計画を推進するためには、知見及び専門性の高い優秀な人材を適時に採用・育成することが重要であると考えております。縮小する労働人口や一定水準以上の技術力を持つエンジニアの不足により採用が難航する場合がある中で、ダイレクトスカウトによる人材の獲得やOJTによる人材の育成により、人員の充足を図っております。同時に定着率の向上を図るため、エンゲージメントサーベイによる課題認識を行い、状況の改善、解決に努めております。しかしながら、当社が必要とする人材を採用又は育成できず、また、優秀な人材の流出を防止できない場合には、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。 ⑧知的財産権等について 当社は、保有する知的財産権、並びに業務スキル・ノウハウ等の企業秘密の社内管理体制を強化しております。また、ユーザー企業向けの約款において、当社の許可なく第三者に賃貸、貸与、サブライセンス、リース、分解、リバースエンジニアリング等の行為を行うことができない旨をエンドユーザーに明示しております。 しかしながら、技術革新に伴い、当社が保有する知的財産権が陳腐化するリスクがあるほか、何らかの要因により当社の企業秘密が不正に開示又は流用されるリスクがあります。また、当社の知的財産が第三者により侵害されるリスク、若しくは当社が第三者の知的財産を把握出来ておらずに侵害し、それに基づき差止請求、損害賠償請求及び補償金請求訴訟等を提起されるリスクがあります。さらに他者からライセンス等を受けている知的財産権については、ライセンス元の倒産等不測の事態も想定されます。これらのリスクが顕在化した場合には、当社の業績に影響を与える可能性があります。 ⑨為替変動リスクについて 当社は、セキュリティサービスの基幹となるセキュリティ機器や一部のライセンスを海外から仕入れております。外貨建てで購入しているため、為替相場の変動により円換算による仕入価格に変動が生じ、原価率が上昇する可能性があり、当社の業績に影響を与える可能性があります。 ⑩製品(ソフトウエア)等の開発について 当社では、技術本部において開発計画に基づき製品(ソフトウエア)等の開発を行っております。開発した製品(ソフトウエア)等において不具合が発生した場合、追加コストが発生し、また、その不具合を適切に解決できない場合、当社の信頼が損なわれることとなるため、当社の業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 また、開発した製品(ソフトウエア)等がユーザー企業に設置・販売するのに十分な品質が確保されていないと判断された場合、追加の開発・検証作業等を行うこととなり、製品(ソフトウエア)等の設置・販売開始時期が遅延し、当社の業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 さらに製品(ソフトウエア)等の開発期間は長期に及ぶこともあるため、その間のユーザー企業のニーズの動向又は当社の売上計画の変化、もしくは当初想定していた以上の技術革新があった場合等に、当該製品(ソフトウエア)の設置・販売開始前に開発を中止することもあるほか、当初販売計画どおりの設置・販売ができない場合には想定どおりの収益を獲得できず、当該製品(ソフトウエア)等の開発に要したコストを回収することができなくなり、ソフトウエアの減損が発生する可能性があります。これらの事象が発生した場合、当社の業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。3.事業体制(会社組織)について①組織的経営について 当社の持続的な成長及び長期的な企業価値向上を可能にするためには、中期経営計画達成のための計画立案とその実行、進捗管理及び改善実施のPDCAとモニタリングを通して、新規開発を行っていかなければならないと考えております。そのためには、特定の個人に依存した経営ではなく、業務執行を行う本部・事業責任者が、迅速な意思決定を行うとともに、本部間の連携をとおして全社的な問題発見・解決を図ることができる次世代マネジメント人材として成長していくことが必須となっております。 そのためには、マネジメントスキル向上のための研修や実務経験を有した外部人材の登用が必要となっておりますが、今後必要な人材の育成・確保ができなかった場合、当社の事業計画の推進に支障をきたし、当社の業績に影響を与える可能性があります。 ②小規模組織について 当社は、当事業年度末現在において、役員10名、従業員88名と会社規模が小さく、内部管理体制もこの規模に応じたものとなっております。組織体制は、今後の事業戦略や人員計画に応じて機動的に改編してまいりますが、当社の持続的な成長及び長期的な企業価値向上を可能にするためには、現在の人員数は必ずしも十分ではなく、今後の事業拡大に備え、人員の拡充が重要であると考えています。 しかし、当社が必要とする人材を事業の拡大に合わせて確保するのは容易ではなく、適切かつ十分な人的・組織的対応ができなかった場合、また、既存の社員が社外に流出した場合には、事業規模の拡大に支障をきたし、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。 ③当社ノウハウの社外流出について 当社は、開発するソフトウエア及びハードウエア、並びにサービス運営に関するノウハウを融合することにより競争力を維持しており、今後当社の事業拡大のコアコンピタンスになっていくものと認識しております。そのため、従業員との間において秘密保持契約の締結、セキュリティカードによるオフィススペース並びにサーバールームへの入室制限及び入退室管理の実施を行っております。 しかし、今後中核人材の社外流出や情報漏洩等により、上記ノウハウが社外に流出した場合、当社の事業運営又は事業拡大に大きな影響を及ぼす可能性があります。 4.その他①のれんの減損について 当社で認識されているのれんは、2016年9月1日に株式会社BAF5が旧バリオセキュア株式会社に対して行った企業結合により計上されたものです。当該のれんについては、将来の収益力を適切に反映しているものと判断しておりますが、毎期及び減損の兆候がある場合には、IFRSの基準に準拠して、随時、減損テストを実施する旨を定めております。当該減損テストにおいては、キャッシュ・フロー予測等と加重平均資本コストを基礎とした割引率(以下、「割引率」とする)を用いて使用価値を算出した上で回収可能性を判断しております。当社の将来の収益性が低下し又は割引率が上昇したことにより、当該のれんについて減損損失を計上することとなった場合には、当社の業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。割引率の算定においては、類似上場会社のデータを用いており、当該類似上場会社の財政状態、経営成績、その他の要因等により類似上場会社のデータが変動し、割引率が上昇した場合には、当社と直接関係しない外部的な要因により、当該のれんについての減損損失を計上する可能性があり、その結果、当社の業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。なお、日本基準においては、のれんはその効果の及ぶ期間を見積り、その期間で償却しております。 参考情報として、IFRSでは2024年2月29日現在、のれんを5,054,613千円計上しており、IFRSに基づく総資産額に占めるのれんは66.1%となっております。のれんは非償却性資産であるため、当該のれんについて減損損失を計上した場合、日本基準に比べて当社の業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。なお、のれんの減損に関する詳細は、後記「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (2)国際会計基準による財務諸表 財務諸表注記 14.のれん及び無形資産 (2)のれんの減損」に記載しております。 また、当社では、のれんの減損に係るリスクを経営陣にて認識しており、リスク管理委員会にてモニタリングを行うとともに、のれんの減損に係るリスクを低減するため、事業の収益力強化に努めており、主に以下の取組みを実施しております。 ・リカーリングレベニューモデルによる収益拡大 当社の売上収益の87.4%(2024年2月期)は、リカーリングレベニューモデルにより構成されており、解約が生じない限りは次月以降も継続して収益が積み上がり、安定的なキャッシュ・フローの源泉となります。そのため、当社は新規顧客の契約金額及び解約金額の推移を重視しており、新規と解約の差額である積み上がりの金額を増加させるために、新規商材の投入による新たなオプションサービスの提供や提案営業、各販売代理店との関係強化、各販売代理店内での当社サービスのシェア拡大を通じて安定した収益の稼得を目指しております。・部材の共有化に依る調達コストと在庫の削減 当社は、マネージドセキュリティサービスで利用する機材の共通化を図っております。複数のサービスやモデルで機材を共通化することで、仕入れの際のロット数が増え、調達コストの低減や、異なるサービスやモデルの在庫を保管する必要がないため、滞留在庫のリスクを減少させることが可能となります。・オペレーションコストの継続的な見直しと生産性の向上 業務委託先における人員リソースの最適化を委託先企業と継続して実施しております。当社VSRを顧客(エンドユーザー)へ提供する際のネットワークや機器に関する初期設定業務の自動化/システム化を進めることで、コストの低減に努めております。 ②多額の借入及び金利の変動について 当社は、金融機関を貸付人とする借入契約を締結し多額の借入れを行っており、2024年2月29日現在での日本基準に基づく総資産額に占める有利子負債比率は22.82%(IFRSに基づく総資産額に占める有利子負債比率は18.34%)となっております。当該借入金は、元本が変動金利となっているため、市場金利が上昇する場合、当社の経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 また、当社は、かかる借入れがあることから、機動的な資金調達の妨げとなり、当社より財務基盤の充実した競合他社との競争に不利になり、当社の業績に影響を与える可能性があります。 当社では、金利上昇に係るリスクに対応するため、主に以下の取組みを実施しております。1)収益性を重視した経営管理が行われていること当社は持続的な成長により安定した収益を獲得していくことが重要と考えており、売上収益、営業利益を重要な経営指標として収益性の管理を行っております。週次開催のマネジメント連絡会において、経営陣との間で売上収益、営業利益等の情報共有を図り、課題等に対して迅速な対処を行う体制としております。2)財務バランスを意識した投資計画、資金計画の立案と実行を行っていること当社は借入金の返済を計画的に実行するとともに、中長期の事業成長に向けた設備投資は手元流動性資金のバランスを勘案して実施しております。設備投資は、収益性とコスト削減効果を毎期、適切にモニタリングしながら実施しております。3)金利条件に係る金融機関との交渉を継続して行っていること当社は金融機関との取引関係は良好でありますが、金利の市場動向や当社の業績及び信用力から妥当な水準の金利条件について継続して交渉を行い、財務リスクの低減に努めております。 ③新株予約権の行使による株式価値の希薄化について 当社は、新株予約権(以下「ストック・オプション」という。)制度を採用しております。当該制度は、当社の役員及び従業員に対して、企業価値向上に対する意欲や士気を高めること等に有効な制度と認識しております。また、今後においてもストック・オプション制度を活用する可能性があり、現在付与しているストック・オプションに加え、今後も付与されるストック・オプションについて権利行使された場合には、当社の1株当たりの株式価値は希薄化し、株価形成に影響を与える可能性があります。 当事業年度末現在でストック・オプションによる潜在株式数は85,440株であり、発行済株式総数4,520,053株の1.89%に相当しております。 ④自然災害等について 当社は、多数の製品在庫を販売代理店や多くの業務委託先の倉庫等に預けており、また複数の拠点にデータセンターを設けておりますが、地震や台風等の自然災害、テロ攻撃、システムトラブル又は伝染病といった事象が発生し、当社がそれらの影響を受けた場合、当社の業績に影響を与える可能性があります。 当社では複数の拠点にデータセンターを設けたり、システムの一部をクラウドで管理したりするなど、リスクの分散を図っておりますが、当社の拠点・地域において、これら自然災害等が発生した場合には多大な損害を被る可能性があり、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。 |
経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 | 4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】 (1)経営成績等の状況の概要 当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。 ①財政状態の状況 日本基準に準拠した当事業年度における財政状態の状況は以下のとおりであります。 (資産) 当事業年度末における資産合計は、5,697,743千円となり、前事業年度末に比べ481,418千円減少しました。これは主に、現金及び預金が217,659千円、のれん償却額によりのれんが259,810千円減少したことによります。 (負債) 当事業年度末における負債合計は、1,954,523千円となり、前事業年度末に比べ389,699千円減少しました。これは主に、長期借入金が200,000千円、長期前受金が103,899千円減少したことによります。 (純資産) 当事業年度末における純資産合計は、3,743,219千円となり、前事業年度末に比べ91,719千円減少しました。これは主に、当期純利益の計上により利益剰余金が88,924千円増加し、配当金により利益剰余金が182,863千円減少したことによります。 参考情報として、IFRSに準拠した当事業年度末における財政状態の状況は以下のとおりであります。(資産) 当事業年度末における資産合計は、7,649,933千円となり、前事業年度末に比べ176,256千円減少しました。これは主に、有形固定資産が68,761千円、無形資産が47,607千円増加し、現金及び現金同等物が217,659千円、棚卸資産が70,920千円減少したことによります。 (負債) 当事業年度末における負債合計は、2,101,770千円となり、前事業年度末に比べ345,447千円減少しました。これは主に、流動負債の引当金が44,260千円、非流動負債の借入金が200,000千円及びその他の非流動負債が118,072千円減少したことによります。 (資本) 当事業年度末における資本合計は、5,548,163千円となり、前事業年度末に比べ169,190千円増加しました。これは主に、当期利益の計上により利益剰余金が347,604千円増加し、配当金182,863千円により利益剰余金が減少したことによります。 ②経営成績の状況 当事業年度における我が国経済は、雇用・所得環境が改善する下で各種政策の効果もあって、緩やかな回復が続くことが期待されています。一方で、物価上昇、中東地域をめぐる情勢、金融資本市場の変動等の懸念材料も多く、景気を下押しするリスクが存在しています。 当社を取り巻くセキュリティサービス市場の環境としては、サイバーセキュリティ攻撃による脅威が年々増加しており、近年ではランサムウェア(身代金要求型ウイルス)によるサイバー攻撃被害が国内外の様々な企業や医療機関等で続き、国民生活や社会経済に影響が出る事例も発生しています。2023年3月には「Emotet(エモテット)」の活動再開が確認され、国民の誰もがサイバー攻撃の懸念に直面しております。 このような環境下、当社は主に中小企業向けのセキュリティ対策を支援するため、「マネージドサービスの対応領域拡大・競争力強化」「成長セキュリティ市場への参入」「既存販売網と異なる新規営業体制の強化」を中期経営計画の目標として定め、実現に向けて当事業年度より人材の獲得、サービス企画・事業開発の強化、ソフトウェア開発等の事業投資を行ってまいりました。 そして、当事業年度においては、ネットワーク機器、Wi-Fiアクセスポイントのファームウェアのアップデートやネットワークトラブルの早期発見を行い、オフィスLAN環境を健全に維持する運用アウトソーシングサービスを開始しました。また、自社のセキュリティ環境の脆弱性を診断する「脆弱性診断サービス」の提供を行い、企業のニーズに対応したサービスラインナップを拡充しました。 このような状況のもと、マネージドセキュリティサービスの売上収益は、ストック型の積み上げとその低解約率(0.70%)(注)により、安定的に推移しました。特にエンドポイントセキュリティ対策としてサイバー攻撃の兆候を検知するVarioマネージドEDRは、引き続き高い成長となりました。一方で、ワンショットの収益モデルであるインテグレーションサービスにおいては、統合セキュリティ機器(UTM)の販売低迷により、前年を下回りました。 費用については、中期経営計画の初年度として、積極的な投資(人材採用、サービス開発等)を行ったことから拡大しましたが、売上原価については引当金の戻し入れ等により前年より減少しました。 以上の結果、日本基準に準拠した当事業年度の業績は、売上高2,640,423千円(前期比0.2%増)、営業利益257,571千円(同19.6%減)、経常利益246,848千円(同10.6%減)、当期純利益88,924千円(同19.4%減)となりました。 参考情報として、IFRSに準拠した当事業年度の業績は、売上収益2,640,423千円(前期比0.2%増)、営業利益520,791千円(同10.4%減)、税引前利益509,156千円(同6.1%減)、当期利益347,604千円(同9.3%減)となりました。 なお、当社は、インターネットセキュリティサービス事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載はしておりません。 (注)解約率(金額ベース)=年間解約金額÷(各年度の期初ベース月次売上収益×12) ③キャッシュ・フローの状況 日本基準に準拠した当事業年度における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前事業年度末に比べ217,659千円減少し、当事業年度末には822,301千円となりました。 当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は以下のとおりであります。 (営業活動によるキャッシュ・フロー) 当事業年度において営業活動の結果得られた資金は、336,792千円(前年同期は424,521千円の収入)となりました。主な増加は、税引前当期純利益の計上246,848千円、減価償却費109,078千円、のれん償却額259,810千円、主な減少は、契約損失引当金の減少額44,260千円、法人税等の支払額188,382千円によるものであります。 (投資活動によるキャッシュ・フロー) 当事業年度において投資活動の結果使用した資金は、173,907千円(前年同期は138,668千円の使用)となりました。主な減少は、無形固定資産の取得による支出107,719千円によるものであります。 (財務活動によるキャッシュ・フロー) 当事業年度において財務活動の結果使用した資金は、380,544千円(前年同期は364,267千円の収入)となりました。主な減少は、長期借入金の返済による支出200,000千円、配当金の支払額182,764千円によるものであります。 参考情報として、IFRSに準拠した当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は以下のとおりであります。 当事業年度末における資金は、前事業年度末に比べ217,659千円減少し、当事業年度末には822,301千円となりました。 (営業活動によるキャッシュ・フロー) 営業活動の結果得られた資金は、414,903千円(前事業年度は522,291千円の収入)となりました。主な増加は、税引前利益509,156千円、減価償却費及び償却費185,257千円及び棚卸資産の減少額70,920千円、主な減少は、引当金の減少額44,260千円、その他の非流動負債の減少額118,072千円、法人所得税の支払額181,763千円によるものであります。 (投資活動によるキャッシュ・フロー) 投資活動の結果使用した資金は、173,907千円(前事業年度は138,668千円の使用)となりました。主な減少は、無形資産の取得による支出107,719千円によるものであります。 (財務活動によるキャッシュ・フロー) 財務活動の結果使用した資金は、458,654千円(前事業年度は266,496千円の収入)となりました。主な減少は、長期借入金の返済による支出200,000千円、配当金の支払額182,764千円によるものであります。 ④生産、受注及び販売の実績a.生産実績 当社で提供するサービスは、提供するサービスの性格上、生産実績の記載になじまないため、当該記載を省略しております。 b.受注実績 当社は受注生産を行っておりませんので、当該記載を省略しております。 c.販売実績 当事業年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。なお、当社はインターネットセキュリティサービス事業の単一セグメントであるため、サービス毎に記載しております。サービスの名称 当事業年度(自 2023年3月1日 至 2024年2月29日)前年同期比(%)マネージドセキュリティサービス(千円)2,308,116103.0インテグレーションサービス(千円)332,30784.4合計(千円)2,640,423100.2(注)最近2事業年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。相手先前事業年度(自2022年3月1日至2023年2月28日)当事業年度(自2023年3月1日至2024年2月29日)金額(千円)割合(%)金額(千円)割合(%)株式会社USEN ICT Solutions711,35427.0797,46530.2ソフトバンク株式会社605,99423.0584,72822.1 (2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。 なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。 ①重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定 当社の財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しているほかに、国際会計基準審議会によって公表されたIFRSに基づく財務諸表も作成しております。 財務諸表の作成に当たっては、当社の財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項 (重要な会計方針)」及び「 (2)国際会計基準による財務諸表 財務諸表注記 3.重要性がある会計方針 4.重要な会計上の見積り及び見積りを伴う判断」に記載しております。 ②財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容a.財政状態の分析 財政状態及び経営成績の分析につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態の状況」に記載のとおりであります。 b.経営成績の分析 日本基準に準拠した当事業年度における経営成績の分析は以下のとおりであります。(売上高、売上原価、売上総利益) 当事業年度の売上高は、2,640,423千円となり、前事業年度に比べ6,046千円増加しました。これは、マネージドセキュリティサービスでは、VSRを利用した統合型インターネットセキュリティサービスにおいて、主に上位機種へのアップセル等により売上高が15,872千円増加しました。VDaPは、前期及び当期の新規契約に係る上位機種の月額課金の積み上がりにより売上高が3,123千円増加しました。Vario EDRは主要代理店でのエンドポイントセキュリティサービスの案件獲得等によるライセンス数増加により売上高が45,704千円増加しました。また、インテグレーションサービスについては、ネットワーク構築も含めたセキュリティ導入を行うネットワークインテグレーションサービス(以下、IS)においては、人員を増加し納品件数が増加したことで売上高が21,323千円増加しました。VCRにおいては、前事業年度より競合環境が激化しており当事業年度も販売数の回復に至っていないため売上高が82,951千円減少しました。 当事業年度の売上原価は1,196,345千円となり、前事業年度に比べ67,282千円減少しました。これは、主にマネージドセキュリティサービスに係る業務委託費が48,115千円、支払手数料が27,643千円及び減価償却費が18,924千円増加となりましたが、仕入先との契約に関する最低購入保証に係る引当金の戻入額を44,260千円計上(前事業年度は94,858千円の引当金の計上)したことにより減少となりました。 この結果、売上総利益は1,444,078千円となり、前事業年度に比べ73,328千円増加しました。 (販売費及び一般管理費、営業利益) 当事業年度の販売費及び一般管理費は、1,186,506千円となり、前事業年度に比べ136,089千円増加しました。これは、主に、中期経営計画に基づく積極的な事業投資(サービス企画、エンジニア、運用サポートなどの人員を採用)に係る人件費63,432千円及び広告宣伝費17,716千円の増加、研究開発費24,627千円の増加によるものであります。 この結果、当事業年度の営業利益は、257,571千円となり、前事業年度に比べ62,760千円減少しました。 (営業外収益、営業外費用、経常利益) 当事業年度の営業外収益は、178千円となり、前事業年度に比べて1,354千円減少し、営業外費用は、10,901千円となり、前事業年度に比べ34,901千円減少しました。 この結果、当事業年度の経常利益は、246,848千円となり、前事業年度に比べ29,213千円減少しました。 (法人税等合計額、当期純利益) 当事業年度の法人税等合計は157,924千円となり、前事業年度に比べ7,824千円減少しました。 この結果、当事業年度の当期純利益は、88,924千円となり、前事業年度に比べ21,389千円減少しました。 参考情報として、IFRSに準拠した当事業年度の経営成績の分析は以下のとおりであります。(売上収益、売上原価、売上総利益)当事業年度の売上収益は、2,640,423千円となり、前事業年度に比べ6,046千円増加しました。これは、マネージドセキュリティサービスでは、VSRを利用した統合型インターネットセキュリティサービスにおいて、主に上位機種へのアップセル等により売上収益が15,872千円増加しました。VDaPは、前期及び当期の新規契約に係る上位機種の月額課金の積み上がりにより売上収益が3,123千円増加しました。Vario EDRは主要代理店でのエンドポイントセキュリティサービスの案件獲得等によるライセンス数増加により売上収益が45,704千円増加しました。また、インテグレーションサービスについては、ネットワーク構築も含めたセキュリティ導入を行うネットワークインテグレーションサービス(以下、IS)においては、人員を増加し納品件数が増加したことで売上収益が21,323千円増加しました。VCRにおいては、前事業年度より競合環境が激化しており当事業年度も販売数の回復に至っていないため売上収益が82,951千円減少しました。 当事業年度の売上原価は1,176,785千円となり、前事業年度に比べ66,758千円減少しました。これは、主にマネージドセキュリティサービスに係る業務委託費が48,115千円、支払手数料が27,685千円及び減価償却費が18,924千円増加となりましたが、仕入先との契約に関する最低購入保証に係る引当金の戻入額を44,260千円計上(前事業年度は94,858千円の引当金の計上)したことにより減少となりました。 この結果、売上総利益は1,463,638千円となり、前事業年度に比べ72,804千円増加しました。 (販売費及び一般管理費、営業利益) 当事業年度の販売費及び一般管理費は、943,015千円となり前事業年度に比べ132,093千円増加しました。これは、主に、中期経営計画に基づく積極的な事業投資(サービス企画、エンジニア、運用サポートなどの人員を採用)に係る人件費63,722千円及び広告宣伝費17,716千円の増加、研究開発費24,627千円の増加によるものであります。 この結果、当事業年度の営業利益は、520,791千円となり前事業年度に比べ60,507千円減少しました。 (金融収益、金融費用、税引前利益) 当事業年度の金融収益は8千円となり、前事業年度に比べて2千円増加しました。金融費用は11,643千円となり前事業年度に比べ27,267千円減少しました。 この結果、当事業年度の税引前利益は、509,156千円となり前事業年度に比べ33,237千円減少しました。 (法人所得税費用、当期利益) 当事業年度の法人所得税費用は161,552千円となり、課税所得の減少等により前事業年度に比べ2,474千円減少しました。 この結果、当事業年度の当期利益は、347,604千円となり前事業年度に比べ35,712千円減少しました。 c.キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報 キャッシュ・フローの分析につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。 ③資本の財源及び資金の流動性 当社の資金需要のうち主なものは、棚卸資産の購入費用のほか、製造費用、販売費及び一般管理費等営業費用であります。投資を目的とした資金需要は設備投資、ソフトウエア開発によるものであります。資金需要につきましては、営業活動によるキャッシュ・フローにより、大部分の運転資金の確保や設備投資の支払いが可能となっております。 なお、第9期事業年度末における日本基準に準拠した有利子負債の残高は1,300,000千円(IFRSに準拠した借入金及びリース負債を含む有利子負債の残高は1,402,658千円)となっております。また、第9期事業年度末における現金及び現金同等物の残高は822,301千円となっております。 ④経営成績に重要な影響を与える要因について 当社は、「3 事業等のリスク」に記載のとおり、①景気の動向によるインターネットセキュリティサービスに対する顧客ニーズの変化やクラウド環境への移行等の技術環境の変化に対応できないリスク、②人材の採用と育成が思ったように進まず成長を阻害するリスク、③意図せざるシステム障害、誤操作、外部からの侵入や攻撃等によるデータの漏洩などが生じ、当該情報漏洩に起因して第三者に何らかの損害が発生したり、法令違反によるレピュテーション低下のリスク等の情報管理体制及びコンプライアンス体制に起因するリスク等が当社の経営成績に重要な影響を与える可能性があると認識しております。 ⑤経営者の問題認識と今後の課題について 経営者は、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題」に記載のとおり、当社が今後、業容を拡大し、持続的な成長を続けていくためには、a.人材の育成・確保、b.経営体制の強化、c.新技術、社会変化に対応したサービス開発に対処していくことが必要であると考えております。 ⑥経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (2)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標」に記載のとおり、IFRSに基づく、売上収益及び営業利益を重要指標としております。当事業年度は、上記「②財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容 b. 経営成績の分析」に記載のとおり、売上収益は前期比増収を確保したものの計画未達となり、販売費及び一般管理費は中期経営計画に基づく増員計画により採用コストや人件費は前期比で増加となりましたが、期初計画の採用コストの低減及び入社時期のずれにより人件費は期初計画より減少となったことで営業利益は計画過達となりました。今後の持続的な収益及び営業利益を確保していくためには、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題 c.新技術、社会変化に対応したサービス開発」に記載のとおり、市場の変化に対応したサービスを提供することにより、リカーリングレベニューモデルによる収益を拡大していくことが必要であると認識しております。指標2024年2月期(期初計画)2024年2月期(実績)売上収益2,685,712千円2,640,423千円営業利益456,780千円520,791千円 |
経営上の重要な契約等 | 5【経営上の重要な契約等】 資本業務提携契約当社は、以下の通りHEROZ株式会社(以下「割当予定先」又は「HEROZ」といいます。)との間であらためて資本業務提携契約(以下「本資本業務提携契約」といい、当該契約に基づく資本業務提携を「本資本業務提携」といいます。)を締結し、HEROZを割当先として第三者割当の方法による新株式(以下「本株式」といいます。)の発行を行いました。 (1)資本業務提携の概要①資本業務提携の理由a. 背景 当社は、「インターネットを利用する全ての企業が安心で快適にビジネスを遂行できるよう、日本そして世界へ全力でサービスを提供する。」ことをミッションに、総合的なネットワークセキュリティサービスを提供しております。これまで、当社が開発したネットワーク・セキュリティ機器(Vario Secure Router, VSR)を利用したインターネットのゲートウェイセキュリティサービス(境界型セキュリティサービス)を主要なビジネスとして、売上収益の84.4%を月額課金(2022年2月期)によるリカーリング収益として獲得し、安定したビジネス基盤を築いて参りました。しかしながら、世界情勢が大きく変化していくなかで、求められるネットワーク・セキュリティ対策は変化し、その対応には先手を打った早急な対応がより求められるようになりました。当社としてより広い範囲での情勢把握を実施しながら、サービス化を早期に行う体制を構築し、感度よく企業のセキュリティニーズ・情報システム部門ニーズに応えるための体制整備を実行し、今後の成長を実現するために以下の点で強化が必要であるとの考えにいたりました。・ 成長基盤を整備するための人材獲得・ サービス開発のスピードアップ・ マネージドセキュリティサービス(運用)(注)のビジネス領域拡大(注)「マネージドセキュリティサービス」とは、主にネットワーク・セキュリティ領域における24時間365日の運用監視サービスをいいます。b. HEROZに関して 当社が提供しているVSRを利用した企業向けインターネットセキュリティサービス(2022年2月末時点で 2,000 社以上に提供)において、様々なサポート履歴・サーバログ・エンジニアノウハウなど有形無形の情報が蓄積しています。このような当社の情報資産とHEROZのAIプラットフォーム(Kishin Monitor)を活用し、新たに分析サービスの開発を行うことを目的として、2022年9月にHEROZとの資本業務提携を行いました(HEROZは2021年9月13日に当社普通株式32.31%(注1)を取得しました。)。その後、新たに分析サービスの開発等について、経営トップのみならず、営業/技術/管理を含めた多くのメンバーで議論を重ねる過程で、当社の今後のロードマップや成長戦略についても共有して参りました。その結果、今後当社はAIを活用したゼロトラスト(注2)領域へのサービス拡大等を通じてAIセキュリティカンパニーを目指していくことや当社が培ってきたBtoBビジネスのツール・ノウハウを活用し、HEROZのBtoBビジネスの発展にも寄与していくこと等の結論に達し、今回、より踏み込んだ提携関係を築き両社の企業価値の更なる向上を目指すことといたしました。(注1)2021年8月31日現在の当社の発行済株式総数に対する割合。詳細は、2021年9月10日付で公表した「HEROZ株式会社との資本業務提携契約の締結、当社株式の売出し、主要株主である筆頭株主及びその他の関係会社の異動に関するお知らせ」をご参照ください。(注2)「ゼロトラスト」とは、社内外のネットワーク環境における、従来の「境界」の概念を捨て去り、守るべき情報資産にアクセスするものはすべて信用せずにその安全性を検証することで、情報資産への脅威を防ぐという、セキュリティの新しい考え方をいいます。 ②資本業務提携の内容等a.業務提携の内容当社とHEROZは、両者の企業価値向上を目指し主に以下の項目について業務提携を行うことといたしました。・ HEROZが有するAI技術及び当社が有する産業ドメイン知識、データ等の経営資源の相互提供及び協業を通じたAIセキュリティカンパニーの実現、新領域への協業促進・ 当社のマネージドセキュリティサービスのAI活用とゼロトラスト領域へサービスの拡大の推進・ 当社の顧客が接するフロント部分のサービスに限定されないバックヤード(基幹システム)におけるAIの活用の推進、当該活用に基づく省力化、効率化並びに販売促進に向けたAI技術を活用 ③資本提携の内容 当社は、第三者割当によりHEROZに対して当社普通株式710,000株(本第三者割当増資後の所有議決権割合42.88%)を割り当てます。(1)払込期間2022年9月27日から2022年9月29日まで(2)発行新株式数普通株式 710,000株(3)発行価額1株につき1,178円(4)調達資金の額836,380,000円(5)募集又は割当方法 (割当予定先)第三者割当の方法により、HEROZに当社普通株式を割り当てる。(6)その他当社と割当予定先であるHEROZは、2022年9月9日付で本資本業務提携契約を締結しております。本資本業務提携契約において、本第三者割当増資の払込みについては、金融商品取引法に基づく有価証券届出書の効力発生等が条件とされております。 ④資本提携先の相手先の概要名称HEROZ株式会社所在地東京都港区芝五丁目31番17号 PMO田町7F代表者の役職・氏名代表取締役CEO 林 隆弘代表取締役CRO 髙橋 知裕事業内容AI技術を活用したサービスの企画・開発・運用資本金21,784千円(2024年1月31日現在) |
研究開発活動 | 6【研究開発活動】 当社で行っている研究開発活動は、インターネットセキュリティ技術の基礎研究、マネージドセキュリティサービスの提供に係る新サービスの開発に関する調査研究等であります。年々進化するネットワーク上の攻撃手法を把握し、その防御・事前検知のためのリサーチを行っております。 当事業年度における研究開発活動の金額は、78,432千円であります。研究開発活動は、マネージドセキュリティサービスの技術基盤を常に盤石な状態とし信頼性維持のために貢献しております。 なお、当事業年度において、当社の研究開発活動の状況に重要な変更はありません。 また、当社はインターネットセキュリティサービス事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。 |
設備投資等の概要 | 1【設備投資等の概要】 当事業年度において、社内運用システムの強化・整備及びソフトウエア開発プロジェクトを中心に173,936千円の設備投資を実施しました。 主要な設備投資は、主にマネージドセキュリティーサービスに係るソフトウエア開発プロジェクトで発生した支出をソフトウエア仮勘定に計上したこと等による104,072千円であります。 なお、当事業年度において重要な設備の除却、売却等はありません。 また、当社はインターネットセキュリティサービス事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。 |
主要な設備の状況 | 2【主要な設備の状況】 当社における主要な設備は、次のとおりであります。2024年2月29日現在 事業所名(所在地)設備の内容帳簿価額従業員数(人)建物附属設備(千円)工具、器具及び備品(千円)ソフトウエア(千円)その他(千円)合計(千円)本社(東京都千代田区)本社事務所・サーバー関連設備等29,05781,130139,480204,869454,53888(4) (注)1.帳簿価額のうち「その他」は、建設仮勘定及びソフトウエア仮勘定であります。2.当社はインターネットセキュリティサービス事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載はしておりません。3.従業員数の( )は、臨時雇用者を外書しております。4.上記の他、主要な賃借している設備として、以下のものがあります。事業所名(所在地)設備の内容年間賃借料(千円)本社(東京都千代田区)本社事務所家賃等59,437 |
設備の新設、除却等の計画 | 3【設備の新設、除却等の計画】 当社の設備投資については、景気予測、業界動向、投資効率等を総合的に勘案して策定しております。 なお、当事業年度末現在における重要な設備の新設、除却等の計画は次のとおりであります。当社はインターネットセキュリティサービス事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。 (1)重要な設備の新設等事業所名(所在地)設備の内容投資予定金額資金調達方法着手及び完了予定年月完成後の増加能力総額(千円)既支払額(千円)着手完了本社(東京都千代田区)ソフトウエア開発・サーバー関連設備等113,360-自己資金2024年3月2025年2月(注) (注)完成後の増加能力については、計数的把握が困難であるため、記載を省略しております。 (2)重要な設備の除却等 該当事項はありません。 |
研究開発費、研究開発活動 | 78,432,000 |
設備投資額、設備投資等の概要 | 173,936,000 |
Employees
平均年齢(年)、提出会社の状況、従業員の状況 | 41 |
平均勤続年数(年)、提出会社の状況、従業員の状況 | 6 |
平均年間給与、提出会社の状況、従業員の状況 | 6,148,820 |
Investment
株式の保有状況 | (5)【株式の保有状況】 ①投資株式の区分の基準及び考え方 当社は投資株式を保有していないため、投資株式の区分の基準及び考え方は定めておりません。 ②保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式 該当事項はありません。 ③保有目的が純投資目的である投資株式 該当事項はありません。 |
Shareholders
大株主の状況 | (6)【大株主の状況】 2024年2月29日現在 氏名又は名称住所所有株式数(株)発行済株式(自己株式を除く。)の総数に対する所有株式数の割合(%) HEROZ株式会社東京都港区芝5丁目31-17PMO田町1,934,00042.80 中条幸佳大阪府大阪市住之江区186,1004.12 有限会社光パワー東京都港区虎ノ門3丁目18-6朝日虎ノ門マンション314114,3002.53 重田康光東京都港区106,6002.36 楽天証券株式会社港区南青山2丁目6番21号103,9002.30 上田八木短資株式会社大阪市中央区高麗橋2丁目4-290,0001.99 槇田重夫愛知県豊橋市54,3001.20 MSIP CLIENT SECURITIES(常任代理人 モルガン・スタンレーMUFG証券株式会社)25 CABOT SQUARE, CANARY WHARF, LONDON E14 4QA, U.K.(東京都千代田区大手町1丁目9-7)48,9001.08 平尾丈東京都板橋区45,0001.00 山本大助大阪府大阪市北区41,0000.91計-2,724,10060.29 |
株主数-金融機関 | 2 |
株主数-金融商品取引業者 | 20 |
株主数-外国法人等-個人 | 25 |
株主数-外国法人等-個人以外 | 18 |
株主数-個人その他 | 2,916 |
株主数-その他の法人 | 44 |
株主数-計 | 3,025 |
氏名又は名称、大株主の状況 | 山本大助 |
株主総利回り | 1 |
株主総会決議による取得の状況 | (1)【株主総会決議による取得の状況】 該当事項はありません。 |
株主総会決議又は取締役会決議に基づかないものの内容 | (3)【株主総会決議又は取締役会決議に基づかないものの内容】 区分株式数(株)価額の総額(千円)当事業年度における取得自己株式1,049-当期間における取得自己株式--(注)1.当事業年度における取得自己株式は、譲渡制限付株式の無償取得によるものであります。 2.当期間における取得自己株式には、2024年5月1日から有価証券報告書提出日までの単元未満株式の買取 りによる株式数は含めておりません。 |
Shareholders2
発行済株式及び自己株式に関する注記 | 1.発行済株式の種類及び総数並びに自己株式の種類及び株式数に関する事項 当事業年度期首株式数(株)当事業年度増加株式数(株)当事業年度減少株式数(株)当事業年度末株式数(株)発行済株式 普通株式(注)14,515,6134,440-4,520,053合計4,515,6134,440-4,520,053自己株式(注)2 普通株式4701,049-1,519合計4701,049-1,519(注)1.普通株式の発行済株式数の増加4,440株は、ストック・オプションの行使による増加であります。2.自己株式の増加1,049株は、譲渡制限付株式の無償取得による増加であります。 |
Audit1
監査法人1、個別 | 赤坂有限責任監査法人 |
独立監査人の報告書、個別 | 独立監査人の監査報告書及び内部統制監査報告書 2024年5月29日バリオセキュア株式会社 取締役会 御中 赤坂有限責任監査法人 東京都港区 指定有限責任社員業務執行社員 公認会計士池田 勉 指定有限責任社員業務執行社員 公認会計士荒川 和也 <財務諸表監査>監査意見 当監査法人は、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づく監査証明を行うため、「経理の状況」に掲げられているバリオセキュア株式会社の2023年3月1日から2024年2月29日までの第9期事業年度の財務諸表、すなわち、貸借対照表、損益計算書、株主資本等変動計算書、キャッシュ・フロー計算書、重要な会計方針、その他の注記及び附属明細表について監査を行った。 当監査法人は、上記の財務諸表が、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して、バリオセキュア株式会社の2024年2月29日現在の財政状態並びに同日をもって終了する事業年度の経営成績及びキャッシュ・フローの状況を、全ての重要な点において適正に表示しているものと認める。 監査意見の根拠 当監査法人は、我が国において一般に公正妥当と認められる監査の基準に準拠して監査を行った。監査の基準における当監査法人の責任は、「財務諸表監査における監査人の責任」に記載されている。当監査法人は、我が国における職業倫理に関する規定に従って、会社から独立しており、また、監査人としてのその他の倫理上の責任を果たしている。当監査法人は、意見表明の基礎となる十分かつ適切な監査証拠を入手したと判断している。 監査上の主要な検討事項 監査上の主要な検討事項とは、当事業年度の財務諸表の監査において、監査人が職業的専門家として特に重要であると判断した事項である。監査上の主要な検討事項は、財務諸表全体に対する監査の実施過程及び監査意見の形成において対応した事項であり、当監査法人は、当該事項に対して個別に意見を表明するものではない。のれんの評価監査上の主要な検討事項の内容及び決定理由監査上の対応会社は、2024年2月29日現在、貸借対照表上、のれんを3,230,392千円(資産合計の56.7%)計上している。また、注記事項(重要な会計上の見積り)に関連する開示を行っており、当該のれんは、インターネットセキュリティサービス事業の単一セグメントとしての資金生成単位全体に配分されている。会社は、企業結合により取得したのれんについて、取得時に見込んだ超過収益力が将来にわたって発現するかに着目し、のれんの減損の兆候を把握している。減損の兆候がある場合、その帳簿価額と割引前将来キャッシュ・フローの総額を比較し、減損損失の認識に至った場合は、将来キャッシュ・フローの割引現在価値により測定する。将来キャッシュ・フローは、過去の実績や外部情報を反映し、取締役会によって承認された中期事業計画に基づき、事業計画が策定された期間を超える期間については当該計画の最終事業年度のキャッシュ・フローをもとに算定したものを基礎として見積もっている。なお、割引前将来キャッシュ・フローの総額が帳簿価額を上回っていることから、会社は減損損失を認識していない。将来キャッシュ・フローの見積りにおける主要な仮定は、売上成長率である。のれんの評価に関する判断は複雑であり、主要な仮定である売上成長率には不確実性を伴い、経営者の判断が必要であるため、当監査法人は当該事項を監査上の主要な検討事項に該当するものと判断した。当監査法人は、のれんの評価の妥当性を評価するため、主として以下の監査手続を実施した。(1)内部統制の評価のれんの評価に関連する内部統制にかかる整備及び運用状況の有効性を評価した。(2)のれんの評価のれんの評価を検討するために、以下の手続を行った。・取得時に見込んだ超過収益力の毀損の有無及び外部の経営環境等の変化等について経営管理者等と協議した。・将来キャッシュ・フローについて取締役会によって承認された中期経営計画との整合性を検討した。・将来キャッシュ・フローについては、その基礎となる中期経営計画に関して、過去の実績推移や予算と実績の比較分析を行った。・主要な仮定である中期事業計画の策定に当たって採用された売上成長率を評価するために、経営者等と議論するとともに、市場レポート等に基づき検討し、また過去実績からの趨勢分析を実施した。 契約損失引当金監査上の主要な検討事項の内容及び決定理由監査上の対応会社は当会計年度の貸借対照表及び損益計算書において、契約損失引当金50,597千円(資産合計の0.9%)及び同戻入益44,260千円(営業利益の17.2%)を計上している。これは注記事項(重要な会計上の見積り)に記載されているとおり、会社が仕入先との間で締結した契約の最低購入保証条項に基づき、最低購入保証の未達に備えるため、将来発生する損失見込み額を計上したものである。将来発生する損失見込み額は、合理的な仕入計画に基づき、将来に発生が見込まれる金額を見積もっている。また、合理的な仕入計画の策定にあたっては、予測販売数量を主要な仮定として用いており、予測販売数量については、過去の実績等を基礎として見積りを行っている。当監査法人は、予測販売数量及び当該数量に基づく合理的な仕入計画には重要な仮定を反映して作成されており、計画達成に対する不確実性及び経営者による主観的な判断の程度が高いことを鑑み、契約損失引当金の計上が監査上の主要な検討事項に該当すると判断した。当監査法人は、契約損失引当金の妥当性を評価するため、主として以下の監査手続を実施した。(1)内部統制の評価引当金の計上プロセスにおける内部統制の整備状況及び運用状況の有効性を評価した。(2)合理的な仕入計画の評価仕入計画の合理性を評価するために、以下の手続を行った。・仕入先と締結された仕入契約書と仕入計画における仕入単価と突合した。・予測販売数量及び仕入数量について、経営管理者及び営業部門にヒアリングを行い合理性について検討した。・将来の販売仕入数量及び単価に関して、過去実績との比較を行うと共に合理性について検討した。 その他の記載内容 その他の記載内容は、有価証券報告書に含まれる情報のうち、財務諸表及びこれらの監査報告書以外の情報である。経営者の責任は、その他の記載内容を作成し開示することにある。また、監査等委員会の責任は、その他の記載内容の報告プロセスの整備及び運用における取締役の職務の執行を監視することにある。 当監査法人の財務諸表に対する監査意見の対象にはその他の記載内容は含まれておらず、当監査法人はその他の記載内容に対して意見を表明するものではない。 財務諸表監査における当監査法人の責任は、その他の記載内容を通読し、通読の過程において、その他の記載内容と財務諸表又は当監査法人が監査の過程で得た知識との間に重要な相違があるかどうか検討すること、また、そのような重要な相違以外にその他の記載内容に重要な誤りの兆候があるかどうか注意を払うことにある。 当監査法人は、実施した作業に基づき、その他の記載内容に重要な誤りがあると判断した場合には、その事実を報告することが求められている。 その他の記載内容に関して、当監査法人が報告すべき事項はない。 財務諸表に対する経営者及び監査等委員会の責任 経営者の責任は、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して財務諸表を作成し適正に表示することにある。これには、不正又は誤謬による重要な虚偽表示のない財務諸表を作成し適正に表示するために経営者が必要と判断した内部統制を整備及び運用することが含まれる。 財務諸表を作成するに当たり、経営者は、継続企業の前提に基づき財務諸表を作成することが適切であるかどうかを評価し、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づいて継続企業に関する事項を開示する必要がある場合には当該事項を開示する責任がある。 監査等委員会の責任は、財務報告プロセスの整備及び運用における取締役の職務の執行を監視することにある。 財務諸表監査における監査人の責任 監査人の責任は、監査人が実施した監査に基づいて、全体としての財務諸表に不正又は誤謬による重要な虚偽表示がないかどうかについて合理的な保証を得て、監査報告書において独立の立場から財務諸表に対する意見を表明することにある。虚偽表示は、不正又は誤謬により発生する可能性があり、個別に又は集計すると、財務諸表の利用者の意思決定に影響を与えると合理的に見込まれる場合に、重要性があると判断される。 監査人は、我が国において一般に公正妥当と認められる監査の基準に従って、監査の過程を通じて、職業的専門家としての判断を行い、職業的懐疑心を保持して以下を実施する。・ 不正又は誤謬による重要な虚偽表示リスクを識別し、評価する。また、重要な虚偽表示リスクに対応した監査手続を立案し、実施する。監査手続の選択及び適用は監査人の判断による。さらに、意見表明の基礎となる十分かつ適切な監査証拠を入手する。・ 財務諸表監査の目的は、内部統制の有効性について意見表明するためのものではないが、監査人は、リスク評価の実施に際して、状況に応じた適切な監査手続を立案するために、監査に関連する内部統制を検討する。・ 経営者が採用した会計方針及びその適用方法の適切性、並びに経営者によって行われた会計上の見積りの合理性及び関連する注記事項の妥当性を評価する。・ 経営者が継続企業を前提として財務諸表を作成することが適切であるかどうか、また、入手した監査証拠に基づき、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況に関して重要な不確実性が認められるかどうか結論付ける。継続企業の前提に関する重要な不確実性が認められる場合は、監査報告書において財務諸表の注記事項に注意を喚起すること、又は重要な不確実性に関する財務諸表の注記事項が適切でない場合は、財務諸表に対して除外事項付意見を表明することが求められている。監査人の結論は、監査報告書日までに入手した監査証拠に基づいているが、将来の事象や状況により、企業は継続企業として存続できなくなる可能性がある。・ 財務諸表の表示及び注記事項が、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠しているかどうかとともに、関連する注記事項を含めた財務諸表の表示、構成及び内容、並びに財務諸表が基礎となる取引や会計事象を適正に表示しているかどうかを評価する。・ 財務諸表に対する意見を表明するために、会社の財務情報に関する十分かつ適切な監査証拠を入手する。監査人は、財務諸表の監査に関する指示、監督及び実施に関して責任がある。監査人は、単独で監査意見に対して責任を負う。 監査人は、監査等委員会に対して、計画した監査の範囲とその実施時期、監査の実施過程で識別した内部統制の重要な不備を含む監査上の重要な発見事項、及び監査の基準で求められているその他の事項について報告を行う。 監査人は、監査等委員会に対して、独立性についての我が国における職業倫理に関する規定を遵守したこと、並びに監査人の独立性に影響を与えると合理的に考えられる事項、及び阻害要因を除去又は軽減するためにセーフガードを講じている場合はその内容について報告を行う。 監査人は、監査等委員会と協議した事項のうち、当事業年度の財務諸表の監査で特に重要であると判断した事項を監査上の主要な検討事項と決定し、監査報告書において記載する。ただし、法令等により当該事項の公表が禁止されている場合や、極めて限定的ではあるが、監査報告書において報告することにより生じる不利益が公共の利益を上回ると合理的に見込まれるため、監査人が報告すべきでないと判断した場合は、当該事項を記載しない。 <内部統制監査>監査意見 当監査法人は、金融商品取引法第193条の2第2項の規定に基づく監査証明を行うため、バリオセキュア株式会社の2024年2月29日現在の内部統制報告書について監査を行った。 当監査法人は、バリオセキュア株式会社が2024年2月29日現在の財務報告に係る内部統制は有効であると表示した上記の内部統制報告書が、我が国において一般に公正妥当と認められる財務報告に係る内部統制の評価の基準に準拠して、財務報告に係る内部統制の評価結果について、全ての重要な点において適正に表示しているものと認める。 監査意見の根拠 当監査法人は、我が国において一般に公正妥当と認められる財務報告に係る内部統制の監査の基準に準拠して内部統制監査を行った。財務報告に係る内部統制の監査の基準における当監査法人の責任は、「内部統制監査における監査人の責任」に記載されている。当監査法人は、我が国における職業倫理に関する規定に従って、会社から独立しており、また、監査人としてのその他の倫理上の責任を果たしている。当監査法人は、意見表明の基礎となる十分かつ適切な監査証拠を入手したと判断している。 内部統制報告書に対する経営者並びに監査等委員会の責任 経営者の責任は、財務報告に係る内部統制を整備及び運用し、我が国において一般に公正妥当と認められる財務報告に係る内部統制の評価の基準に準拠して内部統制報告書を作成し適正に表示することにある。監査等委員会の責任は、財務報告に係る内部統制の整備及び運用状況を監視、検証することにある。 なお、財務報告に係る内部統制により財務報告の虚偽の記載を完全には防止又は発見することができない可能性がある。 内部統制監査における監査人の責任 監査人の責任は、監査人が実施した内部統制監査に基づいて、内部統制報告書に重要な虚偽表示がないかどうかについて合理的な保証を得て、内部統制監査報告書において独立の立場から内部統制報告書に対する意見を表明することにある。 監査人は、我が国において一般に公正妥当と認められる財務報告に係る内部統制の監査の基準に従って、監査の過程を通じて、職業的専門家としての判断を行い、職業的懐疑心を保持して以下を実施する。・ 内部統制報告書における財務報告に係る内部統制の評価結果について監査証拠を入手するための監査手続を実施する。内部統制監査の監査手続は、監査人の判断により、財務報告の信頼性に及ぼす影響の重要性に基づいて選択及び適用される。・ 財務報告に係る内部統制の評価範囲、評価手続及び評価結果について経営者が行った記載を含め、全体としての内部統制報告書の表示を検討する。・ 内部統制報告書における財務報告に係る内部統制の評価結果に関する十分かつ適切な監査証拠を入手する。監査人は、内部統制報告書の監査に関する指示、監督及び実施に関して責任がある。監査人は、単独で監査意見に対して責任を負う。 監査人は、監査等委員会に対して、計画した内部統制監査の範囲とその実施時期、内部統制監査の実施結果、識別した内部統制の開示すべき重要な不備、その是正結果、及び内部統制の監査の基準で求められているその他の事項について報告を行う。 監査人は、監査等委員会に対して、独立性についての我が国における職業倫理に関する規定を遵守したこと、並びに監査人の独立性に影響を与えると合理的に考えられる事項、及び阻害要因を除去又は軽減するためにセーフガードを講じている場合はその内容について報告を行う。 利害関係 会社と当監査法人又は業務執行社員との間には、公認会計士法の規定により記載すべき利害関係はない。 以 上 (注)1.上記の監査報告書の原本は当社(有価証券報告書提出会社)が別途保管しております。2.XBRLデータは監査の対象には含まれていません。 独立監査人の監査報告書 2024年5月29日バリオセキュア株式会社 取締役会 御中 赤坂有限責任監査法人 東京都港区 指定有限責任社員業務執行社員 公認会計士池田 勉 指定有限責任社員業務執行社員 公認会計士荒川 和也 監査意見 当監査法人は、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づく監査証明を行うため、「経理の状況」に掲げられているバリオセキュア株式会社の2023年3月1日から2024年2月29日までの第9期事業年度の財務諸表、すなわち、財政状態計算書、損益計算書、包括利益計算書、持分変動計算書、キャッシュ・フロー計算書及び財務諸表注記について監査を行った。 当監査法人は、上記の財務諸表が、「財務諸表等の用語、様式及び作成方法に関する規則」第129条第2項の規定により国際会計基準に準拠して、バリオセキュア株式会社の2024年2月29日現在の財政状態並びに同日をもって終了する事業年度の経営成績及びキャッシュ・フローの状況を、全ての重要な点において適正に表示しているものと認める。 監査意見の根拠 当監査法人は、我が国において一般に公正妥当と認められる監査の基準に準拠して監査を行った。監査の基準における当監査法人の責任は、「財務諸表監査における監査人の責任」に記載されている。当監査法人は、我が国における職業倫理に関する規定に従って、会社から独立しており、また、監査人としてのその他の倫理上の責任を果たしている。当監査法人は、意見表明の基礎となる十分かつ適切な監査証拠を入手したと判断している。 監査上の主要な検討事項 監査上の主要な検討事項とは、当事業年度の財務諸表の監査において、監査人が職業的専門家として特に重要であると判断した事項である。監査上の主要な検討事項は、財務諸表全体に対する監査の実施過程及び監査意見の形成において対応した事項であり、当監査法人は、当該事項に対して個別に意見を表明するものではない。のれんの評価監査上の主要な検討事項の内容及び決定理由監査上の対応会社は、2024年2月29日現在、財政状態計算書上、のれんを5,054,613千円(資産合計の66.1%)計上している。また、財務諸表注記14.に関連する開示を行っており、当該のれんは、インターネットセキュリティサービス事業の単一セグメントとしての資金生成単位全体に配分されている。会社は、減損テストを実施するに当たり、回収可能価額を使用価値に基づき算定している。使用価値は、見積将来キャッシュ・フローと税引前加重平均資本コスト(WACC)を基礎とした割引率を用いて算定している。将来キャッシュ・フローは、過去の実績や外部情報を反映し、取締役会によって承認された中期事業計画と事業計画が対象としている期間を越える期間については、中期事業計画の最終年度のキャッシュ・フローをもとに算定したものを基礎として見積もっている。使用価値の見積りにおける主要な仮定は、中期事業計画を基礎とする将来キャッシュ・フローの見積り及び割引率である。また、中期事業計画は、主として売上収益の成長率に影響を受ける。のれんの減損テストは複雑であり、使用価値の算定に重要な影響を及ぼす将来キャッシュ・フローの見積り及び割引率については不確実性を伴い、経営者の評価や判断によって使用価値の算定結果並びに減損要否の判断に大きく影響を受けることから、当監査法人は当該事項を監査上の主要な検討事項に該当するものと判断した。当監査法人は、のれんの減損テストを検討するにあたり、主として以下の監査手続を実施した。(1)内部統制の評価のれんの減損テストに関連する内部統制にかかる整備及び運用状況の有効性を評価した。(2)使用価値の評価方法の検証使用価値の評価方法について検証するため以下の手続を行った。・当監査法人の評価専門家を関与させ、使用価値の算定における評価方法を検証した。・割引率については、算定結果の合理性を評価するために、利用可能な外部データに基づき当監査法人内で独自に割引率を見積り、経営者が決定した割引率と比較した。・将来キャッシュ・フローについては、その基礎となる中期経営計画に関して、過去の実績推移や予算と実績の比較分析を行い、経営管理者等と協議した。・主要な仮定である中期事業計画の策定に当たって採用された売上成長率を評価するために、経営者等と議論するとともに、市場レポート等に基づき検討し、また過去実績からの趨勢分析を実施した。・将来キャッシュ・フロー及び割引率に関して、一定のリスクを加味した場合でも使用価値が帳簿価額を下回らないことを検証した。 契約損失引当金監査上の主要な検討事項の内容及び決定理由監査上の対応会社は当会計年度の財政状態計算書及び損益計算書において、契約損失引当金50,597千円(資産合計の6.6%)及び同戻入益44,260千円(営業利益の8.5%)を計上している。これは財務諸表注記19.に記載されているとおり、会社が仕入先との間で締結した契約の最低購入保証条項に基づき、最低購入保証の未達に備えるため、将来発生する損失見込み額を計上したものである。将来発生する見込み額は、合理的な仕入計画に基づき、将来に発生が見込まれる金額を見積もっている。また、合理的な仕入計画の策定にあたっては、予測販売数量を主要な仮定として用いており、予測販売数量については、過去の実績等を基礎として見積りを行っている。当監査法人は、予測販売数量及び当該数量に基づく合理的な仕入計画には重要な仮定を反映して作成されており、計画達成に対する不確実性及び経営者による主観的な判断の程度が高いことを鑑み、契約損失引当金の計上が監査上の主要な検討事項に該当すると判断した。当監査法人は、契約損失引当金の妥当性を評価するため、主として以下の監査手続を実施した。(1)内部統制の評価引当金の計上プロセスにおける内部統制の整備状況及び運用状況の有効性を評価した。(2)合理的な仕入計画の評価仕入計画の合理性を評価するために、以下の手続を行った。・仕入先と締結された仕入契約書と仕入計画における仕入単価と突合した。・予測販売数量及び仕入数量について、経営管理者及び営業部門にヒアリングを行い合理性について検討した。・将来の販売仕入数量及び単価に関して、過去実績との比較を行うと共に合理性について検討した。 その他の記載内容 その他の記載内容は、有価証券報告書に含まれる情報のうち、財務諸表及びこれらの監査報告書以外の情報である。経営者の責任は、その他の記載内容を作成し開示することにある。また、監査等委員会の責任は、その他の記載内容の報告プロセスの整備及び運用における取締役の職務の執行を監視することにある。 当監査法人の財務諸表に対する監査意見の対象にはその他の記載内容は含まれておらず、当監査法人はその他の記載内容に対して意見を表明するものではない。 財務諸表監査における当監査法人の責任は、その他の記載内容を通読し、通読の過程において、その他の記載内容と財務諸表又は当監査法人が監査の過程で得た知識との間に重要な相違があるかどうか検討すること、また、そのような重要な相違以外にその他の記載内容に重要な誤りの兆候があるかどうか注意を払うことにある。 当監査法人は、実施した作業に基づき、その他の記載内容に重要な誤りがあると判断した場合には、その事実を報告することが求められている。 その他の記載内容に関して、当監査法人が報告すべき事項はない。 財務諸表に対する経営者及び監査等委員会の責任 経営者の責任は、国際会計基準に準拠して財務諸表を作成し適正に表示することにある。これには、不正又は誤謬による重要な虚偽表示のない財務諸表を作成し適正に表示するために経営者が必要と判断した内部統制を整備及び運用することが含まれる。 財務諸表を作成するに当たり、経営者は、継続企業の前提に基づき財務諸表を作成することが適切であるかどうかを評価し、国際会計基準に基づいて継続企業に関する事項を開示する必要がある場合には当該事項を開示する責任がある。 監査等委員会の責任は、財務報告プロセスの整備及び運用における取締役の職務の執行を監視することにある。 財務諸表監査における監査人の責任 監査人の責任は、監査人が実施した監査に基づいて、全体としての財務諸表に不正又は誤謬による重要な虚偽表示がないかどうかについて合理的な保証を得て、監査報告書において独立の立場から財務諸表に対する意見を表明することにある。虚偽表示は、不正又は誤謬により発生する可能性があり、個別に又は集計すると、財務諸表の利用者の意思決定に影響を与えると合理的に見込まれる場合に、重要性があると判断される。 監査人は、我が国において一般に公正妥当と認められる監査の基準に従って、監査の過程を通じて、職業的専門家としての判断を行い、職業的懐疑心を保持して以下を実施する。・ 不正又は誤謬による重要な虚偽表示リスクを識別し、評価する。また、重要な虚偽表示リスクに対応した監査手続を立案し、実施する。監査手続の選択及び適用は監査人の判断による。さらに、意見表明の基礎となる十分かつ適切な監査証拠を入手する。・ 財務諸表監査の目的は、内部統制の有効性について意見表明するためのものではないが、監査人は、リスク評価の実施に際して、状況に応じた適切な監査手続を立案するために、監査に関連する内部統制を検討する。・ 経営者が採用した会計方針及びその適用方法の適切性、並びに経営者によって行われた会計上の見積りの合理性及び関連する注記事項の妥当性を評価する。・ 経営者が継続企業を前提として財務諸表を作成することが適切であるかどうか、また、入手した監査証拠に基づき、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況に関して重要な不確実性が認められるかどうか結論付ける。継続企業の前提に関する重要な不確実性が認められる場合は、監査報告書において財務諸表の注記事項に注意を喚起すること、又は重要な不確実性に関する財務諸表の注記事項が適切でない場合は、財務諸表に対して除外事項付意見を表明することが求められている。監査人の結論は、監査報告書日までに入手した監査証拠に基づいているが、将来の事象や状況により、企業は継続企業として存続できなくなる可能性がある。・ 財務諸表の表示及び注記事項が、国際会計基準に準拠しているかどうかとともに、関連する注記事項を含めた財務諸表の表示、構成及び内容、並びに財務諸表が基礎となる取引や会計事象を適正に表示しているかどうかを評価する。 監査人は、監査等委員会に対して、計画した監査の範囲とその実施時期、監査の実施過程で識別した内部統制の重要な不備を含む監査上の重要な発見事項、及び監査の基準で求められているその他の事項について報告を行う。 監査人は、監査等委員会に対して、独立性についての我が国における職業倫理に関する規定を遵守したこと、並びに監査人の独立性に影響を与えると合理的に考えられる事項、及び阻害要因を除去又は軽減するためにセーフガードを講じている場合はその内容について報告を行う。 監査人は、監査等委員会と協議した事項のうち、当事業年度の財務諸表の監査で特に重要であると判断した事項を監査上の主要な検討事項と決定し、監査報告書において記載する。ただし、法令等により当該事項の公表が禁止されている場合や、極めて限定的ではあるが、監査報告書において報告することにより生じる不利益が公共の利益を上回ると合理的に見込まれるため、監査人が報告すべきでないと判断した場合は、当該事項を記載しない。 利害関係 会社と当監査法人又は業務執行社員との間には、公認会計士法の規定により記載すべき利害関係はない。以 上 (注)1.上記の監査報告書の原本は当社(有価証券報告書提出会社)が別途保管しております。2.XBRLデータは監査の対象には含まれていません。 |
監査上の主要な検討事項、個別 | 監査上の主要な検討事項 監査上の主要な検討事項とは、当事業年度の財務諸表の監査において、監査人が職業的専門家として特に重要であると判断した事項である。監査上の主要な検討事項は、財務諸表全体に対する監査の実施過程及び監査意見の形成において対応した事項であり、当監査法人は、当該事項に対して個別に意見を表明するものではない。のれんの評価監査上の主要な検討事項の内容及び決定理由監査上の対応会社は、2024年2月29日現在、貸借対照表上、のれんを3,230,392千円(資産合計の56.7%)計上している。また、注記事項(重要な会計上の見積り)に関連する開示を行っており、当該のれんは、インターネットセキュリティサービス事業の単一セグメントとしての資金生成単位全体に配分されている。会社は、企業結合により取得したのれんについて、取得時に見込んだ超過収益力が将来にわたって発現するかに着目し、のれんの減損の兆候を把握している。減損の兆候がある場合、その帳簿価額と割引前将来キャッシュ・フローの総額を比較し、減損損失の認識に至った場合は、将来キャッシュ・フローの割引現在価値により測定する。将来キャッシュ・フローは、過去の実績や外部情報を反映し、取締役会によって承認された中期事業計画に基づき、事業計画が策定された期間を超える期間については当該計画の最終事業年度のキャッシュ・フローをもとに算定したものを基礎として見積もっている。なお、割引前将来キャッシュ・フローの総額が帳簿価額を上回っていることから、会社は減損損失を認識していない。将来キャッシュ・フローの見積りにおける主要な仮定は、売上成長率である。のれんの評価に関する判断は複雑であり、主要な仮定である売上成長率には不確実性を伴い、経営者の判断が必要であるため、当監査法人は当該事項を監査上の主要な検討事項に該当するものと判断した。当監査法人は、のれんの評価の妥当性を評価するため、主として以下の監査手続を実施した。(1)内部統制の評価のれんの評価に関連する内部統制にかかる整備及び運用状況の有効性を評価した。(2)のれんの評価のれんの評価を検討するために、以下の手続を行った。・取得時に見込んだ超過収益力の毀損の有無及び外部の経営環境等の変化等について経営管理者等と協議した。・将来キャッシュ・フローについて取締役会によって承認された中期経営計画との整合性を検討した。・将来キャッシュ・フローについては、その基礎となる中期経営計画に関して、過去の実績推移や予算と実績の比較分析を行った。・主要な仮定である中期事業計画の策定に当たって採用された売上成長率を評価するために、経営者等と議論するとともに、市場レポート等に基づき検討し、また過去実績からの趨勢分析を実施した。 契約損失引当金監査上の主要な検討事項の内容及び決定理由監査上の対応会社は当会計年度の貸借対照表及び損益計算書において、契約損失引当金50,597千円(資産合計の0.9%)及び同戻入益44,260千円(営業利益の17.2%)を計上している。これは注記事項(重要な会計上の見積り)に記載されているとおり、会社が仕入先との間で締結した契約の最低購入保証条項に基づき、最低購入保証の未達に備えるため、将来発生する損失見込み額を計上したものである。将来発生する損失見込み額は、合理的な仕入計画に基づき、将来に発生が見込まれる金額を見積もっている。また、合理的な仕入計画の策定にあたっては、予測販売数量を主要な仮定として用いており、予測販売数量については、過去の実績等を基礎として見積りを行っている。当監査法人は、予測販売数量及び当該数量に基づく合理的な仕入計画には重要な仮定を反映して作成されており、計画達成に対する不確実性及び経営者による主観的な判断の程度が高いことを鑑み、契約損失引当金の計上が監査上の主要な検討事項に該当すると判断した。当監査法人は、契約損失引当金の妥当性を評価するため、主として以下の監査手続を実施した。(1)内部統制の評価引当金の計上プロセスにおける内部統制の整備状況及び運用状況の有効性を評価した。(2)合理的な仕入計画の評価仕入計画の合理性を評価するために、以下の手続を行った。・仕入先と締結された仕入契約書と仕入計画における仕入単価と突合した。・予測販売数量及び仕入数量について、経営管理者及び営業部門にヒアリングを行い合理性について検討した。・将来の販売仕入数量及び単価に関して、過去実績との比較を行うと共に合理性について検討した。 |
全体概要、監査上の主要な検討事項、個別 | 監査上の主要な検討事項とは、当事業年度の財務諸表の監査において、監査人が職業的専門家として特に重要であると判断した事項である。監査上の主要な検討事項は、財務諸表全体に対する監査の実施過程及び監査意見の形成において対応した事項であり、当監査法人は、当該事項に対して個別に意見を表明するものではない。 |
見出し、監査上の主要な検討事項、個別 | 契約損失引当金 |
その他の記載内容、個別 | その他の記載内容 その他の記載内容は、有価証券報告書に含まれる情報のうち、財務諸表及びこれらの監査報告書以外の情報である。経営者の責任は、その他の記載内容を作成し開示することにある。また、監査等委員会の責任は、その他の記載内容の報告プロセスの整備及び運用における取締役の職務の執行を監視することにある。 当監査法人の財務諸表に対する監査意見の対象にはその他の記載内容は含まれておらず、当監査法人はその他の記載内容に対して意見を表明するものではない。 財務諸表監査における当監査法人の責任は、その他の記載内容を通読し、通読の過程において、その他の記載内容と財務諸表又は当監査法人が監査の過程で得た知識との間に重要な相違があるかどうか検討すること、また、そのような重要な相違以外にその他の記載内容に重要な誤りの兆候があるかどうか注意を払うことにある。 当監査法人は、実施した作業に基づき、その他の記載内容に重要な誤りがあると判断した場合には、その事実を報告することが求められている。 その他の記載内容に関して、当監査法人が報告すべき事項はない。 |
BS資産
工具、器具及び備品(純額) | 81,130,000 |
建設仮勘定 | 667,000 |
有形固定資産 | 110,855,000 |
ソフトウエア | 139,480,000 |
無形固定資産 | 3,574,075,000 |
長期前払費用 | 181,139,000 |
繰延税金資産 | 142,233,000 |
投資その他の資産 | 403,139,000 |
BS負債、資本
1年内返済予定の長期借入金 | 200,000,000 |
未払金 | 38,533,000 |
未払法人税等 | 66,297,000 |
未払費用 | 21,980,000 |
賞与引当金 | 23,259,000 |
資本剰余金 | 1,994,168,000 |
利益剰余金 | 998,269,000 |
負債純資産 | 5,697,743,000 |
PL
売上原価 | 1,196,345,000 |
販売費及び一般管理費 | 1,186,506,000 |
受取利息、営業外収益 | 8,000 |
営業外収益 | 178,000 |
支払利息、営業外費用 | 10,317,000 |
その他、流動資産 | 13,588,000 |
営業外費用 | 10,901,000 |
法人税、住民税及び事業税 | 153,706,000 |
法人税等調整額 | 4,217,000 |
法人税等 | 157,924,000 |
PL2
剰余金の配当 | -182,863,000 |
当期変動額合計 | -91,719,000 |
営業活動によるキャッシュ・フロー
減価償却費、営業活動によるキャッシュ・フロー | 109,078,000 |
賞与引当金の増減額、営業活動によるキャッシュ・フロー | 3,899,000 |
支払利息、営業活動によるキャッシュ・フロー | 10,317,000 |
仕入債務の増減額、営業活動によるキャッシュ・フロー | 14,930,000 |
その他、営業活動によるキャッシュ・フロー | -98,523,000 |
小計、営業活動によるキャッシュ・フロー | 535,473,000 |
利息の支払額、営業活動によるキャッシュ・フロー又は財務活動によるキャッシュ・フロー | -10,307,000 |