財務諸表

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提出書類、表紙有価証券報告書
提出日、表紙2024-05-24
英訳名、表紙MEDIA DO Co., Ltd.
代表者の役職氏名、表紙代表取締役社長 CEO 藤田 恭嗣
本店の所在の場所、表紙東京都千代田区一ツ橋一丁目1番1号
電話番号、本店の所在の場所、表紙(03)6212-5111(代表)
様式、DEI第三号様式
会計基準、DEIJapan GAAP
連結決算の有無、DEItrue
当会計期間の種類、DEIFY

corp

沿革 2【沿革】
年月事項1996年4月藤田恭嗣(当社代表取締役社長 CEO)が有限会社フジテクノ(名古屋市中区)を設立開業。1998年10月有限会社フジテクノを株式会社フジテクノへ組織変更。1999年4月名古屋市中村区において、携帯電話を販売する店舗展開及びインターネットサービス事業を目的として株式会社メディアドゥを設立(資本金1,000万円)。2000年10月パケット通信量削減システム「パケ割!」を開発し、提供開始。2001年11月株式会社フジテクノと合併し、本社を名古屋市中村区名駅南に移転。2003年10月携帯電話販売事業をテレコム三洋株式会社(株式会社ティーガイアへ吸収合併)へ売却。2003年11月東京都新宿区西新宿に東京営業所を開設。2004年7月携帯電話向け公式サイト(注1)として「着うた®」サービス開始。2006年10月本社を名古屋市西区名駅に移転。東京営業所を東京都新宿区市谷台町に移転。コンテンツ配信システム「md-dc」を開発。2006年11月携帯電話向け公式サイトとして「電子書籍配信」サービス開始。2007年2月事業者向けコンテンツ配信プラットフォームサービスとして「Contents Agency System(以下、CAS)(注2)」を提供開始。2007年10月東京営業所を東京都千代田区一ツ橋に移転。 徳島県那賀郡那賀町に徳島木頭事業所を開設。2009年10月本社を名古屋市中区錦に移転。2012年5月スマートフォン向け「CAS」の提供開始。 スマートフォンやタブレット端末に最適な電子書籍ビューア(注3)「MD HyBook Reader」を提供開始。2012年12月全国の書店店頭でも電子書籍が購入できる総合電子書籍サービス「スマートブックストア」をソフトバンク株式会社(旧 ソフトバンクモバイル株式会社)と協業で提供開始。2013年1月東京営業所を東京支社に名称変更。2013年4月無料通話・無料メールアプリ「LINE」上で展開する「LINEマンガ」向けに電子書籍コンテンツを提供開始。2013年11月東京証券取引所マザーズに株式を上場。2014年5月電子図書館プラットフォーム最大手米国OverDrive,Inc.と戦略的業務提携。2014年8月本社を東京都渋谷区に移転。2015年5月タテヨコ自在読み機能「ユニバーサルフリック」を掲載したビューアアプリ「MD Viewer」を提供開始。2016年2月東京証券取引所市場第一部に市場変更。2016年6月海外マーケットでの電子書籍の取次・配信事業拡大を推進するため、米国カリフォルニア州サンディエゴ市に、子会社「Media Do International, Inc.」を設立。2016年7月本社を東京都千代田区(現本社)に移転。2016年11月「書籍の要約サービス」を提供する株式会社フライヤーの株式取得(子会社化)。2017年2月 2017年3月 2017年6月 2017年9月 株式会社集英社との資本提携。電子コミックのカラーリング・作画支援等の事業を目的とした、子会社「アルトラエンタテインメント株式会社」設立。テック情報株式会社及び株式会社徳島データサービスとともにオペレーション業務を担う合弁会社(子会社)「株式会社メディアドゥテック徳島」設立。株式会社出版デジタル機構の株式取得(子会社化)。マンガ及びイラストのデジタル制作・配信プラットフォームを開発・提供する株式会社MediBangとの資本業務提携。社名を「株式会社メディアドゥホールディングス」に変更し、持株会社体制へ移行。新設承継会社(完全子会社)として「株式会社メディアドゥ」を設立し、電子書籍事業、音楽・映像事業、ゲーム事業及び広告・広告代理事業並びにこれらの関連事業を継承。 年月事項2019年3月 2019年10月 2020年6月 2020年7月 2020年10月 2021年1月 2021年3月 2021年5月 2021年10月2021年12月 2022年2月 2022年3月2022年4月 2022年7月 2022年9月2023年1月2023年12月連結子会社である株式会社出版デジタル機構が株式会社メディアドゥを吸収合併し、株式会社メディアドゥに商号変更。世界最大級のアニメ・マンガのコミュニティサイト「MyAnimeList(マイアニメリスト)」の運営会社である米国企業MyAnimeList, LLCの持分を取得(子会社化)。ジャイブ株式会社の株式取得(子会社化)、少女コミックレーベルを刊行するネクストFレーベル編集部を譲受し、中小出版社のデジタルトランスフォーメーションを後押しする「インプリント事業」を開始。株式会社メディアドゥホールディングスは完全子会社である株式会社メディアドゥを吸収合併し、株式会社メディアドゥに商号変更。子会社として株式会社MyAnimeListを設立し、MyAnimeList, LLCより世界最大級のアニメ・マンガのコミュニティサイト「MyAnimeList(マイアニメリスト)」に関連する事業を譲受。フリーミアム型マンガアプリの開発から運用・保守(マンガ事業)、並びに2.5次元/声優に特化した動画配信サービス(FanTech 事業)を展開する株式会社Nagisaの株式取得(子会社化)。連結子会社であるMedia Do International, Inc.を通じてFirebrandグループ(出版ワークフロー管理や書誌情報管理サービスを提供するQuality Solutions, Inc.、書籍のWebマーケティングツール「NetGalley」を提供するNetGalley, LLC)の株式及び持分を取得(子会社化)。書籍・雑誌を出版・販売する株式会社日本文芸社の株式取得(子会社化)。紙出版取次大手である株式会社トーハンと資本業務提携。株式会社MyAnimeListがIPホルダーなど複数の割当先に第三者割当増資を実施したことにより、持分法適用会社化。NFTマーケットプレイス「FanTop」サービス開始。小説投稿サイトの運営、書籍化・映像化等のプロデュースを手掛ける株式会社エブリスタの株式を取得(子会社化)。連結子会社であるNetGalley, LLCの英国現地法人NetGalley UK Ltd.を通じて、欧米・北米を中心に出版社向け直販サイトをSaaSで提供する英国Supadü Limitedの株式取得(子会社化)。株式会社エブリスタの株式を追加取得、完全子会社化。株式会社インプレスR&Dとの共同新設分割により株式会社PUBFUNを設立。バスケットボールクラブ「徳島ガンバロウズ」の運営法人として株式会社がんばろう徳島を設立。東京証券取引所の市場区分の見直しにより、東京証券取引所の市場第一部からプライム市場に移行。株式会社クレディセゾンとの資本業務提携を実施、当社運営電子書店「コミなび」を「まんがセゾン」としてリニューアル。縦スクロールコミック専門の新レーベル「YUZU comic」を設立。株式会社Nagisaの全株式を譲渡。当社及び株式会社MyAnimeListが海外向け電子コミック配信サービス提供に向けて株式会社NTTドコモ、株式会社アカツキ、株式会社HykeComicと業務提携。(注)1.公式サイト公式サイトとは、携帯電話会社のインターネット接続メニューに登録された携帯電話会社公認のサイトのことをいいます。2.「Contents Agency System(CAS)」「CAS」は、当社が開発した著作物のデジタル流通に必要な機能をワンストップで提供できるシステムソリューションであります。電子書店を運営するストアシステムとデジタルコンテンツの配信を管理する配信システムで構成されております。3.電子書籍ビューア電子書籍ファイルを表示・閲覧するためのソフトウエアのことをいいます。
事業の内容 3【事業の内容】
 当社グループは、事業持株会社である当社(株式会社メディアドゥ)、子会社16社及び関連会社3社により構成されております。ビジョンには、「ひとつでも多くのコンテンツを、ひとりでも多くの人へ」を掲げ、日本国著作権法第一章 総則の第一条に謳われる「著作物は文化の発展に寄与」、「著作物の利用と保護の調和」を第一義に、デジタル化された数多くの著作物をより多くの人に届け、その利用における適正な対価を著作者に還元し、また新たな著作物が創造されるよう“著作物の健全なる創造サイクル”を実現することを目指しております。 具体的には、『電子書籍流通事業』と『戦略投資事業』としてセグメントを区分し、事業を展開しております。 『電子書籍流通事業』は、電子書籍の流通拡大に貢献する役割を担い、当社の中核事業となっている取次事業に加え、自社運営電子書店“コミなび”を株式会社クレディセゾンとの業務提携によりリニューアルした“まんがセゾン”等の事業によって構成されています。『戦略投資事業』は、インプリント事業/IP・ソリューション事業/国際事業/FanTop事業の4事業によって構成され、電子書籍流通事業に比肩する第二の収益軸の確立に向けて、出版バリューチェーンの上流・下流の双方で多様なサービス・ソリューションを提供しております。 それぞれの事業の内容は以下の通りであります。(1)電子書籍流通事業 電子書籍流通事業では、国内出版社をはじめとするコンテンツホルダーから電子書籍コンテンツを預かり、システムを介して電子書店向けに取次を行うことを主業務としております。取次業務については、各出版社と各電子書店間の個別契約仲介や、デジタルデータの検証作業、自社システムへの登録、各電子書店への配信及び自社運営の電子書店での販売等、幅広く電子書籍流通を推進しております。 システムソリューション以外の面においても、営業・サポート体制を構築し、戦略企画、電子書籍運営コンサルテーション、電子書店サイト制作・運営サポート、各出版社・電子書店のキャンペーンの管理等を行っております。 具体的には、下記のような2つのサービス形態を中心とした事業展開をしております。① 「電子書籍取次」  電子書店向けに電子書籍コンテンツの取次販売を行っております。② 「自社電子書店の運営/電子書籍ストアシステムの提供」資本業務提携契約を締結している株式会社クレディセゾンと自社運営電子書店“まんがセゾン”の運営を行っております。また、アライアンスパートナー企業が運営する電子書店に対して、電子書籍ストアシステムを提供しております。 ①及び②の事業者向けのサービスとしては、電子書籍コンテンツ、電子書籍配信システム、電子書籍ストアシステム、電子書店運営ノウハウをパッケージで提供しており、クライアントからの様々なニーズにワンストップで対応しております。(2)戦略投資事業 戦略投資事業では、第二の収益軸の確立に向けて、インプリント事業/IP・ソリューション事業/国際事業/FanTop事業の4事業を展開しています。①インプリント事業 グループ内連携によるコンテンツ制作や原作創出によって、出版プラットフォーム機能の強化・拡大を目指します。主要子会社としては、実用書/コミック/雑誌等を中心に紙・電子を問わず取扱う出版社の株式会社日本文芸社、女性向けマンガレーベルの“ネクストf Lian”を運営するジャイブ株式会社、小説投稿サイト“エブリスタ”を運営する株式会社エブリスタ、マンガのカラーリングや作画支援を行うアルトラエンタテインメント株式会社が含まれます。② IP・ソリューション事業 出版社から消費者まで電子書籍にまつわる様々な関係者に対してサービスを展開することで、新たな事業機会を創出するとともに、国内の出版市場を活性化させることを目指します。主な子会社/サービスとしては、書籍の要約コンテンツを提供するサービス“flier”を運営する株式会社フライヤー、電子図書館プラットフォーム提供で世界最大手である米国のOverDrive,Inc.との業務提携によって国内の電子図書館導入を推進している電子図書館事業、株式会社インプレスホールディングスとの合弁会社でPODサービスを提供する“PUBFUN”、電子書籍の売上管理及び紙・電子の統合印税管理システムを提供する“PUBNAVI”等が含まれます。③ 国際事業 米国5大出版社を顧客に持つグループ会社の海外における出版社ネットワークを活かし、日本発のコンテンツを世界に流通させるほか、海外の出版DXのノウハウを国内の出版社に展開することによって、当社グループの事業ミッションを国際的に展開することを目指します。主要子会社としては、海外におけるホールディングス機能を担う米国のMedia Do International, Inc.と、編集、制作、マーケティング、広報から売上管理まで出版に関わるワークフロー全体を一元管理できるERPツールを提供する米国のQuality Solutions, Inc.、書籍のWebマーケティングツールを提供する米国のNetGalley, LLC.及び出版社の自社ECシステム構築ツールを提供する英国のSupadü Limitedが含まれます。④ FanTop事業 当社が自社開発・運営するNFTマーケットプレイスである「FanTop」を通じ、リアル書店・紙書籍出版をはじめとした出版業界の活性化とコンテンツ業界のさらなる発展を目指します。 具体的には、紙書籍にデジタルアイテム・音声・映像・電子書籍等のNFTデジタルコンテンツを付帯する「NFTデジタル特典付き出版物」の取組みに注力しています。この「NFTデジタル特典付き出版物」の累計発行部数は240万冊を超えており、累計発行部数の増加に伴い「FanTop」上で流通するコンテンツ数と「FanTop」の会員数は着実に増加しています。今後も「NFTデジタル特典付き出版物」の累計発行部数の増加に注力する他、「FanTop」を用いたプロモーション施策の導入を出版業界以外にも広げていくことで「FanTop」の拡大を図ります。
関係会社の状況 4【関係会社の状況】
名称住所資本金(百万円)主要な事業の内容議決権の所有(又は被所有)割合(%)関係内容(連結子会社) ㈱フライヤー東京都千代田区497テキストの要約サイト運営65.6役員の兼務アルトラエンタテインメント㈱東京都千代田区10電子コミックのカラーリング事業100.0役員の兼務経営指導業務受託資金の貸付㈱メディアドゥテック徳島徳島県徳島市45オペレーション業務受託100.0役員の兼務経営指導業務受託・委託資金の貸付ジャイブ㈱東京都千代田区10書籍・雑誌の企画、編集、出版及び販売100.0役員の兼務経営指導業務受託資金の貸付㈱日本文芸社東京都千代田区100書籍・雑誌の企画、編集、出版及び販売100.0役員の兼務電子書籍の仕入経営指導資金の貸付㈱エブリスタ東京都千代田区50小説投稿サイトの運営、出版関連事業100.0役員の兼務経営指導業務受託㈱がんばろう徳島徳島県那賀郡50バスケットボールチームの運営68.0役員の兼務業務受託Media Do International, Inc. (注)1アメリカカリフォルニア州千US$26,702電子書籍取次、海外事業統括100.0役員の兼務経営指導業務委託Quality Solutions, Inc.アメリカマサチューセッツ州千US$348出版ワークフロー管理・書誌情報管理サービスの提供100.0(100.0)-NetGalley, LLC(注)1アメリカマサチューセッツ州千US$4,501書籍Webマーケティングツールの提供100.0(100.0)-NetGalley UK Ltd.(注)1イギリスハンプシャー州千£5,564書籍Webマーケティングツールの提供100.0(100.0)-NetGalley France SARLフランスパリ千€40書籍Webマーケティングツールの提供100.0(100.0)-Supadü Limitedイギリスロンドン千£0出版Eコマースソリューションの提供100.0(100.0)-その他3社 (持分法適用関連会社) ㈱MyAnimeList東京都千代田区300アニメ・マンガのコミュニティサイトの運営30.3役員の兼務業務受託テック情報㈱徳島県板野郡230ソフトウェア開発25.0-㈱PUBFUN東京都千代田区10POD出版サービス事業49.0役員の兼務(注)1.特定子会社に該当しております。2.議決権の所有割合の( )内は、間接所有割合で内数であります。3.有価証券届出書又は有価証券報告書を提出している会社はありません。
従業員の状況 5【従業員の状況】
(1)連結会社の状況 2024年2月29日現在セグメントの名称従業員数(人)電子書籍流通事業183(66)戦略投資事業330(18)全社(共通)93(6)合計606(90)(注)1.従業員数は就業人員であり、臨時雇用者数(アルバイト、パート及び嘱託社員を含み、人材会社からの派遣社員は除く。)は、年間の平均人員を( )外数で記載しております。2.全社(共通)として記載されている従業員は、管理部門に所属しているものであります。 (2)提出会社の状況 2024年2月29日現在従業員数(人)平均年齢(歳)平均勤続年数(年)平均年間給与(千円)316(15)35.6歳5.26,023 セグメントの名称従業員数(人)電子書籍流通事業158(2)戦略投資事業71(8)全社(共通)87(5)合計316(15)(注)1.従業員数は就業人員であり、臨時雇用者数(アルバイト、パート及び嘱託社員を含み、人材会社からの派遣社員は除く。)は、年間の平均人員を( )外数で記載しております。   2.平均勤続年数は、当社が吸収合併した会社での勤続年数を通算しております。3.全社(共通)として記載されている従業員数は、管理部門に所属しているものであります。 (3)労働組合の状況 労働組合について特記すべき事項はありません。 (4)管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異 提出会社当事業年度管理職に占める女性労働者の割合(%)(注)1男性労働者の育児休業取得率(%)(注)2労働者の男女の賃金の差異(%)(注)1、3全労働者正規雇用労働者パート・有期労働者30.7100.073.473.547.5(注)1.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。   2.「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の4第1号における育児休業等の取得割合を算出したものであります。   3.賃金制度は男女に共通であり、男女の賃金の差異は等級・年齢構成の相違によるものであります。
経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】
 当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下の通りであります。 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (1)会社の経営の基本方針 当社グループは、著作物を公正利用のもと、出来るだけ広く頒布し著作者に収益を還元するという「著作物の健全なる創造サイクルの実現」をミッションに、「ひとつでも多くのコンテンツを、ひとりでも多くの人へ」をビジョンに掲げ、日本における文化の発展、及び豊かな社会づくりに貢献するため、積極的な業容拡大と企業価値の向上に取り組んでおります。また、日本国著作権法第一章 総則の第一条に謳われる『著作物は文化の発展に寄与』、『著作物の利用と保護の調和』を第一義に、デジタル化されて数多くの著作物をより多くの人に届け、その利用における適正な対価を著作者に還元し、また新たな著作物が創造されるよう“著作物の健全なる創造サイクル”の構築を目指して事業を行っております。 (2)中長期の経営戦略と優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題 当社グループは、2022年4月に、2023年2月期を初年度とする5カ年(2023年2月期~2027年2月期)の中期経営計画(※)を策定し、“Publishing Platformer”としてコンテンツ業界のDXを支えるべく事業を推進しております。 当社グループが持つ最大の「強み」は、電子書籍流通における圧倒的なポジションだと考えております。具体的には、当社グループの取引先は、出版社2,200社以上、電子書店150店以上を数え、流通総額は1,700億円(2024年2月期時点)、電子書籍における流通シェアは約3割(いずれも当社試算)と流通の中核機能を担っていること、加えて、大手出版社の株式会社小学館、株式会社講談社、株式会社集英社等(保有株数順)や紙書籍取次大手の株式会社トーハンが当社株主として参画しており、業界からの支援を得られることなどがあります。当社グループの強みであり最大の資産でもある圧倒的なポジションを生かしながら、正規版を取り扱うことができる取引先との信頼関係とともに、電子書籍流通事業に次ぐ第二の収益軸の構築に向け戦略投資事業として4つの事業を展開しております。(※)中期経営計画における業績目標数値については昨今の外部・内部環境を踏まえ見直し中です。 [経営戦略] ① 紙書籍も含めた出版業界における地位固めと新規事業の収益化による第二の事業軸の確立 当社グループは、各事業を電子書籍流通事業及び戦略投資事業の2つ、さらに戦略投資事業を4つのセグメントに分類し、中期経営計画において以下の取組みを進めております。イ.電子書籍流通事業 a)電子書籍流通事業 アライアンスパートナーとの電子書店のシステム運営と、さらなる流通カロリー抑制と機能追加により、業界のインフラとしての役割の強化を目指すべく、以下の施策を実施。・流通カロリーの抑制による電子書籍市場拡大・顧客密着型対応、システム連携強化によるシェア拡大・データマーケティングなど新たな機能追加・新規商材の確立と文字もの電子書籍市場拡大・アライアンス電子書店の運営ロ.戦略投資事業 b)インプリント事業 グループ連携によるコンテンツ制作と出版プラットフォーム機能の強化・拡大を目指すべく、以下の施策を実施。・出版社である日本文芸社や小説投稿サイトのエブリスタを中心として、コンテンツを生み出す強固な仕組みを確立・出版プラットフォーム機能の強化・メディアミックスの推進 c)IP・ソリューション事業業界連携による新たな事業機会模索を目指すべく、以下の施策を実施。・ビジネス書の要約サイトを運営するフライヤーの法人契約強化・トーハンとの連携による電子図書館の推進や、紙書籍も含めた出版DXの推進・POD事業合弁会社設立など新たなアライアンス推進 d)国際事業 Publishing Service Platformとして、世界におけるメディアドゥグループの存在感の向上を目指すべく、以下の施策を実施。・出版インフラ機能としてのグローバルでの地位確立・新規サービスの世界展開/日本へのDX事例導入・Media Do Internationalの機能・体制拡充 e)FanTop事業 IPホルダーやファンとのつながりの深化と日本発の正規版NFTコンテンツ流通の実現を目指すべく、以下の施策を実施。・出版社との協業により、NFTデジタル特典付き出版物の流通を促進・著者やクリエイターへの印税分配を可能にするNFTエコシステムの実現・エアドロップ機能追加による出版業界以外へのアプローチ・コンテンツホルダーとファンのダイレクトコミュニケーション ② 経営基盤の強化イ.連結経営の強化ロ.優秀な人材の確保ハ.ミッション・ビジョンを軸にしたESG重点テーマへの対応「環境」・当社グループが事業活動において利用する資源・エネルギーの効率化・電子書籍の利用拡大による紙使用量削減と物流に係るエネルギー消費量の抑制「社会」・企業理念に基づく事業活動の遂行(著作物の公正利用と頒布)・著作者、出版社、ユーザー(読者)が安心・信頼して利用できるシステム基盤の構築と強化・地方創生と地域社会活性化「ガバナンス」・サステナビリティ推進委員会による統合型リスク管理の推進と社会課題を踏まえた事業機会の最大化とリスクの極小化・様々なステークホルダーとの対話を通じたコーポレート・ガバナンスの強化・コンプライアンス及びリスクマネジメント強化 [財務戦略・資源配分計画] 当社グループは、高い資本効率と財務健全性のバランスを重視し、企業価値向上のために戦略的に経営資源を配分することを財務戦略の基本方針としております。また、中期的には事業の収益創出力の強化と規律あるキャッシュ・フローマネジメントにより、持続的な成長サイクルの実現を目指しております。 引き続き、有利子負債の返済や利益積み上げを通じた自己資本比率の改善により財務健全性を向上させていくほか、適切な情報開示・IR活動を通じて株主資本コストの低減を図ってまいります。また、財務レバレッジを考慮しつつ負債の規律ある活用も進めることにより、資本効率を向上させながら企業価値の創出に努めてまいります。 設備投資に関しては、企業価値の向上に資する成長のための投資、特にシステム開発を積極的に推進してまいります。なお、各年度の設備投資額は営業キャッシュ・フローの範囲内とすることを原則とし、強固な財務体質を維持し、十分な水準の手元流動性を確保してまいります。 ① 経営資源の配分に関する考え方 当社グループは、当連結会計年度においては連結売上高の91.9%を電子書籍流通事業にて計上しております。電子書籍市場は将来にわたって拡大が見込まれることから、経営資源(人材、投資)は今後も一定程度、電子書籍流通事業に投下する方針であります。 一方で、グループ全体における電子書籍流通事業への偏重がリスクにもなり得るとの認識から、戦略投資事業への経営資源の配分が、グループ全体の企業価値向上にも資するものと考え、回収可能性や、手元現預金及び今後創出するフリーキャッシュ・フローを十分に考慮したうえで、投資を実行してまいります。 更に当社は、株主の皆様に対する利益還元を重要な経営課題と認識するとともに、将来の持続的な成長に必要な設備投資等や経営基盤の強化も重要な経営目標と考えております。そのため、内部留保を確保しつつ、財政状態及び業績動向等、経営状態を総合的に判断して利益配当を行っていくことを基本方針としております。 この方針に基づき、株主の皆様への利益還元については、配当及び自社株式の取得による総還元性向(注)30%以上を念頭に置き、配当と自己株式の取得の配分は、株価水準等に応じて判断いたします。(注)総還元性向=(配当支払総額+自己株式取得総額)/親会社株主に帰属する当期純利益 ② 資金需要の主な内容 当社グループの資金需要は、営業活動に係る資金支出では、事業運営にかかる人件費や業務委託費、広告宣伝費などがあります。また、投資活動に係る資金支出は、競争力の維持・強化に向けたシステム開発などがあります。 ③ 資金調達 当社グループにおける設備投資額は営業キャッシュ・フローの範囲内とすることを原則としております。そのため、事業活動の維持拡大において外部資金が必要となる可能性は低いものと認識しております。 一方、今後において、更なる企業価値向上に資するM&A等のための追加的な資金需要が生じる可能性もあります。その際には、内部資金及び外部資金を有効に活用することとしますが、外部資金が必要となる場合には、高い資本効率と財務健全性とのバランスを考慮のうえ、最適な資金調達手段を選択いたします。 [経営目標]連結2023年2月期実績2024年2月期実績2025年2月期計画売上高1,016億円940億円980億円営業利益23.9億円20.6億円23.0億円EBITDA38.6億円33.9億円35.6億円親会社株主に帰属する当期純利益10.5億円△3.1億円13.3億円RОE6.3%△1.9%8.0% [対処すべき課題] 当社グループを取り巻く外部・内部環境はここ数年で大きく変化しています。具体的には、マンガをはじめとした電子書籍が広く人々の生活に浸透し、電子書籍市場は成長期から次第に成熟期を迎えております。こうした状況下において、取り扱うキャンペーン管理数の急増や運用の煩雑化によって取引先から当社に期待される役割も変化しています。 ① 基盤システム・情報セキュリティの強化 電子書籍流通事業における取次基幹システムは、出版社や電子書店がコンテンツ制作やサービス・プロモーションの強化に一層注力できる環境を整え、コンテンツの流通カロリーを低減する役割を果たすべく、両者間における契約手続き、売上印税管理、キャンペーン管理等、煩雑化する事務負担の軽減とオペレーションの効率化を目指した絶え間ない改善に取り組んでおります。また、各社からの要望に応えるためのシステム開発を実施しているほか、当社のエンジニアを出版社へ参画させることでシステム連携の強化を実施しており、当社の電子書籍取次への期待や高まる需要に応えるとともに、基盤システムの強化に努めております。 このように当社グループが今後も安定した事業運営を行うためには、情報及びデータセキュリティの強化が重要であると認識しております。セキュリティ強化に向けた取組みとして、異常値やインシデントに対しては一定の基準を設け、担当部門がデータやシステムに対するアクセスを常に監視し、実際に異常が見られた場合には、情報セキュリティ管理統括責任者と密に連携を取りながら、問題への迅速な対処並びに再発防止に努める等の対策を進めてまいりました。これらに加えて、引き続き変化の多い市場環境や技術動向に対応すべく、情報セキュリティ規程の整備と施行、及び社内研修の実施、情報セキュリティリスクアセスメントの実施、EDR(Endpoint Detection and Response)やシャドウIT、情報漏洩等の不正監視の強化に向けたCASB(Cloud Access Security Broker)の導入等を遂行し、今後もより安全で最適なサービスの運営・開発・運用体制の整備に取り組んでまいります。 ② 事業の基盤強化 当社グループが市場での競争優位性を確立し企業として成長を持続するためには、経営資源の確保と高度化に努め、電子書籍流通事業の強化を図りながら、第二の収益軸の確立に向けた戦略投資事業に対する積極的な取組みが必須であります。そのための課題点と対応の方向性は、以下の通りであります。ⅰ)電子書籍流通事業における付加価値提供及び効率的な運用 当社グループの主力事業である電子書籍流通事業において、当社は国内最大の電子書籍取次事業者となっております。新型コロナウイルス感染症の影響による屋内エンタテインメント需要の高まりにより、マンガをはじめとした電子書籍が広く人々の生活に浸透したことで、電子書籍市場そのものは成熟期を迎えつつある一方で、話配信・巻配信等配信形態の多様化や、キャンペーン管理数及び取扱いコンテンツ数は6年間(2019年2月期~2024年2月期)で3倍超に増加しております。当社が出版社や電子書店からの高まるニーズに応えながら電子書籍市場の拡大に貢献し続けていくためには、技術革新やノウハウ共有等によって組織の効率化と強化を進め、オペレーショナル・エクセレンスを確立する必要があります。 具体的には、電子書籍取次システムの機能拡充や、各書店で随時、かつ無数に展開されるキャンペーンや販促施策等の情報連携・管理等をよりスピーディかつ正確に実施するほか、電子のみならず紙出版も含めた売上・印税管理システムの開発提供等、出版バリューチェーンの上流・下流を問わない効率化・高度化の実現に注力いたします。加えて、業務プロセス見直しや社内DX、管理コスト抑制策を推進し、利益率の改善を図ってまいります。ⅱ)M&A・資本提携・事業ポートフォリオ見直しへの取組み 当社グループが事業を展開する電子書籍業界においては、縦スクロールコミックといった新たなスタイルの電子書籍の勃興やボーダレス化の加速等、市場環境や顧客ニーズ、競合の状況が常に変化しております。また電子書籍に限らず、当社が提唱するNFTテクノロジーを活用したデジタルコンテンツの新たなあり方も含めると、今後も変化の激しい事業環境になることが想定されます。このような事業環境において、電子書籍取次に次ぐ新たな収益軸の構築や非連続な成長を実現するためには、M&Aや他社との協業、資本提携も重要な課題であると考えております。 当連結会計年度においては、事業の新陳代謝を図り、経営資源配分の適正化を図るべく、引き続き事業ポートフォリオの見直しと入れ替えを行うとともに、運営を厳格化し、見直し基準をROIC8%として設定しました。買収3年目以降に当該基準を下回ることが見込まれた場合は、対象会社又は事業のピボット、経営者交代、売却・撤退等の実施を検討いたします。 この基準に基づき、当連結会計年度においては、子会社日本文芸社における役員体制の変更を行い、縦スクロールコミック事業については国内外の他社スタジオと協業したオリジナル作品の制作から撤退したほか、投資有価証券の売却を実施いたしました。ⅲ)将来に向けた研究開発・戦略投資事業への取組み スマートフォンの普及にはじまり、5Gの高速通信環境整備、さらに新型コロナウイルス感染症の感染拡大により社会のあり方は大きく変わり、リモートワークの浸透等、人々の生活様式のデジタル化は一層進行しました。他方、新型コロナウイルス感染症の感染拡大前の生活を取り戻しつつある近頃においては、国内出版市場についても電子書籍市場は順調に推移する一方で、特に紙書籍出版と、それらを取り扱うリアル書店の衰退・減少は続いており、これらは出版業界の深刻な課題の一つとなっております。当社は、これまで電子書籍流通事業で培ってきた信頼と出版業界におけるポジションを活用し、第二の収益軸となる戦略投資事業の確立、ひいては出版業界の活性化と新たなビジネス機会創出を目指し事業に取り組んでまいります。 具体的には、戦略投資事業のうち、一つはFanTop事業として、デジタルコンテンツの新たな在り方を提唱し、それらの流通に最適なNFTコンテンツプラットフォームを目指すべく、紙本にNFTテクノロジーを活用したデジタルコンテンツを付帯するサービス(NFTデジタル特典)を推進しております。FanTop事業を発表して2年半以上が経過しましたが、NFTデジタル特典付き出版物の発行部数は累計240万冊超にのぼります。 その他、当社グループにおける原作創出機能を強化すべく、小説投稿サイトであるエブリスタや出版社である日本文芸社への取組みを強化してまいります。日本文芸社については紙資源や印刷費・運送費の高騰等、外部環境の影響による費用の増加や、営業力やマーケティング力の不足といった課題が顕在化してきております。このような状況から脱するべく、全社におけるコストコントロールや、営業力の強化、作品の制作プロセスの見直し、そして役員体制の変更による抜本的な改革に着手しております。iv)海外事業展開の推進 当社グループの主力事業である電子書籍流通事業は主に国内で事業を展開しており、依然として連結売上高のほとんどが国内市場からもたらされていることから、収益構造の事業的・地理的な分散を図る必要があると認識しております。 一方で、現在の中期経営計画では、子会社であるMedia Do International, Inc.を通じたM&Aによりグループ化した企業群を軸に海外事業の一層の拡大を図る方針を掲げております。具体的には、2021年1月に買収した米Quality Solutions, Inc.(Firebrand Technologies)、米NetGalley, LLC及び2022年2月に買収した英Supadü Limitedを中心として欧米出版社とのネットワーク構築、日本及びアジアの出版業界への出版IT技術導入といった出版バリューチェーンを支えるSaaS型ソリューションビジネスの拡大を図り、Global Publishing Platformの確立を目指します。いずれもSaaS型のビジネスモデルで低いチャーンレートを誇り、法人契約数の積上げにより増収増益基調にあります。 加えて、当社は2018年よりインターネット技術の世界的標準化推進団体である「W3C (World Wide Web Consortium) 」に加盟、さらにMedia Do International, Inc.にてPresident & CEOを務める塩濵大平氏は2019年2月よりW3C内のPublishing Business Groupの共同議長を、2021年1月からは日本人初となるW3Cのエヴァンジェリストを務めております。こうした海外ネットワークを活用し、当社グループは電子書籍の国際標準規格策定への提言活動をより強化することで、日本の出版文化の維持・保護に努めてまいります。また、アジアの代表として出版業界全体のデジタル化を推進することで存在感を発揮し、海外事業の成長につなげてまいります。 ③ 優秀な人材の確保 当社グループは、イノベーターとして電子書籍市場の成長促進、既存事業にとらわれない新規事業創出、グループ会社の経営管理体制強化に貢献する人材を確保し育成することが、さらなる業容拡大や業界におけるポジションの差別化、事業を通じた業界・社会貢献の継続のために、非常に重要であると考えております。また、サステナブルな事業体の実現に向けては、財務的な観点のみならず、人的資本や技術開発投資をはじめとした非財務的な観点を含めた経営資源の適正な配分が不可欠と認識しております。 主力事業である電子書籍流通事業においても、その他の事業においても、そのほとんどがBtoBのサービス提供となっており、常に出版・コンテンツ業界における課題を解決し続けることで企業の付加価値を提供しております。社員一人ひとりが取引先をはじめとした目の前のステークホルダーと向き合い、課題を解決するためには、社員の成長が不可欠であり、当社としても成長を促す機会や制度を充実させる必要があります。係る中、2024年3月に新たな人事制度を導入いたしました。新たな制度は、自発的な行動変容と成果創出を促す仕組みとして実効性と整合性を高めるために整理・設計し、各等級における役割と責任、評価基準、育成方針等を明確化したほか、従来までの制度と比べ、各人のパフォーマンス次第でより柔軟性をもって昇降格ができるように設計いたしました。また、「人材基本方針」を踏まえ、働き方改革への対応、社内教育制度の整備を図ることで採用及び定着の強化につなげてまいります。 ④ コーポレート・ガバナンスの強化 当社グループは、これまでに、執行役員制度及び取締役の任期1年制の導入による責任体制の明確化や、社外取締役3名を含む独立役員の要件を充足する社外役員の招聘による監督・監査機能の強化、取締役会付議基準の見直しによる意思決定の迅速化及び取締役会全体の機能向上等、コーポレート・ガバナンスの実践に努めてまいりました。加えて、経営の透明性・公正性・迅速性の維持・向上及びガバナンスの中核を担う取締役会全体のさらなる機能及び実効性の向上に向けて、当社グループにおける「コーポレート・ガバナンス基本方針」及び「コンプライアンス基本方針」の策定や取締役・監査役の資質の明示(スキルマトリックス)、ダイバーシティを意識した取締役構成を行い、2021年6月には任意の指名報酬諮問委員会を設置いたしました。2023年5月には当社初の社内昇格による女性取締役を選任し、当連結会計年度末における女性取締役比率は37.5%となりました。また、2022年6月からは、環境問題や社会課題を、事業活動及び企業価値創造にインパクトを与え得るファクターとして、より経営戦略に取り込むべく、リスク管理委員会を改組しサステナビリティ推進委員会を設置する等、不断の改善に取り組んでおります。 今後も持続的な成長を遂げ、ひいては中長期的な企業価値の向上を図るためには、さらなるコーポレート・ガバナンスの実践・強化が重要な課題の一つであると認識しており、財務情報をより正確に、かつ分かりやすく提供することはもとより、経営戦略、ガバナンスや社会・環境問題に関する事項等いわゆる非財務情報を具体的かつ積極的に提供する等の情報開示の充実、株主との建設的な対話を促進することを含むIR活動のさらなる強化に努めてまいります。 ⑤ サステナビリティ推進 当社グループにとってのサステナビリティとは、自らの事業・提供サービスが健全な経済社会の形成と著作物がもたらす文化の発展に貢献するという責任と自負をもって、役職員が一丸となって積極的に企業活動に取り組むことであると考えております。こうした考えのもと、SDGs(持続可能な開発目標)に代表される環境問題・社会課題に対してもミッション・ビジョンを軸にした経営・戦略を推進し、ESG(環境・社会・ガバナンス)の切り口で事業機会とリスクを整理しながら、社会課題の解決と持続的な成長を両立させ、企業価値の向上を果たしていくことをサステナビリティ方針として掲げております。 当社では代表取締役副社長CFOが委員長を務めるサステナビリティ推進委員会が主体となって社会情勢やステークホルダーからの要請を把握し、自社の中長期的なミッション・ビジョンとの整合を図りながら、経営企画部を推進部署としながら各部門とも連携し経営計画を立案しております。この経営計画及びESGにおける重点テーマに基づき、各部門やグループ会社が取り組むべき具体的なサステナビリティ戦略や目標を設定し、推進主体が定期的にモニタリングすることで推進を図っております。そのような活動の中で、2023年5月には長期的かつ持続的な企業価値向上を実現するにあたり、10個の対処すべき重要な経営課題(マテリアリティ)を特定いたしました。詳細は、下記当社ウェブサイトをご覧ください。https://mediado.jp/sustainability/
事業等のリスク 3【事業等のリスク】
 当社グループでは、リスク発生の抑制及び会社損失の最小化を図ることを目的として「リスク管理規程」を制定しております。それに基づき、持続的成長や事業活動の遂行に影響を与える可能性のあるリスクの抽出、評価及び対策について、サステナビリティ推進委員会(原則、四半期に1回開催)が主体となって全社リスクに関する検討並びに評価(アセスメント)を行うとともに、各リスクに対するリスクオーナーを指名、明確化することで対応の実効性の担保に努めております。またリスクアセスメント結果については、取締役会に報告することとし、取締役会は、経営目線でのリスク間の相対的な関連性を検討・考慮した上で、対処すべきリスクの優先順位を決定し、対策実施の指示をすることとしております。 重要と判断したリスクについては、当社グループの各事業、コーポレート部門、マネジメント等の各レイヤーが当該リスクの内容に応じた対応・対策を検討・協議し、サステナビリティ推進委員会がその進捗をモニタリングのうえ、継続的な改善を図るよう努めております。監査役は取締役会への参加、重要書類の閲覧・確認、会計監査人との連携等を通じて、対処すべき優先順位の高いリスクについて有効な対策が実施されているかをモニターしております。加えて、コンプライアンスに関連する方針や規程を制定し、当社グループの役職員が遵守すべき法令、ルールを定め、内部監査等により遵守状況の確認を行っております。  なお、リスクの抽出においては、リスクを戦略遂行リスクとオペレーショナルリスクに分類しており、それぞれは以下の通り定義しております。 (1) 戦略遂行リスク 経営方針の策定及び事業戦略の遂行にあたり、企図する成果や効果が予定通り獲得できない可能性の程度及びその発生可能性であり、持続的成長を実現するにあたり、影響の範囲・程度を認識しつつ、対応策も含め検討するリスク
(2) オペレーショナルリスク 戦略遂行を支えるオペレーション上の事象・障害の発生可能性及び損失可能性であり、事業遂行上、一定以下に抑制すべきリスク <リスクマネジメント体制>  上記を踏まえ、本書に記載した当社グループの事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資家の投資判断上、重要であると考えられる事項については下記の通りであります。 当社グループは、これらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針でありますが、当社株式に関する投資判断は、以下の記載事項及び本項以外の記載事項を、慎重に検討した上で行われる必要があると考えております。また、将来や想定に関する事項には、不確実性が内在しており、あるいはリスクを含んでいるため、実際の結果と大きく異なる可能性もあります。以下の記載は、投資家に対する積極的な情報開示を目的として発生頻度や内外要因分析をマッピングするなどして記載しておりますが、当社株式への投資に関連するリスクを全て網羅するものではありませんので、この点ご留意ください。なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであります。 (1)当社グループの事業環境等に関するリスクについて① 電子書籍業界の成長性について 当社グループにおける「電子書籍流通事業」は2024年2月期現在、売上高が86,402百万円で連結売上高全体の91.9%を占める基幹事業であります。電子書籍市場は拡大を続けておりますが、法制度や規制又は特許等による参入障壁は低く、またコンテンツ提供元である出版社等も非独占的にコンテンツ提供を行っております。 一方で、「電子書籍取次」においては、多くの出版社等と取引関係を構築することに時間を要するため、新規参入には一定の障壁があると思われますが、「電子書店」や「出版事業」については今後、さらなる競合他社の参入増加や縦スクロールコミックといった新たな出版コンテンツ等の伸長も予想されます。また、ユーザーの嗜好の急激な変化への対応の遅れによりサービス・ソリューション提供機能や技術の陳腐化・コモディティ化を招いた場合や業界における取引慣行や価格体系が変化した場合など、計画策定時の想定を超える不確定要素が顕在化した場合には、当社グループの経営方針や経営戦略の変更を余儀なくされ、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。影響度対応策競争環境の変化等によって、大きな業績影響(数億円~10億円超)が生じる可能性があります。引き続き電子書籍市場の拡大に注力するとともに、流通カロリーの低減に向けた顧客密着型対応や、出版社や電子書店とのシステム連携の強化等、業界のインフラとしての役割の強化に向けて、コンテンツラインナップの充実や当社グループが提供する配信システムの強化、ユーザーニーズに適合したサービス・ソリューションの開発・提供や先進技術への対応等により、出版市場全体とユーザーのすそ野拡大への寄与だけでなく、競合他社との差別化を図ってまいります。 ② 外的要因(自然災害等)による事業への影響について 当社グループは、インターネットや通信などの各種サービスの提供に必要な通信ネットワークや情報システムなどを構築・整備しています。しかしながら、不測の大規模地震や台風・豪雨・大雪、及び火山活動などの自然災害、火災や停電・電力不足、テロ行為・コンピューターウイルス・不正アクセスなどの攻撃により、通信ネットワークや情報システムなどが正常に稼働しなくなった場合には、当社グループの事業活動・各種サービスの提供に支障をきたす可能性があります。これらの影響が広範囲にわたり、復旧に相当時間を要した場合、信頼性や企業イメージが低下し、顧客の獲得・維持が困難になり、また、通信ネットワークや情報システムなどを復旧するために多額の費用負担が発生するなどにより、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。影響度対応策事業活動等に支障が生じることで、中~大程度の業績影響(数億円~10億円規模)が生じる可能性があります。当社グループは、出版コンテンツにおける社会インフラの役割を担う立場として、著作者、出版社、ユーザー(読者)が安心・信頼して利用できる仕組みの持続可能な提供を目指しており、システムや業務の冗長化に向けた対策の実施および対策組織の体制構築に取り組んでおります。また、リスク管理規程に紐づく経営危機管理マニュアルや危機管理広報マニュアル等、有事対応のマニュアル化やBCP策定について継続的に協議・検討を進めている等、不慮・不測の事態に備えた取り組みを進めております。 ③ 海賊版サイト等の影響について 電子書籍コンテンツは海賊版や模倣品が流通することによって出版社や著作権者等に不利益をもたらします。当社グループでは、当社と出版各社等が設立、初代代表理事を現当社顧問である新名新氏が務める一般社団法人ABJでの活動を通じて、出版社やインターネットサービスプロバイダー等と協働し、海賊版サイトの情報収集、正規版サービスの認定ならびに認定マークの付与、海賊版対策全般の啓蒙活動に取り組んでおります。他方、政府主導により著作権等の法制度改正・整備といった対応策も進んでおりますが、仮に電子書籍コンテンツの知的財産権について、長期にわたり大規模な侵害行為を受けた場合には、その侵害行為によって生じる機会損失が当社グループの収益に影響を及ぼす可能性があります。影響度対応策海賊版サイト等の利用者が増加し、被害が拡大することで、中~大程度の業績影響(数億円~10億円規模)が生じる可能性があります。足元では、海外に拠点を置く中小規模のサイトの存在を多数確認しております。これらのうち上位サイトが同時に大量閉鎖する等、海賊版サイトへのアクセス数はピークの時期と比較して4分の1程度まで減少していながらも、完全に撲滅するには至っておらず、引き続き出版業界や政府とも連携しながら、運営者の特定やサイトの閉鎖といった対応を進めてまいります。 ④ 特定業界・取引先からの仕入依存について 当社グループは国内最大手の電子書籍取次事業者として出版業界を主たるマーケットとしております。したがって「電子書籍流通事業」では、各種コンテンツを様々な出版社を中心に仕入れております。特に、大手出版社にコンテンツが集中することなどから、当社グループの電子書籍コンテンツの仕入総額に占める大手出版社の比率は、ここ数年来高止まりの傾向が継続しております。中長期的には、電子書籍市場の拡大とともにユーザーニーズも多様化して、特定の仕入先への依存度は低くなっていくものと考えておりますが、当面の間はこれらの大手出版社等に対する仕入依存は高いまま推移すると予想しております。 これらの大手出版社等とは電子書籍市場拡大に向けた協力体制を維持し友好関係を構築しておりますが、永続的な取引が確約されているものではなく、取引条件の変更等があった場合には、当社グループの経営成績及び今後の事業展開に影響を及ぼす可能性があります。影響度対応策取引条件の変更等が生じることで、中~大程度の業績影響(数億円~10億円規模)が生じる可能性があります。取引先との条件交渉の頻度は高くないものの、定期的な見直しを取引先、当社の双方にて実施しております。引き続き、電子書籍市場拡大に向けた協力体制を維持する一方、電子書籍取次ビジネスに加えて、第二の収益軸の構築に取り組んでまいります。 ⑤ システム・情報セキュリティリスクについて 当社グループのサービスは、スマートフォン等の端末によるインターネット接続により行われておりますが、当社グループのサービスに対するアクセスの急激な増加等、一時的な負荷増大によって当社グループ又は通信キャリアのサーバが作動不能に陥った場合や、当社グループのハードウエア又はソフトウエアの欠陥により正常な情報発信が行われない場合には、システムが停止しサービス提供が不可能となる場合があります。さらには、外部からの不正な手段によるコンピューター内への侵入や当社グループ担当者の過誤等によって、当社グループや取引先のシステムが置き換えられたり、個人情報や取引先情報等の重要なデータを消失又は不正に取得されたりする可能性があります。 当社グループとしては、侵入防止策、担当者の過誤を防止する体制を採っておりますが、このような障害やアクシデント等が発生した場合には、当社グループに直接損害が生じる他、当社グループの社会的信用・信頼の低下を招きかねず、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 影響度対応策当社の一部事業における停止や、当社への信頼・評判が毀損することにより、中程度の業績影響(数億円規模)が生じる可能性があります。当社では、IT統括部にて情報セキュリティ規程及び関連細則の整備と施行、情報セキュリティハンドブックの作成・配布、情報セキュリティ関連の社員教育をe-ラーニングで配信しているほか、情報セキュリティリスクアセスメントの実施、EDR(Endpoint Detection and Response)やCASB(Cloud Access Security Broker)の導入等を実施し、セキュリティ強化に努めています。引き続き、営業活動やシステム開発、バックオフィス業務などを含む全社横断の情報セキュリティ対策に継続して取り組んでまいります。 ⑥ 投資や減損に関するリスクについて 当社グループにおける2024年2月期現在の投資項目の計上額は、ソフトウエアが590百万円、のれんが5,765百万円、投資有価証券が5,870百万円となっております。 当社は新規事業開発やシステム開発、他企業の株式取得等において、取締役会の下に設置された投資委員会等の会議体にて慎重な検討を行ったうえで投資判断を実行しておりますが、競争環境の激化等の要因によって当初計画通りの事業進捗が実現しない場合、減損や想定以上の費用等が発生するため、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。影響度対応策事業推進遅延等の影響が生じることで、中~大程度の業績影響(数億円~10億円規模)が生じる可能性があります。当社グループは、資本コストや資本収益性を常に意識しながら規律ある投資行動と効率的な事業運営に努めることで、創出する事業価値の最大化に取り組んでおります。また、これら投資の実行と併せて、経営・事業の多角化を図りながら最適な事業ポートフォリオの構築に向けた事業や投資先の評価基準としてROIC基準を8%に定め、モニタリング体制等のプロセス全体の改善に取り組んでまいります。 (2)当社グループの運営体制等に関するリスクについて① 人材の獲得について 当社グループが今後さらに成長していくためには、事業推進者、コンテンツ拡充のための企画・開発・運営担当者、システム技術者及び拡大する組織に対応するための管理担当者など、各方面での優秀な人材をいかに育成・確保していくかが重要になります。当社グループでは優秀な人材の育成・確保に努めておりますが、適切な人材の獲得・配置及び育成が円滑に進まない場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。影響度対応策事業推進遅延等の影響が生じることで、中程度の業績影響(数億円規模)が生じる可能性があります。事業推進やシステム開発等において、現時点で大幅な人員不足やプロジェクトの遅延等の影響は出ておりませんが、一層の事業成長を図るなか、エンジニアを中心に人材獲得需要はすでに高まっております。オフィスの一部をフルリニューアルする等、働きやすい職場づくりに取り組んでいるほか、社員一人ひとりが自分の果たすべき役割を意識しながら挑戦をし、組織に貢献するよう促すことで年次に関係なく適切な処遇を実施するために人事制度を刷新しました。引き続き、身体的、精神的、社会的に満たされる職場環境を整備することによって人材の獲得・定着を図ってまいります。 ② 内部管理体制について 当社グループは、企業価値の持続的な増大を図るためにはコーポレート・ガバナンスが有効に機能することが不可欠であるとの認識のもと、業務の適正性及び財務報告の信頼性の確保、さらに健全な倫理観に基づく法令遵守の徹底が必要であると認識しております。 また、当社グループでは、役職員等の内部関係者の不正行為等が発生しないよう、コンプライアンスに関連する規程を制定し、当社グループの役職員が遵守すべき法令、ルールを定めており、内部監査等により遵守状況の確認を行っております。 しかしながら、法令等に抵触する事態や内部関係者による不正行為が発生するといった事態が生じた場合、事業の急速な拡大により内部管理体制の構築が追いつかない等の事態が生じる場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。影響度対応策当社への信頼・評判が毀損することにより、中程度の業績影響(数億円規模)が生じる可能性があります。現時点でコーポレート・ガバナンス上の問題は生じておりませんが、将来の事態発生を抑止すべく、内部管理、内部統制体制の充実を図る必要があるものと認識しており、社員のコンプライアンス意識醸成を目的とした計画的なe-ラーニングの導入や、当社の定めるコンプライアンス行動指針(17項目)の見直しと再整備等、サステナビリティ推進委員会における全社リスクマネジメント活動と併せて実効性の強化に努めてまいります。 ③ 特定人物への依存について 当社グループの代表取締役社長CEOである藤田恭嗣は、当社グループの強みである事業モデルの創出や経営方針及び経営戦略において中心的な役割を果たしております。当社グループは、同氏に対して過度に依存しない経営体制の構築を目指し人材の育成・強化にとどまらず、経営体制の整備に注力しておりますが、同氏が何らかの理由により業務執行できない事態となった場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。影響度発生時期事業推進遅延等の影響が生じることで、中程度の業績影響(数億円規模)が生じる可能性があります。特定人物への依存によって現在生じている影響はありませんが、取締役会及びその諮問機関である指名報酬諮問委員会において、後継者計画の検討と策定に向けた協議を進めており、代表取締役2名体制とすることで迅速な意思決定を可能とするほか、持続可能な企業運営及びボードガバナンスの確立に取り組んでまいります。
経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(1)経営成績等の状況の概要 当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次の通りであります。 なお、当社グループでは展開する事業を『電子書籍流通事業』と『戦略投資事業』の2つのセグメントに区分しております。 『電子書籍流通事業』は、電子書籍の流通拡大に貢献する役割を担い、当社の中核事業となっている取次事業に加え、自社運営電子書店“コミなび”を株式会社クレディセゾンとの業務提携によりリニューアルした“まんがセゾン”等の事業によって構成されています。『戦略投資事業』は、インプリント事業/IP・ソリューション事業/国際事業/FanTop事業の4事業によって構成され、電子書籍流通事業に比肩する第二の収益軸の確立に向けて、出版バリューチェーンの上流・下流の双方で多様なサービス・ソリューションを提供しております。 ① 財政状態及び経営成績の状況 当連結会計年度におけるわが国の経済は、新型コロナウイルス感染症が感染症法上5類に移行したことに伴う行動制限の緩和により、国内における個人消費やインバウンド需要が増加し、経済・社会活動の正常化の動きがみられたものの、ウクライナ情勢をめぐる地政学リスクの長期化や金利・為替相場の変動、物価上昇の進行等もあり、依然として景気動向の先行きは不透明な状況が続いております。 電子書籍市場においては、行動制限の緩和による人流の変化を加味し、出版社や電子書店が広告戦略やマーケティング施策を見直した影響で市場の拡大ペースが鈍化しました。電子書籍市場は今後も成長を続けていくものの、成熟期に入ったものとみております。 なお、2023年における電子出版市場規模は5,351億円となり、前年の5,013億円から338億円増加(6.7%増)いたしました。うち、電子コミックは7.8%増の4,830億円、電子書籍(文字もの)が1.3%減の440億円、電子雑誌が8.0%減の81億円となりました。(出所:公益社団法人全国出版協会・出版科学研究所) このような状況の下、当社グループの当連結会計年度の経営成績及び財政状態は以下の通りとなりました。 a)経営成績 当連結会計年度においては、電子書籍流通事業における主要取引先であったLINE Digital Frontier株式会社が運営する「LINEマンガ」向けのバックエンド業務が株式会社イーブックイニシアティブジャパンへ移管されたことで、一過性の減収影響(約110億円)を受けております。2024年2月に新規商流を獲得したほか、その他の各電子書店向け売上高は順調に成長したものの、一過性の減収影響がその他各書店向けの売上高の伸びを超えるものであったことから連結売上高は前連結会計年度比で減収となりました。 一方、海賊版サイトについては新型コロナウイルス感染症の感染拡大が本格化した2020年以降、アクセス数は増加傾向にありましたが、政府や出版各社、及びインターネットサービスプロバイダー等、関係各所との連携により約20の海外系の海賊版サイトが同時に閉鎖されたこともあり、アクセス数はピークとなった2021年末頃から足もと2024年2月時点では約4分の1の規模にまで減少する等明るい材料も見られます。 戦略投資事業については、成長に向けた投資フェーズが一巡し、全体として赤字幅の縮小と黒字化に向けた事業進捗がみられるものの、事業環境の悪化により一部苦戦する事業もありました。FanTop事業においては事業方針を確立して投資の適正化を図ったことで赤字幅が縮小、SaaS型のビジネスモデルを展開する国際事業の各社及びIP・ソリューション事業のフライヤーにおいては、法人契約数の伸びによりリカーリング収益を着実に積み上げております。他方、インプリント事業の日本文芸社においては、紙資源や印刷費、運送費の高騰等の外部環境の影響も受け、期初予想に対して業績が悪化いたしました。これら戦略投資事業の業績改善や経営リソース配分の最適化のため、一部子会社の役員体制や事業方針の変更等を実施し、事業ポートフォリオの最適化を図っております。 また、当連結会計年度においては、戦略投資事業に関連する特別損失として減損損失1,015百万円、投資有価証券評価損716百万円を計上しております。減損損失については、縦スクロールコミック事業におけるオリジナル作品の制作費用の回収が長期間にわたることを踏まえ同事業に係る無形固定資産の減損を識別するとともに、連結子会社Supadü Limitedにおいては収益面、利益面ともに成長が認められるものの買収当初の事業計画の進捗状況を踏まえ同社に係るのれんの減損を識別したこと等から計上額が多額となっております。投資有価証券評価損については、韓国の縦スクロールコミック制作スタジオへの出資や、メタバース領域における事業連携を企図して2022年に出資した株式会社HIKKYの保有株式等が対象になっております。  以上の結果、当連結会計年度の業績については、次の通りとなりました。  売上高                94,036百万円(前年同期比7.5%減)  営業利益               2,066百万円(前年同期比13.7%減)  経常利益               1,990百万円(前年同期比13.1%減)  親会社株主に帰属する当期純損失     319百万円(前年同期は当期純利益1,057百万円)  EBITDA             3,394百万円(前年同期比12.2%減)  1株当たり当期純損失          21.08円(前年同期は1株当たり当期純利益68.35円)  なお、営業利益の主な増減要因は下記の通りであります。  売上高の減少            △7,630百万円  著作料等の売上原価の減少       7,522百万円  販売費及び一般管理費の増加      △219百万円 (電子書籍流通事業) 電子書籍流通事業については、「コミックシーモア」「Amazon Kindle」等の電子書店へのディストリビューションや電子書籍配信ソリューションの提供を引き続き行いました。2024年2月末時点で、取引先としての出版社は2,200社以上、電子書店は150店以上、取扱コンテンツ数は210万点以上、出版社や電子書店とのキャンペーン管理数は年間1.7万件以上にのぼっており、当社グループは国内最大の電子書籍取次事業者として出版業界の発展に貢献しております。しかしながら上述の通り、当連結会計年度においては海賊版サイトの影響が薄まる一方で、主要取引先における取扱高の減少の影響や、人流の変化を加味した出版社や電子書店のマーケティング施策の見直しの影響を受けました。マンガをはじめとした電子書籍は広く人々の生活に浸透し、電子書籍市場は次第に成熟期を迎えているものの、電子書籍市場の規模が拡大するにつれ、取扱コンテンツ数やキャンペーン管理件数は6年間で3倍超に増加し、話配信の定着等サービス形態が多様化していることもあり、電子書籍の流通にかかる運用コストは年々増加しています。このような環境のもと、2024年2月には新規商流を獲得する等、電子書籍取次の存在意義と期待はさらに高まっており、取引先の業務効率化につながるサービスの改善や、出版社に当社のエンジニアを参画させシステム開発・連携を強化すること等により、流通シェアの拡大を目指してまいります。 その結果、売上高は86,402百万円(前年同期比8.4%減)、セグメント利益は4,910百万円(前年同期比6.4%減)となりました。 (戦略投資事業) 戦略投資事業については、成長投資が一巡し、赤字幅の縮小と黒字化に向けて着実に事業を推進しております。 FanTop事業については、紙書籍に資産性のあるNFTデジタルコンテンツを付帯し、自社開発・運営を行っているNFTマーケットプレイス上にNFTデジタルコンテンツを流通させることで、出版業界及びコンテンツ業界の活性化を目指しております。当連結会計年度については累計発行部数の増加施策に注力し、発行部数の多い雑誌へのアプローチを強化いたしました。その結果、2024年2月末までの累計発行部数は240万冊を突破し、NFTマーケットプレイス上に流通するコンテンツ数及び会員数の増加に寄与しております。 インプリント事業については、小説投稿サイトのエブリスタや出版社の日本文芸社から、有力な原作を輩出しマルチメディア化を推進することで、コンテンツ市場のさらなる拡大に貢献することを目指しております。当連結会計年度においては、ライセンス提案活動の強化やPR機能の強化等を実施したことで、計5作品のテレビドラマ化や作品のノベライズ、コミカライズ等の実績を積み上げることができました。一方で、紙資源や印刷費、運送費の高騰等の外部環境の影響や、一時的にヒット作が谷間になったことから、日本文芸社においては期初予想より業績が大きく悪化いたしました。 IP・ソリューション事業については、出版社から消費者まで幅広く電子書籍に関するサービスを展開することで、主に国内出版市場の拡大を図り、相乗的な収益機会の獲得を目指しております。書籍の要約サービスを提供するフライヤーは、SaaS型のビジネスモデルを展開しており、累計の法人契約数は960社を超える等着実に顧客基盤を拡大し、戦略投資事業の赤字幅の縮小に貢献しております。また、電子図書館事業においては、マイナンバーカード利用促進に係る政府の補助金等の追い風から、導入自治体数が増加したことにより増収増益となりました。縦スクロールコミック事業については、今後世界的にも市場が拡大することが見込まれているものの、スタジオと協業したオリジナル作品の制作については、制作費用が大きいうえに回収に時間を要するビジネスモデルのため撤退を図り、今後は縦スクロールコミック作品の取次に注力することといたしました。 国際事業については、米国の5大出版社を含む欧米の出版社に対して、DXサービスをSaaS型のビジネスモデルで提供しており、欧米の出版社とのネットワークを構築するほか、海外の出版DXのノウハウを将来的に日本の出版社に展開することを目指しております。顧客となる出版社の契約数が着実に増加する一方、既存顧客の解約率が低いため、法人契約数の積み上がりとともに売上が改善しており、当連結会計年度において戦略投資事業の赤字幅の縮小に貢献いたしました。 その結果、売上高は7,435百万円(前年同期比1.4%増)、セグメント損失は1,291百万円(前年同期はセグメント損失1,462百万円)となりました。 b)財政状態(資産の部) 当連結会計年度末における資産合計は、51,612百万円(前年同期比1.4%増)となり、前連結会計年度末に比べ730百万円増加しました。 当連結会計年度末における流動資産は、前連結会計年度末に比べ2,570百万円増加し、36,396百万円(前年同期比7.6%増)となりました。 主な要因は、現金及び預金が877百万円、売上債権(受取手形、売掛金及び契約資産)が1,588百万円、それぞれ増加したことによるものであります。 当連結会計年度末における固定資産は、前連結会計年度末に比べ1,840百万円減少し、15,215百万円(前年同期比10.8%減)となりました。 これは主に、無形固定資産に含まれるのれんが1,108百万円、投資その他の資産に含まれる投資有価証券が576百万円、それぞれ減少したことによるものであります。 (負債の部) 当連結会計年度末における負債合計は、35,403百万円(前年同期比3.8%増)となり、前連結会計年度末に比べ1,294百万円増加しました。 当連結会計年度末における流動負債は、前連結会計年度末に比べ2,596百万円増加し、31,386百万円(前年同期比9.0%増)となりました。 これは主に、支払手形及び買掛金が1,654百万円、未払法人税等が691百万円、それぞれ増加したことによるものであります。 当連結会計年度末における固定負債は、前連結会計年度末に比べ1,302百万円減少し、4,017百万円(前年同期比24.5%減)となりました。 これは主に、長期借入金が1,286百万円減少したことによるものであります。 (純資産の部) 当連結会計年度末における純資産合計は、16,208百万円(前年同期比3.4%減)となり、前連結会計年度末に比べ564百万円減少しました。 これは主に、その他の包括利益累計額が204百万円増加した一方、資本剰余金が422百万円、利益剰余金が319百万円、それぞれ減少したことによるものであります。 ② キャッシュ・フローの状況 当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)の期末残高は、11,004百万円となりました。 当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況は、次の通りであります。 (営業活動によるキャッシュ・フロー) 当連結会計年度において、営業活動の結果得られた資金は3,171百万円(前年同期比65.5%増)となりました。 これは主に、税金等調整前当期純利益438百万円、非資金項目である減価償却費625百万円、減損損失1,015百万円、のれん償却額702百万円、投資有価証券評価損716百万円の調整、仕入債務の増加額1,651百万円が資金の増加要因となった一方、売上債権の増加額1,580百万円、法人税等の支払額344百万円が減少要因となったことによるものであります。 (投資活動によるキャッシュ・フロー) 当連結会計年度において、投資活動の結果使用した資金は688百万円(前年同期は3,070百万円の支出)となりました。 これは主に、投資有価証券の売却による収入138百万円が資金の増加要因となった一方、有形固定資産の取得による支出113百万円、無形固定資産の取得による支出686百万円が減少要因となったことによるものであります。 (財務活動によるキャッシュ・フロー) 当連結会計年度において、財務活動の結果使用した資金は1,645百万円(前年同期は276百万円の支出)となりました。 これは主に、長期借入金の返済による支出1,274百万円、自己株式の取得による支出499百万円によるものであります。 ③ 生産、受注及び販売の実績 a)生産実績 当社グループで行う事業は、提供するサービスの性格上、生産実績の記載に馴染まないため、当該記載を省略しております。 b)受注実績 当社グループは受注生産を行っておりませんので、受注実績に関する該当事項はありません。 c)販売実績 当連結会計年度の販売実績を事業のセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称当連結会計年度(自 2023年3月1日至 2024年2月29日)金額(百万円)前年同期比(%)電子書籍流通事業86,40291.6戦略投資事業7,435101.4調整額1985,425.3合計94,03692.5(注)1.セグメント間取引については、相殺消去しております。2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。相手先前連結会計年度(自 2022年3月1日至 2023年2月28日)当連結会計年度(自 2023年3月1日至 2024年2月29日)金額(百万円)割合(%)金額(百万円)割合(%)エヌ・ティ・ティ・ソルマーレ㈱21,07920.724,19625.7Amazon Services International LLC14,07013.814,88015.8LINE Digital Frontier㈱12,77912.6-- (2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容等 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次の通りであります。 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 ① 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容 a)経営成績等に関する分析 当該事項につきましては、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要」をご参照ください。 b)経営成績に重要な影響を与える要因について 「第2 事業の状況 4 事業等のリスク」をご参照ください。 c)資本の財源及び資金の流動性(資金需要) 当社グループでは、中長期にわたり持続的な成長を図るべく、運転資金においてコンテンツ制作費のほか、優秀な人材確保のための採用費用及び人件費等の販売費及び一般管理費等への資金需要があります。加えて、M&Aや資本業務提携、新規事業開発といった戦略投資に係る資金需要があります。 また、設備資金需要といたしましては、新規基幹システムの開発及び新規サービスのためのソフトウエアへの投資等があります。 (財務政策) 当社グループの事業活動の中長期的な拡大と高度化に必要な資金を安定的に確保するとともに、財務・財政状態の健全性及び機動性に配慮しながら資本コストの最適化を図るべく、運転資金については内部資金の活用及び金融機関からの借入を中心として賄い、戦略投資に係る資金については、内部資金に加えて、金融機関からの借入やエクイティファイナンスといった多様な資金調達手段から調達時の状況に応じた最適な手段を選択し、資金調達を行ってまいります。 d)経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等 当連結会計年度につきましては、電子書籍市場の年間成長率が期初想定より低下したことから、連結売上高については当初の発表予想を下回ったものの、全社での適切なコストコントロールと、戦略投資事業における赤字幅の縮小や黒字化に向けた事業進捗がみられたため、連結営業利益については期初予想を上回り、経常利益については概ね期初予想通りの着地となりました。一方で、親会社株主に帰属する当期純利益については、戦略投資事業に関連する特別損失として減損損失1,015百万円、投資有価証券評価損716百万円を計上したため、期初予想を下回る着地となりました。 当社が定める経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等、及び各々の指標等に関する業績予想の達成状況については下表の通りであります。 2024年2月期計画2024年2月期実績計画比売上高1,000億円940億円94.0%営業利益20.0億円20.6億円103.3%EBITDA36.0億円33.9億円94.3%親会社株主に帰属する当期純利益11.0億円△3.1億円-ROE6.4%△1.9%- e)セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容(電子書籍流通事業) 「4.経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要」に記載した要因により、売上高は86,402百万円(前年同期比8.4%減)、セグメント利益は4,910百万円(前年同期比6.4%減)となりました。 (戦略投資事業) 「4.経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要」に記載した要因により、売上高は7,435百万円(前年同期比1.4%増)、セグメント損失は1,291百万円(前年同期はセグメント損失1,462百万円)となりました。 ② 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されておりますが、この連結財務諸表の作成に当たっては、経営者により、会計基準の範囲内で一定の見積りが行われている部分があり、資産・負債や収益・費用の数値に反映されております。これらの会計上の見積りについては、継続して評価し、必要に応じて見直しを行っておりますが、見積りには不確実性が伴うため、実際の結果はこれらとは異なる場合があります。 連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載の通りであります。
経営上の重要な契約等 5【経営上の重要な契約等】
契約会社名相手方の名称契約の名称主な契約内容契約期間株式会社メディアドゥ(当社)株式会社講談社電子書籍配信業務委託基本契約書講談社が管理する電子書籍を電子書店サイトを通じて配信するにあたり、講談社が配信に関する業務を当社に委託するために必要な事項を定める契約。2020年5月1日から2021年4月30日まで(以降1年毎の自動更新)。株式会社小学館コンテンツ配信契約書小学館が保有するデジタルコンテンツを、当社を通じて、配信サイトに利用許諾することに関する契約。2010年2月1日から2012年1月31日まで(以降1年毎の自動更新)。その他各サービスサイトにて個別に契約期間を設定。株式会社小学館電子書籍販売・配信業務委託契約書小学館が権利を有しもしくは管理し、または第三者に対し利用許諾をする電子書籍の販売・配信業務を当社へ委託することに関する契約。2021年9月1日から3年間(以降1年毎の自動更新)。株式会社集英社電子書籍配信契約書集英社が権利を有する電子書籍を電子書店にて利用者に配信することについての条件等を定める契約。2021年6月22日から2022年1月31日まで(以降1年毎の自動更新)。
研究開発活動 6【研究開発活動】
 当連結会計年度における研究開発費は軽微であるため、記載を省略しております。
設備投資等の概要 1【設備投資等の概要】
 当連結会計年度における設備投資総額は848百万円であり、その主なものは、ソフトウエアの取得に係る投資464百万円、各事業で使用するコンテンツの制作費用230百万円、建物の取得に係る投資79百万円、工具、器具及び備品の取得に係る投資31百万円であります。
主要な設備の状況 2【主要な設備の状況】
当社グループにおける主要な設備は、次の通りであります。(1)提出会社2024年2月29日現在 事業所名(所在地)セグメントの名称設備の内容帳簿価額(百万円)従業員数(人)建物工具、器具及び備品ソフトウエアその他合計本社(東京都千代田区)電子書籍流通事業、全社本社機能業務設備3424433155774310(注)1.本社オフィスは賃借しております。2.帳簿価額には、建設仮勘定及びソフトウエア仮勘定の金額は含まれておりません。
設備の新設、除却等の計画 3【設備の新設、除却等の計画】
(1)重要な設備の新設等の計画 該当事項はありません。 (2)重要な設備の除却等 該当事項はありません。
設備投資額、設備投資等の概要848,000,000

Employees

平均年齢(年)、提出会社の状況、従業員の状況36
平均勤続年数(年)、提出会社の状況、従業員の状況5
平均年間給与、提出会社の状況、従業員の状況6,023,000

Investment

株式の保有状況 (5)【株式の保有状況】
① 投資株式の区分の基準及び考え方 当社では、保有目的が「純投資目的である投資株式」と「純投資目的以外の目的である投資株式」の区分について、専ら株式の価値の変動又は株式に係る配当によって利益を受けることを目的として保有する株式を「純投資目的である投資株式」と区分し、それ以外を「純投資目的以外の目的である投資株式」と区分しております。 ② 保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式a.保有方針及び保有の合理性を検証する方法並びに個別銘柄の保有の適否に関する取締役会等における検証の内容 当社は、安定株主の確保を目的とした、あるいは資本効率の悪化を招く恐れのある、いわゆる持合いと呼ばれる上場企業株式の保有を行いません。ただし、業務提携、情報共有等によって、当社の電子書籍流通事業や戦略投資事業における新たなシナジー効果が見込まれる等、当社の事業活動の強化や企業価値向上への必要性等を勘案し、保有する株式数を含め意義・合理性があると認める場合に限り、対象企業の株式を戦略的に保有する場合があります。 これらについては、四半期ごとの財務・損益状況、資金需要の把握は元より、定性面でもシナジー効果が想定通り発揮されているか、そのリターンとリスク等を踏まえて中長期的に保有を継続すべきか等、グループ全体としての株主資本コストを意識した上で検証を行います。その検証については、常勤役員会で行うことに加え、取締役会においても上記観点から検討・確認し、意義や合理性が乏しいと判断される場合には、市場動向等の事業環境を踏まえつつ、適宜売却する方針です。また、当該保有株式に係る議決権の行使に当たっては、当社の企業価値向上に資すると認められるかどうかの観点に加え、対象企業の中長期的な企業価値の向上に資する提案であるかどうか、また当社への影響度等を総合的に判断し、個別議案毎に議決権行使を行います。 なお、当社の株式を保有している企業から株式の売却の意向を示された場合には、その売却を妨げません。 b.銘柄数及び貸借対照表計上額 銘柄数(銘柄)貸借対照表計上額の合計額(百万円)非上場株式164,049非上場株式以外の株式157 (当事業年度において株式数が増加した銘柄) 銘柄数(銘柄)株式数の増加に係る取得価額の合計額(百万円)株式数の増加の理由非上場株式195転換社債の株式転換によるもの非上場株式以外の株式--- (当事業年度において株式数が減少した銘柄) 銘柄数(銘柄)株式数の減少に係る売却価額の合計額(百万円)非上場株式2138非上場株式以外の株式-- c.特定投資株式及びみなし保有株式の銘柄ごとの株式数、貸借対照表計上額等に関する情報特定投資株式銘柄当事業年度前事業年度保有目的、業務提携等の概要、定量的な保有効果及び株式数が増加した理由当社の株式の保有の有無株式数(株)株式数(株)貸借対照表計上額(百万円)貸借対照表計上額(百万円)㈱Amazia140,000140,000電子書籍流通事業及び戦略投資事業における販売先・仕入先であり、良好な取引関係を維持・発展させるため無5781 みなし保有株式 該当事項はありません。 ③ 保有目的が純投資目的である投資株式 該当事項はありません。 ④ 当事業年度中に投資株式の保有目的を純投資目的から純投資目的以外の目的に変更したもの 該当事項はありません。 ⑤ 当事業年度中に投資株式の保有目的を純投資目的以外の目的から純投資目的に変更したもの 該当事項はありません。
株式数が増加した銘柄数、非上場株式、保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式、提出会社1
銘柄数、非上場株式、保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式、提出会社16
貸借対照表計上額、非上場株式、保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式、提出会社4,049,000,000
銘柄数、非上場株式以外の株式、保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式、提出会社1
貸借対照表計上額、非上場株式以外の株式、保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式、提出会社57,000,000
株式数の増加に係る取得価額の合計額、非上場株式、保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式、提出会社95,000,000
株式数、保有目的が純投資目的以外の目的である特定投資株式の明細、提出会社140,000
貸借対照表計上額、保有目的が純投資目的以外の目的である特定投資株式の明細、提出会社57,000,000
株式数が増加した理由、非上場株式、保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式、提出会社転換社債の株式転換によるもの
銘柄、保有目的が純投資目的以外の目的である特定投資株式の明細、提出会社㈱Amazia
当該株式の発行者による提出会社の株式の保有の有無、保有目的が純投資目的以外の目的である特定投資株式の明細、提出会社

Shareholders

大株主の状況 (6)【大株主の状況】
2024年2月29日現在
氏名又は名称住所所有株式数(株)発行済株式(自己株式を除く。)の総数に対する所有株式数の割合(%)
藤田 恭嗣徳島県那賀郡那賀町2,468,06816.31
株式会社FIBC東京都千代田区一ツ橋1丁目1-11,731,70011.45
日本マスタートラスト信託銀行株式会社(信託口)東京都港区赤坂1丁目8-1906,8005.99
株式会社日本カストディ銀行(信託口)東京都中央区晴海1丁目8-12716,6004.74
株式会社小学館東京都千代田区一ツ橋2丁目3-1564,8003.73
株式会社講談社東京都文京区音羽2丁目12-21544,0003.60
株式会社トーハン東京都新宿区東五軒町6-24489,6493.24
株式会社クレディセゾン東京都豊島区東池袋3丁目1-1466,6003.08
光通信株式会社東京都豊島区西池袋1丁目4-10446,6002.95
株式会社集英社東京都千代田区一ツ橋2丁目5-10444,0002.93計-8,778,81758.02
株主数-金融機関13
株主数-金融商品取引業者29
株主数-外国法人等-個人32
連結株主資本等変動計算書 ③【連結株主資本等変動計算書】
前連結会計年度(自 2022年3月1日 至 2023年2月28日) (単位:百万円) 株主資本 資本金資本剰余金利益剰余金自己株式株主資本合計当期首残高5,9097,2853,254△116,447会計方針の変更による累積的影響額 △44 △44会計方針の変更を反映した当期首残高5,9097,2853,209△116,402当期変動額 特定譲渡制限付株式の発行2424 49剰余金の配当 △333 △333親会社株主に帰属する当期純利益 1,057 1,057自己株式の取得 △999△999自己株式の消却 △1,001 1,001-連結子会社の増資による持分の増減 208 208連結子会社株式の取得による持分の増減 △357 △357持分法適用会社の保有する親会社株式の変動 △48△48株主資本以外の項目の当期変動額(純額) -当期変動額合計24△1,125723△46△423当期末残高5,9346,1593,933△4815,979 その他の包括利益累計額新株予約権非支配株主持分純資産合計 その他有価証券評価差額金為替換算調整勘定その他の包括利益累計額合計当期首残高19117636709716,912会計方針の変更による累積的影響額 - △44会計方針の変更を反映した当期首残高19117636709716,867当期変動額 特定譲渡制限付株式の発行 - 49剰余金の配当 - △333親会社株主に帰属する当期純利益 - 1,057自己株式の取得 - △999自己株式の消却 - -連結子会社の増資による持分の増減 - 208連結子会社株式の取得による持分の増減 - △357持分法適用会社の保有する親会社株式の変動 - △48株主資本以外の項目の当期変動額(純額)△72420347-△19328当期変動額合計△72420347-△19△94当期末残高11859671507716,772 当連結会計年度(自 2023年3月1日 至 2024年2月29日) (単位:百万円) 株主資本 資本金資本剰余金利益剰余金自己株式株主資本合計当期首残高5,9346,1593,933△4815,979当期変動額 特定譲渡制限付株式の発行2424 49親会社株主に帰属する当期純損失(△) △319 △319自己株式の取得 △499△499自己株式の消却 △499 499-連結子会社の増資による持分の増減 51 51株主資本以外の項目の当期変動額(純額) -当期変動額合計24△422△319△0△717当期末残高5,9595,7373,614△4815,262 その他の包括利益累計額新株予約権非支配株主持分純資産合計 その他有価証券評価差額金為替換算調整勘定その他の包括利益累計額合計当期首残高11859671507716,772当期変動額 特定譲渡制限付株式の発行 - 49親会社株主に帰属する当期純損失(△) - △319自己株式の取得 - △499自己株式の消却 - -連結子会社の増資による持分の増減 - 51株主資本以外の項目の当期変動額(純額)76128204△0△51152当期変動額合計76128204△0△51△564当期末残高195725920-2516,208
株主数-外国法人等-個人以外86
株主数-個人その他5,021
株主数-その他の法人63
株主数-計5,244
氏名又は名称、大株主の状況株式会社集英社
株主総利回り1
株主総会決議による取得の状況 (1)【株主総会決議による取得の状況】
 該当事項はありません。
株主総会決議又は取締役会決議に基づかないものの内容 (3)【株主総会決議又は取締役会決議に基づかないものの内容】
区分株式数(株)価額の総額(百万円)当事業年度における取得自己株式1,3540当期間における取得自己株式--(注)1.当事業年度における取得自己株式には、特定譲渡制限付株式の失効に伴う取得1,313株が含まれております。   2.当期間における取得自己株式には、2024年5月1日からこの有価証券報告書提出日までの単元未満株式の買     取りによる株式は含まれておりません。

Shareholders2

自己株式の取得-499,000,000
自己株式の取得による支出、財務活動によるキャッシュ・フロー-499,000,000
発行済株式及び自己株式に関する注記 1.発行済株式の種類及び総数並びに自己株式の種類及び株式数に関する事項 当連結会計年度期首株式数(株)当連結会計年度増加株式数(株)当連結会計年度減少株式数(株)当連結会計年度末株式数(株)発行済株式 普通株式 (注)115,437,82033,309340,21815,130,911合計15,437,82033,309340,21815,130,911自己株式 普通株式 (注)218,118341,354340,21819,254合計18,118341,354340,21819,254(注)1.普通株式の発行済株式総数の増加33,309株は、特定譲渡制限付株式の発行によるものであります。また、普通株式の発行済株式総数の減少340,218株は、自己株式の消却によるものであります。2.普通株式の自己株式の株式数の増加341,354株は、2023年4月13日開催の取締役会決議に基づく自己株式の取得340,000株及び当連結会計年度において単元未満株式の買取請求による取得41株、並びに、退職した従業員に付与されていた特定譲渡制限株式の権利失効による無償取得1,313株であります。また、普通株式の自己株式の株式数の減少340,218株は、自己株式の消却によるものであります。

Audit

監査法人1、連結監査法人アヴァンティア
独立監査人の報告書、連結 独立監査人の監査報告書及び内部統制監査報告書 2024年5月24日株式会社メディアドゥ取締役会 御中 監査法人アヴァンティア東京都千代田区指定社員業務執行社員公認会計士木  村  直  人指定社員業務執行社員公認会計士藤  田  憲  三 <財務諸表監査>監査意見当監査法人は、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づく監査証明を行うため、「経理の状況」に掲げられている株式会社メディアドゥの2023年3月1日から2024年2月29日までの連結会計年度の連結財務諸表、すなわち、連結貸借対照表、連結損益計算書、連結包括利益計算書、連結株主資本等変動計算書、連結キャッシュ・フロー計算書、連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項、その他の注記及び連結附属明細表について監査を行った。当監査法人は、上記の連結財務諸表が、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して、株式会社メディアドゥ及び連結子会社の2024年2月29日現在の財政状態並びに同日をもって終了する連結会計年度の経営成績及びキャッシュ・フローの状況を、全ての重要な点において適正に表示しているものと認める。 監査意見の根拠当監査法人は、我が国において一般に公正妥当と認められる監査の基準に準拠して監査を行った。監査の基準における当監査法人の責任は、「連結財務諸表監査における監査人の責任」に記載されている。当監査法人は、我が国における職業倫理に関する規定に従って、会社及び連結子会社から独立しており、また、監査人としてのその他の倫理上の責任を果たしている。当監査法人は、意見表明の基礎となる十分かつ適切な監査証拠を入手したと判断している。 監査上の主要な検討事項 監査上の主要な検討事項とは、当連結会計年度の連結財務諸表の監査において、監査人が職業的専門家として特に重要であると判断した事項である。監査上の主要な検討事項は、連結財務諸表全体に対する監査の実施過程及び監査意見の形成において対応した事項であり、当監査法人は、当該事項に対して個別に意見を表明するものではない。 のれんの評価の妥当性監査上の主要な検討事項の内容及び決定理由監査上の対応連結財務諸表の注記事項(重要な会計上の見積り)に記載されているとおり、2024年2月29日に終了する連結会計年度の連結貸借対照表に計上されている「のれん」は5,765百万円(総資産の約11%)である。当該のれんは、過年度において子会社のM&Aにより生じたものである。会社は、営業損益が継続して悪化している資産グループ(のれんを含む、より大きな単位)の有無、経営環境の著しい悪化等の有無等によって、減損の兆候を識別し、減損の兆候が認められる場合には、のれんが帰属する資産グループから得られる割引前将来キャッシュ・フローの総額と帳簿価額を比較することによって、減損損失の認識の要否を判定し、その結果、減損損失の認識が必要と判定された場合、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上している。当連結会計年度においては、連結損益計算書上、減損損失438百万円を特別損失に計上している。減損損失の認識及び測定に用いられる将来キャッシュ・フローは、経営者の策定する事業計画が基礎となっている。当該事業計画には、既存サービスにおける売上高の継続的な増加及び新規サービスにおける売上高の増加、既存サービスにおける費用の削減等を主要な仮定として織り込んでいる。これらの効果は、市場環境・経営環境の変化や事業としての戦略の変更などの内外の要因により影響を受けるため、その予測には高い不確実性を伴い、経営者による主観的な判断が将来キャッシュ・フローの見積りに重要な影響を及ぼす。したがって、当監査法人は、のれんの評価の妥当性が、当連結会計年度の連結財務諸表監査において特に重要であり、「監査上の主要な検討事項」に該当すると判断した。当監査法人は、のれんの評価を検討するに当たり、主として以下の監査手続を実施した。・将来キャッシュ・フローの見積りの基礎となった事業計画と、取締役会で承認された予算との整合性を検討した。・経営陣及び事業責任者等へのインタビューによる会社グループの計画策定プロセス、及び、事業計画の重要な仮定の理解を行った。・減損の認識及び測定を判定するに当たり、経営者が使用した減損判定シートの正確性及び情報の信頼性並びにその合理性を、質問、関連資料の閲覧及び再計算により検討した。・過年度において策定した事業計画に対する実績値の乖離状況を検討し、過年度における計画値と実績値が乖離した理由を把握するとともに、その把握した乖離状況及び理由が将来の事業計画の合理性に及ぼす影響を評価した。・重要な仮定である既存サービスにおける売上高の継続的な増加及び新規サービスにおける売上高の増加、既存サービスにおける費用の削減等について、過年度実績の趨勢分析等を実施し、事業計画の策定上、市場環境・経営環境に照らして合理的であるかどうか検討した。・減損損失の測定にあたって経営者が採用した割引率の妥当性を評価した。その他の事項 会社の2023年2月28日をもって終了した前連結会計年度の連結財務諸表は、前任監査人によって監査されている。前任監査人は、当該連結財務諸表に対して2023年5月25日付けで無限定適正意見を表明している。 その他の記載内容 その他の記載内容は、有価証券報告書に含まれる情報のうち、連結財務諸表及び財務諸表並びにこれらの監査報告書以外の情報である。経営者の責任は、その他の記載内容を作成し開示することにある。また、監査役及び監査役会の責任は、その他の記載内容の報告プロセスの整備及び運用における取締役の職務の執行を監視することにある。 当監査法人の連結財務諸表に対する監査意見の対象にはその他の記載内容は含まれておらず、当監査法人はその他の記載内容に対して意見を表明するものではない。 連結財務諸表監査における当監査法人の責任は、その他の記載内容を通読し、通読の過程において、その他の記載内容と連結財務諸表又は当監査法人が監査の過程で得た知識との間に重要な相違があるかどうか検討すること、また、そのような重要な相違以外にその他の記載内容に重要な誤りの兆候があるかどうか注意を払うことにある。 当監査法人は、実施した作業に基づき、その他の記載内容に重要な誤りがあると判断した場合には、その事実を報告することが求められている。 その他の記載内容に関して、当監査法人が報告すべき事項はない。 連結財務諸表に対する経営者並びに監査役及び監査役会の責任経営者の責任は、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して連結財務諸表を作成し適正に表示することにある。これには、不正又は誤謬による重要な虚偽表示のない連結財務諸表を作成し適正に表示するために経営者が必要と判断した内部統制を整備及び運用することが含まれる。連結財務諸表を作成するに当たり、経営者は、継続企業の前提に基づき連結財務諸表を作成することが適切であるかどうかを評価し、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づいて継続企業に関する事項を開示する必要がある場合には当該事項を開示する責任がある。監査役及び監査役会の責任は、財務報告プロセスの整備及び運用における取締役の職務の執行を監視することにある。 連結財務諸表監査における監査人の責任 監査人の責任は、監査人が実施した監査に基づいて、全体としての連結財務諸表に不正又は誤謬による重要な虚偽表示がないかどうかについて合理的な保証を得て、監査報告書において独立の立場から連結財務諸表に対する意見を表明することにある。虚偽表示は、不正又は誤謬により発生する可能性があり、個別に又は集計すると、連結財務諸表の利用者の意思決定に影響を与えると合理的に見込まれる場合に、重要性があると判断される。 監査人は、我が国において一般に公正妥当と認められる監査の基準に従って、監査の過程を通じて、職業的専門家としての判断を行い、職業的懐疑心を保持して以下を実施する。・不正又は誤謬による重要な虚偽表示リスクを識別し、評価する。また、重要な虚偽表示リスクに対応した監査手続を立案し、実施する。監査手続の選択及び適用は監査人の判断による。さらに、意見表明の基礎となる十分かつ適切な監査証拠を入手する。・連結財務諸表監査の目的は、内部統制の有効性について意見表明するためのものではないが、監査人は、リスク評価の実施に際して、状況に応じた適切な監査手続を立案するために、監査に関連する内部統制を検討する。・経営者が採用した会計方針及びその適用方法の適切性、並びに経営者によって行われた会計上の見積りの合理性及び関連する注記事項の妥当性を評価する。・経営者が継続企業を前提として連結財務諸表を作成することが適切であるかどうか、また、入手した監査証拠に基づき、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況に関して重要な不確実性が認められるかどうか結論付ける。継続企業の前提に関する重要な不確実性が認められる場合は、監査報告書において連結財務諸表の注記事項に注意を喚起すること、又は重要な不確実性に関する連結財務諸表の注記事項が適切でない場合は、連結財務諸表に対して除外事項付意見を表明することが求められている。監査人の結論は、監査報告書日までに入手した監査証拠に基づいているが、将来の事象や状況により、企業は継続企業として存続できなくなる可能性がある。・連結財務諸表の表示及び注記事項が、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠しているかどうかとともに、関連する注記事項を含めた連結財務諸表の表示、構成及び内容、並びに連結財務諸表が基礎となる取引や会計事象を適正に表示しているかどうかを評価する。・連結財務諸表に対する意見を表明するために、会社及び連結子会社の財務情報に関する十分かつ適切な監査証拠を入手する。監査人は、連結財務諸表の監査に関する指示、監督及び実施に関して責任がある。監査人は、単独で監査意見に対して責任を負う。 監査人は、監査役及び監査役会に対して、計画した監査の範囲とその実施時期、監査の実施過程で識別した内部統制の重要な不備を含む監査上の重要な発見事項、及び監査の基準で求められているその他の事項について報告を行う。 監査人は、監査役及び監査役会に対して、独立性についての我が国における職業倫理に関する規定を遵守したこと、並びに監査人の独立性に影響を与えると合理的に考えられる事項、及び阻害要因を除去又は軽減するためにセーフガードを講じている場合はその内容について報告を行う。 監査人は、監査役及び監査役会と協議した事項のうち、当連結会計年度の連結財務諸表の監査で特に重要であると判断した事項を監査上の主要な検討事項と決定し、監査報告書において記載する。ただし、法令等により当該事項の公表が禁止されている場合や、極めて限定的ではあるが、監査報告書において報告することにより生じる不利益が公共の利益を上回ると合理的に見込まれるため、監査人が報告すべきでないと判断した場合は、当該事項を記載しない。 <内部統制監査>監査意見 当監査法人は、金融商品取引法第193条の2第2項の規定に基づく監査証明を行うため、株式会社メディアドゥの2024年2月29日現在の内部統制報告書について監査を行った。 当監査法人は、株式会社メディアドゥが2024年2月29日現在の財務報告に係る内部統制は有効であると表示した上記の内部統制報告書が、我が国において一般に公正妥当と認められる財務報告に係る内部統制の評価の基準に準拠して、財務報告に係る内部統制の評価結果について、全ての重要な点において適正に表示しているものと認める。 監査意見の根拠 当監査法人は、我が国において一般に公正妥当と認められる財務報告に係る内部統制の監査の基準に準拠して内部統制監査を行った。財務報告に係る内部統制の監査の基準における当監査法人の責任は、「内部統制監査における監査人の責任」に記載されている。当監査法人は、我が国における職業倫理に関する規定に従って、会社及び連結子会社から独立しており、また、監査人としてのその他の倫理上の責任を果たしている。当監査法人は、意見表明の基礎となる十分かつ適切な監査証拠を入手したと判断している。 内部統制報告書に対する経営者並びに監査役及び監査役会の責任 経営者の責任は、財務報告に係る内部統制を整備及び運用し、我が国において一般に公正妥当と認められる財務報告に係る内部統制の評価の基準に準拠して内部統制報告書を作成し適正に表示することにある。 監査役及び監査役会の責任は、財務報告に係る内部統制の整備及び運用状況を監視、検証することにある。 なお、財務報告に係る内部統制により財務報告の虚偽の記載を完全には防止又は発見することができない可能性がある。 内部統制監査における監査人の責任 監査人の責任は、監査人が実施した内部統制監査に基づいて、内部統制報告書に重要な虚偽表示がないかどうかについて合理的な保証を得て、内部統制監査報告書において独立の立場から内部統制報告書に対する意見を表明することにある。 監査人は、我が国において一般に公正妥当と認められる財務報告に係る内部統制の監査の基準に従って、監査の過程を通じて、職業的専門家としての判断を行い、職業的懐疑心を保持して以下を実施する。・内部統制報告書における財務報告に係る内部統制の評価結果について監査証拠を入手するための監査手続を実施する。内部統制監査の監査手続は、監査人の判断により、財務報告の信頼性に及ぼす影響の重要性に基づいて選択及び適用される。・財務報告に係る内部統制の評価範囲、評価手続及び評価結果について経営者が行った記載を含め、全体としての内部統制報告書の表示を検討する。・内部統制報告書における財務報告に係る内部統制の評価結果に関する十分かつ適切な監査証拠を入手する。監査人は、内部統制報告書の監査に関する指示、監督及び実施に関して責任がある。監査人は、単独で監査意見に対して責任を負う。 監査人は、監査役及び監査役会に対して、計画した内部統制監査の範囲とその実施時期、内部統制監査の実施結果、識別した内部統制の開示すべき重要な不備、その是正結果、及び内部統制の監査の基準で求められているその他の事項について報告を行う。 監査人は、監査役及び監査役会に対して、独立性についての我が国における職業倫理に関する規定を遵守したこと、並びに監査人の独立性に影響を与えると合理的に考えられる事項、及び阻害要因を除去又は軽減するためにセーフガードを講じている場合はその内容について報告を行う。 利害関係 会社及び連結子会社と当監査法人又は業務執行社員との間には、公認会計士法の規定により記載すべき利害関係はない。 以 上  (注)1.上記の監査報告書の原本は当社(有価証券報告書提出会社)が別途保管しております。2.XBRLデータは監査の対象には含まれていません。
監査上の主要な検討事項、連結 監査上の主要な検討事項 監査上の主要な検討事項とは、当連結会計年度の連結財務諸表の監査において、監査人が職業的専門家として特に重要であると判断した事項である。監査上の主要な検討事項は、連結財務諸表全体に対する監査の実施過程及び監査意見の形成において対応した事項であり、当監査法人は、当該事項に対して個別に意見を表明するものではない。 のれんの評価の妥当性監査上の主要な検討事項の内容及び決定理由監査上の対応連結財務諸表の注記事項(重要な会計上の見積り)に記載されているとおり、2024年2月29日に終了する連結会計年度の連結貸借対照表に計上されている「のれん」は5,765百万円(総資産の約11%)である。当該のれんは、過年度において子会社のM&Aにより生じたものである。会社は、営業損益が継続して悪化している資産グループ(のれんを含む、より大きな単位)の有無、経営環境の著しい悪化等の有無等によって、減損の兆候を識別し、減損の兆候が認められる場合には、のれんが帰属する資産グループから得られる割引前将来キャッシュ・フローの総額と帳簿価額を比較することによって、減損損失の認識の要否を判定し、その結果、減損損失の認識が必要と判定された場合、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上している。当連結会計年度においては、連結損益計算書上、減損損失438百万円を特別損失に計上している。減損損失の認識及び測定に用いられる将来キャッシュ・フローは、経営者の策定する事業計画が基礎となっている。当該事業計画には、既存サービスにおける売上高の継続的な増加及び新規サービスにおける売上高の増加、既存サービスにおける費用の削減等を主要な仮定として織り込んでいる。これらの効果は、市場環境・経営環境の変化や事業としての戦略の変更などの内外の要因により影響を受けるため、その予測には高い不確実性を伴い、経営者による主観的な判断が将来キャッシュ・フローの見積りに重要な影響を及ぼす。したがって、当監査法人は、のれんの評価の妥当性が、当連結会計年度の連結財務諸表監査において特に重要であり、「監査上の主要な検討事項」に該当すると判断した。当監査法人は、のれんの評価を検討するに当たり、主として以下の監査手続を実施した。・将来キャッシュ・フローの見積りの基礎となった事業計画と、取締役会で承認された予算との整合性を検討した。・経営陣及び事業責任者等へのインタビューによる会社グループの計画策定プロセス、及び、事業計画の重要な仮定の理解を行った。・減損の認識及び測定を判定するに当たり、経営者が使用した減損判定シートの正確性及び情報の信頼性並びにその合理性を、質問、関連資料の閲覧及び再計算により検討した。・過年度において策定した事業計画に対する実績値の乖離状況を検討し、過年度における計画値と実績値が乖離した理由を把握するとともに、その把握した乖離状況及び理由が将来の事業計画の合理性に及ぼす影響を評価した。・重要な仮定である既存サービスにおける売上高の継続的な増加及び新規サービスにおける売上高の増加、既存サービスにおける費用の削減等について、過年度実績の趨勢分析等を実施し、事業計画の策定上、市場環境・経営環境に照らして合理的であるかどうか検討した。・減損損失の測定にあたって経営者が採用した割引率の妥当性を評価した。
全体概要、監査上の主要な検討事項、連結  監査上の主要な検討事項とは、当連結会計年度の連結財務諸表の監査において、監査人が職業的専門家として特に重要であると判断した事項である。監査上の主要な検討事項は、連結財務諸表全体に対する監査の実施過程及び監査意見の形成において対応した事項であり、当監査法人は、当該事項に対して個別に意見を表明するものではない。
見出し、監査上の主要な検討事項、連結のれんの評価の妥当性
内容及び理由、監査上の主要な検討事項、連結 連結財務諸表の注記事項(重要な会計上の見積り)に記載されているとおり、2024年2月29日に終了する連結会計年度の連結貸借対照表に計上されている「のれん」は5,765百万円(総資産の約11%)である。当該のれんは、過年度において子会社のM&Aにより生じたものである。会社は、営業損益が継続して悪化している資産グループ(のれんを含む、より大きな単位)の有無、経営環境の著しい悪化等の有無等によって、減損の兆候を識別し、減損の兆候が認められる場合には、のれんが帰属する資産グループから得られる割引前将来キャッシュ・フローの総額と帳簿価額を比較することによって、減損損失の認識の要否を判定し、その結果、減損損失の認識が必要と判定された場合、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上している。当連結会計年度においては、連結損益計算書上、減損損失438百万円を特別損失に計上している。減損損失の認識及び測定に用いられる将来キャッシュ・フローは、経営者の策定する事業計画が基礎となっている。当該事業計画には、既存サービスにおける売上高の継続的な増加及び新規サービスにおける売上高の増加、既存サービスにおける費用の削減等を主要な仮定として織り込んでいる。これらの効果は、市場環境・経営環境の変化や事業としての戦略の変更などの内外の要因により影響を受けるため、その予測には高い不確実性を伴い、経営者による主観的な判断が将来キャッシュ・フローの見積りに重要な影響を及ぼす。したがって、当監査法人は、のれんの評価の妥当性が、当連結会計年度の連結財務諸表監査において特に重要であり、「監査上の主要な検討事項」に該当すると判断した。
開示への参照、監査上の主要な検討事項、連結連結財務諸表の注記事項(重要な会計上の見積り)
監査上の対応、監査上の主要な検討事項、連結 当監査法人は、のれんの評価を検討するに当たり、主として以下の監査手続を実施した。・将来キャッシュ・フローの見積りの基礎となった事業計画と、取締役会で承認された予算との整合性を検討した。・経営陣及び事業責任者等へのインタビューによる会社グループの計画策定プロセス、及び、事業計画の重要な仮定の理解を行った。・減損の認識及び測定を判定するに当たり、経営者が使用した減損判定シートの正確性及び情報の信頼性並びにその合理性を、質問、関連資料の閲覧及び再計算により検討した。・過年度において策定した事業計画に対する実績値の乖離状況を検討し、過年度における計画値と実績値が乖離した理由を把握するとともに、その把握した乖離状況及び理由が将来の事業計画の合理性に及ぼす影響を評価した。・重要な仮定である既存サービスにおける売上高の継続的な増加及び新規サービスにおける売上高の増加、既存サービスにおける費用の削減等について、過年度実績の趨勢分析等を実施し、事業計画の策定上、市場環境・経営環境に照らして合理的であるかどうか検討した。・減損損失の測定にあたって経営者が採用した割引率の妥当性を評価した。
その他の記載内容、連結 その他の記載内容 その他の記載内容は、有価証券報告書に含まれる情報のうち、連結財務諸表及び財務諸表並びにこれらの監査報告書以外の情報である。経営者の責任は、その他の記載内容を作成し開示することにある。また、監査役及び監査役会の責任は、その他の記載内容の報告プロセスの整備及び運用における取締役の職務の執行を監視することにある。 当監査法人の連結財務諸表に対する監査意見の対象にはその他の記載内容は含まれておらず、当監査法人はその他の記載内容に対して意見を表明するものではない。 連結財務諸表監査における当監査法人の責任は、その他の記載内容を通読し、通読の過程において、その他の記載内容と連結財務諸表又は当監査法人が監査の過程で得た知識との間に重要な相違があるかどうか検討すること、また、そのような重要な相違以外にその他の記載内容に重要な誤りの兆候があるかどうか注意を払うことにある。 当監査法人は、実施した作業に基づき、その他の記載内容に重要な誤りがあると判断した場合には、その事実を報告することが求められている。 その他の記載内容に関して、当監査法人が報告すべき事項はない。

Audit1

監査法人1、個別監査法人アヴァンティア
独立監査人の報告書、個別 独立監査人の監査報告書 2024年5月24日株式会社メディアドゥ取締役会 御中 監査法人アヴァンティア東京都千代田区指定社員業務執行社員公認会計士木  村  直  人指定社員業務執行社員公認会計士藤  田  憲  三 監査意見 当監査法人は、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づく監査証明を行うため、「経理の状況」に掲げられている株式会社メディアドゥの2023年3月1日から2024年2月29日までの第25期事業年度の財務諸表、すなわち、貸借対照表、損益計算書、株主資本等変動計算書、重要な会計方針、その他の注記及び附属明細表について監査を行った。 当監査法人は、上記の財務諸表が、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して、株式会社メディアドゥの2024年2月29日現在の財政状態及び同日をもって終了する事業年度の経営成績を、全ての重要な点において適正に表示しているものと認める。 監査意見の根拠 当監査法人は、我が国において一般に公正妥当と認められる監査の基準に準拠して監査を行った。監査の基準における当監査法人の責任は、「財務諸表監査における監査人の責任」に記載されている。当監査法人は、我が国における職業倫理に関する規定に従って、会社から独立しており、また、監査人としてのその他の倫理上の責任を果たしている。当監査法人は、意見表明の基礎となる十分かつ適切な監査証拠を入手したと判断している。 監査上の主要な検討事項 監査上の主要な検討事項とは、当事業年度の財務諸表の監査において、監査人が職業的専門家として特に重要であると判断した事項である。監査上の主要な検討事項は、財務諸表全体に対する監査の実施過程及び監査意見の形成において対応した事項であり、当監査法人は、当該事項に対して個別に意見を表明するものではない。 関係会社株式の評価の妥当性監査上の主要な検討事項の内容及び決定理由監査上の対応財務諸表の注記事項(重要な会計上の見積り)に記載されているとおり、2024年2月29日に終了する会計年度の貸借対照表に計上されている「関係会社株式」は6,855百万円(総資産の約14%)である。上記の子会社株式はいずれも市場価格のない株式であるため、取得原価をもって貸借対照表価額とするが、当該株式の発行会社の財政状態の悪化により実質価額が著しく低下した場合は、回復可能性が十分な証拠によって裏付けられる場合を除いて、評価損の認識が必要となる。また、企業買収により超過収益力を見込んで関係会社株式等の取得を行った場合は、当該超過収益力が見込めなくなった段階で、実質価額が著しく低下したとして評価損の認識が必要となる。会社は、当会計年度においては、損益計算書上、関係会社株式評価損58百万円を特別損失に計上している。超過収益力が毀損しているか否かの判定は、子会社を取得したことにより認識した連結上ののれんを含む資産グループに係る減損損失の計上に関する判断と同様に行われる。減損損失の認識及び測定に用いられる将来キャッシュ・フローは、経営者の策定する事業計画が基礎となっているところ、当該事業計画には、既存サービスにおける売上高の継続的な増加及び新規サービスにおける売上高の増加、既存サービスにおける費用の削減等を主要な仮定として織り込んでいる。これらの効果は、市場環境・経営環境の変化や事業としての戦略の変更などの内外の要因により影響を受けるため、その予測には高い不確実性を伴い、経営者による主観的な判断が将来キャッシュ・フローの見積りに重要な影響を及ぼす。したがって、当監査法人は、関係会社株式の評価の妥当性が、当事業年度の財務諸表監査において特に重要であり、「監査上の主要な検討事項」に該当すると判断した。当監査法人は、関係会社株式の評価を検討するに当たり、主として以下の監査手続を実施した。・将来キャッシュ・フローの見積りの基礎となった事業計画と、取締役会で承認された予算との整合性を検討した。・経営陣及び事業責任者等へのインタビューによる会社グループの計画策定プロセス、及び、事業計画の重要な仮定の理解を行った。・関係会社株式の評価の妥当性を、質問、関連資料の閲覧及び再計算により検討した。・過年度において策定した事業計画に対する実績値の乖離状況を検討し、過年度における計画値と実績値が乖離した理由を把握するとともに、その把握した乖離状況及び理由が将来の事業計画の合理性に及ぼす影響を評価した。・重要な仮定である既存サービスにおける売上高の継続的な増加及び新規サービスにおける売上高の増加、既存サービスにおける費用の削減等について、過年度実績の趨勢分析等を実施し、事業計画の策定上、市場環境・経営環境に照らして合理的であるかどうか検討した。その他の事項 会社の2023年2月28日をもって終了した前事業年度の財務諸表は、前任監査人によって監査されている。前任監査人は、当該財務諸表に対して2023年5月25日付けで無限定適正意見を表明している。 その他の記載内容 その他の記載内容は、有価証券報告書に含まれる情報のうち、連結財務諸表及び財務諸表並びにこれらの監査報告書以外の情報である。経営者の責任は、その他の記載内容を作成し開示することにある。また、監査役及び監査役会の責任は、その他の記載内容の報告プロセスの整備及び運用における取締役の職務の執行を監視することにある。 当監査法人の財務諸表に対する監査意見の対象にはその他の記載内容は含まれておらず、当監査法人はその他の記載内容に対して意見を表明するものではない。 財務諸表監査における当監査法人の責任は、その他の記載内容を通読し、通読の過程において、その他の記載内容と財務諸表又は当監査法人が監査の過程で得た知識との間に重要な相違があるかどうか検討すること、また、そのような重要な相違以外にその他の記載内容に重要な誤りの兆候があるかどうか注意を払うことにある。 当監査法人は、実施した作業に基づき、その他の記載内容に重要な誤りがあると判断した場合には、その事実を報告することが求められている。 その他の記載内容に関して、当監査法人が報告すべき事項はない。 財務諸表に対する経営者並びに監査役及び監査役会の責任 経営者の責任は、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して財務諸表を作成し適正に表示することにある。これには、不正又は誤謬による重要な虚偽表示のない財務諸表を作成し適正に表示するために経営者が必要と判断した内部統制を整備及び運用することが含まれる。 財務諸表を作成するに当たり、経営者は、継続企業の前提に基づき財務諸表を作成することが適切であるかどうかを評価し、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づいて継続企業に関する事項を開示する必要がある場合には当該事項を開示する責任がある。 監査役及び監査役会の責任は、財務報告プロセスの整備及び運用における取締役の職務の執行を監視することにある。 財務諸表監査における監査人の責任 監査人の責任は、監査人が実施した監査に基づいて、全体としての財務諸表に不正又は誤謬による重要な虚偽表示がないかどうかについて合理的な保証を得て、監査報告書において独立の立場から財務諸表に対する意見を表明することにある。虚偽表示は、不正又は誤謬により発生する可能性があり、個別に又は集計すると、財務諸表の利用者の意思決定に影響を与えると合理的に見込まれる場合に、重要性があると判断される。 監査人は、我が国において一般に公正妥当と認められる監査の基準に従って、監査の過程を通じて、職業的専門家としての判断を行い、職業的懐疑心を保持して以下を実施する。・不正又は誤謬による重要な虚偽表示リスクを識別し、評価する。また、重要な虚偽表示リスクに対応した監査手続を立案し、実施する。監査手続の選択及び適用は監査人の判断による。さらに、意見表明の基礎となる十分かつ適切な監査証拠を入手する。・財務諸表監査の目的は、内部統制の有効性について意見表明するためのものではないが、監査人は、リスク評価の実施に際して、状況に応じた適切な監査手続を立案するために、監査に関連する内部統制を検討する。・経営者が採用した会計方針及びその適用方法の適切性、並びに経営者によって行われた会計上の見積りの合理性及び関連する注記事項の妥当性を評価する。・経営者が継続企業を前提として財務諸表を作成することが適切であるかどうか、また、入手した監査証拠に基づき、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況に関して重要な不確実性が認められるかどうか結論付ける。継続企業の前提に関する重要な不確実性が認められる場合は、監査報告書において財務諸表の注記事項に注意を喚起すること、又は重要な不確実性に関する財務諸表の注記事項が適切でない場合は、財務諸表に対して除外事項付意見を表明することが求められている。監査人の結論は、監査報告書日までに入手した監査証拠に基づいているが、将来の事象や状況により、企業は継続企業として存続できなくなる可能性がある。・財務諸表の表示及び注記事項が、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠しているかどうかとともに、関連する注記事項を含めた財務諸表の表示、構成及び内容、並びに財務諸表が基礎となる取引や会計事象を適正に表示しているかどうかを評価する。 監査人は、監査役及び監査役会に対して、計画した監査の範囲とその実施時期、監査の実施過程で識別した内部統制の重要な不備を含む監査上の重要な発見事項、及び監査の基準で求められているその他の事項について報告を行う。 監査人は、監査役及び監査役会に対して、独立性についての我が国における職業倫理に関する規定を遵守したこと、並びに監査人の独立性に影響を与えると合理的に考えられる事項、及び阻害要因を除去又は軽減するためにセーフガードを講じている場合はその内容について報告を行う。 監査人は、監査役及び監査役会と協議した事項のうち、当事業年度の財務諸表の監査で特に重要であると判断した事項を監査上の主要な検討事項と決定し、監査報告書において記載する。ただし、法令等により当該事項の公表が禁止されている場合や、極めて限定的ではあるが、監査報告書において報告することにより生じる不利益が公共の利益を上回ると合理的に見込まれるため、監査人が報告すべきでないと判断した場合は、当該事項を記載しない。 利害関係 会社と当監査法人又は業務執行社員との間には、公認会計士法の規定により記載すべき利害関係はない。以 上  (注)1.上記の監査報告書の原本は当社(有価証券報告書提出会社)が別途保管しております。2.XBRLデータは監査の対象には含まれていません。
監査上の主要な検討事項、個別 監査上の主要な検討事項 監査上の主要な検討事項とは、当事業年度の財務諸表の監査において、監査人が職業的専門家として特に重要であると判断した事項である。監査上の主要な検討事項は、財務諸表全体に対する監査の実施過程及び監査意見の形成において対応した事項であり、当監査法人は、当該事項に対して個別に意見を表明するものではない。 関係会社株式の評価の妥当性監査上の主要な検討事項の内容及び決定理由監査上の対応財務諸表の注記事項(重要な会計上の見積り)に記載されているとおり、2024年2月29日に終了する会計年度の貸借対照表に計上されている「関係会社株式」は6,855百万円(総資産の約14%)である。上記の子会社株式はいずれも市場価格のない株式であるため、取得原価をもって貸借対照表価額とするが、当該株式の発行会社の財政状態の悪化により実質価額が著しく低下した場合は、回復可能性が十分な証拠によって裏付けられる場合を除いて、評価損の認識が必要となる。また、企業買収により超過収益力を見込んで関係会社株式等の取得を行った場合は、当該超過収益力が見込めなくなった段階で、実質価額が著しく低下したとして評価損の認識が必要となる。会社は、当会計年度においては、損益計算書上、関係会社株式評価損58百万円を特別損失に計上している。超過収益力が毀損しているか否かの判定は、子会社を取得したことにより認識した連結上ののれんを含む資産グループに係る減損損失の計上に関する判断と同様に行われる。減損損失の認識及び測定に用いられる将来キャッシュ・フローは、経営者の策定する事業計画が基礎となっているところ、当該事業計画には、既存サービスにおける売上高の継続的な増加及び新規サービスにおける売上高の増加、既存サービスにおける費用の削減等を主要な仮定として織り込んでいる。これらの効果は、市場環境・経営環境の変化や事業としての戦略の変更などの内外の要因により影響を受けるため、その予測には高い不確実性を伴い、経営者による主観的な判断が将来キャッシュ・フローの見積りに重要な影響を及ぼす。したがって、当監査法人は、関係会社株式の評価の妥当性が、当事業年度の財務諸表監査において特に重要であり、「監査上の主要な検討事項」に該当すると判断した。当監査法人は、関係会社株式の評価を検討するに当たり、主として以下の監査手続を実施した。・将来キャッシュ・フローの見積りの基礎となった事業計画と、取締役会で承認された予算との整合性を検討した。・経営陣及び事業責任者等へのインタビューによる会社グループの計画策定プロセス、及び、事業計画の重要な仮定の理解を行った。・関係会社株式の評価の妥当性を、質問、関連資料の閲覧及び再計算により検討した。・過年度において策定した事業計画に対する実績値の乖離状況を検討し、過年度における計画値と実績値が乖離した理由を把握するとともに、その把握した乖離状況及び理由が将来の事業計画の合理性に及ぼす影響を評価した。・重要な仮定である既存サービスにおける売上高の継続的な増加及び新規サービスにおける売上高の増加、既存サービスにおける費用の削減等について、過年度実績の趨勢分析等を実施し、事業計画の策定上、市場環境・経営環境に照らして合理的であるかどうか検討した。
全体概要、監査上の主要な検討事項、個別  監査上の主要な検討事項とは、当事業年度の財務諸表の監査において、監査人が職業的専門家として特に重要であると判断した事項である。監査上の主要な検討事項は、財務諸表全体に対する監査の実施過程及び監査意見の形成において対応した事項であり、当監査法人は、当該事項に対して個別に意見を表明するものではない。
見出し、監査上の主要な検討事項、個別関係会社株式の評価の妥当性
その他の記載内容、個別 その他の記載内容 その他の記載内容は、有価証券報告書に含まれる情報のうち、連結財務諸表及び財務諸表並びにこれらの監査報告書以外の情報である。経営者の責任は、その他の記載内容を作成し開示することにある。また、監査役及び監査役会の責任は、その他の記載内容の報告プロセスの整備及び運用における取締役の職務の執行を監視することにある。 当監査法人の財務諸表に対する監査意見の対象にはその他の記載内容は含まれておらず、当監査法人はその他の記載内容に対して意見を表明するものではない。 財務諸表監査における当監査法人の責任は、その他の記載内容を通読し、通読の過程において、その他の記載内容と財務諸表又は当監査法人が監査の過程で得た知識との間に重要な相違があるかどうか検討すること、また、そのような重要な相違以外にその他の記載内容に重要な誤りの兆候があるかどうか注意を払うことにある。 当監査法人は、実施した作業に基づき、その他の記載内容に重要な誤りがあると判断した場合には、その事実を報告することが求められている。 その他の記載内容に関して、当監査法人が報告すべき事項はない。

BS資産

受取手形、売掛金及び契約資産23,294,000,000
工具、器具及び備品(純額)150,000,000
建設仮勘定60,000,000
有形固定資産447,000,000
ソフトウエア331,000,000
無形固定資産3,770,000,000
投資有価証券4,855,000,000
繰延税金資産312,000,000
投資その他の資産13,172,000,000

BS負債、資本

支払手形及び買掛金26,165,000,000
短期借入金902,000,000