経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 | 2【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】 文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。 (1)財政状態及び経営成績の状況a.経営成績当社グループは、「独創的なリアルとデジタルのサービスで、暮らしの資財価値を最大化する」というミッションの達成に向けて、「保証サービス」及びクライアントの業務効率化を支援する「SaaSプロダクト」等の提供を通じて住宅会社の経営を支援する「HomeworthTech(ホームワーステック)事業」、並びにHomeworthTech事業の知見・ノウハウを活用した保証制度構築・運営を通じて新たな技術・製品の普及を支援する「ExtendTech(エクステンドテック)事業」の2事業を主力事業として展開しております。近年の環境的・社会的持続性の確保という世界的な潮流が、「良いモノを永く使う」という保証本来の理念・思想とマッチすることで、今後さらに保証サービスの社会的ニーズが高まるものと確信しており、当社グループにとってさらなる事業拡大の大きな好機であると捉えております。当第3四半期連結累計期間(2023年7月1日から2024年3月31日まで)においても、今後の成長に対する蓋然性の高まりを受ける形で、人材・システムを中心に積極的な先行投資を進めるとともに、事業を拡大してまいりました。この結果、当第3四半期連結累計期間の経営成績は、売上高3,551百万円(前年同期比30.4%増)、営業利益784百万円(同47.0%増)、経常利益976百万円(同38.0%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益は666百万円(同37.2%増)となりました。 セグメント別の経営成績は、次のとおりであります。なお、当第3四半期連結累計期間における各セグメントへの本部費配賦総額は、採用費、システム関連費用の増加等により、前年同期比132.9%の1,790百万円となりました。当第3四半期連結累計期間のセグメント別の営業利益の算出にあたっては、これらの配賦費用額をHomeworthTech事業62.5%、ExtendTech事業33.7%、その他3.7%の割合で配賦しております。 ①HomeworthTech事業HomeworthTech事業は、ハウスメーカー・マンションデベロッパーといった住宅事業者に対して長期保証をはじめとした各種アフターサービスソリューションを提供しております。補修や検査といったリアルサービスのほか、近年では、アプリ・チャットボット・電子マネーといったデジタルサービスを開発・提供することで住宅事業者のアフターサービスDXを支援しております。当第3四半期連結累計期間においては、建物保証・設備保証といった長期保証契約の獲得に引き続き注力するとともに、地震保証や資産価値保証といった新たな保証サービスの開発及びマーケティングを推進してまいりました。また、業務効率化・ストック型ビジネス転換といった住宅事業者の経営課題に対応する各種ソリューションの導入を組織的に推進することで、各クライアントとの関係深化にも引続き注力してまいりました。これらの施策により、主要なKPIである新規契約獲得金額1,227百万円(前年同期比42.6%増)、前受収益・長期前受収益残高11,054百万円(同23.8%増)、電子マネー発行サービスの導入社数119社(同36.8%増)・未使用残高2,296百万円(同10.8%増)といずれも前年同期比で成長しております。この結果、売上高は2,050百万円(前年同期比25.8%増)、セグメント利益は85百万円(同35.9%減)となりました。②ExtendTech事業ExtendTech事業においては、HomeworthTech事業で培ったノウハウを応用し、住宅領域以外の幅広い製品・サービスに対して、長期保証をはじめとした各種アフターサービスソリューションを提供しております。近年では、家電・教育ICT機器のほか、太陽光発電機器やEV(電気自動車)など再生可能エネルギー関連機器に対してのソリューション提供が大きく伸長しております。当第3四半期連結累計期間は、前連結会計年度と同様に蓄電システムをはじめとした住宅用再生可能エネルギー設備に対する社会的ニーズに応える形で再生可能エネルギー領域が進展したほか、オペレーション業務の受託が拡大したことにより教育ICT領域も堅調に推移しました。この結果、当第3四半期連結累計期間の売上高は1,449百万円(前年同期比35.8%増)、セグメント利益は728百万円(同69.9%増)となりました。 ③その他「その他」の事業は、報告セグメントに含まれない事業セグメントであるビジネスマッチング・決済等を行うプラットフォーム事業を行っております。当第3四半期連結累計期間の売上高は51百万円(前年同期比94.1%増)、セグメント損失は28百万円(前年同期はセグメント損失27百万円)となりました。 (KPI推移)(単位:百万円、社) 2023年6月期2024年6月期第1四半期第2四半期第3四半期第4四半期第1四半期第2四半期第3四半期実績実績実績実績実績実績実績前年同期比[HomeworthTech事業] 新規契約獲得金額7097488609978379971,227142.6%前受収益・長期前受収益残高8,1248,4878,9299,4809,83010,33911,054123.8%売上高保証サービス394421442509485518572129.4%検査補修サービス7678817286106117144.4%その他38415445574659109.7%電子マネー導入社数808187101107114119136.8%未使用残高1,9502,0042,0712,0972,1652,2292,296110.8%[ExtendTech事業] 売上高再生可能エネルギー196253261433313376370141.7%家電・その他11610513312313912212694.9%(注)売上高については四半期連結会計期間の数値を使用しております。 b.財政状態(資産)当第3四半期連結会計期間末における総資産は、前連結会計年度末に比べて2,433百万円増加し22,537百万円となりました。これは主に、現金及び預金が1,333百万円減少した一方、立替金が1,125百万円、投資有価証券が1,303百万円、及び固定資産の取得により投資不動産(純額)が828百万円それぞれ増加したことによるものです。 (負債)当第3四半期連結会計期間末における負債は、前連結会計年度末に比べて1,750百万円増加し19,907百万円となりました。これは主に、住宅設備の延長保証事業を行うため一括で受領した保証料のうち1年超の期間に収益化される予定の長期前受収益が1,349百万円増加したことによるものです。 (純資産)当第3四半期連結会計期間末における純資産は、前連結会計年度末に比べて683百万円増加し2,629百万円となりました。これは主に、親会社株主に帰属する四半期純利益が666百万円計上されたことによるものです。 なお、当社の自己資本比率は11.7%となっており、他の事業会社と比較して低い水準となっております。これはサービス提供前に保証料を収受する当社のビジネスモデルに起因するものです。当社の負債の割合の内訳は、前受収益及び長期前受収益(将来の利益)が59.9%、預り金及び長期預り金(主に現金及び預金)が23.8%という構成であり、有利子負債は12.8%と低水準となっております。さらに、流動比率も238.5%と十分な水準となっており、財務の健全性は十分に担保されております。 (2)会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定 前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。 (3)経営方針・経営戦略等 当第3四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。 (4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題 当第3四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。 (5)研究開発活動 該当事項はありません。 |
経営上の重要な契約等 | 3【経営上の重要な契約等】 (株式交換による経営統合に関する基本合意書の締結) 当社と株式会社メディアシーク(以下「メディアシーク」という。当社とメディアシークを併せ、以下「両社」という。)は、2024年4月26日に開催した両社の取締役会において、株式交換による経営統合(以下「本経営統合」という。)に向けた基本合意書(以下「本基本合意書」という。)を締結することを決議し、同日付けで本基本合意書を締結いたしました。 (1)本経営統合の背景及び目的 当社は、独創的なリアルとデジタルのサービスで、暮らしの資財価値を最大化するWorthTech Companyとして、住宅領域や太陽光発電システムに代表される再生可能エネルギー関連領域を中心に、保証以外の提供ソリューションを拡大・進化させる中で、上場以来の増収増益を継続し、2024年6月期においても、過去最高の業績を見通しております。とりわけ、近年はアプリ・チャットボット・電子マネーといったデジタルネイティブなサービスの開発・提供を通じて、業務DXを支援しています。また今後についても、2023年8月公表の中期経営計画にも記載の通り、SaaS事業・Fintech事業における成長戦略の実行に着手しております。 一方、メディアシークは「善いものを生みだし続ける」ことを経営理念とし、豊富な実績・技術開発リソースに基づくシステムインテグレーション提供を基軸に、法人向けシステムコンサルティングや画像解析/AI、教育・ヘルスケア・エンターテイメント領域におけるオンラインサービス開発など各種事業を運営しております。また、新たな技術への対応も積極的で、脳機能の向上や身体の不調の緩和などを目的としたブレインテックトレーニングについて開発し、国立大学や大学病院などが実施する臨床研究向けの販売を強化しております。加えて、ベンチャーインキュベーションにおいてもこれまでに6社のIPO、1社のBuyOut実績を有しております。 これまで両社はシステム開発委託・受託関係を通じて、社内業務システムやデジタルサービスを共同で開発するなどビジネスパートナーシップを強化してまいりました。その中で、相互補完性の高い両社の機能をより高いレベルで融合することで、新たな企業価値を創出すべく経営統合に関する基本合意に至ったものです。 (参考①)両社が持つ機能に関する鳥瞰 また、両社の経営統合により、東証プライム市場の新規上場に関する形式要件においても、純資産要件などが充足することから、早期での東証プライム市場へのステップアップを志向してまいります。 (参考②)東証プライム市場新規上場に関する主な要件の充足状況 (2)本経営統合におけるシナジー・事業戦略 本経営統合により、当社が有する保証・金融・BPOといった機能と、メディアシークが得意とするSI(システムインテグレーション)受託やデジタルコンテンツ開発の機能が加わることで、今後より幅広い顧客企業のビジネスを拡大・拡張(Expand)するビジネスパートナーとしての価値提供を目指してまいります。 また、本経営統合に伴い、当社の商号変更および新たなブランディング戦略の検討を進めており、具体的な事業戦略を含む中期経営計画とともに2024年8月9日に公表する予定です。 (参考③)統合後の提供ソリューションイメージ (3)本経営統合の要旨a.本経営統合の日程基本合意書締結の取締役会決議日(両社)2024年4月26日基本合意書締結日(両社)臨時株主総会基準日公告日(メディアシーク)2024年4月26日臨時株主総会基準日(メディアシーク)2024年5月13日(予定)臨時株主総会開催日(メディアシーク)2024年6月26日(予定)株主総会基準日(両社)2024年6月30日(予定)株式交換契約締結の取締役会決議日(両社)2024年8月9日(予定)株式交換契約締結日(両社)定時株主総会開催日(当社)2024年9月25日(予定)定時株主総会開催日(メディアシーク)2024年9月26日(予定)最終売買日(メディアシーク)2024年10月29日(予定)上場廃止日(メディアシーク)2024年10月30日(予定)株式交換の効力発生日(両社)2024年11月1日(予定)(注1)メディアシークは、2024年6月26日に開催予定の臨時株主総会に、事業年度の変更を目的とした定款の一部変更に係る議案、及び資本金の額の減少に係る議案を上程することを予定しております。 (注2)上記の日程は、2024年6月26日に開催予定のメディアシークの臨時株主総会において、事業年度の変更を目的とした定款の一部変更に係る議案が原案どおり決議されることを前提とした現時点での予定であります。当該臨時株主総会の結果、及び本経営統合の手続きを進める中で本経営統合の準備状況その他の理由により、上記日程に変更が生じる可能性があります。 b.本経営統合の方式 両社は、必要な機関承認を得ることを前提に、2024年11月1日を効力発生日として、当社を株式交換完全親会社、メディアシークを株式交換完全子会社とする株式交換(以下「本株式交換」という。)を行うことを協議・検討してまいります。本株式交換が実施された場合、その効力発生日をもって、メディアシークは当社の完全子会社となります。それに先立ち、メディアシーク株式は、東京証券取引所の上場廃止基準により、所定の手続を経て上場廃止となる予定です。 c.本株式交換における割当の内容および株式交換比率 本株式交換においてメディアシークの株主の皆様に交付される当社の株式に関する株式交換比率は、今後実施するデュー・ディリジェンスの結果や、第三者算定機関による株価算定の結果等を踏まえて、本経営統合に関する最終契約締結までに決定いたします。 d.本株式交換に伴う新株予約権者及び新株予約権付社債に関する取扱い 株式交換により完全子会社となるメディアシークは、新株予約権及び新株予約権付社債のいずれも発行していないため、該当事項はありません。 e.利益相反を回避するための措置 メディアシークの代表取締役である西尾直紀は、当社の社外取締役を兼務しておりますところ、利益相反を回避する観点から、本経営統合に関する両社の取締役会の審議および決議には参加しておらず、当社の立場においてメディアシークとの協議・交渉にも参加しておりません。 本基本合意書の締結については、いずれも西尾直紀以外の取締役全員が出席し、出席取締役の全員の賛成により決議しております。今後も、西尾直紀は、本件経営統合に関する両社の取締役会の審議および決議に参加しない予定でおり、当社の立場においてメディアシークとの協議・交渉にも参加しない予定でおります。また、本経営統合に関する今後の両社の取締役会の決議につきましても、西尾直紀を除く取締役全員の賛成により行う方針でおります。 (4)本経営統合の当事会社の概要a.会社概要名称日本リビング保証株式会社株式会社メディアシーク本店所在地東京都新宿区西新宿四丁目33番4号東京都港区白金一丁目27番6号代表者の役職・氏名代表取締役社長 安達慶高代表取締役社長 西尾直紀事業内容住宅事業者が顧客であるHomeworthTech(住宅設備の延長保証、検査補修、電子マネー発行、定期点検代行)事業、非住宅事業者向けExtendTech(保証・運営支援)事業を営む。企業向けシステムコンサルティングとコンシューマー向け情報サービス業を営む。コーポレートDX事業は外資系コンサルティングファーム出身者を中心にシステムの設計・開発・保守・運用支援を行う。資本金212百万円(2023年12月末現在)823百万円(2024年1月末現在)設立年月日2009年3月12日2000年3月1日発行済株式総数5,118,300株(2023年12月末現在)9,766,800株(2024年1月末現在)決算期6月末日7月末日従業員数179人(連結)(2023年6月末現在)71名(連結)(2023年7月末現在)主要取引先三井不動産レジデンシャル株式会社、住友林業株式会社、株式会社タカラレーベン株式会社NTTドコモ、ソフトバンク株式会社、KDDI株式会社、Apple Inc. Google Inc.主要取引先銀行みずほ銀行、三菱UFJ銀行、三井住友銀行、三井住友信託銀行、千葉銀行三井住友銀行、みずほ銀行、商工中金、りそな銀行大株主及び持株比率(所有株式数別)安達慶高13.56%西尾直紀35.70%荒川拓也12.70%根津康洋7.47%吉川淳史6.55%楽天証券株式会社1.88%竹林俊介5.16%株式会社SBI証券1.24%森永秀一4.97%丸山寛1.23%三井不動産レジデンシャル株式会社4.55%鈴木智博1.13%株式会社メディアシーク4.13%松井証券株式会社1.01%CACEIS BANK/QUINTET LUXEMBOURG SUB AC/UCITS CUSTOMERS ACCOUNT2.97%江口郁子0.99%愛田司郎2.82%JPモルガン証券株式会社0.88%㈱日本カストディ銀行(信託口)2.68%水谷宏治0.85%(2023年12月末現在)(2024年1月末現在)当事会社間の関係 資本関係メディアシークは当社の普通株式207,000株(2023年12月末日現在発行株式数における保有割合は4.13%)を保有しております。 人的関係メディアシークの代表取締役1名が、当社の社外取締役を兼務しております。 取引関係メディアシークは日本リビング保証からソフトウェア開発等の受注をしております。 関連当事者への該当状況該当事項はありません。 b.直近3年間の業績概要(単位:百万円。特記しているものを除く。) 当社メディアシーク決算期2021年6月期2022年6月期2023年6月期2021年7月期2022年7月期2023年7月期純資産7791,2431,9463,9383,1043,166総資産14,46916,21920,1035,0873,7723,8561株当たり純資産(円)155.79247.90387.95401.96316.48322.89売上高2,6243,3053,9191,778887870営業利益3816507411664041経常利益4587671,0212027478親会社株主に帰属する当期純利益24354675147655601株当たり当期純利益(円)48.73109.48149.7548.895.676.191株当たり配当金(円)10.0010.0010.001.001.001.00 |