財務諸表
CoverPage
提出書類、表紙 | 有価証券報告書 |
提出日、表紙 | 2024-04-26 |
英訳名、表紙 | Moi Corporation |
代表者の役職氏名、表紙 | 代表取締役社長 赤松 洋介 |
本店の所在の場所、表紙 | 東京都千代田区神田司町二丁目8番1号 |
電話番号、本店の所在の場所、表紙 | 03-3527-1471 |
様式、DEI | 第三号様式 |
会計基準、DEI | Japan GAAP |
当会計期間の種類、DEI | FY |
corp
沿革 | 2【沿革】 当社創業者の赤松洋介は、2005年8月に当社の前身となるサイドフィード株式会社(現 Moi Labs 株式会社)を東京都千代田区内神田にて資本金20百万円で設立し、各種Webサービスの提供を開始しました。その後、2009年8月に、映像を見ながらラジコンカーをインターネット経由で遠隔操作できるサービス「Joker Racer」をリリースしました。2010年2月にはiPhoneが普及し始め、Joker Racerで培ったライブ配信の技術をiOSに移植することで、iPhoneのみで手軽にライブ配信を実現できる環境が整ったと判断し、ライブ配信コミュニケーションプラットフォームサービス「TwitCasting」(通称「ツイキャス」)をリリースしました。その後、事業を「ツイキャス」に集中するため、資本金10百万円でサイドフィード株式会社からの会社分割にて当社を設立しました。 以下は当社設立以降の沿革となります。 年月概要2012年2月 2012年5月2013年11月2014年9月2015年4月2015年4月2017年8月2018年6月2019年2月2019年3月2019年8月2020年3月2020年7月2020年10月 2020年11月2021年3月 2021年4月2021年5月2021年8月 2022年4月2022年8月2023年8月東京都千代田区において資本金10百万円でサイドフィード株式会社からの会社分割にてモイ株式会社を設立当社の完全子会社として、Moi Corporation(米国子会社)を設立本社を東京都千代田区神田小川町に移転本社を東京都千代田区神田司町に移転CtoCチケット販売サービス「キャスマーケット(現:「公式ストア」)」をリリース「ツイキャス」の累積登録ユーザー数が1,000万人を突破「ツイキャス」の累積登録ユーザー数が2,000万人を突破ユーザーが「ツイキャス」を通じて収益化できる「ツイキャス・マネタイズ」機能をリリースCtoCデジタルコンテンツ販売機能を「公式ストア」にてリリース国内事業に集中するため、Moi Corporation(米国子会社)を清算ゲーム実況アプリ「ツイキャスゲームズ」をリリースユーザーが自身の配信を有料販売できる「プレミア配信」を「公式ストア」にてリリース「ツイキャス」の累積登録ユーザー数が3,000万人を突破一般財団法人日本情報経済社会推進協会(JIPDEC)より「プライバシーマーク(Pマーク)」の付与認定(以降2年毎に更新)配信者を月額で支援できる「メンバーシップ」機能をリリースユーザーが同時にアニメを視聴しながらコミュニケーションを楽しむことができる「ツイキャスアニメ」(現:「ツイキャスシアター」)を開始配信者バーチャル化支援プロジェクト「ツイキャス100V」を開始「ツイキャス」の音声SNS機能として「ツイキャス・コール」機能をリリース「ツイキャス」の日本語版サービス正式名称を「TwitCasting」からカタカナの「ツイキャス」に変更東京証券取引所グロース市場に株式を上場「メンバーシップ」専用アプリである「メンバーシップSTAR」をリリース海外在住者向け収益化サービスをリリース |
事業の内容 | 3【事業の内容】 当社は、「人と人をつなげて世界中の人々の生活を豊かに変えます」というミッションのもと、あらゆる人の集まりをオンライン化し、快適に双方向のコミュニケーションを行える場の提供、及びその利用者が様々なコミュニケーション活動をすることにより経済が発生する仕組みの実現を目指して、ライブ配信(*1)サービス「ツイキャス」のサービス企画、開発、運営を主たる業務としております。当社は、「ツイキャス」をライブ配信コミュニケーションプラットフォームと位置づけており、また、ライブ配信コミュニケーションプラットフォーム事業の単一セグメントであります。 (補足)*1 「ライブ配信」とは、PCやスマートフォンから、映像と音声をリアルタイムに他者へ届けることです。「動画」と比較し、ライブ配信をする側と視聴する側の間でよりリアルタイム性に特化したやりとりをすることが可能となっています。 (1) 当社の事業内容 当社が運営する「ツイキャス」は、ユーザーが、PC、スマートフォン、タブレット等からウェブブラウザや専用のアプリを使って、動画や静止画・音声をライブ配信することができるサービスです。ユーザーは自ら実際にライブ配信を行う配信者とそのライブ配信された動画や音声を視聴する視聴者に大別されます。ユーザーはライブ配信及びライブ配信の視聴を原則として無料で行うことができます。配信者によるライブ配信は、原則として「ツイキャス」内で全てのユーザーが自由に視聴することができます。視聴者は、ライブ配信画面内に設置されているコメント機能やアイテム機能を用いて、配信者や他の視聴者とリアルタイムでコミュニケーションを取ることが可能です。また、配信者は、「ライブ収益」(*1)機能を通して、ライブ配信を収益化することも可能です。 (補足)*1 「ライブ収益」とは、自身のライブ配信において使用されたアイテム数や配信の録画が閲覧された回数など一定の条件に従って当社から報酬を支払う仕組みを指します。 ツイキャス・ビュワーツイキャス・ライブメンバーシップSTAR 「ツイキャス」は、2010年のサービス開始以来、10代・20代の男女を中心にユーザーを獲得しており、2021年7月末時点の累積登録ユーザー数は3,360万に達しております。また、「ツイキャス」ユーザーの男女別及び年齢別構成比は以下のとおりとなります。 (注) 1.累積登録ユーザー数は、サービス開始以降、「ツイキャス」にログインしてサービスを利用した ユニークユーザー数を集計しており、2021年7月末時点の数値を記載しております。 2.ユーザーの性別分布及び年齢分布は、2023年2月1日から2024年1月31日までの1年間を対象とした 実績値を集計しております。集計データは全て、フラー株式会社が提供するアプリ分析サービス App Apeから入手したものを利用しております。 また、「ツイキャス」の国内ライブ配信アプリ市場におけるポジションといたしましては、主要ライブ配信アプリ12タイトルのMAU比較(2024年1月末時点)において、22.3%のシェアを獲得している状況となります。なお、MAUとは、Monthly Active Users(月間アクティブユーザー数)の略で、特定の月に1回以上の利用や活動(活動例:「ツイキャス」でログインや配信、コメント、視聴など)があったユーザーの数を指します。 (注) 1.国内ライブ配信アプリ各社のMAU比率は、フラー株式会社が提供するアプリ分析サービスApp Ape から入手した2024年1月末時点の情報を元に自社で集計しております。なお各比率を計算する際に 使用した母数は、対象とした12アプリの各MAUの合計となります。 2.スマートフォンなどを使った動画の生配信及びそれらの視聴を主目的としたアプリが対象と なります。YouTube、TikTok等、ライブ配信機能を有するSNSサービスについては、対象に含まれて おりません。 当社では、「ツイキャス」に付随する様々なサービスも提供しております。 2015年4月には、「ツイキャス」を利用する一般ユーザーが、コンサート、オフ会(*1)などのオフラインで行われる各種イベントの電子チケットや自作のイラスト及び音楽等のデジタルデータを売買できるオンラインストア「キャスマーケット」(2022年8月に名称を「公式ストア」へ変更しております。)を開設しています。また、2020年3月には、「ツイキャス」上で、有料でライブ配信を行える「プレミア配信」機能を公開しました。「プレミア配信」では、単に有料コンテンツを一方的に見るだけではなく、ライブ主催者や参加者が一体となってコミュニケーションを楽しむという新しい価値を提供しており、ライブ配信の録画をアーカイブとして再販可能というユニークな特徴もあると当社は考えており、常時2,000件以上の開催予定が登録されています。また、登録される有料ライブ配信は、音楽にとどまらず、落語や演劇まで幅広い範囲に広がっており、30代後半以上のユーザー層が新たに「ツイキャス」を利用いただくきっかけとなっていると当社では分析しております。 2020年11月には、一定条件を満たした配信者を、その配信者のファンである視聴者がサブスクリプション(月額課金)で継続的に応援することができる「メンバーシップ」機能の提供を開始しました。また、2022年8月には、「メンバーシップ」の加入者専用のアプリ「メンバーシップSTAR」をリリースし、配信者及び加入者双方がより深いコミュニケーションを楽しめる仕組みを提供しております。 (補足)*1「オフ会」とは、「ツイキャス」や各種SNSなどを通じてオンライン(仮想世界)で知り合った人と、現実世界(オフライン)で会うことを意味します。実際に会ってメンバー間の親交を深めることが主な目的で、共通の趣味を持つ人と友達になれるといったメリットがあると当社では分析しております。 以上を踏まえ、当社が運営する「ツイキャス」を構成する主なアプリ・ウェブサイトは以下となります。名称概要ツイキャス・ライブ 種別:アプリ(iOS版) 「ツイキャス」でライブ配信をするためのアプリです。誰でも手軽に配信できるように、アプリを立ち上げてからボタン一つで配信を開始できるように設計されています。 ツイキャス・ビュワー 種別:アプリ(iOS版) 「ツイキャス」で配信されているライブ配信を見るためのアプリです。アプリを開くと、初めのページに現在配信中のライブ配信の一覧が表示されていて、視聴者は見たい配信をタップすると映像や音声が流れてきて視聴を開始できます。いわゆる「お気に入り」機能もあり、視聴者は好きな配信者をお気に入り登録(「ツイキャス」では「サポーター登録」と呼称しています)することにより、登録した配信者が配信中の場合は、アプリのトップページに表示される、ライブ配信を開始すると、自分の端末に通知が届くといった利点があります。 ツイキャス 種別:アプリ(Android版) 「ツイキャス」でライブ配信・視聴の両方ができるアプリです。Android版があります。 ※上に記載の「ツイキャス・ライブ」アプリ及び「ツイキャス・ビュワー」アプリの統合版です。 twitcasting.tv 「ツイキャス」をウェブブラウザで利用するためのサイトです。PC、スマートフォン、タブレット等からアクセスしてライブ配信やライブ配信の視聴ができます。 ツイキャスメンバーシップSTAR 種別:アプリ(iOS版・Android版) 「ツイキャスメンバーシップSTAR」は、「ツイキャス」内の月額制コンテンツ「メンバーシップ」を利用する配信者と「メンバーシップ」に加入中の視聴者(メンバー)を対象とした専用アプリです。配信者はメンバー限定のライブ配信に加え、メンバーに向けてテキストメッセージや写真、動画を投稿することができます。これらの投稿内容はアプリをインストールしたメンバーのみが閲覧でき、またメンバーはそれらの投稿に対して返信や「いいね」をすることで、より深いコミュニケーションを楽しむことができます。 ツイキャスゲームズ 種別:アプリ(iOS版・Android版) 「ツイキャスゲームズ」は、「ツイキャス」でゲーム実況(*1)を行うことに特化したアプリです。配信者は、スマートフォンで提供されるゲームアプリをプレイしながら、自身のスマートフォンの画面をライブ配信することができ、ゲームの解説をしたり、視聴者のコメントを参考にしながらゲームの攻略を考えたりすることができます。 *1「ゲーム実況」とは、ゲームをプレイしている配信者が、そのゲーム画面をライブ配信サイト等で配信しながらゲーム内容について話す、またその配信に対して視聴者が実況コメントや感想コメントを投稿することを指します。 (2) 当社の事業の特徴 「ツイキャス」では、SNS(*1)連携機能を活かし、ユーザー自身が「ツイキャス」上で展開されるライブ配信をSNS上で拡散することで、新たなユーザーの獲得につながるという特徴があります。また、ライブ配信においては、配信者が一方的にコンテンツを提供するのではなく、視聴者がコメント機能やアイテム機能を使用してライブ配信に積極的に参加することで、配信者、視聴者ともにリアルタイムなコミュニケーションを楽しむことができます。これらのコミュニケーションを通して、視聴者は「もっと応援したい」等の思いからアイテム機能等を利用して課金を行うことで配信者を応援し、配信者は「もっと応援してもらいたい」等の思いからより良い配信を行うサイクルが発生するという特長があると当社では分析しております。なお、視聴者がライブ配信を視聴中に利用できるアイテムは、以下のとおりであります。 (補足)*1 「SNS」とは、Social Networking Service(ソーシャルネットワーキングサービス)の略で、インターネット上でコミュニケーションを行える場を提供するサービスのことです。 アイテム名説明拍手 クラッカー 主に、配信を盛り上げるために使用されるアイテムです。特にお茶は最も多く利用されるアイテムの1つであり、人気の理由は、配信へのねぎらいの意味を込めて 「ツイキャス」の文化として根付いていること、使用に必要なポイント数も少ないため気軽に使用できるためではないかと分析しております。お茶 花火 お茶x10 ケーキ コンティニューコイン 配信ライブを延長するためのアイテムです。5枚集めると、ライブを30分間延長できます。まとめて使用可能な、コインの5枚セットも提供しています。お茶爆50 お茶爆100 配信者の特別収益対象アイテムです。視聴者は、有料ポイントを1pt以上所持していると、無料ポイント分と合算し、アイテム使用に必要なポイントを充足することで使用可能です。キャスくんスタンプ 各スタンプには、平均して14ほどの種類があり、視聴者が使用するとその個数に応じて、使えるスタンプの種類が増えます。 「キャスくん」は「ツイキャス」のマスコットキャラクターです。「キャスくん」の他、他社のキャラクター等を利用したスタンプもあります。 スタンプには、表情豊かなキャラクターが使用されており、視聴者の感情(面白い、笑っている、悲しい、怒っているなど)の表現が可能となっています。フレーム 配信者は、フレームを受け取ると、任意で画面上に表示させることができ、配信画面を彩ることができます。なお、一部フレームでは、春は桜の花びらを散らすといった画面上の演出(エフェクトの表示)が可能です。こちらについても、他社のキャラクターを利用したフレームがあります。 また、「ツイキャス」では、雑談、音楽、ゲーム配信など多様なジャンルでユーザー主導による独自の配信文化が自発的に多数発生していると当社は分析しており、ユーザー同士が容易に自分の興味・関心に関するトピックを通じたコミュニケーションができる空間=ライブ配信を見つけることが可能になるように、「ツイキャス」の配信文化を元に、100以上の配信カテゴリーを提供しています。配信者自身が、自身の配信ライブの内容を踏まえて配信カテゴリーを選択しており、同じような興味を持ったユーザー同士がお互いを見つけやすくなっています。主な配信カテゴリーは以下となります。 主なカテゴリー顔出しシニア声真似(二次)音楽:弾き語りおえかきパパ学生地声似音楽:楽器演奏コスプレママお兄さん・お姉さん朗読音楽:トークハンドメイド誰かかまってイケボカップル・夫婦ペット料理・ごはん雑談癒し声ゲームセクマイ(LGBTQ)作業枠一般低音ボイス時事・ニュース・政治男装海外JCJKアニメ声お悩み相談 なお、ユーザー規模が大きい配信カテゴリー分野においては、「ツイキャスシアター」(アニメや映画等、映像作品の共有視聴体験をオンライン化、2022年10月に「ツイキャスアニメ」より名称変更)、「VTuber専用プログラム」(「ツイキャス」上でバーチャルキャラクターを使用してライブ配信を行うユーザーに対し各種優遇条件、機能等を提供する認証プログラム)、「ツイキャス100V」(配信者の魅力や個性を引き出してバーチャル化する支援プロジェクト)などを通して、当社としても積極的にサポートを行っております。 また、「ツイキャス」は、快適なライブ配信コミュニケーションプラットフォームを実現するうえで、当社が重要であると考えるコミュニティ運営とインフラシステムに特徴を有しております。 コミュニティ運営においては、10年以上の運営ノウハウとそれらのシステム化を通した効率的かつ効果的なコミュニティ運営によりユーザーが安心して利用できるコミュニティの運営を推進しております。 ※サービス健全性の維持・改善について 当社は、不特定多数のユーザーによるオンライン上のコミュニケーションの場として「ツイキャス」が活用されていることの重要性とリスクを十分理解した上で、配信者、視聴者が共に安心してコミュニケーションを楽しめるよう、プラットフォームの健全性維持・改善を常に最重要視しております。具体的には、ユーザーに対する啓蒙活動推進、ユーザーへのNG機能提供等を含めた配信者保護の仕組み、児童・未成年ユーザー保護対応、著作権違反が生じないための取り組み、24時間対応における社内外のモニタリング体制の強化、ユーザーや外部(警察や著作権者等)への通報・報告機能の提供等の施策を行っており、主な取組内容としては、以下となります。 トピック主な取組内容児童・未成年ユーザー保護対応・ユーザー登録時に年齢確認を行い、未成年ユーザーに対して月間のポイント購入金額に上限を設定し未成年による多額のポイント購入を未然に防止・児童ユーザーに対する出会い系コメントや露出を誘導するコメントをシステムで自動検知し、アカウントの自動規制や注意喚起を行うことで、児童被害の発生・拡大を防ぐ・「ツイキャス」の収益化機能を通じて報酬を受け取ることができる対象を原則として法人または18歳以上※の個人に限定することで、未成年ユーザーが金銭トラブルに巻き込まれるリスクを最小化※条件を満たした15歳以上の個人は、収益化機能を制限付きで利用可能・15歳未満のユーザーに対してセンシティブ・コンテンツ(未成年の視聴にふさわしくないコンテンツ)の表示制限を実施配信者保護対応・ライブ配信中のユーザー間トラブル発生を事前に防止する仕組みとして、特定のユーザーや単語をブロックできるNG機能を提供・ライブ配信中の迷惑コメントをシステムで自動検知し、アカウントの自動規制を実施・配信者がユーザーを指定し、そのユーザーが、その配信者のライブ配信内で投稿された迷惑コメントをリアルタイムで削除できる機能(モデレーター機能)を提供ユーザー啓蒙活動推進・利用規約やサービスを利用する上でのルールや注意事項を記載したコミュニティ・ガイドラインをはじめとする様々なガイドラインを設け禁止行為を明確にし、ユーザーに周知徹底するための啓蒙活動を継続的に実施著作権保護対応・著作権に関するガイドライン、楽曲利用に関する注意喚起ページ、ゲーム実況配信に関するガイドライン等を公開し、ユーザーに注意啓発を実施・著作権者専用の通報フォームを設置し、著作権侵害行為に対して迅速に対応できる体制を構築・著作権を有する権利団体や個別の会社との間で、サービス上の利用に関する包括契約を締結(包括契約締結の相手先、内容は、「第2 事業の状況 5 経営上の重要な契約等 当社が締結している重要な契約」を参照ください)サービス監視体制・アウトソーシング(外部委託)の活用による24時間365日監視対応・ユーザー等からの報告による違反行為の早期発見と早期対応・無作為サンプリングによるリアルタイムでの配信監視の実施・アカウント規制判断基準の定期評価及び更新ユーザー主導監視促進・ユーザーによる違反行為の報告を容易にするためシンプルなユーザー通報機能の提供、認知しやすい位置への設置および通報機能の継続的な改善・コミュニティ・ガイドライン等において違反行為に対するユーザー報告を啓発・ユーザー通報に対して適切かつ速やかに対応することにより、ユーザーコミュニティ間で「違反行為を報告すれば適切に対応される」という意識を醸成 以上の通り、当社では、継続的にサービスの健全性維持・改善に努めており、サービス開始以来10年以上におよぶ経験・ノウハウが融合されたコミュニティ運営力こそが、サービスに対する安心感・信頼感を高める一因であり、「ツイキャス」の強みを構成する重要な要因であると自負しております。 また、インフラシステムにおいては、低遅延かつ大規模配信に耐えられ、さらに低コスト運用を可能とするコミュニケーションインフラを実現するために、スマートフォン及び遅延対策に特化した独自の配信システムを構築しており、今後、5G(第5世代移動通信システム)の普及により、当社システムの有用性はさらに高まると考えております。また、配信システムのBCP対策を採り入れており、事業継続性の強化を図っております。 (3) 当社の収益構造 当社が運営する「ツイキャス」の収益構造は、主に以下の3種類の売上から成り立っています。 項目内容売上構成比(2024年1月期)①ポイント販売売上 「ツイキャス」では、配信を賑やかにするためや配信を延長するためのアイテム(お茶や拍手・スタンプ、コイン等)をユーザーが保有するポイントで使用できる仕組みとなっております。ポイントは当社が付与する無料ポイントとユーザーが当社から購入する有料ポイントに分けられ、ユーザーは付与された無料ポイント及び購入した有料ポイントを利用し各種アイテムを使用します。当社は、ユーザーが購入した有料ポイントのうち、ユーザーがアイテムに利用した部分を当社の売上高として計上しております。 また、当社は、配信者のライブにおいて使用されたアイテム数や録画が閲覧された回数などに応じて、一定の条件の元、報酬をお支払いする仕組みである「ライブ収益」を配信者へ提供しております。「ライブ収益」により、配信者へ支払った報酬は、アイテム報酬として売上原価に計上しております。91.9%②メンバーシップ販売手数料売上 「ツイキャス」では、一定条件を満たした配信者を、その配信者のファンである視聴者が毎月定額の会員費で応援することができる「メンバーシップ」機能を提供しています。 配信者は、自身の月額支払いプランを特典別に最大3つまで作成することができ、ファンである視聴者は、任意の配信者のプランに入会して、毎月一定額を支払います。当社は、サービスプラットフォームの提供者として、購入者から会員費を受領し、一部手数料を控除した額を配信者へ支払っており、手数料部分を当社の売上高として計上しております。4.2%③公式ストアにおけるチケット・コンテンツ販売手数料売上 「公式ストア」は、有料のオンラインライブを手軽に開催できる「プレミア配信」機能を備えたオンラインストアです。 配信者は、「プレミア配信」を活用した「ツイキャス」上での有料オンラインライブの開催、オンラインチケット販売に加えて、自身の制作物(デジタルコンテンツ)や自身が主催するライブ、イベント等のチケットを「公式ストア」上で販売することができます。当社はマーケットプレイスの提供者として、購入者から売買代金を受領し、一部手数料を控除した額を配信者へ支払っており、手数料部分を当社の売上高として計上しております。3.8% 以上を踏まえた当社の事業系統図は、以下のとおりであります。 |
関係会社の状況 | 4【関係会社の状況】 該当事項はありません。 |
従業員の状況 | 5【従業員の状況】 (1) 提出会社の状況 2024年1月31日現在従業員数(人)平均年齢(歳)平均勤続年数(年)平均年間給与(千円)40(2)34.55.87,761 当社はライブ配信コミュニケーションプラットフォーム事業の単一セグメントであるため、部門別に記載しております。部門の名称従業員数(人)技術開発部門26(1)サービス運用部門9(1)管理部門5(-)合計40(2)(注) 1.従業員数は就業人員数であり、臨時雇用者数(アルバイト及び人材会社からの派遣社員)は、年間の平均人員を( )内に外数で記載しております。2.平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでおります。3.当社はライブ配信コミュニケーションプラットフォーム事業の単一セグメントであるため、セグメント情報との関連については、記載しておりません。 (2) 労働組合の状況 労働組合は結成されておりませんが、労使関係は円満に推移しております。 (3) 管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異 当社は、「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)及び「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定による公表義務の対象ではないため、記載を省略しております。 |
経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 | 1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 当社の経営方針、経営環境及び対処すべき課題は、以下の通りであります。なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。 (1) 経営方針 当社は、「人と人をつなげて世界中の人々の生活を豊かに変えます」というミッションを掲げ、その実現に向けて、ライブ配信コミュニケーションプラットフォーム事業を展開しております。 当社は、ライブ配信コミュニケーションプラットフォーム事業を通して、サービス利用者に対して新しい価値を提供し続けることで、社会的責任を果たしながら、継続的な企業価値向上に向け努力してまいります。 (2) 経営戦略等 当社では、以下の点を経営戦略として重点的に行ってまいります。①ライブ配信の特徴を生かした日常コミュニケーションインフラ化の推進・ あらゆる人の集まりを快適なコミュニケーションにフォーカスしてオンライン化し、新たな価値を提供・ 1対複数はもちろん、複数対複数のオンラインコミュニケーションにおける新たなユーザー体験の創造・ ユニークな配信コミュニケーション体験によるオンリーワンな価値の提供 ②サービス健全性の自発的かつ継続的な改善を推進する仕組みの強化・ 児童・未成年ユーザー保護対応の強化、特に児童ユーザーに対する不適切コメントの自動検知&アカウント規制システムの強化、改善・ 24時間365日の無作為サンプル監視によるリアルタイム配信チェックの強化、推進・ ライブ配信を視聴中に、ユーザーが違反行為を通報しやすい通報機能の提供および継続的な改善 ③大規模低遅延配信を実現するライブ配信インフラシステムのさらなる強化・ 5G(第5世代移動通信システム)の普及に伴うライブ配信の高画質化対応・ ライブ配信コミュニケーションにおける時差ゼロを目指した低遅延化の推進・ BCP(事業継続計画)対応の推進・ スケールメリットを生かしたインフラシステム運用コスト最適化の推進・ サイバーセキュリティ対策の継続的な強化 ④ユーザーによる独自文化・コミュニティの自然発生・発展を支援する仕組みの強化・ 配信者支援プログラムの多様化、大規模化・ 新機能・サービス等のリリースによる配信文化の拡大、コミュニケーション活性化及びコミュニティ形成支援の推進 ⑤ユーザーによる経済活動の拡大を支援する仕組みの強化・ ユーザーが収益を得る仕組みの多様化・ 配信によって得られる収益の増加を支援するための施策等の推進・ ユーザーによる課金・購入に関わる安全性及び利便性の向上・ 高額課金問題対策の推進 (3) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等 当社は持続的な成長を通じた企業価値の向上を目指しており、売上と営業収益を重要な経営指標と位置づけ、企業価値の向上を図ってまいります。またこれらの経営指標をより具体的に可視化するための指標(KPI)として以下を設定しております。①ポイント販売売上「ツイキャス」で視聴者がアイテムを利用するために消費するポイントの購入に伴う売上金額合計②ポイントPU(Paid User)ポイントを購入した月間ユニークユーザー数③ポイントARPPU(Average Revenue per Paid User)ポイントを購入したユーザーあたりの月間平均課金額④実質売上総利益当社が獲得する売上高合計から、収益化された配信者に対してお支払する報酬額と、Apple Inc., Google Inc. 等の決済代行業者に対して支払う手数料を差し引いた金額 (4) 経営環境 当社が事業を展開するインターネットライブ配信サービス市場は、グローバルSNSプラットフォームのライブ配信サービス参入による競争環境の変化と、それに伴う新規サービス利用者の増加により、今後も市場は拡大していくと予想されます。 株式会社野村総合研究所によると、日本国内における動画投稿・ライブ配信市場の市場規模は、2021年度に8,164億円、2026年度には10,855億円に拡大すると予測されており(出典:ITナビゲーター2021年版 2020年12月17日発刊)、今後も利用者数は拡大していくと考えられます。なお、上記予測値を前提として、ライブ配信アプリ市場における月間アクティブユーザー数(2021年8月時点におけるApp Apeより取得した各対象アプリの推計数値を元に、自社で集計)をもとに自社で試算した結果、ライブ配信市場規模は、1,399億円と推計しております。 当該市場は、今後も市場規模、利用者数等が順調に拡大していくと考えられる一方で、インターネットライブ配信サービス市場の成長に伴い、国内外の新規競合サービスの市場参入、既存競合サービスとの競争激化などが進むことが予測されます。 (5) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題 当社では下記の事項を対処すべき課題と認識して、取り組みを進めております。①既存事業の収益機会の拡大及び新たな収益機会の創出 当社は、配信者、視聴者のためのライブ配信コミュニケーションプラットフォームサービス「ツイキャス」を運営することで、主に「ポイント販売売上」、「メンバーシップ販売手数料売上」、「公式ストアにおけるチケット・コンテンツ販売手数料売上」という3種類の収益を得ております。「ツイキャス」への新たな機能追加や各種マーケティング活動を通して、競合企業との差別化、新規の配信者・視聴者の獲得、及び既存ユーザーの満足度向上に向けた機能改善・サービス運営等を推進することで収益機会の拡大を図ってまいります。 ②サービス健全性の維持・改善推進 当社は不特定多数のユーザーによるオンライン上のリアルタイムコミュニケーションの場として「ツイキャス」が活用されていることの重要性とリスクを十分理解した上で、配信者、視聴者が共に安心してコミュニケーションを楽しめるよう、プラットフォームの健全性維持・改善を常に最重要視しており、そのための施策を行っております。具体的には、ユーザーに対する啓蒙活動推進、未成年ユーザー保護対応、著作権違反・第三者の名誉・プライバシーその他の権利を侵害しうる行為が生じないための取り組み、社内外によるモニタリング体制の強化、ユーザーや外部(警察や著作権者等)への通報・報告機能の提供等の施策を行っております。当社では、今後もサービスの健全性維持・改善を推進するための体制強化を継続してまいります。 ③システムの安定性確保 当社の主要事業におきましては、インターネット上にてサービス提供を行っている関係上、安定した事業運営を行うために、新規・既存サービスの成長等に伴うアクセス数の増加を考慮した、サーバー設備の強化、負荷分散システムの導入等が重要となるため、今後も設備投資等を継続的に行い、システムの安定性確保に取り組んでまいります。 ④事業推進体制の強化 今後の事業拡大及び収益基盤の強化を図るにあたり、専門性の高い優秀な人材の確保及び在籍する人員の育成に注力し、これまで同様、少人数での効率的な事業運営を意識しつつ、事業規模に応じた組織、事業推進体制の整備を進めてまいります。 開発組織においては、複数の少人数チームがそれぞれ裁量をもってサービスの企画・開発に取り組むことで開発効率を高いレベルに保ちながら、それぞれの責任を明確化することで開発品質を担保し、各種ツールを活用した情報の可視化などにより定量的なデータに基づいて迅速な分析・意思決定を行う体制を推進してまいります。 また、サービス運用組織においては、ユーザー数の増加に対して効率的に対応していく体制の強化が重要となります。具体的には、データ分析や各種ツールを活用しながら、新規ユーザー層獲得のための適切なマーケティングの実施、ならびに既存ユーザー層の満足度を継続的に向上すべく、コミュニティの快適性、安全性を低下させる問題となりえる配信・ユーザーの発見、及び対応を早期化し、サービスの健全性を維持できる体制を強化してまいります。 ⑤内部管理体制の強化 当社は、現在も成長途上にあり、業務運営の効率化やリスク管理のための内部管理体制の強化が重要な課題であると考えております。 そのため、コーポレート業務のさらなる整備を推進し、経営の公正性・透明性を確保するための内部管理体制強化に取り組んでまいります。具体的には、リスク・コンプライアンス委員会を中心として、業務運営上のリスクを適時適切に把握した上でリスク管理を行い、定期的な内部監査の実施によるコンプライアンス体制の評価、監査役監査の実施によるコーポレート・ガバナンス機能の充実等を図ってまいります。 ⑥情報管理体制の強化 当社は、「ツイキャス」のサービス運営を通して、個人情報を含む多くの機密情報をユーザーよりお預かりし、保有しております。特に配信者に対して報酬支払を行う上で、本人確認のための個人情報の提供を義務付けていることからも、これら情報管理の重要性については十分に認識しております。 個人情報等の機密情報管理につきましては、プライバシーマークの取得・維持、社内規程の厳格な運用、定期的な社内教育の実施、セキュリティシステムの整備等により、今後も引き続き、情報管理体制の強化を推進してまいります。 ⑦当社ブランドの知名度向上 当社は、これまで新聞・テレビ・雑誌等のマスメディア向け広告には大きく注力しておらず、「ツイキャス」のユーザーによるクチコミとソーシャルメディアの有効活用により、新規ユーザーの獲得、および既存ユーザーの離脱防止を図ってまいりました。 一方で、当社の掲げるミッションの達成、既存事業の更なる拡大、新規事業の開発と育成、及び競合企業との差別化を図るにあたり、当社サービスである「ツイキャス」のライブ配信コミュニケーションプラットフォームとしてのブランド構築および強化が重要であると認識しており、費用対効果を慎重に検討の上、適切な広告宣伝及びプロモーション活動を通して、当社ブランドの知名度向上を推進してまいります。 |
事業等のリスク | 3【事業等のリスク】 本書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が提出会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。 なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社が判断したものであります。 (1) 事業環境に関するリスク①業界の成長性について 当社は、主たる事業として、スマートフォンを通じて誰もが簡単かつ手軽にリアルタイムのコミュニケーションを取ることを可能にするライブ配信コミュニケーションプラットフォームサービス「ツイキャス」を展開しておりますが、高速化・低価格化によるモバイルネットワークの利用の拡大及び高性能化・低価格化によるスマートフォンの普及の拡大、グローバルSNSサービスの本格的な参入等を背景として、ライブ配信市場のユーザー数、売上等は拡大を続けており、今後もこの傾向は継続するものと認識しております。 しかしながら、ライブ配信及び関連する市場は、法規制、国内外の経済状況、個人の嗜好等の変化に大きな影響を受けることから、当該市場の成長が鈍化し、それに伴い当社の売上の大部分を占めるポイント販売売上が順調に拡大しない場合、アクティブユーザー数が拡大しない場合、又は予期せぬ要因により当社の想定する成長が実現しなかった場合には、当社の事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 なお、当社では市場調査やユーザー問合せ対応等を通して、本リスクが顕在化する可能性、時期や、程度等を早期に把握し、必要な対応を適宜適切に行うことに努めておりますが、本リスクが顕在化することを完全に防止することは困難であります。 ②競合について 現在、多くの企業がスマートフォンを利用したライブ配信サービスに参入しており、国内外の企業との競合が激しい状況にあります。今後も、資本力、マーケティング力や知名度、新規サービスの開発力等を有する企業等との競合又は新規参入が拡大する可能性があり、競争の激化やその対策のためのコスト負担等が予想されます。さらに、当社が提供するサービスからユーザーが離れる場合には、アクティブユーザー数が減少し、当社の事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 当社においては、競合企業に対する調査や、ユーザー嗜好、利用傾向等に関する市場調査等を通して、本リスクの顕在化を早期に発見し、対処することに努めておりますが、本リスクの顕在化の時期や程度を防止予測することは困難であります。 ③インターネット環境、モバイルネットワーク環境について 当社が提供するサービスは、スマートフォンにおけるオペレーティングシステム及びウェブブラウザ上で作動するものであり、またスマートフォン及びインターネットによる動作・通信環境が安定して稼働していることが事業運営の前提であるため、通信に対する法規制の導入、通信費の増加、通信障害の発生、携帯電話やインターネットの通信事業者との関係の悪化、スマートフォンや各種オペレーティングシステムの仕様変更等による当社サービス継続提供に対する支障発生等が、当社の事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 これらのリスクは、インターネットサービスを中心に事業展開する当社の事業構造が継続される限りは、恒常的に潜在するリスクと認識しておりますが、外的要因・予測不可能な要因によるものも多く、顕在化する可能性、時期及びその程度を予測することは困難であります。 ④技術革新について 当社が事業を展開するインターネット業界においては、技術革新のスピードが速いため、優秀な技術者を確保するとともに先端技術の研究やシステムへの採用等、必要な対応を行っております。しかしながら、何らかの当社が予期せぬ技術的な要因により、変化に対する適時適切な対応ができない場合には、業界における当社の競争力が低下し、当社の事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 なお、これらのリスクは、インターネットサービスを中心に事業展開する当社の事業構造が継続される限りは、恒常的に潜在するリスクと認識しておりますが、外的要因・予測不可能な要因によるものも多く、顕在化する可能性、程度及び時期を具体的に予測することは困難であります。 (2) 事業に関するリスク①ユーザーの嗜好や興味・関心の変化への対応について 当社が提供するサービスの主なユーザーは、モバイルを利用する一般若年層であり、当社によるユーザーの獲得・維持、アクティブユーザー数、課金ユーザー数は、その嗜好の変化による影響を強く受けます。当社はかかるユーザーの多様化する嗜好の変化に対応するため、サービスの拡充、集客強化及びコミュニティ活性化のための施策を行ってまいりますが、トレンドの変化が急速かつ急激である傾向にあり、ユーザーニーズの的確な把握と提供が、不測の要因により適時適切に実行できない場合には、当社の提供するサービスのユーザーへの訴求力が低下し、当社の事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 当社の売上高の大半は特定のサービス「ツイキャス」によるものであり、また、その売上高の大半はユーザーによるポイント購入に依存しております。当社は、「ツイキャス」の利用を維持・促進するため、機能改善や新機能の追加、各種プロモーション等によるユーザーの利用の活性化を図っておりますが、かかる対策が適時適切に行えなかった場合、又はかかる対策が功を奏さなかった場合など、何らかの理由によってユーザーの興味・関心を維持できない場合、又は競合他社が当社より魅力あるサービスをリリースするなどして、「ツイキャス」の競争力が低下した場合、アクティブユーザー数の減少、課金ユーザー数の減少、一課金ユーザーあたりの平均課金額の低下等により、当社の事業、業績及び財政状態に影響を与える可能性があります。 また、ユーザーのニーズ・嗜好の変化に対応し、かつ「ツイキャス」のポイント販売への売上依存を解消すべく、新規サービス開発・普及を行ってまいりますが、開発した新規サービスの普及及びマネタイズが想定通り進捗しない場合には、当社の事業、業績及び財政状態に影響を与える可能性があります。 当社では、本リスクが顕在化する可能性、時期や、程度等を早期に把握し、本リスクの顕在化を防止するために必要な対応を迅速に行うことに努めておりますが、本リスクが顕在化することを完全に防止することは困難であります。 ②売上にかかる第三者への依存について 当社が提供するスマートフォン用アプリは、Apple Inc.及びGoogle Inc.といったプラットフォーム運営事業者を介して一般ユーザーに提供されており、代金回収やシステム利用、ユーザー獲得等において、かかるプラットフォーム運営事業者に相当程度依存しております。当社は、これらの事業者との良好な関係の構築のため、かかるプラットフォーム事業者より課される条件・ルール等の対応及びその運用に努めております。また、当社は、ユーザーの決済手段として、クレジットカード決済、コンビニ決済等の外部の事業者が提供するサービスを導入し、売上高におけるプラットフォーム事業者への依存リスクの分散を図っております。しかしながら、当社はその収益の大部分をスマートフォン用アプリを通したポイント販売売上に依存しているため、かかるプラットフォーム事業者より課されるアプリ内課金における条件・ルール・手数料等の変更もしくは事業方針の変更、それらの運用にかかる当社のコスト増、又は当社が予測困難な変更等により従来通り当社のスマートフォン用アプリの提供ができなくなり、これらの事業者との契約継続が困難となった場合、当社の事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 当社では、本リスクの顕在化を防止するために、かかるプラットフォーム運営事業者との良好な関係構築や適時な情報収集及び対応に努めておりますが、本リスクが顕在化することを完全に防止することは困難であります。 ③一部機能にかかる第三者への依存について 当社が提供するサービスにおいて、当社は、ユーザーの利便性向上を目的とし、X Corp.及びGoogle Inc.といった第三者が提供する複数のAPI*1サービスを利用しており、その一つとして、ユーザーが第三者の提供するサービスのアカウントの情報を利用して当社サービスにログインできる機能を提供しております。この機能により、ユーザーは、当社サービスにアカウントを作成するための情報入力作業を省略し、第三者サービスの保有アカウントを用いてより簡単に当社サービスに登録ログインすることができます。当社サービスのユーザーの多くは、かかるAPIサービスを通して登録したアカウントを利用しており、また、ユーザーがポイントを購入するためには当社サービスでのアカウント登録が必須となっております。そのため、かかる第三者によるAPI提供条件の変更・一時停止・廃止等もしくは、事業方針の変更、それらの運用にかかる当社のコスト増、又は当社が予測困難な変更等によりこれらの事業者との契約継続が困難となり、従来通り当社が第三者のAPIサービスを利用したアカウントの登録機能・ログイン機能を提供できなくなった場合、ユーザーは既存のアカウントでポイントを購入しにくくなり、ひいては、当社の事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 当社では、本リスクの顕在化を防止するため、第三者のAPIサービスに依らない当社サービス独自のアカウント登録・ログイン方法の提供、当該第三者サービスのアカウント情報及び当社サービスに登録した情報によりログイン可能とする方法の提供をしております。またかかるプラットフォーム運営事業者との良好な関係構築や適時な情報収集及び適切な対応に努めておりますが、事前通知のない仕様変更等により、本リスクが顕在化することを完全に防止することは困難であります。*1 APIとは、「アプリケーション・プログラミング・インターフェース(Application Programming Interface)」の略称です。ソフトウェアやWebサービス、アプリの間をつなぐインターフェースのことであり、アプリを開発するにあたりプログラミングの手間を省くための共通して使える機能がパッケージングされ、無償・有償で提供されています。例えば当社サービスにおいてはX Corp.が提供する「Twitterでログイン」というAPIを当社のウェブサイト等に配置しております。 ④サービスの健全性の維持について 当社の提供するサービスは、不特定多数のユーザーが、配信者と視聴者、それぞれの立場から、リアルタイムでオンラインコミュニケーションを行うプラットフォームを提供することをその基本的性質としております。このため、当社では、プラットフォーム及びその中に存在する多数のコミュニティの健全性確保のため、ユーザー同士のトラブルの回避や違法行為等を防止する観点から、ユーザーに対し、サービスの利用規約において、社会問題に発展する可能性のある出会いを目的とする行為や名誉毀損・誹謗中傷等他人の権利を侵害しうる行為のほか、著作権侵害行為等の違法行為を禁止しております。さらには、通報制度の整備・運用、機能面では、特定のユーザーや単語をブロックする機能、特定のユーザーのみが視聴できる機能等の提供をしております。 ユーザーに対しては、サービスの利用における注意事項やガイドラインを掲出し、違反行為が発見された場合は段階に応じて注意警告を行い、一定期間ユーザーアカウントの利用不可とするなど、違反行為の改善を促しております。また、ユーザー間のコミュニケーションに対するモニタリング体制を構築しており、社内でのユーザーサポート人員の確保・教育、及び外部監視委託業者を利用し、監視体制の強化を図っております。 しかしながら、ユーザー間のコミュニケーションや行為を網羅的にモニタリングし把握すること、及び不適切な行為または違法行為等の発生時期を予測することは困難であることから、当社のサービスにおいて、第三者の名誉、プライバシーその他の権利を侵害する行為、権利侵害その他の法令違反行為等が行われた場合や、プラットフォームの安全性及び健全性が確保できない場合には、当社及び当社が提供するサービスに対する信頼性が低下し、ユーザー離れにつながる可能性があります。更に、問題となる行為を行った当事者だけでなく、当社もプラットフォームを提供する者としての責任を問われた場合、当社の企業イメージ、提供するサービスのブランドイメージ、信頼性の毀損、ひいては当社の事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 なお、当社のサービスにおけるユーザーによる音楽の利用及びその著作権につきましては、一般社団法人日本音楽著作権協会(JASRAC)等の著作権管理団体からの許諾を受け、音楽利用に関するルールを制定・ユーザーに啓蒙しておりますが、今後において同許諾条件の変更又は新たな権利許諾等が必要となる場合、当社の事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 また、当社では、監視体制の強化、運用を通して、本リスクが顕在化する可能性、時期や、程度等を早期に把握し、本リスクの顕在化を防止するために必要な対応を迅速に行うことに努めておりますが、本リスクが顕在化することを完全に防止することは困難であります。 ⑤システムについて 当社が提供するサービス「ツイキャス」の利用に際しては、ユーザーのモバイルネットワーク等のインターネットへのアクセス環境が不可欠であると共に、当社のITシステムも重要となります。 当社は、システムトラブルの発生可能性を低減するために、安定的運用のためのシステム強化、冗長化、セキュリティ強化を徹底しており、継続的なシステム等への設備投資を行っておりますが、当社の想定を上回る急激なユーザー数及びアクセス数の増加等があった場合、一部のユーザーのサービス利用状況が著しく悪化した結果、ユーザー離れに繋がる可能性があり、ひいては当社の事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 また、当社は、事業を運営するためのシステムを外部事業者が保有するデータセンターに設置し、セキュリティ強化による不正アクセス対策や、データのバックアップ、冗長化の体制を構築しております。しかしながら、サービスへのアクセスの急増などの一時的な過負荷や電力供給の停止、外部連携システムにおける障害、コンピュータウイルスや外部からの不正な手段によるコンピュータへの侵入、DDoS攻撃等の悪意のある第三者によるサイバー攻撃、自然災害、事故など、当社の予測不可能な様々な要因によってコンピュータシステムがダウンした場合、復旧等に際して特別な費用負担を強いられることにより、当社の利益が減少する可能性があります。更には、サーバーの不具合や欠陥等に起因し、信頼が失墜し取引停止等に至る場合や、当社に対する損害賠償請求等が発生する場合も想定され、このような場合には当社の事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ⑥新規事業について 当社は、事業規模の拡大と収益源の多様化及び事業の持続的な成長を目指して、積極的に現在の「ツイキャス」事業への新機能の追加、及び新たな事業の開発に取り組んでいく考えであります。これに伴い、インフラシステムの開発、運用、マーケティング等に対して追加の投資が発生し、利益率が低下する可能性があります。また、新規事業を開始した場合、その事業に固有のリスク要因が新たに加わることが予測されます。このような新たに加わるリスクに関しては、引き続き管理、対策を行ってまいりますが、当社の予見できない不測の事態が発生する等により、新規事業の展開が計画どおりに進捗しない場合、想定していた投資対効果を得ることができず、当社の事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ⑦風評リスクについて 当社及び当社が提供するサービス並びに当社が提供するサービスを利用するユーザー等に対する否定的な書き込みがインターネット上等で発生し、その書き込みを要因としたSNS等での拡散やマスコミ報道等による風評被害が発生・拡散された場合には、それが事実に基づくものであるかどうかに関わらず、当社の社会的信用、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 当社では、定期的にインターネット上の風評を調査し、これらの風評の早期発見及び影響の極小化に努めておりますが、外的要因・予測不可能な要因により発生するものも多く、本リスクの顕在化する可能性、程度及び時期を具体的に予測することは困難であります。 (3) 会社組織に関するリスク①人材に関するリスク 当社は、事業戦略の立案及び実行について、当社の経営陣に相当程度依存しており、これに対応するため、人材育成・ノウハウの共有体制の構築や職務権限規程に則った権限移譲を進めておりますが、当社が予見できない理由によりかかる経営陣が当社の業務を継続することが困難になった場合には、当社の事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 また、当社が今後とも企業規模を拡大し、提供サービスの質の向上を図っていくためには、スマートフォンのアプリ開発、設計等に関する技術的な専門性を有する開発部門の人材をはじめ、管理部門やサービス運用部門においても、当社の理念に共感し高い意欲を持った優秀な人材を確保することが必要不可欠であります。当社は、優秀な人材の確保のため、人材育成制度の整備による既存人材の能力の底上げ及び人材の定着を図る一方で、今後も採用活動を行っていく計画ではありますが、人材獲得競争の激化や市場ニーズの変化等により計画通りの採用が進まない、人材育成が進まない、人材の流出が進む等、当社が必要な人材の確保が困難となる場合には、当社の競争力の低下や、事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ②内部管理体制について 当社は、継続的に成長し続けるためには、企業規模の拡大に応じた内部管理体制の強化が必要不可欠な課題であると認識しております。そのため、業務の適正及び財務報告の信頼性を確保するための内部統制システムを整備し、運用しております。今後においても、内部統制システムの運用及び継続的な改善を行い、事業運営上のリスクの把握と管理を適切に行える体制構築及び強化に邁進してまいります。 しかしながら、事業規模の急速な拡大等により、それに応じた内部管理体制の構築に遅れが生じる場合には、適切な事業運営が困難となり、当社の事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ③情報管理体制について 当社は、収益機能を利用している一部のユーザーから個人情報を取得しているため、「個人情報の保護に関する法律」が定める個人情報取扱事業者としての義務を課されており、また一部のユーザーからはマイナンバーの提供も受けていることから、「行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律」が適用されております。 当社は、個人情報の外部漏えいの防止、不適切な利用、改ざん等の防止のため、個人情報の管理を事業運営上の重要事項と捉え、個人情報保護基本規程等を制定し、個人情報の取り扱いに関する業務フローを定めて適切に管理し、同法及び関連法令並びに当社に適用される関連ガイドラインの遵守に努めるとともに、個人情報の保護に積極的に取り組んでおります。 また、個人情報等を保管しているサーバーについても24時間管理のセキュリティ設備のあるデータセンターで厳重に管理されており、加えてこのサーバーに保管されているデータへのアクセスは、一部の社員に限定されております。 しかしながら、当社が保有する個人情報等について、漏えい、改ざん、不正使用等が生じる可能性を完全に排除することはできません。これらを回避するために、当社ではプライバシーマーク*1を取得・維持し、個人情報保護に積極的に取り組むとともに、研修や教育などを通じて社員への啓蒙活動を継続的に実施しておりますが、これらの事態が起こった場合、適切な対応を行うための相当なコストの負担、損害賠償請求、当社に対する信用の低下等によって、当社の事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。*1 プライバシーマークとは、(一財)日本情報経済社会推進協会が管理する、個人情報取扱いに関する認定制度であります。 ④社歴が浅いことについて 当社は2012年2月に設立されており、設立後の経過期間は12年程度と社歴の浅い会社であります。したがって、当社の過年度の経営成績は期間業績比較を行うための十分な材料とはならず、過年度の業績のみでは今後の業績を判断する情報としては不十分な可能性があります。 (4) 法的規制等について 当社の事業は、「電気通信事業法」、「資金決済に関する法律」、「青少年が安全に安心してインターネットを利用できる環境の整備等に関する法律」(以下「青少年ネット環境整備法」という。)、「個人情報の保護に関する法律」、「特定商取引に関する法律」、「特定電気通信役務提供者の損害賠償責任の制限及び発信者情報の開示に関する法律」「著作権法」等の各種法令や、監督官庁の指針、ガイドライン等による規制を受けております。このような法令の制定や改正、監督官庁による許認可の取消又は処分、新たなガイドラインや自主的ルールの策定又は改定等により、当社の事業が新たな制約を受け、又は既存の規制が強化された場合には、当社の事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 当社の事業に適用のある法令のうち、特に重要な規制は以下のとおりであります。 ①「資金決済に関する法律」 「ツイキャス」にて利用されている有料ポイントについて同法が適用されます。このため、当社は、同法に定める届出義務、供託義務等が発生し、同法、府令等の関連法令を遵守し業務を行なうことにより、本書提出日現在において同法、府令等の関連法令に基づく命令には抵触しておりません。しかしながら、今後、当社がこれらの関連法令に抵触した場合、同法第26条に基づく業務停止命令や届出取消し等の行政処分等を受けることも想定され、このような場合には当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。 なお、本書提出日現在の状況は以下の通りであります。 届出の名称資金決済に関する法律(資金決済法)に基づく「自家型前払式支払手段発行業」の届出所管官庁等財務省届出等の内容資金決済法による、自家型前払式支払手段の基準日未使用残高の基準額超過による届出許認可番号等なし有効期間その他期限等なし法令違反の要件及び主な取消事由資金決済法若しくは同法に基づく命令等に違反した場合や前払式支払手段の利用者の被害の拡大を防止することが必要であると認められる場合、一定の期間業務の全部又は一部の停止を受ける可能性等(同法、第25条、第26条) ②「電気通信事業法」 当社は、「ツイキャス」にて一部機能を提供するにあたり、「電気通信事業者」として届出を行っており、通信の秘密の保護が課せられております。本法により、当社は、通信の秘密の漏洩が発生した場合、総務省等への報告をする義務が課せられます。また、当社が、本法令に違反した場合には、業務改善命令等の行政処分を受ける可能性があり、このような場合には当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。 ③「青少年ネット環境整備法」 この法律は、現状、インターネット運営事業者等に対して、インターネット上の違法・有害情報について青少年閲覧防止措置を講ずる努力義務を課すに過ぎないものの、青少年を取り巻くインターネット上の違法・有害情報に対する運営事業者への社会的責任は大きくなってきており、今後、インターネット運営事業者等に特別の法的義務を課された場合、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。 ④「特定電気通信役務提供者の損害賠償責任の制限及び発信者情報の開示に関する法律」 当社は、「ツイキャス」の事業を行う上で、特定電気通信役務提供者として、本法の適用を受けることになります。特定電気通信による情報の流通によって権利の侵害があった場合、当社の損害賠償責任は、特定の条件の下、この法律により免除されております。 一方で、当社は、本法に定められる送信防止措置または発信者情報の開示請求への対応を行う場合、「表現の自由」という重要な権利・利益のバランスに配慮しつつ、慎重な運用にて適時適切な判断を行なうよう努めておりますが、請求者や発信者その他関係者により、当社の判断が適切でないと判断される場合、その当事者からクレームや損害賠償請求を、行政機関等から指導や勧告等を受ける可能性があります。 (5) 経営成績及び財政状態について①過年度業績等について 当社の過去5期間における主要な経営成績の推移は、「第1 企業の概況 1 主要な経営指標等の推移」に記載のとおりであります。 2020年1月期と2021年1月期においては、コロナ禍における急激なライブ配信サービス利用者及び当社サービスユーザーの増加に伴い、売上高は順調に成長しましたが、各種広告プロモーションやキャンペーンの実施に伴う広告宣伝費等の増加の影響により、当期純損失を計上しております。 2022年1月期においては、決済手段の多様化による支払手数料/売上高比率の低下や、より効率的な広告宣伝施策の実施による広告宣伝費/売上高比率の低下等により、売上高の増加率に比して、販売費及び一般管理費の増加率を低下させることができたことにより、単年度黒字を達成することができました。 2023年1月期においては、コロナ禍の行動制限解除の影響を想定以上に強く受け、当社の主要KPIである月間平均ポイントPU(Paid Userの略、課金ユーザー数)が当初想定を下回り、売上高は前年度比較で微増にとどまりました。また、当社サービスのインフラシステムに対するBCP対策等の実施やサービス運用体制及び管理体制の強化を推進したことによる販管費の増加を受け、減益となりました。 2024年1月期においては、競争環境やクリエーター活動の多様化など、外部環境の変化の影響を強く受け、月間平均ポイントPU(Paid Userの略、課金ユーザー数)が当初想定を下回り、売上高は前年度比較で減少しました。一方で、主にマーケティング費用の圧縮とユーザーの決済手段比率の変化に伴う支払手数料の減少の影響で、増益に転じております。 今後における当社業績について、新規ユーザーの獲得、ポイント販売額及び使用額等が当初の想定通りに進行しない場合には、当社が策定する利益計画達成に支障が生じる可能性があり、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 ②税務上の繰越欠損金について 当社は、当事業年度末において、税務上の繰越欠損金が105百万円存在しております。そのため、現在は通常の税率に基づく法人税、住民税及び事業税が課せられておりませんが、今後、当社の業績が事業計画に比して順調に推移し、繰越欠損金が解消した場合には、通常の税率に基づく法人税、住民税及び事業税が計上されることとなり、当期純損益及びキャッシュ・フローに重要な影響を与える可能性があります。 なお、本リスクが顕在化する可能性は、本書提出日以降において相応にあるものと認識しております。当社においては、事業成長により業績を向上させ、早期の繰越欠損金の解消ができるよう努めてまいります。 (6) その他①配当政策について 当社は、株主に対する利益還元と同時に、財務体質の強化及び競争力の確保を経営の重要課題として位置づけております。現在は、当社は成長過程にあると考えており、内部留保の充実を図り、事業拡大と事業の効率化のための投資に充当していくことが株主に対する最大の利益還元につながると考え、会社設立以降、配当は実施しておりません。今後の株主への配当につきましては、各事業年度の業績推移及び財政状況並びに今後の投資計画等を総合的に勘案しながら、配当政策を決定する方針であります。 なお、現時点において配当実施の可能性及びその実施時期等については未定であります。 ②新株予約権の行使による株式価値の希薄化について 本書提出日の前月末現在において、当社の発行済株式総数は13,966,000株であり、当社は役員及び従業員に対し、長期的な企業価値向上に対するインセンティブとして新株予約権(以下「ストック・オプション」)を525,000株(発行済株式総数比率で3.8%)付与しております。また、今後におきましても、役員及び従業員へのモチベーション向上と優秀な人材の確保を目的としてストック・オプションの付与を検討しております。これらのストック・オプションの権利行使が行われた場合、当社株式が新たに発行され、当社の1株当たりの株式価値が希薄化するとともに、株式売買の需給バランスへの影響が発生し、株価形成に影響を及ぼす可能性があります。 なお、当該リスクが顕在化する可能性は、本書提出日以降においても相応にあるものと認識しております。当社においては、ストック・オプションの行使による株式価値の希薄化を解消できるよう、今後の業績向上に努めてまいります。 ③ベンチャーキャピタル及びベンチャーキャピタルが組成した投資事業組合による株式売却リスクについて 本書提出日の前月末現在において、当社の発行済株式総数は13,966,000株であり、このうち2,080,000株(発行済株式総数比率で所有割合14.9%)をベンチャーキャピタル及びベンチャーキャピタルが組成した投資事業組合(以下、「ベンチャーキャピタル等」という。)が所有しております。今後、当社株式の株価推移によっては、ベンチャーキャピタル等が所有する株式の全部又は一部を売却する可能性が考えられ、その場合、株式市場における当社株式の需給バランスが短期的に悪化し、当社株式の株価形成に影響を及ぼす可能性があります。 なお、当該リスクが顕在化する可能性は、本書提出日以降においても相応にあるものと認識しておりますが、当社においては、今後もベンチャーキャピタル等との良好な関係構築に努めることで、本リスクの顕在化時期の予測や程度の軽減に努めてまいります。 ④知的財産権について 当社は運営事業に関わる知的財産権の適正な獲得に努めるとともに、第三者の知的財産権を侵害することがないよう可能な限りの対策を施しております。しかし、当社が認識していない知的財産権が既に第三者に成立しており、これを侵害したことを理由として損害賠償請求や差止請求を受けた場合、当社の事業展開に支障が生じ、事業及び業績に影響を与える可能性があります。 ⑤自然災害について 当社の本社及びデータセンターは、首都圏及びその近郊に存在しております。そのため、首都圏における大規模な地震、火災その他の自然災害や停電等が発生した場合、当社の本社若しくはデータセンターの損壊、インターネットアクセスの制限等の事業継続に支障をきたす事象が発生し、当社の経営成績、財政状態に重大な影響を及ぼす可能性があります。 なお、現時点で本リスクの蓋然性の程度を見積もるのは困難であります。 |
経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 | 4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】 (1) 経営成績等の状況の概要 当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。 ①財政状態の状況(資産) 当事業年度末における資産合計は3,679,652千円となり、前事業年度末に比べ304,582千円増加いたしました。 流動資産は3,293,997千円(前事業年度末比342,010千円増加)となりました。主な要因は、現金及び預金の増加421,214千円、預け金の増加63,840千円、前渡金の増加20,498千円、売掛金の減少180,693千円等によるものであります。 また、固定資産は385,654千円(前事業年度末比37,427千円減少)となりました。主な要因は、繰延税金資産の増加46,418千円、減価償却費の計上等による工具、器具及び備品の減少78,440千円等によるものであります。 (負債) 当事業年度末における負債合計は1,835,575千円となり、前事業年度末に比べ99,205千円増加いたしました。 流動負債は1,835,575千円(前事業年度末比99,315千円増加)となりました。主な要因は、チケット・コンテンツの売買代金及び「メンバーシップ」の会員費である預り金の増加123,257千円、未払消費税等の増加41,246千円、販売したポイントの未利用残高等である前受金の増加29,568千円、ユーザーへの支払報酬である買掛金の減少46,950千円、取引先への支払である未払金の減少36,194千円、未払法人税等の減少11,770千円等によるものであります。 また、固定負債は長期リース債務の支払が終了した事により-円(前事業年度末比110千円減少)となりました。 (純資産) 当事業年度末における純資産合計は1,844,077千円となり、前事業年度末に比べ205,377千円増加いたしました。これは、減資による資本金の減少1,056,687千円、資本金及び資本準備金からの振り替えによる資本剰余金の増加1,067,959千円、当期純利益194,105千円の計上による利益剰余金の増加によるものであります。 この結果、自己資本比率は50.1%(前事業年度末は48.6%)となりました。 ②経営成績の状況 当事業年度における我が国経済は、新型コロナウイルス感染症が2023年5月に5類感染症に移行したことを受け、コロナ禍からの社会経済活動の正常化が進み、緩やかな回復傾向である一方で、エネルギーや食料品を中心とした物価の上昇、世界的な金融資本市場の変動等の影響によって、引き続き先行きが不透明な状況が継続しております。 当社を取り巻くインターネット関連市場につきましては、スマートフォンやタブレット端末の普及に伴い、日本における2023年9月末時点の移動系通信の契約数は、2億1,567万回線(前年同期比5.0%増)と増加が続いております。(出所:総務省「電気通信サービスの契約数及びシェアに関する四半期データの公表(令和5年度第2四半期(9月末))」)。また、当社がターゲットとする動画投稿・ライブ配信市場におきましては、グローバルライブ配信サービスの利用拡大に伴う競争環境の変化と、それに伴うライブ配信サービス新規利用者の増加により、今後も市場は拡大していくと予想されます。 このような事業環境のもと、当社では、ライブ配信サービスのユーザーである配信者、リスナー双方にとってのメリット実現・向上を目指して、2023年6月に株式会社STPRと資本業務提携契約を締結しました。 また、文化・経済両面からライブ配信コミュニケーションプラットフォーム「ツイキャス」の持続的な規模拡大を推進すべく、多くの施策を実施しました。 プラットフォームにおける文化の多様性拡大に向けては、誰でも簡単にスマートフォンだけで素材やコメント入りの「声配信」が可能となる「スタジオ配信」機能の公開と継続的な改善、人気キャラクターとのコラボレーションによる限定スタンプの公開、バレンタインやクリスマスなどの季節イベントに連動したキャンペーンアイテムの導入、人気オンラインゲームやオンラインクイズなどを活用したユーザー参加型オンラインイベントの開催、アニメ作品や映画作品とのコラボレーションによるオンライン共同視聴体験の促進、音声認識AIを活用した日英自動文字起こし可能なショート動画作成機能の公開と利用促進などを通して、新規ユーザー獲得ならびにユーザー満足度向上に努めました。 また、当社サービス「ツイキャス」上で発生する経済活動の活性化及び規模拡大を目指して、15歳以上の学生向け収益化プログラム「メンバーシップU」の導入、海外在住者向け収益化サービスの提供開始、アーティストや配信者に対する音楽著作権収益の適切な分配を目指す音楽レーベル「Moi Records」の立ち上げ、有料オンラインライブ機能「プレミア配信」における割引クーポン機能の公開などを推進し、2023年12月には、「プレミア配信」の累計チケット流通総額が100億円を突破いたしました。さらには、サービスインフラの強化・冗長化、サービス健全性維持・改善のための体制強化等を継続し、当社がビジョンとして掲げる「心地よいコミュニケーション空間の創造」を目指したサービス開発、運用に努めてまいりました。 その結果、当社の重要指標の一つである月間平均ポイントARPPU(Average Revenue Per Paid Userの略、課金ユーザー一人当たりの平均課金額)は6,562円(前期比5.9%増)と堅調に推移しました。また、実質売上総利益(当社が獲得する売上高合計から、収益化された配信者に対してお支払する報酬額と、Apple Inc., Google Inc. 等の決済代行業者に対して支払う手数料を差し引いた金額)については、配信者を毎月定額の会員費で応援することができる「メンバーシップ」の売上が成長したこと等の影響により、1,708百万円(前期比1.7%増)となりました。一方で、国内ライブ配信サービス市場におけるグローバルプラットフォームの利用者増加による競争環境の変化の影響を受け、月間平均ポイントPU(Paid Userの略、課金ユーザー数)は当初想定を下回り、75千(前期比10.2%減)となり、その結果、「ツイキャス」のポイント販売売上は5,915百万円(前期比4.7%減)となりました。販売費及び一般管理費においては、サービス提供にかかるインフラ費用は、BCP対応に伴うシステム関連費用及び通信費の増加等により601百万円(前期比3.5%増)、手数料費用は売上高の減少と当社サービス利用者の決済手段の変化が進んだこと等により1,504百万円(前期比6.7%減)、マーケティング費用は通期で費用対効果を慎重に検討した上で施策を実施したことにより151百万円(前期比29.4%減)、体制強化費用は年間を通して社外協力会社との連携強化を推進したことにより595百万円(前期比11.4%増)となり、結果、販売費及び一般管理費は3,069百万円(前期比4.0%減)となりました。また、今後の業績動向を踏まえ、繰延税金資産の回収可能性について慎重に検討した結果、繰延税金資産は108百万円(前期比74.3%増)となり、その結果、法人税等調整額を△46百万円(△は利益)計上しました。 以上の結果、当事業年度の実績は、売上高が6,433百万円(前期比2.6%減)、営業利益は142百万円(前期比36.7%増)、経常利益は156百万円(前期比48.8%増)、当期純利益は194百万円(前期比263.3%増)となりました。 なお、当社はライブ配信コミュニケーションプラットフォーム事業の単一セグメントであるため、セグメントに関する記載は省略しております。 ③キャッシュ・フローの状況 当事業年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」)の残高は、前事業年度末と比べ485,054千円増加し、2,260,871千円となりました。各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は以下のとおりであります。 (営業活動によるキャッシュ・フロー) 当事業年度における営業活動により獲得した資金は、479,028千円(前年同期は8,060千円の資金の支出)となりました。これは主に、売上債権の減少額180,693千円、税引前当期純利益の計上148,646千円、預り金の増加額123,257千円、減価償却費の計上82,552千円、その他の流動負債の増加額32,294千円、前受金の増加額29,568千円、仕入債務の減少額46,950千円、未払金の減少額36,194千円、前渡金の増加額20,498千円、その他の流動資産の増加額17,118千円等によるものであります。 (投資活動によるキャッシュ・フロー) 当事業年度における投資活動により支出した資金は、6,785千円(前年同期は163,028千円の資金の支出)となりました。これは、保証金の差入による支出3,876千円、有形固定資産の取得による支出2,908千円等によるものであります。 (財務活動によるキャッシュ・フロー) 当事業年度における財務活動により獲得した資金は、11,151千円(前年同期は638,582千円の資金の獲得)となりました。これは主に、株式の発行による収入11,272千円等によるものであります。 ④生産、受注及び販売の実績a.生産実績当社が提供するサービスの性格上、生産実績の記載になじまないため、記載を省略しております。 b.受注実績当社が提供するサービスの性格上、受注実績の記載になじまないため、記載を省略しております。 c.販売実績 当事業年度における当社の販売実績は、次のとおりであります。なお、当社はライブ配信コミュニケーションプラットフォーム事業の単一セグメントであるため、セグメントごとの記載はしておりません。当事業年度(自 2023年2月1日至 2024年1月31日)金額(千円)前年同期比(%)6,433,37597.4(注)最近2事業年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。下記表の主な取引先別の販売実績のうち、当該販売実績の総販売実績に対する割合が10%未満の相手先につきましては記載を省略しております。 相手先前事業年度(自 2022年2月1日至 2023年1月31日)当事業年度(自 2023年2月1日至 2024年1月31日)金額(千円)割合(%)金額(千円)割合(%)Apple Inc.3,103,666472,820,24044Google Inc.1,615,314241,477,91623PAY株式会社1,510,775231,673,93726 (2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容 経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。 なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。 ①経営成績の状況に関する認識及び分析(売上高) 当事業年度の売上高は6,433,375千円となり、対前年比で174,334千円(2.6%)減少しました。 これは主に、メンバーシップ販売手数料売上が対前年比で104,639千円(63.4%)増加した一方、国内ライブ配信サービス市場におけるグローバルプラットフォームの利用者増加等による競争環境の変化の影響を受けた結果、ポイント販売売上が対前年比で291,919千円(4.7%)減少したことによるものであります。 (売上原価、売上総利益) 当事業年度における売上原価は3,221,159千円となり、対前年比で83,595千円(2.5%)減少しました。 これはポイント販売売上の推移に連動してポイント使用額も減少し、当社の売上原価となる配信者への還元金額も減少したことによるものであります。 以上の結果、当事業年度の売上総利益は3,212,216千円となり、対前年比で90,739千円(2.8%)減少しました。 (販売費及び一般管理費、営業利益) 当事業年度における販売費及び一般管理費は3,069,557千円となり、対前年比で129,043千円(4.0%)減少しました。 これは主に、売上高の減少と当社サービス利用者の決済手段の変化が進んだこと等により手数料費用が減少したことと、通期で費用対効果を慎重に検討した上で施策を実施したことによりマーケティング費用が減少したことによるものであります。 以上の結果、当事業年度の営業利益は142,658千円となり、対前年比で38,304千円(36.7%)増加しました。 (営業外収益、営業外費用、経常利益) 当事業年度の営業外収益は14,065千円となり、対前年比で12,423千円(756.4%)増加しました。これは主に、振込手数料等の経済条件を改善したことによる手数料報酬が増加したことによるものであります。また、当事業年度に計上した営業外費用はございません。 以上の結果、当事業年度の経常利益は156,724千円となり、対前年比で51,413千円(48.8%)増加しました。 (特別利益、特別損失、税引前当期純利益) 当事業年度に計上した特別利益はございません。 当事業年度の特別損失は8,078千円となり、対前年比で8,078千円増加しました。 これは主に、本社移転に伴う現本社の建物附属設備及び原状回復費用に係る減損損失を計上したことによるものであります。 その結果、当事業年度の税引前当期純利益は148,646千円となり、対前年比で43,335千円(41.2%)増加しました。 (法人税等合計、当期純利益) 当事業年度における法人税等合計は△45,459千円となり、対前年比で97,344千円減少しました。 これは主に、繰延税金資産の計上金額の増加に伴い、法人税等調整額が減少したことによるものであります。 以上の結果を受け、当事業年度の当期純利益は194,105千円となり、対前年比で140,679千円(263.3%)増加しました。 ②キャッシュ・フローの状況の分析 キャッシュ・フローの分析については、「(1) 経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況」に 記載のとおりであります。 ③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定 財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 財務諸表等(1)財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。 ④資本の財源及び資金の流動性 当社の事業活動における主な資金需要は、ユーザー報酬及び預り金の支払、既存事業の継続的な成長にかかる資金(主に人件費、業務委託費、支払手数料、通信費、販売促進費等)、サーバー等のインフラ投資、マーケティング投資であります。これらの事業活動に必要な資金については、営業活動によるキャッシュ・フローでまかなうことを基本としておりますが、必要に応じて長期資金需要に対しては株式市場、短期資金需要に対しては金融機関からの調達を実施する予定であります。 なお、当社の事業は先行投資となる仕入等は無く、提供サービスに対する対価をお客様から受領するビジネスモデルであります。現時点で、短期的な資本の財源及び資金の流動性に問題はありませんが、今後も資金の残高及び各キャッシュ・フローの状況を常にモニタリングしつつ、資本の財源及び資金の流動性の確保・向上に努めて参ります。 なお、当事業年度末における現金及び現金同等物の残高は2,260,871千円であり、当社の事業を推進していく上で十分な流動性を確保しております。 ⑤経営成績に重要な影響を与える要因について 「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載したとおり、事業内容、事業運営・組織体制等、様々なリスク要因が経営成績に重要な影響を与える可能性があると認識しております。 そのため、当社は常に市場動向や業界動向を注視しつつ、優秀な人材の確保と適切な教育を実施するとともに、事業運営体制の強化と整備を進めることで、経営成績に重要な影響を与えるリスク要因に適切な対応を図ってまいります。 ⑥経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等の分析・検討内容 当社は経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標として、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおり、ポイント販売売上、ポイントPU、ポイントARPPU、実質売上総利益、を重要な経営指標としております。 当該指標については、次表の通り2020年1月期から2022年1月期において継続的に増加したものの、2023年1月期と2024年1月期においては、コロナ禍の行動制限解除によるユーザー行動の変化とそれに伴う競合環境の変化の影響を受け、特にポイントPU、ポイント販売売上が当初想定していた規模に至っていないと認識しております。当社といたしましては、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (2) 経営戦略等」に記載の方針に沿って、新サービスの開発、既存サービスの改善、マーケティング施策等を実施することで、2025年1月期以降の当該指標の回復に努めてまいります。KPI2020年1月期2021年1月期2022年1月期2023年1月期2024年1月期ポイント販売売上(千円)2,319,8615,281,1306,213,8406,206,9695,915,050ポイントPU(千)3982898375ポイントARPPU(円)4,8345,2855,7566,1956,562実質売上総利益(千円)646,2841,237,9751,619,1151,680,5841,708,370 (注) 1.ポイント販売売上は、各事業年度の年間合計金額を記載しております。2.ポイントPUは、各事業年度の月間平均数値を記載しております。3.ポイントARPPUは、各事業年度の月間平均金額を記載しております。4.実質売上総利益は、各事業年度の年間合計金額を記載しております。 ⑦経営者の問題意識と今後の方針について 経営者の問題認識と今後の方針については、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりであります。 |
経営上の重要な契約等 | 5【経営上の重要な契約等】 当社が締結している重要な契約相手方の名称国名契約品目契約締結日契約内容契約期間Apple Inc.米国Apple Developer ProgramLicense Agreement2008年10月20日Apple Inc.の運営するマーケットを通じてアプリを配信する許諾契約2008年11月23日から2009年11月22日まで以後1年ごとの自動更新Google Inc.米国Google Playデベロッパー販売/配布契約 2011年2月3日Google Inc.の運営するマーケットを通じてアプリを配信する許諾契約 契約期間は定められておりません。一般社団法人日本音楽著作権協会日本音楽著作物利用許諾書2011年4月1日インタラクティブ配信による管理者著作物利用に係る許諾に関する基本契約① 2010年2月1日から2012年1月31日まで以後1年ごとの自動更新 一般社団法人日本音楽著作権協会日本覚書2017年4月26日上記①の基本契約について具体的な許諾の範囲や使用料率を定めた覚書2017年4月1日から2018年3月31日まで以後1年ごとの自動更新株式会社ジャパン・ライツ・クリアランス(現 株式会社NexTone)日本音楽著作物利用許諾書2015年4月10日インタラクティブ配信による管理著作物の利用に関する契約 2011年1月1日から2016年3月31日まで以後1年ごとの自動更新株式会社イーライセンス(現 株式会社NexTone)日本音楽著作物利用許諾書2015年3月24日インタラクティブ配信による管理著作物の利用に関する契約 2015年5月12日から以後3年ごとの自動更新 任天堂株式会社日本著作物利用許諾契約書2019年3月19日任天堂株式会社の管理する著作物の利用許諾契約2019年4月1日から2020年3月31日まで以後1年ごとの自動更新 株式会社STPR日本資本業務提携契約書2023年6月14日主にサービスのプロデュース・プロモーションにおける協業を目的とした業務提携契約2023年6月14日から2024年6月13日まで以降1年ごとの自動更新 (株式会社STPRとの資本業務提携) 当社は、2023年6月14日開催の取締役会において、株式会社STPR(以下、「STPR 社」といいます。)との資本業務提携契約(以下、「本資本業務提携」といいます。)の締結を決議し、同日付でSTPR社との間で資本業務提携契約を締結しました。 1.本資本業務提携の目的及び理由 当社は、「人と人をつなげて世界中の人々の生活を豊かに変えます」というミッションのもと、あらゆる人の集まりをオンライン化し、快適に双方向のコミュニケーションを行える場の提供、及びその利用者が様々なコミュニケーション活動をすることにより経済が発生する仕組みの実現を目指して、ライブ配信サービス「ツイキャス」のサービス企画、開発、運営を主たる業務としております。 STPR社は、2018年6月に設立された動画配信エンターテインメント業界におけるクリエイター・コンテンツ等のプロデュースを目的とした株式会社で、「ワクワクするようなビックリと、ステキな思い出を届けたい。」という想いを掲げ、大人気のアイドルユニット「すとぷり」や「Knight A - 騎士A -」をはじめとした、動画配信を中心に活動を行うアイドルユニットのプロデュースを行っております。「すとぷり」は、メインYouTubeチャンネルの登録者数は210万人、公式Twitterフォロワー数は82万人であり、プロデュースしているクリエイター全体の動画プラットフォーム及びSNS等における合計フォロワー数は約3,970万人、合計再生数は72億回という規模を有しております(人数や再生回数はいずれも2023年6月1日時点)。 当社とSTPR社との関係は、STPR社創業以前から、「すとぷり」がグループ結成当初に「ツイキャス」においてライブ配信を開始したことを始まりとして、STPR社創業後の現在においても、「すとぷり」や「Knight A - 騎士 A -」といったSTPR社がプロデュースないしサポートするクリエイターが「ツイキャス」で定期的にライブ配信を行っており、クリエイターとプラットフォームとして良好な関係を継続しております。また、当社とSTPR社には、ユーザー参加型キャンペーンでのコラボレーションや、メンバーシップ専用アプリ「メンバーシップSTAR」のプロデュース協力といった協業実績があり、両社の協業は、事業領域を相互に補完するものであり、双方にとってメリットがあることが認識されています。 そのような状況の中、両社のシナジーをこれまで以上に強化することが、両社が目指す共通の世界観の実現に貢献すると判断し、当社とSTPR社は、本資本業務提携に合意いたしました。 2.本資本業務提携の内容(1)業務提携の内容当社とSTPR社は、以下の領域において、コラボレーションを推進してまいります。 1)「ツイキャス」のサブスク型配信者応援サービス「メンバーシップ」のプロデュース・プロモーション 当社では、配信者・リスナーの双方が、より密なコミュニケーションを通して、楽しさ、うれしさ等を実感できる「メンバーシップ」の新機能の企画・開発を、推進しております。STPR社との協業を通して、これらの企画に対して利用者視点でのブラッシュアップを行い、よりユーザーにとって付加価値の高い機能・サービスの開発と運用に取り組んでいく予定です。 2)「ツイキャス」のユーザー参加型キャンペーンのプロデュース・プロモーション 当社が予定している2023年夏以降のユーザー参加型キャンペーンにおいて、STPR社がプロデュースないしサポートするクリエイターとのコラボレーションを予定しています。また、以降のキャンペーン企画においても、STPR社との協業を通して、配信者・リスナー双方の満足度を向上させる取り組みを行っていく予定です。 (2)資本提携の内容 STPR社との業務提携を円滑に推進するため、本資本業務提携の契約締結に伴い、当社代表取締役社長かつ支配株主である赤松洋介氏とSTPR社との間で同日付で締結された株式譲渡契約に基づき、2023年6月14日付で、赤松洋介氏が保有する当社普通株式の一部をSTPR社に対して市場外での相対取引により譲渡(以下、「本譲渡」といいます。)しております。本譲渡により、STPR社は当社の普通株式118,800株(2023年4月30日現在の発行済株式数に対する比率:0.85%)を取得しております。 3.本資本提携の相手先の概要(1)名称株式会社STPR(2)所在地東京都渋谷区渋谷二丁目21番1号(3)代表者の役職・氏名代表取締役 柏原 真人(4)事業内容クリエイタープロデュース事業コンテンツプロデュース事業クリエイティブプロデュース事業プロダクトプロデュース事業(5)資本金30百万円(2023年5月31日現在)(6)設立年月日2018年6月15日(7)大株主及び持株比率柏原 真人 100%(8)上場会社と当該会社との間の関係資本関係該当事項はありません。人的関係該当事項はありません。取引関係当社と当該会社との間には、当該会社に所属するクリエイターが当社サービスで活動することにより発生した報酬をお支払する取引があります。関連当事者への該当状況該当事項はありません。 |
研究開発活動 | 6【研究開発活動】 該当事項はありません。 |
設備投資等の概要 | 1【設備投資等の概要】 当事業年度において実施いたしました当社の設備投資の総額は2,908千円であります。その主なものは、当社のサービスプラットフォームサーバシステムの増強であります。また、当事業年度において、重要な設備の除却、売却等はありません。 |
主要な設備の状況 | 2【主要な設備の状況】 当社における主要な設備は、次のとおりであります。2024年1月31日現在 事業所名(所在地)設備の内容帳簿価額(千円)従業員数(人)工具、器具及び備品建物附属設備リース資産合計本社(東京都千代田区)本社設備2,817-912,90840 (2)データセンター(東京都江東区)サーバーネットワーク機器146,653--146,653-(-)データセンター(東京都府中市)サーバーネットワーク機器21,522--21,522-(-)(注) 1.現在、休止中の主な設備はありません。2.従業員数は就業人員数であり、臨時従業員数は( )内に年間平均人数を外数で記載しております。3.本社建物は賃借物件であり、年間賃借料は40,858千円であります。4.当社は、ライブ配信コミュニケーションプラットフォーム事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載は省略しております。 |
設備の新設、除却等の計画 | 3【設備の新設、除却等の計画】 (1) 重要な設備の新設等 該当事項はありません。 (2) 重要な設備の除却等 該当事項はありません。 |
設備投資額、設備投資等の概要 | 2,908,000 |
Employees
平均年齢(年)、提出会社の状況、従業員の状況 | 35 |
平均勤続年数(年)、提出会社の状況、従業員の状況 | 6 |
平均年間給与、提出会社の状況、従業員の状況 | 7,761,000 |
Investment
株式の保有状況 | (5)【株式の保有状況】 ①投資株式の区分の基準及び考え方 当社は、保有目的が純投資目的である投資株式と純投資目的以外の目的である投資株式の区分について、専ら株式の価値の変動又は配当の受領によって利益を得ることを目的として保有する株式を純投資目的である投資株式、それ以外を目的として保有する株式を純投資目的以外の目的である投資株式と判断しております。 ②保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式 該当事項はありません。 ③保有目的が純投資目的である投資株式 該当事項はありません。 |
Shareholders
大株主の状況 | (6)【大株主の状況】 2024年1月31日現在 氏名又は名称住所所有株式数(千株)発行済株式(自己株式を除く。)の総数に対する所有株式数の割合(%) 赤松 洋介東京都文京区7,12150.99 イーストベンチャーズ投資事業有限責任組合東京都港区六本木四丁目2番45号2,08014.89 伊藤 将雄東京都品川区3202.29 芝岡 寛之埼玉県さいたま市緑区2161.55 株式会社STPR東京都渋谷区渋谷二丁目21番1号1180.85 加藤 久美子東京都港区900.64 GMOクリック証券株式会社東京都渋谷区道玄坂一丁目2番3号770.55 江原 伸行東京都新宿区620.45 モルガン・スタンレーMUFG証券株式会社東京都千代田区大手町一丁目9番7号590.42 五十嵐 トヨ子神奈川県横浜市保土ヶ谷区500.36計-10,19573.00 |
株主数-金融機関 | 1 |
株主数-金融商品取引業者 | 20 |
株主数-外国法人等-個人 | 41 |
株主数-外国法人等-個人以外 | 13 |
株主数-個人その他 | 4,745 |
株主数-その他の法人 | 25 |
株主数-計 | 4,845 |
氏名又は名称、大株主の状況 | 五十嵐 トヨ子 |
株主総利回り | 1 |
株主総会決議による取得の状況 | (1)【株主総会決議による取得の状況】 該当事項はありません。 |
株主総会決議又は取締役会決議に基づかないものの内容 | (3)【株主総会決議又は取締役会決議に基づかないものの内容】 該当事項はありません。 |
Shareholders2
発行済株式及び自己株式に関する注記 | 1.発行済株式の種類及び総数並びに自己株式の種類及び株式数に関する事項 当事業年度期首株式数(株)当事業年度増加株式数(株)当事業年度減少株式数(株)当事業年度末株式数(株)発行済株式 普通株式(注)13,874,00092,000-13,966,000合計13,874,00092,000-13,966,000自己株式 普通株式----合計----(注)普通株式の発行済株式の増加92,000株は、ストックオプションとしての新株予約権の権利行使による増加であります。 |
Audit1
監査法人1、個別 | PwC Japan有限責任監査法人 |
独立監査人の報告書、個別 | 独立監査人の監査報告書 2024年4月25日モイ株式会社 取締役会 御中 PwC Japan有限責任監査法人 東京事務所 指定有限責任社員業務執行社員 公認会計士若山 聡満 指定有限責任社員業務執行社員 公認会計士山本 剛 <財務諸表監査>監査意見当監査法人は、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づく監査証明を行うため、「経理の状況」に掲げられているモイ株式会社の2023年2月1日から2024年1月31日までの第12期事業年度の財務諸表、すなわち、貸借対照表、損益計算書、株主資本等変動計算書、キャッシュ・フロー計算書、重要な会計方針、その他の注記及び附属明細表について監査を行った。 当監査法人は、上記の財務諸表が、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して、モイ株式会社の2024年1月31日現在の財政状態並びに同日をもって終了する事業年度の経営成績及びキャッシュ・フローの状況を、全ての重要な点において適正に表示しているものと認める。 監査意見の根拠 当監査法人は、我が国において一般に公正妥当と認められる監査の基準に準拠して監査を行った。監査の基準における当監査法人の責任は、「財務諸表監査における監査人の責任」に記載されている。当監査法人は、我が国における職業倫理に関する規定に従って、会社から独立しており、また、監査人としてのその他の倫理上の責任を果たしている。当監査法人は、意見表明の基礎となる十分かつ適切な監査証拠を入手したと判断している。 監査上の主要な検討事項 監査上の主要な検討事項とは、当事業年度の財務諸表の監査において、監査人が職業的専門家として特に重要であると判断した事項である。監査上の主要な検討事項は、財務諸表全体に対する監査の実施過程及び監査意見の形成において対応した事項であり、当監査法人は、当該事項に対して個別に意見を表明するものではない。 繰延税金資産の回収可能性監査上の主要な検討事項の内容及び決定理由監査上の対応 会社は、2024年1月31日現在、貸借対照表に繰延税金資産108,877千円(総資産の3.0%)を計上している。 「【注記事項】 (税効果会計関係)」における繰延税金資産の発生原因別の主な内訳として記載されているとおり、税務上の繰越欠損金に関する繰延税金資産は36,547千円である。 会社は、【注記事項】 (重要な会計上の見積り)に記載されているとおり、「繰延税金資産の回収可能性に関する適用指針」(企業会計基準適用指針第26号)に準拠して、各要件に従い企業分類を行い、将来においておおむね3年程度は一時差異等加減算前課税所得が生じることを合理的に見積ることができるとして、分類3に該当するものとして取り扱い、将来3年間の一時差異等加減算前課税所得の見積額に基づいて、当該見積可能期間の一時差異等のスケジューリングの結果、繰延税金資産を計上している。 将来の収益力に基づく一時差異等加減算前課税所得の見積りは、2024年1月に策定し、その後、取締役会で承認された2025年1月期から2027年1月期までの3か年ベースの事業計画を基礎として見積られるが、当該事業計画に含まれる将来の予測は、ARPPU(Average Revenue per Paid User)、PU(Paid User)、配信者への報酬還元率及び広告宣伝費の発生予定額といった主要な仮定を含み、過去の実績、計画している各種施策、季節変動を反映し決定している。 繰延税金資産の回収可能性の評価の前提となる一時差異等加減算前課税所得の見積りに使用されている上記の主要な仮定は見積りの不確実性が高く、経営者の判断を伴うため、当監査法人は当該事項が監査上の主要な検討事項に該当するものと判断した。当監査法人は、繰延税金資産の回収可能性を検討するにあたり、主として以下の監査手続を実施した。 1.収益力に基づく一時差異等加減算前課税所得の見積りの基礎となる将来の予測に関する主要な仮定の設定を含む、繰延税金資産の回収可能性に関連する内部統制の整備及び運用状況の有効性を評価した。 2.経営者によって実施された繰延税金資産の回収可能性の判断に関するプロセスについて、以下の手続を実施した。(1)過年度の税務上の欠損金が生じた原因、事業計画、過去における事業計画の達成状況、過去(3年)及び当期の課税所得又は税務上の欠損金の推移等を勘案して「繰延税金資産の回収可能性に関する適用指針」に基づき、会社が行った将来の一時差異等加減算前課税所得の見積りを検討し、企業の分類の妥当性を検討した。(2)過年度の税務上の繰越欠損金の発生原因について経営者に質問し、会社の要因分析を検討した。また、一時差異及び税務上の繰越欠損金の残高について、関連資料を閲覧して検討した。(3)期末における将来減算一時差異の将来3年間の解消見込の適切性を検討するため、将来の予測に用いられた主要な仮定について経営者に質問するとともに、取締役会等の会議体議事録を閲覧した。(4)会社のスケジューリング表を閲覧し、将来3年間の一時差異等加減算前課税所得の見積額と将来減算一時差異等との相殺の適切性を検討した。また、税務上の繰越欠損金に関する将来3年間の控除見込額のスケジューリングの適切性を検討した。 3.将来3年間の一時差異等加減算前課税所得の見積額について、以下の手続を実施した。(1)事業計画数値が承認されていることを取締役会議事録を閲覧することで確かめた。(2)取締役会によって承認された事業計画と繰延税金資産の回収可能性の検討資料の整合性を検討した。(3)事業計画について、以下の手続を実施した。・過年度の事業計画数値と実績を比較し、未達の場合、その理由を検討し、当期の課税所得の見積額に反映されているかを検討した。・ARPPU、PU、配信者への報酬還元率及び広告宣伝費の発生予定額の予測の合理性について、経営者に質問するとともに、関連資料を閲覧することで検討した。・ARPPU、PU、配信者への報酬還元率及び広告宣伝費の発生予定額の予測について、過年度実績の推移との整合性があるかを検討した。また、期末日後(2024年2月・3月)の実績と比較した。・売上高の予測について、利用可能な外部情報との比較を行った。 その他の記載内容その他の記載内容は、有価証券報告書に含まれる情報のうち、財務諸表及びその監査報告書以外の情報である。経営者の責任は、その他の記載内容を作成し開示することにある。また、監査役及び監査役会の責任は、その他の記載内容の報告プロセスの整備及び運用における取締役の職務の執行を監視することにある。当監査法人の財務諸表に対する監査意見の対象にはその他の記載内容は含まれておらず、当監査法人はその他の記載内容に対して意見を表明するものではない。財務諸表監査における当監査法人の責任は、その他の記載内容を通読し、通読の過程において、その他の記載内容と財務諸表又は当監査法人が監査の過程で得た知識との間に重要な相違があるかどうか検討すること、また、そのような重要な相違以外にその他の記載内容に重要な誤りの兆候があるかどうか注意を払うことにある。当監査法人は、実施した作業に基づき、その他の記載内容に重要な誤りがあると判断した場合には、その事実を報告することが求められている。その他の記載内容に関して、当監査法人が報告すべき事項はない。財務諸表に対する経営者並びに監査役及び監査役会の責任経営者の責任は、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して財務諸表を作成し適正に表示することにある。これには、不正又は誤謬による重要な虚偽表示のない財務諸表を作成し適正に表示するために経営者が必要と判断した内部統制を整備及び運用することが含まれる。財務諸表を作成するに当たり、経営者は、継続企業の前提に基づき財務諸表を作成することが適切であるかどうかを評価し、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づいて継続企業に関する事項を開示する必要がある場合には当該事項を開示する責任がある。監査役及び監査役会の責任は、財務報告プロセスの整備及び運用における取締役の職務の執行を監視することにある。財務諸表監査における監査人の責任監査人の責任は、監査人が実施した監査に基づいて、全体としての財務諸表に不正又は誤謬による重要な虚偽表示がないかどうかについて合理的な保証を得て、監査報告書において独立の立場から財務諸表に対する意見を表明することにある。虚偽表示は、不正又は誤謬により発生する可能性があり、個別に又は集計すると、財務諸表の利用者の意思決定に影響を与えると合理的に見込まれる場合に、重要性があると判断される。監査人は、我が国において一般に公正妥当と認められる監査の基準に従って、監査の過程を通じて、職業的専門家としての判断を行い、職業的懐疑心を保持して以下を実施する。・ 不正又は誤謬による重要な虚偽表示リスクを識別し、評価する。また、重要な虚偽表示リスクに対応した監査手続を立案し、実施する。監査手続の選択及び適用は監査人の判断による。さらに、意見表明の基礎となる十分かつ適切な監査証拠を入手する。・ 財務諸表監査の目的は、内部統制の有効性について意見表明するためのものではないが、監査人は、リスク評価の実施に際して、状況に応じた適切な監査手続を立案するために、監査に関連する内部統制を検討する。・ 経営者が採用した会計方針及びその適用方法の適切性、並びに経営者によって行われた会計上の見積りの合理性及び関連する注記事項の妥当性を評価する。・ 経営者が継続企業を前提として財務諸表を作成することが適切であるかどうか、また、入手した監査証拠に基づき、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況に関して重要な不確実性が認められるかどうか結論付ける。継続企業の前提に関する重要な不確実性が認められる場合は、監査報告書において財務諸表の注記事項に注意を喚起すること、又は重要な不確実性に関する財務諸表の注記事項が適切でない場合は、財務諸表に対して除外事項付意見を表明することが求められている。監査人の結論は、監査報告書日までに入手した監査証拠に基づいているが、将来の事象や状況により、企業は継続企業として存続できなくなる可能性がある。・ 財務諸表の表示及び注記事項が、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠しているかどうかとともに、関連する注記事項を含めた財務諸表の表示、構成及び内容、並びに財務諸表が基礎となる取引や会計事象を適正に表示しているかどうかを評価する。監査人は、監査役及び監査役会に対して、計画した監査の範囲とその実施時期、監査の実施過程で識別した内部統制の重要な不備を含む監査上の重要な発見事項、及び監査の基準で求められているその他の事項について報告を行う。監査人は、監査役及び監査役会に対して、独立性についての我が国における職業倫理に関する規定を遵守したこと、並びに監査人の独立性に影響を与えると合理的に考えられる事項、及び阻害要因を除去するための対応策を講じている場合又は阻害要因を許容可能な水準にまで軽減するためのセーフガードを適用している場合はその内容について報告を行う。監査人は、監査役及び監査役会と協議した事項のうち、当事業年度の財務諸表の監査で特に重要であると判断した事項を監査上の主要な検討事項と決定し、監査報告書において記載する。ただし、法令等により当該事項の公表が禁止されている場合や、極めて限定的ではあるが、監査報告書において報告することにより生じる不利益が公共の利益を上回ると合理的に見込まれるため、監査人が報告すべきでないと判断した場合は、当該事項を記載しない。<報酬関連情報>当監査法人及び当監査法人と同一のネットワークに属する者に対する、会社及び子会社の監査証明業務に基づく報酬及び非監査業務に基づく報酬の額は、「提出会社の状況」に含まれるコーポレート・ガバナンスの状況等 (3)【監査の状況】 に記載されている。利害関係会社と当監査法人又は業務執行社員との間には、公認会計士法の規定により記載すべき利害関係はない。以 上 (注)1.上記の監査報告書の原本は当社(有価証券報告書提出会社)が別途保管しております。2.XBRLデータは監査の対象には含まれていません。 |
監査上の主要な検討事項、個別 | 監査上の主要な検討事項 監査上の主要な検討事項とは、当事業年度の財務諸表の監査において、監査人が職業的専門家として特に重要であると判断した事項である。監査上の主要な検討事項は、財務諸表全体に対する監査の実施過程及び監査意見の形成において対応した事項であり、当監査法人は、当該事項に対して個別に意見を表明するものではない。 繰延税金資産の回収可能性監査上の主要な検討事項の内容及び決定理由監査上の対応 会社は、2024年1月31日現在、貸借対照表に繰延税金資産108,877千円(総資産の3.0%)を計上している。 「【注記事項】 (税効果会計関係)」における繰延税金資産の発生原因別の主な内訳として記載されているとおり、税務上の繰越欠損金に関する繰延税金資産は36,547千円である。 会社は、【注記事項】 (重要な会計上の見積り)に記載されているとおり、「繰延税金資産の回収可能性に関する適用指針」(企業会計基準適用指針第26号)に準拠して、各要件に従い企業分類を行い、将来においておおむね3年程度は一時差異等加減算前課税所得が生じることを合理的に見積ることができるとして、分類3に該当するものとして取り扱い、将来3年間の一時差異等加減算前課税所得の見積額に基づいて、当該見積可能期間の一時差異等のスケジューリングの結果、繰延税金資産を計上している。 将来の収益力に基づく一時差異等加減算前課税所得の見積りは、2024年1月に策定し、その後、取締役会で承認された2025年1月期から2027年1月期までの3か年ベースの事業計画を基礎として見積られるが、当該事業計画に含まれる将来の予測は、ARPPU(Average Revenue per Paid User)、PU(Paid User)、配信者への報酬還元率及び広告宣伝費の発生予定額といった主要な仮定を含み、過去の実績、計画している各種施策、季節変動を反映し決定している。 繰延税金資産の回収可能性の評価の前提となる一時差異等加減算前課税所得の見積りに使用されている上記の主要な仮定は見積りの不確実性が高く、経営者の判断を伴うため、当監査法人は当該事項が監査上の主要な検討事項に該当するものと判断した。当監査法人は、繰延税金資産の回収可能性を検討するにあたり、主として以下の監査手続を実施した。 1.収益力に基づく一時差異等加減算前課税所得の見積りの基礎となる将来の予測に関する主要な仮定の設定を含む、繰延税金資産の回収可能性に関連する内部統制の整備及び運用状況の有効性を評価した。 2.経営者によって実施された繰延税金資産の回収可能性の判断に関するプロセスについて、以下の手続を実施した。(1)過年度の税務上の欠損金が生じた原因、事業計画、過去における事業計画の達成状況、過去(3年)及び当期の課税所得又は税務上の欠損金の推移等を勘案して「繰延税金資産の回収可能性に関する適用指針」に基づき、会社が行った将来の一時差異等加減算前課税所得の見積りを検討し、企業の分類の妥当性を検討した。(2)過年度の税務上の繰越欠損金の発生原因について経営者に質問し、会社の要因分析を検討した。また、一時差異及び税務上の繰越欠損金の残高について、関連資料を閲覧して検討した。(3)期末における将来減算一時差異の将来3年間の解消見込の適切性を検討するため、将来の予測に用いられた主要な仮定について経営者に質問するとともに、取締役会等の会議体議事録を閲覧した。(4)会社のスケジューリング表を閲覧し、将来3年間の一時差異等加減算前課税所得の見積額と将来減算一時差異等との相殺の適切性を検討した。また、税務上の繰越欠損金に関する将来3年間の控除見込額のスケジューリングの適切性を検討した。 3.将来3年間の一時差異等加減算前課税所得の見積額について、以下の手続を実施した。(1)事業計画数値が承認されていることを取締役会議事録を閲覧することで確かめた。(2)取締役会によって承認された事業計画と繰延税金資産の回収可能性の検討資料の整合性を検討した。(3)事業計画について、以下の手続を実施した。・過年度の事業計画数値と実績を比較し、未達の場合、その理由を検討し、当期の課税所得の見積額に反映されているかを検討した。・ARPPU、PU、配信者への報酬還元率及び広告宣伝費の発生予定額の予測の合理性について、経営者に質問するとともに、関連資料を閲覧することで検討した。・ARPPU、PU、配信者への報酬還元率及び広告宣伝費の発生予定額の予測について、過年度実績の推移との整合性があるかを検討した。また、期末日後(2024年2月・3月)の実績と比較した。・売上高の予測について、利用可能な外部情報との比較を行った。 |
全体概要、監査上の主要な検討事項、個別 | 監査上の主要な検討事項とは、当事業年度の財務諸表の監査において、監査人が職業的専門家として特に重要であると判断した事項である。監査上の主要な検討事項は、財務諸表全体に対する監査の実施過程及び監査意見の形成において対応した事項であり、当監査法人は、当該事項に対して個別に意見を表明するものではない。 |
見出し、監査上の主要な検討事項、個別 | 繰延税金資産の回収可能性 |
その他の記載内容、個別 | その他の記載内容その他の記載内容は、有価証券報告書に含まれる情報のうち、財務諸表及びその監査報告書以外の情報である。経営者の責任は、その他の記載内容を作成し開示することにある。また、監査役及び監査役会の責任は、その他の記載内容の報告プロセスの整備及び運用における取締役の職務の執行を監視することにある。当監査法人の財務諸表に対する監査意見の対象にはその他の記載内容は含まれておらず、当監査法人はその他の記載内容に対して意見を表明するものではない。財務諸表監査における当監査法人の責任は、その他の記載内容を通読し、通読の過程において、その他の記載内容と財務諸表又は当監査法人が監査の過程で得た知識との間に重要な相違があるかどうか検討すること、また、そのような重要な相違以外にその他の記載内容に重要な誤りの兆候があるかどうか注意を払うことにある。当監査法人は、実施した作業に基づき、その他の記載内容に重要な誤りがあると判断した場合には、その事実を報告することが求められている。その他の記載内容に関して、当監査法人が報告すべき事項はない。 |
BS資産
未収入金 | 1,398,000 |
工具、器具及び備品(純額) | 170,993,000 |
リース資産(純額)、有形固定資産 | 91,000 |
有形固定資産 | 171,084,000 |
繰延税金資産 | 108,877,000 |
投資その他の資産 | 214,570,000 |
BS負債、資本
未払金 | 332,262,000 |
未払法人税等 | 711,000 |
未払費用 | 5,763,000 |
リース債務、流動負債 | 110,000 |
資本剰余金 | 1,944,774,000 |
利益剰余金 | -150,697,000 |
負債純資産 | 3,679,652,000 |
PL
売上原価 | 3,221,159,000 |
販売費及び一般管理費 | 3,069,557,000 |
受取利息、営業外収益 | 25,000 |
為替差益、営業外収益 | 1,658,000 |
営業外収益 | 14,065,000 |
固定資産除却損、特別損失 | 0 |
特別損失 | 8,078,000 |
法人税、住民税及び事業税 | 958,000 |
法人税等調整額 | -46,418,000 |
法人税等 | -45,459,000 |
PL2
当期変動額合計 | 205,377,000 |
FS_ALL
現金及び現金同等物の残高 | 2,260,871,000 |
減価償却累計額、有形固定資産、一括控除 | -287,804,000 |
売掛金 | 988,642,000 |
広告宣伝費、販売費及び一般管理費 | 140,182,000 |
現金及び現金同等物に係る換算差額 | 1,658,000 |
現金及び現金同等物の増減額 | 485,054,000 |
株主資本 | 1,844,077,000 |
営業活動によるキャッシュ・フロー
減価償却費、営業活動によるキャッシュ・フロー | 82,552,000 |
為替差損益(△は益)、営業活動によるキャッシュ・フロー | -1,658,000 |
棚卸資産の増減額(△は増加)、営業活動によるキャッシュ・フロー | -12,000 |
仕入債務の増減額、営業活動によるキャッシュ・フロー | -46,950,000 |
小計、営業活動によるキャッシュ・フロー | 470,864,000 |
法人税等の支払額、営業活動によるキャッシュ・フロー | -3,608,000 |
財務活動によるキャッシュ・フロー
リース債務の返済による支出、財務活動によるキャッシュ・フロー | -120,000 |
投資活動によるキャッシュ・フロー
有形固定資産の取得による支出、投資活動によるキャッシュ・フロー | -2,908,000 |