財務諸表

CoverPage

提出書類、表紙有価証券報告書
提出日、表紙2024-04-01
英訳名、表紙Photosynth inc.
代表者の役職氏名、表紙代表取締役社長  河瀬 航大
本店の所在の場所、表紙東京都港区芝五丁目29番11号
電話番号、本店の所在の場所、表紙03-6630-4585
様式、DEI第三号様式
会計基準、DEIJapan GAAP
連結決算の有無、DEItrue
当会計期間の種類、DEIFY

corp

沿革 2 【沿革】
年月概要2014年9月東京都品川区に株式会社Photosynth(資本金100千円)を設立2014年10月経済産業省所管の独立行政法人(現:国立研究開発法人)新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)から研究開発型ベンチャー支援事業(スタートアップイノベーター支援)の委託及び助成先に採択2015年1月本社を東京都品川区、同区内での移転2015年3月家庭向けの後付け型スマートロック「Akerun Smart Lock Robot」を発表2015年7月Webで遠隔解錠・状態確認できる「Akerun Remote」を発表2015年12月テクノロジーメディアであるCNET Japanを運営する朝日インタラクティブ株式会社等が主催する「第3回 CNET Japan Startup Award」でCNET Japan賞を受賞2016年1月本社を東京都品川区、同区内での移転2016年7月法人向けのICカードで鍵が開くスマートロック「Akerun Pro」を発表2017年3月経済産業省所管の国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)が実施するベンチャー企業と大企業の連携支援プログラム「企業間連携支援制度」に採択2017年4月経済誌「Forbes」が選ぶアジア版「30 UNDER 30」のコンシューマーテクノロジー部門に当社代表取締役社長河瀬航大が選出2018年3月本社を東京都港区に移転2018年10月公益社団法人日本ニュービジネス協議会連合会が主催する「第13回ニッポン新事業創出大賞」のアントレプレナー部門で最優秀賞(副賞:経済産業大臣賞、公益社団法人日本ニュービジネス協議会連合会会長賞)を受賞2018年10月日本電気株式会社の顔認証技術と技術連携2019年5月法人向けに既設の電気錠や自動ドアを直接制御する「Akerunコントローラー」を発表2019年6月大阪府大阪市に大阪オフィスを設立2020年6月福岡県福岡市に福岡オフィスを設立2020年8月アクセス認証基盤「Akerun Access Intelligence」をイメージしたAkerunロゴのリニューアルを発表2020年8月三井不動産株式会社との資本業務提携と、ビル向けの入退館管理システムである「Akerun来訪管理システム」における実証実験の開始を発表2020年8月情報セキュリティマネジメントシステム(ISMS)に関する国際規格「JIS Q 27001:2014(ISO/IEC 27001:2013)」の認証を取得2020年10月東京都港区にロジスティクス・センターを設立2020年10月「Akerun入退室管理システム」の新しいWeb管理ツール「Akerun Connect」をリリース2020年11月JR東日本スタートアップ株式会社が主催する「JR東日本スタートアッププログラム2020」において総合グランプリとなる「スタートアップ大賞」を受賞2021年1月美和ロック株式会社との合弁会社「株式会社MIWA Akerun Technologies」を設立2021年7月「クラウド型入退室管理システムの国内導入社数並びに国内シェアNO.1」、「スマートロック国内利用者数並びに国内シェアNO.1」、「法人向けスマートロック国内導入社数並びに国内シェアNO.1」を獲得(日本マーケティングリサーチ機構調べ(2021年6-7月期_指定領域・日本国内における検証調査))2021年8月愛知県名古屋市に名古屋オフィスを設立(2023年2月1日付で大阪オフィスに統合)2021年9月株式会社MIWA Akerun Technologiesの住宅向けスマートロックを活用した最初の製品となる、スマートライフシステム「Akerun.M(アケルン・エム)」を発表2021年11月東京証券取引所マザーズに株式を上場2022年3月株式会社MIWA Akerun Technologiesがヤマト運輸株式会社が提供する「マルチ デジタルキー プラットフォーム」との連携を発表2022年4月東京証券取引所の市場区分の見直しにより、東京証券取引所マザーズからグロース市場に移行2022年7月インフラ企業として情報セキュリティへの取り組みをさらに強化するため、新たに最高情報セキュリティ責任者(CISO)を創設2022年7月株式会社MIWA Akerun Technologiesが賃貸物件の内見〜入居〜退去までをキーレスで効率的に管理できる 「Akerun.Mキーレス賃貸システム」を発表2022年8月北海道札幌市に札幌オフィスを設立
事業の内容 3 【事業の内容】
当社グループは、「つながるモノづくりで感動体験を未来に組み込む」を企業ミッションに掲げ、世の中の物理鍵とそれに伴う様々な制約から人々を解放し、扉で分断されたあらゆる場所や空間に人々が自由にアクセスできる「キーレス社会®」の実現を目指しております。具体的には、スマートロック(注1)等のIoT機器及びクラウド型認証プラットフォームを活用したサービスを開発し、サブスクリプションモデルにより提供することで、物理空間におけるシングルサインオン(SSO)(注2)を実現する世界の創出を目指しております。
(注) 1.スマートロックとは、電気制御により鍵を開閉することができるインターネットに接続された錠前のことであります。2.シングルサインオン(Single Sign On、SSO)とは、1度のユーザー認証によって複数のシステムやサービスの利用が可能になる仕組みであります。1つのIDとパスワードで複数のシステムやサービスを利用することができるため、ユーザーの利便性の向上や負担の軽減を実現します。 現在、自宅やオフィス、商業施設等では通過する扉やゲートの数だけ物理的な鍵及び解錠ツールを持ち歩く必要があり、扉の数と鍵の数がN:Nの関係となっております。そして、鍵が果たす役割はセキュリティや本人認証など重要なものであるため、鍵の管理に要する心理的・物理的な負荷は非常に大きいと考えております。このような現状を受け、物理的な鍵による様々な制約を無くし、1つのICカードや個人を特定する物理的なIDであらゆる扉やゲートにスムーズにアクセスできる、扉の数と鍵の数がN:1の世界をキーレス社会と名付け、この物理空間におけるシングルサインオンともいえる世界の実現を目指しております。この社会インフラとしてのキーレス社会を実現することで、人々や社会の利便性の向上やさらなる価値の享受に資するものと考えております。 そして、当社グループでは、このキーレス社会の実現を通じて、少子高齢化に伴う労働力人口の減少
(注)等の様々な社会課題の解決を支援することを目指しております。一例として、オフィスや商業施設における人手不足への対策や業務効率の改善等の要請に対して、扉における認証やアクセス管理を起点とした幅広いソリューションを提供することで、より少ない人手で業務や施設管理の効率性を向上できる「無人化」「省人化」を支えるインフラを担うなど、社会課題の解決に資する事業活動を推進しております。 (注)内閣府「令和4年版高齢社会白書」 (1) Akerun事業の概要当社グループの中核事業であるAkerun®事業は、キーレス社会の実現、そしてキーレス社会を通じた社会課題の解決に向けて、クラウドとインターネットでつながるスマートロック等のエッジ端末(注1)による個人認証とセキュリティ、そしてクラウド上のアクセス認証基盤を通じた個人認証を主軸とした関連サービスを法人向け、住宅向けに展開しております。Akerun事業の特徴は主に以下の3点であります。① サブスクリプションモデルによるHESaaSとして提供Akerun事業の特徴の1つ目は、ハードウエアとソフトウエアを組み合わせたサブスクリプションモデルであるHESaaS(注2)としての提供形態であります。Akerun事業で展開される各サービスは、ハードウエアとソフトウエアを組み合わせ、主に年単位で課金されるサブスクリプションモデルによるレンタルサービスとして提供しております。サブスクリプションモデルによるユーザーの導入障壁の低減や後述のAkerun事業における強み等を背景に、ARR(Annual Recurring Revenue:毎年繰り返し得られる年次経常収益)は順調に拡大しております。さらに、このARRを支えるサブスクリプション収益の比率も事業収益全体の80〜90%という高水準を継続的に維持しております。 また、運用の手軽さや利便性に加え、API(注3)による外部の勤怠管理システムや会員管理システム等との連携を通じて、人々の入退室データを起点とした“オフィスや施設における基幹システム化”や大規模顧客へのさらなる拡販等の解約率低減に向けた取り組みにより、MRR(Monthly Recurring Revenue:毎月繰り返し得られる月次経常収益)ベースのChurn Rate(サービスに関する解約率)は平常時で1%台前半の低い水準に抑えられております(注4)。具体的には、前述の施策等を通じて継続的なChurn Rateの改善を図ることで、2023年12月期には1.14%まで改善しております。当社グループでは、より低いChurn Rateを示しているAPI連携利用や大規模企業といった顧客ポートフォリオを今後も拡大することでChurn Rateのさらなる低減が可能であると考えており、今後もそれら取り組みを通じてChurn Rateの最小化を図ってまいります。当社グループは、事業収益に占めるサブスクリプション収益の高い比率や低い解約率等を実現する、継続的な収益を生み出すリカーリングビジネスにより、MRR及びARRの最大化を通じた持続可能な成長を実現しております。
(注) 1.エッジ端末とは、 エッジ(末端)の端末の意味であり、IoT等においてはインターネットに接続され、システム全体の末端に位置する端末のことであります。インターネットで接続されたシステム全体における末端の端末として、データの収集/処理や上位システムへのデータの送信等に加え、上位システムからの指令やデータ等を受信して稼働したり、利用者に伝達する等の機能を担うハードウエアであります。2.HESaaSとは、Hardware Enabled Software as a Serviceの略で、アプリケーションソフトウエアをインターネット経由で提供するクラウドサービスであるSaaSと、ハードウエアのサブスクリプションモデル(レンタルモデル)を組み合わせた提供モデルのことであります。3.APIとは、Application Programming Interfaceの略で、特定のソフトウエアの機能やデータ等を、外部の他のプログラムで利用するための手順やデータ形式等を定めた規約のことであります。4.各期のChurn Rateは、当該期の期末月における12か月移動平均であります。 ② 堅牢なアクセス認証基盤及びクラウドセキュリティシステムAkerun事業の特徴の2つ目は、クラウド上に構築するアクセス認証基盤「Akerun Access Intelligence®」(注1)の高度な技術性であります。この認証基盤では、一般的なユーザー情報に加えてユーザーが日常的に利用するICカードなどの固有の物理ID情報を保有し、インターネットを通じて認証に活用しております。 この認証基盤における認証プロセスは、特許を取得している独自の通信方式(注2)やSSL(注3)、AES256(注4)等のセキュアな通信技術でセッションごとに暗号化することで高度なセキュリティを担保しております。また、認証や処理のロジックをエッジ端末とクラウド上のサーバーに集約することで、個人情報などの機密情報のエクスポージャーを減少させ、セキュリティ上の堅牢性をさらに高めております。この高度なセキュリティ環境を背景としたユーザー認証方式を確立したことで、信頼性と堅牢性に優れたユーザー認証と関連サービスの展開が可能になっております。
(注) 1.ユーザーの基本情報(氏名や所属等)、デジタルID情報(電話番号や電子メール等)、物理ID情報(所有するICカードや生体認証情報等)、認証権限情報(アクセスが許可されている扉、有効な日にち、曜日、時間帯等)等の情報を保有するクラウド上のデータベースであります。2.セキュリティを確保しながら簡便な方法で第三者に鍵を開けるための権限を一時的に付与することができる電子錠システムに関する特許(公開番号「特開2016-79644(P2016-79644A)」)3.SSLとは、Secure Sockets Layerの略で、インターネット上でのデータ通信を暗号化し、第三者によるデータの窃取や改ざんを防ぐ通信プロトコルのことであります。4.AES256とは、米国国立標準技術研究所(NIST)が政府の標準暗号方式として選定したAES(Advanced Encryption Standard)と呼ばれる暗号化方式のうち、256ビット長の暗号鍵を使用する方式であります。 ③ アクセス認証基盤を活用した認証プラットフォームとしての価値Akerun事業の特徴の3つ目は、利用企業の規模や業種業態を問わない広範なユーザー基盤に裏付けられた認証プラットフォームがもたらす、社会インフラとしての価値であります。これまでのサービス展開を通じて、2023年12月末時点で5,400社以上の現契約社数を達成しており、この現契約社数は継続的に増加しております。実際に、Akerun事業を支える中核サービスである法人向けの「Akerun入退室管理システム®」は、「クラウド型入退室管理システムの導入社数/シェア」、「スマートロックの利用者数/シェア」、「法人向けスマートロックの導入社数/シェア」の3分野でそれぞれ国内No.1
(注)を獲得するなど、クラウド型入退室管理システム及びスマートロックの市場をけん引する実績を有しております。このように、Akerun事業はセキュリティ及び認証のプラットフォーム化による社会インフラとしての地位を確立しております。さらに、建築用錠前の提供で国内大手の美和ロック株式会社(以下、美和ロック)との合弁会社である株式会社MIWA Akerun Technologies(以下、MIWA Akerun Technologies)を通じて、住宅領域での事業成長を推進するなど、オフィスや各種施設、住宅等の利用場所を問わない広範な基盤を通じたビッグデータの取得・活用により、様々な周辺領域へのサービス展開も可能となっております。そして将来的には、プラットフォームに蓄積されたビッグデータを活用することで、少子高齢化等による労働力人口の減少を補完するテクノロジーの提供、人の動静に合わせた効率的なエネルギー利用による環境負荷の低減、社会や時勢の変化に合わせた働き方の実現、既存の空間を活用した効率的な社会インフラの構築、認証/移動/決済等のソリューションの提供等を通じて、オフィス領域から住宅領域、そして商業施設、行政機関や医療機関等の非商業施設までのあらゆる場所やシーンにおける効率的かつ持続可能な社会の構築に貢献していけるものと考えております。
(注) 日本マーケティングリサーチ機構調べ(2021年6-7月期_指定領域・日本国内における検証調査)
(2) オフィス領域におけるAkerun事業① 市場機会Ⅰ.市場環境の変化現在、国内では少子高齢化の昂進等による生産年齢人口の減少が喫緊の社会課題となっており、日本政府によると、2020年時点で約7,400万人いる生産年齢人口は2065年までに約4,500万人となり、約2,900万人減少すると試算されています(注1)。この社会課題を受けて、オフィスや商業施設、店舗等においても人手不足への対応や労働生産性の向上等を目的に、IoTやクラウド等のテクノロジーを活用して日々の業務の効率性・生産性を高め、またより少ない人員で業務を遂行するための取り組みが活発化しています。具体的には、従来は人手をかけていた、セキュリティを含む入退室管理、勤怠管理、受付管理、予約管理等の各種業務にテクノロジーを活用し、それぞれをデータ連携させてオフィスや施設の運営にかかわるワークフローを自動化する等の取り組みが業界や業態を問わず進展しております。また、これらの取り組みは、オフィス環境だけにとどまらず、特にコワーキングスペースやシェアオフィスなどの分散型オフィス、フィットネスジムやインドアゴルフなどの会員制商業施設、そして小売店舗等にも広がるなど、将来にわたって旺盛なニーズが見込まれます。さらに、従来からの法改正を含む日本政府による働き方改革の推進により、企業では客観的な方法による従業員の労働時間の把握(注2)や、残業時間の上限規制(注3)、勤務間インターバル制度(注4)等、従業員の勤務時間を正確に記録、管理することが求められております。また、個人情報保護法の改正により、企業では安全管理措置に基づき、個人情報に対する物理セキュリティ及び情報セキュリティの対策を強化する必要があります(注5)。特に、この個人情報保護に向けた流れはより一層加速しており、2022年4月の改正では、個人情報の漏えい等が発生した際の事業者による報告が義務化(注6)されております。また、この改正に先立つ2020年12月には、個人情報保護委員会からの措置命令等に違反した場合、また個人情報データベース等の不正流用があった場合の法人における罰則(注7)がさらに厳罰化されるなど、企業ではこれまで以上の対策を求められるようになっております。このような人手不足対策や業務・運営効率の向上を目的としたデジタル化の進展、従業員の労働時間の適正な把握の必要性、働く場所の多様化と拡大、個人情報保護のためのセキュリティ対策、といった市場動向に対して、Akerun事業はセキュリティ強化に加えて、入退室履歴の勤怠管理への活用、API連携等も活用した認証・動静管理システムとしての様々な用途への拡張性の高さ、導入の容易さ等の特徴を通じて、今後も市場からの旺盛な需要に応えていけるものと考えております。
(注) 1.内閣府「令和4年版高齢社会白書」2.改正労働安全衛生法第66条の8の3(2019年4月1日施行)及び改正労働安全衛生規則第52条の7の3(2019年4月1日施行)3.労働基準法第36条及び第139~142条(2019年4月1日施行)4.改正労働時間等設定改善法第2条(2019年4月1日施行)5.改正個人情報保護法第2条及び第20条(2017年5月30日施行)6.改正個人情報保護法第22条の2(2022年4月1日施行)7.改正個人情報保護法第83条〜第87条(2020年12月12日施行) Ⅱ.入退室管理システムの現状従来の法人向け入退室管理システムは、オンプレミス環境(注1)へのサーバーや管理用PC等のハードウエア機器の購入・設定に加え、システム設定やネットワーク工事のためのSIer(注2)及び電気工事業者が必要になっておりました。さらに、導入後も機器の改修や保守の費用等が必要となり、加えてIT技術に習熟した担当者でなければ取得データの利活用が難しいなど、費用面及び工数面での負荷やデータ活用の困難さが企業には大きな導入障壁となっておりました。当社グループでは、このような導入時の障壁を低減し、より少ない負担で入退室管理システムを導入・活用できる「Akerun入退室管理システム」を法人向けに提供しております。特別な工事やシステム構築が不要かつ後付けで手軽に導入可能、クラウド型システムによる専用IT機器の排除とシンプルに利用できる管理画面等によるデータ利活用の支援、サブスクリプションモデルによる保守・運用に要する費用負担の軽減などにより、導入障壁の低減と継続運用のしやすさを実現することで今後も広く需要を取り込み、継続的に売上を拡大できるものと考えております。
(注) 1.オンプレミス環境とは、ITインフラの構築や稼働に必要なサーバーやネットワーク等の機器及びソフトウエア等を利用者である企業が管理する施設等に保有し、運用するシステムの利用環境のことであります。2.ITシステムの構築、コンサルティング、設計、開発、運用、ハードウエアの選定等を一括で請け負うITサービス事業者のことであります。 ② サービス構成Akerun事業を支える中核サービスである法人向けの「Akerun入退室管理システム」は、鍵の物理的開閉やデータ通信等を担うハードウエア機器と、認証、鍵権限の管理、履歴の閲覧等を行う、スマートデバイス
(注)向けアプリケーション及びWebアプリケーション等のソフトウエアで構成されております。
(注) 対応するスマートデバイスは、Apple社が提供するiOS及びGoogle社が提供するAndroidにて稼働するスマートフォン等の電子デバイスとなります。 Ⅰ.ハードウエアの特徴「Akerun入退室管理システム」で提供されるハードウエアには、サムターン錠(注1)に対応する「Akerun Pro」と、電気錠(注2)や自動ドア、フラッパーゲート等の電気制御の扉に対応する「Akerunコントローラー」があります。Akerun Proは、工事なしで既存の扉に後付け可能なスマートロックであります。扉の既存のサムターン錠に付けて設置するだけで、取り付け工事不要、初期費用0円で導入できるため、従来の入退室管理システムと比較して導入にかかる工数や費用を大きく低減しております。Akerunコントローラーは、既存の自動ドアや電磁錠等の電気錠に後付けで導入でき、簡易的な工事のみで導入し、運用できるハードウエアであります。電気制御で鍵の開閉を行う電気錠に対応することで、「Akerun入退室管理システム」の適用範囲をさらに拡大し、さらに多くのオフィスや施設のニーズに対応することが可能になっております。また、Akerun Pro及びAkerunコントローラーに共通のハードウエアとして、ICカードリーダーも付帯しております。ICカードリーダーを活用することで、ユーザーが日常的に使用している交通系ICカードや社員証、ビル入館カード等、FeliCa及びMifareの各規格(注3)に対応するICカードによる認証を通じた施錠・解錠が可能となっております。なお、「Akerun入退室管理システム」を構成する各ハードウエアは、当社グループで開発、設計し、製造は外部に委託しております。
(注) 1.サムターン錠とは、扉の室内側についているツマミ式の金具で開閉を行う錠前のことであります。2.電気錠とは、電気的に鍵を施解錠する機構を組み込んだ錠前のことであります。3.FeliCaは、ソニー株式会社の登録商標です。Mifareは、NXPセミコンダクターズ社の登録商標です。 Ⅱ.ソフトウエアの特徴「Akerun入退室管理システム」は、ソフトウエアにより以下の機能を提供しております。 A.Web管理ツールやソフトウエアによる鍵権限の柔軟な設定Web管理ツール及びそれを支えるソフトウエア技術を通じて、ユーザーが入退室できる日時等を柔軟に設定することが可能となっております。これにより、ユーザーごとの要件に応じた入退室権限等、ニーズに合わせた柔軟な鍵権限の運用が可能になっております。また、Web管理ツールやソフトウエアは、クラウド型サービスの特徴を生かし、労務関連の法制度の改正やオフィスに求められる要件の変化等、社会状況の変化や市場トレンドに合わせて継続的にアップデートすることが可能となっております。B.システムで取得するデータの利活用IoTを活用したクラウド型入退室管理システムの特徴を生かし、ユーザーの利用履歴を永続的に保持し、Web管理ツール等でいつでも確認できる機能を備えております。さらに、この履歴のビッグデータとしての活用により、セキュリティの機能だけでなく、ユーザーの動静を把握・確認するための空間管理やサービス利用のエビデンスとしての活用等、さらなる価値提供が可能になっております。C.APIによる外部システムとの連携サービスとしての拡張性を高めるために、外部システムとの連携が可能なAPIを公開しております。これにより、外部システムからの「Akerun入退室管理システム」の入退室履歴等の各種情報の取得や遠隔での解錠・施錠の操作、日時を指定した鍵権限の発行等が可能になります。また、ユーザーが独自に開発したシステムやサービスと「Akerun入退室管理システム」を連携させたり、当社グループ及び外部のパートナー企業でAPI連携させた勤怠管理、生体認証などの認証システム、会員管理システム、決済システム等との共同ソリューションを活用することも可能となっております。 ③ サービスの強み当社グループは、市場における優位性として、セキュリティやサービス品質等の要件の厳しい法人向け事業で培った広範な実績に加え、高水準の利用体験を可能にするハードウエアの開発及び無線通信やセキュリティにおけるソフトウエアの開発に強みを有しております。Akerun事業における強みの詳細は、以下の通りであります。 Ⅰ.法人向け事業における強固な実績とそれに支えられたアクセス認証基盤前述の通り、当社グループはこれまでの事業活動により、法人における豊富な導入実績を通じて現契約社数5,400社以上を抱えるアクセス認証基盤「Akerun Access Intelligence」を保持しております。この相当規模の認証基盤を活用することで、ユーザー認証に加えて勤怠管理や会員管理等の法人向けに提供される様々なクラウド型サービスや認証シーンにも活用でき、また、認証基盤を通じて取得するビッグデータを活用したデータドリブンなビジネス展開も将来的に可能となっております。今後も、オフィスに導入されたAkerunのエッジ端末を起点として、入退室管理やセキュリティといった従来から提供する機能に加え、API連携を通じて勤怠管理、会員管理、予約管理、決済等の外部の様々なサービスとの連携を継続的かつ積極的に推進することで、扉を起点にあらゆる空間における付加価値を向上させ、社会インフラとしての認証基盤の利用拡大と社会課題の解決に取り組んでまいります。 Ⅱ.要件の厳しい法人利用に応える高水準のハードウエア性能Akerun事業で提供される各種ハードウエアは、日常的に多人数に触れる機器としての特性上、ユーザーの利用体験の向上をもたらすハードウエア品質が非常に重要であると考えております。当社グループでは、このハードウエア品質の強化に常に注力しており、実際にAkerun Proにおいては100万回の開閉試験を実施するなど、多人数利用に応える耐久性を確保しております。さらに、サムターン錠の高速な施解錠を支える高トルクモーター、1日あたり100回の開閉で電池が6か月以上持続する省電力性能を追求した専用設計回路、耐久性強化のための高機能ベアリングや特許取得済みの専用設計機構等、ユーザーの利用体験を最大限に高め、法人利用にも耐えられるハードウエア技術により、市場でも高水準のハードウエア品質を実現しております。 Ⅲ.信頼性と堅牢性に優れた無線通信技術及びセキュリティ技術当社グループでは、ハードウエア品質と同様に、日々利用されるシステムとしての安定的な稼働も重要であると考えております。当社グループは、認証に使用するBLE
(注)通信の制御技術、特に施解錠に用いるスマートデバイスを含む複数のハードウエア機器間での安定的な通信制御技術に強みを持っております。現在では、オフィス環境はもちろんのこと、様々な場所で多くの無線通信が行われており、それぞれの無線通信の混線や干渉などが発生し、無線通信を利用するサービスの安定的な稼働の障害となっております。当社グループでは、法人向けセキュリティという重要なサービスを担う企業として、無線通信における堅牢性と同時に安定性を実現する高度な無線制御技術を備えております。この強みを生かすことで、オフィスや施設における高速かつ安定したユーザー認証が可能になり、日々の利用体験の向上を実現しております。さらに、これまでの広範な導入実績で培われたユーザー基盤を背景に、継続的なソフトウエアの改善を通じて、さらなる利用体験と信頼性の向上を図っております。加えて、前述の通り、クラウドや各ハードウエア機器間の通信には、特許取得済みの通信技術や高度な暗号化通信技術を採用することで、市場でも高水準の信頼性と堅牢性に優れたユーザー認証プロセス及び認証基盤を確立しております。また、Akerun事業のサービスを支えるクラウド基盤に関しても、近年のクラウドサービスを含む情報セキュリティ意識の高まりを受け、社内で「情報セキュリティ基本方針」を定め、この方針に従って情報資産を適切に管理するとともに、本社及び各拠点で情報セキュリティマネジメントシステム(ISMS)に関する国際規格「JIS Q 27001:2014(ISO/IEC 27001:2013)」の認証を取得し、さらに最高情報セキュリティ責任者(Chief Information Security Officer、CISO)やクラウドインフラの保守運用の専任担当者を設置することで、安定的なサービス基盤の構築に積極的に取り組んでおります。
(注) BLEとは、Bluetooth Low Energyの略で、低電力通信を可能にする近距離無線通信技術Bluetoothの拡張仕様の1つであります。 ④ 今後の成長拡大のための取り組みⅠ.企業規模を問わない新規ユーザーの獲得オフィス領域におけるさらなる成長拡大に向けて、主要導入企業である全国で約190万社
(注)ある従業員10名以上の中小企業及び事業所への販売促進施策を継続的に強化し、新規ユーザーのさらなる獲得を目指しております。中小企業への提供拡大にあたっては、札幌、大阪、及び福岡の地方拠点の活用に加え、販売パートナーとの関係性強化を通じて潜在ユーザーへの提案機会の増加を図る専任チームの強化・拡充と営業活動の強化も継続的に実施しております。さらに、直近では大規模企業や大型ビルからの問い合わせや導入も増加し、堅調な受注実績をあげております。今後も、継続的に大規模企業専任の営業チームの強化や拡大を進めることで、大規模企業ユーザーの新規獲得にも積極的に注力する計画であります。
(注) 経済産業省「平成28年経済センサス‐活動調査」より算出。10名以上の小売・飲食を除く事業所向け(約170万事務所)に加え、医療・教育・スポーツ施設等での商用利用向け(約17万事務所) Ⅱ.既存ユーザーへの追加導入の提案(アップセル施策)当社グループでは、既存顧客へのさらなる売上拡大にあたって、継続的なユーザーとの関係性強化やヒアリングに加え、市場動向の調査・分析を通じて、変化するオフィス環境や施設の運営環境等の市場ニーズに合わせた空間利用を提案することで、1事業所あたりの追加導入台数の増加を目指しております。さらに大規模企業での導入の場合、「Akerun入退室管理システム」を導入可能な扉が複数あるケースがほとんどであるため、複数台の契約を獲得しやすい環境であることから、契約の新規獲得を契機に関係性の強化や継続的なヒアリング、提案力の強化等を通じて複数台の契約を追求してまいります。これらのアップセル施策を促進することで、ユーザーからもたらされるLTV(注1)及びARPU(注2)の最大化を目指し、事業成長を加速する考えであります。
(注) 1.LTVとは、Life Time Valueの略で、顧客との取引の開始から終了までの期間にもたらされる総利益(顧客生涯価値)のことであります。2.ARPUとは、Average Revenue Per Userの略で、ユーザーや利用企業における1人/1社あたりの売上金額を表す指標であります。 Ⅲ.周辺領域でのソリューションの開発と提供(クロスセル施策)現在、Akerun事業では適用領域の多様化に積極的に取り組んでおり、特に外部パートナーが提供する勤怠管理、会員管理、決済、認証等のシステムとのAPIを通じたサービス連携に注力しております。Akerunが提供するAPIを通じて、「Akerun入退室管理システム」の入退室履歴やデジタル鍵の発行・剥奪などの各種データの連携が可能になることで、「Akerun入退室管理システム」が設置された扉を起点に、オフィスや施設を利用するユーザーの入退室履歴や個人認証のための情報等を通じたインサイトを獲得でき、労務管理や施設管理、利用者情報の管理などの業務を大幅に効率化できます。この有用性が評価され、オフィスだけでなくコワーキングスペースやフィットネスジムなどの会員制施設及び商業施設等での「Akerun入退室管理システム」の導入やAPIの利用も堅調に増加するなど、「Akerun入退室管理システム」は顧客のオフィスや施設の様々なバックオフィス業務を支える基幹システムへと進化しております。また、当社グループでは、API連携による顧客へのさらなる価値提供に加え、連携サービスの拡充やサービス品質の向上を図るために、API利用への課金を実施するなど、さらなる収益性の強化を推進しております。当社グループでは、このようなAkerunの周辺領域における各種サービスとの連携ソリューションを開発・提供することで、オフィスや施設の業務効率化や運営効率化を支援し、顧客の基幹システムとしての役割を今後もさらに拡大しながら、さらなる収益の拡大を目指してまいります。 (3) 住宅領域におけるAkerun事業① 市場機会現在、日々の生活の様々な場面でデジタル化が大きく進展し、家事代行サービスや宅配サービス、空きスペース等の不動産や自動車等の動産を有効活用するシェアリングエコノミー(注1)の台頭に代表されるように、消費者の行動態様は大きく変化しております(注2)。さらに現在では、社会環境や消費者の行動態様の変化に伴い、非対面や自宅不在時のサービス利用や荷物の受け取り、人や物品のトレーサビリティなどへのニーズの高まりを受け、それらにデジタルを活用する取り組みも拡大しております。そして、このデジタル化の流れは、消費者だけでなく、住宅関連のサービス事業者や不動産事業者にも拡大しており、物件の内覧や管理のデジタル化並びに不動産契約の一部電子化等を通じて業務を効率化する取り組みなど、不動産テックと呼ばれる市場も拡大しております(注3)。加えて、これらの直近の市場動向だけでなく、日本では少子高齢化に伴う高齢者の一人暮らし世帯の増加(注4)とそのような世帯への生活支援、健康管理、安全管理等のケアの提供が課題となっております。この課題の解決に向けては、高齢者のための見守りサービスの普及や利用拡大が期待される中で、人員による定期的な対面に加えて、センサーや通信、ロボットなどのIT技術を活用して人員による見守りを支援する取り組みも今後さらに加速するものと考えております。一方で、これらのサービス利用の課題として、宅配便の増加に伴う宅配クライシスや物流業界の2024年問題と呼ばれる宅配事業者の業務負荷の高まりと業務効率化の要請、在宅の必要性、利用時の鍵受け渡しの手間、集合住宅エントランスの入退館時のセキュリティ、ユーザーの心理的不安等がサービスの利用拡大の障壁となっております。当社グループの住宅領域におけるAkerun事業では、建築用錠前の提供で国内大手の美和ロックとの合弁会社となるMIWA Akerun Technologiesを通じて、住宅領域におけるスマートロック及び関連サービスの普及と事業成長を目指しております。この合弁会社を通じて、当社は住宅向けサービスの基盤となるクラウド上の認証基盤やスマートデバイス向けアプリケーションの開発、美和ロックはAkerunのシステムと連携する住宅向けスマートロックの開発と提供、そして合弁会社が住宅向けサービスの開発と提供をそれぞれ担い、住宅の扉を起点とした住宅向けのサービスを提供することで、前述の課題を解決できるものと考えております。住宅領域のAkerun事業では、当社グループがこれまでに培ったオフィス領域におけるサービス開発、クラウド基盤及びスマートデバイス向けアプリケーションの開発や提供における実績・知見を活用しております。これにより、住宅のセキュリティを高めながらシェアリングエコノミーの拡大や社会課題の解決に向けて普及する住宅向けサービスをユーザーが簡便に利用できるプラットフォームを展開し、住宅領域でのさらなる事業成長を目指しております。この住宅領域におけるAkerun事業を通じて、人々が持ち歩いていた住宅の鍵を、当社グループの合弁会社が提供する住宅向けアプリケーションやICカード等へと置き換えることで、当社グループの目指すキーレス社会の実現に向けた取り組みを加速するとともに、関連事業者やユーザーのさらなる利便性向上に資するものと考えております。
(注) 1.遊休となっている空間や人材などの資産のさらなる有効活用により、社会課題の解決や生産性の向上などを目指す経済態様のことであります。2.株式会社矢野経済研究所「2021 シェアリングエコノミー市場の実態と展望」(2021年9月30日発刊)https://www.yano.co.jp/press-release/show/press_id/28213.株式会社矢野経済研究所「2021年版 不動産テック市場の実態と展望」(2021年7月28日発刊)https://www.yano.co.jp/press-release/show/press_id/27704.内閣府「令和4年版高齢社会白書」 ② 提供サービス/製品住宅領域におけるAkerun事業では、美和ロックとの合弁会社であるMIWA Akerun Technologiesを通じて、住宅向けのサービスや製品の開発・提供を推進しております。美和ロックの提供するスマートロックと当社の提供するクラウド基盤を組み合わせたサービスを活用することで、集合住宅などに標準設備として導入されている美和ロック製スマートロックをAkerunアプリで開けることができるようになり、追加の機器などを導入する必要なく、Akerunアプリからの施解錠に加え、操作履歴の確認、インターネットを通じたデジタルな合鍵の共有等が可能になり、ユーザーの利便性が向上します。現在、住宅領域における主力サービスとして、賃貸用住宅物件の管理業務を大幅に効率化する「Akerun.Mキーレス賃貸システム」提供しており、このサービスにより、賃貸物件の内見〜入居〜退去の各フェーズにおける、物理鍵の受け渡しのための移動にかかる手間と時間、トラブルへの対応業務、そして退去時の鍵の交換や回収にかかる手間やコスト等、物理鍵による運用に伴う様々な非効率業務を大幅に解消すると同時に、入居者の利便性や安全・安心の向上を実現できます。さらに今後は、住宅における鍵の施解錠だけでなく、認証、住宅向けの各種サービスの利用、決済等の様々な住宅向けサービスを利用するためのプラットフォームとしての機能の提供に向けて積極的に取り組み、社会環境やライフスタイルの変化に合わせ、イエナカサービス(家事代行、ペットシッター、介護等)と連携し、安全・安心で快適な暮らしを支えるための取り組みを推進してまいります。 ③ サービス提供のスキーム住宅領域では、サービスや製品の提供にあたり、当社が51%、美和ロックが49%を出資する合弁会社であるMIWA Akerun Technologiesを通じて、当社は住宅向けサービスの基盤となるクラウド上の認証基盤やスマートデバイス向けアプリケーションの開発、美和ロックはAkerunのシステムと連携する住宅向けスマートロックの開発と提供、そして合弁会社が住宅向けサービスの開発と提供をそれぞれ担っております。当社のクラウド上の認証基盤及びスマートデバイス向けアプリケーションといったソフトウエア技術における信頼性と実績、美和ロックの住宅向けスマートロック製品に関するハードウエア技術の堅牢性と実績、そして合弁会社によるスマートロックを起点とした住宅向けサービスの開発と提供という各社のそれぞれの強みを組み合わせることで、ユーザーの安全・安心の実現と同時に包括的なサービスを提供し、これまで以上に利便性の高い生活の実現に貢献するとともに、様々な社会課題の解決に資するものと考えております。また、販売・普及にあたっては建築用錠前の提供で国内大手の美和ロックの有する全国規模の販売網やネットワークを活用することで、住宅領域における不動産管理会社や不動産オーナー等の主要プレイヤーへの積極的な提案を推進し、全国規模でのサービスの提供を拡大してまいります。 ④ サービスの強み住宅領域におけるAkerun事業では、美和ロックとの合弁会社を通じて両社の強みを生かした事業を展開してまいります。具体的には、建築用錠前で国内大手である美和ロックがこれまでに培ってきた広範な営業チャネルを最大限活用してまいります。これにより、国内の主要な不動産管理会社や不動産オーナーへの提案を通じて幅広い住宅への導入を目指してまいります。また、現契約社数5,400社を超える顧客基盤を通じて培った実績あるクラウド上のアクセス認証基盤「Akerun Access Intelligence」も強みとなります。セキュリティや安定性等の要件の厳しい企業ユーザーを支えるこのクラウド基盤及び認証基盤の信頼性や堅牢性を活用することで、住宅向けにも強固なセキュリティを提供しております。さらに、住宅領域におけるスマートデバイス向け専用アプリケーションについても、企業向けに提供するアプリケーションをベースにすることで、信頼性や堅牢性の担保と同時に、使いやすさの向上も実現しております。これらの強みを背景に、「Akerun.Mキーレス賃貸システム」は、長谷工グループにおける賃貸マンションの管理・開発会社である株式会社長谷工ライブネット、第一生命グループの総合不動産会社である相互住宅株式会社、そしてCIFO株式会社等の不動産管理会社での導入に加え、全国の不動産管理会社等からの継続的かつ旺盛な需要に応えることで、市場における実績を順調に拡大しております。今後も、当社グループの強みを生かし、集合住宅だけにとどまらない、あらゆる住宅における安全・安心で快適な暮らしを支える製品やサービスの提供を拡大してまいります。 ⑤ 今後の成長拡大のための取り組み現在、住宅向けの各種サービスの興隆や消費者の行動態様の変化等の影響もあり、シェアリングエコノミーの普及を背景とした家事代行や宅配などのシェアリングサービスの利用や提供事業者が拡大しております。この市場トレンドやニーズに応えるべく、美和ロックが有する営業チャネルを活用して住宅向けスマートロック及びサービス利用のためのプラットフォームを展開することで、新規施工及び既築の集合住宅等への広範囲にわたる提案を強化してまいります。また、合弁会社が提供する住宅向けアプリケーションから利用できる住宅向けサービスに関して、家事代行や宅配、見守り等の様々なサービス提供事業者と提携することで、より多くの選択肢をユーザーに提供する計画であります。これらの取り組みを推進することで、鍵を起点とした魅力あるサービスプラットフォームを提案し、ユーザー基盤の拡大とともに事業成長を目指しております。 [事業系統図]
(注) 顧客紹介を受けて、当社が顧客との契約及びサービスの提供を行います。
関係会社の状況 4 【関係会社の状況】
名称住所資本金(千円)主要な事業の内容議決権の所有(又は被所有)割合(%)関係内容(連結子会社) 株式会社MIWA Akerun Technologies
(注)2東京都港区50,000Akerun事業51役員の兼任クラウドサービスの提供及び保守システム開発の業務受託管理業務の業務受託
(注) 1.「主要な事業の内容欄」には、セグメント情報に記載された名称を記載しております。2.特定子会社に該当しております。
従業員の状況 5 【従業員の状況】
(1) 連結会社の状況2023年12月31日現在セグメントの名称従業員数(名)Akerun事業150(7)
(注) 1.従業員数は就業人員であり、臨時雇用者は年間の平均人員を( )内に外数で記載しております。2.当社グループはAkerun事業の単一セグメントであるため、セグメント情報との関連については、記載しておりません。
(2) 提出会社の状況2023年12月31日現在従業員数(名)平均年齢(歳)平均勤続年数(年)平均年間給与(千円)144(7)34.72.96,550
(注) 1.従業員数は就業人員であり、臨時雇用者数は年間の平均人員を( )内に外数で記載しております。2.平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでおります。3.当社はAkerun事業の単一セグメントであるため、セグメント情報との関連については、記載しておりません。4.前事業年度に比べ従業員が23名減少しておりますが、主な理由は、事業運営における生産性や効率性の向上を目的に新規採用を抑制した結果、退職による自然減によるものです。 (3) 労働組合の状況労働組合は結成されておりませんが、労使関係は円満に推移しております。 (4) 管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異① 提出会社当社は、「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)及び「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定による公表義務の対象ではないため、記載を省略しております。② 連結子会社連結子会社は、「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)及び「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定による公表義務の対象ではないため、記載を省略しております。
経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】
文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであります。 (1) 経営方針当社グループは、世の中の物理鍵とそれに伴う様々な制約から人々を解放し、扉で分断されたあらゆる場所や空間に人々が自由にアクセスできるキーレス社会の実現を目指しております。この物理空間におけるシングルサインオン(SSO)ともいえる世界の実現を通じて、誰もが利用する鍵や扉を起点とした様々なサービスや価値を提供することで事業拡大を目指すとともに、キーレス社会の構築を通じて少子高齢化に伴う人手不足等の様々な社会課題の解決に向けて取り組んでおります。具体的な経営方針は以下の通りであります。① 社会インフラとしてのキーレス社会の創出を通じた価値提供と社会課題の解決近年、日本ではキャッシュレス社会が大きく進展しております。このキャッシュレスの仕組みは、スマートフォンやICカード等の個人を証明する支払用ハードウエア、POSやカードリーダー等のキャッシュレス決済受入のための認証ハードウエアインフラ、そしてそれらハードウエア機器やインフラのためのソフトウエアや決済トランザクションを支える認証システム等によって構成されており、従来の非デジタルな手段としての現金を置き換えております。当社グループでは、この急速に進展したキャッシュレス社会と同様の産業構造を持ち、ユーザーのさらなる利便性や価値実現をもたらすキーレス社会が今後急速に進展すると考えております。実際に、社会インフラとしてのキーレス社会はキャッシュレス社会と同様に、スマートフォンやICカード等の鍵を開閉する個人を証明するハードウエア、スマートロックやカードリーダー等の鍵に付帯する認証ハードウエアインフラ、そしてそれらハードウエア機器やインフラを支えるソフトウエアや認証のためのシステムによって構成されており、従来の非デジタルな手段としての物理鍵を置き換えております。キャッシュレス社会が急速に立ち上がったように、新たな社会インフラとして、誰もが利用する鍵や扉を起点としたキーレス社会を新たに創出し、セキュリティや生産性・業務効率、利便性の向上に加え、ビジネスや生活にこれまでにない価値を提供することで、ハードウエア及びソフトウエア、そしてクラウド上のアクセス認証基盤「Akerun Access Intelligence」をトータルで提供する社会インフラの企業としてのポジションを確立、拡大していく方針であります。これにより、セキュリティや生産性・業務効率の向上だけに留まらない、IoTにより取得するビッグデータの利活用やアクセス認証基盤を通じた利便性や生産性・業務効率の向上等の新たな価値を提供することで、企業や個人ユーザー、ひいては社会に貢献し、企業価値の拡大と事業成長を実現できると考えております。また、このキーレス社会の創出を通じて、少子高齢化やそれに伴う生産年齢人口の減少、またビジネスにおける生産性の向上等の社会課題を背景とした、人手不足の解決や業務効率化に向けた企業等の取り組みを支援してまいります。 ② 認証インフラによるキーレスの適用領域の拡大現在、当社グループはこのキーレス社会の実現に向けて、オフィス領域を中心に事業活動を行っております。そして、美和ロックとの合弁会社であるMIWA Akerun Technologiesを通じて、住宅領域における事業拡大に積極的に取り組んでおります。前述の通り、当社グループでは社会インフラとしてのキーレス社会を実現するためのハードウエアインフラ及び認証基盤を有しており、今後はオフィス領域で培った実績をベースに、住宅領域にもインフラとなるハードウエア機器及びソフトウエアを広く提案し、導入を拡大することで、リカーリングビジネスによる売上の拡大を目指しております。また、当社グループの推進するキーレス社会は、あらゆる場所に存在する扉における認証を起点としているため汎用性が高いと考えており、今後はオフィス領域や住宅領域に加えて、医療機関や行政施設等の非商業施設、そしてホテル等の宿泊施設やレジャー施設等の商業施設、さらには自動車や交通機関等、扉の存在するあらゆる場所へとその対象を拡大していく計画であります。さらに、扉を起点に展開されるインフラを拡大していくことで、その認証を担うアクセス認証基盤「Akerun Access Intelligence」のプラットフォームとしての価値も同時に向上すると考えております。この認証プラットフォームとしての価値の向上により、将来的には当社グループだけでなく外部のサービス提供事業者も共通認証プラットフォームとして利用できるサービス提供モデルを目指しております。これらの取り組みによって、サブスクリプションモデルによるARRの増加を目指しております。 ③ ユーザーへの提供価値を継続的に強化するビジネスの好循環モデル当社グループのさらなる事業成長のための源泉は、アクセス認証基盤「Akerun Access Intelligence」であります。この認証基盤を中核とした既存のAkerun事業の拡大を通じて、認証のためのエッジ端末の導入の増加、ユーザー数のさらなる増加、1ユーザーあたりの利用可能・開閉可能な扉の増加により事業拡大を図る考えであります。さらに、Flywheel効果
(注)として、このAkerun事業の拡大をベースにユーザー体験の向上や新規事業を含めた周辺領域へのサービス展開等のシナジーにより、ユーザーへの提供価値を継続的に向上させることで、成長及び社会課題の解決のための好循環モデルを推進していく考えであります。前述の通り、現契約社数5,400社超という相当数のユーザーを擁するアクセス認証基盤は、すでに社会インフラ、ひいてはキーレス社会の実現に向けたインフラとして一定レベルの規模を有していると考えており、今後もAkerun事業及び新規事業を通じてさらにこの規模を拡大し、事業成長を果たしていくとともに、ビジネスの世界だけにとどまらない社会課題の解決に向けた取り組みを推進する考えであります。
(注) Flywheel効果とは、機械設備の用語として回転エネルギーを効率的に蓄え、持続的に回転が維持されるように設計された機械装置のことを指す「Flywheel」が転じて、企業における効率的かつ持続的な事業成長をもたらす仕組みやビジネスモデルのことであります。
(2) 当社グループの取り組む市場の規模当社グループの事業が対象とする市場は、セキュリティ関連市場及び個人認証・アクセス管理型セキュリティソリューション市場であります。当社グループは、当社が主要ターゲットとしている従業員10名以上のオフィス領域における市場規模を4,100億円(注1)と推計しております。また、これに住宅領域における市場を加えた市場規模を7,600億円(注2)、さらに従業員数を問わないすべての企業と住宅領域における市場を加えたTAM(注3)を1兆2,000億円(注4)と推計しております。これらは巨大な市場規模を有しておりますが、オフィス領域及び住宅領域における事業を両輪に、物理的な扉や錠前のセキュリティ及び認証のプラットフォーム化による社会インフラとしての地位拡大により、さらなる顧客基盤の拡大と事業成長を図る考えであります。さらに、前述の通り、当社グループのAkerun事業におけるオフィス領域、住宅領域それぞれの特徴やサービスの強みに加え、アクセス認証基盤「Akerun Access Intelligence」によりもたらされるFlywheel効果により、これらの市場からの需要に応えていく考えであります。そして、今後はセキュリティや認証だけにとどまらず、プラットフォーム上に蓄積されたビッグデータを活用したユーザー体験の向上や新規事業を含めた周辺領域へのサービス展開等のシナジーによる提供価値の向上を図ることで、キーレス社会の実現と当社グループの提供するサービスのプラットフォーム化による顧客需要の獲得と顧客基盤の拡大、そして事業成長を加速していく考えであります。
(注) 1.10名以上の小売・飲食を除く事業所向け(約170万事務所)に加え、医療・教育・スポーツ施設等での商用利用向け(約17万事務所)。(出所:平成28年経済センサス‐活動調査の調査結果をもとに当社作成、事務所・商用利用・福祉施設向けは月額課金18,000円で試算)2.上記(注1)に加え、福祉施設等での利用向け(約7万戸)と住宅向け(約5,500万戸)を加算。(出所:平成28年経済センサス‐活動調査の調査結果をもとに当社作成、事務所・商用利用・福祉施設向けは月額課金18,000円で試算。住宅向けは月額課金500円で試算)3.TAMとは、Total Addressable Marketの略で、特定のサービスや製品によりアプローチ可能な最大の市場規模を示すものであります。4.上記(注2)に加え、10名以下の小売・飲食を除く事業所向け(約210万事務所)を加算。(出所:平成28年経済センサス‐活動調査の調査結果をもとに当社作成、事務所・商用利用・福祉施設向けは月額課金18,000円で試算。住宅向けは月額課金500円で試算) (3) 2022年度からの中期経営計画を通じた早期黒字化のための取り組みと成果直近の数年における当社グループを含むSaaS企業やグロース企業を取り巻く市場環境は大きく変化しており、株式市場、競合環境、部品等の調達、マクロ経済環境等、今後も引き続き不確実要素が残ると当社では分析しております。この状況を受け、当社グループでは様々な変化に対応するために組織としてのレジリエンシーを高めることを目的に、早期黒字化に向けた継続的な事業成長に加え、収益性の強化や生産性の向上を目指し、2022年度を開始年度とした中期経営計画を策定しております。この中期経営計画では、Akerun導入台数の拡大と住宅領域への積極的な投資と事業成長を主軸とした事業の拡大を目指しております。具体的には、Akerun導入台数の拡大にあたり、導入社数/シェア国内No.1の実績を有する法人向けスマートロックを活用したオフィス利用、オフィス向けで培った実績や堅牢性、信頼性を基盤として住宅向けにも拡大・普及を目指す住宅利用、そしてオフィスや住宅だけにとどまらない、より広範な領域での導入拡大を目指す商用利用という3つの柱により、導入台数の増加を図ってまいります。その中でも、住宅利用においては、住宅領域の研究開発への積極的な投資に加え、事業成長も見据えた積極的な営業活動を推進し、サービスや製品の拡充を通じた需要の取り込みとさらなる事業拡大を目指しております。そして、商用利用においては、喫緊の社会課題となっている少子高齢化等に起因した人手不足への対策や業務効率・施設運営効率の向上を目的として普及が進む、商業施設や小売店舗等の無人化・省人化の潮流をインフラとして支えるAkerunの役割が拡大していることから、業種や業態を問わない商用利用におけるAkerunのユースケースの創出と拡充、そして提案機会の増加に伴う売上拡大を推進してまいります。これらの取り組みの結果、売上成長の達成と同時に、投資効率の最適化に伴う収益性や生産性の向上を実現しており、中期経営計画の目標の1つであった2023年中の連結営業利益の単月での黒字化を同年12月に達成しております。引き続き当社グループでは、2024年12月期の連結営業利益と連結フリーキャッシュフローの通期黒字化の達成を目指し、事業成長と高い収益性を両立する経営体制の拡充に取り組んでおります。 (4) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題当社グループの優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題は以下の通りであります。① さらなる新規顧客及び新規ユーザーの獲得当社グループの事業の基盤となるAkerun事業のサービス導入顧客の新規獲得及びユーザー数の増加が経営方針における最重要課題であると考えております。中核事業であるAkerun事業の各サービスは、既存の扉に後付け可能という特徴から、国内の企業や住宅における導入余地は非常に大きいものと考えております。今後も営業体制の強化や生産性の向上、販売チャネルの新規開拓と拡大、そして技術開発や外部サービスとの連携拡大を通じたサービス自体の価値のさらなる向上等を通じて新規導入や追加導入を促進することで、それに伴う新規顧客及びユーザー数の拡大を図ってまいります。 ② 技術開発力の継続的な向上技術開発は当社グループの市場競争力の強化と持続的成長に欠かせないものであると認識しております。引き続き優秀な技術者の採用・育成を推進するとともに、研究開発への投資を通じた技術力の強化・拡充により、IoTや認証、クラウド等に関する先端技術を取り入れるなど、ハードウエア、組込み、アプリケーション、Web等の各開発分野のさらなる技術力及び開発力の強化に取り組む計画であります。 ③ 利益及びキャッシュ・フローの創出当社グループは、中長期的な利益及びキャッシュ・フローの創出を目指しておりますが、事業拡大のための先行投資を積極的に進めるなか、第10期連結会計年度(自 2023年1月1日 至 2023年12月31日)は営業損失を計上しております。当社グループの収益の中心であるHESaaSビジネスは、サブスクリプションモデルで顧客にサービスを提供し、継続して利用されることで収益が積み上がるストック型の収益モデルである一方で、顧客獲得費用や開発費用が先行して計上される特徴があり、短期的には赤字が先行することが一般的であります。しかしながら、直近の株式市場を取り巻く環境や競合環境、及びマクロ経済環境等を鑑み、当社グループでは当初中期目標で掲げていた黒字化の計画を前倒しし、2024年度の連結営業利益と連結フリーキャッシュフローの通期黒字化を目指して取り組んでおります。当社グループでは、事業の拡大によりストック収益を順調に積み上げるとともに、事業の収益性をより一層高めることで、今後も当社グループの提供するサービスを通じて、連結営業利益の早期黒字化と中長期的な利益及びキャッシュ・フローの最大化に努めてまいります。 ④ 営業のマルチチャネル化を通じた販売の拡大さらなる事業成長に向けて、中核事業であるAkerun事業における各サービスのより一層の導入促進とそれに伴うサービス導入顧客及びユーザー数の増加が、当社グループの市場競争力の強化に必要であると考えております。この課題に対して、営業体制の強化や生産性の向上に加え、より広範な営業網を構築するための販売パートナーの新規開拓や関係性強化を通じて潜在ユーザーへの提案機会の増加を図る専任営業チーム、大規模企業向けの専任営業チームの育成・強化を積極的に進めてまいります。 ⑤ サービス提供価値のさらなる向上と新規サービスの提供当社グループが提供するサービスのさらなる導入促進とユーザー基盤の拡大、そして既存顧客の満足度の向上のために、従来から提供する入退室管理や勤怠管理にとどまらない、提供価値のさらなる向上と新規サービスの提供が必要であると認識しております。当社グループでは、開発体制の強化・拡充を通じた新規サービスの開発に加え、外部のパートナー企業との技術連携によるサービス拡充を積極的に進めることで、扉を起点としたユーザーへのさらなる提供価値の向上を図ってまいります。また、合弁会社を通じたAkerun事業の住宅領域への進出並びに同領域における事業拡大に加え、さらなる新規事業の開発を検討・推進してまいります。 ⑥ 住宅領域を担う子会社の事業拡大と収益性の強化 当社グループのさらなる事業成長と収益性の強化に向けて、住宅領域におけるスマートロック及びその関連システムの普及と事業拡大に取り組む子会社の株式会社MIWA Akerun Technologiesにおける、主に不動産管理会社等のサービス導入顧客の新規獲得及び営業利益の黒字化が必要であると認識しております。当社グループでは、住宅領域におけるIoT及びクラウド等のテクノロジーを活用した居住者の利便性の向上に加え、特に集合住宅等における不動産管理会社や不動産オーナー等の管理性の向上を目的とした旺盛な需要を取り込むとともに、共同出資会社である美和ロック株式会社の市場における信頼性や実績、販売網等も活用しながら、住宅領域におけるさらなる新規顧客の獲得と事業成長に取り組んでまいります。 ⑦ 情報セキュリティ体制の強化当社グループの提供するサービスでは、認証に用いる個人情報等の機密情報を取り扱っております。この情報資産を保護するため、当社グループでは情報セキュリティ基本方針を策定し、最高情報セキュリティ責任者(Chief Information Security Officer、CISO)を含む専任のセキュリティ担当者を設置しております。さらに、情報セキュリティマネジメントシステム(ISMS)に関する国際規格「JIS Q 27001:2014(ISO/IEC 27001:2013)」の認証を本社及び大阪オフィス、福岡オフィス、札幌オフィス、物流拠点の各拠点で取得しております。また、技術開発にあたっては社内に専任の品質保証エンジニアを配置し、さらに外部のセキュリティ診断等も実施することで、システムとしての安全性と堅牢性の向上を図っております。これらの取り組みにより、全社的な情報管理体制を強化するとともに、従業員への継続的な情報セキュリティ教育を実施することで、情報セキュリティ体制を強化してまいります。 ⑧ ガバナンスの強化当社グループは鍵や認証というセキュリティに関する事業を行う企業として、ユーザーや市場からの信頼が必要不可欠であると考えております。情報管理、財務、IT、その他の社内制度等を含めた内部統制の継続的な策定、強化、改善を実施することで信頼を獲得し、企業価値のさらなる向上に取り組んでまいります。 ⑨ 優秀な人材の採用及び育成と定着当社グループの将来にわたる持続的成長に向けて、優秀な人材の採用及び育成と定着が欠かせないものと認識しております。特に、サービスの開発や継続的な改善によるサービス価値の強化を担うエンジニアと、さらなるサービス導入促進のための営業人員の採用及び育成と定着が不可欠であると考えております。当社グループでは、優秀な人材の育成と定着に向けて積極的な人材の採用活動を実施するとともに、人材の育成と定着のための社内トレーニング体制の強化や企業文化の醸成等の施策を推進してまいります。 (5) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等当社グループは、中長期的に安定した売上収益を拡大させることが重要であると考えております。そのため、当社グループは達成状況を判断するための経営上の指標としてARRを採用しております。また、2022年12月期を開始年度とした中期経営計画を策定するとともに、ARR、Churn Rate等の目標を設定し、この目標の達成に向けた成長を加速させることに注力する所存であります。
事業等のリスク 3 【事業等のリスク】
本書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が提出会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下の通りであります。また、必ずしもそのようなリスク要因に該当しない事項についても、投資者の投資判断上、重要であると考えられる事項については、投資者に対する積極的な情報開示の観点から以下に開示しております。当社グループは、これらのリスク発生の可能性を十分に認識したうえで、その発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針ではありますが、当社株式に対する投資判断は、本項及び本書中の本項以外の記載事項を慎重に検討したうえで行われる必要があると考えております。なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであり、将来において発生の可能性があるすべてのリスクを網羅するものではありません。(1) 事業環境に関するリスクについて① セキュリティ関連市場及び個人認証・アクセス管理型セキュリティソリューション市場について当社グループはAkerun事業の単一セグメントであり、対象市場としてセキュリティ関連市場及び個人認証・アクセス管理型セキュリティソリューション市場を想定しております。デジタルトランスフォーメーションの拡大に伴い、クラウドサービスを通じた様々な場所やシーンへのアクセス管理や、多様な状況下におけるセキュリティ強化への更なる需要拡大により、同市場が今後も成長することを前提に、引き続き同市場を基盤とした事業を展開する計画であります。しかしながら、今後の経済情勢や景気動向、社会環境の変化等により、同市場が成長しない場合や、顧客企業のセキュリティへの投資が抑制され、新規・追加受注が想定通り進まない場合又は解約率が想定を上回る場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 ② 競合他社の動向について当社グループがサービス提供を行う市場は、競合他社が存在しており、今後の市場規模拡大に伴い新規参入が予測されます。当社グループは、製品機能や提供サービスの拡充や品質の向上、高度なセキュリティと利便性の追求等により、競争力の維持に努めておりますが、競合企業や新規参入企業との競争激化により、当社グループが想定している事業展開が図られない場合等には、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 ③ 技術革新について当社グループの提供するサービスや対象市場を取り巻く環境において、技術革新のスピードが早く、社会環境の変化に伴い顧客ニーズも早期に変化するなど、当社グループの優位性を維持するためには、技術革新をリード又は即座に対応する必要があります。当社グループでは、優秀なエンジニアその他人材の採用・育成による技術やノウハウの蓄積、最新の技術動向や環境変化に関する情報収集等に注力し、技術革新や顧客ニーズの変化に迅速に対応できるよう努めております。しかしながら、何らかの要因により当社グループが技術革新への対応に遅れた場合や、対応できない技術革新が生じた場合、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(2) 事業内容に関するリスクについて① 先行投資に伴う財務影響について当社グループの提供するサービスは、サブスクリプションモデルのHESaaSであり、先行的な広告宣伝費投資による知名度向上や営業体制強化を通じて顧客獲得を図っております。また、製品機能や提供サービスの拡充及び品質の向上が最重要であり、先行的な開発活動のためのエンジニア等の人件費や研究開発費を投下しております。このため、当社グループは創業当初より継続して赤字を計上しており、第10期連結会計年度(自 2023年1月1日 至 2023年12月31日)は営業損失を計上しております。一方で、直近の株式市場を取り巻く環境や競合環境、及びマクロ経済環境等を鑑み、当社グループでは当初中期目標で掲げていた黒字化の計画を前倒しし、2024年度の連結営業利益と連結フリーキャッシュフローの通期黒字化を目指して取り組んでおります。しかしながら、当社グループは、今後も事業環境や競合他社の動向及び費用対効果を勘案しながら、経営判断として適宜先行的な投資を実施する場合があり、状況如何では一定期間において赤字を計上する可能性があります。事業環境の急激な変化等により、これらの先行投資が当社グループの想定する成果に繋がらなかった場合、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 ② 継続的な新規受注獲得について当社グループの事業が成長していくためには、継続的な新規受注獲得及び顧客によるサービスの継続的な利用が重要であると考えております。これらを促進するために、製品機能や提供サービスの拡充及び品質の向上に加えて、潜在顧客及び新規受注獲得のための最適なマーケティング活動及び販売戦略の立案・遂行に注力しております。しかしながら、需要に応じたサービスを提供できない場合や広告宣伝費投資による効果が十分に得られない場合、実行した販売戦略が十分な効果を伴わない場合には、新規受注獲得や顧客によるサービスの継続的な利用が減少する可能性があり、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 ③ システムトラブルについて当社グループが顧客に提供しているアプリケーションは、クラウド型システムという特性上、インターネットを経由して利用されております。当社グループは、システムトラブルによるリスクを最小限に抑えるべく、クラウドプラットフォームとして信頼されているAmazon Web Services社が提供するクラウドプラットフォーム上にアプリケーションを構築しております。また、重要度の高いサーバーの冗長化やデータベースの定期的なバックアップ、サービス提供基盤の継続的な安定化対策等を行うことにより、システムの可用性の向上や復旧時間の短縮のための対策を講じております。しかしながら、自然災害や事故、プログラム不良、外部からの不正アクセス等により、大規模なシステムトラブルが発生した場合には、第三者に生じた損害を賠償する責任を負うだけでなく、顧客からの信用失墜等により、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。なお、クラウドサービスや顧客のネットワークに障害が発生した場合も、エッジ端末上でICカード等を認証する方式を採用しているため、ローカル環境のみで認証し、履歴を記録することが可能なシステムとなっております。また、導入サポートとして、トラブルに備えて補完的に物理鍵による運用も可能である旨の案内やトラブル発生時に緊急解錠するためのキースイッチオプションの提供等を行っております。 ④ 製造委託先への依存について当社グループは、製造工場を持たず、すべての製品の製造を外部に委託しております。製造委託先に対しては、密なコミュニケーションの実施により、関係強化や過度な負担の軽減に努めるとともに、リスクヘッジのために代替先の選定にも努めております。しかしながら、製造委託先との関係悪化による取引停止や、被災、事故又は廃業等による生産体制の崩壊等が生じ、代替先の確保が困難な状況となった場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 ⑤ 原材料等の調達について当社グループは、基盤部品等の選定にあたって、可能な限り広く流通し取扱代理店の多いものを採用しており、複数の代理店から購入することにより安定調達を図り、生産に必要な原材料が十分に確保されるよう努めております。また、供給リスクの高い基板部品等の見極めと先行調達、必要に応じた設計変更による部品点数の最適化等を実施しております。しかしながら、一部の特殊な基盤部品等については調達リードタイムが長く、流通が限定されるものを採用する場合があり、サプライヤーの被災、事故及び廃業等による原材料の供給中断、需要の急増による供給不足が発生した場合には、生産計画通りの製造が困難となり、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 ⑥ 特定事業への依存について当社グループは、単一セグメントであるAkerun事業のサブスクリプション収益が当社収益の約80~90%を占めております。当社グループでは、顧客ニーズに合ったサービスを提供するための継続的な改良に加えて、業績の拡大及び安定化を図るために、子会社を通じた住宅領域でのサービス提供を含む新規事業の開発に取り組んでおりますが、市場の変化や顧客ニーズの変化等により当社グループのサービスが競争力を失った場合や、競合他社による魅力的なサービスの出現等により顧客が減少した場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 ⑦ 製品の欠陥等について当社グループは、製品の品質や安全に関する法令及び規則の遵守に努めるとともに、社内の品質保証担当による十分な検証や、外部の品質保証機関による客観的な検証を行っております。しかしながら、万が一大規模な製品の欠陥等が発生した場合、アフターサービス費用又はリコール費用が生じ、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 (3) 組織体制に関するリスクについて① 優秀な人材の確保及び育成、定着について当社グループは、既存事業の継続的な成長及び規模拡大や、子会社を通じた住宅領域でのサービス提供を含む新規事業への展開に伴い、当社グループの理念に共感する優秀な人材の確保及び育成、定着が不可欠であると認識しております。しかしながら、人材採用及び育成、定着が計画通りに実現できなかった場合や優秀な人材の流出が進行した場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 ② 内部管理体制の構築について当社グループは、企業価値を継続的かつ安定的に高めていくためには、コーポレート・ガバナンスが有効に機能するとともに、適切な内部管理体制を整備することが必要不可欠であると認識しております。そのため、業務の適正性及び財務報告の信頼性の確保のための内部統制システムの適切な整備・運用、また法令・定款・社内規程等の遵守を徹底しております。しかしながら、事業の急速な拡大等により、十分な内部管理体制の整備が追いつかない状況が生じる場合には、適切な業務運営が困難となり、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 ③ 特定人物への依存について当社の代表取締役社長である河瀬航大は、当社の創業者であり、創業以来当社グループの経営方針や事業戦略の立案及び遂行において重要な役割を果たしております。当社グループでは、特定の人物に依存しない体制を構築すべく、権限委譲や組織体制の強化を図り、同氏に過度に依存しない経営体制の整備を進めております。しかしながら、何らかの理由により同氏が当社グループの経営執行を継続することが困難になった場合には、現状では当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 (4) 事業に関する法的規制に関するリスクについて① 個人情報の保護について当社グループは、「Akerun入退室管理システム」の利用による各種ログや入退室記録、顧客へのサービス提供のため取得する役職者の情報や認証に用いる個人情報を保有しております。個人情報の取扱いについては、外部漏えいや不正利用等の防止のため、「情報セキュリティ基本方針」を定め、この方針に従って情報資産を適切に管理するとともに、「個人情報保護管理規程」を策定し、その遵守を徹底しております。また、当社は本社及び各拠点で情報セキュリティマネジメントシステム(ISMS)に関する国際規格「JIS Q 27001:2014(ISO/IEC 27001:2013)」の認証を取得し、さらに最高情報セキュリティ責任者(Chief Information Security Officer、CISO)を含む専任のセキュリティ担当者を設置することで、全社的な個人情報の保護に積極的に取り組んでおります。しかしながら、悪意あるハッキングやコンピューターウィルス等により、万が一当社グループが保有する個人情報が外部に漏えいした場合又は不正使用された場合には、第三者に生じた損害を賠償する責任を負うだけでなく、顧客からの信用失墜等により、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 ② 知的財産権について当社グループは、運営する事業に関する技術・商標等の知的財産権の保護を図っております。また、当社グループの提供するサービスが第三者の知的財産権を侵害しないよう留意しており、必要に応じて顧問弁護士や弁理士等の専門家への事前調査依頼による十分な検証を行っております。しかしながら、当社グループが保有する知的財産権について、第三者により侵害される可能性があります。また、万が一、当社グループが第三者の知的財産権を侵害した場合には、当社に対する訴訟等が発生し、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 ③ 法的規制について当社グループの提供するサービスでは、「個人情報保護法」、「不正アクセス行為の禁止等に関する法律」等の法規制の対象となっております。当社グループは、これらの法規制を遵守した運営を行ってきており、今後も社内教育等を通じて適切な事業体制の構築等を行っていく予定であります。しかしながら、今後新たな法令の制定や、既存法令の強化等が行われ、当社グループが運営する事業が規制の対象になるなど制約を受ける場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 ④ 訴訟等について当社グループにおいて、現在、事業に重大な影響を及ぼす訴訟等は存在しません。しかしながら、関連法規や各種契約等に違反し、第三者に損害が発生した場合には訴訟を提起される可能性があります。このような場合には、訴訟の内容及び結果によっては、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 (5) その他のリスクについて① 新株予約権の行使による株式価値の希薄化について当社は、役員及び従業員等に対するインセンティブを目的として新株予約権を付与しております。これらの新株予約権が権利行使された場合、既存の株主が有する株式の価値及び議決権割合が希薄化する可能性があります。なお、当連結会計年度末時点でこれらの新株予約権による潜在株式数は567,800株であり、発行済株式総数15,551,500株の3.7%に相当しております。 ② 配当政策について当社は、株主に対する利益還元を経営上の重要課題の一つとして位置づけておりますが、創業して間もない頃から、持続的成長と事業拡大に向けた積極的な投資に充当していくことが株主に対する最大の利益還元につながると考え、創業以来配当は実施しておりません。今後の配当方針については、内部留保の充実状況及び企業を取り巻く事業環境を勘案した上で、株主に対して利益還元策を実施していく方針ではありますが、現時点において配当実施の可能性及びその時期等については未定であります。 ③ 繰越欠損金について当社は、事業拡大のための積極的な人材への投資、広告宣伝等を行ってきたことから、当連結会計年度末において税務上の繰越欠損金が存在しております。今後、利益計上が継続した場合には、繰越欠損金が解消されることにより、法人税、住民税及び事業税の金額が増加することとなり、当期純損益及びキャッシュ・フローに影響を与える可能性があります。 ④ 固定資産の減損について当社グループは、「固定資産の減損に係る会計基準」に基づき、減損の要否を検討しております。将来の事業計画や市場環境の変化により、減損の兆候が認められ、減損損失を計上する場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(1) 経営成績等の状況の概要当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次の通りであります。① 財政状態の状況(資産)当連結会計年度末における総資産は3,596,522千円となり、前連結会計年度末に比べ124,545千円増加しました。これは主に、賃貸用資産が243,272千円、賃貸用資産仮勘定が70,099千円、ソフトウエアが275,093千円それぞれ増加した一方で、現金及び預金が278,882千円、ソフトウエア仮勘定が170,200千円それぞれ減少したことによるものであります。 (負債)当連結会計年度末における負債は1,467,384千円となり、前連結会計年度末に比べ196,220千円増加しました。これは主に、契約負債が152,758千円、その他に含まれる未払消費税等が109,684千円それぞれ増加した一方で、長期借入金(1年内返済予定のものを含む)が76,440千円減少したことによるものであります。 (純資産)当連結会計年度末における純資産は2,129,137千円となり、前連結会計年度末に比べ71,675千円減少しました。これは主に、非支配株主持分が81,152千円増加した一方で、親会社株主に帰属する当期純損失175,072千円を計上したことによるものであります。 ② 経営成績の状況当社グループは、「つながるモノづくりで感動体験を未来に組み込む」を企業ミッションに掲げ、世の中の物理鍵とそれに伴う様々な制約から人々を解放し、扉で分断されたあらゆる場所や空間に人々が自由にアクセスできる「キーレス社会®」の実現を目指しております。そして、キーレス社会の実現を通じて様々なシーンにおける省人化や無人化を促進し、少子高齢化による労働力人口の減少等の将来にわたる社会課題の解決に向けて取り組んでおります。具体的には、スマートロック等のIoT機器及びクラウド型認証プラットフォームを活用したサービスを開発し、サブスクリプションモデルにより提供しております。当連結会計年度における当社グループを取り巻く事業環境は、新型コロナウイルス感染症の5類感染症への移行により日常生活やビジネスにおける様々な制約が緩和されたことに加え、特にビジネスの領域では出社を前提とした働き方への回帰を背景に、改めてオフィスや施設の役割や価値が見直され、イノベーションの創出やコミュニケーションの活性化に向けた取り組みが加速しております。また、当初は新型コロナウイルス感染症対策として注目され、最近では施設運営におけるコストの低減及び効率化を目的に、会員制施設等を中心としたデジタル化による無人化/省人化が定着してきております。さらに、当連結会計年度における顕著な外部環境として、SNS等を悪用した組織的な侵入強盗事件の継続的な発生を受けた防犯意識の高まりや体感治安の悪化によるセキュリティ需要が喚起された1年となりました。一方、マクロ経済環境では、外国為替相場における円安が進行したことで、当社グループにおいても製品の開発や生産のための部材原価や物流のコストが上昇するなど、製造業を取り巻く事業環境として引き続き厳しい状況が続いております。このような事業環境のもと、主力サービスである「Akerun入退室管理システム」による入退室を起点としたオフィス環境や施設運営のDXを通じた、セキュリティの強化、物理鍵のデジタル化やクラウド型入退室管理による利便性や管理性の向上、そして勤怠管理や予約管理等の外部サービスとの連携を含む入退室データの利活用等の価値提供により、新規及び追加での導入が引き続き促進されました。特に、「Akerun入退室管理システム」の主要顧客である中小規模企業への導入が堅調に進捗したことに加え、引き続き大規模企業や大型ビルでの導入も加速しております。さらに、フィットネスジムやコワーキングスペース等の会員制施設や小売店舗等における無人・省人の店舗運営への旺盛なニーズ等を受けて、オフィス利用から商業利用まで様々な業種や用途における継続的な問い合わせや導入も促進されました。当連結会計年度における当社グループの事業活動の主な進捗としては、中期経営計画として掲げる2023年度中の連結営業利益の単月での黒字化、及び2024年度の連結営業利益と連結フリーキャッシュフローの通期黒字化の達成に向けて、収益性や生産性の強化を通じた組織の強靱化、販管費等への投資効率の最適化、そして人材等の厳選された経営資源による継続的な事業成長を達成しております。特に、「Akerun入退室管理システム」では、効率的な営業活動やマーケティング活動を通じて、セキュリティや厳格な入退室管理への堅調なニーズに応えることで全国規模での導入が促進され、現契約社数は5,400社を突破するとともに継続的なARPUの向上とChurn Rateの改善も実現しております。また、サービスがもたらす価値の継続的な拡大に向けて、「タイムカード機能」や「ネットワーク未接続検知機能」等の新機能の提供を新たに開始したことに加え、ソフトバンク株式会社、JBアドバンスト・テクノロジー株式会社、凸版印刷株式会社(現TOPPAN株式会社)等のそれぞれ業界をリードするパートナー企業の提供するビル管理/認証等のサービスとのAPI連携も加速しました。さらに、新規事業として住宅領域におけるスマートロックの普及を担う株式会社MIWA Akerun Technologiesでは、賃貸物件の管理工数の大幅な削減と安全・安心かつスマートな居住体験を実現する「Akerun.Mキーレス賃貸システム」の営業活動が本格化するとともに不動産管理会社を中心とした新規契約の獲得も順調に推移しております。これらの事業活動の進展や取り組みの結果、当社グループの当連結会計年度の売上高は2,493,490千円(前年同期比25.0%増)、営業損失は221,419千円(前年同期は営業損失609,129千円)、経常損失は222,177千円(前年同期は経常損失600,073千円)、親会社株主に帰属する当期純損失は175,072千円(前年同期は親会社株主に帰属する当期純損失578,171千円)となりました。なお、当社グループは、Akerun事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。 ③ キャッシュ・フローの状況当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ278,882千円減少し、当連結会計年度末には1,574,922千円となりました。当連結会計年度末における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次の通りであります。 (営業活動によるキャッシュ・フロー)営業活動により得られた資金は、219,030千円(前連結会計年度は426,205千円の使用)となりました。これは主に、税金等調整前当期純損失235,049千円、減価償却費183,420千円、売上債権の増加額69,815千円、契約負債の増加額152,758千円、未払費用の増加額56,057千円、その他に含まれる未払消費税等の増加額109,684千円によるものであります。 (投資活動によるキャッシュ・フロー)投資活動により使用した資金は、582,318千円(前連結会計年度は946,774千円の使用)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出355,898千円及び無形固定資産の取得による支出187,800千円によるものであります。 (財務活動によるキャッシュ・フロー)財務活動により得られた資金は、84,405千円(前連結会計年度は273,556千円の使用)となりました。これは主に、長期借入れによる収入50,000千円、長期借入金の返済による支出126,440千円、株式の発行による収入15,409千円、非支配株主からの払込による収入147,000千円によるものであります。 ④ 生産、受注及び販売の実績a.生産実績当社グループが営む事業は、提供するサービスの性格上、生産実績の記載に馴染まないため、当該記載を省略しております。 b.受注実績当社グループが営む事業は、提供するサービスの性格上、受注実績の記載に馴染まないため、当該記載を省略しております。 c.販売実績当連結会計年度の販売実績は次の通りであります。なお、当社グループは、Akerun事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。当連結会計年度(自 2023年1月1日至 2023年12月31日)金額(千円)前年同期比(%)2,493,490125.0
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次の通りであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表を作成するに当たって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。当社グループの連結財務諸表作成に当たり採用している重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項) 4.会計方針に関する事項」に記載しております。連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは以下の通りであります。(固定資産の減損損失の認識の要否)「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。 ② 財政状態に関する認識及び分析・検討内容当連結会計年度の財政状態の分析については、「(1) 経営成績等の状況の概要 ① 財政状態の状況」に記載の通りであります。 ③ 経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容(売上高、売上原価、売上総利益)売上高は、主に新規顧客獲得及び既存顧客からの追加受注獲得等により2,493,490千円(前年同期比25.0%増)となりました。なお、当連結会計年度末時点での契約負債は、691,258千円となっております。売上原価は、Akerun入退室管理システムの稼働台数増加等により463,037千円(前年同期比82.4%増)となりました。この結果、当連結会計年度の売上総利益は2,030,452千円(前年同期比16.7%増)となりました。 (販売費及び一般管理費、営業損失)販売費及び一般管理費は2,251,871千円(前年同期比4.2%減)となりました。これは主に、採用活動費の減少によるものであります。この結果、当連結会計年度の営業損失は221,419千円(前年同期は営業損失609,129千円)となりました。 (営業外収益、営業外費用、経常損失)営業外損益については、営業外収益は9,551千円(前年同期比63.7%減)、営業外費用は10,309千円(前年同期比40.3%減)となりました。営業外収益は主に、助成金収入1,453千円及び違約金収入5,045千円によるものであります。営業外費用は主に、支払利息4,546千円、譲渡制限付株式報酬償却損4,394千円及び消費税等差額523千円によるものであります。この結果、当連結会計年度の経常損失は222,177千円(前年同期は経常損失600,073千円)となりました。 (特別利益、特別損失、税金等調整前当期純損失)特別利益は発生しておりません。特別損失は12,872千円(前年同期比27.7%増)となりました。これは、固定資産除却損12,872千円によるものであります。この結果、当連結会計年度の税金等調整前当期純損失は235,049千円(前年同期は税金等調整前当期純損失610,154千円)となりました。 (法人税等、親会社株主に帰属する当期純損失)法人税等は5,870千円(前年同期比9.7%減)となりました。以上より、当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純損失は175,072千円(前年同期は親会社株主に帰属する当期純損失578,171千円)となりました。 ④ キャッシュ・フローの状況に関する認識及び分析・検討内容当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析については、「(1) 経営成績等の状況の概要 ③ キャッシュ・フローの状況」に記載の通りであります。 ⑤ 資本の財源及び資金の流動性についての分析当社グループにおける主な資金需要は、継続的な受注獲得及び顧客による継続的なサービスの利用のための人件費や、知名度向上及び潜在顧客獲得のための広告宣伝費、製品機能や提供サービスの拡充及び品質の向上のためのエンジニア等の人件費や研究開発費であります。これらの資金需要に対しては、自己資金及び金融機関からの借入を基本としております。 ⑥ 経営成績に重要な影響を与える要因について経営成績に重要な影響を与える要因については、「3 事業等のリスク」をご参照ください。 ⑦ 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等の分析・検討内容「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載の通り、当社グループは、中長期的に安定した売上収益を拡大させることが重要であると考えております。そのため、当社グループは達成状況を判断するための経営上の指標としてARRを重視しております。当該指標について、第8期連結会計年度末(2021年12月31日)は1,650百万円、第9期連結会計年度末(2022年12月31日)は2,028百万円、第10期事業年度末(2023年12月31日)は2,392百万円、となっております。今後も、サービスの機能強化や適用領域の拡大、そしてプラットフォームとしてのさらなる価値提供を通じて、新規受注の獲得、アップセル及びクロスセル、解約率の抑制により、ARRを増加させてまいります。
経営上の重要な契約等 5 【経営上の重要な契約等】
(1) 合弁会社設立に関する契約 契約会社名相手先の名称相手先の所在地契約内容契約締結日契約期間提出会社美和ロック株式会社東京都港区住宅用クラウド管理型スマートロックシステムの企画・販売、及び関連する住宅用サービス(家事代行・宅配クリーニング等)の集客事業等を主な目的とする株式会社MIWA Akerun Technologiesの設立及び運営2020年10月30日2020年10月30日から2022年10月29日まで以後1年ごとの自動更新
研究開発活動 6 【研究開発活動】
当社グループは、自社において研究開発活動を行っております。なお、当社グループの事業は、Akerun事業の単一セグメントであるため、セグメント情報に関連付けた記載を行っておりません。当連結会計年度における研究開発活動は、既存サービスの機能強化や連携サービス拡大による拡張性の強化を通じた付加価値向上に加え、新サービスの開発による新たな価値創造を目指して取り組んでおり、研究開発費の総額は73,079千円となりました。その結果、既存サービスのさらなる進化やユースケースの拡張を実現しました。
設備投資等の概要 1 【設備投資等の概要】
当連結会計年度の設備投資等の総額は、543,698千円(無形固定資産への投資を含む)であります。有形固定資産への投資のうち、その主なものはレンタル機器及び部品であります。無形固定資産への投資のうち、その主なものは自社利用サービスのためのソフトウエアの新規開発及び機能追加等であります。当連結会計年度において重要な設備の除却、売却等はありません。当社グループは、Akerun事業の単一セグメントであるため、セグメント情報に関連付けた記載を行っておりません。
主要な設備の状況 2 【主要な設備の状況】
(1) 提出会社 2023年12月31日現在事業所名(所在地)設備の内容帳簿価額(千円)従業員数(名)建物賃貸用資産賃貸用資産仮勘定ソフトウエアその他合計本社(東京都港区)本社設備、レンタル機器ソフトウエア等1,039536,723633,171219,90913,8411,404,685144(7)
(注) 1.現在休止中の主要な設備はありません。2.帳簿価額は、減損損失計上後の金額であります。3.従業員数は就業人員であり、臨時雇用者数は年間の平均人員を( )内に外数で記載しております。4.建物は全て賃借しており、その年間賃借料は90,444千円であります。5.当社は、Akerun事業の単一セグメントであるため、セグメント情報に関連付けた記載を行っておりません。
(2) 国内子会社 2023年12月31日現在事業所名(所在地)設備の内容帳簿価額(千円)従業員数(名)建物賃貸用資産賃貸用資産仮勘定ソフトウエアその他合計株式会社MIWA Akerun Technologiesソフトウエア等―464―173,3864,562178,4136
(注) 1.現在休止中の主要な設備はありません。2.建物は全て賃借しており、その年間賃借料は2,800千円であります。3.当社グループは、Akerun事業の単一セグメントであるため、セグメント情報に関連付けた記載を行っておりません。
設備の新設、除却等の計画 3 【設備の新設、除却等の計画】
該当事項はありません。
研究開発費、研究開発活動73,079,000
設備投資額、設備投資等の概要543,698,000

Employees

平均年齢(年)、提出会社の状況、従業員の状況35
平均勤続年数(年)、提出会社の状況、従業員の状況3
平均年間給与、提出会社の状況、従業員の状況6,550,000

Investment

株式の保有状況 (5) 【株式の保有状況】
① 投資株式の区分の基準及び考え方当社は、保有目的が純投資目的である投資株式と純投資目的以外の目的である投資株式の区分について、株式の価値の変動又は配当の受領によって利益を得ることを目的とする投資株式を純投資目的の投資株式、それ以外の株式を純投資目的以外の目的である投資株式に区分しております。 ② 保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式a.保有方針及び保有の合理性を検証する方法並びに個別銘柄の保有の適否に関する取締役会等における検証の内容当社は、合理的理由が認められる場合にのみ当該株式を保有しており、それ以外については保有しない方針であります。保有の合理性については保有に伴う採算を検証するとともに、取引関係の維持強化等の保有目的を勘案し判断しております。また、必要に応じて取締役会にて保有意義を検証しております。 b.銘柄数及び貸借対照表計上額 銘柄数(銘柄)貸借対照表計上額の合計額(千円)非上場株式--非上場株式以外の株式140,681 (当事業年度において株式数が増加した銘柄) 銘柄数(銘柄)株式数の増加に係る取得価額の合計額(千円)株式数の増加の理由非上場株式---非上場株式以外の株式135,901関係性維持・強化のため 特定投資株式銘柄当事業年度前事業年度保有目的、業務提携等の概要、定量的な保有効果及び株式数が増加した理由当社の株式の保有の有無株式数(株)株式数(株)貸借対照表計上額(千円)貸借対照表計上額(千円)住友不動産(株)9,700-取引関係の円滑化を目的として保有しております。定量的な保有効果については記載が困難であります。保有の合理性は中長期的な観点で取引の性質や規模等に加え、保有に伴う便益やリスク等を検証して判断しております。関係性維持・強化のため株式数が増加しております。無40,681-
(注)「-」は、当該銘柄を保有していないことを示しております。 みなし保有株式該当事項はありません。 ③ 保有目的が純投資目的である投資株式該当事項はありません。
株式数が増加した銘柄数、非上場株式以外の株式、保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式、提出会社1
銘柄数、非上場株式以外の株式、保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式、提出会社1
貸借対照表計上額、非上場株式以外の株式、保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式、提出会社40,681,000
株式数の増加に係る取得価額の合計額、非上場株式以外の株式、保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式、提出会社35,901,000
株式数、保有目的が純投資目的以外の目的である特定投資株式の明細、提出会社9,700
貸借対照表計上額、保有目的が純投資目的以外の目的である特定投資株式の明細、提出会社40,681,000
株式数が増加した理由、非上場株式以外の株式、保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式、提出会社関係性維持・強化のため
銘柄、保有目的が純投資目的以外の目的である特定投資株式の明細、提出会社住友不動産(株)
当該株式の発行者による提出会社の株式の保有の有無、保有目的が純投資目的以外の目的である特定投資株式の明細、提出会社

Shareholders

大株主の状況 (6) 【大株主の状況】
2023年12月31日現在
氏名又は名称住所所有株式数(千株)発行済株式(自己株式を除く。)の総数に対する所有株式数の割合(%)
河瀬 航大東京都港区2,40215.46
農林中金キャピタル2019投資事業有限責任組合東京都千代田区大手町一丁目3番1号JAビル1,2027.74
BBH(LUX)FOR FIDELITY FUNDS PACIFIC POOL(常任代理人 株式会社三菱UFJ銀行)2A RUE ALBERT BORS CHETTELUXEMBOURG L-1246(東京都千代田区丸の内二丁目7番1号)8965.77
株式会社SBI証券東京都港区六本木一丁目6番1号5133.30
JP MORGAN CHASE BANK 380621(常任代理人 株式会社みずほ銀行)25 BANK STREET,CANARY WHARF,LONDON,E14 5JP,UNITED KINGDOM(東京都港区港南二丁目15番1号 品川インターシティA棟)5003.22
MF-GB2号投資事業有限責任組合東京都渋谷区桜丘町10番11号4182.69
株式会社ガイアックス東京都千代田区平河町二丁目5番3号4162.68
NTTインベストメント・パートナーズファンド3号投資事業有限責任組合東京都港区赤坂一丁目12番32号3522.27
渡邉 宏明東京都港区3522.27
BSP第3号投資事業有限責任組合東京都千代田区九段南一丁目6番5号3081.98
計―7,36047.38
株主数-金融機関4
株主数-金融商品取引業者21
株主数-外国法人等-個人11
連結株主資本等変動計算書 ③ 【連結株主資本等変動計算書】
前連結会計年度(自 2022年1月1日 至 2022年12月31日) (単位:千円) 株主資本新株予約権非支配株主持分純資産合計資本金資本剰余金利益剰余金株主資本合計当期首残高1,609,7993,081,753△2,051,3092,640,2439539,7632,680,102当期変動額 新株の発行(新株予約権の行使)1,6641,664 3,328 3,328新株の発行(譲渡制限付株式報酬)18,01818,018 36,037 36,037減資△1,579,7991,579,799 ― ―欠損填補 △2,041,6952,041,695― ―親会社株主に帰属する当期純損失(△) △578,171△578,171 △578,171株主資本以外の項目の当期変動額(純額) ―59,51559,515当期変動額合計△1,560,116△442,2131,463,524△538,805―59,515△479,290当期末残高49,6822,639,540△587,7842,101,4389599,2782,200,812 当連結会計年度(自 2023年1月1日 至 2023年12月31日) (単位:千円) 株主資本その他の包括利益累計額新株予約権非支配株主持分純資産合計資本金資本剰余金利益剰余金株主資本合計その他有価証券評価差額金その他の包括利益累計額合計当期首残高49,6822,639,540△587,7842,101,438――9599,2782,200,812当期変動額 新株の発行(新株予約権の行使)7,7047,704 15,409 15,409親会社株主に帰属する当期純損失(△) △175,072△175,072 △175,072自己株式の処分 3,708 3,708 3,708株主資本以外の項目の当期変動額(純額) 3,1263,126―81,15284,279当期変動額合計7,70411,413△175,072△155,9543,1263,126―81,152△71,675当期末残高57,3872,650,953△762,8571,945,4843,1263,12695180,4302,129,137
株主数-外国法人等-個人以外29
株主数-個人その他6,422
株主数-その他の法人171
株主数-計6,658
氏名又は名称、大株主の状況BSP第3号投資事業有限責任組合
株主総利回り1
株主総会決議による取得の状況 (1) 【株主総会決議による取得の状況】
該当事項はありません。
株主総会決議又は取締役会決議に基づかないものの内容 (3) 【株主総会決議又は取締役会決議に基づかないものの内容】
区分株式数(株)価額の総額(千円)当事業年度における取得自己株式20,300― 当期間における取得自己株式――
(注) 1.当事業年度における取得自己株式は、譲渡制限付株式の無償取得によるものであります。2.2024年3月1日から有価証券報告書提出日までの譲渡制限付株式の無償取得及び単元未満株式の買取りによる株式数は含めておりません。

Shareholders2

発行済株式及び自己株式に関する注記 1.発行済株式の種類及び総数並びに自己株式の種類及び株式数に関する事項 当連結会計年度期首株式数(株)当連結会計年度増加株式数(株)当連結会計年度減少株式数(株)当連結会計年度末株式数(株)発行済株式 普通株式
(注)115,498,50053,000―15,551,500合計15,498,50053,000―15,551,500自己株式 普通株式
(注)24,40020,3007,60017,100合計4,40020,3007,60017,100
(注) 1.普通株式の発行済株式総数の増加53,000株は、新株予約権の権利行使による新株の発行によるものであります。2.普通株式の自己株式の株式数の増加20,300株は、譲渡制限付株式付与制度における無償取得事由発生によるものであります。3.普通株式の自己株式の株式数の減少7,600株は、譲渡制限付株式報酬としての自己株式の処分によるものであります。

Audit

監査法人1、連結有限責任 あずさ監査法人
独立監査人の報告書、連結 独立監査人の監査報告書 2024年4月1日株式会社Photosynth取締役会 御中 有限責任 あずさ監査法人 東京事務所 指定有限責任社員業務執行社員 公認会計士柴田 叙男 指定有限責任社員業務執行社員 公認会計士坂井 知倫 <連結財務諸表監査>監査意見 当監査法人は、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づく監査証明を行うため、「経理の状況」に掲げられている株式会社Photosynthの2023年1月1日から2023年12月31日までの連結会計年度の連結財務諸表、すなわち、連結貸借対照表、連結損益計算書、連結包括利益計算書、連結株主資本等変動計算書、連結キャッシュ・フロー計算書、連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項、その他の注記及び連結附属明細表について監査を行った。 当監査法人は、上記の連結財務諸表が、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して、株式会社Photosynth及び連結子会社の2023年12月31日現在の財政状態並びに同日をもって終了する連結会計年度の経営成績及びキャッシュ・フローの状況を、全ての重要な点において適正に表示しているものと認める。 監査意見の根拠当監査法人は、我が国において一般に公正妥当と認められる監査の基準に準拠して監査を行った。監査の基準における当監査法人の責任は、「連結財務諸表監査における監査人の責任」に記載されている。当監査法人は、我が国における職業倫理に関する規定に従って、会社及び連結子会社から独立しており、また、監査人としてのその他の倫理上の責任を果たしている。当監査法人は、意見表明の基礎となる十分かつ適切な監査証拠を入手したと判断している。 監査上の主要な検討事項監査上の主要な検討事項とは、当連結会計年度の連結財務諸表の監査において、監査人が職業的専門家として特に重要であると判断した事項である。監査上の主要な検討事項は、連結財務諸表全体に対する監査の実施過程及び監査意見の形成において対応した事項であり、当監査法人は、当該事項に対して個別に意見を表明するものではない。 固定資産の減損損失の認識の要否に関する判断の妥当性監査上の主要な検討事項の内容及び決定理由監査上の対応注記事項「(重要な会計上の見積り)固定資産の減損損失の認識の要否」に記載の当連結会計年度の連結貸借対照表に計上されている有形固定資産1,184,401千円及び無形固定資産403,784千円のうち、有形固定資産1,183,769千円及び無形固定資産220,916千円は、株式会社Photosynth(以下、会社)で計上されており、それぞれ資産合計の32.9%及び6.1%を占めている。これらの固定資産は規則的に減価償却されるが、減損の兆候があると認められる場合には、資産グループから得られる割引前将来キャッシュ・フローの総額と帳簿価額を比較することによって、減損損失の認識の要否を判定する必要がある。判定の結果、減損損失の認識が必要と判断された場合、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、帳簿価額の減少額は減損損失として認識される。会社は、事業拡大のために積極的なマーケティング活動や技術者及び営業人員等の人員採用を行った結果、継続的に営業損益がマイナスとなっていることから、減損の兆候が認められている。このため、当連結会計年度において減損損失の認識の要否の判定が行われているが、見積られた割引前将来キャッシュ・フローの総額が資産の帳簿価額を上回ったことから、減損損失の認識は不要と判断している。当該判定に用いられる将来キャッシュ・フローは、経営者が作成した中期事業計画を基礎として見積られる。中期事業計画には、直近の販売実績に基づく新規顧客の獲得による売上高の増加を見込んでおり、また、サブスクリプションモデルの既存顧客に係る解約率を計画策定に当たっての主要な仮定として使用している。これらに係る経営者による判断が将来キャッシュ・フローの見積りに重要な影響を及ぼす。以上から、当監査法人は、会社の固定資産の減損損失の認識の要否に関する判断の妥当性が、当連結会計年度の連結財務諸表監査において特に重要であり、「監査上の主要な検討事項」に該当すると判断した。 当監査法人は、固定資産の減損損失の認識の要否に関する判断の妥当性を評価するため、主に以下の手続を実施した。(1)内部統制の評価減損損失の認識の要否の判定に関連する内部統制の整備及び運用状況の有効性を評価した。評価に当たっては、新規顧客の獲得による売上高の増加及びサブスクリプションモデルの既存顧客に係る解約率について、不合理な仮定が採用されることを防止又は発見するための統制に特に焦点を当てた。
(2)将来キャッシュ・フローの見積りの合理性の評価将来キャッシュ・フローの見積りの基礎となる中期事業計画に含まれる主要な仮定の合理性を評価するため、その根拠について、経営者に対して質問するとともに、主に以下の手続を実施した。・中期事業計画に織り込まれている新規顧客の獲得による売上高の増加について、直近の販売実績及び趨勢と比較して、合理性を評価した。・サブスクリプションモデルの既存顧客に係る解約率について、直近の解約実績及び趨勢と比較して、合理性を評価した。・中期事業計画における将来の売上高の成長率について、外部機関が公表する市場データや、過去の売上高成長率と比較して、合理性を評価した。 その他の記載内容その他の記載内容は、有価証券報告書に含まれる情報のうち、連結財務諸表及び財務諸表並びにこれらの監査報告書以外の情報である。経営者の責任は、その他の記載内容を作成し開示することにある。また、監査役及び監査役会の責任は、その他の記載内容の報告プロセスの整備及び運用における取締役の職務の執行を監視することにある。当監査法人の連結財務諸表に対する監査意見の対象にはその他の記載内容は含まれておらず、当監査法人はその他の記載内容に対して意見を表明するものではない。連結財務諸表監査における当監査法人の責任は、その他の記載内容を通読し、通読の過程において、その他の記載内容と連結財務諸表又は当監査法人が監査の過程で得た知識との間に重要な相違があるかどうか検討すること、また、そのような重要な相違以外にその他の記載内容に重要な誤りの兆候があるかどうか注意を払うことにある。当監査法人は、実施した作業に基づき、その他の記載内容に重要な誤りがあると判断した場合には、その事実を報告することが求められている。その他の記載内容に関して、当監査法人が報告すべき事項はない。 連結財務諸表に対する経営者並びに監査役及び監査役会の責任経営者の責任は、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して連結財務諸表を作成し適正に表示することにある。これには、不正又は誤謬による重要な虚偽表示のない連結財務諸表を作成し適正に表示するために経営者が必要と判断した内部統制を整備及び運用することが含まれる。連結財務諸表を作成するに当たり、経営者は、継続企業の前提に基づき連結財務諸表を作成することが適切であるかどうかを評価し、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づいて継続企業に関する事項を開示する必要がある場合には当該事項を開示する責任がある。監査役及び監査役会の責任は、財務報告プロセスの整備及び運用における取締役の職務の執行を監視することにある。 連結財務諸表監査における監査人の責任監査人の責任は、監査人が実施した監査に基づいて、全体としての連結財務諸表に不正又は誤謬による重要な虚偽表示がないかどうかについて合理的な保証を得て、監査報告書において独立の立場から連結財務諸表に対する意見を表明することにある。虚偽表示は、不正又は誤謬により発生する可能性があり、個別に又は集計すると、連結財務諸表の利用者の意思決定に影響を与えると合理的に見込まれる場合に、重要性があると判断される。監査人は、我が国において一般に公正妥当と認められる監査の基準に従って、監査の過程を通じて、職業的専門家としての判断を行い、職業的懐疑心を保持して以下を実施する。・ 不正又は誤謬による重要な虚偽表示リスクを識別し、評価する。また、重要な虚偽表示リスクに対応した監査手続を立案し、実施する。監査手続の選択及び適用は監査人の判断による。さらに、意見表明の基礎となる十分かつ適切な監査証拠を入手する。・ 連結財務諸表監査の目的は、内部統制の有効性について意見表明するためのものではないが、監査人は、リスク評価の実施に際して、状況に応じた適切な監査手続を立案するために、監査に関連する内部統制を検討する。・ 経営者が採用した会計方針及びその適用方法の適切性、並びに経営者によって行われた会計上の見積りの合理性及び関連する注記事項の妥当性を評価する。・ 経営者が継続企業を前提として連結財務諸表を作成することが適切であるかどうか、また、入手した監査証拠に基づき、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況に関して重要な不確実性が認められるかどうか結論付ける。継続企業の前提に関する重要な不確実性が認められる場合は、監査報告書において連結財務諸表の注記事項に注意を喚起すること、又は重要な不確実性に関する連結財務諸表の注記事項が適切でない場合は、連結財務諸表に対して除外事項付意見を表明することが求められている。監査人の結論は、監査報告書日までに入手した監査証拠に基づいているが、将来の事象や状況により、企業は継続企業として存続できなくなる可能性がある。・ 連結財務諸表の表示及び注記事項が、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠しているかどうかとともに、関連する注記事項を含めた連結財務諸表の表示、構成及び内容、並びに連結財務諸表が基礎となる取引や会計事象を適正に表示しているかどうかを評価する。・ 連結財務諸表に対する意見を表明するために、会社及び連結子会社の財務情報に関する十分かつ適切な監査証拠を入手する。監査人は、連結財務諸表の監査に関する指示、監督及び実施に関して責任がある。監査人は、単独で監査意見に対して責任を負う。監査人は、監査役及び監査役会に対して、計画した監査の範囲とその実施時期、監査の実施過程で識別した内部統制の重要な不備を含む監査上の重要な発見事項、及び監査の基準で求められているその他の事項について報告を行う。監査人は、監査役及び監査役会に対して、独立性についての我が国における職業倫理に関する規定を遵守したこと、並びに監査人の独立性に影響を与えると合理的に考えられる事項、及び阻害要因を除去するための対応策を講じている場合又は阻害要因を許容可能な水準にまで軽減するためのセーフガードを適用している場合はその内容について報告を行う。 監査人は、監査役及び監査役会と協議した事項のうち、当連結会計年度の連結財務諸表の監査で特に重要であると判断した事項を監査上の主要な検討事項と決定し、監査報告書において記載する。ただし、法令等により当該事項の公表が禁止されている場合や、極めて限定的ではあるが、監査報告書において報告することにより生じる不利益が公共の利益を上回ると合理的に見込まれるため、監査人が報告すべきでないと判断した場合は、当該事項を記載しない。 <報酬関連情報>当監査法人及び当監査法人と同一のネットワークに属する者に対する、会社及び子会社の監査証明業務に基づく報酬及び非監査業務に基づく報酬の額は、「提出会社の状況」に含まれるコーポレート・ガバナンスの状況等 (3)【監査の状況】
に記載されている。 利害関係会社及び連結子会社と当監査法人又は業務執行社員との間には、公認会計士法の規定により記載すべき利害関係はない。以 上
(注) 1.上記の監査報告書の原本は当社(有価証券報告書提出会社)が別途保管しております。2.XBRLデータは監査の対象には含まれていません。
監査上の主要な検討事項、連結 監査上の主要な検討事項監査上の主要な検討事項とは、当連結会計年度の連結財務諸表の監査において、監査人が職業的専門家として特に重要であると判断した事項である。監査上の主要な検討事項は、連結財務諸表全体に対する監査の実施過程及び監査意見の形成において対応した事項であり、当監査法人は、当該事項に対して個別に意見を表明するものではない。 固定資産の減損損失の認識の要否に関する判断の妥当性監査上の主要な検討事項の内容及び決定理由監査上の対応注記事項「(重要な会計上の見積り)固定資産の減損損失の認識の要否」に記載の当連結会計年度の連結貸借対照表に計上されている有形固定資産1,184,401千円及び無形固定資産403,784千円のうち、有形固定資産1,183,769千円及び無形固定資産220,916千円は、株式会社Photosynth(以下、会社)で計上されており、それぞれ資産合計の32.9%及び6.1%を占めている。これらの固定資産は規則的に減価償却されるが、減損の兆候があると認められる場合には、資産グループから得られる割引前将来キャッシュ・フローの総額と帳簿価額を比較することによって、減損損失の認識の要否を判定する必要がある。判定の結果、減損損失の認識が必要と判断された場合、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、帳簿価額の減少額は減損損失として認識される。会社は、事業拡大のために積極的なマーケティング活動や技術者及び営業人員等の人員採用を行った結果、継続的に営業損益がマイナスとなっていることから、減損の兆候が認められている。このため、当連結会計年度において減損損失の認識の要否の判定が行われているが、見積られた割引前将来キャッシュ・フローの総額が資産の帳簿価額を上回ったことから、減損損失の認識は不要と判断している。当該判定に用いられる将来キャッシュ・フローは、経営者が作成した中期事業計画を基礎として見積られる。中期事業計画には、直近の販売実績に基づく新規顧客の獲得による売上高の増加を見込んでおり、また、サブスクリプションモデルの既存顧客に係る解約率を計画策定に当たっての主要な仮定として使用している。これらに係る経営者による判断が将来キャッシュ・フローの見積りに重要な影響を及ぼす。以上から、当監査法人は、会社の固定資産の減損損失の認識の要否に関する判断の妥当性が、当連結会計年度の連結財務諸表監査において特に重要であり、「監査上の主要な検討事項」に該当すると判断した。 当監査法人は、固定資産の減損損失の認識の要否に関する判断の妥当性を評価するため、主に以下の手続を実施した。(1)内部統制の評価減損損失の認識の要否の判定に関連する内部統制の整備及び運用状況の有効性を評価した。評価に当たっては、新規顧客の獲得による売上高の増加及びサブスクリプションモデルの既存顧客に係る解約率について、不合理な仮定が採用されることを防止又は発見するための統制に特に焦点を当てた。
(2)将来キャッシュ・フローの見積りの合理性の評価将来キャッシュ・フローの見積りの基礎となる中期事業計画に含まれる主要な仮定の合理性を評価するため、その根拠について、経営者に対して質問するとともに、主に以下の手続を実施した。・中期事業計画に織り込まれている新規顧客の獲得による売上高の増加について、直近の販売実績及び趨勢と比較して、合理性を評価した。・サブスクリプションモデルの既存顧客に係る解約率について、直近の解約実績及び趨勢と比較して、合理性を評価した。・中期事業計画における将来の売上高の成長率について、外部機関が公表する市場データや、過去の売上高成長率と比較して、合理性を評価した。
全体概要、監査上の主要な検討事項、連結 監査上の主要な検討事項とは、当連結会計年度の連結財務諸表の監査において、監査人が職業的専門家として特に重要であると判断した事項である。監査上の主要な検討事項は、連結財務諸表全体に対する監査の実施過程及び監査意見の形成において対応した事項であり、当監査法人は、当該事項に対して個別に意見を表明するものではない。
見出し、監査上の主要な検討事項、連結固定資産の減損損失の認識の要否に関する判断の妥当性
内容及び理由、監査上の主要な検討事項、連結 注記事項「(重要な会計上の見積り)固定資産の減損損失の認識の要否」に記載の当連結会計年度の連結貸借対照表に計上されている有形固定資産1,184,401千円及び無形固定資産403,784千円のうち、有形固定資産1,183,769千円及び無形固定資産220,916千円は、株式会社Photosynth(以下、会社)で計上されており、それぞれ資産合計の32.9%及び6.1%を占めている。これらの固定資産は規則的に減価償却されるが、減損の兆候があると認められる場合には、資産グループから得られる割引前将来キャッシュ・フローの総額と帳簿価額を比較することによって、減損損失の認識の要否を判定する必要がある。判定の結果、減損損失の認識が必要と判断された場合、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、帳簿価額の減少額は減損損失として認識される。会社は、事業拡大のために積極的なマーケティング活動や技術者及び営業人員等の人員採用を行った結果、継続的に営業損益がマイナスとなっていることから、減損の兆候が認められている。このため、当連結会計年度において減損損失の認識の要否の判定が行われているが、見積られた割引前将来キャッシュ・フローの総額が資産の帳簿価額を上回ったことから、減損損失の認識は不要と判断している。当該判定に用いられる将来キャッシュ・フローは、経営者が作成した中期事業計画を基礎として見積られる。中期事業計画には、直近の販売実績に基づく新規顧客の獲得による売上高の増加を見込んでおり、また、サブスクリプションモデルの既存顧客に係る解約率を計画策定に当たっての主要な仮定として使用している。これらに係る経営者による判断が将来キャッシュ・フローの見積りに重要な影響を及ぼす。以上から、当監査法人は、会社の固定資産の減損損失の認識の要否に関する判断の妥当性が、当連結会計年度の連結財務諸表監査において特に重要であり、「監査上の主要な検討事項」に該当すると判断した。
開示への参照、監査上の主要な検討事項、連結注記事項「(重要な会計上の見積り)固定資産の減損損失の認識の要否」
監査上の対応、監査上の主要な検討事項、連結 当監査法人は、固定資産の減損損失の認識の要否に関する判断の妥当性を評価するため、主に以下の手続を実施した。(1)内部統制の評価減損損失の認識の要否の判定に関連する内部統制の整備及び運用状況の有効性を評価した。評価に当たっては、新規顧客の獲得による売上高の増加及びサブスクリプションモデルの既存顧客に係る解約率について、不合理な仮定が採用されることを防止又は発見するための統制に特に焦点を当てた。
(2)将来キャッシュ・フローの見積りの合理性の評価将来キャッシュ・フローの見積りの基礎となる中期事業計画に含まれる主要な仮定の合理性を評価するため、その根拠について、経営者に対して質問するとともに、主に以下の手続を実施した。・中期事業計画に織り込まれている新規顧客の獲得による売上高の増加について、直近の販売実績及び趨勢と比較して、合理性を評価した。・サブスクリプションモデルの既存顧客に係る解約率について、直近の解約実績及び趨勢と比較して、合理性を評価した。・中期事業計画における将来の売上高の成長率について、外部機関が公表する市場データや、過去の売上高成長率と比較して、合理性を評価した。
その他の記載内容、連結 その他の記載内容その他の記載内容は、有価証券報告書に含まれる情報のうち、連結財務諸表及び財務諸表並びにこれらの監査報告書以外の情報である。経営者の責任は、その他の記載内容を作成し開示することにある。また、監査役及び監査役会の責任は、その他の記載内容の報告プロセスの整備及び運用における取締役の職務の執行を監視することにある。当監査法人の連結財務諸表に対する監査意見の対象にはその他の記載内容は含まれておらず、当監査法人はその他の記載内容に対して意見を表明するものではない。連結財務諸表監査における当監査法人の責任は、その他の記載内容を通読し、通読の過程において、その他の記載内容と連結財務諸表又は当監査法人が監査の過程で得た知識との間に重要な相違があるかどうか検討すること、また、そのような重要な相違以外にその他の記載内容に重要な誤りの兆候があるかどうか注意を払うことにある。当監査法人は、実施した作業に基づき、その他の記載内容に重要な誤りがあると判断した場合には、その事実を報告することが求められている。その他の記載内容に関して、当監査法人が報告すべき事項はない。

Audit1

監査法人1、個別有限責任 あずさ監査法人
独立監査人の報告書、個別 独立監査人の監査報告書 2024年4月1日株式会社Photosynth取締役会 御中 有限責任 あずさ監査法人 東京事務所 指定有限責任社員業務執行社員 公認会計士柴田 叙男 指定有限責任社員業務執行社員 公認会計士坂井 知倫 <財務諸表監査>監査意見当監査法人は、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づく監査証明を行うため、「経理の状況」に掲げられている株式会社Photosynthの2023年1月1日から2023年12月31日までの第10期事業年度の財務諸表、すなわち、貸借対照表、損益計算書、株主資本等変動計算書、重要な会計方針、その他の注記及び附属明細表について監査を行った。当監査法人は、上記の財務諸表が、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して、株式会社Photosynthの2023年12月31日現在の財政状態及び同日をもって終了する事業年度の経営成績を、全ての重要な点において適正に表示しているものと認める。 監査意見の根拠当監査法人は、我が国において一般に公正妥当と認められる監査の基準に準拠して監査を行った。監査の基準における当監査法人の責任は、「財務諸表監査における監査人の責任」に記載されている。当監査法人は、我が国における職業倫理に関する規定に従って、会社から独立しており、また、監査人としてのその他の倫理上の責任を果たしている。当監査法人は、意見表明の基礎となる十分かつ適切な監査証拠を入手したと判断している。 監査上の主要な検討事項監査上の主要な検討事項とは、当事業年度の財務諸表の監査において、監査人が職業的専門家として特に重要であると判断した事項である。監査上の主要な検討事項は、財務諸表全体に対する監査の実施過程及び監査意見の形成において対応した事項であり、当監査法人は、当該事項に対して個別に意見を表明するものではない。 (固定資産の減損損失の認識の要否に関する判断の妥当性)個別財務諸表の監査報告書で記載すべき監査上の主要な検討事項「固定資産の減損損失の認識の要否に関する判断の妥当性」は、連結財務諸表の監査報告書に記載されている監査上の主要な検討事項「固定資産の減損損失の認識の要否に関する判断の妥当性」と実質的に同一の内容である。このため、個別財務諸表の監査報告書では、これに関する記載を省略する。 その他の記載内容その他の記載内容は、有価証券報告書に含まれる情報のうち、連結財務諸表及び財務諸表並びにこれらの監査報告書以外の情報である。経営者の責任は、その他の記載内容を作成し開示することにある。また、監査役及び監査役会の責任は、その他の記載内容の報告プロセスの整備及び運用における取締役の職務の執行を監視することにある。当監査法人の財務諸表に対する監査意見の対象にはその他の記載内容は含まれておらず、当監査法人はその他の記載内容に対して意見を表明するものではない。財務諸表監査における当監査法人の責任は、その他の記載内容を通読し、通読の過程において、その他の記載内容と財務諸表又は当監査法人が監査の過程で得た知識との間に重要な相違があるかどうか検討すること、また、そのような重要な相違以外にその他の記載内容に重要な誤りの兆候があるかどうか注意を払うことにある。当監査法人は、実施した作業に基づき、その他の記載内容に重要な誤りがあると判断した場合には、その事実を報告することが求められている。その他の記載内容に関して、当監査法人が報告すべき事項はない。 財務諸表に対する経営者並びに監査役及び監査役会の責任経営者の責任は、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して財務諸表を作成し適正に表示することにある。これには、不正又は誤謬による重要な虚偽表示のない財務諸表を作成し適正に表示するために経営者が必要と判断した内部統制を整備及び運用することが含まれる。財務諸表を作成するに当たり、経営者は、継続企業の前提に基づき財務諸表を作成することが適切であるかどうかを評価し、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づいて継続企業に関する事項を開示する必要がある場合には当該事項を開示する責任がある。監査役及び監査役会の責任は、財務報告プロセスの整備及び運用における取締役の職務の執行を監視することにある。 財務諸表監査における監査人の責任監査人の責任は、監査人が実施した監査に基づいて、全体としての財務諸表に不正又は誤謬による重要な虚偽表示がないかどうかについて合理的な保証を得て、監査報告書において独立の立場から財務諸表に対する意見を表明することにある。虚偽表示は、不正又は誤謬により発生する可能性があり、個別に又は集計すると、財務諸表の利用者の意思決定に影響を与えると合理的に見込まれる場合に、重要性があると判断される。監査人は、我が国において一般に公正妥当と認められる監査の基準に従って、監査の過程を通じて、職業的専門家としての判断を行い、職業的懐疑心を保持して以下を実施する。・ 不正又は誤謬による重要な虚偽表示リスクを識別し、評価する。また、重要な虚偽表示リスクに対応した監査手続を立案し、実施する。監査手続の選択及び適用は監査人の判断による。さらに、意見表明の基礎となる十分かつ適切な監査証拠を入手する。・ 財務諸表監査の目的は、内部統制の有効性について意見表明するためのものではないが、監査人は、リスク評価の実施に際して、状況に応じた適切な監査手続を立案するために、監査に関連する内部統制を検討する。・ 経営者が採用した会計方針及びその適用方法の適切性、並びに経営者によって行われた会計上の見積りの合理性及び関連する注記事項の妥当性を評価する。・ 経営者が継続企業を前提として財務諸表を作成することが適切であるかどうか、また、入手した監査証拠に基づき、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況に関して重要な不確実性が認められるかどうか結論付ける。継続企業の前提に関する重要な不確実性が認められる場合は、監査報告書において財務諸表の注記事項に注意を喚起すること、又は重要な不確実性に関する財務諸表の注記事項が適切でない場合は、財務諸表に対して除外事項付意見を表明することが求められている。監査人の結論は、監査報告書日までに入手した監査証拠に基づいているが、将来の事象や状況により、企業は継続企業として存続できなくなる可能性がある。・ 財務諸表の表示及び注記事項が、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠しているかどうかとともに、関連する注記事項を含めた財務諸表の表示、構成及び内容、並びに財務諸表が基礎となる取引や会計事象を適正に表示しているかどうかを評価する。 監査人は、監査役及び監査役会に対して、計画した監査の範囲とその実施時期、監査の実施過程で識別した内部統制の重要な不備を含む監査上の重要な発見事項、及び監査の基準で求められているその他の事項について報告を行う。監査人は、監査役及び監査役会に対して、独立性についての我が国における職業倫理に関する規定を遵守したこと、並びに監査人の独立性に影響を与えると合理的に考えられる事項、及び阻害要因を除去するための対応策を講じている場合又は阻害要因を許容可能な水準にまで軽減するためのセーフガードを適用している場合はその内容について報告を行う。監査人は、監査役及び監査役会と協議した事項のうち、当事業年度の財務諸表の監査で特に重要であると判断した事項を監査上の主要な検討事項と決定し、監査報告書において記載する。ただし、法令等により当該事項の公表が禁止されている場合や、極めて限定的ではあるが、監査報告書において報告することにより生じる不利益が公共の利益を上回ると合理的に見込まれるため、監査人が報告すべきでないと判断した場合は、当該事項を記載しない。 <報酬関連情報>報酬関連情報は、連結財務諸表の監査報告書に記載されている。 利害関係会社と当監査法人又は業務執行社員との間には、公認会計士法の規定により記載すべき利害関係はない。以 上
(注) 1.上記の監査報告書の原本は当社(有価証券報告書提出会社)が別途保管しております。2.XBRLデータは監査の対象には含まれていません。
監査上の主要な検討事項、個別 監査上の主要な検討事項監査上の主要な検討事項とは、当事業年度の財務諸表の監査において、監査人が職業的専門家として特に重要であると判断した事項である。監査上の主要な検討事項は、財務諸表全体に対する監査の実施過程及び監査意見の形成において対応した事項であり、当監査法人は、当該事項に対して個別に意見を表明するものではない。 (固定資産の減損損失の認識の要否に関する判断の妥当性)個別財務諸表の監査報告書で記載すべき監査上の主要な検討事項「固定資産の減損損失の認識の要否に関する判断の妥当性」は、連結財務諸表の監査報告書に記載されている監査上の主要な検討事項「固定資産の減損損失の認識の要否に関する判断の妥当性」と実質的に同一の内容である。このため、個別財務諸表の監査報告書では、これに関する記載を省略する。
全体概要、監査上の主要な検討事項、個別 監査上の主要な検討事項とは、当事業年度の財務諸表の監査において、監査人が職業的専門家として特に重要であると判断した事項である。監査上の主要な検討事項は、財務諸表全体に対する監査の実施過程及び監査意見の形成において対応した事項であり、当監査法人は、当該事項に対して個別に意見を表明するものではない。
見出し、監査上の主要な検討事項、個別(固定資産の減損損失の認識の要否に関する判断の妥当性)
連結と同一内容である旨、監査上の主要な検討事項、個別 個別財務諸表の監査報告書で記載すべき監査上の主要な検討事項「固定資産の減損損失の認識の要否に関する判断の妥当性」は、連結財務諸表の監査報告書に記載されている監査上の主要な検討事項「固定資産の減損損失の認識の要否に関する判断の妥当性」と実質的に同一の内容である。このため、個別財務諸表の監査報告書では、これに関する記載を省略する。
その他の記載内容、個別 その他の記載内容その他の記載内容は、有価証券報告書に含まれる情報のうち、連結財務諸表及び財務諸表並びにこれらの監査報告書以外の情報である。経営者の責任は、その他の記載内容を作成し開示することにある。また、監査役及び監査役会の責任は、その他の記載内容の報告プロセスの整備及び運用における取締役の職務の執行を監視することにある。当監査法人の財務諸表に対する監査意見の対象にはその他の記載内容は含まれておらず、当監査法人はその他の記載内容に対して意見を表明するものではない。財務諸表監査における当監査法人の責任は、その他の記載内容を通読し、通読の過程において、その他の記載内容と財務諸表又は当監査法人が監査の過程で得た知識との間に重要な相違があるかどうか検討すること、また、そのような重要な相違以外にその他の記載内容に重要な誤りの兆候があるかどうか注意を払うことにある。当監査法人は、実施した作業に基づき、その他の記載内容に重要な誤りがあると判断した場合には、その事実を報告することが求められている。その他の記載内容に関して、当監査法人が報告すべき事項はない。

BS資産

商品及び製品5,257,000
原材料及び貯蔵品10,551,000
建設仮勘定1,490,000
有形固定資産1,183,769,000
ソフトウエア219,909,000
無形固定資産220,916,000
投資有価証券40,681,000
長期前払費用7,601,000
投資その他の資産438,535,000

BS負債、資本

1年内返済予定の長期借入金209,240,000
未払金84,479,000
未払法人税等5,870,000
未払費用188,780,000