財務諸表

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提出書類、表紙有価証券報告書
提出日、表紙2024-03-29
英訳名、表紙Poppins Corporation
代表者の役職氏名、表紙代表取締役社長  轟 麻衣子
本店の所在の場所、表紙東京都渋谷区広尾五丁目6番6号
電話番号、本店の所在の場所、表紙03-6625-2753
様式、DEI第三号様式
会計基準、DEIJapan GAAP
連結決算の有無、DEItrue
当会計期間の種類、DEIFY

corp

沿革 2【沿革】
年 月1987年3月概 要 ジャフィサービス株式会社設立10月 ポピンズ初の事業所内保育所「セコムセンター内託児サービス」開設1990年4月 1993年4月 EXPO’90「国際花と緑の博覧会」会場にて国際博初のイベント託児ルームを企画、運営 芦屋支社 開設「法人向け在宅保育サービス」を開始し、警視庁、郵政省(現日本郵政株式会社)、大蔵省(現財務省)と法人契約締結1994年2月 ポピンズ初の病院内保育所「聖路加国際病院 院内保育所」開設3月 ポピンズ初の病棟内保育所「慶應義塾大学病院 小児科病棟」開設4月 英国・ノーランドカレッジ・インターナショナル・ディプロマ開始9月 ポピンズ初の公共施設内託児所「関西国際空港内ポピンズキッズルーム」開設1996年9月 「株式会社ポピンズコーポレーション」に商号変更  高齢者在宅ケア事業に参入し、「VIPケアサービス」を開始1998年4月 ポピンズ初の横浜保育室事業「ポピンズナーサリー横浜」開設1999年1月 厚生省(現厚生労働省)より「ホームヘルパー2級養成研修指定機関」として認定5月 ISO9001認証取得(育児・介護サービス)11月 厚生省(現厚生労働省)の駅型保育試行助成事業として「ポピンズナーサリー甲東園」開設2000年4月 東京都より「訪問介護事業者」として認定2001年11月 ポピンズ初の東京都認証保育所「ポピンズナーサリー一之江」開設2002年4月 名古屋支社 開設6月 「ポピンズナーサリー小机」がポピンズ初の認可保育所に移行2003年9月 資生堂による複数社連携(コンソーシアム型)事業所内託児施設「カンガルーム汐留」開設2004年5月 恵比寿ガーデンプレイス内「ポピンズインターナショナルプリスクール」開設2005年7月 ポピンズ初の大学内保育所「ナーサリー早稲田」運営受託2006年4月 全国初のPFI事業による認可保育所「ポピンズナーサリー新浦安」開設11月 米国・スタンフォード大学への海外乳幼児教育研修開始2007年4月 ポピンズ国際乳幼児教育研究所(PIICS)開設6月 米国・ハーバード大学への海外乳幼児教育研修開始2008年10月 米国ハワイ州公認キッズルーム「ハワイ・ポピンズ・キッズルーム」開設2010年4月 ポピンズ初の児童館「富士見わんぱくひろば」、初の学童保育「富士見わんぱくひろば学童クラブ」他、あわせて12ヶ所の保育・教育施設を開設7月 東京ミッドタウン内に子どもたちの主体的な学び(Active Learning)を支援するスクール「ポピンズアクティブラーニングスクール」開設2011年4月 阪神間でポピンズ初の認可保育所「ポピンズナーサリースクール伊丹」開設9月 本社を広尾プラザ(渋谷区・広尾)に移転し、「株式会社ポピンズ」に商号変更2012年4月 長野県・蓼科に「ポピンズ蓼科研修センター」開設2013年3月 保育スタッフの教科書として『ポピンズアプローチ』出版2014年4月 恵比寿ガーデンプレイス内に「ポピンズ アクティブラーニング インターナショナルスクール(PALIS)」開設10月 邸宅型デイサービス施設「ポピンズ芦屋サロン」を開設2015年3月 ポピンズアプローチ第2版『0歳からのエデュケア:どの子も伸びる保育への誘い』出版4月 北海道でポピンズ初の認可保育所「ポピンズナーサリースクール札幌白石」開設12月 大阪支社 開設2016年4月 大阪市でポピンズ初の認可保育所「ポピンズナーサリースクール天王寺」開設6月 ポピンズナニーサービスが第1回日本サービス大賞 厚生労働大臣賞を受賞10月 「株式会社ポピンズホールディングス」設立2017年2月 ベビーシッターマッチングサイトを運営する「スマートシッター株式会社」を子会社化4月 名古屋市でポピンズ初の認可保育所「ポピンズナーサリースクール名東」開設2018年10月 保育士の人材紹介会社「株式会社保育士GO」設立2019年3月 保育所や学童施設運営を行う「株式会社ウィッシュ」を子会社化2020年10月 「スマートシッター株式会社」を「株式会社ポピンズシッター」に商号変更12月 東京証券取引所市場第一部に株式を上場 2021年6月 不妊予防事業を開始、不妊予防ポータルサイト「Poppins i-ce(ポピンズアイス)」を開設7月 「株式会社ポピンズファミリーケア」、「株式会社ポピンズプロフェッショナル」設立2022年1月 株式会社ウィッシュが株式会社保育士GOを吸収合併4月 「株式会社ポピンズホールディングス」を「株式会社ポピンズ」に商号変更するとともに、子会社の「株式会社ポピンズ」を「株式会社ポピンズエデュケア」に商号変更 株式会社ポピンズエデュケアが、株式会社ウィッシュからの吸収分割により、保育・学童施設運営事業を承継 東京証券取引所の市場区分の見直しにより、東京証券取引所市場第一部からプライム市場に移行9月 「ペットケアサービス」を開始2023年10月 東京証券取引所プライム市場からスタンダード市場に移行
事業の内容 3【事業の内容】
 当社グループ(当社及び当社の関係会社、以下同じ)は、当社、連結子会社(株式会社ポピンズエデュケア、株式会社ポピンズファミリーケア、株式会社ポピンズプロフェッショナル、株式会社ポピンズシッター、株式会社ウィッシュ)、非連結子会社Poppins U.S.A., Incorporatedの計7社(2023年12月31日現在)により構成されており、「ファミリーケア事業(ナニー及びベビーシッター、介護、家事支援)」、「エデュケア事業(保育・学童施設の運営)」、「プロフェッショナル事業(教育研修・調査研究)」、「その他サービス事業(人材派遣・紹介、高齢者向けデイサービス施設等の運営、不妊予防、ペットケア等)」を行っております。 ウォルト・ディズニー社のミュージカル映画「メリー・ポピンズ」の主役のように、楽しく不思議な体験に巻き込みながら、本当に大切なものは何かを教えられたらという思いを込めて、当社グループの社名をポピンズとしております。 当社グループは、『働く女性の支援』という創業時の強い想いを全役員・従業員で共有しており、「働く女性を 最高水準(注1)のエデュケア(注2)と介護サービスで支援します。」というミッションの下、祖業であるナニーサービスを起点に、認可・認証・事業所内保育所や学童保育、インターナショナルスクール等の運営や、高齢者在宅ケアを行うシルバーケアサービス、共働きや高齢者、単身世帯など様々なライフスタイルを支える家事支援サービス、そして保育士や介護士等の研修サービス等を展開し、フルラインでの働く女性を支援するサービス(注3)を提供しております。 なお、当社グループの各セグメントの事業内容は以下のとおりであり、以下に示す事業区分は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(セグメント情報等)」に掲げるセグメントの区分と同一であります。 (注)1 “最高水準”とは、当社グループでは、常識を超えたサービスによって相手を感動させられる水準のことをいいます。   2 “エデュケア”とは、当社グループが創出した“エデュケーション”(教育)と“ケア”(保育)を組み合わせた教育理念であります。当社グループは、乳幼児教育において0歳児の脳の目覚ましい発達の研究も踏まえ、教育と保育の両方が必要という考えから創業時からポピンズの基本方針の核となっております。   3 “フルラインでの働く女性を支援するサービス”とは、祖業であるナニーサービスから始まり、ベビーシッターサービス、介護、家事支援、保育・学童施設運営、教育研修へと切れ目なく働く女性のライフステージをサポートする当社サービス群の特長であります。 1.ファミリーケア事業 ファミリーケア事業では、ナニー(教育ベビーシッター)及びベビーシッターを中心とした在宅保育サービスの提供、高齢者向け在宅ケアサービス、および家事支援サービスを提供しております。 政府は、2020年12月21日に待機児童の解消を目指し、女性の就業率の上昇を踏まえた保育の受け皿整備、幼稚園やベビーシッターを含めた地域の子育て資源の活用を進めるため、「新子育て安心プラン」を取りまとめて公表し、その中でベビーシッターの活用が、あらためて国の最重要政策のひとつとして位置づけられました。 また、2021年4月より、公益社団法人全国保育サービス協会が発行する内閣府ベビーシッター割引券(現在のこども家庭庁ベビーシッター割引券)(注1)の利用限度額が、1日当たり2,200円から4,400円に増加したこともあり、当社グループにおける2023年12月期の年間利用枚数が前期比1.3倍に増加しており、ナニーサービス及びベビーシッターサービスともに利用拡大の後押しとなっております。 その結果、チャイルドケアサービスを年間1回以上利用した家庭数は、2023年12月期には2万1千世帯以上となりました。 ※ナニーサービス、ベビーシッターサービスを年間1回以上利用した家庭数の総計(サービス間の重複あり)  内閣府ベビーシッター割引券(現在のこども家庭庁ベビーシッター割引券)などの国の助成に対応するナニーやベビーシッターは、保育士または看護師の資格保有、または厚生労働省による指定研修の修了が必須ですが、2021年8月には、当社グループの自社研修制度の充実が認められ、民間事業者として初めて自社のベビーシッター育成研修が当該指定研修と認定されました。さらに、2022年9月には、東京都ベビーシッター利用支援事業の指定研修としても追加認定されたことにより、当社グループの自社研修がナニー・ベビーシッター関連の二大助成金事業の指定研修として国及び東京都に認められることとなりました。 これにより、当社グループのナニーやベビーシッターは、自社研修を受講することで、認定ナニー/ベビーシッターとして働くことができ、より需要が拡大すると見込まれる認定ベビーシッターの安定的な供給が可能となっております。 (1)チャイルドケアサービス(ナニーサービス) (株式会社ポピンズファミリーケア) 「ポピンズ ナニーサービス」は、ナニーを派遣する事業であり、『働く女性の支援』という想いを掲げて立ち上げた当社グループの創業以来の事業であります。ナニーとは、英国では国家資格となっており、おむつ交換や授乳などの基本的な身の回りのお世話はもちろん、送迎や教育、しつけなどを親に代わって行う子育てのプロフェッショナルです。中でも1892年に創立された乳幼児ケア(保育)と教育の専門職養成のための高等職業教育機関である世界的な名門校ノーランドカレッジ(英国サマーセット州のバース)出身のナニーはノーランダーと呼ばれ、その一部は、英国王室のロイヤルファミリーへのサービス提供にも選ばれております。当社グループでは、ノーランドカレッジと提携して、毎年海外研修を実施しております(新型コロナウイルス感染症の影響で実施できなかった2020年度から2022年度を除く)。また、ノーランドの講師を招いて、その専門性を高めており、知識・教養・技能・人格など、すべてにおいて最高水準のナニーを育成することを目指しております。ポピンズナニーサービスはお客様のニーズに応える24時間365日、当日オーダーに100%対応できるよう取り組んでおります。また、企業の福利厚生サービスとして契約企業が認める範囲でその従業員にご利用いただけるナニーサービス法人契約も500社以上と締結しております。  具体的なサービス内容としては、個人会員及び法人契約を締結している顧客企業の役職員に対し、ナニーサービスを時間単位で提供しております。また、オプションサービスとして、お子様の食事作りや家庭教師、アスリートレッスン、受験指導、カウンセリング等お客様のニーズに合わせたサービスも提供しております。さらに、ホテル・デパート・コンサート・パーティなどのイベント向けにもスポットでナニーサービスを提供しております。 また、2023年12月現在、東京都23区のうち、8区において居宅訪問型保育事業(ナニー・ベビーシッター人材を活用した認可事業)を導入、東京都も保育所に入所できない待機児童の保護者向けに、利用料の一部を助成するベビーシッター利用支援事業(ベビーシッター事業者連携型)を2018年より開始し、その後、日常生活上の突発的な事情や社会参加などにより、一時的に保育を必要とする方向け(保育認定の有無は問わない)に支援範囲を拡大しました。当社グループのナニーサービスはこれらサービスの認定事業者となっており、自治体とも連携してサービスを提供しております。 (2)チャイルドケアサービス(ベビーシッターサービス)(株式会社ポピンズシッター) ポピンズシッターは、スマートフォンやPCからベビーシッターを検索、プロフィールや写真・動画、評価・口コミなどを参考に、利用者に合ったベビーシッターを選んで必要な時間単位での予約が可能となっております。登録ベビーシッターは、保育士・幼稚園教諭・助産師・看護師などの有資格者と保育・子育て経験者等から構成されており、厳しい選考を経て研修を受講しております。 ポピンズシッターは、公益社団法人全国保育サービス協会に加盟する唯一のオンライン型ベビーシッターサービス(注2)であり、ナニーサービスと並び、こども家庭庁ベビーシッター割引券の利用が認められているほか、東京都ベビーシッター利用支援事業(ベビーシッター事業者連携型、一時預かり利用支援)の助成の対象としても認定事業者となっております。また、企業の福利厚生サービスとして契約企業が認める範囲でその従業員にご利用いただけるベビーシッターサービス法人契約も100社以上と締結しております。 その結果、2023年12月期の年間売上高が、前期比1.7倍に増加しており、利用拡大が急速に進んでおります。 (注)1 “こども家庭庁ベビーシッター割引券”とは、内閣府が育児と仕事の両立支援のために2016年から導入した「企業主導型ベビーシッター利用者支援事業」に基づく、割引券(正式名称:ベビーシッター派遣事業割引券)です。なお同事業の運営は、現在は、全国保育サービス協会が、こども家庭庁より受託しております。   2 “オンライン型ベビーシッターサービス”とは、お客様がオンライン上で自らベビーシッターを選ぶことができるサービスです。なお、ポピンズシッターは、2018年5月から、事業者がお客様とベビーシッターの双方と直接契約する形態に切り替えており、厚生労働省が作成した「子どもの預かりサービスのマッチングサイトに係るガイドライン」の対象となるマッチングサイトではありません。マッチングサイトでは、ベビーシッターが個々に自治体に認可外保育施設設置届を届出しますが、ポピンズシッターではベビーシッターと事業者が契約、事業者が認可外保育施設として東京都に届出をし、定期的に運営状況を東京都に報告しております。また、全国保育サービス協会が求める安全基準、事件・事故対応への体制整備の要件を満たし、加盟を認めている企業・団体の中で、ポピンズシッターが唯一のオンライン型ベビーシッターサービス事業者です。 (3)シルバーケアサービス (株式会社ポピンズファミリーケア) 1996年にスタートした高齢者在宅ケア事業(シルバーケアサービス)は、介護保険サービス及び介護保険適用外のVIPケアサービスを提供しております。主に会員制のVIPケアサービスに力を入れており、介護保険適用外の在宅ケアサービスを希望される顧客に、介護や看護の有資格者のみでなく、高齢者心理、ホスピタリティ、料理、秘書サポートなど様々なスキルセットを持つ人材を、当社にて登録・研修し、お客様のニーズに応えるサービスを提供しております。また、法人向けの介護コンサルティングサービスも行っております。 当社グループの高齢者在宅ケア事業は、当社の長年にわたるナニーサービスでの在宅ケアのノウハウを活用して、ケアスタッフ(当社のVIPケアサービスを直接提供するスタッフのこと)の募集・採用段階から独自の判断基準を持ち、徹底した教育研修の実施、さらにお客様との相性や各ご家庭の事情にあった人物を選ぶコーディネート力の向上、万一のクレームの是正・予防措置の徹底など、ISO9001の取り組みに基づくサービス品質の向上に取り組んでおります。また、事業スタート以来、積極的な広告宣伝活動はしておりませんが、ナニーサービスをきっかけに利用を検討されるご利用者やそのご紹介者の利用が増えております。 ①VIPケアサービス(生活支援/身体介護) VIPケアサービスは、高齢者が日常生活を、楽しく、快適に過ごす事ができるように、ご本人とご家族のご要望を最大限尊重した高齢者向け在宅ケアサービスとして、生活支援サービス及び身体介護サービスを提供しております。 具体的には介護保険適用外である家事サービス、外出同行サービス、身体介護サービス、ご相談サービス、エマージェンシーサービス等様々なサービスを取り揃えており、ナニーサービスやベビーシッターサービスと同様、時間単位の利用料金で運営しております。当社グループではこれらのサービスを、大切な方を大切にお世話をするという意味で「VIPケア」と呼び、サポートの対象を高齢者ご本人様に限定せず、支えるご家族の幅広い困りごとまで対応が可能な完全オーダーメイドのサービスを提供しており、介護保険では対応できないご要望まで、自由に組み合わせてご利用になれます。 ②介護コンサルティング 当社グループが35年以上に渡り、育児・介護の分野で働く女性を支援し、2023年12月現在、法人向け在宅保育サービスなどで700社以上の企業と法人契約を結んでいる経験・ノウハウを活かし、法人向けに介護コンサルティングサービスを提供しております。特徴は以下のとおりであります。ⅰ) 介護全般の相談に対応ⅱ) 国家資格を持った相談員が対応ⅲ) 豊富な相談経験に基づくアドバイス ③ナースケア 主治医の指示による経管栄養、点滴交換、痰の吸引等の医療上のお世話、病状の観察、医療機器の管理、外出サポート、ターミナルケアまで医療ケアを必要とするお客様が医療保険・介護保険のルールから制限を受けることなく、住み慣れたご自宅でご自身らしく生活していただけるよう、看護師資格を有するポピンズナースが主治医やホームドクターと連携しながら、お客様にオーダーメイドの看護サービスを提供しております。 (4)家事支援サービス (株式会社ポピンズファミリーケア) 女性活躍推進には、子育て支援や介護支援だけでは充分ではないとの考えから、当社グループでは、家事支援サービスも提供し、働く女性の充実した支援のラインナップに加えております。 具体的には、ご家庭の様々な家事のご要望に対して、徹底した教育研修を経た経験・スキル豊富な人材が、家事支援サービスをお届けしております。 2.エデュケア事業(保育・学童施設の運営) 当社グループのエデュケア事業は、「認可保育事業」と「認可外保育事業」の2つに分かれており、様々なニーズに応えた施設サービスを展開しております。 当社のエデュケア事業の特徴は、三大都市圏(東京・大阪・名古屋)以外の地方主要都市(札幌、仙台、福岡等)も含め、以下のように、保育施設から学童施設まであらゆる形態の施設をフルラインで運営しており、保護者の多様なニーズに応えられる点にあります。   (1)認可保育事業 (株式会社ポピンズエデュケア)認可保育所 児童福祉法に基づく児童福祉施設で、国が定めた設置基準(施設の広さ、保育士等の職員数、給食設備、防災管理、衛生管理等)を満たして都道府県知事に認可された施設であります。保育料は利用者から区市町村が徴収し、当社グループは国・自治体から施設型給付を補助金として受領し運営します。  (2)認可外保育事業①認証保育所 (株式会社ポピンズエデュケア) 認可保育所だけでは応えきれない大都市のニーズに対応するため、東京都独自の基準(認証基準)に基づいて設置された保育所で、企業の経営感覚の発揮による多様化したサービス提供が特徴であります。保育料は利用者から認証保育所(当社グループ)が徴収し、当社グループは自治体からも運営に要する経費の一部を補助金として受領し運営します。なお、料金は認証保育所で自由に設定が可能となっております。(ただし上限があります。)   ②認定こども園 (株式会社ポピンズエデュケア) 教育・保育を一体的に行う施設で、以下の機能を備え、認定基準を満たす施設は、都道府県等から認定を受けることが出来ます。ⅰ) 就学前の子どもに幼児教育・保育を提供する機能ⅱ) 地域における子育て支援を行う機能 当社グループは、東京都において保育所型認定こども園を運営しております。 ③事業所内保育所(企業・大学内・病院内保育所) (株式会社ポピンズエデュケア) 企業や大学、病院等の各機関が運営する事業所内に各機関の従業員向けの保育所を設置し、運営しております。認可外保育所であり、児童福祉施設には該当しませんが、都道府県知事に対して設置届を提出する義務があり、認可外保育施設指導監督基準に則った運営を行っております。 企業、大学、病院等の各機関が人材確保のための経営戦略として施設内に保育所を設置する役割が大きくなっております。複数企業によるコンソーシアム型の保育所設置の提案や、自治体との連携など新たなビジネスモデルを作り、費用対効果を意識した子育て支援策の提案を行っております。保育料は各機関が給与天引き等で徴収し、当社グループは各機関との契約に基づいて業務委託を受け運営しております。   ④企業主導型保育所 (株式会社ポピンズエデュケア) 内閣府が2016年に開始した、主に企業向けの助成制度に基づき設置された事業所内保育所の一形態であります。企業や大学、病院等の各機関の従業員の子どもを対象とした従業員枠と地域住民向けの地域枠があり、地域枠を弾力的に設定できるなど柔軟な運営が可能となっております。 事業所内保育所と同様、当社グループは各機関との契約に基づいて委託料を受領し運営しますが、各機関は利用者からの保育料に加えて、国から整備費・運営費について、認可保育所並みの助成金を受けることができます。   ⑤学童保育 (株式会社ポピンズエデュケア) 主に日中保護者が家庭にいない小学生児童(=学童)に対して、授業の終了後に適切な遊びや生活の場を与えて、児童の健全な育成を図る保育事業をいいます。 小学校入学後、子どもを夜間まで預けることが困難になり、保護者が働き方の変更を強いられる問題を指す『小1の壁』打破のため、「新・放課後子ども総合プラン」(2018年9月14日策定)に基づき、放課後児童クラブについて、2021年度末までに約25万人分を整備し、待機児童の解消を目指し、その後、女性就業率のさらなる上昇に対応できるよう整備を行い、2019年度から2023年度までの5年間で約30万人分の整備を図ることとされました。厚生労働省が2023年12月25日に公表した、2023年度の放課後児童健全育成事業(放課後児童クラブ)実施状況によれば、登録児童数は前年比6万5,226人増の145万7,384人、放課後児童クラブの支援の単位数(※)は前年比825支援の単位増の3万7,034支援の単位、待機児童数は前年比1,096人増の1万6,276人と前年に引き続き増加となりました。学年別で見ると、小学校低学年(小学1年生から小学3年生)では491人増加、小学校高学年(小学4年生から小学6年生)でも605人増加となっており、学童保育の不足が社会課題として引き続き重要性を増しております。  当社グループの特徴的な取組みとして、名古屋大学内学童保育所「ポピンズアフタースクール」があり、名古屋大学で教鞭をとる第一線の教授の授業を提供するなど、学習要素を兼ね備えたサービスを実施しております。また、名古屋大学で学ぶ留学生が主体となり、その国の遊び・文化・食事を教えるプログラムもあり、子ども達は多国籍文化に触れることができます。これはポピンズの「エデュケア」にも合致する手法であり、今後このようなサービスを拡大していく予定であります。 当社グループは自治体など契約先からの委託料により運営しております。 ※ 「放課後児童健全育成事業の設備及び運営に関する基準」により、児童の集団の規模を示す基準として平成27年度(2015年度)から導入されたものであり、児童の放課後児童クラブで行われる活動の基本単位   ⑥児童館 (株式会社ポピンズエデュケア) 子どもに健全な遊びを提供して、その心身の健康を増進し情操を豊かにすることを目的とする屋内型の児童厚生施設であります。学童保育と違い、児童館は事前登録なく自由に来館することができ、学童保育の子どもだけでなく、たくさんの子どもたちが、放課後いったん帰宅してから遊び場として利用します。学童と同じ施設内に設置されているところもありますが、施設内での運営場所や内容は学童とは分けられております。当社グループは自治体からの委託料により運営しております。 ⑦商業施設内・ホテル内保育所 (株式会社ポピンズエデュケア) 施設の付加価値を高める目的で、大型商業施設や有名ホテル内で認可外保育所を運営しております。 ⑧アクティブラーニングスクール(ALS) (株式会社ポピンズエデュケア) 六本木・東京ミッドタウン及び広尾・広尾プラザに設置する「ポピンズ アクティブラーニングスクール」は、生後10か月から未就学児向けに展開している先端的な教育プログラムで子どもの主体性を支援する教育施設であります。レッジョ・エミリア・アプローチ(※)によるサイエンス・音楽・芸術や語学などを各分野の専門講師が教育するのが特徴となっております。ハーバード大学教育学大学院の研究機関であるプロジェクト・ゼロとの共同研究により、株式会社ポピンズが社内で立ち上げた乳幼児教育専門の研究所であるポピンズ国際乳幼児教育研究所(PIICS)で開発した保育メソッドを採用しております。 ※ 「レッジョ・エミリア・アプローチ」とは、イタリアのレッジョ・エミリア市発祥の『世界で最も革新的な幼児教育施設』とニューズウィーク誌でも紹介された幼児教育法の一つであります。当社グループでは、創造性を育む環境作りのために保育施設内にアトリエや広場を設けたり、子どもたち同士や保育士との会話、活動の様子をドキュメンテーションとして記録し、活動やコミュニケーションに活かすなどその手法を取り入れております。 ⑨ポピンズ エデュスクール (株式会社ポピンズエデュケア) 幼稚園受験・小学校受験の指導を行うスクールで、前述のALS六本木に併設されております。保育サービス事業者ならではのサービスとして、送迎ができず受験をあきらめていた共働き家庭でも利用しやすいよう、ナニー及びベビーシッターによる送迎も可能としております。 ⑩ポピンズ アクティブラーニング インターナショナルスクール(PALIS) (株式会社ポピンズエデュケア) 東京・恵比寿で展開している英語での教育を行う、対象年齢0~5歳のインターナショナルスクールであります。乳幼児教育の専門職養成機関として知られる英国ノーランドカレッジと提携していることから、イギリスの5歳就学前の子供たちのための教育指針であるEarly Years Foundation Stage(EYFS)に基づいた教育を採用し、英語によるアクティブラーニング(主体的な学び)を実践しており、グローバル教育の拠点となるプログラムを提供しております。Early Years Foundation Stageの意味は(乳幼児)早期基礎段階であり、就学前の学習・発達・ケアの質の基準が定められております。イギリスでは5歳から義務教育がはじまり、生まれてから5歳就学前までの幼児期の子どもたちが対象です。本場アメリカのディズニーランドの勤務経験がある先生や、レッスンに使う道具や教室に備え付けられた衣装もアメリカで購入するなど幼児期からの本物体験を重視しており、サイエンス・アート・バレエ・ダンス・空手などの専門講師による英語での授業を行なっております。大使館関係者、外資系企業日本駐在員関係者など、外国人のご利用もいただいております。 ⑪地域交流館・ふれあい館 (株式会社ポピンズエデュケア) 自治体から高齢者向けの地域交流館4施設、ふれあい館1施設の指定管理を受託しております。 ⑫海外施設 (Poppins U.S.A., Incorporated) 日本企業として、ハワイ州公認の託児施設を運営しております。2008年に日本の保育事業者として初めてハワイ州の託児施設ライセンスを取得以来、子供連れでハワイを旅行する保護者のために安全で高品質なサービスを提供してきた功績が認められ、2014年には、ハワイ州知事より10月1日が「ポピンズ・ケイキ・ハワイの日」に認定されました。シェラトン・ワイキキ・ホテル内で、ボディボード、アート、イングリッシュレッスンなどハワイならではの様々なキッズプログラムをご用意し、ご家族でのハワイ旅行をサポートしております。  当社グループが運営するエデュケア事業施設数推移は以下のとおりであります。 2019年12月末2020年12月末2021年12月末2022年12月末2023年12月末認可保育所6267697478認証保育所3636363534認定こども園11112事業所内保育所8687868479(うち企業主導型)(46)(47)(46)(43)(40)学童・児童館87899195100その他4446474546合計316326330334339※施設数には、同一施設内において一時保育や病児・病後児保育など複数の事業を運営している場合、それぞれを1施設数として表示しております。※従来、その他事業に含めていた交流館を2023年12月期よりエデュケア事業に移管しております。これに伴い、2022年12月期以前の施設数についても、交流館を上記「その他」に含めてカウントしております。 3.プロフェッショナル事業 当社グループがこれまで培ってきた乳幼児教育ノウハウや海外の最先端の教育施設等との親密なネットワークを活かした国内研修、海外研修、および調査・研究事業のサービスを提供しております。(1)教育研修事業 (株式会社ポピンズプロフェッショナル)①国内研修 保育環境の向上を目指して、当社グループが長年培ってきたナニーサービスや乳幼児教育のノウハウを体系化し、厚生労働省・各自治体から企業・団体、個人まで、さまざまな目的や職種に応じた人材育成を行っており、教育研修・セミナー・eラーニングを提供しております。特に、当社が先行して実施を進めたハイブリッド型研修(集合研修とeラーニングの組み合わせ)を厚生労働省・各自治体へ提供しており、オンライン研修が自治体・受講者に浸透し、受講者数も増加しております。具体的な研修サービスとしては、保育士キャリアアップ研修、子育て支援員研修、潜在保育士の復職支援研修、家庭的保育者研修、区民・市民向け講座、両親学級等のプログラムを提供しております。 また、2022年11月からは、認定ベビーシッター研修等のeラーニングサービスの外販を開始しております。 ②海外研修 乳幼児教育に携わる方、指導者を目指す方に向けた海外研修サービスを提供しております。米ハーバード大学や米スタンフォード大学や英ノーランドカレッジなど、当社グループ独自のグローバルネットワークによる乳幼児教育を学ぶことを可能にしております。 ⅰ)スタンフォード大学乳幼児教育研修:2006年より実施しているスタンフォード大学での乳幼児教育研修では、大学内で教育学部長による講義が行われるほか、心理学部の教育研究機関として40年の歴史を持つ大学付属保育施設である「Bing Nursery School」の視察及び現地保育者とのワークショップ、さらにサンフランシスコ(シリコンバレー)周辺企業の事業所内保育施設の視察などを実施しております。ⅱ)ハーバード大学乳幼児教育研修:2007年より実施しているハーバード大学での乳幼児教育研修では、同校における脳科学や乳幼児の発達心理からレッジョ・エミリアに関する講義に加え、ハーバード大学が直接経営や運営に関与するハーバード7園のひとつへの解説付き訪問、近郊の脳発達及び乳幼児教育の最新事例に関する研究を基礎とするなど特徴ある教育方針を持つ保育施設や、先端技術(安心安全のための虹彩認証による入退館システムなど)を取り入れた保育施設などの視察を実施しております。最先端の乳幼児教育を体感でき、専門分野の質を高める研修ツアーとして、大学や専門学校の先生方、保育園、幼稚園の園長、主任の方々にもご参加いただいております。ⅲ)ノーランドカレッジ留学:ノーランドカレッジは、ヨーロッパの王室や上流家庭の子どもたちのナニー(教育ベビーシッター)の養成校として、1892年に設立された乳幼児ケアと教育の専門職養成のための英国の大学であります。2週間の短期留学コースでは、創設者のエミリー・ワード女史が取り入れた、子どもの自主性や自尊心を発達させるなど、子供の立ち直る力やEQ(感情指数)を高めるとされる「感情コーチング」や、幼児期の脳の発達といった知識も身に付けるまったく新しい保育手法を学び、ナニー、保育士、幼稚園教諭など、乳幼児教育のプロとしてキャリアアップを目指します。 (2)調査研究事業 (株式会社ポピンズプロフェッショナル) 当社グループ独自の保育理論をより深める「ポピンズ国際乳幼児教育研究所(PIICS:Poppins International Institute for Child Sciences)」を株式会社ポピンズプロフェッショナルの社内に設置し、世界的な視野でさらに深いエデュケアの研究も実施しております。 保育所における実践内容に、ハーバード大学、スタンフォード大学、東京大学、お茶の水女子大学など国内外の教育機関・研究者との様々な共同研究内容を加え、「0歳からのエデュケア」として出版し保育者の指針とする他、「ポピンズアプローチ」(注1)や「知力8」(注2)を開発し、教育に主眼を置いた保育を実践しております。 また、国や自治体からの委託を受け、保育士再就職支援事業(厚生労働省)や、サービス産業生産性向上調査事業(経済産業省)、子育て支援方策に関する調査研究(文部科学省)等の調査やコンサルティングも実施しております。 加えて、2021年4月には、乳幼児教育のエキスパートを育成するとともに、保育士の社会的地位の向上を目的として、当社グループがお茶の水女子大学の大学院の中に「保育マネジメント講座」を開設し、現職保育士のキャリアアップ、リカレント教育を支援しております。 なお、新型コロナウイルス感染症拡大の影響で、当社グループが長年にわたり実施を継続してきた海外研修の催行は一時的に困難となりましたが、2020年6月には、ハーバード大学教育大学院プロジェクト・ゼロとの共同研究成果を発表する場として「第12回ポピンズ国際乳幼児教育シンポジウム」を、ポピンズとして初の日米欧の4地点をリアルタイムで繋ぐウェビナー(ウェブとセミナーを合わせた造語で、インターネット回線を通じてオンラインで行うセミナー)形式で開催し、保育従事者及び乳幼児教育関係者5,000名超に、各界専門家の意見も含めた学びを広く共有いたしました。また、2020年11月には、米スタンフォード大学教育学部付属園である「Bing Nursery School」へのオンライン視察を含むウェビナー形式で「2020 ポピンズ海外乳幼児研修」を開催し、700名超が参加しました。 これらウェビナーを活用した国際シンポジウムや海外研修は、2021年、2022年においても開催を継続しました。また、2023年7月には、ハーバード大学との共同研究に基づき、「子どものためのSDGs」をテーマとした国際シンポジウムを、2019年以来、ハーバード大学教育大学院プロジェクト・ゼロの主任研究員など海外ゲストを4年ぶりに日本に招き、日本を含む世界とオンラインで繋ぎハイブリッドで開催し、3,400人以上が参加登録、99%の満足度となりました。 これらの大規模ウェビナーを高いクオリティで運営するためのノウハウは、国内研修を厚生労働省・各自治体などに提供する際にも活かされており、当社グループが提供する教育研修・調査事業の強みのひとつとなっていると考えております。 (注)1 ドキュメンテーション(お子様の様子を写真や動画で定期的に記録することによる、学びのプロセスを可視化)、発達のパスウェイ(胎児期から就学前までの発達の道筋を一覧表とし保育に活用)、マインドセット(失敗を恐れず、さらに成長を助け促す声掛けを取り入れた保育)の3つの手法を用いた当社独自の保育アプローチ   2 子どもの知力を、言語・音楽・論理数学・空間構成・身体運動・自然科学・社会性・自己受容の8つの領域に整理し、「知力8(エイト)」と名付け、子どもの発達状況を勘案した保育の構成・実践 4.その他サービス事業 当社グループのその他サービス事業は、主に以下のようなサービスで構成されます。 (1)人材派遣・紹介事業 (株式会社ウィッシュ) 人材派遣事業においては、各自治体の公立保育園等に対して、保育士の有資格者を人材派遣しております。 人材紹介事業においては、全国の保育事業者等の求人を紹介し、転職希望者のための転職サポート、保育事業者等への採用活動サポートを行っております。 (2)高齢者向けデイサービス施設等の運営事業ポピンズ芦屋サロン(邸宅型デイサービス) (株式会社ポピンズファミリーケア) 介護保険対象デイサービス施設を、兵庫県芦屋市で運営しております。 (3)不妊予防事業 (株式会社ポピンズファミリーケア) 2021年6月に、不妊予防に関するポータルサイトと企業研修サービスを開始しております。 これまで当社グループは、出産後の女性のライフステージに寄り添ってまいりました。しかし日本では、不妊治療とキャリアを両立できず悩んでいる女性が数多くいるという現実があります。この現実を踏まえ、出産前の女性が抱える「不妊」という問題に向き合い、働く女性が切れ目なく活躍できるように、支援の領域を広げ、当社グループ独自の不妊予防ポータルサイトの機能拡充や、企業研修の提供等を通じて、不妊予防におけるプラットフォームサービスを提供してまいります。また、実用化されると簡単な質問項目に答えるだけで、月経異常症や卵巣機能不全のリスクを知ることができる『不妊予防のための早期診断セルフチェックシート』の開発に向けて順天堂大学との間で臨床研究を推進中であり、福利厚生として導入していただけるよう、行政・企業への働きかけを進めてまいります。 (4)ペットケア事業 (株式会社ポピンズシッター) 2022年9月に、新規事業としてペットケアサービスを開始しております。 当社グループが展開するファミリーケア領域(ナニー及びベビーシッター、家事代行、介護)において、安心のポピンズブランドで「家族の一員」であるペットの健康と幸せをサポートするペットシッターを派遣し、ペットもご家族の一員としたワンストップのサービス提供を目指しております。ペットケアサービスの立ち上げにより、さらに切れ目のないサポートで働く女性やご家族を支援してまいります。 以上で述べた事項を事業系統図によって示すと次のとおりであります。 [事業系統図] なお、当社は特定上場会社等に該当し、インサイダー取引規制の重要事実の軽微基準及び重要基準のうち、上場会社の規模との対比で定められる数値基準については連結ベースの計数に基づいて判断することとなります。
関係会社の状況 4【関係会社の状況】
名称住所資本金(百万円)主要な事業の内容議決権の所有割合又は被所有割合(%)関係内容(連結子会社) 株式会社ポピンズファミリーケア(注)3、4東京都渋谷区90ファミリーケア事業その他100経営指導役員の兼任3名設備の賃貸借業務の委託株式会社ポピンズシッター東京都渋谷区97ファミリーケア事業その他100経営指導役員の兼任3名資金の貸付設備の賃貸借業務の委託株式会社ポピンズエデュケア(注)3、4東京都渋谷区96エデュケア事業100経営指導役員の兼任3名資金の貸付設備の賃貸借業務の委託株式会社ポピンズプロフェッショナル東京都渋谷区90プロフェッショナル事業100経営指導役員の兼任3名資金の貸付設備の賃貸借業務の委託株式会社ウィッシュ東京都渋谷区45その他100経営指導役員の兼任3名資金の貸付業務の委託 (注)1.「主要な事業の内容」欄には、セグメント情報の名称を記載しております。2.有価証券届出書又は有価証券報告書を提出している会社はありません。3.特定子会社に該当しております。4.株式会社ポピンズファミリーケア及び株式会社ポピンズエデュケアについては、売上高(連結会社相互間の内部売上高を除く。)の連結売上高に占める割合が10%を超えております。主要な損益情報等 株式会社ポピンズファミリーケア株式会社ポピンズエデュケア(1)売上高3,219百万円22,333百万円(2)経常利益654121(3)当期純利益又は当期純損失(△)425△81(4)純資産額7402,490(5)総資産額1,16010,886
従業員の状況 5【従業員の状況】
(1)連結会社の状況 2023年12月31日現在セグメントの名称従業員数(人)ファミリーケア事業91(80)エデュケア事業3,035(2,196)プロフェッショナル事業16(18)報告セグメント計3,142(2,294)その他16(170)全社(共通)59(19)合計3,217(2,483) (注)1.従業員数は就業人員(当社グループからグループ外への出向者を除き、グループ外から当社グループへの出向者を含む。)であり、臨時雇用者数(パートタイマー、人材会社からの派遣社員を含む。)は、年間の平均人員を( )外数で記載しております。2.全社(共通)として記載されている従業員数は、特定のセグメントに区分できない管理部門所属のものであります。 (2)提出会社の状況 2023年12月31日現在従業員数(人)平均年齢(歳)平均勤続年数(年)平均年間給与(千円)48(16)46.14.07,624 (注)1.従業員数は就業人員(当社から社外への出向者を除き、社外から当社への出向者を含む。)であり、臨時雇用者数(パートタイマー、人材会社からの派遣社員を含む。)は、年間の平均人員を( )外数で記載しております。2.平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでおります。3.平均勤続年数は、2016年10月の当社設立以前における当社グループの勤続期間は含めておりません。4.当社は持株会社であるため、セグメント別の記載を省略しております。 (3)労働組合の状況当社グループにおいて労働組合は結成されておりませんが、労使関係は良好であり特記すべき事項はありません。 (4)管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異① 提出会社当事業年度管理職に占める女性労働者の割合(%)(注)1男性労働者の育児休業取得率(%)(注)2労働者の男女の賃金の差異(%)(注)1全労働者正規雇用労働者パート・有期労働者33.3-45.142.150.7(注)1.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(2015年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。2.「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(1991年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(1991年労働省令第25号)第71条の4第1号における育児休業等の取得割合を算出したものであります。 ② 連結子会社当事業年度名称管理職に占める女性労働者の割合(%)(注)男性労働者の育児休業取得率(%)(注)労働者の男女の賃金の差異(%)(注)全労働者正規雇用労働者パート・有期労働者全労働者正規雇用労働者パート・有期労働者㈱ポピンズエデュケア57.727.327.3-14.910.924.1㈱ポピンズファミリーケア72.7---43.139.452.7㈱ポピンズプロフェッショナル75.0---52.337.2-(注)「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(2015年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。
経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (1) 会社の経営の基本方針ミッション   :働く女性を 最高水準のエデュケアと介護サービスで支援します。サービスポリシー:「寄り添うように」 お客さまのこころの声を感じ、そのご要望に丁寧に応えるサービス「慈しむように」 愛情と敬意に満ち、優しく包み込むようなサービス「信頼に足るように」 他に換えることのできない確かなサービス「妥協しないように」 果てしなき質の向上に挑み続けるサービス  当社グループは上記のミッションの下、創業以来、35年以上前から働く女性の支援を続けてまいりました。昨今、国連が定める「持続可能な開発目標(SDGs)」に代表されるように、社会課題の解決が企業にも求められる時代となり、当社グループの経営方針及び提供するサービスが社会において重要な価値をもたらすものである事を改めて認識しております。 そこで、当社グループでは、2020年11月に株式会社日本総合研究所からセカンドパーティ・オピニオンを取得し、当社グループの社会課題解決に向けた対応状況を第三者の目から客観的に評価いただくとともに、今後の(経済的価値のみならず社会的価値を含めた)企業価値向上の契機としております。  また、SDGsは当社のミッションにも通ずる目標であると考えており、当社グループの提供するサービスにより、以下のそれぞれの目標達成に貢献してまいります。目標ターゲット左記ターゲットに貢献する当社グループのサービス・施策 5.5「政治、経済、公共分野でのあらゆるレベルの意思決定において、完全かつ効果的な女性の参画及び平等なリーダーシップの機会を確保する」・働く女性を支援することにより、女性の社会参画を増大・子育て経験をキャリアとして評価し、女性とシニアをナニー及びベビーシッターやケアスタッフとして活用。その他、年齢・性別・国籍・ハンディキャップにかかわらず多様な就業の場を提供・自社においても、全社員の89.0%、管理職の74.8%、取締役(子会社取締役を含む。)の32.3%を女性が占める(2023年12月末時点)など、女性活躍を自ら実践 4.2「すべての女児及び男児が、質の高い乳幼児の発達支援、ケア及び就学前教育にアクセスすることにより、初等教育を受ける準備が整うようにする」・「保育」から「エデュケア」へ保育理論、非認知能力の向上ノウハウを深化・体系化・将来グローバル社会で生きる子どもたちのために「0歳からのエデュケア」を実践・「最高水準」のサービス提供に向け、乳幼児教育において、ハーバード大学、スタンフォード大学、ノーランドカレッジ、東京大学、お茶の水女子大学など国内外の教育機関やその研究者との共同研究や研修を実施し、世界最先端の教育科学を保育に取り入れる・国や自治体からの委託を受け、保育士再就職支援事業(厚生労働省)や、サービス産業生産性向上調査事業(経済産業省)、子育て支援方策に関する調査研究(文部科学省)等の調査やコンサルティング、研修事業(年間110,000人以上参加(2023年度))を実施  8.1「各国の状況に応じて、一人当たり経済成長率を持続させる」  8.5「2030年までに、若者や障害者を含むすべての男性及び女性の、完全かつ生産的な雇用及び働きがいのある人間らしい仕事、並びに同一労働同一賃金を達成する」 ・保育/学童施設339ヵ所(2023年12月31日時点)の運営、ナニー及びベビーシッターサービス提供を通じ女性の社会参画を支援・お茶の水女子大学大学院に「ポピンズ保育マネジメント講座」を開設(2021年4月開講)し、保育士の地位向上を図る・地方採用も積極化し、地方から三大都市圏(東京都・大阪・名古屋)に転居して働く人に向けて借上げ社宅などのサポート施策を準備(2023年12月末現在310件)・保育士の処遇改善(大卒保育士の初任給業界最高水準)や福利厚生(自社サービスの割引利用他)の充実・残業時間の軽減(目標月平均7時間、2023年度実績5.6時間)・人材育成を重要な経営課題と捉え様々な教育機会を提供(海外研修に自社社員派遣含めのべ約550名参加(英ノーランドカレッジ海外研修(1994年~)、米スタンフォード海外研修(2006年~)、米ハーバード海外研修(2007年~)の累計参加者数)、オンライン開催となった2020年度~2022年度分を除く。)
(2)目標とする経営指標 当社グループは、事業の収益性を評価し、グループ全体の経済価値向上に寄与することから、経営指標として売上高と営業利益率を重視して経営しております。 (3)経営環境 日本では、少子高齢化に伴い労働者不足の加速化が予想されるとともに、産業構造の変化により多様な人材を活用していくことが必要不可欠となったことから、女性の活躍促進が一層求められております。 安倍政権が「女性が輝く社会」政策を打ち出した2013年時点で2,411万人だった女性の雇用者数は、以降拡大を続け、2023年には2,793万人まで382万人も増加しております。(注1) こうしたなか、我が国は成長戦略の1つとして女性が輝く日本を念頭に「待機児童の解消」「職場復帰・再就職の支援」「介護離職ゼロ」に向けた対策が進められていることもあり、当社グループの展開する事業領域の各市場は以下のように拡大していくものと認識しております。 ①子育て支援ⅰ)チャイルドケアサービス(ナニーサービス・ベビーシッターサービス) 欧米等の海外では、ナニーやベビーシッターは一般的なサービスであります。日本においても、待機児童対策として保育施設の整備が急ピッチで進められる一方、女性の社会進出やベビーシッター利用への社会的認知度の向上を追い風として、個別保育の長所を活かした様々なサービスとともに、保育所や学童施設では対応できない、送迎や病児・病後児保育、産前・産後ケアなどの個別支援ニーズへの対応が可能であることから、子育て市場の成長とともにベビーシッター市場は急速に伸長しております。 ベビーシッター市場の年間売上高は、当社独自の推計(注2)によれば、2020年の320億円から2030年には1,000億円規模に到達するものと推定しております。 当社グループのベビーシッターサービスの2023年12月期の年間売上高が、前期比1.7倍に増加するなど、利用拡大が急速に進んでおりますが、海外事情の浸透やベビーシッターの認知度の向上、マッチングサービスの発展等による使い勝手の向上等により、今後も日本におけるベビーシッター市場のさらなる拡大が期待されると考えております。 ⅱ)エデュケア事業(保育所) 待機児童対策のため保育所の新規開設が拡大してきており、保育所定員が前年2022年時点の304万人から、2023年時点で305万人と増加する一方で、新型コロナウイルス感染症の影響も含めた少子化・出生数減少の影響を受け、保育所利用者数は前年2022年時点の273万人から、2023年時点で272万人と減少に転じております(注3)。また、2023年時点の待機児童数も2,680人(前年比264人減)と、前年に引き続きやや減少しました。待機児童数が前年から減少した理由については、こども家庭庁が自治体に実施したアンケートに拠れば、受け皿の拡大が進んだ一方で、申込者数が見込みをした下回ったことが多くあげられ、また、申込者数が見込みを下回った理由としては、就学前人口の想定以上の減少のほか、育児休業の長期取得が挙げられた一方、新型コロナウイルス感染症の影響による利用減は、大きく減少しております。今後については、引き続き女性の就労率の上昇や、非正規雇用者の正規雇用化が進むことが想定されるため、保育所の整備が進んでも潜在的な待機児童数の高止まりは継続すると、当社グループとして見込んでおります。 待機児童解消と職場復帰支援に向けては、政府は2020年12月21日に「新子育て安心プラン」により、2021年度から2024年度末までの4年間で約14万人分の保育の受け皿を整備することを発表しました。 矢野経済研究所によれば、保育施設等の市場規模は2016年の3.0兆円から2023年の3.7兆円台半ばまで拡大しており、2024年も3.8兆円弱の微増となることが見込まれております(注4)。「新子育て安心プラン」に沿って、政府が掲げる25歳~44歳の女性就業率の目標値が82%(2025年)まで引き上げられていることも踏まえ、当面の間、同市場は緩やかな拡大が継続するものと考えております。 保育の受け皿不足が解消した後もしばらくは保育需要が同程度続くとの意見はありますが、少子化の影響を受け、また、コロナ禍の影響にも加速され、その減少が顕在化しております。既に保育需要の拡大はピークアウトしており、競合間での競争・淘汰の時代に突入しておりますが、保護者向けのアンケートでも、保育所を選ぶ際に最も重視する点は保育の質という結果が出ており、当社の最大の差別化ポイントである質の高さが一層の強みになっております。当社グループはミッションに掲げるように、創業からサービスのクオリティを常に意識し、研修・教育により日々研鑽を重ねてきたことやフルラインナップで働く女性を支えるサービスを提供している事業安定性から、保育所が選ばれる時代の到来は、当社グループにとって好機であると捉えております。 ②シルバーケアサービス(高齢者在宅ケア) 国内介護市場規模は、2014年の8.6兆円から2025年には18.7兆円程度まで拡大すると見込まれており、財政問題を背景に社会保障費を少しでも抑えるため、在宅サービスの充実が求められていることから、介護保険と介護保険外を含む在宅介護も大きく伸びると予測されております(注5)。 また、総務省「就業構造基本調査」によれば、働きながら介護をしている人の数は約365万人にのぼり、企業で働く従業員の約10%が介護をしていることになります(注6)。一方、厚生労働省「雇用動向調査」によれば、介護・看護を理由に離職している人は年間約10万人とされております。2025年には総人口に65歳以上が占める割合である高齢化率は30%を超え、現役世代の介護問題がさらに深刻化することで、経営パフォーマンスに大きな影響が出ると予想されており、介護サービスの拡充は日本経済においても喫緊の課題であると言えます。なかでも社会保障費の伸びを抑制する潮流のなかで、当社グループが行う介護保険外の在宅介護や介護予防となるアクティブシニア向けの生活支援への期待は一層高まっていくものと考えられます(注7)。 さらに、年間250万人が生まれた団塊の世代が、現在70歳代半ばに差しかかっていることから、シルバーケアサービス市場の一層の拡大を見込んでおります。 (注)1 総務省「労働力調査(2024年1月30日)」   2 国立社会保障・人口問題研究所 「日本の将来推計人口(平成29年推計)」、厚生労働省「2021年国民生活基礎調査」、全国保育サービス協会「ベビーシッターNOW2022」、リンナイ「世界5カ国の「ワーキングママの育児事情」に関する意識調査(2019年)」、ほかに基づき当社独自推計   3 厚生労働省「保育所等関連状況取りまとめ(2023年9月1日)」   4 矢野経済研究所「2024 年版 ベビー関連市場マーケティング年鑑(2023年12月28日)」   5 デロイトトーマツフィナンシャルアドバイザリー「ライフサイエンス・ヘルスケア 第5回 国内介護市場の動向について(2017年1月25日)」   6 総務省「就業構造基本調査(2022年)」   7 厚生労働省「雇用動向調査(2021年)」 (4)経営戦略の基本方針 当社グループでは、ミッションの貫徹、および今後の成長を目指して以下の3点を経営戦略の基本方針として事業を進めております。 ①働く女性のサポート(ライフステージに応じた切れ目のないサービスラインナップ) 当社グループは、ナニーサービスにより事業を開始して以降、ミッションである『働く女性の支援』を具体的なサービスに落とし込み、ワンオペ育児・お受験・小1の壁、親の介護など、働く女性のライフイベントにおいて直面する離職の危機に対して、子育て・介護・家事支援・不妊予防(妊活)・ペットケアまで、一貫して女性の生涯をサポートするソリューションを提供しております。 ②クオリティ(最高水準のエデュケアと介護サービスの品質維持向上) 当社グループは、ミッションとして「働く女性を 最高水準のエデュケアと介護サービスで支援します。」を掲げており、常に最高水準のサービスをお客様に提供することを意識し、これまで様々な施策を実行してまいりました。その結果として、あらゆる場面で評価を頂いてまいりました。 当社グループの具体的な品質維持向上施策は以下のとおりであります。・1999年に育児・介護サービス業界では全国初となる国際品質規格ISO9001(品質マネジメントシステム)の認証を取得いたしました。その過程で品質目標設定・実行・評価・改善というPDCAサイクルによる品質マネジメント体制が整備され、顧客満足度の視点からサービス品質の向上を実現する事に繋がりました。その結果、2023年度に実施した当社グループの保育施設のご利用者による満足度アンケートでは、全施設平均で98.6%の方から満足との評価をいただき、また全施設のうち6割において全員満足と回答されました。 ・当社グループでは、お客様の緊急性・利便性・安心感にお応えするナニーサービスを提供するため以下4点の実現を心掛けております。A) ICT(PC/スマホ)を活用した24時間365日対応の実現B) 当日オーダー100%に応える最適なナニーとのマッチングC) コーディネーターによる入会訪問D) お子様が病気の時でも対応・運営施設数が増加する状況でも、優秀な人材の採用や育成の強化、および、諸施策を通じた長期雇用の促進により、保育士、ナニー及びベビーシッター、介護スタッフ、家事支援スタッフの質の維持・向上を図っております。具体的な施策としては、ジョブディスクリプションによる各職位における職務内容や人事評価制度の精緻化、処遇改善等を行っております。  上記諸施策の結果、2016年6月には、約30年、働く女性の支援のために高品質のナニーサービスを提供し続けてきた功績が認められ、第一回日本サービス大賞(注8)厚生労働大臣賞を受賞いたしました。 また、スマートシッター株式会社(現 株式会社ポピンズシッター)は、2017年12月、日経DUAL「マッチング型ベビーシッターサービス」ランキングにおいて「質・信頼性」や「料金」等が評価され、1位に選ばれました。2018年にはキッズデザイン賞(子ども達を産み育てやすいデザイン部門)を受賞しました。 子どもたちにとっての創造的な空間づくり(環境設定の質)等が評価され、2020年にはポピンズナーサリースクール恵比寿南、2021年にはポピンズナーサリースクール代々木上原がキッズデザイン賞(子どもたちの創造性と未来を拓くデザイン部門)を受賞、2022年にはポピンズナーサリースクール阿佐ヶ谷が、キッズデザイン賞(同部門)及びグッドデザイン賞をダブル受賞いたしました。さらに、2023年にはポピンズナーサリースクール上大崎及びポピンズナーサリースクール軽井沢風越の2園がグッドデザイン賞を同時受賞しております。 2021年4月からは、お茶の水女子大学の大学院に国内初の産学連携による保育マネジメント講座を開設し、主に現場で働く保育士が経営学を含む専門的な理論や知識なども学べるようにして、女性の社会進出に伴い、需要が高まるとともに保護者からの求めが多様化している保育サービスの質を底上げしてまいります。  国も資格や一定の研修受講などの基準をつくり、受講状況などを確認できるシステムを開発するとしておりましたが、当社グループとしても30年間の経験を活かし、ナニー及びベビーシッターに必要な知識や技能の見える化を実現するため「ポピンズナニースクール(教育ベビーシッター養成講座)」と、その修了者を認定する「ポピンズナニー検定」を2019年4月よりスタートしております。 また、2021年8月には、東京都より、当社グループのナニー/ベビーシッター向け自社研修が、民間企業として初めて国認定研修(注9)として認定を受けました。さらに、2022年9月には、東京都ベビーシッター利用支援事業の指定研修としても追加認定されたことにより、当社グループの自社研修がナニー・ベビーシッター関連の二大助成金事業の指定研修として国及び東京都に認められました。 これにより、当社グループの自社研修を受講すれば、いち早く「認定ナニー/ベビーシッター」として活躍いただけるようになりました。さらに、当該自社研修の、当社グループ外のベビーシッターへの外販も進めることで、ベビーシッター業界全体のクオリティの向上にも貢献してまいります。 これからも、当社グループの最高水準のサービス品質をさらに向上させてまいります。 (注)8 日本サービス大賞とは、日本生産性本部が主催し、総務省、厚生労働省、農林水産省、経済産業省、国土交通省が後援する「革新的な優れたサービス」を表彰する日本初の制度です。最優秀賞である内閣総理大臣賞をはじめ、サービスを管轄する各省の大臣賞、地方創生大臣賞などの各賞により、日本国内の”きらり”と光る優れたサービスを幅広く表彰します。ナニーサービスの授賞理由としては、「30年近く、働く女性の支援のため高品質のシッターサービスを提供し続けており、女性の活躍に大きく貢献するサービス。ナニー(教育ベビーシッター)の採用、教育、動機づけ、顧客との関係づくりなど、高品質サービスをつくりとどける工夫に加え、ICTを利活用した24時間365日の受付、最適なシッターとのマッチングなど利用者の利便性向上を追求している。顧客の状況に応じてサービスを提案するなど、個別ニーズにも応える高信頼のサービスである。」とされています。   9 こども家庭庁ベビーシッター割引券などの国の助成に対応するベビーシッターは、保育士または看護師の資格を保有しているか、または厚生労働省が指定する研修を修了することが必須とされています。 ③利益成長ⅰ)事業シナジーを活かしたポートフォリオ経営 当社グループは、子育て支援と介護支援という働く女性にとり必要不可欠なサービスを提供してきたことにより、創業から継続して売上高成長を実現し、特に、新型コロナウイルスの影響を受けた2020年12月期を含む直近5年間においてもCAGR(年平均成長率)7.6%成長を果たしてまいりました。  当社グループの事業は、下図に示すような事業ポートフォリオで構成されており、安定的な成長が見込めるエデュケア事業を「事業基盤」として、社会的ニーズが高いファミリーケア事業を「成長ドライバー」、グループ内の知見を集め、実践的な教育研修を行うプロフェッショナル事業を「育成事業」とし、新規事業である不妊予防事業、ペットケア事業などを展開することで、事業シナジーを生かしたポートフォリオ経営を実践し、当社グループ全体で高い利益成長を目指してまいります。  新規事業への取り組みは、当社グループにとって継続的に重要な取り組みであり、これまで働く女性をフルラインでサポートするため、スマートシッター株式会社(現 株式会社ポピンズシッター)の買収によるベビーシッターとお客様との直接オンラインマッチングサービスの導入や、株式会社ウィッシュの買収による学童事業・人材派遣業への進出等、事業領域の拡大とポストマージャ―インテグレーション(PMI:買収後の事業統合)により、収益性向上と利益拡大を図ってまいりました。 加えて、「ポピンズプラス」というこれまでより付加価値の高いプログラムも2020年7月より提供を開始致しました。具体的には、オンラインも活用した元オリンピック選手やダンサー等のアスリートによる運動・ダンスプログラムやネイティブによる英語レッスン、そして、当社保育施設等で行っている多文化教育をヒントにオンラインで世界各国を訪ねるワールドツアーズ等を有料のオプションサービスとして提供しております。 さらに、2021年6月には不妊予防に関するポータルサイトと企業研修サービスを提供する不妊予防事業を、2022年9月には、ペットケアサービスを、新規事業として開始しております。 これら取り組みによりライフステージに応じて変化する、働く・働きたい女性の課題に切れ目なく対応する当社グループの事業形態の一層の充実について、オーガニック成長(自社内に蓄積された商品やサービス、人材、技術など、既存事業の内部資源をいかした収益拡大)に加えて、M&Aの活用を図り、他社のサービススコープには見られないユニークなビジネスモデルを追及してまいります。 ⅱ)デジタルトランスフォーメーション(注10)(ICT、AIの活用による生産性向上とビジネスの拡大) 当社グループではQRコードによる入退室管理、園と保護者をつなぐ連絡帳の電子化といったICTによる保育現場の生産性向上の取り組みも2015年からスタートしております。 2019年3月には、ベビーシッターをWebから予約できるオンライン型派遣サービス「ポピンズシステム」のアプリ対応版「ポピンズアプリ」を自社開発いたしました。「ポピンズアプリ」は当社グループが提供するサービス全体の窓口となる機能を有しており、保育・育児・介護サービスをワンストップサービスでご利用いただけます。さらに、豊富な顧客データベースを活用することにより、育児や介護をしながら働く女性のために、ライフステージにより変化するご利用ニーズに応じたご提案やマーケティングを行うことでシナジー効果を創出しております。 将来的には自社システムを拡張していくほか、さまざまな情報を集約し、データ分析による予測サービスなどを提供していくなど、デジタルトランスフォーメーションによる生産性向上に取り組む方針であり、この活動を全社的かつ戦略的に推進し、ビジネス拡大に繋げる目的で2020年1月にはデジタルトランスフォーメーション部(DX部)を新設致しました。 同部の推進により、以前から準備を進めていたオンライン保育のスタートが、新型コロナウイルスの影響で休園や登園自粛となった施設の利用者からのニーズにより早まり、2020年3月よりオンラインによる読み聞かせやダンス等の通常の保育サービスだけでなく、英会話や運動クラス等の有料プログラムも随時提供を開始しており、オンライン保育とリアルな保育の組み合わせによるハイブリッド型保育をいち早く導入し、いつでもどこでもポピンズのエデュケアを提供することが可能です。これらに加えて、今後、新技術にも積極的に投資してまいります。まずIoTの活用策として、保育施設において午睡チェックシステムや検温システムを導入して業務効率化を推進しております。 また、デジタルトランスフォーメーションへの取り組みとして、自動マッチングAIの開発により、ナニー・ベビーシッターのマッチング精度を向上させるとともに、音声自動予約による生産性向上を目指します。その次のステップとしては、情報共有AIの導入により、AIが情報解析のうえコーディネーターや保育士に当社のエデュケアノウハウに基づく推薦案を提示することで専門的かつ臨機応変な対応を可能とし、近い将来には、お客様とコンシェルジュの双方向のコミュニケーションを支援するAIコンシェルジェの開発を目指すことで、お客様の期待を超えるサービスを提供してまいります。 (注)10 “デジタルトランスフォーメーション”は2018年経済産業省で以下のように定義されております。「企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること。」 (5)中期経営計画 当社グループでは、2023年12月期~2027年12月期に係る中期経営計画を策定しております。 利益率の高いファミリーケア事業が成長ドライバーとなって、全社の売上高及び利益成長をけん引し、オーガニック成長(自社内に蓄積された商品やサービス、人材、技術など、既存事業の内部資源をいかした収益拡大)で2027年12月期の業績目標を売上高350億円・営業利益率10%としております。また、厳選したM&Aを含め売上高500億円以上を目指してまいります。 (6)気候変動への取り組みとTCFDへの対応 当社グループは、TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース:Task force on Climate-related Financial Disclosures)の提言に賛同するとともに、気候変動関連リスク及び機会が当社グループの事業に及ぼす影響の把握、および分析を行い、気候関連の適切な情報開示を行ってまいります。 当社グループは未来を創り、グローバルに羽ばたくお子様や、日本の礎を築き走り抜けた方々、そして、働く女性の皆様が健やかに生活できる世界を維持するために、気候変動に対しても何が出来るのかを考え、その抑制に寄与してまいります。 (TCFDの提言に基づく4項目についての情報開示)①ガバナンス 当社グループでは、気候変動を含むサステナビリティ課題について、全社横断的な対応を推進するため、経営企画担当取締役を委員長とする「サステナビリティ委員会」を設置いたしました。サステナビリティ委員会は原則年3~4回開催され、サステナビリティ課題に対する基本方針や重要事項について審議・検討を行います。 また、審議された内容は、原則年に1回取締役会へ報告し、事業活動や財務に重大な影響を与えると判断された事項については、取締役会にて、その対応方針や施策を審議・決議いたします。 また、当社グループは「ダイバーシティ&インクルージョン推進委員会」を設置しており、『働く女性の支援』という社会課題の解決をリードする企業を目指し、誰もが自分らしく活躍できる組織の実現に取り組んでおります。 今後は「サステナビリティ委員会」と「ダイバーシティ&インクルージョン推進委員会」が連携しながら、社会の変化に対応した持続的な企業価値の向上を実現してまいります。 当社グループのサステナビリティ推進体制 ②戦略 TCFD提言では、気候変動に起因する事業への影響を考察するため、複数の気候関連シナリオに基づき検討を行う「シナリオ分析」を行うことが推奨されており、当社グループでも不確実な将来に対応した戦略立案・検討を行うために分析を実施いたしました。 また、自社への影響のみならず、ターゲットとする「働く女性」にどのような影響が起こるのかまで包括的に考察を行うことで、気候変動によって起こる「働く女性」への影響に対して、当社グループがどのように対応・寄与していくべきかを考え、下記のようにシナリオ分析を実施しております。 今回のシナリオ分析では、脱炭素に向けてより野心的な気候変動対策の実施が想定される「1.5℃シナリオ(一部2℃シナリオも併用)」と、現状を上回る気候変動対策が行われず、異常気象の激甚化が想定される「4℃シナリオ」を参考に、定性・定量の両面から考察を行いました。なお、当社のカーボンニュートラルの目標達成年度である2050年に加え、SDGsの目標である2030年時点における影響を分析しております。 (シナリオ分析) シナリオ分析の結果、1.5℃シナリオと4℃シナリオの両シナリオにおいて、異常気象の激甚化による自社事業活動拠点への被害が大きなリスクであると想定されました。ただし、当社グループでは、従来よりハザードマップを参考にし、物理的な被害が抑えられるような事業所作りを進めていたため、想定される被害についても最小限に留められており、自社の経営に大きな影響を与えるものではないと判断いたしました。今後もBCPを意識した事業所設営を進めるとともに、環境に配慮した設備や部材を用いた環境にやさしい事業所作りを行ってまいります。 また、脱炭素社会への移行に伴い、「働く女性」の働き方や就業形態に変化が起こることが想定されました。 当社グループは「働く女性」の活躍を支援するためのサービスを手厚く展開しており、社会貢献性の向上とともに収益機会の増加が見込めました。 今後も当社グループは事業活動を通じて気候変動抑制に寄与するとともに、『働く女性の支援』という社会課題の解決をリードする企業を目指してまいります。 (特定した主なリスク・機会とその対応)区分項目発生時期考察自社への影響度当社対応方針1.5℃4℃自社グループへの影響カーボンプライシングの導入中期~長期炭素税や排出権取引などのカーボンプライシング導入により、操業コストが増加する。↓↓―■再生可能エネルギーの使用例:再エネ使用施設への事業所展開など ■換気設備に換気によって失われる空調エネルギーの全熱を交換回収する省エネルギー装置(全熱交換器)の採用エネルギーコストの変化中期~長期エネルギー費用の上昇が取引先の事業運営費用(原材料費・物流など)の上昇を招き、当社の操業コストを上昇させる。↓↑■オフィス含む事業所の省エネ化■環境に配慮した事業所作り(内外装・設備)人口の変化中期~長期少子高齢化や人口の減少により、育児・保育サービスの需要が低下する。一方、シルバーケア事業や家事支援サービスについては需要が増加する。↓↑↓↓■サービスを通した「働く女性への支援」異常気象の激甚化短期~長期台風や高潮などの異常気象の発生頻度や強度が強まることで、オフィスや物理的損害による操業不能や従業員に対する人的被害が発生し、業績悪化のリスクが発生する。※一方で、気候変動リスクへの備え(開設立地、施設堅牢性、備蓄)、BCPによる被災園・事業の早期復旧により、社会的信頼・評価が向上し、入園者が増加する。↓↓↓↓↓■「子どものためのSDGs」教育の推進■災害発生時を想定した従業員向けの訓練・研修の実施■物理的リスクに対して脆弱な資産(事業所など)の把握と災害対策対応■ネット上で需給をマッチングし、お客様の自宅でサービスを提供するナニー・シッター事業、シルバーケア事業を伸ばし、物理的な事業拠点やエネルギー消費量を増やさずに事業規模を拡大社会(働く女性)への影響低炭素技術の進展中期~長期環境技術分野における女性参画が増加。働き方・就労形態が変化するに伴い、育児・保育サービスへの期待・需要がこれまでとは異なる方向へ変化。↑↑↑■サービスを通した働く女性への活躍支援■在宅や近隣シェアオフィスで働く労働者が増える就労形態の変化に適応した、サービスの展開やサービス提供方法を開発人口の変化中期~長期異常気象の激甚化や気象パターンの変化により、健やかな生活が危ぶまれ、少子高齢化の進行とともに人口が減少する。↓↓↓↓↓■サービスを通した「働く女性への支援」 評価基準 - 想定される発生時期 - 評価基準 - 財務影響評価 – ↑:機会 ↓:リスク ↑↓:リスク機会の両面記載項目項目の定義 記載項目項目の定義長期11年~30年後に発生が想定されるもの ↑↑↑1億円超の影響が想定されるもの中期4年~10年後に発生が想定されるもの ↑↑1000万円以上~1億円未満の影響が想定されるもの短期0年~3年後に発生が想定されるもの ↑1000万円未満の影響が想定されるもの (主なリスクにより想定される当社への財務的インパクト(2050年時点))    ③リスク管理(リスクに対する管理と対応) 当社グループでは、気候変動関連リスクについて「サステナビリティ委員会」にて管理を行います。 サステナビリティ委員会では、各グループ会社から気候変動関連リスクを抽出し、発生可能性や財務的影響の大小から定性・定量の両面で評価を行います。また、当社では新たな取り組みに伴い発生するリスクや重大な外部環境の変化などのリスクを、「重要リスク」として設定しています。「重要リスク」であると判別されたものについては、取締役会にてその対応方針や施策を審議・決定することといたします。 また、その他リスクもしくは、短期的かつ緊急対応を要する事項(気候変動関連リスクを含む。)もしくはその他リスクに関しては、「危機管理委員会」にてその対応を審議し、関連会社・部署への指示を行います。 気候変動関連リスクに関して緊急対応を要するため、危機管理委員会で指示された対応については、その対応の進捗や、当社方針に沿った指示が適切に行われたのか等、サステナビリティ委員会で定期的なモニタリングを行います。 サステナビリティ委員会及び危機管理委員会にて、識別・評価されたリスクについては、原則年に1回、取締役会に報告を行うことで全社的なリスクマネジメントとしております。 ④指標と目標 当社グループは、気候変動対応への進捗を管理するための指標として、GHG(温室効果ガス)排出量の削減目標を採用しております。 持続可能な社会の実現のために、パリ協定で掲げられた1.5℃目標に沿って、2050年カーボンニュートラルを目指し、中長期的な戦略及び施策の検討を行ってまいります。 <当社事業活動におけるGHG排出量と削減目標> 区分2019年2020年2021年2022年Scope 1,2合計 (t-co2)1534.251548.821715.171739.52内訳 Scope 1 (t-co2)390.86425.51474.01503.17   Scope 2 (t-co2)1143.391123.311241.161236.35延べ床面積あたり(t-co2/㎡)0.0600.0560.0590.056 ※算定対象:グループ会社含むオフィス及び事業所 ※テナント入居している拠点を除くScope1 : 事業者自らによる温室効果ガスの直接排出(燃料の燃焼、工業プロセス)Scope2 : 他社から供給された電気、熱・蒸気の使用に伴う間接排出 (7)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題 当社グループとして、上記のほか、保育・学童施設運営やナニーサービス・ベビーシッターサービス等の子育て支援事業や介護事業に対する国や社会の関心が高まる中で、さらなる事業拡大に向けた重要課題として以下の点に取り組んでまいります。 ①人材の確保i)子育て支援事業(ファミリーケア事業(チャイルドケアサービス)・エデュケア事業) 子育て支援業界では、昨今の保育施設の増加やアフターコロナにおける人材獲得競争の激化により人材不足状態が続いております。しかしながら、子育て支援業界のパイオニアを自負する当社グループとしては、高品質なサービスを維持し、子育て支援事業を引き続き拡大させるために優秀な人材の確保が必要であります。  チャイルドケアサービス(ナニーサービス・ベビーシッターサービス)においては、子育て経験をキャリアとして評価し、女性とシニアの活用に積極的に取り組んでおり、当社グループが、株式会社として唯一、こども家庭庁ベビーシッター割引券及び東京都ベビーシッター利用支援事業という二大助成金の適用を受けるための指定研修として認定を受けております。当社グループのベビーシッター自社研修を通して、新たなナニー、ベビーシッターを養成しております。2023年12月現在、約1,300名が当社のナニー基礎研修を受講し、当社グループのナニー(教育ベビーシッター)として登録しております。また、直近1年間で約700名の新たなナニーを養成しております。 エデュケア事業においては運営する保育施設数の増加に伴い、保育士やスタッフの確保が急務となるため、新卒採用及び中途採用の強化に取り組んでおります。 2023年度は年間を通して約750人の保育スタッフ(約500人の保育士を含む。)を採用いたしました。保育士確保は依然厳しい状況が続いておりますが、就職フェアの出展などを通じて就職希望者との接点を増やしているほか、地方採用も積極的に行っており、地方から首都圏に上京して働く人に向けて借上げ社宅などのサポート施策を準備する等、様々な方法を駆使し、保育施設運営上の必要数を充足しております。 保育士の処遇改善については、2013年度の「安心こども基金」を活用した「保育士等処遇改善」以降、国からの補助金は年々増えており、2017年度には「保育士等処遇改善Ⅱ」によりキャリアアップによる給与改善の財源が確保されてきております。加えて、当社グループでは独自での処遇改善として2019年4月以降入社の新入社員(大学卒、東京都・神奈川県・埼玉県・千葉県の認可・認証保育所に配属)の初任給を26万円に引き上げ、それに合わせ、現状の保育士の処遇改善にも取り組んでおります。また、保育士の給与については、岸田政権が、2022年2月から教育・保育の現場で働く方々の収入の引上げを目的として開始した「保育士・幼稚園教諭等処遇改善臨時特例事業(現在の処遇改善等加算III)」等も活用して、改善に取り組んでおります。 ⅱ)ファミリーケア事業(シルバーケアサービス) 介護業界ではホームヘルパー2級保有者など有資格者に対する需要が高く、今後高齢者在宅ケアサービスを拡張するうえで、人材の確保が何よりも重要になります。なかでも当社グループのVIPケアサービスはオーダーメイドの在宅ケアサービスであるため、介護だけではなく家事支援、調理、茶道・華道等、幅広いサービスを提供していくため、そのサービスを提供するにふさわしい、素養のある人材の確保に力を入れております。 ②人材の育成 人材サービス業である当社グループは、人材こそが宝であり、お客様に最高水準のサービスを約束するオンリーワン企業となる事を目指して、人材育成が重要な経営課題であると捉えております。そのため、下記のような様々な人材育成システムを通じて教育の機会を提供しております。 社員には、社内講師や専門家による階層別研修、専門研修、任意研修、eラーニング研修のほか、ポピンズ蓼科研修センターでの合宿研修や海外研修を通じ、常に質の高いサービスを提供するために、人材への継続的な教育投資を実施しております。また、ナニー及びベビーシッターやケアスタッフ向けには採用時及び更新時の研修を定期的に実施しております。 さらに、ナニー及びベビーシッター向けにナニー検定やナニースクールによるキャリア開発支援を行うとともに、ケアスタッフ向けに高齢者の健康に配慮しつつも満足していただける食事のレシピについての講習会を定期開催するなど、その人材の養成とサービスレベルの強化に努めております。 ③コーポレート・ガバナンスの強化 当社は、経営の効率化および透明性の向上、並びに企業価値の向上のためには、コーポレ ート・ガバナンスの確立が不可欠であると認識しております。 そのため、東京証券取引所が公表しているコーポレートガバナンス・コードへの対応を含め、社外取締役を中心とした任意の指名・報酬委員会の設置など社外取締役による監督・牽制機能の強化、内部統制の強化、「ポピンズグループ人権方針」に基づく人権尊重の企業体質確立などの取り組みを推進してまいります。 ④コンプライアンスへの取り組み 児童福祉法や介護保険法及び労働者派遣法や職業安定法をはじめとする各種関連法令の遵守を厳格に実施しております。また、お客様の個人情報についても、法律に則った取扱いを徹底しております。そのために、内部監査、法務、財務経理、人事等、それぞれの分野で高い専門性や豊富な経験を有している人材を採用することに加え、社内規程の拡充整備に取り組んでおります。加えて、社員研修等により日常的にコンプライアンスへの意識を高めることで、さらなる内部管理体制の強化を図るとともに、コンプライアンスの徹底に努めてまいります。 ⑤安定的な資金調達の確保と財務基盤の強化 引き続き保育施設の開設を進めるとともに、DX(デジタル・トランスフォーメーション)への投資や新規事業及びM&Aによる事業拡大を図っていくためには、必要な資金を安定的に調達することが重要となります。当社グループでは、複数の金融機関と緊密な取引関係を維持し、資金調達の安定性と財務基盤の安全性を高めるよう努めております。 ⑥グローバル対応力の強化 アジアには日本の企業が数多く進出しており、そこに事業所内保育所のニーズがあると考えております。 現在、ハワイで託児施設を一か所運営しておりますが、今後は海外の事業者との戦略的提携によるグローバル展開や、海外での保育施設運営を目指してまいります。 ⑦多様な人材の活用(外国人材、アクティブシニア等) 少子高齢化による人材不足の解消は、女性とシニア、そして外国人材にいかに活躍いただくかにかかっております。 当社グループには、2023年12月現在、65歳を越えて働く人材が保育園で300名以上、ナニーでは200名以上おります。当社グループの事業分野においては、年齢、性別、国籍を問わず多様な人材が持てる技能・経験・語学を活かして貢献いただけると考えております。 ⑧新規事業への取り組み 当社グループでは、全国の保育事業者等に向けた経営支援コンサルティング事業の拡大に注力してまいります。認可保育所だけでなく様々な形態の施設の運営実績が多くノウハウがあるのは当社グループならではの強みであり、このような強みを活かせるコンサルティング事業を拡大してまいります。今後保育所は、自治体、企業、利用者から選ばれる時代になっていき、いずれは供給過多になると見ており、そのような中、「選ばれる」保育サービスに成長するために、既存の保育施設運営事業やベビーシッター事業に加え、こうした新しい事業も積極的に広げていきたいと考えております。 また2021年6月には、不妊予防事業をスタートしております。これまで当社グループは、出産後の女性のライフステージに寄り添ってまいりました。しかし日本では、不妊治療とキャリアを両立できず悩んでいる女性が数多くいるという現実があります。この現実を踏まえ、出産前の女性が抱える「不妊」という問題に向き合い、働く女性が切れ目なく活躍できるように、支援の領域を広げ、当社グループ独自の不妊予防ポータルサイトの機能拡充や、企業研修の提供等を通じて、不妊予防におけるプラットフォームサービスを提供してまいります。また、実用化されると簡単な質問項目に答えるだけで、月経異常症や卵巣機能不全のリスクを知ることができる『不妊予防のための早期診断チェックシート』の開発に向けて順天堂大学との間で臨床研究を推進中であり、福利厚生として導入していただけるよう、行政・企業への働きかけを進めてまいります。 2022年9月には、ペットケアサービスをスタートしております。当社グループが展開するファミリーケア領域(ベビーシッター、家事代行、介護)において、安心のポピンズブランドで「家族の一員」であるペットの健康と幸せをサポートするペットシッターを派遣し、ペットもご家族の一員としたワンストップのサービス提供を目指します。ペットケアサービスの立ち上げにより、さらに切れ目のないサポートで働く女性やご家族を支援してまいります。 ⑨SDGsの当社グループ経営へのさらなる取り入れ 2020年12月21日に東京証券取引所市場第一部に上場した際に、調達資金の使途に関し、当社グループのこれまでの取り組みによるSDGsへの貢献についてセカンドパーティ・オピニオンによる第三者評価を取得いたしました。当社グループがおかれている経営環境や当社グループの経営戦略を踏まえ、社会課題対応に向けた取り組み状況の開示や、当社グループの経営目標への組入れ等により、引き続きSDGsを当社グループの経営の中核に位置付けてまいります。 具体的には、待機児童のさらなる解消やベビーシッターサービスの浸透による保育の受け皿の確保、介護離職回避やアクティブシニアの活用、DXの活用による保育士等の労働環境のさらなる改善等、経営戦略として達成すべき事項をSDGsの観点を交えて設定してまいります。 ⑩事業成長戦略とDX戦略の推進 「規模及び範囲」の拡大、つまり当社グループの事業成長戦略としては、1つめに既存事業であるファミリーケア事業、エデュケア事業、プロフェッショナル事業の拡大、2つめに新規事業である、ペットケアサービス、不妊予防、外部向けコンサルティング事業などの育成に取り組んでまいります。そのいずれについてもM&A及び戦略的提携を掛け算することにより、更なる成長を目指します。 そして当社グループが一番の強みとする「クオリティ」を向上させる事業戦略としては、これまで35年以上にわたり当社グループが培ってきた有形無形の資産を活用した、人材確保・育成、R&D、SDGsの推進に取り組んでまいります。 そのうえで「生産性」を向上させるため業務改革、働き方改革、ICTやIoTの活用により業務効率化及び付加価値向上に注力してまいります。 それら全てに対して、常に、当社グループの「DX戦略」が掛け算となります。「顧客DB」「人財DB」の活用に加え、今後はAIの活用やプラットフォーム化を通じ、「人のぬくもりや優しさに価値を置くDX戦略」を実現してまいります。
事業等のリスク 3【事業等のリスク】
 本書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであり、将来において発生の可能性があるすべてのリスクを網羅するものではありません。なお、当該リスクが顕在化する可能性の程度や時期、当該リスクが顕在化した場合に当社グループの経営成績及び財政状態等に与える影響につきましては、合理的に予見することが困難であるため記載しておりません。 (1)事業に関するリスク①少子化や待機児童減少について チャイルドケアサービス(ナニーサービス、ベビーシッターサービス)においては、少子化の進行により、将来、待機児童が減少した場合には、ベビーシッターのニーズも減少する可能性があり、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。 一方で、女性の社会進出やベビーシッター利用への社会的認知度の増大により、ベビーシッター市場は、当社独自の推計(※)によれば、2020年の320億円から2030年には1,000億円規模に到達するものと推定しております。 当社グループでは、顧客ニーズの多様化や個別化に対応したチャイルドケアサービス事業の展開を行っており、少子化の進行ペースを上回る、さらなる事業拡大に努めてまいります。※ 国立社会保障・人口問題研究所 「日本の将来推計人口(平成29年推計)」、厚生労働省「2021年国民生活基礎調査」、全国保育サービス協会「ベビーシッターNOW 2022」、リンナイ「世界5カ国の「ワーキングママの育児事情」に関する意識調査(2019年)」、ほかに基づき当社独自推計  エデュケア事業においては、待機児童解消に向けた取組みを目的とした「待機児童解消加速化プラン」が2013年4月に安倍内閣により公表されて以降、新規参入を含む多数の事業者が保育所を開設して2017年度末までの5年間で約53.5万人分の保育の受け皿が拡大しております。また、2017年6月に「子育て安心プラン」が公表され2020年度末までに32万人分の保育の受け皿整備が行われております。こうした待機児童解消に向けた施策により、2023年4月1日時点での全国の待機児童数は2,680人で前年比264人の減少となりました(厚生労働省「保育所等関連状況取りまとめ(2023年9月1日)」)。2019年10月から保育の無償化が開始されたことで保育所の利用率の上昇傾向が継続する一方で、少子化の進行はコロナ禍の影響もあって加速しており、将来的には想定した園児数の獲得が困難となる可能性があります。エデュケア事業の収益は主に園児や児童の人数に応じて増減するため、想定した園児数等の獲得ができない場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。  人材派遣・紹介事業においては、将来待機児童が減少した場合、保育士等の紹介や派遣需要が減少する可能性があり、その場合には経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。  当社グループの対応策としては、既に進めている保育士等の紹介事業についての事業縮小対応を完遂しつつ、派遣事業と一体的な営業・オペレーション体制の効率化を進めると共に、保育・学童施設の利用者の動向や事業環境の変化に対応した「働く女性の支援」に資する事業の在り方を継続して検討してまいります。 ②国や自治体による方針の改訂について 当社グループは、2023年12月現在8つの自治体から居宅訪問型保育事業(※)の認可を受け、ナニーサービスを提供しております。今後ベビーシッター事業に関連する国や自治体の方針が変わり、居宅訪問型保育事業が縮小された場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。※ 子ども・子育て支援法における地域型保育事業の一つとして位置づけられており、主に医療的ケアが必要な幼児の居宅において、保育者による1対1の保育を行うものであり、待機児童の多い都市部の保育では、この仕組みを利用した、待機児童対策が行われております。  当社グループのシルバーケアサービス(高齢者在宅ケア)事業のうち介護保険の対象となる訪問介護については、「介護保険法」の規制の対象となります。将来、介護保険法が改正され、介護保険適用対象になるサービス受給者ないし受給額が減少した場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。  当社グループのエデュケア事業のうち認可保育所及び認証保育所については、国あるいは地方自治体の許認可が必要であり、待機児童の動向等を考慮して、自治体ごとに年度の新設保育所の数が決定されます。したがって、国や自治体の政策変更により新規保育所募集の数が減少した場合には、当社グループの保育施設開設計画に影響を及ぼす可能性があります。また、既存の認可保育所及び認証保育所についても、将来、補助金の減額が行われることも考えられます。したがって、かかる政策変更が行われた場合には、当社グループにおける子育て支援事業の成長が止まり、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。  研修事業において現在、保育士の待遇向上と専門性の強化に向けて厚生労働省が定めた保育士等キャリアアップ研修や子育て支援員研修の国や自治体の研修委託を多数受けておりますが、今後待機児童問題が解消し、保育士不足の問題が一巡して国や自治体の方針が転換された場合、研修受託が減少し、当社グループの経営成績や財政状態に影響を与える可能性があります。  当社グループの対応策としては、各事業に関連する政策動向を緊密にモニタリングすることで、かかる事業の顕在化リスクの早期把握に努めており、国や自治体の方針改訂に対応した「働く女性の支援」に資する事業の在り方を継続して検討してまいります。 ③新規保育施設の開設施策及び賃貸借契約について 保育施設に適した物件の確保は、立地条件、環境、物件の質、広さ等の条件を満たすものでなければならず、物件の選定が他の業種と比較して困難であることから、絶対的な物件数が少ない状況にあります。また、各自治体や保育施設の運営を当社グループへ委託する法人顧客への提案は、新規開設に適した物件を確保しておくことが必要不可欠であり、物件確保は新規保育施設開設を計画どおりに進めていくための重要な課題であります。 当社グループにおいては、保育施設の環境とともに採算性を重視しており、保証金、賃借料等の開設条件に見合う物件が確保できない場合には、保育施設の開設計画が遅れることになり、当社グループの経営成績や財政状態に影響を与える可能性があります。 また賃貸物件の契約が更新できない場合、又は契約更新時に賃借料が上昇した場合、当社グループの経営成績や財政状態に影響を与える可能性があります。 当社グループの対応策としては、情報網の整備と、デベロッパーとの事業提携によりさらなる物件確保ルートの強化に努めてまいります。 ④食の安全について 当社グループのエデュケア事業では、食育を重視しており、本社の栄養士チーム監修による献立に基づき、各施設にて素材にこだわった給食やおやつを手作りで提供しております。そのため、新鮮さ、栄養価、安全性など食材の品質に留意しております。また、「食品衛生法」に沿った厳正な食材管理及び衛生管理と食品アレルギー対策の徹底により、食中毒やアレルギー等の事故の防止に努めております。また、ナニー、ケアスタッフ、家事支援スタッフがご家庭で調理を行う場合も同様の衛生管理の徹底を行っております。 しかしながら、何らかの原因により食の安全性に重大な問題が生じた場合、当社グループの経営成績や財政状態に影響を与える可能性があります。 当社グループでは、マニュアルを作成し、研修を実施するなど食の安全を確保するための取り組みを行うとともに、重大な問題が生じた場合、品質管理会議(月1回)において報告と改善状況を監視するとともに、本支社役職員及び各施設の施設長が参加する全体会議において、通達事項の共有及びISO9001QMSのトラブルを共有し、原因究明と再発防止に努めております。
(2)組織体制に関するリスク①人材の確保、育成について 2023年12月の保育士の有効求人倍率は3.45倍と、前年同月(2022年12月:3.16倍)を大きく上回る水準となり、他業界を含めた人材の獲得競争が激化しております。当社グループでは、処遇改善のほか、働き方改革による残業削減や、働き甲斐のある職場づくりに努めてまいりますが、万一、予定した人材の確保に遅れ等が生じた場合、既存施設の運営計画や新規施設の開園計画に遅延等を及ぼす可能性があるため、当社グループの経営成績や財政状態に影響を与える可能性があります。 当社グループでの対応策としては、保育士に「副業・兼業制度」を導入するとともに、保育士たちが保育施設で働きながら副業としてベビーシッターとしても活躍できる「ベビーシッター付ナーサリー」を推進しております。 また、当社グループでは、ナニー及びベビーシッターやケアスタッフ、家事支援スタッフ等各事業サービスを運営する人材を確保することは重要な経営課題であります。人手不足が深刻化する中で、各種人材の採用も年々難しくなる中、共働き世帯の増加による働く女性の拡大に伴い、当社グループが提供する各種サービスの利用ニーズは増える一方となっております。採用活動の強化やナニー検定、ナニースクール等に基づく人材育成を図っておりますが、万一、欠員補充や新規人材の確保が計画どおり進まず、サービス提供体制の維持や人員基準を満たせなくなった場合や、ナニーやケアスタッフなどの稼働状況が想定を下回った場合には、サービス提供に影響を及ぼす可能性があります。 当社グループの対応策としては、急激な需要の拡大にも対処できるよう、採用活動の強化やナニー検定、ナニースクール等に基づく人材育成プログラムの充実を図るとともに、集合・対面研修だけでなく、動画配信や双方向型のオンライン研修を組み合わせたハイブリッド型の教育研修の仕組みを拡充することで、質の高い人材の確保、育成に努めてまいります。 ②内部管理態勢について 当社グループでは、業務上の人為的ミスや社員による不正行為等が発生することのないよう、教育研修強化及び内部牽制機能の強化に努めております。しかしながら、将来的に内部管理上の問題が発生した場合、ステークホルダーからの信頼性が低下し、当社グループの経営成績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 当社グループの対応策として、法務コンプライアンス部が中心となり、マニュアルの作成や研修の実施、内部通報制度の運用など、予防対策の徹底、当社グループ内の遵守に努めております。 ③個人情報の流出について 当社グループでは、園児や児童から高齢者まで様々な年代のお客様及びその保護者・家族の氏名や住所に加えて人材派遣・紹介サービス登録者など多くの個人情報を保持しているため、個人情報を厳重に管理のうえ、慎重に取り扱う体制を整えております。万が一漏洩するようなことがあった場合には、利用者を含め広く社会的な信用を失うこととなります。その結果、ナニーサービス及びベビーシッターサービスやシルバーケアサービス利用者の退会、園児の退園、人材派遣・紹介登録者の減少、保育施設等の新規開設等に影響が出ることにより、当社グループの経営成績に影響を与える可能性があります。 当社グループでは、2017年には、情報セキュリティマネジメントに関する国際品質規格ISO27001(品質マネジメントシステム)の認証を取得いたしました。事業の全ての領域において、積極的に情報セキュリティに取り組み、お客様の情報資産を安全に管理することが、経営課題であると自覚し、情報セキュリティを確保することで安全・信頼・最高水準のサービスという創業以来、当社グループが積み重ねてきたブランドイメージをさらに高め、顧客満足度を向上させてまいります。 また、具体的な対応策として、本支社担当役職員、ISO内部監査員が参加する品質管理会議(月1回)において、ISO27001ISMSによる情報インシデントについて報告と改善状況を監視しており、原因究明と再発防止に努めております。 ④多様な人材の活用(外国人材、アクティブシニア等)について 当社グループでは、女性とシニア、そして外国人材の活用に取り組んでおります。しかしながら、これらの多様な人材が十分確保できなかった場合は、当社グループの経営成績に影響を与える可能性があります。 (3)外部環境に関するリスク①法的規制等について エデュケア事業では、各保育所の多くが認可保育所、東京都認証保育所、事業所内保育所など運営上、様々な法的規制のもとで運営されております。また、高齢者在宅ケア事業では介護保険対象外のVIPケアを主力としているものの、介護保険法等諸制度に基づいたサービスの提供も行っております。したがって、今後、法的規制が何らかの形で強化あるいは変更された場合には、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 当社グループの対応策としては、このような制度変更リスクから受ける影響をできる限り緩和するべく、保育所の運営形態を多様化するとともに、制度上の影響を受けないチャイルドケアサービス事業の強化育成など、事業ポートフォリオのバランスをとるべく努力しております。 なお、当社グループの事業に関連する主な法的規制等は以下のとおりであります。当社グループにとって主要な関連法令である児童福祉法においては、万一、関係法令の規定水準に達しない場合や、給付費の請求に関し不正があったとき、また、改善命令や事業の停止命令に従わず違反したときには、許認可が取り消される場合があり、当社グループの経営成績に影響を与える可能性があります。ⅰ)チャイルドケアサービス事業 児童福祉法ⅱ)シルバーケアサービス事業 介護保険法、食品衛生法ⅲ)エデュケア事業 児童福祉法、児童福祉施設最低基準、食品衛生法ⅳ)人材派遣・紹介事業 職業安定法 有料職業紹介事業の許可要件労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律(労働者派遣法) ②雇用情勢の変化等について 人材派遣・紹介業界は、産業構造の変化、社会情勢、景気変動、法改正に伴う雇用情勢の変化等に影響を受けます。現状の需要は堅調に推移しておりますが、今後、様々な要因により雇用情勢もしくは市場環境が悪化した場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。景気後退に伴う新規人材需要の減少や既存の顧客企業における業務縮小・経費削減等により人材需要が大きく減退した場合、人材派遣における労働者派遣契約数の急激な減少、転職市場における求人需要の大幅減少に伴う人材紹介事業の事業規模縮小など、当社グループの事業運営に大きな影響を及ぼす可能性があります。 (4)その他のリスク①感染症について 当社グループでは、施設や居宅において子育てや介護支援のサービスを提供しており、顧客や従業員が新型コロナウイルスをはじめとする感染症に罹患する可能性があります。当社グループでは、安全・安心なサービス環境を確保するため、感染症対策を徹底しております。 しかしながら、新型インフルエンザやコロナウイルス等、人類が免疫を持たない未知の感染症が流行した場合、従事する保育士や指導員、ベビーシッター、ケアスタッフ等が多数欠勤することで施設の運営が困難となりうる他、感染症蔓延地域におけるベビーシッターのキャンセルなど、当社グループの経営成績に影響を与える可能性があります。 当社グループでは、新型コロナウイルス感染症等に対するリスク管理に万全を期すため、危機管理委員会を開催し、感染症の流行に対する予防対策の徹底、予兆の発見と対処、感染者発生時の対処と原因究明、再発防止策の指示を行っており、引き続き対応を図ってまいります。 ②事故・安全管理について 当社グループのチャイルドケアサービス事業やエデュケア事業では0歳から学童までを対象としております。そのため、サービス提供の際に不測の事故等が発生する可能性を完全に排除することは困難であると考えております。また、昨今、小学校等において外部侵入者に対する危機管理の徹底が行われつつあります。保育施設でも同様な管理体制が不可欠ですが、保育事業は学童よりさらに低年齢の園児が対象であり、かつスタッフもまだまだ男性が少ないことからも、さらに徹底した対策が必要になります。万一これらの事故が発生して当社グループの責任が問われるような事態が発生した場合には、当社グループへの信頼の低下、ブランド価値の毀損及び訴訟等の費用により、当社グループの今後の事業展開及び経営成績に影響を与える可能性があります。 当社グループでは、定期的に行う全体会議や施設長ミーティング等で、起こりうる事故や起きてしまった事故の情報共有や対策検討を徹底しており、ISO9001による従業員への定期的教育及び業務マニュアルの遵守、また保険への加入等対応には万全を期しております。さらに、保育施設では、施錠の徹底や外部セキュリティ管理機関との契約等により、施設入出管理には徹底した配慮を行っており、当社グループは、施設の運営において園児や児童の安全に配慮し、万全の体制で臨んでおり、これまでに経営成績に大きな影響を与えるような事故等は発生しておりません。 シルバーケアサービス(高齢者在宅ケア)事業では、介護保険適用サービス対象の顧客は主に要介護認定を受けた高齢者を対象としていることから、サービス提供時には身体に負担を与えることも考えられ、その結果、顧客の体調悪化等が生じる可能性があるほか、介護サービス提供時における事故の可能性も否定できないと考えております。万一これらの事故が発生して当社グループの責任が問われるような事態が発生した場合には、当社グループへの信頼の低下、ブランド価値の毀損及び訴訟等の費用により、当社グループの今後の事業展開及び経営成績に影響を与える可能性があります。 当社グループでは、定期的に行う全体会議等で、起こりうる事故や起きてしまった事故の情報共有や対策検討を徹底しており、ISO9001による従業員への定期的教育及び業務マニュアルの遵守、また保険への加入等対応には万全を期しております。  さらに、当社グループでは、本支社担当役職員、ISO内部監査員が参加する品質管理会議(月1回)において、ISO9001QMSの品質管理目標の進捗とケガ・事故・クレームなどのトラブルについて報告と改善状況を監視するとともに、前述のとおり、本支社役職員及び各施設の施設長が参加する全体会議において、通達事項の共有及びISO9001QMSのトラブルを共有し、原因究明と再発防止に努めております。 ③自然災害について 当社グループでは、全国において保育施設、学童施設等運営のサービスを展開しております。地震や津波等の大規模な自然災害が発生した場合、当該エリアにおいて、スタッフ等の安全への懸念及び当社グループの事業所が稼動できない状況になると考えられます。当社グループでは、事業所機能の早期復旧や支援スタッフの派遣等、サービス提供体制の維持に努めてまいりますが、サービス提供ができなくなる場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。 本社・各支社・事業所において、緊急時における事業継続に係るリスク対策を総点検し、顧客の安全を最優先とした危機管理体制の強化を図ってまいります。 当社グループでは、危機管理委員会において、災害発生時に備えた備蓄や訓練、想定される被害を最小限に抑制するための対策の徹底、災害発生時の対処と事後復旧策の指示を行っており、引き続き対応を強化してまいります。 ④競合他社の参入について 女性の社会進出拡大により実際に保育所への入所を希望する児童数(待機児童)は、首都圏においても減少傾向にあります。このような状況下、エデュケア事業における保育所の受託競争は激化しており、一部の地域では価格競争になるケースもあります。また、既存の保育所においても、待機児童解消のため近隣に新たな認可保育所が開設された結果、園児の獲得競争になるケースも発生しております。当社グループでは、価格競争の受託案件には参加せず、自治体や委託法人から「高品質の保育」の維持に対する理解を得ることにより、高付加価値サービスの提供に努めておりますが、今後多様な業種からの参入が相次ぎ、競合他社との競争がさらに激化した場合には、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。  チャイルドケアサービス事業のナニーサービスにおいては、当社グループの自社開発システムであるポピンズシステムを活用した顧客情報の管理とスタッフによる適切な登録ナニーのマッチング体制を整えております。当社グループは、ベビーシッター事業者最大手として長年蓄積してきた実績とブランド力に加えて、顧客に最高水準のサービスを提供できるナニーを育成する充実した教育体制を備えており、これは一朝一夕でできるものではないため、高付加価値を求める顧客層向けのナニーサービスにおける参入障壁は高いと考えております。また、ベビーシッターサービスについても、お客様がオンライン上で自らベビーシッターを選ぶことができるサービスの利便性・自由度に加えて、ナニーサービスで培ったノウハウや、それらを基盤とした基礎研修や事故・お怪我・クレーム対応の共通化を掛け合わせることや、ポピンズブランドへの厚い信頼等により、他社が提供するオンラインマッチング型のサービスとは、高いレベルで差別化がなされていると考えております。一方で、他業界から大手企業が新規参入した場合もしくは価格競争が激化した場合には、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。  シルバーケアサービス(高齢者在宅ケア)事業においては、当社グループは介護保険適用外のVIPケアサービスを事業の主力としており、現状では同様のニーズを満たしたサービスを提供する事業者には限りがありますが、今後同様のサービスを提供する競合他社が参入し、競合他社との競争がさらに激化した場合には、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。  当社グループの対応策としては、競合他社の動向や新規参入などを緊密にモニタリングすることで、かかる事業の顕在化リスクの早期把握に努めており、競争環境の変化に対応した「働く女性の支援」に資する事業の在り方を継続して検討してまいります。 ⑤減損会計が適用されるリスクについて 当社グループの保育施設は、土地及び建物を賃借しておりますが、一部の保育施設については内装設備等を資産計上しております。今後、固定資産を保有する保育施設の収益性が低下する等、固定資産の減損に係る会計基準及び固定資産の減損に係る会計基準の適用指針により減損損失を認識する事態が発生した場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。 当社グループの対応策としては、各業態単位で施設の収益管理PDCA(人員配置、定員管理、コスト管理)を徹底し、必要に応じて施設ごとの改善対策を明確化することで、損失処理の発生を未然に予防するとともに、発生した場合の最小化に努めてまいります。 ⑥季節変動について 当社グループにおける保育施設等は4月に新規開設されるものが多くなります。また自治体より受託している保育士研修事業等は6月以降に開始され翌年2月頃まで実施されることが多い傾向があります。そのため、第2四半期連結会計期間(4月~6月)において、備品等の新規開設費用が計上されることや一部事業で売上が減少することにより利益が一時的に低下する傾向にあります。 ⑦グローバル展開について 今後は海外の事業者との戦略的提携によるグローバル展開や、海外での保育施設運営を目指してまいりたいと考えておりますが、海外特有の法的規制やカントリーリスク、為替リスクなど様々なリスクがあり、当社グループの経営成績に影響を与える可能性があります。 ⑧新規事業への取組みについて 当社グループでは、新規事業として、全国の保育施設を運営する事業者等に向けた経営支援コンサルティング業務や、不妊予防事業、ペットケアサービス等を展開しております。しかしながら、新規事業の取組みには不確実な要素が多く、市場環境の大きな変化や競合他社の動向など様々な要因により、計画通り新規事業を拡大することが困難な可能性があります。 当社グループの対応策としては、新規事業の成長性と収益性について、経営会議においてフォローアップと検証を行ってまいります。 ⑨案件を厳選したM&Aの推進について 当社グループでは案件を厳選したM&Aにより事業の拡大を図る場合がありますが、それに見合った収益が得られない場合や、資金の回収が滞る可能性があります。 ⑩デジタルトランスフォーメーション(ICT、AIの活用による生産性向上とビジネスの拡大)について 当社グループでは、デジタルトランスフォーメーション部(DX部)を設置し、情報のデジタル化とデータの有効活用に取り組んでおりますが、ICTやAIを活用したビジネス拡大や生産性向上が計画通り進展しない場合、当社グループの経営成績に影響を与える可能性があります。 当社グループの対応策としては、DX部が中心となり、検討と推進を行ってまいります。 ⑪資金調達について 当社グループにおきましては、保育施設の新規開設に関する設備資金、新規事業もしくはM&Aに関する投資資金は、金融機関からの借入等により調達しております。総資産に対する有利子負債合計の割合は、2021年12月期17.4%、2022年12月期11.7%、2023年12月期18.2%と推移しておりますが、今後、新規開設やM&A等に伴い借入が増加する可能性があり、金利の急激な変動や金融情勢の変化によって計画どおり資金調達ができなかった場合には、設備投資や新規事業が制約されるなど当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。 ⑫レピュテーションリスクについて 従業員による不正・不祥事や、個人情報等の業務上の機密情報の不適切な取り扱い・流出により、当社グループの信頼性・企業イメージが低下し、経営成績に悪影響を与える可能性があります。 当社グループの対応策として、法務コンプライアンス部が中心となり、予防対策の検討、当社グループ内の実施徹底を図るとともに、本支社担当役職員、ISO内部監査員が参加する品質管理会議(月1回)において、ISO27001ISMSによる情報インシデントについて報告と改善状況を監視しており、原因究明と再発防止に努めております。 ⑬大株主について 当社の代表取締役社長である轟麻衣子は、轟氏、その親族、および株式会社スピネカ(轟氏及びその親族の資産管理会社)の所有株式数を含めると、本書提出日現在で発行済株式総数(自己株式を除く。)の61.2%を所有しております。 轟氏は、安定株主として引続き一定の議決権を保有し、その議決権行使にあたっては、株主共同の利益を追求するとともに、少数株主の利益にも配慮する方針を有しております。当社といたしましても、轟氏は安定株主であると認識しておりますが、何らかの事情により、大株主である轟氏の持分比率が低下した場合には、当社株式の市場価格及び議決権行使の状況等に影響を及ぼす可能性があります。
経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(1)経営成績等の状況の概要 当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。 ①経営成績の状況 当連結会計年度において、新型コロナウイルス感染症の扱いが5類へ移行したことに伴い、わが国の国民生活は、平時の活況を取り戻しつつあります。一方、11月にかけての円安進行後、年末にかけて円高に転ずるなど日米の金融政策見通しに影響を受けた為替動向、並びに米国及び欧州を中心としたインフレの進行や、ロシア・ウクライナ情勢及びハマス・イスラエル間の武力衝突など、地政学リスクに起因するエネルギー供給に対する懸念などを背景に、物価や原油価格の高騰などがわが国の経済に多大な影響を及ぼしました。 また、コロナ禍を機に少子化はさらに加速しており、2023年通年の出生数は75万人台となり、初めて80万人を割り込んだ2022年に引き続き、過去最低を更新しました。 政府は強い危機感を背景に、2023年12月、こども家庭庁から、こども基本法に基づく幅広いこども施策を推進する基本方針や重要事項を一元的に定めた「こども大綱」、その実現に向けて具体的な取り組みを明記した「こども未来戦略」などを発表し、2030年代に入るまでが状況を反転させることができるかどうかの重要な分岐点であると強調しております。 当社は、このような状況のもと、「働く女性を 最高水準のエデュケアと介護サービスで支援します。」というミッションの下、引き続きナニーサービス及びベビーシッターサービスを起点に、認可・認証・事業所内保育所や学童保育などエデュケア施設の運営や、高齢者在宅ケアを行うシルバーケアサービス等を展開し、フルラインでの働く女性を支援するサービスに基づき事業を推進いたしました。(単位:百万円) 前連結会計年度当連結会計年度前期比実績構成比(%)実績構成比(%)増減増減率(%)売上高26,258100.028,893100.02,635+10.0売上原価20,65678.722,95779.52,301+11.1売上総利益5,60121.35,93520.5333+6.0販売費及び一般管理費4,29516.44,77316.5477+11.1営業利益1,3055.01,1624.0△143△11.0経常利益1,3575.21,3014.5△56△4.1親会社株主に帰属する当期純利益8243.16772.3△146△17.8  当連結会計年度においては、前期比で増収減益となりました。 売上高につきましては、28,893百万円(前期比10.0%増)となりました。その主な要因は、ファミリーケア事業において、ベビーシッターサービスの業績拡大がけん引したこと、およびエデュケア事業において、当連結会計年度に認可保育所4施設、認定こども園1施設を含む新たな保育施設等14施設の開設により順調に業績が拡大したこと等によるものであります。 当連結会計年度の売上総利益につきましては、主にエデュケア事業における以下の要因により、売上高増加率を下回る6.0%増の5,935百万円に留まりました。・前連結会計年度と比較して9園が閉園となったこと・保育学童職員の採用数増加に伴い、特に第2四半期連結累計期間に採用費が大きく増加したこと(前期比2.1倍、第2四半期連結累計期間においては前期比2.5倍)・物価高騰及びコロナ後の正常化に伴う経費の増加が生じたこと 販売費及び一般管理費につきましては、4,773百万円(前期比11.1%増)となりました。その主な要因は以下のとおりです。・ナニー及びベビーシッターサービス並びにエデュケア事業において、取引規模が拡大したこと等による売上原価及び販売費及び一般管理費の増加に伴い、租税公課(控除対象外消費税等)が増加したこと ・上記取引規模拡大による租税公課増加のほか、エデュケア事業において、特に第2四半期連結累計期間の新規直営保育施設の設備投資額が前期比で増加したことにより、租税公課(控除対象外消費税等)が増加したこと・各事業で事業拡大を図るために営業及び運営人員を増強したことにより人件費並びに採用費が増加したこと 以上の結果、営業利益は1,162百万円(前期比11.0%減)となりました。 経常利益につきましては、当連結会計年度においては、営業外収入として経営体制変更に伴う法人保険解約による返戻金138百万円を計上したことなどにより、1,301百万円(前期比4.1%減)となりました。 また、間接共通費を配賦した後に営業収支が赤字となる保育所の設備について減損処理を行ったことなどにより、特別損失225百万円を計上いたしました。その結果、親会社株主に帰属する当期純利益は677百万円(前期比17.8%減)となりました。  なお、第4四半期連結会計期間(2023年10月~12月)の経営成績について50ページの(参考情報)に記載していますのでご参照ください。  セグメント別の経営成績は次のとおりです。なお、各セグメントの金額は、セグメント間取引を相殺消去する前の金額です。 当連結会計年度より、従来「その他」に含めていた交流館の運営事業の一部について、「エデュケア事業」へ報告セグメントの変更を行いました。以下の前期比較については、前連結会計年度の数値を変更後のセグメント区分に組み替えた数値で行っております。(単位:百万円) セグメントの名称前連結会計年度当連結会計年度前期比実績構成比(%)実績構成比(%)増減増減率(%)売上高ファミリーケア事業4,43416.85,55919.21,125+25.4エデュケア事業20,95879.322,33376.91,374+6.6プロフェッショナル事業5642.16542.390+16.0その他4581.74841.725+5.5調整額(注)△158-△138-19- 合計26,258-28,893-2,635+10.0 セグメント利益ファミリーケア事業1,02737.11,21444.2186+18.2エデュケア事業1,59657.71,36349.6△232△14.6プロフェッショナル事業1696.11896.919+11.8その他△24△0.9△20△0.74-調整額(注)△1,462-△1,584-△122- 合計1,305-1,162-△143△11.0(注)調整額は、各報告セグメント間の内部売上高又は振替高、報告セグメントに配分していない全社費用です。全社費用は、主に経営管理に係る一般管理費用及び事業セグメントに帰属しない販売費及び一般管理費です。 (ファミリーケア事業 : ナニーサービス、ベビーシッターサービス、シルバーケアサービス) ナニーサービスにつきましては、2023年初めより、新型コロナウイルス感染症の流行が収束へ向かったことから、プレミアムサービスを中心とした底堅い需要と東京都8区で実施している居宅訪問型保育事業が拡大しており、売上高は前期比で増加しております。 そのような中、今後のナニーサービスの需要拡大を見据えた体制整備を進めております。その一環として2023年6月にナニーの報酬を改定すると共に価格改定を行い、定着率の上昇、採用力の強化に加え収益性が向上しました。 ベビーシッターサービスにつきましては、こども家庭庁ベビーシッター割引券が年度途中で配布上限に達し、新規配布を終了したとの報道がなされましたが、当割引券の子育て支援効果が再認識される結果となり、急遽発行枠の増額がなされました。また、東京都ベビーシッター利用支援事業を採用する自治体も増加し、当サービスの利用の追い風となっております。2023年12月期においても継続して新規会員を獲得し、売上高は前期比で約1.7倍と大きく増加し、インターネットを通したベビーシッターのマッチングサービス分野で売上高トップの地位を確たるものにできました(注1)。国や自治体からの支援の拡大、市場の拡大を見据え、引き続き戦略的に人的投資を増加させてまいります。 シルバーケアサービス(高齢者在宅ケアサービス)につきましては、大口顧客のご逝去や入院等が影響し、2023年1月から4月にかけて一時的に売上が減少したものの、家事支援や高付加価値サービスのナースケアが貢献することで、5月以降、顧客数と売上高が拡大しました。 以上の結果、売上高は5,559百万円(前期比25.4%増)、セグメント利益は1,214百万円(同18.2%増)となりました。(注1)公表されているベビーシッター業界の統計数値がありませんので、当社独自の推計比較によるものです。 (エデュケア事業 : 保育施設、学童児童館等の運営) 当連結会計年度には認可保育所4施設、認定こども園1施設、事業所内保育所1施設、学童クラブ・児童館7施設、交流館1施設、合計14施設を新規開設する一方で、認証保育所1施設、事業所内保育所6施設、学童クラブ・児童館2施設、合計9施設が閉園となりました。その結果、連結会計年度末時点で運営する施設は、認可保育所78施設、認定こども園2施設、認証保育所34施設、事業所内保育所79施設、学童クラブ・児童館100施設、交流館5施設、その他施設41施設の計339施設となっております。 2023年4月時点において、東京都を中心に待機児童が減少、当社グループの認可保育所においても、低年齢児(0歳~2歳)の4月時点の定員空き状況が平均2.8人(前期比1.6人増)となりましたが、5月以降順調に入所者が増加し、10月時点で0.8人、12月時点では定員に対してほぼ満員となりました。また、認証保育所においても4月時点の園児数が前期比で1%減少いたしましたが、認可保育所と同様に、低年齢児は12月時点で定員に対してほぼ満員となりました。なお、待機児童解消に伴い今後の需要が低いと予想される認証保育所については、来期以降の運営形態の変更や閉園を検討してまいります。 なお、昨今の待機児童の減少に伴い、保育業界における新規認可保育所開設数は減少傾向にありますが、一定規模を超える集合住宅の建設には保育所の設置が義務付けられております。大手デベロッパーの開発案件に関連する保育所については、長期的な保育ニーズ及び安定した収益性が見込まれるため、当社グループを含めた激しいコンペティションになるケースが多く、保育所の運営方針、保育内容、運営会社の信頼性・ブランド力と再開発コンセプトとの親和性等により保育事業者が選ばれます。当社グループのナニー・ベビーシッターを含む各種子育て事業の実績、長年の保育所運営及び保育内容の充実等を評価いただき、コンペティションにおいて当社が受託するケースが増えております。 こうした状況の中、保育所設備投資に係る租税公課(控除対象外消費税等)を含む新規開設コストの発生、事業所内保育所の閉園、物価高騰の影響の他、常勤保育士の割合を高めて利益回復を図るため、特に第2四半期(4月~6月)において採用費を一時的に大きく掛け(前期比2.5倍)保育・学童職員の採用数を増加させたことにより、前期比でセグメント利益が減少しました。 以上の結果、売上高は22,333百万円(前期比6.6%増)、セグメント利益は1,363百万円(同14.6%減)となりました。 (プロフェッショナル事業 : 国内・海外研修) 当事業については、国内の自治体が実施する保育士キャリアアップ研修や子育て支援研修等の保育研修の受託事業が売上の大きな割合を占めております。自治体が実施するこれらの保育研修は、主に第2四半期から第3四半期にかけて受注し、第3四半期から翌第1四半期の前半にかけて研修を実施しており、実際の研修実施の進捗に応じて売上を計上します。したがって、当事業の売上高及び利益の大部分は、下期に計上されます。 研修のオンライン化により1案件当たりの受注額が減少傾向にあるものの、当連結会計年度につきましては、第2四半期までに獲得した研修案件の実施が下期に進捗し、売上高、セグメント利益ともに好調に推移しました。 以上の結果、売上高は654百万円(前期比16.0%増)、セグメント利益は189百万円(前期比11.8%増)となりました。 (その他 : 人材派遣・紹介、新規事業等) 売上高につきましては、既存の保育士派遣先における派遣需要が堅調であったことに加え、新たな派遣先の獲得により派遣人数が増加した結果、484百万円(前期比5.5%増)となりました。 また、新規事業立ち上げ費用等の影響により、セグメント損失は20百万円(前期は24百万円のセグメント損失)となりました。 ②財政状態の状況(資産) 当連結会計年度末の総資産は14,622百万円(前期比2,073百万円の増加)となりました。 流動資産につきましては9,305百万円(前期比1,390百万円の増加)となりました。その主な要因は、配当金の支払いが発生したものの、短期借入金及び長期借入金の増加により現金及び預金が増加したことであります。 固定資産につきましては5,317百万円(前期比682百万円の増加)となりました。その主な要因は、新規施設の増加に伴い建物及び構築物、建設仮勘定及び敷金及び保証金が増加したことであります。(負債) 当連結会計年度末における負債合計は6,506百万円(前期比1,779百万円の増加)となりました。 流動負債につきましては、4,222百万円(前期比1,222百万円の増加)となりました。その主な要因は、短期借入金及び1年内返済予定の長期借入金の増加であります。 固定負債につきましては、2,284百万円(前期比557百万円の増加)となりました。その主な要因は、長期借入金の増加であります。(純資産) 当連結会計年度末における純資産は、8,116百万円(前期比293百万円の増加)となりました。その主な要因は、配当の支払いが発生したものの、親会社株主に帰属する当期純利益677百万円を計上したことにより利益剰余金が増加したためであります。 この結果、当連結会計年度末の自己資本比率は、55.5%(前期比6.8ポイントの減少)となりました。 ③キャッシュ・フローの状況 当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、5,000百万円(前期比759百万円の増加)となりました。 当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。 (営業活動によるキャッシュ・フロー) 営業活動の結果得られた資金は、771百万円(前期比467百万円の増加)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益1,076百万円、減価償却費259百万円、減損損失225百万円、未払金の増減額155百万円、法人税等の還付額93百万円等の増加要因があったものの、法人税等の支払額428百万円、売上債権の増加額587百万円等の減少要因があったことによるものであります。 (投資活動によるキャッシュ・フロー) 投資活動の結果使用した資金は、827百万円(前期比381百万円の減少)となりました。これは主に、助成金の受取額957百万円及び保険積立金の解約による収入135百万円等の増加要因があったものの、認可保育所等の新規開設に関する有形固定資産の取得による支出1,596百万円、敷金及び保証金の差入による支出266百万円、並びに基幹システム開発等に関する無形固定資産の取得による支出44百万円等の減少要因があったことによるものであります。 (財務活動によるキャッシュ・フロー) 財務活動の結果獲得した資金は、815百万円(前期は1,204百万円の使用)となりました。これは主に、配当金の支払額387百万円等の減少要因があったものの、長期借入れによる収入1,300百万円等の増加要因があったことによるものであります。 ④生産、受注及び販売の実績a.生産実績 当社グループは、生産活動を行っていないため、該当事項はありません。 b.受注実績 当社グループは、受注活動を行っていないため、該当事項はありません。 c.販売実績 当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称当連結会計年度(自 2023年1月1日至 2023年12月31日)金額(百万円)前年同期比(%)ファミリーケア事業5,444126.9エデュケア事業22,333106.6プロフェッショナル事業645115.6報告セグメント計28,423110.1その他469104.6合計28,893110.0 (注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、100分の10以上を占める相手先がないため記載を省略しております。 (2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。 ①経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容a.経営成績等の分析 経営成績等の分析については、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要」に記載のとおりであります。 b.経営成績に重要な影響を与える要因について 経営成績に重要な影響を与える要因は、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。 c.資本の財源及び資金の流動性について(キャッシュ・フローの状況の分析) 当社グループのキャッシュ・フローの状況の分析については、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。 (財政政策) 当社グループは、運転資金、設備資金及びシステム開発資金につきましては、内部資金(新株発行による増資を含む。)又は借入により資金調達することとしております。このうち借入による資金調達に関しましては、短期運転資金については金融機関からの短期借入金によって、長期運転資金及び保育所の新規開設に伴う設備投資、システム開発資金については、新株発行による増資及び長期借入金によって調達しております。 d.経営者の問題認識と今後の方針について 2023年12月期につきましては、新型コロナウイルス感染症の扱いが5類へ移行したことに伴い、わが国の国民生活は、平時の活況を取り戻しつつあります。 しかしながら、コロナ禍を機に少子化はさらに加速しており、2023年通年の出生数は75万人台となり、初めて80万人を割り込んだ2022年に引き続き、過去最低を更新しました。 政府は強い危機感を背景に、2023年12月、こども家庭庁から、こども基本法に基づく幅広いこども施策を推進する基本方針や重要事項を一元的に定めた「こども大綱」、その実現に向けて具体的な取り組みを明記した「こども未来戦略」などを発表し、2030年代に入るまでが状況を反転させることができるかどうかの重要な分岐点であると強調しております。 また、女性活躍の推進などにより、共働き世帯数や女性の就業率は引き続き高い水準で推移しておりますが、女性の正規雇用率が出産を機に低下する「L字カーブ」の是正の重要性は変わらず、産後ケアや学童保育など子育て当事者向けサービスの拡充が引き続き重要テーマのひとつとなっております。 加えて、ファミリーケア事業のチャイルドケア領域においては、保育園とともに「車の両輪」となり、女性の活躍・就労支援策を支える社会インフラとしてのベビーシッターの存在感が高まっております。2021年4月より内閣府ベビーシッター割引券(現在のこども家庭庁ベビーシッター割引券)の1日当たりの利用限度額が倍増したことなどの政策強化も背景として、ナニーサービス及びベビーシッターサービスを中心として引き続き力強い需要の拡大が続くことが見込まれます。 さらに、シルバーケア領域においては、年間240万人が生まれていた団塊の世代が70歳代半ばとなりターゲット層が膨らむこと、わが国の社会保障制度改革において示されている「医療から介護へ、施設から在宅へ」の方向性を踏まえ、シルバーケアサービスの需要拡大が加速するものと想定しております。 当社グループは、これらの環境変化を好機と捉え、高付加価値を求める顧客層向けのサービスを推進してまいります。 「最高水準」のサービス提供に向け、乳幼児教育におきましては、ハーバード大学、スタンフォード大学、ノーランドカレッジ、東京大学、お茶の水女子大学など国内外の教育機関やその研究者との共同研究や研修を実施して、世界最先端の教育科学を取り入れるとともに、当社グループの保育理論を深化・体系化させております。 また、保育士、ナニー、ベビーシッター、ケアスタッフなどのサービスの担い手に対して、各種様々な研修制度による人材育成を行っており、研修によるクオリティ維持強化の仕組みを確立しております。こども家庭庁ベビーシッター割引券(旧内閣府ベビーシッター割引券)などの国の助成に対応するベビーシッターは、保育士または看護師の資格保有、または指定研修の修了が必須ですが、2021年8月には、上記の当社グループの自社研修制度の充実が認められ、民間事業者として初めて自社のベビーシッター育成研修が当該指定研修と認定されました。さらに、2022年9月には、東京都ベビーシッター利用支援事業の指定研修としても追加認定されたことにより、当社グループの自社研修がナニー・ベビーシッター関連の二大助成金事業の指定研修として国及び東京都に認められることとなりました。これにより、当社グループのナニーやベビーシッターは、自社研修を受講することで、認定ナニー/ベビーシッターとして働くことができ、より需要が拡大すると見込まれる認定ナニー/ベビーシッターの安定的な供給が可能となっております。今後も研修制度の一層の充実を図り、最高水準のサービスを継続的に提供してまいります。 また、これまでの子育て支援・乳幼児教育・介護支援・家事支援・人材派遣・紹介・研修・調査研究・コンサルティング事業に加え、2021年6月には不妊予防に関するポータルサイトと企業研修サービスを新規事業として立ち上げました。さらに、2022年9月には、新規事業としてペットケアサービスを開始しております。当社グループが展開するファミリーケア領域(ベビーシッター、家事代行、介護)において、安心のポピンズブランドで「家族の一員」であるペットの健康と幸せをサポートするペットシッターを派遣し、ペットもご家族の一員としたワンストップのサービス提供を目指します。これによりライフステージで変化する、働く・働きたい女性の課題に切れ目なく対応する当社グループの事業形態の一層の充実を図り、他社のサービススコープには見られないユニークなビジネスモデルを追及してまいります。今後も「働く女性」という顧客基盤を活用して、顧客のライフステージに応じたサービスラインナップの展開・拡張により、既存事業の拡大とともに、新たな市場機会・成長機会を捉えてまいります。 e.経営戦略の現状と見通し 当社グループは、創業以来、利益成長と同時に社会課題の解決を意識した経営を行っております。 高付加価値・高収益であるファミリーケア事業の全社事業ポートフォリオにおける構成比を高めていくこと、および現状において、エデュケア事業において中長期的な保育・学童ニーズが見込まれる東京・大阪・名古屋という三大都市圏を中心としたエリアに展開していること等の戦略を進めております。また、新型コロナウイルス感染症の影響下、オンライン化が急速に進展した、プロフェッショナル事業における国内研修(厚生労働省や各自治体から受託する研修)、eラーニング等の事業成長をさらに加速してまいります。 これらの基本方針に基づき、当社は、2023年12月期~2027年12月期に係る中期経営計画を策定しております。利益率の高いファミリーケア事業が成長ドライバーとなって、全社の売上高及び利益成長をけん引し、オーガニック成長で2027年12月期の業績目標を売上高350億円・営業利益率10%としております。また、厳選したM&Aを含め売上高500億円以上を目指してまいります。今後も継続してこれらの戦略を進め、利益成長を実現してまいります。 また、当社グループの事業領域は、解決が進みつつある「待機児童の解消」、及びその先に顕在化しつつある「待機学童の解消」といった短期的な社会課題、並びに「女性の職場復帰・再就職の支援」「介護離職ゼロ」といった中長期的な社会課題に対応しており、事業を通して、これらの課題解決による社会的貢献が可能であると考えております。 当社グループは、日本初のSDGs-IPO企業として、利益成長の実現と同時に社会課題の解決に資することで、当社グループのさらなる発展と企業価値の向上を目指してまいります。 さらに将来、保育所が淘汰される時代の到来に向けて、収益性とシナジー効果を考慮し、案件を厳選したM&Aや戦略的提携を推進するとともに、新規事業開発に取り組むことで日本のSDGsをリードする企業として一層の発展を遂げる方針であります。 ②重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。 連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項) 4 会計方針に関する事項」に記載しております。 連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものは以下のとおりであります。 (繰延税金資産) 繰延税金資産については、将来の利益計画に基づいて課税所得を見積り、回収可能性があると判断した将来減算一時差異について計上しております。繰延税金資産の回収可能性は将来の課税所得の見積りに依存するため、その見積りの前提とした条件や仮定に変更が生じ減少した場合、繰延税金資産が減額され税金費用が計上される可能性があります。 (固定資産の減損) 当社グループは、固定資産のうち減損の兆候がある資産グループについて、当該資産グループから得られる割引前将来キャッシュ・フローの総額が帳簿価額を下回る場合には、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上することとしております。減損の兆候の把握、減損損失の認識及び測定に当たっては慎重に検討しておりますが、事業計画や市場環境の変化により、その見積り額の前提とした条件や仮定に変更が生じた場合、減損損失が発生する可能性があります。 (資産除去債務) 当社グループは、本支社及び保育施設等の不動産賃貸借契約に伴う原状回復義務に関し、有形固定資産の除去に要する将来キャッシュ・フローを見積り、使用見込期間に対応した割引率で割引いた金額を資産除去債務として計上しております。しかしながら、新たな事実の発生等に伴い、資産除去債務の計上額が変動する可能性があります。 (参考情報)[2023年12月期第4四半期連結会計期間](2023年10月~12月)(単位:百万円) 2022年第4四半期連結会計期間2023年第4四半期連結会計期間前年同期比実績構成比(%)実績構成比(%)増減増減率(%)売上高6,952100.07,798100.0846+12.2売上原価5,32176.55,92376.0602+11.3売上総利益1,63023.51,87524.0244+15.0販売費及び一般管理費1,08215.61,16915.086+8.0営業利益5487.97059.1157+28.6経常利益5538.083910.8286+51.7親会社株主に帰属する四半期純利益2904.23975.1108+37.3  第4四半期連結会計期間においては、前年同期比で増収増益となりました。 売上高につきましては、7,798百万円(前年同期比12.2%増)となりました。成長ドライバーであるファミリーケア事業が順調に拡大したこと、事業基盤であるエデュケア事業において当年及び昨年に開設した保育所等が売上貢献したこと、並びに認可・認証保育所において園児の定員充足が順調に進んだこと、プロフェッショナル事業においても順調に研修実施が進捗したこと等によるものであります。 売上原価につきましては、5,923百万円(前年同期比11.3%増)となりました。第2四半期連結会計期間までは売上原価の前年同期比増加率が売上高増加率を上回る状況が続いたものの、第4四半期連結会計期間については、第3四半期連結会計期間に引き続き、売上原価増加率が売上高増加率を下回りました。その要因としては、原価率の低いファミリーケア事業の業績が拡大していること、エデュケア事業で認可保育所を中心に職員の適正配置が進み原価率が改善したこと、紹介会社の利用を控え保育士等の採用費が減少したことによるものであります。その結果、売上総利益につきまして、1,875百万円(前年同期比15.0%増)となりました。 販売費及び一般管理費につきましては、主に採用のための広告宣伝費、コールセンター費用、システム保守費用、本社体制強化等の費用が増加したものの、ベビーシッター採用と顧客獲得が順調に進んだ結果、1,169百万円(前年同期比8.0%増)に留まりました。 (単位:百万円) セグメントの名称2022年第4四半期連結会計期間2023年第4四半期連結会計期間前年同期比実績構成比(%)実績構成比(%)増減増減率(%)売上高ファミリーケア事業1,25217.91,56320.0311+24.9エデュケア事業5,34576.55,74573.5400+7.5プロフェッショナル事業2794.03905.0110+39.5その他1141.61201.56+5.3調整額(注)△39-△21-17- 合計6,952-7,798-846+12.2 セグメント利益ファミリーケア事業28532.235032.364+22.6エデュケア事業45451.352348.368+15.2プロフェッショナル事業15317.321820.164+42.0その他△7△0.8△7△0.7△0-調整額(注)△337-△378-△40- 合計548-705-157+28.6(注)調整額は、各報告セグメント間の内部売上高又は振替高、報告セグメントに配分していない全社費用です。全社費用は、主に経営管理に係る一般管理費用及び事業セグメントに帰属しない販売費及び一般管理費です。 (ファミリーケア事業 : ナニーサービス、ベビーシッターサービス、シルバーケアサービス) ナニーサービスにつきましては、2023年6月からのナニー報酬改定及びナニーサービスの価格改定により、注力しているナニープレミアムにおいて、順調に売上が拡大しております。ベビーシッターサービスにつきましては、認知度が向上したことに加え、こども家庭庁ベビーシッター割引券・東京都ベビーシッター利用支援事業の二大助成金利用促進を行ったこと等により売上高が前年同期比で2割程度増加いたしました。 シルバーケアサービスにつきましては、第2四半期以降、特に強化してきた富裕層マーケティングが奏功し、前年同期比で売上高が1割程度増加しました。 以上の結果、セグメント売上高は1,563百万円(前年同期比24.9%増)、セグメント利益は350百万円(前年同期比22.6%増)の増収増益となりました。 (エデュケア事業 : 保育施設、学童児童館等の運営) 保育施設におきましては、体制整備により本社主導を強化し、職員の適正配置を進めたこと、入園説明会を実施し、0歳児を中心とした園児獲得に注力したことにより、12月時点の認可・認証保育所において0歳児及び1歳児の定員がほぼ充足いたしました。なお、第4四半期における採用費は前年同期比で0.8倍に減少しております。 学童クラブ・児童館では本社主導強化によるシフトの最適化が進み、常勤職員の残業時間を第3四半期に引き続き前年同期比で抑制いたしました。 以上の結果、セグメント売上高は5,745百万円(前年同期比7.5%増)、セグメント利益は523百万円(前年同期比15.2%増)の増収増益となりました。 (プロフェッショナル事業 : 国内・海外研修) 自治体研修の受注競争力を強化したこと、研修受注の領域を拡大したことにより、前期比で好調に受注した研修案件の実施が進捗し、第4四半期において売上高と利益に貢献しました。以上の結果、セグメント売上高は390百万円(前年同期比39.5%増)、セグメント利益は218百万円(前年同期比42.0%増)の増収増益となりました。  以上の結果、主要3セグメントで増収増益となっております。
経営上の重要な契約等 5【経営上の重要な契約等】
該当事項はありません。
研究開発活動 6【研究開発活動】
 該当事項はありません。
設備投資等の概要 1【設備投資等の概要】
 当連結会計年度においては、認可保育所を中心とする514百万円(補助金等の圧縮記帳額839百万円控除後)の設備投資を行いました。 セグメント別の設備投資については、以下のとおりであります。 (1)ファミリーケア事業 当連結会計年度においては、35百万円の設備投資を行いました。主な内容としては、ソフトウエア投資30百万円であります。 なお、当連結会計年度における重要な設備の除却又は売却等はありません。
(2)エデュケア事業 当連結会計年度においては、472百万円の設備投資(補助金等の圧縮記帳額839百万円控除後)を行いました。主な内容としては、認可保育所を中心とする新設施設の内装設備等424百万円、既存施設の安全対策設備等29百万円及びソフトウエア投資14百万円であります。 なお、当連結会計年度における重要な設備の除却又は売却等はありません。(3)プロフェッショナル事業 当連結会計年度においては、4百万円の設備投資を行いました。主な内容としては、器具備品の購入3百万円であります。 なお、当連結会計年度における重要な設備の除却又は売却等はありません。(4)全社(共通) 当連結会計年度においては、2百万円の設備投資を行いました。主な内容としては、器具備品の購入1百万円であります。 なお、当連結会計年度における重要な設備の除却又は売却等はありません。
主要な設備の状況 2【主要な設備の状況】
 当社グループにおける主要な設備は、次のとおりであります。(1)提出会社2023年12月31日現在 事業所名(所在地)セグメントの名称設備の内容帳簿価額従業員数(人)建物及び構築物(百万円)その他(百万円)合計(百万円)本社(東京都渋谷区)全社(共通)ファミリーケア事業エデュケア事業プロフェッショナル事業その他事業統括施設9624333948(16) (注)1.帳簿価額のうち「その他」は、工具、器具及び備品、リース資産、ソフトウエアであります。2.従業員数の( )は、臨時雇用者数を外書しております。3.上記本社の建物は全て賃借により使用しており、年間賃借料は72百万円であります。 (2)国内子会社2023年12月31日現在 会社名事業所名(所在地)セグメントの名称設備の内容帳簿価額従業員数(人)建物及び構築物(百万円)土地(百万円)(面積㎡)その他(百万円)合計(百万円)(株)ポピンズエデュケア本社(東京都渋谷区)全事業事務所31-43533(18)(株)ポピンズエデュケア大阪支社(大阪市北区)全事業事務所12-01213(2)(株)ポピンズエデュケア直営保育施設91園(東京都)エデュケア事業保育設備599-306301,288(790)(株)ポピンズエデュケア直営保育施設18園(神奈川県)エデュケア事業保育設備133-6140270(184)(株)ポピンズエデュケア直営保育施設5園(愛知県)エデュケア事業保育設備16-01734(27)(株)ポピンズエデュケア直営保育施設6園(大阪府)エデュケア事業保育設備95-29879(48)(株)ポピンズエデュケア直営保育施設1園(長野県)エデュケア事業保育設備230-523617(2)(株)ポピンズエデュケア直営保育施設15園(その他)エデュケア事業保育設備72-274195(143)(株)ポピンズエデュケアポピンズ白金研修ルーム(東京都)全社(共通)研修設備7112(43.03)-119-(-)(株)ポピンズエデュケアポピンズ蓼科研修センター(長野県)全社(共通)研修設備878(16,636.00)1973(3)(株)ポピンズファミリーケア本社(東京都渋谷区)ファミリーケア事業事務所0-161756(40) (注)1.帳簿価額のうち「その他」は、主に工具、器具及び備品、ソフトウエア、リース資産であります。2.従業員数の( )は、臨時雇用者数を外書しております。3.事務所及び保育設備の建物の大部分は賃借により使用しており、年間賃借料は1,935百万円であります。 (3)在外子会社 在外子会社については、記載すべき主要な設備がないため、記載しておりません。
設備の新設、除却等の計画 3【設備の新設、除却等の計画】
(1)重要な設備の新設 当社グループの主な設備投資は、エデュケア事業における保育設備であり、当連結会計年度末現在における重要な設備の新設、増床計画は次のとおりであります。なお、保育施設について自治体より認可等が必要な場合には、現時点で内定を得られた施設のみを記載しております。会社名事業所名(所在地)セグメントの名称設備の内容投資予定金額資金調達方法着手及び完了予定年月完成後の増加能力総額(百万円)既支払額(百万円)着手完了(株)ポピンズエデュケア保育施設4園(東京都)エデュケア事業保育設備1,283933自己資金及び借入金2023年1月2024年3月受入定員467名(株)ポピンズエデュケア保育施設1園(大阪府)エデュケア事業保育設備265162自己資金及び借入金2023年10月2024年3月受入定員60名(株)ポピンズエデュケア保育施設1園(東京都)エデュケア事業保育設備2972自己資金及び借入金2024年8月2025年3月受入定員60名 (2)重要な設備の除却等重要な設備の除却に該当する計画はありません。
設備投資額、設備投資等の概要4,000,000

Employees

平均年齢(年)、提出会社の状況、従業員の状況46
平均勤続年数(年)、提出会社の状況、従業員の状況4
平均年間給与、提出会社の状況、従業員の状況7,624,000

Investment

株式の保有状況 (5)【株式の保有状況】
① 投資株式の区分の基準及び考え方該当事項はありません。 ② 保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式該当事項はありません。 ③ 保有目的が純投資目的である投資株式該当事項はありません。

Shareholders

大株主の状況 (6)【大株主の状況】
2023年12月31日現在
氏名又は名称住所所有株式数(千株)発行済株式(自己株式を除く。)の総数に対する所有株式数の割合(%)
株式会社スピネカ東京都港区南麻布4丁目11番46号3,96040.72
轟 麻衣子東京都港区1,32013.57
株式会社日本カストディ銀行東京都中央区晴海1丁目8番12号8738.98
日本マスタートラスト信託銀行株式会社(信託口)東京都港区浜松町2丁目11番3号6056.22
みずほ信託銀行株式会社有価証券管理信託07300 64号東京都千代田区丸の内1丁目3番3号2252.31
みずほ信託銀行株式会社有価証券管理信託07300 65号東京都千代田区丸の内1丁目3番3号2252.31
中村 紀子東京都港区2202.26
RBC ISB LUX NON RES/DOM RATE-UCITS CLIENTS ACCOUNT MIG(常任代理人:シティバンク、エヌ・エイ東京支店)14 PORTE DE FRANCE, ESCH-SUR-ALZETTE, LUXEMBOURG, L-4360(東京都新宿区新宿6丁目27番30号)950.98
鶴岡 達也神奈川県鎌倉市780.80
野村證券株式会社東京都中央区日本橋1丁目13番1号610.64計-7,66378.81(注)
株式会社日本カストディ銀行の所有株式の内訳は、(信託口)723千株、(年金特金口)97千株、(信託B口)31千株、(信託口4)15千株、(信託A口)4千株、(年金信託口)2千株であります。
株主数-金融機関12
株主数-金融商品取引業者24
株主数-外国法人等-個人16
連結株主資本等変動計算書 ③【連結株主資本等変動計算書】
前連結会計年度(自 2022年1月1日 至 2022年12月31日) (単位:百万円) 株主資本純資産合計 資本金資本剰余金利益剰余金自己株式株主資本合計当期首残高2,0952,0053,369△847,3867,386当期変動額 剰余金の配当 △387 △387△387親会社株主に帰属する当期純利益 824 824824当期変動額合計--436-436436当期末残高2,0952,0053,806△847,8237,823 当連結会計年度(自 2023年1月1日 至 2023年12月31日) (単位:百万円) 株主資本純資産合計 資本金資本剰余金利益剰余金自己株式株主資本合計当期首残高2,0952,0053,806△847,8237,823当期変動額 剰余金の配当 △387 △387△387親会社株主に帰属する当期純利益 677 677677自己株式の取得 △0△0△0自己株式の処分 △1 433当期変動額合計-△12904293293当期末残高2,0952,0044,096△808,1168,116
株主数-外国法人等-個人以外35
株主数-個人その他3,807
株主数-その他の法人50
株主数-計3,944
氏名又は名称、大株主の状況野村證券株式会社
株主総利回り1
株主総会決議による取得の状況 (1)【株主総会決議による取得の状況】
 該当事項はありません。
株主総会決議又は取締役会決議に基づかないものの内容 (3)【株主総会決議又は取締役会決議に基づかないものの内容】
区分株式数(株)価額の総額(百万円)当事業年度における取得自己株式780当期間における取得自己株式--(注)当期間における保有自己株式数には、2024年3月1日から有価証券報告書提出日までの単元未満株式の買取請求による株式数は含めておりません。

Shareholders2

自己株式の取得0
発行済株式及び自己株式に関する注記 1.発行済株式の種類及び総数並びに自己株式の種類及び株式数に関する事項 当連結会計年度期首株式数(株)当連結会計年度増加株式数(株)当連結会計年度減少株式数(株)当連結会計年度末株式数(株)発行済株式 普通株式10,177,300--10,177,300合計10,177,300--10,177,300自己株式 普通株式480,0007826,690453,388合計480,0007826,690453,388(注)1.自己株式の増加78株は、単元未満株式の買取によるものであります。2.自己株式の減少26,690株は、新株予約権(ストック・オプション)の行使によるものであります。

Audit

監査法人1、連結海南監査法人
独立監査人の報告書、連結 独立監査人の監査報告書及び内部統制監査報告書 2024年3月29日株式会社ポピンズ 取締役会 御中 海南監査法人 東京事務所 指定社員業務執行社員 公認会計士溝口 俊一 指定社員業務執行社員 公認会計士平賀 康麿 <財務諸表監査>監査意見当監査法人は、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づく監査証明を行うため、「経理の状況」に掲げられている株式会社ポピンズの2023年1月1日から2023年12月31日までの連結会計年度の連結財務諸表、すなわち、連結貸借対照表、連結損益計算書、連結包括利益計算書、連結株主資本等変動計算書、連結キャッシュ・フロー計算書、連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項、その他の注記及び連結附属明細表について監査を行った。当監査法人は、上記の連結財務諸表が、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して、株式会社ポピンズ及び連結子会社の2023年12月31日現在の財政状態並びに同日をもって終了する連結会計年度の経営成績及びキャッシュ・フローの状況を、全ての重要な点において適正に表示しているものと認める。 監査意見の根拠当監査法人は、我が国において一般に公正妥当と認められる監査の基準に準拠して監査を行った。監査の基準における当監査法人の責任は、「連結財務諸表監査における監査人の責任」に記載されている。当監査法人は、我が国における職業倫理に関する規定に従って、会社及び連結子会社から独立しており、また、監査人としてのその他の倫理上の責任を果たしている。当監査法人は、意見表明の基礎となる十分かつ適切な監査証拠を入手したと判断している。 監査上の主要な検討事項 監査上の主要な検討事項とは、当連結会計年度の連結財務諸表の監査において、監査人が職業的専門家として特に重要であると判断した事項である。監査上の主要な検討事項は、連結財務諸表全体に対する監査の実施過程及び監査意見の形成において対応した事項であり、当監査法人は、当該事項に対して個別に意見を表明するものではない。 エデュケア事業の保育・学童施設に係る有形固定資産の減損監査上の主要な検討事項の内容及び決定理由監査上の対応当連結会計年度の連結貸借対照表の有形固定資産2,815百万円には、エデュケア事業の保育・学童施設に係るものが含まれており、重要な構成割合を占めている。また、注記事項(連結損益計算書関係)の「※3 減損損失」に記載されているとおり、当連結会計年度において保育施設の固定資産について減損損失225百万円が計上されている。エデュケア事業においては保育・学童に係る施設サービスを展開しているが、会社は、施設ごとに資産のグルーピングを行っており、施設の損益の悪化等により減損の兆候の有無を把握し、兆候が識別された施設に関して、減損損失の認識の判定を行っている。減損の兆候がある場合、当該資産グループから得られる割引前将来キャッシュ・フローの総額が帳簿価額を下回る場合には、使用価値又は正味売却価額のいずれか高い方の金額まで帳簿価額を減額し、当該減少額を減損損失として計上している。減損判断の基礎となる将来キャッシュ・フローの見積りにあたっては、その性質上、経営者による仮定と判断を伴うものであることから、当該事項を監査上の主要な検討事項に該当するものと判断した。当監査法人は、エデュケア事業の保育・学童施設に係る有形固定資産の減損が適切に認識されているかを検討するために、以下の手続きを実施した。・ 経営者による固定資産の減損に関連する重要な虚偽表示リスクに対応するための内部統制を理解し、その整備及び運用状況を評価した。・ 会社が作成した減損検討資料を入手し、施設別損益及び有形固定資産の帳簿価額を会計帳簿と突合すると共に、複数の施設に係る共通費については配賦計算の妥当性を検証するため、再計算を実施した。・ 施設別将来キャッシュ・フローの見積期間について、主要な資産の経済的残存使用年数と比較した。・ 減損の兆候が識別されたすべての施設を対象に、帳簿価額と割引前将来キャッシュ・フローの合計額の比較を行った。・ 経営者の見積りプロセスの有効性を評価するために、過年度における将来キャッシュ・フローの見積りと実績を比較した。・ 一定の条件で抽出した施設につき、会社が使用した将来キャッシュ・フローに係る重要な仮定について経営者と協議し、外部情報との整合性を確かめた。・ 将来キャッシュ・フローについては、その基礎となる将来計画と、経営者によって承認された予算及び関連データとの整合性を検討した。 その他の記載内容 その他の記載内容は、有価証券報告書に含まれる情報のうち、連結財務諸表及び財務諸表並びにこれらの監査報告書以外の情報である。経営者の責任は、その他の記載内容を作成し開示することにある。また、監査等委員会の責任は、その他の記載内容の報告プロセスの整備及び運用における取締役の職務の執行を監視することにある。 当監査法人の連結財務諸表に対する監査意見の対象にはその他の記載内容は含まれておらず、当監査法人はその他の記載内容に対して意見を表明するものではない。 連結財務諸表監査における当監査法人の責任は、その他の記載内容を通読し、通読の過程において、その他の記載内容と連結財務諸表又は当監査法人が監査の過程で得た知識との間に重要な相違があるかどうか検討すること、また、そのような重要な相違以外にその他の記載内容に重要な誤りの兆候があるかどうか注意を払うことにある。 当監査法人は、実施した作業に基づき、その他の記載内容に重要な誤りがあると判断した場合には、その事実を報告することが求められている。 その他の記載内容に関して、当監査法人が報告すべき事項はない。 連結財務諸表に対する経営者及び監査等委員会の責任経営者の責任は、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して連結財務諸表を作成し適正に表示することにある。これには、不正又は誤謬による重要な虚偽表示のない連結財務諸表を作成し適正に表示するために経営者が必要と判断した内部統制を整備及び運用することが含まれる。連結財務諸表を作成するに当たり、経営者は、継続企業の前提に基づき連結財務諸表を作成することが適切であるかどうかを評価し、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づいて継続企業に関する事項を開示する必要がある場合には当該事項を開示する責任がある。監査等委員会の責任は、財務報告プロセスの整備及び運用における取締役の職務の執行を監視することにある。 連結財務諸表監査における監査人の責任監査人の責任は、監査人が実施した監査に基づいて、全体としての連結財務諸表に不正又は誤謬による重要な虚偽表示がないかどうかについて合理的な保証を得て、監査報告書において独立の立場から連結財務諸表に対する意見を表明することにある。虚偽表示は、不正又は誤謬により発生する可能性があり、個別に又は集計すると、連結財務諸表の利用者の意思決定に影響を与えると合理的に見込まれる場合に、重要性があると判断される。監査人は、我が国において一般に公正妥当と認められる監査の基準に従って、監査の過程を通じて、職業的専門家としての判断を行い、職業的懐疑心を保持して以下を実施する。・ 不正又は誤謬による重要な虚偽表示リスクを識別し、評価する。また、重要な虚偽表示リスクに対応した監査手続を立案し、実施する。監査手続の選択及び適用は監査人の判断による。さらに、意見表明の基礎となる十分かつ適切な監査証拠を入手する。・ 連結財務諸表監査の目的は、内部統制の有効性について意見表明するためのものではないが、監査人は、リスク評価の実施に際して、状況に応じた適切な監査手続を立案するために、監査に関連する内部統制を検討する。・ 経営者が採用した会計方針及びその適用方法の適切性、並びに経営者によって行われた会計上の見積りの合理性及び関連する注記事項の妥当性を評価する。・ 経営者が継続企業を前提として連結財務諸表を作成することが適切であるかどうか、また、入手した監査証拠に基づき、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況に関して重要な不確実性が認められるかどうか結論付ける。継続企業の前提に関する重要な不確実性が認められる場合は、監査報告書において連結財務諸表の注記事項に注意を喚起すること、又は重要な不確実性に関する連結財務諸表の注記事項が適切でない場合は、連結財務諸表に対して除外事項付意見を表明することが求められている。監査人の結論は、監査報告書日までに入手した監査証拠に基づいているが、将来の事象や状況により、企業は継続企業として存続できなくなる可能性がある。・ 連結財務諸表の表示及び注記事項が、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠しているかどうかとともに、関連する注記事項を含めた連結財務諸表の表示、構成及び内容、並びに連結財務諸表が基礎となる取引や会計事象を適正に表示しているかどうかを評価する。・ 連結財務諸表に対する意見を表明するために、会社及び連結子会社の財務情報に関する十分かつ適切な監査証拠を入手する。監査人は、連結財務諸表の監査に関する指示、監督及び実施に関して責任がある。監査人は、単独で監査意見に対して責任を負う。監査人は、監査等委員会に対して、計画した監査の範囲とその実施時期、監査の実施過程で識別した内部統制の重要な不備を含む監査上の重要な発見事項、及び監査の基準で求められているその他の事項について報告を行う。監査人は、監査等委員会に対して、独立性についての我が国における職業倫理に関する規定を遵守したこと、並びに監査人の独立性に影響を与えると合理的に考えられる事項、及び阻害要因を除去又は軽減するためにセーフガードを講じている場合はその内容について報告を行う。 監査人は、監査等委員会と協議した事項のうち、当連結会計年度の連結財務諸表の監査で特に重要であると判断した事項を監査上の主要な検討事項と決定し、監査報告書において記載する。ただし、法令等により当該事項の公表が禁止されている場合や、極めて限定的ではあるが、監査報告書において報告することにより生じる不利益が公共の利益を上回ると合理的に見込まれるため、監査人が報告すべきでないと判断した場合は、当該事項を記載しない。 <内部統制監査>監査意見当監査法人は、金融商品取引法第193条の2第2項の規定に基づく監査証明を行うため、株式会社ポピンズの2023年12月31日現在の内部統制報告書について監査を行った。当監査法人は、株式会社ポピンズが2023年12月31日現在の財務報告に係る内部統制は有効であると表示した上記の内部統制報告書が、我が国において一般に公正妥当と認められる財務報告に係る内部統制の評価の基準に準拠して、財務報告に係る内部統制の評価結果について、全ての重要な点において適正に表示しているものと認める。 監査意見の根拠当監査法人は、我が国において一般に公正妥当と認められる財務報告に係る内部統制の監査の基準に準拠して内部統制監査を行った。財務報告に係る内部統制の監査の基準における当監査法人の責任は、「内部統制監査における監査人の責任」に記載されている。当監査法人は、我が国における職業倫理に関する規定に従って、会社及び連結子会社から独立しており、また、監査人としてのその他の倫理上の責任を果たしている。当監査法人は、意見表明の基礎となる十分かつ適切な監査証拠を入手したと判断している。 内部統制報告書に対する経営者並びに監査等委員会の責任経営者の責任は、財務報告に係る内部統制を整備及び運用し、我が国において一般に公正妥当と認められる財務報告に係る内部統制の評価の基準に準拠して内部統制報告書を作成し適正に表示することにある。監査等委員会の責任は、財務報告に係る内部統制の整備及び運用状況を監視、検証することにある。なお、財務報告に係る内部統制により財務報告の虚偽の記載を完全には防止又は発見することができない可能性がある。 内部統制監査における監査人の責任監査人の責任は、監査人が実施した内部統制監査に基づいて、内部統制報告書に重要な虚偽表示がないかどうかについて合理的な保証を得て、内部統制監査報告書において独立の立場から内部統制報告書に対する意見を表明することにある。監査人は、我が国において一般に公正妥当と認められる財務報告に係る内部統制の監査の基準に従って、監査の過程を通じて、職業的専門家としての判断を行い、職業的懐疑心を保持して以下を実施する。・ 内部統制報告書における財務報告に係る内部統制の評価結果について監査証拠を入手するための監査手続を実施する。内部統制監査の監査手続は、監査人の判断により、財務報告の信頼性に及ぼす影響の重要性に基づいて選択及び適用される。・ 財務報告に係る内部統制の評価範囲、評価手続及び評価結果について経営者が行った記載を含め、全体としての内部統制報告書の表示を検討する。・ 内部統制報告書における財務報告に係る内部統制の評価結果に関する十分かつ適切な監査証拠を入手する。監査人は、内部統制報告書の監査に関する指示、監督及び実施に関して責任がある。監査人は、単独で監査意見に対して責任を負う。監査人は、監査等委員会に対して、計画した内部統制監査の範囲とその実施時期、内部統制監査の実施結果、識別した内部統制の開示すべき重要な不備、その是正結果、及び内部統制の監査の基準で求められているその他の事項について報告を行う。監査人は、監査等委員会に対して、独立性についての我が国における職業倫理に関する規定を遵守したこと、並びに監査人の独立性に影響を与えると合理的に考えられる事項、及び阻害要因を除去又は軽減するためにセーフガードを講じている場合はその内容について報告を行う。 利害関係会社及び連結子会社と当監査法人又は業務執行社員との間には、公認会計士法の規定により記載すべき利害関係はない。 以 上  (注)1.上記の監査報告書の原本は当社(有価証券報告書提出会社)が別途保管しております。2.XBRLデータは監査の対象には含まれていません。
監査上の主要な検討事項、連結 監査上の主要な検討事項 監査上の主要な検討事項とは、当連結会計年度の連結財務諸表の監査において、監査人が職業的専門家として特に重要であると判断した事項である。監査上の主要な検討事項は、連結財務諸表全体に対する監査の実施過程及び監査意見の形成において対応した事項であり、当監査法人は、当該事項に対して個別に意見を表明するものではない。 エデュケア事業の保育・学童施設に係る有形固定資産の減損監査上の主要な検討事項の内容及び決定理由監査上の対応当連結会計年度の連結貸借対照表の有形固定資産2,815百万円には、エデュケア事業の保育・学童施設に係るものが含まれており、重要な構成割合を占めている。また、注記事項(連結損益計算書関係)の「※3 減損損失」に記載されているとおり、当連結会計年度において保育施設の固定資産について減損損失225百万円が計上されている。エデュケア事業においては保育・学童に係る施設サービスを展開しているが、会社は、施設ごとに資産のグルーピングを行っており、施設の損益の悪化等により減損の兆候の有無を把握し、兆候が識別された施設に関して、減損損失の認識の判定を行っている。減損の兆候がある場合、当該資産グループから得られる割引前将来キャッシュ・フローの総額が帳簿価額を下回る場合には、使用価値又は正味売却価額のいずれか高い方の金額まで帳簿価額を減額し、当該減少額を減損損失として計上している。減損判断の基礎となる将来キャッシュ・フローの見積りにあたっては、その性質上、経営者による仮定と判断を伴うものであることから、当該事項を監査上の主要な検討事項に該当するものと判断した。当監査法人は、エデュケア事業の保育・学童施設に係る有形固定資産の減損が適切に認識されているかを検討するために、以下の手続きを実施した。・ 経営者による固定資産の減損に関連する重要な虚偽表示リスクに対応するための内部統制を理解し、その整備及び運用状況を評価した。・ 会社が作成した減損検討資料を入手し、施設別損益及び有形固定資産の帳簿価額を会計帳簿と突合すると共に、複数の施設に係る共通費については配賦計算の妥当性を検証するため、再計算を実施した。・ 施設別将来キャッシュ・フローの見積期間について、主要な資産の経済的残存使用年数と比較した。・ 減損の兆候が識別されたすべての施設を対象に、帳簿価額と割引前将来キャッシュ・フローの合計額の比較を行った。・ 経営者の見積りプロセスの有効性を評価するために、過年度における将来キャッシュ・フローの見積りと実績を比較した。・ 一定の条件で抽出した施設につき、会社が使用した将来キャッシュ・フローに係る重要な仮定について経営者と協議し、外部情報との整合性を確かめた。・ 将来キャッシュ・フローについては、その基礎となる将来計画と、経営者によって承認された予算及び関連データとの整合性を検討した。
全体概要、監査上の主要な検討事項、連結  監査上の主要な検討事項とは、当連結会計年度の連結財務諸表の監査において、監査人が職業的専門家として特に重要であると判断した事項である。監査上の主要な検討事項は、連結財務諸表全体に対する監査の実施過程及び監査意見の形成において対応した事項であり、当監査法人は、当該事項に対して個別に意見を表明するものではない。
見出し、監査上の主要な検討事項、連結エデュケア事業の保育・学童施設に係る有形固定資産の減損
内容及び理由、監査上の主要な検討事項、連結 当連結会計年度の連結貸借対照表の有形固定資産2,815百万円には、エデュケア事業の保育・学童施設に係るものが含まれており、重要な構成割合を占めている。また、注記事項(連結損益計算書関係)の「※3 減損損失」に記載されているとおり、当連結会計年度において保育施設の固定資産について減損損失225百万円が計上されている。エデュケア事業においては保育・学童に係る施設サービスを展開しているが、会社は、施設ごとに資産のグルーピングを行っており、施設の損益の悪化等により減損の兆候の有無を把握し、兆候が識別された施設に関して、減損損失の認識の判定を行っている。減損の兆候がある場合、当該資産グループから得られる割引前将来キャッシュ・フローの総額が帳簿価額を下回る場合には、使用価値又は正味売却価額のいずれか高い方の金額まで帳簿価額を減額し、当該減少額を減損損失として計上している。減損判断の基礎となる将来キャッシュ・フローの見積りにあたっては、その性質上、経営者による仮定と判断を伴うものであることから、当該事項を監査上の主要な検討事項に該当するものと判断した。
開示への参照、監査上の主要な検討事項、連結注記事項(連結損益計算書関係)の「※3 減損損失」
監査上の対応、監査上の主要な検討事項、連結 当監査法人は、エデュケア事業の保育・学童施設に係る有形固定資産の減損が適切に認識されているかを検討するために、以下の手続きを実施した。・ 経営者による固定資産の減損に関連する重要な虚偽表示リスクに対応するための内部統制を理解し、その整備及び運用状況を評価した。・ 会社が作成した減損検討資料を入手し、施設別損益及び有形固定資産の帳簿価額を会計帳簿と突合すると共に、複数の施設に係る共通費については配賦計算の妥当性を検証するため、再計算を実施した。・ 施設別将来キャッシュ・フローの見積期間について、主要な資産の経済的残存使用年数と比較した。・ 減損の兆候が識別されたすべての施設を対象に、帳簿価額と割引前将来キャッシュ・フローの合計額の比較を行った。・ 経営者の見積りプロセスの有効性を評価するために、過年度における将来キャッシュ・フローの見積りと実績を比較した。・ 一定の条件で抽出した施設につき、会社が使用した将来キャッシュ・フローに係る重要な仮定について経営者と協議し、外部情報との整合性を確かめた。・ 将来キャッシュ・フローについては、その基礎となる将来計画と、経営者によって承認された予算及び関連データとの整合性を検討した。
その他の記載内容、連結 その他の記載内容 その他の記載内容は、有価証券報告書に含まれる情報のうち、連結財務諸表及び財務諸表並びにこれらの監査報告書以外の情報である。経営者の責任は、その他の記載内容を作成し開示することにある。また、監査等委員会の責任は、その他の記載内容の報告プロセスの整備及び運用における取締役の職務の執行を監視することにある。 当監査法人の連結財務諸表に対する監査意見の対象にはその他の記載内容は含まれておらず、当監査法人はその他の記載内容に対して意見を表明するものではない。 連結財務諸表監査における当監査法人の責任は、その他の記載内容を通読し、通読の過程において、その他の記載内容と連結財務諸表又は当監査法人が監査の過程で得た知識との間に重要な相違があるかどうか検討すること、また、そのような重要な相違以外にその他の記載内容に重要な誤りの兆候があるかどうか注意を払うことにある。 当監査法人は、実施した作業に基づき、その他の記載内容に重要な誤りがあると判断した場合には、その事実を報告することが求められている。 その他の記載内容に関して、当監査法人が報告すべき事項はない。

Audit1

監査法人1、個別海南監査法人
独立監査人の報告書、個別 独立監査人の監査報告書 2024年3月29日株式会社ポピンズ 取締役会 御中 海南監査法人 東京事務所 指定社員業務執行社員 公認会計士溝口 俊一 指定社員業務執行社員 公認会計士平賀 康麿 監査意見当監査法人は、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づく監査証明を行うため、「経理の状況」に掲げられている株式会社ポピンズの2023年1月1日から2023年12月31日までの第8期事業年度の財務諸表、すなわち、貸借対照表、損益計算書、株主資本等変動計算書、重要な会計方針、その他の注記及び附属明細表について監査を行った。当監査法人は、上記の財務諸表が、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して、株式会社ポピンズの2023年12月31日現在の財政状態及び同日をもって終了する事業年度の経営成績を、全ての重要な点において適正に表示しているものと認める。 監査意見の根拠当監査法人は、我が国において一般に公正妥当と認められる監査の基準に準拠して監査を行った。監査の基準における当監査法人の責任は、「財務諸表監査における監査人の責任」に記載されている。当監査法人は、我が国における職業倫理に関する規定に従って、会社から独立しており、また、監査人としてのその他の倫理上の責任を果たしている。当監査法人は、意見表明の基礎となる十分かつ適切な監査証拠を入手したと判断している。 監査上の主要な検討事項 監査上の主要な検討事項とは、当事業年度の財務諸表の監査において、監査人が職業的専門家として特に重要であると判断した事項である。監査上の主要な検討事項は、財務諸表全体に対する監査の実施過程及び監査意見の形成において対応した事項であり、当監査法人は、当該事項に対して個別に意見を表明するものではない。 関係会社株式の評価監査上の主要な検討事項の内容及び決定理由監査上の対応当事業年度の貸借対照表に計上されている関係会社株式は2,098百万円(総資産に占める割合は23.4%)であり、その全てが市場価格のない関係会社株式である。市場価格のない関係会社株式について財政状態の悪化により実質価額が著しく低下した場合には、相当の減額処理を行う必要がある。但し、関係会社株式については、実質価額が著しく低下したとしても、事業計画等を入手して回復可能性を判定できることもあるため、回復可能性が十分な証拠によって裏付けられる場合には、期末において相当の減額をしないことも認められる。当監査法人は、以下の理由により、市場価格のない関係会社株式にかかる評価の妥当性の検討を監査上の主要な検討事項に該当するものと判断した。・ 市場価格のない関係会社株式は、財務諸表における金額的重要性が高く、実質価額の著しい低下により減額処理が行われると、財務諸表全体に与える金額的影響が大きくなる可能性があること。・ 実質価額が著しく低下した場合に行う回復可能性の検討は、経営者の判断を伴うこと。当監査法人は、関係会社株式の評価の合理性を検証するため、主に以下の監査手続きを実施した。・ 関係会社株式の評価に関連する内部統制の整備状況及び運用状況を評価した。評価した内部統制には関係会社株式の評価に用いられた事業計画の社内の査閲や承認手続を含んでいる。・ 監査上重要と判断した会社の取締役会議事録の閲覧及び経営者等への質問を通じて関係会社株式の経営環境を理解し、財政状態の悪化の兆候を示唆する関係会社株式の有無を確認した。・ 実質価額を各関係会社の財務数値より再計算し、帳簿価額との比較に際して用いた実質価額の正確性、及び帳簿価額に対する実質価額の著しい低下が生じた関係会社株式の有無について把握した。 その他の記載内容 その他の記載内容は、有価証券報告書に含まれる情報のうち、連結財務諸表及び財務諸表並びにこれらの監査報告書以外の情報である。経営者の責任は、その他の記載内容を作成し開示することにある。また、監査等委員会の責任は、その他の記載内容の報告プロセスの整備及び運用における取締役の職務の執行を監視することにある。 当監査法人の財務諸表に対する監査意見の対象にはその他の記載内容は含まれておらず、当監査法人はその他の記載内容に対して意見を表明するものではない。 財務諸表監査における当監査法人の責任は、その他の記載内容を通読し、通読の過程において、その他の記載内容と財務諸表又は当監査法人が監査の過程で得た知識との間に重要な相違があるかどうか検討すること、また、そのような重要な相違以外にその他の記載内容に重要な誤りの兆候があるかどうか注意を払うことにある。 当監査法人は、実施した作業に基づき、その他の記載内容に重要な誤りがあると判断した場合には、その事実を報告することが求められている。 その他の記載内容に関して、当監査法人が報告すべき事項はない。 財務諸表に対する経営者及び監査等委員会の責任経営者の責任は、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して財務諸表を作成し適正に表示することにある。これには、不正又は誤謬による重要な虚偽表示のない財務諸表を作成し適正に表示するために経営者が必要と判断した内部統制を整備及び運用することが含まれる。財務諸表を作成するに当たり、経営者は、継続企業の前提に基づき財務諸表を作成することが適切であるかどうかを評価し、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づいて継続企業に関する事項を開示する必要がある場合には当該事項を開示する責任がある。監査等委員会の責任は、財務報告プロセスの整備及び運用における取締役の職務の執行を監視することにある。 財務諸表監査における監査人の責任監査人の責任は、監査人が実施した監査に基づいて、全体としての財務諸表に不正又は誤謬による重要な虚偽表示がないかどうかについて合理的な保証を得て、監査報告書において独立の立場から財務諸表に対する意見を表明することにある。虚偽表示は、不正又は誤謬により発生する可能性があり、個別に又は集計すると、財務諸表の利用者の意思決定に影響を与えると合理的に見込まれる場合に、重要性があると判断される。監査人は、我が国において一般に公正妥当と認められる監査の基準に従って、監査の過程を通じて、職業的専門家としての判断を行い、職業的懐疑心を保持して以下を実施する。 ・ 不正又は誤謬による重要な虚偽表示リスクを識別し、評価する。また、重要な虚偽表示リスクに対応した監査手続を立案し、実施する。監査手続の選択及び適用は監査人の判断による。さらに、意見表明の基礎となる十分かつ適切な監査証拠を入手する。・ 財務諸表監査の目的は、内部統制の有効性について意見表明するためのものではないが、監査人は、リスク評価の実施に際して、状況に応じた適切な監査手続を立案するために、監査に関連する内部統制を検討する。・ 経営者が採用した会計方針及びその適用方法の適切性、並びに経営者によって行われた会計上の見積りの合理性及び関連する注記事項の妥当性を評価する。・ 経営者が継続企業を前提として財務諸表を作成することが適切であるかどうか、また、入手した監査証拠に基づき、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況に関して重要な不確実性が認められるかどうか結論付ける。継続企業の前提に関する重要な不確実性が認められる場合は、監査報告書において財務諸表の注記事項に注意を喚起すること、又は重要な不確実性に関する財務諸表の注記事項が適切でない場合は、財務諸表に対して除外事項付意見を表明することが求められている。監査人の結論は、監査報告書日までに入手した監査証拠に基づいているが、将来の事象や状況により、企業は継続企業として存続できなくなる可能性がある。・ 財務諸表の表示及び注記事項が、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠しているかどうかとともに、関連する注記事項を含めた財務諸表の表示、構成及び内容、並びに財務諸表が基礎となる取引や会計事象を適正に表示しているかどうかを評価する。監査人は、監査等委員会に対して、計画した監査の範囲とその実施時期、監査の実施過程で識別した内部統制の重要な不備を含む監査上の重要な発見事項、及び監査の基準で求められているその他の事項について報告を行う。監査人は、監査等委員会に対して、独立性についての我が国における職業倫理に関する規定を遵守したこと、並びに監査人の独立性に影響を与えると合理的に考えられる事項、及び阻害要因を除去又は軽減するためにセーフガードを講じている場合はその内容について報告を行う。 監査人は、監査等委員会と協議した事項のうち、当事業年度の財務諸表の監査で特に重要であると判断した事項を監査上の主要な検討事項と決定し、監査報告書において記載する。ただし、法令等により当該事項の公表が禁止されている場合や、極めて限定的ではあるが、監査報告書において報告することにより生じる不利益が公共の利益を上回ると合理的に見込まれるため、監査人が報告すべきでないと判断した場合は、当該事項を記載しない。 利害関係会社と当監査法人又は業務執行社員との間には、公認会計士法の規定により記載すべき利害関係はない。 以 上  (注)1.上記の監査報告書の原本は当社(有価証券報告書提出会社)が別途保管しております。2.XBRLデータは監査の対象には含まれていません。
監査上の主要な検討事項、個別 監査上の主要な検討事項 監査上の主要な検討事項とは、当事業年度の財務諸表の監査において、監査人が職業的専門家として特に重要であると判断した事項である。監査上の主要な検討事項は、財務諸表全体に対する監査の実施過程及び監査意見の形成において対応した事項であり、当監査法人は、当該事項に対して個別に意見を表明するものではない。 関係会社株式の評価監査上の主要な検討事項の内容及び決定理由監査上の対応当事業年度の貸借対照表に計上されている関係会社株式は2,098百万円(総資産に占める割合は23.4%)であり、その全てが市場価格のない関係会社株式である。市場価格のない関係会社株式について財政状態の悪化により実質価額が著しく低下した場合には、相当の減額処理を行う必要がある。但し、関係会社株式については、実質価額が著しく低下したとしても、事業計画等を入手して回復可能性を判定できることもあるため、回復可能性が十分な証拠によって裏付けられる場合には、期末において相当の減額をしないことも認められる。当監査法人は、以下の理由により、市場価格のない関係会社株式にかかる評価の妥当性の検討を監査上の主要な検討事項に該当するものと判断した。・ 市場価格のない関係会社株式は、財務諸表における金額的重要性が高く、実質価額の著しい低下により減額処理が行われると、財務諸表全体に与える金額的影響が大きくなる可能性があること。・ 実質価額が著しく低下した場合に行う回復可能性の検討は、経営者の判断を伴うこと。当監査法人は、関係会社株式の評価の合理性を検証するため、主に以下の監査手続きを実施した。・ 関係会社株式の評価に関連する内部統制の整備状況及び運用状況を評価した。評価した内部統制には関係会社株式の評価に用いられた事業計画の社内の査閲や承認手続を含んでいる。・ 監査上重要と判断した会社の取締役会議事録の閲覧及び経営者等への質問を通じて関係会社株式の経営環境を理解し、財政状態の悪化の兆候を示唆する関係会社株式の有無を確認した。・ 実質価額を各関係会社の財務数値より再計算し、帳簿価額との比較に際して用いた実質価額の正確性、及び帳簿価額に対する実質価額の著しい低下が生じた関係会社株式の有無について把握した。
全体概要、監査上の主要な検討事項、個別  監査上の主要な検討事項とは、当事業年度の財務諸表の監査において、監査人が職業的専門家として特に重要であると判断した事項である。監査上の主要な検討事項は、財務諸表全体に対する監査の実施過程及び監査意見の形成において対応した事項であり、当監査法人は、当該事項に対して個別に意見を表明するものではない。
見出し、監査上の主要な検討事項、個別関係会社株式の評価
その他の記載内容、個別 その他の記載内容 その他の記載内容は、有価証券報告書に含まれる情報のうち、連結財務諸表及び財務諸表並びにこれらの監査報告書以外の情報である。経営者の責任は、その他の記載内容を作成し開示することにある。また、監査等委員会の責任は、その他の記載内容の報告プロセスの整備及び運用における取締役の職務の執行を監視することにある。 当監査法人の財務諸表に対する監査意見の対象にはその他の記載内容は含まれておらず、当監査法人はその他の記載内容に対して意見を表明するものではない。 財務諸表監査における当監査法人の責任は、その他の記載内容を通読し、通読の過程において、その他の記載内容と財務諸表又は当監査法人が監査の過程で得た知識との間に重要な相違があるかどうか検討すること、また、そのような重要な相違以外にその他の記載内容に重要な誤りの兆候があるかどうか注意を払うことにある。 当監査法人は、実施した作業に基づき、その他の記載内容に重要な誤りがあると判断した場合には、その事実を報告することが求められている。 その他の記載内容に関して、当監査法人が報告すべき事項はない。

BS資産

受取手形、売掛金及び契約資産3,508,000,000
建物及び構築物(純額)1,392,000,000
工具、器具及び備品(純額)20,000,000
土地121,000,000
建設仮勘定1,207,000,000
有形固定資産123,000,000
ソフトウエア215,000,000
無形固定資産216,000,000
繰延税金資産647,000,000
投資その他の資産5,204,000,000

BS負債、資本

短期借入金600,000,000
1年内返済予定の長期借入金641,000,000
未払金79,000,000
未払法人税等20,000,000
賞与引当金77,000,000
資本剰余金3,050,000,000
利益剰余金1,093,000,000