財務諸表

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提出書類、表紙有価証券報告書
提出日、表紙2024-03-29
英訳名、表紙Appier Group, Inc.
代表者の役職氏名、表紙代表取締役CEO 游 直翰
本店の所在の場所、表紙東京都港区愛宕二丁目5番1号
電話番号、本店の所在の場所、表紙03-6435-6617
様式、DEI第三号様式
会計基準、DEIIFRS
連結決算の有無、DEItrue
当会計期間の種類、DEIFY

corp

沿革 2 【沿革】
当社は、2018年4月に当社グループの中間持株会社として設立されました。設立から現在に至るまでの沿革は、次のとおりであります。なお、当社は、2021年2月に、当社の親会社であったAppier Holdings, Inc.(英領ケイマン諸島)が既存株主に対して当社の株式を分配したことに伴い、当社が当社グループの最終親会社としての持株会社となりました。 (1) 当社設立前(参考情報)年月概要2012年6月中華民国(以下「台湾」という。)法人であるAppier, Inc.(注)において、当社代表取締役CEOの游直翰らが人工知能(AI)を活用した企業のマーケティングにおけるソリューションの研究開発を開始2014年3月Appier Pte.Ltd.を設立2014年5月当社グループの最終持株会社として、英領ケイマン諸島にAppier Holdings, Inc.を設立2014年6月最も生涯価値の高いユーザーを予測し、高い投資対効果を実現することができるユーザー獲得のプラットフォーム「CrossX」を提供開始2014年7月Appier Japan株式会社を設立2014年12月ホーチミンオフィス設立2015年4月シドニーオフィス設立2015年7月マニラオフィス設立2015年9月ムンバイ、デリー、ジャカルタ、香港オフィス設立2015年12月ソウル、クアラルンプールオフィス設立2017年5月バンコクオフィス設立2017年7月AI予測モデルを自動的かつ簡単に構築し、容易にオーディエンスの行動予測を行うことを可能にするデータサイエンスプラットフォーム「AIXON」の提供を開始 大阪オフィス設立
(2) 当社設立以後年月概要2018年4月当社グループの中間持株会社として、東京にAppier Group合同会社を設立2018年5月マーケティングオートメーション事業を手がけるQuantumgraph Solutions Private Limited.を買収2018年6月Appier Beijing Co., Ltd.を設立2018年10月Quantumgraph Solutions Private Limited.の買収で獲得した技術を活用し、再設計とAI機能の追加を行い、AIを活用して、ユーザーにパーソナライズされたメッセージを作成し、最も効率的にあらゆるチャネルを通じて、ユーザーとのエンゲージメントを実行するプラットフォーム「AIQUA」の提供を開始2019年1月Appier Group合同会社を組織変更し、Appier Group株式会社を設立2019年8月AI搭載のマーケティング・プラットフォームの強化を目指し、Emotion Intelligence株式会社を買収2019年10月Emotion Intelligence株式会社の買収で獲得した技術を活用し、購入をためらっているユーザーを特定し、売上の最大化と購入の動機付けをもたらすプラットフォームである「AiDeal」の提供を開始2019年12月Appier UK Co., Ltd.を設立2020年2月Appier US LLCを設立 パリオフィス設立2020年5月Appier Japan株式会社がEmotion Intelligence株式会社を吸収合併2021年2月当社の親会社であったAppier Holdings, Inc.が既存株主に対して当社の株式を分配したことに伴い、当社が当社グループの最終親会社としての持株会社となる2021年3月東京証券取引所マザーズに株式を上場2021年6月邦妮科技有限公司(BotBonnie Inc.)を買収し、会話型のエンゲージメント・マネジメント・プラットフォーム「BotBonnie」の提供を開始2022年4月東京証券取引所の市場区分の見直しにより、東京証券取引所グロース市場へ移行2022年10月カスタマージャーニー分析、マーケティングオートメーション、データマネジメントのためのSaaS(ソフトウェア・アズ・ア・サービス)プラットフォームを提供するWoopra, Inc.を買収2022年12月ファーストパーティデータに対応するAI搭載次世代CDP「AIRIS」の提供を開始2022年12月東京証券取引所プライム市場への上場市場区分変更2023年1月Appier Netherlands B.V.を設立 (注)既存法人をAppier, Inc.と改称
事業の内容 3 【事業の内容】
(1) 当社グループの概要「ソフトウェアをよりスマートに、AIでROIを向上させる」が当社グループのミッションです。 当社グループは、将来、全ての企業のソフトウェアにAIが搭載され、企業の意思決定がより正確で自動的にかつユーザーの行動を先回りするような形で実行されるようになると想定しています。当社グループは、デジタルマーケティングとセールスの領域のソフトウェアの変革から事業を開始しました。当社グループは、AIマーケティングのソリューションをSaaS(注1)モデルで提供するパイオニアを自負しています。AIによって自動的に消費者の行動を予測するという特徴をもった、マーケティング及びセールスの活動の全領域を支援するソリューションを提供しています。 現在、多くの組織は非常に価値があるデータを持っていながら、そのデータを有効に活用できていません。データの断片化、人材不足という課題があることが背景です。当社グループのAIプラットフォーム(当社グループが提供するソリューションの総体をいいます。以下同じ。)は、まず、深層学習(ディープラーニング)技術(注2)により、様々なソースから得られたフォーマットが異なるデータを統合することで、第一の課題であるデータの断片化という問題を解決します。続いて、この統合されたデータを活用して、最先端のAIモデルを自動的に構築するソフトウェアを提供することで、AI人材不足という第二の課題を解決します。さらに、当社のAIプラットフォームは、AIモデルを容易に利用することが可能であり、様々なアプリケーションと連携できるので、顧客企業のビジネスに好影響をもたらします。このような技術が、当社グループのAI SaaSソリューションに組み込まれています。 当社グループのAIプラットフォーム上で提供されるソリューションは、最先端のAIモデルによって将来予測を行うという特徴を持ち、データが真の価値を発揮することを可能にします。そして、マーケティング及びセールスの領域におけるファネル(注4)の各段階での課題に対応したものになっています。① 潜在ユーザーの予測及び獲得:CrossXユーザーのライフタイムバリュー(生涯価値)を予測し、最も価値の高いユーザーを獲得することを可能にすることで、マーケティング投資を予測可能なリターンに転換② ユーザーの維持及び関係構築:AIQUA、BotBonnieあらゆるコミュニケーションチャネルを最適なタイミングで活用し、AIによって パーソナライズ化された、プロアクティブで効果的なメッセージを用いて、ユーザーとのエンゲージメントの質を向上③ 購買・アクションへの動機付け:AiDeal購入を躊躇するユーザーを予測し、そのユーザーだけにインセンティブを付与し、収益性を維持しつつ売上の最大化を実現④ オーディエンス・インテリジェンス:AIXON、AIRIS様々なソースから得られる顧客企業自身が保有する消費者データを活用して、自動機械学習によって、ユーザーの行動を総合的に予測 当社グループは、顧客企業に次の価値を提供しています。第一に、最先端のAIを簡単に活用できるようにすることで、AIを業務プロセスに組み込むための開発時間とコストを大幅に圧縮することができます。第二に、後記「(4) 当社グループのソリューション」で述べるとおり、当社のAIソリューションを用いることで、デジタルマーケティングとセールスの領域の課題を一気通貫で解決することが期待できます。当社のソリューションは、ファネルの各段階で顧客企業の課題に簡単に対応することができます。また、他のファネル段階への展開を容易にするために、データは相互にリンクされています。最後に、将来予測を行う当社グループのAIソリューションを利用することによって、従来、過去データのみに基づいて実施されていたマーケティング上の意思決定を、ユーザーの行動を予測して先回りするものに変えることができ、顧客企業は、これによりビジネスの機会損失を最小限に抑えることが期待できます。
(注) 1.Software as a Serviceの略。インターネット等の通信ネットワークを通じて、利用者が必要なものを必要な分だけサービスとして利用できるようにしたソフトウェアまたはその提供形態。2.ニューラルネットワーク(注3)により機械学習技術を実装するための手法の一種3.生物の神経ネットワークの構造と機能を模倣するという観点から生まれた、脳機能に見られるいくつかの特性を計算機上のシミュレーションによって表現することを目指した数学モデル4.「じょうご」の意。後記「(4) 当社グループのソリューション」で述べるとおり、当社グループでは、潜在的なユーザーの予測及び獲得からユーザーの維持及び関係構築、販売に至るマーケティングのすべてのプロセスを「フル・ファネル」と表現しています。
(2) 当社グループの歴史当社グループは、2012年6月にAppier, Inc.が、米国のハーバード大学やスタンフォード大学在籍時に四足自立歩行ロボットや自動運転自動車の開発など、AI、データ分析、分散処理システム等分野での研究経験を有するAIサイエンティストとコンピュータプログラムのエンジニアメンバーによって、AIを活用した企業のマーケティングにおけるソリューションの研究開発を台湾で開始したことに始まります。マーケティングとセールスこそがユーザーとの最初の接点であり、全てのビジネスの出発点であると考えたからです。 当社グループは、機械学習やAIの研究で実績を残したAIサイエンティストが技術面を牽引しています。エンジニアの多くがAI、ビッグデータ又はコンピューターサイエンスの領域における博士号又は修士号を有しています。また、当社グループの役員又は従業員が執筆した300以上の論文が、トップジャーナル、カンファレンス、ワークショップ(アルバータ大学の定義に拠ります。)において発表されています。国際的かつ著名なデータ・マイニング・コンテストであるKDDカップにおいて、当社グループの従業員が参加したチームが7回優勝しております。これらのことから、当社グループは、フォーチュン誌から中国本土を除くアジアを拠点とする企業で唯一の「AI革命を牽引する50社(2017年)」(注1)及びガートナーから「AIクールベンダー(2017年)」(注2)に選出される等、AI企業として高い評価を受けて参りました。また、事業面でも経験豊富なメンバーが在籍しており、技術の強み、事業経験、顧客中心主義の文化が組み合わされたユニークな企業文化を有しています。 ・2014年に、当社グループ初のソリューションである「CrossX」の提供を開始しました。・2014年から2015年には、台湾だけでなく日本と韓国にも事業を拡大しました。北東アジア地域は、2023年12月期の当社グループの売上収益の65%を占めています。また、東南アジア各国の急激な経済成長を受け、各国への進出を進めています。・2018年には、インドのベンチャー企業であるQuantumgraph Solutions Private Limitedを買収し、そのソリューションを再設計しAI機能を追加することで、「AIQUA」を立ち上げました。・2019年には、日本のベンチャー企業であるEmotion Intelligence株式会社を買収しました。同社のソリューションにさらに最先端の機械学習技術を追加することで、「AiDeal」を立ち上げました。・2020年以降には、中国での事業活動を強化し、欧州、米国地域へと拡大しました。・2021年には、台湾のベンチャー企業である邦妮科技有限公司(BotBonnie Inc.)を買収し、会話型のエンゲージメント・マネジメント・プラットフォーム「BotBonnie」の提供を開始しました。・2022年には、米国のベンチャー企業であるWoopra, Inc.を買収し、AIを搭載しした次世代CDP(カスタマー・データ・プラットフォーム)「AIRIS」の提供を開始しました。 現在、当社グループは、東京の他、台北、シンガポール、シドニー、香港、ムンバイ、ニューデリー、ソウル、クアラルンプール、ホーチミン、マニラ、ジャカルタ、バンコク、大阪、北京、パリ及び米国カリフォルニア州といった15の国・地域に17のオフィス(2023年12月末時点)を構え、1,625の企業グループ(注3)に直接もしくは代理店経由にてサービスを提供しております。当社の本社所在地は東京ですが、当社グループの開発拠点は主に台湾です。 主要な関係会社(AISaaS事業)開発の拠点:Appier, Inc.グループ会社の統括本社機能:Appier Pte. Ltd.販売を行っている子会社:Appier Japan株式会社、Appier, Inc.等
(注) 1.2017年にCBインサイツが多様な健全性・成長性指標に基づき選出した「世界で最も有望なAIスタートアップ企業100社」(「AI100」)の中から、資金調達額の多かった上位50社。なお、当社グループは2018年にもAI100に選出されている。2.東アジア地域で優れたAIソリューションを提供している企業として2017年にガートナーが選出したもの。3.2023年12月末時点で当社グループと契約しており、当社グループのソリューションを1種類以上利用している企業グループの総数。有償・無償のトライアル、デモ使用、M&Aにより獲得した顧客は含まない。複数のブランドで当社グループの同一のソリューションを利用している企業は、1社としてカウント。複数のブランドで当社グループの複数のソリューションを利用している企業は、利用している当社グループのソリューションの数ごとに個別の顧客企業としてカウント。 (3) 当社グループのAIプラットフォームができること近年の経済情勢を見ると、以下の3点を主な理由として、データを利活用したビジネスの需要が高まっており、ビッグデータ(注1)を収集・解析・活用し、経営判断に役立てることがますます重要になっていると当社グループは考えております。① デジタルデバイスの普及・浸透:スマートフォン、タブレット等を中心とした個人が所有するデジタルデバイスの普及② 技術革新:クラウドコンピューティング(注2)、ビッグデータ解析技術、深層学習(ディープラーニング)技術等におけるイノベーション③ データの利用可能性の拡大:検索エンジンやeコマースを通じたトランザクション・データ(注3)及びソーシャルメディア等を通じて生成された画像・動画等の非構造化データ(注4)の増加 とりわけ、マーケティング領域においては、ユーザーに関するビッグデータを分析、活用することにより、ウェブサイト又はモバイルアプリケーションを通したより効果的なマーケティングが可能となりました。また、AIソフトウェアを用いて企業が保有するカスタマーデータからより有意義な知見を抽出して理解を深めることや、既存の又は潜在的なカスタマー等とのマーケティング・コミュニケーションにAIソフトウェアを活用して、個人に対して最適にパーソナライズされた提案を行い、エンゲージメントを高める取り組みも進んでおります。 このようにデータの利活用の重要性やAIに対するニーズが高まる一方、現実のビジネスにおいては以下のような困難が待ち受けており、多くの組織ではデータを有効に活用できていないと当社グループは考えております。① データは複数のソースやデバイスに分断されており、大量の異なるデータを管理し、統合することは難しく調査対象の包括的な理解が得られない② AIを十分に活用し、ビジネスの意思決定にAIを役立てるには、高度な訓練を受けた専門家が必要③ AIやデータサイエンティストを組織に融合させることは容易ではなく、事業に良い影響をもたらすことは難しく、また、価値を生み出すAIアプリケーションを開発することには困難を伴う この点において、当社グループの開発したAIプラットフォームは、これらの社会的課題に以下のように対応します。① データ統合の自動化:ディープラーニング技術により、様々なソースやデバイスから得たフォーマットが異なるデータを統合してデータの価値を高め、広範に利用できるデータを自動的に生成します。② 機械学習を用いたAI予測モデルの自動構築:高度な機械学習(注5)を用いたAI予測モデルを自動的に構築し、企業は社内でデータ・サイエンスチームを立ち上げることなく、自社の課題解決に集中することが可能になります。③ 簡単に利用可能なSaaSプラットフォーム:システム環境に依らず利用可能なプラットフォームであるSaaSのプラットフォームとして提供することで、初期投資を抑えながらAIを用いてデータを直ちに利活用し、顧客企業の利用者が自分で分析を行うことを可能にしております。そして、当社グループでは、多数の顧客企業が進んだAIモデルに容易にアクセスできるSaaSのAIソリューションこそが、AIの潜在能力を最大限に引き出すと考えています。このように様々なソースやデバイスから入手したデータを自動で統合することでユーザーのプロファイルを作成し、断片的な情報しかなかったデータから包括的なユーザーの情報を得ることを可能にしております。その際、ユーザーのウェブサイトの訪問履歴やアプリの使用履歴等を自然言語処理(注6)とディープラーニングにより解析することで、データがない領域があったとしても、周辺領域に対するユーザーの嗜好の理解を基に当該未開拓の領域に対する興味・関心の有無について予測することで、より広範なトピックに対するユーザーの行動を予測することを可能にしております。 当社グループのソリューションを使用して現実世界における企業の課題を解決した具体例な事例として以下が挙げられます。① データ統合の自動化:例えば、顧客企業である化粧品ブランドのアプリ・Webサイト、CRM(注7)からのストリーミングデータ(注8)を統合しユーザーのプロファイルを生成します。当該ユーザーの行動パターンと興味・関心といったデータを統合、更には商品の閲覧や購入等のユーザーのWebサイトやアプリ上での行動データ等を統合することで、包括的なユーザーのプロファイルを作成します。② 機械学習を用いたAI予測モデルの自動構築:包括的なユーザーのプロファイルに基づきユーザーがいつ、何を、どのように購入したいのかを予測する機械学習を用いたAI予測モデルを自動構築することで、例えばこの閲覧したユーザーは、例えば、日焼け止めUVカットのファンデーションを購入する可能性が高いと、高い精度で予測してマーケティングを実施することが可能になります。③ パーソナライズされた提案:最もユーザーにマッチする商品を自動的にWebサイトやアプリに表示させることによって提案します。 (注) 1.従来のデータベース管理システム等では記録や保管、解析が難しいような巨大なデータ群2.インターネット等のコンピューターネットワークを経由して、コンピューター資源をサービスの形で提供する利用形態3.業務に伴って発生した出来事の詳細を記録したデータ4.文書データ、電子メール、写真、動画等、定型的に扱えないデータ5.データから規則性や判断基準を学習し、それに基づき未知のものを予測、判断する技術6.人間が日常的に使っている自然言語をコンピューターに処理させる一連の技術7.顧客との良好な関係を構築し、顧客価値を高めるためのマネジメント8.多数のデータソースによって継続的に生成されるデータ (4) 当社グループのソリューション当社グループは、企業と価値あるエンドユーザーを結びつけるためのAIベースのソリューションを提供しています。当社の顧客の多くは消費者向けの企業であるため、潜在的なユーザーの予測及び獲得からユーザーの維持及び関係構築、販売に至るマーケティングのすべてのプロセスを一気通貫でサポートできるソリューションを揃えております。当社グループでは、このコンセプトをマーケティングとセールスのプロセスの「フル・ファネル」と呼んでいます。このアプローチにより、マーケティングとセールスの各段階で、顧客企業の課題解決を支援することができると考えています。また、SaaSのプラットフォームとして提供することで、AIでこれらの課題を解決するために必要な開発時間とコストを大幅に削減することができます。当社グループのソリューションは、顧客企業に以下のような価値を提供しています。① 企業レベルでは、完全に自動化されたデータの統合とAIモデルの自動構築の技術により、AIの導入を容易にします。② CMO(Chief Marketing Officer)やマーケティング責任者には、将来のユーザー行動を予測し、そこから得られる知見を提供します。これにより、従来、過去データのみに基づいて実施されてきたマーケティング上の意思決定を、ユーザーの行動を予測して先回りするものに変えることができます。また、投資額に対してどれだけのリターンがあったかを測定可能なものにします。③ マーケティング実務者には、日々の業務課題に合わせたフル・ファネルのソリューションを提供します。当社グループのAIソリューションは、デジタルマーケティングに伴う様々な手作業を自動化し、マーケティング実務者がより戦略的な意思決定に集中することを可能にします。そして、顧客企業が当社のソリューションを使用すればするほど、顧客企業はより多くの価値を得て、当社グループはより多くのロイヤルティを得ることができると考えています。また、CrossXは、AIが自動的にユーザー獲得のためのマーケティングキャンペーンを実施し、その実施結果等について顧客企業は当社のプラットフォーム上にあるレポートを通じて確認することができます。それに対して、AIQUA、AiDeal及びAIXONは、顧客企業が自ら利用できるプラットフォームを提供するものです。顧客企業は、そのニーズに応じて、当社グループのソリューションを1つだけ利用することも、複数利用することも可能ですが、各ソリューションが高度に連携・統合されていることから、組み合わせて使うことによって、時には、これまで想定していなかった知見や気づきを得ることができます。そして、当社ソリューションから得たデータや気づきを他の分野で活用することも可能です。 ① ユーザーのライフタイムバリュー(生涯価値)を予測し、最も価値の高いユーザーを獲得することを可能にすることで、マーケティング投資を予測可能なリターンに転換:ソリューション名 CrossX(クロスエックス)CrossXは、一般消費者を対象とする企業がマーケティングの最初の段階で直面する最大のチャレンジのひとつである、マーケティングのコストに見合う高いリターンが期待できるユーザーを獲得する、という課題を解決するためのもので、マーケティング・ファネル図の一番上の「潜在ユーザーの予測及び獲得」のためのソリューションです。従来のソリューションでは、コストと時間をかけてマニュアル作業によるA/Bテスト(注1)を繰り返すことも多い中、CrossXは、AIが最も生涯価値の高い潜在的ユーザーを高い精度で予測し、当該潜在的ユーザーのターゲティングにフォーカスすることが可能であることから、顧客企業は高い投資対効果を実現することが期待できます。 CrossXは2014年に提供を開始した当社初のソリューションであり、当社の売上収益への貢献度が最も大きいソリューションです。顧客企業がCrossXとの連携を開始すると、最初にユーザーデータの取り込みを行います。ユーザーのプロファイル、サイトデータ、ユーザー行動などの1万以上のデータの組み合わせが、当社グループのマルチタスク型ディープラーニングモデルに入力され、質の高いユーザーを見つけるだけでなく、「サイト訪問」「ユーザー登録」「購入」などの複数の重要な目標を達成するユーザーや、生涯価値などの将来の行動やパターンを予測し、顧客企業に最高のROI(注2)をもたらすユーザーを予測することができます。予測はこれで終わりではなく、獲得したデータに対して、繰り返し機械学習を行い、予測モデルの改善を継続し続けます。 そして、そのような生涯価値の高いユーザーを実際に取り込むために、当社グループは、Google等の主要なマーケティング・プラットフォームと接続し、当社グループがマーケティング・プラットフォーム利用料を負担して、顧客企業に代わってマーケティングキャンペーンを実施すること等のマーケティング活動をAIが自動的に行います。 また、CrossXのソリューションの一環として、AIが推奨する様々なアクションを顧客企業自身が行うことができるユーザー獲得の自動化ツール「AIXPERT(アイエクスパート)」を発表しました。AIXPERTは、顧客企業のサービスを理解した上で、ターゲティングの候補となるユーザーを選定することができます。AIXPERTのAIは、予算の配分方法など、望ましい結果を得るためのパラメーターの調整方法を定期的に提案し、顧客企業が最終決定を下すことができます。これにより、AIの意思決定プロセスが顧客企業にも見えるようになります。すべての判断が自動的に適用される「マーケティングの自動運転」を行うことも可能です。 CrossXは、通常、特定のキャンペーンやマーケティング活動のために利用量ベースの価格体系で顧客企業に提供しています。その場合、当社グループに支払われる費用は、当該キャンペーンやマーケティング活動の結果として顧客企業が獲得したユーザーの数やアクティブユーザーの増加数に応じて算出されます。 ② あらゆるコミュニケーションチャネルを最適なタイミングで活用し、AIによって パーソナライズ化された、プロアクティブで効果的なメッセージを用いて、ユーザーとのエンゲージメントの質を向上:ソリューション名 AIQUA(アイコア)、BotBonnie(ボットボニー)一般消費者を対象とする企業は、ユーザーを獲得した次の段階として、マーケティング・ファネル図における上から2番目にあたる「ユーザーの維持及び関係構築」という課題に直面します。(1)複雑な内容のメッセージを作成し、複数のチャネルを管理するための手作業の負担が掛かる、
(2)ユーザーに最適にパーソナライズされたメッセージを適切なタイミングで送ることができない、(3)ユーザーとの関係性構築のためのチャネルが不適切でロイヤルティの高いユーザーに変えることが出来ない、などが、一般消費者向けの事業を行う企業で良く見られるエンゲージメントの課題です。 従来のマーケティング・オートメーション・ソリューションは、ユーザーの行動を基にして事前に定めたルールに合致した場合に、例えば、所定のメッセージを自動で送信するというものです。このため、ユーザーにメッセージを届ける理想的なタイミングを逃してしまって無視されたり、もはや関心がなくなってしまったメッセージを送信しているということが生じています。AIQUAは、これを解決するために当社が提供するAIソリューションです。2018年にインドのベンチャー企業であるQuantumgraph Solutions Private Limitedを買収し、そのソリューションを再設計しAI機能を追加することでAIQUAを立ち上げました。従来のマーケティング・オートメーション・ソリューションと異なり、AIが組み込まれているAIQUAは、ユーザーの取りうる行動を予測し、ユーザーに最適にパーソナライズされたメッセージを最適なタイミングで提供することで、ユーザーとのエンゲージメントを強化することが可能です。AIQUAには以下の特徴があります。(1) Webプッシュ通知、Eメール、SMS、メッセンジャーアプリといった多様なコミュニケーションチャネルを簡単に利用することが可能です。
(2) AIアルゴリズムが、当該ユーザーにとって最適にパーソナライズされたメッセージやお薦め情報を自動的に作成します。(3) AIアルゴリズムが、読まれる可能性が高いと予測されるチャネルから、かつ、高い成果を達成すると予測される最適な送信タイミングでメッセージを自動送信します。 当社グループは、AIQUAをサブスクリプション方式(顧客企業の利用量に拘わらず一定額の料金が支払われる方式)で提供しています。その契約期間は一般的には1年又は複数年単位であり、アクティブユーザーの総数に応じて段階的に定めている定額の料金をお支払いいただいております。 更に、当社グループは、邦妮科技有限公司(BotBonnie Inc.)の買収に伴い、2021年6月にBotBonnieの提供を開始しました。BotBonnieの提供開始により、カスタマーエンゲージメントに関する製品ラインアップをメッセンジャー領域まで拡大しました。また、これにより当社グループは会話型コマースとカスタマーサポート領域に進出することとなり、これは当社グループのフルファネルマーケティングとビジネスソリューションに対する顧客中心のアプローチに沿った動きです。 BotBonnieは、オムニチャネルの会話型マーケティング・プラットフォームであり、メッセンジャープラットフォームにおける複雑なカスタマージャーニーを賢くナビゲートできるよう設計され、当社グループのAIを活用したソリューション群を強化しています。通常、企業がメッセンジャープラットフォームを通じてパーソナライズされた顧客サービスを生成し、顧客との望ましい関係を構築するためには、多大な労力が必要です。BotBonnieは、ビジュアルビルダーを使用して、パーソナライズされた顧客サービスを簡単に作成することができます。さらに、BotBonnieはInstagram、Facebook Messenger、LINEといった世界で最も人気のあるソーシャルメディアプラットフォームと統合しており、顧客エンゲージメントのカバー範囲を拡大するだけでなく、AIが会話データから得たインサイトよりアクションを強化することができます。当社グループは、BotBonnieをサブスクリプション方式(顧客企業の利用量に拘らず一定額の料金が支払われる方式)で提供しています。その契約期間は一般的には1年又は複数年単位であり、顧客企業のソーシャルメディアアカウントの登録者数に応じて段階的に定めている定額の料金をお支払いただいております。 ③ 購入を躊躇するユーザーを予測し、そのユーザーだけにインセンティブを付与し、収益性を維持しつつ売上の最大化を実現:ソリューション名 AiDeal(アイディール)既存ユーザーとのエンゲージメントが維持・強化された次の課題は、ユーザーに購入等の取引を行ってもらうことです。マーケティング・ファネル図における上から3番目の「購買・アクションへの動機付け」にあたります。 一般消費者を対象とするeコマース企業の大きな課題のひとつに、カートに入れられた商品の多くが最終的に購入されずに終わるという問題があります。その理由は、ECサイト間の切り替えに手間とコストがかからないため、一般消費者が実店舗での購買に比べて、躊躇することが多いからです。そのため、多くのECサイトではクーポン等を配布することが増えています。しかし、クーポン等の配布には2つの問題があります。一つは、クーポンが無差別に配られたり、間違ったユーザーセグメントに向けられたりすると、利益率が低下する一方で、全体の収益や利益が必ずしも増加するわけではないことです。また、クーポンを過度に配布すると、ブランドイメージを損なう可能性もあります。もう一つは、eコマース企業内の能力が限られているために非効率的な手作業が発生しており、適切なツールの活用や分析ができていないため、どのセグメントをターゲットにしてクーポンを配布すべきかを効果的に把握することができません。 AiDealは、この問題を解決するAIソリューションです。日本のEmotion Intelligence株式会社を買収し、同社のソリューションに最先端の機械学習技術を追加することで、購入をためらっているユーザーを特定し、売上の最大化と購入の動機付けをもたらすプラットフォームである「AiDeal」を立ち上げました。 AiDealは、AIによって、ユーザーのモバイル画面へのタッチやスワイプ方法、カーソルの位置、スクロールの量など、サイト全体でのユーザーのリアルタイムでの挙動に関するデータを処理し、ユーザーが製品やサービスの購入を決定するに至るトリガーを見つけ出し、購入をためらっているユーザーを検出します。その上で、当該ユーザーに対し、カスタマイズされた効果的なオファー(期間限定のディスカウントなど)を提案し、購入まで導くことで、購買の頻度及び確度の向上並びに収益性の向上を可能にします。また、カートの中に放置されていた商品を購入させるために、限られた時間内にクーポンの有効期限を設定する機能も提供しています。これにより、顧客企業は、クーポン等を提供すれば購入に至る可能性が高い、購入をためらっているユーザーを推定し、効率的にターゲットにすることができます。 このように、AiDealは、データに基づいて適切なオファーをすることで、ディスカウントやクーポンなどのコストを抑えながらも売上を増やすことを企図するものです。AiDealは、eコマース企業のみならず、何らかの登録や申込みのフォームを書きかけたままにしているユーザーに対して、それを仕上げるように促すことにも利用可能であり、他の領域での活用事例を拡げているところです。 当社グループは、AiDealをサブスクリプション方式で提供しています。その契約期間は一般的には1年又は複数年単位であり、取引量に応じて段階的に定めている定額の料金をお支払いいただいております。 ④ AI予測モデルを自動的かつ簡単に構築し、容易にオーディエンスの行動予測を行うことを可能にするデータサイエンスプラットフォーム:ソリューション名 AIXON(アイソン)、AIRIS(アイリス)一般消費者を対象とする企業は、ユーザーに対するデータ分析により得られる知見をビジネスに有効利用したいと考えた際に、(1)データは複数のソースや異なるフォーマットでバラバラに分断されていること、
(2)正確なAIモデルを構築するには時間とコストがかかること、(3)行動に移せるような実用的な知見がデータサイエンティストからは提示されないこと、という課題に直面します。マーケティング・ファネル図の上から4番目の「オーディエンス・インテリジェンス」にあたります。 AIXONは、この3つの課題を解決するために設計された、導入しやすいデータサイエンス機能を持つAI搭載の予測分析プラットフォームです。これを用いることにより、顧客企業は、自社でデータサイエンティストを抱えることなく、膨大なユーザーデータを統合・強化して、機械学習モデルを用いたシナリオに基づいてターゲットとなるオーディエンス(注3)の行動予測を自動的に行うことが可能となります。また、AIXONは、AIが導き出した結論の論拠を、顧客企業に分かりやすく説明・表示することができます。 また、AIXONとAIQUAを同時に活用することで更に大きなシナジーがもたらされます。例えば、AIXONが予測するユーザーの潜在的な解約リスクや潜在的な購買行動などに対して、AIQUAを活用してユーザーに対するエンゲージメントをただちに実施することで、将来の損失を回避し、売上を増加させることが可能となります。このためAIQUAはAIXONと併売されることが多く、顧客に大きな価値をもたらすだけでなく、当社顧客の維持にも貢献しています。 AIXONには3つの独自性のある強みがあります。 データの統合と自動処理による導入の容易さ分かりやすいビジュアル化されたインターフェースを使うことで、簡単にデータをつなぎこむことができます。当社のディープラーニング技術により、異なるソースの異なるフォーマットのデータをリアルタイムで統合し、AI予測モデルが必要とするデータを自動的に抽出し処理することが可能です。 自動でのAI予測モデルの構築AIXONは、自動でシナリオベースのAI予測モデルを構築することができます。この予測を用いることで、データサイエンティストチームを介さずに、ユーザーの行動を予測することができ、実際のビジネスの問題解決に集中することができます。例えば解約予測などのシナリオを選択すると、AIXONが最適なAI予測モデルを自動的に選択し、更にモデルの強化のためのトレーニングを自動で行います。 AIXONの画面上で希望する予測精度等を簡単に設定することが可能であり、ニーズに応じて予測内容を調整することができます。そして、AIXONの予測結果は、顧客管理データベースやマーケティングオートメーションシステムなど、顧客が選択した先に即座に出力することができます。 説明可能なAIAIXONは、顧客が使用するためのプロファイルとAIの意思決定内容をテキストで表示し、AIモデルの中で最も重要な変数と、特定の選択と意思決定が行われる理由を示すことができます。AI分析の要因を説明できることは、AI技術への信頼を醸成し「ブラックボックス」とみなされることを避けるために重要です。 また、当社グループは米国のWoopra, Inc.を買収し、同社が保有していたソリューションとAIXONを組み合わせることにより、2022年12月にAIRISの提供を開始しました。AIRISは、AppierのAIによる予測アプローチと、Woopraの直感的なデータの可視化を組み合わせた、AIベースのカスタマーデータプラットフォーム(CDP)です。直感的なリアルタイムデータの可視化と予測により、インサイトを得るまでの時間を大幅に短縮することができます。 当社グループは、AIXON及びAIRISをサブスクリプション方式で提供しています。その契約期間は一般的には1年又は複数年単位であり、このプラットフォームを使って顧客企業が行った予測の件数及びアクティブユーザーの総数に応じて段階的に定めている定額の料金をお支払いいただいております。
(注) 1.キャンペーンのバリエーションを複数用意し、それぞれにオーディエンスを振り分けて、結果が良くなるバリエーションを検証するマーケティング実験の手法2.マーケティングへの投資額に対して得た利益の額の比率3.マーケティングメッセージの受け手 [事業系統図]
関係会社の状況 4 【関係会社の状況】
名称住所資本金主要な事業の内容議決権の所有割合又は被所有割合(%)関係内容(連結子会社) Appier Pte. Ltd.
(注)3、5シンガポール379,230千シンガポールドルグループ会社の統括本社機能100.0役員の兼任銀行借入に対する債務被保証Appier, Inc.
(注)5台湾台北市44,386千台湾ドルAISaaS事業100.0(100.0)役員の兼任銀行借入に対する債務被保証Appier Japan株式会社
(注)5東京都港区34,395千円AISaaS事業100.0(100.0)役員の兼任資金の貸付銀行借入に対する債務被保証Appier PTY. Ltd.オーストラリアシドニー市1,000オーストラリアドルAISaaS事業100.0(100.0)役員の兼任Quantumgraph Solutions Private Limited. インドバンガロール市100千インドルピーAISaaS事業100.0(100.0)役員の兼任Appier India Private Limited. インドムンバイ市100千インドルピーAISaaS事業100.0(100.0)役員の兼任Appier Hong Kong Ltd.中華人民共和国香港特別行政区100香港ドルAISaaS事業100.0(100.0)役員の兼任Appier Korea Ltd.大韓民国ソウル市80,000千ウォンAISaaS事業100.0(100.0)役員の兼任Appier Beijing Co., Ltd.中華人民共和国北京市1,000人民元AISaaS事業100.0(100.0)役員の兼任神測通金融科技股份有限公司台湾台北市1,000千台湾ドルAISaaS事業100.0(100.0)役員の兼任Appier Vietnam Co., Ltd.ベトナムホーチミン市695,100千ベトナムドンAISaaS事業100.0(100.0)役員の兼任Appier Thailand Co., Ltd.タイバンコク市2,000千バーツAISaaS事業100.0(100.0)役員の兼任Appier UK Co., Ltd. 英国バーミンガム市100千ポンドAISaaS事業100.0(100.0)役員の兼任Appier US LLC米国デラウェア州10千米国ドルAISaaS事業100.0(100.0)役員の兼任Woopra, Inc.米国カリフォルニア州515米国ドルAISaaS事業100.0(100.0)役員の兼任Appier Netherlands B.V.オランダアムステルダム市55,000ユーロAISaaS事業100.0(100.0)役員の兼任
(注) 1.「主要な事業の内容」欄には、セグメント情報の名称を記載しております。2.議決権の所有割合の( )内は、間接所有割合で内数であります。3.特定子会社に該当しております。4.有価証券届出書又は有価証券報告書を提出している会社はありません。5.Appier, Inc.、Appier Japan 株式会社、及びAppier Pte. Ltd.については、売上収益(連結会社相互間の内部売上収益を除く。)の連結売上収益に占める割合が10%を超えております。なお、当該会社の当事業年度の主要な損益情報等は、以下のとおりであります。主な損益情報等(単位:千円) Appier, Inc.Appier Japan株式会社Appier Pte. Ltd.売上収益7,739,8005,621,66120,544,917税引前利益(△損失)△414,687136,1801,083,560親会社の所有者に帰属する当期利益(△損失)△407,22498,4031,080,373親会社の所有者に帰属する持分△1,530,115699,26828,531,236総資産3,787,0682,746,42329,177,088
従業員の状況 5 【従業員の状況】
(1) 連結会社の状況2023年12月31日現在従業員数(人)706
(注) 1.従業員数は就業人員(当社グループからグループ外への出向者を除き、グループ外から当社グループへの出向者を含む。)であり、臨時雇用者数は、従業員数の100分の10未満であるため、記載を省略しております。2.当社グループは、単一セグメントであるため、セグメントに関連付けて記載しておりません。
(2) 提出会社の状況2023年12月31日現在従業員数(人)平均年齢(歳)平均勤続年数(年)平均年間給与(円)――――
(注) 純粋持株会社である当社の事業はAppier, Inc.及びAppier Japan株式会社に所属する従業員が遂行しており、当社に従業員は存在しません。 (3) 労働組合の状況当社グループの労働組合は結成されておりませんが、労使関係は円満に推移しております。
経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】
文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであります。 (1) 経営方針当社グループは、顧客企業による顧客やユーザーの獲得及び効率的な売上拡大等の企業のマーケティングにおける経営課題の解決を支援する人工知能(AI)を活用した各種のソリューションをプラットフォームを通じて提供することで、顧客企業の成長をサポートしております。
(2) 経営環境インターネット及びモバイルデバイスの普及によるデータの爆発的増加とAIへのニーズインターネット及びモバイルデバイスの急速な普及と、その結果生み出された検索や商取引等の膨大なトランザクション・データや画像・動画等の非構造化データ、そしてそれらのデータを保管・処理する技術の飛躍的な進化により、企業がデータに基づいた意思決定を行う必要性は益々高まっていると考えております。そのような環境の中で登場したAIソフトウェアは、各種デバイス、センサー、アプリケーション等を通じて収集される膨大なデータを統合し、より複雑な分析や処理を行うことを可能にしました。とりわけ、マーケティング領域においては、PCに加えて、スマートフォン・タブレット等のモバイルデバイスを通じて収集されたユーザーに関する各種データを分析、活用することにより、ウェブサイト又はモバイルアプリケーションを通したより効果的なマーケティングが可能となりました。また、AIソフトウェアを用いて企業が保有するカスタマーデータからより有意義な知見を抽出して理解を深めることや、既存の又は潜在的なカスタマー等とのマーケティング・コミュニケーションにAIソフトウェアを活用して、よりパーソナライズされた提案を行い、エンゲージメントを高める取り組みも進んでおります。 AI利用の重要性に対する認識の高まり近年は様々な事業部門におけるAI利用の重要性に対する認識が高まっており、多くの企業が近い将来に事業にAIを展開する計画があるといわれています。しかし、既にAIの導入を完了している企業は少なく、専門技術を有するスタッフが欠乏していることがAI導入における最も一般的な障害であると考えられています。 内製AI組織ではなく、AI SaaSソリューションの活用が拡大する可能性AI人材が不足していることから、企業が自社内に内製のAIデータサイエンティストチームを立ち上げるのではなく、当社のような外部ベンダーの提供するAIソリューションの導入を選択することが増えてくると予想されます。特に、他のソリューションと比較して導入が容易なSaaSのソリューションが増えると、当社グループでは予想しています。 デジタル化の加速一般消費者やビジネスがデジタルの世界にシフトしていることによって良質なデータが大量に発生しており、新型コロナウイルスの流行がデジタル化を更に加速しました。そのため、AIを導入して分析しようという動きが促進されていると当社グループは考えております。 AIによる予測がマーケティングやセールスへの投資の中心にマーケティングやセールスへの投資は投資対効果の予測が難しいですが、AIを活用することでその予測が可能となります。将来的にマーケティングやセールスへの投資はAIを活用したものが中心となると、当社グループでは考えています。 デジタルマーケティングにおけるAIによる自動化と効率化現在、デジタルマーケティングは、担当者が各種の設定を手作業で調整するという労働集約型のビジネスとなっています。AIは過去のデータに基づき最適解を予測するので、AIの普及により、デジタルマーケティングの組織の効率化とマーケティングの成果の増加をもたらす可能性があると考えています。 顧客企業のニーズを満たすことができない既存のソリューション当社グループのソリューションのような、AIを活用したソリューションは、既存のソリューションでは満足できない顧客企業の課題に対して、例えば以下の点において適切に対処することができると考えています。① ユーザーの予測や獲得既存の多くのソリューションでは、デジタルマーケティング担当者が結果を改善するために手作業でA/Bテストを行う必要があります。AIによる予測を活用することで、手作業の時間とコストを削減し、過去のデータから最適な結論を導き出すことができます。② ユーザーの維持及び関係構築既存のマーケティング・オートメーション・ソリューションの多くは、所定のルールに基づいて対応するという手法を用いており、ビジネスチャンスを逃すリスクがあります。AI予測を用いてユーザーの将来行動を予測し、先回りしてユーザーに対してエンゲージメントすることで、そのようなリスクを軽減することができます。③ 購買への動機付け多くの場合、購買をうながすためのクーポン等の配布は、ユーザー全員に一律に配布されたり、限定的なデータと直感に基づいて特定のユーザーに配布されたりしています。これでは、効果的に売上を伸ばすことはできず、また、収益に悪影響をもたらすことがあります。当社グループのAI予測を用いることによって、購買をためらっているユーザーにだけ限定的にクーポン等を配布することができます。④ オーディエンス・インテリジェンス既存のソリューションは、コンサルティング会社やAIシステム会社によって開発された自社内製分析システムになります。一定の質が担保されコストが明確なAI SaaSソリューションと比較すると、開発に関わるAI人材の質が一定ではないため、時間とコストがかかり、想定したシステムが構築できないリスクが高くなります。 ファーストパーティーデータ中心の世界におけるAIの重要性の高まり当社グループの強力なAIにより、当社グループのソリューションはリアルタイムに予測を行い、顧客企業がビジネス上の目標を達成するために必要な、ユーザーの獲得、維持、エンゲージメントを支援することができます。このような予測は、外部のサードパーティーデータを利用せず、顧客企業がウェブ、アプリ、CRMデータベースから提供するファーストパーティーデータのみに基づいて行われます。ファーストパーティーデータの品質、関連性、精度は常にサードパーティーデータを上回っていますが、これまでは当社グループのソリューションなしでは、断片的でサイロ化した膨大な量のデータを統合して有効活用し、意味のある意思決定を進めることが技術的に困難でした。このため、ユーザーIDやユーザー行動を同期させてユーザーの嗜好を把握するためにサードパーティーデータに依拠するか、膨大なデータを時間のかかる手作業で整理し、過去のデータ分析や経験に基づき意思決定を行う必要がありました。しかしながら、当社グループのAI技術と顧客企業が保有するファーストパーティーデータを利用することで、大量のデータを自動的に統合し、より高い精度でリアルタイムに予測することを通して、ディープラーニング技術を活用しファーストパーティーデータの価値を最大限に引き出すことが可能になります。ファーストパーティーデータの活用はデジタルマーケティング分野において最も重要なトレンドの一つとなっており、当社グループがリーディングプレーヤーとなる高い可能性を持っていると確信しています。 大きなチャンスのある市場AIの市場規模は今後も成長が予測され、そのうち88%がソフトウェアによるものと予想されております。AIソフトウェアの市場規模は、2020年の2,640億米国ドルから2024年には5,040億米国ドル超に達すると見込まれています(注1)。当社グループは、IDCの定義による「カスタマーリレーションシップマネジメント」セグメントと「データ分析及びAIソフトウェア」セグメントにおける当社グループのTAM(注2)について、2020年に合計約533億米国ドルだったものが、2024年に約917億米国ドルまで拡大すると見込んでいます(注3)。
(注) 1.IDC「IDC Semiannual Artificial Intelligence Tracker, 2H 2020(2021年7月)」2.Total Addressable Marketの略。当社グループが想定する最大の市場規模を意味する用語。3.IDC「IDC Semiannual Artificial Intelligence Tracker, 2H 2020(2021年7月)」及び「Semiannual Software Tracker, 1H 2020(2020年11月)」。 (3) 目標とする客観的な指標等当社グループは、売上収益を中長期的に成長させるためには、既存顧客企業からの安定的な売上収益を拡大させることが重要であると考えております。そこで、当社グループにおいては、当該目標の達成状況を判断するための客観的な指標として、売上収益成長率、ARR及びARR成長率を重視し、また、これらに関連する指標として、売上総利益成長率、NRR、月次顧客解約率及び月次顧客収益解約率に着目しております。 (4) 当社グループの強み① 機械学習を用いたAI技術の継続的なイノベーション当社グループは、AI分野において数々の表彰を受けています。フォーチュン誌から中国本土を除くアジアを拠点とする企業で唯一の「AI革命を牽引する50社(2017年)」に選定されました。2017年と2018年には、CBインサイツから「世界で最も有望なAIスタートアップ企業100社」に二度選定されました。また、国際的なデータ・マイニング・コンテストであるKDDカップにおいて、2008年から2020年の間に当社グループの従業員が参加したチームが7回優勝しています。 当社の革新的な機械学習を活用したAI技術は、当社グループのソリューションの基盤となっており、以下の強みがあります。・深層表現学習技術(注1):当社グループが提供する機械学習を用いたAIテクノロジーのプラットフォームは、深層表現学習技術を有しています。この技術を活用することにより、新たな言語にも展開が容易となっています。・自動化された機械学習:分析するデータ量が増加すると自動的にシステムとAIアルゴリズムが拡張され、データサイエンティストの人手を介すること無く、AIモデルが自動的に構築されます。・オンラインリアルタイム学習:従来の機械学習技術とは異なり、リアルタイムでの分析が可能な技術を有しています。これにより、ユーザーの嗜好の変化にも速やかに適応することができ、また、データの適切性や予測結果の正当性に関わる問題を直ちに処理することができます。・転移学習(注2):新しい顧客、新しい業種、または新しい予測に対応するために、当社グループは先駆的にプラットフォームに転移学習を導入し、AIモデルが学習時間を短縮するために効果的な「コンセプト」の伝達を実現しています。 そして、SaaSの形式でソリューションを提供していることから、安定したパフォーマンスが出すことが可能な堅牢なシステム設計となっています。
(注) 1.データから特徴検出や分類に必要な表現を自動的に発見し、テキストだけでなく画像や動画のソースからも深い意味を抽出することができる技術2.ある領域で学習したAIモデルを別の領域に活用し、効率的にAIモデルを学習させる技術 ② AIのエキスパートとビジネスのベテランによる経営陣当社グループの共同創業者の1人であり代表取締役CEOである游直翰は、米国スタンフォード大学で修士号を、米国ハーバード大学で博士号をそれぞれ取得しているワールドクラスのAIサイエンティストです。大規模システムに深い経験を持つ共同創業者兼取締役CTOの蘇家永は、当社グループの技術と製品開発を牽引しています。さらに、当社の共同創業者兼取締役COOの李婉菱は、免疫学者や医学分野の研究者としての経歴を持ち「オペレーションへの科学的アプローチ」をもたらしています。また、当社グループの技術部門には研究に強いバックグラウンドを持つシニアのAIおよびデータサイエンティストが多数在籍しています。当社グループの役員又は従業員によるトップジャーナル、カンファレンス、ワークショップ(注3)における発表論文数は300を超え、国際的なデータ・マイニング・コンテストにおいて実績を有する(注4)者を多数擁しているほか、エンジニアの多くがAI、ビッグデータ又はコンピューターサイエンスの領域における博士号又は修士号を有しています。これらの人員により、当社グループには、AI業界の課題に立ち向かうため、向上心、オープンマインド、ダイレクトコミュニケーションを大切にするカルチャーがあります。 また、ビジネスの執行面においても、ソフトウェア及びテクノロジー分野の大手企業で営業や財務の上級管理職を務めた経験のある多数のメンバーが在籍しているほか、他の取締役やアドバイザーの専門的な知見も活かせる強みを持っていると考えております。
(注) 3.アルバータ大学による定義4.国際的なデータ・マイニング・コンテストであるKDDカップにおいて、当社の従業員が参加したチームが7回優勝しております。 ③ プラットフォームの価値を高めるネットワーク効果当社グループでは、相互に補完的でありかつ緊密にリンクした複数のソリューションをプラットフォームとして提供しています。これにより、強力なネットワーク効果を生み出します。すなわち、まず、顧客企業が当社のソリューションを採用すると、顧客企業の利用に応じて分析されるデータ量が増加します。これにより、当社のAIアルゴリズムの精度が向上し、顧客企業の満足度が高まることが期待されます。そのため、顧客企業は当該ソリューションをより一層利用するようになるとともに、別のソリューションを利用する意欲が強まることが期待されます。そして、当該顧客企業に当社グループの提供する別のソリューションが導入され、その利用が増えれば、分析されるデータの種類と網羅性が上がり、当社グループのアルゴリズムの精度が更に向上します。このようなネットワーク効果は、多様な異なる業種の様々な利用方法に対応してきた当社グループのソリューションの経験の蓄積から生まれたものであり、他社では短期間には再現できないものであると考えています。また、デジタルマーケティングやセールスの領域で実証してきたように、最先端の機械学習を活用したAIモデルを、既存のソフトウェアやソリューションに適用させることで、これまででは実現できなかったような新たなソリューションを提供してきました。このように、ソフトウェア業界を変革する能力を当社グループは有していると考えています。 既存顧客からの利用拡大による好循環に加え、営業生産性の向上も継続しています。このような改善の原動力となったのは、各国における潜在顧客企業を探索し、より高い成約率を見込める最も適切なタイミングで当該顧客企業にアプローチするという効率的な営業組織を、営業戦略組織を中心に体系的なアプローチで構築したことです。個々の営業メンバーの顧客企業獲得数が増えることで、営業活動への投資の回収サイクルをさらに短縮することができます。そして、より多くの地域で事業成長を推進するための営業担当者を、より多く採用することができます。その結果、最終的には売上、利益ともに持続的な成長を遂げるという好循環を達成することができると考えています。 ④ 戦略的な買収によるポートフォリオの拡大当社グループは、内製でのソリューション開発に加えて、既存ソリューションと補完的な関係にあるソリューションを持つ企業を戦略的に買収し、ソリューションのポートフォリオを拡大してきました。2018年にQuantumgraph Solutions Private Limited.を、2019年にEmotion Intelligence株式会社を買収し、両社のソリューションを当社グループの最先端のAI技術で再設計・改良することによりAIQUAとAiDealを完成させ、顧客企業を増やしています。2021年には邦妮科技有限公司を買収し、同社の提供するBotBonnieを複数の言語にローカライズして販売地域を拡大しました。BotBonnieはオムニチャネルの会話型マーケティング・プラットフォームであり、既存ソリューションとの間にシナジーがあることから、当社グループの営業生産性と顧客当たりのACVの改善に貢献しています。また、当社グループは2022年10月に米国のWoopra, Inc.を買収し、同社が保有していたソリューションとAIXONを組み合わせることにより、2022年12月にAIRISの提供を開始しました。AIRISは、AppierのAIによる予測アプローチと、Woopraの直感的なデータの可視化を組み合わせた、AIベースのカスタマーデータプラットフォーム(CDP)です。直感的なリアルタイムデータの可視化と予測により、インサイトを得るまでの時間を大幅に短縮することができます。進出する領域を特定し、当社グループのソリューションや事業展開地域を補完する適切なターゲットを体系立てて探し出し、買収したソリューションを当社グループのシステムと融合させ、当社グループの最先端のAI機能を活用して再設計・改良し、そして顧客企業を増やしてきたという実績があり、今後も同様の手法で新製品の開拓や地域的な拡大を柔軟に実行できると考えております。 ⑤ アジア太平洋地域にまたがる顧客基盤当社グループには、ソリューションを様々な業種に適応させ、異なる国・地域で事業を拡大していくことができるという強みがあります。創業以来、当社はグローバルに事業を拡大することに成功し、17の都市にオフィスを構えています。北東アジア地域(日本及び韓国)、グレーターチャイナ地域(中国、台湾及び香港)、東南アジア地域の各主要地域では、継続的な成長を示しています。加えて、米国及びEMEA地域では他の地域より大きな成長を示しています。それぞれの国・地域に合わせて体系的に事業を拡大することができるよう、ノウハウ、インフラ、人材を整えており、今後のグローバル展開でも積極的に活用していきます。当社グループでは、主としてEコマース、デジタルコンテンツ、その他インターネットサービス、消費財ブランド&金融サービス等を中心とする幅広い業種の顧客企業を多数有しており、多様な業界の著名な企業に対して当社のプラットフォームを提供しています。2023年12月31日現在、当社の顧客企業は1,625の企業グループとなっており、2022年12月31日時点の1,374の企業グループから増加しています。 ⑥ 顧客企業の獲得・維持・拡大における実績当社グループでは、国際的かつ経験豊富なセールスチームが、アジア太平洋、欧州及び米国の主要な市場に展開しています。強固な市場獲得戦略により、当社グループは事業を拡大しており、また継続率の高い顧客企業基盤を構築することが可能となっております。さらに、当社グループのソリューションを複数利用する顧客企業の数は大きく伸びており、当社グループのソリューションはデータを扱うビジネスに決定的なプラットフォームとなることから、顧客企業は当社グループの提供するソリューションを長く使うことによってますます手放すことが難しくなると考えております。2023年12月期において、月次顧客解約率(注5)は0.604%、月次顧客収益解約率(注6)は0.306%となっています。これらの結果、NRRは120.3%(米国ドルベース)という高い水準になっています。
(注) 5.月末時点の顧客企業(当月のみの利用又は有償での試験的利用等により一時的に当社グループのソリューションを利用した顧客企業を除く。)の数に対する当月に離脱した顧客企業数の割合6.月末時点の顧客企業(当月のみの利用又は有償での試験的利用等により一時的に当社グループのソリューションを利用した顧客企業を除く。)からの米国ドル建ての売上収益に対する当月に離脱した顧客企業からの米国ドル建ての売上収益の割合 月次顧客解約率及び月次顧客収益解約率期間2022年2023年月次顧客解約率0.617%0.604%月次顧客収益解約率0.310%0.306% ⑦ リカーリング売上収益の増加と営業レバレッジ前記「③ プラットフォームの価値を高めるネットワーク効果」に記載したように、当社グループのソリューションには、顧客企業の使用量の増加や別のソリューションの追加購入を促すネットワーク効果があります。「ランド・アンド・エクスパンド」手法(まずは顧客企業に1つソリューションを利用していただき、その後、別のソリューションへの利用拡大を促すこと)が有効に機能しており、2023年12月期のNRRは120.3%(米国ドルベース)となっています。この結果、当社グループでは、安定した収益源であるリカーリング売上収益が増加傾向にあります。さらに、当社グループの顧客企業は多様な業界及び地域に亘っているため、市場の不安定な時期においても、業績に与える影響は緩和されると考えております。2023年12月のARRは28,641百万円で、2022年12月の21,095百万円と比較した成長率は35.8%となっています。また、2023年のリカーリング売上収益比率は95%以上となっています。 さらに、当社のARPC(注7)は2022年の13.8百万円から2023年12月期の15.9百万円へと成長し、これは当社のプラットフォームを継続して利用する顧客企業による当社ソリューションの利用が増加したことを反映しています。 また、CrossXについては、多くの顧客企業のデータを学習することでAIアルゴリズムが自動で予測の精度を高め、より少ないマーケティング・プラットフォーム利用料で多くのユーザーを獲得できるようになることから、売上総利益率の改善が見込まれる仕組みとなっています。さらに、売上総利益率が比較的高いAIQUA、AiDeal及びAIXON等の顧客企業基盤を拡大することもまた、当社グループの売上総利益率の向上につながります。当社グループの財務モデルは、このように収益基盤の拡大に伴って売上総利益率の向上が期待できるという営業レバレッジに支えられております。加えて、当社グループにおいては、収益基盤が拡大するにつれて、販売及びマーケティング費用並びに一般管理費の売上収益に対する割合は減少すると想定していることからも、売上収益の増加に伴って売上高営業利益率の改善を実現しうるコスト構造になっていると考えております。
(注) 7.Average Revenue Per Customerの略。1顧客当たりの平均売上収益を意味する。ある年度の売上収益を当該年度末の顧客企業数で除した、顧客企業1社当たりの平均年間売上収益(当月のみの利用又は有償での試験的利用等により一時的に当社グループのソリューションを利用した顧客企業及び対応する売上収益を除く。)8.上記に記載の2022年12月期及び2023年12月期に係る各数値は未監査のものです。 (5) 中長期的な経営戦略① AI技術の継続的な強化と新たなソリューションの開発AI技術の革新への投資を継続することは、当社グループの重要な優先事項です。研究としてのAIには長い歴史がありますが、ビジネスとしてのAIはまだ黎明期にあります。当社グループは、AI研究のバックグラウンドを持つ経営陣が率いるAI企業のパイオニアとしての自負を持って、最先端の研究を現実の世界に応用するために、その強みを発揮し続けています。当社グループのイノベーションは、以下の方向性に分けることができます。(1)より効率的な機械学習・深層学習技術により、顧客企業がより短期間でAIの恩恵を享受できるようにする。
(2)ユーザー分析機能を強化し、動画や音声など、構造化されたデータや非構造化されたデータの分析範囲を拡大する。(3)機械学習の意思決定フレームワークを適用できる領域を広げる。これにより、既存のエンタープライズ・ソフトウェアアプリケーションをAIでさらに自動化することが可能になります。さらに、顧客企業との対話、企業の意思決定、リソース管理、社内業務の自動化など、イノベーションを推進できるエンタープライズ・ソフトウェアの領域はさらに広がると考えています。これらの分野はいずれも、AIを活用することで、効率性と精度を次の水準に高めることができます。 ② 新規顧客企業の獲得当社グループの新規顧客獲得戦略は、緻密なセールスの分析と、トップダウンでの市場分析に基づいています。AIの受容度、各業界における成功事例の有無、販売効率の予測を踏まえた上で、地域参入・顧客獲得戦略を策定し、優先順位をつけています。また、隣接する業界や同業界で似た課題を抱える企業に対して、当社グループのAI技術によりAI活用の成功事例を適用させることで、潜在的なターゲット顧客を拡大していきます。これにより、Eコマースやデジタルコンテンツなどの既存業界での活用事例を増やすとともに、消費財や金融業界などの新たな業界での活用事例を拡大し、さらに幅広い業界への参入を可能にしています。これらによって、顧客基盤の拡大が可能となります。 ③ 既存顧客企業からの売上収益の増加常に価値を提供して顧客のロイヤルティを高め、顧客基盤を拡大し強固にすることに、当社グループは注力しています。顧客が、当社グループのソリューションを長く使うほど、ネットワーク効果が強まります。顧客の大量のデータを処理することで、時間の経過とともに当社グループのAIアルゴリズムとAIモデルの精度が向上し、当社グループのソリューションは一層効率的になります。その結果、顧客にとってより大きな価値が得られることから、当社グループのソリューションへの依存度が高まる傾向にあります。このようなネットワーク効果により、当社グループは、既存顧客に対して、時間の経過とともにより多くの価値を提供してきた実績を有しています。当社グループは、当社のソリューションの利用拡大によるメリットを顧客に実感していただき、より多くの契約をいただくために、営業力をさらに強化していきたいと考えています。これまで、既存顧客からの収益成長の大部分はアップセルが占めてきましたが、ソリューションの拡大に伴い、今後はクロスセルを増やしていきます。 ④ アジア太平洋地域及び米国への一層の浸透と新たな地域への展開計画的な海外展開は当社グループの強みであり、市場の拡大には今後も注力していきます。アジア太平洋地域は引き続き当社の最重点地域であり、そこでの地位をさらに強化していきたいと考えています。特に、日本と韓国のような大規模でデジタル技術の浸透した市場では、シェアを高める余地があると考えています。これらの国では、既に取引のある業種でのシェアを継続的に拡大しながら、新たな業種への進出に注力しています。タイ、シンガポール、ベトナム、インドネシアなど、東南アジアでは、デジタル経済がかつてない速さで成長しています。この地域では、Eコマースをはじめとするオンラインサービスなど、デジタルに精通した業種に注力しています。また、世界第2位のデジタル経済大国である中国では顧客企業の海外展開が加速しており、当社グループの成長ドライバーの1つになっております。更に、2021年より本格進出を開始した米国における売上収益は比率は拡大しており、成長モメンタムの加速に貢献しております。当社の差別化されたAI技術と強力な業務遂行能力を活用して、アジア太平洋地域の国々及び米国での成功パターンを再現し、他の地域への更なる進出とグローバルな成長を継続しています。 ⑤ 外部成長の機会の追求、戦略的なM&A当社グループは、AIを活用したエンタープライズ・ソフトウェアの革新を実現するための重要な施策として、当社グループのAI技術によって既存ソリューションの再設計・強化を行うというM&A戦略を考えています。新たな業界や地域を志向した新たなソリューションを開発しようとするときには、まずは既存ビジネスとのシナジーが期待できる隣接領域から始めます。当社グループが追求している方向性と同様のビジョンを持った素晴らしいパートナーシップの機会があれば、技術とソリューションの強化の観点からM&A戦略の実行の可能性を検討します。今後も、これまでの買収実績に裏付けられた、当社のAI技術が重要なシナジー効果を発揮するような、戦略的な買収・投資の機会を選択的かつ体系的に選び抜いて参ります。 (6) 当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題当社グループが対処すべき主な課題は以下のとおりであります。① 研究開発体制の強化当社グループの事業領域であるAI関連の技術は、将来的な利用可能性の高さから世界的に研究開発が活発に行われております。このような事業環境の下で当社グループが事業を継続的に拡大していくには、様々な新技術に適時に対応していくことが必要であると認識しております。そのためには、さらなる優秀な人材の確保及び研究開発への投資、社内におけるノウハウの共有や教育訓練等が不可欠であると認識しております。優秀な人材を確保し積極的に採用するとともに、研究開発への投資を継続的に実施し、より強固な開発体制の構築に努めて参ります。 ② 営業体制の強化当社グループのサービスはエンタープライズ向けであり、その販売には顧客企業の経営課題の適切な理解とそれに基づき適切にAIプラットフォームを活用したソリューションの提案が必要となります。また、見込み顧客の獲得や、契約獲得後のオンボーディング、既存顧客向けの高品質なカスタマーサクセスの提供も重要であります。このような認識に基づき、当社グループでは優秀なマーケティング・営業・カスタマーサクセス人材の採用と、適切なトレーニングの提供による生産性の向上に努めて参ります。また、当社グループの最大の売上収益を占めるソリューションはCrossXですが、引き続き、他のソリューションの販売も強化し、ソリューション別でバランスの取れた売上収益構成を目指していきます。 ③ 内部管理体制の強化当社グループは、既存の拠点に加えて、アジア全域及び欧米への更なる展開を企図しております。そのため、多数国における事業展開に見合った経営管理体制の構築・強化を図るとともに、財務報告の適切性確保、リスク管理及び内部統制の強化等が重要な課題であると考えております。このため、子会社管理を統一的に実施するべく、人材の採用を含むバックオフィス業務の整備を推進し、経営の公正性・透明性を確保するため、より強固な内部管理体制の構築に取り組んで参ります。 ④ 情報管理体制の強化当社グループは、顧客企業へのサービス提供の遂行過程において、顧客企業の機密情報や顧客企業のユーザーに関する情報を取り扱う可能性があり、その情報管理を徹底することが信頼確保の観点から重要であると考えております。現在、社内にて個人情報やデータの保護に関する各種の方針を設定し、当社グループ内に周知し情報管理を徹底しておりますが、今後も社内教育・研修の実施等を継続して行って参ります。 ⑤ 財務基盤の強化当社グループは製品・サービスの開発、顧客企業基盤の拡大、事業領域や市場の拡大を重視しているため、今後も積極的に投資を行っていく方針です。直接金融、間接金融を活用し、資本市場とのコミュニケーションを深め、事業展開に見合った財務基盤の強化を図ってまいります。
事業等のリスク 3 【事業等のリスク】
本書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。また、必ずしもそのようなリスク要因に該当しない事項につきましても、投資者の投資判断上、重要であると考えられる事項につきまして、投資者に対する積極的な情報開示の観点から以下のとおり記載しております。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであり、将来において発生の可能性があるすべてのリスクを網羅することを保証するものではありません。 (1) 市場の成長性に関するリスク当社グループの成長戦略の成否は、マーケティング領域におけるAI SaaSソリューションに対する需要が伸び続けることに大きく依存しています。企業によるAIを活用したマーケティングの市場は、北東アジア地域、グレーターチャイナ地域、米国及びEMEA地域をはじめとする当社グループが事業を展開している地域を含め世界的に新しいため、規制(特に個人情報保護に関する法規制)、景気動向、AIをマーケティングに使用すること並びに個人に関するデータを収集、分析及び利用することに対する企業の意識や需要、かかるソリューションに対する企業、ユーザー及び規制当局の評価等により、期待どおりに成長しない可能性があります。また、当社グループの成功は、クラウド型のソフトウェア・ソリューションの普及、とりわけSaaS形式のソリューションの普及に依存していますが、当社グループが事業を展開するマーケティング領域において、企業によるかかるソリューションの需要が今後も増加し続けるかは不確実です。とりわけ、多くの企業は、既に多額の費用と人材を投入してオンプレミス型のソフトウェア・ソリューションを自社の事業に組み込んでおり、移行費用への懸念等により、クラウド型のソフトウェア・ソリューションを導入することに消極的となる可能性があります。これらの要因により、当社グループがターゲットとする市場が拡大しない場合や、拡大の速度が当社グループの見込みよりも緩やかである場合、当社グループの事業、業績及び財政状態に悪影響が生じる可能性があります。
(2) 業績に関するリスク当社グループが属するAIマーケティング市場は未だ成熟しておらず急速に発展している段階にあり、また、顧客企業によるマーケティング活動の季節性その他の当社グループのコントロールの及ばない様々な要因に左右されるため、当社グループの売上収益は大きく変動する可能性があり、また、不測の追加費用や損失が発生する可能性があります。これらの要因により、当社グループの業績に重大な影響を与え、将来利益を計上できない可能性があります。 (3) マクロ経済に関するリスク当社グループの売上収益の大部分は、北東アジア地域、グレーターチャイナ地域、及び米国及び欧州地域から計上しており、当社グループの売上収益は過去増加しているものの、当社グループの業績はこれらの地域の経済情勢の影響を受けます。その見通しは不確実性が高く、様々な要因によって悪影響を受ける可能性があります。例えば、ウクライナ情勢に加え、米中貿易摩擦や中東及び北朝鮮での地政学的リスクの増大等により世界経済が低迷する場合、当社グループの主要な販売地域にも悪影響を及ぼす可能性があります。これらの要因等により、これらの地域の経済情勢が悪化した場合、当社グループのソリューションに対する需要が減少し、新規顧客企業の獲得及び既存顧客企業の維持に悪影響を及ぼす可能性があり、当社グループの事業、業績及び財政状態に大きく悪影響を及ぼす可能性があります。 (4) 顧客企業の維持・獲得に関するリスク当社グループの将来の成長は、新規顧客企業の獲得及び既存顧客企業の維持の成否に左右されます。当社グループが新規顧客企業を獲得できるか否かは、当社グループのソリューションの品質・価格・評判、競業他社の戦略や、当社グループのブランドやマーケティングの有効性等の要因に依存しており、今後も顧客企業を獲得し続けることができるかは不確実です。特に、当社グループの顧客企業基盤は多様な業界に及ぶものの、現時点ではEコマース及びデジタルコンテンツの業界に集中しており、これら以外の業界に顧客企業層を拡大するにあたって、当該業界における顧客にとって魅力的な形で当社グループのソリューションを開発又は展開できない可能性や、当該業界における既存の競合企業との実質的な差別化ができない可能性、当該業界における新たな規制に対応するための追加の費用が発生する可能性等があります。加えて、当社グループは新規顧客企業の獲得のために多額の販売及びマーケティング費用を支出しなければならない可能性があり、また、支出に見合った売上収益の増加を実現できる保証はありません。また、当社グループの売上収益の大部分は既存顧客企業から継続的に発生するリカーリング型の売上であり、既存顧客企業の維持及び単価の上昇は当社グループの業績に重要な要素となりますが、これまでと同水準の月次顧客解約率及び月次顧客収益解約率等を保つことができるとの保証はありません。新規顧客企業の獲得及び既存顧客企業の維持が当社グループの見込みどおりにいかない場合、当社グループの事業、業績及び財政状態に悪影響が生じる可能性があります。 (5) 市場規模の推計に関するリスク当社は、TAMについて、一定の仮定及び前提の下、TAMについては顧客分析のためのAIソフトウェア市場の規模及び成長率についてのIDCによる推計を用いて推計しています(前記「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 
(2) 経営環境」をご参照ください。)。当社は推計に当たり当社が信頼できると考えるデータを用いておりますが、推計値の正確性には限界があります。かかる将来予想に用いられたデータ、仮定又は前提が不正確又は不適切であった場合、実際の当該潜在的市場の規模は推計より大きく下回る可能性があります。さらに、仮に潜在的市場の推計値が正確であった場合でも、当社グループのソリューションがすべての企業のニーズに応えることができるという保証はなく、また、当該潜在的市場の機会を捉えて当社グループが順調に事業を拡大できない可能性があります。 (6) 事業のグローバル展開に伴うリスク当社グループは、収益機会の拡大に向けて、今後はアジア全域をカバーするとともに欧州及び米国においても事業の展開を拡大することを企図しています。複数の国・地域における事業の継続及び拡大にあたっては、現地における人材採用等を行う必要がありますが、かかる採用等を計画通りに実施できる保証はありません。また、言語、地理的要因、法制・税制を含む各種規制(特に、個人情報その他のデータやAIの利用に関連する現地の法令)、経済的・政治的不安定、文化・ユーザーの嗜好・商慣習の違い、為替変動、データの使用可能性等の様々な潜在的リスク、事業展開に必要な人材の確保の困難性、及び展開国において競争力を有する競合他社との競争リスク等が存在します。当社グループは既に世界各国の15の国・地域で事業を展開しておりますが、このようなリスクに適切に対処できない場合、当社グループの事業のグローバル展開に影響を及ぼし、業績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。 (7) 先行投資から得られる効果が期待通りに実現しないリスク当社グループは、既存のソリューションの強化と新たなソリューションの開発に重点を置いており、今後も研究開発人員の採用等に引き続き多額の投資を行うとともに、顧客企業基盤の拡大のために販売・マーケティングにもさらなる投資を行っていく予定です。投資の実施に際しては、投資から得られるリターンを重視しています。当社グループは、歴史的に多額の研究開発費を投下してきており、今後も収益性の向上に努めながらも、投資を継続する方針です。しかし、サービスの開発・改良サイクルの性質上、投資を行う時点と、当該投資により開発・改良したサービスを顧客企業に提供することができるようになる時点との間には時間差が生じる可能性があり、開発・改良したサービスに対する顧客企業の需要は、当初の見込みを大幅に下回る可能性があります。その場合には、当社グループの事業、業績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。 (8) 当社ソリューション及び技術革新等に関するリスクマーケティング領域におけるAI SaaSソリューションは急速に進化しており、当社グループが成功するためには、これまでと同様に、既存のソリューションの品質をあげること及び高性能な新ソリューションを導入し続けることが必要です。新たなソリューションの開発や既存のソリューションの改良において、AI等の技術の進歩に追いつくことができないこと等により当社のソリューションが消極的な評価を受けた場合や他社に対する競争優位性を失った場合、当社グループの顧客企業基盤の維持・拡大及び利用ソリューションの拡張に悪影響を及ぼす可能性があり、当社グループの事業、業績及び財政状態に悪影響が生じる可能性があります。また、当社グループのソリューションには問題がない場合であっても、他社のAIソリューションに問題が生じた場合、AIソリューション全体への信頼性やAIソリューション市場の成長性に悪影響を与える可能性があります。 (9)顧客企業の需要に関するリスク当社グループが事業を成長し続けるためには、顧客企業の需要を正確に把握し、適時適切に対応して新たなソリューションの開発や既存のソリューションの改良を行う必要があります。変化する顧客企業の需要に迅速に対応できず、当社グループのソリューションを継続的に開発・改良することができない場合、特定の販売地域の顧客企業の需要等に合ったソリューションを導入できない場合、又は当社グループの新たなソリューションを顧客企業が導入するのに過度に時間や手間を要する(若しくはそのように認識される)場合、顧客企業基盤の維持・拡大及び利用ソリューションの拡張並びに新たなソリューションの導入に悪影響を及ぼす可能性があり、当社グループの事業、業績及び財政状態に悪影響が生じる可能性があります。 (10)競合に関するリスク当社グループが事業を営むマーケティング領域におけるAI SaaSソリューションの市場は比較的新しく、新規参入が比較的容易であることから、既存又は新規の競合他社との間での競争は今後ますます激化することが予想されます。現在又は将来の競合他社は、当社グループよりも長い事業歴、より豊富な財源や技術力、より効率的な事業モデル、より高い知名度等を有している可能性があります。さらに、それらの競合他社が、当社グループの顧客企業(潜在的顧客企業を含む。)との間に強固な関係を有していたり、市場に関する広範な知見を有していたりする可能性もあります。また、当社グループのソリューションの競争力は、高度なAIを提供する能力、顧客企業の目標達成に対する有効性、導入における迅速さ及び使用における容易さ、カスタマーサポートの質と信頼性、使用にかかる総コスト、迅速な経営判断、ブランド認知度等、多くの要素に依拠していますが、当社グループがこれらの要素における競争力を維持できるかは不確実性が伴います。さらに、競争の激化により、当社グループは、受注の減少や市場シェアの低下が生じる可能性に加え、価格を引き下げ、価格体系を変更することが必要となる可能性があります。当社グループがこれらの競争に打ち勝つことができない場合、当社グループの事業、業績及び財政状態に悪影響が生じる可能性があります。 (11)事業成長に伴うリスク当社グループは、2014年6月にCrossXの提供を開始し、その後もサービスを拡大してきましたが、事業の歴史は浅く、またマーケティング領域におけるAI SaaSソリューションの市場も急拡大してきた新しい市場であることから、当社グループの事業が今後もこれまでと同じ速度で成長する保証はありません。また、今後、事業の拡大に合わせて必要な研究開発人員や営業人員者等の人材を確保できる保証はありません。一方、当社グループの事業が急速な成長を続ける場合、経営管理、内部管理、従業員の管理等を含む事業運営に大きな負担が生じる可能性があり、当社グループがかかる負担の増大に適切に対処できなかった場合には、当社グループの事業、業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 (12)価格体系に関するリスク当社グループの主力ソリューションであるCrossXは、利用量ベースの価格体系で顧客企業に提供される仕組みとなっています。これらの仕組みの下では、当社グループの収益は、顧客企業がCrossXを利用して行う新規ユーザー獲得数等のためのマーケティング活動の利用量に応じて定まりますが、どれほどの利用量を提供できるかは当社のAIアルゴリズムの正確性にも依存しています。当社のAIアルゴリズムが顧客企業に対して十分な成果を出せなかった場合には、当社グループの収益は減少し、その結果、利益率に悪影響を与えることになります。また、当社グループの他の製品については、一定程度使用量が増えるごとに段階的に価格が引き上げられる方式を含む月額又は年額課金型のサブスクリプション方式を採用しています。この方式の下では、期間中に高頻度で利用する顧客企業が当社の想定よりも多い場合には、サーバー費用の増加により利益率が悪化する可能性等があります。さらに、将来的に価格体系や単価の変更や引き上げを行う際、それが顧客企業に受け入れられない場合には、当社グループの事業、業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 (13)代理店への依存に関するリスク当社グループの売上収益の一部(主に日本と韓国におけるCrossXの売上収益の一部)は、代理店を通じての販売によるものです。代理店と協力して顧客企業の獲得を行い、最終顧客と直接のビジネスを行っておりますが、当社グループとこれら代理店との関係が悪化した場合や、代理店が当社グループのソリューションを販売するための販売手数料を値上げした場合等には、当社グループの収益性が低下する等、当社グループの事業、業績及び財政状態に悪影響が生じる可能性があります。 また、当社グループが今後新たな地域へ販売を拡大する際にも代理店の販路に依拠する可能性がありますが、かかる代理店が当社と競合する他社の製品やサービスを優先的に販売する可能性があります。さらに、代理店が当社グループのソリューションについて顧客企業に誤った説明をしたことや、法令等に違反したことにより、訴訟を提起され又は当社グループの評判が損なわれる等の可能性があります。これらの要因により、当社グループの評判、事業、業績及び財政状態に悪影響が生じる可能性があります。 (14)外部クラウドサーバーへの依存に関するリスク当社グループのソリューションは、外部クラウドサーバー(Amazonが提供するAmazon Web Services(以下「AWS」といいます。)及びGoogleが提供するGoogle Cloud Platform(以下「GCP」といいます。))を使用して顧客企業に提供しており、かかるソリューションの提供には、AWS及びGCPの安定的な稼働が不可欠となっています。しかし、システムエラー、人為的な破壊行為、自然災害等や当社グループの想定していない事象の発生によりAWS又はGCPが停止した場合や、コンピューター・ウイルスやハッカーの侵入その他の不具合等によりシステム障害が生じた場合、又はAmazon若しくはGoogleとの契約が解除される等によりAWS若しくはGCPの利用が継続できなくなった場合には、顧客企業への損害の発生、当社グループの評判の毀損や当社グループによる追加費用負担の発生等により、当社グループの事業、業績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。 (15)インターネット接続・利用に関するリスク当社グループが提供するソリューションの利用は、当社グループの顧客企業によるインターネットの通信環境に影響を受けます。当社グループが依拠するインフラとしてのインターネットに障害等が発生した場合には、当社グループの事業、業績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。また、ネットワーク事業者によるインターネット接続サービスの内容や価格の変更、法規制等の動向によって、当社グループが提供するソリューションの質が低下し、当社グループの評判、事業、業績及び財政状態に影響を与える可能性があります。 (16)個人情報保護規制に関するリスク当社グループのソリューションでは、現時点においては、日本の個人情報の保護に関する法律(以下「個人情報保護法」といいます。)上の「個人情報」をユーザーの同意なしには取得しておりません。しかしながら、当社グループによるかかる情報の利用が違法又は不適切であると主張された場合、顧客企業の信用を喪失する等当社グループの評判が悪化し、又は当社グループが業務停止を含む規制上の措置・制裁や訴訟の対象となる可能性があり、顧客企業の喪失に繋がるおそれがあります。世界的に個人情報の保護に関する規制は厳しくなっており、今後規制が大きく変更される可能性があります。また、2020年6月に成立した改正個人情報保護法は、主にデータ主体の権利の強化や事業者の義務の厳格化、データの利用に関する新たな規制の導入を意図しております。現時点ではかかる改正法が当社の事業に著しい影響を及ぼすことは想定しておりませんが、これらの規制の変更が行われた場合やかかる改正法の施行により、対応に多額の費用を要し、当社のソリューションのクオリティが低下し、又はAIプラットフォーム若しくはマーケティング領域におけるAI SaaSソリューションに対する意識・需要等が変化することになれば、当社の事業成長力が損なわれ、結果として、当社の事業、業績及び財政状態に悪影響が生じる可能性があります。 (17)情報管理体制に関するリスク当社グループのAIプラットフォームでは、ユーザーに関する個人情報又は個人識別情報並びにそのオンサイト及びその他のオンラインにおける活動に関する情報を含む、ユーザーのデータの保管、転送及び処理が行われます。当社グループは、セキュリティ侵害等の脅威からこのようなデータを保護するために、外部サービスを利用する場合はセキュリティレベルの高い大手のサービスを利用することに加え、ウイルスソフトを搭載する等の対策を行っているものの、当社グループがそのリスクを完全に除去できる保証はありません。当社グループのAIプラットフォームに不正アクセスやセキュリティ侵害等があった場合、個人情報の漏えいやデータの喪失、当社グループの評判の毀損及び事業機会の喪失、当局による調査や訴訟への対応、損害賠償や罰金等による多額の費用の負担等につながる可能性があります。当社グループのシステム及び外部サービスプロバイダのシステムは、コンピューター・ウイルスやサイバー攻撃のリスクにさらされており、当社グループの認知度や市場シェアが高まった場合、それらの標的となるリスクも増大する可能性があります。不正アクセスやサイバー攻撃の手法は日々変化し、高度化しており、当社グループ又は外部サービスプロバイダは全ての不正アクセスやサイバー攻撃を予測又は防止することができない可能性があります。また、セキュリティ侵害は、当社グループの従業員又は外部サービスプロバイダその他の当社グループのシステムやデータにアクセスすることのできる外部企業の従業員の故意又は不注意による違反等、技術以外に起因する問題によっても発生する可能性があります。当社グループは個人情報等の取扱いについて、個人情報の保護に関する社内規則や取扱いの方針及び手続き等の社内ルールを整備し、適切な運用を義務づけておりますが、このような対策にも関わらず、当社グループの人為的なミスその他予期せぬ要因等により情報漏洩が発生した場合には、当社グループが損害賠償責任等を負う可能性や顧客企業からの信用を失うことにより取引関係が悪化する可能性があり、その結果、当社グループの事業及び業績に悪影響が及ぶ可能性があります。また、当社グループは、ソリューションの提供やデータの保管につき第三者やクラウドの基盤に依存していることから、不正アクセス、サイバー攻撃、顧客企業データの悪用の防止につき、第三者のセキュリティ対策に依存している部分があります。当社グループは、一定の情報セキュリティに関連する損害賠償責任に対応する保険に加入しておりますが、当該保険は、当社グループが被る可能性のある全ての責任を補償するには十分ではなく、セキュリティ侵害その他個人情報に関する事故が発生した場合、当社グループの評判、事業、業績、財政状態に悪影響が生じる可能性があります。 (18)ソフトウェア及びネットワークに関するリスク当社グループの継続的な成長は、当社グループが設計・構築するAIプラットフォームのパフォーマンスに依存しており、継続的にAIアルゴリズムの改善を行っておりますが、当社グループのソリューションの基礎となる技術基盤は複雑であるため、重大な誤謬を含んでいる可能性があります。当社グループのソリューションに重大な誤謬が見つかった場合、当社グループの評判、事業及び業績に悪影響が生じる可能性があります。また、当社グループが提供するソリューションは、インフラの変更、新機能の導入、人為的な若しくはソフトウェア上の誤謬又はその他のセキュリティ関連の事象を含む様々な要因によって、パフォーマンスの遅延、中断、停止その他の問題を引き起こす可能性があります。顧客企業が満足できる水準のサービスを受けられない場合、顧客企業は当社グループのソリューションの利用を中止する可能性があり、その結果、当社グループの事業及びソリューションは、評判の低下、市場からの敬遠、競争力の喪失、顧客企業からの損害賠償請求等の結果を招く可能性があります。 さらに、当社グループのソリューションは、外部クラウドサーバーであるAWS及びGCPを使用しております。その結果、当社グループの事業活動は、これらの外部クラウドサーバーのプロバイダが自然災害、電力やネットワークの障害、サイバー攻撃等から当該プロバイダ自身のサービスを守ることができるかどうかによっても左右されます。当社グループがプロバイダと結ぶ契約が終了した場合やサービスが失効したりシステムその他のリソースが損傷したりした場合、当社グループのプラットフォームが使用できなくなる可能性があり、また、新たなプロバイダを探すのに時間がかかる場合や追加費用が必要となる場合には長期にわたって当社グループのプラットフォームを使用できなくなる可能性があります。これらの要因により、当社グループの収益が減少し、当社グループに対して顧客企業から損害賠償請求等が提起され、当社グループの評判が損なわれ、又は顧客企業が不満を感じて当社グループとの契約を終了する可能性があり、その結果、当社グループの評判、事業、業績及び財政状態に重大な悪影響が生じる可能性があります。 (19)カスタマーサポートに関するリスク当社グループのソリューションは、継続利用することでより高い効果が期待されるため、契約後も顧客企業に対して適切なフォローアップを行うことで利用の継続を促すことが重要であると考え、当社グループは、顧客企業との契約後も技術及び運用上の問題について継続的にカスタマーサービスを提供しています。しかし、顧客企業のカスタマーサポートに対する需要の増加に迅速に対応することができない場合や顧客企業のニーズに合った効率的かつ迅速で質の高いサポートを提供できない場合又は市場からそのように認識される場合、顧客企業が当社グループとの取引をやめ、又は潜在的な顧客企業に当社グループのソリューションを推薦しない可能性があり、当社グループの評判、事業、業績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。 (20)ブランドに関するリスク当社は、既存顧客企業の維持や新規顧客企業の獲得にとってブランド力は極めて重要であると考えています。マーケティング領域におけるAI SaaSソリューション市場は日々競争が激化しており、また当社グループは今後さらなるグローバル展開を企図していることから、当社グループがブランド力を構築、維持、向上させるために多額の費用を要する可能性があります。また、当社グループのソリューションやマーケティング領域におけるAI SaaSソリューション全般に対する否定的な評判が広がった場合や、当社グループの役職員による違法・不正行為や不適切な行動により当社グループのブランドや評判が損なわれた場合、既存顧客企業の維持や新規顧客企業の獲得に悪影響が生じる可能性があり、その結果、当社グループの事業、業績及び財政状態に重大な悪影響を与える可能性があります。 (21)人材の採用・育成に関するリスク当社グループのサービスはAIアルゴリズムを用いているため、営業人員者にもAI等に関する一定程度の知識が求められます。そのため、当社グループはかかる知識や経験のある人材の採用に努めていますが、そのような人材は数が限られており、十分な人数を採用できない可能性があります。また、当社グループでは、採用後もソリューションに関する教育を行っていますが、社員が十分な成果を上げることができるようになるには相当の時間と労力が必要である上に、最終的に当社グループのソリューションを販売するのに十分な知識を習得できない可能性もあります。当社グループがソリューションを販売する人材の採用又は教育に失敗した場合、当社グループの事業及び業績に悪影響が生じる可能性があります。また、当社グループは、AIアルゴリズムの開発に必要なAIサイエンティストやソフトウェアエンジニアの採用に関して、厳しい競争に直面しております。さらに、当社グループは創業以来、経営陣が強い関係を有する台湾のAIサイエンティストを中心に採用してきましたが、同地域においてもこれまでと同様にAIサイエンティストを採用できる保証はありません。加えて、優秀な人材を確保しつづけるのが容易ではないという業界共通の課題があります。当社グループが必要とする人材の獲得若しくはつなぎ止めができなかった場合、又は人材の獲得若しくはつなぎ止めのために多額の費用を要した場合、当社グループの事業、業績及び財政状態に悪影響が生じる可能性があります。 (22)特定人物への依存に関するリスク当社グループは、製品の開発や事業戦略の立案等について経営陣に大きく依存しております。特に、当社グループの共同創業者であり代表取締役CEOである游直翰は、当社グループの事業戦略や企業文化の構築、AIサイエンティスト及びエンジニアの獲得にとって極めて重要であり、AIアルゴリズムの開発においても中心的な存在です。当社グループでは取締役会、経営会議等を通して役員及び従業員への情報共有や権限移譲を進める等組織体制の強化を図りながら、経営体制の整備を進めており、特定人物への依存に関するリスクを最小限にしておりますが、同氏を含む経営陣に不測の事態が生じた場合や経営陣に人材の流出が生じた場合、当社グループの事業及び業績に悪影響が生じる可能性があります。 (23)他社の買収、業務提携、合弁会社設立に関するリスク当社グループは、事業戦略の一環として、当社グループの事業と補完的な事業、ソリューション又は技術への投資又は買収を行っており、今後も潜在的な投資及び買収の検討を継続していくことを考えております。しかし、投資や買収が見込み通りの成果を上げることができない場合、当社グループが投資又は買収の対象の企業価値を過大に見積もっていた場合、又は既存事業への新規事業の統合や統合後の内部管理体制の構築が奏功しない場合等には、当社グループの評判、事業、業績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。当社は過去に複数の買収を行い、これらの会社が提供する既存ソリューションを当社のAI技術で強化することによって、新たなソリューションとして提供を開始し顧客企業数を増やしておりますが、取得した技術を強化するための研究開発費や販売・マーケティングチームが新たなソリューションを導入するための研修費等統合のための費用を支出しており、また、当社グループはこれらの買収から想定している利益を得ることができない可能性があり、その場合、当社グループの評判や業績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。また、当社グループは他社との業務提携や合弁会社の設立を行う可能性がありますが、パートナー企業との関係が悪化したり、パートナー企業の事業や財政状態が悪化した結果、業務提携等に悪影響が生じ、当社グループの評判、事業、業績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。 (24)知的財産権に関するリスク当社グループのソリューションはAIアルゴリズムを用いていますが、AIアルゴリズムは当社グループが現在事業を行う地域では特許権による保護を受けることができないため、その不正使用を防止するための措置は不十分である可能性があり、AIアルゴリズムが不正に使用された場合、当社グループの事業及び業績に重大な悪影響を及ぼす可能性があります。また、当社が今後進出する地域においても、同様にAIアルゴリズムが法令上の保護を受けられない可能性があります。そのため、当社グループは、AIアルゴリズム等の知的財産を保護するために、訴訟の提起等に多大な費用と時間を要する可能性があり、かつ結果として知的財産を守ることができないおそれがあるため、当社グループの事業、業績及び財政状態に悪影響が生じる可能性があります。また、当社グループは、第三者の知的財産権を侵害することなく事業を遂行するための体制を整えておりますが、投資や買収等を通じたサービスの拡大等に伴い、第三者の特許権、著作権、商標権等の知的財産権の侵害に係る訴訟を提起される可能性が高まっています。当社グループが知的財産権の侵害を理由に第三者から訴訟の提起等を受けた場合、その対応に多大の費用と時間を要する可能性があります。加えて、そのような第三者の知的財産権侵害を回避するため、当社グループのソリューションの販売若しくは使用の中止や特定の機能の変更、第三者からの不利な条件でのライセンスの取得、又は機能の再設計等が必要となる可能性があります。これらの対応により、当社グループの評判、事業、業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 (25)法的規制等に関するリスク当社グループは、個人情報保護法のほか、AI及び機械学習に関する法律、デジタルサービスの提供に関する法律、プライバシー、データ保護及び情報セキュリティに関する法律並びに贈収賄禁止法を含む様々な法令等の適用を受ける可能性があります。また、業界の自主規制やサードパーティープラットフォーマー(Eコマース、アプリストア、ゲームポータル等)の規程の適用を受ける可能性があります。 これらの法令等の変更が行われた場合、対応に多額の費用を要し、また、当社のソリューションのクオリティが低下することになれば、当社グループの事業成長力が損なわれる可能性があります。当社グループは、コンプライアンス体制の充実が重要であると考えており、コンプライアンスに関する社内規程類を策定し、適宜研修を実施して周知徹底を図っておりますが、コンプライアンス上のリスクを完全に解消することは困難であり、当社グループが法令等を遵守しない若しくは遵守していないと指摘される場合、又は代理店等が法令等を遵守しない場合、当局より行政処分を受けること等により、当社グループの評判、事業、業績及び財政状態に悪影響が生じる可能性があります。 (26)繰延税金資産に関するリスク当社グループは、2023年12月期末において9,868百万円の税務上の繰越欠損金を計上しており、そのうちの一部に対して繰延税金資産を計上しています。当社グループの業績等の著しい変化により、当該繰越欠損金の全部又は一部に回収可能性がないと判断した場合や、税率変更を含む税制改正、会計基準の改正等が行われた場合、当該繰延税金資産は減額され、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (27)内部統制に関するリスク当社グループは、事業の歴史は浅く、今後の事業運営及び事業拡大に対応するため、当社グループの内部管理体制について一層の充実を図る必要があると認識しております。事業規模に適した内部管理体制の構築に遅れが生じた場合、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、当社グループは法令に基づき財務報告の適正性確保のために内部統制システムを構築し運用していますが、当社グループの財務報告に重大な欠陥が発見される可能性は否定できず、また、将来にわたって常に有効な内部統制システムを構築及び運用できる保証はありません。更に、内部統制システムに本質的に内在する固有の限界があるため、今後、当社グループの財務報告に係る内部統制システムが有効に機能しなかった場合や財務報告に係る内部統制システムに重大な不備が発生した場合には、当社グループの財務報告の信頼性に影響が及ぶ可能性があります。 (28)資金調達環境の変化当社グループは、今後も、新規のソリューションの開発、既存のソリューションの改良及び販売機能の強化等の、成長を支えるための投資を継続していく予定であり、当社の事業を継続するための運転資金の確保を必要とする可能性があります。しかし、金融・証券市場の環境、金利等の動向、資金需給の状況等の変化が、当社グループの資金調達に悪影響を及ぼす可能性があり、当社グループが必要とする資金の調達を適時かつ好条件で行うことができない場合には、当社グループの事業、業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 (29)自然災害等のリスク当社グループの事業の遂行は、インターネットや第三者が提供するクラウドサーバー等に依存しています。当社では、定期的なデータのバックアップ、システムの稼働状況の常時監視等により、自然災害等による事業への障害発生を事前に防止し又は回避するよう努めておりますが、地震、火山、台風、大雨、大雪、火災、洪水等の自然災害、事故、人為的なミス等が発生した場合には、インフラが使用不能になり又はソリューションの開発及び改良の遅延や中断が生じること等により、事業を継続することができない等の支障が生じ、当社グループの事業及び業績に悪影響を及ぼす可能性があります。 (30)配当政策について当社は設立以来配当を実施しておらず、内部留保資金については、財務体質の強化と営業・研究開発人員の増員等の事業成長のための投資に活用してまいりました。今後も将来の成長に向けた投資を継続しながら、将来においても、事業展開に備えた資金を賄うに十分な利益及びコア・フリー・キャッシュ・フロー(注)を計上することが可能であると考えられる場合には、M&Aを含めた資金需要及び内部留保充実の必要性等を総合的に勘案した上で、利益配当を含めた株主還元についても検討してまいります。しかし、利益及びキャッシュ・フロー計画が当社グループの想定通りに進捗せず、今後安定的に利益及びキャッシュ・フローを計上できない状態が続いた場合には、配当による株主還元が困難となる可能性があります。(注)コア・フリー・キャッシュ・フロー = 営業活動によるキャッシュ・フロー+無形資産の取得による支出
経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(1) 経営成績等の状況の概要当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。① 経営成績の状況「ソフトウェアをよりスマートに、AIでROIを向上させる」が当社グループのミッションです。当連結会計年度の売上収益は26,418百万円(前連結会計年度比36.0%増)となりました。これは、ROIを重視する既存顧客の利用量が増加したことによる売上収益の拡大、地域及び顧客業種の拡大による新規顧客からの売上収益の拡大によるものであります。また、2023年12月におけるARR(注1)は28,641百万円となり、2022年12月の21,095百万円からの成長率は35.8%となりました。当連結会計年度の売上総利益は13,708百万円(前連結会計年度比37.1%増)となり、売上総利益率は51.9%(前連結会計年度は51.5%)となりました。売上総利益率の改善は、継続的な技術革新への取り組みによるものであります。事業規模の拡大に伴い、営業費用(販売及びマーケティング費用、研究開発費、一般管理費)の金額は増加していますが、売上収益に対する比率は低下しており、コスト構造は改善しております。その結果、EBITDA(注3)は2,834百万円(前連結会計年度は1,363百万円)、営業利益は801百万円(前連結会計年度は50百万円)となりました。また、税引前当期利益は1,063百万円(前連結会計年度は111百万円)、親会社の所有者に帰属する当期利益は1,002百万円(前連結会計年度は21百万円)となりました。
(注) 1.Annual Recurring Revenueの略。年間経常収益。利用量ベースの価格体系で提供するソリューションについては、関連する期間における1か月平均のリカーリング売上収益(注2)を12倍し、サブスクリプション方式で提供するソリューションについては、関連する期間の最終月のリカーリング売上収益を12倍することで年換算して得られた金額です。2023年12月のARRは、利用量ベースの価格体系で提供するソリューションについては2023年7月から2023年12月のリカーリング売上収益の1か月平均を12倍し、サブスクリプション方式で提供するソリューションについては2023年12月のリカーリング売上収益を12倍して算出しております。2.リカーリング顧客(利用量ベースの価格体系で提供するソリューションについては、①当社グループのソリューションを4四半期以上連続で使用している顧客企業及び②直近1年以内の新規顧客企業で当社グループのソリューションを3カ月以上連続で使用している顧客企業を、サブスクリプション方式で提供するソリューションについては、当社グループと1年以上の契約を締結している顧客企業をいいます。)からの売上収益3.EBITDA=営業利益+減価償却費及び無形資産償却費+営業費用に含まれる税金費用 ② 財政状態の状況当連結会計年度の財政状態は以下のとおりであります。(資産)当連結会計年度末の総資産は37,852百万円であり、前連結会計年度末に比べて1,914百万円増加しております。流動資産は前連結会計年度末に比べて434百万円減少しており、主な減少要因は定期預金の払戻による減少(前連結会計年度末比5,929百万円減)であり、主な増加要因は営業活動によるキャッシュの獲得等による現金及び現金同等物の増加(同2,330百万円増)、純損益を通じて公正価値で測定する金融資産の取得によるその他の金融資産の増加(同1,364百万円増)、売上収益の増加による営業債権及び契約資産の増加(同1,592百万円増)であります。非流動資産は前連結会計年度末に比べて2,347百万円増加しており、主な増加要因は資産化の要件を満たす開発費用の資産計上によるのれん及び無形資産の増加(同2,410百万円増)であり、主な減少要因は使用権資産の償却による減少(同196百万円減)であります。(負債)当連結会計年度末の負債合計は8,761百万円であり、前連結会計年度末に比べて976百万円減少しております。流動負債は前連結会計年度末に比べて740百万円減少しており、主な減少要因は借入金の返済による減少(前連結会計年度末比1,549百万円減)であり、主な増加要因は売上原価の増加に伴う営業債務の増加(同602百万円増)、未払給与・税金等の増加によるその他の債務の増加(同133百万円増)であります。非流動負債は前連結会計年度末に比べて236百万円減少しており、主な減少要因はリース負債の返済による減少(同237百万円減)であります。(資本)当連結会計年度末の資本合計は29,091百万円であり、前連結会計年度末に比べて2,890百万円増加しております。主な増加要因は為替変動によるその他の資本の構成要素の増加(前連結会計年度末比1,701百万円増)、当期利益の獲得による利益剰余金の増加(同1,002百万円増)であります。 ③ キャッシュ・フローの状況当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、6,134百万円(前連結会計年度末比2,330百万円増加)となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。(営業活動によるキャッシュ・フロー)営業活動の結果得られた資金は2,224百万円となり、前連結会計年度と比べ、収入が1,228百万円増加しました。主な収入の増加要因は、非資金損益調整後の税引前利益の増加(前連結会計年度比1,273百万円増)、利息の受取額の増加(同436百万円増)であり、主な減少要因は運転資本の増加(同418百万円増)であります。(投資活動によるキャッシュ・フロー)投資活動の結果得られた資金は1,971百万円となり、前連結会計年度の支出3,772百万円と比べ、収入が5,744百万円増加しました。主な収入の増加要因は定期預金の純減による収入の増加(前連結会計年度比3,268百万円増)、純損益を通じて公正価値で測定する金融資産の取得による支出の減少(同2,522百万円減)、子会社の取得による支出の減少(同856百万円減)であり、主な収入の減少要因は無形資産の取得による支出の増加(同899百万円増)であります。(財務活動によるキャッシュ・フロー)財務活動の結果使用した資金は2,250百万円となり、前連結会計年度と比べ、支出が1,730百万円増加しました。主な支出の増加要因は短期借入による収入の減少(前連結会計年度比1,622百万円減)であります。 ④ 生産、受注及び販売の実績a.生産実績当社グループは、AIテクノロジー企業として、AIプラットフォームを活用した各種ソリューションを提供しており、提供するサービスの性格上、生産実績の記載に馴染まないため、記載しておりません。 b.受注実績当社グループは、受注から役務提供の開始までの期間が短いため、受注実績に関する記載は省略しております。 c.販売実績当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、以下のとおりであります。セグメントの名称当連結会計年度(自2023年1月1日至2023年12月31日)(千円)前期比(%)AISaaS事業26,418,00436.0合計26,418,00436.0
(注) 1.AISaaS事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は以下のとおりであります。相手先前連結会計年度(自2022年1月1日 至2022年12月31日)当連結会計年度(自2023年1月1日 至2023年12月31日)金額(千円)割合(%)金額(千円)割合(%)Coupang, Inc.――8,038,13230.4株式会社サイバーエージェント及びその子会社2,798,44514.42,977,64311.3Keystone Marketing Company(Coupang, Inc.の代理店)3,862,82419.91,7700.0 3.株式会社サイバーエージェント及びKeystone Marketing Company向けの販売金額には、当社グループのデジタルマーケティングソリューションのエンドユーザーの販売代理店としての売上収益を含んでおります。4.前連結会計年度において、Coupang, Inc.は販売代理店を通じて当社グループのデジタルマーケティングソリューションを利用していましたが、当連結会計年度は当社グループと直接契約をしております。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は以下のとおりであります。文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。 ① 重要な会計上の見積り及び見積りに用いた仮定当社グループの連結財務諸表は、IFRSに基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって、決算日における財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を与えるような会計上の見積り及び判断を必要としております。当グループは、過去の実績や状況を踏まえ合理的と判断される前提に基づき、会計上の見積りを行っておりますが、見積りの不確実性により、実際の結果がこれら見積りと異なる可能性があります。なお、当社グループの連結財務諸表の作成にあたって行っている重要な会計上の見積り及び見積りに用いた仮定については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 連結財務諸表注記事項 5.重要な会計上の見積り及び判断」に記載しております。 ② 目標とする客観的な指標等の推移 当社グループは、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等、(3) 目標とする客観的な指標等」に記載の指標等に着目しております。そこで、当社グループにおいては、当該目標の達成状況を判断するための客観的な指標として、売上収益成長率、ARR及びARR成長率を重視し、また、これらに関連する指標として、売上総利益成長率、NRR、月次顧客解約率及び月次顧客収益解約率に着目しております。これらの指標のうち、ARR、NRR、月次顧客解約率及び月次顧客収益解約率の近時の推移は以下のとおりです。2023年12月におけるARRは28,641百万円となり、2022年12月の21,095百万円からの成長率は35.8%となっています。2023年12月期のNRR(米国ドルベース)は120.3%であることから、継続利用する顧客による当社グループのソリューションの利用の拡大が示されています。月次顧客解約率は2023年12月は0.604%と2022年12月の0.617%から改善しており、顧客の継続性が強まっていることを示しています。 ARR基準時点2022年2023年3月6月9月12月3月6月9月12月日本円(百万円)15,75816,58518,24021,09521,62022,46525,66328,641 NRR、月次顧客解約率及び月次顧客収益解約率期間2022年2023年NRR(米国ドルベース)121.8%120.3%月次顧客解約率0.617%0.604%月次顧客収益解約率0.310%0.306% なお、当社グループが経営上の目標達成状況を判断するために用いている客観的な指標(ARR、NRR、解約率等)の中には、第三者の監査等を受けていない社内データを基礎とするものや、一定期間の実績を通年に換算したものなどが含まれており、当社グループの事業及び業績の実態を正確に表していない可能性があります。 ③ 経営成績の分析(売上収益)当連結会計年度の売上収益は26,418百万円(前連結会計年度比36.0%増)となりました。これは、ROIを重視する既存顧客の利用量が増加したことによる売上収益の拡大、地域及び顧客業種の拡大による新規顧客からの売上収益の拡大によるものであります。また、2023年12月におけるARRは28,641百万円となり、2022年12月の21,095百万円からの成長率は35.8%となりました。(売上原価、売上総利益)当連結会計年度の売上原価は12,710百万円(前連結会計年度比34.8%増)、売上総利益は13,708百万円(前連結会計年度比37.1%増)となり、売上総利益率は51.9%(前連結会計年度は51.5%)となりました。売上総利益率の改善は、継続的な技術革新への取り組みによるものであります。(販売及びマーケティング費用、研究開発費、一般管理費、その他の収益、その他の費用、営業利益)当連結会計年度における販売及びマーケティング費用は8,263百万円(前期比29.2%増)、研究開発費は3,141百万円(同37.5%増)、一般管理費は1,829百万円(同14.1%増)となりました。販売及びマーケティング費用の増加要因は主に採用活動の強化に伴う営業人員の増加、研究開発費の増加要因は主に研究開発活動の強化及び円安によるサーバー関連費用の増加、一般管理費の増加要因は主に会社規模の拡大によるバックオフィス人員の増加やオフィス関連費用の増加であります。その他の収益は334百万円(前期比0百万円増)、その他の費用は9百万円(同7百万円増)となりました。上記の通り営業費用(販売及びマーケティング費用、研究開発費、一般管理費)の金額は増加したものの、売上収益に対する比率は低下しており、コスト構造は改善しております。この結果、営業利益は801百万円(前期比750百万円増)となりました。(金融収益、金融費用、税引前利益)当連結会計年度における金融収益は547百万円(前期比333百万円増)、金融費用は285百万円(同132百万円増)となりました。金融収益の増加は主に定期預金等の利息収入の増加によるものであり、金融費用の増加は主に為替差損の増加によるものであります。この結果、税引前利益は1,063百万円(同952百万円増)となりました。(法人所得税費用、当期利益)当連結会計年度における法人所得税費用は61百万円(前期比29百万円減)となりました。税引前利益は増加しましたが、2023年12月期に回収可能性が高まった繰延税金資産の計上をしたため、法人所得税費用が減少しております。この結果、当期利益は1,002百万円(同980百万円増)となりました。 ④ 財政状態の分析財政状態の分析については、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ② 財政状態の状況」に記載のとおりであります。 ⑤ キャッシュ・フローの分析キャッシュ・フローの分析については、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ③ キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。 ⑥ 資本の財源及び資金の流動性に関する情報当社グループの主な資金需要は、当社グループの業容拡大のための研究開発活動や営業活動に係る人件費です。これらの資金需要に対しては、投資活動及び財務活動によるキャッシュ・フローの支出超過、並びに営業活動によるキャッシュ・フローが収入超過の状況を踏まえ、自己資金を基本としております。 ⑦ 経営成績に重要な影響を与える要因について当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
経営上の重要な契約等 5 【経営上の重要な契約等】
該当事項はありません。
研究開発活動 6 【研究開発活動】
当社グループは、機械学習技術、深層学習技術、自然言語処理技術を利用したサービスの提供に向けた研究開発に取り組んでおります。社内体制としては、ハーバード大学やスタンフォード大学等の博士号や修士を取得した経営陣を筆頭に、AIやビッグデータ分野における優れた実績を誇る博士陣が当社の技術部門を牽引しています。これら、AIやビッグデータを中心とする情報技術に関連した高い専門性を有するメンバーを中心に研究開発を行っております。当連結会計年度における当社グループの研究開発活動の金額は、3,140,984千円であります。
設備投資等の概要 1 【設備投資等の概要】
当連結会計年度の設備投資の総額は119,511千円であり、内容は主にオフィス関連の有形固定資産の取得であります。なお、当連結会計年度において重要な設備の重要な設備の除却、売却等はありません。また、当社グループは、AISaaS事業の単一セグメントであるため、セグメントごとの記載を省略しております。
主要な設備の状況 2 【主要な設備の状況】
当社グループにおける主要な設備は、以下のとおりであります。(1) 提出会社純粋持株会社である当社の事業はAppier, Inc.及びAppier Japan株式会社に所属する従業員が遂行しているため、該当事項はありません。
(2) 国内子会社2023年12月31日現在会社名事業所名(所在地)設備の内容帳簿価額従業員数(人)建物附属設備(千円)使用権資産(千円)その他(千円)合計(千円)Appier Japan株式会社本社(東京都港区)業務設備59,1621,033,6507,9501,100,76155 (3) 在外子会社2023年12月31日現在会社名事業所名(所在地)設備の内容帳簿価額従業員数(人)建物附属設備(千円)使用権資産(千円)その他(千円)合計(千円)Appier Pte. Ltd.本社(シンガポール)業務設備―23,43436923,80321Appier Inc.本社(台湾台北市)業務設備79,1051,291,72580,0371,450,867522
(注) 1.IFRSに基づく金額を記載しております。2.現在休止中の主要な設備はありません。3.上記のほか、賃借している主要な設備はありません。
設備の新設、除却等の計画 3 【設備の新設、除却等の計画】
(1) 重要な設備の新設等該当事項はありません。
(2) 重要な設備の除却等該当事項はありません。
研究開発費、研究開発活動3,140,984,000
設備投資額、設備投資等の概要119,511,000

Investment

株式の保有状況 (5) 【株式の保有状況】
① 投資株式の区分の基準及び考え方当社は、保有目的が純投資目的である投資株式と純投資目的以外の目的である投資株式の区分について、株価の変動又は配当による利益確保を目的として保有する株式は純投資目的である投資株式とし、それ以外の株式は純投資目的以外の目的である投資株式と判断しております。 ② Appier Pte.Ltd.における株式の保有状況当社及び連結子会社のうち、投資株式の貸借対照表計上額(投資株式計上額)が最も大きい会社(最大保有会社)であるAppier Pte.Ltd.については以下のとおりであります。a.保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式イ.保有方針及び保有の合理性を検証する方法並びに個別銘柄の保有の適否に関する取締役会等における検証の内容持続的に企業価値を向上させるため、業務提携や事業シナジーを見込めるなど経営戦略上の重要な目的がある場合のみ保有することを方針としております。また、当該投資の所管部門において、その保有の必要性を検証しております。 ロ.銘柄数及び貸借対照表計上額 銘柄数(銘柄)貸借対照表計上額の合計額(千円)非上場株式1147,368非上場株式以外の株式―― (当事業年度において株式数が増加した銘柄) 銘柄数(銘柄)株式数の増加に係る取得価額の合計額(千円)株式数の増加の理由非上場株式―――非上場株式以外の株式――― (当事業年度において株式数が減少した銘柄)該当事項はありません。 ハ.特定投資株式及びみなし保有株式の銘柄ごとの株式数、貸借対照表計上額等に関する情報該当事項はありません。 b.保有目的が純投資目的である投資株式該当事項はありません。 c.当事業年度中に投資株式の保有目的を純投資目的から純投資目的以外の目的に変更したもの該当事項はありません。 d.当事業年度中に投資株式の保有目的を純投資目的以外の目的から純投資目的に変更したもの該当事項はありません。 ③ 提出会社における株式の保有状況該当事項はありません。

Shareholders

大株主の状況 (6) 【大株主の状況】
2023年12月31日現在
氏名又は名称住所所有株式数(株)発行済株式(自己株式を除く。)の総数に対する所有株式数の割合(%)
PLAXIE INC(常任代理人 SMBC日興証券株式会社)VISTRA CORPORATE SERVICES CENTRE,WICKHAMS CAY II ROAD TOWN TORTOLA VG1110 BRITISH VIRGIN ISLANDS(東京都千代田区丸の内1丁目5番1号)17,139,61016.82
日本マスタートラスト信託銀行株式会社(信託口) 東京都港区浜松町2丁目11番3号 11,277,30011.07
SEQUOIA CAPITAL INDIA INVESTMENTS IV(常任代理人 SMBC日興証券株式会社)C/O INTERNATIONAL PROXIMITY,5TH FLOOR,EBENEESPLANADE,24 BANK ST, CYBERCITY EBENE,MAURITIUS(東京都千代田区丸の内1丁目5番1号)9,975,3709.79
UBS AG SINGAPORE(常任代理人 シティバンク、エヌ・エイ東京支店)AESCHENVORSTADT 1, CH-4002 BASEL SWITZERLAND(東京都新宿区新宿6丁目27番30号)5,218,2505.12
MLI FOR CLIENT GENERAL OMNI NON COLLATERAL NON TREATY-PB(常任代理人 BOFA証券株式会社)MERRILL LYNCH FINANCIAL CENTRE 2 KING EDWARD STREET LONDON UNITED KINGDOM(東京都中央区日本橋1丁目4-1)4,605,1524.52
株式会社日本カストディ銀行(信託口) 東京都中央区晴海1丁目8-12 4,057,1003.98
CHIA-YUNG SU(常任代理人 SMBC日興証券株式会社)台湾台北市(東京都千代田区丸の内1丁目5番1号)3,960,7203.89
HIPPO TECHNOLOGY INVESTMENT COMPANY LIMITED(常任代理人 SMBC日興証券株式会社)MANDAR HOUSE,3RD FLOOR, JOHNSON'S GHUT,TORTOLA, BRITISH VIRGIN ISLANDS(東京都千代田区丸の内1丁目5番1号)2,388,2102.34
GSESL APPIER CLIENT ASSET ACCOUNT(常任代理人 SMBC日興証券株式会社)171 OLD BAKERY STREET VALLETTA VLT 1455 MALTA (東京都千代田区丸の内1丁目5番1号)2,357,7762.31
HSBC-FUND SERVICES CLIENTS A/C 006(常任代理人 香港上海銀行東京支店)LEVEL 13,1 QUEEN'S ROADCENTRAL,HONG KONG(東京都中央区日本橋3丁目11-1)1,711,1401.68計-62,690,62861.53
(注)1.2021年4月6日付で公衆の縦覧に供されている大量保有報告書において、グローバル・プレミア・グループ・リミテッドが2021年3月30日現在で以下の株式を所有している旨が記載されているものの、当社として2023年12月31日時点における実質所有株式数の確認ができませんので、上記大株主の状況には含めておりません。なお、当該大量保有報告書の内容は以下のとおりであります。
氏名又は名称住所保有株券等の数 (株)株券等保有割合 (%)グローバル・プレミア・グループ・リミテッド(GLOBAL PREMIER GROUP LIMITED)ビストラ・コーポレート・サービシーズ・センター、ウィッカムズ ケイ 2、ロード タウン、トルトラ、VG1110、イギリス領バージン諸島5,564,9505.57
(注)2.2022年4月7日付で公衆の縦覧に供されている変更報告書において、キャピタル・リサーチ・アンド・マネージメント・カンパニーが2022年3月31日現在で以下の株式を所有している旨が記載されているものの、当社として2023年12月31日時点における実質所有株式数の確認ができませんので、上記大株主の状況には含めておりません。なお、当該変更報告書の内容は以下のとおりであります。
氏名又は名称住所保有株券等の数 (株)株券等保有割合 (%)キャピタル・リサーチ・アンド・マネージメント・カンパニー(Capital Research and Management Company)アメリカ合衆国カリフォルニア州、ロスアンジェルス、サウスホープ・ストリート333(333 South Hope Street, Los Angeles, CA 90071, U.S.A.)3,726,3003.68
(注)3.2023年11月1日付で公衆の縦覧に供されている変更報告書において、「Sequoia Capital India Investments IV(セコイア・キャピタル・インディア・インベストメンツ・フォー)」の商号が、「ピーク・フィフティーン・パートナーズ・インベストメンツ・フォー(Peak XV Partners Investments IV)」に変更されたことを確認しております。
株主数-金融機関16
株主数-金融商品取引業者40
株主数-外国法人等-個人114
株主数-外国法人等-個人以外224
株主数-個人その他15,587
株主数-その他の法人109
株主数-計16,090
氏名又は名称、大株主の状況HSBC-FUND SERVICES CLIENTS A/C 006(常任代理人 香港上海銀行東京支店)
株主総利回り1
株主総会決議による取得の状況 (1) 【株主総会決議による取得の状況】
該当事項はありません。
株主総会決議又は取締役会決議に基づかないものの内容 (3) 【株主総会決議又は取締役会決議に基づかないものの内容】
区分株式数(株)価額の総額(千円)当事業年度における取得自己株式62110 当期間における取得自己株式――
(注) 当期間における取得自己株式には、2024年3月1日から有価証券報告書提出日までの単元未満株式の買取りによる株式数は含めておりません。

Shareholders2

自己株式の取得-110,000

Audit

監査法人1、連結PwC Japan有限責任監査法人
独立監査人の報告書、連結 独立監査人の監査報告書 2024年3月28日Appier Group株式会社取締役会 御中 PwC Japan有限責任監査法人  東京事務所 指定有限責任社員業務執行社員 公認会計士宍 戸 賢 市 指定有限責任社員業務執行社員 公認会計士臼 杵 大 樹 <連結財務諸表監査>監査意見当監査法人は、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づく監査証明を行うため、「経理の状況」に掲げられているAppier Group株式会社の2023年1月1日から2023年12月31日までの連結会計年度の連結財務諸表、すなわち、連結財政状態計算書、連結損益計算書、連結包括利益計算書、連結持分変動計算書、連結キャッシュ・フロー計算書、連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項及びその他の注記について監査を行った。当監査法人は、上記の連結財務諸表が、「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」第93条により規定された国際会計基準に準拠して、Appier Group株式会社及び連結子会社の2023年12月31日現在の財政状態並びに同日をもって終了する連結会計年度の経営成績及びキャッシュ・フローの状況を、全ての重要な点において適正に表示しているものと認める。監査意見の根拠当監査法人は、我が国において一般に公正妥当と認められる監査の基準に準拠して監査を行った。監査の基準における当監査法人の責任は、「連結財務諸表監査における監査人の責任」に記載されている。当監査法人は、我が国における職業倫理に関する規定に従って、会社及び連結子会社から独立しており、また、監査人としてのその他の倫理上の責任を果たしている。当監査法人は、意見表明の基礎となる十分かつ適切な監査証拠を入手したと判断している。監査上の主要な検討事項監査上の主要な検討事項とは、当連結会計年度の連結財務諸表の監査において、監査人が職業的専門家として特に重要であると判断した事項である。監査上の主要な検討事項は、連結財務諸表全体に対する監査の実施過程及び監査意見の形成において対応した事項であり、当監査法人は、当該事項に対して個別に意見を表明するものではない。 のれんの減損評価監査上の主要な検討事項の内容及び決定理由監査上の対応連結財務諸表注記4(9)及び注記9に記載のとおり、2023年12月31日現在、会社はのれん2,819,369千円を計上しており、事業戦略の一環として会社の事業と補完的な事業を営む他社を買収し取得したものである。のれん残高は連結総資産の7.4%に相当する。会社は毎年及び減損の兆候がある場合に、減損テストとしてのれんが配分される資金生成単位の回収可能価額の見積りを行っている。資金生成単位の回収可能価額は、使用価値と処分コスト控除後の公正価値のいずれか高い方の金額としており、会社は当該資金生成単位の回収可能価額を使用価値に基づいて算定している。使用価値の算定は、見積将来キャッシュ・フローを貨幣の時間的価値及び該当する資産の固有リスクを反映した税引前の割引率を用いて現在価値に割り引いている。資金生成単位は、継続的に使用した場合での他の資産又は資産グループからのキャッシュ・インフローとは概ね独立したキャッシュ・インフローを生成する最小の資産グループである。使用価値の見積りにおける重要な仮定は、経営者により承認される事業計画を基礎とした将来5年間の将来キャッシュ・フローの見積り、割引率の決定、及び計画期間経過後の成長率である。事業計画は、将来の売上収益成長率、将来の売上総利益率、及び費用増加率の予測を踏まえて作成されている。のれんの残高は連結財務諸表において重要であり、事業計画に基づく将来キャッシュ・フロー、割引率、及び計画期間経過後の成長率は、見積りに不確実性を伴い、経営者の主観的な判断が必要であるため、当監査法人はのれんの減損評価を監査上の主要な検討事項と判断した。当監査法人は、のれんの減損評価を検討するにあたり、主として以下の監査手続を実施した。・経営者による使用価値の評価プロセス及び資金生成単位の識別に関するプロセスを理解した。・経営者へ質問するとともに、取締役会の議事録及び関連文書を閲覧し、関連する販売市場の最新動向を中心とした直近の事業環境を把握した。・見積将来キャッシュ・フローを入手するとともに、将来キャッシュ・フローの見積りに経営者が使用した仮定の合理性を評価するため、見積将来キャッシュ・フローと経営者により承認された事業計画との整合性を検証し、主要顧客からの受注状況との比較・分析、及び売上収益成長率、売上総利益率、費用増加率について過去の実績との比較・分析を行った。・割引率及び計画期間経過後の成長率について経営者と議論し、利用可能な外部データとの比較・分析を行った。・経営者による感応度分析を検討するとともに、将来キャッシュ・フロー、割引率、及び計画期間経過後の成長率の重要な仮定に対する感応度分析を実施した。 ソフトウェア開発資産の減損の兆候の識別監査上の主要な検討事項の内容及び決定理由監査上の対応連結財務諸表注記4(9)及び注記9に記載のとおり、2023年12月31日現在、会社はソフトウェア開発資産6,270,314千円を計上している。ソフトウェア開発資産残高は連結総資産の16.5%に相当する。ソフトウェア開発資産は、信頼性をもって測定することができ、将来的に経済的便益を得られる可能性が高く、会社が開発を完成させ、当該資産を使用又は販売する意図及びそのための十分な資源を有している開発関連支出のうち、IAS第38号「無形資産」の資産の認識基準に従って無形資産として資産計上したものである。経営者は、IAS第36号「資産の減損」に従って減損の兆候の有無の検討を行っている中で、特に、当該ソフトウェア開発資産が含まれる資金生成単位であるソリューション別の将来キャッシュ・フローの予測を評価することでも、減損の兆候の有無を検討している。ソリューション別の将来キャッシュ・フローの見積りは経営者の承認を得た事業計画に基づいている。ソフトウェア開発資産の残高は連結財務諸表において重要であり、将来キャッシュ・フローの見積りは不確実性を伴い、経営者による主観的な判断が必要であるため、当監査法人はソフトウェア開発資産の減損の兆候の識別を監査上の主要な検討事項と判断した。当監査法人は、ソフトウェア開発資産の評価を検討するにあたり、主として以下の監査手続を実施した。・経営者による減損の兆候の識別に係る評価プロセス及びその見積りの方法について理解した。・経営者へ質問するとともに取締役会の議事録及び関連文書を閲覧し、関連する販売戦略における最新動向を中心とした直近の事業環境を把握した。・ソリューション別の将来キャッシュ・フローを入手し、経営者により承認された事業計画との整合性を検証し、過去の実績との比較・分析を行った。・ソリューション別の将来キャッシュ・フローについて経営者と議論し、主要顧客からの受注状況を評価するとともに、市場予測や利用可能な外部データと比較し、過去実績からの趨勢分析を行った。 その他の記載内容その他の記載内容は、有価証券報告書に含まれる情報のうち、連結財務諸表及び財務諸表並びにこれらの監査報告書以外の情報である。経営者の責任は、その他の記載内容を作成し開示することにある。また、監査等委員会の責任は、その他の記載内容の報告プロセスの整備及び運用における取締役の職務の執行を監視することにある。当監査法人の連結財務諸表に対する監査意見の対象にはその他の記載内容は含まれておらず、当監査法人はその他の記載内容に対して意見を表明するものではない。連結財務諸表監査における当監査法人の責任は、その他の記載内容を通読し、通読の過程において、その他の記載内容と連結財務諸表又は当監査法人が監査の過程で得た知識との間に重要な相違があるかどうか検討すること、また、そのような重要な相違以外にその他の記載内容に重要な誤りの兆候があるかどうか注意を払うことにある。当監査法人は、実施した作業に基づき、その他の記載内容に重要な誤りがあると判断した場合には、その事実を報告することが求められている。その他の記載内容に関して、当監査法人が報告すべき事項はない。 連結財務諸表に対する経営者及び監査等委員会の責任経営者の責任は、国際会計基準に準拠して連結財務諸表を作成し適正に表示することにある。これには、不正又は誤謬による重要な虚偽表示のない連結財務諸表を作成し適正に表示するために経営者が必要と判断した内部統制を整備及び運用することが含まれる。連結財務諸表を作成するに当たり、経営者は、継続企業の前提に基づき連結財務諸表を作成することが適切であるかどうかを評価し、国際会計基準に基づいて継続企業に関する事項を開示する必要がある場合には当該事項を開示する責任がある。監査等委員会の責任は、財務報告プロセスの整備及び運用における取締役の職務の執行を監視することにある。 連結財務諸表監査における監査人の責任監査人の責任は、監査人が実施した監査に基づいて、全体としての連結財務諸表に不正又は誤謬による重要な虚偽表示がないかどうかについて合理的な保証を得て、監査報告書において独立の立場から連結財務諸表に対する意見を表明することにある。虚偽表示は、不正又は誤謬により発生する可能性があり、個別に又は集計すると、連結財務諸表の利用者の意思決定に影響を与えると合理的に見込まれる場合に、重要性があると判断される。監査人は、我が国において一般に公正妥当と認められる監査の基準に従って、監査の過程を通じて、職業的専門家としての判断を行い、職業的懐疑心を保持して以下を実施する。・不正又は誤謬による重要な虚偽表示リスクを識別し、評価する。また、重要な虚偽表示リスクに対応した監査手続を立案し、実施する。監査手続の選択及び適用は監査人の判断による。さらに、意見表明の基礎となる十分かつ適切な監査証拠を入手する。・連結財務諸表監査の目的は、内部統制の有効性について意見表明するためのものではないが、監査人は、リスク評価の実施に際して、状況に応じた適切な監査手続を立案するために、監査に関連する内部統制を検討する。・経営者が採用した会計方針及びその適用方法の適切性、並びに経営者によって行われた会計上の見積りの合理性及び関連する注記事項の妥当性を評価する。・経営者が継続企業を前提として連結財務諸表を作成することが適切であるかどうか、また、入手した監査証拠に基づき、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況に関して重要な不確実性が認められるかどうか結論付ける。継続企業の前提に関する重要な不確実性が認められる場合は、監査報告書において連結財務諸表の注記事項に注意を喚起すること、又は重要な不確実性に関する連結財務諸表の注記事項が適切でない場合は、連結財務諸表に対して除外事項付意見を表明することが求められている。監査人の結論は、監査報告書日までに入手した監査証拠に基づいているが、将来の事象や状況により、企業は継続企業として存続できなくなる可能性がある。・連結財務諸表の表示及び注記事項が、国際会計基準に準拠しているかどうかとともに、関連する注記事項を含めた連結財務諸表の表示、構成及び内容、並びに連結財務諸表が基礎となる取引や会計事象を適正に表示しているかどうかを評価する。・連結財務諸表に対する意見を表明するために、会社及び連結子会社の財務情報に関する十分かつ適切な監査証拠を入手する。監査人は、連結財務諸表の監査に関する指示、監督及び実施に関して責任がある。監査人は、単独で監査意見に対して責任を負う。監査人は、監査等委員会に対して、計画した監査の範囲とその実施時期、監査の実施過程で識別した内部統制の重要な不備を含む監査上の重要な発見事項、及び監査の基準で求められているその他の事項について報告を行う。監査人は、監査等委員会に対して、独立性についての我が国における職業倫理に関する規定を遵守したこと、並びに監査人の独立性に影響を与えると合理的に考えられる事項、及び阻害要因を除去するための対応策を講じている場合又は阻害要因を許容可能な水準にまで軽減するためのセーフガードを適用している場合はその内容について報告を行う。監査人は、監査等委員会と協議した事項のうち、当連結会計年度の連結財務諸表の監査で特に重要であると判断した事項を監査上の主要な検討事項と決定し、監査報告書において記載する。ただし、法令等により当該事項の公表が禁止されている場合や、極めて限定的ではあるが、監査報告書において報告することにより生じる不利益が公共の利益を上回ると合理的に見込まれるため、監査人が報告すべきでないと判断した場合は、当該事項を記載しない。 <報酬関連情報>当監査法人及び当監査法人と同一のネットワークに属する者に対する、会社及び子会社の監査証明業務に基づく報酬及び非監査業務に基づく報酬の額は、「提出会社の状況」に含まれるコーポレート・ガバナンスの状況等(3)【監査の状況】
に記載されている。利害関係会社及び連結子会社と当監査法人又は業務執行社員との間には、公認会計士法の規定により記載すべき利害関係はない。以  上
(注) 1 上記の監査報告書の原本は当社(有価証券報告書提出会社)が別途保管しております。2 XBRLデータは監査の対象には含まれていません。
監査上の主要な検討事項、連結 監査上の主要な検討事項監査上の主要な検討事項とは、当連結会計年度の連結財務諸表の監査において、監査人が職業的専門家として特に重要であると判断した事項である。監査上の主要な検討事項は、連結財務諸表全体に対する監査の実施過程及び監査意見の形成において対応した事項であり、当監査法人は、当該事項に対して個別に意見を表明するものではない。 のれんの減損評価監査上の主要な検討事項の内容及び決定理由監査上の対応連結財務諸表注記4(9)及び注記9に記載のとおり、2023年12月31日現在、会社はのれん2,819,369千円を計上しており、事業戦略の一環として会社の事業と補完的な事業を営む他社を買収し取得したものである。のれん残高は連結総資産の7.4%に相当する。会社は毎年及び減損の兆候がある場合に、減損テストとしてのれんが配分される資金生成単位の回収可能価額の見積りを行っている。資金生成単位の回収可能価額は、使用価値と処分コスト控除後の公正価値のいずれか高い方の金額としており、会社は当該資金生成単位の回収可能価額を使用価値に基づいて算定している。使用価値の算定は、見積将来キャッシュ・フローを貨幣の時間的価値及び該当する資産の固有リスクを反映した税引前の割引率を用いて現在価値に割り引いている。資金生成単位は、継続的に使用した場合での他の資産又は資産グループからのキャッシュ・インフローとは概ね独立したキャッシュ・インフローを生成する最小の資産グループである。使用価値の見積りにおける重要な仮定は、経営者により承認される事業計画を基礎とした将来5年間の将来キャッシュ・フローの見積り、割引率の決定、及び計画期間経過後の成長率である。事業計画は、将来の売上収益成長率、将来の売上総利益率、及び費用増加率の予測を踏まえて作成されている。のれんの残高は連結財務諸表において重要であり、事業計画に基づく将来キャッシュ・フロー、割引率、及び計画期間経過後の成長率は、見積りに不確実性を伴い、経営者の主観的な判断が必要であるため、当監査法人はのれんの減損評価を監査上の主要な検討事項と判断した。当監査法人は、のれんの減損評価を検討するにあたり、主として以下の監査手続を実施した。・経営者による使用価値の評価プロセス及び資金生成単位の識別に関するプロセスを理解した。・経営者へ質問するとともに、取締役会の議事録及び関連文書を閲覧し、関連する販売市場の最新動向を中心とした直近の事業環境を把握した。・見積将来キャッシュ・フローを入手するとともに、将来キャッシュ・フローの見積りに経営者が使用した仮定の合理性を評価するため、見積将来キャッシュ・フローと経営者により承認された事業計画との整合性を検証し、主要顧客からの受注状況との比較・分析、及び売上収益成長率、売上総利益率、費用増加率について過去の実績との比較・分析を行った。・割引率及び計画期間経過後の成長率について経営者と議論し、利用可能な外部データとの比較・分析を行った。・経営者による感応度分析を検討するとともに、将来キャッシュ・フロー、割引率、及び計画期間経過後の成長率の重要な仮定に対する感応度分析を実施した。 ソフトウェア開発資産の減損の兆候の識別監査上の主要な検討事項の内容及び決定理由監査上の対応連結財務諸表注記4(9)及び注記9に記載のとおり、2023年12月31日現在、会社はソフトウェア開発資産6,270,314千円を計上している。ソフトウェア開発資産残高は連結総資産の16.5%に相当する。ソフトウェア開発資産は、信頼性をもって測定することができ、将来的に経済的便益を得られる可能性が高く、会社が開発を完成させ、当該資産を使用又は販売する意図及びそのための十分な資源を有している開発関連支出のうち、IAS第38号「無形資産」の資産の認識基準に従って無形資産として資産計上したものである。経営者は、IAS第36号「資産の減損」に従って減損の兆候の有無の検討を行っている中で、特に、当該ソフトウェア開発資産が含まれる資金生成単位であるソリューション別の将来キャッシュ・フローの予測を評価することでも、減損の兆候の有無を検討している。ソリューション別の将来キャッシュ・フローの見積りは経営者の承認を得た事業計画に基づいている。ソフトウェア開発資産の残高は連結財務諸表において重要であり、将来キャッシュ・フローの見積りは不確実性を伴い、経営者による主観的な判断が必要であるため、当監査法人はソフトウェア開発資産の減損の兆候の識別を監査上の主要な検討事項と判断した。当監査法人は、ソフトウェア開発資産の評価を検討するにあたり、主として以下の監査手続を実施した。・経営者による減損の兆候の識別に係る評価プロセス及びその見積りの方法について理解した。・経営者へ質問するとともに取締役会の議事録及び関連文書を閲覧し、関連する販売戦略における最新動向を中心とした直近の事業環境を把握した。・ソリューション別の将来キャッシュ・フローを入手し、経営者により承認された事業計画との整合性を検証し、過去の実績との比較・分析を行った。・ソリューション別の将来キャッシュ・フローについて経営者と議論し、主要顧客からの受注状況を評価するとともに、市場予測や利用可能な外部データと比較し、過去実績からの趨勢分析を行った。
全体概要、監査上の主要な検討事項、連結 監査上の主要な検討事項とは、当連結会計年度の連結財務諸表の監査において、監査人が職業的専門家として特に重要であると判断した事項である。監査上の主要な検討事項は、連結財務諸表全体に対する監査の実施過程及び監査意見の形成において対応した事項であり、当監査法人は、当該事項に対して個別に意見を表明するものではない。
見出し、監査上の主要な検討事項、連結ソフトウェア開発資産の減損の兆候の識別
内容及び理由、監査上の主要な検討事項、連結 連結財務諸表注記4(9)及び注記9に記載のとおり、2023年12月31日現在、会社はソフトウェア開発資産6,270,314千円を計上している。ソフトウェア開発資産残高は連結総資産の16.5%に相当する。ソフトウェア開発資産は、信頼性をもって測定することができ、将来的に経済的便益を得られる可能性が高く、会社が開発を完成させ、当該資産を使用又は販売する意図及びそのための十分な資源を有している開発関連支出のうち、IAS第38号「無形資産」の資産の認識基準に従って無形資産として資産計上したものである。経営者は、IAS第36号「資産の減損」に従って減損の兆候の有無の検討を行っている中で、特に、当該ソフトウェア開発資産が含まれる資金生成単位であるソリューション別の将来キャッシュ・フローの予測を評価することでも、減損の兆候の有無を検討している。ソリューション別の将来キャッシュ・フローの見積りは経営者の承認を得た事業計画に基づいている。ソフトウェア開発資産の残高は連結財務諸表において重要であり、将来キャッシュ・フローの見積りは不確実性を伴い、経営者による主観的な判断が必要であるため、当監査法人はソフトウェア開発資産の減損の兆候の識別を監査上の主要な検討事項と判断した。
開示への参照、監査上の主要な検討事項、連結連結財務諸表注記4(9)及び注記9
監査上の対応、監査上の主要な検討事項、連結 当監査法人は、ソフトウェア開発資産の評価を検討するにあたり、主として以下の監査手続を実施した。・経営者による減損の兆候の識別に係る評価プロセス及びその見積りの方法について理解した。・経営者へ質問するとともに取締役会の議事録及び関連文書を閲覧し、関連する販売戦略における最新動向を中心とした直近の事業環境を把握した。・ソリューション別の将来キャッシュ・フローを入手し、経営者により承認された事業計画との整合性を検証し、過去の実績との比較・分析を行った。・ソリューション別の将来キャッシュ・フローについて経営者と議論し、主要顧客からの受注状況を評価するとともに、市場予測や利用可能な外部データと比較し、過去実績からの趨勢分析を行った。
その他の記載内容、連結 その他の記載内容その他の記載内容は、有価証券報告書に含まれる情報のうち、連結財務諸表及び財務諸表並びにこれらの監査報告書以外の情報である。経営者の責任は、その他の記載内容を作成し開示することにある。また、監査等委員会の責任は、その他の記載内容の報告プロセスの整備及び運用における取締役の職務の執行を監視することにある。当監査法人の連結財務諸表に対する監査意見の対象にはその他の記載内容は含まれておらず、当監査法人はその他の記載内容に対して意見を表明するものではない。連結財務諸表監査における当監査法人の責任は、その他の記載内容を通読し、通読の過程において、その他の記載内容と連結財務諸表又は当監査法人が監査の過程で得た知識との間に重要な相違があるかどうか検討すること、また、そのような重要な相違以外にその他の記載内容に重要な誤りの兆候があるかどうか注意を払うことにある。当監査法人は、実施した作業に基づき、その他の記載内容に重要な誤りがあると判断した場合には、その事実を報告することが求められている。その他の記載内容に関して、当監査法人が報告すべき事項はない。

Audit1

監査法人1、個別PwC Japan有限責任監査法人
独立監査人の報告書、個別 独立監査人の監査報告書 2024年3月28日Appier Group株式会社取締役会 御中 PwC Japan有限責任監査法人  東京事務所 指定有限責任社員業務執行社員 公認会計士宍 戸 賢 市 指定有限責任社員業務執行社員 公認会計士臼 杵 大 樹 <財務諸表監査>監査意見当監査法人は、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づく監査証明を行うため、「経理の状況」に掲げられているAppier Group株式会社の2023年1月1日から2023年12月31日までの第6期事業年度の財務諸表、すなわち、貸借対照表、損益計算書、株主資本等変動計算書、重要な会計方針、その他の注記及び附属明細表について監査を行った。当監査法人は、上記の財務諸表が、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して、Appier Group株式会社の2023年12月31日現在の財政状態及び同日をもって終了する事業年度の経営成績を、全ての重要な点において適正に表示しているものと認める。監査意見の根拠当監査法人は、我が国において一般に公正妥当と認められる監査の基準に準拠して監査を行った。監査の基準における当監査法人の責任は、「財務諸表監査における監査人の責任」に記載されている。当監査法人は、我が国における職業倫理に関する規定に従って、会社から独立しており、また、監査人としてのその他の倫理上の責任を果たしている。当監査法人は、意見表明の基礎となる十分かつ適切な監査証拠を入手したと判断している。監査上の主要な検討事項監査上の主要な検討事項とは、当事業年度の財務諸表の監査において、監査人が職業的専門家として特に重要であると判断した事項である。監査上の主要な検討事項は、財務諸表全体に対する監査の実施過程及び監査意見の形成において対応した事項であり、当監査法人は、当該事項に対して個別に意見を表明するものではない。 関係会社株式の評価監査上の主要な検討事項の内容及び決定理由監査上の対応財務諸表の(有価証券関係)注記に記載のとおり、2023年12月31日現在、市場価格のない株式等である関係会社株式29,593,668千円を計上している。関係会社株式残高は総資産の96.0%に相当する。会社は、市場価格のない株式等である関係会社株式の評価について、当該関係会社株式の実質価額が取得原価と比較して著しく低下した場合に、実行可能で合理的な事業計画があり回復可能性が十分な証拠によって裏付けられる場合を除いて、期末において減損処理を行う方針としている。以上の方針に従って、関係会社株式の減損処理について検討した結果、経営者は減損損失を計上していない。市場価格のない株式等である関係会社株式の残高は財務諸表において重要であるため、当監査法人は関係会社株式の評価を監査上の主要な検討事項と判断した。当監査法人は、関係会社株式の評価を検討するにあたり、主として以下の監査手続を実施した。・関係会社株式の評価に関する経営者の評価結果を入手し、会社の実質価額の算定プロセスや回復可能性の検討プロセスを理解した。・経営者へ質問するとともに取締役会の議事録及び関連文書を閲覧し、関係会社の事業環境を理解し、財政状態の悪化の兆候を示唆する状況の有無を検討した。・関係会社株式の取得原価と関係会社株式の実質価額を比較し、取得原価に対する実質価額の著しい低下が生じたか否かについて、会社の判断の妥当性を評価した。・関係会社の財務数値については、関係会社の監査人によって実施された監査手続とその結果を把握することにより、当該財務情報の信頼性を評価した。 その他の記載内容その他の記載内容は、有価証券報告書に含まれる情報のうち、連結財務諸表及び財務諸表並びにこれらの監査報告書以外の情報である。経営者の責任は、その他の記載内容を作成し開示することにある。また、監査等委員会の責任は、その他の記載内容の報告プロセスの整備及び運用における取締役の職務の執行を監視することにある。当監査法人の財務諸表に対する監査意見の対象にはその他の記載内容は含まれておらず、当監査法人はその他の記載内容に対して意見を表明するものではない。財務諸表監査における当監査法人の責任は、その他の記載内容を通読し、通読の過程において、その他の記載内容と財務諸表又は当監査法人が監査の過程で得た知識との間に重要な相違があるかどうか検討すること、また、そのような重要な相違以外にその他の記載内容に重要な誤りの兆候があるかどうか注意を払うことにある。当監査法人は、実施した作業に基づき、その他の記載内容に重要な誤りがあると判断した場合には、その事実を報告することが求められている。その他の記載内容に関して、当監査法人が報告すべき事項はない。 財務諸表に対する経営者及び監査等委員会の責任経営者の責任は、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して財務諸表を作成し適正に表示することにある。これには、不正又は誤謬による重要な虚偽表示のない財務諸表を作成し適正に表示するために経営者が必要と判断した内部統制を整備及び運用することが含まれる。財務諸表を作成するに当たり、経営者は、継続企業の前提に基づき財務諸表を作成することが適切であるかどうかを評価し、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づいて継続企業に関する事項を開示する必要がある場合には当該事項を開示する責任がある。監査等委員会の責任は、財務報告プロセスの整備及び運用における取締役の職務の執行を監視することにある。財務諸表監査における監査人の責任監査人の責任は、監査人が実施した監査に基づいて、全体としての財務諸表に不正又は誤謬による重要な虚偽表示がないかどうかについて合理的な保証を得て、監査報告書において独立の立場から財務諸表に対する意見を表明することにある。虚偽表示は、不正又は誤謬により発生する可能性があり、個別に又は集計すると、財務諸表の利用者の意思決定に影響を与えると合理的に見込まれる場合に、重要性があると判断される。監査人は、我が国において一般に公正妥当と認められる監査の基準に従って、監査の過程を通じて、職業的専門家としての判断を行い、職業的懐疑心を保持して以下を実施する。・不正又は誤謬による重要な虚偽表示リスクを識別し、評価する。また、重要な虚偽表示リスクに対応した監査手続を立案し、実施する。監査手続の選択及び適用は監査人の判断による。さらに、意見表明の基礎となる十分かつ適切な監査証拠を入手する。・財務諸表監査の目的は、内部統制の有効性について意見表明するためのものではないが、監査人は、リスク評価の実施に際して、状況に応じた適切な監査手続を立案するために、監査に関連する内部統制を検討する。・経営者が採用した会計方針及びその適用方法の適切性、並びに経営者によって行われた会計上の見積りの合理性及び関連する注記事項の妥当性を評価する。・経営者が継続企業を前提として財務諸表を作成することが適切であるかどうか、また、入手した監査証拠に基づき、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況に関して重要な不確実性が認められるかどうか結論付ける。継続企業の前提に関する重要な不確実性が認められる場合は、監査報告書において財務諸表の注記事項に注意を喚起すること、又は重要な不確実性に関する財務諸表の注記事項が適切でない場合は、財務諸表に対して除外事項付意見を表明することが求められている。監査人の結論は、監査報告書日までに入手した監査証拠に基づいているが、将来の事象や状況により、企業は継続企業として存続できなくなる可能性がある。・財務諸表の表示及び注記事項が、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠しているかどうかとともに、関連する注記事項を含めた財務諸表の表示、構成及び内容、並びに財務諸表が基礎となる取引や会計事象を適正に表示しているかどうかを評価する。監査人は、監査等委員会に対して、計画した監査の範囲とその実施時期、監査の実施過程で識別した内部統制の重要な不備を含む監査上の重要な発見事項、及び監査の基準で求められているその他の事項について報告を行う。監査人は、監査等委員会に対して、独立性についての我が国における職業倫理に関する規定を遵守したこと、並びに監査人の独立性に影響を与えると合理的に考えられる事項、及び阻害要因を除去するための対応策を講じている場合又は阻害要因を許容可能な水準にまで軽減するためのセーフガードを適用している場合はその内容について報告を行う。監査人は、監査等委員会と協議した事項のうち、当事業年度の財務諸表の監査で特に重要であると判断した事項を監査上の主要な検討事項と決定し、監査報告書において記載する。ただし、法令等により当該事項の公表が禁止されている場合や、極めて限定的ではあるが、監査報告書において報告することにより生じる不利益が公共の利益を上回ると合理的に見込まれるため、監査人が報告すべきでないと判断した場合は、当該事項を記載しない。<報酬関連情報>報酬関連情報は、連結財務諸表の監査報告書に記載されている。利害関係会社と当監査法人又は業務執行社員との間には、公認会計士法の規定により記載すべき利害関係はない。以  上
(注) 1 上記の監査報告書の原本は当社(有価証券報告書提出会社)が別途保管しております。2 XBRLデータは監査の対象には含まれていません。
監査上の主要な検討事項、個別 監査上の主要な検討事項監査上の主要な検討事項とは、当事業年度の財務諸表の監査において、監査人が職業的専門家として特に重要であると判断した事項である。監査上の主要な検討事項は、財務諸表全体に対する監査の実施過程及び監査意見の形成において対応した事項であり、当監査法人は、当該事項に対して個別に意見を表明するものではない。 関係会社株式の評価監査上の主要な検討事項の内容及び決定理由監査上の対応財務諸表の(有価証券関係)注記に記載のとおり、2023年12月31日現在、市場価格のない株式等である関係会社株式29,593,668千円を計上している。関係会社株式残高は総資産の96.0%に相当する。会社は、市場価格のない株式等である関係会社株式の評価について、当該関係会社株式の実質価額が取得原価と比較して著しく低下した場合に、実行可能で合理的な事業計画があり回復可能性が十分な証拠によって裏付けられる場合を除いて、期末において減損処理を行う方針としている。以上の方針に従って、関係会社株式の減損処理について検討した結果、経営者は減損損失を計上していない。市場価格のない株式等である関係会社株式の残高は財務諸表において重要であるため、当監査法人は関係会社株式の評価を監査上の主要な検討事項と判断した。当監査法人は、関係会社株式の評価を検討するにあたり、主として以下の監査手続を実施した。・関係会社株式の評価に関する経営者の評価結果を入手し、会社の実質価額の算定プロセスや回復可能性の検討プロセスを理解した。・経営者へ質問するとともに取締役会の議事録及び関連文書を閲覧し、関係会社の事業環境を理解し、財政状態の悪化の兆候を示唆する状況の有無を検討した。・関係会社株式の取得原価と関係会社株式の実質価額を比較し、取得原価に対する実質価額の著しい低下が生じたか否かについて、会社の判断の妥当性を評価した。・関係会社の財務数値については、関係会社の監査人によって実施された監査手続とその結果を把握することにより、当該財務情報の信頼性を評価した。
全体概要、監査上の主要な検討事項、個別 監査上の主要な検討事項とは、当事業年度の財務諸表の監査において、監査人が職業的専門家として特に重要であると判断した事項である。監査上の主要な検討事項は、財務諸表全体に対する監査の実施過程及び監査意見の形成において対応した事項であり、当監査法人は、当該事項に対して個別に意見を表明するものではない。
見出し、監査上の主要な検討事項、個別関係会社株式の評価
その他の記載内容、個別 その他の記載内容その他の記載内容は、有価証券報告書に含まれる情報のうち、連結財務諸表及び財務諸表並びにこれらの監査報告書以外の情報である。経営者の責任は、その他の記載内容を作成し開示することにある。また、監査等委員会の責任は、その他の記載内容の報告プロセスの整備及び運用における取締役の職務の執行を監視することにある。当監査法人の財務諸表に対する監査意見の対象にはその他の記載内容は含まれておらず、当監査法人はその他の記載内容に対して意見を表明するものではない。財務諸表監査における当監査法人の責任は、その他の記載内容を通読し、通読の過程において、その他の記載内容と財務諸表又は当監査法人が監査の過程で得た知識との間に重要な相違があるかどうか検討すること、また、そのような重要な相違以外にその他の記載内容に重要な誤りの兆候があるかどうか注意を払うことにある。当監査法人は、実施した作業に基づき、その他の記載内容に重要な誤りがあると判断した場合には、その事実を報告することが求められている。その他の記載内容に関して、当監査法人が報告すべき事項はない。

BS資産

投資その他の資産29,780,308,000

BS負債、資本

短期借入金600,000,000
未払金3,337,000
未払法人税等1,200,000
未払費用22,512,000
資本剰余金23,379,060,000
利益剰余金-1,016,789,000
負債純資産30,798,702,000

PL

売上原価59,151,000
販売費及び一般管理費268,471,000
営業外収益6,560,000
その他、流動資産7,512,000
営業外費用75,373,000
特別利益10,235,000
法人税、住民税及び事業税1,200,000
法人税等1,200,000

PL2

当期変動額合計-148,612,000

FS_ALL

株主資本以外の項目の当期変動額(純額)138,139,000
株主資本29,916,440,000

概要や注記

連結財務諸表等の適正性を確保するための特段の取組み、経理の状況(1) 会計基準等の内容を適切に把握し、会計基準等の変更等に適時かつ的確に対応することができる体制を整備するため、監査法人等外部機関が開催する会計基準の変更等に関する研修に参加するとともに、必要に応じて監査法人との協議を実施しております。
その他、連結財務諸表等
(2) 【その他】
当連結会計年度における四半期情報等 (累計期間)第1四半期第2四半期第3四半期当連結会計年度売上収益(千円)5,551,92311,722,21518,802,48426,418,004税引前四半期(当期)利益(△損失)(千円)△11,696110,353428,7301,062,505親会社の所有者に帰属する四半期(当期)利益(△損失) (千円)△33,61881,667383,1681,001,732基本的1株当たり四半期(当期)利益(△損失) (円)△0.330.803.779.85 (会計期間)第1四半期第2四半期第3四半期第4四半期基本的1株当たり四半期利益(△損失) (円)△0.331.132.966.08
貸借対照表 ① 【貸借対照表】
(単位:千円) 前事業年度(2022年12月31日)当事業年度(2023年12月31日)資産の部 流動資産 現金及び預金858,204685,715 短期貸付金※1 300,000※1 300,000 未収収益1,316222 前払費用7,0757,157 その他9,6567,512 流動資産合計1,176,2501,000,606 固定資産 投資その他の資産 関係会社株式29,593,66829,593,668 長期未収入金※1 124,532※1 186,639 投資その他の資産合計29,718,20129,780,308 固定資産合計29,718,20129,780,308 繰延資産 株式交付費88,02117,789 繰延資産合計88,02117,789 資産合計30,982,47130,798,702 (単位:千円) 前事業年度(2022年12月31日)当事業年度(2023年12月31日)負債の部 流動負債 短期借入金600,000600,000 未払金※1 32,897※1 3,337 未払費用28,10922,512 未払法人税等1,2101,200 その他524534 流動負債合計662,740627,583 負債合計662,740627,583純資産の部 株主資本 資本金7,535,1997,554,524 資本剰余金 資本準備金7,535,1997,554,524 その他資本剰余金15,824,53615,824,536 資本剰余金合計23,359,73623,379,060 利益剰余金 その他利益剰余金 繰越利益剰余金△691,497△1,016,789 利益剰余金合計△691,497△1,016,789 自己株式△246△355 株主資本合計30,203,19229,916,440 新株予約権116,539254,679 純資産合計30,319,73130,171,119負債純資産合計30,982,47130,798,702
損益計算書 ② 【損益計算書】
(単位:千円) 前事業年度(自 2022年1月1日 至 2022年12月31日)当事業年度(自 2023年1月1日 至 2023年12月31日)売上高※1 73,574※1 62,108売上原価※1 70,228※1 59,151売上総利益3,3462,958販売費及び一般管理費 支払報酬74,47058,587 租税公課5,8535,985 株式報酬費用76,287186,653 その他28,47517,246 販売費及び一般管理費合計185,085268,471営業損失(△)△181,739△265,514営業外収益※1 173,421※1 6,560営業外費用75,36975,373経常損失(△)△83,688△334,327特別利益 新株予約権戻入益22,91110,235 特別利益合計22,91110,235税引前当期純損失(△)△60,777△324,091法人税、住民税及び事業税1,2101,200法人税等調整額――法人税等合計1,2101,200当期純損失(△)△61,987△325,291