財務諸表
CoverPage
提出書類、表紙 | 有価証券報告書 |
提出日、表紙 | 2024-03-28 |
英訳名、表紙 | Nyle Inc. |
代表者の役職氏名、表紙 | 代表取締役社長 高橋 飛翔 |
本店の所在の場所、表紙 | 東京都品川区東五反田一丁目24番2号 |
電話番号、本店の所在の場所、表紙 | 03-6409-6766(代表) |
様式、DEI | 第三号様式 |
会計基準、DEI | Japan GAAP |
当会計期間の種類、DEI | FY |
corp
沿革 | 2【沿革】 当社は「幸せを、後世に。」のミッションの下、創業以来、DX及びマーケティングを中心にインターネットを活用した各種技術、ノウハウを蓄積し、その強みを活用して各種事業を展開してまいりました。 2010年には、デジタルマーケティング事業(現ホリゾンタルDX事業)を開始し、産業を横断して様々な企業のデジタル課題発見・解決策の提示と支援を行ってまいりました。 さらに2018年には、DX及びマーケティングの知見を活用して、自動車産業のDX化を推進する事業として、自動車産業DX事業を開始し、個人向け自動車サブスクリプションサービス「おトクにマイカー 定額カルモくん」をリリースし、2019年には販売対象を中古車まで広げました。 当社の設立から現在に至るまでの沿革は、以下のとおりであります。 2007年1月代表取締役社長の高橋飛翔が、東京都豊島区東池袋に、インターネットを利用したサービス提供を目的として、VOLARE株式会社(現ナイル株式会社)を設立2008年6月本社オフィスを東京都豊島区北大塚に拡張移転2010年6月デジタルマーケティング事業(現ホリゾンタルDX事業)を開始2011年5月ヴォラーレ株式会社に商号変更2012年8月メディアテクノロジー事業(現ホリゾンタルDX事業)を開始アプリレビューサイト「Appliv」をリリース2013年11月本社オフィスを東京都品川区東五反田に拡張移転2014年12月スマートフォンユーザー向け情報サイト「Appliv TOPICS」をリリース2015年8月ナイル株式会社に商号変更2017年12月オリックス自動車株式会社と業務提携2018年1月自動車産業DX事業を開始個人向け自動車サブスクリプションサービス「おトクにマイカー 定額カルモくん」をリリース2019年6月広告運用サービス「ピタッとROAS(現NYLE TRIDE)」をリリース2019年12月「おトクにマイカー 定額カルモくん」中古車版をリリース2023年12月東京証券取引所グロース市場に株式を上場 |
事業の内容 | 3【事業の内容】 当社は「幸せを、後世に。」のミッションの下、社会に根付く事業作りを通じ、時代を超えて人々の幸せに貢献します。また、豊かで幸せな未来を次の世代に紡いでいくため、ビジョンを「日本を変革する矢」とし、絶え間なき自己変革を繰り返しながら、日本を良くするための事業に挑戦し、日本のDX課題を解決する「産業DXカンパニー」として、各種事業を展開しております。 創業以来、当社はDX及びマーケティングを中心にインターネットを活用した各種技術、ノウハウを蓄積し、その強みを活用して、「ホリゾンタルDX事業」及び「自動車産業DX事業」を運営しております。今後も様々な領域で画期的な事業を生み出し続ける「事業家集団」として、デジタルマーケティングの知見を駆使した事業作りを続け、社会をより良く変えていくべく、取り組んでまいります。 なお、「ホリゾンタルDX事業」及び「自動車産業DX事業」の2事業は、「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項」に掲げる当社のセグメントの区分になります。「ホリゾンタルDX事業」及び「自動車産業DX事業」の事業内容等は以下のとおりです。 (1)ホリゾンタルDX事業 社会構造の変化や、消費活動の多様化に伴い、企業におけるマーケティング活動は高度化、複雑化しており、企業においてはDX・マーケティング戦略の迷走や進行の遅延、業務効率化、広告効果の最大化、良質な広告出稿先の確保等のDX課題が生じており、それらに即したマーケティング施策を実行することが重要な経営課題になってきています。 当事業では、創業以来培ってきたDXやマーケティングを中心とするインターネットを活用した技術・ノウハウを強みにして、顧客企業に対するコンサルティングサービスを主軸としつつ、生成AIによる業務自動化支援、メディア開発・運営及びデジタル広告に関するソリューション提供を通じた事業支援を行っております。 ①DX&マーケティング事業 DX&マーケティング事業では、インターネットを活用した顧客企業の売上成長・利益成長支援を行っております。具体的には、デジタル戦略コンサルティングによる顧客企業の課題特定と課題解決策としてのDX・マーケティングに関するコンサルティングや実行支援、メディア開発・運営支援、コンテンツマーケティング支援、ユーザー解析に基づくWebサイト改善コンサルティング支援、生成AIによる業務自動化支援等、顧客企業のニーズに応じインターネットを活用した様々なソリューションを提供しております。これらに加え、顧客企業のニーズに応じた提供メニューの拡充を継続的に行うことで、模倣難易度の高い事業構築を進めております。当社のコンサルティング実績は、当事業年度の取引実績で182社に及ぶとともに、顧客継続率は約92%(注1)となっており、顧客企業との円滑な関係構築による安定収益基盤を構築しております。 また、当事業における幅広い業種業態の顧客企業に対する事業成長のためのDX・マーケティング/課題把握と課題解決策特定の知見は、新規事業の創出のみならず、他事業・領域における事業成長力や収益力向上に向けた取り組みにもつながっております。具体的には、自動車産業DX事業における各ステークホルダーとの業務オペレーションのDX化、AIを活用した効率化・自動化、エンドユーザー集客におけるインターネット活用やメディア&ソリューション事業におけるアプリ情報サイト「Appliv」のユーザー集客の効率化などは、当事業から派生する技術・ノウハウに基づくものとなっております。 ②メディア&ソリューション事業 メディア&ソリューション事業では、主に複数のメディアの開発・運営及びデジタル広告に関するソリューション提供を通じ、顧客の事業成長支援を行っております。 当事業は、DX&マーケティング事業の技術・ノウハウを活用し、メディア開発・運営を通じた顧客の事業成長を支援する事業として、2012年に開始いたしました。6万件を超える(2023年12月末時点)スマートフォンアプリ情報を掲載する国内有数メディア「Appliv」(注2)、スマートフォンユーザー向けに役立つライフスタイル情報を豊富に掲載するメディア「Appliv TOPICS」(注2)、アプリを運営する事業者向けのデジタル広告ソリューション「NYLE TRIDE」(注3)などを通じて顧客の事業成長を幅広く支援しております。当社の運営するメディア群の月間ユーザー数は約760万人(2023年12月末時点)となります。 (注)1.ある月の6ヶ月前以前に取引のあった顧客の数を顧客数とし、また、そのうち当該月以前6ヶ月間において取引がない顧客の数を解約数として顧客数及び解約数を各月毎に計算のうえ、過去12ヶ月における顧客数の合計(延べ数)から同期間における解約数の合計(延べ数)を控除した数を当該顧客数の合計(延べ数)で除して算出した比率になります。 2.Appliv及びAppliv TOPICSは、スマートフォンアプリ情報又はスマートフォンユーザー向けに役立つライフスタイル情報を掲載するメディアとなります。顧客企業の広告を掲載し、アプリのマーケティング支援(主にはメディア経由によるインストール報酬もしくはクリック報酬による)やその他顧客商品・サービスの販促支援を行うことで収益を計上しております。 3.NYLE TRIDEは、顧客企業のデジタル広告の配信にあたり、連携した媒体への一括配信による工数削減と厳格な基準に基づくアドフラウド(無効な表示やクリックによって広告費用に対する成約件数や効果を不正に水増しする広告不正のこと)被害の最小化を提供することで広告効率を最大化することができるサービスです。当社は、顧客企業の広告配信における成果報酬条件とアドフラウド除外条件の調整及び各種媒体とのアドフラウド除外条件の折衝を通じた粗利を手数料として取得します。当事業の運営は、顧客企業の広告運用効果を最大化に貢献するとともに、当社技術・ノウハウの向上にも寄与しております。 (2)自動車産業DX事業 自動車産業DX事業は、DX及びマーケティングの知見を活用して、自動車産業のDX化を推進する事業として、2018年に立ち上げた事業です。当事業では、「おトクにマイカー 定額カルモくん」の事業運営を主軸として、個人向けに日系メーカー全車種(注1)の新車及び中古車を取り扱っており、頭金やボーナス払なしで月1万円台からマイカーを利用できるサブスクリプションサービスを提供しています。 従来、個人が自動車を購入する際には、ディーラーや自動車販売店の店舗を訪問する必要がありました。また、ディーラーや自動車販売店が取り扱うローンやリースなどの金融商品は、各社の提携ファイナンス会社が提供するケースが多く、与信の弱い個人は自動車金融商品(注2)を活用できない場合があります。 当事業では、個人の車購入におけるプロセスをDX化することで、マイカー購買の手間暇を省力化するとともに、与信の弱い個人に対する自動車金融商品の提供可能性を模索することで、自動車領域における金融包摂サービスの提供を進めており、新車・中古車の販売市場における新たな市場創出に取り組んでおります。 当社が提供する「おトクにマイカー 定額カルモくん」のビジネスモデル上の特徴は、以下のとおりです。 ①自動車購入プロセスのデジタル化により実現した効率性の高い事業運営 当事業ではマイカーのサブスクリプションに関して、車探しから料金シミュレーション、申込といった諸手続を24時間オンラインで受け付けております。また、納車についても顧客の自宅まで配送するというオペレーションを構築しており、実店舗に一度も来店する必要がなくマイカー利用を開始することが可能です。加えて、エンドユーザー、提携金融事業者、ディーラー、陸送事業者、損害保険事業者などのステークホルダーとの業務プロセスをDX化することで、エンドユーザーに向けた自動車購入プロセスのUI(注3)/UX(注4)の利便性を高めるとともに、実店舗を持たず効率性の高い事業運営を行っております。 ②車両在庫を持たないアセットライトなビジネスモデルの構築 上記のとおり、当事業においては、マイカーのサブスクリプションに伴うリース車両については、リース期間にわたり、提携金融事業者が保有するため、中古車リースの一部のスキーム(注5)を除き、当社は原則として車両在庫を持たないアセットライトなビジネスモデルを構築しております。 ③契約獲得に伴うスポット収益と、契約期間中に計上される月額収益 「おトクにマイカー 定額カルモくん」では、車両本体に加えてマイカーの利用中に発生する維持管理コスト等も含めて月額定額のサブスクリプションとするオプションなどを提供しており、顧客(注6)のニーズに沿ったプラン設計を行うことが可能です。 当事業では、当社が提携する金融事業者と顧客間におけるリース契約の獲得を仲介することで、提携金融事業者からの初期紹介手数料として納車時にスポット収益を計上いたします。また、当社が提携する金融事業者とリース契約を締結したリース車両について、整備費用等のメンテナンスサービスを中心としたオプションをリース期間にわたり提供しており、顧客からその対価として定額の月額料金を受領しております。リース料金相当分は、当社が顧客から収納して提携金融事業者に分配しております。中古車リースの一部のスキームは、顧客からの契約申込に基づき、当社にてその中古車を一度仕入れて、提携金融事業者に車両を売却するため、車両売買収益も発生いたします。 結果として、当事業においてはスポット収益(初期紹介手数料及び車両売買収益)により早期に顧客獲得コストを回収しながら、顧客からの月額収益を受け取ることで、安定的な収益を計上できるビジネスモデルが形成されています。なお、当事業年度の平均カスタマーチャーンレート(注7)は0.21%と低水準を維持しており、契約から生じる収益は長期にわたり安定的に生じることが期待されます。加えて、契約満期後に改めて当社サービスを再契約したいとの意向を持つ顧客がおり、契約満了後の再契約による追加収益を加味すると、当事業は長期的な時間軸の中で収益を計上していくとの予測を当社は持っております。当事業年度の新規顧客との平均契約期間は8.8年、顧客から受領する収益のうち当社に帰属する平均月額料金は5,039円となっております。当事業年度末時点において確保されている契約残高(注8)は、58億円になります。 ④与信の弱い個人に向けた与信枠拡大の取り組み 当社の自動車産業DX事業の顧客に対する与信判断は提携金融事業者にて行われておりますが、提携金融事業者と共に与信の弱い個人に向けた与信拡大の取り組みを行い、自動車金融商品を活用できない方々に向けたサービス開発を推進しております。 ⑤一般的には自動車メーカー系ファイナンス会社が取り扱っていない最長11年・月額が安価なサブスクリプションプランを提供 3〜5年の契約期間のローン商品を主体とする自動車メーカー系ファイナンス会社が多い中、日本人の平均新車保有期間は約9年(注9)となっております。長期にわたり1台の車に乗り続ける消費活動が一般的であることに加え、月額リース料が安価となる長期のカーリース契約には需要があります。そこで、当社は比較的契約期間の短いプランのみならず、最長11年の長期のプランまでのラインナップを用意して、様々な顧客のニーズに対応しております。 当事業は、マイカーのサブスクリプション市場を含む個人向け自動車金融市場の持つ広大なTAM(注10)に加え、当社が培ってきたDX及びマーケティングの技術・ノウハウの活用によるオペレーション合理化、顧客からの認知度向上及びマーケティングコストの最適化により、2018年のサービス開始以降、契約件数は増加しております。当事業年度において契約価値粗利(CV)(注11)は平均661千円となり、契約獲得に係る広告宣伝費に対するROI(注12)は平均2.2倍、対CPA(注13)におけるペイバックピリオド(注14)は15ヶ月となっております。その結果、延べ契約件数(注15)は、2023年12月末時点において14,778台となっております。 (注)1.一部貨物車、商用車は取り扱っておりません。 2.自動車金融商品とは、リースや残価設定ローン、マイカーローン、割賦販売による自動車の購入のための金融商品を指します。 3.UIとはUser Interfaceの略で、ユーザーとサービスとの接点となるソフトウェアの操作画面などを指します。 4.UXとはUser Experienceの略で、ユーザーがサービスの使用で得られる体験を指します。 5.中古車リースの一部のスキームは、当社にて車両仕入れを行い、顧客との契約が決まった際に提携金融事業者に売却するスキームになっており、提携金融事業者への売却までの期間は当社の車両在庫になります。なお、人気車種を事前に当社にて仕入れを行う場合と顧客からの契約申込に基づき、車両を仕入れる場合がありますが、大半は顧客からの契約申込に基づく車両仕入であり、一時的な在庫として所有するものであります。 6.2018年3月から2023年12月における当社の顧客属性は、8割強が7年以上の長期契約を選択しており、全国に分布しております。 7.カスタマーチャーンレートは、解約件数を延べ契約件数から過去の解約件数を除いた契約件数で除して算出しております。 8.契約残高とは、顧客との契約に基づき、顧客に対し、当社が負うメンテナンスサービスを中心としたオプションに関する残存履行義務の残高になります。 9.出所:内閣府経済社会総合研究所「消費動向調査(2023年3月)」 10.TAMとは、「Total Available Market」の略で、「ある市場で獲得できる可能性のある最大の市場規模」のことです。 11.契約価値粗利(CV)は、スポット収益の平均粗利に、平均月額収益×12ヶ月に平均契約年数を乗じた金額からメンテナンス原価を減算した金額を加算して算出しております。なお、CVとはContract Valueの略であります。 12.ROIとは、「Return On Investment」の略で、日本語では「投資収益率」や「投資利益率」と呼ばれています。当社では契約価値粗利(CV)を契約1件を獲得するために要した広告宣伝費の平均額で除して算出しております。 13.CPAとは、「Cost Per Acquisition」又は「Cost Per Action」の略で、「顧客獲得単価」のことです。顧客や成果を獲得するために、1人当たりにかかった費用を指し、当社では契約1件を獲得するために要した広告宣伝費の平均額で算出しております。 14.ペイバックピリオドとは、顧客獲得コストを回収して利益を生み出すまでの期間のことです。当社ではCPAからスポット収益を減算した数字を平均月額収益で除して算出しております。 15.延べ契約件数とは、過去累計で獲得した契約件数であり、解約や満了を含んだ件数です。 [事業系統図] 当社の事業系統図は以下のとおりであります。 |
関係会社の状況 | 4【関係会社の状況】 該当事項はありません。 |
従業員の状況 | 5【従業員の状況】 (1)提出会社の状況 2023年12月31日現在従業員数(人)平均年齢(歳)平均勤続年数(年)平均年間給与(千円)238(30)36.12.86,089 セグメントの名称従業員数(人)ホリゾンタルDX事業106(22)自動車産業DX事業89(5)報告セグメント計195(28)全社(共通)43(1)合計238(30)(注)1.従業員数は就業人員(契約社員を含む。)であり、臨時雇用者数(パートタイマーを含む。)は、年間の平均人員を( )外数で記載しております。 2.平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでおります。 3.全社(共通)として記載されている従業員数は、特定の事業セグメントに区分できない部門及び管理部門に所属しているものです。 4.当期中において、従業員数が19名増加しております。これは主に事業の拡大に伴う採用の増加によるものです。 (2)労働組合の状況 当社において労働組合は結成されておりませんが、労使関係は円満に推移しております。 (3)管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異当事業年度管理職に占める女性労働者の割合(%)(注)1.男性労働者の育児休業取得率(%)(注)2.労働者の男女の賃金の差異(%)(注)1.全労働者うち正規雇用労働者うちパート・有期労働者15.8100.076.381.0119.4(注)1.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。 2.「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の4第1号における育児休業等の取得割合を算出したものであります。 |
経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 | 1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 当社の経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社が判断したものです。 (1)経営方針 当社は「幸せを、後世に。」のミッションの下、社会に根付く事業作りを通じ、時代を超えて人々の幸せに貢献します。また、豊かで幸せな未来を次の世代に紡いでいくため、ビジョンを「日本を変革する矢」とし、絶え間なき自己変革を繰り返しながら、日本を良くするための事業に挑戦し、日本のDX課題を解決する「産業DXカンパニー」として、各種事業を展開しております。 (2)経営環境及び経営戦略 創業以来、当社はDX及びマーケティングを中心にインターネットを活用した各種技術、ノウハウを蓄積し、その強みを活用して、「ホリゾンタルDX事業」及び「自動車産業DX事業」を運営しており、創業より増収を達成しております。 自動車産業においては、EVシフトをはじめとする巨大な構造変化の波が押し寄せており、また、個人による自動車保有の手段も多様化しており、オンラインでの車購入は相対的に市場全体に対する比率を高めていくことが予想されます。なお、国内の自動車販売市場においては年間の販売台数約625万台(注1)、市場規模は約17兆円(注2、3)が見込まれるなど大きな市場となっております。 また、国内DX市場においては、社会構造の変化やインターネットの普及に根ざした消費活動の多様化に伴い、市場規模は約2.7兆円(注4)まで成長しており、あらゆる企業においてDX推進をはじめとしたインターネットを活用した事業成長への投資活動は重要な経営課題となっています。 こうした環境下において、当社の自動車産業DX事業及びホリゾンタルDX事業は、全体観として巨大かつ長期的な事業的追い風の中で事業を運営しております。2020年12月期から2023年12月期における売上高のCAGR(注5)は45%(ホリゾンタルDX事業は23%、自動車産業DX事業は111%)となっており、今後も事業規模の成長が見込まれるものと思料いたします。 引き続き、当社はホリゾンタルDX事業を通じて様々な産業や事業者の課題を探索・発見し、解決を支援していくと共に、自動車産業DX事業を始めとした特定産業を深掘りするバーティカルなDX事業を開発していくことで、日本のDX前進に貢献してまいります。 こうした前提に立脚した上で、各事業について当社の経営戦略は以下となります。 ①ホリゾンタルDX事業 当事業は、創業初期からこれまで取り組んできている事業です。「ホリゾンタルDX事業」は、創業以来培ってきたDXやデジタルマーケティングに関する技術・ノウハウを強みにして、顧客企業に対するコンサルティングサービスを主軸にしつつ、生成AIによる業務自動化支援、メディア開発・運営及びデジタル広告に関するソリューション提供を通じた事業支援を行っております。 当事業においては、デジタル戦略コンサルティングによる課題把握や解決策の特定能力を磨きつつ、自社メディアの強化として取り扱うテーマの拡大やコンテンツの拡充によるアクセス数の増加を行うとともに、DX・マーケティングコンサルティングを中心に、提供する支援メニューの増強を図ることで事業の模倣困難性を高め顧客企業との強い取引関係を築いていくことを戦略に据えております。 ②自動車産業DX事業 当事業は、「おトクにマイカー 定額カルモくん」の事業運営を主軸として、個人向けに幅広い車種の新車及び中古車を対象としたマイカーのサブスクリプションサービスを提供しています。 当事業においては、マイカーの新しい利用手段や購買プロセスへの需要に応えるべく、個人の車購入のプロセスをDX化しマイカー購買の手間暇を省力化しております。なお、自動車金融商品の年間利用件数が約275万台(注6)、約7.5兆円(注7)の市場規模において、与信の弱い個人に対する自動車金融商品の提供可能性を模索することで、自動車領域における金融包摂サービスの提供を進めており、新車・中古車の販売市場における新たな市場創出に取り組んでおります。 引き続き契約件数を伸ばしていくとともに、顧客のニーズに応える商品ラインナップの拡充を進めてまいります。また、相対的に与信の弱い個人に向けたサービス開発に引き続き取り組み、当事業に申込みをしたものの審査に通過しない潜在的顧客層へのサービス提供を可能とすることで、事業規模を継続的に拡大させることを戦略に据えております。これまで蓄積してきた自動車購入プロセスのDX化ノウハウは、自動車販売事業者をはじめとした自動車産業関連事業者の生産性向上にも貢献可能であるため、こうした事業者に向けたDX支援の取り組みも模索してまいります。 (3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等 当社は、より高い成長性及び収益性を確保する観点から、主な経営指標として各セグメントにおける売上高成長率、営業利益を重視しております。また、売上高の継続的かつ累積的な増加を実現するため、ホリゾンタルDX事業は、顧客継続率、契約社数(注8)、自動車産業DX事業は、カスタマーチャーンレート、契約残高、延べ申込件数(注9)をKPIとしております。 KPIの推移 2022年12月期2023年12月期ホリゾンタルDX事業 顧客継続率92.41%92.74%契約社数169件182件自動車産業DX事業 カスタマーチャーンレート0.21%0.21%契約残高4,784百万円5,822百万円延べ申込件数15.6万件22.5万件(注)1.出所:一般社団法人日本自動車販売協会連合会「新車・年別販売台数(2020年)」、株式会社矢野経済研究所「2021年版 自動車アフターマーケット総覧」2.年間販売台数約625万台(注1)に普通乗用車、小型乗用車、軽乗用車及び中古車の平均購入価格(注3)約181万円(出所:総務省統計局「政府統計の総合窓口(2020年)」)を乗じ、自動車整備市場規模約5.6兆円(出所:株式会社矢野経済研究所「2021年版 自動車アフターマーケット総覧」)を加えて当社が推計。3.平均購入価格は、普通乗用車、小型乗用車、軽乗用車及び中古車それぞれの平均購入価格を年間販売台数に応じて加重平均にて推計。普通乗用車、小型乗用車、軽乗用車の平均購入価格及び年間販売台数(出所:総務省統計局「政府統計の総合窓口(2020年)」)中古車の平均購入価格及び年間販売台数(出所:株式会社矢野経済研究所「2021年版 自動車アフターマーケット総覧」)4.出所:株式会社富士キメラ総研『2023 デジタルトランスフォーメーション市場の将来展望市場編/ベンダー戦略編』まとまる(2023/3/17発表 第23032号)5.CAGRは、年平均成長率を示す指標であり、2020年12月期において「収益認識に関する会計基準」を適用した場合の売上高より計算を行っております。6.年間販売台数約625万台(注1)と現保有車購入方法の金融商品利用率約44%(出所:一般社団法人日本自動車工業会「2021年度乗用車市場動向調査」)を乗じて当社が推計。7.販売市場規模約17兆円(注2、3)と現保有車購入方法の金融商品利用率約44%(出所:一般社団法人日本自動車工業会「2021年度乗用車市場動向調査」)を乗じて当社が推計。8.契約社数とは、ホリゾンタルDX事業コンサルティング関連サービスについて、各期間に取引実績のあった社数です。9.延べ申込件数とは、過去累計で獲得した申込件数です。10.自動車販売市場における市場規模については、当社が外部の統計資料を基に推計したものであり、実際の市場規模と異なる可能性があります。 (4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題①人材の採用と育成 当社の継続的な事業成長の実現に向けて、DXに造詣の深い多様な人材を採用し、強い組織体制を整備することが重要であると認識しております。積極的な採用活動を推進していく一方で、従業員が中長期にわたって活躍しやすい環境の整備、人事制度の構築やカルチャーの推進等を継続して進めてまいります。 ②情報管理体制の強化 当社は、提供するサービスに関連して多数のユーザー企業の機密情報や個人情報を取り扱っております。これらの情報資産を保護するため、情報セキュリティ規程を定め、本規程に基づき情報資産を適切に管理、保護しております。今後も社内教育・研修の実施のほか、システムの強化・整備を実施してまいります。 ③規律的な投資による利益及びキャッシュ・フローの創出 当社は事業拡大を目指し、広告宣伝費をはじめとした顧客獲得活動等に積極的に投資を行った結果、過年度より継続して営業損失を計上しております。 自動車産業DX事業におけるサブスクリプションサービスは、そのチャーンレートの低さから累計契約件数が増加すれば収益が積みあがるストック型の事業モデルである一方で、顧客獲得費用が先行して計上される特徴があり、契約獲得にあたり赤字が先行することが想定されています。 先行投資に関しては、今後の資金繰りに支障が無いように資金調達を実施しており、当該先行投資の結果として売上も伸長しております。 サブスクリプションサービスの拡大に向けては、投資効率を測る指標として契約価値粗利(CV)と顧客獲得コストのバランスが重要な指標となるため、当社ではこれを重要指標としてモニタリングを行っています。ホリゾンタルDX事業との収支バランスにも配慮しつつ、一定の投資採算を満たした場合に規律的に投資していくことが、中長期的に利益及びキャッシュ・フローの最大化に寄与するものと考えております。 |
事業等のリスク | 3【事業等のリスク】 当社の事業展開上のリスク要因となる可能性があると考えられる主な事項を以下に記載しております。また、必ずしも事業展開上のリスクに該当しない事項についても、投資者の投資判断上、有用であると考えられる事項については、投資者に対する積極的な情報開示の観点から記載しております。 なお、当社はこれらのリスク発生の可能性を認識したうえで、発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針ですが、当社株式に関する投資判断は、以下の記載事項及び本項以外の記載内容を慎重に検討したうえで行われる必要があると考えております。 また、以下の記載は当社株式への投資に関するリスクをすべて網羅するものではありません。なお、文中における将来に関する事項は、本書提出日現在において当社が判断したものであり、不確実性を内包しているため、実際の結果とは異なる可能性があります。 (1)事業運営上のリスク①マーケティング及び自動車関連の市場について発生可能性:低、発生可能性のある時期:特定時期なし、影響度:中 当社が事業展開するインターネット広告・アプリ広告・メディア領域等を中心とするマーケティング関連市場は拡大を続けておりますが、当社の事業の更なる発展のためには市場の更なる拡大が必要であると考えております。また、当社の自動車産業DX事業の属する自動車市場においては、消費者ニーズの多様化が加速するだけでなく、自動車販売事業者のDXによる業務プロセスの効率化、非対面販売における顧客の利便性向上の需要の高まりにより、当社の提供するサブスクリプションサービスの事業展開においても関連する市場が変化していくものと考えており、当社は自動車販売プロセスのDX化ノウハウの活用に努めてまいります。しかしながら、当社が環境変化に適切に対応できなかった場合、又は、予期せぬ原因により関連市場の成長が鈍化した場合、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。 ②他社との競合や技術革新等について発生可能性:低、発生可能性のある時期:特定時期なし、影響度:中 当社が事業展開するマーケティング関連市場では、生成AIの急速な普及スピードを鑑みても技術革新や顧客ニーズの変化のスピードが非常に速く、当社においては、関連事業の運営者がその変化に柔軟に対応するだけでなく、最新の技術動向や環境変化を常に把握できる体制の構築、優秀な人材の確保及び教育等により技術革新や顧客ニーズの変化に迅速に対応し、既に有する様々なノウハウや技術とともに提供可能なソリューションを増加できるよう努めております。また、当社が事業展開する自動車関連市場では、既存の事業者に加えて新興事業者や異業種からの参入も多く、当社においても競合他社との差別化や消費者動向の変化へ迅速に対応しております。しかしながら、競合参入による競争の激化や、技術革新や顧客ニーズの変化に当社が対応できない場合、又は、変化への対応のためにシステム投資や人件費等多額の費用を要する場合、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。 ③先行投資に係るリスク発生可能性:中、発生可能性のある時期:特定時期なし、影響度:中 当社の自動車産業DX事業は、開発人材及び営業人材の採用、広告宣伝活動等の先行投資を必要とする事業であり、2023年度における自動車産業DX事業の広告宣伝費は1,026,690千円となり、結果として当事業は営業損失を事業開始以降継続して計上しております。今後もより多くの顧客の獲得を目指し、営業や開発等における優秀な人材の採用・育成を計画的に行うとともに、知名度と信頼度の向上のための広報・PR活動、顧客獲得のためのマーケティングコスト投下等を効果的に進め、中長期的な売上高拡大及び収益性の向上に向けた取り組みを行っていく方針です。しかしながら、想定どおりの採用・育成が進まない場合、マーケティングPR等活動の効果が得られない場合等には、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。 また資金面においては、2023年度に新規上場等による資金調達を完了しており、2023年度末の現金及び預金は2,138,322千円になります。そのため、キャッシュ・フローを十分に確保できていると考えており、継続企業の前提に関する重要な不確実性は認められないと判断しております。 ④外部事業者への依存に関するリスク発生可能性:中、発生可能性のある時期:特定時期なし、影響度:中 当社の展開する事業全般にわたって、インターネット上におけるマーケティングのソリューション提供やユーザー獲得等において、グローバルに事業展開する巨大企業が提供する検索エンジンサービスを活用しており、当該検索エンジン事業者による検索に関するアルゴリズム変更等へ対応が求められます。また、主にアプリケーションに関連したソリューション提供やメディアの運営等において、グローバルに事業展開する大手テクノロジー企業やプラットフォーム運営事業者による運営方針の変更が生じた場合に対応が求められる場合があります。これらの外部事業者の動向に対しては常に注意を払い、適切な対応を講じてまいりますが、当社の環境変化への対応が遅れた場合、又は、変化への対応のためにシステム投資や人件費等多額の費用を要する場合、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。 ⑤当社の事業提携先との関係について発生可能性:低、発生可能性のある時期:特定時期なし、影響度:大 当社の自動車産業DX事業は、「おトクにマイカー 定額カルモくん」を提供するために、オリックス自動車株式会社を中心とした金融事業者との事業連携等の戦略的な提携先との密な関係性を構築することにより、申込から納車にいたるまでの手続をオンライン主体で行うとともに、顧客の自宅に納車するオペレーションを構築しております。かかる提携先との良好な関係の維持に努めますが、関係性が、当社の想定どおりに顧客基盤の拡大に寄与しない場合や提携先との関係が悪化した場合には、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。 ⑥車両の確保に関するリスク発生可能性:低、発生可能性のある時期:特定時期なし、影響度:中 当社の自動車産業DX事業は、新車・中古車両をサブスクリプションサービスの対象として取り扱っております。当社では取引先との関係を密接に保つとともに効率的なオペレーションの構築を行うことによりサービスの安定的な提供に努めてまいりますが、需要の急増や自動車メーカーの出荷停止による車両の不足や天災地変、その他の要因によりサブスクリプションサービスの対象となる車両の確保に重大な支障をきたした場合、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。 また、当社は中古車売買のための古物商許可(古物営業法、東京都公安委員会所管)を取得しており、これまで許可の取り消しを受けたことはありませんが、今後、欠格事由又は取消事由に該当する事実が発生し、許可取消等の事態が発生した場合には、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。 ⑦取引先の選定、与信のリスク発生可能性:低、発生可能性のある時期:特定時期なし、影響度:中 当社は、取引先の選定にあたって事前の与信調査を可能な範囲で行っておりますが、通常予測し得ない何らかの事情により取引先の与信が低下し、債権回収不能等による経済的損失が発生した場合、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。また、当社の自動車産業DX事業の顧客に対する与信判断は、提携金融事業者にて行われているため、提携金融事業者の与信判断基準が何らかの事情により変更された場合には、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。 ⑧メンテナンスサービスに関するリスク発生可能性:低、発生可能性のある時期:特定時期なし、影響度:中 当社の自動車産業DX事業は、顧客に対して、整備費用等のメンテナンスサービスを中心としたオプションをリース期間にわたり提供し、顧客からその対価として定額の月額料金を受領しております。メンテナンスサービスについて整備費用の単価及び利用回数に制限を設けておりますが、整備件数の増加や整備費用の単価上昇等を原因として、整備費用等の原価が想定より著しく増加した場合には、メンテナンスサービスに関して想定していた収益性を確保することができず、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。 ⑨記事作成などの品質管理リスク発生可能性:低、発生可能性のある時期:特定時期なし、影響度:低 記事等のコンテンツ制作を行う場合は、法令遵守及び高い品質を保つため、社内マニュアルに沿った運用を通して検査を行っております。コンテンツに携わる外部委託が発生する場合も同様です。しかしながら、掲載したコンテンツに誤りや著作権法違反等が発生した場合、損害賠償請求を受けることも考えられ、その場合、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。 ⑩インターネット接続・利用やシステムに関するリスク発生可能性:低、発生可能性のある時期:特定時期なし、影響度:大 当社が提供するサービスは、インフラとしてのインターネットの通信環境に影響を受けており、インターネットに障害等が発生した場合や、ネットワーク事業者によるインターネット接続サービスの内容や価格の変更、法規制等の動向によって、当社が提供するサービスの質が低下し、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。また、当社はシステムトラブルの発生可能性を低減するために、安定的運用のためのシステム強化、セキュリティ強化を行っており、トラブルが発生した場合においても短時間で復旧できるような体制を整えております。しかしながら、システムへの一時的な過負荷や電力供給の停止、ソフトウェアの不具合、コンピュータウイルスや外部からの不正な手段によるコンピュータへの侵入、天災地変その他の要因によりシステムがダウンした場合、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。 ⑪法的規制等に関するリスク発生可能性:低、発生可能性のある時期:特定時期なし、影響度:中 現時点では、当社の事業継続に著しく重要な影響を及ぼす法的規制はありませんが、当社が提供するサービスは、「個人情報の保護に関する法律」、「著作権法」、「不当景品類及び不当表示防止法」等の規制を受けております。今後法的規制等の改正や業界の自主ルールが整備されることなどにより、当社の事業が何らかの制約を受けることとなった場合や規制強化等の対応が求められることとなった場合には、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。 ⑫訴訟に関するリスク発生可能性:低、発生可能性のある時期:特定時期なし、影響度:中 当社は、リスク・コンプライアンス委員会で訴訟リスクを含むリスク管理の全社的推進を行う他、契約等を進めるには法務確認が入るフローが確立されており、訴訟リスクの低減が図られております。しかしながら、後述する個人情報の不正アクセスによる情報流出、知的財産権の侵害や当初予想し得ないトラブルの発生等による訴訟リスクが考えられ、その場合、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。 ⑬税務上の繰越欠損金発生可能性:中、発生可能性のある時期:特定時期なし、影響度:中 当社は、税務上の繰越欠損金を有しております。当社の業績が順調に推移することで繰越欠損金を上回る課税所得が発生した場合には、所定の税率に基づく法人税等の納税負担が発生するため、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 ⑭金利変動に関するリスク発生可能性:中、発生可能性のある時期:特定時期なし、影響度:中 当社では、資金調達を主に銀行借入により行っており、借入金残高は減少しておりますが、金利変動リスクがあります。金利上昇によるコストの増加を事業活動において吸収できない場合は、財政状態及び経営成績に影響を与える場合があります。 ⑮風評被害に関するリスク発生可能性:低、発生可能性のある時期:特定時期なし、影響度:中 法令遵守違反などの不適切な行為が発覚した場合は、速やかに適切な対応を図ってまいりますが、当社に対する悪質な風評が、マスコミ報道やインターネット上の書き込み等により発生・流布し、また商号等を騙った詐欺又は詐欺的行為が発生した場合は、それが正確な事実に基づくものであるか否かにかかわらず、当社の社会的信用が毀損し、当社の事業及び業績に影響を与える可能性があります。当社では、サービスの質の向上に努めるとともに定期的にインターネット上の風評を調査し、これらの風評の早期発見及び影響の極小化に努めております。 (2)会社組織に関するリスク①内部管理体制に関するリスク発生可能性:低、発生可能性のある時期:特定時期なし、影響度:中 当社は、コーポレート・ガバナンス体制の充実を重要な経営課題と認識しており、今後の事業拡大に対応するため、内部管理体制の充実を図っていく方針です。しかしながら、当社の急速な事業展開及び会社規模の拡大に内部管理体制の整備が追いつかなかった場合には、業務運営に支障をきたし、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。 ②人材の採用・育成に関するリスク発生可能性:低、発生可能性のある時期:特定時期なし、影響度:中 当社が、今後とも企業規模を拡大していくためには、当社のミッション、ビジョン、バリューに共感し、当社のカルチャーに適合する高い意欲を持った優秀な人材を確保することが必要不可欠です。当社は、会社規模拡大やサービス向上に必要な優秀な人材の確保のため、今後も必要に応じて採用活動を行っていく予定ではありますが、人材獲得競争の激化や市場ニーズの変化等により、優秀な人材が十分に獲得できなかった場合には、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。 入社後には入社時研修や人事によるオンボーディングプロセスのサポート、現場OJTを通して、早期に本人のパフォーマンスを最大限に活かして活躍できるよう対応しておりますが、採用時にミスマッチが発生し、育成スピードが期待に満たない場合には、活躍できるまでに時間を要したり、場合によっては本人判断で離職してしまうことがあります。その場合、増員によって期待された事業成長が一時的に減速し、生産性が低下する可能性があります。 また、社内での継続的な成長支援や将来に向けてのキャリア開発支援についてもさまざまな施策を行い注力しておりますが、市場トレンドの変化が早く、人材の流動性も非常に高い業界でもあることから、長く在籍し活躍している社員が、新たな環境・新たなチャレンジの機会を求めて離職してしまうことで一時的に業績や生産性に悪影響が出る可能性があります。 ③特定人物への依存に関するリスク発生可能性:低、発生可能性のある時期:特定時期なし、影響度:中 当社の代表取締役社長である高橋飛翔は、当社設立以来当社の事業に深く関与し、マーケティング全般に関する豊富な知識と経験を有しており、経営戦略の構築やその実行に際して重要な役割を担っております。当社は、特定の人物に依存しない体制を構築すべく組織体制の強化を図り、高橋飛翔に過度に依存しない経営体制の整備を進めておりますが、何らかの理由により高橋飛翔の当社における業務執行が困難になった場合、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。 ④個人情報を含む顧客情報等の管理体制に関するリスク発生可能性:中、発生可能性のある時期:特定時期なし、影響度:大 当社は、自社事業において会員等の個人情報(氏名、メールアドレス、住所等)を取得しているため、「個人情報の保護に関する法律」が定める個人情報取扱事業者としての義務が課されております。当社では、個人情報及び顧客の企業情報等の管理について、法令を遵守し、アクセス権限設定、従業員の行動管理等、情報の取扱いには細心の注意を払い、最大限の取組みを行っております。しかし、万一、外部からの不正アクセスやオペレーションミスなどにより情報の外部流出が発生した場合には、当社に対して損害賠償請求がなされ、また訴訟等により、社会的信用を失う可能性があり、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。 ⑤知的財産権の管理に関するリスク発生可能性:低、発生可能性のある時期:特定時期なし、影響度:小 当社は、第三者に対する知的財産権を侵害することがないように常に細心の注意を払って事業活動を行っております。現在までのところ、当社の認識する限り、第三者の知的財産権を侵害したこと及び侵害を理由とした損害賠償等の訴訟が発生している事実はありませんが、今後当社の調査・確認漏れ、不測の事態の発生等により、第三者の知的財産権に抵触する等の理由から、損害賠償請求や使用差止請求等を受けるような事態が発生した場合には、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。 (3)その他のリスク①調達資金の使途について発生可能性:中、発生可能性のある時期:特定時期なし、影響度:中 上場時の公募増資等により調達した資金の使途については、充分な検討を重ねた上で主に専門性の高い優秀な人材の確保に係る採用費及び人件費、主に自動車産業DX事業における新規顧客獲得のための広告宣伝費に充当する予定です。 しかしながら、急激な経営環境に柔軟に対応するため、計画以外の目的で使用する可能性もあります。その場合は速やかに資金使途の変更について開示を行う予定であります。また、当初の計画に沿って資金を使用した場合においても想定した投資効果が得られない可能性があります。 ②配当政策発生可能性:低、発生可能性のある時期:特定時期なし、影響度:小 当社は創業以来配当を実施しておらず、当面は内部留保による財務体質の強化及び将来の事業展開のための投資に充当することにより、更なる事業拡大を目指すことが、株主に対する利益還元につながると考えております。中長期的には株主への利益還元については、重要な経営課題として捉え、財政状態及び経営成績を勘案しつつ配当の実施を検討してまいりますが、利益計画が当社の想定どおりに進捗せず、今後安定的に利益を計上できない状態が続いた場合には、配当による株主還元が困難となる可能性があります。 ③新株予約権の行使による株式価値の希薄化について発生可能性:高、発生可能性のある時期:1年以内、影響度:小 当社は、当社の役員、従業員、外部協力者に対して新株予約権を付与しており、本書提出日現在における新株予約権による潜在株式数は815,200株であり、発行済株式総数8,536,800株の9.5%に相当しております。 今後もストック・オプションとしての新株予約権を付与する可能性があります。これら既存の新株予約権や将来付与する新株予約権が行使された場合には、当社株式の1株当たりの株式価値が希薄化し、当社の株価に影響を及ぼす可能性があります。 ④ベンチャーキャピタル等の株式所有割合発生可能性:低、発生可能性のある時期:特定時期なし、影響度:小 当社の発行済株式総数に対するベンチャーキャピタル及びベンチャーキャピタルが組成した投資事業組合(以下「ベンチャーキャピタル等」という。)の2023年12月31日現在における当社株式の所有割合は24.2%であります。当社株式の株価推移によっては、ベンチャーキャピタル等が所有する株式の全部又は一部を売却する可能性が考えられ、その場合、株式市場における当社株式の需給バランスが一時的に損なわれ、当社の株価に影響を及ぼす可能性があります。 ⑤M&A及び資本業務提携発生可能性:低、発生可能性のある時期:特定時期なし、影響度:中 当社は、成長戦略の一つとして、既存事業の関連分野におけるM&Aや資本業務提携について検討しております。現時点で、業績に影響を及ぼすM&A等の計画がないことからリスクが顕在化する可能性は低いと考えておりますが、今後M&A等が実施され、その後における事業環境の急速な悪化や想定外の事態の発生等により、取得した事業の損益が当初の目標どおりに推移しない可能性、のれんの減損が必要になる等、特別損失の計上により当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。 ⑥自然災害等のリスク発生可能性:低、発生可能性のある時期:特定時期なし、影響度:中 当社の事業の遂行は、インターネットや第三者が提供するクラウドサーバー等に依存しています。当社では、定期的なデータのバックアップ、システムの稼働状況の常時監視等により、自然災害等による事業への障害発生を事前に防止し又は回避するよう努めておりますが、地震、火山、台風、大雨、大雪、火災、洪水等の自然災害、事故、人為的なミス等が発生した場合には、インフラの使用不能又はソリューションの開発及び改良の遅延や中断が生じること等により、事業を継続することができない等の支障が生じ、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。 |
経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 | 4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】 (1)経営成績等の状況の概要 当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりです。①経営成績の状況 当社は「幸せを、後世に。」のミッションの下、社会に根付く事業作りを通じ、時代を超えて人々の幸せに貢献します。また、豊かで幸せな未来を次の世代に紡いでいくため、ビジョンを「日本を変革する矢」とし、絶え間なき自己変革を繰り返しながら、日本を良くするための事業に挑戦し、日本のDX課題を解決する「産業DXカンパニー」として、各種事業を展開しております。 創業以来、当社はDX及びマーケティングを中心にインターネットを活用した各種技術、ノウハウを蓄積し、その強みを活用して、「ホリゾンタルDX事業」及び「自動車産業DX事業」を運営しております。今後も様々な領域で画期的な事業を生み出し続ける「事業家集団」として、デジタルマーケティングの知見を駆使した事業作りを続け、社会をより良く変えていくべく、取り組んでまいります。 当事業年度における日本経済におきましては、新型コロナウイルス感染症の第5類移行に伴い、対面イベントの増加、またインバウンド需要の回復などにより経済活動の正常化が進み、景気に緩やかな持ち直しの動きが見られました。一方で世界情勢におきましてはロシアによるウクライナ侵攻は収束の兆しが見えず、また中東ガザ地区においても紛争が勃発しております。これら情勢の影響による食料・エネルギー価格の高騰を原因とした物価上昇は消費動向にも一定の影響を与えており、依然として景気の先行きは不透明な状況が続いております。 このような環境のなか、当社が手掛ける事業は全体として堅調に推移し、全社として大幅な増収と赤字幅の縮小を実現しました。ホリゾンタルDX事業については、DX&マーケティング事業は体制拡充と受注の進捗により売上・利益ともに大幅に伸長するとともに、メディア&ソリューション事業については、運営するメディアのトラフィックも上昇傾向にあり、またデジタル広告ソリューションの売上が大幅に伸長し、事業全体としては着実に成長いたしました。また、自動車産業DX事業については、新車の半導体不足による新車納期の長期化については緩和されつつありますが、納期が明確な中古車ニーズが依然堅調に推移しております。当社では、ユーザー基盤の更なる拡大のため新車・中古車の契約獲得に注力し、サブスクリプション契約締結に伴う初期紹介手数料の向上や、広告宣伝費の抑制的なコントロールを通じた採算性の向上を実現し、結果として売上の大幅な成長と赤字幅の縮小を実現しました。 その結果、当事業年度における売上高は5,244,053千円(前年度比26.7%増)、営業損失は677,163千円(前年度は1,336,839千円の営業損失)、経常損失は738,701千円(前年度は1,354,022千円の経常損失)、当期純損失は743,211千円(前年度は1,355,440千円の当期純損失)となりました。 セグメントの経営成績は、次のとおりであります。 a.ホリゾンタルDX事業 ホリゾンタルDX事業は、創業以来培ってきたDXやデジタルマーケティングに関する技術・ノウハウを強みにして、顧客企業に対するコンサルティングサービスを主軸にしつつ、生成AIによる業務自動化支援、メディア開発・運営及びデジタル広告に関するソリューション提供を通じた事業支援を行っているDX&マーケティング事業と、アプリレビューサイト「Appliv」やスマートフォンユーザー向けに役立つ情報をお届けする「Appliv TOPICS」などの情報メディア運営や、デジタル広告ソリューション「NYLE TRIDE」の提供を中心としたメディア&ソリューション事業から構成されています。 当事業年度においては、DX&マーケティング事業において、既存顧客に対するアップセルが順調に拡大を続けたことを主な要因として、受注は堅調に拡大しました。また、コンテンツ体制の拡充を中心とした採用計画は予定通りに進捗したことで、当事業としてのサービス提供体制は順調に拡大しました。その結果、受注の増加とサービス提供体制の拡充がバランス良く進捗したことにより、売上・利益ともに大幅に伸長しました。 またメディア&ソリューション事業において、情報メディアでは編集を中心とした組織体制の強化により、記事制作体制を一層強固なものとしてまいりました。主要検索エンジンにおけるアルゴリズムのアップデートの影響を受け「Appliv」にてトラフィックが一時停滞したものの、各種メディアへのコンテンツ投資強化により「Appliv TOPICS」をはじめとした他メディアにおけるトラフィックは上昇傾向にあり、メディア全体としてのトラフィックは上昇トレンドを形成しております。またデジタル広告ソリューション「NYLE TRIDE」では、既存広告主(クライアント)からの広告需要拡大により広告の取扱高は大幅に増加し、かつ当事業年度にて注力してまいりました複数の中規模案件を柱とする売上全体の構成戦略が、顧客基盤の拡大等の結果としても表れております。当事業全体としては売上・利益ともに大幅な成長を実現しました。 この結果、当事業年度の経営成績は、売上高は2,701,043千円(前年度比19.5%増)、セグメント利益は686,360千円(前年度比73.8%増)となりました。 b.自動車産業DX事業 自動車産業DX事業は、DX及びマーケティングの知見を活用して、自動車産業のDX化を推進する事業として、2018年に立ち上げた事業です。当事業では、「おトクにマイカー 定額カルモくん」の事業運営を主軸として、個人向けに幅広い車種の新車及び中古車を対象としたマイカーのサブスクリプションサービスを提供しています。従来、個人が自動車を購入する際には、ディーラーや自動車販売店の店舗を訪問する必要がありました。また、 ディーラーや自動車販売店が取り扱うローンやリースなどの金融商品は、各社の提携ファイナンス会社が提供するケースが多く、与信の弱い個人は自動車金融商品を活用できない場合があります。当事業では、個人の車購入におけるあらゆるプロセスをDX化することで、マイカー購買の手間暇を省力化するとともに、与信の弱い個人に対する自動車金融商品の提供可能性を模索することで、自動車領域における金融包摂サービスの提供を進めており、新車・中古車の販売市場における新たな市場創出に取り組んでおります。 ビジネスモデルとしては、車両本体に加えてマイカーの利用中に発生する維持管理コスト等も含めて月額定額のサブスクリプションとするオプションなども幅広く提供しており、顧客のニーズに沿ったプラン設計を行うことが可能です。当事業では、当社が提携する金融事業者と顧客間におけるリース契約の獲得を仲介することで、提携金融事業者からの初期紹介手数料として納車時にスポット収益を計上いたします。また、顧客が、当社が提携する金融事業者とリース契約を締結したリース車両について、整備費用等のメンテナンスサービスを中心としたオプションをリース期間にわたり提供しており、顧客からその対価として定額の月額収益を受領しております。 当事業においては、顧客獲得活動に係る費用が一時点で発生する一方、獲得された長期契約から生じる収益は契約期間にわたって計上されることから、拡大期においては費用が先行する構造にありますが、長期的な採算性を考慮して安定的な収益基盤構築に取り組んでおります。 当事業年度においては、ユーザー基盤の更なる拡大のため新車・中古車の契約獲得に注力するとともに、初期紹介手数料の向上や、広告宣伝費の抑制的なコントロールを通じた採算性の向上を実現し、結果として売上の大幅な成長と赤字幅の縮小を実現しました。 この結果、当事業年度の経営成績は、売上高は2,543,009千円(前年度比35.3%増)、セグメント損失は977,625千円(前年度は1,358,884千円のセグメント損失)となりました。 ②財政状態に関する状況(資産) 当事業年度末における流動資産は2,943,396千円であり、前事業年度末に比べ438,566千円増加いたしました。現金及び預金が311,288千円増加したことが主な要因であります。 当事業年度末における固定資産は214,748千円であり、前事業年度末に比べ24,360千円増加いたしました。投資その他の資産が23,801千円増加したことが主な要因であります。 この結果、総資産は3,158,144千円となり、前事業年度末に比べ462,926千円増加いたしました。 (負債) 当事業年度末における流動負債は1,022,625千円であり、前事業年度末に比べ160,034千円増加いたしました。未払費用が62,130千円、未払法人税等が35,396千円増加したことが主な要因であります。 当事業年度末における固定負債は843,445千円であり、前事業年度末に比べ56,484千円増加いたしました。長期借入金が56,484千円増加したことが要因であります。 この結果、負債合計は1,866,070円となり、前事業年度末に比べ216,518千円増加いたしました。 (純資産) 当事業年度末における純資産は1,292,073千円であり、前事業年度末に比べ246,407千円増加いたしました。公募増資及び新株の発行により資本金及び資本準備金が991,067千円増加し、当期純損失を計上したことにより利益剰余金が743,211千円減少したことが主な要因であります。 この結果、自己資本比率は40.5%(前事業年度末は38.3%)となりました。 ③キャッシュ・フローの状況 当事業年度末における現金及び現金同等物は2,098,322千円となり、前事業年度末に比べ311,288千円増加いたしました。 当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。 (営業活動によるキャッシュ・フロー) 税引前当期純損失738,903千円、棚卸資産の増加額69,865千円があった結果、営業活動によって支出した資金は668,231千円(前事業年度は1,472,040千円の支出)となりました。 (投資活動によるキャッシュ・フロー) 定期預金の払戻による収入40,000千円、定期預金の預入による支出40,000千円、投資有価証券の取得による支出3,000千円があった結果、投資活動によって支出した資金は841千円(前事業年度は95,053千円の収入)となりました。 (財務活動によるキャッシュ・フロー) 新規上場等の新株の発行による収入979,755千円、長期借入れによる収入400,000千円、長期借入金の返済による支出368,168千円があった結果、財務活動によって増加した資金は980,361千円(前事業年度は946,762千円の収入)となりました。 ④生産、受注及び販売の実績a.生産実績 当社が提供するサービスの性格上、生産実績の記載に馴染まないため、記載を省略しております。 b.受注実績 当事業年度の受注実績は、次のとおりであります。なお、「自動車産業DX事業」は当社が提供するサービスの性格上、受注実績の記載に馴染まないため、記載を省略しております。セグメントの名称当事業年度(自 2023年1月1日 至 2023年12月31日)受注高(千円)前年同期比(%)受注残高(千円)前年同期比(%)ホリゾンタルDX事業1,552,198144.2621,115155.3自動車産業DX事業----合 計1,552,198144.2621,115155.3(注)金額は販売価格によっております。当社はセグメント間の取引についてはありません。 c.販売実績 当事業年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称当事業年度(自 2023年1月1日 至 2023年12月31日)金額(千円)前年同期比(%)ホリゾンタルDX事業2,701,043119.5自動車産業DX事業2,543,009135.3合計5,244,053126.7(注)最近2事業年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。相手先前事業年度(自 2022年1月1日至 2022年12月31日)当事業年度(自 2023年1月1日至 2023年12月31日)金額(千円)割合(%)金額(千円)割合(%)オリックス自動車株式会社1,103,99626.71,614,68630.8 (2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容 経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものです。 ①重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定 当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この財務諸表の作成にあたって、重要となる会計方針につきましては、「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項(重要な会計方針)」に記載しております。当社は、過去の実績値や状況を踏まえ合理的と判断される前提に基づき、会計上の見積りを行っておりますが、見積りの不確実性により、実際の結果がこれら見積りと異なる可能性があります。 ②経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容 経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容については、「(1)経営成績等の状況の概要」に含めて記載しております。 ③資本の財源及び資金の流動性 当社は、主に自動車産業DX事業において、認知度の向上及びユーザー数の拡大をすべく、積極的に広告宣伝活動を実施してまいりましたが、今後も広告宣伝投資を継続して実施する方針です。当社の資金需要の一定割合は広告宣伝投資であり、必要な資金は自己資金、金融事業者からの借入及びエクイティファイナンス等で資金調達していくことを基本方針としております。なお、これらの資金調達方法の優先順位等に特段方針はなく、資金需要の額や使途に合わせて柔軟に検討を行う予定であります。 ④経営成績に重要な影響を与える要因について 経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」をご参照ください。 ⑤経営者の問題意識と今後の方針に関して 経営者の問題意識と今後の方針については、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」をご参照ください。 |
経営上の重要な契約等 | 5【経営上の重要な契約等】 提携契約相手先国名契約内容契約期間オリックス自動車株式会社日本自動車サブスクリプションサービスにおける業務提携2022年12月12日より2年、ただし毎年自動更新 |
研究開発活動 | 6【研究開発活動】 該当事項はありません。 |
設備投資等の概要 | 1【設備投資等の概要】 当事業年度において、実施した設備投資の総額は5,383千円であり、その主なものは、備品等の購入によるものであります。また、当事業年度において重要な設備の除却、売却等はありません。 |
主要な設備の状況 | 2【主要な設備の状況】 2023年12月31日現在 事業所名(所在地)セグメントの名称設備の内容帳簿価額従業員数(人)建物(千円)車両運搬具(千円)器具及び備品(千円)ソフトウエア(千円)合計(千円)本社(東京都品川区)ホリゾンタルDX事業自動車産業DX事業全社本社事務所8,0677326,7311,34116,873238(30)(注)1.現在休止中の主要な設備はありません。 2.従業員数は就業人員(契約社員を含む。)であり、臨時雇用者数は、年間の平均人員を( )外数で記載しております。 3.上記の他、主要な賃借している設備として、以下のものがあります。事業所名(所在地)セグメントの名称設備の内容事務所面積(㎡)年間賃借料(千円)本社(東京都品川区)ホリゾンタルDX事業自動車産業DX事業全社本社事務所1,329.6890,561 |
設備の新設、除却等の計画 | 3【設備の新設、除却等の計画】 (1)重要な設備の新設等 該当事項はありません。 (2)重要な設備の除却等 該当事項はありません。 |
設備投資額、設備投資等の概要 | 5,383,000 |
Employees
平均年齢(年)、提出会社の状況、従業員の状況 | 36 |
平均勤続年数(年)、提出会社の状況、従業員の状況 | 3 |
平均年間給与、提出会社の状況、従業員の状況 | 6,089,000 |
Investment
株式の保有状況 | (5)【株式の保有状況】 ①投資株式の区分の基準及び考え方 該当事項はありません。 ②保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式 該当事項はありません。 ③保有目的が純投資目的である投資株式 該当事項はありません。 |
Shareholders
大株主の状況 | (6)【大株主の状況】 2023年12月31日現在 氏名又は名称住所所有株式数(株)発行済株式(自己株式を除く。)の総数に対する所有株式数の割合(%) 高橋 飛翔東京都品川区3,434,00040.23 JICベンチャー・グロース・ファンド1号投資事業有限責任組合東京都港区虎ノ門3番1号1,245,60014.59 株式会社SMBC信託銀行(特定運用金外信託 未来創生2号ファンド)東京都千代田区丸の内1丁目3-2388,4004.55 SBIAI&Blockchain投資事業有限責任組合無限責任組合員東京都港区六本木1-6-1255,2002.98 EEI4号イノベーション&インパクト投資事業有限責任組合東京都品川区東五反田5丁目11-1247,6002.90 株式会社日本カストディ銀行(信託口)東京都中央区晴海1丁目8-12237,3002.78 株式会社セプテーニ・ホールディングス東京都新宿区8丁目17番1号212,4002.48 DIMENSION投資事業有限責任組合東京都港区虎ノ門1丁目17-1173,6002.03 株式会社博報堂DYメディアパートナーズ東京都港区赤坂5丁目3番1号173,2002.02 株式会社アニヴェルセルHOLDINGS東京都港区北青山3丁目5-27162,0001.89計-6,529,30076.49 |
株主数-金融機関 | 5 |
株主数-金融商品取引業者 | 19 |
株主数-外国法人等-個人 | 4 |
株主数-外国法人等-個人以外 | 11 |
株主数-個人その他 | 2,305 |
株主数-その他の法人 | 50 |
株主数-計 | 2,394 |
氏名又は名称、大株主の状況 | 株式会社アニヴェルセルHOLDINGS |
株主総会決議による取得の状況 | (1)【株主総会決議による取得の状況】 該当事項はありません。 |
株主総会決議又は取締役会決議に基づかないものの内容 | (3)【株主総会決議又は取締役会決議に基づかないものの内容】 区分株式数(株)価額の総額(円)当事業年度における取得自己株式A種優先株式 3,040B種優先株式 4,600B-2種優先株式 1,299―当期間における取得自己株式――(注)株主からの取得請求権行使に基づき、2023年9月12日付でA種優先株式、B種優先株式及びB-2種優先株式すべてを自己株式として取得し、対価としてA種優先株式、B種優先株式及びB-2種優先株式1株につきそれぞれ普通株式1株を交付しております。当社が取得したA種優先株式、B種優先株式及びB-2種優先株式は、2023年9月12日付で会社法第178条に基づく取締役会決議によりすべて消却しており、また、2023年9月21日開催の臨時株主総会及び普通株式種類株主総会において定款変更が決議され、同日付で種類株式を発行する旨の定款の定めを廃止しております。 |
Shareholders2
発行済株式及び自己株式に関する注記 | 1.発行済株式の種類及び総数並びに自己株式の種類及び株式数に関する事項 当事業年度期首株式数(株)当事業年度増加株式数(株)当事業年度減少株式数(株)当事業年度末株式数(株)発行済株式 普通株式11,5248,523,676-8,535,200A種優先株式3,040-3,040-B種優先株式4,600-4,600-B-2種優先株式7425571,299-合計19,9068,524,2338,9398,535,200自己株式 普通株式----A種優先株式-3,0403,040-B種優先株式-4,6004,600-B-2種優先株式-1,2991,299-合計-8,9398,939-(注)2023年9月22日付で普通株式1株につき400株の割合で株式分割を行っております。 (変動事由の概要) 普通株式の発行済株式の増加数の内容は次のとおりであります。 ・株式分割による増資 8,164,737株 ・種類株式の転換による増資 8,939株 ・東京証券取引所グロース市場への株式上場に伴う公募増資による新株発行による増資 350,000株 A種優先株式の発行済株式総数の減少3,040株は、普通株式への転換による減少であります。 B種優先株式の発行済株式総数の減少4,600株は、普通株式への転換による減少であります。 B-2種優先株式の発行済株式の増加557株は、第三者割当増資によるものであり、減少1,299株は普通株式への転換によるものであります。 A種優先株式の自己株式の株式数の増加3,040株は、普通株式への転換に伴うものであり、減少3,040株は消却によるものであります。 B種優先株式の自己株式の株式数の増加4,600株は、普通株式への転換に伴うものであり、減少4,600株は消却によるものであります。 B-2種優先株式の自己株式の株式数の増加1,299株は、普通株式への転換に伴うものであり、減少1,299株は消却によるものであります。 |
Audit1
監査法人1、個別 | 有限責任監査法人ト ー マ ツ |
独立監査人の報告書、個別 | 独立監査人の監査報告書 2024年3月26日 ナイル株式会社 取締役会 御中 有限責任監査法人ト ー マ ツ 東京事務所 指定有限責任社員 業務執行社員 公認会計士村上 淳指定有限責任社員 業務執行社員 公認会計士菊池寛康 <財務諸表監査>監査意見 当監査法人は、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づく監査証明を行うため、「経理の状況」に掲げられているナイル株式会社の2023年1月1日から2023年12月31日までの第17期事業年度の財務諸表、すなわち、貸借対照表、損益計算書、株主資本等変動計算書、キャッシュ・フロー計算書、重要な会計方針、その他の注記及び附属明細表について監査を行った。 当監査法人は、上記の財務諸表が、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して、ナイル株式会社の2023年12月31日現在の財政状態並びに同日をもって終了する事業年度の経営成績及びキャッシュ・フローの状況を、全ての重要な点において適正に表示しているものと認める。 監査意見の根拠 当監査法人は、我が国において一般に公正妥当と認められる監査の基準に準拠して監査を行った。監査の基準における当監査法人の責任は、「財務諸表監査における監査人の責任」に記載されている。当監査法人は、我が国における職業倫理に関する規定に従って、会社から独立しており、また、監査人としてのその他の倫理上の責任を果たしている。当監査法人は、意見表明の基礎となる十分かつ適切な監査証拠を入手したと判断している。 監査上の主要な検討事項 監査上の主要な検討事項とは、当事業年度の財務諸表の監査において、監査人が職業的専門家として特に重要であると判断した事項である。監査上の主要な検討事項は、財務諸表全体に対する監査の実施過程及び監査意見の形成において対応した事項であり、当監査法人は、当該事項に対して個別に意見を表明するものではない。 自動車産業DX事業における売上高監査上の主要な検討事項の内容及び決定理由監査上の対応ナイル株式会社(以下、会社)は、DX及びデジタルマーケティングを中心にインターネットを活用して、ホリゾンタルDX事業及び自動車産業DX事業を運営している。両事業のうち自動車産業DX事業では、「おトクにマイカー 定額カルモくん」の事業運営を主軸として個人向けに定額でマイカー利用できるサブスクリプションサービスを提供している。当事業年度における当事業の売上高2,543,009千円(前年度比35%増)は全売上高5,244,053千円の48%(前年度は45%)を占めており、当事業の売上高が増加すると共に全売上高に占める割合も増加している(注記事項(収益認識関係)「1.顧客との契約から生じる収益を分解した情報」参照)。自動車産業DX事業の売上高は、注記事項(重要な会計方針)「7.収益及び費用の計上基準 (1)自動車産業DX事業」に記載されているとおり、顧客から受領するメンテナンスサービス利用料・サポート料、提携金融業者への車両販売、提携金融事業者からの初期紹介手数料から構成されている。メンテナンスサービス利用料・サポート料は、リース車両のメンテナンス費用を月額定額とするメンテナンスサービス等を顧客に提供することで、顧客から毎月定額料金を受領している。また、個人の顧客からの注文に基づいて会社がリース契約の対象となる車両を仕入れ、提携金融業者に車両販売する場合がある。このほか、会社が提携する金融事業者と個人の顧客との間で車両リース契約を仲介することで、提携金融事業者から初期紹介手数料を受領している。このうち、メンテナンスサービス利用料については、顧客から毎月定額で契約期間にわたり利用料を受領するものの、サービスの履行義務は顧客がメンテナンス費用を会社に請求し、会社が支払った時点で充足されるため、契約期間に発生が見込まれるメンテナンス費用の項目別に利益相当額を加算して独立販売価格を見積り、当該独立販売価格の比率に基づいて取引価格をそれぞれの履行義務に配分し、契約期間にわたり収益を認識している。また、提携金融業者に対する車両販売については、顧客に車両が引き渡された時点で収益を認識しているが、車両にはリース契約終了時の残価保証が付されているため、提携金融事業者への将来の返金見込額を見積り、返金負債を計上している。会社は、提携金融事業者や顧客との契約を個別に検討し、契約毎に収益を認識する時点が一時点なのか一定の期間なのかを判定する必要があり、加えてメンテナンスサービス利用料や販売車両の残価保証に関しては見積りの要素が含まれるため、収益認識の計上プロセスは複雑である。 以上により、当監査法人は、自動車産業DX事業の売上高には金額的な重要性があるのみならず、収益認識の適切性を慎重に検討する必要があることから、当事業年度の財務諸表監査において特に重要であるため、監査上の主要な検討事項に該当するものと判断した。当監査法人は、自動車産業DX事業の売上高に対して、主として以下の監査手続を実施した。 1.内部統制の評価・自動車産業DX事業における販売プロセスに関して、顧客との契約締結や顧客から入手する車両受領書に対するコントロールを中心として、内部統制の整備状況と運用状況の有効性を評価した。また、関連する販売管理システムの全般統制及び業務処理統制の有効性について、当監査法人に所属するIT専門家を利用して評価した。・毎月定額で受領したメンテナンスサービス利用料のうち、将来メンテナンスサービスを提供すると見込まれる取引価格の繰延計算に基づく決算調整仕訳等に対する内部統制の整備状況と運用状況の有効性を評価した。 2.売上高の適切性の検討(1)顧客から受領するメンテナンスサービス利用料 全ての売上金額について入金証憑と照合した。また、メンテナンスサービス利用料に係る繰延計算について、メンテナンス費用の発生等の見積りの仮定について経営者に質問するとともに、契約期間に係るメンテナンス費用発生の見積りと実績を比較することにより、その仮定の合理性を検討した。さらに、販売管理システムに登録されている取引情報を基礎として繰延計算が適切に実施されているかを検討した。(2)提携金融事業者への車両販売 当監査法人が設定した抽出基準に基づき、統計的サンプリングによる取引サンプルに加えて、一定の基準値を上回る全ての取引を抽出し、抽出した取引について車両受領書、車検証、入金証憑と照合した。(3)提携金融事業者からの初期紹介手数料 全ての売上金額について入金証憑と照合した。 3.開示の十分性の検討 注記事項(重要な会計方針)及び(収益認識関係)の記載について、自動車産業DX事業におけるさまざまな収益認識形態を反映した開示が網羅的かつ適切に開示されているかを検討した。 その他の記載内容 その他の記載内容は、有価証券報告書に含まれる情報のうち、財務諸表及びその監査報告書以外の情報である。経営者の責任は、その他の記載内容を作成し開示することにある。また、監査等委員会の責任は、その他の記載内容の報告プロセスの整備及び運用における取締役の職務の執行を監視することにある。 当監査法人の財務諸表に対する監査意見の対象にはその他の記載内容は含まれておらず、当監査法人はその他の記載内容に対して意見を表明するものではない。 財務諸表監査における当監査法人の責任は、その他の記載内容を通読し、通読の過程において、その他の記載内容と財務諸表又は当監査法人が監査の過程で得た知識との間に重要な相違があるかどうか検討すること、また、そのような重要な相違以外にその他の記載内容に重要な誤りの兆候があるかどうか注意を払うことにある。 当監査法人は、実施した作業に基づき、その他の記載内容に重要な誤りがあると判断した場合には、その事実を報告することが求められている。 その他の記載内容に関して、当監査法人が報告すべき事項はない。 財務諸表に対する経営者及び監査等委員会の責任 経営者の責任は、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して財務諸表を作成し適正に表示することにある。これには、不正又は誤謬による重要な虚偽表示のない財務諸表を作成し適正に表示するために経営者が必要と判断した内部統制を整備及び運用することが含まれる。 財務諸表を作成するに当たり、経営者は、継続企業の前提に基づき財務諸表を作成することが適切であるかどうかを評価し、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づいて継続企業に関する事項を開示する必要がある場合には当該事項を開示する責任がある。監査等委員会の責任は、財務報告プロセスの整備及び運用における取締役の職務の執行を監視することにある。 財務諸表監査における監査人の責任 監査人の責任は、監査人が実施した監査に基づいて、全体としての財務諸表に不正又は誤謬による重要な虚偽表示がないかどうかについて合理的な保証を得て、監査報告書において独立の立場から財務諸表に対する意見を表明することにある。虚偽表示は、不正又は誤謬により発生する可能性があり、個別に又は集計すると、財務諸表の利用者の意思決定に影響を与えると合理的に見込まれる場合に、重要性があると判断される。監査人は、我が国において一般に公正妥当と認められる監査の基準に従って、監査の過程を通じて、職業的専門家としての判断を行い、職業的懐疑心を保持して以下を実施する。・ 不正又は誤謬による重要な虚偽表示リスクを識別し、評価する。また、重要な虚偽表示リスクに対応した監査手続を立案し、実施する。監査手続の選択及び適用は監査人の判断による。さらに、意見表明の基礎となる十分かつ適切な監査証拠を入手する。・ 財務諸表監査の目的は、内部統制の有効性について意見表明するためのものではないが、監査人は、リスク評価の実施に際して、状況に応じた適切な監査手続を立案するために、監査に関連する内部統制を検討する。・ 経営者が採用した会計方針及びその適用方法の適切性、並びに経営者によって行われた会計上の見積りの合理性及び関連する注記事項の妥当性を評価する。・ 経営者が継続企業を前提として財務諸表を作成することが適切であるかどうか、また、入手した監査証拠に基づき、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況に関して重要な不確実性が認められるかどうか結論付ける。継続企業の前提に関する重要な不確実性が認められる場合は、監査報告書において財務諸表の注記事項に注意を喚起すること、又は重要な不確実性に関する財務諸表の注記事項が適切でない場合は、財務諸表に対して除外事項付意見を表明することが求められている。監査人の結論は、監査報告書日までに入手した監査証拠に基づいているが、将来の事象や状況により、企業は継続企業として存続できなくなる可能性がある。・ 財務諸表の表示及び注記事項が、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠しているかどうかとともに、関連する注記事項を含めた財務諸表の表示、構成及び内容、並びに財務諸表が基礎となる取引や会計事象を適正に表示しているかどうかを評価する。監査人は、監査等委員会に対して、計画した監査の範囲とその実施時期、監査の実施過程で識別した内部統制の重要な不備を含む監査上の重要な発見事項、及び監査の基準で求められているその他の事項について報告を行う。監査人は、監査等委員会に対して、独立性についての我が国における職業倫理に関する規定を遵守したこと、並びに監査人の独立性に影響を与えると合理的に考えられる事項、及び阻害要因を除去するための対応策を講じている場合又は阻害要因を許容可能な水準にまで軽減するためのセーフガードを適用している場合はその内容について報告を行う。監査人は、監査等委員会と協議した事項のうち、当事業年度の財務諸表の監査で特に重要であると判断した事項を監査上の主要な検討事項と決定し、監査報告書において記載する。ただし、法令等により当該事項の公表が禁止されている場合や、極めて限定的ではあるが、監査報告書において報告することにより生じる不利益が公共の利益を上回ると合理的に見込まれるため、監査人が報告すべきでないと判断した場合は、当該事項を記載しない。 <報酬関連情報>当監査法人及び当監査法人と同一のネットワークに属する者に対する、会社の監査証明業務に基づく報酬及び非監査業務に基づく報酬の額は、「提出会社の状況」に含まれるコーポレート・ガバナンスの状況等(3)【監査の状況】 に記載されている。 利害関係会社と当監査法人又は業務執行社員との間には、公認会計士法の規定により記載すべき利害関係はない。以 上 (注)1.上記の監査報告書の原本は当社(有価証券報告書提出会社)が別途保管しております。2.XBRLデータは監査の対象には含まれていません。 |
監査上の主要な検討事項、個別 | 監査上の主要な検討事項 監査上の主要な検討事項とは、当事業年度の財務諸表の監査において、監査人が職業的専門家として特に重要であると判断した事項である。監査上の主要な検討事項は、財務諸表全体に対する監査の実施過程及び監査意見の形成において対応した事項であり、当監査法人は、当該事項に対して個別に意見を表明するものではない。 自動車産業DX事業における売上高監査上の主要な検討事項の内容及び決定理由監査上の対応ナイル株式会社(以下、会社)は、DX及びデジタルマーケティングを中心にインターネットを活用して、ホリゾンタルDX事業及び自動車産業DX事業を運営している。両事業のうち自動車産業DX事業では、「おトクにマイカー 定額カルモくん」の事業運営を主軸として個人向けに定額でマイカー利用できるサブスクリプションサービスを提供している。当事業年度における当事業の売上高2,543,009千円(前年度比35%増)は全売上高5,244,053千円の48%(前年度は45%)を占めており、当事業の売上高が増加すると共に全売上高に占める割合も増加している(注記事項(収益認識関係)「1.顧客との契約から生じる収益を分解した情報」参照)。自動車産業DX事業の売上高は、注記事項(重要な会計方針)「7.収益及び費用の計上基準 (1)自動車産業DX事業」に記載されているとおり、顧客から受領するメンテナンスサービス利用料・サポート料、提携金融業者への車両販売、提携金融事業者からの初期紹介手数料から構成されている。メンテナンスサービス利用料・サポート料は、リース車両のメンテナンス費用を月額定額とするメンテナンスサービス等を顧客に提供することで、顧客から毎月定額料金を受領している。また、個人の顧客からの注文に基づいて会社がリース契約の対象となる車両を仕入れ、提携金融業者に車両販売する場合がある。このほか、会社が提携する金融事業者と個人の顧客との間で車両リース契約を仲介することで、提携金融事業者から初期紹介手数料を受領している。このうち、メンテナンスサービス利用料については、顧客から毎月定額で契約期間にわたり利用料を受領するものの、サービスの履行義務は顧客がメンテナンス費用を会社に請求し、会社が支払った時点で充足されるため、契約期間に発生が見込まれるメンテナンス費用の項目別に利益相当額を加算して独立販売価格を見積り、当該独立販売価格の比率に基づいて取引価格をそれぞれの履行義務に配分し、契約期間にわたり収益を認識している。また、提携金融業者に対する車両販売については、顧客に車両が引き渡された時点で収益を認識しているが、車両にはリース契約終了時の残価保証が付されているため、提携金融事業者への将来の返金見込額を見積り、返金負債を計上している。会社は、提携金融事業者や顧客との契約を個別に検討し、契約毎に収益を認識する時点が一時点なのか一定の期間なのかを判定する必要があり、加えてメンテナンスサービス利用料や販売車両の残価保証に関しては見積りの要素が含まれるため、収益認識の計上プロセスは複雑である。 以上により、当監査法人は、自動車産業DX事業の売上高には金額的な重要性があるのみならず、収益認識の適切性を慎重に検討する必要があることから、当事業年度の財務諸表監査において特に重要であるため、監査上の主要な検討事項に該当するものと判断した。当監査法人は、自動車産業DX事業の売上高に対して、主として以下の監査手続を実施した。 1.内部統制の評価・自動車産業DX事業における販売プロセスに関して、顧客との契約締結や顧客から入手する車両受領書に対するコントロールを中心として、内部統制の整備状況と運用状況の有効性を評価した。また、関連する販売管理システムの全般統制及び業務処理統制の有効性について、当監査法人に所属するIT専門家を利用して評価した。・毎月定額で受領したメンテナンスサービス利用料のうち、将来メンテナンスサービスを提供すると見込まれる取引価格の繰延計算に基づく決算調整仕訳等に対する内部統制の整備状況と運用状況の有効性を評価した。 2.売上高の適切性の検討(1)顧客から受領するメンテナンスサービス利用料 全ての売上金額について入金証憑と照合した。また、メンテナンスサービス利用料に係る繰延計算について、メンテナンス費用の発生等の見積りの仮定について経営者に質問するとともに、契約期間に係るメンテナンス費用発生の見積りと実績を比較することにより、その仮定の合理性を検討した。さらに、販売管理システムに登録されている取引情報を基礎として繰延計算が適切に実施されているかを検討した。(2)提携金融事業者への車両販売 当監査法人が設定した抽出基準に基づき、統計的サンプリングによる取引サンプルに加えて、一定の基準値を上回る全ての取引を抽出し、抽出した取引について車両受領書、車検証、入金証憑と照合した。(3)提携金融事業者からの初期紹介手数料 全ての売上金額について入金証憑と照合した。 3.開示の十分性の検討 注記事項(重要な会計方針)及び(収益認識関係)の記載について、自動車産業DX事業におけるさまざまな収益認識形態を反映した開示が網羅的かつ適切に開示されているかを検討した。 |
全体概要、監査上の主要な検討事項、個別 | 監査上の主要な検討事項とは、当事業年度の財務諸表の監査において、監査人が職業的専門家として特に重要であると判断した事項である。監査上の主要な検討事項は、財務諸表全体に対する監査の実施過程及び監査意見の形成において対応した事項であり、当監査法人は、当該事項に対して個別に意見を表明するものではない。 |
見出し、監査上の主要な検討事項、個別 | 自動車産業DX事業における売上高 |
その他の記載内容、個別 | その他の記載内容 その他の記載内容は、有価証券報告書に含まれる情報のうち、財務諸表及びその監査報告書以外の情報である。経営者の責任は、その他の記載内容を作成し開示することにある。また、監査等委員会の責任は、その他の記載内容の報告プロセスの整備及び運用における取締役の職務の執行を監視することにある。 当監査法人の財務諸表に対する監査意見の対象にはその他の記載内容は含まれておらず、当監査法人はその他の記載内容に対して意見を表明するものではない。 財務諸表監査における当監査法人の責任は、その他の記載内容を通読し、通読の過程において、その他の記載内容と財務諸表又は当監査法人が監査の過程で得た知識との間に重要な相違があるかどうか検討すること、また、そのような重要な相違以外にその他の記載内容に重要な誤りの兆候があるかどうか注意を払うことにある。 当監査法人は、実施した作業に基づき、その他の記載内容に重要な誤りがあると判断した場合には、その事実を報告することが求められている。 その他の記載内容に関して、当監査法人が報告すべき事項はない。 |
BS資産
仕掛品 | 17,876,000 |
有形固定資産 | 15,531,000 |
ソフトウエア | 1,341,000 |
無形固定資産 | 1,341,000 |
投資有価証券 | 3,000,000 |
長期前払費用 | 14,670,000 |
投資その他の資産 | 197,875,000 |
BS負債、資本
1年内返済予定の長期借入金 | 276,900,000 |
未払金 | 142,523,000 |
未払法人税等 | 38,584,000 |
未払費用 | 173,726,000 |
賞与引当金 | 24,197,000 |
資本剰余金 | 3,578,252,000 |
利益剰余金 | -2,893,487,000 |
負債純資産 | 3,158,144,000 |
PL
売上原価 | 2,915,571,000 |
販売費及び一般管理費 | 3,005,645,000 |
受取利息、営業外収益 | 25,000 |
営業外収益 | 1,051,000 |
支払利息、営業外費用 | 14,540,000 |
その他、流動資産 | 78,251,000 |
営業外費用 | 62,590,000 |
特別利益 | 1,448,000 |
特別損失 | 1,650,000 |
法人税、住民税及び事業税 | 4,308,000 |
法人税等 | 4,308,000 |
PL2
当期変動額合計 | 246,407,000 |
営業活動によるキャッシュ・フロー
減価償却費、営業活動によるキャッシュ・フロー | 4,825,000 |
賞与引当金の増減額、営業活動によるキャッシュ・フロー | 8,507,000 |
受取利息及び受取配当金、営業活動によるキャッシュ・フロー | -25,000 |
支払利息、営業活動によるキャッシュ・フロー | 14,540,000 |
棚卸資産の増減額(△は増加)、営業活動によるキャッシュ・フロー | -69,865,000 |
仕入債務の増減額、営業活動によるキャッシュ・フロー | -9,010,000 |
その他、営業活動によるキャッシュ・フロー | -12,055,000 |
小計、営業活動によるキャッシュ・フロー | -650,487,000 |
利息及び配当金の受取額、営業活動によるキャッシュ・フロー又は投資活動によるキャッシュ・フロー | 25,000 |
利息の支払額、営業活動によるキャッシュ・フロー又は財務活動によるキャッシュ・フロー | -14,577,000 |
法人税等の支払額、営業活動によるキャッシュ・フロー | -3,191,000 |
財務活動によるキャッシュ・フロー
長期借入金の返済による支出、財務活動によるキャッシュ・フロー | -368,168,000 |
投資活動によるキャッシュ・フロー
投資有価証券の取得による支出、投資活動によるキャッシュ・フロー | -3,000,000 |