財務諸表

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提出書類、表紙有価証券報告書
提出日、表紙2024-03-28
英訳名、表紙CANON INC.
代表者の役職氏名、表紙代表取締役会長兼社長 CEO  御手洗 冨士夫
本店の所在の場所、表紙東京都大田区下丸子三丁目30番2号
電話番号、本店の所在の場所、表紙03(3758)2111
様式、DEI第三号様式
会計基準、DEIUS GAAP
連結決算の有無、DEItrue
当会計期間の種類、DEIFY

corp

沿革 2【沿革】
1933年11月東京麻布六本木に高級小型カメラの研究を目的とする精機光学研究所として発足。1937年8月東京目黒に精機光学工業株式会社として資本金100万円で創立。カメラ製造販売開始。1947年9月キヤノンカメラ株式会社と商号変更。1949年5月東京証券取引所に上場。1951年11月東京都大田区下丸子に本社・工場を集結。1952年12月(株)目黒精機製作所(現キヤノンプレシジョン(株))を設立。1954年5月(株)秩父英工舎(現キヤノン電子(株))を設立。1955年10月ニューヨーク支店開設。1957年9月スイスに欧州総代理店としてCanon Europe S.A.開設。1961年8月三栄産業(株)(現キヤノン化成(株))に出資。1964年10月電子式卓上計算機を発売、本格的に事務機分野に進出。1966年4月米国にCanon U.S.A.,Inc.を設立。1968年2月キヤノン事務機販売(株)を設立。4月NPシステムを開発、普通紙複写機(PPC)分野に進出。1969年3月キヤノン株式会社と商号変更。1970年3月半導体製造装置を発表。6月台湾佳能股份有限公司を設立。1971年11月キヤノンカメラ販売(株)、キヤノン事務機サービス(株)をキヤノン事務機販売(株)へ合併、キヤノン販売(株)(現キヤノンマーケティングジャパン(株))と商号変更。1972年7月Physotec GmbH(現Canon Giessen GmbH)に出資。8月第一精機工業(株)(現キヤノンファインテックニスカ(株))に出資。1975年5月レーザープリンターの開発に成功。1978年8月オーストラリアにCanon Australia Pty.Ltd.を設立。1979年10月シンガポールにCanon Singapore Pte.Ltd.を設立。12月コピア(株)(現キヤノンファインテックニスカ(株))に出資。1980年5月キヤノン販売(株)(現キヤノンマーケティングジャパン(株))とコピア(株)の共同出資によりコピア販売(株)(現キヤノンシステムアンドサポート(株))を設立。1981年10月バブルジェット記録方式の開発に成功。1982年1月オランダにCanon Europa N.V.を設立。2月大分キヤノン(株)を設立。1983年8月フランスにCanon Bretagne S.A.(現Canon Bretagne S.A.S.)を設立。1984年1月キヤノン・コンポーネンツ(株)を設立。1985年7月キヤノン販売(株)(現キヤノンマーケティングジャパン(株))が日本タイプライター(株)(現キヤノンセミコンダクターエクィップメント(株))に出資。11月米国にCanon Virginia,Inc.を設立。1988年9月長浜キヤノン(株)を設立。12月マレーシアにCanon Opto(Malaysia)Sdn.Bhd.を設立。1989年9月中華人民共和国に佳能大連事務機有限公司を設立。1990年8月タイにCanon Hi-Tech(Thailand)Ltd.を設立。1997年3月中華人民共和国にCanon(China)Co.,Ltd.を設立。1998年1月大分キヤノンマテリアル(株)を設立。2000年9月ニューヨーク証券取引所に上場(2023年3月 上場廃止)。11月キヤノン化成(株)を完全子会社化。2001年1月イギリスにCanon Europe Ltd.を設立。4月ベトナムにCanon Vietnam Co.,Ltd.を設立。9月中華人民共和国に佳能(蘇州)有限公司を設立。 2002年4月上野キヤノンマテリアル(株)をキヤノン(株)より分社化。2003年4月福島キヤノン(株)をキヤノン(株)より分社化。2005年9月アネルバ(株)(現キヤノンアネルバ(株))の株式を取得。10月NECマシナリー(株)(現キヤノンマシナリー(株))の株式を取得。2006年7月普通株式1株につき1.5株の割合で株式分割を実施。2007年6月キヤノンマーケティングジャパン(株)が(株)アルゴ21(現キヤノンITソリューションズ(株))の株式を取得。12月2008年7月2009年7月2010年2月3月2014年4月7月2015年4月2016年12月トッキ(株)(現キヤノントッキ(株))の株式を取得。長崎キヤノン(株)を設立。欧州の本社機能をCanon Europe Ltd.に集約。OPTOPOL Technology S.A.(現Canon Ophthalmic Technologies Sp. z o.o.)の株式を取得。Océ N.V.(現Canon Production Printing Holding B.V.)の株式を取得。Molecular Imprints, Inc.(現Canon Nanotechnologies, Inc.)の株式を取得。Canon Europa N.V.がMilestone Group A/Sの株式を取得。Axis ABの株式を取得。東芝メディカルシステムズ(株)(現キヤノンメディカルシステムズ(株))の株式を取得。2017年3月6月東芝医用ファイナンス(株)(現キヤノンメディカルファイナンス(株))の株式を取得。 宮崎ダイシンキヤノン(株)(現宮崎キヤノン(株))の株式を取得。2021年9月Redlen Technologies Inc.の株式を取得。2023年7月キヤノンメディカルシステムズ(株)がミナリスメディカル(株)の株式を取得。
事業の内容 3【事業の内容】
当社は米国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準(以下「米国会計基準」という。)によって連結財務諸表を作成しており、関係会社についても当該会計基準の定義に基づいて開示しております。第2「事業の状況」及び第3「設備の状況」においても同様であります。また、セグメント情報につきましては、米国財務会計基準審議会会計基準書(以下「基準書」という。)280「セグメント報告」に基づき作成しております。 当社グループ(2023年12月31日現在、当社及びその連結子会社336社、持分法適用関連会社10社で構成)は、プリンティング、メディカル、イメージング、インダストリアル、その他及び全社の分野において、開発、生産から販売、サービスにわたる事業活動を営んでおります。 なお、当社は、第123期より、従来その他に含めて表示していた一部のビジネスを、プリンティングビジネスユニットに含めて表示しております。詳細につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項 注23 セグメント情報」をご参照ください。 開発については主として当社において、生産については当社及び事業内容別に編成された国内外の生産関係会社により行っております。また、一部の生産関係会社は各事業セグメントに部品を供給しております。 販売及びサービス活動は、主として国内においてはキヤノンマーケティングジャパン(株)によって、また海外においてはCanon U.S.A.,Inc.(米国)、Canon Europe Ltd.(英国)、Canon Europa N.V.(オランダ)、Canon (UK) Ltd.(英国)、Canon France S.A.S.(フランス)、Canon Deutschland GmbH(ドイツ)、Canon(China)Co.,Ltd.(中国)、Canon Singapore Pte.Ltd.(シンガポール)等、地域ごとに設立された販売関係会社により行っております。メディカルビジネスユニットの製品において、キヤノンメディカルシステムズ(株)は直販もしくは地域ごとに設立された販売関係会社及び代理店により販売活動を行っております。 また、キヤノン電子(株)、キヤノン・コンポーネンツ(株)等の生産子会社は、当社に対して部品及び製品の供給を行っているほか、国内外において独自に販売活動を行っております。 セグメントごとの製品及び生産を担当する主な会社は以下のとおりであります。セグメントの名称主要製品主な生産会社プリンティングデジタル連帳プリンター、デジタルカットシートプリンター、大判プリンター、オフィス向け複合機、ドキュメントソリューション、レーザー複合機、レーザープリンター、インクジェットプリンター、イメージスキャナー、電卓当社キヤノン電子(株)キヤノンファインテックニスカ(株)キヤノン化成(株)キヤノンプレシジョン(株)長浜キヤノン(株)大分キヤノンマテリアル(株)福島キヤノン(株)キヤノン・コンポーネンツ(株) Canon Virginia, Inc.(米国)Canon Production Printing Netherlands B.V.(オランダ)佳能大連事務機有限公司(中国)佳能(中山)事務機有限公司(中国)佳能(蘇州)有限公司(中国)Canon Vietnam Co.,Ltd.(ベトナム)Canon Prachinburi (Thailand) Ltd.(タイ)Canon Business Machines (Philippines),Inc.(フィリピン)Canon Hi-Tech(Thailand)Ltd.(タイ)メディカルCT装置、超音波診断装置、X線診断装置、MRI装置、検体検査装置、デジタルラジオグラフィ、眼科機器キヤノンメディカルシステムズ(株)キヤノン電子管デバイス(株)ミナリスメディカル(株)Quality Electrodynamics, LLC(米国)イメージングレンズ交換式デジタルカメラ、交換レンズ、コンパクトデジタルカメラ、コンパクトフォトプリンター、MRシステム、ネットワークカメラ、ビデオ管理ソフトウェア、映像解析ソフトウェア、デジタルビデオカメラ、デジタルシネマカメラ、放送機器、プロジェクター当社大分キヤノン(株)長崎キヤノン(株)宮崎キヤノン(株) 台湾佳能股份有限公司(台湾)Canon Opto(Malaysia)Sdn.Bhd.(マレーシア)Axis Communications AB(スウェーデン)インダストリアル半導体露光装置、FPD露光装置、有機ELディスプレイ製造装置、真空薄膜形成装置、ダイボンダー当社キヤノンマシナリー(株)キヤノンアネルバ(株)キヤノントッキ(株)キヤノンセミコンダクターエクィップメント(株)Canon Machinery(Malaysia)Sdn.Bhd.(マレーシア)その他及び全社ハンディターミナル、ドキュメントスキャナー当社キヤノン電子(株)キヤノン・コンポーネンツ(株)キヤノンプレシジョン(株) 事業の系統図は次のとおりであります。
関係会社の状況 4【関係会社の状況】
2023年12月31日現在名称住所資本金又は出資金主要な事業の内容議決権の所有割合関係内容(連結子会社 国内) 百万円 キヤノンプレシジョン(株)青森県弘前市300プリンティングビジネスユニット・イメージングビジネスユニット・その他及び全社100%当社製品の部品及び消耗品の製造会社であります。土地、建物、機械装置、その他を貸与しております。キヤノントッキ(株)新潟県見附市6,573インダストリアルビジネスユニット100%当社製品の開発・製造・販売会社であります。建物を貸与しております。福島キヤノン(株)福島県福島市80プリンティングビジネスユニット100%当社製品の部品及び消耗品の製造会社であります。土地、建物、機械装置、その他を貸与しております。※キヤノンメディカルシステムズ(株)栃木県大田原市20,700メディカルビジネスユニット100%当社製品の開発・製造・販売会社であります。キヤノン電子管デバイス(株)栃木県大田原市480同上100%当社製品の開発・製造・販売会社であります。キヤノン・コンポーネンツ(株)埼玉県児玉郡上里町80プリンティングビジネスユニット・メディカルビジネスユニット・その他及び全社100%当社製品の部品及び消耗品の製造会社であります。土地、建物、機械装置、その他を貸与しております。キヤノンセミコンダクターエクィップメント(株)茨城県稲敷郡阿見町70インダストリアルビジネスユニット・その他及び全社100%当社製品の開発・製造・販売会社であります。キヤノン化成(株)茨城県つくば市5,735プリンティングビジネスユニット100%当社製品の部品及び消耗品の製造会社であります。建物、機械装置、その他を貸与しております。*キヤノン電子(株)埼玉県秩父市4,969プリンティングビジネスユニット・その他及び全社55.2%当社製品及び部品の製造会社であります。キヤノンファインテックニスカ(株)埼玉県三郷市3,451プリンティングビジネスユニット100%当社製品及び部品の製造会社であります。ミナリスメディカル(株)東京都中央区450メディカルビジネスユニット100%当社製品の開発・製造・販売会社であります。キヤノンアネルバ(株)神奈川県川崎市麻生区1,800インダストリアルビジネスユニット100%当社製品の開発・製造・販売会社であります。土地、建物、機械装置、その他を貸与しております。長浜キヤノン(株)滋賀県長浜市80プリンティングビジネスユニット・インダストリアルビジネスユニット100%当社製品及び消耗品の製造会社であります。建物、機械装置、その他を貸与しております。キヤノンマシナリー(株)滋賀県草津市2,781インダストリアルビジネスユニット100%当社製品の開発・製造・販売会社であります。 2023年12月31日現在名称住所資本金又は出資金主要な事業の内容議決権の所有割合関係内容(連結子会社 国内) 百万円 大分キヤノンマテリアル(株)大分県杵築市80プリンティングビジネスユニット100%当社製品の部品及び消耗品の製造会社であります。土地、建物、機械装置、その他を貸与しております。※大分キヤノン(株)大分県国東市80イメージングビジネスユニット100%当社製品の製造会社であります。土地、建物、機械装置、その他を貸与しております。長崎キヤノン(株)長崎県東彼杵郡波佐見町80同上100%当社製品の製造会社であります。土地、建物、機械装置、その他を貸与しております。宮崎キヤノン(株)宮崎県児湯郡高鍋町80同上100%当社製品の製造会社であります。土地、建物、機械装置、その他を貸与しております。※*(注)5キヤノンマーケティングジャパン(株)東京都港区73,303プリンティングビジネスユニット・イメージングビジネスユニット・インダストリアルビジネスユニット・その他及び全社58.5%当社製品の国内開発・製造・販売会社であります。キヤノンシステムアンドサポート(株)東京都港区4,561プリンティングビジネスユニット100%(100%)当社製品の国内販売会社であります。キヤノンITソリューションズ(株)東京都港区3,617同上100%(100%)当社製品にかかわるITサービスを行っております。キヤノンメディカルファイナンス(株)東京都中央区120メディカルビジネスユニット100%(35.0%)当社製品のリース関連販売会社であります。(連結子会社 海外) 千 Canon Virginia,Inc.Virginia,U.S.A.US$30,000プリンティングビジネスユニット・イメージングビジネスユニット100%(99.3%)当社製品の部品及び消耗品の製造会社であります。※(注)5Canon U.S.A.,Inc.New York,U.S.A.US$204,355プリンティングビジネスユニット・イメージングビジネスユニット・インダストリアルビジネスユニット・その他及び全社100%当社製品の北米地域販売会社であり、当社役員1名がその役員を兼任しております。Canon Canada Inc.Ontario,CanadaC$0.1同上100%(100%)Canon U.S.A.,Inc.のカナダ地域販売会社であります。Canon Solutions America,Inc.New York,U.S.A.US$21,750プリンティングビジネスユニット100%(100%)Canon U.S.A.,Inc.の販売会社であります。Canon Financial Services,Inc.New Jersey,U.S.A.US$7,310同上100%(100%)Canon U.S.A.,Inc.のリース関連販売会社であります。 2023年12月31日現在名称住所資本金又は出資金主要な事業の内容議決権の所有割合関係内容(連結子会社 海外) 千 ※Canon Medical Systems USA,Inc.California,U.S.A.US$262,250メディカルビジネスユニット100%(100%)キヤノンメディカルシステムズ(株)の米国販売会社であります。Quality Electrodynamics, LLCOhio,U.S.A.-同上100%(100%)当社製品の部品の開発・製造会社であります。Canon Bretagne S.A.S.Liffre,FranceEUR28,179プリンティングビジネスユニット・その他及び全社100%当社製品の部品及び消耗品の製造会社であり、当社役員1名がその役員を兼任しております。Canon Production Printing Netherlands B.V.Venlo,The NetherlandsEUR21,465同上100%(100%)Canon Production Printing Holding B.V.の製造・開発会社であります。Canon Production Printing Germany GmbH & Co.KGPoing,GermanyEUR20,452同上100%(100%)Canon Production Printing Holding B.V.の製造会社であります。Axis ABLund,SwedenSEK695イメージングビジネスユニット100%Axis Communications AB等を傘下にもつ持株会社であり、当社役員1名がその役員を兼任しております。Axis Communications ABLund,SwedenSEK160同上100%(100%)Axis ABの開発・製造・販売会社であります。※(注)5Canon Europa N.V.Amstelveen,The NetherlandsEUR360,021プリンティングビジネスユニット・イメージングビジネスユニット・インダストリアルビジネスユニット・その他及び全社100%(100%)当社製品のヨーロッパ地域販売会社であり、当社役員3名がその役員を兼任しております。Canon Europe Ltd.Uxbridge,U.K.EUR1,642同上100%(100%)当社製品のヨーロッパ地域販売会社であります。Canon Ru LLCMoscow,RussiaRUB315,519同上100%(100%)Canon Europa N.V.のロシア地域販売会社であります。Canon(UK)Ltd.Uxbridge,U.K.Stg.£6,100同上100%(100%)Canon Europa N.V.の英国、アイルランド地域販売会社であります。Canon Deutschland GmbHKrefeld,F.R.GermanyEUR8,349同上100%(100%)Canon Europa N.V.のドイツ国内販売会社であります。Canon(Schweiz)AGWallisellen,SwitzerlandS.Fr.20,920同上100%(100%)Canon Europa N.V.のスイス国内販売会社であります。Canon Nederland N.V.Den Bosch,The NetherlandsEUR7,723同上100%(100%)Canon Europa N.V.のオランダ国内販売会社であります。Canon France S.A.S.Paris,FranceEUR141,940同上100%(100%)Canon Europa N.V.のフランス国内販売会社であります。 2023年12月31日現在名称住所資本金又は出資金主要な事業の内容議決権の所有割合関係内容(連結子会社 海外) 千 Canon Middle East FZ-LLCDubai,United Arab EmiratesUS$5,000プリンティングビジネスユニット・イメージングビジネスユニット・インダストリアルビジネスユニット・その他及び全社100%(100%)Canon Europa N.V.の中近東地域販売会社であります。Canon Italia S.p.A.Milano,ItalyEUR48,244同上100%(100%)Canon Europa N.V.のイタリア国内販売会社であります。Canon Medical Systems Europe B.V.Zoetermeer,The NetherlandsEUR7,718メディカルビジネスユニット100%(100%)キヤノンメディカルシステムズ(株)のヨーロッパ地域販売会社であります。Milestone Systems A/SBrondby,DenmarkDKK693イメージングビジネスユニット100%当社製品の開発・販売会社であります。Canon Research Centre France S.A.S.Rennes,FranceEUR6,553プリンティングビジネスユニット・メディカルビジネスユニット・イメージングビジネスユニット・インダストリアルビジネスユニット・その他及び全社100%(60.0%)当社の開発会社であります。佳能大連事務機有限公司中華人民共和国遼寧省US$133,219プリンティングビジネスユニット100%(14.4%)当社製品及び消耗品の製造会社であります。佳能(蘇州)有限公司中華人民共和国江蘇省US$67,000同上100%(33.5%)当社製品の製造会社であり、当社役員1名がその役員を兼任しております。佳能(中山)事務機有限公司中華人民共和国広東省US$5,800同上100%当社製品の製造会社であります。台湾佳能股份有限公司台湾台中市TW$800,000イメージングビジネスユニット100%当社製品の製造会社であります。Canon Semiconductor Equipment Taiwan,Inc.台湾新竹市TW$74,000インダストリアルビジネスユニット100%当社製品の販売会社であります。※Canon Vietnam Co.,Ltd.Hanoi,VietnamUS$94,000プリンティングビジネスユニット100%当社製品の製造会社であります。Canon Hi-Tech (Thailand) Ltd.Phra Nakhon Sri Ayutthaya,ThailandBAHT1,800,000同上100%当社製品の製造会社であります。Canon Prachinburi (Thailand) Ltd.Prachinburi,ThailandBAHT2,220,000同上100%当社製品の製造会社であり、当社役員1名がその役員を兼任しております。Canon Business Machines (Philippines),Inc.Batangas,PhilippinesUS$76,969同上100%当社製品の製造会社であります。Canon Opto(Malaysia)Sdn.Bhd.Selangor,MalaysiaM$113,400イメージングビジネスユニット100%当社製品の製造会社であります。Canon Machinery(Malaysia)Sdn.Bhd.Selangor,MalaysiaM$11,000インダストリアルビジネスユニット100%(100%)キヤノンマシナリー(株)の製造会社であります。 2023年12月31日現在名称住所資本金又は出資金主要な事業の内容議決権の所有割合関係内容(連結子会社 海外) 千 Canon(China)Co.,Ltd.中華人民共和国北京市US$56,050プリンティングビジネスユニット・イメージングビジネスユニット・その他及び全社100%当社製品の中国地域販売会社であります。※Canon Singapore Pte.Ltd.SingaporeS$7,000プリンティングビジネスユニット・イメージングビジネスユニット・インダストリアルビジネスユニット・その他及び全社100%当社製品の東南アジア地域販売会社であります。Canon Hongkong Co.,Ltd.Kowloon,Hong KongUS$720同上100%(100%)Canon Singapore Pte. Ltd.の香港地域販売会社であります。Canon India Pvt.Ltd.New Delhi,IndiaUS$58,049同上100%(100%)Canon Singapore Pte. Ltd.のインド国内販売会社であります。Canon Australia Pty.Ltd.Macquarie Park,AustraliaA$40,000同上100%当社製品のオセアニア地域販売会社であります。連結子会社その他 273社-----(持分法適用関連会社) 千 Canon Korea Inc.Seoul,KoreaWon8,925,000プリンティングビジネスユニット・イメージングビジネスユニット50.0%当社製品の製造・販売会社であり、当社役員1名がその役員を兼任しております。持分法適用関連会社その他 9社----- (注)1 主要な事業の内容欄には、セグメントの名称を記載しております。2 会社の名称欄※印は特定子会社であります。3 議決権の所有割合欄( )内は、間接所有であります。4 会社の名称欄*印は、有価証券届出書又は有価証券報告書の提出会社であります。5 キヤノンマーケティングジャパン(株)、Canon U.S.A.,Inc.及びCanon Europa N.V.は、連結売上高に占める売上高(連結会社相互間の売上高を除く)の割合が10%を超えております。主要な損益情報等は以下のとおりであります。なお、キヤノンマーケティングジャパン(株)は有価証券報告書の提出会社でありますので、主要な損益情報等の記載は省略しております。 主要な損益情報等(百万円)売上高税引前当期純利益当期純利益株主資本総資産額Canon U.S.A.,Inc.770,47218,37413,636450,720817,126Canon Europa N.V.668,98217,53116,172356,757600,972
従業員の状況 5【従業員の状況】
(1)連結会社の状況 2023年12月31日現在セグメントの名称従業員数(人)プリンティングビジネスユニット109,695メディカルビジネスユニット13,149イメージングビジネスユニット26,077インダストリアルビジネスユニット8,126その他及び全社12,104合計169,151
(注) 従業員数は就業人員数であり、パートタイマー、期間社員等を含んでおります。 (2)提出会社の状況 2023年12月31日現在従業員数(人)平均年齢(歳)平均勤続年数(年)平均年間給与(円)23,93144.119.08,324,359 セグメントの名称従業員数(人)プリンティングビジネスユニット9,556メディカルビジネスユニット373イメージングビジネスユニット4,252インダストリアルビジネスユニット2,513その他及び全社7,237合計23,931
(注)1 従業員数は就業人員数であり、パートタイマー、期間社員等を含んでおります。 2 平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでおります。 (3)労働組合の状況 当社グループでは主に会社別に労働組合が組織されております。 当社及びその販売子会社であるキヤノンマーケティングジャパン(株)にはキヤノン労働組合があり、労協N.E.T及び全日本光学工業労働組合協議会に加入しております。現在まで労使関係は良好であります。 また、その他の会社における労働組合に関しましても、現在まで労使関係は良好であります。 (4)管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異①提出会社当事業年度管理職に占める女性労働者の割合(%)(注)1男性労働者の育児休業取得率(%)(注)2労働者の男女の賃金の差異(%)  (注)1・3全労働者うち正規雇用労働者うちパート・有期雇用者3.865.874.875.074.0
(注)1 「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものです。 2 「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基 づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省 令第25号)第71条の4第1号における育児休業等の取得割合を算出したものです。 3 女性に比べ男性の方が管理職比率が高いことが男女間賃金格差の要因となっております。女性管理職比率の向上 は、当社としても重要な課題と認識しており、ダイバーシティ推進に向けた全社横断組織を発足し、女性管理職 候補を育成する女性リーダー研修や仕事と育児の両立を支援する活動を行っております。その結果、正規雇用労 働者の賃金格差は、前事業年度から0.5ポイント改善しました。詳細は、第2 事業の状況 2 サステナビリテ ィに関する考え方及び取組 (4)人的資本に記載しております。なお、正規雇用労働者のうち、同一役職レベル における男女の賃金の差異は、部長職で96.8%、課長職で97.5%となります。 ②主な国内の連結子会社当事業年度名称管理職に占める女性労働者の割合(%)(注)1男性労働者の育児休業取得率(%)(注)2・3労働者の男女の賃金の差異(%)(注)1・4全労働者うち正規雇用労働者うちパート・有期雇用者キヤノンマーケティングジャパン(株)4.840.380.876.5122.9キヤノンITソリューションズ(株)4.766.082.481.1101.9キヤノンシステムアンドサポート(株)3.439.676.674.866.6キヤノンプロダクションプリンティングシステムズ(株)1.5-64.779.069.0キヤノンカスタマーサポート(株)15.7-72.672.698.2クオリサイトテクノロジーズ(株)20.042.886.786.971.6TCS(株) (注)512.040.075.874.8-キヤノンITSメディカル(株)3.525.076.075.074.7キヤノンビズアテンダ(株)20.433.376.183.375.6エーアンドエー(株)11.80.084.684.6-キヤノンビジネスサポート(株)0.0-89.585.7-(株)キュービーファイブ88.9-72.195.472.5キヤノン電子(株)4.544.079.177.575.7キヤノン電子テクノロジー(株)3.120.072.772.546.5キヤノンメディカルシステムズ(株)4.531.965.370.093.4キヤノンメドテックサプライ(株)2.8100.073.873.8-ミナリスメディカル(株)9.728.667.176.367.8キヤノン電子管デバイス(株)1.316.771.678.692.3キヤノン化成(株)3.746.776.074.987.7キヤノンプレシジョン(株)3.964.778.478.895.4キヤノンファインテックニスカ(株)4.372.776.373.691.5 当事業年度名称管理職に占める女性労働者の割合(%)(注)1男性労働者の育児休業取得率(%)(注)2・3労働者の男女の賃金の差異(%)(注)1・4全労働者うち正規雇用労働者うちパート・有期雇用者キヤノンオプトロン(株)4.50.0---キヤノン・コンポーネンツ(株)3.660.082.180.985.3キヤノンセミコンダクターエクイップメント(株)0.060.069.073.075.0キヤノンイメージングシステムズ(株)6.8100.087.686.9-キヤノンアネルバ(株)2.040.075.572.266.2キヤノンマシナリー(株)1.314.378.979.161.8キヤノントッキ(株)1.366.774.973.658.4大分キヤノン(株)5.039.771.571.654.5長浜キヤノン(株)3.850.074.573.1-大分キヤノンマテリアル(株)4.867.981.582.541.1上野キヤノンマテリアル(株)0.040.076.076.083.0福島キヤノン(株)3.476.473.178.379.6キヤノンエコロジーインダストリー(株)3.133.373.473.681.7キヤノンモールド(株)2.850.076.174.394.4長崎キヤノン(株)4.024.066.066.0-宮崎キヤノン(株)5.040.096.588.0105.0福井キヤノンマテリアル(株)20.0----
(注)1 「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものです。 2 「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基 づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令 第25号)第71条の4第1号における育児休業等の取得割合を算出したものです。 3 「-」は、対象となる従業員(当該事業年度中に配偶者が出生した男性従業員)がいないことを示しております。 4 「-」は、「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づく公表を行っ ていないため、記載を省略しております。もしくは、算出に必要な従業員が在籍していないことを示しておりま す。 5 TCS(株)は3月期決算企業のため、2023年3月末時点の情報を記載しております。
経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】
 当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (1)経営理念当社グループは、企業理念として、世界中のステークホルダーの皆さまとともに歩む「共生」を掲げています。「共生」とは、文化、習慣、言語、民族などの違いを問わず、すべての人類が末永く共に生き、共に働き、幸せに暮らしていける社会をめざすものです。この「共生」の理念のもと、当社グループは、世界の繁栄と人類の幸福のため、企業の成長と発展を目指し企業活動を進めています。 (2)マテリアリティ 当社は、時代とともに変化する社会の動きを捉えながら、企業理念である「共生」のもと、人間尊重、技術優先、進取の気性と言った企業DNAと、自社の強固な財務基盤や豊富な人材、高い技術力など、様々なリソースを有効に活用し、健全なコーポレート・ガバナンスを保ちながら事業を展開してまいりました。 当社のこれまでの取り組みや中長期経営計画に沿った様々な事業活動の中から、当社が取り組むべきと考える重要事項の中で、ステークホルダーの皆さまの関心が特に高い「新たな価値創造、社会課題の解決」ならびに「地球環境の保護・保全」を重要課題(マテリアリティ)として抽出しました。また、さらにこれら2つのマテリアリティに取り組む上で支えとなるテーマを「人と社会への配慮」として集約し、3つ目のマテリアリティとしました。当社では、ステークホルダーの意見を参考に、マテリアリティの妥当性の確認や見直しを行うほか、社会に対する当社の事業活動のインパクトを分析し、企業活動のより一層の充実を図っています。 特定したマテリアリティ項目 新たな価値創造、社会課題の解決・人々の健康や病気の予防に貢献する医療技術の開発・社会の安心・安全に資するセキュリティ技術の進化・写真や映像分野における人々の豊かさや楽しさにつながる 製品/技術の開発 地球環境の保護・保全・省エネルギー化の促進/再生エネルギーの活用・使用済み製品のリユース・リサイクル・廃棄物の削減/水域・土壌の汚染防止 人と社会への配慮 人権と労働・差別やハラスメントの防止、基本的人権の尊重・適正な賃金と労働時間の管理 社会貢献・事業活動を生かした社会貢献活動・次世代の育成支援 (3)中長期経営計画:グローバル優良企業グループ構想フェーズⅥ 当社は、「共生」の企業理念のもと、永遠に技術で貢献し続け、世界各地で親しまれ、尊敬される企業を目指し、1996年に5カ年計画『グローバル優良企業グループ構想』をスタートしました。 2021年を初年度とする新5カ年計画「グローバル優良企業グループ構想 フェーズⅥ」(以下、フェーズⅥ)では、「生産性向上と新事業創出によるポートフォリオの転換を促進する」を基本方針に、テクノロジーとイノベーションによって新たな価値を生み出し、コンシューマーの分野ではより豊かな生活を、オフィスやインダストリーの分野ではより快適なビジネス環境を、そしてソサエティの分野ではより安心・安全な社会づくりをめざします。 ①産業別グループの事業競争力の徹底強化 当社が保有する多岐にわたる技術や資産を最大限活用することを目的として、2021年に技術的に親和性のある複数の事業本部をプリンティング、メディカル、イメージング、インダストリアルの4つのグループに再編成しました。産業別グループ内では各事業・グループ会社がもつ技術や人材の連携を深めて、将来技術の開発や生産技術の強化など新たなイノベーションを創出し、事業の進化・拡大に取り組んでいます。2023年10月に開催したキヤノンの総合技術展である「Canon EXPO」では、事業ポートフォリオの転換を支える産業別グループの技術と当社が目指す技術の方向性を紹介しました。今後は当社がこれまで培ってきた独自技術に加えてオープンイノベーションやM&Aも活用することにより、時代のニーズに応える新たな価値を創出し、複雑化、多様化する社会課題の解決に貢献することを目指します。 2021年と2022年はコロナ禍や半導体をはじめとした部品不足、物流逼迫への対応を優先しておりましたが、2023年に入りこれらの状況が落ち着きを見せたことから、当社は計画していた成長戦略を再開・加速しています。加えて今後は開発、生産、販売の経費構造を全面的に見直して経費水準を最適化するプロジェクトを進めていくことで、一層の事業競争力強化を目指します。 各グループにおける、フェーズⅥの主な戦略・施策の進捗状況は以下の通りです。  プリンティンググループ アナログからデジタルへのシフトにより今後も大きな成長が見込まれるカタログ印刷等の商業印刷分野と、ラベル印刷やパッケージ印刷等の産業印刷分野では、プリンティンググループの総力を挙げて商品ラインアップの強化とワークフロー・ソフトの拡充に取り組んでいます。2023年は特に自動化機能を強化したカットシート機の「imagePRESS V1350」を始めとする「Vシリーズ」や、白インクを追加したことでさらに多様なメディアへの印刷を可能にした「Colorado Mシリーズ」が顧客から高く評価され、販売台数を大きく伸ばしました。今後は「Canon EXPO」で反響の大きかったB3サイズ対応インクジェットデジタルプレス機「varioPRINT iX1700」や産業印刷向け水性インクジェットラベル印刷機「LabelStream LS2000」をラインアップに加え、業界の高度な印刷ニーズに応えていきます。 DX(デジタルトランスフォーメーション)が進展したことでオフィス環境でのペーパーレス化が進みましたが、仕事に関する思考や情報共有において紙がもたらす価値は変わることなく、人間の知的な活動を支えるうえで今後も一定の役割を果たしていくと考えております。コロナ禍を通じてリモートワークが日常となり、サテライトオフィスや自宅など働く場所の分散や働き方の多様化が進みましたが、オフィス、ホームの分野では、働く場所で制約を受けない安心・安全・快適なプリンティング環境・サービスへのニーズが高まっています。プリンティンググループでは、多様なシーンに合わせてどのような環境においても高い生産性、利便性、セキュリティ環境を提供すべく、当社製の複合機、レーザープリンター、インクジェットプリンターとクラウドを連携したオンデマンドプリンティング環境を提供しています。2023年はオフィスにおける中核のプリンティング機器として、オフィス複合機の需要は底堅く推移しました。当社は高効率と低消費電力の両立に加えてサイバーセキュリティを強化した「imageRUNNER ADVANCE DX C3900シリーズ」などをラインアップに加えました。レーザープリンターとインクジェットプリンターでは、ビジネスから在宅までの幅広いニーズに対応するためラインアップを拡充しましたが、在宅需要のピークアウトに加え中国や欧州での景気悪化の影響を受けて市場が縮小しました。プリンティンググループでは、引き続きお客様のニーズに合わせた商品・サービスを拡充し、オフィス、ホームの分野において世界No.1を目指します。  メディカルグループ 近年、世界の医療を取り巻く環境は技術面でめざましい発展を遂げる一方、医師不足、高齢化社会、医療費の高騰、医療の地域格差などさまざまな課題に直面しています。メディカルグループでは「画像診断事業」、「ヘルスケアIT事業」、「体外診断事業」の分野に特に注力し、優れた製品・サービスを提供することで社会の変化に合わせた医療課題の解決や価値提供を行うことを目指しています。 画像診断事業では、ディープラーニング技術を用いて設計した画像再構成技術や、複雑化する医療従事者の診断ワークフローを支援する自動化技術を搭載した製品を開発するなど、医療従事者と患者の負担の軽減と高品質の画像の提供を目指して製品・サービスを提供してきました。2023年には、ディープラーニングを用いた「Advanced intelligent Clear-IQ Engine(AiCE)」をさらに進化させた超解像画像再構成技術「Precise IQ Engine(PIQE)」と、先進自動化技術により操作性向上を追求した自動化技術「INSTINX」を搭載し、同時に被ばく線量をさらに低減し、撮像時間を短縮したCTの新製品「Aquilion One / INSIGHT Edition」を発売するなど、さらにラインアップを強化しました。 当社は次世代技術の研究開発にも積極的に取り組んでいます。2019年より、公益財団法人京都大学iPS細胞研究財団との共同研究でiPS細胞の製造に寄与する装置の開発を進めています。2023年11月には、物質を高精度に識別し、カラーで表示できる機能により高い画質性能と被ばくの低減など医療現場にさらなる価値をもたらすことが期待されているフォトンカウンティングCT(PCCT)の早期実用化に向け、広島大学やオランダのラドバウド大学メディカルセンターと共同臨床研究に関する基本合意を締結しました。さらに2023年11月には生物医学研究と臨床ケアに高い専門性を有する米国のクリーブランド・クリニック財団と、医用画像ソリューションおよびヘルスケアIT技術の開発を目指す戦略的研究パートナーシップに合意しました。このように幅広い領域でグローバルな共同研究活動にも積極的に参画しながら、医療に新たな価値を提供できる技術の開発に注力します。 体外診断事業の領域では、2023年に体外診断用医薬品を手掛けるミナリスメディカル株式会社及びMinaris Medical America, Inc.(以下、あわせて「ミナリスメディカル社」と総称)をグループに迎えました。今後はキヤノンが保有する自動分析装置技術とのシナジーを活かしながら、当該事業の強化を図ります。 また、メディカル事業では収益性の向上を図るため、全社組織として「メディカル事業革新委員会」を立ち上げました。開発から生産、調達、物流、企画・管理までの全てのオペレーションにおいて、当社の持つリソース、ノウハウを投入し、収益体質の改善を図ります。  イメージンググループ スマートフォンの普及によりデジタルカメラ全体の市場は大きく縮小したものの、フルサイズのセンサーを搭載したミラーレスカメラの販売はコロナ禍でも堅調に推移し、高画質の写真に対する需要の底堅さを示しました。世界屈指の光学技術を有する当社は、こうした需要に応えるカメラ・交換レンズを今後も順次市場に投入し、高画質を重視するプロ・ハイアマチュアユーザーを対象の中心に、ミラーレスカメラにおいても世界No.1の地位の確立をめざしてきました。2023年には、「EOS Rシリーズ」より本格的な静止画・動画撮影を手軽に楽しみたいエントリーユーザー向けに「EOS R50」、「EOS R100」といった新製品を発売し、ラインアップのすそ野をさらに広げました。また、近年スマートフォンやSNSを使用した映像コミュニケーションがより一層活発になっており、手軽かつクオリティの高い動画撮影のニーズが高まっています。当社では従来のカメラ製品の動画撮影機能をより充実化させるとともに、2023年に発売したVlog(ビデオブログ)撮影に特化した「PowerShot V10」など、新しいコンセプトの製品をラインアップに加えることでより幅広いユーザーの期待に応えます。 放送や映像制作の分野では、IPストリーミングの需要が増大を続けていることから、高画質リモートカメラシステムのラインアップを強化します。 ネットワークカメラ事業では、世界有数のメーカーであるアクシス社や映像管理ソフト・ベンダーのマイルストーンシステムズ社、映像解析ソフト・ベンダーのブリーフカム社など、優れた技術を持つグループ会社を擁しております。今後もグループの総力を挙げて多様化するニーズを捉えながらセキュリティ分野におけるプレゼンスを強化します。また同時に、生産現場での検品業務、集配センターでの欠品検知、インフラ点検、店舗や展示会場での混雑具合の検知など、従来のセキュリティ目的を超えて、各種業務に対する映像を活用したDXを提供する製品・サービスの展開を図ります。 近年様々な分野で仮想現実映像、立体映像、360度映像などの利活用が進み、新たな映像体験市場の拡大が期待されています。当社では、複数の撮影画像から3D空間データを再構成する「ボリュメトリックビデオシステム」、高画質な180°3D VR映像を手軽に撮影できる「EOS VRシステム」、現実世界とCG映像をリアルタイムに違和感なく融合するMR(Mixed Reality:複合現実)製品の「MREAL」などの3Dイメージング技術を用いた製品・サービスを拡充していくことで、新たな映像体験市場の活性化と事業領域の拡大を図ります。  インダストリアルグループ AI、IoT、電気自動車、5Gなどデジタル化やスマート化が進んだ現代社会では半導体は不可欠のデバイスとなり、今後も半導体とその製造装置に対する需要は多様化し、拡大すると見込まれます。インダストリアルグループは、半導体露光装置の安定供給、半導体メーカーの生産性向上、半導体の性能向上に引き続き貢献します。中長期的な半導体露光装置の需要増加に対応するため、2025年の稼働を目標に宇都宮事業所の隣地に新工場を建設し、半導体露光装置の生産能力を大幅に増強します。顧客の生産性向上に貢献する取り組みとしては、2022年に半導体露光装置ソリューションプラットフォーム「Lithography Plus」の販売を開始し、半導体メーカーでの歩留まり改善や稼働率向上を支援しています。また、2023年10月にはナノインプリント(NIL)半導体製造装置「FPA-1200NZ2C」を発売しました。NIL方式は、従来の露光方式と比べて製造工程がシンプルで、最先端半導体デバイス製造での消費電力低減とコスト削減効果が期待されます。今後は半導体デバイス製造用途向けの販売を推進するとともに、国内外の研究機関や半導体メーカーと協力し、NILの長所を生かせるアプリケーションの拡大を図ります。 ディスプレイ製造装置については、液晶では生産性向上と高精細化を進め、有機ELでは今後成長が期待される中型パネルやスマートグラス向け製造装置の開発を加速します。 その他にも当社と子会社であるキヤノントッキ、キヤノンアネルバ、キヤノンマシナリーが持つ超精密位置合わせ、超高精度加工、真空システムといったコア技術を融合して新たな装置を開発し、インダストリアルグループの事業領域拡大を目指します。 ②本社機能の徹底強化によるグループ生産性の向上当社では事業の競争力の強化と拡大を図るため、人事制度を改定し、より一層の競争原理を働かせることで管理部門の生産性を向上するとともに、当社の事業の付加価値を一層高める先端技術のリサーチ力強化など、本社機能の強化に取り組んでいます。2023年からは、当社の技術を牽引することが期待される技術者を「トップ・サイエンティスト」として任用する「高度技術者認定」制度を設け、新規事業創出に貢献できる人材の確保・育成を推進しています。また当社では、これまで培ってきたあらゆる技術を活用して材料やコンポーネントなどの領域で事業化を進めるなど、全社横断的な視点での新規事業創出にも取り組み、収益拡大への貢献を目指しています。さらに今後は、自社技術の開発に加えて外部の最先端技術を積極的に取り入れるべく、産学連携、外部企業とのパートナーシップを通じたオープンイノベーションやM&Aを活用し、一層の業容拡大を図ります。 (4)中期経営計画連結業績目標 当社は、フェーズⅥ期間最終年度である2025年度の連結業績目標として、売上では当社史上最高を記録した2007年を上回る売上高4兆5,000億円以上、利益では営業利益率12%以上、当期純利益率8%以上の達成を目指します。 事業ポートフォリオの転換を評価する指標として、当社では連結売上高に対する新規事業※1売上高の比率を設定しています。今5カ年計画の3年目となる2023年は、ウクライナ情勢や中東での軍事衝突など不安定な状況が継続しましたが、長期にわたり経済活動を制限したコロナ禍の収束などにより、世界経済は緩やかに回復しました。不安定な状況が続くなかで当社は、製品の供給不足からの回復とメディカルやネットワークカメラをはじめとする新規事業が堅調に推移したことに加え円安が追い風となり、3期連続となる増収増益を達成しました。新規事業の売上高は成長を続けており、2017年と比較すると連結売上高に占める構成比が22%から28%に上昇するなど、事業ポートフォリオの転換の効果が着実に表れています。2025年にかけて、さらなる新規事業売上高の成長をめざします。 また当社は、企業価値向上をより一層加速させるため株主資本利益率(ROE)を重視しております。コロナ禍の2020年に3.2%まで落ち込んだROEはその後の業績回復により改善し、2023年は前年比0.1ptの改善となる8.2%となりました。今後は着実なコストダウン活動や経費の最適化による収益性の向上、棚卸資産の削減や生産拠点の集約等を通じた資産の圧縮、負債・資本の最適バランスの追求といった取り組みを進めることで、2025年にはROEを10%以上に向上させることを目指します。 ※1新規事業には、キヤノンプロダクションプリンティング、キヤノントッキ、アクシス、キヤノンメディカルシステムズなど、フェーズⅠ以降に取得した主要な事業会社の事業と、フェーズⅥ期間中の事業化を目指す新規事業を含めています。 2021年実績2022年実績2023年実績2024年見通し 2025年目標売上高3兆5,134億円4兆314億円4兆1,810億円4兆3,500億円 4兆5,000億円以上営業利益率8.0%8.8%9.0%10.0% 12%以上当期純利益率6.1%6.1%6.3%7.0% 8%以上 ROE7.9%8.1%8.2%8.9% 10%以上 現行事業・新規事業売上比率
事業等のリスク 3【事業等のリスク】
 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (1) リスクマネジメント体制当社は、取締役会決議に基づき、キヤノングループのリスクマネジメント体制の整備に関する諸施策を立案する「リスクマネジメント委員会」を設置しております。同委員会は、財務報告の信頼性確保のための体制整備を担当する財務リスク分科会、企業倫理や主要法令の遵守体制の整備を担当するコンプライアンス分科会、品質リスクや情報漏洩リスクその他の主要な事業リスクの管理体制の整備を担当する事業リスク分科会の三分科会から構成されております。法務部門、ロジスティクス部門、品質部門、人事部門、経理部門など、事業活動に伴う各種リスクを所管する当社の本社管理部門は、それぞれ関連する分科会に所属し、その所管分野について、各部門及び子会社のリスクマネジメント活動を統制・支援しております。当社各部門及び子会社は、上記体制の下、自律的にリスクマネジメント体制の整備・運用を行い、その活動結果をリスクマネジメント委員会に毎年報告しております。リスクマネジメント委員会は、各分科会並びに各部門及び子会社からの報告を受け、リスクマネジメント体制の整備・運用状況を評価し、その結果をCEO及び取締役会に報告する役割を担っております。  リスクマネジメント体制  リスクマネジメントプロセス
(2) 事業等のリスク 当社グループ(当社及びその連結子会社。以下、当該項目では「当社」という。)の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性のある主なリスクには以下のようなものがあります。当社では、グループ経営上のリスクについて、取締役会が定める「リスクマネジメント基本規程」に基づき設置されるリスクマネジメント委員会において、毎年、当社の経営に重大な影響を及ぼす可能性のあるリスクの特定を行っており、以下のリスクも同委員会で審議のうえ特定されたものです。ただし、以下のリスクは当社に関するすべてのリスクを網羅したものではなく、対応策もこれらのリスクを完全に排除するものではありません。なお、下記の事項は有価証券報告書提出日(2024年3月28日)現在において判断した記載となっております。 リスクマップ (注)リスクマップ上の各リスク番号は、当社で各リスクを「①事業特有の重要性が高いリスク」、「②事業横断的な重要性が高いリスク」、「③一般的なリスク」に分類の上、これらの順に設定しております。 ①事業特有の重要性が高いリスク ①-1.プリント市場における環境の変化に関連するリスク影響度:大発生可能性:中●リスク 多機能・高性能なスマートデバイスやアプリケーションの普及によるデジタル化、環境への配慮に伴うペーパーレス化の浸透、リモートワークの普及による働き方の変化などにより、プリント市場全体としては、将来的にプリント機会が減少していく可能性があります。 このような市場環境の変化に対応した製品やサービス、ソリューションを当社が十分に提供できない場合、当社の経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。☆対応・機会 当社は、家庭用インクジェットプリンターからオフィス向け複合機、大判プリンターや高速商業印刷までに至る幅広い製品群とクラウドサービスを活かして、市場環境の変化に対しても、お客様がプリントを必要とする様々な場所や機会において最適な選択肢を提供できるよう取り組んでおります。 オフィスにおけるプリント機会の変化は、柔軟な働き方の広がりにより自宅など別の場所へプリント機会がシフトすることなどに起因しておりますが、当社はインクジェットプリンターや小型レーザープリンターを活用し、オフィス外でもセキュリティの高い業務印刷と管理機能を提供するサービスを開始し、新しい市場環境への適合を進めております。 ペーパーレス化の浸透についても、デジタルトランスフォーメーションを促進する高速スキャナーとしての機能も併せ持つオフィス向け複合機を、様々なドキュメントマネジメントサービスと連携させることにより、ソリューションの提供を行っていきます。 さらに、アナログ印刷からデジタル印刷への切り替えや多品種少量印刷のニーズの高まりにより中長期的な成長が見込まれる商業印刷・産業印刷の分野を、当社にとって成長期待の高い領域として新製品やサービスを投入し需要の取り込みを進めていきます。 (注)当社の事業活動については、第2 事業の状況 4「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」の(2)「経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容」の ⑦「トレンド情報」に記載しております。 ①-2.カメラ・ネットワークカメラ・映像解析技術のビジネスにおける競争に関連するリスク影響度:大発生可能性:中●リスク カメラ市場は、スマートフォンなどのデジタルデバイスの撮影機能が著しく向上する中、撮影行為そのものに対する消費者の嗜好も変化し多様化しており、価格と性能の競争が激化しながら、縮小しております。競合他社に対して優位性を維持できる新製品の投入及び消費者の嗜好の変化にマッチした製品や映像を楽しむ新たなサービスの提供ができない場合、当社の地位が相対的に低下し、結果として当社の経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。一方、ネットワークカメラ市場は、セキュリティや映像解析ソリューションに対するニーズの高まりにより、市場は拡大傾向にありますが、競争が激化する中で他社に対して優位性を維持できる製品やサービスが提供できない場合、当社の地位が相対的に低下し、結果として当社の経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。☆対応・機会 当社はデジタルカメラの性能をさらに進化させ、スマートフォンとの一層の差別化を図り、高品質且つ多様化する映像表現へのニーズに応えるため、プロやハイアマチュアからエントリーユーザー向けまで幅広いラインアップのさらなる強化を進めております。また、更なる撮影表現の拡大を目指しVR(Virtual Reality:仮想現実)映像撮影システムを新たに立ち上げております。加えて、手軽さや特定シーンでの撮影を求める新たなユーザーを掘り起こしていくために、新ジャンルのカメラの展開を進めております。 ネットワークカメラは、防犯や防災などのセキュリティ分野の成長はもちろんのこと、店舗での顧客行動の分析や工場での生産工程の効率化、また、医療現場における対面や接触の回避など、多岐にわたる分野で活用が進んでおります。市場の変化をいち早く捉え、対策を講じるべく、キヤノンがこれまで培ってきた光学技術、映像処理・解析技術とネットワーク技術を融合させ、既存事業の競争力をさらに強化するとともに、スマートシティなど新たに活躍する市場を確立し、社会インフラの構築に貢献していきます。 (注)当社の事業活動については、第2 事業の状況 4「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」の(2)「経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容」の ⑦「トレンド情報」に記載しております。 ①-3.医療機器市場における認証・承認等の事業環境対応に関連するリスク影響度:大発生可能性:中●リスク 画像診断装置を主とする医療機関向け医療機器市場は、その製品の性質上、医師・技師等の医療従事者に対する営業活動を行っておりますが、各国・地域における営業活動に対しては種々の規制・行動基準が定められており、それらの把握及び遵守に努める必要があります。また、新技術・新製品の臨床効果の検証、さらに各国・地域の医療機器規制へ対応し認証・承認等を取得する必要があることから、製品構想、研究開発から製品販売までに時間を要します。今後の新技術・新製品の臨床効果を読みきれず、適時に製品を市場投入できずに競争力を維持できない場合、あるいは想定外の新規制により新規事業の大幅な軌道修正を余儀なくされるような場合には、投資に対して十分な収益が生み出されず、当社の経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。 さらに、昨今の地政学リスクをはじめとする事業環境の不確実性に加え、がんや循環器疾病の早期発見、パンデミックや社会保障制度改革への対応、医療従事者の人手不足、病院経営の悪化などの様々な事業環境の変化や市場ニーズに即応できない場合には、当社の経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。☆対応・機会 医療業界特有の各国・地域の様々な法規制が厳格化される中において、取引先や協業会社と連携しながら、お客様のご要望や事業環境の変化を見極め、AI技術やキヤノンのコア技術を活用し、臨床価値、経済的価値の高い製品やサービスをタイムリーに提供してまいります。更に、DXを活用した営業生産性向上や業務効率化も推進します。また、新興国を含む新規市場の開拓にあたっては技術流出や国産優遇のリスクのミニマム化を図ってまいります。 また、今後も部品逼迫等の長期化への対応や地政学的なリスクヘッジなど、各国・地域の市場の変化をいち早く捉え、より迅速に対策を講じてまいります。 医療の高度化に伴いデータ量が増大する中、初期投資やメンテナンス費用を削減できる医療クラウドプラットフォームの活用が不可欠となっている状況において、医療機関を中心とした情報セキュリティの強化を支援し、臨床的価値と安心・安全の両方を提供することでお客様との信頼関係を構築していきます。 (注)当社の事業活動については、第2 事業の状況 4「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」の(2)「経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容」の ⑦「トレンド情報」に記載しております。 ①-4.半導体・FPD業界における特有のビジネスサイクルに関連するリスク影響度:大発生可能性:中●リスク 半導体・FPD業界のビジネスサイクルには変動幅、時期、期間が予測しづらいという特徴があります。半導体デバイスやパネルが供給過剰となる時期には、当社の半導体露光装置、FPD露光装置や有機EL蒸着装置を含む製造設備への投資が大きく減少します。このようなビジネスサイクルを持つ環境の中で、当社は競争力を維持向上するために、研究開発へ多額の投資を継続していく必要があります。市況の下降局面では、売上減少や在庫増によるキャッシュ・フロー悪化の影響で、研究開発費などの発生した費用の全てもしくは一部を回収できない場合があり、当社のビジネス、経営成績及び財政状態は悪影響を受ける可能性があります。市場の変化が当社の想定と異なり、顧客のニーズを満たせなかった場合、顧客のビジネスに悪影響を与え、結果的に顧客との信頼関係を損ねてしまう可能性があります。☆対応・機会 当社は、継続的な装置性能の向上と顧客ニーズへの対応力を強化することで、幅広い需要を取り込み、顧客や用途の多様化・販売地域バランスの向上に向けた製品開発を進めております。加えて、既に市場で稼働する装置に対しては、更なる装置性能向上や仕様の追加など、顧客ニーズに対応するサービスサポートを行っており、製品開発とアフターサービスの両輪で収益基盤の安定化を図っております。また当社では、市場の変化をいち早く捉え、対策を講じるべく、事前の情報収集と分析を重視し、定常的に実施しております。 半導体において、中長期的な市場の成長や当社製品のシェア拡大に向けて、新生産工場の建設を進めております。生産能力の向上に当たっては既存製造設備の活用やグループ内での柔軟な人員配置体制の構築を進めるなど、今後の市況変動の影響を最小限に抑える施策を講じております。 (注)当社の事業活動については、第2 事業の状況 4「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」の(2)「経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容」の ⑦「トレンド情報」に記載しております。 ①-5.販売に関連するリスク影響度:大発生可能性:低●リスク 当社において、HP Inc.とのビジネスは重要であり、OEMパートナーとして、長年にわたり強固な関係を構築しておりますが、HP Inc.が、政策、ビジネス、経営成績の変化により、当社との関係を制限または縮小する決定を為す場合、当社のビジネス、経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。 また、当社と取引のあるその他の大手ビジネスパートナーとも良好な関係を構築しております。しかし、これらのパートナーが政策、ビジネス、経営成績の変化により、当社との関係を制限または縮小する決定を為す場合、当社のビジネス、経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。 さらに、当社の想定を超える環境の変化が起こる場合、当社の経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。☆対応・機会 当社は、直接、間接販売のチャネルを地域ごとでバランスよく展開しております。特定パートナーの変化についても既存チャネルでの対応に加え、積極的な新規ビジネスパートナーの開拓を継続しております。 また、HP Inc.とのビジネスにおいては、多様化するワークスタイルやオフィス環境の変化に対応した競争力ある製品を提供し続けるとともに、良好かつ強固なパートナーシップを維持強化していきます。 ②事業横断的な重要性が高いリスク ②-1.サプライチェーンに関連するリスク影響度:大発生可能性:高●リスク 当社は原材料の購入から、生産、販売までの一連の流れについて、最適なサプライチェーンの構築に努めておりますが、部品及び材料の供給不足や品質問題、生産コストの上昇のほか、製品の生産や販売が物流の停滞、輸送中の事故、その他の理由により損害を受ける場合、当社の経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。 当社は重要な部品や材料を外部の特定サプライヤーに依存しております。当社の製品で横断的に使用されている部品や材料に品質問題あるいは供給不足や価格高騰が発生する場合等には、当社の生産活動の中断や製造原価の上昇等により当社の経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。 製品を世界各国・地域に供給するために、物流サービスが有効に機能する必要がありますが、コンピューター化されたロジスティクス・システムに何らかのトラブルが発生する場合、地域紛争等の問題が発生する場合、あるいは港湾労働者によるストライキといった労使紛争の問題が発生する場合、高額な製品が輸送中の事故により損害を受ける一方で、保険で補償がなされない場合及び代替製品を顧客に納入できない場合、コストの増加や配送の遅延による売上の機会損失、顧客からの信用を失う可能性があります。 また、ウクライナ・中東情勢等の地政学的リスクにより、物流の混乱、部品及び材料の価格高騰や逼迫が生じた場合、当社のサプライチェーンに悪影響を及ぼします。 さらに、企業の社会的責任として、サプライチェーンにおける人権の尊重及び保護や環境保全への取り組みが、国際的に求められているため、人権や環境に関連する法令違反や倫理違反などが当社グループのサプライチェーンで発生する場合、当社の社会的信頼とブランド価値が毀損される可能性があります。☆対応・機会 当社は、最適な生産システムの構築と品質の向上に努めております。自動化、ロボット化技術などを用いた効率的な生産体制の構築やキーパーツの内製化を進め、外部依存度を管理し、製造原価の低減を図っております。さらに、新規サプライヤーや別部品、別材料の開拓等により、供給元の多元化を推進し、原材料の高騰と供給不足に対する耐性を高めております。また、品質管理専門の組織を設置し、外部サプライヤーと一緒に品質向上のための活動を進めることで、安定的な原材料、部品の調達に努めております。 また、当社ではグループ全体の物流を管理する部門を設置し、グループ全体の物流を全世界的に運営、管理することにより、効率的な物流体制の構築及び物流コストの低減に努めるほか、問題発生時に迅速に対応できる体制の整備を図っております。そして、物流の事故に対しては保険契約により、その損害が補償されるように図っております。 さらに、サプライチェーンにおける人権の尊重及び保護への取り組みとして、当社では人権方針を策定し、人権デュー・デリジェンスや救済メカニズムの整備にも取り組んでおります。当社は、当社が加盟するRBA(Responsible Business Alliance)の行動規範を採用した「キヤノンサプライヤー行動規範」を策定し、労働・安全衛生・環境・マネジメントシステムなどに配慮した調達活動を推進しており、主要サプライヤーからRBA行動規範の遵守に関する同意書を取得しております。さらに、それらのサプライヤーにおける、児童労働・強制労働・過重労働の防止、労働安全衛生の確保、温室効果ガスの削減、原材料の削減、環境法規制遵守などの取り組みを促進すべく、RBAのSAQ(Self-Assessment Questionnaire)を用いた点検を毎年実施しております。 ②-2.自然災害・感染症に関連するリスク影響度:大発生可能性:高●リスク 当社の本社ビル、情報システムや研究開発の基幹設備は、東京近郊に集中しておりますが、一般的に日本は世界の他の地域と比較して地震の頻度が多いため、それに伴う被害も受けやすい地域であるといえます。また、研究開発、調達、生産、ロジスティクス、販売、サービスといった当社の施設や事務所は、世界中に点在しており、地震・気候変動による洪水や森林火災等の自然災害、テロ攻撃といった事象に伴うインフラの停止により混乱状態に陥る可能性があります。そのような要因は当社の営業活動に悪影響を与え、物的、人的な損害に関する費用を発生させ、当社の経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。 新型コロナウイルス感染症については、日本国内においては5類感染症への移行により法的な制限がなくなり、経済活動への影響が低減しました。日本国外に目を向けても、事業活動が大きく制限されるリスクは軽減されてきました。しかしながら、新型コロナウイルスの感染が再拡大し、世界経済・当社の事業活動が停滞する状況や取引先の事業活動や投資意欲の減退等が発生する場合、また、各国政府等の要請により当社の事業活動が制限される事態においては、当社のビジネス、経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。特に、当社関連市場において、リモートワークの進展により、オフィス機器のプリントボリュームが当社の想定ほど回復しない状況や、渡航制限により露光装置や産業機器の設置が当社の予想を下回る事態が発生する場合、当社の経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 さらに、新型コロナウイルスの感染再拡大は、世界各地のサプライチェーンや当社の生産活動に混乱をきたし、東南アジアなどに所在する当社の一部の工場で生産活動が停滞する可能性があります。加えて、日本及び海外で経済活動の制限が生じ、オフィスや販売店の閉鎖、海外渡航制限、国際貨物輸送の需給逼迫などが発生する場合、当社の販売活動が悪影響を受ける可能性があります。☆対応・機会 当社は、本社の各所管部門が中心となってリスクマネジメント活動を継続的に実施しております。具体的には、工場操業停止といった最悪の事態に備え、同類機種を複数の拠点で並行生産するというバックアップ体制を一部整えるほか、会社の営業停止時に迅速な復旧を実現するため、初動対応事項や関係部門の役割分担の確認、緊急時の連絡体制等の整備等を行っております。さらに、研究開発、調達、生産、ロジスティクス、販売、サービスに用いる基幹システムについては、情報システムのダウンに備えてバックアップ体制を整えております。 また、当社は、安定した事業活動維持のため、災害により出勤が不可能になる等、緊急事態におけるリモートワーク体制の確立を行うと共に、各拠点には、産業医や保健師を配置し、万が一の感染症拡大に対して適切な対応に努めております。 今後も自然災害や感染症の再拡大等の状況を想定し、国内・海外における生産活動及び販売活動の体制再構築や強化に取り組んでおります。 ②-3.為替・金利変動に関連するリスク影響度:大発生可能性:高●リスク 当社は、国際的な事業活動により売上の重要な割合を稼得しており、国内外の金融当局の政策変更等に伴う急激な為替レートの変動が、外貨建売上など当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。当社製品の外貨建売上は、外貨に対する円高により悪影響を受ける一方で、円安は追い風となります。また、外貨建の取引から生じる当社の資産及び負債の円貨額や海外子会社の外貨建財務諸表から発生する為替換算調整勘定も変動する恐れがあります。加えて当社は、資産・負債の評価に影響を与える金利変動のリスクにもさらされております。☆対応・機会 急激な為替レートの変動に関しては、当社は当社現地法人を含め、定常的に短期為替予約の為替ヘッジ取引を実施しております。また、競争力の高い製品の投入により安定的な収益を維持すると共に、直近の為替水準を反映した価格で市場に投入するなどの対策を講じております。金利変動のリスクに対しては、外部からの借入を最小限に抑え、金利動向に左右されない強固な財務体質の維持に努めております。 ②-4.国際政治経済に関連するリスク影響度:大発生可能性:中●リスク 当社は生産及び販売活動の多くを日本国外で行っておりますが、海外における事業活動には主に政治、外交問題または不利な経済状況の発生と予期しない政策及び法制度、規制等の変更のリスクがあります。 主要な市場におけるインフレの長期化や金融引締めに伴う景気後退、ウクライナ・中東情勢や貿易摩擦の問題がさらに深刻化するなど、政治、外交問題または不利な経済状況が発生し、法人顧客の投資抑制や個人消費の低迷が生じる場合、当社の業績に悪影響を及ぼす可能性があります。法人顧客の投資抑制は、主に当社のオフィス複合機、レーザープリンター、医療機器、露光装置、産業機器など法人顧客向け製品の需要を、また、個人消費の低迷は、カメラやインクジェットプリンターのような消費者向け製品の需要をそれぞれ減少させる可能性があります。この場合、当社製品の売上が低下し、当社の経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 加えて、世界の各国・地域では政治、行政や法制度整備に係る様々な問題やウクライナ・中東情勢に係る問題があり、当社が予期しない政策及び法制度、規制等の変更に直面するリスクがあります。☆対応・機会 政治、外交問題または不利な経済状況の発生については、当社は、当社現地法人と日常的な意思疎通を通じて収集した関連情報や定期的なビジネス概況ヒアリングによる関連情報を経営戦略、業績予想に反映しております。また、特定の市場または世界全体で需要の減少が見込まれる場合は、当社は商品の生産、供給体制に応じて生産調整を実施しております。 予期しない政策及び法制度、規制等の変更については、当社は特に国際的な環境規制や国際及び国内税制変更に係る対策を強化しております。また、公正競争、腐敗防止、個人情報保護、安全保障貿易管理、環境その他の法規制に関しては、各所管部門による統制の下、遵守を徹底しております。 ②-5.人材の確保に関連するリスク影響度:中発生可能性:高●リスク 当社の将来の経営成績は、有能な人材の継続的な会社への貢献に拠るところが大きいといえます。また、開発、生産、販売、管理といった当社の活動に関して有能な人材を採用・育成し、実力ある従業員の雇用の維持を図ることができるかどうかが、当社の将来の経営成績に影響すると考えております。一方、当社が属する先端技術産業での労働市場における人材獲得競争は、近年ますます激しさを増してきております。さらに、技術進歩が日進月歩で加速するため、製品の研究開発面で求められる能力を満たすまでに新しい従業員を育てることはますます重要になってきております。また当社の製造技術の重要課題の一つに技能の伝承があります。レンズ加工など、特殊技能については、短期間に習得できるものではありません。 有能な人材を採用・育成できず、また有能な人材の流出が生じた場合、開発や生産の遅れなどをもたらし、研究成果や技術が流出するほか、技能が適切に伝承されないリスクが発生します。☆対応・機会 当社では、戦略的な要員配置と従業員への積極的なキャリア形成支援により、適材適所を実現し、有能な人材の雇用の維持を図っております。 採用活動では、専門知識や本人の志向をもとに、配属先を入社前に確約するジョブマッチング型の採用を拡大し、各事業が求める人材を最適な部署へ配置しております。また、入社後3年が経過した従業員に対し、仕事や職場との適応状況を確認する面談を人事部門が行い、一人ひとりが安心して能力を発揮できる環境を整えております。 また、当社ではキャリアマッチング制度(社内公募制度)を充実させ、毎年多くの社員が自らの意思で新しい仕事にチャレンジしております。その中でも、従業員に研修の機会を提供し、自らの変身に挑戦できる「研修型キャリアマッチング制度」では、専門知識を身につける学び直しの機会を提供し、未経験の仕事にもチャレンジできる仕組みを構築することで、人生100年時代における自律的なキャリア形成を支援しております。さらに、当社が2018年に設立した「Canon Institute of Software Technology(CIST)」では、製品のソフトウエア開発を中心とした技術者のスキルアップから、新入社員の基礎教育や職種転換をめざす社員の教育まで、体系的かつ継続的な人材育成に取り組んでおり、技術人材の強化と同時に、技術人材への転身を支援しております。 人材育成においては、次世代リーダーの発掘・育成・任用を図る「LEADプログラム」をはじめ、研究開発・ものづくり・販売・管理などのプロフェッショナルを育成する研修プログラムや、トレーニー制度を体系的に実施しております。 当社の事業活動に欠かせない特殊技能においては、卓越した技能をたたえる「キヤノンの名匠認定・表彰」制度への取り組みを通じて、伝承を図っております。 これらの取り組みに加え、仕事の成果を公平・公正に評価し、有能な人材に、より高度な役割を与え処遇するという好循環を実現することで、人材の流出防止を図っております。 (注)人材育成・多様性の考え方及び取り組みについては、第2 事業の状況 2「サステナビリティに関する考え方及び取組」の(4)「人的資本」に記載しております。 ②-6.情報セキュリティに関連するリスク影響度:中発生可能性:高●リスク 当社は、製造・研究開発・調達・生産・販売・会計などのビジネスプロセスに関する機密情報や、顧客やその他関係者に関する機密情報を電子データとして保有しております。当社はこれらの電子データを、第三者によって管理されているものも含め、様々なシステムやネットワークを介して利用しております。さらに、製品にも情報サービス機能などで電子データが利用されております。 これらの電子データに関し、ハッカーやコンピューターウイルスによるサイバー攻撃やインフラの障害、天災などによって、個人情報の漏洩、サービスの停止などが発生する可能性があります。特にサイバー攻撃はますます高度化、複雑化し、その攻撃対象は世界各地にわたっております。日本及び海外において事業活動を展開する当社の拠点が、情報技術の脆弱性を突かれ、攻撃を受けた場合、当社ネットワークへの不正アクセスやウェブサイト・オンラインサービスの停止などが発生する可能性があります。 このような事態が起きた場合、重要な業務の中断や、顧客やその他関係者に関する個人情報・営業機密などの機密データの漏洩、製品の情報サービス機能などへの悪影響のほか、損害賠償責任などが発生する可能性もあります。その結果、社会的信用失墜やブランド価値の低下、当社の経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。☆対応・機会 当社では保有する電子データを安全かつ厳密に管理するため、情報セキュリティならびに情報インフラの強化を図っております。 当社は、情報セキュリティ担当執行役員を情報セキュリティの意思決定者と位置づけ、情報通信システム本部が実務組織として、グループ全体の情報セキュリティマネジメントにおける責任を担っております。 また、情報セキュリティをグループ全体で同じレベル、同じ考え方で維持することを目的として、「グループ情報セキュリティルール」を策定し、全世界のグループ会社に適用しております。 サイバー攻撃などの情報セキュリティインシデントへの対処としては、専門チームCSIRT(Computer Security Incident Response Team)を設置しており、外部からのサイバー攻撃への対策として、不審電子メールの遮断、社内ネットワークへの不正侵入監視、インターネットへの不正通信監視などの環境を構築し攻撃被害の拡大防止に努めるとともに、定期的にサイバー攻撃対応訓練を実施し対応体制の強化を図っております。また、外部に公開するウェブサイトに対しても日常的に脆弱性(セキュリティホール)の調査・対策を実施し、オンラインサービス停止リスクを低減しております。 従業員に対しても、業務に使用するソフトウェアの管理や情報の取り扱い及びサイバー攻撃に対する社員研修、標的型攻撃メール訓練などを全社で行い、意識の向上、リテラシーの向上に努めております。また、情報セキュリティ施策適用の徹底を図るため、毎年当社及びグループ会社に対する情報セキュリティ監査を実施し、情報セキュリティレベルの継続的な維持・向上に努めております。 (注)サイバーセキュリティの考え方及び取り組みについては、第2 事業の状況 2「サステナビリティに関する考え方及び取組」の(5)「サイバーセキュリティ」に記載しております。 ②-7.企業買収及び業務提携・戦略的投資に関連するリスク影響度:大発生可能性:低●リスク 当社は、事業拡大を目的として企業買収を実施しております。また、業務提携、合弁事業、戦略的投資といった様々な形態で、他社との関係を構築しております。これらの活動は、当社の成長のための施策として重要なものであります。しかし、景気動向の悪化や、対象会社もしくはパートナーの業績不振により、期待していた事業拡大を実現できない可能性があります。当社とその対象会社もしくはパートナーが互いに共通の目的を定義し、その目的達成に対して協力していくことが肝要ですが、協力体制の確立が困難となる可能性や、協力体制が確立されても、当社の事業とその対象会社もしくはパートナーが営む事業におけるシナジー効果やビジネスモデルなどが十分な成果を創出できない可能性、また業務統合に想定以上の時間を要する可能性もあります。 また、予測される将来キャッシュ・フローの低下により、当社が貸借対照表に計上しております企業買収に伴うのれん及びその他の無形固定資産が、減損の対象となる可能性もあります。さらに、有力な提携先との提携が解消になった場合、共同開発を前提とした事業計画に支障をきたし、投資に対する回収が遅れる可能性が生じたり、または回収可能性が低下し、当社の経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。☆対応・機会 当社は、既存事業の成熟化に対応すべく、M&A戦略を強力に推進し、事業ポートフォリオの転換を進めております。社内で保有する技術や得意とするビジネスに親和性の高い領域を企業買収及び業務提携、戦略的投資の対象とし、中でも優良企業でかつ経営陣の優れた会社に絞り込んで投資を行っております。企業買収及び業務提携・戦略的投資は、当社取締役会決議やCEO決裁を要しますが、健全な経営判断を担保するため、事前審査のプロセスを強化しております。事業戦略との整合性及び経済合理性、収益性や成長性、リスク等の観点で投資計画の検証を行い、それらを本社管理部門がそれぞれの専門的な視点で事前審査を行います。決議や決裁された投資案件に関しては、CEOと本社管理部門が進捗をモニタリングすることにより、継続的に投資の管理が行われております。買収後は、当社のものづくりノウハウの共有や取引先の共有及びサプライチェーンのサポートを行い、生産効率の向上やコスト削減などのシナジー効果を発揮する取り組みを行っております。 ②-8.環境に関連するリスク影響度:中発生可能性:中●リスク 当社は、急激な気候変動、資源枯渇、有害化学物質による暴露、大気汚染、水質汚濁等、環境における様々なリスクの可能性を認識しております。また日本及び海外の環境に関する規制の適用を受けております。これらのリスクの顕在化及び規制の強化により環境に関する費用負担や損害賠償責任が生じる可能性があります。この場合、当社のビジネス、経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。 また、当社は、現在所有しまたは操業している事業所、また以前に所有しまたは操業していた事業所に対する環境汚染の調査と浄化のための責任と義務を負っております。もし当社が将来の訴訟あるいはその他の手続により損害賠償責任を負わなければならない場合、その費用は保険で賄うことができない可能性もあります。この場合当社に与える影響は大きくなる可能性があります。 加えて、こうしたリスクへの対応に想定以上にコストを要する事態が生じた場合には、当社のビジネス、経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。☆対応・機会 当社はグループを挙げて地球温暖化ガスの排出削減、省エネ活動、省エネ製品開発等に取り組むと同時に、高度な資源循環をめざし、製品の小型・軽量化やリマニュファクチュアリング、消耗品のリサイクル、更には水資源の効率利用や廃棄物の再資源化等の環境保護対策を進めております。世界が脱炭素社会への移行を目指す中、製品ライフサイクル全体でCO2排出量を削減する製品に対する販売機会の拡大が期待されます。また、グリーン調達による有害化学物質の厳格な管理に加え、生産工程で使用する化学物質の削減、排出抑制等の環境活動も行っております。これらの活動は本社所管部門を中心に、ISO14001によるグループ共通の環境マネジメントシステムを運用する方法を通じて推進されており、日本及び海外の環境に関する規制を遵守するため、本社所管部門がグループ全体における対応を統制しております。 (注)気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)のフレームワークに基づく開示情報は、第2 事業の状況 2「サステナビリティに関する考え方及び取組」の(3)「気候変動(TCFD提言に即した開示)」に記載しております。 ③一般的なリスク ③-1.製品品質・製造物責任に関連するリスク影響度:大発生可能性:低●リスク 当社が提供する製品及びサービスに、品質問題や製造物責任問題が生じた場合、顧客や社会からの信頼が失墜し、ブランド価値が毀損され、販売に悪影響を及ぼす可能性があります。 特に、製品に重大な品質問題が発生した場合、問題への対応に多大な費用が掛かる可能性があります。これらによって、経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。☆対応・機会 当社は、国際的な品質管理規格であるISO9001の要求事項にキヤノン独自の仕組みを加えた「品質マネジメントシステム」を構築しております。 キヤノンの各事業部門は、本社品質部門や世界中のグループ会社と連携しながら、品質マネジメントシステムをベースに、各国・地域の法規制にも対応したそれぞれの事業特性に最適な品質保証体制を構築し、徹底した品質管理を行っております。 あらゆる当社製品の品質に関しては、法令で定められた安全基準はもとより、顧客目線での安全性を更に考慮した当社独自の安全基準を設定しております。 また、開発設計から生産・出荷にいたるすべてのプロセスにおいて品質を確認し、品質基準を満たしている製品のみ市場へ出荷する仕組みを徹底することで、製品の品質問題発生によるリスクの最小化を目指しております。 万が一、品質問題が発生した場合、お客様の窓口である各国・地域の販売会社から各事業本部の品質保証部門に報告が入ります。同部門では、原因の究明や対策の検討を行うとともに、重大な品質問題については事業本部内の関連部門や本社品質部門、ならびに法務部門や広報部門などと適切な対応を協議し、CEOへ報告の上、承認のもと、速やかに対応を実施します。 ③-2.新製品への移行に関連するリスク影響度:大発生可能性:低●リスク 当社が参入している業界の特徴として、ハードウェア及びソフトウェアの性能面における急速な技術の進歩、頻繁な新製品の投入、製品ライフサイクルの短縮化、また製品価格を維持しながらの従来製品以上の性能改善等が挙げられます。 新製品や新サービスの導入に伴うリスクは多岐にわたります。開発または生産の遅延、導入期における品質問題、製造原価の変動、新製品への切り替えによる現行製品への販売影響、需要予測の不確実性と適正な在庫水準を維持することの難しさに加えて、当社の製品・サービスの基盤である情報システムやネットワーク技術において技術革新が成された場合の移行対応への遅れ等のリスクがあり、当社の収益に大きな影響を及ぼす可能性があります。 また、当社の収益は競合者の製品またはサービスの導入時期によっても影響を受けます。競合者が当社製品と類似した新製品を当社より先に投入する場合は特に影響を受ける可能性があり、この場合、今後の製品やサービスの需要に影響し、結果として経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。☆対応・機会 当社は市場のニーズに応えるイノベーティブで価格競争力のある新製品を投入するために多くの経営資源を投入しております。 当社は、上記のリスクに対応するため、業界をリードするコア製品を生み出す「コアコンピタンス技術」と、技術蓄積のベースとなる「基盤要素技術」、さらには成長の中で蓄えられてきたキヤノンブランドを支える技術・ノウハウであり、商品化技術のベースとなる「価値創造基盤技術」を多様に組み合わせた「コアコンピタンスマネジメント」を展開して事業の多角化を行うと共に、事業の競争力を高め、市場のニーズを汲み取った商品をスピーディーに市場に供給することに努めております。 (注)当社の事業活動については、第2 事業の状況 4「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」の(2)「経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容」の ⑦「トレンド情報」に記載しております。また、当社の研究開発活動については、第2 事業の状況 6「研究開発活動」に記載しております。 ③-3.有価証券に関連するリスク影響度:中発生可能性:中●リスク 当社の資産には、株式等の有価証券への投資も含まれております。金融市場におけるボラティリティ及び経済全般に対する不確実性により、株式及び債券市場の変動影響を受け、将来において当社が実施する投資額と現在のその投資額に対する公正価値との間に大きな乖離を生じる場合には、当社の経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。☆対応・機会 当社は、株価の変動や配当の受取りによって利益を受けることを目的とした株式を保有しておらず、主に中長期的成長を目的としたグループ外の企業との連携の一環として、株式を保有しております。 (注)株式の政策保有に関する方針や保有株式の合理性の検証について、第4 提出会社の状況 4「コーポレート・ガバナンスの状況等」 の(5)「株式の保有状況」に記載しております。 ③-4.コンプライアンス・法的行為に関連するリスク影響度:中発生可能性:中●リスク 当社は、多くの国・地域で事業活動を行うにあたり、各種法規制を遵守する必要があります。また、第三者から訴訟その他の法的行為を受ける可能性があります。 しかし、現在当社が当事者となっている、または今後当事者となる可能性のある訴訟及び法的手続の結果を予測することは困難です。例えば、当社が高いシェアを占める市場においては、独占禁止法関連の訴訟または調査を受ける可能性があります。当社にとって不利な結果が生じた場合や、訴訟や調査への対応に多大なコストが発生した場合、当社の経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。 さらに、コンプライアンス上の問題、例えば、社員の不祥事や組織的不正行為が発生した場合、当社の社会的信頼とブランド価値が毀損される可能性があります。☆対応・機会 当社では、リスクが現実の問題として発現する可能性や、発生した場合の経営や事業への影響度合いなどを勘案して、当社が直面し得る独占禁止法違反、腐敗防止法違反、安全保障輸出規制違反などの重大なコンプライアンス違反リスクを特定しております。これらのリスクを低減するために、業務フローの整備、ルールの整備、関係従業員への法令教育、監査・点検の実施など遵法体制の整備を行っております。 また、当社リスクマネジメント委員会「コンプライアンス分科会」では、「キヤノングループ行動規範」に基づく企業倫理をグループ内で徹底させております。 さらに、第三者からの訴訟その他の法的行為を受けたときに備え、社内に法務部門を設置し、外部弁護士等と連携して対応できるようにしております。 ③-5.知的財産に関連するリスク影響度:中発生可能性:中●リスク 頻繁な技術革新を伴う当社製品にとって、プロダクト・イノベーションは非常に重要であり、そのため、特許やその他の知的財産は、競争上重要なファクターとなっておりますが、競合他社が同様の技術を独自に開発したり、当社が出願した特許が認められなかったり、当社の知的財産の不正使用あるいは侵害を防ぐために講じる手段が成功しない等のリスクがあります。特に新興市場等において、知的財産法が、当社の知的財産を保全するには不十分である等のリスクに直面しております。 一方で、第三者の知的財産権に関して、第三者からの当社に対する侵害主張が正当であると裁定される場合、特定市場における製品の販売差止め、損害賠償の支払い、他社の権利を侵害しない技術の開発や他社技術についてのライセンス取得とそれに伴うロイヤリティの支払いを要求される可能性があります。 当社の知的財産権を有効せしめるため、または他社からの権利侵害の主張に対抗するため、当社は訴訟手続を取らざるを得ない可能性があり、その場合は費用が嵩み、手続に長い期間を費やす可能性があります。 また当社は、特許使用料受取または相手技術のライセンスを受けることと引き換えに、第三者に対して自社特許のライセンスを与えることもあります。そのようなライセンスの条件や更新時の条件変更によっては、当社のビジネスが影響を受ける可能性があります。 また当社は、ルールや評価システムを設定して、当社従業員の職務発明に対して適切な支払いを行っておりますが、その金額について将来争いが生じないという保証はありません。 更に、当社の商標権をはじめとする知的財産権を侵害する模倣品が流通し、模倣品の使用により顧客に事故、故障、品質不良などの被害が及ぶことで当社のブランド価値が毀損されるとともに、当社のビジネスに悪影響を及ぼす可能性があります。 上記の要因は全て、当社のビジネス、ブランド価値及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。☆対応・機会 当社は、知的財産活動の目的を事業展開の支援と明確に位置づけ、10年後、20年後の姿を描いて知的財産戦略を策定・実行しております。 当社の知的財産活動は、強い特許ポートフォリオを構築することで、競争優位性の確保と事業の自由度の確保をバランスよく両立させていることが特徴であり、事業のコア技術に関する特許などの取得はもちろんのこと、事業では競合しないが知財で競合するIT系企業などとの訴訟・交渉に備えて、例えば、AI技術やIoT技術、標準化技術などの特許取得にも力を入れております。このように外部環境や将来の事業を見据えて特許取得を行うとともに、保有する特許の入れ替えを行うことで、強い特許ポートフォリオを維持しております。 当社の知的財産戦略の基本方針として、当社はコアコンピタンス技術に関わる特許は、競争領域において事業を守る特許としてライセンスせずに競争優位性の確保に活用しております。また、通信、GUI(Graphical User Interface)などの汎用技術に関わる協調領域の特許は、クロスライセンスなどに利用することで、研究開発や事業の自由度を確保し、魅力的な製品やサービスの提供につなげております。そして、他者の知的財産を尊重する一方で、当社の知的財産の侵害に対しては毅然と対応をしております。また、他者が容易に到達できない検証困難な発明は、ノウハウとして秘匿し、守ることで他社の追随を許さず、競争優位を確保しております。 当社は上記の知的財産活動における基本的な考え方を実行しつつ、時代とともに戦術を変化させ、知的財産に関連するリスクに対応しております。 (注)当社の知的財産戦略については、第2 事業の状況 4「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」 (2)「経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容」の⑥「知的財産戦略」に記載しております。 ③-6.繰延税金資産の回収可能性及び国際的な二重課税に関連するリスク影響度:中発生可能性:低●リスク 経営環境悪化に伴う事業計画の目標未達などにより課税所得の見積りの変更が必要となった場合や、税率の変動を伴う税制の変更などがあった場合には、繰延税金資産の修正が必要となり、当社の経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。 また、各国・地域の税務当局との間で見解の相違が生じる場合、国際的な二重課税が生じ、当社の経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。☆対応・機会 当社は繰延税金資産に影響を与えるような、当社及び当社現地法人の課税所得に影響を及ぼす事業計画の変動要因や、各国・地域の税制変更を迅速に把握するよう、定期的な確認を行っております。 また、一部の多国籍企業の過度なタックスプランニングによる国際的な租税回避行為が政治問題化したことを契機として、G20の委託を受けたOECDにおいてBEPS(Base Erosion and Profit Shifting:税源浸食と利益移転)プロジェクトが発足し、2015年10月のBEPSに関する最終報告書公表を受け、各国・地域において税法や租税条約の改正が行われております。 さらに近年においては、経済の電子化に伴う課税上の課題に対処するため、市場国へ課税権を配分する制度及び法人税の最低税率の導入に関するOECD/IFにおける合意に基づき、各国・地域での制度化が進められております。最低税率の導入についてはEU主要国や韓国、オーストラリア、ベトナム、タイなどですでに制度化され、また我が国日本においても2023年度税制改正において法制化されました。 こうした国際課税制度の強化が図られる中、当社は、二重課税リスクを低減するため、税務に関するガバナンス体制を整備し、当社現地法人と共に各国・地域における税制や税務行政執行状況の変化への対応を実施するとともに、OECDの各種報告書や経済の電子化に伴う課税上の課題に対処するための新しい国際課税ルールの整備状況などを踏まえた国際税務に係る方針の見直しを適宜実施しております。 ③-7.退職給付会計に関連するリスク影響度:中発生可能性:低●リスク 当社及び一部の子会社は、確定給付型年金制度を有しており、未払退職及び年金費用を数理計算によって認識しております。数理計算は、割引率、期待運用収益率、昇給率、死亡率といった前提条件に基づいており、これらの前提条件と実際の結果が異なることにより生じた年金数理上の損失は、従業員の平均残存勤務年数にわたり規則的に償却し、年金費用に含めております。当社は、これらの数理計算上の前提は適切であると考えておりますが、金利低下に伴う割引率の低下や、運用収益の悪化による年金資産の減少など、予測が困難な事象から生じる前提条件からの乖離は、年金数理上の損失の増加につながり、将来の経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。☆対応・機会 当社は、各国・地域の年金積立状況や政府の規制、また人事制度を踏まえ、適宜制度の見直しを検討・実施しております。
経営上の重要な契約等 5【経営上の重要な契約等】
(1)当社が締結している技術供与契約相手方の名称国名契約内容契約期間京セラドキュメントソリューションズ(株)日本電子写真に関する特許実施権の許諾2002年4月1日から対象特許の満了日までブラザー工業(株)日本電子写真及びファクシミリに関する特許実施権の許諾2009年6月27日から対象特許の満了日まで (2)当社が締結している相互技術援助契約相手方の名称国名契約内容契約期間HP Inc.米国バブルジェットプリンターに関する特許実施権の許諾1993年2月19日から対象特許の満了日までXerox Corporation米国ビジネスマシンに関する特許実施権の許諾2001年3月30日から対象特許の満了日までInternational Business Machines Corporation米国情報処理システム製品及びその製造装置に関する特許実施権の許諾2005年12月15日から対象特許の満了日までEastman Kodak Company米国電子写真及びイメージ・プロセス技術に関する特許実施権の許諾2006年11月1日から対象特許の満了日までセイコーエプソン(株)日本情報関連機器に関する特許実施権の許諾2008年8月22日から対象特許の満了日まで
研究開発活動 6【研究開発活動】
 当社は創業当時から、業界をリードするコア製品を生みだす「コアコンピタンス技術(以下、コア技術)」と、技術蓄積のベースとなる「基盤要素技術」、さらには、商品化技術のベースとなる「価値創造基盤技術」を多様に組み合わせた「コアコンピタンスマネジメント」を展開して事業の多角化を行ってきました。 コアコンピタンスマネジメントでは、コア技術はその進化にともない、他事業でも再活用できる基盤要素技術として蓄積されていきます。たとえば、カメラの人物認識というコア技術は、AI・データ統計解析という基盤要素技術として蓄積され進化し、現在では、多角化を担うメディカル事業の医療ITシステムに組み込まれて事業の強化に貢献しています。 このコアコンピタンスマネジメントは、研究開発のプロセスのなかでは「マトリックス研究開発体制」を通して行われています。本社の研究部門とそれぞれの製品を担う事業部の開発部門がマトリックス型の体制を敷き、全社技術の利活用が可能な体系を構築しています。製品の競争力のもととなるコア技術は事業部の開発部門が主体ですが、本社の研究部門は、先行的なトレンドリサーチと基盤技術開発を担い、事業部のもつコア技術の先行的な開発につなげています。 さらに、コア技術/基盤要素技術という「製品に入る技術」と、価値創造基盤技術という「製品を支える技術」が一体となって全社で利活用が可能なホリスティックな(技術を複合的に連携できる)開発環境が整っていることが、当社の研究開発の最大の特徴となっています。これにより、製品に入る技術と製品を支える技術が強い技術として、同時に製品開発に投入されることで、競争力のある製品を生みだしています。 当期におけるグループ全体の研究開発費は、331,914百万円であり、セグメントごとの主な研究開発の成果は次のとおりです。 Ⅰ.プリンティングビジネスユニット 商業印刷向け大型複合機においては、定着ベルトの温度を均一に制御できる大径加熱ローラーと、用紙との接触面積が広いワイドニップを用いた新定着システム「POD-SURF」を開発し、「imagePRESS V1350」と「imagePRESS V1000」の2機種に搭載しました。「imagePRESS V1350」では、従来機種より35%向上した135枚/分のシリーズ最高の高速印刷を実現し、印刷物の短納期化に寄与します。「imagePRESS V1000」では、一冊の冊子で厚紙と普通紙が混在するような印刷でも用紙ごとに定着温度を切り替える頻度を抑制し、温度調整によるダウンタイムを削減しました。厚紙と普通紙で機器を分けずに、1台で高い生産性を維持した連続印刷が可能です。「imagePRESS V900」では、コンパクト設計でありながら、オプションユニットの拡張性と幅広い用紙対応力で多様な印刷が可能になりました。これまで上位機種でしか採用されていなかったオプションのインライン分光センサーで、高精度な色調整がボタン一つで実施可能になり、オペレーターの負荷軽減を実現します。ハードウエアだけでなく、リモート印刷管理アプリ「PRISMAremote Manager」を活用することで、印刷機から離れた場所でも用紙の補充タイミングや稼働状況をリアルタイムに把握可能です。用紙切れなどのエラーを事前に防止することで、ダウンタイムを削減し業務効率化を支援します。 プロダクションCAD市場向けの大判インクジェットプリンター「imagePROGRAF TZ-30000 MFP」は、業界初となる「ストップレスロール紙交換システム」を搭載しています。本体にセットされた上下2段のロール紙のうち、一方が印刷中でも、もう一方のロール紙交換が可能となり、ダウンタイムを削減します。また、ポスター市場向けの「imagePROGRAF GP-4000/GP-2000/GP-300/GP-200」は、業界初となる蛍光インクを搭載し、ポスター印刷での明度と彩度を向上させ、明るく柔らかな色表現が可能になりました。図面印刷とポスター印刷のマルチユースに対応する「imagePROGRAF TM-355/350/340/255/250/240」はフラットトップデザインを採用し、ユーザーにロール紙を置く作業スペースとして平らな天面をご活用頂く事で、手間のかかるロール紙交換を簡単にしました。 オフィス向け複合機においては、「imageRUNNER ADVANCE DX シリーズ」のラインアップを強化しています。新開発の低融点トナーにより定着温度を下げたことで、業界トップレベル※1の標準消費電力量(TEC2018※2)を実現しており、加えて小サイズ紙の出力生産性向上や、さまざまな静音化の工夫により稼働音の低減を図るなど、複合機としての本質性能を向上させています。増加するセキュリティリスクに対しても、ネットワークに接続されるIoT機器として、データの保存や通信において強固な暗号化機能を提供する「TPM 2.0」や「TLS 1.3」、無線LANのセキュリティプロトコル「WPA3」といった最新規格への対応、米国政府機関が定めたセキュリティ基準を示すガイドライン「NIST SP 800-171/172/193」への対応、「ネットワーク機能付き事務機セキュリティーガイドライン」への適合を示す「BMSec」マークの取得を行っています。加えて、「imageRUNNER ADVANCE DX シリーズ」はクラウド型MFP機能拡張プラットフォーム「uniFLOW Online」を介して、認証によるセキュアな印刷や集計レポート機能、さまざまなクラウドサービスとの連携や在宅勤務時でもオフィス同様のセキュリティを保って業務印刷が行える機能などを実現し、幅広いユーザーの業務のさらなる効率化に寄与します。使いやすく高性能な複合機と多彩なデジタルサービスの組み合わせで、オフィス業務のデジタルトランスフォーメーションを強力にサポートします。 家庭用インクジェットプリンター「PIXUS XK120/TS8730/TS6730/TS6630」は、仕事や趣味・学習などのさまざまなユースシーンに応える機能と使い勝手を向上させました。写真や文書印刷に適した「XK120/TS8730」には、ユーザーのユースシーンに合わせて選択できるUI(ユーザーインターフェース)を採用し、少ない操作でプリントやスキャンなどを行えます。文書を印刷するユーザーに最適な「TS6730/TS6630」では、新開発のインクカートリッジの採用により、導入しやすいスタンダードモデルながら高速な文書スピードを実現しています。また、ビジネス向けインクジェットプリンターについては、低ランニングコストを実現する特大容量タンクを搭載した各種のプリンターを発売しました。在宅勤務に特化したフルフロントオペレーション対応の「GX2030/GX1030」、物流・薬局・小売りで使用される用紙の種類・サイズに幅広く対応し、1台で様々な印刷ができる「GX5530」、さらには、受付業務や窓口業務に特化したフロント操作のADFによる対面業務の効率化を実現した「GX6530」により、さまざまな角度からビジネスを支援していきます。 当ビジネスユニットに係る研究開発費は、97,925百万円であります。 ※1 オフィス向けカラー複合機(A4片面、毎分25-35枚の出力速度)において。2023年8月1日現在。 オフィス向けモノクロ複合機(A4片面、毎分25-45枚の出力速度)において。2022年9月27日現在。(当社調べ)※2 国際エネルギースタープログラムで定められた測定法による数値。 Ⅱ.メディカルビジネスユニット 当社では国産としては初めてのフォトンカウンティング検出器を搭載したX線CTの医療機器としての認証を2022年12月に取得、国立がん研究センター先端医療開発センター・国立がん研究センター東病院と連携し、特定臨床研究として早期のフォトンカウンティングCT(PCCT)実用化に向けた研究を推進し、新たな診断法の開発とその臨床的有用性の探索を行っています。加えて、専用の椅子に座ったままでも全身をスキャンできる世界初の全身用320列面検出器型の立位・座位CTの開発にも取り組んでおり、既に国内における健診での活用が開始されています。 このような新たな臨床価値を生み出すユニークな技術をベースにアップストリームマーケティングを強化するべく、米国クリーブランド市近郊に「Canon Healthcare USA,Inc.」を設立し、臨床ニーズをとらえたグローバルな製品開発につなげる活動を行っています。 また、2023年11月には米国クリーブランド・クリニック財団と当社は、患者さんにとってより良い医療を実現する画期的な医用画像ソリューションおよびヘルスケアIT技術の開発を目指す戦略的研究パートナーシップに合意しました。クリーブランド・クリニックの生物医学研究や臨床ケアにおける高い専門性と当社のイメージング技術を生かして共同研究を推進していきます。 超音波診断装置では2023年度科学技術分野の文部科学大臣表彰において、「2つの基本波の差周波と第2高調波を利用する超音波診断装置の開発」が科学技術賞(開発部門)を受賞しました。また画像処理の分野において2023年度全国発明表彰「心臓血管内治療中における治療用器具の表示方法改善の発明(特許第5523791号)」が「発明協会会長賞」および「発明実施功績賞」を受賞いたしました。 当ビジネスユニットに係る研究開発費は、47,182百万円であります。 Ⅲ.イメージングビジネスユニット レンズ交換式デジタルカメラ(デジタル一眼レフカメラ及びミラーレスカメラ)の世界市場において、2003年から21年連続で台数シェアNo.1※3を達成しました。これからも基本コンセプトである「快速・快適・高画質」を追求し続けることで、幅広い製品ラインアップを揃え、写真・映像文化の発展に貢献していきます。 「EOS Rシステム」では、さらなるラインアップ拡充として、小型・軽量のフルサイズミラーレスカメラ「EOS R8」やAPS-Cサイズのエントリーモデル「EOS R50」、「EOS R100」を発売しました。一眼レフカメラからの買い替えを促進するとともに、初めてフルサイズカメラやレンズ交換式カメラを使用するユーザーでも本格的な撮影を気軽に楽しめるモデルを投入することで、多様化する顧客のニーズにお応えし、新規顧客獲得に努めています。 また、「RFレンズ」では、大口径望遠ズームレンズ「RF100-300mm F2.8 L IS USM」や静止画撮影・映像制作現場両方のニーズに応える大口径標準ズームレンズ「RF24-105mm F2.8 L IS USM Z」、APS-C 専用の「RF-Sレンズ」2機種など、9機種をラインアップに加え累計41本まで拡充しています。 超高感度カメラでは、世界最高画素数の約320万画素※4 1.0型SPADセンサーを搭載した「MS-500」を発売しました。当社は、SPADセンサーをはじめ、放送用レンズ、カメラの映像エンジンなどを自社で開発・製品化しています。各デバイスの特性と知見を十分に生かすことで、センサーやレンズの性能の良さを引きだしつつ、解像感や階調・色再現性の基本性能を向上しています。また、「映像鮮明化ソフトウエア」は、カメラメーカーとして蓄積してきた膨大な画像データベースと画像処理の知見をもとに、独自開発したディープラーニング画像処理技術を採用しています。カメラ単体では避けられない低照度環境下などで発生するノイズに対して、さらなる低減処理を行うことが可能です。 製造や流通などにおける点検・検査の自動化を支援する映像解析ソフトウエア「Vision Edition」では、大規模遠隔監視システムに対応するためのマルチカメラ接続や、ビデオ管理ソフトウエア「Milestone XProtect」からの映像取得が可能になりました。また、画像添付可能なメール通知機能やAI画像処理との連携機能なども新機能として追加し、より多くの場面で顧客のDX推進に貢献してまいります。 リモートカメラシステムでは、パン、チルト機構とズーム機能を備えた「CR-N100」で映像出力機能を講義や会議市場向けに改良することで従来機種からのローコスト化を実現しました。リモートカメラコントローラー「RC-IP1000」はIP接続され入力されたリモートカメラ映像を最大9台分表示し、表示映像のタッチ操作で制御カメラの切り替えが可能です。また最大200台までのカメラ接続が可能な「マルチカメラマネジメントアプリ」や人物の動きに合わせて自動で被写体を追尾する「自動追尾アプリケーション」、登録した画角へ繰り返し動作する「自動ループアプリケーション」によって、作業負荷軽減や省人化を支援します。 「CINEMA EOS SYSTEM」と業務用ビデオカメラにおいては、ファームウエアアップデートによる商品力強化を図りました。またiPhoneアプリ「Canon Multi-Camera Control」は複数カメラの状態や映像表示可能とし、効率的な機材設定やリモート撮影ができるようになるなど、マルチカメラワークフローの効率化が実現できます。 映像ソリューションにおいては、「ボリュメトリックビデオシステム」によりスポーツ放送で実際のカメラ位置にとらわれない自由な視点からの映像を展開しました。3Dコンテンツの撮影から編集までをワンストップで実現した「ボリュメトリックビデオスタジオ-川崎」では、CMやミュージックビデオ、TV番組で実績を積み重ね、虎ノ門ヒルズの情報発信拠点「TOKYO NODE」にも最先端のボリュメトリックビデオスタジオを開設しました。東京から世界に発信するためのクリエイティブエコシステム作りを目指します。 当ビジネスユニットに係る研究開発費は、93,834百万円であります。 ※3 2024年3月現在。(当社調べ)※4 映像撮影用のSPADセンサーとして。2023年7月31日現在。(当社調べ)有効画素数約210万画素。 Ⅳ.インダストリアルビジネスユニット 半導体露光装置においては、ハンコのように押し付けるシンプルな仕組みで微細な回路パターン形成を実現するナノインプリント半導体製造装置「FPA-1200NZ2C」により、最先端の半導体デバイス製造に貢献します。この装置は、投影露光装置のように光源の波長による微細化を必要としないため、消費電力やCO2の削減にも貢献しています。また、広画角と高解像力の両立により、フルサイズCMOSセンサーの製造に求められる高解像力での一括露光を実現するi線ステッパー「FPA-5550iX」により、拡大が期待されるXR市場等の幅広いデバイス製造をサポートします。 FPD露光装置においては、第8世代ガラス基板にて、高生産性と高精細化を両立したIT機器用ディスプレイ向け露光装置「MPAsp-H1003H」により、需要が増加するノートPCやタブレット向けディスプレイパネルのニーズに応えています。この装置は第6世代ガラス基板向け露光装置の超解像技術を採用しており、1.5マイクロメートルの解像力を実現しています。また、従来から定評のある高速ステージ技術の進化改良により生産性向上にも寄与しています。 計測機器分野においては、リサイクルの際に判別が困難な黒色プラスチック片とその他プラスチック片を高精度に選別する「トラッキング型ラマン分光技術」を開発し、再利用できるプラスチック量の最大化を目指します。 当ビジネスユニットに係る研究開発費は、27,872百万円であります。  また、基礎研究等のその他及び全社に係る研究開発費は65,101百万円であります。  注:製品名は日本国内での名称です。
設備投資等の概要 1【設備投資等の概要】
当連結会計年度の設備投資については、研究開発拠点整備、生産技術の強化、高付加価値製品の生産体制充実を主目的に幅広く投資を実施いたしました。この結果、当連結会計年度の設備投資総額は201,140百万円となりました。 なお、重要な設備の売却、撤去または滅失はありません。セグメントの名称設備投資金額(百万円)主な設備投資の目的・内容プリンティングビジネスユニット62,258生産設備の拡充メディカルビジネスユニット11,272生産設備の拡充イメージングビジネスユニット27,420生産設備の拡充インダストリアルビジネスユニット9,032生産設備の拡充その他及び全社91,158研究開発拠点整備及び管理業務用設備の合理化並びに拡充合計201,140
(注) 上記金額に消費税等は含まれておりません。
主要な設備の状況 2【主要な設備の状況】
 当連結会計年度末現在における当社グループの主要な設備の状況は次のとおりであります。(1)提出会社の状況 2023年12月31日現在 事業所名(所在地)セグメントの名称設備の内容帳簿価額(百万円)従業員数(人)土地(面積㎡)建物及び構築物機械装置及びその他資産合計本社(東京都大田区)プリンティング、メディカル、イメージング、インダストリアル、その他及び全社研究開発用設備及び管理業務用設備36,986(115,201)45,9903,73786,7136,223取手事業所(茨城県取手市)プリンティング生産設備1,156(259,957)18,47211,09530,7234,679阿見事業所(茨城県稲敷郡阿見町)インダストリアル同上1,409(126,586)5,7525597,720330宇都宮事業所(栃木県宇都宮市)イメージング、インダストリアル研究開発用設備及び生産設備11,845(441,443)18,02811,16441,0374,052富士裾野リサーチパーク(静岡県裾野市)プリンティング研究開発用設備10,276(275,780)6,27178817,335940綾瀬事業所(神奈川県綾瀬市)その他及び全社研究開発用設備及び生産設備4,518(50,549)2,2508847,652261矢向事業所(神奈川県川崎市幸区)プリンティング研究開発用設備12,732(42,404)12,0202,10526,8572,122川崎事業所(神奈川県川崎市幸区)プリンティング、イメージング、その他及び全社研究開発用設備及び生産設備24,350(114,732)35,9256,60866,8834,115平塚事業所(神奈川県平塚市)その他及び全社同上6,068(67,241)34,08426,10266,254242玉川事業所(神奈川県川崎市高津区)同上管理業務用設備298(18,330)5,7832576,338228大分事業所(大分県大分市)同上研究開発用設備及び生産設備1,211(103,365)9,5002,67113,382228 (2)国内子会社の状況 2023年12月31日現在 会社名(所在地)事業所名(所在地)セグメントの名称設備の内容帳簿価額(百万円)従業員数(人)土地(面積㎡)建物及び構築物機械装置及びその他資産合計キヤノンプレシジョン(株)(青森県弘前市)本社北和徳事業所(青森県弘前市)プリンティング、その他及び全社生産設備694(60,024)5,2291,1527,075836北和徳第二事業所(青森県弘前市)同上同上1,574(87,782)3,5061,5666,6461,010福島キヤノン(株)(福島県福島市)同左プリンティング同上659(126,796)10,1121,28812,0591,551キヤノンメディカルシステムズ(株)(栃木県大田原市)本社(栃木県大田原市)メディカル同上2,175(261,205)7,7956,73916,7092,547キヤノン・コンポーネンツ(株)(埼玉県児玉郡 上里町)同左プリンティング、メディカル、その他及び全社同上1,561(49,131)6,5643,15111,276990キヤノンエコロジーインダストリー(株)(茨城県坂東市)同左プリンティング同上1,898(132,224)5,9393188,155520キヤノン化成(株)(茨城県つくば市)岩間事業所(茨城県笠間市)同上同上3,441(118,259)5,3641,74710,552881キヤノン電子(株)(埼玉県秩父市)赤城事業所(群馬県利根郡 昭和村)プリンティング、その他及び全社同上4,929(264,028)1,9889887,905253キヤノンファインテックニスカ(株)(埼玉県三郷市)本社(埼玉県三郷市)プリンティング研究開発用設備及び管理業務用設備6,330(21,659)2,3791398,848677キヤノンマーケティングジャパン(株)(東京都港区)本社(東京都港区)プリンティング、イメージング、インダストリアル、その他及び全社管理業務用設備17,319(5,119)9,3705,76132,4502,771キヤノンアネルバ(株)(神奈川県川崎市 麻生区)本社(神奈川県川崎市 麻生区)インダストリアル生産設備4,413(28,887)3,5891,0469,048667長浜キヤノン(株)(滋賀県長浜市)同左プリンティング、インダストリアル同上6,574(215,572)2,8202,62412,0181,062大分キヤノン(株)(大分県国東市)本社安岐事業所(大分県国東市)イメージング同上851(159,492)5,6621,0677,5801,366大分事業所(大分県大分市)同上同上4,364(348,153)11,6594,29920,3221,266日田事業所(大分県日田市)同上同上5,182(366,975)3,5274279,136172大分キヤノンマテリアル(株)(大分県杵築市)本社杵築事業所(大分県杵築市)プリンティング同上2,283(172,287)4,2071826,672224大分事業所(大分県大分市)同上同上3,235(276,781)15,4805,96924,6841,240長崎キヤノン(株)(長崎県東彼杵郡 波佐見町)同左イメージング同上2,680(204,403)2,9978476,524659宮崎キヤノン(株)(宮崎県児湯郡 高鍋町)同左同上同上1,687(265,952)10,9791,21713,883888 (3)在外子会社の状況 2023年12月31日現在 会社名(所在地)セグメントの名称設備の内容帳簿価額(百万円)従業員数(人)土地(面積㎡)建物及び構築物機械装置及びその他資産合計Canon Europa N.V.(Amstelveen, The Netherlands)プリンティング、イメージング、インダストリアル、その他及び本社管理業務用設備1,461(79,981)2,2591,0864,806572Canon Production Printing Netherlands B.V. (Venlo,The Netherlands)プリンティング研究開発用設備及び生産設備1,535(627,548)11,68511,01324,2331,869Canon Production Printing Germany GmbH & Co.KG (Poing,Germany)同上生産設備5,639(243,367)3,2124,62113,472883Canon U.S.A.,Inc.(New York,U.S.A.)プリンティング、イメージング、インダストリアル、その他及び本社管理業務用設備17,850(591,812)22,5762,36742,7931,807Canon Virginia,Inc.(Virginia,U.S.A.)プリンティング、イメージング生産設備2,812(673,684)1,7187,97612,5061,024佳能大連事務機有限公司(中華人民共和国遼寧省)プリンティング同上-(171,880) 3,4013,7617,1621,102佳能(蘇州)有限公司(中華人民共和国江蘇省)同上同上-(319,663)1,7845,3867,1702,926佳能(中山)事務機有限公司(中華人民共和国広東省)同上同上-(335,195)92,1742,1832,031台湾佳能股份有限公司(台湾)イメージング同上1,712(136,686)11,0314,24316,9864,173Canon Vietnam Co.,Ltd.(Hanoi,Vietnam)プリンティング同上-(600,000)10,0205,61815,63818,551Canon Hi-Tech (Thailand) Ltd.(Phra Nakhon Sri Ayutthaya,Thailand)同上同上3,321(707,728)11,8761,38116,5787,288Canon Prachinburi(Thailand) Ltd.(Prachinburi,Thailand)同上同上1,457(313,797)6,0423,58211,0815,612Canon Business Machines (Philippines),Inc.(Batangas,Philippines)同上同上-(195,077)7,0153097,3243,172
(注)1 「機械装置及びその他資産」は、機械及び装置、車両運搬具、工具、器具及び備品、建設仮勘定並びにファイ    ナンスリースであります。  2 上記金額は、グループ内で賃借している資産分を含んでおります。  3 上記金額に消費税等は含まれておりません。  4 佳能大連事務機有限公司、佳能(蘇州)有限公司、佳能(中山)事務機有限公司、Canon Vietnam Co.,Ltd.、    Canon Business Machines(Philippines),Inc.の土地及び佳能(中山)事務機有限公司の建物は、連結会社以外    から賃借しております。
設備の新設、除却等の計画 3【設備の新設、除却等の計画】
 当社グループは、多様な事業を国内外で行っており、期末時点においてその設備の新設及び拡充の計画を個々のプロジェクト単位で決定しておりません。このため、セグメントごとの数値を開示する方法によっております。当社グループの、2023年12月31日現在において計画している当連結会計年度後1年間の設備投資計画(新設・拡充)は次のとおりであります。セグメントの名称設備投資計画金額(百万円)主な設備投資の目的・内容プリンティングビジネスユニット65,100生産設備の拡充メディカルビジネスユニット12,900生産設備の拡充イメージングビジネスユニット32,700生産設備の拡充インダストリアルビジネスユニット11,000生産設備の拡充その他及び全社88,300研究開発設備及び管理業務用設備の合理化並びに拡充合計210,000
(注)1 上記計画に伴う所要資金は、自己資金により賄う予定であります。  2 経常的な設備更新のための除売却を除き、重要な設備の除売却の計画はありません。
研究開発費、研究開発活動27,872,000,000
設備投資額、設備投資等の概要201,140,000,000

Employees

平均年齢(年)、提出会社の状況、従業員の状況44
平均勤続年数(年)、提出会社の状況、従業員の状況19
平均年間給与、提出会社の状況、従業員の状況8,324,359

Investment

株式の保有状況 (5)【株式の保有状況】
①投資株式の区分の基準及び考え方 当社は、保有する投資株式の区分について、専ら株価の変動や配当の受取りによって利益を受けることを目的として保有する場合を純投資目的として区分し、それ以外の株式を純投資目的以外の目的で保有する投資株式として区分しております。なお、純投資目的である投資株式は保有しておりません。 ②保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式a. 保有方針及び保有の合理性を検証する方法、並びに個別銘柄の保有の適否に関する取締役会等における検証の 内容(1)政策保有に関する方針 当社の中長期的成長のためには、開発・生産・販売の各体制の不断の進化が不可欠であり、これらを全てキヤノングループ自らの経営資源で実現することは困難です。当社は、これら体制の強化に有益と判断するときは、キヤノングループ外の企業との連携の一環として、当該企業の株式を保有することがあります。 (2)保有株式の合理性の検証の内容 当社は、個別の政策保有株式について、保有目的などの定性面に加え、株式保有による投資収益が当社資本コストを上回っているか否か、定量面での検証も勘案の上、毎年定期的に評価したうえ取締役会に報告し、中長期的な観点から保有の合理性を検証しております。 現在保有する株式については、2024年2月開催の取締役会において、保有の合理性があるものと確認しました。 b. 銘柄数及び貸借対照表計上額 銘柄数(銘柄)貸借対照表計上額の合計額(百万円)非上場株式212,669非上場株式以外の株式511,360 (当事業年度において株式数が増加した銘柄) 銘柄数(銘柄)株式数の増加に係る取得価額の合計額(百万円)株式数の増加の理由非上場株式---非上場株式以外の株式--- (当事業年度において株式数が減少した銘柄) 銘柄数(銘柄)株式数の減少に係る売却価額の合計額(百万円)非上場株式--非上場株式以外の株式12,956 c. 特定投資株式及びみなし保有株式の銘柄ごとの株式数、貸借対照表計上額等に関する情報  特定投資株式銘柄当事業年度前事業年度保有目的、業務提携等の概要、定量的な保有効果及び株式数が増加した理由
(注)1当社の株式の保有の有無株式数(株)株式数(株)貸借対照表計上額(百万円)貸借対照表計上額(百万円)ルネサスエレクトロニクス(株)4,166,6004,166,600半導体露光装置の大口顧客、ならびに半導体サプライヤーとして取引関係の維持・強化等のため無10,6214,931Median Technologies S.A.961,826961,826メディカル事業における診断/診療ソリューションの販売・提供に係る取引関係の維持・強化等のため無7181,210トヨタ自動車(株)6,9956,995株主への情報開示、株主総会運営に関する情報収集のため無1813パナソニックホールディングス(株)1,1551,155株主への情報開示、株主総会運営に関する情報収集のため無21ソニーグループ(株)100100株主への情報開示、株主総会運営に関する情報収集のため無11(株)東芝
(注)2-639,800-無-2,945
(注)1.銘柄ごとの定量的な保有効果についての詳細は記載困難ですが、各銘柄の株式保有の合理性については、上記    記載のとおり、定量的な側面も勘案した評価結果を2024年2月の取締役会に報告し、検証しております。  2.「-」は、当該銘柄を保有していないことを示しております。  みなし保有株式銘柄当事業年度前事業年度保有目的、業務提携等の概要、定量的な保有効果及び株式数が増加した理由
(注)1当社の株式の保有の有無株式数(株)株式数(株)貸借対照表計上額(百万円)
(注)2貸借対照表計上額(百万円)
(注)2ダイキン工業(株)987,400987,400退職給付信託に拠出しており、当社が議決権行使の指図権を有している有22,69519,945第一生命ホールディングス(株)6,300,0006,300,000退職給付信託に拠出しており、当社が議決権行使の指図権を有している有18,85018,862(株)みずほフィナンシャルグループ4,925,0234,925,023退職給付信託に拠出しており、当社が議決権行使の指図権を有している有11,8829,141SOMPOホールディングス(株)1,565,8611,565,861退職給付信託に拠出しており、当社が議決権行使の指図権を有している有10,7989,176 銘柄当事業年度前事業年度保有目的、業務提携等の概要、定量的な保有効果及び株式数が増加した理由
(注)1当社の株式の保有の有無株式数(株)株式数(株)貸借対照表計上額(百万円)
(注)2貸借対照表計上額(百万円)
(注)2ニデック(株)1,244,8241,244,824退職給付信託に拠出しており、当社が議決権行使の指図権を有している無7,0898,513ヒューリック(株)3,018,7083,018,708退職給付信託に拠出しており、当社が議決権行使の指図権を有している有4,4573,139東京海上ホールディングス(株)1,156,5001,156,500退職給付信託に拠出しており、当社が議決権行使の指図権を有している有4,0813,270(株)三菱UFJフィナンシャル・グループ3,112,1703,112,170退職給付信託に拠出しており、当社が議決権行使の指図権を有している有3,7702,767(株)三井住友フィナンシャルグループ302,827302,827退職給付信託に拠出しており、当社が議決権行使の指図権を有している有2,0831,604ウシオ電機(株)560,557560,557退職給付信託に拠出しており、当社が議決権行使の指図権を有している無1,135912(株)大林組540,500540,500退職給付信託に拠出しており、当社が議決権行使の指図権を有している有659539(株)テレビ東京ホールディングス206,500206,500退職給付信託に拠出しており、当社が議決権行使の指図権を有している無618379(株)大塚商会60,00060,000退職給付信託に拠出しており、当社が議決権行使の指図権を有している無349249NIPPON EXPRESSホールディングス(株)20,60020,600退職給付信託に拠出しており、当社が議決権行使の指図権を有している有165155
(注)1.銘柄ごとの定量的な保有効果についての詳細は記載困難ですが、各銘柄の株式保有の合理性については、上記    記載のとおり、定量的な側面も勘案した評価結果を2024年2月の取締役会に報告し、検証しております。  2.「みなし保有株式」の貸借対照表計上額とは、議決権行使権限の対象となる株式数に、事業年度末日の時価を乗    じた金額です。 ③保有目的が純投資目的である投資株式該当事項はありません。 ④当事業年度中に投資株式の保有目的を純投資目的から純投資目的以外の目的に変更したもの該当事項はありません。
株式数が減少した銘柄数、非上場株式以外の株式、保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式、提出会社1
銘柄数、非上場株式、保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式、提出会社21
貸借対照表計上額、非上場株式、保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式、提出会社2,669,000,000
銘柄数、非上場株式以外の株式、保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式、提出会社5
貸借対照表計上額、非上場株式以外の株式、保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式、提出会社11,360,000,000
株式数の減少に係る売却価額の合計額、非上場株式以外の株式、保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式、提出会社2,956,000,000
株式数、保有目的が純投資目的以外の目的である特定投資株式の明細、提出会社100
貸借対照表計上額、保有目的が純投資目的以外の目的である特定投資株式の明細、提出会社1,000,000
株式数、保有目的が純投資目的以外の目的であるみなし保有株式の明細、提出会社20,600
貸借対照表計上額、保有目的が純投資目的以外の目的であるみなし保有株式の明細、提出会社165,000,000
銘柄、保有目的が純投資目的以外の目的である特定投資株式の明細、提出会社(株)東芝
(注)2
当該株式の発行者による提出会社の株式の保有の有無、保有目的が純投資目的以外の目的である特定投資株式の明細、提出会社
銘柄、保有目的が純投資目的以外の目的であるみなし保有株式の明細、提出会社(株)三菱UFJフィナンシャル・グループ