財務諸表

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提出書類、表紙有価証券報告書
提出日、表紙2024-03-28
英訳名、表紙Ame Kaze Taiyo, Inc.
代表者の役職氏名、表紙代表取締役 高橋 博之
本店の所在の場所、表紙岩手県花巻市大通一丁目1番43-2花巻駅構内(同所は登記上の本店所在地であり、実際の本社業務は「最寄りの連絡場所」で行っております。)
電話番号、本店の所在の場所、表紙03-6278-7890
様式、DEI第三号様式
会計基準、DEIJapan GAAP
当会計期間の種類、DEIFY

corp

沿革 2 【沿革】
当社の沿革は次のとおりであります。 年月概要2013年5月岩手県花巻市桜町において、NPO法人東北開墾を設立2013年7月食材付き情報誌「東北食べる通信」創刊2014年4月岩手県花巻市藤沢町において、一般社団法人日本食べる通信リーグを設立、「食べる通信」モデルの全国展開スタート2015年2月岩手県花巻市藤沢町において、株式会社KAKAXI(現 株式会社雨風太陽)を設立(資本金2,500万円)2016年3月株式会社ポケットマルシェに社名変更2016年6月東京都中央区に東京オフィスを開設2016年9月日本で最初
(注)のスマホで完結する産直プラットフォーム「ポケットマルシェ」をリリース2019年4月東京都渋谷区渋谷に東京オフィスを移転2020年4月NPO法人東北開墾より東北食べる通信事業、一般社団法人日本食べる通信リーグより日本食べる通信リーグ事業を事業譲受2020年4月東京都渋谷区千駄ヶ谷に東京オフィスを移転2021年9月寄附者と生産者が繋がるふるさと納税サイト「ポケマルふるさと納税」をリリース2022年4月株式会社雨風太陽に社名変更2022年4月岩手県花巻市大通に本店を移転2022年7月生産者のもとで自然に触れる「ポケマルおやこ地方留学」をリリース2023年12月東京証券取引所グロース市場に株式を上場
(注)宅配業者とデータ連携することで伝票の印刷等も不要なスマートフォンで完結する一次産品に特化したサービスとして日本初。
事業の内容 3 【事業の内容】
(1) ミッション現在の日本において、都市と地方、生産者と消費者は分断され、本来支え合っているはずのお互いの顔が見えなくなっていると考えています。私たちの使命は、都市と地方をかきまぜ、場所と場所、人と人とをつなげて、境目をなくすこと。分断を乗り越えていくためのサービスを提供するのが当社です。私たちは、全国の生産者を媒介に、都市と地方をつなぐことで地域を持続可能にし、将来にわたって活力ある日本社会を残したいと願う会社です。当社のミッションは、「都市と地方をかきまぜる」ことであり、ミッション実現のために提供するサービスは、顔の見える生産者とコミュニケーションを取りながら食材を直接購入できるCtoCプラットフォーム「ポケットマルシェ」、地方に長期滞在し生産者の下で自然体験をする「ポケマルおやこ地方留学」、ふるさと納税の仕組みを用い地方へ分散納税しながら生産者から返礼品が直接届く「ポケマルふるさと納税」などです。なお、当社は、生産と消費を直接繋ぎ取引された「『顔の見える取引』にかかる流通総額」、「生産者と消費者のコミュニケーション数」、「都市住民が生産現場で過ごした延べ日数」をインパクト指標(金銭的なリターンと並行して、事業活動から生まれる社会的なインパクトを測定する指標。「第2.事業の状況 1.経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」にて詳述。)として設定し、ミッションの実現を目指しております。
(2) 当社概要当社は、関係人口創出事業の単一セグメントで事業運営を行っております。なお、「関係人口」とは、移住した「定住人口」でもなく、観光に来た「交流人口」でもない、地域と多様に関わる人々を指す言葉です。代表取締役の高橋は、2013年、NPO法人東北開墾を立ち上げ、食材付き情報誌「東北食べる通信」を創刊し、2014年にはグッドデザイン金賞を受賞するなど、生産現場の裏側を直接消費者に届ける仕組みに手応えを感じ、一般社団法人日本食べる通信リーグを創設し、「食べる通信」のモデルを日本全国へ展開しました。なお、2020年にはNPO法人東北開墾より東北食べる通信事業、一般社団法人日本食べる通信リーグより日本食べる通信リーグ事業の事業譲受を行っております。「食べる通信」での成功体験を踏まえ、当社を設立し、2016年からは、生産者から直接購入できるCtoCプラットフォーム「ポケットマルシェ」の運営を行ってまいりました。「ポケットマルシェ」は、生産者と消費者が直接コミュニケーションできる顔の見えるECプラットフォームです。一次産品の出品専用に設計されているため生産者による出品が容易であり、野菜・果物・魚介類を中心としながら、多数の生産者が多様な食材を出品しています。都市圏在住者を中心とする消費者は、バラエティ豊かな四季折々の食材を産地から直接購入でき、直接生産者とコミュニケーションが取れる機能により、顔の見える生産者と継続的な取引が可能です。この生産者と消費者を繋げる仕組みによって、2023年12月末時点で生産者と消費者の間で累計939万回以上のやり取りが発生しており、安定した売上成長と収益の基盤となっています。また、そこで築いた生産者と消費者のネットワークを活用することで、自治体からの委託事業を中心とした企業・自治体向けサービス、生産者から直接返礼品が届く「ポケマルふるさと納税」、地方に長期滞在し生産者の下で自然体験をする「ポケマルおやこ地方留学」を展開しております。当社の収益は、「ポケットマルシェ」における商品代金に応じた手数料収入に加え、当社が販売主体であるサブスクリプションサービス・自社で発行する「東北食べる通信」「海苔食べる通信」の売上、「日本食べる通信リーグ」に加盟するその他の食べる通信のシステム利用に対するコミッションフィー、ふるさと納税における自治体・生産者からの手数料収入、企業・自治体向けサービスの委託費、「ポケマルおやこ地方留学」の売上等から構成されています。 (3) サービス概要・関係人口創出事業関係人口創出事業では、顔の見える生産者から直接食材を購入することのできるサービスとして、CtoCプラットフォーム「ポケットマルシェ」を筆頭に、定期的に旬の食材が届くサブスクリプションサービス、食材付き情報誌「食べる通信」、ふるさと納税プラットフォーム「ポケマルふるさと納税」を提供しています。また、そうしたサービスで築いた基盤を活用して、企業・自治体向けサービスや都市と地方の間の人流を生み出す「ポケマルおやこ地方留学」を展開しています。これらのサービス群は、生産者と消費者が個人として直接繋がることができる点で中間業者を介在するこれまでの流通体系とは異なっており、双方のコミュニケーションが高い継続率につながると同時に、当社の運用コストを抑えることに寄与しています。当社は、関係人口創出セグメントの単一セグメントで事業運営を行なっておりますが、個人向け食品関連サービス、企業・自治体向けサービス、個人向け旅行関連サービスの3種類のサービスに分類することができます。 ①個人向け食品関連サービス(a) CtoCプラットフォーム「ポケットマルシェ」全国の農家・漁師から、直接やりとりをしながら旬の食べ物を買うことができるプラットフォームとして、2016年9月よりサービスを提供しています。生産者からは「自由な値付けで、規格外も1個から販売ができる」「全作業がスマホで完結できる」ところに魅力を感じていただき、2023年12月時点で全国各地の約8,100人の生産者が登録しています。また、新鮮で安心安全な食材を生産者から直接購入できる点を評価いただき、2023年12月時点で73万人以上のユーザーが登録しています。当社は、取引に対する販売手数料によって収益を得ております。 (特徴1) 全国各地の多様な食材が揃う2023年において、全国各地の生産者約8,100人が登録しており、約15,000品の商品が並んでいます。四季折々の最旬の食材が並んでおり、その他のプラットフォームでは入手が難しい希少品種や、大手流通では販売することができない規格外商品も出品されています。また、当社で出品審査を行っており、プラットフォームの安全安心も担保しています。 (特徴2) 直接コミュニケーションができる[メッセージ機能]生産者と消費者がクローズドで1対1のコミュニケーションを取れる機能です。注文の前後に、個別の要望を伝えたり、食材の調理方法や保存方法を生産者に直接質問することも可能であり、相互のコミュニケーションを促進しています。また、生産者からの発送連絡や問い合わせについても、メッセージ機能を使用して行われます。[コミュニティ機能]生産者は、専用のコミュニティウォールを持っており、購入者は、ごちそうさまを伝える、 食べ方を聞く、などの会話ができます。こちらは、サービス開始から、購入者の約3人に1人(2020-2023年平均)がコミュニティへの投稿を行っております。(b) サブスクリプションサービス全国各地の生産者とのネットワークを利用して、さまざまなテーマを設定し、基本的には毎月食材が届くサブスクリプション型のサービスを展開しています。具体的には「にっぽんのチーズ定期便」「王道フルーツ定期便」「旬のお野菜定期便」といった定期便を提供しており、顧客の定期購入代金が売上となります。 (c) 食材付き情報誌「食べる通信」生産者を綿密に取材し、食べ物を作っている人のストーリーと、その人が生産した食材が一緒に届く食材付き情報誌「食べる通信」を発刊しています。発行人を各地で募り地域ごとに独自性を持った食べる通信を全国19地域(2023年12月時点)にて発刊しています。「東北食べる通信」「海苔食べる通信」は自社で発行しており、購読料が売上となります。一方で、その他の食べる通信については、全国各地の編集主体によって発行されており、当社はシステムの利用対価としてコミッションフィーを受領しています。なお、いずれも共通の購読者管理システムを使用しております。 (d) ふるさと納税プラットフォーム「ポケマルふるさと納税」契約自治体の域内で生産されたポケマル出品物の「全生産者の全商品」が自動的に返礼品となり、ポケマルでのいつもの買い物がふるさと納税になるサービスです(特許出願中)。利用にかかる手数料として自治体からの手数料収入、取引に対する生産者からの販売手数料によって収益を得ています。 ②企業・自治体向けサービス(e) 企業・自治体向けサービス・自治体支援サービス中央省庁や地方自治体が持つ一次産業振興予算を用い、生産者や消費者を抱えているポケットマルシェ上で、特定商品の送料無料施策や地域プロモーション等を実施しています。その他にも、生産者ネットワークを活用し、生産者の暮らしや地域の魅力の発信を通じた当該自治体への移住定住促進や、農漁業体験を中心とした自然体験の提供を通じた国内外の旅行客向けの観光プロモーション等を実施しており、自治体からの委託費が売上となります。 ・法人向け食材販売調理家電と食材をセットにして販売、企業の顧客向けプレゼントキャンペーンや福利厚生サービス、飲食店に食材を提供するなど、他企業との連携にて一定量の食材をまとめて販売することで、食材費や企画費として収益を得ております。 ③個人向け旅行関連サービス(f) ポケマルおやこ地方留学全国に広がる生産者ネットワークを活用し、農業体験や漁業体験を中心とした自然体験を提供し、日本のあらゆる地方を観光資源化するサービスです。ターゲットに合わせた体験プログラムの開発を行い、自社サービスとしては小学生向けの「ポケマルおやこ地方留学」、また自治体等と連携しインバウンド向け観光コンテンツ開発などを行っております。「ポケマルおやこ地方留学」は、生産地のもとへ親子で訪問して、親はワーケーションをしながら、子供は生産者のもとで自然に触れ、命の大切さを学ぶ地方留学プログラムであり、参加者から収益を得ております。2023年は夏季は全国5か所(北海道・岩手・京都・和歌山・福岡)、冬季も2か所にて開催し、年間で314名が2,357日を地方で滞在しました。 個人向け食品関連サービス、企業・自治体向けサービス、個人向け旅行関連サービスの3種類のサービスの売上高推移の内訳は以下の通りとなります。 2019年12月期2020年12月期2021年12月期2022年12月期2023年12月期個人向け食品関連サービス27,344千円250,282千円357,121千円529,175千円637,696千円企業・自治体向けサービス847〃28,916〃88,190〃100,493〃288,636〃個人向け旅行関連サービス-〃-〃-〃6,318〃30,184〃合計28,191〃279,198〃445,311〃635,988〃956,517〃 事業の系統図は、次のとおりであります。
関係会社の状況 4 【関係会社の状況】
該当事項はありません。
従業員の状況 5 【従業員の状況】
(1) 提出会社の状況2023年12月31日現在従業員数(名)平均年齢(歳)平均勤続年数(年)平均年間給与(千円)3935.22.15,240〔23〕
(注) 1.従業員数は就業人員であり、臨時雇用者数は、最近1年間の平均人員を〔 〕外数で記載しております。2.平均年間給与は、基準外賃金を含んでおります。3.当社は、関係人口創出事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。
(2) 労働組合の状況当社において労働組合は組成されておりませんが、労使関係は円満に推移しております。 (3) 管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異当社は、「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)及び「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律(平成3年法律第76号)の規定による公表義務の対象ではないため、記載を省略しております。
経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】
文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において、当社が判断したものであります。 (1) 会社の経営方針当社は、「都市と地方をかきまぜる」をミッションに掲げています。このミッションの下、ヒト・モノ・カネのあらゆる側面で都市と地方をつなぐサービスを提供することで、株主価値及び企業価値、社会的インパクトの最大化を図ってまいります。
(2) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等当社は、都市と地方をかきまぜる複数のサービスを展開しており、「ポケットマルシェ」を筆頭にした各種サービスを統合し、「売上高」に加えて、インパクト指標として「生産者と消費者との『顔の見える取引』にかかる流通総額」「生産者と消費者のコミュニケーション数」「都市住民が生産現場で過ごした延べ日数」の成長を通じて、企業価値の向上を図ってまいります。 ・「売上高」当社が提供するサービスの売上高成長は、当社の企業価値の向上を直接的に示す指標であると考えています。 ・「生産者と消費者との『顔の見える取引』にかかる流通総額」「都市と地方の分断」の解消にむけて、当社のサービスは、全て生産者と消費者間で「顔の見える取引(誰から購入しているかが見える化されている取引を指し「顔の見える取引」にかかる流通総額は、当社「ポケットマルシェ」「食べる通信」「ポケマルふるさと納税(寄付額)」「ポケマルおやこ地方留学」のサービス利用金額の合算で算出)」ができるように設計されています。「顔の見える取引」が伸びることは、当社サービスの認知、消費者及び生産者のサービスに対する継続的な満足度を示していると考えています。 ・「生産者と消費者のコミュニケーション数」生産者と消費者のコミュニケーション数は、「ポケットマルシェ上での投稿およびメッセージの数」によって計測されます。前述のとおり、当社は「都市と地方をかきまぜる」というミッションのもと各種サービスを提供している中で、「生産者と消費者との分断の解消」は重要なテーマと捉えており、この指標は生産者と消費者との分断の解消度合いを象徴的に示していると考えています。 ・「都市住民が生産現場で過ごした延べ日数」当社のサービスを通じて、都市住民が生産現場で過ごした延べ日数を計測しております。具体的には、2022年から開始したポケマルおやこ地方留学等により、都会の人を地方に送り込む人流創出を加速しています。 (3) 経営環境当社は、複数サービスを展開しているため、各サービスの関わる市場が異なります。主に、①食品EC市場(CtoCプラットフォーム「ポケットマルシェ」、サブスクリプションサービス、食材付き情報誌「食べる通信」)、②自治体支援サービス市場(企業・自治体向けサービス)、③旅行市場(ポケマルおやこ地方留学)の3つを特に重要な市場として想定しております。これらの市場において、生産者と消費者のユーザー基盤、継続的な購買を促進する仕組み等の強みを競争優位性の源泉とし、事業展開を継続していきたいと考えています。 ① 食品EC市場(CtoCプラットフォーム「ポケットマルシェ」、サブスクリプションサービス、食材付き情報誌「食べる通信」)食品EC市場は、2022年で2兆7,505億円となっており、前年度からは109.2%に成長しています。また、食品市場のEC化率は、過去からは伸長して2022年に4.2%となったものの、物販系分野全体の9.1%と比較した際にまだ伸びしろのある状況です(経済産業省「令和4年度デジタル取引環境整備事業(電子商取引に関する市場調査)」(2023年8月31日))。さらに、従来の卸売市場を経由せず、直接、産地から小売事業者や消費者等に流通させる産直サービスは、消費者意識の高まり等を背景として、2027年には2022年比で111.2%に成長すると予測されております(矢野経済研究所「産直ビジネスの市場実態と将来展望」(2023年6月6日))。 ② 自治体支援サービス市場(企業・自治体向けサービス)行政予算を対象とした事業であり、国及び地方自治体の予算には限りがあるため、市場全体が大きく成長することはない領域と考えております。一方で、2023年12月末時点で、2023年度の委託事業における取引自治体数は40、ふるさと納税を含む取引自治体数は85、これまでに関係のある自治体数は182であり、これらは全国の自治体のうち一部に過ぎません。また、これまで当社が対象としてきたのは、「自治体の販路拡大を目的とした予算」に限定されていましたが、事業規模及び領域の拡大によって、「自治体に限らず国家予算」や「販路拡大に限らず観光や移住定住を目的とした予算」でも価値を提供できると捉えています。また、当社に登録する生産者は、2023年12月時点で全国1,530の自治体に分布しており、これは日本の全1,765自治体(「e-Stat 政府統計の総合窓口」2023年12月末時点)の86.7%に該当します。この全国に広がる生産者のネットワークを活用することで全体の市場に対して当社の参入余地はまだ大きく、成長を見込んでおります。 ③ 旅行市場(ポケマルおやこ地方留学)新型コロナウイルスによる行動抑制の緩和により、今後、人流は大きく回復していくと見込まれています。また、テレワーク、ワーケーションといった新たな働き方は一定定着し、今後もそのような勤務形態は継続することになると考えられます。そうした状況下で、当社の提供する長期ワーケーションが広がるとともに、子供の体験アクティビティのニーズも高まることから、今後も成長性を見込んでいる事業領域となっております。 (4) 経営戦略(3)で記述した通り、食品EC市場の拡大が続いてきました。その中でも産直EC市場は、2016年、CtoCプラットフォーム「ポケットマルシェ」を当社がリリースしたことに端を発する比較的新しい市場です。当社の「ポケットマルシェ」はプラットフォームとしての一面を持つため、流通規模が拡大するにつれて、取引に携わる生産者数や出品数、自治体数等が増加し、それに伴い、プラットフォームとしての価値も高まっていく構造にあります。また、売上高の成長に対して、運営に伴うコストの売上高比率は下がる傾向にあり、売上広告宣伝費比率は低下傾向にあるとともに(2020年:92%、2021年:43%、2022年:29%、2023年:7%)、個人向け食品関連サービスの売上が4年で23倍になった一方で、カスタマーサポートの人員は3名増員のみ(2019年:2人、2020年:4人、2021年:6人、2022年:7人、2023年:5人)です。また、生産者や消費者が増えることによって、それらを基盤とした企業・自治体向けサービスや、ポケマルおやこ地方留学等のサービス展開も促進され、更なる企業価値の向上につながる好循環があります。さらには、プラットフォーム型のビジネスであるため、売上高成長に伴い、売上高に対する費用の割合は減少していく傾向にあるため、営業利益率が高まる傾向にあります。こうした基本的な考え方に基づく、当社の具体的な経営戦略は以下の通りです。 ① ポケットマルシェの安定的な収益化(a) 継続利用当社のサービスの重要な特徴は、ユーザーが長く利用し続けることにあります。そのため、継続購入ユーザー数(2回目以上の購入者数)が積み上がっていく傾向にあり、購入者全体に占めるリピート率(購入者数全体に占める継続購入ユーザー数の割合)は約8割、1ヶ月の平均購入回数は約2.5回(2022年の継続購入ユーザーの平均値)であり、ロイヤリティの高い顧客が安定した売上を支える要因となっております。 消費者が買い続ける行動は、(1)同じ生産者から何度も買う行動、
(2)初めて購入する生産者から買う行動、の2つに分解することができます。それらは、双方がやり取りできる機能があることによって(1)が発生するとともに、全国各地に生産者がいて旬の食材が移り変わることで
(2)が生まれます。いずれも、当社プラットフォームの特徴によるものであり、競合優位性のポイントであると考えております。 (b) 新規ユーザーの獲得新規ユーザーは、広告経由と広告以外経由に大きく分類でき、後者は認知拡大によるサービスでの指名検索やSEO対策(検索エンジン最適化)による検索流入で広告費をかけずに獲得できている状況です。食品EC市場は2022年において2兆7,505億円と大きいため、市場からは今後も継続的な獲得が可能と捉えており、SEO対策を更に強化することで、1人あたり獲得コストを抑えたうえで新規ユーザーの獲得拡大を図ってまいります。 (c) クロスセル(顧客が利用しているサービスに加え、追加で別のサービスも利用してもらうこと)によるLTV(顧客生涯価値)向上CtoCプラットフォーム「ポケットマルシェ」のユーザーに対して、ポケマルふるさと納税、チーズやフルーツ、野菜セット等の定期便のサブスクリプションサービス、食べる通信などの複数サービスの利用を促進し、クロスセルによるLTVの向上を図ってまいります。 ② 関連サービスの成長(a) 企業・自治体向けサービス2020年度に、新型コロナウイルスの感染拡大による巣ごもり需要を背景として、ポケットマルシェは生産者数・消費者数・流通額が大きく伸長しました。それと時を同じくして、EC化を進展したい自治体からの引き合いも大きく伸びることとなり、取引自治体数は継続的に積み上がってまいりました。また、販路拡大を主目的とする取り組みがメインであったものの、ポケマルおやこ地方留学などのサービスも展開していくことで、観光分野や移住定住分野などでの取り組みも可能となりました。それによって、新規取引先自治体の開拓や、既存取引先自治体の単価向上も見込まれています。 (b) ポケマルおやこ地方留学自社によるプログラム開発だけでなく、プログラム開発・運営を担う現地のパートナーも作っていくことで、継続的に開催箇所を増やしてまいります。また、移動とのセット販売などのアプローチも併せて行ってまいります。 (5) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題① ポケットマルシェの拡大「ポケットマルシェ」が売上の面において中心となるサービスであるとともに、登録している生産者と消費者が他のサービスの基盤となっていることから、当サービスが当社において重要な位置付けとなります。そのため、当サービスの認知度を向上させ、新規消費者を引き続き獲得することが必要であり、SEOや広告を始めとしたマーケティング施策により継続して拡大を進めてまいります。また、生産者や消費者の利用するプロダクトのユーザビリティ向上にも引き続き努めてまいります。 ② サービス展開の加速当社は、「ポケットマルシェ」を軸として事業展開を行ってまいりました。改善傾向ではあるものの、当サービスの比率が高い状態が継続しております(個人向け食品関連サービスの売上高比率は2022年12月期83.2%、2023年12月期66.7%)。中長期に亘って成長するために、「ポケットマルシェ」に続く柱を確立していくことが重要であると考えております。 ③ 優秀な人材の採用と育成今後の事業拡大及び収益基盤の拡充にあたり、優秀な人材の確保及びその定着を図ることは引き続き重要であると考えております。当社のミッションや事業内容に共感し、高い意欲を持った優秀な人材を採用していくために、積極的な採用活動を進めるとともに、社内の環境整備や仕組みの構築を進めてまいります。 ④ 経営管理と内部管理体制の強化当社のさらなる成長のためには、事業拡大に応じた内部管理体制の強化が重要な課題であると認識しております。今後も金融商品取引法における内部統制報告制度の適用等も踏まえ、より一層のコーポレート・ガバナンスの充実に取り組んでまいります。 ⑤ 財務上の課題当社は過年度において継続的な事業成長を図るため、サービスに関する開発や体制強化に伴う人員増強への投資を行った結果として、当事業年度まで営業赤字かつ営業活動によるキャッシュ・フローのマイナスが継続しております。CtoCプラットフォーム「ポケットマルシェ」は、プラットフォーム型のビジネスであることから、売上高に占める費用の割合の逓減とともに、売上高の成長を通じて当期純利益の黒字化を図っていくことが重要な課題と認識しております。
事業等のリスク 3 【事業等のリスク】
本書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。当社はこれらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針であります。また、必ずしもリスク要因には該当しない事項につきましても、投資判断上重要であると考えられる事項については、投資者に対する積極的な情報開示の観点から開示しております。なお、文中の将来に対する事項は、本書提出日現在において当社が判断したものであり、将来において発生の可能性がある全てのリスクを網羅するものではありません。 (1) インターネット関連市場について(顕在化の可能性:中、顕在化の時期:特定時期なし、影響度:大)当社はCtoCプラットフォーム「ポケットマルシェ」の運営を主力サービスとし、同サイトからの販売手数料収入が主な収益源となっております。同サービスの持続的な成長のためには、インターネットにおける技術の改善、環境の整備、そして利用の拡充が今後とも継続することが重要な要因と考えております。しかしながら、革新的な新技術や新たな法的規制の導入などにより、インターネット関連市場の利便性が損なわれ、今後のインターネット関連市場の発展が阻害される場合、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(2) システムトラブルについて(顕在化の可能性:中、顕在化の時期:特定時期なし、影響度:大)当社はオンラインプラットフォームの運営が主要なサービスであります。安定的な運用のため、継続的にシステム強化及びセキュリティ対策に注力しているものの、システムへの一時的な過負荷、ソフトウェアの不具合、外部からの不正アクセスによるシステムへの侵入、火事やその他自然災害、予期せぬ電力供給の停止、事故等によって、当社のシステムがダウンした場合には、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 (3) 情報セキュリティについて(顕在化の可能性:中、顕在化の時期:特定時期なし、影響度:大)当社は、第三者からのサーバー等への侵入に対して、ネットワーク監視システム等で常時モニタリングを行い、データの送受信にあたっては暗号化を行う等のセキュリティ対策を講じております。しかしながら、外部からの悪意あるアクセスにより顧客情報及び顧客の有する重要な情報を不正に入手される可能性や、データが改竄される可能性、または各サービスへの急激なアクセス増加に伴う負荷や自然災害等に起因するデータセンターへの電力供給の停止等、予測不可能な要因によってシステムが停止する可能性は否定できません。このような事態が生じた場合には、当社に対する法的責任の追及、企業イメージの悪化等により、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 (4) 個人情報の管理について(顕在化の可能性:低、顕在化の時期:特定時期なし、影響度:大)当社は、オンラインプラットフォームの運営が主力サービスであり、そこで扱っている会員等の個人情報につきまして、外部からの不正アクセスや、故意または過失による情報漏洩、商品発送を行う生産者による情報漏洩、またそれら以外の想定していない事態は完全には排除できないことから、個人情報の外部流出等が発生する可能性があります。このような事態が生じた場合には、当社の財政状態及び経営成績並びに企業としての社会的信用に影響を及ぼす可能性があります。このリスクに対応し、ISMS(※)を取得、データの暗号化、厳格なアクセスコントロール、並びに外部機関から定期的にシステム診断を受けること等に努めているほか、情報セキュリティ基本規程をはじめとする情報システムに関する各種規程・マニュアルを制定し、全社員を対象とした社内教育を徹底しております。また、発送情報を取り扱う生産者に対しても、発送情報へのアクセスを一定期間のみに制限するシステム制御を行うとともに注意喚起を徹底しております。(※)ISMS(Information Security Management System 情報セキュリティマネジメントシステム):組織における情報資産のセキュリティを管理するための枠組み。 (5) 自然災害等について(顕在化の可能性:中、顕在化の時期:特定時期なし、影響度:大)大地震、台風、火山の噴火等の自然災害及び事故、火災等により、システム開発・運用業務の停止、設備の損壊や電力供給の制限、配送網の分断、混乱等の不測の事態が発生した場合には、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 (6) 国内の農水産業環境の変化について(顕在化の可能性:中、顕在化の時期:特定時期なし、影響度:大)自然環境の変化、過疎高齢化等による自然環境の悪化に伴い、国内の農水産業に関わる生産者の離職が増加した場合、プラットフォームへの出品量が減少する可能性があります。その場合、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 (7) 特定の第三者に対する依存度について(顕在化の可能性:低、顕在化の時期:特定時期なし、影響度:大)当社は、ユーザーの決済手段として、クレジットカード決済、コンビニ決済等の外部の事業者が提供するサービスを導入しています。また、当社は商品の配送について主としてヤマト運輸株式会社に依っております。今後これらの事業者との取引条件の変更、事業方針等の見直し及び配送状況の変化等があった場合、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性がありますが、通常より良好な関係を維持継続できるよう努めております。 (8) 新規事業について(顕在化の可能性:中、顕在化の時期:特定時期なし、影響度:大)当社は、今後さらなる事業拡大及び非連続的な成長を目指し、新サービスや新規事業に取り組んでいく方針であります。新規投資においては、将来性を考慮し慎重な判断を行う考えではありますが、人材、システム開発、固定資産や広告宣伝費等の追加投資が発生する可能性があります。そのような場合には、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。また、新サービスや新規事業の属する市場の拡大スピードや成長規模によっては、当初想定していた成果を挙げることができない可能性があり、事業の停止、撤退等を余儀なくされ、当該事業用資産の処分や減損により損失が生じる可能性があり、そのような場合、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 (9) 特定人物への依存について(顕在化の可能性:中、顕在化の時期:特定時期なし、影響度:大)当社の創業者である代表取締役高橋博之は、経営方針や事業戦略の決定など、当社の事業活動全般において極めて重要な役割を果たしております。何らかの理由により同人による業務執行が困難となった場合には、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性がありますが、同人に過度に依存しないよう、経営幹部人材の拡充、採用・育成及び権限委譲による分業体制の構築などにより、経営組織の強化に取り組んでいます。 (10)税務上の繰越欠損金について(顕在化の可能性:中、顕在化の時期:長期、影響度:大)当社は、事業開始後継続してサービスに関する開発や拡大に伴う人材の採用を行ってきたことから、創業以来当期純損失を計上しており、第9期事業年度末日には当社において税務上1,711,756千円の繰越欠損金が存在しております。繰越欠損金は、一般的に将来の課税所得から控除することが可能であるため、繰越欠損金を利用することにより将来の税額を減額することができます。しかしながら繰越欠損金の利用額と利用期間には、税務上、一定の制限も設けられております。よって計画どおりに課税所得が発生しない場合、繰越欠損金を計画どおり利用できないこととなるため、通常の税率に基づく法人税等が課税されることになり、当期純利益やキャッシュ・フローに影響を与える可能性があります。 (11)法的規制について(顕在化の可能性:低、顕在化の時期:特定時期なし、影響度:大)当社では事業運営にあたり、不当景品類及び不当表示防止法、特定商取引に関する法律、著作権法、意匠法、商標法、個人情報の保護に関する法律、特定電子メールの送信の適正化等に関する法律、医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律、電子消費者契約に関する民法の特例に関する法律(電子消費者契約法)、取引デジタルプラットフォームを利用する消費者の利益の保護に関する法律、電気通信事業法、旅行業法、地方税法、食品表示法、健康促進法、計量法といった法令の影響を受けます。 これらの法令の改正や新たな法令の制定、監督官庁の見解の変更、社会構造の変化等想定外の事態の発生等により当社の展開する事業が法令に抵触した場合やオンラインプラットフォーム出品者である生産者が各種法令を遵守せずプラットフォームの評価が下がった場合には、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。かかるリスクに対しては、顧問弁護士等の外部専門家と協議し、法改正等の情報収集を行い、従業員教育等を徹底するとともに、法令遵守体制の構築と強化を図っております。また、オンラインプラットフォームの出品者である生産者が遵守すべき各種法令についても、プラットフォームの出品状況の監視を行うとともに、生産者への注意喚起を徹底しております。 (12)物価上昇について(顕在化の可能性:中、顕在化の時期:特定時期なし、影響度:中)農水産物の収穫までにかかる燃料費をはじめとする各種の費用高騰により生産者がオンラインプラットフォームに出品する際の金額が上昇する場合、また、物流業者での燃料費・人件費等の上昇を受け配送費用が上昇する場合、消費者の購買意欲に影響を与え、ひいては当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 (13)食の安全性について(顕在化の可能性:低、顕在化の時期:特定時期なし、影響度:中)当社は、全国の農家・漁師から、直接やりとりをしながら旬の食べ物を買うことができるプラットフォームを運営しております。万一、食材への異物混入や食中毒等の衛生問題が発生した場合、原則としては販売主体である生産者の販売責任ではあるものの、消費者の「食の安全性」に対する不安心理が高まり、当社のブランドイメージの失墜やサービス利用者数が減少し、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。そうしたトラブルを防止するため、出品の監視を行うとともに、梱包や配送にあたっての注意事項を生産者に教育することに取り組んでおります。 (14)サービスの健全性の維持について(顕在化の可能性:中、顕在化の時期:特定時期なし、影響度:中)当社が運営するCtoCプラットフォームでは、サービス内における法令違反や公序良俗違反等の禁止事項を利用規約に明記するとともに、出品状況やメッセージ等の監視を行うことで、法令に反した出品をなくすと同時に生産者・消費者間のトラブルを未然に防止し、プラットフォームの健全性を確保しております。しかしながら、詐欺その他の法令違反行為等が行われた場合や、禁止事項を発見または排除することができないことにより、プラットフォームとしての健全性を確保できない場合において、当社のサービスに対する信頼性が低下し、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。 (15)業績の季節性について(顕在化の可能性:中、顕在化の時期:特定時期なし、影響度:中)当社の四半期における業績は、第4四半期(10月~12月)において、売上高及び営業利益が偏重する傾向にあります。これは、自治体支援サービスの実施が集中すること、ふるさと納税の需要が年末にピークになること等によるものです。一方、当社の第2四半期(4月~6月)は、自治体支援サービスが、自治体年度のスタートとともに、自治体の事業発注先の選定などの準備期間にあたる等の理由から、他の四半期と比較して売上が減少する傾向があります。したがって、当社の上半期又は四半期別の業績のみを基に、当社の通期の業績を見通すことは困難であることに留意する必要があります。当社は、当該季節的要因を踏まえた予算を策定し、売上高及び利益の確保に努めておりますが、何らかの事情により計画通りに需要が伸びなかった場合等には、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。なお、直近2年間の四半期ごとの売上高、年間売上高に占める割合及び営業損失は以下の通りであります。 第8期事業年度(2022年12月期)第9期事業年度(2023年12月期)売上高(千円)構成比(%)営業損失(△)(千円)売上高(千円)構成比(%)営業損失(△)(千円)第1四半期138,04221.7△178,089165,94017.4△73,472第2四半期108,09817.0△143,020177,15418.5△90,251第3四半期150,40823.6△96,455250,10126.2△48,266第4四半期239,43737.6△58,425363,32138.0△17,523 (16)新型コロナウイルス等の感染症の影響について(顕在化の可能性:中、顕在化の時期:特定時期なし、影響度:中)新型コロナウイルスに代表される感染症・伝染病の流行等によって、拡散脅威や外出禁止令による経済活動の停滞が起きる可能性があります。感染症の再流行・長期化が起きることで、オンラインプラットフォームでの取引は拡大するものの、ポケマルおやこ地方留学の需要が減少することや、イベントの開催自粛などにより新規営業活動が想定通りに進まなくなるなどのリスクがあると考えております。このような事態が生じた場合、当社の財政状態及び経営成績並びに今後の事業展開に影響を及ぼす可能性があります。 (17)知的財産権について(顕在化の可能性:低、顕在化の時期:特定時期なし、影響度:中)当社は、運営するサービス名について複数の商標登録を行っており、今後もオンライン・オフラインを問わず新たなサービスを展開する際にも、関連する商標登録を行っていく方針としております。また当社が運営するインターネットサイトに掲載する画像については第三者の知的財産権を侵害しないように監視・管理を行っておりますが、今後も知的財産権の侵害を理由とする訴訟やクレームが提起されないという保証はなく、このような事態が発生した場合には、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。かかるリスクに対しては、顧問弁護士等とも連携し、最新の情報を収集するとともに、リスク・コンプライアンス委員会を設置し、社内の管理体制を構築することにより対応しております。 (18)人材の確保について(顕在化の可能性:中、顕在化の時期:特定時期なし、影響度:中)当社は今後の事業拡大及び収益基盤の拡充のためには、優秀な人材を確保及び育成することが不可欠と認識しております。しかしながら、当社の採用基準を満たす優秀な人材を十分に採用できない場合や、採用後の育成が十分に進まなかった場合には、当社の事業拡大の制約となり、財政状態及び経営成績等に影響を及ぼす可能性のある重要なリスクと認識しております。当社では、今後の事業の成長に応じて採用活動を行うとともに、成長ポテンシャルの高い人材の育成を同時に進め、内部管理体制及び業務執行体制の充実を図っていく方針であります。 (19)配当政策について(顕在化の可能性:低、顕在化の時期:特定時期なし、影響度:中)当社は、株主に対する利益還元を重要な経営課題と考えております。しかしながら、現時点では、当社は成長過程にあると考えており、内部留保の充実を図り、もって将来に向けての事業拡大と効率化のための投資に充当していくことが株主に対する最大の利益還元につながると考えております。このことから、今後においても当面の間は内部留保の充実を図る方針でおります。将来的には、各事業年度の経営成績と必要な内部留保を勘案しながら株主への利益還元を検討していく方針ですが、現時点においては配当の実施及びその実施時期等については未定であります。 (20)社歴の浅いことについて(顕在化の可能性:中、顕在化の時期:特定時期なし、影響度:中)当社は2015年2月の設立から本書提出日まで約9年と社歴が浅いため、業績に影響を与えうる全ての事象を網羅的に経験していると断じることが出来ず、不測の事象により事業計画の達成を阻害する要因が生じうる可能性を残しております。創業以来蓄積してきた経営ノウハウや過去データに基づく将来予測を可能な限り精緻に実施していくことで、当該リスクが顕在化する可能性を最小化できるよう努めてまいります。 (21)新株予約権の行使による株式価値の希薄化について(顕在化の可能性:中、顕在化の時期:中期、影響度:中)当社は取締役・従業員・外部協力者に対し、長期的な企業価値向上に資するインセンティブとして新株予約権を付与しているほか、今後も優秀な人材確保のため新株予約権その他のエクイティ・インセンティブプランを発行する可能性があります。これらが権利行使された場合等には、当社株式が新たに発行又は交付されることにより、既存の株主が有する株式の価値及び議決権割合が希薄化する可能性があるとともに、これらの株式が一度に大量に市場に流入することとなった場合等には適切な株価形成に影響を及ぼす可能性があります。本書提出日現在でこれらの新株予約権に係る潜在株式数は224,000株であり、発行済株式総数及び潜在株式数の合計2,639,550株の8.49%に相当します。 (22)競合他社の影響について(顕在化の可能性:中、顕在化の時期:特定時期なし、影響度:中)当社と同様にEC事業、旅行事業を営んでいる有力な競合企業が存在しておりますが、当社は生産者と消費者のユーザー基盤、継続的な購買を促進する仕組み等の強みを活かしております。しかしながら、有力な競合企業が、その資本力、営業力等を現状以上に活用してサービスや商品の販売に取り組み、当社の想定している以上に競争が激化した場合には、当社の事業及び業績に影響を与える可能性があります。また、当社及び競合他社においてシステムや手数料等の経済条件の変更がなされた際に、当社の提供するサービスと明確な差異が生じた場合には、当社の事業及び業績に影響を与える可能性があります。CtoCプラットフォーム「ポケットマルシェ」の販売手数料については、経済状況を鑑み2022年1月に15%から20%に引き上げた実績があり、2024年4月には23%に引き上げを決定しております。今後も状況に応じて変更の可能性があります。 (23)過年度の継続的な損失計上について(顕在化の可能性:中、顕在化の時期:短期、影響度:中)当社は、事業開始後継続してサービスに関する開発や拡大に伴う人材の採用を行ってきたことから、創業以来当期純損失を計上しております。これにより安定したプラットフォーム運営をはじめとする各種サービスの売上獲得に寄与しており、今後は利益を継続的に計上することが可能になると考えております。ただし、当社が想定した以上の業界の変化、競争の激化等が発生した場合には、当期純損失計上が続き、当社の業績及び財政状態に影響を与える可能性があります。 (24)内部管理体制について(顕在化の可能性:低、顕在化の時期:特定時期なし、影響度:中)当社は、企業価値を最大化すべく、コーポレート・ガバナンスの充実を経営の重要課題と位置づけ、多様な施策を実施しております。また、業務の適正及び財務報告の信頼性を確保するため、これらに係る内部統制が有効に機能する体制を整備、運用しております。しかしながら、事業の急速な拡大等により、十分な内部管理体制の整備、運用が追いつかないという状況が生じる場合には、適切な業務運営が困難となり、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 (25)訴訟等について(顕在化の可能性:低、顕在化の時期:特定時期なし、影響度:中)本書提出日現在において当社を当事者とする訴訟等の法的手続はありません。しかしながら、将来訴訟等による請求を受け、またはその他の形で当社を当事者とする訴訟等の法的手続が行われる可能性はあります。また、当社サービスの利用者による違法行為やトラブル、第三者の権利侵害があった場合には、当社の利用規約において当社は損害賠償責任を負わない旨を定めておりますが、当社サービスの利用者による違法行為等により、当社に対する訴訟を提起される可能性があります。このような事態が生じた場合、当社の事業及び業績に影響が及ぶ可能性があります。
経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という)の状況の概要は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において、当社が判断したものであります。 (1) 経営成績等の状況の概要① 財政状態の状況(資産)当事業年度末における流動資産は1,277,033千円となり、前事業年度末に比べ610,719千円増加いたしました。これは主に現金及び預金が482,802千円、売掛金が96,302千円、未収入金が35,759千円増加したこと等によるものであります。固定資産は13,682千円となり、前事業年度末に比べ3,551千円減少いたしました。これは主に差入保証金が3,018千円減少したこと等によるものであります。この結果、総資産は1,290,715千円となり、前事業年度末に比べ607,167千円増加いたしました。 (負債)当事業年度末における流動負債は636,007千円となり、前事業年度末に比べ90,379千円増加いたしました。これは主に短期借入金が36,500千円、買掛金が26,542千円、未払消費税等が19,338千円増加したこと等によるものであります。固定負債は204,879千円となり、前事業年度末に比べ200,000千円増加いたしました。これは長期借入金が200,000千円増加したことによるものであります。この結果、負債合計は、840,887千円となり、前事業年度に比べ290,379千円増加いたしました。 (純資産)当事業年度末における純資産合計は449,828千円となり、前事業年度末に比べ316,788千円増加いたしました。これは主に公募増資に係る新株発行により資本金及び資本準備金がそれぞれ250,106千円増加しましたが、当期純損失182,523千円を計上したことによるものであります。 ② 経営成績の状況当事業年度は、個人向け食品関連サービスが安定して成長したほか、企業・自治体向けサービスが大幅に成長し、売上高は956,517千円となりました。また、当社は2023年12月18日に東京証券取引所グロース市場に新規上場し、日本で初めてNPOとして創業した企業が上場を実現するインパクトIPOとなりました。個人向け食品関連サービスは、新型コロナウイルス感染症に伴う行動制限が全面的に解除され外食の利用が進むなどの外部環境変化があったものの、CtoCプラットフォーム「ポケットマルシェ」を利用する生産者は約8,100人、利用するユーザー数は73万人を突破しました。また、「ポケマルふるさと納税」は、都道府県として初めて11月に岩手県庁が参画し、県内全域の生産者がふるさと納税の対象となることで対象商品数が増加しました。さらには、当事業年度においては、全国各地の生産者ネットワークを活かし、サブスクリプション型サービス、詰め合わせ商品を販売するなど商品開発を大幅に拡大しました。企業・自治体向けサービスでは、大分県と連携したインバウンド向け旅行ツアー造成、福島県と連携した移住定住支援、熊本市と連携した小売や百貨店催事等のリアルな場での販売促進支援など、従来メインであった、CtoCプラットフォーム「ポケットマルシェ」を基盤とした一次産品の販売促進に係るサービスに加えて、移住や観光分野の新領域でのサービスが増加しています。その結果として、当事業年度は、40自治体との連携を行い、前事業年度より9自治体増加しました。個人向け旅行関連サービスの「ポケマルおやこ地方留学」は、夏季は北海道・岩手・京都・和歌山・福岡の5箇所でプログラムを催行し、昨年の1拠点開催より4拠点増加しました。冬季も2拠点での開催を実行するなど、年間では112家族、314名が参加し、昨年に比較し大きく拡大を果たしました。実施後のアンケートで参加者の9割が再訪意向を示し、実際に冬季は全参加家族のうち7割がリピーターという結果となり、親子ワーケーションプログラムには高いニーズがある状況です。 この結果、当事業年度の業績は、売上高956,517千円(前年同期比50.4%増)、営業損失229,514千円(前年同期は475,991千円の営業損失)、経常損失181,658千円(前年同期は321,313千円の経常損失)、当期純損失182,523千円(前年同期は322,178千円の当期純損失)となりました。なお、当社は、関係人口創出セグメントの単一セグメントで事業運営を行なっているためセグメント別の記載を省略しておりますが、個人向け食品関連サービス、企業・自治体向けサービス、個人向け旅行関連サービスの3種類のサービスに分類することができ、当事業年度の売上は、個人向け食品関連サービス637,696千円、企業・自治体向けサービス288,636千円、個人向け旅行関連サービス30,184千円となっております。また、当社が主要な経営指標と置いているインパクト指標については、サービス開始より、①顔の見える流通総額は累計で約86億3,172万円、②コミュニケーション数は累計で939万1,267件、③都市住民が生産現場で過ごした延べ日数は累計で2,989日となっております。 ③ キャッシュ・フローの状況当事業年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前事業年度末に比べ482,802千円増加し、当事業年度末には882,969千円となりました。当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。 (営業活動によるキャッシュ・フロー)営業活動の結果使用した資金は241,762千円となりました。これは主に、税引前当期純損失が181,658千円及び売上債権の増減額が96,302千円増加、未収入金の増減額が37,099千円増加によるものであります。 (投資活動によるキャッシュ・フロー)投資活動の結果得られた資金は2,214千円となりました。これは主に、差入保証金の回収による収入3,251千円によるものであります。 (財務活動によるキャッシュ・フロー)財務活動の結果得られた資金は722,350千円となりました。これは主に、長期借入による収入200,000千円及び新株の発行による収入454,312千円によるものであります。 ④ 生産、受注及び販売の実績a 生産実績当社が提供するサービスの性格上、生産実績の記載になじまないため、記載を省略しております。 b 受注実績当社が提供するサービスの性格上、受注実績の記載になじまないため、記載を省略しております。 c 販売実績第9期事業年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。なお、当社の事業は、関係人口創出事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。 セグメントの名称販売高(千円)前年同期比(%)関係人口創出事業956,517150.4
(注) 最近2事業年度における主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合については、その割合が10%未満であるため、記載を省略しております。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。 ① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容a.財政状態の分析財政状態の分析につきまして、「(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態の状況」に記載のとおりであります。 b.経営成績の分析(売上高)当事業年度の売上高は956,517千円(前年同期比50.4%増)となりました。これは主に、自治体向けサービスが大きく伸長し、またCtoCプラットフォーム「ポケットマルシェ」による個人向け食品関連サービスも継続して成長した結果となります。 (売上原価、売上総利益)当事業年度の売上原価は386,412千円(前年同期比149.6%増)となりました。これは主に、自治体向けサービス及びサブスクリプションサービス等の売上の増加によるものです。この結果、当事業年度の売上総利益は570,105千円(前年同期比18.5%増)となりました。 (販売費及び一般管理費、営業損失)当事業年度の販売費及び一般管理費は799,619千円(前年同期比16.5%減)となりました。これは主に、広告宣伝費が123,517千円減少しております。この結果、当事業年度の営業損失は229,514千円(前年同期は営業損失475,991千円)となりました。 (営業外収益、営業外費用、経常損失)当事業年度の営業外収益は69,501千円(前年同期比55.7%減)となりました。これは主に、補助金収入42,589千円及び助成金収入16,856千円によるものであります。当事業年度の営業外費用は21,645千円(前年同期比887.9%増)となりました。これは主に、株式上場費用14,344千円、支払利息3,637千円及びチャージバック損失3,170千円によるものであります。この結果、当事業年度の経常損失は181,658千円(前年同期は経常損失321,313千円)となりました。 (法人税、住民税及び事業税、当期純損失)当事業年度の法人税、住民税及び事業税は865千円となりました。この結果、当事業年度の当期純損失は182,523千円(前年同期は当期純損失322,178千円)となりました。 ② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報当社の当事業年度のキャッシュ・フローは、「(1)経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。当社の運転資金需要のうち主なものは、事業規模の拡大による人件費、支払送料及び広告宣伝費であります。当社は、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。当社の資本の財源及び資金の流動性については、短期運転資金は自己資金及び金融機関からの短期借入を基本としており、長期運転資金の調達につきましては、金融機関からの長期借入を基本としております。当事業年度末における短期及び長期借入金残高は350,000千円となっております。また、当事業年度末における現金及び現金同等物の残高は882,969千円となっております。 ③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。
経営上の重要な契約等 5 【経営上の重要な契約等】
該当事項はありません。
研究開発活動 6 【研究開発活動】
該当事項はありません。
設備投資等の概要 1 【設備投資等の概要】
当事業年度において実施した設備投資はありません。当社は関係人口創出事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載は省略しております。なお、当事業年度において重要な設備の除却、売却等はありません。
主要な設備の状況 2 【主要な設備の状況】
当社における主要な設備は以下のとおりであります。2023年12月31日現在事業所名(所在地)設備の内容帳簿価額(千円)従業員数(名)建物建物附属設備工具、器具及び備品商標権合計本店(岩手県花巻市)事務所01,526――1,5260〔2〕東京オフィス(東京都渋谷区)事務所―――4,0834,08339〔21〕
(注) 1.現在休止中の主要な設備はありません。2.本店等の建物を賃借しております。年間の支払家賃は14,341千円であります。3.従業員数は就業人員であり、臨時従業員数(契約社員、パートタイマー)は、〔 〕内に年間の平均人員を外数で記載しております。4.当社は、関係人口創出事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載はしておりません。
設備の新設、除却等の計画 3 【設備の新設、除却等の計画】
(1) 重要な設備の新設等事業所名(所在地)設備の内容投資予定金額資金調達方法着手年月完了予定年月完成後の増加能力総額(千円)既支払金額(千円)東京オフィス(東京都渋谷区)外部連携システム構築165,600―増資資金2025年1月2025年12月(注2)東京オフィス(東京都渋谷区)オフィス移転(敷金、内装設備)44,230―増資資金未定(注3)未定(注3)(注2)
(注) 1.現在休止中の主要な設備はありません。2.完成後の増加能力は、計数的把握が困難であるため、記載を省略しております。3.着手及び完了予定年月は、2025年12月期を想定しておりますが、未確定であります。4.当社の事業は、関係人口創出事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載は省略しております。
(2) 重要な設備の除却等該当事項はありません。

Employees

平均年齢(年)、提出会社の状況、従業員の状況35
平均勤続年数(年)、提出会社の状況、従業員の状況2
平均年間給与、提出会社の状況、従業員の状況5,240,000

Investment

株式の保有状況 (5) 【株式の保有状況】
該当事項はありません。

Shareholders

大株主の状況 (6) 【大株主の状況】
2023年12月31日現在
氏名又は名称住所所有株式数(株)発行済株式(自己株式を除く。)の総数に対する所有株式数の割合(%)
PNB-INSPiRE Ethical Fund 1 投資事業有限責任組合東京都港区南青山五丁目3番10号フロムファーストビル306 316,75013.46
小 橋 正 次 郎岡山県岡山市北区294,50012.52
株式会社丸井グループ東京都中野区中野四丁目3番2号166,7507.09
高 橋 博 之岩手県花巻市155,7506.62
大 塚 泰 造京都府京都市中京区141,7506.02
本 間 勇 輝長野県北佐久郡御代田町75,2503.20
株式会社ユーグレナ東京都港区芝五丁目29番11号75,0003.19
永 田 暁 彦千葉県長生郡長生村51,0002.17
株式会社SBI証券東京都港区六本木一丁目6番1号50,0002.12
アグリビジネス投資育成株式会社(農林中央金庫信託口)東京都千代田区大手町一丁目3番1号JAビル49,2502.09
計―1,326,00056.35 (注)上記大株主の状況に記載の当社取締役小橋正次郎の所有株式数は、同氏が実質的に支配している小橋工業株式会社が保有する株式数244,500株(10.39%)及びKOBASHI HOLDINGS株式会社が保有する株式数47,800株(2.03%)を含めた実質所有株式数を記載しております。
株主数-金融機関3
株主数-金融商品取引業者20
株主数-外国法人等-個人8
株主数-外国法人等-個人以外11
株主数-個人その他1,496
株主数-その他の法人28
株主数-計1,566
氏名又は名称、大株主の状況アグリビジネス投資育成株式会社(農林中央金庫信託口)
株主総会決議による取得の状況 (1) 【株主総会決議による取得の状況】
該当事項はありません。
株主総会決議又は取締役会決議に基づかないものの内容 (3) 【株主総会決議又は取締役会決議に基づかないものの内容】
該当事項はありません。

Shareholders2

発行済株式及び自己株式に関する注記 1 発行済株式に関する事項 株式の種類当事業年度期首増加減少当事業年度末普通株式(株)6,6702,346,380―2,353,050 (変動事由の概要)第三者割当増資に伴う新株発行による増加57株新株予約権の行使に伴う新株発行による増加900株株式分割による増加1,899,123株公募増資に伴う新株発行による増加446,300株

Audit1

監査法人1、個別EY新日本有限責任監査法人
独立監査人の報告書、個別 独立監査人の監査報告書 2024年3月28日株式会社雨風太陽取締役会 御中 EY新日本有限責任監査法人 東京事務所 指定有限責任社員業務執行社員 公認会計士根本 知香 指定有限責任社員業務執行社員 公認会計士本間 愛雄 <財務諸表監査>監査意見 当監査法人は、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づく監査証明を行うため、「経理の状況」に掲げられている株式会社雨風太陽の2023年1月1日から2023年12月31日までの第9期事業年度の財務諸表、すなわち、貸借対照表、損益計算書、株主資本等変動計算書、キャッシュ・フロー計算書、重要な会計方針、その他の注記及び附属明細表について監査を行った。 当監査法人は、上記の財務諸表が、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して、株式会社雨風太陽の2023年12月31日現在の財政状態並びに同日をもって終了する事業年度の経営成績及びキャッシュ・フローの状況を、全ての重要な点において適正に表示しているものと認める。監査意見の根拠 当監査法人は、我が国において一般に公正妥当と認められる監査の基準に準拠して監査を行った。監査の基準における当監査法人の責任は、「財務諸表監査における監査人の責任」に記載されている。当監査法人は、我が国における職業倫理に関する規定に従って、会社から独立しており、また、監査人としてのその他の倫理上の責任を果たしている。当監査法人は、意見表明の基礎となる十分かつ適切な監査証拠を入手したと判断している。 監査上の主要な検討事項 監査上の主要な検討事項とは、当事業年度の財務諸表の監査において、監査人が職業的専門家として特に重要であると判断した事項である。監査上の主要な検討事項は、財務諸表全体に対する監査の実施過程及び監査意見の形成において対応した事項であり、当監査法人は、当該事項に対して個別に意見を表明するものではない。「ポケットマルシェ」から生じる販売手数料に係る収益認識監査上の主要な検討事項の内容及び決定理由監査上の対応注記事項(収益認識関係)に記載の通り、当事業年度における売上高956,517千円のうち、一時点で移転される財及びサービスに係る売上高は930,346千円であり、売上高の97.2%を占めている。その中核は、個人向け食品関連サービスであるCtoCプラットフォーム「ポケットマルシェ」から生じる販売手数料である。 「ポケットマルシェ」は、全国の農家・漁師といった生産者と注文者である消費者を繋ぐECプラットフォームである。販売手数料は、売主である生産者と買主である注文者との間で注文が確定し、生産者から注文者への商品発送が成立した時点で認識される顧客から受領する対価であり、取引価格に一定の料率を乗じて算定される。取り扱う1件当たりの取引価格はいずれも少額であり、個々の取引から生じる収益は少額であるが、生産者・消費者共に登録者数が多く、また取扱品目が多いことから、処理される取引件数は膨大である。 また、「ポケットマルシェ」から生じる販売手数料は、主に販売システムの自動化統制に依存している。販売システムにおいて自動計算される販売手数料が正しく計算、集計するための自動化統制に不備があった場合には、その影響が広範囲に及び、財務報告に重要な影響を与える可能性がある。 以上より、当監査法人は、「ポケットマルシェ」から生じる販売手数料に係る収益認識について、監査上の主要な検討事項に該当するものと判断した。当監査法人は、「ポケットマルシェ」から生じる販売手数料に係る収益認識について、主として以下の手続を実施した。(1)関連するITシステムに係る内部統制の評価 関連するITシステムによる処理結果の信頼性を評価するために、当監査法人と同一のネットワークに属するメンバーファームのIT専門家を関与させ、以下の手続を実施した。・ 販売システムにかかるIT業務処理統制が、当事業年度を通じて一貫して運用されるために必要なIT全般統制について整備状況及び運用状況の有効性を評価した。・ ソースコードを閲覧し、販売システムにより販売手数料が取引価格および手数料率から自動計算されるロジックを理解した。・ 自動計算に関する内部統制の有効性を評価するために、サンプルで抽出した取引について取引価格に手数料率を乗じる計算の再計算を実施した。(2)収益計上の正確性の検証以上の内部統制の有効性を評価する手続に加え、主として以下の監査手続を実施した。・ 会計システムに入力されている販売手数料の仕訳について、販売システムで生成・集計された販売手数料との突合を実施した。 その他の記載内容その他の記載内容は、有価証券報告書に含まれる情報のうち、財務諸表及びその監査報告書以外の情報である。経営者の責任は、その他の記載内容を作成し開示することにある。また、監査役及び監査役会の責任は、その他の記載内容の報告プロセスの整備及び運用における取締役の職務の執行を監視することにある。当監査法人の財務諸表に対する監査意見の対象にはその他の記載内容は含まれておらず、当監査法人はその他の記載内容に対して意見を表明するものではない。財務諸表監査における当監査法人の責任は、その他の記載内容を通読し、通読の過程において、その他の記載内容と財務諸表又は当監査法人が監査の過程で得た知識との間に重要な相違があるかどうか検討すること、また、そのような重要な相違以外にその他の記載内容に重要な誤りの兆候があるかどうか注意を払うことにある。当監査法人は、実施した作業に基づき、その他の記載内容に重要な誤りがあると判断した場合には、その事実を報告することが求められている。その他の記載内容に関して、当監査法人が報告すべき事項はない。 財務諸表に対する経営者並びに監査役及び監査役会の責任経営者の責任は、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して財務諸表を作成し適正に表示することにある。これには、不正又は誤謬による重要な虚偽表示のない財務諸表を作成し適正に表示するために経営者が必要と判断した内部統制を整備及び運用することが含まれる。財務諸表を作成するに当たり、経営者は、継続企業の前提に基づき財務諸表を作成することが適切であるかどうかを評価し、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づいて継続企業に関する事項を開示する必要がある場合には当該事項を開示する責任がある。監査役及び監査役会の責任は、財務報告プロセスの整備及び運用における取締役の職務の執行を監視することにある。 財務諸表監査における監査人の責任 監査人の責任は、監査人が実施した監査に基づいて、全体としての財務諸表に不正又は誤謬による重要な虚偽表示がないかどうかについて合理的な保証を得て、監査報告書において独立の立場から財務諸表に対する意見を表明することにある。虚偽表示は、不正又は誤謬により発生する可能性があり、個別に又は集計すると、財務諸表の利用者の意思決定に影響を与えると合理的に見込まれる場合に、重要性があると判断される。 監査人は、我が国において一般に公正妥当と認められる監査の基準に従って、監査の過程を通じて、職業的専門家としての判断を行い、職業的懐疑心を保持して以下を実施する。・ 不正又は誤謬による重要な虚偽表示リスクを識別し、評価する。また、重要な虚偽表示リスクに対応した監査手続を立案し、実施する。監査手続の選択及び適用は監査人の判断による。さらに、意見表明の基礎となる十分かつ適切な監査証拠を入手する。・ 財務諸表監査の目的は、内部統制の有効性について意見表明するためのものではないが、監査人は、リスク評価の実施に際して、状況に応じた適切な監査手続を立案するために、監査に関連する内部統制を検討する。・ 経営者が採用した会計方針及びその適用方法の適切性、並びに経営者によって行われた会計上の見積りの合理性及び関連する注記事項の妥当性を評価する。・ 経営者が継続企業を前提として財務諸表を作成することが適切であるかどうか、また、入手した監査証拠に基づき、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況に関して重要な不確実性が認められるかどうか結論付ける。継続企業の前提に関する重要な不確実性が認められる場合は、監査報告書において財務諸表の注記事項に注意を喚起すること、又は重要な不確実性に関する財務諸表の注記事項が適切でない場合は、財務諸表に対して除外事項付意見を表明することが求められている。監査人の結論は、監査報告書日までに入手した監査証拠に基づいているが、将来の事象や状況により、企業は継続企業として存続できなくなる可能性がある。・ 財務諸表の表示及び注記事項が、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠しているかどうかとともに、関連する注記事項を含めた財務諸表の表示、構成及び内容、並びに財務諸表が基礎となる取引や会計事象を適正に表示しているかどうかを評価する。 監査人は、監査役及び監査役会に対して、計画した監査の範囲とその実施時期、監査の実施過程で識別した内部統制の重要な不備を含む監査上の重要な発見事項、及び監査の基準で求められているその他の事項について報告を行う。 監査人は、監査役及び監査役会に対して、独立性についての我が国における職業倫理に関する規定を遵守したこと、並びに監査人の独立性に影響を与えると合理的に考えられる事項、及び阻害要因を除去するための対応策を講じている場合又は阻害要因を許容可能な水準にまで軽減するためのセーフガードを適用している場合はその内容について報告を行う。 監査人は、監査役及び監査役会と協議した事項のうち、当事業年度の財務諸表の監査で特に重要であると判断した事項を監査上の主要な検討事項と決定し、監査報告書において記載する。ただし、法令等により当該事項の公表が禁止されている場合や、極めて限定的ではあるが、監査報告書において報告することにより生じる不利益が公共の利益を上回ると合理的に見込まれるため、監査人が報告すべきでないと判断した場合は、当該事項を記載しない。<報酬関連情報>当監査法人及び当監査法人と同一のネットワークに属する者に対する、会社の監査証明業務に基づく報酬及び非監査業務に基づく報酬の額は、「提出会社の状況」に含まれるコーポレート・ガバナンスの状況等(3)【監査の状況】
に記載されている。 利害関係会社と当監査法人又は業務執行社員との間には、公認会計士法の規定により記載すべき利害関係はない。以 上
(注) 1.上記の監査報告書の原本は当社(有価証券報告書提出会社)が別途保管しております。2.XBRLデータは監査の対象には含まれていません。
監査上の主要な検討事項、個別 監査上の主要な検討事項 監査上の主要な検討事項とは、当事業年度の財務諸表の監査において、監査人が職業的専門家として特に重要であると判断した事項である。監査上の主要な検討事項は、財務諸表全体に対する監査の実施過程及び監査意見の形成において対応した事項であり、当監査法人は、当該事項に対して個別に意見を表明するものではない。「ポケットマルシェ」から生じる販売手数料に係る収益認識監査上の主要な検討事項の内容及び決定理由監査上の対応注記事項(収益認識関係)に記載の通り、当事業年度における売上高956,517千円のうち、一時点で移転される財及びサービスに係る売上高は930,346千円であり、売上高の97.2%を占めている。その中核は、個人向け食品関連サービスであるCtoCプラットフォーム「ポケットマルシェ」から生じる販売手数料である。 「ポケットマルシェ」は、全国の農家・漁師といった生産者と注文者である消費者を繋ぐECプラットフォームである。販売手数料は、売主である生産者と買主である注文者との間で注文が確定し、生産者から注文者への商品発送が成立した時点で認識される顧客から受領する対価であり、取引価格に一定の料率を乗じて算定される。取り扱う1件当たりの取引価格はいずれも少額であり、個々の取引から生じる収益は少額であるが、生産者・消費者共に登録者数が多く、また取扱品目が多いことから、処理される取引件数は膨大である。 また、「ポケットマルシェ」から生じる販売手数料は、主に販売システムの自動化統制に依存している。販売システムにおいて自動計算される販売手数料が正しく計算、集計するための自動化統制に不備があった場合には、その影響が広範囲に及び、財務報告に重要な影響を与える可能性がある。 以上より、当監査法人は、「ポケットマルシェ」から生じる販売手数料に係る収益認識について、監査上の主要な検討事項に該当するものと判断した。当監査法人は、「ポケットマルシェ」から生じる販売手数料に係る収益認識について、主として以下の手続を実施した。(1)関連するITシステムに係る内部統制の評価 関連するITシステムによる処理結果の信頼性を評価するために、当監査法人と同一のネットワークに属するメンバーファームのIT専門家を関与させ、以下の手続を実施した。・ 販売システムにかかるIT業務処理統制が、当事業年度を通じて一貫して運用されるために必要なIT全般統制について整備状況及び運用状況の有効性を評価した。・ ソースコードを閲覧し、販売システムにより販売手数料が取引価格および手数料率から自動計算されるロジックを理解した。・ 自動計算に関する内部統制の有効性を評価するために、サンプルで抽出した取引について取引価格に手数料率を乗じる計算の再計算を実施した。(2)収益計上の正確性の検証以上の内部統制の有効性を評価する手続に加え、主として以下の監査手続を実施した。・ 会計システムに入力されている販売手数料の仕訳について、販売システムで生成・集計された販売手数料との突合を実施した。
全体概要、監査上の主要な検討事項、個別  監査上の主要な検討事項とは、当事業年度の財務諸表の監査において、監査人が職業的専門家として特に重要であると判断した事項である。監査上の主要な検討事項は、財務諸表全体に対する監査の実施過程及び監査意見の形成において対応した事項であり、当監査法人は、当該事項に対して個別に意見を表明するものではない。
見出し、監査上の主要な検討事項、個別「ポケットマルシェ」から生じる販売手数料に係る収益認識
その他の記載内容、個別 その他の記載内容その他の記載内容は、有価証券報告書に含まれる情報のうち、財務諸表及びその監査報告書以外の情報である。経営者の責任は、その他の記載内容を作成し開示することにある。また、監査役及び監査役会の責任は、その他の記載内容の報告プロセスの整備及び運用における取締役の職務の執行を監視することにある。当監査法人の財務諸表に対する監査意見の対象にはその他の記載内容は含まれておらず、当監査法人はその他の記載内容に対して意見を表明するものではない。財務諸表監査における当監査法人の責任は、その他の記載内容を通読し、通読の過程において、その他の記載内容と財務諸表又は当監査法人が監査の過程で得た知識との間に重要な相違があるかどうか検討すること、また、そのような重要な相違以外にその他の記載内容に重要な誤りの兆候があるかどうか注意を払うことにある。当監査法人は、実施した作業に基づき、その他の記載内容に重要な誤りがあると判断した場合には、その事実を報告することが求められている。その他の記載内容に関して、当監査法人が報告すべき事項はない。

BS資産

仕掛品924,000
未収入金243,268,000
工具、器具及び備品(純額)0
有形固定資産1,526,000
無形固定資産4,083,000
投資その他の資産8,072,000

BS負債、資本

短期借入金150,000,000
未払金140,233,000
未払法人税等5,392,000
未払費用51,081,000
資本剰余金395,838,000
利益剰余金-541,848,000
負債純資産1,290,715,000

PL

売上原価386,412,000
販売費及び一般管理費799,619,000
受取利息、営業外収益3,000
営業外収益69,501,000
支払利息、営業外費用3,637,000
営業外費用21,645,000
法人税、住民税及び事業税865,000

PL2

当期変動額合計316,788,000

FS_ALL

現金及び現金同等物の残高882,969,000
減価償却累計額、有形固定資産、一括控除-12,228,000
売掛金139,378,000
契約負債1,333,000
広告宣伝費、販売費及び一般管理費63,344,000
減価償却費、販売費及び一般管理費1,101,000
現金及び現金同等物の増減額482,802,000
株主資本以外の項目の当期変動額(純額)-900,000

営業活動によるキャッシュ・フロー

減価償却費、営業活動によるキャッシュ・フロー1,101,000
支払利息、営業活動によるキャッシュ・フロー3,637,000
補助金収入、営業活動によるキャッシュ・フロー-42,589,000
棚卸資産の増減額(△は増加)、営業活動によるキャッシュ・フロー-500,000
仕入債務の増減額、営業活動によるキャッシュ・フロー26,542,000
未払消費税等の増減額、営業活動によるキャッシュ・フロー19,338,000
小計、営業活動によるキャッシュ・フロー-283,795,000
利息の支払額、営業活動によるキャッシュ・フロー又は財務活動によるキャッシュ・フロー-3,863,000
補助金の受取額、営業活動によるキャッシュ・フロー42,589,000

財務活動によるキャッシュ・フロー

短期借入金の純増減額、財務活動によるキャッシュ・フロー36,500,000
長期借入金の返済による支出、財務活動によるキャッシュ・フロー-1,521,000