財務諸表
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| 提出書類、表紙 | 有価証券報告書 | 
| 提出日、表紙 | 2024-03-22 | 
| 英訳名、表紙 | Kao Corporation | 
| 代表者の役職氏名、表紙 | 代表取締役 社長執行役員 長谷部 佳宏 | 
| 本店の所在の場所、表紙 | 東京都中央区日本橋茅場町一丁目14番10号 | 
| 電話番号、本店の所在の場所、表紙 | 03-3660-7111(代表) | 
| 様式、DEI | 第三号様式 | 
| 会計基準、DEI | IFRS | 
| 連結決算の有無、DEI | true | 
| 当会計期間の種類、DEI | FY | 
corp
| 沿革 | 2 【沿革】 1887年 6月洋小間物商長瀬富郎商店として発足。 ───(創業)1890年10月「花王石鹸」を発売。1922年11月吾嬬町工場(現 東京工場(インキュベーションセンター東京))完成。1925年 5月花王石鹸株式会社長瀬商会設立。1935年 3月大日本油脂株式会社を分離独立。1940年 5月日本有機株式会社を日本橋馬喰町で設立。 ───(会社設立年月)1940年 9月日本有機株式会社酒田工場(現 酒田工場)完成。1944年12月大日本油脂株式会社和歌山工場(現 和歌山工場)完成。1946年10月花王石鹸株式会社長瀬商会を株式会社花王と改称。1949年 5月日本有機株式会社を花王石鹸株式会社と改称。東京証券取引所の市場第一部に上場。 12月大日本油脂株式会社と株式会社花王が合併し花王油脂株式会社と改称。1954年 8月花王石鹸株式会社が花王油脂株式会社を吸収合併。1957年12月和歌山工場に合成洗剤工場完成。1960年 3月大阪証券取引所の市場第一部に上場(2003年3月上場廃止)。1963年 3月川崎工場完成。1964年 9月Kao Industrial(Thailand)Co., Ltd.を設立。 12月Kao(Taiwan)Corporationを設立。1965年 4月和歌山工場内に産業科学研究所(和歌山研究所)完成。 7月Kao(Singapore)Private Limited(現 Kao Singapore Private Limited)を設立。1967年 8月 東京工場(現 東京工場(インキュベーションセンター東京))内に東京地区研究所(東京研究所)完成。1970年 3月花王(香港)有限公司を設立。 11月スペインに Sinor-Kao S.A.を設立。1974年11月花王クエーカー㈱を設立。1975年 3月メキシコに Quimi-Kao, S.A. de C.V.を設立。 12月栃木工場完成。1977年 1月フィリピンに Pilipinas Kao,Inc.を設立。1978年 2月愛媛サニタリープロダクツ㈱(現 花王サニタリープロダクツ愛媛㈱)を設立。 3月栃木工場内に栃木研究所完成。1979年 5月スペインに Molins-Kao S.A.を設立。1980年 4月鹿島工場完成。1984年 4月豊橋工場完成。1985年 2月P.T. Dino Indonesia Industrial,Ltd.(現 PT Kao Indonesia)に資本参加。 9月花王化粧品販売会社を全国9ヶ所に設立し、化粧品(ソフィーナ)事業を日本全国に展開。 10月「花王石鹸株式会社」から「花王株式会社」へ商号変更。1986年 5月カナダの Didak Manufacturing Limitedを買収し、情報関連事業に本格的に進出。 10月ドイツに Guhl Ikebana GmbHを設立。1987年 7月アメリカの High Point Chemical Corporationを買収。 8月Sinor-Kao S.A.とMolins-Kao S.A.を合併し、スペインに Kao Corporation, S.A.を設立。1988年 4月KAO(Southeast Asia)Pte.Ltd.(現 Kao Singapore Private Limited)を設立。 5月The Andrew Jergens Company(現 Kao USA Inc.)を買収。 7月Fatty Chemical(Malaysia)Sdn. Bhd.を設立。1989年 5月Goldwell AG(現 Kao Germany GmbH)を買収。 10月全国9ヶ所の化粧品販売会社を統合し、花王化粧品販売㈱を設立。1992年10月ドイツの Chemische Fabrik Chem-Y GmbH(現 Kao Chemicals GmbH)を買収。1993年 8月上海花王有限公司を設立。 1999年 3月情報関連事業から撤退。 4月全国各地区の家庭用製品の販売会社8社が合併(花王販売㈱)。 8月スペインに 欧州工業用製品事業の統轄会社として Kao Chemicals Europe,S.L.を設立。 12月 米州工業用製品事業の統轄会社として Kao Chemicals Americas Corporationを設立し、それに伴い High Point Chemical Corporationを清算。2002年 3月 Goldwell GmbH(現 Kao Germany GmbH)を通じて、KMSリサーチ社(KMS Research, Inc.他)を買収。 6月事業の持株会社として 花王(中国)投資有限公司を設立。 9月 The Andrew Jergens Company(現 Kao USA Inc.)を通じて、ジョン・フリーダ社(John Frieda Professional Hair Care, Inc.他)を買収。2003年 3月花王(上海)産品服務有限公司を設立(上海花王有限公司から販売機能を分離)。2004年 7月株式交換により花王販売㈱を完全子会社化。 10月 当社と花王販売㈱の業務品事業をそれぞれ会社分割し、既存の花王クリーン アンド ビューティ㈱に承継させ、同社を「花王プロフェッショナル・サービス株式会社」に商号変更。2005年 7月 英国の Kao Prestige Limited(2015年11月清算結了)を通じて、モルトン・ブラウン社(Molton Brown Limited他)を買収。2006年 1月㈱カネボウ化粧品の株式を取得し、同社及びそのグループ会社を子会社化。2007年 4月花王販売㈱と花王化粧品販売㈱が合併し、「花王カスタマーマーケティング株式会社」に商号変更。2009年 7月 Kao Corporation GmbH(現 Kao Manufacturing Germany GmbH)を通じて、ライカルト社(Reichardt International AG)の工場(生産設備等)を取得。2011年 4月花王(合肥)有限公司を設立。 6月和歌山工場内に「エコテクノロジーリサーチセンター」(ETRC)完成。2012年 4月花王(上海)化工有限公司を設立。2014年 4月花王コスメプロダクツ小田原㈱を設立。2016年 1月 花王カスタマーマーケティング㈱、カネボウ化粧品販売㈱等の株式を承継した花王グループカスタマーマーケティング㈱が営業開始。 9月小田原事業場内に「ビューティリサーチ&イノベーションセンター」を開所。2018年 1月 花王グループカスタマーマーケティング㈱が花王カスタマーマーケティング㈱、カネボウ化粧品販売㈱を吸収合併。Kao USA Inc.を通じて、オリベ ヘアケア社(Oribe Hair Care, LLC)を買収。 8月Kao USA Inc.を通じて、ウォッシングシステムズ社(Washing Systems, LLC他)を買収。2022年 4月東京証券取引所の市場区分の見直しにより、東京証券取引所の市場第一部からプライム市場に移行。2023年11月Kao USA Inc.及びKao Australia Pty. Limitedとともに、ボンダイサンズ社(Bondi Sands Australia Pty Ltd他)を買収。 | 
| 事業の内容 | 3 【事業の内容】 当社及び関係会社(子会社113社、関連会社5社により構成)は、コンシューマープロダクツ事業製品、ケミカル事業製品の製造、販売を主な事業としているほか、これらに附帯するサービス業務等を営んでおります。事業の内容と当社及び関係会社の当該事業における位置付けは、以下のとおりであります。なお、下記の事業は「その他」を除き、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 連結財務諸表に関する注記事項 6.セグメント情報」に掲げるセグメントの区分と同一であります。 事業区分主要な会社コンシューマープロダクツ事業ハイジーン&リビングケア事業 ヘルス&ビューティケア事業 ライフケア事業 化粧品事業国内当社、花王グループカスタマーマーケティング㈱、花王プロフェッショナル・サービス㈱、ニベア花王㈱、㈱カネボウ化粧品、㈱エキップ、その他 9社 (計15社)海外花王(中国)投資有限公司、上海花王有限公司、 花王(合肥)有限公司、花王(上海)産品服務有限公司、佳麗宝化粧品(中国)有限公司、 Kao(Taiwan)Corporation、Kao Industrial(Thailand)Co., Ltd.、PT Kao Indonesia、Kao USA Inc.、Oribe Hair Care, LLC、 Bondi Sands (USA) Inc.、Washing Systems, LLC、Bondi Sands Australia Pty Ltd、Kao Germany GmbH、Kao Manufacturing Germany GmbH、Molton Brown Limited、その他 49社 (計65社)ケミカル事業国内当社、花王クエーカー㈱、昭和興産㈱ (計3社)海外花王(上海)化工有限公司、Kao(Taiwan)Corporation、Pilipinas Kao,Inc.、Kao Industrial(Thailand)Co., Ltd.、Fatty Chemical(Malaysia)Sdn. Bhd.、Kao America Inc.、Kao Specialties Americas LLC、Kao Chemicals GmbH、Kao Chemicals Europe, S.L.、Kao Corporation, S.A.、その他 15社 (計25社)そ の 他国内花王ロジスティクス㈱、その他 4社 (計5社)海外Misamis Oriental Land Development Corporation、その他 9社 (計10社) (注)1.各事業区分の主要製品は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 連結財務諸表に関する注記事項 6.セグメント情報 (1) 報告セグメントの概要」のとおりであります。2.「その他」に区分されたサービス業務等については、セグメント情報において、そのサービス内容に応じて、コンシューマープロダクツ事業、ケミカル事業に振り分けております。3.各事業毎の会社数は、複数の事業を営んでいる場合にはそれぞれに含めて数えております。 以上の状況について事業系統図を示すと、以下のとおりであります。 | 
| 関係会社の状況 | 4 【関係会社の状況】 (1)親会社該当ありません。 (2)連結子会社2023年12月31日現在 会社名住所資本金又は出資金主要な事業の内容議決権の所有割合(%)関係内容役員の兼任等長期貸付金営業上の取引設備の賃貸借等花王グループカスタマーマーケティング㈱東京都中央区百万円10ハイジーン&リビングケア ヘルス&ビューティケア ライフケア 化粧品及び日本における化粧品事業のカウンセリングサービス会社の統轄100.0有-製品等の販売先有花王プロフェッショナル・サービス㈱東京都墨田区百万円60ライフケア(業務用衛生製品)100.0有-製品等の販売先有㈱カネボウ化粧品東京都中央区百万円7,500化粧品100.0有-製品等の販売先有花王ロジスティクス㈱東京都墨田区百万円15日本における物流関連業務※2100.0[66.5]有-製品等の物流委託先有※1花王(中国)投資有限公司上海市千中国元2,603,727中国における関係会社の統轄及び化粧品100.0有-製品等の販売先-※1上海花王有限公司上海市千中国元564,200ハイジーン&リビングケアヘルス&ビューティケア化粧品※3100.0[15.0]有-製品等の購入先及び販売先-※1花王(合肥)有限公司安徽省合肥市千中国元588,502ハイジーン&リビングケア※4100.0[100.0]有---※1花王(上海)産品服務有限公司上海市千中国元1,348,490ハイジーン&リビングケアヘルス&ビューティケア化粧品※4100.0[100.0]有-製品等の販売先-※1佳麗宝化粧品(中国)有限公司上海市千中国元1,271,687化粧品※5100.0[100.0]有---※1花王(上海)化工有限公司上海市千中国元740,000ケミカル※6100.0[10.0]有-製品等の購入先及び販売先-Kao (Taiwan)Corporation新北市千台湾元597,300ハイジーン&リビングケアヘルス&ビューティケアライフケア(業務用衛生製品)化粧品ケミカル92.2有-製品等の購入先及び販売先-※1Pilipinas Kao, Inc.フィリピン千米ドル91,435ケミカル100.0有-製品等の購入先及び販売先-Kao Industrial(Thailand) Co., Ltd.タイ千バーツ2,000,000ハイジーン&リビングケアヘルス&ビューティケア化粧品ケミカル100.0有-製品等の購入先及び販売先-Fatty Chemical(Malaysia) Sdn. Bhd.マレーシア千リンギット120,000ケミカル※770.0[70.0]有-製品等の購入先-※1PT Kao Indonesiaインドネシア百万ルピア1,796,206ハイジーン&リビングケアヘルス&ビューティケア50.01有-製品等の販売先-Kao USA Inc.米国米ドル2ヘルス&ビューティケア化粧品100.0有-製品等の販売先-Oribe Hair Care, LLC米国千米ドル8,182ヘルス&ビューティケア※8100.0[100.0]有---Bondi Sands (USA) Inc.米国米ドル0.1ヘルス&ビューティケア※9100.0[100.0]有---Washing Systems, LLC米国米ドル10ライフケア(業務用衛生製品)※10100.0[100.0]有---Kao America Inc.米国千米ドル3,200米国における関係会社へのコーポレートサービス及び米国ケミカル事業の持株会社100.0有--- 会社名住所資本金又は出資金主要な事業の内容議決権の所有割合(%)関係内容役員の兼任等長期貸付金営業上の取引設備の賃貸借等Kao SpecialtiesAmericas LLC米国米ドル1ケミカル※11100.0[100.0]有-製品等の購入先及び販売先-Bondi Sands Australia Pty Ltd オーストラリア豪ドル40ヘルス&ビューティケア※12100.0[100.0]有---Kao Germany GmbHドイツ千ユーロ25,000ヘルス&ビューティケア100.0有---Kao ManufacturingGermany GmbHドイツ千ユーロ13,000ヘルス&ビューティケア100.0有-製品等の販売先-Kao Chemicals GmbHドイツ千ユーロ9,101ケミカル※13100.0[100.0]有有製品等の購入先及び販売先-Molton Brown Limited英国千英ポンド516化粧品100.0有---※1Kao ChemicalsEurope, S.L.スペイン千ユーロ74,035欧州等ケミカル事業統轄100.0有---※1Kao Corporation, S.A.スペイン千ユーロ56,411ケミカル※13100.0[100.0]有-製品等の購入先及び販売先- (注)※1 特定子会社であります。※2 花王グループカスタマーマーケティング㈱が66.5%所有しております。※3 花王(中国)投資有限公司が15.0%所有しております。※4 花王(中国)投資有限公司が所有しております。※5 ㈱カネボウ化粧品が92.1%、花王(中国)投資有限公司が7.9%所有しております。※6 花王(中国)投資有限公司が10.0%所有しております。※7 当社の子会社であるKao Singapore Private Limited が所有しております。※8 Kao USA Inc. が所有しております。※9 当社の子会社であるKao Australia Pty. Limited の孫会社であるBondi Sands Australia Pty Ltd が所有しております。※10 Kao USA Inc. の子会社であるWashing Systems Intermediate Holdings, Inc. が所有しております。※11 Kao America Inc. の子会社であるKao Chemicals Americas Corporation が所有しております。※12 Kao Australia Pty. Limited の子会社であるBondi Sands Hold Co Pty Ltd が所有しております。※13 Kao Chemicals Europe, S.L. が所有しております。14 議決権の所有割合の[ ]内は、間接所有割合で内数であります。15 役員の兼任等には、当社役員と当社従業員を含んでおります。16 上記以外に小規模な連結子会社が85社あり、連結子会社の数は合計113社となります。 (3)持分法適用関連会社2023年12月31日現在 会社名住所資本金又は出資金主要な事業の内容議決権の所有割合(%)関係内容役員の兼任等長期貸付金営業上の取引設備の賃貸借等ニベア花王㈱東京都中央区百万円200ヘルス&ビューティケア40.0有-製品等の購入先及び販売先有昭和興産㈱東京都港区百万円550ケミカル21.4有-製品等の購入先及び販売先- (注)上記以外に小規模な持分法適用関連会社が3社あり、持分法適用関連会社の数は合計5社となります。 (4)その他の関係会社該当ありません。 | 
| 従業員の状況 | 5 【従業員の状況】 (1)連結会社の状況2023年12月31日現在セグメントの名称従業員数(人)[臨時雇用者数(人)] ハイジーン&リビングケア事業9,677[3,827] ヘルス&ビューティケア事業8,045[2,447] ライフケア事業1,157[256] 化粧品事業10,450[1,220]コンシューマープロダクツ事業29,329[7,750]ケミカル事業3,984[197]全社(共通)944[246]合 計34,257[8,193] (注)1.従業員数は就業人員(当社グループ〔当社及び連結子会社〕からグループ外への出向者を除き、グループ外から当社グループへの出向者を含んでおります。)であります。[ ]内は臨時雇用者数の年間平均人員であり、外数で記載しております。2.従業員にはフルタイムの無期化した非正規雇用の従業員等を含めております。3.臨時雇用者は、パートタイマー及び有期の嘱託契約の従業員を含み、派遣社員を除いております。4.全社(共通)は、特定のセグメントに区分できない管理部門等の従業員数であります。 (2)提出会社の状況2023年12月31日現在従業員数(人)平均年令(才)平均勤続年数(年)平均年間給与(千円)8,19941.117.68,024 セグメントの名称従業員数(人) ハイジーン&リビングケア事業2,510 ヘルス&ビューティケア事業1,898 ライフケア事業275 化粧品事業1,362コンシューマープロダクツ事業6,045ケミカル事業1,302全社(共通)852合 計8,199 (注)1.従業員数は就業人員(当社から社外への出向者を除き、社外から当社への出向者を含んでおります。)であります。2.従業員にはフルタイムの無期化した非正規雇用の従業員等を含めております。3.平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでおります。4.全社(共通)は、特定のセグメントに区分できない管理部門等の従業員数であります。 (3)労働組合の状況当社の一部の事業所及び一部の連結子会社には、労働組合が組織されております。労働組合との間に特記すべき事項はありません。 (4)多様性に関する指標当連結会計年度の多様性に関する指標は、以下のとおりであります。①女性活躍推進法、育児・介護休業法に基づく開示 管理職に占める女性従業員の割合(%)男性の育児休職取得率(%)男女の賃金格差(%)全従業員従業員臨時雇用者当社23.9102.188.988.082.7花王グループカスタマーマーケティング㈱17.896.366.063.172.1花王プロフェッショナル・サービス㈱13.6100.069.268.359.2花王ロジスティクス㈱2.8100.052.780.869.6花王サニタリープロダクツ愛媛㈱-150.073.176.669.9花王ビューティブランズカウンセリング㈱91.0*51.051.5*㈱エキップ74.4100.059.158.265.5花王コスメプロダクツ小田原㈱37.566.772.874.969.0 (注)1.従業員は、正規雇用の従業員及びフルタイムの無期化した非正規雇用の従業員を含んでおります。2.臨時雇用者は、パートタイマー及び有期の嘱託契約の従業員を含み、派遣社員を除いております。3.全従業員は、従業員と臨時雇用者を含んでおります。4.管理職に占める女性従業員の割合については、出向者を出向元の従業員として集計しております。5.男性の育児休職取得率については、育児・介護休業法に基づき以下の通り算出しております。出向者は出向元の従業員として集計しております。2023年に1回目の育児に伴う休業を取得した男性社員数 ÷ 2023年に子が生まれた男性社員数 × 100当社の制度においては算出対象である有給育児休暇、及び育児休職は子が1歳4月末まで取得可能なため、分子と分母の対象となる社員は異なる場合があります。6.「*」は男性の育児休職取得の対象となる従業員が無いことを示しております。7.男女の賃金格差については、男性の賃金に対する女性の賃金の割合を示しております。なお、同一労働の賃金に差はなく、等級別人数構成の差によるものであります。出向者は、出向先の従業員として集計しております。 ②連結会社の状況 管理職に占める女性従業員の割合(%)男性の育児休職取得率(%)男女の賃金格差(%)当社及び連結子会社31.1*87.0当社及び国内連結子会社24.6100.367.4 (注)1.正規雇用の従業員及びフルタイムの無期化した非正規雇用の従業員を含めて算出しております。2.管理職に占める女性従業員の割合については、出向者を出向先の従業員として集計しております。3.男性の育児休職取得率については、育児・介護休業法に基づき以下の通り算出しております。出向者は出向元の従業員として集計しております。2023年に1回目の育児に伴う休業を取得した男性社員数 ÷ 2023年に子が生まれた男性社員数 × 100当社の制度においては算出対象である有給育児休暇、及び育児休職は子が1歳4月末まで取得可能なため、分子と分母の対象となる社員は異なる場合があります。4.「*」は海外関係会社の男性の育児休職取得率の集計を実施していないため、記載を省略していることを示しております。5.男女の賃金格差については、男性の賃金に対する女性の賃金の割合を示しております。なお、同一労働の賃金に差はなく、等級別人数構成の差によるものであります。賃金は、基本給及び賞与等のインセンティブを含んでおります。出向者は、出向先の従業員として集計しております。 詳細については「第2 事業の状況 2 サステナビリティに関する考え方及び取組 (3) 人的資本」を参照ください。 | 
| 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 | 1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 文中の将来に関する事項は、当社グループが有価証券報告書提出日現在において合理的であると判断する一定の前提に基づいており、実際の結果とは様々な要因により大きく異なる可能性があります。 (1)会社の経営基本方針当社グループは、「豊かな共生世界の実現」をパーパス(社会における存在意義)に掲げ、生活者・顧客の立場にたって、心をこめた“ESG視点でのよきモノづくり”を行い、世界中の人々のこころ豊かな未来と、人と地球が共に生きる持続可能な共生世界の実現に貢献することを目指しています。私たちは、企業理念である「花王ウェイ」をグループ全員で共有し、考え方や行動の拠り所として日々実践し、清潔・美・健康の領域を中心に、時代の変化に対応しながら130年余り事業を展開してきました。2009年には、人類だけでなく自然界にもよき存在であるようにと「環境宣言」を行い、自然と調和するこころ豊かな毎日を目指して、その歩みをさらに一歩進めました。2019年にはESG戦略「Kirei Lifestyle Plan」(以下、KLP)を発表し、ESGを経営の根幹に据えることを宣言しました。しかし今、私たちが使命に掲げる「豊かな共生世界」を実現するための土台である人の生命に危機が及んでいます。そして今後もその脅威は、私たちの生活を根幹から脅かす存在であり続けることが予想されます。このような中、私たちはこの切実な社会的課題に花王らしいアプローチで取り組んでいきます。生活や生態に加え、人の生命を守ることを強く意識し、未来のいのちを守る会社になっていきます。「きれいを こころに 未来に」をコーポレートスローガンに掲げ、地球が生きる場として持続的にきれいに保たれること、社会が持続的に豊かであること、そして人が危害から守られて笑顔で暮らせること、これらすべてを実現するために貢献していきます。結果として、これらが財務的な成果、そしてステークホルダーへの還元へと繋がり、この仕組み自体が持続していきます。今後も花王グループは、より高いレベルでの企業価値向上を目指していきます。 (2)中長期的な会社の経営戦略と目標とする経営指標① 長期経営戦略当社グループは2030年までにあるべき姿として、持続的な利益ある成長と社会のサステナビリティへの貢献との両立によって、これまでの『グローバルで存在感のある会社「Kao」』になるという将来像をさらに一歩進め、『グローバルで存在価値のある企業「Kao」』を目指します。ESGを通じて将来にわたって、人・社会・地球にとって価値のある存在になっていきます。私たちは、環境(E)においては、ゼロ浪費、カーボンゼロ、さらにその先のカーボンネガティブを目指します。社会(S)においては、無駄な消費がなくなることを願い、その人に寄り添った唯一無二のパーソナライズを進めていきます。そして、ガバナンス(G)をしっかりと効かせながら、志を共にする仲間と共に正道を歩んでいきます。最小限の資源で最大の価値を生み出す、Maximum with minimumを経営の指針として、より良い明日をつくるために今後も我々は成長し続けます。 グローバルで存在価値のある企業「Kao」■持続可能な社会に欠かせない企業■高社会貢献&高収益グローバル企業■ステークホルダーへの成長レベル還元 ② 中期経営計画 ■2023年度の進捗と今後の計画「グローバル・シャープトップ」事業の構築のため、生活者・顧客に欠かせない事業・高収益事業へのグローバルシフトを進めています。2023年は、ビオレUVケアの欧州・ブラジルでの好調、セルフタンニングや日やけ止め、スキンケア商品等をオーストラリア・イギリス・アメリカ等で展開するBondi Sands社の買収等、スキンプロテクション事業のグローバル拡大の道筋を作りました。ファブリック&ホームケア事業ではグローバル拡大ポテンシャルの高い新商品を投入し、ヘアサロン向け製品では「ORIBE」を中心に欧米展開強化を進めました。また、自社ECサイト「My Kao Mall」において各事業カテゴリーの展開が始動しました。今後、UVケア製品の海外展開をさらに加速するほか、高付加価値のシート型製品やヘアケア事業における新製品の投入、エコケミカルオンリーワン技術のグローバル展開の継続強化を進めていきます。「グローバル・シャープトップ」事業を支える人財の育成・獲得、組織運営の改革も進めています。対話を軸としたアグレッシブな人財への投資を優先し、研鑽の場や自学共生機会の提供、権限委譲、透明性ある公正な評価・処遇、最適配置を行っていきます。また、部門に依存しないタスク型チーム編成により、スピード感のある推進体制に移行し、マトリックス運営から脱却していきます。資本効率・収益性の改善については、アタック、ビオレといった高収益事業を拡大するほか、戦略的値上げや構造改革による収益改善、事業ポートフォリオの見直しを行い、経営資本の価値最大化を進めました。これらの取り組みは、当社の業績や財務パフォーマンスに持続的で長期的な影響をもたらすと考えております。今後も引き続き、規律あるポートフォリオ管理、利益を重視した「よきモノづくり」を強化し、高付加価値化推進によりさらなる稼ぐ力の改革を推進します。さらに、パートナーとなる他社との共創による事業構築を進め、当社グループが有する技術資産の最大化を加速していきます。これらの戦略により、業績を向上させ、長期的な価値創造を実現することを目指しています。 ③ 目標とする経営指標当社グループは、EVA(経済的付加価値)及びROIC(投下資本利益率)を経営の主指標としています。その本質は、株主等の資金提供者の視点を持って、資本を効率的に活用し利益を生み出すことにあります。EVAを継続的に増加させていくことが企業価値の増大につながり、株主だけでなく全てのステークホルダーの長期的な利益とも合致するものと考えています。そして事業規模の拡大を図りながら、EVAを増加させることを事業活動の目標としており、個別事業の評価、設備や買収等の投資評価、年度ごとの業績管理や報酬制度等に活用しています。さらにROICにより事業ポートフォリオマネジメントを強化することで、EVA経営の深化を図っています。ROICは、各事業における資本コストに対する意識を高めるとともに、それぞれの特性や競争環境を踏まえた管理を可能にします。事業別に利益と併せて資本効率も重視することにより、成長事業への重点投資と健全なポートフォリオの改善を実施し、EVAの向上を目指します。 (3)会社の対処すべき課題気候変動、水や森林資源の枯渇等の環境問題及び人権問題、高齢化社会の進行等の社会問題はますます深刻化しています。世界は新型コロナウイルス感染症拡大前の状況に戻ってきていますが、中国市場の減速、欧州や中東の地政学リスクやインフレによるコストの高止まりの状況は続いており、経営環境も不透明な状況が続きました。このような状況の中で、当社グループは、社会課題の解決に軸足を据えて、環境に負の影響を与える既存の大量生産・大量消費型のビジネスから脱却し、無駄なモノはつくらず、お客様に長く愛される魅力ある商品を生み出し続ける循環型モデルへ転換しなければなりません。このモデルを目指すべく、2020年12月に中期経営計画「K25」を発表して企業活動を進めてまいりました。しかし、急激な原材料価格高騰と高止まり、インバウンド消失と中国市場の変化等、様々な外部要因の影響を受けました。そこで、構造改革と成長戦略を軸に中期経営計画を見直し、2023年8月に中期経営計画「K27」を発表いたしました。「K25」で設定した経営方針は変えず、戦略的値上げの実施やTCR(トータル・コスト・リダクション)強化、ROIC(投下資本利益率)の全社導入を進め、構造改革を断行します。そして、「グローバル・シャープトップ」事業を擁立する企業を目指し、適切なポートフォリオ管理を行い、戦略的な投資やM&A・再編もスピード感をもって実行していきます。 | 
| 事業等のリスク | 3 【事業等のリスク】 (1)リスクと危機の管理体制花王グループ中期経営計画「K27」では、基本方針として、1.持続可能な社会に欠かせない企業になる、2.投資して強くなる事業への変革、3.社員活力の最大化を掲げて取り組んでいます。詳細については「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」を参照ください。気候変動をはじめとする環境問題や人権問題、高齢化社会の進行等の社会課題はますます深刻化するとともに、政治的・社会的情勢の不安定化に端を発する地政学リスクの継続等、事業環境は不透明な状況が続いています。また、事業がグローバルに拡大し、様々な分野で構造的変化が進む中、事業を取り巻くリスクの変化に迅速かつ適切に対応する必要があります。このような事業環境に対して、当社グループは、次のようなリスクと危機の管理を進めています。リスクとは経営目標の達成や事業活動の遂行に対し、不確かさがもたらす影響のことです。内部統制委員会の下の関連委員会の一つであるリスク・危機管理委員会が、「リスク及び危機管理に関する基本方針」に基づいて、脅威をもたらす「リスク」並びにリスクが顕在化した状態である「危機」の管理体制と活動方針を定めています。そして、部門、子会社、関連会社は、この活動方針に基づいて、リスクを把握、評価し、対応策を策定、実行することでリスクを管理しています。また、危機発生時には、緊急事態のレベルに応じた対策組織を立ち上げ、迅速かつ適切に対応することで、被害、損害の最小化を図ります。リスクと危機の管理活動は、経営会議が定期的(年1回)及び適時確認し、取締役会が承認しています。内部統制委員会はリスクと危機の管理状況をモニタリングし、管理の有効性を確認しています。詳細については「第4 提出会社の状況 4 コーポレート・ガバナンスの状況等」を参照ください。持続的な利益ある成長と社会のサステナビリティへの貢献に悪影響を与えるリスクとして、特に重要な次の15の主要リスクを、リスク・危機管理委員会、経営会議の審議の下で選定しています。また、少なくとも四半期に一度、その時の事業環境の変化を踏まえた主要リスクの見直し(追加等の検討)を行っています。そして、これら主要リスクの中で、経営への影響が特に大きく、対応の強化が必要なリスクを「コーポレートリスク」としてテーマを決めて取り組んでいます。コーポレートリスクのテーマは、年1回、社内リスク調査の結果分析、外部環境の分析、経営幹部ヒアリングをもとに、リスク・危機管理委員会で検討を行い、経営会議でリスクテーマとリスクオーナー(各リスクテーマの責任者:執行役員)を決定しています。リスクオーナーは対策チームを立ち上げて検討を進め、年4回開催するリスク・危機管理委員会で進捗管理を行っています。リスクと危機の管理活動のプロセスこれら主要リスクは、5年以内に顕在化する可能性があるリスクです。なお、主要リスクの記載順は重要性を反映しており、当連結会計年度末における認識です。記載されたリスク以外のリスクも存在し、それらが投資家の判断に影響を与える可能性があります。 (2)主要リスク15の主要リスクのうち、「コーポレートリスク」として取り組んでいるものについて表示(〇)しています。また、主要リスクのリスク評価(影響・蓋然性の認識)の変化を対前期で三段階(上昇、状態が変わらない、低下)で示します。 主要リスクの名称コーポレートリスクとしての取り組みリスク評価の変化原材料調達 社会課題への対応○地政学○大地震・自然災害・事故○製品等の品質○情報セキュリティ○レピュテーション○パンデミック○流通環境の変化 海外事業 事業投資 コンプライアンス 人財確保 為替変動 訴訟 リスク評価(影響、蓋然性の認識)の変化:上昇:状態が変わらない:低下 原材料調達 (背景)当社グループで使用している天然油脂や石油関連の原料の市場価格は、世界景気、地政学的リスク、需給バランス、異常気象、為替の変動等の影響を受けます。また、原材料はパーム油や紙・パルプ等の自然資本に大きく依存しており、省資源、地球温暖化防止、生物多様性保全等の環境側面、安全・衛生、労働環境、人権等の社会側面に十分配慮し、持続可能な調達を実現することで、企業としての社会的責任を果たしていく必要があります。 (リスクと影響)・原材料の市場価格に急激な変動が生じた場合、目標とする利益が得られない可能性があります。・原材料には、調達上希少な原材料も一部含まれており、安定調達に関わるリスクがあります。需給の変動等による市況の急激な変化や、サプライヤーのトラブル発生により製品の市場への供給に支障をきたした場合、目標とする売上高、利益が得られないだけでなく、当社グループの信用の低下につながる可能性があります。・サプライチェーン上の何らかの理由で、持続可能で責任ある調達への取り組みが不十分と見なされた場合、当社グループのブランドイメージ、信用の低下につながる可能性があります。 (対応)当社グループは、原材料価格の上昇に対して、原価低減や売価への転嫁等の施策を行い、その影響の軽減を図っています。安定調達に関わるリスクに対しては、主力サプライヤーでの設備増強と、リスク分散のためのセカンドサプライヤーの育成を実施しています。また、サプライヤーとの契約見直しや協働を積極的に行い、リスク低減を進めています。一方、持続可能で責任ある調達の実践に向けて、“お取引先とのESG推進活動”ガイドラインを公表し、サプライチェーン上での人権保護や環境保全の確認を進めています。特にリスクの高いサプライチェーンをハイリスクサプライチェーンと定義し、本質的な課題解決に向けて、サプライヤー並びにNGOとの連携の下、取り組んでいます。また、原材料の使用量削減や、非可食バイオマス由来の原材料等への転換にも取り組んでいます。Sedexによるサプライヤーのモニタリング、サプライヤーのコンプライアンス違反ゼロに向けた監査体制の整備、CDPサプライチェーンプログラムの取り組み、また、“お取引先に求めるパートナーシップ要件”ガイドラインを定め、サプライヤーとの連携を強化しています。ハイリスクサプライチェーンとして位置づけているパーム油の持続可能な調達を目指し、インドネシアの小規模農園に対し、「生産性向上と持続可能なパーム油に対する認証取得を支援するプログラム」を現地のパートナーと協働で実施しています。これらの取り組みを積極的かつ透明性をもってステークホルダーに公開しています。 社会課題への対応 (背景)気候変動、プラスチックごみ問題、水資源の枯渇、原材料調達に関する環境問題、サプライチェーン上の人権問題、そして、高齢化社会の進行や衛生等の社会課題の増大は、生活者の環境や健康等に対する意識を高め、エシカル消費の潮流やサステナビリティに対する顧客ニーズの高まりをもたらしています。これら社会課題の解決に向けて、中期経営計画「K27」を実行するとともに、ESG戦略「Kirei Lifestyle Plan」(KLP)を推進しています。原材料の調達から生産、製品の使用、廃棄に至るあらゆる段階でのイノベーションを目指すとともに、社会・環境の両視点から花王が優先的に取り組むべき19の重点取り組みテーマについて目標を設定し、全社全部門がそれぞれの役割の中で取り組んでいます。それらの推進並びに進捗管理を通じて、社会のサステナビリティへの貢献を目指すと同時に、活動内容を積極的にステークホルダーに開示しエンゲージメントをすることに努めています。 (リスクと影響)・社会課題の解決に向けた取り組みが目標に対して不十分である、あるいは不十分と見なされた場合、製品やサービスを消費者や顧客に受け入れていただけず、目標とする売上高、市場シェアが得られない可能性があります。・KLPでコミットメントしたKPIの進捗状況を十分に示せないと、「グリーンウォッシュ」※1と捉えられる等企業価値の低下につながる可能性があります。・気候変動については、※2に記載している移行リスク(炭素税の導入・引き上げ、プラスチック規制の導入、原材料価格の上昇、生物多様性の保全)と物理的リスク(自然災害)があります。・人権侵害や人権への配慮不足は、サプライチェーンの維持等の事業活動に支障をきたす可能性があります。 (対応)KLPと事業のより一層の一体化を目指して、ESGコミッティのもとに、重点的に取り組むべきテーマを推進する4つのESGステアリングコミッティを2022年4月に発足させ、ガバナンス体制を強化しました。ESGステアリングコミッティは「脱炭素」「プラスチック包装容器」「人権・DE&I」「化学物質管理」からなり、各テーマごとに役員クラスの責任者を置き、それぞれのテーマに関する機会とリスクを社会・環境・事業インパクトの面から分析・把握し、計画を立案、推進することで、ESGよきモノづくりの実施を確実に行い、社会課題解決と事業成長の両立を目指します。気候変動に関する対応は、上記ガバナンス体制の下で実施しており、各リスクへの対応策は、※2で示した移行リスクと物理的リスクの「花王グループの戦略」に記載しています。人権侵害ゼロに向けて、サプライチェーン上のリスクアセスメントを定期的に実施して、リスクを把握し対応を進めるとともに、社員に対して人権問題に関する啓発を行っています。また、コーポレートリスクとして、社会課題への取り組みに対するステークホルダー等の評価をグローバルで把握することで、レピュテーションリスクの低減に取り組んでいます。 ※1 グリーンウォッシュ企業が、製品やサービスについて、環境及びサステナビリティに関する特徴を誇張もしくは大げさに主張したり、それらに関する活動について十分な根拠なく訴求すること。※2 詳細については「2 サステナビリティに関する考え方及び取組 (2)気候変動への対応(TCFD提言への取組)」を参照ください。 地政学 (背景)当社グループが事業展開している欧州や東アジアにおいて地政学リスクの高い状態が続いています。また、原材料調達を実施している国・地域においても地政学リスクが高まる可能性があります。 (リスクと影響)・地政学リスクの高まっている国・地域において、政治的・社会的情勢の不安定化、外交関係の緊迫化、そして、紛争等により、事業を取り巻く環境が悪化し、人的被害の発生、サプライチェーンの寸断による操業の一時停止、生活者の購買行動の変化が発生した場合、当社グループが目標とする売上高、利益が得られない可能性があります。 (対応)地政学リスクの高まっている国・地域においてリスクシナリオを作成し、特に注意すべき国・地域に対しては、対応体制を整備し、政治的・社会的状況をモニタリングしています。社員の安全確保に関するガイドラインを策定し、また、原材料調達等のサプライチェーン寸断に伴う事業への影響を確認してサプライチェーンネットワークの強化を進めています。なお、「地政学」は、コーポレートリスクとして取り組んでいます。 大地震・自然災害・事故 (背景)化学プラントでの事故や、自然災害が多く発生している昨今、大規模化学プラントを有する企業への安全操業に対する要求はますます高まってきています。 (リスクと影響)・大地震や気候変動に伴う大型台風、洪水等の自然災害により、従業員、設備、サプライチェーン等の被害で、市場への製品供給に大きな支障をきたした場合、経営成績に重大な影響を及ぼす可能性があります。・当社グループの工場で、火災・爆発事故等により従業員や周辺地域に大きな被害が発生した場合、経営成績に重大な影響を及ぼすとともに、社会の信用を失う可能性があります。 (対応)火災、爆発及び化学物質漏えいを防止し、安全で安定な操業を維持するために社内監査に加えて外部機関による定期的な評価を通じて保安力の強化に努めています。大地震、大型台風、洪水等を初めとする自然災害の発生を想定した対応体制の整備、設備対応並びに社員の教育・啓発、定期訓練を行い、緊急事態に備えています。コーポレートリスクとして、日本の長期操業停止を想定した首都直下地震、南海トラフ地震、富士山噴火等に対する影響分析と対応検討を進めています。また、海外拠点のBCP強化に取り組んでいます。 製品等の品質 (背景)当社グループの品質保証活動の基本は、「花王ウェイ」で示された消費者・顧客起点の心を込めた“よきモノづくり”です。原材料から研究開発、生産、輸送、販売までのすべての段階において、徹底した消費者・顧客視点で、高いレベルで製品の安全性を追求し、絶えざる品質向上に努めています。市場においては、消費者の品質価値の多様化、化学物質の安全性への懸念や環境問題への意識の高まり、さらには、企業の透明性を促す情報開示要求等の変化が起こっており、また、ボーダレス化の進展によるグローバルな商品流通が増加しています。そのような中、各国・地域は、持続可能な社会や消費者保護の強化を目指して、新たな法規制の枠組み作りに動き出しています。一方、当社グループは、市場の多様化と価値観の変化を機会と捉え、新規技術開発に挑戦し、新規分野への事業展開も計画しています。 (リスクと影響)・重大な品質問題の発生はブランドの問題だけではなく当社グループ全体の信用低下につながる可能性があり、また新たな安全性や環境問題の発生や各国・地域の急激な法規制の変更に対して適切かつ迅速に対応できない場合には、タイムリーな商品提供機会を失う可能性があります。 (対応)当社グループでは、製品関連法規の遵守並びに自主的に設定した厳しい基準に従って、設計、製造を行っています。発売前の開発段階では、徹底的に試験、調査研究を行い、品質と安全性を確認しています。発売後には、消費者相談窓口を通じて、商品への意見、要望等をくみ上げ、さらなる品質向上に努めています。化学物質の安全性懸念や環境問題に対する要求に先回りした商品開発の推進、積極的な情報開示による品質保証活動の見える化とステークホルダーとのコミュニケーション強化に取り組んでいます。さらには、各国・地域の新たな法規制に対する影響分析、法規制への適合性を迅速に確認できるシステムの構築に取り組んでいます。また、コーポレートリスクとして、品質問題により重篤な被害が生じた場合に被害を最小化するための全社対応の強化と、重大品質問題発生防止に向けた社内啓発の強化を進めています。 情報セキュリティ (背景)当社グループは、ITを活用して事業や業務を効率的に進めるとともに、データを活用したビジネスを進めています。研究開発、生産、マーケティング、販売等に関する機密情報(トレードシークレット(TS))を保有し、また、販売促進活動、会員サイト運営やEコマースを進める上で、多くのお客様の個人情報を保有しています。当社グループは、情報セキュリティポリシーのもと、TS・個人情報及びハードウェア・ソフトウェア・各種データファイル等の情報資産の保護を目的とした情報セキュリティの強化を図っています。 (リスクと影響)・サイバー攻撃を含む意図的な行為や過失等により、機密情報や個人情報が外部に流出する可能性があります。また、サプライチェーン等の事業活動が一時的に中断する可能性があります。このような事象が発生した場合、信用の低下や、目標とする売上高、利益が得られない可能性があります。 (対応)情報セキュリティの人的・組織的対策としては、日本と海外の情報セキュリティ委員会が花王グループ全体で規程や体制を整備し、PDCAサイクル(啓発活動、自己点検、改善目標の設定)によるTS・個人情報・情報セキュリティの保護推進活動を実施しています。また、SOC(Security Operation Center)の整備等のインシデント発生時の対応体制を強化しています。技術的対策としては、セキュリティ対策の戦略ロードマップを作成し、これに沿ってセキュリティ対策の強化を実施し、定期的に経営会議や監査役に報告を行っています。また、サプライチェーンのセキュリティリスクを把握するために過去にサードパーティ・ロジスティックス、サプライヤー、製造委託先のセキュリティ対策のヒアリングを実施しています。重大なインシデントに備えサイバー保険への加入も行っています。新事業においても顧客・委託先・協業先等の取引先とTSや個人情報(RNA等の個人関連データを含む)の扱いについて契約で取決めを行い、さらに取扱いや運用のルールを作成し情報管理の徹底を図っています。なお、「情報セキュリティ」は、コーポレートリスクとして取り組んでいます。 レピュテーション (背景)ソーシャルメディアの発展と普及は、個人による情報発信とその拡散を容易にし、生活者同士又は生活者と企業との多岐にわたる相互コミュニケーションを可能としました。ソーシャルメディアによる情報発信の中には企業に対する批判的な評価や評判も含まれており、それらが拡散されることで、ブランド価値や企業の信用が低下し、財務的、又は非財務的な損失を被る「レピュテーションリスク」の増加が懸念されています。 (リスクと影響)・当社グループにおいても、ソーシャルメディアを用いた様々な情報発信やブランドのマーケティング活動は年々増加しており、それらの活動で使用された不適切、又は不用意な表現に対する批判的な評価等がSNS等を通じて拡散された場合、当社グループのブランド価値や企業の信用を著しく低下させる可能性があります。 (対応)当社グループでは、ESGの観点を含め、広告の不適切表現を防止する対策として、事前チェック体制の整備と社内教育に取り組んでいます。また、国内外におけるソーシャルメディアのモニタリングを行い、早期のリスク発見にも努めており、事業及びブランドの活動に悪影響を及ぼすレピュテーションリスク事象が発生した場合は、迅速に対応すると同時に、必要に応じて適切なタイミングで、情報や企業姿勢を公表する等、当社グループのレピュテーション(評判・信用)の維持に努めています。なお、「レピュテーション」は、コーポレートリスクとして取り組んでいます。 パンデミック (背景)新型コロナウイルス感染症は、病原性が低いとされるオミクロン株が主流となり、多くの人が自然感染あるいはワクチン接種で免疫を獲得したことによってエンデミック対応に移行しています。しかしながら、引き続き感染力の高い変異ウイルスの出現に注意が必要です。一方、人口増加や環境破壊による病原体を保有する動物とヒトとの接触頻度の増加による新たなウイルスによる感染症の流行、耐性菌による抗生物質が効かない感染症の再来等、新興再興感染症によるパンデミックの発生が危惧されています。 (リスクと影響)・パンデミックが発生すると、当社グループの拠点やサプライチェーン上での集団感染の発生やロックダウン等により、製品やサービス提供に支障が生じる可能性があります。・パンデミックにより外出等の日常生活ができなくなると購買行動にも変化をもたらし、化粧品市場等が縮小する可能性があります。・このような事態が発生した場合、目標とする売上高、利益から大きな乖離が生じる可能性があります。 (対応)新型コロナウイルス感染症への対応は、エンデミック対応に移行したため、緊急事態対策本部(本部長:代表取締役社長執行役員)を解散し、引き続き変異ウイルスの影響をモニタリングしています。また、コーポレートリスクとして「パンデミック対応」に取り組み、新型コロナウイルス感染症へのこれまでの対応を踏まえて、次のパンデミックに備えて初動対応を強化するために、ガイドライン、行動計画、備蓄品等の見直しを進めています。 流通環境の変化 (背景)デジタルツールの発展や普及とSNSの影響で、流通環境と購買行動は年々変化が見られます。大手Eコマース(EC)プラットフォームやメーカー直販ECでの購買行動の日常化に加え、ソーシャルコマース※1、ライブコマース※2といった新たなECチャネルも年々増加し、流通環境は一層多様化しています。また、リアル店舗とECのシームレスな購買(OMO※3)が進み、生活者はより利便性が高くパーソナライズされた購買体験を求めるようになりました。物流に関しては、物量増に伴うドライバー不足やガソリン等燃料費の高騰によって、物流コストの増加が顕在化しており、また、働き方改革関連法に伴うドライバーの時間外労働の上限規制が、2024年から物流業界にも適用されることもあり、大きな環境変化が見込まれます。 (リスクと影響)・流通環境と購買行動の多様化・複雑化に対し適切な販売・マーケティング活動を展開できない場合、目標とする売上高、市場シェア、利益が得られない可能性があります。・物流環境の変化に適切に対応できない場合、配送の滞りや、物流コストの大幅な増加等、当社グループの事業活動にも影響を及ぼす可能性があります。 (対応)こうした環境の変化を受け、当社グループではEC専業企業との取り組み、リアル流通とのOMOへの取り組みや自社によるライブコマースの推進等、生活者の購買行動変化への対応を進めています。また、SNS花王公式アカウント「花王トクトクニュース」の積極的な会員獲得を推進しており、2023年は380万人まで拡大しました。会員への情報発信やキャンペーンを通じた店頭への送客等を行い、流通業との共創を進めています。さらに、生活者と直接つながる双方向デジタルプラットフォーム「My Kao」を新たに立ち上げ、生活者に役立つ鮮度や信頼性の高い情報の発信や、利便性を重視した花王公式オンラインショップ、資源循環型社会の実現に貢献するアウトレットモールを運営しています。これら生活者とのダイレクトコミュニケーションを通じ、様々な流通環境の変化や多様な情報があふれる中でも、生活者にとっての利便性向上はもとより、花王に対する信頼性やロイヤリティ向上等につながる活動を進めています。物流に関しては、国土交通省や経済産業省等が進める「ホワイト物流」推進運動に参加し、物流効率化や生産性向上に取り組んでいます。自社での取り組みに加え、流通業や他メーカー、物流事業者とも連携して、トラック待機時間削減等のドライバー作業環境改善、物流平準化、積載率向上等、持続可能な物流体制の構築を目指しています。 ※1 ソーシャルコマースSNSに商品を購入できる機能を追加した販売チャネルの1つ。※2 ライブコマースインターネットでの動画ライブ配信で商品紹介と物販を組み合わせた販売手法。※3 OMO(Online Merges with Offline)オンラインとオフラインの両者を融合させる販売戦略。 海外事業 (背景)当社グループは、成長戦略のひとつとして海外事業展開を進めており、特に経済成長率が高く、市場規模が大きくなることが予想されるアジア等の強化を重視しています。 (リスクと影響)・新型コロナウイルス感染症の影響以外にも、各国における経済成長の鈍化、政治的・社会的に不安定な情勢、急激な法規制・税制の変更、模倣品の氾濫、レピュテーションリスク※等が発生する可能性があります。これらの影響により事業計画に大幅な遅れが生じた場合、目標とする売上高、利益が得られない可能性があります。 (対応)当社グループでは、生産・販売国の経済・政治・社会的状況に加えて、事業に関連する各国法規制の情報を日々収集し、必要な対応を行っています。特に各国の環境関連規制の強化、製品の安全性・品質関連規制の強化、また、輸出入関連規制の変更の当社グループへの影響に注視しています。一方、模倣品等の知的財産権の侵害については、特にアジア地域を中心とした模倣品対策に注力しており、消費者・顧客に安心して製品を使用していただけるよう取り組んでいます。 ※ 「レピュテーション」を参照。 事業投資 (背景)当社グループは、企業価値と相関関係の高いEVAによる投資判断のもと、事業成長やESGのために積極的な設備投資、M&A等を進めています。これら投資を今後も進めるとともに、継続的なEVA改善を通して企業価値の向上に努めていきます。 (リスクと影響)・投資判断時に想定していなかった水準で、市場環境や経営環境が悪化し、計画との乖離等により期待される効果が生み出せない場合、設備投資により計上した有形固定資産や、M&Aにより計上したのれんや無形資産の減損処理により、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 (対応)当社グループは、重要な投資に対して、期待される効果が計画から大きく乖離していないかを四半期決算毎に確認し、経営会議で報告しています。乖離した場合には、関係部門が必要に応じて今後の方向性や業績改善のための対策を検討しています。 コンプライアンス (背景)事業活動を行う上で、製品の品質・安全性、知的財産、環境保全、保安防災、労働安全、化学物質管理、取引管理、情報開示等の法規制等に対する企業の取り組みの強化が求められています。 (リスクと影響)・世界的競争が激化する中で、差別化、販売スケジュールや製品納期の遵守、業績目標達成等の圧力により不正リスクが高まることが懸念されます。・コロナ禍を契機とした在宅勤務と出社を組み合わせた新しい働き方・ハイブリッドワークが当たり前となり、働く意識や働き方への希望はこれまで以上に個別・多様化の傾向を強くしており、ハラスメントや労務管理上のコンプライアンスリスクが増加する可能性があります。・当社グループ及び委託先等が重篤なコンプライアンス違反を起こした場合は、当社グループの信用、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 (対応)当社グループは、「正道を歩む」(法と倫理に則って行動し、誠実で清廉な事業活動を行う)をコンプライアンスの原点と位置づけ、すべてのステークホルダーの支持と信頼にこたえていくための指針とし、行動規範である「花王ビジネスコンダクトガイドライン」の継続的な教育やコンプライアンス通報・相談への適切な対応等の活動を進めています。ハラスメントや労務管理上のコンプライアンスリスクについては、ケーススタディ等を通じて気づきを与えています。さらに、職場での相互理解を深めるための取り組みとして、対話促進活動「対話フェス」も行っています。また、重篤なコンプライアンスリスクの低減にフォーカスした活動として、事業に適用される法令遵守推進を計画的に実施し、特に重要な法令についてはその実施状況をコンプライアンス委員会がモニタリングしています。重篤なコンプライアンス違反を発見した場合、すぐに経営陣に報告され適切な対応を行えるよう、風通しの良い職場の実現を目指した活動を推進しています。 人財確保 (背景)当社グループは、経営計画を実行する上で、多様な人財が挑戦・共創できる場の創出に努めています。しかし、グローバルでの競争激化により、企業には変化に柔軟に対応していく変革力が従来に増して求められています。また、個人のキャリアや働き方に対する価値観がこれまで以上に多様化し、社会全体で人財の流動化がより一層進んでいます。 (リスクと影響)・大きな環境の変化を先取りし、各分野で必要とする高度な専門性を持つ人財や、変化を先導するリーダーとなる人財の獲得と育成が推進できない場合には、中期経営計画「K27」の遂行に影響を及ぼす可能性があります。 (対応)当社グループで最も重要な資産は「人財」であるという認識のもと、社員活力の最大化に向けて、多様なバックグラウンドや専門性を持つ人財が、大きな挑戦と国や地域、組織を超えた共創により、能力と個性を最大限に発揮するための取り組みを推進しています。多様な人財が集い、活躍できる場を整備(フレキシブルな働き方の推進、DE&I推進、社内公募制度等)することで、人財獲得においての優位性を維持できると考えております。また、自学共生の機会の提供(業務を通した経験の拡大、DX等の先端教育を自律的に学べるプログラムの導入等)や自律的なキャリア形成を促進することで社員のさらなる成長が期待できます。これらの取り組みに加えて、持続的な成長を支える人財の配置・育成や効果的な組織運営について、経営トップをメンバーとする人財企画委員会で毎月議論し、推進しています。 為替変動 (背景)為替相場の変動は、外国通貨建ての売上高や原材料の調達コストに影響を及ぼします。また、連結決算における在外連結子会社の財務諸表の円貨換算額にも影響を及ぼします。 (リスクと影響)・当社グループの機能通貨である円に対して外貨の為替変動が想定以上となった場合、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 (対応)外国通貨建て取引については、外貨預金口座を通じての決済、為替予約や通貨スワップ等のデリバティブ取引により為替変動リスクをヘッジすることで、経営成績に与える影響を軽減しています。なお、投機的なデリバティブ取引は行っていません。また、主要通貨の変動と事業への影響をモニタリングし、適時、経営会議に報告しています。そして、必要に応じて経営陣指示のもと、関係部門は事業への影響を軽減する対策を検討しています。 訴訟 (背景)当社グループは、グローバルで多岐にわたる事業展開をしており、様々な訴訟等を受ける可能性があります。 (リスクと影響)・当連結会計年度において、当社グループに重要な影響を及ぼす訴訟等は提起されていません。しかしながら、訴訟等が提起された場合、その動向によっては、当社グループの信用、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 (対応)当社グループは、事業に関わる各種法令を遵守するとともに、安全・安心な製品の提供、知的財産権の適正な取得・使用、契約条件の明確化、相手方との協議の実施等により紛争の発生を未然に防ぐよう努めています。また、グローバルで、重要な訴訟の提起や状況に関する報告が迅速かつ確実になされる仕組みを構築するとともに、当社グループ各国の担当者及び弁護士事務所等と連携し、訴訟等に対応する体制を整備しています。 (3)主要リスクの中期経営計画「K27」との関連性15の主要リスクのうち、「原材料調達」、「社会課題への対応」、「製品等の品質」、「流通環境の変化」、「海外事業」、「事業投資」、「人財確保」を中期経営計画「K27」との関連性が特に大きいリスクと認識して対応しています。 | 
| 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 | 4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】 当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、経営成績等)の状況の概要及び経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は、以下のとおりです。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末において判断したものです。 (1)経営成績の分析注:以下、「実質」とは為替変動の影響を除く増減率を表示しています。また、数量等には製品構成差を含んでいます。 業績の評価及び、将来の予測に有用な情報を提供するため、非定常的な要因により一時的に発生した損益(事業撤退・縮小や資産の除売却から生じる損益等)を除いた利益を「コア利益」として、さらに化粧品のブランド統廃合による返品引当金は売上控除対象となるため、その影響を除いた売上高を「コア売上高」として表示します。なお、下記表内の営業利益以下の下段数値は、「コア利益」に基づいて算出しています。 売上高(億円)営業利益(億円)営業利益率(%)税引前利益(億円)当期利益(億円)親会社の所有者に帰属する当期利益(億円)基本的1株当たり当期利益(円)2023年12月期15,3266003.963846243994.371,1477.51,185883860184.952022年12月期15,5111,1017.11,158877860183.28増減率(1.2)%(45.5)%-(44.9)%(47.4)%(49.0)%(48.5)%実質(3.8)%4.2 %-2.3 %0.6 %(0.1)%0.9 % 当期は、世界中に様々な影響をもたらした新型コロナウイルス感染症が収束し、日常の生活を取り戻しましたが、一方で、成長が続いていた中国市場の減速、欧州や中東での地政学リスクやインフレによるコストの高止まり等、経営環境は不透明な状況が続きました。 当社グループの主要市場である日本のコンシューマープロダクツ(トイレタリー及び化粧品)市場は、小売店の販売実績や消費者購入調査データによると前期を上回りました。このような中、花王グループは人々の生活様式や消費行動、販売チャネル構造の変化、さらには世界的な原材料価格の上昇等への対応に努めました。売上高は、前期に対して1.2%減の1兆5,326億円(為替2.6%増、実質3.8%減(内訳:数量等3.6%減、価格0.1%減))となりました。コア売上高は、前期に対して0.7%減の1兆5,409億円(実質3.2%減)となりました。営業利益は、構造改革費用を547億円計上したことにより、600億円(対前期500億円減)、営業利益率は3.9%となりました。コア営業利益は、1,147億円(対前期46億円増)となりました。税引前利益は638億円(対前期520億円減)、当期利益は、462億円(対前期416億円減)となりました。基本的1株当たり当期利益は94.37円となり、前期の183.28円より88.91円減少(前期比48.5%減)しました。基本的1株当たりコア当期利益は184.95円となり、前期の183.28円より1.67円増加(前期比0.9%増)しました。当社グループが経営指標としているROIC(投下資本利益率)は4.1%となり、EVA(経済的付加価値)は、NOPAT(税引後営業利益)が増加する中、資本コストが増加し、前期を3億円上回り149億円となりました。 当期の海外連結子会社等の財務諸表項目(収益及び費用)の主な為替の換算レートは、次のとおりです。 第1四半期(1-3月)第2四半期(4-6月)第3四半期(7-9月)第4四半期(10-12月)米ドル132.29円[116.30円]137.30円[129.69円]144.49円[138.27円]147.84円[141.47円]ユーロ141.98円[130.45円]149.50円[138.14円]157.23円[139.25円]159.01円[144.22円]中国元19.33円[18.32円]19.58円[19.63円]19.94円[20.20円]20.45円[19.88円] 注:[ ]内は前期の換算レート 〔セグメント別の概況〕セグメントの業績 売上高営業利益(上段)コア営業利益(下段)通期増減率通期増減(億円)2022年12月期(億円)2023年12月期(億円)(%)実質(%)2022年12月期2023年12月期(億円)利益率(%)(億円)利益率(%) ファブリック&ホームケア製品3,4213,4912.11.340011.750714.5106 51014.6109 サニタリー製品1,7451,734(0.6)(2.6)(94)(5.4)(306)(17.6)(212) (91)(5.2)3 ハイジーン&リビングケア事業5,1655,2251.20.03075.92013.9(105) 4198.0112 ヘルス&ビューティケア事業3,6953,9296.33.13469.440510.359 42810.982 ライフケア事業5575631.0(0.6)(0)(0.0)(53)(9.4)(53) (13)(2.3)(13) 化粧品事業2,5152,386(5.1)(6.7)1415.6(54)(2.3)(195) 532.2(88)コンシューマープロダクツ事業11,93312,1031.4(0.5)7936.64994.1(294)8877.394ケミカル事業4,0253,661(9.0)(13.4)2957.32366.4(60)2486.8(48)小 計15,95815,764(1.2)(3.7)1,089-735-(354)1,135-46セグメント間消去又は調整(447)(439)--12-(134)-注 (146)12-0合 計15,51115,326(1.2)(3.8)1,1017.16003.9(500)1,1477.546 注:全社共通の構造改革費用 販売実績(億円、増減率%)通期日本アジア米州欧州合計 ファブリック&ホームケア製品2022年2,92945537-3,4212023年3,00345138-3,491増減率2.5(0.9)3.4-2.1実質2.5(6.2)0.9-1.3サニタリー製品2022年7749701-1,7452023年8049291-1,734増減率3.9(4.2)(22.2)-(0.6)実質3.9(7.7)(23.9)-(2.6)ハイジーン&リビングケア事業2022年3,7031,42537-5,1652023年3,8071,38038-5,225増減率2.8(3.2)2.9-1.2実質2.8(7.2)0.4-0.0ヘルス&ビューティケア事業2022年2,0023399064493,6952023年2,0533451,0125193,929増減率2.52.011.615.76.3実質2.5(2.3)4.95.93.1ライフケア事業2022年437011825572023年42111391563増減率(3.7)67.718.2(11.3)1.0実質(3.7)64.411.0(18.0)(0.6)化粧品事業2022年1,607596682442,5152023年1,535500772742,386増減率(4.5)(16.0)12.912.2(5.1)実質(4.5)(17.9)5.92.5(6.7)コンシューマープロダクツ事業2022年7,7502,3601,12969411,9332023年7,8172,2261,26679412,103増減率0.9(5.6)12.114.41.4実質0.9(9.2)5.44.7(0.5)ケミカル事業2022年1,4019827059374,0252023年1,3398676118443,661増減率(4.5)(11.7)(13.3)(9.9)(9.0)実質(4.5)(15.8)(21.7)(18.1)(13.4)セグメント間売上高の消去2022年(385)(39) (2)(21)(447)2023年(388)(32)(1)(19)(439)売上高2022年8,7663,3021,8331,61015,5112023年8,7683,0621,8771,62015,326増減率0.0(7.3)2.40.6(1.2)実質0.0(11.0)(5.0)(8.3)(3.8) 注:コンシューマープロダクツ事業は、外部顧客への売上高を記載しており、ケミカル事業ではコンシューマープロダクツ事業に対する売上高を含めています。地域別の売上高は、販売元の所在地に基づき分類しています。 売上高 対前年同期比分析 増減率(%) 為替(%)実質(%) 数量等(%)価格(%) ファブリック&ホームケア製品2.10.71.3(4.0)5.3 サニタリー製品(0.6)2.0(2.6)(7.1)4.5 ハイジーン&リビングケア事業1.21.10.0(5.0)5.0 ヘルス&ビューティケア事業6.33.23.11.12.0 ライフケア事業1.01.5(0.6)(3.2)2.6 化粧品事業(5.1)1.6(6.7)(7.3)0.6コンシューマープロダクツ事業1.41.9(0.5)(3.5)3.0ケミカル事業(9.0)4.4(13.4)(3.8)(9.6)合 計(1.2)2.6(3.8)(3.6)(0.1) 注:ケミカル事業の売上高は、セグメント間取引を含んでいます。 売上高に占める海外に所在する顧客への売上高の割合は、前期の45.4%から44.3%となりました。 コンシューマープロダクツ事業売上高は、前期に対して1.4%増の1兆2,103億円(為替1.9%増、実質0.5%減(内訳:数量等3.5%減、価格3.0%増))となりました。コア売上高は、前期に対して2.1%増の1兆2,187億円(実質0.2%増)となりました。世界の市場は、新型コロナウイルス感染症の収束に伴い需要は回復傾向にありますが、これまで成長をけん引してきた中国市場は、景況感の悪化やALPS処理水の影響を受け減速しました。このような中、原材料価格の上昇に対応した戦略的値上げを継続的に推進したほか、高付加価値製品の提案やブランドロイヤリティ強化の取り組みにより収益性が向上しました。以上の結果、日本の売上高は、前期に対して、0.9%増の7,817億円となりました。コア売上高は、前期に対して1.9%増の7,900億円となりました。アジアの売上高は、5.6%減の2,226億円(実質9.2%減)となりました。米州の売上高は、12.1%増の1,266億円(実質5.4%増)となり、欧州の売上高は、14.4%増の794億円(実質4.7%増)となりました。営業利益は、減損損失を含む構造改革費用388億円の計上の影響等により、499億円(対前期294億円減)となりました。コア営業利益は、戦略的値上げを実施し原材料価格の上昇を吸収したこと等により、887億円(対前期94億円増)となりました。 当社は、〔ハイジーン&リビングケア事業〕、〔ヘルス&ビューティケア事業〕、〔ライフケア事業〕、〔化粧品事業〕を総称して、コンシューマープロダクツ事業としております。 〔ハイジーン&リビングケア事業〕売上高は、前期に対し1.2%増の5,225億円(為替1.1%増、実質0.0%増(内訳:数量等5.0%減、価格5.0%増))となりました。ファブリック&ホームケア製品の売上高は、前期に対して2.1%増の3,491億円(為替0.7%増、実質1.3%増(内訳:数量等4.0%減、価格5.3%増)となりました。ファブリックケア製品では、日本では、衣料用洗剤で戦略的値上げの実施と新製品・改良品の発売が寄与し、売り上げは市場伸長を上回り、シェアも拡大しました。また、下期に改良と値上げを実施した衣料用漂白剤「ワイドハイター」が好調に推移し、柔軟仕上げ剤は回復傾向にあります。ホームケア製品の売り上げは、ほぼ前期並みでした。日本では、食器用洗剤「キュキュット」の改良等により、売り上げ、シェアを伸ばしたほか、新しいトイレ掃除を提案した「トイレマジックリン」の新製品が好調に推移しました。ファブリック&ホームケア製品のコア営業利益は、510億円(対前期109億円増)となりました。サニタリー製品の売上高は、前期に対して0.6%減の1,734億円(為替2.0%増、実質2.6%減(内訳:数量等7.1%減、価格4.5%増)となりました。生理用品「ロリエ」は、日本では共感型コミュニケーションによりロイヤルユーザーが増加すること等でブランド力が向上し、売り上げ、シェアが伸長しました。中国ではALPS処理水の影響で販売促進活動を抑制したことの影響を受けました。ベビー用紙おむつ「メリーズ」の売り上げは前期を下回りました。日本では、戦略的値上げを実施しましたが、中国向けの越境ECが苦戦し、売り上げは前期を下回りました。中国では市場縮小や厳しい競争環境により、売り上げは前期を下回りました。インドネシアは好調に推移しました。また、2023年12月11日にエステー株式会社と猫用システムトイレ「ニャンとも清潔トイレ」に関する事業の譲渡契約を締結しました。サニタリー製品のコア営業利益は、91億円(対前期3億円増)の損失となりました。ハイジーン&リビングケア事業の営業利益は、ベビー用紙おむつ事業等で減損損失を含む構造改革費用を218億円計上し201億円(対前期105億円減)となり、コア営業利益は、ファブリック&ホームケア製品で、原材料価格の上昇に対して戦略的値上げを積極的に実施し、収益性が改善し419億円(対前期112億円増)となりました。 〔ヘルス&ビューティケア事業〕売上高は、前期に対して6.3%増の3,929億円(為替3.2%増、実質3.1%増(内訳:数量等1.1%増、価格2.0%増))となりました。スキンケア製品の売り上げは前期を上回りました。日本では人流の回復に加え、猛暑に対応した「ビオレ」のUVケア製品等のシーズン品やメイク落としの新製品が貢献し、売り上げ、シェアともに伸長しました。米州では、売り上げは前期を上回りました。なお、2023年11月にプレミアムスキンケアブランド「Bondi Sands(ボンダイサンズ)」を有するBondi Sands Australia Pty Ltdの買収を完了し、連結子会社としました。ヘアケア製品の売り上げは伸長しました。日本では厳しい競争環境の中、「エッセンシャル」の新製品・改良品が順調に推移したほか、11月に発売した「ケープ」の新製品が貢献し、売り上げ、シェアともに伸ばしました。欧州では、売り上げは前期を上回りました。ヘアサロン向け製品は、米国の「ORIBE」が、Eコマースを中心に好調に推移しました。パーソナルヘルス製品は、売り上げは前期並みでした。日本では、新しいマーケティング施策により「めぐりズム」の売り上げは伸長しましたが、入浴剤は市場縮小の影響を受けました。営業利益は、構造改革費用を23億円計上し、405億円(対前期59億円増)となりました。コア営業利益は、428億円(対前期82億円増)となりました。 〔ライフケア事業〕売上高は、前期に対して1.0%増の563億円(為替1.5%増、実質0.6%減(内訳:数量等3.2%減、価格2.6%増))となりました。業務用衛生製品の売り上げは、前期を上回りました。日本では外食産業や宿泊施設等で厨房用洗浄剤や客室消耗品の需要が高まりましたが、消毒剤の市場縮小により売り上げはほぼ横ばいでした。米国では対象業界の回復、新規顧客の獲得等で売り上げは前期を上回りました。健康飲料は、特定保健用食品「ヘルシア」の売り上げは減少しました。営業利益は、構造改革で原材料の評価減等を40億円計上したことにより、53億円(対前期53億円減)の損失となりました。コア営業利益は、13億円(対前期13億円減)の損失となりました。 〔化粧品事業〕売上高は、前期に対して5.1%減の2,386億円(為替1.6%増、実質6.7%減(内訳:数量等7.3%減、価格0.6%増))となりました。コア売上高は、前期に対して1.8%減の2,469億円(実質3.4%減)となりました。日本では、構造改革による返品の計上や韓国のトラベルリテールにおける代理購買抑制等の影響を受け、売り上げは前期を下回りました。コア売上高は、「KANEBO」や「KATE」等のグローバル戦略ブランド「G11」が好調を維持し、前期を上回りました。中国の売り上げは、ALPS処理水の影響によりKOL(キー・オピニオン・リーダー)の活動自粛や販売促進活動の抑制等により大幅に前期を下回りました。欧州では、市場が低迷する中、「MOLTON BROWN」の新製品が順調に推移するとともに、「SENSAI」はリニューアルした新製品や既存品のプロモーションが奏功し、売り上げは前期を上回りました。営業利益は、構造改革で返品引当金や原材料の処分等を107億円計上したことにより、54億円(対前期195億円減)の損失となりました。コア営業利益は、53億円(対前期88億円減)となりました。 ケミカル事業売上高は、前期に対して9.0%減の3,661億円(為替4.4%増、実質13.4%減(内訳:数量等3.8%減、価格9.6%減))となりました。油脂製品では、天然油脂価格の下落に伴う販売価格の改定と海外における顧客の在庫調整の長期化が影響し、売り上げは減少しました。機能材料製品は、コスト増に対する販売価格の改定が寄与しましたが、需要低迷の影響を受けた分野があり、売り上げは前期を下回りました。情報材料製品では、ハードディスクや半導体関連分野の需要の低迷が続き、売り上げは減少しました。営業利益は、景気回復の遅れに伴う需要の減少と油脂製品の利幅の縮小が影響、さらに構造改革費用を12億円計上したことにより236億円(対前期60億円減)となりました。コア営業利益は、248億円(対前期48億円減)となりました。 (2)財政状態の分析(連結財政状態) 前連結会計年度2022年12月末当連結会計年度2023年12月末増減資産合計(億円)17,26417,697434負債合計(億円)7,3107,577267資本合計(億円)9,95410,120167親会社所有者帰属持分比率56.3%55.6%-1株当たり親会社所有者帰属持分(円)2,091.202,116.0124.81社債及び借入金(億円)1,2781,385106 資産合計は、前期末に比べ434億円増加し、1兆7,697億円となりました。主な増加は、のれん270億円、現金及び現金同等物234億円、無形資産216億円であり、主な減少は、有形固定資産188億円、棚卸資産146億円です。負債合計は、前期末に比べ267億円増加し、7,577億円となりました。主な増加は、契約負債等128億円、引当金127億円、社債及び借入金106億円であり、主な減少は、リース負債125億円です。資本合計は、前期末に比べ167億円増加し、1兆120億円となりました。主な増加は、当期利益462億円、在外営業活動体の換算差額402億円であり、主な減少は、配当金702億円です。なお、親会社所有者帰属持分比率は、前期末の56.3%から55.6%となりました。親会社所有者帰属持分当期利益率(ROE)は4.5%となりました。 (3)キャッシュ・フローの分析(連結キャッシュ・フローの状況) 通期増減(億円)2022年12月期(億円)2023年12月期(億円)営業活動によるキャッシュ・フロー1,3092,025716投資活動によるキャッシュ・フロー(749)(1,093)(344)フリー・キャッシュ・フロー(営業活動+投資活動)560932372財務活動によるキャッシュ・フロー(1,393)(800)593 営業活動によるキャッシュ・フローは、2,025億円となりました。主な増加は、減価償却費及び償却費896億円、税引前利益638億円、棚卸資産の増減額294億円、減損損失217億円、営業債権及びその他の債権の増減額205億円、引当金の増減額125億円であり、主な減少は、法人所得税等の支払額246億円、営業債務及びその他の債務の増減額194億円です。投資活動によるキャッシュ・フローは、△1,093億円となりました。主な内訳は、有形固定資産の取得による支出542億円、企業結合による支出408億円、無形資産の取得による支出123億円です。営業活動によるキャッシュ・フローと投資活動によるキャッシュ・フローを合計したフリー・キャッシュ・フローは、932億円となりました。財務活動によるキャッシュ・フローは、△800億円となりました。安定的かつ継続的な配当を重視しており、またEVA及びROIC視点から資本効率の向上を目的として、自己株式の取得及び消却も弾力的に行っています。当期の主な内訳は、非支配持分への支払いを含めた支払配当金703億円、リース負債の返済による支出214億円です。なお、2023年3月に借入金400億円を返済し、適正な資本コスト率の維持及び成長投資のための財務基盤の強化を目的に、同額の借り入れを行いました。その借り入れのうち200億円については、SPTs(サステナビリティ・パフォーマンス・ターゲット)の達成状況に応じて金利が変動するサステナビリティ・リンク・ローンを利用しています。また、社債の発行と償還を行い、その内訳は、社債の発行による収入249億円、社債の償還による支出250億円です。発行した社債は、SPTsの達成状況に応じて利率が変動する、サステナビリティ・リンク・ボンドです。当期末の現金及び現金同等物の残高は、為替変動による影響を含めて前期末に比べ234億円増加し、2,917億円となりました。なお、構造改革に係る営業利益への影響額547億円のうち、当期支出した金額は25億円であり、次期以降、135億円の支出を見込んでいます。 (4)重要な会計方針及び見積り当社の連結財務諸表は、「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」(昭和51年大蔵省令第28号。以下、「連結財務諸表規則」)第93条の規定により、国際会計基準(以下、「IFRS」)に準拠して作成しております。この連結財務諸表の作成にあたって、採用している重要な会計方針及び見積りについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 連結財務諸表に関する注記事項 3.重要性がある会計方針」及び「4.重要な会計上の見積り及び見積りを伴う判断」に記載のとおりであります。 (5)資本の財源及び資金の流動性についての分析使用権資産を含む重要な資本的支出の2024年度の予定額は、約900億円であり、主に当社グループ内の資金を有効活用する予定であります。なお、計画については「第3 設備の状況 3 設備の新設、除却等の計画」に記載のとおりであります。 (6)生産、受注及び販売の実績当社グループの生産・販売品目は、産業界向けのケミカル製品から一般消費者向けのコンシューマー製品まで極めて多種多様であり、それら製品の在庫をほぼ一定の必要水準に保つように、主として見込み生産を行っております。従って、生産実績は販売実績に類似しております。生産及び販売の実績については、「(1) 経営成績の分析」に記載のとおりであります。 (7)経営成績に重要な影響を与える要因経営成績に重要な影響を与える要因については、「3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。 (8)経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標については、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」、達成状況は、「(1) 経営成績の分析」に記載のとおりであります。 | 
| 経営上の重要な契約等 | 5 【経営上の重要な契約等】 (1)株式譲渡契約当社は、オーストラリアの子会社であるKao Australia Pty. Limitedを通じて、セルフタンニングや日やけ止め、スキンケア商品等をオーストラリア・英国・米国など32カ国を中心に展開するBondi Sands Hold Co Pty Ltdの全株式を取得する契約を2023年7月27日に締結し、2023年11月1日に取引を完了しました。 (2)合弁事業契約国名契約先合弁会社名称出資比率※1契約日マレーシアIOI Oleochemical Industries BerhadFatty Chemical(Malaysia) Sdn. Bhd.70.0%※21988年2月29日インドネシアPT RodamasPT Kao Indonesia50.01%1994年8月29日 ※1 当連結会計年度末の出資比率を記載しております。※2 出資比率は、間接出資比率であり、 Kao Singapore Private Limited(当社100%出資)が出資しております。 | 
| 研究開発活動 | 6 【研究開発活動】 私たちは、持続可能で豊かな共生世界を実現することを使命に、「未来のいのちを守る企業」として、人、社会、地球に貢献することを目指しております。研究開発部門では、多様な国や地域の生活者の様々な文化やニーズを理解し、独創的なシーズと組み合わせることにより、新たな価値や市場を創造する画期的な商品・技術の開発に取り組んでおります。そのひとつの取り組みとして、皮脂RNAモニタリング技術※1を活用し、乳幼児の肌バリア状態を把握する郵送検査サービス「ベビウェルチェック」※2を協働企業と共に開始しました。あぶら取りフィルムを肌にあてて皮脂をふき取るだけという侵襲性のない方法で、自宅にいながらにして、皮脂RNAの情報から肌のバリア機能を知ることができ、肌状態に合ったケア情報を受け取れるサービスです。また、産学連携の研究の取り組みにおいても、乳幼児から成人までを対象に、アトピー性皮膚炎の早期発見や症状の評価への活用の可能性を見出しています。今後も、花王の独自技術を様々な分野の検査事業に応用し、新たな事業領域へ挑戦していきます。また、既存事業の強化として、「ビオレUV アクアリッチ アクアプロテクトミスト」を発売し、UV製品における新たな価値を提案しました。霧のようなミストが肌を覆い、肌上で素早くジェル状に変化するため、“ぴたっ”と均一にムラなく肌に密着。使い勝手の良さから、外出先でのUVケア習慣という生活者の潜在的なニーズに応え、高く支持されました。私たちは今後も、既存の事業領域において、新たな価値創出を目指してまいります。当社グループ全体で、約2,900名が研究開発業務に携わっております。当連結会計年度におけるグループ全体の研究開発費は、626億円(売上高比4.1%)であり、主な成果は、下記のとおりであります。※1:肌表面から採取した皮脂中のRNAから、個人の違いだけでなく、加齢や疲労、病気等の体調の変化や、外的ストレスの影響を解析する技術。※2:この検査は病気の診断をするものではありません。 コンシューマープロダクツ事業〔ハイジーン&リビングケア事業〕人々の生活スタイルや価値観の多様なニーズに応え、誰もが安心して快適に暮らせるための清潔・衛生商品を提供すべく、幅広い分野での研究開発を進めております。ファブリックケア製品では、洗たく機にそのまま入れるだけで使えるスティック形状の衣料用粉末洗剤「アタック ZERO パーフェクトスティック」を新発売しました。洗浄・消臭・抗菌※1等の効果成分を凝縮した発泡パウダーが水に素早く溶け、前洗いなしでも頑固な皮脂汚れを落とすことを実現しました※2。環境面にも配慮し、ハードプラスチック本体容器を使用せず、全サイズをパウチ包装仕様にすることでプラスチック使用量(洗たく1回当たり)を削減しました※3。ホームケア製品では、トイレ用洗剤「トイレマジックリン」シリーズから「トイレマジックリン こすらずスッキリ泡パック」を新発売しました。へたらず垂れにくい吸着泡が便器内に密着することで汚れを取り込み、トイレブラシによるこすり洗いなしでも便器内をきれいに掃除できます※4。当事業に係る研究開発費は、160億円であります。※1:すべての菌の増殖を抑制するわけではありません。※2:汚れの程度によっては、落ち方がかわることがあります。※3:水量30Lの場合。当社非濃縮液体洗剤本体容器と「アタック ZERO パーフェクトスティック」パウチ包装の比較で約64%削減。※4:こびりついた汚れは落とせません。 〔ヘルス&ビューティケア事業〕世界の人々の肌や髪を深く知るとともに、人が本来持っている健康力を生かしたQOL(Quality of Life:生活の質)の向上を目指した本質研究と、革新的な技術と品質によるユニークで付加価値の高い製品の提案をとおして、健康美と清潔衛生を実現する研究開発に取り組んでいます。スキンケア製品では、「ビオレ」から、「ビオレ ザ クレンズ オイルメイク落とし」を新発売しました。製品をつけるだけでメイクが瞬時に浮くため、メイク落としに伴うストレスが低減され、素肌を健やかに保つことを目指します。ヘアケア製品では、「エッセンシャル」の中核ライン「Essential THE BEAUTY(エッセンシャル ザビューティ)」から、「バリアシャンプー」、「バリアコンディショナー」と「うるツヤチャージヘアパック」の3品を新発売しました。シリーズ全品に、天然由来の美髪オイル「18-MEA OIL※1(毛髪保護)」を共通配合。雨の日や乾燥した日も、髪がしなやかに美しくまとまります。パーソナルヘルス製品では、オーラルケアブランド「ピュオーラ」から、「PureOra36500(ピュオーラ サンロクゴマルマル)」シリーズを新発売しました。歯ぐきの抵抗力※2を強化するBGA※3を配合し、ハグキそのものを強くすることで、汚れや菌から歯ぐきを防御し歯周病※4を予防します。当事業に係る研究開発費は、216億円であります。※1:ラノリン脂肪酸。※2:抗炎症作用で汚れや菌からハグキを防御する。※3:抗炎症成分β-グリチルレチン酸。※4:歯肉炎・歯周炎の総称。 〔ライフケア事業〕高機能な製品開発と、モニタリング技術を活用した一人ひとりへの精度の高いソリューションの提供を目指し、心身の健康をサポートし、人々のウェルネスの向上につながる研究を進めています。健康飲料の「ヘルシア」から、キリンホールディングス株式会社の免疫ケアブランド「キリン iMUSE」との共創により、「ヘルシア緑茶プラス 免疫ケア」を数量限定で発売しました。茶カテキンがBMIが高めの方の内臓脂肪を減らすのを助け、プラズマ乳酸菌(L. lactis strain Plasma)が健康な人の免疫機能の維持をサポートします。「内臓脂肪」と「免疫」の両方をケアすることの重要性も啓発し、人々の健康維持に貢献しました。当事業に係る研究開発費は、24億円であります。 〔化粧品事業〕世界の人々の肌を深く知る本質研究による確かなエビデンスと五感に訴える感性研究を融合して、新しい美の価値創造を目指しております。カウンセリング化粧品では、「KANEBO」から、美容液ファンデ―ション「カネボウ コンフォートスキン ウェア」を新発売しました。化粧持ちのよさと塗膜のしなやかさを両立し、心地よい使用感で、ふんわりと明るい素肌を表現します。「エスト」では、「エスト セラム ワン」をリニューアルし、シワ改善とシミ予防※1をする、炭酸※2の泡の美容液「エスト セラム ワン アドバンスド」を新発売しました。花王独自の炭酸※2泡技術を採用し、超微細なマイクロ炭酸※2の泡の美容液が肌に密着し、角層最深部まで浸透します。さらに、有効成分ナイアシンアミド配合で、シワ改善とシミ予防※1を可能にしました。当事業に係る研究開発費は、113億円であります。※1:メラニンの生成を抑え、シミ・ソバカスを防ぐ。※2:炭酸ガス(噴射剤)。 ケミカル事業油脂科学、界面科学、高分子科学等における研究開発の成果をさらに深化させ、幅広い産業界の多様なニーズに対応した特徴あるケミカル製品を提供すべく、研究開発に取り組んでおります。油脂製品では、オレオケミカルや三級アミンにおいて独自の触媒・プロセス技術開発を進めており、機能材料製品では、環境負荷低減に対応した付加価値製品の開発を進めております。そのひとつとして、廃棄されるPET素材を原料に活用したアスファルト改質剤「ニュートラック 6000SMA」を新発売しました。アスファルト舗装では、アスファルトと骨材※1の間に隙間(空隙)が生じることがあります。積雪寒冷地においては、空隙があると内部に浸入した水が凍結融解し、体積の変化が繰り返されることで穴(ポットホール)が発生しやすくなります。この道路課題に対し、骨材とアスファルトの密着性を高めることで、舗装の空隙抑制と耐久性向上を可能にしました。また、バイオマス由来のセルロースナノファイバー(Cellulose Nano Fiber)を用いた複合材料「LUNAFLEX」は、プラスチック製品の物性を向上させ、資源の効率的利用に大きく貢献します。情報材料製品では、ポリマー設計技術を駆使した超低温定着ケミカルトナー(LUNATONE)や独自開発のVOCレス設計※2の水性インクジェット用顔料インク(LUNAJET)で印刷分野でのさらなる展開を強化していきます。当事業に係る研究開発費は、115億円であります。※1:道路舗装の材料としてアスファルトとともに使用される砂利や砂。※2:印刷工程において排出されるVOC(volatile organic compounds:揮発性有機化合物)が(炭素換算で)700ppmC以下のものをVOCレスと定義。改正大気汚染防止法(平成18年)により、VOC排出規制が実施されております。 | 
| 設備投資等の概要 | 1 【設備投資等の概要】 当連結会計年度の設備投資等の金額は、93,036百万円であり、セグメントごとの内訳は、以下のとおりであります。 セグメントの名称金額(百万円) ハイジーン&リビングケア事業32,637ヘルス&ビューティケア事業18,725ライフケア事業4,581化粧品事業12,416コンシューマープロダクツ事業68,359ケミカル事業22,942その他1,735合計93,036 (注)1.金額には、消費税等は含まれておりません。2.有形固定資産、使用権資産及び無形資産への投資が含まれております。なお、資産除去引当金に係る有形固定資産及び使用権資産の増加額は含まれておりません。3.セグメントに含まれない投資は、「その他」に含まれております。 コンシューマープロダクツ事業では、各事業で設備増強や合理化、維持更新のほか、物流拠点の整備及び情報システムの再構築等を行いました。ハイジーン&リビングケア事業では、国内及び海外における新製品・改良品の対応や生産能力の拡充等を行いました。ヘルス&ビューティケア事業では、国内及び海外で生産能力の拡充等を行いました。ケミカル事業では、米国市場での安定供給体制強化に向けて米国で三級アミン生産拠点建設を進める等、主に海外で生産能力を拡充したほか、設備の合理化や維持更新、情報システムの再構築等を行いました。なお、上記の所要資金は、主に当社グループ内の資金をグローバルに有効活用しております。 | 
| 主要な設備の状況 | 2 【主要な設備の状況】 当社グループの主要な設備の当連結会計年度末における状況は、以下のとおりであります。(1)提出会社2023年12月31日現在事業所名(所在地)セグメントの名称設備の内容帳簿価額従業員数(人)建物及び構築物(百万円)機械装置及び運搬具(百万円)土地(百万円)(面積千㎡)その他(百万円)使用権資産(百万円)(面積千㎡)合計(百万円)和歌山工場・研究所(和歌山県和歌山市)ハイジーン&リビングケア事業ヘルス&ビューティケア事業ライフケア事業ケミカル事業生産設備研究開発設備15,15923,367854(603)4,82781445,0211,816[190]東京工場(インキュベーションセンター東京)・研究所・すみだ事業場(東京都墨田区)ヘルス&ビューティケア事業ライフケア事業化粧品事業ケミカル事業生産設備研究開発設備その他設備14,757460445(44)1,51125517,4281,880[224]酒田工場(山形県酒田市)ハイジーン&リビングケア事業ヘルス&ビューティケア事業生産設備6,1733,619931(252)4503,10614,279268[29]川崎工場(神奈川県川崎市川崎区)ハイジーン&リビングケア事業ヘルス&ビューティケア事業ライフケア事業生産設備6,20215,7657,726(101)1,8356531,593274[21]栃木工場・研究所(栃木県芳賀郡市貝町)ハイジーン&リビングケア事業ケミカル事業生産設備研究開発設備9,5606,7712,648(276)1,735862(32)21,5761,085[69]鹿島工場(茨城県神栖市)ハイジーン&リビングケア事業ライフケア事業ケミカル事業生産設備5,0457,0496,392(354)8754719,408282[21]豊橋工場(愛知県豊橋市)ハイジーン&リビングケア事業ヘルス&ビューティケア事業化粧品事業生産設備9,0738,2226,290(314)4596824,112198[11]愛媛工場(花王サニタリープロダクツ愛媛)(愛媛県西条市)ハイジーン&リビングケア事業生産設備3,3221,8011,025(52)3191876,654-[-]小田原工場(花王コスメプロダクツ小田原)・研究所・事業場(神奈川県小田原市)化粧品事業研究開発設備生産設備8,8223,815144 (2)9561,016(1)14,753454[23]川崎ロジスティクスセンター(神奈川県川崎市川崎区)ハイジーン&リビングケア事業ヘルス&ビューティケア事業ライフケア事業物流設備2431,0222,903(27)20-4,188-[-]岩槻ロジスティクスセンター(埼玉県さいたま市岩槻区)ハイジーン&リビングケア事業ヘルス&ビューティケア事業ライフケア事業物流設備2688281,529(21)285663,219-[-] 事業所名(所在地)セグメントの名称設備の内容帳簿価額従業員数(人)建物及び構築物(百万円)機械装置及び運搬具(百万円)土地(百万円)(面積千㎡)その他(百万円)使用権資産(百万円)(面積千㎡)合計(百万円)堺ロジスティクスセンター(大阪府堺市西区)ハイジーン&リビングケア事業ヘルス&ビューティケア事業ライフケア事業物流設備2096691,931(37)243953,228-[-]厚木ロジスティクスセンター(神奈川県愛甲郡愛川町)化粧品事業物流設備2,0621942,810(33)5-5,071-[-]八王子ロジスティクスセンター(東京都八王子市)ハイジーン&リビングケア事業ヘルス&ビューティケア事業ライフケア事業物流設備84699,936(31)111,36011,460-[-]本社(東京都中央区)ハイジーン&リビングケア事業ヘルス&ビューティケア事業ライフケア事業化粧品事業全社(共通)その他設備1,72216-(-)14638,29340,1771,850[210] (2)国内子会社2023年12月31日現在会社名事業所名(所在地)セグメントの名称設備の内容帳簿価額従業員数(人)建物及び構築物(百万円)機械装置及び運搬具(百万円)土地(百万円)(面積千㎡)その他(百万円)使用権資産(百万円)(面積千㎡)合計(百万円)花王グループカスタマーマーケティング㈱本店(東京都中央区)ハイジーン&リビングケア事業ヘルス&ビューティケア事業ライフケア事業化粧品事業販売設備456-4,759(72)5,2663,225(3)13,7065,988[847]㈱カネボウ化粧品小田原工場(花王コスメプロダクツ小田原)(神奈川県小田原市)化粧品事業生産設備その他設備--4,641(62)459565,15617[48] (3)在外子会社2023年12月31日現在会社名事業所名(所在地)セグメントの名称設備の内容帳簿価額従業員数(人)建物及び構築物(百万円)機械装置及び運搬具(百万円)土地(百万円)(面積千㎡)その他(百万円)使用権資産(百万円)(面積千㎡)合計(百万円)上海花王有限公司上海工場(上海市)ハイジーン&リビングケア事業ヘルス&ビューティケア事業化粧品事業生産設備1,4314,158-(-)58613(-)6,188338[-]花王(上海)化工有限公司上海工場(上海市)ケミカル事業生産設備3,6555,170-(-)229760(83)9,814111[-] 会社名事業所名(所在地)セグメントの名称設備の内容帳簿価額従業員数(人)建物及び構築物(百万円)機械装置及び運搬具(百万円)土地(百万円)(面積千㎡)その他(百万円)使用権資産(百万円)(面積千㎡)合計(百万円)花王(合肥)有限公司合肥工場(安徽省合肥市)ハイジーン&リビングケア事業生産設備3,694--(-)648804(124)5,1466[-]Kao (Taiwan)Corporation新竹工場・研究所(新竹縣)ハイジーン&リビングケア事業ヘルス&ビューティケア事業ライフケア事業生産設備研究開発設備1,7953,601162(58)4824976,507528[5]PilipinasKao,Inc.ハサーン工場(フィリピンミサミスオリエンタル)ケミカル事業生産設備1,60913,824-(-)631129(329)16,193201[-]KaoIndustrial(Thailand) Co., Ltd.チョンブリ工場(タイ チョンブリ)ハイジーン&リビングケア事業ヘルス&ビューティケア事業ケミカル事業生産設備研究開発設備2,2303,3501,261(171)2,0971,0129,9501,049[-]FattyChemical(Malaysia) Sdn. Bhd.本社工場(マレーシア ペナン)ケミカル事業生産設備2,5024,575-(-)2,2624,136(118)13,475273[-]PT KaoIndonesiaカラワン工場(インドネシア カラワン)ハイジーン&リビングケア事業ヘルス&ビューティケア事業生産設備7,91311,5994,231(141)3112,052(252)26,1061,685[553]PT KaoIndonesiaChemicalsカラワン工場(インドネシア カラワン)ケミカル事業生産設備4,2472,297-(-)101622(64)7,267279[10]Kao USAInc.本社工場・研究所(米国オハイオ州シンシナティ)ヘルス&ビューティケア事業化粧品事業生産設備研究開発設備3,4862,73834(35)2,0004,85713,115872[23]Kao ChemicalsAmericasCorporation本社工場(米国ノースカロライナ州ハイポイント)ケミカル事業生産設備研究開発設備1,3861,3083,226(723)5,1303611,086158[-]KaoManufacturingGermany GmbH本社工場(ドイツダルムシュタット)ヘルス&ビューティケア事業生産設備1,0501,155550(50)804366(27)3,925297[9]Kao ChemicalsGmbH本社工場(ドイツエメリッヒ)ケミカル事業生産設備7,5561,712195(74)48439710,344201[53]KaoCorporation, S.A.オレッサ工場(スペイン バルセロナ)ケミカル事業生産設備5,5791,9621,119(264)2,46523411,359429[20] (注)1.複数の事業所を有する会社は、代表的な事業所名を記載しております。2.土地の面積については、()で外書きしております。3.帳簿価額のうち、「その他」は、有形固定資産の工具、器具及び備品と建設仮勘定であります。4.従業員数の[ ]は、臨時従業員数を外書しております。5.Kao Chemicals Americas Corporationには、同社の子会社であるHigh Point Textile Auxiliaries LLC、Kao Specialties Americas LLC、STAR (Delaware) Realty LLC及びKao America Inc.の子会社であるHPC Realty, Inc.が含まれております。 | 
| 設備の新設、除却等の計画 | 3 【設備の新設、除却等の計画】 当社グループ(当社及び連結子会社)の当連結会計年度後1年間の設備投資計画(新設・拡充等)は、およそ90,000百万円であり、セグメントに関連付けた内訳は、以下のとおりであります。 セグメントの名称設備投資計画金額(百万円)設備等の主な内容・目的ハイジーン&リビングケア事業22,000国内及び海外における各事業の生産能力の拡充のほか、設備の合理化、維持更新等ヘルス&ビューティケア事業ライフケア事業化粧品事業 ケミカル事業 28,000国内及び海外における設備能力の拡充のほか、設備の合理化、維持更新等全社(共通)、その他30,000研究開発関連、物流設備の拡充及び維持更新、IT関連投資等10,000使用権資産合計90,000 (注)1.金額には、消費税等は含まれておりません。2.有形固定資産、使用権資産及び無形資産への投資が含まれております。3.経常的な設備の更新のための除売却を除き、重要な設備の除売却の計画はありません。4.上記計画に伴う所要資金は、主に当社グループ内の資金を有効活用する予定であります。5.各セグメントに共通の設備投資計画は、「全社(共通)、その他」に含まれております。 | 
| 研究開発費、研究開発活動 | 11,500,000,000 | 
| 設備投資額、設備投資等の概要 | 1,735,000,000 | 
Employees
| 平均年齢(年)、提出会社の状況、従業員の状況 | 41 | 
| 平均勤続年数(年)、提出会社の状況、従業員の状況 | 18 | 
| 平均年間給与、提出会社の状況、従業員の状況 | 8,024,000 | 
Investment
| 株式の保有状況 | (5)【株式の保有状況】 ① 投資株式の区分の基準及び考え方当社グループは、専ら株式の価値の変動または株式に係る配当によって利益を受けることを目的として保有する株式を「純投資目的である投資株式」と区分し、それ以外を「純投資目的以外の目的である投資株式」と区分しております。なお、当社は純投資目的である投資株式を保有しておりません。 ② 保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式a.保有方針及び保有の合理性を検証する方法並びに個別銘柄の保有の適否に関する取締役会等における検証の内容当社グループは、業務提携、取引の維持・強化等事業活動上の必要性等を勘案し、保有する株式数を含め合理性があると認める場合に限り、上場株式を政策的に保有しております。これらは、株式市場や当社を取り巻く事業環境の変動による影響を受けますが、毎年、取締役会等において、銘柄毎に保有目的、含み損益、EVA、取引高等を評価軸として、保有継続の合理性及び株式数の見直し等を確認しております。当事業年度末において定量基準を満たさなかった銘柄はありませんでした。また、政策保有株の議決権に関しましては、適切なコーポレート・ガバナンス体制の整備や発行会社の中長期的な企業価値の向上に資する提案であるかどうか、また当社への影響度等を総合的に判断して行使しております。必要に応じて、議案の内容等について発行会社と対話します。 b.銘柄数及び貸借対照表計上額 銘柄数(銘柄)貸借対照表計上額の合計額(百万円)非上場株式283,854非上場株式以外の株式142,814 (当事業年度において株式数が増加した銘柄) 銘柄数(銘柄)株式数の増加に係る取得価額の合計額(百万円)株式数の増加の理由非上場株式2110事業関係の強化のため非上場株式以外の株式13持株会による株式の取得 (当事業年度において株式数が減少した銘柄) 銘柄数(銘柄)株式数の減少に係る売却価額の合計額(百万円)非上場株式10非上場株式以外の株式285 c.特定投資株式の銘柄ごとの株式数、貸借対照表計上額等に関する情報 特定投資株式銘柄当事業年度前事業年度保有目的、業務提携等の概要、定量的な保有効果及び株式数が増加した理由当社の株式の保有の有無株式数(株)株式数(株)貸借対照表計上額(百万円)貸借対照表計上額(百万円)東京海上ホールディングス㈱318,510318,510(保有目的)保険業務を中心とした取引先であり、当社グル ープのリスクマネジメントに係る協力関係維持のため保有 無(注)21,124901イオン㈱281,679280,713(保有目的)コンシューマープロダクツ事業の販売先で あり、当社グループの営業取引に係る協力関係維持のため 保有(株式数が増加した理由)持株会による株式の取得無888781日本ゼオン㈱130,000130,000(保有目的)ケミカル事業の取引先であり、当社グループの 営業取引等に係る協力関係維持のため保有有170174㈱三井住友フィナンシャルグループ24,03324,033(保有目的)資金調達等の金融取引先であり、当社グループ の財務取引に係る協力関係維持のため保有無(注)2165127ニチレキ㈱52,80752,807(保有目的)ケミカル事業の販売先であり、当社グループの 営業取引に係る協力関係維持のため保有無12866㈱山形銀行113,458113,458(保有目的)資金調達等の金融取引先であり、当社グループ の財務取引に係る協力関係維持のため保有有121140三京化成㈱35,11235,112(保有目的)ケミカル事業の取引先であり、当社グループの 営業取引等に係る協力関係維持のため保有有106109㈱みずほフィナンシャルグループ14,47714,477(保有目的)資金調達等の金融取引先であり、当社グループ の財務取引に係る協力関係維持のため保有無(注)23527㈱プラネット24,00024,000(保有目的)トイレタリー業界における共通インフラ形成 において協業関係にあり、当社グループを含めた業界標 準化活動における協力関係維持のため保有無2929㈱めぶきフィナンシャルグループ50,22350,223(保有目的)資金調達等の金融取引先であり、当社グループ の財務取引に係る協力関係維持のため保有無2217アジアパイルホールディングス㈱11,00011,000(保有目的)ケミカル事業の販売先であり、当社グループの 営業取引に係る協力関係維持のため保有無86㈱不二家3,0003,000(保有目的)ケミカル事業の販売先であり、当社グループの 営業取引に係る協力関係維持のため保有無78㈱トーホー2,4002,400(保有目的)ライフケア事業の取引先であり、当社グループ の営業取引に係る協力関係維持のため保有無74日本コンクリート工業㈱14,00014,000(保有目的)ケミカル事業の販売先であり、当社グループの 営業取引に係る協力関係維持のため保有無43三井住友トラスト・ホールディングス㈱-11,337(保有目的)信託業務を中心にした金融取引先であり、当社 グループの財務取引に係る協力関係維持のため保有無-52㈱三菱UFJフィナンシャル・グループ-25,630(保有目的)資金調達等の金融取引先であり、当社グループ の財務取引に係る協力関係維持のため保有無-23 (注)1.定量的な保有効果については記載が困難ですが、毎年、取締役会等において、銘柄毎に保有目的、含み損益、EVA、取引高等を評価軸として、保有継続の合理性及び株式数の見直し等を確認しております。当事業年度においては2銘柄の売却を実施し、当事業年度末において、定量基準を満たさなかった銘柄はありませんでした。2.保有先企業は当社株式を保有しておりませんが、同社子会社は当社株式を保有しております。3.「-」は当該銘柄を保有していないことを示しております。 | 
| 株式数が増加した銘柄数、非上場株式、保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式、提出会社 | 2 | 
| 株式数が増加した銘柄数、非上場株式以外の株式、保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式、提出会社 | 1 | 
| 株式数が減少した銘柄数、非上場株式以外の株式、保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式、提出会社 | 2 | 
| 銘柄数、非上場株式、保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式、提出会社 | 28 | 
| 貸借対照表計上額、非上場株式、保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式、提出会社 | 3,854,000,000 | 
| 銘柄数、非上場株式以外の株式、保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式、提出会社 | 14 | 
| 貸借対照表計上額、非上場株式以外の株式、保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式、提出会社 | 2,814,000,000 | 
| 株式数の増加に係る取得価額の合計額、非上場株式、保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式、提出会社 | 110,000,000 | 
| 株式数の増加に係る取得価額の合計額、非上場株式以外の株式、保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式、提出会社 | 3,000,000 | 
| 株式数の減少に係る売却価額の合計額、非上場株式以外の株式、保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式、提出会社 | 85,000,000 | 
| 株式数、保有目的が純投資目的以外の目的である特定投資株式の明細、提出会社 | 14,000 | 
| 貸借対照表計上額、保有目的が純投資目的以外の目的である特定投資株式の明細、提出会社 | 4,000,000 | 
| 株式数が増加した理由、非上場株式、保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式、提出会社 | 事業関係の強化のため | 
| 株式数が増加した理由、非上場株式以外の株式、保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式、提出会社 | 持株会による株式の取得 | 
| 銘柄、保有目的が純投資目的以外の目的である特定投資株式の明細、提出会社 | ㈱三菱UFJフィナンシャル・グループ | 
| 当該株式の発行者による提出会社の株式の保有の有無、保有目的が純投資目的以外の目的である特定投資株式の明細、提出会社 | 無(注)2 |