財務諸表

CoverPage

提出書類、表紙有価証券報告書
提出日、表紙2024-02-22
英訳名、表紙HOKKO CHEMICAL INDUSTRY CO.,LTD.
代表者の役職氏名、表紙代表取締役社長  佐野 健一
本店の所在の場所、表紙東京都中央区日本橋本町一丁目5番4号
電話番号、本店の所在の場所、表紙03(3279)5151(代表)
様式、DEI第三号様式
会計基準、DEIJapan GAAP
連結決算の有無、DEItrue
当会計期間の種類、DEIFY

corp

沿革 2【沿革】
 当社は、1950年2月27日野村鉱業株式会社製薬部より分離独立し、北興化学株式会社の商号をもって資本金500万円、農薬の製造販売を目的として設立されました。 当社は、設立当初より「種子から収穫まで護るホクコー農薬」をモットーに、安全で優れた製品を提供する農薬事業を営んでおります。また、有機触媒、電子材料原料、医農薬中間体などを提供するファインケミカル事業を経営のもう一方の柱として積極的に推進し、この分野でも国内外で高い評価を受けております。  事業内容の主な変遷は次のとおりであります。1950年2月北興化学株式会社を設立。本社を東京都千代田区に設置。北海道常呂郡留辺蘂町に留辺蘂工場を設置し、農薬の生産・販売を開始。1950年12月本社を北海道札幌市(現 札幌市中央区)に移転。1953年11月商号を北興化学工業株式会社(現商号)に変更。1953年12月本社を東京都千代田区に移転、岡山県児島郡胸上村(現 玉野市胸上)に岡山工場を設置。1954年11月神奈川県鎌倉市に中央研究所を設置。1961年3月新潟県新発田市に新潟工場を設置。1961年10月東京証券取引所市場第二部上場。1963年4月ホクコーバーダル株式会社を設立。1964年11月岡山工場に有機リン合成工場(現 合成第3工場)を建設。1964年12月秋田市に秋田工場を設置。(1972年操業休止)1966年11月中央研究所(現 開発研究所)を神奈川県鎌倉市から同県厚木市に移転。1967年11月ホクコーバーダル株式会社を双商株式会社に改組。1967年12月美瑛白土工業株式会社(現 連結子会社)を設立。1968年6月富山県中新川郡立山町に富山工場を設置。(1972年操業休止)1968年10月ブラジル北興化学農畜産有限会社を設立。(1976年経営権を譲渡)1969年1月本社を東京都中央区に移転。1970年1月北海道滝川市に北海道工場を設置、常呂郡留辺蘂町から移転。1970年2月岡山工場に塩化ビニール安定剤原料合成工場(現 合成第2工場)を建設。1972年1月ファインケミカル部を設置。(現ファインケミカル事業グループ)1976年12月双商株式会社の商号を北興産業株式会社(現 連結子会社)と改称。1977年3月岡山工場に医薬品製造工場(現 合成第4工場)を建設。1982年3月静岡県榛原郡相良町(現 牧之原市白井)に静岡試験農場を開設。1982年7月岡山工場に多目的合成工場(現 合成第5工場)を建設。1985年9月北海道夕張郡長沼町に北海道試験農場を開設。1985年11月富山工場敷地内に富山試験農場を開設。(2007年閉鎖)1987年5月東京証券取引所市場第一部上場。1987年12月岡山工場に多目的合成工場(現 合成第6工場)を建設。1989年7月開発研究所敷地内に化成品研究所を設置。1991年8月ホクコーパツクス株式会社(現 連結子会社)を設立。1991年11月岡山工場に多目的合成工場(現 合成第7工場)を建設。1995年1月新潟工場に除草剤専用の液剤第2工場を建設。1995年12月ISO 9002を全工場(北海道、新潟、岡山)で取得完了。1999年3月ISO 14001を新潟工場で取得。2000年1月ISO 14001を北海道・岡山工場で取得し、全工場で取得完了。 2001年1月2002年1月2002年8月岡山工場のISO 9002をISO 9001へ移行新潟工場のISO 9002をISO 9001へ移行中国江蘇省に張家港北興化工有限公司(現 連結子会社)を設立。2003年2月2004年10月北海道工場のISO 9002をISO 9001へ移行張家港北興化工有限公司に合成工場(現第1工場)を建設。2006年4月OHSAS 18001を全工場(北海道、新潟、岡山)で取得完了。2007年12月ISO 9001およびISO 14001を張家港北興化工有限公司で取得。2009年10月張家港北興化工有限公司に新工場(第2工場)を建設。2009年12月岡山工場にクリーンルームを備えた多目的合成工場(合成第8工場)を建設。2012年7月開発研究所に中間実験棟を建設。2015年1月2016年5月 2016年11月2019年1月2019年3月2019年11月2020年4月2020年9月2021年2月2022年4月 2022年10月本社事務所を東京都中央区日本橋本町に移転。(8月に本店移転登記を実施)米国ノースカロライナ州にHOKKO CHEMICAL AMERICA CORPORATION(現 非連結子会社)を設立。(2017年3月に活動を開始)新潟県北蒲原郡聖籠町に新潟工場第二工場を建設。ベトナムに試験農場を開設。村田長株式会社の全株式を取得し、子会社化。岡山工場に多目的合成工場(合成第9工場)を建設。岡山工場のOHSAS 18001をISO 45001へ移行。北海道工場のOHSAS 18001をISO 45001へ移行。新潟工場のOHSAS 18001をISO 45001へ移行。東京証券取引所の市場区分の見直しにより、市場第一部からスタンダード市場へ移行。北海道工場に除草粒剤工場を建設。
事業の内容 3【事業の内容】
当社グループは、当社、連結子会社5社(北興産業㈱、美瑛白土工業㈱、ホクコーパツクス㈱、村田長㈱、張家港北興化工有限公司)および非連結子会社1社(HOKKO CHEMICAL AMERICA CORPORATION)により構成されており、農薬ならびにファインケミカル製品の製造・販売を主たる事業として行っています。当社グループの事業における位置付けおよびセグメントとの関連は、次のとおりです。(1)農薬事業農薬につきましては、当社が製造していますが、当社で使用する農薬原料の一部は、連結子会社美瑛白土工業㈱が製造しています。製品の販売につきましては、当社が主として行っていますが、一部の農薬は、連結子会社北興産業㈱が販売しており、連結子会社美瑛白土工業㈱は、バルーンおよび銅基剤等を販売しています。非連結子会社 HOKKO CHEMICAL AMERICA CORPORATION(米国ノースカロライナ州)は、北中南米における農薬市場の調査および当社が販売する農薬製品の普及活動を行っています。(2)ファインケミカル事業電子材料原料等のファインケミカル製品につきましては、当社が主として製造していますが、製造の一部は、連結子会社張家港北興化工有限公司(中国江蘇省)が行っています。製品の販売につきましては、当社が主として行っていますが、連結子会社北興産業㈱が一部を国内で販売しており、また、連結子会社張家港北興化工有限公司が一部を中国国内等に販売しています。(3)繊維資材事業繊維資材の販売につきましては、村田長㈱が行っています。 (事業系統図)以上に述べた事項を系統図によって示すと次のとおりです。
関係会社の状況 4【関係会社の状況】
連結子会社名称住所資本金(百万円)主要な事業内容議決権の所有割合(%)関係内容張家港北興化工有限公司(注)1中国江蘇省1,000ファインケミカル製品の製造・販売100① 役員の兼任あり② 営業上の取引当社が販売するファインケミカル製品の製造・販売村田長㈱大阪府大阪市100繊維資材の販売100① 役員の兼任あり② 資金援助あり北興産業㈱東京都中央区30ファインケミカル製品等の販売100① 役員の兼任あり② 営業上の取引当社製品の販売美瑛白土工業㈱東京都中央区10銅基剤およびバルーン(白土発泡球体)等の製造・販売100① 役員の兼任あり② 営業上の取引当社の使用する農薬原料等の製造・販売ホクコーパツクス㈱(注)3東京都中央区10石油製品等の販売100(40)① 役員の兼任あり② 営業上の取引当社の使用する石油製品等の販売等③ 資金援助あり(注)1.張家港北興化工有限公司は特定子会社に該当しております。2.有価証券届出書または有価証券報告書を提出している子会社はありません。3.議決権の所有割合の( )内は、間接所有割合(内数)で子会社北興産業㈱が所有しております。
従業員の状況 5【従業員の状況】
(1)連結会社の状況 2023年11月30日現在セグメントの名称従業員数(人)農薬事業407(78)ファインケミカル事業300(36)繊維資材事業15(-)その他3(4)全社24(-)合計749(118)(注)1.従業員数は就業人員であり、臨時雇用者数は( )内に年間の平均人員を外数で記載しております。2.全社として記載しております従業員数は、特定のセグメントに区分できない管理部門に所属しているものであります。 (2)提出会社の状況 2023年11月30日現在従業員数(人)平均年令(才)平均勤続年数(年)平均年間給与(円)628(112)45.119.66,652,285 セグメントの名称従業員数(人)農薬事業399(76)ファインケミカル事業207(36)全社22(-)合計628(112)(注)1.従業員数は就業人員であり、臨時雇用者数は( )内に年間の平均人員を外数で記載しております。2.平均年間給与は、賞与および基準外賃金を含む税込額であります。3.全社として記載しております従業員数は、特定のセグメントに区分できない管理部門に所属しているものであります。 (3)労働組合の状況イ.当社の労働組合は、北興化学労働組合と称し、本部を本社に置き、2023年11月30日現在組合員数は467名であり、日本化学エネルギー産業労働組合連合会に加盟しております。ロ.労働条件その他諸問題については、労使協議会において相互の意思疎通を図り円滑な関係を保っております。 (4)管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異①提出会社当事業年度管理職に占める女性労働者の割合(%)
(注)1男性労働者の育児休業取得率(%)
(注)2労働者の男女の賃金の差異(%)
(注)1全労働者正規雇用労働者パート・有期労働者2.725.065.373.269.1(注)1.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(2015年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。2.「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(1991年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(1991年労働省令第25号)第71条の4第1号における育児休業等の取得割合を算出したものであります。 ②連結子会社 連結子会社は、「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(2015年法律第64号)及び「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(1991年法律第76号)の規定による公表義務の対象ではないため、記載を省略しております。
経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】
当社グループの経営方針、経営環境および対処すべき課題等は以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (1)会社の経営の基本方針当社グループは、「社会貢献」「環境」「技術」を経営のキーワードとし、全ての人々の幸せのため、食糧の安定供給に寄与する安全で安心な農薬製品および産業活動を幅広く支えるファインケミカル製品を社会に提供していくことを企業理念としています。この企業理念のもと、立案した事業計画を着実に実行することにより、持続的かつ安定的な成長を実現し、国内外の産業の発展と豊かな社会づくりに貢献します。また、取締役会を中心とした経営の自己規律のもと、企業価値の向上を図るとともに、社会に信頼される企業であり続けます。 (2)経営計画当社グループは、『第2次3ヵ年経営計画(2024~2026年度)』を以下のとおり策定しました。なお、東京証券取引所からの要請を踏まえた「資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応」について、本計画において策定しています。 ① 経営計画の見直しについて 従来の10ヵ年の長期経営計画および5ヵ年の中期経営計画は、2021年度を初年度としてスタートしました。この3ヵ年に、当社の業績は堅調に拡大しております。また、コロナ禍からの社会活動が正常化するなど、当社を取り巻く経営環境が大きく変化しております。こうしたことを踏まえ、長期経営計画の目標達成期間を1年前倒し、最終年度となる2029年度の業績目標を売上高520億円、経常利益60億円に上方修正するとともに、中期経営計画については、コロナ禍以前と同じ3ヵ年に変更し、成長戦略等をより具体化・明確化しました。 ② 『第2次3ヵ年経営計画(2024~2026年度)』の概要 (ア)計画の全体像生産能力向上等の成長投資を基盤に、前計画から継続して取り組む3つの改革(収益構造改革、造り方改革、働き方改革)を柱として、収益基盤・生産基盤を強化していきます。また、各事業の成長戦略と次世代の成長領域を明確化・具体化し、農薬事業とファインケミカル事業を両輪とした経営をさらに進化していく方針です。 (イ)経営目標成長加速に向け、長期業績目標達成期間を1年前倒すとともに、長期業績目標を上方修正しました。 2nd Stage(第2次計画)では、成長投資に集中して取り組むなかで、今回設定した2026年度経営目標の達成を目指します。                                     (百万円) (ウ)成長戦略2nd Stage(第2次計画)において、成長投資に集中的に取り組む方針です。 (a) 成長投資○成長を牽引するファインケミカル事業の生産能力増強(樹脂、電子材料分野等)、サステナビリティ向上、次世代に向けた成長領域創出を主体として、成長分野への設備投資・投融資を進める。・成長投資の実行に向け「戦略的設備投資・投融資枠100億円」を設定・事業領域の拡大に向けたM&A・アライアンスの活用検討を加速し、投融資枠を機動的に増枠○併せて、再評価・新製剤技術開発・新技術開発に向けた研究開発、人的資本投資拡充を加速する。 (b) ゴール(2029年度)に向けたロードマップ (c) サステナビリティ向上への取り組み (エ)株主還元財務の健全性や成長投資とのバランスを図りつつ、安定した配当の継続を基本に株主還元の充実に努めていきます。  ≪配当方針≫本経営計画(2024~2026年度)において、累進配当を基本方針とし、利益の成長に応じた増配を目指す。 (オ)資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応東京証券取引所からの要請を踏まえて策定した取組方針等により、資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応を推進していきます。注)上記の目標数値等は、本資料の発表日現在において入手可能な情報に基づき作成したものであり、実際の業績は今後の様々な要因によって異なる可能性があります。 (3)事業環境〔農薬事業〕国内販売におきましては、国内農薬市場が横ばいで推移する中で販売競争の激化が進んでいくものと予想され、園芸分野での販売拡大を目指すとともに、農薬市場の拡大傾向が続く海外販売におきまして、農薬登録取得国の拡大と合わせて、販売拡大を目指してまいります。 〔ファインケミカル事業〕品質と価格の両面において顧客の要望が高度化する医薬・農薬分野や、自動車のエレクトロニクス化や新たな情報通信技術の進展等により拡大が見込まれる電子材料分野における開発競争、価格競争の激化、化学品に対する世界的な規制の強化が進んでおります。こうした中で、生産能力の増強や新技術の研究開発に努め、主要3分野(樹脂、電子材料、医農薬)の販売拡大を目指してまいります。 〔繊維資材事業〕新規顧客、環境対応型繊維素材等の新商品開発による販路拡大を目指すとともに、当社グループ企業との営業面および内部体制面でのシナジー効果発揮にも注力してまいります。 (4)対処すべき課題〔農薬事業〕①農業の明日を見据えた製品開発とラインナップの強化・省力化志向に対し、新たに投入した高拡散性粒剤“楽粒®”の普及拡大に努めてまいります。・新規園芸剤の普及により、園芸剤シェアの向上を目指してまいります。 ②付加価値の高い製品の拡大・スマート農業(防除AI、ドローン散布等)に対応する新規製剤を開発し、その普及拡大に努めてまいります。・環境負荷低減のため、少量・高濃度・低投薬量散布に対応する製剤技術を確立し、その製品化を実現してまいります。 ③環境変化に対応できる人材育成・進化する農業技術を習得し、実務に活用してまいります。・専門知識の向上に努め、その共有化を図ってまいります。・海外展開を支える人材を育成してまいります。 ④海外市場への取り組み強化・東南アジアへ普及拠点を拡大してまいります。・イプフェンカルバゾンの登録国を拡大し、その普及推進に努めてまいります。 ⑤グローバル化に対応した新規原体の創製・海外におけるマーケットや農薬規制に関する情報を収集してまいります。・研究開発活動の効率化を進め、海外市場への展開を目指した新規原体の創製に注力してまいります。 ⑥設備の充実による原価低減・新除草粒剤工場の安定稼働に努めてまいります。・新規製剤の製造技術を習得し、その向上に努めてまいります。 ⑦「みどりの食料システム戦略」への対応・政府が策定した持続可能な食料システムの実現を目指す「みどりの食料システム戦略」への対応を進めてまいります。 〔ファインケミカル事業〕①付加価値の高い製品の拡大・提案型受託業務を強化してまいります。・カップリング反応における触媒配位子(リガンド)を充実してまいります。・電子材料分野での製品成長期に合わせて、計画的な増産体制を構築してまいります。・高機能設備を導入し、顧客ニーズへ対応してまいります。・高度な分析機器を導入し、製品の品質を高めてまいります。 ②設備の充実による原価低減・合成第9工場の自動化設備のノウハウを他工場へ展開してまいります。・岡山工場のスマート化を推進してまいります。・新工場の建設やスクラップ&ビルドにより、製造設備を効果的に配置してまいります。 ③コア技術の深化と独自新製品の開発・グリニャール反応工程の能力と品質の向上を目指してまいります。・さまざまな金属種を利用した反応を開拓してまいります。・自社製品(リン化合物)を活かした新しいコア技術を開発してまいります。 ④海外市場への取り組み強化・ホスフィン触媒配位子の需要を発掘し、シェア拡大に努めてまいります。・海外展示会、学会等を利用し、製品と技術をPRしてまいります。・海外展開を支える人材を育成してまいります。 ⑤アライアンス等による新規ビジネスの創出・アライアンス等も視野に入れた新規分野でのビジネス拡大してまいります。 ⑥カーボンニュートラルへの取り組み・カーボンニュートラルに向けて、より一層の省エネルギーの推進、使用燃料の低炭素化(燃料転換)に努めてまいります。 〔繊維資材事業〕①バリューチェーンの再構築・中国など海外市場に日本製高付加価値製品を供給してまいります。・輸入品の比率を増やし、売上・利益率の向上に努めてまいります。・新規委託生産拠点の構築に注力してまいります。・国内外で新規販売先を開拓してまいります。 ②製品開発力・収益力の強化・環境に配慮した商品を開発し、販売を強化してまいります。・介護・防災関連商品を開発し、販売を強化してまいります。・企業向け完成製品の開発・受注販売に注力してまいります。 ③各事業グループとのシナジー効果の拡大・農業従事者向け製品の開発に努めてまいります。・繊維資材の専門知識を活かし、作業着、防保護具を供給することで収益の拡大に努めてまいります。・繊維資材のサプライチェーンに防カビ剤等の使用を提案してまいります。
事業等のリスク 3【事業等のリスク】
 当社グループの経営成績、株価および財務状況等に影響を及ぼす主要なリスクには以下のようなものがあります。ただし、これらは当社グループに関するすべてのリスクを網羅したものではありません。 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末において当社グループが判断したものであります。 1.農薬製品販売に対する諸条件の影響 当社グループは、農薬事業とファインケミカル事業を収益確保の主な柱として事業展開していますが、農薬製品の販売は、農業政策の変化、市場動向、天候、病害虫の発生状況等によって影響を受けます。特に、気候変動を含めて予期せぬ急激で大きな変動が生じた場合には、当社グループの事業が大きな影響を受ける可能性があります。 2.急速な技術革新による影響 ファインケミカル製品の市場は、新規企業の市場参入や、廉価製品あるいは新規商品の台頭などにより、価格競争にさらされております。当社グループでは、得意とするグリニャール反応を活用し、顧客のニーズに合わせた付加価値の高い製品を市場に提供しておりますが、想定外の技術革新や急激な市場変化に適切に対応できなかった場合には、当社グループの事業が影響を受ける可能性があります。 3.原材料の調達による影響 当社グループで製造している製品の原材料等の調達(購入価格を含む)は、国内外の状況、並びに原油、ナフサ価格などの動向等の影響を受けます。 これに対し、当社グループは、調達ルートの多様化、販売価格の改定などを推進しておりますが、購入先における法規制の強化や、故障・事故・サプライチェーンの混乱等の支障が生じた場合には、当社グループの事業が影響を受ける可能性があります。 4.為替レートの変動による影響 当社グループは、中国に設立した子会社でファインケミカル製品の一部を生産しており、連結決算における財務諸表項目の円換算額は為替相場に左右されますので、大きな為替相場の変動が生じた場合、当社グループの事業が影響を受ける可能性があります。また、当社グループと海外との取引は、主として外貨建てで行っております。為替予約や外貨建ての債権債務による一部ヘッジを行っておりますが、大きな為替相場の変動が生じた場合は、当社グループの事業が影響を受ける可能性があります。 5.中国現地法人の影響 当社グループの中国現地法人は、中国国内での法規制の変更や社会情勢の変化などに影響を受けます。これに対し当社グループは、積極的な情報収集に努め、中国の政策に合致した対応や環境負荷低減のための設備投資等を行っておりますが、予想の範囲を超える大きな法改正や経済・社会情勢の変化があった場合は、当社グループの事業が影響を受ける可能性があります。 6.新製品の開発による影響 新製品の開発には、多大な人的・経済的資源と長期にわたる時間を必要とします。開発期間中の市場環境の変化、技術の進歩等により、新製品の開発可否判断、開発後の収益計画が影響を受ける可能性があります。これに対し当社グループは、研究・検査体制の充実による開発のスピードアップ、定期的な市場動向の調査、収益試算の検証等により対応しておりますが、新製品の開発が著しく遅延した場合、または困難となった場合には、競争力が低下し、当社グループの事業が影響を受ける可能性があります。 7.予期せぬ事故等の発生による影響 当社グループは、厳格な原材料の受入検査、製品の品質管理、定期的な設備の整備点検等を実施し、国際基準に基づく品質マネジメントシステム(ISO9001)、環境マネジメントシステム(ISO14001)、労働安全衛生マネジメントシステム(ISO45001)により操業、運営しておりますが、事故、自然災害等のトラブルで操業停止、生産供給不足、品質異常、製品の保管条件の悪化などの不測の事態が発生する可能性があります。また、事故等による工場および工場周辺の物的・人的被害を完全に回避することはできません。製造物にかかる賠償責任については保険(PL保険)に加入しておりますが、すべてをカバーすることは困難であります。 当社グループは、法令および諸規則に適合した製品を製造・販売しておりますが、品質問題や副次的に発生する環境問題、社会問題等を起こした場合には、当社グループの事業が影響を受ける可能性があります。 また、想定される災害毎に事業継続計画(BCP)を作成し、速やかな事業復旧のための訓練を行っておりますが、想定外の災害が発生した場合には、当社グループの事業が影響を受ける可能性があります。 8.法規制等への対応による影響 当社グループは、日本国内における農薬取締法、製造物責任法、化審法(化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律)、PRTR(化学物質排出移動量届出制度)、環境に関する諸法規等の法規制、また、事業展開中の諸外国におけるさまざまな法規制等のもとで事業活動を行っております。当社グループは、コンプライアンス基本方針、北興化学工業グループ行動規範を定め、法令遵守の姿勢を明確にし、社会に信頼される企業として行動しております。また常に関係法令の動向を確認し、最新の法規制を理解して事業活動を行っておりますが、法規制の大幅な改正によりその遵守のために多額の費用が発生した場合や事業活動が制限された場合には、当社グループの事業が影響を受ける可能性があります。 9.新型コロナウイルス感染症等による影響 当社グループは、新型コロナウイルス等感染防止のため、国や自治体の指針に則り適時、在宅勤務テレワークや時差出勤、Web会議の促進等を実施しておりますが、感染症の蔓延状況によっては、原材料の調達などの生産活動への支障や経済全体の低迷に伴う需要の減少により、当社グループの事業が影響を受ける可能性があります。 10.知的財産権の侵害による影響 当社グループは、製品開発や製造の過程において、多くの技術やノウハウを蓄積しております。それらの保護のため、積極的な知的財産権の取得に取り組んでおりますが、海外においては、知的財産権の保護が不十分な国があり、当社グループの知的財産権が第三者により侵害される可能性があります。 また、当社グループでは他社の知的財産権を侵害しないように開発・製造を進めておりますが、他社から知的財産権の侵害を訴えられ、差し止めや多額の損害賠償により、当社グループの事業が影響を受ける可能性があります。 11.情報漏洩による影響 当社グループは、事業活動を通じて取引先の個人情報や当社グループの営業機密等、多くの情報資産を保有しております。それらの情報管理については、全役職員に対する情報セキュリティ教育の実施、サイバー攻撃に対応するソフトやメール誤送信防止システムの導入等の対策を講じておりますが、高度化するサイバー攻撃や不測の事情による情報漏洩により、当社グループの事業が影響を受ける可能性があります。
経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(1)経営成績等の状況の概要当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績およびキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次の通りであります。①経営成績の状況当連結会計年度における我が国経済は、新型コロナウイルス感染症の5類移行に伴う社会活動の正常化が進み、緩やかな回復が続きました。景気の先行きについて、雇用・所得環境が改善する下で、各種政策の効果もあって、緩やかな回復が続くことが期待されます。ただし、世界的な金融引き締めに伴う影響や、中国経済の先行き懸念など、海外景気の下振れが我が国の景気を下押しするリスクとなっており、物価上昇、中東地域をめぐる情勢、金融資本市場の変動等の影響に十分注意する必要があります。国内農業では、農業従事者の高年齢化や後継者不足、耕作面積の減少や耕作放棄地の増加など依然として厳しい状況にあります。このような状況下において政府は、食料安定供給・農林水産基盤のさらなる強化に向け、農林水産物・食品の輸出促進、農林水産業のグリーン化(みどりの食料システム戦略の加速化)、スマート農林水産業による成長産業化、食料安全保障の強化の取り組みを推進しております。一方、海外では、世界的な人口の増加や新興国経済の成長を背景として農作物需要の拡大基調が今後も続くと予想されます。ファインケミカル業界では、半導体市場において足元では在庫調整等による需要減少が続いております。一方で、2024年度以降は緩やかな回復に転じる見通しとされており、グローバル半導体メーカーによる大規模生産工場の建設計画の発表が相次ぐなど、今後も継続的に成長することが期待されます。また、石油化学分野においては、世界的な景気減退、特に中国の不動産市況の影響を受け、外需の低迷が続いております。繊維業界では、輸送費や燃料、原材料等の高騰が継続し、世界的な金融引き締めにもかかわらず物価の高止まり、為替レートの円安基調が続き、原材料仕入価格に影響を及ぼしました。また、繊維産業を巡る状況は人口構成や市場規模など大きく変化しており、政府は「2030年に向けた繊維産業の展望」や「繊維技術のロードマップ」等を公表し、新たなビジネスモデルの創造、技術開発による市場創出、海外展開による市場獲得、サステナビリティの推進、デジタル化の加速を進めております。このような状況のもと、当社グループにおきましては、「収益構造改革」、「造り方改革」、「働き方改革」の三つの改革を柱とした5ヵ年経営計画「HOKKO Value Up Plan 2030 1st Stage for Creation」(2021年11月期~2025年11月期)の経営目標達成に向けて、新製品の普及や新規受託品の受注活動に注力してまいりました。かかる状況下、業績が順調に拡大したこと、コロナ禍からの社会活動の正常化に伴い経営環境について一定の見通しを立てることが可能になったこと等から、現行長期経営計画の目標達成期間を1年前倒しするとともに、中期経営計画の期間を5年2期から3年3期へと変更し、成長戦略等をより具体化・明確化しました。こうした中で、2024年度を初年度とする第2次3ヵ年経営計画(2nd Stage)においては、3つの改革と成長投資を柱とし、長期業績目標達成への重要な3ヵ年と位置付け、「収益基盤・生産基盤の強化」に取り組んでまいります。当連結会計年度における当社グループの売上高は、農薬事業における販売が順調に推移し、加えて為替が円安に進行したことから、45,227百万円、前連結会計年度比363百万円(0.8%)の増収となりました。 利益面では、利益率の高いファインケミカル事業における売上高の減少等により、営業利益は、4,417百万円、前連結会計年度比311百万円(6.6%)の減少となりました。また、経常利益は、為替差益の減少もあり、5,474百万円、前連結会計年度比431百万円(7.3%)の減少となりました。この結果、親会社株主に帰属する当期純利益は、3,724百万円、前連結会計年度比490百万円(11.6%)の減少となりました。 事業別の状況は以下のとおりです。 〔農薬事業〕農薬事業の売上高は、2023年度の農薬販売価格が値上げになったこと、海外販売(アジア向け)が順調に推移したことから、25,931百万円、前連結会計年度比1,270百万円(5.2%)の増収となりました。営業利益は、新工場の減価償却費負担増等により、65百万円、前連結会計年度比6百万円(7.9%)の減少となりました。 〔ファインケミカル事業〕ファインケミカル事業の売上高は、医農薬分野やその他分野(主にエネルギー関連)が堅調に推移しましたが、樹脂分野における石化用触媒等や電子材料分野で海外経済減速等の影響を受けて需要が減少し、中国子会社における中国国内の販売も減少したことから、17,470百万円、前連結会計年度比1,149百万円(6.2%)の減収となりました。営業利益は、原材料価格低下等原価低減や物流費の減少があったものの、売上の減少により、4,269百万円、前連結会計年度比352百万円(7.6%)の減少となりました。 〔繊維資材事業〕繊維資材事業の売上高は、環境配慮型の再生繊維素材の販売増加により、1,813百万円、前連結会計年度比243百万円(15.5%)の増収となりました。営業利益は、売上が増加したことにより、93百万円、前連結会計年度比53百万円(130.7%)の増加となりました。 ②財政状態の状況当連結会計年度末における資産の残高は67,479百万円となり、前連結会計年度比9,914百万円の増加となりました。内訳として、現金及び預金、商品及び製品、投資有価証券が増加しております。負債の残高は20,709百万円となり、前連結会計年度比1,384百万円の増加となりました。内訳として、繰延税金負債が増加した一方、未払金が減少しております。純資産の残高は46,770百万円となり、前連結会計年度比8,530百万円の増加となりました。以上の結果、自己資本比率は69.3%となり、前連結会計年度の66.4%から2.9ポイント向上しました。 ③キャッシュ・フローの状況当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、法人税等の支払、有形固定資産の取得による支出等の要因により一部相殺されたものの、税金等調整前当期純利益5,389百万円等の増加により、前連結会計年度末に比べ1,815百万円増加し、当連結会計年度末は6,628百万円となりました。 (営業活動によるキャッシュ・フロー)営業活動による資金の増加は、4,834百万円となりました。これは主に、棚卸資産の増加1,716百万円はありましたが、税金等調整前当期純利益5,389百万円、減価償却費1,920百万円を計上したことによるものであります。 (投資活動によるキャッシュ・フロー)投資活動による資金の減少は、1,980百万円となりました。これは主に、有形固定資産の取得1,971百万円によるものであります。 (財務活動によるキャッシュ・フロー)財務活動による資金の減少は、1,121百万円となりました。これは主に、配当金の支払622百万円によるものであります。 ④生産、受注及び販売の実績1)生産実績    当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称当連結会計年度(自 2022年12月1日至 2023年11月30日)(百万円)前年同期比(%)農薬事業15,844110.0%ファインケミカル事業10,076103.0%合計25,921107.2%(注)1.金額は、製品製造原価で表示しております。2.繊維資材事業及びその他につきましては、生産実績がないため記載を省略しております。 2)商品仕入実績    当連結会計年度の商品仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称当連結会計年度(自 2022年12月1日至 2023年11月30日)(百万円)前年同期比(%)農薬事業5,37299.0%ファインケミカル事業1,69557.4%繊維資材事業1,590114.5%その他770.0%合計8,66488.6%(注)金額は、実際仕入額で表示しております。 3)受注実績    当社グループは、受注生産の規模は小さいため、受注実績は記載しておりません。 4)販売実績    当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称当連結会計年度(自 2022年12月1日至 2023年11月30日)(百万円)前年同期比(%)農薬事業25,931105.2%ファインケミカル事業17,47093.8%繊維資材事業1,813115.5%その他1385.6%合計45,227100.8%(注)最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績および当該販売実績に対する割合は次のとおりであります。相手先前連結会計年度(自 2021年12月1日至 2022年11月30日)当連結会計年度(自 2022年12月1日至 2023年11月30日)金額(百万円)割合(%)金額(百万円)割合(%)全国農業協同組合連合会17,38838.817,71139.2信越化学工業株式会社6,45714.46,80115.0 (2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末において判断したものであります。①当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容 当連結会計年度における当社グループの売上高は、農薬事業における販売が好調に推移し、加えて為替が円安に進行したことから、45,227百万円、前連結会計年度比363百万円(0.8%)の増収となりました。 利益面では、利益率の高いファインケミカル事業において売上高が減少したこと等により、営業利益は、4,417百万円、前連結会計年度比311百万円(6.6%)の減少となりました。また、経常利益は、為替差益の減少等もあり、5,474百万円、前連結会計年度比431百万円(7.3%)の減少となりました。この結果、親会社株主に帰属する当期純利益は、3,724百万円、前連結会計年度比490百万円(11.6%)の減少となりました。 事業別の状況は以下のとおりです。〔農薬事業〕農薬製品の販売は、2023年度の農薬販売価格が値上げになったこと、国内販売の水稲・園芸分野において除草剤が伸長したこと、および海外販売において殺菌剤(カスガマイシン)が順調に推移したこと等により増加しました。なお、農薬事業における海外販売は、アジア向けを中心に順調に推移しており、農薬事業における輸出割合は15.5%となっております。(前連結会計年度の輸出割合は14.9%)この結果、本セグメントの売上高は25,931百万円となり前連結会計年度比1,270百万円(5.2%)の増収となりました。営業利益は、原材料価格の上昇や北海道新工場の減価償却費増加等により65百万円となり、前連結会計年度比6百万円(7.9%)の減少となりました。〔ファインケミカル事業〕ファインケミカル製品の売上高は、主に医農薬分野で堅調に推移しましたが、樹脂分野における石化用触媒等や電子材料分野で海外経済減速等の影響を受けて需要が減少し、中国子会社における中国国内の販売も減少したことから、本セグメントの売上高は17,470百万円となり前連結会計年度比1,149百万円(6.2%)の減収となりました。営業利益は、中国子会社における原材料価格低下等の原価低減や物流費の減少があったものの、売上の減少により4,269百万円となり、前連結会計年度比352百万円(7.6%)の減少となりました。 〇医農薬分野・医薬、農薬原料および中間体〇電子材料分野・半導体封止剤用の硬化促進剤(CPU、メモリー 等)・フォトレジスト用のモノマー原料・有機EL 等〇樹脂分野・石化用触媒(主にTPP)・その他樹脂用料(塗料、コーティング剤 等)〇その他・食品飼料(TPP:ビタミンA、ベータカロチン用途 等)、化粧品、エネルギー 等〔繊維資材事業〕  繊維資材の売上高は、環境配慮型の再生繊維素材が伸長したことにより1,813百万円となり、前連結会計年度比243百万円(15.5%)の増収となりました。営業利益は、売上が増加したことにより93百万円となり、前連結会計年度比53百万円(130.7%)の増加となりました。 ②当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因 当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因としては、原材料調達や価格の動向、市場動向、為替動向、国内外の法令及び政治・経済動向等があります。 資材調達につきましては、調達ルートの多様化、調達方法の高度化を推進しております。市場動向、顧客ニーズの変化につきましては以下のとおりです。 農薬事業においては、国内生産者の高齢化による耕作地減少や新興国を中心とした購買力増大による海外市場拡大等を踏まえ、付加価値の高い製品開発とラインナップの強化、グローバル化に対応した新原体の創製に取り組んでまいります。 ファインケミカル事業においては、顧客要求の高度化・多様化やファブレス化の進展に伴う受託機会の増加傾向等を踏まえ、コア技術のさらなる進化と独自製品の開発、アライアンス等による新規ビジネス創出に取り組んでまいります。 国内外の法令や政治・経済動向等につきましては、企画部を中心に、情報を入手するとともに、海外子会社及び関係会社と連携・情報共有を図ることで対応を行っております。 なお、当社グループの経営成績及び財政状態に重要な影響を与える主要なリスクにつきましては、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおりです。③財政状態の状況 財政状態の状況につきましては、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 ②財政状態の状況」に記載のとおりであります。④キャッシュ・フローの状況 キャッシュ・フローの状況につきましては、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 ③キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。⑤資本の財源及び資金の流動性 当社グループの資金需要のうち主なものは、新剤開発・登録等にかかる研究開発費や生産設備の増強及び生産効率化に係る設備投資であり、これらは主に自己資金並びに金融機関からの借入金により調達しております。また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は6,628百万円であり、資金の流動性を確保しております。⑥重要な会計方針及び見積り 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表作成にあたって、必要と思われる見積りは合理的な基準に基づいて実施しております。詳細につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項) 4.会計方針に関する事項」に記載のとおりであります。⑦経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等  当社グループでは、売上高、経常利益、ROE、ROIC、自己資本比率を重要な経営指標と認識し、目標を設定しています。  当該数値目標については「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (2)経営計画」に記載のとおりです。  当連結会計年度の売上高は45,227百万円、経常利益は5,474百万円、ROEは8.8%、ROICは5.8%、自己資本比率は69.3%となりました。
経営上の重要な契約等 5【経営上の重要な契約等】
提出会社契約締結先契約内容契約締結年月日有効期間全国農業協同組合連合会農薬製品の売買に関する売買基本契約平成16年3月2日平成15年10月1日から平成16年11月30日までとする。ただし、期間満了の1か月前までに甲・乙いずれからも文書による別段の意思表示がないときは、さらに1年間延長するものとし、以後これに準じ延長できるものとする。 契約締結先契約内容契約締結年月日有効期間全国農業協同組合連合会令和5年度の農薬の売買価格等を定めた契約令和5年2月7日令和4年12月1日から令和5年11月30日出荷分とする。全国農業協同組合連合会令和6年度の農薬の売買価格等を定めた契約令和6年1月29日令和5年12月1日から令和6年11月30日出荷分とする。
研究開発活動 6【研究開発活動】
 新製品の研究開発につきましては、自社独自品の研究開発を重点的に推進するとともに、市場の変化と新しいニーズに対応できる高い商品性と競争力のある新製品の開発・導入に努め、商品の品揃えと品目構成の拡充強化をはかっております。 なお、当連結会計年度の研究開発費は、1,547百万円であり、セグメント別の研究開発活動の概要は次のとおりであります。 (1)農薬事業 農薬事業では、新製品の研究開発に鋭意努め、水稲用除草剤において当社独自の省力・高拡散性製剤“楽粒”のさらなる開発に重点的に取り組み、「ルンバ楽粒」と「カチドキZ楽粒」が新規に農薬登録され、楽粒シリーズは、計5製品がラインアップされました。 なお、当事業に係る研究開発費は、1,321百万円であります。 (2)ファインケミカル事業 ファインケミカル事業では、付加価値の高い製品開発のために電子材料原料、医農薬中間体、有機合成触媒、高機能性無機素材などの製品開発を行っております。 なお、当事業に係る研究開発費は、226百万円であります。
設備投資等の概要 1【設備投資等の概要】
 当社グループでは、生産設備の維持、増強を目的とした設備の更新並びに環境・安全対策を目的とした設備の改善・更新を継続的に行っており、当連結会計年度の設備投資総額は、1,195百万円となりました。 セグメント別の設備投資については、次のとおりであります。 (1)農薬事業 当連結会計年度の設備投資額は、656百万円であります。 (2)ファインケミカル事業 当連結会計年度の設備投資額は、540百万円であります。
主要な設備の状況 2【主要な設備の状況】
 当社グループにおける主要な設備は、以下のとおりであります。 (1)提出会社2023年11月30日現在 事業所名(所在地)セグメントの名称設備の内容帳簿価額従業員数(人)建物及び構築物(百万円)機械装置及び運搬具(百万円)土地(百万円)(面積㎡)その他(百万円)合計(百万円)北海道工場(滝川市)農薬事業農薬製造設備1,4021,6108(52,793)323,05243(18)新潟工場(新発田市他)農薬事業農薬製造設備648318373(128,401)171,35676(15)岡山工場(玉野市)農薬事業ファインケミカル事業農薬製造設備化成品合成設備1,9731,258307(187,202)303,568178(48)開発研究所化成品研究所(厚木市他)農薬事業ファインケミカル事業農薬の研究開発化成品の研究開発5831418(21,250)10471994(31) (2)国内子会社2023年11月30日現在 会社名事業所名(所在地)セグメントの名称設備の内容帳簿価額従業員数(人)建物及び構築物(百万円)機械装置及び運搬具(百万円)土地(百万円)(面積㎡)その他(百万円)合計(百万円)美瑛白土工業㈱美瑛工場(北海道美瑛町)農薬事業農薬原料製造設備45215(35,118)2747(1) (3)在外子会社2023年11月30日現在 会社名事業所名(所在地)セグメントの名称設備の内容帳簿価額従業員数(人)建物及び構築物(百万円)機械装置及び運搬具(百万円)土地(百万円)(面積㎡)その他(百万円)合計(百万円)張家港北興化工有限公司本社工場(中国江蘇省)ファインケミカル事業化成品合成設備292940-(-)2871,51989(-)(注)1.帳簿価額のうち「その他」は、工具器具備品、借地権及び建設仮勘定であります。2.従業員数の( )は、年間の平均臨時員数を外書しております。3.上記の他、賃借している主要な設備として以下のものがあります。提出会社事業所名(所在地)セグメントの名称設備の内容年間賃借料(百万円)本社(東京都中央区)農薬事業ファインケミカル事業事務所(賃借)142
設備の新設、除却等の計画 3【設備の新設、除却等の計画】
 当社グループの設備投資については、投資効率等を総合的に勘案して策定しております。 なお、当連結会計年度末現在における重要な設備の新設、改修計画は次のとおりであります。(1) 重要な設備の新設等  該当事項はありません。
(2) 重要な設備の改修等会社名所在地セグメントの名称設備の内容投資予定金額資金調達方法着手及び完了予定完成後の増加能力総額(百万円)既支払額(百万円)着手完了提出会社北海道滝川市農薬事業農薬製造設備19029自己資金2023年8月2024年11月(注)提出会社新潟県新発田市農薬事業農薬製造設備303150自己資金2023年10月2024年11月(注)提出会社岡山県玉野市農薬事業ファインケミカル事業農薬製造設備化成品合成設備469181833自己資金2023年9月2023年12月2024年11月2024年11月(注)(注) 主に設備の改善維持を図るもので、生産能力に大きな変動はありません。 (3) 重要な設備の除却等  該当事項はありません。
研究開発費、研究開発活動226,000,000
設備投資額、設備投資等の概要540,000,000

Employees

平均年齢(年)、提出会社の状況、従業員の状況45
平均勤続年数(年)、提出会社の状況、従業員の状況20
平均年間給与、提出会社の状況、従業員の状況6,652,285

Investment

株式の保有状況 (5)【株式の保有状況】
① 投資株式の区分の基準と考え方 当社は、株式の価値の変動または株式にかかる配当によって利益を受けることを目的として保有する株式を純投資目的の株式、それらの目的に加えて、現在に至る取引状況や当社の持続的、中長期的な企業価値の向上に資すると判断し保有する株式を純投資目的以外の株式すなわち政策保有株式と区分しております。なお、当社は純投資目的の株式は保有しておりません。② 保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式(ア)保有方針及び保有の合理性を検証する方法並びに個別銘柄の保有の適否に関する取締役会等における検証の内容 当社は、政策保有株式の保有については、取締役会において、保有目的が適切であり、保有に伴う便益やリスクが資本コストに見合っているかどうかを精査し、保有の適否を検証しています。保有の意義の薄れた株式については、取引先との対話、市場への影響、有効な資金活用の有無等を総合的に考慮した上で、保有の縮減等の検討を行っております。 当社では、2024年1月開催の取締役会において、すべての政策保有株式17銘柄(うち、1銘柄は外国上場)について、2023年度の個別取引をもとに検証を実施いたしました。 その結果、10銘柄については、当社の事業推進への寄与を通じて企業価値の向上に資するものと判断いたしました。また7銘柄については、強化分野への対応や各種情報・機能の提供など経営戦略面での協力関係を通じて、主に当社の持続的成長に資するものと判断し、いずれも保有に合理性が認められることから、すべての株式を継続保有する方針といたしました。(イ)銘柄数及び貸借対照表上計上額 銘柄数(銘柄)貸借対照表計上額の合計額(百万円)非上場株式1019非上場株式以外の株式1716,762 (当事業年度において株式数が増加した銘柄)該当事項はありません。 (当事業年度において株式数が減少した銘柄)該当事項はありません。 (ウ)特定投資株式及びみなし保有株式の銘柄ごとの株式数、貸借対照表計上額等に関する情報特定投資株式銘柄当事業年度前事業年度保有目的、業務提携等の概要、定量的な保有効果及び株式数が増加した理由当社の株式の保有の有無株式数(株)株式数(株)貸借対照表計上額(百万円)貸借対照表計上額(百万円)野村マイクロ・サイエンス㈱1,100,0001,100,000環境規制に関する情報収集や環境対策技術等の支援などの面での協力関係を維持するため有12,5735,176日産化学㈱192,000192,000農薬事業における業務(購買や販売)面での協力関係を維持するため有1,0351,294㈱東邦アグロ592,391592,391韓国における唯一の代理店として継続的・安定的な関係を維持するため無425402小野薬品工業㈱150,000150,000ファインケミカル事業の強化分野における協力関係を維持し、企業基盤の安定化を図るため有408527OATアグリオ㈱201,200201,200農薬事業における業務(購買や生産)面や研究開発面での協力関係を維持するため有388357日本曹達㈱65,92065,920農薬事業とファインケミカル事業における業務(購買や販売)面や研究開発面での協力関係を維持するため有352282信越化学工業㈱57,50011,500ファインケミカル事業における業務(生産や販売)面や研究開発面での協力・協業関係を維持するため無300202野村ホールディングス㈱457,171457,171資本政策や株主政策、コーポレートガバナンス情報の収集など財務・経営戦略面での協力関係を維持するため有278229日本新薬㈱36,00036,000ファインケミカル事業における業務(販売)面や強化分野における協力関係を維持するため有192291㈱ひろぎんホールディングス181,195181,195傘下金融機関との安定的な資金取引のほか、地域経済情報の収集など財務・経営戦略面での協力関係を維持するため無168115住友化学㈱426,124426,124農薬事業とファインケミカル事業における業務(購買や販売)面や研究開発面での協力関係を維持するため有161212㈱りそなホールディングス180,000180,000傘下金融機関との資金取引、傘下関連企業との各種取引、事業推進に資する情報の収集など財務・経営戦略面での協力関係を維持するため無138119日本化薬㈱69,87769,877農薬事業とファインケミカル事業における業務(購買や販売)面での協力関係を維持するため有9487三井化学㈱20,00020,000農薬事業における業務(購買や販売)面や研究開発面での協力関係を維持するため無8762 銘柄当事業年度前事業年度保有目的、業務提携等の概要、定量的な保有効果及び株式数が増加した理由当社の株式の保有の有無株式数(株)株式数(株)貸借対照表計上額(百万円)貸借対照表計上額(百万円)長瀬産業㈱30,38530,385ファインケミカル事業における業務(販売)面での協力関係を維持するため有7161㈱三井住友フィナンシャルグループ8,5208,520傘下金融機関との資金取引のほか、中国をはじめとした海外の政治経済情報の収集など財務・経営戦略面での協力関係を維持するため無6240㈱クレハ3,6003,600主に農薬事業における業務(購買)面や研究開発面での協力関係を維持するため有3135(注)1 貸借対照表計上額が資本金額の100分の1を超えているのは上位16銘柄でありますが、17銘柄について記載しております。2 定量的な保有効果は記載が困難であるため、記載しておりません。なお、保有の適否に関する検証は「保有方針及び保有の合理性を検証する方法並びに個別銘柄の保有の適否に関する取締役会等における検証の内容」に記載しております。 みなし保有株式銘柄当事業年度前事業年度保有目的、業務提携等の概要、定量的な保有効果及び株式数が増加した理由当社の株式の保有の有無株式数(株)株式数(株)貸借対照表計上額(百万円)貸借対照表計上額(百万円)野村ホールディングス㈱150,000150,000議決権行使の指図権限有9175信越化学工業㈱100,00020,000議決権行使の指図権限無521351(注)1 貸借対照表計上額の上位銘柄を選択する段階で、特定投資株式とみなし保有株式を合算しておりません。2 みなし保有株式は、退職給付信託に設定しているものであり、貸借対照表には計上しておりません。なお、「貸借対照表計上額(百万円)」欄には、事業年度末日における時価に議決権行使権限の対象となる株式数を乗じて得た額を、また「保有目的」欄には当該株式について当社が有する権限の内容を記載しております。 (エ)保有目的が純投資目的である投資株式 該当事項はありません。
銘柄数、非上場株式、保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式、提出会社10
貸借対照表計上額、非上場株式、保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式、提出会社19,000,000
銘柄数、非上場株式以外の株式、保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式、提出会社17
貸借対照表計上額、非上場株式以外の株式、保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式、提出会社16,762,000,000
株式数、保有目的が純投資目的以外の目的である特定投資株式の明細、提出会社3,600
貸借対照表計上額、保有目的が純投資目的以外の目的である特定投資株式の明細、提出会社31,000,000
株式数、保有目的が純投資目的以外の目的であるみなし保有株式の明細、提出会社100,000
貸借対照表計上額、保有目的が純投資目的以外の目的であるみなし保有株式の明細、提出会社521,000,000
銘柄、保有目的が純投資目的以外の目的である特定投資株式の明細、提出会社㈱クレハ
当該株式の発行者による提出会社の株式の保有の有無、保有目的が純投資目的以外の目的である特定投資株式の明細、提出会社