財務諸表

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提出書類、表紙有価証券報告書
提出日、表紙2023-01-27
英訳名、表紙B&P Co.,Ltd.
代表者の役職氏名、表紙代表取締役社長執行役員  和田山 朋弥
本店の所在の場所、表紙大阪市西区江戸堀二丁目6番33号
電話番号、本店の所在の場所、表紙06-6448-1801
様式、DEI第三号様式
会計基準、DEIJapan GAAP
当会計期間の種類、DEIFY

corp

沿革 2【沿革】
1985年10月  和田山コピーセンター株式会社を資本金300万円にて大阪市西区阿波座に設立し、ゼロックス専用のコピーサービス事業を開始1990年11月  株式会社ビーアンドピーを設立し、大判フルカラー印刷機による大判カラープリント出力事業に参入。和田山コピーセンター株式会社はコピーサービス事業専門に、株式会社ビーアンドピーは大判カラープリント出力事業に事業を区分する1991年10月  大判カラープリント出力事業を和田山コピーセンター株式会社へ移管すると同時に、和田山コピーセンター株式会社を株式会社ビーアンドピーに社名変更し、旧株式会社ビーアンドピーを清算する1996年4月  大判フルカラー印刷機を一新し、世界初の写真画質のインクジェットプリンターを導入。インクジェットプリンターの導入により大判カラープリント出力事業をインクジェットプリント事業に名称変更2001年10月  コピーサービス業から撤退し、インクジェットプリント事業に全面的に参入2002年7月  南青山営業所を東京都港区南青山に開設し、東京へ進出2007年1月  東京営業所を東京都港区新橋に開設2009年10月  従来のダンボールより丈夫でリサイクル可能な段ボール商品『リボード』(注1)の取扱いを開始2010年6月  プライバシーマークを取得2010年12月  大阪本店を現在の住所である大阪市西区江戸堀へ移転2013年7月  5m幅までの出力を可能とする高速広幅UV出力機を大阪本社に導入し、西日本エリアのサイン業者を中心に屋外広幅出力サービスを開始する2014年1月  東京営業所を東京本社とし、一部本社機能を大阪本店より移管する2014年7月  ネット通販サイト『ハイプリント』の営業を開始2014年11月  最新鋭の高速広幅UV出力機を東京本社へ増設し、東日本エリアでも屋外広幅出力サービスを開始2015年5月  江東事業所を東京都江東区東陽に開設し、大阪、東京、江東を生産拠点とする布地への出力を可能とする昇華転写出力サービス(注2)を開始する2016年11月  株式会社ニコール(横浜市神奈川区守屋町)を買収し100%子会社とする。プリントシール機の外装カーテン、壁紙等の生活資材製品が取扱製品に加わり、生産拠点が大阪・東京・江東・横浜となる2018年3月  3Dプリンターを東京本社に導入し、3Dプリントサービスを開始2018年7月  株式会社ニコールを吸収合併し、ニコール事業部とする2018年12月  江東事業所をニコール事業部の隣接地に移転しワイドフォーマットスタジオを開設2019年4月  福岡営業所を福岡市博多区博多駅前に開設2019年7月  東京証券取引所マザーズに株式を上場2019年11月  名古屋営業所を名古屋市中村区名駅に開設2021年2月  デジタル化の流れに適合したサービスとしてデジタルサイネージの販売を開始2021年3月  インテリア・内装分野向けのデジタルサイネージを展開するため、株式会社ピースリー(現 株式会社トラース・オン・プロダクト)と業務提携契約を締結2021年5月  EC領域における販売促進をサポートする新たな事業としてインターネット通販サポート事業を開始2021年8月  東京本社を東京都中央区八丁堀に移転し、首都圏エリアの営業部門を東京本社に統合するとともに、首都圏エリアの生産部門を横浜ファクトリー(ニコール事業部を増床のうえ改称)に集約2021年10月  東京証券取引所市場第二部へ市場変更2021年11月  インターネット通販サポート事業においてWEBプロモーションの支援を開始し、事業の名称をデジタルプロモーション事業に変更2022年4月  東京証券取引所の市場区分の見直しに伴い、東京証券取引所スタンダード市場に移行2022年8月  利便性を追求したプリント通販サービス「インクイット」を開設2022年11月  京都営業所を京都市下京区松原通烏丸西入ル玉津島町に開設2022年12月  インクジェットで培ったノウハウを活かして領域拡大するため、オーダーグッズの制作を開始(注)1.リボード:スウェーデン生まれの環境配慮型の段ボール素材です。100%紙素材ながら非常に高い耐湿・耐久性を持っており、展示会などの短期イベントや店頭ディスプレイなどに利用されております。(注)2.昇華転写出力サービス:昇華型インク(分散染料インク)をインクジェットプリンターで転写紙に鏡像(左右反転)印刷し、その転写紙の印刷面を転写素材(ポリエステル等の布地)の転写面に合わせて、熱転写機にて、高温と圧力を加えることにより、気化したインクが被転写物の分子構造に入り込み、染色する技術を昇華転写プリントと言います。使用用途としては、のぼり旗やタペストリー等の風合いのある布地が挙げられます。
事業の内容 3【事業の内容】
当社では、お客さまの販促・マーケティング活動を支え、日本社会、地域社会の発展に貢献し続けるために、「より良い働きを通じて 全従業員の物心両面の幸せを創造し 社会へ貢献する。」という経営理念を掲げております。また、当社は、お客さまからの受注に基づき、業務用の大判インクジェットプリンターを使用し、プリント・加工・納品までを一貫して行うインクジェットプリント事業を主要な事業としており、他の事業セグメントの重要性が乏しいため、セグメント別の記載を省略しております。インクジェットプリント事業では、主として、広告代理店、広告制作会社、印刷会社、デザイン会社等から発注される「販売促進用広告物の制作」及びゲーム機メーカーが取り扱うプリントシール機の外装カーテン、並びにインテリアメーカーやインテリア専門商社が取り扱う、内装壁紙や床材等の「生活資材・製品制作」を行っております。約30年前に印刷業界において、アナログ写植から組版~製版など印刷前の作業工程がデジタル化され、オンデマンドの利点を活かした特定の分野で、着実にインクジェットプリントがその適用分野を拡大しつつありました。インクジェットプリントは、オフセット印刷と比較して版作成が不要(版レス)のため、スピード対応が可能で短納期にも対応できることや、必要なものを必要なだけ制作できるため、余分な在庫をかかえる必要がなく極小ロットにも対応できることが大きな特徴です。また、オフセット印刷では不可能なサイズへのプリントが可能となり、応用範囲が格段に広がってきました。従来の印刷方法では、少部数のもの(特に大判のもの)も必ず大量印刷物と同じ工程をとらなければならなかったため、コスト的に見合わずに断念するケースが多くみられました。しかし、ここ近年において、大判インクジェットプリンター製品の性能向上に伴い、プリントスピードが大幅にあがり、また出力解像度が向上したことにより、従来の手間やコストが大幅に削減され、オフセット印刷市場へインクジェット業界が進出していくことが可能となりました。また、インクジェットプリンターは、当初は紙にプリントする用途が専らでありましたが、大判インクジェットプリンターの技術革新・高画質化に伴い、紙以外のアクリル素材、木材、衣類などの多種多様なあらゆる材料へのプリントが可能となり、ここ数年では、3Dプリントといった二次元から三次元へのプリントも可能になりました。このように「インクジェットプリント」がどんどん私たちの生活に近づき発展しつつあります。我々は「インクジェット」と調和し、より世の中に身近なところでお手伝いを行い、技術の進歩、業界の発展に全力を注ぎたいと考えております。その中で当社では、年々多様化してきている顧客ニーズに対応するべく、全国都心部において、100台以上の多種多様な業務用インクジェットプリンターや各種加工マシンを保有しております。また、100名を超える制作オペレーターを配置しインクジェットプリントサービスを展開しております。当社の主な販売市場としましては、販売促進用POP・什器製品を主な商材としたセールスプロモーション市場、店舗・商業施設・展示会など屋外広告物で使用するサイン製品を商材としたサイングラフィックス市場、テーブルクロスやファブリック素材など布地プリント製品を商材としたテキスタイル市場、壁・窓・床を中心とした壁紙やカーテン、内装インテリア製品を商材とした内装インテリア市場の4つに区分されます。当社が提供する主たるサービスについては「販売促進用広告制作」と「生活資材・製品制作」の2つに分類され、その特徴は以下の通りです。 (1)販売促進用広告制作販売促進用広告制作においては、広告代理店、広告制作会社、印刷会社、デザイン会社、屋外サイン業者等から発注される販売促進用広告物を制作しております。 ①営業体制営業部門は大阪、東京、横浜、名古屋、福岡、加えて2022年11月からは京都にも拠点を置いております。原則として街の中心部に位置しており、例えば大阪では大阪市内という限られた地域に絞り、都心の利点を活かして非常に限られたエリア単位で営業部員をきめ細かく配置しながら、サービスを展開しております。当社では、広い地域であらゆる業界からの受注を目指すのではなく、広告代理店、広告制作会社、印刷会社、デザイン会社、屋外サイン業者に的を絞り、そうしたお客さまが集中する都心部の狭い地域において受注占有率で地域No.1になることを基本方針としております。また、広告業界の特性として、広告代理店等が広告主から即応体制を求められ、当社も即納体制を整備することが受注獲得の上で非常に重要になります。このため、お客さまから近い地域に制作拠点を設けることがお客さまにとって非常に利便性が高く、安心して発注できるというメリットがあります。都心部エリア外に位置する広域エリアのお客さまに関しては、広域エリア専任営業を配置し、受注獲得を行っております。さらに、インターネット経由による問い合わせに関しても専任窓口を配置し、ECサイトとWeb受注専用ページ(ランディングページ)を運用し、受注獲得を行っております。 ②制作体制制作部門は、大阪、横浜、名古屋、福岡に拠点を置いております。主要な拠点において、24時間体制で生産を行っており、お客さまからの短納期の注文や緊急案件を含め、様々な要望にも対応可能なサービス体制を構築しております。また、1箇所の拠点に受注が集中した場合においては、拠点間での連携制作を行い、生産機会の逸失を防ぐ体制をとっております。また、各拠点間での製品の品質差異を防ぐために、拠点間同士での色統一が可能となる測色システムを導入し、品質管理体制を強化しております。当社では、制作体制の「アナログからデジタル化」を基本方針として掲げ、加工の機械化・高速化を図ることを重点的に行っております。最新鋭設備を調査し、オートメーション化を加速させていきます。また、横浜に3Dスタジオを設置し、高精彩の立体造形製品や、形状確認用のモックアップ試作製造を行うことができるフルカラー立体造形サービスを展開しております。モデリングソフトやスキャナーも導入し、自社内で3Dデータの作成まで行える体制を取っております。 ③販売促進用広告製品の概要店頭用セールスプロモーションツールや屋外広告サイン、展示会装飾、3D立体造形サービスなど、多種多様な販売促進用の広告製品を制作しております。 (2)生活資材・製品制作生活資材・製品制作においては、ゲーム機メーカーが取り扱うプリントシール機の外装カーテン、及びインテリアメーカーやインテリア専門商社が取り扱う壁紙や床材などの製品、並びにオリジナル壁紙製品などを制作しています。これらのお客さまからは、長期的な計画に基づいて当社に対する発注があるため、お客さまごとに専任の営業部員を配置し、お客さまとの関係を密にしてお客さまの動向を把握しております。また、製品の大量連続生産が必要となるため高い生産技術や、定期的な材料試験を通して適切な材料品質の管理体制を構築しております。また、多店舗展開企業・病院・幼稚園・スーパー・ホテル・アミューズメント施設・オフィス・個人住宅などの内装インテリア業界へ、壁紙などのインクジェットプリント製品のサービスを行います。 ■事業系統図  なお、前事業年度より、従来のインクジェットプリントによる製品販売の経験を活用して、「リアル領域」と「デジタル領域」を融合させたビジネスモデルに挑戦するべく、販売促進用広告分野及びインテリア内装分野におけるデジタル技術に対応したデジタルサイネージ事業と、リアルとデジタルの販売促進をトータルでサポートするデジタルプロモーション事業を開始いたしました。 いずれも事業の立ち上げ段階であり業績への影響は軽微ですが、将来的にはインクジェットプリント事業に次ぐ事業に成長させてまいります。
関係会社の状況 4【関係会社の状況】
該当事項はありません。
従業員の状況 5【従業員の状況】
(1)提出会社の状況 2022年10月31日現在従業員数(人)平均年齢(歳)平均勤続年数(年)平均年間給与(円)179(5)36.78.45,270,054(注)1.従業員数は就業人員であり、臨時雇用者数(パートタイマー)は、年間の平均人員を( )外数で記載しております。2.平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでおります。3.当社はインクジェットプリント事業を主要な事業としており、他の事業セグメントの重要性が乏しいため、セグメント別の記載を省略しております。 (2)労働組合の状況当社には、労働組合はありませんが、労使関係は円満に推移しております。
経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】
文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において、当社が判断したものであり、その達成を保証するものではありません。 (1)経営方針当社では、経営理念として「より良い働きを通じて 全従業員の物心両面の幸せを創造し 社会へ貢献する。」を掲げております。また、「我々の果たすべき役目(MISSION)」として「お客さまの販促・マーケティング活動を支え、日本社会、地域社会の発展に貢献し続ける。」を、「実現させる将来の姿(VISION)」として「挑戦と創造の心を大切にし、企業の永続的発展と働きがいあふれる会社になる。」を、「組織の共通の価値観(VALUE)」として「1.誠実をきわめた信頼性 2.本質をきわめた独創性 でまわりの人々に感動を与え、幸せにする。」を掲げております。この経営理念と企業理念のもと、インクジェットプリント事業を軸に、保有するノウハウを隣接分野で多角化し、「リアル領域」と「デジタル領域」を融合させたビジネスモデルを構築することにより、さらなる成長と企業価値の向上を目指します。 (2)経営戦略当社はお客さまからの受注に基づき、業務用の大判インクジェットプリンターを使用し、プリント・加工・納品までを一貫して行うインクジェットプリント事業を主要な事業としております。主として、広告代理店、広告制作会社、印刷会社、デザイン会社等から発注される「販売促進用広告物の制作」、及びゲーム機メーカーが取り扱うプリントシール機の外装カーテン、並びにインテリアメーカーやインテリア専門商社が取り扱う内装壁紙や床材等の「生活資材・製品制作」を行っております。大阪、東京、横浜、名古屋、福岡、加えて2022年11月からは京都に拠点を置き、得意先様からの様々な要望にお応えするため、プリンターや加工マシンの新規導入や更新による生産体制の拡大と顧客・販路の拡大をこれまで行ってまいりました。24時間生産体制にて、短納期の注文や緊急案件にも対応できることが当社の強みでもあります。「短納期」と「ワンストップサービス」をキーワードに、他社よりも質の高いサービス、付加価値の高いサービスを提供することが、当社の主たる経営戦略であり、以下の二つを成長方針として掲げております。 ①基幹事業の拡大・強化基幹事業であるインクジェットプリント事業を拡大・強化する。 ②新規事業の積極的展開インクジェットプリント事業を軸に、販路拡大・新規事業開発を実施し、成長市場に参入していく。 (3)経営上の目標達成状況を判断するための客観的な指標等当社は、継続的な事業拡大及び、持続的な利益成長の観点から成長性や効率性の向上に取り組んでおり、「売上高」と「売上高成長率」及び「売上高経常利益率」を重要な経営指標として位置づけ、継続的な利益体質を構築することで売上高成長率10%を目標としております。 (4)経営環境今後の見通しにつきましては、いまだ新型コロナウイルス感染症は収束に至っておらず、また、円安の進行や資源価格の高騰等により、国内の経済状況の先行きは不透明な状況が続くものと想定されますが、展示会やイベント関連の受注が力強さを戻しており、当社を取り巻く経済環境は回復基調にあります。しかしながら、当社を取り巻く環境は、引き続き、他社との受注獲得競争が続き、それに伴う価格競争の激化などの影響を受け、経営環境は厳しさを増すものと考えます。こうした課題に向けて、当社は従来のインクジェットプリント事業を軸としつつ、ノウハウが蓄積されたインクジェットプリントサービスの隣接分野で多角化を図り、着実に成長してまいります。また、今後の当社のさらなる成長および企業価値の向上を実現させるには、M&A戦略が非常に重要と考えており、引き続きM&Aに関する各種調査を積極的に行い、具体的に計画を進めてまいります。 (5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題 このような経営方針の下、当社が優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題は、以下の項目と認識しております。 ①内部管理体制の強化当社事業の継続的な発展のためには、コーポレート・ガバナンス機能の強化は重要な問題であり、財務報告の信頼性を確保するため、内部統制システムの適切な運用が重要であると認識しております。コーポレート・ガバナンスに関しては、ステークホルダーに対して経営の適正性や健全性を確保しつつも、さらに効率化された組織体制の構築に向けて内部管理体制の強化に取り組んでまいります。 ②コンプライアンス体制の強化当社は、法令、定款及び社内規程等の遵守は勿論のこと、日々の業務を適正かつ確実に遂行しており、誠実な姿勢を企業行動の基本として、事故やトラブルを未然に防止する取り組みを強化してまいります。今後、さらなる事業拡大と企業価値の向上に向けて、引き続き日常業務における関連法令の遵守を徹底するとともに、定期的なコンプライアンス研修の開催、各種取引の健全性の確保、情報の共有化、再発防止策の策定などを行い、また、厳正な管理による社会の「公器」としての責任を重視した透明性のある管理体制の構築を図ってまいります。 ③認知度の向上当社が今後も成長を続けていく上では、当社の認知度を向上させていくことが必要不可欠であると考えております。展示会の出展や参加、SNSやWeb広告を活用した露出、自社サイトのリニューアル等の活動を積極的に実施していく方針です。 ④営業力の強化当社が、事業拡大を進めていくにあたっては営業体制の強化が欠かせません。社内の営業人員の育成を加速させつつ、有能な人員の採用を強化していきます。また、協業先(得意先・仕入先)とのビジネス提携も積極的に行い、販売チャネルの拡充及び、営業活動により、より多くの新規顧客の獲得と既存顧客を深耕していくことで事業規模の大幅な拡大を図ってまいります。なお、前事業年度において、東京本社を移転し、東京事業部の営業部門とニコール事業部の営業部門を新東京本社に統合し、首都圏エリアにおける営業機能の強化を行いました。 ⑤生産体制・技術力の強化当社が、事業拡大を進めていくにあたっては生産体制の強化と技術力の向上が欠かせません。社内の制作人員の育成を加速させると同時に、高度かつ専門的な知識を有する職種に関しては、有能な専門職の採用を強化してまいります。また、「アナログからデジタル化」を積極的に進めていくため、最新鋭機器を調査し、加工の機械化・高速化を図ると同時に、ソフトウエアによるオートメーション化を加速させてまいります。前事業年度において、首都圏エリアでの生産体制を横浜ファクトリー(ニコール事業部を増床のうえ改称)に集約いたしました。横浜に国内最大規模のインクジェットプリントによる生産体制を持つことにより、自由度が高くなり、従来よりもさらに高いサービスを提供することが実現できると考えております。 ⑥人材の確保と育成当社は創業以来、優秀な人材を継続的に確保し、人格形成を育成することが最も重要な他社との差別化と認識しております。そのために当社では、従業員のプロフェッショナル化としてインクジェットやデジタル分野に関する専門知識の習得を求めるだけでなく、すべての業務に携わる従業員に対し、自己研鑽を重ね、高い専門性を身に付けること、自律的に行動していくことを求めております。これにより、従業員個々の能力向上を図り、当社の人材レベルの向上、ひいてはサービスの向上、維持に繋げていきたいと考えております。その実現には、人材に対する投資が必要不可欠であると考え、毎年策定する人員計画に教育研修を盛り込み、継続して人材のレベルアップに取り組んでおります。また併せて、経営理念やコンプライアンスに基づいた業務運営体制の徹底のため、リスク認識などに対する全社員の意識向上にも努めてまいります。
事業等のリスク 2【事業等のリスク】
本書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある主な事項には、以下のものがあります。なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。 (1)特定取引先への依存度が高いことについて当社の顧客構成において、取引先10社の売上が売上高の約35%を占めております。当社では、特定取引先へ依存しない経営方針をとり売上高の取引先による偏りを低減させるよう努めております。今後も取引先との良好な関係を継続してまいりますが、当該顧客企業の経営方針に変更が生じた場合、販売状況に影響が生じ、当社の経営成績に重要な影響を及ぼす可能性があります。 (2)競合について当社の主要事業であるインクジェットプリント事業は、特殊な技術や特許が不要であり、比較的参入障壁が低い事業です。こうしたことから、多数の競合会社が存在し今後一層の競争激化が生じる可能性があります。当社においては、1985年10月から事業運営している経験とノウハウの蓄積を活かしながら競争力の維持向上に努めております。しかしながら、競合他社に対する優位性が確立できる保証はなく、競合の結果、当社の経営成績に重要な影響を及ぼす可能性があります。 (3)情報漏洩についてインクジェットプリント事業はデジタル化の進展等により情報システムの重要性が高まっており、当社ではセキュリティの充実及び守秘義務の徹底を図ってきました。個人情報保護に関しては、2010年にプライバシーマーク認証を取得し、適切な管理の徹底、内部監査によるチェック等を行い、厳格な管理体制の構築が行われております。しかしながら、不測の事態により、個人情報が外部に流出した場合には、当社に対する損害賠償の請求や信用力の失墜により、当社の経営成績に重要な影響を及ぼす可能性があります。 (4)人材の確保について国内において少子高齢化による労働力人口の減少が進む中、あらゆる業界で就業者不足となっており、今後も人材不足が継続すると予測されております。当社の人事部門は、人材の確保に努めておりますが、しかしながら、人材の確保が充分に行えない場合、生産力の低下による納期遅延や品質低下が生じ、顧客からの信用低下などで当社の経営成績に重要な影響を及ぼす可能性があります。 (5)新型コロナウイルス感染症による影響その他の経済動向による影響について当社の経営成績は、日本国内市場における広告宣伝活動の需要に大きく影響を受けます。国内経済の低迷が長期化した場合は、企業収益の減少に伴い、企業は広告宣伝活動を縮小する傾向にありますので、当社ではこれらの経済動向を注視し適時対策を講じております。新型コロナウイルス感染症の影響につきましては、今後国内経済の回復傾向は続くものと仮定して業績予想の作成や会計上の見積りを行っておりますが、その影響が長期化あるいはさらに拡大する場合、国内企業の販売促進活動の停滞が続き、それにより当社の経営成績は変動する可能性があります。 (6)法令規制について法令の遵守を基本として事業を進めておりますが、廃棄物処理責任、環境・個人情報保護関連、税制関連等において、さまざまな法的規制を受けております。当社といたしましては各主管部門と管理部門が連携し、関連諸法規の順守に万全の体制で臨んでおりますが、今後さらにその規制が強化されることも考えられます。そのような場合、事業活動に対する制約の拡大やコストの増加も予想され、当社の事業活動に重要な影響を及ぼす可能性があります。 (7)M&Aにおけるリスク当社は、さらなる成長及び企業価値の向上を実現させるため、当社の事業内容と一致し、かつ成長が見込まれる会社とのM&Aを推進してまいります。M&Aの実施に当たっては、市場動向や顧客のニーズ、相手先企業の経営成績、財務状況、市場競争力等を十分に考慮しておりますが、事前の調査・検討に不足や見落としがあったり、買収した事業が計画通りに展開することができず、投下した資金の回収ができない場合や追加的費用が発生した場合等において、当社の経営成績や成長見通し及び事業展開等に重要な影響を及ぼす可能性があります。 (8)新株予約権の行使による株式価値の希薄化について当社は長期的な企業価値向上のため、役員及び従業員に対しインセンティブとして新株予約権を付与しております。当事業年度末現在、新株予約権による潜在株式総数は68,200株であり、発行済株式総数2,300,000株の2.9%に相当します。これらの新株予約権の行使可能期間は2021年10月21日から2028年9月20日までであり、この期間内に行使された場合、当社株式が新たに発行され、既存の株主が有する株式の価値及び議決権割合が希薄化する可能性があります。 (9)材料費の上昇に係るリスク当社が製造で使用するインクやインクジェット用紙は、気候変動や原油価格の高騰により価格が上昇することがあります。当社では、取引先材料メーカーを1社に限定せずに、複数社との取引を継続しており、材料価格の見直しや代替品の検討を適宜行っております。しかしながら、これら原材料の価格上昇分を製品価格に十分に転嫁できない場合、あるいは代替品の調達による採算の改善が困難な場合、当社の経営成績及び財務状況に重要な影響を及ぼす可能性があります。 (10)自然災害等のリスク当社は災害による生産体制への影響を最小化するため、大阪・横浜・名古屋・福岡に生産拠点を構え、その分散化によりリスクの低減を図っておりますが、災害による影響を完全に防止できる保証はありません。自然災害等により、設備や従業員に大きな被害を受け、その一部又は全部の操業が中断し、生産及び出荷が遅延する可能性があります。また、被害を被った設備等の修復のために多額の費用が発生し、結果として、当社の事業活動、経営成績及び財務状況に重要な影響を及ぼす可能性があります。
経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(1)経営成績等の状況の概要当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次の通りであります。 ①財政状態の状況(流動資産) 当事業年度末における流動資産の残高は、3,245,503千円(前事業年度末は2,930,504千円)となり、314,998千円増加いたしました。その主な要因といたしましては、営業活動による資金増加が投資活動及び財務活動による資金減少を上回ったことにより現金及び預金が168,601千円、売上の増加により売掛金が204,839千円それぞれ増加したことによるものであります。 (固定資産) 当事業年度末における固定資産の残高は、272,334千円(前事業年度末は261,139千円)となり、11,195千円増加いたしました。その主な要因といたしましては、長期未払金や引当金等の将来減算一時差異の増加により繰延税金資産が18,156千円増加したためであります。 (流動負債) 当事業年度末における流動負債の残高は、447,714千円(前事業年度末は309,917千円)となり、137,797千円増加いたしました。その主な要因といたしましては、仕入の増加により買掛金が58,687千円、課税所得の増加により未払法人税等が64,725千円それぞれ増加したことによるものであります。 (固定負債) 当事業年度末における固定負債の残高は、153,278千円(前事業年度末は128,747千円)となり、24,530千円増加いたしました。その主な要因といたしましては、定時株主総会において役員退職慰労金の打切り支給をご承認いただいたことに伴い、役員退職慰労引当金の引当対象外である功労金23,550千円を長期未払金に計上したことによるものであります。なお、従前より役員退職慰労引当金に引当計上していた金額についても長期未払金に計上しておりますが、役員退職慰労引当金を取り崩していますので、固定負債の増減には影響いたしません。 (純資産) 当事業年度末における純資産の残高は、2,916,845千円(前事業年度末は2,752,979千円)となり、163,865千円増加いたしました。その主な要因といたしましては、剰余金の配当71,300千円による減少があったものの、当期純利益240,390千円を計上したためであります。 ②経営成績の状況当事業年度における新型コロナウイルス感染症の状況は、1月に入ってオミクロン株による感染が急増し、3月まで多くの地域でまん延防止等重点措置が実施され、その後感染は減少傾向になったものの、7月に入ってオミクロン変異株により感染者が急増しました。当社は、こうした新型コロナウイルス感染症に対して、継続的に新型コロナウイルス感染症に対する従業員の安全を確保し、柔軟な時差出勤の実施等の各種感染防止策を実行した上で、お客様からの信頼にお応えするべく、営業体制・生産体制の両方の維持継続を図ってまいりました。感染者が増加した時期においても、大幅な行動制限は実施されなかったため、経済活動は正常化が進み、活性化してまいりました。一方、国内の経済状況の先行きは、円安の進行、資源価格の高騰、それによる電力料金の高騰やウクライナ情勢による不安定な国際情勢の影響により、いまだ不透明な状況が続いております。こうした中、当社の主要事業であるインクジェットプリント事業において、新型コロナウイルス感染症の影響による案件の延期等が発生したものの、東京と大阪における営業体制の強化や名古屋・福岡エリアにおける新規顧客獲得活動を積極的に展開するとともに、利便性を向上させたプリント通販サービス「インクイット」を8月に開設し、WEB集客の強化を図りました。これらの結果、売上は回復傾向が続き、特に9月、10月の売上は展示会やイベント開催が復活して過去最高水準となりました。また、生産体制については、原価低減活動を継続的に行うと共に、昨年8月に首都圏エリアの生産機能を横浜ファクトリーに統合したことによる大規模生産体制の構築、及び、業務の自動化等により生産性向上に向けた取組みを進めました。また、資材価格の高騰につきましては、代替品の調達等による対応を進めております。前事業年度から開始した2つの新規事業のうち、デジタルサイネージ事業については、大型の受注を獲得し、引き続き新商材やコンテンツを一元管理する仕組み(コンテンツ・マネジメント・システム)による映像配信システムの導入提案を積極的に展開しております。もう一方のデジタルプロモーション事業については、従来のネットショップの運営サポートに加えてWEBプロモーションの支援を開始し、営業体制を整備して受注拡大に努めております。以上の結果、売上高は2,915,000千円(前年同期比14.3%増加)、営業利益は376,264千円(前年同期比69.4%増加)、経常利益は377,338千円(前年同期比39.1%増加)となりました。営業利益と比較して経常利益の前年同期比増加率が低いのは、前年同期に東京本社移転に係る補償金41,250千円を営業外収益に計上したためです。特別損益について、2022年1月27日開催の第36期定時株主総会において、取締役及び監査役に対する役員退職慰労金制度廃止に伴う打切り支給についてご承認いただいたことに伴い、役員退職慰労引当金の引当対象外である功労金23,550千円を特別損失に計上いたしました。この結果、当期純利益は240,390千円(前年同期比26.8%増加)となりました。当期純利益につきましては上記の特殊要因があったものの、売上高及び各段階利益は期初想定を上回る結果となりました。なお、当社はインクジェットプリント事業を主要な事業としており、他の事業セグメントの重要性が乏しいため、セグメント別の経営成績の記載はしておりません。 ③キャッシュ・フローの状況 当事業年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は、2,499,934千円となり、前事業年度末から168,601千円増加いたしました。 当事業年度における各キャッシュ・フローの状況は、次の通りです。 (営業活動によるキャッシュ・フロー) 営業活動による資金の増加は298,073千円(前年同期比51.8%増加)となりました。これは主に、売上債権の増加額143,153千円の資金減少要因があったものの、税引前当期純利益353,568千円の資金増加要因があったことによるものであります。 (投資活動によるキャッシュ・フロー) 投資活動による資金の減少は44,363千円(前年同期は70,328千円の減少)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出38,796千円によるものであります。 (財務活動によるキャッシュ・フロー) 財務活動による資金の減少は85,108千円(前年同期は59,104千円の減少)となりました。これは主に剰余金の配当によるものであります。 ④生産、受注及び販売の実績当社はインクジェットプリント事業を主要な事業としており、他の事業セグメントの重要性が乏しいため、セグメント情報に関連付けた記載はしておりません。イ.生産実績当社の事業は、提供する商品の性格上、生産実績の記載になじまないため、当該記載を省略しております。 ロ.受注実績当社は受注生産を行っておりますが、受注から販売までの期間が短いため、記載を省略しております。 ハ.販売実績区分第37期事業年度(自 2021年11月1日 至 2022年10月31日)金額(千円)前年同期比(%)販売促進用広告制作2,394,655117.2生活資材・製品制作520,345102.9合計2,915,000114.3(注)1.デジタルサイネージ及びデジタルプロモーションについては売上が僅少であるため、販売促進用広告制作に含めております。2.主な相手先の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次の通りであります。相手先第36期事業年度(自 2020年11月1日至 2021年10月31日)第37期事業年度(自 2021年11月1日至 2022年10月31日)販売高(千円)割合(%)販売高(千円)割合(%)フリュー㈱360,96614.2--※ 第37期事業年度の主な相手先の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、当該割合が100分の10未満のため記載を省略しております。 (2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次の通りであります。なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。 ①重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定当社の財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されています。当社の財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 財務諸表等(1)財務諸表 注記事項 (重要な会計方針)」に記載しております。この財務諸表の作成にあたっては、過去の実績や状況に応じ合理的と考えられる様々な要因に基づき見積り及び判断を行っておりますが、不確実性が内在しているため、将来生じる実際の結果と異なる可能性があります。財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは以下の通りであります。イ.固定資産の減損固定資産のうち減損の兆候のある資産又は資産グループについて、当該資産又は資産グループから得られる割引前将来キャッシュ・フローの総額が帳簿価額を下回る場合には、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上しております。過年度の損益実績や事業計画に基づき減損の兆候の有無を検討しておりますが、市場環境の変化等により、事業計画の前提条件に変更が生じた場合には、減損損失の計上が必要となる可能性があります。ロ.繰延税金資産の回収可能性過年度の課税所得の実績や事業計画に基づく課税所得の見積りに基づき、回収可能性があると判断した将来減算一時差異について繰延税金資産を計上しております。繰延税金資産の回収可能性は将来の課税所得の見積りに依存するため、その見積りの前提条件に変更が生じた場合には、繰延税金資産を取り崩し税金費用の計上が必要となる可能性があります。なお、新型コロナウイルス感染症に関する会計上の見積りに係る仮定は、「第5 経理の状況 1財務諸表等(1)財務諸表 注記事項(追加情報)」に記載しております。 ②当事業年度の経営成績の分析当事業年度の経営成績は、新型コロナウイルス感染症の影響から回復基調が続き、通期では前年同期と比較して増収増益となりました。イ.売上高当事業年度の売上高は、2,915,000千円となり、前年同期と比較して14.3%増加しました。新型コロナウイルス感染症の影響による案件の延期等が発生したものの、売上の回復基調が続き、特に9月、10月の売上は展示会やイベント開催が復活して過去最高水準となりました。ロ.売上原価、売上総利益当事業年度の売上原価は、1,720,407千円となり、前年同期と比較して11.1%増加しました。主な要因は、売上高の増加により材料費が56,821千円増加したことや、取引量の増加により労務費が34,370千円増加したことに加え、デジタルサイネージ事業が本格稼働し商品仕入高が41,408千円増加したことによるものであります。この結果、当事業年度の売上総利益は、1,194,593千円となり、前年同期と比較して19.3%増加しました。ハ.販売費及び一般管理費、営業利益当事業年度の販売費及び一般管理費は、818,329千円となり、前年同期と比較して5.0%増加しました。取引量の増加により人件費が56,968千円増加したものの、前事業年度に発生した東京証券取引所市場第二部への市場変更関連費用や東京本社移転関連の費用がなくなり、支払手数料、業務委託費、消耗品費が合わせて40,135千円減少しました。この結果、当事業年度の営業利益は、376,264千円となり、前年同期と比較して69.4%増加しました。ニ.営業外収益、営業外費用、経常利益当事業年度の営業外収益は補助金収入等により1,188千円となり、営業外費用は支払利息と支払手数料で115千円となりました。この結果、当事業年度の経常利益は、377,338千円となり、前年同期と比較して39.1%増加しました。営業利益と比較して経常利益の前年同期比増加率が低いのは、前年同期に東京本社移転に係る補償金41,250千円を営業外収益に計上したためです。ホ.特別損益、税金費用、当期純利益前事業年度、当事業年度ともに特別利益は発生しておりません。特別損失は、前事業年度は機械及び装置を除却したことに伴う固定資産除却損1,429千円と東京本社移転に係る固定資産除却損1,035千円の合わせて2,464千円が発生しました。当事業年度は機械及び装置を除却したことに伴う固定資産除却損219千円と、2022年1月27日開催の第36期定時株主総会において、取締役及び監査役に対する役員退職慰労金制度廃止に伴う打切り支給についてご承認いただいたことに伴い、役員退職慰労引当金の引当対象外である功労金23,550千円を特別損失に計上いたしました。また、課税所得の増加により、税金費用は113,178千円となり、前年同期と比較して42.9%増加しました。以上の結果、当期純利益は、240,390千円となり、前年同期と比較して26.8%増加しました。 ③キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報キャッシュ・フローの状況の分析につきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」をご参照ください。当社の運転資金及び設備投資資金は原則として自己資金で賄う方針でありますが、必要に応じて借入の実行も検討いたします。当社は、資金の源泉と流動性を安定的に確保することを基本方針としております。主として営業活動によるキャッシュ・フローにより、当事業年度末の現金及び預金は2,499,934千円となっており、これを主として設備投資資金・成長のための投資資金に充当する予定であります。 ④経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等当社は、重要な経営指標として「売上高」と「売上高成長率」及び「売上高経常利益率」を掲げ、売上高成長率10%を目指しております。当事業年度の売上高は2,915,000千円となり前年同期に対して14.3%増加しました。売上高経常利益率は12.9%となり、前年同期と比べて2.3ポイント上昇しました。新型コロナウイルス感染症の収束には至っておらず、先行き不透明な状況が続いておりますが、「リアル領域」と「デジタル領域」を融合させたビジネスモデルを推進し、今後もこの3つの指標を重視しつつ、自己資本利益率を意識した経営を行うことにより、企業の成長性及び効率性の確保を図ってまいります。 ⑤経営成績に重要な影響を与える要因について当社の経営成績は、新型コロナウイルス感染症や、特定取引先への依存、同業他社との競合、人材の確保、材料費の高騰等、様々な要因の変動による影響を受ける可能性があります。このため、当社事業を取り巻く環境に注視し、内部統制システムの強化等によりこれらのリスク要因に対応してまいります。 ⑥経営者の問題意識と今後の方針について今後の見通しにつきましては、いまだ新型コロナウイルス感染症は収束に至っておらず、また、円安の進行や資源価格の高騰等により、国内の経済状況の先行きは不透明な状況が続くものと想定されますが、展示会やイベント関連の受注が力強さを戻しており、当社を取り巻く経済環境は回復基調にあります。しかしながら、当社を取り巻く環境は、引き続き、他社との受注獲得競争が続き、それに伴う価格競争の激化などの影響を受け、経営環境は厳しさを増すものと考えます。こうした課題に向けて、当社は従来のインクジェットプリント事業を軸としつつ、着実な成長を図る戦略として、①シェア拡大、②機能拡大、③領域拡大の3つを実行してまいります。シェア拡大については、2022年11月に京都営業所を開設いたしました。これは、2019年4月設立の福岡営業所、2019年10月設立の名古屋営業所の両営業所が順調に売上を伸ばしている中、更なる販売エリアの拡大を目的としています。京都において地域に密着した営業・サポート体制を構築し、確実で迅速な対応・サービスを提供すると共に、アフターコロナにおけるインバウンド需要の増加や、2025年の大阪万博に向けて関西エリアの営業の強化を図ります。また、名古屋、福岡の両拠点では、営業人員を増強して体制の強化を行います。さらに、主要な事業拠点である大阪、東京、横浜の各エリアでは、営業部門において情報や知識の共有・連携を強化することにより人材育成効果の最大化を図ると同時に、顧客満足度の向上に努めてまいります。機能拡大については、当社が主として扱っている多品種少量生産型のインクジェットプリントに加えて、オフセット印刷やシルクスクリーン印刷、オンデマンド印刷等の少品種多量生産型の案件に対応する社内制作体制や外注先との協業体制を構築することにより、幅広く受注を確保してまいります。デジタルサイネージ事業については、ハード機器の拡販に加えて、映像を配信できるCMS(コンテンツ・マネジメント・システム)の導入提案を積極的に進め、売上拡大を目指します。領域拡大については、国内一般印刷市場の規模縮小が予想される中、成長市場とされるキャラクタービジネス市場において、インクジェットプリント事業で培ってきた印刷ノウハウや保有設備を活用し、オーダーグッズ制作に参入します。印刷業界全体の市場は著しく変化しており、業績を伸ばすためには自社の経営資源を活かせる新事業にチャレンジし、これから伸びる成長市場の開拓が重要なカギとなると考えております。Tシャツや雑貨等の販売促進用グッズの製造受託に加え、キャラクターグッズを扱う法人やコンテンツホルダーとも連携してまいります。生産体制については、引き続き高収益体質の生産体制を構築するべく、生産性向上に繋がる設備投資の実行、生産知識の共有や検品の強化による品質管理の向上、材料費高騰への対応として代替品への切り替えや新素材の発掘を進めます。上記の戦略を実行するため、事業区分の再編を行います。従来の①インクジェットプリント事業、②デジタルサイネージ事業、③デジタルプロモーション事業の3区分を、①セールスプロモーション事業、②ウェブプロモーション事業の2区分に再編します。セールスプロモーション事業では販売促進用広告を取り扱い、インクジェットプリント等の販促広告商品やオーダーグッズ、デジタルサイネージの販売を行い、リアルとデジタルの二つの領域で顧客の販促・マーケティング活動をサポートし、プロモーションのワンストップサービスを実現いたします。ウェブプロモーション事業では、自社ECサイトの運営とデジタルプロモーション事業を統合し、デジタルプロモーション事業で培ったネットショップの運営サポートを自社ECサイトの運営に活かします。また、2022年8月に開設したサインディスプレイ専門サイト「インクイット」に加え、オーダーグッズ専門の通販サイトの開設を目指します。また、今後の当社のさらなる成長および企業価値の向上を実現させるには、M&A戦略が非常に重要と考えており、引き続きM&Aに関する各種調査を積極的に行い、具体的に計画を進めてまいります。
経営上の重要な契約等 4【経営上の重要な契約等】
相手先の名称契約の名称契約の内容契約期間株式会社トラース・オン・プロダクト業務提携契約デジタルサイネージ関連商品の販売企画立案2021年3月9日から2024年3月8日まで(以降1年毎自動更新)(注)株式会社ピースリーは2022年4月26日付で社名を株式会社トラース・オン・プロダクトに変更しております。
研究開発活動 5【研究開発活動】
特記すべき事項はありません。
設備投資等の概要 1【設備投資等の概要】
当事業年度の設備投資につきまして主要なものは、インクジェットプリント事業においてコストダウン・生産性・品質向上を目的としたインクジェットプリンター関連の更新等の41,660千円であり、2019年7月の増資資金及び自己資金で対応いたしました。生産能力に重要な影響を及ぼすような設備の売却・撤去はありません。なお、当社はインクジェットプリント事業を主要な事業としており、他の事業セグメントの重要性が乏しいため、セグメント別の記載は省略しております。
主要な設備の状況 2【主要な設備の状況】
2022年10月31日現在 事業所名(所在地)設備の内容帳簿価額従業員数(名)建物(千円)機械及び装置(千円)リース資産(千円)その他(千円)合計(千円)大阪本店(大阪市西区)インクジェットプリンター・加工機43711,201126,90418,55557東京本社(東京都中央区)事業所用設備9,656--3,44013,09641(1)横浜ファクトリー(横浜市神奈川区)インクジェットプリンター・加工機25,12531,2834366,17363,01976(6)名古屋営業所(名古屋市中村区)インクジェットプリンター・加工機-1,817-731,8903福岡営業所(福岡市博多区)インクジェットプリンター・加工機253270-05232(注)1.現在休止中の主要な設備はありません。2.帳簿価額のうち「その他」は、車両運搬具、工具、器具及び備品、その他の有形固定資産、ソフトウエアの合計であります。3.従業員数の( )は、臨時従業員数を外書しております。4.当社はインクジェットプリント事業を主要な事業としており、他の事業セグメントの重要性が乏しいため、セグメント別の記載は省略しております。5.上記の他、他の者から賃借している主要な設備として以下のものがあります。事業所名(所在地)設備の内容床面積(㎡)年間賃借料(千円)大阪本店(大阪市西区)建物設備1,200.5835,511東京本社(東京都中央区)建物設備442.6128,920横浜ファクトリー(横浜市神奈川区)建物設備3,047.6592,363名古屋営業所(名古屋市中村区)建物設備95.173,460福岡営業所(福岡市博多区)建物設備52.631,432
設備の新設、除却等の計画 3【設備の新設、除却等の計画】
(1)重要な設備の新設等事業所名(所在地)設備の内容投資予定金額資金調達方法着手及び完了予定年月完成後の増加能力予算総額(千円)既支払額(千円)着手完了大阪本店(大阪市西区)インクジェットプリンター・加工機1,600-増資資金2022年11月2023年1月(注)231,000-増資資金2022年11月2023年5月(注)24,000-自己資金2023年11月2023年11月(注)219,000-自己資金2023年11月2024年5月(注)2横浜ファクトリー(横浜市神奈川区)インクジェットプリンター・加工機1,600-増資資金2022年11月2023年1月(注)231,000-増資資金2022年11月2023年5月(注)210,000-自己資金2023年11月2023年11月(注)216,000-自己資金2023年11月2024年1月(注)240,000-自己資金2023年11月2024年5月(注)2福岡営業所(福岡市博多区)インクジェットプリンター・加工機1,600-増資資金2022年11月2022年12月(注)21,600-自己資金2023年11月2024年5月(注)2(注)1.当社はインクジェットプリント事業を主要な事業としており、他の事業セグメントの重要性が乏しいため、セグメント別の記載は省略しております。2.完成後の増加能力については、計数的把握が困難なため、記載を省略しております。 (2)除却等生産能力に重大な影響を与える除却等はありません。

Employees

平均年齢(年)、提出会社の状況、従業員の状況37
平均勤続年数(年)、提出会社の状況、従業員の状況8
平均年間給与、提出会社の状況、従業員の状況5,270,054

Investment

株式の保有状況 (5)【株式の保有状況】
①投資株式の区分の基準及び考え方当社は、純投資目的である投資株式は保有しておらず、投資株式の区分の基準及び考え方は定めておりません。 ②保有目的が純投資以外の目的である投資株式該当事項はありません。 ③保有目的が純投資目的である投資株式該当事項はありません。

Shareholders

大株主の状況 (6)【大株主の状況】
2022年10月31日現在
氏名又は名称住所所有株式数(千株)発行済株式(自己株式を除く。)の総数に対する所有株式数の割合(%)
英知興産株式会社兵庫県西宮市上甲東園1-23-101,27055.34
吉岡 裕之大阪府茨木市1134.92
池谷 誠一相模原市中央区703.07
松井 秀紀東京都杉並区682.96
上田八木短資株式会社大阪市中央区高麗橋2-4-2502.17
冨安 理之札幌市東区492.13
松井証券株式会社東京都千代田区麴町1-4451.97
株式会社SBIネオトレード証券東京都港区六本木1-6-1451.96
永井 詳二東京都港区381.65
STATE STREET BANK AND TRUST COMPANY FOR STATE STREET BANK INTERNATIONAL GMBH, LUXEMBOURG BRANCH ON BEHALF OF ITS CLIENTS : CLIENT OMNI OM25(常任代理人 香港上海銀行東京支店)P.O. BOX 351 BOSTON MASSACHUSETTS 02101 U.S.A.(東京都中央区日本橋3-11-1)361.59計-1,78577.80
株主数-金融機関2
株主数-金融商品取引業者15
株主数-外国法人等-個人2
株主数-外国法人等-個人以外12
株主数-個人その他1,177
株主数-その他の法人12
株主数-計1,220
氏名又は名称、大株主の状況STATE STREET BANK AND TRUST COMPANY FOR STATE STREET BANK INTERNATIONAL GMBH, LUXEMBOURG BRANCH ON BEHALF OF ITS CLIENTS : CLIENT OMNI OM25(常任代理人 香港上海銀行東京支店)
株主総利回り1
株主総会決議による取得の状況 (1)【株主総会決議による取得の状況】
 該当事項はありません。
株主総会決議又は取締役会決議に基づかないものの内容 (3)【株主総会決議又は取締役会決議に基づかないものの内容】
区分株式数(株)価額の総額(円)当事業年度における取得自己株式3943,875当期間における取得自己株式--

Shareholders2

自己株式の取得-10,024,000
自己株式の取得による支出、財務活動によるキャッシュ・フロー-10,084,000
発行済株式及び自己株式に関する注記 1.発行済株式の種類及び総数並びに自己株式の種類及び株式数に関する事項 当事業年度期首株式数(株)当事業年度増加株式数(株)当事業年度減少株式数(株)当事業年度末株式数(株)発行済株式 普通株式2,300,000--2,300,000合計2,300,000--2,300,000自己株式 普通株式 (注)1.2.-10,0394,8005,239合計-10,0394,8005,239(注)1.普通株式の自己株式の株式数の増加10,039株は、取締役会決議による自己株式の取得による増加10,000株、単元未満株式の買取による増加39株であります。2.普通株式の自己株式の株式数の減少4,800株は、2022年3月11日に実施した当社取締役に対する譲渡制限付株式報酬としての自己株式の処分によるものであります。

Audit1

監査法人1、個別PwC京都監査法人
独立監査人の報告書、個別 独立監査人の監査報告書及び内部統制監査報告書 2023年1月26日株式会社ビーアンドピー 取締役会 御中 PwC京都監査法人 京都事務所 指定社員業務執行社員 公認会計士中村 源 指定社員業務執行社員 公認会計士浦上 卓也 <財務諸表監査>監査意見 当監査法人は、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づく監査証明を行うため、「経理の状況」に掲げられている株式会社ビーアンドピーの2021年11月1日から2022年10月31日までの第37期事業年度の財務諸表、すなわち、貸借対照表、損益計算書、株主資本等変動計算書、キャッシュ・フロー計算書、重要な会計方針、その他の注記及び附属明細表について監査を行った。 当監査法人は、上記の財務諸表が、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して、株式会社ビーアンドピーの2022年10月31日現在の財政状態並びに同日をもって終了する事業年度の経営成績及びキャッシュ・フローの状況を、全ての重要な点において適正に表示しているものと認める。 監査意見の根拠 当監査法人は、我が国において一般に公正妥当と認められる監査の基準に準拠して監査を行った。監査の基準における当監査法人の責任は、「財務諸表監査における監査人の責任」に記載されている。当監査法人は、我が国における職業倫理に関する規定に従って、会社から独立しており、また、監査人としてのその他の倫理上の責任を果たしている。当監査法人は、意見表明の基礎となる十分かつ適切な監査証拠を入手したと判断している。 監査上の主要な検討事項 監査上の主要な検討事項とは、当事業年度の財務諸表の監査において、監査人が職業的専門家として特に重要であると判断した事項である。監査上の主要な検討事項は、財務諸表全体に対する監査の実施過程及び監査意見の形成において対応した事項であり、当監査法人は、当該事項に対して個別に意見を表明するものではない。 収益認識(売上高の期間帰属)監査上の主要な検討事項の内容及び決定理由監査上の対応 株式会社ビーアンドピーは、広告製品の制作・販売を主たる事業としており、損益計算書において売上高2,915,000千円を計上している。 注記事項(会計方針の変更)に記載されているとおり、「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を当事業年度の期首から適用し、約束した財またはサービスの支配が顧客に移転した時点で、当該財またはサービスと交換に受け取ると見込まれる金額で収益を認識することとしている。 売上高については、以下の理由から、決算月の売上高が、適切な期間に計上されないリスクが存在する。・業績予想が外部投資家へ公表されているため、経営者は目標達成のためのプレッシャーを感じる可能性があること・業績予想は年間単位で出されており、目標未達の場合におけるプレッシャーは、決算月で高くなること・決算月付近の売上高には財務諸表作成までの期間に、入金予定日が到来していないため、入金の確認がなされない可能性があること 以上から、当監査法人は、売上高の期間帰属の適切性の検討が、当事業年度の財務諸表監査において特に重要であり、「監査上の主要な検討事項」に該当すると判断した。 当監査法人は、株式会社ビーアンドピーの売上高の期間帰属の妥当性を検討するにあたり、以下の監査手続を実施した。(1)内部統制の評価 販売プロセスにおける売上計上に関する内部統制の整備及び運用状況の有効性を評価した。当該内部統制の評価に当たっては、販売部門と独立した制作部門管轄の出荷業務関連証憑や経営管理部門による請求・入金関連証憑を照合する統制に焦点をあてた。(2)売上高が履行義務を充足した適切な会計期間に認識されているか否かの検討・決算月付近の売上高に対応する売上債権の残高確認を決算日基準で実施し、修正すべき売上高の有無、当監査法人の取引の理解と不整合な理由による確認差異の有無を検討した。・決算月の売上明細について、サンプリングにて、出荷関連資料と照合した。・決算月の翌月の取引として記帳された売上取消に係る仕訳の内容を確認し、当事業年度売上の修正の有無を検討した。 その他の記載内容 その他の記載内容は、有価証券報告書に含まれる情報のうち、財務諸表及びその監査報告書以外の情報である。経営者の責任は、その他の記載内容を作成し開示することにある。また、監査役及び監査役会の責任は、その他の記載内容の報告プロセスの整備及び運用における取締役の職務の執行を監視することにある。 当監査法人の財務諸表に対する監査意見の対象にはその他の記載内容は含まれておらず、当監査法人はその他の記載内容に対して意見を表明するものではない。 財務諸表監査における当監査法人の責任は、その他の記載内容を通読し、通読の過程において、その他の記載内容と財務諸表又は当監査法人が監査の過程で得た知識との間に重要な相違があるかどうか検討すること、また、そのような重要な相違以外にその他の記載内容に重要な誤りの兆候があるかどうか注意を払うことにある。 当監査法人は、実施した作業に基づき、その他の記載内容に重要な誤りがあると判断した場合には、その事実を報告することが求められている。 その他の記載内容に関して、当監査法人が報告すべき事項はない。 財務諸表に対する経営者並びに監査役及び監査役会の責任 経営者の責任は、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して財務諸表を作成し適正に表示することにある。これには、不正又は誤謬による重要な虚偽表示のない財務諸表を作成し適正に表示するために経営者が必要と判断した内部統制を整備及び運用することが含まれる。 財務諸表を作成するに当たり、経営者は、継続企業の前提に基づき財務諸表を作成することが適切であるかどうかを評価し、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づいて継続企業に関する事項を開示する必要がある場合には当該事項を開示する責任がある。 監査役及び監査役会の責任は、財務報告プロセスの整備及び運用における取締役の職務の執行を監視することにある。 財務諸表監査における監査人の責任 監査人の責任は、監査人が実施した監査に基づいて、全体としての財務諸表に不正又は誤謬による重要な虚偽表示がないかどうかについて合理的な保証を得て、監査報告書において独立の立場から財務諸表に対する意見を表明することにある。虚偽表示は、不正又は誤謬により発生する可能性があり、個別に又は集計すると、財務諸表の利用者の意思決定に影響を与えると合理的に見込まれる場合に、重要性があると判断される。 監査人は、我が国において一般に公正妥当と認められる監査の基準に従って、監査の過程を通じて、職業的専門家としての判断を行い、職業的懐疑心を保持して以下を実施する。・ 不正又は誤謬による重要な虚偽表示リスクを識別し、評価する。また、重要な虚偽表示リスクに対応した監査手続を立案し、実施する。監査手続の選択及び適用は監査人の判断による。さらに、意見表明の基礎となる十分かつ適切な監査証拠を入手する。・ 財務諸表監査の目的は、内部統制の有効性について意見表明するためのものではないが、監査人は、リスク評価の実施に際して、状況に応じた適切な監査手続を立案するために、監査に関連する内部統制を検討する。・ 経営者が採用した会計方針及びその適用方法の適切性、並びに経営者によって行われた会計上の見積りの合理性及び関連する注記事項の妥当性を評価する。・ 経営者が継続企業を前提として財務諸表を作成することが適切であるかどうか、また、入手した監査証拠に基づき、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況に関して重要な不確実性が認められるかどうか結論付ける。継続企業の前提に関する重要な不確実性が認められる場合は、監査報告書において財務諸表の注記事項に注意を喚起すること、又は重要な不確実性に関する財務諸表の注記事項が適切でない場合は、財務諸表に対して除外事項付意見を表明することが求められている。監査人の結論は、監査報告書日までに入手した監査証拠に基づいているが、将来の事象や状況により、企業は継続企業として存続できなくなる可能性がある。・ 財務諸表の表示及び注記事項が、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠しているかどうかとともに、関連する注記事項を含めた財務諸表の表示、構成及び内容、並びに財務諸表が基礎となる取引や会計事象を適正に表示しているかどうかを評価する。 監査人は、監査役及び監査役会に対して、計画した監査の範囲とその実施時期、監査の実施過程で識別した内部統制の重要な不備を含む監査上の重要な発見事項、及び監査の基準で求められているその他の事項について報告を行う。 監査人は、監査役及び監査役会に対して、独立性についての我が国における職業倫理に関する規定を遵守したこと、並びに監査人の独立性に影響を与えると合理的に考えられる事項、及び阻害要因を除去又は軽減するためにセーフガードを講じている場合はその内容について報告を行う。 監査人は、監査役及び監査役会と協議した事項のうち、当事業年度の財務諸表の監査で特に重要であると判断した事項を監査上の主要な検討事項と決定し、監査報告書において記載する。ただし、法令等により当該事項の公表が禁止されている場合や、極めて限定的ではあるが、監査報告書において報告することにより生じる不利益が公共の利益を上回ると合理的に見込まれるため、監査人が報告すべきでないと判断した場合は、当該事項を記載しない。 <内部統制監査>監査意見 当監査法人は、金融商品取引法第193条の2第2項の規定に基づく監査証明を行うため、株式会社ビーアンドピーの2022年10月31日現在の内部統制報告書について監査を行った。 当監査法人は、株式会社ビーアンドピーが2022年10月31日現在の財務報告に係る内部統制は有効であると表示した上記の内部統制報告書が、我が国において一般に公正妥当と認められる財務報告に係る内部統制の評価の基準に準拠して、財務報告に係る内部統制の評価結果について、全ての重要な点において適正に表示しているものと認める。 監査意見の根拠 当監査法人は、我が国において一般に公正妥当と認められる財務報告に係る内部統制の監査の基準に準拠して内部統制監査を行った。財務報告に係る内部統制の監査の基準における当監査法人の責任は、「内部統制監査における監査人の責任」に記載されている。当監査法人は、我が国における職業倫理に関する規定に従って、会社から独立しており、また、監査人としてのその他の倫理上の責任を果たしている。当監査法人は、意見表明の基礎となる十分かつ適切な監査証拠を入手したと判断している。 内部統制報告書に対する経営者並びに監査役及び監査役会の責任 経営者の責任は、財務報告に係る内部統制を整備及び運用し、我が国において一般に公正妥当と認められる財務報告に係る内部統制の評価の基準に準拠して内部統制報告書を作成し適正に表示することにある。 監査役及び監査役会の責任は、財務報告に係る内部統制の整備及び運用状況を監視、検証することにある。 なお、財務報告に係る内部統制により財務報告の虚偽の記載を完全には防止又は発見することができない可能性がある。 内部統制監査における監査人の責任 監査人の責任は、監査人が実施した内部統制監査に基づいて、内部統制報告書に重要な虚偽表示がないかどうかについて合理的な保証を得て、内部統制監査報告書において独立の立場から内部統制報告書に対する意見を表明することにある。 監査人は、我が国において一般に公正妥当と認められる財務報告に係る内部統制の監査の基準に従って、監査の過程を通じて、職業的専門家としての判断を行い、職業的懐疑心を保持して以下を実施する。・ 内部統制報告書における財務報告に係る内部統制の評価結果について監査証拠を入手するための監査手続を実施する。内部統制監査の監査手続は、監査人の判断により、財務報告の信頼性に及ぼす影響の重要性に基づいて選択及び適用される。・ 財務報告に係る内部統制の評価範囲、評価手続及び評価結果について経営者が行った記載を含め、全体としての内部統制報告書の表示を検討する。・ 内部統制報告書における財務報告に係る内部統制の評価結果に関する十分かつ適切な監査証拠を入手する。監査人は、内部統制報告書の監査に関する指示、監督及び実施に関して責任がある。監査人は、単独で監査意見に対して責任を負う。 監査人は、監査役及び監査役会に対して、計画した内部統制監査の範囲とその実施時期、内部統制監査の実施結果、識別した内部統制の開示すべき重要な不備、その是正結果、及び内部統制の監査の基準で求められているその他の事項について報告を行う。 監査人は、監査役及び監査役会に対して、独立性についての我が国における職業倫理に関する規定を遵守したこと、並びに監査人の独立性に影響を与えると合理的に考えられる事項、及び阻害要因を除去又は軽減するためにセーフガードを講じている場合はその内容について報告を行う。 利害関係 会社と当監査法人又は業務執行社員との間には、公認会計士法の規定により記載すべき利害関係はない。 以  上  (注)1.上記の監査報告書の原本は当社(有価証券報告書提出会社)が別途保管しております。2.XBRLデータは監査の対象には含まれていません。
監査上の主要な検討事項、個別 監査上の主要な検討事項 監査上の主要な検討事項とは、当事業年度の財務諸表の監査において、監査人が職業的専門家として特に重要であると判断した事項である。監査上の主要な検討事項は、財務諸表全体に対する監査の実施過程及び監査意見の形成において対応した事項であり、当監査法人は、当該事項に対して個別に意見を表明するものではない。 収益認識(売上高の期間帰属)監査上の主要な検討事項の内容及び決定理由監査上の対応 株式会社ビーアンドピーは、広告製品の制作・販売を主たる事業としており、損益計算書において売上高2,915,000千円を計上している。 注記事項(会計方針の変更)に記載されているとおり、「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を当事業年度の期首から適用し、約束した財またはサービスの支配が顧客に移転した時点で、当該財またはサービスと交換に受け取ると見込まれる金額で収益を認識することとしている。 売上高については、以下の理由から、決算月の売上高が、適切な期間に計上されないリスクが存在する。・業績予想が外部投資家へ公表されているため、経営者は目標達成のためのプレッシャーを感じる可能性があること・業績予想は年間単位で出されており、目標未達の場合におけるプレッシャーは、決算月で高くなること・決算月付近の売上高には財務諸表作成までの期間に、入金予定日が到来していないため、入金の確認がなされない可能性があること 以上から、当監査法人は、売上高の期間帰属の適切性の検討が、当事業年度の財務諸表監査において特に重要であり、「監査上の主要な検討事項」に該当すると判断した。 当監査法人は、株式会社ビーアンドピーの売上高の期間帰属の妥当性を検討するにあたり、以下の監査手続を実施した。(1)内部統制の評価 販売プロセスにおける売上計上に関する内部統制の整備及び運用状況の有効性を評価した。当該内部統制の評価に当たっては、販売部門と独立した制作部門管轄の出荷業務関連証憑や経営管理部門による請求・入金関連証憑を照合する統制に焦点をあてた。(2)売上高が履行義務を充足した適切な会計期間に認識されているか否かの検討・決算月付近の売上高に対応する売上債権の残高確認を決算日基準で実施し、修正すべき売上高の有無、当監査法人の取引の理解と不整合な理由による確認差異の有無を検討した。・決算月の売上明細について、サンプリングにて、出荷関連資料と照合した。・決算月の翌月の取引として記帳された売上取消に係る仕訳の内容を確認し、当事業年度売上の修正の有無を検討した。
全体概要、監査上の主要な検討事項、個別  監査上の主要な検討事項とは、当事業年度の財務諸表の監査において、監査人が職業的専門家として特に重要であると判断した事項である。監査上の主要な検討事項は、財務諸表全体に対する監査の実施過程及び監査意見の形成において対応した事項であり、当監査法人は、当該事項に対して個別に意見を表明するものではない。
見出し、監査上の主要な検討事項、個別収益認識(売上高の期間帰属)
その他の記載内容、個別 その他の記載内容 その他の記載内容は、有価証券報告書に含まれる情報のうち、財務諸表及びその監査報告書以外の情報である。経営者の責任は、その他の記載内容を作成し開示することにある。また、監査役及び監査役会の責任は、その他の記載内容の報告プロセスの整備及び運用における取締役の職務の執行を監視することにある。 当監査法人の財務諸表に対する監査意見の対象にはその他の記載内容は含まれておらず、当監査法人はその他の記載内容に対して意見を表明するものではない。 財務諸表監査における当監査法人の責任は、その他の記載内容を通読し、通読の過程において、その他の記載内容と財務諸表又は当監査法人が監査の過程で得た知識との間に重要な相違があるかどうか検討すること、また、そのような重要な相違以外にその他の記載内容に重要な誤りの兆候があるかどうか注意を払うことにある。 当監査法人は、実施した作業に基づき、その他の記載内容に重要な誤りがあると判断した場合には、その事実を報告することが求められている。 その他の記載内容に関して、当監査法人が報告すべき事項はない。

BS資産

電子記録債権、流動資産53,076,000
仕掛品6,548,000
有形固定資産88,571,000
ソフトウエア8,514,000
無形固定資産33,145,000
長期前払費用1,206,000
繰延税金資産68,111,000
投資その他の資産150,617,000

BS負債、資本

未払金19,305,000
未払法人税等106,497,000
未払費用33,591,000
賞与引当金37,516,000
リース債務、流動負債490,000
長期未払金145,450,000
資本剰余金276,009,000
利益剰余金2,360,069,000
負債純資産3,517,837,000

PL

売上原価1,720,407,000
販売費及び一般管理費818,329,000
受取利息、営業外収益0
営業外収益1,188,000
支払利息、営業外費用54,000
その他、流動資産672,000
営業外費用115,000
固定資産除却損、特別損失219,000
特別損失23,769,000
法人税、住民税及び事業税131,334,000
法人税等調整額-18,156,000
法人税等113,178,000

PL2

剰余金の配当-71,300,000
当期変動額合計163,865,000

営業活動によるキャッシュ・フロー

減価償却費、営業活動によるキャッシュ・フロー49,807,000
賞与引当金の増減額、営業活動によるキャッシュ・フロー12,516,000
受取利息及び受取配当金、営業活動によるキャッシュ・フロー0